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45回国会衆議院1963/12/17

商工委員会石油及び天然ガスに関する小委員会 第1号

発言数
29
登壇者
7
会派数
2
開催日
1963/12/17

会議録

小川平二自由民主党

○小川小委員長 これより会議を開きます。  石油及び天然ガスに関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。長谷川四郎君。

長谷川四郎自由民主党

○長谷川(四)小委員 年末ですから、個条書き的にお伺いしますが、当局も簡潔に、あまり長い説明は要らぬから、御答弁を願います。  第一番に伺いたいのは、国産原油の取引補償についてどうやっておるかということであります。つまり、お話を承ると、現在の取引価格より少しさらに引き下げようというのが、現在の精製業者の考え方だというか、そういう事実があるかどうか。それに対するどのような対策をもって国内原油を維持させるか。こういうことを率直にお答え願いたいと思います。

加藤悌次通商産業事務官(鉱山局長)

○加藤説明員 御承知のように、国産原油は、最近の輸入原油の値下がりの状況等の影響もございまして、おおよその見当でございますが、輸入原油に比べまして大体千円くらいの値差がある。現在のところ、この値差にもかかわらず、特定の精製会社に特に御協力を願いまして引き取りを願っておるわけでございますが、三十八年度の引き取りを行政指導でお願いするときのいきさつ等から見まして、この格差を何とかひとつ解消する方向で政府としても努力してほしいという申し入れが実はあったわけでございます。そういった御要望の線に応じまして、何とかこの格差を少しでも縮めることによりまして、国内の精製業者の引き取りを促進したいという考えでございまして、現在のところでは、まだ大蔵省と折衝の段階でございますが、引き取りの促進を確保するための方法を目下大蔵省と話し合い中でございます。方法はいろいろあろうかと存じますが、一例として申し上げますと、現在国内の石炭の引き取りに協力いたしました電力会社、あるいは鉄鋼会社に対しまして、輸入重油の関税の一部を還付するということを行なっておるわけでございますが、こういった方法にならいまして、国産の原油を使った国内の精製業者に対して、輸入原油の関税の一部を還付するということも一つの方法かと思います。これは一例でございますが、そういった方向で何とかこの問題の解決促進をはかりたいということで、目下大蔵省とせっかく話し合い中であるわけであります。   〔小川小委員長退席、早稲田小委員長代理着席〕

長谷川四郎自由民主党

○長谷川(四)小委員 この問題は、簡単にお考えになられるとたいへんな問題が起こってくると思うのです。現在の国内の原油は、ほんとうに国内で使うだけのわずかな量しか出ておらない。けれども、全国民の輿望をになって今日問題がここまで到達した原油の採掘である。これをただ外国石油が下がったから、これをそのままに——同じ価格でなければ引き取らないんだ。それによって何らの行政指導もできなかった、その補償もできなかったということがもしありとすれば、重大な問題が他にも波及するであろうことを考えなければいけない。したがって、通産省は、国内の石油資源についても、この点については十分に御考慮を願わなければならないと思う。したがって、大蔵省自体が皆さん方の、たとえば通産省の交渉に応じられないなんということがあったならば、一応われわれに話していただきたいと思う。われわれは、大蔵省に向かってこれらの問題の解決に当たらなければならない使命を持っておると考えております。どうぞそういう点について、今後十分なる折衝をしていただきたい、こうお願いを申し上げます。  もう一つは海外原油の問題等がございますが、これに対する具体的な施策があるかどうか。この点については、ごく簡単でよろしゅうございますから、かいつまんでお話を承っておきます。

加藤悌次通商産業事務官(鉱山局長)

○加藤説明員 石油資源の安定的な供給を確保するための方策の一つといたしまして、民族資本の手による海外原油の開発ということが一つの命題になっていることは、先生御承知のとおりであります。そういった線で、現在すでにアラビア石油なり、あるいは北スマトラ石油が活躍をいたしておるわけでございますが、今後進むといたしましても、将来地域的に分散を考え、あるいは海外原油への依存率をさらに低めるという点から考えましても、さらに主として東南アジア方面ということになるかと存じますが、海外原油の開発を積極的に進めなければいけないということになると存ずるわけでございまして、そういった面からの話し合いがいま二、三進行中であるわけでございます。ただ、その話し合いのできました場合に、具体的に問題になりますのは、この開発に要する資金の面でございます。すでに現在の北スマトラ石油あるいはアラビア石油等がそうでありますように、既存の輸出入銀行なりあるいは海外経済協力基金からの資金的な面のバックアップももちろんでございますが、特に今後予想されます探鉱の段階から始めるということになりまするというと、どうも既存のそういった機関だけでは不十分ではなかろうかということでございまして、そういった新しい使命を帯びた新機構をつくることにつきまして、まだ進行の途上でございますが、目下大蔵省と折衝中である、こういう状況にあるわけでございます。

長谷川四郎自由民主党

○長谷川(四)小委員 もう一つ伺っておきますが、原油割り当て制は廃止されて、新たに三十七年の十月一日を期して生産調整が行なわれておる。その後、石油業法に基づいて政府は責任をもってこの行政指導に当たっておると思うのですが、政府、業界一体となった方針を貫いてきているか、どうか、こういう点についてお伺いをしてみたいのであります。

加藤悌次通商産業事務官(鉱山局長)

○加藤説明員 昨年の十月から御指摘の原油の外貨割り当て制度が廃止になりまして、形式上原油の輸入は自由ということになったわけでございますが、最近の国際的な視点から見ますと、原油の供給が国際的に見て相当過剰の状況にあるということが一点、さらに国内におきますところの石油精製設備が、少なくとも現時点においてみますると、需要量に対してかりにフルに動くといたしますと、相当供給が過剰になる、こういう問題があるわけでございます。こういった状況のもとに原油の輸入を一挙に自由化するということは、相当石油精製業界における過当競争、ひいてはこれが需要業界にいろいろ混乱を巻き起こす、これは国民経済上から見て好ましくないということで、石油業法も御制定いただいたと思うわけでございますが、そういった観点から見まして、少なくとも現在においては、過渡的ではございますが、石油業法の中で言っておりますところの石油供給計画は、実際の生産と合わす必要があるという考え方でおるわけであります。それで業法をそのまま読んでみますと、第三条の規定に基づきます毎年度供給計画というものが、審議会の意見を聞いた上で策定されます。個々の石油業者は、この供給計画を一つの目安にいたしまして、個々の生産計画を政府に提出する。政府のほうでは、その提出された生産計画を見まして、これが供給計画との関係から見て、非常に安定供給の面から問題があるというふうに考えましたときには、生産計画の変更について勧告し得る、こういう規定があるわけでございます。石油業法が最初に施行されました昨年の夏、第一回は、文字どおり業法の規定に基づきまして各社から生産計画をお出し願ったわけでございますが、トータルいたしますと、当時の需要量に対して二五%くらい供給過剰になる、こういう数字が出た次第でございます。これを一々各社を相手にして計画の変更の勧告ということでは、これはとてもやり切れないということになりまして、当時石油審議会の皆さま方の御意見もお伺いいたしました結果、現在行なっておりますところの自主的な生産調整という考え方が生まれたわけでございます。この考え方の骨子を申し上げますと、特に昨年の十一月十日以後は標準価格が設定施行されるという状況もございまして、国内での石油全体の供給量はぴったりと供給計画に合わせるということが必要ではなかろうかということでございまして、石油連盟を場にいたしまして全体の生産計画を供給計画に合わせてほしい、しかも、そのトータルを個々の精製業者に対してどういうふうに配分するかということにつきましては、ひとつ連盟の自主的な話し合いで基準を立ててやってほしいということになっておるわけでございますが、この基準につきまして、連盟のメンバーの中でそれぞれ意見の食い違いがあるわけでございます。とりあえず三十七年度の下期に行ないました基準の大きな原則を申し上げますと、過去一定期間におきまするところの各精製業者の設備能力、販売実績、処理実績、この三つの柱をそれぞれ等分のウエートで考えまして、この基準に基づいて全体の原油処理量を配分する、こういうことにとりあえずきまったわけでございます。三十八年度の上期におきましても、三十七年度の下期に対する増加量がほんのわずかであるというようなことに相なりまして、同じ基準をそのまま踏襲した。さらに下りまして三十八年度の下期になりまして、いろいろやはり連盟の内部で基準の検討が行なわれたわけでございますが、どうも連盟の内部では容易に話がまとまらないで、最終的には正副会長に一任する、しかもその場合に役所とよく相談し、役所の意見も一聞きながらきめてほしいというふうなことになりまして、現在一応決定いたしましたのは、今期になりまして、前期に対してトータルの処理量が一二%四ぐらいの増加量になっておりますが、この一二・四%の分についてだけ、新しい期間をとりました先ほど申し上げた処理実績なり販売実績なり、あるいは設備能力、この三つの基準で分けるということに相なったわけでございますが、それに対して、最近新しい設備の稼動が始まりました一、二社について相当文句が出ておるわけでございます。現在は一社でございますが、この基準について非常な御不満がございまして、最近連盟を脱退するというふうなまああまり好ましくない事態になっておりまして、私ども非常に遺憾に存じておるわけでございますが、そういった状況で、業法の運営が必ずしもスムーズにいっていないということは、非常に遺憾に存ずるわけでございます。いま起きている問題につきましては、私ども、実は懸命に協調的な方向で御協力願えるようにということで努力をいたしておるという段階にございます。

長谷川四郎自由民主党

○長谷川(四)小委員 その問題、二十一社の中になかなかうまくいかない点もある、また一社がどうで云々というお話もあったようでございますが、奥まったお話を申し上げる必要もないと思いますが、ただ政府は、要は石油業法に基づいてある一定の指導だけは責任を持って行なわなければならない立場にあるということだけは認識しておると思うのでありまして、こういう上に立って、なるべく早期にこれらの解決に当たっていただきたいと思うのであります。もし解決に当たらないというような事態が起こるとするならば、非常な混乱を招いて、その混乱の中に立つ各社も非常に苦境に立つことは、もう火を見るよりも明らかな事実でなければならない、こう考えるわけでございます。そういう点について、一段の指導というか、協力というか、一体となってその出発当初の姿に一日も早く返して、軌道に乗せていただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

板川正吾日本社会党

○板川小委員 関連して一、二お伺いしますが、政府が供給計画を発表して、その供給計画について不満があるというので、出光が石油連盟を脱退したということは、ただいま報告にも明らかですが、出光が不満とする理由というのは、率直にいって何と何ですか。たとえば、いまこの三十七年下期以降ひとつの基準として採用したものに対する不満、それだけですか。それとも他にあるのですか。その出光が不満とする、そうして連盟を脱退したという理由、それからその背景等について、わかったら、それをまず伺いたい。それからまた連盟側の主張というのはどういう点ですか。両者の間の主張の相違というものを明らかにしてもらいたい。その上でわれわれも将来判断してまいりたいと思うのです。その点をまず伺います。

加藤悌次通商産業事務官(鉱山局長)

○加藤説明員 第一点の出光さんの不満の理由がどこにあるかということでございますが、これは先ほど長谷川先生の質問にも答えましたように、当初は、生産調整には協力をしていくというたてまえで御協力を願ってまいりました。ただ、口を開いて申されるのには、この基準について相当問題が多い。出光さんの主張を端的に申し上げますと、一つは物が売れるのに、なぜ売れるだけのものをつくらせないか。逆に言いますと、販売実績なりあるいは販売能力というものを基準をきめる場合に相当織り込むべきじゃないか、こういう点が第一点でございます。それからもう一点は、御承知のように、最近になりまして徳山の新しい設備あるいは千葉の新しい設備が動き出したわけでございますが、先ほど申し上げましたけれども、この新しい設備を基準の中に織り込みますにつきまして、その織り込み方が不十分である。したがって、せっかく石油業法に基づいて許可をされた設備が、動く段階になって十分の操業度が確保できない、こういう点の御不満でございます。いずれもその基準のとり方の内容についての御不満だと思いますが、実はそれだけだと思って、私ども今後ともこの基準の改善についていろいろ連盟とも御相談して努力したいということを申し上げておるわけでございますが、最近特に出光さんのおっしゃっていますのは、さらに根の深いところに一つの理由があるのじゃなかろうか。具体的に申し上げますと、御承知のように、石油業法ができるときに、出光さんは最後まで反対の立場でいらっしゃったわけです。現在のような石油業法の非常に厳格な運用、いわば外割り時代よりもなおかつ一そう厳格な運用というものが、はたしていいのかどうか。石油業法ができた以上は、これを守る必要がある。この運用について、現在のような非常に厳格な運用で、自由競争の余地がほとんどない、ひいてはこれが弱いものを温存する、これが、ほんとうに長い目で見た場合に石油の消費者のためになるのかどうか、こういう現在の生産調整、業法の運用に対する根本的な御批判がその底にあるというふうに実は考えておるわけでございます。  それから第二点の連盟の立場と申しますか、これは先ほども申し上げましたが、石油業法に基づく設備規制というのはございますけれども、過渡的にその経過措置として認められた設備が、相当あるわけでございます。現時点においてこれを見ますと、全体の需要量に対して、この設備がフルに動きますと、大体四〇%くらいの生産過剰になるおそれがあるということでございますので、遠い将来を考えますと、石油業法のこの設備の規制だけであるいは十分でなかろうかというふうに存ずるわけでございますが、少なくとも今後当分の間は、最初に申し上げましたように、生産調整をする必要がある。しかも、生産調整のやり方につきましては、われわれの業界に対する依頼等もございまして、自主的にひとつ調整しようじゃないかということになっておりまして、これは連盟の全部のメンバーがお互いに話し合ってきめた基準に基づいて生産調整をやっておるのだ。出光さんも一員として、今期でいいますと、最終的には正副会長に一任されたということで、あくまでもそういう経緯をもちましてきめられた基準に基づく生産調整というのは守ってほしい、こういう考え方であるわけであります。

板川正吾日本社会党

○板川小委員 両者の争点がやや明らかになったのですが、そうしますと、出光の主張の中には、生産調整の基準として、設備、販売能力、処理能力、この三つを基準としておったが、その基準の内容に自分たちの主張が十分盛られていない、こういうことが第一の反対の理由。第二は、徳山、千葉に新設備ができたが、この新設備をその基準の中で取り上げるのが不十分なことだ。第三が、業法そのものに反対であったから、業法というのは有名無実な運用をすればいいのであって、厳格な運用は、これはどうも困る。こういうふうな三点だというようですが、これは私ども一業法をつくったときの経験、過去を振り返ってみましても、当時、出光としては徳山なり千葉なりの設備を拡張中であることは、もう明らかであったわけですね。ですから、そういう設備が完成をされて、それに応じた活動をしたいというときに、そういう実績を過小に評価されると、やはり出光としては困るという気持ちもわかると思うのです。ですから、そういう実情については、ある程度私は理由もあるんじゃないかと思うのです。理由があるものは、やはり取り上げてやらなくちゃならぬと思います。しかし同時に、この業法の制定、運用に反対だということになりますと、私は、このままでいくならば、連盟と出光の問題が調整がつかぬ、おのおの自由にやるんだ、こういうことになったならば、いまの石油業法ではこれを規制する力はありません。ですから、この業法を有名無実の法律にするか、それとも業法を強化するか、どっちかにこれは踏み切っていかなければならない段階が早急にくるんじゃないかと思うのです。通産省としては、その場合にどういう方向をとろうと考えておられますか。

加藤悌次通商産業事務官(鉱山局長)

○加藤説明員 私どもの目下の考え方を端的に申し上げますれば、業法ができまして、この業法の運営を一刻も早く軌道に乗っける、そういった面についての私どもの責任を痛感しておるわけであります。ところが、いま申し上げましたような状況で、必ずしも軌道に乗っておらない。これをこのまま放置すると、非常な混乱にもなりかねないということでもございますので、とりあえずは元の軌道に乗っけるための最善の努力をいたしたい、こういうことでございます。その結果、いまの業法の改正を考えるかどうかということでございますが、私どもは一応目下のところそういう方向で努力をいたしておりますが、その努力が今後どのように展開していくか、あるいに現在石油審議会の先生方にお願いいたしまして、こういった問題を御検討願うことになっておりますが、そういった御意見も十分勘案いたしながら、将来の業法をどうするかということは検討すべきではなかろうかというふうに存じておる次第であります。

板川正吾日本社会党

○板川小委員 それから、個々の会社の内容に立ち入ってまことに恐縮なんですが、出光さんが今期無配を宣言された。これは丸善石油の例がある。石油業法の目的というのは、御承知のように、低廉な供給と安定した供給をはかるということに目的がある。安定した供給をはかるためあるいは低廉な供給をはかるためには、やはり国際石油資本系でないものが少なくとも三分の一程度なくてはならぬということが、業法制定の当時の大義名分であったわけです。ところが、その国際石油資本のひもつきに丸善がなり、またその経営の状態によっては、民族系の最大といわれる出光さんがそういうことになるとなれば、これは石油業法のたてまえからいって重要なんでありますが、この無配を宣言されたという経理内容、第二の丸善になるような心配はないのかどうか、そういう点をひとつ御検討した結果があれば知らせてもらいたい。

加藤悌次通商産業事務官(鉱山局長)

○加藤説明員 世間の一部には、出光さんがいまああいう状況になっておることの理由の一つとして、少なくとも資金的に非常にいま苦しい段階にあるんじゃなかろうかという見方があることは、事実のようでございます。私も、出光さんが前々期の四割配当から一挙に無配当になり、新聞にもいろいろ取り上げられまして、記事が出たわけでございますが、先生御指摘のようなと同じ気持ちから非常に心配になったわけでございます。さっそく会社に対しまして、ひとつ経営内容、状況を話していただくようにということをお願いいたしたわけでございますが、端的に結論だけ申し上げますと、まあ丸善さんの話とは違う。前期のああいう無配転落ということにはなりましたけれども、経理の内容につきましては、新しく動き出した千葉の設備等の償却もフルにやっているということで、まあ向こうさんのおことばをかりますれば、御心配には及びませんからということで、目下の段階におきましては、私はそういう面の心配はあまりないんではなかろうかというふうに思っておりますが、なおそういった面からの今後の成り行きにつきましても、十分気をつけていきたい、こういう気持ちでおるわけでございます。

板川正吾日本社会党

○板川小委員 なお実は聞きたいのですが、きょうはもう一つの議題がありますから、その問題については後刻また伺いたいと思います。  私の質問を終わります。

早稻田柳右エ門自由民主党

○早稲田小委員長代理 沢田政治君。

沢田政治日本社会党

○沢田小委員 実は秋田の天然ガスの急激な減少に伴う問題につきまして、通産大臣からお伺いしたいと思っておりましたけれども、出席がございませんので、鉱山局長からお伺いいたしたいと思います。  御承知かと思うのでありますが、秋田県の天然ガスが、たとえば秋田市の八橋の地区を例にとってみまするならば、昭和三十七年をピークにいたしまして、たとえば昭和三十七年度の最初には日産五十万立方メートル産出しておったわけでありまするけれども、この時点をピークにいたしまして、以後減産の一途をたどっておるわけであります。昭和三十八年、つまり今年の十二月の初めには、日産十七万立方メートルというように、非常に下降の線をたどっておるわけであります。さらにまた将来の見通しといたしましては、月々一万立方メートルが減少するのではないか、こういうような状態を示しておるわけであります。さらにまた県内各地で生産される全生産量をパイプラインによって秋田市に集中的に集約いたしましたとしても、その供給可能量というものは、二十二万立方メートルという状態であるといわれておるわけであります。一方秋田市内におけるガスの需要量は、昭和三十年の初めには、四十五万立方メートルの需要があったわけであります。しかも、急激なガスの減量に伴いまして、一部の工場の燃料を重油に切りかえておるのであります。それでもなおかつ一日十九万立方メートルというものが不足しておるというふうな状態であります。私は、このことは単にガスの供給を受けておる関係会社の経営者が損害を受けておるということにとどまらないと考えるわけであります。これらの産業に働いておる、たとえば直接に働いておる二万人の労働者、あるいはまた間接に働いておる一万五千人の労働者、さらにはまた飲食店とか商店というような方々を含めますと、五万人にも近い方々が非常に大きな不安におののいておるわけであります。私は、このように、供給を受けておる会社の損害ということではなく、雇用の問題、さらには一般市民の台所に対しても不安を与えておる、こういうふうな事態に対して、通産当局がいかなる行政上の措置を従来とってきたのか、またとっていくのか、こういう点の所信を具体的にお伺いしたいと思うのであります。

加藤悌次通商産業事務官(鉱山局長)

○加藤説明員 秋田県下におきます天然ガスの供給状況は、最近非常に悪化して、これを原料として使っておられます工場に非常に迷惑をかけておる。また、これに働いておる労働者の方方、あるいは関係の方々、全部の方が非常な不安に襲われておられるということは、先生御指摘のとおりでございまして、私非常に遺憾に存じておる次第でございます。  こういう状況が特にことしの夏ごろ以来顕著になってまいりましたが、とりあえず私どもといたしましてとった措置を御説明申し上げますと、まず積極的な面におきましては、石油資源開発会社なりあるいは帝国石油会社がいわゆる通常のベースでの探鉱をやっておるわけでございますが、これをできれば追加いたしまして、この穴埋めに多少でもなるようにしたいということでございます。この夏以来両社にいろいろ話し合いをいたしました結果、当初の計画に対しまして、石油資源開発会社は合計六本、金額は七千五百万円でありますが、それから帝国石油会社のほうは五本、金額は五千万円でございますが、これを当初の予定に追加いたしまして急拠ボーリングを促進する方向でいま努力をいたしておる、これが第一点でございます。  それから開発の面の——いま申し上げましたのは探鉱の面でございますが、石油資源あるいは帝国石油にいたしましても、現在掘っておられる油田を開発するという計画があるわけでございますが、これもできるだけスピードアップいたしまして、この減耗分を補充するという方向に努力していただきたいということで、具体的に一例を申し上げますと、帝石がおやりになっております県南の仁賀保地区と申しますか、あの地区における開発を早急に進めるために——これはSKとの鉱区の調整が必要であるわけでありますが、役所が中に入りましてこの鉱区の調整を至急行ないまして、やっと夏ごろ話がついたわけでございます。今後この地区で日量六万立米の増産ができるようにということで、目下懸命にその工事の推進方について努力をしていただいておるような次第でございます。  それからこれはまことに申しわけないわけでございますが、もう一つは消極の面の対策でございます。これは先生御指摘がございましたが、すでに原料としてではなくて、工場の燃料用として使っております分の天然ガスを重油等他の燃料に切りかえるということで、一番大きいのは東北パルプでございますが、これをすでに天然ガスに直しまして十四万立方メートルぐらいのものを重油に切りかえた、こういう指導もやっております。それからこれもまことに恐縮でございますが、東北肥料の新しい第二期目の設備も完成したわけでございますが、完成のとたんにこういう状況になったということで、原料としての天然ガスを他の原料、具体的にはナフサでございますが、そういうものにも転換でき得るような指導と申しますか、そういうことによりまして、工場の操業の存続ができるようにというふうな指導を、これは軽工業局の担当でございますが、やっていただいておる、こういう状況であるわけでございます。  それから今後どういうふうにするかということでございますが、秋田地区における探鉱、これをやはりできるだけ促進するという方向で、現在予算、財投等で大蔵省に要求を出しておりますが、探鉱補助金の出し方につきまして、秋田の地区を重点的に考える、あるいは石油資源開発会社なり帝国石油が三十九年度の探鉱の計画を実施いたします場合に、できるだけ秋田地区を重点的に考えるというふうな方向への強い行政指導を行なって、この問題の解決に資したい、こういう考え方でおるわけでございます。

沢田政治日本社会党

○沢田小委員 御努力なさっておられるということは一応わかるわけでありますが、しかしながら、現実に緊急状態を克服する、こういうことについては、あまり顕著な効果は遺憾ながらあがっておらない、このように感ぜざるを得ないわけであります。たとえば県民に対する生活上の不安や雇用の不安を解消するために、秋田県自体として現在までに六千七百万円もの資金を投入して努力してきておるわけであります。御承知のように、秋田県は、全県の所得を平均してみても、しりのほうから見たほうが近いといわれるくらい貧しい県であるわけであります。この県がこれだけの巨額をこのガス資源の開発に投入しておる、こういうことは、異常な事態じゃないか、このように考えておるわけであります。さらにまた、おとといから秋田県の県議会が開会されておりますし、市議会も開かれておるわけであります。その場合、この事態を何とかして政治の力で解決したい、こういうことで、県知事や市長、市議会議長あるいは県会議長、各政党あるいはまた生産事業の会社代表、労働者代表が、全県民的な規模で陳情にまいっておるわけであります。こういう事態を見ても、いかに現在秋田県のガスの問題が深刻なその地域における社会問題になっておるか、こういう点を如実にこれは物語っておる、こういうように私は考えておるわけであります。私ども政治の衝にある者、特に行政の衝にある者であっても、陳情を受けてから初めてその苦しさを知るとか、あるいはまた深刻な状態を知るということでは、行政の席にある者がその責めを果しておるとはいえないと思うわけであります。したがって、努力をされたことはわかりますけれども、私は未然に防げたのではないかというように考えるわけであります。したがって、通産当局が、秋田県の天然ガスの事情が悪化しておる、こういう点をいつごろから知ったのか。また、そのためにどういう事前の策を自発的にとってきたのか。こういう点をお伺いしたいと思うのです。

加藤悌次通商産業事務官(鉱山局長)

○加藤説明員 御指摘の秋田県の天然ガスの供給のほとんど大部分が、八橋油田からの供給に依存しているというのでございまして、ほんとうはこの八橋油田だけに依存し切っているということではいけないわけでございます。きょうあることを予期いたしまして、一方において探鉱を並行して積極的に行なうということが当然必要であっただろう、また石油資源会社なりあるいは帝国石油会社におきましても、この辺の努力は相当なさってこられたのではなかろうかと存ずるわけでございますが、何分にも秋田八橋油田の生産の減少ぶりが非常に急速度でございまして、そういった努力にもかかわらず、これに追いつけなかったということが、一つの大きな原因ではなかろうかと思います。そういった点からいたしまして、現時点におきましても、あるいは来年度におきましても、相当重大な決意をもって本格的な探鉱に取り組むという態勢が必要ではなかろうかと存じまして、そういった方向で私たちも今後とも努力をしてまいりたい、こういうふうに存じておるわけでございます。

沢田政治日本社会党

○沢田小委員 繰り返して言うように、御努力はよくわかるわけでありますけれども、ただ、私考えてみますと、たとえば昭和三十九年度の予算要求として、通産省が要求した項目並びにその額を見ますると、たとえば可燃性天然ガス探鉱費として、一億百万円を要求しておるわけでございますね。前年と比較して三千六百万円増になっていることは認められるわけであります。もちろん若干の増になっておるわけでありますけれども、秋田県における異常にして、私はあえて言いますけれども、人災的な天然ガスの緊急事態を打開することを考慮に入れたところの予算要求と思われないというように、私としては考えざるを得ないわけであります。わずかに三千六百万円増にしたから、この緊急な事態が解消される、こういうようにはどうしても考えられないわけであります。私の聞くところによりますと、秋田県の各階層、全県民的な陳情にこられておる方々のお話を聞きますと、ぜひとも現在各社が探鉱しておるものを別として、三億円程度の緊急な金が政府の力によって出されなければ、この困難な現状を打破されない、こういう点を私は聞いておるわけであります。したがって、現在三十九年度の予算要求として要求した一億百万円、これも一全部秋田県にくるのではないと思うのです。やはり新潟県とか他の地域にも一回ると思うわけであります。この額で、はたしていまの秋田県の天然ガスの窮状が解決できる見通しを持っておるのかどうか、この点をお伺いしたいわけであります。

加藤悌次通商産業事務官(鉱山局長)

○加藤説明員 いま先生御指摘の、県御当局の予算追加についてのそういった御要望は、十分承知いたしております。実はこういう問題もございまして、何か考える必要もあろうかということで、大蔵省あたりにも実は話をいたしておるわけでございますが、何ぶん、これは事務的な話で非常に恐縮でございますが、予算の要求のトータルは前年の五〇%以内というふうな問題だとか、いろいろ事務的な制約がございまして、なかなか軌道に乗らないというのが実情でございまして、いま、秋田県のそういった御要望につきまして、国会として取り上げて、いろいろ推進しようではないかというありがたいお話があるやに伺っておるわけでありますが、私どもといたしましても、できるだけそういう方向にひとつ協力申し上げていきたいという感じでおるわけでございます。  それから、補助金の額が、これでは少な過ぎるじゃないか。確かに感じとしてはそういう感じがいたすわけでございますが、これはまた技術的な問題がございまして、飛躍的にこの補助金を増大して十分に活用できるかどうかというような、実は問題がございます。と申しますのは、本年度予算が六千五百万円で、来年一億強ということになるのでございますが、その前の三十七年度の予算がわずか五百万円ばかりであったというような状況等もございまして、その運用の面で多少問題がなきにしもあらずというふうに考えておりますので、最初にも申し上げましたが、この予算の運営の面におきまして、できるだけ秋田重点ということで現在の問題の解決の一助にしたらどうだろう、こういう感じで目下のところおるということでございます。

沢田政治日本社会党

○沢田小委員 私は、特に労働者の雇用や、市民、県民の生活に影響するエネルギーの問題、天然ガスの問題等については、一企業がやっておるから何とかなるんだろう、こういう立場はとるべきではないと思うわけです。したがって、一企業の責任にまかせることなく、やはり関係当局自体がどういう状態なのかということで、出てきてから何とかしようということではなく、そういう事態が出る前に積極的に調査して先手を打っていく、こういう態度が必要じゃないか、こういうように考えるわけであります。そういう前提に立って今後も一御努力を願いたいことを強く要望して、私の質問を終わります。      ————◇—————

早稻田柳右エ門自由民主党

○早稲田小委員長代理 この際、佐々木小委員より発言を求められておりますので、これを許します。佐々木君。

佐々木義武自由民主党

○佐々木(義)小委員 この際、本問題につきまして、本小委員会において案文を作成しまして、商工委員会において決議していただくよう取り計らわんことを提案するものであります。  まず、案文を朗読いたします。  秋田県における天然ガス不足解消に関する件  秋田県の天然ガスは、最近八橋油田の産出量が急速に激減したため大巾に減少し、天然ガスに依存している関係工場は、危機にさらされ、更に家庭燃料についても一ガスの確保が困難となり、大きな社会不安を惹起しつつある。  よって政府は、最悪の事態を回避するため、速やかに有望地区を試掘する等適切な措置をとり天燃ガスの不足解消に万遺憾なきを期すべきである。  右決議する。  以上が案文でございます。何とぞ御賛同を願いたいと思います。(拍手)

沢田政治日本社会党

○沢田小委員 私は、ただいまの決議案に対して全面的に賛成の立場から、若干意見を申し述べたいと思うのであります。  私は、国民の生活や雇用の問題に関連する資源の問題並びにエネルギーの問題については、いかに資本主義経済下にあるといえども、一私企業、いや一県の地方自治体の責任にのみまかしておくべきでない、こういう立場に立つものであります。今次の秋田県における人災的な天然ガス減産による雇用と生活の不安も、国や政府の施策がもっと適切なものであったならば、事前に防ぎ得たものである、このように考えるわけであります。私は、これらの問題について、単に金と物の面から考えるべきではなく、たとえば地域産業を助成する、いかにして雇用の安定をはかり、さらにいかにして地域格差の是正を実現していくか、こういうことに政治と政策の中心が置かれなければならない、このように信じるわけであります。全国的に見た需要量に対して、国内の供給量が僅少であるからとか、あるいはまた金がかかるからというような面にすべての政策決定の判断の基礎を置くべきでない、このように考えるわけであります。さらにまた、ある地域におきましては、産業がどんどん集中される、またある地域には、政府やあるいはまた政策上の欠陥から、現存する産業さえも崩壊する、こういうような事実は許されないというように私は考えておるわけであります。いま出されました決議案は、秋田県におきまするところの天然ガスの減産の緊急事態を打開、解決する緊急策であるというように考えるわけであります。したがって、これですべてが終わるものではない、このように考えるわけであります。したがって、私は最後に、政府あるいはまた所管官庁である通産大臣は、すみやかに長期にわたるガスの安定供給の対策を検討して、次の通常国会に提出すべきことを強く強調して意見を終わります。(拍手)

早稻田柳右エ門自由民主党

○早稲田小委員長代理 ほかに御意見はありませんか。   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

早稻田柳右エ門自由民主党

○早稲田小委員長代理 以上で本問題についての討論は終わりました。  おはかりいたします。佐々木義武君の提案のとおりの案文を小委員会の案文とするに御異議はありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

早稻田柳右エ門自由民主党

○早稲田小委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時二分散会

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