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43回国会参議院1963/03/26

予算委員会第四分科会 第2号

発言数
171
登壇者
20
会派数
4
開催日
1963/03/26

会議録

小平芳平公明会

○主査(小平芳平君) ただいまから予算委員会第四分科会を開会いたします。  分科担当委員に変更がございましたので御報告申し上げます。  昨二十五日、鈴木強君、成瀬幡治君が辞任され、その補欠として林虎雄君、藤田藤太郎君が選任されました。

小平芳平公明会

○主査(小平芳平君) 昭和三十八年度総予算中厚生省所管を議題といたします。  まず政府より説明を求めます。渡海政務次官。

渡海元三郎自由民主党厚生政務次官

○政府委員(渡海元三郎君) 昭和三十八年度厚生省所管一般会計及び特別会計予算案の概要について、御説明申し上げます。  厚生行政につきましては、日ごろ各位の御協力をいただき、逐年予算の増額を見、厚生行政の進展がはかられつつありますことはまことに喜ばしいことでありまして、この際あらためて厚く御礼を申し上げたいと存じます。  さて、昭和三十八年度厚生省所管一般会計予算における総額は、三千三百十三億八百九十六万七千円でありまして、これを第一次補正後の昭和三十七年度予算二千七吾四十一億五千九百五十七万四千円に比較いたしますと、五百七十一億四千九百三十九万三千円の増加と相なり、前年度予算に対し二〇・八%の増加率を示しており、また、国家予算総額に対する厚生省予算の比率は、一一・六%と相なっております。  以下、特に重要な事項について、その概要を御説明申し上げます。  まず、第一は、生活保護費関係の経費であります。生活扶助費につきましては、その基準額を前年度当初予算に比して一七%引き上げることといたしております。また、教育扶助費につきましても所要の改訂を行なうとともに、勤労控除につきましては、基礎控除、新規就労控除について所要の改善を行なうほか、新たに未成年者勤労控除を創設いたしました。  このほか、保護施設職員の待遇改善を行なうなど、生活保護費として総額七百二十二億六千八百余万円を計上いたしており、前年度予算に比し百十億三千六百余万円の増額となっております。  第二は、社会福祉費関係の経費であります。  まず、児童保護費でありますが、保育所及び収容施設職員の待遇の改善をはかるため、保育所職員給与の級地別格差を改善いたしますほかに、全体につき給与領を平均約八%引き上げるとともに、収容施設等の飲食物費、日常諸費を改善するほか、新たに就職支度金を計上いたしております。  また、新たに重症心身障害児施設整備費及び児童館の設置、運営費についても補助を行なうとともに、妊娠中毒症対策として所要の医療費を計上するなと、児童保護費として百八十五億三千二百余万円を計上いたしております。  次に、老人福祉費でありますが、新たに特別養護老人ホームの設置費等に対して補助するなど、各種福祉施設の整備充実をはかるとともに、健康診断費補助金等を計上するなど四十七億七千四百余万円を計上いたしております。  また、低所得層対策として世帯更生資金及び母子福祉資金をそれぞれ増額するとともに、その内容の改善をはかっております。  このほか、老朽民間社会福祉施設の整備費補助金として新たに二億三千四百余万円を計上するとともに、身体障害者保護費及び精神薄弱者援護費をそれぞれ増額するなど、社会福祉費として総額三百二億四千二百余万円を計上いたしており、前年度予算に比し六十五億七千五百余万円の増額となっております。  第三は、社会保険費関係の経費であります。  先ず、国民健康保険助成費についてでありますが、世帯主の一般疾病に対する給付率を十月から七割に引き上げることとし、その引き上げた部分について四分の三相当額を国庫より助成することといたしており、このため三十九億四千五百余万円を計上いたしております。また、低所得被保険者について保険税を減税するため四十一億八千七百余万円を計上するなど、国民健康保険助成費として六百六十五億三千二月余万円を計上いたしております。  次に、社会保険国庫負担金でありますが、厚生保険特別会計及び船員保険特別会計への繰入金として百十八億五千九百余万円を計上するなど、社会保険費として総額七百九十四億八千余万円を計上いたしており、前年度予算に比し百二十九億一千四百余万円の増額となっております。  第四は、保健衛生対策費関係の経費であります。  まず、結核及び精神衛生対策でありますが、命令入所及び措置入院の対策をさらに強力に推進するため、結核医療費として二百二十六億五千三百余万円、精神衛生費として百十億三千余万円、計三百三十六億八千四百余万円を計上しており、前年度予算に比し百六億四千八百余万円の増額となっております。  このほか、保健衛生諸費として五十八億二千五百余万円、原爆障害対策費として十一億二百余万円、らい予防対策費として一億六千百余万円、また、国立療養所に必要な経費として二百三十一億二千三百余万円をそれぞれ計上するなど、保健衛生対策費として総額六百七十二億七千五百余万円を計上いたしており、前年度予算に比し百四十三億四千四百余万円の増額となっております。  第五は、恩給関係費のうちの遺族及び留守家族等援慶賀であります。  まず、戦傷病者戦没者遺族等援護費うち、遺族年金及び障害年金等についてでありますが、新しい施策として、準軍属の処遇改善、特殊勤務の満鉄職員等の処遇改善、非戦地勤務有給軍属の処遇改善及び特例年金支給要件の緩和等を行なうものとし、必要な経費九十億二千三百余万円を計上するとともに、留守家族等援護費として六億三千二百余万円、未帰還者特別措置費として九千余万円を計上するなど、遺族及び留守家族等援護費として総額九十七億四千七百余万円を計上いたしており、前年度予算に比し八億五千三百余万円の増額となっております。  第六は、公共事業関係費のうちの環境衛生対策費であります。  明るい生活環境を実現するため特に環境衛生施設の整備をさらに強力に推進することとし、昭和三十八年度を初年度とする緊急整備五カ年計画を樹立することとしたのでありますが、これに基づいて、清掃施設整備費補助金については、前年度予算の約二倍に当たる二十一億八千余万円、下水道終末処理施設整備費補助金については約四割増の十七億九千四百余万円を計上いたした次第であります。  また、簡易水道等施設費補助金として十六億六千百余万円を計上するなど、環境衛生対策費として総額五十六億三千九百余万円を計上いたしており、前年度予算に比し十八億六千四百余万円の増額となっております。  以上申し述べました主要事項に関する予算以外に、所管予算といたしまして総額五十九億三千六百余万円を計上しておるのでありますが、特に麻薬対策につきましては、その取締対策、中毒者保護対策について画期的にこれを強化することとして、前年度予算の約四倍に当たる六億三千二百余万円を計上いたしております。  なお、結核の医療基準の大幅な改訂を本年四月から実施するものとして、所要の国庫負担増加分十六億五千九百余万円、また、社会保険診療報酬の地域差撤廃を九月より実施するものとして、これに必要な経費三十八億二千二百余万円がそれぞれ各事項の中に計上されております。  以上、昭和三十八年度厚生省所管一般会計予算について、その概要を御説明申し上げたのであります。  次に、昭和三十八年度厚生省所管特別会計予算の大要について御説明申し上げます。  まず第一は、厚生保険特別会計についてでありますが、一般会計より百十二億三千三百八十二万九千円の繰り入れを見込みまして、各勘定の歳入歳出予算をそれぞれ計上いたしております。  第二は、国民年金特別会計についてでありますが、一般会計より五百九十二億七千万五千円の繰り入れを見込みまして、各勘定の歳入歳出予算をそれぞれ計上いたしましたが、福祉年金につきましては、老齢、障害及び母子等の各福祉年金の支給額をそれぞれ九月より引き上げることとし、また、本人及び扶養義務者の所得制限緩和をそれぞれ九月より、母子加算の条件緩和を五月より実施するなど、国民年金国庫負担金として、前年度予算に比し八十一億二千八百余万円の増額となっております。  第三は、船員保険特別会計についてであります。  船賃保険特別会計につきましては、六億二千五百九十七万一千円の一般会計よりの繰り入れを行ない、歳入百四十四億七千八百十万八千円、歳出百七億二千六百九十一万五千円を計上いたしております。  第四は、国立病院特別会計についてでありますが、一般会計より二十七億七百七十万六千円の繰り入れを見込みまして、歳入歳出とも二百十一億六千九百二十三万円を計上いたしております。  最後に、あへん特別会計についてでありますが、歳入歳出とも四億四千九百八十五万六千円を計上いたしております。  以上、昭和三十八年度の厚生省所管一般会計及び各特別会計の予算案につきまして、その概要を御説明申し上げたのでありますが、何とぞ本予算案の成立につきましては、格別の御協力をお願いいたす次第であります。

小平芳平公明会

○主査(小平芳平君) ただいまの説明に対し質疑のある方は、順次御発言を願います。  この際お諮りいたします。林塩君から委員外議員として発言したい旨の申し出があります。これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小平芳平公明会

○主査(小平芳平君) 御異議ないと認めます。林塩君。

林塩第二院クラブ

○委員以外の議員(林塩君) 最初に私は、厚生省の予算に対しましての中で国立病院並びに国立療養所の中の看護婦あるいは准看護婦の夜勤手当の問題について質問したいと思います。また、あとでそれに関します要望等も出したいと思うわけであります。  まず、国立病院並びに国立療養所の看護婦の人数が七千幾らございますが、それに対しまして病床はふえますし、そこへもって参りまして定員を埋めることがなかなかできないというような状況がございます。なぜそれならば看護婦が不足しているか、看護婦が不足しますことによって患者に不安をかもし、また、経営上の非常に困難も来たしているというようなことがございますので、どうしても看護婦の状態をよくしなければならないということがいろいろ考えられるわけでございますが、中でも、なぜそれならば看護婦があるいは准看護婦が定員を埋めることができないでいるかという状態を調べてみますと、最もつらいのは夜勤だということでございます。もちろん夜勤というのは何といっても普通人並みの生活をしていないということになりますので、勤務が非常にきつい上に、また状態がたいへんに悪い、環境が悪いところでする夜勤というのは、もう人並み以上なつらさがあるわけでございます。そういうような状態で近ごろは夜勤を拒否する人がたくさんにできて参りました。突然に夜勤がいやになったとかなんとかというようなことも申し出がありますが、調べてみますと、やはり健康上の問題もあるというような、いろいろな事情によりまして国立病院並びに国立療養所におきましては看護の運営上非常に困っているという状態はお聞き及びだと思うのでございますが、こういうことに対しまして、厚生省としまして、予算の中で少しは夜勤の手当を増額してやろうとか、あるいはなんとかというような処置が今年度においてなされておりますかどうか、それについて伺ってみたいと思います。

鈴村信吾厚生省医務局次長

○政府委員(鈴村信吾君) ただいま看護婦、准看護婦等の夜勤手当について、三十八年度予算において増額等の措置がとられているかという御質問でございますが、今お話もございましたように、夜勤の問題が非常に看護婦さん方にとりましては重大な問題でございまして、われわれも数年来夜勤手当の増額ということについて非常に努力をいたしておるわけであります。ところが、現在夜勤手当の率といいますのは、一般職の職員の給与表によりまして一律に百分の二十五というふうにきめられておるわけでありまして、これを法律ではっきり率がきめられておりますので、この法律を改正いたさない限りは夜勤手当の増額を特に看護婦だけにするということはできないわけでありまして、われわれも遺憾ながら今のところ、この法律が改正されるまでは、今の百分の二十五という率でいかざるを得ないということになるわけでございます。したがいまして、特に法律改正のない限りは夜勤手当の増額の処置はできない、こういう現状になっております。

林塩第二院クラブ

○委員以外の議員(林塩君) そういたしますと、これは私言い間違いましたが、予算は来年度でございますから三十八年度、その夜勤手当の増額は三十九年にならなければこれは実施できないわけですか。そういうことになるわけでございましょうか。

鈴村信吾厚生省医務局次長

○政府委員(鈴村信吾君) 三十九年度におきまして今の一般職職員の給与法の一部改正等が行なわれまして、百分の二十五という率が法律で変更されませんと、それに伴う増額分を予算に組むことは理論上できないと、こういう建前になっておるわけでございます。

林塩第二院クラブ

○委員以外の議員(林塩君) そういたしますと、厚生省としては看護婦の数の問題、准看護婦の数の問題というようなことが療養中の患者さんにとって非常に大事なことであるということはいろいろ言われておるのにもかかわらず、こういう非常に大事な点で来年度の予算には何の処置もしていなかったということになるわけでございますが、これについて何かほかに対策がございますかどうか。たくさんそういう要望があっておりますのにもかかわらず、将来年にならなければその問題が解決しないということになりますと、来年三十八年度にはいろいろ支障が起こって病院運営の上からも、また、患者の療養の上からも問題が起こってくると思うのでございますが、これについてそういう場合がありました場合にどうするかというような、何か対策でもございましたら承りたいと思います。

鈴村信吾厚生省医務局次長

○政府委員(鈴村信吾君) 夜勤手当の増額の問題につきましては、この二、三年来毎度のごとく人事院当局に対しましてもこの増額方を働きかけております。人事院当局でもある程度検討はされておるようでありますが、何分にもこの問題が法律改正を要する問題であるということと、一般的に夜勤手当の率を変えるということが他にいろいろな影響を及ぼす可能性があるというようなことから、非常に慎重な態度をとっておるようであります。しかしながら、われわれは看護婦にとりまして、特に労働基準法上深夜業というものを禁止されておる女子労務者である看護婦にとってこの問題が非常に重要な問題である。また、労働基準法の禁止の原則等にもかんがみまして、ぜひこれは深夜業を行なわした場合には一般のものよりも高率の夜勤手当が支給さるべきではないかということで、強く人事院にも働きかけておるわけであります。遺憾ながら今までのところ、まだ実現いたしておりませんが、今後さらにこの努力を続けて参りまして、もし可能であれば、三十九年度以降夜勤手当の増額というようなことができるように法律改正等の働きかけもいたしたいというふうに考えておる次第であります。

林塩第二院クラブ

○委員以外の議員(林塩君) 働きかけはずいぶんしていただいているようでございますけれども、一向にそれが実現しないというところに私たち、また、患者の側からとってみましても、一般の国民の要望から考えてみましてもどうもなまぬるいように思います。それで法律改正をするならば、そういうことが、予算がとれるということになりますれば、三十八年度において、そういう補正予算を組むなりあるいはまた、何々する措置があるならば、法律改正が先ということになれば、その法律改正に向かって集中をしていただきたいと思うわけでございますが、しかし、今おっしゃいました労働基準法によりますと、女子の深夜業は禁止されております。御存じのように禁止されております。にもかかわらず、特別をもってしているのが看護婦、それから准看護婦でありますが、この数は非常に多いわけでございます。それからまた、労働基準法というものは労働者の健康を守るということのためにありますのに、何ゆえにこの看護婦と准看護婦だけ、そういう女子労働者が抜けているかということについて、これも私は疑問を持つものでございますが、当時これが制定されましたときに、たしか看護婦と准看護婦という名前はともかくといたしまして、看護労働者というのは、これは非常に別個のように考えられていたように思います。それで夜は寝ているのじゃないかというような考えがあったようでございます。また、ひどいのになりますと、こういうふうに労働基準法できめられたという話も聞いております。国立病院並びに国立療養所の定員の問題はそれと関係するわけでございますけれども、八時間勤務というのが大体労働基準法によってきめられておるものでございますが、看護婦の場合は九時間もしてよろしいというものが流されているわけでございますね。それで特別の場合は九時間も許容してもよろしいという特別条項の中に看護婦が入っております。なぜそういうふうになったかということでありますが、看護婦の仕事は楽な仕事で、それで、まあ手術とかあるいは出産、外傷などがあった場合には、これは忙しいだろうけれども、その他の場合はぶらぶら寝ているのじゃないかというような考え方があったようでございます。それで、当時労働基準法がきめられますときに、看護業務そのものの内容を知らない人たちがこれをきめたように私どもは思うのでございますが、現在の病院の勤務状態をずっと調べてみますと、そういうふうにぶらぶらとしていたり、それからまた寝ていたりしてできる仕事ではないことはもうすでに周知のことでございます。ことに夜勤になりますと、夜勤の場合には重症者が非常に多くなる、それから手術のあとのいろいろなことも、夜になりますと突然に悪化することが多い。それから全国的の統計を見ましても、夜のお産が多いわけです。それからまた、都市でございますと、いろんな外傷事故でもってかつぎ込まれる人が多いというようなことで、それからその上になお死亡は夜のほうが多うございます。昼と夜と比べてみますれば、昼も忙しいのでございますが、夜がもっと忙しいというような病院の状態でございます。でありますので、そういう忙しい夜の仕事の上に、禁止されておりますところの深夜勤をやっている、この状態に対して法があるから、その法が左右しているのであるからやむを得ない、やむを得ないというだけでは私はどうも納得ができません。それからこういうところに非常に不満が起こってきておりますということでございます。でありますので、ぜひとも来年度、三十八年度におきまして何らかの方法で、そしてもし夜勤手当として正当につけることができません場合には、予算の中からどこかで、これは、看護婦の状況はそういう状況であるから特に、というふうなお計らいでもできますかということでございます。  それからまた、法律改正があるならば、さっそくできるということでありますれば、来年度に間に合うように法律改正、これは給与法の十八条でございますか、深夜勤をいたしましたときには百分の二十五となっておりますのを、率を上げるような法律改正に向かって御当局は努力を積極的にしていただきます意思がありますかどうか。そういう状態を申し上げて、もう一度御当局のそれに対しまする対策あるいは御意見を伺いたいと思います。

渡海元三郎自由民主党厚生政務次官

○政府委員(渡海元三郎君) 看護婦対策は、数の確保等におきましても非常に重要な現下の状態でございまして、私たち予算編成並びに来年度の施策に対しましても重点事項の一つとしてこれと取っ組んで参ったのでございますが、残念ながら十分にまだ満足のところまで参りませなんだのを非常に遺憾に思っているような次第でございます。しかしながら、特に厚生省といたしましても、看護課を新設いたしてこれと取り組みたい、かように考えております。また、就学資金の貸与制度を予算面で拡充していただき、また、看護婦養成の施設に対する国庫補助を新しい養成所の増設あるいは備品費に対する補助等を入れまして、その拡充をはかってきたというふうなことでございます。また、看護婦の現在の制度につきましても慎重に考えていきたいと、かように考えております。このようないろいろな方策をなし、その中でも今必要なものは今、林委員御指摘の、労働条件を十分に行なうということであることはもとよりでございます。特にこの労働条件の中で、女子の勤務者として特殊な状態にあります夜間勤務というものに対する十分なる配慮を加えなければならないということは私たちも十分承知いたしておりまして、この面に対する働きかけは従来ともいたして参りました。今回もいたしたそうでございますが、何分にも公務員給与は、人事院勧告等に基づいて政府といたしましてはやっております。三十八年度においてこれが実現を見ませなんだことはまことに申しわけないのでございますが、私たちはまた近く六月か七月に人事院勧告が行なわれるのではなかろうかと思います。この際には、ぜひともこれの実現をはかるよう努力をいたしたいと思っております。なお、本件につきましては、本年度も重点施策といたしまして看護婦の拡充につきまして全般にわたりまして検討を加えて参りましたが、予算に盛られたようなものでございますが、幸い先般医療制度調査会におきまして、これに対する施策の方向というものも御指示賜わりましたので、これをあわせまして、心を新たにして私たちは、看護婦制度の拡充に取り組んでいきたいと思っております。その一環として、今御指摘になりました、看護婦の夜間勤務に対する労働条件の緩和等につきましては、できるだけの手を尽くしまして、ぜひ御要望の実現のために努力いたしたい覚悟でございますので、よろしく御了承を賜わりたいと思います。なお、三十八年度において予算化されておらない、法律化されていない、法律が改正されてないために何かほかにやるべき手があるかということでございますが、給与面におきまして私たちは、現在の予算が法律面からながめまして、これに対しまして確たる答弁を申し上げることはできないのでございますが、勤務状態ができるだけ疲労に及ばないように十分なる手を加えまして、給与にかわる面におきましても、できるだけ運用の面においてなにするよう、病院管理上におきまして格段の努力をはかるように、各国立病院、療養所等に対しましては指示いたしたい考えでございますので、今後の努力を御期待賜わりまして、何とぞ御協力賜わりたいと思います。

林塩第二院クラブ

○委員以外の議員(林塩君) 次官がそうおっしゃっていただきましたので了承はいたします。それからまた、今言われましたが、厚生省におきましては、来年度におきましては、従来にない画期的ないろいろな施策もしていただいて、看護課の開設についても非常に御努力をしていただきました。それからまた、看護の行政面についても格別の力を尽くしていただき、また、この面への御理解というのもあって、徐徐にできていくこととは思いますので、非常に私はそれに期待をかけているわけでございます。でありますが、今申し上げましたように、この夜勤の問題というのは今日に迫っている問題でございまして、再来年というふうに待てないわけでございます。でありますので、何とかその辺のことを、再来年と待っておりますと、一年は経過してしまいます。一年経過する間には看護陣営から出ていく人がたくさん出てくるということでございます。今おっしゃいましたように、病院管理の面とか、それからできるだけ健康上よけいな負担にならないように、また、いい条件を作るということで努力をするとおっしゃっておりますので、それについて私はそうしていただきたいと思うものでございますが、現状はそういうふうな、しますというようなことで済まされない状態が来ているということを私はひしひしと感じますので、積極的なそして非常に大幅な御努力をお願いしたいと思うわけでございます。  今の労働条件の問題でございますが、数が少ないために非常に労働量がふえているということは当然でございます。それならばどうして労働条件をよくしていくかということになりますと、こういう面にも現われてきていることがありますので、よほど御注意していただきたいと思うわけでございます。大体四十四時間というのが国家公務員の勤務時間でございます。四十八時間というのは特別訓令第一号によりまして、看護関係だけが四十八時間というふうにきめられております。ところが、同じ国家公務員でありながら、しかも同じ施設に働く者でありながら、なぜ看護婦だけが四十八時間でなくてはならないだろうかという疑問が生じまして、四十四時間制になったことはなったのでございます。これは三十六年でございますか、なりましたわけでありますけれども、定員も少しは増加されたようでございますけれども、施設の状態はよくなりませず、ただそのままでこの四十四時間制に切りかえられましたために、かえって労働条件が悪くなっているというのが現状でございます。それで積極的に時間だけはそういうふうに切りかえられましたけれども、内容が伴わないために、表面上は四十四時間になりましたが、内容自体は同じでございます。勢い患者さんのほうに不満を来たし、同時に、看護婦みずからの労働力も強化されているというのが、現状でありますこともよく知っていただきまして、ただ、したいしたいというふうにおっしゃいますが、いつからそれではそういうことになるかといいますと、やはり具体的に、これをこうしてこうするとこうなるという対策をぜひお立ていただきたいと考えるわけでございます。  夜勤の問題で、しつこいようでございますが、夜勤の問題にいたしましても、これは法改正が必要であるとするならば、給与法の十八条でございますか、百分の二十五となっております。これは百分の二十五になっておりますのは男子の場合でございます。女子の深夜作業は禁止されておりますのに、それに同じような比率で、それでいいだろうかというと、禁止されていて、しかも非常に重労働になっておりますところのこの夜勤に、人事院勧告によってなされるとおっしゃいますから、人事院のほうにも一応そういうことを申し出なければならないと思うのではございますけれども、厚生省当局がやはりその辺に気をつけていただきまして、こういう状態をよくしますために、夜勤の状態からでもとにかく取り組んで、きめこまかく、そして逐次少しずつでも状態を改善していくという御努力をぜひお願いしたいと思うわけでございます。そうするのでございませねば、来年度やります。再来年度やりますと言っています間に、やはりこの看護陣営からたくさんの人が出かけていきます。それは厚生省の看護課を設置しまして、看護行政を制度化、適正化させることも大事なことでもございます。それからまた、いろいろ病院の状態の改善も必要でございます。しかし、待てない事情があるわけでございますので、せめてこういうことを厚生当局としては、そのつらい、そして非常に不平等であるところの女子の深夜作業に対しては、こういうような手を打っておる、そして近い将来にこういう見込みがあるというような積極的な御態度をぜひとも立てていただきませんと、来年度におきまして、ずいぶんだくさんの人があるいは看護陣営から去っていくと思うのでございます。そういう訴えが非常にたくさんあるのでございますので、実情はそういうことだということをよくお察し願いまして、これは私のほんとうに切なる要望でございますが、どうぞ夜勤手当の増額からスタートしていただきますように、来年度におきまして、その法改正がなければできないと、冷たくあっさりと、そういうふうにお役所的に解決なさらないで、何らかできる方法がございましたら、その中で何か名目がつくようなことがございましたら、ぜひ、その状態がわかるから、わかっているから厚生省としてはこういう手を尽くしているというような私は御指導なり、それから御対策なりを立てていただきたいと思いますので、要望をいたしまして、私これで質問をやめたいと思います。

渡海元三郎自由民主党厚生政務次官

○政府委員(渡海元三郎君) 労働条件が悪いために人員を確保することができない。ところが、看護というものは一日もゆるがせにすることができないものでございますから、少ない人員でこれを実施することになれば、より以上の過酷な労働条件になっていく。この悪循環が繰り返されるということは今御指摘になられたとおりでございまして、私たちはこの面につきましては、深い注意をもってこれをやっていくのでなければならぬと思います。今の御要望の線に沿いまして私たちも努力いたしたいと思います。  なお、法改正がなければできぬという意味でお言葉がございましたが、法改正をするように私たち今後とも御要望の線に沿いまして努力をさせていただくということをこの席上でお約束しまして、御了承を賜わりたいと思います。

林塩第二院クラブ

○委員以外の議員(林塩君) 要望を打ち切りますと申し上げましたが、言い忘れたことがございますので、もう一項目つけ加えさしていただきます。  大体において看護婦の給与が低いということは、これはもう当局もよく御存じのことでございます。何しろ数がたくさんでございますので、予算の上から考えてみまして、どうしてもそこにしわ寄せがくるということはわかるのでございますが、あまりにもそれが格差があり過ぎる。他の医療従事者も一般に低いのでございますけれども、その中で特に重要だと考えられておりますところのこの看護関係者、医療職日表でございますが、医療職(三)表そのものの矛盾であるということでございます。で、この医療職(三)表につきまして何らかの手直しがされるような御意向がありますかどうか。一応、簡単でけっこうでございますから、御意見を伺いたいと思います。

鈴村信吾厚生省医務局次長

○政府委員(鈴村信吾君) 医療職(三)表の改正、これは権限は人事院のほうにあるわけでございますが、われわれも、ここ数年来、特に看護婦、准看護婦の給与の改善につきましては、いろいろ人事院に意見を申し述べております。特に、准看の方々の今の医療職日表の四等級に限定されているというような不満とか、いろいろあるわけでございますけれども、これは一つは免許の問題にもからんでおりますので、なかなか簡単には解決ができないという事情もあるわけでございます。しかしながら、全体として、とにかく給与改善をしなければならないということで、特にこの一、二年以来比較的有利に医療職日表については改善がされて一おるのではないか。御承知のように、民間の給与と比べまして、看護婦につきましては、国家公務員のほうが高いという現実があるわけでございますが、にもかかわらず、ここのところ毎年、他の公務員と同様な率の改訂が行なわれておりまして、相当改善されつつあるという状況であります。特にまあ医療日の一等級であります総婦長の給与につきましては最高金額もかなり上がって参りまして、われわれも不十分ではあるけれども、二、三年前に比べますと相当よくなっているというふうに考えております。今後ともできるだけこの日表の改正については努力したいと思っております。それからたとえば准看から進学された者で正看護婦になられたというふうな方と、最初から正看護婦であった者との均衡の問題もあるわけでございますが、こういう問題につきましてもわれわれできるだけその間の調整をはかっていきたいというふうに考えておりまして、今後ともその面の最善の努力をいたすつもりでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 ちょっと関連して。私は今、林さんが看護婦の不足の問題、給与の問題に触れられておるわけですけれども、先ほどから議論されている看護婦さん自身の待遇が悪いということ、そして仕事は非常に深刻だということ、そこで、資格を持っていても看護婦の業務につかない人々がだんだんふえてきて看護婦の不足という問題が起きてきております。さらに私はもう一つあるのではないかと思うのです。それは何かというと、私はやはり看護婦自身の人格尊重だと思うのです。人権を尊重するということが看護婦に対して足らぬのではないか。たとえば看護婦、准看護婦、お手伝いというような三段階で医療業務に担当させている。出発は徒弟のような格好から出発している人が多数おいでになる。そして正式な看護婦コースを通らなければ、終生准看護婦というようなワクの中に同じ業務をさせながら置いておる。こういうところに、私は看護婦問題の問題があるのじゃないかと常日ごろ考えておるわけです。ですから給与を改善をして働きやすい職場にする。そして大いに国民の健康保持のために貢献していただくということをどうしてもやろうとすれば、一つは給与の改善をしなければならぬ。今公務員のほうの議論がされておりますけれども、民間になった看護婦さんの、医療担当者の給与なんかになると、私は非常なものだと思うのです。ここでもう長く議論はいたしませんけれども、私はやはり看護婦さん、婦人の人格を尊重する、そういう中で健康保持のために看護を通じて社会に貢献していただくという私はこの一面をどうももう一つないがしろにしておられるような点があるのじゃないか、こう思うのです。ですから私は、今の超過勤務の二割五分、これは基準法できまっているわけですけれども、こんな恥かしいことをやっているのは世界じゆうにないわけで、オーバー労働に対して五割以下というのはどこもないのでありますから、これは大いに変えなければならぬ問題ですから、これはオーバー労働をやらなければ養べられないというところに基準が置かれるのには問題があると思う。要員の確保をして、そうしてオーバー労働はできるだけしなくても生活ができるようにやはり配慮をしていく、ここへあわせて人権尊重、看護婦さん自身の人権尊重という問題を大いにひとつ厚生省もこれから勉強をして考えていただかないと、正看護婦、准看護婦、お手伝い、最近では、熊本県看護婦か鹿児島県看護婦というような格好でお手伝い養成をして、そういう看護婦さんがお手伝いとの中間にできつつあるというような話を聞くと、なおさらどうも医療業務を担当されている問題として、看護婦さんの今度は四段階になる、地域によると。そんなことではなおさらじゃないかと、私はそう思いますので、ことしはひとつ大いに厚生省勉強していただいて、この問題を給与の面から明るい職場の中で働けという条件、それはやはり人権尊重という問題、国家公務員、国営の関係以外に民間のところにもそれがにじみ出るような方策をひとつ研究してもらいたい。私はまあ聞いておりましてそういう感じを持ったのでありますが、その点もひとつ厚生省はことしはやっていただきたい、お願いしたい。まあ基準法その他の関係、オーバー・タイム関係といたしましては、労働行政で明らかに変えていかなければどうにもならぬところにきていることは私も林さんに同感であります。これは厚生省もがんばってもらう、われわれも労働行政の中で基準法の改正をもっていく、こういう格好でなかろうか、私はそう思います。

林塩第二院クラブ

○委員以外の議員(林塩君) 私からもどうぞよろしくお願いをしたいと要望いたします。

渡海元三郎自由民主党厚生政務次官

○政府委員(渡海元三郎君) ただいまの、労働条件とともに人権尊重と申しますか、看護婦に対する身分的な確保をはかれということでございますが、ごもっともでございまして、看護婦の制度の改正ということにつきましても、私たちは今国会でこれを提案して御審議を仰ぐような段階にまでしたい、研究も重ねてきたのでございまして、幸い医療制度調査会におきまして検討をしていただいておりまして、先般これの御答申もありましたので、この御答申をよく尊重さしていただきまして、ぜひとも制度の問題につきましても検討を重ね、できるだけ早い機会にこれらの制度改正も行ないたいと考えておりますので、ただいま藤田先生御指摘の線に向かいまして、厚生省といたしましても鋭意研究し、努力をいたしたいと思っておりますので、御了承をいただきたいと思います。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 保険局長がお急ぎのようですから、保険局長に私はこの際質問をしておきたい。国保の関係は法律も出ておることですから、そこで議論をいたしますが、先日の新聞に、二、三日前の新聞だと思う、健康保険の給付額がだいぶふえたので料金も千分の六十三になっているやつを上げる方法ですね。そういうものか、その他の方法を講じなきゃならぬというお話が出ているのです。私はどうも了解がしがたいのでありまして、健康保険の政府管掌の給付額が要ったのは、健康保持のために支出が多くなったのだと思う。本来の姿からいえば、私はそういうときに国が負担をして、国がまずこれだけ出しますと、だから保険者も、要するに被保険者も協力して下さいという言い方ならば幾らかまた話の筋も通ってくるのですけれども、少しどうも給付が多くなると、今度は料金改訂、取るものだけを先にアドバルーンを新聞であげるというような形は、私はけしからぬと思うのです。これは歴史を振りかえってみなければいかぬのでありますけれども、政府管掌の健康保険が赤字になる。そうして一部負担をやるときに非常にもめました、私もけしからぬと言って反対した一人であります。当時政府の約束は三十億ずつ政府管掌の健康保険に支出する、そうして合わせて保険財政の健全化のために尽くすと言われたところが、少し財政が何というのですか、とんとんといいますか、少し黒字の方向をいくと、三十億の支出は一ぺんに打ち切って五億にした。これは五年ぐらいかかっているわけですから、これは国民が政府に貸し分というか、三十億円ならば百五十億という金、国民の側から貸してあるわけですね。被保険者側というか、健康保険側からいえば、国に貸してある。この問題にちっとも触れないで、そうしで、保険料の改訂云々というようなところから出発して、国民の関心が薄れているときに、そういうアドバルーンをあげるとは、私はけしからぬ話だと思いながら新聞を読んでおったわけです。まさか厚生省の保険局長はこういう考え方ではなかろうと思うけれども、しかし、火のないところに煙は立たぬといいますか、そういうところでああいうものが新聞で出てくることはまことにもって私は了解がしにくい。名保険局長のときにこういうことが出てくるとは、これはどうだと私はそう感じておるのです。だから最近の推移をひとつ報告をしていただいて、そうして厚生省の考え方をお聞きしたい。

小山進次郎厚生省保険局長

○政府委員(小山進次郎君) 問題は政府管掌健康保険の収支及び収支と関連してどういうふうなことを考えなくちゃならぬかという問題でございますので、多少しゃちほこばって申し上げますと、これは社会保険庁の所管になりますけれども、便宜私かわって申さしていただきます。ただいま先生仰せのとおり、数日前の新聞に出だわけでございますが、書いてありまする事実そのものは私もかねてから承知しております事実で間違いはないようでございますが、どう本問題の取り上げ方といいますか、それには先生おっしゃるように私もやや片寄りを感じた気持で見ておったわけでございます。ただいま経緯を申すようにというお話でございますので、経緯を申しますと、今年度の当初に予算を組みます場合に、一応予備費を四十九億見た予算を組んでおったわけでございます。したがって、そのときの考えといたしましては予備費四十九億を見ておけば、多少支出がふえるということがあるとしても、大体それでまかなえるだろうという期待を、制度の運営を担当している者としては持っておったのでございます。ただし、ここには一つ条件があるわけでありまして、この予備費の四十九億を見て前提として収入のほうで積立金から二十億だけ取りくずすことを当初の計画においてすでに予定をしておったのでございます。その年度の収入でありまするところの保険料収入と、その年度の支出である医療給付費とかあるいは傷病手当金等の現金給付費を比べます場合に、どうもひょっとすると足りなくなる可能性があるというので、そのときまでにたくわえられておりました、三十六年度の末で二百九十億くらいになっておりますが、その二百九十億くらいの積立金のうちから二十億だけ取りくずしをして収支を合わせる、ただし、その収支の合わせ方は、先ほど申し上げましたように、それでとんとんというのでなく、四十九億のゆとりを持ったつもりで組んでおったわけであります。たいへん回りくどく申し上げましたけれども、問題の背景はそういうことであります。したがって、もう少し突き詰めて申し上げますと、二十億取りくずして四十九億のゆとりを見ておるわけでありますから、気持から言いますと、三十億足らずのものはうまくいくと余るかもしれぬというくらいの期待を持って三十七年度の予算を、実際に中身をきめましたのは三十六年の末ごろになりますけれども、きめて、三十七年度を迎えたわけであります。ところが、三十七年度に入って参りまして、保険料の収入のほうもふえて参りましたけれども、支出のほうも予想しておったものよりもだいぶふえて参ったのであります。その間の関係を申しますと、収入のほうでは、当初の予算では先ほど申し上げました積立金からの取りくずし二十億を含めまして千三百三十五億の収入を見込んでおったのでありますが、実際は千四百四十八億というような収入が入ってくる見込みになったわけであります。ところが、支出のほうも非常にふえまして、当初の見込みといたしましては、千二百六十億を見込んでおりましたところが、実際に必要になりまする費用が千四百六億ということになったわけであります。それで、先ほど申し上げました収入のほうでは見込みよりも百五億ばかりふえ、支出の見込みのほうでは百四十五億ばかりふえる、こういうことになりまして、先ほど申し上げました予備費のうち、実質的にうまくいったら余ってくれるかもしらぬと思っておった三十億に相当食い込んできたという実態であるわけであります。そういう実態に基づきまして、どうも当初考えておったよりも収支が楽でないぞというようなことを考えた結果がああいうふうなものの判断になったわけであります。  したがって、現段階における問題としてはそれだけのことでございまして、これを三十七年度の問題に限って考えます限りにおいては、思ったほど余らなかった。しかも積立金はやはり当初覚悟しておったとおり二十億を取りくずさなければならない結果になってきた、こういうことでありますが、当該年度だけで見ます場合においては、やはり一つの赤字が出てきたわけであります。そこで、十三億ばかり赤字になっておるわけでありますが、この十三億ばかりの赤字というものがどういう事情でできてきて、将来これがどう発展していくかということにからんで、いろいろの考え方なりあるいは判断というものが生まれて参ったわけであります。  それで、どういう点が懸念されておるかと申しますと、一つは医療給付費のほうが当初見込んでおったよりもやや受診率も、それから一件あたりの金額も上がって、この点が当初見込んでおったよりもやや多い点でございます。それからもう一つ新たに現われてきました現象としては、傷病手当金が今まで考えておりましたよりもやや日数においても金額においてもふえる傾向を示してきた、こういうことなんでございます。  この二つの事実を拡大して昭和三十八年度に及ぼしていくというと、昭和三十八年度においては、思いのほか医療給付費もふえ、現金給付費もふえるというようなことがあるであろう。そうなるというと、三十七年度だけをとって考えました場合に、約十三億の収支の上において赤字を示しておるわけでありますから、次の年度においてはもっと赤字が多くなる可能性がある。したがって、この点について今のうちにいろいろ考えておかなければならぬ、こういうような考えを制度を受け持つ者としては持ったわけであります。ただこれから直ちに保険料の引き上げが出てくるかといえば、これはなかなかそうは参らぬと思います。現にかりに二十億取りくずしましても、まだ二百七十億くらい積立金があるわけでございまして、積立金というのはまさにそういうために積み立てておくものでありますから、まずそれを使うということが先にくる問題でありまして、ただその場合に、とめどなく赤字が拡大していくというような趨勢になりそうだということになれば、そこでまた問題をいろいろ考えていくということになると思いますけれども、料率の引き上げと並んで、あるいはそれよりか前に考えられなければならない問題の一つに、標準報酬の等級区分の改訂があるわけでございます。御承知のとおり、今一番上の等級は五万二千円にしておりますけれども、実際の給与ははるかに上がっております。そういうような事情からしまして、政府管掌健保はそれほどではございませんが、組合の健康保険のある種のものになりますというと、もう全体の組合員の六、七割が一番上の五万二千円にいっているというような、その意味において、せっかく差等をつけて、取れるものからはよけい出してもらうという仕組みの保険料の徴収方式が、結果においてフラット制に近いような工合になっておるものがあるという工合でございますので、まず最高限度というものをもっと引き上げて収入の増加をはかっていくということなんか、当然保険料率の改訂と並んで、あるいはそれ以前に考えられたければならぬという問題があるわけでございますので、今の厚生省の責任者全部の気持としては、やはり収支のバランスがくずれるきざしが現われつつあるという意味において注意深く見守らなくちゃいかぬし、そうかといって、ここで赤字だ赤字だと言って大騒ぎするということはこの際慎重に考えなくちゃいかぬ、こういうような判断をしておるわけでございます。たいへん長くなりましたが、夢のいきさつはそういうことでございます。

小平芳平公明会

○主査(小平芳平君) 速記をとめて。   〔速記中上〕

小平芳平公明会

○主査(小平芳平君) 速記を起こして。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 それでは、今の問題は少しまた議論があるわけですけれども、あとにしまして、次の問題は、ポリオの問題です。これをお聞きしておきたいと思います。  これはソーク・ワクチンを六つの事業所、会社法人が分担をしてやっておる。そうしてポリオの、小児麻痺の危機が来て急遽生ワクチンを輸入して対策を立てていく、これは私は理屈なしだと思うのです。理屈なしにやはりこのポリオ、小児麻痺から救うために、むしろ小児麻痺でなしに人間麻痺として問題になった。これを救うために生ワクチンを輸入した。私は時宜に適した措置だと思う。そうして一応大波が済んでいい傾向に来て、大体国民の中でもこの小児麻痺について心配がなくなったような気分です。で、これは厚生省の努力について私は敬意を表するわけでありますけれども、問題はこれで終わったということではないと私は思う。で、ソーク・ワクチンは高い費用をかけてそうして治療じゃなしに、予防の処置をするのには、やるほうもやられるほうも困る。しかし、生ワクチンならシロップかあめ玉で飲めば事は済むという、それで効果があるということですから、私は非常によいものが世界に発明されて、いいことだと喜んでいるわけでありますけれども、どうもあと、これが私たちは納得がなかなかいってないわけです。あれだけの危機を生ワクチンで救ったというなら、行政の面からも生ワクチンの製造をして、そうしてやはりいつでも国民に投与のできるようた学術的な医学的な研究、あわせて私はやはり九千六百万の国民に必要な分だけはいつも国内生産によって確保していくということが大事ではないか、こう思う。ところが、その点がどうも跡始末の関係で、この間の新聞を見ると、何か踏み切ったというような話が出ておりましたけれども、しかし、われわれは極端な意見を当時申したわけです。六つの事業所に対する補償が要るなら国が補償してもいいじゃないか、生ワクチンの製造のために踏み切りなさいというので、やかましく言うたのが二年ほど前でございます。だから、今日このものの対策を含めて世界のポリオの傾向がどうなっているか、学術的に私らも公衆衛生局長を講師にして二回ほど委員会で勉強させてもらったわけですけれも、この世界の趨勢、また、日本の将来の見通しについてちょっとお聞きしておきたいと田ふう。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) ただいまお尋ねの一つは、世界の最近のポリオの趨勢でございますが、日本と同様に相当数の国が生ワクチン投与、一部はもちろんソークと併用のままの国が相当多うございますが、これによりまして非常に減少をいずれも来たしております。しかしながら、日本が一昨年来やりましたのが世界的にはきいておりまして、国民のポリオの発生率、これは昨年の三十七年度の実績を他のカナダ、アメリカ、英国等と比べますと、日本のほうがほぼ効果率からいいますと、倍といいますか、倍程度、すなわち人口十万単位の発生率というものがそれらの国よりも二分の一しか出ない、こういうことでございます。これを日本自体でその前年度と比べますと、その前の年が北海道を中心にいたしました五千六戸名の一年間の発生、それからその翌年、三十六年がこれは前半はほぼ同様な趨勢で出ましたが、八月以降激減いたしまして、年間通じましては二千六百名、それが昨年になりますと総計二百八十名、すなわち三十五年と比べますと二十分の一、それからその前の年と比べますと十分の一、こういうふうになっております。しかも、昨年の二百八十名の個々のケースを調べて見ますと、真性のポリオはその三分の一である八十数名、残りはいずれも、ああいうふうな非常に関心が高いため、医師が麻痺症状を現わした子供は全部届け出た、こういう形で、約百数十名というものは、子供の脚気であったり、あるいはポリオ以外の腸内ビールスによるいわゆる重篤な後遺症を残さないような一時的な小児麻痺である、こういうことがわかりまして、それらを勘案いたしますと、三十五年に比べて六十分の一というように激減いたしました。さらに本年の一月ないし三月の実績を見ますと、非常に減った、昨年と比べまして。また、同期では昨年の二分の一、こういう状況でございまして、この点では今、日本が最もこれの恩恵をこうむっている、世界一の状況になっている。このために各国も注目いたしておりまして、日本が鬼から言いますと二千万人、あるいは三千万人程度でございますが、他の国よりなぜこれだけきいたかと言いますと、これは津々浦々まで保健所と市町村を通じまして、一定の、一番危険年令には全部やってしまった、ほぼ全部に近いものをやった、こういうことでございます。たとえば日本より多く四千万、五千万やりまして、ある地域には大人から子供にまでやったけれども、その他の地域には危険年令が相当残っている、こういう国ですと、国全体として日本ほど減少しておらない、こういう結果に大体各国の推定が一致しております。それから日本自体の今後の問題でございますが、現在これは薬務局のほうでもっぱらお世話になりまして、日本の国産の製造にいよいよ踏み切りまして、ことしの秋ないしは来年早々にはもう国産品が相当量出てくるということで、これに備えまして、薬事法に基づき、製造基準並びに検定基準も去る三月十八日の薬事審議会を通過いたしまして、これも規定が成り立ちましたので、準備態勢はできた。これまで若干おくれたのでございますが、それは実は本国会に生ワクを、予防接種法の中に入れまして、ソークと位置をかえまして、生ワクによるポリオの予防接種を法制化するという予定で準備いたしておったところが、昨年の夏から秋にかけまして、カナダとアメリカで生ワクによる発生者が出たという学会のニュースが伝わりまして、これを慎重に検討した上でないと、法に入れるのは尚早であるという形で、実は今国会見送りまして、次の国会までに。かような意味と、いま一つは、そういうためにこの製造基準あるいは検定基準がさらにもう一度慎重を期したために、三月まで延びたわけでございます。さような形でいきましたので、現在国産生産の計画も、それから法的な措置も、また、その裏づけになります一昨年来の投与方法のさらに改良に対する実績研究、こういうものが全部今くつわを並べて進行中でございます。御意見のとおり、すみやかに日本人の手によるもので、日本のあれを、ポリオを全くなくしてしまうということも、近い将来あろう、こう確信しているわけでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そこで、私はこれに関連してお尋ねしておきたいのですけれども、今私たち、あの当時たいへん議論をしたものです。そうして外国の統計、文化国家ほど国民は四十五か、五十くらいまでは同じ率でかかっている。今、日本は児童を中心にこれが接種されて、一応大きな効果を上げていることは、非常にけっこうなことなんですけれども、しかし、アメリカなんかの統計を見るときに、子供ばかりじゃなくて、四十幾つまで同じ率で罹病率がある。こうなると、今よくなったからと安心ができないのじゃないかという感じを私は持っているわけです。われわれも、何と言っても文化的、近代的、それから衛生的な生活ということくらい追求していかなければならぬのでありますから、私は起こってからということでなしに、外国にいろいろの事実なり、統計なりがあるわけですから、私は厚生省は生ワクというものは非常に安くできるわけですから、日本で踏み切るなら安くできるわけですから、やはりそういうものも今から予防接種といいますか、そういうことをやはり計画して、量産の問題もその規格にはめて計画しておかないと、子供は大波がさっときて、これですべてうまくいったら、いつや知らぬ間に、中年から上のほうに罹病者がどっと出てきた。これまた私はたいへんなことになると思う。そういう心配も、この間研究会みたいなことをやったとき以後心配をしておるわけであります。そういう点もやはり加えて、今度の国産をされる製造規格というようなものはどれくらいの量、それからどれぐらいの製造力、それから常時保存するのはどれくらい、あるいは保存には期限があったと思いますけれども、そういう期間の点、それからどういうところにやらすのか。それからもう一つは、この前のソーク・ワクチンの跡始末はどうしたか。設備投資をしたわけですから、こっちにかわったからそのままというわけにはいかぬだろうと思う。この点の跡始末はどうしたかというような点をお聞きしておきたい。

牛丸義留厚生省薬務局長

○政府委員(牛丸義留君) まず生ポリオ・ワクチンの国内製造でございますが、これは先ほど公衆衛生局長から答弁いたしましたように、製造基準並びに検定基準を、三月の中央薬事審議会で答申を得まして、告示を現在行なっておるわけでございます。そうしますと、これは正式な医薬品としてこれから取り扱われるわけでございます。それで、製造の進行状況は、これは日本生ポリオ・ヴィールス・ワクチン研究所というものを一昨年の暮に設置いたしまして、そうして準備をしてきたわけでございますが、これが、この一社によって全部の日本の従来のソーク・ワクチン関係の技術陣を総合して生ワクチンの製造に当たるということで、すべての生ワクチン、ポリオ・ワクチン関係の技術陣がこれに参加しておるわけでありますが、現在の生産能力は、これは生ワクチンでございますから、希釈ができるわけでありますから、一つのタンクで数百万の量の生産ができるわけでございます。それで、現在の私どもが今までのソーク・ワクチンを生ワクチンでやる投与の方法が、今までの計画では常時百四十万、約二言万未満、これは新生児に対して定期的に投与をする、こういう計画で行なわれておるわけでございますから、生産はそれに見合う生産ということで考えておったわけでございますが、しかし、生産能力はそれに数倍する生産能力は持っておるわけでございます。しかし、それは必要に応じて生産をしようということで、さしあたってはそういう新生児だけでいいのじゃないか、今度の六月ごろまでの一斉投与の後は新生児だけの投与で、それを毎年定期的にやればいいという当初の予想でございます。しかし、これは先ほど申し上げましたように、カナダなりアメリカなりの3型問題と関連してソークとの関連をどうするか、あるいは年令をどうするかという問題もございますから、そういうものに応じて生産能力は伸縮できるような設備をしておるわけであります。その生産状況は、セービン博士から直接種を提供していただきまして、現在それはその研究所に到着しております。したがいまして、その生ポリオ・ヴィールスの種をもとにして生産に現在取りかかっているわけでございますので、来年一月、二月の投与までには間に合うように生産ができるという見通しを現在は持っております。  それから、次はソーク・ワクチンでございますが、これは一昨年で、一応生ワクチンの投与をいたしますときに生産を停止いたしまして、そのとき仕込み中のものだけについては、一応六社のメーカーに対してそれ以上の生産を停止するように申し述べて、そうして生ワクの投与に切りかえたわけであります。しかし、その停止のときに、現在仕込み中のものは検定をして市場に出したわけでございます。そのときに仕込み中のもので約五千リットルあったわけでございます。そのほかの四千リットルぐらいのものが、仕込み途中で結局製造を停止された格好に一昨年はなったわけでございます。しかし、その後一般的な、たとえば開業医、診療所、病院等の需要がございまして、その製造されたソーク・ワクチンは全部消化されたわけでございます。そうして昨年になったわけでございますが、ちょうど昨年の秋、アメリカ、カナダで3型でちょっと問題があるというふうな報道がありましてから、さらにソーク・ワクチンの需要が非常にふえまして、そうして停止したものも全部製造いたしまして、現在ほとんど全部のものも製造をして販売のルートに乗せているという格好でございまして、これは結局、将来にわたってもソーク・ワクチンの需要というものは、任意の需要として相当のものがあるわけで、現在もありますし、将来も予想されますので、なお六社は、規模は従来よりも減さないでそのまま製造を続けていく。ただ、仕込みの壁を少なくするということで継続しておる状況でございまして、したがいまして、私ども一昨年は生ワクに全面的に切りかえということを前提にして補償の問題も考慮しておったわけでありますが、将来これは並行でいける。で、この生ワクは国が一斉に投与するわけでございますが、ソーク・ワクチンは個々の人がそれに対して任意注射をするという需要が相当ございます。また、ワクチンの投与の仕方も、併用することも差しつかえないし、カナダ等の例を見ましても、併用したほうがかえって発生率も少ないというようなデータがあって、そういうことがお医者さんのほうにもわかってきておると思いますが、そういうことから任意需要が相当ございますので、これはそのままの状態で、今までのように国が生産を奨励して大量製造をさせないという程度の関係で、将来とも生産者の任意の生産にまかしていきたい、かような考えでございまして、私は一応補償という問題は、従来の関係では必要はないという判断に立ったわけであります。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そこで、私はその最後の問題に少し引っかかるわけですがね。これは生ワクなら簡単にあめ玉かシロップで飲めばいいわけです。ソークですと、ほうそうのように、今までの例は注射のような格好ですね。今はどうしていますか。やっぱりソークはその方式ですか。そうして、その値段が十倍から二十倍かかるわけですね。だから国民は、まあカナダやアメリカで問題が起きたとしても、一応研究の結果解消したという段階にあるとすれば、私はやはり小児麻痺については生ワクでいいのだ、ソーク・ワクチンというものを置いておくと、病院も使いたくなるし、お医者さんも使いたくなる。三回打って七〇%ぐらいしか効果がないという皆さん方の研究の結果が発表されておりましたけれども、ことさらに、九〇%も九五%毛効果のある生ワクチンで安くできるものを、私はカナダやアメリカ等の結果においてそれが障害がないなら、やはりこれに踏み切っておいきにならないと、両方やっている。国民は何も知らないのでありますから、生ワクが安い、ソークは高いということを知らないで、お医者さんに見てもらえば、それを打つ。やはり医学的に、それからまた政策的に、生ワクに踏み切るということの効果があるということが、幾らかこの実態をわかったものが、われわれがわかるとするなら、それは、やはりソークの問題は並行していったら効果があるとか、それは三回打てば七〇%効果があるというのは、今まで皆さん方が研究して発表された結果なのですから、効果がないことはないのですけれども、私はそういうことはもっと生ワクに踏み切るということで、生ワク自身から被害が起きないような研究を続けていって、本来言えば、十分の一か、極端なところは百分の一で製造費用が済むという。このくらい医学が発達して、また薬品も発達しているなら、私は今のようなあいまいなことでなしに、踏み切る処置をされなければ問題をあとに残す。今は熱心な人といいますか、何とかポリオのために生ワクまたはソークかしておかなければならないという熱心な人だけですけれども、しかし、世間にちょっと風評が立ってきたら、われもわれもやってもらわなければたいへんだというのでやってもらうようになったときに、実際に国民はとにかくきくものなら何でもいい。無関心といいますか、そういう格好、何も知らないで、そういう格好になっていくことを、医学的に証明されているなら、それはやっぱり厚生行政としては生ワクに踏み切って、むしろ生ワクから問題が起きないように研究をして、積み重ねてきて、やはりこれはほうそうなんか傷がつきますよ。ソークは、これでも歴史の流れで非常に大きな効果を果たしてくれたわけですから、私はこれ自身にとやかく言いたくはありませんけれども、もう一段と、生ワクができて、より効果があるものが発達したというなら、私は厚生行政としては、今の薬務局長のように、両方やって効果があるのだ、害にもならないのだという格好でずるずると両方をそのまま置いておくのじゃなしに、きちんと補償は補償としておやりになったらいいのではないか、去年もおととしも外国から輸入して、生ワクを実際に投与したのですから、それで助かったのですから、しかし、その現実というものをもう少し、私はあえて政治的なと言いましょうか、そういう言葉を使いますけれども、そういう方法をおやりにならなければいかんのじゃないかという気がするのですね。  最後にちょっとその点。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) 実は先ほど申し上げましたように、生ワクを次の国会にお願いいたしまして予防接種法に入れて、ソークを予防接種法からはずす。すなわち、新生児に——今後の必要な大部分はいつも新生児でございますから、これで法定でやるものは生ワクにするということは、これは生ワク協議会の答申もあり、伝染病調査会のほうの意見も聞きまして、実はきわめておるわけでございます。これは御審議をお願いするわけでございます。ただ、今薬務局長が言いましたように、ソークを禁止してしまうということになると、生ワク一本しか流通しないわけでございますが、それは今のところ不適当だということになっている。と言いますのは、有害なものは、もし医学的に見て障害を起こすものならば、これは当然先般来の特殊な薬奇形を起こす有害なものは、これは禁止という形にいけますけれども、現在注射という形で、普通のビタミン注射その他と同じ程度の針の穴というだけで、特殊な障害を起こさぬという形で、有害論で禁止することはできない。しからば、無害ではあるが無効であるかという問題でございますが、これがまだ若干有効であるというのが今の学界の定説でございまして、と言いますのは、生ワクはソークと違いまして、これが流行を遮断しておる要因は二つございまして、一つは、飲みますと、腸管の中に発育いたしまして、飲んだ人間の腸の壁にまず免疫を作る。したがって、あとから入ってくる有毒菌を腸から中に入れないようにする免疫の成立がございます。同時に、もちろん、からだの中にも血液の中から流れていきます。あるいは神経麻痺を起こすものについても相当程度の免疫力を得ますが、一番のねらいは腸管免疫である。同時に、これによりまして、生ワクチンが本人の便の中で増殖をするとともに、排泄をされまして、その地域をいわゆる無害な生ワクのヴィールスで埋めてしまう。したがって、従来野生にありました有毒な本物のヴィールスを駆逐してしまって、そこらを清掃してしまう。これがもう一つ大きなねらいでございます。さような意味で、同時に、相当な回数これを投与するということがもう一つの条件です。この二つのために、その地域から遮断をする。ただ、この免疫の成立の仕方が一〇〇%でないのであります。ほぼ九〇%。あとの一〇%くらいのものが腸管免疫のできない体質、その他いわゆる特殊な、いかに飲んでもやはり免疫か成立しないという者が一〇%程度残っているわけでございます。  一方ソークのほうは、腸管には免疫を作りません。むしろ、からだの中に入りまして、本物のヴィールスが腸を通じましてからだの中に入った場合に、血液の中で増殖しないように、あるいは神経に来てからそこで有毒に発揮しないような免疫の作り方、これが、したがって七〇%ないし八〇%しかできない。こういうことで、いわゆる免疫成立基点が違うわけであります。生ワクを三度も四度も飲んでも免疫ができないでかかるという特殊な人間が、ソークによっては、とにかく腹に入って血液に入りますけれども、いわゆる、発症しないという免疫はソークによってできる。この免疫基点が違うものでございますから、現在のところ、まだ確実に一〇〇%の免疫効果ができるような生ワクの改良ができるまでは、あるいは国土から本物のヴィールスを、生ワクのもう一つのねらいによって、駆逐してしまう。そうなれば免疫がない者がおとなになっておっても、もとがありませんからかからぬ、それまでの間は、そういう学説に基づいて、やはり生ワクだけでは心配だ。あるいはおとなになっても、日本人は大体十五才をこえますと今九七・八%まで自然免疫を持っておりますが、だれか残っておるということになりますと、やはり心配であるというような形で、ソークを利用したいという自発性の者は、害のない、しかも、免疫はあるし、できるという効果があるという医薬品を禁止するわけにはいきませんで、今しかし、法律が逆になっておりまして、ソークが法定になって生ワクが任意になっておるから、一そう併用するような印象があるということで、今度改訂いたしますならば、この点はもうだいぶ認識が違って参ります。ほんとうに自己の必要または自己個人の意思でやる者がある。それは制限はできない。こういうような態度で、これは生ワク協議会の学者の意見も、大体今のところは、研究の結果そこまで、こういうようなことで進んでおるわけであります。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 それは私もさっきから話を聞いてよくわかっているのです。しかし、輸入するにしても、最初一セントといったのが大体七セントから八セントくらいで輸入ができて、三十円かそこらで一人分がやれるわけですね、生ワクでいけば。日本で製造すれば、もっと安くなると私は思うのです。今のあなたのおっしゃったようなことは、ちょうどこの間厚生大臣が予算委員会で、ガンというのは早期発見したなら全部なおるという答えと私は一緒だと思うのです。それくらい国民がこういう問題について認識を持って、そうして早期に医学的に完璧な形で早期発見したら、ガンのできる人はありませんという答えと同じように、そういう工合にしてあなたのおっしゃったこと自身はよくわかります。そういう生ワクで足らないところをソークでやっていくということは、私はけっこうだから、何も中止をせよとは言っていない。しかし、ソークでいきますと、やはり三回で八百円をこえるわけです。そうでしょう。千円近くかかるわけです。そうすると、今六社でソークを製造するというのは、国民全体に投与するだけのものをこしらえようじゃないかと言って出発したわけです。そうでしょう。それが今六社とも製造しているという格好になれば、これは消化の場合を考えなければならぬ。そこなんですよ、私の言っているのは。政治的とあえて言ったのは、そこなんですよ。だから、今度法律をこしらえて生ワクをいただいて、足らない分はソークで、それでは計画の今の六社を一社とか二社とかに縮小して、足らない分はソークで補っていく。まことに私はけっこうだと思う。ただ、六社が製造しております。併用して害になりません、そして効果もあるのですという言い方では、国民の側は、何の知識もない国民にすれば、結局いかにして消化するかというところだけに焦点が置かれていくように、国民対このワクチンという問題がなってくる危険があるのではないか。そうでありますから、片一方は三十円か二十円ぐらいでできるやつを、片一方は八百円も九百円もかかるようなことになりますから、私は法律をこしらえて、生ワクを主体にしていただくという基本線のもとに、補う分だけのソークの製造という工合にお話しを願えれば、私はもう何ら意見の申し上げようがないおけです。そこのところあたりを少し申し上げたわけです。

牛丸義留厚生省薬務局長

○政府委員(牛丸義留君) 先ほどの私の言葉が少し足りなかったかもしれません。ただいま公衆衛生局長が申しました、そういう投与の線に沿って、私どもは指導するわけでございますから、この法律改正によりまして、基本的な予防の方法は生ワクの投与によってやる。その足らざるところをソークで補うという形が、現在もそうでございますし、これが法律的にはっきりとするわけでございますから、そうしますと、生産はもちろんそれに順応した生産を私どもは指導するわけでございますから、六社の中では、おそらく製造を停止するところもございましょうし、また作るにしても、そういう補助的な需要に応ずるだけの生産しかないわけでございますから、その点は、ただいま藤田先生がおっしゃったとおりの方向で、私どもも指導していきたいと思うし、現実もそうなるように私ども期待しておるわけでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そこでもう一つ、この間予算委員会で厚生大臣に私が質問したら、どうもあまり時間がなかったので、私はあまり言わなかったのですけれども、今成人病で一番因っているのは、何といったって死亡率の高いのはガンですね。大臣は開口一番、ガンは早期発見したらみんななおるんですよという返事がありまして、それはまことにけっこうだな、今成人になった人が一番暗い気持になっているのはガン、それから動脈硬化、要するに高血圧系統ですね、これをなおすような方法ができたら、私はどれだけお年寄りが明るくなるであろうかと思う。そこで、この間あえてお尋ねをしておいたのです。がんセンターができて大いに研究をしていただいているところですけれども、私はここでどうこうということは言いませんが、やはり外国と共同研究をするとかなんとかして、これはほんとうに厚生省は力を入れていただかないと、きょうまで元気に働いていた人が、ガンという名前を聞いただけでだめになる。もう死の時期を待つのみだ。医者はガンということはあまり言わぬ、本人には。周囲の人から自然に本人の耳に入ってきて、そして寿命を、日にちを数えて死んでいくというような残酷な病気だと私は思うのです。本人がよく知らされない間に死んでしまうという、それほどひどい病気になって、だから私のお願いしたいことは、私はしろうとだからわかりませんけれども、癌学会になるとまるでののしり合いのようなことが起きているというようなことも新聞やなんかで聞きますし、それは事前予防の処置なのかどうかということを、しろうとたがらに考えてみますと、お前らのは医学じゃないというような議論もあるようです。しかし、やはりガンをなおそうという熱意という4のが、やはりいろいろな角度から、私は医は仁術の上に立って研究されていることだと思うのですが、大学者の一言に触れてというようなことが新聞に出たりしていると、しろうとから見ると、これはどうなんだという感じを持つ。何かぎゅっと一つの孤城を守っているだけで、一つも大衆の中で、国民全体の中で、ガンの治療をとうしたらいいか——これは行政だと思うのです——そういう点が少し欠けているのではないかという感じを持っているのです。これは私の見方が間違っていれば指摘していただいたらいいと思いますけれども、そういう感じを私は持っているのです。癌学会で、お前らのは、学問じゃないという格好で議論をされていると、その言われていることが、実際どうなのかこうなのか、国民はよく知らないけれども、ガンに対する何とかならぬかという気持を非常に持ちながら、肝心の研究してもらう癌学会ではそういう議論がされているということになると、国民は失望する。だから、厚生省は、世界中の学者がよく研究をされていることだし、私はやはり世界の学者と手を握って、日本ばかりではないと思うのです。ガンや高血圧の問題は。だから、この点についてはもっと大胆に、費用が要るなら費用も捻出をして、研究をされることが今一番大事ではないかというような工合に考えておるわけなんです。その点は、特に私はお願いをしておきたいわけです。御所見があったらちょっと。

渡海元三郎自由民主党厚生政務次官

○政府委員(渡海元三郎君) 医務局の関係者がおりませんので、私知識も浅い者でございますが、答えさしていただきたいと思います。  ガンは、現在公衆衛生の発達によりまして、日本の死亡率も非常に変わって参りまして、寿命も戦前と比べまして二十年くらい伸びて参りました。私も統計を見たんでございますが、残されたのは、ガンと心臓病、高血圧、老衰等でございまして、いわゆる成人病が五〇%近くの死因を占めておるということは、日本も世界の文明国に似てきたんじゃないかと思います。したがいまして、これからの健康維持というものにつきまして、老人病に対する駆逐ということが重点事項であることは、先生仰せになったとおりであります。特にガンにつきましては、私たちも、単にこれを国が見守るというのではなしに、積極的にこれに対して対策を講じていかなければならぬというので、先般も東京で、ある地区の婦人部の方々が、これに対する中期診断を行なえということで、私陳情を承ったのでございます。東京都に直ちに申しまして、これらの婦人部がやっておられます努力に対して、社会教育面の補助をしていただいて、そういった運動を伸ばしていただくようにし、その地区では、何でも婦人の方々が全部検診を受けていただいたというふうなことも聞いておりますのですが、何分にも、まだ学問的に究極的なものはございませんので、そういった早期診断を直ちに全国的に結核のように行なうというところまでまだ踏み切っておりません。しかしながら、これについての研究はあくまでもやらなければなりませんので、先年来続けられて参りましたし、これらの結果に基づきまして、地域的に相当偏在しておるということを見まして、本年度におきましても、地域的に偏在する理由はいかなる理由によるのであるかということも調査するというふうなことを、本年度はいたす予定にしているような次第でございます。ただいま先生の御指摘になりました、国内のガン研究機関に対する補助金等も、わずかではございますが、本年度もたしか二千万円ほど予定して計上さしていただいておると思いました。その他国立がんセンターに対する、あるいは各地方に対するガンのそういった専門診療の施設も、ことしは二カ所ですか、ふやさせていただくような計画をいたしておるような次第でございまして、この面についての対策は鋭意講じて参りたい、かように存じております。  今御指摘になりましたこのSICの問題ですが、私も、この問題は衆議院の科学技術特別委員会でも問題になりまして、いろいろ議論になっておることは聞きましたのでございますが、今言われたように、学界がこれを頭から否定しておるという問題も、私が聞いたところでは、学問の分野におけるところの論争でございまして、直ちにこれを行政面に取り入れるかどうかということについてのなにでございまして、学問は学問の分野においてあくまでもこれは論争し、研究していただきたい。ただ、それが行政分野に及ぼすのに弊害があるようなときには、私たちもこれを処置せなければならない。しかし、学問の分野に対するものでございまして、新聞等ではああいうふうになっておりますが、学問の分野に基づいて理論的に反対されておるのが現在学界の専門家と言われる方の反対議論でございまして、はたしてその反対が、言われるのが当然であるのかどうかということが、何も、何と申しますか、一学閥のために、はねておるというのではなくして、理論的な根拠に基づいてやっておられる。一方のほうはそれを否定しておられる。いわゆるあくまでも学問の世界の論争でないかと思っておりますので、私たちとしましても、それがどちらが正しいかということにつきましての研究は、学問の分野にまかしまして、研究をお願いしておるというのが現段階でございますので、私も専門でこざいませんものでございますから、科学の技術になりますので、はたして答弁になったかどうかと思いますが、そういった状態であるということだけお答えいたしまして、御了承を賜わりたいと思います。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 いや、私はこう感じているわけですよ。そんなのは学問でないと言われている。相手方のほうは、予防やとか早期発見とかいうようなことの資料や統計というようなものを出して議論されているようですが、それはそんなもの頭から問題に乗ってこないようなことを受ける。早期発見したらなおるという議論が大臣自身の口から出てくると、そんなにうまい工合に早期発見ができるようなら、それは心配する者はないだろうけれども、それならそれで、厚生省はなぜその早期発見の国民に対する実際の行政をおやりにならないのかという議論もしたくなるわけですね。それはまあいずれ機会を改めてひとつ社会労働委員会で、これはポリオについて勉強をしまして、そうしてしたいと思いますから、きょうはこれでやめますが、そういう気持で私はお尋ねしたのです。  もう一つ、これに関連がありませんが、この間大臣に質問をしたときに、福祉施設の——これは児童局と思いますが、福祉施設の職員の給与の問題、予算書を見ると、八%上がるということになっている。それから、昨年の一月の代表質問のときには、公務員並みにするという約束があって、具体的には委員会で、公務員と三〇%違うから、三十八年度一五%、それから三十九年度一五%で、三十九年度中には公務員並みにするという委員会の議事録もちゃんとありますが、約束をされた。それでどうなっているかと質問して、私は予算書を見ると、施設の給与は八%しか上げるようになっていない。大臣は三三%上げたんだ、こう言われるのです。私は、どうも時間で縛られた予算委員会では、返す言葉が出なかったわけです。もう時間が来ちゃって。それで私はお聞きするのですが、甲、乙、甲が三三、乙が三三コンマ何ぼ、丙が三四コンマ何ぼ今年上がったのだというその根拠をひとつ知らしていただきたいと思うのです。

大山正厚生省社会局長

○政府委員(大山正君) 児童局所管についての御質問でございますが、私のほうも関連がございますので、私の承知しております程度におきましてお答え申し上げたいと思います。  この前の予算委員会で大臣がお答え申し上げましたのは、昨年十月からの公務員のベース・アップ、これに伴いまして、施設職員につきましても九・一%引き上げることになっておる。それから、来年度予算におきましては、全体として一〇%の範囲内で保育所における丙地を乙地に引き上げることと、それからそれ以外に、全般にわたってさらに八%を上げること、こういう施設職員の待遇改善を行ないます。そうしてみますと、保育所の丙地の職員につきましては、丙地から乙地に上がったことと、さらにまた一般の施設職員の八%アップ、あるいは前年の九・一%、そういうものをあわせ考えまして、三十数パーセント引き上がる結果になる、こういう御説明、お答えをしたというように承知いたしております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 甲地はどうなっておって、乙地はどうなって、丙地はどうなるのですか。今の説明、もう一ぺんして下さい。しかし昨年の十月に九・一%は全部上がったわけですね。そこからどうなっていくのですか。今年は八%でしょう。

今村譲厚生大臣官房会計課長

○政府委員(今村譲君) お答え申し上げます。保育所だけの例をとって……

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 いや、施設職員全部ですよ。

今村譲厚生大臣官房会計課長

○政府委員(今村譲君) 甲乙丙は保育所だけでございますから、まずそっちを先に申し上げます。  三十七年四月、ちょうど一年前のいわゆる予算単価と申しますのは、甲地が一万一千二百三十四円、乙地が九千二百九十四円、それから丙地が非常に低うございまして八千五百七十六円、こういう格好になります。これを出発点としてこの前大臣が御答弁になったのでございますが、三十七年の七月に例の給与改訂——保育所や社会事業施設だけの給与改訂の予算のアップがあった。それで甲地が一万二千六百七十一円、乙地が一万四百八十三円、それから丙地が九千六百七十三円ということで、大体一二・七九%、四月のいわゆる予算単価につきまして一二・七九%のアップがあったわけでございます。それは公務員とは関係なしに、従来低かったものを特別に上げるという予算措置の結果でございます。それから十月になりまして、国家公務員が七・一%でありましたのですが、そのときに保育所なり収容施設というものは、いろいろな事情を勘案いたしまして、七・一でなしに九・一%上げる。国家公務員より二%くらい上がるということで、その結果が甲地が一万三千八百二十四円、約千二百円くらい上がっておる。乙地が一万一千四百三十七円、それから丙地は一万五百五十三円。これが保育所、これは収容施設も全部でありますが、公務員七・一に対して九・一上げたということでそうなるわけです。それで明年度の三十八年四月のいわゆる予算単価と申し上げるのに、今社会局長からお答え申し上げたように二つございまして、これは国家公務員のベース・アップは別にありませんが、別個に総ワク一〇%の財源——約十一億六千万円でありますが、一〇%の財源を出して、まず丙地の保育所の保母さんが非常にお気の毒であるというので、丙地をなくしてしまおう。それで乙地まで引き上げまして、そのために財源が約三億二千万ぐらいかかりますけれども、乙地まで引きしげて、それで甲地と乙地をひっくるめて全部八%上げる。そうすると両方、丙地を乙地に上げますので、まず財源を、一〇%のうち先にそれを食いまして、残りを各施設、保育所を含めまして均等に八%上げる、こういうことになったわけでございます。その結果におきまして、三十八年四月の新単価は、甲の地域におきましては一万五千三十五円、それから乙地は一万二千三百四十円、それから丙地は乙地と同じようになりますから一万二千三百四十円、こういうふうになります。それで、三十七年四月、いわゆる本年度の当初予算と比較いたしますと、その比率が、三十八年四月は甲地におきましては三三・八%増、それから乙地につきましては三二・七七%増、それから丙地が、二段飛びにやるものですから、相当上がりまして、これが四三・八九%増、こういうふうな結果になった。ただし、この中には国家公務員七・一に見合う九・一、これを引けば、社会事業施設職員だけが格差を縮めるという意味で上がった部分が出てくる、こういう計算に相なっております。これと同じように、社会事業施設系統全般につきましても、こういう算式をとっております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そこで、昨年の四月に上がったのは公務員と同じでしょう。公務員のあれは昨年の十月だけですか、ここでなるのは。四月はどうです。

今村譲厚生大臣官房会計課長

○政府委員(今村譲君) 四月は上がっておりません。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そうすると、昨年の十月に上がったのが公務員のときのものですね。

今村譲厚生大臣官房会計課長

○政府委員(今村譲君) はい。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 それからことしの四月、一〇%の原資をとって丙地をなくして乙地にする財源が一〇%ですか。

今村譲厚生大臣官房会計課長

○政府委員(今村譲君) いや、それは全体を一〇%の財源を積みまして、そのうちで保育所の保母の丙地を乙地に直すものの財源を先に取りまして、それが約二%でございます。一〇%のうちの。残りの八%を、保育所といわず社会福祉施設といわず、全部に八%をかけた、こういう意見でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 それが八%……わかりました。  この七・一をのけると何。パーセント上がっておるのですか。それから、公務員給与とどういう見合いになりますか。

今村譲厚生大臣官房会計課長

○政府委員(今村譲君) たとえば甲地の保母さん、保育所につきましては、三三・八%から九・一%を引きますと、そうすると二四コンマ幾らになりますか、それが実質上公務員よりも別個に上がったという格好になります。  それから、もう一つ非常にむずかしい問題があるのです。地方公務員と比較するか、あるいは国家公務員と比較するか、施設職員との格差——三十八年度で予算を作りますときに、厚生省は地方公務員と合わせるべきか、国家公務員と合わせるべきか、非常に問題があったわけです。それから、たとえば東京と、東北の非常に経済的に困る県とでは、地方公務員でも格差が相当あるわけなんです。その辺の格差をどうするかというので、まあ詳細な議論をしますと、ほんとうは三〇%とか二八%という数字はなかなか出てこないのでありますけれども、まあ中庸の県をかりに仮定してやってみれば、大体三割ぐらい違うのじゃないかという議論をしたのです。国家公務員とですね。その場合に、たとえば看護婦さんのように、国家試験まである一定の資格要件があって、勤続年限何年というものと、それから保母さんのように、看護婦さんと資格要件が違うという場合で、これは行政(一)の普通の事務官でありますか——に格づけをするか、あるいは医療(三)の看護婦さんの格づけとの比較をするか、この辺が最後的に大蔵省といろいろ折衝の結果煮詰まらなかったわけであります。ともかく格差はある。格差はあるが、看護婦さんと同じだというと、学歴、経験年数、国家試験というものを保母さんは持っておるかというようなことで、給与理論でだいぶ苦しみまして、格差はあるのだが、はっきり二十何パーセントというような数字が出てこない。とにかく低いのだから上げてやれ、こういう最後の話になりまして、それは地方公共団体  その地元にある地方公共団体の施設とのバランスをとるのが一番手っとり早いかと思いますが、一応国家公務員、たとえば厚生省本省に勤めておるような御婦人、それが二十年ぐらいたちますと、課長ぐらいの格好にどんどんいってしまうというようなものに合わせてどう待遇をしていくかどうかという議論まで発展しまして、その点は最後的にまだ詰まっておらないわけであります。ただ、格差はございます。ございますが、国家公務員の行政(一)に当てはめていいのか、行政(二)に当てはめるのか、あるいは地方公務員に合わせるのか。ところが、地方公務員でもびんからきりまで相当差がございます。そういう点が行き悩みの状況で、最後的には申し上げられない次第でありますが、まあ一〇%——そのうちの保育所の丙地だけは先に直して、残りは令施設に八%、こういう結果になった次第でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 だから私は、昨年お約束をされて、非常に因っておるのをだいぶよくしてもらったのですからけっこうですけれども、具体的に、やはり児童を育てたり、養護施設の職員であったりする人は一番気の毒ですから、もう一段と御配慮をあらゆる面からしていただきたいと思うのです。この実態はわかりました。まだやはり格差は相当ありますね。  そこで、保険局長がお帰りにならないのですが、私は保険局長の話の続きをひとつ次官に御意見を伺って、もうあまり私一人しゃべってもいかぬからやめますが、私先ほどお話をしておりましたように、政府管掌の健康保険が少し給付が増大したということだけで、これはその料金改訂なんという前に、それじゃ国民から国に貸した分をひとつ返さぬかという議論まで、これは詰めていくと出てくるわけでありますから、これはやっぱり給付がふえたからといって、ああいうアドバルーンを上げてするような方法はよくない。私、厚生省は非常にまじめな人ばかりだと思ったところが、最近そういうことをよくおやりになるので、ひとつ言いたいことを先に新聞でぱっと言うておいて、はったりをかまえておいてから、じわじわと、いやそうでありませんとか、こうでありますとか、いや、それは筋が違っておりますとか、さっき説明がございましたけれども、そういうことのないようにひとつしていただきたいと思うのです。だから次官、今までのいきさつやその他詳しいことはおわかりにならないから私はやめますけれども、赤字になって、そうして政府が三十億出すから料金を上げいといって上げさして、ちょっと黒字になったから、六十五を六十三にしましたけれども、これをまたもとに戻すという口吻で中心の新聞発表をするということじゃ、二百九十億の交付金を二十億食いつぶしただけで、そうしてこの積立金を食うのもあるし、政府が行政約束したものを全然義務も果たさないでおって、そうしてああいうアドバルーンを上げられたらこれは困る。だから、そういうことのないように、ひとつ慎重なかまえで実質的にやっぱりいろいろと報告をしてもらったり、議論をしたりして、肝心の社会労働委員が知らぬ間にそのようなアドバルーンで、そういうことで国内の世論を巻き上げていこうというのかしらぬけれども、そうはいかぬと私は思う。だから、そういうことのないようにひとつしていただきたいと思うのです。

渡海元三郎自由民主党厚生政務次官

○政府委員(渡海元三郎君) 私その新聞を読んでおりませんので、どういうふうな記事になっておりましたか存じ上げませんけれども、ただいま御要望ございました点につきましては、私も同感でございまして、少し赤字になったからといって、直ちに保険料率を上げるということは非常に困難である。また、予算措置におきまして国の補てん財源をもらうべきときに、政管の会計状態がよくなったために、この国庫補助を今日までもらわずにいた事情等もよく事務引き継ぎで聞いておりますので、直ちにこれを上げるというふうなことは、私たちは行なうべきでないと申しますか、現在十分考慮の上に立たなければいけないということは、藤田委員御指摘のとおりでございますので、慎重に扱わさしていただきたいと思います。  なお、どういつだつもりでそういったことが新聞に出ましたか、事務当局が参っておりますので、部長より、この点につきましては、またあらためて御答弁を申し上げます。

竹下精紀社会保険庁医療保険部長

○政府委員(竹下精紀君) 先ほど御指摘のありました点については、社会保険庁といたしまして、内容につきまして説明をしたというよりは、むしろ新聞記者の取材によってああいう記事が出たわけでございまして、社会保険庁といたしましては、現在二百九十億の積立金がございますし、また、今年度の二十億の積立金の切りくずしにつきましては、初めから予算上予定したわけでございますので、これをもって直ちに保険料率を引き上げるというようなことは考えていないわけでございます。

大竹平八郎第二院クラブ

○大竹平八郎君 時間がありませんから端的に二、三の点をお尋ねいたしたいのですが、いよいよ自由化がいやでもおうでもここ一、二年中において全面的にやらざるを得ない状態になっておるのですが、従来外国の薬品類については、外貨申請をせられるときに、今までの間にどういう状況で入ってきておるのですか、外国の薬品。

牛丸義留厚生省薬務局長

○政府委員(牛丸義留君) これは外貨の予算を、通産省と連絡いたしまして、医薬品関係の予算をあらかじめ策定いたします。その中には自由割当なり雑割当の分類が医薬品の商品名においてもございますので、それに基づきまして分類別の外貨の予算を編成いたしまして、大体それで外貨を一応予算上予定して、それに応じて従来輸入を許可をしているわけでございます。しかし、自由化によりまして、医薬品が昨年の十月現在で八九・二%程度自由化しております。したがいまして、これからはそういう割当の金額も予算上では相当少なくなってくるのではないかというふうに考えます。

大竹平八郎第二院クラブ

○大竹平八郎君 そうすると、将来はやはり全面的に自由化するというような方向に向かっておるのですか。

牛丸義留厚生省薬務局長

○政府委員(牛丸義留君) 現在非自由化品目といたしましては、麻薬とかヒロポンというふうに法律上禁止されておるもの、国際条約上禁止されておるもの、これは将来にわたっても自由化さないわけでございます。しかし、最後の一般の自由化政策にのっとりまして私どもが自由化を予定しておりますのは、そういうふうな特殊の医薬品以外はすべて自由化すという方針でございますが、ただ、暫定的に抗生物質関係はウエーバーの品目として現在自由化していないわけでございます。その他インシュリンなりカフェイン等数品目が、まだ国際価格との間の競争力がないということで、自由化を多少おくらしております。そういうことを差し引きまして、医薬品全体で八九%、間もなく四月以降はおそらく九〇%というふうに考えております。

大竹平八郎第二院クラブ

○大竹平八郎君 そこで、ごく常識的なものでいいんですが、たとえばバイエルのアスピリンとか、だれでも知ってるようなもの、そういうものの数としては、種類と言いますか、どのくらい点数として外国のものが現在日本で市販されておりますか、数として。

牛丸義留厚生省薬務局長

○政府委員(牛丸義留君) ちょっと今手元に正確な数はございませんが、大体新薬関係で年間七、八十件の申請がございますが、そのうちの七、八割、したがいまして、八十としても大体五、六十品目というものは大体外国の輸入品でございまして、これは新薬でございますが、その他のものも含めますと、輸入医薬品の品目の数は相当の数に上っております。大体、現在日本で五、六千の品目のものが一般的に流通しておりますが、それの三ないし四割くらいが、外国の輸入か、あるいは技術提携をした外国品と同一のものというように考えていいのじゃないかと思います。

大竹平八郎第二院クラブ

○大竹平八郎君 そうすると、大体五千点くらいのものが輸入を含めて薬屋さんの窓口から買い得るものがある、こう承知してよろしいのですね。

牛丸義留厚生省薬務局長

○政府委員(牛丸義留君) 常時販売されておるものは大体そのような状態であろうと思います。

大竹平八郎第二院クラブ

○大竹平八郎君 そこで、国内品としては大体新薬品というものは年にどのくらい許可をしておるのですか。

牛丸義留厚生省薬務局長

○政府委員(牛丸義留君) ただいま、先ほど申し上げましたように、そういう新薬品、全く今までの製品と新しいものとしては七、八十点でございますが、配合剤も含めまして大体五、六千品目、その中の六、七割が日本で生産される品目であるというふうに御承知願いたいと思います。

大竹平八郎第二院クラブ

○大竹平八郎君 そこで私お尋ねいたしたいことは、最近御承知のとおり、マスコミの代表的なものは何かというと、これはテレビというわけですね。それで、いやでもおうでも家じゅうが一日に何回か薬屋さんの広告に接する機会というものが多いのですね。それで、どこの家でも一家全部が健康で何年も薬一つ飲まないというようなことはないので、むしろ今保健保持剤として薬を要求するというような格好で薬を買うということが非常に多いのですね。ところが、マスコミを通じてやる薬品の広告というものが、いかにも誇大にわたっておるような感じがするわけですね。中には始終われわれがほとんど毎晩のように聞いておるようなもの、甘くておいしいパイナップルのようなものだというようなことまでも言って、自分のところの製薬品を広告をしておる。これは、薬ですから、その人その人によって、同じものでもきき目の違うということは、これは出てくるでしょうけれども、あまりにも最近の広告というものはひどいのですね。ところが、特に私どもが感じておるのは、先ほど来藤田委員からのお話の中にも、ガンとか高血圧とかいうような質疑がかわされたんだが、こういうものは今日木じゃ不治の病と言われておるくらいどうにもならぬ。しかし、おぼれる者はわらで、最も高くあるほどよけい売れるというような珍現象さえもある。そこに持ってきて、非常な誇大広告に乗せられているというような状況で、これで私は一家の支出というものが、いわゆる既定経費以外に、そういったマスコミに乗ぜられ、そして人間の弱さですね、そういうような環境からして、もう要らざる薬品を買わざるを得ないというような点が非常に多いと思うのですが、これは始終あなたも聞いておられるとは思うのですが、こういうような薬品の広告について、いま少し何か規律ある行政指導というものはできないのでしょうか。これをひとつ伺いたい。

牛丸義留厚生省薬務局長

○政府委員(牛丸義留君) 医薬品の広告につきましては、最近特にテレビ等において広告がなされておるわけでございますが、最近の医薬品と申しますと、医薬品の形態が非常に変わってきておるのが一つは問題でございまして、医薬品が食品化しているし、食品がまた医薬品になっているというような、非常に限界がはっきりしないような点があるわけであります。それで、医薬品の広告につきましては、これは薬事法によって虚偽、誇大の広告は禁止されているわけであります。また、ガンその他のものは、これは大衆広告はできないという規定があって、この点は守られているわけでございます。それで、私どもが今日何が虚偽であり誇大であるかということは非常に問題でございますが、一般のお医者さんの使う医薬品についての広告は相当厳重に現在行なわれていると思います。特に私どもが日常目に入りますのは、保健薬と申しますか、総合ビタミン剤その他強肝剤というような保健薬が、これが病気の治療というよりは、むしろ健康増進なり予防面でございまして、この点についての広告は、御指摘のとおり、非常に私どもの目に余るものがあるわけであります。これに対しましては各業界に自粛要綱というものを作らせておりまして、新聞については五段以上の広告は出さない、それからテレビについては三十分番組以上の番組は原則としてしないというような自粛要綱を作って、それを守らせているわけでございます。しかし、何しろ、そういう食品的医薬品といいますか、医薬品的食品というふうなものは、最近外国でもそういう傾向が保健薬についてはあるようでございますし、この点が御指摘のような点で非常に目に余るような感じを受けられているんじゃないかと思いますが、これにつきましては、私どもは、まず一般の治療薬としては、これは厳正にひとつ広告の自粛をしていただく、それからそういう保健薬といいますか、大衆薬につきましても、あまりにも薬を飲めというような広告のやり方、そういう方法についてもっと研究をするように、今業界にも私どものほうで要請をしているわけでございます。新しい年度からそういう点について、広告を禁止するというつもりはございませんが、広告の仕方についてもっと適切な指導をしていきたいというふうに考えているわけでございます。

大竹平八郎第二院クラブ

○大竹平八郎君 そこで、あなたのほうの行政指導の要領はわかりましたが、あなた方も現実にああいうものを見ておられるでしょうし、それから何か厚生省の局の中で、毎晩ああいうテレビを、チャンネルが幾つあるか知らぬけれども、それを一々見て、そしてそのあとで注意をしたとか、あるいは新聞を見て注意したとかというような前例が最近あったら、ひとつそれをあげて下さい。

牛丸義留厚生省薬務局長

○政府委員(牛丸義留君) これは、夜と限らず、朝から、実は監視課というものがありまして、その課にはテレビを備えて、そこで担当官がテレビを見ております。私どもも夜ひまなときは努めて注意しているのでございますが、医薬品の広告についての注意事項は非常に多いわけでございます。誇大広告としての取り締まりをしましたのは、年間で千三百件くらいございます。特にここに広告のいい例がございます。「女王蜂のスタミナの秘密」、こういうようなものは、指摘して直ちに取り消しさせております。これも誇大の例でございますが、かぜにしかきかないのに、「インフルエンザにきく」とあります。これも虚偽、誇大でございます。こういうものはすべて目のつく限り私どもとしてこれを直ちに撤去ないし取り消しの処分に付しているわけであります。

大竹平八郎第二院クラブ

○大竹平八郎君 いま一つその問題について申し上げたいのですが、往々にして有名人と称する人がこれに非常に利用されることが多いのです。マスコミを通じて有名人がいかにも一服飲んだら直ちに快癒する、一服飲んだら直ちに精力が旺盛になったということを平気でやっている。ああいうことは、対人的な問題もあるので、簡単にはあなたのほうもいかないかもしれませんが、とにかく新聞よりも一番今大きな弊害を与えているのはテレビなのですから、そういう意味で、ひとつ厳重に今後取り締まっていただきたい。われわれ自身で毛、ああいうふうに言われると、それじゃひとつ飲んでみましょうという気持になってずいぶん買った。私もこの間二週間ばかりかぜで寝て、まくら元に小さなテレビを置いて見ていると、いろいろなものが出るので、どうもあまり広告が上手だから、あれも買ってみよう、これも買ってみようということで、幾ら買って飲んでも一つもきかない。そういうわけで、これはほんとうに大衆を惑わせるということは事実ですから、厳重にこういうことについて取り締まっていただきたい。  それからその次は、先ほど大臣の説明の中にもありました麻薬関係で、今年度は前年度に対して予算も四倍強取ったということについて御説明があったわけですが、これは時間が長くなりますから端的でけっこうですが、現在の麻薬の被害状況について、手短でけっこうですから、ちょっと説明して下さい。

牛丸義留厚生省薬務局長

○政府委員(牛丸義留君) その前に、有名人の薬の使用という御指摘がございましたけれども、医薬品については、タレント以外一切そういう服用その他をテレビに出すことは禁止しております。酒とかなんとか、そういうものは別でございますが、医薬品は、タレント以外、したがって、俳優さんとかその他しか飲んだとかなんとかいう広告は出せないということになっておると思います。また、御指摘がございました点は、十分に注意したいと思います。  それから、次の麻薬の被害でございますが、これは主として中毒患者が発生をするということで被害が出てきておるわけでございます。それから麻薬の違反事件で毎年検挙される数は大体二千人程度ですが、その六、七割が中毒者が違反しておる。そういうことで、現在麻薬中毒者が国内に四万人ぐらいと推定されます。これは正確な数はなかなかつかめませんけれども、私どもの推定としては、四万人程度のものが麻薬中毒者であると思います。これは単に中毒患者としての被害だけでなくして、ほとんどがヘロインというような不法な麻薬でございまして、これは国外からの密輸、それを取り扱っておる者が日本人以外の第三国人が多いのでありますから、そういうようなものによる経済的な弊害というものも相当の金額に上ります。私どもは、そういうヘロインなどをやみ値で換算いたしまして少なく見積っても年間百五十億くらいあるのじゃないかというふうに考えておりますので、中毒患者がふえるということと、それからそういうものを媒体として経済的に不正な利潤を得てそれが別の面に使われておる、そういうものがほとんど第三国人であるという点が非常に大きな社会的な問題であると考えております。

大竹平八郎第二院クラブ

○大竹平八郎君 いわゆる販売ルートですね、これは今お話のとおり、第三国人が関係しておる。したがって、日本に神戸とかあるいは横浜とか港を中心にしたところが多いんでしょうが、これは、ほとんど一つの国際的な連絡の上にやっておるというように判断してよろしいのですか。あるいはまた、そうでなく、日本独自のやり方というのですか、そういうものがあるのか。あるいは、ほとんど国際的な連関の上に立って販売をやっている、そうしてまた、いろいろな暴力団を中心とする売り子を使ってやっているのか。その点はいかがですか。

牛丸義留厚生省薬務局長

○政府委員(牛丸義留君) 外国から密輸入する組織は、ほとんどが外国のそういう道の専門的にやっている連中が多いわけであります。しかし、それだけでは国内でそれが消化されるという道がございませんので、ほとんどその下に日本人がついている。それが最近は暴力団がいろいろな経済的な道がだんだんと断たれておる、あるいは利益が少ないということから、麻薬と暴力団の結びつきが特に最近目立ってきておるわけでございまして、結局、そういう第三国人の組織的密輸入組織と国内の暴力団というものが上のほうでくっつきまして、それが売春婦のひもという格好で売春婦に災いを起こす、あるいは一般の青少年等の不良に災いを起こす、そういうふうな組織が最近特に目立ってきておるように考えるわけであります。

大竹平八郎第二院クラブ

○大竹平八郎君 厚生省であれしている麻薬取締官事務所というのがありますね、これは、幾つあって、そうしてどういう活動をされておるのですか。

牛丸義留厚生省薬務局長

○政府委員(牛丸義留君) 麻薬取締官事務所と申しますのは、全国に八カ所ございます。北海道、東北、それから関東甲信越、中部、近畿、中国、四国、九州というように、八カ所の取締官事務所がございまして、ここに約百五十名の麻薬取締官が配属されて取り締まりの実態に当たっているわけでございます。そのほかに、各府県に、多いところは五、六名、少ないところでも一名おりますが、麻薬取締員というのが府県の吏員として配置されております。これは、全額国庫負担の地方吏員でございます。そういうことで約二百五、六十名の者が配置されておるわけでございます。これは、麻薬の中で正規麻薬のいろんな登録なり取り扱いの監督がございます。それから、麻薬を医療用に使っているお医者さんなりその他歯科医師なり薬剤師なりというものがございます。そういうふうなものの正規麻薬の取り締まり、それからそういうものに関連する不正麻薬の取り締まりということが取り締まりの主たる問題でございます。しかし、従来はなかなか警察も手が及ばないような点がございましたので、ほとんど麻薬取締官がすべての麻薬の違反を取り扱っているという実情でございます。

小平芳平公明会

○主査(小平芳平君) ほかに御質疑のおありの方はこざいませんか。——別に御発言もございませんので、厚生省所管に関する質疑は終了したものと認めます。  午前の質疑はこの程度にいたし、午後は二時から再会し、自治省所管について審査を行ないます。  暫時休憩をいたします。    午後零時五十五分休憩      —————・—————    午後二時三十分開会

小平芳平公明会

○主査(小平芳平君) これより予算委員会第四分科会を再開いたします。  分科担当委員に変更がございましたので御報告申し上げます。  林虎雄君が辞任され、その補欠として松本賢一君が選任されました。     —————————————

小平芳平公明会

○主査(小平芳平君) 昭和三十八年度総予算中自治省所管を議題といたします。  まず、政府より説明を求めます。藤田政務次官。

藤田義光自由民主党自治政務次官

○政府委員(藤田義光君) 自治省関係の昭和三十八年度歳入歳出予算につきまして、その概略を御説明申し上げます。  昭和三十八年度の自治省所管一般会計予算は、歳入二千四百余万円、歳出五千四百七十億三千六百余万円であります。  歳出予算では、前年度の当初予算額四千五百六十七億二千七百余万円に対し九百三億八百余万円の増額となっており、前年度の第一次補正後の予算額四千七百二十三億八千三百余万円に対し七百四十六億五千三百余万円の増額になっております。  自治省所管歳出予算に計上いたしましたものは、自治本省及び消防庁の所管事務の執行に必要な経費でありますが、以下そのおもなものにつきましてその大要を御説明申し上げます。  まず第一は、交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れに必要な経費であります。その総額は五千四百二億六千余万円でありまして、前年度当初予算額四千四百八十二億二千百余万円に対して九百二十億三千九百余万円の増額となっており、前年度の第一次補正後の予算額四千六百三十八億七千二百余万円に対して七百六十三億八千八百余万円の増額となっております。この経費は、昭和三十八年度における所得税、法人税及び酒税の収入見込額のそれぞれ百分の二十八・九に相当する領の合算額に、昭和三十六年度における地方交付税及び臨時地方特別交付金でまだ交付していない額を加算した額を計上いたしたものでありまして、すべて交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れられるものであります。  第二は、選挙の啓発関係経費であります。その総額は五億円でありまして、前年度の三億五千万円に比べて一億五千万円の増額となっております。この経費は、公明選挙運動を強力に推進し、国民の政治常識及び選挙道義の向上をはかるため必要な経費であります。  第三は、国有提供施設等所在市町村助成交付金でありますが、総領十二億円であります。この経費は、国有提供施設等所在市町村助成交付金に関する法律に基づいて国有提供施設等の所在する市町村に交付するため必要な経費であります。  第四は、奄美群島復興事業関係経費であります。  まず、奄美群島復興事業費でありますが、総額十四億六千四百余万円でありまして、前年度の十四億五千三百余万円に比べて一千百余万円の増額となっております。この経費は、奄美群島復興計画に基づく昭和三十八年度分の事業を実施するため必要な経費及びその通常に必要な人件費等であります。奄美群島復興計画は、昭和二十九年度から昭和三十八年度までの十カ年計画で、国費百二十一億一千八百余万円をもって、同群島の復興をはかるため、公共土木施設の整備、産業の振興等総領二百十四億一千九百余万円の事業を行なおうとするものであります。木事業は順調な進捗をみせ、逐次その成果をあげて参りましたが、昭和三十八年度をもって復興計画に基づく事業を終る見込みであります。  次に、奄美群島復興信用基金出資金に必要な経費でありますが、その総領は、五千万円であります。この経費は、奄美群島における産業振興に必要な金融の円滑化をはかるため、奄美群島復興信用基金に対する追加出資に必要な経費であります。これにより同基金に対する昭和三十八年度末における政府の出資総額は三億七千万円となります。  第五は、公共土木施設及び農地等の小災害地方債の元利補給に必要な経費でありますが、総額十三億五千八百余万円で、前年度の八億九千六百余万円に比べて四億六千二百余万円の増額となっております。この経費は、昭和三十三年、昭和三十四年、昭和三十六年及び昭和三十七年の各年における公共土木施設及び農地等の小災害にかかる地方債について昭和三十八年度分の元利償還金または利子相当額を関係地方公共団体に交付するために要するものであります。  第六は、固定資産税特例債の元利補給に必要な経費であります。その総額は五億二百余万円で、前年度の三億九千四百余万円に比べて一億八百余万円の増額となっております。この経費は、地方財政法の規定に基づいて、固定資産税の制限税率の引き下げに伴う減収補てんのための地方債について、昭和三十八年度分の元利償還金相当額を関係市町村に交付するために要するものであります。  以上のほか、地方財政再建の促進に必要な経費として一億二千九百余万円、新市町村の建設を促進指導するための経費として一千九百余万円、仲居表示制度の整備に必要な経費として五千余万円、新産業都市の建設と地方開発を促進するための経費として一千余万円等を計上しております。  また、地方公務員の給与その他制度の運用に関する事務及び固定資産評価制度の改正に伴う新しい評価基準の作成実施に関する事務の処理に必要な職員を十三名増加いたしております。  以上が自治本省関係の一般会計予算の概要であります。  次に、消防庁の予算の概要を御説明申し上げます。  まず第一は、消防施設整備費補助に必要な経費でありますが、総額七億一千六百万円で、前年度の七億円に比べて一千六百万円の増額になっております。この経費は、消防施設強化促進法に基づき市町村の消防ポンプ等の消防施設費及び都道府県の消防学校設置費に対して補助するために要するものであります。  第二に、消防技術総合研究施設の建設に必要な経費でありますが、総額一億円であります。この経費は、消火技術の総合的な実験研究を行ない、火災関係現象を究明して、火災予防施策の決定その他消火技術の近代化に資するための施設の建設に要するものであります。  第三に、退職消防団員の報償に必要な経費でありますが、総額六千六百余万円であります。この経費は、消防団員が多年勤続して退職する際に、国としてその労苦を謝するための報償を行なうものであります。  第四に、消防吏員及び消防団員に授与する賞じゅつ金に必要な経費でありますが、総額一千万円であります。この経費は、消防吏員及び消防団員が身の危険を顧みずその職務を遂行したことにより死亡しまたは不具廃疾となり特別の功労があった場合に賞じゅつ金を授与し、その功績を賞揚しようとするものであります。  第五に、日本消防検定協会(仮称)出資に必要な経費で、総額三千万円であります。この経費は、現行の消防用機械器具等の検定制度を義務制に切りかえるとともに、受検数量の激増に対処して業務の迅速化をはかるため、検定実施機関として特殊法人日本消防検定協会(仮称)を設立し、これに対し出資を行なうために要するものであります。  以上のほか、消防団員等公務災害補償責任共済基金の補助に必要な経費二千百余万円、災害予防宣伝事業を日本消防協会に委託するための経費一千四百余万円等を計上しております。  次に、特別会計予算の概要を御説明申し上げます。自治省関係の特別会計といたしましては、大蔵省及び自治省所管交付税及び譲与税配付金特別会計だけでありますが、本会計の歳入は五千七百六十八億一千八百余万円、歳出は五千七百六十億八千八百余万円でありまして、歳入は一般会計から地方交付税交付金及び臨時地方特別交付金の財源として受け入れられる収入、地方道路税法及び特別とん税法の規定に基づき徴収する租税収入、交付税及び譲与税配付金特別会計法の規定に基づき前年度の決算上の剰余金の見込額を本年度において受け入れる収入その他であります。  歳出は、地方交付税交付金、臨時地方特別交付金、地方道路譲与税譲与金、特別とん譲与税譲与金として、各法律の規定に基づいておのおの定められた地方公共団体に対して交付または譲与するために必要な経費その他となっております。  以上、昭和三十八年度の自治省関係の一般会計予算及び特別会計予算につきまして御説明いたしました。  何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。

小平芳平公明会

○主査(小平芳平君) ただいまの説明に対し、質疑のある方は、順次御発言を願います。

大竹平八郎第二院クラブ

○大竹平八郎君 二、三の点につきまして簡単にお尋ねをいたしたいのですが、最初に、東京都制の改革の問題についてお尋ねいたしたいのです。これは、この間も新聞にも出ておりましたが、昨年の十月だったと思います。地方制度調査会におきまして東京都制を中心にいたしまする地方自治の改正問題についていろいろ審議をせられ、そして大体その成案ができたということを私ども聞いたわけであります。この問題は、私ども地方制度調査会の委員をしている時分にもいろいろ問題があって、なかなかまとめることができなかった問題で、ことに東京都制の改革ということは、おひざもとだけに非常に問題が多くあるわけでありますが、そこで、大体改革の内容を仄聞いたしますと、都から特別区に対して保健、衛生あるいは福祉というような従来都で直接やっていたものを委譲するというようなこと、あるいは、区会議員の定員の問題を最高限六十人で押える、さらに、連絡調整のために都・区協議会を新設するというような点が骨子のように聞いているのでありますが、概略をひとつお答え願いたいと思います。

藤田義光自由民主党自治政務次官

○政府委員(藤田義光君) ただいまお尋ねのとおり、現在、自治省におきましては、御発言のような諸点につきまして鋭意検討中でございまして、まだ最後の締めくくりの案は確定しておりません。確定次第、至急国会の御審議を願うつもりでおります。母体的な個々の点に関しましてもし必要であれば、行政局長から答弁させたいと思います。

佐久間彊自治省行政局長

○政府委員(佐久間彊君) 東京都制の改革を中心といたしまして地方自治法の一部を改正する法律案につきまして、ただいま政務次官がお答えになりましたように、現在成案を急いでおる段階でございます。案の内容となりますものは、先ほどおっしゃいましたように、昨年の地方制度調査会の答申を尊重いたしまして、できるだけ答申の趣旨を実現するということを方針としておるわけでございます。  おもな点は、おあげになりましたように、第一番目は、東京都から特別区へ事務を大幅に委譲するという点でございます。現在、この事務委譲の対象といたします事務につきまして、なお検討をいたしておる状況でございます。それから第二番目には、区会議員の定数について限度を設けるという点でございます。これも、先生のおっしゃいましたように六十名というのも一つの案として検討をいたしておるわけでございますが、まだ決定いたしておりません。三番目は、先ほど先生がおっしゃいましたように、都と区の事務委譲後もなお連絡調整を緊密にして参るための都・区協議会の点でございます。以上大体案が固まりつつございますが、事務委譲の問題につきまして、なお二、三関係方面と意見の調整をいたしておるような点があるわけでございます。

大竹平八郎第二院クラブ

○大竹平八郎君 そこで、私の質問に対しまして、今法案作成中だという立場においてお答えできないという点は、あっさりそう言って下さい。また、せっかくの機会でありますために、この際いろいろ意見を申し上げますので、参酌すべきものは大いに採用してもらいたい、こういう意味において一、二点御質問申し上げます。  そこで、私はこの改正で一番大きな関心を持っておりますことは区長の公選問題で、これは非常に私ども大きな関心を持っておるのですけれども、どうも今度の調査会の内容によりますと、区議会が都知事の同意を得て任命するということで、従来とほとんど全く変わっていないような方針が答申されたというように私ども聞いておるわけでありますが、これがしばしば問題になっておるのでありまして、区長の選任方法は、都知事の諮問機関でございます都政調査会というのがございますが、これはやはり昨年の八月か九月だったと記憶いたしておりますが、ここの答申で公選の線を非常に大きく打ち出しておる。また、政府の態度がどうであろうとも、公選をやるべしという声はちまたに非常に多いわけです。ところが、今度の自治省の諮問機関であります調査会の答申は、現行制度に手をつけないことになっておるということは、結局、私が申し上げました区議会が都知事の同意を得て任命するというので、少しも変わっていないということなんで、これだけ大幅にいろいろな複雑した事務が特別区に委譲されるということになれば、当然これは民主主義のあり方から申しましても区長というものは公選に踏み切るべきだ、私はそう思っておるのでありますが、この点について当局の意見をひとつお伺いいたしたいと思います。

藤田義光自由民主党自治政務次官

○政府委員(藤田義光君) 御指摘のとおり、昨年十月一日の地方制度調査会の答申の中には現状維持をうたっておりますし、それ以前に答申しました都政調査会の答申では公選を取り上げております。二つの調査会の案が食い違っておることも御指摘のとおりでありますが、この点に関しましては、特別区の本質的な問題、法律上の性格の問題その他いろいろ研究していることは事実でございますが、今回の自治法改正案では、地方制度調査会の答申を認めざるを得ないのではないかという情勢でございますが、まだ、先ほど申し上げましたとおり、法案全体に対して確定案はできておりません。

大竹平八郎第二院クラブ

○大竹平八郎君 これは政務次官、あなたは政治家として長い御経験がおありで御承知だと思いますが、これはもうたびたび大きな問題になっておることなんですね。せっかくこういう改正をせられて、清掃事務だとかやれいろいろな事務が大幅に委譲されていくというときに、公選制というものを相変わらずそのままほうり出して、そして任命制度のようた格好が行くというようなことは、何か仏作って魂入れないという感じを私どもは強く受けるのですね。これは私は一部の政党の人の立場を言っているわけじゃなく、われわれは善良な区民としての立場から見ても、はっきりこれは言い得ると思うのですが、そこで、政府は、答申案は何もそのまま遂行しなければならぬということはないわけなんで、この間も税制調査会の問題に関連して池田総理の発言を見ましても、あるいは選挙法問題についての答申についての池田総理の発言を見ましても、ほとんど、逆に言うならば答申案を踏みにじっている。これは政治家はそのくらいの勇気を持つのがあたりまえだと思うのです。そういうことで、なぜこの公選を否とするかというその気持がどうしてもわれわれにはわからないのですが、この点、ひとつ重ねてお尋ねしたいと思います。

藤田義光自由民主党自治政務次官

○政府委員(藤田義光君) 実は、占領中にできました現在の地方自治法が昭和二十六年に大改正されました際、私も地方行政委員をしておりまして、ただいま御指摘のような区長の公選問題は、非常に傾聴すべき意見であると当時から考えておる一人でございます。現在、公選に対しまして自治省があげて消極的というわけではございません。公選にすべしという非常に熱心な要望もありますし、現状で行こうという要望もあります。いろいろな意見を総合いたしまして最後の結論を出したいということでありますが、率直に申し上げまして、現在の省内の態勢は、地方制度調査会の答申に似たようなものに落ち着くのじゃないかということを率直に申し上げたわけでございまして、ただいまの御発言の趣旨は、大臣にもよくお伝えしまして、十分検討はしてみたいと思っております。

松本賢一日本社会党

○松本賢一君 関連して一宵。今の問題ですが、終戦直後というか、新憲法ができて、一回か、あるいは二回だったかもしれませんが、選挙で公選が行なわれたわけです。それが、今の政務次官がおっしゃった二十六年の改正で今のような制度になったわけですね。そのときのいきさつを私たちよく知らないのですが、なぜ公選だったものを今のような妙な格好にしたのかということがふに落ちないのですが、その点、ちょっと御説明いただきたい。

藤田義光自由民主党自治政務次官

○政府委員(藤田義光君) 当時の詳しいいきさつは行政局長からお答えいたしますが、実は、当時、その原案に対しまして、私個人としましては改進党に所属いたしておりまして、相当消極的な態度をとったいきさつもありますし、先ほど来の御発言に対しまして、非常に傾聴すべき意見だということを考えております。

佐久間彊自治省行政局長

○政府委員(佐久間彊君) 当時私も直接関与いたしておったわけではございませんので、正確に申し上げかねますが、承知いたしておりますところでは、地方自治法によりましてお話のとおりに公選制がしかれたわけでございますが実施をいたしました経験にかんがみまして、現行法のように改められたわけでございます。その理由といたしますところは、東京都の特別区は、地方公共団体ではございますけれども、一般の市町村とは違って、東京都の特に二十三区というものは、社会的、経済的に申しますと、大都市地域、大都市の実体を持っておるわけでございまして、それの中の部分的な自治団体という性格を持っておると、したがいまして、区の自治権を尊重すると同時に、都としての一体的な性格、統一的な行政執行に支障のないようにする必要があるという点がたいへん強調されておりましたようでございまして、したがいまして、大阪その他におきまするような純然たる行政区ではない、さりとて一般市町村のような完全な自治団体でない、ちょうどその中間的な、ある程度権能を制限された自治団体といたしまして、それに適応した区長選任方法に改める必要があるということが大きな理由となっておったように承知をいたしておるわけでございます。

大竹平八郎第二院クラブ

○大竹平八郎君 公選問題は、いずれまた国会でもいろいろ問題になると思いますので、あとに譲ります。  そこで、今度のこの改革を見ますると、都の、たとえば保健所の移管を初め、福祉事務所とか、あるいは公営住宅の管理、こういうものが区に一応委譲されていく。したがって、特別区の処理するものは、現在の十項目から一躍二十項目にも倍増するというように非常にせわしくなるわけでありますが、この結果、特別区には一般都市と同等以上の権限が与えられるわけです。そういうような意味からいって、また重ねて申し上げますが、公選問題というものがまたひっかかってくるわけです。そいつは留保いたしまして、そういうわけで、五大市など二十九市に限って保健所の設置が認められているような事情によっても、今度二十三区がそれぞれ大都市に近い事務を受け持つと、こういう形になってくるのですが、この一体ねらいというものは、ただあくまでも都行政というものが肩の荷が重過ぎるというようなことで区に委譲するというようなことから出発をいたしておるのか、ほかにどういう理由があって大幅な委譲をしなければならないのか、その点をひとつ伺いたい。

佐久間彊自治省行政局長

○政府委員(佐久間彊君) 理由のおもな点は、ただいま先生のおっしゃいましたように、東京都が現在いわれておりますような交通、水、あるいはその他大規模な公共施設、事業等を目前に控えまして、それらのほうに十分重点的に力を集中することができるように、できるだけ区で処理できる仕事は区に委譲して都が身軽になるようにということが第一の点でございます。第二の点といたしましては、やはり本来普通の市町村でやっておりますような住民の身近な事務というものは、なるべく住民の身近なところで処理させるほうがいい。そういう観点からいたしまして、現在の都におきましては、本来区でやってしかるべき仕事を都が少し多く取り込み過ぎておるのじゃないか、そういう点をも考えて事務を委譲するということを考えておるわけでございます。

大竹平八郎第二院クラブ

○大竹平八郎君 そこで、たとえば東京で日常生活で一番大きな問題は清掃問題というようなものがあるわけですが、まあ今までは清掃問題自身が都で扱われたということで、もうすでにその清掃関係従業員の方面から委譲について反対の声が非常に多いわけなんでありますが、その点は局長あたり聞いておりますか。

佐久間彊自治省行政局長

○政府委員(佐久間彊君) 聞いております。

大竹平八郎第二院クラブ

○大竹平八郎君 それについての御意見は。

佐久間彊自治省行政局長

○政府委員(佐久間彊君) 清掃事務につきましては、一般的に抽象的に申しますと、住民の日常生活に一番身近な仕事の一つでございますから、原則的には区で処理するという方向が適当であろうと考えておるわけでございます。ただ、いろいろ御意見もございますように、東京都の実情からいたしますと、都内につきまして、施設の整備につきましても、あるいは業務の執行につきましても、相当広域にわたって統一的に考えていかなければならない必要もかなりあるように思うわけでございます。したがいまして、方向といたしましては区に委譲するということが適当と思いますけれども、統一的にあるいは広域的に処理しなければならない必要な部分は都に残しておくという振り分けが必要ではなかろうか。そういう点につきまして、現在都のほうのお考えもいろいろ御研究をいただいておるわけでございまするし、私どもも、いろいろ関係団体、組合等から伺っております意見につきましても、現在なお検討中でございます。

大竹平八郎第二院クラブ

○大竹平八郎君 そこで、従来十項目が二十項目にもその取り扱いの管轄の状況というものがふえてくるということで、おのずからそこに人事の異動というような問題が出てくるのでありますが、都から区に大幅な異動があり得ることが予想されるのですが、こういう状況はどうなっておりますか。

佐久間彊自治省行政局長

○政府委員(佐久間彊君) 都から区に大幅に事務が委譲になりますけれども、都と区との関係の特殊性にかんがみまして、と申しますのは、区に委譲されました事務につきましても、各区がある程度均衡を保ちまして、しかも、ものによりましては、都全体としてある程度統一的な処理を要することもあるわけでございまするので、区に委譲されました事務に従事する職員につきましても、現行どおり、職員の身分は都の職員にして参ることが適当であろう。この点につきましては、都政調査会あるいは地方制度調査会の答申もそのように述べておられますので、現在検討中の案もそのように考えておるわけであります。

大竹平八郎第二院クラブ

○大竹平八郎君 次に、はしょりまして、刑事局長に、昨日本分科会でも問題になったのでありますが、少年による凶悪犯の問題、この統計を昨日いただいたのですが、非常なおそるべき状況を統計の上に示されておるわけでありますが、たとえて言いまするならば、十四才までの凶悪犯の数が、昭和三十二年に二面六十九人であったものが、三十七年には七百五十人。それからそのうちの殺人を一つ見ましても、三十二年に六人のものが七人。それから十四才から十八才のものが、殺人が九十名、三十七年に百十九名。それから、この犯罪の数はこれから伺いますが、ことに強姦などを見ますると、十四才までが三十二年に四十二件、それから十四才から十八才までが千六百八十六件、それから三十七年が十四才までが百十七、そうして十四才から十八才までが二千百六十九。まあこういうような統計が示されたわけであります。私ども昨年欧米に参りまして、特に非行少年の問題に大きな関心を持っていろいろ調査もして参ったわけなんでありますが、むろんこの犯罪の動機、やり方、まあいろいろ環境により違いますが、こういう非行少年の凶悪犯というものを、大体この荒筋といいますか、そういう点について何かお調べになったものがありましたら、ひとつこの際伺いたいのです。

宮地直邦警察庁刑事局長

○政府委員(宮地直邦君) 今突然のお呼び出しでございまして、詳しい資料を持ってきておりませんけれども、私のほうで、一般的に犯罪の動機というものは何かというようなことは調べておる次第でございます。

大竹平八郎第二院クラブ

○大竹平八郎君 それをちょっと。

宮地直邦警察庁刑事局長

○政府委員(宮地直邦君) 今ちょっとそれを持って参っておらないのでございます。

大竹平八郎第二院クラブ

○大竹平八郎君 それでは、重ねてお尋ねいたしますが、それはまあ犯罪の数としては何十万件なんでしょう。検挙せられる数は何十万件で、そのうちの最も悪質なものがこれなんですね。凶悪犯としてこれに載っておるので、学校の環境とか、それから家庭の環境とか、そういうものについて、これくらいの数なら大体お調べになったのは何かあるのじゃないですか。

宮地直邦警察庁刑事局長

○政府委員(宮地直邦君) 保安局のほうにおきましてそういうことについて調べたものがあると思いますから、これはまた後刻差し上げることにいたしまして、一般的に申しまして、少年の犯罪というものは、家庭の環境において非常な影響を受けると同時に、少年犯罪は集団性を持っておりますから、学校その他におきまして本人が悪くなくとも結果的にそういう事犯に巻き込まれてしまうということが相当見受けられるのでございます。

大竹平八郎第二院クラブ

○大竹平八郎君 たとえば、このうちでこれはいいものは一つもない、全部悪質なんですが、悪質中の悪質の最後の強姦なんていうような問題は、これはしかしそうそう集団的なものじゃないのじゃないですか。今局長の言う、本人はそういうつもりはなくとも何となく引っぱられていったというようなものじゃないのじゃないですか。もう少し本質的なものじゃないのですか。

宮地直邦警察庁刑事局長

○政府委員(宮地直邦君) 今申されましたとおりに、ここで刑法犯として調へましたものは、少年の犯罪のうちの少年のうちの一部でございまして、ここへ参りますまでに、いわゆる少年法第三条に言う虞犯少年というものは多数あるのでございまして、御指摘のとおりに、ここに上がりました数字というものは少年犯罪中でも相当憂慮すべきものなのでございます。

大竹平八郎第二院クラブ

○大竹平八郎君 そうすると、これは、少年ですから、前科者という言葉はどうかと思うのだけれども、要するに、率直に言ってそういうものが多いということですね。

宮地直邦警察庁刑事局長

○政府委員(宮地直邦君) 概括的に申しましてさようなものでございますが、ただ、少年事件で申しますというと、成人と違いまして、その結果だけをもって直ちにその本質を批判できない面もある。強姦につきましても、最近、手口におきまして輪姦が多くなっておる。そういうために、その行為一つを取り上げますと強姦ということになりますが、周囲がそういう状況になる、こういう場合が非常に多いのであります。

大竹平八郎第二院クラブ

○大竹平八郎君 そこで、これは今日どこの家庭でも、若い男の子供二人や三人持っておれば、一人や二人が必ずスケート場でなぐられたとか、あるいは何か集会場所でけんかを売られたとかいうような経験のある家庭が非常に多いと思うのです。ということは、いかにそういったチンピラ的な犯罪というものが全国的にいかに多いか、そういうようにわれわれ解釈できるのですが、率直に私の、これはみんなもう大学を出たのですが、三、四年前に、私どもは慶応に行ってるのが二人あった。これは別に自分からふっかけたわけじゃないけれども、一人は、慶応の選手もやっているものだから、スケートがうまい。スケートがうまいのを見て、そして寄ってたかってきて逆に後楽園で出がけに何のあれもなく因縁をつけられてなぐられたとか、あるいは、兄貴のほうも、ヨットのほうでチャンピオンをやってキャプテンなんかやっていた。何か格好がなまいきだというのでしょう。何をやっても運動神経があれしているから、そして横浜でやはり不良につかまってやられて切られたとか、何にも抵抗もなく、われわれ自身の家庭で二人いて、二人とも二度三度もそういう経験を持っているのです。そういう点から言って、犯罪の数、特に犯罪の動機は、今局長の言われた、ただ単に単独行為というよりも、集団的な行為か多い。しかし、そういうものを環境的に生んでくるということは、やはりスケート場とか、あるいは深夜喫茶とか、そういうところに多いと思うのですが、その点はどうですか。

宮地直邦警察庁刑事局長

○政府委員(宮地直邦君) 御指摘のとおり、少年犯罪がふえました原因につきましては多々あると思います。されましたように、深夜喫茶あるいは映画その他不良文化財——文化財という言葉は不適当だと思いますが、通称不良文化財、こういうふうなものの総合的な影響の結果が今申しましたような現象面に現われてきているものだと思っております。

大竹平八郎第二院クラブ

○大竹平八郎君 それらの一般の取り締まりというものは十分やっておられると思いますが、しかし、限度のある警察人員でもあるので、そういう問題がしょっちゅう起こるのでしょうけれども、その取り締まりは、常時どういう工合にやられておるのですか。

宮地直邦警察庁刑事局長

○政府委員(宮地直邦君) 少年犯罪につきましては、著しく増加いたしまして、今お手元に差し上げましたような数字というものは、これは戦後の特別な傾向なのでございます。戦前は、全刑法犯のうち一〇%前後が満二十才未満の者による犯罪であったわけであります。この統計を見てもわかりますように、最近は、二〇%以上二五%前後のものが少年によって起こされている、こういう状況でございますので、すでに新しい警察制度になりますとともに少年警察というものを確立いたしまして、少年犯罪の特殊性及びそのよって起こる原因というようなものも調査いたしまして、われわれのほうといたしましては、特に警察行政の重点項目の一つといたしましてこれが取り締まり及び予防に力をいたしておるのでございます。もちろん、われわれ今お示しになりましたような深夜喫茶というようなもの自体につきましても、これは風俗営業取締法によっていたすのでございますが、法によって取り締まられた範囲内において見ましても、これがはたして少年の健全なる育成について望ましいか望ましくないかということになりますというと、相当問題があることだと思います。したがって、そういう面につきましては、関係方面との行政指導と相待って、われわれのほうの取り締まりの効果が上がるように、たとえば、中央青少年問題協議会とか、あるいは地方におきますそれらの協議会と連絡をとってこれらの措置をいたしておるのでございます。

大竹平八郎第二院クラブ

○大竹平八郎君 そこで、非常に厳重に取り締まりをやられておることはけっこうだし、それをぜひ望んでおるわけですが、しかし、それほど警察当局で力を入れていても、実際の数字というものは統計的に上がっておるでしょう。

宮地直邦警察庁刑事局長

○政府委員(宮地直邦君) やはり、あらゆる面におきまして、少年自体に対する検挙あるいはその前の段階の虞犯少年の補導、こういう面においても数字が上がっておりますことは、提出いたしました資料のとおりでございまして、その他の違反につきましても十分力を入れていくところでございます。また、現行法律におきましても、不備な点につきましては、たとえば、一方におきましては暴力行為取締法の改正という点を法務省のほうにおきましてこれを提案をし、また、いわゆる小暴力等につきましては警視庁におきましては通称ぐれん隊防止条例、こういうようなものを作る。この風潮が全国に及びまして、各県それぞれの条例等によってさようなことのないように、われわれのほうも独自の立場におきまして努力をいたしておるのでございます。

山本杉自由民主党

○山本杉君 ちょっと関連。この数字ですけれども、きのうもちょっと伺ってみたかったのですが、この中には麻薬関係は入っておりませんか。

宮地直邦警察庁刑事局長

○政府委員(宮地直邦君) 入っておりません。

山本杉自由民主党

○山本杉君 この年令で麻薬の犯罪というのはございますか。

宮地直邦警察庁刑事局長

○政府委員(宮地直邦君) 二千三百人中二%くらいのものは麻薬を使用しておるということでございます。

山本杉自由民主党

○山本杉君 何才ぐらいですか、それは。

宮地直邦警察庁刑事局長

○政府委員(宮地直邦君) 麻薬につきましては、二十才以下と申しましても、その高年令層に当たるものでございます。

山本杉自由民主党

○山本杉君 きのうの朝でしたか、アルゼンチンの大使をしていた人で津田さんですが、アルゼンチンでは、日本の移民が何十年も向こうに生活しているけれども、一度も警察の御厄介になったことがないということを言っておりました。それからまた、昨年の秋私アメリカに行ったときに少年審判所などもたずねたりいろいろいたしましたが、日本の子供の犯罪というものは数字の統計の上に出てきていないということなんですが、どういうわけで日本の国内ではこんなに数字が多くなっているのでしょうか。

宮地直邦警察庁刑事局長

○政府委員(宮地直邦君) 今、先生の御指摘のとおり、私も詳しい統計数字は持っておりませんけれども、外国におきます日本の二世ないしその子供のいわゆる少年犯罪といいますか、少年非行というものは、著しく少ないのであります。したがって、外国は、日本における少年犯罪というものが今われわれが声を大にすることはおかしいのじゃないかといって、現在の国内事情を知らない者は、今先生の御指摘のとおりに申されるのでありますが、戦後の風潮といたしまして現実に私どものほうにおきましても最も憂慮すべき傾向の問題として少年犯罪が現実に起こっております。

山本杉自由民主党

○山本杉君 そこに何か問題がありはしないかと思うのですが、それはひとつ掘り下げてごらんになっていただいて、そしていろいろと指針を与えていただきたいと思うのですけれども。

宮地直邦警察庁刑事局長

○政府委員(宮地直邦君) これは、成人犯罪と少年犯罪の比較の問題になっておりますが、やはり成人犯罪もふえており、そのうちで少年犯罪が著しい増加率を示している。しかも、たびたび申しておりますように、だんだん最近はその少年犯罪が低年令層に移行しておるということなのでございますが、その原因と申しましても、われわれのほうが見ますというと、一応、小づかいがないとか、あるいは遊興費に充てたい、こういう動機というものが相当多くなっている。広く申しまして一般の社会風潮の影響であろうかと思います。また、それに対応する施策というものにつきましても、われわれのほうで十分考えなければいかぬのじゃないかと思っております。

山本杉自由民主党

○山本杉君 今の御説明ですと、やはりさっき大竹先生がおっしゃったような深夜喫茶みたいなもの、ああいうものの取り締まりをもっと厳重になされば、ある程度こういうものも少なくなっていくのじゃないか、どうもそういう面で不徹底だということを感じることが多過ぎます。私どもから言えば。

宮地直邦警察庁刑事局長

○政府委員(宮地直邦君) 御指摘のとおり、われわれのほうでも、いわゆる深夜喫茶というものにつきましても取り締まりはいたしておるわけでございますが、深夜喫茶の取り締まりというのは、つまり風俗営業等取締法に触れた場合において、その脱法として深夜においても風俗営業をやっておるということは、これは論外でございますが、現在のところ、一定の明るさを持っておりますというと、深夜喫茶として喫茶を営業することができるわけでございます。これは、法的措置としてわれわれのほうとしては最小限度のことを要求しておるのでありまして、それさえ守っておれば青少年の育成という面におきまして十分であるかどうかにつきましては、これはまた社会教育なりその他の家庭の指導なりということと両者相待たなければならない。つまり、法律で取り締まっただけでは、この問題は、われわれ決して責任のがれという意味ではなくて、十分ではないということを痛感いたしておるものでございます。

山本杉自由民主党

○山本杉君 私は、そういうところに問題がありはしないかということを伺っているのです。それは家庭教育とか社会教育の面はもちろん大事なことで、たとえば売春防止法という法律があっても、売春はどんどん平然と行なわれているじゃないか。こういうふうに、法があるということがかえって妙な形で、今お話しのように、法に触れれば取り締まることができるけれどもというような格好で見のがされておる面が多過ぎると思う。非常にそういう点がルーズになっているんじゃないかと思うのですけれども。

宮地直邦警察庁刑事局長

○政府委員(宮地直邦君) 私のほうで、彼らのこういうような事態でございますから、決して風俗営業の取り締まりにつきましてこれを等閉視いたすということはございません。いたしておるのでございますが、法的規制をする限度というものがおのずからあるわけであります。今のところも、これは四、五年前と思いましたが、深夜喫茶が問題になりましたときに、風俗営業等取締法を改正いたしたわけでございます。規制の対象といたしたわけでございます。しかし、法的措置をもってこれを規制すべき範囲というものはおのずから限界がございまして、その限界を越えた部分というものにつきまして、今申し上げましたように、社会教育的に見て家庭教育あるいは一般の教育というふうに期待をする面もある。われわれは、その法律の限度内におきましてはあらゆる努力をいたしたい、こういう意味でございます。

大竹平八郎第二院クラブ

○大竹平八郎君 局長の話はよくわかるのです。そこで、青少年のこういう犯罪の取り締まりというものは、ただ権力だけではどうにもできないという点はよくわかります。そういう点から、これはどうもやっぱり学校、家庭、それから地区警察及び警察関係の防犯協会とかなんとかいう、こういう人たちの協力に待なければならんと思うのですが、そういう点から考えまして、これは単にあなたのほうは取り締まるというような方面ではあっても、やっぱり地区警察というものについてあなたのほうから大いに働きかけて、たとえば私らのところも事例が幾つかあるから知っておるのですが、時間の関係で一々申し上げませんが、一たんたとえば中学三年とか高等学校一年で不良の仲間に何となく引きずられていくということになりますと、警察にあげられて、それで家庭も相当な家だというので、両親は、警察に行く、学校に行く。いろいろ話を聞いてみる、本人にも会っていろいろ話をしてみれば、根っからの悪い性質じゃないから、すぐに悔悟をする。しかしながら、悔悟はしても、また一月くらいたつと同じような犯罪を繰り返す。それが二度、三度ということになると常習になっていくというような例が、これはあなたのほうで調べていると思いますが、たくさんあるのですね。そういう点で、これはどうしてもやはり強力な警察の保護というものに待たなければ、本人は、警察よりこわい、一たん連中の仲間の烙印を押されると。そういう点で、どうしても警察に行くのがいやならば、あるいはその地区の防犯協会の何とかというようなそういう協議会のようなものを作って、そういうところに泣きついていけば助かるのだ、絶対にあそこへ行けば助かるのだという安心感を与えてやるということが私は非常に必要じゃないかと思うのです。私も例をたくさん知っているのですがね。どうしてもこの問題は、これだけ改心してまたやっているのかというと、それはいつの間にかねらって誘惑をしていくわけなんですね。そういう点について、どうですか、防犯というか、あるいは累犯をさせないというような意味において、何か強力な手を打つという方針がないものですか。

宮地直邦警察庁刑事局長

○政府委員(宮地直邦君) 今御指摘の点、確かに少年犯罪の一つの特徴としまして、少年自体に模倣性があるという一方におきまして、少年は集団的に犯罪を犯していく、こういう点におきまして、本人にも責任がありますが、今あとから申しましたように、グループというものによって犯罪をいたしますから、一たんそのグループの中に入りますと、なかなか抜け切れないという宿命を持っております。したがって、純粋のわれわれの立場から申しますと、多くの少年は、そのグループが解体された場合には、グループが解体するすなわちその中心人物が措置された場合におきましては、その影響力は著しく落ちるものであります。したがって、われわれのほうにおきましても、いわゆる不良少年団というようなものが発見された場合に、その行為ということにつきましてわれわれはこれを軽視するわけではございませんが、その影響力を与えた者、いわゆる中核的な人物というものにつきまして非常に注意をいたしておるわけでございます。  また、その子供の将来の問題ということでございますけれども、特に先生が御質問になった点でございますが、そういう場合につきまして、これはひとつ地、区ごとにだれかその責任者になってやったほうがいいかどうかという問題が場合によっては警察が表に出るほうがよいという場合もありますし、あるいは警察があまり表に出ないほうが効果が上がるという場合もある。それらの状況に応じて、特にわれわれのほうでは、学校の先生と連絡をとりまして、あるいは先生にそれを頼む。家庭がしっかりしておるならば家庭にそれを言う。欠そん家庭等におきましては、多くの場合これは不可能でありますが、間々良家の子女でありながら、こういうグループに入るという場合もありますので、これは個々の事件の内容によって措置をいたしておるのでございます。ただ、一般論として申しますと、どうも警察という所に参りますというと、烙印を押されるというようなこともございますので、各地に補導センターというようなものを作りまして、警察はこれに十分監督と申しますか、補導センターの運営ということにつきまして注意をいたしますことは事実でございますが、当たる面につきましては、補導委員その他一般の有識者の方々に運営していただきまして、その影響ということを考えまして、今の御期待の一部に沿うように努力をいたしておるわけでございます。

大竹平八郎第二院クラブ

○大竹平八郎君 そこで、結論として申し上げますが、要するに、その子供が何となく引っぱられて、そうして何となくやったという犯罪が非常に多いわけですね。しかし、これは、一度警察にあげられて烙印を押されると、お前はもう何をやったって前科一犯だ、逃がれられないのだというようなことで、脅迫されるということが多いというのは私が言うとおりなので、そこでどうしても、今あなたがおっしゃるように、警察でもよいと思うのです。それから、補導センターというものができておるなら、そういう所でもよろしいが、とにかくそういう所に自分が飛び込んでいったらば、安心して救われるということの処置だけはぜひとつてもらわないと、また二度、三度と繰り返してしまったのではどうにもならなくなるというような状況に落ちていくと思うのですが、まあそういう意味で、十分のひとつ今後取り締まり、補導をやっていただきたいと思うのです。それから、これは今まあ大体青少年の非行を中心にしての問題なのですが、さらに、それに関連をいたしまして、最近新聞でも非常に高く取り上げているのですが、いわゆる小暴力犯というものでしょうかね。電車の中で暴力をふるう、あるいは汽車の中でふるう、あるいはバスにかき込みをやる。この間も新聞に出ていたとおり、渡辺銕蔵博士が思い切って注意をして、非常に各方面から賞賛をされている。何でもないようなことだけれども、ああいうようなことでも、このごろでこそああやって新聞でも取り上げるから、何かこう最近出てきたことのようだけれども、あんなことは、終戦直後から今日までいくらでもあるのですね。これまでわれわれ自身も何回か経験したことでもありますし、ああいうようなことについて、ふだんは、刑事といいますか、私服といいますか、鉄道には鉄道の公安官という者がいるのですけれども、たとえば都電とか、あるいはスリならスリのみで取り締まらなければならぬというわけではないし、暴力を見れば、同じ警官なら取り締まるのは当然なのですが、そういうふだんのああいう公共物なんかについての配置なんというのはどうされているのですか。

宮地直邦警察庁刑事局長

○政府委員(宮地直邦君) これは、私どものほうでは移動警察と申しておるのでございますが、終戦直後の混乱の場合におきましては、御承知のように、私服の警察官と制服の警察官の乗りまして、この警戒に当たったわけでございます。最近は、制服が警察官は乗ることがきわめて例外的になっておりますが、特にスリ犯その他小暴力のために、刑事を主体とした警察官が常に一定の路線につきましては乗っておるわけでございます。この計画につきましては、前月のそういう事犯の統計に基づきまして、各県単位におきまして、これが措置できるものについては本部において計画を立てる。あるいは長距離列車の警備につきましては、数管区にまたがる所におきましては、管区におきまして調整をとりまして、移動警察官としてこれを乗車せしめておるところでございます。最近そういう事犯が比較的多くなりましたので、この乗車頻度というものにつきまして、私どもにおきましても、十分そういうことの予防をねらいまして、移動警察の強化をはかっておりますが、何分多数の列車でございますので、十分行きとどかない面があることは、まことに遺憾だと思っておるのであります。

大竹平八郎第二院クラブ

○大竹平八郎君 それで、予防という面から言いまして、むしろ私服なんかよりも、やはりピストルをさげて、いかめしくしておるほうがむしろ予防になるのじゃないですか。同じ背広を差ていれば、これは国会議員さんも何もわからぬ、バッジでもつけていなければ。やはり制服を着ているということになれば、お客さんのほうも安心感もあるし、それから、あんなものは計画的にまさかやろうとしてやるわけではないでしょうし、そういう意味で、むしろ制服のあれを乗せているほうがいいのじゃないですか。どうですか。

宮地直邦警察庁刑事局長

○政府委員(宮地直邦君) 予防的効果をねらいます場合には、御意見のとおりだと思っております。ただ、列車等におきまして、制服警察官が乗りますことにつきまして、一部には相当強い反対意見もございますので、これらにつきましては、その事態に応じてわれわれのほうは考えたいと思っております。

大竹平八郎第二院クラブ

○大竹平八郎君 最後にいま一つ、暴力関係ですが、これは私、二、三年前の分科会でも質問をし、要望もいたして、その結果、非常によくいって好評を博した問題なんですが、御承知のとおり、今の日本がレジャー・ブームで、夏は海、冬は山という工合に、非常に海山がシーズンによってにぎやかになる。そうすると、人の集まる所には、御承知のとおり不良が行く。これは、チンピラの不良というよりも、むしろ本職的な暴力団というようなものが集結をすることは御承知のとおり。そこで、かつて当局がやられたのに、ふくろう部隊というのが海岸か何かに始終パトロールされた。これが非常にいい成績を上げて、各方面から非常に好評を博した。結局、ああいう暴力団ですから、これは力に対して力で抑えるより仕方ないので、屈強のふくろう部隊がパトロールする。自然やろうとするものもできなくなるというようなことで、これは海岸だけでなく、このごろは、山に行っても安心して若い人たちがキャンプ生活もできないというのが現状なんですね。そういう意味で、これは海岸とか何とかいうだけでなく、山とか、要するに人の集まる所にそういう強力な態勢をできるだけ敷くということが必要じゃないかと思うのですが、こういうことについて、来年度あたりはどういうような御計画を持っているか。これを最後にひとつ伺いたい。

宮地直邦警察庁刑事局長

○政府委員(宮地直邦君) 御指摘のとおり、ふくろう部隊というのは通称でございまして、必要性に応じましてわれわれのほうは配置しておるのでございます。夏になりますと、海岸、山等におきましてさような事件が起こるにつけまして、あるいは制服あるいは私服の部隊を出しておることにつきましては、あるいは各種の新聞等に割合にこの面は詳細に報道せられますから、御承知のとおりだと思います。また年末等におきましては、相当金銭も動きますから、今度は機動隊等を出しまして、重点的にそういうものの警戒に当たっております。今後とも、単にふくろう部隊というふうに固まった既成概念でなくて、警察力を機動的に運営いたしまして、必要のある場合には、その制服の機動隊というようなものもその事態に応じて配置をいたしたいと思っております。

小平芳平公明会

○主査(小平芳平君) 質疑の途中ですが、分科担当委員に変更がございましたので御報告申し上げます。  田中一君が辞任され、その補欠として、北村暢君が選任されました。     —————————————

松本賢一日本社会党

○松本賢一君 大臣がお見えになっておりませんので、ちょっと私の質問、あまり適当でないのですけれども、政務次官以下がお見えになっておりますので、お尋ねをしたいと思います。  では最初に、選挙の公営のことについて、せんだっての委員会でお尋ねしまして、そうして大臣から答弁をいただいたのですが、その続きのようなことを少しお尋ねしてみたいと思うのです。あのときに次官はいらっしゃらなかったと思うのですが、局長さんはおられたのですが、実はこういうお尋ねをしたのです。今の選挙法というものが、もう実にばかばかしい規則がたくさんあって、こんなことじゃいい選挙ができやしない。それで、結局悪質な違反というようなものは取り締まらなければならぬけれども、形式犯だ何だといったような、常識では判断できないような禁止規定なんというものはもう問題にならぬ。だから、そういうものをなくするためには、結局選挙の公営というものをうんと大幅に広げて、形式犯なんというものが起こる余地のないようにしてしまえばいいじゃないかというようなことを申し上げたら、大臣は、賛成だと、もう全面的に賛成の意を表されて、非常に私も愉快であったのですが、ところが、一体それじゃその賛成の意見を大臣として、あるいはまた政府として、どういうふうにしてそれを実現していかれるかということについて、多少プログラムというようなものを聞かしていただきたいと思うのです。そのときの大臣の答弁に、供託金を五倍、十倍くらいに上げても、公営をうんと広げたいというようなこともあったのですが、それも一つの考え方だと思うのですが、要するに、そういった選挙公営というものを大幅に広げて、現在の選挙法の改正をやらなければならぬわけですが、時間的には、一体いつごろまでにそういったようなことがやり得るかといったようなことですね。大体今度は政務次官のほうに何かお考えがあったら聞かしてもらいたいのです。

藤田義光自由民主党自治政務次官

○政府委員(藤田義光君) 松本委員の質問に対する大臣の答弁に関しましては、私も速記録を拝見いたしました。全く同感でございます。昭和三十四年の十月六日に行なわれましたイギリスの総選挙を私も十日間見まして、日本の現行公職選挙法のいわゆる形式犯の中には、相当今日においてどうかと思われる節もあります。その点は、実は大臣の気持を現在続開中の選挙制度審議会に詳細伝える機会が近くあると思います。それで、この選挙制度審議会の答申が今のところ予測できませんが、もちろん今年中にはございます。その答申の中にある程度織り込むように工夫したらどうか。大きい問題、政治資金の問題、政党制度の問題、定数の問題あるいは選挙区の問題等ももちろん重大でありますから、松木委員の御発言のような点も平行して、この際何かある程度一歩前進した結論を出してもらったらどうか、こういうふうに私も考えているような次第でございます。

松本賢一日本社会党

○松本賢一君 そうなんです。それで、どっちが大きい問題か小さい問題か知りませんけれども、定数問題だとか選挙区の問題のほかにもいろいろあると思います。しかし、この問題は非常に私は重要だと思うのです。それで、選挙制度審議会といったような機関があって、慎重におやりになるわけなんですが、慎重にやるということになると、なかなか思い切った改革ができないということもあるので、そこらのところはひとつ政府としても——この間も、最後に大蔵大臣もおられたので、大蔵大臣にも言ったのですが、とにかく大きなプラスがあれば、少々あっちでマイナスこっちでマイナスということがあっても、断行してみなくちゃしょうがないんじゃないかというようなことも考慮の中に入れられて、ひとつ、実際みっともない選挙法です。現在の選挙法は。おそらく世界中の人に恥をさらしているような選挙法だと思うので、こんなものを早くなくしてそうしてもっと明るい選挙ができるように、ひとつ努力していただきたいと思います。それで、大臣が早くお見えになれば、もう一ぺん大臣に聞いてみたいと思うのですが、との問題はそれじゃこれで打ち切りますから、よろしくお願いいたします。  それから次に、地方公営企業のことでお聞きしてみたいと思うのですが、実はこの間、これも予算委員会で、社会党の瀬谷君から質問がありまして、そのときに国鉄の問題が取り上げられまして、特に国鉄のことについて、新線の建設公団というようなものができるというような話があって、そのときに、大蔵大臣が非常に政治的な答弁をなすったのですが、国鉄というものが公共的な負担というものを自分の会計においての犠牲においてやっておる。それにもかかわらず、そろばんをとれということは、足を縛っておいて飛べというようなものだといったようなたとえがあったりして、だから、独立採算制をむやみに要求はできぬ、そうかといって、完全なお役所にして、昔の鉄道省のようなものに今さら戻すというわけにもなかなかいくまい。それで、苦肉の策として、建設公団というようなものを考えたのだといったようなことを言ったわけです。そこで、国鉄と地方公営企業というものが、そういう点で、私は非常に近い性質を持っていると思うのです。それで、国鉄が国民の便利のために新線を計画しなければならぬ。そのために赤字が出るから、それを補てんするために建設公団というようなものを作って新線をやるのだ。これは、地方公営企業の場合でも、水道の管を必要な所へ延ばしていく。引き合わないということがわかっている所へ延ばしていかなければならぬ。バスの路線を、引き合わないことがわかっていても、やはり延ばしていかなければならぬ。これは、私自身がその衝に当たってそういうことをまじめに考えれば考えるほど、そろばんが合わない仕事になってくるわけです。そこで、そういう点について、国鉄に対して国のほうがそうやってバック・アップなさるような同じ思想で、地方公営企業というものをもっとバック・アップしていただけないであろうか。もっとバック・アップすべきじゃないだろうかということですね。現在金を貸してやっているということはしているわけですが、それ以外には、今度は地方公共団体というものがそのしわ寄せを食って、自前で公営企業のめんどうを見ていかなきゃならぬ。余裕のある市町村、県ならいいのですけれども、余裕のない所じゃ非常に困る。したがって、国民の便利というか、何というか、生活というか、そういうものにも非常に格差がついてくるというようなことがあるので、もう少し国のほうで考えていくというようなことをどうでしょうか。いかがですか。ひとつお考えをいただきたいと思います。

奧野誠亮自治省財政局長

○政府委員(奧野誠亮君) 公営企業の種類によって、地方団体が積極的に出資を要するものと、そうでなしに、完全な独立採算に乗っておるべきものと、両様であろうかと思います。また、ものによって国が積極的に援助をすべきものもあろうかと存ずるのでありまして、現に、地下鉄の建設をやっている団体につきましては、若干利子の援助を国が行なっているわけでございます。そのように、やはり種類によって若干違ってくるのじゃないかと思います。たとえば、病院事業を行なうような場合には、私は、積極的に地方団体が出資というような形において援助すべきものではなかろうか、こういうような感じを持っているわけでございます。また、現在においては、水道事業のような場合には、原則として独立採算でやれるように運営してもらいたいものだというような考え方をとっているわけでございます。

松本賢一日本社会党

○松本賢一君 それで、そういういろいろ事業によって性質が違うということもありましょうけれども、しかし、どれをとってみても、みな公共的な意味を持っておるわけなんで、その点において、やはりどうしてもある程度の犠牲を払わなきゃならぬ性質を持っていると思うのです。地方公営企業というものは。だとすれば、それを地方公共団体がすぐそばにいて、親団体というか、地方団体である県、市等がこのめんどうを見なきゃならぬということは当然なことだと思うのです。してみれば、その県、市というものの財政というものが、さっき言いましたように、非常に不均衡があるので、余裕のある所もあれば、ない所もあるというようなことで、めんどうを見きれない場合が非常に多いので、そういう点を、ちょうど国鉄の場合と同じように、国のほうで見ていくと、もっと具体的に言えば、たとえて言えば、その自治体の財政需要額というようなものにそれを見ていってやるといったような考え方、そういう考え方を持っていくべきじゃないだろうかと、こういうことなんです。その点について……。

奧野誠亮自治省財政局長

○政府委員(奧野誠亮君) 先ほど国が利子援助をしていると申し上げたわけでございますが、さらに地方団体が、いわゆる公営企業と考えられているものについても、一般会計で相当の援助をすべきだというように考えられるものにつきましては、たとえば、基準財政需要額を算定します場合に、その中に算入すべきではなかろうかと存じますが、そういう意味では、病院事業につきまして、公立病院のあり方についての研究会が先般できまして、そこの結論としては、一定の部分については一般会計で負担すべきだというようなことになったものでございますので、その部分を特別交付税の基礎に算入するという方式をこの両三年来やっているわけでありまして、特に三十七年度につきましては、その研究会の答申の線に沿って、かなり大幅にその額を引き上げたわけでございます。今後もそういう考え方で対処していきたい、こう思っております。

松本賢一日本社会党

○松本賢一君 そうやって、われわれのほうからいえば、前進していただくということもけっこうだと思うのですが、まあ大臣は、よくその話を出しますと言われるのですが、特にバスやなんかを金もうけのためにとんでもないところへ計画して、民間の中に切り込んでいこうとする自治体がある。これは、そんなのは私は、例外的な悪い例なので、そういう例があるから、ほかが一般にいけないというふうに考えられちゃ困ると思うのですが、まあ交通事業の場合は、一番その点がむずかしい問題だと思うのですが、さっき局長も言われた水道事業なんかの場合は、これはもう明らかに市民の生命を守る仕事で、そうして明らかに採算のとれない仕事をやっていかなきゃならぬ場合が多いのですよ。人口の割に少ないところへ、あるいは高いところへパイプを引っぱっていって、そのために貯水池の水位も上げなければならぬしといったような、いろんな何ができます。そういったようなことがありますので、そういう点ひとつ、それは、個々に事情が非常に違うかもしれないけれども、原則的にひとつ助けていくということをもっと前進させていただきたいと思うのですがね。どうですか。

奧野誠亮自治省財政局長

○政府委員(奧野誠亮君) 公営企業は、公営にするだけの理由があって公営にしているのだろうと思います。そういう性格のものにつきましては、一般会計で積極的に援助をしなきゃならない性格のものもかなり多いだろうと思います。そういう方向で、御承知のように、地方公営企業法を改正を続けて参ってきておるわけでございまして、今後も、個々の企業ごとに十分検討を積みまして、必要な措置を講ずるようにして参りたい、こう思っております。交通事業につきましても、近く公営交通事業、財政調査会というものが、実務関係者あるいは学界の人たちあるいはわれわれも入って始めることにいたしておるわけであります。個々に解決をするように努力をして参りたいと思います。

松本賢一日本社会党

○松本賢一君 そうすると、今の調査会というようなものは、個々の事業に対する調査会というものが現在あるわけですか。

奧野誠亮自治省財政局長

○政府委員(奧野誠亮君) 私のほうから、その関係の事業団体に慫慂をいたしまして設置させる。そうしていろんな人たちの意見を述べてもらいまして、いい結論を出していきたいと、こう思っておるわけであります。

松本賢一日本社会党

○松本賢一君 これも私は、やっぱり相当全国的に問題があると思うのです。そこで、総合的な審議会といったようなものを作って、何でも審議会審議会で、ちっと多過ぎるかもしれませんが、しかし、やはりそういったような機関でも作って、そうしてもっと総合的な調査をしていただくといったようなことをひとつお考えいただけないでしょうか。

奧野誠亮自治省財政局長

○政府委員(奧野誠亮君) 先ほど病院のことやら、今また交通事業のことやらを申し上げたわけでございますけれども、地方公営企業全般についてそういうような努力を積み重ねていくべきものだろうと、こういうことを部内においては議論をしておるわけでございます。だた、すぐ手を広げましても、なかなか力がございませんので、そういう意味で一歩々々解決していきたいと、こう申し上げたわけでございます。公営企業全体としてさらに掘り下げていくべき時期にきていると、こう私たちは思っているわけでございます。

松本賢一日本社会党

○松本賢一君 それじゃ、もうこれ以上質問いたしませんが、ひとつ前向きに、積極的にお進めいただきたいと思います。それじゃ、あともう一つ何がございますけれども、これはちょっと大臣でないと話が出ませんので、これで私の質問はきょうは、……。また、またの機会に譲りますから……。

小平芳平公明会

○主査(小平芳平君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

小平芳平公明会

○主査(小平芳平君) 速記を起こして。  私からちょっと簡単なことを御質問したいのですが、一つは、公共土木施設及び農地等の小災害地方債の元利補給の問題ですが、この問題は、非常に地方公共団体が重大な関心を持っているわけですが、特に大きな台風や、伊勢湾台風とか、あるいは堤防の決壊とか、そういう大きな災害よりも、最近の傾向としては、集中豪雨とか、あるいは今度のなだれなどもそうじゃないかと思いますが、こういう問題、こういう集中豪雨や、なだれや、局地的な地震や、そういうときには小災害が非常に多くて、地方公共団体が非常な脅威を感じてるわけですが、この予算の説明では、三十三年、三十四年、三十六年、三十七年の各年ごとになっておりますが、三十五年はどうしてないか。それから、大体これはどのくらいで終わるものか。そういう点について御説明願いたいと思います。

奧野誠亮自治省財政局長

○政府委員(奧野誠亮君) 従来は、激甚な災害がありましたつど、今のような小災害についての復旧事業債の元利補給をするというような立法をいたしておったわけでございますが、昨年激甚災害の場合のそういう援助の法律ができたわけでございまして、したがいまして、激甚な災害として指定されましたその災害の地域について、公共土木施設の復旧について特別な援助をするという事項を適用するということがきめられた場合に、小災害について地方債を起こし、その地方債の元利償還額について国が一定の補給をするということになったわけでございます。したがいまして、三十五年は、特別の立法がそういう意味で行なわれたからなかったと、こういうことでございます。今後は、今申し上げましたように、激甚災害としてその地域その災害が指定され、しかも、その災害について御指摘のような制度が適用されるということになりませんと援助ができないわけでございます。  なお、この地方債の償還期間のお尋ねでございましたでしょうか。ちょっと正確ではないかと思いますが、あとで確かめますが、償還期限十年にいたしておると思います。

松本賢一日本社会党

○松本賢一君 大臣お見えになりましたから、大臣にお聞きしようと思ったことをお尋ねいたしますが、なるべく簡単にいたしますが、えらい大きな問題と言えば大きな問題ですが、地方自治体というもののあり方について、少し大臣のお考えを聞かしていただきたいと思うのです。近ごろ非常に地方自治のあり方というものについていろいろ論議を聞きますし、また、統一地方選挙が近づいて非常に活発にそういうことが行なわれておるようでございますけれども、私は、現在の地方自治というものが、非常に地方自治という名前にそぐわないようなものになりつつあるのじゃないか。ということは、自治体というものが、かなりその影が薄れてきて、本来の自治の姿というものを失っていきつつあるのじゃないか。言いかえれば、中央集権的に政治というものがますますなってきている。したがって、陳情政治というようなものが盛んに行なわれておるといったような格好になってきておるので、との間も委員会で話が出たようですけれども、地方自治体がお役人をゴルフに接待するのに予算を組んだとか、そんなようなことまで起こったりして、ちょっとおかしなことが今方々にあるわけですが、こういうことを、これは自治大臣としてどう思うかと言って聞かれた場合には、それはいけませんとお答えになることはわかり切っておると思うので、そういうふうに実際お答えになったと思うのですが、ところが、そういうことをしなければ今の自治体が立っていかないといったような感じを持ってしまっているので、自治体みずからがですね。だから、そういうことをやり出すということなんで、そういった現在の地方自治体のあり方というか、そういうものに対して、どういうふうにお感じになっているか。

篠田弘作自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(篠田弘作君) 私から申し上げるまでもなく、地方の自治体というものは、地方の住民の意思を反映いたしまして、自治の精神にのっとってその団体の運営をするということが地方自治体の本来の趣旨であろうと考えます。しかしながら、地方自治体もまた国の一環でございますからして、国から孤立した独善的な自治というものは許されないと私は思うのであります。そこの間におきまして、国は、地方の自治というものをあくまでも尊重しながらこれを指導し、善導するということを心がけるべきであり、地方自治体はまた、国の方針に反しないということを基本といたしまして、地方の住民の意思をフルに反映して、そして地方の地域住民の幸福のために、あるいは地域の開発のために、地域の発展のためにやるということが望ましい姿であろうと考えております。

松本賢一日本社会党

○松本賢一君 抽象的にそういうふうにおっしゃればそのとおりでございまして、そうであるのですけれども、しかし、現実にはそうでない姿がたくさん出てきておるわけなんです。これはよく言われるのですけれども、地方の財源というものが非常に少ないというところにやはり大きな原因があるのではないかと思われる、こういうふうによく言われておりますね。一方のほうの議論は、地方で納める税金というのは、国税とかいろいろありますが、それを大部分国のほうに吸い上げてしまう。だから、地方に財源がなくなって、地方の自主財源というものがなくなるから、だから、それをもっと認めたらどうかという議論をする人がある。一方では、そういうことをすれば、発展している土地、つまり商工業の発展した所ではそれでいいかもしれぬ。手元に財源がたくさん残るから、いいかもしれんけれども、貧弱なところは、ますますそれじゃ困るじゃないか。だから、一ぺん国のほうに吸い上げて、そしてそれを配分していくという、これは現在やっているやり方ですね。そういったようなやり方でいかなければならぬというようなことを反論がされて、それで、それから先の議論はあまり行なわれていない、現在。よく委員会の討論を聞いておりましても、また、テレビなんかの討論を聞いておりましても、そういう議論が出されて、それから先にあまり進んでいっていないわけですね、議論が。そこで私は、これではやっぱり実際にどうするかということができないと思うのですが、そこでどうですか。それがひとつ先に、そういった二つの論を解決する考え方というものを何かお持ちじゃないかと思うのです。その点をどういうふうに考えておられるか。

篠田弘作自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(篠田弘作君) 国民の負担した税金の六二%内外は地方団体が使用しております。その使用につきましては、国が条件をつけておるものもありますけれども、大なり小なり地方団体の考え方を反映させておるわけであります。まあ三割自治などということを言われておりますが、実際はそうではなくて、国の費用の六二%と申しますか、国民の負担した六二%は地方団体で使っておるという現状であります。そこで先ほどおっしゃいました、ゴルフなどをやりながら何といいますか、半分地方におせじを使わないというと、うまくいかないじゃないかというような考えになっておるということは、そういう考え方でゴルフに誘ったりなんかしておるとすれば、私はこれはたいへんな誤りだと思います。実は私もゴルフは昔からやっておりまして、ときどき誘われることがありますけれども、そういう場合には必ず——大臣になってからも二、三誘われましたが、トロフィーを出すとか、カップを出すとか、そういうことで参加をしております。それからふだん会費を積み立てたりして参加をしておるのであって、われわれのほうからは、はっきり言いますと場所を借りたというような気持はございますけれども、招待をされたというような気持は実は持たないんでありまして、この間岐阜県が何かそういう招待の目的をもちましてゴルフ場に加入するということについてどうであろうかという質問を自治省にいたしましたときには、財政局長の案をもちまして、そういうことはよくないということをはっきり答えているわけでありまして、親睦のために地方と中央がやるということはあるわけでありますが、そういう特に何か腹に一物があって、それをやらなければうまくいかないんだという考え方は、本質的には私は間違っておる、また、そういうようなことであるならば親睦の会も全然むだでありまして、出る必要はない、こういうふうに考えておるわけであります。

松本賢一日本社会党

○松本賢一君 それは、そういうことがよくないことだということは、だれにでもすぐわかるし、あなた方だってそうおっしゃるよりほかないと思うのです。そういった予算を組んだりするということがよくないことはさまっておるのだから、それはよくないじゃないかと言ってみたところで、実はしょうがないんで、そういうふうな考え方を持つということですね。地方自治体がそういう考え方を持つような、何というか時世になってきているということが、私は非常に困ると思うのです。今度地方選挙がかりに行なわれると、そうすると早い話が、選挙にすぐそういうことが利用されていくわけなんですね。おれがここの市長になれば大いに国から金をとってやるんだ、うまくやるんだという、そういうことが手柄話にもなり、過去の手柄にもなり、またこれからやる仕事の一番大きな仕事であるかのごとくに言われるわけですね。そういった考え方というものは、これは地方自治というものの精神というか理想というか、あるいはまた民主主義の理想というか、そういうものと全然逆なものであるわけなんです。そういったなさけない状態に現在なっておるということが、私は問題だと思う。おもしろいからゴルフをやるとか、うまいから酒を飲みに行く、これはけっこうだと思うのです。そんなことは。   〔主査退席、副主査着席〕  そうじゃなくて、そういう考え方になっているという点ですね。だからこれを何とかするのにはやっぱりもう少し、そんなことをして中央から金をとるというような考え方を持つべきでないという、ただそういった教訓的なことだけじゃなしに、実際にやっぱりそういうことによって地方自治体というものがどうにもなるものじゃないのだということを思わせるような形を、やっぱり何らかそこに変えていく必要があるのじゃないかということなんですよ。

篠田弘作自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(篠田弘作君) これは元来、地方と中央というものは、先ほども申し上げましたように有機的な運営をされなければならないものだと考えております。そこで、戦前におきましては地方と中央との間にそういう関係はなかったと私は思うのです。戦後政党政治に一もちろん戦前も政党政治はありましたけれども、戦後特に政党政治というものがはっきりいたしてきまして、これは長い、十数年間の過程でありますけれども、一般的に法律で定められた交付税の問題であるとか、あるいはまた災害による特別交付税の問題であるとか、そういうものについての区別とか、あるいはそれが社会党の知事であるからといったような問題については、何も社会党であるから区別をするとか、自民党であるからよけいやるということは私はない、少なくとも私にはそういう考えはございません。しかし北海道なんかの例をとりますと、実際問題といたしまして、北海道が非常に後進地域であっておくれておる。そうしますと北海道が御承知のとおり十二年の間社会党の知事さんが道政をやっておいでになった。そうしますと、地方からいろんな問題や要求をひっさげて田中知事のところに参りましても、田中知事はやはりなかなか取り次ぎにくいというような気持があったのでありましょうと思いますが、中央のほうになかなか取り次いでくれない。そこで住民としましては、地方自治団体としましては非常に歯がゆい。自分たちの道庁に対する要求というものはなかなか中央に取り次がれない、そういうところにも私は北海道の陳情というものが相当激しくなった原因があるのじゃないかと思う。だから、これは結局中央に直結する政治ということを、前に池田総裁が博多に行って言いまして、これは大いに問題になっておりますが、私はそれは何も自民党に直結する政治という意味ではない、私はそう考える。でありますから、社会党の知事さんであろうと野党の市長さんであろうと、住民の要求は勇敢に私は中央にやっぱり直結すべきだ。党派によって援助をしたり、ちゅうちょをしたりすべきではない。また私もそう考えます。一例をあげますと、これは両方の欠点ではないかと思いますが、やはり野党の知事さんは中央になるべく来たがらないし、中央といろいろな問題について話し合うということをしたがらない。中央のほうもまた野党の知事さんのところに出かけていって懇切丁寧に指導をするとか、懇談するということの回数が少ないのじゃないか。私の考え方からしますと、私はいかなる組合とでも、要求があればどんな人とでも会っています。これは当然政府としての建前だと思っております。でありますから、やはり中央と地方というものがよく了解しないで、融和をしないということであれば行政はうまくいかない。また中央のほうからいえば、政治はうまくいかない。そこで、そういうものについては政党政派を超越して、それは自民党の知事さんであろうと社会党の知事さんであろうと、あるいは市長さんであろうと、とにかく行政をになう、そういう人はどんどん中央に対して住民を代表して要求もされ、また直結すべきところは仕事の上でされるのがいいのじゃないか。何か中央に直結する政治といいますと自民党と結ばなければだめだというふうな印象を与えておりますが、私はそういうふうには解釈しないのであって、行政の長として政府と話し合いをする。あるいは政府の援助を受ける、あるいは政府の指導を受けるということは当然のことである。それが決して民主主義の堕落でもなければ、同時にまた地方自治の影が薄れるということにはならないと、私はそういうふうに解釈をいたします。

松本賢一日本社会党

○松本賢一君 私が今言っているのは、そういうことを言っているのじゃないのですがね、選挙にまでそうやって利用されるような形になってきているということなんですね。それで選挙のときに便利のいいことを——与党は与党、野党は野党で、これは仕方がないと思うのですよ。ただそういうふうなことで仕方がないのですが、それが現在では中央に直結したということが、何か中央から金がたくさんとれるのだというようなふうに考えられておるのですね、地方の住民に。その点が私は非常に問題があると思うのですよ。直結することはけっこうなんです。直結することはけっこうなんだけれども、おれのほうの自治体が直結することによって、ほかの自治体よりか得をするのだ、金の面で。そういうようなものの考え方ですね、そういう点が私は非常になにだと思うのです。そこで金の問題ですが、財源というものをもっと地方に潤沢に、しかも自然に財源が流れていくような方法を考えるべきじゃないかということ、もっと具体的にいいますと、現在地方自治体が行なっている事業というものは、ひもつき事業が非常に多いわけです。地方自治体独自の構想によって行なわれている事業でなしに、中央官庁が認証することによって、初めて補助金を抱き合わせにしてやっていくことができる、そのための財源というものは、地方自治体にはたくさんあるのだが、そうでなしに、地方自治体がほんとうにその個性を発揮し、特色を生かす事業に持っていくような財源というものは非常に少ないわけなんです。だからそういう点を、いわゆるひもつき財源というものを、もっとひものつかない財源に切りかえていくということが、われわれ地方自治体をあずかっていた経験のある者から見るせいかもしれませんけれども、もう少し独自の判断で仕事をやらしたらどうかということなんです。地方自治体に。そうすることによって、その財源を自由に使える、財源というものの幅をもっとふやして、さっき六十何%とかおっしゃいましたけれども、それは財源の総額であって、その中ではほとんどひもつき財源のほうが多いのではないかと思いますが、そういう点で、つまり地方自治体のうまみというか、特色、個性を発揮していくということが、今の状態ではできないので、みんなどこへいっても五十歩百歩で、少し税金が重いとか軽いとかという違いがあるぐらいなことで、たいした違いはないわけなんですよ。そうした特色を発揮することができないということは、私は地方自治のうまみというものが非常に失われていると思うのです。そういう点、一つの原因として財源関係というものがあるのじゃないかという点を言っているのです。

篠田弘作自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(篠田弘作君) それは仰せのとおり、ほとんどの事業が国の代行をやりまして、それに対してひもつきで補助金を出している、場合によればやらないということもあり得るわけでありますから、地方がそういう気持になるということは、これはある意味においてやむを得ないかもしれません。しかし、それは決していい姿ではなくて、やはり今松木先生がおっしゃったように、自然のうちに潤沢な財源というものがあれば、これは一番いいのでありまして、それにはやはり地方自治体において、補助金でなしに、固有の財源というものを確保させる必要があるのではないか。われわれといたしましても、固有の財源というものをなるべく地方に与えたいという気持は持っておるのでありますが、これがなかなか財源を見つける場合に、非常に、御承知のとおりむずかしいということも一つあるわけでございます。そういう意味におきまして、地方が何か金をたくさんもらうためには、先ほどおっしゃったような形で中央と結びついたほうがいいというふうに考えているとすれば、私はやはりいい姿ではない、そのように考えます。

松本賢一日本社会党

○松本賢一君 そうなんです。大臣がいい姿ではないとおっしゃる、そういう姿に現在なっているから、こうやって私は質問しているわけです。ですからそれを、ただそういう考え方は間違っているとお説教してみたところで始まらないですから、結局地方に自主的な財源、つまり私が自主的な財源と言うのは、その地方から出てくる財源という意味ではなくて、それは国から与えられるものでもいいですが、地方独自の使い方のできる財源、そういうものを与えて、しかも全体の財源というものをもっと潤沢にしていくということですね、結局そういうことによって、地方が陳情というものを上手にやることによって補助金がたくさんとれ、そして交付税が、特別交付税がたくさんとれるといったような、そういう考え方というものを、これを改めさせる。そうしなければ地方自治というものは全く死んでしまっていると思うのです。精神的に。

篠田弘作自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(篠田弘作君) とりあえず、できる限り補助金を減らして交付税をふやすといったような考え方も一つの考え方であろうと思います。いずれにいたしましても、地方と国というものは別問題ではなくて、やはり地方の発展があって国の発展があり、地域住民の幸福があって国民の幸福があるわけですから、全く地方が独立し、あるいは孤立して存在するということは、私は必ずしも自治の精神ではないと思います。しかしながら、あまり行き過ぎた中央集権のごとき感を与えるような、あるいは税制の制度であるとか、あるいは地方の運営であるとかいうことは、これは地方の自治の精神からいえば違っていると、こう考えます。

松本賢一日本社会党

○松本賢一君 非常に前向きのいい答弁を聞かしていただいたと思うのです。きょうは時間もだいぶたちましたから、この辺で打ち切りますが、ひとつそういう点で、私は自治省の仕事、自治大臣の仕事というものは、地方自治というものを健全に発達させるというところにあると思うので、そういうふうにひとつ、ややともすればうしろ向きになって——地方自治というものを前向きの姿勢に、積極的に進めていっていただきたい。こういう要望をして私の質問を打ち切ります。

大竹平八郎第二院クラブ

○副主査(大竹平八郎君) 自治大臣にお尋ねいたすというより、むしろこれは重複をしているわけで、端的に申し上げますと、先ほど御出席になっていない間に、政務次官と、それから行政局長にお尋ねをいたし、いずれ連絡はあると思いますので、端的にお答え願えればけっこうなんですが、今度例の地方制度調査会の答申によって、地方自治制の改革というものが大幅に取り上げられて目下審議中と聞いておるわけでありますが、そこで私どもの一番大きな関心を持っておりますのは、東京都制の改革という問題なんであります。そこで、いろいろ重複いたしますから、こまかいことは申しませんが、一番大きな問題はいわゆる特別区長の公選の問題なんです。御承知のとおり東京都の都政調荘会は公選に大きく踏み出したことは御承知のとおりでありますが、地方制度調査会におきましては、むしろ現状のまま区議会が都知事の同意を得て任命するというような、旧態依然たる答申のように聞いておるのであります。こういうわけで大幅に区に都の事項が委譲せられる、こういうときにあたって、むしろ公選を率先してやるということが順当ではないかと、これは私どもの考え方なので、るるその点政務次官と局長に申し上げまして、いずれ連絡はあると思いますが、もし大臣として、これについてお答えが願えるならば、この際、ひとつお答え願いたいと思います。

篠田弘作自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(篠田弘作君) 区長の公選の問題につきましては、いろいろ両論あるわけでございます。地方制度調査会の中にも両論あります。それから渋谷の区長の選挙をめぐりまして、現在最高裁において審理されており、近く最高裁の結論が出るわけでございます。それが出れば、区長というものを現在の状態に置くか、あるいは公選をするかということにも関係して参ると思うのであります。ただ自治省といたしましては、地方制度調査会の正式な答申によりまして、将来はとにかくとして、いましばらく区長というものを現在の姿に置いておく。東京都としましては、議会等としましては、そのままの姿に置くけれども、しかし中央と申しますか、東京都の持っておる権限というものを大幅に区に委譲する、こういう暫定的な形を現在とろうとしておるわけでございまして、私はこの区長公選がいいか、現在の姿がいいかということにつきましては、これは世間に両論あるごとく、私たちとしても、やはり意見はあるわけでございます。しかし地方制度調査会というものが正式にそういうふうに答申しております。いましばらくそういう姿に置くという自治省の方針には変わりはございません。

大竹平八郎第二院クラブ

○副主査(大竹平八郎君) 消防庁長官にお尋ねいたしたいのですが、最近消防の機動力といいましょうか、これがフルに発揮されて、毎年季節風が吹くときに、東京に大火があるというようなことは、実際問題として全くなくなった。そういう点において、国民は非常に今消防力に大きな感謝をいたしておるわけでありますが、それで、この予算を拝見いたしますと、機動力が中心になって、そういうことができる。むろん建築物が昔と違ってだんだん堅牢になってきたという点もあり、いろいろな条件があると思う。しかしまあ、とにかく多いときには一晩に何十カ所も東京だけで火事が起こっているというようなことで、いよいよますます都民は機動力の充実ということについては、非常に待望しておるわけなんです。ところが、これを拝見しますと、さっぱり機械類に対しての……修繕なんかあるようなんですが、この点はどうなっておるんですか。東京だけでもたいへんなものでしょうが、新しい購入費とか、そういうものはどうなっておるんですか、ポンプの購入費とかなんとか……。

藤井貞夫消防庁長官

○政府委員(藤井貞夫君) 御指摘になりましたように、消防についてはやはり機動力、機械力というものを整備いたしますることが一番眼目であることは申すまでもないわけであります。そういう点で、国といたしましては、市町村の消防を強化いたしまするために、今まで機械の整備について三分の一の補助をいたして毎年やってきております。来年度の予算におきましては、それが総領七億ということに相なっておるわけでありまして、これは今お話のありました消防ポンプ、あるいは消防の水利、貯水槽、無線の電話、そういったものを中心といたしまして、機械の購入に対して助成を続けて参ってやっているわけでございます。

大竹平八郎第二院クラブ

○副主査(大竹平八郎君) いま一つお尋ねいたしたいのですが、いわゆる町の火消しといいますか、こういう団体、ああいう町のいわゆる火消しと、消防の実際活動をする上についての連絡というものは、こういう工合になっておるんですか。

藤井貞夫消防庁長官

○政府委員(藤井貞夫君) これは形態が二つございます。大都市その他のいわゆる市街地を持っております市を中心にし、その他これに類似する町等におきましては、常設の消防を主体といたしまして、それに今お話のありました消防団でございますが、これは非常勤の消防団ですが、組み合わせをいたしておって、警戒区域の連絡その他の協定をやって、お互いに唇歯輔車の関係に立ちながらやっているわけでございます。ただ市街地を持っておりませんところは、財政力その他の都合もございまして、常設消防のない地区がまだたくさんあるわけでございます。そういうところでは消防団が本体となってやっているわけでございます。併立をいたしておりますところでは、大体においては地区を協定いたしますのと、それから地区がダブリますところでは、消防団自身は、常設消防に協力をいたしまして警戒区域の設定をやる、あるいは火事が終わりました際の残り火の跡始末をやる、それらの点については緊密な連携を保って協定を守っておるわけであります。

大竹平八郎第二院クラブ

○副主査(大竹平八郎君) それから補助金の支出などはどうなっておるのですか。

藤井貞夫消防庁長官

○政府委員(藤井貞夫君) 補助金につきましては、先刻申し上げました国庫の補助といたしましては、七億が消防施設の助成ということでございます。それから、もう一つは、これは補助金ではございませんですが、損保協会というのがございまして、損害保険会社からそれぞれ資金を出し合いまして、本年度についても年間十二億五千万というものをそれぞれの市町村に対して融資をいたしておるわけであります。

大竹平八郎第二院クラブ

○副主査(大竹平八郎君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

大竹平八郎第二院クラブ

○副主査(大竹平八郎君) 速記を起こして。  ほかに質疑のおありの方はございませんか。——別に御発言もありませんので、自治省所管に関する質疑は終了したものと認めます。  以上をもちまして、昭和三十八年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、文部省、厚生省、労働省及び自治省所管についての審査は全部終了いたしました。  なお、予算委員会における報告の内容及び審査報告書の作成につきましては、先例により主査に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大竹平八郎第二院クラブ

○副主査(大竹平八郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、本日はこれにて散会いたします。    午後四時三十七分散会

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