文教委員会 第2号
- 発言数
- 36 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1963/12/13
会議録
○久野委員長 これより会議を開きます。 鈴木一君。
○鈴木(一)委員 議事進行について委員長にお伺いしたいと思うのでありますが、きょうは一時から理事会を開催し、理事会の終わったあとに委員会を開くということに通知がなっておるのであります。私たち、いつ始まるかと思っていままで待たされたのでございますけれども、一時間ばかり前になって、両党の間で修正案ができたので、それに対する態度はどうかということを聞かれたわけでございます。文教委員会では今後すべてこのような形で修正案をつくられるのかどうか。普通からいうならば、衆議院規則四十三条ないしは四十八条に基づいて小委員会を設けるなりして、そこで審議をして委員会にかけてくるのが成規のやり方だと私は思うのでございますけれども、今後もこのような成規のやり方はせずに、両党の間で話をして、そしてのむかのまないかということをわれわれに持ってくるのか、非常に私たちはふに落ちない点がございます。国会正常化が叫ばれておるおりから、まことに遺憾な次第だと思うのでありますけれども、委員長はどのようなお考えでおるのか、お伺いいたしたいと思います。
○久野委員長 ただいま鈴木君から議事進行について御発言がございましたが、公報で一時に委員会を開くことが記載をされておるわけでございます。これがたいへんおくれました一つの理由は、御承知のようにこの二法案を提案いたしますについての事務的な手続がたいへんおくれておりまして、きょうになりましてから印刷その他の手続が行なわれたような次第でございます。その間、私も二回ほどにわたって、放送をもって皆さんにおくれたことについて御報告を申し上げたわけでございますが、その間理事会を開きまして事の経過を皆さんに御相談しなかったという手続の誤りについては、私は深く皆さんにおわびを申し上げたいと思うのでございます。とにかく事務上のいろいろの手続がたいへんおくれまして、委員会の開会が五時間半近くもおくれたことにつきまして、その手続上遺憾な点があったところについては、私から皆さんに深くおわびを申し上げたいと思うのでございます。
○鈴木(一)委員 単に事務上の手続だけじゃないのです。案そのものに対する態度についての相談であったと思うのですが、そういうものは委員会で堂々とやるべきだと思うのです。その上で修正案をつくるなりして、時間を急ぐならば、まとめようと思うならその気でやればまとまると思うのです。ただ事務上の手続だけではないと思うのです。今後ひとつ気をつけてもらいたいと思います。
○久野委員長 今後委員会の運営については、委員長といたしましては十分注意をいたしたいと思います。 ————◇—————
○久野委員長 内閣提出の義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律案及び公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律及び市長村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案を一括して議題とし、審査に入ります。 ————————————— …………………………………
○久野委員長 まず政府より提案理由の説明を求めます。灘尾国務大臣。
○灘尾国務大臣 ただいま上提せられました二法案につきまして、その提案理由を順次御説明申し上げます。 このたび政府から提出いたしました義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律案の提案理由及びその概要について御説明申し上げます。 さきに第四十回国会において義務教育諸学校の教科用図書の無償に関する法律が制定され、義務教育諸学校の教科用図書はこれを無償とするとの方針が確立されるとともに、その具体的措置は、文部省に置かれる無償制度調査会にはかって別に法律をもって定めることとされたのであります。 政府はここに、調査会の答申の趣旨を十分尊重して、義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律案を用意いたしたのであります。この法律案は、無償措置の実施に必要な基本的事項を規定するとともに、この措置の円滑な実施に資するため、教科書の採択及び発行の制度に所要の整備を加えたものでありまして、義務教育の充実に資するところ大なるものがあると信じます。 次に、この法律案の要点とするところを申し上げます。 まず、この法律案は、国、公、私立の義務教育諸学校の全児童、生徒に全教科の教科書を給与しようとするものであります。 その具体的な実施方法は、国が発行者の供給する教科書を購入して、これを市町村等義務教育諸学校の設置者に無償で給付し、設置者は、それぞれの学校の校長を通じて児童、生徒に給与することといたしております。 これは、国と設置者が相互に協力して無償措置が円滑に実施されることをはかったものであります。 次に教科書の採択について申し上げますと、現在、市町村立の小・中学校の教科書の採択は、所管の教育委員会が行なうこととなっておりますが、実施にあたっては、郡市の地域の教育委員会が共同して同一の教科書を採択することが広く行なわれております。 このような採択の方法は、地域内の教師の共同研究の上にも、また児童、生徒の同一地域内における転校の際にも便利である等、教育上の利点があることによるものであります。 この広地域の共同採択は、無償措置の実施にあたって供給の円滑と教科書価格の低廉をはかる上にも資するところ大なるものがありますので、本法律案は、都道府県の教育委員会に、管内の義務教育諸学校において使用する教科書を、あらかじめ数種選定させるとともに、市町村の教育委員会が共同して同一教科書を採択するための採択地区を郡市の地域について設定させることといたしました。 市町村の教育委員会は、都道府県の教育委員会が選定した教科書のうちから、採択地区ごとに協議して、同一のものを採択することとし、国立及び私立の学校等においては、都道府県の教育委員会が選定した教科書のうちから、学校ごとに採択することになっております。 次に本法律案は、この義務教育諸学校の教科書の発行者について指定制度をとることといたしました。 現在、義務教育諸学校の教科書を発行するものは、四十六あります。 元来教科書は、他の一般の出版物と異なり、学校教育法によって使用を義務づけられたはなはだ重要なものでありますから、これを発行する者は、きわめて公益的性格の強いものであると言わざるを得ません。 特に無償措置を実施するにあたっては、すぐれた教科書を合理的な価格で迅速確実に給与することが必要であり、このため、発行者が堅実であることが望まれるのであります。 この見地から、今後は義務教育諸学校の教科書の発行者について、適格な者を文部大臣が指定し、指定を受けた者のみが、発行供給を担当し得ることといたしました。なお、所定の要件を欠くに至ったものは指定を取り消すこととなっております。 昭和三十八年度においては、さきに制定された法律に基づき別途定めた政令によって小学校第一学年の児童が使用する教科書について無償給与を行ないましたので、この法律案においては、昭和三十九年度の小学校第一学年から第三学年までの児童にかかる無償措置から実施することといたしております。 以上がこの法律案の提案の理由及びその概要であります。 次に、今回政府から提出いたしました公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律及び市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 現行の標準法は、昭和三十三年に制定され、同法のもとで、翌三十四年からの五カ年計画により、公立義務教育諸学校のいわゆるすし詰め学級の解消を進めてまいりましたが、昭和三十八年度においてこの五カ年計画は完了し、すし詰め学級は一応の解消を見たのであります。今後は、その成果を基盤とし、教育効果のより一そうの向上を目ざして、義務教育の充実を進める必要があります。このためには、昭和三十九年度以降における学級編制の標準について新たな目標を示し、計画的にその改善をはかりたいと考えるのであります。 さらに、先般、義務教育諸学校の教育課程について大幅な改訂を行ない、小学校については昭和三十六年から、中学校については昭和三十七年から、それぞれ全面的に実施いたしておりますが、その適切な運用を期するため、必用な教職員が確保できるよう教職員定数の標準につきまして改善を加える必要があります。 なお、今後数年間にわたって、児童生徒数が急激に減少するという事態が生じてまいりますので、現行法に定める標準のまま推移いたしますと、教職員定数の大幅な減少が予想され、今後の人事行政に重大な支障を生ずるおそれがあり、この点も十分考慮に入れ、ここに学級編制と教職員定数の新たな標準を定めるため、この法律案を提出いたしたのであります。 次に、法律案の内容について御説明いたします。 まず第一は、学級編制に関する標準の改善であります。すなわち、現行法における一学級五十人の標準を四十五人にするとともに、複式学級、単級学級につきましても、それぞれ標準を改めることといたしたのであります。なお、この際、特殊教育の普及に伴って養護学校につきましても必要な規定を設けることといたしました。 第二は、教員定数に関する算定標準の改善であります。すなわち、新教育課程の完全実施に伴って、新たに道徳及び技術・家庭科が新設され、さらに教育内容の充実のために授業時間数を増加いたしましたので、これに必要な教員数を確保できるよう、教員定数の算定標準を改めることといたしたのであります。 第三に、以上のような改善と並行して、養護教員及び事務職員の増員をはかることとし、これら職員の定数の算定標準を改めることといたしました。 第四は、経過措置についてであります。この法律案は昭和三十九年度から実施することにいたしておりますが、まず、学級編制の標準につきましては、児童、生徒数の減少及び学校施設の状況を考慮しつつ、五年後には一学級四十五人の目標に到達できるようその間の必要な経過措置について政令で定めることといたしました。また、教職員定数の標準につきましても、同様に、五年間に漸次改善をはかることといたしております。なお、この場合において問題となりますのは、児童、生徒数の減少が必ずしも全国一律ではなく、その減少の傾向が特に著しい県があること及び現に相当数の定数を上回る教職員を擁している府県があることであります。前者につきましては、一般の府県と同様の扱いをいたしますと、教職員定数の急減によって混乱を生ずることも予想されますので、事情に応じて昭和四十五年三月三十一日までに漸次定数を減少させることができるよう配慮することといたしました。また、後者につきましては、法律の施行と同時に定数を上回る教職員を認めないことにいたしますと、同じような混乱を生ずることになりますので、その程度に応じて昭和四十三年三月三十一日までに漸減できるよう特別の配慮をいたしております。 最後に、事務職員の充実と関連して市町村立学校職員給与負担法の一部を改正いたしました。すなわち、現在吏員相当の者に限られている義務教育諸学校の県費負担事務職員の資格の制限を緩和し、その確保に遺憾なきを期すことといたしたのであります。 以上がこの法律案を提出いたしました理由及び内容の概要であります。何とぞ、十分御審議の上、すみやかに御賛成くださるようお願い申し上げます。
○久野委員長 以上で提案理由の説明は終わりました。 —————————————
○久野委員長 これより義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律案について質疑に入ります。 質疑はありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○久野委員長 なければ、質疑は終局いたしました。 —————————————
○久野委員長 本案に対し長谷川峻君外四名から修正案が提出されております。
○久野委員長 提出者より趣旨の説明を聴取することといたします。長谷川君。
○長谷川(峻)委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、本案に対する修正案の趣旨を説明いたします。 案文はお手元に配付してありますので、朗読は省略させていただきます。 修正案の趣旨を簡単明瞭に説明いたします。 第一点は、政府原案によりますと、義務教育諸学校の教科用図書は、都道府県の教育委員会があらかじめ選定する数種のうちから採択するたてまえになっておりますが、市町村教育委員会及び国立、私立の義務教育学校の校長など、教科用図長を採択する者の自主性を尊重して、都道府県教育委員会の任務は、採択に関する事務について指導助言または援助を行なうことにいたしました。 なお、この際、都道府県教育委員会は慎重を期し、かつ広く意見を反映せしめるため、あらかじめ教科用図書選定審議会の意見を聞いてから、指導、助言または援助を行なうことといたしました。 第二点は、採択地区の設定に関し、その単位は、政府原案においては「市若しくは郡の区域又はこれらの区域をあわせた地域(県の区域となる場合を含む。)」となっておりますが、規定の趣旨を明確にするため、カッコ内の部分を削除いたしました。 第三点は、発行者の指定に関し、政府原案においては、文部大臣は発行者が指定の基準に適合しているかどうかを調査するため、必要あるときは、その職員に発行者の営業所等に立ち入り検査をさせることができることにしておりますが、発行者が指定の基準に適合しているかどうかの確認は、必要な報告書もしくは資料の提出をもって十分行ない得るものと考えられますので、立ち入り検査に関する部分を削除いたしました。 その他、以上の改正に伴い、所要の条文の整備をいたしました。 何とぞ皆さんの御賛成あらんことをお願いいたします。
○久野委員長 これにて修正案の説明は終わりました。 修正案に対する質疑の通告がありますので、これを許します。村山喜一君。
○村山(喜)委員 修正提案者の長谷川君にお尋ねをいたします。 修正されました部分につきましては賛成でございますが、ただここではっきり確認をいたしたい点が一点ほどございます。第十条の都道府県の教育委員会の任務に相なることになります指導、助言、援助の権能につきましては、特定の教科書を採択をさせるというものではなく、また数種類の教科書を選定する行為はとらないものと確認をしていいかどうかという点でございます。お答え願います。
○長谷川(峻)委員 お答えいたします。村山君のおっしゃるとおりであります。
○村山(喜)委員 この際、文部大臣にお尋ねをいたしますが、よい教科書を子供の手に渡すことは、正しい教育の姿であると考えます。文部省の行なっている行政指導の中で、巷間行き過ぎた行為がなされているということを聞くことは、きわめて遺憾なことでございます。大臣は、法律の制定の機会に、法律に基づかないところの不当な行為に対しましては、そういうようなことがないように十分の措置を講じていただきたいと思いますが、大臣の考え方をお聞かせを願いたいと思います。
○灘尾国務大臣 行政当局といたしましては、法律のもとにおいて行動するのは当然なことであります。法律に基づかない不当な行政指導が行なわるべきはずのものでないと考えます。もし、さようなことがかりにありといたしますれば、十分戒飾いたします。
○久野委員長 他に修正案に対する質疑がございませんので、これにて質疑を終了いたします。 —————————————
○久野委員長 本案並びにこれに対する修正案を一括して討論に付します。 別に討論の通告もありませんので、直ちに採決いたします。 まず長谷川峻君外四名より提出された修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○久野委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。 次に、ただいまの修正部分を除く原案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○久野委員長 起立多数。よって、修正部分を除く原案は可決いたしました。(拍手)よって、本案は、長谷川峻君外四名提出の修正案のとおり修正議決いたしました。 ————◇—————
○久野委員長 次に、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律及び市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案について質疑に入ります。 質疑はありませんか。——なければ質疑は終局いたしました。 —————————————
○久野委員長 この際、私の手元で起草いたしました本案に対する修正案を提出いたします。
○久野委員長 修正案は別途お手元に配付してございます。その趣旨について御説明申し上げます。 第一条の公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律第十一条の改正規定中、見出し「(報告及び勧告)」を「(報告及び指導又は助言)」に、「勧告」を「指導又は助言」に改めることにいたしたのであります。 以上が本修正案を提出いたしました趣旨と内容でございます。 これに対して質疑があれば、これを許可いたします。——御質疑がないようでございますから、これにて本修正案に対する質疑を終了いたします。 —————————————
○久野委員長 なお、本案及び修正案に対しましては、討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。 まず修正案について採決いたします。本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○久野委員長 起立総員。よって、本修正案は可決されました。 次に、ただいまの修正部分を除く原案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○久野委員長 起立総員。よって、修正部分を除く原案は可決いたしました。よって、本案は修正議決いたしました。 —————————————
○久野委員長 次に、本案に対し、自由民主党、日本社会党及び民主社会党の三派を代表して上村千一郎君外二名より附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 まず、提出者より趣旨の説明を聴取することといたします。
○上村委員 私は自由民主党、日本社会党及び民主社会党を代表して附帯決議を付すべしとの動議を提出いたします。 案文を朗読いたします。 附帯決議 四十五人を適当とする定数標準法の改正に伴う国庫負担金制度については、政府は、改正法の趣旨にしたがい運用すべきである。 次にその理由を申し上げます。 この法律は、学級編制及び教職員定数の改善を行ない、学級編制については一学級の最高は四十五人が適当であるといたしております。しかしこの目標は五年間に達成するものとし、その間における経過措置については政令で定めることになっております。ところが若干の府県においてはすでに標準定数を上回る教職員を置き、あるいは今後児童生徒数の減少の著しい県も存在いたしておるのであります。これらの府県におきましては、一時的にもせよ改正標準法の定数を上回る教職員を擁することになるのでありまするが、この法律の実施に伴いこれらの教職員について直ちに国庫負担金制度の適用がなくなるものとすれば、この改正法のねらいとする各府県の人事行政に混乱を与えないという趣旨にももどることが予想されるのであります。政府はよろしくこの改正法の趣旨に従い、国庫負担金制度の運用にあたっては各府県の実情に即するよう努力すべきであります。 以上が附帯決議の趣旨であります。何とど御賛同のほどをお願い申し上げます。
○久野委員長 以上で説明は終わりました。 採決いたします。 本動議を可決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○久野委員長 御異議なしと認めます。よって本動議のとおり附帯決議を付するに決しました。 この際、文部大臣より発言を求められておりますので、これを許します。灘尾文部大臣。
○灘尾国務大臣 本標準法並びに附帯決議の趣旨に沿って各都道府県に適切な指導を行ない、その上に立って各都道府県が決定した定数をできるだけ尊重するよう努力いたします。 —————————————
○久野委員長 おはかりいたします。ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会の報告書の作成等に関しましては、委員長に御一任願うことに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○久野委員長 御異議なしと認めます。よってさよう決しました。 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時五十三分散会 ————◇—————