運輸委員会観光に関する小委員会 第1号
- 発言数
- 45 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1964/04/10
会議録
○高橋小委員長 これより運輸委員会観光に関する小委員会を開会いたします。 観光に関する件について調査を行ないます。 本日は、七名の参考人をお呼びいたしまして、観光に関する諸問題につきまして御意見を承ることにいたしました。 参考人の方々には、御多忙のおり御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。何とぞそれぞれの立場から忌憚のない御意見を伺いたいと存じます。 なお、本日は午後二時から本会議がありますので、その点御留意いただきまして、御意見の開陳はお一人十分以内にお願いすることといたします。発言は小委員長の指名順に御発言を願うことにいたします。 それでは秋田参考人よりお願いいたします。
○秋田参考人 私、日本修学旅行協会の秋田でございます。したがいまして、修学旅行の点につきまして御参考に申し上げてみたいと思っております。 協会が創立されましたのは昭和二十七年の十月一日でございますので、ちょうど本年で十三年目を迎えるわけでございますが、その間、修学旅行が非常に改善されてまいっておりますことは御承知のとおりでございます。特に修学旅行の非常に改善されました一つの動機をつくりましたのは、昭和三十四年に文部省の非常な親心によりまして、経済的に恵まれない家庭の子供さん方に対し、国庫補助金という制度をおつくりいただきました。それ以来参加率が非常によくなってまいりまして、御承知のように、昭和三十九年におきましては小学生が一人千百円、中学生が二千七百八十円、適用範囲は在籍生徒数の一割、この中の約三%が生活保護を受けておる家庭の子供さんでございます。それ以外に、参加率が非常に悪かった定時制の高等学校、これも先生の努力と雇用主の理解によりまして近年は非常に改善されて、東京の定時制におきましては、九〇%以上の参加率が見られるようになってまいりました。しかし、まだこの点につきましては多く経営者の方々に呼びかけまして、より以上改善する余地は残されているのでございます。それに引き続きまして、昭和三十四年ごろから準備期間に入りまして、三十七年に義務教育の過程におきまして学校教育課程の中の学校行事という項に完全に位置づけされまして、その翌年の三十八年には高等学校もこれと同様に教育課程の中の教育行事等というところに位置づけをされまして、完全に教育行事として取り扱われるようになってまいりましたので、一段と内容、外観ともに改善されてきたように思われるのでございます。また、輸送の改善、これが非常に大きな貢献をしているのでございます。御承知のように、昭和三十四年に利用債による「ひので号」、「きぼう号」、これが誕生いたしまして、その後引き続き「こまどり」、「とびうめ」、「おもいで」というような専用列車ができたのでございますが、これによって安全、快適な旅行ができている生徒は、中学、高等学校の約三割でございます。さらに七割以上がまだ不自由な旅行をしている状態でございます。したがいまして、今後、利用債によるも「のでなく、これに準ずる専用列車というようなものの建造につきまして特段のお力添えと御配慮をいただきたいと思っているのでございます。また、それによりまして連合化をいたします関係上、輸送の計画化と季節の調整というものに非常に貢献をしていると私どもは信じているのでございます。こういうような状態をつくります場合におきまして、連合化の事務局を必要といたしておりまして、私どもは、今日、「ひので」、「きぼう」、「とびうめ」、「おもいで」、四つの専用列車の事務局を担当さしていただいておりますが、全国的にもこのような組織をつくり、連合化による修学旅行の輸送を行なうことができましたならば、さらに一段と修学旅行の輸送面における改善が期待できる、このように考えまして、鋭意その方向に向かってわれわれは準備と研究を進めているわけでございます。 次は宿舎の問題でございます。ユースホステルとか国民宿舎を増強するというお話を承っておるのでございますが、これらにつきましては、さらに修学旅行生が利用できるような、多人数収容できる設備あるいは修学旅行生の多く入り込む地点にこのような宿舎をさらに将来お考えいただきましたならば、非常に子供たちのためになると思うのでございます。最近ちょっと話題になっておりますが、オリンピック村のあとを青少年の宿舎に転用し、そして修学旅行者にも利用させるというふうなお話を承ったのでございますが、これなどは外国からの学生旅行者を受け入れる設備といたしましてもきわめて適切なものである、このように考えられますので、こういう点につきましても一段の御配慮とお力添えをいただきたいと思っているのでございます。 それ以外に、最近は警察、消防署、保健所というようなものが非常に積極的に御協力をくだすっております。ただ、一つ残っておる問題は、旅行中に病気にかかった子供たちに対する治療の問題につきまして、医師会その他と連絡をいたしておりますが、まだ結論は出ておりません。原則としては医師または看護婦を付き添わせるということになっておりますが、経費その他の関係で全部の学校が付き添わせるわけにはまいっておりませんので、この点につきまして、医師会の御協力をいただきたい、このように考えて目下折衝いたしているようなわけでございます。 また、修学旅行に影響を及ぼすものとしてあっせん業者の問題があるわけでございますが、あっせん業者も最近修学旅行者への取り扱いにつきましては非常に慎重を期していただくようになってまいりましたが、まだまだわれわれとして検討していただかなければならない余地が多々あるように思われるのでございます。機構とか人員とかというものは別といたしまして、特定の業者を例にあげることはどうかと思いますけれども、少なくとも、われわれが見ております範囲におきまして、日本交通公社のような扱いの程度までにレベルアップをしていただけたら、さらによくなるのではないかと思うのでございます。 それ以外に、子供に直接接する旅館業者あるいは観光バスの運転手、ガイド、これらにつきましての修学旅行生を取り扱うについての予備知識と申しますか、少なくとも教師の補助者にふさわしいような教育をしていただきたい。こういう点につきましては業者の方にお願いをいたしましてもなかなか無理でありますし、改善させるための経費を学生に負担させるということであっては修学旅行に一つの大きな問題がございますので、この業者の補助並びに学生、児童、生徒のための保護という二つの観点に立ちまして、諸先生方の御協力をいただきまして、政府において適切な方策をお立ていただきたい、こういうことを申し上げてみたいと思うのでございます。 以上はかいつまみまして主たる問題点を御参考に申し上げたわけでございますが、私ども協会といたしましては、修学旅行というものはいろいろな要素によって組み立てられておりまして、学校の先生が机上の計画だけで完全な修学旅行を実施するわけにはまいりません。したがいまして、協会に負わされておる使命というものは、きわめて大きいのでございますが、何と申しましても、発足以来、日本交通公社からの協力によりまして、今日まで協会の仕事を続けておるのでございます。したがいまして、協会の負わされている使命の重要性というようなこともこの機会に御認識いただきまして、協会の仕事のやりいいような状態についての御協力と御援助をお願いを申し上げたいと思うのであります。時間がまいりましたようなので、この程度で終わります。
○高橋小委員長 ありがとうございました。 続いて遠藤参考人にお願いいたします。
○遠藤参考人 社団法人日本観光通訳協会常務理事をやっております遠藤であります。観光通訳、三百に申しますならばガイドでございますが、現在のガイド業界の情勢と、それからいろいろ問題をかかえておりますので、その問題について簡単に御説明いたしたいと思います。 ガイドと申しますのは、御承知のように観光事業の第一線に立ちまして、民間外交あるいは民間外交の先端として働いておるのでございますが、元来は自由業でございます。昭和三十五年まではガイドは自由業者でございまして、何らの保障がなかったのでございます。ということは、一日一日の仕事で収入を得る、こういうような状態であったのであります。ガイドは社会的地位も非常に低く、また生活の保障も不安定であったのでございますが、昭和三十五年から各エージェント、特に日本交通公社で専属ガイドという制度をしきまして、ガイドのうち優秀なガイドは全部専属にするという体制をしいたのでございます。現在におきましては、観光通訳協会におきまして八百二十名ばかりの会員がございますが、そのうち日本交通公社、日本エキスプレス、阪急、その他東急、主要なる旅行業者に専属するガイドが、東京におきまして大体百名、それから関西方面におきまして大体五十名、百五十名程度が専属ガイドになっておるのでございます。でありますが、このガイド業務の非常に難点となっておりますのは、御承知のように観光シーズンというものがございます。つまり観光シーズン、オフシーズン——大体われわれの業界としましては、三月、四月、五月、これが観光シーズンの一番ピークでございます。それから九、十、十一月、これが第二のピーク、それから最近、この四、五年になりまして、夏の七、八月にも大体仕事があるようになりましたが、十二月、一月、二月というのが観光のオフシーズンでございまして、ほとんど仕事に携わる者が少ないという状況なのでございます。それで大体シーズンになりますと専属ガイドばかりでは足らなくて、たとえば交通公社におきましても、本社におきまして四十七名の専属ガイドをかかえておるにもかかわらず、百五十名ないし二百名の非専属ガイドを雇わなければならない。それくらいなければ足らないということでございます。ところが、これが秋になると、五十名の非専属ガイドを雇うだけで足りる。夏になると専属ガイドだけで足りる。冬になると、専属ガイドのうちで全然働かぬ人間が半分以上ある。こういうように仕事の状況が非常に不安定なのであります。この点に非常に大きい問題をかかえておるのであります。現在専属ガイドの月間平均仕事の稼働日数は十七日でございます。非専属になると、それがわずかに三日ないし四日、こういう状況なのであります。通訳協会の会員のうち、つまり八百名のうち大体三百名程度が仕事につき得ることができて、あとの人間はたまにしか仕事につき得ない。非常に仕事が不安定である。これがまたいろいろな社会保障制度その他の問題についても、専属ガイドとフリーのガイドの間に大きな差がございます。たとえば、私はいま交通公社の専属ガイドでございますが、病気をしまして二年間休んでおったのであります。その間生活の安定は、給料の最低保障みたいなものがあるものですから、保障されておる。ところが専属でないガイドはそういう社会保障がないのであります。でありますから、一たん病気になると、もう全然食うに困ってしまうというような状態であります。そういうような非常に大きな差が私どもの協会においてはございまして、会員八百名かかえておりますが、その間に、生活の面その他すべての面で利害関係が相ふくそうしておりまして、会の経営をする上においても非常に困難なのでございます。私どもガイド協会としましては、なるべくオフシーズンの期間をなくしていただきたい。つまり冬にもなるべく観光客を何とかして呼ぶような観光政策を国でとっていただくように力を尽くしていただくならば、これはガイドの生活ばかりでなく国全体の外貨獲得のためにもいいのじゃないか。これは観光事業一般の大きな問題だと思います。日本において特に冬季において観光客が少ないということは大きな問題じゃないかと思うのであります。 それで、これはガイドの間の問題でございますが、もう一つ問題として考えられますのは、ガイドの教育の問題でございます。研修の問題でございます。御承知のように、戦後においてずいぶんガイドの数がふえました。戦前におきましては、私自身が試験を受けたときには、二百五十人の志願者のうち五、六人が合格して採用された。それだけで事足りたのでございます。ところが戦後におきましては、年々観光客の数がふえるとともにガイドの需要が多くなりまして、昨年、たしか三千六百人の志願者に対して三百五、六十名採った。ことしはオリンピックを控えておりますので、もうすでに七千五百人の受験希望者がいる。それに対して採るのはどのくらいになりますか、一割ぐらいは採るとすれば、七百人ぐらいはふえるのであります。ところが研修制度については、いまのところ通訳協会が各関係事業団体からの御寄付をいただいて研修しているのでございますが、合格者に対してわずかに三日ないし四日の研修しかしておらない。ところがガイドの仕事と申しますのは非常に複雑な仕事でございまして、ことにこのごろの観光客の教養程度が非常に高くなっておる。宗教、教育、歴史、産業、全般にわたって相当の知識を持っていなくちゃいけない。そのほかに今度は旅行するために必要な航空あるいは鉄道、船その他すべての旅行に関する、これもまた非常に技術的な知識も必要とする。そういうようなことで、ガイドとしましては、いまは相当教養が高くならなければならない要素を持っておりますし、必要とされておるのでございます。それに対してわずかに年間三日か四日の合格者の教育しかできない。各旅行業者におきまして非常に高度のガイドを要求するのでありますが、研修制度が非常に不完全なために十分にそれが果たし得ないというような状況にあるのでございます。何とかしてここで、これはアメリカでも私聞いたところでございますが、フランスでもそれからイタリアでも、観光事業に力を入れているところはすべて政府の力でガイドを養成している、何らかの補助とか、あるいは政府直営の機関とか、そういうもとにおいてガイドを養成している、こういうような事情を聞いております。日本におきましても、観光事業は貿易の第六位あるいは第七位といわれておるのでありますから、何とかここでもう少しガイドの教育に、つまり外貨獲得の第一線に立つ、そしてまた外国との親善関係においても民間大使として重要な役割を持っております私どものために、これを教育するために何とかしていろいろ政府のお力あるいは御援助がありましたならば、各旅行業者においてもまたその他の関係機関におきましても、日本の国際親善に役立たせるために非常に役に立つのではないか、こう思うのでございます。 それからもう一つありますのは、料金の問題であります。現在のガイドの料金は非常に低いといわれておるのであります。これもなかなかむずかしい問題でございまして、エージェント、旅行業者から申しますと、優秀なガイドには幾ら高い命を払ってもよろしい、しかし未熟なガイド、いわゆる客から苦情の来るガイドには一銭も金を払いたくない。非常に急速にガイドの数がふえておりますので、ガイドの中には玉石混淆、AクラスからCクラス、DクラスあるいはEクラスまでありまして、それが一定の料金のもとにいま働いておるのでございます。この点にいまわれわれは非常に問題をかかえております。ことしは何とかしてこれに格差をつけて、能力のある者に能力のある賃金を払うというような制度を確立していただきたい、こう思って私どもも努力しておるのでございますが、そういう点も一つの問題になっております。 大体戦前から比べますと、ガイドの地位というものはまず非常に高くなりました。いまではあらゆる方面におきまして私どもの業務も十分に御理解願えるようになっておるのでありますが、何とぞ今後皆様の御指導によりまして、もう少し私どもの実際の業務上あるいは生活上の地位の向上のためにひとつお助けを願いましたならば非常に幸いであると存じております。 以上、簡単でございますが……。
○高橋小委員長 ありがとうございました。 次に大谷参考人にお願いいたします。
○大谷参考人 私は全国旅館同業組合の専務理事をしておる大谷でございます。 全国の旅館業者というのは六万四千軒余りあるわけでございますが、その中には皆さんすでに御承知のとおり、政府登録の国際観光旅館連盟の会員を最高レベルといたしまして、日本観光旅館連盟、それからそれに加入せざる一般の旅館というものがあるわけでございます。私はそういう広い全国組織の指導者の一員として、常々見てきているところを率直に開陳いたしまして、観光政策というものは政府が積極的に乗り出さなければ解決できないということは、世界各国の事情に徴しても明らかなる今日、特にお願いしたいのでございます。 現在観光政策というものを考えますときに、率直に言って非常にホテル偏重、もっとどぎついことばで言えば大資本擁護みたいな感じを受けるのは免れない事実であります。しからばどうしてそういうことになったかといいますと、オリンピックを迎えるにあたって受け入れ体制の整備という非常にピーク的な景気がもたらす結果であろうとは思いますけれども、観光政策というのは少なくとも恒久的な政策でありまして、相手はお客さん、外客を相手にするにしても国内観光旅客を相手にするにしても施設の改善ということは年々歳々取り行なわなければならないことでございます。そうすると、平たいことばで言えば、金がなければ、自己資本だけではなかなかやっていけないというのが今日の状況でございます。したがいまして、戦前においては一顧だに与えられなかった政府の財政投融資の制度というものは、戦後曲がりなりにも、上は開発銀行から下は− 下という表現は悪いのでございますけれども、小規模のものを対象としては、旅館業に対しても国民金融公庫というように、一応制度としては系列的に整備された観があるのでございますが、現実の問題としては資金量が非常に足らない。そのためにその制度はあっても実際の恩恵を受ける面が少ない。特に政府登録級の旅館におきましては、開発銀行の一応の窓口は開かれておりますけれども、いろいろな細則で縛られまして、どうしてもホテルに大きな金が流れていく。大体百四十一億くらいの観光施設に対する融資がいままで行なわれておると聞いておりますけれども、純日本旅館、在来の日本旅館に対する融資の額というものが非常に少ない。裏を返せば、これはいわゆる既存の業者であって、国が観光の旗を振ったからそれで新たに進出しようという、従来のほかの事業から関連産業として進出してきたものでない既存の業者に対する配慮が非常に足らないというように考える一員でございます。開発銀行から中小企業金融公庫、商工中金、国民金融公庫等の、いろんな日本旅館への融資の制度、窓口は開かれましたけれども、何にしても、指定業種として指定されるに至った今日の旅館業の実態というものが、全くまま子扱いでありまして、他産業に比べて十五、六番目くらいに指定されているのが現状でございます。私はこういう制度がいいとか悪いとかということでなく、少なくとも国が観光政策を推進するならば、観光専門金融公庫の設定がなされなければならないと常日ごろ考えておる一員でございます。社会保障制度が提唱されて以来、福祉国家を標榜するわれわれ国民が待望しておったその保障制度の推進の過程に、先般渡邊厚生大臣時代に医療金融公庫というものが出発いたしました。政府は、金がないからなかなかつくれぬということであったが、原資十億で出発したのでございます。十億くらいの金で一体何ができるかという批判も当時は現実にあったのであります。それが今日は六十億か七十億か、非常に政府の出資もふえてきておるわけでございます。観光全般、観光道路とか、あるいは国立公園におけるモーターボートのような施設とか、あるいはホテルを含め、日本旅館を含めた施設の融資については、どうしても他産業と一緒の金融機関でなく、いま申し上げました医療公庫のような、観光専門公庫というようなものを新設していただいて、少なくとも外貨獲得の面においても大きな役割りを演じなければならないこの重大な国の政策の線に沿って、公庫を設立していただけるようにお願いしたいのでございます。そういうことができましたならば、ややともすれば顕在化しつつある大資本と小資本の格差の開き、そういうものも、技術的にも、金融面、あるいは税制の面で調整していけば、やりやすくなるんじゃないか。一つの観光政策を進めるのに、運輸省の窓口、あるいは厚生省の窓口、あるいは自治省の窓口、通産省の窓口と、窓口が幾つにも分かれている。それは、行政指導の面では分かれておっても、少なくとも金融面ぐらいはきちんとした一本の体制をしいていただけるならば、政府が財政投融資を始めて以来まだ日が浅いにもかかわらず、今日の観光の隆盛を見た現実に照らし合わせても、必ずよい結果が招来されるんじゃないかと考えておるような次第でございます。どうかその点を、政治家である委員会の皆さまに特にお願いいたす次第でございます。 いろいろその他こまかいことをお願いすることは、ほかの参考人もだいぶ見えておりますし、おそらく開陳されると思うのでございますので、私はこの観光金融専門公庫の設置ということをぜひ真剣に考えていただきたい、かように念願して提唱する次第でございます。
○高橋小委員長 ありがとうございました。 次に赤澤参考人にお願いいたします。
○赤澤参考人 私は、修学旅行団体の宿舎を経営し、しかも修学旅行協議会の常任理事をしておる赤澤でございます。よろしくどうぞ。 私の地区は本郷地区でございまして、修学旅行を主に経営している地区でございます。修学旅行というものは、終戦後、昭和二十五年ごろに三食三百円でスタートしたと記憶しております。それ以後今年度の二食五百円までの、いわゆる中学生の修学旅行料金で営業してまいったわけでございますが、この終戦後十有余年の間、われわれが関係当局に対して水道料の値下げの問題だとか、あるいは耐用年数の問題だとか、減免の問題だとか、融資の問題だとか、事ごとに関係当局に陳情してまいったわけでございますが、それに対して何らの恩典もなく、何らの補助もなく今日にまいったわけでございます。その間、人件費はうなぎ登りに上がり、物価はだんだん上がってくる。しかも、関係先からは、やれ公共性だとか、やれ義務教育だとかいうことだけが押しつけられて、さらにはまた貧困児童云々というようなことだけでわれわれ業者が犠牲になってまいったわけでございます。私たちも高級旅館、温泉旅館と同じように税金を取られてまいったわけでございますが、その間修学旅行料金は上げてはならぬぞとか、あるいは公共性のある修学旅行に対してもう少し真剣になってもらわなくちゃいかぬじゃないかというふうなことをしばしば申されてきたのでございますが、いま申したとおり、われわれとしても決して修学旅行料金を値上げすることを本旨とするわけではございません。関係当局に、修学旅行というものは公共性があり、それから義務教育であるということをしばしば言われる前に、われわれ自体がよく知っておるわけでございます。しかしながら、その問題に対して関係当局は何らの措置も講じてくれなかったことが、今日新聞紙上に修学旅行料金値上げ云々という問題で騒がれておるわけでございますが、修学旅行を最近論じ、あるいは公共性のある修学旅行を云々というようなことを盛んに申されておりますが、実際に修学旅行の実態を知っている方というものはおそらくないんじゃないかと思うのであります。それは施設や建物、そういうものを見学に来る方はございますが、修学旅行生が泊っている実情を完全に見においでになったり、あるいは実情がどうなんだということをつぶさに見学していった方は、おそらく私の記憶では一人もないと思うのでございます。われわれ修学旅行を愛し、子供を愛する旅館でなければ、このことは決してわからないと思うのであります。夜の十二時、一時まで、何百人の生徒がわいわい騒いでいる、こういった実情は、近所隣からは盛んに文句が出る。こういったことはおそらく机上ではわからないんじゃないかと思うのであります。相撲をとったりレスリングをしたり、まくらの投げ合いをしたり、そういった目に見えない損害というものは銭金ではないということをつくづく考えさせられることがあるのでございます。 現に、終戦後本郷と上野が学生団体の宿泊の主力をなしていたわけでございますが、現在では二十三軒もあった上野地区がただの四軒しかなくなった。ほとんどが本郷地区で修学旅行の宿泊をしている現状でございます。それではどうして上野地区が修学旅行宿泊をやめたかというと、やっていけないということなんです。ですから私は、修学旅行が夜到着しまして朝帰る実情をどうか皆さま方に、一時間か二時間の見学じゃなく、旅館に泊まり込んで見ていただきたいと思う。そうすることによって、修学旅行というものがどう動いているのかということがはっきりわかるのじゃないかと思うわけでございます。 昨年の春ごろから修学旅行の料金問題が新聞紙上その他雑誌で盛んに問題になっておりますが、旅館の経営は、いわゆる終戦後われわれの先輩がどんぶり勘定で経営していたわけでございますが、われわれとしても、修学旅行を泊める上においても近代経営をしていかなくてはならぬということから、一世、二世がやっていたどんぶり勘定を近代経営に切りかえていく。そういう意味からも修学旅行料金を上げないようにするには、やはり関係当局に−私がいま申し上げました水道料の問題にしましても、ふろ屋さんは一立方メーター十六円です。一般家庭は二十二円です。修学旅行を泊める旅館は三十二円でございます。これなどもわれわれが常日ごろ、一年間水道料を下げてくれというのではなく、修学旅行を泊めている期間だけでも下げてくれということを数年来お願いしているのですが、それに対して一ぺんも返答がない。 それから耐用年数にしましても、国観連政府登録旅館は十五年、修学旅行を泊める旅館は二十五年というぐあいに、どちらが建物がいたみ、どちらが備品その他什器がいたむか、これはレスリング、相撲その他まくらの投げ合いをしている状況を見ればおのずからわかると思うのでございます。 また融資の問題にしましても、修学旅行を泊める旅館には何ら恩典がないのでございます。修学旅行の料金にいたしましても、われわれが学校当局並びに関係当局へ強制的に幾らでなくちゃやらぬというようなことを申しておるのでは決してないのです。どうか五百円にしてくださいと言っても、学校側の都合によって五百円でできない場合もあるのです。しかしそれを新聞やその他の方々が五百円以下はやらないというぐあいに新聞紙上等をにぎわしておりますが、修学旅行の本質を真にわきまえているわれわれとしては、決してそういう無謀なことはしておりません。できるならばお願いしたいことは、たとえ上げる値段が五十円であっても、それを上げないで済むことは、前段に申し上げたとおり、そういう恩典を与えてくれるならば、五十円、百円のものをダウンすることは可能なんです。それを一つもしてくれないで、やれ公共性、義務教育というものをわれわれに押しつけるなら、われわれは決して慈善事業をしているのではないのです。いわゆる高級旅館と一つも変わらぬ税金をとられているわけでございます。そういう点をぜひ認識していただきたいと思うのでございます。 先ほどちょっとオリンピック終了後オリンピックの施設を使うというようなお話が出ました。しかし私は、終戦以来、犠牲的精神によって低額料金で今日まで修学旅行を取り扱ってきた点においては、その功績は決して小さいものではないということを修学旅行を泊めておる旅館は思っておると思います。しかし、それがもしも現実にそういう施設を使ってやろうとするならば、それは民営の圧迫であり、われわれを犠牲にした以外の何ものでもない、かように考えておるわけでございます。 もう一つは、ほんとうに修学旅行を認識なされ、修学旅行を知っておる方があるとするならば、修学旅行は、現在の教育の上では、校外におけるりっぱな集団教育の一つであり、重要な科目であると信じております。しかし現実には宿泊を兼ねた校外教育というものは、おそらく学校側においても行なわれていないと思うのであります。昔からよく旅の恥はかき捨てとかいっております。私にも高校生と中学生の子供がございますが、修学旅行で来た場合でも同じなんです。私がいま申し述べましたとおり、相撲をとったり、レースリングをしたり、窓ガラスをこわしたりすることも、一つの群衆心理によってそういうことが行なわれるのではないか。現に本郷地区に学生会館という大きな建物の宿泊所がございます。こういうものに私は非常に関心を持っておりましたので、そこに泊った学生さんの反省会にも出ました。その鉄筋コンクリートに泊った子供の反省会では解放的であるということばが出ておりました。修学旅行というものは字句のとおりのものであって、決して遊びではないのですから、宿泊所あるいはわれわれの旅館に来た場合には、うるさい、あるいはきびしいことを言うかもしれません。東京に来ても、東京は非常に混雑しており、滞在時間が非常に短いために見学がよくできないとか、いろいろな問題があると思うのですが、これがやはり教育の一つではないかと思うのであります。もしも閑静なところに行って修学旅行が事足れりとするならば、富士山ろくかどこかに行って泊まったほうがいいのではないか。東京の混雑したあり方というものを見せて、これを教育することが一番大事なことではないかと思うのであります。したがいまして、いま申し上げたとおり、オリンピックの施設を充てることは、修学旅行を真に愛する者であるならば、それはもちろん健康的であり、教育的であり、管理がしやすいとか、いろいろな問題があると思うのですが、十有余年間修学旅行を扱ってきた経験の豊かなわれわれの考え方から申し上げますと、いま申し上げたとおり、決してそれが教育的であり、健康的であるとは信じられないというようなことをつくづく考えさせられるのであります。 どうか、修学旅行を愛し、子供を愛するという見地から見ますならば、ここにおいでになる皆さま方のお力添えによって、中学生、高校生の修学旅行の宿泊に関する実情を、一時間や二時間の見学じゃなく、旅館に泊り込んで見ていただきたい。それと同時に、修学旅行料金値上げ云々をするならば、まず第一に、関係当局からわれわれに対していま申し上げましたとおりの助成なりあるいは恩典なりをぜひ実施していただきたい、かように出与えるわけでございます。 たいへん失礼しました。
○高橋小委員長 ありがとうごさいました。 なお、大野参考人は都合により早目に退席されますので、御意見の開陳及び同君に対する質疑は先にいたしたいと思います。 それでは、大野参考人よりお願いいたします。
○大野参考人 私、国際観光旅館連盟の常務理事をいたしております大野恵司でございます。本日こういう公述の席を与えられまして、まことに光栄に存ずるわけでございます。 大体私の申し上げたいことは二つございます。第一は、すでに諸先生方、皆さまよく御承知のとおりでございまするが、全国の旅館の総数が約六万四千軒もあって、これらが全国旅館環境衛生同業組合連合会をつくり、さらにそのうちで、ある規格水準に達しているものが日本観光旅館連盟をつくって、これが約六千余軒でございます。さらに一そう外客を接遇するに足る施設を持った旅館ということで、このうちに政府登録旅館を含めまして国際観光旅館連盟というものがつくられております。その総数が千五十軒でございます。それで、そのうちの登録旅館連盟のごときはわずかに四百数十軒という、全体の数から見ますと一%にも満たない数でございます。こういうような構成でわれわれ業界全体がつくられておりまするが、山田先生がよく申されまするように、なるほど施設基準の上では富士山のてっぺんに値するのが登録旅館だとすれば、その底辺には六万余軒の同じ旅館業という社会的使命を持っている存在があるのだということでございます。 そこで、私が特に申し上げたいのは、このたびの登録旅館の整備法の改正問題なんかにつきましても、わずかに一握りの〇・七%にしか足らないような登録旅館がなるほど法の条文の上では文字どおり対象でございますけれども、実はこの法律が施行せられました昭和二十四年には、全業界がこぞって、たまたまその整備条件に合わなくて、現在はなれなくても、将来は努力してこういう恩典にあずかれるのだ、オーバーな表現かもしれませんけれども、われわれ業界が初めて国家からこういう助成措置を受けるに至ったと当時感激した思い出があるのでございます。それでこのような全業界が、決して一握りの登録旅館だけではなくて、この整備法を考えておりますという基盤からして、たまたま先般この整備法の改正問題が起こりました際にも、先ほど述べました三団体がこぞりまして、これの改正につきましての種々の要望を御陳情にうかがったようなわけでございます。 それで、私の気持ちといたしましては、将来の立法や行政指導、監督等にあたりまして、ある一部だけを対象にするのではなくて、われわれ業界人一同が、この旅館業という社会的使命の達成にお互いに切瑳琢磨することによりまして、その水準を上げ、社会的地位を向上させたい、そういう希望に燃えている、あるいはちょっとほかにはないかも存じませんが、一種の非常な連帯感を持った業界であるということでございます。 次に、私が申し上げたいことは、観光政策につきましては諸先生や知識人の方々から御高説をいろいろ拝聴しておりますので、いろいろあると存じますが、私ども業界の立場からいたしますと、結局融資面と税制面に一番のポイントがしぼられるのじゃないかと存じます。そのうち、問題は小さくなりますけれども、特に融資面につきまして、少しく希望を述べさせていただきたいと存じます。 それは、近年皆さま方の御努力によりまして、たとえば開発銀行であるとか、また北海道東北開発公庫であるとかいうふうな財政投融資の道が開かれまして、特に三十八年度におきましてはそれが飛躍的に増大いたすというようなことがございます。けれども、その内容に至りますと、ホテルが大部分でございまして、旅館はごく一部である。そこで、なぜそうなったかと申しますと、その条件が非常にシビアーであり、かつまた、われわれから見まして実情に合わないような点があるというようなことが原因だろうと思うのでございます。これらの点の是正をお願いしたいのでありますけれども、きょう特に私がお願い申し上げたいと存じますのは、中小企業金融公庫の融資についてでございます。現在、これも皆さま方の御努力のおかげで、私ども国際観光旅館連盟に所属する旅館、登録旅館も含めまして、三千万までの限度がきめられております。これは十数年前までは考えられなかったことでございまして、たいへん感謝にたえないところでございますけれども、最近の社会情勢の変化、経済基盤の拡大等によりまして、これを五千万限度までぜひ上げていただきたい、こういうことを痛切にお願い申し上げる次第でございます。 そのもう一つのわけは、中小企業金融公庫の融資の資格の一つとして、一 千万円以下の資本金もしくは従業員五 十人以下という条件がございますが、古い統計でございますけれども、私ども国際観光旅館連盟に所属しております会員は、そのほとんど八〇%ないし一九〇%までがこの条件に合っておりますので、その意味では典型的な中小企業でございます。最近ホテルと同等も・しくはより以上の大きな旅館も出現いたしましたけれども、これは業界全体から見ますとごく一部でございまして、全体としては中小企業金融公庫に依存する、しかもこれがすでに十数年来の関係がございましたので、業者としてはこれに非常になれ親しんでおるような状況でございます。そこで、私どもすでに数回にわたりまして、中小企業金融公庫当局と折衝いたしました。その結果、私どもの判断するところでは、当局はこの限度額の引き上げに対して御了解を与えられておるものだというふうに考えておるのでございますけれども、どういういきさつか存じませんけれども、関係御当局においての了解が得られないということで、なかなか実現を見るに至っておりません。そこで、この機会にぜひこの限度額の引き上げを、皆さまのお力によりまして実現させていただけたならば、非常に幸いではないかと思うのでございます。 なお、最後に、国際観光連盟クラスの限度額の拡大は、同時にまた次のクラスの、日本観光旅館連盟クラスの現在一千万円までの限度の融資ワクを、これを二千万円ないし三千万円に上げられると思いますし、さらに、その底辺旅館に対する道もおのずから開けてくるのではないか、かように思いまして、我田引水の希望ではないということを申し述べまして、私の公述を終わります。
○高橋小委員長 ありがとうございました。 —————————————
○高橋小委員長 大野参考人に対し質疑をお願いいたします。山口君。
○山口(丈)小委員 さっきからの参考人の公述といろいろ関連がありますが、一番問題になりますのは、ただいま申された中小企業金融公庫の貸し出し限度の引き上げについてでありますけれども、これを五千万円ということでありますが、現在はどのくらいですか。
○大野参考人 現在三千万円です。
○山口(丈)小委員 そこで、これは貸し出しの条件としていま言われましたが、どこがネックになって融資額の引き上げができないのか。それから、もう一つは、いま言われた国際観光旅館の融資額を引き上げるということは、いわゆる日本観光旅館の建設融資の引き上げにもなるということでありますが、しからばその条件を業界ではどういうふうにすればいいのか。無原則ではいかぬと思いますが、現在の貸し出し条件というものをもっと引き下げる、したがって、それを引き下げれば融資ワクの対象になるものが広がるわけですが、それと同時にいわゆる限度額を引き上げる、こういう二つの道が講じられなければならぬと思うのですけれども、これについて業界ではどういう希望を持っておられるのか、ひとつお伺いしたい。
○大野参考人 融資条件の引き下げによりましてということではなくて、その条件につきましては現状のままでけっこうだと思うのであります。限度だけを引き上げて、金額を引き上げていただきたいということでございます。
○山口(丈)小委員 それでは融資を受ける範囲がきわめて限定されるのではないか。たとえば従業員が何名とか、あるいは宿泊の間数が幾らであるとか、いわゆる収容人員が幾らであるとか、こういうようなきびしい限度があって、その限度をそのままにするということになりますと、これはワクは広がりませんから、勢いさきに言われていた零細企業に対しての恩典はないということになりますと、これはわれわれで言えば中以上の旅館で、従業員を三十人、五十人使うということになればこれはもうかなりの旅館と私は思うのですが、そういたしますと、これはますます救わなければならないほんとの零細企業にその恩典が及ばないのではないか。したがって、その条件を緩和して、その企業内容の充実しているものについては、 この融資ワクをたとえその条件に満たなくとも広げていく、そのために限度を下げていく、こういうことが必要ではないかと思うのですけれども、これは業界のほうではどういうお考えですか、ひとつ聞きたい。
○大野参考人 ただいまのお説のように適格の条件を引き下げていただけるならば、これはもう多々ますます弁ずでけっこうなことでございます。けれども、その点につきましては触れないで、現状におきましてでも限度額を引き上げていただくだけでも非常にけっこうだ、こういうように考えております。
○高橋小委員長 久保三郎君。
○久保小委員 大野参考人は、いま、三千万の限度から五千万に引き上げてほしい、こういうお話でありますが、しろうとでわからぬのでありますけれども、三千万では少なくて五千万程度までというのは、何か理由があるのですか。もちろんいまの建築の単価なり何なりが上がっている、そういうことのほかに何かありますか。五千万という数字をお出しになった何か理屈の基礎はいかがですか。
○大野参考人 ただいま御指摘になりましたような建築費その他一般物価の値上がりというようなことがもちろん原因でございまして、特に二千万だけふやすというその二千万という根拠はございません。これがもっと多ければ、もちろん差しつかえないことでございまするが、段階的なことでございますので、とりあえずそういうことでございます。
○高橋小委員長 泊谷君。
○泊谷小委員 大野参考人にお尋ねしたいのですが、いま山口委員からお尋ねになりました融資ワクの拡大と条件について、条件は開銀でも中小企業金融公庫でも相当ホテル整備法よりきついはずですね。一般旅館でも三階以上のものはエレベーターを設置しなければだめだとか、各部屋に便所の設置とか、あなたのお話を聞いておりますと、国観連という性格がそうさせるのかわかりませんが、特定の大きなホテル整備のみに集中的に融資ワクの拡大がされて、前段で訴えた旅館業を営むもの、それから連盟に入っておる一%程度のもの、これをさらに拡大したいと訴えながら、それらの問題について具体的に観光事業として当面外国から来る人々の大きなお金を落とすだけのためのホテルに整備というふうに受け取れるのですが、条件のことをなぜ現状のままでいいとお考えになるか。先ほどのお話では、多々弁ずというお話がございましたけれども、むしろこの点のほうが大きいと思うのですが、もう一度御回答いだたきたいと思うのです。
○大野参考人 御指摘のことによりますと、ちょっと私の申しましたことが矛盾するかのようにとられたのでございますが、私、現在国際観光旅館連盟の常務理事という立場で、いまのことを強く希望いたしたわけでございます。そこで、ただ現行の開発銀行あるいは中小企業金融公庫等の国家財政投融資からの融資につきましては、外貨獲得というような問題にからみまして、どうしても外人を泊めるための設備ということに問題が非常に限定されてくるのではないかと思うわけで、ただいま御指摘のような点を一そう実現するためには、また別の見地からいろいろ考えなければならぬのではないかと思います。
○泊谷小委員 それでは、あなたは国観連の代表ということでお話をされたということでありますから、観光事業のあり方としては議論のあるところだと思いますので、きょう見えておりますのは旅館関係では大谷さんですか、後ほどお尋ねすることにいたしまして、あななのところはおしまいにしたいと思います。
○高橋小委員長 大野参考人に一言申し上げます。 本日は貴重な御意見をお述べくださいまして、まことにありがとうござい・ました。どうぞ御退席を願います。 —————————————
○高橋小委員長 石川参考人にお願い申し上げます。
○石川参考人 私は静岡で政府登録旅館の八洲園を経営いたしております石川でございます。したがいまして、外人を取り扱う日本旅館というような立場から所見を述べさしていただきたいと思いますが、それに先だちまして、先年皆さま方の非常な御理解と御協力によりまして観光基本法が制定されました。その後全国的に観光の面が異常な勢いで盛り上がってきたことに対しましては、心から厚くお礼を申し上げます。 そこで、お話を申し上げたいのは、最近ホテル、旅館が非常に高いということを言われております。しかし、私から言いますれば、それはごく一部のことでありまして、現状におきましては決して高くはないということに考えております。この例を私は申し上げたいと思いますが、交通公社が扱っております東海アドベンチャーという外人の旅行団体がございます。この旅行団体は五泊六日でございまして、これが百八ドルで扱っております。東京に集合いたしまして、それから箱根の富士屋ホテル、それから昼食を興津の水口屋、それから静岡は私のところ、それから名古屋にまいりまして名古屋の都ホテル、志摩にまいりまして志摩観光ホテル、京都の都ホテルというような大体あの程度のところに泊まっておりまして百八ドル、つまり一日にいたしますと二十ドルという金で日本の旅行をいたしておるわけでございます。 私のところの実際の料金を御参考に申し上げますと、私のところは一人でお泊まりの場合が三千七百円、お二人の場合は一人二千七百円、これは両方とも二食つきでございます。平均いたしますと三千円。私のところは通常日本の方をお泊めいたしますのは、バス、トイレつきでお一人の場合は三千五百円、お二人の場合は三千円というような料金でお扱いしておりますが、それが外国人の場合はいま申し上げましたように三千円の込みで扱っておるわけであります。 そこで、皆様方がアメリカあるいは欧州のほうにいらっしゃるときのことを考えますと、アメリカに皆様が参られるときの費用は、航空費を抜きまして一日の費用が大体三十ドルを予定をしておるというのが普通交通公社その他の扱っておる料金であります。そういうような面からいきまして、日本の二十ドルの一日というのは決して高くはない。また二食つきでございますので、私のところのルーム・チャージから申し上げますと、大体六ドルないし七ドルということに相なるわけでございます。皆様方どなたも欧米にお回りになっていらっしゃると思いますが、おそらく八ドルとか七ドルとかいうようなルーム・チャージのところにはお泊まりにならないと思います。大体外国へ参ります日本人が泊まりますのは十ドル以上、二十ドルあるいは三十ドルのところにお泊まりになっているというような面と、これらの外国のホテルと日本の施設から考えまして、決していまの百八ドルというのは高いのではありませんので、私たちはむしろ値上げを要求しておるようなわけであります。しかも、あとでお願いをいたしますが、この連中に対しまする取り扱いにいたしましても、私のところは日本料理で二のぜんをつけまして日本式パーティを開きましてやっておりますが、これらのことにつきましても非常に外人は喜んでおるということは事実でございます。 それから今日私のところは改造をいたしまして約八年になりますが、今日、旅館をもし新しく建築して経営をするということを考えますと、この料金はなかなか立てられないということに考えられます。先ほど、ちょっと融資の問題が出ましたが、現在東京の一流のホテル一室当たり大体千三百万から千五百万。これは最高でございますけれども、通常にいたしましても一室当たり大体一千万以上かけております。ホテル業者も何とかして八百万以下に押えたいということを言っておりますが、現在はなかなか八百万で一室はできないというような現状であります。日本旅館にいたしましても、最近の日本旅館を建築いたしますには、どうしても一室三百五十万から四百万の経費をかけなければできない。そういうような点から申し上げますと、今日の場合はなかなか安くはできないということには相なりますが、しかし建築の面におきますと、アメリカと日本と比べまして、アメリカより日本のほうが一割以上高い。しかし什器備品はアメリカよりも一割四、五分は安いということをいわれています。なお、人件費もアメリカより安い。それにもかかわりませず、今日の場合におきましてはもう向こうよりも高い。しかもホテルの方々はこれを肯定しておられます。どういうわけでそうしたものを高く売らなければならないかというところに私は非常に問題があると思う。この問題は結局は金融の問題にかかると思います。御承知のように、日本におきましては開発銀行が六分五厘の利子で十年から十五年の期間を貸してくれます。これは先ほども話がございましたが、ほとんどホテルあるいは海運界によって占められておるのでありまして、日本旅館に対します融資というものはまず皆無といって差しつかえないと考えられます。これを除きまして、他の中小企業金融公庫あるいはその他の地銀等からこれを融資を受けますと、大体九分前後の利子を取られまして、しかも五年の返済を要求されるのであります。こういうようなことと、アメリカあるいは欧州のことを聞きますと、年利三分あるいは四分、しかも日本の政府登録のごとき性格のものに対しましては、利子補給までしておる国もあるということを聞いております。そうしたような国の資本を使っておる外国ホテルと日本のホテル、旅館と比べましたらば、それはもう高いのがあたりまえであって、安くしようにもできるはずがないのであります。向こうは二十年も三十年もかかりまして、これを低金利でゆっくり返していきますが、日本は九分前後のお金でわずか五年で返還を要求されるということになりますれば、もういまさら言うまでもないことであります。そういうようなことでありますので、私はこの金融だけはどうしても将来お考えを願いたい。自由化されました今日、将来もしアメリカの低金利のお金をもちましてアメリカ資本が日本に流れ、日本にホテルを経営するようなことに相なりました場合、日本の現在のホテルというものの将来はどういうことになりますか。この点はまことにゆゆしい問題が起こるのではないかということを心配しておるのであります。日本の金融も戦前におきましては勧業銀行がございました。私も昭和十五年の大火のときに勧業銀行から十八年のお金を借りましたが、昔はそういうことでやっておりました。それが今日では全然できておらぬということは、ホテルあるいは観光界の将来のために非常に大きな問題だと思いますので、この点につきまして金融の金利引き下げと、それから期限の延長ということにつきまして特にお願いを申し上げたいのであります。 なお、つけ加えまして、観光産業は、御承知のように、観光貿易と申しますか、この面は日本のものを日本で使いまして全部手取りのお金になるわけでありますが、普通の一般産業の貿易はその材料を外国に仰ぎまして、日本で加工するということが非常に大きいのであります。そういう部面でありながら、他の産業貿易に対しましては登録された貿易額に対しての税の免除というようなことがあると聞いております。しかるに観光産業におきましては、全然そういうような優遇もないというようなことから、外人を取り扱うのに、いかにしても日本の業界はつらい立場におるということが考えられますので、この点も特にお考えおきを願いたいと存じます。 なお、次に外人について、私のところもいつも扱っておりますが、外人を日本に招きまして、外人に対しまする接遇とかサービスとかあるいは英会話等につきましては、それぞれの官庁御当局におきましての御指導よろしきを得まして、今日まあまあ心配のないと ころまで来ておると思いますが、しかしこの一面、どうしたらドルを使わせることができるかという、つまりドルを使わせる面についての研究が足りない。私はこの面につきまして何とか、どうせ来た以上はドルを使わせなければいかぬ。日本に着きまして、ドルを換算円にいたしますときは、外人は自分の予算に基づきまして最小限度の範囲におきましての円に対する交換をやっております。そして旅に出ますれば、やはり日本人と同じでありまして、一ぱい飲めば気が大きくなる。あるいは日本人も旅行に出るときは少額な旅費をもくろみますけれども、出てみれば、二倍、三倍のお金を使ってくるというのが普通であります。外人もそのとおりであります。ところが外人はしたくてもそういう窓口がない。そういうような面で、ドルを旅館なりあるいはホテルはもちろんのこと、そういうところで自由に交換ができる、ドルでもって旅館の費用を払えるというようなことにまでこれを持っていっていただければ、ドルを彼らが使う気分も出てくるように思うのであります。そういうことのためには、ドル交換の窓口を広げること、そして今日外貨獲得と申しますが、一体国民がドルを知っているかということであります。国民に対するドルのPRというものをほとんどしておられない。国民はドルの紙幣というものを見たことがないというようなことで、これを現実に見て初めてなるほどドルが手に入ったんだ、国に外貨が入ったんだという気持ちを起こすものだというふうに思います。そういう意味から、ドルの交換窓口をうんと広げて、そして外人がふところに入れておりまするドルを、いわゆるさいふのひもをゆるめさせるということに努力をいたしまして、そういう点を今後やっていくことがドル獲得の大きな一つのものだと思います。現在のやり方では、ただ外人が来たらどういうふうに接遇するか、どうしたらサービスができるか、どういう施設をつくるかということのみに力を入れられておるように考えますので、その点特にドルを使わせるということで、そのことをお願い申し上げるわけであります。 次に、旅館、ホテルの整備法が最近改正されるように聞いておりますが、最後にちょっとお願いを申し上げたいのであります。現在の登録旅館に対しまする基準の指導方針と申しまするか、これは日本の旅館が全く外国式日本旅館というものに向けられておるように考えられるのであります。この点につきまして十分御研究を願って、日本式のよさを取り入れた日本式の登録旅館をつくるということによって、外人の興味を引き、外人が帰っても話の種になるようなことにしてもらいたいというようなことで、そういう基準のあり方につきましてもお願いを申し上げたいのであります。また便所等につきましても、実は先般も私のところに泊まりました外人がわざわざ帳場に参りまして、日本の便所は非常にいい、ということは、第一清潔である、それからもう一つは、日本の便所は腰のばねを強くする、これを子供の時分からやっておるので、日本人はマラソンも強いし、柔道も強い、その他のスポーツもなかなか強い、これは結局子供の時分から便所で腰の鍛練をしておるからそういうことができたんだというふうに私は思った、この便所を見て大いに考えさせられるということをわざわざ帳場に来てお話しになった外人の方がございます。そういうような面を考えますれば、とまり木さえつければけっこう日本の便所で間に合うのでございまして、これをどうしても洋便に変えなければならないということのあり方も少しお考え願いたい。そういう点も、せっかくいま外人が言うとおり日本の便所で腰のねばりを強くするといういい面もありますので、こういう点がなくなって将来日本人の腰のばねがゆるんでくるようでは困りますので、何とかその点も整備に対しましてはお考えを願いたいのであります。 それから基準の居室その他の坪数の問題でありますが、いま広間とそれから女中部屋とか従業員の宿舎等がはずされております。これは今日におきましてはちょっとおかしいと思うので、昨日は十八人、一昨日は二十五人ばかり外人が私のところに泊まりましたが、すべて二のぜんつきで広間におぜんを並べまして、そして日本式のいわゆる宴会をやっております。そしてレコードで炭坑節をやったり、それからこのごろはやりのいろいろなもののレコードをかけて聞かせますが、彼らは非常に喜んで、踊ったりはねたり、たいへんな喜び方をしております。今日の旅館の広間は絶対なければならないので、外人接遇にはどうしても必要なものでありますので、これはうちの経験から申し上げましても、広間は絶対に坪数に入れていただきたいというふうに考えるものであります。 なお女中部屋がはずされるということもおかしなことで、女中がうちの中におってこそ初めて日本旅館のよさがあるのでありまして、これがもし通いばかりだったら、とても日本の旅館のよさというものはありません。女中が常に旅館の中に居住しておるところに初めてよさがあるのでありますから、この女中部屋がはずされるということは、まことにもって今日の考え方からいうとおかしいというふうに考えますので、こういう点もひとつ十分に関係御当局にいろいろお話し願いまして、こういうことのないようにお願い申し上げたいのであります。 それから最後に、先ほどこちらの遠藤さんからガイドのお話が出ました。私はこのガイドは最も重要なものだと思います。外人は日本人と違いましてずるさがありません。ほんとうにまじめな旅行をしております。日本人のように、朝八時には集まれと言いましても、朝から一ぱい飲んでぐずぐずしておるというような者は、一人も外人にはおりません。外人はほんとうにガイドさんが言うとおりに動いております。そういう点からいきまして、先ほど申し上げましたように、外人のさいふのひもをゆるめるということには、ガイドの外人に対しまするいろいろなお話しの仕方によってそれができるものと私は考えます。そういう点におきまして、ガイドはどうしても関係御当局におきまして十分御指導願って、酒の飲み方、芸者のあげ方、日本パーティのやり方、あるいは値段の問題、そういうふうな点につきまして十分ガイドを訓練していただきまして、そのガイドを外人につけていただきたいのであります。私のところに参りますガイドでも、遠藤さんの前ではなはだ失礼ですが、全然役に立たないガイドさんもおります。また非常に気のきいた、ほんとうに私のほうでも感謝するガイドさんもおります。そういうように、ガイドによりまして外人のさいふのひもがゆるむかゆるまないかという大きなあれでございますので、ガイドの教育につきましては、私からも強く関係御当局のほうにもお願い申し上げたいのであります。 以上、述べさせていただきましたが、どうぞよろしくお願いいたします。
○高橋小委員長 ありがとうございました。 次に上月参考人よりお願いいたします。
○上月参考人 日本観光旅館連盟の専務理事をしております上月でございます。日本観光旅館連盟を、便宜上目観連と省略させていただきます。 まず、本国会に政府から御提案いただきました旅行あっ旋業法の改正案を御審議いただくことにつきまして、厚く御礼を申し上げたいと思います。御承知のとおり、現行法は旅行あっせんに関してお客さまの擁護ということはよくうたわれておりますが、あっせんに関して、宿泊機関あるいは交通機関にいろいろな迷惑をかけておるあっせん業者をどうするかという問題については、現行法ではあまり触れられていなかったのですが、新しい改正法案によりますと、その十三条にそういったことがうたわれておりまして、債務を不当におくらせるようなことがあってはいけないというふうなこともうたわれております。こういった点につきまして、私、旅館業界として厚くお礼を申し上げ、ぜひこれを実現していただきたいとお願い申し上げる次第でございます。 現在あっせん業者がどういったようなかっこうで営業しているかという実態を御参考までに申し上げてみますと、債務の履行がおくれているというばかりでなく、全く履行しないという業者が相当あるわけです。これを数字的に申し上げますと、過去二年間に日観連で調査いたしました結果——調査と申し上げますよりも、日観連の会員旅館から本部に報告のまいりましたものを申し上げますと、二年間で件数にいたしまして百二十九件、金額で二百八十六万八千円というものが、全く債務を履行しないという実情でございます。本部からあっせん業者に現在勧告状を発しまして決済いたしましたものが、いま申し上げましたうちの四十二件、金にいたしまして七十四万七千円。したがって、いまだに未決済になっておりますものが八十七件、二百十二万一千円、こういう状態でございます。しかもこれは、いわば氷山の一角にすぎないということが言えるだろうと思います。と申し上げますことは、先般運輸省から依頼がございまして、日観連の会員からの報告を待たずに、本部から一度照会してみろというお話がございまして、無作為抽出法によって六千八百人の会員のうちからわずかに十五軒の会員について照会をしてみました。あっせん業者について、迷惑を受けていないかという照会をしました結果、昭和三十七年の十月一日から十月三十一日まで、一カ月間ですが、その一カ月間にお金の払い方がどういうふうになっておるかということを照会したわけですが、いまだに未済のものが四件ございます。昭和三十七年十月に発生したものがいまだに未済になっておるのが四件ございます。しかもいま申しましたように、これはわずかに十五軒の会員について調査した結果でございます。こうした数字から推定いたしますと、相当未済が全国的に多くあるんじゃないかということが考えられるわけでございます。こうした、あえていいますならば、悪徳あっせん業者でございますが、多いのは東京、神奈川、愛知、大阪、兵庫、福岡、一部新潟とか、小さなところもありますが、先刻申し上げました未済の八十七件のうちには、日観連本部から関係方面へお願いいたしまして、刑事事件になったものが現在三件ほどございます。また不履行ばかりでなく、一種の契約金詐欺と申しますか、そういうものもございます。実例を申し上げますと、一人の業者が全国のいろんな方面に、おまえのうちへ今度は五十名の団体を送ってやる、ついてはおまえのうちと協定を結びたい、協定をするについては契約金を送れと言って、そして契約金が向こうについたと思うころに、お客様の御都合によってあの団体はお取りやめになったということをやる。これを、一カ所ならいいのですが、方々にやっておる。申すまでもなく、これは明らかに詐欺だと思います。そういったことを関係の府県、あるいは警察にお願いしても、ナシのつぶて、ぬかにくぎと申しますか、せっかく立法の府でもってりっぱな法律をつくっていただいても、行政面において冷淡な扱いを受けているということを率直に申し上げておきたいと思います。また不履行のまま行くえ不明になっておる業者もございます。行くえ不明になっておる業者については、営業保証金の還付請求をしようと思っても、本人の了諾を得ないと還付請求が受けられない。その本人の了諾を得ようにも、行くえ不明になっている以上はどうしようもない。警察にお願いしても、警察も全く御協力いただけない、そういう実情でございます。 いま行政ということを申し上げましたが、実情を申し上げますと、現行法ではあっせん業者が営業所を移動した場合には必ず届け出なければならぬことになっておりますにもかかわらず、営業所を転々と変わっても、都道府県は、何と申しますかあっせん業者の産みっぱなしで、アフター・チェックを全然行なっておりません実情でございます。また、登録を受けていないいわゆるもぐり業者というものも相当あるのでございますが、こういったものも、放任主義と申しますか、全く野放し状態になっておるのでございます。具体的な話を申し上げては、あるいは差しつかえがあるかもしれませんが、九州に西日本ツーリストというあっせん業者と西日本ツーリスト株式会社というあっせん業者があります。しかも同市同町同番地にあるのです。下にKKがついているかいないかだけで非常にまぎらわしいというので、福岡県に照会をしてみましたが、何らの返事もしていただけません。そういう実情なのです。せっかく法律でりっぱなものをつくっていただきました以上は、もう少しアフター・チェックというものを都道府県は十分やっていただきたい。都道府県は運輸大臣の委任を受けてやっておられるのですから、ぜひこれは実行していただきたいということをこの機会に諸先生方にお願い申し上げたいと存じます。いまのような状態ですと、旅館側は自衛手段として何らかの方法を講じなければいけない。府県にお願いしてもほとんど実効がない、警察にお願いしても冷淡だということになってきますと、旅館業者も自衛手段を講じなければいけない。そうなってきますと、こういう例がございます心あっせん業者から、お金はきょう送ったからこういうお客さんを受けてもらいたいと言ってきたが、いつまでたってもお金は送ってこない。お客様はクーポンを持ってお見えになる。お金を送るというから受けたが、お金を送ってこない。しかしお客様がクーポンを持ってお見えになった以上は、お客様をお断りすることは情において忍びないというのでお受けする。そうしてお客様のお持ちになったクーポンをあっせん業者の指定する銀行に送ってみると、預金がないから不渡りになっておる。幾らたってもお金を送ってこない。そういうのがさっき申し上げましたように非常に大きな件数あるわけであります。そういったことで、ほとんどの旅館業者は、あつものにこりてなますを吹くわけじゃございませんが、その小さなあっせん業者——いま私は一口にあっせん業者と申し上げましたが、いわゆる一般登録を受けております大手筋のあっせん業者にはそういうことはほとんどございません。邦人登録、小さな店を持って、机一つあるいは電話一本というふうな小さな業者の中に非常に悪徳業者がいるということを申し上げているわけでございます。営業保証の問題等につきましても、今回の改正法律案におきますと、二万円ほど実際上げていただくようですが、いまの営業保証金では、各方面に債務を残して行くえ不明になった場合にどうしようもない。いま私のほうで未済の関係で営業保証金の還付請求をしようと思っても、実際問題として不可能であるというのが、しかも日観連の本部に報告のあったものだけで、一あっせん業者が三十五万円の負債を持っておる、二十二万円の負債を持っておる、十九万、十一万、十万というのがざらにあるわけでありますが、そうしますれば、営業保証金の性格は、あるいはそういったものに充てるばかりが営業保証金の性格ではないかも存じませんが、営業保証金をせっかく積んでいただいてもどうしようもない。しかもさっき申しましたように、行くえ不明になった場合は全くどうしようもないという実情でございます。旅行あっせん業者のうちの邦人登録あっせん業者の実態を御参考に申し上げまして、今回の政府の御提案のあっ旋業法改正案につきまして、諸先生方の御配慮をお願いいたしたいと存じます。 いま一点は、先ほど大野参考人あるいは石川参考人からお話がございました日観連に対する中小企業金融公庫の融資でございますが、現在は一千万円までを限度にして融資を受けておりますが、融資対象が衛生施設、あるいは厨房、そういったものに限定を受けているわけであります。近ごろ外人客が非常に多くなってまいりましたが、日観連の会員といえども、一室あるいは二室ぐらいを、外人客が宿泊できる施設をつくろうと思っても、融資は受けられない。そういった外人客を受け入れられる部屋を増設するためにも、融資をしていただきたい。と申し上げますことは、国観連と申しますのは、そうした部屋が十室以上なければ国観連の資格がないということになっております。いまかりに日観連が、一会員が一部屋あるいは二部屋ずつでも全国にそういった部屋をつくれば、現在、四月一日から日観連の会員は六千八百ほどございますので、六千八百が一室ずつつくっても六千八百室というものができる。こうした外人客を受け入れられる宿泊設備をつくる場合には、現在の衛生設備あるいは厨房、そういったものに限定をしないで、そうした部屋をつくる者についても融資をぜひお願いしたい。しかも一千万円を少なくとも二千万円ぐらいまでは認めていただきたいということをお願い申し上げる次第でございます。 以上、はなはだざっぱくなお話で失礼でございましたが、よろしくお願いいたします。
○高橋小委員長 ありがとうございました。 これにて各参考人の御意見の開陳は終わりました。 —————————————
○高橋小委員長 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますのでこれを許します。勝澤芳雄君。
○勝澤小委員 時間がないようでありますから、なるべく簡単に御質問いたします。 秋田さんにちょっとお尋ねしたいのですが、あっせん業者について、いま一般と邦人と二つあるわけでありますけれども、修学旅行のあっせん業者というものをもう一つ加えたらどうか、あっせん業者を三つの段階にしたらどうだろう、修学旅行については特別なあっせん業者というのを検討したらどうだという意見もあるのですが、その点について、先ほど少し悪徳なあっせん業者というものがあるという観点から検討すべきだというお話がありましたので、その点についてお尋ねいたしたいと思います。 それから、続いて修学旅行の関係で赤澤さんにお尋ねしたいのですが、雑誌などで先生の下見旅行というのがちょっと問題になりました。参議院の運輸委員会でもこのような質問が出ているようでありますが、その点について。 それから全体的な修学旅行のあり方、あるいは修学旅行をこれからどうすべきか、こういうものにつきましては、これは別の機会に、いま赤澤さんからも希望がありましたように、私たちも現場をよく見せていただいて、実情に沿って、どういう立場から取り上げたほうがいいかということで検討いたしたいと思っております。特にこれは観光基本法を作成いたしましたときに、参議院で日教組の出身の、神奈川から出ている岡さんから、修学旅行という問題について、もう少し真剣に観光基本法の中で検討せよということを言われておりますので、立案をした仲間として、やはりこれは解決をしなければならぬと思っておりますが、全体的な問題につきましては、また別の機会に十分研究さしていただくことといたしまして、その二つの問題についてお答えを願いたいと思います。
○秋田参考人 あっせん業者の問題でございますが、近年、いわゆる学校から受けた費用を持ち逃げしたというようなきわめて悪質なものは少なくなってきてはおりますが、しかし、多人数の子供を移動させるのでございますので、移動地におきまして万一事故でもございましたようなときにその対策がとれるというようなことを考慮いたしますと、でき得れば全国的な組織を持っているような業者というものがよろしいのではないかと思います。 次に、あっせん業者の中で、修学旅行に経営の費用全額を対象にして扱うというような場合と、修学旅行は業務上の一部であるというような場合において、また扱い方が違ってくると思うのでございます。そういう意味におきましては、修学旅行に経営の全部をかけているというような業者でないほうが望ましいということが言えるのではないか、このように考えております。 その次には、あっせん業者のあっせん上の問題だけでなく、学校を獲得するためにいろいろな手段を用いる、こういう手段が先生をスポイルし、その結果は生徒の負担になってくる、あるいはまた旅館その他の業者を痛めつけてそういう費用を生み出すというようなことがございますので、学校をいわゆる集客活動の一つとして、あまりかんばしくない手段によって獲得するような業者は避けるべきではないか、こういうふうに考えております。 したがいまして、修学旅行を取り扱う業者というものについては、大小によって優劣はつけられないと思うのでございます。小さな業者でもきわめて良心的に献身的に扱ってくださっている業者もございますが、全般的に申しまして、扱い業者の内容に対して、あるいは扱い方につきまして、もっと学校自体が勉強して、業者をよく選ぶようにしむけるということが一番大切なことじゃなかろうか。そういう点で学校のほうには呼びかけをいたしております。
○赤澤参考人 ただいま御質問のありました下見の先生という件でございますが、この下見というのは、二つに分けますと、ほんとうに生徒のことを思って下見に来る先生と、それから何のために下見に来たのかわからない下見と、この二つに分かれるのであります。いろいろ雑誌やなんかに出ておりますが、真剣に下見に来てくれる方は何も申すことはないと思うのでございますが、何のために下見に来たかわからないような先生の例を申し上げますと、下見に来た先生が修学旅行の生徒を連れてくるときに来ない。一体これは何のために下見に来たのだという、旅館側のほうとしても非常に疑いを持つ下見もあるわけであります。これは現実にあるのでございます。それから、下見というものがほんとうに子供のためを思って来るなら——どこか東京に用事ができたからちょっと寄ってみたのだといって泊まっていく先生がいるわけです。あるいはまた、奥さんを連れ、子供を連れてくる下見の先生方も現実にございます。ですから、私はよく交通公社やその他大手筋のあっせん業者の方に申し上げるのですが、下見ということも、子供を思い、自分の学校の子供はどこに泊まるのだ、地理的にどの辺にあるのだというようなことを調べて来る学校の先生というものは、パーセンテージにして非常に少ないのです。ほかの方はほとんど、来て、ああここですか、そうですか、それなら泊まって、すぐさようならというような状態が非常に多いのです。ですから、下見をするというなら、もう一歩進んで学校側が、いま秋田参考人が申し上げたとおり、信用あるあっせん業者に依頼すれば、実際問題として下見をする必要はないのです。それが何のために下見に来るのだということをこの席で申し上げたいのですが、なるほど確かに終戦以来ずっと先生方が来ておりますが、下見というのは、何というのですか、毎年その学校の行事みたいになっているのです。もう毎年来ている先生が下見に来るのです。そういうような状態ですから、下見ということもいい面もありますけれども、何のために下見に来ているんだということがわからない下見もあるという状態なんですから、そういう点、あっせん業者のしっかりしたところを選定すれば下見をしなくても完全に済む、よけいな費用がかからないということができると思うのであります。
○勝澤小委員 次に遠藤さんに。米軍基地の民生部長ですけれども、二世の松本さんというのが書いた本で「ドルはもうからぬ」という本を読んでみた。たいへんおもしろいことが書いてあります。そこで、ノーチップ制について観光局が中心になって一生懸命やっているのですけれども、私もこれは賛成している。この本を読んだら、そういうものはもらうべきだというような話がある。われわれ日本人のものの考え方あるいはアメリカ人のものの考え方、いろいろわからないわけでありますけれども、このノーチップ制という問題。 それからもう一つは、先ほど石川さんが申されましたけれども、みやげ品を買わせるのも買わせないのも、ドルを落とさせるのも落とさせないのもガイドの腕次第だ。私もまさにそんなような気がするわけなんですが、そういう点でガイドのあり方といいますか、試験制度といいますか、こういう問題についてのお考えについて、もしありましたらお聞かせ願いたいと思います。
○遠藤参考人 ノーチップの問題でございます。これは一昨年でございましたか、運輸省から全国の旅館業者、サービス業者に向かって、チップを取らないようにという方針が立てられまして、運輸大臣通達か何かで配られたのであります。非常にむずかしい問題でございまして、私どももこの問題については非常に頭を悩ましているのであります。一がいに割り切りまして、ノーチップ制にしたらよろしい、そうすればいいんじゃないかということは簡単にいえるのでございますが、たとえばアメリカあるいは諸外国においでになった諸先生はおわかりだと思うのでございますけれども、向こうではチップをやるのが習慣になっている国が多いのでございまして、日本に来る観光客の、パーセンテージで申し上げましたらまず七〇%くらいまではノーチップ制度は非常にいい制度だと非常に喜んでいると思います。しかし観光客の一〇、二〇、三〇%の中には、外人はチップという問題について非常にはっきりしている人が多いのでございます。つまり、いいサービスに対してはチップをあげる、しかし悪いサービスに対してはチップをやるのは一銭でもいやだ。これは私もずいぶん経験がございまして、そういうことがあるのでございますが、ある場合には、このホテルボーイはよくしてくれたから十分にお礼をやりたい、びっくりするようなお礼を出す場合もある。それからそうでなくて、このボーイは全然何もしてくれなかったから、やるのはいやだ、幾ら親切そうにしていてもあれはだめだ、一銭もやらないということで、チップ問題については外人の中には非常に割り切って考えている人がございます。 それからもう一つは、たとえば自分が非常に世話になったメードなんかについては封筒の中に感謝状をつけて出す、ほんとうの意味のお礼を出す場合がある。そんなものも受け取ってはいけないかどうかという問題になりますと、これは非常に微妙な問題になります。実際このチップの問題は、日本においては大体チップは受け取らないというシステムになっている。それで満足しているお客さんには、それでよろしい。しかしそれでなくて——交通公社では旅行する場合には絶対チップは要らないということをお客に言うのでございます。チップはインクルードだから心配する必要はないと言いましても、いや、それはわかっている、しかし私はあげたいのだということでチップを出される方があるのでございます。そういうような人たちの好意は無にするとまたたいへんなことになりますから、私はそういう場合には一応、あげて一おいたらいいでしょうというふうに言っております。ですから、チップの問題はなかなか複雑な問題でございまして、サービス業者は全部チップを取ってはいかぬということになると、非常にむずかしい問題が起こってくると思います。ここに日観連の方がおられますが、日本旅館の場合はチップ制度が非常に複雑なんでございまして、普通のホテルよりも日本旅館のほうはそういう点が複雑で、旅館ごとに方針が違っている場合がありますが、私どもついていって、一がいに、チップはインクルードだから心配する必要はないということを言い切れない場合に出くわすのであります。石川さんのところは絶対にそんなことはございませんけれども、日本旅館に泊まりますと、そういう点に特別の配慮を払わなければならぬ場合がございまして、非常にむずかしい問題だと思います。 もう一つ、いまのガイドが、みやげものを買わせる、ドルを落とさせるという点でございますが、これはまさしく石川さんがおっしゃってくださいましたように、ガイドの口一つという点が非常に多いのでございます。でありますが、私ども通訳協会の会員でありますガイドは——ガイドがもう一つ持っていなければならぬ知識は商品学であります。いい品物を外人に売る、この商品学の知識をやはり勉強するのでございます。いい品物を外人に売らせていくということを根本問題にしております。そういうことにも努力いたしております。 ただ、こういうことが最近起こっているのでございます。つい二、三日前にあの有名なカロニアという船が入ってきました。トーマス・クックという世界一の旅行業者が扱っている観光船で、毎年四月初めに日本に入ってくる。私ちょうど病気上がりなものですから、団体旅行につかずに個人についたんで、十四年間毎年日本に来ているが、カロニアで一番大きな、一番スイートなキャビンをとっているお客さんについたわけでございます。そのお客さんが上陸早々私に何と言ったかというと、どうして日本はこんなに物価が高くなってきたんだ、日本に十四年来ているけれども、日本に来て買うものが一つもない、なぜなら高過ぎる、香港に行ったら、香港のほうがずっと安い、なぜ日本ではこんなに物価が高くなった、こう私に言う。そういった話のうちに、おもしろいのですが、キング・クラブ・ミートという一流メーカーのカニかんを買いたい、どうしたんだと言ったら、非常においしい、船の中で特別料理をしてもらいたいから二ダースばかり買いたいというので、私、横浜の町のちょっとした食料品店に入った。私が幾らだと聞いたら三百二十円だという。それで私、客に三百二十円だが二ダース買うかというと、二百八十円にしろという。なぜ二百八十円にしろというのか、国に帰ったら二百七十円で同じものが買える、日本のほうが安いと思うのに、日本に来てなぜ五十円高く払わなければならぬか、一シリングよけい払わなければならぬ、そんなばかな理屈はないという。そのために、十四年間来ているその女のお客はとうとう買って帰らなかった。香港はフリーポートで自由関税の国でありますから、日本の品物より安いのはあたりまえであります。私どもは、どうして日本で買わせるように客に言うかと、いますと、もし香港に行っている日本のものを買うとしたら、それは日本では全部ストックで、いわゆるほんとうのザ・ニューエスト・モデルじゃない、トランジスターラジオにしてもカメラにしても、二流品、三流品、あるいは年度の型のおくれたもの、それが向こうに行って売っているのである、もう一つは、香港に行ったものを買ったとしてもギャランティーできない、日本のメーカーのものならギャランティーできる、しかし香港で買ったものでもしいたんでおっても、日本のものでも保証できない、ですから日本製のものでほんとうにいいものを買うなら、こちらでお買いなさいということを言いますので、正直いいますと、日本で買っていくほうが多い。たとえばトランジスターラジオの一番新しいモデルを二十台でも三十台でも客が買っていっております。私が非常に気がついているところでありますが、たとえばライカのM3という新しいカメラを香港から来るお客さんで買う人はたくさんありませんし、ニコンの新しいモデルのもの、最新のモデルのものを香港から買ってきて、これを安く買ったぞと言って私たちに見せている者もないのであります。私考えるのでありますが、要するに、日本のメーカーはストックになると香港にダンピングして持っていっているのじゃないか、そして外貨を獲得しているのじゃないか、ですから、一方では新しい品物は日本で売っている、そして外貨獲得をはかっているのじゃないか、これは私の推測でございますが、そういうことをしているならば、両方の意味で外貨を獲得しているのだから、そう香港の安い品物を安いからといって心配する必要はないじゃないかということを考えているのでございます。 それからシルク、絹物については絶対日本で買っております。香港のシルクはシナの絹でございまして、日本のものと全然違います。デザインが違うし、光沢が違う。だから、絹物のような純粋の日本のものは決して香港で買わないで日本で買うのであります。これは一般的にいいまして、免税品はいま二十二品目ございますが、これをもっと広げていただきたいということが一つ、それからできるだけ安くして、これは物価政策にいくのでございますから、とても私どもの範囲内のあれではできない。とにかくアメリカのドルの引き締め、ことにケネディのドルの引き締め以来日本でドルを落とすアメリカ人のさいふのひもは非常に固くなりました。業者間で、みやげもの品店なんかは数年前から比べるとおそらく半分以下になっているのじゃないかと思います。それほど一番大きな購買者であるアメリカ人はドルのさいふのひもを引き締めているのでございますので、そこを何とかしてドルを落とさせようというのが私どもの苦心するところでございますが、そういうところが実情でございます。
○勝澤小委員 それでは、時間がありませんので、簡単に上月さんに営業保証金の問題、取りくずしの問題と、それから最低どれくらいが一体妥当なのか、この二つの点。 それから石川さんのほうに、旅館に泊まるとサービス料というのがあります。サービス料というのは大体どういうふうに使われるのもかという点と、それから私も最近観光業者の融資を扱ってみて、なかなかめんどうなことだという点をつくづく感ずるわけですけれども、金を借りることですから、そう簡単にとはいかないでしょうが、何か皆さんのほうから考えて簡単にする方法はないだろうか、あるいは前の運輸大臣の小暮さんも、日本旅館の広間ですか、こういう問題についてはやはり少し検討すべきだという意見を言われているわけでありますが、われわれとしても同意見であります。こういう問題について何かお考えがあればお聞かせ願いたい。
○上月参考人 勝澤先生から御質問がございました営業保証金の問題についてお答えいたします。これは私どものほうから幾らにしていただきたいということは実は申し上げられない、と申し上げますことは、ほかの業種でやはり営業保証金を納めていらっしゃる、そういったものとの振り合いがあるからというふうに従来承ってきております。私をして言わしむれば、幾ら保証金を積んでいただいても、かりに債務不履行のまま行方不明になって、警察もどうしても調べていただけないとなったら、幾ら営業保証金を積んでいただいても還付の請求はできないという実情でございます。できるならば、ネコもしゃくしもと言っては失礼ですが、することもない、ひとつ旅行あっせん業をやれば営業保証金も安いから電話一本でもやってみようかというふうなものを押える意味において、ある程度の営業保証金を取っていただいて、そういったあっせん業者が営業ができないような方策を未然にとっていただければいいんじゃないかというふうに考えます。
○石川参考人 ただいま御質問のサービス料の件でございますが、サービス料の扱い方につきましては、旅館によりましてかなりいろいろ違う扱いをしておると思います。私のうちの扱いは、サービス料はこれを全部まとめまして、そしてこれを女中さんのものということに考えまして、女中さんの年数あるいは休日等、そういった稼働日数等に応じましてこれを分配する、こういうふうなことにやっております。旅館によりましては、これを全部経常費に上げてしまいまして、この中から定給を払い、それを全部一括してお店の経常費にいたしまして、そして、別に能率給あるいは定給等に分けて出しておるような旅館もございます。私のところはいま申し上げたようにサービス料は女中さんのものであるということで、それをそのまま還元するという方法をとっております。このことについていいか悪いかはまたいろいろ研究したいと思っておりますが、そういう扱いをいたしております。 なお、金融の問題でございますが、金融の問題につきましてはなかなか簡単にということはむずかしいことでございますが、ただ中小企業金融公庫のお金をお借りしたいとか、あるいはまた開発銀行のお金をお借りいたしますには、まず静岡の私のところといたしましても、名古屋の陸運局を通じまして、それから運輸省のほうを通じまして、それからなお銀行に参りましてお借りをするということになっておりますので、実はいよいよ建築を始めようというときに際しましては、なかなか日数もかかりますので、予算が足らなくて非常に困るというような面が多々出てまいります。そういうことでありますので、でき得れば窓口を一本にしていただくような方法ができないものかということを考えるわけでございます。ですから、私は運輸省なら運輸省一本、陸運局も運輸省でございますけれども、あるいはまた陸運局のほうが地方の実情をよく知っていらっしゃるので、陸運局なら陸運局のほうにこの窓口を移すとかなんとか、ひとつそういう手続の面におきまして簡素化がお願いできれば、いろいろ計画をいたしますのにも非常にけっこうなことだというふうに考えております。
○高橋小委員長 なお、秋田参考人から発言を求められて一おりますので、これを許します。
○秋田参考人 簡単に運輸委員の諸先生方にお願いを申し上げたいと思っておりますが、御承知の新幹線がいよいよできることになりまして、これができましたならば、すぐとは申しませんが、近い機会にぜひ修学旅行生を乗せる列車をつくることに御協力を願いたい。と申しますのは、おそらく修学旅行のとき以外にはもう生涯乗れないと思われるような子供も非常に多いと思いますし、日本が世界に誇れるものを子供の身に感じさせるという点に非常に教育的効果があると思いますので、この点ぜひいまのうちからお考えをいただきたいと思います。 次に、僻地の学校の子供が非常に困っている問題が一つございます。それは二十五人以上という団体割引の対象にならないほど小さな学校の子が、しかも一番生活に困っている地域の子供たちが非常に高い費用でなければ旅行できない、こういう点につきまして何か特別な措置をとるように、ひとつ諸先生方に今後御研究をいただきたい。と申しますのは、運賃の割引の問題と、中には山間僻地で交通機関がない、そういうようなところには自衛隊のジープを借りて、交通機関のある場所まで連れていってもらえるようなことができないものか、あるいはまたバスにしても旅館にしても、十人や十五人の子供の取り扱いを喜ばない、しいてお願いするとみな高い料金である。それから、バスのごときは貸し切りはとても負担できないので、混乗しておる。そのときに、観光シーズンになりますと、生徒十五人につきましても、乗せるのにひと苦労している、こういう実情がございますので、これも何か先生方のお力添えをぜひ拝借いたしまして、解決さしていただきたいと思います。それだけちょっとお願いを申し上げておきます。
○大谷参考人 旅館全般のお話をちょっと申し上げたいと思うのですが、いま問題になっておるのは、税制と金融と労務管理であります。それで最も立ちおくれておるのは労務管理の問題でございまして、これを軌道に乗せるのにいろいろと苦心しておるのが中小企業者、特に中小企業の分野において零細企業に属するわれわれ旅館の大きな問題であります。これを解決するのに一挙に法令に基づいて強権的にやるということだけでは事がスムーズに進まぬので、一歩でもよりいい姿にアプローチしていこうということで、現在、先ほど石川参考人から申し上げましたサービス料という問題について、非課税を要望しているわけでございます。特に委員の皆さまには御認識をいただきたいのでございますが、現在の零細企業あるいは中の下くらいの企業体では、この労務管理というものを軌道に乗せていかなかったら、従業員が来なくなってしまうというのが経営者の悩みであります。これをひとつお客さんからサービス料をもらったものを最低賃金制できめられた賃金の中へ算入していこうという考え方を過渡的に持っておるのがわれわれの考えでございまして、そうすると労賃の一時預かりということになる。料理飲食等消費税のたてまえからいうならば、消費税というものは、どんな収入であるにしろ、全面的に頭から課税していくべきだという議論、自治省あたりではそういう見解をとっております。またあの税制ができたころは、そういうのは客観的に見て全国の企業体の中の大多数がそういうふうな営業者の収入ということになっておったと思うのでございますが、今日においては明らかに営業者の収入でなく、一時お預かりして従業員のための福利厚生あるいは給与に算入ということで、みんな入れているわけでございます。したがって、サービス料まで課税するということは、勤労所得に対して課税するという二重の課税になるので、これはひとつ軌道に乗せてある一定の線を引いていきたいというようにかねがね考えておりまして、最近自民党の税制小委員会にもこれを強く要望しましたら、これは大いにけっこうな話だから、考えていこうというような段階にきておるわけです。 もう一つ、企業性を維持するために零細な業者は自主償却制度というものを特別に考慮していただきたいと思います。現在は、法定耐用年数制をとっておりますけれども、企業全般の総合的な償却制を考えていくならば、これだけを認めていただけなければ、これは採算がとれぬという企業があるわけです。そういうものに対しては、企業性を維持し、健全な経営を推進する意味合いにおいて、広い意味では中小企業に対する対策の一環としてそういう制度をも考慮していただきたい。これは外国の例では、そういう個別承認制度というのはあるわけです。たとえばあらゆるものは耐用年数何年と内規できまっておるのです。で、経営主が耐用年数はこのくらいにしてもらいたいと申告した場合に、それに近い線で話し合いできめていく。法定主義でなく、そういう制度を採用している国が先進国にあるわけでございますので、特に中小企業対策の一環として大きく考えていただきたい。特に観光業者においては投下資本のわりに収益率が低い、資本装備率も他産業に比べて非常に劣勢であるという現状下においては、これを十分考えていただきたい。特に税制の面でございますが、そのことをお願いします。 それから融資の問題ですが、先ほど泊谷委員からの質問がありましたとき、大野参考人が国際観光旅館連盟の常務理事という立場で限られた陳述をしておりましたから、私申し上げますが、政府登録旅館を含めた国際観光旅館連盟というのは、全国の六万四千の業者のうちの一割に満たない業者でございます。とにもかくにもそういうところは財政投融資の対象になって、全般的な企業内においては恵まれた存在であることは、国際観光ホテル整備法その他によって明らかになっておるとおりでございますが、それ以外の旅館に対する融資というものは率直に言って全然なっていないと言ってもいいわけです。中小企業金融公庫に至っては国観連が三千万、日観連級が一千万、それ以外の旅館は全然明示されておらないのですが、それ以外の旅館というものは非常に間口が広いのです。けれども貸さないとは言わない。国観連級、日観連級に準ずる設備を保有しておるもの、会員でなくてもそういう設備を保有しておるものということで、多少ぼかしてはありますけれども、全然これは問題にならぬような状態でございます。 それ以外の旅館というものは、政府の財政投融資の対象になっておりませんので、先般、佐藤榮作氏が大蔵大臣のとき、私は極力お願いいたしまして、大蔵省の当時の中小企業金融課長であった磯江さんが、まことに気の毒だ、ひとつ国民金融公庫の指定業種の十六番目に、たいへんおそくなったけれども指定してあげよう、そうして融資限度も当時個人五十万、法人百万を、個人百万、法人二百万まで引き上げていただいたわけです。形の上では一応対象になっておりますが、個人百万の金をかけて部屋の増改築をしたときに幾部屋できるかということを考えますときに、これまたたいした問題にならぬようなわけでございます。私は政府登録国観連、日観連を含む全国六万四千軒の連合会の専務理事として、特にこういう格差があって、あまりにもまま子扱いが同じ業者の段階でも顕著にあらわれてきつつあることを非常に憂慮しておる一人でありますので、特にこの点につきましては御配慮をいただきたいと思います。それだけ申し上げます。
○遠藤参考人 簡単にお願いしたいのでありますが、実はガイドは、御承知のように、国家試験を受けておるわけであります。それで試験を受けた者が免許証をもらって業務に従事するということになっております。先ほど石川さんからもお話がございましたように、試験制度というものは現在は大学の資格試験のような形でございまして、一定の学術試験に合格すればガイドの免許証がとれるということになっておりますので、むしろガイドの試験で免許証をとった者は、ガイドの業務に従事するよりも、それを会社に入社する一つの資格試験として利用しているという面が非常に多いのでございます。そのために、実際にガイドとして仕事につく場合に、石川さんからお話がありましたように、いいガイドもおれば悪いガイドもできる、こういうことが生じておるのであります。ガイドの試験方法について、ガイドの側としては非常にいろいろ問題がありまして、関係当局の方にも個人的にもお話もし、あるいは理事会においてもお話しておるのでありますが、何しろ三千人も七千人もおるというと、十分な試験ができない。勢い筆記試験に重きを置くということになってしまう。ところが、筆記試験に重きを置くと、結局はいいガイドが得られない。御承知のように、調理士でもあるいは昔の医師の国家試験でも、そういうものでもすべてやはり業者の経験者が試験委員になっておるのであります。現在では、何にもガイド業務に知識のない大学の先生あたりが試験委員になって、試験問題を出題しておる。そういう角度で試験をされても、ほんとうのいいガイドが得られるかどうかということは非常に疑問でありますので、通訳協会といたしましては、少なくともあっせん業者あるいは旅行業者、それからわれわれガイドの有経験者で、経験が相当深い者、そういう者が試験委員に加わって選考するということになれば、もっと実際に役に立つガイドが選ばれるのではないか。試験方法としては非常にむずかしいということを関係当局から承っておるのでありますけれども、何とかしてそういう点を十分に加味した試験にしていただければ、もっと役に立つガイドがすぐに出てくるのではないか、こう期待されるのであります。この点を諸先生によろしく御理解をお願いいたしたいと思います。
○高橋小委員長 ほかに御質疑はございませんか。 この際、参考人各位に対しまして小委員会を代表して一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、貴重な御意見を承り、まことにありがとうございました。本問題の今後の調査の上に非常に参考になりましたものと思いまして、厚く御礼申し上げます。 次会は、公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時五十一分散会