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46回国会衆議院1964/05/06

科学技術振興対策特別委員会 第14号

発言数
52
登壇者
7
会派数
2
開催日
1964/05/06

会議録

前田正男自由民主党

○前田委員長 これより会議を開きます。  科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。  まず最初に宇宙開発に関する問題について、科学技術庁芥川研究調整局長、畠山気象庁長官及び郵政省宮川電波監理局長からそれぞれ説明を聴取することといたします。  この際、それぞれ発言を許したいと思います。まず第一に科学技術庁芥川研究調整局長。

芥川輝孝総理府技官(科学技術庁研究調整局長)

○芥川政府委員 宇宙開発の関係のうちで、行政官庁のやっておる分につきまして概略御説明を申し上げます。  御承知のとおり、宇宙開発は、科学技術庁を含めまして各省庁にまたがる広い分野の開発を並行的に進めなければなりませんので、基本構想といたしましては、本年の二月三日に宇宙開発審議会におきまして諮問第三号に対する答申が出ておりますが、その線に沿いまして特に開発の必要がありまするロケット、人工衛星のようなもので、関係行政機関が重複して開発いたしますと多額の経費を要するものは一本で科学技術庁でこれを行なうように考えております。  一方、宇宙開発の実用化が進んでまいりまして、特に気象もしくは通信につきましては、打ち上げられました衛星の利用の促進ということにつきましては、国連の決議をもちましても各国にこれを大いにやるように勧奨しておる次第でございます。そこらにつきましては、外国の衛星を利用するという場合、これが気象の衛星もしくは通信の衛星というふうに用途が専用化されておる面につきましては、これもやはり宇宙開発審議会の答申の線に沿いまして、各省各庁の分担区分を明確にいたしまして、その省の専管事項としてこれを進めておる次第でございます。たとえば外国で打ち上げました気象衛星の利用につきましては運輸省、通信衛星につきましては郵政省、航海衛星につきましては運輸省と建設省というふうな例に相なっております。  それから、わが国自身として行ないまする開発につきましては、まだ衛星自体の開発はこれを具体化する段取りまでいっておりません。  気象ロケットのように、数年前から手をつけております分につきましては、現状は科学技術庁と気象庁とが協力いたしまして、科学技術庁の責任においてこれを総括取りまとめを行なっておる次第でございます。気象ロケットのうち、気象観測装置につきましては実質的に気象庁が分担いたし、ロケット本体、椎葉の分については科学技術庁がこれを分担いたしまして、この総合性能につきましては、試射打ち上げまでを科学技術庁の責任において一元いたしてこれの開発を進めている現状でございます。  人工衛星につきましては、ただいま申し上げたほど具体化しておりません。基礎研究の重要性にかんがみまして、科学技術庁におきましては、三十五年度から委託費をもちまして、民間会社に委託研究を委託してこの開発研究を進めておる、こういうふうな状況になっているわけでございます。  以上簡単でございますが、御説明を終わります。

前田正男自由民主党

○前田委員長 次に畠山気象庁長官。

畠山久尚気象庁長官

○畠山(久)政府委員 気象関係のことを御説明申し上げます。  気象衛星の利用につきましては、数年前国連で宇宙圏外の平和利用ということに関係しまして決議がなされまして、それ以来国連の下部機関でありますところのWMO、世界気象機構でも会合のたびごとに問題になりまして、それを進めていきたいということになっておりまして、たとえば昨年の四月にジュネーヴでWMOの第四回の総会というものがあったわけでございますが、この場所におきましても、気象衛星の利用ということにつきまして非常に長い時間をかけて議論がなされました。それについて幾つかの決議といいますか、勧告といいますか、なされておるわけでございますが、その中で、気象衛星を天気予報に利用するためにトレーニング・セミナーをやる、講習会みたいなことをやりたい。それをこの次の総会まで四年間の間に各地域でやりたい。それから、それを学問的な面から見ましたところのシンポジウム、そういうものも何回か開きたい。それから、その気象衛星の利用ということで、それを進めるために企画局といいますか、プラニング・ユニットをWMOの事務局の中に持ちたい、そして具体的にそれを取り進めていきたい。また、それに対して学問的な方面からの勧告を受け入れるために、気象学者をおもにしたところの十数名の諮問委員会をWMOとして持ちたい。そういうことがきまりまして、それぞれその計画が進められております。  それで、具体的にいいますと、本年の十一月から十二月にかけて、WMOで全世界を六地域に分けておるのですが、この六地域のうち第二地区といいますのがアジア地域、第五地域といいますのが南太平洋地域といいますか、南西太平洋地域といいますか、ニュージーランド、オーストラリアからフィリピンあたりまでの地域ですが、その第二地域及び第五地域の気象台といいますか、気象局といいますか、そういうところの職員を相手にしましたところの講習会を東京で開きたい。これは具体的に話がまとまりまして、ただいまその開催の準備を外務省及び気象庁で進めておるところでございます。そういうことで、アメリカの打ち上げましたところの気象衛星を実際的に利用するための講習会を開こうということになって、それが具体的に進んでいるという状態でございます。  ところで、その気象衛星というものがどういう状態であるかといいますと、御承知のとおり、前々から打ち上げられておりましたのはタイロスという系統のものでございまして、タイロスの第八号というのがたしか昨年の十一月打ち上げられまして、現在でもそれからの資料が得られるという状況であります。ですけれども、これは気象衛星の向いております向きが、いつも地球の地面のほうを垂直に見ておるという状態ではありません。始終地球の表面を垂直に向いておるというのは、次の計画のニンバスというシリーズでそれが行なわれる予定になっております。そのニンバスのほうは、アメリカの手順が何かうまくいかないかして、最初の予定は昨年のうちにそれを打ち上げるということになっておりましたのが、ことしの二月、三月の間ということになり、それも延び延びになりまして、いまのところ実際にニンバスの系統が打ち上げられるのはいつのことか、ちょっといまのところでは見当がつかないというような状態になっております。  それで、これを受信しますのは、現在のところではアメリカが自分の国内及び勢力圏にありますところの各地に受信する施設を置いております。これはAPTといいますが、オートマチック・ピクチャー・トランスミッションの頭文字をとってAPTというのだと思います。それはニンバスから発信される信号を受けて、それをすぐ面像に直して見るしかけであります。これをあちこちに置きまして、たとえば府中にありますところのアメリカ空軍の気象隊の中にもそれが一個設置されたということを聞いております。そういうもので受信することになっております。気象庁でもそういうものを持ちたいということで、寄り寄り考えてはおりますが、そのほうはまだ具体的にはなっておりません。  しかし、気象衛星の利用というのは、ただ気象衛星から見た地球上での雲の分布を見るということ——これも非常に大事なことでありますが、そのほかに、気象衛星で赤外線を使って観測をして、雲の上面の温度とか、あるいは雲のないところでは地面の温度あるいは海面の温度というものも出せるわけであります。また、もう少しむずかしいことをやれば、かなり高いところの気温の分布というものも一部分はわかりそうだという見込みなんです。そういうもので、逐次に実際に利用できるようにしていくことが進んでくると思っております。  気象衛星につきましてはそういう状況でありますが、気象衛星で観測されるものは、おもには地球の表面上にありますところの雲の分布でありまして、それが最初に利用できる。その雲の分布によって、地面の上あるいは海面の上で固定した観測点がないところ、欠けておるところのそういう情報を得るという点で非常に効果があるわけであります。そういうものが得られるということになってきますと、一方どうしても、実際にラジオ・ゾンデのようなものを使って、あるいは地上の観測所におきまして実際に観測したいろいろな気象要素の値というものが一そうまたその必要性が痛感されるというような状況でありまして、このWMOにおきましても、気象衛星の利用ということと一緒に、またそれが機緑になりまして、地球表面上での観測点の欠除しているところを、長い計画でもいいからとにかくそれをやっていく。観測網の欠けているところを何とかして補っていきたい。そういうことによってこの気象観測の結果によって得られるところの気象状況というものを正確に把握して、気象を利用するとかあるいは気象災害を予防するとかいうことに役立てていきたいということがWMOを中心として世界各国の考え方であります。そういうものになっておるわけであります。  それから、いまも芥川局長からお話がありましたロケットのほうであります。ロケットのほうも、気象庁の関係では、ただいまといいますか、ことしの初めからがその期間になっております太陽活動極小期における地球観測年、その計画の中で気象ロケットを打ち上げるというための費用をいただいておりますので、それによってこの期間に何発かの気象ロケットを打ち上げまして、地面から数十キロ程度のところの気象観測の結果を得たいということで、いまその計画を進めつつあるところでございます。  簡単でございますが大体のところを申し上げます。

前田正男自由民主党

○前田委員長 宮川電波監理局長。

宮川岸雄郵政事務官(電波監理局長)

○宮川政府委員 大体の衛星通信関係のことを御説明申し上げたいと思います。  宇宙開発の一部といたしましての衛星通信の問題につきましては、郵政省と科学技術庁との間に覚え書きを交換いたしまして、郵政省が衛星通信関係のことの窓口となって外国との交渉にもあたり、国内にもこれを主管しているわけでございます。一般的な通信という問題につきましての電波の割り当ての問題であるとか、あるいはその運用、あるいは技術の取りきめというような問題につきましては、宇宙通信におきましてもその中に含まれまして、現在国際通信連合という機構がございますので、その中で取りきめを行ない、またすでに国際会議等も行ないましてその電波の割り当て等をきめておるわけでございます。  実際の人工衛星を使いました宇宙通信の実験ということになりますと、現在日本といたしましては米国だけと取りきめを行なっておるわけでございます。これは通信衛星を持っておりますのはアメリカだけでありますので、アメリカと取りきめをしております。その相手といたしましては、米国のNASAと申します航空宇宙局というのが米国側の主管庁となっております。その間の取りきめによりまして、実験ということを内容といたしました取りきめを行なっておるわけであります。  なお、国内的には、この実験に関係いたします団体といたしまして、郵政省と国際電信電話会社と日本放送協会と日本電信電話公社との間におきましてこれに対する協力をする意味の協議会を持ちまして、この実験に対するバックアップの手段としているわけでございます。  現在までに行ないました実験はすでに御承知のとおりでございまして、昨年の十一月に初めてリレー一号によりましてアメリカからの受信をいたしました。それから本年になりましてリレー二号が打ち上げられましたので、それによりましてまた一月中に受信の実験を行ないました。さらに三月に日本側から初めて送信の実験をいたしたのでございます。  現在までに完備しております日本側の地上局といたしましては、国際電信電話会社の茨城実験所、茨城県十王町にございますものが完成しておりましたので、いままでの送信、受信の実験は全部この十王町の茨城実験所においての送受信設備を使ったわけでございます。最近に至りまして郵政省の電波研究所の設備も完成をいたしまして、現在予備承認をする段階になりまして、目下実験のできる手はずを整える段階に相なっており、近いうちにアメリカ側との交渉が成立すれば、ここからも送受信の実験ができることに相なるのでございます。  なお、商業通信関係につきましては、これはアメリカ側に特殊法人によりますところのコムサット(COMSAT)と称します衛星通信会社ができております。これが国際的な通信というもののアメリカにおきます一元的な運営機関ということに相なっております。今後の実際上の商業上の通信のあり方等につきましては、アメリカ側のコムサットからいろいろ説明会を日本でしたいということで向こうの人が来ておりますし、いろいろ向こうの今後やりたいという業務の内容等についての説明は受けております。今後どういう形でやるかということにつきましては目下検討中の段階でございます。  以上が現在までにおきますところの衛星通信に関しますわが国の内部情勢及び国際関係のあらましでございます。

前田正男自由民主党

○前田委員長 以上で説明聴取は終わりました。     —————————————

前田正男自由民主党

○前田委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。中曽根康弘君。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 佐藤大臣にはあとでちょっとお伺いしたいと思います。  宮川電波監理局長に伺います。オリンピックを前にして、テレビの世界中継ということが非常に大きな関心事になっております。そこでシンコム衛星を打ち上げて、それによって行なわれるような期待が新聞その他で若干報ぜられておりますが、一体シンコム衛星が具体的に打ち上げられるかどうか。  それから、それを打ち上げて、実験ではなくて、いよいよオリンピックの場合に商業放送で流すという場合に、一体どこがそれを所管してやるのか。という意味は、たとえば外国との商業契約を結ばなければならないが、結ぶこっちの主体はだれがなるのか。その経費の分担はどういうふうになるのか。このことは将来の世界のテレビ中継に対して、非常に大きなキー・ストーンを置くもとになると思います。そうしてシンコム衛星というものが普遍化されることになると、日本のニュースやあるいは映像というものの独占権ということまで発展していく。だから、その経営形態とか何とかというものも非常に大きな問題になると私は思います。そういう意味で郵政省当局はどの程度検討しておるか、あるいは外国と話し合いが進められておるか、御説明願いたいと思います。

宮川岸雄郵政事務官(電波監理局長)

○宮川政府委員 ただいま先生から御指摘がございましたように、将来におきます国際通信、ことにテレビ中継を含みましての国際通信ということになりますと、非常に大きな問題となるわけでございます。どういう形で商業通信をするかということは、今後の一番大きな問題であることは確かに御指摘のとおりでございます。それにつきましては、現在オリンピックという問題を離れまして、アメリカのコムサットの説明を聞き、わが国の態度を検討しているわけでございます。  今度のオリンピックの問題につきましては、先日郵政省の上田電波研究所長も向こうへ参りましていろいろ話をしたり、また実験に立ち会ったわけでございますが、今度のオリンピックのテレビ中継ということは、やはりNASAとの現在までに取りきめております実験ということの範囲内においてこれをするのが妥当ではなかろうかということを郵政省のほうも考えておりますし、アメリカ側としても考えているようでございます。しかしながら、その実験の段階においても、アメリカ側がこれを正式に受諾するかどうかということは、はっきり態度をまだきめておりません。しかしながら、先日上田所長が向こうへ参りましてのいろいろの話を総合いたしますと、アメリカ側といたしましては、NASAが打ち上げる計画でございましたシンコム三号というものは若干おくれている様子でございまして、これは四月から六月までに打ち上げる予定になっておりますが、現在まだ打ち上がっておりません。しかし六月までにはシンコム三号を打ち上げる予定の計画のようでございます。  それで、シンコム三号によりましてテレビの中継が可能かどうかということの技術的な検討が一番大事な問題でございまして、これにつきましては、現在上がっておりますシンコム二号につきましてこの間実験をいたしたわけでございます。それの内容につきましては、上田所長も立ち会ったわけでございますが、これはもともとテレビの中継につくったものでございませんので、性能はもちろん十分なものではない。それで、放送関係者も立ち会いまして、短時間ならば何とか見られるといいますか、技術的なことばで言いますと、五、四、三、二、一という性能のうちの三のまたマイナス程度であるということになっております。これにつきましては、その技術的なやり方につきましてなお改善すべき方策を一つか二つわれわれとしては用意がありますし、考えられるのでございまして、そういうような方策を取り入れればなお画質の向上は望み得るかと思います。しかし、この場合にはいわゆるリアルタイムで送るということがむずかしくなりまして、一度テープに吹き込んだものを少しスピードを落としましてもう一度向こうで再生するということに相なるかと思いますけれども、画質の向上はまだ望み得るチャンスはございます。  そこで、シンコム三号が打ち上げられまして、アメリカ側がこれに協力するという態度をはっきりと出すまでにはなお一つか二つの問題があるかと思います。それはアメリカ側の地上施設を完成することが一番大事でございまして、現在この地上施設は、シンコム三号のテレビを受ける受信の設備というものはアメリカ側にまだできておりませんので、これをできれば西海岸につくる、と申しましても、いまからこれをつくるわけには参りませんので、現在建設中のものを早くつくり上げて、しかもそれを若干改造いたしまして、その性能が十分なものをつくり上げる。この問題がはっきりいたしませんと、アメリカとしてもほんとうの腹はきめにくいかと思います。  それからもう一つの問題は、それをやります場合には、これはやはり実験のとりきめによりますとNASAが主管することになりますけれども、そういうある期間何回か繰り返されるような実験につきまして、NASA自身がこれをやるかどうかという問題が確かにあると思います。これは何らかNASA以外の機関にこれをまかさなければ実際上の運用がむずかしいかと思います。  この二点につきまして、なおアメリカ側は検討している模様でございます。ただ、最近、そういうような検討の結果その辺の問題が解決すれば、日本側が前から申し込んでおりますところのオリンピックのテレビ中継ということをこのシンコム三号でやってもよろしいということを受諾するような空気がずっと濃厚になってまいった。しかし、最終的なことは、いま言ったような点をおそらくはっきりさせてから最終的な態度をきめてこちらに言ってくるものだと思っております。  御質問の全部の問題につきましてあるいは触れてなく、その点につきましてはまた後ほどお答えいたしたいと思いまするが、オリンピックに関しますシンコムの見通しという問題は以上のようでございます。  商業通信等につきましては、これは私、実は所管でもございませんが、商業通信は先ほど申しましたように今後の問題でございますし、今度のオリンピックの期間中に商業通信という形でこれが行なわれるとすれば、当然先生の御指摘のように、これが将来の形をきめることに相なるかと思いますけれども、いま申しましたように、オリンピックの中継ということに関しましては、やはりとりきめの段階におきます実験計画の中においてやっていくのが日本側といたしましても、アメリカ側といたしましても、とり得る一番早い手段である、こういうふうに考えておるような次第でございます。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 いまのお話の中でNASAとコムサットとかいうものの関係は、どういう関係ですか。

宮川岸雄郵政事務官(電波監理局長)

○宮川政府委員 コムサットと申しますのは、特別な法律によりましてつくられました公社と申しておりますが、特殊法人の会社でございまして、アメリカにおきましてはこれが国際衛星通信を行ないますところの単一な事業体である、こういうふうに法律できめられております。そうして相当強い政府の監督を受けております。またそれの株の持ち分というようなものについても法律によって定められておるわけでございます。それが今後の衛星通信を行ないます場合の問題点を現在いろいろ検討中でございまして、実際的にこれが動いているとか実際の商業活動を行なっているというところまでは達しておらないわけであります。しかし、聞くところによりますと、これはすでにある計画を立てまして、それに必要な通信衛星の中身の発注をもう始めたというようなことも聞いておるのでございます。現在までの活動の状態はその程度のものでございます。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 そうしますと、その団体は、将来は商業放送をやる——それが全部か一部か知りませんが、ともかく商業放送を重要な仕事としてやる団体と考えていいわけですか。というのは、衛星打ち上げの費用か何かを何かで補わなければならない。そういう場合に商業放送ということによる利益で充当するということが当然考えられてくると思いますが、そういう関係ではないのですか。

宮川岸雄郵政事務官(電波監理局長)

○宮川政府委員 コムサットという会社は国際通信を行ないます会社でございまして、この国際通信の内容には電話もございますし、電信もございますし、それからテレビの放送の中継という通信内容を持つ、こういうことでございまして、それ自体が放送をするわけではございません。したがいまして、その会社が上げました、もしくはどこかに委託して上げましたその衛星によりまして通信を行なった場合に、その通信する両当事者がその会社に通信料金を払う、こういう形になりまして、それによって向こうへ届きました電波を向こうの放送会社が国内に流しまして、各放送局から出す。それはあくまで国内における放送経営といたしまして従来の商業放送としての形で行なうものと思います。ただ、それに必要な中身の材料を日本からあるいは各国からアメリカへ届ける通信の手段というものを提供することによる通信料金というものをコムサットがもらう、こういう形になるものと思います。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 そうすると、今度は日本側におけるコムサットのような機関はできるのですか。あるいは実験の場合には、たとえばNHKというようなものがそれを代理して行なうのであるか、将来はNHKのかわりに新しいものができるのであるか。その辺の見通しはどうですか。

宮川岸雄郵政事務官(電波監理局長)

○宮川政府委員 現在におきましても、NHKが関係しておりますものは、先ほど申しました日本とアメリカ側との取りきめによりますところの実験、その実験の中に、一項目としてデモンストレーションという実験項目があるわけでございます。デモンストレーションというのは、その実験の成果、内容を広く両国民に知らせるということの意味を持ちますデモンストレーションというのがあるわけであります。そのデモンストレーション実験でございまして、その実験のプログラムをつくったり、あるいは向こうから受けましたプログラムを国内に流したりする仕事をNHKが手伝っているわけでございまして、それを十王の送信所まで届けるマイクロウェーブの仕事は日本電信電話会社がこれを提供しているわけでございます。それから十王の送信所が電波を発射する、あるいは受信するということは国際電信電話会社が負担してやっておる。こういうことでございまして、現在あくまでその実験をそれぞれの分担において手伝っておるという形になっております。  したがいまして、将来国際的な通信というものを、衛星通信をどういうところがやるかという問題につきましては、現在までの法律では、日本では国際通信は国際電信電話株式会社が主管することに相なっております。その線のままでいい問題であるかどうか、衛星通信に関しては別のものをつくったほうがよりいいのかどうか、あるいは国際電信電話会社を含めました別のものがいいのかどうか、そういうような点については今後検討が行なわれるべきものというふうに考えております。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 そこは非常に大事なところで、その場合に、実験の段階と、それからコマーシャルに入った段階と、二つ考えられるわけです。実験の段階はまず問題はないと思います。それはアメリカのNASAの費用で上げられたものを技術的に中継するというだけで、国民その他が便益等を受けるわけです。その場合でも、今度のオリンピックの場合に、いろいろな資料とか画面とか、そういうものを提供するのはNHKになるのですか。実験の場合、オリンピックの場合に限って、その場合日本側から送信しているめんどうはだれが見るのですか。両面をつくったり、いろいろですね。  それから第二に、コマーシャルになった場合に、われわれの常識では、電信電話に関しては国際電信電話会社がいままでどおりやるのがいいのかもしれませんが、テレビという問題になると別の場面が出てくるのではないか。その場合に、新しい国際テレビ会社みたいなものが特殊法人でできるのか、あるいは別の形態になるのか、そういうような二つに分かれてくるような予感がいたしますが、大体の見当として郵政省当局はどんなデザインを考えていますか。

宮川岸雄郵政事務官(電波監理局長)

○宮川政府委員 先生の御指摘、非常に重大な問題でございますが、私電波監理局長でございまして、放送を含めました電波の行政に直接携わっておるわけでございますが、通信の問題ということになりますると、現在郵政省の中の電気通信監理官室というところでこれを主宰しておりまして、私から御答弁するのはちょっとどうかと思う次第でございますが、いまの問題につきましては、省としては鋭意検討を進めている、いまのところどういう方向へ持っていくかというような基本的な態度はまだきまってないように聞いております。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 シンコム三号の打ち上げに伴う費用やその他は、今度の場合に限ってはアメリカが負担して、日本側にはリクエストはないわけですか。

宮川岸雄郵政事務官(電波監理局長)

○宮川政府委員 シンコム三号につきましては、NASAのいままでの年次計画の中に含めてある計画でございまして、その意味におきまして、アメリカ側から日本に対してシンコム三号の打ち上げの費用を負担してくれとか、そういうような申し入れは何も受けておらないわけでございます。またかりにそういうことがございましても——そういう申し入れがあれば、その段階において考えられる余地はあるかとも思いますけれども、現在そういう申し入ればきておりません。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 そのシンコム三号によるオリンピックの放送について、日本側でいろいろ画面をつくったり画面を売ったりするのはどこがやるのですか。NHKがやるのですか、あるいはほかの機関がやるのですか。

宮川岸雄郵政事務官(電波監理局長)

○宮川政府委員 先ほども御説明いたしましたように、まだアメリカ側から最終的な返答をもらっておりませんので、日本側といたしましてのこれのやり方につきまして、オリンピックを対象として特にまだ具体的な検討はしておりませんけれども、従来の例によりますと、この衛星通信による実験の場合のデモンストレーションのプログラムの内容はNHKがこれをつくっておりまして、従来の慣例によりますればNHKにつくってもらうということに相なると思います。またそれが現段階におきましては一番いい方法ではなかろうかというふうに考えております。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 私ら昭和三十五年に十王町のパラボラ・アンテナをつくるということを国会でも提議し、予算をとったりして努力してきたのでありますが、おそらくオリンピックに間に合うだろうという予想をもって日本側の施設をつくれというので私ら非常に努力したわけです。それがようやくいま実ろうとしておるのであって、是が非でも今度の東京オリンピックは少なくともアメリカに対してテレビで放送できるように努力していただきたいと思うのです。この放送ができるということは、東京でオリンピックが行なわれるという以上の大きな意義を日本にとって持つと思う。具体的に考えてみても、日本のオリンピックというものがアメリカの家庭へ電波ですぐ入っていけば、これくらい日本のPRはないわけです。総理大臣あるいは外務大臣がアメリカへ渡る以上の大きなインパクトをアメリカにも与えますし、オリンピックというもの以上の大きな意義がそこにあるとわれわれは痛感するのであります。でありますから、せっかくそういうところまで各位の努力によってきておるわけでありますから、万難を排してぜひできるようにアメリカのほうとも連携をとってやっていただきたい。  それから、経営形態については、実験段階とその将来の問題と二つに分かれると思いますけれども、いずれにしてもこれは非常に重大な問題で、日本の窓口を規制することにもなりますし、またその取り扱いいかんによっては日本を曲げて外国に紹介するということが将来出ないとも限らない、電波以上の大きな影響を持っているわけです。そういう公共性を私は持っていると思うのです。そういう面から見ても慎重に検討してやっていただきたいということをお願いいたしておきます。  それから、佐藤大臣にお尋ねしたいと思います。宇宙開発審議会で答申が出て、大臣もいろいろ御検討と思いますが、日本の宇宙開発という問題については、日本の個性がなくてはならぬ。日本の財力とか日本人の技術的性能とか、そういうものから見て日本が世界においてスペシャリティーを占める部分を特に見出して、そこに重点を入れてやるべきである。すべてができるはずはないし、資本力にも限度がある。そういうことをわれわれはかねてから強調してきたわけであります。  そこで、こういうふうに宇宙開発がタイロスであるとかシンコムであるとか、そのほかの面で進んできた場合に、佐藤長官はどこに日本の特色を生かして宇宙開発を進められるつもりか。審議会の内部には学者もおりますしいろんな人がおりますから、みんな自分たちの領域を引張して、あるいは宇宙空間物理であるとか、あるいはそのほかいろんな問題が出てくると思う。しかし、資金にも限度がありますから当然そういう考慮がなくてはならぬ。その点について長官のお考えを承りたい。  それから第二に、宇宙開発推進本部が科学技術庁にできますが、そこで当然問題になってくるのは、東大生産技術研究所の糸川さんを中心とするロケットとの統合の問題だろうと思うのです。これが大型ロケットに発展していくというと、二つに分けておくということくらいむだなことはありません。そういう意味でこの両者の間をどのように調整していくか。行く行くは、推進本部ができる以上は統合していくということが前提だと思うのですが、はたしてそういう前提に立ってやっておるのか。どのように処置をつけるおつもりであるか。お考えを承りたいと思います。

佐藤榮作自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○佐藤国務大臣 科学技術庁でいままで特に力を入れておりますものに、原子力並びに宇宙開発の仕事があるわけです。ことに御承知のように原子力におきましても平和利用、こういうことを申しております。この宇宙開発におきましても平和利用である、これも間違いない。そういう観点に立ちまして、いろいろいま基礎的な研究を続けさせております。そしてその成果等から見まして、五年先、六年先とその年限を限ることはいかがかと存じますが、近い将来においてわが国独自の宇宙人工衛星、そういうものを打ち上げ得る、そこまで技術を持っていきたい、これが実は念願でございます。大体いままでの研究の結果五年くらい後には日本でやり得る、開発し得るのじゃないか。その目標を置いて関係各省の協力を求める。ことに学者の研究もそれぞれの特質がございますが、それを総合的に結び合わして、それとただいま申し上げたような目標、これを達成しよう、こういう考え方でございます。  ただいままでのところ、先ほど来お話しになりましたように、あるいはシンコム三号であるとか、こういうものを日本が買って打ち上げることは可能か、外国の技術を買って打上ちげることは可能ではないか、非常に急ぎますならばそういう方法もあるだろう。しかし、私どもの考えるものは独自の日本的な、日本の材料により日本の技術によりそれが開発されることが望ましいのだ。そこでそういう意味の研究をやらしております。  ことに先ほど来お話しになりました気象観測あるいはテレビ中継通信衛星、こういうようなことがそれぞれの立場において要求されておりますが、私ども、平和利用、こういうことであるならば、まず気象観測、それが十分目的を達するよう、またオリンピックが近づいておりますので、これは通信衛星として役立ち得るならこれにこしたことはない。しかし現状においては、まだ日本独自のものを打ち上げる、そういう段階になっておりませんので、ただいま先ほど来質疑応答のありましたように、オリンピックをその契機としていままででき上がっておるアメリカの衛星をこれに利用できるかどうか、また利用さしてもらえないか、こういうことで米国側にも協力を頼んでおるわけです。NASA自身の計画もありましたが、今度ちょうど日米経済合同委員会がありました機会にラスク長官に対して、われわれとしてはぜひオリンピックを中継したい、これに非常な意義を感じておるからそういう意味でこれにぜひ協力してほしい、こういうことをあの日米経済合同委員会の際にラスク長官に申し上げたのです。その結果、米側におきましてもいろいろくふうし、やっておりますが、その間NASAとあるいは国務竹との間にも必ずしもまだ意見は一致しておらない、こういうような情報も伺っております。先ほど来電波監理局長からお話のありましたような方向で、これは実験用として利用し得る範囲でひとつ使いたい、こういうことを具体的に郵政省から申し上げておるはずだと思います。そういう意味で、せんだって来、受信あるいは送信の試験もやり、これがりっぱに成功もしておる。さらにまた欧州向けに対しましても、現在の米国の衛星を使ってりっぱな効果をあげておる、だからこれはもう技術的に可能なんだ。しかし、さらにそれが一つの番組となり、あるいはそれに専用される、あるいは瞬間的にフルに使う、こういうことになればまだまだ問題があるんではないか。先ほど来説明をしておりますのもそういう意味の問題ではないだろうか、かように私は考えたのでございます。  そこで、まず自分自身、日本自身の独自の衛星を打ち上げ得る、ここに目標を置いて、そういう意味からいろいろの研究を進めておる。したがって、第二の宇宙開発推進本部、こういうものもそういう意味の目的を持つ、一つの使命を果たし得るようなそういうものをひとつつくりたい。現状におきましてはもちろん不可能でございます。御承知のように、先ほど来説明がありましたように、気象観測にいたしましてもこれは各省にまたがるものでありますし、また通信の問題については郵政省が中心ではございますが、その利用の範囲がいろんな方面にまで及んでくる。ことにオリンピックとならばこれは郵政省だけでかってな計画もなかなか立ちかねる。こういうことでございますので、各省の関係を総合しなければならない。そういう場合に、実質的にはとにかくとして、名目的にでもどこか中心が必要ではないだろうか。それぞれの分野においてそれぞれの機能を十分発揮し得るが、それを総合的に見る必要があるんではないだろうか。そういう意味から内閣自身にやはり推進本部を設ける、そうしてそれを進めていくことが大目的を達成するゆえんでもあるんじゃないか。まあ、そこに今回推進本部というようなものを構想したのでございます。  ただ、現状におきまして科学技術庁の持つ力は非常に弱い。しかし、科学技術庁の力だけをとやかく考える必要もないだろう、各省庁の持っておる機能を十分発揮し得るように、これが宇宙開発のでき上がるゆえんではないだろうか。すでに、そういう意味で宇宙開発審議会の答申というものもなされております。先ほど来申すような、期限こそ限ってはおりませんが、近い将来においてということを申しておるのもそういう点でございます。  具体的なものといたしまして、ただいま東大の糸川博士のロケット、これをどういうように扱うかというお話でございますが、これはいろいろ今日も問題があり、糸川さんともいろいろ話を交換はいたしております。意見は交換いたしております。すでに糸川博士のロケットそのものは商業的にも外国に輸出し得るようなところまでまいっておるようであります。したがって、そういう段階になればこの糸川ロケットそのものもいままでのような形でなしに、さらに商業的なベースにまで発達発展し得る一つの素地がもうできておるように思いますので、その方向において考えていくならば、ただいまの行政の面における混乱もなくて済むのではないだろうか。いろいろむずかしい問題がございますが、将来も、いついつからそうなる、こういうことではないが、将来たぶんそういう時期がくるのではないだろうか。そうして、日本の研究を総合的な成果、そこに置きまして、そしてそれぞれの長所を生かしていくようにしたい、かように思います。先ほど来の気象観測における各種の計測器あるいは写真その他につきましても新しい技術がありますが、同時にまたロケットそのもの、あるいは衛星そのものを構成するマテリアル等につきましても、特別なメタルというか、そういうものも考案すべきではないだろうか。こういうことで、その範囲はまことに広く、各界の協力を得ないとなかなか成果はあがり得ないのではないか。ただ単に推力だけ、推進力だけでこの問題はきまるものではない、かように考えますので、いろいろ研究させておる。こういうことが現在の段階でございます。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 大臣御答弁は、ある線にさわったようでもあり、さわらないようでもあり、宇宙開発審議会の答申自体がその点はあいまいにぼかしてあるので、大臣もそういう答弁をせざるを得ないのかもしれませんが、私がいまのお話で感得したことは、宇宙開発実施本部をつくったのはそういう人工衛星を発射するためのベースをつくる意味でやっているのである、それには各省各庁が協力すべきものである、糸川さんの場合も同様であるというところまではわかったのでありますが、一体これはどちらが中心になってそういう統合あるいは協力という関係が行なわるべきであるか。  いまのお話を承りますと、商業ベースに入って、もう輸出もしているくらいであるから、学問的な東大的な任務は終了したのではないかと思わせられるような言外のにおいがありまして、科学技術庁が各省庁の取りまとめの仕事をしているのであるから、漸次そちらのほうに傾いていくべきである、あるいはさらに内閣レベルにおいて次の段階には各省庁を協力せしむる一本の機関が必要であるかもしれぬというような、その中核に宇宙開発実施本部、現在のものがなるのではないかと思わせられる節もありました。その辺は長官の腹の中はどういうことでございますか。

佐藤榮作自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○佐藤国務大臣 いま内閣関係を申しましたのは、科学技術庁そのものがそういう性格のものではないか、いわゆる総理大臣の権限をそういう総合的に活用し得るその立場、こういう意味で申したのでございます。したがいまして、科学技術庁が中心であるというか、その推進力になる、こういうことには何らの疑問がないつもりで答弁をいたしたわけでございます。  ただ、糸川博士の問題になりますと、これは場合によればもう少し突き進んでやってもいいのではないだろうか、かように考えるのであります。ただいままでの国家予算だけでこの研究を進めていくことはもうだんだんその限度に来ているのではないだろうか、こういう感じで申し上げたのでございます。

前田正男自由民主党

○前田委員長 岡良一君。

岡良一日本社会党

○岡委員 先般大臣の所信表明の中で、宇宙開発問題が大きな重点目標である、こういうお話がございましたときに、私は特に国内における開発体制がこれでいいのか、また国の予算がこれでいいのかということをいろいろ御指摘を申し上げたと覚えております。  ただ問題は、いまいろいろ各局長なり長官なり大臣のお話を承っておりますと、私ども痛感をいたします一つのことは、宇宙の利用に関する一本の法体系というものが必要なんじゃないか。宇宙開発というものの目的、意義、したがってまた各国のあり方、こういうものを規制する法体系が必要なんだ。これがないためにいろいろ各国における開発体制の足並みなりそういうものが十分整わない。しかしそれが、整えようという方向にはあるが、それに一つの目標を示す法体系が必要じゃないか、宇宙法というものが必要じゃないかということは、しばしば言われ、国連でも取り上げられておるようでございます。まずこの点についての大臣の御所見をお聞かせ願いたい。

佐藤榮作自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○佐藤国務大臣 これはそのとおりだと思います。したがいまして、国連を中心にいろいろ論議されておるというのが現状だろうと思います。ことに、電波そのものは、先ほどの説明にもありますように、電波の割り当て等について国際的にいろいろ協議をしております。しかし、今日宇宙に関する限り基礎的な法律がない。これはたいへんなことだ。まあそういう意味で、少なくとも条約その他が早急に立てらるべき段階に来ているのじゃないか。米ソあるいは英仏日、こういうところがこういう問題について多大の関心をいま持っております。いまお説のように、基礎的な法律がないことは、この問題を解決する上から、各国が自由にやられておる、こういうような非難があるのじゃないか。先ほど中曽根さんが言われましたように、公共的性質を持つ、これは国際的な公共的性質を持つものだ、こういう意味で、これが平和利用の方向へはっきりきめられること、これを希望してやみません。

岡良一日本社会党

○岡委員 特に私ども苦い経験を持っておりますことは、原子力の問題、これが、当時はいわば冷戦のさなかであったために、一つはアメリカを中心とする双務協定ができた、一方ではソビエトを中心とする双務協定ができたということで、原子力の平和利用そのものが東西両陣営によって分割されておるというような状態であったことは、原子力の国際的な発展のためには決して望ましい姿ではなかった。このことは繰り返し私どもも委員会で御指摘を申し上げた。  ところが、部分的核停協定もどうやら百九カ国の批准を得ようという段階まで来ておる。いわば原子力を中心とする水爆ミサイルによる競合というものについての終止符の第一歩がいま現にわれわれの国会においても審議されておる。  こういう段階になれば、宇宙の開発などというものはもちろんのこと、この原子力における経験を十分にわれわれは把握をして、宇宙における国際協力をどういう形で進めるべきかということがもう当然論議されてもいいし、すでにまた米ソ自体が宇宙協力ということについては相当具体的な取りきめをやっておるようであります。これがバイラテラリーでなく国際的な協力の体制を整える。そのためには基礎となる宇宙法の制定というようなことについて、これは外務省の所管だというのじゃなくて、宇宙開発を一番所管し担当しておられる大臣として積極的なひとつの御努力をやっていただきたい。現に列国議会同盟あたりでは日本の議会代表が一番強く各国に向かって訴えていることでもあるし、政府が受けて、ぜひこのような方向で格段の御努力を、特に佐藤大臣が積極的にやっていただきたいということを強く希望するのですが、御所見をお聞かせ願いたい。

佐藤榮作自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○佐藤国務大臣 激励を受けまして、たいへんありがとうございます。これは私がどうこうということでなしに、全体において各方面でその協力が必要だ、かように思いますので、お互いに奮起することが必要ではないだろうか、かように思います。  ことにいまの原子力の問題につきましては、すでに米ソの間において核爆発の部分的実験停止、こういうことの取りきめがあり、その後原子力の平和利用への各国の主張もそのほうにだんだん固まりつつある、たいへんけっこうなことだと思います。ただ、それぞれの立場においてそれぞれの主張はいまなお残っている。ことに一国の安全、他が有して自分のところは持たない、そういう場合に自国の安全はいかにはかるか、そういう意味からこれに賛成をしておらないフランスのような国もあるわけであります。したがいまして、まだまだ問題の解決はそう簡単にはいかないだろう、かように思います。しかし、わが国が平和国家として世界に貢献する、人類の幸福並びに繁栄に寄与する、こういう精神にはゆるぎはないように思います。そういう意味で、科学技術の面においても平和利用の強い推進をぜひともしたいものだと思います。  今日までのところ衛星そのものが、アメリカの打ち上げている衛星が大部分だ、こういう状況で、アメリカの平和的利用、それへの協力、これを強く要望しておるのが実情でございますので、世界の人類が希望しておる平和でございますので、必ずやその方向へ進んでいくだろう、かように私は思います。ことに今回のオリンピックなどはたいへんいいデモンストレーションだと思いますので、こういう機会に衛星をその方向にもうんと使っていく。まだ残念ながら気象そのものにつきましては、完全に公開にはならないような状況でございますが、少なくともオリンピックに関する限りこれは大いに利用して、これを使ってくれろ、こういう立場にあるようでございますので、そういう方向では進めていきたいと思います。  しかし、私が先ほど中曽根さんのお尋ねにもお答えしたとおり、私どもも、外国の衛星を利用するだけでなしに、みずからの衛星を打ち上げる、そしてそれが平和的に利用される、こういう方向であってほしい、かように思います。そこで、科学者等もいろいろ急いでその成果をあげるようにせっかく努力しておるような状況でございます。

岡良一日本社会党

○岡委員 御趣旨はよくわかりました。ただ、宇宙法の問題でも、国連の宇宙空間平和利用委員会に設けられた二つの技術的な委員会あるいは法律的な委員会、特に法律的な委員会でいろいろ議論が出て、十分煮詰められるところまできておらないような感じが私はするわけです。  ところが、昨年の議会同盟あたりで各国政府に、宇宙の平和利用、宇宙法の制定に関する勧告をいたしましたが、私もその会議に出ておりましたが、やはり宇宙の平和利用ということについては、まだ実際に人工衛星を飛ばしている国々はいい顔をしない。だから平和利用でなければならぬとわれわれは強く主張するのだが、結局勧告は各国の利益のためにという非常に解釈の幅の広いような表現に終わっているのが実情なんです。そういうことから考えましても、また現にサモスとかミダスとかいろいろな名前の軍事目的を持った衛星も上げられておるし、また事実人工衛星というものは、その打ち上げた側の利用によって、平和目的にも利用されれば、また軍事目的にも利用されるというものであり得るわけですが、これをあくまでも平和目的にという大臣の所見には私はもちろん賛成であります。いずれ宇宙法の問題は具体的に取り上げられる段階も来ておるようでありますが、わが国としてはあくまでも平和利用一本のこれまでの原則をかたく貫いてもらいたいということを特に私は強く要望したいのです。重ねてひとつ御所見を伺いたいと思います。

佐藤榮作自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○佐藤国務大臣 先ほど来申し上げたとおりでございますし、たいへんこれは困難なことには違いない。ただいまの状況のもとにおきましてはそれぞれが自国の利益を考えます。したがって、なかなかむずかしい点がございます。しかしながら、目標として正しく、また間違いのないものでございますから、そういう意味の協力、主張、それはぜひともしたいものだ、かように考えます。

岡良一日本社会党

○岡委員 それから、オリンピックの世界中継の問題です。私どもも決してオリンピックの世界中継というものを否定しようとする気は毛頭ございません。やられるものなら大いにやってもらいたい。私は技術的なことは何もわかりませんけれども、問題はオリンピックの世界中継というものが持つ意義でございますね。一つには、宇宙開発計画の国際的な協力の上に行なわれていく、宇宙の開発の中でオリンピックの中継というものがどんな意義を持つか。先ほどテレビによる世界中継というプロジェクトの中におけるデモンストレーションという規定で進められておるというお話もございました。私は、オリンピックの世界中継をやったら、それが日本の宣伝になったというような考え方に堕すということは、まじめに宇宙開発というものを進めようという立場からは私は正しい考え方じゃないと思う。もしシンコム三号によってテレビ中継ができるということは、これは単に日本の宣伝じゃなく、日本と世界中の国々を結びつける。おそらく宇宙開発というものはこれまでのような古い世界観と申しますか、そういうものじゃなくて、やはり新しい世界観への一歩としての人類の連帯感というものを深めていく、ここにテレビ世界中継というものの持つ大きな意義があると思う。こういう考え方で、しかしながらいまはまだまだ技術的にそれは非常に困難なようであるというようなことがしばしば新聞でも伝えられておるようでございます。したがって問題は、あくまでもこれは実験計画の一つである。直ちにやすきについてすぐ利用に走るという考え方では宇宙開発などというものはなかなかやれるものではない。だから、あくまでも世界へのテレビ中継というものは実験計画の一つであるという立場を堅持して取っ組んでかかる必要がある。  この点について、あなたはオリンピックの担当大臣もしておられるわけですが、どういうふうにこのテレビのオリンピック世界中継を考えられますか。

佐藤榮作自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○佐藤国務大臣 実は私は、オリンピックを中継することによって、いわゆる世界が非常に近い、世界は一つだ、ただいまお話しになりましたような連帯的な感じを出したい。それにはオリンピックというものはたいへんしあわせじゃないか。御承知のようにオリンピックは政治的には使わないという、純然たる平和的なもので、そうして政治的な色合いはなくする、こういうことでございますから、たいへんけっこうなオリンピック中継は催しになるだろう。そうして今日の進んだ科学技術、それがお互いに交流し得る、そういう段階にならなければならない。  ところが、ただいままでのところは科学技術の推移は、それぞれ各国の利益のためにはそれを主張しますが、技術の公開は言うはやすくしてなかなかできない。人工衛星そのものにいたしましても、これは特殊な目的を持って打ち上げられたもので、それが今回平和的の利用に、まず第一歩、オリンピックにそれをやるんだ。そうすると各国におきましても、政治色のないもの、こういう意味でオリンピックの中継放送には非常に期待をかける。ただ東京で開かれたオリンピックがそのまま茶の間で見れる、それにも意義がありましょうが、そういう意味でなしに、われわれ科学技術を担当しておる者から見て、もう世界はそこまできたんだ、これを表現するのに最もいい題目である、アイテムだ、こういう感じがするので、オリンピック中継をいま強く申し上げておるのでございます。  しかし、このオリンピックばかりでなく、すでに東京で開かれた国際教育会議、その大会の模様もフランスに中継をした。これも非常な成功をおさめた。これがどういう意義を持つか。結局世界が非常に小さくなり、そしてその国際的協力がいかに大事かということに主眼点が置かれるのではないか、かように私は思います。  そういう意味で、ただいま岡さんのお話しになりました思想と私どもの思想は変わっていない。それはやはり平和利用へ徹すること。もうすでにソ連におきましても、ロケットを打つ、あるいは大陸間弾道弾、ミサイル、こういうこともさることだが、それより以上にこの衛星を打ち上げて、あるいはそれが定置する衛星であるとか、あるいは地球とともに回るものであるとか、あるいは別な速度で回るとか、回転ずるとか、こういうような事柄が平和へ役立ち得るのだ、これはたいへんなことだと思います。だからそういう意味の研究を、それぞれの部門においてやっていただきたい。また私どもの独自の衛星を打ち上げるというのも、わが国の科学技術の力をもってしてこの宇宙開発へやはりみずから発言し得るようなその地歩をつくりたい、こういう意味でございます。そういう意味で、ただいまの計画がたいへん私は意義あることじゃないか、かように思います。  問題は、いろいろまだまだ軍事的に科学技術が使われておる面が非常に多いのでございますけれども わが国の憲法の精神から申しまして、そういうものが自国の安全、これは別として、自国の安全を確保するという点についての利用はある程度あるかわかりません。しかしながら、国際的なこれが攻撃的な兵器にならないように、この点は強く戒めてかからなければならないものだ。それはすでに米ソ、最も進んだ両国がそういう考え方で平和への協力を如実に示しておる現状はたいへんけっこうだと思います。したがって、そういう意味から、米ソのつくり出しておる国際協力、国際平和、これは強く推し進めたいものだと思います。  ただいま中共のお話も出ておりますが、私は中共自身が今日までのような行き方をしないで、やはり武力を持つにいたしましても、みずからが平和愛好国家であるということを如実に示すような、その姿がほしい。そうすれば中共もこれを除くようなことはないんじゃないか、国際社会にちゃんと加入する素質、それだけの条件を備える、こういうことが最も望ましいのではないだろうか、私はかように考えております。これは少しよけいなことばを申したようですけれども……。

岡良一日本社会党

○岡委員 別によけいなことじゃないのですが。  私は、オリンピックのテレビによる世界中継は、宇宙開発における実験計画の一環にすぎないのであるということ、宇宙開発というものを技術的に科学的に考えた場合にそう規定しなければならない、またそうあるべきものであるし、そこまでしか世界の技術が進んでおらないんだということなので、そういうものなのかどうか。これが直ちに宇宙利用されるということが、ともすれば日本では原子力発電株式会社のようなものをつくって、また今度民間会社が原子力発電をやろうということでどんどん進められておるようですが、やはりまだまだこれから開発の余地があり、研究の余地があるような問題は、やはり実験段階、研究段階と規定するならば、国がこの問題を取り上げでやっていくべきだ。これを直ちに利用を急ぐ、民間企業にやらせるというようなことが非常に危険を伴い、あるいは開発そのものの足並みについていろいろ混乱を生じやすい。  私はそういう意味で、この宇宙開発のオリンピック世界テレビ中継というものは、これは宇宙開発における実験の一環として開発されるのかどうか、こういうことをお尋ねしたら、大臣は中共の核爆発など持ち出されたので、私は驚いておるわけなんですが、けっこうではございますが、わかりました。  電波監理局長にお尋ねいたしたいのです。ちょうど米ソが宇宙利用の協定をやった昨年夏、私はゴダードにおったのです。それでゴダードで話を聞いたのですが、そのときはまだ米ソ間における衛星を利用する通信についてはゴーリキー大学の天文台と英国のジョドレルバンクの天文台が中心となって、エコーならエコーを打ち上げて、そうして各種の通信の実験をやろう、それも一九六四年から始めることにしようというような話を聞いたような記憶が私はあるのです。  そういうことになりますと、ますますもってこのオリンピックの世界中継というものは、アメリカにしてみても、また世界各国にしてみても、これは一つの実験段階、うまくいけばそれにこしたことはない。しかしそれにしても、一つの実験段階であるという感じが強くいたしておるわけなんでございます。局長がさっきそういうようにお話しになったかと思うのでありますが、日本側としても、やはりNASAのような考え方で、実験という考え方で進めておられるのか。それは先ほど中曽根さんが問題にされましたような、さてどこがそれを担当するかということについて問題が起こるので、実験段階として規定されておるのかどうか、その点をひとつお伺いしておきたいと思います。

宮川岸雄郵政事務官(電波監理局長)

○宮川政府委員 オリンピックのテレビを国際的に中継いたします問題は、先ほど中曽根先生のお話がございましたし、またただいま岡先生もおっしゃいましたし、また佐藤大臣も言われましたように、非常にいい機会に日本と諸外国とを結びつけるという、非常に世界電波の貢献に直接に役立つという面におきまして、これを実験させたいという気持ちは国民一般にあると思います。その線に沿いまして、われわれもいろいろこれの実現方を考えてまいって、できるものを早く実現させるという方法でやってきたわけでございます。その間にこれをすぐに商業通信系として取り上げてやる問題もございましょうし、あるいは国と商業通信というようなものが何か一体となったやり方もあるかと思います。そういうようなことで、これを実現するためにいろいろなやり方がございまして、それに伴います費用の点等につきましても、それが軌道に乗りますならば、必要な経費を負担するというようなこと、これは確かに一つの考え方であろうかと思うのでございます。  ただ、現実の問題といたしまして、郵政省が十月のオリンピックに間に合わせるということになりますと、もしこれを商業通信系でやるというようなことになりますと、それに伴います国内的な、またアメリカ側の体制というようなことにつきましても克服しなければならない問題が幾つかございますし、また費用を分担いたしましたときにおきますいろいろな衛星の所有権の問題とか、そういうようないろいろな問題もはっきりとさせた上でなければこれはできないことだと思うのでございます。そういうようなことで、とても十月までの間にそういうような諸般のいろいろな問題を整備いたしましてやるというのにはなかなかむずかしい。そういうことがございまして、一番早い方法は、やはり現在取りきめが行なわれているNASAとの実験計画の中において逐次これを取り上げていくのが一番早いのではなかろうか、こういうことで、ずっとその線に沿いまして郵政省としては交渉をしてきたわけでございます。もちろん、佐藤大臣もお話しになりましたように、日本の国といたしましては、別に大きな意味でこれに対するアメリカ側の協力を求めておるわけでございますが、郵政省といたしましては、事務的に一番早い現実的な問題といたしましては、この取りきめの中でやるのが一番いいのではなかろうか、そういうようなことで話を進めてまいりまして、先ほど御説明申しましたように、現在ではNASAがそれに協力しようかというような気持ちになってきたわけでございます。これがもう少し進みまして、NASA、国務省、そういうようなところの話し合いが行なわれまして、アメリカ全体といたしまして踏み切ってもらえれば、その線に沿って実験という形においてやりたい、こういうことでございます。現在実験段階であるかどうかということにつきましては、事務当局としてちょっと申し上げかねるわけでございますが、一番早いやり方といたしまして、われわれはこの道をとってきたような次第でございます。

佐藤榮作自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○佐藤国務大臣 先ほど来実験段階かどうかということ、技術的にいつでも使えるというのにはまだまだむずかしい点があるようです。したがって、いま電波監理局長が説明しておりますように、今日まで準備をしたその段階においては、実験の方法でやるのが一番早い、これはそういうことで御了承願えればいいかと思います。先ほど来申し上げますような将来の宇宙開発、また宇宙開発計画というものについて、科学技術庁は科学技術庁なりに考えておる、その立場からいたしますならば、当然平和的にもっと推進されてしかるべきだ、こういうことを強く考えておりますので、そういう意味から申しまして、オリンピックが一番議論のないものでございますから、たいへんけっこうなデモンストレーションになり、そしてまたそれがりっぱな試験の結果をあらわしてくれることを望んでおる、こういうのでございます。  先ほど中曽根さんからのお話では、十王町の施設をつくるときからオリンピックを考えたということでございますが、具体的に話が出てまいりましたのがつい最近の日米経済合同委員会で、そのときに、特別なものを打ち上げてくれるように、こういうことを申し上げたのでございますので、あるいは時間的にもやや確信が持てない状況かと思います。  しかしながら、今日までの実験はりっぱに効果をおさめておりますので、これが録画であろうが、あるいは実況放送であろうが——まだ実況放送そのものについては幾ぶんか疑問が残るでしょうけれども、、録画ではこれはりっぱに成功しておりますので、今回も相当使えるのだろう、かように私は期待をかけております。  以上お答えしておきます。

岡良一日本社会党

○岡委員 実は私が、国際協力における宇宙開発の実験的な一環としてのオリンピックの世界中継ということを強く申し上げましたのは、いま大臣もおっしゃいましたように、オリンピックというものは、もちろんこれは国境を越えた若者の祭典、オリンピック精神の一番基調はアマチュア精神。ところが、これがこの原子力の場合のように、利に早い人たちによってへたに悪用されまして一種のブームをつくる、その結果、手をつけた人がみんなまた赤字に悩むというようなことのないように、やはり実験であるならば、この研究開発については国がコントロールして、予算的にも国が処置していくという原則がやはり必要ではないか。それにはこれを実験計画として規定をするところから出発してもらいたいということを申し上げたわけです。その点はぜひ強く私は要望いたしたいと思います。  なお、電波監理局長にお尋ねしたいのです。当時、私もケープカナベラル、いまはケープケネディと申しますが、あそこで通信衛星関係の方にお目にかかったことがございます。たまたまシンコム三号の話が出たのです。シンコム三号はたしかそのときにはソーア・デルタで打ち上げるので、一号はああいう状態でもあり、二号はやはり所期の成果が伴わなかったが、シンコム三号は赤道上に固定をするというようなことが当時いわれておった。私は別に技術的なことはわかりませんが、シンコム三号がテレビの世界中継ということに技術的に可能なんでしょうか。もしそうなりますと、赤道上に固定された通信衛星が、日本のように北半球中緯度における発信を世界に中継し得るものなのでしょうか。その点を教えていただきたいと思います。

宮川岸雄郵政事務官(電波監理局長)

○宮川政府委員 シンコム衛星は赤道を中心といたしましたある幅の間に打ち上げられて、そのときに通信するわけであります。それが日米間の中間のそういう位置に上がりましたときには、日本とアメリカとの通信を行なうことが可能になってまいります。もちろんオーストラリアとかニュージーランドとか、そういうところとアメリカ、そういうところも可能になってまいります。ただし、地球の反対側のほうのヨーロッパとかアフリカとか、そういう方面との通信にはこれは使えないのでございます。

岡良一日本社会党

○岡委員 そうしますと、オリンピックの世界中継は大体シンコム三号という方針でおられるが、これを使った場合は、おそらく三万七、八千キロくらい持っておるこのシンコム三号は太平洋のアメリカ、日本、ニュージーランド、そういうところ、シンコム三号の見える範囲内の国々だけに中継がされる、そういうことなんでございますか。

宮川岸雄郵政事務官(電波監理局長)

○宮川政府委員 ただいま私の御説明いたしましたのは、その送受信設備を持っておる国があればのことでございまして、これがなければ当然できないわけでございます。シンコム三号に対しまして、それに適するような電波を発する設備と、それから電波を受信する設備を持っておる国が、現段階におきまして日本とアメリカでございます。そういう地域相互間におきますところのテレビ中継ということになりますと、やはり日本とアメリカの送受信設備を使いまして、それを経由いたしまして、そこで受けましたものをそれぞれ別にマイクロウェーブなり何なりで中継する、こういうことになるわけであります。将来それに必要な送受信設備を持ちますならば、それは可能になってくるわけであります。

岡良一日本社会党

○岡委員 この前からアメリカには二回も実験をされておるし、それからヨーロッパでもフランスの受信地上局がキー・ステーションでしょうか、ということでヨーロッパ各地に中継されておる。ソビエトもやはり東欧圏を含めて一つのテレビについてのネットワークを持っておるはずだと思います。やはりここへも技術的に可能ならば、世界中継と銘打つ以上はてやってみていいと思うのですが、そういう計画はないのですか。

宮川岸雄郵政事務官(電波監理局長)

○宮川政府委員 ヨーロッパにおきまして、自由諸国樹内の一つの放送の連合体がございますが、同時にソビエトを中心といたしました国々の間におきましての放送の連合体がございまして、それとの間におきましては、いろいろテレビの方針が違うのでございますけれども、番組の交換を現に行なっております。そういうようなことで、日本からシンコムで直接ヨーロッパには参りませんけれども、先日も行ないましたように、テルスターによりまして、あれはフランスに送ったわけでございますが、フランスへ送ったものをヨーロッパの各国ヘマイクロウエーブで中継する。同時に東側の国々の中にもその中継機関を通しましてマイクロウエーブで送るということは可能でございます。先日の日仏の間に行ないましたものも、フランスのその中継局で受けまして、それからヨーロッパの希望する国へそれが流れております。ソ連圏のほうへも、はっきりとはちょっと申し上げかねますが、送り狩る可能性はあったわけでございます。

岡良一日本社会党

○岡委員 送り得る可能性という意味じゃなく、やはり先ほど来平和利用、平和利用と百万べんも大臣が言っておられるんだが、そして米ソの間にさえも人工衛星の平和利用、特に通信部門の利用の取りきめがされておるというような現状の中で、ソ連のほうはヨーロッパよりもっと早く、もっと統一されたネットワークがテレビ中継についてあると聞いておる。そこのキー・ステーションですか、そこへ送るというような努力があっていいんじゃないか。何も自由主義国だってアメリカやヨーロッパとだけしかやらないということでなくて、もっと目と鼻のソ連圏なりに送っていくということが国際協力というもののあり方じゃないか、私はこう思うのです。そういう点、まだほんとうに宇宙開発の平和利用ということにふん切っていない日本の姿があると思えるので、あなたは技術関係の人だが、技術者としてはなおさら技術者の良心で国際協力を進めるというなら、そういう方向にやっていかなければならぬのじゃないか、そう思うのです。どうお考えでしょうか。

宮川岸雄郵政事務官(電波監理局長)

○宮川政府委員 現在、ソビエトには通信衛星の電波を受信して、あるいはそれを発射する設備につきましては、できたことを聞いておらないのでございまして、直接に送るといたしましても、相手方がないわけでございます。郵政省NASAとの協定におきましては、地上局を持っている国に対しましてアメリカが打ち上げている衛星による通信の交換ということはしてもいいということになっておるわけでございまして、地上局のほうからそういう希望があれば実験的なことは幾らでもやるほうがいいと思いますし、そういうデータはたくさんとるべきだ、またそれが国際的な技術協力になるならばわれわれとしては取り上げたい、こういうふうに考えております。

岡良一日本社会党

○岡委員 受信する施設がなければこれは何をか言わんやなんです。私はないことはないと思っておるのですよ。もちろんこれも私の想像なんです、行ってみたことはないので。そういう点をもう少し、あるかないのかはっきり確かめて、あればやるという御方針のようでしたから、私はその点はぜひ、もしあるものならやって、くまなく世界じゆうに発信をしていただけるような積極的な姿勢で進んでいただきたいということを強く希望しておきます。  時間も過ぎましたので、私はあまり長話は控えたいと思うのですが、気象衛星の問題なんです。  気象衛星については、国連の平和利用委員会なり総会の決議でもずいぶん具体的な項目をあげて気象衛星に関する国際協力をうたっております。それからWMOもそういう決議をいたしておるようでございます。私は、特に気象衛星という問題は、もちろん科学的な探求、雲の分布なり動態というものを探求する。それが気象の予報に役立つだけでなく、もっと進んだ研究がその結果として出てくるのじゃないかという実は希望を持っておるわけなんです。具体的に申しますと、ハリケーンとか、タイフーンとか、モンスーンとかいうような、世界じゅうの国々が非常に巨大な資金をつぎ込んでいる天災、これに対する何らかの積極的な見通し、対策というものが止まれる素地というものが雲の動態の解析から出てくるのじゃないか、こういう希望を持ち、夢を持っておるのですが、これは私の夢でしょうか。長官の率直な御意見を伺いたい。

畠山久尚気象庁長官

○畠山(久)政府委員 ただいまのお話は、非常に大問題でありまして、私どももこの気象衛星によって地球の外から見た雲の分布、ただいま広くそれを利用しようとしておりますのは、外から見た雲の分布なんですけれども、このほかにまだ気象衛星の利用ということはいろいろあると思います。先ほどもちょっと申し上げましたが、赤外線によって観測した結果、これなどもそれについての資料の解析といいますか、研究といいますか、そういうものはどんどん行なわれておりまして、その結果が専門の雑誌にも出ております。また日本の気象学者がアメリカへ参りまして、その仕事の一部分を担当して研究しておるということもございます。  そういうようなことで、従来地球上の限られたネットワークで観測しておった資料をもとにした研究の結果わかってきたことというものが、近ごろ気象衛星を利用して雲の分布あるいは赤外線によるところの観測の結果、そういうものによって修正されつつあるという状態でございまして、これが先ほど私もちょっと申し上げましたのですが、それによって従来の気象観測網の欠陥というものがさらに認識され直したということもありまして、観測網の足りないところを何年計画あるいは十何年計画というような計画でそれを埋めて、ちゃんとした観測の結果を符たいというのもその一つのあらわれだと思うのです。そういうことによって現在はまだ気象関係につきましては、わからないことが多いのでありますけれども、それが将来はだんだんにわかっていくという状態になっていくだろうと思います。

岡良一日本社会党

○岡委員 ちょうど昨年でしたか、長官御存じでしょうが、ドクター・シンガーにワシントンでお目にかかったことがございます。そのときに、たまたま日本の大学のプロフェッサーが向こうへ留学しておられた。私はそのお二人に率直に私の希望、夢を申し上げたのです。そのことについては、いま直ちに結論を出せと言われたって科学者としては無理だが、しかし可能性はある。またそこまでいかなくては、気象衛星というものの大きな任務は果たせないのだ。その方向でわれわれは努力をしようと思っておる、というお話でございました。  そこで、いまお話を聞きますと、アメリカが打ち上げた気象衛星の受信のアンテナと申しますか、こういうものもアメリカの何か軍事基地が備えつけているものを両方受けておるというようなことでございます。御存じのように、やはり日本は大学の気象講座も少ないし、人も少ないしということで、これだけ台風にいじめられながら、気象関係については日本の体制は非常に手薄だと思う。だからせっかく、高い空から地球上の雲の分布状態を写して、その写したものを今度はまた受けとめる、受信できるようなアンテナができておるというなら、日本が持ったほうがいいのじゃないかと思うのです。話に聞いてみるとそう高いものでもないようなんだが、そのくらいの予算措置は当然やって、日本が受けとめて、そしてまた日本の科学者の諸君の大きな重要なデータとしてこれを利用されるというふうな体制が持てないものなんでしょうか。どうなんでしょう。

畠山久尚気象庁長官

○畠山(久)政府委員 それにつきましては、われわれも具体的にどういうようにするかということを考えておるところでありまして、あるいは科学技術庁のほうにお願いするとか、あるいは気象庁として正規に予算をお願いするとかいうことでやりたいと思っております。一方その相手の——ただいま気象衛星を上げておりますのはアメリカだけなんでありまして、そのアメリカがタイロスのあとのニンバスの計画というのがあまり遊んでいないようなんで、われわれもそれに対して非常に急いでいるという状況でないという点を御承知願いたいのでございます。  タイロスのほうのは、受信いたしました画像も、地面に対してまっすぐに射影した形に直すところにたいへんに手間がかかりまして、自分でいまのATTを備えつけて画像をとってみても、それを直すところにたいへん人手と時間がかかってしまうような状況なものですから、ニンバスが上がったらそれをやりたいというように考えておりますので、少しゆっくりしているようにごらんなさるかもしれませんが、実際はそういうような状況でございます。  御趣旨の点はよくわかりますので、この宇宙衛星の観測の結果の利用ということについては、われわれも十分にやっていきたいというように考えております。

岡良一日本社会党

○岡委員 最後に希望を申し上げたいのです。とにかく宇宙用発の仕事は非常な大きな仕事でもあり、そこにもってきて大臣は日本独自の宇宙衛星を打ち上げるのだということ、私はもちろんそれだけの意気込みがあってしかるべきだと思います。  しかし、御存じのように、宇宙開発関係の平和利用の予算というものは、本年度でも三十億を出ないのではないかと私は思っております。アメリカのNASAの予算は二兆ですか。こういうような状態で、非常に大きな格段の差異もありまするが、それだけに私は、日本の郵政省の方も気象庁の方も、それから科学技術の方も、ほんとうに一体となって、そして文部省の諸君も一つになって、そうすればそれが日本の一番の体制固めの基礎になってくるわけです。開発を促進する基礎はそれだと私は思うのです。願わくは、ひとつこの際、宇宙開発推進本部というものができるというお話もございますし、そういう御提案もあるようでございまするが、どうかひとつ現場の担当しておられる皆さん方がほんとうに一体となって進めていただけるように、この際私は心から希望申し上げまして、私の質問は終わりたいと思います。

前田正男自由民主党

○前田委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は、来たる五月十三日水曜日午前十時より理事会、同十時三十分より委員会を開会することとし、これにて散会いたします。    午後零時二十四分散会

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