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46回国会衆議院1964/03/06

外務委員会 第9号

発言数
106
登壇者
9
会派数
2
開催日
1964/03/06

会議録

赤澤正道自由民主党

○赤澤委員長 これより会議を開きます。  千九百六十二年の国際コーヒー協定の締結について承認を求めるの件、千九百六十二年の国際小麦協定の締結について承認を求めるの件、北太平洋のおつとせいの保存に関する暫定条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件、原子力の非軍事的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件、以上四件を一括議題とし、審査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。  戸叶里子君。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 私は、ただいま議題になりました四条約、議定書等につきまして簡単に御質問を申し上げたいと思いますが、最初に、原子力の非軍事的利用に関する協力のための日米間の協定を改正する議定書について、二、三点原子力委員会のほうに御質問をしたいと思います。  原子力の関係の問題は、いま私どもの国にとって原子力潜水艦の問題とかいろいろありますので、これも御質問したいと思いますが、部分的核停条約が出ておりますので、そのときに回しまして、きょうはごく限って二、三点だけお伺いしたいと思います。  いま日本は核物質をアメリカから買っているわけでございますが、日本以外の国でアメリカから核物質を出している国はどういうところがあるかを伺いたいと思います。もう少し申し上げますと、これと同じような協定をアメリカと結んでいる国はどこがあるかということを伺いたいと思います。

須之部量三外務事務官(条約局外務参事官)

○須之部説明員 ただいまの御質問、原子力委員会のほうでございますが、いま便宜上私からお答え申し上げます。  米国が現在同種の協力協定を結んでおります国は、いま私ども承知しておりますのは、カナダ、イギリス、ベルギー、フランス、オランダ、スイス南アフリカ、イタリア、西ドイツ、オーストラリア等でございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 日本はアメリカから持ってくるわけですけれども、これらの国の持っていく分量と、それから日本の分量、こういうようなものを比べましたときに、日本以外の国に売っている分量がどの割合になっているかということはおわかりでございますか。

島村武久総理府事務官(科学技術庁原子力局長)

○島村政府委員 正確な資料を持ち合わせて、おりませんので、概略ということで御承知いただきたいと思います。  ただいまアメリカと協定を結んでおります国は外務省からお答え申し上げましたけれども、それ以外にも、いわゆる西欧陣営と申しますか、その系統のほとんどの国に対してアメリカは供給をいたしております。したがいまして、日本の場合を例にとりますと、その他の国と日本との割合は数十分の一というような状況でございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 日本とその他の国との割合は数十分の一というふうにおっしゃったのですが、いま概略をお話しになるということでございましたけれども、やはり、私たちが委員会でこの条約なり協定を審議する上におきましては、私たちが伺いたいと思うことに対する正確な資料を用意しておいていただかないと困ると思うのです。私はこの条約に関してきょう初めての質問でございますから、どこの国とどういうふうな協定でどういうふうな内容いいますか、どの程度の給供をしているかというなことの資料をすぐ出してくださいということは御無理かもしれませんけれども、そういうふうなこが出るであろうぐらいのことは予想をして用意をしておいていただきたい思います。この問題につきまして、あとでもけっこうですから、詳しく表にして今後の参考にするために出していただきたい。これを委員長からも要求しておいていただきたいと思います。

赤澤正道自由民主党

○赤澤委員長 けっこうです。

島村武久総理府事務官(科学技術庁原子力局長)

○島村政府委員 日本の国がアメリカ合衆国から協定に基づいて受け入れております燃料の種類・数量等はもちろんはっきりいたしておるのでございますけれども、アメリカが世界のその他の国に提供しております数字につきましては、後ほどでいいというお話でございますけれども、私のほうでおそらく調査いたしかねると思いますので、できるだけ拾ってみることにいたしたいと思いますけれども、きちんとした資料を御提出申し上げるお約束をいまここでいたしかねますので、その点は御了承いただきたいと思います。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 できる範囲内でけっこうですから、次の機会に出していただきたいと思います。  そこで、日本はアメリカからだけ核物質の供給を受けているわけですけれども、ヨーロッパの国なりあるいはほかの国から購入するようなお考えは全然ないのかどうかということを承りたいと思います。

島村武久総理府事務官(科学技術庁原子力局長)

○島村政府委員 現在日本はアメリカ以外からも供給を受けております。たとえば、これは同じ核物質と申しましてもいろいろなものがございまして原料的な面から申しますと、イエロー・ケーキと申しましてウランを含みました鉱石をある程度まで製錬したものが取引の対象になっております。これらの物質につきましては、カナダからも、そのほか南アからも入れたことがございます。また、御承知のとおり、アメリカ以外にイギリスとの間にも非軍事的利用のためのいわゆる原子力協定というものを持っておりますので、現在東海村に建設いたしておりますところの発電炉のための燃料はイギリスから供給を受けることに約束いたしております。また、研究用の特殊核物質等につきましても、現在までのところはアメリカ以外から供給を受けておりませんけれども、イギリスもまた供給の用意のあることを言っておりますし、そちらとの交渉の下話としてはいたしておるわけであります。さらに、原子力研究所にございます原子炉のうち、二号炉と申しまして俗称CP5型の原子炉でございますが、これに入れております燃料の一部は国際原子力機関から購入をいたしております。したがいまして現在までもアメリカ以外からも核物質の提供を受けております。今後ともそのようにアメリカ以外からも受け入れることは大いにあり得るわけでございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 アメリカ以外から受け入れている場合には、やはり協定を結んでいるのですか。結ばないでどういうふうな形で受け入れるわけですか。アメリカの場合だけ協定を結ぶわけですか。

島村武久総理府事務官(科学技術庁原子力局長)

○島村政府委員 外務省のほうからお答えしたほうがいいかもわかりませんが、アメリカと同じような協定を結んでおります国はイギリスとカナダが現在ございます。そのほか、日本は、御承知のとおり、国際原子力機関に加入いたしておりましてここからも供給を受ける余地があるわけでございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 いまちょっとわからなかったのですが、日本が受けている場合に、日本とイギリスとの間の協定は結ばないでいるわけですか。

島村武久総理府事務官(科学技術庁原子力局長)

○島村政府委員 ことばがちょっと足りませんでしたかもしれませんけれども、日本とアメリカと結んでおりますような原子力協定とこまかいところは違いますけれども、大体同じようなものをイギリス、カナダとの間にそれぞれ結んでおる、日本とイギリス、日本とカナダとの協定を持っておる、こういうことを申し上げたのであります。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 原子力研究所で先ごろ新聞等に出た労使の間の衝突の事件が起きていたわけでございますけれども、あの正確な情報といいますか、一体どういうことが原因だったのか。おそらく待遇の問題やらいろいろのことだろうと思うのですけれども、私どもは、あの記事を見まして非常に開発の妨げになるのじゃないかということを危惧したわけでございますけれども、どんなふうな状態からああいうことが起きたかということを伺いたいと思います。

島村武久総理府事務官(科学技術庁原子力局長)

○島村政府委員 お答え申し上げます前にちょっと訂正さしていただきますが、先ほど原子力機関からも供給を受けたと申しました対象の炉は、二号炉でございませんで、三号炉でございますので、そのことだけ訂正さしていただきたいと思います。  原子力研究所の問題につきましてお尋ねを受けまして、私、そういうような御質問がこのような委員会でなされるような事態になりましたことを非常に遺憾に考えております。おそらく、御指摘になりましたのは、昨年の暮れに世間で問題になりましたことだろうと思いますので、そのことにつきまして簡単に御説明申し上げたいと思います。  原子力研究所では、幾つもの研究炉のほかに、動力試験炉と申しまして実際に電気を発生いたします原子炉もやはり実験のために建設中でございます。この原子炉は電気出力で一万二千六百キロワットの能力を持つものであります。アメリカのGEの製作にかかるものでございます。GEとの間に契約をいたしましてGEが日本の下請の会社を使いながら原研の構内に建設中でございましてそれが、昨年の十月二十七日でございますか、初の発電に成功いたしました。日本としては最初の原子力による電気の供給がなされたわけであります。それから数日いたしましてGE側は、アメリカ本社からの指令によると称しまして炉を動かすことをとめたわけであります。そのときに向こうが理由にいたしましたのは、これもまた、現地におります者が聞きました理由と、その後にGE本社が正式に申しました理由と食い違ったりいたしましたので、ごたごたいたしましたけれども、最終的に向こうが説明をいたしましたのは、原子力研究所におけるいまのような雰囲気では責任を持って電気を発生するような動かし方をするわけにいかない、いわば労働不安を理由としてこれをとめたのだということであった。日本とアメリカとの間にいろいろ習慣その他も違いますので、アメリカ側の誤解に基づくも多々あったとは思いますけれども、実は、十月の末近く、つまり初発電に成功いたします前々日でございましたか、その隣にやはり一万キロくらいの炉があるわけでございますけれども、これにつきまして組合が三十分間の予告でストをかけた事実がございます。これらの様子を見ておりましてアメリカ側も、どうも不安でたまらない、ストをやられたのでは困るという気になったんじゃなかろうかということがたやすく想像できたわけであります。理事者といたしましては、すぐ組合と話をいたしまして少なくともストを行なう場合には二十四時間前に予告をしてもらいたい、保安要員を残すようにしてもらいたいというような話をしたわけでございます。これがすらすらとはまとまりませんで、十一月、約二十日間くらいでございましたか、交渉にひまがかかりました。やっと組合と話がつきましたので、GE側も再開したわけでございます。そしてこれは、GE側が運転を再開いたしましたあと、所定の連続運転等を行ないまして、いわゆる最終試験を完了いたしました上で、十二月九日に日本側がこれを引き取りまして、現在ではもうGEの責任を離れましてすべて原子力研究所の手にこの炉は移っておるという状況でございます。その後、日本側といたしましては、今度はいわば日本側の責任で動かすことになりますので、さらに点検を行ないますとか、整備をいたしますとか、いろいろな準備を行いました今日現在では、いつでも動かせる体制にもございます。また、現に非常に低いパワーで動かしておるわけであります。この点につきましては、先ほど申しました争議協定と申しますか、二十四時間前に予告してもらいたいというような約束、これは実はGEから日本側が引き渡しを受けるまでという暫定的な取りきめでございましたので、その後日本側の手に移りまして以後は争議協定も失効しております。理事者のほうは、引き続き十二月に組合側に申し入れまして、日本側の手に移ったけれどもあらためてまたひとつ争議協定を結ぼうじゃないかという話をしておるわけでありますけれども、まだその点が組合側とうまく話がついておりませんものですから、理事者側といたしましては、これを一万キロというような大きな出力に高めますことを差し控えまして、非常に低い出力の運転を現在やっておるにすぎない状況でございます。私どもといたしましては、設立の目的もございますし、いろいろな試験もやらなければならぬという問題もございますし、ばく大な国費をかけてつくりました炉でございますから、一日も早く動かすというようなことになることを望んでおるわけでございますけれども、何ぶんにもいつストをやられるかわからないという体制のもとにおいて動かすことは理事者の責任としてできないという理事者側の考え方もまことにもっともでございます。労使がうまく話し合いがつきますことを願っておるような状況でございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 原因がなくて問題が起こるわけはないのでございますが、日本の研究所にアメリカの人がまじっていろいろ責任体制をとっておりますから、どうしても日本人の感情にそぐわないいろいろな問題があったと思います。今度は日本側がその責任をとることになったといたしましても、なお何かすっきりしないものがあるというからには、やはりそこにいろいろの問題が残っているんではないかというふうに私は考えるわけです。ただ、私自身直接に見てもおりませんし、また、直接にそういう方々と会って話も聞いておりませんから、実情をいま何とも申し上げられないし、それ以上深い質問もできません。向こうの方々と会ったり、あるいはまた実情を知っていれば、もっといろいろ追及もできると思いますけれども、伺っておりませんので、それ以上のことは伺えません。ただ、やはり、問題になるような原因というものを早くすっきりとさせるような、責任ある原子力委員会としてはそういう努力が私は必要じゃないかと思います。ですから、その点をどうぞさっそくお調べになって、そうしてすっきりさせていただきたいというふうに考えますが、この点はどういうふうにお考えになるのか、伺いたいと思います。

島村武久総理府事務官(科学技術庁原子力局長)

○島村政府委員 仰せのとおりでございまして、私が御説明申し上げましたのは、最近のトラブルのいわば形にあらわれました現象的なものの御説明でございます。御指摘になりましたように、何もなくそういうような現象が起こるんではなくて、ほんとうの原因は究明しまして、二度とそういうようなことのないようにしなければならぬと考えるわけでございます。この問題につきましては、現在衆議院では、ほかの委員でもお尋ねをいただきましたが、おもに科学技術特別委員会で、特別に原子力政策に関する小委員会というものをおつくりになりまして、いろいろお調べをいただいておるわけでございます。科学技術庁といたしましては、やはり、当面原子力研究所の理事長に対しまして、原子力研究所自身としても改める点を改めてもらうように、改善の方途の検討を指示しておったわけでございます。なお、私どものほうも、やはり、原研が自主的に運営すると申しながら、監督の責任もあることでございますし、また、原子力研究所で行ないます業務はみな、原子力委員会の長期計画あるいは業務の方針、そういったものに沿った国策的なものであるわけでもございますので、原子力委員会の側でも、また科学技術庁の側でも、それぞれその原因を抜本的にただしていくような方法についても検討いたしておるわけでございます。御注意もございまして、私どももまことにごもっとものことと思っておりますので、せっかくその方向に努力いたしまして、できるだけ早く国民の皆さまの御期待に沿い得るような研究所に私ども改善をしていくように努力を重ねてまいりたいと思っておるわけでございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 いままでに日本がアメリカから核物質を買った金額はどのくらいになっているか、それから、その量はどのくらいになっているかをお伺いしたいと思います。

島村武久総理府事務官(科学技術庁原子力局長)

○島村政府委員 原子力協定によりますと、アメリカから受け入れます核物質につきましては、購入いたしますものと、賃借いたしますものと、二通りございます。ただいま御審議の対象になっております核物質、しかもそれが原子炉の燃料としてでなく、今度議定書によりまして改正になります対象物資、純研究用の核物質につきましては、量といたしましては、ウラン二三五のものが三十九・七五グラム、プルトニウムが百七十六グラム、これは線源あるいは箔の形のものでございます。そのほか、一般のプルトニウムが四・三〇グラム、ウラン二三三、これが四・一三グラムということになっております。これは量で申したわけでございますけれども、金額で申しますと、ただいま御説明申し上げました原研の動力試験炉の燃料として購入いたしましたものが三億二千万円だったと思います。そのほか、研究用のその他のもの全部を含めますと、これが約六千万円になっております。購入の対象になりましたものの金額すべてのものを合わせますと、貸与の対象になっておるものをもし買ったという形で想定いたしますと、これが約八億くらい、大体そんな勘定でございます。もっとも、これは最近までの実績でございますけれども、何ぶん原子力の開発が非常に急テンポで進んでおりますので、物質の値段が高いということと相まちまして、たとえば、イギリスから買う分ではございますけれども、東海村に建設中の動力炉のほうはもう来年の四月には動き出すことになりますので、そろそろ燃料が送られてくるわけであります。これなんか、あの動力炉一基だけで五十億円以上のものを最初に投入するということにもなりますので、今後こういったものの量並びに金額はどんどん変わってまいることになると思います。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 私どもしろうとでそういうことがよくわからないので、大体どれくらいの金額になるものかということをここで知っておきたかったのです。  もう一点伺いたいのですが、たしか一九四八年前後だと思います。よくわかりませんけれども、ジュネーブで原子力関係の学者の人たちが集まっていろいろ討議したときに、原子力関係に携わる人たちのためには健康上特別な保障を考えなければいけないということが議論されたように私どこかで見たのですが、日本でこういう仕事についていらっしゃる方々に対しての保障は特別に何かお考えになっていらっしゃるかどうか。ときどき非帯に厳重なる検診をするとか、そのほかに何か保障をお考えになっていらっしゃるかどうかを念のために伺います。

島村武久総理府事務官(科学技術庁原子力局長)

○島村政府委員 第一回のジュネーブ会議のことをおっしゃったと思うのでございますけれども、その後多くの国際会議が持たれておりますが、私の記憶によれば、原子力関係の仕事に従事する者の健康について特別の保障をすべきであるというようなことが国際会議で問題になったというようなことはないと思います。それはどういうことが問題かと申しますと、万一の事故が起こりました際に、従業員も含めてもけっこうでございますけれども、いわば第三者に対する補償、第三者に被害が及ぶことが予想されますので、これにつきましては何らかの制度が必要であるということは、これは国際間でしょっちゅう問題になっておることでございます。そのためには、日本も、一昨年でございましたか、原子力災害補償法、これは略称ですが、そういうものを国会でお認めいただきまして、原子炉をつくる者は保険に付さなければならない、第三者のための補償の措置を講じておかなければならない、政府もその保険で引き受け切れない部分については援助するというような趣旨の法律をつくっておるわけでございます。世界各国も、それと同趣旨のものを、これは金額その他はみな違いますけれども、立法する傾向があるわけです。なお、条約といたしましても草案が議せられておるわけでございます。  お尋ねの第二者の点につきましては、そういう意味で、第二者だけの特別のものといたしましては、ILOその他で議せられたことはあると思いますけれども、特別に国際的にどうこうというような動きのところまではいっておりません。御承知のとおり、日本ではあらゆる事業場の従業員の健康上の問題あるいは災害に対する措置につきましては労働省関係の労働法関係で救済せられるわけでございます。これにつきましては、放射能の場合、たとえば後遺症と申しますか、そういうものの問題もございますし、従来の労働関係の法令では不備な点が多々ございまして、それらにつきましては、労働省と御相談申し上げまして、たびたびの改正で逐次充実せられつつはございます。しかし、なおかつ問題もございますので、いわゆる第三者に対して第二者とでも申しますか、そういうようなものに対してどうしたらいいかということにつきましては、ただいま、原子力委員会でも、専門部会をつくりまして、そして、その方面の権威の方々にお集まり願いまして、労働者の健康を守る側の方、あるいは経営者の側に立つ方、あるいは従業員の側に立つ方、それに原子力の専門の学者等をもって構成しました専門部会で御審議をいただいておる状況でございます。まだ結論は出ませんけれども、私どもの見通しといたしましては、結局、特別にその問題をどうするということでなくて、やはり従来の労働関係法令を修正あるいは改正して補完的な措置を講じてやっていく形に落ちつくのではなかろうか、そういうように考えております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 私もだいぶ前のことだったのではっきりしませんが、たしか図書館から出しておる本で、公式に出た意見ではないかもしれませんけれども、そういうふうな議論をされたということを読んだことがあるものですから、それでやはりそういうことは考えておいたほうがいいのではないかと思いましたが、いま、二者の場合、三者の場合についていろいろ御考慮のようでございますから、なおその点は十分に注意をしておいていただきたい、こういうことを要望として申し上げたいと思います。  この問題はけっこうです。

赤澤正道自由民主党

○赤澤委員長 松本七郎君。

松本七郎日本社会党

○松本委員 戸叶委員の質問とあるいは重複するかもしれませんが、重複しましたら答弁は要りません。  原子力研究所の設備、能力、それから、それを完全に動かすに要する人員、技術者を中心にした人員、それと現在確保されておる人員の関係をちょっとお聞きしたいと思います。

島村武久総理府事務官(科学技術庁原子力局長)

○島村政府委員 お答え申し上げます。  原子力研究所の設備、能力と申しますものをどのような形で御説明申し上げたらいいか、ちょっと戸惑うわけでございますけれども、原子力研究所に本年までに投下いたしました金額で申しますと、大体三百二十億円にのぼっております。東海村にいわば研究の本拠がございますほか、群馬県の高崎に放射線科学だけのための研究施設をさらに建設中でございます。また、東海村が漸次施設が充実してまいりまして、もう大きな施設を置く余地が少なくなってまいりましたので、三十八年度から予算をお認めいただだきまして、東海村のずっと南のほうにあたりますが、大洗に新しく四十万坪ばかりの敷地を購入いたしまして、今後設けます大きな施設はそこに建設を予定いたしておるわけでございます。現在原子力研究所にあります大きな施設は、原子炉で申しますと、研究用の原子炉が一号、二号、三号まで大体できております。四号をいま建設中でございます。それから、そのほかに、先ほど申しました動力試験炉がございます。その他、燃料の再処理を研究いたします施設でありますとか特殊な施設は、一応当初設立いたしましたころ考えましたものはそろいました。いまのところはちょうど二期目に移ろうとしておるような現状でございます。  なお、人員につきましては、三十八年度末で約千六百名の定員を持っております。ただいま御審議をわずらわしております三十九年度の予算では、さらに百五十名の追加を考えておるわけであります。一体、原子力研究所はこのように進んでまいりましてどのくらいの人員規模に到達するのであろうかという一応の目標は、東海の研究所では、これはもう、先ほど申しましたように、大きな施設を新しくつくってまいります余地がそれほど多くございませんので、最終の段階で大体二千人くらいになるのではないか、高崎の研究所、あるいは、まだ敷地だけでございますけれども、先ほど申しました大洗の研究所、さらにそれ以外に東京その他に分散して持っておりますアイソトープ・センターという一連の機能のもの、これらを合わせまして、やはりちょうど二千人くらい、現在考えられます段階での最終規模人員は四千名くらい、期間的に申しますと、大体今後十年間くらいの間に四千名くらいを逐次ふやしてまいりたい、そういうふうに考えておるわけであります。

松本七郎日本社会党

○松本委員 そうすると、現在は人員は不足していないのですか。

島村武久総理府事務官(科学技術庁原子力局長)

○島村政府委員 これはやはり施設の拡充、研究の進展に応じて進めてまいっていく性質のものでございますので、先ほど申し上げましたように、東海が主体、それにいろいろなものをひっくるめて千六百名、これは決して多過ぎるものではございませんし、ことに、研究所側からいたしますと、もう少し人員があったらいいという声を聞きますので、不足ぎみではございますけれども、私どもの考え方では、大体いまの仕事はその程度の人数でやっていけるもの、そういうふうに考えております。

松本七郎日本社会党

○松本委員 その施設が拡充してくるにつれてもっと人員を要求するというのはわかるのですが、現在の施設を十分に活用するのにいまの人員で足りておるかどうか、その点は政府のほうでは足りておるという考えで進んでおられるのですか。

島村武久総理府事務官(科学技術庁原子力局長)

○島村政府委員 そのとおりでございます。したがいまして、現在と申しましても、施設ができましたので、あるいはできるものがございますので、明年度はまた百五十人ふやすというようなことを考えておりますが、いずれにしましても、今年度は千六百名、来年度は千七百五十名ございますれば、決して潤沢ではないにしてもやっていける、こう考えております。

赤澤正道自由民主党

○赤澤委員長 戸叶里子君。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 北太平洋のおっとせいの保存に関する暫定条約を改正する議定書について、二、三点伺いたいと思います。  この現行条約によりましてオットセイの保護が加えられました結果、今日では相当数の繁殖があったように考えられますけれども、現在では各繁殖地におきましてどのくらいの頭数を想定されていられるか、この点を伺いたいと思います。

荒勝巌農林事務官(水産庁生産部海洋第一課長)

○荒勝説明員 御答弁申し上げます。  現在私たち四国の委員会で科学者が資源につきまして評価いたしておりますが、大体、おおよそのところ、プリビロフ群島、これは米国領土でございますが、これが大体百八十万尾から二百万尾、それから、ソ連のコマンドルスキー群島というのがございまして、この辺が大体十万尾、それから、ロベン島、昔の海豹島でございますが、これは約十万尾で、あと多少旧千島列島あるいはアリューシャン列島の一部に生存している程度のように聞いております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 日本の国では、現行条約の九条でアメリカから受けるべき一五%の獣皮は一体何枚くらいになっているか、伺いたいと思います。ついでに、その金額がどのくらいになっているか、それから、その金額の日本の国内においての会計上の取り扱いはどうなっているか、伺いたいと思います。

荒勝巌農林事務官(水産庁生産部海洋第一課長)

○荒勝説明員 お答えいたします。  ただいまアメリカから毎年日本の分として配付されます枚数といたしましては、おおむね雄が約五、六千枚、それから雌が約五、六千枚でございます。合わせて一万二千枚。一番多いときに一万八千枚くらいまでいった年がございますが、その年の豊凶とか何とかいう事情で、少ない年は六、七千枚というときもございまして、平均大体一万から一万二千枚くらい。雄雌大体約半々くらいでまいっております。これを金額に換算いたしますと、これも枚数並びに毎年流行によりましてオットセイの毛皮自体が変更がありますのでわかりませんが、年間にいたしますと、日本政府が受け取る金額は、少ない年は一億九千万円くらい、多い年で二億一千万円くらいで、おおむね二億円くらいになっています。これを一般会計で国庫の歳入といたします。一応現地のアメリカで現物で受け取るのでございますが、御存じのように、オットセイの毛皮は特殊な加工を要して、日本の従来の毛皮業者では加工をしてもむだなかっこうになると思うので、アメリカの現地の加工業者に回して、現地でオークションと申しますか入札に付しておりまして、現金で日本政府の会計へ入ることになっております。以上でございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 先ほどの御説明によりますと、ソ連関係で大体二カ所の部分から二十万尾くらいの捕獲量と推定をしておるというのですね。

荒勝巌農林事務官(水産庁生産部海洋第一課長)

○荒勝説明員 生息数でございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 そうすると、今度は、新しくソ連関係のほうから千五百枚入って、三年後には一五%ずつ入るということが条約できめられたわけですね。いままで入らなかったのが日本に入ってくるということは、ソ連のほうの状態が好転してきた、オットセイの数が多くなってきたということになるのですか。捕獲量が多くなったということを意味するのですか。いままで入ってこなかったのが日本に入ってくるということになったのは、どういうことになるのですか。

荒勝巌農林事務官(水産庁生産部海洋第一課長)

○荒勝説明員 オットセイ条約を当初つくりましたときには、ソ連の資源の状態はあまりよくなかった。しかし、一応ソ連も取ることは取ってきたのでございますが、ソ連のほうの通報で私たちがもらっておる数字では、一九五九年当時は七千八百頭、八千頭前後でしたが、一九六三年、昨年でございますが、一応一万五千頭ばかりになってきた、ことしも大体一万五千頭くらい取るというふうに、最初は非常に少なかったが、お互いに条約を守った結果からかとも思いますが、年々資源がふえてきておる。その結果、初めソ連も多少出すようなことを言いかけておったときもあったのでございますが、要するに、取る経費と支出がとんとんみたいなかっこうで、日本に一五%なりあるいは千枚なり渡すと、ソ連の経理と申しますか、向こうとして赤字になるので出したくないということで従来やってきたのかと思いますが、こういうふうに枚数がふえてまいりますと、多少とも日本側に引き渡す枚数も余裕もできたし、経費的にも余裕ができてきたんじゃないか、こういうふうに推定いたしております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 アメリカのほうもソ連のほうも価格は統一されておるのですか。

荒勝巌農林事務官(水産庁生産部海洋第一課長)

○荒勝説明員 先ほどちょっと触れましたが、これは非常に寒いところでは一種の必需品でもございますが、また、毛皮という特殊なもので、ヨーロッパの一部の社会におきましては、御婦人の一種のファッションの材料のようなものでございますから、その年の流行だとか好みとかいうことによりまして値段に非常に上下の格差がございまして、アメリカで私たちが入札に付しておるのも、年によって非常に売れ行きがよかったり悪かったりしております。そういう形で、アメリカから来るものについて値段は統一されていない。ソ連のほうはただいままでわれわれのほうに全然引き渡ししておりませんので、ソ連自身がソ連の国においてどういう価格でいわゆる商品として販売というか配給しておるのか存じませんが、いずれにいたしましても、日本にソ連が引き渡す場合は、この間モスコーで開かれました委員会での話を総合しますと、ナホトカで日本に現物を渡す、ロベン島かコマンドルスキー島という現地の島ではなくて、雄雌ある程度規格を整備して、ナホトカの港で日本政府に引き渡す、日本政府はナホトカに来いという話になっておりますので、現物を取りに行きたいと思っておりますが、これは一応無償でもらうことになっておりますので、それを日本に持ってきまして、物を見た上で、日本でテスト的に加工したほうがよければ加工いたしますし、場合によって、日本で加工したらそれだけ損になるというような見通しになれば、あるいはまたアメリカまで持ち出していってそこで加工しなければならないが、まだ、その辺は、日本としてソ連との条約の批准もいたしておりませんので、あまりソ連に強く、一体いつ何月何日に日本に皮をよこすのかということも事務的に進められないようなかっこうになっておりまして、その辺、まだわれわれ事務当局としても十分お答えいたしかねるのじゃないかと思います。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 ソ連のほうはわかったのですが、アメリカのほうの場合は、その年によって何とかというふうにおっしゃって、大体どのくらいかというのはちょっと聞き取れなかったのですけれども、一枚大体どのくらいに当たるのですか。参考までに伺いたいのです。

荒勝巌農林事務官(水産庁生産部海洋第一課長)

○荒勝説明員 私も、その辺そう言われると……。要するに、雌と雄を比べますと、雌は話にならないくらい安もので、長ぐつの裏側に使ったりというようなかっこうでございます。雄につきましては、ブルとかいいまして、非常に大きくなりまして、雌を多数、いわゆるハレムとわれわれは称しておりますが、八十匹とか百匹とか雌を連れておるような大ボスになりますと、これも大きいだけでございまして商品価値があまりない。やはり、若手、若い間のほうが毛並みもいいし、それから毛皮にも傷がついておりませんので比較的高く売れる、こういうふうに聞いております。それで、原皮はそうたいして値段は変わらないのですが、なめし方いかんとか、その年は黒が流行で黒が当たれば非常に高く売れるし、黄色い染色加工にすればその年の流行によって上がるというような性質のものでございまして、ほんとうの、いわゆるコスト計算しますと、またこれもあまりはっきりわからない、こういうふうなかっこうになっております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 そうしますと、コスト計算をするとわからないけれども、全部一からげにして、そうしてどれだけの金額でそれが日本の会計に入ってくるということになるわけですか。

荒勝巌農林事務官(水産庁生産部海洋第一課長)

○荒勝説明員 入札に付しますときは、私どものほうでは一応その毛皮の原皮を加工業者に渡します。ところが、大体変な話でございますが、世界に一軒しかこのオットセイの毛皮の加工業者がいない。ファーク社と一応言っておりますが、非常に特殊な薬剤を使っておるものと思われるのですが、いわゆる特許を取っていないので技術の内容もわからないのですけれども、世界じゅう原皮をそこに渡しておるのでございますが、渡しまして、ことしの流行は何であろうかという見込みを立てて加工をいたさせるわけでございます。そして、加工しましてからあとは、今度その毛皮を一枚一枚、いわゆるオークション、入札にかけまして、世界じゅうからファッションの毛皮業者という商売人がまいりまして、一枚一枚のものを手ざわり足ざわりして、あるいは色を見て、そうして入札にかけられる、こういうかっこうになっております。一括ではございません。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 そうすると、加工をするたった一軒の店というのはアメリカにあるわけですね。

荒勝巌農林事務官(水産庁生産部海洋第一課長)

○荒勝説明員 一応そういうことになっております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 もう一つ伺いたいことは、この現行条約の審議のときに、漁業界からオットセイによるサケ・マスの食害がたいへん主張されたわけです。そして、オットセイの数も減らすことによってサケ・マスの資源を保護してわが国の漁獲量をふやしていくべきだ、こういうような意見が出たと思いますけれども、その後食害ということに対する調査というようなものはどんなふうになすったでしょうか。その辺のことを伺いたいと思います。

荒勝巌農林事務官(水産庁生産部海洋第一課長)

○荒勝説明員 当時、条約を御批准を願うときにも、非常にそういう御質問なり御意見もございまして、水産庁、また現地の漁民の間では、あたかもオットセイが非常に多くの魚、特にサケ・マスという魚を半分くらい食べてしまうというような話さえも出ておりました関係もありまして、また、日本のわれわれ水産庁に属する役所の立場からも、また実際に日ソ漁業の関係で現地の漁民の間にサケ・マスをオットセイが食うということになると非常に重大な影響がございますので、資源保存という観点から、相当オットセイ委員会におきましてもその食害の研究を進めるということが年々議論され、また、日本におきましても、日本の委員部といたしましても、オットセイがどのように食害を与えておるかということを調査するということで実施してきたわけでございます。それで、たまたま、委員会の決定といいますか、その中で、日本もオットセイは海上捕穫としては年々千五、六百頭前後はとって、これは役所がとるのでございますが、試験捕穫をして、オットセイの生息状態というか、繁殖状態、あるいは回遊経路、あるいはその他のもろもろのことを調べるため、年々千五、六百頭くらいずつ海上で捕穫しております。その際に、胃袋に残っておりますいわゆる食物のかすでございますが、これを調べて、どういうものを食べておるのだろうかということで非常に調査してまいりましたが、まだ研究も年々千五、六百頭だけで十分結論というところまでいっておりませんが、研究者あるいは学者諸公の間の話では、従来の俗説と申しますか、非常に食害が多いといわれておったのに比べますと、胃袋の中から出てまいりますのは、ニシンの一部と、それからイカが非常に多い、そして、一番問題になります大衆魚としてわれわれの関心のありますサケ・マスは二、三%くらいしか胃袋の中からは残滓が出てこない、こういう結論というかデータをいまいただいております。しかし、あのように膨大なるオットセイが、陸上に上がっております間を除いて約八カ月海上で泳いでいる間じゅうその分を食べておりますから、やはり相当な分は食べておりますけれども、思ったほどサケ・マスは食べていない、こういう結論をいただいております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 そうすると、現行条約のときに非常に危惧された漁業界の心配というものは、それほどではないという結論づけをされたのか、その結論だけを伺いたい。それから、漁業界のほうではそういう線で納得されておるのかどうか、この点だけを承っておきたいと思います。

荒勝巌農林事務官(水産庁生産部海洋第一課長)

○荒勝説明員 断定的に結論というのは、私たちもまだ差し控えておるわけでございます。それで、なお今後とも海上捕獲を続け、場合によっては、予算が許しますれば、生きたオットセイを少し飼いまして、一日にどのくらいのカロリーと申しますか、魚を食べるものやら等も調べまして、年間の大体一匹当たりの魚の食い量というものを出して、そこで魚の総被害量というようなものも出してみたいと思っておりますが、いまのところ胃袋のものしか出ていないというかっこうでございますが、私たちとしては、今後とも調査を継続いたしまして、その点結論が出次第また次の対策というのか措置を講じてみたらどうか、こう思っております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 要望だけ申し上げますが、魚に蛋白資源を求める日本の国民としては非帯に重要な問題でございますから、そういう意見が出ているときでもありますし、途中まで研究もされているようでございますから、徹底的に、やはり政府としても、こういう問題の研究、食害がどうなっているかというような問題を調査していただきたい、これを要望したいと思います。

赤澤正道自由民主党

○赤澤委員長 ただいまの議題中、小麦協定を除く三件に対する質疑はこれにて終了いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤澤正道自由民主党

○赤澤委員長 御異議なしと認めます。よって、右三件に対する質疑は終局いたしました。     —————————————

赤澤正道自由民主党

○赤澤委員長 御異議なしと認めます。よって、右三件に対する質疑は終局いたしました。

赤澤正道自由民主党

○赤澤委員長 これより討論に入りますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  千九百六十二年の国際コーヒー協定の締結について承認を求めるの件、北太平洋のおっとせいの保存に関する暫定条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件、右両件はいずれも承認すべきものと決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤澤正道自由民主党

○赤澤委員長 御異議なしと認めます。よって、右両件はいずれも承認すべきものと決しました。  次に、原子力の非軍事的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件を承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

赤澤正道自由民主党

○赤澤委員長 起立多数。よって、本件は承認すべきものと決しました。  おはかりいたします。ただいま議決いたしました三件に対する委員会報告書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤澤正道自由民主党

○赤澤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。   〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————

赤澤正道自由民主党

○赤澤委員長 次に、経済協力開発機構条約の締結について承認を求めるの件を議題とし、審査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。松井誠君。

松井誠日本社会党

○松井(誠)委員 私は、OECD条約の締結の承認を求めるの件につきまして、OECD条約の内容についていろいろお伺いする前に、この承認を求めておる範囲について数々の疑問がございますので、その点から先にお尋ねをいたしたいと思います。  これは承認を求める件として提案をされておりますけれども、一体政府のほうでは承認を求める範囲をどこまでとお考えになって出されておるのか、そのことを最初にお伺いをいたしたいと思います。

須之部量三外務事務官(条約局外務参事官)

○須之部説明員 国会の承認を求めておりますのは、OECD条約と、それから第一及び第二補足議定書でございます。

松井誠日本社会党

○松井(誠)委員 そうしますと、日本政府とOECDとの了解の覚書あるいは二つの自由化規約、これについては承認をお求めにならない、こういう趣旨でございますか。

須之部量三外務事務官(条約局外務参事官)

○須之部説明員 もちろんそうでございます。ただ、この覚書は、条約の十六条に、加盟に際してどこまでの義務を負うかということ、つまり、条約の義務を受諾する国に加入するよう招請するというふうに書いてございますが、その加入にあたってどれだけの義務を日本としては負って入るかという、その内容のいわば細目をきめたものでございますので、その意味で、国会の御審議にあたりまして具体的におわかりいただくように参考としてはもちろん御提出してございますけれども、法的に申しますれば、いわゆる承認の対象ではございません。

松井誠日本社会党

○松井(誠)委員 この承認を求めておられる条約及び議定書は、日本が加入をする前の条約であって、したがって、これと日本が条約を締結したという文書は、そうしますとどこにありますか。

須之部量三外務事務官(条約局外務参事官)

○須之部説明員 その点は、この条約にさらに入るということを取りきめる文書は要らないわけでございます。この条約それ自体の十六条の末段によりまして、寄託国政府へ日本が加入書を寄託いたしますと、それで条約に加入したという法的効果が生ずるわけでございます。

松井誠日本社会党

○松井(誠)委員 加入書の寄託というのは、具体的に承認が行なわれたあと加入書というものを寄託するわけですか。

須之部量三外務事務官(条約局外務参事官)

○須之部説明員 仰せのとおりでございます。

松井誠日本社会党

○松井(誠)委員 そうしますと、この条約を締結してその結果加入書を寄託する。締結という行為は、それではこの文書の中ではどこにあらわれておりますか。

須之部量三外務事務官(条約局外務参事官)

○須之部説明員 加入書を寄託するということがつまり締結でございます。いわゆる、憲法の七十三条に締結ということばが書いてございますが、それにしたがって、国会のほうに締結について承認を求めるの件という形で件名を出してございますが、その内容は、この種の多数国間条約にあとから加入します場合には、加入がすなわち締結という行為でございます。

松井誠日本社会党

○松井(誠)委員 そうしますと、加入書の寄託というのはまだ行なわれてない……。

須之部量三外務事務官(条約局外務参事官)

○須之部説明員 まだ行なわれておりません。国会の御承認を得ましてから加入書の寄託を行ないます。

松井誠日本社会党

○松井(誠)委員 そうしますと、つまり、締結というものはまだ行なわれていない、これから締結をするについて事前に承認を求める、こういうように了解していいわけですか。

須之部量三外務事務官(条約局外務参事官)

○須之部説明員 仰せのとおりでございます。

松井誠日本社会党

○松井(誠)委員 この了解覚書というのは、この条約の加入とはどういう関係になりますか。

須之部量三外務事務官(条約局外務参事官)

○須之部説明員 この条約の加入に際しまして、十六条の冒頭に書いてありますように、加入する際に、「加盟国の義務を受諾する用意があるいかなる政府に対しても」と書いてありますが、結局、理事会のほうで日本に対し加入招請をいたします場合に、日本政府が加入する場合には、つまり国会の御承認を得て加入書を寄託した場合にはどの程度の義務を負うことになるかということをあらかじめ明らかにすることを希望いたしましたので、加入した際にはここまでの義務を負うということをいわば予約的に明らかにした文書でございます。それ自体で加入の効力を生ずるものでは全然ございません。

松井誠日本社会党

○松井(誠)委員 そうしますと、この了解覚書はまだ発効はしていない、こういうことでございますね。

須之部量三外務事務官(条約局外務参事官)

○須之部説明員 その見地から言えば一応発効しておると申すべきであろうと思います。しかし、それは条約への加入ということでは全然ございません。加入した際にはどういう義務を負うかということを明らかにした文書でございます。その文書に関する限りは一応発効しておると申すべきであろうと思います。しかし、同時に、かりに国会の御承認を得ない等のあれでこの加入が実現しないという場合には、この覚書自体が意味がなくなるわけでございますので、いわばおのずから消滅するという性質のものでございます。

松井誠日本社会党

○松井(誠)委員 そうしますと、効力があるとはいうものの現実には動かない、つまり、本条約が発効をすることを条件にして効力を発生する、かように理解をすべきですか。

須之部量三外務事務官(条約局外務参事官)

○須之部説明員 効力を生ずると申しますか、実効的になると申しますか、オペラティブといいますか、要するに現実に動き出すということであろうと思います。

松井誠日本社会党

○松井(誠)委員 それでは、大臣にお伺いいたしたいのでありますけれども、新安保条約の締結のときに、地位協定が承認の範囲に入るかどうか、あるいは承認を求めるべきものかどうかということが議論になった。その前の安保条約のときに行政協定がやはり同じ議論の対象になった。そういう観点からお伺いをしたいのでありますけれども、この条約と了解覚書との法律的な関係についてはいまお伺いをいたしましたけれども、しかし、この条約と並んで了解覚書、そしてそれと一体となっておる自由化規約というものは、非常に重要な意味を持っておると考えるわけです。これを国会の承認からはずすということが、法律論は別として、適当であるとお考えになっておるかどうか、その点をお伺いしたい。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 われわれが義務を受諾する範囲を盛ったものでございますから、国会に参考までに提案するのが適当だと考えたわけでございますが、それを国会の御承認を得る対象の範囲にすべきかどうかということにつきまして、私は深い究明はいたしませんでしたが、これは、条約の専門家の意見を信頼いたしまして、ただいま御提案申し上げましたような形にいたしたわけでございます。しかし、実体問題は御指摘のように大事な問題でございますので、御審議の参考にいたしておると承知いたしております。

松井誠日本社会党

○松井(誠)委員 私は一応法律論は離れてひとつ大臣に重ねてお伺いをいたしたいと思うのですが、この条約の具体的な日本に及ぼす影響についてはあとでいろいろお伺いをいたしたいと思いますけれども、ともかく、この条約は、日本が開放経済体制に入るその最後の仕上げだということで、非常に政府も宣伝をされておる。そして、その中心はまさに自由化規約になるわけでございます。この自由化規約というものについて国会の承認というものからはずす、ということばは悪いかもしれませんけれども、ともかく承認を求めないということは、国会の権能、国会の権威という立場から、はたして適当であるかどうか。法律論じゃないのです。政治的な立場からお考えになって、いかがでございますか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 でございますから、いまお答え申し上げましたように、国会に承認を求める形をどういうものにするかという点につきましては専門家の意見を尊重いたしましていまのような形にいたしたわけでございますが、実体問題といたしましては御指摘のように大事な問題でございますので、包み隠さずに御審議の参考に供するという手段を講じたわけでございます。

松井誠日本社会党

○松井(誠)委員 事実上の問題としては、どっちみち自由化規約の内容が審議をされる。ですから、現在のところは必ずしも不都合じゃないと思います。しかし、自由化規約がこれからあといろいろ改正になる。しかし、そのときにもうすでに承認は必要ないのだというたてまえであるならば、国会はつんぼさじきに置かれるわけです。少なくとも必ずそれが国会に出てくるという保証はないわけです。最近行政府がだんだん国会に対する優位を主張するようになっておる。例の生存者叙勲なんというものについては当然国会を通すべきものが、えてすれば国会をやっかい視して通さないということ、この自由化規約の扱いについてそういう政治的な意図で行なわれたとは私は思わない。しかし、なぜこういうことを言うかといいますと、一体この承認を求める範囲というものがいままできわめて不明確である。その基準もきわめて不明確である。いわば政府の一方的な専断で選択をするというしきたりがあったとしか私は思えない。ですから、この辺でこういう重大なものが抜ける、これはやはり考え方が非常にルーズだという一つの私は結果じゃないかと思う。ですから、法律論はまたもう一度返ってお聞きをしますけれども、大臣が言われたようにこれがまさに重要なものであるならば、これが非常に機械的な形式論・法律論から国会の審議をはずされたというその現実をごらんになって、それでは、法律論はともあれ、やはりこれは提案の中身に入れようじゃないかというようにお考えになってしかるべきだと私は思う。いかがでございますか。

中山賀博外務事務官(経済局長)

○中山政府委員 将来自由化の内容が変わって、そして法律改正を要するような場合が起こったらどうかという御趣旨と承りましたが、このOECDの決定は大体全会一致の原則でなされることになっております。そこで、もし自由化の改定その他が現行の法令の範囲内でまかなえないということになれば、行政府としては独自の行為をとれないわけでございますから、OECDに対して、あるいは改定に対して留保をせざるを得ない、こういうことになるかと思います。したがって、その点は、いまおっしゃった根本的な法律的な原則というものは恪順していけるのではないか、かように考えております。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 立法権と行政権との限界の問題になるわけで、考え方によっては非常に重要な御質問だと思うのでございます。それについて、従来政府と国会との間で条約という形式において御審議をいただいておりましたものでいいのか悪いのかという、対立法府の関係において政府が考えなければならない問題があらためて提起をされておるわけでございますが、卒然と答えろといっても、私もいま答える用意がないのでございますが、ただ、いま御指摘の問題は、自由化規約というのはOECDの機関意思の決定でございまして、OECD加盟国と日本との間柄を規制するのは、これは条約なんでございまして、OECDの機関意思の自由化コードというものがその加盟国の国会で審議の対象になるべきものかどうかという問題は若干筋が違うのじゃないかというような感じがいたしますが、条約形式、つまりあくまでも自由化コードというのはOECDの機関の意思なんで、機関の内部の意思なんでありまして、OECD条約というのは、その加盟するにつきまして加盟国との間の問題なんでございますので、機関意思まで国会に承認を求めるかどうかについてはなお研究してみなければいかぬのじゃないかという感じがいたしますけれども、なお検討してみます。

松井誠日本社会党

○松井(誠)委員 いま中山局長の御答弁は私の質問をちょっと聞き違えたと思うのですが、国内の法律改正を伴わなくても、自由化規約が今度改正されると、この自由化規約はまさにOECDの機関の意思の決定であると同時にそれに参加をした日本の意思決定でもあるわけです。ですから、したがって、自由化規約というものは、当然やはりそれに賛成をするあるいはそれに加入をするということ自体は、実質上の私は条約だと思う。名前はどうであれ、条約だと思う。したがって、本来ならばやはり条約一般を国会にかけるべきだというたてまえからいえば、いまの自由化規約、それから、その後の起こり得る改正、そういうものも私はかけなければならないのじゃないかと思う。法律論についてはもう一ぺんあとでお伺いをしますけれども、大臣に私は再度お尋ねをしたいのは、そういうことについていまいろいろ問題があるということがおわかりになった。そこで、もう一ぺん考えてこの次には何とかしましょうということではなくて、まさにいま審議が始まっているわけですから、その審議の範囲が何かということを決定しなければ審議が進まないということになりはしませんか。ですから、この覚え書きや自由化規約を承認を求める範囲の中に入れるということは必ずしも別に違法ではないわけですから、まさに政治的な大臣の判断でできなければならぬと思うのです。その点について重ねてお伺いをしたい。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 ですから、先ほどもお答えいたしましたように、条約という形で国会に承認を求めておりまして、従来政府と国会の間柄でいろいろ慣行があったわけでございまして、それがいいか悪いかの問題の、これは一つなんですね。ですから、これを私がいまここですぐ結論を出せとおっしゃるのも無理で、あなたの提起された問題はもう一ぺん考えさしてもらいます。そうしてお返事をあらためてさせていただきます。ちょっと検討させていただかなければ、不用意なことを申し上げてかえって国会の権威を傷つけてはいけませんから。

松井誠日本社会党

○松井(誠)委員 それでは、大臣でなくてけっこうですけども、この了解覚え書きや、それと一体になっておる自由化規約を国会の承認を求める中に入れなかった理由は、先ほど、この条約に入るとすればどういう条件で入るといういわば細目だから要らないというお話でございましたけれども、細目だから要らないというのは、軽微であるからというように受け取ってよろしゅうございますか。

須之部量三外務事務官(条約局外務参事官)

○須之部説明員 軽微と申すわけじゃございません。ただ、権利義務を発生する根拠は条約それ自体から発生する。したがって、その発生する根拠である文書は国会の承認を求める対象にいたしました。覚え書き等は、その内容でございまして、もちろん御審議いただくために参考として御提出してあるわけでございます。したがいまして、法的に根拠が発生するのが条約であるということを理由に、条約だけを承認の対象にしているわけでございます。

松井誠日本社会党

○松井(誠)委員 具体的に権利義務の発生をするのが条約の条文、いわばそこから派生をするのが覚え書きであり規約である、そういうことになりますと、たとえばその承認を求めるべき区別の基準というものについて、条約がそういう細目を委任しておる、あるいはその条約を具体的に執行するために細目、細則を設ける、そういう委任規定、委任協定的なもの、執行協定的なもの、行政協定的なもの、そういうものならば要らないけれども、しかし、そうでないものは必要だという考え方があるわけですけれども、いまのお説は、そういう考え方にのっとっておるというように理解をしてよろしゅうございますか。

須之部量三外務事務官(条約局外務参事官)

○須之部説明員 たとえば、ほかの条約の例をとってみましても、本条約に議定書等がつきまして、本条約の権利義務関係そのもの自体をある程度制限し規制するという意味の議定書の場合は、当然国会の承認の対象にいたしております。それ以外に、権利義務関係は本条約で発生する、ただ、そのワク内におきまして解釈等を明らかにする等の交換公文は幾つもついておるわけでございますが、その点は国会の承認の対象とはしないで御提出申し上げるということにいたしておるわけでございます。

松井誠日本社会党

○松井(誠)委員 新安保条約のときの地位協定はどういう意味で国会の承認を求められたのですか。

須之部量三外務事務官(条約局外務参事官)

○須之部説明員 これは、安保条約それ自体から発生する義務以外の義務が発生しておるから、それ自体が新たなる権利義務を発生する文書であるからという趣旨であると考えております。

松井誠日本社会党

○松井(誠)委員 そうしますと、具体的にこの条約と自由化規約との関係についてお尋ねをしなければなりませんけれども、この自由化規約は、それ自体で、機構には入っておりながら自由化規約からだけの脱退というものがあり得る、こういう規定があるところを見ますと、この自由化規約というのは、この条約の細目をきめた、あるいはその執行のための規約ではなくて、相対的な独立性を持っておるものだと私は思うのですけれども、そういう考え方はいかがでございますか。

須之部量三外務事務官(条約局外務参事官)

○須之部説明員 御質問の点につきましては、前文等にも理事会は次のとおり決定したということになっておるわけでございまして、加入等の問題はなるほどございますが、それは、この決定が採択されますときにもし棄権等をしますれば、OECDの理事会の決定でございますから、その棄権した国は拘束を免れるわけでございます。そういう棄権などをしないで、このコードに従ってやろうということに賛成したのがいわゆる加入でございます。脱退といいますのも、これは要しまするにそのコードに従わないようにするということを意味するだけでございまして、なお申し添えますが、このコードそれ自体について、二十カ国かの従来のOECD加盟国の中でいわゆる国会の承認の対象とした国はございません。

松井誠日本社会党

○松井(誠)委員 私は、それは法律的な問題のあとでOECDの基本的な性格からお尋ねをしていく予定でありましたけれども、大臣の御予定があるそうでございますから、最後に大臣にもう一度念を押して、きょうのところは、あと具体的な条約の内容については次回ということにせざるを得ないわけですが、念を押すのはいま申し上げたことであります。つまり、まだこの法律論が宙ぶらりんでありますけれども、しかし少なくともこれがきわめて重要な、まさに日本の経済にこれからあと非常に大きな影響を及ぼすその具体的な中身である。そうして、先ほどから委員の中から声がありますけれども、いまは現実に具体的に審議の対象にわれわれはする、しかし、これを承認を求める必要はないのだということになりますと、自由化規約がこれからあと改正されたときに国会にかかるという保証は何にもないということに問題があると思う。そうして、行政権のそういう不当な優位というものがいましばしば行なわれておるという現実を考えると、私はやはりこの辺できちっとして国会の審議権、承認権の範囲というものについてはっきりしておくべきであるということを考えるのであります。したがって、法律論ともからんで大臣がひとつ政治的な立場から考えて、あらためてこの二つの規約、そしてそれと一体になっておるこの覚え書きというものを承認の対象に含めるというように、私はそういう措置をおとりになっていただきたいと思うのです。きょうはそういう善処方をお願いをいたしまして、これで終わりにしたいと思います。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 自由化規約なるものを国会の承認の対象にするかしないかという重要な問題でございますので、若干の時間をいただきまして検討さしていただいて、次回の委員会におきまして私のほうからお答えさせていただきます。

松井誠日本社会党

○松井(誠)委員 それから、委員長に一つお願いをしたいのですが、日本の低開発国援助についての一応の資料はいただいておりますけれども、きわめて簡単で、具体的な姿をつかまえることはほとんど不可能であります。ですから、それをもう少し詳しく、単に政府間ベース、民間ベースというようなことでなしに、具体的に、海外経済協力基金を通してどれだけ、あるいは輸銀のベースを通してどれだけ、あるいはどこの国に対する援助の具体的な形態は何、商品を輸出するのか施設を輸出するのかというような、もう少し援助の実態がわかるような資料を次回までにひとつお願いしたいと思うのであります。

赤澤正道自由民主党

○赤澤委員長 事務当局に申しますけれども、松井委員とお話し合いして、御希望の資料を提出してくださるようにお願いをいたします。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 ちょっと関連して……。  先ほど質問し残しました一点だけお伺いしたいと思いますが、日本が今度千九百六十二年の国際コーヒー協定に加盟するわけですが、この協定を結ぶについて、日本に一体どういう点が有利になるのか、私はちょっとわからないのですが、どういう点が有利になるかということをわかるように説明していただきたいと思います。

須之部量三外務事務官(条約局外務参事官)

○須之部説明員 実は、たとえば小麦あたりと違いまして、コーヒーの場合は日本の取引量が非常に小さく、世界のコーヒーの貿易の取引量に比べまして非常に小さいというのが事実でございます。そのために、このコーヒー協定に入ったために日本にとってどのような利益があるか、たとえば小麦のように安定した価格で需要量が確保できるという意味でのプラス面は比較的少ないと申しますか、きわめて少ないと申し上げてよろしいかと存じます。ただ、このコーヒー協定のできました経過から見ますと、コーヒーの輸出国である後進国がコーヒーの値下がりのために非常に困った、国際収支のアンバランスに苦しんだ、その状況を何とか是正するためということでこのコーヒー協定ができたわけでございます。このコーヒー協定に日本が積極的に参加するということが、いわゆる貿易を通ずる後進国に対する援助という一つの日本の積極的な立場を表明するもの、また、その限りにおいて、そのような政策といいますか、貿易を通ずる援助の一つの形態であるという意味でこのコーヒー協定に入るべきであるし、また、そういう態度を日本がとることが日本の大きな国際貿易を安定させる努力の一つとして有利であるということが言えると思います。ただ、逆に別の面で、この貿易協定に入って日本が非常に不利になるという点があってはまた困るわけでありまして、その点はこの協定ができますときの会議でもいろいろ問題になりました。日本はいわゆる新市場ということになっておるわけでございますが、このコーヒー協定によります輸出割り当てのワク外の国になっておるわけでございます。したがいまして、この協定の直接的影響をこうむるいわばワク外にあるような形になっております。その点で、この協定のために不利をこうむるという点は少なくなっているということは言えるわけでございます。したがいまして、主たる利益は何かと申しますと、後進国に対する一つの日本の積極的な態度の表明という点と、それから、このコーヒー機関というのができるわけでございまして、そこでコーヒーに関する世界的なインフォメーションがとれまして、日本のコーヒー関係の業界のためにプラスになるという点はある程度考えられるかと思います。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 いまの御説明を伺いましても、日本の国民にとっては、たいしてこの協定に加盟しても有利な点はないということがはっきりしたわけです。それで、いまもう一つおっしゃったことで、後進国に対する一つの援助みたいな形になるとおっしゃったのですけれども、直接の援助というふうにはならないですね。何もないというふう承ったのですけれども、この点はどうですか。

須之部量三外務事務官(条約局外務参事官)

○須之部説明員 もしこのコーヒー協定に対してどの国も自分のところにあまり関係がないから入らぬという態度を次々にとりまずければ、この協定自体が成立しないわけでありまして、そうなりますければ、せっかくこの協定をつくった後進国の立場はなるわけであります。その意味で、日本が積極的な態度をとるということが間接的な意味で援助になると申し上げた次第であります。

赤澤正道自由民主党

○赤澤委員長 本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十三分散会

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