建設委員会 第16号
- 発言数
- 96 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1964/03/27
会議録
○丹羽委員長 これより会議を開きます。 公営住宅法第六条第三項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題とし、審査を進めます。 本日は、本件審査のため、東京都住宅局技監桐生政夫君、計画部長服部源太郎君及び雇用促進事業団理事花沢武夫君の三名の諸君を参考人として、意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○丹羽委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 —————————————
○丹羽委員長 本件について質疑を続行いたします。兒玉末男君。
○兒玉委員 提案をされております公営住宅三カ年計画に対する承認の件につきまして、前田住宅局長に御質問したいと思います。 第一点としてお伺いしたいことは、政府の提案説明にもございますように、これから大体必要とする住宅の戸数というものが七百八十万戸ということを説明されております。それにつきまして、国または地方公共団体が三百戸を建設する、こういう数字から判断いたしますと、ここに提案されております第一種、第二種の公営住宅は、向こう三カ年間に二十万戸という計画でございますならば、一体政府が考えておる住宅不足解消ということは、何年間くらいで解消できるのか、この点についてまずお伺いしたいと思います。
○前田(光)政府委員 七百八十万戸の住宅建設計画は、現在の住宅不足を解消し、同時に今後必要となる新規の需要に対処するために、昭和四十五年度までの計画でございます。昭和四十五年度まで、われわれの計画どおり住宅の建設を進めてまいりますと、現在のいわゆる住宅不足を解消し、その間における新規の需要を充足し得る、こういう観点に立ちました数字でございます。
○兒玉委員 いまの局長の答弁、きわめて大事だと思いますので、言われました昭和四十五年度までに、この資料に出されております。百八十万戸というものは、大体完全に消化できるという意味でございますか。
○前田(光)政府委員 現在までの住宅建設の実績、及び将来の日本の住宅建設能力の推移から見まして、七百八十万戸は、今後七カ年には十分達成できると考えております。
○兒玉委員 ここで説明されております第一種の公営住宅が八万戸、第二種が十二万戸、合計二十万戸でございますが、この計算でいきますと、結局向こう六年間に、数学的に計算をいたしますと、公営住宅は四十万戸くらいしかできない計算になると思うのです。そういたしますと、この三カ年計画の中に説明されている国または地方公共団体において消化しようとする三百万戸という数字とは相当な隔たりがあると思うのですが、この三百万戸と、さらに六年間で約四十万戸の公営住宅との関係はどういうふうになつておるのか、お答えを願いたいと存じます。
○前田(光)政府委員 低所得者住宅三百万戸の内容は、政府は公営住宅として、公営住宅法によりまして補助を出し、低所得者のために公共団体がつくっておる公営住宅のほかに、個人で、自分で住宅を持ちたい方に、住宅金融公庫等を通じまして資金の融通をいたしております。さらにまた、先般御審議いただきましたように、産業労働者住宅につきましては、企業と政府と一体となりまして、これを建設していく、あるいは厚生年金の還元によりまして住宅建設を進めております。その他、住宅公団によりまして、大都市の近郊におきまして団地開発による住宅建設をいたしております。こういうように、国民の実態に応じ、国民の要望に沿うようにいたしまして、各種の住宅供給を進めております。 今回の公営住宅は、その中の、特に低所得者のためのものでありまして、この三カ年におきましては二十万戸を予定しておりますけれども、その以降のことにつきましては、さらにこれを増大いたしたい、こう思いまして、全体のバランスを見まして、二十万戸が適当であろう、こう考えまして、立案したのであります。
○兒玉委員 繰り返して言うようですけれども、この公営住宅の計画は、昭和二十七年から、三年ごとを一期として、今日まで住宅政策が進められてきているわけですが、昭和二十七年から昭和三十八年度までの間に、一種、二種を含めて大体どの程度の住宅が建設されてきたのか。同時に、これは今後の政府の計画を遂行する上において、きわめて重要な参考になろうと思いますので、お聞かせを願いたいと存じます。
○前田(光)政府委員 ただいまの御質問は、昭和二十七年に公営住宅の三カ年計画が始まったときからの実績についての御質問かと存じますが、第一期の期間、昭和二十七年、二十八年、二十九年、この期間におきましては、合計で十二万四千二十戸建設いたしております。その次の第二期の昭和三十年から昭和三十二年までには、十四万二千百九十五戸の建設を行なっております。第三期は、同じく十四万四千十四戸でございます。第四期の昭和三十六年から本年度、三十八年度までにおきますこの期間におきましては、合計十六万一千二百九十六戸の建設を行なっております。
○兒玉委員 いまの局長が申されました数字から判断いたしますと、一期ごとの増加率というものが大体一割五分平均になろうかと思うのです。そういたしますと、いままでよりも、将来の住宅建設ということは、特に問題となっている宅地造成が、こういうような非常に困難な情勢の中においては、私は、今度の第五期二十万戸の建設というものは、相当困難が伴うと予想されるわけでございますが、これらの点に対する、特に宅地造成等の地価の値上がりというもの等と関連して考えます場合に、二十万戸達成の可能性、またそれに対する宅住造成等の計画、こういうもの等はどうでございますか。
○前田(光)政府委員 ただいま御指摘のとおり、二十万戸の計画ということは相当困難を伴う大事業と存じます。しかしながら、最近の低所得者における住宅不足の状況を緩和いたしますためには、ぜひともこれを完成したいと思うのであります。特に御指摘の宅地問題につきましても困難がございますが、公共団体におきましても、あるいは事前に工事の始まる前に、計画的に宅地を取得しておくとか、あるいはまた昨年の国会で御審議いただきました新しい新住宅市街地開発法等によりまして、大団地を取得してやるとか、あるいは住宅金融公庫の融資を使って宅地造成をやるとか、あらゆる手段を用いまして、適当な宅地をなるべく事前に取得しておくという手法を加えまして、ぜひともこの計画戸数の達成をいたしたいと思って、目下準備をしておる次第でございます。
○兒玉委員 これからの住宅の形態というものが、戦後のいわゆるまず質よりも量という形態から、だんだん質を向上させるということのほうに、やはり一般国民大衆の要望が強いと思うのです。でありますから、この過去四期にわたる公営住宅の中において、いわゆる木造とそのほかのいわゆる鉄筋等による建物とあると思うのですが、それはどういうふうになっているのか。 もう一つは、二十万戸の第五期の計画は、その内容はどういうふうになっているのか、この二点についてお聞かせを願いたいと思います。
○前田(光)政府委員 御指摘のとおり、公営住宅の建設につきましても、単に量の供給ではなくて、その質の向上をはかっていくということは当然でございます。その方針に従いまして、逐次その改善をはかっておりますが、この第五期の計画につきまして申し上げますと、まず不燃率を高めまして、三十九年度には、前年度よりも一〇%引き上げまして、八四%の不燃構造にいたしております。これにつきましては、将来におきまして、四十年度、四十一年度には全部不燃住宅にしたいというふうに考えております。また不燃住宅のうちでも特にいわゆる中層耐火構造、高層アパートを多くしたい、こう考えまして、この率も、本年度は昨年度より引き上げましたけれども、これもさらに引き上げまして、来年度におきましては四〇%、その次におきましては五〇%近く、耐火構造にしたいというふうに思っております。さらに規模につきましても、現在は九・五坪ないし十三坪でございますが、来年度以降におきましては、さらにこれを一年間一坪くらい引き上げるということにいたしまして、快適な生活ができるように、できる限りの努力をする所存でございます。
○兒玉委員 特に私は、住宅政策の中において一番必要な条件というのは、やはり家賃ができるだけ安いということと、それから、その建物が、先ほど言ったように、やはり恒久性を持つ不燃性の住宅でなければいけない、こういうふうに考えるわけですが、ここにいま政府が出されておる第一種の住宅と第二種の場合、私は今日の国民各層の所得の状況等から判断いたしましても、まだ第二種公営住宅にいま少しウエートをかけるべきだと思うのですが、現在まで建てられておる公営住宅のいわゆる入居の状況といいますか、第二種と第一種の割合はどういうふうになっているのか。これはたとえば低所得、中所得、高所得、大体こういう三つの段階にランクされると思いますけれども、現在までの入居状況がどういう形においてランクされておるか、わかりましたならば、こまかくなくてもいいので、大体の状況をひとつお聞かせ願いたいと思います。
○前田(光)政府委員 住宅困窮を訴えておる方々の収入状況を調べてみますと、公営住宅の第二種に入り得る程度の収入の方、具体的に申し上げますと、実収入で三万三千円前後の方、これが現在の推計では三割余り、三二%でございます。それから、それ以上、第一種階級と申しますか、平均実収入で五万一千円程度のものでございます。これが約三四%くらいでございますが、低所得者の方々は自分でおつくりになることも困難であろう、こういうふうに考えまして、特に公営住宅につきましては、第二種に重点をおきまして、全体の六〇%を引き当てるというふうにいたしまして、今回の二十万戸計画の中でも、六割を第二種に持っていくというふうに考えております。
○兒玉委員 大体、住宅事情で、先ほど住宅局長が言われましたように、所得のほうは、大体金額においてその区別がなされているわけですけれども、やはり私は、今後の住宅政策の中において、物価の上昇に応じて、それぞれ各階層の所得の比率というものが高くなってくると思うのです。その場合に、一定の基準額をこえると入居資格を失う、こういうために相当苦しんでいる大衆が多いと思うのです。ですから、やはり一種、二種の入居資格の基準となる所得金額というものに、ある程度弾力性を持たせる方向をとっていくべきじゃないか。五年前もまた五年先も、その基準をオーバーすると資格を喪失する、こういう考え方はあまりにしゃくし定木的ではないかと思うのですが、その辺の入居資格の基準について、やはり経済の成長に伴って入居者の所得も上がっていくのは当然でございますので、こういうふうな、いわゆる基準に若干の抵触があったからということで、すぐ入居資格を失うということは、これは私はもう少し検討すべき必要性があるのじゃなかろうかと思うのですが、少なくとも入居をするときの資格を保持すれば、半永久的とまではいかなくても、ある程度の長期の期間、入居資格というものは保障されるべき方向に持っていくべきだと思うのですが、この点についての局長の見解を承りたいと思います。
○前田(光)政府委員 お話のとおり、戦後収入の額に非常の変化がございました。それに伴いまして、この公営住宅の収入基準も、制度創設以来数回変更いたしました。この前の変更は昭和三十七年に行なったのでございますが、その前は昭和二十九年から据え置いております。厳密に収入基準に合わせるのも一つの案でございますが、先生いま御指摘のような事情もございますので、住宅困窮者の生活の実態というものを十分検討いたしまして、慎重に扱っていきたいものと思っております。
○兒玉委員 それから、この前は住宅公団の総裁に聞いたのですが、最近非常に同一行政区画、区域の中における相互間の移動というものが多いわけです。ところが、現在の公営住宅に関する規定からいきますと、相互に入れかえができない。こういう非常に不便な点があるわけですが、この点は各地区の関係者から相当要請も強いわけです。これが他の市町村にわたる場合、これは当然不可能にいたしましても、同一市町村等内における場合、あるいは区内における相互交流ということについて、公団の総裁の御答弁によりますと、現在できないということでございましたが、これらの点についての、いわゆる相互交流を認めるというふうなことは考えられないのかどうか。またそういうふうな一つの法律の改正といいますか——これは規則か規定だと思うのですが、その辺の点についてはどうでございますか。
○前田(光)政府委員 公営住宅に対する入居の希望の方が非常に多うございますので、公平を期するために、あるいは厳重な扱いをしておるものもあると存じます。住宅公団におきましても、たとえば、総裁も話したと思いますけれども、東京都内における変更ということにつきましては、いろいろ不公平を招くおそれもございますので、厳重にやっておりましたが、住宅の実態に即しますように、さらに十分検討してまいりたいと存じます。
○兒玉委員 現在そういうふうな、たとえば権利の譲渡というようなことでなくて、たとえば学校の先生方が勤務場所を変わる、そういう公的な理由に基く場合は、当然その資格、条件から考えましても、いわゆる正しくその人が入るということが確認をされますならば、もう少し弾力性のある措置をとるべきだと思うのであります。おそらく現在では、全然できないという状況になっているんじゃないかと思うのですが、その辺はいかがでありますか。
○前田(光)政府委員 公共団体によりまして、扱いに若干の相違があろうと思いますが、絶対にやってないということはありません。実情に応じてやっておりますけれども、これをルーズに認めますと、非常な弊害を伴うおそれがありますので、いままでのところは、ある程度厳重な条件によりまして、真にやむを得ない場合等につきましては、やっておるでしょうけれども、それ以外のものにつきましては、なるべく不公平にならないようにということを配慮する関係上、あるいは厳重にやっておるかしれませんけれども、実態に即し、公平を欠かない限りにおいては、御趣旨に沿うよう配慮を加えるのは当然だと思います。
○兒玉委員 それから、公営住宅の個人への払い下げの関係でございますけれども、これは、もちろん国なり地方自治体が国民全体の税金でつくっておる住宅でありますから、そうかってに払い下げはできないにいたしましても、地方自治体が維持管理する上において、十年も十五年もたったような家を、やたらにいつまでも公営住宅として存続することは、住宅政策として決して私は好ましい姿ではないと思うのです。でありまするから、一定の期間を経過したものについては、やはりこれを個人を対象とする払い下げなり、あるいはその基準を緩和しながら、新しい公営住宅をどんどん拡大していくことが、住宅政策の理想的な姿ではないかと思うのですが、現在までのいわゆる払い下げの基準、これは不燃性と木造等によって違うと思うのですが、そのような場合の基準は、大体どういうふうな状況になっておるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○前田(光)政府委員 現在、法律によりまして、公営住宅は、建設後耐用年数の四分の一を過ぎたものについて、特別の事由がある場合には、譲渡処分ができることになっておりまして、これをかなり厳重な基準によりまして、たとえば、災害等によりまして非常にこわれて、それの維持管理修繕等に非常にかかる場合とか、あるいはまた非常に小さい団地で、維持管理することがかえって適当でないという場合とか、そういう場合に限りまして譲渡をいたしております。ただいまお話しのように、住宅に対する、個人が持ちたいという御希望、及び公営住宅を維持管理する公共団体の財政上の見地等から、これの譲渡処分につきまして、さらに緩和するようにという御意向が強く出ておりますが、一面また都市計画上の見地から、せっかく得た土地を有効に活用するという面もございますので、目下慎重に譲渡処分の方針につきまして検討いたしておる状況でございます。
○兒玉委員 私たちの見たところでは、特に木造の住宅等で、相当内部が質が低下しまして、やはりそこに住んでいる人の自費でかなり改造しておる面も見受けるわけですが、そういうふうな点については、もちろん基準は厳格にしなくてはいけないでしょうけれども、その地域における実情というものを十分勘案して、その住民の要望にこたえるように努力してもらいたい、これは要望であります。 次に、公営住宅のいままでの実績から勘案いたしまして、お聞きいたしたいのでありますが、大体建設省が各地方自治体に予算のワクを落としてやっても、実際それが、先ほど申し上げましたが、宅地の取得が困難だとか、あるいはまた予算単価と実際の建築単価というものに非常に誤差があるために、地方自治体は国から交付されました助成金だけで十分に消化できないという点等が、私の宮崎県の場合においても実際に起こっておるわけです。こういう点等について、過去全部と言わなくても、第四期における、地方自治体に落とした予算が一〇〇%消化されておるかどうか、その消化状況について、まずお聞かせを願いたいと思います。
○前田(光)政府委員 第四期の公営住宅建設計画は、御承知のとおり十七万一千戸でございましたが、それにつきまして、予算化されましたもの十六万一千数百戸につきましては、現在三十八年度中のものを工事中でございます。御指摘のように、若干公共団体におきましては、土地の入手手当等が困難をきわめまして、繰り越しをするものもございますけれども、若干日をおくれましたが、これは必ず計画を完了いたすものと思っております。弱小の市町村等におきましては、その途中におきまして、予算の消化ができないで、返上した分もございますけれども、これは直ちに他の地方に振りかえまして、予算化したものは全部完成する予定でございます。
○兒玉委員 ある程度、地方財政の豊かな市町村においては、いま局長が言ったような形で消化できようと思うのですけれども、財政規模の非常に逼迫している市町村等においては、むしろそういうふうないなかのほうに住宅をつくる傾向がいまあるわけです。というのは、比較的宅地の取得がやすい、こういう点等から勘案しますと、私の聞いたところでは、先日、西宮先生からも御質問があって、予算単価が実際の建築単価と非常に誤差があることを指摘されておったようでありますが、今後の二十万戸の公営住宅の建設推進にあたっても、そういう実態が十分に把握をされないと、地方自治体が無理をして公営住宅をつくらなければいけないという点を局長十分配慮していただきたい、この点についての見解を承りたいと思います。
○前田(光)政府委員 公営住宅の単価等につきまして、先般来御指摘のように、実施上の問題と予算の数字と相違があることを承知しておりまして、これを実態に合わせるべく、努力を重ねておるわけでございます。今後につきましても、さらに努力いたしまして、公共団体が実施するに際して活発にできますように、政府としては、できる限り努力をする所存であります。
○丹羽委員長 岡本隆一君。
○岡本委員 公営住宅三カ年計画で二十万戸建てますから御承認願いたいということでございますが、私は、政府の住宅対策の一番大きな盲点は、戸数主義をとっておることであると思います。十カ年間に一千万戸建てます、七カ年間に七百八十万戸建てます——しかしながら、それを一皮むいてみると、建てますのではない、建ちますなんです。そうして、民間の建設はその六割であります。政府が力を入れてやりますのは四割であります。だから、私は、国が政策として住宅建設計画として発表されるなら、本来ならば、やはり十カ年四百万戸というふうな発表を行なわれるべきだと思う。それを一千万戸と大きく打ち出して、その中で今度は、政府建設住宅四百万戸のうち、公庫と公団と一なるほどこの中には勤労者も入れます。しかしながら、公庫住宅というのは、あとでも具体的に例をあげますが、これは経済的に相当余裕のある人がどんどん入っていきます。いわば中産階級の中の部、あるいは上といったところが公庫住宅に入っておる。公団住宅に入っていくのも、いわば中所得層ということになっていきますと、低所得層の入れる住宅としての公営住宅の建設は非常に少ない。いま日本の、ここ四、五年前の統計ではございますけれども、住宅難世帯は二百万といわれておる。その住宅難世帯を収入別に分類していきますと、月収二万円以下の人が四九・四%、二万から三万六千までのが三四・四%、つまり第二種に入居する資格のある人が約五〇%、第一種に入居する資格のある人が三四・四%で、約八四%が公営在宅に入らなければならない人たちなんです。こういう公営住宅に入らなければならない人たちが、二百万といわれる住宅難世帯の中の八割をこえておる。そういう人たちを収容する住宅か、さしあたり三カ年間に二十万戸だということになってくると、百六十万の公営住宅に入りたい人がある。しかも三カ年に建てられるものがわずかに二十万戸であるということでありますと、二階から目薬で手ぬるい政策であると思うのですが、河野さんも、この前の委員会でも、それは努力はしておるんだ、しかし、ない袖は振れないんだということでございますが、ないにもないにも少し度が過ぎると思うのでございますが、そういうふうな点について、この公営住宅三カ年計画が、日本の住宅難の現状には少しそぐわなさ過ぎはしないか。だから大きな不満を持っておるわけだ。河野さんも、これをお出しになるのにはやはり遠慮しいしい出しておられるのではないかと思っておるのでございますが、あるいはそういうお気持ちなしに、いや、もう日本の現実としてはこれで当然なんだというようなことなのか、その辺の御心境のほどをまず伺っておきたいと思います。
○河野国務大臣 私もあなたのおっしゃるとおり、遠慮しいしい出しておるのでございます。
○岡本委員 いつも河野さんの御持論は、住宅は自分で建ててもらうのだ、自分で建ててもらうために大いに努力するのだ、こういうようなことでございますが、日本の今日の状況というものは、なかなかそういう事態にはなっておりません。いま建っておる住宅の状況を見ましても、大体建築が進められておるうちの半分は水準以下の住宅である。いつも私が申しておりますいわゆる長屋の二階建てと申しますか、そういった形のものが、いまどんどん建っていっております。だからこの前の委員会でも、そういうふうなものをなくするような努力をしていきたいというふうな御答弁もございましたが、この公営住宅の建設三カ年計画の承認を求められるということは、いわば七カ年計画の一部としての三カ年計画でありますから、日本のこれからの住宅建設の方向を示す、これに承認を与えるということは、これからの七カ年計画は大体その構想でよろしい、ということに対する承認をわれわれが与えるということになると思いますから、これは事二十万戸の承認を与えるという問題ではなかなか済まないと思うのです。だからそういう意味において、私はこの機会に、もう一度建設大臣のお考えを確認しておきたいと思うのでございます。いま建っておるところの日本の住水準というものはあまりに低過ぎる、昭和三十八年度の住宅投資の額を見てみましても、これは政府関係から出ておる資料でございますけれども、水準以上の住宅に民間建設で投じられておるのは五千二百一億、それから水準以下の住宅に投資されておるのが二千四百四十億、だから住宅投資のうち補修あるいは増改築というものを除きまして、新たに住宅が建設されるところの住宅投資約七千六百五十億の三分の一に近い二千四百四十億が、水準以下の住宅投資に投じられておる。そういたしますと、水準以下の家は小さいです。だからたくさん建ちます。だからこれを戸数に直せば半数以上ですね。新築住宅の半分以上が水準以下という想像がつくのです。これは金額で示されておりますけれども、建設省で、もし戸数でお示しいただくことができたらしあわせだと思うので、戸数があればお知らせ願いたいと思います。それと一緒に、こういうふうに、いま建っていく建物の半ば以上は水準以下だ、このことはつまり住宅難を再生産していることだ、数年を出でずして、再びこれは水準以上の住宅に上げていかなければならぬという二重投資が要ることになります。だからこういうふうな日本の住宅建設の現状を一体放置していいのかどうか、これをまず建設大臣から伺いたいと思います。
○河野国務大臣 お尋ねの数字は手持ちがございません。よく勉強いたします。 それから先ほど申し上げましたとおりに、住宅政策といいますか、住宅対策というのは、つかみどころがあってないようなもので、数字をあげられましても、どちらがあげた数字も、おおよその見当でしゃべっているようなものだと私は思うのであります。たとえば二万円以下の収入といっても、何年前に二万円以下であったのが、三年たてば二万五千円に上がるのですから、そういう計数とても、とっていいような悪いようなものだと私は思うのです。それから、一方において公営住宅のように、政府もしくは公共の資金の加わっておるものと、一般の、全然加わらぬものとがあるわけでございますから、そういうことになれば、どの程度の人は入ってほしい、どの程度の人は入っちゃいかぬといいましても、そうは取り締まりがつきかねるというようなことで、お話のように、ある水準以上の人が入っているじゃないか、そういう人も気の毒じゃないかということにもなると思うのです。ところが、いまお話しのとおり、これが五年前の議論だったら、とにかくうちを与えることが先決問題だといわれたのが、今日になってみますと、住宅難の再生産じゃないか、そんなうちを建ててどうなるのだというような議論に飛躍してくると私は思うのです。それが間違っておるとは申しません。そういうものが充足できるような時代が来て、初めて住宅問題は解決するということになるのでございますから、そうせなければならぬと思うのです。しかし何分にも、当面三畳一間にどうとか、六畳一間にどうという方がいらっしゃるのですから、それらの人に早く差し上げるということが先決問題だというようなことがあるものですから、そこで政府といたしましては、民間の住宅にも必ずしも感心しないものがありますけれども、それもないよりはいいから、まあ黙っておくというようなことだと思うのです。これが今後の住宅建設に承認を与えるものだから、軽々にはとおっしゃいますけれども、そのとおりだと私は思います。とにかく、当面私が建設大臣として与えられました可能な財政投資をもって考えられることはこの程度で、一応一世帯一住宅ということになるのでございますから、これで御承認を願いまして、しかし私は、あなたのおっしゃるとおり、これで満足しておるものではございません。これでも七年間やれば、一応一世帯一住宅のうちができるから、これでよろしいのだというふうには考えておりません。かねて申しておりますとおりに、私は来年の国会には、少なくとも住宅対策においては飛躍的な施策を勘案いたしまして、そして政府全体の了解を得て、ひとつ根本的に解決することについての施策を考えたい。たとえば、これもかねて申し上げておりますとおりに、何といっても、住宅は自分で建てるということが原則だ、その建てる資金をどういうふうにして御協力申し上げるかということなんだ、その場合に、この程度の人にはこの程度のお金を低利、長期、たとえばごく少ない人にはもう極端な低利で、長期のものにしてあげる、それから順次段階をつけて融通する、あたかも農村対策、中小企業対策等にございますように、極端に申せば無利息の長期の金もあるわけでございますから、これは勤労者の諸君にしてみれば、ちょうど田や畑がなければ百姓ができないのと同じように、都市で自分が勤務するのに、うちがなければ勤務ができないということと同様でございますから、そういう認識に立って、ごく長期の低利資金を住宅にあてて、それを住宅組合がいいか、個人がいいか、その他の点を十分検討いたしまして、そしてこれを融資することによって住宅問題を解決する、ということにいくことが基本的な考え方ではないかと思いまして、次の国会までには、ぜひその問題と取り組みたいというのが私の所存でございます。
○岡本委員 先般来、御意見をいろいろ承っておりますし、また来年は画期的な住宅対策を立てたいという御抱負を承りましたので、あまりくどくはお尋ねいたさないでおこうと思います。 ただ、私がきょうもこうして重ねてお伺いいたしますのは、この三カ年計画、二十万戸を承認するということですが、これはもちろん私どもも賛成いたしたい、しかしながら、決して満足して賛成するのではない。おっしゃるように、これは現在の政府が投じておる住宅に対する財政規模、投資額から見ればやむを得ないものだというふうな認識の上に立って、消極的に賛成をするものであります。したがって、国会自体も、この計画に対しては大きな不満を持っておるということを、やはり論議を通じて意思表示をしておくことが、また来年立てていただくところの計画がより一そうりっぱなものとして実を結ぶであろう、こういう考え方に立って、申し上げておりますので、御了承を願いたいと思います。 そこで、いま大臣がおっしゃいました、なるべく自分で建ててほしい——ところが、このごろ建っておりますのは、だんだんだんだん貸し家建設の戸数が逆にふえておるのです。昭和三十年からこちらへ、どんどん逆に、新築の建物は貸し家が多くなってきている。しかも、その内容は、先般からたびたび申し上げておるように、二階建てアパートということになってきております。ところが、これを諸外国の例と比べてみますと、アメリカは土地の非常に広いところで、持ち家率が非常に多くて四〇%、それからオランダが九%、西独が一九%、フランスが二四%、日本は七〇%、これは昭和三十年の統計でございます。だから、それから後、借家の建設がふえておりますから、変わっておりますにいたしましても、日本は非常に持ち家率が多い。だから、そういう意味においては、これから後やはり持ち家主義に重点を置くのだといっても、大衆のそういうような負担能力というものは、借りて建てようにも、今度は返す能力がない。こういうふうな大衆がいまあまりに多過ぎる。今日、とにかく住めるような住宅を建てようと思えば、土地ともに少なくとも百万以上の金が要ります。ですから、その百万の負債を返していくのには、相当な——たとえば今日住宅難にあえいでおるような、二万、三万、四万というふうな程度の収入、これが勤労者の一番多い収入のモードでありますが、こういうふうな、収入の一番分厚い層を占めている月収三、四万というふうな日本の勤労者層には、金を借りて住宅は建てても、とてもそれを返す能力はないわけです。その利息を払っていくのが精一ぱいということだろうと思うのです。だからやはり精力的に貸し家建設というものに力を出していただかなければならない。ところが、その貸し家建設と申しましても、いまの政府施策の公団の賃貸しであるとか、あるいは産労住宅であるとか、あるいは公営住宅といふうなものでは、限られております。だから、私が申し上げますのは、この前から申しておりますように、やはり民間で貸し家を経営しようとする人たちは、いまのところはもう全くの営利主義で、最小の投資で最大の収穫をあげようというふうな形の貸し家投資が行なわれておる。しかしながら、あれをやっぱりぱつんと規制しなければいかぬと思うのです。ああいうふうな非常に粗悪な、しかも火災でもあれば危険きわまりない貸し家建設というものを規制して、そしてああいう貸し家建設の資金を持っている人たち、あれを不燃性の安全な建物にさせる。そして、安全な建物にさせると一緒に、そこへはそのための資金は貸してやる。木造でああいうものを建てるのに、プラスそれを堅牢な安全なものにするための資金を貸してやる。ただし、その家賃については、やはり政府から公的な資金が出ておるのでありますから、いままでのような取りほうだいは許さない。やはり一定の家賃の規制をやる。こういった形の住宅政策をとらない限り、いい貸し家というものはふえないと私は思うのです。だから、そういうふうな意味の住対策というものもこれから加味していかなければならないのではないか、こういうふうに思うのでございますが、いかがでしょう。
○河野国務大臣 たいへんけっこうなお話でございますけれども、そういうふうにやったら、もうけようと思って、いま建てておる連中が、もうからなくなってきたらば、建てなくなっちゃうんじゃないでしょうか。取り締まれば、取り締まられるようなものをやりたくないと言って、民間の人は協力してくれないんじゃないでしょうか。そういう意味から、そのところの手かげんが非常にむずかしい。どの程度まで取り締まっても、おもしろみがあるから貸し家住宅を建てようとか、どこまでならばもうやらないという限界が非常にむずかしいということで、いま岡本さんのおっしゃったところまでいったらば、岡本さんはお建てになるかしれぬと思うが、ほかの人は貸し家を建てぬで、ほかのほうでもうけたほうがよいというので、ほかのほうに資本が逃げてしまうんじゃないかと思うのですが、まあ勉強はしてみます。
○岡本委員 そういうことになると、あなたの御意見は、これは人命の軽視もはなはだしい。いまどんどん建っておる民間アパート、二階に十戸も並んでおるあれが建っていくときに、震災でもあったらどういうふうなことになりますか。だから、できるだけ住水準を上げる努力をしなければならない。それは、なるほど資金は有利なところに流れます。おっしゃるとおりです。しかしながら、政府資金をプラスすることによって、ある程度家賃を低く押えるということは当然です。昔から田三家六といって、家は六分に回れば有利としたものです。だから、その六分が、今日では月一割に回るかどうか知りませんが、株式投資であるとかその他の投資物件よりも有利に回れば、必ずしもいまのように、住宅難につけ込んで取りほうだいに取るというほど回らなくとも、私は家は建つと思います。一般の証券投資よりも有利であれば、建つと思います。それから、証券投資でありますと、物価の上昇と一緒に貨幣価値は下がるのです。ところが、住宅に投資しておけば、今日の状況では下がらないのですから、しかも、それが不燃、堅牢である、百年も百五十年ももつ、ということであれば、これはやはり政府資金を借りて質のいい貸し家を建てておいたほうが有利だというふうな採算が十分出ると思う。だから私は、そういうふうな政策を政府が思い切ってとる。一面、いまのような不健全な住宅投資は許さない、という方針をおとりになり、そうしてそういう方面へ奨励をやる。何か一ぺんにそこまで一足飛びにかりにできないといたしましても、そういうふうな政策を打ち出して、将来も、不健全な住宅投資、貸し家投資は許さないのだ、そして健全な貸し家投資に対しては、政府は資金的な援助をするのだ——これはドイツにも例があるのです。むしろドイツはそういうふうなことをやったから、いま住宅難がなくなってきておる。だから、そういうふうな考え方からいけば、私は、日本の住水準の低さ、これも面積の面における低さよりも、危険性において、安全性という点において、もっと水準を高めるということは、これは人道上一番必要なことであると思う。これ以上議論をしてもなんですから、私は希望として申し述べておきたいと思います。ぜひ来年はそういうふうな計画を立てられて、私は、住宅基本法——これは基本法ばやりで、ここへまた住宅基本法を持ち出せば、何でも一つ覚えと言われるかもしれませんが、やはり住宅については、ある住水準を国民に保障する。それ以下の住宅というものはもう建てないのだ、建てさせないのだ、こういうふうなことは非常に重要なことであると思いますので、特にお願いをいたしておきたいと思います。 それからもう一つ、この前の委員会で大臣から、それはむずかしいことだから、検討してみるというふうな御答弁がございましたが、ああいうアパートの貸し付ける条件というものが非常に過酷である。それで、ちょうどその直後、新聞にアパートの家賃というのが出ておりまして、非常に興味を持って見たのでございますが、勤労者の一番多い江東地区では、共同炊事場で四畳半が四千五百円から五千五百円というのが家賃の相場になっておる。それが六畳になると、五千五百円から六千五百円である。ところが、そういうふうな四畳半、六畳という一間きりの共同炊事場のアパートですら、礼金として大体二万円から二万五千円の権利金を取っておる。そして権利金を取りますと、今度は、移動さすごとに権利金を取り、礼金を取りますから、何かといってはいやがらせをやって、移動をさせるということで、しかもそれが大体二カ年ぐらいの契約で、二年たったら、期限が切れましたからもう一ぺん礼金出してください——これは実質的に家賃がそれだけ高くなるということになるわけです。だから、こういうふうな契約であるとか、あるいは前会に申しました、子供ができたら出ていってくれ一これは契約の中に非常に多いのです。それで、私も、そういうことが許されるのかと思いまして、借地借家法を引っぱり出してみて、いろんな意見も聞いてみたのですが、やはりそういうふうな契約はできないことに借地借家法でもなっている。まあそういう明文は、文章としてははっきり書いてございませんけれども、非常に借家人に不利な契約はないものと認めることができるというふうな表現でもって、そういう契約はできないことになっておる。にもかかわらず、そういう契約が、仲介人を通じて、いわゆる宅建業者を通じて、契約されておる。そういう契約がいま横行しておる。だから、建設省の行政指導で、宅建業者を取り締まっておられるんだから、そういうふうな契約書を取りかわすようなことを宅建業者はしてはならぬ、もし宅建業者がそういうふうな契約書の仲介を取り次いだならば——今日では、免許制度ではなく、登録だけですな。今度、免許制度にしてくれというふうな動きも出ておりますが、登録を取り消すとか、そういうことはできると私は思うのです。だから、そういう面での建設省の指導面におけるところの弱さがあると思うのでございますが、今後こういう人権を無視した、非常に契約者に不利なような契約はさせないというふうな点での、指導の強化というものを建設省でやっていただきたいと思うのですが、お考えはいかがでしょうか。
○河野国務大臣 前段の御意見につきましては、十分に尊重いたしまして、私も同意見でございますから、明年度までには、ひとつぜひ住宅問題についての方向を明確にいたしたい、こう考えます。 後段の御発議に対しましては、なかなかむずかしいのでございますけれども、善良な習慣、慣行を打ち立てるように、何らかの処置をとりたいと考えます。これは戦争のあと、住宅が非常に逼迫したときに起こった悪例でございますから、順次こういうものを除去してまいるということは当然の習慣でなければならぬと思いますので、そういうふうなことのないように、順次それは除去いたしたいと考えます。
○岡本委員 この間、大阪の千里丘住宅の団地を見てまいりました。その際、私が非常に不審の念を持った点についてお尋ねをしたいと思いますが、あそこにはいろいろの種類の公団の建物がございます。それから、住宅協会などの建てている貸家もございます。ところが、千里山の開発センター、大阪の企業局の中にあるところの法人でありますが、これのやっておる分譲住宅が相当多くございまして、その分譲住宅の譲渡価格が一番安いので五百万円、それから最高は六百七十六万円ということになっておる。そして、その中に公庫の融資が九十七万ずつついておるわけです。そうしますと、頭金、自己負担として、安いので四百四万、高いので五百七十九万の頭金を出さないと、分譲住宅を買えないわけですね。これは鉄筋ですが、木造で頭金三百二十一万から五百六万といった規模のものです。いずれにいたしましても、公庫の融資がついておる住宅で、頭金を四百万も五百万も出さなければ買えないというようなことになってまいりますと、大衆の目から見ると高ねの花です。だから、あれは一体だれのための住宅が建っているのだろう、あそこへ入っていく人は、相当けっこうな人もあれば、おめかけさんもある、あるいはまたむすこのためだといって買っておいて、別荘のようにときたま来たり、お掃除に来るだけで、あまり使われないというふうなのもある、ということをも聞くのですね。そういたしますと、これもやはりいまの政府の住宅政策の一戸なんです。その一戸がいわば遊休的な所有に属しておる、こういうふうな面も見られないではない。だから、こういうようなものに対しては、宅地の分譲だけでけっこうなんではないか。なるほど宅地の分譲も行なわれております。宅地の分譲は坪たしか六千円くらいです。非常に便利なところで、しかも環境のいいところで坪六千円ですから、安いです。坪六千円で、そんな非常に便利な宅地が分譲されたら、あとの公庫の融資までつける必要はないじゃないか。にもかかわらず、公庫の融資のついたところの住宅がどんどん建っておるというふうな点、私は非常に不審に思う。だから、この千里山の開発センターの仕事も、私は、こういうふうな鉄筋で分譲住宅をつくるならば、むしろいま東京都内ではやっておるマンション、ああいうふうな鉄筋の立体的なものをつくることによって、宅地の使用率を節約する。節約するだけでなしに、もう少し規模を小さくして、大衆がもう少し入りやすいようなものとして、たとえば公庫の融資を——これでは、鉄筋の場合には九十七万ついておるのですね。だから公庫の融資が八、九十万つくのなら、それに自己資金を百万も足せば入れるようなアパートとして、もっと大衆の住宅難に役立つような、大衆が近づけるような形の住宅建設をやらせるべきだと思うのでありますが、どうしてこういうふうな住宅建設が行なわれているのか、私は理解に苦しんでいる人間ですが、建設大臣、こういうふうな千里山の状況を御承知なのか、御承知でないのか、あるいは御承知でないとするなれば、こういうふうな運営というものが、それでいいと思われるかどうかをお伺いしたいと思います。
○河野国務大臣 私もそういう点に気のつかぬことはございません。たとえば、東京でも藤原銀次郎さんの宅地の跡を開発して、ここにそれと似たようなことをやっております。はなはだ遺憾です。これは前の話ですから、あまりとやかく申しませんけれども、自今、絶対やらせません。その後のものは全部押えております。そういうことは私の住宅政策と違いますから。私は極力、低所得者に重点を置いたものでなければ実行させないということを原則にしております。今後は絶対そういうことはさせません。
○岡本委員 そういう御意見でありますと、もうあとあまり言うことがなくなってまいります。非常にけっこうなことでございますから、今後そういうような御指導をお願いいたしたい。千里山の開発、非常によく行なわれておりますが、ただそういう点について、私非常に不審に思いまして、今後何とかこういう方針は変えなければいかぬのじゃないかと思ったものでございますから、本日申し上げておるわけでございます。 最後に一つ。この間もちょっとお尋ねしたのでございますが、私は、もうここらで家賃政策というものを、国としてお考えになるべきときじゃないかと思うのです。むしろ私ども野党の立場からこういうことを申し上げると、私は党内でしかられるかもしれませんけれども、しかしながら、あえてこういうことを言うべき段階がもうきたんじゃないか。それはどういうことかと申しますと、いまの国民の負担しておる住居費というものは非常にまちまちです。たとえて言えば、戦前の統制家賃の住宅に住んでいる人は非常に安い。それからまた昭和二十四、五年ごろに公営住宅に入っておる人、そういう人たちの家賃も非常に安い。公団の住宅にいたしましても、どんどん建設費が上がっていく。上がっていけばいくほど、長いこと住宅難で苦しんでいた人がやっと入ったと思ったら、非常に家賃が高い。そして五年も十年も早く住宅難から解放された人が、そのときの建設費を償却するだけの家賃ですから、非常に安い。それが一、二年のことならいいのですが、ずっといまの形でいきますと、未来永劫に続いていく。これは私は大きな矛盾であると思うのです。だから、やはり公団の住宅にいたしましても、これは住宅の償却を基準にした家賃を取るというよりも、やはりその人の収入の何%というふうな形で取るべきじゃないか。また公営住宅にいたしましても、その人の収入の何%というような形で家賃を取ることによって、やはり均衡のある住生活に対する負担、ことに公的な支出がある、公的な負担をしておるところの住宅の家賃としては、やはりきちっとした、不公平のないものを家賃政策として出していただきたい。また、戦前からの住宅も、統制の家賃で、補修費にも見合わないから、放置されておる。これに手を加えなければ、荒廃していく一方です。だから、これについても適正化する必要がある。しかしながら、大体戦前のものは、その多くは一応建設費は償却してありますから、だから、いまの住宅難に見合って、需給の関係で取れるだけ取るというふうなことでなしに、やはりある限界をつけた統制はしておく必要があろうと思う。それと同時に、また新しく建っていく住宅に対しても、できるだけ質のいいものを提供すると一緒に、やはり勤労者が払える程度の家賃にするために、適当な償却費に対する補助であるとか助成であるとか融資であるとか、そういうような、貸し家建設に補助してやるというような、総合的な観点から、家賃政策というものをいまこそ立てていくべきときではないか、私はこういうふうに思うのですが、大臣の意見を伺いたい。
○河野国務大臣 たいへんごもっともな御意見でございまして、私といたしましては、本年は公共料金を一応押えることに、内閣の方針として、いたしておりますから、別といたしまして、明年の国会までには各方面の意見も十分承りまして、十分検討いたしまして、ひとつその問題もあわせて取り組んでみたいと考えます。 この機会に、まことに恐縮ですが、一言。それは数日前の新聞に、閣議において、私が、春闘の対策として、ストライキ等は云々という記事が——私はその記事を見ないのですが、新聞に記事が出ておった、そういう発言を私が閣議においてしたという記事が出ておったということで、一部にだいぶ誤解を招いておるようでございますが、この間の経緯を明らかにいたしたいと思います。 私が発言いたしましたのは、三公社五現業と建設省所管の道路公団その他の公社、公団との関係において、非常な懸隔がある、これは必ずしも労働対策の上において適当でないと私は思います。したがって、政府においては、すみやかにこれらの関係を調整して、方向を一つにするようにしていただきたい、そうして、三公社五現業も道路公団その他の政府機関も同様に、労働政策を維持していくようにすることが適当であると思うから、ぜひそうしてほしい、こういう発言を私はしたのでございまして、それについて、十分考慮をしようということに、閣議は了承いたしました。これが当時私が発言したそのままであるし、閣議の方向もそれが真相でございます。そういう意味において、たまたま道路公団その他の労使関係の問題について発言いたしましたので、それが誤り伝えられておるのでございますから、特に建設委員会において、御了承いただきたいと思います。
○岡本委員 いまの大臣の御意見については、私ども、すぐにそれをどうというなにもございませんから、またよく検討させていただこうと思います。 それでは結論的に、この承認を求められておる計画に対する意見を率直に申し上げて、質問を終わろうと思うのでございますが、少なくとも、いまの住宅政策をとっておられる限り、住宅難というものはなかなか解決するものではない。ことに二十万戸ではあまりに少な過ぎる。一世帯一住宅ということを政府はいま言っておられますが、しかしながら、いまのような民間自力建設でも、質の悪いものがこのように建っていきますならば、結局、一世帯一住宅というのは実現しても、そのときには三、四百万戸というところの新たなる住宅難世帯が発生しておるということであります。二階建ての狭苦しいアパートで、やはり人並みの生活をしたいという人たちが、どんどん現在つくられつつございますし、十カ年計画の昭和四十五年にまいりましても、やはりその狭苦しいアパートの中で、もっと広い住宅を求めて人間らしい暮らしがしたいという人たちが充満しておる。したがって、今日のようななまぬるい住宅政策をもってしては、決して住宅難は解消しないから、政府はもっと住宅問題に抜本的な方策を立てるべきではないか、私どもはこういうふうに考えておりますので、このことを強く要望いたしまして、質問を終わろうと思います。
○丹羽委員長 吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 公営住宅法によりますと、第一条に、住宅に困窮する低額所得者を対象にいたしまして、低廉な家賃で住宅を提供する、こういうことが劈頭にうたってありますので、私は、やはり公営住宅の計画はこの線に沿っていくことが一番大事であると考えるのであります。つきまして、以下二、三の御質問を申し上げたいと思います。 この低額所得者というのは、一体どのくらいなものをいうのであろうか、これをひとつ聞いておきたいのでありますが、法律並びに政令を通覧いたしますと、およその見当はつくのでありますけれども、大体政府が考えておられる低額所得者というのは、一口に言うとどういうことになるのでございましょうか。
○前田(光)政府委員 公営住宅法によりまして、一種と二種を分けまして、二極住宅につきましては二万円、一種住宅につきましては三万六千円以下の収入のある者を低額所得者として考えております。
○吉田(賢)委員 そこで、現実に取っておりまする収入は、それより上のようでありますが、これは第一種については五万一千円、二種については三万三千円以下、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○前田(光)政府委員 平均の世帯の粗収入は、大体そういうことで考えております。
○吉田(賢)委員 一つは、東京都の問題につきまして、都内の住宅の需給の状況につきまして伺って、それで一般の参考に資したい、こう思うのであります。実は、本日は神奈川県並びに千葉県あたりの、東京都にあらざる近在の都市の住宅需給状況も明らかにしたいと思ったのでありますけれども、これは不可能に終わりましたので、都内における、状況を聞きたいのです。一口に、簡単でよろしゅうございますから、要点だけお述べ願えばけっこうであります。 東京都におきましては、全国切って——おそらくは横浜もずいぶん深刻らしいのですが、なかなかに住宅問題が深刻化しておるということは、きわめて顕著であります。そこで、都内におきまして、一世帯当たりどのくらいの畳数で生活しておると踏んだらいいでしょうか。
○服部参考人 申し上げます。大体三十万から四十万が不足していると考えているわけであります。
○吉田(賢)委員 私が聞きたいのは、そういう意味じゃないんです。たとえば一世帯あるいは一戸、あるいは一人でもよろしゅうございますが、それに対して、畳数どのくらいが住宅として使われておりますか、人間あるいは世帯と住宅、これの対比であります。
○桐生参考人 平均で申しますと、一人当たり二・九畳でございます。
○吉田(賢)委員 そこで、東京都の公営住宅の建設にあたりましては、大体土地の入手価格と、それからその他の建築費の割合はどういうふうになっておるんでしょうか。
○桐生参考人 三十九年度予算について申し上げますと、これは公営住宅の場合でございますが、一種の場合は、簡易耐火造二階建一戸当たり、用地費三十八万二千九百円、建築費一戸当たり八十二万九千四百円、中層耐火造は、用地費が一戸当たり四十二万七千六百八十円、建築費が百十一万四千百円になっております。
○吉田(賢)委員 そうすると、土地代幾ら、建築費幾らという、こういう比率はどうなりますか。
○桐生参考人 用地費が約四割程度になっております。
○吉田(賢)委員 最近は、土地代がどのくらいで入手するということになっていますか。もしくは、非常に困難で、少し距離が遠いところでないと建設ができない、そういった問題にぶつかっておらぬですか。
○桐生参考人 用地費につきましては、実際上、最近入手している状況を申し上げますと、大体坪当たり二万七千円程度でございますが、これはだいぶ遠いところでございまして、区部の二十三区につきましては四万、五万、郡部の遠いほうでは、約一万とか二万という程度でございます。
○吉田(賢)委員 公営住宅につきましては、入居希望者の競争率は大体どのくらいになりますか。
○桐生参考人 一種、二種を通じまして、場所等によって違いますが、年間を平均いたしますと、大体四十倍ないし五十倍程度でございます。吉田(賢)委員 競争率が平均して四十倍、五十倍、これはすさまじい趨勢と考えられます。そこで、これは大体全部抽せんできめるのですか、それとも、特殊な事情等を勘案してきめるというのが相当の割合を占めるのですか、その点どうですか。
○桐生参考人 これにつきましては、一般的には抽せんを主体としておりますが、そのうちで引き揚げ者用、新規引き揚げ者用、あるいは母子世帯向け、炭鉱離職者用というワクが別にとってございます。その他は一般の抽せんになるわけでございます。
○吉田(賢)委員 昨年度、東京都におきましては、公営住宅の割り当ては数の上でどのくらいで、実現の数はどのくらいでありますか。
○桐生参考人 昭和三十八年度におきましては、七千五百戸でございます。
○吉田(賢)委員 それは全部建築は完了して、使っておるのですか。
○桐生参考人 三十八年度につきましては、すでに竣工したものもございますが、現在工事中のものもございます。
○吉田(賢)委員 東京都千万といわれる人口であって、そうして四、五十倍の競争率のもとに七千五百戸であっては、これは焼け石に水、二階から目薬のような感がいたします。一体これで住宅政策になるのですか。その点は率直に都の御意見を述べてもらいたい。
○桐生参考人 都といたしましては、昭和三十六年度を初年度とし、昭和四十五年度とする十カ年計画を立てております。これによりまして、公営住宅あるいは公団住宅、あるいは公庫の融資に基づく公庫住宅、あるいは住宅公社の建設するもの、あるいは都独自の立場によりまして、民間に貸し付け金をするとか、あるいは宅地分譲をするというような方法によりまして、昭和四十五年度を目標といたしまして、住宅難を解消するという方策を立てております。これに基づきまして、毎年予算計画を立て実施しつつあると思いますが、いずれにいたしましても、都の財政事情等によりまして、少しずつおくれが出ておるという実情でございます。
○吉田(賢)委員 東京都の住宅政策の企画というのは、とても抜き差しならぬような惨状を呈しておるような現状であります。 そこで、私は問題をもとに戻しまして、低所得者に対する住宅政策と、原案の承認案との関連において、御質問を申し上げたいのですけれども、たとえば政府のほうにおきまして、母子世帯であるとか炭鉱離職者などが、本案の提案の趣旨にもうたわれておるのであります。一般の需給の調整をはかるという以外に、特殊事情を考慮するということがうたわれておりますが、私は、この特殊事情ということこそ力のない谷間の面であって、さっきの岡本委員の質問の節々にもありましたごとく、非常に大量を占めておりまして、これは全く健康的でない住宅に住まっておるというのでありますから、あらゆる意味において、まっ先に手を差し伸べるべき分野ではないかと思います。この角度に立ちまして、一つは母子家庭の問題、それから失業対策事業に従事しておる方々、あるいは炭鉱離職者、もっとも、これは雇用促進事業団もありますので、一本大きな柱が立ちましたから、非常に緩和されております。 そこで、まず母子家庭の問題を河野大臣に伺いたいのでありますが、公営住宅の場合に、たとえば地方の各府県あるいは市町村などが公営住宅を建設いたします場合に、なるべく環境のいいところで、一定の集団をもって建設をする、そして母子家庭に対して、そこへ集まってこいということになるわけでございます。だから、自然にあるがままに需要に応じていくというのではなくて、ある条件に引きつけようということになりますので、実行の上でかなり無理が生ずるのではないか。言いかえますと、よく効をあげておらぬのではないかということを心配いたします。たとえば、行き方は根本的に違いますけれども、母子家庭が散在いたします。その母子家庭は、生活程度が最低でありましょう、あるいはあちこち通うのに足の能力の乏しい人でありましょう、そういうのが散在いたしております。それが一定の場所へ集まってこいというのでありますから、住宅だけが生活の全部でないので、そこへ集まってこいというのでは、無理になって、実効があがらぬのではないかと思うのですが、その点について、何かお気づきになっておる点はありませんか、これは具体的には厚生省のほうから聞きますけれども……。
○河野国務大臣 私は、吉田さんに、ひとつ住宅政策の基本についてお考えいただきいことがあるのです。 いま、東京都の住宅について足りない足りない、ひどいひどいとおっしゃいましたが、私は、東京のような場合には、ここへ理想的なものをどんどん建てたら、東京は一ぱいになって、動きがとれなくなると思う。そういう意味で、住宅は全国的視野に立ってお考えいただかなければならない、これは大前提だと思うのです。われわれといたしましては、新産都市の建設をするとか、都市の周辺にどういうものを考えるとかいうことを大前提にいたしておりまして、東京を東京のままで、ここに住宅問題を解決するというようなことは、基本的に考えていないのであります。この点は意見が違いましたら、ひとつよく御検討願いたい。私ももちろん検討いたしますが、いま東京のようなところに、八千戸や一万戸のものでどうするのだとおっしゃいましたけれども、これはそれだけじゃない。むろん全体についてお考えいただきたい。その全体が、本日提案をいたしております。不十分ではございますが、今後七年間に一世帯一住宅というものを、全国的な計数の上から、一応あらわしておるということをお考えいただきたい、という点が第一点であります。 第二点の、その中で、母子関係のものはどうか、その他特殊な炭鉱離職者はどうかというようなものにつきましては、それぞれワクを設けまして、建設省としてはこの程度のワクを設けてこうやろう、それを各府県に割り振りまして、各府県で、きめのこまかいものはやってもらうということにいたしておるのでございまして、いまお話しのような点につきましては、十分配慮しなければならぬと考えておりますけれども、あなたの御趣旨を今後よく各府県に伝えまして、そういう意味で、ワク内にうまく納まるように、ただそこにあるというだけではなくて、もう一歩進んで、親切に扱うようにということは、十分申し添えてやりたいと思います。
○吉田(賢)委員 東京都が充満いたしまして、過大都市になっておるということは、もう議論の余地のないところであります。そこで東京都は東京都なりにこれを分散すべきことは、また東京都のお考えになるべきことであろうと思います。もちろん、都市を中心に、ますます過剰人口の弊が増すようなことをやってもらっては、とんでもないことでありますから、その点、あなたの言われた、全国的に散布するということは、しごくごもっともなことであって、このような線に沿って、住宅不足の補充は、東京都は東京都なりにやっていくべきであると思います。だから、その点におきましては、御説明はしごく同感であります。 そこで、厚生省のほうに伺うのでありますが、一体この母子世帯は、一口に言うと、いまどのくらいになっておるのか。そうして、昨年度、千五百戸の割り当てを受けておったようでありますが、その現実の消化率はどうなんですか。
○植山説明員 ただいま御質問の、現実に母子世帯と目されておりますものは、死別、生別その他準ずる者でございまして、二十歳未満の子供を擁しておる母子家庭を母子世帯という対象にしております。この人たちに対しまして、三十年度から三十三年度まで、公営住宅の中から特別のワクを設けられて、優先的入居というような方法をとりました結果、四千戸以上の人たちがそれによって入居したのでございますが、三十四年度からは、第二種公営住宅の中で特別のワクをいただいて、三十四年度から三十八年度まででございますが、五千百四十六戸が割り当てられております。また東京都は、千八戸を、独自の予算をもってその問題に対処しておられますし、その他神戸市におきましても、アパートというような性格のもので、六十九室を割り当てられております。 次は、どのくらいその要望があるかという点でございますけれども、ただいま河野大臣が仰せられましたように、住宅そのものの基本的なものの考えに立ちまして、母子住宅もその一環として考えていかなければならぬものでございますから、母子世帯からいうと、非常に便利なところに住宅を建ててほしいとか、いろいろの条件が出てまいりますが、ぐんぐん交通も整備されまして、だんだん変わってまいるような事情でございまして、現状といたしましては、母子世帯の人たちは、三十六年度の調査で見ますと一三%、その数をあげてみますと、九万八千世帯の人たちが、住宅がほしいという統計になっておるわけでございます。そういう意味からいたしまして、建設省のほうで、母子住宅のワクを順次年次をもって出していただきたいということの関連から、ただいま、国会に、母子福祉法案を提出しておりますが、その十八条の中に、公営住宅の供給に関する特別の配慮といたしまして、「地方公共団体は、公営住宅法による公営住宅の供給を行なう場合には、母子家庭の福祉が増進されるように特別な配慮をしなければならない。」というような条文を入れまして、この問題に対処してまいりたい、という考えを持っているわけでございます。
○吉田(賢)委員 昨年、千五百戸が割り当てになったように承っておるのですが、それでよろしゅうございますか。
○植山説明員 昨年は千五百戸割り当てられたのでございますけれども、地方公共団体のほうは、その実行に対しまして、いろいろの事情がございまして、実現いたしませんようなことでございます。そういう意味で、今回法律をもちまして、地方公共団体においてその推進の万全をはかりたいという考えを持っているわけでございます。
○吉田(賢)委員 そうしますと、九万八千の需要があって、それが千五百であります。これは需要過剰で相当困っているという実情なのですね。これはまた別の機会に伺いましょう。
○丹羽委員長 吉田君に申し上げます。 はなはだ恐縮でございますが、大臣の御都合がありますし、法案を上げなくてはなりませんので、あと二、三分でお打ち切りを願いたいと思います。
○吉田(賢)委員 それでは、失業対策の方来ていませんか。——このことだけで終わることにいたします。 失業対策の問題も、やはり低所得者の一群といたしまして、きわめて重大であります。これはもっぱら賃金の問題というふうに政府は考えておりますけれども、そうではございません。この点につきましては、賃金の問題と住宅の問題と、二つから解決していきたいと思っております。第一の賃金の問題につきましては、最近予算も出ており、相当増額するようでございますが、この点はどういうふうになるのですか。
○住政府委員 賃金でございますが、本年度予算単価は四百五十八円になっておりますが、明年度の単価といたしましては、五百一円九十銭を計上いたしております。
○吉田(賢)委員 これは、私どもは、たくさんの失対の人夫に常時当たっておるのですが、住宅を持たしてそして相当の給与をするという、二本立てでいかなければならぬと思うのです。他に転業するということも大事でありますけれども、やはり中高年齢層の者はなかなかに転業しにくいのでありますし、ことに熟練工でない人が多いのであります。そこで、一つは、賃金につきましてはもっと引き上げまして、生活をようやくできるような程度にする、それから住宅を、でき得べくんば一戸ずつあてがうこと、この両全を期したいと思いますが、住宅はどのくらいの割り当てをやっておりましょうか。それから、住宅につきまして、公営住宅の申し込みなどをやっておりましょうか。
○住政府委員 われわれのほうで、日雇い就労者の生活実態の調査をいたしておりますが、三十七年度の状況を申し上げてみますと、全国で自分の持ち家に住んでいるというのが三三%、借家が三八%、借間が二五%程度、こういうことになっております。住宅の状況につきましても、普通家屋が約六〇%、長屋が約二〇%、このような状況でございまして、困窮の程度も、そう極端ではないというように考えておりますけれども、困窮者も相当おりますので、関係各省とも連絡をとりながら、住宅対策をいろいろやっておる次第でございます。
○吉田(賢)委員 住宅につきましては、東京は四、五十倍の競争率でありますが、地方によりますと、二、三百倍のところがある。たとえば尼崎とか布施あたりは、募集しますと二百倍くらいになることがあります。こういうことを思いますと、最近の法律のたてまえから見ますと、粗収入が第一種が五万一千円、第二種が三万三千円以下、こういうことになりますが、いまの四百五十八円ないしは五百円余りというような賃金をもちましては、これらの低所得のそれと比べましても、よほど懸隔があるということになるのでありますが、屋外労働者にいたしましてもやはり七、八百円もこれに与えることにして、そして住宅を全部持たすという方向へ、積極的に失業労働者の生活対策を立てるということが、まさに政府のなすべき方針でないか、こういうふうにも考えるのです。収入の面と住宅の面と、両全を期するということに進んでいってもらいたいと思いますが、この点はいかがですか。
○住政府委員 失対就労者の平均世帯人員は大体三・二人でございまして、世帯収入といたしましては、これも三十七年度の調査でございますけれども、六大都市で、四人世帯について申し上げますと、約二万七千円程度になっております。失対収入以外の世帯収入もあるわけでございますが、いずれにしましても、失対就労者に対しましては、民間の同種の作業に従事する労働者に支払われる賃金を考慮して、賃金をきめる、こういうように、法律にもなっておりまして、いろいろ民間の賃金の実情等も考え合わせまして、賃金を中心とする労働条件の向上については、今後とも努力を続けてまいりたいと考えております。また、住宅につきましては、先ほども申し上げましたように、十分連絡をいたしまして、措置をしていきたいと思っております。
○吉田(賢)委員 もう一問で終わりますが、これはもっと掘り下げていかなければならぬのでありますけれども、いまのような公営住宅政策の実情から見まして、よほど力を入れまして、これを配分を受けるようにしませんと、私は失業労働者に対する労働政策はできないと思います。だから、この点は、配分をよけいもらうように、積極的に政府間の交渉をしてもらいたいということが一点。 それからもう一つは、労働賃金につきましても、公営住宅に入って生活をする上におきましては、二万五、六千円ということでは、実生活はきわめて至難であります。したがいまして、いまの基礎的な標準の賃金を引き上げまして、少なくとも一日七、八百円の給与をするという目標に向かって進んでもらいたい。そこで最近、おそらくは審議会の答申も出ることと思いますが、悟議会の方面におきましても、その辺の考慮はされておるのでしょうか。できるならば、その辺の消息もここで伝えてもらって、そして住宅と給与と両方、さらに進んで、屋外労働者を守るという線で労働政策をやるように、労働省はしてもらいたい。これは大臣に聞くべきことでありますけれども、失対部長のあなたとして、ぜひ御意見を述べておいてもらいたい、こういうように思います。
○住政府委員 先ほども申し上げましたが、御趣旨に沿いまして、十分努力してまいりたいと思います。
○吉田(賢)委員 まだありますけれども、私はこの程度で終わることにいたします。
○丹羽委員長 参考人の方々には、御多用中のところ、本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして、お礼申し上げます。 これにて、本件に対する質疑は終局するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○丹羽委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 —————————————
○丹羽委員長 次に、本件を討論に付するのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、これより直ちに採決いたします。 本件を承認するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○丹羽委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと議決いたしました。 —————————————
○丹羽委員長 ただいま議決いたしました本件に対して、自由民主党、日本社会党、民主社会党を代表して、瀬戸山三男君外二名の、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 まず、提出者から趣旨の説明を求めます。瀬戸山三男君。
○瀬戸山委員 ただいま承認議決されました案件について、附帯決議をつけることを提案いたします。 案文は、お手元に差し上げておりますから、朗読を省きますので、御了承願いたいと思います。 ————————————— [参照] 「公営住宅法第六条第三項の規定に基づき、承認を求めるの件」に対する附帯決議(案) 住宅の純不足戸数は現在二六○万戸を超えるといわれ、その対象となるものは殆んど自ら住宅を建設する資力なく、また高家賃に堪え得ない低所得者層である。 政府はこの事態に対処するため、三ヶ年間に二○万戸の公営住宅建設計画をもって事足れりとせず、なお一段の努力をもって住宅不足の解決に万全の策を構ずべきである。 右決議する。 ————————————— 住宅が非常に大事なものであるということは、当委員会で多く論議されたとおりであります。政府には、今日まで努力してもらっておりますが、しかし、現実にはなかなかまだ住宅不足があるわけです。特に低所得者層に対する住宅は緊急なものでありますから、一段と努力をしていただきたいという趣旨であります。 御賛同を得たいと思います。
○丹羽委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 本動議について、発言の申し出もありませんので、これより採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○丹羽委員長 起立総員。よって、本動議案は可決され、瀬戸山三男君外二名提出の動議のとおり、本件に対して附帯決議を付することに決しました。 この際、河野建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。建設大臣河野一郎君。
○河野国務大臣 ただいま承りました附帯決議提案理由の御説明、一々ごもっともに了承いたしまして、私といたしまして、御決議の御趣旨を体しまして、最善を尽くして、本政策に取り組んでまいりたいと考えております。 —————————————
○丹羽委員長 ただいま議決いたしました本件に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○丹羽委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 〔報告書は附録に掲載〕
○丹羽委員長 次会は、来たる四月一日水曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十三分散会