運輸委員会 第28号
- 発言数
- 166 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1964/04/21
会議録
○川野委員長 これより会議を開きます。 陸運に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。壽原正一君。
○壽原委員 ちょっと速記をとめてください。
○川野委員長 速記をとめて。 〔速記中止〕
○川野委員長 速記を始めて。
○壽原委員 警察庁の交通局長さん、お急ぎになるようですから、警察庁のほうからちょっとお尋ねしておきますが、現在まで東京都内の乗車拒否問題が非常に多かった。そこで、これを警視庁と陸運局が取り締まっておるのですが、この件について相当成果があがったやに聞いておるが、どの程度の成果があがっておるのか伺いたい。
○高橋(幹)政府委員 乗車拒否問題につきましては、ただいま御質問のとおり警視庁と陸運局におきまして、業界等の協力を得て取り締まりをやったわけでありますが、警視庁といたしましては、銀座地区その他乗車拒否の行なわれますような地域に対して、特別の捜査班と申しますか、取り締まり班を編成いたしまして取り締まりをいたしまして、相当の検挙件数をあげました。これを陸運局に通告をし、さらに必要なものについては送致その他の手続をとったわけでございます。ただしかしここでお断わり申し上げておきますが、その取り締まりの過程におきまして、必ずしも乗客の十分な御協力の得られない面も相当ございまして、そういう面につきましては、乗車拒否の取り締まりということについては、取り締まりの技術上たいへんむずかしい問題がございます。乗車拒否そのものを単に取り締まるだけで解決をするということはとうてい不可能でございまして、陸運行政その他の関係の総合的な対策を講ずる必要がある、こういうふうに考えております。
○壽原委員 運輸省自動車局長にちょっとお伺いするのだが、いま警察庁でお答えになっておったのですけれども、この乗車拒否を摘発した件数、それからこれに対する処置、この点を明らかにしておいてもらいたい。
○木村(睦)政府委員 特に東京都区内の乗車拒否に対しまする取り締まりは、先ほど交通局長から申し上げましたように、警察と協力してやっております。この乗車拒否の取り締まりは昨年あるいは一昨年来やってまいったわけであります。ことしの一月まで一年間を見ますと、件数としてあがったものが六百六十件ばかりございます。そのうち証拠に基づきまして詳細調査をいたしまして、車両の使用停止あるいは警告等をやっておりますが、一年間で車両の使用停止をいたしましたものが百五十二件、なお確証その他が得られないために処分のしようのないものが三割程度はあるやに思います。ことしに入りまして、特に三月以来特別の取り締まりをやりました。これも警視庁の協力のもとにやってまいったわけであります。最近、そのつど、まとめまして、取り締まりの結果処分をいたしてまいったわけでありますが、この統計は確認いたしておりません。
○壽原委員 最近の運転者の不足という問題は、これはもう全国的になっておる。乗用車、バス、人間を運ぶ運転者は二種免許を持たなければならぬ。二種免許を持っておる運転者が非常に不足をしておる。増車の数と運転者の育成その他の問題とは非常にアンバランスを来たしておる。一年間に大体日本全国でもってどのくらいの二種免許の運転者が合格する率があるか、この比率とそれから受ける数と、何が一番ネックになって免許を受けれないか、これをちょっと聞かせていただきたい。
○高橋(幹)政府委員 昭和三十八年度中の第二種免許の受験者は二十六万四千八百七人という数字でございまして、その中で合格いたしましたのが五万二千八百十九という数字がございます。したがって一般的に申し上げますと、二種免許の合格率は約三〇%である。ただいま御指摘のような運転者不足という問題につきましては、昨年来運輸省の自動車局長のほうともよりより協議をいたしておりまして、私どもといたしましては二種免許それ自体にももちろんいろいろな問題点があることは承知いたしておりますが、運転者不足という問題は単に二種免許だけというふうに割り切ることもできない、その他の一般的な問題もございますので、私どもといたしましては、免許行政に関する限りにおいて従来いろいろと検討をいたしておりますので、その検討の成果を、近く法律の改正を要しない面——政令以下の段階におきましていろいろと研究をいたしたい。また御質問に応じましてお答えをいたしたいと考えております。
○壽原委員 二種免許を受けるということで、学科試験と実地試験があるわけですね。その学科試験の合格率あるいは実地試験の合格率、この比率はどうなっておりますか。
○高橋(幹)政府委員 どうも私の手元にその資料がございませんが、大体従来のいろいろな実例を検討いたしますと、最近はいわゆるペ−パー・ドライバーという、三年前に試験はとったけれども、その後運転の経歴がないという者で二種免許を受ける者が相当多い。そのために、私どもいろいろ実地検査をいたしますと、案外三年もたっておって技能試験に合格のできない水準の低い者が相当おるということで、そういう意味においては一般的には技能試験の水準は高い。しかしあと法規試験その他の問題になりまして必ずしも十分でないというところで、私どもといたしましては、試験のやり方というものについて具体的に検討をして、少しでも合格率を高めるという方向に考慮しなければならないのではないか。特に法規その他いわゆる筆記試験というものについては相当考慮を要するものがあるということで、現在研究いたしております。
○壽原委員 学科試験がめんどうだということで合格率が低いように聞いておりますが、二種免許証——人命を預かるという車を運転させるのには、学科試験よりも実地に重きを置かなければならぬということも私が申すまでもないところでありますが、それでは学科試験をもう少し簡略にして、技術面に最重点を置くという点は考えられないかどうか。それからいま一つ、事故を起こすという問題が視点であるから、二種免許証の使用地域、要するに六大都市、それに準ずる都市以外は二種免許の学科試験を省略して実地だけでこれを行なわせる、あるいは三年間の据え置き期間というものを一年にするとか二年にするという便法を講ずるような考えがあるかどうか。
○高橋(幹)政府委員 私どもといたしまして、昨年来運輸省の自動車局それから業界の関係の方々と運転者対策協議会というものをつくりまして鋭意研究をいたしておったわけでございます。その結果、いま御指摘のような運転資格の年数の制限二年という問題でございますが、これの範囲を拡大することについていかがであろうかということで、この点について私どもとしては近く成案を得て具体的にやりたい。たとえば二年の範囲を、いまある程度列記されておりますものの範囲をふやしまして、それの適格なものの範囲をふやしていきたい。この点については現在検討中でございますので、ここでお答えできませんですが、近く成案を得て必ず実行いたしたい。 もう一つの、試験の適正化の問題でございますが、この点については、先ほどお答え申し上げましたように、試験のやり方というものをもう少し考えなければいかぬということで、学科試験のやり方等については、私どものほうの係官をして六大府県等のそれぞれの試験場の二種免許の試験のやり方を監査いたしまして、その結果、たとえば、率直に申し上げて、非常に国語の能力が不足している、あるいは、理解力が足りないという面もございますので、こういう運転者にふさわしいような問題を出して、しかも、私どもの事故防止とかその他の交通警察上の条件が確保されるというようなことを考えて、試験の適正化という問題については、これも近く踏み切りたい、こう考えております。 その他、私ども、陸運局、特に自動車局に申し上げていることは、いわゆる旅客自動車教習所というものがあるのですから、せっかくこういう制度がある以上は、これの指定——私どもの公安委員会のほうの指定によりますれば、ここを卒業した者は二年でできる、三年が二年に短縮される、そういう意味におきまして、教習所の充実ということもお考えにならなければいけないということで、やはりみずからの力で運転者不足というものを解決していくということも御努力願わなければならないのじゃないか、こういうふうな点もございますので、いま申し上げたような点を考慮いたしまして、近く実行に移したい、こういうふうに考えております。
○壽原委員 そうすると、現在、なかなか運転者の急激な養成はできないというように解釈する。 そこで、運輸省にちょっと尋ねるのですが、運輸省側の考え方は、輸送力の増強ということになっておるのだが、ただいたずらに自動車だけをふやして、これが増強という点になるような行政を現在行なっているように私らは見ておる。そこで、いま警察庁のほうでは、なかなか運転者の増強もはかどらないような様相であるが、これに伴って自動車だけをふやす、そうして、運転者の不足ということは、おまえのほうは運転者のほう、おれのほうは自動車のほう、こういうかってなばらばらの行政であっていいかどうか、そういう点について運輸省の考え方をお聞かせ願いたい。
○木村(睦)政府委員 タクシーというものは利用者の、市民の利便の増進にあるわけでございますので、需要に対して、それにこたえるだけの輸送力の供給をやるということは、陸運行故としても一番大切なことであると思います。しかし、御指摘のように、車だけふやすことによってサービスは提供されませんので、車と運転者の確保両々相まって初めて輸送力の増強ができるわけであります。運転者につきまして、先ほど来お話がありましたような実情でございますので、この運転者の不足の状況のもとにおいて、やはり需要者の要求にこたえるために、輸送力の増強措置を講じてまいるといいますか、実は、昨年も相当数の輸送力をつけた。しかし、運転者の不足状況を考慮いたしまして、何回かに分けて、しかも、運転者が確実に確保できておるかどうかということを確認した上で、必要な車をふやしていくというふうな方法をしてまいってきております。しかし、結果は、やはり依然として運転者は足らないということでございますが、今日の状況から、需要供給の点だけから見ますと、やはり需要のほうが上回っておると陸運局としても判断いたしております。そこで、その面からいいますと、輸送力の増強を今後ともつけるべきであるという結論ではございますが、これを実際具体化するにあたりましては、特に最近の運転者の不足の状況、したがって、どういうふうにして充足できて増車ができるかということは慎重に考えて、その時期なり方法については、車と運転者と相まって増強できるように措置を講じていきたい、かように陸運局も考えております。
○壽原委員 自動車局長の話を聞くと、もっともらしい話をしておるのだが、実態はなかなかそういう状態に入っておらぬ。そこで、例を東京にあげるというと、東京で六千台の増車をするという状況になっているようだが、六千台の増車をするというと、一万五千人の運転者が必要になってくる。そういうふうになったならば、現在営業状態を見るというと、約二割強の自動車が運転者不足のために休んでおる。それになおかつ六千台増車するということは——運輸大臣が先般の記者会見の席上ではっきりそれを言うておる。そういう数字にとらわれて六千台の増車をするということは、なおかつ輸送力の低下、悪質運転者のばっこ、経営の不振、こういうような状態が重なることを承知でそれを言い、また、陸運局長の話によるというと、どうも運転者の需給状態とこちらの考えておる輸送力増強の問題とはアンバランスになってもかまわない、これは既定方針どおり増車をするという、いわゆる各地方陸運局長の考え方が非常にそういうふうにこだわっておるようだが、あなたのほうの行故指導というものはそういうふうにしてあるのかどうか。あなたのいまのお答えだというと、そういうような状態には聞いておらぬが、実際に、実態は、地方陸運局長の考え方はそういうふうになっているということは、あなたは承知かどうか。承知していないならば、将来そういうふうに指導するということをここではっきり言えるかどうか、この点を……。
○木村(睦)政府委員 東京におきまして五、六千両の輸送力の増強が必要であるということは、需要供給の面から見て、そういう必要があるという意味で大臣も申し上げたのでございまして、これを実現するにつきましては、先ほど申し上げましたような運転者の確保の対策等いろいろあるわけであります。したがいまして、もちろんこういうことを無視して一挙に六千両なら六千両を直ちに増車するといっても、これは不可能でございます。また、実情に合いませんので、そういうふうな目途のもとに、現実的に運転者の確保その他の状況を見ながら具体的な計画を立てて、東京におきましても、陸運局長が輸送力の増強をしてまいる、かように考えておりますし、当方もかように指導いたしております。なお、地方につきましても、車だけふやして一向足れるものではありませんので、申し上げるまでもなく、陸運局長は、十分そういう点は承知しておるわけでございます。私のほうからも重ねてそういうことは遺漏のないように指導したいと思います。
○壽原委員 よく指導してもらいたいという点は、私が地方を各地歩いて見てみると、非常に陸運局長の行政がばらばらな行政をとっているというふうに考えられるので、その点をあなたによく注意をしておきたい。 そこで、運賃の問題にちょっとさわってみたいのですが、現在、バス、地場トラック、通運業者、あるいはハイヤー、タクシー、これらの運賃が非常に各地ともばらばらな情勢になっておる。そこで、運輸省当局としては、この運賃を上げるとか上げぬとかいう問題ではなしに、隣接地帯が非常にでこぼこが多い、これを是正する考えがあるかどうか。また、是正できるかどうか。この点をお聞かせ願いたい。
○木村(睦)政府委員 自動車関係の運賃料金につきましては、昭和三十六年ごろ以降、相次いで運賃の認可申請が出てまいっております。現在までに、事業の種類によって差はありますが、値上げを実施しておるところもございます。交通関係の料金は、申すまでもなく、企業の経営の内容等につきまして厳重に検討いたしまして、健全な経営ができる運賃にすべきでございますが、同時に、一方、競合あるいは競争しております隣接の交通機関について運賃の格差があっては、輸送の調整上問題でございますので、そういった意味におきましては、隣接する他交通機関との運賃調整という考慮も必要でございます。したがいまして、今日までの運賃改定をいたしたものにつきましては、隣接の交通機関との運賃調整上の手直しもいたしてまいっております。今後ともこのやり方には変わりはございません。ただ、一方において、交通事業に関する運賃でございますので、調整の必要上運賃改定する場合にも当然そこは値上げということになりますので、その点はやはり原価その他につきましても慎重な検討をいたす、この二つの考え方に立って運賃改定を今後とも実施してまいる予定でございます。
○壽原委員 企画庁長官にちょっとお伺いしたいのですが、いま陸運当局の考えはでこぼこを直さなきゃならぬ。そこでこのでこぼこを直すためには、公共料金ストップというような閣議了解事項になっているために、この運賃のなかなかでこぼこを直すのにも情勢を見なければならぬというような答え。それから運賃が上がらぬということでバス業界から今回裁判をされておる。これは政府に向かって裁判をしておる。この裁判に対する政府の考え方、なぜこういうような裁判を起こされなければならなかったかという点の企画庁長官としての考え方、これをちょっと聞かしてもらいたい。
○宮澤国務大臣 従来から私どものほうといたしましては運輸省の協議を受け、あるいは事案によりましては協議なしで各地方のタクシー料金その他の値上げが行なわれておったわけであります。当然その場合に運輸省としては、特定の会社だけでなく、その地域における公平化というものもお考えの上で行政をしておられるはずでございますので、現在そういうアンバランスが地方に存在しておるということは私は存じません。おそらくはそういうことなしに、当然地方のバランスを考えて運輸省で行政をなさっておられるものと思います。と申しますのは、一県全部にわたるようなタクシー料金の改定であれば、従来企画庁が協議を受けておりますけれども、そうでございません場合には、運輸省独自の立場で処置をしておられるわけでありますので、当然そういう行政をしておられるものと考えております。 なお、バスにつきまして訴訟が提起されたということは承知をいたしておりますが、いかなる理由からかような訴訟が起こされたかということにつきましては、直接の担当であります運輸省当局からお聞き取りを願ったほうがよろしいのではないかと考えます。
○壽原委員 それでは重ねて聞くが、一県全部値上がりしないということについては、あなたのほうでこれは干渉しないというのですか。
○宮澤国務大臣 それはこういうことであったわけでございます。何分にも運輸省関係の公共料金の項目が非常に多うございます。何万という項目があるよしでありまして、したがって行政の煩を除きますために、昭和三十六年であったかと思いますが、あるいはそれより多少前であったかもしれません、運輸省と企画庁との間に覚え書きの交換がございました。それによりますと、地方的なきわめてローカルなものについては一々御協議をなさるに及ばない。きわめてローカルなものということの考え方は、これが全県にわたるといったようなものについては、これはやはりかなりの影響があるもの、こういうふうに考えるが、全県にわたらないその一県の一部分のものについては運輸省独自のお考えで処置なすってけっこうである、ただし東京都については、これはいかにも影響するところが多うございますので、この例外とする、そういう覚え書きが従来あったわけでございます。
○壽原委員 それではちょっとお伺いするが、いま六大都市の中で名古屋が料金が上がっておらない。それからほかの五大都市は全部上がっておる。そこであなたのほうの調べでは、タクシー、ハイヤーの料金が上がった地域と上がらない地域、これによっての物価の上がった比率、これがどういうふうになっていますか。どういう比率になっているか。上がったところと上がらぬところの物価の比率、上がったために物価がこれだけ上がった、料金を押えておるためにこれだけまだ上がっておらぬとかという比率。
○宮澤国務大臣 私のほうといたしましては、現在どの地方からどういう値上げの申請があるかということはわかっておりません。と申しますのは、正式に申請があれば正式にやがて協議を受ける立場にあるわけでございますけれども、ただいまタクシーについて協議を受けて留保をいたしておりますものはございません。したがってどの地方にそういう要望があるかということは、あるいは運輸省に対して申請等があるかと思いますが、私どものほうではわかっておりません。 それから、それと従来値上げが認められました地方におけるその地力の消費者物価とどういう関係があるか、こういうお尋ねであろうと思いますが、消費者物価の調査は総理府統計局でいたしております。しかも地方別の消費者物価というものはおそらく総理府統計局では地方別ごとにはとっておらないと思いますので、当該地方におけるタクシーあるいはバス等の値上げと当該地方における消費者物価の上昇との関係については、資料がおそらく総理府統計局にもないと思いますけれども、私どものほうには持ち合わせがございません。
○壽原委員 それはおかしいね。このバスあるいはトラック、ハイヤー、タクシーというものの公共料金をストップするということは、いわゆる池田内閣の物価高騰ということからなされた問題でしょう。それを調べないで、ただバス、ハイヤー、タクシーあるいはトラックの運賃を上げることを押えるというのはおかしいじゃないですか。物価、そういう問題を調べないで、ただ弱いものだけを運賃をストップして、その上にあぐらをかいておって、中小企業育成だの何だのというような名文句を掲げておるという池田内閣の性格自体がおかしいと思うのだ。運輸省へ行くと、何と言うとるか。企画庁長官が返事をしないから運賃は上げないと言うておる。どういうことか、ばかな返事をしちゃいかぬよ。
○宮澤国務大臣 事実をそのまま申し上げておるわけでありまして、ばかな返事をいたしておるわけではございません。
○壽原委員 はっきりしなさい、はっきり……。中小企業育成ということは池田内閣のスローガンでしょう。一番困っておるのは、いま中小企業とされておるいわゆるハイヤー、タクシーでも約九〇%、これらの三台か五台持っている自動車の会社が、企画庁長官が返事をしないために、運賃が上げれないと言うている、はっきり運輸省で……。どういうことなんです。たばこなんか吸っていないで、はっきり返事しろ。
○宮澤国務大臣 タクシー会社の料金値上げについて、私どもは現在運輸省から協議を受けている件は一件もないということを申し上げているわけであります。
○壽原委員 それじゃ運輸省に聞くが、あなたのほうへ行くと、閣議了解事項であるから、二台、三台のタクシーでも運賃は上げれないと言うている。それはいま企画庁長官が答えたのとあなたのほうの答えとは矛盾しているのだが、その点のあれはどうなんです。
○木村(睦)政府委員 タクシーにつきましては、東京二十三区、それから六大都市、それから府県一円、そういうものにつきまして一斉に上げる場合に、従来は経済企画庁と協議することになっております。それ以外につきましては、運輸大臣の責任において値上げができるということになっておりまして、その線に従って一昨年以来やってきたわけでございますが、何しろ申請の件数が非常に多い。したがって陸運局の事務能力の関係もございますし、またその他の料金の検討等がございまして、逐次やってまいっておったところへ、ことしの一月の閣議のストップ令で、地方の弱小のタクシー会社の運賃といえども一々経済閣僚懇談会の議を経なければ改定できないということになりましたので、そこにアンバランスが起きておるわけであります。
○壽原委員 いま運輸省で答えているのは、経済閣僚懇談会というものにかけなければならぬという。前には、経済企画庁に相談しなければならぬということをあなたのほうで言っておった。それで、企画庁に聞くのだが、どんな小さなところの問題でも、あなたのほうで承知しなければ、これはできないのか。
○宮澤国務大臣 私どものほうで御協議があれば御協議に応ずる、こういうことになっております。
○壽原委員 それじゃお尋ねしておくのだが、この料金でもって非常に不均衡な個所ができておって、営業状態が非常に困っておるところがある。たとえば隣接地帯で、横浜地区と東京地区。横浜は一八%、東京は一五%、わずか三%の問題をあなたのほうでまかりならぬという命令を出して、三%は許可しなかったそうだ。その点について、三%東京が安いために物価が安くなっておるか。一八%を上げたために、三%高く上げたために、横浜地区の物価が上がっておるか。その点の統計を企画庁として出したことがありますか。
○宮澤国務大臣 そういう統計が本来ないということは先ほど申し上げましたとおりであります。なお、横浜地区でそういう値上げがございましたということは、これは運輸省独自の、先刻申し上げましたような経緯から、判断をもってされたわけであります。東京につきましては、これも先刻申し上げました覚え書きの経緯から私どものほうに御協議がございました。協議の結果、先般認めました値上げ率が妥当なものである、こういう結論に達しておるわけであります。
○壽原委員 企画庁の権限というものは、運輸行政のそういう末端のものまで立ち入らなければならぬ、立ち入るだけの権限を持っておるのですか。
○宮澤国務大臣 本来私はそうでなかったと思います。また、それだけの権限を本来考えられる必要はないものだというふうに私は考えております。しかしながら、昭和三十五、六年ごろの閣議決定がございまして、行政をそういうふうに行なうようにという閣議のこれは決定でございますので、私どものほうで御協議を受けるということになったのでございます。
○壽原委員 先ほど企画庁にお伺いしたところが、バス業界からの裁判の問題、これは所管省である運輸省に聞いてくれという話なんだが、この裁判について、あなたのほうでは、勝てる勝てぬは裁判で決定することであろうが、これが違法になるという点で受けて立つつもりか、これは違法ではないということで受けて立つのか、その見解を伺いたい。
○木村(睦)政府委員 今回東京都内に乗り入れております民営九社が提起いたしました行政訴訟は、政府が運賃認可の申請を受理しておきながら、物価抑制対策として一年間、理由のいかんにかかわらずこれをストップするということが、道路運送法におきまして、運賃というものは適正の原価、適正の利潤を含むものであれば運輸大臣はこれを認可してなければならないというふうになっておるのにかかわらず、外的な事情によってこれを一年間ストップする、また今日までもそういうふうなことをやってきたということが、そういう作為の状況が、道路運送法に照らして違法であるという違法の確認の訴えでございます。訴訟は提起されたばかりでございます。今後訴訟の進行に従って、どういう判決が出ますか、判決を待つよりほかはありません。一応国側としましては、この訴訟の被告の立場に立っておりますので、主張すべき点は十分主張したい、かように考えております。
○壽原委員 いや私はそういうことを——それも聞いておるが、法律に違反をしておるという感じでこれを受けて立つかどうかということを聞いておる。
○木村(睦)政府委員 訴訟自体が、違法であるという訴訟でございますので、違法であるかないかという判断につきましては、これは裁判所が決定する。被告としては、現在政府部内で、どう受けて立つかということにつきまして目下慎重に協議検討いたしておるわけでございます。いま私の口からこれが違法であるか違法でないかというようなことは言い得ないと思います。
○壽原委員 バスの裁判問題について、私は明らかな違法だと解釈しているのだが、閣僚懇談会というものと、法律にいわゆる適正な利潤を含む料金を与えなければならぬという条項があるが、これとは一体どっちが優先するのか、長官、ちょっとその点の見解を聞かせてください。
○宮澤国務大臣 法律家でございませんので、非常に適切にお答えができるかどうかわからないと存じますが、こういう構成になっておるのではないかと思います。国家行政組織法におきまして、「総理府及び各省の長は、それぞれ内閣総理大臣及び各省大臣とし、内閣法にいう主任の大臣として、それぞれ行政事務を分担管理する。」ということが書いてございます。なお内閣法におきまして、「内閣がその職権を行うのは、閣議によるものとする。」また「内閣総理大臣は、行政各部の処分又は命令を中止せしめ、内閣の処置を待つことができる。」こういった規定がございます。なお、「内閣総理大臣は、閣議にかけて決定した方針に基いて、行政各部を指揮監督する。」こういう規定がございます。したがって、運輸大臣は、私のしろうとの法律解釈でございますのでその程度のものとしてお聞き取りいただきたいと思いますが、運輸大臣の主任しておられるところの行政を行なわれるに際して、閣議の意思に従って、そうして閣議にかけて決定した方針に基づいて行政を行なわれる、このことは国家行政組織法並びに内閣法の趣旨とするところである、こういうふうに考えております。
○伊能委員 関連して——その点について一言私は申し上げたいのですが、「各省大臣は法律に基づいて」と書いてある。その点の関連の解釈がただいま何らなかった。その点の御説明を願わないと、明確でない。
○宮澤国務大臣 そのとおりでございます。閣議といえども法律に違反した決定をすることはできないわけでございます。したがって、運輸大臣は当然所管をしておられます法律に基づいて適正な行政行為をしておられるものと考えるのであります。
○伊能委員 そうすると、道路運送法策八条二項の法律に基づいておるかどうかということになって、その内容が、私は法律問題になると同時に事実問題でもあると思うのですが、今日までの通常解釈からいけば、常識上私は、今回の政府の措置は、政府部内の措置としてはただいま経済企画庁長官のお話のとおりであるが、一応法律との関連においてはそれが法律に基づいたものだとは理解しがたい。この点について、これは裁判所のきめるところだ、こう一言でさいぜん自分らは非常に慎重な検討を遂げると自動車局長は言われましたが、私は従来の行政の取り扱い並びに官庁が法律に基づいて行なわれる行政の取り扱いから言えば、閣議の決定が法律に優先することはない、こういう意味において法律上非常な疑義がある。したがって、この問題を処理されるにおいては、法律上この閣議の決定が妥当であるかどうかの審議は政府として当然なさるべきである。その点の審議が閣議においてなされたかどうかということを経済企画庁長官からお伺いしたい。
○宮澤国務大臣 先刻行政組織法あるいは内閣法を御説明いたしましたのは、これは通常の場合運輸大臣のいわゆる専管事項でございますけれども、このような場合にはそうでない場合があり得るということを御説明いたしましたにとどまるわけであります。しかしながら、いかなる閣議の決定といえども、法律に反するようなことを各大臣になさしめるということはあり得ない道理であります。したがって、この問題については、運輸大臣御自身からお答えがあるのが本来だとは思いますが、私の考えますところでは、運輸大臣はそのような閣議の決定を頭に置かれながら、なお御自分のなさる行政措置が特定の法律に違反していない、そういう範囲内で行政をなさらざるを得ないので、違反をしておる行政をなさることはあり得ないことだと思います。したがって、そんたくをいたしますのに、適正な原価、適正な料金といったような観念はかなり幅の広い観念でございますから、運輸大臣のなされあるいはなされなかった、つまり作為あるいは不作為によるところの行政は、その法律の範囲内において可能なものである。このような所見をとられたものというふうに私はそんたくをいたします。
○壽原委員 作為、不作為という問題は別として、運輸大臣のいわく、私は中小業者が非常に困っておる現状を見てどうしても料金の是正をはからなければならぬと考えておる、こう言っておる。ところがあなた方企画庁としては、タクシー、ハイヤー並びにバス、トラック、これらの業界に対してどの程度が適正な利潤を生むかといういわゆる八条の二項の問題は一体どう考えるか、また著しく経営困難におちいった者に対しては何か特定な方途があるやに聞いておるのだが、その著しく困難におちいった経営というのはどの程度のことをいうのか、その点をはっきりしていただきたい。
○宮澤国務大臣 本来私企業でございますから、株主に対して一定の配当をなし得るということは私は大切なことだと思います。長期にわたって株主に対して全然配当をなし得ないといったような経営は、これは適正に行なわれておる経営というふうには私ども考えておりません。たまたま一期、二期無配のことがあり得るとはいたしましても、長期にわたって絶対に配当をなし得ないというような経営は適正なものではないと思います。第二に、償却というものを少しも行ない得ないような料金あるいは原価の構成というものは、これも適正なものでないと考えます。したがって、表を返して申せば、本来ある程度の償却を行ない得て、そうして長期にわたって見る限り、ある程度の株主に対する配当をなし得るような経営でなければならないであろう、法律家でございませんが、常識的にそのくらいのことは申し上げてよろしいのではないかと考えます。
○壽原委員 著しい困難におちいったという状態をちょっと……。
○宮澤国務大臣 著しく困難におちいった状態と申しますのは、企業上絶対に必要であるところの償却すら行ない得ない、こういったような状態が長期に続きますことは、やはり著しく経営が困難であるというふうに考えます。
○壽原委員 この間の内閣委員会の速記録を見ると、伊能先生が質問したのに答えて、倒産でもしなければならないという文字がある。あなたが著しく困難ということについてのいまのことばとこの間お話をしたのとはだいぶ違うのだが、これは倒産でもしなければ著しい困難におちいったというふうに見ないのかどうか。
○宮澤国務大臣 先日他の委員会で概略そういうことばを使ったことはございます。ただいまは壽原委員からもう少しそこを詳しくというお話でございましたから申し上げましたので、現実に倒産をいたしてしまってからではこれは何とも救いようがございません。またそういうことはよろしくないと思うのであります。長期にわたって償却を全くなし得ないというような状況になれば、これは企業の経営としては非常にあぶないと申さなければならないと思います。したがって、その場合には倒産の危険があるというふうに私どもは考えるべきだと考えます。
○壽原委員 公共料金ストップも、公営企業、私企業、ともどもどっちももう経営の瀕死状態を現在来たしているやに聞いている。また調べてもそうなっておる。そこで閣議了解事項として法律に優先するせぬというものは、これはあとにきめることであるが、これのきまるまでの間に、この閣議了解事項になるまでの間に、閣議にこういうことをかけるんだが、公営企業に対してはこういう処置をとる、あるいは私企業に対してはこういう処置をとるとか、そういう万全の処置をとってこれをきめたかどうか。
○宮澤国務大臣 それはこういうことでございます。たとえば、長期にわたって償却すらなし得ないというような状態に近づきますと、金融を受けることが非常に困難になるというふうに思います。したがって、もし倒産が起こるとすれば、金融的な面からきわめて起こりやすいと考えられるわけであります。したがって、もし現実にそういう事態になれば、これは公共料金ストップの例外とするということは御承知のとおりでございますが、そうでありませんでも、金融的な困難を国としても何かの形で緩和するために最善の努力を尽くすべきであるということは、公企業並びに私企業全体につきまして、閣僚懇談会としては原則論としては了解をいたしております。
○壽原委員 了解をいたしただけで、その処置はとっておらぬのだね。現在瀕死になっている中小業者はたくさんある。これに対する処置は現在とっておらぬのだね。
○宮澤国務大臣 それはこういうことのように運輸大臣から承っております。現実に問題になっておりますバス等々につきまして、運輸大臣としては、そういう閣議の基本的な了解に基づいて、何かのこれを金融的に助けるような処置を国としては考えるにやぶさかではない。しかしながら、現実の事態は運輸大臣の不作為に対して訴願並びに訴訟が起こっておる状態で、運輸大臣に対して適当な施策をとってくれないか、そういうことのお話があるような両者の関係にはない、このような運輸大臣の御意見だったと承知をいたします。 なお地方公共企業体につきましては、これは公共料金ストップの直接の影響ばかりとは申せませんけれども、起債等の面において、一般的な特定の地方財政の困窮状態にかんがみて、国としても何かの処置をいたすべきではないか、この点は自治省と大蔵省と私どもの間でただいま研究を進めておるわけでございます。
○關谷委員 関連して——先ほどからの経済企画庁の長官の御答弁を伺っておりますと、いままでは運輸大臣のほうから協議を持ってきておるものは一件もございません、こういうようなことなんですが、そういたしますると、運輸省はいままで、これだけいろいろ全国的にやかましくなっておりますこの料金の値上げというようなことについて、経済企画庁のほうに向いて協議はしたことはないのですか。意外なことを私はきょう聞かされておるのですが、そういう協議を経済企画庁としたことがないということになりますか。
○木村(睦)政府委員 このストップ令が閣議了解できまりますまでに協議いたして、そのままになっておりますものが、バス関係で約三十業者ございます。それからタクシーにつきましては、三十六年の閣議の了解事項で、経済企画庁に協議すべきものは終わっておりまして、現在残っておりまするのが、名古屋の問題でございます。名古屋につきましては、最近私どものほうで資料の検討をようやく終えたところでございますので、これは閣議了解の一年間ストップ令が出ましたので、直接閣議了解に持ち込むべきであるか、企画庁と協議すべきであるか、その点を打ち合わせた上で、企画庁に持ち込む必要があれば持ち込む準備をいまいたしております。それから通運につきましても、最近でございますが、これも運輸省の事務当局の考え方を一応まとめまして、企画庁に持ち込んでおるわけであります。
○關谷委員 そうしますと、長官の御答弁は違っておりますね。バスの関係でも、三十業者というものはストップ令より以前にすでに協議に持ち込んである、協議を求めておるのに、そういうようなものは一切何にも検討してない。一件も受け付けてありませんというのと、バスだけでも三十業者あるというのと大きな違いですが、その辺はどちらがほんとうなのですか。
○宮澤国務大臣 それは速記録をごらんいただきますとおわかりいただけると思います。タクシーにつきましては、一件もございません。先ほど地方の中小のものについて困っておるタクシーがあるではないかと仰せになりましたので、そういうタクシーについては一件もございませんと申し上げましたので、ただいま運輸省の局長の言われましたことは、その他のものについて協議を受けておりますものがありますことはそのとおりでございます。
○關谷委員 そうしますと、長官にお尋ねしますが、運輸省から協議があった場合に、これが値上げの必要のあるものということになれば、これはあなたのほうでは協議に乗って、そうしてそれは差しつかえないというよう回答をせられますか。
○宮澤国務大臣 それは現行の料金がいかにも適正でないということになりますれば、法律の規定があるわけでございますから、それに従って行政をする、こういうことになると思います。
○關谷委員 そうして、それが運賃が不当である、非常に安過ぎるんだというので、いまの情勢に合わぬのだというふうな判断は、これはあなたのところでやるのではなくして、運輸省でやるべきものだと思いまするが、これはどうですか。あなたのほうで判断するのですか、運輸省で判断をするのですか。
○宮澤国務大臣 その点を冒頭に申し上げたわけでございまして、国家行政組織法、内閣法等の規定から申しましても、その判断は両省おのおのなすべきものである。その判断が一致いたしましたときに、最終的な行政行為がある。さらに申しますれば、実は経済閣僚懇談会というものがございますけれども、その下部機構としては、そういうふうに考えております。
○關谷委員 そういたしますると、あなたのほうでは、運輸省から出た資料に基づいて、そしていろいろこれが妥当であるかどうかということを判断せられるわけであろうと思いますが、そうなりますと、ストップ令より前に出ております三十業者あたりは、それについての検討はなされておりますか。
○宮澤国務大臣 それはなされておるものと考えます。
○關谷委員 なされておるものと考えるのなら、一月以来すでに相当日がたっておりまするが、その三十業者がどういうようになっておるか、この次に資料で、あなたのほうがそれをどういうように審査をしておられるか、審査状況について、ひとつはっきりとした資料をもって御提出を願いたいと思います。
○宮澤国務大臣 それはごもっともな御要求であると思います。私ども作業いたしますのは、運輸省から特定の資料をいただきまして、さらにそれをもってなお不十分だという場合がしばしばございますので、追加の資料をいただく、あるいは直接に当該の会社等についてその経理の状況を伺う、こういうようなことはあらゆる方面からいたしております。したがって、いま現に運輸省から協議を受けた案件がどういう状況にあるかということにつきましては、これは御報告をいたします。
○壽原委員 ガソリン税、軽油引取税、これを上げるということを閣議了解事項で決定したのはいつですか。
○宮澤国務大臣 それは予算決定いたします前後でございますから、昨年の暮れという一つの時点と、さらに今年の一月という二つの時点において決定されたと記憶いたしております。
○壽原委員 ガソリン税、軽油引取税、ともども上がるということになると、運輸行政全般について、全部が必ず料金を上げてやらなければいかぬという親心は、閣僚懇談会の席上出なかったのですか。
○宮澤国務大臣 実はその問題は当然議論になったわけでございます。そこで議論の内容は、ガソリン税あるいは軽油引取税の今回程度の値上げによって、たとえばバスでございますが、影響するところはおそらく原価の二%以下であろう、しかもその場合に、それはそのすべてが消費者に転嫁されるという前提に立ってでございますが、現実には全部転嫁されるかどうかということには若干問題があろうと思いますが、全部転嫁されましてその程度のものであろう、したがって今回の決定に特に著しい影響を及ぼすものではなかろう、こういう議論であったと記憶いたします。
○壽原委員 それでは、ガソリン税や軽油引取税をかけても運賃は上げてやらぬでもいい、二%程度のものだからこれはいいというのか。しかしその二%でも、二%を損するとかせぬとかいう前に、すでに中小企業で営んでおる運輸業者というものの実態は、全部と言わぬでも、約八割まではほとんど赤字で来ている、その赤字の上になおかつそういう課税を課せられるということは、要するに、二重の赤字を生むことになる。そういう点の配慮もなしに、ただ閣僚懇談会の席上であるからということで、かってに中小企業があえて困るような政策をとるということは、いまの池田内閣の政策としてはちょっとおかしいんじゃないかと思うんだが、その点は一体どう考えておるか。幾ら困ってもいいというのか。中小企業ならばつぶれて、大企業に移行してもいいというのか。中小企業育成ということは池田内閣のスローガンでしょう。そのスローガンに基づいて国民は協力を惜しまないでやろうというのに、税金のほうはぼんぼん上げる。また自動車賠償保険等の問題でも、かってに倍にしたり三倍にしたりして、どんどんそういうものは上がっていき、一方では公共料金と称して、二台や三台のタクシー、ハイヤーまで、あるいは五台や七台持っているバス業者まで全部料金をストップされなければならぬというような状態にしていくというような行政が、はたして池田内閣の適正な行政であるかどうかという点、あなた、それを考えたことがありますか。
○宮澤国務大臣 実態は赤字になっておるという御主張でございますけれども、たとえば現在問題になっております東京都の乗り入れ民営の業者について申しますと、昭和三十六年度で八億くらいの黒字を出しております。昭和三十七年度で四億円余りの黒字を出しておりますので、実は赤字を出しておらないわけでございます。 それから、いわゆるそれより経営の小さなタクシー業者でございますが、これは非難をするというつもりではございませんが、東京で営業しておられますタクシー業者の中で、有価証券報告書等によって私どもが経理をかなり客観的に分析できます会社の数は、実は非常に少ないのでございます。極端に申すと数社しかございません。その他のものにつきましては、経理の分析が非常に困難でございます。その中には、そんたくをいたしますと、経営が健全であって、黒字のものもあるように思われますし、また経営が必ずしも健全でなく、赤字ではないかと推察せられるものもございますが、いずれにしても、正式に資料としてごらんいただき、あるいは分析にたえるような経理の書類を持っておられますものは、タクシー業者の中で東京では実は数社しかない、こういう状況でございます。
○壽原委員 大体小さな業者というものは、そういう経理をはっきりやれるようなりっぱな計理士を雇えるだけの力がないのです。実際言うと……。あんまり小さくてつぶれていく寸前のものは、そういういい計理士とか、いい事務員なんというものは来やしない。それだけにあなたのほうでつかみにくいのだろうと思うのだが、そういう会社ほどかえって困っておる。現在東京に四百何十社という会社があるけれども、新免と称される会社が約百何十社ございます。その百何十社のうち、内情的にはもはや人手に渡っておる会社が大半なんです。それほど困っておる状態であるから、一五%でも値上げしたのだろうが、地方へ行ってみるというと、わずか五台か七台持っている会社、こういう会社が非常に困っている。これらの会社の料金を是正するとか、改定するとかという問題でも、閣僚懇談会の了解がなければ、これはできないのですか。
○宮澤国務大臣 そういう業者が地方におられることがあり得ると私は思います。しかし他方で、経営方針が健全であって、同じような規模でもかなり内容がよくやっておられるというところもあるように思われます。しかし、いずれにしても、これはいま壽原委員の御指摘のとおりでありまして、分析にたえるような経理書類が実はないわけでありまして、したがって、かくかくなるがゆえに、かくかくという結論を非常に出しにくいのが現状であります。ただ、どう見ましても、これはもうこのままこの経理を放置できないといったようなものにつきまして、しかもなおその会社が存続をする意思がある、しかしだれもこれを何かの方法で、たとえば企業合同等の方法で助けようとしないといったようなものについては、いわゆる中小企業の経営が倒産の危険があるという部類に私は入ると思います。そういうものについては、できるだけ与えられたもので経理の分析をまず私どもいたしてみまして、なおそれでも危険であるということになれば、これは経済閣僚懇談会に持ち出して、そしてそれについての料金の改定を考慮する、そういう筋道になると思います。
○壽原委員 二台か三台の業者の中でもそういうものもあったならば、閣僚懇談会にかけなければいかぬのですか。
○宮澤国務大臣 これはよけいなことになりますので、おしかりをいただくような意味で申すのではございませんが、そういう経営形態がはたして全国的にいつまでも続いていくことがよろしいかという問題はあると思いますけれども、しかし経営者が経営者としてやるのだということになられれば、それはやはりその経営分析をして、どうしてもいかぬということになれば、閣僚懇談会に持ち出すべきものであろうと考えております。
○壽原委員 その作業はどのくらい時間がかかるのですか。
○宮澤国務大臣 それはその会社の経営分析がどの程度に可能であるかということにかかるわけであります。 なお、私がさっき申しましたのは、倒産をすればいいではないかという意味で申し上げたのではもとよりございません。そういう意味ではございません。
○壽原委員 現在の中小企業というものは、あなた方、高位高官の人にはその実態はよくわからぬだろうが、もうきょうあすにでもどうにかなるという会社が大半なんです。そういうものを何ヵ月もかかって作業をして、これがいいとか悪いとか、結論が出るまでには約半年くらいかかるでしょう。半年も一年もこういう会社というものはもちゃしないのです。そういうような状態になっておる会社でも、それらの作業をしなければこれはできないかどうか。もう少し簡単に運輸省の裁量で、これはこうしてやらなければいかぬというような説明を聞いただけでわかるように、あなた方が運輸省の職域まで侵害して、ああでもない、こうでもないという能書きばかりを言うのはちょっとおかしいですよ。運輸省の職域に対して、どのくらいまであなた方は口ばしを入れることができるのか。そういうことを私は聞いておるのです。
○宮澤国務大臣 ただいまお話しのような場合は、私はこういう場合であろうと思います。 〔発言する者あり〕
○川野委員長 静粛に願います。
○宮澤国務大臣 たとえば、地方において二、三台の自動車を持っておられるタクシー業者で、非常に経営の困難なのがある、こういう場合にはどうするかというお尋ねだと思います。そういう場合については、できるだけ私どもお話があれば経理の分析につとめてまいりたいと思います。そうした場合に、経理の分析にたえないわけであります。そうだとすれば、実情をよく知っておられる当該地方の陸運局なり何なりの御意見で、これだけは救わなければ、これはひょっとして経営ができなくなるかもしれぬということがあれば、それはきわめて地方的な零細な業者について、私どものほうで迅速に運輸省と御協議するということは決してやぶさかではございません。
○壽原委員 協議、協議とあんた方は言うけれども、実際協議しておるひまも何もないのですよ、小さな業者というものは。あなた方のような高位高官の人にわかるような帳簿をつくれるような会社というものは、全国さがしたってざらにあるわけじゃない。ほとんどつくれないのが実態です。そういうものにかこつけて、そしてただ池田内閣がこういうものを言い出したから、これをどうしても筋を通すということのメンツだけにとらわれて行政するということはおかしいと思うのです。実態に即応して陸運局長に権限を与えられておるのだから、陸運局長の権限の範囲内でおまえらはやってよろしいというような話し合いが、ざっくばらんにどうしてできないのですか。中小企業を救うという池田内閣の使命というものはそういうところにあるだろうと思う。私は与党の立場でこういう発言をしてあなた方を苦しめたくないけれども、中小企業育成のためにはどうしてもやむを得ずこういうことばも出なければならぬというわれわれの心中も察してもらわなければいかぬ。どうです。もう少し簡便にできる方法はないですか。
○宮澤国務大臣 先刻も申し上げましたように、そういう地方のきわめて零細なタクシー業者等について、大会社に要求するような経理の書類を求めることは、これは無理でございます。少なくとも税務報告の資料とか、源泉徴収の資料くらいはお持ちになっておられると思いますが、それらのものをもとに、地方の方々のお話を聞くなり、銀行関係のお話を聞くなりして、御協議を受けたならば迅速に処置をする。これは決してやぶさかではございません。ただ、協議を受けぬでもいいだろうとおっしゃいますと、これはそういうわけにはまいりません。よけいな時間は取らしたくないと思います。
○壽原委員 陸運局長の権限というものは、一体自動車局長、どの辺まであるのですか。
○木村(睦)政府委員 トラック運賃とハイヤー、タクシーの運賃、それから貸し切りバスの運賃、これは法律上は陸運局長に全部権限が委任されております。
○壽原委員 ああいうふうに答えておって、陸運局長に権限があるということが法律上はっきりなっておる。あなた方の法律を無視した閣僚懇談会の決定という事項が法律違反であるかないかということをさっき聞いたが、その辺がはっきりしなかった。そこで、きょう法制局が来ておるから、その見解はどうですか、どっちが優先するか。
○荒井政府委員 その点は先ほど宮澤経済企画庁長官が条文の根拠を示して御説明になりましたが、内閣は一体として行政の運営をするというたてまえに憲法六十六条第三項の規定によってなっております。内閣法第四条第三項の規定によりましても、いかなる案件といえども閣議を求めることができるということになっておりまして、重要な事項はそれが単独の主任の国務大臣の権限に属せしめられておるものでありましても、それがきわめて国政運営上重要であるというような場合には、それを内閣の方針に従って処理するというふうにきめて措置をされる、それ自体にはその主任の大臣でありますところの当該の国務大臣もみずから参加されて、そういう閣議の決定が行なわれるということは往々にしてあるところでございまして、この問題につきましても道路運送法第八条の認可というものにつきまして、その基準が法律で規定されているという意味で自由裁量でないことはもちろんでございます。と同時に、しかしながらそれは完全に覊束処分であるかと申しますと、その点について、たとえば能率的とかあるいは適正なとかいうような、その適正というものがどういうものであるかという点について裁量の余地がある、そういうものを法律の学問の世界において法規裁量といっておるわけでございますけれども、そういう法規裁量に当たるという意味で、その裁量の余地がある問題である。その事実問題はどうかという点は法制局が申し上げることではございませんで、主管の省庁で御決定になることでございますが、そういう制度全体として考えました場合に、憲法なり内閣法なりあるいは国家行政組織法というような規定に基づきましてそういう関係に相なるかと存じます。
○壽原委員 あまりややこしくてよくわからぬが、どうも私らはこの裁判の成り行きを見ておって、国民が現在の内閣に対して訴訟を起こさなければならぬというような実態になるまで内閣がそういうことを放任しておくということ自体が怠慢じゃないかと私は思う。作業を進めない、あるいは公共料金ストップという美名に隠れて、そうしてそういうような裁判を起こさせなければならぬということ自体が、内閣の末期的様相を呈しておるのじゃないかというふうに私は感じた。これではわれわれ与党議員として非常に悲しい状態だと考える。そういう小さな業者でも何でもそういう困ったものがあったならば、陸運局長の権限というものは法に定められてはっきりしておるのだから、その権限に基づいてやってもよろしいというような、いわゆる親心というものがあってこそ初めてこれが政治ですよ。あなた方のは全く政治家のとるべき態度じゃない。あなた方は長い間高官をして、役人気質が抜けないでいま大臣なんかやっておるから、そういう状態も考えるだろうけれども、われわれこうして選挙をして出てきて——これは私が言うておるのじゃないのですよ、私のうしろには何十万という選挙民がおるのですよ。その選挙民が言うておるのを私が代弁しておるだけのことだ。その点をよく考えて答弁してもらわぬと——そういう中小企業に対していま少しく育成をするというようなあたたかい気持があるのかどうか。そうしてその処置は一体最終的にはどういうふうにとろうというのか、無利子の銭でも貸してやるというのか、銀行からどんどんおまえのところは幾ら足りないから、幾ら貸してやるという処置も一つもとらぬで、そうしてただ公共料金ストップだ、作業がおくれた、これは了解事項だなんだかんだやっていると、三カ月も五カ月もたってしまう。そうなってくると、中小企業はみんなつぶれてしまわなければならぬ。つぶれていく姿を見て池田内閣がそういうものを放任しておいていいのかどうか、政治家としての考えを聞かして下さい。
○宮澤国務大臣 国民全体の利害関係は非常に複雑でございます。したがって、今度のような場合に政府を相手どって訴願訴訟が起こされる、非常に残念なことでありますことは壽原委員と私は全く同意見でございます。ただ、国民の利害関係がふくそうしておりますから、政府がこれが国民大多数の福祉のために大切なことであると考えましたことにつきましても、もちろんそれについて国民の中に異論があることは十分考え得るわけであります。したがって、その点の政府の措置が適当であるかどうかということについては司法の決定を待たなければならないところであると思いますが、私どもは、私どもの行政は国民全体の最大の利益に奉仕するためにやっていかなければならないことは忘れてならないことだと思います。その結果、それに相反するところの利益を持たれる国民から訴願訴訟が起こされたというのがこのたびの姿ではなかろうかと思うわけで、こういうことはまことに残念なことである、私もそう考えます。 なお、現実に中小企業の経営が危殆におちいるというようなことは最も私どもの避けなければならないことでございますので、具体的なケースにつきまして迅速な処置をとる用意がありますことは先刻申し上げましたとおりであります。
○關谷委員 関連——いま長官は、零細なものについては、そして非常に困っておるものは陸運局長から協議があればこれに応ずるのだ、そしてあまり日数を要しないようにこれを解決するのだ、こういうようなことでありましたが、そういたしますと、事情を知っておる陸運局長はその資料をまとめて運輸省へ持っていって、運輸省が経済企画庁へ持っていく、こういうことになるのかどうか。そして経済企画庁は一つ一つの案件を審査するというのであれば、全国でトラックあるいはタクシーその他一業者ごとの審査でもするということになったら、それこそたいへんなことだが、そんな事務能力が経済企画庁におありになりますか。
○宮澤国務大臣 前段のお尋ねは、陸運局長が判断をせられまして、さらにそれを運輸省に持ち込まれて、運輸省が運輸省の判断を加えた上で協議に値すると思われるものはお持ちになると思います。 たいへん事務が複雑だというふうに仰せになりますけれども、問題になりますケースは企業の経営が困難であるというようなケースでございましょうから、困難であるか困難でないかという判断は、そんなにむずかしいことを考えませんでも、ぎりぎりのボーダーラインをどっちかということを考えるようなケースでございませんので、その判断はそんなにむずかしいことではないと私は思います。
○關谷委員 まことに長官は軽く見ておられるようですが、いま困っておる零細業者の数というものは膨大なものです。それが全部運輸省に来て、運輸省がまたそれをあなたのところに持ってきて一件一件これを判断するということになりましたならば、あなたはわずかなもので、困っておるものはないという観点に立って答弁しておられるようですが、いま私たちの見るところでは、零細企業で困って倒産寸前のもの、すでに倒産したものもありますし、そういうようなものが非常に多い。そういうようなものを経済企画庁がストップをかけておるので、どうにも動きがとれないのだというのがいまの実情だと思って、私たちはこれらは救済しなければならぬという立場から申し上げておるのです。そういうようなものが非常に多いが、これだけのものを各陸運局長が——資料は全部整っておりましょう。それを自動車局長が一括して持っていった場合に、それだけのものを一件一件審査するというふうなことは、場合によればこれは何万件あるかもしれませんぞ。そういうものをあなたのところでそう日をかけないで、これの審査ができますか。そういうふうな出先の陸運局長あたりがこれはたいへんだと認めるような零細なものについては、こういうふうなストップ令の適用を除外するというようにあなたのところでやられるのが一番簡便な方法で、それを一々あなたのところで審査すると言うて、事実上できないと思います。あなたの考えておられるのは、困っておる者が非常に少ないという前提に立っておられるようでありまするが、その認識から変えてもらわなければいけません。ずいぶんありますが、これが処理できますか。
○宮澤国務大臣 それは困難だということの考え方であると私は思いますので、苦労をしておられるところはたくさんおありになることは私も想像をいたしますが、実際にここはすぐにも手を打ってやらなければ、ほんとうに企業として成り立たなくなるぞといったようなものが、そう何万もあるというふうには、そういう標準では私どもは少なくとも考えておりません。したがって、運輸省が、陸運局長の持ってこられたものをどう考えるかによりますけれども、もう非常に悪いところというものは、本来一見して明らかなのでございますから、それが何万もあるというふうな標準で私どもはものを考えておるわけじゃございません。
○壽原委員 われわれの考え方と政府の考え方が非常に食い違っておるのです。だいぶ開きがあります。これはもう相当な数が困っております。それでこの数の多い困っておるものを——この間四・一七のストが回避されて、私は非常に喜んでおるのだが、労働組合の方々がああして騒ぐと、すぐ政府は懇談会を開いてこれに対処するということをさっそくやっておる。ところが中小企業の連中が——声なき声ということを岸さんが前に言うたが、その声なき声の多いのをあなた方は御存じないでしょう。地方へ行くと、いい道路ばかり走って、いい自動車ばかり乗って、悪いところは一つも見ておらぬから。悪いところはわれわれが一番よくわかっているのです。あなた方高位高官の人は、悪いところはわからぬのです。また陸運局長等は、やはり業者等とよく接触しているから、よくわかっておる。ところが、あなた方の権力に何としてもおびえ切ってしまっておる。自動車局長なんかもうぶるぶるふるえて、おびえ切っておる。そうして現に企画庁の許しを得なければ許可ができないと言うているのだ。そういうような実態を、あなた方はよく知らぬのでしょう。その知らぬところを教えてやるのだから、悪いと思った点、改めなければならぬと思う点は、すみやかに池田内閣は率直に認める必要があろうと私は思う。あくまでも、閣僚懇談会できめた事項であるから、これはメンツにかけてもというようなことであっては相ならぬと思う。それは国民に対する政治じゃございませんよ。そういう点は一体どう考えているか。われわれがこういう委員会で率直に意見を述べておるのに、それでもあくまでもメンツにとらわれなければならぬというふうに考えているのかどうか。その点をはっきり答えてもらいたい。
○宮澤国務大臣 前段は先ほど答弁を申し上げましたとおりでありまして、メンツにこだわるというようなことは、一切考えておりません。
○壽原委員 それならば、關谷委員が先ほど言うたとおり、公共料金ストップという特例も考えなければならぬのですが、その特例は考えていないのですか。
○宮澤国務大臣 何万という数がそれに当たるとは、私どもどうも思えないわけでございます。したがって、それらのために特例を設ける必要はない、具体的に経営が非常に困難になられた業者について、私どもが迅速に措置をする、これは必要なことだと思います。
○壽原委員 迅速に作業するといって、一体何日かかるか、その日にちをはっきり言うてください。そうすれば、われわれも中小企業の連中に、わが党の政府では何日までにこういうふうにすると言うているからということを、はっきり言うてやる。
○宮澤国務大臣 一般的にそういう御返事ができないことはもちろんであります。それはその業者がどれだけの資料を持っておられるか、多くは期待できませんが、それ以外にわれわれが判断をするそれだけの基礎を持ち得るか、こういうことにもっぱらなろうかと思います。
○壽原委員 そんな資料の出せない雰細業者が困っておる場合は、陸運局長にまかせることができないかどうかということを聞いておるのです。
○宮澤国務大臣 そういう意思のございませんことは、先ほど御返事申したとおりであります。
○壽原委員 それでは池田内閣は中小企業はつぶれてもいいということをはっきり言ってもいいのだな。どうなんです。御返事しなさい。あなたのお答えではそういうふうにしか聞こえない。つぶれてもいいのかどうかということをはっきりしなさい。
○宮澤国務大臣 先ほどから申し上げておりますことから、そういう結論は全く出ないと思います。
○壽原委員 だけれども、いまあなたのお答えは、作業をする日程もはっきりできない、また金を貸してやる裏づけもない、中小企業はかってにつぶれていけ、そういうふうな答えにしか聞こえない。ここにいる委員の連中には、だれが聞いてもそれ以外には耳に入らぬはずだ。もう少しメンツというものをはずして考えて、実態をあなた方が把握する必要があるだろうと思うのだが、その点はやる気がないのですね、はっきり言うて。
○宮澤国務大臣 先刻から何度も申し上げますように、どうしても迅速に処理しなければならぬと思われるものについては、急速に実態を把握する必要があります。そういう努力をいたすつもりであります。
○壽原委員 今度のバスの問題で、もし裁判に負けたと仮定したならば——私らは負けると見ておりますが、負けたと仮定したならば、一体あなた方はどういう責任をとりますか。
○宮澤国務大臣 仮定の問題についてはお返事のしようがないと思いますが、訴訟そのものは、承るところによれば、運輸大臣の不作為がよろしくないという訴訟であると思いますので、もし不作為がよろしくないということであれば、運輸大臣としては作為をされなければならない、こういうことになるのではないかと思います。
○壽原委員 池田内閣の閣僚の一人であるあなたがそういう冷たいことでは、国民は納得しませんよ。 きょううしろに見えておるのはみんな中小企業の傍聴者が来ておるのだが、実際に池田内閣というものはわれわれが宣伝しておるほどあたたかいというふうにはみな考えていない。この点は私は党員として非常に悲しむべき事態だと思うのだが、もう少し何とかしてこの中小企業を救ってやる、あるいは銀行に対してどういう処置をしてあるから安心をなさいというふうな答えが出ないですか。金でも貸してやるとか、私企業に対してですよ。
○宮澤国務大臣 それは冒頭に申しましたとおり、金融的に非常に困難におちいった場合に、閣僚懇談会としては、それに対してできるだけの援助をしなければならないということは、基本的に了解をいたしておるわけであります。
○壽原委員 閣僚懇談会で了解しておっても、実際に銀行の末端までそういうことを言うてありますか。銀行では、金を貸してくれと言うても、倒産寸前の会社には金を貸しませんよ。中小企業の金融機関は一体何だと思う。手がよくて相互銀行、もうちょっと下がれば信用金庫あるいは高利貸し、そういうものの金を借りて、そうして現在営業を営んでおる中小企業が大半なんだ。あなた方が今度何か歩合いだとか何だかの積み立てを禁止する、歩積みを禁止するというようなことを言うておっても、実態は禁止されてないと同じことであって、あなた方が閣僚懇談会でそういうことをかってにきめてみたところで、実際には末端までそれが行き届いておりませんよ。それは現在の中小企業のあり方と同じことです。末端までそういう命令を発しておりますか。
○宮澤国務大臣 中小企業に対する金融につきましては、申し上げるまでもないことでございますけれども、政府としては最大限の配慮をいたしておるというふうに私は考えます。 なお、具体的に運輸業者についてこういう問題が起こったということにつきましては、これは閣議了解の基本線もあることでございますから、地方の陸運局長は当然業者の指導及び育成に当たられる仕事を持っておられるわけでありますから、そういう御相談があれば運輸当局としてそれはやはり考えて、できるだけこれを助けてやろうということは、私は本来閣議了解の基本線に沿っておることと思います。
○有田委員 関連してちょっとお伺いするのですが、先ほどの運輸大臣の不作為に対することですが、運輸大臣は決して不作為じゃない。何とかしてやろうとして、あなたのほうに抗議しておるでしょう。ところがあなたのほうが不作為にさせておるのです。私はいまあなたの議論を聞いておると、行政論と法律論がごっちゃになっておる。法制局のほうもはっきり言っておるが、これは法規裁量で、完全な自由裁量じゃないのです。完全な自由裁量ならば、閣議の了解あるいは閣議の決定で押えることができる。しかしこれは法規裁量です。法規裁量は、法規に基づくことはどうしてもやっていかなければならない。そしてその方向に向かうべく調査を進めなければならない。ところが、あなたのほうでストップをかけたですね。これはストップをかけておることのほうが法律を無視しておる。その方向に向かって進んでおって、そこでいろいろと裁量の余地がある、そこを裁量するならいいけれども、初めから裁量の余地なしというストップ令をかけておる。それが法律ならいいですよ。単なる閣議の了解とか決定でストップをかけておる。それは完全に法律を無視しておる。法規裁量と自由裁量と、そこに相違がある。私は、あの閣議決定というものは法律を完全に無視しておると思う。したがって法律的にいっても、政府は非常に弱い立場にある。それが一点。のみならず政治論から言いましても、先ほど壽原委員が質問しておるように、これだけ零細な業者が弱り切っておる。それを政府が傍観しておる。それは物価政策だといって押えておる。ほかの上がる要素はどんどん認めながら、自動車に対する値下げの方向をちっともとらない。上がる要素を押えておってしんぼうせいということなら政治的にはわれわれ了解できます。ところがガソリンは上がってしまう、その他のものもどんどん上がる、賃金は上がってしまう、上がる要素をどんどんつくっておいて、弱い業者に対してこれは物価政策だから押える、ここに政治論としても非常に無理がある。第一に法律的に無理があるし、第二に政治論からいっても無理がある。行政というものはやはり法律よりも下にあるものですから、その辺のところをわきまえず——わきまえずと言っては失礼かもしれませんが、けじめをつけずに簡単にあなたのほうで押えておるということは、これは訴訟になれば私は法律論として負けると思うのです。のみならず、訴訟をするばかりが能じゃありませんけれども、政治論から申しましても、壽原君が言っておるように、やはり愛情ある政治をやらなければならない。これがもし大企業でこういうことになったら、政府はてんてこ舞いでやられるが、これは小さい業者の末梢のことだからということでこれを放任しておくということは、何ぼ与党の政治家として政府を擁護しようとしても、これだけはできない。私は二点について政府に非常に疑いを持つ。法制局の法規裁量について、あなたはどういう見解を持ちますか。完全に法規裁量と自由裁量を混同してやられておると思います。
○宮澤国務大臣 実は運輸大臣の不作為ではないのだというふうな仰せでありますが、現に不作為の状態にあることがどのような事情に基づいておるかということは、これはいろいろ事情があろうと思います。しかしながら、結果として不作為の状態が続いておる、しかも当該法律の運用をせられる行政の責任者が運輸大臣であることは間違いないことでありますから、したがって訴訟は運輸大臣の不作為に対して提起されたものであろう、こういうふうに考えておるわけであります。 それから、法規裁量であるということは、法制局の見解のとおりであると思います。そこでかりに、閣議が交通事業の料金が適正なものである必要はないという決定をいたしますと、これは明らかに、おそらく法律違反になるというふうに考えるわけであります。ただ、適正な原価、適正な料金は何であるかということは、幅のある概念でありますから、それについて一つの行政としての見解を持つということは、それ自身は私は法規裁量の範囲内であるというふうに考えておるわけであります。
○有田委員 どうもふに落ちないのですが、あなたのほうは初めからストップをかけておるでしょう。調査も何もしないで、物価政策の上から一年間公共料金は上げるべからずと言っておる。これは無理ですよ。閣議決定によってそういう法律が出されたならば別です。賃金ストップ令だとかなんとか戦時中やったようなああいうものをやられるなら別ですけれども、それを何もやらないで行政措置でやられるということは、自由裁量ではないのですから、そこには大きな無理があると思います。その無理も、政治的にわれわれ納得できるならば、常識論としてそれもけっこうだと思いますが、先ほど言いましたように、また議論がありますように、零細企業の倒産するようなことをどんどんやって、これをほったらかしておき、しかも値上がりの要素を一ぱいつくっておるんですよ。ほかのものがみんな値上がりしないように押えておいて、ともどもにしんほうせいと言うならば、政治的に考えればわれわれも了解できますが、ほかの値上がりの要素をつくっておいて、自動車だけストップをかけて公共料金ということで押えておくというところに大きな無理がある。あなたのほうで閣議でストップされておるならば、それを法律で出されて、それを国会で承認するならば成り立つと思いますが、何もせぬで行政措置でそれをストップさせておいて、そうして運輸大臣が不作為におちいらざるを得ない状態になっておる。運輸大臣がほっておいてごらんなさい。陸運局長がどんどんやりますよ。これをあなたのほうで押えておるところに矛盾がある。しかもそれは政治的に納得できない。これはどうも先ほど来聞いておる長官の答弁では納得ができないんですよ。もう少しはっきり解明してほしいと思います。
○宮澤国務大臣 現実に訴訟が提起されております現状において、ただいまのお尋ねは、公のお尋ねであり、それに対して公にお答えするということは、よほど注意をしてお答えをしなければならないという制約がございます。それだけの制約の中であえて申し上げますならば、政府が第一に基本論といたしまして公共料金をとめるということは、現実のもろもろの料金が一応適正な水準にあるという認識がまず原則としてあること、しかし第二に、その企業が倒産をしかかるというような場合については、これは原則としてその料金が適正であったとはなかなか申しにくいでありましょうから、その場合には例外を設けるのだ、こういうあたりで両方の調整をはかっておる、こう考えるわけであります。冒頭に申し上げましたように、訴訟が提起されておるという現状で、こうやって公の御質問に公にお答えをするということはかなりいろいろの制約がございますが、あえて申せばそういうことでございます。
○有田委員 これはもう少し検討してもらわないと、われわれ納得がいかない答弁です。答弁は他日でもけっこうですが、ひとつ政府のほうでも、法律論と政治論と両方考えて、必ずしも行政が優先しないのだという立場でよく検討されて、閣議の変更も御検討くださればありがたいが、ひとつ慎重な態度でやっていただきたい。
○壽原委員 これはあくまでも仮定ですけれども、この裁判の問題で万一閣議決定が破れたということになったならば、これは内閣全部の責任になるはずですが、この点を考慮してやっておるのですか。
○宮澤国務大臣 国民の中にいろいろな利害の錯綜があります結果、政府がただいま被告の立場に立って訴訟が提起されておるわけでございますので、その訴訟がかりにどうなったらということについては、お答えを差し控えたいと思います。
○壽原委員 その答えがはっきり出せない立場にあるでしょうから、この次は総理を呼んで聞きましょう。 そこで賠償保険の問題に少し触れてみたいのですが、自動車損害賠償保障法というものがきめられたのは昭和三十年。このときに附帯決議がついている。附帯決議というものは各委員会でもずいぶん出されておる。ところがこの附帯決議というものが尊重されておらぬのが現状のようですが、この附帯決議問題について、一体どこまで尊重する義務があるのか、この点はどうですか。これは大蔵省でいいです。
○安川説明員 大蔵省は、この自動車損害賠償責任保険事業につきまして、料率、約款等を保険数理の見地から検討いたします。したがいまして、その法律全体の問題は運輸省のほうで主管されておりまして、部分的に大蔵省が協議を受けてやっておるという関係でございます。ただいまの御質疑の点は運輸省からお答えしたほうがよかろうと思います。
○壽原委員 それじゃ運輸省にお伺いするが、昭和三十年の七月二十日本委員会でもってこういう附帯決議がついている。これは抜粋して読みますが、「本法が多分に強制保険の方法で被害者の保護を図る目的を有するものである点にかんがみ、更に国庫負担の増額を考慮すべきこと。」こういう問題がある。これについてあなたのほうで国庫負担という問題を考えたことがあるか、大蔵省とそういう問題についても予算折衝したことがあるか。
○木村(睦)政府委員 ただいまの附帯決議は承知いたしております。その点につきまして決して忘れておるわけではございませんので、検討いたしてきておるのであります。先般の料率の限度額の引き上げのときにも、われわれとしては検討をしたわけでございますが、まだ政府としては国庫負担というところまで踏み切れないということで、いましばらく現状のままで考えたい、かように考えます。
○壽原委員 まだというて、これをきめたのは昭和三十年ですよ。ことしは何年だと思っている。九年たっている。こういう問題を人ごとに考えちゃいかぬですね。あなたはことしは改定するときにこれは何ら加入者のほうにはこういう問題を具体的に示しておらぬ。ぽっと二月一日から上げちゃった。上げたところにもでこぼこがある。三倍に上がったところ、二倍に上がったところ。こういう問題を考えて料金問題とからみ合わせて、そうしてこういう問題はかってに上げておいて料金問題だけはストップしているという手はないでしょう。そういう観点から考えてみて、これは近い将来において大蔵省にあなた方が予算要求して、加入者負担だけで済ませるというようなことのないようにする考えがあるかどうか。
○木村(睦)政府委員 先般の限度額の引き上げ等につきまして、御承知のように保険審議会がございまして、利用者の代表の方も入っておられます。民間のその道の関係者、専門家も入っておられますが、そこでいろいろ議論をしてもらいまして、そこから答申を受けまして、今回の限度額の引き上げをやったわけであります。 なお国庫負担の問題につきましては、附帯決議はずいぶん前の話でございますけれども、一応こういったものが事故を起こした場合の保障でございますので、事故の加害者の側においてこれを負担する、しかも現状ではこの保険の会計が赤字になっておりまして、事故による損害額のほうが納めた保険料よりも上回っておるというふうな状況でもございます。これを改善すると同時に、保険料率というものは自動車の種類によって公平になるようにきめております。事故の推移によりまして、自動車の種類別の事故率というものが変化をしてまいっております。したがいまして、その事故率に応じてそれぞれ保険料を支払ってもらうということで、自動車の種類別に保険料の改定をいたしておりますので、いままで、ある種類の自動車では、支払った保険料に対して被害額の非常に多い、つまり赤字が非常に大きいというところは保険料のほうを平均よりも多く上げる。また支払った保険料よりも被害額のほうが少なくて、自分たちの車が支払った保険料は、他の車の損害を補てんしておるというような形になっておるもの、つまり平均よりも安く上がっているものについては安くするということで、車の種類別に見ますと三倍、四倍近く上がっておるものもございますが、上がってまいりました差のありますのはそういうような事情に基づくものでございます。 なお自動車関係の料金を押えておいて、経費の値上がりの要素になる保険料を改定したのはけしからぬというお話でございますが、ごもっともではございます。しかしこの自動車損害賠償保険は、交通事故防止あるいは事故の被害者の救済という見地からほうっておけない問題でもございますし、また大きな社会的な問題でもございますので、そういう見地に立ちまして、すでに実情に合わないほどかなりはなはだしいものがございますので、この際保険審議会の答申を受けまして改定に踏み切ったわけでございます。他方におきまして合理的な運賃のほうの改定がいろいろな経済政策の関係で延びておるということを、むしろわれわれ運輸行政をあずかる責任者としては、何とか実情に合うように改めていきたいという気持ちでおるわけでございます。
○壽原委員 他に関連質問もあるようですから、これで最後にしますが、陸運局長の権限内でできるものはなるべく早くやろう、こういうような企画庁長官の話があった。それと自動車局では、この作業を一日も早く進めなければならぬという責任を持ってもらいたい。 そこで自動車賠償法の問題については、まだ質疑もあるんだが、時間がないからあまり言いませんが、次会には総理大臣に出てきていただいて、この裁判の問題、公共料金の問題についてあらためて質疑を行ないたいと思います。 そこで各地方で現在困っておる業者には、内閣は責任を持ってこれの処理に当たるという点は間違いないですね。念を押しておきます。
○宮澤国務大臣 公共料金の抑制を閣議決定いたしました際に、これがいかなる場合にも絶対にその一つの原則でいくということでなく、どういう場合に考慮しなければならぬかということは明らかにいたしておるのでございますから、したがってそれに該当するような場合が起こりましたら、迅速に処理をいたすべきものと考えております。
○壽原委員 最後に田邉政務次官にお伺いするのだが、この間名古屋へ行った際、名古屋の料金はまだ六大都市の中では一つ残っておる。これは均衡をとるために是正をしなければならぬというあなたの談話が出ておった。あなたがそういう談話を発表すると同時に、業体の実態をよく見てきただろうと思うのだ。見てきた結果、名古屋の業者からそういう陳情もたぶん受けておるはずですが、あそこは確かにやらなければならぬ、是正をしなければならぬと考えておってあなたがああいう発言をなしたか。またあの新聞どおり、五月じゅうには必ず何とかしなければならぬという談話が出ておったようですが、それはどう考えてあれを発表したのですか。
○田邉政府委員 壽原委員のお話のように、私先般名古屋に参りました際に業界の陳情も受けました。また本省においても受けておりまして、名古屋のタクシーの実態は、他の五大市と比較いたしまして低きに失しておるということだけは十分承知いたしておりました。つきましては、運賃値上げということよりも、私はむしろ運賃是正という考え方に立ちまして、一日も早く是正をいたしたい、こういうことを申しております。 なお、先ほどから閣僚懇談会の協議の問題がございました。私ども運輸省といたしましては、協議事項というのは、経済閣僚懇談会におきまして、運輸省の各地方の陸運局が非常に著しく経営の不振のタクシーの会社の申請を受けまして、それを本省に持ってまいります。それを自動車局におきまして調査をいたしました結果、なるほどこの経営は非常に不振である。こういうものを運輸省は経済閣僚懇談会に協議をする。その場合私どもの考え方といたしましては、経済企画庁においては運輸省の出しました案に対しまして検討をしていただくということはもちろんでございますが、ただ所管といたしまして運輸省が出しましたものは、やはり長年の経験とそして充実した人員におきまして十分の調査をしたものでございますから、これは全面的に信頼をしていただいて——ただ日本の経済の物価抑制の面から、このパーセンテージを幾らにするか、こういうような問題について協議をするというものの考え方である、私どもはそう考えております。したがいまして、運輸省の出しましたデータにつきましては、経済企画庁におきまして全面的に御協力をいただいて、そしてしかる後にこれを認可していただく、こういうような考え方で進んでいきたい、こういうふうに考えております。
○壽原委員 認可は運輸省でするのですよ。
○田邉政府委員 訂正をいたします。認可はもちろん運輸省でございますが、協議事項というものの考え方は、かような考え方と解釈をいたしております。
○壽原委員 きょうは時間がございませんからこれでやめますけれども、一つだけ例を引きますが、各地に増車ブームということで非常に多く増車申請がなされておる。この問題については次会に回しますけれども、地方の陸運局長以下各行政を担当しておる連中が、地方の業者に非常にいばるというか、権力を持って貫録をつけるというか、そういう風習が現在非常に多くなっておる。 そこで私は場所も名前もよく知っておるが、きょうは言いませんが、これがはっきりしてきたら申し上げますけれども、ある自動車部長が何かその土地の自動車販売業者の社長さんの二号さんの弟さんだそうだ。そのために、これは四十台許可してやるから、車庫をつくれということを命令しておるそうです。それですでに車庫もでき、また車両も用意したというようなことです。そういうけしからぬ取引をしてはいかぬだろうと思うのです。またある地方においては、どうも陸運局長のきげんをとっておかぬと料金が上がらぬというので、いままで何百万も酒を飲ました、女を買わしたというようなうわさも聞いておる。そういうようなけしからぬことをする役人は、これはあなたのほうでよう監督をしてもらわぬと、われわれが地方へ行くとよくそういう状態を聞かされるので、そういうことのないように、適正な行政を行なうことに専念してもらいたい。これははっきりするなら、委員会ではっきりと名前を申し上げて、こういう事態だということを言いますよ。それまでは言いませんから、その点よく考慮の中に入れて、この増車という措置に対して慎重な態度をとってもらいたい。 それから企画庁長官に申し上げておきますが、今回の、わが党にとって非常に不名誉であるいわゆるバス業者からの提訴なんというような問題、きょうの新聞を見ると、米穀商においても提訴はやむを得ないというような記事が出ておりました。国民からそういうような不信を受けなければならぬという政治のあり方というものは、これはもう政治家として厳に慎まなければならぬだろうと私は思う。そういうことで閣僚懇談会のメンツという点だけを考えて行政をなさらぬように、この点だけはよう御注意を申し上げておきたいと思う。われわれ与党政治家として、まことに現在の池田内閣を支持する上において非常に支障を来たす点もこれから多々できるだろうと思う。この点憂慮のあまり、池田内閣の永遠に存続されんことを望んで、そういうことをひとつ御理解願って、そうして中小企業育成のためにいい行政をしてもらいたい、その点を希望してきょうの私の質問を終わります。
○宮澤国務大臣 御指摘の御趣旨はよくわかりました。
○木村(睦)政府委員 ただいま壽原先生のお話の中に、運輸省の出先機関の陸運局長あるいは自動車部長に忌わしい疑いがあるというような意味のお話がございましたが、一言そのことで誤解のないように申し上げたいと思います。 現在地方陸運局長は非常に少数な人員で膨大な業務をかかえまして、しかも自動車行政というものがともすれば利権の対象となっておるということで、常に身辺は注意いたしながら厳正に行政をやっておりますし、またその方向でわれわれも指導いたしております。万一不心得な者がいるために陸運行政全般がとやかく言われるということがあるとすれば、非常に残念でございますが、私も平素から注意して、陸運局長の指導はいたしております。ただいまのところ、いまお話しのようなことにつきましては、私具体的には何も聞いておりませんが、どうか陸運局長並びに陸運局の部長の仕事の非常に重大であるということ、非常に真剣にやっておるということにつきましては、とくと御推察、御理解をいただきたい、かようにお願いする次第でございます。
○田邉政府委員 ただいま壽原委員からお話のございました点につきましては、よく事情を聴取いたしまして、調査の上、かようなことがもしあれば、私ども厳重な処置をいたします。しかし、かかることは私どもないと考えておりますけれども、十分調査いたしまして、しかる上は善処するつもりでございます。
○川野委員長 泊谷裕夫君。
○泊谷委員 長官にお尋ねをしたいと思うのです。先ほどからお話を伺っておりますと、すべてのことは長官の掌中に握られておるような感じがいたしますので、お尋ねをしたいのです。 私ども市民の立場から見ると、現在最も大きな悩みというと、慢性化しておるこの路面交通の問題だと思うのです。きょうは路面交通を中心に尋ねてみたいのですが、先ほど警察庁の交通局長が時間の関係でお帰りになりましたので、先日の委員会でも指摘しておりますように、横断信号で一回とめる、これは一サイクル八秒なんです。それで三回とめられると、専門語で交通渋滞といっておるのですけれども、これが昨年の実績では、十サイクルとめられたのが九百三十六件ある。二十サイクルとめられたのが三十一件あります。そうしますと、一つの信号を通過する、これに要する時間は十二分ないし二十五分かかるということになります。こういう事情の中で、はたして乗車拒否をした運転手と、そのかかえておる業者の皆さんだけを責めてこの問題が解決するのであろうか。十五分も二十分もかかって九十円や百十円の収入をあげることで、当該の運転手や業者だけを責めるという、この交通行政のあり方について、私はどうも解せないわけであります。もとより、先月末に警察、運輸省の協力で強硬な措置をとりました。乗車拒否をすれば、それによって営業車四両ずつあげていくという東京の措置。この混乱した事態でありますから、こういう大きな衝撃を与えて、新聞の協力を得て、一般的な自制心をあおろうということについては了解できるのでありますけれども、私はこれとあわせて、いま東京都内の大きな道路はほとんど車両列を切れ間なしに流れております。したがって、裏町に入る車両というのが相当ふえてきました。裏町における商店街、これは日経新聞の調査によりますと、都内の千百の商店会のうち、八〇%はそれで営業ができないと訴えておる。また、買い物をするほうもおちおちとして、十分安心して買い物ができないということを訴えていると日経は取り上げているのです。こういう事情の中で、先ほどから料金問題、それから中小企業に位置するハイヤー業界の保護策をどうするかというお話が中心になされましたけれども、私は宮澤長官として、まだその根本的な問題を始末されることに閣僚として手落ちがあるのではないかという気がするのです。どういうことかというと、このとおり東京都は三十万ずつ年間ふえている。人口が都市に集中してくる。それにさらに住宅の造成などを先行させて、そのあとに交通機関があとを追っていくという形をとっております限り、この交通渋滞というものを整理することは困難だと思うのであります。 まず最初に、いろいろとありましょう。交通緩和のための国電の高架線の設置とか、あるいは道路の許容量の拡大とか、いろいろあろうと思うのでありますが、いまの池田内閣のこれに対する抜本的な施策というものをまず明らかにしない限り——一つのいすをめぐって業者と利用者と料金問題でけんかをせしめるという現象を呈しておりますけれども、私はほんとうの始末をするのは、いまの池田内閣の交通政策の面で除去しなければならぬものが数多くあると思うのですが、それに対して、いま大臣のお考えになっております抱負をまず最初に聞かせていただきたいと思うのです。
○宮澤国務大臣 乗車拒否と申しますような社会的現象は、その当然よってきたるところがいろいろあると思います。ただいま御指摘のようなことは、私は、確かにその基本的な原因の一つであると考えておりますが、広く申せば国土計画、さらに、狭く申せば都市計画といったようなものが計画的に行なわれず、昨日が先行した。したがって、大都市においていわゆる過度の密集というようなことが生じておる。それに対して、おくればせながらでも政府がいかなる手を打つか、より広範な意味での全国の総合開発計画を考えなければならないではないか、それによって都市のいわゆる過密という状態を緩和していく、そういう基本の問題につながるということについては、御指摘のとおりだと思います。
○泊谷委員 長官から基本的にそう思うということですが、具体的にこう改善したいということがないのは残念です。 そこで、もう一つの問題を、時間の関係がありまして次回にまた討議さしていただくことにして、はしょって申し上げたいと思います。木村自動車局長は、今度の増車新免の問題を含めて、国民の要請が強い、需要も強いから、それも考えなればならぬ、こうおっしゃるのでありますけれども、道路の許容量の限界一ぱいに走っております現状で、いま国民の要請にこたえるとすれば、このきめられた道路内においては、車両群の流動性を高めて効率を上げることが手っとり早い措置だと思うのです。たった一つの許された道だと思うのです。もう一面では、車両の生産、つまり自動車工業の関係ですけれども、先日の通産局のお答えでは、年間百万両に近づいてきた。車検の運輸省で手を染める両数は、四十三年に一千万両という数字が計上されております。こうなってまいりますと、その生産高はイギリス、フランスと同じ生産高を示す数字になってまいります。一面、イギリス、フランスは、私から申し上げるまでもなく、ほとんど半数近くこの車両を国外に輸出をしているのです。西ドイツでは四六・七%、イギリスでは四一・五%、フランスでは三四%、イタリアで三二・七%、こういうように、生産のほとんど三割ないし四割というものは国外に輸出をしている。ところが、日本で国外に輸出をしておりますのは五万両です。しかも、私は日本の国土と思っておりましたけれども、通産省の説明によりますと、総じて六万台という数字、これには沖繩の四千七百二十六両も入れているのです。これが最大のお得意さんです。こういう形で、生産の高められた車のほとんどが国外に輸出されず、この狭い道路の中に持ち込まれる。しかも道路は、今回政府もずいぶん力を入れたことは認めます。四兆一千億の価値は認めます。ですが、道路事情を見ますと、まだ砂利道が九六%という数字を示している。そうして、補装されたところがわずか四%です。四トン・トラックの通れるのが四一%で、五九%は通れない。しかも小型の四輪車のすれ違いが不能の道路が六五%もある。普通トラックのすれ違いのできないのが八一%と聞いております。これが五カ年計画で道路事情がどういうふうに変わるかということを、自動車工業の調べた数字で見ましても、わずか七%程度しかふえないのです。そうしますと、企画庁長官の立場として、国土の道路事情にあわせて自動車の生産をとめることが可能であるかどうか。しかし一面、数多い職種のことに手直ししなければならぬ政府としては、この生産を直ちにとめるわけにはまいりますまい。この車は、一面では運転手の不足、どうにもならぬ状態にきておりますね。こういうことで、この逃げ場を国外の輸出に求めなければばならぬと思いますが、わずかトラックを五十万台しかつくっていないソ連には二両も輸出をしておりません。中共地域には、昨年は三台です。長官として、俗に言うココム、チンコム制限、これを解除しなければ——西欧陣営の経済協力を結んでおるというイギリスでさえアメリカの要請を断わって車両の国外輸出を始めました。今度のフランスの中共承認に伴う商行為が強くなってくるでありましよう。こういうことから考えまして、この車両の半数程度を俗に言うココム、チンコム制限の地域内に出す用意があるかどうか。これがまず一つの問題だと思うのでありますが、それについてお考えを聞かしていただきたいと思います。
○宮澤国務大臣 直接の所管でございませんので、非常に具体的な御返事を申し上げることは差し控えますけれども、乗用自動申そのものが戦略物資であるというようなふうには私ども考えません。たとえばウエポン・キャリアーのようなものは、それはあるいはそういうことが言えるかもしれませんけれども、普通の乗用車あるいはトラック等が戦略物資であるということは、とうてい私どもに考え得ないので、これらの輸出について、何らかの制約がそういう意味からあるということは、私は必要のないことだと思います。おそらくは、問題はそれに対する支払いの条件等にあるのかと思われます。ココムあるいはチンコム等の関係で普通の自動車の輸出をとめなければならないという状態ではない、そうあるべきではないであろうというふうに私は考えます。
○泊谷委員 先ほどのお話では、運輸省のことまで長官のほうでお話されていたのですが、いま車のことになると権限が違うとおっしゃられる。しかし新聞紙上等を通じてみる長官の発言というものは相当力を持っているように私は感じているのです。いろいろと事情はありましょうけれども、それこそ先ほど先輩の議員から話がありました政治論として、いま市場を確保するためには、御承知のとおり三万九千八百円のミノルタ35のカメラも香港では一万九千円で売っているのでしょう。市場を求めるためにはですね。ですから、これは観光上の悩みにもなりますけれども、日本人がつくったものを日本人が買うよりも安くして市場を求めているのがいまの世界の趨勢でありましょう。そのときに車の生産はとめられない。また逆に経済成長を高めなければならぬのです。道路が狭く運転手がいない、もう道路が限界にきて車が動かない。このごろは自動車と言わずに他動車といって、ほかの車が動いてから行動を開始する。こういう中で、大きなところとしては、抜本的な交通政策とあわせて、現象面に出てくるその部分を何とかほかに逃げ場を求めるということが筋だと思うのでありますが、トラックを含めて、閣内で御相談をいただくというところまでも前進していただけないものかどうか、くどいようですが、もう一度御答弁をいただきたいと思います。
○宮澤国務大臣 たとえばウエポン・キャリアーといったあたりになりましたら問題があるかもしれませんけれども、そこまで至らざるいわゆる自動車一般について、私はこれはココム等の制約を受けるべきものではないと思います。もしそのゆえにということであれば、それは改められてしかるべきものと考えます。
○泊谷委員 それでは大きな問題としていま提起した問題は以上にして、具体的な問題で自動車局長のほうにお尋ねしたいと思います。 東京の路面交通がだいぶ渋滞したということで、六年くらい前から四年くらい、東京陸運事務所は新しく認可するもの、新免、これをとめて、一応の基礎を確立しようと考えられたわけであります。最近運輸大臣は乗車拒否をめぐって六千両の増車を明らかにしてまいりましたけれども、私から言うと、運輸大臣の答弁はあまりにも実質を御承知ないような気がするのです。先日木村局長の口から、いま認可になっております両数で、運転手不足で車庫の中にねむっている数が一千両と話がありましたけれども、業界の皆さんに調べてもらうと、必ずしもそんなわずかな数ではないようです。三千両ふやすと七千八百人の運転手を必要とする。こういうことで、従来の不足分を合わせますと相当数の運転手ですから、いまハイヤー会社の御主人は、車を利用する場合に、自社の車を利用しないで他社の車を利用して、その車の中で名刺を出して私のところに来ないかと直接社長が乗り出して、運転手確保に努力しているという話を聞くのです。しかも支度金などという話も出てまいります。こうなってまいりましたときに、新免の扱いでありますけれども、憲法上で企業の自由が保障されておる国ですからいろいろと事情はあろうと思うのです。私は自動車あるいは道路運送審議委員をやって、一年間基礎を確立するためということで新免をとめた経験があるわけです。当面ハイヤー新免の時期になってまいりましたけれども、原則としてこのあたりで交通政策を抜本的に検討してみる必要から、それまでの時期は新免を原則としてとめて、交通整理に入るべきだと思うのですが、お考えをお聞かせいただきたいと思うのであります。
○木村(睦)政府委員 東京都内の交通の混雑と、タクシーの輸送力の増強、それから運転手の確保の問題、非常にいろいろな要素がまぜ合いまして、むずかしいタクシー行政になっておるわけであります。 まず増車とそれから都内の道路交通の混雑の緩和の問題でありますが、車をふやせばそれだけさらに交通が混雑することは事実であります。ただタクシーというものの社会的な使命からいいますと、需要者の要望にこたえるというたてまえでございますので、これをふやさなければならない。しかしながら、一方において交通混雑を激化することは考えなければならないことでありますので、その点は現在の実情に照らしまして、交通混雑緩和の方向で、公安委員会と十分連絡をとりまして、いろいろな施策を講じてまいっております。たとえば一方あるいは路上の駐車の禁止あるいは車庫を確保さすとか、いろいろな方法を講じてまいっておりますが、何しろ経済の進展が激しいために、経済活動の中心であります輸送機関がどんどんふえてくるということもまた一方において必然の傾向でございます。東京都内で現在三万両足らずがタクシーでございますが、東京都内の自動車はもはや百万両に近づこうとしておるような状況でございますので、タクシーだけを特に押えて交通混雑が緩和できるというものではありませんで、全体の車の交通につきましていろいろな交通規制をやらなければがぬ。しかもそれが都民の経済活動の芽をつんではいけないというような問題がございます。この点はただ単に需要供給の観点だけから増車を具体化するということは考えておりませんで、こういった点も考慮に入れております。 それから運転手の確保につきましても同様でありまして、車だけをふやすことによってその目的は達せられませんので、運転手の確保、さらには運転手の養成、それから運転手に対するいろいろな待遇あるいは厚生施設の整備、いろいろな方策を滝じまして、運転手の確保に努力をさすように指導いたしております。増車につきましても運転手の確保とにらみ合わせて増車の実施をいたしておる次第であります。かように考えておりまして、過去におきましては一時増車をストップしたこともあり、新規免許をストップしたこともございます。新規免許の場合と既存業者との関係はタクシー行政のあり方といたしましてそのときの実情に応じて責任の陸運局長が考えながら実施をいたしてまいることになるわけであります。監督その他の関係から申しましても、あまりに自動車がふえることはいかがかと考えるわけであります。
○泊谷委員 私はまだ全国的によく承知しないので、率直に言って北海道だけを担当したのですが、十三社がいま四十社になりまして、認可を出すということになれば運転手の争奪戦が激しいということは御承知だと思います。もう一つは認可そのものについてであります。これはここで議論するのは適切かどうかと思うのでありますが、ただ実情としてお聞きをいただきたいと思うのであります。北海道では数多い石炭山が閉山になります。そうしまと、その経営者は失業者救済ということで大きな資本が認可をとります。実際山の連中は失業者は一人も使わないのです。そういうことで、四十社になりまして、この企業についても大きいの小さいのがあって、わずか八両くらいでやっているのもありまして、これは協会内の調整もつかない。ところが陸運局では増務給もまともにもらえないというきびしい人員の配置でありますから、勢い交通規制の問題あるいは交通安全運動というものも業者に依存しなければならない、こういう実態であります。さらにその協会内の競合を激化させる、こういうことについて私はこの時期に考えてみる必要があるだろう、こう考えまして、新免について特に慎重にかまえたらどうか、それとあわせて、業界の強化を考える時期ではないか、こういうふうに思って意見を述べたのでありますが、大筋、こういうことについて、私の考えていることが誤りであるかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。
○木村(睦)政府委員 大筋の考えといたしましては、私も先生の御意見と同感でございます。やはりタクシー事業といういうものは、かなり零細な規模でも事業として成り立ちますし、また、相当な規模でも事業として経営できるという、本来そういう性質の事業でございますので、現実にいかなる規模のものを認めていくかということは、やはり需要の面ももちろん考えなければいけませんので、その地方地方の実情に応じて陸運局長が判断してきめるほかはない、かように考えております。それから、新規の事業者をふやすという点につきましても、営業の自由という一般的な憲法の原則等も一応は頭に入れまして、しかし、タクシー事業は公益性の強い事業であるがために免許制になっておるこの精神からも考えまして、処理をしなければならぬと思いますが、新規の免許を全然認めないという場合には、またそこに弊害もあり得ますし、また新規の免許を多く認めていけば不当な競争が起きる、あるいは、事業の監督も行き届かないという、また反面における欠点もございます。したがいまして、それらはやはりその地方地方の実情に応じて陸運局長が適切な判断のもとに処理するよりほかにない、かように考えておりますが、大筋の考え方としては私も同感でございます。
○泊谷委員 それでは、長官が一時から用があるというので、政務次官とあわせてお伺いしたいのですけれども、いまの場合、業界を中心に考えてみてものを申し上げるのですけれども、開放経済になって、本来的には自由にどんな企業でもやれるというふうに一般に印象を持つのですけれども、企業を守るという位置から、やはり過当競争を排除しよう、こういう行政指導がなされてきています。そのいい例が、航空機の、四月十五日に発足をしました北日本と日東と富士の国内航空、それから、海運では、ニューヨーク路線の問題については、これは川崎やら大阪商船、三井など含めまして、今回またこれが共同して作業をやることになったわけですね。そうしますと、ハイ・タク、バスも含めてでありますけれども、一応、いま前段で申し上げたように、車はどんどん出てくる。そして国外にあまり出ないものですから、中古車は安直に手に入りますね。そうすると、日銭が入る企業であるから、一生懸命になって、陸運局の皆さんや警察の皆さんが力を入れております白タクを防ぐあるいは暴力ハイヤーを阻止するといっても、これは実際問題としてなかなかたいへんな仕事です。その中に、大きな車両を持つ会社、小さなもの、いろいろと利害の相反するものを集めて業界として秩序を保たせるのには、一面では、いま新免の問題で局長からお話がありましたけれども、一応何らかの調整をはかる必要な段階にあるのじゃないか。あわせて、先ほど壽原委員からありましたが、役所で監督をするのでなくて、本来やはり同業者間で調整をはかることが好ましいことだと私は思うのです。そういう意味において、金融上の問題として、当該業界内に信用保証協会などを設置して、業界自体として対外的な責任を持つ、こういう体制を考える時期でないかということを先日申し上げたのです。運輸当局としては、およそ、そういうことも着手しなければならぬではないかというお説でありましたけれども、次官とそれから長官のお考えをお聞かせいただきたいと思うのです。
○宮澤国務大臣 申し上げるまでもないことでありますが、私がタクシー等の運輸行政につきまして発言をする権限を与えられておりますのは、料金との関係におきまして閣議決定があるからでございます。したがって、免許のあり方等々につきまして、私は、有権的に申し上げる資格がございません。ただ、どういうふうに考えるかというお尋ねでございますから、結局は、私は、その点は、基本的には、営業というものは自由であるという憲法の原則に立っていくべきだと思います。そこで、その原則の上に立って、それが人の生命、身体等に非常に関係が深いというものについてこれを許認可制にする、こういうたてまえでいくべきだと思うわけであります。したがって、その限りにおいて、タクシー等の事業がある程度許認可事業になっておるということは、理解ができないわけではございません。しかし、その場合に、需給関係からもう少しこういうものをふやしてくれてはどうかということが世論としてかなり強いように考えられまして、運輸省でもそれに従って措置をされつつあるわけでございます。その場合に、それが行き過ぎれば当然過当競争になるわけでございます。その過当競争になった段階においては、自由経済の法則から申せば、新たな免許を受けたいと希望する者がそこでなくなる、これは収益が上がらないということで、新たに市場に加わる者がなくなるはずでございますけれども、必ずしもすべての人が合理的に行動するとは限りませんので、多少そこに時期的に行き過ぎがあったりすることはあろうと思うわけでございます。基本的には、したがって、やはり自由企業というものが考え方の基本になると思いますが、その間に生命、身体の保護あるいは一般的な交通確保といったようなことから、何らかの制約が加わることは、これはやむを得ない当然のことであろう。そこで、結論として考えられますことは、基本的には自由というたてまえでありながら、しかし、それに対して反社会的な行為があった——暴力タクシーその他のものでありますが、そういうものについては、今度は、一般の市民に与えられるところの自由を剥奪するということは差しつかえがないだろう。したがって、免許を与えること及び免許を取り消すこと、あるいは制約することについて、おのおの迅速に適切に行政がなされることが望ましいのではないか。なお、業界そのものにおけるいろいろな共助機関の問題は、これはお説のとおりだと思います。いわゆる独禁法等の精神に背反しない限り、御指摘のようなことが行なわれることは、業界全体の繁栄といいますか、平静なる秩序のもとに業務が行なわれるという意味で好ましいことだと考えます。
○田邉政府委員 御質問の第一でございますが、小さい業者、こういうものを整理統合をしていこうという指導は、現在運輸省はいたしておりません。また、必ずしも小さい業者が経営が不振である、そうしてまた、それが非常にタクシー業界のためにマイナスであるというような問題は、大きい立場から考えまして、やはり中小業者の保護育成ということも一面に考えなくてはならぬわけでございますので、この点につきましては、慎重に配慮しなければならぬ、かように考えます。 第二の問題でございますが、これはただいま長官からお話がございましたが、私もそういう考えでございます。ただ、業界がお互いに自粛をしていく、また、タクシー乗車拒否の問題等につきましても、みずからの手でこういう問題を積極的に解決をしてもらう、そういう意味における業界の結束と申しますか、今後の業界のあり方については、大いに業界自体がひとつ考えていただきたい、こういう考えでございます。
○泊谷委員 時間の関係がありますから、交通規制それから道交法の問題などは次回にしたいと思うのですけれども、いまの問題で、やはり業界自体でというお話でありますが、きょうは業界を中心に話を進めてきたのですけれども、業界といっても一皮むけば企業対立ですね。ですから、ただ交通安全週間に陸運局から委嘱を受けて出てくる、あるいは監督をきびしくするというだけでは、私はやはり片手落ちだと思う。ですから、業界自体で、業界で世話するものがある程度の権限を行使できて、そうして全体のチームワークを、あまり大きくないとは言え、拘束権をもって調整をはかる、こういうことが必要だろうと考えて、先ほど申し上げた信用保証協会、まあこれは仮の名前ですけれども、そういうものを出して、全体で保証できるものをつくる。チームワークを乱すから、全体の行動としてはそれはうまくない、このくらいの力を与えなければいけないのではないかと考えて、そういうことを申し上げたのであります。さらに御検討いただきたいと思います。 そこで、次回に道交法や何かのことでまたやらしていただくことにしまして、きょうは終わりますけれども、一つだけ国家的な立場から、先日飛行機のところでもありましたけれども、全日空でも日航でも、迂回をして、年間油代だけで約十億円の損をするといわれております。またハイヤー、タクシー、トラック、バスなどは、踏切で一たん停止することによって油代を損する。そういうことで国家的な立場から助成できるものはこの際考える必要があると思うのです。具体的なものとしていま思いつくものは踏切一たん停止の問題で、これは局長のほうにお尋ねしたいのですけれども、自動車局長の直接の仕事ではありません。だが、自動車行政としてながめてみた場合に、交通量の少ない踏切などにつきましては、逆に公安委員会の指定する信号、常時進行信号を定置して電車もしくは列車を逆に通行遮断する、その通行のときだけ閉鎖する、こういうことにして、一たんとめて始動開始するときに飛ばす油というものを節約する必要があるのではないか。このことは車の流れにも大きく影響してくるし、こういうことを考えていいのではないかと思うのですが、自動車行政のあり方から考えて、法制局なりあるいは警察庁の調整も必要でありますけれども、どういうお考えをお持ちであるか、最後に一つだけお聞かせいただきたいと思います。
○木村(睦)政府委員 踏切通過の際の燃料節約等の措置といたしまして、いま御指摘のような方法も一方法かと考えます。外国では、踏切の遮断機が線路の側のほうに常におろしてあるというふうなこともありますが、わが国ではすべて道路側の交通を原則としてストップしておるということになりますけれども、確かに燃料節約から見ますと、御指摘のような方法も一つの方法かと思います。関係者とよく検討してみたいと思います。
○川野委員長 久保三郎君。
○久保委員 一つだけ自動車局長にお伺いしておくのですが、先ほどバスやタクシーの踏切ストップの問題が論議されたのでありますが、そこで公営交通、いわゆる都電、都バスというか、そういうのを中心にした地方公営交通のストップに対する財政措置というのはその後どうなっていますか。いま理事者側から訴えられたのは、御案内のとおり四十八億実は赤字である。累積赤字は別にして、大体四十八億の赤字が見込まれる、こういう問題についてしかるべく財政措置を講じてほしいというので、これは自治省並びに大蔵省等にも関係があるのでありますが、当面の役所である運輸省はその後どういう働きをしておられるか、その解決のめどがあるのか、その点どうですか。
○木村(睦)政府委員 この問題につきましては、政府部内でも当初からいろいろ意見が出ておりまして、一応そういう面について検討しようということには、先ほど企画庁長官がお話しになったようになっておりますが、その後具体的に、しからばどうするかという問題につきましては、実はなかなか結論が出ないで弱っております。それで運輸省、それから自治省、大蔵省、企画庁、関係各省の事務次官会議をそのために開くことにいたしまして、関係事務次官会議でこの問題を研究いたしております。政府としても実は非常に困惑いたしておる点でございまして、遺憾ながらまだ結論が出ておりません。運輸省一人の力ではどうにもなる問題でもございませんし、政府全体の問題として何とかこの問題について善処したいということで、目下考えておる状況でございます。まことに不満足な御返事でございますが、実情はそういうことでございます。
○久保委員 最近の情勢を聞いておるのでありまして、いままでの経緯をお尋ねしておるわけじゃないのです。政務次官は政治的な面でいろいろ御折衝があると思うのでございますが、自治省を中心にして財政措置を考えているというふうに聞いております。進行状況はどういうふうになっておりますか、いかかがです。
○田邉政府委員 いま検討の段階で、折衝は進んでおりません。
○久保委員 それではこれは、たとえば新年度に入りまして、自治体はそれぞれ予算編成というか、実行の段階で非常に困っておると思うのです。東京都のごときは、御案内のとおり、先般来都電の撤去まで含めて、非常にシビアーな、しかも企業採算は将来にわたってとれるかどうかわからぬというような形で、実は合理化というか近代化というか知りませんが、そういうことまでやっておるのでありますが、このままでは、たとえば都電を撤去するという一つのことを見ても、それじゃ撤去したあと将来にわたって健全な経営ができるのかどうかというようなことを聞きますと、必ずしもそういう見通しはない、とにかく何かやらなければいかぬというようなことで、しかもオリンピックをこの秋に控えまして、大衆輸送機関といえば、言うならば都電、都バス、地下鉄、この三者だと思うのです。三者に対して経営が方針としてもちっとも確立しない。四十八億は、これはもちろん東京都を含めて都市交通のものでありますが、少なくともその中の大きな比重を占めるのは、御承知のように東京都の問題ですね。これに対して政府は関心を持っていろいろやっているのだが、めどはちっとも立っておらぬということでは、どうもいかがかと思うので、いついつまでといってはたいへん語弊があるが、どのくらいまでには結論をつけなければならぬというような強い気がまえがなければ、ずるずるべったりやっていて、それではたしてことしのオリンピックでうまくいくかといえばなかなかうまくいかぬと思うのです。そういう点についてもっときつい意見を運輸省の当時者としては出すべきだと思うのですが、どうですか。
○田邉政府委員 お説のとおりでございまして、私どももできるだけ早い時期に結論といいますか、見通しをつけたい。運輸省としては各省との関係もございますが、運輸省の考え方だけは早くきめて、そしてその推進力をやっていきたい、こういう考え方でおります。
○久保委員 もう一つ政務次官に要望しておきますが、先ほどの、東京都の都電並びにバスあるいは地下鉄、営団の地下鉄を含めて、東京都のいわゆる交通政策は確立されなければいかぬのですね。ところが、一方的といっては語弊があるかもしれませんが、東京都の理事者の近視眼的な合理化で、これが体系立った合理化ではなくて、場当たりの合理化が進められるとするならば将来にわたって非常な混乱がくると思うのです。そういうことを考えますと、いま理事者側がそれぞれ出しておるような方針が妥当であるかどうか。これはむしろ自動車局あるいは鉄道監督局、そういうものを含めて解決しなければならぬと思うのです。そういう手続はとっておられるとは思うのでありますが、総合的に運輸省は方針を明示すべきだと思うのです。これは単に東京都の問題だけではないと思うのです。そういう点について、もしも今日までやっておらぬというならば、私は運輸省内において統一的な見解を持って、将来の展望に基づくところの都の交通のあり方をきめて、それでどれから始まる、こういうふうにすべきだと思うのです。一つだけ要望しておきます。
○木村(睦)政府委員 ただいま東京都交通局が経営合理化のいろいろな措置を講じておりますが、これは実は大体昨年一年かかりまして、特に公営企業のあり方につきまして検討しようということで、公営交通事業財政調査会というものを公営交通事業協会のほうで自治省の肝いりで設置いたしました。そこでいろいろ資料に基づいて検討をし、議論をいたしまして、一応意見書が昨年秋出たわけであります。これを受けまして、東京都交通局は経営の合理化を根本的に行ないたいということから、今日の合理化の推進をやっております。それから、御指摘のように、バス、都電、地下鉄、営団等を含めまして、基本的な都市の交通計画というものは、もちろん長年にわたって運輸省といたしましても検討をいたしておりまして、都市交通審議会の設置を見ましてからも、数回にわたりまして基本的な方策の答申をもらいまして、その実施も一部いたしておりますし、その答申に従って東京都の交通計画の施策の実現に努力をいたしておるような実情でございます。なお今後ともこの問題につきましては、関係各機関と十分連絡をとりまして、場当たりでない措置を講じていきたい、かように考えております。
○久保委員 いまの合理化の提案は、公営交通事業財政調査会ですか、その答申によってという話でありますが、これはむしろ公営企業という狭い分野で物事を判断してやるべきじゃないと思うのです。東京都の交通をいかにするかという都市交通の問題としてやるべきだし、またその場合には、地下鉄一つとっても、営団と東京都がある。あるいは路面の交通にしますれば、私バスの問題もある。あるいは鉄道にすれば、国電もある、路線もある、いわゆる電車もある。こういうことでありまして、これを一元的に見て、いわゆる同じ爼上にのぼせてディスカッションされなければならぬと思うのです。いまやっているのは、たとえば自治省の諮問機関ならば、公営企業としての企業としてのあり方でやっておる。むしろこれは、東京都における将来における交通機関をどう処置するか、あるいはこの運営形態をどうするかというようなことをやるべきだと思うので、そういう点で私は要望しているわけなんです。どうぞそういうことで御処理を願いたい、かように思います。
○川野委員長 次会は明二十二日水曜日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時十五分散会