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46回国会衆議院1964/06/03

科学技術振興対策特別委員会 第15号

発言数
50
登壇者
7
会派数
2
開催日
1964/06/03

会議録

前田正男自由民主党

○前田委員長 これより会議を開きます。  まず最初に、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  原子燃料に関する問題調査のため、本日原子燃料公社理事今井美材君を参考人として意見を聴取いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

前田正男自由民主党

○前田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  この際、参考人に一言ごあいさつを申し上げます。本日は御多用のところ、本委員会に御出席くださいまして、どうもありがとうございます。どうか忌輝のない御意見をお述べくださるようお願いいたします。  委員各位に申し上げます。参考人からの意見聴取は質疑応答の形式で行ないますので、さよう御了承願います。      ————◇—————

前田正男自由民主党

○前田委員長 それでは、科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。  原子燃料に関する問題について質疑の通告がありますので、これを許します。岡良一君。

岡良一日本社会党

○岡委員 原子燃料の問題は、たびたびお尋ねもいたし、御意見も伺っておるのでございますが、私としまして、特に最近部分的核停協定が成立いたしましたというような国際情勢の動きの中から、アメリカ、英国等、日本と特に原子力の開発で緊密な関係にある国国においても、燃料あるいは使用済み燃料に対する政策に大きな変化が見られるような感じがいたします。  そこで、まずどういうような変化をこれらの国々は遂げつつあるのか、この点特に西村さんはその方面のエキスパートでございますが、御意見を承りたいと思います。

西村熊雄原子力委員会委員

○西村説明員 問題が特殊でございますので、私から御答弁申し上げるのは不十分かと思いますので、私が申し上げましたあと、局長その他から補足さしていただきたいと存じます。  幸いわれわれの願望がかないまして、昨年の夏、三国間にモスクワ核実験停止協定ができました。その結果、それまでにすでに言われておりましたことでございますけれども、これ以上軍事的用途のために特殊核物質、プルトニウムなどを蓄積する必要はないという情勢がいよいよはっきりいたしてまいりましたので、アメリカ、ソ連、イギリスともにその後プルトニウム生産を削減する方針であるとの意向を漏らしておりました。ことにアメリカにおきましては、大統領の年頭教書でございましたか、予算教書でございましたか、その中においてその意向を明示しておりましたが、ことしに入りましてから、米ソ同時にそれが公表されたことは、それまでに両国指導者間にその点について十分打ち合わせが行なわれたことを裏書きするものでございますけれども、アメリカにおきましては、ハンフォードのプルトニウム生産に当たっておりました原子炉、たしか三基でございましたかの作業を本年度中に中止するという意向を発表いたしました。それに対応してソ連側におきましては、建造計画中であったプルトニウム生産用の原子炉の建設を中止するということをフルシチョフ首相が表明いたしまして、同時に両国は、こういうような措置を米ソがとることがまた世界各国に反映して今後原子力が平和的利用に専念するようになる時代がくることを希望するということを表明いたしました。と同時に、またそれに次いでイギリス側もプルトニウム生産を削減するという意向を表明いたしております。  こういうふうな情勢は、われわれとしても非常に歓迎するところでございますし、平和的利用に専心するという日本の基本法の精神が実に正しかったということを裏書きするものであって、愉快に存じますが、反面どういう結果が生れるかといいますと、その結果、従来でもすでにあらわれておりました原子燃料原料のオーバープロダクション、それに基づく世界市場の市価の低減というようなこと、また同時にそれが反映しまして、濃縮ウランの価格の低減、こういうことが生れまして、これは原子力利用の根本であります発電の面からはコストダウンという面においていい影響を及ぼすものでございます。同時にその一面、過去十年近く日本は日本における原子燃料のいわゆる探査、探鉱、採掘技術の開発その他に努力してきておりますが、その面に対してもまたある種の影響を及ぼす、将来後期時代になれば、あるいはわが国における採鉱、精錬というものが国産化される可能性がありはしないかという夢を持つわけでございますが、その面は逆に響いてくる。要するに原料の入手が容易になる。それが低価で安く入るようになるという面はいい影響がむろん大きくございますが、ある局面については、従来の政策について、ある種の困った、ということは正しくないと思いますけれども、従来のコースを気長にやらなくてはならないという影響を持つ、こういうふうに考えておるわけでございます。  きわめてばく然としたことを申し上げましたけれども、局長から補足さしていただきます。

島村武久総理府事務官(科学技術庁原子力局長)

○島村政府委員 使用済み燃料の処理の問題について、最近大きな変化があったように思うというお話でございまして、大きく申しますと、プルトニウムの価値、特に軍事と平和利用との関係につきましては、西村委員からお話があったとおりであります。  平和利用の面について申しますならば、大きな傾向として使用済み燃料の処理の問題についてさほど大きな変化があったというふうには私ども考えておりません。ただ、原子力発電が世界的に現実化する傾向に伴いまして、使用済み燃料の処理の問題も、すべて従来予想せられておりましたようなことが現実化の方向をたどってあらわれてきておるという点は見のがすことのできない点ではなかろうかと考えております。  その具体的な一例と申しましては、従来プルトニウムというものが軍事的な必要性から考えられましたために、プルトニウムをつくる炉というものはプルトニウムをつくる目的でつくられるような炉が多かったわけでありますけれども、原子力発電の推進に伴いまして、原子力発電所から出てまいりますところの使用済み燃料を処理するための、それを目的とした再処理工場というものの建設が考えられるようになったということでございます。たとえばイギリスにおきましても、新しく四月十五日でございましたか、イギリスの今後一九七〇年までの原子力計画というものを発表しておりますけれども、これら発電計画の推進に伴いまして生じます使用済み燃料の処理のためには新しい再処理工場が考えられておりますし、またアメリカにおきましても、新しい再処理工場の建設が民間会社に認められるというような傾向を生んでおるわけでございます。これは要するに原子力発電計画の具体的な進行にテンポを合わせました各国のそれに対する対策として考えられると了解するわけであります。  なお、ヨーロッパ各国におきましては、これはあまり新しい話ではないわけでございますけれども、EEC関係でユーラトムの再処理工場の建設計画というものもその後順調に進展しているというふうに聞いております。  御質問の御趣旨に合いましたかどうかと思いますけれども、一応補足説明を終わります。

岡良一日本社会党

○岡委員 一口に申せば、国際的な視野から見れば、部分的核停協定の成立は原子力の平和利用を推進するという意味においては大きな役割りを果たした。ところが、アメリカなりあるいは英国においては、濃縮ウランの生産を四〇%減ずるとか、あるいはプルトニウムの生産は二〇%減ずるとか、またいろいろ局長が言われたように、再処理は民間の手にゆだねよう、濃縮ウランも民間の所有を認めようというような形です。  そういう状態になってまいりますと、原子力の平和利用の国際協力を推進しようとする行き方と、いま一つはまたアメリカなり英国における原子力産業界としての動きというものが矛盾した形になって、日本がその波をかぶるということもあり得るのではないかと思う。  具体的に申せば、たとえば原電の一号炉は原料もろとも日本が買う。アメリカはこれまでは主として炉を売るということに重点があったようでありますが、そういう状態で原子力法の改正を通じて燃料が民間に開放されてくる、燃料もあわせて売ろうという形になってくる。  そうすると、国際協力というものの本質は、外国に依存して日本が安易の道を行くのではなく、日本もやはり国産化の道にたんねんに努力をしながら、その達成点を通じて、国際協力の面と日本自体の原子力の開発というものが浮かび上がってくるというところに国際協力というものがあると思う。それが安易について、外国のそういう特殊な事情、特に原子力産業界の特殊な事情によって日本の原子力開発が影響を受ける。産業界というものの利益的な観点からする、いわば売り込みのようなものに押しまくられるということがあってはならないと私は思うのです。  そういう立場から、一体この燃料について原子力委員会は燃料の国産化という問題についてどの程度の関心を持っておられるか、具体的にどういう方針を基本的に持っておられるか、この点をひとつお尋ねしたい。

西村熊雄原子力委員会委員

○西村説明員 私から簡単に申し上げまして、また局長に十分補足させていただきます。  岡先生のおっしゃるとおり国際協力という場合、私どもも同様に協力は一方的であってはならないのであって、双方的でなくてはならない、それがほんとうの意味の国際協力であると思います。したがって、私ども根本において燃料につきましても国際協力はせざるを得ない立場にはありますけれども、それはあくまでも双方的に双方交通であるのが望ましいと考えます。したがいまして、究極におきましては日本でも国産をする、その上に立って外国とも協力をする、こういうふうな考え方でいかなければならないと、こう考えております。  詳しく申し上げれば、しかしながら燃料と申しますれば、要するに燃料の原料となるものの探鉱、採鉱、製錬から、その次には燃料をつくる加工の段階、そして最後には使用済み燃料として出てきましたものの再処理という三つのフェイズがあるとこう思うのであります。その三つのフェイズについておのおの現在どういう考えでやっているかということが御質問の根本だと思うわけであります。  燃料と申しますれば、要するに天然ウランと濃縮ウラン、二つに分けられますが、その天然ウランにつきましては、燃料公社を設立いたしまして、わが国における資源の探査と採鉱、製錬の技術の開発に当たっております。ところで、現在の段階におきましては、世界全体のウランの生産が十分多くございまして、国際市場で容易にしかも安価に手に入れられますような状況にありますので、日本の必要とするこの種の原料を国産によってまかなうということは経済的にも成り立たないし、またその必要も痛切に感ぜられない情勢でございます。濃縮ウランにつきましては、長期計画におきましては、後半の時代には一部国産する考えでいきたいという考えを明らかにしておりまして、前期でございます現在には原研、公社におきましてその準備的な研究開発を行なわしているという段階でございまして、必要とする部分は全部国際協定を結びまして、主としてアメリカからの供給にまつ、こういう段階にいま考えて買っております。もちろん前期といいましても、百万キロワットをこす発電の建設を予定しておりまするし、その相当の部分が濃縮ウランを使う発電炉になりましょうから、原子力委員会としましては、その大量の濃縮ウラン供給の確保をはかる必要があると考えております。現時点におきましては、既存の日米親協定によりまして、第七条でございますか、確保せられた量で、大体原研の第二号炉までは確保されることになっておりまするから、第三号炉以降が具体化するまでには、その面について供給に不安のないように協定の改定その他によりまして確保する必要がある、現在こういう考え方でおります。  第二段階の、要するに燃料の加工段階でございまするが、天然ウランにつきましては、燃料公社におきましてその加工の技術的開発を熱心に進められております。低濃縮ウランにつきましても同様、原研、公社、並列しまして、民間業者におきまして熱心に開発に従事され、原子力委員会はこの民間業者に対して補助金を与えるという手続の方法によりまして、これを助成いたしておる段階でございます。委員会としてはどうしても低濃縮ウランの燃料の加工というものを国産化し得る段階に持っていかなくてはならない、こう考えておる次第でございます。  第三の段階の使用済み燃料の再処理、これも二つ考えられると思うわけでございます。一つは高濃縮の、要するに試験炉に使う、試験炉から出てくる使用済み燃料でございまするが、これは高濃縮であるということ、高濃縮燃料の再処理というものは特殊の施設と技術を必要とするということと、予想される量が比較的少ないということでございますので、現在の方針は買い元に送り返しまして再処理をするという方針をとっております。問題となるのは、発電炉から出てくる燃料の再処理でございます。これは現在の推算によりますると、前期百三十万キロワットというものが予想どおり、または予想に近く建設されますれば、四十七年度末に大体五百トン近くの使用済み燃料が出るという推算になっております。  ところで他方、こういう大量の燃料を外国に輸送して再処理し得るかどうかということを検討いたしまするに、現段階におきましては、海上輸送それ自体に経済的困難性——経済的困難性という意味は、送り返しましても、送り返して再処理してもらいましたその結果受け取り勘定がどうなるかということでございますが、運送費が非常に高いということ、それにプラス再処理費を加算いたしますれば、再処理した結果、プルトニウムとしてもらう値段よりもそっちのほうがよけいになりまするので、結局こちらから払い勘定になるというようなことで、経済的にはこれはなし得ない、避けなければならないという事情でございます。もう一つは、政治的理由と申しますか、技術的理由ということは、海上輸送というものがほとんど不可能である。可能であるという見通しを立て得ない状況にあるということでございます。この三つのことからして、どうしても国内再処理ということをもって政策としなければならないということに、従来ともそういう方向で考え方をしておりましたけれども、そういう方向で政策を固める必要があるという結論に最近到達いたしまして、遠からずそういった方向の政策を打ち出したい、こういう段階にあるわけでございます。  それと同時に、使用済み燃料の再処理につきましては、使用済み燃料の再処理料、それからプルトニウムの買い上げ値段の問題、それから再処理工場をいかにして建設すべきか等の問題が包含されておりまするが、それらの点につきましては、それ以外の点とあわせまして局長から御答弁申し上げることにいたしたいと思います。

岡良一日本社会党

○岡委員 基本方針を承っておるのだから、原則として国産化という方針を皆さんはおとりになるのかならないのかということですね。

島村武久総理府事務官(科学技術庁原子力局長)

○島村政府委員 今後設置が予想されますあるいは原子力開発してまいります場合、燃料について国産化の方針をとるつもりかどうか、こういうお尋ねだと思います。  これは三十六年に原子力委員会から発表されました長期計画にも盛られておりますように、国産化は私どもが原子力に関しまして研究開発を進めてまいります場合の大きな前提であり、あるいは目標として考えておることでございます。

岡良一日本社会党

○岡委員 そこで、国産化ということは打ち出してみても、現在問題は、そのウラン原鉱があるかないか、これは具体的に国産化の大前提になると思うのであります。先般の委員会では、燃料公社の方の御意見は、天然ウランに換算して二千トンはあり得る。またそれをさらに増加し得るというようなお話があった。このいただいた資料を見ると、天然ウラン系が三十九年にはおそらく三百二十トン、あと四十−四十五年までが年平均六十三トンの天然ウランが必要になる、こういうことです。そうすれば、日本国内資源として、二千トンの天然ウランが入手し得るというならば、十分まかない得る状態にあるはずであります。原鉱と精製するまでの過程では一体これをどうかみ合わせていかれるつもりか、どういう計画をもって具体的にまかなっていく方針であるか、その点をまず伺いたい。

島村武久総理府事務官(科学技術庁原子力局長)

○島村政府委員 国産化は、厳密な意味で申しますと、わが国の地下から取り出されますウラン資源というものを使うことが完全な意味での国産化でございます。わが国が原子力開発に乗り出した当時は、ウランの供給というものは非常に不安定でございましたので、私どももまた国内でウラン資源をさがすことが第一になすべき仕事と考えまして、原子燃料公社で探鉱事業を行なってまいりましたわけでございますが、岡委員も御指摘のとおり、現在まで燃料公社で確実にあると考えられる数字として発表いたしておりますものは、金属換算二千トン程度ということでございます。二千トンでございます。この程度の量では原子力発電その他原子力開発をやってまいります場合には、残念ながら安定した供給源にはなり得ないわけでございます。しかしながら、きょう御提出申し上げました「需要量見込」というものの中にも、若干ではございますけれども、発電用ではなくて研究炉の需要も入っております。燃料公社の現在の状態から大々的に国産のウラン鉱石を開発しまして製錬し、加工し、燃料として供給するということは不可能でございますけれども、幸いにして現在山元に製錬中間規模の工場も建設されております。これが処理して出てまいりましたものは東海におきまして精製錬することができる、そういうような状況になっております。われわれといたしましては、さような意味でのそこから出てまいります燃料はできるだけ国内で研究用等に使いたいと考えております。  ただ、大半を占めます発電用の原子炉に供給いたしますものは、燃料公社の探鉱あるいはその他の燃料といたしますまでの技術と経済的な見通しの上に立って判断すべきことでございますので、これについては今日ただいまのところ、いつになったらば国産のウラン鉱石で原子力発電をまかなうというようなことを申し上げる段階ではございません。予想といたしましては相当有望地区も発見できるかと思っております。今後さらに日本の埋蔵量がふえていく、確認できる量がふえていくということは予想せられますものの、とても日本の今後の原子力に要するいろいろな炉に対する燃料供給の資源を自立的にまかなえるような体制にはなりかねるのじゃないかというふうに考えておるわけであります。したがいまして、できれば、これはほかの燃料資源よりは私どもは割に供給が得やすいと考えておりますのでございますけれども、いわゆるイエローケーキの形態におきまして輸入し、以降を国産技術によって国内において燃料要素として加工し、それを原子炉に充てるということを目標に考えておるわけでございます。

岡良一日本社会党

○岡委員 そうしますと、このいただいた資料では、四十年から取りかえ燃料六十三トンずつ要る。一号の東海村の発電炉が二十年稼働ということになっておるから千三百六十トン天然ウランが要るということになっておるわけであります、ごく素朴な数字で。初期消化量が二百三十トン、これで千五百トンあればいい。千五百トンの天然ウランはいま日本の地下資源としてあるわけであります。あるわけだが、しかし外国からイエローケーキを輸入すると言われると、そこに私はちょっと割り切れない感じがするわけなんだが、なぜできないのかということですね。一体燃料公社にその力がないのか、あるいは政府の政策が怠慢なためにその力を持つことができないのか、あるいは何かほかに事情があるのか、この辺のところをひとつはっきりお示し願いたい。

島村武久総理府事務官(科学技術庁原子力局長)

○島村政府委員 御承知のとおり原子力発電株式会社の一号炉だけの用途に充てますには、それに匹敵した資源が日本にあるということは言えると思うのでありますけれども、私どもは、一号炉だけを対象にした国産化ということは、これはあまり意味がないことでございまして、もっと大きな視野から考えていく必要があろうと思うわけでございます。もちろん掘ってそれをイエローケーキにいたします段階、あるいは天然ウラン、金属ウランにいたします段階、さらにそれを加工いたします段階にいたしましても、技術的に可能であるという問題と、経済的に成り立ち得るということはおのずから別個でございます。わずかに十六万六千キロ程度の東海一号炉だけのためにそのような匹敵する資源を当てにいたしまして、そういう生産体制を整えると申しますことは、これはいかに努力いたしましてもあまりにもスモール・スケールの設備を用意しなければならぬというところからきます経済的な困難性があると考えられるわけでございます。もう少し燃料公社の探鉱の状況を見まして、さらに埋蔵量が確認でき、それに相応しますところの製錬技術の進歩もにらみ合わせまして、経済的にも十分やっていけるという見通しが立ちました段階におきましては、それはわずかであるとは申しながらもやはり国産の技術で国内で燃料として供給する方途を考えなければならぬ、またそのほうが望ましいとは考えます。ただいま申しましたように、原電の一号炉だけのための生産設備を整えるということは、あまりにも経済的に不利であるという観点から、まだその段階でない、こう判断しておるわけでございます。

岡良一日本社会党

○岡委員 それは言われるまでもなく、高い燃料を使って高い電力を出していこうということは、これは妥当でないことは十分承知しておるわけであります。  それではお尋ねいたします。原電の一号炉、こういう規模ですね、六十三トン毎年要る。しかもあれは何か中空燃料というような特殊な構造のものなんだが、こういうものをつくる。このつくる公社の技術ですね。そのためにはいろいろ試験もしなければなりませんでしょう、いろいろな試験があると思いますが、そういう試験を含めて、原子燃料公社としては供給する能力があるかどうかということ、また能力を持ち得るかどうかということ。いま一つは、能力があるにしても、島村さんの御指摘のように、とても高いものについて、それでは無理だというようなものなのかその辺のところを。  また原電も、この間私行って見たところが、一号炉の責任者の諸君かと思うが、ペアでつくりたいというようなことをしきりに言っておられた。ペアでつくれば倍要るわけです。倍要るとしても、国内資源でまかない得るという見通しが大体立つというようなことを言っておられたが、そういう場合に、どういう規模でやれば、ペアという規模でやれば日本の国内の資源を活用してこれを精製し、成型加工して一号炉の分はまかない得るのか。その辺のところを具体的にひとつ専門的な立場からお聞かせ願いたい。

今井美材原子燃料公社理事

○今井参考人 たいへんむずかしいお尋ねでございます。それゆえこれは個人の見通しのような、主観がかなり入った御返事になって恐縮でございますが、まず一号動力炉の燃料の国産とおっしゃいますと、公社はそのすべての面にタッチいたしておるというわけにも参りませんけれども、おいおいそれを分けましてお話を申し上げることはできると思います。  まず第一に、ホローシリンダーのメタル、金属でございますが、その金属ウランの製練ができるか、あるいはまたどんな仕事ができるかということについてまず第一に御返事を申し上げます。結論的に申しますならば、公社は今日までもうすでに五年目、目下建設いたして所持いたしておりますところのプラントの運転を継続いたしておりまして、これは原子力研究所その他国内の需要を部分的にまかなっておるわけでございます。この限りの生産的な仕事では、まだ国際的にコンペティティブな値段で生産するということはできておらないと考えます。いま幸いに非常に有利な原料の供給状況でありますので、したがいまして国内で研究用の金属ウランを供給いたしまする点におきましてはさほど重大な御迷惑をかけておらないと存じまするけれども、さればと申しまして、これを経済ベースでお考えになる原子力発電会社の原料になるかということになりますと、遺憾ながらまだそこまではいっていないと思います。  そこで見通しはどうかというお尋ねにもなるかと推測いたしますが、第一私どものいまのプラントで仕事を継続するということでは経済的には成り立たない。それはもっぱら規模の点で、いまの私どものプラントがあらゆる能力をフルに活用いたしましたならばもう少しできると思いますが、いいところ年間実績は十八トンであります。見通しとしては二十トンぐらいで、五割増加というようなことはあるにいたしましても、これではまだコンペティティブな生産にはならないと思います。  しからばどのくらいになればいいと思うかということにつきましては、公社は従来若干の試算を御報告いたしておるのでございます。それをかいつまんで申しますれば、年間約百トン。百トンと申しますのは、あるいはそれは小さいではないかとおっしゃるかもしれませんが、そのようなところまでいけば、格別イエローケーキ、原料体等に変化がないならば、一応はコンペティティブな数字に近いものになるのではないかと想像いたしております。これが公社の金属ウラン精錬に関する現状の見通しであります。  またもっと違った意味で申しますならば、今日まで五年の年月をいただきまして、試験的要素に関しましてはおおむね完了することができましたから、そのような見通しがあると申し上げる次第であります。  工業的な生産ということになりますると、精錬はかなり複雑な回収工程を同時に負担しなければなりません。スクラップとよく言います。これは生産工程では不可欠の要件でありますが、これなども合理的に始末できないと、単にバージンメタルだけがうまくつくれてもいけないわけでありまして、本年はもっぱらその点を詰めておるところでありまするので、これを終了いたしましたならば、おおむね技術的には一応試験的段階を通ったと考えております。  さて、これが原料の金属ウランでございますけれども、これを完成燃料に加工するためには、いわゆる加工の仕事があるわけであります。これは今日まで公社は自分の力で直接深く入っておりませず、このことに関して日本で主として力をかしておられるのは民間事業でございます。この民間事業につきましては政府もいろいろの意味合いでの助成をなさってこられたことでもありまして、その結果今日どこまでいくかということを何かの意味で御報告申し上げることになるので、これは非常にむずかしいことであります。しかし、こう申し上げるのは大過ないと存ずるのは、かなり民間各社のお骨折りによって実用に近いところまでの御努力がなされたと思います。それは表面にかぶせますところの皮の被覆の問題であります。しかしながら非常に残念なことには、どうしてもこれをためしてみるという機会はないわけでございます。少したくさんにつくってみるということが工業化の自信を獲得するための最大の要件であるけれども、これはできない相談であります。今日まである程度実用的になされてきたのは、天然ウランを原料とする燃料については原子力研究所の国産一号炉、これについては実績をおさめてきたわけでありますけれども、今回の東海のコールダータイプの炉というものはちょっとたくさんつくってみるということはできないわけでありますから、その意味におきましてだれもだいじょうぶであろうとか、まだ不十分でなかろうかという、点をつけますことはきわめて困難でございます。  特にもう一つつけ加えたいことは、点をつけるのは、大体こういう燃料のごときものにおきましては、御承知のようにリライアビリティーが一番最後に残る。先ほど来お話しの技術的、経済的、それをちょっとはずれたカテゴリーは、これでできた、値段はおおむねいいが、ということになりましても、使うほうの立場からリライアブルであるかどうかということ、これは非常に大きな問題であります。これをリライアブルであると実証するのは、たくさんつくって使ってみることのほかに、そのつくったものを何かの炉に入れて照射試験をやるということが不可欠でございます。このようなことが今後実行されまするならば、日本の国産燃料の加工の技術というものはそれほどお粗末なものではないというふうに感じております。もっとも国産動力炉は、原子力研究所の国産試験炉の丸棒の燃料とは違いましたけれども、穴のあいたホローシリンダーというタイプで、そういう点でまだ解決されていない、まだ十分開発の自信のない面もあるにはありますけれども、見通しとしてのレベルはそれほどみじめなものではないと私は思っております。  たいへん大まかな話で恐縮でございますが、そういうお見通しの話は今井個人の主観でございまして、間違っておるかもしれませんが、一応御回答を申し上げます。

岡良一日本社会党

○岡委員 公社の現在の技術的な段階、またはあまりにも小規模な精製なり成型加工といったようなものは経済的に見ても不合理だというようなことば、これは島村さんもおっしゃったことでもあるが、これはたしか一号炉は十年間原料は英国が保証するというようなことのように私は聞いておりますが、そういうことでございますか。これは契約の内容について十年間はどうしても動かせないのか、向こうからもらわなければならぬのかどうか。トン当たり一万五千円というふうな数字があの当時ありましたが、その辺の数字の関係を、このごろはだいぶイエローケーキも安くなってきているようだから、妥当なお値段なのかどうなのか。その点をひとつお聞かせ願いたい。

島村武久総理府事務官(科学技術庁原子力局長)

○島村政府委員 原子力発電株式会社はイギリスの原子力公社と燃料供給契約を結んでおるわけでございまして、御指摘のように原則として十年間の燃料供給を先方は保証し、また原子力発電会社のほうは十年間は買うという約束をいたしております。この点は私どものほうにも相談もございまして、そのよしあしについて検討いたしたわけであります。国産化という点からは、十年間というのは長過ぎるという問題もございましたけれども、一方、巨額の投資を行ないましてあのような発電所を建てた側といたしましては、燃料供給に不安を感ずるというような事態はきわめて憂慮せられることでございますので、まあ十年間程度の燃料供給を受けるということはやむを得ないと判断いたしたわけであります。  御指摘のように、十年間が絶対のものであるかどうかという点につきましては、これは絶対のものでございません。ある程度の研究開発に見合うものを払いますれば、これは解除されるわけでございます。また、ただそのことだけでなくて、あの原電一号炉につきましては、先方は十年間の保証と同時に十年間の買い取りの保証を求めましたのは、特別の生産設備等をしなければならぬ。そればただいま今井理事からもお話がありましたように、あの炉に使います燃料が従来のイギリスのマグノックス型の燃料と違いまして中空になっておるというような問題もあるわけであります。したがいまして、もしあの炉と同じようなタイプの燃料に対する需要がイギリスその他の国において出現いたしました場合には、十年間分の燃料からその分を差し引きまして、もっと早期におきましても買い取りの義務を免れることができるようにもなっておるわけでございます。  今井理事からもお話がありましたが、私どももまた日本のこの種天然ウラン系の燃料に関します民間企業の実力というものは、相当買っておるわけでございます。研究をやっておりますある社の研究者自身が信念をもって言うのを聞いたこともございますけれども、イギリス側から何らの技術導入を受けなくても、もう十分信頼性のあるものをつくり得る自信があるということを言っております。私もその点を信ずるわけでございます。一方、これを買って実際に使う側からいたしますと、何と申しましても信頼性の問題もございますし、つくり上げる技術が確立しておりましてもそれを証明する必要がある。これを証明する手段といたしましては、いろいろな検査もやっておるわけでございますけれども、最終的には炉に入れて使ってみるという実績が何より大事だ。日本の原電一号炉の燃料については自信をもって完成し得るというところまではきておりますけれども、まだその炉内照射の過程を経ていないという問題が一番大きい。もう一つは、これはやはり実験室的に製作いたしたものでございまして、製造工業というような形においてやったときにどうかという問題。またそれにはかなりの投資を必要といたしますので、先ほども申し上げましたように、あの炉に対する利用程度ではちょっとむずかしい。私自身もイギリスの原子力公社の当面の責任者にいろいろその点について聞いてみたことがあるわけでございます。生産工場としての最小規模、経済的に成り立ち得ると考え得る最小規模について、イギリス自身としても少しずつは変化があるようでございます。また運賃等のことを考えますれば、日本でつくったほうが有利であるという面もあります。また非常に短期的な要素といたしましては、どうも日本が手に入れますイエローケーキを精製して天然ウランにする価格よりはイギリスのほうが高いのじゃないかという気もいたしますし、関係者の間ではいま、イギリスが言うよりはもっとスモールスケールで企業として成り立ち得るのじゃないかという考え方もあるわけであります。いずれにいたしましても、あの炉一つだけではまだちょっとむずかしい、こういう段階でございます。  なお、お尋ねのありました原子力発電会社がイギリスから買い取ります燃料要素の価格につきましては、商業上の秘密ということで、イギリス側は表に出しますことを非常にきらっておりますので、はっきりとしたことを申し上げかねますけれども、岡委員が御指摘になった数字よりも当初はかなり高かったわけであります。その後御指摘のように天然ウランの価格が、イエローケーキの価格が世界的に落ちてきておりますので、その点も考慮に入れて原電としても交渉いたしまして、当初の価格よりはだいぶ安い価格で契約を結んでおるわけでございます。具体的な数字についてはごかんべん願います。

岡良一日本社会党

○岡委員 十年間かりに英国から天然ウランの成型加工したものを燃料として買ってくるとしても、十一年目からは国産でまかなうという方針でおられるのかどうかという問題なんです。  いまお聞きをすると、国内の民間の研究所のほうでも大体信用できるものもつくれる。これの照射の試験とかいろいろな試験という問題が残されておる。そのために原子力研究所があり、炉材試験炉をつくっていろいろやる。こういうものをフルに活用しながらやる。民間のほうも一時はムードで相当原子力のほうに積極的な意欲を見せておられたが、これも結局いまのところあまり思わしくないというような状態もあるようです。こういうものは公社が主体となって民間業者の協力を求めながら、原子力研究所が持っておる施設をこれにできるだけフルに提供しつつやっていけばできないこともないような気もする。  問題は、やるならばやはり原子力委員会としても早く方針をきめなければならぬと思う。日本で実際十年後に国産でまかなうとして、りっぱにできるものをつくるということなら、一年や二年でこれならばだいじょうぶだということにはいかないと思う。相当に早く四年も五年も前に手を打たなければいけないと思う。英国とは契約の十年間向こうからもらわなければならぬという義務づけでないとすれば、なおさらその準備に取りかかっていかなければならない。そのために必要な予算も出して、公社が主体となって民間の業者と手を組んで、原子力研究所の施設をフルに活用しながら一号炉の燃料の自給体制へ持っていくという、そういう方針くらいはあってもいいのではないかと思うのです。何かそういう関係においてかみ合いがかみ合っていないような気がするのです。炉をつくるということと燃料というものが切り離されて、かみ合っていない。これも自分の手でやろうとするならば、計画を立ててちゃんとかみ合うような方針をとれるわけだと思うのだが、こういう方向に十年後なり、あるいはそれ以前にできればなおけっこうだ。一号炉の燃料は公社が主体となり、原研が協力をし、民間業者ももちろん協力体制をとっていくということになれば、規模の大小によって経済的には違うでしょうが、それは政府の資金の援助その他の方法で何とかつなぎ得ると思うのだ。それくらいの体制で天然ウランに関する国産化という方向へ持っていくべきではないかと私は思うのだが、どうでしょうかね。

島村武久総理府事務官(科学技術庁原子力局長)

○島村政府委員 私どもの考えております考え方も全く御指摘のとおりでございまして、民間企業で現在つくるだけは、教えてもらわなくてもりっぱに寸分たがわぬものが、性質的にもりっぱな役を果たし得ると思われるものをつくり出す自信ができた。もう民間で申しておりますのも、これは民間における研究者の非常な御勉強のたまものではありますものの、過去相当長い間、国といたしましても補助金あるいは委託費等を出しましてそれの国産化の方向に努力してまいりましたその結果だと思うわけでございます。したがいまして、経済的に成り立ち得る最小規模までの需要が出てきました場合には、私どもといたしましても、積極的に国産化の方法を考えていくということにいたしたいと思っておるわけでございます。  なお、原研一号炉ばかりではございませんで、私どもの考えておりますのは動力試験炉、これもアメリカから導入いたしました炉ではございますけれども、つくりましただけでなくて、やはり動かせば燃料は要るわけでございますから、この取りかえの燃料につきましても国産化を進めていく。またその他の原子力研究所等にあります燃料につきましても、取りかえを必要といたしますものにつきましては国産化をはかっていきたい、そのように考えておるわけでございます。

岡良一日本社会党

○岡委員 私は、実は念を入れて申し上げておきたいのですが、何もこういう新しい科学において、狭いナショナリズムという意味で私は国産化ということを言うのではないのですよ。国際協力というためには、やはりある程度の自主的な技術の達成を持たなければいかぬ。これなくしては、国際協力ではなくてものまねにすぎないので、その方向への努力をぜひ、天然ウランの関係においても進めてみるべきじゃないか。これが、規模が小さい工場をつくっても、民間産業のほうではなかなか経済的に成り立たないという問題がある。公社があるんだから、公社が主体となって、民間の協力を求めながら、公社に国の資金をつぎ込みながらやっていくというような方法も考えられるだろうし、何かそういうことについて一段とごくふうが願いたい。  もう一つは、やはり燃料との関係、自給関係というようなもの、ただ外国からくれるからそれでいいんだということじゃなくて、もう一度この際、国際情勢も大きく変わってきておる状態の中でひとつ考え直していくというようなことを、ぜひ原子力委員会としても御検討願いたい、こう思うのです。  その次は、濃縮ウランの問題です。局長も言われたように、JPDRは、ことしはあれでいいが、あるいはその次の年になりますか、交渉のいかんによってはその次の年にもなろうかと思いますが、やはり日本で、特にあの炉の目的が、もっと高出力の燃料というふうなことも考えておられるようですが、濃縮ウランというものの問題が出てくる。この濃縮ウランというものは、問題は濃縮できるかできないかということなんだし、もう一つは、技術的にできるとしても、これが経済的にうまくいくのかどうかという二つの条件があるわけなんです。この見通しは、原子力委員会としては一体どういうふうに考えておられるか。

駒形作次原子力委員会委員

○駒形説明員 濃縮ウランというものについての見通しはどうであるか、それが日本から見てどうであるか、そういうことに対してのお答えを申し上げたいと思います。  濃縮ウランを使います原子炉におきましては、大体におきまして、どうしても施設費が全体といたしますと安くなるわけであります。ただし濃縮ウランを使う場合は燃料費は高くなるというような傾向を持つものでございます。そういうわけでございまして、濃縮ウランを使うということ、そのことは一方においては利点もあるけれども、一方においては弱点もある。しかし、現在の技術というものはあるレベルにまいりまして、そのレベルを突き抜けるためには、一つは濃縮度を若干上げたものを使っていくのが有利であるというような方向に向かっていると思っております。そういう関係で、日本の立場から見ましても、施設費が安くなる形のものに対して魅力を事業者が持つということは考えられることだと思います。しかしそういうわけでございますので、濃縮ウランを使う形というものはある程度大きな割合で取り入れられてくるであろう、こういうことを申し上げることができると思います。これは濃縮ウランを使う原子炉というもの全体を見たときの事柄でございます。日本といたしましても、おそらく前期の百万キロ、並びに後期の中に入りましても、相当程度の低濃縮ウランを使う形というものが大きな割合で入ってくるであろう、こういうことは申し上げることができると思います。  そういうわけで、先ほど西村委員からも御答弁ありましたように、濃縮ウランというものに対しての日本での研究開発というものも、全然これを無視しておるべきものではないと考えておるのであります。しかしながら、濃縮をする装置というものはばく大な費用もかかりますし、なおまたこれに対しまして非常にたくさんの電気といったようなものも、資材も要することでございますので、何らかの技術的の飛躍というものがそこにありました場合、われわれもこれに対してそういうものを自分でつくっていくというふうなぐあいにすべきものだと考えております。そのためにも、ただ手をこまねいて技術的飛躍というものを待っているということではいけないというわけで、燃料公社その他におきまして、非常な基礎的な研究というものも、現に、あまり大きな規模ではございませんけれども、やっているというのがただいまの現状でございます。

岡良一日本社会党

○岡委員 濃縮の関係は、いま駒形さんがおっしゃったように新しい技術、私ども聞いているところでは、いわゆる拡散法によると、とほうもない電力も要するし、とてもやれるものではない。遠心分離、これはこの間東海製錬所へ行きましたら、一基据え付けて、やがて一基目も据え付けられるので、これは一万五、六千回回転ができるであろうというような話もそのときの説明で聞いたのです。そのほかにより新しい技術の開発を期待するというようなことを言っておる。そこで私は、それは原則としては非常に正しいことだと思います。やはりガス拡散ではなくて遠心分離ができたというのは、ドイツなりフランスなり、どこか知りませんが、やはり新しいアイデアができて、より経済的、より技術的に安全な核濃縮ウランの精製に成功してきておるわけです。そういう新技術の開発をやるということは当然やっていただきたいと思うわけです。少なくとも現状では、これはぜひひとつこういうことにも原子力委員会としては努力をしていただきたいと思う。現在他の国が開発をしたこの濃縮方法だけではなくて、新しい濃縮方法はないか、もちろん手抜かりはないかもしれないが、ぜひ努力をしていただきたい。  これは今井さんにお尋ねをいたします。遠心分離でやるということですが、いまここで見ますと、とにかく濃縮ウランの需要が昭和四十一年には一・一トンで済むというものが、四十二年、四十三年には七十一トン、四十四年には百五十七トン、四十五年には百四トンという非常に大きな数字が出ておるわけです。こういう程度のものが出てくるわけなんです。現状ではこれはたいへんな規模のウランの濃縮工場というものがつくられなければならないことになってくる。これは特に遠心分離でやれば、遠心分離機だけでもたいへんなものだろうと思うので、こういう点も考えて、技術的に、経済的に——この濃縮ウランが四十二年七十一トン、四十三年七十一トン、これが四十四年には百五十七トン、四十五年には百四トン、こういうような需要があるわけだが、国内でこれを供給し得るような体制というものが、公社なりあるいは民間企業が一体となった形で可能なものなのかどうか、この点のお見通しを、もちろん今井さんの主観的なお考えでもけっこうですが、お伺いしたい。

今井美材原子燃料公社理事

○今井参考人 その点ではもう非常にお答えに窮するわけです。第一私どもの段階をちょっと御報告申し上げて、それでひとつ御推断を願うほかはないと思うのです。  私どもは、もともと国が委託費等で理研にこの研究開発を委託なさってから、およそ二年くらいそのことがあったと思うのであります。それを三十八年度におきまして、この仕事は公社が以後引き継ぐのがよかろうということでお引き受けをした。ところで、その当時どうなっておったかと申しますと、理研はすでに民間の協力を得まして、一号機、二号機の二つの機械を試作なさって、そしてかろうじてこれを運転できるかできないかということをテストされておったわけでございます。  さて、公社がそれをお引き受けするにあたりましては、三十八年度にそれを入れる建屋をつくることをやる。そしてお引き受けするには、そのまま移設をしてもしかたがないというので、当時の知識で民間の協力を得まして最善の修理、改修をやった上で引き継ぎをすることになりました。それがただいま御指摘のございました一台はすでに使っておっても、もう一台は間もなくというお話でありましたが、その一台も現在におきましてすでに使っています。  この成績なんでございますけれども、これは私ども当事者といたしまして、過去二、三年の努力によって相当飛躍的にうまくいったわけです。しかし、その意味はもう単に遠心分離機という一つの機械がある、これは相当の超スピードで運転いたしますので、いま一万六千回転パー分で運転いたします。そのような高速回転機自身が日本でうまくつくれ、またうまく運転できるかということがすでに問題であったのでございますが、何でも一応運転できるようになるということは、ずいぶん骨折りがいがあったような気がするわけです。そうかと申しまして、これでウラン分離ができるかなどということになりますと、とうていまだ考えられないわけです。たとえて申しますと、はなはだ恐縮でございますが、このいままでの機械は一基数千万円しておるわけです。しかし、いまの状況でしからば四%の濃縮ウランをどのくらいつくるかということを一応頭に描いて、それじゃこの機械が何台要るだろうと考えますと、大体一万台です。そうすると、とてもいけません。かりにお金を一万台で百億いただくとしますと、この機械は一台百万円でなければいけないわけでございます。まだそのくらいの飛躍がございまして、とうてい今日の段階でまだできるかできないかお答えできないというほうがほんとうであって、その点でひとつ御容赦を願いたいと思うわけであります。まあしいて言えば、まだだめだ、こうお答えを申し上げるのがほんとうだと思います。どうぞその辺で……。

岡良一日本社会党

○岡委員 そういうことであれば、これはもういたし方ございません。  そこで、先ほど来、天然ウランについても経済ベース経済ベースということが言われておるわけだし、もちろんこれは発電炉なんかについては重大な要素になってくるわけであります。最近はイエローケーキが一トン四・五ドルとか五ドルとか、この前高橋理事長のおっしゃったときよりも半分近くに下がっておるというふうに聞いておるわけです。これは何も政府に株をやれというのではないのですが、底値なら買っておいたほうがいいのです。日本のものには限度があるんだから、そういう手もひとつ考えておいたらどうなんですか。これは将来の動きもあるのでありますから、どうなるかわかりませんが、一体どうなんですか。

島村武久総理府事務官(科学技術庁原子力局長)

○島村政府委員 おっしゃるように、イエローケーキの国際価格というものがここ数年来ずっと軟調をたどってきておるわけでございまして、いま公社が買っております価格が、大量に長期の契約をいたしますような場合の価格になり得るかどうか、これは疑問もございます。ある程度いろいろなコマーシャルな要素が入っておりますので、売り込みその他の関係で向こうも相当思い切って安くしているのかもしれませんので、それがほんとうにいまの価格と見るかどうかは疑問でございます。いずれにいたしましても、相当軟調をたどってまいって、ほぼこの辺が底ではなかろうか、そういう気もいたします。また今後のことについて申しますと、まだ当分はやはりさらに安くなるというところまでは考えなくても、当分この程度の値段が続くのじゃなかろうか。それから先は、世界の原子力発電計画がどんどん推進されて多くなってまいりますと上向いてくるということも考えられるのではないか。  そういう目でみますと、いま少なくとも投機的にどさっと買っておくということでなくても、長期的な契約を結んで、しかし、それは必要量だけ供給を受けるというのではなくて、いま必要以上の数字を長期的に契約をするということになりますれば、これはあとで考えてみますと、かなり安いものを買ったという結果にならぬとも限らぬと思います。その意味におきましては、岡委員がおっしゃいましたように、うんといま買っておいたらどうかとおっしゃいますことは、確かに一つの考え方でございますが、公社もいわば国の機関でございまして、ひとつ来年上がるからということで買っておくという行為は、私もよくわかりませんけれども、国の場合には原則としてなされないわけでございます。また確実にそうなるということもございませんので、現在それも数トンとかいうような単位でなくて、相当多量に買っておくというようなことはちょっと考えられない。もっとも海外におきましては、カナダなんかでは、伝え聞くところによりますと供給過多におちいりまして、条件の悪いところでは鉱山を閉鎖するというようなことも起こっておるそうでございますから、先方の側にしますれば、日本がそういう態度をとりますればこれは歓迎して話にはなると思いますが、もっぱら日本から考えまして、原子燃料公社をして大量に買い付けさせておくということにつきましては、いままでの国の財政のやり方から考えまして、ちょっとむずかしいと思います。

岡良一日本社会党

○岡委員 国の立場から投機をしてはいけないということは、それはそういうこともあり得るけれども、日本だって日本のお札の安定のためにはやはり金を買っていますからね。だから何も別に投機という意味じゃなくて、どの程度の一たとえば濃縮ウランというものは、さっきもお話にあったように濃縮ウラン四〇%の生産減をやるとアメリカは言っておる。だから非常にもったいない話だと私はこの間佐藤さんに申し上げた。日本ではこれから濃縮ウランをつくるのだけれども、つくろうにも、技術もないし経費もかかるからつくれないという状態です。一方では遊んでおる。  だから、遊んでおるものを使って安いイエローケーキで濃縮ウランをつくらせるという体制を持つことは当然考えていいことだと私は思う。おそらくアメリカだって委託濃縮というようなことをやるでしょう。だから、そうすればイエローケーキも全部を含めて向こうからまるまる濃縮ウランをもらわないで、いま安いイエローケーキをつくっておいて、そして委託濃縮まで持っていくというぐらいのことは、これはやはり国の財政のためにはプラスになってもマイナスではないのだ。それぐらいのことは相場とかなんとかいうことじゃなくて、計画的にこの程度のものは要るという以上は、それぐらいの手を打つということも十分考えていいのではないか、こう私は思うわけです。どういうものでしょうかね。

島村武久総理府事務官(科学技術庁原子力局長)

○島村政府委員 岡委員が御指摘になりました点は、燃料の民有化に伴いましてアメリカで大いに問題になっておるところでございます。外国が安いイエローケーキを買い付けてアメリカに濃縮を委託するというようなことをやったのではアメリカとして非常に困るのではないかということが、民有化法案をめぐってアメリカで議論をされておると承知しておるわけでございます。日本としてももちろん、アメリカはある程度天然ウラン供給の安定化をはかりますために価格を保証して買い上げておりますので、安いイエローケーキを手に入れるわけにいきませんからそういう心配が起こるわけでございますが、そういうことが可能になるような状況になりましたら、これは幾ら政府なり燃料公社がコマーシャル的な感覚が民間会社よりは薄いと申しましても、日本としても当然そのようなことも過渡的に考えられると思います。アメリカから濃縮ウランをアメリカのきめた相場で買うよりも、カナダなり南阿なりから買ったイエローケーキをもとにしてアメリカに濃縮を頼んだほうが安上がりだとなれば、日本政府としても当然そういうことはいたすつもりでおりまして、決していやだということは考えておりません。  しかしながら、まだ原子力の世界は非常に変化が激しいものがございますので、そういうことになるであろうことを予期して、岡委員がおっしゃいましたように、いまからそういうことを計画的にやっていくということはなかなか困難であるということを申し上げたわけでございます。情勢さえそのほう実が右利であると考えられますれば、そういう方法をとることも当然考慮しなければならぬと思います。

岡良一日本社会党

○岡委員 計画的にというのは、ここに数字が出ておるものですからね。一応推定される数字として、天然ウラン、濃縮ウランを含めて四十五年に百六十七トン、四十四年に二百二十トン要るというような数字が出ておる。国内では採鉱探鉱施設でやられてもそれだけでは規模が小さいからとてもやりにくい。一方濃縮の技術がない。いろいろな悪条件が重なっておる。そこへもってきて、ただいい条件は、イエローケーキが非常に安くなっている。底値といっていいぐらいな値段になってきておる。だから、これを日本が持って、日本が天然ウランとして日本の工場で加工するならば、日本のほうでも天然ウランの燃料というものは安くできると私は思う。それから、もしこれが濃縮ウランの場合には、委託濃縮をしたところで安い燃料が取れるのだから、将来原子力発電をやるといっても安い発電単価になり得る条件がここにある。そういうようなことを考えますと、何も投機とか相場という考え方ではなしに、きわめて合理的にそういうことが考えられるということだと思う。  そこで、こういう点は、特に燃料課長の田宮さんは長く海外におられて国際的な視野から燃料問題を見ておられると思うが、私のいま申しておるようなこういう考え方について、率直な御意見があればお聞かせを願いたい。

田宮茂文総理府技官(科学技術庁原子力局核燃料課長)

○田宮説明員 トール・エンリッチメントにつきましては、本年の六月でございますが、ニューヨークにおきまして会議が開かれるそうであります。それで問題になりますのは、トール・エンリッチメントをやるかやらないかという点につきましては、原子炉メーカーと燃料関係のメーカーとの利害が一致しない点がございます。と申しますのは、原子炉メーカーのほうは、当然のことでありますけれども、自分のところでつくりました原子炉を売る場合に、売ることが第一でございますから、需要者のほうが燃料を、いま御指摘になりましたような方法でイエローケーキを安く買ってトール・エンリッチメントをするという希望があれば、それをかなえたいという立場にあるわけであります。ところが、燃料関係のメーカーは、これまた当然でありますが、アメリカの原子炉を売ります場合には、自分のところの燃料をその中につけて売りたいということで、意見が一致しないそうであります。この前カナダのエルドラドという会社の人が参りまして話を聞きましたところ、本年度は総選挙の関係もありまして、アメリカといたしまして燃料の民有政策の決定はおそらく行なわれないだろう、しかし、この六月に行なわれますこのコンファレンスを契機といたしまして民有の問題、さらにトール・エンリッチメントの問題がスタートいたしまして、来年以降その実現が期せられるというようなことをエルドラドの人が言っております。  先ほどお話がございましたイエローケーキの買い付けの問題にいたしましても、原子力局長が御説明申しましたように、カナダでも、エルドラドともう一つの会社を除きましては当分の間鉱山が締まるというような情勢も考えられるので、それに投資をして長期契約で買ったとかいうようなことも聞いております。それから、イギリスでもトール・エンリッチメントというようなことは一応問題になっておりまして、各国にトール・エンリッチメントをいたしますというようなことを宣伝しております。  しかしながら、一番問題は、そのトール・エンリッチメントをやった場合に、はたして有利になるか。たとえば需要国であります日本なら日本にとって有利になるか。その点についての情報はまだ何もございません。したがいまして、本質的に経済問題でございますから、そういうトール・エンリッチメントを一体幾らでやってくれるかということが明らかになりませんと、需要国でありますわが国あたりの態度がはっきりしないということになるのではないかと思います。

岡良一日本社会党

○岡委員 だから、問題は価格が幾らになるかわからない。それはもちろんそのときにならなければわからないが、しかし安い燃料を買っておけばそれは安く入る大前提だと思う。ウランだって四ドル半でいつまで続くわけでもない。世界的にどんどんウラニウムの原子力平和利用が進めばまたウランの値段というものも見直される時期がくるだろうし、そういうところのタイミングを考えてそういうことをやっていいのではないかと私は思うわけです。  そういうことで、天燃ウランについてはぜひこの際、民間産業も含めて公社が主体性を持って、できるだけ国産化の方向にいく。そこまで技術がきておるものなら、その場合必要な資金は公社を通じて何らかの形で、高いものを原電が買わなくてもいいようなやり方は私は考えられ得ると思うのだが、そういうこともお考えになってやられたらどうかと私は思うのです。  それから、濃縮ウランはいまのところとてもできない。しかし、いま申しましたように、一方では四〇%も濃縮ウランの生産を減じようといっている。いわば設備が遊んでおる。一方ではとてもできないという状態。こういうアンバランスは、これはむしろIAEAが取り上げるべき重大な問題だと私は思うのですよ。こういう問題こそやはり、原子力委員会としてもIAEAに理事を送っているのだから、こういう大きな先進諸国の原子力政策の大転換の時期にあたってはIAEAの任務は非常に大きいと思う。これが最近は、私をして率直に言わしめれば、全く影が薄い。いまこそIAEAがうんと強力に国際的な協力を推進し、低開発地域における原子力の平和利用を推し進めていくという、憲章に忠実な任務を高度化する大事な時期だと私は思う。そういうときに、IAEAが居眠りをしているというような状態は、私は非常に不幸なことだと思う。そういう点では私は、日本の原子力委員会としてもよほど責任をもってIAEAに対していくくらいの意気込みがほしいと思うのです。この点ひとつ、西村委員が御専門のようですが、どうなんですか。

西村熊雄原子力委員会委員

○西村説明員 冒頭岡委員から御指摘になったような、世界における原子力平和利用における大きな事態の変転、いわば好転、それからくる燃料、いわゆる原料の需給に及ぼす影響その他が、この問題に関心を持つ国すべての関心事でございます。この秋はちょうどゼネバの原子力平和利用第三回の国際会議に引き続いてIAEAの総会が開かれるという経緯もございますので、そういった空気がまずゼネバにおいて反映され、ゼネバの空気がさらにウイーンにおいて反映される、こういうことになりますので、ことしの総会は例年の総会に比してより以上に、非常に今後の各国の原子力平和利用のための施策については意義が大きい総会だと、こう見ております。したがって、御指摘のような問題がいかにゼネバそれからウイーンにおいて反映してくるかということは、目下ゼネバとウイーンの会議についての準備段階にありまする委員会としては、絶えず考えておる次第でございます。  要は、こういう情勢に対しまして、IAEAが、設立された当初の本来の使命に返って、加盟国が当初機関に期待したような役割りを果たすようになってくれなくてはならないという声を立てるには最適の時期だと、こう思うのであります。と申しますのは、IAEAというものは、大体、原子力利用の根本である核燃料物質の国際的需給の中心機関となそうという趣旨で、アイゼンハワー大統領の提唱が基礎になって設けられたものでございまするが、その後、米ソの対立という国際情勢に災いされまして、その核燃料物質の国際的需給を調整、円滑化するという役割りは裏面に隠れて、主として技術的な問題の開発だとか、国際的規制の基準の策定とかの面に努力が結集されてきたようなわけでございますが、これは機関としては当初予期された情勢の発展ではございません。  幸い、本年に入りまして、当初の使命を果たすに都合のいい国際情勢になりましたから、岡委員御指摘のような方向に今後機関がいくように、日本はむろんのこと、各国政府はそういうふうな態度をもってウイーンに集まることになるだろう、こういうふうに見ておる次第でございます。

岡良一日本社会党

○岡委員 問題は、そういう他力本願なというか、かまえ方じゃなくて、日本はいま痛切に困っているわけでしょう。特に濃縮ウランは、日本のほうではもうここ二、三年すれば相当の濃縮ウランが要るけれども、技術的にもつくれない。なかなか資金も困難だ。ところが、一方では濃縮ウランは四〇%も生産を減じようというような状態。そういうような状態になってきておるんだから、それこそいまおっしゃったように、IAEAは当初の使命に立ち返って、そして核燃料の国際的な需給についてはやはりできるだけ積極的に動く、動くべきであるという、そういう方針を日本原子力委員会がIAEAの総会で強く要請をされる、こういう必要があるんじゃないか。なるであろうと思われるというのじゃなくて、そういうふうにしむけていくという御決意があってしかるべきだと私は思う。その点をいまお伺いをしておるわけです。

西村熊雄原子力委員会委員

○西村説明員 今後、委員会といたしましては、ゼネバ会議とウイーン総会に対しまする政府の方針ということにつきまして検討を重ねていく段階にございます。ちょうど幸い今日たいへん有益な示唆をいただきましたので、御趣旨に沿う方向で問題を考えていきたいと思います。

岡良一日本社会党

○岡委員 ぜひひとつそういう方向で原子力委員会も積極的に御検討願いたい。これも八月下旬にはもう開かれるわけです。だから、やはり会議の関係上、早く御決定を願わなければならぬと思うから、今月二十六日までこの国会もありますので、この委員会に、そういう御決定があったその結果について御報告を願うように、責任をもって十分に御検討願いたいと思う。  それから、時間もないということでありますから、簡単に、使用済み燃料の再処理の問題についてお伺いをいたします。  この使用済み燃料の問題は、実はこれはもうやがて七、八年越しこの委員会でいつも私申し上げておったことは、賢明な島村局長も御記憶だと思う。大体使用済み燃料を持っていけるかどうかということから問題は出発したが、当時は、当初は、持っていけます、引き取りますというようなお話であった。ところが、どうもなかなかそれは持っていけない。先ほどどなたかのお話があったように、二トンの使用済み燃料を持っていくのに五十トンのコンテナーがかかるというような状態、各国の港にそれを寄せてもらえるかどうかわからないという状態、そういういろいろな困難があって、持っていけないということになっている。そこに持ってきて、一方ではプルトニウムの生産を減じようというような状態にアメリカも英国もなっておるのだから、いよいよ引き受け手がないという状態で、少し原子力委員会としてもあわてられているように見受けられる。あわてるならそれでいいのだが、それならそれで、きちっとした計画を立ててもらわなければならぬ。使用済み燃料は大体何年にはどのくらい出てくるという数字をつかんで、その数字にふさわしい対策を立ててもらわなければならない。これがほんとうにあるのかどうか。原子力委員会としては、そのうちにひとつ計画を立てたいという先ほどの西村委員のお話であったのだが、そのうちにというのは一体いつなのか。のんびりしていて、ほんとうにおまかせしておくとだんだん手おくれになるような気がするのですが、その点をはっきりとひとつ承りたいと私は思う。  大体使用済み燃料が、政府からいただいた資料では、四十四年十三トン、四十五年には七十八トンという再処理工場の運転予想です。使用済み燃料の冷却後の排出量は、四十年には九・五トン、四十一年には一号炉が動いて五十七トン天燃ウランで出てくる。そのほか民間の電力業者もやるであろうと想像されるいろいろな発電も含めて、昭和四十五年十二月までに稼働するといわれておるものから排出されてくる使用済み燃料というものは、総計昭和四十年には二十一トン、昭和四十一年には六十四トン、四十二年、四十三年は同じく六十四トンで、四十四年には六十六トン、四十五年には八十三トンということになってくるから、これが蓄積されてくると、初年度は二十一・五トンだが、これが八十五トンにふえ、次には百五十トンとなり、やがて三百十三トンとなり、二百八十トンとなり、四十五年度は三百六十四トンになるというような状態です。非常に幾何級数的にふえてくる。  これに見合った再処理計画というものがあるのかどうか。ここでは一応「再処理工場運転計画」というものは計画として数字だけはいただいておるんだが、私はそれがつくられている実際のそういう御決意と具体的な計画があるのかどうか、その点まだはっきり伺ったことがないので、この機会に原子力委員会としてもひとつはっきりと御決意をお聞かせを願いたい。

島村武久総理府事務官(科学技術庁原子力局長)

○島村政府委員 使用済み燃料の排出量、並びに再処理工場をどのように動かすか、処理するかということにつきまして、御要求がございましたので、本日資料を差し出したわけでございます。  この排出量につきましても、断わり書きに書いてございますように、相当な前提を置いておるわけでございます。その前提に従って計算する限り、ただいま御指摘になりましたような結果を私どもとしては予想いたしておるわけでございます。実御質問の中に、原子力委員会が送り返せないことになって急にあわてておるように見受けられるというおことばもございましたけれども、国会でもたびたび古くから御指摘を受けておりましたし、原子力委員会でも、再処理の問題につきましては過去数ヵ年にわたりましていろいろと検討を進めてまいったわけでございます。御承知のとおり、原子力委員会に再処理の専門部会を設けて、海外におきます調査をはじめといたしまして、日本でどのようにしてやっていったらいいかというようなことを数年にわたって検討していただきました。その結果も出ておるわけでございます。本日差し出しました資料につきましては、大体において、それらの専門家の意見等も参酌いたしました上での運転計画というものをお出しいたしたわけでございます。  長期計画におきまして考えました線は、もちろんアメリカともイギリスとも協定がございますので、その協定に従いまして、一応使用済み燃料につきましては、アメリカの場合でございますと、アメリカ合衆国政府の再処理施設あるいはアメリカ合衆国政府が認めた施設に送り込んで再処理するということになっておりまして、当然送り返すことも考えておりましたし、現に発電炉でなくて、現実の問題として起こっていますのは原研の二号炉、これから使用済み燃料が出ております。これらにつきましては送り返す交渉も進めておるわけでございます。  しかしいずれは、送り返すというようなことじゃなくて、日本でこれを再処理しなければならぬということは、これは自明の問題でございます。したがいまして、再処理専門部会等を設けて検討したゆえんでもございます。長期計画におきましても、前期のおしまいごろには国内で再処理プラントをつくらなければいかぬ、中間プラントと書いてございますが、つくらなければいかぬという趣旨のことが述べられておるわけでございます。  ただいま御指摘の資料によって申しますならば、現在私どもが考えておりますのは、四十四年度、ここでこの計画によります累計量として使用済み燃料が、おもに天然ウランでございますけれども、二百八十トン出てまいるということになるわけでございます。この段階におきまして、と申しますのは、四十四年度の終わりには再処理工場を完成して稼働せしめたいという希望を持っておるわけでございます。再処理工場につきましては、すでにそのような考えのもとに三十八年度以来予算もちょうだいいたしまして、原子燃料公社におきましてこの規模の工場の設計を担当してもらっておるわけでございます。それぞれ、それこそ日本独自の技術を開発するというわけにはまいりませんけれども、先進諸国の長をとりました再処理工場の設計というものを燃料公社で行なっておりまして、単にこれが希望でなくて、現実にもうそのような形において踏み出しておるわけでございます。それを推し進めてまいりますれば、この計画にあるような処理のしかたが可能になると私どもは考えておるわけでございます。  ただ、明確な形においてこれがすでにすべて政府部内においてきまっておるかどうか、こういうことになりますと、これは私どもがいままで内部的に検討いたしまして詰めた現段階の資料によりまして御説明を申し上げておりますし、またそのような希望を持っておることも事実でありますけれども、西村委員からお話がございましたように、このようなことにつきまして近く原子力委員会として正式な具体的な計画の形において決定をいたしたい、そういうふうに考えておるわけでございます。

岡良一日本社会党

○岡委員 この部屋を使うそうですから、私はあと少し重要な二、三点をお聞きしたいのですが、それは一応やめまして、資料の御要求をしてその上のことにいたしたいと思います。  いま局長のお話では、工場は四十四年から稼働するわけですね。

島村武久総理府事務官(科学技術庁原子力局長)

○島村政府委員 四十四年度の末期、暦年で申しますと四十五年の初めから動くようにいたしたいと考えております。

岡良一日本社会党

○岡委員 その場合、その計画に伴う裏づける予算関係を一応お示しを願いたいと思うのです。

島村武久総理府事務官(科学技術庁原子力局長)

○島村政府委員 設計費用といたしましては、三十八年度、三十九年度におきまして大体六億九千万円すでに決定いたしておりまして、その予算に基づきまして現在設計を進めておるわけでございます。全体的にこの規模の工場を建てますと、つまり四十四年度までに幾らの建設資金が要るかということにつきましては、これは設計を仕上げてみませんと明確なことはわからないのでございますけれども、私どもで公社の専門家の方々の御意見などを伺いながら一応試算いたしております額は、八十億から九十億台に達するのではなかろうかというふうに考えております。  なお、運転に要します資金につきましては、これはまだそれよりももうちょっとわからない要素はございますけれども、やはり年間中数億あるいは二十億程度のものがこの工場を運転するために必要ではなかろうかと考えております。

岡良一日本社会党

○岡委員 昭和四十年からもうすでに使用済み燃料の未処理残が二十一トン出てくる。四十一年には八十五トン、四十二年には百四十九トン、四十三年には二百十三トン、四十四年には二百六十七トン。そこで、この資料をいただくと、冷却ポンドに入れておくのが四カ月ということになりますから、これだけのものが蓄積されてくるわけですね。この蓄積について、具体的な方法はもう御用意があるのでございますか。

島村武久総理府事務官(科学技術庁原子力局長)

○島村政府委員 大体考えておりまして、もちろん原子力発電株式会社におきましては冷却用のポンドもつくる計画になっておりますし、それはワン・コア分だけではないわけでありますが、かりにその程度のものにいたしましても、あとは燃料公社で引き取れば、やはりポンドに入れて再処理までもたせ得るという考え方に立っておるわけでございます。

岡良一日本社会党

○岡委員 今度福井県のほうに二ヵ所、関電と原電が発電所をつくられるわけですね。そこでも使用済み燃料が出てくることになる。それも東海村へ持ってこられるつもりですか。持ってこれますか。

島村武久総理府事務官(科学技術庁原子力局長)

○島村政府委員 東海村にすでに必要なスペースはとってありますけれども、まだ必ずしも東海村に置くというところまでは決定いたしておりません。これはやはり安全審査等も必要でございます。かりに東海村に、あるいはどこに置かれるにいたしましても、国内で出ますどの発電所の分もそこに運ぶわけであります。それぞれの発電所の隣で処理するという考え方はなく、一カ所に集めて処理するつもりでおります。  また、陸上輸送につきましては、これはすでに海外先進国等において経験済みのことでございますので、私どもといたしましても十分陸上輸送——あるいは場合によって沿海になるかもしれませんけれども、そういうような意味での輸送については心配いたしておりません。

岡良一日本社会党

○岡委員 使用済み燃料の問題ですが、濃縮ウランの取り扱いの問題なんですね。日本ではいま濃縮ウランは民間の使用を許しておらない。今後ともそういう方針を堅持せられますか。

島村武久総理府事務官(科学技術庁原子力局長)

○島村政府委員 これは日米原子力協定に基づきまして、アメリカから濃縮ウランの供給を受けます限りにおいては、国が保有をしなければならぬ義務になっておることでもございますので、この日米原子力協定が改定いたされますまでは、国はこれを民有に移す自由を持たないわけでございます。したがいまして、当然その線を貫いてまいることになると思います。  ただし、先ほどもお話が出ておりましたように、アメリカ国内におきまして民有が行なわれました暁におきましては、これは当然日本としては民有にするかどうかということを考慮する自由を持つに至りますので、そのときに日本としての処置をきめるということにいたしたいと思います。

岡良一日本社会党

○岡委員 原子力委員会にお尋ねいたします。原子力基本法第二条で「平和目的に限り、」ということがはっきりうたわれておるので、したがって軍事的な目的に転用され得るような危険性は排除しなければいかぬ。そういう意味ではアメリカとの協定のいかんにかかわらず、濃縮ウランあるいはその再処理の結果出てくるプルトニウムはもちろんのことだが、これは国が責任をもって管理する、国有という体制で貫くべきだと思いますが、どうでしょう。

西村熊雄原子力委員会委員

○西村説明員 その点はきわめて重要な問題でございますので、いま直ちにこの時点において即答いたしかねると思います。  原子力委員会といたしましては、アメリカの国内法の改正の結果、日米協定によって日本政府が負っております政府の管轄のもとに置くべしという条約上の義務がなくなりますその瞬間におきまして、そのときにおける政府、また政府のアドバイザーとしての原子力委員会が最も慎重に考えまして態度を決定されるべき問題であると考えております。むろんその際に原子力基本法の精神というものが一番大きな重みを持つものであって、決定のいかんにかかわらずそれが軍事利用への転用を容易にするような結果になる措置は考えられないと私は信じております。

岡良一日本社会党

○岡委員 アメリカとの条約の結果がどうあろうと、アメリカの国内事情がどうあろうと、アメリカでは原子力法というものがあって軍事利用をやっておるし、もしそれに反すれば死刑をもって臨むなんていう手きびしい文句まであってやっておる。日本では原子力の平和利用ということがはっきり掲げられておる。そうとすれば、むしろ平和利用——軍事的な利用の危険がないとしても、原子力委員会としては基本法の精神にのっとるならば、軍事利用にし得るような原子力燃料の取り扱いは、やはりあくまでも原子力委員会が責任をもってこれを守っていかなければならない。そういう意味で私は、これはやはり国有という方針を堅持すべきだと思います。この点はいずれ時間もあることでありましょうが、私どもとしては強く要望するわけであります。  そういうことで、たとえばクレジットをどうするかというような問題なども出てくるわけであります。だから、そういう問題も含めていろいろ質疑をしたりお尋ねをしたかったのですが、時間もありませんのでこれでやめます。いずれまた機会を見て、所有権とプルトニウム・クレジットとの関係も今後いろいろ政治問題になろうと思いますので、ひとつこういう機会にはっきりしておいていただきたいと思うのです。  原子力委員会としては、島村君などはもの書いたそうにしておるが、プルトニウム・クレジットというものは何を基準にするか、プルトニウム・クレジットというものはバリューであってもプライスではないと私は思う。だから、それを何かプライスとしてきめるとするならば何を基準にしてきめるか。国が所有するかどうかということによって問題はまた大きく変わってくると思うのであります。そういう点も含めて、これはひとつ原子力委員会としても、この次の機会にでも丁重な答弁を文書で承りたいと思うのです。  これで、時間もないことだから、やめます。

前田正男自由民主党

○前田委員長 以上で参考人からの意見聴取は終わりました。  参考人には長時間にわたりましてありがとうございました。  本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもってお知らせすることとし、これにて散会いたします。    午後零時三十八分散会

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