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46回国会衆議院1964/04/22

外務委員会 第20号

発言数
185
登壇者
11
会派数
2
開催日
1964/04/22

会議録

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 これより会議を開きます。  千九百六十一年の麻薬に関する単一条約の締結について承認を求めるの件を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。大平外務大臣。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 ただいま議題となりました千九百六十一年の麻薬に関する単一条約の締結について承認を求めるの件につきまして、提案の理由を御説明いたします。  麻薬の国際統制に関しましては、現在九つの条約がございますが、これらの諸条約は、相互に重複して複雑な体系を構成しているため、麻薬の統一的な国際統制という見地から少なからざる不便が痛感されておりました。そこで、国際連合は、これら諸条約を整理統合することによってより実効的な国際統制の制度を確立するために麻薬委員会をして単一条約を作成するための検討を行なわせておりましたが、その結果といたしまして、一九六一年一月二十四日から三月二十五日までニューヨークで開催された国際連合会議におきまして同年三月三十日に採択されたのが、千九百六十一年の麻薬に関する単一条約であります。  この条約は、麻薬の医療上の使用が現状においてはなお不可欠である一方、麻薬の中毒が個人及び社会に重大な害悪を及ぼすことを認め、麻薬の乱用を防止する目的でその使用を医療上及び学術上の目的にのみ制限するために所要の国際協力及び国際統制を行なうことを規定しております。  現行の諸条約との相違点といたしましては、麻薬の国際統制機関として国際連合の経済社会理事会の麻薬委員会のほか新たに国際麻薬統制委員会を設置して、既存のあへん常設中央委員会及び麻薬監督機関を廃止すること、ヘロイン等特に危険な薬品の取り締まりを強化するとともに、麻薬原料植物に対しても統制の範囲を広げること、麻薬中毒者の効果的な治療のために適当な施設を設けることを勧奨する趣旨の規定が設けられたこと等でございます。  わが国が従来から麻薬の国際統制については深い関心を持っており、また、わが国における麻薬関係事犯はもっぱら海外から密輸入される麻薬が原因となっている現状にかんがみましても、多数国の参加を目ざしたこの普遍的な単一条約が発効することによって麻薬の国際統制が一そう普遍化することは、わが国にとっても非常に望ましいことでございます。わが国は、すでに麻薬取締法、あへん法及び大麻取締法に基づいて厳重な統制措置を実施しておりますが、この単一条約に参加することにより麻薬の取り締まりについて必要な国際協力を確保し得ることとなるのであります。  よって、ここにこの条約の締結について御承認を求める次第であります。何とぞ御審議の上すみやかに御承認あらんことを希望いたします。

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 これにて提案理由の説明は終了いたしました。      ————◇—————

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 これより国際情勢に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。穗積七郎君。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 きょうは、久しぶりですから、大臣に、その後の韓国の政治情勢、それから、中国との関係について、あなたのほうの松村使節団が行かれていろいろ重要な話をされて、すでに新聞発表にもなっておりますので、それらのことに関する政府の御方針を伺っておきたいと思います。  最初にお尋ねいたしますが、これはもうわかり切ったことですが、この前の委員会の当時、すなわち先月の二十四日にソウルにおいて学生の日韓会談反対デモが起きましたし、同時に韓国における日韓会談を中心とする諸情勢について外務省はどういう分析と判断をしておられるかを述べられた。それに対して、私は、この問題は簡単な問題ではなくて、この反対運動は相当思想的にも明確になっているし、広範な国民的支持のもとに行なわれておる、日韓会談の進め方に重大な影響を及ぼし、したがって日本政府も日韓会談に対する検討をすべきではないかということを申し上げて質問をいたしたのですが、当時外務省は、この運動というものを相変わらず非常に簡単にごらんになって、その真実を見ておられない。そのために日本の外務省の判断というものは全く事実と食い違った結果になっているわけです。その後の状況については、お話しするまでもなく、学生運動はごらんのとおりその後も継続して発展いたしておりますし、これを支持する国民的世論というものも非常に根の深いものである。しかも、その反対の目標というものが、日本の新植民地主義あるいはアメリカの帝国主義に反対するという目標を明確にしておるし、のみならず、朴政権内におきましては、不正払い下げ問題等を中心にして国会における論争も非常な紛争を来たしておる。さらに続いて与党内における二十数名の朴政権に対する反対の分裂状態も出てきておる。これらは特徴的なことにすぎないのですが、こういう情勢を外務省は一体どう判断しておられるか。この前は簡単に言っておられましたが、その後の分析と反省を伺いたい、これが一点。その上に立って、一体日韓会談はどういうふうにされるつもりであるか、結論的に最初に伺っておきたいと思うのです。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 たびたび申し上げておりますように、韓国は民政移管になりまして、いろいろな案件に対しまして各政党・団体等がそれぞれの見解を発表され主張をされるということは当然と考えられるところでございまして、また、そういう過程を通しまして民主主義体制というものが根をおろしていくものと思うのでございます。そのこと自体は格別奇異なこととして感じておりません。いま御指摘の日韓交渉についての反対運動でございまするが、私は、日韓交渉という両国にとりまして大事な外交案件が現実の問題として活発に論議されること自体はけっこうなことと思うのでございます。そういう論議を通じまして、日韓交渉というものについて理解が深まり、さらに、日韓関係はどうあるべきかということにつきまして両国の国民の理解が深まっていくのでございまして、そのこと自体も私どもといたしましては奇異なことではないと思っております。いま御指摘の、先月の末から今月にかけて一連の学生運動が起こっておりますが、学生諸君がこの問題に現実の関心を持ってきておるということ、そして、そういうことを契機といたしまして日韓交渉自体につきまして学生諸君の理解が深まっていくことを期待いたしておるわけでございます。この学生運動をどう処理し、そして日韓交渉にどういう態度で臨むかということは、たびたび申し上げておりますように、韓国政府の問題でございまして、私どもがとやかく申し上げるものではないと思うのでございます。  わが国の態度といたしましては、終始一貫日韓正常化の交渉を進めるという姿勢に立っておるわけでございます。先方の申し出がある限り、これにこたえて、すでに交渉中の懸案について一そう実のある煮詰めをやるという態度はちっとも変えていないわけでございます。御案内のように、農相会談は農林部長官がお帰りになりまして一時休んでおりまするが、専門家レベルにおける会合は続いておるわけでございまして、いつでも農相会談にも応ずる姿勢でおりますことは事実でございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 外交交渉は日本だけの一方的な願望でできるものではないわけですね。相手の政権が安定し信頼すべきものでなければならない。言うまでもないことです。ところが、いま申しましたように、外務省の希望的判断とは全然反対に、韓国の経済情勢並びに政治情勢はますます混乱、困難な状態になってきておる。不安定状態を増すばかりの状態になっている。そういう中でありますので、政府の日韓会談を妥結したいという願望のいい悪いはともかく、われわれは反対ですが、それをやろうとしても、政府の立場に立ってもできないと思うのです。ですから、願望は願望としてさることながら、事実上の日韓会談そのものを具体的にどう処理するかということについては、韓国の経済的・政治的な不安定をはっきり見きわめ、判断をし、しかる後に具体的にこれをどうするかという態度をとらなければならぬ。そうなりますと、一時あなたの願望は停止をいたしまして、そして、韓国の政治情勢を分析、判断をし、しかる後に日韓会談の進め方をあらためて検討するというのが当然なことだと思います。いかがでございましょうか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 たびたび申し上げておりますように、いろいろの運動が展開されるということを、直ちに不安定であるというふうにきめつけるわけにいかぬと思うのです。これは民主体制のもとにおいて当然のことなんでございまして、私どもは、そういう過程を通じて民主主義政治というものが国民の間に根をおろしていく、これは韓国ばかりでなくどこの国でもそうであろうと思うのでございます。しかし、これをどのように収束してまいるか、そして日韓会談にどういう態度で臨むかは韓国の問題なのでございます。私どもはいつも交渉を促進してまいる姿勢をとっておるということを申し上げておるわけでございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 相手が安定しなければ交渉ができないわけですから、だから、こちらがやろうと言って無理をすべきではないと思うのです。いまのお話だというと、何か、相手の情勢もこれを正視・検討しないで、しゃにむに押して早期妥結をしようとしておるような印象でございますが、そういうことは国際交渉上不可能なことだと思うのですね。これでは日本国民としては納得がいかない。一体、何の目的、何の利益のために日韓会談をやるのか。瓦解するのかしないのかわからないような政権を相手にして、国民自身に納得せしめるようなこともできないような日韓会談が、日本がいかにあせったってできるわけはない。あくまでそういう無理押しをされるつもりですか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 私は無理押しをするということをちょっとも言っていないし、そういうことをしていないじゃありませんか。私どもは先方が熱意を持って交渉に臨んでこられる限りにおきましては、いつも誠意を持って臨むという態度を変えていないということを申し上げておるわけでございまして、何も無理をしてやるということは一つもやったこともないし、言ったこともないじゃありませんか。あなたがかってに御解釈されちゃ困ります。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 いままで、韓国の情勢に対する日本外務省の分析なり判断というものは、もうあらゆる場合に実に違っておりました。その反省もないわけですね。相手のあることですから、外交交渉は、先ほど言ったように、一方的願望でできるものではない。だから、いまのような情勢では、こちらからしかけて無理に進めるべきではない。停止して、相手の情勢を静観・検討する、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。当然なことだと思うのですが、念のために伺っておきたい。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 たびたび申し上げておるわけでございまして、韓国の事態は韓国の政府が収拾するわけでございます。それでございますから、私どもがとやかく申し上げる性質のものじゃない。日韓交渉に韓国が熱意を持って臨んでくる限り、いつでも私どもはこれに誠意を持って応ずる用意をいたしております。そして、現に専門家会談も全面会談も続けておるわけでございますから、こっちの姿勢はちっとも変わっていないわけでございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 交渉を受けとめる相手がないのに、あなたは進めようがないじゃないですか。それで進める進めるとは、どういう意味でしょう。そういうことを言うから、無理やりにこちらからのしかかって、無理な強行をするかのごとく、あるいは相手を納得させるために不当な譲歩をするかのごとく、そういう余韻を残しておるわけですね。そういうことはよくないと言うのです。われわれは、御承知のとおり、すでに打ち切り決議案を提案をして、そして与党の良識ある諸君もこの情勢を理解して、そして本会議において、国会としては現在行なわれつつある日韓会談は一時打ち切るべきである、こういう事実。相手側の情勢もそうであるし、内容についてもわれわれはそういうふうに考えておるわけです。そういう情勢の中で、やるんだやるんだという一点張りでは、これはやれないじゃありませんか。金鍾泌とあなた、あるいは金鍾泌と池田、あるいは金鍾泌と大野さんと話されたり、あるいはその他の向こうの代表と話された予定というものは、もう事実上狂ってしまっておるわけでしょう。この事実に対して、ただ、やるんだやるんだ、やみくもにやるんだということだけではいけないから、外交交渉は相手を必要とするから、相手の情勢を見てしかる後に慎重に検討する、こういうのが当然なことだと思うのです。それがなぜ言えないんでしょうか。当然のことを言えばどこかに差しつかえがあるんでしょうか。国内の一部の勢力、あるいはアメリカその他に支障がある、そういうことでしょうか。できないじゃありませんか。だから、その事実を言っておるのです。日本外務省の願望を聞いておるのじゃないのです。いかがでしょうか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 日韓交渉の実態は、非常に実質的な進展を見せておるわけなんでございます。漁業交渉におきましても問題点は相当煮詰まってきておるわけなんでございます。事実を申せよということでございますれば、そのように交渉は実質的進展を見ておると申し上げなければならぬと思うわけです。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 それでは、朴政権の将来、あるいはソールを中心とする韓国における日韓会談反対の運動の将来への発展の展望はどう見ておられますか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 私は評論家でございませんから、そういうことを論評をいたしません。私といたしましては、相手国に対して終始最大の敬意を持って当たっておるのが私の態度でございます。あなたから何べん聞かれても、そのように申し上げます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 何べんでも言いますけれども、きょうは実は中国問題をお尋ねしたいのが主目的ですから、この問題は本会議で与党・野党の考えを明らかにして結末をつけたいと思うのです。  次に、日中問題についてお尋ねいたしますが、いままで、日本外務省は、国会においては、来たる国連における中国の代表権問題の処理のしかたについては全く白紙で諸情勢を検討してからにしたい、こういう答弁をしておきながら、この間のフランス外務大臣との会談においては、あなたは重要事項指定方式をもって臨むんだということを話されたようですが、それが事実だろうと思うのですが、それが事実であるとすれば、どういうわけでこういう方針の違いがあるのでございましょうか。われわれとしては、国会における答弁と違ったことを外国の使節団と話をしておる、これには納得がいかないわけです。で、その理由、根拠を明らかにしていただきたいのです。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 中国代表権問題がフランスとの定期協議におきまして問題になったことは事実でございます。私どもは、重要事項指定方式の提案国として、この問題は重要問題であるという実体認識を持っております。そしてただいまのところこの態度は変えておりません、こういうことでございます。第十九国連総会に臨みます段階になりますると、諸般の資料を整備し、検討をいたしまして、わが国としての第十九国連総会に臨む態度をきめたいと思っておるわけでございまするが、ただいまの段階におきましては従来とっておる態度をまだ変えていないということを申し上げたにすぎないわけでございます。きわめてあたりまえなことでございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 国際問題というのはみな重要ですよ。総会において討議、決定、決議されることも、重要ならざる問題はないわけです。諸国民の平和と繁栄のために重要な問題ばかりなんです。アジアにおいて中国問題が重要な問題であることぐらいはわかっております。ただそういう意味で言われたのですか。そうではなくて、代表権問題が出ることの予想されるこの秋の国連総会においては従来のように重要事項指定方式を提案をするつもりである、そういう具体的な代表権問題に関連をする日本政府の方針として話されたのですか。どちらですか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 いまお答えしたとおりでございまして、国連対策なるものは国連総会に臨む前までに十分の討議を遂げてきめなければいかぬと思っておるわけでございます。ただいまの段階におきましては、中国代表権問題につきまして、従来日本政府はこれは重要問題であるという基本認識に立ってこの前は重要事項指定方式なるものの提案国になったわけで、そういう、これが重要問題であるという実体認識は変えていないということを申し上げたにすぎないのでございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 そうすると、あれですか、重要事項指定方式でこの前どおりの方針でいくということを意味しておるわけではないわけですね。すなわち、今度の国連総会において中国の代表権問題が出たときの日本政府の態度・方針については未決定だということで、そういうことをフランス外務大臣に話したのではないのだ、こういう意味ですね。何を言っているのかぼくにはわからない。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 第十九国連総会に臨む日本政府の態度につきましては、その総会が開かれる前までには私どもも想を練りまして閣議にかけてきめにゃいかぬと思っておるわけです。ただいまは従来日本政府がとっておる態度に変わりはないということを申し上げたわけです。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 ちょっと私の質問に対してはっきり答えてください、何だか持って回ったような話でなくて。すなわち、重要な問題であるという実質認識は持っておるけれども、この総会に臨む場合に重要指定方式でいくかどうかはまだきまっていない、こういうことですか。それでいいのですね、いまの話だと。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 第一、第十九国連総会がどういう様相になるのかまだわからぬではありませんか。これは、会議の議事手続の問題でどういう議題が出るか、どういう手順で運ぶのか、ただいまよくわからぬわけでございます。十九総会が開かれるまでの間には、あらゆる資料を整備いたしまして、日本政府としても十分吟味していかなければならぬと思っておりますが、いまの段階におきましては、中国代表権の問題は重要問題であるという認識は変えていないと、こういうことを申し上げたわけで、きわめて明瞭だと思います。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 いや、明瞭でないのだ。それはあなた事実認識はそれでいいですよ。われわれも重要だと思っておるし、他の問題も、平和と繁栄のために重要ならざる問題はないというふうに考えております。ところが、十八条に規定をしておる、すなわち採決にあたっては過半数ではなくて三分の二以上を必要とする重要事項に指定するかしないかということが問題なんです。そういう考えは、国会で答弁したとおり、予算委員会またはこの委員会で答弁したとおり、そういうことはまだきめてない、白紙である、こういうことですね。それを聞いているのです。そんな、あなた持って回ったようなことを何べんも言って、わかっているじゃないかわかっているじゃないか、わからぬやつはばかだと言わんばかりのその答弁のしぶりというものは、あなたにしては、ちょっと私これは不本意なんだ。こんな御答弁で私をほんろうするということはよろしくない。私の聞いているのはそうじゃない。秋の国連総会においては重要事項指定方式でいくのかどうかということを聞いておるのです。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 穂積さん、誤解のないようにお願いしたいのは、第十九国連総会に臨む国連対策は、国連総会が始まるまでには日本政府の閣議にかけてきめるつもりでおります。ところが、いまのところはさまっていないわけでございまして、国連総会に重要事項指定方式というようなものが問題になるのかならないのかわからぬわけなんであります。実体認識としては中国代表権問題というものは重要問題であるという認識を持っておりますということでございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 そうすると、これは大事な点ですから整理いたしますと、現在ただいまにおける日本政府のこの問題に関する態度、方針は、前の予算委員会または外務委員会で答弁したように、どういう態度、方針で望むかということはまだきまっていない、白紙である、これでいいですね。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 まだ、どういう提案をするか、どういう提案があった場合にどうするかというようなことはきまっておりません。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 そうなら、フランス外務大臣に話したのは、重要事項であるという認識に変更はないという言い方は、日本はその場合に、もしアメリカその他の国が重要事項指定方式でこれに対抗しようじゃないかという提案があったときには、そのときにはこの前どおりにこれに同調をして提案国になるつもりだということの暗示を与えておる。それで世間もそうとっていますよ。日本の新聞の発表もそうとっておる。日本国民も、そういう方針をほのめかしておるととっている。それで、国際的には日本の態度は重要事項指定方式でいくのだという印象を与えようとしておる。それは大きな誤りです。それだと、国会における答弁と食い違っておるし、のみならず、いまのお話の、国会答弁どおりまだ未決定であるということとは違った印象を世間に与えておるわけですね、国内、国外に。聞いた相手のフランスの外務大臣も同様な印象を持たれたと思うのです。これは非常に不適当な発言であったと思う。すなわち、あなたのいまの言われておること、国会において言われたこととは違った表現になっておるわけです。それをお認めになりますね。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 ちっとも違っていないんです。私といたしましては、中国代表権の問題は重要問題であるという実体認識を依然として持っておるわけなんです。ちっともこれは変わっていないわけです。国連総会にどういう提案をするとか、どういう提案があった場合に日本政府としてどういう態度をとるとかいったことはきめていないわけです。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 大平さん、さっきから言っているように、重要事項であるということについては、中国問題というのは特に日本にとっては重要問題であるとはわれわれも共通に認識をしております。これだけではなく、ほかの問題も重要であり、日韓会談にしても、あるいは台湾の問題にしても、沖繩の問題にしても重要な問題だと思っておる。思っておるけれども、国連における審議の処理のしかたについて、十八条二項にいう重要事項の指定方式として提案をする、または他国に提案があった場合にはこれに賛成をする、こういうこととは別のことなんです。私の聞いておるのはあとのことを聞いておるんです。そんな、重要事項、重要問題だという認識に立っておるなんということを聞いておるんじゃない。そんな抽象的な観念的なこと、そんなことは聞くまでもないことで、われわれも同様な認識を持ち、国民も同様に考えておる。ただ、問題は、国連における態度として、十八条二項にいう重要事項指定方式を相変わらず提案し、または提案があった場合にはこれに賛成をするという方針をとるかとらぬかということが問題なんです。それを聞いているんです。それはきまっておらぬ、白紙だ、きまっておらぬのですね。きまっておるのか、きまっておらぬのか、それを聞きたいのです。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 やはり実体と手続とを分けて考えていただきたいのでございますが、重要事項であるという認識は持っておるということを申し上げたので、あなたの御質問は、日仏協議におきまして私が申し上げたことは何かと言うから、私はこういうように申し上げたのでございますと答えたわけでございます。  それから、第二の点で、今度の十九回の総会におきまして重要事項指定方式を日本は提案するのか、こういう御質問に対しましては、そういうことはきめておりません、こういうことです。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 よろしい。それでは念のために伺っておきますが、政府はきのうはこう言ってあしたはまた違ったことを言うので、どうもわれわれ信用が十分できないんだが、この前の質問で、サクセサー・ステート方式はとらない、これは問題にしていないという御答弁があったわけですが、それに変更はありませんね。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 そういうことは全然考えていません。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 考えていない。  じゃ、条約局長にお尋ねしますが、重要事項指定方式は、これは第二項はごらんのとおりだれが読んでも列挙主義です。ところが、中国問題は、その本質が重要だということは別ですよ、そうでなくて、重要事項指定方式に中国の代表権問題を指定しなければならないという根拠は一体どこの文章で言うんですか、どの条項で言うんですか、それをちょっと伺っておきたいんです。

藤崎萬里外務事務官(条約局長)

○藤崎政府委員 この第二項の一番末尾をごらんになりますと、何とかが「含まれる。」と書いてございまして、これは限定的列挙ではないことを明文の上で明らかにしておるわけでございます。また、実際の国連総会における取り扱いとしましても、特に重要事項であるというようなことを決議しませんでも、実質的な問題、つまり手続的なこと以外の問題はすべて実質問題として三分の二の多数を要するという前提で取り扱われるのが例でございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 お尋ねいたしますが、一九五〇年のあれは十二月でございましたかね、総会を尊重しなければならない、また、総会の決議は他の国連機関はこれを尊重しなければならないということが万国によって承認をされておるわけですね。そうなりますと、この代表権の問題は、むろん総会における過半数によってやるべき手続事項であるとわれわれは解釈するのが当然である。この前大平外務大臣は、中国代表権の問題は国連の精神に従って公正な態度で臨むつもりですと言っている。公正な態度とは何かといえば、代表権問題を審議する会議の手続としては総会における手続問題としてやるのが公正な方法、国連憲章の精神に従う公正なものである、公正な手続であるというふうに解釈せざるを得ない。条約局長、どうお考えですか。

藤崎萬里外務事務官(条約局長)

○藤崎政府委員 御意見でございますが、日本政府としては、これは完全な手続問題でないと思っておりますし、また、国連加盟国の大多数もそうではないという見地からあのような決議に賛成しておるわけでございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 賛成があったって、あやまったことはあやまったことですよ。憲章の解釈あるいは国連の機関の運営において、過去においてあやまったことを多数のものが行なったからそれは正しいんだということにはなりません。  特にこれは念のために伺っておきますが、重要事項指定の問題は継続性はありませんね。あなたは条約局長で、これは重要な問題ですから、あなたはむろん前の局長が御答弁になった解釈もそれは継承さるべきものだと思っておるけれども、念のために伺っておきたいのです。これは継続性は第一ないですね。

藤崎萬里外務事務官(条約局長)

○藤崎政府委員 この点については、国連のその担当の当局等にも照会いたしましたけれども、多数の意見では継続性ありということでございます。別に、これは、私がどうとか、前任者とどうとかいう問題じゃなくて、そういう事実がございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 それは大いに違いますよ。それは継続性はないと池田さんも言っておる。そして、そのときには条約局長もむろんおられ、継続性はありませんと言っている。何を根拠にして継続性があるという解釈をされるのですか。条文があったら言ってください。  この問題、重要ですから、関連質問の希望者がありますから、関連質問をしてもらいます。大臣にお断わりしておきますが、私は最初にきょうの質問の要旨を言っておったように、松村会談によって決定された問題についても政府の方針を伺うつもりでおりまして、この問題はあまりきょう深追いをしようと思っておらぬけれども、ああいうようなばらばらな答弁がありますと、それを聞き流して前に進むわけにいきませんから、その点は議事進行上委員長も理解されて、関連質問を許していただきたいし、私も二点だけ、いまの質疑応答の中で整理をしてお尋ねをいたしましておきたい。  一点は、もう一ぺんはっきり言っていただきたいが、重要事項指定方式に指定される場合に、十八条二項のどの文章によるのですか、どの条項ですか、中国問題というのは。それが一点。  それから、もう一つは、この前の予算委員会、また外務委員会におけるついこの間までの政府の答弁、条約局長はあなたの前任者でありましたが、そのときにおける大臣、政府の答弁は、重要事項指定方式の問題は継続性はないんだ、もしそれを今度の国連でやるなら新たに出してまた再決議をしなければならないのだという解釈をしておられたが、あなたは違った解釈をされるわけですね。それは統一見解であるかどうか、もし統一見解であるとするならば、一体国連憲章のどの条項によってそういう議事手続を言われるのか、この点を明確にしていただきたい。

藤崎萬里外務事務官(条約局長)

○藤崎政府委員 第一点の御質問でございますが、これは、第十八条第三項の「三分の二の多数によって決定されるべき問題の新たな部類の決定を含めて、」これによってやるわけでありまして、御質問の趣旨は、それでやるにしても第二項にどこか頭を出しておるはずじゃないかという意味かと思いますが、その必要はないわけでございます。第三項で、この第二項に列挙されておるカテゴリー以外のものも追加できると明瞭になっておるわけでございます。  それから、第二点でございますが、これは私の意見だとか統一見解だとかいうことじゃなくて、照会した結果それが多数の意見である、そういう意味で私は客観的に申し上げたわけでございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 その多数意見というのがどの条章に依拠しているのか。それを答えてください。

藤崎萬里外務事務官(条約局長)

○藤崎政府委員 憲章の規定にはっきりした根拠が見つからないから、だから一つ以上の解釈が成り立って、その間に意見の相違があるわけであります。

齋藤鎭男外務事務官(国際連合局長)

○齋藤(鎭)政府委員 御質問の第二点につきまして、私前から関係ございますので御答弁申し上げます。  現在の国連憲章におきましては、決議が継続性を持つかどうかということについては何ら実定法がございません。したがいまして、各国の恣意的と申しますか、自発的な解釈によるのでございますが、本件については、その参考とすべき学者の意見もやはり分かれておりまして、決定しておりません。そこで、わが国としましては、いろいろの材料、たとえば現在条約局長が申し上げました国連の法律事務当局の意見も参照しまして、すべて決議は、その会期だけでそれが片づくものはその会期のみ、それから、それ以後についても効果を持ち得る性質の決議につきましては、特にこれを否認する決議のない限り有効と見るのが適当ではないか、こういうように考えておるのがわが事務当局の考え方でございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 それで、大平さん答弁してください。答弁が食い違っているのです。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 いま国連局長が申し上げたとおりです。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 どういうわけで食い違っているのですか。前は、総理は継続性がないと言っている。いま継続性があると言うのはどういうわけだ。それを聞いているんだ。前の答弁はいまの事務当局の答弁とは違うんだ。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 それは、国連憲章に実定法上の規定がないということを申し上げたわけでございます。明らかに継続性がないと断案を下した覚えはありません。

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 関連質問の申し出があります。これを許します。戸叶里子君。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 いま穗積委員から言われました、重要事項指定方式の問題について継続性があるなしの問題でございますが、これは、予算委員会でも審議されたときには、あるかのようなないかのような答弁をされております。で、私もそれをよく読んでみました。ところが、それに対して、あるかのようなないかのような答弁をされていたことを私も知っております。そこで、私もこの委員会に持ち出して外務大臣にお聞きしましたときに、何だびか繰り返しているうちに、継続性がないというふうに答弁されたように私は記憶いたしております。したがいまして、私どもはその答弁をもって継続性がないというふうに理解をしていたわけです。ところが、今日国連局長なり条約局長の解釈によりますと、実定法はないけれども、継続性があるかのほうに比重を置いたような答弁をしているように私は伺っているわけですけれども、政府の見解が継続性があるという解釈をいつごろ変えられたのか。もし変えられたとするならば、国会でああいうないという答弁をされている以上は、はっきりと声明なり何なりを出して、そして国会議員の私どもに納得をさせるべきだと思う。いつの間にかうやむやのままにあるというふうにされたのでは、私どもは納得できない。いつそういうふうに見解を変えられたかということもあわせてここではっきりさせてもらいたいと思います。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 ただいま申し上げましたとおり、国連憲章の条文の上では、継続性を保証する規定がないわけでございますから、したがって、継続性があるないについての議論が出るのは当然だと思うのでございます。したがって、私は、継続性が明らかにないということを断定した覚えはないのでございます。もし私の答弁でそういうことを申し上げたことがあるとすれば、それは間違いでございます。いま国連局長が申し上げましたのが、ただいまの政府の見解とお受け取りいただきたいと思います。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 それじゃ、いま外務大臣が継続性がないと答えたとすれば間違いであるとおっしゃるならば、間違いであったということで取り消されるなり、日本の政府としてはあると考えるとか、ないと考えるとか、はっきり態度を明らかにしていただきたいと私は思うのですが、この点はいかがでございますか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 したがいまして、速記録をよく調べて処理いたしたいと思いますが、私は、実定法上明記がない、継続性を保証する規定はないのだということは申し上げたと思うのでございますが、これは解釈上明らかに継続性はないんだと断案を下した覚えは私はないのです。しかし、あなたのせっかくの御指摘でございますから、速記録を調べまして、もしその点私が間違った発言をしておるなら、私は訂正の手続をとります。

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 ちょっと申し上げますが、参議院の時間が迫っていますので、ちょっと十分間ほど大臣は参議院の本会議に出ますから。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 いまの点は、もしありましたら直します。

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 関連質問で、岡田春夫君。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 条約局長、あなたは先ほど重要事項指定方式の話をやられましたが、前回の日本政府の提案は、国連憲章の何条の何項に基づいて手続されたのですか。

藤崎萬里外務事務官(条約局長)

○藤崎政府委員 憲章十八条三項でございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 十八条三項ならば、あなたのおっしゃるように、「その他の問題に関する決定は、三分の二の多数によって決定されるべき問題の新たな部類の決定を含めて、」云々、この部分に該当するという意味ですか。

藤崎萬里外務事務官(条約局長)

○藤崎政府委員 さようでございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 それでは、十八条の二項の中に重要問題として列挙事項があるわけですが、この列挙事項の中に、たとえば、「新加盟国の国際連合への加盟の承認、」ということが重要問題の列挙事項としてあるわけですが、これに基づいたものではないのだということは明確ですね。これははっきりしていますね。

藤崎萬里外務事務官(条約局長)

○藤崎政府委員 さようでございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 それじゃ、もう一点伺いますが、三分の二で採決をする場合の方式として、重要問題については十八条の二項に列挙してある。ところが、それではきめられない問題として、三項でこれをきめることになっている。問題は、三分の二で採決するということはすべて重要事項ということにはならないと思うのだが、これはどうですか。

藤崎萬里外務事務官(条約局長)

○藤崎政府委員 ことばの使い方の問題ですが、重要事項と認める場合に三項の手続をとる。つまり、この重要事項というのは、手続事項ではなくて、実質的な事項、こういうふうな意味に解すべきものだと考えるのでございます。したがって、この第二項だけを重要事項というふうにことばをお使いになるならば、それも考え方かと思いますけれども、もっとすなおな読み方は、私は第三項で追加されたものはすべて重要問題だと見たほうが統一的には合理的かと思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 私はすなおに読みますと、第三項には重要事項のその他の問題とは書いてない。その他の問題と書いてある。ですから、あなたのおっしゃる点が、ある一定のところで重要問題に触れ、それ以外に非手続事項の問題に触れ、両方うまく解釈論でごまかそうとしているのですが、これは第三項は重要問題というよりも非手続事項の決定の問題でしょう。どうですか。

藤崎萬里外務事務官(条約局長)

○藤崎政府委員 第二項をもう一度ごらんになっていただきたいのですが、重要問題に関する決定は三分の二の多数によって行なわれる、重要問題にはこれこれが含まれる、そう書いてあります。これは限定的な列挙ではないわけでございまして、ほかにあり得るということを第二項自身が認めて、そうして、第三項でそのほかのものを指定する手続をきめておるわけでございます。三分の二の多数によって行なわれるものを重要問題と書いているというのが、第二項の第一文の趣旨でございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 それは、しかし、あなたおっしゃるけれども、「含まれる」ということはあなたの言われるとおりでしょう。ですから、これは列挙限定ではない。列挙しているのは事実でございます。限定ではないということも事実です。しかし、この「他の問題」というのは、必ず重要問題でなければならないということにはならないと思う。(発言する者あり)重要問題が三分の二であるということについては、いまここでも自民党の人が思いつきで言っていますが、三分の二で採決をするということは、必ずしも重要問題でなくとも、手続事項にあらざる事項について採決する場合はあり得る。そうでしょう。これは当然あり得るのですよ。そんな解釈はできないでしょうか。

藤崎萬里外務事務官(条約局長)

○藤崎政府委員 さきに申し上げましたように、そういうふうな意味に重要問題というのをお使いになりたいとおっしゃるならばそれまでのことでありますが、憲章の立て方では、重要問題、手続問題、重要問題でも手続問題でもない問題と、三種類に分けているのではなくて、重要問題か手続問題、そして、それの決定のし方は、三分の二以上か二分の一以上、そういう二種類しか考えてないわけでございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 それでは、もっと解釈上の問題を伺いますが、重要問題ということはあります。これは条文上明確です。重要事項指定という規定のし方はないはずですね。それはそうですね。それは先ほど穂積君も言われた。むしろ、その問題は、あなたが先ほど答弁されたように、手続事項であるか非手続事項であるかの問題です。重要問題であるか重要問題でないかの問題ではない。もしあなたが、重要問題であるかないかという二つの採決のし方があるとおっしゃるのならば、国連においては重要問題でないものをやっているということになるでしょう。そんなことはないでしょう。国連憲章はそういうものではないはずです。手続事項であるか非手続事項であるかという問題でしょう。その点はどうですか。

藤崎萬里外務事務官(条約局長)

○藤崎政府委員 非手続事項を国連憲章では重要問題と呼んでおるわけでございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 そういう言い方をしてはだめです。重要問題を扱うのについて、重要事項方式とあなたは言うし、非手続事項とこう言うのですが、重要問題ということ自体は条文上あるのです。採決の方式としては、手続事項に基づくか、過半数によるか、非手続事項が三分の二になるか、そのどちらかしかないですよ。これは条文解釈から言ったってそうでしょう。その場合に、あなたの先ほどの答弁でややあいまいな点があるのは、重要問題以外で、十八条の三項に基づく非手続事項についても、過半数で採決することによって三分の二の多数とすることはできる。しかし、「含まれる」ということが書いてあるから十八条の三項に基づいてすべてのものがきめられた限りはこれはすべて重要事項になるということにはならない。これは非手続事項ということならばあなたのおっしゃるとおりです。

藤崎萬里外務事務官(条約局長)

○藤崎政府委員 重要問題、その他の問題、こういう表現に憲章上はなっておるわけでございますが、それを説明する便宜上、私は、手続事項、非手続事項と申したのであって、憲章自身が、重要問題、その他の問題、手続事項、非手続事項、この四種類に分けておるわけではありませんので、私が非手続事項と申したのは、その他の問題のことであり、憲章にいわゆる重要問題であると解釈していただきたいと思います。

齋藤鎭男外務事務官(国際連合局長)

○齋藤(鎭)政府委員 いまの条約局長の御答弁に関連して説明させていただきますと、総会に関する限りは重要事項及び重要事項にあらざる事項、その二つだけでございます。手続事項ということばは安保理事会に関連して出てまいります。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 いままでの日本の提案によるいわゆる重要事項指定方式の提案、これは少なくとも十八条第二項の「新加盟国の国際連合への加盟の承認」ではないということは先ほどの答弁で明らかです。私は、これは重大問題だと思って、言おうか言うまいか、あなたのほうがどういう答弁をするかと思って、内心あれしておったのですがね。  そこで、伺っておきますが、今後もこれに基づくものはおやりにならないのでしょうね。これははっきりしておきましょう。今後も、提案の場合は、十八条二項の新加盟の問題としての提案ではないというようにわれわれは心得てよろしゅうございますか、どうですか。もし新加盟の提案ならば二つの中国論になるのですが、いいのですか。それだけを伺っておきます。

藤崎萬里外務事務官(条約局長)

○藤崎政府委員 私は、憲章の解釈上、前に日本が共同提案国になったときにはそういう趣旨に解せざるを得ないという法律論を申し上げましたので、実体を含めた今後の問題については、私にはちょっと答弁いたしかねます。

齋藤鎭男外務事務官(国際連合局長)

○齋藤(鎭)政府委員 この問題は、問題の提起をするのは日本ではございませんで、加盟ないし代表権を主張する国でございます。もし某国が新加盟を求めた場合には、加盟問題として取り扱われる可能性がございます。しかし、中共に関して申し上げれば、現在まで出ておりますのは代表権の問題として出ているだけでございますから、十八条第三項の問題でございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 もうこれで私は終わりますが、いまの齋藤鎭男さんの話では、新加盟国としての提案で出てきたならば、それについてどうするかということが問題なんです。その場合に、もしあなた方がその提案に賛成された場合には、それこそ二つの中国の陰謀に加担しているのが日本の政府である、そういう事実を立証することになるのですから、お忘れにならないように念のために申し上げておきますが、私は意見だけ申し上げて、関連ですからそれ以上申し上げません。      ————◇—————

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 これより、関税協力理事会を設立する条約の締結について承認を求めるの件、遺言の方式に関する法律の抵触に関する条約の締結について承認を求めるの件、以上二件を一括議題とし、審査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。戸叶里子君。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 まず最初に、遺言の方式に関する法律の抵触に関する条約の締結について承認を求めるの件、これについて一、二点お伺いしたいと思いますが、この条約に加盟をしていない国、批准をしていない国と、それから加盟している国とは何カ国ずつあるかを伺いたい。

徳久茂外務事務官(条約局国際協定課長)

○徳久説明員 遺言の方式に関する現在の加盟国は、ユーゴーとオーストリアと、それからイギリスでございます。この条約は三カ国が批准いたしますと発効することになっております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 現在加盟している国がユーゴとオーストリアとイギリスだけで、日本はそうすると四番目に入るわけですね。たいへんに早く入るようでございますけれども、ほかの国々が入るような状態にあるのかどうか、それからまた、それだけ急いでお入りになる理由が何かおありになるのかどうか、この点伺いたいと思います。

徳久茂外務事務官(条約局国際協定課長)

○徳久説明員 現在ほかの諸国の動向につきましては実は具体的にはっきりいたしておりませんけれども、現在日本はヘーグの国際私法会議でできました条約につきまして実はまだ一つも批准措置をとっておりません。それで、従来、国際私法会議で採択しました条約のうち、なるたけ早く批准するものはないかということで検討いたしました結果、この遺言の方式に関する条約につきましては、現在の国内法制のもとにおいても直ちにその条約上の義務を果たし、かつその条約で定めております利益を享受することができるということで、この条約を第一に取り上げた次第でございます。それから、この条約に関連いたしましては、法制審議会のほうから、この条約に早く日本も入るべきであるという意見が出ております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 日本がそういうふうな関係で早く入る手続をとったということはいま御説明があったのですが、ほかの国の入るような情勢はどんな状態であるかを伺いたい。

徳久茂外務事務官(条約局国際協定課長)

○徳久説明員 その他の諸国の動向につきましては、先ほど申し上げましたとおり、具体的にすぐこの条約に入るということは、現在のところつまびらかにしておりません。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 この条約が日本で批准されたあとでもけっこうですから、ほかの国がどういうふうな状態にあるかということをお調べになって、資料として出していただきたいと思うのです。  いまのお話の中にありましたように、日本の国内法のほうの関係から早くしたほうがいいという答弁があったわけですけれども、そうしますと、これに関係して日本の国内法としてはどういうふうな改正をされようとしているのか、念のために説明をしていただきたい。

村岡二郎検事(民事局参事官)

○村岡説明員 法務省の民事局参事官でございます。  ただいま御質問のありました国内法上の措置の問題でございますが、この条約の加盟に伴う措置といたしまして、遺言の方式の準拠法に関する法律案と申しますものがこの国会に提出されておりまして、目下参議院を通過いたしまして衆議院で審議中でございます。その内容は、との条約に盛られております国際私法の規定を、若干表現の変更はございますが、ほぼそのまま取り入れたものでございまして、なお、その附則におきまして、現行法であります法例の一部を改正いたしまして、具体的に申しますと、遺言の方式については法例の二十六条で規定しておりますが、その関係規定を削ることにいたしております。なお、この法律は条約の批准に伴うものでございますので、条約が日本国について効力を生ずる日から施行する、こういうことになっております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 この条約につきましてはもうけっこうですけれども、いま法務省のほうでも、参議院を通過していて、この条約と同じような内容で国内法のほうも通る状態になっておるということなんでございますが、そうすると、もうじきこれは法務委員会にかかるわけですね。私、念のために伺いたいのは、いま暴力行為等処罰に関する法律案が出ておるわけですけれども、その前にこれはかかるのですか、そのあとなんですか。それもちょっと念のために伺っておきたいのです。こういうふうにせっかく条約を通しましても、国内法のほうでもたもたされるのじゃ、条約を通す必要はないんじゃないかと考えますから、一応念のために伺います。

村岡二郎検事(民事局参事官)

○村岡説明員 法務省といたしましては、この法律案は参議院におきましても全会一致で御支持いただきました法案でございますし、一日も早く通していただきたいと考えておるのであります。ただ、審議の予定につきましては、私のほうからお答えする立場にないと思うのでございます。  なお、先ほど申しましたように、この法律案の内容は、条約の条項をそのまま採録いたしまして、国内法化するものでございまして、しかも、内容となります規則が、わが国の一般的な国際私法の規則になるわけでございます。通常の条約の場合のように、締約国間の双務的な関係を規律するというだけでございませんで、そこに盛られた規則がわが国の一般的な国際私法の規定になる。そういう関係で、これはただ条約を批准するというだけでなしに、法律の形で国内法化されることが非常に望ましいというふうに私のほうは考えておるわけでございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 終わります。      ————◇—————

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 続いて国際情勢に関する件について調査を進めます。穗積七郎君。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 条約局長にお尋ねいたします。大臣も聞いておいていただきたい。先ほど岡田委員の質問に対して、十八条二項の新加盟国の国際連合への容認、これには当たらないということでしたが、その次の加盟国の地位に属する権利及び特権の停止、これにも当たりませんね。

藤崎萬里外務事務官(条約局長)

○藤崎政府委員 そのとおりでございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 もう一つお尋ねしておきたいのは、中華人民共和国の代表権の問題は、われわれは新規加入の問題ではないと思うのです。すなわち、政権の交代の問題にすぎない、こういうふうに解釈するのが最も公平妥当であると考えますが、その点についても同様でございますね。

藤崎萬里外務事務官(条約局長)

○藤崎政府委員 そのとおりでございます。

齋藤鎭男外務事務官(国際連合局長)

○齋藤(鎭)政府委員 いまのに関連して、中華人民共和国が新加盟という立場で請求してきた場合には新加盟になりますが、第三国が新加盟にするかどうかという問題にはならないという意味でございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 齋藤さん、その点は御心配なく。政権交代の問題として中国は当然な立場をとっておりますから、藤崎さんの答弁で全体のことは尽きておると思うのです。  あともう一点前へ進みますけれども、お尋ねしておきたいのは、継続性があるということになると、今度の総会で前の重要事項指定の決議を取り消す決議がなければ、当然自動的に前の決議は生きておる。したがって、それとは別な取り扱い方は国連の総会ではできない、こういう解釈になりますね。あなたのさっきの論理を追っていけばそういうことになるのですな。

藤崎萬里外務事務官(条約局長)

○藤崎政府委員 いまおっしゃったような前提に立てば、いまおっしゃったような結論になると思います。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 そうしますと、他の国が、継続性はないんだというのでもう一度新提案を次の総会でやった場合には、日本はそれに反対するわけですね。

藤崎萬里外務事務官(条約局長)

○藤崎政府委員 いまおっしゃったその提案というのがどういうのかよくわかりませんが、その内容によって判断せざるを得ないと申し上げるほかないと思います。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 それはおかしいでしょう。いいですか、中国の代表権問題が重要事項として生きておるという解釈をするなら、それ以外の方針で臨む場合、これを新規決定しようとする場合は、一応前の決定を取り消す決議をしなければ前へ進めないわけじゃないですか。たとえそれがアメリカが違った方針で臨んできても、日本としては、取り消し決議をしなければ前へ進めないというので、その提案は反対をしなければならなくなるわけでしょう。論理上そうじゃないですか。そういうことですね。

藤崎萬里外務事務官(条約局長)

○藤崎政府委員 ある加盟国が前の決議は生きているという解釈をとり、しかも前にできておる重要事項に指定する決議には反対であるという立場をとっていると仮定して、その国がその前の決議を殺すための決議で、これは実質事項にあらずと総会は認めるという内容の決議案を出してきた場合は、日本の代表はどういう態度をとるかという意味の御質問かと思いますが、まあ非常な仮定の問題でございますけれども、実体認識として重要事項であるという立場からいえば、当然反対することになるだろうと私は思います。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 外務大臣、重大なことなんですけれども、あなたもそういうふうにお考えになりますか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 提案があった場合に内容を吟味して考えます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 そうすると、きまってないということですね。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 第十九回総会の国連対策というのはまだ政府としてきめておりません。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 それでは、この問題は、非常に重要な答弁の食い違いがきょうは生じてきて、われわれとしても実は驚いておるわけです。心外に思っておるわけです。私はきょうは他に質問もありますから、これは留保して、そして前からの速記録を一ぺんよく調べました上でその食い違いを指摘して明らかにいたしたいと思っておりますので、政府のほうでも、先ほど大臣も言われたように、それをまじめに一ぺん調査検討をしておいていただきたい。それでペンディングにしておきましょう。賛成されますか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 仰せのとおりいたします。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 それでは、瞬間も十分ありませんので次に進みますが、あなたのほうの松村使節団が中国へ行かれて、重要な点を決定されております。まず第一は新聞記者の交換でございますが、これはもうすでに北京で内外に明らかにいたしたところでありまして、合意文書にもなっておるわけですから、それに従ってこれは当然前向きに——中国に対して前向き政策を池田内閣がおとりになるなら、当然これは取りきめの線に沿って政府としては進めることに賛成をするというふうに理解すべきだと思いますが、いかがでございますか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 一般的な問題といたしまして、公正かつ客観的な報道を通じまして理解が進んでまいるということはけっこうなことだと考えております。したがって、今回の日中間における記者交換の問題につきましては、新聞の報道を通じて伺っておりますが、松村先生御一行がお帰りになられた上でよく詳細に聞いてみまして、私どもといたしましてはまあそのお話を聞いた上で政府として吟味してみたいと思っています。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 吟味ということですが、まあ決定はあとにしても、われわれ仄聞しておるところでは、松村さんはかってに個人としてお立ちになったのではなくて、この使節団は、立つ前に、池田総理あるいは外務大臣あるいは外務省、法務省の事務当局とも事前に、こういう問題が出ることを、討議することを予定して、そして打ち合わせの上でお立ちになっておられるわけです。そういうことで明瞭かつ具体的に合意文書はでき上がっているわけですから、何ら私はちゅうちょすることはないと思っています。しかし、その政府の最終態度を決定するについては、松村使節団がお帰りになって直接報告を受け、それでその文書の原文もごらんになって決定されることは、これはけっこうなことですけれども、いままでに発表になりましたところは、もう大体お互いに事前にわかっていることであり、いままで長年の交渉の経過から見ましても、今度の使節団の立つ前後の経緯から見ましても、発表されておる文章に関する限り、これに問題はない、前向きに進められるべき問題だというふうに理解してよろしゅうございましょうか。その点を伺っておきたい。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 御一行が帰られてよくお話を聞いた上で、よく吟味したいと思います。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 いままで発表になったところで、特に問題になる点はございませんね。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 新聞を通じての報道でございますから、それを信用しないわけでは決してございませんけれども、念のために、御一行が帰られてお話を聞いてからにいたしたいと思います。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 好意的に前向きにやられることについては、政府の方針としては、基本の立場としてはそう理解してよろしゅうございますね。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 記者交換の問題につきましては、先ほど申しましたように、自由・公正かつ客観的な報道が行なわれるととは相互の理解に資するというふうに私どもは考えております。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 ちょっと最後のところ、よく聞こえませんでしたが……。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 自由・公正かつ客観的な報道を通じて理解が深まることはけっこうなことだと思っています。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 次にお尋ねいたしますが、廖承志事務所、高碕事務所の連絡員相互交換の問題も、これも合意文書になって発表されております。これもおそらくは立つ前にすでに打ち合わせされ、その前に廖承志氏からあなたのほうの田川、藤井両代議士にも御提案があって、大体報告は聞いておられると思う。それに逸脱するようなものはあの文書の中には出ていない、こういうことでございますから、これについても望ましいことだと思います。両国の貿易発展、相互理解を深めるために、この第二の合意文書の取りきめもこれはわれわれとして歓迎すべきものだと思いますが、政府にもその点は御異存ございませんか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 これも、御一行が帰られてからよく話を聞いて、よく吟味してみたいと思います。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 私は、個々の具体的な条件については、これは聞いた上でなければならないということであると思いますけれども、前の新聞記者交換の問題と同様に、基本的にはこれは歓迎すべきものだと私は当然思います。あなたもそうであろうと思うのですが、その点について、先ほど新聞記者問題について御答弁になりましたように、個々の条件はあとでいいけれども、公正かつ妥当な条件においてこれが実行されることは歓迎すべきであるというふうに思いますが、そのことを期待してよろしゅうございますね。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 従来とっておりまする政経分離の原則の上に立ちまして、御報告を聞いた上で、よく吟味してみたいと思っております。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 その政府の考えておられる基本の立場から見て、帰られてからの報告が両国にとって公正妥当であるということであるならば、こういうことが実現できることは歓迎すべきことだと思いますが、その点はどうですかということを聞いているのです。最終決定をここで求めているわけではありません。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 くどいようでありますが、帰りましてからよく御報告を承った上で吟味したいと申し上げているわけです。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 その条件にして合目的であるならば、こういう駐在員が相互に交換されることは、いまの日中の貿易を発展せしめるために好ましいことであるとお思いになりますか、好ましからざることであるとお思いになりますか、それを聞いているのです。どっちか言っていただけばいい。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 民間レベルの貿易が行なわれておるわけでございまして、それを遂行する上におきまして、ある程度の人の往来ということは必要だと思っております。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 これもぜひどうぞ。いままで発表になった以外のもの、秘密文書があると私どもは考えておりません。非常に公明かつ率直に、いままで幾たびかいろいろな人によって話されたことがようやく実ったわけですから、言われるとおり前向きであるならば、それを政策・行動の中でぜひ実現させることを期待し、大平外務大臣の健闘を期待いたしまして、いまの問題はそういうふうに理解いたしておきます。  第三点については、特に使節団の中の古井さん、竹山さん等が中心になって具体的にお話しになったようですが、郵便協定、電気通信あるいはまた気象協定、これらの問題も、いま直ちにではないけれども、これはお互いに持ち帰って検討して、目標としては近い将来に政府間のこれらの事務協定が取りきめられることを願望しつつ宿題として持ち帰るということですが、これは当然報告があり、同時に使節団としては政府に対して提案があるだろうと思う。これについてのお考えはどうでございましょうか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 現在、日中間の郵便物につきましては、通常郵便物の往来は香港を通じて事実上行なわれております。香港郵政当局が技術的な理由から小包のほうを拒否いたしております。そういう不便がございます。これをどうするかの問題につきましては、もっとスムーズに技術的なくふうをこらせばいいじゃないかという議論もあるわけでございますが、中国本土がUPUの条約にカバーされておるのかどうか、その他もよく見なければなりませんし、郵政御当局の考え方もよく聞かなければなりませんし、私どもとしては、今度の話し合いでどういう話が出たのか詳しいことはわかりませんし、これも御報告を聞いた上でひとつ検討してみたいと思います。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 同様、話されました気象協定の問題は、数年前に和達気象庁長官が訪問されたことがありまして、そのときに、日本の気象測定のために特に大陸の気象情報というものがどうしても必要だということで、日本の情報を中国が必要とするよりは、大陸の気象情報を日本側が必要とするというのが実情のように承って、そういう話が行なわれて、その後協定は結ばれぬでしたが、事実上気象情報というものは提供されておるわけですね。これもまたこの際わがほうの利益から見ましてもはなはだしくけっこうな望ましいことだというふうに考えますが、大臣の御認識はいかがでございますか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 日中間における気象情報の交換は、相互に公開放送を受信することによりまして、実際上不便はないと聞いております。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 それをもっと安定した合目的なものにするためには、やはり協定を結ぶことのほうが好ましい、望ましいことであるというふうに考えますが、大臣の御認識はいかがですか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 その情報交換をより確実にするという意味でどうすればいいかというような件については、よく検討してみたいと思います。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 条約局長にお尋ねいたします。これらは一例にすぎませんよ。そのほかの漁業に関する問題あるいは航空機相互乗り入れに関する問題等々もございますけれども、いま例示として出ておりますこの三つの問題を合目的的にしかも合法的に処理するために、日本との間で事務的な協定を結ぶということは、中国政府の承認前においても私は可能であるというふうに考えるわけですが、承認の問題とは別個にそういう事務協定というものは取り扱うべきだし、理解すべきものだというふうに私どもは考えております。それについてのあなたの解釈はどうであるのか、この際、今後の審議のために必要でありますから、原則としてあなたのお考えを伺っておきたいと思います。

藤崎萬里外務事務官(条約局長)

○藤崎政府委員 いま仰せになりましたような業務取りきめみたようなものであったら、国家ないし政府の承認ということを意味しないでできるというのが国際法学者の通説でもありますし、また、日本政府が従来国会で御答弁申し上げておった趣旨でもあると考えております。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 時間の御催促でもありますから、足らざるところは次にして、簡単にあと一、二お尋ねをいたして、大臣からお答えいただきたい。  この間、富士銀行の岩佐頭取を団長とする日本の経済使節団がアメリカを訪問いたしましたときに、特に政府の要路の諸君とお会いになったようですが、そのときに、こちらの使節団が日本の経済の実情を言って、日中貿易の発展は日本として必要なんだという話が出たときに、ハリマン次官補が非戦略物資を商業ベースでやることはけっこうだが、延べ払いはアメリカとしては賛成ができない、やめたらどうだ、そういうことをやるなら東南アジア諸国に対してやるべきではないかという意見を強く述べられたと伝えられております。これはわれわれあと伺いますと事実のようですが、したがって、外務省は当然そのことはもう聞き及んでおられると思います。これについて問題があるのは、松村さんは北京へ行って日本の経済外交その他の外交政策について他からの圧力は受けてないんだということを言われていますけれども、これはもう内政干渉だと私は思うのです。日本の自主性に対してアメリカは尊重してないということの極端なあらわれの一つであるというふうに遺憾に思うわけでございます。それについて大臣の御所感を伺いたい。  それから、関連いたしまして、第二は、商業ベースということですが、今日、国内の商売におきましても、国際的な貿易におきましても、売り掛け、すなわち延べ払いで商売をやるということは、今日の過剰生産、市場狭隘の実情の中においては、もうすでに政治的援助ではなくて商取引に付随した条件にすぎない、まさに商業ベースの問題であるというふうにあなたもいままで理解してこられ、そして私どももそういうふうに主張してきた。アメリカまたは台湾からの要らざる干渉によってその方針を曲げる必要はないというふうに、政府の立場に立ってみてもその点は貫くべきである、貫き得ることであるというふうに理解いたしておりますが、その点についてどうであるか。  第三の質問は、もしそうであるとするなら、いま具体的に問題になっております日紡のプラント輸出は、前年度におきます倉敷のプラント輸出と同様に、当然、福田通産大臣も言っておるように、輸銀の保証によって延べ払いの取引はこれを進めるべきである、これは自主性の問題であるし、アメリカまたは台湾から干渉さるべき性質のことではない、かの国すなわち中華人民共和国と日本国との間の経済的条件によって自主的に決定さるべき経済上の問題である、こう理解してこの問題を処理すべきであると思いますが、いかがですか。  以上、この問題に関連をして三点私は一括してお尋ねしたわけですから、漏れなく明確にお答えをいただきたいと思うのです。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 岩佐ミッションの御報告をまだ受けてございませんが、(穗積委員「大使館からありませんか、報告は」と呼ぶ)まだございませんが、それはともかくといたしまして、アメリカ政府から対中共貿易について公式に日本に対して御注文があったことはございません。いろいろ個人のお立場で御意見を吐かれておる方はあると思いますが、政府から何ら干渉を受けておりません。  それから、第二の延べ払い問題でございますが、これは、たびたび申し上げておりますように、私どもといたしましては、ココム、チンコム協定のワク内で世界並みの条件で貿易をやるという基本方針でございます。御指摘のように、貿易の実態がだんだんと長期にわたる状況になってきておるときに、原則として延べ払い、信用による貿易を進めてまいるということは必要でもあるし、また、日本政府としてそれをやめるというようなつもりは毛頭ありません。  それから、第三の具体的な問題でございますが、これは、まだ具体的に案件が出ておりませんから、何ともまだ申し上げられません。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 日紡の問題は第二年度のLT貿易の重要な問題としてすでに話し合いが進められて、福田通産大臣はこれに対して賛意を表明しておられるわけです。同じ政府でどういうことでしょうか。もしいま外務省までまだ相談がないということなら、追ってあるでしょうが、ありました場合は、もう事理明瞭でございますから、−先ほどの延べ払いというものは政治問題ではなくて商売上の問題であり条件であるという理解を一貫されることについてはこれを多といたします。そうであるなら、輸銀の融資のワクが許すならば、あと問題はそこだけですが、当然この問題は外務省としても反対する理由はないと思うのです。基本的にはそういうふうに理解してよろしゅうございますね。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 福田通産大臣もまだ申請を受けていないので何とも申し上げていないはずです。政府としては申請があってから考えるので、いま何とも申し上げてないはずと思います。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 出たらどうなさいますか。これは望ましいことだと思うのです。第一年度の発展として第二年度の重要な問題です。形式的には申請があるないということは別個といたしまして、大体事前にサウンドが行なわれておることはもう世間周知の事実です。反対すべき理由がありますか。ないでしょう。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 申請がないのでございますから、いま何とも申し上げられません。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 いや、その条件のことを聞いているのじゃないんです。条件にして許すならば、これは反対する理由はない、本質的に反対すべき問題ではない、こう理解してよろしゅうございますね。さっきの御答弁だというと、原則だというと、当然そういうふうに論理が発展すべきものだと思いますが、いかがですか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 具体的な申請案件として出ていない問題でございまして、何とも申し上げられません。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 最後に一点だけお尋ねしておきます。  実は通産省に来ておっていただくとよかったのですが、外務省でもぜひ理解しておいていただきたい。いま日本に来ております南漢宸使節団長が、いままでのポンド通貨による相互の取引というのは非常に不便でもある、——事実ロンドンを回るわけですから。そうして第三国にお互いにコミッションを取られる経済的不利もある、そういう点で、自国通貨でお互いに積み立てて決済をしたらどうかという、非常に具体的な、しかも貿易発展のために効果的な提案が行なわれておる。しかも、これは御承知のとおり、LT長期相互取引におきましては、大体五カ年間に売り買いのバランスはとっていこうというめどに立っておるわけですから、それほど片貿易になりまして、日本円あるいは中国元の一方的積み立て、したがって円貨または中国元貨に対するトラブルやあと始末に困るというような問題は起きないというのが日中間の貿易の実情であるわけであります。これは、あなたは経済省出身ですから御承知のとおりです。しかも、この秋には、高碕使節との話し合いで第三年度目の相互取引がいよいよ発展的になるわけです。初年度並びに二年度はこちらから少し売りが多くなる輸出過剰の取引ですけれども、第三年度から鉄鉱並びに石炭に対する大量の取引が行なわれますと、いまの売り買いのバランスというものは第三年度からとれていく。そういうことになりますと、自国通貨による取引ということは中間における一時的な問題にすぎないのであって、長期の総合取引の帳じりにおきましては大体バランスがとれる。そういう計画によって話し合いが進められ、特に、第三年度におきましては、秋に責任者である蓼承志氏が東京へやってきて、そこで具体的に取りきめをしよう、こういう話もしておられるわけですから、この自国通貨による取引の提案は私ども非常に具体的でかつ合目的だと思うのです。私の質問の趣旨はそういうことなんです。それに対して外務省あるいは政府はこれを今後検討される用意はないかどうか、ぜひ前向きで検討していただきたいと思うのですが、それに対する大平外務大臣の聡明な御答弁をお願いしたいと思います。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 まだその御提案なるものを受けていませんし、関係者からの御協議も受けていませんので、もしございますれば検討してみます。      ————◇—————

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 日本国とアメリカ合衆国との間の領事条約の締結について承認を求めるの件を議題とし、質疑を行ないます。戸叶里子君。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 この条約はこの前の委員会でも問題になったのですけれども、その後資料をいただいて見ましたが、今度の日本とアメリカとの間の二国間の領事条約にだけ徴兵制度のことが出ているわけでありまして、提出されたアメリカとアイルランド、アメリカとイギリス、アメリカとフィリピンとの条約、そういう国の条約においては、いずれも国内においてその国民の身体検査を行なうことという条項だけがはずれているわけです。そこで、私どもがいろいろな資料を調査いたしましてどうしてもわからないことは、日本とアメリカとの間にだけなぜこのように領事官に徴兵検査を日本の国内においてする権限を与えることにしたのか、こういうことがどうしても納得できないわけでございます。ほかの国の例にならってこの条約をつくったとおっしゃりながら、なおかつ日本の場合だけこのような徴兵制度を入れられた理由はどこにあるのか、大臣がいらっしゃいますので、大臣に念のために私は伺っておきたいと思うわけです。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 条約局長から答弁させます。

藤崎萬里外務事務官(条約局長)

○藤崎政府委員 その後調査いたしましたところ、なるほどイギリス、アイルランドの場合には条文上は身体検査のことは規定してございませんけれども、実際上は両国でもやっておるそうでございます。どうせやっておることでございましたら、あっさりはっきり書いたほうがいいじゃないかということでこういうことになった次第でございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 それは重大問題だと思うのです。条約に書いてある場合と書いてない場合というのは非常に内容が違ってくると思うのです。ことに、日本の場合だけ特にこういうものを書き入れているということは、将来これが先例になると思う。たとえば、いま政府が急いでいられる日韓の会談後、あるいは条約を結ばれるでしょう。そうした場合に、韓国の領事館ができて、日本の国において韓国の人を徴兵検査をする、それをどういうふうに連れていくかわからない、こういうふうな問題が出てくるわけでございまして、ほかの条約にこれがないのになぜ日本だけこれを入れられるように交渉中にされたのか。この点アメリカが非常に強く望んだがためにされたのかどうか、この点をはっきりしておいていただきたい。きょうは時間がありませんので、この条約は来週に持ち越しますけれども、なぜ入れたかということ、それから、もう一つは、これは国会で問題になっているからこの条項は消したほうがいいように思うということをアメリカに対しておっしゃるようなお考えはないかどうか、この点だけを伺って、次の週にさらに審議をしたいと思っております。

藤崎萬里外務事務官(条約局長)

○藤崎政府委員 イギリス、アイルランドの場合でも、やるということを了承しながら条約文に書いてないだけでございまして、実体において書いた場合と書いてない場合と全然相違がないわけでございます。  次に、日韓等の先例になるというお話でございますが、ある国の場合に入れたからと申しまして、ほかの国の場合に入れなくちゃならないということはないわけでございまして、領事条約などということはまだ問題になっておりませんけれども、なった場合には、その場合場合に応じて考えればいいことであると思います。現在の段階において、そういう次第でございますから、この身体検査を行なうことというのを削除を求めるような考えはございません。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 この問題は非常に重要な問題でございますから、次の機会に他の委員の質問もありますし、私自身も保留しておきたいと思います。      ————◇—————

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 次に、関税協力理事会を設立する条約の締結について承認を求めるの件、遺言の方式に関する法律の抵触に関する条約の締結について承認を求めるの件、右両件を一括して議題とし、質疑を続行いたします。戸叶里子君。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 それでは、関税協力理事会を設立する条約について二、三質問いたします。  この十四条にあるわけですけれども、欧州関税同盟研究団というものと、この理事会との関係がどういうふうになっているかを説明していただきたいと思います。十四条に書いてあることは、締約国は研究団に関する議定書の規定を受諾するとあるわけですけれども、この議定書はどういう内容であるかということを伺いたいと思います。

徳久茂外務事務官(条約局国際協定課長)

○徳久説明員 先に結論を申し上げますと、欧州関税同盟研究団に関する議定書というものはすでに失効いたしております。その間のいきさつを補足的に御説明いたしますと、最初に欧州関税同盟研究団というものができましたのは一九四七年九月でございまして、そのときに、ヨーロッパの十三カ国、大部分が当時のOEECの構成国でございますが、その十三カ国が集まりまして、関税同盟を設立する可能性を検討するための研究団、スタディ・グループでございますが、それをつくる宣言を採択したわけでございます。そのスタディ・グループの中に、経済委員会と関税委員会と二つできたわけでございます。経済委員会はOEECができましてそれに吸収されたという形になっておりまして、関税委員会がいま御審議をお願いしております関税協力理事会の設立母体になったわけでございます。さきに申し上げました研究団の経費は実はベルギー政府も負担しておりまして、それが母体になってこの関税協力理事会ができたわけでございますが、その研究団に関する経費をこの関税協力理事会のメンバーが分担するというための議定書でございます。この研究団自体は関税協力理事会ができましてそれに吸収されてなくなってしまっている、この議定書自体はすでに失効しているわけでございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 その研究団に対して日本はこれまでどういう態度をとっていたのですか。全然それにはタッチしないでいたわけでしょうか。

宗知武大蔵技官(関税局関税調査官)

○宗説明員 その当時は日本国といたしましては直接欧州関税同盟研究団についてコンタクトはとっておりません。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 そうしますと、いま動いております議定書というものは日本は何ら関知していなかったわけでございますか。

宗知武大蔵技官(関税局関税調査官)

○宗説明員 動いております議定書という御質問は……。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 いまそちらのほうで……

徳久茂外務事務官(条約局国際協定課長)

○徳久説明員 いま私、この議定書はすでに失効いたしましたと申し上げました。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 ことばが非常に足りないのですけれども、失効するまでの段階において日本は全然タッチしていなかったかどうかということです。

宗知武大蔵技官(関税局関税調査官)

○宗説明員 失効いたしますまでの段階においてはタッチいたしておりませんで、その後関税協力理事会に引き継がれましたあとは、関税協力理事会のオブザーバーとしてときどき出ておりまして、つないでおります。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 そういうふうな形で、今度日本が加盟する理事会というものがうまくいきましょうか。何かそこに意見の違いというものが出てくるということはあり得ませんか。

宗知武大蔵技官(関税局関税調査官)

○宗説明員 先ほど外務省から御説明がありましたとおり、関税事項に関する問題を関税協力理事会に引き継いだわけでございますが、内容的に申しますと、一番の作業は、品目表の問題、それから関税賦課に関する評価の問題、この二点が一番大きかったわけでございます。これは、その関税協力理事会に移りましてさらに研究が進みまして、目下一部修正になりました。それが現在の関税協力理事会として採択している条約でございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 そうすると、いろいろな問題でそごはないというふうに理解していいわけですね。念のために伺っておきたいのですが。

宗知武大蔵技官(関税局関税調査官)

○宗説明員 けっこうでございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 それでは、六条に、「品目表に関する条約に規定する」となって、そして、「品目表委員会を設置し、また、税関における物品の評価に関する条約に規定するとおり評価委員会を設置する。」ということがここに書いてあるわけでございますけれども、わが国ではこの二つの条約を批准しているのでしょうか、批准しておらないのでしょうか。もし批准をしていないとするならば、批准をしていないでこの条約に加盟をしてもいいものかどうかということが問題にならないでしょうか。

宗知武大蔵技官(関税局関税調査官)

○宗説明員 欧州関税同盟研究団が発展的に解消いたしまして関税協力理事会ができましたときに、条約が三つできたわけでございます。その一つは理事会を設立する条約、それから品目表に関する条約、それから評価に関する条約、この三つでございますが、この三つの条約の関連では、理事会の条約に入っていなければ品目表または評価の条約には加盟できない、こうなっております。それで、つまり、理事会の傘下に品目表及び評価の条約の中にございます委員会があるわけでありますが、われわれといたしましては、まず理事会に加入いたしまして、その後品目表及び評価の条約に加入したい。そのほかにもまだECSカルネほか四つの条約が別に出ております。それも個々に検討いたしまして順次加入いたしていきたいと思っておりまして、一応の検討はいたしております。それと、品目表の条約及び評価の条約につきましては、国内法を多少いじらなければならぬという点がございます。このいじります際に、いままではオブザーバーでかなり出席はいたしておりますが、先方と専門家としてあまり突っ込んだ話し合いまでいっておりません。したがいまして、今度理事会に加入いたしまして正式メンバーとなれば、相当突っ込んだ意見交換をやりまして、それで、そのほうの条約の加入に対する準備をいたしたい。すでに形式的な準備はもう始めておりますが、ちょっとおくれると思います。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 そういたしますと、理事会に入らないとその品目表の条約、評価に関する条約には入れないということになりますと、この品目表に関する条約と評価に関する条約に入っている国というのは非常に少ないわけですね。この二つの品目表と評価に関する条約に入っている国は一体どういう国が入っているのですか。理事会に入らなければ入れないということになりますと、相当限られたものになるのじゃないかと思うのです。そして、その関係は一体どういうことになりましょうか。理事会に入ってそのあとでこういうふうなこまかい問題についての条約に加盟するというふうな形になるわけでしょうか。どういうふうな形になるのですか。

宗知武大蔵技官(関税局関税調査官)

○宗説明員 具体的申しますと、品目表に関する条約及び評価に関する条約は非常にこまかい技術的な要素がたくさん盛られているわけでございます。各国が加盟いたしました状況は一応そこにございますが、設立条約は現在三十三カ国加盟いたしておりますが、全部の条約に一ぺんに入った国は比較的少ないのでございます。大体の傾向といたしましては、理事会に入ってその後逐次入っていくという傾向が見られます。現に、最近の例として、オーストラリアが六〇年に理事会に入っておりますが、目下いわゆる税表を改正いたしております。ということは、品目表の条約に加入する前提をつくっておるわけでございます。もちろん一時に入った国もございますが、大体一年あるいは二、三年で逐次その他の条約に入っていく例が多いようでございます。実体問題といたしましても、われわれの作業の内容といたしまして、品目表をいずれ御審議いただきますが、相当膨大な付属書がつくわけでございますから、物理的の面もからみまして、一挙に三条約を御提出するというのはちょっと不可能だと思います。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 いまの説明とさっきの説明とちょっと違うのですよ。さっきは、この二つの評価に関する条約と品目表に関する条約に入る前に理事会に加盟しなければいけない、理事会に加盟しないとこっちの条約には入れないのだというような答弁だったものですから、私ちょっと疑問を生じたのですが、いまは、入れば三つに同時に入ってもいいんだけれども、品目表なんかは実際問題として非常に膨大になるから、あとから入るのだというようにお答えになったように思うのですが、さっきのはそうじゃなかったと思うのです。理事会に入らないとあとの二つの条約に入れないのだというお答えになったように思いますので、ちょっとその辺のことが私わからなかったのですが、あとのほうに理解してよろしゅうございますか。

宗知武大蔵技官(関税局関税調査官)

○宗説明員 ことばが足りませんで失礼いたしましたが、品目表及び評価の条約に加入する国は理事会に寄託書を出してない限りはいけないのだということになっておりますから、同時はかまわないわけでございます。時期的に必ずずれなければいかぬということではございません。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 この条約にはアメリカやカナダは入っていないようでございますけれども、入っていないという理由はどういうところにあるのでしょうか。大体日本はアメリカが入るといろいろな条約に入るようですが、これはアメリカが入っていないのに入るというので、ちょっと疑問に思ったのですが。

宗知武大蔵技官(関税局関税調査官)

○宗説明員 御指摘のとおりでございまして、この条約に入っている国は米州では比較的少ないのでございます。と申しますのは、一つは、アメリカは先般関税定率法を改正して品目表を変えたのでございますが、これは、アメリカは、昔からの主義と申しますか、自分のほうが独特の関税率表を持ちたいという気分がわりあい強いようなんです。それと、評価の点につきまして、この関税協力理事会の評価はいわゆるCIF課税でございます。CIFをベースにして課税するというのが原則になっております。ところが、アメリカ及びカナダはFOBに対する課税になっております。そういう主義の相違から、直接条約には加入いたしておりません。しかしながら、ずっと前から、アメリカ及びカナダはともにオブザーバーとして招聘されておりまして、各委員会にも出席いたしております。それで、先般のアメリカの税表大改正に際しましては、ブラッセルの品目表の規定を非常に多く採用している点がございます。ただ、多少、自分のほうの都合と申しますか、前からの関連の分類体系を維持いたしまして、最終的にはぴったりはしておりませんが、たとえば各税表の次に分類の方針を示したとか、そういう点はブラッセルの方向とそっくりな方向をとっております。そういう点が技術的なおもな点で、アメリカ及びカナダは入っておりません。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 アメリカは、自国のことを考えて、やはり不利にならないようにというような意味から、自国の主張を貫いて入っていないようでございますけれども、そうすると、関税関係で日本とアメリカとは非常に関係があるわけですけれども、そういうような場合に、日本だけ先に入って何か不利な問題が起きるような可能性はありませんか。

宗知武大蔵技官(関税局関税調査官)

○宗説明員 結論から先に申しますと、別にそれに基づく不利な状況が起こるということはございません。なお、先ほど申し忘れましたが、わが国といたしましては、すでに昭和三十六年の税表の大改正をやりましたときに、このブラッセルの関税品目の分類表を体系だけ全面的に採用したわけでございます。その当時は、時間的な問題もございますし、それから、多少条約の内容として不明な点もございますので、条約の加入ということまでは考えずに、内容だけを拝借して体系をつくったわけであります。したがいまして、現存日本としては、すでに、BTN、すなわちブラッセルの体系に移っております。それから、御参考までに申し上げますが、関税交渉などがしばしば起こっておりますが、そういう場合に、各国とも統一税表を使っておりますと、彼此の比較が非常に楽なのでございます。ただ、アメリカに関しましては、先ほど申しましたとおり、体系的に違っておりますので、アメリカと交渉する場合にはいつもトラブルが多いということはございます。御参考までに。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 そういう意味から、日本だけが先に入って、トラブルなんかを解決していくのはなかなかむずかしい問題が出てくるのじゃないかと思うのですが、実際面において、そういうことになると、どうしてもアメリカから押されるような形になるのじゃないかと思うのですが、この条約全体から見て、そういうふうなトラブルの場合に、条約に加盟しているほうが有利になるというような面があるかどうか、その点を条約上で指摘していただきたい。

宮崎弘道外務事務官(経済局国際機関課長)

○宮崎説明員 ただいま大蔵省のほうから御説明がございましたように、この条約に入るか入らないかという問題以前に、各国の関税体系が比較的ばらばらであったわけでございます。そのために、関税交渉の際に、たとえば日本がある品目を譲許し、アメリカは他の品目を譲許する場合に、その品目の範囲とか解釈とかにつきまして、トラブルと申しますよりも、技術的に相当長期の、確定のための交渉を必要とするということはございましたし、今後もアメリカと日本と関税体系が違うために同様な技術的な問題が生じてくると思います。他方、先ほどから御説明がございましたように、三十三カ国が大体この関税協力理事会に入っておりますから、ブラッセルの関税分類に引きかえるという傾向は、アメリカ、カナダを除きますほかの国では非常にそういう傾向が生じております。こういう国と関税交渉をいたしますときは、日本の分類がそれと似ておりますから、非常に好都合であります。したがいまして、日本の関税体系がブラッセルの分類体系をとっております以上、この関税協力理事会に入りまして、各国との間に分類につきまして情報を交換し、解釈を統一するということは便利なことだと考えます。アメリカとの問題は、これは、アメリカが関税体系を変えない限り、あるいは日本がアメリカの関税体系を採用しない限り、必ず技術的な交渉は関税交渉の際につきまとわざるを得ないのであります。ただ、いま大蔵省のほうから御説明がございましたように、アメリカの関税体系がわりとブラッセルの分類表の考え方を採用しておりますので、従来に比べますとその点では問題が少なくなってくるのではなかろうか、そういうふうに考えます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 いまの御説明を伺いましても、従来と比べてそれほど問題はなくなるかもしれないというような希望的観測であって、やはり、条約上、アメリカとの問題ではこういう点で日本のほうが有利になるというような条項はないように思われますけれども、これに加盟していない国といろいろ関税上の問題でぶつかった場合に、加盟しているほうが有利になるのだという条項はないわけですね。これを念のために伺っておきます。日本とアメリカとぶつかった場合に……。

宮崎弘道外務事務官(経済局国際機関課長)

○宮崎説明員 日本とアメリカの場合、関税体系が違っておりますために、これに加入したために直接に特に有利になるということはございませんが、かりに関税分類の問題につきまして、日本はこういうふうに解釈している、しかもこれは関税協力理事会でブラッセルの関税分類を採用しております国でも同じように解釈しているということになりますと、アメリカに対して日本の分類を説明するときに非常に有利な、楽な説明ができる。アメリカの関税分類の説明を聞く場合には、これに入っても入らなくても、そもそも向こうの体系が違いますから、別に有利にも不利にもなるというわけではございません。

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 他に御質問もないようでありますから、右両件に対する質疑はこれにて終局いたします。     —————————————

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 これより討論に入りますが、別に討論の通告もありませんので、直ちに採決いたします。  右両件を承認すべきものと決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 御異議なしと認めます。よって、右両件は承認すべきものと決しました。  おはかりいたします。ただいま議決いたしました両件に対する委員会報告書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。   〔報告書は附録に掲載〕

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもってお知らせすることとし、これにて散会いたします。    午後零時四十分散会

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