大蔵委員会 第3号
- 発言数
- 43 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1963/12/14
会議録
○山中委員長 これより会議を開きます。 この際、大蔵大臣より発言を求められております。これを許します。田中大蔵大臣。
○田中国務大臣 一言ごあいさつを申し上げます。 総選挙の結果成立しました第三次池田内閣に、不肖引き続きまして大蔵大臣を拝命いたしました。当委員会におきましては、いままでもたいへんお世話になり、また将来もたいへんごめんどうをいただくわけでありますが、私も政府委員も誠意を持って説明に当たりたいと存じます。どうぞ旧に倍して御支援、御教導のほどをお願い申し上げます。(拍手) ————◇—————
○山中委員長 農業共済再保険特別会計の歳入不足をうめるための一般会計からの繰入金に関する法律案、砂糖消費税法の一部を改正する法律案及び砂糖消費税法を廃止する法律案の三案を一括して議題といたします。 質疑の通告がありますので、これを許します。堀昌雄君。
○堀委員 昨日来この砂糖消費税の問題についてはだいぶ論議をしてまいりましたけれども、きわめて政治的な問題が残っておりますので、きょうは大蔵大臣、農林大臣の御出席をいただいて政府としての今後の方針を明らかにしていただきたい、こう考えるわけであります。 私どもは、いま社会党から議員立法といたしまして砂糖消費税二十一円を撤廃する法案を提案いたしておるわけであります。御承知のように現在非常に砂糖は高くなりまして、これまででも日本の砂糖の価格は世界で最も高い、こういうことになっていたわけでありますけれども、最近の原糖の値上がりに伴いまして異常な高騰を示しておることについては、両大臣ともすでに御承知のとおりだろうと思います。 そこで現在政府が提案をされております砂糖消費税五円の値下げということは、大体小売り価格が百九十円もするときに、一体五円だけ下げることで適当かどうかということは、これは私はわれわれがここで議論をする問題ではなくて、国民がはだでじかに感じておる問題だろうと思うのです。政府がせっかく砂糖消費税を減税するというのであるならば、私は少なくとも最低十円、望むらくは全廃というような形をとることが国民の物価高に苦しんでおる現状に対して誠意ある態度であると考えるわけでありますけれども、残念ながら政府のほうは五円しか減税をしないという提案をいたしております。この問題を昨日いろいろと論議をいたしてまいりますと、結論としてこういう結果が出ているわけであります。現在鹿児島県においてつくられております甘蔗からつくられる黒糖を原料として精製糖がつくられておりまして、これは三温と称しておるようでありますが、大体二、三万トン程度しかつくられておりません。ところがこの黒糖を原料といたしますと、海外の輸入原料に比べて高くついておりますために、現在では十六円という税制上のメリットが与えられておる。これが今度は原糖段階で五円減税をすることによって、両方五円ずつ減税をするということで、メリットは依然として一ぱいのところで十五円というところに落ちつく、これ以上は、そのわずか二万トンか三万トンの黒糖の生産者並びに三温という精製糖の業者を維持するために砂糖消費税が下げられないのだ、こういうことが実は問題として提起をされておるわけであります。ところがいま日本で二百数十万トンの砂糖がおそらく消費をされておると思いますけれども、わずか一%内外のもののために国民全体が——それがもし可能ならば十円の砂糖消費税の減税も可能であるという段階であるにもかかわらず、そういうことが行ない得ないということは、まことに私は国民の立場からすると遺憾だと感じるわけであります。昨日、農林政務次官並びに大蔵政務次官とも、国民に安い砂糖を食わせるということについては私に同感であるという御答弁をいただいております。おそらく両大臣とも国民により安い砂糖を食わせることに反対だというようなことはお考えになっていないと思うわけであります。 そこでこれからお伺いをいたしたいことは、一体それではどうすれば砂糖消費税を、今回は五円でありますけれども、今後さらに十円なり十五円なりを下げていくことができるかということになりますと、ただいまのわずか一%内外の黒糖生産者及びその精製業者との関連において、その生産者を何らかの形で保護をいたしまして、補助金等をどういう形で出すか、それらは農林省、大蔵省において御検討いただけばいい問題でありますが、そういう補助をすることによって、いまの十五円という税制上の恩典というものがなくなったとしてもやっていけるような条件をつくる以外には、実はこれ以上砂糖消費税は減税できないということが明らかになってまいったわけであります。そこで私は昨日農林省側に伺いましたところが、実は本年度予算については、農林省はそれらのものについては要求をしていないということが明らかになりました。要求がされておりませんとどういうことが起こるかといえば、今後砂糖消費税については、今度の五円以上は絶対に下げられないということがコンクリートされてしまうわけであります。私はこの前の通常国会においてこの問題が出ましたとき以来、御承知のように当委員会でたびたび論議をしてまいりましたけれども、日本の県民所得の中の最低は、御承知のように鹿児島県であります。その鹿児島県の中においても、この黒糖生産者というのは、さらに最も県民所得の低い人たちだと考えますから、やはり国民の一人としてこの人たちが今後ともやっていけるような条件を考えることは、当然国としての責任があると思います。そこでその人たちが成り立つような条件を前提につくっていただいておくならば、これはあと砂糖消費税は、たとえば自然増収が非常にふえてきて、さらに物価が上がってきた、これではどうも国民に申しわけがないから、さらにもう十円を下げましょうということができる条件ができてくるわけでありますけれども、いまのままで予算要求なしにいきますならば、今後永久に高い砂糖を国民は食わなければならぬということになってくるわけです。推移いかんによって少しは差があるでありましょうが、ここでそういう条件になってくるわけであります。 そこでまず私は農林大臣にひとつお伺いをいたしたいのは、農林大臣は、国民に安い砂糖を食べさせたいと真剣に考えておられるかどうか、もし真剣に考えておられるとすれば、当面砂糖を安くするためにでき得ることは、私は、国が消費税を減税することが適当だと思いますので、今後とも砂糖消費税についての減税を推進していく意思がおありかどうか、もしそれを今後とも推進をされる意思があるとするならば、その前提条件となるところの黒糖生産者に対する何らかの予算的措置を要求していただく御意思があるかどうか、この三点をひとつまずお伺いをいたしたいわけでございます。 ちょっとそのお答えの前に申し上げておきますが、もし農林大臣のほうでそういう予算措置をこれから御要求をいただきましたときには、大蔵大臣としては、同じように国民に安い砂糖を食べさせるような御意思があるかどうかさらにより安い砂糖を。さらに、そういうことになりますと、今後財政その他の条件を勘案をしながら、物価高騰とにらみ合わせて砂糖消費税をさらに減税をするという意思があるかどうか、減税をするときには、いまの予算要求が農林省から出されておるならば、本年度予算においてこの農林省の要求を認める意思があるかどうか、この三点をあわせてお伺いをすることにいたしたいと思いますので、それをお含みの上で、ひとつお答えをお願いしたい、こういうふうに考えるわけでございます。
○赤城国務大臣 物価問題として砂糖の値段を下げたいということにつきましては、私も強くそれは考えておるわけであります。その手段として、消費税の問題でございますが、現在の消費税五円を引き下げる、こういう場合におきましては、今度は甘味資源あるいは黒糖関係の問題でございますが、五円ですと黒糖への影響はないというふうに考えておりますが、五円以上大幅に引き下げる場合につきましては、黒糖ばかりでなく、その他の甘味資源への影響というようなことも慎重に検討いたしまして、必要があるということでありますならば、私は予算措置を講ずる方向へ進めていきたいと思いますが、他の甘味資源への影響等もなお検討してみる必要がある、こういうふうに考えています。 また、消費税の軽減の問題は、いまもお尋ねの中にありましたが、税収入として相当の関連も多いのでございますから、ここにも出席しておりますが、大蔵大臣、大蔵当局とも相当協議の上でないと、これは実現はできない、こう思っております。砂糖価格の引き下げということにつきましては、私は異議のあるどころか非常にけっこうなことでございますが、これを消費税でやっていくという場合における問題といたしまして、黒糖以外の他の甘味資源との関連ということもなお検討する余裕を与えていただきませんと、結論がまだ出ません。必要があれば予算措置を講ずるような方向へ進めますが、予算措置を講ずるという場合におきまして、今度は大蔵省との関係がございます。そういうことでございますので、大蔵当局となお協議をいたさなければなりません。そういう考え方でいまおります。
○田中国務大臣 砂糖をできるだけ安く国民に使っていただくという問題に対しては、基本的にはそのとおりでございます。また幾ぶんでもそういうことが実現できますために本案を提出御審議を願っておるわけでございます。この砂糖消費税を五円引き下げるという問題の経緯は、御存じのとおり、国際糖価が非常に上がりまして、国内糖の基準も三セント五十くらいで大体何とかなるといっておりましたものが、キューバ事件を契機にしまして、十二セントまで上がり、現在でも二十セントを上下しておる。こういう特殊な事情に基づきまして、ことしの初めからこの問題に対して御論議を願い、当初には関税五円引き下げ、それから消費税五円引き下げという両案でお願いをしておったわけでありますが、両二回国会のつごうで成立を見ませんでしたので、その後の情勢に対処しまして、関税の問題は国内糖保護という面から非常に大きな異論がありますので、関税はさておきまして、原案どおり消費税の五円引き下げということでお願いしておるわけであります。これは平年度約八十二億円の減収でありまして、五円ばかり引き下げてもたいした糖価の引き下げにはならないといいますが、財政当局からいいますと、非常に大きな問題であります。しかしこの八十二億という減収額というものにこだわって五円というのではございません。いまの黒糖再生産の問題がありますので、このような状況でお願いをしておるわけであります。特にいまあなたが言われるように、それでは黒糖の生産農民に対して補助金を出したり、輸送費を補助したりすればいいじゃないか、こういうのですが、黒糖は御承知のとおり奄美大島がその最も大きな産地でありますが、奄美大島につきましては、大蔵省も過去におきましても奄美大島復興計画というのをつくりまして、一部は十分の十、ここらでも十分の九というような高率の国庫負担をしてやっておるわけであります。しかもいま甘蔗糖という問題で、地元で非常に熱心にやっておられますので、これらに対して相当の育成を見ておりますので、現在の段階において黒糖というものに対して別な面から補助等を行なうことによって、消費税、関税をはずすということがいますぐ片づけられないという問題があります。もう一つはこの国際糖価というのは非常に動きますから、いま非常に価格の動きが激しいのでありますからこれらとの関連も見合いながら慎重に検討をしていかなければならないということでありまして、前の国会にお出しをしました補正予算案を厳守をしたということも、わずか十億余でありますが、一日も早く誠意を持って国民消費の糖価を引き下げていきたいという微意をあらわしてこうして御審議をお願いしておるわけであります。
○堀委員 いまのお話では、私全然納得できません。というのは、まずいまの大蔵大臣もお話しになった中で、私は奄美大島の砂糖の問題を論じておるのじゃないのですよ。奄美大島はなるほど非常に補助をされていいでしょうが、鹿児島県の奄美大島に近い島があるわけですね。ここは全然そういうことが行なわれてないでしょう。いま黒糖の特に一番大きな問題は、これらの諸島に住んでおる住民の問題なんですよ。だからあなたは奄美大島の話なんていうのはあさっての方向でものを言っているわけで、実は答弁になってないんですよ。そこでこれは大蔵大臣、こういうことになっているわけですよ。きのう園芸局長のほうと話をしたときには、大蔵省が十円減税をしたいということになったら五円をやはり何とか生産者の方面に見なきゃならぬという問題が起きますから、それじゃその五円分の予算要求ということになって、しかし大蔵省が五円しか減税してないときに残りの一体幾ら減税するかわからぬ分の補助金を組めない、補助金というか何というか、それをカバーするものは要求できないとくるわけでしょう。そうすると今度は大蔵省側に言わせれば、そういうことができてない限りは減税は五円しかできない。両方ができないできないということになって、言うなれば一つの環みたいになっているわけですから、どっかで環を切らない限り砂糖消費税は今後永久に五円よりか下げられないのです。しかし皆さん考えたらわかるように、私きのうここでも論議をしましたが、同じような海外の砂糖に依存しておるイギリスは、日本の砂糖の半分なんですよ、小売り価格は。同じように消費量も向こうは非常にばく大なんです。われわれのほうはわずかな量しか消費してない。イギリスに対して三分の一くらいしか消費してないにもかかわらず、倍の砂糖を食べさせられておるという日本国民の立場から考えてみれば、私は政府当局がそんな両方からのなすり合いではなくて、どこで環を切るかということをやるだけの誠意と勇気がなければ、こんな砂糖消費税の提案なんかやめてもらいたいと思うのですよ。だからどこで切るのか、ひとつ私は大臣に答えてもらいたいと思います。
○田中国務大臣 ちょっとはんぱでもって砂糖消費価格を下げようなんて考えておりません。あなたと同じ考え方でもってもう三国会を通じて誠意を持ってやっておるわけであります。しかしいま例に出されたイギリスとの問題、確かに日本の砂糖消費の価格が非常に高いということが言われておりますし、われわれも認めておりますが、イギリスの戦後の砂糖消費税の問題と日本とそのまま比べるわけにいかないのです。これは御承知のとおりイギリスの植民地が非常に大きく独立をしたというような戦後の事情はありますけれども、植民地時代に投資をした問題もありますし、またがっての植民地がいまの英帝国連邦ということになっておりますので、日本のように国際糖価にそのまま影響されるというような状態にはないのでありまして、これはまあ基本的な前提条件も相当違うということは一つあると思います。いずれにしても砂糖消費税が非常に高いから何とかしなければならぬというお説は私も承知しておりますので、できるだけ引き下げようというので、いまの段階において五円というと、糖価が百九十円もしているのに五円ばかり下げてどうなるかとはいいますが、私たちが初め御審議をいただいたときは、いまよりも相当前の話でありますし、ずっと継続審議していただきたいというのが国会の解散等で廃案になって、今日また再提出になったという事情もあるということをひとつお考えいただきたいと思います。もう一つは、国際糖価の事情がありますので、現在その環を切る、切らなければならない、また切るに前向きでやらなければならぬといいながら、国際糖価の動きが非常に激しいという問題が一つありますし、もう一つは、先は申し上げませんでしたが、黒糖というものは、われわれはいなかの出身ですから黒糖に対しては郷愁がありますけれども、現在黒糖の需要というものは年々減っているわけであります。これを精製糖に振り向けなければならぬというような方向でおりますが、これをいまの状態ですぐ補助金を出したり、いろいろなことをするということになりますと、現状の生産農民の姿のままで温存をするという問題も出てくるわけであります。でありますから、大きな意味からいってこれが一体どういう方向で進めなければならぬかという問題も国内産業の立場からも検討をしなければならない問題があるわけでありまして、それらの問題諸般の情勢を勘案しながら現行法で許す最大限の減税五円ということで御審議を願っておるわけでありまして、これだけで停滞をしておるという考えではございません。農林大臣もいま申されたとおり両省で十分検討しながらこの問題をどこで大幅に解決するかという問題に対しては真剣に検討しておることを御了解願いたいと思います。
○堀委員 どうも御答弁が何か外側をぐるぐる歩いていますね。国際価格、国際価格と言われますが、砂糖消費税と国際価格というのは一体どういう関係があるのでしょうね。砂糖消費税は国際価格はどうあろうとなかろうと下げれば安くなるということじゃないのですか、そうでしょう。国際価格と国内消費税との間に私は何ら関係がないと思うのですよ。だから政府のほうは安く砂糖を食わせるために、最も的確なのは、砂糖消費税を下げればそれは下がる。それは国際価格が幾らになったって同じことなんですよ。いまお話のように何か百七十円ぐらいのときの五円というのはメリットが大きかったけれども、百九十円になったらメリットが小さくなったからとか、私はそんなことを言っているのじゃない。百七十円にしたって、五円なんて…。あなた方は十円しかとってないから、その中の五円下げたというなら私はわかりますよ。二十一円とっているのじゃないですか。二十一円とっている中で、なぜ五円しか下げられないのかというところで私は問題を出しているのですから。ですから、ここで私がはっきり伺いたいのは、砂糖消費税を下げる意思があるかないかだけ、ちょっと先に伺いましょう。
○田中国務大臣 できるだけ引き下げていく方向で検討いたしております。
○堀委員 できるだけ引き下げるためにはいまのネックがあるでしょう。そのネックが、それでは大蔵省のほうが先にもう一回今度減税案を出して、それに基づいて予算要求するというなら、来年度になりますわね。どっちにしたって昭和四十年度にならなければ少なくとも話は前へ進まない。昭和三十九年度は、さらにもし砂糖が高くなったとしても、砂糖消費税には触れられないということになりますね。だからいま私がここで申し上げておることは、いまの対象になっておる黒糖生産農民というのはたくさんあるのじゃないですよ。鹿児島の南部の諸島のほうにおるだけであって、県民所得が鹿児島県というのは日本で一番低いということを申し上げましたね。その中でさらにもうちょっと低いのは、その諸島におられる人たちなんですよ。その人たちのことを考えれば、ここで農林省のほうがその合理化のための手段と同時に、これが問題に対して少しはてこを入れておいて、予算要求がされて、あなた方が認めたとするならば、あと砂糖消費税をいつ下げなさいなんとは言いません。いろいろな財政収入その他の関係で、いつでも下げられる前提条件をつくってもらいたいというのが私の願いなんです。ですから農林大臣どうですかね、ひとつ予算要求をしてください。できないですか。今度の三十九年度予算に黒糖をさらに五円なら五円、十円なら十円下げるためのいろいろな手だては皆さんの技術的な問題にまかせるとして、それをひとつやっていただいて、それをやった中で、あと甘味資源その他の問題に波及してくるならば——それをやったところでほかの甘味資源には私は関係ないと思うのです。その黒糖の人が助かるだけであって、減税をするときに、それではあとの甘味資源をどうするかということをそのときにまた考える。来年度すぐ十円減税しろと言っておるのではないのです。前提条件をつくるために農林省側として予算要求に踏み切ってもらいたい。そうしてあなたのほうでひとつ十円なら十円のめどで予算要求を出しますと言っていただけば、大蔵大臣、出たのは認めてください。大蔵大臣がよろしいと言えば、この話はこれで円満にいくのです。それを言わない限り、これはちょっときょう簡単にいかなくなりますよ。率直に申し上げて、私はあなた方から少なくとももっと前向きに誠意のある答弁があると期待したから今日ここに立っているけれども、いままでの話では、何のことはない。ただ政府の案をのみなさい、そのうちに何とかしましょうなどという時限も切らなければ、具体的な行動も何ら起こされなくて、このまますわるわけにはいかぬのです。
○田中国務大臣 奄美大島だけの話をしましたらおしかりを受けましたが、三十八年度の予算でも、西南諸島、奄美大島を除く鹿児島の島々の甘蔗糖対策としてトラック、耕転機購入費補助等土壌改良費として千六百万円の補助をいたしております。
○赤城国務大臣 私のほうといたしましては、先ほど申し上げましたように、消費税をなお下げてほしいのですけれども、そのことによる影響です。他の甘味資源その他の影響、黒糖も下げっぱなしというわけにいきませんから、いろいろ補助等もしなければなりませんから、そういう関連を考えますと、他の甘味資源との関連をよく調べた上でありませんと、これだけで予算要求をいま追加してするというわけにはちょっとまいらないと思います。そういうことですから、先ほど申し上げまして回りくどいようでございますが、他の甘味資源との関連を考えた上で要求するならば財政措置を要求いたします。いますぐにというわけにはちょっとまいりかねます。 なお念のためでもございませんが、甘蔗生産の補助の面につきましては、三十八年度予算では四千六百万円でございましたが、三十九年度では七千八百万円の要求をして、この方面の対策をさらに進めていこう、こういうふうにいたしておる次第でございます。
○堀委員 いまのお話でその他の甘味資源との関係があるからどうしてもできないということになると、これはやはりその他の甘味資源の法案等がちゃんと審議をされて、その結論が明らかにならない限り、それは非常に無責任なことになって、これはもうここ一年も二年もたな上げになってしまうということになると思うのです。だから私が申し上げたいことは、政府にほんとうに誠意があるなら、やはりやることをやってもらいたい。何か農林委員会に甘味資源の法案は付託されたようですけれども、これも簡単じゃないということのようですから、そこでひとつお願いをしたいのですけれども、それでは農林大臣、来年度中に補正予算等が行なわれる場合には、最低、少なくとも今後砂糖消費税をもう十円下げるということのために必要な甘味資源全般に対する予算要求を、次の補正予算が行なわれるときには必ずやっていただくということにお答えがいただけるでしょうか。
○赤城国務大臣 いまの最低十円というようなことをお約束はできませんけれども、他の甘味資源との関係で消費税の引き下げをなお必要とする事態が起きますならば、私のほうで大蔵省のほうに要求をいたしたいと思います。
○堀委員 いま補正予算について十円とは言えないけれども、下げるためにひとつ甘味資源等について予算を要求したい、こういうような農林大臣のお答えですが、そういう要求が出たときに、大蔵省はやってくれますか。
○田中国務大臣 仮定の問題でありますが、農林大臣のお答えのとおり、出ましたら両省で十分検討して適切な措置をしたいと思います。
○堀委員 それでは最後に大蔵省側に伺いますが、来年度中に砂糖消費税をもう一回下げることを約束してくれるかどうか。
○田中国務大臣 何ぶん来年度は、御承知のとおり平年度二千億以上の大きな減税を考えておりますので、やはり減税に対しては何を重点的にすることによって国民生活によりプラスになるかという問題がありますので、いまの段階において来年度下げますというふうにはお答えできないと思います。
○山中委員長 春日一幸君。
○春日委員 私は砂糖にかけられております税金の問題は、砂糖消費税と、さらに倍近い実額を課しております関税と、両方の問題で処理しなければ根本的な解決ははかり得ないと思うのであります。 昨日来論じていることですが、両大臣御記憶のとおり、糖価を引き下げる必要があると政府は考えて、この春の通常国会に関税五円、消費税五円、合わせて十円の値下げに関する法律案を提出してまいりました。私はこの際伺いますが、日本はしょせん来年上半期においてIMFに加盟しなければならないし、八条国にも移行しなければならない、かつは国際経済の自由化の動向にかんがみまして、将来この関税についても相当の施策を講じていかなければならないと思うのであります。このような国際経済情勢の中にある日本として、この砂糖に関する関税の定率は、将来引き下げていかなければならない動向にあると思うか、それとも相当将来長期間にわたって現行定率を維持することが可能であると考えておるか。この点が質問の一の中のイの質問。ロの質問は、だとすれば、この春の国会で関税について五円の引き下げを行なったけれども、昨日来事務当局が釈明しておるところによりますると、この原糖の国際相場というものが変動が激しいので、その動向を見きわめなければならぬ。したがって将来関税政策というものはその見きわめの上に立って処理をしたいという考えである、よって今回これを春の国会とは違って提案をしなかったと言っておるのであるが、ところが、いま堀君との質問において明らかになったがごとく砂糖消費税においてはロック・ボトンが黒砂糖によってささえられて、結局はこれ以上引き下げることができないとすれば、当面糖価の中に占める税金を軽減することによって糖価の軽減をはかることとすれば、関税に手をつけなければならないし、ゆえにこの春の国会においても関税五円の値下げを出してきたんですね。だとすれば、その関税に対する基本的政策をあわせ判断をしてこの際ともに五円下げるということが、砂糖に関する将来の関税政策の中において将来何らかの障害になると思うのであるのかどうか、これが質問のロでございます。 それから質問のハは、考えてみなければならぬことは、今日、糖価の中に占めておりまする税金の割合というものはざっと四〇%と押えましょうか、四〇%とすれば、これはまさしくたばこ、酒、こういう嗜好品と同列である。砂糖は酒みたいなものでもない、たばこみたいなものでもない、これは生活必需品で、むしろ米、麦、塩、これに次ぐところの第一義的な生活必需品なんだ。このような生活必需品を酒やたばこと同類に扱っておるということは間違いであるとは考えられないか。これが質問のハ。 それから質問のニは、もう一つ物品税という間接税の中において判断をしてみるならば、ざっとこれは一五%に当たる。他の一五%の物品税率というものは電気冷蔵庫、それから、言うならば貴金属。砂糖みたいな生活必需品に貴金属並みの物品税を課しておるということが不当なことだとは考えられないか。大いなる間違いであったとは考えないか。 だとすれば、今度は質問のホになるのだが、これについては何らかの改正をしなければならぬ。政府の総合的な改正で砂糖の消費価格というものを国際水準に低めていく必要があるであろうし、特にまた物価高をかこつ国民のために、これは政府並びに国会の責任において処理されなければならぬ。問題は単に砂糖の生産業者の立場に立って——もとよりそれらの生産業者の立場も保護しなければならぬことは論を待たないけれども、このようなものは国全体の経済政策として、かつはまた全国民、消費者の立場においてこの問題は総合的な政策に断固踏み切ってしかるべき問題である。こういうような立場から判断をすれば、この砂糖の消費価格というものをうんと引き下げることのために、政府はこの際抜本塞源的な解決をはからなければならぬが、少なくとも大衆政治家と自称されておる田中大蔵大臣、それからまた高徳の人といわれている赤城農林大臣、この両者において相当の抱負経綸というものがなければならぬ。両者のこれに対する経綸は何であるか、その具体的政策の片鱗でもいいから、ここに信念のほどを明らかにされたい。 いずれにしても、とにかく赤ちゃん、子供たちのおやつから四〇%にわたるような税金を収奪しておるというような、このような悪鬼羅刹のような、こんな政治というものは許されるものではない。子供のおやつから四〇%の税金を収奪するなんというようなことは、天にも地にも、みずからにも恥じることである。これは国会議員が猛反省をして——いままで政治的盲点であった、政治的死角にあったと思うのです。いま幸いにこの問題は国民世論の中において、国会においても正式に取り上げられるとするならば、この際根本的に何らかの施策を講じなければならぬ。そうしなければ、文明国として世界にも恥ずかしい、全くみずからも恥じる。これらの諸問題について両大臣からそれぞれ具体的に明確にお述べを願いたい。最も重要なことは砂糖消費税だけでこの問題を論ずべきではない。砂糖消費税は一五%のものであり、関税はかれこれ二五%のものである。関税と総合的な立場においてこの問題は消費者の消費価格をうんと低める、少なくとも国際水準にこれを押えていく。このことのために必要な施策というものがなければならぬ。ないはずはないと思う。やるべきであると思っておるが、いまやっておらぬが、どういう考えであるか。私はイロハニホと、一問の質問しか許されぬと言うから項目別にお尋ねいたしましたが、各項目について、お答え願います。
○田中国務大臣 時間がございませんので、イロハニホをまとめてお答えいたします。 消費税の問題については先ほど基本的な考え方を申し述べました。 関税の問題でありますが、関税に対しては確かにいろいろな問題がありまして、五円引き下げるということを現在提出を差しとめておる理由は二つであります。その一つは、国内糖の保護という意味で関税を下げることによって国内糖が生産を阻害されたり、これが育成に障害になってはならないという強い示唆に基づくものが一つの原因であります。もう一つの問題は、御承知のとおり国際的にもガットの場において一括関税引き下げの交渉が行なわれておりますし、しかも来年の五月四日を契機にしてこの問題に決着をつけたい、こういうことになっておるわけであります。 そこで一番問題になるのは、私があえて蛇足を申し上げなくても明敏な春日さんおわかりだと思いますが、一番最後に残るものは第一次産品、いわゆる農業関係製品の関税率の問題になるわけであります。そういう問題もありますので、現在の状態において関税を五円引き下げるというような問題を処理することが日本のためにいいのか悪いのかという高度の立場における判断も必要なわけであります。そういう意味において、今日の段階においては関税五円は引き下げない、こういう結論になったわけでありますが、しかしこれは先ほどから申し上げておりますとおり、関税交渉がもうすでにやられておりますので、これらの中において引き下げられる方向で結論を出さざるを得ない、こういうことであります。
○赤城国務大臣 御趣旨はまことにごもっともなんでございますが、関税は全体としてはやはりいま大蔵大臣が申し上げましたように下げるというか、下がると申しますか、そういう方向にあろうと思います。この砂糖の問題で関税でいくか、消費税でいくかということでございますが、現段階においてはやはり消費税のほうでできるだけ下げていくというのが適当であろう、こういうふうに考えておるわけでございます。しかしいずれにしても消費者行政に私も非常にタッチしております、生産者のほうにも深い関係があるわけでございますので、甘味資源全体として関税のほうに手を触れるかあるいはむしろ消費税のほうに手を触れて価格を下げていくような方向にいくかというようなことも一そう検討してみたいと思います。先ほど堀さんに申し上げましたように、いまの段階では消費税が下げられるというような、他の甘味資源との関係が出てまいりますならば、私どものほうといたしましてはそのほうで手をつけていきたい、こういうふうに考えておりますけれども、関税の方面につきましてもよく検討いたしたいと思っております。
○春日委員 それはいま大蔵大臣も述べられておりますとおり、現に関税の一括引き下げ交渉というものが行なわれておる。しょせんは相当下げなければならぬ、この方向にあるわけですね。だとすればこの春、政府の態度というものは、とにもかくにも砂糖値段の高騰にかんがみ、応急施策としてそういう動向にしょせんあることは念頭にあるけれども、しかしとりあえず五円下げておく。五円下げるということは、将来大きく下げることの障害にならざるという判断のもとに五円下げる法案を出したのでございましょう。しかるにその後の砂糖の値段というものがどんどん高まっておるのだから、したがって当初あなた方がこの春に関税において五円、消費税において五円と、両方減税案を出されてきたその態度というものは、今次国会においても国民の要望にこたえて国の施策としても、国会の施策を貫くためにも、あわせて減税案というものを提出されてしかるべきものである。あえてそのことをなさざりし理由は何か、よく国民のわかるように御答弁を願いたい。
○赤城国務大臣 いま国内におきましても、てん菜糖等の問題がなかなかうまくいってないと申しますか、奨励をいたしておりましても、思うようにはいってない面が相当あるのでございます。そういう面との勘案で消費税のほうで切りをつける、こういうふうに考え方をいま前とは変えたわけです。ただその額が何といっても前の関税と消費税と合わせた十円、半分ということでございますから、私どもも満足はいたしておりません。いたしておりませんが、もう少し事情を調査した上においてお答えいたしたいと思います。
○春日委員 いま農林大臣は、ビートの生産業者もうまくいっていないので、そのこともおもんぱかって云々と述べられておりますけれども、しかし現実は必ずしも大臣がおっしゃったような状態ではないと思う。たとえば、国際糖価が上がっているんだから、したがってビートの諸君はそれだけ恵まれた立場にあると思うのですよ。将来あるいは値下がりがあるかもしれない。そのことはおもんばからなければならないけれども、私の質問の要点は、関税引き下げ一括交渉が行なわれており、将来第一次生産といえども値下げせなければならぬのであるから、したがって、いま関税のほうで五円くらい下げておいて、砂糖消費税も五円下げる。この春の議案のように関税のほうで五円下げても、そのことはビート業者に対しても別途保護政策も講じられることでもあるんだから、また将来第一次生産物については相当値下げをしなければならない、そういう国際的経済情勢の中に日本は置かれておりますから、そのことが後日の障害にならないと思うが、今回あえてそういう値下げを行なわなかったことは不当である、なぜそれを行なわなかったのか、国民が納得できるように答弁してくれ、こう申し上げておるのです。ビートはいまは困っておるといったところで、砂糖の値上がりがあるんだから当然そう困っていない。将来、困ることがあるかもしれないが、困ることも含めて、なおかつ値下げしなければならないという国際的情勢に日本は立たされているのだ。だからそういう認識の上に立って、この確信の上に立って、この春あなた方はあの両減税法案を出してきたのではないか。本日片一方だけとって、片一方だけ取りやめた積極的な理由がわからない。これをわかるように説明してくれ、こういう質問です。
○赤城国務大臣 実は国際間の砂糖の問題は、国際的にもやかましい問題で、価格の問題等については非常に不安定といいますか、動揺いたしておるのは御承知のとおりでございます。そういう関係から、前に関税の五円引き下げ案を出しましたが、いま五円引き下げることがいいかどうかということにつきましてはさらに検討を要する、こういうことで今回は差し控えたのでございますが、そういう面につきましてはなお事務当局からお話し申し上げます。もう一つは、てん菜糖の問題、これは栽培方面がうまくいっておりません。作付の面等においてまだ十分よくいっていません。そういう面におきましてそういう方面の奨励といいますか、通牒等も出しておりますけれども、こういう面の補助もなおふやさなければならないという事態なども出ているが、これは財政当局の考え方等もございますが、そういう面にも支出しなければならぬ。あるいはまた、財政の収入減と関税等による収入減と、こういう問題もあります。これは財政上の問題でございますが、そういう面もありますので、実は関税は、お話のように当然下がる傾向にあるし、引き下げなければならぬ事態がくると思いますが、いまそれに手をつけるかどうかということにつきましてはさらに検討を要する、こういう考え方で消費税のほうだけということにいたしたわけでございます。 なお、価格の動揺等につきまして御説明の必要がありまするならば食糧庁長官から申し上げます。
○春日委員 そのような諸情勢は、当然第四十三通常国会、ことしのことですから、当然あなた方はさまざまな推測、判断の上に立って結論を得られたものが、関税においても五円、それから消費税においても五円、少なくともあの当時の相場ですら十円下げなければならぬという確信の上に立って出されておる。そのような諸情勢のことはこの春からすでにわかっておることです。作付の困難、これは突然困難になったんじゃない。これは伝統的にてん菜糖の作付が困難であることは、農林大臣ベテランとして御存じないはずがない。にもかかわらず今回出していないということは、ただ一部の猛反対によって、国民のためになすべかりし公正なる国の政策がゆがめられておるということで、まことに遺憾にたえません。のみならず、私が第一問の中で質問をいたしておりますとおり、この米麦に次ぐところの塩と一緒に扱われてしかるべき砂糖が、たばこや酒と同じような嗜好品扱いをされていることは不当なことです。根本的に間違っておることです。しかも電気冷蔵庫や貴金属のような高率の消費税が課せられておることも、言うならば根本的な、政府並びにわれわれを含めて政治家のあやまちです。われわれはこの反省の上に立って根本的な問題の解決をはからなければなりません。しかし、いま限られた時間の中でこれらの問題を論じておっても切りがありませんから、私の質問はこれで終わりますが、政府においては、そのようないろいろな国際情勢、また物価の値下げを要請してやまない国民の声にこたえるためにも、物価をとにかく抑制するという総合政策、というよりは砂糖そのものの本質的な評価、これは人間生存に必要な第一義的物資なのですから、そういうものにそんな大きな税金をかける不当性を十分判断されて、最もすみやかな機会に根本的な解決をされることを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
○赤城国務大臣 全く御趣旨、御意見同感でございますから、急速にいろいろな状態を検討いたしまして、御趣旨に沿うような方向に進めたいと考えております。
○堀委員 先ほどのいろいろな審議の経過にかんがみまして、農林大臣におかれても、この問題については十分御理解をいただいたことだと考えます。 そこで、これらの黒糖生産者が今後いろいろな困難な条件の中で、さらによりよい条件が生まれるような諸方策については、ひとつ農林省当局で真剣に検討をしていただき、その方策の上に沿って予算要求をしていただくということをお約束を願いたい、こう思いますが、いかがでしょうか。
○赤城国務大臣 いままでにおきましも、御趣旨に沿うような方向で進めておったのでございますが、なお一そういまの御意見のような方途を進めていこう、こう考えております。
○堀委員 大蔵大臣が御退席でありますから、政務次官にお伺いをいたしますが、農林省側において、私がただいま申しましたような形における予算要求をされる場合については、ひとつ誠意を持ってこの予算等について善処をしてもらいたいと思うのでありますが、それについて少しはっきりとお答えをいただきたいと思います。
○纐纈政府委員 ただいまの趣旨に対しまする予算の要求に対しましては、その査定につきましては誠意を持って御趣旨に沿うような方策を講じてまいりたいと思っております。
○山中委員長 ただいま議題となっております三案中、内閣提出の農業共済再保険特別会計の歳入不足をうめるための一般会計からの繰入金に関する法律案及び内閣提出の砂糖消費税法の一部を改正する法律案の両案に対する質疑はこれにて終了いたしました、 —————————————
○山中委員長 これより順次討論、採決に入ります。 まず砂糖消費税法の一部を改正する法律案について討論に入ります。 通告がありますので、これを許します。堀昌雄君。
○堀委員 ただいままでの審議の経過で明らかになりましたように、私どもは現在の異常に高い日本の糖価を下げるためには、どうしても砂糖消費税二十一円を全廃することが適当だと考えておるわけであります。すでにこの問題については、通常国会において提案をされてきた問題でありますから、今回のように単に五円しか引き下げられないという理由が、黒糖及び精製糖に関する生産に従事をしておる人たちの利益を守るためにだけ、このような事態になってまいりましたことは、まことに遺憾と言わなければなりません。政府は当然この法案を提出をいたしまたときに、通常国会において、われわれが論議をいたしましたことは十分周知いたしておるわけでありますから、その線に沿って当然各種の諸般の要求が行なわれ、整理がされて、今回は少なくとも十円なり十五円なり、さらに大幅の砂糖消費税の減税が行なわれるのが至当であると考えてきたのであります。ところがそのような努力を何らなすことなく、依然として国民に世界で最も高い砂糖を消費さしておるということは、政府側におけるこれらの諸施策において、きわめて誠意を欠いておるものと断ぜざるを得ないのであります。 私たちは今回の審議の中におきましても、さらにこの問題を明らかにするとともに、国民が一日も早く、安い砂糖を消費することができるようにするためには、砂糖消費税の撤廃を今後とも強く要求するものでありまして、これらのわずか五円の消費税の減税等によって、この問題をごまかすようなことを断じて許すわけにはまいらないのであります。われわれはそのような意味で、国民の利益を守るためには、今後とも根気強く、さらに力強く砂糖消費税の撤廃のために努力を傾けていく考えでございますので、このような中途はんぱな減税によって、物価高を糊塗しようとする政府の方策に対しては、絶対了承することはできないのであります。 以上の趣旨をもって反対討論といたします。
○山中委員長 竹本孫一君。
○竹本委員 私は民主社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました砂糖消費税法の一部を改正する法律案に反対の意見を申し述べたいと思います。 簡単に理由を申し上げます。 第一は、砂糖は大衆生活に重大な関係を持っておるという点であります。これは先ほど来十分に論議し尽くされておりますように、砂糖は趣味、嗜好の酒やたばこと違いまして、大衆生活に一番密接な関係のある必需品であります。しかも注目しなければならぬ点は、この砂糖は対所得逆進度が高いということで大衆生活、ことに貧乏な大衆一般に、この砂糖が最も必要であるという点であります。その砂糖がイギリスの大体二倍、イタリーとその高いことを競争しておるというような実情であります。しかもそれが最近におきましては、御指摘のありましたように、五十円も上がって百九十円にも市況がなっており、ますます上がるであろうといわれております。そういう重大な砂糖の値上がりに対しまして、この改正案は、ほとんど何ものも解決し得ないという点が第一であります。 第二番目は、福祉国家の建設が叫ばれておる今日におきまして、経済的な弱者に対する政治あるいは行政の思いやりが、ことごとく不徹底であるという点で、この辺はもはや切りかえなければならない段階になっておると思います。中小企業や農村、これに対しましてもよくいわれるアフターケアであります。消費者はもっと弱い立場に立っておりますけれども、この消費者に対しましてのアフターケアを政府はやろうとしておりますけれども、第一に中小企業、農村と同じように、消費者に対しましてもアフターで、あとから世話をする、あとから注意をしようということでは、すべてが不徹底であります。しかもその注意のしかたが不十分であるということにおいては、ますます問題になりません。私どもは福祉国家建設の叫ばれておる今日の段階において、事は一砂糖消費税の問題でありますけれども、そこに政治の性格という問題があります。この辺で、福祉国家建設の一つの大きな課題であります経済的な弱者の立場に立っておる消費者を守る立場の、そういう政治、その消費者行政を強化して、画期的なくふうをしなければならぬ段階であります。その点においても何ら寄与するところがないというのが第二の理由であります。 第三に、砂糖の値下げの問題につきましては、春の国会以来すでに論議されておりますように、消費税を下げること、関税を下げること、甘味資源の対策を講ずること、この三つの政策は不可分、三位一体であります。そのどれを欠いても政策的な効果というものは、重大な支障を受けるわけでございますが、その中で、三つの対策の中のただ一つを抜き出して、五円の引き下げの案が出されておるわけであります。いろいろ論議の過程において、甘味資源の対策も出されてきたようでありますけれども、いずれにいたしましても、関税の問題についてはついに回答が出ないのであります。そこで、先ほど来御論議がありましたように春以来、特に国際情勢に重大な変化のない今日において、初め三つのものが一体として出されたものが、急遽一つ出してあるいはさらに二つを出して、結局のところ関税の問題には触れないでいこうということは、政策の一体性をそこなうものでありまして、政策的な効果というものから考えても、全くその効果を期待することができないであろうと思います。また、国際的な相場の動きということを当局としては理由の一つに数えられておるようでありますけれども、国際相場の動きということを理由にして、われわれの付帯的な、政策的な努力というものを欠きますならば、今後あらゆる政策というものは、国際情勢に引きずられまして、自主的な努力、主体的な政策というものの展開は、不可能になるであろうと思います。私どもは大きな見通しに立って、春にやったその三つの政策の一体性というものをこの際破壊してはならないと思うのであります。そういう意味でこの三つの、三位一体の政策の一つ、もしくは二つが出されて、肝心な関税の問題が出されないということは非常に遺憾であります。特にそのために甘味資源の対策を出された場合には、関税との関係がますますもって矛盾が大きくなります。また、消費税を引き下げて関税のほうは引き下げないということも、税の性質からいってバランスを失ってしまいます。三位一体で、三つが一つになっておるものを一つ出し、あるいは二つ出して、関税の問題に触れないということによって、この政策の総合的な効果、総合的な努力という点がはなはだしくそこなわれたという点において、私は第三の反対の理由を申し述べたいのであります。いわんやこれが一部の業者の反対によって、その肝心な関税の問題は触れないということになったとすればもってのほかであります。 最後に、物価問題に対する熱意の問題であります。今日、物価問題の重要性は一般によく理解されておりますけれども、その中で砂糖はその商品の特殊性、一般性から申しまして、砂糖が一体どうなるかということは、御承知のように国民全部が注目をしております。したがいましてこの砂糖消費税は、事一つの税金の問題でございますけれども、砂糖がどうなるか、砂糖の値下げに対して政府がどれだけの誠意と熱意を見せるかということは、物価問題全般に対する政府の決意ということを、国民はこれをバロメーターとしてはかるであろうと思われます。今日の物価高の中において砂糖が十円下げられなければならぬということは、もはや国民の常識であります。その意味において、百九十円のところに対してわずかに五円の引き下げは、先ほど来御議論のありましたように全くのごまかしでありまして、不徹底きわまるものであります。私はそういう意味で、物価問題に対する熱意を示す意味におきましても、もう少し徹底的な、もう少し総合的な施策を講ずべきである。こういう不徹底なごまかし案では、かえって国民に政府の物価問題に対する熱意を疑わしめるだけであって、物価問題の解決には逆効果しかないということを指摘しておきたいと思います。 以上の理由によって、私は本改正案に反対するものであります。(拍手)
○山中委員長 これにて討論は終局いたしました。 続いて採決に入ります。 採決いたします。本案を原案のとおり可決するに賛成の諸君の御起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○山中委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 —————————————
○山中委員長 次に、農業共済再保険特別会計の歳入不足をうめるための一般会計からの繰入金に関する法律案につきましては、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ることといたします。 おはかりいたします。本案を原案のとおり可決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山中委員長 御異議なしと認めます。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 ただいま議決したしました両法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次会は、来たる十七日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時二十三分散会 ————◇—————