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46回国会衆議院1964/02/20

科学技術振興対策特別委員会 第5号

発言数
42
登壇者
8
会派数
2
開催日
1964/02/20

会議録

前田正男自由民主党

○前田委員長 これより会議を開きます。  去る二月十日本委員会に付託されました日本科学技術情報センター法の一部を改正する法律案を議題といたします。

前田正男自由民主党

○前田委員長 まず、佐藤国務大臣より提案理由の説明を聴取いたします。佐藤国務大臣。

佐藤榮作自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○佐藤国務大臣 ただいま議題となりました日本科学技術情報センター法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明いたします。  日本科学技術情報センターは、わが国における科学技術情報に関する中枢的機関として昭和三十二年に設立されて以来、科学技術情報の迅速かつ適確な収集及び提供につとめてまいったところでありますが、その業務量は発足当時に比して著しく増加してまいっており、さらに、今後、この傾向はますます強まるものと考えられるのであります。このように増加しつつあります業務を円滑に処理いたしますためには、整備された施設、設備を必要とすることはいうまでもないところであります。しかるに、現在、日本科学技術情報センターが賃借しております建物は、数カ所に分散しており、しかもすでに狭隘となっているため、施設の充分な整備をはかることがきわめて困難となっているばかりでなく、業務の遂行にも著しい支障を来たしている状況にあります。  かかる状況にかんがみまして、政府は同センターの機能を十分発揮し得る建物を建設することといたした次第でありますが、これに要する土地等につきましては、政府が出資することとし、このため、現在、政府が同センターに対し、予算の範囲内においてのみ出資し得ることとなっている日本科学技術情報センター法の一部を改正し、現物出資をも行なうことができるよう改めようとするものであります。  以上が本法案を提案する理由であります。  科学技術の振興の重要性に対する皆さまの深い御理解によりまして、慎重なる御審議の上すみやかに御賛同あらんことを切望する次第であります。

前田正男自由民主党

○前田委員長 以上で提案理由の説明聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。     —————————————

前田正男自由民主党

○前田委員長 科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。  最初に、今回政府より提出されております総理府設置法等の一部改正について概要説明を聴取いたしたいと思います。佐藤国務大臣。

佐藤榮作自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○佐藤国務大臣 科学技術会議設置法及び科学技術庁設置法の一部改正につきましては、今般、総理府の本府及び各外局の設置法の一部改正と一括して、総理府設置法等の一部を改正する法律案として国会に提出いたした次第であります。  まず、同法律案第三条による科学技術会議設置法の一部改正について、その概要を御説明申し上げます。  科学技術会議は、科学技術の振興に資するため、科学技術全般にわたる施策の総合調整に関し、内閣総理大臣の諮問に応ずる機関として、昭和三十四年に設置され、現在まで三回にわたり答申を行ない、わが国の科学技術に関する施策の樹立に重要な役割を果たしてきております。しかしながら、近年の科学技術の進展は、まことに著しく、諮問事項に対して答申がなされた後において、答申を作成した当時には予想できなかった新しい事態が生ずることもまた免れがたいところであります。科学技術会議は、このような情勢の変化に適切に対処し、科学技術に関する最高審議機関たるにふさわしい活動を行なう必要があると考えます。このため、同会議が答申を行なった後においても、必要があると認めるときは、諮問事項に関し内閣総理大臣に対して意見を申し出ることができるようにするとともに、意見の申し出があった場合には、内閣総理大臣は、これを尊重しなければならないこととし、同会議の機能をさらに強化充実しようとするものであります。  次に、同法律案第八条による科学技術庁設置法の一部改正について、その概要を御説明申し上げます。  改正の第一は、科学技術庁に付属機関として宇宙開発推進本部を昭和三十九年七月一日から新設することであります。宇宙開発につきましては、数年来各般の施策を講じてその推進をはかっておる次第でございますが、先進諸国における宇宙開発の急速な進展に対処して、わが国の国際的地歩を確立するとともに、広範な分野における科学技術の発展向上を促進するためには、わが国におきましても、この際、国の重要施策の一つとして、その積極的な促進につとめることが必要であります。  このため、宇宙開発に関する体制の整備をはかることとし、関係行政機関の中核となってロケット及び人工衛星の開発を行なう機関として、新たに当庁の付属機関たる宇宙開発推進本部を設けることといたしました。同本部は、宇宙の利用を総合的かつ効率的に推進するため、特に開発する必要があるロケット及び人工衛星であって、関係行政機関が重複して開発することが多額の経費を要するため適当でないものを開発することを任務としております。  同本部の業務の実施にあたっては、関係行政機関等と密接な連携を保つとともに、各省庁等の研究機関並びに民間企業の技術を十分に活用する所存であります。  なお、宇宙開発推進本部の管理事務につきましては、これを当庁の研究調整局に所掌せしめることといたしております。  第二は、科学技術庁の付属機関である国立防災科学技術センターに支所を設けることができることとすることであります。  同センターは、昨年四月防災科学技術の総合的推進をはかるため新設されたものでありますが、防災科学技術の推進の重要性にかんがみ、昭和三十九年度においては、その拡充強化方策の一環として、積雪地帯において雪害対策に関する試験研究等を行なう雪害実験所を支所として設けることとし、これに伴う所要の改正を行なおうとするものであります。  第三は、科学技術庁の職員の定員を改めることでありまして、行政事務の充実をはかるとともに、付属研究機関の強化をはかるため、定員を百九人増加して、千八百十四人に改めるものであります。  以上、科学技術会議設置法及び科学技術庁設置法の一部改正の概要を御説明申し上げた次第であります。     —————————————

前田正男自由民主党

○前田委員長 次に、昨年十二月、行政管理庁が行政監察の結果に基づいて関係省庁に勧告したのですが、そのうち科学技術行政の監察結果に基づく勧告について調査をいたしたいと思います。  それでは最初に、勧告の要旨について行成管理庁政務次官より説明を聴取することといたします。川上行政管理政務次官。

川上為治自由民主党行政管理政務次官

○川上政府委員 科学技術行政監察の結果の概要について御説明を申し上げます。  初めに、この監察を取り上げましたいきさつでございますが、最近の世界各国における科学技術の進歩は驚くべきものがございまして、さらにその利用範囲もますます拡大してきており、社会、経済の発展、国民福祉の向上をささえる大きな柱となっておりまして、わが国におきましても科学技術の振興をはかることが行政上のきわめて重要な課題と考えられますので、関係省庁の施策の実態を監察したものであります。  本監察は、昨年の第二・四半期に、科学技術庁など十一省庁を対象として実施し、監察の結果改善を要するものと認められました事項につきまして、昨年十二月十七日に関係十一省庁あてに勧告をいたしました。  次に、勧告の内容でございます。これはすでにお手元に配付いたしましたように、八〇ページをこえる膨大なものでございますので、そのうちの要点だけをかいつまんで申し上げますと、  第一点は、科学技術振興のため国として開発すべき研究目標、重点、研究投資額等を盛り込んだ総合的、長期的な科学技術振興計画を定め、その実現を推進する必要があるということであります。  第二点は、国、大学、地方公共団体及び民間の試験研究機関が相互に連絡を密にし、協力して研究の成果をあげていくような体制をつくる必要があるということであります。現状では研究テーマや研究設備の重複によるむだや非能率も相当見受けられるからであります。  第三点は、情勢の変化に即応して、試験研究機関を再編成し、不必要となった業務はこれを整理する必要があるということであります。試験研究機関の中には、業務の範囲をだんだん広げていくうちに、相互に類似、重複するようになったもの、すでに科学技術の先導的役割りを果たし、あとは地方公共団体や民間にまかせたほうが適当と思われるもの、それから、検査、検定等の付随的業務を不必要にかかえ込んでいるもの等が見られるからであります。  第四点は、国の試験研究機関の運営面の合理化についてでありますが、行政上の要請に応じた研究項目を選ぶこと、研究の進捗状況を管理すること、研究成果を正しく評価し、積極的に活用すること、研究職の処遇を改善すること等を指摘しております。  第五点は、日本原子力研究所、理化学研究所等の特殊法人の運営について改善せしめるべき点を指摘しているものであります。  なお、その他、科学技術者の養成、確保及び特許庁の事務の促進についても必要な措置を採用すべく指摘しております。  以上が勧告のあらましでございます。     —————————————

前田正男自由民主党

○前田委員長 次に、去る二月六日、本委員会において佐藤国務大臣より科学技術振興の基本施策について所信を承ったのでありますが、これに関して質疑の通告がありますので、これを許します。  なお、ただいまの科学技術行政監察の結果に基づく勧告についてもあわせて質疑を行なうことにいたします。岡良一君。

岡良一日本社会党

○岡委員 行政管理庁の勧告、いまいただきましたので、いずれ十分検討さしていただきたいと思います。短時間に読んでみまして、元来この委員会においても科学技術行政の今後のあり方として問題になっておった点が多く含まれておるように思われます。いずれにいたしましても、科学技術行政というのは新しい政策分野でもございますが、この勧告のうちの適当なものを得、長官としても誠意をもってこれが実現にあたるという御決意があるかどうか、この点をまずお伺いいたします。

佐藤榮作自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○佐藤国務大臣 行政管理庁からいろいろ監察の結果を御報告になっております。これは新しい機関であるから十分尊重するように、こういうお話でございますが、もちろん私ども、この監察の結果御注意をいただいたり、あるいは示唆をいただいております点は、それぞれ理由のあることであります。なかなかやりにくい役所ではございますが、そういう点は十分念頭に入れて、そうして行政管理庁の勧告の趣旨を十分生かしてまいるように、ただいまお話がありましたような尊重するというよりも、さらに趣旨を生かす、こういう意味で検討してみたいと、かように思っております。

岡良一日本社会党

○岡委員 いま御提案になった情報センターの改正案と関連して。この勧告でも情報センターの強化をうたっております。今度の改正案では国の土地出資ということでございますが、センターは特許庁のあり方とも関連して、非常に大きな科学技術発展における問題だと思っております。この点について、私は勧告としても主張が足りないように思いますし、また情報センターの強化について、大臣としても、どういう御抱負を持っておられるか、お伺いしたいと思います。

佐藤榮作自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○佐藤国務大臣 ただいままでは情報センターのほうの改正案にも示しておりますように、設備があちらこちらに散らばっておる。これを一カ所にまとめること、そうして整備をすること、これが急務だ。いままで情報センターと申しながら、その設備も各所に分かれておるようでは、機能の発揮のほどにおいても、とかく必要なものがにぶっておるのではないか、こういうような疑念も持たれますが、今回のこの法律案を通していただくことによりまして、ようやく設備のほうは整備を見るだろう。そういたしますと、今度は科学技術情報センターの活動の面にさらに進んでまいります。私どもが法律を改正することは、その内容の整備、それを必要とするがゆえに、とりあえずその建物の整備その他を云々しておるのでございまして、本来はただいまお尋ねのありましたように仕事をすること、情報センターとしての活動をすること、それに重点を置かなければならないのでございます。どうかそういう意味で、この法律の改正も見ていただきたいし、また情報センターの活動の内容等につきましても多岐にわたるものでございますが、また時間的にも急を要するようなものもあります。いずれにいたしましても、的確、正しい、的確なものが必要だ、かように思いますが、そういう意味に大いに力を入れてまいろうという考えでございます。

岡良一日本社会党

○岡委員 それから、やはりこの勧告でも示されておるようでありますが、予算、特に科学技術研究予算の運営の問題でございます。この科学技術研究の運営に必要な予算の執行というものは、御存じのように、研究そのものの固有の性格から考えましても、あまり機械的な単年度主義で打ち切っていくわけにはいかないという事情があることは申し上げるまでもないところであります。そういうところから、特別研究調整費のようなものは若干見積もられておりますが、とても現在のような予算だけでは足りるものではないし、やはり計画自体に伴う、たとえば国防計画を立てて十カ年先を見通した予算措置がある程度政府部内においても考慮される、こういうような形で研究できる科学技術発展のための研究計画を予想した相当長期にわたる予算計画というものを政府はやはり持って、そうして執行に当たっていく、そのことが非常に必要なことで、これが科学技術振興の隘路になっておるのではないかと思うのですが、この点についてはどういうように考えておられますか。

佐藤榮作自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○佐藤国務大臣 ただいま御指摘になりましたように、科学技術庁が計画を立てる。これは各方面から要望され、私どもも真剣にこの問題と取り組むべきだ、かように考えておりますが、ただいままでのところは、予算の面におきましても、いずれも始めたばかりでありますし、そういう意味で思うにまかせないことが非常に多い、だから長期計画を欠いておるのだろう、こう言われますが、確かにそのとおりでございます。いまのとりあえずの問題に追われておるというのが実情でございます。その仕事が落ちついてまいれば、今度は長期計画を立てる、そういう方向へ進むべきではないだろうか、かように考えます。予算の面におきましても、国庫債務負担という問題も順次取り入れられておりますので、個々の設備そのものは、いま取り上げられたものはともかく何とかなるだろう。しかし、そういうことではなしに、将来の計画については、これは必要なのじゃないか。  いま原子力研究所なら原子力研究所についてみても、八年たった今日、いまなおその方針が明確でない、こういうことをしばしばいわれておりますのは、ただいまのような点からくるのだろう、こういうことで、事務当局をいろいろ督励しております。  しかし、新しい役所である科学技術庁の仕事としては、なかなか手に負えない点もございます。これはもう率直に申し上げるのですが、御承知のように、文部省関係が主体をなしていたり、あるいはそれぞれの実施官庁である通産省、運輸省あるいは厚生省、その他各省にまたがっておるだけに、なかなか困難な点がある。そういう意味で、これは研究課題としてちょうだいをしておるというのが現状でございます。

岡良一日本社会党

○岡委員 古くからできておるお役所は、やはり古くからの伝統、ある意味においては悪しき慣例がもうくせとなって温存されておる傾向もある。また、それらの官庁がそれぞれ割拠主義的な行き方に固まっておる傾向もあって、行政機構改革というのは吉田内閣以来の一番大きな問題であり、いつも公約をされながら思うにまかせなかったことです。しかし、科学技術庁は一番新しいお役所の一つでもあるし、こういうお役所から従来の弊を破って、そして新しい体制をつくり上げていくことも、ある意味において可能なのではないかと思いますので、こういう点は具体的に生かしていただくように、私は希望いたしたいと思います。  それから、いま原子力研究所のことに触れられましたが、これは科学技術の予算の執行というよりも、予算の査定という点に非常に問題があると思います。と申しますのは、御存じのように、新しい科学の発展に伴って所要とするいろいろな施設、それがたとえば原子炉でありましても、あるいはまたいろいろな近代的な施設、設備等は、予算も必要とすると同時に人間を必要としておる。従来の国の試験研究機関であれば、在来の設備あるいは施設を改善する程度で済むかもしれませんが、全く新しい、いわばバージン・ソイルに新しい施設を入れる、こういう場合には、それに伴う人員が確保されないと、その施設の運営というものはなかなかうまくいかない。こういう点が、従来の大蔵省の奔走の考え方で押し切られていくと、たとえば原子力研究所におけるように、おれたちは研究に来たのか、肉体的労働者で働きに来たのかというような無理が起こってきておるということを、私どもは如実に見受けるわけです。これは査定の問題でありましょうけれども、やはり予算を要求されるときには、この心組みをもってやっていただかないと、せっかくの国の試験研究機関がほんとうにフルに有意義に回転しない心配があちらこちらにある。こういう点についてこの機会に大臣に一言御所信を承りたい。

佐藤榮作自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○佐藤国務大臣 ただいまのお尋ねは、私はたいへんありがたく思うのでございます。  例を原子力研究所にとりますと、御承知のように、わが国の原子力そのものは最近ようやく手をつけたものでございます。——最近でもございませんが、とにかく戦後にこの科学技術を取り上げた、こういうものでございます。したがいまして、技術者にいたしましても、若い者も年寄りも、その意味では同時にスタートした、そういう関係にある部門ではないかと思います。また、技術者自身も、特殊なものでありますだけに、この技術者を得ることはなかなか容易じゃない、非常に困難だ。ここに一つの問題がある。必ずしも大蔵省の査定ばかりでもない。したがって、少数な精鋭の技術者を集めることが本来の主たる目的であったろう、かように思います。  ところで、わが国の研究施設一般についていえることでありますが、どうもまだ研究施設としての体をなしていないのじゃないか。学者の処遇にしても、はたして研究員なのか、あるいは労務担当なのか、オペレーターなのか、運転訓練なのか、そういう点に非常な疑問がある。新しい研究体制というものを、設備ができてしまったら、今度はそれから先に設けるべきではなかろうか。実は実態に即した研究体制は、どういうようにすれば一番研究にふさわしい体制ができるか、これは皆さま方の知恵もひとつおかりして、私どもも研究したいと思いますが、技術者が非常に少ないことと、その上にどうもわが国の研究体制そのものをやはりもう一度見直す要があるのではなかろうか。そこらに非常な欠陥がある、かように私思うのでありまして、大蔵省を責めるばかりでなしに、その方向へいくべきではなかろうかと考えておる次第でございます。

岡良一日本社会党

○岡委員 それから、長官は、日本の科学技術体制というものを平和目的に向かって進めるということを言っておられますが、きょう新聞を拝見しましたら、長官が本部長をしておられる放射能対策本部の発表によると、ストロンチウム九〇が非常にふえておるということです。ああいう状態でありますと、すでにあれ以下でも英国なりアメリカでは子供がなま乳を飲むのを禁じておるというように仄聞しておるのですが、一体その対策は、単に放射能がふえたという発表だけではなく、具体的にそれではどうするというようなことを考えていらっしゃるのですか。島村さんに伺いたい。

島村武久総理府事務官(科学技術庁原子力局長)

○島村政府委員 放射能対策本部は、フォールアウトの各省庁によります調査を持ち寄りまして、三カ月に一度ずつ発表いたしておるわけであります。昨日その発表を行ないましたが、御指摘のようなストロンチウムがふえたと申しますのは、蓄積量の問題であります。学者の間でよくいわれておることでございますけれども、日本におきましてはスプリング・マキシマムというようなことがございまして、正確に春というわけではございませんが、前回発表いたしました四、五、六月分の降下量に比べますと、七、八、九、三カ月の降下量は相当下降しております。つまり、やはり春に多くて、今回発表の分ではかなり減ってきておるわけでございます。しかし、蓄積量といたしましては、減ってもふえる理屈でございまして、それが増しておるということでございます。その量につきましては、いろいろなものに含まれますものによりましてもちろん違いますけれども、牛乳等におきましても、やはり蓄積された分としての関係からふえておる傾向が見られます。  しかしながら、一時懸念されまして、雨水に対する対策等を講じましたときに比べますと、御承知のとおり、その後におきます実験はやめられております。現在のような段階では、まだ特に対策を講ずるというような必要を認めておりません。密綿な調査を継続していく、見守っていく段階だと考えております。  なお、そのような実験に適応いたします対策といたしましてはまだ講ずる段階にないと考えておりますけれども、学問的、あるいはもっともっとふえてきた場合にどうするかというようなことにつきましては、補助金等も支出いたしまして、ミルクの中からストロンチウムを除去する方法というようなことについても検討を進めておるわけでございます。しかし、その結果をいきなり日本で現実に適用するというほどの事態にはまだかなり間がありますから、そのようなことを近くとるというようなことは考えておりませんが、研究は十分進めてまいりたいと考えておるわけでございます。

岡良一日本社会党

○岡委員 原子力の平和利用を推進するという立場からも、やはり蓄積の量を十分に把握する、国民にそれを知らしめる、また時期を失せずにその対策を講ずるということは、これは当然放射能対策の一環としてやっていただかなければならぬ。昨年に比べて、新聞の報道によれば蓄積量は倍増に近い。所得倍増ではなくて、ストロンチウムの蓄積量の倍増という状態では、たいへんなことです。  この点は、御存じのように、やはり核実験拡散という方向が現実に生まれておる。近い国で核実験をやるという国が出てきておる。しかも、気象庁あたりの専門家の意見を聞くと、そういう国がかりにもやるということになると、これは米ソの実験なんかに比べて、比べものにならない放射能が押し寄せてくるであろうということを指摘をしておるわけです。そういうことを考えますと、いますでに過去の米ソの実験によって蓄積量が去年に比べてことしはふえておる。どんどん空からも落ちてくる。ここへ来て、それがまた目と鼻の隣の国が核実験をやると、その吹きつけ方が、気象条件その他から見て日本が谷間といわれているだけに、非常に激しいものだといわれておることを考え合わせると、これはなかなか容易ならぬことだ。  問題は、そういうことをさせないようにするにはどうしたらいいかということが、日本として大きな問題として残ってまいりますが、これはこの委員会の問題でもございませんから、私は申し上げません。やはり放射能対策本部としても、過去の蓄積が今日の数字ではまだ心配は要らないということでなくて、そういうテンポで蓄積が進められておるという事実をもっと把握していただいて、さらに将来はもっとふえる可能性もあり得るということで、十分な対策を講じていただきたい。もっと克明に責任のある対策を考えられる必要があろうと思います。  それから、原子力予算について一括計上せられているわけですが、昨年新聞紙等で、日本の港湾の放射能の調査というようなことから、あるいは水中モニタリングとかその他ガイガー計算器等の予算が要求されたことがあったと伝えられましたが、その取り扱いはどうなっておりますか。

島村武久総理府事務官(科学技術庁原子力局長)

○島村政府委員 その関係の資料をきょう持ってまいりませんでしたので、正確ではございませんが、放射能調査の一環といたしまして、港湾等におきます調査もいたしております。  なお、それとまた別個の観点からでございますけれども、将来原子力船というような問題もございますし、資料はできるだけ長期に集めたほうがいいという観点からも、これは昨年でございませんで、数年前からぼつぼつと港湾の海水あるいは大気等の調査も進めております。三十九年度で始めたということではございません。新聞等であるいは三十九年度で初めてやるように昨年あたり伝えられたかと思いますが、事実は数年前から継続してやっているわけございます。

岡良一日本社会党

○岡委員 それでは、これは長官にお尋ねしますが、原子力潜水艦の寄港ということと関連して特に予算を計上したというわけではないのですか。

佐藤榮作自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○佐藤国務大臣 そうではないのです。科学技術庁としては、前々から日本周辺の大気ばかりではなく、海水までそういうことをしたい、こういう希望を持っております。ところが、たまたま原子力潜水艦とこれがかち合っておりまして、そうして、海水まで調査を進めるのならば原子力潜艦の寄港を許すつもりなのだろう、もう許しているのではないか、こういううわさが立って、むしろ私どもは原子力潜水艦のために必要な調査すら差し控えているというのが現状でございます。こういう事柄についての皆さま方の理解を得るならば、私どもはぜひとも海水についてもそういうことをすべきではないか。事前に調査しておかないと、万一将来海水がどういうふうに汚濁されているかとか、こういうものとの比較をする場合にデータがない。だから、いまのうちにそういうものを調査しておくべきではないだろうか。幸いにして皆さまの御了承を得るならば、私はそういう事柄も早急にいたしたい、かように思います。  しばしばこの問題をめぐって、科学技術庁はいろいろな調果を進めているが、それは原子力潜水艦の寄港を急ぐあまり許しているのではないか、こういうようなことが、わが国の国民感情からもたいへん心配なものですから、むしろ押えた、こういうような形になっております。どうかこれもひとつ御了承願って、積極的に、そういうきれいなうちにデータをとっておく必要があるのではないか、かように思います。

岡良一日本社会党

○岡委員 長官の御答弁は了といたします。それでは、年度別に海湾等の調査の予算の総額について資料として出していただきたい。特に本年度の原子力予算の中でどの部門に力こぶを入れているかということの具体的な資料を出していただきたい。  それから、放射能の安全性の問題については、私はずっと年越しに資料を御要求申し上げている。これはやがて一年になるのですが、この間予算の分科会で、外務省から原子力潜水艦の安全性に対する相手国との交渉などを聞いておりますと、どちらかというと、きわめて非科学的な感じも受けますが、早急にひとつ資料を出していただきたい。

前田正男自由民主党

○前田委員長 いまの資料要求に対しては、なるべく早目に善処するようにいたしたいと思います。  次に西村英一君。

西村英一自由民主党

○西村(英)委員 一言ちょっと伺っておきます。  ただいま宇宙開発本部の御説明がございましたが、何となしに煮え切らぬような、あいまいなような——こう書いてある。「同本部は、宇宙の利用を総合的かつ効率的に推進するため、特に開発する必要があるロケット及び人工衛星であって、関係行政機関が重複して開発することが多額の経費を要するため適当でないものを開発することを任務としております。」ほかのところでやるものはほかのところでやるのでしょうが、自分のところは自分のところでやる。つまり現在の状況に触れて、これを統一して宇宙開発本部一本でいこうという精神が見られない。いま大学でやっておるものはそのままあまりさわらずに、それにさわると刺激があるから、何となしにあいまいな態度で宇宙開発本部をつくろうとしておるように見受けるのです、書き方からいうと。これはちょっと私はどうかと思いますし、ことに行政管理庁から出ましたものによりますと、こう書いてある。これは一二ページになりますか、宇宙開発についてしまいのほうに、やはり科学技術庁でやる宇宙開発と東大生産技術研究所でやるものとは重複しておる、また将来そのおそれが大いにある、こう言っておるのです。  これは行政管理庁の政務次官にお聞きしますが、どの程度に深く考えておるのですか。私は宇宙開発本部ができた以上は、この宇宙機関は特殊のものですから十一億の国家予算を組むとすれば、行政管理庁は科学技術庁一本でもって適当にあんばいをするような態度にいかないと、これはいま予算の途中でありますからことしはできないにしても、その気がまえをしなければ意味がないと思いますが、大臣並びに政務次官の御所見をちょっと聞いておきたい。

佐藤榮作自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○佐藤国務大臣 ただいま御指摘になりました宇宙開発推進本部なるものは、将来のそういう目標を立てております。現状におきまして糸川ロケットと、科学技術庁でやっております新島で気象観測用のロケットを上げておる、その関係のものに相互に重複するというか、あるいは連携を緊密にすべきものがあることはわかっております。いずれは特別な機関を設けざるを得ぬのじゃないだろうか。現在の段階においてはそれぞれがまだ研究の段階でありますので、それはそのままやらしてやったらどうだろうか。しかし、その研究に終止符を打ったそのときにおいては、これは一つにまとめるべきじゃないだろうか、そういう考え方でございます。ただいま宇宙開発審議会等でもいろいろ議論が出ておりますが、この点は行政管理庁で指摘された点と同様でございます。しかしなかなかまだ一本にまとめるという段階には至っておりませんので、いましばらく時間をかしてもらう、そういうことが必要じゃないだろうか、かように思います。

山口一夫総理府事務官(行政管理庁行政監察局長)

○山口政府委員 行政管理庁の監察におきまして、国の試験研究機関と国立大学に付置されております研究所の関係につきまして勧告をいたした項目がございます。この勧告の趣旨は、ただいま佐藤長官から御答弁のございましたように、これらの機関の相互の協力関係を確立することが必要であるということが趣旨でございます。現在の実情におきまして特に協力の必要のあると認められます二、三の事例を監察の資料で発見をしたのでありますが、その事例の一つといたしまして、宇宙開発につきましてただいま御指摘のような現実の状況はございます。ございますが、将来の方向として、これら機関の間においてそれぞれの研究の成果を相互に利活用する、あるいは巨額の経費を投じております試験研究施設あるいは設備等の共同利用等につきましても十分に検討をして協力関係を立ててもらいたい、というのが勧告の趣旨でございます。

西村英一自由民主党

○西村(英)委員 行政管理庁はずっと行政監察をして、たくさんなことをあげておるが、そんなことでなしに、行政の最も悪いところを強く言ってもらわぬと、協調をとれなんてことは行政管理庁がわざわざ言わなくたって、みんな知っていますよ。だから、これを調べればもう少し強い意見が出るはずです。やらなくてはうそだと思うのです。そういうものを協調をとれとか、相談してやっていけとかいうならば、行政管理庁の監察なんかやめなさい。迷いますよ。あなた方の監察の非常にいいこともあるけれども、非常に悪いところもあるのです。各省のことを調べるので、ちょっと悪いところに出会うとたいへんなことになるのです。大蔵省はそれをいいことにして予算をくれない。こういうところは、ちゃんとやるところはちゃんとやってもらわぬと、たくさんのことを並べておいて、ただ協調をとれとか、相談しろと言うくらいなら、やめたほうがいいんです。  大臣もう一つ。いまのこととも関係しますが、岡君が言いました研究者のことと関係します。これはちょっと大臣直接にこの場で言えないかもしれませんが、科学技術者の養成ということになれば、やはり教育という問題になってくるのです。いま科学技術庁の長官、国務大臣としては、それは科学技術教育に発言はできましょう。けれども、普通の意味においては、科学技術庁が成立したときの様子から見まして、文部省には一指も触れることができないようなことになっているのですね。したがいまして、今後臨時行政調査会で機構をいじりましょうが、そのときには、少なくとも科学技術教育に対しては科学技術庁長官は発言権を持つようにすることが絶対に必要だ、こう私個人は思っておるのですが、大臣はどうお考えになりますか。

佐藤榮作自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○佐藤国務大臣 お説は、しごくごもっともです。私はその御意見に全面的な賛成でございます。しかし、各国の実情を見ますと、必ずしも教育を担当しておる者と科学技術のほうとが、どこもそううまくいっておらないのです。これはひとり日本ばかりじゃございません。最近OECDの科学技術担当会議に私出てまいって経験したのでありますが、各国はほとんど教育大臣が出ておる。科学技術担当の大臣というものは三、四の国だけがあるのです。しかも、その三、四の国におきましても、在来の教育の関係とどういうように連携をとるか、そこにみんな同一の悩みを持っておる。  そこで、私考えますのに、いわゆる技術者の養成ということと、教授、先生、その分野になりますとよほど違っているのだ、その先生が研究することも次の代の教育技術者の養成ということにも関係してくるので、これをとめるわけにもいかない。しかし、その分野においては、いわゆる科学技術庁においても発言してしかるべきじゃないだろうか。したがいまして、文部大臣と科学技術庁長官、一緒になって、各大学の持っている科学施設をひとつ共同して見ようじゃないか。ぼくがあとについていってもいいから、ひとつ一緒に見ようじゃないか、そういうことで指導しない限り、これは急速には直らない、かように思います。いましばらく時間をかしていただくならば、科学技術大臣というものがその名にふさわしいような状況になるのじゃないだろうか。  また、いまの文部省との関係ばかりでなく、民間の専門の技術の研究所、これは各会社が持っておる。そのものは、これは通産大臣が指導し、いろいろ見ております。しかし、これまた科学技術庁が関与する筋のものじゃないだろうか、こういう意味で、各会社の研究所等につきましてもただいま調整費を出しておるとか、あるいはその他の方法でそれぞれ連絡をつけておるというのが今日の状況でございます。  しかし、一番の問題は、大学の教授陣の研究、いわゆる技術者となった人たちのその研究、そういうものをいかにのみ込んでいくか、こういうことが問題になるのじゃないだろうか、かように思います。  先ほど原子力研究所の例をとって申しましたのも、原子力研究所で、ほんとうに研究者としての仕事はどういうことなのか、そういうものについての研究か、あるいは応用か、そこらの区分が非常にできにくい。観念的には一応わかったようですが、その点がむずかしいから、ただいまの科学行政と文部行政、そういうところの関連、これを筋を引け、かように言われましても、なかなか筋は引けない。ただいまのところ、総合的に連携を緊密にして融和をはかる、あるいは調整をとっていく、こういうこと以外にはないのじゃないか、かように私は思います。

西村英一自由民主党

○西村(英)委員 大臣も協調でいくらしいのですが、私はちょっと意見が違うのです。  いま調整費は国立大学には、やっているのですか、やっていませんですか、この辺はどうですか。

佐藤榮作自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○佐藤国務大臣 大学には出ておりません。

西村英一自由民主党

○西村(英)委員 そういうことなんですよ。私は、国立大学にも、研究すべきものがあったら調整費を出すべきだと思う。ところが、文部省と科学技術庁とは何か画然としておって、文部省に言わせれば、教育に関することは一歩も足を入れさせないよ、こうなっておる。今度は科学技術庁のほうは研究すべき費用を国立大学に与えられないのですが、国立大学の研究機関ほど研究にふさわしいところはないのですよ。そういうセクショナリズムからきておると思うのですが、私はむしろ科学技術庁の予算をもって、必要なものは国立大学にもやるという体制、したがって、科学技術庁長官は、科学技術教育に関する限り文部省に対して発言権を持つということが必要ではないかと、私自身は考えるのです。これは議論になりますからやめますけれども、もう一回、大臣にお願いいたします。

佐藤榮作自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○佐藤国務大臣 私は現段階の実情を申し上げているので、将来の問題とはこれは別でございます。かくあるべしということとはまた別でございます。そういう意味で、西村さんの御意見にはしごく賛成でございます。こういう状況ではいけないのだ、しかし現状においてはそうはまだいかないだろう、というのが現状でございますから、その点をどうぞ御了承いただいておきたいと思います。

西村英一自由民主党

○西村(英)委員 その調整費を国立大学に出していないのが現状だ、しかし将来はいろいろ考えるといいますから、私はそれで了承いたします。

前田正男自由民主党

○前田委員長 次に、福井勇君。

福井勇自由民主党

○福井委員 連絡しないうちに、私の言いたいことを西村委員が触れられましたが、せっかく通告を行ないましたから、ほんの一、二分、最も重大な問題を質問したいと思います。  私は、戦時中に技術院をつくることに参画し、平和の回復後、現委員長の前田委員その他の人々と現在の科学技術庁をつくることに、いろいろ微力でございますが、協力してまいりました。その後いろいろの批判の中に、「戦時中の技術院のごとく」ということをちょいちょい今日においても耳にします。それば、悪い機構であったという表現をそういうふうに言いかえておるようであります。戦時中の技術院は、井上国四郎さんを初代の総裁として、私は、きわめて功績が多く、そしてりっぱな組織であったといまでも思っておりますが、何にしても口の多い事務系統の連中が、「戦時中の技術院のごとく」ということは、悪い表現のようにいまでも使っております。これはとんでもない間違いだ、私はかたくいいものであったということを信じております。  そこで、今日科学技術庁もこのようにりっぱになってきて、国民は非常に期待しております。この行政管理庁の監察局の報告の内容を見ましても、随所に、科学技術の急速な進歩発展は云々ということがあらわれております。どこの面の報告においても、これは最大限に技術革新の時代に沿って飛躍していかなければならぬということを言われてるお時代になりました。  西村委員と重複すると申しますのは、いまの科学技術庁の総合調整という文字を一番先にうたって、この科学技術庁の発足当時に法制局からいろいろ注意を受けたりしましたが、総合調整ということを一つの目標にして今日まで及んでおります。西村委員の申しましたとおり、それぞれセクショナリズムが多くて、今日のような科学技術庁のりっぱなメンバーをそろえていましても、なかなか難儀をされておる実情であります。科実技術庁の開設当時から、技術院の改組したものが科学技術庁でないということは、世間の者が言いたくてしょうがない、いやわれわれが言いたくてしょうがないのでありますが、一応今日のりっぱなものになってきました内容においても、各官庁のうち、その協力体制は、運輸省が一番実質的に協力してくれたように思います。なくなった下山総裁などは、特にその顕著な例でありました。その後いろいろ各官庁の協力してくれるランキングをつけようとすると、私はちゃんとつけられるのであります。正しいかどうかわからないが……。  そこで、今日においても困っておるという状況であります。この際ひとつ、蒸し返しになるかもしれませんが、最も新しい構想ということになるかもしれませんが、科学技術省を一挙につくってもらいたい。いまの大臣は非常に期待されておりますが、歴代の科学技術庁長官は、何もしないというようなことをいわれておった人も、新聞の活字によるとありますので、どうか科学技術省を設置してもらいたい。これに対する所見を承りたい。

佐藤榮作自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○佐藤国務大臣 行政管理庁がどういう行政監察の結論を出しますか、私どもはその結論を待って、その結論を尊重していきたい、かように考えますが、いままでの各省設置法の基本で申しますと、必ずしも科学技術省をつくることが得策なりやいなや、これにはやや疑問があるのでございます。と申しますのは、各省の権限を科学技術省に全部抽出ができるならこれも一つの方法だと思いますが、現在においてはなかなか抽出はむずかしいだろう。ことに、これはもう各省にございます。厚生省、建設省、また運輸省、郵政省、通産省、あるいは全部の省にあるように思います。文部省はもちろんでございますが……。そうすると、いわゆる抽出が困難だ。かように考えますと、むしろ総理大臣としての調整、総合的な機能というか、それを与えられると、科学技術庁としては、総理大臣の権限の一部の行使が可能だ。こういう意味から申しますならば、省であるよりも科学技術庁であるほうが今日の皆さま方の御要望にこたえるゆえんではないだろうか、かように私は考えます。  しかし、いずれにいたしましても、その基本的な考え方が行政管理庁のほうで出されるでしょうから、その場合には、それは省であってもそういうことは可能だとかいうことになれば、これは一つの行き方だ。かように思うので、こまかく縮まった考え方ではもちろんないだろうと思いますが、おそらく各省のものを統合して科学技術行政を立てろ、こういう意味から省の設置を要望されるんだろうと思いますが、これは行政管理庁の各省設置法の基本精神を十分考えないと、意外な結果になりはしないだろうかということで、省の設置については私はむしろ慎重であるべきだ、かように私考えておりますので、この点を遺憾ながら申し上げておきます。

福井勇自由民主党

○福井委員 佐藤大臣の御意見は、お立場ではごもっとのだと存じますが、私自身技術系統の人間としては、一つの省というものにあこがれ、ということばではどうも妥当な表現ではございませんが、こんなに技術革新の時代に、事務系統の者でも、法律しか知らぬような者でも、科学技術あるいは技術革新を言わなければ、もう通っていけないという時代でありまするので、一挙に科学技術省を設置してもらいたいという希望を申し上げて、大臣の御所見を伺うことはこれで終わりにいたします。  その次に、川上副大臣にお伺いしたい。私は、行政管理庁の報告を待っていろいろと討議されるということを期待しておりますが、行政管理庁におかれては、科学技術省をなるたけ設置しないように、しないようにするつもりでやってもらいたくない。設置するような強い意向に沿いたいという気持ちをもってこれを取り扱ってほしい。特に川上政務次官は通産省に長くおられて、勇名をはせておいでになったお方でありますので、あるいは科学技術省の設置に反対ではないかという危惧を持っておりますが、よもやそうではありますまい。そこで、なるたけつくらぬようにするという意向でないようにお取り計らいが願いたいというのが、福井委員の強い希望でございますが、これらについての御所見を伺いたいと思います。

川上為治自由民主党行政管理政務次官

○川上政府委員 各省の技術関係のいろいろな問題を一本にまとめて、科学技術庁を省にして、全部統一的にやるという問題については、私は決して反対というわけではございません。私が通産省におりましたときも、この問題についてはいろいろ研究が行なわれました。いわゆる産業行政というものと、科学技術行政というものとを、どういう関連に置くかという問題について、通産省としては、各試験所等については、むしろこれは通産省の中に置いたほうが産業行政上いいんじゃないか。こういう意見もありましたし、また一面から言いますと、各省でばらばらにそういうことをやっておりますと、いろいろな問題についてむだやら、あるいは調整がうまくいかぬというような問題があるから、むしろ科学技術庁に一本でまとめてやったほうがよくはないか、こういうような意見がいろいろございました。その意見をいろいろ考えてみますと、なかなかもっともなところもそれぞれあるわけであります。したがって、先ほども大胆から話がありましたように、いま臨時行政調査会において、この問題については真剣に検討いたしております。その中にも福井さんがおっしゃるように、むしろ一本にまとめたほうがよくはないかという意見もあり、あるいはまた、それでは各省の産業行政なりというものがうまくいかぬのではないかという意見もありますし、なかなかむずかしい問題でありますので、この問題は真剣にいま検討いたしております。おそらく七月か八月かの答申におきましては、そういう問題についても、必ず触れてくると思いますから、その点ひとつ御了承願いたいと思います。私は、決して科学技術省をつくらぬように反対運動するということは絶対にございませんから、その点はひとつ御了承を願いたいと思います。

福井勇自由民主党

○福井委員 これで質問を終わります。

前田正男自由民主党

○前田委員長 それでは、本日はこの程度にとどめ、次会は来たる二月二十六日水曜日、午後一時理事会、一時三十分委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十八分散会

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