科学技術振興対策特別委員会 第20号
- 発言数
- 215 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1964/09/09
会議録
○前田委員長 これより会議を開きます。 科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。 この際、愛知国務大臣より発言の申し出がありますので、これを許します。愛知国務大臣。
○愛知国務大臣 米国原子力潜水艦の寄港問題について、概略御説明申し上げたいと存じます。 この問題につきましては、原子力基本法並びに原子力委員会設置法の規定はともかくとしまして、わが国の原子力利用に関する安全問題を取り扱っている政府の機関として、原子力委員会は、国民を放射能の危険から守るという立場から、主としてその安全性の問題について検討を行なってまいりました。 この検討を行なうにあたりまして、米国原子力潜水艦が国際法上軍艦としての特殊な地位を有するため、軍事上の機密に属する技術的資料の提供を受けることが不可能であることは国際慣行上やむを得ないところであります。 このような事情から、原子力委員会は、設計、運転、操作等の詳細な技術的資料に基づいて行なう原子炉安全専門審査会による審査等の安全性確認の方式ではなく、国民の安全を確保するために必要な米国の保証その他の措置及びわが国がとるべき措置について慎重に検討を行なったのであります。 安全性の検討についての以上の考え方から、原子力委員会は昨年以来外務省を通じて米国政府と交渉を重ね、その努力の結果 (一)原子炉設計の安全性、乗組員の訓練、操作手続は米国の原子力委員会及び原子炉安全諮問委員会の審査を受けているものであること。 (二)わが国の港における運航に関連してとられる安全上のすべての予防措置及び手続は、米国の港におけると同様に厳格に守ること。 について米国政府の保証をとりつけるとともに (三)寄港期間中米国原子力潜水艦の乗組員は、潜水艦上の放射線管理及び同潜水艦の近傍における環境放射能のモニタリングについて責任を負うこと。 (四)潜水艦の排出水の放射性物質の濃度は、わが国の法令及び基準並びに国際基準に適合していること。 (五)使用済み汚染除去剤は、港内または陸地近辺では決して放出せず、また既知の漁区の近傍ではいかなるところでも放出しないこと。 (六)潜水艦の燃料交換及び動力装置の修理は、わが国またはその領海内においては行なわないこと。 その他運航上の措置、万一の事故の場合における補償の方式等について米国政府に約束させることができたのであります。 これら米国政府の保証及び約束は、その声明及び覚え書きの中に取り入れられているとおりでございます。 原子力委員会としては、米国原子力潜水艦のこれまでの運航の実績をも考慮しつつ、以上の交渉経過から得られた米国政府の保証と約束を総合的に検討し、それが事実そのとおりに実行されるならば、国民の安全上支障はないものとの結論に達しましたので、さる八月二十六日、全会一致をもってこの見解を決定するとともに、直ちに委員長から総理大臣に口頭で報告を行なったのであります。 なお、科学技術庁といたしましては、右の原子力委員会の見解に述べられている意見に基づきまして、原子力潜水艦の入港の前後及び停泊中における放射能の調査並びに近海における放射能調査について、関係各省庁の行なう調査を総合的に推進しているような次第でございます。以上、御報告申し上げます。 —————————————
○前田委員長 次に、原子力行政に関する問題について質疑の通告がありますので、これを許します。西村関一君。
○西村(関)委員 原子力の平和利用につきましては、われわれも政府の方針を支持いたしまして、原子力基本法の精神に基づいて協力をいたしてまいったのでございます。過般の原子力船開発事業団法案の審議にあたりましても、この見地から質問すべきところは質問をし、可能な範囲の協力をいたしまして、相当論議を重ねた末、事業団法案を国会を通過させるに協力してまいったのでございます。その際の論議の中におきましても、原子力潜水艦の問題が相当関連をいたしておりまする点から論議の対象になりまして、これが寄港につきましては慎重な上にも慎重を期するということが、当時の長官の答弁の中にも、政府当局の答弁の中におきましても、しばしば述べられておったのでございます。 しかるに、今回、当時問題になりましたスレッシャー号の沈没の原因も十分に究明されてない、結論が出ないままに調査が打ち切られておるという現状の中において、突如として、われわれから考えますならば突如として、これが寄港を承認するにきめられたということにつきましては、まだ幾多の疑問が残っておりまするがゆえに、これに対して承服することができないということで、国会は閉会中でございますけれども、外務委員会におきましても、あるいは内閣委員会におきましても、われわれの同僚議員がそれらの点について質問を試みてまいったのでございます。 本日は科学技術振興対策特別委員会が開かれまして、この委員会の立場においても私は若干の質問を試みる責任を感じますので、時間が十分にございませんけれども、二、三の点について長官の御見解を承りたいと思うのでございます。 先般の九月一日の内閣委員会におきまして、石橋委員の質問に対して、科学技術庁長官としてあるいは原子力委員会の委員長として愛知さんのお答えになっておられまする点を、私は逐一この会議録によりましてしさいに検討させていただいたのでございます。御答弁の中において幾つかの問題点を私は感じたのでございます。また、本日御提出になりましたこの要旨、ただいまお述べになりました長官の御説明によりましても、先般来科学技術庁から出されておりますところの文章を繰り返しておられるにすぎないと思われるのでございます。そういう点とも関連をいたしまして質問をいたしたいと思うのでございます。 まず第一は、九月一日の内閣委員会における石橋質問に対しまして、大臣のお答えになりました中にこういうことがあるのでございます。 「どうも石橋委員は私の説明を多少曲げておとりになったようですから、一言いたしますが、原子力委員会としての総合判定というものは、お手元にも差し上げてあるはずです。これは先ほど申しましたように、原子力潜水艦が軍艦であるという国際法上の地位を持っておりますから、これに対して臨検調査をするというようなことはできないということは、これは前提なのです。しかし、外交交渉その他を通じまして、設計、運転、操作等の詳細な調査はできるわけなのです。これは科学的な良心に基づいた判定というものが、そういういろいろのやり方によって総合判定ができ得るわけでありますから、その方法において最善を尽くして、こうこういう保証が与えられるならば安全性に支障は何もない、こういう判定をしたのでありますから、そういうふうに御理解をいただきたいと思います。」、このようにお答えになっておるのでございます。 そこで、私がお伺いいたしたいと思いますのは、このような軍艦であるから、国際法上の地位を持っているために臨検調査はできないということは一応認めるといたしまして、「外交交渉その他を通じまして、設計、運転、操作等の詳細な調査はできるわけであります。」こういうふうにお答えになっておられますが、こういうことがはたして可能とお考えでございましょうか。また、そのような、詳細な調査と言っておられます点が、すでに原子力委員会においてそれらの科学的な資料に基づいてなされたのでございましょうか。その点まずお伺いをいたしたいと思います。
○愛知国務大臣 ただいまのお尋ねでございますが、私が申しましたのは、また事実そのとおりでございますのは、潜水艦という軍艦であるということが一つの事実でございますために、ただいまも御指摘になりましたように、これに実際の実地の調査をするというようなことは事実上できないことであるということが一つと、それから石橋委員に対するお答えに多少ことばの足りない点があったように思いますけれども、したがってまた、軍事上の機密というようなことにつきましての設計とか、技術上のデータとか、そういうものにつきましても軍艦であるというこの前提からいたしまして、入手できないものもあるということはやむを得ない事実である。しかし、与えられたそういったような特殊の前提のもとにおいて、外交交渉等を通じてなし得る限りの調査はいたしました。それを前提にしての総合見解でございます。こういう趣旨を申し上げたわけでございますし、事実またそのとおりに御理解願いたいと思います。
○西村(関)委員 そういたしますと、外交交渉その他を通じまして設計、運転、操作等の詳細な調査はできるはずであります、臨検調査はできないけれども、文書によって、科学的な資料を手に入れることによって、軍艦であるから軍の機密という制約があっても、ここに述べておられますところの外交交渉その他を通じまして設計、運転、操作等の詳細な調査はできるはずだ、こういうふうにお答えになっておられますが、今回提出せられました合衆国政府の声明の中の二項のeによりますと、「原子力軍艦の設計または運航に関する技術上の情報を提供しない。」というふうにアメリカ政府は言っているのでございます。この点と私は明らかにそごすると思うのでございますが、この点、ただいまの長官の御答弁ではまだ不十分だと思いますから、もう一度はっきりお答えを願いたいと思います。
○愛知国務大臣 先ほど申しましたように、私の前回の答弁でことばが足りない点があったと思いますが、ただいま御指摘のとおりでございまして、アメリカの文書にございますように、軍事上の機密に属するような種類の資料の提供ということは受けることはできなかった、これは事実そのとおりでございます。
○西村(関)委員 そういたしますと、ここに述べておられますところの軍事上の機密に属さない「外交交渉その他を通じまして、設計、運転、操作等の詳細な調査」というのは何をさすのでございますか。
○愛知国務大臣 それ以外の、たとえば公表された相当詳細な調査資料もございます。それから、たとえば手続等につきましては、いろいろのアメリカ側の手続を規定したものもございますようなわけで、そういうものは詳細に点検することができた、かように考えております。
○西村(関)委員 昨年外務省が発表いたしました中間報告というものと今回アメリカ側が発表いたしました幾つかの資料とを比べてみますると、放出されるところの放射性冷却水の処理につきましての基準の数値が違っておるという点以外にはほとんど中間報告の線と変わってない。むしろそれよりも後退していると思われる点が多々あると思うのでございます。時間の関係上一々それをここで指摘することができないかもわかりませんけれども、そういう点につきまして、原子力委員会の委員長として、どういう根拠に立って今回安全性の問題からだいじょうぶだ、アメリカの言うとおりそれが保証されるならばだいじょうぶだというふうに踏み切られたのであるか。その点もう一度明確にしていただきたいと思います。
○愛知国務大臣 ただいま昨年の中間報告のお話がございましたが、これを一つの例にとってと申すといかがかと思いますけれども、それと比較をしてかりにみますれば、まず第一に、この昨年の中間報告と申しますのは、御案内のように外務省を中心にいたしましてその当時までに入手し得た情報その他を取りまとめた一つの資料でございます。しかし、今回発表いたしました文書はいわゆる外交文書でありまして、この文書の性格というものが、アメリカ側として文書によって保証をする、あるいは実行を約束する、こういうふうになっておりますことが私はまず第一に書類の性格として非常な違いがある、こういうふうに考えておるわけでございます。 それから、内容にわたりましては、これも詳しく申し上げていきたい点でございますけれども、まあその詳細はともかくといたしまして、ただいま御指摘のとおり一次冷却水の基準の点などにつきまして、あるいはまたイオン交換樹脂の廃棄等につきましては、前回の中間報告当時にわが方の基準と合致していない点がまだ問題となっておった事項でございますが、たとえばそのうちの一つにつきましては、日本側の法律あるいは原子力委員会の基準、あるいはまたさらには国際基準と合致するようにアメリカ側の海軍の手続が変わりました、というような点がその後明確に改定変更せられたというような、内容においても前回の中間報告のときは非常な違いが出てまいりまして、われわれとして安心し得る状態になったわけでございます。あるいはまた原子力潜水艦の原動力と申しますか、原子炉自体の安全性あるいはこれを操作する手続等については、アメリカの海軍の側におきましては、アメリカの原子力委員会の審査の基準によりその厳重な審査を現実に受けているということを保証しておるというような点につきましても、これは安心ができる点に数えられると思います。それから、乗り組み員の訓練とかあるいは寄港の場合の諸手続でありますとかそういう点も明確にされ、かつわれわれの中間報告の当時ではまだ明確になっていなかったり心配が多かった点が解明され、かつこれを保証してくれるということになりましたので、われわれとしてはこういう保証がそのまま実行される場合においては国民生活に支障を与えるものではないと、こういう総合見解に到達したような次第でございます。
○西村(関)委員 いま具体的に幾つかの点をお述べになりましたから、具体的にお尋ねをしなければならないと思います。 一つは、廃棄物の投棄基準の問題でございます。寄港時にあたりまして一次冷却水を直接海に放出するということは原子力潜水艦の常識になっているのでございます。この投棄基準だけが安全性の問題をきめるものでないということは長官もただいまお触れになった点でございますが、この基準の問題に限って申しましても、アメリカ合衆国の覚え書きによりましても、放射性廃棄物の処理に関する訓令、これが一九五九年にアメリカの上院下院の合同原子力委員会の記録に付属文書として公表されているのでございます。これが基礎となりまして、アメリカ海軍は投棄許容基準を飲料水としての許容濃度の百倍に定めておりまして、これよりもきびしくすることは軍事上の性能をそこなうというふうに公聴会で証言をしておるのでございます。許容濃度の百倍の濃い液体を流しましても、大量の海水に薄められるから許容濃度よりは難くなるというのが基本的考え方であると思うのでございます。ここで許容濃度として採用いたしました数値、最初アメリカ標準局の便覧、NBSHBの五十二号というのが、国際放射線防護委員会すなわちICRPが一九五三年に勧告したものを採用いたしましたが、その後ICRPは一九五八年にさらにきびしい勧告をいたしておりますので、その数値を採用したのがNBSHB六十九号であるというふうに述べられておるのでございます。 ところが、この覚え書きによりますと、アメリカ海軍省の訓令はICRP及びNBSHB六十九号をそのまま採用したとは言っておりません。これを「反映」するものとするというような、反映ということばを使っておるのでございます。大臣が過般来いろいろな機会にわが国の基準と合致するのだというふうに言っておられまするこの点につきまして、アメリカ合衆国の覚え書きは、ICRP及びNBSHB六十九号をそのまま採用するとは言っていない、これを反映するというような言い方をいたしておるのでございまして、これはきわめてあいまいな、非科学的な表現であるといわなければなりません。これは文書によっても、資料によっても明らかなのでございます。結局は、このわが国の基準そのままを用いるというのじゃなくて、これに反映したものを用いる。さらに突っ込んで言うならば、許容濃度の百倍まではよいという考え方を変えてないのじゃないかというような点がうかがわれるのでございます。 この点、反映したものというふうな言い方をしておるのに対しまして、原子力委員会の委員長として、また科学技術庁の長官として、この点が反映といったようなことでなくて、ICRP及びNBSHB六十九号の基準をそのまま採用するのかということをあらためてアメリカ当局にお聞きただしになる用意はございますか。
○愛知国務大臣 これは常識的に言えば、潜水艦の排水に関する基準の問題と思われますけれども、これは御承知のように、スキップジャック報告というものに添付されてアメリカの艦船局の訓令による廃棄手続が示されてあるわけですが、これは中間報告以後に改定され、そして一九五八年の国際放射線防護委員会の勧告を反映したものとなっておることはいまお説のとおりでございます。国内の原子炉の廃棄施設からの排水に関するわが国の廃棄手続を比較いたしまするならば、わが国の廃棄手続はこの一九五八年の国際放射線防護委員会の勧告を反映して定められておるわけでございますから、両者の間には相違はない、かように考えております。したがって、この点について、さらに反映ということばについて照会をするというようなことは考えておりません。
○西村(関)委員 そういう点がやはり国民の間に疑惑を与えていく大事な一つのポイントだと思うのでございまして、わが国の原子力科学者もそういう点につきまして——明確にわが国の基準と合致するものだということを言い切れるかどうかという点について、いまの大臣の御答弁ではどうも国民は納得しかねると思うのでございますが、そういう点、専門家の御意見はいかがでございますか。
○兼重説明員 お尋ねでございますので、要点だけ申し上げますが、わが国のそういうことに対します規定では、一般の周辺監視区域外、一般人の立ち入りをしている制限のできない地域のことでございますが、そこの空気中または水中の放射性物質の許容濃度は、三カ月間についての平均濃度が第六条第一号から第四号までに規定する許容濃度の十分の一とする。そのほかこまかいことはございますが、基本はそういうふうになっております。その基本が、先ほどから出ておりますようにICRPの新しいほうの勧告、それに対しまして全く同じではございませんけれども、日本側はいつも小さいほうの数字をとっております。そういうのでございますが、アメリカ側のスキップジャック報告といわれておりますこの報告の中に書いてありますことは、米国側は放射性廃棄物の投棄によりまして、環境内の放射性核物質の平均濃度が米国標準局便覧第五十二号に掲げられた連続被曝の場合の最大許容濃度の十分の一以上に増大しないようにすることを目標とすると書いてございます。これは当時それが五十二号でございましたけれども、今度それが六十九号であるらしいことがわかったのでございますが、その十分の一を、日本で申しますと周辺監視区域外の一般の地域が十分の一をきめているのと同じように、アメリカ側はその平均濃度がそれの十分の一以上に増大しないようにということを目標にすることは同様なのでございます。 そこで、今度はそのための廃棄手続で、潜水艦からあるいは原子力軍艦から投棄されますそういう放射性の液体は、職業人に対するちょうど百倍、一般人に対する千倍でございますが、その千倍をこえないものは捨ててよろしい、こういうふうに言っているわけでございます。そのことが日本で申しますと、これは保安規程というのできめているのに当たるわけでございます。その保安規程によりますと、日本でも職業人に対する値の百倍をこえない場合には、三カ月間の平均が十分の一、職業人に対するものの十分の一をこえない場合には、これを捨てていいという保安規程を幾つかつくっておりまして、原研のJRR1と言っているころからそれを使っているわけでございます。したがって、そのことから申しますと、アメリカの排出水の百倍以上でなければ捨てていいということと、日本が三カ月の平均に対して十分の一をとっていることとは、比較するものが違っておりますために、それでいまのような誤解が起こるのではないかと思います。 そこで、その反映したということは、もちろんその勧告あるいはNBSHB六十九号そのものではないと思いますが、かりにそのようにとりましても、たとえば日本は三カ月で平均をとりますけれども、ICRPの勧告は一年の平均というようなこともあります。アメリカは一年未満の平均と言っておりますから、これはアメリカと日本とが全く一緒にはならぬわけでございます。したがって、むしろ大事なことは、エード・メモワールの中に言っておりますように、「原子力潜水艦の液体排出物は、日本国の法律及び基準並びに国際基準に完全に適合するものである。」そのことでございます。これは排出物を言っておりまして、その基準のことは言っているわけではないのでございます。ですから、そのことだけを信用すれば、それで日本の基準に合うようなものを捨てるということになるのでございます。しかし、前から、五十二号を反映したものであっては、そうは言ってもとても日本の基準に合うようなものを捨てるということはできないじゃないか、こういう御意見も学術会議その他から聞いておりますので、そこでその裏づけになるように、もとの廃棄するところの基準が日本と同じICRPの新しいほうの勧告を反映したものであるかないかということを知ることが大事な点だと思って、それを確かめたわけでございます。したがって、反映しているから、もうそれでいいのだというふうにはすぐにまいらぬことはお説のとおりでございます。
○西村(関)委員 ただいま兼重さんが言われました中にもあるように、周辺監視区域外の水中の放射性物資の三カ月間についての平均濃度が許可濃度の十分の一以下にならなければならないということがきめられているのでございますが、原子力潜水艦の場合は、監視区域設定ということができないと思うのでございます。この点が、原子力潜水艦の場合は第一次冷却水の排水口の出口そのものに適用しなければならないと思うのでございますが、こういう点につきまして原子力委員会としてはどういうお考えのもとに安全性を承認なさったのであるか。 それから、それと関連をいたしますが、入港の際の事前の通知はございますが、出港の際の事前の通知というものは明確にされておりません。いわば、いつ何どき黙って出ていくかわからないというような状態にあるわけでございます。これは私が申すまでもなく、原子炉の起動のときに第一次冷却水を排出しなければならないという構造上から、むしろ入港のときよりは出港のときのほうが問題があるわけでございます。そういうことについては、これまたアメリカ側が港内あるいは十二海里以内において放出しないという約束を守るならばという一応の前提に立って、原子力委員会は結論を出しておられるわけでございますが、原子力潜水艦の構造上、出港の際にこそ危険が伴うと思うのでございます。 そういう点とも関連いたしまして、周辺の監視区域というものを原子力潜水艦の場合は一体どこに設定をするかという点と、出港の際における第一次冷却水の処理について。また、出港については何らの通告なしに向こう側の自由裁量によって出ていかれる。これは明らかに、今回の寄港がただ単に乗り組み員の休養とかレクリエーションとかいうだけでなくて、アメリカ側の文書にもございますように、第二の点は兵たんの継続ということばが言われておりますが、これは明らかに軍事的な要素を持っている。こういう点は、きょうは科学技術振興対策特別委員会でございますから、軍事上の問題とかあるいは平和の問題とかイデオロギーの問題とかというような点については別の機会に触れたいと思いますけれども、安全性の問題から考えましてこれらの点が明確でないので、さらにお尋ねを申し上げる次第でございます。
○兼重説明員 ただいまの御質問の第一の点でございますが、外国の軍艦でございますから、艦体の舷側と申しますか船側と申しますか、そこが周辺監視区域の境であると日本側では了解しております。このことは、日本のこの関係規則を先方に知らせるときに同時に知らせてございます。そういうことも先方が知った上で自分のほうのいろんなことを調べて、実際排出するものは日本国法律に合致するということを言ったのだと了解しておるわけでございますから、その監視区域が船の外側、たとえば十メートルの先に仮想の区域があるというようなことは考えておりません。 それから、出港のときでございますが、お尋ねのように出港時間がわかっておれば、そのときにそばにいってはかるとかということには便宜があると思いますが、入ってきております間どういう態勢にしていなければならぬかというようなことは、まだこれからの経験によるわけでございます。必要とあればそれを非常に綿密にすることもできますから、必ずしも出港の時間を二十四時間前に予告してもらわなければそういう対策がとれないとも考えなかったものでございますから、入港の予告ほどには重視しておりません。そういうことは十分に対策がとれると考えたわけでございます。
○西村(関)委員 それでは私は国民は安心しないと思います。そういう点は、入港を認められる結論を出される前に、もう少し明確にアメリカ側に突っ込んでいただかないと困る問題じゃないかと思います。いまになって、今後の問題としてそれはさらに必要ならばアメリカ側に照会をすることがあるというようなことでは、これは私は十分納得ができません。 しかし、私に与えられております時間がもうなくなりましたので、最後にもう一点お伺いをいたしたいと思います。 それはバックグラウンドの測定であります。これは長官、科学技術庁におきまして、このことに対する関係各省庁の打合会を開かれ、そうして必要な予算要求を大蔵省になさったというふうに聞いておるのでございますが、家の意見によりますと、これは原子力委員会の報告書の中にも触れておられる点でありますが、あらかじめ寄港地についてバックグラウンドの測定等必要な環境の調査を行なうことを政府に勧告しておられる。この点は私は当然のことだと思うのであります。具体的にどのようにしてその環境の調査をやるか。具体的な方法は今後の問題のことである、それゆえに関係各省庁との打ち合わせがなされたと思うのでありますが、どういうふうな具体的な方法をおとりになるか、どういうふうなお取りきめをなさったか。八月十九日ということを伺っておりますが、その会議の結論というものは、どういうふうな具体的な方法をお出しになるということになりましたか。 特に寄港予定地が佐世保、横須賀というふうに聞いておりますが、このような人口稠密な都会の地に、こういうような非常に危険な問題のある——時間がありませんから一々指摘申し上げることはできませんが、原子力潜水艦が入ってくる。しかも、さっき触れましたように、出港については何ら事前の通知なしに出ていくというようなことも含めまして、どのようにして測定をなさるか、調査をなさるか。バックグラウンドの測定というものは、専門家の見解によると非常にむずかしいものである。これは放射能の測定において微量の放射能の強さというものを精密に測定しなければならない。放射能測定の技術の中において一番困難とされておることを、一カ月の間に一回や二回の調査でもって十分な測定ができると原子力委員会あるいは科学技術庁はお考えになっていらっしゃるか。十分な準備と高度の経験を積んだ測定技術というものがなければできないし、専門家の意見によると、一回や二回では測定できない。これは環境状況がいろいろ変化してくる。海流の移動の状況でありますとか、プランクトンの発生状態でありますとか、気象条件など当然季節的な変化を伴うのでございますから、ただ一カ月やそこらの調査では的確なデータを出すことができないというふうに専門家の中では言われております。それをどのくらいかかって、どのような方法でバックグラウンドの測定をなさるのか。その点を国民の前に明らかにしておいていただきたいと思います。
○愛知国務大臣 詳しいことは政府委員から御説明をいたさせますが、ただいまも御指摘のように、この点は非常に重要な点であると思いますので、原子力委員会といたしましても、政府に意見を申し述べました際に、御案内のように、原子力潜水艦が現実に入港する前に港湾における放射能水準の調査ということと、それから停泊中の原子力潜水艦の近傍における放射能のモニタリングと、それからわが国近海の放射能水準の調査、これがどうしても必要である、そのためには関係各省ができるだけの努力をもって対処しなければならないということを勧告いたしました。これを受けた政府側といたしましては、この三点を中心にいたしまして、たとえば水産庁とか気象庁とかというところの具体的なバックグラウンドの調査あるいは将来におけるモニタリングのやり方その他について、科学技術庁が調整役になりまして、関係省庁から必要な予備費の要求もし、これも一部分すでに決定をいたしたわけでございますが、抜かりなく調査にすでに当たりつつあるわけでございます。 それから、大体少なくとも一カ月はバックグランドの調査にかかるというふうに当初から考えておりましたが、期間としてはまず一カ月以上の期間におきまして十分の調査をしていきたい、こういうことで関係各省庁の間に十分な連絡をとりつつ準備を進めておるという段階にあるわけでございます。詳しくは原子力局長から御説明いたしたいと思います。
○村田説明員 関係各省庁では、政府の受諮決定がございました八月二十八日以後数回にわたりまして会合を持ちまして、具体的な港湾並びに近海における放射能調査計画をつくっております。それによりますと、事前調査、つまり最初に原子力潜水艦が寄港いたします前に行ないます調査としましては、二一程度行なう。それから、事後調査につきましては、これを定期調査と臨時認否に分けまして、定期調査といいますのは原子力潜水艦の第一回の寄港以後、その後どのように寄港するかということとは無関係に、定期的に行なう。それから臨時調査は、原子力潜水艦の寄港のつど行なう。そのつど、寄港前、中、並びに先ほど西村委員お話しございました出港の直後、その三回ずつ行なう。こういう計画で進めております。 これらの事前調査、事後調査につきましては、海水、海底土並びに海産生物につきまして所要の資料を採取しまして、それぞれの持ちます放射能のレベルを分析いたすわけでございます。それから、近海につきましても定期的に調査をいたすように計画いたしてございます。 なお、御質問の中で、このような非常に精密な放射能調査について十分な備えがあるのかというようなお話がございましたが、御承知のとおり、政府ではすでに数年前から環境並びに食品等の放射能調査を年々計画に従ってやってきております。大体年間約一億円の経費を支出しまして環境の調査をやってきております。ただいま申しましたような資料等の分析技術も非常に進歩いたしております。これらの放射能の分析技術につきましては、私どもも世界的レベルにあるものと考えております。
○西村(関)委員 ただいま科学技術庁長官のお答えの中では、二つに分けて調査するというお話でございましたが、いま原子力局長の御答弁では、もうすでに年間を通じて一億円の予算をもって調査ができておるし、十分な資料もできておるということでございます。 しかし、いま問題になっているのは佐世保とか横須賀とかいうような、アメリカ原子力潜水艦の寄港が予定されている地域に対するバックグラウンドの測定の問題でございまして、日本全体の問題としての資料はできておりましても、そういう点についてはなおさらに、一カ月以上ということを長官がお答えになっておられますが、専門家の見解ではどうしても一年くらいはかかるだろう、かかるというふうにいわれておると聞いております。一カ月以上、以上といえばこれはなかなか意味のあることばでございますけれども、こういう点についても、いま、それならば一カ月以上というのはいつまでかといったようなことを私は伺おうと思いませんが、慎重な上にも慎重なバックグラウンドの測定をなさらないと、またそれが国民の納得のいくような調査の資料が出ないと、原子力潜水艦がかりに寄港するといたしましても、その後の放射能の問題についての科学的なデータ、原子力潜水艦が入港してから後の放射能の状態を測定するのと対比する科学的なデータにはなかなかなりかねると思うのでございまして、これは単に言いのがれのためのバックグラウンドの測定であって、国民の目をごまかすための測定であるというふうにとられましてもしかたがないと思うのでございます。こういう点につきましては、日本の科学者の意見も十分に聞いて、納得のいくような測定をなさることが必要ではないかと思います。 私は、同僚の委員の皆さんがたくさん質問を用意しておりますから、お伺いしたいことはなおたくさん残しておりますけれども割愛させていただきますが、最後に長官にお伺いをいたしたいのでございます。 原子力委員会の委員長として、今回の決定をなさるにあたっての委員会の方針は、すべてアメリカ側が約束していることを守るという保証の上に立っている、その前提の上に立っているということでございますが、そのアメリカ側が言っているところの保証またはその委員会が前提としておられます点につきましても、私はいろいろ問題を感じておるのでございまして、その問題点についてここで解明をいただく時間的な余裕がございません。ただ残念に思いますことは、日本のほとんどすべての原子科学者が心配をしている、いまなお疑問を持っている、これだけの資料では十分に納得がいかない。原子力委員会の見解では、安全性の点だけにしぼって考えても、原子炉の安全性また第一次冷却水の排出に関する安全性の問題、さらに事故があったときの安全性の問題といったような点について、日本の権威ある原子科学者が十分に納得してない。一、二の例外はあるとしましても、ほとんど大部分の科学者が納得をしてないというのにかかわらず、アメリカ側の言い分だけを信用して、それだけにたよってやっていくということは、あまりにも原子力基本法の平和利用という、三原則の自主性というものに対して私は委員会としてはきわめて権威を失墜する結果になるのじゃないかという心配をするのでございます。今後原子力の平和利用がますます盛んになってまいります。またならなければならないと思いますが、そういう場合において、権威ある原子力委員会の信用がこの点において失墜をいたしますならば、わが国の原子力開発、平和利用に対する開発に一大障害を与えるのじゃないか。私は、アメリカ原子力潜水艦の寄港の問題と離れて、そういう点はかつてのデンマークの原子力委員会がとりましたようにき然たる態度で、科学的な、あくまでも科学的な判断に立って、そこには長官はいささかも政治的な判断をまじえてない、あくまでも原子力委員会の精神、機能に立って科学的な見地から結論を出したというふうにお答えを出しておられますが、どうも私どもといたしましては政治的判断が勝っておるというふうにしかとれないのでございます。こういう点、最後に私は大臣の御所信をあらためて承って、自後の質問は別の機会に譲らしていただきたいと思います。
○愛知国務大臣 ただいまお尋ねの点につきましては、私はこう考えておるわけでございます。 原子力委員会の総合見解というものも、私は非常に良心的であると考えております。と申しますのは、最初から前提にはっきりいたしておりますように、原子力潜水艦が軍艦であるという特殊の地位を持っておる。その制約のもとにおいてなし得る限りのデータあるいは方法によって調査をいたしまして、その判断はあくまで自主的にやりましたものでありますということを明確にいたしておきたいと思うのでございます。 それから同時に、この原子力委員会としては、確かにお話のように、これから原子力がますます実用の時代で発展をすることが当然予想をされますので、原子力委員会といたしましてはいろいろの御意見や御批判を今後におきまして十分取り入れて、権威のある存在として大いに働くようにいたしたい、こういうふうな考えでおるわけでございます。
○前田委員長 次に田中武夫君。
○田中(武)委員 関連をいたしまして、一言だけお伺いをいたしたいと思います。 この原子力潜水艦の寄港を政府が承認した土台は、原子力委員会が安全性を確認した、そして二十六日に委員長から総理に口頭報告した、そういうことであるので、この原子力委員会の安全性の確認ということは重要なものであり、また責任は重大なものだと思うのです。 そこでお伺いいたしますが、この原子力委員会が安全性を確認したのは、あなは原子力委員会設置法のいかんにかかわらずというようなことを言っておりますが、一体どういう権限においてなされたのか。あなたが総理に二十六日口頭をもって報告せられたのは設置法の三条による報告なのかどうか、その点をお伺いいたします。
○愛知国務大臣 これまた私率直に報告を申し上げておりますように、純粋に法律論から申しますと、これが原子力委員会に与えられた職責であり責任であるかどうかという点については御意見もいろいろあろうと思います。しかし同時に、政府の機関といたしまして原子力の安全利用ということ、あるいは放射能の害から国民生活の安全を守りたいということについては国民的な御期待を負っておる、こういう確信のもとになし得る限りの誠意を尽くした努力をいたすべきであると考えておるわけでございます。したがって、一年八カ月前でございますか、昨年の初めにも、政府としても、文書等によって原子力委員会の見解を求められたことはないようでございますけれども、一年八カ月間にわたってできるだけの努力を続けてまいりました。そしてこれがその後、外務省を通じてあるいはその他によって総合判定をなし得る状況になりましたので、判断をいたし、その結果を口頭で委員長から総理大臣に報告をした、こういう状態になっておるわけでございます。
○田中(武)委員 言われることはわからぬことはありません。あくまでも原子力委員会は、原子力委員会に与えられた法律的な権限ではないけれども、国民を放射能から守るという崇高な使命の上に立ってやるべきであるということであり、そしてその結果をあなたは報告した、こういうことなのですが、確認しておきます。あくまでも原子力委員会の決定は法律的効果があるものではない、同時にあなたの報告はこれまた法律的な裏づけがあるものではない、このことだけを確認しておきたいと思います。
○愛知国務大臣 正確に申しますと、設置法に基づく法律的な勧告というものではございません。
○田中(武)委員 原子力委員会の機構なり権限、任務等は設置法であるわけなのです。設置法に基づかない行動というのはどこから出てくるのですか。
○愛知国務大臣 それは先ほどお話し申し上げましたことで御理解願えるかと思います。
○田中(武)委員 私の言っているのは、原子力委員会が良心的にやった、こうい伊意味に解釈します。それはいい。しかし、やったこと自体が法律的な効果を持たない。あなたの報告も法律的な効果を持たない。したがって、閣議は二十八日に、原子力委員会から安全性の確認についての報告があったので云々ということは、法律的効果のないものであったということだけを確認していただけるかと言っているのです。
○愛知国務大臣 これは政府の寄港を認めた声明等にあると思いますけれども、原子力委員会の意見をも徴してと書いてあると思います。その徴してというものは、法律に基づく勧告を求めたり、あるいは法律によって正式に諮問をされたものではございませんから、そういう意味で行動いたしましたということを繰り返し申し上げます。
○田中(武)委員 意見を徴してですが、それじゃ原子力委員会に諮問ありましたか。
○愛知国務大臣 先ほども私申しましたように、これは私就任前のことですから、手続がどうなっておりましたかはつまびらかでない点があろうかと思いますけれども、正式に書類等によりまして意見を求められた、あるいは法律第何条によって意見を求めるというような諮問のあり方は受けたことはございません。ただ、御承知のように、総理はじめ政府側が原子力委員会の意見も聞いてみたいと思っておるということは国会でもしばしば申しておったようでございますが、そういうふうな背景を受け、かつ原子力委員会としては先ほど申しましたような使命を感じますがゆえにこういう行動をいたしました、こういうわけでございます。
○田中(武)委員 ぼくは、安全性の問題について検討する、あるいは国民を放射能から守るという崇高な使命達成のために検討を続けてきた、そのことは意味がないとは言わないのです。当然やるべきことなのです。しかし、原子力委員会が安全性を確認したということ、それをあなたが総理に八月二十六日に報告したということ、このことは何ら法律的な根拠があるのでなく、そういう権威、いわゆる原子力委員会としての権威はどうか知りませんが、法律的権威のないものである、このことだけを申し上げて、あとでまたあらためてやります。
○前田委員長 次に、山内広君。
○山内委員 科学技術庁長官にお尋ねしたいのですが、せっかく防衛局長がお見えになっていますし、しかもおかげんの悪いところを無理を押して来ていただいておりますので、最初に若干防衛局長にお尋ねをして、あと休んでいただきたいと思います。防衛庁長官から非常に信任され、この潜水艦については非常な権威者として、潜水艦にも乗られ、サブロックも十分勉強されてこられたそうでありますから、ひとつしろうとの私に教えていただきたいと思います。 このサブロックは、公表されているところによりますと、全長が六・四メートル、直径が五十三インチということになっていますが、重さは何トンくらいあるのでございますか。
○海原説明員 重さは千八百キロでございます。 ただいま先生直径五十三インチと申されましたが、これは約五十三センチ、二十一インチでございます。
○山内委員 そこで、なぜこういうことをお尋ねしたかというと、どうも政府はサブロックというものをベレー帽をかぶるときみたいに、必要がなくなったらすぐポケットに入れて、また必要があったらかぶる。日本へ入るときは核弾頭だけはすぐ取りはずして入ってくるのだ、非常に簡単な表現をしておるわけです。私はなかなかこれはむずかしいと思う。千八百キロもある重さのものを、しかも潜水艦というものは説明するまでもなく、潜水したときの水の圧力に耐え得るようにいろいろな窓というものは締めて、つとめて安全確保をやっておるわけです。この千八百キロもある、しかも六・四メートルもある大きなものをかりに船へ積み込むときを見ますと、これは写真で見たんですが、大きなクレーンでもって非常に慎重に、これは核を積んでおるのですから、慎重に積み込んでおる。出すときも私はそうだと思う。 局長さんにお尋ねしますが、一体そう簡単に、ベレーみたいに、日本に入ってくるからといってちょっとどこかへ置けるものですか、その辺の取り扱いの問題をちょっとお聞きしたい。
○海原説明員 このサブロックの重さは、先ほど申しましたように千八百キロ、約二トン近くのものであります。これを持ち上げることのできる装備がございますと、積み込むということは決して因難ではございません。普通の無宿は長さがやはり約六メートルでございまして、普通の魚雷の重さは大体サブロックより約五百キロぐらい少ない千三百キロ程度のものでございます。これも積み込みますときにはやはりクレーンのようなものがございまして、兵隊が七、八名これに介添えをして積み込んでおる。これも写真にございます。したがいまして、たとえば潜水母艦であるとかいうようなところからこの潜水艦に積み込みますことは決して困難ではございません。 御参考までに申し上げますと、例のポラリス潜水艦に積んでおりますポラリスというミサイルは、重さがA1型が約一万二千七百キロ、それからA2、A3型は約一万三千六百キロ、すなわち十二トン、十三トンの重さのものでございますが、これは全部潜水母艦から積み込んでおります。 繰り返しますと、そのような二トン程度の重さのものが一応自由に取り扱える設備さえございましたならば、その積み込み、積みおろしということは決して困難なことではございません。
○山内委員 それから、ノーチラス型——あとでこれも少し詳しく聞きたいと思いますが、これは同じ発射管を使う、そういうことでこのサブロックと普通の魚雷を一緒に積んでくる、そうして日本に入るときはそのサブロックだけを置いてくる、そういう宣伝が、政府がやっているのかどこでやっているのか、新聞でも書いておるのですが、一体これがほんとうなのかどうか。しろうと考えですけれども、サブロックを発射する場合にはソーナーとかその他誘導管を持ってくるのですから、いろいろな計器やそういうものを装備しなければいかぬ。普通の魚雷のようなわけにはいかぬと思うのです。そうしますと、かりに長さと直径が当てはまったにしても、私はそう操作がうまくいくとは思わないのですが、この辺はどうですか。今度はサブロックを打ち上げる、その次はこっちと、そう簡単にいくものですか、この点をちょっと……。
○海原説明員 何分にもアメリカにおきます最新の兵器の取り扱いでございますので、私どもも一応アメリカ国会におきますところの質疑応答あるいは関係の専門誌等の記事を判断いたしましてのことでございますので、ひとつそのように御了解願いたいと思いますが、サブロックを発射するための発射管制装置、あるいは目標を識別しますところのソーナー関係の装置というものは、当然に一般の魚雷の発射にも使えるものでございます。したがいまして、アメリカ側におきましても、このサブロックと一般の魚雷とは混載されるのではないか、こういう推測がございます。 しかし、この点につきましては、従来他の委員会でも大臣方から御説明しておりますが、サブロックという兵器は、もともとはミサイルを発射しますところの原子力潜水艦というものの脅威に対抗するということが主目的で開発されたものでございますので、サブロックというものを常時潜水艦に積み込むかどうか、これは米海軍の方針の問題でございます。したがいまして、一般に核兵器等につきましては厳重な管理統制のもとに現在の体制がとられておりますので、私どもといたしましては、このサブロックが実用段階になりましても、これが常には潜水艦に搭載されて行動する、こういうふうには判断いたしておりません。
○山内委員 そういう意味の御答弁は、前の内閣委員会でもお開きしました。 そこで、私もこういう時代になって初めていろいろなものを少し読まされたのですが、ノーマン・ポルマーという人の書いた本によりますと、こういうことを書いておるのです。これはあるいは本が違っておるかもしれませんが、あなたもこの前内閣委員会でお話がありましたとおり、年内約三十発くらい試射をやってみる、そうしていよいよ実用の段階に入る、こういうことなんです。なぜそれほど試射を厳粛にやらなければならぬか、どうしてこのサブロックがいろいろな製造に支障を来たしておるかという理由に、ノーチラス型はまだサブロックというものが考えられないときにできた船です。それの発射管に合わせるようにサブロックをつくるために、長さも大きさも制約があるのだ。その中であれだけの機能を発揮するために、試験をやってみると、あっちが悪かったり、こっちが悪かったりして、非常に壁にぶち当たっておる、こういう記事を読んだのでありますけれども、この辺の関係はどうですか。
○海原説明員 ただいま先生のおっしゃいましたように、確かにアメリカの海軍当局の出しております説明書の中にも、このサブロックの開発につきましては先ほど申しましたソーナー関係あるいは発射管制等の装置以外に、いま申し上げましたように、通常のいわゆる標準型と申しておりますが、二十一インチの魚雷発射管、しかも大体長さ六メートル、こういう型の中にこれだけの性能を持ったものをつくり上げるということに非常にその困難があった、こういうことを書いてございます。しかし、それはノーチラスに積むからということではございませんで、御存じのように、アメリカとしましては、ポラリス潜水艦も含めまして一応現在八十六隻という原子力潜水艦の見当というものを持っております。これは装備します魚雷発射管というのは、一応当初から計画されましてこの二十一インチ、五十三センチのものが前提となっております。できますればこういうものに装備することにしたい。特にこれはまだ決定されておりませんが、ポラリスミサイルを発射しますポラリス潜水艦にこのサブロックを積み込みたい。そうすることによって、ポラリス潜水艦というものが攻撃の面におきましても防御の面におきましても著しくその能力を増大するわけであります。したがいまして、そういう面から二十一インチの魚雷発射管に適合させることを考える、こういうふうに私どもは判断いたしております。
○山内委員 これは私の想像ですが、私もそうじゃないかと思うのです。そうしますと、ノーチラス型に普通の魚雷とサブロックを混載した場合、さっきもお尋ねしましたけれども、同じ発射管を使うのでなくて、たとえば発射管が六基、右、左に三つずつあるとすれば、これは別々に使用しなければならないと思うのですが、その辺はいかがですか。
○海原説明員 現在つくっておりますスレッシャー・タイプのものは、発射管は四つでございます。これは一般の資料によります。したがいまして、この四つの中にどういうふうに装備するかということにつきましては、これもまだ米海軍としても決定してないようでございます。 ただ、おっしゃいましたように、別々に発射するということは、別の発射管制装置を使わねばならないかという問題につきましては、その必要はないということをはっきりアメリカのほうの解説書に書いてございます。
○山内委員 ちょっとさっきも明快なお答えがなかったのですが、千八百キロのサブロックの積みかえの問題です。確かに母艦があればそれが設備でドックとしてあとをついて歩いているのですから、これは私はいいと思うのですが、核弾頭、これは簡単に潜水艦の中で普通のものと取りかえ、あるいはサブロックと取りかえを、ハンマーでたたいてすぐ取りかえるような簡単なものじゃないと思うのです。そのつけかえとかそういう操作は艦内でできるものですか。
○海原説明員 ただいまおっしゃいましたような意味でのつけかえということは、できないものと私ども考えております。
○山内委員 そうしますと、こう私ども解釈して一応間違いないと思うのですが、混載した場合、日本へ行くのだからすぐそのサブロックだけをよそへひょっと置いてくる、こういうことは簡単にいかない、こう解釈していいのですか。
○海原説明員 おことばの中にあります簡単ということばでございますが、これはそう長時間を要するものでございませんので、特にこれは先般も御説明したかと思いますが、第七艦隊が動きます場合には通常弾薬補給のためのいわゆる弾薬艦というものが随伴いたします。潜水艦につきましては潜水母艦がございますが、こういうものからの積み込み、積みかえというものは、洋上の状態が非常に静穏であれば決して困難なことではございません。
○山内委員 この前の内閣委員会でお聞きしたのですが、そうしますと、集団で演習をやって、そして演習が終わって、日本が近いから日本の港へ来て静養する。そうしますと、この原子力潜水艦だけは核武装しているので日本へは来れない。しかし戻すわけにはいかない。そういうことになりますと、これは母艦に積みかえをやって、そして入れてくるよりほかはないと私は思うのです。あなたのいまの答弁からいってもそうなると思うのですが、その点はどうですか。
○海原説明員 たびたびお断わり申し上げておりますように、サブロックを実際どういうふうに使用するかについてはまだきまっておらないことでありますが、一応いままで私が申し上げましたことを総合いたしますと、いま先生のおっしゃったようなことに相なるかと思います。
○山内委員 そこで大事な点になりますが、いま原子力の潜水艦は、核武装しておる場合には日本へ入ることができない、そういう答弁がしばしばされております。一応これを肯定するとして、母艦に積みかえた場合のその母艦は、それでは日本の港から離れて領海外にとどまらねばならぬことになりますが、その点については、これは委員長のほうからもその御見解を承っておきます。
○海原説明員 私は現実に母艦が、あるいは弾薬艦が核弾頭を持って入ってくるということを申し上げたのでございませんで、日本にもしその潜水艦が入ってくる場合に、かりにそれがサブロックを積んでおれば、それを取りはずして母艦に積むということはあり得るかという御質問でございますので、そういうことはあり得ると申し上げた次第でございます。
○山内委員 そこで、そうびくびくせぬでいいと思うのですが、その母艦に積みかえた、母艦が今度は核武装を一応持つことになりますね。そうするとそれも同じく日本の港へ入れぬでしょう。そういうことになりますと、艦は核弾頭を取りはずしたから入れるけれども、母艦は入れない、このことをはっきり確認されておるのか。これはむしろ長官のほうでいろいろいままでアメリカとの折衝の場合に、そういうことなんですから、そこまで取りつけなければいかぬですよ。いかがですか、それは。
○愛知国務大臣 これはもうしばしば政府側で申しておりますように、核武装したものは入れないということは、もうしばしば言明しておるとおりでございます。
○山内委員 そうしますと、これは別に防衛局長をつるし上げるのじゃないのですけれども、日本へ潜水艦を入れるという目的は、この前の話では、集団でもって練習をやった、そこで終わって艦隊と一緒に入ってくるのだという前提でお話があったわけです。そこで、私はいまのようなことをしつこく聞くわけです。いかがですか、母艦に積みかえるのか、それとも隠れてそっと入ってきて、積んでいませんといって潜水艦自体が隠すのか。その辺なんですよ。
○海原説明員 ただいまの御質問と私の従来の御説明との関連のもう一つ背後にございますのは、私どもは第七艦隊が日本の近海で演習をする、そういうようなときには、核弾頭というものは持ち歩いていない、こういうふうに判断するわけでございます。これはたびたびの機会において申し上げてございますが、平時におきまして常時核装備をしておるものは、B52とICBMとポラリスだけである。それ以外のものにつきましては厳重な管理統制下にあるので、平生何ら事がないときに、その付近で演習をするようなときに核弾頭を持ち歩いておるとは考えられない。したがいまして、サブロックを装備し得る原子力潜水艦が演習に参加しておる場合には、いま御提示になりましたような設例はまずないと思うわけでございます。もしそういうサブロックを積んでおって、それを潜水母艦に積みかえたとなれば、潜水母艦は入ってこれない、入らないということは当然のことであります。
○山内委員 いや、そんなことはこれから議論すると長くなりますけれども、それは防衛局長はよく知っていてそういうとぼけたことをおっしゃっていると思う。いまの原子力潜水艦の一番の魅力というのは何ですか。飛行機からも見えない、敵からも探知されないように、海の中をほとんど四六時中歩いて、いつでも戦争になった場合にはボタン一つで先制攻撃を加えられるところに魅力があるのでしょう。こういうふうに国際緊張が高まってきて、練習だからといってアメリカの向こうに原爆を置いて、そしてから手で練習するなんということは考えられませんよ。いつでも有難の場合は備えができるように歩くのが常識でしょう。しかしこれはやりとりですから、このことの論争はまたあらためてやることにしましょう。 それではもう一つお聞きしておきます。 この寄港の目的というのが示されておるわけですが、これによりますと、乗り組み負の休養と補給ということになっておる。ところが、いままでの大臣の答弁などは、補給ということばを給水と使っている。これはどっちがほんとうですか。公文書の中には補給とありますから、これは補給に間違いないと思う。給水なら水だけです。補給となれば水以外のものもあると思う。念を押すのですが、いかがですか。
○竹内説明員 八月十七日付のアメリカ側のエード・メモワール、覚え書きには、寄港目的は乗り組み員の休養及びレクリエーション並びに兵たんの補給及び維持にある、これが正確だと思います。
○山内委員 そうしますと、水でなくて兵たんの補給ですか。これは非常にこれからの議論で大事なことなんで、水のほかにどういうものを考えておるのか、あわせて内容を説明していただきたい。
○海原説明員 条約とか協定の解釈ということでなしに、通常私どもが考えております兵たんということばの中にはいろいろなことが入ってまいります。しかし、現実に今度の原子力潜水艦につきましては、私は主としては水であろうと考えます。ということは、たとえばポラリス潜水艦は、イギリスにはホーリーロックというところに基地を持っております。ここではもっぱら水ばかりを調達しております。したがいまして、一般的には、この補給の中には水のほかに生鮮食料品等も含まれると思いますけれども、はたしてアメリカ軍の軍艦が日本に入ってきて生鮮食料品等を調達するかどうかということにつきましては、現在ドル防衛とも関連いたしまして、一般のクラブにおきましても冷凍品が使われている状況でございますので、一応生鮮食料品等も入るわけでございますが、はたしてそれが調達されるかどうか、これについては疑問がございます。したがいまして、結論的に申しますと、さしあたり考えられるものは水である、こういうことであります。
○山内委員 それでは水のほうからお聞きしますが、二カ月にわたる長い潜水の行動ができるので、いろいろこの原子力潜水艦という木の解説を見ましても、みずから水をされいにする、海水までも使える、しかも原子力に使う水というのは不純物を含んではいかぬ、なおさら水の問題は十分真剣にきれいな水を……、とこういうように書いてある。それを日本へ持ってきて水を補給するというのはどういうことですか。
○海原説明員 原子力潜水艦の中には水をつくります装置を持っておりますが、御存じのようにこれは非常に高価なものでございます。継続的にこれを使用するわけでもございません。通常の潜水艦におきましても、私どもの海上自衛隊の潜水艦におきましても真水をとる装置は持っておりますが、できるならば通常の水を使用することのほうが経済的でございます。さらには、御存じのように水にはいろいろな味もございまして、やはり一般の水のほうがおいしい。これは余談でございますがそう聞いておりますので、原子力潜水艦の中でつくる水だけにたよるということは非経済的であるということが第一の理由だと考えております。
○山内委員 水の問題はもう少しあとでもう一ぺん別の角度からお聞きしたいと思うのです。 一つは乗り組み員の休養の問題です。この前局長からこういう御説明があったと思います。この乗り組み員はゴールドとブルーという二組で交代勤務、ダブルハンド・システムをやっている、そういうふうな御説明でしたが、そうでないですか。——それでは御説明いただきましょう。
○海原説明員 先般ゴールドとブルーの二組で交代で勤務すると申しましたのは、これはポラリス潜水艦についてでございます。ポラリス潜水艦の行動は、一たん基地を離れますと約二カ月間というものはどこにも寄らないで行動をしている。それが二カ月後に基地に帰ってくれば、今度は待ちかまえておった別の乗り組み員が乗り込んで出て行きます。こういうことで常時哨戒を継続しておりますので、二組が交互に乗り組んでおりますが、一般の原子力潜水艦についてはそのようなシステムはございません。
○山内委員 ポラリス潜水艦はもう初めから日本に来ないことはわかっておるので、これは議論の対象にならなかった、そのときにあなたからこういう説明があったので、私は全部そういうふうになったのかと思った。たしかこの本の中にもそういうダブルハンド・システムだということが書いてあります。 そうしますと、ノーチラス型の勤務はどういうふうになっておるのですか。
○海原説明員 いわゆるノーチラス型の原子力潜水艦の乗り組み員につきましての勤務制度は、私の承知しております限りでは単一のものでございます。ポラリス潜水艦のように、いまおっしゃいました二組が交互に乗るということはございません。一般の潜水艦と同じような勤務をとっておる、このように承知しております。
○山内委員 一般がどういうふうになっておるか私はわからぬので、これはお聞きしなければならぬと思うのですが、このノーチラスは何十日だって潜航して歩くのですよ。任務はやはり潜航のほうが主なんです。その点は、ただポラリスという特別な発射ミサイルは別として、勤務は同じだと思うのですが、その点違いませんか。
○海原説明員 同じことを繰り返して恐縮でございますが、ゴールドとブルーという二組で勤務するということは、これは先ほども申し上げましたように常に臨戦体制にあるアメリカの戦略報復打撃部隊の一つであるポラリス潜水艦部隊についての特有の制度でございます。したがいまして、それ以外の潜水艦につきましては一般の船と同じでございます。具体的にどういうシステムになっておるかは私承知しておりませんが、一般的に申し上げますと、たとえば第七艦隊の所属の将兵というものは六、七カ月海上で勤務いたしますと、これは本国の母港に帰りまして、そこで船の手入れもする、乗り組み員も休養する、こういうような勤務制度をとっておると承知いたしております。
○山内委員 先ほどちょっと質問が出ておりましたが、入港の場合は二十四時間の予告である、出港のときは予告がない、これは重要な問題だと思うのです。なぜなら、出たあとのいろいろな調査もしなければならぬので、当然そういう必要があると思うのですが、この出るときの予告がないというのはどういう理由ですか、もう一度お聞かせ願いたい。
○村田説明員 先ほど兼重委員からも御答弁があったかと思いますけれども、入ってまいります際は、当方としましては、いつ来ることになりますか、米国側のことでございますので全然わからないわけでございます。そこで常時放射能調査を先ほど申し上げたような計画に従ってやるわけでございますが、いつのいつごろ入ってくるということがあらかじめわかりますことは、その計画を完全に施行する上に非常に有益なわけでございます。 さて、入りました後に出港いたしますときには、そこにおるものが出ていくわけでございますから、あらかじめ通報がございませんでも、わがほうとしましては出ていったときはわかるわけでございます。出ていきましたあと行って調べるということは、入港のときと違いまして、できると思います。先ほどの説明の際に申しましたような臨時調査におきましては、このための調査船を配置いたす計画でございます。この調査船は常時佐世保なり横須賀なりにおるわけでございまして、寄港されました潜水艦が出ていきますときには、そのときにその調査船が停泊地域を調査する。こういうことでございますので、特に出港時の事前通報はありませんでも支障はないものと考えております。
○山内委員 あなたのところは支障ないといっても、これのためにいろんな施設をしたり、船員の休養を当て込んでいろいろ民間の事業も行なわれる。出てくると何日いるかわからぬとわかるじゃ、たいへんな違いです。この前は外務大臣から、入港の場合は公表する、向こうから二十四時間前にあればこれは公表すると言っているのです。ですから、出るときに公表というものがあれば、国民も安心して、いろいろそういう人たちを相手の商売もできると思うのですが、これはどういうわけで予告をとれぬのか。それは出ていっていなくなればわかるのはきまっていますよ。これはもう少し外交的に折衝して取りきめられないのですか。
○竹内説明員 アメリカの軍艦は、地位協定によりまして、アメリカ側に提供いたしました施設に出入する場合には通告を必要としないということになっております。ただ潜水艦の場合には特別の問題であるので、入港にあたっては通報いたします。 出港につきましては、先ほど原子力局長からも話がありましたように、おるものが出るのでありますから、その点はおのずからわかるということであります。
○只松委員 関連して。 あとでもお伺いしますが、一番大きな調査は、バックグラウンドの調査、海水汚染の問題というふうな調査になっているわけですが、一次冷却水というのは、御承知のように、出港のときに出すわけですね。これは商船と軍艦、潜水艦との一番大きな違いになっておるわけです。このグラウンドの調査をやるのに、出港日を知らされないで、どうして綿密な、また厳密な調査ができますか。その点お伺いいたします。
○村田説明員 先ほども御答弁申し上げましたように、臨時調査につきまして、特に佐世保、横須賀両港に調査船を配置いたす計画でございます。この調査船は常時、調査のために必要な計器を積みまして港湾に待機いたしておるわけでございます。寄港いたしておりましたものが出ていきましたならば、そのときに直ちにその停泊地域の試料をとりまして調査する、こういうことでございます。
○只松委員 これは関連ですから、詳しくは自分のときにやりますが、常識で考えて、いま潜水艦というのは主力艦ですから、最高の軍機を要するわけですね。これが出ていくのにそう簡単にわかるはずはないし、表で調査船か何か知らぬけれども待機して、それが潜水艦が出ていった、何が出ていった、そんなに簡単にわかるものじゃないだろうし、あるいは夜出ていくということもあるだろう。いまのようなごまかしで、何か表に調査船が待ち受けていて、佐世保港、横須賀港から出ていったあとをすぐ調査する、そういうばかげた子供だましみたいな答弁はやめてください。そういうことはできないわけです。そういうことじゃなくて、入港のときには国民にも公表する、政府にも通報する。しかし出港のときには、たとえば政府なら政府に、国民には公表しないけれども、通報するというぐらいの、もう少しおとなの論議なら別として、出ていくときには外で船が待ち受けて、すぐ佐世保港内の汚染調査をいたします、そんなことはあり得ないと思うのです。ですから、もう少しまともな答弁をしていただきたいと私は思います。 重ねて聞きますが、一次冷却水の海水汚染その他を、そういうふうに外で船で待っておって、出ていったあとですぐそういう調査をするのですか。調査方法というものは、そういうちゃちなものですか。
○愛知国務大臣 この点はいまさら申し上げるまでもございませんが、覚え書きの中にも取り上げてありますように、停泊水域及び原子力潜水艦が停泊中は、その近傍における放射能のモニタリングを行なうというその一番の大原則といいますか、一番大事なところが押えてあるように私は思います。先ほどアメリカ局長から御答弁申し上げましたような関係もございまするので、出港のときに特に事前何時間前に通報ということまではいっておらないわけでございます。
○山内委員 この問題、それでは一点だけお聞きしますが、いまちょっと関連質問にも出ておるのですが、こういう自分のからだを秘匿しなければならぬ、しかも最も有利な条件にある潜水艦が、実は入港二十四時間前に予告して入ってくる。これは練習であり、平時であれば考えられますけれども、戦争になったらこんなことは考えられも何もしないわけですね。したがって、この二十四時間というものは、少し緊迫してきて情勢が変わると、この予告というものはなくなるかと思うのですが、このアメリカとの約束というものは、平時の何にもないときだけであって、危険になってきたらこういうものはほごにされると考えていいのか。また潜水艦がほんとうにあのときは入ってこないのか。その点をもう少し明らかにしておいていただきたいと思います。
○竹内説明員 アメリカ側の声明にございますように、「合衆国海軍は、通常、受入国政府の当局に対し、少なくとも二四時間前に、その原子力軍艦の到着予定時刻及びてい泊又は投錨の予定位置につき通報する。」こういうことでございます。
○山内委員 その問題もまだ議論はありますけれども、後日に譲ります。防衛局長にはほんとうにおからだの悪いところを押して出ていただいて恐縮でございます。私の質問は終わりましたから、どうぞゆっくりお休みください。 次官が来ておりますが、一点だけ、これは事務的なことになるのですが、先ほども若干は出たのですが、原子力委員会は一体何回ぐらい開かれておるのか。特に原潜の問題ができましてから、先ほど長官の御答弁のように、みずから買っても、国の安全のためにはり切っておやりになる。結果のよしあしは別として、その点については当然だと思うのです。そこで、いただきました原子力年報を見ますと、三十八年度一カ年間で、ちょっと見たのですから見落としがあるかもしれぬが、七回お開きになっておる。この中でこの、原子力潜水艦についての御討議を何回なさったか。事務的にひとつお聞きしたい。
○村田説明員 山内委員の御指摘の七回というのは、どこからどういうふうな数字として出ておるのか存じませんが、原子力委員会は大体定例といたしまして毎週一回開いております。もちろん緊急の場合には、そのほかにも臨時に開くわけでございますので、大体年間五十回程度の委員会は開かれております。 昨年この問題が起こりまして、そして八月二十六日の決定に至ります間におきまして、原子力委員会定例委員会において潜水艦問題を御討議いただきましたのは、大体二十二回であったと思います。
○山内委員 これは三十八年度の原子力年報の付録から私は当たったので、これはもちろん週一回義務づけられて法規にあるのですから、やっていなければおかしいと思うのです。 そこで、長官が七月に就任されまして、これ以来何回御出席になって、その間で何回ぐらいこの問題で御討議になったか、ちょっとお聞かせ願いたいい。
○愛知国務大臣 私就任いたしましてから、八月二十六日までの間に、正式の委員会は三回開いております。それからなお御承知のとおり、原子力委員には常勤、非常勤と分かれておられますけれども、常勤委員の方とは、ちょっと記憶がないぐらい、しょっちゅういろいろと御相談いたしております。
○山内委員 会議録は明らかに分掌規程によって整備されておりますか。いつでも見せていただけますか。
○村田説明員 定例会議の議事録は整備してございます。
○山内委員 それから、新聞などでは、原子炉の安全専門審査会、これに一ぺんもはかっておらないという報道をされておりますが、この真偽はいかがですか。
○愛知国務大臣 これは先ほども触れたつもりでございますが、原子炉安全専門審査会は、国内の原子炉を中心として、実際自分で実地調査ができ得るような調査方法がとり得る場合に活動していただくというのが原則でございますので、今回の場合は、先ほど申しましたような調査方法によりましたので、あからじめ原子炉安全専門審査会にはおはかりすることはございませんでした。
○山内委員 それはおかしいと思うのですよ。別に法的な諮問事項でないものまでも進んで、長官が国民の安全を守るためにおやりになっている原子力委員会で、そして総理に答申までされているのに、少なくとも——メンバーを見てみるとわかるのですが、この原子炉安全専門審査会というのは、おそらくその道のエキスパートが相当おられると思うのです。そういう人たちに、かりにアメリカのほうから軍機として詳細な説明がないにせよ、いま調べようと思えば、原子炉だってアメリカからある程度のものは確かにとれるはずです。これはおはかりにならぬということは、これはどうも解せないのですが、その点の考え方はいかがですか。
○愛知国務大臣 その点は実は私もいろいろ考えたのでありますけれども、原子力委員会としてでき得る限りの調査、勉強をいたせば十分であると認定をいたしたわけでございます。 なお、これはお尋ね以外でございますが、政府が決定をいたしましてから以後の日になったかと思いますけれども、安全専門審査会という形ではございませんが、ここに専門家として出ておられるような方々に対しましては、十分ここに至ります経過も御説明をし、それからいろいろとまたわれわれの注意になるような御意見を求めておるわけでございます。
○山内委員 実は持ち時間がもうきておりますので、非常に残念ですが、きょうはこの八月二十八日に原子力委員会でおまとめになった「合衆国原子力潜水艦の寄港問題について」、それからアメリカの覚え書きとか、そういうものを対照してみて、私は実に奇異な感じを抱き、ぜひ比較検討した議論をするつもりでおったのです。ところが、時間がきてしまいまして、実はさっきもちょっと話が出ておりましたが、原子力委員会の自主性は一体どこへいったのか、民主性はどこへいったのか、これはほんとうをいえば、それを先に明らかにしてから議論すれば非常にいいのですが、順序が逆になりました。 一つだけ、失礼な言い方ですが、こういう情けない原子力委員会にもどこかに良心の芽がまだ残っているだろう、私はこの科学技術庁月報を最近のものをずっと取って読んでみたのです。ところが、一つ非常にいいものを私は発見しました。それは昨年の四月の八十号ですが、その小さいところに、「合衆国原子力潜水艦の寄港について」という原子力局調査課がお書きになったものがあります。これを見ますと、これは文章もあまり上手でないというか、とりょうが非常にむずかしいのでありますけれども、少なくともこの中に流れておる思想というのは、これはいまお書きになった八月二十八日のこの統一見解から見れば非常にりっぱなものです。一年半も過ぎておりますから、帰ったらもう一度お読みになっていただきたい。最初のほうは原子力基本法の第二条の、原子力の研究、開発というものはあくまでも平和の目的に限るということを前段にはっきりうたって、そして軍艦であるから手はつけられぬけれども、少なくとも承諾するのであれば次のことをやるべきだといって、非常に明瞭な意思表示がされておる。委員長は就任して日が浅いのですから、ここだけはぜひ読む必要があろうかと私は思う。 外国原子力潜水艦の寄港については、安全性の面を重視すべきであると考える。すなわち、外国原子力潜水艦の寄港を認めようとする場合においては、軍艦としての国際法上の地位を勘案しつつ、」これからが大事です。「その安全性について保証を取り付け、かつ、わが方において安全上の諸対策、たとえば、原子力潜水艦による放射性物質の廃棄核燃料の交換等の制限、入港前及び停泊中における周辺放射能の測定等の措置を講ずるとともに、万一の場合における十分な補償を確保する方途を講ずる必要があると考える。」この線でいままでおやりになった。 そこで、この内容について検討することになりますけれども、この前段のあくまでも基本法の第二条を貫くんだ、この気魄は確かにここに出ておる。いっこういうふうにだんだんと歪曲されて、最後にこれだけの資料をもって、そして「特に寄港地周辺の住民の安全上支障はないものと判断する。」という、アメリカの一方的な押しつけといいますか、これはいま比較対照して皆さんに指摘できないのは残念ですけれども、こういうふうに後退したということはどういうわけなのか。原子力局長も就任されてそう日がないのでおわかりにならぬと思うのです。確かに原子力委員会は後退しておるのです。自主性を失ってきておる。そういう点では非常に残念に思います。この点について長官どういうふうにお考えになりますか。
○愛知国務大臣 私はただいまおあげになりましたものを、まことに不勉強でございますが、まだ読んでおりません。しかし、いま読み上げられましたところを伺っておりますと、その思想は私はちっとも違っておらぬつもりであります。結局原子力潜水艦が軍艦であるということを前提として、私の口ぐせになっておりますが、なし得る限りの努力は続けた。それから補償の問題についてはいままでお話が出ませんでしたけれども、これも必ずしも原子力委員会の所管ではないと思いますけれども、これらについても十分の考えをしてもらわなければ困るということは、政府に対する総合見解の中にも触れておるようなわけでございまして、いまのお読み上げになりましたその思想は、ちっとも私は変わっていない、こういうふうに考えております。
○山内委員 補償というのは人的、物的な損害の補償だと思うのです。これはきょうは実は用意してとことん議論をしようと思ってきたのですが、できませんけれども、私は思想は変わっていない、さっきもちょっと認めておるのです。ただ非常にニュアンスとして原子力委員会が後退しておる。第二条の平和利用の目的というものが頭から抜けておる。 それではもう一つだけお聞きしますけれども、あなたのほうの立場よりむしろこれは外務大臣に聞かなければならぬのですけれども、あなたは長官としてこういう国際緊迫がアジアに発生しているときに、こういうおそろしいものが横須賀、佐世保の港の中にでんと、何日おるか、一週間おるか、二週間おるかわかりません。これは確かに安全性においては、群がれた文章の中においては安全ですけれども、きのうあそこに落ちた二つのジェット機が、わずか数マイル離れたその艦にがんと落ちたと仮定してごらんなさい。どういうことになりますか。事故というものはないという保証はできないですよ。必ずそういうことがあり得るのです。しかもこれが飛行機が落ちて死んだとかなんとかといえば、現実に人の損害も物的損害もはっきりします。ところが、放射能の被害というものは計算できないのですよ。賠償の問題——あなたはうまいことを言っているけれども、そういう時間のかかる損害、あとから出てくる補償をどうしますか。きょうはお答えいただかなくてもいい。 そういう点で、去年の四月調査課で書いたのは、いつ決定されたかわかりませんけれども、私はニュアンスとして受け取るものは、かなり原子力委員会も第二条を貫きたいという意欲があったと思うのです。それがいつの間にか後退する。あなたのほうのお出しになったこの文章は、アメリカがお出しになった文章の翻訳そのままですよ。あなた方は日本の憲法がマッカーサーの押しつけみたいなニュアンスだといって反対していますけれども、このニュアンスをごらんなさい。一言一句違っていないです。違っているところはただ二カ所だけあります。これはきょう指摘できないのは残念ですけれども、あなた方不利なところは変えて、有利なところはそのまま出しておる。 いずれそのうちゆっくり議論したいと思います。
○前田委員長 次に三木喜夫君。
○三木(喜)委員 質問者が二人連続してお話したので、かなり重複する面がありますので、私は時間の関係上できるだけはしょって要点をお聞き申し上げたい、こういうふうに思います。 しかしながら、その前提となる私の質問したい考え方は、日本の国の原子力の平和利用というこの大原則をやっぱり踏まえますときに、公開でなければならない、自主的でなければならないというこの精神は、今度の場合といえどもこれは捨て去ってはいけない、これは大原則でなければならない、このように考えるのです。そういう立場から長い間日本は、アメリカのいろいろな要請にもかかわりませず、この原子力潜水艦、特に核兵器を持つもの、こういう潜水艦の寄港は断固として断わってきたわけです。それだけでなくして、日本も核武装をしないとかあるいはまた原子力を平和利用以外に、軍事に使わない、こういうようなことに非常に意欲を持ってやってきた。絶対にやらないという確約をしてきた。そうして部分核停条約を承認し、全面核禁止、軍縮、こういう方向に進んでいきましたし、さらに日本もあのキューバの核兵器を撤退するときに、アメリカに同調いたしまして、これを非常に強調したわけです。 しかし、今度の事態を考えてみましたときに、これがはたして核持ち込みにずるずると連ならないだろうかという国民の心配は、決していま政府が説明されておるだけでは解消しない。私たちもそういう疑念を持っておりますので、以下端的に政府のお考えを聞かしてもらいたいと思う。そうでなかったら、日本が非常な決意でいままで孤高を持してきたこの考えというものが、あなた方のあやふやな考えのもとに破られてしまって、ついに禁断の木の実を食わされたということなら、これはたいへんなことですから、そこでお聞きをしたいと思うのです。 さきがた防衛庁の防衛局長のほうからお話がありましたが、原子力潜水艦はアメリカに七十四隻か何かあるそうです。その中でポラリス型のもの、それからいま問題になっておりますところのサブロックを積み得るもの、全然積んでいないもの、こう分けたとき、どういう比率になるか、それをひとつお聞かせ願いたい。
○海原説明員 先ほど申し上げましたアメリカの原子力潜水艦の数は、現在就役中のものを含めまして全部で八十六隻になるだろうということを申し上げたわけです。この八十六隻の内訳は、ポラリス潜水艦が四十一隻でございます。ポラリス・ミサイルを発射できる潜水艦が四十一隻。それからレギュラスと申しまして、これは浮上しましてレギュラスというミサイルを発射する潜水艦でございますが、これが一隻でございます。それ以外の潜水艦がいわゆるノーチラス型潜水艦ということに相なる次第でございます。 先ほど私申しましたサブロックを積み得るということになりますと、その積み得るということばの解釈でございますが、ともかく標準型、すなわち先ほど申し上げました二十一インチの魚雷発射管から発射できまずから、ただ打つだけであれば、ほかのスレッシャー型以外のノーチラス型の潜水艦には積めますが、スレッシャー型以外のものにつきましては全部魚雷の発射管が前のほうにございます。と申しますことは、このサブロックを完全に目標に向かって誘導しますために必要なソーナー関係の機械というものが、スレッシャー型につきましてはこれは前に持ってまいります関係上、魚雷発射管が中ほどにございます。そのことに関連いたしまして、一般のものにはサブロックを積みましても、これは有効に使用し得ない、こういう判断になるわけであります。したがいまして、スレッシャー型の潜水艦というのは、先ほどの数で申しますと約三十隻ということに一応なっております。この三十隻のスレッシャー・タイプ以外のものにつきましては、サブロックを兵器として有効に発揮するために積み込むには艦の大改造を必要とする。したがって、現在におきましてはそういうものには積まないだろうという判断をいたしておりますということを先般の委員会でも申し上げております。 くどくなりましたが、もう一度申し上げますと、ポラリス・ミサイルを発射するポラリス潜水艦というものは四十一隻、レギュラス・ミサイルを発射するものが一隻、それ以外がいわゆるノーチラス型潜水艦でございますが、そのうちの三十隻程度のスレッシャー・タイプの原子力潜水艦にこのサブロックが装備されるだろう、こういうふうに私どもは判断いたしております。
○三木(喜)委員 ちょっと疑問になってきたんですがね。こういう質問をしておるのは、サブロックの問題が内閣委員会で問題になりまして、そのときに、九月三日の朝日新聞にこういうことが書いてあるのです。 もともと、非ポラリス型原子力潜水艦の大部分は、攻撃用潜水艦と呼ばれている。これは、敵の海上艦艇を攻撃するという意味よりは、むしろ、敵の原子力潜水艦の攻撃を主任務としている。したがって、アメリカの攻撃用原子力潜水艦も、最近の新しい型、すなわちスレッシャー型にはすべてサブロックを装備するのが建前となっている。しかも現在、六隻就航しているスレッシャー型は、今後しだいにその数を増すから、日本へ寄港する原子力潜水艦のなかに、スレッシャー型が、しだいに多く含まれるようになるだろうということは予想できる。」と書いてある。あなたは専門家です。この新聞の社説に書いておる人はそういう知識がなかったのかもしれません。しかしながら、こういうぐあいに書いておるのですが、そうするとあなたのおっしゃるようにスレッシャー型はサブロックは積まないというのが常識、これでいいのですか。
○海原説明員 私の説明が少し不手ぎわでございましたが、私の申し上げましたのは、サブロックが積まれるのはスレッシャー型原子力潜水艦に限ると申しますか、さしあたりはそのスレッシャー型潜水艦だけだろう。しかし先般山内委員の御質問にお答えいたしましたように、サブロックという兵器の用語から考えますと、常に必ずスレッシャー・タイプの潜水艦に積み込んであるというものでないというふうに判断しておる、こういうことを申し上げた次第でございます。
○三木(喜)委員 そうすると、この九月三日の朝日新聞の社説に書いてあるように、六隻就航しておるスレッシャー型に今後どんどんとサブロックを積むだろうということは信じていいわけですね。
○海原説明員 多少ことばのニュアンスの問題はございますが、そういう方向であろうかと思います。 くどくなりますけれども、私どもは、先ほど御説明しましたようにその弾頭が核爆雷でございますので、そういうものが常に積まれて持ち歩かれるものとは考えておりません。この点ははっきりと申し上げておきます。
○三木(喜)委員 いよいよこうなってきますと、軍の機密のこともあるだろうと思います。したがって、ここで言えない面もできてくるだろうと思いますが、まず日本がこの寄港を許容したということについて一番おそろしいものは何か。これは相手国から敵視されることが一つ大きな問題としてあると思うのです。これは防衛庁でどういうように判断されておるか。 また、科学技術庁においても、原子力委員会は必ずこういう問題は討議されておると思う。技術的な面で科学的な面だけだった、こうおっしゃるかもしれませんが、それはしかし世界の平和の上にも問題ですし、日本としてもおそろしいことなんです。これが一つ。 それからもう一つは、原子炉を積んでおりますから、これが安全であるかどうかということが二番目の問題。 三番目には、ここから出てくるところの放射能の問題。 この三つに私は要約されると思うのですが、そのうちの放射能の問題にこのごろ非常に重点を置かれておりまして、前者の問題が私はあまり論議されていないような感じがする。 そこで、先ほどからポラリス型の潜水艦は絶対に日本へ来ないというぐあいに明言されております。それからサブロックを積んだものは、これは事前協議の対象になって断わるのだ、このようにおっしゃっておりますが、これも新聞の社説を読みますと、私の心配しておることがここに書いてある。 「ポラリス潜水艦が予定より早く太平洋海域に配備されると伝えているが、むろん、これは日本への寄港問題とは別であろう。では、ポラリス型以外の原子力潜水艦であれば、核兵器の持ち込みにならぬのかというと、そうではない。最近、核弾頭つき対潜水艦攻撃兵器として「サブロック」の開発が進んでいることは周知の通りであり、もしも非ポラリス型原子力潜水艦がこれを装備して寄港すれば、やはり核兵器の持ち込みを許すことになってしまう。寄港する潜水艦を日本側が査察することは出来ない建前であるが、この点は、あらかじめ十分確実な保証をとりつけ、知らぬ間に核兵器が持込まれていたといった事態が起らぬようにしなければならない。」、こういうぐあいになっておりますが、これはだれがどこでチェックするのですか。これを聞かしていただけなかったらいけないと思います。ずるずると持ち込まれてもしかたがないと思います。 それから、九月三日のには、これも朝日新聞ですが、「スレッシャー型の原子力潜水艦が日本に寄港しようとする場合、サブロックを日本の領海外でとりはずしてはいってくることが必要となる。しかし、国民の疑問は、はたしてそのようなことが現実にできるかどうかということである。」こう書いております。サブロックをつけておるかつけていないかというようなこのチェックのしかたは防衛庁がやるのですか。それとも原子力委員会がやるのですか。どこが一体やるのですか。どこでわかるのですか。それをひとつ明言していただきたいと思います。
○愛知国務大臣 ただいまの御質疑は、三点に分けての御質疑でございますが、原子力委員会あるいは科学技術庁といたしましては、原子力炉の安全性、それから放射能の害から国民生活を守りたい、この二点に集中して今日までやってまいったわけでございます。 それから第一点のお尋ねにつきましては、これは別の者からお答えいたしたほうが適当と思いますけれども、内閣全体として核武装というものは絶対に受け入れることはないというのが既定の方針でございまして、これはアメリカ側も当方のこの決意といいますか、方針というものはよくわきまえている。さようなずるずるに核武装を知らないうちに日本に持ち込むということはあり得ざることである、こういうふうに考えております。
○海原説明員 原子力潜水艦の寄港がどういうふうな国際的影響を及ぼすと判断しておるかという御質問と存じますが、先生御存じのように、現在アメリカではすでに原子力潜水艦は、先ほど申しました八十六隻のうちの四十五隻が就役しております。またソ連の原子力潜水艦も、これは数ははっきりいたしませんけれども、三十隻前後は現に就役していると伝えられております。したがいまして、原子力潜水艦そのものがそれほど大きな意味を持つというふうには私どもは考えておりません。先ほどから申し上げておりますように、日本に一般の第七艦隊の船が入ってくる、これと一緒に演習しておる原子力潜水艦が入ってくるということは、そのことだけ取り立てて格別意味があるとは考えておりません。 しかし、この問題は日米安保体制というものが大きくその前提にございまして、その日米安保体制というものから当然出てくる問題でございます。先ほども申しましたが、弾頭を簡単に取りはずすというようなものではございません。しかし、たとえばF105というものは水爆が搭載可能であるということで当時世間で騒がれたものでございますが、現に横田におりますF105は原爆や水爆は持ち歩いておりません。一般的に申しましてそういう状態でございますので、そういう状況下にあって原子力潜水艦の一隻、二隻間々入ってくるということは、私どもとしましては格別の意味を持つものではない、こういうふうに考えております。
○三木(喜)委員 非常に問題を軽く扱われて、軽視されておるような感じがするのです。私の申し上げておるのは、日本がアメリカの原子力潜水艦の寄港を許すということは、ソ連にとっては非常に脅威になる。したがって、ソ連としてはこれに対してはかなりの反撃があるわけなんです。その反撃が新聞に載っております。 タス三十一日東京、ソ連共産党機関紙プラウダは三十一日、日本政府が米原子力潜水艦の寄港を認めたことについて、つぎのように評論している。日本をペンタゴンの新たな核戦略前衝地点とすることは日本を報復攻撃の第一目標にしてしまうことを意味する。日本の支配層はこの脅威を懸命に何とか小さくみせようとしているが、日本の進歩的勢力はこの脅威を日本の沿岸から排除する方法を考えている。」こういうように記事が載っておるわけなんです。 そこで、さきがた軍の機密もあろうからということを私申し上げましたが、防衛庁ではこのことを考えに入れぬで、ただ二隻や三隻まぎれ込んで入ってくるくらいたいしたことない、こういうふうな感覚で原子力潜水艦の寄港を許されたのか。あるいはそれは十分にもう覚悟の上だ、このように言われるのか。あなたはいま非常に軽いほうをとられた。もう一回それを言っていただきたい、重要な問題ですから。
○海原説明員 今般の寄港問題に関しまして、防衛庁といたしましては、別に外務省のほうから御相談を受けたわけではございませんし、また御相談を受ける筋合いのものではございません。ただいまの点は、これは外務省のほうからお答えになるべき点だと思います。
○三木(喜)委員 これは防衛上重大な問題ですよ。相手は、ここにもいうように、外務省が云々じゃないですよ。外交交渉だけじゃないですよ。日本を報復攻撃の第一目標にしてしまうことを意味する、こういうようにいっておりますね。第一目標、攻撃の目標にしますぞといわんばかりですよ。そういうことがいわれておるのに、これは外務省の問題ですと防衛庁がおっしゃるようでは困る。機密に属するなら機密に属するとおっしゃってください。こういう問題はそういうとらえ方をしてもらったら困る。
○海原説明員 外国の新聞に載りました記事を根拠にしての御質問でございますが、私どもとしましては、先ほど申しましたように、別にこのために特別にどうだこうだというほどの意味のものとは絶対にこれは考えておりません。少なくとも軍事戦略的な面で検討いたしました場合には、潜水艦の一隻、二隻が入ってくる、本来条約上は当然の権利の問題である、そのことが実施されるにすぎないことが特別に意味がある、しかもそれによってどうだこうだということを言われることは、これはその方面の御解釈でございましょうから、それはそういう御解釈をされる向きがあってもやむを得ませんけれども、私どもは絶対に承服のできないことだと思います。
○三木(喜)委員 あなたとのやりとりをいたしますと切りがないと思うのですが、安保条約のところへ逃げ込んでいく、これはけっこうです。その上に立っておると言われるかもしれませんが、しかし今度新しい解釈が出ておるのですよ。原子力兵器は持ち込まない、それを持ち込まさないように今度はさしますという強い意思表示が出ておるにもかかわりませず、相手方からは、これは原子力兵器を持ち込むことになるんだ、こういう新しい時点に立っておるのです。安保条約の解釈でこんなことできないですよ。それだから聞いておるわけです。そこへ逃げ込もうと思っても、そいつは問題外ですよ。 それからもう一つ、ポラリス潜水艦ないしはサブロックを積んでおるというチェックは一体どこがやるのかといいますと、原子力委員会では、科学技術庁ではやれない。それは安全かどうかということだけを審査するのが私たちの任務ですと、これはどうやら法律によってそういう解釈をしておられるらしい。しかしながら、国全体としては、愛知大臣も言われましたように、絶対に持ち込まさないんだ、こういうぐあいに言われております。その絶対持ち込まさないんだと言われておるこのことをどこでチェックするかという答えが一つもないのですよ。防衛庁からも科学技術庁からもない。この二つ、防衛庁は御返事いただきたい。
○海原説明員 先生のおことばにチェックということばがございますが、これは従来しばしばその機会あるごとに関係のほうからお答えしておりますように、条約上、協定上、私どもは入ってくる飛行機なり船なりを検査する権限はございません。これは日米安保条約という、お互いに同盟関係のある相手方の間で、片一方は持ち込まないと言っておるのでございます。この信頼関係が二国間のいろいろな関係の基礎でございます。これも再々御答弁申し上げておりますが、いまだかつてこの信義に反した行為を米軍がとったことはございません。従来しばしば予算委員会におきましても、たとえば三沢に核ミサイルが持ち込まれておるのじゃないか、あるいは第七艦隊の飛行機に原爆が積まれておるのじゃないか、こういうような御質問がございましたが、いまだかつて過去において一回もそういう信義を裏切るような事実がないのが、今後それを裏切るようなことをやるとは私どもは考えておりません。 次に、しかしたとえば横須賀あたりに新しい船が入ってきた場合には、これは先方からの好意として、海上自衛隊の幹部に対してその船の見学をやらしてもらっております。そういう際に私どもの幹部は一切説明を聞いておりますけれども、この際にはいろいろとしさいにわたって見学をする機会がございますので、そういう機会におきましても、従来問題とされましたようなものが何ら持ち込まれたことを発見いたしておりません。 簡単に結論を申しますと、私どもはそういう検査を行なう権限は与えられておりませんが、F105が来ましたときにも、われわれの航空自衛隊のみならず、一般の新聞関係にも、あるいは一般民間にも公開されております。こういうことでございまして、やかましい検査というようなものではございませんが、その実物を見学し、いろいろリーディングを受ける機会は十分にございます。そういう機会で核兵器が持ち込まれたかどうかということを知る機会は十分ございます。
○三木(喜)委員 そうしますと、あなたのおっしゃるのは、結局安保条約によって日本はそれについて検査することができないのだ、ただ相手の言われることを信頼する、これ以外にない、こういうぐあいに確認してよろしゅうございますか。
○海原説明員 そのとおりでございます。
○三木(喜)委員 そういたしますと、もう一つ念を押しておきたいのですが、一朝事ある場合に——こんなことがあれば人類破滅に関連のあることで、望むことではございませんが、万が一にも港内で、母艦から搬入してきて装備してそこから持って出る、これは持ち込んだことになるわけです。そういう場合には、アメリカ側が信義を破ったんだということだけで事は終わるのですか。防衛庁として責任を持たれるのですか。内閣として責任を持つのか。あるいは科学技術庁が責任を持つのか。愚問かもしれませんが、その辺ひとつ最後の質問として……。
○愛知国務大臣 防衛局長からいろいろ説明がありましたとおり、私どもとしてはそういう事態は考えられないということになると思います。
○三木(喜)委員 それから、さきがたからずっと話が出ておるのですが、別の問題に入りたいのです。原子力潜水艦の口上書や覚え書きによりますと、原文はSSNとなっております。外務省の訳文は、これは通常の原子力潜水艦、このように書いておるのですが、外務省おられますか。——それはどういうことでそういう解釈が成り立つのですか。
○竹内説明員 これは八月十七日付の米側の覚え書きには、「原子力潜水艦は、推進系統の相違を除き、現在日本国の港に寄港している合衆国海軍の他の艦船となんら異なるものではなく、」こういうことがございますので、そこから通常の原子力潜水艦、このように訳したわけであります。
○三木(喜)委員 そうしますと、愛知大臣にお尋ねしたいのですが、ポラリス型あるいはまたサブロック、これについては、相手から要請されれば断固断わる用意がある、どうですか。
○愛知国務大臣 そのとおりでございます。
○三木(喜)委員 次に安全性の問題ですが、八月二十八日の原子力委員会の総合見解では、二月二十日合衆国原子力潜水艦の寄港問題について見解を発表以来、安全性について今日に至るまで検討を進めてきた。しかしながら検討した結論としては、いろいろ相手から資料ももらったけれども、原子力潜水艦は国際法上の軍艦として特殊な地位を有するものであるから、国内で建造する原子力船のように安全審査ができない、このように断わっております。しかし、さきがたの大臣の御答弁の中に、放射能から守るというその良心からこれをやりました、法的な立場ではない、田中君の質問にそういうぐあいに言うておられますが、私はやはり原子力委員会の中の原子炉安全専門審査会、放射能専門部会、それから原子炉安全基準専門部会、原子力災害補償専門部会、廃棄物処理専門部会、放射線化学専門部会、動力炉開発専門部会、原子力施設地帯整備専門部会、原子力事業従業員災害補償専門部会、プルトニウム専門部会、この各専門部会にはかってもらいたかった。これは今後これから派生するであろういろいろな問題があるのに、ここを省略して原子力委員会だけで、しかも先ほどの話を聞いてみますと、あまり徹底したところの論議が進められていないように思う。その内容については抽象的なことしか発表されておりませんから、そのように思うのです。なぜこの有能な部会、審査会があるのに省略されたか、それをお聞かせ願いたい。
○愛知国務大臣 この点については先ほども申し上げたところでありますけれども、与えられた条件と言いましょうか、とにかく原子力潜水艦であって、原子炉安全専門審査会等をはじめとする諸専門委員会は、国内の原子炉を中心として、実際に設計から何から全部自分の手で実地を調査し得る立場において設けられておるものであります。 それから、今回の原子力委員会の本件に対する態度といいますか、問題のとらえ方、研究の方法は、先ほど来申し上げておりますような方法をとらざるを得なかったというようなことから申しまして、原子力委員会としての立場でできるだけのことをやった、こういうことになっておるわけでございます。 しかしながら、たとえば、これからのなすべきいろいろの諸措置等につきましては、もちろん最善を尽くしたいと思いますので、法制上これらの専門委員会のほうに議を移すべきではないと思いますけれども、事実上十分に御意見を伺いつつ処理をしてまいりたい、御協力をいただいてまいりたい、こういう心がまえでそれぞれの措置を現在とりつつある、こういう状態でございます。
○三木(喜)委員 山内委員からも指摘がありまして、きょうは時間がございませんので、私はここで民主、自主、公開というこの原則の上に立つ自主性を放棄して、さきがたから防衛庁のほうからも安保条約によってしかたがない、どうにもできないのだ、あるいはまたあなたのほうも、向こうの提示したものを信ずるよりしかたがないのだ、こういうようなことで、こちらにある機関さえまだ十分に生かしていない。原子炉はなるほど相手国の原子炉かもしれませんけれども、放射能は日本が受けるのです。これは日本の放射能です。相手からもらう放射能です。放射能審査の委員会もあります、廃棄物専門部会もある。ここらがどんな意見を言うかわからないのに、それをオミットしてしまう。原子炉だけのことをあなたはおっしゃっておられるわけです。これからこれを尊重する、このような御態度に受け取るわけなんですが、いずれにしても、この三原則であるところの自主的というものを、いま私がお聞きした範囲内では、もう逃げ込むのは安保条約、それから相手方のこの良心的な口上書、覚え書きによって信ずるよりしかたがない、こういうような受け取り方をせざるを得ないわけです。 原子炉というものが、地上にあっても非常に危険度を持っておる。にもかかわらず、それを海上で、しかも航行して、これは戦争に使うのです。たいへんにあぶないものだと思うのです。百回外国の港に入ったけれども一回も事故がなかった、だからというような言い方がされておりますけれども、その一回が、百一回目が起こったらどういうことになるか。これなんかは十分考えてみる必要があると思うのです。さきがたおっしゃったように、構造やそういうものについては資料をもとにして検討した、とこうおっしゃるのですから、そういう資料を一ぺん出してもらいたい。どんな資料を原子力委員会では一体検討されたか、口先だけでは困りますから、これをひとつ原子炉の安全性という問題について私は要求したい。委員長よろしゅうございますか。
○愛知国務大臣 この問題については累次いろいろ御説明いたしておりますように、外交交渉を主として通じていろいろと進めてまいった関係がございますから、いろいろの途中の経過等についてはこまかく資料をどうこうということはできにくい状態にあるものと思います。 なお、相当資料は公開されておりますから、資料としては、公開のものによったわけでございまして、軍事機密というようなものについての設計その他についてのデータというものは入手はできなかったということは申し上げたとおりでございます。
○三木(喜)委員 さきがたの説明では、科学的資料で詳細できたかという西村委員の質問に対して、なし得る調査はした、公表された資料、アメリカ側の手続、軍艦であるから入手できるものもある、こういうように答弁されております。だから、その資料を出してもらいたい、こういうように要請しておるわけです。よろしゅうございますか。
○愛知国務大臣 なるべく御要望に沿うようにいたしたいと思います。
○三木(喜)委員 次にお聞きしたいのは、事故発生と賠償の問題です。原子炉の事故が発生した場合は、日本の賠償法によって自衛隊の船舶に適用される限度においてアメリカが賠償する、このように覚え書きに書いてあるわけですが、そのとおりに考えてよろしゅうございますか。
○愛知国務大臣 そのとおりでございます。
○三木(喜)委員 自衛隊の船舶が原子力事故を起こすことはあり得るでしょうか。
○村田説明員 現在自衛隊は原子力の艦隊を持ちませんので、そのようなことはございません。
○三木(喜)委員 そういたしますと、この基準というものはあってなきがごとし。その基準に合わせて賠償するということなんですが、持っていないのにそういう事故を起こすはずもない。それに合わしてアメリカは賠償する、こういうことなんですが、これは一体どんなことなんですか。
○兼松説明員 お答え申し上げます。 正確に申しますれば、ただいまの御質問に対しましては内閣の法制局のほうから御答弁があるべきものかと考えまするが、外務省といたしまして、今回の米側との文書の交換のうちにございます地位協定の規定の適用に関連いたしまして、自衛隊に日本の法律百四十七号が適用になる、そういうことはどういう意味であるかという御質問でございますので、外務省としての見解を申し上げさせていただきます。 従来、この点につきましては、数回にわたりまして衆議院の予算委員会、その他参議院におきましても取り上げられた問題でございまして、総理大臣はじめ各大臣から政府の考え方がはっきり示されておるわけでございます。それによりますれば、現在は別として、将来においては自衛隊が普通の推進力として原子炉を用いる、そういうようなことが一般化するならば何ら問題ないじゃないか、そういう御答弁が出ておるわけでございます。この米側との交換文書につきましては、やはり従来政府の総理大臣はじめ各大臣から御答弁になっておりますそういう考え方によりまして、自衛隊につきまして法律百四十七号の適用がある、そういう場合はあり得るのである、そういう前提に立って、この文書をつくっておるわけでございます。あり得るということの具体的な説明は、冒頭申し上げましたとおり、厳密には内閣法制局のほうの御解釈にまつべきことかと存じまするけれども、われわれといたしましては、それは現に自衛隊が原子炉関係のそういう装備を持っていないということとは別に、法律百四十七号において、国という中には自衛隊も含み得るのである、将来そういう推進力として使うというようなことが一般化する場合には当然適用され得る、したがいまして、法律の解釈といたしまして、百四十七号は国すなわち自衛隊についても適用があるのであるという考え方によっておるわけでございます。
○三木(喜)委員 解釈はわかりました。しかしながら、それだったら国の基準による、こうするほうがいいんじゃないですか。それをことさらに自衛隊としたところに、これは防衛庁にひとつお聞きしたいのですが、将来持ち得るだろうという予想は立ちますけれども、そのような計画があるのか。飛行機でF104、105ということが、われわれ考えられる。さらに原子力潜水艦まで将来下請をやるような節がこれで読めるような気がするのです。これはあまりにもうがち過ぎておるかもしれませんけれども、それを見越しての解釈ということになればなるほどと思います。しかしそれなら、いまないものをそんなところにことさらに書く必要はないじゃないですか。それだったら、国に基準があるから国の基準に照らす、こうやったらいいでしょう。自衛隊が原子力潜水艦なり原子炉を何かの形で持って、それで害を及ぼして、それによってやりますというのだったら、あすそういう問題が起こったら、自衛隊のそれはないではないですか。一カ月後にそれが起こったら、自衛隊はまだ持ってないでしょう。少し牽強付会の解釈のような感じがするのですが、なぜこんなことをしたのですか。
○兼松説明員 その点につきましては、防衛局長から御答弁になる前に、地位協定との関連につきまして念のために御説明しておきたいと思います。 日本の法律百四十七号の適用があるといっております場合は、この地位協定の第十八条第五項の規定の適用のある場合でございます。その場合には、第五項の(a)項によりますと、「請求は、日本国の自衛隊の行動から生ずる請求権に関する日本国の法令に従って、提起し、審査し、かつ、解決し、又は裁判する。」こうなっておりますので、当然米側といたしましては、この地位協定の適用がある問題に関しましては、自衛隊に関して適用がある日本の法律、それを基準にして考えておるわけでございます。
○竹内説明員 私から補足的な説明をさせていただきます。 ただいま説明がありましたように、米軍が事故を起こしました場合には、日本の自衛隊に適用される法律に従っていろいろな措置がとられる、こういうことがございます。そこで、ここでの問題は、原子力損害で人的損害が生じた場合に、そこに無過失責任が追及できるかどうかという点が問題でございます。この法律第百四十七号、原子力損害の賠償に関する法律、これには自衛隊というものが特に配慮されておらない。したがいまして、理論的には自衛隊をそこに含めて解釈するということが、わがほうに有利になる。すなわち、原子力損害が起こりました場合に、人的損害についてはアメリカ側が無過失責任を負う。こういうふうに有利になるわけでございまして、そういう意味で理論上自衛隊に適用される。つまり、自衛隊は、この法律の適用から特に除外されておりませんので、そういう点を利用しまして、わがほうの有利な結論を引き出す、こういうためにこの法律を引用したものでございます。
○三木(喜)委員 もう一つわかりませんが、有利だということなれば、もっと有利な考え方があろうと思うのですが、現実問題にはそれはどうもつろくしない。もし一カ月後に原子力潜水艦がやってきて事故を起こした場合には、自衛隊はないのですから、国の法律に見合ったところの賠償をしてもらう、こういうようなことになろうかと思います。こういう点はもう少し、どういう点が有利なのかという点もお聞きしたいと思うのですが、時間がありませんので、もう一点だけお聞きしておきたいと思います。 放射能の調査、特に第一次冷却水の出港時における問題は、只松委員のほうからございましたので、これは後に詳しくお聞きするだろうと思いますが、私はこの放射能の調査にあたって忘れられた研究員をつくらぬようにしてもらいたいと思う。 これはなぜこんなことを言うかといいますと、いまオリンピックがやってまいりまして、宇宙から東京五輪作戦をやっておるわけなんです。日米共同のテレビ放送の問題ですが、それでは、この打ち上げられたシンコム衛星に対する各方面の、特にいわば郵政省の電波研究所の科学者たちは、オリンピックというので協力を要請されているが、鹿島支所三十一人のさむらいたちは、無料でむずかしい仕事を押しつけられ、生活は開拓団並み、われわれは研究が任務で、オリンピックは関係がないと不満の口ぶりをあらわしている、こう書いてある。 いま、にわかにこういう調査、測定がやってきて、防衛庁も関係あるでしょうし、科労技術庁も関係があるでしょうが、いろいろの研究員、調査員をこれから出されて、それがどれくらいの一体予算でこれをやられようとするのか。期間的には一カ月では無理だという話だったが、予算、機能、構造、そしてどういう待遇、こういう点まで考えなければ、場当たり的に、この間の新聞を見ますと、それを愛知大臣から要請した。要請すると同時に、農林大臣からは、こういう点もひとつ調査してもらいたい、またほかの大臣からは、こういう点を調査してもらいたいというように、にわかに起こった事件であるということをここでもまざまざと裏書きをしておるということなんですが、その研究員、特に調査に当たる人に対しては、どのくらいの予算でこれをやって、その中でどういう待遇をしようと考えておるのか。そうでなかったら、共同テレビ放送の問題でさえこういう論議を呼び起こしておる。これはまた別のときに取り上げますけれども、これはひとつ大臣から確信のある答弁をしてもらいたい。
○愛知国務大臣 大体各省庁の希望並びに責任を持ってやりたいという調査が出ておりますので、これは各省庁それぞれから予算の要求もいたしておるわけでありますが、ただいま御指摘のような点もございますから、科学技術庁としては総合調整という立場に立って、たとえば水産庁にしても、気象庁にしても、あるいは海上保安庁等にいたしましても、いまお話ございましたが、忘れられたる調査員というようなことが絶対ないように配慮しておるつもりでございます。 その費用等につきましては、とりあえず予備費としてはきまりましたのは四千数百万円でございますが、これはとりあえず第一次にスタートするものとしてきまりましたのが四千数百万円でございます。事柄の性質上、これは大蔵大臣とも十分に打ち合わせておりますが、予備費として、かりそめにも金の関係でおくれがないように、十分配慮いたしておるつもりであります。
○三木(喜)委員 以上で終わります。
○前田委員長 次に只松祐治君。
○只松委員 きょうは長官にゆっくりお聞きしたいと思って、私どもも調べてきたのですが、何かすぐお出かけになるそうで、一、二点だけお聞きしておきたいと思います。 その一つは、バックグラウンドを調査されるということですが、何か費用をこの前一億円というような話ですが、その程度でしょうか。
○愛知国務大臣 大体概算いたしまして全部でほぼ一億余りの経費が必要かと考えておりますわけですが、急ぎましたので、とりあえずまあ査定の済みましたものが先ほど申しましたように四千数百万円でございます。
○只松委員 これは学術会議なりいろいろなところから出ておるどの資料を見ましても、バックグラウンドなりその海域の放射能を調査するには数年間を要するということが書いてあります。どんな短くてもこれは一年間を要する。というのは、これは海流の影響で、私たちしろうとが言わなくてもおわかりのように、その潮流の流れ方によっていろいろなプランクトンなりが変わってきますから、放射能の濃度なり汚染度なりというものが変わってくることは当然なわけです。あるいはすでに現在、日本の近海もノーテラスなりポラリスなり潜水艦がはい回っておるわけですから、あるいはイオン交換樹脂等が捨てられておる。こういうことで日本近海にも放射能が流れてきておる。こういうことが現にあると思う。そういうものをいまから一カ月後に入港を認める、こういう前提に立って、いま言われたようにわずか一億くらいの費用でどうやって正確に一これだけ大きな問題になり、国民が疑惑を起こしておる、しかも、皆さん方は繰り返しアメリカの言うことを信じます、こういう形でアメリカの言うことを信じておられるわけなんですが、そういうものを打ち消す最大のものは、一つは、バックグラウンドの調査だ。それをわずかな費用で一カ月足らずで、どうやって調査できると思うか。できるとお思いですか、できませんか、正直に言ってください。
○愛知国務大臣 これは私はできると確信してやっておるわけでございます。ただいまもお話がありましたが、放射能の関係、海水中の放射能については、申すまでもないところでありますが、自然放射能と核実験のフォールアウトによる放射能が含まれるわけです。核実験のフォールアウトによる放射能の点については、核実験の状況に応じましてかなり変化いたしますが、海水中の放射能の大部分を占める前者のほう、つまり自然放射能による分については季節的な変化はほとんど受けないと学者の方々からも聞いておるわけでございます。したがって、全体として、この面から放射能バックグラウンドの調査につきましては季節変化は考えない。したがって、一年間というような長期にわたるバックグラウンドの調査の実施は必要はない、こういうふうに考えておるわけでございます。 それから気象の条件、海産生物の分布等の環境条件については、季節的に変動がございますが、すでにあります資料で相当の調査もできております。また、推定もできますので、そういった面につきましても、現在すでに行なわれておる調査、あるいは現に行なわれつつある既定計画による調査でだいぶカバーされるものもある、こういうところも勘考いたしまして、期間なり、あるいはやり方なり、予算なりというものをはじき出しておる、こういうふうなかっこうになっておるわけでございます。
○只松委員 ただいまできるという話ですが、この学術会議の諸先生方の報告その他では、できない、どんなに短くても四季を通じて一年間を調査しなければならないし、通常数年間を要する、こういうことがいわれております。そうすると、皆さん方は、日本の最高の——学術会議というのは最高の権威を持っておるわけですが、この諸先生方の意見をまっこうから否定する、こういうことを言われるわけです。 それから、先ほどから聞きますと、何か船が入ってくるのに待ち受けて調査をする、あるいは出ていってからさらに調査をする、こういうようなお話ですが、ちょっと一日、二日おるのじゃない。相当長期間おると思いますけれども、いわば相当大がかりな調査をする、こういうことになるわけですね。それがわずかな費用でそんなものできると私は思わないのですが、これは別の角度から大蔵委員会でも聞いてみようかと思うのです。 というのは、皆さん方は本格的な調査をしよう、こういう意図ではなくて、わずかに一カ月くらいでも調査できる、こういうことを言ってみたり、あるいはわずかな費用で調査をされるということは、国民をごまかすために形式的になさろう、こういうこと以外には受け取れないのです。ほんとうに国民を安心させようとするならば、もっとやはり本格的な、学者諸先生が言っておるような調査方法をすべきだ。あるいは皆さん方が言っておるように、入港から出港まで全部調査をするならば、相当大幅な予算というものを必要とする、こういうことになってくると思う。したがって、そういうふうにすべきだろうと思います。私は、入ってくることを前提にして言っておるわけではなくて、皆さん方が入ってくることを前提にして論議をされておるから、そういう論議をしておるわけですが、そういうふうにしないとほんとうの調査にはならない、こういうふうに思いますが、そうでなくて、そういう簡単なことで調査になるとお思いですか。それが一つ。 それから、おいでになりますのでばたばたと聞いておきますが、まあ愛知長官は科学技術庁長官で、原子力の自主、独立、公開の原則に基づいて原子力諸問題に取り組んでおられるわけです。そうしますと、潜水艦というのは、これはあとで防衛局のほうとよく論議しようと思うのですが、これは軍艦ですね。軍艦は平和利用とは全然無関係だと思うのですが、これは平和利用と何か関係がある、こういうふうにお思いになりますか。前のとあわせてひとつ御答弁をいただきたい。
○愛知国務大臣 まず第一のお尋ねでございますけれども、学術会議等の先生方の意見をまっこうから否定するものではないか、こういう点につきましては、私どもいろいろと御説明につとめているわけでございますが、実は中間報告が昨年出ました当時と、事情が変わってきております。現在アメリカが保証しているような状態におきまするとだいぶ事情が変わってきているのじゃなかろうかと思います。それから先ほど申し上げましたように、事前においていろいろの専門委員会等の御意見というものをそれぞれの委員会というような立場において伺うということはいたしませんでしたけれども、少なくとも現在におきましては、すでに出ました御意見、あるいは現在考えられているようないろいろな点について十分そういうことを取り入れて調査をやっていきたいと考えておるわけでございます。 それから、バックグラウンドとモニタリングの関係は、実はモニタリングのほうは、これからいつ入ってきて、それからどの港湾にどのくらい滞留するかということもまだわかりませんわけで、つまりそれによって向こうも協力する、こちらも自主的に調査をするということになっておりますので、これは今後でき得る限りの用意をいたしておきまして、逐次それに必要な金を予算で予備費で支出をする、こういうかまえ方になっておるわけでございます。 それから、原子力潜水艦というものと平和利用とどういう関係になるかというお尋ねでございます。直接にこれは関係がないようにも考えられますけれども、私はやはり原子力の利用ということ、特に平和利用ということについては、いろいろとこれから発展的にどんどん世界的にも進んでいくのでございましょうから、今度の問題は、いろいろとこうした原子炉の安全性というようなことについての研究その他につきましては、相当に参考になることが多いと考えております。
○只松委員 原子力潜水艦は軍艦であるかどうかお聞きしたい。
○愛知国務大臣 原子力潜水艦は軍艦である、こう考えております。
○只松委員 軍艦は兵器でありますか、何か平和的な商船とお思いになりますか。兵器であるかないか、お答え願います。
○愛知国務大臣 ちょっと御質問の趣旨が十分私に理解できないのでありますけれども、原子力潜水艦は軍艦である……。
○只松委員 軍艦ならば兵器ですかと聞いているのです。
○愛知国務大臣 軍艦は軍艦であるということじゃないかと思います。
○只松委員 軍艦は軍艦、飛行機は飛行機です。飛行機は、兵器である飛行機もあるし、それから日航機のように平和利用で飛んでいる飛行機もあるわけです。だから、軍艦は兵器であるか、こういう定義を聞いておるのです。
○愛知国務大臣 これはどういうことをお答えしたらいいのでございましょうか。私は、軍艦は軍艦である——これは兵器だという定義をする人もありましょうし、あるいは軍艦は軍艦だという人もあろうかと思います。
○只松委員 愛知さんほどのものわかりのいい人が、軍艦が兵器だと言えないことはないと思います。子供のあれでも、軍艦は兵器の一種なんです、広範な。そうでしょう、軍艦は広範な兵器の一種である、こういうことに間違いございませんか。
○愛知国務大臣 常識的にはそういうことだと思います。
○只松委員 そこで、一番最初、日本の原子力の基本というのは、自主、独立、公開という原則に立っております。それから、自民党政府もたびたび日本には核兵器は持ち込まない、こういうことを言っております。あるいは国会でも、本院でも、たびたび決議をいたしておるわけであります。 ところが、私はこの前のときもわずかな時間しか質問ができませんでしたので、そこまでの論議ができなかったのですが、この前政府は、たまたまサブロックは、サブマリンロケットは結局核兵器を装備しておる、こういうことで核兵器を積んでおるのは阻止する、こういう答弁があったわけですね。ところが、私はそうではなくて、潜水艦そのものが兵器である、核を利用した兵器なんです。したがって、政府は当然にいままでの原子力利用の原則あるいは本院の決議、そういうものからするならば、原子力潜水艦そのものを拒否する、こういう形になるべきだと思うのです。時間があれば私はその問題から、あるいは国際法上、商船等の入港にあたって結ばれておりまする国際条約、こういうものをごらんになれば、平和利用と軍事利用というものがどれだけ基本的に違ってくるかというようなことも順次わかってくるわけなんです。何かお帰りになるようでございますが、長官にそういう平和利用の問題と軍事利用の問題をお聞きする時間がないわけでありますが、しかしいま言われたように、常識的にも何にも、兵器なんです。兵器であるとするならば、当然に原子力潜水艦そのものの持ち込みを禁止する、こういう立場を——防衛庁長官は別ですよ——愛知長官は、平和利用という立場からはしなければならないと思いますが、そうお思いになりませんか。
○愛知国務大臣 どうもその点では私見解が違うのでありまして、軍艦である、兵器であるというふうに定義をいたしまして、しかし軍艦が、たとえば石油をたくかわりに原子力を推進力に使っているというところの軍艦であるだけのことでありまして、原子力潜水艦それ自体が核兵器である、こうは私は全然解しないわけでございます。
○只松委員 防衛庁長官じゃないわけですよ、愛知さんは。科学技術庁長官としては、当然にこの平和利用の原則を守る、こういうことで各同僚議員がずっと前の内閣委員会から、きょうも質問しますように、そういう原則を守り、主張される。あるいは単にあなたが言われるような、学術的に見ても平和の開発の問題ときわめて関連があるというような観点から重要視されるというならば、あるいは事故の発生、損害、その他においても、当然に原子力商船の国際安全条約、こういうものに基づいた運航というものを要求さるべきだろうと思います。こういうことを全然しないで、こういう点は一つも触れないでおこう。しかしただ考え方だけはエンジンは原子力エンジンを使っておるのは平和利用だ、しかし肝心の、こういう原子力商船が一隻入ってくるにしたって、これだけのいろいろな諸設備を要求し、あるいは膨大な了解事項というものを取りつけなければ入ってこれないというようなことには全然触れないで、一つも関係がありません、こういう、私から言わせればでたらめと申しますか、こういう非常識な科学技術庁長官はないと思うのです。なぜあなたは、当然に平和利用に大いに関係があるというならば、そういう点を主張なされませんか。なされた経過なり、そういうものがありますか。あったらひとつお示しを願いたい。
○愛知国務大臣 原子力を推進力に使うということについては、これはもう商船についても現に開発されているところでありますが、そういったような推進力に使うという新しい型の船については、安全性ということからいって、国際条約なりその他の面におきましても、各国とも関心を寄せているから、また条約というような問題も出てくるのだろうと思います。これは開発途上にある新しい推進力でありますだけに、安全性ということについて十分措置をしたいという希望から出てきている、これは当然なことだと思う。したがって、今回の原子力潜水艦の問題については、軍艦であるという特殊性は前提でありますけれども、そこに使われるところの原子炉というものが安全性に対してどういう関係になるであろうかということを、軍艦であるという性格を前提にして、できる限りの調査をして、国民生活の安全に支障ないように保証を取りつけようというのが、与えられた条件のもとにおける、かつ新しい問題に対するわれわれの考え方であり、また今後もそうありたい、こう考えているわけであります。
○只松委員 そういう言いわけを聞いておるのじゃなくて、時間がないから、あなたがどうやって科学技術庁長官として原子力の平和開発を行なうという立場から政府内で努力なされましたか、こういうことをぼくは質問しているのです。その経過があったら説明してくださいということを聞いているのです。
○愛知国務大臣 私は、くどいようでありますけれども、要するに原子力を推進力にするところの潜水艦が入っても国民生活に支障があるかないかということを中心にして検討をしてきた、そして、そのために私どもの頭をつくり、あるいは結論を出すために必要な努力はしてまいりました、こういうことを繰り返し申し上げているわけであります。それにつけ加えて申し上げることはございません。
○只松委員 時間がないから抽象論議になってしまうわけですが、そういうことだけでなくて、今度は具体例を一つ引きますと、たとえば商船だと一次冷却水というものは貯蔵してほかへ捨てるわけですね。それだけに商船はその相手の国民に対しても非常に注意を払い、安全性を持っている。船自体がそういう安全性を持っているわけなんです。ところが、潜水艦とか軍艦とか飛行機とか、同じ飛行機でも——私も昔戦闘機に乗ったことがあるわけだが、戦闘機とそこいらを輸送している日航機や何かとは安全度その他全然違うわけです。それは極度に戦闘性を発揮するために、ほかの安全度というものは落としてしまうわけです。したがって、滑空力だって何だってないから、きのうあたり落っこちたように、通常は高度の四倍くらい滞空できるやつが、そういう滞空ができなくてばんと落ちる、そういうことになるわけです。軍艦というものはそういう危険性を持っているわけなんです。たとえば一次冷却水だって、出港のとき中に貯蔵設備がないから、極度に艦内が切り詰めてあるから、佐世保港内、横須賀港内ではへみたいにひっていってしまうわけです。したがって、それを放出するから、そこの港内が汚染される、こういうことになるわけです。そういうことに対して、あなたがどういう努力をなさったか。たとえばさっきから聞かれておるように、もしそういうことならば、当然に入港と同時に出港のときにも厳粛な調査をするとするならば、出港のときにも通知を受けるということが主になるわけです。ところが、軍事目的で潜水艦は隠密を必要とするから、出港のときにはおそらく絶対言わないでしょう。もし言うならばあなた答弁してごらんなさい。これはあとで防衛局長とそういう論戦はいたしますけれども、あなたは当然にそういう出港のときにも通知するということを要求すべきです。出港のときに海水が汚染されるのですから、きのう出たかおととい出たかわからないで、あとから船が出ていって調査して、そのときの二トンの冷却水が——大型になれば三トン、四トンの冷却水になるだろう。七千トンくらいの潜水艦がいまできていますから、そういうことをどうやって調査しますか。一日あとと一週間あとの調査は全然違うわけです。なぜ出港通知を要求しないのですか。要求しますか、しませんか。
○愛知国務大臣 まず第一に、潜水艦であるから一次冷却水を貯蔵することは困難である、したがってその点は原子力商船と違う、こういうことはもうお説のとおりだと思う。したがって、その一次冷却水の安全度あるいは許容基準と申しますか、そういう点についてアメリカ側の十分な保証を取り付けたいということに最重点を置いて調再検討をしてきた、この点についてはお考えと違うところはないわけであります。 それから、出港については、先ほど来お話がございましたが、これは私も申しましたように、入港してくれば、港内に滞留中は、常時モニタリングもやりますし、それから船が出て見守っていますから、あえて出港のときに、二十四時間前に通告をほしいというようなことよりも、十分にウォッチすることができる、こういうふうに私は考えているわけです。なおまた港に対する出入港等については日中であり、それから国際慣行上も浮揚して潜水艦は出入港する、こういうふうに私は理解しておるわけでありますから、その点は、あえて出港について事前通告を受けないでも、あるいは要求しないでも十分やっていける、こういうふうに考えております。
○只松委員 より厳格な綿密な調査をするためには、出港の日時が明らかになったほうができますか、それともできませんか。私は出港の日時が明らかになったほうができると思いますが、どう思いますか。
○愛知国務大臣 それは考えようで、そのほうがベターであるということは言えるかもしれないと思います。
○只松委員 ベターであれば、平和利用をし、国民のこういう心配をなくすために入港時を通知するくらいだったら、出港時も当然に通知をするということにすべきだ、こういうふうに思います。長官は、きょうは確言できなくても、出港時の前もっての発表をするように当局に努力する、交渉をする、こういうことは約束できませんか。
○愛知国務大臣 ベターであると申しましたのは、考え方によって、観念的に考えた場合にはベターである、こういうことは言えると思いますけれども、しかし実際問題として、入港いたしましてからあとは、何と申しますか、言い方がちょっと練れませんけれども、まわりを取り巻いているわけです。そして十分モニタリングできるわけです。これは日本側が自主的にやる、またアメリカ側も責任を持ってやるということが外交文書でもはっきりいたしておりますから、それは必要にして十分である、こういう確信のもとにあえて出港時の事前通告は必要としない、要請する必要はない、こういうのが私の見解でございます。
○只松委員 国民——まあずばり言って野党の私たちは、出港のときその他を非常に心配して、こういうことを繰り返し質問しておるわけです。それほど取り巻いて潜水艦を監視しておる、そしていつ出港するか明らかである、そういうふうならば、当然そんなに心配ならばおれのほうでもアメリカ側に折衝して、それじゃ出港時もひとつ公表するようにしよう、まあできるかできないか努力してみよう、こういうふうに言われるのが当然だと思いますが、どうですか。何でそんなに出港時が秘匿されなければならないのですか、そんなにみんなが監視しておる中で。航海が明らかになっておるのだったら公表したって、発表したっていいじゃないですか。ほかに何か理由があるのですか。
○愛知国務大臣 大体これは入港の目的が、目的として累次外務省側からも御説明しておるとおりでありますから、何も出港を秘匿して云々ということは、先方も考えていないところでありましょうし、私としても先ほど申しましたように、必要にして十分なことはできる、こう思いますから、これ以上の措置は必要なかろう、こういうふうに考えておるわけでございます。
○只松委員 まだいろいろありますけれども、長官だいぶ疲れておりますから、長官だけけっこうです。 防衛庁当局にお尋ねをいたします。この前私がお尋ねしたときも、いわゆる潜水艦は近代核戦略の弾道弾あるいは航空機とともに主力をなす、現在の海上艦艇の主力艦である。昔戦艦、第二次大戦航空母艦ということであったが、現在潜水艦が主力艦的な位置を占めておる、そういうお話でございます。そのとおりだと思います。それから、いま愛知長官も、軍艦である、兵器であるということにはたいへん苦労してことばを濁されておりましたけれども、これは防衛庁当局ですから、軍艦は当然に兵器である、こういうふうにお答えになると思いますが、そういうことで間違いございませんか。
○海原説明員 ただいまのお尋ねの件でございますが、日本語の定義がなかなかはっきりいたしません。兵器という場合、何を兵器というかということは、そのことを議論する場合にはっきりきめてかかりませんと、これは兵器だか兵器でないかということが困難でございます。と申しますことは、かつて衆議院の予算委員会におきましても、いわゆる防御的兵器と攻撃的兵器ということの定義につきまして何回か質疑応答がございましたように、軍艦は軍艦である、先ほど愛知大臣がおっしゃいましたが、私どももそう考えております。通常兵器ということばはもっと小さな範囲において、たとえば軍艦に搭載してある大砲であるとか、あるいは潜水艦であれば魚雷であるとか、こういう軍艦の持っておりますところの攻撃的なファンクション、機能を果たす機構というようなところに一応限定して兵器であるということを言っておるのが一般的であると私どもは考えております。したがいまして、軍艦が兵器であるか兵器でないかというようなことにつきまして、正式の見解はどうかということになりますと、私どもは確定的なことをお答えできません。むしろ先ほど愛知大臣が言われましたように、軍艦は軍艦であるということのほうが正しいかと思います。
○只松委員 じゃ、武器であるということに間違いありませんか。
○海原説明員 武器ということばも同じことでございます。かつて予算委員会におきまして同じようなことがありましたときに、たとえば通常手ぬぐいというものはからだをふくものである、しかし手ぬぐいは用いようによって兇器になるのだ、こういうことを答弁したこともございます。そういうことば自体で概念規定をしてまいりますことは、ときによっては非常に考え方を誤らしめるところでございます。軍艦は武器であるか、その場合の武器というものも、やはり武器ということは一般的には兵器と同じようなことばで使われているように感ずるわけですが、やはり軍艦は軍艦である、こういうふうに考えます。
○只松委員 防衛庁当局なり軍事専門家からそういう不可解な答弁を聞こうとは私は夢にも思いませんでした。いまの常識をもってしてはこれは理解しがたい答弁だと思います。まあいろいろなことがあるからそういうことだろうと思いますが、それはそれとして、主力艦をなしておるこの潜水艦は、したがってきわめて高度の秘密性を持っておる、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか。
○海原説明員 先ほどのおことばにもございましたが、先般内閣委員会におきまして、先生から潜水艦が主力艦になっておるというおことばがあったかと思いますが、私どものほうでは主力艦ということばは使っておりません。このことば自体、最近の私どもの知る限りにおいては主力艦ということばはあまり一般には使われておりません。したがいまして、現在の各国の艦隊のあり方からして、潜水艦が主力艦になっておるのだという答弁のしかたは私は適当でないかと思いますので、その点まずお断わりを申し上げます。
○只松委員 まあ主力艦ということばが、その海上艦隊の攻撃の主力的位置にあるということは、これは海原さんが言おうと言うまいと、現在軍事上当然言われておることである。これは否定すべくもないことである。そういう立場から、したがってそういうものの性能あるいは行動その他に、これは軍事上、少しでも軍隊の飯を食った者はわかるように、最高度の秘密性を持たせるということは当然になってくるわけです。こういうのをあけっぴろげてだれの目にもわかるように、そういうことはしないのですから、そういうふうに理解してよろしゅうございますか、こういうことを聞いておる。
○海原説明員 一般的に申しますと、そういうことでございます。
○只松委員 たいへん原子力潜水艦というのは秘密部分が多いということに、いまのことばからもなってくるわけなんです。そういうことの中でも大体明らかになっておるのは、この攻撃型の潜水艦にもいろいろあるわけで、スレッシャ一型だけではなくて、ずっとその発展段階でノーチラス型あるいはスケート型、スキップジャックあるいはスレッシャー、こういうふうにいろいろな型に発展してきておるということでございますが、そういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○海原説明員 いま先生おっしゃいましたようなことでございまして、一般的にアメリカで攻撃型と分類しております潜水艦は七種類ございます。その中でスレッシャ一型のものが一番新しい基準の型となっております。
○只松委員 攻撃型は主としてスレッシャー型になってきておるわけですが、スレッシャ一型はこの前から言われておるように、大体サブロックを積んでおるし、サブロックは単に対潜艦攻撃だけではなくて、水上艦艇あるいは沿岸攻撃、あるいは対空のサブロックも開発されて二百キロぐらい飛ぶようになってきておる、こういうふうにいわれておりますが、そういうふうに順次いわゆる開発されて、そういう核兵力を積んでおる、こういうふうに考えてよろしゅうございますか。
○海原説明員 ただいまのおことばの中に、沿岸の陸上都市と申しますか、陸上を攻撃するためにも開発されておるのだ、こういうことがございましたが、これは昨年もやはりこの外務委員会とこの委員会との連合審査会でも同じような御質問がございました。そういうことを言われる方がございますが、事実そのようなことはございません。先般の内閣委員会におきましてもこのことははっきり申し上げましたが、これはあくまで水空水の、主としては潜水艦を攻撃します武器でございます。もちろん潜水艦以外の軍艦もこれは攻撃できますが、いわゆる陸上基地を攻撃するためのものとしてはこれは開発されておりません。
○只松委員 いま一つのポラリス型の潜水艦というのは、この前からいわれておるように、航続距離も非常に長くなってきておるし、地球を三周も四周も回る、あるいはスピードも七十ノットと非常に速くなってきておる。また、八ノット以下にスピードを落とすとほとんど無音に近く、なかなか捕捉しがたい。これはアメリカの何とかいう提督が、いまポラリスをつかまえようとすることは暗夜に黒ネコをさがすのと同じだ、なかなかつかまるものではない、こういうことを議会で報告もいたしております。こういうふうに、いわゆるポラリス潜水艦が優秀になってまいりますと、当然に、主としてこれを攻撃するスレッシャー型というのも発展してくるとともに、この前答弁がありましたように、サブマリン・ロケットに核爆弾を装備しなければとうてい間に合わない、こういうことになってくるわけです。このサブロックの核弾頭も相当優秀になりまして、ごく小さなもので、近代的な開発されたものは、広島に落っこちた原爆よりももっと破壊力がある。また、それくらいないと、いま言いましたように、どこにおるかなかなかさがしにくい、あるいは速い、そういうものを攻撃のときには役に立たない。こういうふうにいわれておりますが、そのとおりですか。
○海原説明員 サブロックの弾頭の威力でございますが、これは人によりまして、十キロトンあるいは二十キロトンという程度のTNT換算の力がある、こういうことをいわれる人がおりますが、私がアメリカの国会の議事録を調べてみますと、その関係のところは抹殺してございます。すなわち、これはアメリカにおきましても軍事機密でございますので、その殺傷力につきましては、私どもは承知しておりません。
○只松委員 全然わからないですか。どの程度までということはわかりますか。
○海原説明員 全然わかりません。
○只松委員 この破壊力というのは全然わからないということなんですが、これを装備しているかおらないかということを見分ける方法というのは、この前から多少御説明はありましたが、何かずばり言ってありますか。それとも皆さん方がやはり乗り組んで調べる一あるいはさっきから言うように高度の秘密性を要しますから、なかなかそう簡単に皆さん方を乗り組ませないと思いますが、何か破壊力のわからないおそろしいものを積んできているか、積んできておらないか、捜査する方法というのは皆さんのほうでありますか。
○海原説明員 通常の魚雷とサブロックは、先ほども御説明いたしましたように、長さは同じの約六メートルでございます。形も違っておりますので、見ればわかると思います。
○只松委員 通常軍事評論家の間では、このサブロックは二十キロトンくらいの爆破力を持って、しかも一隻に二十発くらい魚雷を装備しておる。したがって、これにもし事故が起これば関東周辺がすっ飛ぶ、こういうことをよくいわれておるわけなんですが、こういうことも全然わからない、こういうふうにおっしゃるわけですか。それとも、ある程度常識というか、そういうことはないだろう、こういうことですか。どうですか。
○海原説明員 先ほど来申し上げておりますように、これはアメリカでも非常に近代的な兵器でございまして、その持っております弾頭の威力がどの程度のものかについて、実は計算をする根拠がないはずでございます。その大きさから考えまして、たとえばロケッ卜部門でない、いわゆる弾頭が入っております部門のほうの容積を調べてみて、その何分の一がこれは核であろう、その場合には一体その核は幾らであろう、こういうことの推定はその専門の方になればできるかもしれませんが、そういう計算は私どもは実はいたしておりません。正直に申しまして、どの程度の威力があるか、それはわかりません。
○只松委員 ジョンソン大統領は五日にポラリス潜水艦について記者会見をして発表をいたしておりますね。たとえば「ポラリス潜水艦から発射する新型ミサイルが問もなく米戦略ミサイル戦力に編入される。この新型ミサイルは現在のA2型より千八百キロ射程距離の長いポラリスA3型で、今月末、初のパトロールに出動する新型原子力潜水艦ダニエルウエブスター号に装備されるだろう。」こういうふうに一般の新聞記者会見で、しかもポラリスについても相当詳しく発表をしているわけです。 日本に原子力潜水艦を持ってきて、しかもこの前海原さんが言われたように、サブロックを装備したものを持ってこようとしておるわけですが、その装備状況も何も日本側に通知しないというのはたいへん片手落ちだと思うのですが、いままでそういうことを要求されたことがありませんか。今後も要求されませんか。
○海原説明員 これは同盟国のことでございますが、しかしその兵器の一々について私どもは詳細を承知しようと思っておりませんので、従来聞いたことがございませんし、今後も聞こうという考えはございません。
○只松委員 たまたま核兵器であるサブロックを装備しておれば拒否する、こういう一応の統一見解が政府で発表されましたから、まあまあ国民は胸なでおろしているわけですが、いまのような形で、いままで聞いたこともなければ、今後聞くこともない、政府が入れると言えばどんな威力のあるものでも入れてくる、こういうことでは私は自衛隊としてもたいへんお粗末な話だと思うのです。 これはその程度にして、それじゃこの前から聞いておりますように、万一そういうことで事故でも起こった場合にはどうかということを私はこの前から聞いた。そうしたら防衛庁長官は、そういうことを予想して東京湾の入港を一時管理いたします、こういうことをおっしゃったけれども、あなたたちが横から知恵をつけたので、すぐ取り消して、それじゃ停止いたします、こういうことになったのですが、いままで原子力潜水艦が起こした事故、あるいは東京湾の周辺に起こっておる海難事故というものがどの程度あるか、あればひとつ教えをいただきたい。
○村田説明員 米国の原子力潜水艦に関しますこれまでの事故あるいは故障と申しましょうか、そういった事例は、私どもの承知しておりますところでは約十件程度あるようでございます。 東京湾周辺につきましては、原子力潜水艦が入ったことがございませんので……。
○只松委員 原子力じゃない、一般の海難事故です。
○村田説明員 その点の詳しいことは、私どもただいま資料を持っておりません。
○只松委員 それでは私が調べたのを教えます。昭和三十六年で四百件、三十七年で五百十九件、三十八年で五百九十九件東京湾周辺で海難事故が起こっております。そういうことを御存じですか。
○前田委員長 いま掛当の説明員がおらぬですね、海難関係の人は。
○只松委員 この前から私が聞いたのに、防衛庁当局も、安全だ安全だ、そういう事故は一つもありません、こういうことをたびたび言っているわけだから、それは防衛局だってどこだって、外務省だって、東京湾周辺なり佐世保周辺にどのくらいの海難事故があって、どういう事故が起こっているくらいのことは、調べているのがあたりまえだ。そうすると、そういうことを何も調べないで安全だ安全だと言っているのかな。それでは調べてくるまで休憩しようじゃないか。
○前田委員長 全体のことは海上保安庁なんですがね。
○只松委員 海上保安庁であるくらいのことは知っていますよ。海上保安庁からちゃんと資料をもらってきているのだから。安全だというならば、事故はこんなに少のうございます。だから安全です、そのことくらいは言わなければならぬ。だからぼくはたいへん不安で、この前も海難事故が多いということを言っているのですよ。多いから、この原子力潜水艦だけが事故が全然なくてほかの商船だけぶつかる、こういうことはないと言っているのです。当然に原子力潜水艦も事故の一つの対象になる、こういうことを言っている。これは「てるづき」ですか、この前軍艦が衝突したでしょう。軍艦だって東京湾のようにふくそうするところでは事故を起こすわけなんですよ。したがって、原子力潜水艦もきわめて重大な事態に直面する、こういうことを言っておる。そこでびっくりして防衛庁長官は、ぼくの質問に対してこの前、一時艦船の入港を停止したり管理いたします、こう言ったのです。これが正直な答弁なんです。そうしたら海原さんなんかが下からとめて、それでは取り消しますということで訂正をしている。したがって、訂正されて安全だというなら、当然そのくらいの資料を持って答弁するのがあたりまえじゃないですか。何にも知らないで安全だ安全だという、そんなでたらめな答弁がどこにあるか。安全ならどの程度安全か、海難事故が絶無かどうか、その点報告してみなさい。
○海原説明員 原子力潜水艦が日中浮上して入ってくる場合には、この前内閣委員会において御質疑があった次第でございます。それと海難事故の件数ということは、私どもの考え方としては直接には結びつくものではないと存じます。その際には申し上げなかったかもしれませんが、原子力潜水艦も軍艦であります。軍艦には事故がある。だから、原子力潜水艦に事故があったらどうするのだという一連の御疑問につきましては、たしか昨年、外務委員会と科学技術委員会でございますか、この連合審査会でも同じようなことがございました。かりに万一原子力潜水艦に九十度の角度で大きな船が衝突した場合どうかということについて、実は詳細な御質疑がございました。そのときも政府から詳細に御説明しましたことでございますが、そのときにも、そういう軍艦が日中、しかも定められた航路に従いまして、しかもこれは水先案内人がついております。それが入ってくるのに対して、どうだこうだということは、まず私どもでは考えられないということで、御意見の相違のような形でその質疑応答が終わっております。 ただいまの、お前のほうで安全だというなら海難事故の件数くらい調べてこいというおことばでございますが、冒頭申しましたように、海難事故として統計されております内容等については私どもも承知いたしておりませんし、また、委員会の席上でございますので、政府を代表してそういうことをお答えするのはやはり当該海上保安庁のほうがその資格を持っておる、こう考えて、先ほどから黙っておった次第でございます。ひとつその点を御了承願いたい。
○只松委員 きわめて抽象的な答弁なんです。私はそういうことを言っているのじゃなくて、具体的に東京湾周辺で年々どれだけの海難事故が起こっておるかということをお聞きしているわけです。わからなければあとでひとつ調べて答弁してください。 また、原子力委員会なり、あるいは防衛庁の意見なり、政府当局として、原子力潜水艦が入ってきても絶対に安全だというならば、当然にそういうことのデータぐらい調べて、どの程度の海難事故ならどういう事故が起こるか、それに対処するということぐらいはあたりまえのことなんです。 それから、その場合に、百回どこかの港に入ったけれども一つも事故がなかったから安全だ、こういうふうにおっしゃっている。けれども、通常飛行機が飛んで何万回発着した場合に何回くらい事故があるか御存じですか。ひとつ知っていたらお聞かせ願いたいと思います。航空機の事故……。
○海原説明員 先ほどお断わりございましたように、航空機というのもいろいろ種類がございます。ジェット機もございますし、通常のプロペラ機もございます。したがいまして、何万時間にどうだということにつきましては、それぞれのデータがございます。たとえば一例を申しますというと、超音速で飛びますところのジェット戦闘機等につきましては、これは一万時間当たりの事故件数は非常に——アメリカの例でございます——少ないものは〇・四、多いものは六、その辺の数値がございます。これはしかし、そのジェット戦闘機の行動する条件その他によって変わりますし、一がいに飛行機の事故はどうだということは申し上げられないということを御了承願いたいと思います。
○只松委員 飛行機というのは、極度に整備され、そして乗員も訓練された者が運転しているのです。理論上から言えば絶対に事故がない、こういうのが飛行機なんです。ところが、実際上は、御承知のように事故があるわけです。しかしその事故も、事故が大きいからあれは続発しているように見えますけれども、いま替われたように、一万時間に〇・四というように、まして旅客機のような場合は、むしろ汽車よりも事故件数というものは少ないくらいです。もちろん、自動車あたりから見れば問題にならないくらい飛行機というのは事故件数が少ない。しかし、やはり事故というものが起きるのです。そして飛行機がおっこちたり事故が起きた場合は被害が大きいのです。 私どもが言っているのは、もし一万時間に原子力潜水艦の事故が一回であろうと、あるいは十万時間に一回であろうと、百万時間に一回であろうと、万一事故が起こった場合には——事故にもいろいろありますが——これはたいへんなことになるということを繰り返し言っている。 東京湾、佐世保というようなところは、船舶が非常にふくそうしている。したがって、先ほどもちょっと例をあげましたように、これはいろいろな形の事故でございますけれども、年間大体四、五百件起こっている。軍艦でも、全然事故がない、こういうことではなくて、「てるづき」と加茂春丸が昨年衝突している。通常十四ノット以上で航行していてぶつかった場合は大体船体がまつ二つに割れる、こういうことが海難事故の場合にいわれておるわけです。そういう事故というものを全然想定されていないのですか。こういうことを聞いているのです。そういうことは一つもないわけですか。
○村田説明員 先ほど御答弁申し上げましたように、これまでアメリカの原子力潜水艦で起こりました種々の事故例、これはスレッシャーも含めてでございますが、十件余りありますものも十分調査検討いたしまして、そのいずれにおいても原子炉の故障あるいは暴走等に起因する事故ではないということを確認し、したがって、そういう原子炉の事故による原子力潜水艦の事故あるいは故障というものは、これまでの事故の例の中にはないことでございます。 それから、湾内における運航上の問題での衝突の可能性等についての御質問でございますけれども、アメリカ側の声明及び覚え書きにもございますように、アメリカ側が寄港地に入りますときには十分厳重な安全手続を守り、入ってくるということをはっきり言っております。また、そういったことをやりますについて、特に交通をとめてどうこうしなくてはならぬということはないということもはっきり申しておるわけであります。 ただいま十四ノット以上の場合の衝突の例などについてお話がございましたが、こういった点についても一応検討をいたしました。しかしながら、現実の問題としまして、日中浮上しまして、そうして低速で入港しました場合に、現実にそのような事故が発生することは考えられないところだと考えます。
○只松委員 この事故はみんな浮上した船のことで、潜水して、日中もぐってきた事故ではない。そういうでたらめは言うな。全部日中浮上してきた船が衝突しているのです。飛行機だって、全部検査したのが飛んでいっておっこちるのです。そういうことでも、浮上して全然事故がないと断言できますか。
○村田説明員 これまでの事故例等から見て申し上げましたことは、確かに事故なり故障はございましたけれども、たとえば、艦内の一部の火災であるとか、あるいはクジラ等にぶつかって潜望鏡等の一部が故障を起こしたとか、そういう事例でございます。この種のことが絶対ないかどうかということは、これは湾内でございませんでもあるいはあり得るかもしれませんけれども、ただいまのお話は、原子炉が破壊されまして、それから大量の放射能が出てくるというようなことを言っておられるものと思いますが、そのような事故は考えられない、そういうことを申し上げたのであります。
○只松委員 これは水かけ論みたいなもので、私のほうは科学的なデータに基づいて、こういう事故がたくさん起こっておるではないか、したがって、横須賀みたいな出・入港の激しいところに、あるいは佐世保のようなところへ持ってきたら必ず事故が起こるぞ、こういうことを言っておるわけです。政府側はそのデータがなくて、アメリカ側と約束しているから事故は起こりませんとか、日中浮上して入ってくるのだから事故は起こりません、こういういわゆる希望的観測だけを言っているのであって、これは論議にならない。 しかし、私も一々例をあげませんが、アメリカの発表したやつだけでも現在大小合わせて十数回、もう原子力潜水艦でも事故を起こしているし、スレッシャーの沈没を初めとして、原子力エンジンにも影響を及ぼす事故も何回かあっているのです。全然あってないじゃない。原研労組から出したこれを見たって、そのことが書いてある。だから、政府側のそういうでたらめな答弁ではなくて、こういうことはもう少し私は責任者がおいでになったときに聞くことにして、きょうはこの程度にしておきますが、こういう事故に対してもっと調査、研究をし、その対策をすべきだ。 さっき三木委員からも質問がありましたのに、これもきわめてあいまいな答弁しかなさっておりませんが、事故の救済方法あるいは補償、そういうものについても、おそらく検討がなされておらない。さっきからの答弁を聞いても、全然検討がない、こういうように言っても過言でないと思います。こういう点についても当然にもっと検討し、その対策を国民に明らかにすべきである。そういうことをやらないと、国民の疑惑というものは、幾ら言っても解けるものではない、こういうふうに思います。 それから、これも局長段階ではしようもないことなんですが、先ほど愛知長官にもちょっと聞きましたけれども、こういう事故が起こる、そういう可能性を回遊するためにも、あるいは事故が起こったときのいろいろな補償のためにも、原子力船の国際条約というものが結ばれておりますが、今度潜水艦が入ってくる場合に、この国際条約というのは全然適用しませんか。何らかの形でこういうものに準拠するようなことがあるのですか。それをお聞きします。
○村田説明員 御指摘の国際条約は、一九六〇年の海上人命安全条約のことかと思いますが、これには、ここに明らかにされておりますように、軍艦は除外されております。したがって、原子力潜水艦は軍艦でございますので、対象にはならない。
○只松委員 そうすると、これに全然補償その他準拠する、こういうこともございませんか。
○村田説明員 適用にならないわけでございます。
○只松委員 そうすると何を基準にするか。これは前からずっと論議がありますように、これにも基準がないとするならば、ほんとうにアメリカを信ずる以外に安全性というものは求めるものがないように思うのです、この前の論議からいきましても。あるいは補償方法等も、今後防衛庁当局なり、政府とアメリカ側と折衝か何かして、事故の起こったときに約束か何かきめるという以外に何ら具体的方針がないように思いますが、そういうことですか。何かあるのですか、ないのですか。結論するとそういうことになってきやしませんか、この前の答弁から。あるいはこういうものさえも全然適用もしなければ準拠もしないということでは、何をもとに安全性を求めたり、あるいは万一の補償——事故が必ず起こると言っているのだから、起こった場合の補償その他は、何を基準にやるのですか。
○村田説明員 本日の委員会の冒頭に科学技術庁長官より説明ございましたように、原子力委員会では、原子力潜水艦の寄港に伴う安全の問題に関連しまして、これまで長い問いろいろ検討しました結果、これらを外交のルートを通じまして米国政府にいろいろと申し入れいたしました。その努力の結果、原子炉それ自体の安全性の問題、あるいは運航についての安全性の問題、さらには御指摘の万一の際の補償の問題等につきまして、正式な外交文書の形でアメリカ政府の保証及び約束を取りつけたわけでございます。このような保証あるいは約束というものは、日本政府が特にこういう努力をいたしました結果、正式なものとしてアメリカ側が確認してまいったわけでございますので、これのとおり実行されますならば、国民の安全上支障はないものというふうに考えたわけでございます。
○只松委員 政府関係者がおいでになればもっといろんな角度から論議をしたいと思いましたが、おいでになりませんし、局長程度ではそういう断定的な答弁も、お茶を濁すようなことではなかなかできないと思いますので、たいへん失礼な言い方だけれども、私はこの程度でやめたいと思います。 ただ、最後に、どうです、このくらい国民から疑惑を持たれ、それからいろいろ指摘をされましたように、安全性の問題から始まって事故補償、こういう全般を見渡して未解決の問題、未処理の問題が山ほどある。こういうことは政治家ならばごまかしても、事務当局の皆さん方はなるほどということに思い当たられるかと思うんだが、さてそうなると、事務当局の皆さん方としてもう少しいわゆる政府当局に、そういう問題が明確になるまで、自信が持てるようになるまでひとつ原潜の入港をやめたらいい、あるいは見合わしたらいいという、こういう事務当局の意見というものはきわめて一この前海原さんが言われたのが政府を動かしたように、一つの大きな力となるわけでありますから、良心的に考えてそういうふうにお思いになりませんか。どなたかから御答弁をいただきたいと思います。
○村田説明員 安全保障条約によりますと特に事前協議の対象となりません核装備をいたしません原子力潜水艦の寄港について、特に米国側が日本国民の感情を考慮しまして、これまでいろいろと日本側から提出しました質問、あるいは要求等を検討し、今日このような公式の文書の形で保証し、あるいは約束してきたということは、普通の場合ではないことだと思います。米国政府がこのように保証あるいは約束しておりますことを、私どもは信頼してよろしいと考えております。
○只松委員 海原さんは……。
○海原説明員 質疑応答の範囲外のことだと考えます。
○只松委員 最後に、政府側としてはたいへん満足し切ったような答弁ですが、われわれが言ったのが、そういうことでは一つも通じておらない、反省の色もない、こういうふうに極言してもいいと思うのです。まあ事務当局だから、あまり含みのあることを言ったらおこられるからそういうことになるのかもしれませんけれども、しかしこれだけ誠心誠意国民を代表して多くの者が心配をしておるということなら、そういう一片の答弁ではなくて、政治家でなくても、事務当局としても、もう少し検討するというのが当然の任務だと思う。何も時の政府の意向だけを聞くというのが官僚の仕事ではない。全国民の意向を聞くというのが国民の官僚としての任務でしょう。いまみたいなことを言ったり、あるいはぼくはきょう時間がないのでこれ以上論議しませんけれども、原子力潜水艦は平和目的だ平和目的だというけれども、軍艦であり、兵器である以上は、原子力潜水艦そのものが核兵器だ。これが万一事故を起こして爆発した場合は、核兵器だ。核兵器でないならば、兵器でないならば、さっきから言うように、一九六〇年の国際条約を適用したり、あるいはいろんなそういう平和利用に日本でも原子力の開発を行なっておる基本原則というものを適用するのが当然のことで、そういうことを適用しないというのは、軍艦であり、兵器であるからしないのです。さっきから言っておるような、あなたたち三百代言みたいなでたらめほうだいを言っているけれども、いまの子供だって、潜水艦は軍艦であるか、兵器であるかと言ったら、そのとおりだと答えますよ。それを答えない。うちへ帰って、あなた方も高等学校か中学校の子供があるだろう、子供に聞いてごらんなさい。それは兵器ではありませんと言うばかな子供がおるかどうか。こういうことを国会でのうのうと答弁しておるあなたたちはどうかしているよ。ぼくら黙って聞いているけれども、うちに帰って子供や奥さんに聞いてみろ。そういうことを聞いてぼくは黙って引き下がるわけではないけれども、あなたたちに答弁させてもしようがないから、私は以上をもって質問を打ち切ります。
○前田委員長 本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後二時二十九分散会