農林水産委員会 第2号
- 発言数
- 98 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1963/12/17
会議録
○高見委員長 これより会議を開きます。 いずれも内閣提出にかかる甘味資源特別措置法案及び沖縄産糖の政府買入れに関する特別措置法案の両案を一括して議題とし、提案理由の説明を聴取することにいたします。丹羽農林政務次官。
○丹羽(兵)政府委員 ただいま議題になりました甘味資源特別措置法案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。 甘味資源の生産振興につきましては、昭和二十八年以来てん菜生産振興臨時措置法に基づき、寒地におけるてん菜の生産振興のための措置を講じてきたところであり、また昭和三十四年には甘味資源自給力強化総合対策として、国内産糖製造事業の自立基盤を確立するため、砂糖の関税及び消費税の振りかえを行なうとともに、日本てん菜振興会を設立して試験研究の拡充強化をはかる等の諸般の措置を講じてきたところであります。 寒地てん菜については近年天候その他の理由によって若干停滞の気味にあるものの、今後の伸長を期待し得るものがあり、西南諸島における甘蔗及び蔗糖、でん粉を原料とするブドウ糖についても急速な生産の伸長があり、さらに暖地においてもてん菜作の導入の試みがなされてきているところであります。 この間にあって甘味資源作物の導入がその農業経営の改善と農家所得の安定に果たした役割りは、寒地てん菜にあってはその耐寒性作物であることと畜産との有機的結合による輪作体系の合理化によって、また、サトウキビにあっては他に対比すべきものがない主要な商品作物として、それぞれまことに大なるものがあったと考えられるのであります。 したがって、今後におきましても、農業経営の改善と農家所得の安定のために、自然的条件、農業経営条件等から見て適地とされる地域におきまして、これら甘味資源作物の生産を振興してまいることが必要であり、またこれとあわせてその甘味資源作物を原料とする砂糖類製造事業につきましても、その健全な発展をはかるべきことは言うまでもないところであります。 以上の諸点を十分配慮し、今後における甘味資源対策の基本として、適地におけるてん菜及びサトウキビの生産を振興するとともに、てん菜糖工業、甘蔗糖工業及びブドウ糖工業の健全な発展をはかるため、所要の生産奨励、政府買い入れ等の措置を講ずることにより、農業経営の改善と農家所得の安定、砂糖類の自給度の向上及び国内甘味資源の国際競争力の強化に資するとの方針のもとにこの法案を提出することとした次第であります。 かねて政府は、国内甘味資源を保護するという確たる方針を立てている次第でありますが、さきに内外諸情勢の推移を慎重に考慮し八月三十一日粗糖輸入の自由化を実施したところでありますので、これに対処する上からも特に国内甘味資源の保護育成のための措置を早急に実施に移す必要を一そう痛感している次第であります。 なお、この法案は、先般の第四十三回通常国会に提出し衆議院で一部修正の上可決されました法案並びに第四十四回臨時国会に提出しました法案の内容と同じものでございます。 次にこの法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。 まず第一に、この法律は、適地におけるてん菜及びサトウキビの生産の振興並びにてん菜糖工業、甘蔗糖工業及びブドウ糖工業の健全な発展をはかるために必要な措置を講ずることにより、農業経営の改善と農家所得の安定、砂糖類の自給度の向上及び甘味資源にかかる国際競争力の強化に資することを目的といたしております。 第二に、政府は、砂糖類並びにてん菜及びサトウキビについて農業基本法第八条の重要な農産物として、同条の規定によりその需要及び生産の長期見通しを立て、これを公表することといたしております。 第三に、適地においててん菜及びサトウキビの重点的な生産の振興をはかることとし、その区域内の農業経営の改善をはかるため甘味資源作物の生産を計画的に振興することが特に必要と〓められる一定の区域をてん菜生産振興地域またはサトウキビ生産振興地域として農林大臣が指定し、指定を受けた地域を管轄する都道府県知事は、毎年、生産振興計画を立て、農林大臣の承認を受けなければならないものとし、国は、その計画の実施に要する経費等につき必要な助成を行なうこととしております。 なお、農林大臣が生産振興地域の指定を行なうにあたっては、関係都道府県知事の意見を聞き、また都道府県知事からも指定の申し出をすることができることといたしております。 第四に、生産振興地域の区域内における甘味資源作物の生産振興とてん菜糖工業及び甘蔗糖工業の健全な発展を確保するため、その地域内における製造施設の設置及び変更につき、農林大臣の承認制をとることとしております。 第五に、政府は、砂糖の価格がてん菜等の政府買い入れ価格より低落した場合においてま必要があるときは、てん菜糖製造事業者及び甘蔗糖製造事業者から、農林大臣が定める最低生産者価格を下らない価格で生産者から買い入れたてん菜またはサトウキビを原料として製造されたてん菜糖または甘蔗糖を買い入れることができる制度を設けております。 なお、当分の間は、糖価の低落以外の特別の事由がある場合にあっても特に必要があると認めるときは、所要の政府買い入れを行なうことができることといたしております。 第六に、カンショ及びバレイショの需要の確保をはかるため、砂糖の価格が著しく低落した場合において必要があるときは、ブドウ糖製造事業者からブドウ糖の政府買い入れを行なう制度を設けております。 ブドウ糖の政府買い入れにつきましても、当分の間は、糖価の低落以外の場合においても、ブドウ糖工業の合理化を促進するため特に必要があるときは、所要の政府買い入れを行なうことができることといたしております。 第七に、甘味資源に関する重要事項を調査審議するため、農林省に甘味資源審議会を設置することといたしております。 第八に、本法の附則によりまして、食糧管理特別会計法の一部を改正し、同会計に砂糖類勘定を設けて損益の明確化をはかることといたしております。 以上がこの法律案の主要な内容でございます。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決くださいますようお願いする次第でございます。 次に、沖縄産糖の政府買い入れに関する特別措置法案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。 沖縄は、御承知のとおり、約三百年のサトウキビ栽培の歴史を持つ日本糖業発祥の地であり、戦前の昭和十四年には約十二万トンの砂糖を生産した記録を有しておりますが、戦後は激甚な戦災のためほとんど壊滅に近い状態となっていたのであります。しかし、琉球政府、サトウキビ生産者及び製糖業者の努力によって焦土の中から徐々に復興が進み、昭和二十七年に関税免除の特恵措置を受け、次いで昭和二十八年沖縄からの輸入が自動承認制となるに及んで、沖縄糖業は目ざましい復興を遂げ、さらに昭和三十四年国内産糖保護のための関税、消費税の大幅振りかえによる利益を享受して、その生産量は飛躍的な増大を見せたのであります。その結果、昭和三十八年においては史上最高の十七万トン余の生産をあげ、そのほとんどが本土に輸出されて、沖縄経済の最大の支柱となるとともに、わが国の砂糖の重要な供給源の一つとなっているのであります。 今日までの経過から申しますと、沖縄の自然条件の優位性等から、沖縄産糖のコストは現在でも奄美諸島等に比しかなり低廉であり、コスト引き下げの余地がある実情であると考えられるのでありますが、御承知のとおり国際糖価の動向には予断を許さないものがあり、糖価の著しい低落が生じた場合には、沖縄におけるサトウキビ生産農家の受ける影響には著しいものがあると考えられるのであります。 このような事態が生じた場合には、サトウキビ及び砂糖が沖縄における農業及び経済に占める高い地位とその自然的条件による制約等を考慮しますとき、看過し得ないものがあると考えられるのであります。 そこで、政府といたしましては、沖縄に対する援助措置の一部として、そのような場合に対処して、サトウキビの生産者の農業経営の改善と農家所得の安定に資するため、沖縄産糖につき、国内産糖に準じ、政府が買い入れる道を開いておくこととした次第であります。 なお、この法律案は、先般の第四十三回通常国会に提出し衆議院で可決されました法案並びに第四十四回臨時国会に提出しました法案の内容と同じものでございます。 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、政府は、当分の間、砂糖の価格が著しく低落した場合において、必要があるときは、沖縄産糖の製造事業者またはその者からの委託を受けてその者が製造した沖縄産糖を本邦に輸入した者から、その者が製造した沖縄産糖で本邦に輸入されたものの買い入れをすることができるものとしております。 第二に、その場合の沖縄産糖の政府買い入れの価格は、甘味資源特別措置法本則の規定により定められている国内産甘蔗糖の政府買い入れの価格及び沖縄産のサトウキビの生産事情、沖縄産糖の製造事情その他の経済事情を参酌して農林大臣が定めることとしております。 第三に、沖縄産糖の政府買い入れは、食糧管理特別会計において行なうことといたしております。 以上がこの法律案の主要な内容でございます。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決くださいますようお願いする次第でございます。 ————◇—————
○高見委員長 次に、請願の審査を行ないます。 今国会において当委員会に付託になりました請願は全部で十一件であります。 これより日程第一から第一一までの各請願を一括して議題といたします。 この際、審査の方法についておはかりいたします。 各請願の内容につきましては、請願文書表等により御承知のことと存じますので、さらに先刻の理事会におきまして慎重に御検討をいただきましたので、この際紹介議員よりの説明聴取等は省略し、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高見委員長 御異議なしと認めます。よって直ちに採決いたします。 請願日程第二、第四、第六ないし第八、第一〇及び第一一の各請願は、いずれも採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高見委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。 次に、請願日程第一、第五及び第九の各請願は、いずれも採択の上内閣に送付すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○高見委員長 起立多数。よって、さように決しました。 なお、ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高見委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。
○高見委員長 なお、本日までに当委員会に参考送付せられました陳情書は、茶業振興に関する陳情書外十九件であります。右念のため御報告いたしておきます。 —————————————
○高見委員長 この際、中村時雄君から発言を求められております。これを許します。中村君。
○中村(時)委員 資料の提出を願いたいと存じます。 一つは、レモンに関しての問題で、過去五年間における輸入量及び輸入価格並びにそれに対する輸入税、それから卸売り価格、現在の国内の小売り価格。それから第二点は、国内の取り扱い業者、会社名、資本金、代表者の氏名、住所。この点を至急に資料として提出していただきたいと思います。
○丹羽(兵)政府委員 資料御要求には至急こたえるようにさせていただきます。 ————◇—————
○高見委員長 農林水産業の振興に関する件について調査を行ないます。長雨による麦作等の被害及び低温による農作物の被害等に関する問題について、政府当局より説明を聴取することにいたします。安藤総務課長。
○安藤説明員 四月下旬以降長雨によりますところの農作物の被害額は約九百八十六億円に達したのでございますが、これに対しまして農林省といたしまして講じました施策の概要を御報告申し上げたいと思います。 第一番目に天災融資法でございますが、第四十三回通常国会におきまして御可決いただきました天災融資法の特例法を適用いたしまして、約百三十億円の融資ワクを設けまして融資をいたしたわけでございます。この場合におきまして激甚災害法を適用いたしまして、融資限度を十五万円から二十万円に引き上げる等の措置を講じた次第でございます。 第二番目に、自作農維持資金の追加ワクといたしまして、長雨に対する被害といたしまして五十億円の追加配分をいたしました。 第三点といたしまして、米の予約概算金の前渡しでございますが、一般地域石当たり二千円に対しまして、被害を受けました府県に対しましては石当たり二千五百円に増額いたしましたほか、被害を受けました麦作農家に対しまして飯用麦製品のあっせん、等外麦に対する措置、飼料の確保等について所要の措置を講じた次第でございます。 第四番目に、農産物の種苗確保、いもち病の異常発生対策等につきまして、総額約七億五千万円の予備費を支出いたしまして、助成措置を講ずることといたしました。この予備費の支出につきましては、十月十一日に閣議決定をいただきました。 第五番目に、昭和三十八年産麦の長雨等に対する被害に伴う再保険金の支出見込み額は約百三十六億円に達するわけでございますが、そのうちの六十三億円につきましては概算払いをいたしておりますが、十月から七十三億一千二百万円なお本払いを行なう必要がございますので、農業共済再保険特別会計の農業勘定におきますところの再保険金の支払い配分に大幅な不足を生じますので、その所要配分としまして今回の特別国会におきまして、総計百六億一千四百万円を補正予算として要求いたしておる次第でございます。 長雨等につきまして講じました施策の大要は以上のとおりでございます。
○高見委員長 質疑の通告があります。これを許します。栗林三郎君。
○栗林委員 私は災害対策について質問いたしたいと思いますが、特に台風九号の被害状況とそれから冷害災害につきましてお尋ねいたしたいと思います。 台風九号は八月九日から十日にかけて九州大分県の一部をかすめて中国地方の西部といいますか、広島、山口、島根県等を進路として日本海に出ておるわけであります。さらに日本海に出た台風九号は、そのまま本州に沿うて北上しております。そうして八月十二日には佐渡を通って相川を侵し、さらに酒田を侵して十三日に秋田に入っておるようであります。これによりまして、十二日、十三日のこの九号によって秋田県は非常な災害を受けたわけであります。したがいまして、この台風九号の被害地域とその被害地における概況についてまず御報告いただきたいと思います。
○安藤説明員 台風九号につきましては兵庫、岡山、中国、四国及び九州地方がおもな被害発生地帯でございますが、この被害によりまして農林水産物関係におきましては四十五億九千二百万円、農地農業等施設関係におきましては約八十八億三千八百万円の被害になっております。
○栗林委員 少しこまかくなりますけれども、被害県ごとに、その被害の数字だけでよろしゅうございますから、被害県ごとの被害を御報告願いたいと思います。
○久我説明員 それではおもな県について申し上げます。 秋田県が約二千三百トン、それから石川、福井はわずかでありますが、石川が三百五十トン、福井が五百九十トン。それから三重、滋賀等もございますが、これはわずかでございますので、この地区は省きます。島根が八百八十二トン、岡山が三百三十四トン。それから広島が七百三十三トン、徳島が六百九十八トン、香川が千三百三十二トン、愛媛が九百十九トン、高知が一万一千七百七十トン。それから佐賀が三千百トン、長崎が三百三十五トン、熊本が八百四十一トン、宮崎が千六百九十トンというようなところが稲作の一番おもな被害でございます。
○栗林委員 いま各県ごとの稲作の被害状況の説明がありましたが、この数字についてはあとでもう一ぺん確認いたしたいと思います。 それでは冷害の被害を受けておる地方における状況を承りたいと思います。これも小さいところはよろしゅうございますから、おもなる災害地だけにとどめて御報告願います。
○久我説明員 冷害につきましては、本年は、実はもちろん東北地方が一番おもでございますけれども、そのほか九州、関東を除きまして、あと至る地方に出ております。特にただいまから申し上げます数字は冷害と、それから冷害地域の、純粋の平たん地に出ましたいもちと、異なった状況を呈しておりますから、それを含めまして冷害の数字としてまとめておりますので、それについて申し上げます。全国で申し上げますと、被害量が約十九万五千トンばかりになります。金額にいたしまして百六十八億弱でございます。その中で東北は、これはトン数だけを申し上げますと、青森が一万二百トン、岩手が三万六千トン、宮城が約三万トン、秋田が三万五百トン、山形が一万二千四百トン、福島が二千八百トン、西のほうにまいりまして山梨が三千五百トン、長野が五千六百トン、岐阜が二千五百トン、愛知が三千三百トン、大阪が二千二百トン、兵庫が千七百トン、奈良が二千六百トン、鳥取が千八百トン、島根が二千百トン、岡山が六千トン、広島が四千トン、香川が四千トンというようなところがおもなところでございます。
○足鹿委員 関連して。いま久我統計調査部長の被害額及び被害地区等についての御報告がございましたが、これに関連をして農業災害補償法に基づく被害率と、またその被害の分布、保険金の支払い見込み等はどういうふうになっておりますか。本年の作況は、先ほどから栗林委員と統計調査部長との間にかわされた質疑応答において一応知ることはできたわけでありますが、特に冷害傾向に病虫害が加わっておりまして、山村地帯に多くその被害が集中しておる点が特徴だと思います。米選機下を全部食糧にして、いもをまぜて冬をしのぐ。体力のある者は全部他地区へ出かせぎに出ていかなければ生計を維持することもできない、そういう悲惨な状態が各地に見受けられるのであります。農家は、たんぼに水稲のあるときはまあまあという気持ちでおったらしい。ところが収穫してみたところが意外に少なくて、いま述べたような状況であって、いい米は全部供出しても昨年の四〇%程度にしか達しないという、はなはだしい実例もあるのであります。一例をあげますと鳥取県日野郡日南町におきましては、これは山間地でありますが、一戸平均六万円の収入減となっておる。農家にとって六万円の減収というものは、これはまさに致命的なものでありまして、先ほども述べましたような集団出かせぎが続出しておる。しかも病虫害の防除には平年の二倍ないし三倍の薬品を使い、したがって労力もたくさん使っておる、こういう事情でございますが、これに対して農業災害補償法の適用について、この被害の実情に対しての措置はどのように講じておられるか。立ち毛の際と実収の差の開きというものが著しいのが特徴でありますから、当然本年産の麦にとられたような特例措置等を講じられることが妥当ではないかということを私どもは考えておるわけでありますが、いずれにいたしましてもただいまの統計調査部長の御報告に伴う農業災害補償法の適用状況、今後の見通しについてこの際明らかにしていただきたいと思います。
○岡安説明員 お答えいたします。 冷害につきましては、特に水陸稲でございますが、いわゆる共済制度の対象になります三割以上の被害量につきましては、まだ確定的な数字が出ておらないわけでごごいます。しかし一部には非常に被害激甚なところがございます。したがって県単位におきましては異常災害になる県も出るわけでございますので、私どもはまず仮払い等につきまして必要ある場合には至急措置するように指示をいたしたのでありますし、その仮払いに必要な資金、特に特別会計からの概算払いにつきましては措置をいたすことにいたしております。ただ麦が非常な災害でございまして、政府手持ちの再保険金は全部麦のために使用済みでございます。米の概算払いにつきましては麦の不足金同様、現在まだ補正予算が成立いたしておりませんので、つなぎ融資をもって措置をいたし、すでに二件ばかりにつきましては概算払いをいたしておるのでございます。 それから損害評価の御質問でございまして、特に特例措置をするかということでございますが、今年の被害につきましては現在連合会等で実測調査の結果を取りまとめ中でございます。それによりまして、いわゆる損害評価要綱基準と申しますか、段ぶるいによりまして残ったものを、実収と見る方式、これが実態に合わないというような場合には、おっしゃるとおり特例措置等も考えなければならないというふうに思っております。要はそれらの資料が出ましたならば、かつてやはり特例措置を講じた例もございますので、それらを勘案いたしまして適当な措置をとってまいりたいというふうに考えております。
○足鹿委員 大体お見込みはいつごろになったら被害状況、いわゆる通常災害の地帯がどの程度、異常災害の地帯がどの程度、超異常災害と認むべきものがどの程度というふうに御認定になりますか。要はそこまで中央に上がる前に、いま私どもが述べておるような九号台風、あるいはこれと関連をし、あるいはまた別途に起きておる冷害あるいは病虫害の多発等に基づく共済金、農業災害補償法の適用の損害評価率——私が述べたような措置を特に講じられて、事前に統計調査部等と連絡を密にされまして措置をされないと、二重三重の手間を食って、しかも支払いはスムーズにいかない、こういうことになりはしないかと思うのであります。ところ貧乏とでもいいますか、特にひどいようでありますので、この際早急に農林省から積極的に、末端にまかせないで、むしろ注意を促すというふうにして、実情に即すような措置を講じていただきたいと思いますが、この点いかがでありましょうか。政務次官もおいでになっておりますし、百六十八億円といえば、これは全国的に見た場合に大きな台風に匹敵すべき災害程度ともいうべきものでありまして、しかもそれが局地的に集中しておる立場から非常に困った事態になっておると思うのでありますので、これに即応する、機会を得た措置を講じてもらいたい、かような声が強いのであります。政務次官もおいでになりますし、この点について責任のある御答弁を願っておきたいと思います。
○丹羽(兵)政府委員 ただいま足鹿委員からの御指摘、全く耕作農民の立場から考えますならば、当然要求なさることだと考えております。そこで、ただいまも役所のほうから申し上げておりますような措置はいたしておりまするが、手ぬるい次第でございますので、積極的に、御指摘のありましたように、進んで地域等も調査いたし、適切な措置をとらしていくように私からも指示いたしますので、御了承を願いたいと思います。
○栗林委員 それでは先ほど説明がありました台風九号とそれから冷害災害地域に対していままでに天災融資法の特別被害地として指定した県があろうかと思いますが、その指定県をひとつお聞かせ願いたいと思います。
○中澤説明員 お答え申し上げます。 台風九号の政令はすでに施行済みでございますが、その政令におきまして三分五厘県の適用県といたしまして高知、大分、広島、秋田県を指定しております。それからなお冷害関係の政令につきましては、来たる二十日の閣議にかける予定で手続を進めておりますが、現在のところ三分五厘県として指定を受ける予定にしておりますのは、青森、岩手、宮城、秋田、それから中国にまいりまして広島、岡山、島根、鳥取の予定であります。
○栗林委員 さて、九号による秋田県の災害は、ただいま統計調査部長の発表によりますと、非常に渋い数字になっておるわけであります。もちろんこれから私が申し上げる秋田の被害は純粋に九号だけによって発生したとは言いかねるわけでありますが、しかし大部分は九号に基づく被害からもろもろの災害が発生して大きな被害額にのぼっておるわけであります。まず統計調査部長の説明によりますと、秋田県の九号による災害は二千三百トンと報告されました。内容を私は申し上げますが、秋田県で調査した最終的な数字は、台風九号を中心とする災害で、水稲の場合の減収量は、そんな三千トンや五千トンではないのであります。四万八百四十三・六トンになっておるわけであります。石数で申し上げますと二十七万二千石程度になろうかと思いますが、この被害減収量は四万八百トンでありまして、統計調査部長の報告とはあまりにも数字が違いますので、これは私、秋田県のほうが間違いかとも思ったりしていろいろ数字を調べたんですが、間違いはないのであります。 そこで秋田のこの四万トンの被害の内容を申し上げますと、純粋に九号だけとは言いかねます。御承知だとは思いますが、秋田は本年初期のころから低温寡照のため、しかも雨が長く続きましたので、苗の生長は非常に軟弱でありました。そういう状況でいもち病が多発いたしたのであります。県はあらゆる努力をしまして、これに対する対策を立てて、防除に努めたわけでありますが、かなり激しい状態でありまして、これによって大きな被害を与えておったわけであります。しかし七月の中旬から八月にかけて農民の努力と県の指導等によりましてようやくこれらのいもち病は一応終息するという段階になったのであります。農民も県も非常に喜んでおりました。これ以上もういもちは発生しない、これ以上はもうだいじょぶだというので、一安堵いたしたわけであります。ところがその後に九号は八月十二、十三の両日にわたる台風でありますが、その前の七月十六、十七、さらに七月の二十五、二十六、この四日間二回にわたって秋田県は全般的に大強雨に見舞われました。特に県北地方は農地を含む非常に大きな災害を起こしたわけであります。そういうような災害を受け、稲は相当の損傷を受けたわけであります。そうして引き続き八月の十二、十三の九号の台風を受けまして、水稲の茎葉は非常な損傷を受けたわけであります。そこから一たんとどまったいもちがさらに再発いたしまして、前回以上の猛烈な勢いで多発したわけであります。それでありますからこの台風の被害がなかったならば、このいもち病の発生はこの程度でとどめることはできたはずでありますが、これが基因して多くの災害を引き起こしたわけであります。それでありますから、これらのいもちは前期は別といたしましても、後期のいもちは明らかにこれらの台風、あるいは風雨に基づく損傷が基因をしておるのでありますので、当然私は九号台風、この中に入れても差しつかえがない、こういうように考えておるわけであります。また秋田県もそういう考えに基づいて調査をしたその被害減収量が、先ほど申し上げました四万八百四十三・六トンという減収量を出しておるわけであります。したがいまして二千三百トンというのはあまりにも数字が違うのでありますが、私の考えをひとつ妥当とお認めくださいますならば、それらの考えに基づいてこれらの数字を再考していただきたいものだと思いますが、この点についてひとつお尋ねいたしたいと思います。
○久我説明員 被害調査の考え方につきまして一つの御意見がございましたが、確かに一つの現象が次の現象の誘因になっておることは確かでございます。しかしながらわれわれのほうの被害の調査はその時期ごとに一つ一つのものを全部分離して調査しておるわけであります。ただいま先生のお話のございました平たん部にも、これは東北のほうで出ましたいもち、先ほど私の申しましたのは冷害の数字を申し上げたわけでありますが、それらを全部含めますと確かに四万トン近い被害に全体ではなるわけであります。なりますが、しかしこれは台風九号によるものはどの程度であるか、あるいはそのほかの天災と考えられるような冷害及び冷害いもちはどれくらいであるかということを分離しておりますので、その数字を申し上げた次第であります。
○栗林委員 それではついででありますから、統計調査部長にお尋ねしますが、九月十五日に発表しました作況指数、特に秋田県の作況指数は幾らの数字を発表されましたか、確認をする意味でひとつお答え願いたいと思います。
○久我説明員 ただいま正確な資料を持ってまいりませんでしたが、たしか十月十五日のときが九八という指数でございます。
○栗林委員 九八は九月十五日現在だと思います。一カ月おくれた十月十五日にもしも九八ということでは、秋田県には災害がないということになりますので、これはお間違いのように思いますが、もう一ペンひとつ御答弁願いたいと思います。
○久我説明員 たいへん失礼いたしました、九三でありました。
○栗林委員 九月十五日発表の作況指数は、これは新聞にも発表になっておりましたし、秋田の場合は九八であります。しかし全国平均は一〇三になっておりました。ひとり平年作を下回った指数の出たのは、当時は秋田県と広島県と宮崎県、この三県のようであります。こえて十月十五日の発表によりますと、ただいまお知らせ願いました九三ということになっておるわけでありますが、この際私のお尋ねしたいことは、九月十五日現在の作況指数が九八ということは、私どもとしてはこの数字を信用するわけにはまいらぬのであります。これですと、九月十五日現在でほとんど秋田県には災害がないということです。九八ですから、ほとんど災害がないという数字になると思うのです。しかし災害はその以前に幾多の原因によって発生しておるのでありますから、九月十五日現在で九八という作況指数については、私は信用することはできないのでありますが、この数字は間違いではないでしょうか。
○久我説明員 われわれは間違いでないと存じております。と申しますのは、実は九八とか七とか申しますのは、平年作に比べて申しておるわけでございます。この平年作と申しますのは、従来の被害のありました数字その他もみんな入りまして平均を出しておるわけでございますが、その平均に対して九八であるということでございます。ただ先生のおっしゃいますように、農民自身はことしはこの程度取ろうという、われわれのことばで申しますと、取り得べかりし収量というのがございます。それに対して被害がこれくらいになる、こういうふうに農家の方は考えられるのが当然でございますが、そういう意味での数字でございますと、九八ということにならないのでございますが、これは全国の指数も、先ほどもお話しのように一〇三になっておるといたしましても、これは平年に比べてのことでございますから、その点申し上げておきたいと思います。
○栗林委員 秋田県の災害の発生の順序を申し上げますと、まず第一に冷害によって——これは初期も中期も後期も年間を通じて冷害を受けておるわけでありますが、前期も非常に冷害を受けておるわけであります。ここへ私は気温等のいろいろな数字を持ってきておりますが、それらは省略してもこの点は御信用していただけると思います。したがって、初期においても低温寡照のために、しかも長雨続きで苗は非常に軟弱であった、そういう悪条件が一つありました。それから、先ほども申し上げましたが、七月の十六、十七、それから七月の二十五、二十六と二回にわたって九号に匹敵する大きな災害をもたらした強風雨であります。これによって大きな災害を受けておるわけであります。同時に先ほど申し上げましたように、いもちが多発いたしまして、この根絶にはずいぶん農民も県も悩んだのであります。したがって七月のころはまだ猛威をふるっておったという状況でありますから、これまた減収になる大きな要因がここにあるわけであります。そして八月の十二、十三の九号でありますから、これらの大きな幾つかの悪条件が重なっておるのでありますから、すでにこの時点で調査をして、九月十五日に発表する作況指数でありますから、平年作に比べて九八という指数では私どもはどうも統計調査部の統計数字を信用するわけにはまいらぬわけであります。現地のその調査資料がそのまま本省へ報告されると思いますが、その場合、本省においては政治的な配慮をもってこれをゆがめるようなことはありませんか。
○久我説明員 本省で数字を政治的に変えるというようなことは絶対ございません。ただ、地方からまいりましたものをそのままとるということは必ずしもございません。と申しますのは、中央で作況決定審議会という審議会にかけておりまして、各県のバランス等から、これは県全部ではございませんで、県の中の稲につきましては稲作の地帯ごとに検討をいたしまして議論をして、地方からの報告を変えることはございますが、その場合も中央だけでかってにきめるということではなしに、統計的にこのようになるがはたしてどうかということをもう一度地方におろしまして議論をして、その上できめておるわけでございます。したがって、統計のいわゆる推計をやっておりますが、これは統計学の方法に基づいてやっておりまして、決して政治的な意見等でこの数字を決定するというようなことはございません。
○栗林委員 それではこの際秋田県の災害の実態を私ども県からもらいました数字に基づきまして申し上げてみたいと思います。 ただいまの統計調査部長の説明では私納得いかないわけです。さらにその件について質疑を続行いたしますが、まず秋田県の災害の実態がここに出てくれば私は実感が出てくると思うわけであります。十月末の調査でありますが、これは十一月十日の日付になっておりますが、秋田の被害の全貌を三つの点から申し上げてみたいと思います。 台風九号による、それにいろいろな要因を含みまして台風九号と申し上げます。この被害面積は七万三千五百九十二ヘクタールであります。秋田県の栽培面積は十一万五千ヘクタールでありますから、大体七〇%強の被害面積ということになるわけであります。この被害面積に対して減収量は先ほども申し上げましたように四万八百四十三トン、二十七万石であります。金額は省略いたします。それから冷害その他に基づく被害でありますが、これは統計調査部長の報告と大差はないのであります。被害面積は、これは重複しておりますので九号よりも面積は幾らか上回っておりますが、七万四千五百八十ヘクタール、これの減収量は三万四千百七十五トンでありますから、部長の説明と大差はないのであります。二十二万八千石であります。これを合計いたしますと、減収量で七万五千トンでありますから、石で申し上げますと約五十万右の減収ということになるわけであります。この五十万石の減収は、秋田県の平年作に比しますと大体一四・五%の減収になるわけであります。秋田県の平年総収量は反収大体三石になっております。したがって平年総収量は三百四十五万石、五十一万八千トンであります。本年の総収量は反収で二石五斗七升でありまして、総収量で二百九十六万石、四十四万三千トン、差し引きまして五十万石、減収率は一四・五%となっておるわけであります。さらに被害戸数はどうなっているかと申しますと、被害を受けました農家の総戸数は七万二千三百九十一戸であります。これは秋田県の全農家の七〇%弱を示しておるわけです。七割以上が災害を受けておるわけであります。その災害を受けました七万二千三百九十二戸のうち、三〇%以上の災害を受けた農家は二万四千九百十六戸となっておるわけであります。したがいまして三〇%以上の被害農家は全被害農家の約三四%を占めております。全農家に比すれば三〇%以上の被害を受けた農家のパーセントは二二%になるわけであります。したがってこれらの数字を申し上げましても、秋田における台風及び冷害による被害がまことに大きいことは十分わかっていただけると思うわけであります。しかしこれらの被害は十月以降でなければ把握のできない数字ではなかろうと思うのであります。先ほども申し上げましたように、五月、六月の時点においてすでに悪条件が出ております。七月に入っても悪条件が出ておる。八月に入ってはさらに決定的な悪条件がここに出てきておる。そうして九月十五日の作況指数の発表でありますから、これらの悪条件が重なっておって、九月十五日現在の発表の指数がほとんど平年作と変わりのない九八という数字には、私はどうしても納得がいかないわけであります。もしも本省においてそういう作意を行なわないとするならば、私は次のことをお尋ねしたい。 現地における統計の皆さんが熱心にこれらの調査に当たっておるわけでありますが、九八という数字に私どもが信用をおくことができないというならば、これらの現地の職員の皆さんの調査努力なり調査技術が非常にまずい、こういうことにもなろうかと思うのであります。もう一つ私はお尋ねしたいことは、これらの災害の実態を完全に捕捉するためには、現地における統計の皆さんがもっともっと活動していただかなければならないと思うのでありますが、活動したくても、調査をしたくても、それに伴う旅費なり人員の配置が伴わなければ完全な統計調査はできないと思うのであります。したがいまして、この九八という数字は、これらの実態から考えまして、これは私ばかりでなしに、少なくとも秋田県の農民はだれ一人信用はできないと思うのです。明らかに調査活動に私は欠点があると思います。その調査活動の欠点の中で一番指摘したいことは、これらの方々が活動しようとしましても旅費が足りない、経費が足りないということで、十分な調査活動ができないために間々間違った数字が出てくるのではないかとも思われるのでありますが、この点についてもう一ぺん御答弁願いたいと思います。
○久我説明員 最初に指数のことにつきましての御質問でございますが、その点から申し上げたいと存じます。確かに先生のおっしゃいますように、当時九八でございました。そのような見方をしておるということが非常に間違いではないか、こういうお話でございますが、むろん年の当初からいろいろの悪条件の出ておりますことも、調査をたび重ねてやっておりますしわかっておるのでございますが、しかしながら従来の、われわれの今日の技術で申しますと第一回の予想のときとそれから実収高までの間には大体七、八%くらい、これは全国でも開くことが普通なのでございます。今日のところでは、そのある時点で予想いたしまして、それからあとの気象条件なりその他は平年に推移するのだということでございませんと方法がないのでございます。そこで国際的にも、どこでもやむを得ずそういうことで、われわれとしてはあとではさらに変わってくるだろう、こう考えながらも、そこを入れる技術がまだ統計上確立しておりません。そこで残念ながらただいまおしかりを受けましたことにもなるわけでございまして、決してこれは現地で調査をしておる者が勉強が足らないということではございませんで、実は統計技術としてそこを完成する方法がまだないのでございます。実はアメリカその他の先進国におきましても、大体第一次の予想と実収では一割程度の狂いが出ております。したがいましてわが国だけが非常におくれておるわけでもないのでございます。ただ第二回の予想と実収のときになりますと、従来ともそう開いてまいりません。要するに、十月、十一月ころになりまして、たとえばことしのように、枝梗いもちが非常に蔓延するというようなことが非常に後期に出てまいっておりますので、そういう意味で、従前の数字とはだいぶ変わっておるわけであります。 それから、まだ総量は私のほうでも全部稲作の数字をまとめ上げておりませんけれども、先生は先ほど一四%ばかり減となっておるというお話でございましたが、そこまではまいっておりませんが、約一割程度は全体といたしますと平均より落ちておるのでございますから、全体の数字としてはそう差はないところになっております。 それから調査の上につきましては、御指摘ございました点は十分われわれ心にとどめまして、りっぱな調査をいたしますように今後とも十分あらゆる部面で努力をしてまいりたいと存じております。
○栗林委員 九号、冷害の実態はやや明らかになりましたので、次に、簡単にこれらの対策について二、三お尋ねいたしたいと思います。 まず天災融資法の発動でありますが、先ほど御報告いただきましたとおり、この指定は、十一月二十九日に行なわれたやに承っておりますが、まず選挙終了後直ちに措置をしていただいたということは、まことに私ども喜ばしいと思いますが、ただそのように決定はしましても、問題は、これに基づく資金が一日も早く農民の手元に届くということ、これが一番問題であろうと思うのであります。先ほど足鹿先生が関連質問の中で農業共済金の支払い等について若干触れましたが、私は早くこれらの資金を災害農民の手元に届けなければならない、かように思うわけでありますが、そういう考えに立ちまして二、三お尋ねをしてまいりたいと思います。 これらの発動地域に対する天災融資法の資金ワクの設定と申しますか、割り当てと申しますか、これらは決定になっておりますか、まだ作業中でありますか、作業中であるとすれば、いつごろ終わる予定でありますか。
○中澤説明員 お答え申し上げます。 台風九号の資金ワクは政令で八億となっておりますが、数日前すでに各地方農政局に割り当て済みでございます。もうついているころと存じます。なお冷害関係では、先ほど申し上げましたように、閣議決定次第手続をしたい、こういうふうに考えます。
○栗林委員 閣議はいつでしたか。
○中澤説明員 二十日の予定でございます。
○足鹿委員 関連して。この天災融資法発動についてことしの麦の実績はどういう実績ですか。全損の場合の反当融資額は幾らになり、また天災融資法に基づく融資の各府県別の資料なりそれから麦作農家に最高、最低、平均、どの程度の融資がいっておりますか。それらの、ここで答えられる範囲内において、ざっとしたところでもよろしい、ひとつ御報告を願いたい。と申しますのは、われわれが地方を歩いていまして感じますことは、金額が思うほど借りられない。また比較的手続がむずかしい。また五カ年間の短期償却のためにむしろ自創資金を、農家の場合は長期償還で便利でありますので、希望しておる実情があるのであります。すべて天災融資法に依存をするということでは、何か非常な恩恵を被災民に与えておるようなふうにとれますが、事実は必ずしもそうではない。そういう声もあるのでありまして、この際あの悲惨な状態をやった麦の実例を少し詳細に御報告を願って、そして問題があるならば、この際天災融資法そのものの災害民に対する再起更生の一つの融資措置としての実際の効力について、私どもは検討してみたいと考えておりますので、この際、二十日に閣議があるそうでありますが、それらの点についても従来の方針をそのまま踏襲されるのではなくして、いま私が指摘したような問題等も加味して御検討なり対策を立てられる御意思があるかどうか、これは事務当局で困難であれば、政務次官にもあわせてひとつこの際御所見を承っておきたいと思います。
○中澤説明員 お答え申し上げます。 長雨の融資額は百三十億でございますが、先生御承知のように、あれは特例法ができまして、通常の場合の天災融資法では三分五厘の適用を受けない農家のために、その基準を緩和するための特例法でございまして、その関係もございまして、百三十億現在ほとんど地方農政局ごとに配分済みでございまして、御質問にありましたような配分しましたワクがどこまで実際に割り当てられているか、これは県の段階にいきまして、県から各市町村、市町村から農家と、そこを現在のところはつかみかねておりますので、反当どのくらいの金額がいったかということはつかめない状態でございますが、配分はすでに終わっておるわけでございます。 自創資金との比較のお話が出ましたが、三分五厘資金が従来融資ワクといたしまして設けましたワクが大体全部消化されるといいますか、農家から希望があるということは比較的少なかったのでございますが、長雨の被害というものがひどかったせいですか、要望が強く、全部完了している次第でございます。 なお、冷害関係の融資ワクの配分につきましては、もちろん閣議が終了次第、できるだけ早く配分をいたしまして、地元へ早くつくようにいたしたいと思います。 なお、過去の例によりましても、政令が出まして、配分までやはり若干の時日がございます関係もございまして、そのつど中金、信連あるいは各種の金融機関に対しまして、もちろん県も含めてでございますが、つなぎ融資等の措置につきまして御要望しておりますが、今後も災害という事態でございますので、農家のほうの手元にできるだけ早く資金が達するようにしたい、こういうふうに考えております。
○足鹿委員 私どもは第四十三通常国会で天災融資法の特例措置を認めたわけです。ところが冬作物の被害の八〇%、こういうことになっておりましたので、実際には麦作農家あるいはその他の冬作農家がその融資法によって救済を受けるほどのきき目が少なかったと見ておるのです。天災融資法そのものにも問題があると思いますし、あの特例措置そのものがはたしてどの程度麦作農家を救済しておったか、またその他の冬作物農家を救済したかということについては、その後閉会中審査の問題があるような事態からやれなかった、また選挙があってわれわれは引き続き委員会等を開いて現地調査をするいとまもなかった。したがってこれは農林省に限らず各官庁ともまことにいいお気持ちで最近までおいでになったと思うのです。天下泰平であったと思うのです。われわれとしてみればあの成果がどの程度まで浸透しておったかということをもっと知りたいのです。ですから、天災融資法そのもののいま問題がありますし、今回とられた麦を中心とする冬作物に対する八〇%の特例措置が反当どの程度の金になって農家へいったか、全損の場合あるいは五〇%の場合というふうに、いわゆる反別、あるいは一戸当たり、あるいは一市町村当たり、各県当たりというふうに少し資料を出してほしい。従来何らこの結末をわれわれは見ておりません。名ばかり与えて実際の被害農家を十分救済しておらないというような事態があるとするならば、これは政府みずからも御検討になる必要がありますし、私どもも次の通常国会には真剣にこれらの問題と取り組んで検討してみなければならぬから申し上げるのでありまして、その点はいかがでありますか。
○中西政府委員 お話の御趣旨、先ほど金融課長から御説明しましたように、百三十億が各地方農政局に割り当てられまして、それぞれ現地に届いておるわけでございますが、その実態、いま先生のおっしゃったようなことについては至急それをわれわれとしても取りまとめまして、正確な姿で御説明できるように取り運びたいと思います。
○丹羽(兵)政府委員 ただいま内容につきましての資料は事務当局が足鹿委員に申し上げましたように、至急結果を取りまとめまして御報告させるようにいたします。 なおまた、政務次官に対する御質問でございまするが、事務当局としましては現在の段階程度の答弁よりできないと私は思いますけれども、しかし私どもの立場でここに申し上げておきたいのは、足鹿委員のお説のとおりでございまして、私どもがせっかく天災融資を受けましても、一向それが役に立つ金額でもなければ、またそれが借り受けのために非常な手数がかかる、役に立たないほどの日時を要しないと金が手元に届かない。その上またそれが非常に複雑であります。しかも災害はことしあって来年ないというわけでもなければ、引き続いてあるようなときもあるのでありますから、そういうときに前の融資を受けておって、またまた今度天災融資を受けなくちゃならないのが、前に受けておるので、それが支障になるということも、先回足鹿委員と一緒に参りましたときにも聞いたことがあります。そういうぐあいで、金額の問題あるいはまたその手続の関係、償還期限の問題等、ほんとうにおっしゃいますように、この金が再起更生のためにならなくちゃならないのが、そういう役を果たしておる点が感心しない向きがございますので、今後政府として、特に農業に関する天災融資につきましては長期になるように、そしてまた手続も簡素になるように、ひとつ責任を持って今後そうした方向にいくように努力することをお誓い申し上げて答弁にかえる次第であります。
○栗林委員 天災融資資金の各県への割り当てはさまったそうでありますから、それをここで説明していただいても時間がかかるばかりだから、あとでひとつ資料として御提出願いたいと思います。この際各県の状況は、割り当ては資料によって承知いたしますが、もしそこでおわかりになれば、秋田県に対する融資のワクは何億にきまっておるのか、お知らせ願いたいと思います。 天災融資法はまずその程度にしまして、次に自作農維持資金の借り入れについてお尋ねしますが、この自作農維持資金融通法に基づく資金融通の要望も、これは罹災農民からは、天災融資法に基づく資金よりもむしろもっともっと熱望されておるようであります。したがって各被害県からは多くの要望がされておられると思うわけであります。秋田の場合も、冷害等を含めますと、五億一千万の融資を求めておるわけであります。この自作農維持資金の各県への割り当てといいますか、ワクの設定といいますか、これもきまっておるのでしょうか。もしもきまっておらなければ、いつごろきまるのでしょうか。それらの状況をお知らせ願いたいと思います。
○小林説明員 お答えいたします。 自作農維持資金の冷害に対する割り当てでございますが、九号の災害を含めまして、全国で十二億を追加割り当てをいたしたい。天災法が発動になりましてからすぐ配分をする予定にいたしております。
○栗林委員 これもきまっておるわけですね。そうしましたら、いまの天災融資法の融資額と一緒に各県への割り当て額をあした出していただきたいと思います。よろしゅうございますか。——どうも秋田県だけ聞いて都合が悪いのだが、関連がありますので、秋田県に対する分、おわかりでありましたならば、天災融資法に基づく融資額と、それから自創資金のほうをお知らせ願いたいと思います。
○中澤説明員 お答え申し上げます。 天災融資法に基づきまする融資ワクの配分は、各地方農政局ごとにやっております。県ごとには指示しておりません。でありますので、各地方農政局におきまして県の事情を聞きまして配分する、こういうふうに考えていただきたいと思います。
○栗林委員 そうすると農政局ごとに配分したということですか。
○中澤説明員 さようであります。
○栗林委員 農政局にそれぞれ配分してあるとするならば、近く県との話し合いの上で災害農民の手に渡ることだと思いますが、この際くどいようでありますが、どうかひとつ現地の機関を督励いたしまして、一日も早く災害農民の手元に行き届くように特段の御配慮を希望するものであります。 この機会に、ひとつ政策上のお尋ねをしておきたいと思います。せっかく丹羽政務次官がいらっしゃいますから、事務上のお尋ねばかりでは恐縮でありますので、政策上のお尋ねをひとつしておきたいと思います。 この天災融資法は、文字どおり天災による罹災農家を救助するための法律であります。それでありますから、災害を受けた農民を救済する資金でありますから、本来であれば、元金までくれてやるのがほんとうだと思います。それを特別被害地に対しては三分五厘といういかにもありがたみを思わせるようなそういう措置をとっておりますけれども、私は三分五厘というようなこういう利子をとらないで、天災融資法に基づく融資の場合は、原則として無利子で資金を融通するという政策上の転換をお考えになっておらないかどうか、これをお尋ねいたしたいと思います。 もしも無利子にするのが少し無理だというのであれば、いつまでも三分五厘に固執する必要はないと思います。三分五厘をさらに引き下げる、こういう政策上の勇断を望みたいと思いますが、ひとつ政府を代表して丹羽次官から御答弁願いたいと思います。
○丹羽(兵)政府委員 ただいま栗林委員から、災害融資についての利息を中心とした政府の考え方のお尋ねがございましたが、現在のところ、これの融資をしております原資は、御案内のように農共団体の金を使っておるわけであります。三分五厘のいわゆる安い利子の補給をしておるわけでありますが、これをもっと下げたり、将来は無利子にするような方向に持っていくことが農民に対するあたたかい思いやりであり、政府は政策的にそれを考えないかという御質問でございます。今後私どもは、ただ災害融資のみに限らず、土地改良等農業経営全体の政府融資に対する利子の問題、あるいは先ほど足鹿委員から御指摘がございましたような手続上の関係、また償還期間の問題等ひっくるめて、ひとつ新しい柱として農業融資を考えてまいりたいと思っておるわけであります。できるだけ御趣旨と申しますかお考えに沿うように、私も長年この委員会で皆さま方に御薫陶いただいてまいりましたが、しばらく御猶予をいただきたいと思いますので、ひとつ御了承をお願いいたします。
○栗林委員 それでは次に、これらの災害農民のいままで借りておる政府各種資金があるわけであります、これも災害特別委員会等では毎度いろいろ論議されておるところでありますが、この政府資金の償還を災害農民に対しては相当程度緩和してやる必要があると思いますし、また政府もそういう方針で臨んでおると承っておるわけでありますが、これらの政府資金の償還の緩和につきまして、具体的な措置について承りたいと思います。
○丹羽(兵)政府委員 事務的な関係ですから、事務当局から答弁させます。
○中西政府委員 天災融資法等の例を見ましても、重なって災害がありますような場合に、借りかえ資金のめんどうを見て、それを財源にして全体の償還を先に延ばすというようなこともあわせてやっております。 なお、被害が非常に大きいというようなことがたび重なることによってどうなるかという点については、事務的にも検討を進めておりますけれども、まだ結論は出ておりません。御要望の点を勘案しながらだんだん結論を求めていく、そういう態勢で進めております。
○栗林委員 私は少しはっきりした御答弁が願いたいのです。これはもう議論の必要はないのですよ。議論はし尽くされている問題ですが、なかなか政府がやってくれないので困っておるわけです。まずたくさんの政府資金を借りた農民がこのような災害に遭遇する、したがってこうした災害農民は償還することができないという問題が一つあります。もう一つは、新たに資金が必要だという問題が出てまいるわけであります。おまえは借金があるから貸すわけにはいかぬ、これではその災害農民は死んでしまうわけです。ですから、これはもう議論ではないのです。だから、こういうような羽目におちいっている農民に対しては、これはあらゆる行政措置を講じて、そして借り入れ資金については何年間元利の償還を猶予するとか、同時に別の立ち上がり資金をこれらの法律に基づいて融資をするとか、そういうような方針を明確にしてくれなければ、これは二回、三回と罹災をしておる農民は立ち上がることができないわけです。ですから、そういう農民に対して政府はどうするのか、こう聞いておるわけですから、そこのところはもう少しはっきり御答弁願えないでしょうか。これはもう議論じゃないのですね。
○丹羽(兵)政府委員 はっきり答弁しろとおっしゃいますけれども、この問題について私もはっきり言いたいのでありますが、なかなか言えませんけれども、しかし、ただいま栗林委員からおっしゃることが農民を再起させるゆえんだと思います。そこで、現在の法律とか法規でとめられておることはできませんにしましても、そういうことがはっきりととめられていない限りにおいては、そうした特別なほかの方法で助けていくと申ますか、道を考えていきたい、またいかせるべきだ、こういうように指導してまいりたいと思います。
○栗林委員 この点は非常に大事な点だと思います。特に罹災農民にとっては、一番政府にやってもらいたい、その要望している点だと私は思うのでございます。 これに関連して、これと同じ性質でありますが、ただいま申し上げましたのは個人単位の借り入れ金でありますけれども、団体の融資の場合もあるわけです。個人単位の場合は、これを処理する方法も、政府がその決意をすればできるわけですが、団体の場合はかなりむずかしくなると思います。たとえば土地改良区が金を借りた、償還期に入って、毎年毎年計画を立てて償還をしておる、その場合に、その土地改良区に加入されている農民の二割なり三割なりが大きな災害を受けたこういう場合に、それら災害を受けた農民に償還金を賦課しましても、これは返すことができないわけです。納入することができないわけです。したがって、こういう場合にも、やはり政府がそれらの団体の償還については、それらの状況を十分考えて、それだけの金額を減額をする、そういうような措置を当然講ずべきだと私は思うわけです。それでありますから、これ以上ここで質問しましても、きょうもおそくなりますし、別の機会にさらにいろいろと意見を戦わしたいと思いますが、団体借り入れの場合における個人の場合、こういう場合にも、どうかひとつ、少しあたたかい行政措置によってこれらの罹災農民を救済するような道をぜひ講じてもらいたい。このことを強く要望申し上げておきます。 あと、最後の一点でありますが、足鹿先生が先ほど触れておりました農業共済金の支払いが、本払いがまだなされておらない、こういうお話でありますから、旧の冷害等に基づくこれらの農業共済の支払いはもっともっとおくれると思うわけであります。したがいまして、これらの農業共済の支払いにつきましては、とにかくできるだけ早期にこれを支払うということ、査定等につきましても、地元から上がってきたものをそのままのむというわけにはいかぬと思いますけれども、しかし今日では地元でもそうでたらめな無責任な査定をするのではないのでありますから、地元の査定、調査を十分尊重して、中央段階でごたごたするようなことのないように早く最終決定をしまして、これらの金が一日も早く災害農民の手元に届くような措置をぜひとっていただきたいということを要望申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。(拍手)
○高見委員長 稲富稜人君。
○稲富委員 私は、今年春以来の長雨の災害に対しまするその後の処理等に関して御質問を申し上げたいと思うのであります。さらにその他一点につきまして、時間がありませんので簡単に質問いたします。 まず、先刻来、ことしの春以来の長雨対策に対しまして、天災融資法の特例等によるその後の措置、あるいは自作農資金に対する措置等に関する御説明は一応伺ったのでございますが、その当時私たちは、今年度のような収穫皆無というような状態のときには、ただ融資によってこれに対処するというような考えばかりではなくして、できるだけの助成措置等をやって、農家が再生産に立ち上がるような、かような意欲を持たせるような対策をやるべきであるということを強く要望いたしたのでございます。しこうして災害対策特別委員会におきましても十六項目にわたりまする要求事項を決定いたしまして、政府に要望いたしたのでございまするが、そのときに私たちが特に要望いたしましたのは、あるいは種麦に対する助成措置であるとか、あるいは地力保全の問題に対していかなる措置をとるか、こういうような助成対策に対して強く要望いたしたのでございます。ところがこれに対しまする政府の答弁は、そのとき政府を代表いたしまして津島次官よりこういう答弁があっております。すなわち地力保全に対する問題を質問いたしましたのに対しまして、「この問題に関しましては先般もお答えを申し上げたのでありますが、いかにも事務的に考えますと、そこに非常な困難があることと思うのであります。しかしながら、先般来この災害対策委員会におきまして最も大きく、かつまた最も強く取り上げられた問題は、これだと思うのであります。したがいまして一これに関しましては単に事務的な一つの尺度をもって片づけるわけにはまいらないのではないか、やはり何らかの方法によりまして委員各位の御趣旨に沿うような方法を考えなければならない段階にあるのではないかというふうに考える次第でございます。」こういう点からその趣旨に沿うような何らかの道がないかということを政府は検討して措置をとりたいのだ、こういうような答弁があっております。ところが先刻も足鹿委員からも御質問がありましたようにこの問題が、その後国会が閉会になりまして、委員会等も開かれませんので、何らこの助成対策に対する措置がとられていないのであります。ただ天災融資法等の特例等によりまして、いろいろな方法がとられておるやに聞きますけれども、先刻からもいろいろ論議されましたように、罹災農民から申し上げると、実にわずかな問題であって、これによって十分な再生産意欲はわかないというような現状でありますので、ただいま申し上げましたようなこの助成措置等に対していかなる方策をとられたか、この点をまず承りたいと思うのであります。
○中西政府委員 先ほど事務当局のほうから長雨の関連で七億五千万円——正確に言いますと七億五千七百八十一万六千円でございますが、予備費をもちまして十月十一日の閣議決定で支出をいたしております。その第一の柱は農産物の種苗確保の事業であります。種苗確保で四億三千三百十五万六千円、その内訳は麦の種子確保、園芸作物の種子の購入、飼料作物の再播用種子の購入の三つの柱になっております。いずれも種苗の事業であります。第二の柱はいもち病の異常発生対策であります。この関係で三億六百四十五万六千円の補助金を計上いたしたわけでございます。いもち病の共同防除の関係、異常発生対策用の防除機具購入費の関係、さらに病害虫の防除所の補助、病害虫防除員の活動費の補助、除草剤の安全使用対策の五つに分けまして、いもち対策を講じております。第三の柱は農業共済事業事務費の負担金の関係ですが、十一県三十三組合に対して八百三十九万九千円の補助を行なっておるわけです。第四番目は統計調査部の被害応急調査費の関係で九百八十万五千円、以上で七億五千七百八十一万六千円ということで、十月十一日に決定をいたしておるわけであります。
○稲富委員 もちろんただいまの種子の確保の問題につきましても、その当時われわれ委員会といたしましては、種子の補助費は三分の二を補助したらどうかという意見も強かったのでありますが、結論といたしましては二分の一の補助になったというふうに承っておるのであります。特にただいまお話のありましたような支出の方法というものは、やはり、あるいは査定されました方法による問題が多いのでございますが、ただ私たちがその当時に強く要望したのは、御承知のごとく麦は全然皆無であって、その皆無である麦の麦がらを処分するのにも相当に経費がかかっておるのであるから、これは当然次の水稲を植えつけるための費用であるから、これに対しては何らか助成措置をやるべきではないか、こういう点からいろいろ論議されましたが、従来の慣例等よりいって、地力保全というような名目を使ったほうがこれに対する助成対策ができるのだ、こういう意見も強うございまして、地力保全ということがそのときの要求事項の中には表現されたのでございます。しかしこの問題に対しては、これは実際非常な大きな費用が要っておるし、事実上困難な問題でございましょうが、何らか方策をとるということはきわめて必要なことではないかと思う。この問題については何ら今日まで触れていないというのが現在の状態でございますので、これに対しまして先刻申し上げましたように、私たち委員会を通じて強く政府に要望いたしましたときに政府を代表して政務次官は、何らかの処置をとらなくちゃいけないだろう、こういうことは明言になっております。にもかかわらずこの問題は今日まで実施されていないという状態でございますので、これに対する政府の考え方というものをこの機会に承りたい、こう考えておる次第でございます。
○中西政府委員 かねてのお話でいろいろ検討いたしたのでございますが、何といいますか、非常に大きな被害であったし、長期にわたる被害でもございます。そういう意味で麦の追肥の関係のようなことでの肥料対策というのもなかなか事実上なしがたい要素があると思います。 なお、米の関係ということでどう考えるかという問題がございますけれども、ともかくも長雨対策として肥料対策、地力保全対策を、そのものとして対処し得なかったことは、そのような客観的事実もあったのじゃないかというように考えます。 なお、牧野その他の関連での災害復旧等についても、そういう御要望が出ておると承っておりますが、その点につきましては、なお被害の査定が完全に済んでいないのでございます。牧野等の関係を含めてこれも予備費を要求する段取りになると思いますが、その際にも、いまお話しのようなことがもしできますならば、それもやっていったらいいのではないかというように考える次第でございます。
○稲富委員 この問題につきましては、前農林次官も言っておりましたように、事務的に非常に困難じゃないかということもあるらしゅうございます。それで政治的に何とか考えて措置したいというのが政府の意向のようでございます。これに対する答弁を事務当局にお願いすることは無理かと思いますが、幸いに農林政務次官が見えておりますので、これは事務的な考え方ではなくて、やはり農政の一端としてそういうことは当然考えなくちゃいけない問題じゃないか、こういう点からひとつ政務次官のこれに対する御答弁をお願いしたいと思うのでございます。
○丹羽(兵)政府委員 稲富委員のお尋ねに対して、このたび政府がとりました措置については事務当局からお話を申し上げたようなわけであります。この措置につきましては、前任者である津島政務次官の政治的な感覚に立ってのお答えとはたいへんほど遠いものがございまして、まこに申しわけない次第でございます。しかし予算をとるについては政務次官が答えました精神に沿って努力をしたことは幾らかでもお認めいただけると私は思っておりますが、今後も、災害があってはなりませんけれども、あればよく考えなければなりませんので、今後につきましては先ほど政務次官が答えました精神そのものを生かしまして、私も努力をさしてただく、そういう方向で予算等の護得、特に御意見にありましたように補助育成の政策をとっていけということでありますので、ただ融資だけにせずに、うんとひとつ、御指摘のありましたように、補助に力を入れるように及ばずながら努力をいたしますことを申し上げて答弁とさしていただきます。
○稲富委員 そうしますと、いまの次官の御答弁を聞きますと、これに対する問題はすでに一切が解決済みであるかのような御答弁になっておったのであります。先刻官房長の御答弁を聞きますと、牧野等の問題もあるから、あわせてこういう問題も考えられるだろうというようなことでありまして、かえって官房長のほうが幅の広い御答弁のようでございますが、私どもはこの問題はまだ解決しておる問題と思っておりません。しかも先刻足鹿委員も申し上げましたように、この問題はわれわれは当然継続して審議をすべきものであったけれども、国会が閉会になりまして、何ら審議をやらないで、この問題は一つも論議されておりません。そういうような状態にある問題でございますから、これはやはり今後継続して、今年度の麦作の災害対策として将来考えていくべき問題だ、かように私は考えておるわけでございます。何ら結論がついておる問題だとは思っておりません。この点、次官の御答弁をお願いしたいと思います。
○丹羽(兵)政府委員 私のことば足らずでそういうぐあいにとられたことをたいへん申しわけないと存じますが、もちろん私も稲富さんと同じ考えを持っております。いままで処理してきたものはそういう方向でございましたが、今後なおなお残された問題がございます。継続的な問題でございますので、ただいま答弁申し上げましたように、先ごろ前政務次官が皆さんにお答え申し上げたその精神で努力をいたしますから、御了承を願いたいと思います。
○稲富委員 それで、はなはだくどいようですけれども、結論でございますが、この問題、いわゆる地力保全という名前で表現されておる問題でございますが、これが対策に対しましては前の政務次官の答弁もありますので、これに対する善処方をひとつ今後もやっていこう、こういう御意思があるものだ、かように考えて差しつかえございませんか。
○丹羽(兵)政府委員 そのとおりで努力さしていただきます。
○稲富委員 次に、あと一件だけお尋ねいたしたいと思います。 それは、さきの国会におきまして農薬取締法の一部改正というものができまして、その結果PCPの使用地区を規制いたしまして、有明海沿岸におきましてはマピカの使用を普及させたのであります。このマピカの使用に対しましてまずお聞きしたいのは、このマピカを使用させるのにあたりまして、政府は十分なる試験研究等をやられた後に、確信を持ってこのマピカの使用を普及させたか、この点をまず承りたいと思うのでございます。
○昌谷説明員 お答え申し上げます。 PCPを使いますことが水産関係の収獲等の関係で、御承知のような非常な問題を提起し、したがいまして私どもとしても、なるべく水産資源に害を及ぼさない薬を早急に普及をいたしたいということで急いだ形でございますが、そういう意味で、その段階としてはまずまずこれでPCPにかわる効力を発揮し、かつ水産とのPCPで予想されるようなトラブルも回避できるであろうという確信のもとに使うことを指導いたしておる次第でございます。
○稲富委員 この問題につきましては、今後も政府の指導等の問題に影響いたしますので、私、ここにいま念を押して聞くわけでございますが、もちろん、ただいま御答弁になりましたように、水産物等の問題で何とかしてPCPを別個のものにかえなければいけないのだ、こういうようなことで非常にお急ぎになった気持ちはわからないわけではございません。しかしながら、これが実施にあたって別な、たとえばマピカを使用させるという場合に、もっとこれに対する確信と、あるいはこういうものの経験を十分積み重ねてやらなければ、これが実施にあたっては非常にそごを来たすという問題が起こりますので、私はその点を聞いておるのでありますが、ただ、ただいま御答弁を承りますと、水産業に対する被害を少なくするために非常に急いだ、この点はわかるのでございますが、その水産物の被害に対する対策上、PCPの使用をやめさせて、そうしてマピカを使用させた。そのマピカの使用にあたって十分な確信があったというような話でございますが、私その実情を実際よく知っているのでございます。何とかPCPをかえなければいけないということの使用するのに急なるがあまり、このマピカに対しては十分な経験と試験というものがなされていなかったのではないか、こういうような感じがするのでございます。たとえば地方におきましてはマピカを使用した。使用したところが実際葉が赤くなりました。赤くなりましたところが、これはもう普及員も周章ろうばいなんです。こういう葉が赤くなったが、どうしたらいいですか、私たちは見当がつきません、どうしたらよいかわかりませんというような話です。農民は右往左往して困った。そうして、ほかの葉よりも赤くなったから、これは追肥をやったらいいだろうというので、農民は追肥をやった。ところが追肥をやったあとで普及員から、それは追肥をやってはいけないのだ、こういうことを言われる、こういうような状態が起こってきた。ところが、その後の天候等によりまして、結果から見ると、追肥をやったところがかえってよかったというような状態が起きてきておる。こういう点から見ますと、これが使用にあたってあまり政府に確信がなかったのではないか、こういう点を私は考えるからお聞きしておるわけです。
○昌谷説明員 先ほど申しましたような事情でございますから、そこで新しい農薬を開発することになりますれば、当然新農薬でございますから、それだけにまだ普及はいたしておらぬわけであります。もちろん試験場的な研究としては十分確信を持っておすすめできるだけのデータと注意事項、その薬剤の特色等十分つかんだ上で大体の指導をしたことは相違ないと思います。それは普及員の諸君にまで使用の経験があるというふうなことになりますのは、これは当然初めての薬でございますから徐々に経験を積んでいっていただく、その間、十分指導等に気を配りまして、あらかじめ薬の特色をよくのみ込んでいいだいて、使用に間違いのないようにというような御指導は極力重点的にいたしたわけであります。 なお、お話しのように、生育の初期段階におきまして若干生育障害といったようなことが見られたという報告にも接したわけであります。さっそく中央の試験場からそのほうの専門家を現地に派遣をいたしまして、種々対策あるいは指導の要領等の徹底をはかり、また同時に状況も見たわけであります。その後天候回復等のこともございまして、いずれの県におきましても、初めふなれなためにそういう生育障害が起こったことによる一種のショックは大体においてその後の手当てで回復をいたしたということで、まず指導の適切な効果があげ得たというふうに考えておる次第であります。
○稲富委員 苦しいような御答弁をなさっておるのですが、私はマピカの使用に対しては、使用されてからほとんど毎日のように行きましてその結果を見ておったのですが、この指導に対して不十分であった点は、どうもいまでは、局長は十分やったのだとおっしゃるが、そうなりますといろいろ議論になってくるのですが、私の見たところによると、十分な指導はなされていなかった。もちろん試験場の段階においてはこれは試験されていたかもわからぬけれども、その試験の結果というものが普及員まで徹底しなかったということは事実です。それからいろいろこの問題に対して農民は、先刻も申し上げましたように、非常に葉が赤くなったからどうしたらいいんだろう、こういうことを質問しても、これに対する十分な確信を持ってどうしたらいいのだという、これを指導するだけの自信を持たなかったということなんです。こういうことは、私は農林省がこれをおすすめになって、指導に対する十分な処置をやっておられなかったのだということがいえると思う。この点は私は実際見ておりますから、あっさり、不十分な点があったら不十分な点があったとおっしゃるほうが、私もかえってわかりやすいのですけれども、不十分でなかったのだとおっしゃいますとまたいろいろ問題が出てまいるわけでございます。いま申し上げましたように、私、重ねて申しますが、非常に困りましたのは、農林省からマピカを使えと奨励されたのだというわけで、各農協などにおきましては、農協の組合長などがあっせんしてそれに応じたわけなんです。ところが、実際赤くなりましたところが、農民が農協にやってまいりまして一体どうすればいいんだ、こんなものを持ち込んで、農協の組合長に対してどうしてくれるんだということで迫る。農協の組合長は非常に困って、普及員その他県に対して、どうしたらいいのですか、こう言うと、普及員、県は、一体どうしたらいいんでしょう、こんなはずはなかったというわけなんです。そこで、ただいま局長は、すぐこの指導をしたとおっしゃいますけれども、私も実はあまりにも農林省の無責任さに驚きました。農林省がこういう問題に対してあっせんするならば、こういう問題が生じたならば、直ちに農林省から来て、あるいは指導が誤ったならばどういう結果になるかくらいのことは私は見てしかるべきではないかと思う。それで私は局長のところに電話しました。無責任じゃないですか、農林省から実地を見にこなければ、これを奨励した者はみんな困っておりますぞと言ったら、試験場から見に行っておるはずだという話だ。農林省から直接責任を持って現地の調査をする必要があるんだ、こう私が言ったところが、その後来られたそうでございますが、来られた方も、自信があるならばみんなに会うて、そして見て、これはこういう方法をすればいいんだ、こういうことを御指示になればよかったと思いますけれども、おそらく農林省から来られた方も自信がなかっただろうと思うのですが、ないしょで来られてないしょで帰られた。農民には農林省が来られたということは今日までわかってないという状態なんです。こういう点から申し上げますと、おそらく農林省としても、私は、確信を持って対処されているとは思えません。局長さんは相当確信を持ってやったようにおっしゃいますけれども、ていさいをつくらぬでいいから、今後大いに参考になることなんです、こういうことをわれわれが考える場合には、十分に試験をして、指導に対する確信まで持ってやるべきである。ただ思いつきでこういうものを何とかPCPにかわるものとしてやらなければならないのだという、こういう考え方が急なるがために、不十分な指導、不十分な試験において実施されるということは非常に問題である。それは将来に非常に問題がある問題でございますので私はお尋ねしているわけでありますが、どうも、十分自信を持って指導したとおっしゃいますけれども、私には納得できない。この点をひとつ承りたいと思うのです。
○昌谷説明員 先ほども申しましたように、一方でPCPの使用に対する水産関係者からのたいへんな危惧の念による反対があったことは、御承知のとおりであります。そこでそもそもあの法律の改正をして、そういう産業間の利害の競合する問題について、本来産業間において調整、互譲と申しますか、そういう精神で解決をしてもらわなければ根本的には解決のつかぬ問題であります、しかしながら、あまりにもPCPに対する一つの不安、問題がありましたから、それにかわるものとして急拠マピカの使用ということが日程にのぼったわけであります。その意味では私どもはマピカそのものについて全く確信なしにそれを使用していただいたわけでは毛頭ございません。その段階においてのあとう限りの検証なりデータなりの検討の結果でございますけれども、何さま先ほど申しましたように従来日本で使ったことのない新しい薬でございます。その意味では、純粋に農業の立場だけから慎重を期するとすれば、もっともっと十分な試験結果を積み上げて、その上で皆さんに十分に習熟をしていただいた上で強く推し進めるほうが安全であることは、これはもう間違いございません。しかしながら御承知のような客観情勢において、そういう理想的な一つの段取りを経ていくことが適当であるか、それとも原理的に解決のついて自信のある問題であるならば、指導に万全を期して、水産業界との摩擦、衝突を幾ぶんかでも緩和するほうが、全体としての公益に合致するのではないか。それらのことの判断の結果が、PCPをやめてマピカをお使いいただくように御指導申し上げたそもそもの事情でございます。その意味におきまして、使用過程における不習熟といったような問題は避けがたいところがあったように思います。しかしながらそれは引き続きましての指導の努力によりまして、そういった農業と水産業といったような、同じ一次産業の中での大きな摩擦、衝突というようなことはやはり避けていくような方向へ物事を御指導申し上げるのが、私どもとしては公益的な立場として適切であろう、かように考えておる次第でございます。
○稲富委員 繰り返して済みませんが、これは前の局長時代のことだから人のことだから言いにくいかと思いますが、PCPをほかのものにかえよう、こういうことを農林省が考えられた気持ちはわかるのですよ。ただかわったものに対する、マピカに対する問題を聞いているのですが、十分試験をしてやったとおっしゃいますけれども、それじゃ何年くらいどこで試験をやってマピカを使用になったのか、マピカを使用するに至った確信を持たれたという、その点がありましたらその点を、農林省が試験をされたその過程をひとつ承りたいと思います。
○昌谷説明員 まことに恐縮でございますが、私も技術的な専門的知識を持っておりませんので、その辺のことはまだ十分には承知いたしておりません。ただ使用に踏み切るについて、少なくとも試験場の段階での確信を得るに必要なだけのデータはそろっておったということで御了承いただきたいと思います。
○稲富委員 どうもその点がはっきりしないのですが、私が言いますのは、試験場で使うのはそれでいいのでございますよ。一般の農家にこれを普及する場合、やはりこれをすすめる以上においては、国としてはよほど責任を持って、確信を持ってやるべきだ、こういう点から私はお尋ねをしておるわけなんで、そしてPCPは何とかほかの農薬にかえなければいけないのだという気持ちはわかります。早くかえなくちゃいけない、急がれることもわかります。ただマピカというものがいいものであるという確信を持ってやられたと言うから、それはどういうような点において確信を持たれたおであるか、どんな試験をやられたのか、こういう点をつい聞かざるを得ないことになってくるわけなんです。何もあなたを責めるわけはないのですけれども、確信を持ってマピカがいいのだと思ってやったとおっしゃると、マピカをどういう点から確信を得られたか、何年間どこで試験をやられたか、また今回の有明沿岸ばかりでなくてほかにも一般にマピカを使用したところがあるかどうか、この点がありましたら承りたい。
○昌谷説明員 その点について申し上げますと、ことしの米作におきましてマピカを使用いたしましたのは、かなり多くの府県に及んでおりまして、面積にいたしますと全国で約九万町歩ということになっております。
○稲富委員 今年使ったのじゃなくして、いままでマピカを使わせるに至るまでの経過です。いままで何年くらい試験したか、どこで試験したか、こういうことを承りたいと言っておるのです。
○昌谷説明員 試験研究の経過その他については、私もまだ十分に承知をいたしておりません。結論だけを申し上げました次第でありまして、なお御必要とあればまた別途専門家に御説明させます。
○稲富委員 それで非常に局長も苦しゅうございますから、もうこれ以上調べはしませんが、問題は、どうも指導に対しては十分でなかったと私は思うのですよ。特に先刻言いましたように、これが指導に当たった人がその結果を見て周章ろうばいしたのですよ。それだから私は十分じゃなかったということを、そういうような事実から申し上げるわけなんです。ただ先刻もお話がありましたように、このマピカを使用しまして葉が赤くなりましたところが、農民が追肥を入れた。ところがこの普及員は書類をつくりまして、将来これが減作になるだろうという見込みがついた。そうしますと、減収になるだろうという見込みがつきますと、追肥を入れたことが悪かったのだという書面を出したのですよ。いかにもどうしたらいいんだということを普及員に聞いた場合、どうしていいかわからなかった。農民は赤くなったから周章ろうばいして追肥をやった。ところがその追肥をやったあとに、追肥をやったことが悪かったという書面を出した。ところが今度結果から見ますと、非常に天候が恵まれまして、追肥をやったところのほうが、かえってやらなかったところよりもよかったのですよ。こういう結果があらわれておる。こういう結果を見ますと、明らかに指導に当たった人たちが確信を持ってなかったということは、私はいえると思う。 それからただいま局長は、その後、一時はそういう現象が生じたけれども、非常によくなったとおっしゃいますけれども、私のほうでも実際これを調べてみますと、相当に減収いたしております。これに対しても農林省は非常に心配されて、県あたりに対してはあまり減収ということは言わぬようにしてくれろということを言われたということも聞いております。そういうことをあまり言うわけではありませんが、減収の状態がどのくらいになっておるか、この点はあなた方のほうには調査ができておると思うが、承りたいと思います。
○昌谷説明員 先ほどもお答えいたしましたように、三十八年の水稲に使用されました面積は全国で約九万町歩、私どもがその九万町歩につきまして、特別にそのための減収として報告に接しておるものは、いまのところ公式にはございません。その意味で私どもは先ほども申し上げましたように、初期段階に多少異常な状態が、その後の、先ほど来お話の出ましたような多少指導の混乱はあったかと思いますが、天候その他の事情も幸いをし、また農家の方々の御努力もあって、おおむね回復をしたものというふうに理解をいたしております。ただ先般、九州有明海関係の四県の方々から、そういう意味合いの被害と覚しきものありというお話を伺いました。しかしこれらにつきましても、私どもとしてはそれがどういう原因に基づくものであるかどうか、その点についてはなかなかこれは簡単にはきめがたい問題だというふうに考えております。
○稲富委員 これは私たちも実際現地を調べておりまして、減収のあったことは事実だと思うのであります。ことに分けつがおくれておるという事実もありますし、その後の収穫状態から見ても、われわれも立ち会ってみておりますけれども、相当に減収になっておるように見ておるのでありますが、正式には、農林省のほうには県からも減収という報告は来ていないといういまの御答弁のようでありますが、これはさらに検討していただきまして、事実上減収があるという点がありましたならば、これに対して政府としては何か考えるべきじゃないか、かように思いますが、これはいかがでありますか。
○昌谷説明員 先ほどもお答えいたしましたように、その薬の使用と収量との間の、何と申しますか因果関係と申しますか、そういった点の判断は非常に微妙であり、かつ軽々にいたすべきものでないと私は考えております。その意味で、なお今後公式の調査結果が出ますれば、またそれはそれ相応に検討いたさなければならぬと思いますが、今の段階では、直接結びつくような事実はないと考えておりますので、特段の対策については何も考えておりません。
○稲富委員 この問題はそういうことになりますと、先刻からの話をまたむし返さなくちゃいけませんが、マピカの被害に対して非常に減収が生ずるのではないかということで、農林省がたいへん気をもまれたという事実がありますね。それで各県に対しても、マピカの減収ということは、なるべく出さないようにしてもらいたいということを、文書ではありませんけれども、希望を述べられたということを聞いておりますが、それが実際上今日減収の事実があらわれております。この問題は、いまのところはそういうことはないということを局長は言われますけれども、そういう問題がさらに事実が出てまいりまして、マピカのために減収が生じたという事実がわかってくれば、これに対してやはり意地とかいうことではなくて、当然いろいろ考えなければならぬ問題だと思います。現に農薬取締法の改正が国会を通過いたしますときにも、これがために農民に被害を与えないようにしなくてはいけない、損害を与えないようにしなくてはいけないということが非常に論議されておると思いますし、この問題は当然マピカとPCPの価格差をどうするかという問題も当然起こってくると思いますので、この問題はこれと当然関連する問題ではないかと思うのであります。この点に対しても、どういう考えを持っておるか、この機会に承りたいと思います。
○昌谷説明員 マピカの使用を指導いたしましたときから、在来使いなれましたPCPとの間に市価に差があるということで、マピカの使用を御指導申し上げる点で、なかなか困難な点があったという事情はございます。したがいまして、その後長雨その他の事情から、特に本年度急いでPCPをなるべく使わないようにしなければいかぬというような事情もあわせ起こりましたので、御承知のように長雨対策の一環といたしまして、新農薬の使用に対しまして反二十円程度の助成費を予備費から支出いたしたわけであります。これはあくまでなじみの薄い新しい農薬に対しての指導の奨励と、PCPを使うことが長雨とダブって水産界に——また一昨年のような水産界と農業界との摩擦衝突を起こしてはまずかろうということから、マピカの使用を奨励するという趣旨でいたしたものでございます。したがって価格差というような角度でとらえた助成ではございません。価格差というような問題になりますと、これは各種の農薬がございまして、それぞれに市販されておりますわけであります。それぞれのものが、それぞれ違った価格をもっております。そのいずれを使い、いずれを使わないという場合に、一々そういう判断をいたすべき筋合いのものではなかろうと私は考えております。 要は先ほど来申し上げましたように、農業と水産と、そういう二つの非常に何と申しますか、私どもとしては大事な二つの産業が、そういった薬の使用というような問題をはさみまして起こします一つのトラブル、これは水産の側だけにごしんぼういただくというわけにもまいりません。あくまで農業だけがよいということで、安全な、あるいは使いなれた薬をあくまで固執するというわけにもまいりません事情があろうかと思います。その間個々の経営にしてみればいろいろと御不満はあうろかと思いますが、それはやはり大きな意味での産業間の調和の問題として、先ほど来申し上げております公益的見地で御協力いただくべき筋合いのものじゃなかろうかと考えております。
○稲富委員 その点わかるのでございますが、ただ従来PCPを使いなれておりますし一特にこの地方はPCPを使っておりますが、PCPとマピカとの——政府はマピカが一番適当なものだとしてこれをおすすめになったと思いますが、その差額というものは二十円くらいじゃなく、相当額あることは御承知のとおりなのでございまして、もちろん農民がそういう産業の調和をはかるために応ずることはけっこうでございますが、やはりこの差額が非常に大きいならば、これを一部分見るんじゃなくて、もっと何かの形においてこれを助成するという方法を考えなくてはいかぬのじゃないか、こういうことを考えるのでございます。しかもわずかの差額だけを、一部分だけを見てもらって、いま申し上げましたようにその結果がおもしろくないということになりますと、農民は二重に損害をこうむったということにもなってきまして、将来のこれが使用に対して非常な影響を来たすと思うわけなんです。それだから、この点に対しても価格差に対する十分なる助成処置が、奨励する意味から、あるいはそういう他産業との調整をとる意味からいっても必要じゃないかと思うのでございます。この点に対しても本年度は一部を助成しようという考えのようでございますが、もっと考え直す方法はございませんか。
○昌谷説明員 先ほどもお答え申しましたように、先般の予備費で支出することにきめていただきました金額は、価格の差が幾らあるということを前提として算定したものではございません。あくまで新しい農薬を早急に普及をし、PCP使用による衝突を極力回避しようということで、使用奨励の意味で出したものでございます。その意味で全国で九万町歩あるいは漁業県でも約六万町歩近い面積の使用をしていただいたわけでございます。その意味で使用がすでに済んだと申しますか、稲作時期が済んで、奨励の機能はそれなりに果たしたわけでございますので、これを便済みの段階でさらに引き上げるとか再検討するとかいうようなことは、私どもとしては考えられない措置だろうというふうに考えております。
○稲富委員 一点だけ結論として最後にお尋ねしたいと思いますが、そうしますと、マピカの使用に対しては、これは先刻局長さんと私と水かけ論になったのでございますけれども、私どもはいままでの指導は十分じゃなかったと思います。あなたは十分じゃなかったというとまた損害でもふっかけられるのじゃないかというような心配があるかもしれませんが、そういう点は抜きにしても私は十分であったとは思われません。それだから、これをまた来年度に使用するということになると、農民の中にも相当に問題が起こるのじゃないかと私は思う。そういう点から来年度に対してもPCPの規制をやる、マピカの使用を普及するというような考えを今日も持っておられるかどうか、この点をひとつ念のために伺っておきたいと思います。
○昌谷説明員 PCPをとめましたときの経過から申しまして、そう簡単にPCPをまたさらに同じような危険のあるところで使ってもよろしいと申し上げるようなぐあいにはなかなかまいるまいと思います。その場合、マピカにつきましては一先ほど来若干御意見ございましたけれども、私どもとしてはことしの実績から見ましても大部分のところがほとんど薬害というようなことの声のない結果に終わっておりますから、指導の足らざるところはなお一そう濃密な指導を加えるとして、マピカをお使いいただいたほうが先ほど来申し上げておるような公共的見地から申して穏当であろうというふうに考えております。ただ最終的にそれをどういうふうに処置するかということにつきましては、あの法律の趣旨から申しましてもそれぞれの関係県の知事さんのお考えその他もあろうかと思います。また昨年そういうふうに踏み切りましたあとの学問的な検討も進んでおろうかと思います。それらの点をなお十分に最終的に結論を出しますまでには、地元関係県の御意向も確かめなければいけませんし、また学者諸先生のその後の御研究の結果も念のため確かめねばいけぬと思います。そういう意味におきましてはもう一回十分検討はいたしたいと思いますが、しかし全体的な姿としては、冒頭申し上げましたような経過もございますので、そう簡単にPCPを使ってもよろしいというようなことにはなかなか相ならないことであろうと思っております。
○稲富委員 PCPを使わせるということがいろいろ問題があるといたしますならば、マピカを奨励するならなおさらPCPとの差額の補償とか、あるいは損害を与えた場合に対する補償とか、こういう問題はやはり関連して一応考えなければいけない問題じゃないか。この問題を放任して農民には十分な補償をやらない、農民はこれがために非常な損失をこうむった、ところがこれが指導に対しても政府は十分確信を持って指導しているのじゃないのだ、こういうことを言い得ると思うのです。こういう点は私はよほど考えなければいけないと言っておるわけなんで、どうかひとつこれに対しては、災害の状況ということも検討されて、今後マピカを使用させるとするならば、なおさらこういうことに対しても政府は十分考える余地があるのではないる、こういうことを私は申し上げまして、私の質問を打ち切るわけでありますけれども、そういうふうにひとつ処していただきたい、こういうふうに考えます。
○昌谷説明員 先ほど申し上げましたような見地で、なお十分の確かめは私としてもいたしたいと思います。そういった場合に、そもそも問題の本質が産業間の調和でございますから、やはり水産業界その他のお考えも十分聞かしていただき、また理想的に申せば、そういう相互扶助的なものの考え方も現地において醸成していただきますよう御協力いただきたいと思う次第であります。 ————◇—————
○高見委員長 次に、閉会中審査に関する件についておはかりいたします。 すなわち、内閣提出にかかる甘味資源特別措置法案及び沖縄産糖の政府買入れに関する特別措置法案の両案につきまして、閉会中も審査を行ないたい旨議長に対し申し出をしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高見委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時十八分散会 ————◇—————