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45回国会参議院1963/12/12

科学技術振興対策特別委員会 第2号

発言数
78
登壇者
6
会派数
4
開催日
1963/12/12

会議録

向井長年民主社会党

○委員長(向井長年君) ただいまから、科学技術振興対策特別委員会を開会いたします。  佐藤科学技術庁長官及び鹿島科学技術政務次官から発言を求められております。これを許します。佐藤科学技術庁長官。

佐藤榮作自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○国務大臣(佐藤榮作君) 私は、科学技術庁長官の重責をにない、去る十月初め、経済協力開発機構の科学関係閣僚会議に出席し、欧米諸国の科学技術担当首脳者とひざを交えて懇談し、また西欧諸国における科学技術の目ざましい進展ぶりをつぶさに見てまいりました。わが国が、世界の先進諸国に伍して、国民経済の隆昌と国民福祉の向上を実現するためには、科学技術の研究開発の画期的な強化をはかることが現下の急務であることを、身をもって感じてまいった次第であります。  昨今、わが国の科学技術水準が、欧米諸国に比べて遜色なきまでに向上したのは、わが国が諸外国の優秀な科学技術を導入し、それらをよく消化したことに負うところがきわめて大きかったことは、周知の事実であります。  しかしながら、今後、開放経済体制のもとにおいて、先進諸国との激甚な経済競争に耐え、これに打ち勝つためには、従来のごとき外国技術への依存体制からすみやかに脱却しなければならないのであります。  私は、以上の観点から、今後わが国においては、独創的技術の開発を推進するため、その基盤となる基礎研究の充実をはかるとともに、特に国として早急に開発すべき宇宙、原子力等の重要科学技術の振興を一段と推進する必要性を痛感する次第であります。  このための具体的対策といたしましては、今後、次のごとき諸施策を強力に実施してまいる所存であります。  まず第一に、科学技術に関する行政機構の整備強化につきましては、現在臨時行政調査会を中心として鋭意検討が進められておりますが、さしあたり、わが国の科学技術に関する最高審議機関である科学技術会議を強化し、急速に進展しつつある科学技術の現状に即応し得るよう、これに常時調査し審議する権限を付与する等、所要の改正をはかりたいと考えております。また同時に、科学技術会議が答申した線に沿い、国立試験研究機関の刷新充実を極力はかりたいと思います。特に、研究学園都市への集中移転につきましては、試験研究機関が恵まれた環境のもとで緊密な相互の連携をはかりつつ、研究を効率的に推進し得るような理想的な研究団地の建設を進めてまいる所存であります。  第二に、民間における新技術の開発を促進するためには、国の試験研究機関の積極的活用をはかるとともに、民間における研究投資を促進するための税制上の優遇措置を画期的に拡大強化し、また、優秀な科学技術者の育成をはかるほか、新技術開発事業の強化、情報提供業務の充実、発明実施化の助成、地方発明センター設置の助成等一連の措置を推進いたしたいと思います。  また、国民全般に対する科学技術思想の普及啓発につきましても、中央地方を通じて強力に実施する所存であります。  第三に、わが国の科学技術振興の中核の一つとなる宇宙開発につきましては、従来その総合推進に努力してまいり、特に去る八月には当庁の気象観測ロケットの打上げ実験に所期の成果をおさめ、国の宇宙開発に第一歩を印しましたが、今後さらにその開発体制を整備強化するとともに、国連等の国際機関あるいは諸外国との密接な協力をはかりつつ、宇宙開発におけるわが国の地歩を確立し得るよう、強力かつ効率的な推進に努力してまいる所存であります。  原子力の平和利用につきましては、世界主要諸国において最近これを積極的に推進しようとする機運がみなぎっており、ここ数年前と比較すると、その意欲には目をみはらせるものがあります。これは、技術の進歩等により、原子エネルギー利用の経済性が近い将来において他のエネルギー源に匹敵し得る見通しが強まったため、各国とも原子力発電所の建設や原子力船の建造に積極的に乗り出してきたことによるのであります。  わが国におきましても、これら諸国に劣らず、数多くの分野で原子力利用をさらに促進せんとする機運が高まりつつあり、すでに原子力発電、原子力船、国産動力炉、燃料再処理等の開発計画に着手していることは御高承のとおりであります。これらの諸計画が、今後の原子力開発に有する重大な意義にかんがみ、世界の大勢におくれをとらぬよう、その積極的推進をはかるための具体策につき、鋭意検討を進め、力を尽くしてまいるつもりであります。特に原子力発電につきましては、将来におけるわが国エネルギーの需給構造上に占めるその重要性に思いをいたし、その推進につき特段の措置を講ずる所存であります。  第五に、最近産業の発展近代化による国民生活の著しい改善にもかかわらず、台風、豪雪、集中豪雨等、自然災害は依然としてあとを断たず、また大気汚染、騒音等、過大都市の出現と工場の過密化に伴う公害の発生も増大化し、国民生活をおびやかしております。これら災害を防止軽減するために、従来とも関係行政機関とそれぞれの立場から研究を行ない、当庁においても総合的な立場からこれらの研究を推進してまいりましたが、今後とも防災及び環境科学技術の強力な振興をはかり、これに対処する所存であります。特に本年度当庁の付属機関として新設した国立防災科学技術センターについては、その役割りを十分果たさせるよう、格段の育成強化をはかりたいと考えております。  また、その他の海洋科学技術等の重要総合研究についても、一そうの充実をはかる所存であります。  なお、最近次第に重要性を高めている資源の総合的利用の調査及び方策についても、これをさらに強力に進めてまいりたいと思っております。  最後に、科学技術に関する国際交流につきましては、宇宙開発、原子力利用等、今日の科学技術の研究は、いまや国際的規模において行なわれるべき時代となっていることは申すまでもないところであります。特にわが国の経済協力開発機構への加盟が目前に迫っている今日、科学技術に関する国際交流がますますその重要性を増しつつあることを痛感する次第であります。したがいまして、今後一そう科学技術者の国際交流の推進、国際的共同研究及び国際会議への積極的参加等により、国際交流の実をあけるよう努力いたす所存であります。  また、科学技術基本法制定の問題につきましては、いまだ科学技術会議で審議中でありますので、その答申を待って検討を進めたいと考えております。  以上、当面考えております施策の大綱を申し述べましたが、わが国科学技術振興の重要性にかんがみ、微力ながらあらゆる努力をいたす所存であります。  委員各位のご支援ご協力をお願いしてやまない次第であります。

向井長年民主社会党

○委員長(向井長年君) 鹿島科学技術政務次官。

鹿島俊雄自由民主党科学技術政務次官

○政府委員(鹿島俊雄君) このたび再び科学技術政務次官を拝命いたしましたが、はなはだ不敏ふつつかな者でございますが、よろしく御支援御協力を賜わりますようお願いいたす次第であります。   —————————————

向井長年民主社会党

○委員長(向井長年君) それでは日本原子力研究所に関する件を議題といたします。  同研究所の東海研究所に建設されておりました動力試験炉は、去る十月完成し、このほど引き渡しが行なわれたそうでありますが、同炉の運転が停止されるなど、問題があったやに聞いておりますので、この間の経緯について説明を聴取いたしたいと思います。島村原子力局長。

島村武久科学技術庁原子力局長

○政府委員(島村武久君) ただいま委員長から御下命をいただきましたので、日本原子力研究所におきまする動力試験炉のその後の状況について御説明申し上げます。  今度長年かかりまして動力試験炉がようやく発電開始の運びとなりましたにもかかわりませず、最終段階におきましていろいろトラブルを生じまして、国民の御期待に沿い得ないことがありまして、さらに日本の原子力の開発の将来についていろいろと疑念を持たれるような動きも生じましたことは私どもといたしましても非常に遺憾に存じておる次第であります。まず、いわゆるJPDRと申しますもの、これは動力試験炉でございますが、この炉につきましての建設の経緯を若干申し上げてみたいと思います。  この炉を建設しようといたします計画は昭和三十二年に始まりまして、予算的に申しましても三十二年度予算からこれに必要な経費が計上せられたわけでございます。  すなわち原子力委員会におきまして電気出力一万ないし一万五千キロワット程度の動力試験炉を原子力研究所に設置いたしますことは、将来の日本の原子力開発の上におきまして、動力炉の建設、運転、保守というような問題につきまして実際的な経験を得るということ、あるいは各種の実験、試験をこの動力炉によりまして行ない、その特性を把握することができるということ、さらに国産の燃料の性能試験、あるいに各炉への応用の問題、そしてまたそれに続いていろいろな国産部品の特性試験、寿命試験等を行ないますためには、このような炉が必要であるということを決定いたしまして以来、日本原子力研究所におきましては海外へ調査団を派遣いたしますとか、あるいは海外各社から見積もりを取りまして、その中身を検討するとかというような準備段階を経まして、昭和三十五年の八月に、その中からアメリカのゼネラル・エレクトリック会社の製作いたします沸騰水型の原子炉を採用することを決定いたしまして契約を結んだわけでございます。自後、この炉の建設にあたりましては、原子力研究とGEJと申しまして、日本ゼネラル・エレクトリック株式会社、この間に契約を結びまして建設を行なわしめてまいりましたものでありますが、この間に原子力研究及び政府がこの炉のために使いました経費は大体四十八億円にのぼります。うち三億円余りは政府がアメリカ合衆国政府から購入いたしました燃料費に当たるわけでございまして、実際にゼネラル・エレクトリック会社に支払われますお金は、その四十八億円のうち約三十五億円でございます。差額の十億円余りは、原子力研究所が直接行ないますところの建物の建設、あるいは変電設備その他の機器の整備を原子力研究所は直接国内向けに発注をいたしております。なお、ゼネラル・エレクトリック会社が受け取りますおよそ三十五億円のうち、これまた約十億円は、国内の下請会社といたしまして、日立や、あるいは日本原子力事業株式会社関係の日本の国内メーカーに支払われ、また推定約三億七千万円ぐらいの金は燃料の加工費に充当せられる予定となっております。建設は他の原子炉に比べまして割合に順調に推移して進行いたしておったのでございますが、本年度に入りましてから少しずつおくれてまいりました。計画が延び延びになる傾向が出ました。八月二十二日ようやく臨界に到達いたしました。この炉は熱出力四万六千七百キロワット、電気出力にいたしまして一万二千五百キロワットでございます。臨界後さらに整備を進めまして、十月十日から出力上昇試験を開始いたしました。二十六日には熱出力で一万キロワット、電気出力にいたしまして二千キロワットの発電試験に成功したわけでございます。これはわが国におきます初めての原子力発電といたしまして原子力平和利用の歴史の上で画期的な意義を有するものであると考えられ、多くの人々から喜ばれたわけでございます。しかしながら、発電を開始いたしました二十六日の三日あと、十月二十九日に至りまして、受注社でありますGEJ社が突然運転を中止するという申し入れをいたしまして上昇試験を中止したわけでございます。なぜ運転を中止したかということにつきまして、原子力研究所側から先方に対しまして説明を求めましたところ、十月三十日先方が明らかにいたしましたところでは、現状のような雰囲気では出力上昇試験を行なうことは危険であるということでございます。さらに、その雰囲気という言葉の説明といたしましては、原因不明の故障や誤操作がしばしば起こっておる、あるいは絶えず組合のストライキに脅かされておる、また原研の組織の運用が当を得ていないように思うというような説明がございましたが、その後話し合いをいたしました結果、原因不明の故障や誤操作というような問題、あるいは組織運用の問題というようなことは、あるいは現場の意思疎通が十分でなかった、あるいはそこに働きます場合の日本側とGE側との間の作業態勢が食い違っておるというような問題に起因いたします、いわば誤解によるものが多いということで、撤回せられまして、最後に残りましたのは、絶えず組合のるトライキに脅かされているという問題になったわけでございます。原子力研究所といたしましては、この問題につきましては、GEと交渉をいたしますより前に、組合側とまず話をつけなければならない問題でございますので、GE側との折衝はしばらくおきまして、組合側との折衝を始めたわけでございます。当時、原子力研究所の組合は、ベースアップの要求をいたしておりました。これは一般公務員のベースアップ問題に伴います。政府関係機関のベースアップ要求の一環でございました。特別に原研独自の問題ではなかったわけでございます。他の関係労働組合に先がけまして、原子力研究所の労働組合は十月二十四日に早くもスト権を確立いたしまして、翌二十五日、これはちょうど先ほど申し上げました、動力試験炉の発電開始の前日に当たるわけでございますが、スト権を確立いたしました。その翌日に、約五十名ぐらいの組合員でございますけれども、部分ストを現に運転いたしておりましたJRR3と申しまして、通称国産一号炉と呼ばれておりますが、熱出力で一万キロワット程度の原子炉でございますが、この原子炉に対しまして部分ストを実施したわけでございます。おそらくはこの情勢がJPDRにもいつ波及するかわからないという不安をGE側に感ぜしめたものと思われるわけでございます。原子力研究所といたしましても、何もJPDRに限らず、いつ原子炉に対してストがかけられるかわからないというような状況におきまして大型の原子炉を運転するということは、きわめて不安な問題であるということ、そういう考え方で、正常な労使関係のもとに原子炉に対しまするストライキの場合の協定を組合側に申し入れたわけでございますが、その具体的な要点は、ストをやる場合には二十四時間前に予告をするという問題、それから、スキャッブ禁止条項を設けるという問題、保安要員を確保するという問題、この三点が主として組合側と論議せられたわけでございます。この三つのうち、保安要員をストの場合に残す、確保するということにつきましては、組合側と簡単に意見が一致いたしたわけでございますけれども、ストの予告の点につきましては、保安要員を置けば予告は必要でないのじゃないかという組合側の主張、あるいはスキャッブ禁止条項は、これは原子力研究所側がとてものめない条項であるというようなことで、十一月一日についに不調に終わったわけでございます。しかしながら、このような交渉の過程におきましても、原子炉の安全性に対する考え方というものが、根底に組合側といわゆる原子力研究所側との間に存在いたしまして、このような情勢のもとにおいては他の炉も同じような危険にさらされるというような意味から、この交渉の不調に終わりましたとき以降にJRR2、3ついても、一応所側は炉の運転を停止して組合側との折衝の結果を待つことにいたしたわけでございます。交渉はさらに十一月六日から再開されまして、原子力研究所側が、まずもって動力試験炉の運転を再開することにしようという態度で臨みましたのに対しまして、組合側は、その点について原則的に認めつつも、アメリカのGE社に対して抗議をするあるいは放射線のもとにおける労働の安全対策あるいはベースアップ問題というようないろいろな問題も同時に協定しようじゃないかということを持ち出しましてなお意見の対立を見ておったわけでございます。そうこうしておりますうちに、動力試験炉を動かしますに必要な超過勤務に関する協定あるいはJPDR直勤務に関する協定等も失効いたしまして、あるいは失効寸前となりまして、このような問題も動力試験炉を動かしますためには組合との協定をみな待たなければならないというような情勢になりまして、さらにこれらの点について相談をしようということを組合側に提案いたしましたが、組合側の拒否によって再び十一月九日に交渉は中断いたしました。しかしながら、理事者側にも組合側にもなるべく運転を再開すべきだというような全般的な世論に対する反省というものも双方にございましたし、十一月十三日に行なわれまれました団体交渉におきまして理事者が主張しておりましたとにかく動力試験炉の運転再開のための協定をやろうという原則につきましての同意が得られました。さらにこまかい問題につきまして事務折衝を進め、十一月二十八日に至りまして労使双方間に協定が成立いたしまして調印が行なわれたわけでございます。先ほど申しましたような幾つかの問題の中で、ただいま申し上げましたように、今回成立いたしました協定そのものは、やはり動力試験炉を動かすということを第一義的に考えまして、その範囲にしぼりましたために、ベースアップの問題等は一応たな上げにされて、具体的な項目といたしまして、組合側はストを行ないます場合に、二十四時間以前の事前通告を承諾いたしました。スキャッブ条項につきましては、元来少数の組合員の部分ストのために原子炉をとめなければならぬというようなことは不都合であるという観点から、理事者側はこれを拒否していたわけであります。全面ストが実施された場合には、実際問題といたしまして原子炉の安全を確保いたしますためには、運転をとめなければなりませんので、全面ストの場合に限ってこの条項を受け入れることにいたしまして解決を見たわけであります。  その他こまかい協定の内容につきましては省略いたしますけれども、労使間におきまして、とにかくこのような協定が成立いたしましたので、十一月十八日GEに対しまして運転再開を申し入れましたところ、先方は、これを労働不安が去ったものと認めまして十一月二十日から運転を再開したわけであります。その後は出力上昇試験も非常に順調に進捗いたしまして、契約上きめられておりました最終試験でありますところの計画出力、すなわち熱出力が四万六千七百キロワット、電気出力一万二千五百キロワット、百時間連続運転は十二月五日午前零時から開始されました。この試験は九日の午前四時に百時間となる予定でございましたけれども、十二月五日及び七日に一時間ないし一時間半の全面ストが途中で実施せられましたために、実際には予定より遅延いたしまして、十二月九日の午後五時半にようやく最終試験を終了いたしました。動力試験炉の所有権は、ここで原研に移転されまして、両者の間で最終試験及び売り手の業務の完了に関する確認書が署名されたわけでございます。その他の原子炉につきましては、十一月二日、二号炉と三号炉をとめておりましたが、十一月十六日に動力試験炉の協定ができましたので、理事者側はJPDRに準じた協定を締結するという意図のもとに、一応組合側の良識を期待いたしまして、この炉を動かすことにいたしました。すなわち、JRR2につきましては、十一月二十九日運転を開始して熱出力五千キロワットの平常運転を行なっておりますし、またJRR3は、二十二日までに要員の教育訓練を実施いたしました上で二十五日から出力上昇を行ないまして、現在なお諸試験を続行中でございます。  以上、動力試験炉につきまして建設の経過の概要、特に最近の発電開始前後の状況につきまして御説明を申し上げたわけでございます。

向井長年民主社会党

○委員長(向井長年君) ただいまの説明に対し、御質疑のある方は、順次御発言を願います。

小林武日本社会党

○小林武君 トラブルがこのJPDRの問題で起こったと、それから幾多の疑念を国民にも与えた、こういう意味のことが報告の冒頭にございました。この点については、今月の何か総合雑誌でも一部にそういうようなことをちょっと取り扱っていることも見たわけですけれども、私は、科学技術庁の長官が述べられるまでもなく、日本の原子力の開発という問題を考えました場合においては、やはりどうしてトラブルが起きたかということを明らかにしないというと、いわゆる明らかにされないような問題から疑念が疑念を生んでいって問題解決にはならないと思うのです。そういうことをまあ強く感じます。その点でまず第一にお尋ねをいたしたいのは、GEが運転ストップをした理由ですね、この理由は御説明によるというと三点あったようであります。最後は何か一点にしぼられた、労働組合の問題一点にしぼられたということなんでございますけれども、そのミス・オペレーションが多いというようなことは、事実とはだいぶ違っておるというように……。そういうふうに途中で変更になったようでありますけれども、少なくともGEの立場で運転ストップを申し入れる条項として初め出したものが、途中で変えられて、最後は労働組合が悪いのだというような、そういう言い方をするということは、私はいささかどうもそれに疑念を感ずるわけです。そこで、一体そのミス・オペレーションというのはあるのかないのか、どのくらいの件数があって、あるいはその責任が日本の側にあるのか、あるいはGEの側にあるのか、なかったのかというようなことについては、もう少し明らかにひとつ報告をしていただきたいと思います。

島村武久科学技術庁原子力局長

○政府委員(島村武久君) 先ほど申し述べましたように、GE側が最初に説明いたしました中には、誤操作あるいは故障というようなことを申しております。GE側が誤操作だけを言っておったのではない、故障も含めて言っているわけでございます。しかしながら、日本語で故障と申しますと、でき上がって当然持たなければならない性能が発揮できないような場合に故障と申しますけれども、この場合は何と申しますか、建設途上いろいろテストをやりながら調整しつつ進んでまいる段階でございますので、工合よく、予期したようにいかないということ自体をもって、すぐ故障であるとかいうようなことにもなりかねるかと思います。いろいろ原研側にも聞いてみましたけれども、伝えられる故障というものの実体はそのようなことで、手直しをすることによって順次調整し、進んでいく、こういったような性格のものであったようであります。なおその故障の原因につきましては、これは何も日本側の責任であるというような性質のものではありません。当然GE側が責任を負うべき故障も含まれておるわけでございます。全体的には、これはGEの責任によって建設をしなければならないことは申すまでもございません。  それから日本側の職員によりますところの誤操作と伝えられるものも、たとえばあるハンドルを動かせというような指示と思って、米人の技術者の指示に従って、このハンドルかというようなことでそれを指して動かそうとする身振りをしたところが、ほんとうに動かすのかと思ってびっくりしたとかいうような問題が誤操作というふうに言われておったような事実もございまして、先ほど申し上げましたように、これらはよく話し合ってみたところが、言葉の十分に通じないために起こったできごと、あるいはもう一つの理由のほうの態勢というようなことにつきましても、さっき言っておったのにというようなことが、実は向こうの勤務時間とこちらの勤務時間が違うために、話がぐるぐる行き違うというようなことで、そういう点にあるというようなこともわかりまして、そのためにGE側はこれを了解して、最初に申しました三点のうち、二点はこれをはずしたというように聞いております。

小林武日本社会党

○小林武君 私が聞いたところによると、故障というのは三百件くらいあるというふうに聞いております。これは間違いございませんか。

島村武久科学技術庁原子力局長

○政府委員(島村武久君) 小林委員のおっしゃいました三百件と申しますのは、私どもの調査によりましても、いわゆる調整伝票といったようなもので記録に残っておりますのが三百件くらいある、こういう意味でございます。その性質は決して悪くなったとかいうようなものでなくて、試験中の手直しを要する事項、こういう意味に考えておるわけでございます。なお、手直しを要する事項につきましては、それぞれGE側の責任におきまして手直しをしているということでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 その際はまだ受け渡しが終わってないはずですね。

島村武久科学技術庁原子力局長

○政府委員(島村武久君) もちろんそうでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 そうしますというと、故障の三百件というのは、これは責任は一体だれにあるかということになると、アメリカの流儀は知りませんけれども、日本流でいえば、むしろ日本の関係者が責められるべき性質のものでは私はないと思うのです。いかに言葉がわからないといっても、まさか私程度の者がそこで交渉に当たったわけでもないでしょうから、だれの責任かというようなことがはっきりしないようなことで、一体運転をストップするというような、そういう事態まで引き起こすようなことは不当だと思うのです。それが国民にいろいろな疑念を与えたとすれば、責任の所在はだれかということが出てくると思う。三百件の故障、たとえば誤操作による五十四件というようなものにつきましても、私が聞いたところによると、運転日誌の中に、四十九件は少なくとも原因不明のものである、むしろ責任はGE側にあるものであって、五件くらいは原研側のほうにおいて責任があるといいますか、そういうようなものがあるというふうに聞いておる。私はそういうことを聞いておるのですけれども、どうなんですか、それは。

島村武久科学技術庁原子力局長

○政府委員(島村武久君) 私もまたそのように聞いております。日本が全然ミス・オペレートがないということも申し上げかねるのでありまして、約四、五件は原研側のいわゆるミス・オペレーションというものもあろうけれども、大部分はGE側と認められるというふうに聞いております。したがいまして、先ほどお話のありました責任の問題にいたしましても、りっぱにつくり上げてこれを日本側に渡すということの責任は、当然GE側にあるわけでございますから、論ずるまでもなく、そのような責任自体もGE側にあると私ども解しております。ただ、その点はよく話し合いました結果、向こう側が撤回したわけでございまして、そのほかの点につきましても、十分に向こう側を納得させて、向こうに責任があることを認めさせ得ましたならば、一方的に炉の運転を中止したすべての責任は、あげてGE側にあるということになるわけでございます。しかしながら、残念なことに、労働不安という問題についてだけは、理事者側もこれを認めざるを得なかったわけでございます。そのような労働不安のもとにおいて運転することはできないという主張は、原子力研究所側もこれを認めた、こういうわけでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 ミス・オペレーションの問題では、いま原子力局長の話のとおりで、むしろ——むしろどころではなく全然責任はGE側にある。このことを初め持ち出してくること自体がおかしい。しかし、そういうことが、先ほども申し上げましたが、日本のかなり権威のあると思われる——権威ですかどうですかわかりませんけれども、たくさんの人に読まれている総合雑誌の中に、いわゆる原研側にとっては少なくとも迷惑しごくな印象を与えるようなとらえ方で出されておる。そしてこれがまた国民に一つの誤った感じを与えるということを私はおそれるわけなんですね。だからミス・オペレーションの問題では、少なくとも日本側は、一体自分の問題を日本側に持ってきて、三点の問題点で運転をストップするというようなことは、これはやはりあなたのほうでも日本の国民にはっきりわかるような形で出さなければいかぬ問題だと思います。最後は労働組合の問題になってきたと言うのですが、しかし労働組合の問題ということになると、私はちょっとあなたのおっしゃることが理解できないわけでありますけれども、これはGEからかれこれ言われる性格のものではないのでないですか。少なくともこれは日本の問題なんです。お前の国に労働組合があるからとか、労働組合の争議の件数が幾件あるからどうも工合が悪いというようなことを外部から言われる筋合いは、私はないと思う。日本の問題なんですね。そういう問題について、いまの局長のお話も、当事者として私も必ずしも理解できないとは申しませんけれども、この点だけは、参りましたというような筋のものの中に一体入るのかどうか。もしそういうお考えがあなたたちの中にあるなら、これは私はとんでもない間違いだと考えます。どうですか。

島村武久科学技術庁原子力局長

○政府委員(島村武久君) 外国の会社から日本の労働運動のことを言われて、それで原子炉をとめなければならないような筋合いのものかというお話でございますけれども、そんなものでは私はないと思います。まさにこれは日本の問題である。先ほど経過説明のときにあまり長くなりますので省略したわけでございますが、十一月二十六日、多くの報道記者その他が詰めかけまして、非常にはなやかに初発電と申しますか、その状況が国民に伝えられたわけでございます。私実は行くつもりもなかったのでございますけれども、まあ皆一生懸命になってやっておるところでもあるから行ってみてもよかろうということで、たまたま土曜日でございましたので、午後出かけて夕方原子力研究所に到着いたしまして、実はそのときに初めて、その前日にいわゆる国産一号炉についての抜き打ちストに近い三十分という予告のストがかけられたという事実を知ったわけであります。当時理事長みずからも、これだけ予定せられて、多くの報道陣が集まり、また国民が新聞その他によって期待しておるけれども、また、よもやそういうことはないと思うけれども、もしJPDRについて、組合側が前日国産一号炉についてやったと同じような行動をとるようなことがあるようであれば、予定していた発電の実施ということは行なわないということを、はっきり理事長も言っておられたわけでありまして、私も全面的に賛成をいたしたわけであります。原子炉は十分に安全性も確かめ、いささかも不安のないような形において建設を進めてきておるわけでございますけれども、どんなりっぱな安全を主眼にして考えられました原子炉といえども、これを扱うところの側におきまして、正当な形において扱えないようなことになりますと、これはやはり危険であると、こう言わざるを得ないわけであります。私どもといたしましては、GEが言おうが言うまいが、もしそのような状況が続く、あるいは起こりそうだということになりますならば、GE側がやりたいと言ってもこれを拒否してとめざるを得なかったろうそういうような状況でございました。したがいまして、私は決して小林委員がおっしゃいますように、GEから言われてどうこうするという問題では確かにない。これは国内の問題として、GEが言おうが言うまいが、当然そのようなことも考えなければならないというような、いわば非常に真剣な気持であのはなやかな発電開始の、何と申しますか、舞台裏で気をもんでおったわけでございます。重ねて申しますけれども、GE側が日本の労働がどうだこうだということを言うような筋合いのものでは性質としてございません。しかし、そのような状況のもとにおいて動かすことができないということを否定して、いや動かせというわけにはまいらなかったと思います。

小林武日本社会党

○小林武君 そうすると、十月の二十九日に運転ストップをしたと、こういうことは、その責任はすべて相手方にある、こう見てよろしいですね、あなたのいままでの話の結論から。  それからなお、あなたが述べた日本側の態度というものは、これは別です。日本側の態度というものは、別個に考えて私は言っているのですけれども、あなたが何かものを言いたそうですから、ひとつ先をくぐって言いますと、相手方が三点のあれをあげてとめなくもて、日本側としては、相手方がとめなくても、こっちでとめるつもりであった——。これはしかし受け渡しのできていないのに、どうしてそういうことができるのか、よくわからぬですけれども、ちょっとそういうむちゃなことをあなたのほうでやろうといってもやれないと思いますが、何かとめる陳情でもなさろうと考えていたというならばそれは別ですけれども、そういうあれがあったのですか。

島村武久科学技術庁原子力局長

○政府委員(島村武久君) まず最初の、今度の炉をとめた責任は一切GEにあるか、こういうお尋ねでございますけれども、ある理由については、先方と話し合った結果、先方がこれを取り消した。去る三十日に理由を申し述べたと申しましたが、翌一日にニューヨークでGEの本社が発表しました正式のGE側の見解によりますれば、日本側技術者は決して伝えられるように——正確な文句は忘れましたけれども——今度の問題について責任はないのである、日本の技術者の能力ということとは関係ないということを、はっきり申しておる。そういうような点につきましての責任というものはGE側にありますけれども、私が申しましたのは、向こう側が主張しておる労働不安ということについては、こちらはそれを押し切って、いや労働不安はないから動かすというほどの主張は、こちらにできない事情があった。そういうような意味におきまして、私は、全面的にGE側に責任がある、GE側の責任ばかりであるということを申したくないと思います。さらに、GEがその当時管理しておる原子炉に対して、私どもがこれを動かしてくれるなということ、動かすなということ、これは陳情以外にできないはずではないかというお話でございますが、私はそれはできると考えております。危険な状態において、外国の会社の技師でありましょうとも、これは日本国内でやります以上、当然私どもの責任としてもこれをとめさせることはできる。ただ、私はGEが言わなくても当然とめたということを申し上げておるわけではございません。理事長として、労働組合のほうの動き次第によってはということを申し上げたわけでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 ちょっとあなたのおっしゃることが、少し何といいますか、要領よ過ぎて真実がないように考えるのですけれどもね。結局GEが運転ストップをしなければ、日本側としては運転ストップという事態は起きなかったと思うのですよ。私の判断ではそうなんです。しかしあなたが、いやそうじゃない彼らの主張しているところの労働不安という点から、私のほうとしてもそれを望んでおったし、積極的に働きかけておったと、こう言うなら話は別です。ですから二つありますからね。私のような、GEが申し込まなければ運転のストップということはなかったと、こう見る立場をとっておったのか、それとも、あなたの当時の状況の判断から、たとえそれがなくても、あなたのほうから積極的に運転ストップをGE側に申し入れる、こういう心境であられたのか、どっちなんですか。

島村武久科学技術庁原子力局長

○政府委員(島村武久君) 私は小林委員以上にこの問題につきまして責任を感じますし、また、とにかく人以上に心配しておった者の一人だと思います。その気持から申しまして、また、何もこの炉に限りませず、私はやはり原子力研究所の労働組合自体についても信頼を持ち続けていきたいと思います。おそらくGE側からの申し入れがなかったならば、あの動力試験炉自体については三十分の予告あるいは十五分の予告でストをやるというような行動は、おそらく組合はとらなかったろう、また、それを非常に希望し、期待しておった者でございますけれども、その前日の行動は、これはその信頼をまことに裏切るような、不安におとしいれるような状況でもございました。実は、当日四時に直が交代したわけであります。あれはたしか何時でございましたか、発電開始予定時刻は四時ちょっと過ぎころのことであったかと思いますけれども、もしその際に組合員が直の交代に入る分が入らなかったというようなことが起こりますれば、GEが二十何人も技師も来ておりますし、独自で動かすかもしれませんが、それは動かしてもらっては困る、こう言わざるを得ないような事情、雰囲気でもあった。したがって、私がそういうようなことを当然予想したということでなくて、私は組合の良識を信頼し、そんなことはよもや起こるまいと思いましたけれども、そのよもやがひょっとしたらあり得るかもしれないという程度の雰囲気であったと、こう申し上げておるわけです。

小林武日本社会党

○小林武君 原子力局長の非常に責任を感じておる点は敬意を表する次第です。そうなければならぬと思うのです。私も私なりのまあ責任みたいなものを感じておる。そこで私はお尋ねいたしたいのですけれども、何かお話を聞いておるというと、組合に文金確保についての責任感がないようなお活をしておりますけれども、十月二十六日には安全確保の申し入れを逆に組合のほうからしておるじゃないですか。十月二十六日というのはJPDRの初発電のときですからね。あなたも信頼なさっておると思うのですが、私は日本の技術者、科学者に対してあんな程度の悪い——とにかく原子炉に問題が起こったら、これはまあ自分もどうなるかということは人以上に一番知っておることだし、またそれは、その近辺はもちろんのこと、日本全体に非常に大きな影響を及ぼすということは一番よく知っておるから、安全確保については、むしろ非常に神経過敏と思われるくらいに心配しておるのです。そういう人たちに対して、労働不安で何をやられるかわかりはしないということを原子力局長がお考えになったとしたら、私はなっていないと思う。やはり信頼というものが根本だと思う。しかし、あなたもGEの責任だということをなかなか立場上おっしゃれないのじゃないかと思うのですけれども、しかし事が事だけに、私はこの段階では、やはりはっきりすべきものはすべきだと思うのです。何もアメリカを責めるとかアメリカのどこの会社を責めるということじゃなくて、労働組合の人も大いに考えるべきことは私はやはり考えてもらいたい。同町に、日本にそれを売り込んだ会社に対しても、やはり相当責任を感じてもらわなくちゃならぬ。そういうことになると、こういう問題のとらえ方は、とにかく関係者が全部科学者、技術者なんですから、何かわかったようなわからぬような人間が来てわあわあ言ってやじ馬気分でのものの解決の仕方はまずい。そういうような気持は率直にお認めになったほうがいいのじゃないか。責任はGEにあるといっても私はいいと思う。それを何か組合にひっかけようとするところに、これから問題が起こるから私は心配なんですよ。日本の科学者、技術者に信頼を置かないで、佐藤長官の言うように、ほんとうに原子力の開発、日本の科学の進歩につながるかどうか心配する。だから申し上げるのですけれどもね。あなたが非常に不安だと申されたことは、十月二十六日JRR3の時限ストライキのことをおっしゃっておると思うのですが、あなたは危険性、危険性とおっしゃるけれども、私の聞いておる危険性とあなたの聞いておる危険性と、どのくらい違うかお聞きしたい。その危険性をひとつおっしゃっていただきたい。私はこのほうについては全然だめなんです。だめですから聞く一方なんです。もっぱら聞いてやる。あなたのほうは専門家でしょうから、ひとつ大いに敬意を表してお聞きしたいと思うのです。一体この十月二十六日のJRR3の時限ストライキのときに国産第一号炉というやつが三十分前にとめるとかとまったとかいう、そういうあれがあったそうですが、これが一体どういう危険性があるか。これがもうすべての炉の問題で組合のやったことがあぶなくてあぶなくてしようがないとあなたはお考えになっておる。すべてそういう理解の仕方をしておる。私はそうでない。組合の人たちあるいは技術者の人たちから聞いてみると、そういうふうには聞いておらない。最善の方策を講じておる、こう聞いておる。そういうようにおそろしい、危険性危険性と言われると、ここにお集まりの僕クラスの方は、これは危険だと、神経衰弱にならぬとも限りませんから、ひとつお伺いしたいと思います。

島村武久科学技術庁原子力局長

○政府委員(島村武久君) 初めにおっしゃいましたことは御質問ではないと思いますけれども、GEの責任問題でございます。私も今度のことで組合を信頼しておりましたのに、非常に残念に思いましたことは、先ほどの経過で申し上げましたように、結局組合側でも二十四時間前の通告、保安要員の確保について同意をして、協定は成立できたわけです。もしGEが労働不安を理由にしたときに、そして理事者側が組合側に話をしたときに、組合側がそういう態度に出くれましたならば、これは私は小林委員がおっしゃいましたように、徹底的にGEの不当を追及することができただろうと思いますけれども、それがなかなか後手で、そこまでいくのに何日でございますか、半月以上もかかるという状況では、GEに対して、労働不安はないのだ、労働不安と思うほうがむしろ間違いだということが言えなくて、これは残念だったと私はそう思っておるのです。なおJRR2の三十分の事前通告というものと危険性の考え方でございますが、技術的にどのような現象を起こし、どのような危険を招来するかというようなことについての詳細でございましたならば、また別途技官のほうから御説明いたさせますが、一般的にJRR2について三十分程度の予告さえあれば十分に安全であり得るという程度の炉でありましたならば、あの炉についてあれだけの安全性に対する配慮というようなことをしなくても済むのではなかろうかと思うのです。一体三十分の事前通告ではございましたが、それから後になさねばならぬことがどれだけあるかということを考えましただけでも、三十分がいかに短いものであるか、安心してちっとも危険がないのだと言えないものであるかということがおわかりになるかと思います。と申しますのは、まず第一に技術的でないことで申しますと、スト通告がありますれば、そこで保安要員についての協議をしなければなりません、組合との間に。私が聞きましたときには、事実所側と組合側との保安要員を残すという問題は三十分間の事前通告後になされましたけれども、組合側との間に話がまとまっておりません。あの場合は緊急に現場で現場の責任者と組合側との間で話をつけて保安要員を残した、このような実情でございます。その際も現場でついたからよかったようなものの、もしつかなかったらどういうことになりましょう。保安要員の確保ということのできないままにストに入るというようなことになるわけでございます。およそ原子炉の運転ということにつきまして、もし事前通告も要らずに現に運転中の炉について、ストをかけましても、安全だということでありますれば、おそらく小林委員がお聞きになりました方々のお話の中にも矛盾が出てくる。保安要員さえ置けば安全じゃないか、その保安要員を置くということ自体が、またこれ相談ごとということになっている現状だったわけでございます。なお、組合側は再三安全確保についての申し入れを所側にしていることも聞いております。動力試験炉についても申し入れを行なったそうでございますが、その申し入れの内容も所内だけではなく、所外に対する、何と申しますか、放射能防御の態勢を整えてからにすべしというような申し入れだったそうであります。私考えまして、それだけの配慮、それだけのことをしなければならぬと主張するものが、三十分間三十分間もこれは約束してできているものではないわけです——約束も何もなしにストをやられるというようなこと自体が、これは組合の主張としても食い違っている面ではなかろうか、そう考えるわけでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 先ほども申し上げましたように、原子炉の危険性というようなものについては、むしろだれよりもそれに携わっている技術者、研究者が一番よく私は知っていると思う。で、あなたのお話で三十分と言われますが、少なくとも三十分かかれば、とにかく終業点検して危険性がないというところまでいく、こういう二千キロワット運転していたものが、とにかく百ワットまで降下するのに三分間、原子炉をとめる装置が一分、さらに何か重水ポンプを操作して何かして、終業点検で三十分、こういう時間で、結局完全にとまるのに要する時間は前の四分でいいのだと、これはただし私が自信を持って申し上げるのではなく、先ほど申し上げたように、研究所から聞いての話です。私は、事実そのものに携わって、十分操作に習熟した者が、そのくらいのあれがあれば大体危険性がない、点検の段階まで終わるのに、幾らかかるということまで十分考慮してかかっているとしたら、そのことに対する信頼というものをある程度持たないと、いたずらにそのことから、もうこれから何が起こるかわからないから、とにかく運転を中止してもかまわないのだというような、こういう労働不安というようなものに結びつけていくというようなことは、これはちょっと私は……。ことに他国の問題であるし、またそういう言い方でやられてきたときに、日本側として、そういうことに対して、もっときちんとした態度をとらないと、私はそれこそ、そいううことから起こる問題に関する適確な把握というものをじゃますると思うのです。だから割合にインテリと思われる人たちが読まれるような総合雑誌にあんな書き方をされると思う。あのことが私は原子力の発展のためにはあまりよくない結果を生ずるのではないかとさえ、実はきょうべらぺらとめくって感じたのです。原子力局長いろいろ御心配になっているようだけれども、どうもそういう点についての配慮が足りないような感じがするのです。これは私の感じですからやめますけれども……。  もう一つお伺いしたいことは、安全性のことで非常にあなたたちは強調されているのですけれども、その点は全く同感なんですが、今度はそこで働いている人たちの安全性というものについてはあまり感じていないように私は聞いているのですよ。この点はどうですか。相当ひどいことを言っているように聞いておるのですよ。

島村武久科学技術庁原子力局長

○政府委員(島村武久君) 安全性のことについてあまり考えておらぬように聞いておるがどうかという御質問に、どうお答えしていいのかちょっと困るのでありますけれども、私どもといたしましては、原子力というようなことでございますので、第三者に及ぼす影響というようなことについてもきわめて慎重に考えておりまするが、それと同時に、それにも増して第二者と申しますか、従業者の安全ということについても考えなければなりませんし、考えておるつもりでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 あなたにそういうことを聞いても現場にいらっしゃるわけでないからおわかりにならないかと思うのですけれども、あるいはまあ正直にお答え願えるものだと思って言ったんですけれども、言わないとするならばはっきり申し上げますけれども、放射線管理室の勧告があっても個人は作業を拒否できない、JPDRのある責任者が言ったということですね。これは事実ですか。放射線管理室の勧告があっても個人は作業を拒否できないと、これと安全性の関係はどうなんでしょうか。

島村武久科学技術庁原子力局長

○政府委員(島村武久君) そのようなことをそのようなことばで申しましたかどうか、私はそこまでお答えすることはできません。しかし、それに似た趣旨のことを聞き、かつ考えることができるわけでございます。一般的に、原子力研究所におきましては、第二者、従業者の安全のこと、まあこれを第一義的に考えます保健物理部というところがございまして、そこで個人の放射線管理もやっておるわけでございます。たとえば定期的に血液検査をいたしまして、あるいはそれぞれの研究室その他におきます放射能のレベルをはかりますとかいうような仕事をいたす担当の部署がありまして、それがいま小林委員がおっしゃいました保物という係でございます。そこは所内全体についてそのようなことをやっておりますけれども、その保物が認めました——たとえば放射能レベルが高くなっておるというような現象を保物でつかまえますと、そこの現場の責任の技術者に話をいたしまして勧告をしたりすることができるようになっております。しかし、そういう保物の意見を聞きましてどのような措置を具体的に講ずるかということは、これはすべて現場の長の責任になっております。保物の勧告があるからということで、個々の従業者が勝手に行動するということは、これは業務の都合からも認めがたいという事情があると思います。一般的に申しますと、保健物理の専門、個人の管理をやっておるものは、たとえばここは危険だと、つまり放射能レベルがどのくらいになっておるというようなことを言いました際に、そこにやはり作業者が入って行くという事態も起こり得るわけであります。一般的にそのようなことば非常に不自然であるように感ぜられますが、放射能の許容量と申しますと、そういったものはたとえば一週間にどれだけ、あるいは場合によりましては十三週間にどれだけあるいは一年にどれだけというような、それを受けてはいけないというような規定のきめ方がございまして、短時間に入るというだけではその許容量に達しない場合も多いわけであります。具体的な現場での判断というものは、それがゆえに現場の長に預けられておるわけでございます。したがいまして、私の申しましたような意味におきまして、現場の者がそのような発言をしたというようなことは聞いておりますが、小林委員おっしゃいますような文句で言いましたかどうか、そこまでは聞いておりません。

小林武日本社会党

○小林武君 私はどうもいまの答弁ではきわめて不満なんですが、放管というものをどうあなたお考えになっておるか知りませんが、労働側は放管の勧告は尊重してもらいたいと、こう言っております。あなたも直接現場に行ってどんなこと言ったかわからぬと言われればどうにもならぬ。私も団体交渉を見ておったわけじゃないですからね、これはわからないけれども、記録によると、放管の勧告は尊重してもらいたいと、こういう意向なんです。それに対して、とにかく判断はおれがするのだ、こういう一体課長さんのものの考え方は正しいのかどうか、並びに、この放射線の危険というものを、熱や電気や高所作業等の危険と同じに考えるのかと言ったら、そうだ、放管の勧告に従うのはおれの総合判断でやるのだ、大体放射線の災害を他の災害に比べて特に重く扱われるのは不満だと、こう言ったとすると、これはどうも、いささか原子力を扱っているところの役所のお方のお話ではちょっとない、いささかタコ部屋的労働管理の発言に似ているのですな。そういうことをしかし言われたという事実があると、こう言っている、労働者側は。一体そういうことが、これから日本の原子力の開発というものがどんどん行なわれていく場合に、許されていいのかどうかということです。

島村武久科学技術庁原子力局長

○政府委員(島村武久君) 私は放射線、保健物理の関係者の専門家の勧告というものは尊重されねばならぬと思います。

小林武日本社会党

○小林武君 それはあたりまえです。

島村武久科学技術庁原子力局長

○政府委員(島村武久君) それは思いますけれども、それを個々の従業者が尊重するという考え方ではなくて、それを受けた長が尊重するということであって、やはり尊重してきめるのは、その現場の責任者なんであります。したがって放射線、保健物理のほうの勧告というもの、それを聞いてきめるのは自分だと言ったこと自体を私は非難はできないと思います。しかしながら、いま小林委員がおっしゃいますような発言がそのとおりでありますとすれば、それは中身の問題よりも、もう符牒の問題、けんか腰というような印象を私は受けるのでございまして、それはきわめて遺憾であると思います。

小林武日本社会党

○小林武君 私は何も個人がきめるとかなんとか言っているのじゃない。労働者側は何と言っているかというと、その責任者に対して、放管の勧告を尊重してもらいたいということなんですよ、その責任者に。そういう勧告を尊重してそうしてわれわれのあれを守ってもらいたい、労働条件をよくしてもらいたいと、こういうことなんですから、何もおれがそう感ずるからこうだというようなことを……。労働者がむちゃなことを言っているのじゃないんです。それに対してこの責任者は、放射線の災害を他の災害に比べて重く扱われるのは不満だ——私はある外国人から、日本人は原爆で死んだ死んだと言うけれども、原爆で殺されたのも、剣で、刺されて殺されたのも、死んだのに変わりあるかと言われて、だいぶ争ったことがあるのですけれども、その言い方と同じことを、ほかのところで言うならいいのですけれども、原子力を扱っているところの主管の課長とかなんとかという人が、舌うということになると、私は大問題だ、労働不安労働不安といって、労働者が悪いようなことを言うが、こんな労務管理をやっていて大きなことを言えるかというう私は気がするのです。こういうことは絶対なくすべだと私は思うのですけれども、そのことについては、それはもう局長さんも間違いなくなくしたいと、こうおっしゃるだろうと思うのですが、間違いありませんわね、その点は。

島村武久科学技術庁原子力局長

○政府委員(島村武久君) 原子炉の運転等にあたりましても、いちいち保安計器その他をつくりまして、私どもの側でもこれを認可するというような行為もいたしております。もちろんそういうような安全上の取りきめというものは厳格に実施せられることを私どもは望んでおりますし、またそれを監督する責任もあると思います。また保物のほうの担当者の意見というものも十分尊重して、これを現場にアプライするような方向で事が処せられていかなければならない、このように思います。しかし、個々のどう言ったこう言ったこう言ったということになりますと、それ以外の実情その他もございましょうし、また零囲気の問題もございましょうが、とにかく小林委員がおっしゃいましたように、さっき役所とおっしゃいましたけれども、役所の課長じゃございませんので、研究所の中のその係の課長のことでございますが、そういう者がそういう言い方で、ほんとうにそう言ったといたしますと、それはきわめて遺憾なことであると、このように思います。

小林武日本社会党

○小林武君 それから労働条件の問題で、いろいろまあアメリカの側にまで不安を与えるというようなことがあったというのは、やっぱり相当労働者との約束の問題を守らないというようなことから起こったということも私は言い得ると思うのです。何ですか、直勤務とかいうやつは、四班三交代から五班三交代にするということは、これは実施するということに約束済みのものが、一体守られておらないのでしょう。

島村武久科学技術庁原子力局長

○政府委員(島村武久君) 守られていないと思いません。ちゃんと守られているはずです。

小林武日本社会党

○小林武君 五班三交代というのは、直ちに約束された日時からきちんとこれは実施されたんですか。

島村武久科学技術庁原子力局長

○政府委員(島村武久君) そこのところは、ただいますぐお答え申し上げることはできません。資料がちょっとございませんので、はっきり覚えておりません。しかし現在五班三直で実施いたしております。

小林武日本社会党

○小林武君 そこは問題ですね。あなたはその経過のことを御存じないようだ。この問題でなかなか実施しなかったんではないですか。どうですか。私のあれが間違っていると困るから、だれか知ってる方があったらひとつそこで言ってもらいたいのですが……。

島村武久科学技術庁原子力局長

○政府委員(島村武久君) 五班三面ということを取りきめますまでには、えらい時間がかかりました。お聞きかと思いますが、最初は四班三直でいいはずだということで組合と交渉いたしました。結局五班三直制を採用することになりましたが、組合との話では、九月二十六日から実施するという予定でございましたけれども、実際には九月十八日から実施した。むしろ早めて実施したというふうに聞いております。

小林武日本社会党

○小林武君 早めて実施したんですか。

島村武久科学技術庁原子力局長

○政府委員(島村武久君) 九月二十六日より実施する予定でございましたものを、九月十八日から実施したというふうに聞いております。

小林武日本社会党

○小林武君 それは私の聞いたのとはだいぶ違いますが、それではひとつ、もう一ぺん十分私のほうも調べまして、間違いないだろうと思いますけれども……。もし間違っていなければ、私ははなはだどうも遺憾なことだと思うのです。そういう問題で、実施しないことからトラブルが起こったとなると……。むしろ約束よりか早くやったということとだいぶ話が違います。まあそれはひとつ……。

島村武久科学技術庁原子力局長

○政府委員(島村武久君) いまの点は、私実は先ほどお答えいたしましたように、私自身はっきり承知しておりませんでしたので、助けをかりましてお答え申し上げたもので、私の側でもよくさらに調べまして、間違っておりましたら訂正申し上げます。

小林武日本社会党

○小林武君 それから先ほど長官のごあいさつの中にもありましたが、原子力の問題なんかではおわかりはないでしょうけれども、独創的な技術の開発ということを強調なさっておられる。これは当然なことです。そしてその基盤となるべき基礎研究の充実をはかることが、とにかく強調されておったわけですけれども、原子炉というのはたくさんあるんですね。何かその中でも番号をふっているところを見ると、たくさんある。これはあれですか、いわゆる日本の独創的な技術というか、日本の研究の積み重ねによって日本の原子力の開発ということに結びつく方向ではなしに、運転者を結局つくればいいんだという方向に変わりつつあるのですか。そういう何か御発言を、責任ある方がおっしゃったということを聞いているのですが、これはどうなんでしょうか。

島村武久科学技術庁原子力局長

○政府委員(島村武久君) そのような責任にあります者が、どういう場合にそういうことを申し上げたか、私自身としても一向に思い出すことができませんが、日本におきまする原子炉は、運転者の養成だけのためであるということはつゆ毛頭考えておりません。

小林武日本社会党

○小林武君 理事長からの御発言として、JPDRは今後十年ほどの間にアメリカから電力会社が輸入する発電用動力炉の運転を習熟するためのもので、日本の原子力開発は、これを焦点に置いていない。という意味の発言があったために、そこで働いているところの研究者、技術者が非常に大きなショックを受けた、こう言うのですが、こういうことはないですか、絶対。これはその働いている人たちがうそを言っておるということになりますか。

島村武久科学技術庁原子力局長

○政府委員(島村武久君) 私自身そういった事実は全然存じません。動力試験炉の設置の目的は、本日冒頭に、従来の経緯というところで御説明申し上げましたように、今後電力界におかれます動力炉の運転技術の習熟のためであって、それ以外の目的のものでないということは、著しく事実に反することであるだけでなく、いまおっしゃいましたように、もしそういうようなことが言われておるとしましたら、それは明らかに間違いであり、もしそれを信ずる人があるとすれば、非常に困ったことでございますので、はっきりここで申し上げておきます。この設置の目的と申しますものは、公式的には、原子力委員会で定めました長期計画の中にもうたわれております。また原子力研究所自身がこの計画を行ないます場合の計画書の中にもうたわれておることでございます。もちろん動力試験炉も、そのもの自体を、日本への知識、日本人の技術だけでつくり上げたものでは決してございません。平たく申せば、それに大きく参画しただけ、形式的にはアメリカから買ったものでございますけれども、この建設の過程に参画をいたしますことによりまして、動力炉の建設、運転及びこれを維持することにつきましての実際しの経験を得るということが大きな目的でありますと同町に、単にそれだけではなく、この炉を利用いたしまして、各種の実験研究を行なうためのものでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 あまりに話が食い違っているので、私もちょっと戸惑うのですが、いまの局長さんのお話は、とにかく原子力の開発についていままで言われてまいりましたことです。しかし、直接そこの理事長である人がそういう発言をしたということを、そこで働いている人たちが言うということになる、ところが議論をするのはあなたと私ですから、当人同士ではないですから、どうも水かけ論になって、言った言わないということになってもつまらぬ話です。私はそこまでいったら、委員長にお願いしたいのですが、日本のやはり原子力開発というものはスタートについたばかりと言ってもいいくらいだと思いますし、これから大いにわれわれが努力しなければならぬ時期において、その段階でこういう妙なあれがあるということであってはどうにもならぬことだから、これはやはりひとつそういうことについての黒白と言ったら悪いですが、とっちめるとか、そういう妙なことではなしに、やはり確認する意味で、私は、たとえば、理事長からひとつその点についてのはっきりした御見解も承りたいし、あるいは誤解をしている労働者の側からも一度ははっきりしたあれを承るほうがいいんじゃないかと思うんですが、そういうお取り計らいをひとつしていただけたらと思うんです。  最後に一つだけお尋ねいたしますが、もう終わりですから……。ここの賃金の問題なんですが、どうなんですか、割合に学歴の高い人たちがここにいらっしゃるんですけれども、ここに働いている人たちは本俸だけ見ればたいへん高いように見えるんだけれども、本給一本方式であるために、諸手当が全く欠けている点から、たいへん待遇の点では問題点があるというように聞いているんですが、その点ではどうですか。私はまあ原子力関係に働いている人たちだけがよければいいとは思いませんけれども、ここにいらっしゃる方々がそれに値するだけの給与を取らないということは、これは重大なことだと思うんですよ。このことは、ひとりここの研究者、技術者だけではなくて、大学の関係でもそれは言えますし、どこでもある問題なんですか、この点はどうなんですか。

島村武久科学技術庁原子力局長

○政府委員(島村武久君) 日本原子力研究所をああいう特殊法人の形でつくりましたときの日的、動機の一つには、いわゆる給与に弾力性を持たせるということでございました。弾力性を打たせるということはどういうことかと申しますと、非常に幅をもって運用するということよりは、むしろ給与をよくする、率直に申せばそういうことであったと思うんです。つまり、いわゆる公務員程度の給与ではいい人が集まらぬものじゃなかろうか、また、優秀な人を集めてこようと思えば、それ相当の待遇をすべきじゃないかという思想であったわけでございます。したがいまして、その精神を受け継いでやってまいります私どもといたしましては、小林委員のお話もありましたように、原子力さえよければほかはどうでもいいと、とにかくほかよりもよくという意味では決してございませんけれども、なるべく厚い待遇をするようにということで努めてまいったつもりでございます。御承知のとおり給与の比較ということは、いろんな要素がございますので一がいに高い安いということは言えませんので、私どもも原子力研究所の、特に研究者の待遇がいまで十分であるというふうには決して思いませんけれども、しかしながら、よそと比べますといろんな意味でいろんな角度から検討いたしまして、現在の原子力研究所の待遇は決して悪いとはいえない、少なくとも公務員よりかはるかによろしいというふうに思います。また実際にそこにおられる方々、おられた方々、これも個人的な関係でございますけれども、大学等と比べても決して悪くない。問題は給与にあるのじゃないというふうな話を私どももたびたび聞きます。具体的な例として、これはまあ非常に給与水準とか給与体系とかいうものの比較というものはむずかしいものでございますけれども、たとえば先ほどもお話に出ておりました動力原子炉の関係には民間からも人が入ってきておられるわけでございます。これは原研の職員という身分を獲得して原研から報酬を得てその仕事に当っておる、そういう人もかなりいるわけでありますけれども、それらの人々について原研に入ってからの待遇、いわば原研の基準によってはじき出しました給与と、現に民間の一流会社におられたときの給与と比較いたしてみましても、それほどの径庭がない。つまりああいうふうなところに入っておられる方は日本の企業でもトップのクラスにある会社あたりから来られておるわけでございますけれども、それらに比較いたしましても特にどうということはないという程度の水準であるというふうに考えております。

小林武日本社会党

○小林武君 最後に一つお尋ねいたしますが、三十四年に中山あっせん案というのが出たのですね。この給与に対して公務員の事務系一二〇%ですか、技術系が二二〇%、こういう中山あっせん案の線というものはいまでも守られているのかどうかというのが一つ。それから期末手当というのは政府関係機関の中でも最低に近い支給率であると聞いているが、これはどうか。それから原研の給与というのは、いま聞いてみるとだいぶいいようなお話もありましたけれども、学歴構成が高い、退職者がないというようなことから、昇給原資が結局どうなんですか。足りないのじゃないですか。そういう点はどうですか。

島村武久科学技術庁原子力局長

○政府委員(島村武久君) 中山あっせん案、いわゆる事務系二〇%、研究者三〇%増という比率、これは私は現在確実に守られているというふうには申したくございません。ぴったりと合っておりません。また、当時あっせん案が出ました直後におきましても、ぴたりと二〇%、三〇%にすぎることはできなかった、また、しようがないわけでございます。ただ、あのあっせん案が出まして以来、確実に申すことができますのは、研究者に対しては事務系統者に対してほぼ一〇%に相当する研究手当が支給されているという事実でございまして、事務系と研究者との間には研究手当という形で一〇%の差があることは事実でございます。現在の一〇%の研究手当の問題を別として、公務員給与との比較がどの程度になるかということでございますが、これも取り方によりまして非常にいろいろな資料がございます。見方によりますと、また階層によりまして、たとえば初任給等はそんなに開きはございません。しかし平均して見ますと、かなり——ちょっと数字を申し上げるのはばばからしていただきたいと思いますが、当初考えておりました中山あっせん案程度よりもいいというような数字も出ております。そのようなことでございますので、中山あっせん案どおり行なわれているかということにつきましては、もうその直後からぴたりとそのように二〇%、三〇%とすることはやっておりませんし、またその後、藤林あっせん案というのがございましたが、そのときでも中山あっせん案をそのまま維持することは困難であるということを言っておられるわけでございます。なおそのあと昇給原資でございますけれども、昇給原資につきましては、われわれも原資的にはかなり窮屈であるというふうに見ておりまして、その改善にせっかく努力をいたしているところでございます。ただ昇給そのものにつきましても、私自身私どもの立場からいたしますと、皆最高の昇給限度一ぱいに全員昇給させていくということ自体にも問題があるのじゃないか、そういうような問題も包蔵しているということを申さなければならぬかと思います。大体お答えできましたでしょうか。

小林武日本社会党

○小林武君 ではこれで終わりますが、先ほど申し上げましたが、やはり重要な仕事に従事している、それに、妙な誤解だとか、いわれのないいろいろな理由をひっつけての労働組合弾圧みたいな形で、原子力を開発しようという研究者や技術者の意欲を失わせることのないような配慮を、常に関係当局においても持っていただきたいということを希望いたしまして、私の質問を終わります。

浅井亨公明会

○浅井亨君 だいぶ時間がたちましたし、二、三いろいろとお聞きしたいと思っておりましたが、小林委員からいろいろとお話がありましたので、私としてはあと二、三点についてお聞きしたいと思っております。  いま、原研の労組がストをやっておりますが、そういうストの直接原因にはいろいろな原因もあると思うのですが、その中に、いま小林委員からありました給与ベース、こういう問題も含まれておりますし、いまお聞きいたしますと、こういう方々の技能的また才能的いろいろな面から勘案いたしまして、普通の民間の企業または国家企業の問題とは事変わりまして、相当の給与を払われているやに聞いておりますけれども、こういう問題に対して、ほんとうに地についてそれを検討せられておるかいないかということについてお答え願いたいと思います。

島村武久科学技術庁原子力局長

○政府委員(島村武久君) いろいろな御批判もあろうかと思いますけれども、先ほどもお答えいたしましたように、原子力研究というのを、ああいう特殊の形態につくりまた直接の動機の一つがそこにもあったわけでございます。私どもといたしましては、できる限りただいまおっしゃいましたような線に沿って努力いたしておるつもりでございます。

浅井亨公明会

○浅井亨君 こういう方々は、給与についてもそんなように考えておられないのじゃないか、技術者の集まりでございますから……。と思いますけれども、その職種においてやはり一応の技能を持っておられた方ですから、適材適所といいますか、そのポイントに対して一つの不満があるのじゃないか、こういうふうに考えるのですが、こういう点はよく聞いておやりになったでしょうか。

島村武久科学技術庁原子力局長

○政府委員(島村武久君) おっしゃるとおりに、原子力と一口に申しますけれども、同じ研究面にいたしましても非常に多岐にわたる専門が相当——それこそ専門的に細分化せられておる問題もある。また単に研究者だけでございませんで、エンジニアと申しますか技術者の方もたくさんおられる。したがって、おっしゃいますとおりにそれぞれの人がそれぞれの所を得て仕事をしていくという場合に初めてほんとうの能率も発揮せられ、研究者あるいは技術者それらの人の満足も得られるものだと思います。しかしながら、そういう具体的な人の採用の問題あるいは配置の問題、これはすべて原子力研究所自体、はっきり申しますれば形の上では理事長の責任でございます。私ども科学技術庁におります者が一々具体的に人についての問題を処理しておるわけではございません。私どもといたしましては、ままそういう問題があるのじゃないかというような意味での御批判も聞いております。それらの点につきましては、理事者といえどもいろいろ苦心しておるところであろう、そう思っております。私自身がそういうことをやっておるわけではございません。研究所でそれを考えてやっておるということを申し上げておきます。

浅井亨公明会

○浅井亨君 この間の中止の問題並びにこういうストの問題ですが、こういう場合に、理事者側とGEとそして労組の三者が互いに意思の疎通をはかるべく時に触れおりに触れていろいろな話し合いをしたことがあるのですか、ないのですか。いままでのことをみんな見てみますと、その話し合いがあまりないんじゃないか、いわゆる中止の問題にしても誤解であったとか、いろいろな問題が起こるわけです。これが中心になっているように見えますが、事こういうふうな問題に対しまして、国民関心の非常に絶大なるときに、よく話し合っているかどうか、もっとそこに話し合いの機会をつくり、そうして万違算のないようにしていくのがいいんじゃないか、そういう点、いままでどれほどおやりになっておりますか。

島村武久科学技術庁原子力局長

○政府委員(島村武久君) このたびのGEとのトラブルの起こりました直接の問題につきまして、GEといわゆる理事者側と組合側と三者で話し合うというようなことは一回もございませんでした。これは考えようによると思うのでございますけれども、その現場では、組合という形でなくして組合員がおり、GEの側の職員もたくさんアメリカから来ておる、また所側の管理者というものもみんな一緒に仕事をしておるわけでございまして、私が申しましたその三者間での話し合いがないと申しますのは、いわゆる組合の資格において、GEの資格において、所側の責任者側としてその三者がそれぞれそういう形で話し合ったことがない、こういう意味でございます。考えようによりまして、私はそういう問題につきまして、直接組合も入れて協議するような性質のものとも違うんじゃなかろうかという気がいたします。いずれにいたしましても。しかしそういう形でなくて、十分に意思疎通がはかられることが望ましいということはお話のとおりでございます。従来そういったことも、これはあとになって考えることでございましょうが、必ずしも意思疎通が十分でなかったということが、今度のトラブルの一つの原因でもあったと思います。その点はそれぞれが深く反省しておるところでございます。

浅井亨公明会

○浅井亨君 管理運営の面におきましてトップの役員の方の数は何名おられるんですか。

島村武久科学技術庁原子力局長

○政府委員(島村武久君) お尋ねは動力試験炉だけの問題ではない原子力研究所全体の問題と思いますが、それでよろしゅうございますか。

浅井亨公明会

○浅井亨君 けっこうです。

島村武久科学技術庁原子力局長

○政府委員(島村武久君) 原子力研究所には理事長、副理事長それぞれ一名ずつでございます。そのほかに理事といたしまして現在七名、それから別途理事でない監事、これがやはり役員として二名、合計十一名が役員として存在いたしております。

浅井亨公明会

○浅井亨君 その前歴ですね、大体技術者の方が多いように思うんですが、どうなんですか。

島村武久科学技術庁原子力局長

○政府委員(島村武久君) そのとおりでございまして、前歴を見てみますと、出身別に見ているわけでございますけれども、学者と申しますか、研究者と申しますかそういう者が四名それから産業界から三名、公務員の前歴ある者二名、これはそれぞれ理事について申し上げた数字でございます。そういう内訳になっております。なお産業界と申しましても……。

浅井亨公明会

○浅井亨君 それでみんなで九名ですか。

島村武久科学技術庁原子力局長

○政府委員(島村武久君) これは理事長、副理事長、理事について申し上げた内訳がそういうことになっております。産業界から来られた方も三名と申しましたが、そのうち二名までは技術のほうの方でございます。

浅井亨公明会

○浅井亨君 いま聞きますと、そういうようないろいろなトラブルが起きたり何かする場合に、学者とかなんとかいうのは、そういうほうにあまりたんのうじゃないと思うのですが、運営面についてほんとうに自信のある人がやはりおいでにならなければ、いろいろな問題が起こると思いますし、学者であるがゆえにというわけにもいきませんので、こういう点は考えておられますか。いろいろ問題が起きるのはそういうところから起きるのじゃないかと思うのでです。

島村武久科学技術庁原子力局長

○政府委員(島村武久君) お尋ねの点につきましては、全く同じような御意見をほかからもちょいちょい伺うわけでございまして、私どもといたしましても、十分今後そういう点に注意してまいりたいと思っております。ただ、言い方をかえて申しますと、学者研究者が、一般的にそういう理事としての仕事にふなれであろうということは常識として言えることでございますけれど、そうかといって、非常に特殊な機関でございまして、これは研究所というようなところでございますから、やはり上に立つ者は、それ相当のそこにおる人たちから信頼を得ていくような人でなければ、単にそういう経営の経験者ということだけでは選びにくい面もございます。いわば、何と申しますか、前歴を問わず、やはりあの研究所に経営者としてふさわしいような人という角度から考える必要があろう、そういうふうに思っておるわけでございます。

浅井亨公明会

○浅井亨君 外国では、同じこういう原研のこういう問題で、こういうところで労組がストをやったという前例はだいぶありますか。

島村武久科学技術庁原子力局長

○政府委員(島村武久君) 労働組合の存在でありますとかストライキだとかいうものは、これはやはり基本的には労働者に認められた権利でもございましょうし、私もいろいろ関心を持ちましていろいろと直接聞きましたりあるいは調べたりしたこともございますが、確かに外国にも労働者の組合はございますし、また争議行為も行なわれております。しかし、私も完ぺきな調査とは申しがたいのでございますけれども、一番原子力関係で、うわさと申しますか、われわれがよく聞いております問題は、アメリカの原子力商船サバンナ号に関する労働争議の問題でございます。御承知のとおりアメリカは原子力商船サバンナ号を建造いたしまして、いろいろ試験航海等をいたして世間に喧伝されておったわけでございますが、たびたびストライキが起こりまして、現在では全員、何と申しますか、あれは運営を政府から別会社に委託しておった。その委託契約が取り消されてしまいまして、そこにおった労働者はみんなやめてしまった。で、別の会社に請負契約ができまして、現在そこで乗員の訓練等を行なっておるわけでございます。これは待遇の改善要求が強くてそういうことになったわけであります。外国にも組合はございますし、いろいろな一般的な待遇の改善あるいは給与の問題等で要求が行なわれておるということは、しょっちゅうあるそうでございます。それはいわゆるどこにも見られるような争議行為でございまして、特に原子力なるがゆえにというような争議は現在のところあまり出ておりません。また、日本の組合と非常に違いまして、日本は、たとえば原子力研究所でございますと原子力研究所の労働組合というふうな形でございますが、外国では組合のあり方も違いまして、たとえば溶接工の組合のストというようなことになりますと、どこの工場につとめている溶接工もみなストライキをやるという形でございまして、研究所単位の労働組合が全員あげてストをやるというようなことは、これはあまりないようでございます。  それから先ほどもたびたび問題になっておりました原子炉自体の運転をとめるようなストというものは、私寡聞にしてまだ聞いておりません。これはちょっとあまり世界的にないのじゃなかろうかというふうに考えております。  それからもう一つは、先ほど、原子力特有の問題で組合要求、あるいは争議の原因になっているということは聞かないと申し上げましたが、最近アメリカのミシガン州にコンシューマズ・パワー・カンパニーというのがございます。これはピック・ロック・ポイントという所に原子力発電所を持っております。そこの従業員が放射能に対する危険手当を要求しておるという海外からの情報を読みました。これにつきましては、何もストをやっているとか争議をやっているということでなくて、そういう要求をしていま交渉中である、こういう記事でございますが、これに対しましては、会社側は、そういうことは世界的にどこもやっておらぬし、そういうことは聞くわけにいかない、在来のトラブルに比べて危険度が非常に高く、危険手当を出すというようなふうには認識していないということを言って拒否しております。この成り行きがどうなるかということは、あるいは別の意味で一つの先例にならぬとも限らないと思います。同じ問題につきまして私がドイツにまいりましたときに聞きましたところでは、そういうことは組合からも何も言ってこないというふうにドイツでは言っておりました。したがって、いまのところアメリカの例が一件あるだけであろうと思っているわけでございます。大体そんなところでございます。

浅井亨公明会

○浅井亨君 この原研の構成ですが、これはアメリカの一商社とのタイアップした問題だと思うのですが、こういうアメリカの一商社のちょっとああいうような三項目で中止するというようなことがありますと、何かこっちがなぶられているみたいな、あまりなめられているような気がするのですが、あの一商社に対して何だかこっちのほうが弱気に過ぎるような気がするのですけれども、私が感じたところは。そういう点はどういうふうにお考えになっておりますか。

島村武久科学技術庁原子力局長

○政府委員(島村武久君) まことにごもっともでございまして、私どももけしからぬ話だ、こう思ったわけでございます。先ほども小林委員からの再三のお尋ねに対しまして、お答えいたしましたように、もし今日のような結果と申しますか、組合との話が、GEが申し出た直後にまとまっておりましたならば、それこそもっと強くGE側に抗議し、なにすることができたと思うのでございますけれども、残念ながら、向こうが言うとおりという結果になりましたものですから、こじれて交渉が長引くようなことになりました。まことに遺憾千万に存じております。ただ、いずれにいたしましても、そういう問題がありましても、とにかくGE側のとった態度はきわめて遺憾、不当であるということは、理事長からも申し入れをしたわけであります。

浅井亨公明会

○浅井亨君 もう一つだけ、そいううような関係で、現在のこのいわゆる原研の企業性ですがね、特殊法人のかっこうでしょう、これはなんですか、ほかの方法で、いわゆる民間経営とか、あるいは国家経営とか、国家機関とか、そういうような方面に持っていったほうがかえっていいんじゃないかというような考え方はないでしょうか。

島村武久科学技術庁原子力局長

○政府委員(島村武久君) これは初めて原子力を日本もやろう、そのためには研究所がどうしても必要だということになりました。そのときに、これはもうけんけんがくがく論じられた問題でございまして……

浅井亨公明会

○浅井亨君 今はどういうことですか。

島村武久科学技術庁原子力局長

○政府委員(島村武久君) 今でも事情はちっとも変わらぬと思います。と申しますのは、現在まで、これは過去も入るわけでございますけれども、現在におきましても、原子力研究所に対します予算、この大部分は国の支出でございます。とても民間でやっていけるというようなしろものでもございませんし、また世界的に見ましても、いずれの国も国家が中心になってやっておるわけで、そうかと申しまして、それじゃもういっそストも起こらぬように国営でやったらいいかと、こう申しますと、これもそういうわけにいかぬ事情がございます。先ほども御指摘がございましたように、公務員ということになりますと、何と申しましてもやはり待遇の面でもそういうところだからというのでよくするわけにいきまんし、また、人も公務員の研究者という範囲内でやっていける問題ではなくて、学界からも産業界からもいろいろな人が寄り集まって共同に利用し、共同に研究するというようなことが必要な面がございます。これを国立でやるということにも非常に困難があるわけでございます。給与だけでなくて、その他いろいろな問題で国立とすることはぐあいが悪いというところから、特殊法人という形をとったわけでございます。

浅井亨公明会

○浅井亨君 ずいぶん時間もたちましたので、きょうはこれだけにしておきます。

向井長年民主社会党

○委員長(向井長年君) 他に御発言もなければ、本件の取り扱いにつきましては理事会において協議することといたしまして、本日はこの程度にいたしたいと思います。  本日はこれにて散会いたします。   午後三時三十二分散会

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