石炭対策特別委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 308 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1963/11/13
会議録
○委員長(岸田幸雄君) ただいまから石炭対策特別委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 今十三日、江藤智君、牛田寛君が辞任されまして、その補欠として前田久吉君、石田次男君が選任されました。 —————————————
○委員長(岸田幸雄君) まず、このたびの三井炭鉱三池鉱業所三川鉱の大爆発事故の発生により、多数の犠牲者を生じましたことにつきまして、深く哀悼の意を表します。つきましては、犠牲者の霊に対し、黙祷を捧げますから、御起立を願います。 黙祷始め。 〔総員起立、黙祷〕
○委員長(岸田幸雄君) 次に、通産大臣福田一君から発言を求められておりますから、これを許します。
○国務大臣(福田一君) 今回三池炭鉱三川鉱におきまして、非常な犠牲者を出しましたところの、いわゆる爆発災害を起こしましたことについでは、私としてはまことに遺憾にたえないところでございまして、同時に、また、罹災者の方、また、遺家族のお方に対して、心から哀悼の意を表する次第でございます。 つきましては、まず、私から、一応事件の経過並びに政府のこれについてとった措置等について、簡単に御報告を申し述べさしていただきたいと思います。 十一月の九日午後三時十分ごろ、三井鉱山三池炭鉱において事故が発生いたしまして、大正三年の方城炭鉱ガス爆発に次ぐ四百五十人をこえる死亡者を出したことは、まことに遺憾にたえないところでございます。今回の災害の規模がこのように大きくなった主因は、たまたま事故発生が一番方、二番方の交代の時期に当たっており、それぞれが入昇坑の途中であったためであります。原因につきましては、調査結果の判明を待たなければならないのでありますが、目下のところ、何らかの原因によって同炭鉱三川鉱の人気坑道において炭じん爆発が起こり、さらに二次的にその爆発によって生じた一酸化炭素が、人気に伴ない、同坑深部各作業個所に回ったためと考えられております。原因調査及び復旧対策について、とりあえず、災害発生後、直ちに現地の森本鉱山保安監督局長以下二十名の鉱務監督官を派遣するとともに、本省からも担当課長を派遣し、その任に当たらせておりますが、特に原因調査については、山田九大名誉教授を団長とする技術調査団を派遣して、徹底的な原因究明に当たらせることといたしました。 また、罹災者に対する措置といたしましては、現地に「臨時三池災害対策本部」を設けまして、災害対策を強力かつ迅速に行なうこと、次に、三井鉱山に対し、弔慰金、見舞金の早急な支給を指導するとともに、石炭鉱業合理化事業団から整備資金十億円を繰り上げ融資することによって資金繰りの円滑化をはかり、また、労災保険金の早期給付をはかることといたしました。 以上を早急に実施いたしまして、その援護に遺憾のなきよう期した次第でございます。 なお、今回の災害発生に際しては、直ちに石炭鉱業各社に対しまして、文書をもって警告を行ないましたが、今後とも関係各社に対して、保安は石炭産業の合理化の基盤である旨を一そう徹底いたしまして、災害防止のため万全の措置を講ずるよう指導監督を強化すると同時に、鉱山保安協議会等を活用いたしまして、人命尊重の保安体制の整備確保について一そうの改善をはかっていきたい、かように考えておる次第であります。 なお、同炭鉱は月間約四十万トンを出炭しておりまして、わが国最大の炭鉱でございますが、今回事故の復旧は、正常出炭に復するまでには相当期間を要し、同炭鉱の出炭は一時半減せざるを得ないものと考えられます。しかし、さしあたり石炭需給の緊急事態に対しては、山元の貯炭による調整と、他の石炭会社の協力による送炭によって対処できる見込みでございます。 以上、一応御報告を申し上げます。
○委員長(岸田幸雄君) ただいまの通産大臣の発言に対し、御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○小柳勇君 今の大臣の報告に対する質問はあとでいたしますが、私は、冒頭に、現地の犠牲者、罹災者及び関係者に弔意並びにお見舞いを申し上げる決議をきょうここでいたしまして、直ちに委員会の決議で弔意並びに見舞いの電報を打つことを提案いたします。
○徳永正利君 ただいまの小柳君の意見に私は賛成いたします。
○委員長(岸田幸雄君) いかがでございましょう、ただいまの見舞い電報をこの委員会より差し出すことにつきまして、皆様御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸田幸雄君) 御異議なしと認めます。 それでは、案文その他の取り計らいにつきましては、委員長に御一任を願いたいと思いますが、よろしうございますね。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸田幸雄君) さように決定いたしました。
○阿部竹松君 質問させていただく前に、政府の答弁される方々はどなたとどなたですか。
○委員長(岸田幸雄君) さしあたり福田通産大臣、田原鉱山保安局長、村上労働基準局長、これだけ見えております。
○阿部竹松君 さしあたりということですから、あとで私が要求申し上げておった総理大臣、官房長官、大橋労働大臣、この方々は出席していただけるわけですね。
○委員長(岸田幸雄君) 総理大臣並びに大橋労働大臣は旅行中のため、出席はせられないと思います。官房長官も旅行中のようでございます。
○阿部竹松君 国鉄災害と合わせて千名近い犠牲者が出ておる。本来であれば、終戦以来未曽有のことですから、衆議院がないわけですから、参議院の緊急集会等をもって対策に当たるのが当然だと私は考えられます。総理大臣はきのうおられたでしょう、官房長官も大橋労働大臣もおられたはずです。きのう閣議でこれを決定したのじゃないですか。どこへ行かれたのですか。この問題をそう軽々しく見ておるということについては、私、了承できません。真剣になって、衆議院がないわけですから、当委員会に御出席願って、私ども総理大臣がよかった悪かったという追及をしようと思っておりませんけれども、原因を明らかにして、将来どうするかという御審議を願いたいと思う。どこへ旅行されたのですか。委員長、調べてください。
○委員長(岸田幸雄君) その点はまた後刻御報告申し上げましょう。われわれのほうも、阿部君の言われるとおり、総理大臣以下関係各大臣の出席を強く要請しておったのですし、旅行中のために欠席されることになったので、はなはだ遺憾であります。
○小柳勇君 今のに関連いたしますが、委員長のおっしゃった、委員長は総理大臣並びに労働大臣も官房長官も出岸を要求しておったにかかわらず出ないんですか、確認しておきたいと思うのです。
○委員長(岸田幸雄君) 総理大臣と労働大臣は、昨日出席方を要求したのでありますが、それから官房長官は本日要求したわけであります。
○阿部竹松君 通産大臣にお尋ねしますが、通産大臣は内閣の主宰者でございませんから、あなたに御答弁していただけるかどうかわかりませんけれども、少なくとも、閣僚のお一人として関係があるだろうと思うのですが、私は、きのう閣議で三池炭鉱の対策本部の設置等についてということでいろいろおきめになっている、このとき総理大臣がおったはずです。それできょうどういう重大な要件で御出張なさったかわかりませんけれども、きょう半日や一日御出席願えぬというのは、私はどうも納得がいきかねる。この点も詳細について通産大臣は御承知ないのですか。
○国務大臣(福田一君) この実情は明らかにいたしておりません。ただ、しかし、私は通商産業大臣といたしまして、また、国務大臣といたしまして、内閣の責任の全般を負ってきょうは御質問に応ずるという立場にあると考えておりますし、また、そのつもりで出席したわけであります。
○阿部竹松君 通産大臣の御発言は、ちょっと内閣法から逸脱をするように私は聞こえるのですが、そうしますと、通産大臣、今より六、七年前になるのですが、やはり福岡県の東中鶴という炭鉱の坑内が埋没して十六名の犠牲者が出た。当時の通産大臣は高碕さんでしたが、率先して行かれて現地の収拾に当たられたことがある。通産大臣も御多忙でしょうが、現地へお出かけになるお気持があるのですか、あるいはそういうスケジュール等がございますか。
○国務大臣(福田一君) 御案内のとおり、九日にこの事故が起きましたので、そのとき私は夜の十一時から夜中の十二時半まで本省大臣室におりまして、鉱山保安局長以下課長を呼んで、そして事情を聴取しましたが、実情明らかでございません。そこで、さしあたり鉱山保安局の課長を現場に急派いたしまして、そして実情を明らかにすると同時に、また、罹災者救済等に万全の措置をとるようにということを指示をいたしまして、そこで、私そのとき考えたのでございますが、直ちに現場に行くのがよいか、あるいは、また、中央におって全体としての指揮をとるのが正しいかということを考えてみましたが、実情の明らかでないときには、むしろ中央におって全般の指揮をとるほうがよろしいと、こういう判断に立ちましたので、そこで、十日は御案内のとおり日曜でございまして、そこで、私は、十日に大体災害の多くのことは夜中前後までにわかったことでございますが、十一日、十二日は東京におりまして、十二日は、御承知のとおり、昨日閣議でございましたので、閣議においてさしあたりとるべき措置を十一日にいろいろ原案等をきめまして、それから閣議に臨んで処置すべきことを一応処置いたしました。そこで、本日は委員会をお開きになるということでございましたので、実は昨日のうちにでも閣議が済んでから現地に参りたいと考えておったのでありますが、きょう委員会を開くということでございましたので、きょうの委員会に出席させていただきまして、そして明朝早々出発いたしまして現地におもむいて、その罹災者の救済、援護、その他遺家族等に対する措置が現場においてどのように行なわれておるか、さらに、また、今後の対策がどうなっておるか。原因究明については、先ほど申し上げたように、調査団を派遣しておりますから、今までにわかった意見等も現場において聴取をするというようなことをいたしたい。かように考えておる次第でございます。
○阿部竹松君 次に、内容をお尋ねする前に、二、三点お尋ねしておきますが、閣議で決定した条項は、合理化事業団を通じて十億円融資しますというだけのものです。事業団で、こういう問題に十億円をこの機関を通じて融資するということは、これは法的に違法である。したがって、これは別個の問題として取り扱うべきものだと、このように考えるわけですがね。かりに百歩譲って違法でないとしたとして毛、これ閣議決定というのは何もない。対策本部を設けたといって、部長さんとか審議官の名前を羅列したことと、各社に保安確保せよといって指示したことと、こういうことは平素やっておられるわけでしょう。あらためて出すべき筋合いのものではない。平素やっておらぬとしたら大問題。こういうことぐらいでこの問題が解決できるとお思いなんですか。
○国務大臣(福田一君) 閣議決定は、おっしゃったことだけでもないのでございまして、現地に「臨時三池災害対策本部」を設置するということをきめました。それから、事故原因を調査いたしますために、技術調査団を緊急に派遣するということをきめたわけでございます。同時に、災害対策については関係地方公共団体に協力を要請するという、これが閣議決定をした事項でございます。それから、了解事項といたしまして、ただいまお話のございましたような十億円融資の問題、それから、被災者及び遺家族に対し、労災保険金の早期給付、それから、今回の災害発生に際して、直ちに石炭鉱業会社に私から警告を出しましたが、その後きのうまた首脳部を集めまして、私、特に厳重に申し渡したわけでございます。もちろんこういう保安の問題につきましては、ことしの通常国会のときにあたりましても、皆さんから特に御要請がありまして、私から厳重に監督方を文書をもって通達もいたしております。また、今度の場合におきましても文書で通達をし、また、首脳部も呼んで話をといいますか、警告をいたしておきましたが、私といたしましては、これで全部のことが終わったなどとは毛頭考えておりません。ただ、さしあたりの措置といたしましてこういうような措置をとった、かように申し上げておる次第でございます。
○阿部竹松君 これがさしあたりということであれば、しからば将来どういうことになるのか。いまより一カ月ほど前に、上野の文化会館で、ヨーロッパあるいはアメリカ等、世界の石炭業界の方々、あるいは監督官庁など、石炭に関係のある方々がお集まりになって、石炭世界大会をお開きになった。そのとき私がお聞きしたのですが、イギリスの燃料長官とおっしゃるから、日本の場合は通産大臣にあたるのか石炭局長にあたるのかわかりませんけれども、その人いわく、日本の炭鉱の災害状況をお調べになって、もしイギリスが日本のようであれば燃料長官は死刑にされます、こういうことをおっしゃっております。それからこういう大問題が起きた。これは一体だれの責任ですか。これは責任だけは通産大臣、明らかにしていただかなければなりませんよ。たとえば新聞を読ましていただくと、電車が暴走して火花が散って炭じん爆発したのだろうというような記事も書いてある。あるいは、また、スイッチを押してショートして火花が散って誘発したというようなことも書いてある。しかし、保安法を読んでみると、たとえば坑内でたばこをのんでもマッチをすっても爆発するような筋合いのものではない。もちろん、万一のことをおもんぱかって、たばこものませませんし、火気は厳禁ですが、とにかく坑内で電車が暴走して火花が散って爆発するというような筋合いのものではない。電線が切れて火花が散って爆発するものでは絶対ない。それは保安法に定めてある。ですから、そういうことを考えてみると、これは責任はどこにあるか、こういう点について通産大臣のお考えを承っておきたいと思います。
○国務大臣(福田一君) どういう原因でこういう事故が起きたかということをまず調べることが一番大事だと思います。そうして、その結果責任問題を究明すべきかと考えておるので、われわれは責任をのがれようとかどうとかという考えはございません。しかし、いまのところはそういう事情をつまびらかにするということが一番大事だと思いまして、とくに技術を中心とした調査団を現地に実は派遣いたして、そうしてその事実をいま究明いたしておるところでございますので、しかも、それは長くかかってはいけないと思いまして、約二週間ぐらいの間に結果を少なくとも出していただきたいということを言っておるところでございます。その結果を待って責任の問題はやはり考えてまいらなければならないと考えております。
○阿部竹松君 二週間ぐらい待ってというお話ですが、いままで数多くの災害が九州なり北海道、常磐、山口で起きて、何パーセント明らかになりましたか。この前の国会は臨時国会でしたが、その臨時国会の前に、山口の大浜炭鉱で水没事故が起こって、いよいよ国会の末期になって、私、保安局長に、あの点はどうなるかという質問をしたところが、それはもう二週間たったらこれは完全に収拾できますよという御答弁がここであった。ところが、二週間後どうですか、あれはだめでごさいました、こう言うんです。一事が万事とは私は言いませんけれども、今回でも、いまわからぬのが、どうして坑内であったことが、二週間たってわかりますか。もちろん原因の究明はいたさなければなりませんが、そういうような事故によって爆発したという事実は、これは否定できませんよ。火花が散っても爆発しないような、マッチをすっても、たばこをのんでも爆発しないような、そういうような坑内でなかったというところに問題がある。これは保安管理者の責任か、鉱業権者の責任か、監督官庁の責任かを明確にしてもらわなければなりません。もう二週間たって、爆発したあとに行って、ばい煙がついたところで何がわかりますか。なるほどレールが曲がって、この辺が爆発点ではなかったかということはわかるにしても、それで事故の原因が明白にわかるんですか。そこに保安関係の方々もおいでになっているようですから、その点ひとつ明確にしていただきましょう。
○国務大臣(福田一君) 私は、やはり事実認定ということが——すべて責任を負うとか責任を課するといいますか、そういうものは極力事実認定ということが必要になるので、まあそういうことを申し上げてはあれですけれども、刑法の場合も事実認定が第一条件でございます。したがって、できるだけ、二週間と言っても二週間かかるということではない、二週間以内に調査をしてもらいたいと、こういうことを申しておるのでありまして、これで調査ができるかどうかも、あなたのおっしゃるとおり、それはわかりません。しかし、われわれとしては、そういう努力をしないで、すぐ責任に一足飛びにいくこともできない。また、事実の究明がないのに責任を追及したら、これはまた逸脱行為になるおそれが多分にあるのでございます。この事態は非常に遺憾でございますが、責任問題になると、事実の究明ということがまず第一に法治国として当然のことだろうと思います。
○阿部竹松君 けさの新聞を見ますと、三井鉱山社長の栗木さんが通産大臣、労働大臣等をおたずねして、今回の点を報告すると同時に、どうも石炭を十分出すことができなくて申しわけございません、大手各社の御協力をお願いいたしますというような記事が載っておる。新聞情報が正確かどうかわかりませんけれども、とにかくそういうきのう行動をとられたということは、これは間違いないでしょう。しかし、私は、こういう三井鉱山三池鉱業所のごときは、保安法の二十四条にこれは適用されるものだと思う。これは保安法の二十四条に適用されませんか。
○国務大臣(福田一君) 二十四条でございますと、「通商産業大臣は、鉱業の実施により、危害若しくは鉱害を生じ、鉱物資源若しくは施設を損じ、又はそのおそれが多いと認める場合において、必要があるときは、鉱業権者に対し、その鉱業の停止を命ずることができる。」、こうあります。私は、との点につきましては、鉱山保安局長が行っておりまして、今後一部の操業をやることは、いわゆる保安上危険であるかどうかということについては、十分監督をいたしておると思います。また、そういう点について報告があり、必要があるということでございますれば、私はこれを停止する措置をとる場合もあり得ると思います。ただいまのところ、まだ私自身が現地に行っておるところでもなければ、私などは専門家でないから、そういうことの認定についてはわかりません。鉱山保安局長あるいは監督官等が十分そういう点について考えて措置をいたしておると信じておるわけでございます。
○阿部竹松君 監督局長、鉱山部会とおっしゃっても、しかし、通産大臣が最後の決裁を下す。それと同時に、おそれあると思われるときではない、もうすでにおそれがあった、これが二十四条にかからない、二十四条が適用されないということになれば、何のためにこの条文があるかということをお尋ねしたい。これは私は完全にかかると思うのですが、保安局長は、私がお尋ねすると、あわてて条文を開いたようですから、全然そういうお気持ちがないのではないかと思うのですが、局長の見解はいかがですか。
○説明員(田原正邦君) 危険のおそれがあるかどうかという実態は、いまさ。大臣から申し上げましたように、いま現地の鉱山監督局長が常に監督しておりますので、いまのところ監督局長からそういう危険のおそれがあるという報告は受け取っておりません。
○阿部竹松君 一切現地まかせで、あなたは何をおやりになっているかということをお尋ねしたいのですが、その次にお尋ねしたい。その保安に関して中央協議会と地方協議会がある。保安局長は新しく御就任なさったのでおわかりでないかもしれないけれども、ここ数年来、一年に何回ずつ開きましたか。地方協議会はほとんど開いておらない。一年に何回くらい開いているか。中央、地方のデータを示してください、ほとんど開いていない。
○説明員(田原正邦君) 中央保安協議会そのものはあまり開いておりませんが、そのかわりに基本問題部会で非常に具体的な問題を検討いたしておりまして、基本問題部会は毎月大体一回開いております。そうして、そこでこまかい非常に具体的な問題を検討して、そうして結論が出ましたならば中央保安協議会にかける、こういうことで毎月一回開いております。なお、中央保安協議会を開きましたのは、三十七年度には四回、本年度はまだ一回も開いておりませんが、これは中央保安協議会 の委員会の席上で、基本問題部会でゆっくり検討するようにという指示を受けて基本問題部会を毎月開いておる次第でございます。
○阿部竹松君 国会と同じで、委員会 でいくら法律を論議し、ここで可決しても、本会議で可決しなければ法は成立しないですよ。したがって、中央協議会も開かない、地方なんか中央より開かない。保安問題に関して全然意見が入っておらぬでしょう。そういう実情ですから、いまこれはわれわれも反省しなければなりませんが、特に衝に当たる通産省、中でも保安局は、こういう事故を起こしたらあわてて対策を立てるけれども、三日もたったら忘れてしまうというのが実態です。保安法を改正するといいまして、いまの前尾幹事長が通産大臣だった当時、水田さん、高碕さん、歴代の通産大臣になって、まだ保安法の改正をやっておらぬ。福田さんの時代も、大臣になられた当初お尋ねした、これはたいへんですよと。それで、さっそくやりましょう、目下検討中、目下検討中で今日に至っておる。こういうことで保安の一部分を論議しても全然ものにならぬ。そうでしょう。 それから、もう一つお尋ねしますが、この三池で保安委員会というものはあるのですか、ないのですか、法に基づいて。
○説明員(田原正邦君) ございます。現在、三池炭鉱における保安委員会の開催状況でございますが、現在毎月一回開催されておるようでございます。
○阿部竹松君 委員会はあるのですか。
○説明員(田原正邦君) 保安委員会でございますか、ございます。
○阿部竹松君 そこで、お尋ねしたいのは、ここ数年来、急激に坑内事故が起きておる。そういう場合に、基準局長は、労働大臣が通産大臣に勧告することができることになっておる。こう急激に事故が起きて、あなたのほうで通産大臣に勧告したことがございますか。これは大臣がおらないからあなたにお聞きするのですが。
○説明員(村上茂利君) これは先生御承知のとおりでございますが、過去におきます災害の大きなものとしましては、三十一年にガス爆発、自然発火等による災害事故が多発いたしまして、七件ほどの大きな事故がございました。その際と、それから昭和三十五年に豊州炭鉱の坑内出水災害などがございましたおり、勧告をいたしたわけでございます。ただ、その際の勧告形式といたしましては、内容的にかなり具体的なものであることを必要といたしましたので、労働大臣の命を受けまして、労働基準局長が通産省の鉱山保安局長に対して勧告をいたし、それを通産大臣に御報告を願う、こういうような形式をとったわけでございます。その後、その勧告に対しましてどのような措置をとったかという点については、そのつど報告を受けまして、勧告した結果の確認については努力をいたしておる次第でございます。
○阿部竹松君 そうしますと、きのう閣議決定をして、各炭鉱会社を集めて、保安の確保に万全を期せよという指示の要請をする以前に、いまの村上基準局長の御答弁の中に出てきました、要請した当時そういうことをやっておかなければならない。労働省から要請されて、その当時は白紙にして、おいて、一千名近い死者、重傷者、軽傷者が出てからやったのでは、もう手おくれです。そういうことになると思うのですがね。その点については何ら痛痒を感じませんか。
○説明員(村上茂利君) 私から御答弁申し上げるのはいかがかと思いますが、先ほど答弁申し上げました勧告の内容に関連しましてとられた処置につきましては、たとえば昭和三十一年の勧告につきましては、ガス爆発についての災害防止という点から、特にガス爆発についての改善策を勧告いたしておったのでありますが、それにつきましては、具体的な施策を通産省のほうでも御検討いただき、それに関連する鉱山保安規則の一部改正が行なわれたというように、その当時勧告いたしました事項については、そのつど所要の改善が行なわれた、こういうような形に相なっております。御参考までに申し上げます。
○阿部竹松君 私もその保安法を三、四年の間に二、三度改正したのは知っておりますが、いまおっしゃったような項目の改正は、私の記憶違いかもしれませんが、ございませんよ。そういう点があれば、これはひとつ保安局長に明確に私の発言が違ったら違うというように指摘していただきたい。
○説明員(田原正邦君) 法律の改正もしております。省令の改正は常にやっております。技術基準になります省令の改正は。
○阿部竹松君 私は、いま基準局長の発言と、それをどう実施したかということで、関連してお尋ねしたのですがね。 そこで、その次をお尋ねしますが、三川鉱はきわめてこれは優秀な炭鉱だといって、あまり監督局で巡回なり監督にお出かけにならなかったという話を聞いておるのですが、この点はまあお尋ねすると、そういうことはございませんという御答弁になるかと思いますが、とにかくガスがあったということは事実なのです、爆発しておりますからね。原因はどうあろうとも、爆発しておるのですから、監督業務のこれは手抜かりでしょう。
○説明員(田原正邦君) 巡回監督の状況でございますが、この四月以降、四月に一回、それから六月に一回、十月に一回三川鉱の巡回監督をいたしております。
○阿部竹松君 それと同時に、これは三池ばかりじゃありませんけれどもね。能率の上昇に比例して坑内災害が頻発するのですね。これは当局はどう考えておられるのですか。能率が上昇するに比例して事故がどんどんふえていく。能率のほうは石炭局で、けがのほうは保安局だから、全然関係がないとは御答弁できないと思うのですがね。ここ一、二年急激に炭鉱災害がふえておる。この原因は一体何ですか。
○説明員(田原正邦君) 災害の発生状況は、ここの四、五年の状況を見ますと、件数といたしましてはふえておりません。ただ、労働者千人当たりと申しますか、労働者数を分母にいたしまして災害件数を割った数字がふえておるわけでございます。で、この原因につきましては、私のほうでもおっしゃるような問題があるのじゃないかということで、十分検討をいたしておりますが、とくに目立つのは、機材の取り扱いによる不注意というのが非常に多いようであります。もう一ついま申し上げました統計上では、千人当たりの災害率がふえておるということは、分母の労働者数と件数との関係になると思います。労働者数が減ってきておる。つまり災害と直接関係の薄い坑外で働いておられる労働者数が減っておるという統計上の問題もあるのじゃないかと思われるのであります。
○阿部竹松君 十万人で千人なくなる場合と、二十万人で千人なくなる場合と、それは十万人のほうのけがが倍の率になるわけです。ですから、大体現在の人員に対して、けが人がふえておる。昔五十万人おったときよりは少ないでしょう、けが人が。いま五分の一ですから。しかし、いまどうしてだんだんとにかく皆さん方の指導によってそういう犠牲者を減らさなきゃならないわけでしょう。ところが、逆にふえておるわけです。さいぜんのイギリスの例じゃないですが、とにかく日本は世界一なんです。池田さんに言わせると日本は世界一等国になるかもしれませんけれども、けが人の世界一等国なんというのは、これはあまりほめた話じゃないと思うのですよ。世界一ですよ。これを打破する方法はないのですか。全然そういうことはやってない。
○説明員(田原正邦君) 阿部委員のおっしゃるとおり、日本の災害状況は非常に多く、直接監督の衝に当たっておる私どもといたしましても、非常に遺憾に思っておるのでございます。一つの大きな原因といたしまして、自然条件が非常に悪い。特に炭層の上の上盤が悪いということも一つの大きな原因のように思われます。それから、ガスも向こうよりは多いということも考えられると思います。
○阿部竹松君 それは保安局長、逆ですよ。もう三年ぐらい前に保安法の改正をやりまして、保安の条件の悪い山を修理させる、直させる、直さぬ山は保安法に基づいて買い上げてしまう、あるいは合理化事業団が悪い条件の山を買収しておるんですから、いい所いい所というように残っているわけですよ。自然条件が悪くなりますというのは逆じゃないですか。悪い山は切り捨てごめんで切り捨てておるんですから、悪いのがふえておるんじゃないんです。そういうお考えは私は逆だと思うんですがね。 それから、もう一つ通産大臣にお尋ねしたいんですが、池田さんは人つくり人つくりとおっしゃっおって、だんだんお努力なさっておるようですが、きのう運輸委員会で出たかどうかわかりませんけれども、列車事故なんか見ても、日本は営業キロ数一キロに一万二千名、アメリカは二百八十名、ドイツ、フランスでとにかく三千二、三百名、日本は一万二千名、こういうことなんですね。テレビを見ると、何々の自動車は時速百何十キロというように、オートバイでも何でも盛んに宣伝していなさる。一ぺん道路へ出ると、ここは四十五キロしか走れません、ここは最高五十キロです。しかし、テレビのほうで盛んに宣伝しておる。それは政府がだまっておる。汽車でもそう、炭鉱でもそう。こんなことで人つくりということができますかね。あなたはさいぜん、国務大臣自身として関係ありますとおっしゃった。国務大臣としてどう考えているんですか。人つくりなんてえらそうなことを言って、本会議の演説だけでは八つくりはできません。そういうのを一つ一つ解決するお気持があるんですかないんですか。
○国務大臣(福田一君) 人つくりに努力をいたすということをわれわれいつも申し上げておるのでありまして、したがって、いま例にございましたことは、私いま実情をつまびらかにいたさないので、ちょっとお答えしにくいと思いますが、道路が、ここは四十五キロしか走ってはいけない、ここは八十キロまで走ってよろしいと、こう書いてあった場合に、自動車自体の性能が、百二十キロまで走れますと、こう書いたといたしましても、その関係は、直接関係はないんじゃ、ないんでございましょうか。
○阿部竹松君 その次に、さいぜん若干触れましたが、この十億円融資というのはどういう方法でお出しになられるんですか。ここには合理化事業団の機関を通じてやるような意味にとれる文章ですがね、合理化事業団法を見ると、こういうことは扱えないようになっておる。この関係はどうですか。
○説明員(若林茂信君) お答え申し上げます。いま阿部委員の御指摘のとおり、事業団の業務としては石炭鉱業合理化臨時措置法できまっておるのであります。ただいま御指摘の三井鉱山株式会社にとりあえず十億円貸し付けましたのは、同法律の第三十六条の二十一の整備資金の貸し付けとして貸し付けたわけでございます。したがいまして、弔慰金等の資金の貸し付けではございません。ただ、三井鉱山株式会社は非常に資金繰りに困っております。整備資金として貸し付けますと、それだけほかの資金繰りに困っておりますので、整備資金として貸し付けますと、それだけほかの資金が浮くわけでございますので、結果的に会社全体で資金繰りがついて、いろいろ災害対策に金が出せるという趣旨でございます。
○阿部竹松君 よく意味がのみ込めないのですが、たとえば整備資金であっても、整備資金の使途がちゃんと規定されておるわけです。そうすると、結局整備資金の中で、十億円を事業団から融資して、整備資金に使う金を弔慰金に使うというわけですか。それをあなたのほうではお認めになるというわけですか、そういう解釈の拡大をやって。
○説明員(若林茂信君) そういうことではございません。整備資金として貸しました金は、あくまでも整備資金にしか使えません。会社は整備資金だけしか持っていないわけではございませんで、大きいプールで資金を持っておるわけでございます。本来、整備資金に会社が充てるべき金をほかへ回す、そして先ほど私が申しました整備資金というのは、会社経営のための整備資金でございまして、石炭会社の整備資金を全部国から貸しておるわけではございませんので、大体所要額の半分ぐらい貸しておるわけでございます。あとの半分は会社の手金を出して、会社が整備資金に使っておるわけでございますので、国の融資額がふえれば会社で整備資金に充てることができた金額をほかのほうに充てることができていいじゃないか、全体として資金繰りが楽になるわけでございます。
○阿部竹松君 しかし、いかように答弁されても、その点は私、理解ができかねる。これはしかし別個に融資する筋合いのものではございませんか。筋が通るとあなたは答弁なさっておるが、あなたそれで筋が通ると思っておるのですか。私は課長さんに文句を言ってもしょうがないが、それで筋が通るのですか。これは災害ですから、別個に通産当局なり労働省なり、政府がおやりになるべきことであって、あなたの話は筋が通るようですが、金を持っておったら貸さなくてもよろしいということになる、そういうことになるでしょう。全然あなたの話は筋が通らん。ですから、この種のものは当然やっていただかなきやならぬから、筋を通して、国として大災害——さいぜん通産大臣の御報告によれば、大正三年の方城炭鉱以来だというわけですが、これは国がおやりになるのは当然のことであって、しかし、そんな曲げてわずか十億円ぐらいの金を融資をするのはおかしい。
○説明員(若林茂信君) もう一回繰り返して御説明申し上げますと、三井鉱山の本年度の退職金の所要額は、会社全体で約百五十億円でございます。それに対しまして、会社としては、国の整備資金にその約半額ぐらい期待をしているわけでございます。あとの半額は、会社が自分の手金で整備資金に充てるということになっておるわけでございます。とりあえず十億を会社が予定しておりました以上に、とりあえず今の時期といたしまして出したわけでございます。それで、会社にそれだけ出しますれば、会社自体の資金繰りが楽になりますので、その金でとりあえずの災害の応急措置ができる、そういう意味でございまして、別に違法なことをやったとは考えておりません。
○阿部竹松君 通産大臣にお尋ねしますが、三井鉱山というところは、大体有澤調査団の答申に基づいて、あなたのほうで五百五十三万トンという数字を出しておやりになっているようだが、あれ以上三井鉱山というところは企業整備をやっておるじゃないですか。御承知ないですか。
○国務大臣(福田一君) 私のいま承知しておるところでは、五百五十三万トンと予定した以上にはやっておらないと思っております。
○阿部竹松君 しかし、三井鉱山は、一方では合理化といって、首を切っておって、一方では人が足らないといって募集をしておるんじゃないですか。そういうやり方を通産省が認めておるんですか。片っ方では合理化法で首を切っておって、やれ失業保険だ、やれ打ち切り手当だといって、村上さんのほうの労働省にお世話になって、一方では人を募集しなきゃならぬ、これが通産行政ですよ。あんた通産省の元締めとして、そういうこと御承知ないんですか。下でどんなことをやっているのか、まさか知らぬはずがない。片一方では労働省のお世話になっている、それが三井鉱山の実態じゃないですか。ですから、それが今度の爆発の原因だということは私は申し上げませんけれども、とにかくそういうことが一切からんでくる。そういう配慮まで手を差し伸べなければこの問題は解決いたしませんよ。爆発した、五百名近い犠牲者が出た、十億円金を出せばよろしいというような単純なものじゃない。
○国務大臣(福田一君) それは、その原因といいますか、一方において退職され、一方において求人をしておるということは、一つは配置転換の問題がございます。一つは希望退職者が出るということが原因になっているかと考えております。
○阿部竹松君 希望退職といっても、本人が希望してやめるのでなくて、こういう石炭界の状態になっているから、君は退職せぬかということで、希望退職という美しい名前で実施されておる、そこに問題があるわけです。 そこで、私はいろいろお尋ねいたしましたが、とにかく本件は、新聞に出ておるように、電線によってやられたか、炭車の暴走によってやられたかわからぬけれども、そういうことがあったとしても、火を坑内に持って入っても爆発せぬように保安の確保をしておかなければならぬことになっている。事故は十分究明していただかなければならぬけれども、そういうような坑内条件を作っておいたというところに問題がある。この点については、通産大臣は、これは目下調査中でございますというから、いままでのように、あいまいもこでなく、選挙が済むと特別国会が開かれるようですから、それまでに明らかにしていただきたい。あとは同僚議員も質問を予定しておるようですから、私これ以上質問いたしませんが、とにかくこの点を明確にしていただきたい。
○国務大臣(福田一君) 御趣旨に沿うよう、極力努力いたします。
○小柳勇君 今のに関連しまして、労働大臣が旅先で発言しているのに、保安監督の問題は労働省の所管にしたほうがいいのではないかということで、ひとつ検討したい、こういうことを言っているのだが、そのことばの裏の中には、通産省としては、生産増強なり、あるいは配炭計画なり、いろいろいわゆる出炭の方向を重点で考えるであろうから、石炭産業なり、あるいは鉱山の保安については、労働省で監督したほうがほんとうに保安確保にはいいのではないかということを感ずるわけでございます。通産大臣、その点について検討する、あるいは検討されたことがあるかどうか、いまの心境を聞いておきたいと思います。
○国務大臣(福田一君) 私は、労働大臣がそのような発言をされたということは聞いておりません。しかし、いまの御質問に対しては、私このように考えておるわけでございます。 石炭の場合は、ほかの事業と違っておりまして、保安が即生産であります。生産が即保安でございます。保安なくして生産ができるものではないし、また、保安、人命尊重ということを特に考えないで生産をするなどということは、これは絶対に許されないことであると思っております。したがって、保安と生産、保安といわゆる経営、保安、生産、経営というものは、これはもう三位一体で不可分なものである。そういう意味合いにおきまして、いわゆる鉱山保安の問題は労働基準法においても、一応一定の部分はこれを停止する、こういうことにきめられておると考えておるのでありまして、いずれにいたしましても、このような事件が起きたことについては、まことにわれわれとしては遺憾と考えておりまして、事件の究明をいたしまして、今後このような事態が起きないように、極力努力をいたしますと同時に、私たちとしては、その原因を突きとめますれば、相当責任の問題についても厳重な措置をとるべきである、こういうふうに考えておるわけでございます。
○小柳勇君 保安の重大さについてはよくわかります。いまのお話でわかりましたが、私はもう一歩前進して、鉱山保安監督官について、監督行政というものは通産省から切り離したらいいのではないか、そういうのがあなたのほうの閣僚の中にもある。したがって、通産省としてそういうことをお考えになったことがあるかどうか、そのことを聞いているわけです。その内容については私もよく承知しておりますから、そういうことで考える価値があると、私はそう思うのです。これは以前の炭鉱爆発事件でも、われわれも再三再四そういうことを言っている。いままで一回も検討されていないとすれば、通産省は怠慢であると思う。大臣どうでありましょうか。
○国務大臣(福田一君) 先ほどもお答えいたしましたが、労働大臣がそのような発言をしたということは聞いておりません。実はそういうお話が新聞に出たので、さっそく労働省に連絡して、そういうことがあったかということを聞いておりまして、そういうことはなかったということは承っておるのであります。 なお、保安と生産、いわゆる保安監督と生産行政とを切り離したほうがいいか、また、この点について考えたことがあるかということでございます。私は、いままでもそういう問題についてはいろいろ考えておりましたが、今度の問題についても、実はわれわれとして十分考えなければならない問題でございますので、両三日中そういうことについてもいろいろ研究をいたしております。しかし、やはり生産と保安と経営、この三位を切り離さないほうがいい、現体制のほうがそういう意味では正しい。ただし、その正しいということは、災害が起きてもいいということではございません。保安にはもっと力を入れなければならないけれども、いまのやり方で処置をしたほうがいい、こういうことでございます。
○小柳勇君 前にも論議されたことがあるようですから、その問題はひとつ課題としておきますが、労働大臣の発言を聞いていなければ、きょうの朝日新聞の「天声人語」を見ていただきたい。これは新聞社が責任ある報道をしておるものと思いますから、うそを書くはずはないと思いますから、それを見ておいていただきたい。その問題はまたあとで論議します。 さっきの大臣の答弁に関連しまして、保安即生産である、それは鉄則でなければならぬと思う。しからば、今度の事故を私が現地に行っていろいろ調査したところによると、出炭を急ぐのあまり、保安がお留守になっておる、これは新聞記者諸君もそういう見方をしておられるし、私どももそういうふうに感ずる。具体的に私は数字をお聞きしましょう。いまここに保安局から出ている数字がありますが、三川鉱における労働者数並びに出炭数が出ております。三十五年、三十六年、三十七年のデータを教えてください。
○説明員(田原正邦君) 三十五年は、これはストの影響、ストを行なった関係で非常に出炭が少なくて、四十八万九千五百トンでございます。三十六年度は三百五十三万二千五百トン、三十七年度が四百十八万六千三百トン、いまのは年間の出炭の数字でございます。
○小柳勇君 いまの数字は年間のようでございますが、ここには十五万トンと書いてある。これが月産の出炭量ですね。
○説明員(田原正邦君) 十五万トンと申しますのは三川鉱の出炭でございまして、私が申し上げましたのは三池炭鉱全体の出炭でございます。
○小柳勇君 御存じのように、今度の事故は三川鉱に発生しておるわけです。私が調査してきまして、出炭量及び保安要員などの問題を調査してきましたのによりますと、いまの全体の数字でもわかりますが、出炭が相当急がれておる。あなたのほうでは採炭夫の人数などはわかっておりますか。ここには労働者数だけわかっております。三川鉱の労働者数五千百名と書いてあります。採炭夫何名、坑外夫何名とわかっておりますか。
○説明員(田原正邦君) 三川鉱の坑内外夫の数はいまここではわかりません。これは三十八年九月末の三川鉱の調査でございますが、三川鉱における労働者数五千百名と申しますのは、会社の直接の労働者と、それから請負夫も入った数字でございます。それで、これから申し上げます数字は、会社の直轄の労働者数の三川鉱の坑内外夫の数字でございますが、それが坑内が三千三百七十三人、坑外が六百一人でございます。合計三千九百七十四人でございます。これが会社直轄の坑内外の労働者数でございます。
○小柳勇君 これは、この数字は何ですか。五千百とか、十五万トンとか書いてあるが、請負夫などというのは三池炭鉱の職員として計上するわけにいかぬでしょう、下請だから。そういうものを入れて五千百とはなんですか。
○説明員(田原正邦君) 五千百というのは、直轄夫と請負夫も入っておる数字でございまして、鉱山保安法の対象になる労働者、鉱山保安法で保護を受ける対象の労働者数が五千百ということでございます。鉱山保安法では、請負夫も適用の対象になるものでございますから、その数字を計上したわけであります。
○小柳勇君 その数字の中の内容はわかりますか、採炭夫とか、坑外夫とか。
○説明員(田原正邦君) 直轄夫の内容はわかります。
○小柳勇君 その内容をちょっと言ってください。三十六年からの変化を言ってください。
○説明員(田原正邦君) 三川鉱のでございますか。いまここに持ち合わせございません。ただ、九月末現在の職種別の数字はわかります。
○小柳勇君 まあ事故の調査をされるとき、どういうところをされておるか。現地でやっておられるだろうから、まだ本省まできておらないのかわかりませんけれども、私がいま質問しておる前提は、出炭を急ぐあまり、採炭夫などをたくさん坑内に入れて、そして保安要員は減っておるのではないかということを中心にいま数字で質問しておるのです。それはことばで一言で言えばそういうことなんですよ。採炭を急ぐあまり、出炭を急ぐあまり、採炭夫のほうをふやしてうんと中に入れる、そうして保安要員などはどんどん削減しておるのではないか。それで三十五年のスト以後、急速に出炭がふえているでしょう。もう少し具体的に聞きましょう。ここに出炭量が三川鉱で十五万トンとありますが、三十六年、三十七年の数字を教えてください。ついでに、保安要員の変化も言ってください。あなた保安局だからわかっているでしょう。
○説明員(田原正邦君) 三十六年度における三川鉱の出炭は百七十九万トン、これまた年間でございますが、百七十九万トンでございます。それから、三十七年度は百八十七万一千八百トンでございます。三十八年は……。
○小柳勇君 上期だけでいいから。
○説明員(田原正邦君) 月別を申し上げます。四月が十二万九千七百トン、五月が十三万五千七百トン、六月が十三万トン、七月が十四万六千七百トン、八月が十四万四千二百トン、九月が十六万九千トン、以上でございます。
○小柳勇君 出炭におきましても驚異的な上昇です。保安要員はわかっていますか、保安要員の減少。
○説明員(田原正邦君) いま小柳委員のおっしゃいました保安要員の定義が非常にむずかしいのでございまして、たとえば充填夫だとか仕繰夫とかというのは、生産にも入りますし、保安にも入りますので、保安要員という職種というのは区別ができないのでございます。
○小柳勇君 そんなことで監督できますか。
○説明員(田原正邦君) 作業ごとで出てくるのでございます。
○小柳勇君 そういうふうなことで保安監督があなたできますか。保安要員として、とにかくその爆発事故を防いだり機械を点検いたしたり、いろいろ保安要員として、ちゃんとあなたのほうでは、保安監督上、要員として、いわゆる常識上、どこの山だって保安要員何名だと聞けばすぐわかる。小さい数字ですから、あなたのほうではまあ現場のほうへまた聞きましょうが、私の調べたところによりますと、三川鉱の場合十八名おった保安要員が、現在六名になっておる。三分の一です。出炭量は四千トンから一万トンへ二・五倍、そしてさっきの採炭夫の場合、かって千九名でやっておった。大体三年くらい前は千九名であった人が現在千九百五十名、ちょうど倍くらい採炭夫を中に入れて出炭を急いでおる。さっき炭じんということばがございましたが、炭じんはまだこれから調査しなければなりませんでしょうけれども、そういう出炭を急ぐ、しかも栗木さんのことばによりますと、赤字をとにかく三十八年の下期までに黒字にするのだといってがんばっているのだと言っている。その三年間、三十五年のストライキから後、三十六、三十七、三十八年と急速度に出炭が上昇しておる。しかも、保安要員は減少しつつある。そういうことを保安監督局でわからぬというのは一体どういうことなんでしょうか。わかっておればもう少しその数字を教えてもらいたい。
○説明員(田原正邦君) 私のほうで監督をいたしますときには、保安規則に基づきまして、炭鉱における施設その他坑道等は悪いところを指摘して、それを改善をするように指示いたします。そういたしますと、山のほうでそれに対して仕繰夫を持ってくる。あるいは生産関係の労働者を回す、そういうことで、保安要員という定義をちょっと私どもははっきりいたさないのでございまして、毎日々々の坑内の作業状況で有付の結果出てくる数字ではないかと思うのでございます。きょうは向こうに何人入る、きょうはあすこに何人入るということで、毎日毎日有付によってきまっているのじゃないかと思っております。
○小柳勇君 いま保安局長ですね、保安係の要員とか、いろいろ保安をかわってやる者がおるからということで考えておられるのですけれども、それは最後の問題、あとまた現地のほうでいろいろお聞きしたいと思うので、最後の問題ですから、一応先に問題を進めますが、それでは、ここ三無間の事故発生件数について教えてください。たとえば重傷、軽傷、死亡等、三年間でいいから、統計を教えてください。
○説明員(田原正邦君) 三池炭鉱における過去三年間でございますか。
○小柳勇君 そうです。
○説明員(田原正邦君) 三年間の罹災者の数字を申し上げます。三十五年、これは 度ではございません。暦年でございます。 三十五年は死亡者がゼロでございまして、それから、重傷者が三百三十九名でございます。それから、軽傷者が四百二十七名でございます。計七百六十六名でございます。 三十六年でございますが、死亡者が十六名でございます。重傷者が千九百二十九名、軽傷者が二千三百十五名、計四千二百六十名でございます。 それから、三十七年が、死亡者が十五名、重傷者が千七百六十三名、軽傷者が二千九十二名、その計が三千八百七十名、三十八年六月上期、六月まででございますが、死亡者が六名でございます。それから、重傷者が七百七十六名でございます。それから、軽傷者が八百三十八名でございます。その合計が千六百二十名でございます。 ここで三十五年はストがありましたので、作業はだいぶ休んでおります。
○小柳勇君 それでは三十四年を教えてください。
○説明員(田原正邦君) 三十四年は、死亡者が一人、重傷者が千四百二十三人、軽傷者が二千二百八十九名、合計三千七百十三名でございます。
○小柳勇君 三十五年はストライキであまり仕事をしなかったとおっしゃるから、三十四年に比べましても、死亡者、重軽傷の数は飛躍的にふえているわけですね、驚くべきふえ方をしている。その原因は一体何だと保安監督局ではとっておりますか。
○説明員(田原正邦君) まことに遺憾なことでございますが、三十六年、三十七年は非常にたくさんの死亡者がある。三十八年も上期は六名で、前年と比較いたしますと減っておるので喜んでおったのでございますが、今度のようなことになって、まことに残念でございますが、その原因につきましては、今度の変災を契機といたしまして、もう少し詳しく現地を調査いたし まして、その上で結論を出したいと思っております。
○小柳勇君 本省の保安局まであるいは委員は入っていないかもしれないけれども、この三池には第一組合、第二組合ができまして、三池の第一組合、いわゆる三池労働組合から推薦した保安委員というものを、会社側が次々に人物に難くせをつけて、事実上これを拒否している。保安委員、それから保安委員を常駐制を半常駐制にしている。あるいは保安常会についても時間を著しく制限して、質問などほとんどさせない。会社側がそういう情勢にあるということはあなた方の耳に入っていませんか。
○説明員(田原正邦君) 入っておりません。
○小柳勇君 これは現地の監督局のほうからあなたのほうにそういう問題を報告しないというのは、これは怠慢であって、現地のほうでまたいろいろ質問したいと思うけれども、そういうことで会社のほうで三十五年の組合の紛争以来、労働組合の言うことを聞かない、そしてもう生産増強一本やりだ、とにかく赤字を何とか黒字にしよう、そのためには保安要員もできるだけ削減する、経費も削減する、そういうものが今度のこの事故の一番大きな原因ではないかと私は考えるし、また、大牟田におるほとんどの識者はそういうふうに考えているわけです。その問題については、これは局長もですけれども、大臣、ひとつその根本的な原因——かって通産大臣は保安即生産だとおっしゃった。このような数字の上で出ておるやつを三年間あなたの保安局は対策を放置しているわけだ。あるいは書面は出されていたかもしれぬ。書面を出されたあと点検しておられるかどうか。まず、保安局長からその点を、書面を出したがこういう回答があったとか、具体的にこういう指摘をしたとか、何か具体的な事実があったら言ってください。そのあと、その上で大臣はさっきの御答弁に沿って、一体どうするか、その点、大臣の今後の決意なり、これに対する対策を聞いておきたいと思います。
○説明員(田原正邦君) 現地で炭鉱の監督をいたしましたらば、必ず悪いところを指摘いたしまして、そうしてその場で監督官が注意をする場合と、それから、監督局から山に対して書類でもって通達書を出します。それに対して山のほうがその改善計画を出してきて、それを私のほうで見て、以後の監督のときにそれが改善されているかどうかを監督いたしておる次第でございます。個々の問題につきましては私のほうに報告が参っておりません。どういう指示をしてどういう改善をしたかということは、私のほうにはわかっておりませんが、現地の監督局にはわかっております。
○国務大臣(福田一君) ただいまの御質問でございますが、数字的に見ますというと、この上期までは、どちらかといえば、ずっとふえているというのではなくて、まあ横ばい状態であったと思うのであります。ところが、今度の事故で、これはもうそのバランスは大きく破れておりますので、これはわれわれは非常に遺憾に考えておるのでございますが、そういう場合の個々の保安と生産という面につきましては、もし鉱山保安法に欠陥があれば、これは直さなければなりません。また、省令、いわゆる取り締まり規則において遺憾な点があれば、不足の点があれば、これもまた訂正をしなければなりません。あるいは、また、監督自体のやり方について手落ちがございますならば、もちろんこれは訂正をいたすべきであると思うのでありますが、いずれにいたしましても、ただいま申し上げましたような調査をいたしまして、そうしてわれわれとしてその面について十分考慮をいたしてまいりたいと、かように考えております。
○小宮市太郎君 いまの問題に関連して。いま大臣のお話では、だんだん事故が減っておった、死亡者が減っておって、非常にその点では保安がよくいっておるのではないかというようなお話があったのですが、確かに三十六年、三十七年はまあ一人くらいは減っておりますね。十六名から十五名になっておる。ところが、三十八年は六月までには六人でしょう。ところが、現地では大災害があるまでに四十七名三十六年から死んでおるといっておるのです。私は大牟田ですから、大牟田に生まれて今日まできているのですから、現地でこの間聞いた。そうすると、七、八、九、十月までの四カ月で十名ということになりはしませんか。じゃ、いまふえているじゃありませんか。災害が起こるちょっと以前は非常に事故がふえておるということになりはしませんか、期日的に。これでもそうなんですか。
○国務大臣(福田一君) 私は、六月までのことについて、その数字を基礎にしてお答えをいたしたのでありまして、その後の事情はまだここに数字が出ておりませんが、承っておると、確かにふえておるということでございます。
○小柳勇君 そのような、まだ現地のほうの監督官の報告が詳細に出ておらぬようですけれども、私どもは、今度の事故というものは増産の犠牲だ、保安費あるいは保安要員を削減して増産にあせったその犠牲だと考えておるが、通産大臣の方針のように、保安即生産、そういうことで根本的に保安の確立を私は要請して次の質問に入ります。 次は、ここに十二日の「西日本新聞」がありますが、栗木社長が向こうから東京に帰るときに記者会見をして発表しておるんですけれども、合理化計画を変えない、いままでどおりやります。そうしますと、結局保安をいままでのようなかっこうで進められてまいると思うが、さっきの阿部委員の質問に対しても、まだあいまいな答弁がございましたけれども、一体そのままでいけば、また事故が起こりはせぬかとわれわれは心配するわけですよ。その点について通産大臣どうでしょう。
○国務大臣(福田一君) 私は栗木さんから直接聞いたのでございません。新聞に書いてあることで判断するよりいたし方ございませんが、栗木さんの言われる合理化計画を進めるということは、保安を含めた合理化計画、合理化計画といううちには保安がちゃんと入っているのでございますから、保安を含めての合理化計画、こういうふうに了解しております。もしそうでないとすれば、われわれとしては十分警告をして、改めてもらわなければなりません。
○小柳勇君 いままで三カ年間の実績については、数字の上で示しました。概念を言ってもしょうがないから数字の上で言ったのですが、数字の上でも正確でないようですから、また再論争しなければなりませんが、この栗木さんの新聞が出たときに、労働者の諸君は非常におこっているわけですよ。このような大惨事が発生しているにかかわらず、いままでのような合理化計画で出炭をどんどん進めていって、少なくとも次の期には、三十八年度下期の黒字は確保したい、そういうことです。この犠牲を増産の犠牲だと考えてあるにかかわらず、なおこれが進められていくことについては、非常に問題がありはせぬかと思います。で、まあ通産大臣、水かけ論になりましょうが、それでは第一組合などが保安要求をやっている、再三再四ストライキをかけて保安確立の要求をやっていますが、そういうものに耳をかさなかった。耳をかさなかったそれが今度の事故の原因ではないかと思うが、そういうものに対して、あなたは通産大臣、しかも保安監督行政の責任者ですが、そういう組合員の意見に対して会社が耳を傾けないときには、監督者としてどうしますか、それを聞いておきたい。
○国務大臣(福田一君) どういう要員をどうするかということは、やはり会社経営者の責任であると思います。われわれとしては、保安を十分しておるかおらないかということが問題なのでございまして、要員にだれを当てたかというところまではわれわれの責任ではないのではないか、私は、それは経営の立場においてきめらるべき問題ではないか、かように考えております。
○小柳勇君 人じゃないですよ。その政策です。出炭を急いで、出炭増強のために保安が犠牲になっているというために事故が出てきたという、それが通産大臣の方針に沿って、保安即生産の方向に歩かなければならぬのでしょう。いままで社の方針に欠陥がある、しかも、ここに書いてありますのは、もう今後の生産再開についても金が要るが、これは政府資金にたよる以外にないと書いてある。これは栗木社長のおっしゃったことばです。政府資金を借りて増産をしなければならないわけですが、保安をおろそかにするような、そういう山は、あなた方が監督上何か特別の配慮をしなければならぬと思うでしょう——思います、私は。そういうふうに政府資金で再建し、かつ、黒字にしていこうとする山の計画に対して、もう少し保安のほうの発言も強固にしてもらいたいと思うが、その点いかがですか、通産大臣。
○国務大臣(福田一君) 政府資金を出していようがいまいが、それとは別でございまして、保安をおろそかにいたしました場合には、厳重監督をいたさなければならないと考えております。
○阿具根登君 私は汽車も飛行機もなかったので、いま来たのですから、だから通産大臣の説明も監督局長の説明も聞いておりません。しかし、私は、事故と同時に九州に飛んで三池におりましたから、現場に一番最初から一番長くおった者だと私は思う。しかも、私が長年つとめたところで、私の近親もなくなってしまった。それに、こういう大きな事故が起こるたびにこういう委員会が開かれて、そしてああでもない、そうでもない、責任は経営者にあるの、あるいは保安は生産を優先するのということを言っておられるのです。しかも、新聞で拝見いたしますと、通産大臣は、三池においては自衛隊の要請がおそかったからこれがおくれたんだ、こういうことをいっておられる。あなた方が上でそう言う前に、四百五十人からの人間が死んでおる。なぜ現地へ行きませんか。なぜ行かないのです。現地にあなたが。あなたが行って、なぜあの実態を見ないか。あなたが見てみなさい、あれを。あなたが中央におって、そうしていいかげんなことばかり言っておられるが、実際現地に行ってあれを見てみなさい。ああいう実態を見ないからあなた方にわからぬ。あなた方の身内が、そのうちに死んでおったらどういう気持ですあなたは。三日も四日も死骸は上がってこない。死んだ家に行ってみなさい、死骸から汁がたれて、においがもうもうとしておる、焼く場所もない。そういう実態をあなたは見ないからそういうことを言われる。どう責任を感じられますか。どうお思いになりますか。なぜ行けないのです、あなたが。責任者のあなたがなぜ一番最初飛んで行けないのです。まずその点から質問しましょう。
○国務大臣(福田一君) お答えをいたします。 自衛隊云々のことにつきましては、私の発言ではございません。それは福田防衛庁長官の発言でございます。 それから、現地になぜすぐ行かなかったかということでございますが、私は事故発生を聞きまして、先ほども実は御説明申し上げたのでありますが、すぐ本省へ参りまして、大臣室において、ここにおる鉱山保安監督局長、課長等を呼び集め、そうして事情を聴取したのでありますが、そのときにはまだ実情が十分明らかにされておりませんでした。そこで、私としては、こういう大きな、相当しかし被害が起きるということは考えましたが、こういうような場合に、私が現地に行くのがよいのか、あるいはまた私が中央において措置をすべきがいいのかということを、そのとき十分考えてみました。直ちにまず石炭課長を現地に特派して、十分その何といいますか、救助に努力して、まず救助ということをやって、それから原因究明等について考えていく、こういうことを指示をいたしまして、夜中の一時前後まで、私は本省におって指揮をとりました。 それから、その次の日は別でございますが、十一日からはずっと本省におりまして、そして十二日に閣議を開いて政府としての態度をきめなければならぬ。そこで、政府としてとるべき措置についていろいろ処置をいたしました。それから十三日は、実は閣議が済んだらすぐ現地へ参ろうと思っておったのでありますが、しかしながら、十三日に委員会をお開きになって、私に出席要請がございますので、そこできょうは現地へ行くわけにはいかないと思いまして、明朝早々飛行機が用意してございまして、明朝早々現地へ参るつもりでございます。私がとりましたこの態度がいいか悪いかについては、これは皆さま方の御批判を仰がなければならないと思っておりますが、私は現地に飛ぶだけが正しい措置であるとは思っておりません。いかなる事態が起きた場合に対処しても、自分が全般の責任をとるべきことについては責任はございましょうが、やはり中央においてなすべきことをなし、また、現場においてなすべきことをなすということが政府としての態度である。その場合、私が現地においてなすべきことをやったほうがいいか、あるいは中央においてなすべきか、中央の仕事が済んだ後にまだ私がここにとどまっておるとすれば、私がおしかりを受けるのはいたし方がないと思いますが、その点は十分考えた上で処置をしたつもりでおります。
○阿具根登君 中央において大臣としてそういうことをなされる、そういうことも一つの理屈かもしれません。しかし、その場合に何をされたか。いわゆる閣議で十億の融資をする、まあこういうことであった。それよりも、あの現地であの爆発の事故の起こってからどれから手をつけていいのか、まず死体搬出だということにはなりましたけれども、この三日間、四日間のあのまるで地獄のような姿をあなたは自分でなぜ行かないか。あそこへ行ったら指揮ができないのか、あなたがたとい福岡までも飛んで行ったならば、私は相当仕事もはかどると思うのです。それはあなたは東京におったほうがいいとおっしゃる、あなたのやり方はそうかもしれません。しかし、被害者の身になってみなさい。また、ああいう大事故が起こってどれから手をつけていいかわからないような現実を見てみなさい。責任者のあなたが現地に行ったというだけでも、どれだけみんなが関心を持ちますか。あなたがあそこへ行ったら仕事ができませんか。あなたが選挙に回っておったら何もできないことになるじゃありませんか。あなたが東京におりさえすればいいということになるんじゃありませんか。あなたが福岡におっても十分指揮はとられるはずです。 それから、あなた方は保安の問題は会社に責任があるというようなことを言っておられるのですが、いつも私たちがこういう事故の起こったときに質問いたしますのは、たとえば保安管理者というのがある。保安管理者はだれですか、答えてください。
○説明員(田原正邦君) 至急調べて御報告申し上げます。
○阿具根登君 こういう事故の起こったときの現地の保安管理者がわからぬのですか。
○説明員(田原正邦君) わかりました。霜出保安部長でございます。
○阿具根登君 霜出さんは何ですか。会社のお仕事は。
○説明員(田原正邦君) 保安部長でございます。
○阿具根登君 そうすると、会社側の幹部の方ですね。会社の幹部の方が保安管理者である。そうすると、私らがいつも指摘しておりますように、生産第一でなければ会社の幹部はつとまらぬのです。だから会社の幹部の方を保安管理者にしておる。だから保安委員会を開け、こういう保安が危険な状態にあるということを言っても開かないでしょう。やらないでしょう。どこがどのくらいやっておるか御存じですか。三池でどのくらいやったか御存じですか。 それから、もう一つ保安監督署の意見なんかも聞いておりますと、一番保安のいいはずの三池でこういうことが起こったのがわからない。ということは、ほとんど三池に行かれる場合は、保安等は自分たちよりも、逆に会社が詳しいんだということで見ておられる。それも一部じゃわからぬ。中小鉱のほとんど技術者の少ないところに行きますということならわかりますよ。しかし、今度でもこういう事故が起こって、三川鉱から坑内に下がられぬ、だから宮浦から下がられた。その場合、保安監督官が下がるからといって——これは三川鉱と同じ大斜坑になっております。御存じですか、ベルト・コンベアです。その上の炭じんその他をどんどん落としていって、そして岩粉をまいていっておる。そのあと保安監督官がのこのこと通っていっておる。どうです、それで保安が守られますか、どうですか。
○説明員(田原正邦君) まず、委員会の開催状況でございますが、私どものほうの報告では、毎月一回開いておるわけでございます。一時、組合が新労と旧労との間にいざこざがあったようないきさつがありましたが、そのころはあまり開かれていないようでございます。最近は毎月一回開いておるということでございます。
○阿具根登君 形式的に開かれるのはあるでしょう。しかし、二つの組合があるなら、両方の意見をいれて開くべきでしょう。それが一点。 それから、先ほど言ったように、監督官が行く前に、ちゃんと保安の状況は整備されておる。それも一つの保安法とおっしゃるならそうかもしれません。しかし、監督官が行く場合に、なぜ会社に監督に行きますよということを連絡しなければいかんか。抜き打ちにやってもいいはずじゃありませんか。私は聞いてきた。一回だって監督官が抜き打ちに監督に行ったことはない。ちゃんと前に会社に連絡しておる、何月何日に検査に行きますよと。だから、会社はちゃんといいぐあいにそこをやってしまう。そのあとに監督官がのこのこと行っているから、こういう事故が起こるんじゃありませんか。いつも連絡してありますよ。そうすると、ちゃんと会社は整備しておく。じゃ、一ぺんでも三池を抜き打ちにやったことがあったら教えてください。私、調べてきたのですから。
○説明員(田原正邦君) 監督検査は、原則として抜き打ちにしております。三池の場合の実態については、私どものほうではそういう事実があるかどうかわかりませんので、調べてみます。
○阿具根登君 私は聞いてきたのですが、一ぺんだって抜き打ちゃったことはないですよ。抜き打ちやらなかったらわからないですよ。あなた方が、会社に何月何日に行きますといって、ちゃんと連絡してある。会社はおぜん立てして待っておる。それから先のことは言いますまい、おわかりでしょうが。そういうことからこういうふうになるんですよ。 それから、もう一つお尋ねしますが、三川鉱の今度爆発を起こした大斜坑というのは、千八百メートルからありますが、三百五十メートル付近で事故を起こしておるのです。これは新聞でも出ておりますように、マッチすってもいいようなところでありますから、ガスなんかないですよ。ところが、これは二十何年前に、一日に一万トン出すだけのベルトを引いたのです。そうして現在一日に一万トン平均坑口から上げておるのです。一万トンを百メートル何ぼのベルトの上に載せて一日上げるためには、朝から晩までベルトの上は石炭の山でなければならぬはずです。そうしますと、もしもこれに十分水がふってなかったとするならば、炭じんも増します。しろうとが考えてもおわかりだと思うのです。そうですね。だから、まだいま原因を調べてないからわかりませんが、私も調査にやってもらいますが、原因を調べてないからわかりませんが、いままでガス爆発が太平洋で三十何名、茂尻で六十何名、夕張で何名と死んでいる。みんな行きましてここで質問しました結果、何が原因かわかったやつがありましたか、ガス爆発はほとんどもう原形がないのです。ほとんどわからぬで今日まできているじゃありませんか。ほとんどわかっていない。そうでしょう。そうすると、たとえば一部の学者が言っておるように、あるいはその他の方が言っておるように、いや、ケーブルか何か小落盤で切れたのだろう、火花が出たのだろう、電燈線から火花が出たのだろう、こういうようなことが言われておるのです。そういうものは問題じゃないのです。炭鉱の坑内で小落盤があったり、ケーブルが破れたりするのはあたりまえ。そういうことがあっても爆発しないようにするのが仕事なんですよ。だから、どこからスパークが出たからの、どれがどうなったの、そういう問題じゃないのです。坑内というのはそういうものがあるのだということを規定しなくちゃいかない。そういうことがあっても爆発をしないということでなくちゃいけないのです。あなた方の考え方は、もうその先端だけのことを言っている。そこが問題なんです。そこがたとえばケーブルが切れておりました、そんなことじゃないのです。そんなことは坑内じゃありがちなんです。そんなことがあってもだいじょうぶだということにしなければならぬのですよ。どう考えますか、それ。
○説明員(田原正邦君) 災害の防止につきましては、必ずその環境と、その動機というものがあるといわれます、一般的に。具体的に言いますと、この場合も、災害を起こす状況、たとえばこの場合には炭じんがたくさんだっているかどうかという状況、それから、それに何が着火したかという原因と、二つが重なって初めて災害が発生するのでございまして、われわれのこの鉱山保安法でも、その設備その他の坑内の状態と、それから、その災害の原因になるものの防止、両方の二重でこれをカバーするという考え方を常にとっております。したがって、この三川鉱の場合も、炭じんがたたないように、常に、もしも炭じんがたつような場合には散水をするとか、あるいは岩粉をまくとかいったようなことをしなくてはいけないように規則で毛きめられております。監督にあたってもそういうふうな指導をいたしております。
○阿具根登君 あなたはそれでは最近ベルトに全部水がかかって炭じんがたたないように石炭は上がっておると断言できますか。
○説明員(田原正邦君) いま申し上げましたのは一般論を申し上げましたので、三川鉱の場合の状態につきましては、現地で現在調査いたしておりまして、その結果によらないとわかりません。
○阿具根登君 それでは、もしも水をかけてなかったとするなら、あなた責任をとりますね。これは保安監督官の責任ですよ。一日に一万トンから巻き上げる、そうするなら必ず振動はありますよ。炭じんがたつのはわかっている。だから水をかけなければいかぬということになっているのです。水がかかっていなかったとするならば、今日まで何回も見ておられるはず、見ておらなければ監督官の責任ですぞ。ここは三川です、同じ三池の中でも、宮浦がいままでかけておったか、かけておらなかったかすぐわかりますよ、かけてないのですよ、水を。そういうかけてやるようになっておったといって、かけてないならば、これは監督官の責任である、会社の重大な責任であるということをここではっきり言えますね。通産大臣どうです、言ってくださいよ。
○国務大臣(福田一君) 私は、その実態について明らかにいたしておりませんし、そういうことについては、ここで申し上げなくても、事実が明らかになった上でお答えをいたしたほうがよかろうと思います。
○説明員(田原正邦君) 私も、いま大臣の答弁と同じ考え方でございます。
○阿具根登君 それはいまから専門家が行って調べられるから、あるいは新聞でもついておったような問題が出てくるかもわかりません。しかし、炭じんが爆発したという現実は、これはどうにもならぬ。四百五十何人の命がなくなったというのは現実なんです。その場合、少しでも手落ちがあったり、あるいは誤りがあったりしたならば、その責任は通産省もとってもらわなければいかぬ、会社もとってもらわなければいかぬ、私はそう思うのですが、いかがですか。そういう場合、どういう責任をおとりになるか、どういう責任を会社におとらせになるか。
○国務大臣(福田一君) 事実認定を明らかにいたしまして処置をいたしたいと思います。
○阿具根登君 私がこう言っておるのは、先ほど言いましたように、毎年々々ガス爆発で何十人という人が死んでおるけれども、事実認定で一体何が出てきましたか、どうなりましたか。それなら北海道の例で三つ言いましたが、その三つを言ってごらんなさい、太平洋じゃ何が悪かった、原因は何だった、何で三十何人死にました、だれが責任をとりました。茂尻はどうか、六十何人死んだ、何が原因だった、どこが悪かった、だれが責任をとりましたか。夕張はどうです。いつも答弁はそうですよ、結果は何もとってない。どうしますか、言ってください、それを。三つ最近爆発している。私も現場に行ってきた。そうして答弁はそのとおりです。いつも結果がわかってから、結果がわかってからとおっしゃるけれども、結果は何が出てきましたか、どこが悪かったか、はっきり言ってください。
○国務大臣(福田一君) 私は、三つの場合においても、極力事情調査にあたって結果がわからなかったのだと考えておりますが、今度の場合においても、前がそうであったから結果がわからないということを前提にして事実認定がない前にお答えをすることは軽率であると考えますので、事実認定が明らかになるのを待ちたいと考えておるのであります。
○田畑金光君 関連して。いまの大臣の御答弁は、われわれも不可解な感じを受けるわけですが、阿具根君の質問は、現実にこの鉱山保安法、あるいは保安規則に、炭じんの場合はかくかくの措置を講ずべしと明確になっておるわけです。散水するとか、あるいは岩粉をまくとか、いろいろな具体的の措置まで規則の中に事こまかに明示されておるわけです。われわれが見ましても、ああいう施設、設備においても全国第一といわれておる三池のこの三川鉱においてああいう事態が発生するとは想像もできなかったことであるわけです。しかし、現実に悲惨な事件が起きたということは、もはや動かすことのできない事実であるとするならば、だれかがこの問題について責任を負わねばならぬ立場の人があるはずです。少なくとも、保安法、保安規則が事こまかにかくかくの場合はかくすべしと明示してあるにかかわらず、それができなかった。その点については、当然これは責任を負わねばならぬと思うのです。会社の責任がより重要であるか、保安監督官の責任がより重要であるか、その責任の軽重はそれぞれ別がありましょう。しかし、先ほど来の質問に対する答弁を聞いておりましても、保安監督官等の責任の遂行というものが、まことに私はこれは不十分であったことはいなめない事実だと思うのです。私は、事が明確になるならぬよりも、現実の問題として、保安規則に明確に反した事実が出てた場合には、当然それは関係者において責任をとるべきだと思うのだが、その点についてどういう態度を大臣としてはおとりになるのか、それを質問しているのがいまの問題点だと思うのです。
○国務大臣(福田一君) 私は、責任をとらないとかとらせないとか、こういうふうには申し上げておるわけじゃないのであります。ただ、どういう事実があったかということを明らかにした上で、とるべきものはとるべきであるというお答えをいたしておるわけでございまして、責任をとらない、あるいはとらせないという意味で申し上げておるのではございません。いまお説のとおり、そういうような規則があり、あるいは監督すべき処置があったときに、それをしておらなかった、それが事故原因であるということになりましたならば、これはやはり責任をとるべきものだと私は考えております。決して責任をとらせないという意味で申し上げておるのではない、また、通産省がとらないという意味で申し上げておるのではない。しかし。事実の認定がないときに——責任の所在といううちにもいろいろございましょう。だから、それを詳しく私は申し上げることは、その内容が明らかにされた上でそれをすべきである。いままでは内容が、事実がわからなかったじゃないか。しかし、私は、いままでがわからなかったからといって、今後の問題について、事実を調べないで責任をとるということは、これは軽率ではないか、かように考えて申し上げておるのであります。
○阿具根登君 局長、さっきのやつわかりましたか。
○説明員(田原正邦君) 先ほどの阿具根委員の質問に対してお答え申し上げます。過去の爆発につきましては、阿具根委員も御存じのように、爆発は非常にあとの状態が破壊されておるので、調査は困難でございますが、全部が全部わかっておらないわけではございません。たくさんわかっております。わかっておらないのも、推定ということで一応結論は出しておるはずでございます。出しております、全部。
○阿具根登君 それなら、その重大災害のやつをひとつ言ってください。どういう原因であって、責任はどうとったか、だれが責任をどういうふうにとったか、それをはっきりさしてください。全部原因わかったとおっしゃったから。
○説明員(田原正邦君) いまお答え申し上げましたのは、原因は全部わかっておるとは申し上げません。一部推定があるのもございます。それに対して責任をとったかとらないかということ、責任をとらせたかどうかということは、保安法違反があるかどうかということによって検察庁のほうで処分をいたしておる次第でございます。私のほうは送検をいたすだけでございます。 なお、具体的な例につきましては、ここで資料の持ち合わせはありませんので、あとからまた御報告いたします。
○阿具根登君 それは、ここでないなら、あとで聞きましょう。大臣かおっしゃったように、まだその原因がわからない、だからここで結論を出すのは早急だ、それはわかるのですよ。しかし、いままでの災害で、いつもこれなんです。いつもこうです。 それで、もう一つ今度伺いますが、産業災害防止対策審議会委員というのがありますね、通産大臣、産業災害防止対策審議会委員というのを中央で大臣がきめておられる。総理大臣が任命されておると思うのですが、これは一体どういう権限を持っておるのか。あなた方は、つくるのはつくりなさる。しかし、この人たちはどういう権限を持っておるのか、あるいは中央鉱山保安協議会委員というのがある。こういうのもつくっておんなさる、確かに任命されておんなさる。こういうのは一体どういう権限を持っておりますか。三池の場合でも、この事故の起こる直前に、こういう肩書きを持っておる方が、非常に三池は最近災害が多い、ことしになって四十八人も死んだじゃないか、だからひとつ保安施設を見せてもらいたいということを言ったけれども、これはけられた。見せてもらえないでおる。この人に強硬に見る資格はこの人にはないのですな。ただこういう形式的なものだけおつくりになって、権限は何も持たしておらない。一体これはどういうことか。それから、保安法に不備があったら改善しなければならぬということも言っておられる。私ら、再三再四、保安法に不備があることをここで指摘してきた。しかし、そのつど不備はないということであった。どこを一体どう保安法を変えようとされるか。その保安法をどんなにいじっても、不可抗力ということもありましょうし、避け得べからざるこれは災害も起こるでしょう。しかし、そういう場合でも、みんなが納得するような処置をとられておればやむを得ないが、そういうことがやられておらない。どう保安法を変えられたらこういう事故が起こらないようになるか。ひとつその点、これは局長からでもいいです。大臣はぼくの質問なんか聞いておらぬでしょう。四百五十人も死んでおることを考えなさい。
○説明員(田原正邦君) 鉱山保安法の改正につきましては、三十六年の十一月に中央保安協議会に諮問いたしまして、早急に改正すべき事項について中間答申を得ましたので、この答申に基づきまして、第四十国会において一部改正をいたして成立を見、昨年の八月に施行いたしました。しかし、その後もいろいろ保安規則なり、あるいは法令についてまだ問題もありますので、中央保安協議会の下部組織といたしまして、基本問題委員会というのを設立いたしまして、そうして毎月一回お集まりを願いまして、規則、あるいは法令の改正について皆さんの御意見をお伺いしておるのでございます。で、これがまとまりましたならば、今度の災害も加味いたしまして、そうして法律の改正をする必要があるならば法律の改正をしなくちゃいけない、そういうふうに考えております。
○阿具根登君 その基本的な考え方なんです。私が一番最初質問したように、保安管理者なるものは会社の幹部がなっておるですね。危険にさらされておるのは働いておる人なんだ。なぜそれを保安管理者なり副管理者なりにすることができないか。それだけがやるわけにいかない。保安管理者が会社から一名出ておるならば、それに匹敵する人を働く人の中から出すべきじゃないかということを再三ここでやったはずです。そのたびに、保安の責任は会社にあるということを言っておる。そんなら、こういう事故が起こった場合、責任は一体どうなるかということになるですね。だから、保安管理者をきめる場合でも、会社の幹部でなくて −幹部ももちろん必要だろうけれども、実際からだを危険にさらして働く人の代表が当然入るべきだ、そういうことを考えて改正されるかどうか。それから、通産大臣——委員長、休むなら休むと言いなさい。あなた炭坑へおりなさい、私と一緒に。あなたそこでぐずぐず言って、人の質問なんか聞きやせぬが、あんた一緒に下がりなさい、行って。あなた方は、人が死んでおるものだから平気な顔をしておりなさる。実際自分の子が死んだと思いなさい。大臣もそうです。今度最近技術屋を派遣して調査されるようですが、それはけっこうです。それはけっこうですけれども、その中にこういう肩書きを持って委嘱されておる人たちがおるんです。そういう者を追加していただけますか。三池でこういうことがあったから、三池の人だけ入れようと、そんな気持ちじゃありません。炭鉱には炭労あり、全炭鉱があります。そういう働く者の代表で、そうして総理大臣からこういう使命を帯びているりっぱな技術屋がおります。そういう連中も入れてくれるでしょうね。その二点お尋ねしておきます。
○国務大臣(福田一君) 第一点のほうは聞き漏らしておりますので、あとでお答えいたしたいと思います。 第二点のいまのお話しですが、これは中立的な、しかも、専門的なお方を派遣いたしますといいますか、そういう選考の気持ちで選考をいたしまして、そうして実は派遣をいたしておるのでございます。私はこれで十分事態を究明していただけると思いますし、また、いまあなたのおっしゃったような現地におけるそういう事情は、もちろんその人たちが聞いてくれるものだと思います、なぜこういうことが起きたかということは。そういう事情も調べてくれるものだと思っております。私はあえてここで追加をしなければならないとは考えておりません。十分その人たちが、こういう事情でこうだということを現場の人からその方たちは聞かれると思う。だから、いまあなたのおっしゃった意味が、どういう人を追加しろとおっしゃるのか存じませんが、私は、やはり中立的な立場のお方に公平な立場で、これは責任問題を起こす問題です。いまあなたの御質問があったとおり、結果いかんによっては責任の生ずる問題——そういうことには、現場に直接関係のない公正な第三者、しかも、専門家がおいでになる、そうして御判断を賜わる、それに基づいて措置をとるというのが一番いいのではないか、こういう考え方で措置をいたしたつもりでございます。
○阿具根登君 私が言っているのは、産業災害防止対策審議会委員、総理大臣が任命しているのです。そういう人をなぜ加えることができないのですか。しかも、炭鉱の専門家、保安の専門家です。学者も専門家です、学者も専門家だと思うのです。しかし、実際そういう立場の人がいるのです。そういう人たちを加えるのがなぜ悪い。一方は、これはまあ口が悪いのですけれども、責任のある、監督の立場にある会社でしょう。一方は犠牲者になっておる、犠牲者です。その犠牲者の中から、総理大臣が任命したようなりっぱな人がおるのを入れてくれというのがどこが悪い。どちらがいいか悪いかという問題じゃないですよ。この場合は一切がそういうふうになっているのです。保安の責任だといえば会社側の代表を出しておる、こういう問題が起これば中立派の人だ、それじゃ被害を受けた人は一体どうなる、だれがその立場で主張してくれます、どうなるんです。あなた保安が優先だと言ったでしょう、保安が優先だと言ったら、こういうのが優先してはじめて保安が優先じゃありませんか。何が保安が優先です。会社の管理者といったら生産優先ということはわかっている。私もすっ飛んで来たから数字は持ってきておりませんがね、それじゃ合理化前の採炭夫の——前にも質問があったと思うのですが、直接夫の数と合理化後の間接夫の数と比較して見たことありますか、比較して見たことが。今度事故の起こったところだって、半分ぐらいだったと思うのですよ。そういう実態から、こういう保安の問題から起こってくる。そういう調査に際しても、そういう総理大臣が任命しておるのだから、りっぱな人なんです。少なくとも、あなたよりも技術家です。なぜそういう人を入れるわけにいかんのですか。 それから、局長に先ほどお尋ねしておったこの管理者なりに、なぜそこに働く人の代表を入れることができないのか、責任は会社にあるから、管理者は会社でいいでしょうというが、しかし、それに匹敵する者を、なぜ働く者の中からやれないのですか、自分たちが働くのですよ、管理者は死んでいないんですよ、管理者は死んじゃいないんです。働いている者が四百五十何名死んでいるのです。そういうものをほんとうに変える意思がありますか。これは先ほどのやつと二点。何ぼここでやっても、そういうのを直さぬことには減りやしません。それはそのためにあるいは生産が少々減るかもしれません。しかし、人間の命と生産とどちらが大切です。はっきりしてください。
○説明員(田原正邦君) 保安管理者はいまの規則では一人ということになっております。それで、これは保安管理者の任命は鉱業権者が任命することになっております。いまのところ、実際はあるいは働く人たちでもまあ差しつかえないのでございますけれども、とにかくいまのところは、実績は経営者の管理者。ただその働く人たちの意見は十分取り入れられるように、山ごとに保安委員会というのが御存じのようにございまして、ここで十分取り入れられるような機構になっておるはずでございます。
○阿具根登君 あなた方なっておりますと言うけれども、なってはせんじゃありませんか。やってればなってますよ。やっとりゃせんじゃないですか。そうおっしゃるなら、保安委員会の日誌等を出して読んでごらんなさい。どんな委員会をやっているか知りもせんでそんなことをおっしゃる。私は知っておるのですよ。知りもせんのに月一回やってるやってるとおっしゃるけれども、何をやっております。やってないじゃありませんか。やってたらどういう問題がされているか、おっしゃってみなさい。持たぬでしょう。 それから、鉱業権者が任命するのは、その保安管理者一人だとおっしゃる。そこが悪いんじゃないかということを言っているのです。だから、それを労働省が任命するなり、鉱業権者が任命する場合でも、管理者は会社側ならば、その副管理者か何かという名前で、同じような権限、もの言われる人をなぜ労働者から出るようにしないのかと、そういうことを変えなければなんにもならぬじゃないか。考え方ですよ。生産を第一に考えておりませんと言うけれども、生産を第一に考えておるからこういう事故が起こるんでしょう。だから、働く者の代表をその中へ入れろと、そういうのが保安法の改正なんですよ。どこを改正するんですか。それじゃ保安法は。
○説明員(田原正邦君) いま阿具根委員のおっしゃいました点、よくわかります。せっかくいま基本問題委員会で、管理者、それから保安管理者と、山に入る技術職員の問題、あるいは保安組織の問題について検討いたしておりますので、十分検討いたしたいと思って、おります。
○阿具根登君 いや、その考え方が、あなた方はそれはそういう会議にかかるとか何とか言っておるけれども、私が言うのは端的に言っておるわけなんです。こういう機構じゃいかぬ、やはりどんなに機構をつくっても災害は起こる、これは私は認める。しかし、その場合でも、労働者も中に入って十分に審議してやったあとがこれだったというならば、またあきらめもつくけれども、労働者の意見はひとつも入っておらないのが現在の保安法じゃないか。それを入れるためには、法的にものを言えるようにしなければ、こういう肩書きをくれても、その人が行っても、断わられれば入ることできないんです。入れるようになっておりますか、入ることできないんですよ。だから、こういう肩書きをやるなら、その人も十分入って調べるような権限を与えなきゃだめ。そういう意味からいっても、これは管理者の中に一名労働者の代表でも入れるべきだという主張がなぜいけないのか。保安の問題については、これでよろしいということはないです。それになぜ労働者の代表を入れることができないか、なぜ今度の調査団の中にそういうりっぱな技術屋を入れることができないのか、私それわからぬのです。どうです大臣、その中に入れることはできないですか。
○国務大臣(福田一君) 二点ございますが、第一段の問題は、いま局長から申し上げておりますように、いま基本問題委員会で研究をしておるというのでございますから、その結果を待ちたいと思うのでございます。 次の問題でございますが、技術調査団の中になぜ入れないか、私は先ほど申し上げたような立場で、決して何も労働者といいますか、働いておられる労務者の不利になるようなつもりで委員を選考したわけでも何でもございません。それは原因究明を明らかに早くやるという意味で実はやったわけでございまして、何もそういう労働関係の人だからこれを入れないとかあれしたとかいう意味でやったのではありませんが、しかし、いずれにしても、それに伴って権利義務が出てきておることでございますから、できれば公正な第三者で調査したものに基づいて、そして責任を追及する、あるいはまた権利義務の発生を考えるというほうが私はすなおではないか、こういう考え方で委員の選考をいたしましたと、かように申し上げたわけでございます。
○阿具根登君 あなたはことば巧みにそうおっしゃいますけれども、こういうことばを使いたくないけれども、これは取り消してもよろしい。しかし、死んだ者のほうから見れば、一方は加害者であるかもしれない。一方は被害者ということは厳然たるものです。あなたは加害者と被害者という立場で、中間ということを言っておられると思うのです。私は、それ以前の問題、四百何十人もこういう大事故を起こして死んだならば、少なくとも、その人たちの気持をわかってくれる人が中に入っておったとするならば、結論が出た場合も、これはそのほうがよりいいのではないか、もっと人間性に立脚してもらったらどうです。あなたは冷たく、一方は加害者、一方は被害者であるから、中間のほうが一番いいだろうという考え方を持っておられる。私はそういう考えではない。四百五十何人の人が死んだが、それを究明するのに、ほんとうに働いたことのある人、しかも、総理大臣からまで任命されておるような人が入るのがどこが悪い、意味がわからぬじゃありませんか、当然入るべきだと思うのです。なぜ入れていけないか、入れたらどこが悪い、その人が一人入ったからといって、五人も十人も入れろと言うのではないですよ、一名か二名です。学者の人がそしたら違った結論が出ると思いますか。その人が入ったために違う結論が出る学者ならやめてもらったらいいです。そういうことはないでしょう。それなら、そういうりっぱな方を入れるのに、どこにあなたは戸惑いされることがありますか。私はそれは当然入れるべきだと思う。どこが悪い、何人か入れて学者の考えが変わりますか。それなら会社関係の人でも入ったら大ごとになりますね。少なくとも、会社に味方される人が一人でも入っていたとすると大ごとになる、私はそういう方々ばかりではないと思う。あの方々はりっぱな方々ばかりだと思っている。こういうりっぱな方々の中に労働者の代表を入れて、なるほどこうだったということを納得すれば、これくらいいいことはないじゃないですか。そうじゃないから、自分たちの代表も入れなかった結論が前のようにうやむやになってしまう心配があるのではありませんか。そういう心配のないように、そういうりっぱな技術屋の方ならば入ってもらおうではありませんか、そしてりっぱな結論を出してください、原因を追及してください、そして二度とこういうことが起こらぬようにしてくださいとあなたが言うのがあたりまえではないですか。どこが悪いのです。
○国務大臣(福田一君) 私は、その事実の認定ということについては、やはり公正な第三者という形で臨む、法の適用の場合には情をまじえて処理をする、これで私はいいんじゃないか。法適用のときに情をまじえるということは、これはもうだれのためにも、罹災者のためにも当然のことだと思います。そういうことはわれわれも考えなければならぬと思います。事実の認定については、私は、公正な第三者が事実を認定するというのがやはり筋のように考えておるわけであります。
○阿具根登君 それでは総理大臣が任命したような方が入ると事実の認定がこわれますか。そういう人が入ったら事実の認定ができませんか。おかしいじゃありませんか。事実の認定がこわれるような人を何で産業災害防止対策審議会の委員になんかしますか。事実の認定をするためにこういう人を入れてくれというのに、あなたは、そういう人が入れば事実の認定はできないようなことをおっしゃる。どこが入れたらできないか。私は事実の認定をほんとうにしてもらいたい。そのためにこういう人を入れろということを言っているんです。なぜ事実の認定ができないか、こういう人が入ったら。
○国務大臣(福田一君) 私は、産業災害防止対策審議会の委員の方が審議をされることは、一般論的な法制、あるいはまたその他の一般論的な問題についてやっておいでになるんだと、そういう趣旨でもって審議会ができておるものと思っております。今度の場合は、事実そこの三川における特定の個所で、一つのことが起きたという、その事実の認定でございますから、そこで、私は、公正な第三者で調べていただいて、そして法の適用については、これはもうあなたのおっしゃるように、私は決してお気の毒だと思わなかったわけではない、まことに申しわけない、遺憾であるという感じは非常に持っておりますから、できるだけのことはして差し上げたいという気持は十分持っております。しかし、事実認定、その具体的な事実の認定でありますから、一応公正な第三者の事実認定が、ある場合においてどういう責任、あるいはどういう結果、影響等があるか知れないというような場合においては、公正な第三者、いわゆるそういう人で構成した委員会で調査をするというのが適当であると思います。
○阿具根登君 私は、それがおかしいんです。産業災害防止対策審議会委員というのは一般的だとおっしゃる。しかし、中央鉱山保安協議会委員もしておられる。そうして、また、組織の中では専門家だと、炭鉱で長い間働いてきた、そういう人が入れば公正な結論が出ないというならば、私は逆に考える。そういう人が入ったら、なぜ公正な結論が出ませんか。そういう人がいったら学者の意見がゆがむようだったら、学者の人が公正な意見じゃないということになりますよ。学者は公正であるべきだ、喜んでこういう人たちは入れてもらえると私は思うのです。学者だから、だれも遠慮する必要はないのです。組合代表であろうと会社代表であろうと、そんなものは問題にせぬでよろしい。それだけの気がまえと、それだけの学識と自信とを持っておられるはずなんです。なぜそれを入れたら公正な結論が出ませんか。たった一名か二名か入れたら公正な結論が出ないような構成だったら、その構成そのものが間違っている。私の意見が間違っていますか。
○国務大臣(福田一君) 私は、あなたのおっしゃるのは一つの考えだと思います。しかし、われわれは、私が先ほど申し上げたような立場で委員を任命をいたしております、こういう意味でございます。
○阿具根登君 一つの考えですね、一つの考えは、あなたの考えよりも、よりベターであるかどうであるか。よりこの災害について真剣度があるかどうか。ちょうど最近の週刊誌に白鳥事件の問題が出ておって、検事と弁護士が論争している。あれごらんになりましたか。専門家の人もそれはけっこう。しかし、ほんとうにそういう炭じんの中で働いて、そうして勉強してきた人は、よりいい意見と鋭い勘を持っていることもままあるのです、そうでしょうが。裁判できまっちゃってもひっくり返るでしょうが、優秀な弁護士がおって証拠があったら。なぜこれを入れることができないのです、四百五十人も死んだのに。そこがわからない。それは学者の方はりっぱな方です。一人も私はこの方を否定しません。りっぱな方だと思います。なぜその中に入れることができないか。入れたほうがよりいいのじゃないですか。
○国務大臣(福田一君) より入れたほうがいいという考え方もあるし、また、そういうふうな公正な立場の中立の方でやるのがいいという考え方もあると思います。ただし、まああなたから非常にそういう強い御要望がございますので、一応考慮させていただきましょう。
○委員長(岸田幸雄君) 速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(岸田幸雄君) 速記始めて。 それではこれにて二時まで休憩いたします。 午後一時十九分休憩 ————・———— 午後二時九分開会
○委員長(岸田幸雄君) 休憩前に引き続きまして、委員会を開会いたします。
○小宮市太郎君 私は阿具根委員、小柳委員からいろいろ質問がございましたが、保安の問題でなく、特にいろいろ議論されました中で、原因の究明ということが非常に追及されたと思っておりますが、この原因を今度は徹底的にひとつ究明してもらって明らかにしてもらいたいと思うのです。というのは、私は大牟田で育って、今も大牟田に住んでいる者ですけれども、昭和十二年に爆発赤痢というのがあって数百名の命をなくしたのですが、これは当時、水道の水源地に赤痢菌が入ったとかいうので、今日までその事実がはっきりしないまま過ぎているわけです。ところが二年ばかり前に、実はあれは当時軍が細菌爆弾をつくっておったのだというような、そういうことを当時の水道課長が記録したものが倉庫の中に入っていて、それが発見されて、重要な資料だというので究明されて、いまだにこの事実の原因というものが明らかにならず今日に至っておる。だからまた今度、こういう大量の殺人といいますか、死亡者を出した大爆発の原因が究明されないと、これは大牟田としては実に遺憾千万なことであり、労働者は戦々恐々として労働しなきゃならぬという、まことに社会的にも不安をさらに助長するのじゃないか、こういうように思うのです。私が特に通産大臣あるいは局長にお願いしたいことは、保安について原因の究明ということを、ほんとうに今度は真剣に究明して明らかにしてもらいたい。これはほんとうに大牟田の住民としての切なる願いである。そこで一、二私はお尋ねしたいのですが、三川鉱というのは、さっきから再三発言にありましたように、日本一を誇る設備だ。しかも終戦後、天皇が来られたときに、この三川鉱を御視察になったという天皇切り羽といわれるりっぱな炭鉱ですが、そういうりっぱな設備だというのが自慢であって、結局その設備を誇ってその中にあぐらをかいて、保安というものがお留守になったんじゃないか、こういうように思うのです。それは報道人の諸君がどの新聞でも、そういうように見ておるわけです。特に会社自体が、三時十分ころ爆発を起こしたのだけれども、七時ころ全部関係者が集まった。そしていろいろ協議したけれども、これはたいしたことないなということで、一応解散しておるのです。帰宅しておるのです。そして午後十時ころになって、これはたいへんな事件らしいというので今度はまた招集して、それから協議をやるという、まことにのんきな話なんです。監督局のほうも、あんなりっぱなところが、あんな爆発をするものか、そんなことはないですよといって、これまた非常にのんきなんですね。こういうのが安心しきっているというか、設備がいいということで、それで安心しておるというか、だからこの新聞にもありますように、「〃天皇銀座〃自慢がアダ」こういう見出しが書いてある。こういったように、とにかくそういうもので安心しきっておる。 そとで私は新聞の報道者などによく聞きますと、警察側が一番最初飛び出していって、実際坑口に行って作業衣と取りかえて中に入ろうとすると、そのあとに検察庁が来る、そのあとから監督局がのこのこやってくる。こういう、どうも監督局のほうがあまりのんき過ぎて、あんまりいままで監督をやっていないのじゃないかというように思うのですね、さっきから発言のありましたように、監督の手簿というのは、これはもう免れないと私は思うのです。こういう点は事実によって究明されておりますから、その点は特に追及をしていただきたいと思います。 それから私は聞きたいことは、さっき阿具根委員から、同じ福田という名前だから防衛庁長官と間違って、自衛隊の出動のことについてお聞きになったようですが、十二日の夕刊を見ますと、こういうことが書いてあるのですよ、「福田防衛庁長官から両事故に対する自衛隊の緊急出動状況の報告があったが『鶴見事故にくらべて三池鉱の場合は、県知事の出動要請が遅かったほか、出動人員が少なかったようだ。こんごこれらの点についてとくに留意したい』」という指摘があったと、こう報じられている。少しニュアンスは違いますけれども、もう一つの新聞には、こう書いてあるのです。「鶴見、三池両事故に対する自衛隊の出動ぶりを説明「三池の場合、福岡県知事からの自衛隊派遣要請が遅かったような気がする。今後検討したい」」こう書いてあるのです。言葉のニュアンスは違いますけれども、自衛隊の出動が何か福岡県知事の要請がおくれたというような発言をしてあるのですが、これは閣議でそういう報告がなされましたか、その点明らかにしてもらいたいと思います。
○国務大臣(福田一君) まず第一に、ひとつ原因の究明を徹底してやれ、こうおっしゃいます。ごもっともでございます。われわれも今度はもう徹底して原因を究明したい、また原因究明と同時に保安というものについて、いささかでも懈怠の念があれば、これはもちろん直すことも必要である。あるいはまた責任についても、私はそれはやはり考慮すべきことである。考慮といいますか、そのときにあたって私たちは処置をすべきことであると思っております。 それから今度、閣議の問題でございます。閣議においては、確かに福田防衛庁長官から、三池炭鉱については福岡県知事からの出動要請がおそかった、ところが神奈川の場合においては非常に早かった、こういうことが報告がございました。それ以上のことは、福岡県知事に要請するのを三池炭鉱の人が事実問題の認識をあやまっておくれたのかなにかそれはわかりませんが、閣議においては、そういう発言があったことは事実でございます。
○小宮市太郎君 自衛隊の要請というのは、大体天災の場合は直接県知事が、その天災の状況に応じて自衛隊の要請をする。ところが、こういう会社の災害の場合には、会社の経営者がその事故の大小、あるいはその状況に応じて、その所属している自治団体の首長にその報告等をして、首長から知事に報告要請があり、知事が大体自衛隊に要請する、こういう順序に私は一般に手続上なっておると思うのですが、それに間違いないですか。
○国務大臣(福田一君) やはり最終的には知事から要請する、それを、手続は市長村長がやるか、あるいは事業体がやるか、だれがやるか知りませんが、知事が最終的には要請をするのだと聞いております。
○小宮市太郎君 新聞によると、さっき私が申し上げたとおり、また閣議においても福田防衛庁長官から、そういう発言がなされたという今お話でありましたが、今新聞に、そういうように出ておると、選挙中でしょう、選挙中で、福岡県の知事は御承知のとおり社会党なんですよ。ところがそういうことを書くと、これは政治的に非常に関係する、非常に影響が大きい政治的な言葉なんですね、そういうように受け取れるでしょう。そういうようにまた私は、福岡を立つときに注意をした人がございます。そういうのをもっと閣議等では、さっき福田通産大臣のように正しい認識、事実認定の上に立って、ものごとを発言してもらわないと、これはその言葉というのは非常に影響が大きい、軽率の点を私は免れぬと思うのですが、どうなんです。どうもあなたは防衛庁長官じゃないから……。
○国務大臣(福田一君) その閣議の席上でお話を聞いたときには、福田防衛庁長官は、客観的事実として述べられただけでございまして、そんなことをここで申し上げるのはいかがかと思いますが、実は神奈川の知事は、あそこは必ずしも与党ではございません、御案内のように。あそこでいろいろの問題がある、そういうことを認識しないで不用意に、今おっしゃった意味では、不用意に発言した、こう考えるのでありまして、他意はなかったと思います。
○小宮市太郎君 発言されたときは、そういう計画的な発言はされなかったと思うのです。もっとも計画的に発言されたとするならば、これは非常に悪質だと思う。たとえば県知事の選挙に池田総理大臣が福岡に来られた。そのときに演説の中に鵜崎県知事というのは私は一ぺんも見たことない、見たことない者が県知事に出ていて、福岡県の知事としてはあんたたちは損するというような意味のことをおっしゃった。そんなばかなことは私はないと思う、知事会議等があって。しかしそういう発言をなさると、非常に政治的に影響が大きいのですな。だから知っていて、そういう計画的な発言をされるなら、これは非常に悪質であるけれども、今おっしゃるような、そういう意図を持っての発言じゃないだろうとおっしゃる。まあ一応了承するといたしましても、そういう発言は、まことに私は軽率じゃなかろうか、こう思うのです、いかがでしょうかその点は。
○国務大臣(福田一君) 私あのとき聞いておったのでは、先ほど申し上げたような感触でございましたが、発言については、お互いにこれは注意すべきことである、こう考えております。
○小宮市太郎君 当初私が申し上げましたように、会社自体が、あんな大きな事件ではなかろうという、そういう状況判断をしておる。しかもその取り扱いそのものも非常に何といいますか、ルーズである、監督局のほうもそうであった。したがって三時からその日の十時過ぎまでは、ほとんど空白のようなかっこうなんですね。だから、そういうのを報道陣は飛び込んでいって、いろいろなことをやっておる。その報道を聞いて県の災害課長は大牟田市に、こういう報道がなされておるけれども、市では何かやっておるか、こう連絡をしたところが、大牟田市では、一人もだれもおらぬ。だから、これはどうなったのかというので市の消防本部のほうに連絡をしたところが、いま市のほうに申し上げて、市のほうでは、いま部課長を呼んで会議をしておるところだ、これがもう十二時ごろなんですね。その後市のほうから連絡があって、一時に防衛庁に連絡をして、三時には現地に自衛隊がやってきておるわけです。当時は、そういう災害に防衛庁から救援を、災害そのものに防衛庁に要請するのでなくて、あくまでも病人や死体運搬と、こういうことで当初は要請をしております。隊員百名、車両三十台を至急送ってくれ、そうして任務は運搬業務だと、こういう要請を市を通じてやってきておる。ところが自衛隊のほうでは、特に百八十二名自主的に追加されまして百名という要請を八十二名、ですから、追加されてきておるわけなんです。しかも救急車を六台、車両三十台に加えて現地に来られておるわけですが、そういうわけで会社の判断と、監督局の判断、それからその事故のその任務というものが、実際にうまく話し合いができておらぬままに自衛隊の行動になっておると、こういうことになっております。だからそういういろいろな事情をもっと的確に調査されないと、ああいう無責任な発言になるんじゃなかろうかと、こういうふうに思うわけです。 そういう報告というのは一体どこからどういうように防衛庁長官にいくものですか、その点ひとつ承っておきたいと思います。
○国務大臣(福田一君) 私つまびらかにいたしませんが、自衛隊の、出動いたしました自衛隊から何月何日何時にだれそれから、もちろんそれは知事でございます。だれそれからこういう要請があったので何名を出動させて救助に当たりましたということは、すぐ本省に来るわけであります。それを防衛庁長官が見て、それを閣議で報告されたものだと思います。
○小宮市太郎君 そうすると、知事からの要請がおそかったようだというのは、どこから出たのですか、そういう報告は。
○国務大臣(福田一君) その時間は、防衛庁が知事から要請を受けた時間をちゃんと本省へ報告をします。それだから、その報告を見ておるわけですから……。
○小宮市太郎君 それじゃその報告は……、だれかここに防衛庁から来ておりますか、第一課長か何か来ておるならばつまびらかにしてください。何時何分に、どういう要請があって、どういうふうになったか明らかにしてください。
○委員長(岸田幸雄君) それでは今の御質疑に対し、防衛庁の防衛局第一課長を呼んでおりますから、すぐ来るだろうと思います。
○小柳勇君 防衛庁から参りますまで、午前の質問途中で、阿具根委員の関連質問がありましたから、続けます。わずかの時間で、あと委員がありますから終わりますが、十億円の融資について閣議できめられたことは、私どももいままで、そういう事故の場合は政府融資を要求しておりましたから、私どもは非常に感謝しています。ただ、中小企業の皆さんが私どもに二、三言われたのは、たとえば中小企業の会社などで事故をやる。損害賠償などたくさん言ってきた場合でも、簡単には金が借りれぬのに、三井財閥はいいなあという、そういう中小企業の素朴な意見がありましたので、こういう点はひとつ、十分政府としても考えておいていただきまして、中小企業などで大事故があって、能力以上に損害を賠償しなければならぬような場合も、めんどうを見てもらいたい。これは私の希望です。 なお、さっきの栗木さんの言葉の中に、今後の再建復旧については政府資金にたよらなければ、もうとうてい自分のほうの金ではやれないということが書いてありますが、政府としても、めんどう見られるでしょう。いま炭鉱では、経営の経理をずっと見てみますと、一般経費三割弱で、あとほとんど政府にたよっておるような情勢、炭鉱経営の困難さもわかりますし、政府がめんどう見てやらなければならぬこともよくわかりますが、そこで私が言いたいのは、大臣のさっきの答弁が不満ですから、いま質問続けているのですが、それだけ政府が金を出して経営を続けて参ります、石炭産業大事ですから、経営を続けていかなければならぬのでありますから、この月産四十万トンを六十万トンにするのだ、このことを非常に栗木社長急いでおるわけです。その目標を達成のために今まで努力して、その中の事故ですから、栗木社長の苦悩もよくわかりますが、それだからといって、事故が発生することは、われわれは許せぬわけですよ。 そこで、政府が出資の融資をする場合、いまのような、さっき阿具根委員の言われましたような、坑内の保安も十分じゃないぞと、そういうような保安状態でどんどん金を貸していって、月産四十万トンを六十万トンにするのだ。労働者がふえるのじゃありません。とにかく合理化によって四十万を六十万トンにするのだ、そういうことも、あまり政府も事故を再発してはいけませんから、政府が融資する場合に、条件をつけて、いまのままじゃ貸さないぞ、もっと保安にこれだけ金をつぎ込めとか、何か通産大臣として非常にポイントを押えておかなければならぬような気がするが、その点の通産大臣の今後の決意を聞いておきたい。
○国務大臣(福田一君) ごもっともな御意見でございますので、今後私は、その金を出さないいまの段階においても、これから復旧して仕事にかかる場合においても、十分注意をしなければならぬと思っております。それは十分申し伝えるつもりであります。同時にまた、そういう金を出します場合においても、何度警告をしても、これは十分だということではないのでありまして、お互いが十分に注意をし合うということが大事だと思います。御趣旨を体して処置をいたしたいと思います。
○小柳勇君 それから、その十億の金ですが、さっきの大臣及び局長の答弁によりますと、経営のほうではなくて、今度の災害に対する特別の融資であると言われましたが、犠牲者の補償はもちろんでありますが、遺家族の今後の問題もあるわけです。それで遺族の補償などについては、明日社会労働委員会が詳細に審議するよでありますから、今日は大綱だけお聞きしておきますが、いままでのような、ただ表面的な遺族補償、そういうものでなく、子弟の教育なり、あるいは住宅の問題なり、生活自立の問題なりございます。主人がなくなったから、さあ社宅を出なさいということもあるいは言われるかもしれない。十億の金が、政府がそういうあたたかい気持で貸したならば、遺族の生活については、社宅をすぐ出ろとか、あるいは子供が大学に入っているのに、それを途中で退学するようなことがあってはなりませんが、何かひもをつけて融資をしてもらいたいと思う。十億の金について、その融資の条件と言いますか、ひもですね、そういうものについて、ひとつ政府としてもしっかりしたものを言っておいてもらいたいと思うが、会社に対して、そういう点についてどうでしょうか。
○国務大臣(福田一君) 私は、これは融資の問題とは別に、実はいまおっしゃったような遺族の問題、子弟の問題等につきましては、厳重に申し入れをするつもりでおります。御趣旨のような趣旨で、厳重に、そうしてもらいたいということを言うつもりでおります。
○小柳勇君 もう少し、厳重だけでなくて、大臣のいまのお気持を具体的に、これはきょうの委員会みんな非常に期待して待っていますし、山全体が、もうほんとうにめいり込んでしまっております。生活に希望がなく、子供たちの心情を考えましても、われわれもまことに気の毒ですが、もう少し具体的に大臣や局長から御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(福田一君) いまおっしゃったのは、遺家族に対して生活の不安がないようにしろ、あるいは子弟の教育等についても十分考えろ、それから身体障害者の保護についても万遺漏なきを期せよと、いうような御趣旨であると思うのであります。私はそういう趣旨で三井に対して厳重に、明日私参りますが、参った席上で、経営者に十分注意をいたすつもりでおります。
○小柳勇君 最後でございますが、もう質問いたしませんが、要望といたしまして。十五日午後から十六日に調査に行かれる——あとで提案いたしますが、調査団としても参加いたしますが、現地の出先機関に、午前中問題にいたしましたようなものを数字的に、もう少し詳しく調査していただいておって、そうして御存じのようにあすこには第一組合と第二組合とがあります。そういう第一組合のほうに差別がなされておって、遺族の補償についても、給料を差別してあるものですから、遺族補償が差別があるということでも非常に問題があるわけです、そこでそういう、もちろんやられぬと思いますが、現地の出先機関に、数字的に少しデータをそろえておくように、そうして補償の問題もそうでありますが、たとえばいま保安要員はどのくらいになったか、推移とか、出炭とか、あるいは第一組合から保安要員の要求をけったそうではないかとか、あるいはいままでどういう要求があったか、そう具体的に質問いたしますから、出先機関のほうで、それをひとつ詳細に率直に資料としてお調べおきを願いたい。そうして最後に通産大臣なり保安局長に、ふたたびこういう事故が起こりませんように、保安の態勢確立のために、ひとつ善処をしていただきますように希望いたしまして、私の質問を終わります。
○小宮市太郎君 防衛局第一課長が出席なさっているようでありますから、お聞きしたいのですが、さっきの続きですが、三池の場合は、自衛隊の出動が知事の要請がおくれたので云々という新聞の発言が載っておりますが、どういうように報告がきたのか、どういうように報告なさったか、その点をまず一点お聞きしたい。 それと大体どういう任務についたか、そういう報告は、どういうようになっているのか、その点ひとつ、この二点をお聞きしたい。
○説明員(久保卓也君) 事故は御承知のように九日の午後三時十分でありますが、県知事名で福岡にあります第四師団司令部に派遣要請がありましたのは翌日十日の午前一時十三分であります。翌日午前一時十三分であります。要請の内容は、三池の災害について負傷者と遺体を収容所並びに病院に運んでほしい。人員は約百五、六十名、車両が三十両ばかりというような趣旨の要請があったそうであります。具体的に私どもでやりましたのは遺体で運びましたのが百二十体、それから病院まで生存者を運びましたのが十名というふうに聞いております。
○小宮市太郎君 そうすると、一時十三分というのは私も聞いてきたのですが、まず初めは、これは防衛庁は御存じないと思いますが、会社側がたいした事故ではないというので、十時ごろまでは、ほとんど関係の職員も帰宅させておった。ところがたいへんだというので、また集めたわけですね、協議をして十二時ごろ、県も再三二ュースが出たときに、消防署のほうに連絡をとって、こういうことで、もし大きな災害であれば自衛隊に要請をしなければならぬがと、こういうように言っておるわけです。それはそれとしても、とにかく十二時ごろ話があって県のほうに要請があった、ですからそれと同時に一時十三分に第四師団ですか、師団長のほうに百名と車両三十両を要請した。ですから私は時間的におくれたというのは、一体どういうことなのか、それがまず一点知りたいんですよ。どういうこと、どうしてそういう発言が出たのか。それと遺体を運んだのでしょう、それからまだ、けがをしている人を病院に運ぶ、救急車を特に六台、要請より余分に持ってきたのです。だからそれは有効に、しかも的確に運んでいただいたと思うのです。それから百名の要請のところを百八十二名ですか出したのですね、これも被害が大きいということを自衛隊自身が自主的にお考えになって出された、これも非常に私は感謝するわけです。県庁のほうでは、それらの要請が唐名と三十両だったから、あとで自衛隊との話し合いの結果訂正して百八十二名と救急車六台、車両三十両と、こういうふうに訂正して、また翌朝申請を書いておるわけです。事実私は大牟田へ行きましたから、それで聞いてきたのです。会社関係のことも、よく調査して参ったのです。時間的に県知事の要請がおくれたというその判断ですね、一体どういうことで、その判断が出てきたのか、私はどうしてもふに落ちないんですが、どうなんですか。
○説明員(久保卓也君) 私が直接私のほうの長官に報告しておりませんので、長官に申した内容は存じませんが、新聞では、長官が申しておられるように書かれてありますが、私どもとしては、別に時間がおくれたということは感じておりません。ただ、もし早ければ早く出られたということは当然言えるわけです。たとえば先ほど申し上げましたように、午後一時十三分に要請がありましたが、部隊そのものは二時半に出ておりますから、もし必要であれば、早く要請があれば早く出られた、いまはそういうことが申し上げられるだけです。それは当時の現地の状況に応じて要請があるものと、私どもは考えております。
○小宮市太郎君 そうすると、第一課長の話しでは、おそかったというふうには思われぬというわけですか。しかし、そういうことをもっと早く言えば早くされたのではないかという、何かそこら、どうも言葉の上で納得ができないのですよ、何か発言が、特別の発言があったような気がしてならないんですが、しかしあれでしょう、ぼくの聞いたところでは、とにかく中に入れないんですから、私ども見たのですけれども、人車が通るところ、もうレールが曲がっている、そこらは落ちている、だから中へ入れないでしょう、割れているし。だから会社自体が、そこらにある遺体を運んだり、けが人を運んで、大牟田市の消防本部が救急車三台でもってけが人運んで、それで事足りているから、今のところ県からのいろいろなお加勢は要りませんといってきているわけです。ところが、大きいということになったものだから、それで今度会議をして県のほうにやって、すぐ要請をやっているわけです。だから県知事の要請がおくれたという御発言は、どうも今のお話から考えると、何か納得いかないものがありますね。
○説明員(久保卓也君) 私、そう申しているわけでないものですから恐縮なんですが。ただ横須賀の事件で見ますと、九日午後九時五十分に事件が発生しまして、部隊そのものが出ましたのは十時二十分であります。おそらく長官がもし申されたとすれば、これと比較しておそかったなという感じを申されたのじゃないかと思いますので、私、事務的におそかったとか早かったという問題は申しているわけではありません。
○小宮市太郎君 大牟田と久留米ですから、自動車で行けばわずかなものです。だから到着したのが三時三十分ですね、大牟田に。そうして任務について、十日の十五時三十分に任務完了です。とにかく運べばいいわけですから、だから災害そのものに、中に入ってどうこうするという、そういうことは実際できないわけです。そういう装備はないわけですし、そういう技術もないわけですから。ところがそういう発言を書いてあると、鉄道事故と同時に書いて、片方のほうは的確に自衛隊を要請してやっているけれども、これは自衛隊の要請が、県知事の要請がおくれたという、何かそのものについて、災害に対して、いかにも知事の要請がおくれて、怠慢であるかのごとく発言を防衛庁長官がなされるというのはもってのほかだと思う。これはさっきおっしゃったように、事実認定を的確にやらないで発言されるというのは、福田通産大臣のおっしゃるように軽率だと私は思います。どうですか、第一課長は、そういうふうにお考えにはならんですか。
○説明員(久保卓也君) 大臣がどう申されているか、私も新聞以外のことは存じませんので、ただ、私のほうから長官に書類で報告したものは、単に事実関係だけを書いてあります。おそいとか何とかいうことは全然書いてありません。わずかのあれでありますが、数字的な事実関係だけしか申しておりません。
○小宮市太郎君 これで終わります。そういうことをせんさくしてもはじまらんですが、そうすると、感じからしますと、防衛庁長官の自主的な個人的な感じで発言されたというように受け取りますが、ともあれ通産大臣に特にお願いしたいのは、冒頭に申し上げましたように、今晩から現地に参られるそうですが、十分ひとつ原因を究明していただいて、労働者はもちろんでありますが、全国の人たちの納得のいく結論を出していただきたいということを希望いたしまして、終わります。
○柳岡秋夫君 ちょっと二つお尋ねします。大臣のほうに先に聞きたいのですが、昨年、石炭対策要綱を作り上げ、あるいは石炭の合理化計画というものを作られたわけです。このときに私どもは、この政府の石炭対策なり石炭の合理化計画は、生産を第一にして保安を第二にするというような内容があるし、また、閉山なり人員整理というものが非常に強く出されておって、労働者を路頭に迷わすものにほかならない、こう私ども批判をしてきたわけです。しかも、その後の各企業の合理化の推進を見て参りますと、労働省が立てる雇用計画も追いつかない、それ以上の離職者が出てきている。こういう形であって、そういう生産第一主義の政府の石炭対策が、私は今回のこういう大惨事を起こした一つの大きな要因にもなっていると思うのです。したがって根本的に政府の石炭対策なり石炭の合理化計画というものを再検討する必要があるのじゃないか、こういうふうに私は思うのですが、この点について、大臣はどういう見解をお持ちになりますか。
○国務大臣(福田一君) 合理化計画を実施する場合に、保安を尊重するといいますか、人命尊重ということを特に考えて合理化計画を進め、また生産計画を進めていくべきであるという考え方は、私たちとして終始変わらないところでございまして、生産と保安は完全にうらはらの関係にあって、密接不可分である、こういう考え方で従来も考えております。また今後も、そういたしたいと思いますが、実施面において、そういうようなもし過誤があるといいますか、行き違いがあれば、これは十分訂正いたさなければなりませんし、また、この事件を契機として、業者に対しましては、私はそういうことのないように特にきのう省議室に集めて指示をいたしておるわけでございまして、御趣旨を体して処置をいたして参りたいと思います。
○柳岡秋夫君 この原因の追及については、これから十分調査をするということですが、その原因の調査した結果によっては、内容によっては、政府の石炭合理化計画というものを根本的に改める必要があるという場合もあると思いますが、こういう点についてはどうですか。
○国務大臣(福田一君) 原因が明らかになった上で、たとえば今までのやり方が生産にあまり重点を置いていて、保安に欠けている面があるというようなことであれば、保安を特に厳重にするという考え方で処置をしていくのは当然なことだと考えております。
○柳岡秋夫君 私の言いたいのは、そういう保安の面ももちろんですが、保安という内容の中には、やはり先ほど小柳委員が申されましたように、保安要員というものを少なくして、生産部門にどんどん持っていくという傾向があるんじゃないかということ、したがって当然人員整理の中で、そういう保安要員の強化という面も考えれば、当然政府の炭鉱離職者の数の上にも大きな変動を来たすんじゃないか、こういうふうに考えているわけなんです。したがって、そういう面で政府の石炭対策の実施計画も、やはりこの惨事を契機にして改めるべきところがあるんじゃないか、改めるべき要素があるんじゃないか、こういうことを申し上げているわけです。単にまあ保安を十分やっていく、保安を十分やっていくというのは、何か施設面での保安という面が非常に強く私は印象を受けているのですが、そういう人の面からも、保安の強化というものをはかるべきじゃないか、したがって人員整理も、ある程度それによって縮小されるんではないか、こういうふうに考えるわけですが、そういう面の質問なんです。
○国務大臣(福田一君) 保安と申しますからは、人の面からも、物の面からも、十分必要なものは確保いたさなければなりません。そういう意味で考えて参りたいと思います。
○柳岡秋夫君 労働基準局長があしたおられないそうですから、ちょっとお聞きしておきますが、労働省では、きのうですか、おとといですか、幹部会を開きまして、労災の補償費として六億円余を早急に支払う、こういう方針を決定したようですが、これは大体、いつごろ支払われる予定ですか。
○説明員(村上茂利君) 私どもは、時点といたしましてはなんですけれども、申請があれば、すみやかに支給できますように態勢をいたしております。つまりお金の面から申しますと、もう支出負担行為を終わりまして、現地に現金を送達するという手はずは、もう完了いたしております。それから支払いの面から申しますと、現地の監督署に二十六名の職員を増派いたしまして、支払い事務を行ない得るような態勢にいたしておりますので、あとはこの補償請求といったような手続の面だけが残っておるわけでございますが、請求がございますれば、即刻支払いをいたします態勢を整えております。
○田畑金光君 質問したい点は大体なされておりますので、重複しない限度で二、三お尋ねしたいと思うのですが、最初にお聞きしたいことは、わが国第一の保安設備の完備された山で、今回このような大きな事故が起きたわけです。唐突として起きたわけではなくして、やはり起こるべき原因があって起きたものと、こう考えるわけですが、当局としては、ことに保安の監督に当たられる当局としては、三井三池のこの三川鉱について、何ら保安の面から見て異状がないという態度で今日までこられたのかどうか、降ってわいたような事件としてこれを見ておられるのか、青天のへきれきとして、この事件を見ておられるのか、何か注意しなくちゃならぬという保安上の問題点をお気づきになっていたのかどうか、まずこれについて、ひとつお尋ねしたいと思う。
○説明員(田原正邦君) 三井三池三川鉱の監督状況は、先ほど申し上げましたように、四月と六月と十月と三回行っております。その監督のときに、悪い点については監督官から指摘をし、また通達書を監督局から出しておるわけでございます。その内容が今度の天災と関係があるかどうかということは、いまここではわかっておりません。いずれ調査すればわかることと思います。
○田畑金光君 けさほど来、局長の御答弁をお聞きしておりますと、これだけ大きな事件が起きたのですから、たとえば六月と十月——十月の巡回監督をやっておられるわけですね。
○説明員(田原正邦君) はあ。
○田畑金光君 最近の時点において保安監督をなされて、その結果か結論か、内容が出ておると思うのですが、監督官としては、どういう見解を下したのか。その内容がこの委員会において御説明がないということ、ことに今回の炭じん爆発とは何らの関係のない結論しか、見解しか出ていないのかどうか、この点等は、これだけ大きな事故が出たらば、もう十分に保安監督局長のもとにおいても、しかるべき資料等は整えられて、その辺の事情が明確になされてしかるべきだと思うのですが、この点はどうなんですか。全然現地に行って調査してみぬと、あるいはこの調査の結果を待たねば——十月の巡回監督の節には、何ら予知できなかったのかどうか、この点はどうなんですか。
○説明員(田原正邦君) 十月の監督の際には、落盤に対する注意書を監督官が山のほうに出しております。そのほかは注意書は出してないようでございます。
○田畑金光君 今回の事故が、落盤によって送電ケーブルが切られたとか、あるいは炭車の移送によってこの事故が発生したとか等々いわれておるわけで、その十月の監督の内容でございますか、それと今回との関係は何らないというのか。あるいは私の聞きたいのは、これだけ大きな炭じん爆発を起こしておるからには、これは降ってわいたように起きたはずはないと思うのです。少なくとも十月の段階においても、先ほど阿具根委員からも指摘されておりましたが、ほんとうに監督らしい監督が良心的になされておるならば、こういうようなことが予知されたであろうし、未然に防止する方途も講ぜられたと思うのだが、その辺の、監督の面等から見ましても、これは相当落ち度があったようにしろうとから見ても、そういう見方をとるのが当然だと、こう思いますが、どうでしょうか。
○説明員(田原正邦君) 今度の災害の原因、まだはっきりしておりませんが、どういう原因で具体的には火が出たかということが、一つは問題になると思います。それから炭じんの状況が、どういうふうな状態にあって、そうしてそれに対して、どういう保安設備をしておったかということが問題になると思います。 十月の監督のときには落盤に対する注意書だけを出しております。それが今度の災害と関係があるかどうかということは、今度の原因がわかりまして、はじめてわかるのではないかと思っております。
○田畑金光君 この山は、乙種炭鉱というわけで、このように二カ月に一回くらいの巡回監督をやっていたと、こういうことでしょうが、この事故を契機に三井三池の山であっても、従来乙種の山として保安は大丈夫と、二カ月に一回で、しかも先ほどのような、いいかげんなというか、監督官が行って見るだけでも済まされたかもしれぬが、これだけ大きな事故が起きた以上は、これは当然乙種炭鉱というような、そういう単純な取り扱いで今後もいけるとは見られないわけです。 しかし、私たちが非常にふしぎに思うことは、これだけの炭じん爆発が起きた山において、少なくとも十月の段階等において、何ら危険性が予知されなかったのかどうかという問題です。七千カロリー台の高カロリーの山であるし、歩どまりも九九%前後のほんとうに日本で他にない山といわれておるわけです。しかしまた、灰分が少ないし、高カロリーの炭質であるだけに、炭じん爆発ということもやはり考えなければならぬ、保安上の私は常識として、これは当然考えなければならぬ問題だと、こう思うのです。にもかかわらず降ってわいたように、何ら予防措置なしに起きたということは、ふしぎなことだと思うのですが、保安当局としては、全然そういうことについての危険性の予知等がなかったのかどうか。これをもう一度お聞きしたいと思う。
○説明員(田原正邦君) 乙種炭鉱の問題でございますが、この問題につきましては、一応基準がございます。ございますが、今度調査いたしまして、当然こういう大きな災害を起こしたのでございますから、十分検討しなくちゃいけないことだと思います。甲種炭鉱に指定して巡回を十分するし、あるいは坑内設備も、さらに強化するということも考えなくちゃいけない問題ではないかと思います。
○田畑金光君 そうしますと、今後は、いままで安心し切って保安の点も会社にまかせっ切りであったが、今後は、この事件を契機に甲種指定等も考えて、ガス爆発、炭じん爆発の、こういう危険性のある山ですから、十分に今後は防爆措置等についても考えていこう、こういうことですか。
○説明員(田原正邦君) 十分検討の価値のあることだと思います、これだけの爆発を起こしたんでございますから。
○田畑金光君 いままで炭じん爆発で大きな事故の起きたことはしばしばあるわけでありますが、今回のように大規模の事故というのは大正以来二度目だと、こういわれているわけですが、この鉱山保安規則を見ましても炭じん爆発に対するいろいろな防護措置等が詳しく書いてあるわけです。この規則集というのは、毎年々々あらゆる不備を補って大きくなるばかりですね。ところが今回のあの事故を振り返ってみた場合に、この規則に書いてある防爆措置等というものがとられたのかどうか。たとえば炭じん爆発についても、散水をやれとかあるいは岩粉を準備しろなどといういろいろな、規則にはりっぱなことがうたわれているんだが、一体その実施については、どの程度皆さんとしては監視監督なされたのか。そういうこと等については、もう乙種炭鉱であり、保安の設備は心配は全然ないというような角度から、この三川鉱については、何らそういう問題については監督をやってこなかったのかどうか。監督をやったとすれば、今日までの段階において、こういう防護措置等について具体的にこの山については、どのような実行状況であったのか。
○説明員(田原正邦君) 炭じんの立つところに、この保安規則できめられておるような施設をしておったかどうかということは、今度の調査の結果はっきり判明すると思います。監督局でも、たとえこの山が乙種炭鉱であっても、規則に書いてある条文は必ずそのとおりにやってもらわなくちゃいけない、やってなければ指導監督をしているはずでございます。そういうことを指導監督をしておらなければ監督局としても責任があると思います。
○田畑金光君 ちょっと私、答弁でよくわかりませんですがね。これは実際、そういう今私が質問したような問題点については、保安監督官は十分に巡回監督等の場合に検査して、誤りない、間違いない、心配なし、こういうように判断しておられたのかどうか、そういう点等については、このような事故も起きたんだし、当然現地の保安局長から、今日までの経過等については説明があったし、報告がなされたと見ておりますが、報告があったんですか、お聞きになっておるのですか、その辺の事情は。
○説明員(田原正邦君) 十月の監督のときのこまかい報告は、まだ参っておりません。巡回監督のときの結果の報告は、まだ参っておりません。
○田畑金光君 大臣はどうなさったんですか。
○委員長(岸田幸雄君) 速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(岸田幸雄君) 速記を始めて。
○田畑金光君 大臣には帰って来てから質問しますがね、局長ですね、まあ私は局長は新しくかわられたばかりであるし、こういう大事件にぶつかってお気の毒だという気持も持っておりますが、それにしても、こういう大事故を起こして、十月の検査の内容、巡回監督の所見の報告もあなたがまだお聞きになっていないということは、これはどうでしょうか。きょうは特に委員会が開かれて、この問題について、それぞれの角度から質問されるということで局長も出席なされておると思うのですが、いままでのこの三川鉱の保安上の問題点等について何らの報告がないとすれば、文字どおりこれは現地の監督官は何ら心配がないんだ、そういうわけで、すべてを会社にまかしていた。会社まかせに全部、これはいうなれば放任していたと言っても、これは言い過ぎでないようにお見受けいたしますが、この点はどうなんですか。そういうようなことでよろしいのですか。私は少なくともこれだけの事故が起きたならば、現地のいままでの所見等については、十分局長のほうで審査、検討されてしかるべきじゃなかろうか、こう思うんですね。それが何ら報告がなされていない、おわかりでないというようなことは、これは少しどうかと思いますけどね。この点どうでしょうか。
○説明員(田原正邦君) 十月の監督検査のときの結果は電話でもって、落盤について注意してあるという電話報告を受けておるだけでございます、いまのところ。
○田畑金光君 ひとつ電話だけじゃこれは済まされぬ問題ですから、せっかく、このような大きな問題で全部が真剣になって当局に対してよき意味の叱咤激励を通じ、今後こういうようなことは絶無を期していただくように、そういう角度から私は質問し願っておるわけですから、もっとひとつ当局におかれても真剣にこの際、原因の所在を明確にされて、これが対策を強く確立していただきたい、こう考えておるわけです。 それから大臣にお尋ねしたいわけですけれども、これも先ほどの質問にも出ておりましたが、歴史の本によれば、大正三年に方城炭鉱で同じような炭じん爆発で六百八十七名の人がなくなったという記録が残っておるわけです。あれから五十年経過しているのですね。採炭技術についても、保安の具体的な内容についても、これは相当進歩し、発展してきておると、こうわれわれは考えておるわけです。ところが、五十年を経た今日、大正年代と同じような事故が勃発したということですね。科学技術によって災害というものは毎年々々克服されて、また、それに伴う法や規則の整備というものも、このような大きな内容になってきているわけですね。ところが、今回このような大きな事故が起きたということは、われわれとしては想像もできない、どうこれを解釈すればいいのか、解釈のしようもないような感じを受けるわけです。 そこで、やっぱりわれわれといたしましては、最近の石炭界における変わってきた事情は何かと申しますと、やっぱり私は、最近のこの石炭界における合理化の問題を離れては、今回の事件の本質は理解することができないんじゃなかろうか、こういう感じを持つわけです。先ほど来、大臣の御答弁を承りますと、生産と保安とは一体だというお話です。これは池田総理も、しばしば災害のときに質問すると人命尊重が第一だ、保安が優先する、こういうお話しでございましたが、しかし、いまの合理化というものは、ことばのとおり、生産を上げてコストを下げて、どうすれば能率を引き上げるか、これがやはり合理化の中心だと私は思うのです。そういう合理化という性格から見た場合に、いま行なわれておる生産性向上という、生産第一主義という経営の実態から見たとき、これは大臣がいかに、合理化の中では生産と保安とは一体だといっても、これはなかなか言うことはやすいが実施は困難だと思うのです。ことに、先ほどの答弁の中で大臣は、人の配置の問題等については、それは政府の関知するところではない、こう言われた。なるほどそうでしょう、配置転換その他については。しかし、やはり合理化というものが、生産第一主義というように言われて、採炭という直接部門中心にすべての人が配置されて、いま問題の起きた電力系統とか機械系統、こういう面の人間の節約というか配置というものが、私は、最小限の保安を割って人の配置が無理になされておるところに、この問題が起きた最大の原因があると思うのです。してみるならば、配置転換というのは、それは会社のやるべきことであって、政府の関知するところじゃないというような形だけで済まされない問題じゃないか、こう思うのです。ほんとうに生産と保安とを一体として考えてみられるならば、やはり私は、この合理化面の各山の人の配置の問題、あるいは災害の起きておるケース、あるいは内容の問題等々、戦前の問題をも含めて、科学的に十分検討されて、やはりこういう人の配置等の面で無理があるとするならば、間接面等にあまりに無理がきて、こういう事故が起きたというならば、この際、政府としても、この合理化の進行過程に対して、何らかもっと具体的な措置を講じなければ、この問題の解決はあり得ないと、私はこう思うのですが、この点について、大臣はどのようにお考えになっておるか、承りたいと思うのです。
○国務大臣(福田一君) 私は、先ほど配置転換の問題があると言いましたことは、たとえば今度の合理化といいますか、によって退職者を求める、そういう場合に、保安の要員の中から退職者が出た場合、これを埋めるのに適当な人があったかどうかというようなことは、もちろんこれは考えてみなければならない問題だと思います。思いますが、同時に、人の数の面も、いままで十人であったものが六人要るかどうか、六人で十分かどうか、先ほど局長が言いましたように、それぞれの仕事について保安要員というものを指定しておるということでありますが、それがはたして充足されておったかどうか、そういうことは、十分これは研究しなければいかぬ、調査しなければいけないと思います。また、いままでにも調査しておると思っておるのでありまして、その点はやっておると思いますが、しかし、こういう事故が起きたのは、万一、そういうことが近代化、合理化というようなことから起きておるといたしますならば、これはそのテンポを場合によってゆるめても、保安のほうを優先させるということは当然だと思います。私は、そうしなければならぬというように、こう考えておるのでありまして、いずれにいたしましても、原因その他をすみやかに究明いたしまして、適当な措置をとるように考えてみたいと思っております。
○田畑金光君 いまの点ですが、これは局長、私の先ほど申し上げた点は、局長もよくおわかりになったと思うのですが、間接部門の人の配置転換等が必要以上になされて、結局、そういうところにしわ寄せがきて、たとえば電気系統の面であるとか、あるいは動力モーターの、こういう機械部門の人の配置の問題であるとか、こういう点等が無理に人が必要以上に減らされて、そこへ私はしわ寄せがきておるのじゃないかという強い疑問を持っているわけです。そうしてまた、生産第一主義ですから、保安の担当者の意見というものは、なかなかこれは用いられない傾向にあると私は見ておるわけです。能率を上げる、ことに会社の収支決算をよくする、赤字を埋める、そうなってきますと、生産に携わる面の人方だけが歓迎され優遇されて、そういうところの意見だけが重宝がられて、保安の立場からいろいろ意見が出されても、なかなか用いられない、また、保安の仕事にあずかる人方が会社の中で重用されない、そういう傾向が、一般的に私はいまの石炭山の経営全体の傾向じゃなかろうかと、こう思うのです。そういうような点から見たときに、また具体的な問題に戻りますが、この三川鉱の巡回監督等の場合はそういう間接部門、特に機械、電気系統等についても十分に検査がなされたのかどうか、この点はどうでしょうか。
○説明員(田原正邦君) まことに申しわけないのですが、十月の巡回監督のときの結果につきましては、先ほど申し上げましたように、保安対策については注意していると電話連絡だけありまして、詳しいことは、監督局ではわかっておりますが、私のほうではまだわかりません。
○田畑金光君 これは監督官というのは、けさほど阿具根委員からも質問がありましたが、現場に監督に行く場合は、抜き打ち検査に行くのが建前なのか、あらかじめ会社等に連絡していくのが建前なのか、これはどうなんですか。法律には別に書いてないようですが、どういうことなんですか。
○説明員(田原正邦君) 先ほどもお答え申し上げましたように、原則として抜き打ち検査でございます。で、もしも、それをあらかじめ通知して監督に行っているというような状態でございましたなら、これはすみやかに改めさせなければいけないと思っております。
○田畑金光君 大臣もお聞きのとおり、どうも私は保安監督上の責任の遂行の面において、相当私はこれは当局として反省され、改めなければならぬ内容があるように私は見受けますので、さらに具体的には明後日からの現地調査を通じてその辺の事情を確かめて参りたいと思いますが、ひとつ十分、これは大臣としても考えていただきたい。ことに、私はやはりこれだけ大きな事故が起きた以上は、やはり問題に対しては責任の所在を明確にするようなことでなければ、このようなことがしばしば繰り返されることになると思いますので、その辺も十分やはりこの際、大臣としては考えていただきたい、こう考えております。 一般論として二、三またお尋ねするわけでありますが、三井関係は、三池のほかに、その他幾つかの山があるわけであります。この三井三池と三井の他の山との災害率を比較した場合に、一体、どうあなた方はこれをみておられますか。また、三井三池と大手の山の災害との関係を比べた場合の災害比率等について、あなた方として、どうこれをみてこられたのかどうか。
○説明員(田原正邦君) 三井全体の……。
○田畑金光君 三井、その他の山と、三井の中にいろいろな山がありましよう。
○説明員(田原正邦君) ございます。三十七年の三井の山の災害、千人当たりの災害率の数字を申し上げます。三池が一・二四一、田川が〇・七九五、山野が一・七〇七、砂川が〇・五二七、芦別が〇・七六二、美唄が一・五八五、これが三十七年における千人当たりの災害率でございます。それから全国の平均が一前後、こういう結果になっております。
○田畑金光君 そのように、その他の大手と三池との比較、あるいは、三井の各山の中における三池の災害率の比較等を検討した場合に、当局としては、どうこれを見ておられるわけですか。
○説明員(田原正邦君) まことに遺憾なことでございますが、三池の災害状況は、今までもあまりいい状態とは申せません。それで、私のほうといたしましても、常に注意をし、監督もしておったわけでございますが、今度また、こういう災害を起こしまして、まことに残念に思っております。
○田畑金光君 今局長がすなおに認められましたので、これ以上追及いたしませんけれども、三井の大手の山についても、この一両年、保安の面から見て憂慮すべき傾向も具体的なケースとして出てきているわけでございますから、当然これに応ずる保安の問題等については、もっと監視監督を厳正になさるならば、こういう大きな問題等についても、もっと事前に防止し得たであろうとわれわれは考えているわけで、そういう点からみると、まことにこれは遺憾なことだと思うのです。当局においても、また、会社側の責任についても、われわれは強くこれを追及せざるを得ない感じをますます強めるわけであります。 これらの問題については、また、後日調査の結果お尋ねすることにいたしまして、昨日何か石炭鉱業審議会の需給部会が開かれて、けさほどの新聞を読みますと、石炭の出炭減等について、いろいろ対策を講じられているようでありますが、この出炭減の見込みと影響、あるいはまた、今後の炭繰りについて、どういう方針でおられるのか。ことに、上期以来石炭の状況は、労働力の不足のために出炭減が非常に著しく出てきているわけです。ことにまた、今回の三井の事件等も重なってきますと、出炭減をどう穴埋めするかということ等については、大きな問題だと思うのです、下期の石炭の需給対策の上から見ましても。この点について、大臣としては、どう対処する方策であるか、どんなことを考えておられるのか、承っておきたいと思います。
○国務大臣(福田一君) 御案内のように、今までは、相当山元貯炭もございましたが、ことしはなかなか生産がそれほど伸びておりません。そういうようなことから見れば、全体的に見て、どういうことになるかというと、もとより私は地域別に見れば、多いところと少ないところと出てくるような感触を持っておりますが、全体のバランスからいえば、どうやら何とかやりくりがつくものだと思っております。これは全国的に見た場合でございますが、三池の場合においては、日に一万トンぐらいあそこでやっているのが、三カ月復旧にかかるということでございますならば、それだけ影響するわけであります。ところが、それがいつ、どういうふうに復旧されるかという事情をつまびらかにいたしませんので、ここで明らかに申し上げるわけにいかないのでありますけれども、しかし何万トンか足りないということであれば、山元にいま幾らあるのか、その山元で補えるか、あるいは近所の山にどのくらいあるかということは、具体的に調査いたしまして善処するようにしていきたいと考えております。
○石田次男君 今度の災害につきまして犠牲者の方々には深い哀悼の意を表しつつ、質問申し上げるのでありますが、私も十日の早朝から十一日までずっと現地におりまして、いろいろ実地にこの目で見、各関係の方たちとも会いまして、この事故について、あるいは事後の処理についての動きや、意見等も聞いて来ましたが、まず第一に、十一日の午後四時ごろ灘尾文部大臣が市役所と、鉱業所へお見えになりましたが、これは政府の派遣でございましょうか。
○国務大臣(福田一君) 政府の派遣という正式の形ではないと思いますが、少なくとも近所におったので、文部大臣としては、いわゆる罹災者に対するお見舞い、あるいは遺家族に対するお見舞い等も兼ねて現場におもむいたのだと思います。
○石田次男君 正式な政府の派遣ではないということでありましたが、それにしても、やはり現職の文部大臣でありますと、私人ではなくて、公人ということが二六時中つきまとっているわけであります。でありますから、こうしていらっしゃることについては、政府のほうで御承知があったのじゃないかと思いますが、この点いかがですか。
○国務大臣(福田一君) 官房長官のところではわかっておったかと存じますけれども、私自体は了承はいたしておりませんでした。
○石田次男君 福田さんは御存じないようですが、現職の大臣としていらっしゃるのですから、当然内閣全体として何か了解の上でいらしたのじゃないかと私は思ったのです。実は大臣が行ったことについて、あとで非常に非難の声が高いのですね。というのが、板付についたのが十二時半ですよ。まっすぐ市庁舎と、三池鉱業所にいらっしゃると福岡から連絡がありまして、私が大牟田の市役所で市長さんと会っていた最中です。連絡が来たのです。私も仕事がありましたので、よそへ回りましたが、四時過ぎに市庁舎へ来まして、ここではわずかに三、四分、それから三池鉱業所の事務所へ行って、ここであいさつをして、これも五分だけですね。それでさあっと久留米経由で日田温泉に行っちゃったのです。労働者の諸君も、ほとんどそれを知らなかったのです。あとでそういうことがあったということを聞いて、あの辺では非難ごうごうとしております。実はちょうど私が市役所におったときに電話が来ましたので、会おうと思って電話したのです。そうしたら五分もおらないで帰ったというのです。じゃというわけで三井クラブのほうに電話したら、ここに寄る予定でございますが、寄らずに現場へ——現場といっても鉱業所の事務所らしいのですが、そこへおいでになってあいさつだけして、すぐお帰りになった。どこへ行ったかといったら、久留米経由で日田へ行った。内閣の一員として、今大臣がおっしゃったように遺家族の見舞い、あるいは災害についての何かの事情聴取ないしはその他の純粋な目的を持っておいでになった行動としては、はなはだ犠牲者を愚弄するものと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(福田一君) 私は、文部大臣は先ほども申し上げましたように、そういう政府を代表するというような意味でおいでになったのではありませんが、少なくともそういう大事故があったときに、その近所におれば、たとえ時間が少なかろうと何であろうと、やはりそこまで行って慰問をし、あるいはまた遺家族とか、そういう者に対して何らかのお見舞いを申し上げるということは礼儀であると考えるのでありまして、そういう一般礼儀の立場に立って行かれたものであると私は考えております。
○石田次男君 人づくりを看板にしていらっしゃる内閣の、いやしくも文部大臣、しかもその大臣が市庁舎においでになって、市長とお会いになっておったときに、新聞記者が二人、市長にインタビューしておった最中であります。そうして市長にインタビューしておったということをちょっと耳におとまりにならなかったようです。市長さんが、大臣が来たというので、そそくさと立って出迎えてあいさつをしたら、実は私は選挙で来たんだがとはっきりとおっしゃった。選挙で来たんなら選挙で来たで、何も見舞いがましいような妙なまねはしないほうがいい。このことはその場で新聞記者が二人はっきり聞いている。おそらくテープにも入っております。そうして五分もおらずに、鉱業所のほうに行って、三井クラブにお寄りになって、そこで事情聴取をなさるというようなことで現地では準備しておったようでありますが、そこにも寄らずに宮浦鉱の事務所に行って、だれにあいさつをしたか知りませんが、二、三分あいさつして、そのまま車でさっと行っちゃった。実は新聞記者というのは、私のほうの関係の新聞記者でありますから、テープも取ってあるし内容もはっきりしている。人づくりを看板にしていらっしゃる内閣の文相の行動として、あの悲しみの最中に一体何のことか。しかも言わずともいい選挙に来たんだがという御発言がございましたが、温厚なと言われる灘尾文部大臣の個人攻撃をするわけじゃございませんが、そういう偽政者の心がまえが回り回って、こういう事故の大きな要因になると思うの、ですがいかがですか。
○国務大臣(福田一君) 私はその事情をつまびらかにいたしておりませんので、これは文部大臣から承っていただく以外には方法はないかと思います。これ以上は私からお答えするのは無理かと思っております。
○石田次男君 まあ同僚の大臣の非難を、私は土地の労働者諸君にかわって申し上げたわけでありまして、福田さんが軽々にお答えできない立場はわかりますが、明らかにどういう性質のものであったか私が申し上げた内容で、はっきりおわかりと思います。そうして一方では、先ほど阿具根議員から指摘がありましたように、福田大臣は、こちらで指揮を取っていらっしゃる、あしたいらっしゃるということでございましたが、この災害が起こったときに、当然電話で政府がお知りになったわけであります。そうしてすぐ何がしかの対策をお立てになって、ずっとその経過は新聞に出ております。表面だけですが出ております。県や大牟田市当局あるいは会社に対して、最初にどういう問い合わせあるいは意思表示等をなさったか、それを明らかにしていただきたいと思います。
○説明員(田原正邦君) 私のほうの出先は福岡鉱山監督局でございます。福岡から連絡がございましたから、すぐ監督局長以下課長二人、監督官二十名を現地に派遣いたしまして、そうしてとりあえず救出に当たるということを指示いたしました。なお救護に関し、関係方面と連絡をして、そうして応援を仰ぐことは、こちらで連絡をとって応援を仰ぐように指示いたしました。
○石田次男君 県のほうを通じて応援を出したとおっしゃいますが、本格的にその応援部隊が現地に到着をして活動を開始したのは、事故が発生してから何時間後でしたか。
○説明員(田原正邦君) 福岡鉱山保安監督局が現地に到着いたしましたのが、五時から六時ごろのようでございます。
○石田次男君 それから、自衛隊が現地へ要請によって行ったのは何時ですか。
○説明員(田原正邦君) 自衛隊の応援は、私のほうから直接要請したわけじゃございません。
○石田次男君 この問題、実はさっきも出ておったわけです。そちらで要請したのでなくても活動を開始した時間はわかるでしょう。
○説明員(田原正邦君) 監督局が活動した時間でございますか。
○石田次男君 自衛隊。
○説明員(田原正邦君) 私のほうではわかっておりません。
○石田次男君 じゃわかっている方どなたかいませんか——。じゃだれかちょっとその点調べていただけばいいと思いますが、問題は、先ほどそういう要請について、いろいろ質問がありましたから、何時に着いたという点についてははしょりますけれども、これが十日、まだ遺体が相当坑内に残置されているにかかわらず、五時でぴしりと作業を打ち切って帰っている、これはどういう命令によって帰ったのでしょう。
○説明員(田原正邦君) もう一度、今の御質問を伺いたいと思います。
○石田次男君 自衛隊が来まして、宮浦鉱のほうからずっと中に入りまして、遺体の搬出作業をやったのです。そうして、午後の五時で作業を打ち切りまして、まだ坑内に相当遺体もございますし、作業が残っていたんですが、打ち切ってまとまって帰ったんですよ。これはどういうわけですか。
○説明員(田原正邦君) その問題は私のほうではわかりません。現地から報告が何もありません。
○石田次男君 報告がないということも、中央と地方の連絡の不備でしょうが、私はこの目で確かめているのです。三池の鉱業所へ行きまして、次長の池田さんという人に会いまして、三、四十分いろいろ説明も聞き、それから三川鉱の現場あるいは宮浦鉱の現場、そこへ行きまして、ずっと作業ぶりを見ておりました。そうして五時前に私は市役所のほうへ回るために帰ったんですが、現地の人の報告によれば、五時にまとまって帰ったというのです。もうこの日は二日目で、一番方も二番方もくたびれはてているのですよ。それらの人々が中で作業しているのです。ほんとうに体力も、あるいはいろいろと設備のあるのは自衛隊だけだったのですがね。その自衛隊が判で押したように時間で切って帰ってしまった。それで、ほんとうに救援の真意が通っているのかどうかと思って、はなはだ憤激にたえない次第なんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(福田一君) これはそのときの知事、大体自衛隊の出動というものは知事が要請して、そうして任務が終わったときは、知事と相談の上で帰るというのが私は慣例のように聞いておりますから、その間、どういう事情で帰られたかということを明らかにいたしませんと、その点は明らかにならないと思います。
○石田次男君 これはもちろん鉱業所ないしは県と連絡があって、そうして一応引き揚げたのだろうと思うのですよ。だが、会社のやり口を見ておりますと、会社のほうは、自分たちのメンツを保つためにきゅうきゅうとしている。県のほうは当日出てきたのは総務課長だけです。知事は十一日に来ておりますよ。ですから、どこでどう連絡したか知りませんけれども、おそらく会社のほうが適当に自衛隊にお引き取り願ったんだろうと思うのですよ。あと、しまいまで作業に残されて、もうまる二日不眠不休でやっていたのが鉱員の諸君。ですから、こういう救援を出すについても何するについても、上のほうでほんとうに責任を持たなければ、今度みたいなことが起こると私は思うのです。それは会社のほうは適当にお引き取り下さいと言ったかもしれない。が、あの時間に、あの状況の中で、第三者が冷静に見たら、自衛隊が引き揚げてどうするか、そういう状況の中、それをさっと、まとめて帰ったんです。こういう点については大臣はどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(福田一君) その事態におりませんし、自衛隊の出動並びに引き揚げというものは、すべて正式のルートは、知事が認めなければできないわけでございますから、その間の事情を明らかにしませんと、何とも申し上げることはできません。
○石田次男君 十五日に現地へこの委員会から派遣になって参りますので、そういったことも、一そう明らかになるはずでございます。その後にまた御意見を伺いたいと思いますけれども、私が赤裸々に申し上げたこの範囲での御意見はいかがですか。
○国務大臣(福田一君) その間の事情がいま申し上げましたとおり明らかになっておりませんので、私としては、これ以上申し上げることはできません。
○石田次男君 ではいずれ、また視察から帰りましてから、あらためてお伺いいたしますが、この問題はあと回しにいたしまして、先ほどから問題になっております。保安監督の点でございます。 質問の都合上、若干重複する点もあるかと思いますが、この三池の事情の説明をずっと聞きまして、炭じんを測定する機械ないし設備等はあるのかと聞いたらあるという。十一月に検査をやったかというとやらぬという。そうして説明していうには、この三川の大斜坑は入口から空気が入っておりますし、戦後の最新設備で日本一という設備です、でありますから絶対にここでは事故は起こり得ないものだと思っておったというのです。そうしてじゃ、いつ炭じんの濃度の測定をやったかと聞いたら、わかりませんが十月には一ぺんくらいしているんじゃないかと、こういう返事だったのです、保安監督について、ここに確かに炭じんの処理についていろいろありますけれども、こういう大規模な鉱業所において、当然ケース・バイ・ケースでもって、この炭鉱はこの程度検査しなければならぬと、そういうような一つの炭鉱の実情に合った基準というものが、保安監督の通産省の署のほうで持っていなければならぬものだと私は思うのですがいかがですか。
○説明員(田原正邦君) この炭じんの集積ぐあいと危険度の関係は、これは実は私のほうでも長年研究いたしてきたのでございますが、保安規則にも炭じんをたくさんためてはいけないということになっておりますが、どの程度が危険かということは、その炭の性質とそれから積まれる状態によってまちまちなものでございますから、それでなかなか基準がきめかねております。いまでもこれは私のほうの大きな、早くきめなくてはいけないけれども、きめかねておる技術の基準の一つになっております。したがって、あの場合にどれだけあったら危険か危険でなかったかという技術基準が、おそらく監督局はなかったと思います。非常に概念的にこれは多すぎる、これはこれでいいという程度しか炭じんのたまりぐあいについては、まだきまっておりません。
○石田次男君 その点が問題だと思うのですね。三池がこうして鉱業所を開き、かつそこの三川鉱が開かれてから、かれこれ二十年、それに対して、どの程度から危険で、どの程度まではいいんだという、炭質はわかっている話ですし、あるいは坑内の湿度等もわかっている話しだし、あるいはその広さその他設備の状況、あるいはさっきから話がありましたように、どの程度石炭を斜坑から上げているか、これはわかっている。いわば客観的な条件は全部わかっているわけですよ。そういうものがわかっているにもかかわらず、どこから危険で、どこまで安全だというパーセントの算定もしていないというのは、通産当局側の大きな手落ちじゃないですか。
○説明員(田原正邦君) 私のほうで技術基準をきめるときには、全国の炭鉱に適用できるようなものでないと困るのでございまして、したがって、いま申し上げましたように、いろいろな条件に合った基準というものを、どういうふうに作るかということ、これは長い間の懸案になっております。
○阿部竹松君 委員長、ちょっと議事進行について。 議事進行について発言しますが、いま質疑応答しても、これ速記録に残るのです、保安局長、速記録に残るわけです。そして石田委員の質問しておる意味は、私もよくわかりませんが、保安係官は全部ガス検知器を持っている。それから北海道、常磐も同じですが、こことここは何立米風が通って、炭じんがどうだということはずっと調べている。ですから、そういうことは必ずやることになって指令がいっている。そのことをやっておらなかったということが問題で、あまりでたらめな答弁をすると速記録に残る。僕が聞いてもおかしいのですから、炭鉱技術屋が見れば軽べつされますよ。だからわからないことはわからない、あなたのほうでも御連絡があるかわかりませんけれども、調べて答弁したほうがいい。係が来て、係員がかわったら保安日誌を記入して、毎日検査することになっていると思う。ですから、保安日誌は押収していると思う。福岡県警が押収しているでしょう。それをお調べにならなくて答弁したって、ただ、でたらめに答弁したら速記録に残る。僕は心配になってきた。全部わかる。こういうことになったら、こういう事件が起こるわいと。これは速記録に残らなければいいですが、速記録に残るのですから、わからぬことはわからぬと。保安日誌押えているのですから、この次の委員会に保安日誌をお調べになってお答えになったほうが親切です。どこどこで規定しているなんて言ったって、それぞれの場所において規定してあるのですから、あまりあやしげな答弁はなさらないほうがおためですよ。
○説明員(田原正邦君) いまちょっと私の御説明申し上げたことが少し誤解されているようでございますが、保安規則で炭じんをたくさんためてはいけないという、そのたくさんが、どの程度がいけないかという技術基準がきめられないと、こういうことを申し上げたわけであります。
○阿部竹松君 議事進行について。 それはですね、あなたのほうでは、この鉱山保安法に書いてありませんけれども、各坑道なら坑道に、人気ならば人気、排気なら排気、ガス、風、炭じん、こういうのを調査しなさいということを現地で指導して規定してあるのです。場所をきめてある。中央坑道はどこで、これはこれでと、おそらく三池の現地に行くと、必ず保安日誌があって、毎日記入して保安管理者がそれを見ることになっている。そういうものを目を通さないから、それがおそらくでたらめだから、爆発しない筋合いのところで爆発している。あなたのおっしゃることは、そういう意味にとれない。あなたが御承知なくても監督局でやっておるのですよ。確かに、僕の言うことがうそか、あなたの言うことがうそか、電話で聞いてみなさい。
○説明員(田原正邦君) 私、測定していないと申し上げたのではなくて、規則上の技術基準がきめられないということを申し上げたのです。幾らでなければいけないという技術基準をきめることがなかなかきめられない。測定しておらないと申し上げたのではありません。
○阿部竹松君 ですから、きめられないとおっしゃっておるけれども、きめてある。ここは人気坑道であるから、どれだけの風を通さなければいけない、これは排気坑道であるからどれくらいの風を通さなければいけない、排気坑道にガス何%以上あったら、もう少し風を通せ、切り羽でストップせい、ここは電動機置いてもよろしいけれども、排気坑道は電動機置いてはいけないというふうに、政令にあらわれた以外に小さく指導している。あなたがきめていないと言っても、現地できめている。それが現地で完全に行なわれていないだろうと心配するのが僕の心配。これが完全に行なわれておれば、そんなことはない。それをやらなければ、何のために監督官がおるのですか。監督官は、それをやっておるかどうかということを指示し、これを指導しておっても、なおかつ、やっておるかということで監督官が調査に歩くわけですよ。この前と変わっているか、あるいはこの前と同じようにやっているかということを監督官がやるんでしょう。それをとにかく、さいぜんの阿具根先生の御発言のとおり、ちゃんと前もって三池の鉱業所にいついつ行きますよと言って、それであの辺で一ぱい飲んで帰ってくるから、こういうことになる。
○石田次男君 これからだんだん申し上げようというところを阿部さんがだいぶ話してしまいましたけれども、要するにそういった炭じんについての測定はしなければならぬし、もちろん設備その他全部持っているわけですよ、検査の。それでいながら、少なくとも局長の話を信用すれば、今日はやっておらぬ。こういうのを通産省のほうでは知らないんですね。しかも、これはこちらから空気を入れて、よそから空気を抜いているわけですから、方々風が入っているわけですから、ここのところは常識的にわかる。炭じんが濃くなってくれば、だんだん先のほうが見えなくなる。あらましわかるわけですね。それで、爆発当時の状況としては、おそらくもうもうと視界をさえぎるほどのものではなかったのだろうと思うのです。しかしながら、現実には爆発しておる。ということは、浮遊していても、していなくても、坑内には相当に炭じんの量が多かったのだろうという推定をせざるを得ない。 ですから、どの辺まで炭じんがたまったら、どうしなければならぬかということは、その坑内の炭質、湿度、あるいは坑壁の大きさ、あるいは設備、あるいはそこを往復する炭車の数、それらをにらみ合わせてきまっていなければならぬはずです。そういうものをケース・バイ・ケースで個々につかんでいなくて、ただ漫然と検査して、そうして検査しましたと言っているから、こんな事故になるんじゃないでしょうか。どうですか。
○説明員(田原正邦君) 先ほど申し上げましたように、一律にはきめかねますが、山個々には、場所場所によってはきめられる基準でございまして、その内容は保安規程できめることになっております。各山々の保安規程というものを作らなければいけないという、その中できめることになっております。したがって、監督官が現場に行って検査するときには、その山できめた保安規程どおりになっているかどうかということを検査するわけです。
○石田次男君 最近、監督局のほうで三池の斜坑を検査した結果、おそらく規程どおりになっておるという報告がきておると思いますけれども、その一番最近に検査したのはいつでしょうか。また、その報告の内容はどうでしょうか。
○説明員(田原正邦君) 先ほども申し上げましたように、最近の検査は十月でございました。その十月の検査の内容につきましては、先ほども申し上げましたように、落盤についての注意をしておるだけで、あとのこまかいことは、私どものほうに報告はございません。
○石田次男君 その検査の報告内容でありますが、それは何と何と何を報告しなければならぬという項目がきまっているのではないかと思います。その点、いかがでしょうか。
○説明員(田原正邦君) 私のほうに報告のありますのは、こういう注意を出したということを報告して参るのでございます。現地の監督局では詳しく山のほうに対して悪い点については通達書を出して、そうしてその改善計画を提出させ、それによって実施させるということになっております。なお、簡単な方法として、軽微なものにつきましては、監督官が注意表というものをあわせて現地で渡すことになっております。
○石田次男君 炭じんについての検査は、検査ごとにはしないんですか。検査のたびごとに炭じんの検査はしないんですか。
○説明員(田原正邦君) そのときの検査、そのときどきによって検査項目は違える場合もございます。たとえば今度はガスと炭じんだけ、今度は電気関係だけというふうに、検査の項目を指定して検査をする場合もございます。
○石田次男君 明らかにこれだけの事故を起こしたのでありますから、炭じんについての検査が粗漏であったということを結果として考えるわけですけれども、その点はいかがでしょうか。
○説明員(田原正邦君) これは原因がはっきりしないことには、はっきり申し上げることはできないと思います。たとえば水を始終散布しておりましても炭車がひっくり返って、そうして石炭を積んでおるところに。そのときに炭じんが立ったということも、そういう場合もありますから、そういう場合には幾ら水を打っても炭じんは立ったんじゃないかと思います。
○石田次男君 きょうこれだけの委員会を開いておって、当局の答弁というのは、まるきり現地の様子も知らなければ、どういう機構になっているか全然知らないじゃないですか。見てない証拠ですよ。だからとんちんかんな返事ばかりしている。ここに炭鉱関係の人がおいでたら笑いものですよ。しかも、きょうの新聞で思いついたんだろうと思いますけれども、炭車がひっくり返って炭じんが舞うことも予想されるという、ごく特殊な事例を引いて、どうにか答弁が済んだと思ったら間違いですよ。あの中は少々ライターをすろうがスパークしようが爆発するような条件のあるはずのものではないんです。また、そうあってはならないんです。さっきも話があったとおり、当然多少の落盤も計算においておる。電気系統の多少の故障も計算に入れて、なおかつ、それに爆発しないという設備なんですよ。そういう細心の設備をし、その点については法にのっとってちゃんとやっておるんです。それが爆発したということは、明らかに炭じんに対する何らかの手抜かりがあるんですよ。車一台、二台ひっくり返ったといったって、それで簡単に爆発するような状況にあったということはわかりませんか。
○説明員(田原正邦君) 原因を目下調査中でございまして、その結果によって、またあらためて御回答申し上げます。
○石田次男君 どうやら資料待ちで逃げて、さっぱり答えは出さぬようですが、資料が出たらはっきりお答えいただけますね。
○説明員(田原正邦君) もちろんお答え申し上げます。
○石田次男君 では、炭じん問題は、ここで一応打ち切っておきます。この次にします。 次は、労働条件についてでありますが、この炭鉱の保安については、保安そのものを直接手がけていくのは炭鉱マンの方なんです。 法にのっとった、そうしたいろいろな個所あるいは方法、これは会社が指示する。現場を担当するのは、炭鉱マンの方です。担当するのはそちらです。それについて私、十、十一日の二日間たくさんの炭鉱マンの方に集まってもらいまして、いろいろ話を聞きました。それについて実にさまざまな、こういうことがあった、ああいうこともあった、話が出てまいりましたのですが、それをまとめて申し上げたいと思うのですが、その中に、こういう話が一つあったのです。 それはこのごろは選挙でみな気が浮いていますものね、とこういうのです。そわそわしている。これは精神的な問題だと思う。それも何かしらの影響を持たないとは限らないし、しかしながら選挙という非常事態がなくても、そのほか炭鉱マンの人たちが、いろいろと渡れるような要件がたくさんある。それは一言にしていえば、労働の過重、もう一つは待遇が悪いことですね。大体三池の鉱業所といえば、日本一です。出炭量は全国の一割を出しております。三川鉱はその半分出しております。設備もいいところです。規模も大きい。それが石炭合理化のしわ寄せで炭価を下げたいばかりに、出炭量をどんどん上げてきているわけです。先山が中心になって、二、三人その配下に若い人がついて、それで組になって作業をしているわけです。どうしても先山のほうからいわれまして、いやでも残業に残らざるを得ないというのですね。これが最近特に慢性化しているわけです。明らかにこれは会社側の要請です。しかも第一組合と第二組合と二つありますが、両方とも考え方、やり方が違う、どうしても、そこで労働というものに対する重圧のかかり方も違いますし、いろいろな要件がふくそうしておりますが、要するに残業が多過ぎるということです。平均してどのくらい、月に何時間くらい残業しておるのか、現在データをお持ちですか。
○説明員(村上茂利君) お尋ねの点は、事故を起こしました三川鉱でのお話しかとも思いますけれども、坑内におきますところの労働時間につきましては、労働基準監督機関としましては、監督実施の際の最重点においておるような次第でございまして、三井の場合におきましても、最近、本年に入りましてからは、きまってします定期監督というものがございますが、三月、六月、九月というふうに実施しておりまして、そうして注意を与えた事項につきましては再監督を行なうという方法によりまして、監督を行なっておるわけでございます。 坑内労働の労働時間につきましては、交代制が、この三川鉱におきましては間接夫を含めましたところの一番組の交代と、それから直接夫が中心になりますところの三交代制の組とに、この就労時間に差がございます。したがいまして、この交代時刻の状態は、その間接夫を中心とした組と、直接夫を中心とした組が入りまじるという状態にあるわけでございます。 それといま一つは、この切り羽の長さの関係によりまして所定労働時間が、たとえば三川鉱とか、宮浦鉱とか、あるいは四山鉱と若干違うというような現象も出ておりますし、また切り羽の延長によって、多少の変動が生ずる。これはわずかな時間差でございますが、そのような差異がございます。しかしながら、過去の監督実施の実績を見て参りますと、遺憾ながら三十七年ごろにおきましては、労働時間についての違反もかなりございましたので、その点についての是正方に努めた結果、坑内直接夫などにつきましては、違反の事実がない。間接夫につきましては、若干のものが認められますので、それについて、さらに是正方に努めてきたというのが現状でございます。
○石田次男君 まず、愚にもつかぬことからお尋ねしますけれども、正規の労働時間は何時間ですか。
○説明員(村上茂利君) 御承知のように、八時間という時間原則がございますけれども、労働基準法三十六条の規定に基づきまして、協定に基づいて時間延長が認められる制度もございます。しかしながら坑内労働につきましては、時間延長するといたしましても、それは一日十時間をこえてはならないというふうに延長の最大が法定されておるわけでございます。 で、この炭鉱におきましては、いわゆる三六協定と申しまして、労働基準法三十六条に基づく協定をいたしておるのでございまして、私どもは直接監督の基準といたしますのは、その十時間労働が基準になっておるわけでござ います。
○石田次男君 十時間をこえてはならぬという規定があるわけですが、それでちょっとわきのほうに話がいきますが、同じ福岡県の田川の糒炭鉱では十二時間以下というのはないですね。ひどいときには十五時間入っています。これは中小だからそうだろうと、こう言うかもしれません。あの辺の中小は、ほとんどそんなものですよ。これについて私は、通産省のほうに実情を調べてくれるように前から頼んであるのですが、まだもって返事がこない。一番設備のいい三池でも、この十時間という一つの条文をたてにとって会社側は相当に坑内に束縛しておるのですね。それが月に何回というのだったらいいですよ、相当われわれの常識で考えて、これでいいかと思うほど残業させられておる。一部の人は家族が多いから、賃金がほしいから残業しておる人もありますけれども、全部は決してそうではない。あくまでも出炭の目標を高める。月産を現在十五万トンを目ざし、それから十六万トン目ざすのだともいわれておりますね。そういうふうに明らかに会社側の経営方針が出炭第一主義になって一おります。炭鉱マンの人たちは疲労が強いのです。こういう点は法に触れていないからいいんじゃないかといっても、やはりなまの人間ですから、疲れれば能力に限りがありますし、能率も落ちるし、注意力も散漫になります。やはりそういった人々が実際に働いて保安に当たっておるわけですから、こういう点についての行政の指導というものが非常に微妙な関係を持ってくると思うのです。それでお伺いするのですが、そういった一つ一つの現状について、はっきりした資料というものを当局のほうでお持ちでしょうか。またそれでいいと思っていらっしゃるのでしょうか。
○説明員(村上茂利君) 個別的な資料は現在ございませんけれども、労働時間についても炭鉱等における現状の大体は、私ども承知いたしておるつもりでございます。ただ問題は、通常の工場、事業場と違いまして、炭鉱の場合は、坑口から坑口までが労働時間に計算されるというふうに法で定められているわけでございます。ところが御承知のように、人車による交代その他の特殊な状況がございまして、多少ずれるというような条件もあるようでございます。しかし私どもは法の示すところに従いまして、労働時間の順守をはかるという点については、これは先ほど申しましたように、炭鉱の監督の際の第一重点としておるというふうにしておるわけでございます。個別的な、具体的な資料は手持ちはございませんけれども、監督に対する考え方としては、第一の重点といたしておるということを申し上げておきます。
○石田次男君 この事故のありました三川鉱の従業員の平均残業時間というものを、この次までにぜひ把握していただきたいと思います。 それで、やはり保安といいますか、保安をつかさどる人間の待遇であります。この荒尾に俗称与論社宅というのがある。たくさんここでなくなりまして、私一軒ずつ歩きました。ここのところはもと奄美群島の与論島出身の人がたくさんいたので与論社宅というあだ名がついているんだそうでありますが、ここのところは戦時中に捕虜の中国人をたくさん収容して、そして炭鉱で働かせておった収容社宅なんですね。それをちょっと手入れをし、壁を塗りかえた程度で炭鉱の住宅にしてあるわけですけれども、まず設備としては筑豊の小山の社宅同様惨たんたるものですね。こういう点については全面的に会社の責任と言うかもしれませんが、一面、まだそのほかに社宅がたくさんありまして、これよりましなのがたくさんある、そういったふうに日常の人間環境というものが非常にでこぼこがあります。そういう法に触れないところを放置しておいて、労働者の諸君に対する日常の生活からくる体力、知力、総合能力の向上ということをはからずに、そして同じ条件で、しかも今言ったような超過勤務等をさせておる、こういうところに、さっきから言っておるところの、事故に対する目に見えない要因があると私は思うのです。 そういう実情に対してはどういうふうに政府ではお考えになり、どういうふうに行政指導等をなさっておられたか、またこれからなさるか、また今までほうってあったとおりにそれは干渉しない主義でいらっしゃるのか、その方針というものを大臣からお伺いしたいと思います。
○説明員(村上茂利君) 炭鉱労働者につきましては、大手筋から零細炭鉱まで、労働者の労働条件あるいは福祉施設の整備状況等非常に格差があろうかと思いますが、労働省といたしましては、まず第一に法定労働条件はこれはぜひ守っていただきたいという観点から監督を実施しておるわけでございますが、社宅その他一般的な福祉施設の問題につきましては、これは直接監督という立場からは、これは関与いたしておりませんけれども、そういった問題についても、できるだけ改善していただけますように関心を持ち、いわゆる指導面につきましても、できるだけの配慮をいたしておるような次第でございます。
○石田次男君 この問題は、通産大臣にお伺いをするのは確かに筋違いだということは私も知っております。しかしながら今度十億円の政府融資を発表していらっしゃるわけです。それでこの政府融資の十億におきめになった根拠並びにどういう条件で会社に出すのか、それをはっきりしていただきたいと思うのです。こうして労働条件のちぐはぐな、そういうままでやっているような矛盾等も私が申し上げたとおりあるわけです。そういう方向の均一化ということもはかっていかなければ、総合的に石炭産業の事故あるいは今後起こるべきいろいろの問題、そういうものについて、そこに穴がある。やはり、将来何か起こるとすれば、それが回り回っての原因になることは明らかでありますので、特にこの十億円に対する根拠と条件、そういうものをはっきりここでお示し願いたいと思います。
○説明員(若林茂信君) ただいま御質問の点でございますが、今度政府から三井鉱山株式会社に対しまして、石炭鉱業合理化事業団を通じまして十億円融資いたしましたが、これは、先刻もお答え申し上げましたように、石炭鉱業合理化臨時措置法の第三十六条の二十一に規定のございます整備資金の貸し付けという条項によって貸し付けたわけでございます。これは炭鉱の整備に伴いまして必要な退職金、それから未払いの賃金あるいは鉱害賠償関係の資金、それに充てるためにその資金の一部を国が石炭鉱業合理化事業団を通じて融資するわけでございます。三井鉱山株式会社に対しましても、すでに昨年来、この制度ができましてからずっと融資を続けて参りまして、今年は、本年度に入りましても、すでに四十一億数千万円融資済みでございまして、なお今後も融資する見込みでございます。その融資する予定金額を一部繰り上げまして融資したわけでございます。 で、そのねらいは、今度犠牲になられました方が納五百名おられまして、大体一人百万円程度通常の退職金が要るというように会社から聞きました。それで約五億円、それ以外にいろいろ資金繰り上、会社のほうに災害の事後処理について金が要るということでございますので、とりあえず十億円融資したわけでございますが、この使途は、先刻も阿部委員の御質問に対してお答えを申し上げましたように、退職金と法律に定められましたものだけに融資することができるわけでございまして、この金をもちまして、直接それ以外のことに流用することは法律ではできないわけでございます。ただ、先刻申し上げましたように、この整備資金の所要額を全額国から融資をしているわけではございませんので、約半額程度の融資でございまして、あとの半額は会社の自己資金でございます。したがいまして、これを貸し付けましたことによって会社の自己資金がそれだけ浮くわけでございますので、その金をほかの方面に使ってもらうということは何ら法律上制約はございませんので、そういう趣旨で、このたびの災害に伴いまして退職金はもとより、それ以外に若干金が要るということがわかりましたので、予定をしておりました金額を繰り上げて融資したわけで、融資の条件といたしましては、整備資金の通常の融資の条件でございまして、利率が年六分五厘、償還期限は八年でございます。
○石田次男君 あと二、三点で終わりにいたしますが、この三池の保安要員の問題、さっき質問が出ておりました直接保安に当たっている人、あるいは実際に作業しながら保安に当たっておる人、いろいろあるが、わからぬと言っておられましたが、しかしわからぬということはないはずなんです。三川鉱においては、この保安要員が何名必要であるか、現在何名保安要員が働いておったか、また、事故の当日は何名従事しておったか、これをひとつあとでデータとしてお出しを願いたいと思います。
○説明員(田原正邦君) 承知いたしました。
○石田次男君 それから最後に、負傷者の人たちですが、負傷者の人たちは、市内の病院にずっと分散収容したわけでありますけれども、まず十日現在の状況では、どこの病院も文字どおり足の踏み場もないほど詰め込んだのですね。これは病人を収容したというよりも詰め込んだのですね。そうして医師の人たちが不眠不休でやっていて、もうくたびれてしまって廊下でぼうっとしている。そういうかたわら、市のほうでは会社に協力を申し入れてベッドを七十確保してあるわけですが、会社のほうでは、がんとしてこっちのほうに送ってこない。事故発生と同時に、県と市と会社、この三者はずっと連絡を取り合いつつ今度の災害救助に当たっていたはずでありますが、そういう中で、事実はそのとおりではない。市で用意したベッドのほうに送ってこない。行ってみれば、軽傷者も重傷者も区別しないでつっ込んである。軽傷者の隣りに重傷患者が酸素を鼻につっ込んでうんうんいっておる。こういうところは、せっかく市のほうで用意しておったのですから、会社のほうとしては当然それを受け入れて、少しでも負傷者に対する待遇、環境の緩和をはかるのが当然である。これはもう現地の状況を見ておった人の一致した意見でありました。しかるに、事実は今言ったとおりであります。そのほか市の言い分によりますと、家族は遠くへ持っていかれることは極力拒むでしょうけれども、近接市町村の病院ならばまだあいているのだ、そっちのほうに交渉すれば、まだ余裕があるのだ、そう言っておる。そうして会社のほうでは、どうも閉じこもって、われわれのほうにはほんとうの相談をしませんものね、こういうことを言っておる。市長自身が、そういうことを言っておる。 そういう状態でございましたが、こういった災害については、会社一個の問題ではない、当然地方自治体としても責任を感じてやっておるのですから、中央でもっと監督の目を届かせ、声をかけてあげれば、病人の方々に対しても、負傷者の方々に対しても、まだ若干の苦しみの緩和をして差し上げられたと思う。そういう点について、まだ報告はきておりませんか。
○説明員(田原正邦君) まだ報告は参っておりません。
○石田次男君 これは要望でございます。あした大臣がおいでになるというお話をさっき聞きました。私もあるいはほかの方もいろいろのことを申し上げまして、相当お耳に入ったと思います。それらの点をよく大臣御自身で見聞きなさって、そうしていかに中央と地方というものが離れておるか、いかにそこに大きなギャップがあるか、それらをよくお調べにもなり、また事故そのものの原因についても、徹底した究明の対策を御用意なすって、今度の犠牲者並びに国民全体に対して責任のある政治的処置をお願いしたいと思います。私の質問は以上です。
○国務大臣(福田一君) 御趣旨を体して十分、また明日も参りますが、調査をいたしてまいりたいと思います。
○阿具根登君 質問が一とおり終わったようでございますので。 合理化の途中におきまして、かかる今日考えられないような大惨害を起こして、しかも多数の犠牲者が、いまだその自後の処理も考えるすべもない事態をかかえて涙を流しておる今日、委員会としてもこれに非常なる関心と注意をもって、本委員会が開かれたのでございますが、この委員会の名において決議をしていただきたい。かような意味で決議文を朗読させていただきますので、各党御賛成くださいますように特にお願い申し上げる次第です。一応案文を朗読させていただきます。
○委員長(岸田幸雄君) ただいま阿具根君から御提案のありました案文のとおり、本委員会の決議とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸田幸雄君) 御異議ないと認めます。さよう決定いたしました。 なお、関係当局に対する伝達等の手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じます。 ただいまの決議に対し、通商産業大臣から発言を求められましたので、これを許可いたします。
○国務大臣(福田一君) 今回の事件につきましては、われわれ政府といたしましても、非常に遺憾と存じ、また犠牲者に対しまして、まことに申しわけないと存じておるのでございますが、ただいまの決議につきましては、趣旨を尊重いたしまして善処いたしたいと思います。 —————————————
○委員長(岸田幸雄君) 次に、本委員会におきまして、委員派遣承認要求の件についておはかりをいたします。 三井炭鉱三池鉱業所三川鉱の爆発事故発生調査のため、委員派遣を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸田幸雄君) 御異議ないと認めます。 つきましては、本院規則第百八十条の二により、委員派遣承認要求書を議長に提出しなければならないことになっておりますので、その内容及び手続等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸田幸雄君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。 以上をもって、本日の委員会を散会いたします。 午後四時三十九分散会