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45回国会衆議院1963/12/13

石炭対策特別委員会 第3号

発言数
140
登壇者
12
会派数
2
開催日
1963/12/13

会議録

中村寅太自由民主党

○中村委員長 これより会議を開きます。  この際、委員派遣承認に関する件についておはかりいたします。  去る十一月九日発生いたしました福岡県大牟田市の三池炭鉱における不幸なる爆発事故につきまして、この際現地に委員を派遣し、その実情を調査するため、議長に対し委員派遣の承認申請をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中村寅太自由民主党

○中村委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。  なお、派遣委員の人選、派遣期間等、すべて委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中村寅太自由民主党

○中村委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。  なお、航空機使用の申請をいたしたいと存じますので、御了承願います。      ————◇—————

中村寅太自由民主党

○中村委員長 次に、石炭対策に関する件について調査を進めます。  この際、福田通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。福田通商産業大臣。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 すでに御案内のとおりでございますが、十一月九日の午後三時に、三池炭鉱の三川鉱で爆発事故が起りまして、四百数十名の方が死歿せられ、さらにまたいま相当数の負傷者が病院に収容されて療養中でございます。このような大きな事故が起きた例は最近にないところでありまして、私、この保安を監督いたしております担当大臣といたしましては、死歿者の方に対し、また罹災者の遺家族のお方に対して、心から哀悼の意を表し、また遺憾の意を表する次第であります。  今後このような事態が再び起きないような措置については、いろいろと手を尽くしてやっておりますし、また、それらについては本会議においても御報告をさせていただいたところでありますが、ここに、委員会の席上においてあらためて哀悼の意を表し、さらにまた、今後の監督問題について一そう強力に施策を推し進めるということを御報告させていただきまして、ごあいさつといたしたいと思います。

中村寅太自由民主党

○中村委員長 ただいまの説明について質疑の通告がありますので、これを許します。上林山榮吉君。

上林山榮吉自由民主党

○上林山委員 私は、前に当委員会の委員長として、同僚諸君とともに石炭合理化問題その他重要な条件について審議をした関係上、今回の突発事件に対しては非常にショックを受けた一人でございます。石炭の合理化問題その他もまあまあというところで、前向きの姿勢でああいう体制を整えてほっとしたようなやさきに、ああいう事件が起こったということは、まことに遺憾であった、こういうように考えておるものでございます。  この問題は突発事件でございまして、私ども、これによってなくなられた方々に対しては、大臣がいまお述べになったように、心から哀悼の誠をささげたいし、御遺族の方々に対しても、御同様に心から御慰問申し上げたい気持ちで一ぱいでございます。ことに傷を受けて病院に入っておられる方々の回復が一日も早かれかしと、これまた祈るものでございます。だが、この原因について、いま科学的にあるいは実地にいろいろと御調査になっておるようでございますが、これは俗にいう人災なのか、それとも天災なのか、ただいまのところ即断をいたしかねる段階であるとは思いますが、その調査の結果が出た場合に、さらにこれは最終的結論を出すべきものだと私は考えるのでありますけれども、問題が非常に大きいし、及ぼす影響がまた非常に複雑でございますので、ただいまの段階で想像をまじえて公表することは、大臣としてはむずかしかろうと思うのです。だが、ただいまの段階で、注意をすれば、そういうものは将来は起こり得ない災害であるというふうに見ておられるのか、それとも相当これを注意し、それぞれの処置を講じても、やはり日本のいまの状態では、再びまたこういうものが起こり得るかもわからないというようなものであるのかどうなのか。この点は、世間でいろいろな説が流れておりますので、不本意ながら、私としても、これを一応まず伺って、それから次の質問に入りたいと思っているわけです。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 原因の究明につきましては、山田団長を中心といたしまして、十名の委員に現場に行ってもらいまして、詳しく調査をしてもらい、この方たちがそれぞれ部門を分けていま専門的に問題を検討して、総合的な結果を出そうとされておる段階でございますので、ここで私がにわかにその結論を申し上げるわけにはいかないということは、御質問のとおりでございます。ただ、いままでのところで大体わかっておりますことは、三川鉱の斜坑におきまして、炭車が何らかの原因で連結がはずれて逸走をした、そうしてそれによっていわゆる炭じんが巻き起こされて、その炭じんに何らかの、そこが一番問題になっておるのですが、どういうことかわからないが、そこで引火したのではないか。すなわち、炭じん爆発であるということについては、大体意見が一致しておるやに承っておるところであります。そこで、炭じん爆発ということになりますと、これは皆さんのほうが専門であるということになりますが、もうずいぶん昔そういうことが起きたけれども、今日ではそういうことは起こらないような、いわゆる散水をするとか、その他の措置をすることによって起きないようになっておるということもありますが、しかしながら、もちろん一定量以上の炭じんが積もったということになりますと、その危険性は大いに増すわけでありますから、そういう意味では、これはずいぶんいままでも厳重に調査をいたしておりまして、特に三川鉱については、ことしの四月に監督官が行って、斜坑並びに切り羽までの全部について、そういう面についても調査をいたしました。ところが、いささか炭じんのたまりようが多いということでございましたので、これはひとつすみやかに除去をするように、清掃するようにということを注意をいたしまして、その後、六月になりまして、実を言うと、会社側からこういうようにして炭じん清掃をいたします、こういうような報告書が出てまいったわけであります。その後七月、八月、九月には落盤事故が相次いで起こっております。そういうこともありましたので、炭じんの問題については、いわゆる切り羽の先のほうの炭じんの状況等については、詳しく調べもいたしておったのでありますが、いわゆる目抜きの、銀座通りといわれる斜坑、ああいう大きな坑道の分について除去されておるかどうか突きとめるというところまでいかない事情にあったのは事実でございます。  しかし、そういうふうにいろいろ落盤事故等もありますので、十月二十一日には、三井の社長に対しまして、どうも少し事故が多いようであるから特に注意してもらいたいということを、監督官を通じて警告を発しておきました。これはもう繰り言になるのでありますが、予定といたしましては、十一月十一日に一斉検査をしようという準備を整えておったやさきに、九日にこのような事件が起きたという状態でございます。その意味において、われわれとしても、ものごとを突きとめていかなかったという面は確かにあるのでありますが、それにしましても、原因自体がはっきりいたしますまでは、いかなる措置をとるかということについては申し上げるわけにいかないのであります。まことにわれわれとしては遺憾なことであります。  ただ、三池のようなところでこういうようなことが起きるということになると、よそでもどんどんこういうことが起きるのではないかということを非常に心配いたしました。そこで、十二日に、対策本部を現地につくるということを閣議できめ、その他、融資をいたしまして、見舞金その他をなるべくすみやかに出せるように措置をすると同時に、大手並びに中小の各社を通産省に呼びまして、三池のようなところでさえこういう事態が起きたのであるから、特にこの際保安に注意してもらいたいということを、厳重に申し渡したという措置もとったわけであります。  そういう事態でございまして、われわれといたしましては、まことに遺憾なことが起きたと思って恐縮いたしておるのでございます。今後は一そう保安の法規の問題、これで十分であるかどうかというような問題も研究いたさなければならぬ、また、現実に保安の監督をするやり方についても詳しく研究し、また保安の技術の面あるいは保安の設備に関する融資の問題等についても大いに改めて、今後このような事態が起きないように努力をいたしたいと思って、せっかくいま善後処置に努力をしておる段階でございます。      ————◇—————

中村寅太自由民主党

○中村委員長 この際、大橋労働大臣より発言を求められておりますので、これを許します。大橋労働大臣。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 このたび、第三次池田内閣におきまして、引き続きまして労働大臣の職を汚すことになりました。当委員会の皆さまには、従来から格別の御指導を仰いでおるのでございますが、石炭産業の諸問題がますます重要となっておる際でもございますので、この際決意を新たにいたしまして、各種の問題につき誠意と熱意とをもって取り組んでまいる覚悟でございます。どうぞよろしく御叱正、御鞭撻をお願い申し上げる次第でございます。  先般の三井鉱山三池鉱業所におきます予期しなかった大災害につきましては、まことに遺憾のきわみでございまして、ここに関係者の方々に対しましてあらためて深く御同情申し上げる次第でございます。  労働省といたしましては、災害直後いち早く遺族補償費等の早期支給のために万全の措置を講じまして、十一日現在四百五十五件、四億七千八百三十五万円の資金を終了いたしておることを御報告申し上げる次第でございます。また遺家族の方々の就職対策につきましては、すでに現地に職業相談所を設けており、同相談所を通じて職業相談、職業紹介を集中的に実施いたしますほか、他地域に移転就職する方々に対しましては移転資金の支給、移転就職者用宿舎の貸与等を行なうことといたしております。特に、現状のままでは直ちに就職することが困難な方々に対しましては、手当を支給しつつ、適当な職種についての職業訓練等を早急に実施いたしたい考えでございます。  なお、会社側でも、遺家族の方々に対しましては、三池鉱業所への採用、系列関連企業への就職あっせん等を行ないますほか、職場増設のため新たに縫製工場等を新増設することを計画いたしておりますが、労働省といたしましても、これが効果的に実施され、真に遺家族の援護の実があがりますよう配慮し、所要の措置を講じてまいる考えでございます。  さらに、鉱山労働者の安全確保に関しましては、政府部内におきまして真剣に検討を加え、早期に災害の防止に万全を期する考えでございます。      ————◇—————

中村寅太自由民主党

○中村委員長 引き続き質疑を行ないます。上林山榮吉君。

上林山榮吉自由民主党

○上林山委員 いま通産大臣が、原因の問題について現段階で言える程度のお話があった中で、それぞれ保官監督署係官等を通じて実地に注意をさせ、その他の方法を講じたが、それが実際に行なわれておるかという結果を見ることができなかった点は遺憾であると率直に御答弁になっておりますが、私は大体そういうことだろうと思いますけれども、人の命をなくするかなくしないかという重大な問題なんですから、監督官に人間が不足であるならそれを増員するなり、保安上の知識や技術が貧困であるならばこれを再訓練するなりして、少なくとも注意をしたことが完全に行なわれているかいないかということをやっぱり見届けて、上司にこれを報告して、困難な問題は上司によって解決をしていくというまじめな習慣をとっていくべきが、行政庁のとるべきまじめな手段だと私は思うのですが、往々日本の役人のすることは、通産関係に限らず、そういう傾向が多いわけでして、一片の指令を出せば、一片の注意をすれば、自分の仕事はこれで終わったのだというような、非常に安易感にとらわれる習性が日本の役人にあるのです。こういう点は、ことに保安上の問題を扱っているような職種の役人は、もっとひとつ自覚をしてやっていかなければならぬと思うのです。  なお、科学的に保安のことを考えて、たとえば保安設備を近代化するために資金が要るならば、低利の融資をするとか、その他の方法も講じたい、こう言われておりますが、幸い現在は予算の編成期です。こういうときに、事件が起こったときだけの感覚ではなしに、いつ起こるか知れない災害を防止するために、みんなの理解のある、この頂点に立ったときに、私は、思い切った予算の要求をして、そうして前向きでこうしたような保安対策というものをお考えにならなければならぬのではないか、こういうように考えるのです。ただ大臣が、保安の監督官が監督はしたのだが、最後を見届けなかった点は遺憾であった、これは私はやはり政党大臣だからそういうことが言えたのだろうと思って敬意を表しております。それをひとつ生かしてもらいたい。そういうような意味で、私は、あなたのいまの二つの問題に対してはもっと積極的にこの機会に解決をしてもらいたいと思いますが、大蔵省その他に対して、こういう問題についてどういう処置を現在とっておられますか、お聞きしておきたいと思います。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 たいへんけっこうな御注意でございまして、予算の問題、そういう意味において保安監督を徹底し、さらにまた保安設備をふやしていく、この予算の問題については局長から報告をさせていただきたいと思います。もう一つ、最後まで見届けなかったのは遺憾であるというお話、私も実はそういう感じがしておるのでありますが、係官としてはいままでの慣行に従ってやっておったことは事実でございまして、そういう意味では係官はそれほど怠慢な措置をとったわけではない、私は、これは弁明を申し上げるつもりはありません、実情を明らかにする意味で申し上げておるのですから、誤解のないようにしていただきたいと思いますけれども、われわれは監督をする責任はあるが、実際の保安はやはり会社がやらなければできるものではございません。会社全体がどういうふうにわれわれの注意を聞いてくれたかということにも大きな問題があろうかと思うのでございます。こちらが注意をしたけれども、それが実行に移されておらなかったということになった場合に、どう責任の配分が行なわれるかということにはいろいろ問題もあろうと思います。しかし人命を尊重するというたてまえからいったならば、その最後の最後までこれを見届けていくということであって初めてこれが果たされるのではないか、こう考えますと、そういう通知を出した後において、すぐにやれと言ってもいけないが、何日かの後にはもう一ぺんやったかどうかというところを見直すという、それまでの注意を払うことこそ、今後の問題としてわれわれが十分考えなければならないというつもりで、実はそういう措置についても今後どう処置していくかということを、いま実施段階を、法律の問題ともあわせて、研究をさせておるところであります。もちろん、この事故が起きましてからは、各地における保安関係官は非常な注意をもって、神経質なくらいに実は勉強をいたしておるのでありまして、まあいまのところ万々遺憾なくやってくれているとは思いますが、しかし、やはり一つの仕組みをつくっていくということも大事でございますので、そういうつもりでいま研究をさせているところでございます。

上林山榮吉自由民主党

○上林山委員 大臣が忙しいと思うから、私は続けて大臣だけにまず質問をしておきたいのですが、三池炭鉱といえば、これは設備がわりあいに近代化され、わりあいにいい炭鉱だ、こう言われておることは、私も当委員会の前の委員長として承知をいたしておりますが、それが起こった。そういうことから、新しい時代のいわゆる保安設備というものを考え直していかなければならぬ時期にきておるのじゃないかという、この観点にまず立つべきだと思うのです。そういう観点に立って、万全を期した保安対策を講じなければならぬが、しからば次義の対策はどうすべきか。いま言ったように、監督官が一応注意はしたが、最終的にこれを見届けなかった、あるいは会社がどの程度これを聞いてくれたかということを上司に報告しなかった、いわゆる見届けなかったということは、これは行政庁としていままでの慣行に従ったまでだというけれども、そういう慣行は改めていかなければならぬし、次善の策としては、よく見届けるところまでいかなければならぬ。それから会社側、従業員、これらの方々も、災害防止に対するそれ相当の知識を持って、あるいは経験を持っておるわけですけれども、これらの中で働く従業員、あるいはこれを経営していく会社、これを監督援助していく行政庁、こういうものが、やはり次善の策として、私はそれぞれの立場で災害防止に最善を尽くすべきだと思うのです。  坑内で行なわれたことで、ガラス張りの中で行なわれなかったことでありますから、その原因のなすり合いについては、私はいたしません。いたしませんが、それぞれの立場におる者が最善の防止の努力をしていかなければならなかった。いま最終的報告の段階ではないと言われましたけれども、例に引かれたところの、炭車が簡単にひとりで暴走を始めたということ、機械が古かったのか、炭車が古かったのか、それとも、新しいものであったけれどもそれが離れたのか、こういうようになってくるわけで、その従業員がみんな注意を十分にしてやったものかどうか、あるいは水を十分にまいておったのかどうか、いわゆる炭じんを除去しなかったというようなことも見られる点があるとあなたはおっしゃいましたが、そういうようなことを、これは会社、経営者側も、あるいは従業員諸君も、もっと注意をしていくべきであったと私は思うのです。この原因はやがてわかると思いますが、いつごろ最終的なその原因の調査の報告ができるのですか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 お説のとおり、三池は日本一の優良鉱であった、そこで事件が起きた。そこで、いま問題になっておりますのは、甲種、乙種というような、炭鉱に区別をいたしておりまして、保安のいいものは順次、あなたのところは保安がいいということで、位を上げるといいますか、格を上げるような措置をやっておるのです。ところが数字的に見ると必ずしも、そのいいといわれたところで災害がないかというと、逆に災害が多いという例も間々あるのでありまして、この種のやり方がいいかどうかということは、私は考えてみる必要があると思っております。こういうことも含めて、今後の保安問題を十分検討してみる必要があると思っているのでありますが、いまお話がございましたどういう原因でどうなったか——みなが十分に注意をしなければならないということについては、われわれとしても今後十分に注意をいたしてまいりたい、かように思っておるところであります。  なお、調査の日取りでございますが、大体年内に結論を得るということで、先月末現地から調査団が帰られまして、それぞれ専門的に検討をいたしていただいております。もう一度年末現地に行かれて、そこで最後の決断を出される、こういうことに承っておるのであります。

上林山榮吉自由民主党

○上林山委員 人命に関係のある重大な保安の問題ですから、念の上にも念を入れてそれぞれ調査もし、また、今回の原因についてもできるだけ正確な結論を出さなければなりませんが、しかし、これをいつまでもほうっておくということはどんなものですか。ことに、いま原因の判明しない災害の起こった坑内のことは別としても、それ以外の坑内、これも保安設備が十分であるかどうかということを再検討した上で、坑内が保安上差しつかえないという結論に達したならば、その方面から仕事を開始していかなければならぬのではないか。甲も乙も丙もみんな一緒にして、機械的に出炭を停止させるという行き方は、一時はよいとしても、あまり時間を長期にとるということでは、これは政府は一体会社をつぶすのか、前向きで会社を発展さしていくのか、この辺にもやはり関係が出てくるわけです。私どもは、そういうような意味において、この問題について、災害の起こった坑内、これは原因の調査をできるだけ急いで結論を出す一方、災害の起こらなかった坑内、これももちろんいま申し上げたごとく、保安の状態がどうかという調査を専門的にしなければならない。そうしてその調査が済んで、大丈夫だという結論を出したら、その分からは少なくとも就労をして出炭計画の線に沿って努力をしていく、こういうのでなければならぬ。災害が起こったことを中心にいたしまして、すべてを機械的に、形式的に、一律にお考えになっていくということは、これは前向きの姿勢ではない、また実際的ではない、こういうように考えるのですが、通産大臣はこれに対してどういう措置をとられるつもりか。これはまじめな話ですが、ひとつ率直に御意見を承っておきたい。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 実は、御承知のように、三池の炭鉱には今度爆発事故が起きました三川鉱、宮浦鉱、四山鉱という三つの山が、坑道においてつながっておるわけでございます。そうして、いま、三川鉱において爆発事故が起きまして、この原因を調査いたしておる段階であります。しかし、宮浦鉱、四山鉱のほうは全然出炭ができないという段階になっておるのではないのでありまして、はたして保安が十分であるかどうであるかというところに問題がしぼられるわけでございます。もちろん、出炭をするというのは会社自体のことでございますから、これはわれわれが保安が十分であると認定したからといって、今度は会社内部の問題もそこに起きてくることは当然でありますけれども、しかし、まず保安が十分であるかどうかということについては、われわれとしてもまた慎重に研究を、踏査をいたしてみなければならないと考えております。そこで、事件が起きました直後におきましては、そういうような保安の問題が明らかにならない前に出炭をするということはやめてもらいたいという行政的な措置によって、いま出炭をとめておるわけであります。長くこれをとめるというのが目的でやったのではない。保安が十分であるかどうかということの認定の問題にかかわるわけです。そこで、ただいまは現地の保安監督官が、宮浦鉱と四山鉱については調査いたしております。不日その調査ができると思います。それは私のところへ報告があると思うのでありますが、私としては、そういうように私のところの監督官がいろいろ調査をすることも大事でありますけれども、事故の原因がまだ明らかになっておらないときに、しかもまた非常に大きな災害が起きたときでございますので、今度は学者グループといいますか、いわゆる役所に関係のない、大学の先生方を中心といたしまして、第三者による調査団を十日の日に御依頼をいたしまして、この調査団が十一日に出発されて、十六、七日ごろまでには現地で調査を終えて結論を出していただける、こういうことに相なっておるわけであります。そこで、その二つの結論を伺いました上で、この山から炭を出すという意味において保安の面ではいいか悪いかということについての私の決断を出すということに考えておるわけでございます。

上林山榮吉自由民主党

○上林山委員 いまの問題は、大臣、これはきわめて大事な問題なんですよ。保安の設備がいいか悪いかを見きわめることは大事なことですから、これは大いにやってもらわなければならぬわけで、さっきから申し上げているとおりです。ただABCを一緒にしまして、そうしてみなどれも出炭停止をせよ、こう言っておることはどうか。それがあまり長くならないように——いまあなたが調査団をお出しになったというから了といたしますけれども、そういう調査団を出して、できるだけ早目にその結論を出して、保安上はいいということになれば、これは通産省としては一応の責任を果たしたことになるのです。それから先は会社がやるかやらないかという問題であって、これはやはり、その線まではできるだけ親切に、そして早目にそうした結論を出していかなければならぬのではないか。災害の起こらなかった坑内までも、調査をだらだらにして出炭を長く停止しておくということは、これは私は極端な言い方かもしれませんけれども、その結果会社がつぶれても通産省は知りませんぞ、こういうふうになってはいけないのだ、こういうふうに私は考えておるわけです。だからこれを申し上げておるわけでございます。  それならば、三池のあの災害の影響によって、どれだけ出炭計画に狂いが出ましたか、これが再開されるまでの間ですね。それを見積って、概略どれくらいいわゆる出炭計画に——通産省は五千五百万トンという線を出して合理化政策を進めてきたわけですが、あの事件によって、現在あるいは近い将来まで、ひとつピリオドを打って、どれくらいのマイナスになったか、狂いがきたか、これは大事な問題ですから聞いておきたいと思います。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 私の了解しておるところでは、三池は災害の起きない前には、日産約一万五千トンずつ出しておったわけです。そこで、すでに一カ月を経過しておりますから、これでもう四十五万トンの狂いが出る。それから、いまあなたがおっしゃったように、四山、宮浦が出炭を開始しましても、おそらく五千トン程度ではなかろうか。実は三川鉱というのは一番大きいので、そこから一万トン出しておった。そういうことをいろいろ考えてみますと、これによってかれこれ百万トン前後は出炭計画に狂いを生ずるのではないか、こういうふうに判断いたします。

上林山榮吉自由民主党

○上林山委員 今年度電力引き取りの用炭が二千五十万トン程度でしたね。これが百五十万トン削られて、電力会社等では非常に困った。その結果、産業構造調査会の総合エネルギー部会ですか、有沢さんが部会長をしておるようですが、あそこで、こういうことでは将来電力会社としては引き取っていけない、五千五百万トンですか、これはとてもたえられない、こういうようなことが公式の場所で言われておるようですが、それは三池の災害によるものが中心なのか、それにプラスもっと大きな原因というものがあって、こういうような百五十万トンも下回って納める、五十万トンくらいならいいが、第一年度からこんなに百五十万トンも下回ったということ、これは私は非常な問題だと思うのですね。これは将来石炭というものの合理化政策を是正すべきか、あるいは是正しないでも何か次善の策としていい案があるのか、ここは私はやはり考えていかなければならぬ点だと思います。それが幸いにして三池の災害のみによるものであるならば、災害が除去されて、保安設備がいいということになって再開したならば、これは一年後にはある程度取り戻し得る問題なんですね。ところがどうも三池のその災害だけじゃなしに、もっとほかに重大な原因があるのではないか。時間の関係でこまかく言いませんが、そういうふうに思われますけれども、この点はどうであったのか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 私は、有沢委員会においてどういう電力会社側からの発言があったかということについては、公式な報告は受けておりませんが、大体電力会社側からいえば、石炭を使うよりは重油を使いたいという気持が多分にあるのでありますから、機会あるごとにその種の発言が出てくることは、私は考えられるところだと思います。ただ二千五十万トンが千九百万トンになったので困る、こう言われるが、私は、困ったのか、喜んだのか、どっちかまだはっきりその事情を明らかにいたしておりません。どういう事情であったかということは明らかでありませんけれども、むしろいまあなたのおっしゃることは、こういうような事故が起こるようでは五千五百万トンの計画にそごを来たすではないか、こういうことで電力会社のほうではそんな石炭を使わなくなりはしないかというようなお話、いわゆる需要面での問題、また供給面での問題があるという御質問と解釈してお答えするのですが、需要面においては、将来電力会社が最も多く石炭を使う時期がきても三千万トンを想定しておるわけであります。しからば、五千五百万トンの出炭に対しまして三千万トンでございますから、これは日本の輸出入のバランスをとり、いわゆる外貨の確保をしておくというような問題、油を輸入することによって大いに日本のドルをなくするというような問題、あるいはまた労働問題等々から考えてみると、われわれが前々申し上げておりましたように、五千五百万トンの出炭というものはやはり確保していくべきものである。それに応じて石炭の大口の需要者である電力会社も相当協力をされることが、電力会社が公益事業であるたてまえからいえば、私は当然考えられてしかるべきことである、こういうふうな感触でものを見ておるわけであります。  一方、はたして五千五百万トンが掘れるのかどうか。最近の労働者の激減等を見てみると、それは非常に問題がある、こういうようなお考えもあるやに見受けるのでありますが、これは実はスクラップ・アンド・ビルドの計画からいうと、人減りが少し過ぎるのでありますが、しかしそれは、そういうスクラップ・アンド・ビルドの計画からきたのよりは、自己退職といいますか、もう石炭山にいても先が思いやられるというような感じで、自分でやめていかれる人が非常に多いということが今日の事態を招いておると思うのであります。しかし私は、そもそも石炭のいわゆるスクラップ・アンド・ビルドの計画という答申が出ましたその精神が、何といっても高能率高賃金という、そういういわゆる、ある一定の時期に達したときには十分株主にも配当もでき、また労務者に対しても十分なペイができる、こういうことを目途にしてああいう計画ができておると思うのでありまして、いま一時的に人手不足という問題が起こりつつあることも認めないわけではございませんが、しかし将来はやはりそういうように高能率高賃金という形における、いわゆる合理的な近代産業としての石炭産業というものがそこに再建されるという明るい見通しを持ちながら、この問題の処理をいたしてまいりたい、かように考えておるわけであります。

上林山榮吉自由民主党

○上林山委員 電力会社が第一年度の引き取りの二千五十万トンを百五十万トン下回ったために喜んだだろう、こういうお話ですが、もちろんある意味においては喜んだだろうと私も思うのです。しかし、第一年度の計画に狂いがきた。これは三池の突発事故によって起こったのであるなら、それのみによって起こったのであるならば、電力会社側としてもこれはいろいろな見ようがあろうと思うわけですが、しかしいま申し上げたように、計画に狂いがきたということになりますと、電力会社としては石炭をどれだけ使う設備をしていかなければならぬということになっておるわけですから、これは非常にそごを来たすわけですね。一方また、五千五百万トンは大局的に、日本の石炭産業を維持する上においてはそれだけ掘らなければならないということにも、これは相当の労働不足等もあなたの説明によれば加わるので、そういうような関係からも、単に高能率高賃金のみでは五千五百万トンはたして掘れるかどうかということも、もう一皮むいて勉強してみる必要があるのではないか、こういうように思われたので私は申し上げたわけであります。  これに次いで通産省が、百二十八万キロワットの石炭専焼の火力発電所を電発をしてやらせたい、その金額は大体六百七十六億円だ、これは大蔵省と折衝しているのだが、大蔵省のほうでは現在のいわゆる出炭計画にもそうしたようなそごを来たしておるし、電力の方面から考えても、いま言ったように、第一年度から百五十万トンも狂いがくるのであるから、そういうようなことをする必要はないんだ、こういうふうに大蔵省側は言っておる、こういうのでございますが、この百二十八万キロワットの石炭専焼の火力発電所の構想、これを電発をしてやらせるということは、これは見込みといいますか、折衝の段階がどういうところまできておりますか。これは、石炭にとっても、日本の火力電力にとってもきわめて重大なポイントだと私は思うのですが、それはどういうことになっておるか、この機会に適当だと思うので承っておきたいと思います。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 先ほど私が電力会社が喜んだんということばを使ったのを引例されておっしゃいましたが、私は強い意味で言ったわけではありません。電力会社というものは重油のほうをよけい使いたいという気持ちであるから、そういう意味では、いまのような思いも出てくるのではないかというような感じで申し上げておったことをまず申し上げておきます。しかし今度の二千五十万トンが千九百万トンに減ったこと、また、それによってちょっと困っておるというようなことも言われるのは、供給の面においてそういう事態もありましたが、需要の面においては、ことしは非常に渇水でございまして、石炭の貯炭が、四百万トンくらい電力会社が持っておるのが、うんと渇水で石炭をよけい使いましたので、非常に減ったわけであります。そこへ持ってきて、今度割り当てのほうというか、供給のほうが減ったところに、電力会社のいまつらい面が、実際に見ますと、長い目で見れば油を使ったほうがよいと思っていても、いまは現実には石炭で火力発電をやっておるのに、それが支障を来たすようでは困るという意味のことが出てきたわけでありますので、この点はひとつ誤解のないようにお願いをいたしておきたいと思います。  次に、電発の火力発電の問題でございますが、これは、長い目で見てみて、電源開発に火力発電をやらせるということが、いわゆる石炭の需要を確保していくという意味において、すなわち電力会社が石炭を使って起きた電力を販売するという場合において、いまの九電力会社の経営能力をもってして、はたしてそれだけの設備ができるかどうかという問題が一つあることと、もう一つは、広域運営というたてまえから考えてみて、電発にこれをやらせるという意味があるのではないかというようないろいろな面はありますが、私はやはりこれは考えていかなければならない、当然やらなければいけないものだ、こういう考え方から、ただいま仰せになったような案をつくりまして、大蔵省に提出をして、これから本格的に予算折衝に入ろうというわけです。その間にいろいろ大蔵省のほうから意見が出たり、方々から意見が出ることは、これはやむを得ないと思います。私としては、できるだけこれの実現に邁進をいたしたい、かように考えておるところであります。

田原正邦通商産業鉱務監督官(鉱山保安局長)

○田原政府委員 四月、六月に監督をいたしまして、そうして炭じんの清掃について通達を出したのです。それに対しまして山側から、清掃いたしました、それから、今後も清掃いたしますという計画書が出てきました。それをわれわれのほうは信用して、その後追跡をしなかった点につきましては、監督に当たります当事者として深く責任を感じておる次第でございます。今後こういうことがありませんように、追跡検査というものを強化しなくちゃいけないと思いまして、来年度の予算要求の中に、追跡検査の監督のための予算を要求しております。それからもう一つ、保安設備のための融資につきまして、合理化事業団の近代化資金から、別ワクとして保安設備に対する融資を要求いたしております。

上林山榮吉自由民主党

○上林山委員 答弁が抽象的で数字が何にもわかりませんが、もう少し数字をお示し願いたい。

田原正邦通商産業鉱務監督官(鉱山保安局長)

○田原政府委員 監督検査の旅費につきましては、本年度の予算が三千五百万円でございますが、これを五千六百万円要求いたしております。それから、保安設備の融資につきましては、六億三千万円の予算要求を出しております。

上林山榮吉自由民主党

○上林山委員 抽象的な答弁だったから数字を伺ったのですが、その要点は大体、予算をふやしたということはわかった、数字も概略わりかましたが、人はどれくらいふやすのか。それから保安設備に近代化資金から六億幾らとか聞いたようだが、その程度でいいのか。これは、この際は世間の同情も理解もあるのだから、人命に関係のある大事な問題だから、こういうときに普通の予算折衝とちょっと違ったセンスでひとつおやりになったらいかがですというのが質問の趣旨なんだ。だから、いま言われたよう数字は、どうも大臣、こまかいように思うのだが…。

田原正邦通商産業鉱務監督官(鉱山保安局長)

○田原政府委員 最初に、監督官の増員の問題でございます。これにつきましては、検討いたしたのでございますが、合理化計画によりますと、来年度の鉱区数がことしの約半分になる。もう一つは、先ほど申し上げましたように、監督検査の旅費を増額いたしますことによって、計算によりますと、巡回監督が今年度より二倍半もよけいに回れる計算になるのでございますから、監督官の増員要求についてはいたしません。それから、保安設備につきましては、全部で二十四億でございまして、そのうち来年度工事費として十二億で、その半額の六億を融資でまかないたい、こういう考え方でございます。

上林山榮吉自由民主党

○上林山委員 来年度十二億、またその次の年度が十二億、合計二十四億、そういうことですか。

田原正邦通商産業鉱務監督官(鉱山保安局長)

○田原政府委員 さようでございます。

上林山榮吉自由民主党

○上林山委員 しっかりやってください。

中村寅太自由民主党

○中村委員長 細谷治嘉君。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 十一月の九日の午後三時十五分、その規模において、あるいはその悲惨さにおいて、かつてないような爆発が三池炭鉱の三川鉱で起こったのでございますが、たくさんの死傷者に対して心から哀悼の意を表しますとともに、現在入院中の方々が一日も早く全快されることを心から祈っております。この問題につきましては、一昨日の本会議で多賀谷議員から緊急質問があったのでありますが、政府答弁についてはきわめて抽象的で不徹底な点もございますので、具体的な若干掘り下げた質問をいたしたい、こういうふうに思っております。まず第一番に、どういう原因で爆発が起こったのか、その責任の所在はどうなのか、こういう点でございます。現在、鉱山保安監督局あるいは警察、検察庁あるいは九大の名誉教授であります山田前学長を団長とする調査団等によってその原因というものが究明されておるのでございますが、炭じん爆発ということは、これはもう明瞭でございまして、問題はその火源がどこにあったのか、こういうことが調査の中心になっておるようでございます。しかし問題は、その火源がどこにあったかということだけで終わらないで、もっと根本的な原因を突き詰めていかなければならぬのではないだろうか、こう私は思っております。  四月の二十八日に鉱山保安監督局が炭じんの堆積を指摘いたしまして、それ以降何回となくその除去を指示いたしておりました。六月に、会社からこれに対する回答があって、先ほどの大臣の御答弁の中にも、十一月十一日に再検査をする予定であったというお答えがございましたけれども、炭じんによる爆発の危険性というものを承知しながら、一体どうして六カ月以上も無為に過ごしてまいったのかということが非常な大きな問題ではないかと思います。このことは、当然なこととして、会社の責任はもちろんでございますけれども、やはり監督官庁自体の非常に大きな責任があるのではないかと私は考えます。そこで、四月二十八日に鉱山保安監督局は指摘をいたし、その後数回にわたって指摘しておりますが、爆発の危険性というのは、一体どの程度認識しておったのか。この点が一つの問題点ではないかと思います。  現地の調査によりますと、監督官庁から指示を受けておるのでございますけれども、監督官庁、森本局長のお話によりますと、その指示があって、保安委員会でこれを取り上げた、係長級程度まではその話が示達されておったという御報告がございましたけれども、会社幹部に現地で聞いたところによりますと、その点について明確な回答がございません。こういう点からいって、警告は出したけれども監督官庁の勧告というのは聞きっぱなし、しっぱなしだ、こういうことが明瞭に言えるのではないかと思います。  そこで私が質問したい点は、監督官庁としてその危険性をどの程度認識して指示をしたのか、この点についてまずお聞きしたいと思います。

田原正邦通商産業鉱務監督官(鉱山保安局長)

○田原政府委員 四月の監督で、炭じんがたまっておりましたので通達を出したわけでございます。危険性の認識の程度につきましては、この付近に火源というものが——今度のことを想定したようなことは、そのときに考えていなかったんじゃないかと思われるのであります。もしも今度のようなことを想定してほんとうに危険性を感じておったならば、その点もっと追及すべきではなかったかと思います。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 もっと追及すべきだったと言っておりますが、この問題は数回にわたって、しかも具体的に指摘いたしておるわけです。したがって、もっと追及すべきだったということだけでは済まされない何ものかがあったのじゃないかという気がしてならないわけです。この辺について、若干の危険性がある、こういう程度の認識であったかどうか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 私から一言申し述べさしていただきたいと思うのでありますが、仰せのように、この原因を究明し、その責任の問題を明らかにするということは、この問題自体の解決の場合において問題になるところであります。また将来の問題を考えるときにも、これは当然究明いたすべき問題であろうと思います。しかし御案内のように、いまあなたの御質問のような問題は、要するに、原因に関する調査が明らかになった上で、すべてそういういまのようなお話も含めて、十分われわれとしては研究もし、考えて処置をいたすべきものである、こう思っておるのでございまして、いまここで、あなたもそういうお気持ちでおっしゃっておるとは思いませんが、どういう責任をとっていくかとか、それについてどう処置をするとかおっしゃいましても、突き詰めていったところでは、お答えができなくなる面がありはしないか、こう考えるのでありまして、この点も御理解の上で御質問を賜わればありがたいと思います。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 突き詰めるといっても、認識不十分ということ以外にないわけでございます。けれども、この問題についてもう一つ私が指摘したい点は、三池の労働組合がやはり坑内保安の問題について非常に真剣な関心を持っておりまして、三十六年の十月以降、口頭要請も含めますと三十八年の十月末までに、会社に対して七回、保安監督局に対して七回、基準監督局長に対しまして三回、保安状態について団体交渉をしたい、あるいはこの問題について監督官庁として適宜な措置を講じてほしいという要請をしておるわけです。さらに本年の十月三十日と十一月五日の二回にわたって、爆発直前の十一月の五日にも、炭労本部の東海林保安部長が森本保安局長に面談の上で要請をし、保安状態について監督官庁に対し抗議を行なっておる。こういうように、現地で働いておる労働組合、実態を知っておる労働組合も、監督官庁なり会社に対して非常に強くこの要請なり、あるいは団体交渉の申し入れをしておるわけです。予測せざる爆発ということではなくて、監督官庁自体もそうだ、働いておる労働組合もそうですから、十分予測された災害、そういうような条件がもう飽和状態になっておった、こういうことが考えられるわけです。そういう点で認識不十分だということが許されないのではないか、こう思いますが、この点いかがですか。

田原正邦通商産業鉱務監督官(鉱山保安局長)

○田原政府委員 三池炭鉱の保安状態につきましては、設備はなるほど一流ではございますけれども、保安管理の面につきましては必ずしもいい状態にあったとは思われないのであります。特に七、八、九月と重大災害が続発いたしまして、私のほうといたしましては十月に、保安局長名で三池鉱山の社長あてに異例の警告を出しまして、そうしてさらに、監督局長あてに厳重なる監督を指示いたしたわけでございます。現地の監督局も炭労の東海林氏からの話もございまして、それで先ほど大臣から申し上げましたように、十一月十一日からたくさんの監督官を現地に派遣しまして、そうして一斉総合検査を計画いたしておったところでございます。そのやさきにこういう事故が起こりましたことにつきましては、まことに遺憾に思っておる次第でございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 基準監督局はこの要請を受け取ってどう理解したでしょうか。

村上茂利労働基準監督官(労働基準局長)

○村上(茂)政府委員 労働省といたしましては、鉱山保安につきまして直接所掌いたしておりません。いま御質疑応答がございましたような諸点につきまして、直接行政としては携わっておらないというような事情でございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 この問題についてさらにお尋ねしたいことは、争議前には、揚炭ベルトの原動機が十二台あるわけですけれども、その十二台に一人ずつ当番がついておった。これについて、せんだって私ども現地を調査いたしたわけでありますが、第一組合の言い分というのは、十二名おったが、争議後は二名になり、現在はたった一名しかおらぬ、十二分の一に減っておるんだ、こういう説明でございました。新労あるいは職組の言い分については若干異なっておるわけでございますが、災害が起こったこの付近の人員配置等について、何回にもわたって勧告をしておるのですから、どういうふうに把握しておるのか、この点をお伺いしたい。

田原正邦通商産業鉱務監督官(鉱山保安局長)

○田原政府委員 いま御指摘の、各電動機室にもと一人ずつおったのが、現在は二人になっておるというお話は事実でございます。これはリモートコントロールになったために、各電動機室に一人ずつつける必要がなくなったからそういうことになったわけでございます。そこでいままでその運転室におった人たちが、炭じんの清掃をしなくちゃいけないということになっておったのが、二人になったものでございますから、その点炭じんの清掃に手がなかなか回らなかったのではないかということは想像されるわけでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 この件ですね、いまのお話では、二名だけですか。炭じんの清掃はそのほかにおりませんか。

田原正邦通商産業鉱務監督官(鉱山保安局長)

○田原政府委員 あの斜坑の炭じんの清掃の分担は、車道とそれからベルトコンベヤーとそれから電動機室と三つに区分されておりまして、電動機室はその電動機室々運転方が掃除をする、それからベルトコンベヤーのまわりは機械係が掃除をする、それから車道のほうは保全係が掃除をする、こういうふうな分担になっておったようでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 会社にこの辺の事情を聞きますと、四月二十八日に指摘された個所、いまおっしゃるように二名ということでありますが、そのほかに五名ないし七名程度の炭じん掃除あるいは巡回を置いておった、こういうことです。この辺の事実が、組合と会社の言い分が食い違っておりますけれども、この辺はその五名ないし七名の巡回なり、あるいは炭じん掃除をやっておったというのは事実ですか。

田原正邦通商産業鉱務監督官(鉱山保安局長)

○田原政府委員 監督局が聴取いたしたところによりますと、私のほうで六月に通達を出しましてからしばらくは、一週に一回あるいは二週に一回掃除をしておったようでございますが、八月以降はあまりやっておったような形跡はないわけでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 この辺についても生産第一で、保安というものが非常に軽視されておった。それについてまた、保安監督官庁自体がその責務を十分に果たしておらなかったのではないかという点が指摘されるわけです。  もう一点お尋ねしたいのですが、炭じんについては岩粉なりあるいは水を散布しろということが、監督官庁の指示として出ておるわけですけれども、大体その水分というのは四%から七%程度になっておるようです。そうしますと、大体五%以下になりますと危険性が出てくる。しかも七千カロリーなどという高品位の石炭ですからその危険性は十分あるわけでありますけれども、これについて、岩粉をまくということも行なっておらぬようでありますし、また散水ということについては、ちょうど監督官庁が勧告したあとで、この散水すらもやめたと考えられるふしがございます。この辺いかがでしょうか。

田原正邦通商産業鉱務監督官(鉱山保安局長)

○田原政府委員 岩粉の散布につきましては、切り羽付近ではやっておったようでございますが、この第一斜坑ではやっておりませんでした。  それから散水につきましては、切り羽ではやっておりましたが、この斜坑では斜坑底に放水設備がございます。それで斜坑底に三つのポケットがございまして、三川鉱からくるポケットと、それから四山鉱からくるポケットと、それから宮浦鉱からくるポケット、三つのポケットがあるわけでございますが、この宮浦鉱からくるポケットに宮浦鉱の雑炭が一緒に入ってくるというようなかっこうになっておりまして、それからベルトで上へ上げる、こういうかっこうになっておるわけでありますが、このうちで一番最後に申しました、宮浦鉱の雑炭の入ってくるポケットは散水しておりましたけれども、四山鉱及び三川鉱のポケットに入る部分については散水していなかったようでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 三池の会社の機関紙に、くろだいや新聞というのがございます。そのくろだいや新聞の三十八年の六月三日号に、三井鉱山の営業部の三池支店長談話として、鉱員に要望している点がございます。それは、水分が多いと選炭にも困るし、あるいは品位が下がって値段が安くなる、こういうことなので、水分を落としてくれということを強く要請をしております。こういう問題と、あるいは現地で私どもが聴取した点からいって、危険性が十分指示されておるにかかわらず、散水を怠っておったということがございます。そういう点について、この勧告が行なわれた後にそういうことがなお善処されておらぬということについて、もっと監督官庁として指導すべきではなかったか、もっと強硬な措置をとるべきではないか、こう思うのですが、どうでしょう。

田原正邦通商産業鉱務監督官(鉱山保安局長)

○田原政府委員 最初に、新聞に出ておったことにつきましては、あとから私聞きますが、そういう事実があったかどうかは存じておりません。  放水につきましては、やっておらなかった点につきましてはまことに遺憾で、それをやらせなかったことについては、その点十分責任を感じておる次第でございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 次にお尋ねしたいことは、せんだっての本会議で多賀谷委員から質問があった救命器の問題でございますけれども、大炭鉱であるから大丈夫だろうと思った、したがって大会社はあと回しにしたんだ、こういうことでございますけれども、もう数回にわたって勧告を受けておるような状態の中において、大きな会社であれば大丈夫だと考えた根拠はどういうことなんでしょうか。

田原正邦通商産業鉱務監督官(鉱山保安局長)

○田原政府委員 自己救命器の設定につきましては、昭和三十六年上清と大辻で坑内火災がございました。そのときに、三十六年の七月に石炭規則を改正いたしまして、一作業時間に入坑している労働者数だけ現場に備えるように省令を改正いたしたわけでございます。ところがそのときに一酸化炭素救命器のメーカーの生産能力を調べましたところ、非常に限界がございまして、そのときの計算では、全部充足するためにはどうしても三十九年の十二月までかかるという計算が出たものでございますから、中央保安協議会の皆様の意見を聞きまして、そうして三十九年の十二月までに備えつけるように特別許可の措置をとったわけでございます。この動機が当時上清、大辻という中小炭鉱の坑内火災というところから、中小炭鉱に優先的に備えつけさせる、あとから大手のほうに回すというふうな措置をとった次第でございます。したがって、そういう一酸化炭素救命器のメーカーの製造能力でそうせざるを得なかったのであります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 メーカーの製造能力ということでございますけれども、爆発当時は一個もなかったということですね。それは能力の問題もあったでしょうけれども、あれだけの大炭鉱で一個もなかった。しかもその判断というのは、生産能力の関係から、大会社はだいじょうぶなのだ、こういう判断は非常に誤っておったのではないか、こう思うのです。

田原正邦通商産業鉱務監督官(鉱山保安局長)

○田原政府委員 三井鉱山でも社内でこれをどこから優先的に配分するかということを検討した結果、北海道それから田川というふうな自然発火、坑内火災の危険の多いところから充足しておったようでございまして、三池炭鉱につきましては本年の下期の予算に組んでおったようでございます。大炭鉱だからだいじょうぶだという甘い考え方をしておったわけではないのでございますが、製造能力でそういうことになってしまったわけでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 爆発は三時十五分に起こったということでありますが、全山に救護隊の出動命令が出たのが二時間後の大体午後五時ということです。それから三川鉱の救護隊が入坑したのが五時二十八分、それから三百五十メートルの坑道に進入していったのが五時間後の八時ごろである、こういうふうに言われております。これについて、電話のケーブルが切れたので通話も何もできなかった——もっと救護隊が適切な措置をとり、あるいは退避の適切な措置をとれば、これほどのあとガスによる被害というものは起こらなかったのではないか、こういうふうに考えられるわけですが、電話一本、しかも爆発で切れた、こういうような施設上の問題あるいは保安訓練等の問題について、監督官庁として指導されたことがあるのかどうか、この点をお尋ねします。

田原正邦通商産業鉱務監督官(鉱山保安局長)

○田原政府委員 石炭規則で、甲種炭坑を有する炭鉱には救護隊を置かなくちゃいけないという規則がございます。そうして、それは三カ月に一回練習をしなくちゃいけないということ、それから機器について定期的に検査しなくちゃいけないということが規定されております。三池炭鉱の場合出動が非常におそかったというお話でございますが、救護隊の人がそのとき坑内に、宮の浦鉱それから四山鉱に入っておったという事情もあるようでございます。それから、電話の連絡がとだえたという事情もあるようでございます。いずれにいたしましても、おっしゃった時間 必ずしも迅速であったとは思われないのでございます。  それから退避訓練につきましては、三池炭鉱では坑内火災の訓練は、一度図上作戦でやっておったらしい。それから出水の退避訓練は昨年一度やっておったようでありますが、こういう爆発に対する訓練はやっていなかったようであります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 この保安訓練の問題は指摘いたしますと数限りなく、きわめて不十分な態勢であったということが言えます。一例をあげますと、入坑者がどのくらい入っているのか、こういう点についてもう何べんも違った数字が発表されておる。こういうまちまちな事実、これもやはり保安体制がきわめて悪かったということを物語っておると思います。さらには鉱員の全体の三分の一が交代期に入坑しておる、その時期に係長という責任ある人は一人も入坑しておらなかった。これは係長の人たちが事故を起こさなかったのですから、けっこうなことですが、現実に交代期という一番大切な保安上の時期に、責任者である係長クラス以上は一人も坑内におらなかった、こういうような問題は会社の保安に対する熱意、ことばは適切でないかもしれませんけれども、いわゆる保安サボと言われてもしかたがないような状況にあったのではないか。こういう点について、たとえばいま海底で掘っておりますから、水に対する訓練等をやっておったそうでありますが、火災についての訓練は一ぺんもしておらぬ。しかも火災の危険性のあることは何べんとなく指示しておる。その監督官庁がそういう訓練を全く指示しなかった。こういう点は会社の手落ちは申すまでもありませんけれども、監督官庁としてもきわめて不手ぎわな点ではないかと思います。この点いかがですか。

田原正邦通商産業鉱務監督官(鉱山保安局長)

○田原政府委員 坑内出水の訓練だけをやらせておって、そうして坑内火災の訓練をするように指導しなかった点につきましては、まことに遺憾に存じます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 この問題につきましては問題点がたくさんあるのですけれども、時間もございませんので、次に参ります。先ほど上林山委員からもありました生産の再開という問題について、若干質問してみたいと思います。生産が一日も早く再開されるということについては、だれしも異論のないところでございますが、問題はその前提となる保安が長期にわたって確保されるかどうか、こういうことが客観的に確認をされなければならぬ、こう思います。本会議におきましても池田総理は、やはり安全ということが第一だ、保安ということが大切だ、こういうふうにお答えをいたしておりますし、また労働大臣からも、この問題に関連して労使の良識ある了解が大切だというようなお答えがございました。そこでお尋ねしたい点は、旧労、新労ともいずれも、保安確保ということが前提だ、こういうふうに言っております。しかし突っ込んで聞きますと、若干のニュアンスの差はあるようでございます。会社も保安を確保することを前提とするんだということで、膨大な計画書を監督官庁に提出いたしておりますが、内容を見てみますと、たとえば、保安責任者を次長クラスにするというような一、二の点を除きますと、当然いままでやっておらなければならぬようなものばかりでありまして、新味がない。現在、保安監督局とこの問題について検討をしておるわけでございますが、あの計画書を検討して、保安が確保されると考えていらっしゃるのかどうか。まずお伺いいたします。

田原正邦通商産業鉱務監督官(鉱山保安局長)

○田原政府委員 現在現地で、宮浦鉱とそれから四山鉱の坑内の検査をいたしております。これは坑内の物理的な保安の状況を検査いたしております。これは現時点の保安の状況でございます。今後このような保安が確保されるかどうかということは、保安機構の問題、教育の問題、訓練の問題、こういう問題が非常に大事じゃないかと思われるのでございます。この内容につきまして、会社からも整備計画は出てきておるようでございますが、監督局は坑内の検査と並行して、その内容について検討しておるようでございます。最終的な結論は、いずれ現地の意見としてこちらのほうに持ってまいるはずでございますから、そのときに決定いたしたいと思っております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 いまお話のありました宮浦なり四山について、三十六年以降監督官庁が違反件数として指摘しておった、炭じんについての散水なり、炭粉をまきなさい、こういう点の指摘事項を拾ってみますと、四山鉱に対して十件、三川鉱に対して九件、宮浦鉱に対して四件あるんですね。たまたま三川鉱にそういう炭じん爆発が起こったわけでありますけれども、三十六年以降の違反件数として、この問題に対する指摘事項だけで四山の十件、三川が九件。変わらないんです。宮浦鉱は四件と若干少ないんですが、したがって、よほどの保安確保をしなければ三川鉱と同じような状態にある。しかもその永続性ということが、これは森本局長もきわめて重要な点だ、こういうことを言っておりましたが、爆発は起こっておりませんけれども、いままでの、三十六年以降の指摘事項から見ますと、四山も宮浦も三川と同様の状態にある。爆発は起こっておりませんけれども、やはり爆発が当然起こるような事情にある。抜本的な保安対策を講じない限りは、保安が確保されておらぬ、こう考えざるを得ないのですが、この点いかがですか。

田原正邦通商産業鉱務監督官(鉱山保安局長)

○田原政府委員 そういう具体的な問題につきましては、ただいま監督官が入坑して検査しておる最中でございますが、とにかく相当やはり保安対策をいろいろな面で講じなくちゃいけないであろうということは想像されます。最終的な結論は現地の局長が上京してきましてから報告は受けたいと思いますが、私といたしましてもやはり、完全な保安を確保するように結論を出したいと思います。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 要望いたしておきますけれども、いま私が申し上げましたように、また保安監督官庁が指摘しておりますように、若干のガスの発生があると従来からいわれております四山についても、違反件数が非常に多い、三川を上回っておるという現況でございます。したがってこれは、会社の計画書というようなことでなくて、保安監督署がこれなら絶対大丈夫だ、保安が確保されるということが前提として確認されない限りは、やはり事故が起こる可能性が十分あるとお考えいただいて、その対策を十分に指導官庁としてやっていただきたいことをお願いいたしたいと思います。  次にお尋ねいたしたいことは、あの争議以前にはかなり真剣に、会社と組合との間で保安の問題が議論され、そしてその議論に基づいて具体的に保安対策が講じられておったようでございますけれども、争議後は、保安は会社の責任でやるという一点ばりでございまして、団体交渉では取り上げないという事実がございます。そうして、もし具体的な点をあげますと、それは保安委員会でやろうじゃないかということで、一方的にやっておる、これが今度の原因の一つではないか、こういうふうに考えるわけでございます。良識ある労使の解決を望むということでございますけれども、私ども今月の六、七日ごろ現地で会社から事情を聞いたわけでありますが、団体交渉は五回六回とやっておりますけれども、具体的にはまだ進んでおらないようでございます。そこで私はこの問題については、こういう社会的な大問題を起こした、そして何百名という人命を奪った大事件でございますから、やはり感情を抜きにして、労使が良識ある話し合いをして、保安の問題を確保していく、双方納得のいくように最後まで話し合って、そして生産再開をしていく、こういう態勢が必要であろうと思います。政府としてはこういう点について、どういうふうに指導するおつもりなのか。これは労働省との関係があると思いますが、お尋ねしたいと思います。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 現地の実情をつまびらかにいたしておるわけではございませんけれども、御案内のように監督の責任は保安監督局、生産ということについては、これはもちろん労使の関係も入ると思いますが、経営をいたしておりますのは会社であります。そういう観点からいたしまして、われわれとしてはこの見地に立って、保安が十分確保されるかどうか、いわゆる物理的な面と人員、会社が出しておる計画が正しいかどうかというような判断はいたしておるところでありますが、会社の経営の内容に入り、あるいは交渉、経営者と組合との関係の内応まで入って、こうせいああせいというような指導は直接にはいたしかねる。これは自由主義経済のもとにおいては当然のことだと思います。しかし良識のある解決があることを望むという意味においては、同じような考え方を持っております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 大臣のおことば、先ほどもございましたが、問題は保安が確保されておるかどうか、十分現地調査をした上で、技術的物理的にそれが確認されれば保安が確保されたということになるのだ、それ以外のことは会社の問題である、労使の問題だ、こういうおことばのようでございますけれども、私ども現地の事情も承知しておりますが、そういうただ形だけでは問題は解決しないのではないかということを憂慮いたしております。何といっても保安体制が整っても、これを永続的に確保していくというためには、やはり労使の保安に対する協力態勢というものが絶対必要ではないかと思うのです。したがって、そういう点でいわゆる保安第一主義といいますか、こういうものに徹して今後やっていくということが大切ではないかと思うので、いまの大臣のおことばで、監督官庁としての権限はそれだけだということでありますけれども、それだけではまた事故を起こす可能性があるのではないか、こう私は思います。重ねてお尋ねいたします。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 私は、これは限界の問題であって、それがいわゆる良識というものであると思うのでありまして、そういうことでもし突き詰めていきますと、行政というものは非常にやりにくいだろうと思うのです。ほかの面もみんな出てくるのだ。一体役人が、どろぼうしやしないか、するかしないか、長きにわたってそういう行為があるかないかというようなことをずっと監督していくといっても、それはなかなか私はできないことだと思う。やはりそこに良識というものがある。官吏服務規律によって、官吏なら官吏はやられている。こういうようなことが必要になってくる。会社経営の場合も同じでありまして、三井の場合あるいは三菱の場合、その他いろいろの山々、会社がございますが、おのおのそのところにおいて事情は異なるだろうと思います。しかしそれを良識をもって解決していくというところに問題があるのであって、その良識の限度がどこまでかということは、そのところところによって違ってくるだろう、そこにいわゆる良識というものが働いてこなければならない、こう思うのであります。それをその程度ではこれは長期にわたる保安の確保にならないじゃないかということで言っていったならば、それまでの問題を取り上げていったならば、私は非常に監督という問題が複雑になり、とうてい及び得ない問題まで掘り下げていかなければならない、こう思うのでありまして、良識ということばが出てくるゆえんだと思っておるわけであります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 きょうの新聞にも「文明社会と安全」という標題のもとにこの問題についての記事が載っておるわけでありまして、私はただ施設的にいって安全性が確認されたということだけではいけない、やはり精神的な面といいますか、労使が一体となって保安を確保するという態勢がぜひ必要だ、こういうふうに思います。保安はただ単に物理的なものだけじゃない。しかも、監督官庁としては権限以外の問題についてはどうにもならぬのだというおことばはわかりますけれども、それだけでは監督官庁としての機能が、保安を確保するという点ではやはり不十分だということは事実であります。そういう点についてひとつ特段の御配慮をお願いいたしたい、こういうふうに思っております。  次に、お尋ねいたしたい点は保安管理者の問題でありますけれども、これは鉱業権者が任命をしていく、こういうことです。三池の今度の場合は、保安部長が保安管理者で、この下に保安課というものが置かれておりまして、実質上は保安課だけ、こういうふうに言ってよかろうと思います。各鉱には鉱長以下兼務の保安担当者がおったわけですが、ほかに保安監督員というのが従来から七名程度おったようであります。こういうことから見ますと、会社はどんどん石炭を掘るのだ、従来の八千トンから一万五千トン、二万トン、二万五千トン、こういうことでどんどん生産に関するハッパがかけられます。そういうことでやはり生産第一主義になって、保安というものが忘れられてくる、こういうことになるのは自明の理ではないかと思うのです。特に先ほども申し上げましたように、三川の保安要員というのは、三十四年の三月には千九百四十八人おった。三十八年の十月には五百四十二人減って、千四百六人、こういうふうになっておりまして、いま私が申し上げたように、こういう点からも、保安第一主義ではなくて、生産第一主義に変わっておった、こういうことが言えると思うのです。こういう点からお尋ねしたい点は、監督機構の強化、これが絶対必要なんだ、生産担当者でない別機関の保安に対する監督というのが必要ではないか、こういうふうに思います。たとえば保安監督官庁をもっと強化して、たとえば大牟田市の保安監督は福岡の局のほうで直接やっておりまして、出張所もございません。巡回監督、こういうものによるばかりでございますが、その巡回監督というのはどういうことかというと、三十六年で延べ八十四日、三十七年度は延べ百五十九日、三十八年には九十三日ということで、しかも予告制、こういう形でございます。生産第一主義に流れて、しかもそれを監督する官庁というのは、とにかく一年のうち三分の一程度しか監督に見えない。しかも予告制だ。こういうことになりますれば、これは保安の万全というものは期し得られない。監督官庁の監督というのは事実上存在しないのと同じようになる、こういうふうに言えると思うのです。この点についてのお考えをひとつお聞かせいただきたい。

田原正邦通商産業鉱務監督官(鉱山保安局長)

○田原政府委員 監督署の問題でございますが、現在、仰せのとおり、福岡の本局で一緒にやっております。大牟田に監督署を置けというお話だと思いますが、実は福岡の本局で管轄しておりますのは、そのほかに天草地区と粕屋地区と三つございまして、それを全部本局で一緒に見ておる。それで今後は、福岡の本局内に新しい別の組織を設けまして、その区域だけを別に見る組織をつくっていきたいと思っております。大牟田まで一時間半くらいでございます。たとえば直方あるいは佐世保なんかも、監督署はございますが、これらも山まで一時間半ないし二時間くらいかかっております。福岡に別の機構を設けて、そこで天草、大牟田、それから粕屋、三つを分離して監督いたしていきたい、こういうふうに考えております。  それから予告検査につきましては、全部が全部予告検査をしておるわけではございません。抜き打ち検査もやっております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 この点はあと回しにして、大臣はお時間がないようですから大臣にお尋ねしたいのですが、いま申し上げましたように監督機構、一年に延べでとにかく百日以内、こういうことでありますから、運営の仕方は別として、根本的にやはり監督機能というのが十分でない。この点について、たとえば大牟田に出張所を置くなり、あるいは人員をもっと増員して監督機構をふやす、充実するという御意思がおありかどうか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 今度の原因調査とも相まちまして研究をしていきたいと思っております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 原因調査した上で善処したいというおことばでございますが、この問題について、これは通産大臣にお聞きしたいのですが、労働災害関係というのは主として労働省がほとんど全部やっておるわけです。石炭関係についてだけこの問題が通産省にあるわけですが、そういう政府の機構上の問題について何かお考えがございましょうか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 この問題は戦後しばしば問題になりまして、ちょうど社会党のお方が労働大臣、それから社会党のお方が商工大臣のときにも、いま問題になったようなことが議論されたのです。そのときにいまのような形で解決されておったと、私は了解いたしておる。しかし過去の歴史がどうであった、こうであったということは問うところではありません。私は考え方として、やはり、石炭を生産する、生産するからそこに石炭生産の労務者が必要になるということであって、そしてその生命を尊重するという意味で保安ということが非常に大事だ、まずこれを考えなければいかぬということになるんで、これを分離するのがいいのかどうか、いまの御質問はそこにあったと思うのです。その点は、分離をすることによってはたして目的が達せられるかどうか、いわゆる生産と保安は表裏一体のものである、保安がもしおろそかにされますと、今度の事故でもおわかりになりますように、たいへんな損害を会社は受けるわけであります。すなわち会社経営者としては、生産も大事であるけれども、保安を怠ることによって、いわゆる経営者としての責任問題もそこに出てくるのであるし、そういうことを考えてみますと、やはり生産と保安というものはいまのような形にしておいて、しかしまた、労働省その他とも十分連絡がとれるようなくふうも考えるべきではあると思いますけれども、ここで分離をするようなやり方がいいかどうかということになりますと、私自身としては疑問に思っております。いまの体制を根本的に改めるのでなくて、改善をするという形で処理していくのが一番いいのじゃないか、こういう考え方でございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 官庁のなわ張り争いということでございますけれども、今度の事故、過去のいきさつもいまお話がございました。もっと実情に即するように、生産と保安というものは表裏一体ということでありますけれども、表裏一体という美名のもとに生産が強化され、保安が無視される、こういうことが往々にあるわけでございます。私はやはり労働災害というものはまとめて、統一してやったほうがいいのじゃないかという考えに立っておるわけでございます。この点については今後十分に御検討をしていただきたいと思います。  次にお尋ねいたしたい点は、統計によりますと、先ほど大臣のおことばもあったわけでございますけれども、福岡地区を例にとってみますと、甲の指定炭鉱よりも指定乙の炭鉱のガス爆発の回数が、あるいは罹災の死亡、重傷者が非常に多いわけでございます。私は、こういう統計が示すように、指定が誤っているんだ、三池炭鉱は乙ということになっておるわけでありますけれども、これはやはり指定が誤っている、こういうことだと思うのです。乙であれば大体炭じん爆発など起こるものじゃないのが、起こっている。ですから、指定が誤っているのじゃないか。先ほど大臣の若干のおことばがあったわけですけれども、これは指定をやり直す、端的に言いますと、炭鉱の保安を守るという意味において、全炭鉱を甲にしてしまう、こういうことが長期的に見ていいのではないかという気がいたします。この点について具体的に御回答を願いたいと思います。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 私は、指定が誤っておったというのではなくて、心のゆるみがあったのだというふうに解釈いたしたいと思います。ということは、保安というものは種類を、ここは非常によろしい、ここは中くらいだ、これはあまりよくない、こういま分けておるわけでありますが、実際の問題として保安がいいところにおいて起こるということは、災害は思わざるときにくるということをみな忘れているからいけない。だから保安を守る上においては、山の人がほんとうに保安を守ろうという気にならなければいけない。保安はあなたのところはよそよりはよろしい、こういって、奨励するような気持ちで実は甲乙というような区分をいままででしておったのであります。そういうふうに私は了解をいたしておるのであります。だから実際保安はここのほうがいい、だからこっちのほうはちょっと上げていくということをすることによって、みな保安のいいほうになろうなろうとすることによって保安に努力していく、こういうふうな効果があるのではないか、こういうふうに私は考えておるわけであります。それと今度は実際に災害が起きるということとは、保安が一応よくても、完全保安というものはない。海底で、しかも穴の中で仕事をするのであります。こういうところで仕事をしているのでありますから、よほどの危険性が伴っている。だから若干保安がいいといっても、ちょっとした油断がそこに起きると、大へんな事故が起きる、こういうことになるのであって、そういう意味からいって、私はこの問題は研究に値するとは思っておりますが、はたしてそういう区分をなくしてしまうのがいいかどうか、あるいはおまえのところは保安が非常によくて、ここ一年、二年一つも事故がないから、何か一つのメリットを与えてあげましょうというやり方がいいかどうか、これは私は大いに研究の価値があると思っております。しかし、実際にそういうふうにすることによって保安の設備を向上し、保安に対する関心を深めていくという制度を残しておくということは必要だと思っておるわけであります。あなたのお話だと、乙のほうにかえって災害が多いから、みな甲にしてしまって、全部同じようにして監督をしたらいい、こういうふうに私は承ったのでありますが、そういうふうにすることによっても、災害はみんながほんとうに注意すること以外には防ぐことはできないのであります。施設をする、施設がいいからこっちは乙になる、こういう施設をよくすること自体は、保安をよくする一つの方法であると思っております。だから、施設が悪いよりは、いいほうがいいわけであります。しかし、それがいいからといって危険がないかというと、そういうわけにはいかない。やはり穴の中で仕事をするのでありますから、非常に危険が多い。要は、どれだけ注意をするかということが一番大事な問題だろうと私は考えておるわけであります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 大臣のおことばを聞いて、私はわからなくなったんですが、保安確保ということについては、監督官庁としては限界がある、問題は会社の問題だ、こういうことで限界を一定線に引かれた。ところが今度はどんなに規制をしても災害は忘れたときにくるのだ、心の問題だ、こういうことをおっしゃっておりますが、これではいつまでたっても、災害というのは行政官庁、監督官庁の責任ではないのだ、一切がやはり会社の心の問題だ、こういうことになってしまうと思うのですが、もっともっとやはり規制すべきものは規制する。しかも現実に統計では乙種炭鉱に重大なガス爆発の事故が起こっているわけですから、やはりこの規制をしていく、そしてもっとよりいい法制上の立場から保安を確保するという具体的な措置が必要ではないか、こう私は思うのです。そういう点はいかがですか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 これはどうも私の説明が不徹底であったせいか、いまのような御質問をいただいて、かえってどうも困っておるわけですが、私は何も監督をおろそかにしようと思ったわけでも何でもございません。私の言うのは、保安を確保するという意味においては、設備の面と、いわゆる監督もあるだろうし、山の保安に対する保安規則のもっとこまかいあれもあるだろうし、それからまた同じ監督をする場合にも、緊張して監督をしておる、すみずみまできちっとやっておる場合もあるだろうし、保安をやっている山の要員が本気でやっているかどうかということもあるし、あるいは経営者自身が保安にどれだけ力を入れているか、形だけではだめです、やはり精神も必要であるということを私は申し上げたのであります。それと甲種、乙種の問題を私は混同しているわけではない。甲種、乙種というようなものがあって、これは非常に保安施設がいい山だ、こういうことで、そうなればその山からいえば、やはりいい労務者もたくさん得られるでありましょう、あるいは、ああいう保安のいいようなところならつとめをしようという人も出てくるだろう、そういういい面もあるわけです。だんだんそういうふうにして施設もよくしていくし、精神のほうもよくしていく、この二つが非常に大事ではないか、私はこういう意味で申し上げておるのであります。決して監督のほうは責任を負わないのだという気持で申し上げておるわけではございません。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 関連ですがちょっと、大臣、技術的な問題ですから、あまり大臣が技術的なお話をされると、間違った答弁が速記録に残りますから御注意したいと思うのです。  甲と乙というのは、何も保安がいいからそれが乙に昇格するという意味じゃないのです。本来山の状態からして、これはガスが多い山であるとか、出水の起こる危険が多いとか、そういうことで保安施設について厳重な要件をつけておるのです。甲種のほうが危険度が多いから、主要扇風機を置かなければいかぬとか、いろいろ条件がむずかしいのです。ですから、むしろ施設は甲のほうが多くのことを要求されているわけですから、何か非常に優良になったら甲が乙に昇格をするのだ、こういうような意味でないのです、若干そういう面もありましょう、ありましょうが、本来はそういうことではないのですから、その点を間違えて議論をされると今後議論が発展せぬし、それから速記録に大臣がこう言ったじゃないかということで間違ったことになりますから、こういうことはなるべく局長のほうから答弁をしてもらえばいいいと思います。

福田一自由民主党通商産業大臣

○福田(一)国務大臣 私が誤解している面があるようでございましたから、その点はここで取り消しさせていただきます。

田原正邦通商産業鉱務監督官(鉱山保安局長)

○田原政府委員 甲乙の指定の問題でございますが、甲乙の指定の基準は石炭規則できまっております。この区分がはたして正しいかどうかということにつきましては、今度法令の検討をいたしますので、そのときに一緒に検討いたしたいと思っております。三川鉱の問題につきましては、仰せのとおり、乙種炭鉱でございます。これにつきましては、実はその基準は、操業中にやらないと基準が出てこないものでございますから、三川鉱が再開されて、そして操業が再開された暁に、すぐに坑内一斉検査をいたしまして、基準に合致するかどうかをすぐ調査してきめたいと思っておりますが、しかしそれまででも行政的に指定でもって、甲種に該当する条項を指定することは局長の権限でできますものですから、事実上甲種炭鉱と変わらないような監督をしていきたいと思っております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 個々の点につきましては、いま局長のおことばで、事実上ということでございますが、統計が示すように、これは重大な問題です、この三池炭鉱に限らず、この統計は事実いいはずのところに事故が頻発しておる、こういう事実がございますから、全体的に十分これは御検討をいただきたい、こう私は要望をしておきます。  次に、遺家族の問題について若干質問をいたしたいと思っております。今回の死亡者の方は、三十歳前後の働きざかりの人が多いわけでございまして、特徴的な点は、子供が二、三人ある、両親を持っておる、こういう方でありまして、遺家族も平均いたしますと、四人以上という状態でございます。それだけにきわめて切実な今後の生活問題というものがあるわけでございます。会社としては全員に職場を世話いたしたい、こういう考えであるようでございますけれども、現実には、去る三十五年の争議等の場合にも、この問題は非常に大きな問題になったわけでございますが、しかも今回の場合は離職者じゃないので、未亡人ということでございます。そこで先ほども縫製工場とか、あるいは竹製品の工場等の誘致を考えておるようでございますが、これで一体未亡人が多数の家族を抱えて生活できるのかどうか、これをどうお考えになっておるのか、ひとつこの点について具体的に御説明を願いたいと思っております。

有馬元治労働事務官(職業安定局長)

○有馬政府委員 ただいま細谷先生から御質問がありましたとおり、遺家族の状況は未亡人が四百二十二人に対しまして、未亡人を含めまして家族は全体で千八百三十六名でございます。したがいまして、一世帯当たり四人強ということに相なるわけでございます。これに対しまして、十二月十日現在で私どもが調査いたしたのでございますが、就職の希望の状況を見ますと、未亡人で三百一人、それから子弟その他を合わせまして四百五十一人が就職の希望を持っておるわけであります。さしあたりはこの四百五十一人を対象に、遺家族の就職援護措置を会社と一緒になって私どもは考えてまいる予定にしております。先ほどお話がありましたとおり、一応この段階で会社が出してまいりました遺家族の援護対策は、いま申しましたような状況でございますから、遠隔地に就職あっせんをするわけにはいかないのでございます。したがいまして、地元に縫製工場を誘致いたしまして、これを中心に約三百人程度の規模で職場を造成する。もちろん三井系の系列会社あるいは大阪、名古屋方面にも、広域紹介ベースでもって相当数紹介あっせんをいたしたいと思います。また家政婦公等の設立を援助いたしまして、ここにも就職あっせんをはかってまいる。今度の場合、縫製工場を中心にし、これを前提として職業訓練をいたしまして、会社設立と同時に、ともに就職確保をはかっていく、こういう対策を講ずる予定にしておるのでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 縫製工場というのは離職者対策としても行なわれておりますが、どの程度の収入になりますか。

有馬元治労働事務官(職業安定局長)

○有馬政府委員 縫製工場ができた後の賃金の目安につきましては、現在会社側と折衝を続けておりまするが、今日のところ賃金の額をまだお話しできる段階でございませんので、近く賃金条件その他を検討いたしました後に御報告をさせていただきたいと思います。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 まあ縫製工場等で、田川等でもやっておりますけれども、せいぜい一万円前後ではないかと思います。いまお話のように、四人強の平均世帯を時っておって、その程度で生活ができるとはとうてい考えられない。生活保護以下なんです。これでは問題は解決できないんじゃないかと思います。いかがですか。

有馬元治労働事務官(職業安定局長)

○有馬政府委員 一万円程度では御指摘のとおり、生活困難だと思います。私どものほうで訓練を受けさしておる時期におきましても、訓練手当自体が一万二千五百五十円程度でございますから、それを下回った賃金ではお話にならない。しかしまあ企業でございますので、どこまで出せるか、その辺は額はもう少し検討させていただきたいと思いますが、私どもも会社の計画に参画をいたしまして、遺家族が生計を営んでいける程度の賃金になるように指導してまいりたい、かように考えておるわけであります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 企業でございますから、いかに指導いたしましてもやはり出せないものは出せない、こういうことだと思う。しかし縫製工場の現在までやってまいった実績からいって、とても四・一とか二とかいう遺家族の生活を維持することはできないことは、もうはっきりしておると思うのです。内職程度のものだと思うのです。現にいままで働いている人は、やはり奥さんが内職して生活をしておったという事実からいって、縫製工場をつくっていただくことはけっこうでありますが、これで問題が解決するということはとうてい考えられません。そこで私特に要望いたしたい点は、これはやはり会社に、こういう大事故を起こした責任があります。また、国もやはり、責任があります。そういうことでございますし、また入院患者も含めて何百人という人が生産に従事できない、こういうことでございますから、全員を会社の直轄夫に採用する、あるいは、離職者の場合に政府が特段の考慮をしたように、政府機関の何らかの職場、こういうようなところへ雇用をすることが問題を解決するかぎではないか、こういうふうに考えております。こういう点についてどうお考えでしょうか。

有馬元治労働事務官(職業安定局長)

○有馬政府委員 もちろんこの縫製工場だけに全部を吸収するつもりはございませんで、御指摘のとおり、会社の系統の別の工場、あるいは一般の職業あっせんということで、相当程度就職の確保をできる見込みを持っております。したがって、縫製工業では条件が悪くて賃金が低くて困るじゃないかというふうな御指摘でございますが、縫製工場は私どもできるだけ賃金条件がよくなるように、通産省その他とも打ち合わせしまして、資金の面あるいは製品の販路の問題というような点でできるだけの援助をしてまいる予定にしております。したがいまして、この工場を誘致したために不当に賃金を低くして、就職の人数合わせをするというふうな意図は毛頭ございませんで、よりいい条件のところにできるだけ就職を確保していくというふうな考え方をとりながら、縫製工場も誘致して、そこに職場を造成していくという考え方で指導しておるわけでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 縫製工場ではやはりどうしても未亡人対策、遺家族の対策ということにならないわけでありまして、会社等も関連工場あるいはセメント工場等に就職させたいということでございますし、あるいは子弟等については直轄夫に採用するような方針でいきたい、こういうようなことを私どもに話しておるわけでありますが、ぜひ生活ができるように具体的に指導なり対策を講じていただきたい、こういうふうに思いますので、この点よろしくお順いをいたします。

有馬元治労働事務官(職業安定局長)

○有馬政府委員 先生の御指摘の趣旨を体しまして、指導してまいりたいと思います。

中村寅太自由民主党

○中村委員長 午後一時四十分より再開することとし、暫時休憩いたします。    午後零時五十八分休憩      ————◇—————    午後一時五十五分開議

中村寅太自由民主党

○中村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  三池炭鉱の災害について質疑を続行いたします。細谷治嘉君。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 引き続いて質問をさしていただきます。  遺族が働くということになってまいりますと、住宅の問題あるいは子供をどうするかという問題が起こってまいります。具体的には母子寮あるいは託児所、こういう問題が必ず起こってくるわけでございますが、こういう問題について具体的な計画はおありかどうか、その点をお伺いいたします。  かつて、これは労働省関係になるわけですけれども、託児所、母子寮という厚生省の所管問題じゃなくて、たとえば失業者の多発地帯に対して簡易宿泊所あるいはアパート、こういうようなことで離職者問題の解決をいたしたことがございます。こういう問題について労働省として、厚生省まかせでなくて、何かお考えがあるかどうか。

有馬元治労働事務官(職業安定局長)

○有馬政府委員 私どものほうで、かつてといいますか、いままでにも先生御指摘のような施設を、アパートの付属施設として設置いたしたことがございますので、今回の場合におきましても、そういう考え方で付属施設といいますか、保育施設等もできるだけ整備をしてまいりたいと思いますが、何せ数が非常に多くて、まとまっておりますので、厚生省の関係の施策もこの際あわせて集中的にこの地域に施していったほうが、より効果的ではないかと思います。私のほうももちろんできる限りのことはいたしたいと思っております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 次にお尋ねいたしたいことは、一昨日の本会議で多賀谷委員からも御質問があった点でございますが、労災補償と退職金、こういうものを見てみますと、三池労組の場合ですと大体百五十万程度、ところが第二組合の場合になりますと、平均の計算でありますが、二百十七万から十八万程度になっておりまして、七十万円近い差が現に起こっております。組夫、これは長い人で二年程度でありますが、三池労組の場合には平均勤続年数十九年ということでございますが、組夫の場合ですと労災補償が七十九万円程度、三池労組の場合ですと八十五万円程度ということで大して違いがない、こういう現状になっております。計算の基礎が平均賃金ということでいっておるわけでありまして、せんだって私どもが現地で会社の意向を聞いたところが、それは方別ストをやったからだ、こういう一言の事由でそうなっているんだ、こういうことであります。一昨日多賀谷委員の質問に対して労働大臣は、実情に即してひとつ検討してみたいという意味の答弁があったかと思いますが、この点についてひとつ具体的に、これは差別ということがしきりに言われておりますけれども、もし差別ということでありますと、これは労働法の不当労働行為ということに通ずるわけで、問題は非常に深刻な問題も減しておるわけでありますが、まず具体的にこの点についてお伺いしたいと思っております。

村上茂利労働基準監督官(労働基準局長)

○村上(茂)政府委員 ただいまの、労災保険の遺族補償費について金額に差があるじゃないかという御指摘、確かに一部差があるという点が認められるのでありますが、ただ問題は、先生御指摘のように、平均賃金の額に差がある。その平均賃金に千日分かけたものが遺族補償でございますので、その基礎になります平均賃金が問題になるわけでございます。この点につきましては、労働基準法の十二条で平均賃金の算定方法が示されておるわけでございますので、手続としてはこの平均賃金算定の方法に従いまして金額を算定する、こういうことになるわけでありますが、ただ個別の労働者について見ますると、その就労の場所であるとか、就労日数であるとかその他差があるようでございますので、結果として平均賃金の額に差が出てくる、こういうような事態であると思います。方別ストで差が生ずるということは私ども承知しておらないのでありまして、要するに就労日及びその就労日までに払われた賃金というものを計算いたします。賃金計算をいたすのでありますから、そういった賃金の払われなかった事由というようなものは一応除外いたしまして、方別ストであるとかというようなことは問わない、こういうたてまえになるわけであります。もし平均賃金算定につきまして問題がございますれば、これは再調査するにやぶさかではありませんけれども、一応法律できまった方式でございますので、私どもそれによらざるを得ない、こういうことでございます。ただいま申しましたその算定に何か問題がありますれば、再調査し適正を期したい、こう思っております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 平均賃金の算定の基礎について検討をしてもいいという御答弁でございますが、現地の罹災者、これは私ども同僚としてかつて大牟田市議会の議員をしておった人が、今度罹災したのでありますが、その人の遺家族、未亡人のお話を聞きますと、三十八度くらいの温度のところで作業をする、とてももう勤めることができない、こういうことを非常に訴えておりました。ですから、どうしてもやはり満勤なんということはできない、せいぜい二十日くらいしかつとめられぬ、こういうことでございます。そういう過酷な労働条件のところに一組合員をやっているんだという声が、一組合の陳情から異口同音に私どもの耳に入ってまいるのでありまして、会社の話を聞きますと、方別ストをやるから平均賃金が少ないのはあたりまえなんだ、こういうようなお答えでございます。私どもその点精査をいたしておりませんけれども、いずれにいたしましても、七十万円近い差が生じておるということについては、現実問題として、いま非常に大きな問題があろうと思うのであります。しかも弔慰金の問題については、四十万ということでありますけれども、現実には下請の中小企業でも五十万程度の弔慰金を出しておるというのが、大牟田の実例として幾つかあることを承知いたしております。こういうことで、遺家族については非常に重大な問題になっておることは当然なことと思いますので、ひとつその辺いま局長さんのお答えのように、十分御研究をいただきたい、そして善処してほしい、こういうふうに思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 ちょっと関連して…。制度的な問題としてお尋ねいたしたいのですが、実は長期に支払う傷病補償であるとか、あるいは遺家族の補償であるとか、こういったものと、短期的に支払う補償のようなものとを、同じ平均賃金でいいというところに問題があるのじゃないか。それは日本の賃金体系というものが、その日々払われる賃金の中に金部包含をされてない。外国のように、週給なら週給の中にほとんどのものが包含をされているというならば別ですよ。この法律が出ました昭和二十二年当時は、御存じのように、食うや食わずの状態でしたから、ほとんど賃金の中に給与というものが包含されておる。今日はそうでないわけですね。ですから、かつて五十万円遺家族に給付されたと言ったら、当時はああそうかといって、かなり高い額に感じた。ところが、今日人間が死ぬのに退職金よりも安いという状態ですね。どうも私は実情に合わぬと思う。ですから私は日本のように、期末手当というものがかなりの額にのぼっておる、あるいは退職金というものが賃金のあと払い形式で払われておる、こういう制度の中で一律に平均賃金として千日分かけていいかどうか、私はここに改正の要があるんじゃないかと思うのですよ、ですから期末手当をかなり出す会社なんかになりますと、賃金のほとんど七、八割が期末手当という場合もあるでしょう。そうすると、なくなった場合にはそういうものは払ってもらえない、こういうことになるわけですね。ですから私は、この点は非常に制度上問題があるんじゃないか、こういうように思うわけです。そういう点、実は大臣に質問をしたら、大臣は運営でできるような話をされましたが、これは運営でできる性格のものじゃない、個々の問題じゃない、制度の問題だ、こういうように考えておるのですが、基準局長としてはどういうようにお考えですか。

村上茂利労働基準監督官(労働基準局長)

○村上(茂)政府委員 制度の根本に触れる重要な問題でございます。私どもは、災害補償が労働者のこうむった損失をてん舗する制度であるというたてまえをとりますならば、ことばをかえて申しますと、労働者の稼得能力、アーニング・キャパンティの損失に伴う支出という制度として従来扱われてき、また将来それをそのまま持続するという立場に立ちますならば、その補償額の基礎を平均賃金に求めるという態度をくずすわけにいかないんじゃないかというふうに考えるのであります。ただ、それにかけるところの日数が千日分でいいかどうかという点につきましては、これはいろいろ検討の要があろうと思うのであります。なお将来のこういった制度の発展に伴いまして、労働者災害補償保険制度が現行のままでいいかどうかという点については、検討の要があろうと私ども考えておる次第でありまして、適当な機会に審議会等で御検討いただきたい、かように考えておる次第でございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 私も、千日分についても非常に問題があると思う。たしか千日分というのは六年間補償をするという、これは利子を含めて六年間分になるんだという計算をして最初出した。ですから、私はこれにも問題があるが、さらに基準ベースに問題があると思うのですよ。ですから、たとえば期末手当は入っていないでしょう。期末手当というものが三カ月以内に支払われておれば入るわけです。日本のように期末手当が年二回という場合には、これは入らないわけです。ですから、そういったものが入らぬというところに問題があるんです。給与ですよ。それから、退職金だってあと払い賃金なんです。これは明らかです、日本の退職金制度というのは。ですから、それがまた、算定の基礎になかなかこれは入れようがないのですけれども、ものの考え方としてはあと払い賃金である退職金とか期末手当のウエートが、だんだん最近は多くなってきておる。ですから、こういったものを、その遺家族の補償であるとか、あるいは長期傷病補償であるとかというものを、短期に何日か病気で休むとか、あるいは休業補償であるとか、こういったものと同じような平均賃金ベースですることがいいかどうかということに問題がある。短期に休む場合には、それは期末手当があとからくる、退職金もやはり支給される。ところが長期的に、なくなった場合にはこれはこないのですからね。ですからそういったものを一体平均賃金でやるということに問題がありはせぬか、こう言っているんです。

村上茂利労働基準監督官(労働基準局長)

○村上(茂)政府委員 問題は今度は、平均賃金というものの考え方についての問題になると思いますが、ただ基準法上の平均賃金はたとえば休業手当の支給の問題としての金額算定で平均賃金というものを考えるというような場合に、できるだけそういった事故なり災害が発生した日に近い時点における賃金額をとらえるという考え方、これは私は考え方としては筋の通った考え方であろうと思うわけでございます。そこでこの平均賃金条項、十二条の第四項におきましても「臨時に支払われた賃金及び三箇月を超える期間ごとに支払われる賃金」などを除外しておるのでありますが、それはそういう事故なり原因の発生した時点にできるだけ近い状態の賃金というものをとらえるという考え方から出てきておると思うわけでございます。いま申しましたように、この労働基準法上の平均賃金を使用する場合は、災害補償の場合以外にも、各種の場合があるわけでございますので、そういった共通の問題に一般的に適用される基準としてこういう制度を考えるという場合に、どの点に重きを置くかという考え方の問題があろうと存じますが、まあ共通な制度として平均賃金というものを考えておるわけでございます。ただ問題は、別に、損害賠償なり損失てん補という観点に立ちまして問題を考えました場合に、これは普通民事上の損害賠償の場合も同様に考えられるわけでありますが、アーニング・キャパシティーの損失という問題を、臨時に支払われる給与も含めて考えられるかどうかという点については、これは労災保険のみならず、損害賠償制度全体を貫く非常にむつかしい問題があるだろうと思います。したがいまして、私どもで簡単にお答え申し上げることもいかがかと思いますので、十分研究させていただきたいと思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 ごく短期的に支払われる場合なら、私は矛盾がないと思うのですよ。ところが長期的に支払われる場合には——事実、臨時に支払われようと、あるいは三カ月ごとに支払われようと、こえて支払われようと収入には変わりがないわけですからね。ですから遺家族のように、本人がおれば当然得べかりし収入ですから、それは生活のかてになっている。その場合に、普通の平均賃金の出し方の算定でいいかどうか。共通の基盤といいますが、共通にしたのは、これは法律がしたのですから、これは幾らでも直せるわけです。こういった場合には算定基準を変えるんです、こういうふうに直せるわけでしょう。たとえば割り増し賃金金を出すために、二割五分という割り増し賃金のこれの一は、この平均賃金よりほかにあるのです。こういうように扱っておるでしょう。あなたのほうのこの基準法でも扱っておる。この平均賃金を使ってない。ですから、そういうようにやり方を変えることができる。ベースは基準法の中でいろいろ方法を変えることができるわけですから、私は問題が十分考えなければならない時期にきておる、こういうように思うわけです。ですから、これらの点についてひとつ検討してもらいたいのです。工場労働者なんか期末手当といえば相当な額になるのですよ。ですから、これが全然ネグレクトされておる、こういうところに第一問題がありはしないか、こういうように思います。それから、なぜ私が言うかといいますと、細谷さんは平均でお話しになった、ところが一番下の人は今度幾らですか。一体一番少ない遺家族の補償をもらった人は幾らですか。

村上茂利労働基準監督官(労働基準局長)

○村上(茂)政府委員 ちょっといま資料を持っておりませんので、うる覚えでお答えして恐縮でございますが、低いのでは四十六、七万のものがあったように記憶いたしております。各人別に支払われた額は資料であるのでございますが、ちょっと手元にございませんものですから……。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 ですから私は、問題はそこにあると思うのです。この前上清では、三十二万というのがあった。命がなくなって三十二万とは、どう考えてもわれわれ理解できない。しかも、突然の交通事故でなくなったという場合とは違うわけですからね。危険をすでに会社側にまかせておる場合ですからね。それが三十二万円。われわれが政治をする場合に、平均で論じてはいけないのですよ。ですから、そういう場合にもやはり平均賃金で人の命を換算をするかどうかですね。これも私は問題だと思うのですよ。そういう場合に一体最低額というものを考えるかどうか、その必要があるのじゃないか、こういうように思います。アルバイトの学生が朝日新聞で窓のガラスをふいていて、落ちた、そうしてなくなった事件を私は扱ったことがありますけれども、実に安い賃金だ、アルバイトですからね。しかしその子供は、親御さんが非常に苦労して大学へ出しておるわけですね。その大学を卒業すればこれはもう相当な賃金をもらえるわけですよ。ところが、それがわずか十数万円です、アルバイト学生だから。こういうところにも制度的に何らか考慮する必要があるのじゃないか。それから三池の場合でも、金額的にいいますと、会社と組合と協定しておる中心に、協定というか会社が提案しておる中に、十万円以下のものは十万円とするとある。だから、十万円以下の退職金を支給される行がおるはずですね。こういうものも私はかなり問題があると思う。それは会社の問題ですから、われわれが退職金について制度的に言うわけにいきませんけれども。ですから、いま遺家族の方に非常にわずかしか補借金の渡ってない人があるのだ、こういうところをひとつ考慮して、平均賃金の問題は私は早急に考えてもらいたい。できればその分だけ、三池の炭鉱の事故があったときから遡及をしてもらいたいと思うのですね。考えですか。

村上茂利労働基準監督官(労働基準局長)

○村上(茂)政府委員 私は御指摘の点の問題は、日々働いているときに受け取る賃金が低いということが一番基本じゃないかと思います。したがって、かりにこれを民事上の不法行為の問題として裁判所が扱いました場合に、損害賠償の算定をする場合にどういう計算方法をとるか、これは幾つかむずかしい方式がありますけれども、損害賠償の問題として考えますならば、その当時取得しておった賃金なり、あるいはその他の収入を含めまして損害賠償の額を算定せざるを得ない。労災保険なり労災補償制度が損失てん補という制度を貫く限り、やはり受け取っておった、毎日得ておった賃金を基準にするという制度を改めるということには、かなりむずかしい問題があるだろうと思います。ざっくばらんに申しますと、これは学説でも分かれておるところであります。労災保険がもし純然たる社会保障的なもので、平均的な生活保障とかいうことでありますならば、別な線の引き方も出てくるわけであります。そこでこの問題につきましては、災害補償制度の本質に触れる問題でございますので、私ども十分研究いたしたいと思います。ただ、今後最低賃金制度などもだんだん普及いたしまして、大体賃金というものが平準化されているような状態におきまして、極端なものがあった場合にどうするかというような特別な角度から問題を取り上げる、こういう立場もあろうかと思います。いずれにいたしましても、先ほどお答えいたしましたとおりに、比較的近い機会にこういった問題を含まして審議検討をお願いしたい、こう考えております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 この問題について、もう一度私は申し上げたいのであります。三池の場合は、いま多賀谷委員が言った問題と別に、本来きまっておる賃金が現に五%か六%たな上げされておるわけですね。このたな上げされた部分は、平均賃金の計算に加わらないわけです。ですから、これも非常に大きな問題があるんじゃないかと思うのですが、この点はどうですか。

村上茂利労働基準監督官(労働基準局長)

○村上(茂)政府委員 その点も十分承知いたしておりましたので、いろいろ検討したのでありますが、俗にたな上げと申しておりますのが法的にどういう意味を持つかということでございますが、それが賃金改定としてなされておるのであるか、気持ちの上ではたな上げだけれども、賃金額の改定という形で行なわれ、そして新しい賃金規則になりますが、その新しい賃金規則によって支払われておった、こういうことになりますと、平均賃金の算定としてはそれによらざるを得ない、こういうことになるわけでございます。けれども、法的にも十分検討したのでありますが、いま申しましたような、たな上げと申しましても、それは賃金規則つまり就業規則としての賃金規則には、たな上げ条項というのは格別に明確になっていない。それが法的にいう賃金規則であり、それに基づいて支払われておった金額が各人別に幾らかということを把握したわけでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 これは企業の経理面が非常に困難である、そういうことで、ひは千円だ、千円であるけれども、そのうちの五%だけをひとつ会社の再建ができるまで返上してほしい、協力してほしい、千円という賃金であるけれども、あなたには五%引きの九百五十円をお支払いします、こういう形になっているわけですよ。これは今度の計算には入っておらないわけですね。ずいぶん問題があると思う。これは検討を要する点であります。

村上茂利労働基準監督官(労働基準局長)

○村上(茂)政府委員 私ども、遺家族並びに労働者の立場に立ちましてしさいに検討をいたしたのでございますが、このたな上げということが、本来賃金債権として労働者が保有しておったものを一部控除するということになりますと、基準法違反の問題も出てくるわけであります。ところがたな上げというのは、そういう賃金債権がすでに発生しておるのを、支払うべきものを一部控除して支払わなかったというふうには、どうも法的には解釈できないと私どもは考えておるわけでございます。そこで、そういった話し合いがあったということは承知しておりますし、平均賃金の中に取り込むことは法的に可能でないかどうかという点につきましても、私は三池に、現地にまいりまして、あそこの監督署長に私が直接聞きまして、いろいろ検討いたしたのでございますけれども、一部控除ということになりますと、今度は労働基準法の二十四条違反の問題も別に出てくる。いろいろございまして、すでに支払いましたような形になっておるわけでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 その点は、たな上げの問題も、多賀谷さんが指摘したように、これは生きてさえおれば、いつの日か、復配の問題等も起こっておったということですし、これはやがて必ず復元される問題なんです。しかし死んだために、自己の責めに帰さない原因で死んだために未来永劫に遺家族はかぶるという問題ですから、これはやはり会社としても支払うべき——法律上のそういう問題もありますが、道義的な問題としては支払うべきものじゃないか、こういうふうな気がいたします。この点はひとつ十分に御検討をいただきたいと思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 それは、差額は雇用関係が終了したときは払うのでしょう。ですから、未払い賃金としてあとから遺家族には払っておるのでしょう。そういう性格のものですよ。たな上げというのは、最終的に雇用関係が終了した場合には、未払い賃金として払うわけでしょう。最終的には退職時にまとめて払う。それは再建したときに払うのだけれども、一番最終的にいうと、その退職時に一緒に払うということです。その人がなくなったのですから、そこで雇用関係が切れるから、差額金として出るはずですね。

村上茂利労働基準監督官(労働基準局長)

○村上(茂)政府委員 道義的その他気持ちの上ではよくわかるのでございますけれども、いま多賀谷先生が御指摘になった、退職時に支払うというのは、退職金としてそれに加算されるという性質のものであるかどうかという点については、私ども疑問を持ちまして、これは平均賃金として、労働基準法十二条の平均賃金かどうかという算定の場合には、これを取り込むことが無理であろう、遺族の方々あるいは労働者の立場から見ましても無理であろうという見解に立ったわけであります。協定書等も私ども見ましていろいろ検討した結果、そういう結論に達した次第であります。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 それはあなたのほうが二十四条の脱法行為を認めるようになるからという論理から推定して、つじつまを合わされているんですよ。大体たな上げというのは、将来払うわけですからね。そのときの労働の対価として払うわけですから、退職時に払っているわけです。ですから、なくなったときには追加分として払っておるわけです。労災支給もそのあとにするわけですから、当然あなたのほうは払われていいんじゃないですか。なくなった場合には実に簡単ですよ。

村上茂利労働基準監督官(労働基準局長)

○村上(茂)政府委員 先ほどお答えしたとおりでありますが、もしそれが賃金債権として発生しておって、そして会社もその相当分を払う、未払い分だ、基準法違反の問題があるかもしれぬけれども、未払い分だから払うということであれば、これはあと払いということで考えのしようもありますけれども、そこら辺が明確になっていない以上、御指摘のように二十四条違反の問題もありますので、それを統一的に解釈するには私どものような扱いにならざるを得ないのではないか、遺家族のお立場、労働者のお立場はよくわかるのでありますけれども、そうならざるを得ないというふうに考えたわけでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 未払い、二十四条違反でも、金がないから、実際金融がつかぬということで、あなたのほうはいままで二十四条違反を見のがしてきておるのだから、私はその問題は事件になるようなことはないと思う。ですから、要するに会社があと払いの賃金として差額を払ったら、あなたのほうは、基準局としては労災補償金を出しますか。もう端的に聞くけれども、要するに差額金をなくなった人の遺族に渡したら、あなたのほうはそれにつけ加えて出しますか。

村上茂利労働基準監督官(労働基準局長)

○村上(茂)政府委員 その場合、そのあとで払った金額が臨時に支払われた賃金であるかどうか、ですからその払い方の問題に、もう一つ問題があるわけであります。これは労働基準法十二条の第二項、先ほど申し上げました規定がございます以上、それが臨時に支払われた賃金ということになりますと、算定上除外される、こうなってくるわけでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 それは定期的に支払われる賃金がおくれたのだ、そういう解釈ですよ。どこかでつじつまを合わそうとするから、労働者が不幸になるのですよ。あなたのほうは労働省でしょうが、どこかでつじつまを合わそうとするから、結局悪いほうにつじつまを合わせてしまったわけですよ。本来払わなければならぬ賃金の金融がつかぬから、あと払いなんですよ。そういうことですよ。そうしてそれは性格としては、当然その日に払うべき性格のものです。ただ、金融がつかないからひとつあとにしてくれ、こういうんですよ。ですからその債権は、そのときに発生しておる。支払い義務は発生しなくとも、債権は発生しておる。

村上茂利労働基準監督官(労働基準局長)

○村上(茂)政府委員 その債権が発生しているかどうかにつきましては、先ほど御答弁申し上げたとおりで、重複いたしますから申し上げませんが、後段の、もしかりに会社が払った場合にそれをどうするかという問題は、これは一つの仮定の問題でございまして、これまた事実認定として検討を要する問題でございますので……。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 事実は、払っているのか払っていないのか。

村上茂利労働基準監督官(労働基準局長)

○村上(茂)政府委員 事実は、その五%分は払っていないわけでございます。いないところに問題があるわけであります。払った場合にそれが臨時に支払われた賃金であるかどうかという解釈の問題がありますので、そこでこれは事実認定の問題といたしまして、ここで御答弁申し上げるのは差し控えさしていただきたいと思います。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 労働省の基準局としては、賃金のたな上げというのは容易ならぬことなんです。容易ならぬことですけれども、企業再建ということで労働者も協力しているわけですね。本来これは債権なんですよ。ですから、なくなった人についてはもう復元することはないわけなんですから、やはりこれはそのたな上げをした日から、さかのぼって支払ってやるというのが筋だろうと思う。そういう筋をやはり労働省としては主張していくのが、その立場ではないかと思うのです。この問題についてこれ以上議論してもなんですから、十分検討して、会社が支払ったらば、しかも賃金が臨時的な支払いという形じゃないということで、法律的に支払い義務が起こったらばお払いしましょうというような、そういう消極的な形でなくて、この問題はやはり労働省として筋を通した解決をしていただくべきではないか、こう思いますので要望しておきます。  次に、厚生省の方も見えておりますのでお尋ねしたい点は、未亡人の問題についてです。未亡人はいずれにしても働かなければ生活ができない、こういう現況にございます。そうなってまいりますと、母子寮なり住宅の問題なり、あるいは託児所の問題が必然的に起こってまいりますが、これについて厚生省としての具体的な対策をひとつ伺いたいと思います。

黒木利克厚生事務官(児童局長)

○黒木説明員 お尋ねの未亡人対策あるいは未亡人の子供の対策でございますが、これは御承知のように、県に援護相談所をつくらせまして、ここでいろいろな相談、助言に携わらせておるわけでございますが、現地の報告によりまして、一応住宅の問題は、当分の間は社宅にそのまま住むことが考えられるので、とりあえず現在は社宅を利用することにして、将来生活の拠点もそのうちにおきまりになるでありましょうから、その節に必要があるならば母子寮の新設をしたいというようなことで、現在大牟田市には一カ所公立がございますが、地元の御要望があれば、母子寮の新設補助金を出す準備はいたしておるのであります。  託児所につきましても、現在公立のもの、あるいは会社立のものがそれぞれございまして、会社立のものが九カ所あるのでございますが、会社側ではこの九カ所はそのまま存続させたいというような御意向のようでありますから、いますぐ保育所を緊急につくらなくちゃならぬというような情勢にはないようでございます。しかしこれも、地元において保育所設置の必要があるということになりますれば、私のほうで明年度二百七十五カ所の新設の要求をいたしておりますから、十分こたえ得るというような考えでおるのであります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 社宅等がしばらく使えるということでありますけれども、たてまえとしては六カ月程度で、あとはいろいろな面で、やはり出ていかなければ普通の人じゃ耐えられぬという実情になってまいります。そういうことでございますので、しばらく社宅が使えるということではなくて、積極的な形で母子寮なりあるいは託児所——この託児所、保育所については、かつて会社再建の過程において完全に保育所をストップしたというようなことで、非常な問題が起こったようないきさつもございますが、もっとやはり積極的に取り組んでいただかなくちゃならぬのではないか。  もう一つの問題点は、来年度二百七十何カ所のそういう計画があるということでありますが、あるいは地元の要望があればということでありますけれども、後ほどその点も自治省に御質問したいと思っているのですが、これは厚生省で補助をやったからといったって、二分の一の補助があるはずでありますけれども、実際は頭打ちなんです。四百万も五百万もかかる保育所に、厚生省は補助しますといって七十万円の頭打ちでやられては、地元は建てたくたって応ずることができないと思うのです。そういう問題も含めて、もっと積極的にひとつ御検討いただきたい、こういうふうに思います。

黒木利克厚生事務官(児童局長)

○黒木説明員 御意見のように、実は百六十カ所毎年保育所の予算をもらっておるのでありますが、これは炭鉱の整理等の関係、いろいろな関連した問題で保育所の増設の要望もございましたから、あるいは会社立が公立に切りかわるというようなこともございますので、炭鉱地の保育所の新設も含めまして、来年度は二百七十五カ所の大幅な要求をしたわけであります。ただ、従来二分の一の国庫負担をしなくてはならぬという規定なんでございますが、個所数をふやしたいということから、むしろ地方の要望で、誘い水があればというようなことから、補助金をだんだん減らして個所数をふやすというようなことをやってまいりましたので、来年度はこの補助金の単価も一躍従来の倍にするというようなことで、しかも補助金がついたら必ず起債その他の融資のめんどうをみるというような自治省との調整もできまして、来年度はいまおっしゃったような欠陥はできるだけ是正してまいりたいと思います。  それから母子寮の問題も、来年度は八カ所の新設の要求その他増改築の要求をいたしておりますから、地元の御要望があるならば、十分にこなせるだけの予算措置はできると思います。これは県なりあるいは市の負担が伴いますから、地元の要望を待って十分に厚生省としてはそれを受け入れる態勢にあるのでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 補助も実質的に二分の一という線で来年度以降やるというたいへんけっこうなことで、ぜひそうお願いしたいと思います。その場合起債等も考える——自治省もいらっしゃいますが、一体その起債ということになりますと、今度は限度額、一件限度というのがきまってまいります。補助をもらった、起債はたとえば、この市ならこの市では何百万円を下回っているからやらぬという、こういうことになりますと、もらえないということになる。これはどうなりますか。

岡田純夫自治事務官(財政局財政課長)

○岡田説明員 おっしゃいますとおり、一応限度がございます。したがいまして、個々にはあるいは困難な市町村が出るかと思いますけれども、これにつきましてはその他いろいろな地域の問題、総合的に勘案いたしまして、特別交付税等の場合に特に産炭地については考慮いたしておりますので、厚生省のほうでされるところの姿、経緯等を見まして判断してまいりたいと思います。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 時間もありませんので、次にお伺いしたいのですが、いまはなくなった人の問題ですけれども、今度はなくなっておらないで、現在一酸化炭素中毒にかかって入院されておる方が、御承知のように二百七、八十名おるわけでありますが、大体四つのランクに分けております。  一つのランクというのは、のどにゴムを入れて酸素を吸入さしている、これはもう死人と変わりません。たいへんなことなんです。それが十一名くらいおりましょう。第二のランクというのは、全然自覚がないわけです。奥さんが目の前におっても、いまだに自分の家族だ、奥さんだということがわからない、こういう現況であります。ただ、だんだん時日が経るにしたがって、食べものだけはほしがる、こういう現況です。第三のランクの人は、事故以前の記憶についてはある程度わかるけれども、事故後のことは二時間前に聞いたことも忘れている、そういう事態でありまして、これは非常に深刻な後遺症が残るのではないかと憂慮いたしております。これに対して、せんだっての本会議の大臣の御回答では、けい肺法等の適用によって長期給付の方途を考えていこう、こういうことでございますけれども、けい肺は重症でも寝ておればいい、この人たちは寝ているどころではなくて、食べものはほしがる、ある程度よくなったら色欲だけは出るかもしれません。いろいろな困難な問題が出てくる。したがって、だれか常に監視しておらなければならぬ。奥さんは内職することもできない、働くこともできない、こういうような問題があります。かりによくなった人でも、第四のランクにある人などでも、生活保障の問題、あるいはもとの職場で働けぬという今後の身分の問題とか、いろいろな問題が起こってきて、せんじ詰めたところ、やはり労災法の改正ということを行なわなければ、この事態を乗り切ることができないのではないか、こういうふうに考えておるのですが、この点についてどうお考えなのか、お尋ねしたいと思います。

中川俊思自由民主党

○中川(俊)委員 ちょっと関連して。いま自治省見えておりますからお尋ねするのですが、先ほど例の厚生省との間の問題で、たとえば厚生省でことしは母子寮をふやしてやるという、二分の一にするとか三分の一にするとかいうことは別として、ノーマルな状態のときにはそれでもいいと思うのだが、この三池のような突発事故が起きたときは、自治省は特別交付金か何か出す方法があるのでしょう。それでなければ間に合わないのじゃないですか。普通の、たとえば来年度から母子寮の補助金を三分の一にする、そういうことは大蔵省との折衝でそういうふうにきまったんですか。

黒木利克厚生事務官(児童局長)

○黒木説明員 いや、これからです。

中川俊思自由民主党

○中川(俊)委員 まだきまっていない。これからきまるのですね。それは二分の一にするなり、三分の一でもいいけれども、こういう突発事故が起きた場合には、特別交付金を自治省は出さなければ、とても地方財政でそんなにやれませんよ。それを出す手があると思うのですが、どうなんですか。

岡田純夫自治事務官(財政局財政課長)

○岡田説明員 一般的に産炭地につきましては特別交付税、起債その他私ども勘案して相当程度見ておりますが、特にこういったような突発事故に対しましては、私どもといたしましても十分配慮いたしてまいりたい。したがいまして、厚生省のほうでもし話し合いがつきまして、保育所等がそういうふうな問題になってまいり、その市町村としての財政能力からみて非常に困難であるということが財政的に看取される場合には、配分の際に十分考慮することはできると思いますし、してまいりたいと思います。

中川俊思自由民主党

○中川(俊)委員 そうだろうと思うのです。ですから、これはもう全くの大事件ですから、厚生省も自治省も一緒になって大蔵省とうんと折衝していただいて、特別交付金か何かやらないと……。これは普通のノーマルの状態と違うのですから、その点ひとつ御配慮願いたいと思います。

村上茂利労働基準監督官(労働基準局長)

○村上(茂)政府委員 さっきの一酸化炭素中毒患者の後遺症の問題でございますが、後遺症の問題を考えます場合に、労災保険の給付を行ないます場合に、筋道としては次のように考えております。  それは、入院をいたしておりまして、三年たってもなおらないという場合に、長期傷病者補償の問題として長期傷病者給付に移行するわけでございます。その長期傷病者給付を受ける場合には、政令でその疾病の指定を要することになっておりますので、その際にはじん肺と同じように疾病の政令指定をいたしたい、こういうことで処理できるのではなかろうかというふうに考えます。その場合には、依然として入院し、かつ療養を継続するというような場合には、年額といたしまして平均賃金の二百日分を支給し、かつ入院費その他の療養補償は全部労災保険で持つ。それから入院するまでもない、ときどき病院に行ってみればいいというような場合につきましては、平均賃金の二百四十日分を一年間に支給する、こういう制度になるわけでございます。  なお、治癒という状態には至りませんけれども、症状が固定してしまった、もう療養継続の効果がないといったような状態で、障害補償の問題に移行するというような場合には、精神に著しい障害を残したという場合には、障害補償の第一級または第三級が支給されるわけでございまして、これは年金として支給されるということに相なります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 これもいろいろな問題がありますけれども、時間がありませんのでその程度にしておきます。  もう一つお尋ねしたいのは、これは厚生省の関係かと思うのですけれども、非常に重症患者がおりますので、これは会社の方で五十ベッド程度用意しておるという話でございましたが、どこかやはり労災病院みたいなもので、専門的に五十人なりそれ以上の人を治療する必要があるのではないか、こういう点がございますけれども、これはいかがですか。

村上茂利労働基準監督官(労働基準局長)

○村上(茂)政府委員 その問題につきましては、私どもは、労災患者でございますので、そういった保険施設の設置につきましてもいろいろ検討いたしております。医療関係の調査団が十五日に現地に参りまして、現地の医療関係者ともいろいろ御相談なさるはずでございます。それが病院という形でよろしいのか、あるいは特殊な収容施設でよろしいのか、あるいは、そういうふうにまとめるのがよろしいのか分散するのがいいか、いろいろな考え方があるようでございます。いずれにいたしましても、医療調査団の調査の結果を待ちまして処理したい。ただそういった事態にも備え得るように、予算的な措置はある程度考えたいというふうに考えております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 先ほどの局長さんのお話の中で、二百日とか二百四十日——私の先ほどの質問のときにいらっしゃらなかったのですが、深刻な後遺症が予想されておりまして、家族が一人つきっきりでおらなければならぬということでありますから、そんなことでは問題は解決しないのではないか。二百日とかあるいは二百四十日程度のものをもらっても解決しないのではないかというのが、現実の姿です。この現実をよく見きわめていただいて、ひとつ善処していただきたい、こう思っております。  それでは、この問題は残っておりますが、最後にひとつお聞きしたいわけですけれども、この爆発によりまして、所在地の大牟田市と荒尾市で鉱産税の激減が起こっておるわけであります。他方支出は、生活保護費の増あるいは就学奨励費等教育関係の費用の増大、あるいは金融の、一時借り入れ金の利子、こういう問題を含めて、せんだって大牟田市長から出された資料によりますと、約四千万円、荒尾市から出されておるのは二千二百万円等が、現実にもはっきりと歳入減と支出の増という形で、純然たる財政上の負担になってきている。しかもこれが生産再開という問題に関連しまして、鉱産税等が入らないということになりますと、一カ月ごとに、大牟田市の歳入減というものは鉱産税で約一千百万円程度、荒尾市がその約三分の一程度、こういうことになっております。おそらくこれは特交で見ましょう、こういうお答えが出るのではないかと思いますが、特交でも七割しか見られない、こういうことで非常に深刻な問題でございます。これについて自治省としてどうお考えになりますか。

岡田純夫自治事務官(財政局財政課長)

○岡田説明員 産炭地一般について申し上げますと、離職者対策事業であるとか、あるいは鉱害復旧事業等につきまして相当高率の国庫補助がありますほかに、地方債を考えております。その残りのものにつきまして、あるいはまた生活保護費とか失対、特に生活保護費の急増でございますとかというふうなことを勘案いたしまして、特別交付税は、ひもつきではございませんけれども、まあいわば積算の基礎において十分と申しますか、ほとんど精一ぱい見込んで算入いたしております。鉱産税全体もやはり逓減の傾向にもございますし、鉱産税と関連してある程度の特別交付税は配分いたしております。そこで、これは一般論でございますけれども、今度の大牟田、荒尾の鉱産税の減収問題、これはまだ数字は固まっておらないのでございますけれども、一応聞いております。二月一ぱいで特交がきまりますので、そのころにはある程度実際の姿もわかってくると思いますので、そこらを判断しまして、最終の調整の際にできるだけの配慮をいたすように検討をいたしたい、こう考えております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 先ほどの保育所に関連した問題で、事情が悪ければ起債なりあるいは特交等で見るということでございますが、財政課長さんよく御承知だと思いますけれども、せんだって自治省のある人が来まして大牟田市の財政を調査した結果、数日間にわたって調査結果の講評が出ております。この講評によりますと、大牟田市の赤字は今年度の単年度、三十八年度、災害前ですが、一年間に三億円の赤字が出るというのです。それでこの自治省の講評を見ますと、将来新産都市の建設とかに負担がかかるので、何もかも国の基準どおり、あるいはよその市町村の最低のところまでやりなさい、そうすると一億五千万ぐらい浮くじゃないか。かりに一億五千万浮いても、あと一億五千万というものが三十八年度で赤字が出るということなのです。産炭地の実態は、ここまで来ているわけです。しかも数度にわたり、企業合理化のしわ寄せというものが地方財政に及んできております。そういうことでございます。この報告についてはずいぶん問題点がありますから、いずれの機会にまたひとつ自治省の見解を承りたいと思っておりますけれども、特交で見ていただくにしてもそういう問題がございます。特交ですから、これは一定の見方でなくて、自治省のある程度の尺度ということできめられてくると思うのですが、生産再開が行なわれても、二月ごろに特交をきめるという段階でも、まだきちんとこれによる被害というものはわからないと思うのです。その部分はどういうふうにするお考えでございましょうか。

岡田純夫自治事務官(財政局財政課長)

○岡田説明員 鉱産税が減収になりました場合に、それだけその団体が財政的に困難するということはよくわかります。しかし、その分につきましてはそのまま特別交付税で補てんするというわけにもまいらない。そういう点でありますとか、その他見舞金であるとか対策費を市町村が支出をすることもよくわかりますので、そこらを判断いたしまして最終決定の際に考慮いたしてまいりたい。その後の事態につきましては、また明年度以降廃閉山になった場合の鉱産税の基準財政収入をどうするかといったような問題と関連して検討すべき問題ではあるまいか、こう考えております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 ぜひ実態に即するように、しかも明年度以降なんという余裕が現地の大牟田市や荒尾市では、御承知のようにないと思いますので、ひとつこの事情をよく御存じの自治省において、十分に善処していただきたいということを要望いたします。  最後に、この爆発によりまして中小企業がまだ商売ができないという実態になっております。しかも、年の瀬を迎えて深刻な実態になっておりまして、融資の問題その他の問題等がございますが、こういう問題についても融資ワクその他の問題が起こっておりますので、こういう点についてはぜひ善処していただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。

中村寅太自由民主党

○中村委員長 次会は、来たる十二月十七日午前十時理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後二時五十九分散会

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