運輸委員会 閉会後第2号
- 発言数
- 80 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1963/11/12
会議録
○委員長(米田正文君) ただいまから委員会を開会いたします。 委員の異動について報告いたします。 本日付をもって委員小酒井義男君が辞任され、その補欠として大和与一君が委員に選任されました。 —————————————
○委員長(米田正文君) 本委員会は、前国会末に、十一月三十日に開会の予定といたしておりましたが、今回突如として鶴見列車事故が起こりまして、この事故は三河島事故を上回る多くの犠牲者を出し、国民に多大の不安を与えたものでありまして、社会党の岡理事より本委員会開会の申し入れがございまして、委員長としてもごもっともの御意見と存じ、委員会を開催してこの問題の対策についての御協議を申し上げたいという趣旨で本日開会をいたしました。 まず、本鶴見列車事故について石田総裁から発言を求められておりますので、この際発言を許可いたします。石田総裁。
○説明員(石田礼助君) 今回の事故は、全く国鉄の責任でありまして、何ら疑いをいれる余地なしであります。罹災者に対し、天下に対し、何ともおわびの申しようがないのであります。 それで、国鉄といたしましては、これに対して、第一に罹災者に対する弔慰の問題でありますが、これは国鉄のできる範囲においてできるだけのことをいたしたい。しかも、それも早くいたしたいと存じております。同時に、負傷者に対しましては、早く全治をいたされまするように、できるだけの努力をいたしておるのであります。 第二は、この事故の原因を徹底的に調査いたしまして、今後このようなことの起こらないように、極力努力するつもりでおるのであります。 それから、国鉄総裁としての私の責任問題でありまするが、直ちに辞表を出して罹災者並びに天下に対して謝するということが考えられたのでありまするが、このような安易の方法は責任上とるべき態度でないと私は確信しておる。それよりは、今申し上げたような処置の解決にまず全力を尽くす。そうして、自分の進退問題につきましては、すべて総理大臣及び運輸大臣に出します意味において進退伺いを出す、そういう意味で、昨日私は運輸大臣に進退伺いを出したような次第でございます。 それで、事故の詳細その他につきましては、副総裁から詳しく申し上げたいと存じます。
○説明員(磯崎叡君) お許しを得まして、私から事故の概略について御説明申し上げます。 お手元に資料を差し上げておりますので、資料につきまして御説明することにいたします。資料の末尾に現場の見取り図がございますので、これをごらんいただきながら御説明申し上げたいと存じます。 まず事故の概況でございますが、この見取り図は、左側が東京方、右側が横浜方でございます。鶴見と新子安と申す駅のちょうど中間で、京浜東北線の普通電車が東海道線をまたぎまして海側に出ているところの線で、六線、複々々線でございます。一番下の二本は新鶴見から出ました貨物列車が東海道線に合流しているところでございます。まん中の二本が東海道線の湘南電車で、一番上の二本が京浜東北線の普通電車の線路で、少し高くがけの上を通ってるかっこうになっております。下の四線は同じレベルでございます。上の二線が少し高くなっております。 当日の模様は、まず下から二番目の貨物の新鶴見を出ました二三六五列車、これがこの区間を約六十キロの速度で運転中に、急にブレーキが作用いたしましたので、運転士が急停車いたしました。東京起点の、ちょうどこの図面に入っておりませんが、二十四キロ六百と申します図面よりずっと右側でもって貨物列車がとまっております。その貨物列車の後部から約三百八十メートル離れましたところに、貨車が三本脱線いたしました。その図面のまん中に貨車の絵がかいてあります。ちょうど折り目のところにワラ五〇一、ポム九二、最後にワフ二八〇八八、その三両の貨車が貨物列車から分離いたしまして脱線いたしました。そして貨物列車の線路からその一つ上の東海道の上り線を支障しておったわけであります。ちょうどその後約四十秒たちましたところへ、横須賀線の上り二〇〇〇Sと申します電車がこの図面の右側から左側のほうに走ってまいりました。その線を支障しておりました今のワラ五〇一という貨車に激突いたしまして、最前部の第一両目はその図面の東海道下り線の上におおいかぶさりまして、二両目、三両目は、その図面のごとく、貨物線及び旅客貨物線の中間に脱線いたしました。四両目以下は、一部脱線いたしましたが、その場合急停車いたしたわけであります。ちょうどそれとほとんど時刻を同じくいたしまして、東京発の横須賀行の二一一三Sと申します電車がこの図面の左側から右側のほうに走ってまいりまして、そうしてこの電車は、後ほどの調べによりますと、ちょうど貨物列車の後部が見えるような形で、何と申しますか、貨物列車と一部雁行して走ってまいりましたので、このワラ五〇一が脱線した直後に火花が出ました、その火花を見まして、運転士が非常制動をかけたというふうに調べがなっております。そうしてほとんどとまりがけたところに、ちょうどこの図面の、一から十二両まで図面でかいてあります、この場所にほぼとまったと思われた時間に、先ほどの横須賀線の二〇〇〇S電車の一両目が、四両目の一部を損傷し、五両目の上におおいかぶさりました。そのために、四両目と五両目に乗っていた旅客の大部分並びに二〇〇〇S上り電車に乗っていたお客さんの大部分が重軽傷並びに死亡されたというふうになっております。 この事故の直接の原因は、この図面にございますとおり、今までの調査によりますと、図面の左下の二十三・七九キロという地点からワラ五〇一の車両が線路の上にせり上がりまして、約十六メートル三十線路の上を走りました上で外側に脱線いたしまして、そうしてその地点からこの図面にございます地点まで枕木の上を走った上、そこで貨物列車から離れたというふうに事情が推定されます。たまたまそこに横須賀線の上下電車が進入いたしてまいりましたので、かような大きな事故になったわけでございます。 このワラ五〇一号のいわゆるせり上がり脱線いたしました原因につきましては、この資料の今の図面の前にございます紙に書いてございますが、技術的に種々問題がございます。東海道本線鶴見列車事故技術調査委員会を急遽同日——一昨日つくりまして、技師長を委員長として、関係技術者の総力をかけました委員会をもちまして、現在徹底的に究明中でございます。なお、規程については省略さしていただきます。 次に、罹災者の関係でございますが、資料の三ページでございます。けさ八時現在におきまして、死亡は、乗客百六十名.うち身元不明の遺体が二名ございます。職員一名、これは二〇〇〇S電車の運転士でございます。入院は、乗客六十四名、うち重傷の方が四十五名、その他十九名。そのほかに、三十四名が軽傷で、すでに自宅に帰っておられます。 当面の罹災された方々に対する措置といたしましては、直ちに翌日総持寺に遺体を安置いたしまして、総裁が弔意を表し、その晩に御家族の方々がお引き取りになったところには本社の幹部が伺いまして御遺族を弔問し、御霊前にお香典をお供えしました。お葬式は、一部でございましたが昨日やられた方もございますが、大部分の方が昨日お通夜、本日お葬式をするという御予定でございますので、本社の幹部がとりあえず葬祭料をお持ちいたしまして、本日御葬儀に伺っている次第でございます。 また、入院者に対しましては、各幹部が病院に伺いましてお見舞いを申し上げております。 なお、その後の慰謝の問題につきましては、まだ事故直後でございまして、御遺族の方々とのお話し合い等もいたしておりませんが、皆さまの模様を拝見いたしました上に、失礼にならない時期に、なるべく早くお話を進めてまいりたいというふうに考えております。 なお、合同慰霊祭につきましては、目下御遺族のお気持をいろいろ伺っておりますが、私どもといたしましては、ぜひ御遺族の御了解を得た上で、なるべく早い機会に合同慰霊祭をとり行なわせていただきたいというふうに考えておりますが、時日その他につきましてはまだ確定いたしておりません。 以上、はなはだ簡単でございますが、事故の概況について御説明させていただきました。
○国務大臣(綾部健太郎君) このたびの東海道線鶴見事故につきましては、ただいま国鉄の当局から御説明申し上げたとおりでございまして、運輸大臣としてはまことに遺憾しごくでございます。この事故によりまして死亡された方々は、先ほど御報告申し上げましたとおり、百六十一名、負傷された人が九十八名でございまして、これらの犠牲になられた方々に対し、またその御遺族に対し、ここにつつしんで哀悼の意を表します。私は事故発生の当時大分県の一番の山の中に入っておりまして、事故があった翌日、すなわち十日の午前一時に国鉄副総裁から詳細な報告を受けまして、がく然といたしました。がしかし、そこから一番早い列車で帰るにしましても、福岡へ行かなければならぬ。その福岡まで来るのに、自動車にしても、汽車にしても、約七時間ぐらいかかる地点でありましたので、とるものもとりあえず一番近い日、すなわち十一日の午前一時に出るムーンライトで、昨日十一日午前四時に東京へ帰ってまいりました。そうして九時に国鉄の幹部並びに運輸省の首脳と省議を開きまして、善後の処置につきまして協議をいたしました。この結果、私はこういう談話を発表いたしました。読み上げてみます。 このたびの東海道線列車事故につきましては、運輸行政に携わる者としてまことに遺憾にたえません。 犠牲者の方々並びに御遺族の方々には、心から哀悼の意を表しますとともに、負傷者の方々の御快癒を祈り、あわせて広く国民の皆さま、鉄道利用者の皆さまに対し、深くおわび申し上げる次第でございます。 事故原因の究明及び善後処置につきましては、直ちに国鉄本社内に設けました事故対策本部におきまして目下鋭意努力しておりますが、国鉄におきましては、さきの常磐線三河島駅構内における事故にかんがみ、保安対策の強化をはかり、保安対策に関する費用を大幅に増額する等、安全確保対策に最も力を注いでまいりましたにもかかわらず、今度のような大事故を発生させましたことは、まことに残念しごくと存じます。 運輸省といたしましては、今回の事故に関し、国鉄監査委員会に対して特別監査命令を発し、事故原因の究明に当たらせたいと存じますがわれわれとしても、今後再び絶対にこのような大事故を起こさないよう、あらゆる面から対策を講じたいと考えております。 犠牲者の方々には重ねて心から御冥福をお祈り申し上げますとともに、御遺族の方々に対してはできる限りの償いをいたすよう万全の策を講ずる所存であります。 また、負傷、入院された方々には、あらゆる手当を尽くすよう当事者に指示いたしましたが、この上は一日も早く御全快になるようお祈りしております。 こういう声明を発表いたしますと同時に、監査委員長に対しまして、事故の原因の究明、それからあらゆる面からその究明をしてもらうように特別監査を命じました。そして引き続き私は、いまだ鶴見総持寺に安置されておる二十二遺体に対して、霊前にお参りして弔問いたしました。引き続き事故の現場にまいりまして、東鉄局長その他から、その日の事故の原因、事故の起こりました実情その他を聞き現地に行って見て帰りまして、万全の措置を講ずるよう指示いたしました。 それから、国鉄総裁からさっき申しましたように、事件について非常に責任を痛感されて、実に一身のことを考えれば、辞任されてそれで責任が済むならばそれが一番いいというようなお考えのようなことで、そんな、何と申しますか、形式のでなく、ほんとうに責任を痛感されまして、真情を込めたいろいろな申し出がありましたが、私は、それはとにかく、あなたの心情はよくわかっておる、そういうことよりも、事故を絶滅するための方途にそれだけの熱情を傾けてやってもらいたい、同時に、そういうことは私としては了承することができないからといって、事故善後処置並びに今後の対策に全力を尽くされるよう要望いたして、今日に至っております。今後も私はその心がまえでいきたいと考えております。 以上が、今日までに私のとりましたる言動の概要でございます。返す返すも申しますが、こういうことのために、世界的水準をいっていると称している国鉄にかような惨事が起こったことは、まことに申しわけなく考える次第でございます。 それから、本日も閣議で内容を報告すると同時に、総理から人命尊重を強く要望されまして、それを中心にした今後の国鉄の運行、国鉄の経営その他について留意せられたいという総理から指示がありました。あわせて御報告申し上げまして、今日までの経過を御報告申し上げます。
○委員長(米田正文君) 各御説明に対し、御質疑のあります方は御発言願います。
○岡三郎君 ちょっと質疑の前に……。本日委員会を招集していただいたわけは、後日事故の根本原因について当局が究明せられた暁において、またその間に根本的に検討するということについて、われわれはやぶさかでないわけです。しかし、現在の時点においてこの問題を考える場合に、三河島の事故と異なって非常にその原因がむずかしい、そういうふうにいわれておりまするが、現状においてこの事故が避け得べからざる問題であったのかどうか、いまの運輸大臣のいろいろと事情の説明について考えあわせると、非常にこの輸送の安全についていろいろと考えられておるようだけれども、こういうふうな偶発事故が今後とも起こらないとも限らない、そういうふうな非常に不安状態が輸送全体に現在あるのではないか。特に巷間、今度は中央線あたりにこういう事故が起こるのではないかといううわさ話も飛んでいるというふうにも聞いておりますが、こういうふうな点で、根本問題は今後にこれを取り扱うとして、本日は政治問題抜きにして、われわれとしては、三河島の問題等についても遺族に対する弔慰というふうな問題が非常におくれておったというふうなことを考えるわけです。そういう点で、事故の原因の究明は当然ながら、遺族に対する緊急なる措置をこれはすみやかにお願いしなくてはならないのではないか、こういうふうな趣旨で本日委員会を招集していただいたわけです。そういう点で、後刻本委員会としては決議等をあげることになっておりまするが、本日のこの時点においては、当局からもう少し具体的に、弔慰に対してどのようにお考えになっているか。今までのいろいろな事故に対しても、洞爺丸の問題等についても、なかなか国鉄はしわくて時間をかけてきているというふうなことを聞いているので、そういうふうなことのないように、すみやかなる弔慰をしてもらいたい、そういう点でここにお願いをしたわけです。そういう点を、趣旨を十分了承してもらいたい、国鉄当局もすみやかなる措置をとってもらいたいというふうに考えます。そういう趣旨であります。
○河野謙三君 私は今朝の新聞を拝見しますと、当委員会の開会が非常に大きく取り上げられております。これは当然でございますが、新聞によりますと、これがあたかも政治問題として扱われるかのように拝見いたしまして、はなはだ遺憾に思ってまいりましたが、ただいま当委員会の招集を要求されました岡委員から、いまの段階では事件の原因の究明に政府は全力をあげてもらいたい、国鉄当局は全力をあげてもらいたい、それについてもしなんならもっと詳しく御説明をつけ加えてもらいたい、こういうことでございまして、全く新聞の記事と違いまして、その点、当委員会の権威のためにも、国会の権威のためにも、私は非常にうれしいのであります。 私は、この機会に、質問というよりは、一言つけ加えさせてもらいますが、先ほど国鉄の総裁は、これは全部国鉄の責任である、自分は辞表をふところにするというよりは、辞表を出して、自分の進退は一切総理、運輸大臣に預けて、この善後措置に当たる、私はこの態度に対しまして敬意を表します。また、運輸大臣も、これにつきまして徹底的に、しかも一日も早く事件の究明に当たるように当局に命令している、これも私は了解いたします。ただ、私はこの機会に一言申し上げたいのは、私は実は昨日夕刻旅行先から帰りまして、鶴見の総持寺に弔問にまいりました。その際に、夕刻でございましたが、鶴見の同じ総持寺の山の隣で競輪をやっておりました。私は競輪をやることのよしあしをいまここで論じようとは存じませんが、そのために総持寺に急ぐ車が非常に動きが鈍くなりました。その際に、もし私が遺族であったならということを考えた場合に、非常に私は不愉快な思いをいたしました。私は広島の旅行先でこの事件を聞きまして、テレビを一々見ましたが、この事件が報道されると、すぐその次にコマーシャルになる。歌舞音曲になる。これは一体国民感情に合うのか合わないのかということに私は疑問を持ちました。私は、ドイツに例があるそうですが、かような非常に大きな国家の不幸が起こった場合にはは、それが政府の関係であろうが、民間であろうが、少なくともその当日もしくは二日間、三日間にわたって一切の歌舞音曲を中止して、国民あげて弔意を表するとともに、国民あげて今後かような事態が起こらぬようにということを誓うということをやっているそうであります。私は、少なくともかような事件は、事件の究明をされまして、そこに今後に対しての備えがあるのは当然でありますが、単に事故は鉄道だけの問題ではありません。非常に最近各所におきまして毎日のように悲惨な事故が起こっております。総理は人命の尊重ということを強調されたといいますが、それであるならば、かような不幸な事故が起こりました際には、もう少し国民的に弔意を表し、そうして国民すべてがそれぞれの職場におきましてもっと緊張をした気持を持ちまして事故の防止に当たるということを私は並行して考えなければならぬ、かように思いますが、これは運輸大臣なり国鉄の総裁に御答弁を求めることでございませんけれども、昨日隣で競輪をやっておる、自動車が動かなくなった、テレビを見ておるとすぐにコマーシャルになる、そして歌舞音曲になる、何としてもこれは国民感情に合わないのみならず、こういうことがやはり次から次にかような事故を起こす一つの大きな原因にもなっておると思いますが、これにつきまして、運輸大臣、私見でけっこうです、いかがでございますか。もし私と同様にこの事故を通じて国民の一人としてお考えになったならば、かようなことも閣議の爼上に上げていただいても私は決してむだじゃないと思いますが、いかがでございますか。
○国務大臣(綾部健太郎君) 全く私も同感でございまして、やはり国民とともに憂え、国民とともに喜ぶという考え方を常に持つことが、私は政治上としては望ましいことであると考えます。不敏にして、何か競輪をやっておったということその他について、私閣議では発言いたしませんでしたが、適当の機会に河野委員の趣旨を私は政府に伝えて善処いたしたいと思います。
○河野謙三君 もう一言。私は、原因の究明がまだできていないときでございますから、仮定の上に御質問を申し上げてもいかがかと思いますし、またかりにお尋ねしたいことがありましても、ときたまたま選挙中でございまして、この悲惨な事件を遺族にかわりまして考えました場合に、もし国民の一部に、われわれがこれからいろいろお尋ねいたしますことが、国会におきまして選挙と関係があったり、政党と政党との問題に関連があるように非常に誤解を受けがちでございますから、先ほど岡委員がおっしゃいましたことと同様な意味におきまして、私はあらためて責任を政府に追及すべきものがあれば追及したいと思いますが、この機会には私は御遠慮申し上げます。一日も早く原因の究明に努力していただきたいということをくどく申し上げます。
○相澤重明君 私は、委員長がきょうの議事を進めるにあたって、やはり、今河野君から、国民の立場を、あるいは被害者の立場を考えてお話がありましたが、まず本委員会としても、この運輸委員会の立場で、多くの犠牲者が生まれたわけでありますから、審議に入る前に黙祷をして、それで敬虔な気持でえりを正して私はこの問題に取っ組むべきだと思うのですよ。そういうことをやらないでだらだらだらだら入っていくようなところに、私は問題の本質がとれないと思います。私は、最初にひとつ委員長に、全員で黙祷をささげてから入ってもらいたい。(「賛成」と呼ぶ者あり)
○大倉精一君 黙祷賛成です。 それから、河野君は、何かわれわれがこの問題を取り上げて選挙に有利にしようというのじゃないかという疑心暗鬼があれば、これはたいへんな間違いであって、これは選挙中であろうがなかろうが、国民としては、この問題について国会において究明することは究明してもらいたい、こういう国民の切なる願いですよ。ですから、これは、選挙に関係があるかないか、そんなことは意識せずに、ただすべきことはただす、こういうことでもってこの委員会は進めてもらいたい。
○浅井亨君 このたびの惨事に対しましては、過去におけるいろいろな問題がありましたために、昨日の新聞紙上におきましても、本日の委員会は特に大きく見出されているということは、真に報道陣もこの問題を重大視しているということを私も感じております。事故が起きました直後、私は急遽大阪より現地にまいりました。しかしながら、それは事すでに整理したあとでありました。で、きょうの委員会の開催されることを心より待っておりました。きょうの委員会は、先ほど委員長からお聞きいたしますと、社会党の岡委員から申し込まれたことが、まことに時を得た、時宜に適したものと思って開催された、こういうふうに私はいま拝聴いたしたのでありますが、事、国民の人命に関する問題をいま爼上にのせて、そうして委員会を開催される場合は、委員長といたしまして、いま、衆議院は解散され、ただ残るのは参議院だけであります——この参議院の運輸委員会をあなた自身が開催されて、真に国民の真意、国民の人命尊重に対するわれわれの熱意をお聞きしていかれるのがほんとうじゃないかと私は思うのであります。そこにおきまして、先ほどから国鉄の総裁並びに運輸大臣から、いろいろな弔慰の方法または慰謝の方法、また今後における対策に対しまして、慎重審議の上善処するとのお話でありましたが、一国の総理である池田総理が、かような委員会に出席して、真にこの委員会において国民の前にりっぱな所信と陳謝と情熱を傾けた方法をわれわれに話していただいてもいいのじゃないかと、このように私は考える次第でございます。人命の尊重ということは、いままさに世界人類の最高の目的でなければなりません。問題の起きたその時点におきましては、科学的問題もあるでありましょうし、精神的な問題もありましょう、この二つの面から真に国家の為政者として考えるべきものではないかと思うのであります。国鉄の総裁ただ一人の責任でもない。また、運輸大臣一人の責任でもない。国家の総理である池田総理がここにおいでになって、その所信を披瀝して、国民の前に陳謝し、そうして今後の施策に対してりっぱな方法を立つべきであるということを、ここでわれわれに発表していただきたいというのが私の念願でありまして、本日の委員会におきましては、私はまことにざんきにたえない次第でございます。かようにいたしまして町をたつのも何でございますけれども、どうか、衆議院解散されていまはなし、参議院のみあるときに、いかに国民にその政府並びに当路者の所信を披瀝すべきかということを考えあわしていただきたいというのが私のただ一つの念願なのでございます。 ついで、この問題に対しましては、先ほども同僚の方々からいろいろとお話がありましたとおり、事の原因をどこまでも追及し、今後のあり方を真剣に考えていかなければならないと同時に、いまその遺族たちに対する弔問なりまた慰謝の方法に対しては万全の策を講じていかれることを切望いたしまして、私の簡単でございますが、ごあいさつにかえる次第でございます。
○岡三郎君 いま相澤君から言われたとおりに、異議がないようですから、一応ここでおくればせでありますが黙祷をささげて、質問に入りたいと思いますが、お取り上げ願いたいと思います。
○委員長(米田正文君) いま岡委員から黙祷の御意見がございましたが、さよう取り計らうことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(米田正文君) それでは、ただいまから黙祷をいたします。 犠牲者に対し、つつしんで黙祷をささげます。 〔総員起立、黙黙祷〕
○委員長(米田正文君) 黙祷終わり。
○岡三郎君 先ほど言った趣旨で、詳しい問題は後刻にゆだねるといたしまして、一、二お聞きしたいことは、貨車が四分おくれたということと、このせり上がりによる脱線、それに即応して直ちに発炎筒をたいたということが記事に出ておりますが、こういう緊急事態に対処する安全措置といいますか、そういう問題について、発炎筒がそれほどの効果が発せられなかった、こういうふうな様子を聞くにつけて、こういうふうな非常に錯綜して電車が運行されている中において、いつ事態がどういうところに起きるかわからぬ、そういうときに、直ちにそれに対応する措置というものが、不可抗力に近いならば近いなりに対応する措置というものが、人命尊重という立場からも十分検討されなきゃならぬと思うのです。発炎筒というものがあの時期において非常に時間的に間に合わなかったのか。たいたけれどもそれが実際の効果が発せられないようなものなのか。応急の措置として、とっさの場合にどういう事柄が起こるかわからぬけれども、それに対して緊急にどういう措置をするかという点について、やはり国鉄当局としては万全の対策というものが要望されておると思うのです。むずかしいせり上がりの問題とか、その他多くの原因は別にして、事が生じた場合に最小限度にその事故を防止するという対応策ですね。これは、先ほど私が申しましたように、たとえば、ますます各方面において乗客がふえてくる、運行が非常に間隔が縮まって、次々と発車させなきゃならぬ、ダイヤの編成等においても非常に苦労されておると思いまするが、しかし、万が一脱線とかその他の事故等によっていろいろと緊急事態が招来するという場合に、これに対応する対策が非常に手薄なのではないか、こういう気がするわけです。そういう点で、あの場合において発炎筒をたいたといいますが、この問題をめぐって当局としてはどういうふうに処置をおとりになっておるのか、この点をひとつお聞きしたいのです。
○説明員(磯崎叡君) ただいまの御質問の第一点でございます、貨物列車が新鶴見駅を発車いたしました時間、実はこの貨物列車は、正確に申し上げますと、二十一時五十五分発の貨物列車でございます。それが、この事故の数日前の横浜付近のガスの爆発によります東海道線の不通によりまして約三日間全国の貨物列車を停止いたしましたために、貨物輸送が全国的に非常に混乱いたしておりまして、当時の全国的な状況からいたしまして、組成のできました貨物列車は規定によりましてできるだけ早く発車させるということで、当日の臨時のダイヤによりまして、十五分繰り上げまして二十一時四十分発にいたしておったのでございます。それが実際に出ましたのは、四分おくれまして二十一時四十四分に出ております。もちろんこれは正式な手続をとりまして早発いたしたのでございまして、貨物列車につきましては往々にしてとる手段でございまして、列車の手配、編成等につきましては万遺憾なきを期しておったわけでございます。したがいまして、普通のダイヤから申しますれば、あの時刻にはまだ新鶴見操車場におった時間でございますが、こういう事態のためにたまたまあのところにさしかかったわけでございます。 第二の点でございますが、当時の事情につきましていろいろ調査いたしましたところによりますと、この貨物列車の最後部の緩急車と申します、先ほど申しましたワフの二八〇八八という貨車には——これは車掌の乗る貨車でございまして、荷物を積まない貨車でございます。この貨車には、運転車掌と申しまして、運転業務に専念する車掌を乗せておるわけでございます。この車掌は、自分の乗っております貨車が脱線転覆いたしましたが、すぐ気がつきまして、自分のかばんの中から発炎筒を取り出しましてたいたというふうに申しておりました。なお、乗客の中には発炎筒を見たという方がおられます。ただ不幸にして、非常に現場が散乱いたしておりますので、その確証はございませんが、発炎筒をたいたことは確実だというふうに私ども信頼いたしております。ただ、冒頭に申し上げましたように、貨物列車の脱線以後約四十秒で上り列車がまいっておりますので、発炎筒をたいて、もしその発炎筒をなくなりました上りの乗務員が見たといたしましても、ブレーキの距離、すなわちブレーキをかけましてから現実に停止いたしますまでにいろいろな関係で二百メーターあるいは三百メーター過走いたしますので、そのために、もしこの四十秒以内でございますと、発炎筒を見てすぐ非常制動をかけたといたしましても、あるいは間に合わなかったかというふうに現在の事態では推定されるわけでございます。 したがいまして、今後こういった、いまの先生の御質問の、列車回数がふえる、こういう偶発的な事故が起きる確率が非常に多くなってくる、それに対する対策はどうか、こういう御質問かというふうに拝察いたしますが、たとえばすぐそれを無線で知らすというようなことによりましても、やはり相当な、一分ないし二分の時間がかかるというようなこともございます。なお、いま列車無線の技術開発はいろいろやっておりますが、なかなかこれもすぐ実用に適したものはございません。 さらに、運転士がレーダーを持ちまして、レーダーによって線路上に異物を認めた場合にすぐ停止手配をとることができるかどうか、陸上のレールの上を動かすものにつきましてレーダーを使うということにつきましても、技術的な開発を現在やっております。これもまだ人間と人間以外の物体の識別が非常に不可能でございまして、現在実は、残念でございますが、まだ実用の段階に至っておりません。 そういったあらゆる角度の技術開発を現在いたしておりますが、実は昨年の三河島の事故のあとに、たとえば、いまの例で申しましても、車掌が列車から降りて、そして発炎筒をたくという時間がやはり十秒なり二十秒ございますので、せめてその時間でもセーブいたしたいということで、現在実は電車の中に、ピストル状の、運転士がすぐその場で発炎筒をたける、あるいは車掌がすぐその場で発炎筒がたけるという、車に設置いたしました発炎筒をつくりまして、一部のものにいま実は試作をして試みに使っておる次第でございまして、もしこれでもございますれば、あるいは十秒なり二十秒なりでも早く危険をほかの列車に知らせることができるというふうに考えております。 この場合の線路の間隔は、約五メーター三十でございます。普通の法律できまっております線路間隔は三メーター五十ということになっております。この場合は、先ほどの図面でごらんのとおり、ちょうどカーブで曲がっております。ちょうど間にみぞがございます。線路間隔としては、東海道線の中では実は幅の広いところでございます。五メーター三十ございましても、貨車がその距離を飛び越えて向こうへ行ってしまうという事態は、実は今度初めてあったわけでございますが、たとえば線路間隔を広げるというような問題も当然考えられるわけでございます。これは非常に現在の時点から申しまして困難なことであります。やはり、先生の御質問のとおり、何かもっと科学的な方法でもって相互の危険を知らせ合う方法を早急に技術開発しなきゃいかぬという段階だというふうに考えております。 御質問の点につきまして多少それましたが、この際の貨物列車の車掌のとりました措置については、やむを得ぬ、規程に定められたことは全部やったというふうに私どもは確認いたしております。
○岡三郎君 下り電車が停止して、それに上乗りになったということを現場で見て、結局非常に時間的に間隔がない。全く今の状態でいうと、何か起こればすぐそれが大事故になる、そういう要素が非常に多いと思います。たまたま下り電車があすこで停止して、そこでぶつかった一両目が上に乗ってきた、非常に運が悪かったというふうに考えておりますけれども、下り電車があすこに停止したということの理由ですね、発炎筒によってやったのかどうか、その点についての究明はどういうふうになっておりますか。
○説明員(磯崎叡君) その点につきましては、先ほど申しましたとおり、あの線路の地形から申しますと、下り電車は京浜東北線の乗り越しの少し手前から貨物列車を認められますような位置で雁行して走った。少し貨物列車が先に走っております。下り電車がうしろになっている。したがって、貨物列車の後部の赤いランプを見ておったはずであります。したがいまして、それが乗り越しを過ぎてちょうどこの地点に近づいたときに、いまの二十三キロ七百九十でせり上がって脱線しますと、相当大きな火花が出たはずでございます。したがいまして、それを見た瞬間に制動手配をとったというふうに申しておりますし、また現実に制動もかかっております。また、この下り電車に乗っておった乗客に伺ってみましても、この電車がとまって、普通の電気が消えております。そうして小さい停電用の非常灯がついたということを確認しておられるお客さんがたくさんございます。したがいまして、非常制動をとった。停電いたしました原因は、貨車がひっくり返りまして架線の柱を折ったというふうに推定されます。したがいまして、非常に大きく東海道線の架線が上下左右にゆれたというふうに推定されます。その時間に変電所の変圧器のピンが飛んでおりますので、その時間は正確にわかっております。間違いなく制動手配をとってとまった。ただし、とまった瞬間に、この図面でごらんのとおり、すでに下り電車の運転士が、車掌が発炎筒をたいたであろうところの地点より前に出たというふうに推定されます。一部の新聞に、下り電車の運転士がこの発炎筒を見なかったというふうに陳述しているということもございましたが、私どもの推定では、運転車掌が発炎筒をたきました時点におきましては、たぶんこの前頭車はこの地点より横浜寄りに出ているというふうに推定されます。したがって、発炎筒を見なかったのは当然ではないかと考えられます。ですから、下り電車の運転士が発炎筒を見なかったということは、即発炎筒をたかなかったということにはならないというふうに私どもは考えております。
○岡三郎君 結局、災害の中において、いま言ったような危険防止、事故防止のための安全保安対策ですね、この問題について、従来からもいろいろと御苦心なさっていると思うのですが、世界一といわれ、日本一の新東海道線をつくるよりも、まずこういうふうな基礎的な根本的な問題を十分やられるほうが重要なんじゃないか。刻下の緊急輸送の問題についても、新東海道線にけちをつけるというふうな考え方はないとしても、もっと足元にころがっている具体的なそういう多くの問題を根本的に処理する方向へ国鉄は万全の対策を講じ、それに対する費用をかけていくべきだというふうな意見が非常に強く出てきたと思う。こういう点で、中央線等においても複々線化をやっているけれども、非常に時間がかかって、いろいろな困難な事情があると思うのですが、そういう点で、何かやる仕事が、抜本的な問題としては、手近な問題をおろそかにして、大きな仕事をやられておるというふうな、遭難者の中に、そういう遺家族の声もあったわけですが、こういう点について、新東海道線の建設を急がれることもよくわかるのですけれども、特にいま言ったような保安対策、安全対策というものをやはり緊急問題としてやる。こういう事故が起こったから、いまやる、こういうことでなくて、その後においても山陽線において特急が追突を起こしている。こういう問題で非常に不安を多く与えていると思う。こういう問題に対する十分なる対策をお願いして、われわれとしては、そういう問題について、国鉄の今後のそれに対応するところの具体的な措置についてお伺いしたいと思うのです。きょうは時間がありませんが、保安対策という面について、これは外国と比べて非常におくれておるような印象を受けるわけなんです、これは私のしろうと考えかもわかりませんけれども。今後の問題を、繰り返しますが、具体的に措置する、今のところいえば、信号機の問題にしても、とにかくいろいろ設備されておるけれども、踏切の問題等も含めて、どこにでも事故の原因がごろごろころがっておる。今のような非常に緊急輸送という問題で、貨車も忙しいし、トラックも忙しい。踏切に対しては非常にもう昼夜で働いておるから、無視していくというふうな、こういうふうな状態の中では、どういう事態が起こっても自動的にそれが防がれるような措置といいますか、やはり踏切等の場合には高架にするとか、金の問題は十分それにかかると思いまするけれども、費用という問題については、やはり抜本的にこれを計上してやるという形がとられないというと、今の状態では、事故はあすにもまた起こるのではないか。毎日そういう不安がつきまとっているというふうに考えるのです。こういう点についても年次計画的にもうちょっとスピードを上げてひとつやられるように強く私はお願いしたいと思うのですがね。
○説明員(磯崎叡君) 今回の事故のあとに、いま岡先生のおっしゃったように、非常に国鉄は自分の足元の地固めが粗漏であるという御非難が多かったことは、私も肝に銘じて承っておきたいと思います。ただ、新東海道線につきましては、もう先生御承知のとおり、いまの東海道線の輸送のふくそうは、もうこれ以上列車が入らないという事態で、やはり見方からすれば、何とか東海道線の列車を少しでも減らしたいというような希望もございますので、そういった面から、やはり輸送力をつけて、いまの東海道線を十本でも二十本でも列車を減らしていくという方向も一つの手段であるというふうにも考えております。しかしながら、いずれにいたしましても、現在の運転の保安と申しますものが、いま御指摘のとおり、大体列車の進行方向に向かっての保安である、すなわち縦の面に向かっての保安につきましては、これは世界各国非常に研究は進んでおりまして、たとえば自動列車停止装置とか、いろいろ設備がございますが、御指摘のとおり、横から来ました事故につきましては、わりあいに鉄道というものは弱いような事態になっておるのではないかというふうに考えます。たとえば、先ほどのお話の踏切にいたしましても、複線区間の踏切でたまたま列車がそこですれ違う、その場合に横からトラックが入ってくるというようなケースがないわけではないわけでございますので、そういった横から来る事故、ことに、こういう輸送密度の高いところで、複線以上の区間で横からの事故をどう防ぐかという問題は、非常に鉄道の保安にとっては革命的な問題になりつつあるわけでございまして、御指摘のとおり、非常にこの点についてのいままでの技術的な調査研究がおくれておったということは率直に認めざるを得ないというふうに考えます。しかし、今後、私どものほうで実は安全会議と申しまして、国内のそういった方面の学識経験者に集まっていただいておる会議もございますので、そういった方面から、鉄道の専門家でないいろいろな方々の御意見も承りまして、鉄道の新しい保安、横から来る事故に対する保安ということについて、もっと全然別な角度から考えていかなければならないというふうに考えております。
○相澤重明君 私は、最初に資料からひとつお尋ねしておきたいのですが、国鉄と運輸省と両方の名前でこれは出している。これは国鉄が出したのですか。両方とも運輸省が出したのですか。どっちなんです。別々に出したのですか。資料の作成……。
○説明員(広瀬真一君) 「運輸省」と書いてありますのは運輸省で作成して提出したものでございます。
○相澤重明君 そうしますと、資料を作成したのは運輸省と国鉄が独自に行なった、こう了解していいわけですか。この内容を見てごらんなさい。文章が違いますね。これは少なくとも運輸省、国鉄という専門家の立場でいけば、いま少し同じように書いてしかるべきだ。それで私は、特にたとえば人命の問題も、先ほども罹災者の方に対する黙祷も出したのでありますが、この中でも、同じページを開いてごらんなさい。運輸省のほうで出されているのはペン字で百六十二名を百六十一名、内職員一名を含むと書いてある。負傷者九十八名、合計二百五十九名。国鉄のほうは、乗客百六十名、内身元不明二名、職員が一名、運転士、それから乗客は重軽傷で六十四名。これは、八時と九時という時間的に一時間の差でこれだけの差が出るのですか。どういうことなんですか。
○説明員(磯崎叡君) その点につきましては、私のほうは、けさこの資料を印刷いたしましたので、若干あれでございますが、実は死亡者の数が昨日の晩まではっきりきまらなかった。と申しますことは、遺体につきまして、たいへん申しにくいことでございますけれども、一つ不明な点がございまして、結局いろいろ警察の認定その他で百六十一というふうに昨日きまったことでございまして、そして急遽これをけさつくり直したのでございます。また、負傷者の数が六十四と九十八というのは、先ほどその点私も気がつきまして冒頭の御説明に申し上げましたのですが、私のほうの資料が負傷六十四と申します二ページの上から四行目は、負傷ではございませんで入院の誤りでございます。したがいまして、三ページの入院乗客六十四名と申しますのが正確でございまして、運輸省の言われましたのは、このほかに三十四名のすでに自宅に帰られた負傷者がございましたので、それを加えまして、運輸省の負傷者が九十八名ということになっております。これは私のほうの間違いでございます。負傷と申しますれば、入院患者以外の三十四名の自宅に帰られた軽傷者も当然含めるべきでございますが、取りまぎれまして、二ページのほうに負傷六十四名と書きましたのは、現在入院中の者六十四名ということでございましたので、先ほど御説明のときに若干訂正させていただきまして、このほかに三十四名の負傷者がございましたが、すでに帰宅されたということを説明につけ加えさせていただいたわけでございます。ですから、死亡者の合計は百六十一名でございます。
○相澤重明君 どうも、私は別にここで総裁なり副総裁に死亡者を多くしろということを言うわけではございません。しかし私は、社会党の方針といたしまして急遽現地に調査に参りまして、十日の午後四時に現地に国鉄の首悩部が調査をしておるときに私も行きました。私がそのときに東鉄の担当者から聞いたのが、死亡者百六十一人、しかも不明が二名ないし三名、こういうことなんです。私は手帳にちゃんと書いてきております。私はそのときにまだ実は首だけ——たいへん遺憾な点でありますが、首だけわかったけれども、あとからだの部分がわからない、靴はあるけれども一体足はどこにあるかわからないというふうな非常にお気の毒な惨たんたる状況の中で、実は一体幾人だったのだろうかという心配をしておった。そういうことから見て、この報告が出されておりますが、どうもまだ私にもはっきりしない、納得がなかなかできない点もあるわけです。この点は、せっかく国会に提出された資料でありますから信頼をしたいと思うのです。思うのですが、ひとつ絶対にそういう不明の人というのがないように私はやはり最善の努力を尽くしてもらいたい。このたとえば国鉄のつくった資料の乗客百六十名の死亡の中に身元不明が二名あるということなのか、これ以外にあるのか、この点も私は実は心配している。この点で、まず資料の作成についても、当局がたくさんの問題の中で処理をしたことだからこういう点もあったかと思うのですが、やはり少なくともあとに残る文書ですから注意を払ってもらいたい。 それからこの点についてひとつ私は大臣にお尋ねをしておきたいし、それからまた国鉄総裁にも聞いておきたいのですが、事故の起こった直後に、総裁は何かテレビ対談で、事故がどういう原因なのかわからない——わからないことは当然だと思うのですが、どういうことをおっしゃったのですか。よくあのときのことが私にはぴんとこないのですが、あなたはどういうことをおっしゃったのですか。私が言うよりは、あなたがおっしゃったことをひとつ聞かしてもらいたいと思います。
○説明員(石田礼助君) 私はよく、いつのテレビか存じませんので、ちょっと返事に苦しむのですが……。
○相澤重明君 私は、先ほど岡理事が言うように、きょうはあまりこまかいことを言うよりは、きょうは委員会として善後措置を構じて、現地を調査をして、その上でやはり国民に対する負託にこたえていくというのが考えだと思うのですが、お互いに突然の事故にあうというと、だれしもがそれぞれの立場だけでお互いに話してしまうことが多いのであります。それが比較的遺族等に対する影響としては非常に胸を刺されるものがあるわけです。私も現地に行ってみるというと、実はゆうべ帰って来なかったのだけれどもこの事故の時間がちょうど主人が帰るような時間だったというので奥さんが泣きながら来たというような人たちもあるわけです。そういうようなときに、ちょっとしたことば、為政者のことばじりに出ることにより受ける被害者の立場から、全く涙なくしては顔を見られないということがある。そういう点で、実は私多く申しませんが、総裁がむしろ総持寺においでになって、ことばも出ないで涙をハンケチで押えておったということも、これは非常に印象が強かった。私は人間石田礼助をそのときは非常に高く評価しましたけれども、やはりことばというものは十分ひとつお考えになっていただきたいと思うのです。 そこで、これだけの事故の起きた大きな問題が、ともすると、被害を調査をするということで、先ほどからも各委員のお話にもありましたように、長引くおそれが多分にあると私は思う。長引くうちに、それはもうやむを得なかったという形で葬り去られることもあるのではないか。これは、過去において国鉄の中にも、六軒の事故をはじめとして、常に安全輸送、安全運転ということを叫んでおったにもかかわらず、なかなか結論が出なかった。そうして三河島事故を迎え、また今回ここ一年足らずのうちにこうした惨害を受けるということは、私ども運輸関係にある者としてはまことに残念しごくだと思うのです。これは総裁も運輸大臣もお話しになったとおりでありますが、私は、少なくとも、きょう閣議があったならば、そういう点でむしろ池田総理自身がこの委員会にやはり出席をすべきだ。運輸大臣と一緒に出席をして、選挙があろうがなかろうが、やはり政治的な問題である。こういう大きな被害に対して、三池の災害の問題もありますが、やはり為政者としては国民の生命財産をいかにして守るか、先ほどもお話があったようでありますが、そういう点については為政者としての立場で私は率直に出すべきだ。そういう点については、まだどうも、きょうせっかく委員会を持ったのに、先ほど河野さんのお話もありましたけれども、少し考え方が違うのじゃないか。こういう点について、少なくとも国会は、衆議院がない場合には参議院がこれを取り上げるというのが当然であります。参議院で取り上げて、そしてもしそのことが後日悪いなら悪いでけっこうでありますけれども、それは衆議院が、たとえば予算の問題にしても追認をされることもあり得るわけですから、そのために参議院の解散がないわけなんですから、そういう点についても、私は政治情勢というものを見ながら、先ほど浅井君からもお話がありましたが、運輸大臣が急遽お帰りになるならば、むしろ政府自身が運輸委員会を招集する、それくらいの熱意があってしかるべきだと思うのです。私は、そういう点については、以上、あと多く申しません。申しませんが、どうかひとつ、改府の衝にある者、国鉄の最高の責任者としての正副総裁、これは単に辞職をしたからいいというものじゃないのです。お話しのとおりだと思うのです。やはり万全の対策を講じて、国鉄が国民に信頼される、私どもが安心をして交通を利用できるという立場をとってもらう、それだけを、私は特にこの緊急事態の中で、お互いに、私もことばを慎みたいと思うのですが、ひとつ政府首脳にもそういうことを要望しておきます。 これで終わります。
○大倉精一君 私は、まあ冒頭に……今度の事件でほんとうに腹がたちました。三河島から今日まで、まだ一周忌やったばかりでしょう。しかし、三河島から南武線、あるいはまた北陸の貨物の追突脱線、一体何をやっておるのか。まあ国会議員、運輸委員として、三河島事件のときの究明が不徹底であったと自己反省をしておるわけです。それで、大臣が特別監査——あのときも特別監査でしたが、これは、内容を見てみるというと、一体事故の原因は何だ、ダイヤが無理じゃなかったか、特別に監査せい、そういうことじゃ、こういう事故が防げますか。私は、発炎筒とか、そういうととは枝葉末節だと思うのです。発炎筒を持っていかなければ汽車が走れないということじゃ情けないと思うのです。これは政治的な大きな問題があると思うのです。 そこで総裁にお尋ねしますけれども、事故が起こった直後に、私はテレビは見ておりませんでしたが、新聞にもちょっと書いてありましたが、国鉄だけが責任を負うべきものじゃないという意味のことをおっしゃったと思うのですが、これは新聞に書いてあります。そうすると、一体どこが責任を負うのか、国鉄だけの責任でないとするならば、一体その他の責任はどこだ、これを総裁としてどういうふうにお考えになっているか、まずそれをお尋ねしたい。
○説明員(石田礼助君) 私は、国鉄だけの責任じゃないと、こういうことをいつ言ったか覚えておりませんが、いずれにしても、今度の原因も、そこには非常にダイヤの密過ぎる点がある、それはこの輸送の需要に対して輸送力の増強というものが追っついていない、そこに今度の事件の原因があるのじゃないか、これはどうも単に今度の事件ばかりでなくて、東京近辺の通勤通学の問題にも何べんか起こっておる、人口のふえる割合、通勤者のふえる割合に従わぬ、われわれがいかに努力してみても、これは予算だけの問題じゃなくして、実際の技術的な力の問題からいっても追っつかぬ、そういう意味において私は申し上げた。そのほかに意味がないのであります。どうぞ御了承願います。
○大倉精一君 これは、これ以上問いませんけれども、国民大衆は、あの事故で、ああいう総裁の談話を聞いて、一体この心配、不安というものをどこへ持っていったらいいか、責任はだれにあるのか、どこにあるのか、おそらくきょうの委員会に国民諸君の期待しておるものは、責任のありかをひとつはっきり聞いてもらいたいということだろうと思うのです。責任のありかを。そこで、総裁の先ほどの委員会当初における発言では、責任は全部私にありますと発言をされました。されましたが、私は総裁に全部じゃなくて、政府にもあると思うのです。あずかっておる総裁の責任はもちろんです。 そこで、運輸大臣に私はお尋ねしますけれども、もっと特別監査にも政治的な背景について監査をやる必要があると思うのです。たとえば、私は池田さんの所得倍増ということは言いません。言いませんが、戦後における日本の経済の発展、伸展、成長、これからいっても、当然これは輸送力が急激に増加するということは当然だと思うのです。見通されておると思うのです。これに対して一体どういう措置を講じたか。講じていないと思うのですよ。これは、私が言うまでもなく、みんな皆さん御存じだと思うのです。こういうこともしなければならぬ、ああいうこともしなければいかぬ、踏切は立体交差しなければいかぬということは、みんな御存じだ。御存じだけれどもやらない。ここに事故の大きな原因があるのです。ですから、私はもっと端的に言うならば、国鉄のあり方がこれでいいかと思うのです。この前、総裁の就任のときも言いました。国鉄のあり方は、公共企業体という、大体このことばが私は気にいらない。公共性と企業性は相反するでしょう。この二つを並べて公共企業体と何げなしに言っている。そういうところに私は大きな原因があると思う。大臣は、特別監査、そういう技術的な面じゃなくて、そういう深いところに監査を命ずる、あるいは意見を聞く、こういうお気持はありませんか。
○国務大臣(綾部健太郎君) 御趣旨よく了承しました。善処いたします。
○大倉精一君 この答弁では私承知できません。前国会の速記録を見てみますと、私どもこの問題はそのときもお尋ねしました。そのときに大臣は、今度は石田総裁がおいでになったので、経験も豊かであるし、りっぱな方であるから、この総裁ともよく話し合いをして、そしていい構想があればやりますと、こうおっしゃっておったのです。あれからだいぶなりますよ。何にも構想はないし、何にもそういう点について政府として検討もされていないのです。きょうの閣議でそれをあなたなにしておりますか。それをひとつ聞かしてもらいたい。
○国務大臣(綾部健太郎君) 総裁の豊かなる経験を生かして、着々と私は、それはすぐ即座に効果があるかいなかは存じませんが、総裁はそういう点についてやって下さっておると私は思っております。
○大倉精一君 そういうような気持で、態度であっては、私はこの事故は未来永劫に防げないと思うのです。防げません。いま特別事故対策委員会なり調査委員会をおつくりなっておるようですが、大きな事故があれば何を一番初めにやるかというと、委員会をつくるということ、特別監査を命ずるということ、そういうことだけでは、私は事故は防げぬと思うのです。ですから、そういう抜本的なもの、もっと表現をかえて言うならば、何か国鉄はあせっておるのではないか。何かあせっておる。私はこの前こういう表現をしました。東海道新幹線は、何か、ある人が言った、長屋におってパリ・モードにあこがれるようなものだ、しかしやりかけた以上はりっぱなものをつくってもらいたいということを言いましたけれども、これによって工事費、修繕費というものは二〇%減らされておりますよ。そういう現状は一体どうなんですか。なぜ二〇%滅らさなければならぬか。ですから、輸送力の増強と同時に、この安全性の危険度というものは非常に大きくなっておる。ですからして、むしろ安全性の強化をしなければならないのに、その修繕費というものは二〇%削られておる。しかも現場から、たとえば保線要員の要求をいたしましても、大体このY方式というものがあるそうであります。それによって計算した人員の大体八〇%ぐらいを本省に要求をする。本省はまた八〇%ぐらい削ってしまう。だから、Y方式によって算出した人員は、結果においては六五%くらいより確保できない。こういう現状を一体どうしますか。そういう点をほっておいて、貨車が浮き上がったのだ、いや何やらがレールの上にあったのでこうなったのだ、あるいは横っちょの安全がどうも弱い、そういうふうなことを言っておって事故が防げますか。そういう抜本的なものをひとつ検討する必要があるのではないか。 私はかつてこの委員会で、東海道線が非常に心配だということを言ったことがあります。なぜかと言えば、私がひんぱんに往復しております保土ヶ谷の付近、横浜の付近の動揺が非常に激しいのですよ。食堂車のボーイに聞きましたら、最近になって非常にひどくなりましたと言うのです。みんな言っておる。こういう状態は差しつかえないのかということを一ぺん私は委員会で質問したことがあります。ありますけれども、専門家の言うことではないですからよくわかりませんが、そのような発言がありました。そういう点、そういう抜本的な点をほっておいて、発炎筒がどうやこうや、そんなこと言っておったっておさまりませんよ。そういう点について大臣どうですか、ひとつ御答弁いただきたい。 また同時に、人口の都市集中という問題もあるでしょう、あるいは路面輸送の問題もあるでしょう、航空輸送、海上輸送、輸送全般の問題を検討しなければあのまっ黒なダイヤは直りませんよ。直すのはたいへんですよ。どうしますか。大臣聞かして下さい。
○国務大臣(綾部健太郎君) 経済の発展に伴いまして、一番大事な輸送機関を拡充するということは、これはもう当然必要でございまして、それにあらゆる角度から研究をして、財政の許す範囲内において、ただいま大倉委員の言うたのが理想の域でございますから、理想の域に達するよう私は努力したいと思っております。またやっております。
○大倉精一君 もう戦争が終わってから今日までだいぶになります。いつまでも理想の域と言われたくらいじゃいかぬと思いますね。ですから、問題は非常に身近なところにあるのですよ。たとえば、山口県でもってジャッキに引っかかった。こんな同じ例が前にあったじゃないですか。レールをほったらかしていて、これに引っかかって脱線したのがあるでしょう。あのとき副総裁吾孫子さんにこの委員会で聞いたら、レールの何メートル以内におろしちゃいけない、こういう指示を出しておりますという説明がありましたけれども、これは指示だけではだめです。とりあえずおろさなければならぬ。時間的に非常な無理がある。レールでもそうなんですよ。向こうまでおろす時間的余裕がありませんよ。ですから、あなたそうおっしゃるけれども、きのうの毎日新聞の夕刊を見てみますと、何と言いますか、非常に無理なことを総裁も認めておいでになる。たとえば、若干紹介してみましょう。稲野さんという人が「いままでの国鉄の経営を見ていると、スキーだ、ハイキングだとレジャー部門にばかり力を入れて安全の問題などをあとまわしにしてきたようにも見受けられるが。」、総裁は「そういわれても仕方がないかなあ。」「責任は私にある。」——こういうことは就任されてからちゃんとおわかりになっておると思う。大臣もおわかりになっておると思う。そういう問題をどうやって解決しますか。ひとつ総裁、これはそう言われてもしかたない、こうおっしゃっておるのですが、こういう問題はどうやって解決されますか。
○説明員(石田礼助君) そういうレジャーの方面に国鉄が力を尽くすために、輸送安全のほうをネグレクトしたということは私は考えていない。少なくとも、三河島事故以来国鉄というものは、ほかの予算はずいぶん削られたが、しかしこの輸送安全というものに対しては思い切ったことをやっておるのであります。ただしかし、いかにも輸送の需要というものは多いのであります。どうも国鉄に与えられた力をもってしては追いつけない。たまたまそのときにスキーの問題が出たのですが、これは別に何もあのほうを強化するというのじゃなくて、旅客の便宜のためにああいうことをやったというにすぎないのであります。 それからさっき大倉さんのお話に、運輸大臣は、私というものの九星を信頼して云々ということがありましたが、私のやったことは運輸大臣の責任じゃなくて私の責任なんです。それで私は輸送の安全の問題、輸送力の増強という問題に対してはずいぶん思い切ってやっておるつもりであります。しかし、なかなか経済の発展に追いつけないというのが今日の状態でありまして、これは、今後といえども思い切ったことをまたやらなければならぬ。現に輸送の安全の問題については、青函連絡線の問題、その他について私としては思い切ったことをやっておるつもりであります。それからまた、踏切の問題についても思い切った予算を取ってやっておるつもりでありまして、私としては最善を尽くしてやっておるつもりでありますが、どうも人力のいたすところ及ばざるところがあるということで、はなはだ遺憾に存じておるわけなんで、今後ともこれは大いに反省してやらなければならぬということを得心しておるのであります。
○大倉精一君 国会の答弁ならそれでいいかもしれぬけれども、一例をあげますけれども、さっき保線のことを言いました。言いましたが、これは通過トン数と人員という関係は、ある一定の割合できまっておったのだが、しかし通過トン数がどんどん上がっていった今日おいても、当時の人員の割合は変わっておりません。そしていわゆるふやさず減らさずで、こういうことでおやりになっておって、通過トン数の増加に対しては資材によって埋め合わせる、こういう方針をとっておられる。しかし、ほんとうに安全を確保するのは人間の問題ですよ。しかも、非常にみみっちいといいますか、何かようじで重箱のけつをほじるようなことをやっておられる。たとえば最近の例をいっても、行き先表示の札はかけかえするのをやめようか、あれは人手が要るから。あるいはまた、いなかのほうの駅へ行きますと、荷物が着いたら電話をかける、電話よりもはがきをやれ、はがきよりも走ったほうが安いから走れ、というような実情も聞いておる。人間を減らしてどんどん輸送量はふやす、こういったことで一体国鉄の安全確保ができますか。あるいはまた踏切の問題にいたしましても、先般も市川でトラックと衝突をいたしました。私現場へ行ってみましたが、あそこの安全協力会の会長の話を聞きますというと、前々から問題になっている、鏡つけるか、ちんちんやるか。鏡もつけていない。これは市川市のやることだと、こんなこともなすり合いでやっておる。だから、これは私はこまかく申しませんけれども、ほんとうに経済の成長に見合った輸送というものをもっとまじめに考えて、人命尊重と総理大臣は言っておられますけれども、そんなことはあたりまえのことですよ。いまさら閣議で人命尊重せいなんというばかなことをきめなくてはいけないというのが大体おかしいですよ。ですから運輸大臣、ひとつ大臣にこの際、人命尊重というスローガン的なものでなくて、ほんとうに国鉄ばかりに限らず、交通事故に対して真剣に政府として取っ組んでいってもらいたい。それにはお金の裏づけです。金がなかったらどんなスローガンでもだめですよ。国鉄に独採制でもって商売やれと、これではだめだ。もうかるところは金かけますけれども、もうからぬところは金かけませんですよ。これは自然の流れで仕方がない。ですから、東海道新幹線、ああいうはでなものには金かけますけれども、そうでないところはどんどん削っておる。普通のローカル線に行ってごらんなさい。急行列車も、特急以外の急行列車はきたないですよ。きたない話だが便所へ行ったり洗面所へ行ったらどこか必ずこわれている。こわれていない車両はないです。そういうところにも国鉄はいわゆる安全に関する配慮が抜けておると同じ結果が現われておると思う。ですから、政府はこの際安全に関して思い切った予算措置をすると同時に、国鉄の問題について、体質改善といいますか、あり方といいますかについて、抜本的に検討する御用意はありませんか、お伺いしたい。
○説明員(石田礼助君) 私から御返事申し上げたいと思います。よろしゅうございますか。
○大倉精一君 これは政府のほうの問題になりますね、政府の問題。
○国務大臣(綾部健太郎君) 大倉さんもおっしゃるように、財政と見合わなければいかにりっぱな案を立てたって、国の財政がこれを許さぬような状態であってはいかんともしがたいので、私は財政の許す範囲内において、いま大倉さんのおっしゃったようなことに努力いたしたいと考えます。
○大倉精一君 財政の許す範囲というのは、いつも聞くことばなんです。総裁も毎日の夕刊に言っておられますけれども、これは国の財政力の限界だ、こういうふうにおっしゃる。しかし、総理は日本は大国になったとおっしゃったでしょう。外国人が来ても日本の経済成長にびっくりしていると、こう言うでしょう。そういう日本がなぜ人命尊重のためにお金が使えませんか。総理大臣は人命を尊重すると言ったが、一体幾らお金を出すつもりだ、総理大臣を一ぺんここに呼んで聞きたい。それを出さなければ、何が人命尊重です。総理大臣は大国だと言っているでしょう。アメリカ、ヨーロッパ、日本は三本の柱だと言っている。三本の柱が人命尊重のために予算が組めないというようなばかなことはないでしょう。どうですか、大臣。
○国務大臣(綾部健太郎君) これは平行線でございまして、私どもも、実際国の財政が許す範囲においてやると言う以外にお答えのしようがないと思います。私はそのつもりで一生懸命で予算をとることに努力いたしております。
○大倉精一君 私は、今度はほんとうに平行線でも、いつまでも話をしていきたいと思いますけれども、これはこの辺で一。へん打ち切りますけれども、私はやめません。三河島のときに、適当なところでやめたからこうなっちゃった。徹底的に今度は私は対策を具体的にお聞きするまで、その次の日も次の日もやります。国民が国会に期待をしているのはそれだと思うのです。あの事故が起こって、しかも炭鉱でも起こった。全部政府は何かどこかネジが欠けている、どこか狂っているものがあるんですよ。しかも、交通事故は、一般を含めて、年間に死傷者が四十七万人、死んだ人が一万二千人、一個師団全滅ですよ。四十七万といえば、四十個師団がやられる、これはたいへんなことですよ。それを戦争のようにぽんぽん撃ち合わないから何とも感じなくなってしまう。あるいは町の中でも理由のない殺人が起こる、これはどうしますか。そういうほかのほうにまで触れたくないですけれども、少なくともこの委員会において、交通安全、特にこういう大量の殺戮をする列車の安全については、特にこれはぼくは検討を加えて、具体的に対処しなければいかぬと思いますよ。国民は飽きておりますよ。善処する。特別監査委員会、また始まった。特別調査委員会、また始まった。総裁がやめるということは意味がない、また始まった。私は総裁の進退について云々するということは避けますけれども、やはり人心の一新ですよ。それで責任をはっきりする。変な理屈を言っていると、だんだん人心はうんでくる。ですから、今度こそは腹をきめて、対策を作ってもらいたいということを要望しておきます。
○大和与一君 私は、副総裁と総裁と運輸大臣にお伺いします。 まず、副総裁に尋ねますが、人の命は地球より重たいというお話があるけれども、重傷者は時間をかけたら全部なおるのか。あるいはまた、あぶない、こういう人は一体何人ぐらいいるのか。
○説明員(磯崎叡君) 一人々々についてのこまかいことは詳しくわかっておりませんが、いま重傷で入院されておられる方の中で、生命に危険を伴うという方は幸いにないようでございます。しかし、機能障害その他がどのくらい残るかという点につきましては、ちょっとまだ日が浅いものですから明白になっておりませんが、できるだけあらゆる医療の手段を尽くしまして、少なくとも、そういうことは少しでも軽くするように、できるだけの努力はいたしたいと考えております。
○大和与一君 車掌の持っている発炎筒、これは何本持っているのか、発炎筒の燃焼時間は何分ですか。
○説明員(磯崎叡君) 幹線を走っております車掌に五本持たせております。それで五分間でございます。
○大和与一君 貨物列車の組成で、盈車と空車、それから新車と旧車、これのあんばいは十分従来も考えて組成されておると私は思うのだけれども、その点は十二分に配慮は間違いなくなされているのか、どの列車にもそういうことは考えておったのか。
○説明員(磯崎叡君) 貨物列車の盈車と空車の問題につきましては、一時非常に浮き上がりの脱線事故が多かったために、盈車の中に空車をはさむ編成はいたしておりません。ただし、この場合、新車の場合につきましては、十分に試運転をしたあとの新車でございますので、私どものほうで使っております新車につきましては、連結位置は特に指定してございません。
○大和与一君 三河島の事故以後、遺族との間の一切の補償問題は完全に解決をされておりますか。
○説明員(磯崎叡君) おかげさまをもって一切解決いたしました。
○大和与一君 総裁にお尋ねいたしますが、さっき相澤委員もちょっと言いましたけれども、私、群馬県でテレビを見ておってみんなおこったのは、こういうことなんですよ。総裁が、何かトラックでもぶつかって二、三十人どうかしたのかと、こう思ったら、えらいことだ、こういう意味のことをおっしゃった。そうしたらそこにおった人が、何だ、二、三十人ならいいのか、こういう声が期せずして起こった。これは長野県の羽生参議院議員が控え室で聞いた。そういうこともあった。これは御注意をしてもらわなければならない。 それから、これは根本問題はもう少しあとからお聞きしますけれども、ただ、総裁は就任されたときも、労働問題ですね、そういうことについてはまあ経験もないし、勉強も足りない、こうあっさり言われた。だけれども、ここでやはり抜本的に国鉄全体の運営を考える場合には、諮問委員会の答申を見ても、そういうことはちょっとずばりと触れていないようですけれども、やはりそういうことも考えて、合理化と言うけれども、ほんとうに日本で完全なオートメーションというのは幾つもない。みんなこれは中途はんぱなものであって、そういう合理化ということは基本的に反対じゃないのです、私たちは。だけれども、そこが人減らしをやはり急にするあまり、いろんな方面に支障が起こってくる。こういう事態はあり得るのだから、やはり今後はそういう点もあわせ含めて総合的に十分お考えをいただきながら、私は、もっと具体的に対策をやはりやってもらわなければならぬ。どうもこの点は今までおろそかになっている、人のことだから、数字が出たりしないものだから。その点は十分に総裁に最後の御奉公というか、しっかりやっていただきたい。その点を総裁に強く要望しておきます。 それから運輸大臣にですが、この問題は、私は予算委員会で運輸大臣とたびたびやっているのですが、あなたとはあまりやり合っていないけれども、前の人とは十分やり合っておるのです。ところが、一つもろくな返事がないのです。運輸行政全般の根本的な施策ということになったら、ないのです。たとえば内閣に交通対策本部というのがありますね。何をやっているのか。当面の都市交通の困難の緩和ということはやっておりますけれども、交通対策本部ができたって、運輸省も建設省もみんなお互いに譲り合って一つも責任の所在が明確でない。幾ら予算委員会で聞いたってはっきりしませんよ。一体、今度の交通対策本部というのは、運輸行政全体から見てこういう問題を含めてこれは解決をしなければいかぬ。これはただ国鉄の今度の問題だけじゃないのです。実際、そういう点を一体どういうふうに考えているか。それは交通対策本部というところで取り上げるのか。それをまずお尋ねします。
○国務大臣(綾部健太郎君) 交通対策本部は、御指摘のように、当面都市交通が非常に麻痺状態にあるのを憂えまして、それをどういうように緩和するかという点が主たる論議の対象になっているようで、交通の基本的な、あなたのお考えになっていると察せられるような大きな問題は、たとえば国鉄をどうするかとか、船の問題をどうするかとかいうようなことは、交通対策本部では論議されておりません、遺憾ながら。交通対策本部は、いわゆる路面交通の当面の問題をやっておるようでございます。あなたのおっしゃるような問題は、交通基本問題調査会というのがありまして、これは各国のいろいろな交通の基本問題について、権威者を集めて論議して、よい結論の出るように、結論が出たらまたそれを実行に移せるように努力しておると考えております。
○大和与一君 その基本問題調査会は、これはアカデミカルな会議ですから、そんなものは実際の政治として取り上げて政府がどうするということはちっとも出ません。そうすると、今度監査委員会に特別監査を命じたというけれども、一体何を命じたかということです。たとえば私が大臣なら……、戦争のときに船は沈んだ、飛行機はなくなった、しかし国鉄は動いておったのです。それでさんざん酷使されていた。そのあとで、今度戦後に一体国鉄に何をめんどう見たか、それは動いておったからよかったが。そこに私は政府のほんとうの根本的な施策はなかったと思う。だから、国鉄はだんだんほうっておけばうんと借金ができて動かなくなる。一ぺん何千億か知らぬけれども、政府がめんどう見て、あと国鉄はお前のほうで思い切ってやれ、自前でやってみろ、そうして成績が悪ければやめてしまえ、これくらいならいいけれども、何もめんどう見ないで場当たり的な——東海道新幹線というのは収入になりますからやってもいいけれども、船に対しては十分めんどうを見ておる。飛行機に対しても十分めんどうを見ておる。しかし、国鉄に対しては、公共企業体にしたということだけで、何をやったか。一ぺんきちんとけじめをつけて、政府はめんどうを見る、そのかわりあとお前のほうで一生懸命働いて自分でやりなさい、こういうことはいまだかつてないじゃないか、そこに根本的な今回の原因があると私はかねてから叫んでおる。だから、そういうことをほんとうにまじめに取り上げて政府としてお考えになるのかどうか。もちろん運輸省でやっていますけれども、さっき言ったように、会議ばかり作ったって、お互いなわ張り争いばかりでなかなかうまくいかぬ。だから、そこの交通基本問題調査会はもっと生きた動きができるように——一ぺんに改善はできません。それはわかるけれども、やはり大臣が先頭に立ってそういう具体的な施策を打ち出さなければならぬ。それをあなたにしっかり言いますけれども、もう一ぺん大臣になるかどうか知らぬが、やはりしっかりやってもらわなければならぬ。そこが一番大事なところですから、その点、大臣の所見を明確にお伺いして、きょうはこの辺でやめておきたいと思う。総裁と大臣の所見を聞かしていただきたい。
○国務大臣(綾部健太郎君) もちろん国鉄その他についてめんどうを見ておらないと私は考えておりません。たとえば鉄道の政府債を発行してめんどうを見るとか、あるいは外債に政府が保証をするとか、でき得る限りのことは、許す範囲内でやっております。がしかし、それが少ないという議論には私も同感です。もう少し多くやらなければいかぬ、船のごとく。飛行機に関してはもう日本航空会社にやったあんなもの程度では国鉄はどうにもなりません。だから、そういう大問題がおいおい、交通基本問題調査会で十分安全に関すること、あるいは基本の問題に関すること、交通機関のどういう方面に力を入れるべきかというようなことを論議されておりますから、その結論を待って、あなたのおっしゃるように、幸いに皆さん方の御支援を得ましたならば、私は極力やることにやぶさかでありません。がしかし、何にもやっていないということだけはひとつないということ、何にもやってないのじゃない、やるがなかなか足らないのだということは認めますが、何にもやってないということは、私はこういう席で言われるのは、国鉄のために、また政府のために非常に、何にもやってないじゃないかということは……。
○説明員(石田礼助君) 国鉄の予算が非常に十分だとは私は申し上げられない。これはどうも国の財政状況を考えて、ある程度やむを得ぬと思っております。その窮屈な予算の中でわれわれとしてはできるだけのことをやっておるつもりであります。 さっき大倉さんから、公共事業というものと企業との矛盾ということでありましたが、われわれが解釈する公共企業体というものは、公益事業というものを企業精神をもって能率的にやっていくというところにあるということで、そのつもりでやっておるのであります。それでまた人の問題にしましても、なるほど国鉄というものは、昭和二十七年以来今日まで、国鉄職員四十五万がほとんど変わっていない、その間に輸送量は非常にふえておる、そこに人間を無理に使って、その結果輸送の安全というものに危害を及ぼしているのではないか、こういうようなことに私は解釈したのですが、その点は私は御心配ないと思う。とにかくできるだけの合理化をして、できるだけ人間の手をふやさないでいく。やむを得ない場合においては、国鉄の職員というものをふやさないで、臨時にやらせる。たとえば清掃事業のごとき、全くそうですが。しかし、人件費を減らすために安全を脅かすというようなことは絶対にやっておらぬのであります。また、この輸送の安全というものにつきましては、ことに三河島事件以後、われわれも思い切って政府に予算を要求し、幸いに国会もこれに対しては協力してくれるということで、踏切の問題を初めといたしまして、着々としてやっているつもりでありまして、その点については、御心配のようなことはこれはないと存じております。
○大和与一君 ちょっと、総裁も運輸大臣ももう少し冷静に聞いてもらわぬといかぬですよ。私は、国鉄の出身だからといって、国鉄をかばったり、そんなつもりで言っているんじゃないですよ。もっとほんとうに大事なことを言っているんです。今日の国民感情というものはそんなことじゃない。紫雲丸事件、三河島事件、みんなそうです。その国民感情を私は考えて、ほんとうに国の立場に立って考えなきゃいかぬと言っているんです。何かおかしなムードが出てきておる、ぼくの質問に対して。ぼくはそんな意味で言っているんじゃない。実際に、大臣、おっしゃるけれども、ないじゃないですか。ほんとうに、私がさっき言ったように、たとえば全体的にほんとうに人の命につながるこういう問題を解決しなきゃならぬ、その具体的な施策が今日までないから、国民は非常に憤りを感じておるんです。これは国鉄だけじゃない。政府だけじゃない。それを言っているのに、何かおかしな回答だね。おかしいよ、これは。だから大臣、もう一ぺん聞きますけれども、監査委員会に特別監査を命じたが、ただ今度の鶴見事件のこのワク内のことだけを調べなさいと、こうやってやったのか、どういう指示を、大臣は自分の信念をもってやったか、それをはっきりして下さい。
○国務大臣(綾部健太郎君) 当面の問題については、鶴見の事故に対する問題でやりました。しかし、交通基本問題調査会でその基本問題をやっておる。基本体系をどうするか、大都市の交通をどうするか、交通安全と、その三部会がありまして、おのおの結論が近く得られることになっておりますから、それと対処いたしまして、根本的な問題については、その答申に基づきまして最善の努力をいたしたいと考えております。私は、ただいまおっしゃられましたように、国鉄に対して政府は何もやっていないじゃないかとおっしゃるから、やってないんじゃない、こういうこともやっておりますが、その至らざるを憂えておるということを申し上げたのでありますから、その点、誤解のないように願います。
○大和与一君 最後ですが、なにも全然やってないなんていうことは言っていないんです。どうもその点が違うんですよ、あなたのは。しろうとに答えるのにはそんなことでいいけれども、ぼくなんかにはもっとちゃんと、そんないいかげんなことを言ってもらっちゃいかぬ。あとで続けてやりますからきょうはやめますけれども、それこそ、国民がこれだけ死んで、その憤りというものをもっと感じなきゃいけない。それでは、鶴見のことは今度のことでまかせる、片方は交通基本問題調査会でやっているからいいじゃないか、そんなことじゃないんです。私の言うのは、それが解決すれば、すべてのいままでの問題がほんとうの原因がわかって、それで解決の方向にいくんじゃないか、その努力を強く要望しているんです。そこのところがわかっておらぬ。月並みな話をしていたんじゃ間に合わぬですよ、きょうの話は。
○大倉精一君 これは国鉄総裁にはだいぶ議論があると思うが、きょうはやめますが、あなた、いま非常に重要な発言がありました。公共性と企業性ということに関連いたしまして、企業性を大いに発揮してと、こういう発言があったですね。あなたは経営マンだから、そうなるだろうと思う。そして、いまの国鉄のあり方あるいは性格からいって、政府の方針からいくと、やっぱりそうなると思う。そうなってくると、公共性というものはあと回しになる。私は、官僚仕事が非能率でもっていいということは決して言っておりません。言っておりませんが、民間企業と同じように企業性を発揮してと、こうおっしゃる。そういうぐあいにおっしゃるから、先般もいろいろ発言があったように、急行列車はもうかるからうんと増発するんだというような発言もある。企業性を発揮するということになれば、もうかるところに金を出す、あたりまえです。もうからぬところに金を使わぬ、これはあたりまえです。これは考え方として大きな問題で、将来の問題にしたいと思う。 さらにまた、人件費を減らす、そうして足らぬところは臨時でまかなう。これもたいへんな私の考え方と違う。私は国鉄の職員が、前の十河総裁じゃありませんけれども、レールをまくらに討ち死にするんだという心境になっておる国鉄職員に対して、考え方なり思いやりなり、そういう措置をしなければならぬと思うのですけれども、ふやさぬ。足らぬところは臨時でやる、あるいは資材でまかなう。企業性からいけばそうですね、企業性からいけば。しかし、国鉄はたいへんな人命を扱っておる仕事ですよ、人命を扱っておる。企業の公共性をこれこそ優先的にやらなければならぬ。私はあなたと考えが逆になっておるので、これは議論すれば平行線になると思うのですが、ことに国鉄、国家の鉄道として今日の事業に非常に重大な生命を預かり、さらにまた産業のあるいは経済の成長の動脈をなす国鉄を預かることになる。これは企業性を発揮するかどうか。これは議論はやめます。議論はやめますが、総裁の根本的な考え方といいますか、少しズレがあります。 あとでまたいろいろやりとりをやってみたいと思っておりますが、きょうはこれだけにしておきます。
○中村正雄君 私は、ひとつ石田総裁に国鉄の運営の根本問題について、一つだけ所信をお伺いしたいと思います。今度の鶴見事故については、遭難者の弔慰の問題、慰謝の問題については早急に万全を期してやるという御説明がありまして、ぜひともそうしてもらいたいと思います。また、事故の究明については、調査委員会を設置して早急に結論を出して、再びこのような事故の起きないようにやりたいというお話でありまして、ぜひともこれもお願いいたしたいと思うのです。ただ私は、大臣なり総裁の今度の問題、今後の問題についての報告なり意見を聞いておりますときに、御承知のように戦後このような事故はたびたび起きております。そのつど、私はこの委員会なり本会議で、所轄の大臣なり総裁から同じようなことを何回か聞いて参りました。きょう、総裁なり大臣の言われたことも、速記録を持っておりませんから寸分違わないとは申しませんけれども、過去三回、四回の事故のときの答弁と、また今後の対策についての所信も、何ら私は違わない感じを受けるわけなんです。特に私は、石田さんが就任されたときは、絶対に国鉄に事故を起こさないようにやっていきたいというのが一つの所信表明のときの要素であったと思うのです。それで、今度の事故の原因をどう究明するか、そうしてやっぱり原因をはっきりさして再び起きないようにしたい、これはけっこうです。ぜひともやってもらわなければならないと思いますが、私はもっと根本に国鉄の運営のあり方について考えなければならない点があるのじゃないかというものを感ずるわけなんです。それはやはり先ほどから話のありましたように、輸送の需要は非常に急激にふえてきている、これに応ずるだけの輸送力がない、どうしても輸送力を増強しなければいけない、そこに私は無理ができてきていると思います。また、国鉄の財政の面で、やはり政府自体の国鉄に対する援助等の問題について十分でない、財政的な面からも無理ができてきている。一言で言えば、私は国鉄の運営は、安全とか技術よりも営業が優先しておるのじゃないか。営業と安全というものがバランスをとっていかなければ私は事故の絶滅は期しがたい。今の国鉄の運営を見ていきますと、いろんな事情はありますけれども、営業ということが優先している、そこに私は事故の原因があるのじゃないかと思います。そこに原因を見出すことができる。したがって私は、当面の鶴見の問題も、技術的な面がどうということよりも、国鉄の運営全体についての管理の面その他について、やはりここでもう一度考え直して、過去四回、五回同じことを、事故の起きたときに私は答弁を聞いておるわけですけれども、もうこういう答弁はきょう限りにして、今後はやっぱり目先の問題でなくして、いまおっしゃった国鉄の基本問題、運営の基本方針について、私は、総裁に違う目で、いままでの国鉄人が考えておった考え方と違う、新しい民間人としての考え方から、根本に私は考え直すひとつ準備をしてもらって、抜本的にやってもらいたいということを考えるわけなんですが、これに対して総裁、どうお考えになっておるか、所信を承りたいと思います。
○説明員(石田礼助君) ただいまの御質問は、要するに営業と安全というものの矛盾ということになってくると思いますが、御承知のとおり、国鉄は輸送機関として輸送需要にできるだけ応ずるような輸送をやるということが大きな使命の一つ。しかし、それをやるときには、必ず輸送の安全というものを忘れちゃいかぬ。輸送の安全というものをはずれない範囲において輸送力をふやすということだと存じますが、これはなかなかむずかしい問題でございまして、何もわれわれは安全を犠牲にして急行列車をふやすということは決してやっているわけじゃない。ただ、いかにして投資効果というものを高揚して、そして輸送力をふやすかということは、これは当然のことなんです。それからまた同時に、安全のほうにおいても、われわれとしては十分のことをやっておるつもりなんでありまして、安全を犠牲にして輸送力をふやすというようなことは決してやっておらないのであります。もしもその間にアンバランスがあるとすれば、これは私は非常に間違いだと、今後ともこの点については十分に注意していかなきゃならぬ、こういうことについてはここにお誓いして差しつかえないと思います。
○中村正雄君 私はことばの上で言ってるわけじゃないんです。確かに答弁とし、また、現在やっていらっしゃることは、安全を犠牲にして私は輸送なり営業を重点に置いているとは考えておりません。ただ、運営するときにやはりどこかに目前の需要に追われ、あるいは財政難に追われて安全その他を軽視されているんじゃないかということを、やはりいろいろの面から具体的に見出す場合があるわけなんです。したがって、国会の答弁というようなことでなくて、新たな目から私は今後の事故を絶滅する根本の問題は、やはり営業と安全が矛盾する問題じゃないと思うんです。このバランスを十分考えてもらいたい。しかも私はその場合は、営業よりも安全なり技術の面を重要視し過ぎても間違いじゃないと、こういう気持で考えてもらいたい。こういうことばの問題でなくして、やはり実際個々の場合はいろいろ問題が起きて、それでつじつまは合うと思いますけれども、基本の問題としてお考え願いたいという希望を申し述べて、私は質問を終わります。
○岡三郎君 冒頭に申し上げましたとおりに、非常に緊急な事態で、きょう運輸大臣、国鉄総裁に一通りのことをお尋ねしたわけですが、今後の事態の究明と基本的な問題については、十分時期を得て論議を尽くすことにして、本日はこの際、谷口理事のほうから、本委員会として、これに対処する決議を上げていただきたいと思いますが、これをお取り計らい願いたいと思います。
○委員長(米田正文君) いま岡委員から意見が出されましたが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(米田正文君) その前に、私は、ちょっと委員長として釈明をいたしますが、先ほど浅井、相澤委員から、きょうの委員会の開催については、委員長が積極的にやらなければいかぬじゃないかという御趣旨の点がありましたが、これは実は、私は一昨日九州でこの事故のあったことを知りまして、これは非常に重大な事故であるから、委員会を開催して対策を協議する必要があると存じましたので、実は、きのう急遽帰ってまいったような次第です。 そこで、こちらに帰りまして、委員部に状況を聞いてみましたら、岡理事から、社会党としての申し入れがあったということで、たまたま一致をいたしたのでございますから、御了承をお願いいたします。 それでは谷口君。
○谷口慶吉君 私は、本委員会の総意として、ただいまから決議案を朗読いたしますので、委員全員の御賛成をお願い申し上げます。 決 議 案 今回、鶴見事故の発生をみたことは甚だ遺憾である。政府及び国鉄当局は、速かに本事故の原因を徹底的に究明し、将来かかる事故の発生の絶滅を期するよう努力すべきである。 なお、本事故による遭難者に対しては衷心よりお悔みとお見舞を申し上げるとともに、これらの方々に対する弔慰及び慰謝について政府及び国鉄当局は万全を期すべきである。 右決議する。
○委員長(米田正文君) ただいま谷口君から御提案のありました案文のとおり、本委員会の決議とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(米田正文君) 御異議ないと認めて、さよう決定いたします。 なお、関係当局に対する伝達等の手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じます。 ただいまの決議に対し、運輸大臣及び国鉄総裁から発言を求められましたので、これを許可します。運輸大臣。
○国務大臣(綾部健太郎君) ただいまの決議に対しましては、政府といたしましても、御趣旨の存するところに従いまして、誠意をもって措置してまいる所存でございます。この上とも各位の御支援を得たいと思います。
○委員長(米田正文君) 国鉄総裁。
○説明員(石田礼助君) ただいま運輸大臣が申し上げたと同様に、国鉄といたしましても、真に誠意をもってこの問題の実行に当たりたいと存じます。
○岡三郎君 それで、今朝の委員長理事打ち合わせ会において、本委員会が終了直後、委員派遣という形は、現在議長もおりませんし、議運全体としての理事会等も間に合いかねている現状でございますので、従前の例に従って、委員会自体として、現地の調査をせられることをここにお願いしたいと思います。
○委員長(米田正文君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(米田正文君) 速記を始めて。 それでは、本件につきましては、本日はこの程度にいたし、午後から現地を視察いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(米田正文君) 御異議ないと認めます。 それでは直ちに正面玄関を出発することにいたします。 これにて委員会を散会いたします。 午後一時九分散会