運輸委員会航空に関する小委員会 第4号
- 発言数
- 46 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1964/05/14
会議録
○西村小委員長 これより運輸委員会航空に関する小委員会を開会いたします。 航空に関する件について調査を進めます。 本日は日本航空工業会専務理事有森三雄君及び日本航空機製造株式会社取締役社長荘田泰蔵君を参考人として御出席をお願いいたしておりまして、航空に関する問題、特に航空機に関する機種及び機材等の面から見た貴重な御意見を承ることにいたしました。 参考人の方々には御多忙のところ本小委員会に御出席くださいまして、まことにありがとうございました。どうか忌憚のない御意見をお述べいただければ幸いと存じます。 それでは参考人の方の御意見をお願いいたします。有森参考人。
○有森参考人 それでは私から航空工業の現状と、それに関連した問題について申し上げたいと思います。 御承知のように、航空工業は終戦とともに壊滅をしたのでありますが、その後七年間の空白を経た後、昭和二十七年四月から再び航空活動が開催せられることになりました。自来本日まで約二十二年を経過しておりまするが、大体昨年十二月末までの統計をもとにして生産の概況について申し上げたいと思います。 年間の製造機数は、昭和三十二年に二百二十七機に達しましたが、自後減少いたしまして、昨年はまた若干増加をいたしまして百五十機を製造いたしました。つくりました飛行機の種類は、最初プロペラ機が主体でございましたが、逐次ジェット機にかわり、また最近は特にヘリコプターの製造が増加してまいりました。 需要別に申しますと、防衛庁機が主体でございまするが、昭和三十六年からは国内の一般需要がおおむね三、四十機程度にふえてまいりました。また昭和三十八年からは純粋の輸出が若干再びできるようになってまいりました。 この十二年の間に製造いたしました航空機の総数は千二百六十機でございます。機種別に申しますと。半分がジェット機であり、四分の一がヘリコプター、残りの四分の一がさらにプロペラ機、大体このような状態でございます。需要別に申しますと、防衛庁機が主体でございまして、七九%を占めております。一般の国内需要は一四%に当たる百七十二機でございます。輸出と賠償は五%に当たる六十四機、このような内訳になっております。 次に、生産金額について申し上げます。年間の生産金額は、昭和三十四年にちょっと低下をするような状態を示しましたが、おおむね漸次増加をしてきております。昨年は再開以来の最高で、六百四億円の生産額を示しております。 作業の内容に分けて申し上げますと、修理作業は毎年増加をしてまいっております。これは保有機数の増加に伴うための増加でございます。製造につきましては、昭和三十六年のちょっと低くなった時期がございますが、これもやはり大体において漸次増加をしてきております。 需要別に従って生産金額を申し上げますと、もちろんいままでのように防衛庁機が主体でございまして、一般の国内需要につきましては、昭和三十二年以前はきわめて少ないので、申し上げるほどのことではありませんが、以後三十三年から三十五年にかけましては約十五億円台、三十六年には約五十億円近く、また、三十七年、三十八年には八十億円くらいに達しました。 この十二年間における総生産金額を申しますと、二千八十六億円に達しております。その四分の三は製造に関するもの、残りの四分の一が修理関係の仕事に基づく生産額であります。これも需要別に分けて申し上げますと、やはり防衛需要が主体でございまして、全体の八六%を占めております。国内の一般需要は全体の一三%に相当する二百七十五億円でございます。輸出、賠償はわずかに一%にすぎません。特に、国内の一般需要は二百七十五億円の中の百七十五億円という、大体三分の二に相当する金額が修理作業に基づくものでございまして、残りの三分の一が製造に基づく生産額であります。 現在までに航空工業に投資をせられました金額は三百六十二億円でございまして、現在その中の二百四億円が未償却になっております。工場の床面積が二十四万坪ございます。従業員数は約二万三千人でございます。 大体以上が航空機の生産の概況でございます。 それではこれから先の航空工業の生産はどうなるかということでございますが、ただいま申しましたように、需要の主体は防衛庁の仕事でございます。これは現在昭和三十七年から四十一年度にわたる第二次防衛力整備計画に基づいて行なわれておりまするが、この中核をなしておりますF104戦闘機二百機の製造が来年始めには終了することになっております。したがいまして、今後四十一年度までは航空工業の生産は減少することが予想せられておりまして、おおむね四十一年度には昨年の生産の半分ぐらいに減少するのではないかと考えております。したがいまして、私どもとしては、F104戦闘機の第二次生産計画を急速に御決定願う、あるいは第三次防衛力整備計画をすみやかに御決定を願う等のいろいろ問題がございまするが、防衛需要に関する問題は一応この程度で省略さしていただきまして、主として一般の民需あるいは輸出に関連をした事項について以下申し上げさせていただきたいと思います。 私どもといたしましては、業界として安定した生産ができ、またでき得べくんば生産が逐次増加するように、拡大するように持っていきたい、このように願うのでございます。したがいまして、生産の中断であるとか、あるいは生産がだんだん低下をするというようなことは極力避けたいと思うのであります。しかしながら現実には、ただいま申しましたように、需要の主体が防衛庁でございますので、何といっても防衛庁の需要を確保する、こういうことによって仕事を確保していきたい、かように考えるのでございます。それと同時に今後は国内の需要を充足し、さらにまた輸出を振興する、こういうことに対して特に努力をする必要があると考えております。 昭和三十五年に政府は所得倍増計画を御決定になりましたが、この計画によりますると、昭和四十五年度における航空輸送の旅客人キロは昭和三十三年の実績に比べまして、国内線は大体三〇・八%の年平均増加率で、二十六倍に達する。国際線は年間三六・五%の年平均増加率で、四十二倍に達する、このように述べられております。これに対して実績は、国際線につきましてはほぼこの計画に近く、また国内線につきましてはその二倍近くも増加をしておるのが現状でございます。したがいまして、私どもは、国内の一般の需要の増加ということについては何ら不安を持っていないのでございます。国際線、世界の定期航空輸送における旅客輸送人キロも毎年増加をしております。その率は、年によって若干違いまするが、おおむね一〇%前後の増加を示しておりますので、私は、航空機の需要は一般的にいって将来ますますふえるものと思っております。このように需要がふえる傾向にありながら、先ほど申しましたように、日本では従来防衛庁機を主体といたしましてライセンス生産が行なわれてきました関係で、一般の民間の需要や輸出に適した飛行機の種類が非常に少なかったために、これらの需要が喚起されなかったものと考えております。後ほどお話がございますYS11は、このような目的のために開発をせられました唯一の機種でございます。現在運輸省に登録せられております航空機は防衛庁機とグライダー、こういうものを除きまして四百五十一機ございまするが、その中の実に七一%に達する三百二十機というものが輸入機でございます。しかもその種類は実に七十二機種に及んでおるのでございます。したがいまして、航空機工業が再開せられまして以来四百二十三機の航空機の輸入、それらの部品あるいは一部航空機の製造に必要な機械類の輸入のために、ちょうど先ほど申しました、この十二年間の生産額二千八十六億円に匹敵をする二千七十四億円という外貨の割り当てが行なわれております。もしも日本に適当なる国産機がございましたならば、これらの輸入を防止することができるばかりでなく、さらにこれを輸出することが可能になるものと考えます。防衛庁で使われております飛行機についてもおおむね同様の状態でございまして、現在約一千七百機に達する保有機がございまするが、この中で国産機は五五%の約九百三十機でございます。残りは全部供与かもしくは輸入機でございます。さらにまた、その中で日本の国内で開発をせられ、生産をせられたこういうものはT1という中間ジェット練習機が一機種でございまして、その生産機数は、試作機を含めてもわずかに六十六機にすぎないのでございます。外国におきましては、軍用機の開発によって向上いたしました技術が民間機に応用せられておるのでありまするが、わが国におきましては、このような状態で、防衛庁機がほとんど国内で開発をされておらないのでございまするから、その点外国と比べることはできないのでございます。 現在のわが国の航空工業は、世界の最新の航空機を製造することができる最新の生産技術を持っておりまするが、遺憾ながら世界の最新の航空機を開発するような設計技術というものはまだできておらないのでございまして、航空の技術は一見非常に飛躍的に進歩をするように見えまするが、航空機等の開発には非常に長い期間たくさんの費用がかかりますので、このような開発を絶えず積み重ねていくことによって初めて航空技術の発達が可能となるものと考えます。 民間機の場合におきましては、軍用機と違いまして、これをお使いになる航空輸送会社が自分の必要とする航空機の試作発注をするというようなことはされないのでございます。また製造会社といたしましても、非常にたくさんの開発費を自分で負担をするということは、きわめて困難な状況でございます。したがいまして、私は今後日本で一般の民需や輸出需要を開拓し得るような航空機を開発し、またこれに伴って航空技術を確立するためには、ぜひともこれから必要とする次期の各種の輸送用航空機を開発することが必要であり、またそれがためには、政府として資金の援助をしていただくことがきわめて必要なことと考えております。諸外国におきましても、民間航空機の開発のためには、従来から多大の政府の経済的援助が行なわれてまいり ました。たとえば英国では特に従来から民間航空機の開発ということについては非常な関心を持っておったのでございまするが、その最も顕著なる例を申し上げますならば、第二次世界大戦の最中において、民間用航空機の開発を行なっております。いつドイツ軍が英国の本土に上陸をしてきて光栄ある英国の孤立が脅かされるかもしれないといったような危急存亡の戦争の最中に、戦後の大西洋横断航空輸送の重要性に着目して、適する航空機の開発に着手をしております。その後、現在においても各種の民間機の開発に多大の政府の資金援助をやっております。たとえばVC10の輸送機は開発費四百億円必要だといわれておりますが、これに対して二五%の政府の資金援助を行なっております。BAC111は五〇%の資金援助、あるいは超音速輸送機コンコルドの開発は英仏両国が費用を折半することになっておりますが、その九〇%以上は政府が資金援助することにしております。援助を必要とする対象の機種とその援助の割合とは毎年非常に増加をしてまいっておるのでございます。このような資金は無期限、無利息で貸与せられ、将来の生産機の値段の中から一定の割合で政府に返済をせられることになっております。したがいまして、もしも航空機の開発に失敗をし、また予想した数だけ航空機が売れなかった場合には、政府はその全額もしくは未回収分を損失をすることになっております。このような政策は各国においてもとられておるのであります。 次に、航空機の生産は非常に付加価値が高いので、わが国に適した産業であると考えるのでございます。したがいまして、量さえまとまってきたならば、国産機の価格は相当低廉となるはずでございます。それにもかかわらず、現在では数量が少ないために割高となっておるのが実情でございます。したがって、ぜひとも極力国産機の需要が喚起されるように政府として特別なる御配慮をお願いしたいと思います。たとえば、官で必要な航空機は多少要求に合わないような点があっても、あるいは若干価格が高いような場合におきましても、極力国産機を御採用願う。あるいはまた民間用航空機の場合におきましても、各種の行政的措置によりまして、国産機の需要が拡大されるように御配慮をお願いしたいと思います。また国内の輸送会社が国産機を購入するときには、極力購入資金の政府融資あるいは安い利息で融資をする、こういうような方法によりまして、使用者側が国産機を購入しやすいような措置をとっていただきたいと思います。申し上げるまでもなく、諸外国においては、航空機の輸出については、政府の援助のもとに長期低利の延べ払い制度を設けて輸出を奨励しております。したがいまして、これに対抗し得るような措置がぜひとも必要だと思います。特に将来、航空機の自由化が行なわれた場合、もしもこのような措置がないならば、たとえ国産機が外国機と同じような性能、同じような値段であっても、金融上から外国機が選択せられるというおそれがあるのでございます。また国産機は、ユーザーが購入しやすいように極力価格が安くなるようにつとめる必要がございます。しかしながら、航空機の製造には材料準備から完成までに相当長い期間を必要といたしますので、それらの金利は直ちに航空機の値段にも響いてまいりますので、ぜひとも低利の金融ということが必要になってまいります。諸外国におきましても、たとえば法律を設けてこのような特別な措置をとっているところもございます。 最後に、以上申し上げましたような希望と関連をしてお願いをしたいことは、航空に関しまする技術、生産、輸送、防衛、これらの点を統合して、国として一つの非常に強固な航空政策をぜひとも確立をしていただきたいということでございます。わが国におきましては、航空に関する行政は各省庁に分掌せられておりますので、連携が不十分であったり、あるいは重複すること、間隙のあることというような点から、総合的な見地からこういうような行政を強力に推進されにくいというような観がいたします。また、たとえこのように行政機関が統合されない場合におきましても、ぜひそのような考えに基づきまして相互の連携を密接にして、ばらばらの政策ではなくて、航空に関しては先ほど申しましたようなすべての機関、技術、生産、輸送、防衛、これらが完全なる連絡のとれた一つの政策をつくるようにぜひともやっていただきたい、かように考える次第でございます。 簡単でございますが、私の御説明を終わります。
○西村小委員長 次に荘田参考人よりお願いいたします。
○荘田参考人 まず会社の概要を簡単に申し上げますが、当社は昭和三十四年六月一日に航空機工業振興法に基づきまして設立されました半官半民の特殊会社でございまして、その目的は「輸送用航空機の設計、試作、製造その他輸送用航空機の国産化を促進するため必要な事業を行うこと」と書いてあります。 現在当社の資本金は政府が二十六億円、民間が二十三億円、合計四十九億円でありますが、今年六億円の増資をいたすことにしております。この資本金は試作開発のために使う資金でございます。 次に、試作開発の現状をちょっと申し上げますが、御承知のとおりYS11は六十人乗りの旅客機でございまして、いろいろ試験いたしますために飛ぶ機体二機のほかに、強度試験に供するために二機、合計四機つくっております。第一号は一昨年の八月に飛びまして、それから第一号は同年十二月にできまして、一号、二号ともいま並行して試飛行をやっております。 それからまたこれと並行しまして、〇一号、これは静的強度試験の供試体でございます。それから〇二号、これは全機疲労強度試験の機体であります。これをともに試験をずっと実行してまいりました。一号機、二号機はただいままで飛行時間は約六百時間を若干上回っておるような実績であります。 次に、試作機の現状と見通しを申し上げますが、試作一号につきましては、主として飛行性能のほうの試験をやっております。いろいろ試験しますと、ことに低速において不満な点、たとえば操縦性あるいは安定性に若干の不満な点もありますし、それからまたユーザー、全日空等からいろいろ要望がありまして、その要望にこたえて一部機体の模様がえをいたしましたが、これらの改修を行ないまして、最近はまた飛んでおりますが、大体予期の成績をあげておるように思います。 二号のほうは、おもに設備の試験をやっております。たとえばエンジン、プロペラ、空気調和、電子機器、いろいろの装備品の試験をやっておりまして、もう大体装備に関する限りは終了しております。また〇一号機は全機の静的試験の実施を昨年の十月に行ないました胴体内の圧力試験と本年三月に行なわれました鳥の衝撃試験等をもちまして満足な成績で完了いたしました。〇二号、すなわち全機疲労強度試験のほうは、昭和三十七年の七月より主翼と胴体とを二つに分けまして、主翼につきましては昨年の十二月に全項目の試験を終了いたしまして、三万時間以上の飛行につきまして十分な安全性があるということを確認いたしました。胴体につきましては現在七〇%の疲労試験を継続中でございます。また新たに主脚その他いろいろ疲労試験もやっておりますが、これらも順調に進んでおります。もしこれ以上予期されない事件が起こらない限りは、この八月末には運輸省から型式証明をおろしていただけるものと確信を持っておる次第でございます。 それから量産に関しましては、量産の一号機は九月中旬にでき上がります。それから二号機は大体十月ごろにできると思います。四号機、五号機、逐次だんだんと生産ができてまいります。 販売の見通しといたしましては、最近御契約を願いました航空局の一機、それから防衛庁の二機、それからさらに来年は防衛庁から二機予算に計上していただいております。それからまた民間機でございますが、全日空からは二十機の予備契約ができておりまして、ただいま仕様とかいろいろ条件その他の細部の打ち合わせをやっておりますから、遠からず本契約はできると思います。日本航空も、昨年の七月にYS11を五機購入するというふうな内示を受けまして、また必要な意見交換等をやっております。 輸出につきましては、東南アジア、中南米、北米等数多くの照会を受けておりまして、だんだんと具体的になってまいります。なかんずくインドネシアでは、ただいまDC3代替評価委員会、こういう委員会がありまして、その委員会からYSに対する公式の問い合わせがございまして、YSの価格、支払い条件、それから、もしインドネシア現地で組み立てする場合はどういう設備が要るかとか、あるいは協力の意思があるかとか、いろいろ照会を受けておりますが、これに対してはもうお答えしてございます。それからフィリピンのほうは、フィリピンの航空局として、これもフライト・チェック、これは飛行場の試験に使うのでありますが、フライト・チェックを一機、それからフィリピン航空会社が三機、合計四機。これは賠償として御注文いただけると予想しております。そのために近々フィリピンの航空局の方がおいでになりまして、実物を御視察になるということになっております。以上が大体の販売の見通しでございます。 それからYSの育成策をどうしたらいいかということに対して少々お願いしたいと思いますが、YSは、昭和四十五年度までに百五十機を生産するということを目標にしておりますが、信頼性が非常に重んぜられます航空機の特性としまして、まだまだ実績のない新しい会社の新機種の需要開拓には非常に困難が伴います。非常に優秀でありましても、まだ世間から信用されておらないわけでございますから、どうしても官需をまず先にやっていただきたい。こういうことをお願いしたい。そうして世間の評判を取りまして、次に国内の航空輸送会社に対し積極的に国産機を使えという奨励の御方針を立てていただきたいと思います。 また航空機のような非常な高価なものについては、見込み生産とか、そういうことは非常に困難でございます。不可能に近いことでございます。また一度生産を始めまして中断しますと、また生産のチームの再編成ですとか、あるいはコストが増すとか、生産がおくれるとか、販売上に非常に不利な条件がいろいろ起こりますから、一度決心しましたらずっと続けて生産に移すということが必要じゃないかと思います。上記の方策によりまして需要を確保していただくことによりまして的確に需要を把握することができます。そうして確かな量産計画を立てまして、そうして金融措置あるいは材料の手配、それから生産体制等を整えることが可能であろうと思われます。これによりまして、コストも低減されますれば、納期の確保もできますし、また使用者側に対しても有利な条件を提供し得ることとなると存じます。 現在YSを使用し得る用途としまして私どもの考えておりますのは、いろいろございますが、需要を確保するためにぜひ国策として必要な措置を講じていただきたい、こう考えております。 まず官需といたしましては、われわれの考えますには、防衛庁の人員輸送機ですとか電波訓練機とか、あるいは早期警戒機とか、あるいはフライト・チェック機、また、たとえば海上自衛隊の、何といいますか、航法訓練機、また航空局のフライト・チェック機のスペアとしてもう一機くらい、あるいは一、二機くらいお願いしたい。それから、いまは気象の観測にアメリカ軍が飛行機を飛ばしてやっておるのでありますが、これもできれば日本の手でやったらどうかと私は思いまして、気象観測機、これも若干要るんじゃないか。それから海難救助機、あるいは航空大学のジェットプロップの訓練機、こういうようなことも考えられます。そうしますと、大体合わせて五十機ぐらいは官需としてまずすぐでもお考え願われるんじゃないかと思っております。 それからまた、国内のローカル線と特定の幹線以外の幹線にYS11をぜひ使用していただきたい。わが国の経済の発展と相まちまして国内航空需要の増大は非常なテンポでふえてまいりまして、最近は近距離ジェットが輸入されたような状態になってまいりましたが、その他につきましても、積極的にYSの採用の御指導を願いたいと思います。もしそういうことになりますと、国内関係で五十機前後の需要は出るんじゃないかと思っております。 国産機をなぜ使ったほうがいいかという点でございますが、まず外貨の節約になります。これはそのとおりでございます。それから、安全性が確保されるんじゃないか。たとえば、輸入機に一部故障がございますと、どういうふうな状態で設計されたかわからないのでありまして、必ず本国の会社に問い合わせまして、それから処置が講ぜられるということになるのでございますが、もしこれが国産機でございますと、それはすぐ製造元に電話をかけていただけば、現場にかけつけまして、いろいろの手当ての方法がすぐできるんじゃないかと思っております。また補用品でございますが、補用品も、これは国内でできますから、現在のようにたくさんの補用品を外国からまず買って、それを倉庫に入れておく必要はないんじゃないかと思います。 以上に関連しまして、国内のローカル空港でYS11が使用できるように、飛行場の滑走路の強度をもう少し上げていただかなければならないかと思いますが、現在コンベアの440ですか、二十トン程度の飛行機が飛んでおりますけれども、YSは二十三トンございますから、若干国内飛行場を補強していただく。ただし長さのほうは千二百メートルで十分でございます。ただ表面の強度をもう少し上げていただきたい。 以上、官需、民需合わせまして国内で百機程度は必ず確保できる、こういうふうに思いますけれども、これは官の御理解がなければできないのでございますから、どうかそういうふうにひとつ国策としてお考え願いたいと思います。また、できますならば、できるだけ予算化されました長期計画をお願いしたい。また国内航空会社に対しましても、ぜひYSを使えということをひとつ御指導を願いたいと思います。こういうようにしていただきますと、百機の消化は可能になりまして、あと五十機を輸出しなければならない。しかし最近この輸出に関しましては各国政府が非常に熱を入れておりまして、非常に競争が激しくなってまいりましたので、やはり日本におきましても官民協力一致の体制で輸出を促進していただけば、私は五十機ぐらいの輸出は不可能ではない、こう考えておる次第でございます。 次に、需要を開拓するにはどういう措置を講じていただきたいかということでありますが、YS11は現在の予定では本年末ごろからだんだん量産機の引き渡しを開始して、明年早々から民間航空に就航する予定でございます。この事業が成功しますかどうかということは、今後どのくらいな需要があるか、確保し得るかということがまず問題になります。御承知のとおり、困りますことは、時間がたつにつれまして、生産コストも上がってまいりますし、また需要者側におきましても、本機の実用性がどういうものであるかということをまだ知っておらないために、販売価格の決定に対しても非常に慎重な態度をとっておるのであります。こういう点が問題となりますので、もう少し詳しく述べたいと存じます。 コストにつきましては、初め、一機四億二千万円ならだいじょうぶだというふうに思っておったのでありますが、その後時間がたつにつれまして、輸入品、たとえばプロペラだとか、エンジンあるいは資材が若干値上がりいたしまして、いまでは四億五千万円くらいでないとペイしないのではないかという一応の計算ができております。したがいまして、販売価格というものは安いほうがいいのでございますけれども、YS11と競争関係にあります、たとえばオランダのフレンドシップでございますか、あれと比較したら、四億五千万円ではたしていいのかどうかということをいろいろ計算してみましたが、いま四億五千万円と申し上げましたけれども、これは計算をしますと、四億八千万円でもフレンドシップの三億二千万円と十分対抗できるという一応の見通しを持っております。それからまたYS11の性能から考えましても、他の、たとえばフレンドシップはもちろん、バイカウントその他あるいはコンベア440、あれに比べても採算性は決して劣らないというわれわれとしての確信は持っております。 いずれにしましても、今後当社といたしましてはコストを引き下げなければなりません。なお一そう努力しておりますが、販売価格も、企業採算をそこなわない程度で売ればいいのではないか。安くきめたいのはやまやまでありますけれども、やはりコストを下げなければ安く売れないわけでありまして、量産コストをどうして下げるかということになるのでございますが、御承知のとおり生産コストというのは生産する量に非常に関係がございます。また、雨だれ式の生産は非常にコストが上がります。ですから、やる場合には一気に何機か継続してやるのが一番経済的ではないかと思うのであります。 それからもう一つここに申し上げたいことは、物を買いますときに、よほど早期に手配をしませんとなかなか間に合わないのでございますが、たとえば発動機を外国から買います場合、こっちの使用時期の一年半前に注文しないと物が手に入らないわけであります。さらに、それが入りましてから、飛行機に取りつけて飛行したり何かするには六カ月かかりますから、二年前に発動機の手配をしなければいけない。こういう実に長い、われわれはリードタイムと言っておりますが、先物手配が要るようなわけであります。こういう処置が円滑にいきませんとコストが非常に上がるということになるのであります。 なお詳しく申し上げますが、コストを下げるにはどういうものを下げたらいいかということになりますが、いつも日本で問題になるのは金利なんでございまして、これを百五十機つくるとしまして、金利を一機に換算しますと、二千万円程度金利に払わなければならない。ですから、コストの大へん大きな部分を占めておるようなわけであります。それから一般の費用といたしましては、事業を運営するにあたりまして、その所要の資金をできるだけ自己資本でやろう、ところが当社はなかなかそうはまいりませんで、どうしてもたくさんのお金を外部に依存しなければいけないというわけなんでございますから、私どもといたしましては、できるだけ金利の少ないお金を拝借したい。たとえば、当分の間年間十億ないし二十億の政府の出資をお願いしたい。こういうことも困難かもしれませんが、そういう場合には政府保証債について特に特別な金利の低減を御考慮願いたい、こう思っております。販売を容易にするために金融特別措置ということもお考え願いたい。 これはさらに詳しく申し上げますが、現在国内航空会社は機材をほとんど全部外国から輸入しております。その輸入条件を見ますと、大体頭金二〇%を払っております。残額の八〇%を六年ないし七年の延べ払いにしております。しかし、金利は国際水準で五・五ないし六・五%程度になっておりますので、今後国内需要または輸出向けに販売する場合には、少なくとも外国機並みの条件を提示しなければ、事実上販売は伸びていかないのではないか、期待はできないのではないか。この面からいきまして、今後ユーザーに対しましても、YS11を購入する場合には、国産愛用の点もございますけれども、やはりそれにマッチするような体制をとっていただきたい。たとえば国内航空会社に対しまする金融措置、頭金二〇%に対して六・五%程度の開銀特別融資、こういうことをお願いしたい。またYS11に対する固定資産税でございますが、これを何とか国際路線並みに三分の一くらいにしていただきたい。あるいは外航船舶の場合は六分の一というような話でございますが、とにかくこういうふうに軽減していただきたい。それから輸出に対する特別措置といたしましては、たとえば東南アジアの航空会社が外国機を輸入する場合に、各国航空機メーカーから提示されている支払い条件といたしましては、金利は五分、それから十年間の延べ払いというような非常に有利な条件が多いようでございます。こういうようなことに対しても御配慮願いたい。 次に大きな問題でございますが、航空機の次期開発について意見を申し述べさしていただきたいと思います。航空機工業というのは総力を結集してやる必要があります。その意味におきまして、当社の存立が非常に意義があるものと思います。新しい航空機の開発には、高度の技術とたくさんの資金と長い時日とを必要としている。とうていこれは一つの会社だけではできないことは明らかなんであります。欧米諸国は膨大な軍需によってつちかわれた技術と資本と手厚い政府の助成、いろいろなことによりまして新機種の開発を行なっているのに、わが国ではそれほどの確固たる国家的の背景がありませんで、航空機工業はわが国としてはなかなか育ちにくい工業といってもいいと存じます。わが国の航空機工業は、御承知のとおり戦前は世界で最も優秀な技術を持っておったのでありますが、それに近代的な生産技術を加えますれば、必ず近い将来にあちらのレベルに追いつくだけの潜在的な能力は十分持っておりますから、この育て方によりましては、先進国といずれは肩を並べる水準まで飛躍できると確信しております。しかしながらわが国の航空機工業の現在の規模は非常に小さいものでございまして、航空機工業を経営している各社はほとんど他の事業と兼営であります。つまり多角経営の一部でございます。それぞれ各社に占める比率というのは非常に小さいのでありまして、現在の技術や設備ではとうてい一社で新しい機械を設計し試作するということは不可能に近いことだと存じます。でありますから、ただいま当社がやっておりますように、各社間の横の連絡をとりまして、共同の体制で試作をやる、また資本、設備、技術等も結集してやることが一番いいのではないかと思います。 結論を申しますと、こういう意味におきまして、YS11の国産には当社のような形のものが一番適しているのではないかと思います。現在当社には各社から出向しております優秀な技術者がたくさんおりますが、これらは目下YS11の完成に非常に努力しております。 ついででございますが、YS11試作の開発の途上にいろいろ技術的トラブルが起こったということも事実でございます。まあこういうことは、試作開発には、そう言ってはどうかと思いますが、つきものでございまして、先進国でも同じことがたくさんございます。この間イギリスのBEACの111、これはイギリスのとらの子の短距離ジェットの試作機でございますが、その一機が墜落したような事実もございます。そういうことで新しい分野を開拓しますのには相当なリスクが伴う、こういうことは先例がございます。しかしそれによりまして非常にとうとい経験を得るわけでございますから、将来の開発にはぜひ私どもが得ました貴重な体験と資料、これを生かして御用立てしたい、こう思っております。そういうわけでありますから、われわれの現在持っております体験と資料というものは、今後わが国の航空機工業の発展に非常に役立つことと思っております。なお当社の設立の趣旨にも沿うようになると思います。 それからYS11の峠がもう大体見えまして、次の機体はどういう機体を開発すればいいかということも私ども寄り寄り考えておりまして、われわれといたしましては、まず中距離ジェット、たとえば今度輸入されましたボーイング727、こういうものをいずれは駆逐したい、こう思っております。中短距離のジェット機、それから垂直上昇機VTOL、これは日本のように国の狭いところではそう飛行場はたくさんできませんから、こういう機体がぜひ必要じゃないか、また最近貨物輸送機の開発というのが非常に要望されてまいったのでありますが、これも考えなければならない。この三機種をいま考えております。 ところで、防衛庁ではC46の代替をいま考えておられるようですが、あるいはその代替機を外国から買われるとか、あるいはライセンスで製作するというようなうわさも聞いておりますが、ぜひそういうことになりませんように、今後C46の代替を御入用ならば、ぜひ国産機でやっていただきたい、あるいはYSを若干改造しても国産機でやっていただきたい、こういうことをお願いしたいのであります。 もう一ぺん、もとに返りますが、あるいは当社のやり方いかんによると思うのでありますが、一部の人は、当社が介在するために屋上屋になってコストがかさむ、こういうようなことを言っておるようでありますけれども、これはいろいろ詳細検討いたしまして、またわれわれとしてもいろいろ反省いたしまして、必ずしも屋上の屋にはならないという確信は十分持っております。もちろんこういう機構は、メリットといいますか、いいところと、ディメリットと二つありますが、悪いところも相当あるかもしれませんが、いいところもあるのではないか。総合しますれば、こういうやり方は日本の航空機の開発に一番適しているのじゃないか。たとえば欧州の例で申しますと、最近オランダでフレンドシップ28、これはジェット機でございまして、27にかわるジェット中短距離の飛行機をいま設計せんとしております。これもオランダ政府だけじゃできませんので、いまフランス、イタリア、ドイツに働きかけまして、あちらでコンソーティアムと言っておりますが、各社が資本と技術を出し合いましてこの試作をやるというようなことを聞いております。当社のやり方はまさにこれと同じようなかっこうでございまして、将来も航空機開発にはこういう組織が一番いいのじゃないか、こういうふうに確信しておるわけでございます。
○西村小委員長 これにて参考人の御意見の開陳は終わりました。 —————————————
○西村小委員長 質疑の通告があります。これを許します。久保三郎君。
○久保小委員 ただいまお二人の参考人からそれぞれお話を伺ったのでありますが、そこでこれに関連して、これは運輸省並びに通産省にお尋ねするのでございますが、いまお話のあったYS11の開発、生産、これは政府としてそれぞれ指導されてきたと思うのでありますが、このねらいというのはどこにあったのでしょうか。
○広野説明員 このYS11を開発するということにつきましては、航空機工業振興法のときに御審議いただきましてこれを成立させていただいたわけでございますが、その法律の目的にも書いてありますように、わが国航空機産業の重要性ということにかんがみまして、民間の航空機を開発することによりその技術水準を高め、あわせてその高度な航空機産業の技術を利用することにより、わが国の機械工業の振興をはかる、そういう趣旨に基づいてこの日本航空機製造株式会社が設立され、YS11の試作を進めておる、そういうことでございます。
○久保小委員 それは法律ができた目的でございまして、私が具体的にお尋ねしているのは、YS11というのはどういう御計画でそういう開発と製作をお始めになったか。いまの参考人からのお話によりますれば、問題はYS11をどう使うかということであります。単に研究開発ということじゃなくて、これを開発、生産するということですね。百五十機大体予想しているのだが、官需で五十機、国内の民間で五十機、あとの残り五十機を輸出等に向けたい、そうしてくれればコストもさらに低下できるだろう、こういうお話なんです。まことにそのとおりだと思う。ただ単に航空技術の研究開発というだけならば、これは研究所の仕事であります。開発したものを量産に乗せていくというからには、量産するだけの需要をどこに求めるかという計画が表裏一体でなされなければ、これは成功しないのであります。いまのお話も、大体要約すると、需要の見通し、需要計画というか、それを使用する計画というものが残念ながら見通しとしてはっきりしない、そこに不安定な要素があると私は思うのです。これに対して政府としてはどういう考えでYS11を開発したのか、どういう方面に使い、どういう方向にやっていくのだ、こういう御方針がなければ、どうもいまの話には合致しないのであります。その点はどうなんですかと聞いている。
○広野説明員 これを考えました当初におきまして、日本の航空機産業は何ら民間機を手がけておりませんでした。もっぱら軍需だけ、防衛庁需要だけに依存しているという形、こういう形ではわが国の航空機産業というのは伸びないのではないか。それから、たまたま国内の民間航空というものも始まりましたが、全部輸入機に依存している、そういう点で外貨の節約、輸出の振興、それを通産省としては基本方針としておりましたので、その面からいたしまして、わが国の国情に適した飛行機を設計すれば国内で十分使用していただけるのではないか、その使用は五十機ないしもう少しロングランで考えれば百機近い数字もあるいは考えられるのではないかという当初の計画で、このYS11の生産を始めた、そういうわけでございます。
○久保小委員 それは一般の商品のことならそれでいいと思うのです。こういう型式をつくれば大体国内でも民間航空で買ってくれるだろう、だろうですね、だろうではちょっとこれは開発、量産というわけには参らぬと思うのです。だから、日本の国内なり民間航空全体を見て適するものをつくったというならば、民間航空会社に対して使用機をYS11に置きかえさせるという長期見通しに立って生産を始めるということでなくてはならぬかと思うのです。通産省のいまのお話では、どうもつくれば売れるだろう、使ってくれるだろうということでありまして、今後も、いま荘田社長さんからお話がありましたように、垂直上昇の航空機あるいは貨物の輸送機あるいは中短距離ジェット機、こういうものを当然取り上げるべきだとわれわれも考えておりますが、ところがそれの使用計画、需要計画というものがちっともない、こういうことでは残念ながら国産機の開発そのものもできないと思うのです。そういうものはあなたの所管ではないのですか。
○広野説明員 この開発にあたりましては、通産省だけで考えたわけではございませんで、運輸省その他関係官庁、それから民間航空の有識者に集まっていただきまして、どのような機種がふさわしいか、あるいはその需要はどの程度あるかというようなOR委員会その他技術委員会、各種の委員会を設けまして、その検討に基づいてこのようなYS11のような性能を持った飛行機であれば国内に十分適していく、その需要も、先ほどから申しましたように百五十機は見込めるというふうに、製造業界並びに使用される輸送業界及び関係官庁、皆さん方の御意見に基づいて決定したわけでございます。
○久保小委員 そういう御意見に基づいてやったならば大体幾らかは買ってくれるだろう、こういう見通しのようですが、幾らかは買ってくれるだろうというのではこれは成り立たないのでありまして、いまのお話を聞くまでもないのであります。 そこで、これは航空局長にお伺いしますが、YS11を開発して生産をされてきたわけでありますが、いまのお話だと、どうも会議をやってそれぞれの意見を聞いてつくった、つくったがそれでは需要計画というか——私は当初から大体の計画を立ててこの開発をすべきだと思っておるのですが、そういうものは航空行政の中には全然ないのですか。
○栃内政府委員 YS11の開発につきましては、もちろん通産省から十分御連絡を受けておるわけでございます。と申しますのは、まず第一に、これの滞空証明という問題は運輸省の所管でございます。そういうような意味におきまして、まず第一に緊密な御連絡を受けたわけでございます。 なお、需要の問題につきましても、通産省御当局と私自身も会議に出ましてお話をし合ったことも確かにございます。運輸省といたしましては、この国産機をできるだけ国内で使い、また輸出も振興していくのが適当ではないか、かように考えております。ただ国内で、現在のところ航空運航会社が仮契約と申しますか、詳細な点についてはペンディングの点がございますが、一応買うという意思を明示しておりますのは全日空につきまして二十機、それから日本航空について五機、こういうことになっておりますけれども、今後国内での輸送需要が伸びるということは当然でございますので、今後さらにこの需要が喚起されるのではないかというように考えております。
○久保小委員 航空局長のお話も通産省のお話も、別に確たる裏づけがあってやっておるわけではないのでありまして、こういうものはもちろん長期にわたる展望に基づいてやらなければいかぬと思うのでありますが、まあ展望でありますから、途中で多少の変更というか、それはございましょう。しかしある程度生産に入るといった場合は、少なくとも百五十機なら百五十機の見通し、小幅にしても百機なら百機ということで生産を始めなければ、これからあと新しい機体を開発するについてもとうていできないと思います。そういう航空機製造あるいは航空行政、そういうところが、先ほどの参考人から一元化というお話もありましたが、そういう必要があると思うのですが、それはどう考えておりますか。
○栃内政府委員 生産行政と運航行政の一元化の問題につきましては、いろいろの角度の考え方があると思いますが、現在におきましては、通産省のほうが生産行政をやり、私どものほうが運航行政を取り扱っております。これが現在の姿、もちろん広く生産行政一般とのつながりにおいて通産省が御管轄になっておるということでございます。これはこれとして意義が非常にあると思います。また運航行政とこれを一体にするということも、これもまた一つの考え方でございます。
○久保小委員 私も大体よく調べなかったのでありますが、いま参考人からお話を聞いて実はびっくりしているのであります。YS11は確たる計画の見通しがあって製作されつつあると思ったのでありますが、いまのお話ですと、大体意見を聞いて、YS11のような型ならば、おそらく国内でも相当使うだろうというようなことでありまして、これでは参考人のおっしゃるとおり、どうも心もとないのではなかろうかと私は思う。こういう点についてはこれはもちろん本委員会等でもまた問題として論議をしていかなければならぬと思うのでありますが、さしあたり需要が伴わなければ生産をやってもしょうがないですね。いわゆる使う人がなければ、かってにつくっても学術の研究にはなるかもしれないが、いわゆる商売にはならない。学術の研究なら運輸省にも航空研究所があるから、そういうところで陣容を整えて研究すればいい。これはいわゆる経済ベースで一応ものをつくっていこうというのですから、需要が先に大体確定しなければ、生産をやるほうも不確定だと思うのです。というのは、先ほども申し上げたように、一般の安いもの——と言っては語弊がありますが、だれでも買えるというような、たとえば自動車のようなものならおおよそ予想をつけて自動車を生産しても売れるだろう、ところが飛行機となってはそうはまいらぬと思います。そういう意味においてこれは問題点の一つだと思います。ついては荘田参考人にお伺いしますが、会社としては先ほどお述べになったような全日空二十機、日航が五機というところであって、あとは少なくともいまのところYS11については見通しがないということですか。
○荘田参考人 いま三十機は大体内需で確定しております。その先は、たとえばフィリピンから四機とか、そういう目安はございますけれども、まだ確定はしておりません。
○久保小委員 これは委員長に申し上げるのですが、あとでこの問題はやりますから、保留しておきます。 そこで、荘田参考人にもう一つお伺いしたいのでありますが、先ほどお述べになりましたこれからの開発の機種の問題であります。大体われわれもこういうものは必要だろうと思っておりますが、これもいまのままでいくと、おたくのほうで開発するときに通産省やあるいは航空局、それから一般の民間航空会社の意見を聞くでありましょうが、しかし、先ほどお述べになったように、需要計画というものがやはりある程度立たなければ、生産になかなか乗り出し得ないと思うのですが、この点は今日どういうふうにお考えになっておられますか。
○荘田参考人 そのとおりでございます。しかし、もう一つの面で強調いたしましたのは、相当開発に時間がかかりますから、かりに百五十機売れるとしましても、これが大体済むのは四十五年の中ごろになります。いまから一生懸命やらないと、とても新しい機種はそれまであらわれないわけです。そこに断層ができるわけです。そういう面を会社としては強調しておるわけであります。まだどれだけの需要があるかというようなことは、正直に申し上げますと、まだそれほど考えておらないのでございます。だんだんとそういうような資料を集めておりますから、いずれは御参考にお見せしようと思っております。ただいま私がなぜそういうことを申し上げたかと言いますと、断層ができないように、早目に次の機種を考えていただきたい、こういうわけであります。
○久保小委員 そこで、航空局にお伺いしますが、この前の小委員会でも機種統一の問題が出ましたが、国内のジェット機は大体ボーイング727、それで統一していきたいというお話でありまして、全日空などは最近はこれを入れるそうでありますが、これは何年まで大体ボーイング727ということで固まっているのですか。全部統一する、国産機の使用ということは、当面全然考えておらないのでありますか。
○堀説明員 機種の統一を考えていますのは、いま幹線のみについて考えている段階でございまして、ローカル線についてまですべて機種を統一するというところまではまだ考えておりません。
○久保小委員 いまのお話は、幹線だけだということでありますが、ローカルについてはやはり近い将来機種統一の方向を打ち出す考えでおりますか。
○堀説明員 ローカル線につきましては、いろいろ飛行場の規模あるいはその路線の距離、そういうものがいろいろございまして、機種をローカル線について統一することがいいかどうかという問題は慎重に検討しなければならぬと思っております。いまのところ統一すべしという結論にはまだ達しておりません。
○久保小委員 国産機使用の問題と機種の統一の問題には、関連性を持って考えておられるのか、おられないのですか。
○堀説明員 国産機はできるだけ使うほうがいいということは異論のないところだと思います。したがって、このYS11に最も適した路線、そういうものにはYS11を使うようにすることが非常に好ましいことだと考えております。
○久保小委員 次に、YS11のほかに、先ほど荘田参考人からお話があった大体これから予想される新しい機種の開発の方向ですが、三つおあげになりましたが、その三つをそういうふうに思っていらっしゃるか、これは航空局、通産省にもお伺いいたしますが、そういう開発についてそれぞれの省の中で一応考えておられるか、いかがですか。
○堀説明員 将来の機種につきましては、段階としましては、プロペラの次にはターボプロップ、ターボプロップの次はジェットというように、進歩の段階はそうでありますけれども、非常に短距離の路線のような場合に必ずしもジェット機がいいという結論にはならないのであります。短距離については、あるいはSTOLあるいはVTOLというものが適当であるという場合もあります。それで今後の開発の方向としては、やはりそういう需要に適合したいろいろなタイプの飛行機が必要なのではないか、必ずしもジェットのみということにはならないのではないかというふうに私は考えております。
○広野説明員 通産省といたしましては、先ほど荘田参考人が言われました近距離のジェット機あるいはVTOL、これは将来の航空機の新しい機種として十分ねらうべき方向ではあると考えでおりますが、現在直ちにそれに着手するかどうか、これには幾多の技術的な難問もございますので、まだ方針は決定しておりません。ただ最後に荘田参考人があげられた貨物輸送機、これはすでに防衛庁内部においても数十機の代替を必要とするということを内々で検討しておられるということを聞いておりますので、その点についてこれが国産化をはかることはわが国の航空機産業のためにもプラスでありますし、外貨の節約の点でもきわめて有意義だと考えておりますので、当面これに重点を置いて、これの開発をどうするか、今後検討し、決定していきたい、そういうぐあいに考えております。
○久保小委員 いまの通産省からのお話では、貨物輸送機の開発とか、そういったことを具体的にお述べになったのでありますが、これは防衛庁からの要請もあるのでというのでありますが、航空局として貨物輸送の面から見て、それはどう思っておりますか。
○堀説明員 現在の段階では貨物輸送というものはそれほど大きな量を占めておりません。しかし今後は貨物輸送も漸次伸びていくということは、実績もそういうふうに若干ずつ伸びておりますし、将来にそういうことが十分予想されますので、貨物機の需要ということに対処することも考えていかなければならぬと思っております。
○久保小委員 これは私見でありまして間違っておるかもしれませんが、貨物輸送は、大体旅客輸送が国内幹線についてはジェットに置きかえてまいりましたので、その古い機体、機種を貨物輸送に改装してやるような傾向が国際線にもあったと思うのです。それが当分の間続くのではなかろうかというしろうと考えなんですが、そういう見方はございますか。これは通産省か航空局に聞けばいいかと思いますが……。
○堀説明員 たとえば幹線でいま使っておるターボプロップ機がジェット機に代替された場合、いま使っておる機材をどこへ持っていくか、あるいはどういうふうに使うかということは、各航空会社において営業政策として検討をされる事項だと思うのであります。いま幹線に使っておる飛行機を場合によってはローカル線に回して客を運ぶ、あるいはそのまま幹線において貨物機に改装して貨物を運ぶ、郵便物を運ぶということもあり得ると思います。これはいずれもその航空会社の営業政策と申しますか、そういうものによってきまっていくものと考えております。
○久保小委員 それはそのとおりです。しかし私はあなたに見通しを聞いておるのです。 そこでこれも私の私見でありますが、将来の展望について、これは政府部内でも閣議の席かなんかで論議されたと思うのでありますが、いわゆる近距離の航空、たとえば二県の間とか東京と関東地方とかいうような、そういうローカル空港を、これは前の自治大臣であったかもしれませんが、各県に一つずつつくるというような話をしたらしいのですけれども、各県にローカル飛行場をつくるかどうかは別にして、いまの飛行場だけでも整備で当分の間手一ぱいだろうと思うのであります。しかしあまり近いところにやること自体に問題がありますが、将来の展望としてそういう方針でいくとするならば、垂直上昇飛行機の問題があります。これは外国ではそれぞれ開発して生産にも入っておるように聞いておりますが、こういうものの見通しはどうなんですか。
○堀説明員 今後飛行場をどういうふうにしていくかということにつきましては、われわれとしましては、ここ当分の間、数をよけいつくる、新しい飛行場をつくっていく、あるいは各県に 一つずつつくるという考えは持っておりません。現在ある飛行場を整備拡充するということに最重点を置いていきたいと思います。VTOLの将来の見通しでございますが、都心から飛行場に行く時間、こういうものを考えた場合に、宇都宮とか水戸とかいうような比較的近距離でも急いで都心から行きたいという航空需要がふえていきますれば、そういうものも必要になってくるかと思います。
○西村小委員長 關谷君。
○關谷小委員 ほかの方から御質問を申し上げたのではないかと思いますが、重複しましたらお許しを願いたいと思います。 日本でつくっておりますYS11、これを輸出もしなければなりませんし、国内でもこれを使うようにしなければならないのでございますが、そういう面から考えまして、この試作費というようなものは、これはどこの国でも国が負担すべきものであろうと思います。いまの場合は、一応これは民間が負担する、政府ももちろん二十六億出しておるのではありましょうけれども、これはまたこれからつくります分にこれを加算するというようなことで償却するというようなみみっちいことを考えておりますと、輸出もできなくなり、国内でも使わなくなる、こういうようなことになるのであります。アメリカあたりでもバイ・アメリカンというようなことをやっておる際に、日本では国際収支がはなはだ悪いという際でもあるので、国内でも使うようにしなければなりませんし、輸出もしなければならぬということは当然であります。それにつけて私たちが伺ってみたいのは、YS11と同じくらいの価格のもので、もちろんこの試作費は除かなければなりませんが、金利が二千万円と、それから百五十機を四十五年までにつくるということになりますと、一機に三千三百万円くらいのものが試作費の負担金になるそうでございますが、この二つを合わせて大体五千万円程度のものを差し引けば、それでその価格で外国のものと比較をしました場合に、このYS11のほうが、外国の飛行機と比較をして優秀であるということでなければ、これは輸出には向きません。正直のところあなたがお考えになって、YS11と同じ価格の外国の飛行機と比較してYS11のほうがいいということが言い得られるかどうか。これが私は輸出のポイントであろうと思いますが、どういうふうにお考えになりますか、ちょっと教えていただきたいと思います。
○荘田参考人 さっきちょっと申し上げましたが、フレンドシップを対象にしてはじいてみたのでありますけれども、現在の値段でもフレンドシップは三億二、三千万円します。いまわれわれが考えておりますのは四億五千万円——四億二千万円でございましたけれども、その後いろいろ値上がりがありまして四億五千万円、これは償却も何も全部入っております。ですから、これなれば、運航費で当たってみますと、そのベースでYS11のほうが有利なんです。ただ輸出になりますと、今度は外国の政府援助が非常に日本より有利じゃないかと思うのです。そういう場合に、いまお話がありましたような金利ですとかあるいは償却などが相当問題になってくるのじゃないかと思うのであります。しかし飛行機自体は、私は必ず十分に満足して使えるものと思います。
○關谷小委員 いまお話のありましたフレンドシップが三億二千万円、YSが四億五千万円、これで五千万円は国のほうで、かりに将来国会のほうあたりが動いてめんどうを見るとしましても四億。そうしますと、価格が向こうのほうがこちらの八割、こちらのほうが二割五分ばかり高いということになるわけであります。その搭載人員とかいろいろな面もあると思いますが、その場合に外国のフレンドシップを買うかYS11を買うか、どちらを買うかという判断をした場合に、どちらへ行きそうでございますか。
○荘田参考人 製造業者としましては、いまそういうような措置をかりに講じられるとしますと、それはYSのほうがずっと有利であります。ですから、四億ぐらいになりますと非常に有利になると思うのでございます。
○關谷小委員 そうしますと、これは監理部長にお尋ねをしなければいけませんが、幹線はボーイング727でこれは統一する、こういうことになりますね。ローカルは千二百メートルの滑走路で安全にいけるということが一番大きな特徴になっておるようでございますが、そうすると、このローカルは、いままであったものはやむを得ませんが、これから先のものは、許可をする条件にこのYS11を使え、そして国内のローカル線は全部YS11にしてしまうのだ。もちろん、現在契約しておるとか、あるいはまた現在使用しておるものもやめてしまえというのではありませんが、これからは国産のものを使うということで、計画変更の場合あたりは、それを許可するようにすることは、私は差しつかえないじゃないかと思うのです。アメリカあたりがすべてバイ・アメリカン、シップ・アメリカンということをしきりに言っておるときですし、国際収支、国際収支というようなことで池田総理あたりは明けても暮れてもそういうことを言うておるのですから、そういうようなときに計画変更を許可する場合には、YS11を使わなければならぬのだというようなことぐらいは言っても、私は何も差しつかえないと思いますが、そういうふうなことができますか。そしてまたそういうふうなお気持ちがありますか。どうですか。
○堀説明員 YS11を使わなければローカル線の路線の許可をしないとか、あるいはどうしてもそれを使えというようなことまでできるかどうか非常に問題だと思いますが、国産品愛用ということで奨励はしていきたいと思います。
○關谷小委員 煮え切らぬ、まことにじょうずな御答弁で、そのくらいの腹がまえでおいでになるのなら、こういうことはできません。もう少し思い切って、航空機工業を発達さすためにはこれだけのことぐらいはしてやるのだ、これによってまた航空機工業の次の段階も進んでいくのだ、そうすると、いままで十年おくれておるといわれる日本の航空機工業がやがて世界のトップレベルに入っていくのだ、そうするとまたうんと日本のほうがいろいろな点において有利な点もあるのだ、それで伸ばしていけるのだというところにやっていくということが政府の役人の頭になかったら、私は日本の国は発展せぬと思います。そのくらいなことはすっと腹をきめて、きょう御返答ができぬのならきょう返答しろとは言いませんが、私たち国会側はそのくらいにしなければならぬという気持ちを持っておりますので、ひとつ省内でもそういうような意見をまとめて、強力にそれを推して、こうするのだというようなことで航空機工業のほうへそういう気持ちを申していただく。これからこうするのだということになれば、その計画変更が将来何年先にはどうなるということは青写真ができておるはずですから、その際には何機要るのだ、それなら製造はこういうふうに準備すればいいのだということで、非常に便利になってきます。そのくらいのことはしてしかるべきだと思います。相手は通産省の所管だからそんなこと知らぬではちょっとぐあいが悪いと思いますので、ひとつよく御相談をなさって、この航空機工業の発展を促進するような方向に省議をまとめていただきたい。
○西村小委員長 ちょっと委員長からも発言しておきますが、この前の小委員会でも小委員長のほうから同じような御意見を申し上げて、本委員会のほうでそれに対して御質問が始まると思うのです。その際に各委員の方もほとんど同じような御意見じゃないかと私も思います。したがって、航空局としてもなるべくすみやかなる機会に、そういった方向をよく検討して御返答いただきたいと思います。
○關谷小委員 あとで小委員の方と御相談をして、できることならそういうことを決議でもすれば、また監理部長の御答弁も少しはっきりした御答弁になるのかと思いますから、ひとつ、その点お取りはからいを願いたいと思います。
○西村小委員長 他に御質問はございませんか。 この際、参考人の方に小委員会を代表いたしまして一言ごあいさつ申し上げます。 本日は貴重な御意見を承りまして、まことにありがとう存じました。本問題の今後の調査の上に非常に参考なりましたことと思います。厚く御礼申し上げます。 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後二時十八分散会