決算委員会 第21号
- 発言数
- 172 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1964/04/23
会議録
○白浜委員長 これより会議を開きます。 昭和三十六年度決算外三件及び昭和三十七年度決算外三件を一括して議題といたします。 本日は、郵政省所管及び日本電信電話公社関係決算並びに労働省所管について審査を行ないます。 まず郵政省所管及び日本電信電話公社関係決算について質疑を行ないます。質疑の通告がありますので、これを許します。勝澤君。
○勝澤委員 電電公社の経営管理の問題について、特にこれは大臣に御質問いたしたいと思いますので、何か合同審査をやっておるようでありますが、その途中、十分でも二十分でもいいから時間を見てこちらにお呼びになっていただきたいと思います。
○白浜委員長 承知しました。
○勝澤委員 それを除いて質問いたします。 電電公社の事業収益の状態は、三十五年、六百五億の利益があがり、三十六年六百七十五億、三十七年五百四十三億と相当大きな利益をあげておるわけであります。一方電話料の引き下げというような要求もあるわけでありますが、この収益の状態から見ると、電話料を引きさげろというような意見に対しては、どういう御見解をお持ちになっておりますか、電電公社のほうから……。
○米沢説明員 御質問に対してお答えいたします。電電公社といたしましては、昭和二十八年に料金の改定をいたしまして、約二割の値上げをいたしました。その際に、二制のふえた分につきましては、これを建設投資に振り向けるということで進めてまいりました。自来いわゆる収支差額を建設に繰り入れることによりまして、国民の要望されております電話の拡充をはかってまいりました。したがいまして、この利益金というものは、その当時からある程度予定いたしたものでありまして、電話の拡充計画を進める際の重要な資金として利用してきておるのでありまして、これを料金の軽減に向けるということは考えていない次第でございます。
○勝澤委員 料金を引き下げることは可能ですか。
○米沢説明員 料金の問題につきましては、たとえば公社内におきましても、電報等を見ますと、現在収入が約百億に対しまして、支出が三百五十億、すなわち電報だけを見ますと、二百五十億ぐらいの赤字になっております。それからまた農村方面の電話の需要が最近非常に進んでまいりまして、こういうところでは、いわゆる収支率が非常に悪い。拡充すればするほど赤字になる傾向にございますので、公社といたしまして料金を引き下げることは考えておりません。
○勝澤委員 農村が進んでいくと、収支率はどの年度くらいでどういうような状態になるというふうにお考えになっておりますか。
○米沢説明員 農村方面に対しましては、従来は電話があまり普及しておりませんでした。ところが最近の状況を見てまいりますと、たとえばいわゆる地域団体加入でありますとか、そういう農村に適当する新しい方式をいろいろ入れておるのでありますけれども、しかし収入と支出との割合を見ますと、収支率がたとえば二〇〇%、いわゆる収入が一に対しまして支出が二になるというような例が方々にありますので、結局農村方面は、現在のところやればやるほど赤字になるというような状態でございます。
○勝澤委員 いまの計画で進んでいくと、三十五年、六年、七年、こう見てみますと、相当大きな利益をあげているようであります。まだ進んでいっても、相当利益はあがっていく。必要な利益はあげていかなければならぬですけれども、ある程度利益を押えて、全体的な経営の中から、できるならば料金の問題を検討される時期に来ているのじゃないか、こう思うのですが、やはり料金というものは今後も拡充計画によってまだ上げていかなければならぬということになるのか、それともいまのままでいいのか、あるいは少しは下げることが可能なんですか、その点いかがですか。
○米沢説明員 料金の問題につきましては、最近国会で御質問がありまして、郵政大臣もお答えになっておるのでございますけれども、公社といたしまして、いま直ちに料金の値上げということは考えておりません。しかし先ほど申し上げました電報の問題であるとか、あるいは農村方面におきまする電話拡充を今後どんどん進めていかなければならないという、そのことを考えますと、いずれはこの料金の値上げという問題を考えなければならぬ時期が来るのではないかというふうに考えております。
○勝澤委員 全体については、また別の機会にやることにいたします。 次に、この監査報告書の中に未収金が約十七億七千七百万、六カ月以上経過というのが出ておりますが、官庁専用料など、この内訳はどうなっておりますか。
○大泉説明員 ただいまの御指摘の報告書は監事の報告書でございまして、私、その内容を必ずしもつまびらかにしていないのでございますが、知っておる限り申し上げますと、十七億の未収金の中には専用料の未収金も含まれております。たぶんその中には警察電話の未収金も含まれていると思うのでありますが、そのくらいでよろしゅうございましょうか。
○勝澤委員 その内訳はよくおわかりになりませんか。
○大泉説明員 この内訳はただいま手元に資料がございませんので……。
○米沢説明員 ただいますぐ経理局長を呼びましてお答えいたします。ちょっとお待ち願います。
○勝澤委員 可搬形交換機というのを使用しているようですが、その性能やあるいは設置の場所、条件等についてお伺いしたいと思います。
○橋本説明員 可搬形交換機と申しますのは、収容箱と申します箱の中に機器を組み込んで、トラックなどで移動できる自動交換機の一種でございます。おおむね二百四十加入程度を収容できるもの、おおむね千加入程度を収容できるものの二種類がございます。なお前者の二百四十加入程度収容できるものを二台併置いたしまして、四百八十加入程度収容することもできます。 導入状況でございますが、三十七年度に二局、三十八年度に十三局、合計十五局におきまして試験的に導入をはかりました。なお、引き続き三十九年度等においても使っていく考えでございます。
○勝澤委員 この交換機は暫定的に使用するものですか、それともこれは、もし暫定的だとするならば、本格的な局舎の建築、それとの関連はどういうふうになるのですか。
○橋本説明員 この交換機は、郵便局の局舎設置計画に伴いまして電話交換業務の自動改式直営化、そういうものをはかる場合、あるいは工場誘致、住宅団地等に伴いまして急激に発生した集団的需要に応ずる必要がある場合、こういった場合などに、可及的短期間に措置を行なうために開発されたものでございます。設置しまして後に、需要の伸長に伴いまして加入者が収容できなくなってきた場合は、一般の例によりまして電話局の建設を行なって、取りはずした交換機は、また別に同じような条件のところが出てまいりますので、その方面に転用して使っていこう、そういう考えでおるのでございます。
○勝澤委員 暫定的というと、大体何年ぐらいお使いになるのですか。それで、本格的なものに切りかえるのは大体どれくらいと予想されているのですか。
○橋本説明員 いま申しましたような趣旨のものでございますので、数年程度もてばいいのじゃないかと思っておりますが、需要の変動によりまして案外早くかえなくてはならぬ場合も出てくるかもしれませんし、それほど需要が増加しなくて、案外予想以上に長く使えるかもしれませんし、この辺はそこの局々によりまして違うと思いますが、一応私どもの予測で数年ぐらいもたしていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○勝澤委員 数年というと、よくわからないのですが、何年ぐらいですか。
○橋本説明員 サービスを開始しましてから大体三年か五年ぐらいのところを考えております。
○勝澤委員 第三次の中には、この機械はどの程度導入するお考えになっておりますか。
○橋本説明員 先ほど御説明いたしましたように、目下試験的に開発してまいったような次第でございますので、これを今後どういうふうに使ってまいりますか、目下検討をいたしておる次第でございます。いずれにしましても、先ほど申しましたように、三年ないし五年でございますので、本格的なものではないのでございます。
○勝澤委員 この交換機で、たとえば自動改式となった場合、それで自動改式は終了したということになるのですか。
○橋本説明員 たいへんお答えしにくいのですが、ひとまず終了しておりますが、先ほど申しましたように、局舎を建てて本格的な設備にやり直さなければならぬ時期が後ほど参る次第でございますが、それを何と申し上げましょうか、ひとまず終了しておりますが、尾を引いておるようなものでございます。
○勝澤委員 明年度の予算に計上されている局も導入対象局となっておるようですが、この交換機が導入される場合の予算的措置としては、支出をされたということになるのですか。
○橋本説明員 支出されたことになっております。
○勝澤委員 三重県の深谷の局の場合です。三十八年度予算では、局舎費の一〇〇%が支出済みになっておりまして、設備においても七五%がすでに支出されたことになっておるようですが、この局の場合は完成が間近いというふうに思われるのに、この交換機を使用するのは一体どういうわけなんですか。
○橋本説明員 たいへん申しわけございませんが、いま三重県の深谷の局につきまして手元に資料がございませんので、後ほど調べましてからお答えさしていただきます。
○勝澤委員 この三重県の深谷の局というのは、何かいま問題にされているようなことはないですか。
○橋本説明員 いま手元に資料がございませんので、ちょっとお答えいたしかねます。
○勝澤委員 公社の最高機関として経営委員会があるようでありますが、この経営委員会の運営はどういうふうに行なわれておりますか。
○米沢説明員 経営委員会は、衆参両院で同意を得ました部外の委員五人と、特別委員として総裁、副総裁、この七人の委員で成立しております。そうして、公社法できめられております、予算あるいは決算、そのほか公社の経営に関する重要問題を、ここで審議、議決するということになっております。委員長は委員五人の互選によってきめられておりまして、委員長が経営委員会を招集するということになっております。議事は、七人のうちの過半数、つまり四人が入って議事を進行する、このようになっております。
○勝澤委員 経営委員会の会合はおおむね月にあるいは週にですか、何回か行なわれておるのじゃないだろうかと思いますが、その辺と会議の構成といいますか、出席者、それから最近は会議のどんなことが——これはきまっているようですけれども、特別なことはどんなことがあるのですか。
○米沢説明員 最初に委員会の開催される数でございますが、特別な場合は臨時に招集されるということがございます。それ以外は大体二週間に一回やることにしております。それからそこできめられるいわゆる議決事項というものは、公社法できめられております、さっき申し上げました予算とか決算に関する問題、あるいは借り入れ金の問題、それから債券の発行の問題とか、いわゆる法律できめられております問題をやることはもう当然でございまして、たとえば郵政省に出すいろいろな認可事項のような重要な問題は、全部経営委員会で議決しております。そのほか監事が置かれておりまして、これは一つは執行部で経営委員会できめたことが現実に行なわれているかどうかという問題あるいはまた監事が監査報告をつくりまして、その監査報告を経営委員会で報告した場合に、経営委員会がその中でこれは特に重要であるという問題は、それを拾い上げて議決するということもやっております。最近どんなことが重要であるかといいますと、先ほど申し上げましたいわゆる法律に関する事項のほかは、公社の経営に関する重要な問題最近では公社のいろいろな制度上の問題も含めまして、あるいはまた公社はサービスを中心にしてやっている事業でありますから、公社の保全なりあるいは運用サービスを改善する問題、そういうような問題を取り上げております。
○勝澤委員 いまの問題はまたあとで続けますけれども、経理局長がお見えになったですね。さっき聞きました未収金の問題は経理局長のほうでおわかりになりますか。
○井田説明員 一通りのことはわかります。
○勝澤委員 それではそれを御説明願いたいと思います。
○井田説明員 三十七年度末の未収金でございますが、百七十五億六千六百万になっておりまして、これは一般加入電話等の未収金でございますが、そのほかに警察の未収金でございますとか、そういうものも入っております。この未収金は国会でもしばしば問題になるのでございますが、いわゆる焦げつきになっている未収金というものはきわめてわずかでございまして、請求書を出しましてそれが納入になるまでの問のものを未収金にあげておる、こういうことをやっておりますので、大部分はもうどんどんと入ってくる、こういうしろものでございます。
○勝澤委員 そこで官庁専用料の中の十七億七千万、この内容はおわかりになりますか。
○井田説明員 これは経緯からちょっと申し上げますと、昭和二十八年に料金の値上げをやりました。そのときに予算の編成過程におきまして、大体そのときの料金の値上げが二〇%の値上げ、こういうことでございましたので、大蔵当局、それから関係各官庁に二〇%の値上げであるからということを通告いたしまして、そうしてそれを予算に二〇%の値上がりというものを計上したわけでございます。ところがここに電電公社側と関係官庁との連絡不十分な点がございましたわけで、二〇%の料金値上げというのは、これは平均でございまして、主として警察なんでございますが、警察のほうは、その専用料に短い短距離の専用線が多かったわけでございます。公社の料金の値上げは、短距離部分については相当値上がりの幅が多うございまして、長距離は少のうございまして、平均して二〇%というものでございました。したがいまして警察につきましては、いざ実際にこまかくその料金を当たってみますと、二〇%の料金計上では不足である、こういうことがわかりまして、その結果生じた未収金、こういうことになるわけでございます言。
○勝澤委員 そうすると、二十八年から警察の電話料金の未収が十七億七千万円ある、そういうことですか。
○井田説明員 そういうふうになりまして、結局電電公社が二〇%の料金値上げといっておりながら、それ以上上げるのはけしからぬといったようなトラブルが生じたわけでございます。その結果払うとか払わないとかいうようなこともございましたが、二、三年はそういったような状態で過ごしまして、結局三十二年度に話がつきまして、三十三年度からこれを払いましょう、そのとき結局二十八年度分、二十九年度分とずっと公社としましては法律できまりました料金でございますから、払ってもらわないものは未収金に計上してきました。そうすると、結局三十二年度末におきまして二十二億九千万円になったわけでございます。これをそのときの大蔵当局それから警察、それから公社、三者の話し合いによりまして、これを毎年一億二千万ずつ消し込んでいくといいますか、一億二千万円ずつ払ってもらう。しかも公社としましては一般会計から利息のつかないお金を借りておる繰り入れ金というものがございます。これは予算の定めるところにより一般会計に繰り戻す、こういうことになっておるわけでございまして、これと一億二千万ずつ毎年消し込んでいく、こういう話ができまして、三十三年度以来一億二千万ずつ消し込んできておるわけでございます。したがいまして、三十三、四、五、六、七、八と、すでに六年間合計七億二千万円の返済があったわけでございます。二十二億九千万円の中から七億二千万円を引きまして、その分が現在、三十八年度末の未収金になっておる、こういうわけでございます。
○勝澤委員 そうすると、まだこれから十年ぐらいはこういうことになるわけですね。これは法律の上からはいいのですか。どういうことになるのですか。
○井田説明員 実はそのときにもう一ぺんに相殺してしまおうじゃないかというような意見も出たわけでございますけれども、それは予算の歳入歳出の混淆ということになるからまずい。そこで予算に毎年度計上していきまして、歳入歳出双方に立ててきちんとやっていこう、こういうことになりましたわけで、法律的には私問題にはならない、予算の問題かと、こういうふうに考えております。
○勝澤委員 ここの料金の算定の基礎というの言は、普通の電話料金ですとちょっとでも納めないとすぐとめられるというようなおどかしの通知がきてあわ食って納入するわけですが、これはそういうものではないのですか。
○井田説明員 ほとんどが専用料の料金でございます。
○勝澤委員 これは法律的にはどうなっているのですか。
○千代説明員 法律的には公衆電気通信法の四十二条というのに一般加入電話の料金納入についての規定がございます。それから専用線の料金については公衆電気通信法の第六十五条で、これを準用いたしまして、こういう場合には契約を解除いたします、それからこういう場合には通話を停止いたします、こういう規定をつくっております。
○勝澤委員 その法律から見て、この措置は法律上こういうことが可能なのですか。それは法律以前の問題、政治的な問題なんですか、その点をちょっとはっきり教えていただきたいと思います。
○千代説明員 ただいま先生がおっしゃいましたとおり、専用線、官庁の専用料も当然これで規定されております。したがって、ただいま経理局長が申し上げました警察専用の場合、これは非常に異例の扱いでございますが、このほかにも私どもこういった専用料の場合に、相手方が信用のある場合に分割払いをやったようなことは戦前から戦後にかけてございますので、これもその範疇に入るのじゃなかろうか、法律的には公社はこういうことをすることができると相なっておりまするので、逃げ口上みたいになりまするけれども、それを活用してやっておる、こういうぐあいに解釈しておるわけでございます。
○勝澤委員 そうすると、この四十二条で加入電話の通知を停止または加入契約を解除することができる——できない場合もある、できない場合というのはこういう場合だというこじつけの取り扱いだ、こういうふうな御解釈になるのですね。
○千代説明員 こじつけというのはなんでございますが、私どもはこれができるかできぬかということを研究した際には、これでできるというぐあいに解釈いたしております。
○勝澤委員 そうすると、それはどこでこういうことを決定すればできるのですか。
○千代説明員 この条文によりますと、公社がその決定をいたします。
○勝澤委員 個人の場合も公社が認めればできるというふうになるわけですけれども、このできる範囲をもう少し明確にしてもらいたいと思います。警察ならできる、建設省ならできないというようなことを具体的にあげていただきたいと思います。
○千代説明員 従来の例によりますと、確実に入るという保証があれば、こういった場合には延期しておる場合がございますが、具体的にこういった場合、こういった場合という、それぞれの場合に応じて考えなければならないものでございますので、そういった準則的なものはございません。
○勝澤委員 この場合は金利はどうなるのですか。
○井田説明員 金利は取っておりません。
○勝澤委員 それは金利は取らなくともいいことに法律上はなっておるのですか。——もしあれでしたら監事のほうで意見を申し述べてもらいたいと思うのです。
○松田説明員 具体的にその場合の問題についてのことはつまびらかにいたしませんけれども、大体普通未収金の観念からいたしまして、それはおっつけ入る金ということで、取るべき金が暫定的に取れないということなのでございますから、利子はつかないのが普通だと思います。
○勝澤委員 それでは個人で滞納したときにも利子は払わなくともよろしいのですね。
○千代説明員 そのとおりでございます。
○勝澤委員 そうすると、電話料金の滞納ということを公社が認めれば、それは金利がつかずに、公社が認めた期間で納めればよろしい、こういうことになりますね。
○千代説明員 公社が認めた場合にはそうなると思います。
○勝澤委員 私は、特にこれをくどく申し上げておりますのは、一般会計と特別会計、このことが実は各省の中でいろいろ問題があるわけです。先般も建設省を調べてみましたら、治山治水特別会計、こういう中で相当建設省本来の仕事が行なわれているわけであります。それから、特別会計の処理ができずに、一般会計の予算をもらわないために、もう十何年間も処理できない状態がたくさんあるわけでございまして、それはまあどちらが都合がいいか知らないですけれども、ほったらかしになっている例があるわけです。ですから、この例もそういう特殊な例だと思うのですが、こういう特殊な例が十五年以上もかからなければ解決できないというようなことでは、私はいけないと思うのです。電電公社が国の会計ならけっこうだと思うのです。電電公社の経営がよくないとするならば、やはり少しでも未収になっている金は取って、そしてそれを充てる、そういうふうにしていかないと、相手が警察だからとか何だとかいうことでなくて、経理上のたてまえからいって、相当こじつけた法律解釈をやって、こじつけたものの考え方をして処理されているわけでありますけれども、それはやはり法律できめられていることは法律できちんと、大蔵省に中に入ってもらって処理をしないと、私はもののけじめというものがつかないと思います。そういう意味で言っておるわけで、電電公社のほうはよくおわかりになると思います。 そこで、次に駐留軍関係の未収電話料があるということを聞いておりますが、これはいつからどれくらいありますか。
○千代説明員 いわゆる経理上の未収金というものはございません。
○勝澤委員 経理上でない、何か電話料の滞納というのはあるのですか、それはどういうものですか。
○千代説明員 駐留軍関係のいわゆる紛争料金と称せられるものがございまして、これは経理上は未収金の取り扱いの範疇に入らないものでございますけれども、平和条約が発効しました昭和二十七年の四月の二十八日、これ以降においてこういった状況が実は発生したわけでございます。と申しますのは、駐留軍に戦後ずっとサービスをいたしておるわけですが、その駐留軍に対する電気通信サービスをやる場合に、公社——当時は逓信省でございましたか、あるいは電気通信省でございましたか。その資金でつくったもの。またそれ以外に終戦処理費によってつくった通信施設、こういったものが実はあるわけでございまして、そのうちで最初は、平和条約発効以前は、公社の資金によるもの、終戦処理費支弁のもの、いずれについても全部払われておったわけでございます。ところが、平和条約が発効いたしました昭和二十七年四月二十八日以後、この通信サービスが何によってやられるか、つまり、当時の名前は平和条約に基づく行政協定でございますが、いまは地位協定と変わっておりますけれども、これによって料金がきまる、こういうぐあいに相なったわけでございます。その場合にこの地位協定の解釈の問題で、日本側と米国側との見解が対立をいたしまして、その対立のちょうど中間になるものが、いま先生が言われた、私が紛争料金と言いましたそのものとして、支払われないまま今日に至っておるわけでございます。その問題は、なおそのほかにいわば終戦処理費の問題でございましたが、ちょうど駐留軍関係のいろいろな設備が東京都の都心にございましたのが、郊外に移転する、こういう問題が起こったわけでございますが、これが安全保障諸費で支弁する通信施設、こういうものでできたわけでございますが、これも同じ解釈の相違から紛争のまま今日に至って、あたかも未収金のような状況で今日に及んでおります。その解釈の双方の主張の対立と申しますか、この点は、米国側の主張は地位協定の第三条によりましてこの通信施設を解釈している。それから日本側は、第七条によって解釈している。この相違でございます。詳細に申し述べますことは省きますが、この第二条にいうところのものは、施設及び区域の運用に必要な設備、備品、定着物、この中に入るというのが米側の考え方で、この場合には無償ということに、同じ地位協定の一十四条でなっております。そう言って、これは無償である、こういう解釈をしております。これに対してわれわれのほうでは、地位協定の七条の、公共の役務としての公衆電気通信サービス、こういう解釈から、施設及び区域の運用に必要な設備、備品、定着物ではない。これはサービス料金だ、こういう見解をとっておりますので、その双方の見解の相違に基づいてこれが支払われないまま今日に至っておる、こういう状況であります。
○白浜委員長 時間が大臣にないそうですから。
○勝澤委員 それではいまの問題はまたちょっと預けておきまして、大臣に伺います。 先ほど、大臣お見えにならないときに、電電公社の最高機関としての経営委員会の問題について、副総裁に御質問したわけでありますが、経営委員会の運営につきましては、これは部外者五人と、それから総裁、副総裁が入った特別委員で運営されておるわけです。それで運営の仕方につきましては、二週間に一回程度会合を開くというお話がありました。そこで、私は、電電公社とNHK、放送協会ですね、この経営形態というものは、たいへん変わった経営形態だと思うのです。そこで、郵政省と経営委員会、それから経営委員会と公社、そうして公社の中において今度は運営が行なわれておるわけでありますが、この中から出てくることで、特に、内部の監察の問題で、経営委員会が国会の任命人事になっておる。そうして今度は大臣が総裁、副総裁を任命する場合でも経営委員会の承認が必要になってくる。監事の任命も経営委員会がやっている。よその公社、公団ですと、みな総裁、副総裁は、あるいは監事は大臣任命になっておるわけです。ですから、監事は大臣に対する意見を具申する具申権と言いますか、そういうものを持っておるわけです。この場合は、監事は経営委員会に対する意見を具申するだけであって、大臣に対する直接の意見の具申はできない、そういう点から電電公社の監事のあり方、経営のあり方を見てみますと、経営委員会というものとそれから執行機関である総裁、副総裁、これは理事会の運営でしょうか、そういうものから見ますと、何か重複しておるような気がするのですが、かつて行管からもこれについては指摘をされたようなことがあるのですが、いまの運営の仕方について大臣、お考えを少しお聞かせ願いたいと思います。
○古池国務大臣 お話のように、公社の重要な施策事項については、経営委員会の決議に基づいて行なっておられるわけでございますが、公社を代表する者はやはり経営委員の一人でもあります総裁が代表しておるわけであります。それから監事は、経営委員会において任命することになっておりますが、この監事という制度は、私も非常に詳しいことは存じませんけれども、各公社あるいは公団、公庫等を通じて見ますと、非常に種々さまざまであるようであります。しかし、本来の職責は、あくまでその組織の中の運営を監査をして、不当なことのないように、また、監査の結果を将来の運営に反映をさせるようにしていく、そういう点に重要な使命があるであろうと思います。ただいまの監事はさようなわけで経営委員会によって任命されておりますけれども、しかし、仕事自体としてはあくまで経営委員会とは独立して、その本来の使命を遂行すべきものであろう、こう存じております。それから所管大臣に対して、監事が報告をする、あるいは意見を具申するという問題についても、これも各公団、公庫等においてまちまちのように存じております。あるいは直接大臣に具申することが適当であるという意見もありまするし、また総裁あるいは理事長等を経て大臣に具申するというようなこともあるようであります。これらはいまのところ統一されておらぬように存じておりますが、私は現在の任命の方法はともかくといたしまして、監事としてはあくまで独立した地位であるという立場を認識して、経営委員会等の指示とかそういうものによらないで、やはりその立場を明らかにして公社内の監査をやるべきものである、こう考えております。
○勝澤委員 監事の意見具申については、この間の国会で実は統一されたわけです。これは行政管理庁から出されまして、その結果に基づきまして各公社、公団法の改正がみんな出ました。それで委員会審議の間に、特に河野建設大臣のほうから、首都高速道路公団法のときに、監事が意見具申を理事長を通じて出すことについてはこれは間違いだ、直接大臣に意見具申ができる、こういうことで修正を建設委員会でやりました。そこで各省から出ておりました今国会に対する公社、公団、公庫の法律は全部三党共同で修正をして、いま行なっているわけであります。ですからいままで理事長や総裁を通じて行なってきた、あるいは直接やってきたこのことが、ここ一、二年の結果からいって、やはり監事というものは大臣直接任命だ、いうならば、総裁あるいは副総裁、監事というものは同等なんだ、そしてそれは国民の代表という形で監察を行なっているのだ、こういうふうに統一されておるわけであります。それからこの電電公社の経営委員会を見てみますと、経営委員会はこれは国会の議決であります。今度は経営委員会が中心になって総裁、副総裁あるいは監事、こういうものが任命されておるわけでありまして、実はきょう私も電電公社のこの決算を質問をしながら、これは総裁や副総裁に質問するよりも経営委員会にきてもらって経営委員会に質問するのがほんとうじゃないだろうかという疑問をすら持っているわけであります。経営委員会というのは最高の意思決定機関として、経営委員会のもとに総裁、副総裁が仕事を行ない、監事がそのもとで仕事を行なっているわけであります。ですからそういう点から考えますと、これは監事の取り扱いについても少しやはり検討しなければならぬ時期にきているのじゃなかろうか。経営委員会が主になって行なっているというやり方がいいか悪いか、あるいは経営委員会のもとで総裁、副総裁が仕事をしている、経営委員会の上に郵政省がある、国鉄のような場合は運輸省が監督をやりながら国鉄総裁以下理事でやっておるわけでありますから、ここに経営委員会というものが一つ余分に入っているというふうに思うわけでありまして、このよしあしについては、私はまだ結論がありませんけれども、これは少し議論をして再検討すべきときにきているのじゃないだろうか。いうならば、経営委員会のメンバーを見ても、これは財界の有力な人たちで、経営能力についてはすばらしい人たちですけれども、こういうことで経営委員会というものを置かなければ、電電公社なりあるいは日本放送協会の運営というものができないだろうか。いまの総裁以下理事スタッフにまかせて、そしてそれを郵政大臣が監督をする、これでいいじゃないだろうかという気が実はするわけであります。そういう点についてもう一度お考えを聞かしていただきたいと思います。
○古池国務大臣 ただいまの御意見、私も非常にごもっともな点があると思います。昔は大体かような組織、経営委員というようなものがなくて総裁、副総裁というものがすべて決定をして、さしずをしてまいったのでありまするが、近年になりまして経営委員というものを任命をして民間における学識経験者のその学識、経験を十分に利用しよう、こういうふうな空気になってまいって、そのためにこの公社法においても、さような規定が置かれておるものと考えます。最高の方針等については経営委員会の議決によってきめるわけですけれども、公社内部または公社外部に対しまして、公社を代表してまいりまするものは、やはり総裁がやるということに法律においてもきめられておるわけであります。私は監事の大臣に対する意見具申の問題についても、先ほどお話になりましたようなことが国会において論議されまして、今後は統一しようということになったという話も存じておりまするが、ただたとえば鉄道建設公団等においては何か一般のものと少し違ったようなことになっておったというようなことにも承っております。しかし、かような公の機関における監事の立場というものは私は非常に重要であり、今後ますます重要視してまいらなければならぬものと考えますので、ただいまの御意見も十分考慮におきまして、今後監事のあり方ということについては検討を加えてまいりたい、かように考えます。
○勝澤委員 監事のあり方につきましては、経営委員会で任命するやり方、これでいいかどうかという点については、実は少し疑問があるわけでありますが、これは次の機会に譲るといたしまして、引き続いて副総裁にお尋ねいたしたいのでありますが、あるいは監事でもけっこうですが、内部の監査局というものがあるようでありますが、監査局とそれから監事室、この関連はどうなっておるのか。監察の内容においてあるいは運営のしかたにおいて、どういうやり方を行なっておりますか。
○松田説明員 お答え申し上げます。 ただいま先生からのお話にもございましたように、監事は経営委員会から任命されておりまして、したがいまして公社法の規定によりまして監事が監査をいたします場合には、結局法律の制定の趣旨、つまり経営委員会が潜在的に持っている監査の機能というものを私どもは法律上ふえんした形でございますので、経営委員会の意思決定に役立つように監査する、つまり経営委員会に奉仕するというのが私どもの使命でございます。したがいまして、私どもが監査いたしますのは、大体現在の法律の形からいいまして、一つは私どもが出しました年次監査報告書、これは財務諸表に関するもの、あるいはそのときにあわせまして業務監査をいたしたもの、そういうものを含めて年一回経営委員会に提出いたします。それが公社のほうから郵政大臣に提出されます。そのほかに経営委員会の重要事項をきめられますにつきまして、参考とされねばならないような経営上の重要な問題というふうなものを私どもは別に監査しております。それから経営委員会が決定されました事項をどのように執行部が行なっているかということにつきまして、経営委員会の議決事項の実施状況を監査するということも行なっております。そういうことで実際問題といたしましては監事室というものが私どものスタッフにあるわけですが、これの任命は人事でございますから総裁の任命にはなるわけでございますけれども、あくまでも指揮権は監事のもとにあって、総裁の執行部の指揮ということから全然離れているという形になっているわけでございます。別に総裁は、自分の執行しておられます業務そのものについてみずから顧みて正すという意味での自己監査の機能を監査局という制度をもって実施しておられるわけでございますが、これは広く全般的にやっておられますので、その状況を私から申し上げるのは少し権限外だと思いますので、監査局長のほうから……。
○勝澤委員 監事室のスタッフというのは、大体どのくらいの人数でおやりになっていますか。
○松田説明員 大体八人程度でございますが、本社の執行部のほうの程度で申し上げますと、大体課長程度の人が三人、課長補佐程度の人が三人、それから一般の人が二人ということで、計八人になっております。
○勝澤委員 監事と総裁、副総裁は経営委員会の任命という形になっているわけでありますから、監事の立場というものはここで明確にはなっておるわけであります。監事として、経営委員会がきめたことについての監査を行なっている、監事独自として電電公社の経営についてどうこうという意見というものは出されたことがありますか。あるいはまた、この公社法の十条に定めるように経営委員会の特命によって監査を行なったことがありますか。
○松田説明員 お答えいたしますが、その前にちょっといまのおことばでございますが、私ども監事は経営委員会の任命でございますけれども、総裁、副総裁の任命は経営委員会ではございません。 あとの問題がちょっと先になりますが、私どもは経営委員会から特命されまして監査をする事項はございます。先ほども申し上げましたように、経営委員会の議決事項の実施状況を監査するといいますのは、これは特命といいますか、経営委員会のほうできめられました規定でそういうことにきまっておりまして、これは毎年やるわけです。そのほかにも具体的にこういう事項をやってくれということで監査したこともあります。ただ先生の最初におっしゃいましたように、経営委員会の議決事項そのものを私どもが取り上げて監査の対象にし得るかどうかということは、これは実は非常にデリケートな問題のところでございまして、私どもいろいろ考えたのですが、また学者の間でもそのことはかなり問題になっておるようでございます。と申しますのは、任命した人そのものの決定事項を直ちに批判するということが一体可能かどうかということでございます。たとえば国鉄のような場合に、いわゆる執行機関と、それから執行機能の中にも意思機関がございますが、それと監査委員会は全然独立のものでございますから、その意思機関である理事会で決定した事項というものは、第三者的に見て監査委員会が監査する。したがって、それを批判することは可能なわけでございますけれども、私どもが経営委員会の決定されました事柄そのものを取り上げて批判するということは、できないのじゃないかという議論が学者の間にあるわけでございます。ただし、そういう場合でも経営委員会が議決した事柄が実際実行されまして、そしてそのあらわれてきましたいろいろの現象を考えてみて、経営委員会の議決そのものがはたして正しかったかどうかということを自己反省されるということは、経営委員会としてあるわけでございますから、そういう意味の自己反省に役立つように、経営委員会の議決事項の実施状況というものをながめてみて、考え直す点があるなら経営委員会にこういう点は実施の状況から見て考え直す必要があるのではなかろうかということで反省の役に立てるというふうなことが、私どもの仕事としては入り得るのではないだろうかというふうに私としては考えておりますが、具体的にまだそういうこととして直接に問題になったことはございません。
○勝澤委員 監事のあり方について、たとえばほかの国鉄と電電と比べた場合、監事の権限といいますか運営といいますか、相違があるということはあなたよく御存じだと思うのです。国鉄のやり方がいいか、あるいはいまやっている電電公社のようなやり方がいいか、いろいろ議論があると思うのです。私は私なりに経営委員会の任命による監事のあり方という点については少し検討しなければならぬという気が実はするわけであります。監事の本質的なあり方について、この際法律の中に明記された時期でありますから、よその公社、公団、公庫については別の機会に私は議論したいと思いますが、あなたの立場からいって監事のあり方という点についてもやはりいまのやり方そのままでいいものとせずに、ぜひ検討していただきたいと思うのです。そうしないと、あなたが出しているこの監事の監査報告書とよその公社、公団、公庫から出ている監査報告書とは、本質的に中身の取り上げ方が違っておるわけであります。極端な言い方をすれば、この監査報告書というものは事業報告書のような感じが実はするわけであります。やはり監事の立場というものからいって、もう少し変わったとらえ方というものがあるのではないだろうかという気がいたしますので、質問したわけであります。 時間がありませんので、私はこれで終わります。
○白浜委員長 山田君。
○山田(長)委員 時間があまりないようでありますので、ごく簡単に二、三御質問申し上げますが、お答え願いたいと思います。 最近、電電公社に対しまして、少しの雨が降ってもあるいは少し強い風があっても不通になってしまうというようなことから、取れるものは取り上げておいてさっぱり工事上からいって完全でないために電話の不通があって困るじゃないかというふうな声を耳にするわけです。このことにつきまして現在下請をやっている大会社の直接契約者及び下請の数というものを当局は大体において把握しておるのかどうか、参考までに伺っておきます。
○大谷説明員 建設工事におきます工事品質の確保につきましては、数年来この点に特に力を入れまして努力いたしておる最中でございます。ただいま御質問の下請会社に対しましても引き続き施策を強力に進めております。私ども従来元請会社に対しまして工事を発注してまいっておりまして、元請会社の責任において工事品質を確保するというたてまえでまいっておったのでございますが、先生御指摘のような問題もございまして、最近になりまして、請負会社につきましても一そう実態を把握できるような体制にしたい、かように考えまして、下請の登録制というものをいたすことになりました。なお、したがいまして下請の数その他につきましては、ただいま的確な資料は持ち合わせておりませんが、現在元請会社が百社近くございまして、それに対しまして登録した請負業者というものが三月末で私どもの手元に集まることになっておりますが、平均いたしまして一社大体十社内外、そういうふうに考えております。
○山田(長)委員 公社自体でも実態をつかんでおらないようでありますから、これはそうすると何段階くらい下請の人たちが下請の仕事をしておるかということをなお把握されておらないと思いますが、一体元請業者から下請の段階、末端まで何段くらいで仕事をやっておると思いますか、大体常識で、あなた方知っておられる範囲で。
○大谷説明員 望ましい段階は、多くてもせいぜい二ないし三段と考えておりますが、場合によりまして、最近パトロールでわかったわけですが、四くらいのもあるようであります。しかしそれは望ましいことではありませんので、先ほど申し上げるように、その下請につきましても十分はっきりしたものにしたい、かように考えております。
○山田(長)委員 私はなぜこういうことを伺うかというと、公社自体も、おそらくこれはつかみ切れないだろうという印象を持ったからです。それは末端の、四段階も五段階もいった下請の人は、全部やはり元請の人のことになってやっておる。おそらくあなた方がパトロールしてみても、元請の者であるという形で、末端下請の人たちはそういう名称を使っておると思うのです。そういうことから、なかなか実態把握というものは困難と思うのでありますが、しかし、それがために迷惑をこうむるのは一般国民だと思うのです。これが粗漏な工事がなされており、そして雨が降ったり風が吹いたり、あるいは少しの事故のために不通になってしまう。それがある局に至りましては、ついこの間の風と雨でさえも二十八カ所の不通個所があった。それでほとんど一局の一方向が全然不通だったということで、たいへんな迷惑をこうむったというところがあったわけですけれども、実態把握が困難であれば、これは本社としてもなかなか文句の持っていき場所がないだろうと思うのです。聞くところによると、最近の物価高に対応いたしまして、元請に対する契約高は、本社のほうとしては単価を上げたそうですが、実際において末端には全然潤いがないという話を伺っておりますが、この点どうですか。
○大谷説明員 お答えします。御承知のように労務賃金が非常に昨今高騰いたしてまいりましたので、それを合理的な線まで是正するという意味で、最近労務賃金、給料の引き上げを行ないました。これは趣旨といたしましては、やはり適正な、りっぱな工事日数を確保していただくための修正でございます。したがいまして、私ども下請と元請の関係におきまして、当然元請から下請の賃金、給料に対しまして適当な是正があるものと考えるわけでございまして、もし御指摘のような面がありまして、それが工事日数の上に影響するということがわかりましたら、元請会社を強力に指導いたしてまいりたいと存じております。
○山田(長)委員 実は、私耳にした範囲でこれは申し上げておるわけでありますが、末端の下請は働く人たちの争奪戦で実際仕事が手につかぬ状態だというんです。これはあなた方どういうふうに見ておるかわかりませんけれども、実際仕事をやっておる人はそうです。それではなははだしきに至りましては、少し技能のすぐたれた人に対して一日三千円から五千円支払っておる。これは若い青年でありますので、これはほんとうからいうと必ずしも私は若い青少年のためにいい結果を生むものではないと思うのです。そういう点で、いま寄り寄り組合化の話が出ておるようです。私、その定款を手に入れたのでありますが、逓信建設協力事業協同組合というものが関東地方にはできたようであります。 〔委員長退席、勝澤委員長代理着席〕 この組織によって、人的な引き抜きの競争だけはひとつやめて、安定した形で仕事をやろうじゃないかという意図でこの組合ができたようでありますが、これは実にけっこうなことだと思うのです。これは副総裁に伺いたいのですが、こういうものはやはり元請の会社がしっかりしているから、そこへあなた方は契約するかもしれぬけれども、元請でも何千人という人たちを常に擁しているわけじゃないのです。結局この下請のまた下請のまたその下請の人たちに実際に仕事をやらしておるわけなんですから、この人たちの組織の実態をちゃんとつかんで、一体どれだけ免許証を持っておる者がやっておるのか、それからどれぐらいの待遇で実際の仕事を現在やっておられるのか、労働者の生活状態というものをもっと知らなければ、安定した形で仕事ができないと思うのです。そういう点について、この組合をやはり当局として育成する必要があると思うのですが、この点についてどうお考えになりますか。
○米沢説明員 先生が御指摘されましたように、公社といたしまして下請の問題について、特に昨年以来重要視してまいったのでありますが、ただいまお話しになりました、そういう相互に協力一致してあまり無理のないような仕組みができますならば、私のほうといたしましても十分それに即応するような考え方をしていきたいと思いますが、私、いま先生御指摘のような協同組合ができたということをまだよく聞いておりませんけれども、もしそういうものができれば非常に下請の強化といいますか、無理のない下請ができるんじゃないかと考えておる次第でございます。
○山田(長)委員 ただいまの副総裁のお考えで大体私の考えておることに一致するような感じがいたしますので、これは希望として申し上げておきますが、末端下請は事務所を持たないで、電話も呼び出し電話を隣のうちに頼んで、そして仕事は何千万という仕事をやっておる。これでは何と考えても——それで税金をのがれるために二、三カ月したらアパートをかえてしまう、こういう機構をあなた方が知らずにおったのでは、私は、元請が引き受けたからといって、元請の内容を知らなければ——それは元請の中には元郵政省の何々局長という人たちがずらっと並んでおるのですから、契約上においては個人的なつながり等から考えてみても、安心して実はまかしておるかもしれないけれども、その内容においてはまことにいかがわしいものが実際あるんです。だから私は、きょうはこの点について特に下請の調査方をお願いしておりますのはそういう理由ですし、それからもう一つは、いま申し上げましたように協同組合というものを完全に、これは一応小さくても一国一城のあるじがいるわけですから、この人たちに責任を持たせるためにも、もっと元請だけに力を入れるのでなくして、そういう末端の仕事をしている人たちに対する愛情も持ち、仕事も完全なものをしてもらうということが私の希望です。どうぞよろしくお願いいたします。 私は、元請がどれだけ取ってどうしているかなどという実態を話しているのじゃなくて、緊急の急務として申し上げておるのですから、どうぞよろしく御配慮願います。
○米沢説明員 公社といたしまして、工事の質をよくするということは非常に重要なことに考えておりますので、ただいま先生の御指摘にありましたように、さっそく実態を調査したいと思います。 ————◇—————
○勝澤委員長代理 次に、労働省所管について、藏内政務次官より概要について説明を求めます。藏内政務次官。
○藏内政府委員 昭和三十六年度決算及び昭和三十七年度決算の概要につきましては、お手元に印刷物をお配りしてございますので、それによって御承知おきいただきたいと思います。 何とぞ御審議のほどをお願い申し上げます。
○勝澤委員長代理 委員各位のお手元に配付してあります昭和三十六年度及び昭和三十七年度決算の説明書は、便宜委員会会議録に掲載いたしたいと存じますので、さよう御了承願います。 次に、会計検査院当局より検査の概要について説明を求めます。小原会計検査院第三局長。
○小原会計検査院説明員 簡単に御説明いたします。 労働省所管事項につきまして、三十六、三十七両年度決算検査報告に掲記いたしましたものは、労働者災害補償保険及び失業保険の各特別会計における保険料の徴収及び保険給付の問題と、失業対策事業に対する国庫補助金の経理の問題でございます。 時間の関係上計数等は省略させていただきまして、まず保険料の徴収について申し上げますと、三十六年度で指摘しました労災保険及び失業保険の徴収不足は、保険料の算出の基礎となります賃金の額等について適正な申告をしない事業主があり、また当局においても調査に十分手が回らなかったことが原因でございます。三十七年度の五五六で指摘しております労災保険の事案は、強制適用事業とされております建設業につきまして、事業の把握が適確に行なわれなかったために保険の運営から漏れていたものを指摘したものでございます。 次に、失業保険事案におきまして、保険給付が適正を欠いた事案の内容は、事業所から給与を得ております者に対して失業保険金を給付したというものでございまして、関係書類相互の照合確認が適確に行なわれなかったことによるものでございます。 最後に、「失業対策事業に対する国庫補助金の経理当を得ない」事案は、補助基本額のうちに失業対策事業に就労しない者に対する賃金額を含めて精算していたものでございます。 簡単言でございますが……。
○勝澤委員長代理 これにて説明聴取を終わります。 —————————————
○勝澤委員長代理 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許します。押谷富三君。
○押谷委員 大臣はあとからお見えになるそうでありますので、まず政務次官からお尋ねいたします。 まず労働行政の基本的な問題についてお尋ねをするのでありますが、労働省におかれましては、労働行政の大元締めの立場から、最近の諸情勢でたいへん御心労なことはお察し申し上げております。十七日の統一春闘といい、また、当面しておられます、この国会の最高の山場といわれているILO条約批准等の問題について、たいへんな御心労をお察ししているのであります。その労働省は、わが国の労働行政の大元締めとして、労働行政のにない手の立場から、あるいは完全雇用の達成であるとか、労働条件の向上実現のために努力を続けられているのでありますが、いまの経済情勢や社会情勢から、なかなか重大な問題、解決をせなければならぬ多くの問題を控えておると存ずるのであります。最近におきまして雇用問題一つを取り上げましても、新規の中学卒業生、高校卒業生の求人問題になりますと、たいへんな求人難であります。特に中小企業の立場から、これらの求人難はまさにたいへんな逼迫をいたしておるという状況になっております。しかし、反面におきまして、中年層あるいは高年層の離職者の就職となりますと、ますます行き詰まりを生じているような状況であります。これも何とかしてもらわなければならぬ大切な問題であります。また、労働基準の関係についてみますと、昨年の三池炭鉱の大爆発、この事故を筆頭といたしまして、産業の災害あるいは各種の職業病、これらに対する対策というようなものも、ぞひ御解決を願わなければならぬ問題であります。これらの具体的な問題については、他の委員諸君から詳細お尋ねになると思うのでありますが、まずもって政務次官におかれまして、労働行政上のこうした問題に対する政府としての所信を概括的にお伺いをいたしたいと存じている次第であります。
○藏内政府委員 お答えを申し上げます。 ただいま押谷委員御指摘のとおり、最近の経済情勢から考えまして、労働力の充足と申しますか円滑な流通ということが非常に重大な問題になってきております。さらにこの問題に関連いたしまして非常に労働力が不足をしてまいりまして、一部において労働力の極端な不足を来たしておるかと思いますると、また一部の不振産業あるいはその不振産業のある地域におきましては、中高年齢層を中心といたしまして、労働力がいつまでも就労できない状態のままに滞留をする、こういうアンバランスな状態が出てきております。したがいまして三十九年度の労働行政の重点といたしまして、政府といたしましては、労働力の需給の円滑化という点に中心をまず一点置いてございます。 それから産業の高度化に伴いまして、ただいま御指摘のとおり労働災害が多発する傾向もございますので、これの安全管理と申しますか労働災害の防止という点にまたさらに一つの重点を置いてございます。また御承知のとおり、最近の経済の成長に伴いまして中小企業の労働力不足という点から、従来非常に格差のございました中小企業の賃金というものが、初任給を中心といたしまして漸次上向いてまいりました。しかしながら、なおかつ中小企業の賃金は全体といたしましては必ずしも満足すべき水準を維持しておるということではございません。この点になお改善をいたすべき余地もございます。これらの点を総合いたしまして、今回は労働省といたしましてはかなりきめのこまかい、また従来の行政からいたしますと、一例をあげますならば、労働力の需給のために電子計算センターなどを設備いたしまして、労働力の需給を迅速的確に行なうというような措置を講ずる等、きめのこまかい措置を講じたつもりでございます。今後ともまた労働省におきましても努力をしてまいりたいと思っております。
○押谷委員 よく了承をいたしました。御苦労に存じておるのでありますが、いまのおことばの中に労働災害の防止に対する処置のお話がありました。この件につきまして相当御考慮をいただきたいという問題があります。それは産業災害の絶滅とかあるいはじん肺病といった職業病の治療対策の基礎研究をする機関があります。これは御承知の産業安全研究所、労働衛生研究所等であります。その使命は大切なことであり、労働者の権益を保護し、また労働省といたされましても当然なさなければならぬ重大な責任ある機関でありますが、さてこの産業安全研究所、労働衛生研究所等につきましては、世間の人に話をしてもそんなものがあるのかと、知っている人はごくまれであります。それはその規模があまりに小さ過ぎ、予算が少な過ぎて一やっていることがちゃちであるということを一面意味しているものではないかと考えるのであります。こういう重大な仕事をさすこれらの機関につきまして、政府は今後もこうしたちゃちな予算でちゃちな陣容でこの重大な産業災害対策であるとか、あるいは職業病の治療対策の研究ということができるとお考えになっているか、これに対しては何とか配慮をなさるべきであるというお考えにはならないのか、この点につきまして当局の御意見を伺いたいと思います。
○藏内政府委員 産業災害の防止並びに職業病等の基礎的な研究のための概関をもっと拡充強化すべきではないかという御激励をいただきまして、まことに感謝にたえません。労働省といたしましては、この点は十分留意いたしておるつもりでございまして、逐年予算は増加をいたしております。三十五年から比べますと、八千七百万円でございましたものが現在一億二千七百万円とかなりの伸びを示しております。が、最近の産業経済の高度化に伴いまして非常に複雑な災害も起こり、またそれに伴う職業病というのも、われわれの予期しないようなものも発生するおそれがございます。それらの基礎的な研究機関といたしましては、なお不十分であろうと思います。産業災害防止につきましては、ただいま労働災害の防止法案を——もちろんこの法律一つをもって全体の労働災害を防止するという意味ではなく、広い措置を講ずる一端といたしまして、こういう民間の自主的な産業防止体制をつくっていこうということでまず法案の御審議をお願いしておるわけでございます。ただいま御指摘のような基礎的な職業病等の研究機関につきましては、私どもなお将来検討いたしまして善処してまいりたいと思っております。現状につきましてもし御説明する点があれば労働基準局長また労災補償部長から御説明いたさせます。
○押谷委員 労働基準局長、労災補償部長より、これらの機関の予算なり陣容なりにつきまして御説明いただきたいと思います。
○村上(茂)政府委員 先生の御指摘の点につきましては、研究所の問題と一般的な各般の問題とがございましたが、さしあたり研究所について申し上げます。 産業安全研究所におきましては、職員は四十四名で、そのうちいわゆる専門的な研究員は三十二名でございます。もちろんそのスタッフはこれだけで十分だという性質のものではございませんが、最近の調査項目を見ましても、たとえばボイラー発電機の改良、機械装置の改良、落盤土砂崩壊防止対策といったような十数項目についての研究項目を特定して研究いたしております。 また労働衛生研究所について申し上げますと、職員の数が五十八名でございます。その中の専門的な研究員は四十六名でございます。この研究所におきましても、有害物質の調査研究、それから労働衛生各般にわたります研究項目を特定いたしまして研究をし、その結果は印刷物をもちまして配付しておるわけでございますが、先生御指摘のように、その研究所の何たるかを十分世間が理解していないということにつきましてはまことに恐縮でございますが、今後御指摘の点をわれわれ鋭意改善いたしまして、労使はもとより一般世間に十分この研究所の御活用をいただきますように指導してまいりたいと考えておる次第であります。
○押谷委員 大臣がお見えになりましたが、ただいま御答弁をいただきましたのは、産業災害の絶滅とか、職業病の対策とかについての政府機関であります産業安全研究所、労働衛生研究所があまりにもちゃちではないか、これでは大きな使命を果たす機構としては受け取れないし、世間もほとんど知らぬじゃないかということを私は申し上げたのであります。もちろん世間が知ってくれようと知ってくれまいと、かようなところは問うところではありませんけれども、産業災害の防止あるいは職業病の治療対策というような大切な仕事でありますから、これはしっかりした機構をもって予算もたっぷり取られて、十分その使命を達成せられるようにお願いを申し上げるということにいたしておきます。 〔勝澤委員長代理退席、山田(長)委員長代理着席〕 大臣お忙しいようですから大急ぎで質問をいたしますが、決算につきまして、労働基準局長あるいは職業安定局長のお仕事に該当いたします会計検査院からの批難事項が出ております。それによれば労災保険料、失業保険料の徴収不足が報告されているのであります。これは決して大きな金額ではないと思いますけれども、しかしこの労災保険料の未収、失業保険料の未収、徴収不足ということが毎年繰り返してあげられているのでありまして、毎年同じようなことが繰り返されているということは、会計検査院の報告に対して政府当局としてそれに適当な処置をとられているかどうかということに疑義を生じますので、この点につきましてどういうお考えをお持ちになっており、いかなる処置をおとりになっておるかということをまず伺いたいと思います。
○大橋国務大臣 会計検査院の御指摘どおりでありまして、まことに遺憾に存ずる次第でございます。御承知のとおり労災保険の保険料の算定は、支払いました賃金総額に対しまして保険料率をかけ合わせて算出し、しかもこれを事業主が自主的に報告する。それに基づいて徴収することに相なっておりますので、その保険料の額に誤りを生ずる可能性が少なくありません。したがって、これを防止いたしますため、保険料徴収の実施機関になっております労働基準局また労働基準監督署におきましては、常に事業主に対して保険料の算定基礎の調査を励行いたしまして、関係機関との連絡を密にして報告書未提出の事業場の摘発並びに賃金総額を完全に把握することにつとめておるわけでございます。しかしながら実地調査に従事いたします職員の絶対数が不足いたしておりまして、また実地調査に要する旅費の予算にも限度がありますので、全事業場にわたって実地調査を不断に励行するということができませんので、御指摘のような徴収不足を来たしておる実情でございます。今後はさらに事業主に対する法令の周知及び指導の徹底をはかり、保険料の算定基礎調査につきましても一そう効果的に行ないますと同時に、さらに今回四月十六日付通達によりまして、公共工事費の前払い金の中に労災保険料を含める制度を実施しまして、保険料の徴収の適正化を強力に推進いたしておるところでございます。この問題につきましては労働省といたしましても大いに責任を感じまして、今後鋭意努力いたしたいと存じます。
○押谷委員 労災保険、失業保険とも同様でありますが、この徴収基準は、いま御説明をいただきましたように、雇用間において支払われた賃金に一定の保険料率を乗じたものが保険料となって計算されるということは間違いないと思うのです。そういう大体同じような性格の労災保険と失業保険を扱っている役所となりますと、同じ労働省所管の仕事であって、しかも一方は労働基準局が労災保険の関係を取り扱っておる。また失業保険となりますと、都道府県の失業保険課においてこれを扱っておる。いわば一つは政府の出先機関が扱っておる。一つは地方の自治体がこれを取扱っているというように、扱っている役所が違っているのです。同じようなものであって、その基準も賃金に料率をかけたもので出てくる。ところが二つ違った役所で扱っているということは、それだけ行政事務が複雑であり、その間におけるかれこれ連絡等不徹底であるというように考えられます。またその取り方におきましても、これは私の考えているところですから間違っておるかもわかりませんが、もし間違っておらぬとするならば、災害保険のほうは、次年度の賃金を大体予定をいたしまして、それに料率をかけた一年間のものを一括あるいは三回くらいの分割払いをして、そして次年度の初めに至って、あるいは当該年度の終わりに至って精算をするという方法をおとりになっているようであります。ところが失業保険のほうは毎月払っていく賃料に対して失業保険料を払っていくというので、精算をするという手続もありません。こうした二つの同じ性格のもので同じような計算ができるものを役所が違う。また事実扱い方が違うということは、これは何かに不便もあり、行政事務の簡素化からいきますと、どうもうなずけないと思うのでありますが、これにつきまして何とかくふうはないものでしょうか、お伺いいたしたい。
○大橋国務大臣 まことに御発言はごもっともに存じます。同じような料金の徴収が、系統の違った二つの役所で二重手間をかけて、どちらも成績があがらないというような結果になりがちでございます。ことに労働省といたしましては、明年以降におきまして、五人未満の労働者を雇い入れております事業体に対しましても、失業保険の強制適用ということを考えております。そうなります場合には、この保険料の徴収の仕事というものは、労働省としても非常に大きな事務に相なりますので、ただいま労働省の部内におきまして、これを機として保険料の徴収機関の一元化という問題を取り上げまして、すでに検討に着手いたしておる次第でございます。できるだけ早い機会に結論を得まして、必要なる予算措置を講じて、御期待に沿うようにいたしたいと考えております。
○押谷委員 これは所管の省が違いますから、労働省一本のいまの問題のようにはいかぬと思いますけれども、よく以た問題で健康保険、厚生年金保険というようなものがあります。これも大体同じような性格のもので、一つの機関でやるか、二つの機関でやれば常に連絡協調を遂げるということが必要であろうと思います。これは事務的には、健康保険の扱いの省庁と厚生年金を扱っている役所との間において連絡協調の機関はあるのですか、あるいはそういうことを実施されるという将来のお見通しでもあるのですか、お伺いしたい。
○大橋国務大臣 何ぶん現状では、先生の御指摘のように、労働省の中の二つが一つになれぬ状況でございます。厚生省とされましても、おそらく健康保険の徴収機関と年金の機関の一元化というようなこともあるのじゃないか。まず、私どもといたしましては労働省関係の中の一元化をやりまして、その上で他省との一元化というさらに上級の仕事に進みたい、かように考えております。この際一足飛びに全部の関係の一元化ということになりますと、省も違います関係でなかなか話がはかどらず、それでは労働省部内の一元化すら結局おくれてしまう、こういう実情ではなかろうかと考えまして、ただいまのようなはからいをいたしておるわけであります。
○押谷委員 これはなかなか困難なことでありますが、行政事務の簡素化、一元化というものは大切なことでありますから、大臣の御答弁のごとくひとつ御尽力をお願い申し上げます。 これと同じようなことでありますが、実際問題としてよく世間に出ていることで、失業保険で失業手当をもらっているという失業者がある。ところがこの人がその期間内に就職をしている。就職すれば給料がある。給料があれば所得税の源泉徴収の届け出をいたしているというような場合において、同じ日本の役所でありながら一方では収入があることの届け出がある、一方では失業していますからと金をもらっている、こういう矛盾が実際にあるのでありますが、こういう実績につきましては労働省としては御調査になっているでありましょうか、またこの問題についての対策はどうなっているか、こまかいことですがお伺いしたい。
○有馬政府委員 ただいま御指摘のような失業保険金の不正受給につきましては、先生から御指摘がありましたように、失業保険金をもらいながら他に就職してそっちのほうからも賃金をもらっておる、こういうケースが不正受給のほとんど九〇%を占めております。したがいまして、私どもとしましてはこの不正受給を防止すべく失業保険給付調査官という職制を設けまして、これを全国の主要安定所に配置をいたしまして、もっぱらこの面の不正受給の防止につとめております。しかしながら、現在の安定所の仕事のやり方ではなかなかこれが完全防止とまではいきませんので、将来の問題といたしましては、労働市場センターという構想のもとに全国の被保険者をセンターで一本に集中管理をする、それから先ほど大臣からもお話がありましたように、五人未満についても強制適用をする。この二つの制度の併用によりまして、こういった不正受給が行なわれないように制度的に組み立てていく。これによって大半の不正受給を防止してまいる、こういうふうな計画を立てております。 〔山田(長)委員長代理退席、委員長着席〕 四十一年、四十二年ごろからはそういった機能が働いてまいりますので、飛躍的にその面の改善がなされると思います。
○押谷委員 失対事業についてお尋ねをいたしたいと思います。 これは三十六年、三十七年の会計検査報告に失対事業の補助金につきましての経理が当を得ないという批難事項がたしか三十件ばかりあります。金額は少のうございますが、その内容は、就労をしておらない者に一日就労をしたとして賃金を支払っているという内容でありますが、これは考えますと、全日自労の組合の専従役員である、職員である、あるいは単位組合の専従職員がその仕事に従事をしておるから、そこで失対事業に従事はしておらぬが、そういうように計算がなされているのかもわかりませんけれども、この三十件に余る当を得ないという報告につきましては、事務当局において事務上のあやまちがあったのか、あるいはその他何か特殊な事情があってこうせなければならぬという形で、一日就労をしているような報告になって、それを指摘されたという関係なのかはっきりいたしませんが、その点についてお尋ねをいたしたい。
○住政府委員 ただいま先生御指摘の会計検査院の指摘事項でありますが、就労をしていない者に対して賃金を払ったり、あるいは一部しか就労していないのに対して全部一日分の賃金を払ったり、こういう例について御指摘を受けているわけでありますが、先生も御指摘になりましたように、従来かなり一般的にそういう現象が行なわれておったのでございます。これはいろいろ組合等との関係、あるいはいろいろな大会等に出席するということに対しまして、賃金を仕事につかないのに認めておった、こういうようなことが原因であったのでございますが、両年度について会計検査院からその点について適正な賃金の支払いを行なうようにと指摘を受けておるわけでございます。われわれのほうといたしましても、事務のミスとまでは申し上げかねないような事情もございますので、賃金の適正な支払いについて指導を十分強力にいたしたい、そういうことのないように今後十分注意していくつもりであります。
○押谷委員 失業対策事業の実態でありますが、これは一般の失業対策あるいは特別失対事業、あるいは臨時就労対策事業等がやられておるのでありますが、これにつきましては全国千二、三百の事業主体、自治体でありますが、これがやっている。ところが、これにつきましては労働省としては失業者の吸収、就労というところに中心を置かれておりますからごもっともだと考えますが、しかしその失業対策事業の実態を見ますと、これはもう世間がいろいろ批判をしておる、目に余るものがあるという状況でありまして、作業能率の向上でありますとか、あるいは作業時間の関係でありますとか、あるいは就労の秩序ということになりますと相当批判があると思うのであります。したがって事業主体に対して、この失対事業の運営執行にあたっての指導というものが、労働省といたされてお考えになっているか、事業の進捗状況を見たり、あるいはそれらのいま申し上げたような事柄についての適正化、こういうことについての指導関係は労働省としてはどうなっておりましょうか。
○大橋国務大臣 従来から失対事業の実情に関しまして、お述べになりましたような痛烈な批判がありましたことは事実でございます。労働省といたしましては、これらの批判を率直に受けまして実情の改善をはかりますためには、単に行政上の指導だけでは不十分であって、制度の根本的な再検討が必要だという立場に立ちまして、数年間努力いたしてまいったのでございますが、その結果、昨年の通常国会におきまして失対関係の法案を提案いたした次第でございます。この法案は昨年通常国会で成立いたしまして、昨年の十月から実施をいたしてまいっておるのでございますが、これに伴う予算その他の措置も終わり、またこれに対する新しい賃金の切りかえの措置も終わりまして、今年の四月から完全実施の状態に入ったわけでございます。私どもといたしましては、これによりまして作業の多元化、これに伴う労働者の部類分け、したがって、適切な事業に対して適切な能力のある人を差し向ける。そしてまた、それぞれに適合した賃金を払っていくというような考え方のもとに、労働能率の推進及び労働規律の尊重ということをねらって指導をいたしてまいっておるわけでございます。一時、全日自労等からいろいろ新方針につきまして申し入れがございましたが、私どももその主張のとるべきはとり、退くべきは退けまして、大体話し合いもつきまして、この新しい秩序のもとに能率的な作業に入ろうといたしておる段階でございます。今後御期待に沿い得ることと存じます。
○押谷委員 ただいま大臣の御答弁の、昨年七月に出しました失対制度の大改正は、まことに大英断でありまして、あの騒動の中に、よくかような大英断を遂行せられたことを敬服をいたしておるのであります。この失対の制度の改革は、就職促進の処置を十分にやろうというところに大きなねらいがあると思います。それがためにはもちろん職業の訓練ということも十分なされるべきであろうと思うのでありますが、十月以降施行せられまして、ことし四月から本軌道に乗るという御説明でありますが、その中で職業訓練ということのお仕事をなされているのは、たしか雇用促進事業団がやっていると思っているのですが、その成績につきまして一応お伺いをしたいと思うのです。 この職業訓練の訓練所は、各都道府県にも四十五カ所ばかりあるようでありますが、その職業訓練所あるいは総合職業訓練所、こういうようなところで訓練がなされている実績、実態はどうなっているか、お伺いいたしたいと思います。
○松永(正)政府委員 ただいま御質問の職業訓練所でございますが、これは総数におきまして三十八年度において全国で三百四十一カ所施設がございます。これを三十九年度の計画におきましては三百五十カ所に増設をいたす予定でございます。訓練人員におきまして三十八年度が七万六千六百四十人でございます。三十九年度におきましてはこれを大幅に増加をいたしまして、十二万一千七十五人の訓練を年間に行なう計画になっております。この訓練所は、ただいま御指摘になりました雇用促進事業団で行なっております総合職業訓練所、これが五十二カ所ございます。そのほかに各府県で経営をいたしております一般職業訓練所が二百八十八カ所ございます。そのほかに身体障害者のための専門の職業訓練所が九カ所、それから中央職業訓練所が一カ所、このような構成になっております。ただいま御指摘になりました中高年層の訓練につきましては、これらの三百五十カ所の訓練所の中に、それぞれ地域に応じましてその地域の雇用、失業の情勢によりまして、各訓練所ごとに転職訓練の定員を定めて配賦をいたしてございます。これが三十八年度におきまして二万四千二百人が転職訓練でございます。その内容は炭鉱、日雇い労働者、日雇いの労働者はいわゆる失対の適格者でございます。現に失対事業に就労しておる。そのほかに中高年層で、これから就職しなければならぬというような方を対象にいたしまして、炭鉱が九千五百名、日雇いが二千九百名、中高年層が八千七百名というような計画でございます。三十九年度におきましては、これをさらに拡大をいたしまして、転職訓練総数二万四千二百に対しまして七万八千六百六十人、先ほど申し上げました総数十二万のうち、炭鉱、日雇い、中高年層等の転職訓練が七万八千六百六十人、これは一年間の延べ総数でございます。大体におきまして平均六カ月くらいの訓練になっております。職種によりましては一年間やるものもございます。これの延べが七万八千六百六十という計画になっております。これだけの施設、指導員等を準備をいたしまして、転職者の受け入れをいたすわけでございますが、ただいま御指摘になりました新しい職安法、改正職安法に基づきますところの中高年層の訓練につきましては、十月から改正法に基づきまして安定所におきまして求職者の実態によりまして長期の訓練を受ける、あるいは短期の訓練を受ける、あるいは職場適応訓練を受ける、あるいは前職経験等から転職指導等によりまして訓練を受けないで就職できるというような振り割りをいたしまして指導をいたしております。その結果、現在までに長期訓練の指示を受けました者が一千五百八十六人でございます。短期訓練の指示を受けました者が九百二十七人でございます。職場適応訓練の指示を受けました者が六百五十一人、就職指導が九百十九人、職業講習が百九十九人というような実績になっております。
○押谷委員 たいへんな御苦労です。よくわかりましたが、この職業訓練所において訓練をしている者の中に、新たに中学を出た、あるいは高等学校を出た新規卒業生がどれくらい入っておりますか。
○松永(正)政府委員 三十八年度におきまして、ただいま御指摘のようないわゆる新規卒業者の訓練でありますが、これが五万九百四十人でございます。それから三十九年度におきましてはやや減りまして四万七百三十五人でございます。これは先ほど御指摘になりましたような中高年層の就職難が相当激化をいたしてきておりますので、公共職業訓練の計画といたしましては、雇用の情勢に即応して流動的、弾力的に運営をいたしたいというふうな考え方からいたしまして、新年度におきましては転職訓練のウエートを非常に大きくいたしました結果、訓練所の規模は全体として拡大をいたしましたけれども、ただいま御指摘の基礎訓練の数がやや減っておるというふうな実情でございます。
○押谷委員 この訓練所の事業団の予算はもちろん失業保険特別会計から支出されていることは御承知のところであろうと思いますが、この失業保険特別会計から出されているというような趣旨からいたしましても、またただいま御答弁の今日の中高年層の就職難の関係からいたしましても、いま御説明をいただきました方針というものはまことにけっこうな方針ですが、さらに一段と、基礎訓練よりはやはり中高年層に対する転職のための職業訓練に中心を置いて、そしてこの重大な使命を果たしていただきたいと思います。 まだこまかいことはありますが、大臣お急ぎのようですから、私はこの程度でやめます。ありがとうございました。
○白浜委員長 勝澤君。
○勝澤委員 大臣お時間がないようですから、簡単にひとつ伺います。 労働省の所管で、労働福祉事業団、あるいは雇用促進事業団、年金福祉事業団というものがあるわけでありますが、これの運営についてあまり労働省がこまかいことまで言い過ぎて自主的な運営ができないじゃないかということが、行管から指摘されております。行管から指摘された内容を見てみますと、せっかく理事長以下役員がおりながた、理事長以下役員の判断でものごとをすることができず、一々こまかいことまでさしずをされておる。これでは労働省の出先のようなもので、何も価値がないじゃないか、こういうことを言われております。確かにこういう事業団なんかを見てみますと、そういうような運営がされがちであります。やはりせっかく自主的なものとしてできたわけでありますから、監督はしなければなりませんけれども、自主的な運営について行管から指摘をされて、その行管から指摘された部分につきましては、いろいろ是正されたようでありますけれども、これはやはり全体的にもう一回ながめていただいて、もう少し自主的に運営ができるようにすべきだと思うのですが、大臣の御見解をひとつ承りたい。
○大橋国務大臣 私も、政府の機構外に独立した事業団があり、その事業団の構成につきましては、特に人事面におきましても配慮されておるということは、これらの機構の働きというものは、通常の行政機構の一部として労働省の統制下に活動するというようなものとは、趣を異にしておると存じます。したがいまして、できるだけ事業の自主的な運営を期待することがその趣旨にかなうと存じまするので、予算の獲得等は、これは労働省で世話をいたしておりまする関係上いろいろ相談相手になっておりまするが、事業等につきましても、原則としては、先方から特に援助を申し出てまいった場合に、こちらが手伝いしてあげるというようなことを原則にして、あとは事業の大体だけを役所で相談してきめるということで、自主的運営をするということが適当だと考えておるのでございまして、かような趣旨で運営されておるものと思っておりまするが、かような指摘がございましたので、これに即応いたしまして改善をはかってまいったわけでございます。ただいま特にお述べになりました点は、事業団の制度を設けた趣旨からいって、最も重要な根本問題でございますので、いま一応各事業団別に、各事務当局との関連の状況を精査いたしまして、ただいま申し上げましたような趣旨で適切な措置をとるようにいたしたいと思います。
○勝澤委員 公営企業金融公庫だと思いますが、五十人ぐらいの運営で行なわれておるわけです。公営企業金融公庫の中には理事長以下理事もおるわけでありますが、仕事の概況は、大蔵省と自治省がきめたものにただ判こを押しているだけだ。理事長そのものが気の毒になるような権限しか与えられていないわけであります。ですから、一体そういうものをつくる必要があったのかなかったのかという論議がここで戦わされたことがあるわけであります。事業団もあまりこまかいことをさしずをいたしますと、一体事業団というものの必要性があるのかないのかというところまで実は発展をする場合があるわけです。しかし、片方でそういうこまかいことを言いながら、会計検査院から指摘をされた雇用促進事業団の会計経理の事務の状態を見てみますと、まさに、一体会計経理はどんなふうにやられておっただろうかというふうに言わざるを得ないのであります。このことは、三十六年度の会計検査の際にも、会計経理のやり方について是正すべきであるという注意が促されておったわけであります。その注意があったにかかわらず、実施をされておらなかったために、三十七年度に、今度は正式に改善をせよという意見が述べられておるわけでありまして、このことは、片方でこまかい監督をしていながら、こういうことが起きているということについては、はなはだ好ましくないことだと思うのでありまして、こういう点は別に監督するとかしないとかというものではありませんので、ぜひよく見ていただきたいと思うわけであります。こういうことがあったということを大臣に知っておいていただけばいいわけですから、別に回答は要りません。 次に伺いたい点は、労働基準監督署に参りますと、第一線の人がまことに足りないわけであります。どこへいっても基準監督署にいって相談をしている間がない。まさに監督官が手不足だという点を各所に感ずるわけであります。最近の産業の発展に伴った配置というものを行なって、特に安全管理という立場から、工場の監督あるいは施工者の監督等を行なわなければならぬというときに、人が足りないということは、はなはだ残念だと思うわけであります。この点についてはもう少し力を入れていただいて、監督行政の第一線を強化していただきたい、こう思うわけでありますが、御見解を承りたいと思います。
○大橋国務大臣 御承知のとおり、監督署は労働基準法の実施に伴いまする行政機関としてできたわけでございます。ところが、労働基準法ができまして以来数年間は、基準法の厳格なる適用は日本の産業労働界の実情に適合しない点があるというような空気が一般に流れておりまして、そのために、なるべく労働基準法の実施については手をゆるめることが産業発展上必要だ。したがって、労働基準監督関係の職員は増員などということはとんでもないというようなことで、十数年間経過してまいっておったわけでございます。しかしながら、日本の産業労働界の発展に伴いまして、労働基準法につきましてのかような考え方は今日では時代おくれとなりまして、やはり基準法につきましても前向きの考え方で進むべきだというような空気がようやく醸成されてまいったわけでございます。かような見地からいたしまして、労働省といたしましては、ただいま最低賃金の問題でございますとか、労働時間の問題でございますとか、さらに安全関係の問題でございますとか、労働基準法の重要なる柱と考えられております規定につきましても、前向きの再検討をいたしておる次第でございます。同時に、従来労働基準監督はできるだけ大目に見てもらいたいというような考え方はもはや時勢に適合しない、できるだけ監督指導を強化していくという考え方に相なったわけでございまして、さような考え方のもとに、せっかく人員の拡充強化をはかりたいと思っております。つきましては、今年度はまず手始めに増員をいたしたのでございます。数は全国を通じて百六十八というので、まことに少数でございますけれども、しかし、多年ややともすればうしろ向きに行きがけておりました労働基準行政をこれによって前向きの方向に建て直したという点は、ひとつ御理解を賜わりたいと存ずる次第でございます。今後人員の拡充につきましては、労働省といたしましても極力努力をいたす考えでございます。
○勝澤委員 それからもう一つ、これはやはり大臣のほうがいいと思うのですが、東京労災病院です。三十四年ごろから問題になりまして、場所がきまっていろいろやられているようでありますけれども、いまもってまだこれについて促進はされていないようであります。これはどういうふうになっておりますか。
○村上(茂)政府委員 この問題については、経緯は先生御承知かと存じますが、労働省といたしましては、東京労災病院の老朽化、それからまた御承知のように、その敷地が東京都の都市計画、下水道事業に関連いたしまして、この病院の移転問題が生じたわけでございます。この点につきましては、労働省といたしましても、すでに昭和三十四年、三十五年、両年度の予算におきまして、土地の購入費及び建設費の一部を計上したような次第でございますが、何ぶんにも土地の入手が困難であるという事情がございまして、当初は北区の旧陸軍兵器廠などの土地を予定したのでございますが、その予定地がなかなか確保できない。かたがた御承知のように医師会とのいろいろな問題がございまして、地元の十分な納得を得られるという段階になかなか至らなかったわけでございます。しかしながら、すでに三十四年から四、五年も経過しておりますので、労働省といたしましてもできるだけ早くこの予定地の決着をつけたいというので、過去の経緯にとらわれず、できるだけ早い機会に病院建設について結論を得たい、こういうふうに考えて、鋭意事務を急いでおる次第でございます。
○勝澤委員 行管に対する回答によりますと、言新たな構想で労災医療センターを松戸に設置する方針で進めておる、こう言われておるわけであります。これと、この最初の計画とどういうふうに変わってきたのですか。
○村上(茂)政府委員 労災病院の数も三十以上にふえてまいりまして、労災医学の見地から見ました専門的な研究、特に臨床上のいろいろな研究、たとえばけい肺でありますとか、その他職業病の臨床の問題がございます。そういう特殊な労災医療上の問題につきまして、臨床的な研究をさらに進める必要がある。そこで、東京労災病院の移転問題と関連いたしまして、単なる病院だけではなくして、そういった労災医学の研究部門も設置いたしまして、全体として労災医療センターといったような構想のものを考えまして、そういう見地から適地をいろいろ選んでおったわけでございます。しかし、労災医療センターといいながら、なおかつ相当規模の病床を持った病院でないと、という見地から、なかなか地元の御了解を得るに至らない、こういう形でこの数カ年間を経過してきたわけでございます。そこで、この際土地の問題とも関連いたしまして、非常に大規模な労災医療センターをそのまま実現するか、あるいは病院的なものにするかということをあわせて検討いたしたいと考えております。しかし、労働省といたしましては、できるだけ労災医療センターといったような性格のものを建設いたしたいというふうに念願しておる次第でございます。
○勝澤委員 一つのものが挫折をいたしますと、なかなか次が進んでいかないわけでありまして、そういう点でせっかく三十四年度から予算が計上されて進めるようになっているものがおくれている。これはいろいろ原因があるでしょうけれども、やはり私は熱意の問題ではないだろうかと思うのです。国の用地なりあるいは公の用地があるわけでありますから、そこへ病院をつくる、地元が反対する、それで四年も五年もかかってしまうということでは、やはり私はやろうとする熱意が足らないのじゃないかと思うのです。このごろ各所にし尿処理の問題で問題が起きておる。私の町でも、し尿処理と言わず、最初から化学肥料工場をつくるといってやれば、できたのじゃないかというような話まであるわけでございます。昔の古い考え方ですと、いろいろ問題がありますけれども、最近のし尿処理なんというものは、化学肥料工場よりまだいいのだという話も出ていますから、この労災病院が必要なものだということをもう少し徹底させて——医師会も反対する、地元も反対する、一カ所でしくじったらどこへ持っていったって同じことなんですから、やはり最初きめたようにやらなければ、いつまでたってもぐるぐる回って、反対すれば動くということになってしまいます。各市町村で御苦労されている力の入れ方と労働省の力の入れ方とを見ていると、まあまあということで、ぐるぐるあちらこちらに回されておるように思うのです。これはやはりある時期に英断を持って推し進めることが必要だと思うので、特に私は要望いたしておきます。
○村上(茂)政府委員 御指摘の点、まことにごもっともと存じます。労働省といたしましても、断を下すべき時期が到来しておるというふうに考えまして、できるだけ早い機会に確定をいたしたいと考えておる次第であります。 ————◇—————
○白浜委員長 次に、国が資本金の二分一以上を出資している法人の会計に関する件について調査を行ないます。 本日は、本件調査のため、関係当局のほか、労働福祉事業団より理事長中西貴君、監事柏原益太郎君、雇用促進事業団理事長万仲余所治君、監事二木尚孝君、以上四名の方に参考人として御出席を願っております。 参考人各位に申し上げます。発言をされる場合には、委員長の許可を得て行なっていただきますようお願いいたします。 次に、委員各位に申し上げます。参考人よりの意見聴取は委員の質疑により行ないたいと存じますので、さように御了承を願います。 これより質疑に入ります。 質疑の通告がありますので、これを順次許します。勝澤君。
○勝澤委員 雇用促進事業団にお尋ねいたしますが、先ほども少し申し上げましたが、三十七年度の会計検査院の検査報告によりますれば、会計経理のやり方について相当こまかな改善の意見が出されているわけであります。これに対する回答も出ておりますが、これをよく調べてみますと、三十六年のときも、会計検査院から、注意書きで、この注意が実は行なわれておったようであります。三十六年にせっかくこういう注意書きで注意が行なわれておったのですから、それに基づいて実施をすれば、三十七年度に再度こういう指摘がされることはないと思うのです。検査院にもよく言っているのですけれども、注意書きとか、あるいはちょっと注意をしておくと、二、三年でこれは過ごしてしまって、四年も五年もたってまた検査報告へ載せる。そうでなくて、これはやはり載せたほうがいいやつはどんどん思い切って載せなさい、軽微なものでも、載せることによって、その省なりあるいはその関係者が注意して少しでも改善が促進されるからということを、実は会計検査院にときどき申しているわけでありますが、まさにこの例がそれじゃないかと思うのです。三十六年に注意されながら三十七年にまで持ち越しになっている。中身を見ましても、これが当然なようなこともあるわけであります。監事の方も、せっかく監査をされておるわけでありますから、やはりこういう点についても指摘をして、今後注意をしてたいだきたい、こう思うわけでありますので、御意見を伺いたい。
○万仲参考人 まことにおっしゃるとおりでございまして、私としては申しわけないと申し上げる以外にないのでございますが、言いわけを申し上げるわけではございませんけれども、三十六年の七月から新しい組織で事業団が発足いたしましたわけでございます。それまでは、職業訓練関係は労働福祉事業団の所管になっておったのでございます。それが大体そのまま移管されてまいりました。当時はたくさんの数がございませんで、いまの半分くらいな数でございましたが、ちょうど私どもの事業団ができますころに、すでに決定いたしました増設がどんどん完成の域に達しまして、急に相当ふえてまいりましたというのが一つでございます。それから別の面では、炭鉱離職者援護会と申します、これも別の炭鉱離職者の援護という関係の法制のもとにありましたのが、これもそのまま私どものほうに包含されたのでございます。この二つは大体前の組織からそのまま移管されております。そのほかに、新たにと申しますとおかしいですが、組織が改まりました関係上、一般的な雇用促進という関係が全体の基盤として加わったわけでございます。それで経理部門に限局して申し上げるのでございますが、数が少なかったときには、炭鉱離職者援護会の分は別でございますけれども、職業訓練所関係の仕事、ことに経理関係の仕事は、中央の本部で相当部分が集計決算等がなされておったわけでございます。ところが、数が非常にふえましたので、中央ではとうていそのままではまいりませんので、これを地方にある程度——最後の集計は中央でやりますけれども、大部分地方でやらす組織に改めましたわけでございますが、特別に経理上関係の人員をふやすというわけにも参りませんで、いろいろ中央から教え、かつ修練をしながら始めるという段階になった関係がございます。三十六年度中に数カ所検査院でお調べになりまして、ただいまお話しのようなまずいところがあるという御注意をいただきました。したがいまして、私どものほうでは、三十七年に入りますやいなや、全国の経理関係の担当者を集めまして講習を始めました。いままで地方でやっていなかったことまで地方でやらすという関係もございますので、講習を始めまして、毎年全部を集めまして講習をやっておりましたのでございますが、三十七年度におきまして、三十六年よりは相当数がふえました御監査をいただきまして、御指摘のような事実は確かにございます。ございますが、どうも手前みそを申し上げるようで恐縮でございますけれども、全部の場所でたくさんの同じような事項があったというわけではございませんで、むしろ特定の場所に固まっておったような傾向がなきにしもあらずでございます。そこで、私どもは、だんだんと事業が大きくなり、同じことをやるにしましても分量が多くなりますので、ある程度人の数も増していただきたいということも要望いたしましたけれども、人の数を増すという関係はなかなかうまく参りませんで、私どもの思うように増員等がなされておりません。そこで質の改善をしなければならぬ、またこれくらいのことはできるはずだということで講習を始めたわけでございますし、さらに監事監査のほかに、中央からいろいろ行って指示したりいたしましたのですが、おそらくかくのごとき事実が出ました原因の一つは、その経理担当者が仕事が幾らかあふれたかっこうになりまして、記帳すべきものを別の簡単なところに記帳しておいて、ほんとうの記帳がだんだんたまってきたというような事柄が重なりまして、そこにミスが出たり、おかしな点が出たりしたのではなかろうかと思うわけでございますが、これは手前みそでございまして、そんなことは許されることではありません。三十七年度につきましても、実際お調べになったのは三十八年度になってお調べになったわけでありますが、全体を集めた講習をやりましたし、さらに御指摘をいただきましてからは、年末に全部また集めまして、一週間にわたりまして講習をやります。最近に至りましては、ブロック別にこちらから出かけて講習をやるというようなやり方はいたしておりますが、できました事実はそのとおりでございまして、まことに申しわけないと存じております。いま言いましたようなこともございまして、はなはだ恐縮に存じますが、過日も会計検査院長のところに私伺いまして、すぐには満点はいただけないかもしれないが、今度はぜひひとつ及第点をいただけるように努力もしておりますし、また実績もあがりつつありますということを申し上げておきましたような次第でございます。
○勝澤委員 労働福祉事業団の監事の方にお尋ねいたしたいのですが、大体監事はどんなふうな監査のしかたを、いつごろおやりになっておりますか。
○柏原参考人 監事の職責といたしまして、事業団の業務を監査するという事業団法に規定がございますが、それに従いまして監査を実施しておる次第でございます。 監査のやり方といたしましては、常時施設のほうから定期的に参りますところの合計残高資産表、そういったものを書面で監査をいたしております。それと、現地に出向きまして実地に監査をするという実地監査、この二つの方法でやっておるわけでございますが、私どもといたしましては、三十六年度以降の実績を申し上げますと、大体一年に七つないし八つの病院を監査しております。監査の人員といたしましては、監事のほかに、専任の監査員を二名あるいは三名伴いまして監査をするわけでございます。その監査をする場合の病院の選定でございますが、私のほうの病院がすでに三十カ所に及んでおりますので、一年に数カ所の実地監査ということではなかなか実績があがりませんので、できるだけ重点的に監査をしようということで、年度当初におきまして、大体監査をすべき病院を選定するわけでございます。この選定の方法でございますが、これは、私のほうの執行部の担当の部課にいろいろ病院の様子がわかっております。それに基づきまして、ほかの病院に比べて業績が少し落ちるとか、あるいは会計経理の面で不備があるとかいうような病院を取り上げて、一カ年に数カ所監査するわけでございます。会計経理の監査を重点的に行ないますが、その他業務運営の全体にわたっても監査をするのでございます。たとえば事務の進め方の当否、あるいは物の買い入れの場合のやり方、購入の方法についての配慮のしかた、そういった点についても監査をいたしまして、業務全体の能率が向上するように、詳細に指導もいたします。監査の際に気のつきました点は、院長はじめ幹部の職員に、注意をすべき点は注意をする。そしてすぐに是正してもらうというようなことでやっておりますし、また、本部に帰りましてからは、書面あるいは口頭で、理事長はじめ関係の理事の方に監査の結果を報告いたしております。さらにまた、報告だけではございませんで、監査の結果に基づく意見も申し述べているようなわけでございます。 以上でございます。
○勝澤委員 監事として意見を述べたことについて、仕事のやり方について、こういうことはこうせよ、こういうことはこうしたほうがいいだろうというような意見は、これは書面で出されておるのですか。監事報告書の中にそういうことは出ているのですか。それはどういうふうに取り扱っておられますか。
○柏原参考人 書面の中へ意見を盛り込んで提出している場合もございますし、口頭でお話し申し上げておる場合もございます。両方でございます。
○白浜委員長 吉田君。
○吉田(賢)委員 中小企業の労働力の不足対策につきましてお伺いいたしたいのでありますが、最近の技術革新ないしは経済の大きな変動等によりまして、中小企業労働力がだんだんと窮屈になり、求人戦とかいう名前のもとに、激しい労働情勢で困っているようです。そこで、職安のお仕事は非常に重大だと考えるのですが、大体求人並びに就職とかあるいは失業とか、そういう面はどういう数字になっておりましょうか、一応伺っておきたい。
○有馬政府委員 大体のことを申し上げますと、若年、主として学卒でございますが、これは中学卒、高校卒合わせまして、大体三倍から四倍の倍率になっております。逆に、中高年と呼ばれます三十五歳以上の年齢になりますと、大体その逆の倍率で就職難になっておる。特に五十歳以上は、七倍、八倍というふうな倍率で就職難になっておる状況でございます。
○吉田(賢)委員 そこで、あなたのほうとしましては、若年の中卒等の場合、中高年層の場合、それから五十歳も過ぎたような場合、いずれも区別していろいろと施策をおやりになっておるものと思うのですが、第一、中卒など、中小企業にできるだけ獲得するというようなことについて、もっと積極的な職安活動ができないものだろうかというふうに思うのです。といいますのは、たとえば九州、四国方面から近畿地方に中卒者などがたくさんに就職してまいりますけれども、地方におきましては、大企業は、出先の駐在員も事実上おるらしく、学校とか職安等の連絡も適当にできまして、普通以上の関係を持ち、密接に人も求められる。中小企業の場合は、そうじゃなくして、いなかものは、遠方からぽっかりと、無力な——あるいは、かりにそういうふうに組織的な求人のために行くといたしましても、実態がわからないような企業でもありますし、また、名は売れておらぬし、人間的知り合いもないし、職安といえども顔見知りもない。もっとも職安が顔見知りの者によって直ちに事務の上に影響があるとは言いませんが、しかし、幾多の不便は事実上あるわけです。そういうわけですから、事業によりまして、一人に五万円とか七万円の金を使い、あるいは先貸しをするとかいうようなことで、なおさら困る上にも困るというような実態らしいのです。こういうことにつきまして、職安所の活動とか、要するに使命の達成についてもっと積極的な手はないものだろうか。要するに、さような実態であるかどうか、また対策に欠陥があるのかどうか、さらに新しい施策を用いることをお考えになっておるかどうか、これらの点についてはっきりしておきたい。
○有馬政府委員 御指摘のように、中小企業の要員、労務確保につきましては、非常に充足難といいますか、求人難におちいっておりまして、私どもも、中小企業の労務確保について、これだけで十分だというようなきめ手は実はないのでございますが、大企業と比較いたしましても非常に充足率が悪うございまして、この点を考えますと、どうしても中小企業は集団の方式で人員を確保するという形を一つ考えていかなければならぬ。それには、数年前から集団求人方式というものを勧奨いたしまして、相当の実績はあげてまいっておりますが、この方式によりましても、なおかつ大企業に比べてまだ条件その他のことで充足率が低くなっておりますので、私どもとしましては、賃金の格差がほぼ縮小されてまいった今日におきましては、賃金以外の労働条件あるいは住宅その他の福祉施設を大企業並みに充実していかなければ人が集まらない、こういう観点から、これらの住宅福利施設等についても、直接事業団が建設をしたり、あるいは融資によって事業主が施設を拡充するというような形で、中小企業の場合には、大企業と比べてそういう劣る点を拡充をしていく、こういう方策を講じておるのでございます。 また、ことしから新たにとり出した方針でございますが、先ほど御指摘の、大企業は労務募集のための事務所を供給地に持っておりますが、中小企業の場合にはこれに対抗する手足がないというふうな御非難がございましたので、綿工連等の協同組合につきましては、委託募集の許可を積極的に行ないまして、中小企業も大企業と並んで求人獲得が可能になるような体制をとるように、積極的に指導してまいりたいと思うのでございます。 それから、将来の問題としましては、社会保険制度の適用がないために求人が集まらないというふうな事情もございますので、五人未満の社会保険の当然適用というような方向に踏み切ってまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○吉田(賢)委員 労働行政全体にかかることでありますが、ただいまの若年労働を中小企業に吸収するということは事実上非常に困難でございまして、いま局長は簡単にお答えになっておりましたが、そのうちの他の局の所管にかかるようなところは、横の連絡もとれておらぬように感じる面があるわけであります。といいますのは、たとえば背景をなす受け入れ体制が、大企業に匹敵はしなくても、安心して喜んで希望を持って労働者が求人のところへいくというような体制も必要なんです。また給与の問題あるいは厚生施設の問題にも触れておったようでありますが、給与を引き上げるということは簡単に政府がなすわけにはまいりません。したがいまして、これはもっと長期的にいろいろな手を打っていかなければなりませんが、少なくとも受け入れの自余の対策につきましては、労働行政の非常に大きな部門といたしまして、たとえば雇用促進事業団との間に住宅についてどうかまえるか。住宅というよりも、若年であるならば共同宿泊になると思いますが、住む場所、あるいは食糧、あるいはその他の教養とか娯楽といったような関係があるのですが、これらを中小企業の労働不足に対する対策といたしまして総合的に施策していく。そしてその一つのパイプ、出先といたしましての職安活動がある。私は、やはりそれらが総合されない限りは、ばらばら、ちぐはぐになっていくのではないか。もっと端的に言うならば、きょうは厚生省がおいでにならぬが、厚生省との横の関連においてもいろいろの分掌がありますから、そうはいきますまいが、やはり中小企業の労働力不足対策を解決するためには、できる広範な、関係各省、関係部局が総合的にその一点に集中して協力した施策をやらなければいけないのではないか。ぽつりぽつりとこま切れのようなことをやっておりましては間に合いませんで、そのうちに中小企業はばたばた倒れていきますから、そういうような関係部局の会議、連絡等によりまして、中小企業労働力対策は積極的に立てていくべきだと思いますが、それはできておるのか、またする必要がないのか、大いにやっておられるのか、その辺はどうなんでしょうか。
○藏内政府委員 ただいま吉田先生より御指摘になりました中小企業の特に若年労働力の確保の問題は非常に重要な問題であることは、つとに労働省も重大な関心を寄せておるところでございます。そのために、まず求人方式につきましては、先ほども職業安定局長よりお話し申しましたとおり、集団求人方式を採用いたして、着々これは成果をあげておると私どもは見ております。しかしながら、この求人によって職につきました若年労働力というものが、最近は定着性がきわめて薄いといいますか、非常に職を離れる傾向が漸次出てきております。こういうものを定着させるためには、必要な施策が各方面にわたって必要であろうと思うわけであります。そのために、労働省といたしましては、それぞれ自治体、商工会議所、協同組合というものにお願いをして、勤労青少年ホームを置きましたり、あるいはこの若年労働者に対する個人的な指導——相談相手にもなってやれるような福祉員の制度を置いております。これは全国でただいま約二万人置いております。それから特に婦人労働者に対しましても、働く婦人の家というような施設を設けまして、これも相当に成果をあげておると思っております。また、そういう労働省としていたします指導のほかに、使用者、経営者に対して教育をする必要もございますので、中小企業の労務管理のあり方を指導する意味におきまして、ただいま全国で八百事業所を選定いたしまして、これの指導体制もとらせております。さらにそれ以外に、最低賃金制の問題でありますとか、その他いろいろ総合的にやっていく面が必要でございますが、これらの点において労働省のとっておる施策といたしましては、現在のところ、私どもといたしましては、かなりきめこまかく手を打っておると思っております。しかしながら、特に中小企業というものは、いろいろ業態によりまして千差万別でございまして、私どものまだ承知しないいろいろの欠陥があろうと思いますので、御指摘を受けましたつど改善をいたしたいと思っております。
○吉田(賢)委員 いまおっしゃった働く婦人の家は、所管はどこですか。
○藏内政府委員 労働省の婦人少年局であります。
○吉田(賢)委員 戻りまして職安の問題ですが、たとえば九州あたりにおきましては、大企業の出先の求人活動が激しくて、とかく職安との間には少しなれ合いがあるのではないか、こういうような疑いを持つほどに、中小企業者は、冷遇ではないだろうけれども、通り一ぺんらしいのです。通り一ぺんということは、皆さんは実情を御承知とは思いますけれども、何か地元で共同して宣伝の文書をつくる、あるいはまた商工会議所等に頼んで何かものを書いてもらい、いろいろして持っていくのだが、そういうようなことはおおよそ児戯に類することで、大企業ならばその名前一つだけですぐあちらこちらオーケー。就職は個人の自由ですから、どうあろうにかかわらず、あそこへ行きたいのだと言えばどうすることもできない、こういうことになる。 そこで、私は、職安法によれば委託募集の制限規定もあるようでありまして、また綿工連との指導連絡等によって成果をあげることを御期待になっているようでありますが、やはり職安制度というものを強化するか、もっと抜本的に改革するか、そしてそういうような弊害の起こる余地なからしめるほどに充実するか、あるいはまた若年ならば、学校が非常に有力な窓口といいますか、何かになっているようでありますので、ほんとうに職安にたよっていいということを実証するような職安に改める必要はないだろうか。いま改めるということは、どうすれば目的を達成し得るかということになるのであって、このごろたとえば中小企業の問題は、他の面から、通産省あたりの通産行政から、中小企業の連合組織をしきりに慫慂しておられる。ところが、へたな連合でいくよりも、抜けがけで求人するほうがよっぽど安上がりで、早くかつまた安全だという声すら出ておる。まさに、そういうところは無政府的です。そういうことになりますので、職安というものにほんとうに中小企業が期待しておるのならば、期待しておる実績があがるように、何か改革か指導かするという手はないものだろうか。その必要が確かにあるという声をよく聞くのです。だから、そんなところを相手にしないで、適当なつてを求めて行ってくるという声すら出ておりますが、出先の職安局の問題につきましては、九州とか四国あたり、ことに関西、近畿地方は求人の最も大きな分野であるようでありますから、そういう辺についてこの際十分に御検討願いたいと思うのですが、いかがでございましょう。
○有馬政府委員 需給のアンバランスがいかにも大きくなりましたために、過当競争の弊害も御指摘のように相当出てまいっております。ただ、供給地域における大企業優先というふうな御指摘がございましたが、これは確かに是正をしていかなければ中小企業の側に人が集まってこないというふうな問題がございますので、先ほど私申し上げましたように、中小企業は、集団化なりあるいは共同組織を通じて、委託募集の方式によって大企業に対抗していく。ただ大企業はいままでのところ出張所が無条件に安定所となれ合いで実際の募集活動をやっておったわけでございますが、これもやはり公正な募集を行なわせるためには、現在の状態では不十分であるというような考え方から、大企業の場合におきましても、直接募集の許可制を職安法のたてまえに従って実施をしてまいる。そこで、いま御指摘がありましたような不公正な募集競争が大企業間においても行なわれました場合には、その許可を政府によって監督指導をしていくというふな体制をとってまいることに本年度から改めたわけでございます。また、われわれの安定所の機能の充実につきましても、先ほど政務次官から冒頭に話がありましたように、三年がかりで労働市場センターの設置、これに伴う安定所機能の飛躍的な改善というふうなことで、雇用事情の将来に対処してまいりたい、かように考えておるのでございます。しかしながら、われわれの側の努力のみでは、この過当競争の弊害あるいは抜けがけ的な弊害は是正できないしろものでございますので、先刻大臣も、業界の雇用主の集まりにおきまして、求人秩序の確立という観点から、過当競争の弊害防止を呼びかけておる次第でございまして、求人側とわれわれと、またさらには学卒につきましては学校の先生、父兄、こういった三者、四者の一体的な御協力がなければ、この問題はうまく解決しないのではないか、かように考えながら、御指摘のような弊害を極力防止してまいるように指導してまいりたいと思います。
○吉田(賢)委員 いまその問題で綿工連と連絡をおとりになったようでありますが、この際一歩前進いたしまして、たとえば綿工連関係ならば全繊同盟ですね、労働組合、こういった方面とも御連絡になって、労働組合にいたしましても、やはり生産性を向上せしむるという観点からいたしましたならば、よい労働力が同じ職場に必要なだけ満たされるということは望ましいことでございますし、いろいろと話し合いの余地はあるものと思いますが、一歩進めてそのような労働組合との間の話もする、そしてお互いに一つ目的に向かって協力を求めていく、こういうふうになされることが必要だろうと思うのですが、その点いかがです。
○藏内政府委員 先生御指摘のとおりでございまして、今後とも、労働組合の関係におきましても、その面の話し合いを逐次進めてまいりたいと思っております。現実に九州などにおきまして、いわゆる炭鉱関係の離職者におきましては労働組合が非常に協力的でございまして、この面でかなり成果をあげております。各産業別に逐次そういう体制をつくりたいと考えております。
○吉田(賢)委員 炭鉱離職者の問題はちょっと別の角度から観察する必要があると思いますが、いま私の問題にいたしておりますのは、主として若年労働の中卒などの分ですね。これにつきましては、いま局長のお話のありました綿工連と手を携えて、これらを指導していくというか、協力を求めていくというか、その構想、その思想がやはりおもしろいんで、これを発展せしめて、労働組合ともお互いに提携して目的を達する。これも一つの手じゃないかと思いますが、局長その点どうですか。
○有馬政府委員 綿工連に匹敵する全繊というような形で、労働組合側の御協力もできるだけ得なければいけないと思いますが、私どもとしましては、学卒につきましては、学校と安定所の両方の協力によって就職のあっせんをはかっていく。これが安定法のたてまえになっておりますので、学卒につきましては、いま申しましたような組織が協力はしていただきますが、直接の責任区分は、学校と安定所で責任を負って就職あっせんを指導してまいる、こういう体制にしておるわけでございます。したがいまして、学卒以外の一般の求職につきまして、いまのような綿工連あるいは全繊あるいは大企業といったものが募集の形で労務を確保していく、こういう体制をとっておるわけでございます。
○吉田(賢)委員 時間がだんだん迫りましたので、私もできるだけことばを節約いたしますから、御答弁いただくほうもどうぞ簡潔によろしくお願いします。 それではさらに展開いたしまして、雇用促進事業団の方にちょっと伺います。雇用促進事業団につきまして、いま法律を調べようとしたのですが、ちょっと見つかりませんが、炭鉱離職者の就職の件ですね。これは何か六カ月を経過するというと、雇用促進事業団として世話できないとか、もしくはそうでなくても、事業団の経営しておりまする住宅に入居するあっせんをしない何かそういう制限があるのですか。
○万仲参考人 そういうことではございませんで、私もよく存じませんので恐縮ですが、いつまでに離職したというような法律によるいろいろな制限がございます。それに関連しまして問題が出てまいりますのですが、いまおっしゃった六カ月ということは担当理事から………。
○有馬政府委員 事業団の宿舎は、目的が目的でございますので、一年を原則として期限に考えております。一年たっても適当な公営住宅その他移転先がない場合には、二年を一応例外的に認めております。二年たちましても、それでは強制的に追い出すかといいますと、そうはいかないので、その辺は実情に即して処理しております。
○吉田(賢)委員 私が伺ったのは宿舎をあてがう前のことでありまして、炭鉱を離職する、就職のほうは急ぐ、家のほうはともかく雨露をしのぐのにどこでもいいからと思って、阪神地方に来た、阪神地方に来まして、しかるべきいい会社に臨時工として雇われていた、その間は普通の家をともかくうまく借りておったが、物価は高い、普通の家は家賃が高い等々で生活が思わしくいかない、相当期限がたってしまった、で、臨時工が本工にはなかなか変わらぬというような人がずいぶんあるわけです。こういう人を少しでも救って適当な住宅に入れたらどうかというふうに言ったところが、何か六カ月経過しているからだめだなんて言われて、気持ちとしては路頭に迷うばかりになっている、こういうことをだんだん聞くもんだから、その点を伺ったのです。
○万仲参考人 ただいまお話しのような事柄は実際にはございましたかもしれませんけれでも、そうたくさんある実態とは思いません。あるいは実際には何かございましたかもしれません。その法律の根拠を私いま存じておりませんので、もしあれでしたら担当理事から………。
○吉田(賢)委員 よろしゅうございます。どうぞどなたでも………。
○有馬政府委員 御指摘のように、一たん出てまいりますとアパートに入れないというふうな規則がございますが、実情に合いませんので近く改正をして、そういった場合にもアパートに入居できるような措置を講じたいと思います。
○吉田(賢)委員 どうもだんだんと婦人少年労働、婦人労働者の保護の問題につきましていろいろとお尋ねしたかったけれでも、時間がなくなってきましたので、さっき伺いました働く婦人の家の問題ですが、これは非常に魅力のあるものでございます。婦人は、申すまでもなく二、三年で職場を離れて、またはうちに帰って、やがて結婚に入るわけなんですが、その間できるだけ明るい生活、できるだけあとに悪い影響のないような生活をといったようなことが、私は婦人のためには一つの魅力でもあるし、また現実に必要だと思うのです。ところが、これがいまの企業の実力のアンバランスのために、そのような施設を持っているところもあるし、あるいはまた二階で十人ほど一緒くたのところもあるし、また同じような施設をしたいんだが、なかなか企業の関係からできないところもあって、ばらばらです。そこで、比較的共通したものは、婦人の家をつくって、その中に娯楽もできるし、簡易な教養もできる、そうして明るい集団生活をごく短時間でもやるということがきわめて大切な措置で、積極的にやるべきだと思うのですが、これは婦人少年局だけではなかなか解決できる問題ではありませんけれども、ともかくそういうようなことをすることによって、いまの暗いものが非常に明るくなるということを確かに信じておるのですが、そこでどのような計画があるのだろうか、もしくはさらに必要とお思いにならぬかどうか、結果はどうか、その辺はどんなもんでしょうか。
○大羽説明員 御指摘の働く婦人の家でございますが、まだ数もたいへん少のうございまして、現在全国で九カ所しかできておりません。この目的といたしますところは、中小企業の密集地域で婦人の労働力が大部分である——従来でございますと繊維産業でございますが、近来はだんだん電気とか、あるいは精密企業などにも女の人が多くなってまいりましたので、そういうところにも本来でしたら事業主が共同でつくっていただくのが趣旨だと思いますけれども、なかなか資力もおありにならないという考え方から、昭和二十九年度から私ども目をつけまして、それに対して国で補助金を出しまして、現地の県あるいは市町村におきましてそれに足して設置をしていただく。現在一カ所三百万の補助金でございます。建物全体といたしましては、百五十坪から二百坪ぐらいのごく小さな建物でございますけれども、家庭を離れて出てきておられる若い女の方たちは、お母さんの指導を受けることができないという考え方から、館長さんも全部女の方にお願いしておりますし、職員の中にも若い人を入れまして、若い方たちの要望に十分こたえることができるような事業を積極的に行ない、またそれをもとにいたしまして、その若い方たちが自主的にクラブ活動をやることができるような指導も行なっております。またあわせまして、近来は若い方たちが集まらないために、どうしても家庭に責任を持つ女の方たちを使うところが多くなってまいりましたので、その方たちのために、たとえば保育施設というものも設置いたしまして、そこでお子さんの世話も見られるようにいたしておりますし、大体館長は私ぐらいの年配の女の方が多うございまして、経験の深い方をお願いしておりますので、若い方から年配の方までいろいろな相談に十分おこたえできるように、私どもでも、そのほうの予算はいただいておりませんけれども、自腹を切りまして、そのほうのカウンセリングの指導もできるようにつとめております。将来も、中小企業の密集地域に対しまして、現在は九カ所でありますが、三十九年度におきましてもまた二カ所の予算をいただいておりますので、それらはすでに決定を見ておりまして、できることになっておりますが、来年度はさらにもっと拡充してまいりたいという考えでおります。
○吉田(賢)委員 九カ所というのはあまりにも少な過ぎますし、一万人も入るなら別ですけれども、その九カ所の場所と、予算はどれくらい取れて、どういう計画があるのか、そこを簡単でよろしゅうございますから………。
○大羽説明員 三十九年度におきましては二カ所で、一カ所三百万の六百万円の国庫補助でございます。それで、九カ所を申しますと、九州の八幡市、それから岡山県の児島市、それから兵庫県の西脇市、それから福井県の鯖江市、それから石川県の宇ノ気町、これも繊維町でございます。それから愛知県の尾西市、それから大阪府の岸和田市、群馬県の桐生、神奈川県の川崎市、それで九カ所になったかと存じます。それから現在愛媛の今治市に建設が、もうできることになっておりまして、来年度も新潟とあと一県、もうほとんどきまっております。ですから、まだ私どもとしてはもっと拡充したいつもりでおりますが、モデル施設のつもりで、県とか市が、自体でもどんどんおつくりいただくように、私どもの補助するほうはモデル施設として、モデル的によくやっていただくように御指導しております。
○吉田(賢)委員 そうしますと、九カ所は現に開館して運営をされておるのでございますね。
○大羽説明員 現在活発に動いております。
○吉田(賢)委員 その動いておる状況、それからその欠陥とか長所、そういうものを資料にして、すみませんが当委員会にお出しいただきたいと思います。 何かとまだ実は労働行政全般についてお聞きいたしたいのですけれども、本会もあることですから、やむを得ませんので、これできょうは終わっておきます。
○白浜委員長 参考人各位には、長時間委員会の調査に御協力をいただきまして、まことにありがとうございました。 次会は公報をもってお知らせいたすこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時五十一分散会 ————◇—————