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45回国会衆議院1963/12/18

社会労働委員会 第5号

発言数
160
登壇者
13
会派数
2
開催日
1963/12/18

会議録

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長代理 これより会議を開きます。  この際、閉会中審査申し出の件につきましておはかりいたします。  本委員会といたしましては、閉会中もなお調査を進めることができますように、厚生関係及び労働関係の基本施策に関する件、社会保障制度、医療、公衆衛生、社会福祉及び人口問題に関する件、労使関係、労働基準及び雇用・失業対策に関する件につきまして、議長に閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長代理 御異議なしと認め、そのように決しました。      ————◇—————

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長代理 本日公報に掲載いたしました請願八十八件を一括して議題とし、審査に入ります。  まず請願の審査方法についておはかりいたします。  各請願の紹介議員より紹介説明の申し出もないようでありますし、その趣旨につきましてはすでに文書表によって御承知のところであり、また先ほど理事会においても協議いたしましたので、その結果に基づき直ちに採否の決定に入りたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長代理 御異議なしと認め、そのように決しました。  それでは本日の請願日程中、第一ないし第四〇及び第五一ないし第八六、以上の各請願は、いずれも採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長代理 御異議なしと認め、そのように決しました。  なお、ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長代理 御異議なしと認め、そのように決しました。     —————————————

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長代理 なお、本委員会に参考のため送付せられました陳情書は、原子爆弾被爆者援護法の早期制定に関する陳情書外十七件であります。  以上、念のため御報告いたしておきます。      ————◇—————

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長代理 厚生関係の基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。河野正君。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 本日当面している重大な二、三の点につきまして、若干質疑をいたしたいと思います。  その第一は、いま日本医師会が保険医総辞退をかけて要求しております再診料十点の新設の問題をはじめといたしまする医療費の緊急是正に関します問題というものが、非常に緊迫した情勢でもございますので、そういう点につきまして若干御所見のほどを伺ってまいりたいと考えております。なお、この問題につきましては、後ほどわが党の長谷川あるいはまた滝井委員からもそれぞれ御指摘がございますので、私は主として政治的な面についてお尋ねを申し上げてまいりたいと考えております。  本日の新聞紙上を拝見いたしましても、いま、今後の医療費の緊急手直しの問題がいかがあるべきかというふうに御諮問をなさり、そして鋭意審議をいたしておりまする中央医療協議会におきましてもこの問題が難航をいたしまして、そうして次の中医協の開会が二十六日でございますし、二十八日にはもうすでに予算が内定するというふうな情勢でもございますので、したがって、この医療費の緊急是正問題がたな上げされるというふうな公算というものが非常に強くなった、こういう点でございます。ところが、この問題が、単に日本医師会にとどまりませず、その他病院関係、あるいはまた公立医療機関関係、それぞれにも医療費問題というものが大きく影響をいたすわけでございますので、そういう意味では、やはり国民医療というものが非常に重大な事態に際会をする、そういうことを私は痛切に感ぜざるを得ないと考えております。そういう意味で、まず、こういう重大な事態に際会をいたしておりまする医療費問題について、大臣がどのようにお考えになっておりますのか承っておきたいと思います。

小林武治自由民主党厚生大臣

○小林国務大臣 これは多少の経過を申し上げたほうがよいかと思いますが、実は九月初めに、日本医師会から医療協に対しまして再診料十点を加えてもらいたい、こういうことで、医療協においてその審議をしてもらいたい、こういう希望、要望が出まして、自来、十一月一ぱいまで数回にわたって医療協では熱心にその問題の審査、協議をされたのでございまして、私どもは、医療協でその問題が審査されておる限りは別段の介入をなすべきではないということで、われわれとしては静観を申し上げ、質問等のあった場合にはお答えをする、こういう立場でまいったのでございます。ところが、十一月末になってもとにかく話は全然まとまらない、こういうことでありまして、結局、その際、まとまらないとするならばその申し出は取り下げる、こういうことが医師会から申し出があった、こういうことを医療協の有沢会長から御報告がありまして、しからばどうするか、こういう問題になったのでございますが、この際、さような申し出が取り下げになった以上は、医療協の場においてはいま協議すべきことがない、したがって、政府側からこの問題についてひとつ諮問を出されることがどうか、こういうふうなお話がありまして、私どもは、そういう事情であるならば諮問をしてもよろしい。したがって、諮問の内容等につきましても、内々お話しの上で、いま出ておる諮問が十二月の四日になされた。ところが、弔う常識的に予算というものは十二月のしかるべきときにきめなければならぬ、こういうことでありますので、私どもは、諮問はいたしまするが、しかしとにかくもう予算の編成の時期も迫っておる、こういうことで、ただ漫然と諮問をするわけにはまいらぬ、できるならばひとつ十五日ごろまでに、非常に無理とは思うが、御意見を取りまとめていただきたい、こういうことを、まあ条件と申せば条件としてお願いを申し上げたのでございます。その後、医療協におきましては、これらの問題をもう三回でございますか、お話し合いがなされておるのでございますが、いまだに結論が出ない。私どもが条件的に要望を申し上げた十五日ももう過ぎてしまっておる、こういうことでございまして、予算がいつ組まれるかということはどなたでも常識的に御存じのはずでありまして、私どもは、もし出されるならば、現状でよいというならばそれもよろしい、しかし、何かの手だてが要るというならば、予算に問に合うようにいたしてもらいたい、こういうことを強く要望いたしておるのでありまするが、この十三日の晩にもお話し合いがつかない。したがって、その次は二十六日ということを私は人を介してお聞きしておりますが、私は、二十六日等は予算には問に合いませんということも内々申し上げております。そういう事情でありまして、私どもは、医療協というものが存在し、また審議をしておる、この現状においては医療協の結論を待ってしかるべき措置をするものである、こういうふうに考えておるので、ない現在においては、事務的にも、いかにもいまのところ私どもとしては仕事のしようがない、こういう状態で、いまどうかと言えば、いままだ待っておる、まだ多少の余裕もある、こういうふうに思っていますから、十五日の期限はつけましたが、まだ最後の段取りまでには予算もいっておりませんので、多少の余裕を持っていままだ待っておる、こういう状態でありまして、事務的には何ら進むべき段階にいまないということをはっきり申し上げておきます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 私どもが非常に不可解に思いまする点は、いま大臣からも、予算編成に間に合わせるためには大体十五日をめどとして答申を行なってもらいたいというふうな御要望がございましたし、それからまた、さきには医療協というものを十三日に行なった。ところが、次の医療協というものは二十六日に開会をする。ですから、私、医療協——もちろん、それは日本医師会が反対したということも事情の一端ではございましょうけれども、しかしながら、何も医療協というものは医師会のための医療協ではございませんし、どこまでも厚生大臣の諮問にお答えする医療協でございますから、その医療協が、十三日から次には二十六日、しかも大臣としては大体十五日までにひとつ結論を出してほしい、こういう経緯を見てまいりますと、どうも私ども、医療協にも納得しかねる点がございますし、それからなおまた厚生大臣としても、諮問をなさるわけですから、もう少しこの結論が早急に出るような御配慮というものが、あるいは熱意というものが必要ではなかったか、そういう点を私ども考えるわけでございますが、一体その辺が、どういうところでそのような事情が生まれてまいったのか私ども納得しかねますので、その辺の事情について毛ひとつあわせてお答えを願いたいと思います。

小林武治自由民主党厚生大臣

○小林国務大臣 私どもは、十五日までを希望するということは強く申し上げております。しかして、二十六日というのは私は関知しておりません。どういう事情でさような予算に間に合いそうもない時期におきめになったかは、私もその席にもおりませんし、その後さようでけっこうだと言うたこともありませんし、私どもの関与しないところでございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 まあその二十六日に医療協を再開するというようなことについては関知しないということであろうと思いますけれども、しかし、やはり今日医療費問題をめぐって非常に重大な事態が発生をいたしておるわけですから、国民医療の適正をはかっていくという意味からも、厚生大臣は当然この問題について重大な関心を持っていただいておるだろうと思いますし、また持っていただかなければならぬと考えるわけでございます。ところが、どうも十三日から次の医療協の大会は二十六日だ、こういう点に対します新聞報道が出ておりますから、正式には医療協議会は次は二十六日だというふうな話がなくても、その点は大臣も十分御承知だろうと思うのです。ですから、そういう事情が起こってきますれば、このために医療費の解決というものがなかなかうまくいかぬ、そのために起こってくる国民医療というものがどういう事態に置かれるのかというようなことについては、当然お考え願わなければならぬと思うわけです。ところがどうも気になりますのは、医師会との折衝はもちろんいま中医協の主として有沢会長がやっておられると思います。それはそれなりでけっこうでございますけれども、ただ、大臣の記者会見等におきます発言を見てまいりましても、自分は医師会から信任されておらぬので、そこで医師会と文書の交換をやったこともないし、書簡を出したこともない——これは一つの具体的な事例があるわけでございますけれども、それは別として、どうも医師会の信任を受けておらぬのだから、別に医師会と誠意をもって話をする必要はないのだ、もちろん中医協に諮問しておるから中医協で適当にやりなさいというようなことでこの問題に取り組んでおられるといたしますと、またそのために国民医療というものが混乱するということになりますと、その直接責任というものは、国民医療の向上なり適正をはかっていかなければならぬというのが厚生大臣の任務でございますから、そういう意味から、いまのような感情的な立場をとられることは必ずしも適切な方法ではなかろう、こういうように私は考える。そういうことがもしこの解決をはばむ一つの原因となつておるといたしますならば、まことに遺憾な点だと思うわけでございますが、その点はいかがでございますか。

小林武治自由民主党厚生大臣

○小林国務大臣 私は一向感情的になっておりません。むしろ、いまのように機会が持てるならそれもけっこうだ、こういうふうに思っておりますし、医師会関係の委員の方にもそういうふうに申し上げてあります。私のほうから別に、話を受けた場合にいまのような感情的なことでお断わりをするなんという考えは毛頭持っておりません。ただ、前に私はこの問題でなくて他の機会に会った場合にも、何かお話はありませんか、こういうことを武見会長に申したことがありますが、いまそういう機会でないということでお断わりを受けております。そういうことで、私のほうからは別段感情的にどうこうなんということは、全然考えておりません。  なお、医療協の二十六日の問題につきましては、実は私はこれは又聞きに聞いたのでありますが、十三日の晩にも、二十六日では厚生大臣は間に合わないと言っておる、したがってそれ前、二十日前でも何か懇談の形でも何でもいいから、また協議をしたいということをその席で有沢会長から申し出ていただいたのであるが、医師会ががんとしてお断わりになった。これは私が聞いたのではありません、又聞きに聞いたのでありますが、そういう事情もあるようであります。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 いま大臣のお答えを承ってまいりますと、自分自身は医師会との間に感情的な立場をとっておらぬ、こういうふうなお話でございますけれども、しかし、客観的に私ども第三者がながめてみると、たとえば新聞紙上の記事でございますが、自分は医師会より信任されておらぬ、そこでそういうような文書あるいは書簡を出した事実もない。あえて自分は医師会から信任されておらぬというようなことをお口にされることが、結果的には相手を刺激する結果になり、そのことが感情的な対立になる、その感情的対立というものが結局こういう医療問題の——国民医療の立場からきわめて重大な問題だと思いますけれども、そういう医療問題の解決がはばまれるということになると、これは三段論法ではございませんが、私は、これはきわめて大臣としては、ことばは言い過ぎかもわかりませんけれども、やや軽率のそしりを免れぬのではなかろうか、こういうように感ずるわけです。そこで、自分自身はそう感じておられぬとしても、やはり記者会見その他で、医師会から信任されておらぬからというようなことをあえておっしゃられると、こういう点、私は、そういうことが解決をはばむ一因となるといたしますならばまことに遺憾である、こういうように考えるわけでありますが、その点いかがですか。

小林武治自由民主党厚生大臣

○小林国務大臣 それは信任をしないということも出たことは事実であります。しかし私は、そういうことはあまり気にいたしておりません。たとえば新聞記者なとに冗談話で——まじめな話でそういうことを言ったことはありませんが、雑談はいろいろいたしますから、まあゴシップにはそれは出ますけれども、しかしまじめにおれは不信任だから医師会に相手にされないなどと言ったことはありません。ゴシップ的な冗談まじりのそれはあり得る、またそういうふうな話題になり得る事項なのである、そういうふうに御承知を願いたいと思います。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 これはさきの本会議でも、いろいろ池田総理がトランジスター・ラジオのセールスマンだというようなことがゴシップに載ったとか載らぬとかいうようなことで、実は本会議の席上で論議になったわけですけれども、そのことが、自分自身では簡単におっしゃったことでしょう、ゴシップ程度にお考えになっておっしゃったことでしょうけれども、そういうことが活字になって流れる、そのことが下部に及ぼす影響が非常に大きくなって、そのためにこの反対ムードというものが非常に盛り上がってくる、こういう点がやはり医療問題の解決を阻害するということになるとするならば、非常に簡単におっしゃったことばでも、その及ぼす影響というものは非常に大きいわけですから、そういう意味で私どもは憂慮するわけです。そういう意味で、もし、ゴシップ程度にお考えになっておっしゃったことが、今日そういうことで非常に下部を刺激する、そのために反対ムードというものが非常に高まって、そうして解決を阻害するというような事態が現実に起こってくれば、やはり大臣としても、今後こういう点についてはお考えになるべきではなかろうかと私は思うのです。その点いかがですか。

小林武治自由民主党厚生大臣

○小林国務大臣 御趣旨はよくわかりました。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 私どもは、そういうことをいろいろと繰り返して論議するこことが私どもの本旨ではございませんから、そういう点についてはひとつ十分に御注意を願いたいと思います。  そこで、いずれにいたしましてもこの医療費問題が非常に重大な事態に発展いたしてございますことは、もういま申し上げたとおりでございます。そこで、これは日医のほうでは保険医総辞退、あるいはまた先般は、十二月五日のことでございますが、十二月五日におきましては医師会、歯科医師会、薬剤師会、いわゆる三医師会でこの要求貫徹の一斉休診を実施する、こういうことも実は決定をいたしておるようでございます。そこで、やはりこの問題の解決、特にこれは予算関係が伴いますから、私はじんぜん時をかせいでおくというわけにはまいらぬと思います。そこで、いずれにいたしましても予算編成までに何らかの形で事態を収拾しなければならぬ。事態収拾が困難でございますと、保険医総辞退という問題も出てまいりましょうし、一斉休診という問題も出てくるであろう、こういう事情のようでございますから、そこで要は、この医療費問題をどういう形で御収拾なさろうとしておるのか。いま中央医療協議会に諮問してその上で答申がなければいかんともしがたい、その間に予算編成は終わってしまうこういうことでは、大臣としての任務も遂行できたというわけにはまいらぬだろうというように考えております。見通しとしてはどういう形で収拾されておりますのか、この辺は非常に重大な点だと思うのです。率直にお答えを願いたい。

小林武治自由民主党厚生大臣

○小林国務大臣 河野委員も御承知のように、中央医療協というものはいろいろのいきさつを経てできてきて、この存在を尊重するとともに、諮問をした以上は答申を待つというのは、私どもとして当然の筋道だと思います。したがいまして、私どもはいまの段階においてはまだ待っておる、こういうふうに申し上げていいと思いますが、そのことにつきましては申し上げる段階でない、こういうふうに思います。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 これは法律的にも、医療費の是正をはかる際には中央医療協が諮問を受けることですから、これは私どもも異論ございませんし、また時間的にも、ここ何日かは必ずしも答申がおくれたから予算編成に間に合わぬということでもございませんから、いまおっしゃるように、最後まで中央医療協の答申に期待するというような御答弁は一応筋だと思います。ですけれども、時間的制約がございますから、そこで答申を待って医療費問題を決定するということはたてまえでございますけれども、しかし、いま申し上げますように時間的制約がございます。そこで、今後予算編成に間に合うように、やはり大臣としてもすみやかに答申が行なわれるような努力をなされる必要があると私は思うのです。そういう点については、御決意のほどはいかがでございますか。

小林武治自由民主党厚生大臣

○小林国務大臣 非常に努力をしておりますし、いまでも強く期待をしておる、そういうことで、その結果最後はどうなるか、そういうことをいま申すことはかえって不謹慎ではないかと私は思うので、やはり待っておる、こういうこと以外にないと思います。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 それでは、予算編成に間に合うまでに答申が出てくる、そういう前提だから、いまここでとやかく言うのは不謹慎だ、こういう意味でございますね。そうすると、予算編成に間に合うように、何らかの答申がなされるということについては確信を持っておられる、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。

小林武治自由民主党厚生大臣

○小林国務大臣 確信はありません。ありませんが、期待をしておる、それしかありませんよ。これは医療協のことでありまして、私は医療協に強く希望をいたしております。しかし、それを制肘するわけにはまいりません。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 もちろん制肘すれば医療協の存在価値がなくなるわけですから、それは私どももわかっておるわけです。わかっておるけれども、予算編成に間に合わぬというような事態が起こってきますと、重大事態が起こってくる。これは、私どもは単に日医の立場から申し上げているのではなくして、やはり国民医療というものが混乱してくる、そういう立場からも憂慮しておるわけです。ですから、そういう意味では大臣も私どもと同じ心境だと思うのです。ですから、やはり確信はしなくても期待をする、それは期待はだれでもしていると思うのですよ。ですけれども、期待をすると同時に、私は、ある程度やはり大臣としては確信を持つくらいの期待がなくてはならないと思うんですよ。単に期待しておる、これはだれだって期待しておると思うのですよ。ですから、そういう気持ちでは私は納得できないわけです。やはりそれは制肘できぬわけですから、最終的にはどういう結論を出すか、これは法律のたてまえからも、その結論を待つ以外にないと思いますけれども、やはり医療行政の最高の責任者でございまする厚生大臣としては、何らかの結論が出されるのだ、そういう一つの確信を持つような気持ちで期待されておるということは、当然私は望ましいと思うのです。単に期待しておるというだけでは、だれだって期待することは当然だと思う。期待は期待に間違いないけれども、しかしながら、こんな形で出されるのだ、またぜひひとつ出してもらうように努力する、そういうことを前提として期待するということにならぬと私どもは納得するわけにまいらぬ。私ども単に、先ほど申し上げますように、この三医師会なら三医師会という立場から申し上げているのではない。よって起こってきます事象が国民医療の混乱というような重大な事態でございますから、私どもはそういうことを申し上げているわけですから、そういう意味で謙虚にお答えを願いたいと思います。

小林武治自由民主党厚生大臣

○小林国務大臣 河野委員の御趣旨は非常によくわかりますよ。私も対案を持たないほど強く期待しておる、こういうふうに言えばおわかり願えると思います。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 国民医療の適正な解決をはかるためには、今日、もとより日本医師会が言っておりますような再診療十点の問題もございましょう。そのほかいろいろ諸要求があるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、医療費の緊急是正というものが当面非常に重要な問題であるというようなことは、否定することのできない事実だと私は思うんです。たとえば有沢会長が保険局長に強調せられた三点というものが言われておりますけれども、その三点を見てまいりましても、第一には、国民所得水準、生活水準が上がれば当然医師の所得水準というものも上げられることが適当である。第二には、経済成長に伴って物価が上がってまいるわけですから、これに伴う診療報酬の引き上げというものも当然必要なことである。第三には、経済が成長すれば先進国のレベルに近づくわけですから、そうすれば医療報酬体系というものも、当然先進国の医療報酬に近づけていくということがまたこれは適当なことである。こういうような三点が中央医療協議会の有沢会長から厚生省に対して指摘されておる点でございます。ですから、こういう点については、これは一応中央医療協議会の一つの考え方だというふうに考えましても、大体私は妥当ではなかろうか、こういうふうに考えるわけですが、この三点については大臣としてはどのようにお考えでございますか、ひとつこの際承っておきたいと思います。

小林武治自由民主党厚生大臣

○小林国務大臣 私はいろいろな要素をいま数え上げることはいたしませんが、ああいう諮問を出したということはおのずから何か通ずるものがある、私はこういうふうに思う以外にない。要するに、客観情勢も変化を来たしておる、その変化に対応して何かやることがあるかないか、こういうことをお尋ねしておるのですから、大体意図というものはおのずからわかりはせぬかと思っておりますが、そういうことを諮問している現在、あからさまに私どもはどうこうということはいま申し上げないほうがいい。しかし要するに、ああいう諮問をしておるからには、いろいろまわりの様子も変わっているこの際、医療費も何か見る必要はなかろうか、こういうことを申し上げておるわけで、その点はひとつお考えいただいていいと思います。個々の問題について言うと……

河野正日本社会党

○河野(正)委員 私ども細部についていろいろお尋ねをしておるわけじゃなくて、そういう細部については、むしろ中央医療協議会が答申をされるということが適切だと思うんです。ですけれども、大綱としては、大体経済が成長いたしてまいりましたし、そういう現状の中で有沢会長もいまの三つの点を強調されているわけですから、そういう方向というものはやはり大臣もお認めになる、そしてそういう方向に基づいて具体的には中央医療協議会が取りまとめて答申をする、こういう形が私は適切であろうというように考えるわけです。ですから、具体的には私どもは、いま中央医療協議会にも諮問をされておる段階ですから、ここでお答えは希望いたしませんけれども、しかし方向としては、有沢会長もそういうふうな方向を言っておられるわけですから、その点ぐらいは最低線としてここで一お認めになっても、私は何も中央医療協議会を無視したり、軽視したりということにはならぬだろうと思います。その点いかがですか。

小林武治自由民主党厚生大臣

○小林国務大臣 繰り返して申しますが、諮問した文章からいいましても、またそういう諮問を出した、こういうことからいたしましてもおのずからおわかりになるところがあるんじゃないか、こういうふうに思います。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 実は私ども仄聞するところによると、厚生省が今度の医療費引き上げという点について、これは財政当局との関係もあるからでございましょうけれども、いろいろ検討して、大体いま一応一〇%程度ということを考えておるというようなことも報道されておるわけです。ですから、私どもはそういうことが実際に厚生省の腹づもりであるのか、あるいは基本的には先ほど有沢会長から指摘された三つの問題点、こういう問題点を中心として今後御検討になるのか、そういう点についていろいろお尋ねする必要もあろうというようなことで、実はいまの三点について御指摘を申し上げたわけです。具体的な点につきましては後ほど各委員からも御質問がある予定でございますから、私は突っこんで申し上げませんけれども、ただ、厚生省が現段階で考えております値上げの幅というものは、一応一〇%程度というようなことが報道されております。そこで私は、その一〇%程度というものが、はたして有沢会長が指摘された三つの問題点と適合するのかどうかというような点も考えますので、そういう点をお尋ねいたしたわけでございます。でございますが、紙上等で報道されておりまするような、医療費引き上げの幅は一〇%程度というようなことで御検討なさっておるのかどうか。こういう点いかがでございますか。

小林武治自由民主党厚生大臣

○小林国務大臣 どういう報道があるかは私は存じませんけれども、私どもは一切そういうことに関与しておりません。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 これは大臣が関与されておらぬのか事務当局が関与されておらぬのか知りませんが、そういう問題点というものが新聞では報道されておる。私は火のないところに煙は立たぬと思うのです。ですから、私は何か根拠があってこういう報道がされたと思うけれども、しかし、大臣が周知しておらぬとおっしゃれば、私どもはあえて追及いたしません。ですけれども、一方においては、いま中央医療協議会に諮問しておる段階だから、ここで具体的な答弁をすることについてはいろいろ問題がある、こういうことを私どもにお答えになりながら、一方におきまして、どこから出てくるかわかりませんが、私は火のないところに煙は立たぬと思いますけれども、こういう具体的な数字というものがまことしやかに報道されておる。そういうところに非常に大きな問題があると思うのです。そういうことからいいますと、どうも厚生省は国会というものを軽視しておるではないか。私どもに対しては、いま中央医療協議会に諮問しておる段階だからいろいろ具体的なことを申し上げるのを差し控えたいと言いながら、一方においてはそういう具体的数字が流れている。そういう厚生省のあり方については問題があると思う。そこで、そういうことが事実であるか事実でないかは別として、いずれにしても、そういうことをなされて、また、そのために私どもが誤解だといえば誤解をするわけですから、そういうことについては私ども今後慎んでもらわなければならぬと思うのです。ですから、中央医療協議会に諮問中で、その段階では答えることを差し控えたいということであるならば、やはり厚生省はその方針を一貫してお貫きにならなければならぬと思うのです。ですけれども、そういうことが一方で報道されている。こういう厚生省のあり方は非常に大きな問題があると思いますが、その点はいかがですか。

小林武治自由民主党厚生大臣

○小林国務大臣 私は、厚生省からさようなものが出ているとは絶対思いません。また、医療協からそういうお話があればそういうこともいたさなければなりませんが、何もないいま、そういうことはいたしておりません。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 そこで、あなたがそういうことは関知せぬとおっしゃるのはけっこうですけれども、しかし、そういうのが出ておるのは事実です。ですから、そのために誤解といえば誤解がいろいろ生まれるとするならば、私は問題だと思うのです。大臣として関知されぬとおっしゃっても、どこかでそういうことが出ているということになりましたならば、一方では大臣が中央医療協に対して諮問中であるのでそういうことについてはことばを差し控えたいと言いながら、一方においてはどこかからそういう数字が抜け出してきておるというようなことは、厚生省のあり方として適当でない。ですから、もしそういう誤解の生まれるようなことが起こっておるとするならば、やはり誤解が生じておる責任があると思うのです。ですから、そういう点については今後慎んでもらわなければならぬということを言っておるのですから、そういう事実があるかないかは別として、そういう誤解が生じてくるような原因をつくったとするならば、やはり今後厚生省としてもそういう点については十分御留意願わなければならぬというように考えるわけですが、その点はいかがですか。

小林武治自由民主党厚生大臣

○小林国務大臣 それは、お話のとおり、そういう誤解がもしあったとすれば非常に残念でありますし、また、そういう誤解を受けるような何かがあったかどうかということは、よく調べてみます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 この医療費問題については、あとで滝井、長谷川委員からもさらにお尋ねのようでございますが、いずれにしても、私どもも国民医療の混乱を防止してまいりたい、国民医療の向上をはかってまいりたい、そういう意味から、今後医療費問題の収拾がいかに行なわるべきかということについては重大な関心を持っているわけですから、この問題が適切に解決せられますよう、さらに大臣の格段の御努力をお願い申し上げておきたいと思います。その点に対します御決意のほどを承っておきたいと思います。

小林武治自由民主党厚生大臣

○小林国務大臣 医療の問題は非常に重大な問題でありますから、適当に解決するということはわれわれとしても最善の努力をいたさなければならぬ、こういうように思っております。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 それからさらに、麻薬の手数料の問題につきまして一、二お尋ねをし、御見解を承ってまいりたいと思います。  さきの第四十三国会で麻薬取締法の大幅改正が行なわれてまいりましたことは御承知のとおりでございます。いろいろ私ども御指摘を申し上げます問題点が幾多ございますが、そのうちの一つでございます。麻薬免許申請の手数料が大幅に引き上げられまして、これでいま現地において問題を惹起いたしております現況があるわけでございます。特に改正されました法第十一条によりまして、その各号におきます手数料の改正が行なわれたわけでございますけれども、そのうちで業者の問題は別としても、いま一番大きな問題となっておりますのは、麻薬研究者の免許申請あるいは麻薬施用者の免許申請、それから免許証の再交付、こういうそれぞれの点に関しまする手数料が実は二倍半から一挙五倍程度に引き上げられてまいったわけでございます。でございますが、この麻薬研究者、また麻薬施用者というものは、これは主として医師でございますから、医師は当然医師の免許証を持っているし、その免許証との関連があるわけでございますから、そういう施用者、管理者、あるいはまた研究者の手数料としては非常に不当な金額だ、こういうふうな意見というものが非常に強く出てまいっておるわけでございます。この点についていかがお考えになっておりますのか、ひとつお答えをいただきたい、かように考えます。

小林武治自由民主党厚生大臣

○小林国務大臣 特に申し上げたいのでありますが、四十三国会に提出前にも関係の向きにはお話し申し上げ、衆参両院で相当の期日をかけてこの法案の審議をいただいて両院を通過している問題であります。この問題につきましては、五月に通って公布するときになって、初めて日本医師会長から私のところへ電話で非常に強い抗議を申し込まれてきたのでありますが、これは私がやったのではない、国会でもって、衆参両院で十分御審議の上通過した案件じゃありませんか、国会に出すときにもきっと多少の御相談はかけておる、それ前にお気づきにならなかったのですかということまで私は申し上げておる。この委員会でも御審議をいただいて通過をして、相当の間を置いて公布した。その公布したときに急にそういうお電話があって、私も実は驚いておるのであります。したがって、そういう手続におきまして十分周知あるいは御審議の機会もあったと思うのでありまして、ああいう際に急にさような抗議は、もう少し前にお話しくださればよかったでしょうなと、こういうことを申し上げてある。そういう事情もひとつお考え願います。  それからもう一つは、三倍だ、あるいは倍だ、まことに大きいように思いますが、いま主として問題にされておるのは一カ年間に二百円を五百円にした、それは二倍半と、こういうことになって倍率を申せば非常に大きいが、とにかく一カ年間三百円を上げただけだ、お医者さんの免許の手数料は三百円上がっただけでありまして、こういうことにつきましては、むろんよくわれわれとしては気をつけなければならぬのでありまするが、いろいろ手数料等も、ほかの関係においてもみな少しずつ上がっておる、こういうことで、この免許手数料も横とのいろいろの均衡もあって上げたものと思うのであります。国会の手続も十分審議を経ておる、しかも内容そのものについて、まことに申しわけないが、とにかく倍というと非常に大きい、二倍半というと大きいが、二百円が五百円になった、こういう事実もひとつ何とかごしんしゃくをいただけないか、こういうふうに思うのです。むろん値上げしないのが一番いいのでありますが、ほかの手数料等につきましてもいろいろそういう問題があって、横との均衡もあってこういうことをしたと思います。それで実はその際も、この法律をすぐ変えろというふうなお電話があったのでございますが、私はいま申したように、これはほんの最近の国会において御審議を経たばかりでありますということもお答え申し上げたのであります。そういう事情でありまして、倍率だけをお責めになるとまことに私ども上げ過ぎたなと思うが、とにかく三百円の問題である。それがいいというわけではありませんが、そういう内容であるということも、私はあらためて申し上げておきたいと思います。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 その法案審議前に日本医師会とも十分連絡をしたにもかかわりませず、通過後そういう無謀な申し出をするのはけしからぬという意味のお答えがあったわけですけれども、その点については、向こう側は向こう側でいろいろ言い分があるようです。たとえば原案を見たけれども、原案を見せてもらった当時は、手数料の項目については全く空欄であったというような向こう側の言い分もあるようです。ですから、私どもはそのことをどちらが正しいというようなことはあえて取り上げませんけれども、しかし医師は、免許証をもらえばその免許証というものが一生効力を発生するわけです。ですけれども施用者なり研究者なり管理者というものは医師でございますから、そういう医師が行なうための施用免許証というものが一年一年で切れる。しかもいま大臣がお答えになりましたように、二倍半ないし五倍ということだけれども、もともと金額が少ないじゃないか。私はそういう点が問題ではないと思うのです。やはり二倍半なり五倍に上げたということが私は問題だと思う。  それからもう一つは、いま私が指摘いたしましたように、毎年毎年更新しなければならぬ、それはもちろん報告の義務がありますから、報告は報告でけっこうだと思う。しかし報告しなければならぬから、免許までも再申請しなければならぬということではなかろうと思う。これは手続上の繁雑もございますし、また医師の免許証そのものは、一回受ければそれが一生効力を発生するわけでありますから、そういう医師としての立場があろうと思う。そういう点からいまこの問題が問題として取り上げられておりましょうし、また地方に対しましては、麻薬施用者の免許申請をやめろというような指令も出ておるというようなことで、かなり混乱をしておると思います。そういう混乱というものが結局は国民医療に影響を及ぼすことになってくるわけですから、こういう問題も適切に解決したほうがよろしい。また、なるほど大臣がお答えになりましたように、法律は改正されたばっかりで、すぐまたここで改正するのも国会審議のあり方からいかがかというようなことも私ども十分考えております。ですけれども、この法案が成立する過程の中で、私どもいろいろの問題点を指摘しておるわけです。そしてその答えとしては、これは前大臣でございますけれども、西村大臣から、いろいろ問題点はあるけれども、一応成立だけはさしてほしい、成立後運用の中でいろいろ問題点があるならば、すみやかに改正するということについてはやぶさかでないんだ、こういう国会答弁もあったわけです。ですから、これはもうしばらく改正せぬでもいいんだというようなことは、国会審議の過程ではなかったと思う。改正することはあり得るというようなことを前提として法律が通過したという事情もあるわけです。私も何点か問題点として取り上げまして、いろいろ御指摘を申し上げました。手数料の問題だけではございませんけれども、その答えとして、改正する段階がくれば改正することについてやぶさかではない、そこでこの国会でぜひ成立さしてほしい、こういうような大臣の希望的な発言もあったと思うのです。そういうことですから、もしそういう点がいろいろ地方における国民医療の上に混乱をもたらすようなことがあるならば、私は十分お聞き置き願って、そして改正することやぶさかではないという方針をお示しになったほうがよかろうと思うのです。そういう点いかがですか。

小林武治自由民主党厚生大臣

○小林国務大臣 お話の中には立法論的な御意見もあり、また法律というものはいつでもよくしていかなければならぬ、こういうことでございますから、引き続いて検討をして適当な措置をまたとるといたしましょう。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 そういう方向でひとつ御善処をお願いしておきたいと思います。  それからいま一点お尋ねを申し上げておきたいと思います点は、医療法に関連をする具体的な事例でございますけれども、先般医療法の改正が行なわれまして、公的医療機関については若干の規制が行なわれる、こういう方策がとられることに相なってまいりました。またその点に関連をして、当委員会におきましても、滝井委員からいろいろと公務員共済の病院設立についての御論議も行なわれてまいりました経緯がございます。ところが、さらに最近、福岡市におきます国家公務員共済組合の施設でございます聖福病院の移転、増床をめぐります紛争が発生をいたしてまいりました。この点については、もうすでにいろいろ折衝等が行なわれてまいっておるようでございますし、私どももやはり医療が適正に行なわれていく、そういうたてまえから、こういう問題が適切に解決されることを強く期待する一員でございます。この点について厚生省でどのような事情を把握しておられますのか、ひとつお答えをいただきたいと思います。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 御承知のとおりに、病院の開設の許可の問題は県知事の権限になっておるわけでございます。それで県でいろいろ事件は処理しておるのでございますが、福岡市内におきまして、国家公務員共済組合連合会の経営いたします聖福病院が、建物もだいぶ老朽化しておりますし、その土地が地主から立ちのきを要求されておるというような関係で、別の土地、たしか千早という土地だったと思いますが、そちらに移転をして建築したいという計画を持っておって、その際移転の問題と同時に増床の問題等がからみまして、付近のお医者さん方との間に紛争があり、県知事がその間の調停に努力をしておるというふうなことを聞いております。かなり折衝が進みまして、ある程度円満な解決ができるような見込みを持っておるように私は聞いておるのでありますが、いまそういうような理解でございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 少し厚生省の御判断が甘いので、私どももその点、そういう考え方を改めていただく意味において若干御指摘を申し上げておきたいと思います。  御承知のように、厚生大臣の諮問機関でございます医療制度調査会によりましても、医療制度全般にわたる改善の基本方策というものがまとめられ、そして公的医療機関の適正配置が必要であることが実は明示されておるわけです。と同時に、医療法の一部改正におきましても、この適正配置を行なっていこうというようなことで、公的医療機関につきましては、若干の規制が行なわれておるというような経緯もあるわけでございます。ところが、この福岡市を中心といたしましては、九大の付属病院もございますし、国立としては福岡基幹病院、それから南病院というような非常に充実した医療機関がありますと同時に、一方におきましては市立あるいは法人事業所病院、こういう医療機関というものが林立の状況にございます。なおまた、国家公務員共済組合の経営によります医療機関も二つほど施設がある。それからさらに福岡市の人口対病院、病床数の比率を見てまいりましても、福岡保健所管内では人口一万に対しまして一二九、博多保健所管内が一四一、南保健所管内が二三四、西保健所管内が一二五、平均いたしましても大体全人口比が一五七、こういうように非常に高い密度を示しております。そういう点から私どもも、政府の方針でございまする公的医療機関の適正配置あるいは医療法に基づきます規制というような点から毛、やはりこの国家公務員共済に関しまする聖福病院の移転、増床についてはかなり問題があるのではなかろうか。もちろん私どもも、国民医療という立場から厚生施設が充実されるということについて否定するものではございません。でございますけれども、単にそういう福祉施設という点を離れて、いわゆる医療施設の経営というような点からこの問題が推移されることにつきましては、私どもも若干の異論があるわけでございます。こういう事情でございますが、こういう事情に立脚をして、今後厚生省はどのような処置をお考えになりますのか、ひとつあわせてお答えを願いたい。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 いまお話しのように、福岡にはかなり病院のりっぱなものがあり、ベッド数も多いという点は事実でございます。また医療法の第七条の二の基準もできておりますような状態で、この点をいま鋭意努力をしておるのでございますが、さらにこの開設の申請が法の施行の前に行なわれておるというような問題、いろいろ事務的な取り扱いには問題がございますが、お話しのとおりに医療法の改正せられました趣旨にかんがみまして、また地元の一般の医療機関との関連等も考え、病院の本質というようなものを考えまして、できるだけ円満に解決ができますよう県知事、特に衛生部長をこちらも十分指導していきたい、こういうふうに思っております。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 実は、たとえば福岡にございます国家公務員共済組合経営の施設が浜の町病院、聖福病院、こういうふうにあるわけですけれども、その経営の中身を検討してまいりますと、大体七割というものが一般患者の診療ということになっておるわけです。ですから、共済組合の組合員の方々がぜひ自分たちの厚生施設としての病院の改善なり充実をはかってもらいたい、そういう気持ちがございますし、また私どもそのことを否定するものではございませんけれども、ところが実際に実態を見てまいりますと、いま申し上げますように、組合員の施療よりも一般患者の施療に当たっておるという比重のほうが非常に強い。ところによりますと、実際には組合員外が九割も診療を受けておる。これがいま申し上げます公的性格を持っております施設の実態だと思うのです。こういうあり方に非常に大きな問題があろうと思うのです。このことが、結果的におきましては民業を圧迫する、そこで一般の私的医療機関のほうから非常に強い反対がある、そこで医療体系というものが混乱する、こういうことが繰り返されておると思うのです。ですから、私は、やはり根本的にはそういう福祉施設、厚生施設というものを否定するものではないわけでございますから、そこでそういう組合員の福祉のための施設ができるということはけっこうといたしましても、それを開放して、そしてそのために民業を圧迫する、こういう公的医療機関のあり方について、私は非常に大きな問題があると思うのです。そういう点がこの福岡においても一つの大きな問題として指摘をされておるわけです。こういう公的医療機関のあり方、これは私はやはり厚生省として再検討なさる必要があると思うのです。こういう点については大臣いかがですか。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 国家公務員共済組合の病院でありながら、その組合員以外の一般の患者を六割も七割もとっておる、その設立の本旨に反するではないかというお話でございますが、この問題は、病院がありました場合にそこに患者が来る、それをそうむげに拒むわけにもいかぬ、ことに救急患者などは特にそうでございますが、そういうふうな問題とか経営の問題も中にありましょうが、そういうような点からとかくルーズになりがちだと思いまけが、あまりにそういうふうな経営が一般の医療機関と同じになるというのではその設立の趣旨にももとるのではないか、もう少しそれが設立の趣旨に沿うような指導をすべきだというようなお話も医療制度調査会の答申の中にも出ております点にかんがみまして、この福岡の事例におきましてそういうふうなことがございますれば、できるだけその本旨に沿っていきますよう、地元のほかの医療機関との調整にも十分留意して県知事がやっておるものだと私は存じておりますが、さらに一そうこちらからも指導していきたいと思います。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 私ども、人道的立場も、ございますから、いま局長がお答えになったように緊急の場合に受け付けないというようなことまで私どもは拘束すべきでないということは、当然のことだと思うのです。ですけれども、経営の実態を見ますと、ある施設によっては九割程度が一般、福岡の場合も、調査しますと七割が一般だというようなことで、実際組合員の福祉施設として利用されておる面というものが非常に狭いのです。ですから、今度は実際の組合員としては、入院しようとしても入院することができないというようなことで不平不満があろうと思うのです。こところがそれは、そういう不平不満を聞き入れるのではなくて、むしろいままでの経営のあり方について非常に大きな問題があった。ですから、私どもは、緊急の場合に一般の方々を収容するというようなことをあえて否定しようとは思いません。それは人道的立場から、そういうことはむしろ望ましいと私どもは考えるわけですけれども、実態というものはいま申し上げますように、はなはだしいところは一般患者というものは九割も入って、実際の組合員の福祉施設として利用されるのは一割しかない、こういう実態がある。私はこういう実態について今後適切な方策というものがとらるべきだ、こういうことを考えて申し上げているわけですから、そういう点に対して、これはひとつ大臣からぜひ将来の方針についてお答え願っておきたいと思うのです。

小林武治自由民主党厚生大臣

○小林国務大臣 これはお話のとおり設立の本旨にしたがって運営されるのがしかるべき問題である、そういうことで指導もしていきたい、こういうふうに思います。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 そこで具体的に、いまこの共済の聖福病院を移転させ、増床するというような方向でいろいろな折衝が行なわれております。けれども、いまここでいろいろ論議いたしましたように、その進め方については問題点がいろいろあるわけです。ですから、それに関連をして大蔵省からも御出席願っておると思いますので、この施設を移転するについて、国有財産でございます用地の払い下げの問題に関連をしております。ですが、いま申し上げますように、いろいろ厚生省としても今後指導の問題が残っておるわけです。したがって、用地の払い下げ等についても十分考慮さるべきだと思うのです。というのは、この公的医療機関の設立の趣旨にのっとってやりますと、当然閉鎖方式ということになりますればあえて増床する必要もないと思うのです。ですけれども、いま私が若干数字をあげて説明いたしましたように、七割も八割も一般患者を引き受けるというようなことでございますと、やはり増床という方向が考えられていくと思うのです。けれども、厚生省の医療行政を進めていくという方針の中からは、そういうふうな行き方については問題がある、こういうことが大臣からも御指摘になっておるわけですから、したがって用地の払い下げ等についても十分考慮が払わるべきだ、こういうふうに考えますが、大蔵省の見解を伺います。

村田博大蔵事務官(管財局国有財産第二課長)

○村田説明員 国有財産の払い下げの場合は、一般論といたしましては国有財産地方審議会というものがあります。ここで公正に御審議を願いまして、地元の意向等も反映して決定する、こういうことを段取りといたしております。  本件の場合は、かねてから地元でそういった御要請もあり、また共済病院の御要望もあるということで、その間に種々問題があることは承っておりました。財務局といたしましては県にあっせんをお願いいたしているようでございますが、ある程度原則的に了解に達しますれば、国有財産審議会で各方面の方々の御意見を承ってやりたい、したがってその問題につきましては慎重に扱いたい、こういうように思います。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 ただ私、心配いたしますのは、なるほど医療法に基づきまする認可は県知事がやるわけですから、事務的には県知事が権限を持っているわけです。ところが、その県の方針といま私どもが当委員会でいろいろ論議しております方針と、必ずしも一致してないという面があるわけです。それからさらに、また現地におきまする利益者代表と県の方針とが一致してない面がございます。そういういろいろ入り乱れた複雑な事情があるようでございます。ですから、そういう事情の中で、単に組合員の皆さんが自分たちの福祉施設、厚生施設を持ちたいというような意向が強いので、そういうことのみでこの問題が進展してまいりますと、結果的には非常に大きな政治問題になると思うのです。特にいま北九州財務局では、三千坪の払い下げというようなことがいろいろいわれておるようです。ところが、いま厚生大臣からも御指摘になったように、公的医療機関の規制をしなければならぬ、適正配置をしなければならぬという指導方針からいきますと、別に三千坪も払い下げる必要もなかろうと思う。これは閉鎖方式でいかなければならぬ。でありますから、今後厚生省の方針というものは、この国有財産の用地払い下げの問題と若干具体的に関連していくと思うのです。そういう方向というものが、明確にならない以前に、そういう払い下げの問題を完了してもらいますと、あとでまた政治的な問題が発生してくると思うのです。ですから、そういう事情というものを十分尊重しながらこの問題の取り運びを願ってまいりたい、かように考えるわけです。でございますから、いま慎重にという御発言もございましたけれども、私はこの問題は現地でかなり紛糾いたしておりますし、厚生省の方針等もあるので、十分そういう方針等も考慮に入れながらこの問題に対して取り運びをやってまいりたい、こういう意味でお答えを願いたいと思うのです。

村田博大蔵事務官(管財局国有財産第二課長)

○村田説明員 ただいま河野委員のおっしゃいましたとおり、私どもといたしましても、この問題がかねてから種々問題があることは承知いたしておりますので、十分関係方面の御意見を承りまして慎重に取り運びたいと思います。このように考えます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 この問題は具体的な問題ではございますけれども、しかし公的医療機関あるいはまた医療機関の適正配置という問題について、私、基本的に非常に重大だと思うのです。そういう意味で御指摘を申し上げ、また厚生省の善処をお願い申し上げたわけですから、今後ともそういう方向で、ぜひひとつ厚生省が御配慮していただきますることを強く要望いたしておきたいと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 ちょっと関連して。いまの問題ですが、福岡には国家公務員の共済組合のものがもう一つあるでしょう。聖福病院ともう一つ浜の町にあるはずです。二つありますね。そうすると、一つの福岡市に数少ない国家公務員のいわば専属の病院が二つ要るかどうかということですよ。こういう点も、金があるから、したがって大蔵省のように、予算編成もわりあい自由にできるところだからどんどんやっていくんだ。こういうことになると、強いところはどんどんできていってしまう。これがいけない点です。いわゆる池田さんの高度成長政策は大蔵省出身の典型的なもので、大蔵省のふるさとにあらわれておる。弱い厚生省は、こういうものを一挙にチェックできないところに厚生行政の貧弱さがある。医療行政の乱脈がある。こういうロスをきちっと切り開かないところに、医療費がばく大にふえてくるのですよ。これはひとつ断固としてやってみてください。二つもあるところに許してはいかぬですよ。いま大臣行っちゃったけれども、保険局自身にある。いま医療課長がおるから……。行政管理庁が先日、厚生省の保険業務に関して勧告をしておるはずです。その勧告の状態を見ると、われわれが初めから指摘しておるように、厚生省の保険局の中には、全国社会保険協会連合会という社団法人があって、これがやはり一つ病院をやっておる。それから厚生年金の厚生団というのがあって、これが財団法人で病院をやっておる。それから船員の船員保険会というのがあって、財団法人でやっておる。これらの財産の総計が百六十四億。そしてそれらの病院というものが、健康保険の模範的なものをやらなければならぬにもかかわらず、差額徴収をやっておる。こういう実態でしょう。しかも行政管理庁は、こういうものを三つもやる必要はない、年金福祉事業団ができたんだから、この年金福祉事業団の貸し出し業務のほかにこういうものの経営をやったらよろしい、こう言っておる。われわれも早くからこれを言っておった。同じ国の中の、しかも厚生省という中に国立病院があるほかに、また同時に、それと同じように高く保険局の病院がそびえ立つというばかなことはない。医療行政はまず厚生省の中から一元化しなさい。そしてその次に大蔵省の共済病院を言う。こういうように言いなさいということを何回も言っておる。そのままにしておるから、また最近勧告をやられておるわけです。これをすぐに三つを一緒にして、年金福祉事業団でやられるかどうかということです。これだけで十億も二十億もの医療費がすぐ浮いてくる。こういう保険局のロスを保険局みずからがやっていて、他を顧みて言う資格はない。医療課長、あなたが代表して答えてください。すぐ来年の予算編成からやりますと言えるかどうか。行政管理庁、内閣が勧告しておるのですよ。一本にやりなさいよ。

松尾正雄厚生技官(保険局医療課長)

○松尾説明員 たいへんむずかしい問題でございますので、私から直接責任を持ってお答えするわけにはまいりません。十分検討させていただきたいと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 いつも検討する検討する。この前もこういうことを私は指摘しておる。病院の運営主体が二重にも三重にもあってばらばらじゃないですか。医務局は、ちっともこれをみずから握り切れない。だからごらんなさい、大蔵省だって、福岡市内に国家公務員の共済病院を、二つも三つも要りやしないのに、金があるからかってにつくっておる。そして古手の役人のめしを食う道をつくってやっておるじゃないですか。こういうことをあなた方が断固としてやらぬから、日本の医療はだめになる。それをやらなければ保険局長も医療課長もやめなければいかぬですよ。そういうことをやらなくて医療費の問題をちびっておる。こういうけちくさい姿でしょう。だからいけないのです。どうですか。これは二つあるやつを当然一つにしていいのです。何も大蔵省だからといっておどおどする必要はない。こういう医療費のロスをたくさんかかえておるところに、日本の総医療費が七千億にも八千億にもウナギ登りになる。この七千億、八千億の中にしがみついておる人間を見てごらんなさい。その点で、こういうえたいの知れないような団体を保険局の中に二つも三つもつくって、そうして保険局は何も知らぬ顔をしてうまい答弁をする。けしからぬ、許されぬですよ。これが高度経済成長政策の姿でしょう。だからこういうところをまず大掃除をしてかかることです。これを医務局がまず隗より示してやるということです。どうです。医務局長やれますか。まず保険局の三つを一つにしていく。そうすれば三人の理事長も一人でいい。そうすればそれだけ人件費も少なく済む。理事も、十人も十五人もいるのを五人でいいということになる。その給料だけは医療費として浮いてくる。これはみんな健康保険の積み立て金からいっておるのですよ。国の金も入っているけれども、こういう医療費のロスを先に洗ってくることです。私的医療機関を調査し、公約医療機関を調査する前に、まず足元を洗ってくるということです。これをやらずして私的医療機関の実態調査をやると言ったってだめなんです。みんなたくさんの人間が、たいして仕事もせずにこういうものをしゃぶっているでしょう。だからこれをどうです。医務局長、ひとつ保険局から洗う、医務局が先頭に立って……。小山君も行ってしまったからあとで言いますけれども、これをまずあなたが洗ってみたらわかるのです。一体、これらの病院に多くのロスがあり、むだがあるからこそ、医療費が赤字になってくるということがよくわかると思う。実態を調べてごらんなさい。何も私的医療機関、公的医療機関を調べなくても、日本の医療費の実態が出てくる。どうです。やりますか。行政管理庁が勧告をしているのです。百六十四億の財産を持っておる。しかも財産の管理その他は適切でないと書いている。政府の機関が書いておりますよ。だからそれをきちっとやる。それからいまの共済組合だって福岡に二つもある。そういうものを認めるとか認めぬとか問題ではない。国家公務員だけが何も特権的に病院を二つも三つも持たなければならぬことはないでしょう。これは今井さんのところだから、ほんとうは今井さんを呼んでもらわなければならぬ。今井さんは大蔵省の元給与局長で、大蔵省の出身です。いろいろいままで長い間日本の厚生省の一流の権威としてやられておったその人が、こういうばかなことをやるのだから——この前も神奈川県に虎の門病院の分院を建てようとして私から反対を受けて、それでも二百ベッドつくってしまった。そういう力の強い人の主張はまかり通るけれども、弱い人の意見は通らぬというばかなことはない。こういうことから直してもらわなければならぬでしょう。どうですか、いまの福岡のものはここで答弁ができるはずです。福岡に二つも要る必要はないのです。北九州にもまたつくろうとしている。そういうばかなことを平然とあなた方が許しておったら、医療行政はだめですよ。どうですか、この二点だけをはっきりしてください。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 いま福岡の市内に聖福病院と浜の町病院の二つが、同じ国家公務員の共済組合連合会の経営であるじゃないか、これを一つにしたらどうかというお話でございますが……

滝井義高日本社会党

○滝井委員 一つにする約束だった。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 この点、厚生省のほうのこれは経営でございませんので、連合会のほうのお考えをいまからよく聞いてみなければいかぬと思うのですが、新たに開設する問題になれば私ども問題を出せますが、現在すでにありますものを、一緒にせよというような規制をいま政府でするだけの権限はございません状態でございますので、私のほうで言えば、ある程度そういうような点を考えて、一緒になるように指導をするというくらいの程度ではないかと思います。これにはいろいろ内部事情等もございましょうから、もう少し慎重に検討いたしたいと思います。  なお、厚生省内部の問題について、保険局の病院と国立病院との関係の御指摘がございましたが、私どもは、国立病院とか国立療養所の問題につきまして、自分のほうのことはまずやっていきたい、こういうふうに思いまして、国立療養所などは二つ、三つ近くにありますものは統合をしていく、こういうような点をいまやっているところでございまして、国立病院につきましても、できますればそういうふうにいたしたいと存じております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 医療行政というのは、あなたのところが指導するわけですよ。それを、もう一つ、いまの浜の町ですか、ここをつくるときには統合するということでつくっておるのです。発展的解消をするという約束があるのです。ところが、力の強いやつはそういうように無理をどんどんしているのですよ、金があるから。そういうのがまかり通るのに、あなたのほうが黙って見ていることはないというのです。あなたのほうは日本全体の医療行政の総元締めじゃないですか。それだけの責任と権威を尾崎さんが持たなければだめなんです。遠慮する必要はない。われわれが言うようにどしどし言ったらいい。それから保険局の問題についても、これはあなたもごらんになっておるはずです。これは役人として当然読まなければならぬ。行政管理庁で、健保とか厚生年金とか船員とか、それぞれこれらの団体ができて病院を経営しておる、その事業の性格も明確に把握されておらぬし、財産、物品の管理も適切に行なわれていない、だから民間団体に委託経営させることも適切でないと、ちゃんと書いておるのです。こういう状態が出たら、あなたはすぐ省議で、医務局長として保険局長にもの申す、こういうように指摘されておるから、これはやはりすみやかに何らかの形で医務局か何かに所管がえをしてやるべきだということを言わなければならぬ。言うことが当然だ。それを言わずに遠慮しておるから、保険局がだんだんのさばって、あなたのところは、見てごらんなさい、私がいつも言うように保険局医務課になってしまったじゃありませんか。私は曾田医務局長のときから十年言い続けているのです。もう少しあなた方の権限があるときはあなた方の権限でやって、保険局は病院まで経営する必要はちっともない。保険料を集めて、そして保険料の支払いを順当にやってくれたらいい。病院まで経営して保険料をむだに使う必要はない。むだに使っておるのです。そういう点をもう少しきちっと折り目を正していただくことを要望して、ちょうど肥田さんの質問のところに来ましたから、いずれまたこれは機会を改めてやります。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長代理 肥田次郎君。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 私は大体いまの滝井さんの関連質問にさらに関連するようなことになりましたが、時間も過ぎておりますから、質問の要点をしぼってお聞きしたいと思うのであります。たまたまいま問題になっておりましたところの、いわゆる政府の療養対策として基幹療養所をつくることについて、それぞれの地域で若干問題が起きておる。現に大阪の南部のほうにおきましても問題が起こっておりまして、このことについて私は具体的に質問したいと思うのであります。  それは、御承知のように堺市には大阪厚生園というのがあります。  それから貝塚市には大阪療養所というのがあります。これの統合問題が起こって、そしてそれに対して、先般私がちょっと聞いたところでは、当局のほうの理解のしかたと現地におけるところの理解とは、若干相違があるように思う。これについて、当局のほうではどういうふうに理解をされておるのか。今日までの経過を、かいつまんでよろしいから、ひとつ知らしてもらいたいと思います。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 大阪府内に、国立の結核療養所は、お話の厚生園のほかに大阪療養所、千石荘、刀根山療養所、福泉というふうな五つの施設があるわけでございますが、日本の結核の患者数等が、結核対策の成功と申しますか、生活水準の全体の向上という面もあると思いますが、それによりまして漸次新しい登録患者等が減りつつある。現実に結核予防法によります命令入所等も相当強化せられておりますが、入院の患者数は多少減っている傾向にある。病床の利用率も、前は超満員だったのが九〇%か八〇%におりてきておる、こういうふうな状態でございます。そういうような結核の将来のことも考え、またそれかといいまして、結核は日本としては相当重大な疾病だと思いますし、その予防態勢を最後までになうのは国立療養所でなければならぬ、そういうようなことを考えて、その両方のかみ合わせによりまして、まずしっかりした結核の基地と申しますか、基幹になるような療養所をつくっていく、建物もしっかりしたものをつくっていく、特に結核に対しましていま日本の結核の研究者が少なくなっておりますので、そういうようなところで結核の研究をどんどんやらしていく、こういうような考えを持っております。それで大阪におきましては刀根山というふうなりっぱな施設もございますが、厚生園を一つの基地にしていきたい、こういうふうに考えまして、御承知のとおりに大阪厚生園は、ずっと昔、別の和歌山県との境の辺の山の中にあったのでありますが、そういうようないまの計画を一応根底に持ちながら、現在の堺市のあの土地、それが駐留軍の使用になっておりましたのを解除せられました場合に、とりまして、あそこにそれをつくろうという立場で、いまの大阪療養所をそこに一緒にして、二つを一緒にしていまのスタッフも強化し、そこに資金を投入して建物もりっぱな療養所をつくっていきたい、こういうような考えで進んでいるわけで、現地の理解とはあまり相違はないはずだと私ども承知いたしております。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 堺というよりも、大体旧表現でいくといわゆる泉州ですね、泉州にある、いまおっしゃった堺の厚生園、それから福泉の療養所、貝塚には大阪療養所と隣り合わせで二カ所、全国でもこんなふうに一地域に療養所がたくさんあるというところは確かに珍しいと思います。しかしこれは歴史があるのですよ。たとえば福泉の療養所をつくるにおいても、当時相当な反対を押し切ってあの地域に療養所を設定した。こういうふうにかつては相当な反対を押し切って療養所ができて、そうしてできた療養所が今日統合されるということについても問題があるし、それから先ほどの話の続きになりますが、堺には国立の大阪労災病院というのがありますね。これは厚生園と目と鼻のところにあるのです。この堺市にあるところの厚生園というのは、確かにおっしゃるように旧陸軍用地内にあったところなんです。ここへ貝塚を統合する、この地域が基幹病院になる、こういうことになるのですか。貝塚の療養所と堺の厚生園と、これはどういう関係になりますか。これを統合廃止するという、これは結果的にはどういうことになりますか。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 いまの大阪厚生園と大阪療養所の二つを一緒にして、どちらを中心というわけではございませんが、両方が一緒になりまして基幹的な療養所にしていきたい、こういうような考え方でございます。大阪療養所を廃止すると言うとちょっと変でございますが、それを二つ一緒にするということでありまして、その地区には千石荘がまたある。だからその地区の結核の患者にそう迷惑をかけるということはないと考えております。四つ、五つあります療養所を全部整備していくというようなことも、いまお話しがございましたように、国立の施設としてできるだけ統合していいものをつくっていきたい、スタッフもなかなか結核の医者のいい人材を得にくいような時代でございますので、そういうふうにしてまとめてりっぱなものをつくっていきたい、こういうような考え方でございます。  なお、労災病院のお話がございましたが、大体労災病院は、やはり労働災害の関係の病院としての本質を貫いてもらっていけば重複しないというような考えを持っております。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 大阪厚生園と大阪療養所を具体的に統合するというのは、一体どういうことなのかということをお聞きしているのが一つです。これをどういうふうにされるのか。というのは、現地に対する理解が少し違うのじゃないか、私らが聞いた範囲と当局の考え方というものに——現地ではこれを一本のものにするというのは実は口実で、公害の多い堺にあるところの厚生園を基幹病院として整備をする、そして貝塚にあるところの大阪療養所というのは千石荘があるから取りつぶすのだ、こういうふうにいわれておるわけなんですが、この関係をはっきり聞かしてもらいたいということです。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 場所からいいますと、いまの大阪厚生園のある堺の場所ということになりますが、大阪厚生園も、背はもう少し府の南のほうの和歌山県寄りにあったものを特に基幹療養所にするために持ってきたわけで、その前のところは取りつぶしておるわけであります。そして大阪療養所も持ってきて両方一緒にしてやっていこうというわけでございまして、大阪療養所だけを廃止してしまって、厚生園を盛り立てていくという意味ではございませんで、両方が一緒になるという立場でございます。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 そうしたら、それぞれの地域においてこれが整備されて、ただいわゆる事務上の問題だけが統一されて運営されていくのだ、こういうふうに理解をしてよろしいですか。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 そうではなく、二つのものを一緒にして堺の土地につくるわけであります。いま同じ国立を二つも三つも持っておるのをなるべくまとめていけというお話もございましたが、結核の将来の見通しも考え、また医療陣もいい者を得るという立場から見ましても、国立の療養所二つを一緒にいたしまして堺の土地に建てていくという立場でございます。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 そこで私は、現地の理解とあなたの言われることと食い違いがあるということを言っておるわけなんですが、それはもうすでにそういうふうに決定をされて、着手をされるのですか。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 同じ方針で、すでに東京におきましては東京療養所と清瀬療養所を一結にいたしまして、東京療養所の土地にすでに建設を始めておりまして、工事もずっと二、三年続けてやっております。また福岡におきましても、あそこに三つばかりございますが、これを福岡東病院という名前のもとに一緒にするという立場で整備を始めております。同じような立場で、大阪厚生園と大阪療養所を一緒にして、堺にある金岡と申しておりますが、あの土地へつくっていこうという方針を決定いたしまして、近日着工する予定でございます。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 堺の船尾ですか。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 いまの大阪厚生園の、労災病院の隣の土地、たしか金岡という土地だったと思います。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 あの土地は黒土、長曾根の地域になりますが、それはもう具体的に着手されるのですか。それはいつごろになりますか。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 設計も大体きまりましたので、近日着工いたしたいと思っております。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 そこで局長、私は、それが近日着工されるということは、当局は非常に大きな誤りをおかしておられると思うのです。御承知のように、堺は日本でも有数の臨海開発をいまどんどん進めておるところなんです。そうして大阪厚生園というのは、臨海開発の埋め立てが始まるまでは海岸線からわずか三キロくらいの地域にあったのです。現在では大体四キロくらい沖に埋め立てが行なわれておりますが、その地域全体に工場が建つ。周囲がもうほとんどいわゆる工場地域になるのです。こういうところに結核療養所の基幹病院をつくるというその考え方が、どうしても理解できない。むしろ基幹病院をつくられるというなら、現在の貝塚にある大阪療養所と千石荘、この二つを統合されるということなら、私は地域的にたいして問題が起きないと思う。これがなぜそういうことをやられないで、千石荘はそのままにしておいて、大阪療養所のほうを結局はつぶすことになるのか、そうして堺の公害の多い、将来は人口百万の大工業地域になるといわれる地域のすぐそばに結核療養所を持ってこなければならぬのか、これはどういうふうに理解したらよろしいですか。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 いまのお話の点は、私のほうも十分検討いたしたのでございます。あちらの都市計画関係の方の話も聞き、風向き等も検討いたしました。あの付近に住宅地もどんどんできております状態から見まして、それと大阪療養所がいまあります貝塚地区が将来泉南工業地域として発展していくというようなこととか、いろいろ考えました末、現在の方針でいこう、こういうふうな立場に決定しておるわけでございます。特にそのほかに、これは小さい問題ではございますが、大阪療養所とか千石荘のあの土地は市の土地でございまして、市としていろいろ考え方があって、早くのいてくれというような要求もあるのでございまして、われわれもその点困っておる問題であります。またこれも小さいけれども、実際上はなかなかむずかしい問題でございますが、あすこのおのおのの療養所の医者の出身の大学の問題、こういうふうな関係から、この両方の統合をしなければなかなかむずかしい問題があるわけでございます。いろいろな点を考えました末、現在の方針でもっていこう、こういうことで決定したわけでございます。  なお、東京のほかの療養所等につきましても、いまのばい煙等の問題はわれわれ頭を痛めておる問題でございますが、いまの金岡地区もそれほどひどくはならないのではないか、もしなければということで、冷暖房等もわれわれとしてはある程度考慮していかなければならない、こういうふうに考えております。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 現地の認識は東京におられては十分ではないと思いますが、大阪湾というのは、その昔西行法師の歌にもあるように、あれは午後になりますと必ず西風が吹くのです。大島ではありませんが、朝は東風、そして午後は西風になるのです。そうすると、工場のばい煙というものは全部山手へやってくるのです。こういう状況があります。これは余談になりますが、われわれのほうに労働金庫というのがございまして、堺に金庫をつくりました。将来の堺は普通の建物ではとてもだめになるのだろうと思って、大いに奮発をして空気を浄化する建物をつくったのです。窓の開閉はなしです。そして空気をろ過して室内の清浄な空気を保とう、こういうのを、労働組合が中心になっておるところの労働金庫さえやっておるのです。それをわずか海岸線工業地帯から二キロか三キロの地域にあるところの病院が、たいして工場のばい煙その他の公害はないだろうというのは、たいへんな認識不足です。現在あるところの大阪労災病院というのは確かにやむを得ぬと思います。将来百万都市ができるというのですから、少々都心になっても、工場地域の中心になってもこの病院の選定はやむを得ないと思います。けれども、なぜそんなところへ結核療養所としての基幹病院を将来つくらなければならぬのか。大阪府下全体の住宅対策としては、それからずっとはるかに、まだ三キロも四キロも下がったところのいわゆる後背地の丘陵に住宅を建てておるのです。ですから、この地形としては、だれに何と言われても、貝塚市の現在あるところのこの地域に、いわゆる結核療養所としての病院を確保するということは一番正しい認識だと思う。この地域は市の土地だ、こういうふうに言われましたが、確かにこれは大阪市の土地です。こういうことで問題があるなら、これはわれわれが大いに力を入れて、大阪市が、そのあたりにわずか持っておるところの昔の因縁のついておった土地を現在の大阪市に返せというような行動は起こさせません。これはわれわれが引き受けます。そういう条件だと私は思うのです。結核療養の基幹病院がこの公害のどまん中にできるということを聞いて、実は私は驚いたわけです。このできる結果についても、いろいろとここに若干の資料をもらっておりますので、これもちょっとと参考のために申し上げておきたいと思うのです。  いま病院ができれば、ベッド数がたしか四百八十くらいになるのです。ところが現実には、これはそれのすぐ半分、三分の一くらいになりますね。こういうベッド数でいいのかどうかという疑問が一つ起きます。合理化の影響というものが、こういうところでベッド数を減らすという姿の中にあらわれておって、ほんとうの口実にしかすぎない。ただそういう病院を二つを一つにして、どうも入院患者が減っておるのだという。ところが入院患者が減っておるのじゃないのです。入院患者というものは、いろいろな条件もありますけれども、とにかくいいところへ行きたいという気持ちがあるからそれで減るのです。堺の裏の羽曳野には大阪府の療養所があるのです。こういうのがあるものだからみんなそこへ行きたい、そこへ行きたいというので、じっとしんぼうして待っておる。これは減っておるのじゃない。みんな自宅療養かあるいは薬なんかで間に合わせの療養をやっておるのです。これはたしか三十八年九月二十四日、厚生省関係から出た記事だと思うのですが、患者は減っておらぬということをはっきりいっておる。ただこれは登録しておるところの患者がはっきり出ておらぬので、その結果、いうところの患者数、それから入院患者数との差があらわれておるのだ、こういうふうにいっておるのです。しかもこの結果は、いわゆる薬の乱用によってこういうことが起きておるのだ、薬を乱用させてはいかぬ、抗菌性ができたら治療ができなくなる、こういうふうに厚生省のほうでは言いながら、現実にはどんどんとベッド数を減らして、そして入院しようにも入院できないようなことをやろうとしておる、こういうことはどういうふうに理解をしたらよろしいですか。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 結核実態調査におきましても、要入院患者は減っておるはずでございます。それからいま結核患者の入院の率の問題を私申し上げましたのは、千石荘だとか大阪療養所という問題ではなく、日本全体の結核療養所のベッドの占有率と申しますか、利用率が、前は一〇〇%以上だったのが九〇プロになり、八〇プロになる、こういうふうに全体が減っておるということを申し上げたわけであります。結核の実態調査におきまして、要入院とせられる者も減っておる。実際上において相当結核の医療費対策も進んでおるにもかかわらず、実際に入院しておる患者数も減っておるということを申し上げたわけでございます。しかし、それはとにかくといたしまして、いまの統合して建てる予定でおります建物は、四百八十ベッドではなく八百ベッド建てる予定でおります。第一期工事としては、一挙に八百ベッド建てるのではないと思いますが、八百ベッドを予定しておりまして、現在の大阪厚生園のベッド数よりも大きなものができるわけでありまして、決していまのお話のようなことにはならないのであります。建物ができまして患者数がそれ以上あった場合には、木造の大阪厚生園の建物を使ってやるなり、またその状態が相当恒久的になれば、さらに増床ということも考えなければならぬ、こういうように考えておるわけであります。これはほかの、いま東京でわれわれが考えており、また九州で考えておりますものに共通した考え方でございまして、その点少し現地の組合側がデマを飛ばしておる、そのように私は考えております。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 私は現地の組合のことを聞いておるのじゃないのです。確かにいま言われた数字は——私も数字を訂正しておきます。大体千二百八十ベッド、それを八百ベッドにするから、結局四百八十不足になるのだ、そういうふうに訂正しておきます。  それから局長、泉南の地域における届け出数というのは、実情として泉南だけでこういうことになっていますよ。堺を除いて泉大津市とそれ以南で約四千九百くらいの届け出患者があるのに対して、一般のも入れて二千六百前後の病床しかないのだ、こういう数字が出ておる。それから死亡率にしても非常に高い。たとえば貝塚、南海町、泉南町、この貝塚市以南の地域で見ると大体五十から六十人の死亡率が出ておる。これは私がとやかく言うのではないのですが、大阪厚生園というのを何も堺に、あのじんあいの多い、ばい煙の多いところに建てなくても、もっと建てる場所があったでしょうということを引き合いに出すために言ったのです。何もあんな将来の工業地域のどまん中に結核療養所を建てることはない。結核療養所というものは、どこを探してみたって大体空気のいい、そして環境のいいところを選定してあるものなんです。それをなぜ今度堺に建てなければならぬのか。応急に収容しなければならぬのなら、どこの病院でも収容します。市民病院でも収容するし、それからいまの労災病院だって収容するし、みんな収容するのです。長期に療養させようというのを堺に持ってきても、まるで機械化で生産を上げるように、設備の完備した工場を建てればそこでどんどん製品が上がってくる、入院患者も設備のいいところに入れればどんどん全快して、いままでの倍も数倍も回復率が上がってくる、こういうことにはなりませんからね。そういう意味で私は言っておるわけです。  それからもう一つ、具体的にそういうことが将来行なわれるとなると、当然問題になってくるのは、その病院で長い間二十数年勤務したところの、これは確かに局長が言われておる組合関係者の意向になってきますが、こういう者の扱い方についてどういうふうに配慮されておりますか。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 いまの金岡地区と申しますか、堺のほうに統合することについて、私たち十分研究して決定し、さらに、結核の療養所というのは、昔は、いまお話しのように、いなかとか山の中に建てられておりましたが、必ずしもそういうようなことが大きな要素ばかりではない。それだからといって、スモッグ地帯がいいというわけでは決してございませんけれども、そういうふうな問題と同時に、いい医療陣を集めなければならぬというような問題等もいろいろ考えまして、さらに言えば、結核だけではなかなかいい医療陣が手に入らぬという問題がからみ、将来のことをいろいろ考えまして、胸部疾患センターというような性格を一部持たしていきたいというようなことを考えたりいろいろいたしまして、いまのところを決定したわけでございますが、御意見もございますので、われわれももう少しさらに検討をやってみたいとは思います。  それから、これができた場合の従事員の問題でございますが、従事員につきましては、病床の減床をする予定はございませんから、首切りという問題は起こらぬと思います。少し通勤距離が遠くなるというような方があると思います。この点は、御希望によれば、ほかの施設がございますので、その辺との話し合いを持っていって、できるだけ御便宜をはかりたい、こういうようなつもりでおります。しかし大阪の土地で、そうひどく離れておりませんし、交通もわりあい便利なところでございますので、十分話し合いができ得るものだと信じておるわけであります。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 これはむずかしい問題なんですね。われわれも、そういう際にただ画一的にどうだこうだということは言いませんが、そういうことがもうすでに実施されようとするなら、そういう問題をできる限り混乱を起こさないようにやられることが大切だろうと思います。私も一、二回あの病院へ行きましたが、数十人の人が集まって、いろいろとそれぞれの意見を言っておりました。少なくとも私がそこで感じた範囲では、入院患者のもうごく少数の人を除いては、やはりこの病院がなくなるということは反対だ、ここで療養さしてもらいたい、こういう意向が非常に強いということであります。  それからお医者さんを含めて私の手元にきておるだけでも、大体二百名近くの署名でいわゆるこの統合反対という陳情書がきております。こういう状況でして、少なくとももう手放しでどうかひとつ堺の厚生園のほうに統合してくれ、一切そこでやってくれという気持ちは、おそらく私の印象では、これはなかったように思うのです。こういう問題は非常に重大な問題だと思います。特にいつごろこれに対して具体的な統合の実施をされることになるかということは、私はむしろ聞かないほうがよかろうと思います。むしろそういう点を現地と十分折衝されて、混乱の起きないような状態の中でこれらの実施に手をつけられるということについては、われわれもそう反対ということは申し上げませんが、しかしそういう点が万全の手を打たれないということになると、当然いわゆる既得権益と申しますか、それぞれのいわゆる既存の権利上の問題も生じてきて、いろいろな困難な問題が起きると思いますから、特にその点については要望しておきたいと思います。  時刻も一時半近くになりまして、社会労働委員会が労働基準法に違反するような状態になってはまことに申しわけないと思いますから、今後この問題が起きた場合、またあらためて質問をさしていただくということで、きょうは打ち切りたいと思います。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長代理 午後二時三十分まで休憩いたします。    午後一時二十五分休憩      ————◇—————    午後二時四十五分開議

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。長谷川保君。

長谷川保日本社会党

○長谷川(保)委員 医療費緊急是正の問題でございますけれども、午前中の質疑において、大臣もこれらについて何とかしなければならぬのだけれども、いまさしあたっての方法がつかないのだというような御意向のように承りました。確かに日本医師会といたしましても、再診料問題をあくまで貫きたいというようであり、またそれに対しまする支払い者側の反対の御意向、非常に重大な立場に立っておられますからこの問題はたいへんだと思いますけれども、しかし日本医師会が再診料という立場であくまで貫こうといたしまするその立場を、私はひそかに自分なりに推察をいたしまして、そこには大きなやはり厚生当局に対する不信がある。申すまでもなく、三十六年以来診療報酬に対する是正はほとんど行なわれておらぬと言って差しつかえない。部分的には単価の改正等もございましたけれども、ほとんど行なわれていないと言って差しつかえない。今日人件費及び物価の高騰という点から申しましても)今日までほとんどこのようなふうに放置されたということにつきましては、これは厚生当局に非常に重大な責任があると私は思う。ことに、いま心配しなければならないのは、病院の経営が非常に苦しくなってきているということであります。   〔亀山委員長代理退席、澁谷委員長代理着席〕 これは日本病院協会及び日本療養所協会等からも厚生省に、あるいは有沢中医協会長に対しまして申し入れがあり、また衆議院議長あるいは参議院議長にも申し入れがありましたようでありまして、この問題は私はやはり何としても今回の予算に組み込む道を踏まぬと重大な段階に立ち至る。ただに病院の経営が行き詰まってしまう、崩壊的な立場になるというだけでなくて、これは患者のほうに非常にしわ寄せがすでにきておるわけですから、これらの点をどうしても今回の予算にやはり組み込むという緊急是正をやらなければならないと思うのであります。そこで医師会の厚生当局に対する不信、これにはいろいろな問題がございましょうけれども、大きな問題は、何と申しましても診療報酬の改定である。率直に言えば改定の問題である。でありますから、さしあたっての緊急是正、医療費の緊急是正を予算に組み込むために、大臣もその御意思をお持ちでありますので、それはそれとしてやるが、しかし必ずそのあとで、来春以後において根本的な診療費の改定、もちろん再診料の問題も含めまして根本的な改定に対する努力をする、そういうことをいま大臣が言明することによってこの窮境を打開する道があるのではないか、こういうように思うのであります。もちろん、この問題は中央社会保険医療協議会の議を経なければなりませんし、その他の機関の議も経なければならないわけでありますけれども、しかし厚生省の方針としては、今日の緊急是正をやっていくが、あわせてそのあとに必ず根本的な診療報酬の改定等をするということを言明することによって、その道が開けるのではないかというように思うのであります。それらの点について、大臣、そういうような努力をして——午前中にも河野委員から御指摘がありましたように、国民医療が崩壊するというおそれを多分に持っておりますので、この窮境を打開して、あわせて病院や療養所協会等の悲痛な申し入れ、あるいはそれがすでに患者のところに大きくしわ寄せになってきておりまするその問題の解決の道を切り開くべきではないか、その御意思はないかということをまず伺ってみたいと思います。

小林武治自由民主党厚生大臣

○小林国務大臣 これは私は少し詳しく申し上げたいのでありますが、前からの連続としまして、長谷川さん御存じのように医療費が適正であるかどうか、こういうことを検討するためには、どうしても医療医業の病院、開業医を通じての実態調査がぜひ必要だ、こういうたてまえになっておるので、私はよく存じませんが、前には医師会の会長も実態調査はよかろう、こういうことを言ったことがあるようなないようなことも聞いております。その後、私は会長に直接、実態調査をぜひしたい、それについては協力をしてもらいたい、こういうことを申し出てあるのでありますが、これを応諾されない。こういうことで先般も医療協におきましてそういう質問が出たのでありますが、私は今回の緊急是正ということばを使っておるのは、非常に微妙なことばである。すなわち医療費全体が適正であるか、あるいは改定を要するか、こういうことについてはぜひひとつ第三者と申しますか、世間の納得する調査をもとにしてやりたい。したがって、いまそれがない、そのためにやむを得ず緊急是正ということばを使わざる得ない、こういうふうに私は考えておるのでありまして、この実態調査をする、また適正化というものについて本気に取り組むために、御案内のように、医療費の基本問題研究員というものも委嘱してありまするし、この方々がある程度科学的と申しますか、学問的にこの問題の究明にあたっていただいておるのでありまして、これが一年か一年半たてばある程度結論も出てくる、こういうふうに期待しておりますし、一方医業そのもの、病院の実態、こういうものについて私どもは客観的にたよりになる資料がぜひほしい、こういうことを思っておりまして、先般医療協の質問でも実態調査をしなければ真の適正化あるいは改定はできない、こういう質問があったが、私はそうだと思う。ついては実態調査とはどういうことだ、こういう質問が医療側の委員からあったのでありますが、これはとにかくどういうものかと言えば、第三者、世間がそれなら信用しよう、こういうものでなければならぬ。たとえば業者自体が自分で調べて、これを信用しろと言っても信用されぬかもしれない。いま現に医師会では実態調査のようなことをおやりになっておるそうでありますが、これは御自分だけでおやりになって、世間がそれでよかろう、こういうことになれば——私はそれでいいと思いますが、要は世間が信頼し得るような、これではいけない、なるほど実態はこうか、こういうふうなことの納得のいくようなものが出なければいけない。私はそういう意味で、それじゃ比較的どういうものがそういうように言えるかといえば、これはすなわち第三者が関与したようなものは世間では相当信用してくださるだろう。たとえばおふろ屋さんの値上げについて実態調査をして、自分のところの経営はこうだと御自分だけで言ったんではなかなか世間は納得されない。そこへ府庁なり県なりが関与して、こうです。こう言うと、世間もある程度信用してくれるだろう、こういうふうな意味の実態調査は必要だ。したがって、いまの基本問題の調査も進行しておりますし、しかるべくなるべく早くいま私が申すような、世間が納得するような実態調査ができたならば、ぜひひとつ適正化をやらなければならぬ。その適正化はあるいは増加になるか、とにかく相当な改定が行なわれるであろう。そういうことをぜひやりたい。いま申した二つのことを基礎にして適正化をやりたい、こういうことを強く考えております。

長谷川保日本社会党

○長谷川(保)委員 いまお話しのように、日本医師会でも実態調査をおやりになって進んでおるようであります。また厚生省のほうでは、先般も発表されました病院の実態調査の結果も出ておるのであり、また今日の段階を通じて知りたいと思えば、国立病院等を調べればすぐわかるわけです。なるほど診療所を厚生省はほとんどお持ちではありませんけれども、しかし病院関係ならば幾らでも実態は調べられるのでありますし、また今日わかっておるはずであります。そういうように考えますと、必ずしもわからぬのではない。もちろん医師会のほうでお出しになる資料も信頼して、そして厳正にお調べになったらよかろうし、医師会のほうで診療所の検査ということを拒みますについては、やはり長い間のいろいろな問題がそこに重なってきておるのでありまして、これを拒むについては拒むだけの理由を私どもも同情できるのであります。しかし原則的には、実態調査をさせないというのは誤りだと思います。しかし従来の長い間のいろいろな問題が重なってきて、そこに医師会としては全くお断わりだ。その間医師の自殺その他の問題もあったわけであります。そういう問題が重なってきておりますところにまたそういう問題もあるわけであります。また根本的に、私は今日の診療報酬というものが非常に低いというところから、無理もそこにあるのではないかとも想像するのであります。そういうところから実態調査というものを拒むというところがあると思いますけれども、先ほど来申しておりますように、病院のほうは、これはやろうと思えばいつでもできますし、またやった成果も発表されておるのであります。これは明らかに厚生省のほうでおわかりになるのであります。でありますから、それでは今日の国立病院の実態等はどうなっておるのか、このままでいいというのか。この前私が伺ったときには、会計はまるでとんとんのようなお話をしておりましたが、そんなばかなことは絶対ないのでありまして、まず国立病院の経営、会計の実態は一体どうなっておるか、承りたいと思います。

小林武治自由民主党厚生大臣

○小林国務大臣 私はいまこまかいことは申し上げませんが、病院が相当困難を来たしている、しかも公立病院、国立病院という税金を納めない病院さえ困っているといろ実態は、統計的に申し上げなくとも、概括的につかんでいる。国立病院等においてもわれわれは調査はできます。またしかし医療費全体の比率からいえば、開業医の割合は相当大きな比率を占めている。したがって、開業医の実態調査をしなければならない。これがなければ、全体の実態はわからないと申し上げておるのでありまして、もちろんその中で厚生省に対する不信もあるかもしれませんが、そういうことをいつまでやっておっても解決つきません。何らかの機会にとにかくそういうことが必要なら、一応やろうという踏み切りができませんと、いつまでたっても、それは大臣がわかったときとか、何かの機会に一応従来のものを、解けると申してはなんでありますが、ある程度とにかく踏み切りをつけて、そしてお互いにやってみよう、こういうふうな気持ちを持たなければ、なかなか問題は解決がつかない。そういう意味で、とにかくわれわれも、こういうことについて何とか改定をする、適正化をやるという非常に強い熱意を持っておるから、それには、いまのようなこういうふうな公共料金のやかましいときに、世間の納得を得なければ、これは役所といえどもできません。それには、こういう事情だからひとつ世間も認めてほしい、こういうふうに持っていかなければできません。そういうわけで私どもは、ただ困るから、こういう抽象的でもってやるわけにはいかない。何とかひとつわれわれの希望しておる実態調査に協力してほしい、これはすぐにでもやりたい、やればやるほど早くこの問題が解決に向かう、こういうふうに私は思っております。

長谷川保日本社会党

○長谷川(保)委員 先ほども申しましたように、私も実態調査は、これはするべきであり、またさせるべきであると思う。ただ、従来のいろいろな関係がありますから、それらの点をほぐしていかないとできなかろう。けれども、これは日本医師会としても、やはり進んで協力してやらせるべきだと思います。これは国民として考えます。しかし、いま申しましたように、ことに病院関係は、非常に差し迫った困難にぶつかっております。それは申し上げるまでもなく、多数の従業員をかかえている。これが、最近の賃金の非常な高騰、また物価の非常な高騰、入院患者を多数かかえておることでありますから、したがってそれらの入院費、食料費をはじめとして、そういう一切の入院患者をまかなってまいります。この両方から、いわばはさみ打ちにあって、どうにも病院の経営は成り立たない、こういうところにいますでにきてしまっている。これは、先般大臣にも差し上げました日本病院協会の千九百四十二病院の署名してあります要望書を見ましても、あるいは日本結核療養所協会の要望書を見ましても、その点は全く想像でき、同情できる。また、私もみずから関係している病院もあります関係上よくわかる。この問題をすみやかに解決する必要があると思います。だからいまのような、大臣が緊急是正をやりたいという希望のあること、意思のあるということはわかっておりますけれども、何にしてもこれを予算に組み込まなくては、けさの新聞にもありましたように、大臣が昨日記者会見で、このままでは医療費の緊急是正は見送ることになろうというようなことでは、これは非常に大きな困難にぶつかってくる。しかも、午前中お話がありましたように、さらにこれに加えて保険医総辞退とかあるいは一斉休診とかいうようなことが行なわれれば、なおさらであります。だから、これは何としてでも、やはり国民医療の責任を持ちます当局としては、打開するという努力をしなければならぬということでありまして、そこで私は、先ほども申しましたように、再診料の問題も含めましてさらに第二段階としてやるから、この際はひとつ緊急是正の問題を取り上げて、そして中医協のほうでもこれを直ちに審議してもらいたい。これを予算に組み込むという手を打っていただかなければならぬと思うのでありまして、日本病院協会の要望書を拝見いたしましても、入院料、診察料あるいは手術料、給食料を中心とした適正な医療費改定を、即時断行せよということを要望しておりますが、病院の実態を見れば、全くそのとおりに思うのです。私、この前にも伺ったことがあるのでありますけれども、この際特に病院がどんなに困り、またそれが患者にしわ寄せがいっているかというような点を、さらに十分お考えをいただくために、もう少し詳しく、問題を掘り下げてお伺いをしてみたいと思うのです。  御承知のように入院料は、甲表で看護、給食、寝具つきで一日七百七十七円、三カ月日からは七百四円ということになるわけであります。この点は厚生省の国民宿舎、私の地元にもあるのでありますが、二食つきで大体七百円から八百円、しかも、六畳敷きに三人を泊めた場合、八畳敷きに四人を詰め込んだ場合でありまして、これが、もし六畳を一人で使うということになりますれば、千二百円もまた別に間代を出さなければならぬというようなことになっているようであります。こういうふうに、厚生省の直接関係しております国民宿舎自体がやっているので、こういうものと比べて、今日入院料というものはどんなにひどいものであるかということは、申すまでもありません。しかも国民宿舎のほうは、近く一四%以上の値上げをするというお話であります。こういうことになっておるわけでありますが、こういうような看護、給食、寝具つきで一日七百七十七円、しかも三カ月日からは七百四円である。国民宿舎のほうは、二食つきで七百円ないし八百円、しかも近く一四%以上の値上げをする。同じ省でやっていることで、どうしてこういうことになるのか。同じ省で関係している問題で、どうしてこういうようなことになるのか。だから、この問題を考えましても、これは至急改定する必要があると思うのです。まず、一体どういうわけでこういうようなことが放置されているのか承りたい。

小林武治自由民主党厚生大臣

○小林国務大臣 これは御承知のように、やらないということを私は一つも言うていない。だから、その点はひとつよく御了承願っておきます。  それでいまの問題は、もう時間もないから、多少抽象的でもいいから早く答申をいただきたい、こういうことまで申し上げておるので、なぜ早く答申されぬのか私にはわかりません。これは、私は責任を持ちませんし、中医協にも出ておりませんから。人の話に聞くと、どうも医師会が、無用とは申し上げませんが、非常に長い時間かけて説明をされている。そのために審議の時間がなくなり、早くまとめるほうに効力されているのかされていないのかわからないような感触を持つ、こういうふうなことを私は間接にお聞きします。これは、私は責任を持ちません。自分はそういうことを人から聞いた。こういうことでありますので、なぜこれだけ差し迫って、そしてわれわれも、これだけ対案を持たないで待っているというのに、早く出されるような協力態勢がとれないものか、こういうことを、私は全く理解に苦んでいるところであります。そういうことで、とにかく私どもは会長さんにも、それはなかなか大きな問題で、ひとつ早く出してくださらなければ、相当ものごとが紛糾するかもしれませんよ、こういうことも申し上げておるので、これは、医療協の構成員が、何とかそういう返事を早く出すという意味で協力をされなければ、これはなかなか結論が出ない。しかも、こう差し迫ってはとても具体的な御返事等を期待することはできない。私は、ある程度抽象的でもいい、こういうふうに思っておりますが、とにかく答申を早く出していただきたいということを——私は責任者として傍観しているわけではございません。きわめて熱心にこれをお待ちし、いろいろの手だてを尽くしているのです。まとめようと思えば、私はできるのじゃないかと思うのであって、どうしてできないのか、これは私にもさっぱり見当がつかない、こういう状態であります。お話のように、病院が困っていることは私はよく存じております。ことにいま申し上げたように、公立病院のごときは、税金も払っておらぬのに非常な窮状にある、今度のベースアップもできないのだ、こういうことで、私ども自身の役所においても、病院を所管しているところは非常に憂慮しておる、こういう状態でありますが、とにかくいままでの行きがかりといいますか、制度といたしまして、お答えがなければ事務的に動けない、こういう事態であるので、その辺のことも——私はけさも、お待ちしております。こう申し上げたので、よろしくお願いいたします。

長谷川保日本社会党

○長谷川(保)委員 大臣の意向はわかりました。しかし、どうかそういう方面にもっと努力をしてもらいたい。期待をしておるという立場も、また中医協を通らなければ厚生省としてはどうにも動けないのだという立場もわかります。組織的にも機構的にもそうなっているのだから、わかります。わかりますが、どうかそういうことで、期待をしているというだけでなしに、先ほど私が申しましたように、医師会が再診療問題ということであくまで引っかかっているわけでありますけれども、それらについては、またぜひ来春になってから以後十分な検討をしようということをこの際言明なさっていただいて、そうして医師会の立場というものにもう一度考え直しを願って、まず緊急是正をやる。医師会のほうでは、緊急是正をやることでごまかされてしまうのではないかということを考えているようでありますが——私も直接医師会から聞いたわけではありませんけれども、どうもいろいろ文書を見ますと、そういうふうに考えているようでありますから、そういう点をひとつ至急、大臣としては適当な方法で意思表示をなさって、そしてその問題を解決してもらいたいと思います。

小林武治自由民主党厚生大臣

○小林国務大臣 いまの長谷川さんの質問に対して、私ここで明言申し上げたつもりであります。

長谷川保日本社会党

○長谷川(保)委員 さらに、時間がないようでありますが、この際予算を組んでいくときでありますから、私はもう少しこまかいことを申し上げて——先刻御承知のことではありましょうけれども、厚生当局及び大蔵当局のあれをいただきたいわけでありますけれども、いまの入院料の中で、ことに病院が困っておりますのは給食費の非常な高騰であります。これは御承知のように、大体一日に百三十五円というのが給食材料費であります。ついこのごろ厚生省では、三十七年度の国民栄養調査の結果をおまとめになったようであります。これによりますと、国民平均の一日一人当たりの食料材料費は百四十二円八十五銭、これは三十七年なんですが、そのように伺っております。前年比にいたしまして一三・七%アップだということでありますけれども、国民平均一日一人当たりの食料材料費は百四十二円八十五銭、こういうようになっております。また人事院勧告の公務員の男子の十八才の一日の食料費は、これは四月の調査でありますけれども、百八十一円ということになっておるようであります。こういうものを見てまいりますと、いかに今日の入院料の中の給食費というものが低くあるか。これは実は前の国会で私は追及したのでありますが、そのときに百三十五円——これは病院によって実際の使い方は少しは違いますけれども、大体百三十五円というのが、全国どこでも見ている基準でありますけれども、これでいいのだという御答弁がありました。私はふんまんやる方ないという形だったのでありますけれども、時間もありませんでしたからそれ以上追及しませんでしたけれども、こうやって、いま三十七年の国民栄養調査、厚生省自身の調査を見ましても、国民の平均一人当たり百四十二円八十五銭になっておる。ということになってまいりますと、いかにこの百三十五円というような基準が大きく間違いであるか。少なくとも病気を回復させる力のある食事を病人に与えなければなりませんのに、とうていそれだけにいっていないということは明らかであります。   〔澁谷委員長代理退席、小沢(辰)委員長代理着席〕 いまの人事院勧告の中に計算されております食料費、十八歳の男子で百八十一円、これは四月の調査であります。こういうように見てまいりますと、ここに大きな間違いがあるというように思うわけであります。大体総理府統計局から出ております統計を見ましても、食料関係は、三十五年を一〇〇といたしまして大体一二五・六ぐらいに、三十八年の十月でなっているようであります。消費生活の総合の点でも、全都市では、三十五年を一〇〇として一二五というようになっております。こういう方面だけを考えましても、これは当然相当大幅なアップをしなければならないではないかと思うわけです。さらにまた人件費の問題でも、今日、御承知のように病院は職員の確保がきわめて困離になってきております。こういう問題も至急に改革、改正しませんと、もう病院は崩壊するという形になってくるわけです。もうすでにその傾向が出てきているわけです。この点もあるいは日本病院協会のほうの要望書の中に資料としてあったのではないかと思いますけれども、日赤の従業員の三十八年八月の給与、病院長を含めまして、手当一切を含めまして平均して二万八千二百八十九円ということであります。それに対しまして、電気、ガス、水道の公営企業従業員の平均給与は三万六千九百八十円ということになっておるようであります。また労働省の三十人以上の規模の三十七年平均の労働賃金の統計を見ましても、二万九千四百五十八円というようになっております。病院というものの職員構成はほとんど専門技術者をもってなされているわけでありまして、こういうようなことを考えてまいりますと、こういうような人件費の実態では、病院におる人がみな出ていってしまうのは当然のことであります。新しく人を得たいといっても、得ることができないというのは当然のことであります。もちろん物件費の非常な高騰、建物設備等の荒廃等が出てまいるわけであります。やはりこの際厚生省は、相当大幅な診療報酬のアップを考える必要がある。予算の編成を目の前にいたしまして、十日後にはもうこれを締め切るというようなときにあたりまして、中医協がその答申を、いま大臣が言われるように抽象的なものでもいい、出すということになりますならば、当然厚生省としては、具体的にその数字を出さなければならぬわけであります。一体どれくらいの腹がまえを持っておるのか。そこらも医師会その他をなだめるのに、大体このくらいのことは考えているんだということに、もしなってくれば、それならばまた考えようがあるということにもなってくるのであります。一体具体的にどういう腹がまえでアップを考えようとしているのか。緊急是正の問題だけでも改めて、他は根本的な検討をした上で考え直す、緊急是正をするという意思を持っているというのだが、一体どれくらいのアップをしようという意見を持っているのか。この際そこらのことをお漏らしいただくことが、いまの事態を収拾してまいりまする、打開してまいりまする一つの手がかりになるのではないかとも思いまするけれども、一体どの程度のことを考えておられるのか。すぐ十日後に予算の編成についての締め切りをするのでありますから、具体的な数字を持っていなければならぬ。おおよそどれくらいのものを考えていられるのか、この際お漏らしをしていただきたい。   〔小沢(辰)委員長代理退席、井村委員長代理着席〕

小林武治自由民主党厚生大臣

○小林国務大臣 これは午前中河野委員からもお尋ねがありましたが、そういうものは持っておりません。これは出たらやろう、こういうことで、われわれはそういう腹案を持っておるということは申し上げられません。そうして、その時間がだんだん迫ってくれば、さような事務的の作業さえできなくなる、こういうことを私は申し上げておるのであります。

長谷川保日本社会党

○長谷川(保)委員 それが出たときに考えるというお話でありますけれども、しかし、いま申し上げましたように、この点は大臣も抽象的なものでもいいから出してもらいたいと言っているのでありますから、それならば、大体厚生省のめどとしてもこれくらいの腹がまえはある。——もちろん具体的に何%というものは上げるべきだという案が出てくれば、それについて十分考えなければならぬでありましょうけれども、大臣の先ほど来のお話では、抽象的なものでもいいんだ、そうすれば緊急是正をやりたいんだ、この予算に組み込みたいんだ、こういうのでありますから、当然何らかのめどがなければならぬ。そのめどを漏らすことによっていまのような打開ができるのではないか。もっとも厚生省のほうがそのめどがあまりに低過ぎて、医師会のほうで、こんなものは問題にならぬという程度のものでは、あるいは逆に事態をこじらすかもしれませんけれども、おおよそのめどがありそうなものじゃないですか。それは期間があって十分な計算をしていくというのならともかく、そうではないのでありますから、当然腹がまえとしましては、いままでの病院の実態調査の立場から申しましても、今日の国立病院の経営の実態から申しましても、おおよそこれくらいのものはすぐにやらなければ病院は立ちいかぬぞということは、ありそうなものです。だからいま大臣は、そういうととはかえって事態を紛糾させることになるかもしれぬという御心配はあるかもしれませんけれども、何らか事態を一歩でも前進させ、しかも急に前進させなければならぬのでありますから、そういうことはある程度お漏らしになるべきである。大臣として慎重な立場をとってお漏らしにならぬという立場もわからぬではありませんけれども、しかしお漏らしになることによって事態を打開していく道ができるんじゃないか。先ほど来申しましたように、数字上見ましても、消費者物価指数を見てまいりましても、昭和三十五年平均に対しまして、大体総合で二割五分以上上がっているのでありますから、当然そこらに対するめどはなければならぬじゃないか。人件費にいたしましても、御承知のように相当額上がっているわけであります。大体これらのことはもう統計でわかっておりますし、人事院勧告を積み重ねてやればわかるわけです。そうすると、もう二〇%くらいのものは上がっています。でありますから、それらから推してまいりましても、そういう問題はおのずからすぐにめどはありそうなものだ。非常に差し迫った問題でありますから、この際むしろ勇敢におっしゃることによって打開がされるんじゃないかと思うのでありますが、重ねてその点をお伺いします。

小林武治自由民主党厚生大臣

○小林国務大臣 長谷川委員のような考え方もありましょう。しかし諮問には、こういうふうな具体的な案をきめたから、これがいいか悪いかお尋ねするというしかたと、そういうことと同時に、その内容等についてお尋ねするというしかたとあるわけであります。今回の私どもの諮問は、私どもがかってにやったというだけでなくて、ある程度医療協とも御相談の上であれは出ておる。要するに、そういうふうに上げるかどうか、また上げるならばどういうことになるか、こういうようなことまでお聞きするつもりで尋ねたので、したがって、私どもがこういうものがあるからしてこれについて御意見を問う、こういうことじゃありません。したがって、いまこの際、私どもはめどがあるとは申し上げられません。

長谷川保日本社会党

○長谷川(保)委員 大臣の立場もありましょうから、それ以上追及いたしません。しかし、私がこの問題で緊急是正を強く要望いたしますのは、このような病院の赤字というのは、先ほど来申しておりますように、これがそのまままた患者へも大きな負担となって肩がわりをさせられておる事実が大きくあるからであります。この事実を少しでも解消しませんと、病院が崩壊していくという非常な危機に立っておるばかりでなしに、すでにそれが患者への大きなしわ寄せとなっているということを思うからであります。最近見ました雑誌によりましても、日赤病院の実態という点を拝見いたしますと、病院の患者への適正サービスのために当然行なうべき設備、従業員の充足あるいは適正待遇というものを犠牲にする。現在そういう機能的な赤字の上に、なお三十七年度の収支は、日赤の九十病院中二二%が赤字である。しかも日赤病院全体では三億円の黒字となっておるというけれども、この三億円の黒字は、実は患者からの差額徴収五億円の上につくられた黒字であるという記事を読みました。こういうような差額徴収でようやく病院を経営をしておる。そういう差額徴収をしておる病院がどういうふうになるかということを目を通してまいりますと、癌研の付属病院が四七%差額ベッドである。神経研究所の付属の晴和病院が一〇〇%の差額ベッドである。国立東京第一病院が一四%、しかもそのほかにいろいろなものがあるようであります。日赤中央病院が五六%、聖路加病院が八一%、東大病院分院も二七%、日大付属病院が九九%、慈恵医大が八二%、こういうようなものをずらっと拝見いたしまして、今日差額問題が非常に大きな問題となりつつある。しわ寄せがそこへみないっておるのです。このことを私は非常に重大に思うのです。これは、前にも医務局長であったか、保険局長であったかと存じますけれども、私もひそかにその実態を申し上げました。そうしてすみやかにこれは改革しないといけないということを申し上げたのであります。この間、十月八日に、厚生年金会館ホールにおきます全国の保険年金課所長会議で、保険局長は、いかがわしい差額徴収等が行なわれているので、これはきびしく取り締まっていきたい。今日の医療は差額徴収を行なわねばならぬという内容ではない、厳格に臨むべきだと思う、という訓示をなさったということであります。また、十一月二十八日の社会保険研修所における社会保険技官会議においてまた所長の訓示があった。われわれは強く差額徴収ということに目を向けなければならない、特に診療に関するものは断じて許さないという気がまえで当たらなければならない、要は、差額徴収を容認しなければならない保険医療にしてはならないということである、もしこうした状態を許すならば、保険医療に払拭しがたい汚点を残すことになろう、こういうように言われておるように拝見をいたしました。一体局長は、いまもさよう確信しておられるのか。もしそうだとすれば、これは実に顧みて他を言うものだと思うのです。みずからなすべき医療費の改定その他をいたしまして、そういうようなことなしでいけるようなものにしないでおいて、ただそういうところに追い込まれていった病院の窮状、また患者に対するしわ寄せ、患者の苦しみに対しては全く耳をおおうて鈴を盗むというか、あるいは顧みて他を言うというか、そういうようにしか私には読めないのであります。一体局長は、なおこういうようにお考えになっているかどうか。また大臣は、このような状態でいいと思っておられるのかどうか、承っておきたいと思います。

小林武治自由民主党厚生大臣

○小林国務大臣 厚生省は八十幾つも直轄の病院を持っています。また、百数十の療養所を持っておって、第三者ではありません。ですから、どれだけの状態であるかということはよく知っております。だからああいう諮問が出たという事情をよくおわかりくださると思うのでありまして、そういうことについての認識を持っておるから、これではいけないということがある程度考えられるからして、ああいう諮問も出しておるわけなんです。したがって、われわれが行動できるようにしてもらうためには、答申を出してもらうよりないということを私はあからさまに申し上げざるを得ないのであります。

長谷川保日本社会党

○長谷川(保)委員 それならば、私はいまの小山保険局長の意見はあるべきではないと思うのです。もしこういう訓示をなされば、第一線の保険課所長が、あるいは技官はどういう態度をとるか。これは病院を責めるだけでしょう。病院は立ち行かなくなってきているのです。これはいまお話がありましたとおりです。そういうことはよくわかっている。よくわかっているから、いま緊急是正をやりたいんだ、その立場はよくわかります。それならば、まずそれを改めて後にこのような訓示がなさるべきだと思うのです。そうでなかったら各病院は、あるいは各患者は苦しむだけです。病院は崩壊するだけであります。先ほど来申したように、その上に立っている病院であります。癌研自体だってそうじゃありませんか。みなその上に立っている病院なんです。それだから、これを改めなければならぬというならば、このような訓示はなさるべきではないと思うのです。このような訓示をする前に事態を正しくして、それから後にこういう訓示を——これは私は賛成ですよ、小山さんの言うような差額徴収を一切やらないような保険医療にしなければならないということ、そのとおりです。けれども、それがいまできないようなところに追い込まれているというのは、厚生省の怠慢というか、無責任というか、それがあるのであります。でありますから、そういうように持っていかないように、改めた後にこの訓示があるべきです。そうでなかったら、ただ病院はひどいところへ追い込まれてしまって、いよいよ立ち行かない、崩壊せざるを得ないということになるのであります。局長は一体どういうようにお考えになりますか。

小山進次郎厚生事務官(保険局長)

○小山説明員 いまお読み上げになりましたのは私が言っていることでございますが、それのどこが悪いのか実は私わからぬわけであります。差額徴収が全然いかぬということをそこでは言っておりません。部屋代についての差額徴収、これは公認しておることでございますから、これを取り上げて云云するという気持ちは毛頭ないのであります。私がそこで強調していることは、およそ制限診療ということをお互いに撤廃しよう、こういうことで進んでいる以上は、およそ診療について、これはその治療指針でどうだとかこうだとかいって、それを理由にして患者から金を取る、そういうようなことはこの際やらさぬようにしていこうじゃないか、そこはすっきりしていこうじゃないか、こういうことを言っているわけであります。

長谷川保日本社会党

○長谷川(保)委員 けれども、部屋代について差額徴収をやってよいということ、これは一つも言っていないわけです。私は全部を読んだわけではありませんけれども、私の読んだ限りではそういうことは書いてない。その点、従来も個室については許しているのだ、だからその線はかまわないのだ、あなたはこういうことをおっしゃりたいというのかもしれませんけれども、これは聞いた方は全部差額ですよ。

小山進次郎厚生事務官(保険局長)

○小山説明員 話を聞いている相手は私どもの専門の技官なんであります。この人間の間において、いま部屋代の差額徴収について、これが認められていないなんということを考えている者は一人もおりません。その点は、決してそういうふうな誤解はございません。

長谷川保日本社会党

○長谷川(保)委員 そういうこと自体が——この差額でもってようやく病院をささえている。こういう部屋代の差額、もちろんそれは部屋にもよります。私は相当な部屋をつくることに必ずしも反対だというのではありません。いまも申しましたように、ほとんどそれを差額によって食っている。しかも一〇〇%というような差額病院も苦しさのあまりできてきているわけです。だから、こういうような差額によって病院を経営せざるを得ぬというようなところに追い込んでおいて、しかも、そういうような差額を取ることについてこれほど強い訓示をする。もちろん、いまお話しの薬その他のことだけであれば、それだけに限れば私は了承しますけれども、先ほど申し上げましたように、これほどなくてはならぬものになってしまって、そうして差額によって病院が生きている。こういうことについては、すみやかに改革をする責任があるということを私は強く言いたいわけです。これはこのまま放置しておくべきではありません。しかもそれが、いま言ったような私立のようなものはともかく、そうでなしに公的病院、国立の病院がみなこうなっている。しかも、そういう勢いのおもむくところ、もう差額なしのベッドは実際にはないのだというような形にさえいまなりつつある。これはすみやかに改革をしてもらいたいと思うわけです。  三時半に本会議があるということでありますから、もう一言だけ伺って、医療の問題については一応終わりたいと思うわけであります。  もう一つ伺っておきたいことは、十月四日の記者会見で、大臣から、結核薬など五品目の薬価を改定したが、われわれが薬価を下げたのではなく、実際の購入価格が下がったのでそれと合わせたものであり、われわれが薬価を引き下げたと見られるのは不本意であるというお話がありました。十月三十一日に、日本結核療養所協会の病院諸経費緊急是正についての要望の中に、購入価格の低下を今回の薬価基準引き下げの理由とするならば、何ゆえに、ここ数年間、上昇の一途をたどっている諸物価に対して、病院入院諸経費の是正がなされなかったかということを強く不満を申し述べております。そうして血の通わない行政であるということを申しております。私はこれを読んで、まさにそのとおりだと思う。療養所協会の皆さんがやっております療養所の窮状というものを知っておりますから、この療養所協会の言い分に対しては深い同情を持たざるを得なかったのであります。確かに療養所協会の諸君の要望書に書かれておりますように、これほど物価が上がり、人件費が上がってどうにもならぬでいるときに、そのほうはやりたいという希望はあるということでありますけれども、今日までほおかぶりしてきている。そうして一方においてこの抗結核薬の五品目に対しては、薬価が下がったというのでこれを下げている。わずかに総医療費の一〇%と療養所協会の諸君は書いておりますけれども、それで息をしているところに、それをもぎ取った血の通わない行政だと申しておるのでありますけれども、どうも厚生大臣の言い分は納得できないのであります。もしいまのようなお話でありますならば、ほんとうに病院、療養所が困っているから何とかしてやりたいというお話でありますならば、こういう問題についてこのような態度をとるべきでなかったと思うのであります。これについてはどういうお考えでありましょうか。

小林武治自由民主党厚生大臣

○小林国務大臣 これはどの薬でもやったわけでなくて、ことし結核の治療指針といいますか、そういうものを変えまして、新しくそういう数種類の結核の薬が量がふえたり、新規に使える、そういうものだけに限定されておるのであります。これが現実にきわめて明瞭に購入価格が下がっておる。しかもこれは薬価基準として、それだけで始末ができるという、ことばは変でありますが、それだけできまりのっけ得る問題である、そういうことでありまして、きわめて明瞭に下がっておるものをその事実と合わしておる。実はこれは役所の扱いでは、従来局長さんだけの告示で済んできておる問題である。それくらいの問題であるそうであります。私は、これはいまあなたのおっしゃるような影響もあろうと考えて、特に慎重に扱ったつもりでありますが、いかにもこれだけははっきりし過ぎておる、こういうことで、いま言うように私が下げたんじゃないんだ、しかも明瞭にこれだけのものがはっきり下がっておるということで、理屈から言うとちょっと通りにくいと私は考えたのです。とにかくそれだけは明らかに支払いが減っておる。それをほかの足しにするという考えはむろんありませんが、ことし用いるようになった薬で、ことしまた量がふえた薬で、特異な薬できわめてはっきりしておるから、これだけはそれに応じてやろうということでやったのでありまして、長谷川さんが考えるように、これくらいのものはそのままにして何かの足しにしたらよかろう、こういう考え方もむろんあり得ると思うのでありますが、これだけ切り離されていかにもはっきりしておったからやった、こういうことになります。お考えのような考え方も当然あり得ると私は考えます。

長谷川保日本社会党

○長谷川(保)委員 これはわずかの例を申し上げたのでありますけれども、これらを通じて私に強く感じさせられるものは、やはり厚生省があまりにも悪い意味での官僚的である。ほんとうに第一線で苦心をして治療に従っておりまする療養所、あるいは病院や診療所に対する、ほんとうにあたたかい自分たちの血の通った仲間がいたしましての考え方ではなくて、ともすれば敵視する。そういうところに、一番先に申しました日本医師会が、もうそういうような連中の立ち入り検査なんかごめんだという根本が出てくるわけです。でありますから、この際差し迫りました問題として緊急是正はあくまでやる、これを予算に織り込むという態度で大臣の奮闘を願いたい。またこれらのことが、ただに病院、診療所の危急存亡という事態に今日立ち至っているばかりでなしに、すでに大きく患者にそのしわ寄せがいっている。それで保険だけでは入院ができないという事態にも立ち至っている。なるほど医療と入院とは違うという考え方ができるかもしれませんけれども、これはまた実に三百代言的な考えである。やはり保険だけで入院ができて、そうして十分な治療が得られるという道をつくってもらわなければならぬ。そういう大きな患者へのしわ寄せがいっているのでありますから、すみやかにこれらの問題をひとつ厚生省は考え直しをしていただいて、そうして医療の緊急是正を何としてでも来年度予算に組み込むようにあらゆる努力をしていただきたい。わずか一週間しか期間がないときでありますから、この際大臣としましては、有沢会長とも特にお話し合いになって、その点を進めていただきたいと思うわけであります。せっかく来ていただいたけれども、時間がないそうですから厚生省の善処を期待して、他のことは次の機会に留保いたしまして、質問を滝井さんに譲りたいと思います。

井村重雄自由民主党

○井村委員長代理 滝井義高君。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 いま長谷川さんの質疑応答を聞かせてもらいました。要点的なところは、いま中央社会保険医療協議会に諮問をしておる。まだ時間があるから自分のほうとしてはその答申が出るのを気長く待っておる、こういう態度が一つありました。それから実態調査はぜひやらなければならぬ、やらねば診療報酬は上げられないという態度。それから税金を払っていない病院でも窮状にある、だから答申の出るのを期待しておる。それから諮問を出しておるのだから、それができたときに考える、時間が迫れば事務的にも作業ができなくなる、厚生省は第三者ではない、実態を認識しておる、だから諮問を出したんだ、行動できるようにするために答申を出してもらいたい。これが大体大臣の医療の緊急是正問題に関係のある骨組みの答弁だ。前後だいぶ矛盾をしておるところもあるようでありますけれども、とにかく医療協議会の答申が出なければてこでも動かぬぞというのが結論のようです。そこでいまから、てこでも動かぬ大臣を動かさなければならぬのが私の使命だ。  まずお尋ねいたしたいのは、経済成長に対応した医療機関の具体的な変化を述べてもらいたい。どういうように医療機関に具体的な変化が起こったか、一つ一つ述べてもらいたい。

小林武治自由民主党厚生大臣

○小林国務大臣 私どもは実態調査がないから、国立病院あるいは公立病院はある程度の知識を持っておりますが、開業医等についてはよくわからない、またわからないのがほんとうじゃないかと思うのです。それで、私どもは、いまの緊急是正ということに非常に意味があるのでありまして、医療費がほんとうに適正かどうかというようなことは、先ほど長谷川さんも御了承のように、それは実態調査が必要だ、こういうことをおっしゃっておる。実態調査がやれなければ、医療費も医療機関の内容というものは私どもにはわかりません。そういうことで、病院等につきましては三十七年度の決算等もある程度まとまっておりますからわかりますが、日本の医療全体における開業医の比率というものは相当大きなものでありまして、病院だけでは医療費の全体をつかめない、こういうことを私は考えております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、医療協議会はわかるのですか。あなたの諮問している医療協議会はおわかりになるのですか。

小林武治自由民主党厚生大臣

○小林国務大臣 わかる範囲でもってお答えを願いたい、こういうことを申し上げておるのです。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 私が言うのも、わかる範囲で大臣のほうもお答えを願いたいのです。経済成長に対応した医療機関の具体的な変化は、わかる範囲でどうなっておるか。神さまじゃないですから、お互いに、すべてオールマイティーじゃないです。だから、これは医療協議会というものがわかる範囲でよければ、国会としても、当然厚生当局は責任者ですから、わかる範囲で、経済成長で具体的に医療機関にいかなる変化が起こっておるか。それは当然ですよ、わかる範囲でけっこうです。

小山進次郎厚生事務官(保険局長)

○小山説明員 非常にむずかしい質問の出され方でございますが、まず概括的に言えますことは、特に病院関係でございますが、従業員の給与が上がったりあるいはその他の支出がふえるというようなことからいたしまして、支出面の費用がふえていっているという傾向があらわれておるようであります。それから、収入のほうもふえてはおりますけれども、これは最近一つの傾向としまして伸びがかなり大きい、こういうことでございます。それからそれ自体経済成長とどういうふうに結びつくかという分析はなかなかむずかしいのでありますけれども、今度は医療費そのものから見てまいりますと、どうもここ二、三年の動きといたしまして、医療費の中で占める薬剤費の割合が逐年高まっている。ごく要点だけを申し上げますと、そういうことがいろいろの資料からはうかがわれるようでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、従業員の給与が上がって支出が増加をしておる。一体指数にしたら支出面の費用の増加はどの程度の指数の増加になるのか。三十六年の緊急是正以降でけっこうです。それから収入が増加をして伸び方が相当大きい。この伸びの指数、これを見ればわかる。それから経済成長とどう結びつくかということは、これはなかなかむずかしいところだ。しかし経済成長に対応する緊急是正という諮問をお出しになっているのですから、諮問を出したほうがやはり腹がまえを持っておかぬと、ものさしができませんから。だから、これはむずかしくても、わかる範囲のことをやはり教えてもらわなければいかぬと思うのです。どこよりかあなたのほうが日本で一番資料をよけい持っているのですから。そうすると、医療費から見ると、ここ二、三年来、薬剤費が逐年増加をしている。薬剤費は一体、その医療費の支出の部分でどの程度増加をして占めておるのか、これがわかればいいわけです。その指数だけを見てもらって……。大体出ますよ。

小山進次郎厚生事務官(保険局長)

○小山説明員 医療機関全部についてそれをとらえたものはございませんので、手元にあります主要な公的医療機関八グループ、この中に所属しておりますのは、ベッド数からいえば大体十二万くらいになるものでございますが、この八グループ、国立病院グループも含めまして、こういうものについて、ただいま申し上げましたような支出と収入との関係を見てまいりますと、八グループの中で、医療費による収入が支出に及ばないグループが二つばかりございます。一つが五%程度足りません。それから一つは〇・六%程度足りません。あとは大体収入で支出をまかなっており、多いのが五%くらい余裕を残し、少ないのがとんとん、こういうような状況でございます。  それから医療費の中で占める薬剤費の割合は、全体について申しますと昭和三十五年、これは五月を調べておりますが、この場合は総医療費の中で二二・七%でございましたが、これが三十六年五月には二六・五%になり、それから三十七年の五月には三〇%程度になっておるようであります。病院について申し上げますと、三十五年五月で二二・五%、三十六年五月で二十六二%、三十七年五月で二七・八%、それから診療所は昭和三十五年五月、二三%、三十六年五月、二六・九%、それから三十七年五月が三二・二%、こういうふうに薬剤費の占める相対的な割合がぐんぐん上り勾配、こういう状況でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、いまのように大体二つのグループだけがマイナスで、あとの六つのグループはプラスである、こういう形が出たわけですね。そうしますと、これを三十六年の一月には一割の予算をとりあえず実態調査も何もなく計上をしたわけです。これは一体いかなる理論的な根拠から一割の予算を計上したかということです。これをここでちょっと説明をしてもらってみたいです。

小山進次郎厚生事務官(保険局長)

○小山説明員 あのときは、二十七年に行ないましたいつも非常に古いといわれておりますあの実態調査をもとにいたしまして、収入、支出を伸ばし、そうして一二十六年の七月の状態を想定いたしますと、一〇%程度どうも経営上不足がある、こういうような結果になりましたので、そういう予算を組んだということでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、いまのあなたのほうの状態、これは調査された八つのグループの病院の状態を当時と同じように——当時私は、当時の大臣なりあなたたちと質疑応答した結果、日本における実態調査の最高のものは二十七年三月、十月調査でございます。これ以外にございません、これが一番正しいものであるということを当時の古井さんが言明をしたわけです。これはもういま言ったように実態調査をしたのですからね。いまの段階で予算を組もうとすれば、これを使う以外に方法はないと思うのです。そうすると、二十七年二月調査を基礎にして、当時は三十六年の平均までスライドして、同時に若干の内容改善を見込んで支出を推計し、他方稼働点数の推計と比較をして一〇%の開きがあるので一〇%引き上げた。今度これを当てはめてみたら幾らですか、当然これはやっておかなければならぬ作業だと思うのです。これは日本には一つしかないのですからね。とにかく一番正しい、一番正確な資料はこれだと当時の大臣が、われわれがあらゆる方面から質問をしたけれども、がんとして譲らなかったのです。当然あなた方も、これ以外にないわけですから、これを基礎にして三十六年の平均までスライドしたと同じように、三十八年のいままでにスライドしてもらってみたらいいと思う。だからそれをひとつどのくらいになりますか。——わからなければあとでそれをひとつ作業して、至急に出してもらいたいと思うのです。

小山進次郎厚生事務官(保険局長)

○小山説明員 あれは、あの当時におきまして、もうこの資料は二度と使うべきじゃないということを中央医療協議会においても強く指摘され、また医療機関側ももうあれを問題にしてくれません。そういう事情からいたしまして、いま作業はしておりません。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 いいですか、客観情勢が違うのですよ。中央医療協議会はいまほとんど機能を停止した状態です。二十六日まで開かれないのですから。そうすると、いま日本の政治の上で私たちが議論をする場合に、当時古井さんが私に大みえを切ったように、滝井さんこれ以外にないのだ、神さま以外にはこれが一番正しいのだ、こう言ったのです。当時の速記録をごらんになってください。だから私も、この前どういうことでやったかちゃんと調べてきた。これ以外にないのです。これでやってもらう以外にないのです。いま言ったように、実態調査がなければできないと大臣はおっしゃっているのだから、じゃ医療協議会はできますかと言ったら、いまわかる範囲でやってもらうのだ、こういうことです。これ以外にないんですから、これでやったら幾らかということが、もしおわかりにならなければ、何かほかの方法をあなた方はやらなければならぬ。何かほかの方法を考えておりますか。いまお示しいただいたいわゆる二つのグループだけは五%程度不足、一つは〇・六%だ、他はみんな黒字だ、こういうことになると一体医療費は上げなければならぬのか、上げていいのか、その判断はどうですか。これからの判断はどうです。この判断からいけば、あなた方専門家として、あなた方の判断は医療費を上げることになるのか、上げなくていいのか、現状のままでいいのか。

小山進次郎厚生事務官(保険局長)

○小山説明員 私はこれ以外にいろいろな資料に基づいて説明したのでありますが、説明の態度は、前提を設けないということで説明したわけであります。ただし、この資料を説明するときは、私はこういう事実をつけ加えて説明をしております。一応この資料から見ると、とんとんだというふうに見られる傾向があるけれども、ただこのグループに入っている医療機関の言い分を聞いてみると、これはたまたま決算の結果がこうなっておるのであって、収入を上げるために、たとえば差額徴収とか何とかの面において相当無理をして合っているんだということは十分考えなくちゃいかぬ。したがって、あらわれた数字だけでこれでいいんだという判断をしてもらっちゃ困る、こういうようなことをその関係者は言っておる。その問題について、程度の差はあるけれども、やはり一つの判断の尺度だろうと思います。こういうことをつけ加えて言っております。   〔井村委員長代理退席、委員長着席〕

滝井義高日本社会党

○滝井委員 いや、あなたは上げなければならぬのか下げなければならぬのか、現状でいいのか、あなたの意見を聞いておるのです。日本ではいまあなたが一番専門家なんですよ。あなた以外に数字をつかんでいる人はいないのです。いままで私たちが数字を出したときに、滝井さん、あなたの数字よりこの厚生省の数字が正しいんですよということをいままでみな言ってきておる。だから私は初めから負けてかかっておるのです。あなたの数字が一番正しいと言っておるのだから、それをひとつ上げるか下げるか言ってくださいと言っておるのです。

小山進次郎厚生事務官(保険局長)

○小山説明員 私は年金時代にはあるいは多少そういうことを申し上げたかも知れませんが、現在にかわってからは申し上げたこともありませんし、非常に知識もございません。また、いまの段階ではやはり言うべきじゃないと思っております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そんなことはないですよ。そんなばかなことがあるものですか、国会で。それならあなたを不信任だ。これから出てきてもらわなくてもいいですよ。医療協議会というのはあなた方のベースですよ。国会で専門家として担当している行政官が、自分の内部の病院の状態を見て、いまこれだけの分析をしておって、一体上げるべきか下げるべきか、現状でいいかさえ言えぬというならば、それじゃわれわれはこれからあなたには来てもらいません。  医療課長にお尋ねします。あなたはひとつ専門家としてどうですか。これは言えないことだったら処置ないですよ。ばかにしておることになるですよ。どうですか。

松尾正雄厚生技官(保険局医療課長)

○松尾説明員 ただいま局長がおっしゃいましたように、大臣からお話がございましたようにあの数字そのものはかりにつじつまが合うように見えておりましても、それはやはり窮状にあったのだ、苦しい地点に立っているという点には同感であります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 それならばどうするのですか。

松尾正雄厚生技官(保険局医療課長)

○松尾説明員 やはりいろいろな資料に基づきまして、中医協の御判断を待ってやらなければならぬと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 それならばあなたはものさしを持たないんだ。  じゃ医務局長、あなたは病院の主管の局長です。いいですか。年金福祉事業団は十七が黒字、八つが赤字、黒字六割三分、赤字三割二分、日赤が黒字四十七、赤字二十、黒字が七割で赤字が二割九分、済生会黒字四十五、赤字二十三、パーセンテージは略します。厚生連黒字七十六、赤字四十三、全社連黒字二十六、赤字二十六——全社連は厚生省の保険局所管です。厚生団は五つが黒字で一つが赤字、船員保険一つが黒字で二つが赤字、厚生省の国立病院五十六が黒字で二十八が赤字、こういう状態ですね。これはあなたのところの資料です。そうしますと、これはあなたとしてはどうしてもらったらこの病院の運営がうまくいくのですか。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 いまのお話のパーセントは、病院の経営の収入と支出で申しておりますが、病院にはそのほかに医療経営以外の収入と支出があるわけでありまして、それの全体がほんとうの経営費になっております。なおこのほうの決算には、先ほどからお話がありましたように、いろいろ収入をふやすように努力した結果だというような立場を私どもは持って見ております。医務局は、やはり病院の経営の方向から見ますと、病院がよりょく発展維持せられ、運営せられ、さらに医療機械その他の設備等をよりょくするためには、医療費は多いほどよろしいのでございますので、ふやしていただければありがたいと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 わかりました。医務局長はふやしてもらったらいいそうです。それで、どうですか、先日公営企業関係の収支決算が出ましたですね。その結果、公営企業に所属するいわゆる地方公共団体の病院、これは五割が赤字で五割が黒字なんですよ。きのうかおととい全部新聞に出ています。そういう状態でしょう。そうすると、いま大臣みずからも窮状にあると言うた。窮状にある病院を救うためにはどうしたらいいんです。保険局長のほうの船員保険、厚生団、全社連、みなあなたの所管です。あなたのところにあるのです。これは昼言ったけど、あなた、おらなかったから、もう一ぺん繰り返します。これはどういうことを行政管理庁から言われたかというと——松尾さんは朝聞いておったから。保険業務の勧告で、健康保険の全国社会保険協会連合会、これは社団法人、それから厚生団、財団法人、それから船員の船員保険会、財団法人、これらの三つは約百六十四億の財産を持っている。そして事業成果が明確に把握されていない。財産物品の管理も適切に行なわれていない。民間団体に委託経営はもういかぬ、こういうようなこと。今度は年金福祉事業団ができたんだから年金福祉事業団が貸し付け業務だけをやらずに、この病院の経営のほうもやるほうがいいという結論です。これは、結論はとにかくとして、こういう実態でしょう。しかもそういうように非常にふんだんに金を持ってやりよるけれども、全社連は五十二の病院のうち二十六が黒字で、二十六が赤字なんですね、こういう実態です。だからこれを一体黒字にするためにはどうしたらいいんです。どこに赤字の原因があるのです。

小山進次郎厚生事務官(保険局長)

○小山説明員 私は滝井先生がおあげになったのが、特に私に関係あるとは思っておりません。私のものではございません。監督下にもございません。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 それなら健康保険の、これはどういうことになっておるのですか。財団法人にまかせきりで、あなたは関係ないのですか。予算はあなたのほうの特別会計にお組みになるのでしょう、これは。

小山進次郎厚生事務官(保険局長)

○小山説明員 社会保険庁……。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 保険庁はあなたが監督するのです。これは指導監督をあなたがおやりになるのでしょう。

小山進次郎厚生事務官(保険局長)

○小山説明員 もっとえらいものですよ。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そんなことはないですよ。それならば委員長、保険庁の長官を呼んでください。これはなおはっきりするでしょう、保険庁の長官を呼んでもらったら……。それならば監督のいわゆる大所高所からごらんになるあなたとしては、これはいままでなるほど法律を変えて去年から無効になったんだから、あなたの大所高所から見た場合に、一体こういう状態をどうするかということです。これはあなたのさじかげんによってきまるのですよ。こういうことを専任の保険局長が、有沢さんの医療協議会に気がねをして、そしてここで上げるべきか下げるべきかも言えぬというなら、ほんとうに私はこれからあなたと二人は来てもらわぬです。これは党に帰って相談します。そんなばかなことはない、国会を愚弄している。あなたは医療協議会の委員でもあるし、ますますけっこうだ。どうです。ちょうど二足のわらじをはいているのですから、どうですかそれは。公の前に医療費というものは明らかにしないといかぬですよ。あなたのほうは、いま半分は赤字、半分は黒字のこの窮状、黒字の原因は一体どこからきているか、赤字の原因はどこからきているか、そしてその赤字を直すためには具体的にどうしたらいいのか、これは病院を経営する監督者として当然答弁をわれわれは求める必要があるわけです。

竹下精紀厚生事務官(社会保険庁医療保険部長)

○竹下説明員 全社連の関係の病院につきまして、三十七年度の決算の状況につきましては、病院の数が滝井先生のお話と違っておりますけれども、大体三十七年度におきましては、診療所も含めまして、黒字の団体が三十六、赤字の病院、診療所が三十二、こういう数字になっております。この黒字の病院につきましては、大体病院の適正経営規模以上の規模を特っておる、また場所的にもいい場所であり、また先生方にもいい先生を得られておる、こういう特色を特った病院が大体黒字になっておるわけであります。御承知のとおり、全社運の病院は相当地域的に散在しておるわけでございますので、まだ一般的には立地条件が悪いのが相当ございます。したがいまして、赤字の原因としましては、まず第一は、立地条件に恵まれない、こういう病院、第二には、平均病床数が非常に少ない、適正な経営規模になっていないということであります。第三には、経営合理化への努力が不十分だ、こういった点があげられると考えております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、いま黒字の原因として経営規模が非常に大きくて、いい医者がおって場所もいい、こういうことなんですね。そうしますと、最近できる全社連の病院は、全部差額徴収を——入院のいいところ、相当多く差額徴収の病棟を置いているのです。どの程度の差額徴収の病棟を置いているのか、病床全体の中で差額徴収は一体何%程度やっているのか。

竹下精紀厚生事務官(社会保険庁医療保険部長)

○竹下説明員 全体の病床数、これは一万一千九百七十九床ございますが、この中で差額徴収を実施いたしております病床は五百四十床でございますので、大体四・五%程度でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 最近できる、この年金福祉事業団から金を借りてできております。これはほとんど差額徴収をとる病床をつくりつつあるわけでしょう。

竹下精紀厚生事務官(社会保険庁医療保険部長)

○竹下説明員 現在におきましては、全社連の病院につきましては、年金福祉事業団から融資を受けておりません。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 いままで受けておったわけですね。

竹下精紀厚生事務官(社会保険庁医療保険部長)

○竹下説明員 数年前は受けておりました。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうすると、最近建てるのは何で建てておりますか。

竹下精紀厚生事務官(社会保険庁医療保険部長)

○竹下説明員 保険料の中の福祉施設の費用から出しております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、五百四十程度しか差額徴収をとっておらぬ。あとは全部健康保険の保険証で三十円の入院料を払って全部入っておる、こういう形ですね。

竹下精紀厚生事務官(社会保険庁医療保険部長)

○竹下説明員 さようでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 大臣、いまお聞きのように、やはりこれは全社連の病院というのは健康保険の模範病院ですね。それでもやはり五百四十つくっておるわけです。こうやっていかないと病院はうまくいかないのですね。こういう黒字の多くの原因というのが、さいぜん長谷川先生も言われたように、入院の差額徴収に相当依存してきておるわけですね。これは日赤、済生会が全部そうだから。しかも黒字の病院は場所のいいところですよ。これはもう中小の都市になると黒字にならないですね。全部赤字になってきておる。だから、したがって病院は、デラックスなものを建てるためには大都市に集中せざるを得ない形になる。そうしてここで差額徴収を高貴な病棟でとって赤字を免れる、こういう形です。そこでこれは、さいぜん小山さん言われたようになかなか窮状にある。数の上ではわずかに五%、二つのグループで五%そこそこの、赤字のものものが二つグループしか出ていないけれども、実質的には、これはなかなか窮状にあるということを言わず語らずにおっしゃっているわけです。そうであるにもかかわらず、一体上げるべきか下げるべきかということもおっしゃらぬわけです。しかも医療協議会は二十六日までに答申を出し得るかというと、それも二十日でなければ間に合わぬと、大臣はこうおっしゃっておる。十五日と言ったのだけれども、二十六日くらいになる、まだ待っておるのです。いまの客観情勢は、やはり政治というものは見切りをつけるときはっけなければいかぬ。そうして次善の対策を打たなければならない。もし二十六日に出なかった場合はどうするかという対策を打たなければならない。二十六日に出なかったときは、大臣は一体どういう方針をとりますか。

小林武治自由民主党厚生大臣

○小林国務大臣 私は参議院の本会議の都合がありますので、お許しを得て近く退席をいたしたいと思いますが、要するにいま進行中であります。きわめて微妙な段階にあるのでありまして、私どもは、とにかくあなたと私と別に反対の方向に走っておるわけではありません。これはおのずから心通ずるものがあって、よくおわかりになっておると思う。ただ、私どもに口を開かせるかどうかということだけでしょう。私どもは口を開けない。こういうことを申し上げなければなりませんが、しかし御趣旨はよくわかっておりますから、なお数日ありますので、とにかく私どもは一生懸命努力するということで御期待に沿いたい、いまこういうふうに申し上げる以外ございません。それでひとつ御了承願いたい。私どもの役人に、いまそれを何とか言えと言ったって言えません。やむを得ないと思っております。おしかりを受けても、まことに申しわけありませんが、そういう事態でございますので、とにかく一生懸命であるので、そういうことでしばらくお待ちを願いたい、こういうことを申し上げておきたいと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 私はそこがわからないのです。いまは政党政治ですよ。政党はそれぞれ公約をしておる。たとえば国保七割給付を今度は家族もやりますと公約をされておるわけです。だから政党の立場として一体どうするかということは、この国会で言う義務があるのです。行政の諮問機関は諮問機関でけっこうです。有沢さんは何と言っておるか。国会はどうしようと、私は私の道を行きますと言っておる。だから国権の最高機関たる国会で、政党の大臣が政党の方針を述べることがどうして悪いのですか。どうして気がねが要りますか。そんなことを言ったら、国会は医療協議会の下部機関になってしまう。医療協議会から出たものをわれわれはそのままのまなければならない、そんなばかなことはない。だから、したがってここでは自由に討議をして、そしてあなた方も思っていることをおっしゃってやるべきですよ。しかも二十六日までに間に合うというならいい。もし間に合わなかったときは大臣の責任を問いますよ。

小林武治自由民主党厚生大臣

○小林国務大臣 これはあなたの立場として、あなたが医療協の会長であったとしても、まだものを進行中に、私がこうしますと言ったら、あなたはどう考えます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 かまわぬですよ。

小林武治自由民主党厚生大臣

○小林国務大臣 そういうことはないでしょう。制度的にもあそこは諮問しなければならない。諮問しておるものはまだ進行中で、結論が出たわけじゃありません。その最中に私がこうすると言ったら、あなたが会長だったら何とおっしゃいますか。けっこうだ、こうおっしゃいますか。それから私は別に医療費を上げると公約いたしたことはございません。しかしわれわれの心持ちというものは、あなたもよくおわかりになっているので、口を聞かせようということは、私は多少この際お考え願いたいと思うのです。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 昨日の閣議で航空審議会の問題が出た。そして運輸大臣が航空審議会に先にかけて、千葉県の、いわゆる国際空港の問題を出してきた。すると河野建設大臣が何と言ったかというと、こういう問題を先に政府の大綱も予算もきめないで審議会にかけてくるやつがあるかといってどなられて、そうして審議会はきまらなかった。ある場合は、政府はそういうように国際空港のような問題でも、何で先にきめなかったということを実力大臣が言うと、閣議がふにゃふにゃとなる。こういう大事な、一国の予算編成の根本をゆるがし、しかも九千万国民の運命にかかわるような問題を、協議会が結論を出せないという状態があるということは客観的にはっきりしてきた。あなたもそう言っておる。そのときに政党の大臣が、ここで幾ら上げるかということは聞いておるわけじゃない。一体いまの客観情勢で上げるべきかどうするかということなんです。上げるということになれば、私たちはもう一つある。それならば殷鑑遠からず、三十六年一月には一割の予算を組んだのです。ところが一割で足らなくて、見てごらんなさい緊急是正をやったのです。だから、したがって、この段階でも上げるか上げないかということをまず政党としてきめる必要がある。あなたは頭を振っておるけれども、あなたはさいぜんから気持ちはわかっておる、病院は窮状にある、だからこそ諮問をしておるのだということは、上げるということでしょう。だから客観情勢は上げざるを得ない情勢である。しかし、額は幾らかわからぬ、しかも予算は、二兆八千五百億のことしの予算よりか一割四分程度しかふえないのだ。初めのうちは、選挙のときには、財源があるから減税その他もみんなやるのだと言ったが、選挙が終わったとたんに、経済が苦しくなった、輸出もうんと伸びたけれども、それよりもっと輸入が多くて国際収支は赤字で困るから引き締めなければならないと、ぐらっと手のひらを変えたじゃありませんか。そうして予算についても、もうそんな放漫な予算は組めない、引き締めなければならないというのが、与党の突き上げが激しくて、来年度の予算は二兆二千五百億から三兆二千七百五十億と二百五十億くらいはふえてきておる。ところが、御存じのとおり総医療費は七千億だといっております。一割上げたって七百億要りますよ。そうすると、七百億の国庫負担をどうとるかということは大問題です。十二月二十六日か七日ごろに結論を得てそれをとろうと思っても、いいところはとられてしまって、医療費はあとに残って、この前の一月と同じですよ。残り財源の寄せ集めですよ。わずかに一二・三%上げて、十二月になってから緊急是正をちょっぴり二・三やる、こういう形になる。そういう前車の轍をわれわれは踏みたくない。それが政治というものです。あなたのいまのような態度だったら全く官僚的です。もう少しおおらかな政治家の態度になって、当面上げざるを得ない、医療協議会がどうしても結論を出さないというならば、政治的に小林厚生大臣としては解決せざるを得ない、これが国会における答弁です。それを何か秘密でもあるようにしている。何の秘密もない、そういう秘密主義ではいけない。だから武見さんからも不信任される。武見さんでなくともわれわれだって、そんなことだったら不信任しますよ。だからもう少しざっくばらんに野党のわれわれに対してどうして話せないのですか。上げるならば上げると——上げるからと言ってあの太っ腹の有沢さんがへなへなになるような、そんな男じゃない。われわれもちゃんと知っております。あなたが上げるからといって有沢さんが目の色を変えるような男だと思ったら、あなたは有沢さんを見そこなっている。有沢さんはそんな男じゃない。あなたが幾ら上げると言ったって、それが正しくなければそのとおりしませんよ。石炭政策を見てごらんなさい。石炭政策を敢然としてやったじゃないですか。やったけれども間違っておったけれども……。間違っておったけれどもおやりになった。あのとおり政府はちっとも実行しない。有沢さんの答申は出たけれども、合理化がどんどん早くなって、ちっともそのとおりいっていない。そのとおりいっていないけれども、有沢さんはちっともおこっていない。だからあなたがそう神経質になって目の中に閉じこもる必要はない。ざっくばらんに、おおらかに言ったらよい。だからおおらかに聞いておるのですから、上げますか上げませんかということを言うことは必要ですよ。当然言うべきです。上げるとすればみんなで協力して、一体どうするかということになる。私はここでほんとうは決議を申し入れたいと思います。一体どうするのですか。

小林武治自由民主党厚生大臣

○小林国務大臣 滝井さんのお考えはお考えとしてお聞きしておきますが、この段階において、さようなことは私は言わないということをはっきり申し上げておきます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、最後に念を押しておきますが、もしあなたの政治的な処置が悪くて、この医療問題で混乱が起こったら、一切の責任はあなたにあるということを了承しておいてもらいたい。

小林武治自由民主党厚生大臣

○小林国務大臣 それはそのとおりであります。はっきり申し上げておきます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 これでやめます。

田口長治郎自由民主党

○田口委員長 本日はこの程度にとどめ、散会いたします。    午後四時三十分散会      ————◇—————

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