文教委員会 第3号
- 発言数
- 60 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1963/12/17
会議録
○委員長(中野文門君) ただいまより文教委員会を開会いたします。 本日の委員長理事打合会について御報告いたします。本日の委員会は、まず、前回の委員会で質疑の残っている米田君の分限免職、小規模学校の定数等の問題等について質疑を行ない、その後、義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律案、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律及び市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案の順に審査を行ない、最後に請願の審査を行なうことに決しました。 以上、御報告いたします。 —————————————
○委員長(中野文門君) それでは、前回に引き続き、分限免職、小規模学校の定数等の問題について調査を進めます。 質疑の通告がございます。これを許します。米田君。
○米田勲君 私、あらかじめ三つ申し上げてあったんですが、「等」という中に含まれていると思いますから、まず第一に、産炭地域の、この前の委員会で、暫定期間特別措置をとるべきだという問題について、実は大臣以外は繰り返しの私の話で、他の方にはちょっと御迷惑をかけることになりますが、事情を申し上げまして結論だけお聞きしたいわけです。それは御承知のように、石炭産業の合理化あるいは閉山という問題で非常に政治的、社会的に問題になっていることは、大臣も御承知のとおりですが、この閉山や合理化で急速に産炭地の小中学校においては学童が減っていっておるわけですね、親の転職等によって。ところが、これをしゃくし定木に、子供が何人になったのだから学級は一つに併合する、そうすると、学級が幾つになると、その学級に対して教職員の定数はこれだけしかないのだから余りが何人出てくる。したがって、この余るものは直ちに転任だ、こういうふうに事務的にやられることは、非常に産炭地の現状から見て適当でないという私たち判断なんです。その事情は、あまり時間がありませんので長く申し上げませんが、特に大臣にそのことを知ってほしいのは、普通の教員の転任であっても、長い間子供が教育を受け、親しんできた先生が転任するということは、子供に対して非常に動揺を与えることは御承知のとおりです。ところが、今度の産炭地域における問題は、親が職業を失うという重大な事態に当面しておるのですから、子供に与える影響は、そのことが重大であると同時に、それに伴って、その習った先生がどんどん転任をしていくということになると、それだけでもたいへんな打撃を子供の心には与えるわけです。そういうことが一つと、もう一つは、親の失職等の問題で、ともすると子供たちが思わしくない方向にいきやすいという条件が考えられるわけです。ですから、そういう地域の学校の先生は、特に学童の家庭の問題の世話までも相談相手になって、そうして、一人一人の子供に徹底した指導を、ふだんはやっていても、特段にやってもらわないと、やはりあとで悔いを残すような状態が起こってきても困る。ですから、いろいろな、そのほかに理由を申し上げるといいのですが、はしょって申し上げますと、この産炭地域の学童の減少によって学級の統廃合が行なわれる場合でも、暫定期間、私としてはまず二年はぜひそうしてほしいと思うんですが、暫定期間、特別の措置を個々の教職員の配置に対してはとってもらいたい。その特別の措置ということを、具体的に平易なことばで常識的にいえば、ワク外の定員をこういうところには特別に認めてほしい、暫定期間。こういうことが第一点であります。この措置をとってもらえるようになるのかどうか、これをお聞きいたしたい。
○政府委員(福田繁君) 産炭地の問題につきましては、この前、米田委員からもお話がございましたとおり、今後いろいろな学校の実情につきまして私ども検討して参りたいと考えておりますが、現在の段階におきましては、この前、衆議院の予算委員会におきましても大臣から御答弁があったわけでございますが、学級編制についてはやはり県下全般の問題でございますので、学級編制のみによって、これを御指摘のような事情を解決するということは、かえって不公平な場合も生ずると思います。したがいまして、学級編制については私ども現在のところ特別な措置を考えることは困難だと思いますが、ただいまお述べになりましたように、特に産炭地の生徒児童の不良化その他につきましては、これはやはり生徒児童の指導ということを徹底する必要がございますので、そういった意味で当該の学校につきまして、できる限り教員の充実配当をはかっていきたいということは考えておるわけでございます。したがって、具体的に当該の教育委員会から計画等で出てまいりました際には十分検討いたしたいと考えております。
○米田勲君 再質問をいたしますが、いまのお答えは、私の結論的に言っておりますように、暫定期間ワク外の定員を与えて特別な措置を講ずる、その該当の学校に県で——文部省の側からいえば県ですね、県の全体に対して。そういう意味なんですが。私の言っているのは、人数が減ったから、何人になれば一人でひとつの学級でいい、統合して。ということもあまり機械的にやるべきではないとさえ思っておる。その点は否定しているわけですね、初中局長は。そのほかに算術計算をして何人余るから引き揚げるということでなく、当分の間は置いて、よくめんどうを見て教育に当たらせるというふうなワク外の定員を認めてくれ、暫定期間、特別措置として。こういう結論なんですが、それはそのとおりやりましょうと、当該県教委からいろいろな話があれば、そういうふうな措置をとるようにいたしましょうということなんですか、その点をはっきりしてください。
○政府委員(福田繁君) たとえば福岡県などの例をとってみましても、現在、福岡県はかなり現行法におきましても過員をかかえております。また将来も相当過員が出ると思いますが、そういう過員が出たから直ちにその産炭地区の学校から引き揚げるということでなく、できる限り、今度の成立いたしました場合の標準法の趣旨にのっとりまして、できる限りそういう過員を充当して、生徒児童の指導に当たっていくような措置を考えていきたい、こういう趣旨でございます。
○米田勲君 私の心配しているのは、行政措置だけ指導してもらっては何にも効果がないというのです。県の教育委員会がそういう該当の市町村あるいは当該学校に対して、十分に念を入れて教育をやれという行政指導をしてもらうだけでは事が足りない。結局、県の教育委員会に与える定員のワクというものは、基準から出していって出てくるわけです。総数が。それを該当の学校について十分検討した上で、それにプラスアルファのワク外定員を暫定期間与えてくれと言っていることであって、行政指導だけのことを言っているんではないでしょうね、初中局長の答弁は。
○政府委員(福田繁君) 私どもとしては、そういう計画を県自体がとりました場合に、できる限り考慮したいということでございます。
○米田勲君 文部大臣も、いま初中局長の答弁したように考えて措置を責任を持ってしてくれますね。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 初中局長の答えましたとおりでけっこうでございます。
○米田勲君 では、次の第二の問題に移ります。これは文部大臣がかわりましたので、前の文部大臣から当然責任上引き継ぎをしておられると思いますが、実は現在、小規模学校という五学級以下の学校に、去年初めて改善をしてくれて、二校に一人だけ学級担任外の教員を配置するというふうに政令を一部改善をしてもらったわけです。この政令の廃止問題は、三十六年度の予算審議の参議院の予算分科会で、いろいろ当時の初中局長であった内藤氏や、荒木前文部大臣と話し合いの結果、私の主張としては、僻地教育の現状とその振興対策を考えるなら、こういうような政令をいつまでもいつまでも放置しておくことはうまくないということで、直ちに廃止してもらいたいという主張をしたわけです。ところが、その当時のいろいろ大臣と局長の答弁では、学級の編制を改善していく五カ年計画の進行過程である、したがって、いま直ちにこの政令を廃止しなければならぬという主張はわかっても、三十八年度の完成の時期まで待ってくれんかということが結論的に言われたわけです。それで私も三十八年度からこの政令が廃止されるものと判断をして、そのときはやむを得ず了承する形でその会議は終わっておるわけです。ところが、去年の十一月ですか、文部省から大蔵省に対する概算要求の中にそのことが含まれていないということを発見したわけです。そこで文教委員会で、これは約束と違うではないですか、三十八年度からはこの政令を廃止して、僻地教育の振興対策を講ずるということになっておるのだが、概算要求していないのはいかぬじゃないかという話し合いから、いろいろ対策を講じてもらって、あのときの話では、今まで三校に一名というのを二校に一名というふうに改善をして、私のそのときの了解としては、もう一年漸進的にやってもらいたいということと判断して、三十九年度予算からは文字どおり、前からの約束どおり、この政令は廃止されるものと判断しておったのでありませんが、ところが、この間の文教委員会で初中局長に聞いたところが、それがそのように行なわれそうにもないような口ぶりなんです。これは文教大臣も御承知のように、学力テストをやってみても、実際の教育を視察してみても、五学級以下の小規模学校というのは大体僻地、離島にある。だから文部省で幾ら僻地教育の振興などといっても、そのためには施設設備の充実に特に力を入れるとか、あるいは有資格の教員を充実して配置するとか、あるいは僻地手当をもっと抜本的に改善して有為な人材をそこに送り込むというような、それぞれの措置が着実に積み重ねられないと、かけ声だけでは僻地教育の振興にはならない。とりわけこのような政令でいつまでも縛っておくことは、文部省の僻地教育の振興のかけ声からいっても間違いじゃないか、加えて三十六年からのお互いの話し合いと約束もあることだから、三十九年度からはこの政令をぜひ廃止してもらいたい、こういう私の主張であり意見であります。文部大臣にお答え願います。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 一応、政府委員からお答えいたします。
○政府委員(福田繁君) 私どものほうも小規模学校の定員の充実につきましては従来から努力してまいったところであります。先ほどから御指摘になりましたように、五学級以下の小規模学校につきましては、従来は三分の一ということで配当いたしておりましたが、三十八年度においてはこれを二分の一に引き上げて、この前の通常国会におきましても、その点について将来また新しい計画をつくる場合におきましては、十分、小規模学校の充実をはかってまいりたいというように私は申し上げたつもりでございます。したがいまして、三十八年度の二分の一は改正したばかりでございますが、私どもとしては、将来も漸進的にこれは進めていくという考えでございますが、今回の定数法の改正におきましては、いわゆる五学級以下の小学校の学校につきまして、今まで一学級あたりの教員配当一人であったのを一・二五まで引き上げたわけでございます。したがいまして、たとえば北海道などで申しますと、五学級以下の学校が非常に多いわけでございますが、今回の一学級あたりの丁二五に引き上げたものと合わせますと、米田委員の御指摘になりました趣旨は十分私は実現していると思いますけれども、そういう充実を今回の定数法ではばかっております。したがいまして、なお今後の問題としてはいろいろ検討すべき問題も一残っておりますので、私どもとしては研究していきたい、かように考えております。
○米田勲君 そういうことをいま言われても私は話が違うと言いたいのですよ。これはもう先ほどから言っていることを繰り返し言う必要もないが、少なくも三十八年度でこれを解消するというお互いの了解であったわけです。それを去年は一年待って二分の一までして、漸進的にいかざるを得ないのだということで、私もそれで了解をして、三十九年度からは廃止して、新しい定数標準法の形でいくべきだという考えなんですよ。それをまだ、この政令はいつまで命脈を保つのかしらぬけれども、いつまでもこういう点で小規模学校の対策をほうっておくということは、何としても納得ができないのですよ。これは荒木前文部大臣と再三にわたってこの問題をここの委員会でも、予算の分科会でも話し合っていることなので、新文部大臣の灘尾さんの手でもってぜひこのことを解決してもらいたい。三十九年度にこの政令は一応廃止して、新たな角度から必要があればまた検討してもらいたい。私は何もいまここで直ちにその代案を示したりして自分の主張を後退させるつもりはないけれども、一応この政令を廃止して、三学級以下の学校においてまた暫定期間で何か講ずるとか、いろいろの措置があると思うが、いまは五学級以下の学校については、なお二分の一という定員しか配置しないという方針を踏襲していこうとしているのですから、これでは私はうまくないと思うのです。どうですか、その点。
○国務大臣(灘尾弘吉君) だんだんとお話を伺ったわけでございますが、この問題につきましては文部省としましては、いま初中局長から御説明申し上げましたように、いろいろ努力はしてまいっているわけであります。現段階におきましては、三十九年度からおっしゃるような政令の廃止というところまではいきかねるのじゃないかと思うのであります。私としても、なるべくひとつ十分前向きに検討さしていただきたいと思います。
○米田勲君 私は自分の北海道のことを例にあげるのは恐縮なんですけれども、三千近い小中学校のうち六割七分は小規模学校なんです。五学級以下の学校が六割七分なんですが、この適用をされているものは、北海道全体の教職員の定数というものはものすごく削減されている形なんです。大体この政令を出したときにどういう建前で出したのか聞いてみたら、一つの学校に校長を置けば他の二つの学校は監督をして経営をしていける。だから三校に一名学級担任の職員を配置する政令を出したと、そう言われるから、それではほんとうにそんなことができるのかどうか、来ていただいて、車に乗らないで歩いていただいて、校長が他の二校を監督できるかどうか調べてもらった上で、ひとつ検討しようじゃないかと言ったら、そんなことをしないでも北海道の事情はよくわかりましたという話まで出て、これを解消することを私としては期限つきで約束したつもりなんですよ。それをできないということで突っ放されたのでは、僻地をたくさんかかえている県がたくさんあるわけです、私の知っている限りでは。それらの県が、定数標準法の改正があっても、この政令のために痛めつけられるわけですよ。これは一体、大臣、いつまでこの政令を生かしておくつもりですか。これをまだ生かすという意見だと、いつまで生かすつもりですか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) この問題は政令の基礎になっております問題がはっきり解決しません限りは、政令を直ちに改めるというわけにはまいらぬのじゃないかと思います。今申しましたように、この基礎になっております定数の問題というものをはっきり解決せられれば、おのずから問題が解決せられるのじゃないかと思います。その意味におきまして、いつまでということは申し上げるわけにまいりません。先ほども申したように、前向きにこの問題を検討さしていただきたい、かように考える次第でございます。
○米田勲君 私は大臣の答弁に異議がある。政府としても、文部省としても、この教職員の定数標準を改善していきたいという気持を強く持っておられる、その大臣がですね、この小規模学校に対する政令をまず廃止できないというものの考え方が私は理解できないのですよ。まずそれを廃止すべきじゃないか。そうして定数標準法のほうで必要があればコントロールしていくということが建前なんじゃないか、こちらは改善していくが、いつまでも小規模学校をかかえた県を非常に不利な条件で、僻地教育の振興を妨げるようなことをやっているのは、私は行政措置としてもおかしいのじゃないか。まずこの政令を廃止し、そうして定数標準の改善の方向で、この問題を込みにして、こなしていくという措置が正しいのじゃないですか、どうですか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) あるいはそういう考えのほうが正しいのかもしれませんけれども、現段階におきましては、今申し上げた答え以上のことはできないと思います。
○米田勲君 私はその答弁では納得ができないが、前々からの話もあることですが、きょうは実は理事会でも約束の時間をきめておるそうでありますので、この問題は次回の委員会に譲って、特にもう少し実情についてお互いに話し合ってみるということにいたしたいと思います。 それでは第三点の問題に移ります。この間、文部大臣がおられない間に初中局長からいろいろお聞きをいたしました。結論的に申し上げますが、文部大臣は、昭和三十八年十一月二十二日に出した人事給与主管課長会議資料という内容については詳細に知っておられるかどうか、大臣にお聞きします。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 率直に申し上げますと、最近知りましたような次第であります。
○米田勲君 現在はこの内容についてはよく知っておられますか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) あらかた承知いたしております。
○米田勲君 一問一答でこのことを申し上げますと、非常に長い時間を要する結果になりますので、私はなるべくそういうことは避けたいと思いますが、この主管課長会議に出した資料と称するものは、初中局長の答弁では、あくまでも資料です、資料ですと言っておるが、一カ所ずつ検討していけば単なる資料ではないわけです。これはやはり実質上、地方の教育委員会、県の教育委員会にこういうことをやれということを強く指示しておるように文章自体もなっておる、こういうふうに私は解釈をせざるを得ない。ところが一方に、これを出した当時は、定数標準法案は二度、国会で廃案にはたしかなったけれども、それを特別国会に提案もするような運びにしないでおいて、こういうことを一方的に出すということは不穏当だと、結論的には思うわけです。特にこの会議では、日本教育新聞に出ておる内容を見ますと、その対策として文部省側は、「新採用は必要最小限まで手控える」、二番目は、「この際、老齢、成績不良教員、組合活動家など不適格教員を整理して、人事管理を強める」、次は、「不適格教員の基準として勤務評定の成績を重視する」、次は、「日教組などの反対闘争が予測されるので退職勧告のような相手に余裕を与える方法でなく、分限免職という強い方針で臨む」、次は、「この場合、解雇者を早期に指名し、首の心配がない一般教員と切り離して、組合の闘争力を弱めるなどを指導した。」と、こう報道してあります。この報道を主管課長会議で協議し、文部省側から話をしたろうと聞くと、いや、その新聞報道は誤りだと言うかもしれませんので、私は前もって言います。しかし、この日本教育新聞にも、初中局長から、すでに組合活動家という記事が出ておるのは、これは専従者を含んでおらぬという異議の申し立て、それからもう一つは、「より強力な」という個所に対して、これは「より強力な」という言葉は除くという二点を主張して、この点だけの訂正を要求しているわけです、この新聞社に対して。あとは訂正の要求をしていない。したがって私は、いまこの新聞が報道をしておる読み上げました個所は、いまの訂正要求をした部分を除いては、この会議で話し合われておるし、文部省側からそういう指導を加えておるということを考えるわけです。そこで、私は文部大臣に考えていただきたいことは、一体、人を使っておる側の者が人の首をとるというときには、私はよほどのときでなければそういうことはやるべきでないという原則に立つべきじゃないのか。もちろん私は、現在の法律の中で教職員として明らかに不適格者がある場合には、これをそれぞれ処置するように法律はあります。しかし、これは、いろいろな指導を加えて、なおかつ不適格ということが客観的に見ても明瞭な場合に、私に言わせると、泣いて馬謖を切るようなまじめさと用意周到さで、人の首を切るという処置は真剣に考えなければならぬと思うわけです。ところが、この資料なるものを見ますと、きわめてその点の慎重さを欠いておる。しかも私は非常に問題だと思うのは、こういう個所まである。二ページ目のところには、「この際、かりに(四)の方法をとるとしても」——(四)の方法というのは、「定数の改廃または予算の減少により廃職または過員を生じた場合」のことです。この「(四)の方法をとるとしても、事務処理上の適確を期するため」と書いて、カッコして、「(後日の争訟の資料等を整えるため)」と、わざわざカッコ書きをして、「(一)、(三)の事由による分限免職の方法を選ぶようにすすめる。」と、こういうようなことまで考えて指導を加えておるということは、私は不穏当だし、不見識だと思うのです。大体、教育委員会が(四)の方法で整理をせざるを得ないとなれば、(四)の方法をとるべきであって、(四)の方法をとるにしても、名目は、それではあとから訴訟のときにうまくないから(一)、(三)の名目に切りかえて首を切るという指導までしておるわけです。これが不穏当であり、不見識な内容であるという一例です。それから第三番目の、「その職に必要な適格性を欠く場合」の中に、これはこの前も私は非常に問題にしたのですが、「当人の素質、能力、性格等その職に適しない色彩ないし、しみの附着している場合で、簡単に矯正することのできない持続性を持っている場合でなければならない。」と書いてあるわけです。これで首を切れと言っているわけです、この文章は。そうすると、これは私は理解のできない個所があるといって何度も追及したのですが、「素質、能力、性格等その職に適しない色彩ないし、しみ」、その「しみ」というところには点まで打ってあるのです、大事な点だからということで。一体この「色彩」というのは、現在の教職員の具体的にはどういう行為、行動、性格、能力、素質等を指摘して「色彩」といっておるのか、それを答えなさい。さらに「しみの附着している場合」というのは、一体、素質、能力、性格のどういう具体的な状態にあるものを称して「しみ」といっておるのか言いなさい、こう聞いたのですが、初中局長は答えられないという結論ですよ、私に言わせると。同じことを言って答えておらぬ。文教委員長に注意をされてもなおかつ答えられない。私は答えられないと思うのです、追及しても。おそらく答えたら重大な事態が発生する、そういうことを答えたら。このことは人の首を切れと指示をする内容の公文書としては、私は公文書と見ていますが、こういうあいまいでどうにでも解釈できる、どういうふうにでもでっち上げることができるような、そういう文章を使って、そして首切りの準備指令を指示するというがごときはまことに奇怪だし、ものごとの扱い方が慎重を欠いておるし、きわめて不適切だ、こういうふうに考える重要な点の一つなんです。私はいろいろなことを申し上げたいのですが、結論的に申して、この主管課長会議に提出した資料並びにそのときに文部省側が発言した発言の内容、これはきわめて不穏当であり、不適当である。しかも一部事態の変化も起こることがごく近い期間に予想されるという事態でもあるし、この文書の撤回を私はすべきだと、こう思うわけです。そして具体的には、この文書の撤回をするということを具体的に措置するためには、この主管課長会議と同じようなメンバーを早急に召集した機会に、このことは前には資料を渡して、それに対していろいろなことを申し上げましたが、それは撤回をします、一応白紙に戻します、そういう作業は中止しなさいという責任ある指導をしてもらわなければならぬ。そういう意思が文部大臣にあるかどうかをまずお聞きして、その返答いかんによっては、あと質問いたします。
○政府委員(福田繁君) ただいま御指摘のありました点については、私ども当時は定数法が成立しないかもしれないというような最悪の事態を予想した事務的な打ち合わせ会でございました。したがいまして、具体的に各府県の事情等を聴取しながらいろいろ打ち合わしたわけでございますが、現在の段階におきましては、その当時の事情とは全く一変いたしておりまして、事態は私は解消するものと考えております。したがいまして、当日指導いたしました資料等につきましては、今後早急の機会におきまして、教育委員会の関係者にその指導を中止するようにいたしたいと考えております。ただ、先ほどお述べになりました教育新聞の内容でございますが、これはまあ私ども当時見まして、非常に行き過ぎな記事が載っておりました。したがいまして、たくさんの個所について間違いがございましたので訂正を申し込んだくらいでございます。以上をもってお答えいたします。
○米田勲君 今度は文部大臣に答えていただきますが、初中局長の今の答弁は、事情も一変したことでもあるし、この資料は白紙に返して、それらの事務は一切停止をする、中止をする、そういうことを指導をすると、こういうふうに答弁がありましたが、文部大臣は、責任をもってそのことをわれわれと約束することができますか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) この問題はいろいろ御意見もあろうと存じますが、まあ当時の事情からいたしまして、今から考えれば、かなり事務当局も取り越し苦労をしたものだと、こういうふうな考え方でありますが、そういうふうな最悪の場合の用意ということで相談をしたことと思うのであります。現在の段階に立って考えます場合には、この法案が成立するという見込みがあるといたしまするならば、あのような指導をする必要は少しもなかったということも言えるだろうと思うのでありますから、あの資料に基づいての指導というものは、初中局長の申しましたように、これ以上進行させない、いわゆる中止するということを申し上げて差しつかえございません。
○米田勲君 それではこの行政措置は中止をすると大臣が責任をもって答えたことを確認をいたします。ただ、これはきょうは時間の都合がありますのでこれ以上この問題については触れませんが、自後、文部省の役人の側にこういう文書を平気で出す傾向のあることに対して、私は非常に思わしくないと思われますので、日をあらためて、このような態度が是正されるようないろいろな意見を述べたり、大臣のお考えをお聞きしたりする機会は別の機会にいただきたいと思います。その点は留保しておきます。以上です。
○委員長(中野文門君) 米田君の質疑は終了いたしました。 —————————————
○委員長(中野文門君) 次に、義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律案を議題といたします。 まず、文部大臣から提案理由の説明を願います。灘尾文部大臣。
○国務大臣(灘尾弘吉君) このたび政府から提出いたしました義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律案の提案理由及びその概要について御説明申し上げます。 さきに第四十回国会において義務教育諸学校の教科用図書の無償に関する法律が制定され、義務教育諸学校の教科用図書はこれを無償とするとの方針が確立されるとともに、その具体的措置は、文部省に置かれる無償制度調査会にはかって別に法律をもって定めることとされたのであります。政府はここに、調査会の答申の趣旨を十分尊重して、義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律案を用意いたしたのであります。この法律案は、無償措置の実施に必要な基本的事項を規定するとともに、この措置の円滑な実施に資するため、教科書の採択及び発行の制度に所要の整備を加えたものでありまして、義務教育の充実に資するところ大なるものがあると信じます。 次にこの法律案の要点とするところを申し上げます。まずこの法律案は、国、公、私立の義務教育諸学校の全児童生徒に、全教科の教科書を給与しようとするものであります。その具体的な実施方法は、国が発行者の供給する教科書を購入して、これを市町村等義務教育諸学校の設置者に無償で給付し、設置者は、それぞれの学校の校長を通じて児童・生徒に給与することといたしております。これは、国と設置者が相互に協力して無償措置が円滑に実施されることをはかったものであります。 次に、教科書の採択について申し上げますと、現在、市町村立の小・中学校の教科書の採択は、所管の教育委員会が行なうこととなっておりますが、実施にあたっては、郡・市の地域の教育委員会が共同して同一の教科書を採択することが広く行なわれております。 このような採択の方法は、地域内の教師の共同研究の上にも、また児童・生徒の同一地域内における転校の際にも便利である等、教育上の利点があることによるものであります。この広地域の共同採択は、無償措置の実施にあたって供給の円滑と教科書価格の低廉をはかる上にも資するところ大なるものがありますので、本法律案は、都道府県の教育委員会に、管内の義務教育諸学校において使用する教科書を、あらかじめ数種選定させるとともに、市町村の教育委員会が共同して同一教科書を採択するための採択地区を郡市の地域について設定させることといたしました。市町村の教育委員会は、都道府県の教育委員会が選定した教科書のうちから、採択地区ごとに協議して、同一のものを採択することとし、国立及び私立の学校等においては、都道府県の教育委員会が選定した教科書のうちから、学校ごとに採択することとなっております。 次に本法律案は、この義務教育諸学校の教科書の発行者について指定制度をとることといたしました。現在、義務教育諸学校の教科書を発行するものは、四十六あります。元来教科書は、他の一般の出版物と異なり、学校教育法によって使用を義務づけられたはなはだ重要なものでありますから、これを発行する者は、きわめて公益的性格の強いものであるといわざるを得ません。特に無償措置を実施するにあたっては、すぐれた教科書を合理的な価格で迅速、確実に給与することが必要であり、このため、発行者が堅実であることが望まれるのであります。この見地から、今後は義務教育諸学校の教科書の発行者について、適格なものを文部大臣が指定し、指定を受けた者のみが、発行、供給を担当し得ることといたしました。なお、所定の要件を欠くに至ったものは指定を取り消すこととなっております。 昭和三十八年度においては、さきに制定された法律に基づき別途定めた政令によって小学校高学年の児童が使用する教科書について無償給与を行ないましたので、この法律案においては、昭和三十九年度の小学校第一学年から第三学年までの児童にかかる無償措置から実施することといたしております。 以上が、この法律案の提案の理由及びその概要であります。何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成下さるようお願いいたします。
○委員長(中野文門君) 次に、本法律案は、衆議院において修正されましたので、その修正点について説明を願いたいと存じます。長谷川衆議院議員。
○衆議院議員(長谷川峻君) 修正案の趣旨を御説明いたします。 第一点は、政府原案によりますと、義務教育諸学校の教科用図書は、都道府県の教育委員会が、あらかじめ選定する数種のうちから採択するたてまえとなっておりますが、市町村教育委員会及び国立、私立の義務教育学校の校長等、教科用図書を採択するものの自主性を尊重して、都道府県教育委員会の任務は、採択に関する事務について指導、助言または援助を行なうことにいたしました。なお、この際都道府県教育委員会は慎重を期し、かつ広く意見を反映せしめるため、あらかじめ教科用図書選定審議会の意見を聞いてから指導、助言または援助を行なうことといたしました。 第二点は、採択地区の設定に関し、その単位は、政府原案においては、「市若しくは郡の区域又はこれらの区域をあわせた地域(県の区域となる場合を含む。)」となっておりますが、規定の趣旨を明確にするため、カッコ内の部分を削除いたしました。 第三点は、発行者の指定に関し、政府原案においては、文部大臣は、発行者が指定の基準に適合しているかどうかを調査するため必要があるときは、その職員に発行者の営業所等に立ち入り、検査をさせることができることとしておりますが、発行者が指定の基準に適合しているかどうかの確認は、必要な報告書もしくは資料の提出をもって、十分行ない得るものと考えられますので、立ち入り、検査に関する部分を削除いたしました。 その他、以上の改正に伴い、所要の条文を整備いたした次第であります。
○委員長(中野文門君) それでは、これより質疑に入ります。 御質疑のおありの方は、順次御発言願います。
○豊瀬禎一君 ただいま修正提案者から趣旨の説明がありましたが、それにも簡潔には触れられておったようですが、なお、念のために一点だけ、ただしておきたいと思います。政府原案の十一条による都道府県教育委員会の選定権を削除して、単に都道府県教育委員会の任務を、市町村教育委員会の行なう採択に関する事務について、適切な指導、助言、援助を行なうということにとどめた修正提案の理由は、都道府県教育委員会が、いかなる名目、様式、態様に基づこうとも、市町村教育委員会等に対して、採択に関する限りは、特定の教科用図書の推薦を行なう。あるいは、たとえばこれがよろしくはないか、こういったような類似の行為を行なうことを一切否定しておるものと、法文上からも、ただいまの提案趣旨の概要からも一察知されますが、そのように提案者の修正理由があったと判断してよろしいですか。
○衆議院議員(長谷川峻君) お答えいたします。 それは、都道府県の教育委員会の任務に相なることと思いますが、その際の指導、助言、援助の権能についてでありますが、特定の教科書を採択させるというものでなくて、また、数種類の教科書を選定する行為はとらないということになろうかと思っております。
○委員長(中野文門君) 他に御発言もございませんようですから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中野文門君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
○豊瀬禎一君 私は日本社会党を代表いたしまして、本案に反対の意思を表明いたします。 もともと国会におきましても、私どもたびたび主張してまいりましたし、また法律案提出という形におきまして、義務教育完全無償の原則の一助としての教科用図書の無償配付につきましては、日本社会党の方針として今日まで推進してまいりました。ところが本案のねらいというもの、また、法文上に——若干修正されたとは言いますが、意図するものが、必ずしも教科用図書を義務教育無償の原則に従って配付するという意図だけではなくて、採択に関する問題、あるいは発行業者に対する干渉等の意図が、明確に表わされているものと判断せざるを得ないのであります。 まず、反対理由の第一は、現在の検定制度とも関連してまいりますが、現在の検定制度は、教育基本法、学校教育法の精神をじゅうりんして不当に検定官の意図が盛り込まれ、それが採用されない際には、検定不合格という、発行業者に対して決定的な致命的なものになっておることは、本委員会においてもたびたび指摘し、また、世の識者がひとしく認識しているところであります。この検定制度において、すでに教育の真の発展のための重要な要素である自由と自主性が侵されておることは、ただいま申し上げたとおりでありまして、教科用図書というものは、その地域における政治、経済、文化、児童心身の発達等と呼応して、当該学校の教師がみずから教育的な見識に立ってこれを採択するということこそが教育基本法の精神に合致するものであります。ところが、この法案は、この検定済みの教科書に対してさえも、当初は、数種に限定するとか、あるいはその他の措置によって、児童が自由に教科用図書を使用するという余地が残されないようにするという、すなわち数種選定による教育の、教科書の国家統制への意図があったことは、あまりにも明確な事実であります。このことは都道府県教育委員会の——大幅に削除されたとはいえ、指導、助言、援助等の権限が、まだ若干残され、教科書に対して、行政権が介入していくという性格を持っておるものとして、強く反対いたしたいのであります。 第二の問題は、発行業者に関する問題であります。これまた、本委員会におきまして、さきの通常国会で、たびたび指摘したところですが、現行制度におきましても、文部官僚は教科書発行の過程において、単に営業権に立ち入るだけでなくして、内容その他に対して不当に干渉しておる事実は、このことを公表すれば、検定不合格という報復手段がくるというおそれのために、業者、経営者自身も、私どもにさえも、これを披露することにちゅうちょを感じておりますが、このことにつきましては、今日まで幾多の事例が指摘されておるのであります。その上に、指定制度、あるいは削除されましたけれども、なお、報告の義務等があるということは、現在まで文部官僚がとってまいりました具体的な発行に対する不法の行為から判断をいたしまして、完全にこれが払拭されたとは考えることができないのであります。 第三点は、現在における特殊学校等の問題ですが、現行におきましても、いろいろと特殊教育の振興と特殊児童の現状に立って、必ずしも各学年該当の教科書を使用しないという現実があるわけですが、こういう、地方における教育の特殊性に立って、教科書を教育的純粋の観点に立って自由に選択をしていくという行為が、この法文の残されたものからも幾つか生じてくる危険性を持っておるのであります。私どもは、冒頭に申し上げましたように、完全無償を早急に実施するとともに、これは単に無償配付するという措置にのみとどめて、この際、採択制度あるいは発行制度に対して、不法な干渉をしない。特に法律に規制して、行政権がこれに関与していくということは、教科書、特に大臣も提案趣旨に述べられたように、教科書が重大であるがゆえにこそ、このことは絶対排除されなければならない。悪い教科書は、教師が教育的な良心と見識に立って排除していくということこそが、教育基本法の真のねらいであろうと思います。以上の点からいたしまして、完全無償の措置も、まだ段階的な措置をとるというにとどまって、わが党が多年主張してまいりました無償が義務教育諸学校に直ちに及ばないという点をはなはだ不満とするところでございます。 以上、三点を述べまして、本案に反対をいたします。
○柏原ヤス君 私は公明会を代表して、ただいま議題となりました義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律案に賛成の討論をいたします。 当法案につきましては、公明会は、子弟の教育を根本に考えたときに十分なものではないといわざるを得ません。すなわちわが公明会は、第一に広地域採択の範囲を都道府県単位まで拡大すべきものとし、第二に即時中学三年生までの実施を主張し続けてまいりましたが、当法案において無視されたことは、はなはだ遺憾とするものであります。 それをあえて賛成いたしますのは、われわれの主張するところに一歩近づいたということと、もう一つは、父兄負担の解消は、緊急を要しているものであり、それによって部分的ではありますが、父兄の要望にこたえることができるという二つの理由をもって賛成いたします。
○吉江勝保君 私は自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律案に対し、賛成の意を表するものであります。 本法律案は、さきに第四十回国会で成立した義務教育諸学校の教科用図書の無償に関する法律に基づき、無償制度調査会の答申の趣旨を十分に尊重して作成されたものでありまして、その内容は、無償措置に必要な基本的事項を規定するとともに、その円滑な実施に資するために、教科書の採択及び発行の制度を整備し、わが国義務教育の充実に資するところ大なるものがあると信ずるからであります。 第一に、無償措置については、国、公、私立の義務教育諸学校の児童生徒に全教科の教科書を無償給付することといたしまして、その経費は全額国庫負担といたしましたのは、義務教育無償の趣旨に最も即した適切な方法と考えるからであります。 次に、教科書の採択につきましては、都道府県教育委員会の指導、助言、援助のもとに採択地区ごとに市町村教育委員会が協議して一種の教科書を採択する等、採択制度の整備をはかっておりますが、これは広地域の共同採択の実情を基礎とした適切妥当な制度であると考えるのであります。また、教科書の発行者につきましては、指定制度をとることにいたしましたが、これにより、すぐれたよい教科書が、堅実な基礎を持った企業によって発行されることになり、ひいては業界の過当競争の防止にも役立つものがありまして、採択制度の整備と相まって無償措置の円滑な実施に資するところ大なるものがあると信ずるのであります。 以上述べましたとおり、本法律案の成立によりまして、国民が長らく要望をいたしておりました教科書無償制度が、わが国教育史上画期的に実施され、その発展が保証されるのでありまして、自由民主党といたしましては、本法律案の成立を強く希望する次第であります。
○委員長(中野文門君) 他に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中野文門君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律案を問題に供します。 本案を衆議院送付案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(中野文門君) 多数でございます。よって本案は、多数をもって衆議院送付案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中野文門君) 御異議ないと認め、さよう決定しました。 —————————————
○委員長(中野文門君) 次に、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律及び市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、提案理由の説明を願います。灘尾文部大臣。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 今回、政府から提出いたしました公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律及び市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 現行の標準法は、昭和三十三年に制定され、同法のもとで、翌三十四年から五カ年計画により、公立義務教育諸学校のいわゆるすし詰め学級の解消を進めてまいりましたが、昭和三十八年度において、この五カ年計画は完了し、すし詰め学級は、一応の解消を見たのであります。今後は、その成果を基盤とし、教育効果のより一そうの向上を目ざして、義務教育の充実を進める必要があります。このためには、昭和三十九年度以降における学級編制について新たな目標を示し、計画的に、その改善をはかりたいと考えるのであります。 さらに先般、義務教育諸学校の教育課程について大幅な改定を行ない、小学校については昭和三十六年から、中学校については昭和三十七年から、それぞれ全面的に実施いたしておりますが、その適切な運用を期するため、必要な教職員が確保できるよう教職員定数の標準につきまして改善を加える必要があります。 なお、今後数年間にわたって、児童生徒が急激に減少するという事態が生じてまいりますので、現行法に定める標準のまま推移いたしますと、教職員定数の大幅な減少が予想され、今後人事行政に重大な支障を生ずるおそれがあり、この点も十分考慮に入れ、ここに学級編制と教職員定数の新たな標準を定めるため、この法律案を提出いたしたのであります。 次に、法律案の内容について御説明いたします。まず第一は、学級編制に関する標準の改善であります。すなわち、現行法における一学級五十人の標準を四十五人にするとともに、複式学級、単級学級につきましても、それぞれ標準を改めることといたしたのであります。なお、この際、特殊教育の普及に伴って養護学校につきましても必要な規定を設けることといたしました。 第二は、教員定数に関する算定標準の改善であります。すなわち、新教育課程の完全実施に伴って、新たに道徳及び技術、家庭科が新設され、さらに教育内容の充実のために授業時間数を増加いたしましたので、これに必要な教員数を確保できるよう、教員定数の算定標準を改めることといたしたのであります。 第三に、以上のような改善と並行して、養護教員及び事務職員の増員をはかることとし、これら職員の定数の算定標準を改めることといたしました。 第四は、経過措置についてであります。この法律案は昭和三十九年度から実施することにいたしておりますが、まず、学級編制の標準につきましては、児童生徒数の減少及び学校施設の状況を考慮しつつ、五年後には一学級四十五人の目標に到達できるようその間の必要な経過措置について政令で定めることといたしました。また、教職員定数の標準につきましても、同様に、五年間に漸次改善をはかることといたしております。なお、この場合において問題となりますのは、児童生徒数の減少が必ずしも全国一律ではなく、その減少の傾向が特に著しい県があること及び現に相当数の定数を上回る教職員を擁している府県があることであります。前者につきましては、一般の府県と同様の扱いをいたしますと、教職員定数の急減によって混乱を生ずることも予想されますので、事情に応じて昭和四十五年三月三十一日までに、漸次定数を減少させることができるよう配慮することといたしました。また、後者につきましては、法律の施行と同時に、定数を上回る教職員を認めないことにいたしますと、同じような混乱を生ずることになりますので、その程度に応じて昭和四十三年三月三十一日までに漸減できるよう特別の配慮をいたしております。 最後に、事務職員の充実と関連して市町村立学校職員給与負担法の一部を改正いたしました。すなわち、現在、「吏員相当の者」に限られている義務教育諸学校の県費負担事務職員の資格の制限を緩和し、その確保に遺憾なきを期することといたしたのであります。 以上が、この法律案を提出いたしました理由及び内容の概要であります。何とぞ、十分御審議の上、すみやかに御賛成くださるようお願い申し上げます。
○委員長(中野文門君) 次に、本案について、衆議院において修正されましたので、その修正点について説明願いたいと存じます。長谷川衆議院議員。
○衆議院議員(長谷川峻君) 修正案を朗読いたします。修正案は三党の共同提案でございます。第十一条にかかる政府提出の改正規定は、「文部大臣は、公立の義務教育諸学校における学級規模と教職員の配置の適正化を図るため必要があると認めるときは、都道府県に対し、学級編制の基準又は公立の義務教育諸学校に置かれている教職員の総数について、報告を求め、及びあらかじめ自治大臣に通知して、勧告をすることができる。」ことになっているが、本修正では、同条中の「勧告」を「指導又は、助言」に改めることにしたのであります。
○委員長(中野文門君) それでは、これより質疑に入ります。 御質疑のおありの方は、順次御発言願います。——別に御発言もございませんようですから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中野文門君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中野文門君) 御異議ないと認めます。それでは、これより採決に入ります。 公立義務教育諸学校の学級編成及び教職員定数の標準に関する法律及び市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案を問題に供します。 本案を衆議院送付案どおり可決することに賛成の方挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(中野文門君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって衆議院送付案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、おはかりをいたします。先ほど理事各位と御協議、決定いたしました附帯決議案を便宜私より提案いたします。 まず案文を朗読いたします。 公立義務教育諸学校の学級編成及び教職員定数の標準に関する法律及び市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案 四十五人を適当とする定数標準法の改正に伴う国庫負担金制度については、政府は、改正法の趣旨にしたがい運用すべきである。 ただいまの附帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(中野文門君) 全会一致と認めます。よって、ただいまの附帯決議案は、全会一致をもって、本委員会の決議とすることに決しました。 文部大臣より発言を求められました。これを許します。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 本標準法並びに附帯決議の趣旨に沿って、各都道府県に適切な指導を行ない、その上に立って、各都道府県が決定した定数をできるだけ尊重するよう努力いたします。
○委員長(中野文門君) なお、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中野文門君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。 —————————————
○委員長(中野文門君) これより請願の審査を行ないます。 学童の栄養改善に関する請願外九件を一括議題といたします。これらの請願については、あらかじめ理事会で協議いたしました結果、お手元に配付してあります文書整理表の三から七まで、すなわち請願四二号、九〇号、八九号、三号、一七号、六六号の各請願を採択することに決定しました。 理事会で採択と決定したこれら請願を、議院の会議に付し内閣に送付すべきものと決定することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中野文門君) 御異議ないものと認めます。 なお、自後の手続は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中野文門君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日は、これをもって散会いたします。 午後六時三十四分散会 ————・————