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43回国会参議院1963/03/25

予算委員会第三分科会 第1号

発言数
335
登壇者
31
会派数
5
開催日
1963/03/25

会議録

植垣弥一郎自由民主党

○植垣弥一郎君 ただいまから予算委員会第三分科会を開会いたします。  本院規則第七十五条によりまして、年長のゆえをもって私が正副主査の選挙の管理を行ないます。  これより正副主査の互選を行ないますが、互選は投票によらないで、選挙管理者にその指名を御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

植垣弥一郎自由民主党

○植垣弥一郎君 御異議ないと認めます。  それでは、主査に後藤義隆君、副主査に赤松常子君を指名いたします。     ―――――――――――――   〔後藤義隆君主査席に着く〕

後藤義隆自由民主党

○主査(後藤義隆君) ただいま主盃の互選をいただきましたので、どうぞよろしくお願いいたします。  審議に入ります前に議事の進め方についてお諮りいたします。  本分科会の所管は、昭和三十八年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林省、運輸省、郵政省及び建設省所管を審査することとなっております。議事を進める都合上、本日は午前中、郵政省所管、午後、運輸省所管、明二十六日は午前中、農林省所管、午後、建設省所管という順序で進めていきたいと思いますが、御異議はございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

後藤義隆自由民主党

○主査(後藤義隆君) 御異議はないと認めます。  なお、明後二十七日に主査の報告を行なうこととなっておりますので御了承願います。     ―――――――――――――

後藤義隆自由民主党

○主査(後藤義隆君) それでは昭和三十八年度予算中郵政省所管を議題といたします。  まず、政府の説明を求めます。小沢郵政大臣。

小沢久太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小沢久太郎君) 当省所管各会計の昭和三十八年度予算について、その概要を御説明申し上げます。  まず、郵政事業特別会計の予算でありますか、この会計の予算総額は歳入歳出ともに二千六百六十九億五百万円でありまして、前年度の予算額に比べて百二十六億九千二百万円、五七の増加となっております。しかし、この予算総額の中には収入印紙、失業保険印紙等の、いわゆる通り抜けとなる業務外の収入、支出が五百七十七億九千五百万円含まれていますので、これを差し引いた郵政事業の実体的予算は二千九十一億一千万円で、前年度の予算額に比べて百七十八億六千七百万円、九・三%の増加となっております。この増加のおもなものについて申し上げますと、業務運営費におきまして百六十二億百万円、郵便局舎等建設費において十八億九千六百万円等であります。  次に、三十八年度予算に盛り込まれております重要施策事項について申し上げます。業務量及び施設増加に必要といたします要員につきましては、六千八百七十八人の定員増員を行ない、局舎改善と労働環境の改善については、八十三億八千三百万円の予算をもって郵便局舎等の新設を行なうほか、四億六千四百万円の経費をもって環境整備等を行ない、また、郵便物の集配運送施設の改善につきましても、より一そうの機械化を推進して労働力の軽減と郵便物の迅速なる送達に努めるとともに、監察、監査を強化し、郵政犯罪の防遏に努め、もって業務の正常運行を確保することといたしております。郵便窓口機関の設置につきましては、無集配特定郵便局三百局、簡易郵便局五百局を増置いたすこととしております。貯蓄の増強につきましては、新年度における郵便貯金の増強目標を純増千九百億円、簡易保険の新規募集目標二十四億円、年金八億円とし、その達成に努めることといたしております。  次に歳入予算について申し上げます。歳入予算の総額は、歳出予算と同様二千六百六十九億五百万円でありますが、この中から収入印紙収入等の業務外収入を差し引いた郵政事業の実体的予算額は二千九十一億一千万円で、前年度予算額に比べて九・三%の増加となっております。このうち、郵便業務収入の総額は九百五十六億七千三百万円、為替貯金業務収入は五十三億七百万円でありまして、前年度予算に比べ郵便業務収入では七十四億九千百万円、為替貯金業務収入では八億五千百万円とそれぞれ増加しております。なお、これらの収入のほか、他の会計から繰り入れを受ける受託業務収入は九百九十億二千九百万円、郵便局舎等の建設財源に充てるための借入金等の資本収入は五十五億二千百万円、その他の雑収入は三十五億八千万円となっております。  次に、郵便貯金特別会計の予算について申し上げます。この会計の歳入予定額は一千十一億七千二百万円で、前年度予算額八百七十三億四千五百万円に比べ、百三十八億二千七百万円の増加であります。歳入の増加は、郵便貯金の増強に伴います郵便貯金資金の資金運用部への預託利子収入の増加によるものであります。歳出予定額は九百九十三億七千八百万円で、前年度予算額八百七十三億四千五百万円に比べ、百二十億三千三百万円の増加となっております。この歳出の増加のおもなものは、郵便貯金預入者への支払利子及び業務委託費としての郵政事業特別会計への繰入金の増加等となっております。  簡易生命保険及び郵便印金特別会計におきましては、歳入予定額二千四百十一億九千四百万円で、前年度に比べて二百六十四億五千四百万円の増加であり、歳出予定額は一千六百六十九億三千八百万円で、前年度に比べ六百六十七億七千七百万円の増加となっておりますが、歳入、歳出の差額七百四十二億五千六百万円は、法律の定めるところに従いまして積立金として処理し、資金運用部に預託することといたしております。なお、三十八年度の財政投融資原資中、簡保年金資金は一千六百億円を予定いたしております。  次に、一般会計予算について申し上げますと、当省所管の一般会計の歳出予算額は三十一億四千四百万円で、前年度に比べ三億八千万円の増加となっております。この予算には、宇宙通信の開発研究と施設の整備に要する経費一億九千七百万円、国際放送の拡充強化に要する経費一億一千三百万円、有線放送の改善普及に必要な補助費四千三百万円等の経費が含まれております。  次に、日本電信電話公社の予算案について申し上げます。この予算の損益勘定におきましては、収入三千六百六十億円、支出は三千十一億円で、収支差額の六百四十九億円は建設財源、債務償還等に充てられることになっております。建設勘定におきましては、総額二千四百二十八億円で、この財源は自己資金一千三百九十九億円、外部資金一千二十九億円を予定しております。この支出の内訳を申し上げますと、一般拡張工程に二千三百七十四億円、農山漁村特別対策に五十四億円となっております。  以上をもちまして、ひとまず私の説明を終わりますが、なお、詳細な点につきましては、御質問をいただきましてお答え申し上げたいと存じます。何とぞよろしく御審議下さいますようお願い申し上げます。

後藤義隆自由民主党

○主査(後藤義隆君) ただいまの説明に対し、質疑がおありの方は、順次御発言を願います。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 三月二十日の毎日新聞だと思いますが、非常に大きな活字で、電話が盗み聞きされているという、非常にわれわれには想像のつかないような大きな記事が出ているんです。その内容は、国会議員の自宅の電話だとか、あるいは通信雑誌社の電話が、何者かに盗聴されているんじゃないかという訴えがあったので、郵政省と電電公社が秘密裏に調査を進めたというんですが、その結果はどうだったでしょうか。

大橋八郎日本電信電話公社総裁

○説明員(大橋八郎君) お答え申し上げます。去る三月十八日の夕方であったかと思いますが、ある人から、ただいま御指摘のような、盗聴せられておる疑いを持つ人があるが、さような事実があるかどうかということの内密の問い合わせがありました。事柄がきわめて重大でありまして、万一かような事実があるといたしますと、通信の秘密にも関係するゆゆしき大事であると考えまして、私どもとしては極秘裏に慎重かつ綿密な調査をいたしたのでありましたが、あの新聞記事に掲げられておるような盗聴の形跡はありませんでした。御承知のように、電話の交換の場合、通話中に間々雑音が発生することがありまして、この雑音の発生が、往々にして盗聴ではないかという疑惑を加入者の方にお与えするかとも思われますが、特に自動式電話の場合、通話を盗聴するということは事実上きわめて困難だと思います。なお、技術的のことに関しまして、詳細のことは技師長からお答えを申し上げたいと思います。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 その前に、じゃこの新聞に出ている記事は大体これはうそだということですか。そういう形跡もなかったというお答えですか。

大橋八郎日本電信電話公社総裁

○説明員(大橋八郎君) うそかどうかということまで、私、断言する何はないのでございますが、少なくとも、今日まで詳細綿密に調べた結果は、盗聴されておるという形跡はございませんでした。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 じゃ、技師長にお聞きしますが、どういう方法で調査をされるんですか。この新聞の内容によると、全然盗聴ができないということはない、やり方によっては盗聴ができるというようなことをわれわれは聞いている。その調査の方法はどういう方法でやられるんですか。

佐々木卓夫日本電信電話公社総務理事

○説明員(佐々木卓夫君) まず、そういうことの可能性の問題でございますが、一つは、いわゆる交換局内、これは、外部から引き込みましたケーブルと、それから局内に装置いたしておりますスイッチ類との境目のところに、私のほうで本配線盤と申しておりますのですが、そういうところがございますので、その点で何らかの方法を講ずれば可能である、これは認めざるを得ないと思います。ただ、場所が局内で、多数の保守要員も、これはいずれも輪番勤務体制の状態にございますし、事実問題としては、私は物理的な可能性は御指摘のようにあるわけでございますけれども、実際問題としては非常に困難であるというふうに、ほとんどその可能性というものはないのじゃないかというふうに考えております。それからもう一つは、電話局から線路が延びて参りまして、加入者の宅の前の電柱からゴム線で引っぱり込みますと、境目のところに端子函というのがございます。これはケーブルの配線をその端子函で必要な回線数だけ引き出して、加入者の宅内に引き込む境目になるわけでございますが、そこから何らかの線路を同じ端子にくっつけて引っぱれば、これまた物理的には可能でございますけれども、これとても公衆の目に触れます場所にあるわけでございますし、また、われわれのほうの現場保守要員がしばしば点検もしたり、あるいは工事上いろいろいじる場合があるわけでございますから、そういうものがかりにあったとするならば、きわめて容易に発見できると思うのでございますので、その点も実際問題としてはきわめて困難である。それから第三の可能性は、この二十日の新聞記事にも出ておるのでありますが、ビルの中の電話加入者の場合でございまして、ああいった高層ビルの場合におきましては、電話局から地下ケーブルをもちましてビルに引き込みいたしまして、その引き込んだケーブルをビルディングの各階に装置いたしております配線函という装置にまずつなぎ込むわけでございます。その配線函がビルの各階に装置してございますので、その配線函を通して各事務室内の電話機につないでおる、こういう仕掛になっておりますので、その面から何らかの方法で線を引けば可能である。しかし、これとてもそう簡単にできることではございませんので、そういう点もきわめて困難であるというふうにわれわれとしては考えておるわけでございます。それから、最後にもう一つの盗聴ということの可能性でございますが、これは大会社、大ビル等で行なわれておりますPBXの交換機を置いております場合におきましては、そのPBXのオペレーターを通して、話の内容が漏れるということも、これはわが国では確認したことはないのでございますけれども、外国等では例のあることでございますので、そういう面も可能性としてはやはり考えられるのじゃないかと考える次第であります。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 この国会議員は――おもに自民党と書いてあるのですが、国会議員の家の電話もだいぶ盗み聞かれているのじゃないかというのでお調べになったそうですが、これもやはり議員個人の宅へ行って調べられたのですか。

佐々木卓夫日本電信電話公社総務理事

○説明員(佐々木卓夫君) ちょっとそういう記事が出ておりますので、ある程度、都内にございます議員の方々の屋内電話機の実情、その可能性の有無等について二、三調査したわけでございます。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 そのうちで、何か電話機が古いとか、何だか聞きにくいというので取りかえられた事実がありますか。

佐々木卓夫日本電信電話公社総務理事

○説明員(佐々木卓夫君) まあこれは先ほど総裁からもちょっと申しましたように、線路が古くなったり、あるいはその他の装置が老朽化いたしておりますと、しばしば雑音の発生原因ともなるのでございまして、そういう点がしばしばまあ盗聴されておるのではないかという疑惑を生む種になりますので、点検いたしましたついでに老朽化した一部の施設の取りかえ、手当等をやった事実はございます。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 芝新橋の三十八番地の某通信社というのですか、ここの電話が二月の十日ごろからどうもおかしいというので、あなたのほうへ調べてくれと抗議を申し込んだ、ところが明けの日からその電話はよく聞こえるようになった。電話は三本ある、甲の電話かどうもおかしいというので、あなたのほうへ調べろと言ったところが、今度明けの日から乙の電話が悪い、その次には今度丙の電話がどうもおかしいというようなことなんで、一応調べてくれと、こういう抗議を二月に二回、三月に一回やったのだけれども、全然調査にも来てくれなかったと言っているのですが、その事実があったのですか。

佐々木卓夫日本電信電話公社総務理事

○説明員(佐々木卓夫君) 御指摘の通信社からの申し出は、確かに私のほうの局の渉外受付の百十三番のほうに申告がございました。二月に二回、三月に一回でございますが、これは私のほうの渉外受付簿、帳簿がございまして、その記録の上で明らかに二月に二回、三月に一回の話漏れの疑いありと、こういう申し出が記録に上っております。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 それはいつですか。

佐々木卓夫日本電信電話公社総務理事

○説明員(佐々木卓夫君) 二月の二十五日、二月の二十七日、三月の十八日、三回でございます。それで、そのつど局内から渉外の者が点検いたしまして、異常なしと、こういう局からの回答をいたしております。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 その二月の二十五日にあったときには調査に行っておられるのですね。

佐々木卓夫日本電信電話公社総務理事

○説明員(佐々木卓夫君) 大体通常の場合は、局内に試験装置がございまして、それで局内から試験装置を通して試験することによりまして、そういう可能性の有無というものは電気的にやれば確認できますので、調査にそのとき行ったかどうかということは確認はいたしておりませんけれども、おそらく局内から、しかるべき試験をして返事をしたのではないかと想像いたします。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 その盗聴の方法で、第一番目の局の中に入ってやるということは実際上不可能でしょう。それからまた電柱からとるということも、あなたのおっしゃるとおり目につきやすいが、第三番目のビルの中にある配線函というのですか、そこだったらやればできぬことはないのだというお話ですが、何か土曜日か金曜日かに、あそこのビルの配電盤を何かいじって撤去されたような形跡はないのですか、お宅のほうは。

佐々木卓夫日本電信電話公社総務理事

○説明員(佐々木卓夫君) 特別にそういうことをしたことはございません。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 この被害を受けたと言って――あなたのほうじゃ被害を与えていないと言うのですが、先方では被害を受けているのだと、こういうことを言っているのですが、結局は配電盤に何か差し込んでやれば聞けるのだということになると、しろうとが各ビルに行って、電話がこの中から各部屋に引かれているのだということがわかれば――まあしろうとはできませんが、幾らか経験がある人ならやれるわけですね。

佐々木卓夫日本電信電話公社総務理事

○説明員(佐々木卓夫君) ただこれも非常に再門家でございませんと、ビルの各部屋に配線いたしております線がたくさんあるうちで、どの線がどの電話につながっているかということは一見してわかるものではございません。これは何か試験をするとか、あるいはその配線図面というものを持っておらないと、外部の方がごらんになって、一見してこの端子がこの電話につながっておるということを確認することはできません。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 そうすると、某通信社の言っていることは、何か雑音でも入ったんで、盗聴ではなかったということですか。

佐々木卓夫日本電信電話公社総務理事

○説明員(佐々木卓夫君) 先ほどの総裁の御答弁でもございますように、われわれのほうといたしましては、できるだけ局内の調査あるいはビル内の調査その他をやりまして、その結果盗聴があったという事実の確認はできない、設備上何ら異常がなかったということだけ、はっきり申し上げられるわけでございます。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 その盗聴があったという事実の確認はできないけれども、何か疑わしい点があったということは言えるわけですか。

佐々木卓夫日本電信電話公社総務理事

○説明員(佐々木卓夫君) その疑わしい事実があったということは、私のほうでは感じておらないのでございまして、ただ、そういうことの可能性としては、先ほど来申し上げておりますように、あるわけでございますけれども、専門的に考えてみまして、きわめて困難であるという結論でございますので、そのようにひとつ……。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 さっきも言いましたように、一番と二番は実際上不可能だけれども、三番ならくろうとならできないことはないという話ですか。大きな会社というのは、ほとんどビルに入っていますね、最近アイデアが盗まれるとか、いろいろな問題が出てきているわけですが、そうすると、配電盤はくろうとなら盗まれるというような設備に、これはどこでされるのですか、あなたのほうの責任ではない、ビルのほうの責任ですか。

佐々木卓夫日本電信電話公社総務理事

○説明員(佐々木卓夫君) 多くの場合は、ビル所有者側で提供いたしまして、そのビルの入り口のところまで公社線を持っていく、こういうことになっているわけでございます、

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 そのビルの入口までで、あとはあなたのほうでは責任はないのだと、こういうことですか。

佐々木卓夫日本電信電話公社総務理事

○説明員(佐々木卓夫君) 責任がないというと、ちょっと語弊があるわけでございますけれども、やはり通話の状態を正常に維持する責任はもちろん公社にあるものと思います。ただ大きなビル等には、しばしばPBXがございますので、PBXの交換機を境口にして、自営のPBXの場合には、その交換機から内線側の保守運営については、その自営の会社の責任かと存じます。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 たとえ会社の責任であったにしても、くろうとなら盗聴できるというような、開けたらすぐ開くということは、これはやはり安心できないと思うのです。だからそういう点で電電公社は今後そういうところに注意をするとか、ただ簡単に開けるのだったら、鍵をかけるとか何とかしなければ、さっきも申しましたように、電話を盗んで聞かれるということになれば、ほんとうに最近の電話というものは日常生活に欠くことのできないものですから、それを盗んでだれかが聞いているんじゃないかということになれば、これは個人の生活を破壊する大きな社会問題だと思うのです。そういう面でビルのそういう電話機のあり方ということに対して今後どういう手を打つつもりですか。

佐々木卓夫日本電信電話公社総務理事

○説明員(佐々木卓夫君) ただいま先生の御指摘のビル構造の場合の配線函の問題でございますけれども、今回の事例がございますので、今後のあり方につきましては、特に考えてみたいと思っております。その一つの方法は、配線函というものに施錠するなり、適当な方法で、簡単に関係のない人がタッチできないような形にする方法、措置も含めまして対策を考えてみたい、かように存じております。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 しつこいようですが、この通信社の人あたりはなかなか納得しないようです。そうして何か電話がすうっと消えていくような気がするのです。そういうことになれば、電話機があなたのおっしゃるように古いのじゃないかということも考えられるわけです。最近、電電公社は五カ年計画を何回かおやりになって、だいぶ金も使ってはやっておられるのですが、電話の新しい需要もたくさんあるので、どんどん架設されるのも非常にけっこうなんですけれども、片一方では古くなって、だれかに聞かれているんじゃないかという不信感を持たれるということは、私は世界にも恥になると思うのですよ。安心して聞けないということになると、結果はどうあろうと、そういう面にも今後格段の努力をしていただいて、一日も早くこういう疑惑は一掃していただくように、ひとつ希望したいと思います。総裁どうですか。

大橋八郎日本電信電話公社総裁

○説明員(大橋八郎君) ただいまのお説のとおり、通信の秘密ということは、申すまでもなく非常に重要なものでございます。公社として最も注意しなければならないことだと思います。今後さらに一そうの手段を講じまして、かようなことのないようにできるだけ努めたいと思います。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 電話の問題はこれで終わります。

松野孝一自由民主党

○松野孝一君 電電公社のほうにちょっとお尋ねしたいのですが、有線放送電話施設の改善普及に必要な経費というのが、三十八年度要求額に四千二百七十五万円計上されておりますが、簡単な説明がついていますが、これは数年前に、農林省で助成しました新農村建設の有線放送とどういう関係があるのですか、ないのですか、ちょっとその点をお示ししていただきたい。

淺野賢澄郵政省電気通信監理官

○政府委員(淺野賢澄君) お答え申し上げます。ただいま御指摘の有線放送の改善普及に要する補助費四千三百万円、この点でございますが、これは三十六年度に郵政省といたしまして初めて予算をちょうだいいたしまして、本年、それから来年、その三カ年にわたりまして電電公社の公社線に現在の有線放送電話を結びつけまして、それがうまくいきますかどうか、またうまくいきます場合、どういった点に今後注意したらよろしいか、こういった点を調査、実験するための経費でございます。それで、ただいまお話のございました新農村に関する予算、こういった問題とは別の問題でございます。新農村並びにそれに関連する面から、農林、自治から出て参っております分は、これは新しく作ります場合の国からの補助、こういったことに承っております。これにつきましては、そういうふうにしてできました有線放送施設を公社線に結びつけます場合の実験、調査に要する経費、かように相なっております。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 これは大臣にお聞きしますが、最近FM放送、それからテレビのチャンネルの修正というので、だいぶんわれわれ逓信委員のところにも、ずいぶんあちこちからも陳情が来ておるわけです。それについて、きのうの朝日新聞で、臨時放送関係調査会ですか、その記事が出ておる中で、民放の使命については明確な規定がないというのですね。NHKに対する規定が準用されておることが多いというけれども、公共放送のあり方ということは、NHKばかりではなくて、民放のあり方、その目的達成についての規定を作るべきではないかということが書いてあるのですが、こういうことがきのうか、二、三日前審議されたのですか。

武田功郵政大臣官房長

○政府委員(武田功君) 今、先生から御指摘の記事は、臨時放送関係法制調査会が最近開かれました、その関連の記事だと存じますが、調査会は今までに八回、委員会を開いておりまして、そうして最近の審議会におきまして、民放関係、それからNHKの関係、それぞれいろいろと各社の御要望がございますので、その要望事項を聴取したということでございます。で、調査会がございますつど、調査会のほうからその当日の会議模様を発表いたしますので、それに関連して、そういうふうな記事が取り上げられたものだと存じますが、現実にそういうことの要望があったというのが今の調査会の審議の経過でございます。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 民放を規制する、別に監督権を強化するということには、われわれは賛成じゃないのですがね。民放だって、これは公共なんです。これは普通の株式会社のように、これを、電波を利用してどんどん金もうけをするという考えじゃ困ると思う。最近FM放送の認可に対しても、新聞社がほとんどこれは申請をしているということを聞いておるのですがね。そうすると、一社が波をひとつもらえない場合に、三つの新聞社とか、あるいは二つの新聞社が共同して一つの波をもらう場合があると思うんですよ。大体、そういう場合がたくさんありますね。その場合に、初めはもちろん株の割当で、一社が独占にならないように行政指導されると思う。ところが、免許前になりますと、一社が株の買占めをやって、初め郵政省が企図していたような数社で仲よく放送をやらせるということがくずれてしまっているわけですね。そういう例が間々あるわけです。今後そういう方面に対して、どういう行政指導をされるのか、ひとつの問題を、私が以前に逓信委員会で指摘した仙台放送、ここでは二つの新聞社と、それから片一方に過半数の株を持たせないように、県がある程度のキャスチング・ボートをにぎっておる。それで向こうで放送をやっておるところか、本免許の前に反対派の――反対派と言っては語弊がありますが、自分の派でない人の株を、上場されていない株を非常に高価でそれを買い取ってしまって、そうして、その一社独占にするというような傾向が現われておるのです。これに対して、最近どうですか、電波局長、あの時分には三者に調停を頼んであるのだというような話だったが、その後どうなっておりますか。

西崎太郎郵政省電波監理局長

○政府委員(西崎太郎君) 今、先生おっしゃいましたように、特に民間の放送局を免許する場合に、最初の免許のときと、それから免許されたあとで、事情が変わってくるというような現象がともすると起こり、やすいわけであります。この点につきましては、実は法規上しも不備な点が現在あるわけでございます。すなわち、最初の免許申請の審査をする場合に、開設の根本基準というのがございまして、これによって審査するわけでございます。これが存続要件ではない場合が多いものですから、そういった意味でいろいろ先生が御指摘のような事態が起こるわけでございます。ただ、まあ現在におきましては、そういった点は三年ごとの再免許の際にもう一回チェックする、こういう考え方の法制になっておるわけでございます。しかし、こういった点につきましては、先生が先ほど御指摘の臨時放送関係法制調査会でさらに再検討が行なわれるというふうに期待いたしておるわけでございます。それから、現実問題といたしまして、仙台放送の問題が指摘されたわけでございますが、この点につきましては、昨年の暮れに調停者といたしまして宮城県知事の三浦先生、それから愛知揆一先生、それから内ケ崎先生、この御三者が、当初におきまして、当時の東北テレビと仙台テレビの一本化という際に調停に当たっていただいた関係もありますので、われわれとしては最も妥当な、こういった内紛を解決するための調停者ではないかというふうに考えまして、大臣のところに昨年の暮れ、三者に御足労願いまして再度、調停を依頼したわけでございますが、現在その調停工作、が相当進んでおるというふうに承知いたしておりまして、おそらく近いうちにその報告がもたらされるのではないか、こういうふうに思います。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 調停案が出されて、その株を売った本人に返すことはできなくても、三人の調停委員のうちに一時預けたらどうだという調停案が出ているそうですが、それを片方で聞かないということなんですね。そういう事実聞いておられませんか。

西崎太郎郵政省電波監理局長

○政府委員(西崎太郎君) この三人の調停者の方が作られた調停案の内容につきましては、先ほど申し上げましたように、今非常に微妙な段階にあると思いますので、その内容につきましては、お許しを得られれば後の機へ会に譲らせていただければ非常に幸いだと思います。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 じゃ、後の機会でけっこうです、貴重な時間ですから。大臣に申し上げておきたいのは、電波というのは、これは資本家がこれで金もうけをするために与えたのじゃないのですよ。これは実際上、ともすれば最近これを、取り合いをやって金もうけに利用しているということは非常に私は残念だと思うのです、そのようにして。それで、今度も割り当てが近いうちにあると思うのですが、さっきも言いましたように、われわれのところへいろいろな陳情がたくさんきている。その場合に、今後そういう紛争が起こらないようにひとつ指導してもらう。それともう一つは、さっき監理局長が答弁になったように、そういう会社には、三年目のチェックするときには一つや二つの会社はもう再免許しないのだというぐらいの郵政省はやはり行政指導をしなければ、これが金もうけに利用されて非常に国民は迷惑すると思う。そういう点で、まあこの前の逓信委員会でも明らかにされたように、通常国会中に大臣がだいぶ認可されるあれがあると思うんですが、厳重にそういうことのないように、国民の電波ですから今後気をつけていただきたいと思います。

小沢久太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小沢久太郎君) 電波の問題につきまして、ただいま光村先生からいろいろお話がありました。われわれのほうといたしましては、お説のとおり筋の通った方法をとっていきたい、そういうふうに考えております。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 では次、最近われわれのところへ、書籍ですね、いわゆる出版社から、あるいは本を買う人から、郵送料が高いから、これを安くしてくれないかという陳情がたくさんきているわけです。それで、これについてですが、新聞あるいは雑誌、書籍ですね、それから農民の人が買っている種苗、こういうものが、非常に郵政省は低廉だといっているんだが、書籍を買う人からは高いと、こういっているんですが、郵便料金のうちに占める率はどういうことになっていますか。

佐方信博郵政省郵務局長

○政府委員(佐方信博君) たとえば昭和三十六年度の収入を考えてみますと、いわゆる普通、通常というものが全体の六割くらいの収入を占めておるわけでございますが、それが全体的に考えてみますと、結局その普通、通常のうちで、一種といいますか、手紙でございます。手紙は物数としましては大体二一%くらい、収入が二七%くらい、それから、はがき、第二種でございますが、はがきが普通、通常のうちで三四%くらいの物数で、収入は三一%、それから第三種、これは月に一回以上発行される定期刊行物、そのうちでも月に三回以上出されますところの新聞、雑誌等を含むわけでございますが、これが物数としましては一六%くらいでございますが、収入としましては、五・六%くらい。それから第四種、これが先ほど先生のお話ございました農産種苗、それから盲人用の点字等でございますが、これは物数としましては全体の〇・二%、それから収入も〇・一五%という程度の収入になっております。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 この第三種ですね、これをもっと安くするという方法は――安くしますとだいぶん赤字になりますか。

佐方信博郵政省郵務局長

○政府委員(佐方信博君) 実は第三種につきましては、ただいまのところでも総体で五十三、四億の赤字になっております。中でも低料扱いの、月三回以上刊行するものにつきましては原価が八円くらいになっておりますけれども、実際の料金は二円という形でございますので、その五十三億のこの赤字のうちで低料扱いのものの赤字が四十七億円ということでございますので、私たちは第三種につきなしては、これはもう値上げをぜひお願いしたいと思うのでありまして、値下げということはちょっと考えておりません。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 最近、公共料金の値上げが井桁にはやっておるので、私もそれを懸念してお聞きをしたんですが、新聞をいなかでとっても、本を買っても、みんな購読者負担なんですね。売るほうで負担してくれると問題はないのですけれども。大体、新聞、雑誌、三回以上の刊行物、あるいは種は、原価は大体幾らで、そして今幾らで送っているのだということをちょっと教えてくれませんか。

佐方信博郵政省郵務局長

○政府委員(佐方信博君) ただいまのところ、第三種郵便物の平常扱いにつきましては大体八円ちょっとかかるものに対しなして、収入は二円でございますので、一通について六円ちょっと赤字になっておる。それが総体的には四十七億くらいの赤字になる。それから第三種の中で、月一回以上発行されております新聞、雑誌、これは原価が十円ちょっとくらいかかりますけれども、収入としましては六円七十銭くらいでございますので、大体三円くらい赤字になる。したがって、総体としましてはその部分が六億五千万ほどの赤字になっている。それから第四種につきましては、通信教育の経費が少しございますけれども、例の百人用の点字をこの前の料金改正のときに、国際条約の規定もございますので無料といたしました。その結果、一通大体三十七円ほど今かかっておりますけれども、無料でありますために、総体としましては五千万円ほどの赤字になっております。それから農産種苗につきましては、原価としまして約三十五円、それに対しまして四円くらいの収入でございますので、まあ三十一円くらいが赤字になる。その赤字が総体的に考えまして二円くらいで、今、郵政省といたしましては、第三種、第四種、そのほかに赤字になっておりますのははがきでございまして、はがきが大体五円の原価がかかっておりますけれども、御承知のとおり普通のはがきは五円でございますが、年賀が四円、寄付金をつけて五円になっておりますけれども、収入としては四円でございますので、実際の収入としましては、それを計算しますと四円七十銭くらい。したがって、三十銭くらいは赤字になっておる。そういうことでございますので、はがき全体としましてやはり七億くらい赤字になっておるという実情でございます。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 大体五十三億くらい今赤字だということですが、郵務局長の話では、安くできずに値上げしたいくらいだと言っておられるのですが、これは相当な大きな問題だと思うのです。そこで、郵政省に私はこれを全部負担さすのはおかしいと思うのです、実際上考えますと。はがきや切手は何といいますか、黒字で、あるいは新聞、雑誌だとか、種、苗をもっと安くしてもらいたいの、だが、これを郵政省だけで負担するのだということは、独立採算の建前で私は問題があると思う。これは私の考え方です。たとえば新聞をいなかの人がとるとか、雑誌を買うとかいうことは、郵政省だけじゃなくて、これはやはり内閣全体が見るべきなんです。それから農民が種を安く買う、安い運賃で買うなんということは農林省の関係、だというと、やはり話が飛躍しますね。あるいは新聞、雑誌をとるということは、これは読むということは文部省の所管かもしれない。そこで、郵政省が赤字をしょってこれを安くするということは、それはいかぬかもしれないけれども、私はこれは当然一般会計からもらうべきだと思うのです。そうしてもっと新聞も雑誌も安くしてやるのが当然じゃないかと思うのですが、わずかの金ですが、これ五十三億くらいの金を一般会計からとるというのはできないものなんですかね。

小沢久太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小沢久太郎君) 郵政事業は実は特別会計になっておりますので、その中で、あるものは赤字になり、あるものは黒字になるものがあると思うのですが、そういうやつを一括いたしまして、そうして特別会計としてバランスのとれるようにしていきたいというのが、ただいまのわれわれの考えです。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 それはわかるのです。わかるのですけれども、新聞だとか雑誌を安くしてくれというので、輸送賃をやはりもっと――四十円だ、五十円だという高いものもあるのです。そうなると、本を読むということは郵政事業とやっぱり違ってくるのです。いなかにいる人がやはり文化的生活に浴したい。そういう方面にはやはりこれは一般会計から出すのが私は当然だと思う。外国でもそうなんです。アメリカなどはたくさん一般会計から郵便事業に繰り入れているのです。そうすると、値上げをせずに済むわけなんです。これがどんどんもっと、郵務局長が言うように今でも赤字だから値上げしたいくらいだと本音を言われますが、どんどん物が上がってきた場合には、相当これはまた赤字がふえてくると思うのです。私の議論は飛躍していますかね。

小沢久太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小沢久太郎君) ただいま光村先生のおっしゃったことは私は一つの研究問題、研究課題だと思います。しかし、今までのわれわれの建前といたしましては、先ほど申し上げましたように、特別会計の中でバランスをとるというふうにやっておるわけでございまして、光村先年のおっしゃったのは飛躍したというよりも、われわれといたしましても研究しなければならぬ問題だとは思っております

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 今、全逓が仲裁の申請をやっておりますが、これは幾ら仲裁が出るかわかりませんが、それをまかなう財源はありますか。

長田裕二郵政省経理局長

○政府委員(長田裕二君) ただいま全逓初め組合側から出されております賃上げ要求につきましては、昭和三十八年度予算におきましてはその用意がございません。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 それは仲裁がゼロに出るか、あるいは二千円出るか、三千円出るかわかりませんが、用意がなければ、出た場合にはどうするのですか。ゼロが出ればそれは問題ないが。

長田裕二郵政省経理局長

○政府委員(長田裕二君) これは政府全体のことになるかと思いますが、仲裁が出ました際にどういう措置をするかを、さらに大臣その他関係の向きといたしまして措置することになるかと存じます。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 そこで問題は、結局は郵便料金が上がるのじゃないだろうかということで世間が非常に心配しているのは、結局はそこになってくるのです。たから郵便料金なんというのはそうちょいちょい値上げすべきではないと思っている。思っているのだけれども、独立採算だとおっしゃれば、これはやっぱり三千円とか五千円の仲裁が出ればどうにもならなくなってくると思うのです。そこで、私はさっき覆ったように、やはり独立採算であっても、やはり郵政がやらなくてもいい仕事をたくさんやっている場合には、一般会計から繰り入れる方法を考えなさい、ねらいはそこを言いたかったのですけれども、回りくどくなったけれども、当然私は郵政会計のあり方というものを考えなければ、また来年くらいになれば郵便料金を上げようかということになると、たいへんだと思うのです。それともう一つは郵便局舎、前年一度から十八億九千六百万円多いとおっしゃるのですが、これは郵便局舎の狭いということと、それからもうひどいのなんか明治三十八年に建てたという家、いつ建ったかわからぬというような郵便局舎も相当あるのですね。ことしの局舎の改善費は幾らですか。

長田裕二郵政省経理局長

○政府委員(長田裕二君) 三十七年度におきまして六十四億、三十八年度予算におきましては八十三億八千三百万円でございます。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 とてもそれじゃ郵便局舎がきれいになるというのじゃなくて、遅配の原因なんかにもたくさんなっているのですね、狭いから。人をふやしてもらってもおるところがないという郵便局もある。これは極端な例ですが。どんどんふやさなくちゃならぬが、東京のまん中で土地を買うと言ったって高い。そういう面から、毎年、郵政省が百億円ぐらいの金で局舎を作っても追っつかないわけですね。だから私は一つこういうことを考えているのです。郵便局舎を作る公団か何かをこしらえる。それによって政府から金を借りたり、あるいは互助会あたりから金を借りて、一挙にそれを片づける方法があると思うのです。これはあとで特定局の問題についても関連して話をしますが、そういう構想を持っていないのですか。

佐方信博郵政省郵務局長

○政府委員(佐方信博君) 郵便局舎全体につきましては、御承知のとおり非常にもう物数がふえていくのに対しまして必要な経費を要求する。と同時に、また局舎もうんとよくしなければならぬというようなことで、御承知のとおり三十年から八カ年計画をやって参りました。料金値上げの年を契機としまして、三十六年から新たに五カ年計画というものを作ってやっているわけでございますが、その五カ年計画が大体終わりますと、普通局についてはある程度のめどがつくだろうと思っております。ただ三十七年、三十八年につきましては、一番物数増加の多かった大都市中心になっておりますので、全国的な普通局の改善にはほど遠いわけでございますけれども、これが三十九年、四十年となって参りますと、普通局につきましては一応のめどがついてくるだろう、ただ特定局につきましては、御承知のとおり非常にたくさんの局がございまして、一体これを国費でやるべきか、あるいはまた財団等を作ってやるべきか、それとも今までどおりの局長の私費でやるべきかという問題がこれはございますけれども、私らといたしましては、全体的にただいまのところ特定局について約四千八百局程度の局が非常に古いというものと、狭いというものでございますので、これは三十六年度から十カ年でひとつ片づけていこうじゃないかというようなことを考えております。その場合に全部私費にたよるということになりますと、これから普通局にでもなるような大きな局、あるいはまた大都市で地価の非常に高いところ、それから観光地といったところにつきましては、これはなかなか私費で建てるわけにいかないと思いますので、こういうところは国費で建てていこうということで、全体的に十カ年のうちに約千局近いものを国費で建てていこう、その他のものにつきましては互助会なり、あるいはまた局長の私費新営ということでやっていこう、そうしますと、その数字は大体三千八百になるわけでございます。現状を見ますと、大体、私費新営等で三百数十から四百近くの局舎が私費新営で行なわれておりますので、これまでの趨勢を落とさないで力を尽くしていきますと、大体そういう程度でいけるのではないかと考えております。ただ公団の問題等もときどき話題になっておりますけれども、まだそれについての具体案は持っておりません。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 特定局の問題は私あとでやりますが、普通局でも、三十九年とか四十年になると完成すると言われますが、作ったあけの年から仮設局舎を作っているのです。しろうとにはわからない、鉄筋の三階建くらいのりっぱな郵便局舎を作って、暮れの年賀はがきや小包を扱うようになれば、庭にバラックを毎年つぶしては作り、つぶしては作りしている。毎年これに要する費用は大したものだと思います。これはあとで議論いたしますので一応預けておきます。  それから、毎年、会計検査院から郵政省は注意をされているのですが、犯罪の多い金の使い込み、これは最近の三年間くらいの犯罪件数、それから実損額、それから使い込んだ額、これをお知らせ願いたいと思います。

藤牧直郵政省監察局長

○政府委員(藤牧直君) 三十六年度の郵政犯罪、これは部内あるいは部外等にまたがるわけでございますが、この総計が三千四百十八件でございます。この件数は三十二年度の二千六百一件を一〇〇といたしますと、件数にいたしまして一三一というふうにふえております。それからやはり金額につきましては三十二年度を一〇〇にとりますと、三十六年度は一六八に指数が上がりまして、三十六年度におきましては二億三千四百万円の国損を、一応の犯罪金額を生じております。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 これを普通局別、特定局別にあげてもらいたいと思います。

藤牧直郵政省監察局長

○政府委員(藤牧直君) ただいま申し上げましたのは犯罪件数の総体でございます。普通局と特定局別に分けますと、勢い犯人のあがったもの、検挙した結果によりまして、普通局あるいは特定局というふうに分けることができるわけでございます。なお、現在のところの検挙の平均率というのは、大体五三%くらいになっております。したがいまして、件数が合わぬのでございますが、あらかじめ申し上げておきます。三十四年度におきまして、犯罪件数が五百九十九件でございます。これは普通局が三百六件、五一%でございます。それから特定局が四九%、二百……。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 よろしい、それで。

藤牧直郵政省監察局長

○政府委員(藤牧直君) よろしゅうございますか。――なお、最近の数字の三十六年度を申し上げておきますと、件数が落ちておりまして四百四十一件でございます。普通局が二百七十三件、六二%、他が特定局というふうになっております。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 その特定局の中に、局長が使い込んだという件数と金額は幾らですか。

藤牧直郵政省監察局長

○政府委員(藤牧直君) 最近三カ年の数字を申し上げてみます。三十四年度におきましては、特定局長の犯罪が三十四件でございます。金額が、五千二百七十六万円、三十五年度が二十二件でございます。これは金額は四百三十九万円、それから三十六年度が二十四件、千百五十八万円、こういうふうになっております。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 去年からことしにかけて、特定局長の使い込みが大きく新聞に出ています。これはどういうところに欠陥があるのですか。

藤牧直郵政省監察局長

○政府委員(藤牧直君) 犯罪は、帰一いたしますところ、犯人の人格というものに基本的には私は帰一するというふうに思うのでありまして、一がいにどういうところというふうには申し上げかねるのでございますが、小局におきましては、特定局長初め全員が仕事をしているというような形がとられておりますので、相互的に牽制するというような制度がありましても、なかなか実効があがりかねているということも二つの原因じゃなかろうかというふうに考えます。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 私は特定局制度と任用に問題があると思うのです。ことしになってからかね、懲役六年くったというのは。

藤牧直郵政省監察局長

○政府委員(藤牧直君) 懲役六年といいますか、最近のものといたしましては、南浜川の主事がが五年になっております。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 大臣、この特定局の女の人が使い込んだのが、三千何百万という金を使い込んでいるのです。これは弟が郵便局長、それから本人が郵便局の主事です。お母さんが局員だったのです。まるでこれは家族中小企業です。そういう親子三人で特定郵便局をやる。そうすると、自由なんだね、こういうところに制度の欠陥があると、あなたお思いになりませんか。

小沢久太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小沢久太郎君) 家族郵便局員の多い特定局につきましては、御指摘のようなふうになりませんように、十分注意を与えまして、規律を厳正に保持させまして、検査あるいは監査といったようなものを十分にしてやっていきたい、そういうふうに考えます。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 検査、監査を厳重にやっても出ているのです。この三千何百万使い込んだ女が、過去何年問かの間にやっている。監察は一年に一回ずつ行って発見できないのです。監察局長、監察に行っているんでしょう。

藤牧直郵政省監察局長

○政府委員(藤牧直君) 南浜川事件につきましては、監察のやり方というようなものがまことに不手際でございまして、申しわけなく存じている次第でございます。この件につきましては、東京郵政監察局におきまして、前後十二回にわたる考査あるいは調査等を行なっているわけでございますが、ついに発見ができかねたわけでございまして、まことに業務執行に欠けるところがあった。当時の東京監察の責任者につきましては、それぞれの所要の処分をいたしまして、今後こういうことを繰り返さないようにいたしている次第でございます。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 大臣、お聞きになりましたか、十二回監査をやって発見できないのですよ。ただ、あなたはそれを監査、検査を厳重にやってなくしたいと、そんな通り一ぺんの答えではこんな犯罪は減らない。去年は名古屋の郵便局長がそこの主事と五百万円か持ってかけ落ちをして大阪か何かへ行った。東京の人が名古屋でつかまった、これがあるし、それからことしになって、二月か、大阪の特定郵便局長が数千万円使った。監査、検査を厳重にやっただけでこれは直りますか。大阪も何回も監査をやっているのです。

小沢久太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小沢久太郎君) 今後、局員の構成につきましては十分特に注意を払っていきたいと思います。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 そんな大臣答弁じゃ犯罪は減らないです。どういうところに欠陥があるかと考えなきゃいかぬのです。ただ監査を厳重にやります、職員の再訓練をやりますと、そんな大臣答弁じゃなかなか直らない。  監察局長にお聞きしますが、これはやっぱり人も足りない。厳重に十二回も監査をやって発見できないというのは通り一ぺんの監査をやったからです。厳重にやればわからないはずはないと思う

藤牧直郵政省監察局長

○政府委員(藤牧直君) 実は現在のところ全国に監察官が六百二十八名、監察官補が百二十五名おるわけでございます。それで、従来の考査あるいは監査というものが、ややもすれば量といいますか、考査の実施率に偏したきらいがあったわけでございまして、今後あの事件を契機といたしまして、量を捨てて実をとるということを徹底的に深く掘り下げることとしたわけでございます。なお、南浜川事件につきましては、たとえをもって御説明することをお許しいただけるならば、十二回とも、いわばリレーの第一走者だけでやった。行きました十二人の監察官というものが、その犯罪のすれすれまでいっているわけでございます。にもかかわらず、そのバトンを次の走者に渡さなかった、次の監察官に引き継いでいなかったというようなところに欠陥がはっきり出て参っておりまするので、新年度におきましては、運用の方法等にも手を加えまして、再びこういうことを繰り返さないようにいたしたいと思います。

赤松常子民主社会党

○赤松常子君 ちょっと関連して。今、監察の問題をおっしゃったのでございますが、私、非常に特定局の立場の力の気持もわからないわけではない。けれども、今度のような、まあ女性であったということで私たいへん共同責任と申しますか、恥かしく思っている次第でございますが、特定局が全国に一万五千近くございますが、そういう末端までに監察官がおいでになるその割合と申しましょうか、度数と申しましょうか、最末端までいらっしゃるわけですね。そういうことをちょっと伺いたいのでございします。何回ぐらいおいでになれるのか。特定局ですらこれだけあるのですから、普通郵便局がたくさんあるわけでございますが、その職場と監察局員の人数の割合ですね、どのくらい目が届くものかちょっと伺いたいと思います。

藤牧直郵政省監察局長

○政府委員(藤牧直君) こまかい資料もただいま持ち合わせておりませんですけれども、建前といたしましては、監察官あるいは監察官補で全局数の大約六〇%、それから経理局のほうにございます監査課のほうで残りの四〇%というふうにいたしまして、一年に一度は必ず目を通すというふうにいたしております。

赤松常子民主社会党

○赤松常子君 十二回もおいでになったというのは、どのくらいの期間の間においでになったのでございましょうか。

藤牧直郵政省監察局長

○政府委員(藤牧直君) 昭和三十年からでございます。十二回のうち、やや詳しく申し上げますと、年次考査というものを六回やっております。それから監察官補の考査を四回やっております。特に不審の念を持ちましてそのほかに二回別の調査をやっておる、こういうことでございます。大体八年間でございます。

長田裕二郵政省経理局長

○政府委員(長田裕二君) ただいま監察局長がお答え申し上げましたことを少し補足さしていただきたいと思います。最近起こりました犯罪の大きなものは貯金関係の犯罪でございまして、結局、定額貯金あるいは通常貯金の預入の申し込みを受けました場合に、預金者には通帳面に預入に局へ持ってきた金額を記入して渡している。それから支局等内部関係の向きにつきましては、それよりも非常に少ない金額を報告する。そういうようなことが非常に大きな原因になっておりますので、昨年夏ごろからそういう面に着目いたしまして、貯金局、監察局等を中心にいたしまして、仕事の監査なり何なりの重点の仕方を変えていく。たとえば来年度予算にも計上してございますが、地力貯金局で、従来、郵便貯金の現在晦を通知をしておらなかった。昔はやっておりましたのですが、いろいろ専務の簡素化等でやっておりません。そういうことのために、預金者は自分の通帳面に記載してあるのが正確な預金金額だと思っております。支局のほうには実は途中で抜いた金が差っ引かれてきているわけでございますが、そういうものを本人のほうに、あなたの貯金はこれだけですということをしますと、局で不正などがありました場合にはっきりするというようなこともございますので、そういう向きの定員並びに必要な経費なども計上いたしまして、なお監察官なり会計検査官が局へ参りました場合にも、そういう点にも特に気をつけて参ります。小局でございますので、どうしても相互牽制が十分行なわれませんので、はたのほうから牽制の実をあげていくように、常にそこらの面に関係局協力いたしまして相当の改善をはかって参っているつもりでございます。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 大阪のこの間の使い込んだところの局の近所では、もう郵便局には金は預けないと言っているのです。まあこれは国家が補償してくれますけれども、郵便局というところはそんな信用の置けないところか、簡単に局長なら金をごまかせるところかという考え方が一般国民に出てきている。それで一つは任用の欠陥なんです。特定郵便局長といえばだれでもなれるわけですね。それは未成年者、二十五才未満はだめですが、極端な言い方をすればだれでもなれるのです。そういう任用のあり方が問題なんです。使い込んだ局長はほとんどそうです。われわれは常に、どうして特定郵便局長だけは自由任用にしなければならぬのかということに疑問を持っているのです。なるほど、明治初年に郵便局ができたときに、貯金とか、あるいは保険ができたときに、土地の有志ですから、貯金の預け入れ、あるいは保険の募集等に非常に郵政全体のために功績があったことは認められる。ところがどんどんしろうとが局長になってくるものだから、大阪で起きた問題なんか、悪友にそそのかされて金を使い込んだ。さっき言いましたように弟が局長で姉が主事だ、監督する人がいないわけですね。弟が局長だものだから自由にやっている。大臣、そういうわけで、どうしてこの特定郵便局長だけを自由任用にしなければならないかということがわからないのです。大臣はまだしろうとでおわかりにならないでしょうが、あそこに特定郵便局ができるのだといえば、あるいは自民党の代議士、あるいは社会党の代議士あたりもあるでしょう、あるいはどっかの大臣あたりが、これをやれといって無理に郵政省に対して任用さしているというものがずいぶんある。そういうものがやはり金を使い込んだりしている。自由任用というものをなくして、特定郵便局長、まあ郵便局長になるのにはだれでも郵便局員でなければならないのだという制度にすれば、こういうことも少なくなると思うのですが、大臣どうですか。

小沢久太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小沢久太郎君) 特定郵便局長の任用の問題でございますけれども、これまでのように業務を円滑に進めますためには、その地域に密着した有能な人を任用するということでこれまでやってきたわけ合いでございまして、最近における犯罪件数や動機など分析いたしますと、直ちに自由任用制度が悪いというふうにもまた断定できない次第でございまして、われわれといたしましては、任用する際に学識、経験、そういうこと等を十分勘案してやっていきたい、そういうふうに考えております。

赤松常子民主社会党

○赤松常子君 大臣、それから総裁にもちょっと関連しておりますので、お尋ねしたいのでございますが、将来のこういう特定郵便局制度というものに対して、省並びに、これには電話も関係いたしていらっしゃいましょうが、どういう制度のあり方がよろしいのか、そういう方向というものをお示しになっていらっしゃいましょうか。ちょっと仄聞すれば、省内にございます郵政審議会でございましょうか、併用すべきだという答申が出ているやに伺っておりますけれども、こういう国家事業は将来国が全責任を持つということの方向が正しいのではないか。今のあり力というものは、いろいろ沿革や歴史がございます。地力に参りますと、やはり有力者というものに、公衆の信用があるというので、特定郵便局長の任命が行なわれていることも知っておりますけれども、やはり国の責任においてこういう国家事業というものがなされていくべきだ。これは私のしろうと考えでございましょうが、省として、あるいは公社として、どういう将来の構想をお持ちでいらっしゃいましょうか、ちょっと伺わせていただきたいと存じます。

増森孝郵政省人事局長

○政府委員(増森孝君) 特定局制度、あるいは大きくいいまして、特定局制度をどういうふうに持っていかれるかというような御質問かと思います。これにつきましては、大きく分類いたしますと、ただいま郵便局には普通郵便局と特定郵便局とがございます。それから、さらに別な分け方をいたしますと、集配局と無集配局とございます。それらが相関連いたしまして郵便局制度を構成しているんでありますけれども、普通局と特定局の差異というものはどういうところにあるか、こういうことからお話し申し上げたほうが順序かと思うんです。  普通局は、大体今のところ町もしくは市でございますが、そういったようなところの大きなところでございますが、そういうところを普通局にしております。それから、特定局というものは、集配、無集配もちろんございますけれども、その他の小さなところに存在している、こういうことでございます。その根本的な違いというものは、ただいま光村先からも御指摘がございましたように、普通局長はいわゆる官吏でございます。一般公務員でございます。一般公務員というと語弊がございますが、自由任用制ではないので、やはり小さいときから逓信省に入った者を配属する、こういうふうにしているのでありますけれども、特定局長の場合には、自由任用制と申しまして、いわゆる局を開設いたしますときに、必ずしも郵便局の経験がある者とは限らない、あるいは村長さんをやった方でも、農協の職員でも、あるいは郵便局員でもよろしい、そういうふうにいわゆるフリーな任用の仕方をしております。  で、なぜフリーな任用をしますかと申しますと、一つには、山間僻地に非常に存在いたしておりますので、その地元につながった人を任用したほうがいいだろう、こういうことが一つでございます。それから、もう一つの理由といたしましては、ただいま赤松先生からも御指摘がありましたように、特定局は、何にいたしましても一万五千局からの山間僻地に存在しておりますので、そう国費でもってにわかに建て得ない。いわゆる歴史的に、ただいままでその地方の有力者等が、局舎を提供していただきまして、そして局長になっておるというような歴史的な事実もございます。今それをにわかに国有にしたらどうかという議論はございます。その議論に対しましては、一万五千局からの郵便局というものをすぐに国有化はできないということで、今のところ局長が局舎を提供するという提供義務というものはございませんけれども、いわゆる局舎を借り入れさしてもらう、つまり国がその土地でもって郵便局を借り入れなければいけない、そういうふうな、いわゆる借り入れ局舎ということをやっております。その割合といたしましては、ただいまのところ、特定局の国有局舎が六%で、局長所有舎が七二%、その他のものが二一%、こういうふうにございまして、そういう関係からも自由任用制をしなければいけない。で、ただいまのところ、結論といたしましては、先生が先ほど申されましたが、特定局をどうするのかと言われましても、ただいまの状態としましては、特定局制度をしばらく続けなければいけないだろうという結論だけを申し上げます。

大橋八郎日本電信電話公社総裁

○説明員(大橋八郎君) 先ほど御指名でございますから申し上げますが、電信電話の仕事につきましても、仕事の幅の大きな土地では郵政局の電電公社の直轄局で取り扱っておりますが、山村僻地等の仕事の幅の非常に小さいものは郵政省に委託をしてその仕事をやっておる、郵政省の委託事務として郵便局で取り扱っている、かような状態でございます。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 人事局長の言われるのは間違いなんです。昔はなるほど資産がなければ特定局舎を作ることができないから、地方の有志にやらした。それから、いなかでは名望家にやらした。これは私も認める。しかし、都会においては、隣の人がどこに勤めているかわからぬというような人もいるので、そこでその名望家、地域に定着した名望家ということは全然考えられないんです。だから、私がさっき言ったように、国営でたくさんの局を作らなければ、公団というようなものを作って、これは局長にどんどん優秀な人を局員から抜擢すればいい。そういう制度がないから、都会でも土地を買えない、家を建てられないから、やはり金持ちの人がやる。私は例を引きますと、経理局長が人事部長のときに、某県下で特定局ができ、そこの普通局の主事が適任であって、それが大体任用されかかっていた。ところが、現職の代議士が圧力をかけて、自動車の運転手さんを持ってきた、自動車会社の社長だと。車を二台持っていて社長です。私はそれに猛烈に反対したけれども、最適任だとおっしゃった。ところが、どうですか、何カ月かしたらやめてしまった。そういう例がたくさんあるんです。自民党あたりの代議士さんだとか、これは某政務次官も、名を言ったらたいへんなことですから言いませんが、困るというわけです。これを局長にしろといって、いろいろの人から持ってこられる。自由任用制がなければそういうことがないとおっしゃる。それが一つ。  さっき言いましたように、家族従業員ばかりでやっているから、犯罪をだれも監督する者がない。それから、他人が局員であっても、局員が帰ってから局長が悪いことをやる。これには一つは、自分の家が郵便局である、郵便局舎なんです。これも非常に犯罪を誘発しやすい原因なんです。税務署だとか鉄道の駅が自分の家だということは考えられない。特定郵便局だけは、自分の家で郵便局事務をやっている。帰ってから、晩に悪いことをする。こういうことが最近たくさん出ているのです。  私が言いたいのは、自由任用制度が悪いということ、それから特定郵便局というものと局長の家と一緒にしちゃいけないということを、結局は言いたい。そうすれば犯罪というものがうんと少なくなるのです。  ただ、大臣が官房長に何か書いてもらって通り一ぺんの答弁をしますけれども、郵政省の中にも私の意見に賛成する人がたくさんいる。しかし、こういう制度があるためにできないのです。あなた、ひとつ有名な郵政大臣になるつもりで考え直すあれはないか、抜本的に。さっき言ったように、公団というようなものを作って、そこでどんどん特定郵便局を作って、優秀な人をそこへ任命すればいいわけです。

小沢久太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小沢久太郎君) この問題につきましては、これまでずっと検討しております。検討しておりますけれども、先ほど申し上げましたように、国家財政等々の理由から全部するというわけにいきませんので、現在の状態に落ちついているというようなことでございまして、今後研究していきたいと思っております。

赤松常子民主社会党

○赤松常子君 ちょっと伺います。沿革や歴史はよくわかりましたし、そうだと思うのです。一挙に一万五千の特定局を廃止してという極端なことは、私は申すのではございません。けれども、将来の方向はどうでしょうかというその点と、今度三百局をふやされますが、その場合やはり個人の自由任命になさいますか、いかがですか。この点をちょっと伺います。

佐方信博郵政省郵務局長

○政府委員(佐方信博君) 三十八年度におきまして三百局の特定局を新しく作るわけでございますが、この際には地況、いろいろの環境を見ましてやることでございます。局舎をしましては、今までの慣例でございますと、大体いわゆる自費で作ったものを提供してもらうというやり方をいたしております。ただ、ごく最近におきましては、東京都のような大都会では個人でなかなか居合ができませんので、最近、たとえばこの近所にできておりますが、いろいろの高層建築物ができますと、そこを国がみずから借りまして置いていくという例も最近においては出てきております。

武田功郵政大臣官房長

○政府委員(武田功君) ただいまのお尋ねに関連いたしまして、これは制度の基本に触れておるかと思いますので、制度としてもう一言私のほうから補足させていただきます。先生のお尋ねは、特定局といったようなものが何か私企業的な、はなはだ失礼でございますが、私企業的なものであって、国の責任から離れているのじゃないかという御疑問かと思いますけれども、これは先ほど人事局長が申しましたように、全部国が責任を持ちまして、国の経営する局でございます。ただ、名称、機構が普通局、特定局、こういうふうに分かれておるわけでございまするか、また、今お尋ねの三百局もそういう意味で郵便局として作りますので、その際に任命いたします局長は、ただいま公務員法上選考任用、これを通称自由任用と言っておりますけれども、公務員法上は選考任用、郵政大臣の定める任用基準によって任用してもいいというところで、学識経験のある者、また年令は最低二十五才以上、こういったようなきめ方をしてやっておるわけでございます。  なお、この問題は、先ほどから話がございましたように、また光村先生からも御指摘がございましたように、特定局制度は非常にいろいろと近来問題になっておりまして、はたしてこれがいいかどうかということで議論がございまして、省といたしましても、昭和三十二年でございますか、特定郵便局制度調査会を作りまして、そうして各方面の方々にお集まり願いまして、いろいろと御意見を伺っており、当時、昭和三十三年一月十四日に特定郵便局制度調査会の会長大橋八郎さんのお名前で大臣あてに答申が出ました。その答申の中でもはっきりと、いろいろと検討しました結果、現在の特定局制度でよろしい、だからこれでやっていけ、こういうことに結論をいただいております。そういう関係で、現在この問題に対します省の考え方は、この御答申の線に沿って今後ともこういうような形でやって参ります。ただ、しばしば御指摘受けましたように、あるいは任用の際の人選を誤ったかもしれませんけれども、犯罪が出るとか、あるいは業務がうまくいかないとかいうようなこともございますので、こういう点は今後よく任用の際に監察官が調査するとか、しっかり身元も調査したりしてやっていかなければいけませんけれども、制度といたしましては、先ほど人事局長がしばらくの間ということを申しましたが、それは現在の時点としましては、省といたしましてはこういう特定局制度という形において運営をして参りたい、こういうことでございます。

赤松常子民主社会党

○赤松常子君 この局舎制度は、従来の制度を広げていく御方針ですか、おりがあればこれを縮めていく御方針ですか。

佐方信博郵政省郵務局長

○政府委員(佐方信博君) 局舎全体につきましては、先ほど光村先生の御質問のときにお答えいたしましたけれども、特定局がただいまのところ御指摘のような非常に経年が長いもの、それから非常に狭いものというものがいろいろございますので、私たちは大体それが全国的に四千八百ぐらいあるのじゃなかろうか、それを十カ年間で完全にりっぱなものにしようという計画を持っているわけでございます。その中で、全部自費でやってもらうといいましても、先ほどから申し上げますように、大都会でありますとか、それから観光地でありますとか、それからまた非常に地況の発展が大きくてなかなか入手できないというような所等がございますので、それからもう一つは将来普通局になっていきそうな発展しそうな所、そういうことを考えますと、全体的にその中で千局近くは、四千八百のうちの千局近くはこれは国費でやっていこうということで、例年九十局、三十八年度予算でも九十局国費で特定局を作ることになっております。そのほかの三千八百の局につきましては、局長が自分で資金がないときに、しかも何とか改築したいという希望でありますれば、私たちのほうではある程度の互助会といいますか、そういう財団法人から資金面でも援助いたしておりますが、局長さん自身がそれではどれぐらい今作っておるかといいますと、昨年なんかの実績ではやはり三百八十程度作っておりますので、十カ年にすれば三千八百、はたして平均どおりいくかどうかわかりませんけれども、そういうことで数字的には約一割といいますから、約千局ぐらいは国費で十カ年でやっていく、そのほかは自費あるいはまた資金の融通を受けてやっていくというようなことでただいまのところ進めておる実情でございます。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 これは議論になりますから、あまり深く追及はいたしませんが、過去の功績は私も認めるというのです。認めないとは言いません。実際に犯罪が起こっているのなんか、自分のうちで特定局をやっている場合が多いし、自由任用が多いのですよ、何といっても。そうしてしろうとがきのうまで何か、材木屋さんでもいい、農協の何かしておった人でもいいわけです。そういう人が局長でございますと来て、事務も何も実際上わからないのですよ。そういうところに非常に欠陥があって、世の中の人に不便を与えていることも、これは事実なんです。大臣、あなた特定郵便局へ行ってすぐに局長の用事できますか。できないでしょう。そういう詭弁を弄して、人格がいいとか識見がいいとかいっても、さっき私が言ったような事件も問々あるのです。これは自由任用制を廃止して、局長だったら郵政省の職員からやることが一番いいのです、だれが何と言っても。ただ、昔、貯金だ、保険だという画の募集の、あるいは郵便局舎を作る資産がないから、そういう制度を認めただけで、これは悪いことにきまっているのだから、当然直すべきなんだけれども、やはり与党なんかの圧力があってそういうことができない。だから、私が覆うように、そういう公団のようなものを作って、特定局舎を国が作れば、これは局員の中からりっぱな人を任用すればいいわけなんですね。特定局と自分のうちと一緒にやっている。子供が遊びに行く。そこの女房が局員だったら、晩御飯の支度にかかったら、五時まで仕事をしないという例もたくさんある。ここでそういうこまかいことを言いたくありません。そういうことから考えましても、特定郵便局と局長の家とは別だと。そうするには、やはり局舎を運営する別な方法を考えるということ。それから、自由任用制、これは悪いことだ。今後大いに研究していただきたい。これは要望です。  そこで、締めくくりに監察局長にお聞きしますが、どうすれば一体犯罪を防止することができますか。何かプランがあるでしょう。

藤牧直郵政省監察局長

○政府委員(藤牧直君) 第一に、全従業員が防犯意識を徹底することが先決だと思うのであります。そういった意味合いにおきまして、昨年の南浜川局の事件を契機といたしまして、省内に防犯対策委員会というものを作りましたし、各管理等に対しましても、責任をとるべきものがあれば、その監督責任も厳格にいたしました。なお、監察官の増員、あるいは監察制度というものについても改善を加えたわけでありますが、なお事務的には、私はこういった犯罪というものが起こらないように、制度的に事務の管理組織というものを徹底的に検討する必要があろうかと思うのであります。  それから、第二には、不幸にして犯罪がすでに潜在するならば、その犯罪というものを早期に発見する対策というものを講じる必要があろうかと、かように考えておりまして、未然の防止策につきましては、先ほど経理局長が御説明申し上げましたように、貯金等におきましてもいろいろ案を考えておりまするし、郵便、保険等についても、努力といいますか、一致していたしておるわけであります。  それから、潜在犯罪の発見につきましては、従来の犯罪発見の四〇%くらいが監察官あるいは会計検査などの結果によって発覚いたしております。こういうような実績から見まして、こういったものについてさらに制度的に努力を傾注していきたい、かように考えております。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 そういう、一生懸命考えておられるのですが、なかなかそう簡単に言っても、犯罪というものはなくならないし、毎年何億というような国家に損害を与えているのですね。私は、一日も早く、そういうことがないように、郵便局というところは世間から尊敬されるようにしなければ、特定局長が金を使い込んで、女とかけ落ちをするとか、これは信用を失いますよ。こういう点もやはり制度の欠陥というものがあります。それから、何憶というような国家に損害を与えているのですから、それをなくするためには、相当に監察機構を改善して犯罪をなくするというのも一つの方法だと思うのです。そういう点で、今後犯罪撲滅のためにもつとがんばってもらいたいと思います。大臣もひとつ、特定局制度のあり方、自由任用制、特定局舎と局長の家と一緒にあるというようなことは困りますので、今後こういう点も十分郵政事業のために研究してもらいたい。以上で私の質問を終わります。

北條雋八公明会

○北條雋八君 私は、時間もあまりありませんから、二、三伺いたいと思いますが、一般の加入電話と公衆電話の数を三十五年度に修正しました。その目標に対して、なおそれを上回っておるということは非常にけっこうなことと思いますけれども、一方、収入の面につきましては、せんだっても当参議院の逓信委員会で公社の総裁より伺いますと、収入見込みが百三十億ぐらい減少になるというようなことを伺っております。低下をしたということについては、半年ではございますが、いろいろ考える面があると思います。技術的にいいますならば、料金の徴収の改定が実情に即していないとか、景気の変動によって左右されるとか、また電話の通話時間を短縮したとか、いろいろあると思いますけれども、これは一般の企業であってはたいへんなことだと思うのであります。こういうようなことから、いろいろ公社を民間会社にせよとかいうような声も起こってくるのだと思うのでありますが、国民といたしましては、昨年、料金が上がったと思っておる人が非常に多いのであります。そこへもってきて、また東京は四月から料金が上がると、非常に負担が多くなるという感じを持っておる国民が多い中に、かえって収入が減ってきた。また、申し込んでも一向に架設してくれないというふうに考えられるのです。この関係はどこに原因があるのでありますか、一応その点を伺いたいと思います。

大橋八郎日本電信電話公社総裁

○説明員(大橋八郎君) ただいまのお尋ねは、最近三十七年度において収入が減少した、こういうことの原因はどこにあるか、こういうお尋ねかと思いますが、これは私どもの考えるところでは、一つは、世の中の不景気のために、経済的の不況のために電話の使用の度数が減ったということで、不況の原因というのが一つある。これが一番根本の原因だと思いますが、それにさらに加えまして、昨年の九月の末から料金の改定を行なったのでありますが、これはただいまのお話の中にもありましたが、世間の一部にはこれが値上げだということを言いふらすものがあるようであります。私どもはこれは決して値上げとは考えておりません。むしろ、これは一昨年でありますか、あの法案の通過の際にも、改定の際にもいろいろ御説明申し上げたと思いますが、私どもは数十億の減収をむしろ初めから覚悟してこの料金の改訂をやった、こういうことであります。したがいまして、昨年の九月末からの料金改定によって、私どもの予想しておった、むしろそれ以上のつまり減収になった。この二つの減収原因がからみ合いまして、三十七年度におきましては予算面よりも百二、三十億の減収になるであろう、こういうことを申し上げておるわけでございます。

北條雋八公明会

○北條雋八君 もうかっていないところにどんどん架設をしていくということは、これは無理かもしれませんけれども、たとえば横浜、神奈川局などは関東通信局中で最も収入の多い局であります。それにもかかわらず、架設を申し込めば、あと二年あるいは三年先でなければ架設できないというようなことを言っておるわけであります。経営月報によりますと、一加入当たり一カ月の収入単金について三十六年度を見ますと、関東通信局の中で一番上位にある、最も収入の多い川の川崎局がその横滑解消率というものが非常に低い。一六%と下位になっております。こういった点の配慮はどこにあるのでございましょうか。やはり収入のいいところは積滞解消率もよくなければならないはずだと思うのですが、この点がわかりかねるのですが、御説明を願いたいと思います。

大橋八郎日本電信電話公社総裁

○説明員(大橋八郎君) その点はいろいろ原因があるだろうと思いますが、私どもの大体の考え方といたしまして、御承知のとおり、公共企業体として私どもやっておるのでありまして、これが営利会社でありますと、ただいま御指摘のとおりに、なるべくもうかるところは手をつけて、もうからないところは手をつけないという行き方で参りますと、収支の計算からは一番いいと思います。しかし、今日の私どもの考えておる電話の経常のあり方としてはどうかと考えるのでありまして、私ども、むしろ収入ということも、むろん独立採算制の建前からいって、常に考えてはおりますけれども、もうかるところはつけて、もうからないところはつけないという考え方は、私どもは電信電話の経営のやり方としては、今日の私どもの方針とは違う考え方になるわけであります。私どもはできるだけ均等に、都会もいなかのほうも、多少採算上にあまり利益でないところもすべて均一に取り扱って、均等を得たつけ方をしていくのが私どもの現状の建前でございます。ただ、川崎の現実の問題は、私ここにこまかいことは申し上げられませんから、だれか局長からでも御説明いたさせます。

宮崎政義日本電信電話公社計画局長

○説明員(宮崎政義君) ただいまお話がありました、全体的な積滞数に関連しまして、神奈川の付近は非常に積滞しておるのじゃないかという御質問だと思いますが、神奈川につきましても、全般的に申しますと、確かにお話のとおりに低いようでございますが、現在川崎につきましては第二川崎局を建設しております。三十八年度サービスを開始することになっておりますので、かなり積滞は解消されることと思っております。

北條雋八公明会

○北條雋八君 そこで、ちょっと伺いたいのですが、これはしろうとくさい質問かもしれませんが、三十八年度につきまして、たとえば架設すべき電話が各通信局ことの割当になっておるのでありましょうか、またその割当の際にどういうファクターを基準として三十八年度計画の七十万を配分されたんですか、この点を伺いたいと思います。

佐々木卓夫日本電信電話公社総務理事

○説明員(佐々木卓夫君) 大体のやり方を御説明申し上げますと、三十七年度末の加入申し込みの積滞が実は百万近くあるわけでございます。それから、年々の新規申し込みの数も、大体都市によりまして年々の傾向をずっと見ておりますので、三十八年度中に各都市ごとの新しい申し込みはどの程度に出るであろうかということも数字を出しまして、それで既往の積滞と当該年度の新規申し込みを加えましたものをその年度の全体の需要ということにいたしまして、極力各都市ごとに需要に対する供給という面でアンバランスが起らないような配分をいたしました上で、通信局にまとめて加入数を計算する、こういう手順になっておるわけでございます。

北條雋八公明会

○北條雋八君 申し込むときにはいつでも受け付けますけれども、いつになったら引き受けるかということがわからない。まあ国民にとっては、納得する説明をつけて、この局は今どれくらい申し込みがあって、今年引き受けるのはどれくらいであるかということを告示をするとか、あるいは親切にこういう点を取り扱ってもらいたいという声が非常に多いのであります。その点については、なぜもっとそういう点を一般に告示をしないのかという点について伺いたいと思います。

佐々木卓夫日本電信電話公社総務理事

○説明員(佐々木卓夫君) 私のほうの電話局の窓口におきましては、極力、今の御指摘にございますように、申し込みに対して大体いつごろつく予定だということを申し上げることもできるように、たとえばいろんな、施設記録と私どものほうでは言っておるのですが、配線の状況、その行き詰まり状況の図面も窓口に常備いたしまして、それを見た上で御返事できるものは窓口でお話し申し上げる、こういう態勢をとっておるわけでございますが、いろいろと工出上の問題、たとえば道路管理者との話し合いで予定の工期がずれるとか、いろんな公社外の原因で予定工事がずれるといったようなこともございまして、的確にこれをいつごろになればおつけできるということを申し上げかねる場合がしばしば起こるわけでございまして、まあわれわれといたしましては、極力そういうものの見通しを的確に申し上げられるようにということで努力はしているのでございますけれども、遺憾ながら、いろいろな事情が関連いたしまして、的確に申し上げかねる、こういう場合も現状においては出ているわけでございます。

北條雋八公明会

○北條雋八君 そちらのお手元のほうに、都内の区の人口に対する電話の普及率あるいは積滞率、これを一目で見られるような資料は作っておられましょうか、どうでしょうか。そういうものが知りたいのでありますが、そういうものはできておりましょうか。

宮崎政義日本電信電話公社計画局長

○説明員(宮崎政義君) 先生の御質問は、東京都の区でございますか。

北條雋八公明会

○北條雋八君 そうです。

宮崎政義日本電信電話公社計画局長

○説明員(宮崎政義君) 大体積滞数は、今手元に持っておりませんけれども、われわれのほうは、電話局の集団になっておりまして、その集団単位でわかっておりますので、正確に区と一致しているかどうかわかりませんが、調べて御提出申し上げたいと思います。

北條雋八公明会

○北條雋八君 それがもしおわかりだったら、これは至急に私は拝見したいと思っております。普及率と積滞率の関係、区ごとに知りたいというふうに思っております。  次に、電話がただサービスという考え方から、経済発展の一つのかぎであるという認識を国が持たない以上は、積滞あるいは値上げという悪循環、これはなくならないと思うのであります。経済白書にも指摘してありますとおり、やはり郵便、電信電話事業も国家の計画に一致したものとして、積極的な施策を推進して、そうして強力な財政援助も行なわれなければならないと思います。三十八年度の資金計画では、外貨七十二億、公募債六十八億、計百四十億を財政投融資から見込んでいるようでありますけれども、資金運用部及び簡保資金を集めている郵政省の下部組織、郵政省を親に持っているにしては、三十四年五十億、三十五年八十億、三十六年五十億、三十七年五十八億と、平均六十億となっております。特に、三十八年度は公募債の借り入れだけでありまして、資金運用部資金、簡保資金からの借り入れがないように承知しており、非常にそういうところは消極的ではないかと思うのです。この点につきまして、大蔵省とどのような交渉をされましたか、どのような結果となってこのようなことになったのですが、その点を伺いたいと思います。

井田勝造日本電信電話公社経理局長

○説明員(井田勝造君) 三十八年度の予算要求におきましては、第一次五カ年計画といたしましては、財政投融資等は三百八十億と見込まれておったのでございますが、その後、道路関係のいろいろな諸工事が予定以上に出てきました関係もございまして、予算要求といたしましては、財政投融資四百八十二億ということで要求いたしまして、郵政省を通じまして大蔵省と折衝をいたしたわけでございますが、国の財政投融資全般の観点から、どうしてもそれだけのものが認められないということになりまして、御案内の、今御提出しておりますところの予算案の財政投融資のワクに落ちついた、こういうことでございます。

北條雋八公明会

○北條雋八君 加入者といたしましては、できるだけ早く架設してもらいたいということで、債券も買いましょう、だから早くつけて下さいということを陳情しているわけでありますが、かりに、申し込みと同時に債券の前払いをするというような方法をとれば、これはもちろん電話拡充法を改正する必要もございますけれども、先ほどもお話しのように、積滞が現在百万以上あると伺ったのでございますが、かりに、加入者一人当たり十万円の債券を買ったとしますと、約一千億の巨額な金ができるわけでございます。そのような金を使って早急に工事に取りかかって、そうして一刻も早くするという方法も考えられるんじゃないかというように思うのです。この点につきましてどういうふうにお考えになりますか、伺いたいと思います。郵政大臣にお願いいたします。

小沢久太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小沢久太郎君) 債券を負担していただくということは、加入者にとっては一つの負担になるわけでございまして、われわれのほうといたしましては、可及的早くかけるように、横滑数を少なくするように努力しているのでございまして、すぐかけるという見通しのないのにこれを取るということは、加入者に非常な負担をかけるわけでございまして、そういう点はわれわれは避けるほうがいいんじゃないか。むしろ、なるべく早く積滞数を解消する。そうするために、先ほど北條先生もおっしゃいましたように、財投なども入れるというようなことも考えなければいけませんし、それから、そのめどがつきましたときにやはり負担していただくという方法でやりませんと、加入者にいたずらに負担をおかけしてしまうというふうに思いますので、その点は避けるようにいたしたいと思います。

北條雋八公明会

○北條雋八君 加入者は、少しぐらいの負担をしても、早くかけたいために、現在では申し込みだけで、いざというときに払い込むわけです。それを、申し込むとともに債券を買うことにすれば、資金面におきましては相当莫大な金額になりますから、それをもって工事に一刻も早く着手する、そうして申込者の要望にこたえるという方法もひとつ考えられるのじゃないかというふうに思うわけです。

小沢久太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小沢久太郎君) 先ほども申し上げましたように、結局、計画を立てまして、われわれは十カ年にこの積滞数を解消しようというわけでございまして、もちろん早く解消できればけっこうなわけでございますけれども、またすぐかけられないというときに債券を負担していただくというのは、加入者に非常に御迷惑じゃないかという意味でございまして、やはりわれわれといたしましては、なるべく財投などを入れて早く解消していく、そうして加入のめどがつきましたときにやはり債券を買っていただくということが、一番加入者のためにいいのじゃないか、そういうふうに考えております。

北條雋八公明会

○北條雋八君 それは、加入者も確かに多少の迷惑はするわけでありますけれども、それ以上に、必要だから早く引いてもらいたいということで、そのぐらいの犠牲はそう苦にしないだろうと思います。ただ、前に、申し込みと同時に金を支払わせるというと、政府としまして、郵政省としましても、非常にそれだけ責任を感ずる、必ず引かなければならないという責任を感ずるがゆえに、そういう方法をとらない、逃げているような、万々一のことを思って、確信がつかないでそういう方法をとらないのじゃないか、こういうふうに私は思うのですが、そういう点はどうでしょうか。

小沢久太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小沢久太郎君) われわれのほうは、別に逃げてそういうふうにしないというわけではございませんで、むしろ加入者のためをはかってそういう工合にしているということでございます。

北條雋八公明会

○北條雋八君 これ以上論議をいたしても……。ただ、そういう方法も私はあると思いますから、この点につきましては、なおよく御検討を願いたいということを、この際お願いしておきます。  時間もありませんので、最後に、先ほど光村さんからもお話がございましたが、いずれにいたしましても、加入者の負担のみにおぶさっていては、四十七年の目標はおろか、いつまでたっても解消はおぼつかないというふうに考えます。今の段階でありましては、電信電話事業が、ただサービスという観念にとどまっておりまして、非常に消極的であるのであります。予算の獲得にいたしましても、もっともっと積極的にこれを推進しまして、そうして短期に解決をするという方針をとっていただきたいという私は希望を申し上げて、質問を終わります。

小沢久太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小沢久太郎君) ただいま北條先生の言われたことは、よく研究いたしまして、電話を一刻も早くかけられるように、財投あたりも多くするというふうに努力いたしたいと思います。

赤松常子民主社会党

○赤松常子君 時間の関係もございますので、簡単にお尋ね申したいと思っております。  先ほどから特定局の局舎の問題が話題に出ておりますですが、これを拝見いたしますと、来年度は局舎の建築費等に八十三億八千三百万円を組んでいらっしゃいますが、これが従来の例から見ますと、何か大局に使われて、そういう僻地の局舎に回るという率が少ないよりに思うのでございますが、この割合はどうなっておりまするでしょうか。どうぞ担当の方からおっしゃって下さいませ。

長田裕二郵政省経理局長

○政府委員(長田裕二君) 三十八年度予定いたしております特定局の局舎建設は、百七十局と、新たに三十八年度起工いたしますものが九十局でございます。で、支出は、次年度にまたがります分も含めまして七億一千万円余りが計画されておるわけでございます。  その普通局、特定局の比率の点になりますと、普通局のほうは、両君を合わせて七十七億ということで、かなり違うわけでございますけれども、これは、やはり業務量の増加、いろいろ状況の変化率に即応しなければならない事態等も考えまして、そういうふうな割合なってるわけでございます。

赤松常子民主社会党

○赤松常子君 特定局の局舎に対する基準というものか一応示されているのでしょうか。たとえば採光だとか暖房だとか、そういう点はこまかくきめられておるのでございますか。地方へ回りますと、ずいぶん薄暗いところでやって、いらっしゃいますね。一応示されておりますものでしょうか、いかがなものでございましょうか。

小坂秀雄郵政大臣官房建築部長

○説明員(小坂秀雄君) 特定局につきましては、先ほど来申し上げておりますように、国費で建ててる分と、それから局長さんあるいは第三者が自費でお建てになって国で借り入れるのとございますが、いずれにいたしましても、使い道は同じでございますので、大体の局舎の基準というものは作ってございまして、それを指示いたましたして、それに基づきまして国費で建てる、あるいは第三者あるいは局長が建てられるようになっております。

赤松常子民主社会党

○赤松常子君 省でお建てになる場合は、どうぞ明るく働きよい、そういう基準をぜひお示しいただきたいと、強く要望申し上げておきます。  それで、次に、何と申しましょうか、たとえば私物に対して、暴風雨とか災害でこわれた場合に、省は、国はどのくらいそれを補助するという、そういう額などきまっているのでございしましょうか。たとえばこわれた場合ですれ、自分のものだから自分でやりなさいとほうっているのか、あるいは国で責任を持ちましょうと。そういう不時の災害に対してこわれた場合の予算の受け持つ割合と申しましょうか、国の責任と申しましょうか。

小坂秀雄郵政大臣官房建築部長

○説明員(小坂秀雄君) 国費で建てましたものにつきしましては、当然国費でやるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、借り入れております局舎につきましては、原則といたしまして、建て主のほうの負担で修繕なりあるいは災害に対する復旧をいたすことに、方針としてはなっております。

赤松常子民主社会党

○赤松常子君 そういうところが、私、もっと親切があっていいんじゃないか。それは、自分の私有財産に対してほかの財源から割り出してつけ加えるということになると、あとから問題がうるさくなるということから、ほうってあるのではないかと思うのでございますけれども、私、やはりそういう場合は、不時の災害でございますから、国の責任においてなされるようにお願いしたい、要望したいと思う次第です。そういうところの苦情をちょっと、私、一、二聞いておりまして、どうも自分で出した火事じゃないけれども、こわれた、それに対してほんとうに補助が少なくてこういうあばら家だという現状も私聞いたのでございまして、こういう際の処置も、国として責任をもってあらかじめちゃんと筋を通していただきたい。お願い申し上げます。  それから、その次でありますけれども、都心部ではだんだん特定局が減っていく傾向がありはしないか。最近の例では、神田の末広町であるとか駿河台下のああいうところにあった特定局が、局に貸しておくと家賃が少ないから、ほかの事業に切りかえたという例を私聞いたのでございますが、付近の公衆の不便というものはたいへんだと思うのです。そういう場合に、どういう相談に乗っておいでになるのか。やめるならやめなさい、あとはなしにしておきましょうとおっしゃるのか、付近の公衆の利便を考えてどれほど親切に相談に乗っておいでになるのか、伺いたいと思います。

佐方信博郵政省郵務局長

○政府委員(佐方信博君) 特定局は、ここ数年米、毎年二百局、三十八年度は三百局ふやされるわけでございますので、総体としてはふえてきておりますけれども、御指摘のように、東京でも相当ふえて参っておりましが、実際問題としまして、昔からの中心地、先生ご指摘のような中央区、千代田区等につきましては、戦前に比べますと減っております。ごく最近においても、少しずつふえてはおりますけれども、総体としては減っておりますので、一般の需要に対しましてにとうてい追いつけないという実情です。そこで、国費で局舎を作ろうとしておりますが、土地がなかなか入らないところから、最近は、主として鉄鋼ビルでありますとか、都市会館でありますとか、本建築の建物ができますと、その一角を国費で買収するなり、あるいは借り入れするなりして増庁しております。総体の数としては、そういうことでつじつまを合わせておりますけれども、そういうほんとうの都心部等につきましては、なかなかその需要に追いつけないという実情でございます。  そこで、やめるからどうかということについての具体例、私、ここで知っておりしませんので、さっそく取り調べてみたいと思いますけれども、方向としては、大きな局舎の建物の中に一室を確保していく、そういうことでだいぶ実績を上げておりますので、その方向を推進しなければ大都市の小さな窓口というものは確保できないのではないかという実情でございます。

赤松常子民主社会党

○赤松常子君 それで、今申しました末広町、駿河台、その場合の局舎の変更に対してお調べ願いたいと思います。私はただ住民の人から苦情を聞いただけでございますので、省として親切に調べていただきたいと、要望をこめてその処置をお願い申し上げます。

佐方信博郵政省郵務局長

○政府委員(佐方信博君) そういうところにつきまして、調査したいと思います。

赤松常子民主社会党

○赤松常子君 こういう特定局には婦人の従業員が約半数を占めているのです。いろいろな業務、窓口に婦人が出ていらっしゃいます。こういう方々の健康管理の問題でございますけれども、あまりこまかいところまで、目が届かないとおっしゃれば、仕方がない。また、仕方がないと言わせないようにしたいと思のでございますけれども、現実実にはそうだと思うのです。一つの例を申し上げますと、今年でございますか、インフルエンザの予防注射があった。ところが、その基準は、常時六十人以上働いておいでになる職場を対象としてやられた。これが間違っているかもしれません。そういう大事な、公衆に接する人々が、こういうインフルエンザの予切接種から除外されるということは私は許されないと思うのですが、こういう健康管理についてどういう方針をお持ちでいらっしゃいましょうか。従来、親切にそういう由間僻地まで、目を届かせていらっしゃいましょうか、十分だったでしょうか、いかがでございましょうか。

増森孝郵政省人事局長

○政府委員(増森孝君) ただいま先生から御指摘がありました、六十人以下のところの局ではインフルエンザの予防注射をしなかったのではないかということにつきましては、ただい私記憶がないので、正確なお答えをできないのははなはだ残念でございますが、ただ、私ども郵政省といたしましては、昔から逓信病院というのが非常に完備してございます。全国各郵政局管内に少なくとも一カ所は逓信病院を作りまして、そのほかに各県には、それぞれ各県もしくは大きな郵便局等には診療所をそれぞれ作って、現業の健康管理というものを十分やっております。なお、本行には人事局に保健課というのがございます。それから、各郵政局にも保健課がございまして、十分配思しておるつもりでございますが、ただいまの御指摘のありましたようなことがもしありとするならば、われわれ今後十分注意しなければいけないことだと存じます。

赤松常子民主社会党

○赤松常子君 どうぞ、その点も事実あった声を聞いておりますから、一ぺんよく御調査なすってみていただきたいと思っております。  で、婦人の多いところでございますし、大体既婚者がふえておりますから、その育児の問題について、哺乳時間が労働基準法できめられておりますけれども、なかなか局舎の中で赤ちゃんにお乳を与えることが、許されていて権利はあるけれども、これを履行する環境でないという、こういうことがございまして、やはりこれも一々、それはいいところもあるでしょうけれども、どうもお母さん方の御意見を聞いてみますと、非常に、子供が来るけれども、肩身狭くお乳をやる程度で、ほんとうに悲しいという声を聞くのでございます。まあこれは局舎の広さ、あるいはその局を管理しておいでになる人の人柄、局長さんの人柄、家族の人柄、それにも左右されることでございましょうけれども、これは小さいこであるようですけれども、子供を育てる母の声としては、私ども大きく皆さんに理解していただきたい、こう思っておるので、これも健康管理の一つだと思う次第でございます。  それから、その次でございますけれども、要望だけ申し上げます。その次は、どうも働いていらっしゃる方々は、若い人も多いのでございますけれども、生理休暇の問題はほとんどとられていない。小さいところでは、ほとんどとられていない。それは自分が休めば業務がはたに過重されるという気がねもあろうと思いますけれども、こういう労働基準法できめられた当然の自分の権利は、できるだけこれがたやすくとられるように御指導、御補導を願いたい。これについて申し上げたいことございますけれども、これも要望です。非常にそういう場合、つらい、悲しいという声をよく聞く次第でございます。つまり、私、一般的に女子の健康管理、母性をこめての女子の健康管理をもっともっと分散して行なっていただきたい。大局中心でなく、そういうところまで目をこまかく配っていただきたいと思っておるわけでございます。これについて従来どういう方法をなされていたか、どういう配慮がなされていたか、簡単でよろしゅうございますが、お答え下さい。

増森孝郵政省人事局長

○政府委員(増森孝君) 第一点の哺乳関係でございますが、これ等につきましては、保険局とか非常に大きなところでございますと、専属の育児所等がございまして十分にやっております。  それから、生理休暇等につきましても、私の聞いております範囲では、大体大きなところはそれ相当にやっていると聞いております。ただし、先生の御指摘になりましたように、おそらく問題になりますのは三人局とか四人局とか、そういったような特定局のところになりますと、ただいま先生御指摘になりますように、十分生理休暇がとれないといった実情もございましょうし、それから哺乳等も局長さんに気がねするとかいう事美もあろうかと存じますが、私どもといたしましては、組合からもそういう問題がしょっちゅう出て参りまして、私どもとしましては誠意をもってやって参りたいと思っております。

赤松常子民主社会党

○赤松常子君 ぜひどうぞお願い申し上げます。  次に、非常に、定員の問題につきまして、郵政省で御要求になりまする定員と、大蔵省の折衝とのその結論がここに出ておりまして、郵政省ではずいぶんふやしたいけれども、その半数も満たない程度しか大蔵省は認められなかったという現状に対して、私どもも非常に郵政側に立って不満の気持が一ぱいでございます。こういうことについて、私どもの見方では、最近労働量に見合う定員が二万三千人はぜひ必要だと思っておりますけれども、これに関して非常に少ない数しか認められない。これが結局遅配の問題につながるのではないかと思うのでございますが、最近遅配の問題がやや解消いたしましたけれども、地力ではまだなかなかそういう不満の声も聞こえるわけでございます。一体、遅配の問題について、その条件、その原因、簡単でよろしゅうございますが、やはりこの定員の問題にもあると思うのでありまして、ちょっとおっしゃってみて下さいまし。

佐方信博郵政省郵務局長

○政府委員(佐方信博君) 過去二、三年来郵便物の遅欠配のことでは非常に御迷惑をおかけしたわけでございますが、その原因につきましては、労使間におきまして、例のILO条約ともからんでおりますけれども、団体交渉を拒否をいたしておりました労使岡の不円滑ということが一つの理由でございます。もう一点は、郵便物が非常にふえておりますのに、何か人が伴わないのじゃないか。実際の問題としては、定員が伴わないから非常勤者を雇用しておりますが、そういうことが一つの原因でございます。また、大都市等におきましても、郵便物増加に対応するところの施設が十分ではないじゃないか。もう一点は、全般的な財政が非常に困難でございましたので、打つべき手がなかなか打てなかったというような点がからんでおったと思います。その後、組合との関係は団体交渉も再開されて参りましたし、三十六年に料金値上げをいたしまして、非常勤が非常に多かったのでございますけれども、非常勤者を定員に組みかえるという措置をいたしました。そこで、三十六年には非常勤の組みかえをしますと同時に、三十七年度におきましては、いわゆる今まで郵政省内部である程度算出根拠につきまして大蔵省と食い違いがございましたが、三十七年度におきましては、少なくとも個々の定員につきましての算出の仕方につきましては、全部一致をいたしました。それから、三十八年度予算におきましては、今後の増員におきましても、郵政省と大蔵省との間にほとんど意見の一致を見たような次第でございます。したがいまして、私たちは、ただいまの段階では、定員の関係からの遅配というものは、突発的なところ、あるいは個々的なところに問題があるかもしれませんけれども、総対的にはそれは理由にならないというふうに考えております。また、料金値上げをしました機会に、各郵便局に全く環境整備関係がなっておりませんでしたので、そういう関係での経費を相当つぎ込みました。それから、ほとんど手作業の段階でありました局に、大半のところにべルトコンベアを入れてやるとか、それから、はがきだけでありましたものを、封書につきましても日動押印機を入れるというようなことをやって参りまして、ただいまのところでは、そういう組合の協力、それから要員の裏打ち、それから財政的な面で物的施設を相当拡充いたしましたので、ただいまのところ遅配というものがほとんど影をひそめた形になっております。  たまたま、この二月までほとんど組合との間に、再び一年間超過勤務協約を結んできましたが、三月になりまして、今超過勤務はいたしませんけれども、非常に私たちは二月の時期には心配いたしましたが、全体的には今そう大きな問題はないというふうに考えておる次第でございます。

赤松常子民主社会党

○赤松常子君 もう一点で終わることにいたします。私、せんだって交換手の配転でございますね、われわれは合理化について基本的には反対はいたしません。けれども、その配転の場合にやはり若い婦人が多うございますから、いろいろ次の業種、業務に対してなれる、あるいはそれを指導してもらえたら、あるいはよく教えてあげたら、そういう点が非常に多いと思うんでございますが、そういう点の配慮というものがなされているでしょうかと伺ったんですが、一応そのときの答弁は、よくやっておりますとおっしゃったんでございます。けれども、なかなか聞いてみますと、行きたくないところに無理に行かされるとか、あるいは何かそこにスムーズな取り扱いができていないというふうにも聞くのでございますが、これは組合との協約も私存じておりますので、基本的にはよく行なわれておるようでございますけれども、実際はいかがでございましょうか。こういう配転の問題についての実情。

増森孝郵政省人事局長

○政府委員(増森孝君) この自動即時化に伴いまして、今特定局の交換業務が電電公社に移管されるということで、郵政省側の職員がいわゆる職を失うといいますか、そういう状態になります。それでは、私どもといたしましても従業員をかかえて困りますので、第一次には電電公社の同じような職場にとっていただくということが第一次の問題かと思います。それから、電電公社としましても、そう無限に採用できる状態ではないという場合には、まあ私どものほうの近隣局に、いわゆる今まで電話交換の欠員がございますれば、電話交換のほうに移ってもらいますが、それがなければ、貯金とかあるいはまた会計とか、女子にふさわしいような仕事をしてもらうということで、配転、職転というようなことを計画いたしております。それから、そういう場合におきましても、まあ近隣局と申しましても、汽車で通わなければ行けないというようなことになりますので、そういう非常にむずかしいこともかかえております。そこで、今後といたしましては、今まではその仕事はいわゆる地方では地力の郵政局、それから電電公社側は通信局でまず話し合いまして、それから現地でもって希望をよく聞くというような作業を進めまして、なるべく苦痛の起こらないということを行なっておるのであります。けれども、ともいたしますと、人と人とのつながりでございますので、そこに感情的な問題がわだかまるといったようなことで、ある程度トラブルが起こっているやに私ども聞いております。しかし、今後は、私どもといたしましても、電電公社といたしましても、これからの第三次五カ年計画というものを遂行するためには、もっともっと円滑に、もっともっと緊密にやっていかなければいけないということで、両者間で話を進めておる段階でございます。

赤松常子民主社会党

○赤松常子君 ぜひどうぞ、それが実行されるようにお願いしたいと思います。それで、今総裁もおいででございますが、そういう余った交換手の同順を、ただ配転という、会計とか営業に回すということでなく、もっと住民にサービスする、加入者にサービスする、たとえばこのごろ時側を聞けばすぐ教えていただける、もっと先進国並みに、何心に起こしてもらいたいと前の晩に頼んでおけば電話で起こしてもらえる、そういう住民のサービスの面がもっと広く研究されていいのではございませんでしょうかと私は思うのです。これはもっと延段的に考えていただいていいのではないか。そういう点に対して、今のサービス部門の拡充、こういう点にお考えございませんでしょうか。

大橋八郎日本電信電話公社総裁

○説明員(大橋八郎君) その点は前から私どもの部内でも種々問題になっておりまして、でき得べくんば新しい新和を開発いたしまして、新しいサービスの面で仕事がふえれば、ある程度までは、それが全部その面に向けられるかどうか知りませんが、若干の助けにはむろんなるわけでございますが、それも一つの考え方として今後研究して、できるだけ検討したいと、かように考えております。

赤松常子民主社会党

○赤松常子君 ぜひどうぞ、その点の御研究をお願い申し上げます。  最後に一点でございますが、私どもの立場から考えますと、今度の合理化案で一万三千人かなにか異動があるのではないか、そういう考えなんでございますが、それを私どもは根本的に、馘首、失業ということでなく、労働協約、がある以上一応保障されているので、それに合理化に反対いたしません。それで、せっかく結ばれております組合との協約に対して、省がそういう際に改悪の方向に持っていくとか、この協約に盛られている問題を消極的に解釈して、そうして結局は従業員に不利になるような方向に持っていくのだというような考えは私は夢ないと思いますが、その点ちょっともう一度確かめておきたいと思います。

増森孝郵政省人事局長

○政府委員(増森孝君) 一万三千名という数字は郵政省の関係だと思いまして、私から申し上げます。  私どもといたしましても、先ほどから申し上げましたように、なるべく解雇するという事態は起こさないつもりでおります。先ほどから申しましたように、まず第一段階としては、公社に転出してもらう。それから、その次にはわれわれの部内でもって何とか吸収していきたい、こういうふうに考えておりまして、今のところ強制解雇といったようなことは全然考えておりません。

赤松常子民主社会党

○赤松常子君 もう一つ。今おっしゃいました公社から来ておいでになるお人がございます場合に、こちらにお仕事がなくなった、郵政省のほうにお仕事がなくなったときに、公社に帰っていただくときに、何か公社と省と協定を結ばれているけれども、たとえば十人いらっしていた、十人の仕事がなくなったときに、公社に帰っていただくというときに、その協定が十分守られないで、公社が十人なら十人お引き取りにならないという例が今まであって、郵政省でその人をやはり使っていかなければならぬという負担がかかっているやに聞いておりますが、その点いかがでございます。

増森孝郵政省人事局長

○政府委員(増森孝君) おっしゃいましたような事柄は遺憾ながらございます。今後も、今年度末では大体一千名ほどいわゆる過員としてかかえております。それで、それらにつきましては、逐次配転等をしまして、吸収していきたいと思っておりますが、なお、今後電電公社が節三次五カ年計画をやる過程におきましては、できるだけ電電公社にも引き取っていただくといったようなことで、今鋭意公社側と話し合っている段階でございます。

赤松常子民主社会党

○赤松常子君 協定が守られるように、どうぞ努力していただきたいと思います。

増森孝郵政省人事局長

○政府委員(増森孝君) ただいま先生が、公社から郵政省に、郵便局に来ていると言われておったようでございますが、これはもう公社の人間ではないのでございまして、郵政省の職員でございます。そしてその仕事のほうは、いわゆる電信電話の取り扱い業務というものは、郵政省が電電公社から受託をして仕事をやっておる。したがいまして、その配置転換といったような問題は、郵政職員を電電公社のほうに受け入れてもらう。それから、受け入れてもらえない人間はどうするかという問題になりますと、それは郵政省の職員でございますので、郵政省側で責任を持って何とか配職転をしたい、こういう趣旨でございます。  なお、できるだけ電電公社に引き取ってもらうということで現地側ともやっているのでございますけれども、先ほど御説明しましたように、人と人との間でございますので、ある程度の誤解等がございまして、遺憾ながら電電公社には一人も取ってもらえない。したがって、全部郵政省側で過員として引き取らなければならないというケースは残念ながらございます。で、今後としましては、そういうことのないように電電公社のほうにも鋭意お願いして参りたいと考えております。

小林篤一第二院クラブ

○小林篤一君 だいぶん時間も過ぎましたので、右線放送のことについて簡単に御質問を申し上げたいと思うのです。  全国の有線放送の関係者のほうから、右線放送を市田公社の電話につなぐようにしてもらいたいということを請願でも来ております、陳情も来ておることは御承知だと思いますが、これについてのこれまでの経過、ただいまどうお考えになっておりますか、お尋ねいたしたい。

淺野賢澄郵政省電気通信監理官

○政府委員(淺野賢澄君) お答え申し上げます。ただいまご意見のございましたように、全国各地に有線放送電話施設が約二千五百施設ございますが、これらの大部分の施設から電電公社線に接続方の要望を受けております。それに伴いまして、三十六年度から公社線につなぎました場合にどういう基準がよろしい、どういう方法がよろしい、こういった面につきまして、三十六年度、それから三十七年度、本年度、ただいま試験をいたしております。同時に、なるべくすみやかに公社線につなぐことができますように、関係法律案を整えまして御審議をいただくように、ただいま関係の向きと打ち合わせ準備中でございます。

小林篤一第二院クラブ

○小林篤一君 わかりましたが、今その準備中というのは、通常国会にでも間に合わせるおつもりですか、間に合いませんか。どうでしょうか。

淺野賢澄郵政省電気通信監理官

○政府委員(淺野賢澄君) 本国会に何とか提出させていただきたいと思いまして、ただいま努力いたしております。近日中に何とか目鼻をつけたい、このように考えております。

小林篤一第二院クラブ

○小林篤一君 そこで、お尋ねいたしたいのですが、何か有線放送の通話区域といいますか、これを県単位でお認めになる。ところが、北海道は何か三つの区域に分けて通話区域をお考えになっているとかというようなことを、最近北海道のほうから実は陳情を受けたのでございますが、それはいかがでございますか。

淺野賢澄郵政省電気通信監理官

○政府委員(淺野賢澄君) まだその点につきまして最後の結論を得ておりません。ただいま関係者の間におきまして討議いたしております段階におきましては、公社線に接続いたします有線放送電話を大体二つの種類に考えまして、一つはある程度お金をかけましてよいものにする。一つの府県内における通話、こういったことをただいま検討いたしております。なお、北海道につきましては、まだその点結論を得ておりません。それから、あとはお金をかけずに、おおむね現在の施設のままでもよりの電話局に接続をする、こういった狭い範囲のものを考えております。

小林篤一第二院クラブ

○小林篤一君 まぁ北海道のほうはまだ意見がまとまっておらぬということでありますが、もしそれが三区域になりますと、北海道のほうは非常に困るというのです。それはご承知のように、北海道は広うございますから、広さからいうとそういう考え方もできるかもしれませんけれども、札幌は北海道における政治経済の中心地でありまするから、すべての区域から札幌に対する通話というものが非常に多いのであります。したがって、有線放送についてもそういうことになるということは、これは必然でございますので、北海道三つの区域に分けて通話区話区域をお作りになるという、ことは、北海道としては非常に困るということでございますので、その点はひとつ、方針をまだおきめにならなければ、おきめになる際には十分考慮していただきたいと思いますが、いかがでございますか。

淺野賢澄郵政省電気通信監理官

○政府委員(淺野賢澄君) 有線放送電話を公社線に接続をいたします場合、いろいろそれぞれ事情がございまして、おい立ち自体も非常に複雑でございますので、なかなかたいへんであると考えております。したがいまして、公社に接続いたしますといったことで意見をまとめて、参ります場合には、なるべく特殊事情は考えずに一つの方針をきめなければまとまらないのじゃないか、こういったことでただいま討議中でございます。なお、ただいまお示しの御意見につきましては、十分ご意見としまして、拝聴させていただく、こういったことにお願いいたしたいと思います。

小林篤一第二院クラブ

○小林篤一君 ただいま、特殊事情は認めないという方針でありますと。北海道などは特殊事情であるから、三つの区域にしなければならぬというふうにも取れるのですが、やはりその地方の特殊事情というものはお認めになってやっていただきたいと思いますが、いかがでしょう。

淺野賢澄郵政省電気通信監理官

○政府委員(淺野賢澄君) まあなかなか有線放送はたいへんでございまして、いろいろな種類がございますし、またいろいろなおい立ちがございまして、なかなか技術的にも一つのやはり限界がございます。そういった点等考慮いたしまして、ただいまなるべく全国まとまりやすい線でということで、討議いたしている段階でございます。その段階でひとつよろしくお願いいたします。

小林篤一第二院クラブ

○小林篤一君 まあそれでは、北海道では先ほど申し上げたようなことで全道の要望がございましたから、その点だけは十分ひとつお考えの上に、方針をきめていただきたいということを申し上げました。  さらにもう一つ、北海道の町村区域というのは、人の住んでいないときに大体町村の区域が作られたものでございます。でありまするからして、北海道の町村といりのは、必ずしも経済圏というものと一致しておりません。農業協同組合を作りましたのはずっとあとでありますから、町村、区域でなしに経済区域、経済圏というものを区域にして、農協が作られたものであります。そのために、現在町村をまたがった農協が四十幾つございますが、その農業協同組合が、北海道ではずいぶん有線放送を持っているのでありますが、ただいまの法律では、有線放送は町村をまたがった場合にはお認めにならぬようなことになっているのであります。北海道は先ほど申し上げたような事情で、有線放送はやらなければならない。ところが、農協区域内で、一部は有線放送の母恩恵に浴することができる、一部の町村ではこれを同じ協同組合の内部でもってその恩恵に浴ることができないというような半端なことに実はなっているわけでございます。農協で、やる場合には、これはまあこういう公開の席上で申し上げるべきことでないかもしれませんけれども、実際はもぐりで三十六の農協が町村をまたがった形の有線放送を持っておるのであります。この問題については、札幌の電波監理局でもたいへんお困りになって、どう処置したらいいかわからぬというので、まあたいへん御心配になっているのでございます。ところが、その町村をまたがった場合でも、経済区域でありまするから、例外としてお認めを願いたいと思っているのでありますが、聞くところによると、電電公社が反対されるがためにそれが実現できぬというようなことを聞いておるのでございます。しかし、私は電電公社でそういうことを反対されるわけはないと思いますから、そういうことは間違いでないかと思っておりますけれども、これをひとつお認めいただきまして、もぐりでなしに公にやれるようにしていただきたい。もし、それが電電公社のほうで反対ならば、なぜそれがお認めになれないのかというようなことも、この機会にお伺いしてみたいと思うのでありますが、ひとつしかるべく御答弁をお願いいたしたい。

淺野賢澄郵政省電気通信監理官

○政府委員(淺野賢澄君) 先ほど申し上げましたうちで、先生から北海道を三つの地域にというお話がございましたが、現在は、三つというふうには考えておりません。通信部単位ということではどうかということで、ただいま検討いたしております。  それから、町村を越えてというお話でございますが、現在法律がございまして、有線放送電話の法律がございます。これによりますと、同一市町村内ということになっております。有線放送市話を現在認められております建前自体が、法律によりまして同一市町村内ということになっております。市町村を越えて有線放送査証はないことになっておりますので、よろしく。

小林篤一第二院クラブ

○小林篤一君 そうすると、町村をまたがった有線放送というものはお認めになるような方法を講ずるというお考えはないのでございますか。

淺野賢澄郵政省電気通信監理官

○政府委員(淺野賢澄君) ただいま考えておりません。

小林篤一第二院クラブ

○小林篤一君 それでは、大臣に伺いますが、ただいま申し上げたような、ただ単に町村をまたがっておるという経済圏を持っておる農協の有線放送というものは、方針としてはお認めになりませんか、いかがでしょう。

小沢久太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小沢久太郎君) やはり法律の建前といたしまして、同一市町村ということになっておりますから、やはりその法律の建前でやるというのがわれわれの方針でございます。

小林篤一第二院クラブ

○小林篤一君 現在の法律はよく承知しております。先ほど申し上げましたように、現在の法律ではそうなっておることは承知しておりますが、法律改正のようなときには、それをお認めになるような法律改正をしていただきたい、こう考えておるんですが、いかがですか。もしそれができないのならば、どういう弊害があってできないのかというようなことも、あわせてひとつ御説明を願いたい。

小沢久太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小沢久太郎君) これは各府県のほうでも、そういうふうに同一市町村ということでやってもらっておりますし、そういう建前でやっておるわけでございまして、その詳細につきましては政府委員からひとつ。

淺野賢澄郵政省電気通信監理官

○政府委員(淺野賢澄君) 先ほど来、先生からお話もございましたが、やはり建前といたしまして、電電公社の加入電話は一日も早く日本中に架設されていく、これがやはり建前であろうかと考えております。ただいま公社におきまして第三次五カ年計画、続きまして第四次と相継ぎまして、鋭意努力をいたしておるんでございますが、そういった状況におきまして、できる限り早く公社の電話がつきましてこそ、公衆通信系の完全な運用というものは行なわれるのではないか、かように考えております。  ただ、有線放送電話は、御指摘のように非常に便利な、また地方に立脚した使命を持って生まれたものでございますが、これはあくまでも部落単位として発達したものでありまして、先回、三十二年でございましたか、有線放送電話の法律が国会におきまして御制定いただきましたときにも、これはあくまで同一町村内の相互連絡の部落的なものである、そういった面からこれは制定されたものと承っております。そういった面から参りまして、町村を越えて、また相当長距離に及びますものにつきましては、通信のように世界を通じまして自動化しようというように現在進んで参っておりますが、こういった現段階におきましては、できる限り一つの通信で、そうして少しでも便利になるように持っていくべきではないか。こういった点から、やはり公社の電話を一日も早く及ぼしていくという方向で進むように、ただいま考えております。そういった面におきまして、有線放送電話も確かにこれは必要であり、また重要であります。したがいまして、これにはそれぞれ分に応じたように公社線との間にうまく関連を見つけて参りたい、そういった面から、相当程度施設がよくなったものにつきましては、公衆通信系に障害も及ぼさない、また円満に連絡もできる、こういった面におきまして、相当程度施設がよくなりました分につきましては、広範囲、広範囲と申しましても、都道府県とか、そういった範囲内で現在討議されておりますが、そういった面までは通話ができるように持って参りたい。そうして、現在の非常に簡易な設備におきましては、そのごく近辺、こういった建前で、今討議いたしております。

小林篤一第二院クラブ

○小林篤一君 そうしますると、何か知らぬが、顧みて他を言っているようなふうにも聞こえるのですが、今のお話だと、有線放送が電電公社の電話につながるようにして、みなその恩恵に浴せしめようという考えであって、そうして、町村区域をまたがった有線放送でも、電電公社の電話につながるようになれば支障なしにやれる、こういうことに解してよろしいのですか。

淺野賢澄郵政省電気通信監理官

○政府委員(淺野賢澄君) 同時に町村内におきましても、たとえば今まで二つ、三つありましたものも、連絡できる方法は考えて参りまして、必ずしも公社につながなくてもよい、同一市町村内の部落的な、または経済単位として密接な関係がある面につきましては連絡をすることができますように、こういったことも合わせて考えております。

小林篤一第二院クラブ

○小林篤一君 私の申し上げていることは、あなたは部落的ということをおっしゃっておりますが、部落的なのです。別段一町村よりも大きな区域のものではありません。今の農協の区域というのは、むしろ一町村より少ないくらいのが多いのであります。部落なんであります。ただ、生いたちが違うので、町村というのは、先ほど申し上げたように、家のないときにできた区域であって、農協というのは、これは家ができてから部落を形成されて、それがたまたま町村の区域と一致しないがために、町村をまたがっておる、こういうのであって、私は、別段部落をこえたものをどうしようという考え方ではなくして、部落というものをこえない範囲のものを、これを法律を改正される際にはお認めを願わなければならぬと、こう考えておる。ところが、今のお話だというと、何か横の連絡でもってつながるようなふうにしたいというお考えだというと、同じ農協の区域、すなわち部落であっても、その町村別に一つずつ放送の施設を作らなければならぬということになる。これは非常にむだでもありますし、不便でもありますし、そういうふうな考え方でなしに、部落をこえないものであって、そうしてしかも経済圏のもので、そうしてその横の連絡でなしに、放送施設を一つの放送施設でもって使えるように、ひとつお認めを願いたいと、こう考えている。それがもし認められないというならば、何か弊害があるか、なぜそれが認められないかということもひとつ明らかにしていただきたい。

淺野賢澄郵政省電気通信監理官

○政府委員(淺野賢澄君) ただいまお示しのうちで、町村につきましては、確かにおっしゃいますように、農協が広範囲な、大きなものだと、そういう問題の必要な面も出て参るかと思います。放送の面につきましては、ただいまそういった範囲を定めておりません。放送だけに限定いたしました場合には、町村をこえましてもいいわけでございます。ただ、それが電話という面になって参りますと、やはり大局的な立場から、国をあげて一つのネット・ワークを盛り立てていく必要がある。そうして今度同時にそういう面に影響がない範囲においてやっていく、こういった線で、ただいま検討いたしております。

後藤義隆自由民主党

○主査(後藤義隆君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

後藤義隆自由民主党

○主査(後藤義隆君) 速記をつけて。

小林篤一第二院クラブ

○小林篤一君 先ほど申し上げましたように、そのくらいのことは法律改正をする際に、先ほど大臣も言われたが、府県のほうでもそうやっておると言われておりましたが、府県にももちろんないわけではありますまいが、おそらくこれは、府県からそういうことをいうて陳情は来ておらぬと私は思っているのです。北海道は、先ほどから申し上げているような特殊事情があるものだから、そうなっておるのであって、これをひとつ法律改正のときには、そのくらいの便宜をはかっていただいても、これはまあどういう弊害があるかと言ってもおっしゃらないが、弊害なんてございません。だからこれはぜひ法律改正のときには、それを認めるように御配慮いただきたいと思うのですが、いかがですか。

淺野賢澄郵政省電気通信監理官

○政府委員(淺野賢澄君) ただいま法案の準備中でございますが、先ほど来申し上げておりますように、有線放送電話は非常にいろいろな種類がございます。法案としてまとめます場合には、やはり一定のワク内でないと、これは、まとまらないということでございます。特に現在電話が相当、加入電話のほうは相当多額の債券も買っていただいておる。またそういった等によりまして、相当額の投資をいたしまして、基礎設備、中継線、こういったところにお金を使っておるわけでありますが、とにかく一つの加入電話が引かれますためには、それに伴いまして、基礎的にも、またいろいろな面におきまして相当予算を使っているわけであります。したがいまして、末端だけで解決できる問題でもございませんし、少なくとも路離的に加入電話と同じように考えていこうとしますと、またそれにふさわしいお金も必要になるわけであります。いずれにしても、有線放送電話と申しますものは、簡便なものであるというのが建前でございますので、どこかで線を引かなければまずいのではないかといった線で、ただいま討議しておる段階におきましては、先ほど来申し上げておりますように、区域におきまして線を引いて参りたい、かように考えております。

小林篤一第二院クラブ

○小林篤一君 ただいま金がかかるからそういうものを認められないというお話ですが、町村区域内のものであろうが、あるいは部落単位のものならば、町村がまたがっておったからといって、特別に金がかかるものではないと私は思うんですが、そういう区域にまたがった場合にはよけい金がかかるんですか。今全国で二千五百ぐらいあるというお話ですが、そのうちのごくほんの一部分です。それに金がかかるからしてそれはやれない、こういうふうに受け取られるんですが、そういうことなんですか。

平山温日本電信電話公社総務理事

○説明員(平山温君) お答え申し上げます。ただいま郵政省のほうからいろいろ話があったわけでございますが、いずれにいたしましても、新しい法律かどういう形にまとめられるかということは、今検討されておることでございますので、まとまりますとその点がはっきりすると思いますが、今先生がお尋ねになっている点、あるいは先ほどの郵政省の御答弁のあった範囲内において、私どもの立場から補足させていただきます。  有線放送電話は、現在の法律で市町村内に限られておりますが、これは、先般有線放送電話法という法律ができたときにさようになったわけでございます。その基本的な考え方といたしましては、電話というものが、やはり公社の電話でできるならやるのが原則でございます。たまたま農村地方に本来有線放送を目的として作った設備がございます。有線放送を目的とした設備と申しますのは、御承知のように、放送は一本の線でたくさんの方に電話放送を送ることができますが、電話の場合には、共同加入というものがございますけれども、それにいたしましても、やはり一本の線でたくさんの方が同時に電話するというのは、本来無理なわけでございます。しかしながら、部落の農村地方におきましては、必ずしも電話をお使いになる頻度が高くない、あるいは公社の電話なんか、地域におきまして十分普及してない。さような事情から、完全な電話はできないけれども、有線放送設備に送受話機をつけてやりますと、不完全ながら、ある地域内の電話はできるというふうな実態が生まれたわけでございます。そこで、その実態に即応してこれを法律的に電話として認めるべきか認めるべきでないかということが、国会でいろいろ御審議になったわけでございますが、電話のあり方というものと、それから今の有線放送設備を使った不完全な電話という実態と両方ごらんになりました上で、これはある地域社会に限っての例外的な電話として認めるのがよろしかろう、かような立場から現在の法律ができておるのでございます。  その後、有線放送の電話の施設が多くなりまして、今先生がおっしゃいましたように、この有線放送電話を公社とつないでほしい、あるいは市町村をこえてできれば連絡をしたいというような御要望が出ているようでございまして、それにつきまして、これにどう対処すべきかということにつきましては、郵政省が中心になって検討されておるわけでございますが、その方向といたしましては、そういう生いたちから考えましても、あるいは有線放送設備という技術的な実態から考えましても、あくまで特殊な形のものであるという実態に立って、そして現在の市町村内における地域社会に限った電話というものについて、さらにそれよりも範囲を広げて不完全ながら電話を認めていくという場合におきまして、どういうふうにこれを調整していったらいいのかということを、今郵政省が御苦心になっておるところかと思います。  先ほど先生のお話がありました北海道の特殊性のことにつきましては、私どももよく存じませんけれども、やはり北海道には北海道の特殊性もあろうかと存じますが、一方におきまして、やはり農村地域におけるまた共通性もあろうかと思いますので、北海道の特殊性が、ほかのほうの全国の他府県の場合には全然見られない独得のものにつきましては、またいろいろ御検討があるだろうと思いますが、程度の差があって、やはり同じような問題がほかの府県にもあるというような場合につきましては、そのほうのかね合いからいろいろの御方針がきめられるのではないかと思います。しかし、先ほど監理官がおっしゃいました、公社の電話には相当金がかかっている、あるいは先ほど来話が出ていましたように、加入者からの電話料金とか、あるいは債券とか、いろいろな設備負担金とか、そういうものをちょうだいしたり、拝借したりしてできている設備であるということに触れたお話がございましたが、実は端末に有線放送の電話をつなぎますと、そのつないだだけで済まないのでありまして、その電話が公社線に入って参りますと、やはりもとのほうの設備にはそれ相応の手出をしなければならない。それにつきまして、現在の設備で不足いたしますし、それに設備することにまた別の金が要ると、こういう意味合いで監理官おっしゃったと思います。いずれにいたしましても、今日の段階では、郵政省が中心になって私ども御意見申し上げておりますが、検討されておる段階のものでございますから、はっきりしたことをちょっと申し上げかねるのでありますが、今お尋ねがあった範囲、御答弁があった範囲につきまして補足さしていただいた次第です。

小林篤一第二院クラブ

○小林篤一君 いろいろ長く御説明がありましたが、私の聞こうとするところをずばり御答弁がないんですがね。まあこれまで、私先ほど来いろいろ申し上げて、大臣でも、次官でも、宜房長でもよくおわりだろうと思います。これはどうですかな、ひとつ研究する余地もないというようなものでしょうか、どうですか、あなた方。

小沢久太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小沢久太郎君) この問題につきましては、先ほど来申し上げましたように、有線放送の法律によりまして、同一市町村内ということできめてございまして、そういう方面でやってきたわけでございますが、それを公衆電話につなごうということで法律を作成中でございますけれども、根本問題といたしましては、有線放送電話と、それから一般の公衆電話とは性質が違うわけでございまして、これは内地でもやはりそういう問題がありました。内地でもつまり、同一市町村をこえてやっているという問題がありました。ありましたけれども、そういうふうに一々やりますと、それよりも公衆電話をつないで、むしろ一般にずっと同一府県内にやったらいいんじゃないかというようなことでやっているのでございます。そこで、今小林先生のおっしゃったことは、研究はいたします。ただいまのお尋ねは研究はいたしますけれども、そういう方針でわれわれのほうはやっておりますし、またそういう法律の建前になっておりますから、私がここですぐ小林先生のお説はやると言うことには参りませんけれども、一応は研究いたしてみます。しかし、なかなか困難であるということは御承知願いまして、よく研究はやっていきたいと思います。

小林篤一第二院クラブ

○小林篤一君 その現在の法律を、私は申し上げておるのではありません。法律を改正する機会に、そういうようなことを実現をしていただくようなことを希望しておるのであります。でありますから、どうも今までの話では研究をする余地もない、このままいくんである、というようなふうに受け取れるんです。それならば、そういうものを諦めた場合には弊害があるかどうか。弊害がもしないとすれば、お認めを願ったらどうだろう、こう私は考えているのです。どうでしょう。

小沢久太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小沢久太郎君) 先ほど来申しましたように、これは業務区域をどうとるかという問題でございまして、これは実は内地にもそういう問題がありました。内地でもそういう問題がありましたけれども、全般的にやったわけでございまして、今後一応先牛のお話もございましたし、それから研究はまあいたしてみるつもりでございます。

後藤義隆自由民主党

○主査(後藤義隆君) 他に御発言はございませんか。――他に御発言もなければ、郵政省所管に関する質疑は終了したものと認めます。  これにて暫時休憩いたします。午後二時から再開いたします。    午後一時四十一分休憩      ――――◇―――――    午後二時十八分開会

後藤義隆自由民主党

○主査(後藤義隆君) 休憩前に引き続き、分科会を再開いたします。  昭和三十八年度総予算中、運輸省所管を議題といたします。  まず、政府の説明を求めます。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(綾部健太郎君) 昭和三十八年度の運輸省関係の予算について御説明申し上げます。  まず、予算の規模でありますが、一般会計の歳入予算総額は十四億七千四百八万二千円、歳出予算総額は他省所管分七十四億二千三百十五万七千円を含んで八百十四億七千五百七十三万一千円でありまして、この歳出予算総額を前年度予算額と比較いたしますと、百十一億四十七百三万六円の増加で、約一六%の増加率になっております。  この増加額の内訳をみますと、行政部費では三十七億九千八百二十八万六千円、公共事業費では七十二億四千八百七十五万円の増加であります。  特別会計につきましては、まず、木船再保険特別会計の歳入歳出予定額は、二億四千四十四万九千円で、前年度に比較して約四千六百万円の増加となっております。自動車損害賠償責任再保険特別会計の歳入歳出予定額は、付保自動車数の増加に対応して、前年度より約三十三億七千四百万円を増額し、九十六億八千七百三十四万九千円といたしております。港湾整備特別会計の歳入歳出予定総額は四百二十九億六千二百十五万四千円で、前年度より約七十三億三千四百万円の増加となっております。  なお、以上の経費のうちには定員百八十八名の純増に伴う経費を含んでおり、また、このほか、昭和三十八年度財政投融資計画中には、当省関係分として約二千百六十八億円を予定されております。  昭和三十八年度予算におきましては、当省は、貿易外収支の改善、輸出の振興、輸送力の増強、大都市交通施設の緊急整備、交通安全対策の強化、海上治安の確保、防災体制の強化、科学技術の振興、基本的運輸施策の推進等の諸施策に重点を置き、これらを積極的に推進したい所存であります。  以下、部門別に重点施策の要旨を御説明申し上げます。  まず、海運関係では、第一に、海運業の再建整備に必要な経費として七十万四千円を計上しております。わが国海運が国民経済の進展に対応するためには、企業規模を拡大して、その基盤を強化し、国際競争力のある船腹を拡充していくことが必要でありますので、海運企業の集約及び関係市中金融機関の協力を前提といたしまして、運輸大臣の推薦したものにつき、十七次船以前の日本開発銀行融資残高の全額に対する利子を五カ年間徴収猶予することとし、この措置を、実施いたしますため、海運企業準備計画審議会の適切な運営をはかろうとするものであります。  第二に、外航船舶建造融資利子補給に必要な経費として、市中金融機関分八億五百九万三千円、日本開発銀行分四億七千九百八十四万九千円を計上しております。これは外航船舶建造融資にかかる海運企業の金利負担を軽減し、わが国外航海運の国際競争力を強化するため、市中金融機関及び日本開発銀行に対し利子補給を行なおうとするものであります。また、十八次船及び十九次船の利子補給について新たな契約限度額として市中金融機関分二十九億一千三百四十六万一千円、日本開発銀行分八十億六千百七十一万四千円を計上しております。十八次船及び十九次船については、船主負担が日本開発銀行からの融資分については年四分、市中金融機関からの融資分については年六分となるよう補給率を引き上げるとともに、補給期間を日本開発銀行については十年、市中金融機関については七年に延長いたしております。  第三に、外航船舶の酒造に必要な資金として、日本開発銀行からの融資二百億円を予定しております。これによりまして、昭和三十八年度において約五十万総トンの建造を行なう予定であります。  第四に、戦時標準船処理対策に必要な資金として、財政融資六十九億円を予定しております。これによりまして、堪航性が著しく低下している戦時標準船の代林建造を前年度に引き続き実施しようとするものであります。  第五に、移住船巡航費、補助に必要な経費とし三億一千三百十六万五千円を計上しております。これは、国の移住計画に基づく移住者輸送の円滑な遂行をはかるため、昭和三十七年度における移住船運航によって生じた欠損を補助しようとするものであります。  第六に、三国間輸送助成に必要な経費として、四億六千万円を計上しております。これによりまして、前年度に引き続き、三国間輸送を促進して、わが国海運の発展と国際収支の改善をはかろうとするものであります。  第七に、離島航路整備費補助に必要な経費として五千二十五万円を計上しております。これは、離島住民に対する交通を確保するため、航路の性質上経営が困難な離島航路事業者に対して、その航路を維持させるために補助金を交付しようとするものであります。  第八に、特定船舶整備公団の国内旅客船建造に必要な資金として、財政融資七億円を予定しております。これによりまして、昭和三十八年度において約四千四百総トンの建造を実施する予定であります。  次に、船舶関係につきましては、第一に船舶の経済性向上対策に必要な経費として千四百七十六万三千円を計上しております。これは、船舶の自動化、船体構造の合理化等、船舶の経済性の向上をはかり、わが国海運、造船の国際競争力を強化するため、高経済性船舶の試設計等を行うものであります。  第一に、原子力船の開発に必要な経費として百二十八万一千円を計上し、これによりまして、原子力船の開発業務及び安全基準の作成を実施するものであります。  なお、原子力実験船の建造運航を中心とする原子力船の開発を推進するため、特殊法人日本原子力船開発事業団を設立して、第一船の基本設計を実施することとし、別途、総理府所管原子力予算として、同事業団に対する政府出資一億円が計上されております。  第三に、中小型鋼船造船業及び木船造船業の合理化に必要な経費として六百八十六万一千円を計上しております。これによりまして、前年度に引き続き、標準設計の作成等を行ない、これら造船業の技術の向上、経営の合理化を推進するものであります。  次に、船員関係につきましては、第一に、船員厚生施設の整備増強に必要な経費として二千五百万円を計上しております。これは、船員の福祉厚生を増進するため、国内における船員厚生施設を整備する公益法人に対して、施設費の一部を補助するものであります。  第二に、海技審議会の設置運営に必要な経費として八十九万六千円を計上、しております。これは、船舶の自動化と船舶運航技術の革新に伴い、船員の技能及び資格に関する制度、海技に関する国家試験制度、船員教育制度その他海技制度全般にわたる基本的事項について総合的な調査審議を行なうため、海技審議会を設けるものであります。なお、この審議会においては、船員教育に関する重要事項についても調査審議することとし、従来の船員教育審議会は廃止する予定であります。  次に、海湾関係について申し上げます。  第一に、港湾整備五カ年計画に基づく港湾整備事業を実施するため、前に申し上げましたように、海湾整備特別会計の歳入歳出予定額として四百二十九億六千二百十五万四千円を計上しております。このうちには、一般会計から港湾整備特別会計への繰入金三百三億九千五百八十二万円が含まれております。昭和三十六年度以降港湾整備五カ年計画の実施に努めておりますが、最近の海上輸送需要は急激に増大しており、同計画において推定した昭和四十年の港湾貨物取扱量は、昭和三十九年に達成される公算が大きくなっておりますので、既定の五カ年計画を一部繰り上げて実施しようとするものであります。これを勘定別に見ますと、港湾整備勘定においては、歳入歳出予定額三百九十億三千五百三十五万円の規模をもちまして、横浜港ほか三百十三港の整備を行なう予定であり、特定港湾施設工事勘定においては、歳入歳出予定額三十九億二千六百八十万四千円の規模をもちまして、輸出港湾として下関港石油港湾として室蘭港ほか五港、鉄鋼港湾として室蘭港ほか四港及び石炭港湾として苫小牧港ほか一港について海湾施設の整備を行なう予定であります。  第二に、港湾都市防災事業の推進に必要な経費として百三十九億七千二百十九万八千円を一般会計に計上しております。これによりまして、港湾都市を高潮、地盤沈下等の災害から防護するため、東京等緊急整備高潮対策事業、危険港湾都市の海岸事業、チリ地震津波対策事業、伊勢湾高潮対策事業、地盤変動対策等災害関連及び災害復旧事業を計画的に推進する所存であります。  第三に、特定船舶整備公団と港湾運送事業者との共有方式により、前年度に引き続き、港湾運送事業者の事業の用に供するはしけ及び引船を整備するための資金として財政融資三億円を予定し、港湾機能の向上をはかることとしております。  次に、鉄道関係につきましては、  第一に、国鉄新五カ年計画の推進に必要な資金として財政融資千五十億円を予定しております。  第二に、日本国有鉄道新線建設費補助に必要な経費として六億一千七百十九万七千円を計上しております。これは、昭和三十五年度から昭和三十七年度までにおける新線建設費の一部を日本国有鉄道に対して補助するための経費であります。  第三に、国土の総合開発、地方産業の振興、地域格差の是正等のため、産業基盤たる鉄道網を緊急に整備する必要がありますので、日本鉄道建設公団を設立して鉄道新線の建設を推進することとし、産業投資特別会計による政府出資五億円を計上し、財政融資五億円を予定しております。  第四に、地下高速鉄道網の整備をはかるため、建設所要資金として財政融資及び地方債の起債のあっせん三百二十億円を予定するとともに、地下高速鉄道建設費補助に必要な経費として二億二千七百八十八万九千円を計上しております。この経費は、地下鉄の建設費が巨額に上り、その利子負担が経営の重圧となっている現状にかんがみ、東京都、名古屋市、大阪市及び帝都高速度交通営団に対し、昭和三十七年度の建設費の一部を補助しようとするものであります。  第五に、踏切保安設備整備費補助に必要な経費として五千二百五十八万九千円を計上しております。これは、踏切道改良促進法に基づき、踏切道の改良を促進するため、保安施設の整備を行なう赤字またはこれに準ずる私鉄に対し、その費用の一部を補助するものであります。  第六に、臨時鉄道法制調査会の設置に必要な経費として八十九万九千円を計上しております。これは、鉄道に関する法制に関する重要事項について調査審議するため、臨時鉄道法制調査会を設置するものであります。  次に、自動車関係につきましては、  第一に首都における自動車輸送調査に必要な経費として六百四十万円を計上しております。これは、東京における自動車輸送需要の激増に対処して、自動車輸送力の増血と輸送の合理化をはかり、あわせて路面交通の混雑緩和に資するため、交通系絡上の基本事項並びにターミナル等の輸送施設について調査を行なうものであります。  第二に、自動車事故防止対策を推進するため二億九千二百五十七万六千円を計上しております。これによりまして、愛知第二車検場の新設、福島ほか三カ所の車検場の移設拡張、事務の機械化等により、車両検査及び登録業務の円滑な実施をはかるとともに、自動車運送事業の労務管理、運行管理等の監査、運転者実態調査、自動車分解整備事業の監査指導、整備士技能検定等を行なうものであります。  第三に、自動車の激増傾向にかんがみ、自動車行政を円滑に処理するため、車検登録関係で五十名、自動車損害賠償保障関係で三名、計五十三名の増員を行なうこととしております。  次に、航空関係につきましては、第一に日本航空株式会社に対する出資金として、産業投資特別会計において十二億円を計上しております。これによりまして、機材の増強、資本構成の健全化をはかり、同社の国際競争力を強化しようとするものであります。なおこれとともに、同社の発行する社債三十億円借入金十億円について債務保証を行なうことにしております。  第二に、国際空港の整備に必要な経費として三十億三千百六十四万円を計上しております。このうち東京国際空港につきましては十四億八千七百二十三万円を計上しておりまして、これにより、新滑走路の整備、ターミナル周辺の整備等を実施するものでありますが、昭和三十八年度をもって同空港の整備は一応完了する予定であります。  大阪国際空港につきましては十五億四千四百四十一万円を計上しておりまして、滑走路の新設、現有施設の改良を実施するものであります。なお、別途一千万円を計上し、東京第二国際空港の新設のための調査を実施することにしております。  第三に、国内空港の整備に必要な経費として十六億二千五百五十六万円、ほかに国庫債務負担行為額四千八百八十六万円を計上しております。これによりまして、名古屋空港ほか十八空港の整備を続行するとともに、新規空港として出雲ほか六空港の整備に着手し、松山ほか四空港の追加改良整備を行なう予定であります。  第四に、航空大学校の整備強化に必要な経費として一億三千百万九千円を計上しております。これは、航空機の特別修繕等既存施設の整備強化及び同校の維持運営に必要な経費であります。  第五に、航空の安全強化に必要な経費として三億四千六百八十四万三千円、国庫債務負担行為額七億五千百三十二万二千円を計上しております。これによりまして、九州地区管制所の整備、国際通信施設の整備及び航空保安施設の整備を実施するほか、YS十一型機を購入し飛行検査業務の強化をはかることにしております。  次に、観光関係につきましては、第一に、日本観光協会に対する政府出資として五千万円を計上しております。これは、来訪外客に対する旅行案内機能を強化するため、京都総合観光案内所及び東京総合観光案内所羽田出張所を設置するための資金として、同協会に政府出資を行なうものであります。  第二に、日本観光協会に対する補助に必要な経費として四億八千八百四十八万六千円を計上しております。これは、国際観光の振興をはかるため、香港及びサンパウロの海外事務所の新設その他海外宣伝綱の充実強化、宣伝資料の作成、総合観光案内所の運営等に必要な費用及び管理費の一部を同協会に対して補助するものであります。  第三に、ユースホステル整備費補助に必要な経費として五千二百八十六万四千円を計上しております。これによりまして、昭和三十八年度は、特にオリンピック東京大会時の宿泊対策の一環とするため東京周辺に重点を置き、六カ所の公営ユースホステルの建設を行なう予定であります。  第四に、国際観光施設整備費補助に必要な経費として三千万円を計上しております。これは、来訪外客のわが国内における旅行を便宜快適ならしめるため、主要な国際観光地に休憩施設等を設備することとし、その費用の一部を地方公共団体に対して補助するものであります。  次に、海上保安関係につきましては、第一に、海難救助体制と海上治安体制の強化をはかるため十二億五千四百十二万円、国庫債務負担行為額四億五百三十万四千円を計上しております。これによりまして、老朽巡視船艇七隻を代替建造するとともに、海上保安組織の強化、通信施設の整備、海上警備力の強化等を行なう予定であります。  第二に、船舶航行の安全確保に関する体制の整備をはかるため、航路標識整備費十一億五千万円、水路業務の整備拡充に必要な経費二億三千六十五万円を計上しております。これによりまして、港湾標識、沿岸の標識の整備、既存航路標識の改良改修、集約管理体制の促進をはかるとともに、臨海工業地帯の開発に伴い、港湾測量、海図刊行能力等を強化し、測量船一隻の代替建造を実施する予定であります。  次に、気象関係につきましては第一に、防災気象業務の整備に必要な経費として七億六千二百四十五万一千円、国庫債務負担行為額二億一千二十九万三千円を計上しております。これによりまして、富士山に気象用レーダーの設置、大阪湾地域に自動応答式無線ロボット装置の設置、水害、地震及び火山観測施設の整備等を実施して、台風豪雨雪対策及び地震火山対策の強化充実をはかるとともに、防災気象官二十二名増員、農業気象業務及び航空気象業務の拡充強化を実施する予定であります。  第二に、防災基礎業務の整備に必要な経費として七億八千九百八十万九千円を計上しております。これによりまして、気象観測船一隻の代林建造、無線模写放送及び気象官署間通信施設の整備、気象資料の整備を実施するとともに、気象に関する研究、研修の強化等のほか、国際協力として太陽活動極小期国際観測年への参加を行なう予定であります。  次に、大臣官房関係につきましては、第一に、運輸関係統計調査の充実強化をはかるとともに、大臣官房の総合調整機能を強化するため、大臣官房に統計調査部等を置いて、組織の充実強化をはかることとしております。  第二に、運輸本省及び付属機関を収容する運輸本省庁舎を霞ケ関団地に建設するため、初年度調査費として五百万円を建設省予算に計上しております。  次に、科学技術関係につきましては、第一に、科学技術応用研究費補助に必要な経費として六千五百万円を計上しております。これによりまして、試験研究機関における試験研究と相待って民間が分担する試験研究を促進し、運輸に関する科学技術の振興をはかる所存であります。  第二に、船舶技術研究所の設立に必要な特別経費として二億九千五百二十四万二千円、国庫債務負担行為額六億五千六百四十一万八千円を計上しております。これによりまして、現在の運輸技術研究所を船舶技術研究所とし、その船価部門を拡大整備するとともに、電子航法に関する試験機構の強化をはかる予定であります。なお、同研究所において、鉄道、自動車及び航空の安全、保安に関する試験をも合わせ行なうことにいたしております。  第三に、港湾技術研究所の整備拡充に必要な経費として二千四百七十七万五千円を計上しております。これによりまして、設計基準部の新設等同研究所の整備拡充をはかる所存であります。  以上をもちまして、昭和三十八年度の運輸省関係の予算についての御説明を終わりますが、何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成下さいますよう御願い申し上げます。  続いて、昭和三十八年度日本国有鉄道予算の概況につきまして御説明申し上げます。  昭和三十八年度の予算の編成にあたりまして、まず、三十八年度におけるわが国経済の見通し及び国鉄輸送需要の動向から収入を見積もるとともに、国鉄の輸送力の増強及び輸送の近代化並びに保安対策の強化に重点を置いて支出予算を組んだ次第であります。  以下収入支出予算につきまして、損益、資本及び工事の各勘定別に御説明申し上げます。  まず、損益勘定について申し上げます。収入といたしましては、鉄道旅客輸送人員を五十八億六千二百万人、輸送人キロを対前年度八・九%増の一千四百九十一億人キロと想定いたしまして、旅客収入三千二百九十一億円を見込み、また、鉄道貨物輸送トン数を二億一千五百万トン、輸送トンキロを対前年度二・五%増の六百億トンキロと想定いたしまして、貨物収入二千百六十一億円を見込んでおります。以上の旅界及び費物収入のほかに、雑収入等を見込みまして、収入合計五千六百五十三億円を計上いたしております。  他方、支出といたしましては、経常費のうち人件費につきましては三十八年度の昇給と期本・奨励手当三・五か月分を見込みまして、給与の総額を一千九百八十六億円といたしております。物件費につきましては、節約に特段の努力を払わせることにいたしておりますが、おもなものといたしまして動力費四百十五億円、修給費七百三十二億円を見込んでおります。これらを合わせまして経営費総額は、三千九百九十八億円となっております。以上の経営費のほかに、受託工事費四十億円、利子及び債務取扱諸費二百五十五億円、減価償却費六百五十三億円、資本勘定へ繰り入れ六百四十二億円、予備費六十五億円を見込みまして、支出合計五千六百五十三億円を計上いたしております。  次に、資本勘定について申し上げます。  収入といたしましては、先ほど申し上げました減価償却引当金六百五十三億円、損益勘定からの受け入れ六百四十二億円に、資産充当三十億円、鉄道債券八百三十億円、資金運用部等からの借入金四百六十八億円を加えまして、収入合計三千六百二十三億円を計上いたしております。  他方、支出といたしましては、このうち二千三百二十億円を工事勘定に繰り入れるほか、借入金等の償還に二百九十二億円、帝都高速度交通営団等への出資に十一億円を予定いたしております。  最後に、工事勘定について申し上げます。  三十八年度は輸送力の増強及び輸送の近代化並びに保安対策の強化に重点を置き、東海道幹線増設工事を推進するとともに、主要幹線の複線化、電化・電車化、ディーゼル化、さらには通勤輸送の混雑緩和、踏切及び信号保安施設の改良等をはかるために、前年度に比べて二百八十五億円増の二千三百二十億円を計上いたしております。  以下工事勘定の内容について御説明申し上げます。  まず、新線建設につきましては、前年度と同額の七十五億円を計上いたしました。なお、この新線建設費につきましては、昭和三十八年度におきまして日本鉄道建設公団の設立が予定されておりますので、この場合には同公団への出資金として処理する予定であります。  次に、東海道幹線増設につきましては、昭和三十四年度に着工してから五年目を迎へ、工事も最終段階に入りますので、前年度より二百七十五億円増額いたしまして八百八十五億円を計上し、工事の促進をはかって、予定の工期内に完成できるよう配慮いたしました。  次に、通勤輸送対策につきましては、東京付近六十四億円、大阪付近十二億円、電車増備百九十両、三十七億円、計百十三億円を計上し、輸送需要の増大に対処するとともに、混雑緩和をはかることにいたしました。  次に、幹線輸送力増強につきましては、前年度より六億円増額いたしまして四百九十六億円を計上し、輸送能力の限界近くまで利用されているために、輸送需要の増大に応じ切れなくなっている東北本線常磐線、上信越線、中央本線、北陸本線等の輸送力の増強をはかり、これらの線区における輸送の隘路を、できるだけすみやかに解消することにいたしました。  次に電化・電車化につきましては工事費五十三億円、車両費七十五億円、計百二十八億円を計上し、現在工事中の東北本線、常磐線、信越本線、北陸本線及び山陽本線の電化を促進いたしますとともに、既電化区間の電車化を積極的に行ないまして列車回数を増加し、サービスの改善と経営の合理化をはかることにいたしました。  次に、ディーゼル化につきましては、施設費八億円、車両費百三億円、計百十一億円を計上し、電化されない区間のディーゼル化を促進することにいたしました。  次に、諸施設の取りかえ及び改良につきましては、前年度より百三十五億円増額いたしまして四百十七億円を計上し、踏切及び信保安施設の改良を初めとして諸施設及び車両の取りかえ及び改良をはかることにいたしました。  以上のほかに、総係費九十五億円を加えまして、支出合計二千三百二十億円を計上いたしております。これらに要する財源といたしましては、資本勘定から受け入れます二千三百二十億円を充てることにいたしております。  以上御説明申し上げました日本国有鉄道の予算につきましては、予定されました収入を上げ、予定されました工事計画を完遂するために特段の努力が必要であろうと考えられますので、公共企業体としていま一そうの経営合理化をはかり、もってわが国経済の発展に資するよう指導監督して参りたい考えであります。  以上、昭和三十八年度日本国有鉄道の予算につきまして御説明申し上げましたが、何とぞ御審議の上、御賛成下さるようお願いいたします。

後藤義隆自由民主党

○主査(後藤義隆君) ただいまの説明に対し、質疑がおありの方は、順次御発言を願います。     ―――――――――――――

後藤義隆自由民主党

○主査(後藤義隆君) 分科担当委員の変更について報告をいたします。  北条雋八君が辞任され、その補欠として浅井亨君が指名されました。     ―――――――――――――

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 ただいま大臣から予算の説明がございましたが、パーセンテージにしてみれば運輸省の予算も国鉄の予算も若干ふえていることになりますけれども、特にこの中で、国鉄の予算の中で、東海道の新幹線の建設費の占めるパーセンテージが非常に大きいと思うのですけれども、東海道の新幹線の部分を除いて輸送力増強計画のための予算は、はたして前年度に比べてどのくらいふえておることにたるか、その辺ひとつお聞かせ願いたいと思います。

岡本悟運輸省鉄道監督局長

○政府委員(岡本悟君) 東海道の新幹線の建設費は、三十八年度予算では八百八十五億円でございます。その他一般改良費が千三百六十億円でございまして、今年度に比較いたしますと十億円の増額に相なっております。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 私は実際の問題として、東京周辺における通勤輸送の現状がはたしてこれでいいかどうかということで非常な危惧を感ずるわけなんです。最近の輸送力と輸送量の比較、これは東京鉄道管理局のものでありますけれども、東海道線、中央線、東北線、常磐線、高崎線と、こういうふうにありまして、十年前に比べればかなり輸送量がふえております。約二倍になっております。ところが、輸送力のほうは必ずしもそれに追いついていないということが、数字的にも証明できると思うのでありますけれども、現在この輸送力と輸送量の関係でありますが、これは現状のままでいっていいものかどうか、非常に今危険な状態に来ているのじゃないかと思うのでありますけれども、その点ひとつお聞かせいただきたいと思います。

岡本悟運輸省鉄道監督局長

○政府委員(岡本悟君) 全く仰せのとおりでございまして、運輸省といたしましては、大都市交通の問題は非常に重要であるということにかんがみまして、すでに昭和二十九年に都市交通審議会を設けましていろいろ御審議願いまして、去る昭和三十一年の八月に、国鉄あるいは私鉄あるいは地下鉄を中心とする、さしあたり東京都の輸送力の増強整備について答申をいただいたのでございますが、その当時昭和二十九年度の実績を基礎にいたしまして昭和五十年度の輸送省の推定作業をやったわけでございます。つまり、中央線で取って見ますと、新宿-四ツ谷間の通過人員がどうなるか。あるいは京浜線に取って見ますと、品川-大井町間がどのくらいの輸送数量になるであろうかということをやってみましたのですが、そのときに推定いたしました昭和五十年度の輸送数量が、驚くなかれ昭和三十七年度にもうすでにその数字に達してしまっているのでございます。つまり昭和二十九年度の実績を基礎にして昭和五十年度を推定した数字が、すでに昭和三十七年度にはその数量に達してしまったという驚くべき輸送量の激増でございまして、運輸省といたしましても、こういった実績が輸送数量をはるかに上回った実情にかんがみまして、先般来都市交通審議会に、昭和三十一年にいただいた答申では、とうていこの大都市の交通を解決することには相ならぬので、再検討を願いたいということで検討していただきまして、御承知のように地下鉄網につきましても、当時行ないました百三十キロ程度の五路線の建設に加えまして、これを倍程度の二百六十キロくらいにさらに五路線追加しないと、大都市交通はさばけない。こういう答申をいただいたのでございます。さらにお尋ねの点は、主として国鉄の通勤輸送を中心とする輸送力の増強整備がおくれているという御指摘であると存じますが、確かにそのとおりでございまして、われわれとしても非常に憂慮いたしております。ただ多少しんしゃくしていただきたい点は、たとえば一番問題になりました中央線の輸送力の増三でございますが、これは昭和三十一年の都市交通審議会の答申をいただきました当時におきましては、まず中央線の増強を最も大きな題目といたしまして、お茶の水-三鷹岡を複々線化するということを取り上げておりましたが、これがなかなか実現を見るに至りませんで、御承知のように最近ようやく中野-三鷹間の複々線、工事に着手いたしまして、お茶の水-東京間は、これは中野から地下鉄五号線に乗り入れるということで基本方針をきめまして、ようやくその工事に着手したようなことで、若干計画とズレがございまして、そのことが輸送力の整備増強をおくらせ、ひいては混雑を倍加しておるということで、運輸省といたしましては、今その工事の促進につきまして、督励をいたしているような次第でございます。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 私は東京周辺のこの通勤事情は、国鉄だとか、運輸省だけで何とか解決できるという段階ではないという気がするのです。というのは、混雑しているのは、何も国鉄に限らんのであって、都内の自動車輸送にしても、きのうのように雨でも降って、しかも夕方にでもなると、自動車が拾えないような状態になってしまう。それから都電なんかも、どうもまともに走っていない。非常にダイヤというものはきまっているのかどうかわからんけれども、不規則な走り方をせざるを得ないというふうになっている。そうすると、私鉄も都電も国鉄もすべての交通は、まさに麻痺状態になろうとしているということが言えるのじゃないかと思うのです。その原因は、やはり都心に人間が集中をするということにあるかと思いますけれども、じゃ、それを一体どうするかというと、東京周辺にどんどんどんどん、今団地ができております。団地ができているために、国鉄あるいは私鉄の利用者もだんだんふえておる。しかし、輸送力のほうは、それに伴わないということになるから、どうしてもこれは交通問題というのは、深刻になってくると思うのでありますけれども、根本的に解決をしようと思えば、電車や列車をふやすということだけでは片づかない。人口問題あるいは首都圏整備の問題等に関係してくると思うのですね。こうなると、運輸省だけでもどうにもならんということになると思うのですけれども、先々のことを考えて、たとえば昭和四十年、四十五年といったオリンピックの先のことまで考えて、一体運輸省としてはこれらの交通問題をどのようにしたらよろしいかという点、関係各省と連絡をとって、問題解決のための策が立ててあるのかどうかという点をお伺いしたいと思います。

岡本悟運輸省鉄道監督局長

○政府委員(岡本悟君) 先ほどから申し上げておりますように、人口集中の度合いが非常に高いものでございますので、仰せのとおり、なかなか輸送力の増強が追っつかないということでございますが、やはり根本的には運輸省といたしましても、大都市に過度に人口が集中することを、何とかして防いでもらいたいということを関係方面に要望いたしております。もちろん首都圏整備委員会を中心といたしまして、大都市、東京都の人口集中につきましては、いろいろな防止の手を打っておりまして、仰せのように、衛星都市の育成ということもその一つに入っているかと存じますけれども、ともかく、現実にはどんどん輸送量というものがふえているのでございまして、交通機関を担当いたします運輸省といたしましては、やはり現実に、ふえてくる輸送量にマッチするような輸送力の整備をやらざるを得ないのでございます。そこで、都市交通審議会に諮問いたしまして、国鉄、私鉄、地下鉄を中心とする輸送力の増強というものにつきまして、いろいろ御意見を聞いて、しかも、昭和五十年くらいの先の見通しのもとに、輸送力の増強整備を計画し、また実行しているわけでございますが、大体御承知のように、首都圏の人口というものが年々四十万から、五十万ふえておりまして、大体われわれの分析によりますと、ふえている人口の百人のうち四十人は、通勤定期客になって現われてくるということでございますので、なかなか追っつきません。やはり根本的には、大都市の人口集中をどうして防止するかということに相なろうかと存じますけれども、これはもっと大きな、仰せのような立場から真剣に取り上げてもらわなければ、運輸省としても一口に申しますと何ともならんと、こういうことでございますが、しかし、この運輸省として考えれば、基本的には高速度交通機関でもって都市交通を解決していくという基本方針でいかなければ相ならん、かように考えております。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 交通機関にはおのずから交通機関としての能力の限界があろうと思う。これはいかなる交通機関にも、そうしてみると、まさに東京周辺の交通機関というものはもう能力の限界にきておるということを認めざるを得ないだろうと思う。それならば問題を打開する方策としては、交通機関だけの技術的なやりくりで何とかしようとしても、これはできないだろうと思うのですね。そうすると、建設省なり、自治省なり、東京都なり、隣接県なり、こういうところと協議をして、首都圏のあり方としてはどうしたらいいか。このままほったらかしておけば、東京の人口が幾らになって、東京都からはみ出した近県の人口がどのくらいになって、通勤者がどのくらいになって、現在の設備では今でも間に合わないのが一体、どうなるかというのが、もう考えるだけでもおそろしい状態になると思う。だからそのために私は運輸省だけでなくて、やはり首都圏の問題としては昭和四十年にはたとえば都電はどうする、東京の道路はどうする、地下鉄はどうする、国鉄はどうする、四十五年にはどうするというようなことは、人口なり、産業なり、そういうものとにらみ合わせて計画を立てていかなければならんじゃないかと思うのです。そういう総合的な計画というものがなければ、これはえらいことになると思う。そういう問題はやはり運輸大臣として真剣に考えて、早急に手を打たなければならんと思うのでありますけれども、その辺についての対策というものは今日まで立っておるのかどうか。立っておるとすればどのような構想でやられようとしておるのか。これは国鉄の輸送にいたしましても、この辺が基本になると思いますから、その辺をお聞かせ願いたいと思います。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(綾部健太郎君) 仰せのとおりでございまして、御承知のとおり内閣の中に交通対策閣僚懇談会というのを持ち、また事務的には内閣の総理府に交通対策本部というのがございまして、今瀬谷委員の仰せられました首都圏をどういうようにしていくか、すなわち人口の配分を今のように二年とか三年、四十年、四十五年、五十年とこういうように分けて、それには官庁をどういうように移転するか、それには学校をどういうように疎開せしむるか、それには適当な土地があるかないか、というようなことを基本方針を閣僚懇談会できめまして、そのきまったものを事務的にいかに進めていくかというものを、各省の専門家を呼びまして総務長が中心になって鋭意検討中でございます。それは将来の問題といたしまして、運輸省といたしましては、どうしても当面の問題でそういうようなのを待っておられませんから、当面の問題としては都心とそれから周辺を、つなぐ輸送機関にまず力を入れなければいかんと考えまして、地下鉄網をさっき監督局長が申したように、地下鉄網を十分にまずいかにしても不便のないように拡充していく。そうしてさらに財政が許すならば、本年度の予算におきまして運輸省は高架線の建設公団を別個に考えまして、高架線の計画等も考えたんでございますが、高架線のほうは不幸にして予算が通過いたしませんでしたから、また来年度考えるような工事になっておりますが、いずれにいたしましても、当面の問題としては、都心と、それから郊外を結ぶ地下鉄、それに地上のバスその他をして何とか交通の緩和をはかりたいという考えで今当面は考えておるような次第でございます。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 当面の問題としては、都心と周辺をつなぐ交通を第一に考えるということでありますと、東京都を中心として、神奈川県であるとか、あるいは東京都の三多摩地方であるとか、埼玉県あるいは千葉県といった個所との交通政策を第一義に考える、このように解釈をするのが至当であると思うのでありますが、そう解釈してよろしゅうございますか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(綾部健太郎君) もちろんそういうことも考えるのでありますが、その以前に、ただいま申しましたような県の、御指摘のような県の何は、大体東京都の郊外につながっておるところでございますから、そこまではそこの輸送機関を通じ、そこで少し不便であるが、地下鉄に乗りかえるとか、そのままやってきて都心の心要な所へ来られるような線路であればそれを利用する、こういうことを考えておりまして、本年におきましても、大体緩和の予算として、新五カ年計画に当てはまるように、その近郊の通勤輸送緩和のために百十三億円ほど予定しておりまして、電車の車両であるとか、線路の増設であるとかいうことを考えて、東京付近につきましては、六十四億円ばかりでまず増設工事等をやろうとしておるのでございます。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 鉄道建設審議会等では、いろいろな線区について意見が出ておるようでありますけれども、まず東京を中心にした場合には、これはだれが考えてもそうなると思うのですけれども、都心と周辺を連絡をする交通網を整備するということが第一になってくるということは、まず、だれが考えても考えられると思うのです。そこで、ただ、鉄道建設審議会あたりでは、たとえば周辺の県をつなぐ線路というものもこれは考えられなければならぬ。たとえば埼玉県でいえば、千葉県等と連絡をした武蔵野線といったようなものも話には出ております。こういったような周辺を横につなぐ線の話も出ておりますけれども、順序としては、そういう横につなぐ線路よりも、当面の問題として、東京に向かって連絡をとる交通網を先にやらなければならないという方針は、運輸省の方針としては今堅持をしておられる、このように理解をしてよろしゅうございますか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(綾部健太郎君) 仰せのとおりでございます。大体そういうことを中心にして、ただいま申しましたように、路上の交通はたいへんもう限度にきたように思いますので、地下鉄の建設に鋭意努力いたしておる次第でございます。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 そこで、またあの通勤輸送の問題になって参りますが、先ほどの予算の説明では、通勤輸送には東京周辺で六十四億、それから大阪周辺で十二億、こういうような御説明がございました。そうすると、この東京、大阪周辺が、まあ日本の中でも、ほとんど通勤輸送の大部分を占めているというような格好になっていると思うのですけれども、ここにつぎ込む金が七十何億である。そうすると、この間の予算委員会で、私、防衛庁長官の説明しておったのを聞いておりますと、七百五十トンの潜水艦が一隻三十五億だと言っておったのです。七百五十トンの潜水艦二隻分の費用しか通勤輸送にはかけておらぬということになる。その程度のことでは焼け石に水というようなことになってしまうと思うのでありますけれども、一体三十八年度はそんな程度でもって間に合わせることができるというふうにお考えになっておるのでありましょうか。それとも、これでは不十分だけれども、しようがないというふうにお考えになっておるのでありましょうか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(綾部健太郎君) さっき瀬谷委員の申されました大阪付近に十二億、東京付近に六十四億円は、これは建設のほうでございますが、そのほかに車両費等を三十七億円ばかり計上いたしましてやる計画になっておりますが、もちろんこれで満足するのではございませんが、何分にも、国鉄は、大きな最も輸送の隘路である東海道に主力を注ぐために新幹線に全力をあげておりまして、それも来年には開通するというような状態でありますからして、まあ財政の許す範囲内において、本年はこれでしんぼうしなければならぬのではないかということで私どもはこの予算を組んだ次第でございます。もちろん、根本問題としては、瀬谷委員がるるお述べになったような基本問題を解決しなければなりませんが、財政の点において、現状焦眉の急を救うためにはこれでやむを得ぬのではないかというように考えておる次第でございます。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 焦眉の急を救うためには、やはり数字的な問題を検討してみる必要があると思うのでありますけれども、東海道線の輸送力と輸送量とのパーセンテージは、これは三十六年度で一一七になっております。東北線の場合は一二二であります。高崎線が一二八です。常磐線が九七、こういうような数字が出ております。そうすると、数字的には高崎線並びに東北線、あるいは近辺でいえば常磐線、中央線というものがそれに次ぐと思うのでありますけれども、数字的には高崎線、東北線のほうが今日では輸送状態が逼迫しておるということは数字的に証明されておるわけでございますけれども、この方面については、従来とかく上野から出入りするところの裏日本の交通というようなことで、冷遇されるということがいわれておりましたけれども、こっちのほうはどうなんでありましょうか、東海道優先というので、こっちはよけい込んでおっても仕方がないということになっておるのでございましょうか。今後の問題として、一体対策が講ぜられるものであるか、どうか、お考えをお聞かせ願いたいと思います。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(綾部健太郎君) 事務当局をして答弁させます。

岡本悟運輸省鉄道監督局長

○政府委員(岡本悟君) 国鉄全体について見ますというと、やはり東海道線が、その輸送力の行き詰まりの点から見ますと一番ひどいのでございまして、新五カ年向計画におきましては、まず東海道新線の建設を真っ先に取り上げまして、これを前三カ年で片づける、あとの二カ年でその他主要幹線の複線化に全力をあげる、こういうふうな立て方にいたしておりますので、まさに東海道新幹線に最重点が置かれておると、いうことになりますけれども、その他の主要幹線の複化を新五カ年計画の重点項目にいたしておりまして、たとえば東北本線について見ましても、宇都宮以遠の複線化工事がどんどん進んでおりますし、あるいは通勤輸送に関係したものについて見ましても、長年懸案になっておりました大宮-赤羽間のもう一つ複線を増設するという計画も三十八年度から実施すると、こういうことに相なっております。ただ、資金の配分から、御承知のように、若干おくれておりますが、もともとそういう立て方でやったものでございますので、三十九年度、四十年度で極力その他の主要幹線の複線化のピッチを上げたい、こういうふうなことでございます。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 それでは、この通勤輸送等の問題についてはまた後ほど触れることにいたしまして、さきの予算委員会でお聞きをした問題でありますが、鉄道建設公団の問題についてさらにお聞きをしたいと思うのであります。  先般の予算委員会、あるいはまた衆議院における本会議等の議事録を読んでみますと、なぜこの鉄道建設公団を作るかということなんでありますけれども、これは国鉄ではなかなかやりきれない、新線建設については十分にやりきれないから、そこで国鉄のほうの負担を軽くして、そして新たに公団を作って新線建設をするようにしたんだ、まあ簡単に言えばこういったような意味の御答弁が終始一貫して行なわれているわけであります。で、それならば、一体この鉄道建設公団の内容で刈りますけれども、はっきりと国鉄にこれ以上の負担をかけないで新線建設をするという保証がどこかにあるのかどうかということなんであります、私のお聞きしたいのは。それで、この公団法案の二十三条によりますと、「公団は、政令で定めるところにより、日本国有鉄道に対し、有償で、第十九条第一項第一号の規定により建設した鉄道施設を貸し付け、又は譲渡するものとする。」と、こういうふうに書いてあります。そうすると、この「有償で」というのが、これが原則になっているのじゃないかと解釈されます。その次にただし書きがあって、「ただし、運輸大臣が後進地域その他特定の地域の開発等のため無償とする特別の必要があると認めて指定した鉄道施設は、無償で貸し付けることができる。」こういうふうに書いてあるんですね。そうすると、原則は有償であって、ただし、特別な場合には無償で貸し付けることができる、こういうふうに解釈をされるのであります。だから、この二十三条から見れば、これはただでやるんだということはめったにない、原則はことごとくこれは有償であるというふうに解釈をされるのでありますけれども、この点はどうなんでありましょうか。

岡本悟運輸省鉄道監督局長

○政府委員(岡本悟君) 確かに第二十三条は、原則として有償貸付または譲渡、こういうふうにうたっておりますので、この条文上は仰せのとおりだと存じます。しかし、ただし書きで「運輸大臣が後進地域その他特定の地域の開発等のため無償とする特別の必要があると認めて指定した鉄道施設は、無償で貸し付けることができる。」とございまして、まず客観的に見ますと、現在建設しております新線は、御承知のように、後進地域の開発、こういった目的を持って建設しておるものが相当数ございますので、この条文上は、原則は有償貸付、譲渡とございますけれども、運用上はあるいは逆になる場合があるかもしれない、かように考えるわけでございますが、しかし、これは現実に今後公団が引き継ぎました新線建設がどういう性格のものであるかにつきまして、いろいろ政府部内で意見調性もございますし、今にわかに明確に、これこれが無償であって、これこれが有償になるということはお答え申し上げる段階ではないと存じます。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 その辺があいまいなまま法案を提案をしてきめてしまうというのは、ちょっと私には解せたいと思うのです。こういうことははっきりしておかなければならぬことじゃないかと思うのですね。大蔵省の関係の方に聞いてみたいのですけれども、二十三条の解釈は一体どういうことになっているのか。原則は有償ということになっているのだけれども、原則というのはあくまでもこれは原則であって、ただし書き、例外というのはめったにないというのがほんとうの解釈なのかどうか。これは大蔵省のほうでひとつ答えていただきたいと思う。

熊田淳一郎大蔵省主計局主計官

○説明員(熊田淳一郎君) お答え申し上げます。私どもといたしましては、原則といたしまして有償でございまして、無償というのは、ほんの例外的なものであるというふうに考えております。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 そうすると、これは大蔵省のほうの考え方はそうなんじゃないかと思うのでありますけれども、この前の予算委員会の大臣の答弁、あるいは国鉄総裁の答弁を見ると、そういうふうに解釈していないように受け取れるのです。大臣の御答弁は、国鉄に財政上の迷惑はなるべくかけないように、みすみす赤字線になるというものを着手せいと言うのは無理だから、別の機関をこしらえて、でき上がった線路が幸い黒字であればそのままでいいけれども、赤字のときはそのときに考慮して、国鉄なり新鉄道建設公団に善処を要望していこうと思うっていると、こういうふうに答えておられる。それから、総裁のほうは、国鉄ではやりきれないから公団を作るという趣旨で公団ができたのだ、だから、国鉄のほうの負担がどれだけ軽くなるかわからぬけれども、軽くなるというふうに存じておると、こういうふうに総裁は答弁ておるのですね。そうすると、運輸大臣なり総裁の考えておらるることが大蔵省のほうの基本的な方針と違っておるということにたると、これは今後運用の問題としての、私はめんどうなことになるのじゃないかと思うのであります。まず出発点において考え方が食い違っておると、今後この鉄道建設公団をこしらえるに際して都合が悪いのじゃないかと思うのでありますが、その点はどうなんでしょうか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(綾部健太郎君) 国鉄の現状では、どうしても新線はなかなかやり得ない。と申しますのは、公共性と企業性を調和していってもなかなか経営が苦しい。で、やっていけない。そこで、私どもは、鉄道建設審議会が、ぜひ公団その他の別個の組織でやることがより便利だからと、こういうことで鉄道建設公団をこしらえたのであります。御説のように、二十三条でしたか、でき上がった新線の有償、無償が規定されておりますが、私どもは、そのできた新線が有償にすべきか、幸いに採算がとれて黒字になるという見込みであるならば、有償でこれはそのままできると思いますが、もし、どうしてもいけぬという場合、すなわち、赤字線であるという場合には、何らかの方法をそのときに別途で考えざるを得ないと、私はかように考えております。すなわち、政府の補助を求めるか、あるいはその当時は、それができ上がる前後には東海道の新幹線も開通いたしますし、かたがた、国鉄の経常状態はよりよくなるということを期待し、また、国鉄で一番困るのは、資本に対する金利であるとか償却であるとかいうところに赤字のおもなものがありまして、運営するだけの赤字というものは、そう国鉄の大きな経済からいえばたいした負担にならないのじゃないか、こういうことをもちまして、国鉄に、赤字線でも、国鉄の栄養になるような線であれば、当分赤字であっても、その運営するその費用だけが赤字になるのであるから、建設に対する費用はかからないのだから、国鉄としてはやっていけるのじゃないか、そういうことを考えましてこういうふうに書いてあるのでございまして、もしいかん場合には、どうしたって政府の補助なり、あるいは国鉄の何といいますか、援助なり求めてやっていくより仕方がないと思っております。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 公団の法案の説明としては、私は、政令で定めるところにより、日本国有鉄道に対し、有償で、貸し付け、または譲渡すると、こう書いてあるのですね。ただし書きで無償で貸し付けることができるというふうに書いてある。そうなると、さっきの大蔵省の主計官の説明にあったように、解釈としては、これは有償が原則なんだというふうに解釈せざるを得ないのですよ。すなおに解釈すればそうなると思うのです。ところが、今までの衆議院における予算委員会、あるいは参議院における予算委員会、衆議院における分科会等を通じて提案の理由を読んでみますと、そういうふうに受け取れるような御答弁をなさっておらないのです。これは国鉄じゃどうにもやり切れないから、そこでこういうものを作るのだ、建設公団を作るんだというふうな説明ばかりなんです。その辺がどうも私は解せないということをさっきから言っているわけなのです。国鉄が何でそれじゃ今日まで鉄道建設審議会でもって結論が出ても新線建設を行ない得なかったかというと、これは赤字線区ばかりだから、そういうものをしょい込んじゃ肝心要めの東海道線なり何なり大事なほうに手が回らなくなってしまうし、荷物になるから、だから新線建設を行ない得なかったのではないか、こういうふうに私は解釈するのですけれど、これは国鉄総裁にお伺いしたいのですけれども、何で今までそれじゃ新線建設が思うようにできなかったのか、その理由というものについてお聞かせ願いたいと思います。

十河信二日本国有鉄道総裁

○説明員(十河信二君) その点は、今お話のように、資金事情もありましょうし、それから、新しく線路を建設するについては、いろいろな地方的の問題がたくさんありまして、あるいはダムができるとか、あるいは経過地の問題とか、設計協議の問題とか、そういうことがいろいろありまして、なかなか思うようにはかどらないというような事情もありまして、そういった次第でおくれがちになっておるのであります。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 これは理由としては資金的な面が主題であって、技術的な面じゃないのでしょう。技術的に、じゃ国鉄にできなかったから、だから今度は公団がやることになれば、人がかわってやりやすくなる、こういうわけじゃないのでしょう。資金的なことが大部分の原因というふうに解釈をするのが至当じゃないかと思うのですが、その点はどうですか。

十河信二日本国有鉄道総裁

○説明員(十河信二君) その点は、資金的の事情もおもなる原因でありますが、ただいま私の国で、江川崎から窪川へ行く鉄道のごときは、途中にダムがございまして、このダムの問題でなかなか経過地がきまらないのです。それで、もうすったもんだやって、容易に着手することができない、そういう事情も相当あるのでございます。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 今、総裁が言われたような平信は、国鉄だからできない、公団になれば簡単にできるというものじゃないと思うのですね。私はそれは同じことだと思うのです。そればなかなかできにくいという事情は、そうすると、この公団をこしらえて新線建設をやろうという最大のねらいは、資金的に赤字線区というような荷物をしょい込まないでやれるようにという配慮でもって鉄道建設審議会でも結論を出したのじゃないかというふうに考えられるのでありますけれども、じゃ鉄道建設審議会としては、公団を作る場合の考え方として、国有鉄道に対して右傾で貸し付けたり譲渡するということまで言っておるのでありましょうか。その点はどうなんでありましょうか。

岡本悟運輸省鉄道監督局長

○政府委員(岡本悟君) そこまで触れておりません。原則として、鉄道の新線の建設は、あるいは道路、あるいは港湾整備と同様に、政府の公共事業として、公共投資とする以外にはない。その具体的な実施機関としては、別個の組織、たとえば公団のようなものをもって対処するのが適当と認める、こういうことでございます。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 だとすると、今まで大臣なり総裁が、この公団を設立したい趣旨のことを述べられる場合には、やはり公団の二十三条というものが別な条文でなければいかぬと思う。提案をされる場合に、二十三条として、公団は、日本国有鉄道に対し、無償で貸付または譲渡するということを原則とするのでなければ、今までの説明とは合わないと思うのですね。ところが、今までの説例とこの三十三条の条文とを対照してみると、まるっきり違う。だから、私は、こういう法案を提案する以上は、その法案の条文と説明というものが食い違いのないようにしなければおかしいのじゃないかというふうに私は考えるわけなんです。  それから、前回の予算委員会でもって、岡本政府委員から、鉄道の新線建設の営業係数について御答弁がございましたけれども、経営収支の赤字は割合と少なくて、資本費とか、あるいは建設費の利息、あるいは償却、こういうものが非常に大きな赤字の要素になっておる。建設公団でやるということになると、その資本費の負担というものがなくなるわけだから、通常の経常収支は赤字になるわけだ、こういうふうに答弁をされているわけですよ。この答弁は、やはり国有鉄道に対して無償で譲渡をする、あるいは貸し付けるというような考え方に立っての答弁じゃないかというふうに思われるのでありますが、その辺はどうなんですか。

岡本悟運輸省鉄道監督局長

○政府委員(岡本悟君) 私が申し上げましたのは、二十三条で有償貸付が原則になっておりますけれども、先ほどお答え申し上げましたように、客観的にいいますと、今行なっております鉄道の新線建設というものは、大部分は後進地域の開発のためでございますので、おそらくただし書きに該当するものが多い。そこで、無償貸付ということになりますと、資本費は公団負担ということになるから、その方面の圧迫の材料がなくなるであろう、こういうことの意味で申し上げたようなつもりでございます。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 今の考え方は、ただし書の場合の考え方ですか。

岡本悟運輸省鉄道監督局長

○政府委員(岡本悟君) そうでございます。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 そうすると、原則のほうはそうじゃないということになってしまうわけですけれども、原則の場合でも、たとえば減価償却であるとか、利子であるとか、そういったようなものは国鉄が負担をしないといったようなことになるのかどうか、これはどうでしょう。

岡本悟運輸省鉄道監督局長

○政府委員(岡本悟君) それもつけ加えて申し上げるつもりでございましたが、それは二十三条の第二項になりまして、貸付料あるいは譲渡価格についてどういうふうな算定方法をとるかということに関しましては、国有鉄道にとっては相当影響があるわけでございまして、御指摘のように、たとえば貸付料を非常に安く算定するということになりますと、今申し上げましたように、資本費の負担はほとんどしなくて済むということに相なりましょうし、それを利子は通常の利子をとり、あるいは減価償却についても、これを含めてとるというようなことになりますと、資本費の負担の軽減にはならない、こういうことになるわけでございまして、第二項のきめ方が問題でございます。で、二十三条の一項、この中の指定、あるいは第二項の貸付料、磯渡価額というものは、すべて一方は指定、一方は大臣の認可ということになっておりますが、この場合には、後の条文に出て参りますように、一々大蔵大臣と協議することに相なっておりますので、ただ、この場合、運輸省の考え方だけでは決定的なお答えにならないのでございまして、具体的に大蔵省と協議いたしまして、その結果現われてくるものが政府の具体的な意思であるということになるかと存じますが、現在のところでは、公団が設立されましてこういったことが具体的な問題になるかと思います。もちろん、この一項の政令のほうは、なるべく早く協議が済み次第定めたい、かように考えてはおりますが、まだ全般的に二十三条については大蔵省との協議が済んでいないというのが実情でございます。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 その辺、大蔵省とはっきりと話をつけて、二十三条の解釈等についても、あまりいろんな疑義の出ないようにしてから提案をするのが、私は、法案の提案の仕方としては順序じゃないか、こういう気がするのです。もし大蔵省との協議の結果、このただし書きの例外のほうはほとんどなくて、ことごとく有償ということになって、事実上は公団ができたけれども、公団はできて、公団の総裁、副総裁、こういう役員がぞろっとできる、看板が新しくなる、しかし、結果的には従来とちっとも変わりはない。従来と変わるのは、今までは独立採算制の建前で、なかなか新線建設ができなかったのが、今度はこの看板をかけかえたために、どんどん赤字をしょい込む覚悟で、国鉄が独立採算制の建前を破って赤字線区の建設をさせられるという結果になるという心配が私はあるような気がする。はたしてそういう心配がないというふうに断言できるかどうか、この点をお伺いしたいと思うのです。

岡本悟運輸省鉄道監督局長

○政府委員(岡本悟君) 今までどおり新線延段を進めていくということになりますと、御承知のように、年間七十五億円程度の新線建設の予算でやって  いくと、その経常をやりましたときに出てくる赤字は、まあまあ今までどおり国鉄が質推していく、こういうことになるわけでございますが、公団の場合は、どういうふうに違ってくるかというお尋ねでございまして、われわれといたしましては、あくまで基本的には、しばしば申し上げておりますように、鉄道建設審議会の御建議の趣旨を尊重しましてこの公団法の提案に踏み切ったわけでございまして、あくまで基本的には、国鉄の鉄道新線についての公共負担をある限度にとどめて、それ以上は政府の負担でやりたい、こういうことから出発いたしておるのでございます。したがいまして、問題は、公団でやるということになると、どしどし新線建設の業務量と申しますか、範囲が拡大いたしまして、その建設したものの経営を引き受けるということになりますと、今まで程度の赤字新線の赤字程度では済まなくなって、その赤字の範囲が拡大されていくという御心配でございますけれども、確かにその点はございます。そこで、できるだけ負担を軽くするということになりますと、第二十三条のただし書きを適当に運用するとか、あるいは第二項の貸付料その他についての考え方を弾力的にするとか、あるいは、さらには、先ほど大臣からお答え申し上げましたように、行く行くは、この赤字額の相当部分について国として補助を考えるとか、そういうことになってくる場合も予想されますけれども、基本的には、目下のところでは、国有鉄道は、赤字のものもあれば、あるいは黒字のものもある。総合的に採算がとれていけばいいという建前で考えておりますので、目下のところは、そういう救済の道は考えておりません。ただ、この新線建設というものは、国鉄にとって黒字、赤字ということは、これは極端にいえばたいした意味がないのでございまして、政府といたしましては、国家政策的な見地から、つまり産業基盤お強化であるとか、あるいは地域格差の是正という高邁なる見地から、高次元の見地からこれを推進する必要があるというふうに判断いたしておるのでございまして、つまり今までの鉄道より規模を拡大し、あるいはピッチを早めるということがそのねらいでございますので、そういった面においては国鉄の責任というものは軽減される、かように考えておるのでございます。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 国鉄にとって赤字というのはたいした問題ではなくて、政府事体として、はたして国策に沿うかどうかということが問題だということになれば、私は、国鉄に何で独立採算制の建前をとらせなければならぬかという問題が出てくると思う。前回の予算委員会でも、田中大蔵大臣は、これは私の質問したときの答弁でありますけれども、現行法に基づいて国鉄は独立採算制を要求されておるのだから、将来とも、これを改める大きな問題は別な機関で検討すべきであって、財務当局としては、独立採算制を現状のままに要求して参りたい、こういうふうに答弁している。そうすると、国鉄に対しては、あくまでも独立採算制でいけ、こう言っているでしょう。政府としては、じゃ公共的な必要があって、赤字になってもやらなければならぬという場合にはどうしたらいいかというと、今までの説明によると、この建設公団というものを作ってこれでやるようにするから、国鉄のほうには迷惑をかけないのだ、こういうふうに受け取れるような答弁を今日まで衆議院でも参議院でも行なってきておられるのです。そうでしょう。そうすると、公共性ということを考えた場合には、当然国鉄に赤字をしょわせないというのが建前にならなければいけないと思う。じゃ今日まで建設をされた新線の経営成績はどうかということになるんです、これは。その営業係数がはたしてどんなものか、黒字の線区というものは一体あるのか、赤字と黒字の割合を比較をすれば一体どういうふうになっているのですか、その点お答えを願いたいと思う。

岡本悟運輸省鉄道監督局長

○政府委員(岡本悟君) 昭和二十六年度以降に建設された線区の経営成績を申し上げてみますと、大体六百四十三キロあまり開業いたしておりまして、その収益が約十四億二千五百万円でございます。経営費は約十八億でございます。これだけで見ますと、営業係数はまず一二〇程度と申し上げていいかと存じます。あとは資本費の問題でございますが、利子が五億五千六百万円、それから減価償却費が約十億七千五百万円、で、この資本費を加えまして営業係数をはじいてみますと、二四というふうに相なるわけでございます。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 国策として、赤字になってもやむを得ないから鉄道建設をするという考え方であれば、利子から減価償却費、すべてをひっくるめて国鉄がそれを負担をするということは、国鉄の公共性ということだけでいえばいいかもしれぬけれども、独立採算制という建前からいうと、これは矛盾しているということになると思うのです。今日の国鉄の財政というものが、十億や二十億の赤字負担については、これはもう意に介しないということなら別でありますが、何かにつけて問題になるのは資金の不足ということなんですね。それから、労働問題でもそうだし、輸送力の増強の問題についてもそうだし、ことごとくこれは資金不足ということが原因になっている。そうであれば、そういう財政上の負担というものを軽減をさせるようにしないと、国鉄の経営というものはまともにならぬというふうに私は考えられるわけです。だから、国鉄の経営をまともにするためには、やはり独立採算制なら独立採算制でもっていけるような方法を講じてやるということが、私は、監督官庁として当然考えるべきことじゃないかというふうに思うのでありますが、運輸大臣としてはどうでありましょうか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(綾部健太郎君) もちろんさように考えていくのが当然でございますが、そういうふうなことばかり考えておりますというと、どういたしましても地域格差の是正であるとか、経済基盤の強化ということが不可能になります。それと調和するように、やっていくより仕方がありません。そこで、別個の建設公団をこしらえて、一定の期間赤字が累積するならばそのまま置いておいて、そうして地域格差の是正によるとか、あるいは経済法盤の強化によりまして国全体の富を増し、国民全体の経済が豊かになった場合に、日本鉄道建設公団の赤字について、政府にあらためて考慮してもらうより、この日本の国の地域格差を是正していくという面から見まして方法がないと、かように考えて、そういう当面の問題を別にいたしまして、鉄道建設公団が必要であると考えて、しこうして、また、鉄道建設審議会の答申もそういうような工合でございますから、私は、この際、政府としては踏み切るべきである、かように考えておる次第であります。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 結局、大臣の答弁も同じようなことを繰り返されることになりますけれども、さっきから私も何回も言っておりますように、地域格差の是正であるとか、開発であるとかということを考えて、公共の建前でもって建設公団を作るのだということになれば、建設公団そのものの使命というものは、国鉄が独立採算制でもってやっていかなければならぬから、だから国鉄に負担をかけないために、建設公団は別個の機関でもって、そして新線建設をやるのが任務だというふうに解釈する以外にないと思うのですよ。それならば、何もこの二十三条にあるように、有償を建前にして、事実上この条文でいくと、国鉄が赤字をしょい込むようになっておりますよ。これはもちろん大蔵省との話し合いでもって入れるということもあるかもしれませんけれども、話し合いをしなくとも、条文でもってぴしっと国鉄が赤字をしょい込まないようにしようと思えばできるわけです。建設審議会の答申だって、国有鉄道に対して、右横でもって貸付または譲渡するということをしろとまでいっているのではないということを大臣自身が言っておられるのですから、それならば、この審議会の答申というものをそのまますなおに受け入れるという形でもってこの法案というものも準備されなければならぬ。先ほどから私が申し上げたとおり、大臣の答弁も総裁の答弁も、法案の条文とはうらはらの答弁をしておられるというふうに感ぜられるので、その点を私は何回も聞いたわけなんです。だから、この点は、私は、こういうあいまいなまま法案を提案をされるということについては、はなはだ遺憾だというふうに思います。条文の解釈、今後の考え方というものはちゃんとしてもらいたい、こういう気がいたします。これは大蔵大臣に聞かなければはっきりとした回答は得られないと思いますので、その点はこれはやむを得ませんから、運輸大臣の答弁、あるいは今までの公団法案の説明の趣旨というものを今後にも生かしていけるのかどうか、この点、これは大蔵大臣との間に見解の違いがあったりすると私はまずいと思うのですよ。これはございませんというふうに答弁されるかもしれないけれども、条文の点からいって、私は、これはどう考えてみたって、何というか、抜け道というか、大蔵省のほうでうんと言わなければ国鉄がみんな赤字をしょい込んでしまうというような格好になっているから言っているのですから、その点はもう一度私は念を押してお聞きしたいと思うのです。つまり私の言った意味がおわかりにならなかったらもう一度言いますけれども……。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(綾部健太郎君) よくわかっております。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 わかっておりますか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(綾部健太郎君) わかっております。お説のとおりでございますが、私どもは、それを今後大蔵大臣との折衝において、国鉄に赤字をなるべくしょわせないように努力いたすということで御了承願いたいと思います。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 そういうことでもって法案を提案をされるということは、私は、法案の提案の仕方としてはおかしいということをさっきから申し上げたわけなんです。しかし、そのことについてこれ以上申し上げましても水かけ論になってしまいますので、問題を今度変えたいと思います。  これは国鉄の問題について申し上げたいと思うのでありますけれども、今までは赤字の話ばかりいたしましたけれども、東海道線なり中央線なり、常磐線、高崎線、東北線といった東京周辺の幹線の経営の成績というものを、数字的に言うならば、かなりこれはもりかっておる。俗な言葉でいえばもうかっておるということになる。東海道線などの場合は営業係数が五八である。つまり運賃は掛りの倍近くも取っておる勘定になるわけで、高崎線も五九で、東海道線とほぼ同様であります。こういうふうに、東京周辺の幹線では十分に収支相償っておって、利益を上げておるわけです。利益を上げている割りに、じゃ利用者のほうが恵まれた状態にあるかどうかということなんです。ここが私は問題だと思うのでありますけれども、そこでさっきもちょっと触れました輸送力と輸送量の点について申し上げるならば、これだけ黒字を上げて収支相償っておるにもかかわらず、輸送力が輸送量に追いついていない。特に東海道線に比較をすると、東北線、岡崎線といったような線区はひどいということが数字的に言えるわけなんですね。これは私は、いかに東海道新幹線の大きな仕事があるからとはいいながら、ちょっと私はひどいのじゃないか、こういう気がするのです。そのひどさというものも、すわれないといったようなものじゃないのですね。御承知のとおり、東京の国電等では、新宿駅なんかでは、しり押しのアルバイトまで雇っておるというのが現状でしょう。こいう無理な、これだけが外国に行ってもないというような風景を展開をしているわけなんです。たから、私は、特に通勤輸送等の面については、もっと誠意をもって解決に努力を払うべきじゃないかという気がするのであります。今後の通勤輸送に対する対策として、もう少し積極的にその対策を立てて実行するお考えがないものかどうか、私はお聞きしたいと思うのでありますが、国鉄総裁にお聞きしたいと思うのであります。

十河信二日本国有鉄道総裁

○説明員(十河信二君) 国鉄の背負わされております輸送の責務は全国的のものであります。国鉄は全国的に輸送力が非常に窮迫しておりまして、困っておるのは今お話のとおりであります。大都会の周辺の通勤輸送につきましては、これは全国的の輸送を引き受けておる国鉄としては、なかなかその力及ばないのでありまして、それゆえに、私は、都市交通審議会におきましても、国鉄としては、あまり多くを期待されても力はありませんから、非常に困難ですということをお断わりいたしておるのであります。われわれとしては、先ほど来お話のありましたように、でき得る限り、高崎線においても中央線においても、また、その他の線におきましても、輸送力の増強に努力はいたしておりますが、都市の、たとえばお茶の水から東京駅までの複線をもう二つ作ることになっておりますが、これはなかなか容易に用地の費収、移転等で困難で、できないのであります。どうしてもこの都市の交通は地下鉄によるほかはない、こういう結論になりまして、運輸省に御相談をして、中央線は中断以遠は国鉄が複々線を作りますが、中野からこちらのほう、都心へ向かっては、地下鉄の五号線に国鉄列車の一乗り入れをして輸送を間に合わせるようにいたしたいということで、そういうふうに取り計らっておるのであります。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 通勤輸送の問題については、私は、金をかけるということももちろん必要だろうと思うのですけれども、もう少し工夫をしたらいいんじゃないかと思える点もあるわけなんです。それは、私は、今でも通勤を身をもって体験をしているわけです。しかし、おととしでしたか、三十六年の十月のダイヤ改正でたいへんによくなるというふうに宣伝をされましたけれども、その後の運転事故というものはかなりふえておる。その運転事故の中には、三河島事件といったような不幸な事件もありましたけれども、総体的に運転事故がふえておるわけなんです。それはやはり今のダイヤがかなり無理しているからじゃないかということが一つ言えるのじゃないかと思うのです。それから、また、その通勤輸送との面でもう一度配慮したほうがいいんじゃないかという点が一つあります。それは、ダイヤ改正によって通勤者に迷惑をかけるようなことはしていないというのが当時の総裁の御答弁であったように私記憶しておりますけれども、新しく準急なり急行なりを設定する場合に、通勤時間帯の中にそれをぶち込んでしまうということがあると、通勤列車は途中で待避させられるということで、非常に不便をこうむるわけなんです。これは上野から出る列車なんかの場合でも東京から出る列車の場合でも、普通の通勤列車が途中で待避をさせられて、うんと時間をそこで消費するということがあります。東海道線のように一ぱい一ぱいになってしまうと、なかなかこれは技術的にむずかしいかもしれませんけれども、上野から出る岡崎線であるとか東北線の場合には、たとえば上町発十七時五十分であるとか、あるいは十八時十分であるとかといったような通勤時間帯の中に準急、急行を設置をするということになると、わずか五十キロから六十キロの間で普通列車が二本も三本も待避したければならぬというダイヤになるわけです。しかも、この間は、現状では電車も汽車も込みになって走っておるということなんです。こういう点は、同じ急行なり準急を設定するにしても、もう少し繰り上げるか繰り下げるかして、通勤時間帯を避けるということにすれば、もっとスムーズに私は通勤輸送をはかることもできるんじゃないか、こういう気がいたします。それから、特に上野駅のような行きどまりの構造では、そうでなくても今日では列車の遅延が多いんですけれども、雪が降ったり、何か事故が起きたりすると、また、東北線で事故が起きても、高崎線、上信越線を含めて、みんなダイヤががたがたになってしまう、こういうことがあります。だから、これらの駅や操車場の構造上の問題から、大宮における東北線と高崎線の立体交差といったようなことも、これは早く実施をしないと、いつまでも通勤輸送の隘路となるだけでなくて、まごまごすると大きな事故の危険性をはらんでおる、こういう気がするわけです。大京周辺における事故の危険性というものは、三河島事件でもって、もう痛いほど私は痛感をさせられているんじゃないかと思うのでありますけれども、こういう具体的なダイヤの面から検討を加えるという気持がおありになるかどうか、その点、総裁のお答えをいただきたいと思うのであります。

十河信二日本国有鉄道総裁

○説明員(十河信二君) ダイヤの作成につきましては、専門的のことでございますから、遠藤理事からお答えいたさせます。

遠藤鉄二日本国有鉄道常務理事

○説明員(遠藤鉄二君) 先ほどから、大臣、総裁からお答えがありましたように、通勤輸送力の伸びは非常なものでございまして、この十年間に東京では七割ふえておるわけでございます。それで、もちろん国鉄といたしましては、これは国鉄だけでしょわれるわけではございませんので、並行する中火線を助けていただけるような地下鉄の路線を作っていただきますとか、そういうことはお願いはしておるのでございますが、やはり当然現在のままでいきますれば鉄道に乗ってくるお客さんは毎年ふえていくわけでございますので、毎年ダイヤの改正を行ないまして、輸送量の伸びに対処をしておるわけでございます。で、ただいま御審議願っております予算にも、相当の油動輸送力の増強費が入っておるわけでございまして、少し期間を大きくとりまして、昭和四十年まででございますと、東京、大阪地帯の通勤にわれわれは六百四十億円を入れるつもりをいたしておるのでございます。これは第一次の五カ年計画でございますが、三十二年から六年までですと三百億ぐらいでございまして、大体しばらく前の規模の倍ぐらいの資本投下をやる。そういたしまして、そのお金は、主として線路はもうあまりふやすことはできないわけでございますから、信号場の増設でありますとか、電車の増備でありますとかいうようなことによりまして、できるだけ輸送力をつけていくということを考えておりますが、そういたしまして、今のプランで逐次毎年ダイヤ改正を少しずつやっていきますと、乗車効率と申しまして、定員に対する倍率でございますが、現在二五〇%をこすところが相当にございます。高いところでは二八〇ぐらいになっておるところがございますが、ういうものを、今の見込みでは輸送量も伸びますし、電車も増発をいたしますけれども、極力二五〇以下に下げる。それから、二五〇以下になかなか下がらないところは時差通勤等をお願いいたしまして、たとえば中央線でありますと、二分間隔のダイヤが一時間半でありましたものを、さらに両端を延ばして、なるべく平均していただいて乗車効率を下げていくといったようなことでいろいろ御協力を願っておりまして、まずわれわれの計画では、これだけの資金を入れますれば、一般の御協力を願って、乗車効率はこれ以上上げずに済むんではないか、かように考えておるわけであります。車両にいたしましても、第一次五カ年計画では、大体年間百両、東京付近で百両の新しい電車を投下したのですが、第二次の五カ年計画に入りましてからは、大体二百両、三十七年も百九十二両を投下いたしております。先ほど大臣のお話のございました車両設備費にも合わせまして、大体百三十億円ぐらいの金を入れるつもりでございまして、したがいまして、そうしてダイヤ改正を逐次実施していくにつきましては、ただいまお話のございました準急以上の列車等とラップさせないようにという配慮はいたしておるつもりでございまして、三十六年の十月のダイヤ改正のときには、東海道線におきましては、ラッシュ時間に東京に着く急行列車は外へ出しまして、通勤時間帯以外に東京に入るようにしたわけでございます。常磐、東北等におきましてもそういう配慮をしようと思っておりますが、発着の関係の時間帯もございまして、思うにまかせない点もございますけれども、改正のつど、さような方針でもってやっていきたいと考えております。それから、先ほどお話がございました東北本線の線路増強でありますが、第二次五カ年計画には、大宮-赤羽間の複線をもう一つ作るという案は当然入っておりまして、まだ着工いたしておりませんけれども、私どもはなるべく早くとれに着工をいたしたいと思っております。それから、大宮の立体交差、これは赤羽-大宮町の線増のうち、最優先に行なうべき仕事である、かように考えておるわけであります。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 私は、ダイヤを組むにあたっても、もう少し利用者の身になって考えてしかるべきではないかと思うことか多々あります。それは特に上野駅なんかで私は往々にして見るのでありますけれども、電車の折り返しの場合に、折り返しの時間がひどいのになると八分か九分ぐらいしかない。そうすると、到着をして出ていくまでの間はごくわずかですから、電車が入ってくる前に、すでに乗るお客がホーム一ぱいになっておる。それがたまたまスキーか何かのシーズンに当たったりして、向こうからスキー客を満載して電車が入ってきたりすると、乗ろうとする通勤者と、降りようとするスキー客でごった返して、何とも収拾のつかないような状態になります。交通道徳といったようなことを言っておりますけれども、幾ら口先だけで交通道徳を叫んでみても、ああいうふうに修羅場となるような混乱をダイヤ編成の際にみずから作っておったのでは、交通道徳もモラルもあったものじゃないと思うんです。そういう点で、やはりもっと利用者の立場になって配慮をしたのならば、待ち合わせ時間ももう少し余裕をとるというふうにする。それから、電車と汽車と込みにして同じ線路の上を走らして、時間的にロスが多かったり、準急、急行の運行のために待避をさせられて、関係のない駅でもって十分も待たされるといったようなことのないようなダイヤは、国鉄がちょっと考えただけでも、やる気になればできると思う。たから、そういう点、予算面でできない点があれば、頭を使って、利用者の声を聞いて、そして少しでも輸送の事情を緩和をするという努力が払われてしかるべきではないかというふうに考えられるのでありますけれども、今後の問題として、ダイヤ作成にあたっては、利用者本位に考える。そして長距離旅行の場合は、一時間やそこら繰り上がったって繰り下がったって、たいした影響はないのでありますから、そういう長上距離の旅行の急行列車といったようなものは、極力通勤時間帯の最も激しいところにぶち込まないといったような配慮をされるということがあっていいのじゃないかと思うのでありますが、その辺の点についてお伺いしたいと思います。

遠藤鉄二日本国有鉄道常務理事

○説明員(遠藤鉄二君) ただいまお話の御趣旨に沿いまして、今後も努力をいたしたいと思っております。  それから、上野の駅でありますけれども、手小荷物と同じ所で競合いたしますので、非常に混乱が起きております。ああいう事態をなるべく早く解決いたしまして混乱を防止したい、かように考えております。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 現在の東京周辺は、私自身が見ました限りでは、高崎線は明治十六年にできました当時と、今の通勤列車、ダイヤ改正以後時間をかけるようになりました通勤列車とは、所要時間においてはあまり変わっておりません。明治十六年、上野-熊谷間にできました当時と、現在の上野-熊谷間の通勤列車の所要時間というのはあまり変わっておらないのです。変わっておるのは、明治時代よりも込むようになったという点だけなんですね。これじゃ私は意味はないと思うのです。こういう点は、やはり現在の弾丸列車を走らせるといったような国有鉄道の面目にかけても、早急に解決をしなきやならんことじゃないかと思うのです。  それから、今後の問題でありますけれども、先般ちょっとテレビでも拝見をいたしましたが、東京-大阪間の東海道新幹線ができ上がった後には、さらに大阪から博多まで弾丸列車を延長するといったような構想が放送されまして、東京から結局弾丸列車が博多まで走るといったようなことなんでありますけれども、こういうような構想がおありなのかどうか、もしあるとするならば、それらの場合には、その新線建設にはどういう予算で、しかも、建設公団等でもってやられるようなことになるのかどうか、具体的な準備等ができておるかどうかという点についてもお聞きしたいと思います。

岡本悟運輸省鉄道監督局長

○政府委員(岡本悟君) 先ほど運輸省で発表いたしました長期貨物輸送計画におきましても明らかにいたしておりますように、現在の輸送量の伸びをずっと先へ伸ばして推定いたしてみますと、やはり山陽新幹線を建設する必要があるというふうに判断いたしておりますし、また、国有鉄道自体も、目下幹線総局におきまして、山陽新幹線を建設する必要があるかどうかということにつきまして、輸送量の推定につきまして綿密な作業を行ないつつあるようでございますが、しかし、具体的に山陽新幹線建設する必要があるか、どうかということは、もちろん今の段階ではきめていないわけでございます。  なお、かりにやる必要があるといった場合に、これを建設公団でやるか、あるいは国有鉄道でやるかという問題でございますが、これは東海道新幹線の建設のやり方と関連いたしまして、いろいろ問題があろうかと存じます。つまりこれを新線建設というふうに観念いたしまして、つまり鉄道敷設法の別表を改定いたしまして、これはもちろん法律の改正になりますが、改定いたしまして予定線に組み入れまして、そして、その組み入れたものをこの鉄道建設公団法でいっております運輸大臣のきめる基本計画の中へ入れますというと、鉄道建設公団が、やるということになりますし、あるいは東海道新幹線の建設のように、国有鉄道の改良工事というふうに観念いたしますと、これと同じように、山陽新幹線も国鉄の負掛においてやると、こういうことになるかと存じます。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 では、まだ新五カ年計画とか、あるいは山陽新幹線とかいったような問題については、調査の段階にあるというふうに理解をしてよろしいということになるわけですね。

岡本悟運輸省鉄道監督局長

○政府委員(岡本悟君) さようでございます。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 もしやるとすれば、私は、東京から大阪まで三時間で走るといったような列車ができただけではあまり意味がないと思うのです、交通政策としては。同じやるなら、やはり日本国中全部広軌に変えてしまうというぐらいのことをやらないというと、鉄道網はいき詰まってしまうという気がするのであります。後藤新平という人が鉄道を広軌に変えようというふうに考えたけれども、国会で反対をされて失敗をしたという前例があるように聞いておりますけれども、同じふろしきを広、げるならば、日本国中を全部広軌に変えてしまうといったぐらいの調査なり構想を立ててみたらどうかという気がするわけであります。現在青函トンネルを作るというために縦坑を作っておるけれども、これは調査のための縦坑であって、この調査によってやるかやらないかをきめるということであり、必ずしもこれから何年かたってここにトンネルを掘るようになるのだというところまでは至ってないということは、衆議院の予算委員会の分科会の議事録を拝見しましてもわかるのでありますが、将来、かりに青函トンネルを掘るというふうになった場合に、北海道まで連絡をするのに、今日の東北本線で、そのまま狭軌のままでよろしいというふうには考えられないわけなんだけれども、そうすれば、九州から北海道まで、少なくとも日本を縦貫をする幹線は立体交差で、つまり踏切なんかのない新幹線をそのまま延長するというぐらいのことをやらなければ、交通政策としては片手落ちになるのではないかという気がいたしますが、青函トンネルの試掘と関連をいたしまして、そういったような、つまり北のほうに対する連絡の新幹線の考え方がおありになるのかどうか、ついででありますからお伺いしたいと思います。

岡本悟運輸省鉄道監督局長

○政府委員(岡本悟君) 運輸省としては、今のところそこまで考えておりません。やはり当面の問題は、山陽新幹線をはたしてどういう段階で具体化する必要があるかということの見きわめが先決問題であるというふうに考えております。これは全国的にそういう広軌の新幹線網として考えるべきだというふうなお考えでございますが、とりあえずは、今やっております施策は主要幹線の複線化ということでございまして、そういうことから申しますと、先生の御判断と相当ズレがございますけれども、経済成長の伸びと財政力とのかね合いもございまして、目下のところでは、山陽新幹線についての調査が精一ぱいであるというふうに考えております。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 新幹線に関連をして、青函トンネルのこともあわせて私聞いたわけでありますけれども、青函トンネルばちょっとほかのトンネルと違いまして、北海道と青森の間の海底トンネルもかなり長いものでありますから、こういうものができるものかどうか、見出がつかないわけでありますけれども、ある程度試験の結果、つまり試掘の結果可能であるという見きわめができてたならば、ここにトンネルを掘るという腹をきめてかかることになるのでありますか。山陽新幹線だけでもなかなかこれは思うようにはいかない、国鉄の財政でやるのではなおさらいかないと思うのでありますけれども、そういう状態で青函トンネルの今後の見通しとなると、山陽新幹線なんかよりも、もっとこれは大きな問題だろう、こう私は思いますけれども、この青函トンネルの考え方が、はたしてこれはどの程度までのものであるか、調査の段階で一応手をつけてはいるけれども、あまり金がかかり過ぎるようであったらやらないということになるのか、工事の点でもって技術的に可能であるという見きわめがつけば、多少金がかかっても何とかしてやろうという考え方なのであるか、一体どちらなのか、その点お伺いしたいと思います。

岡本悟運輸省鉄道監督局長

○政府委員(岡本悟君) 国鉄が本年の五月から試掘の縦坑を掘ろうと考えておりますのは、主として地質の本格的な調査をやろうというためのものでありまして、もちろんそういった試掘坑を掘りますのは、青函トンネルを掘るということの前提の作業としてやるわけでございます。したがいまして、この地質調査をやりまして、なかなか技術的に確信が持てないということになりますと、あるいはやらないということも結果としては出て参るかと存じますけれども、やることの前提で、しかも、技術的に確信を得るための地質調査であるという、いわば前向きの本格的な調査であるというようにわれわれは了解しております。しかし、もちろんこれを建設公団がやるかということになりますと、御承知のように、この青函トンネルは鉄道敷設法の別表予定線になっておりまして、これは鉄道建設公団がやります場合には、運輸大臣のきめます基本計画のうちに、いよいよ着工ということで入ってこなければならないものでございます。その場合に、鉄道建設審議会の御意見を拝聴することになっておりまして、鉄道建設審議会のほうで着工すべしというふうな御意見があれば、運輸大臣としては、基本計画のうちに着上線として取り上げるということになりますので、その場合には、鉄道建設公団がその建設を引き受けるということに相なります。しかし、仰せのように、確かに国家的にも大問題でございまして、鉄道建設審議会がその着工をせられるかどうかということにつきましては、おきめになる場合には諸般の事情を十分御検討なさるものとわれわれは当然想像いたしておるのでございまして、北海道の開発のテンポ、あるいは青函輸送能力、あるいはその出時における国の財政状態、いろいろ諸般の事情を勘案しておきめになることだと考えております。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 青函トンネルの場合はまだ試掘の段階を出ないのだと、それにもかかわらず、北海道の知事が「青函トンネルの着工を祝う」といったようなビラを作ったり、アドバルーンを上げるというようなことで知事選挙に利用しようとしておるといったような話も聞きました。まことに私は現実の御答弁とにらみ合わせて対照してみますると、遺憾なことだと思うのです。で、ほんとうに青函トンネルを前向きの姿勢でもって何とかしてやろうという意欲があるならば、このトンネルだけを作ったが、さて、そこにつながるところの鉄道は、相変わらず東北本線であり、現在の函館本線であるというふうなことになれば、ちょっと片手落ちのような気がするわけであります。そこで、さっきの山陽新幹線と関連をして、青函トンネルもできるならば、将来の構想としては、北海道から九州まで、少なくとも広軌の新幹線によって連絡するというくらいの構想があってしかるべきではないかということをお伺いをしたわけであります。別に私は言葉じりをとらえて、そういう計画が先走っているからけしからぬとか、あるいは計画もないのに、やたらに構想を発表するのはけしからぬといって、そのあげ足をとるつもりで言ったわけではない、財政上の負担ができるかどうかということを別にしても、交通政策としての構想は、それくらいの構想があってもいいのではないかということでお聞きをしたわけであります。で、まあこの問題については、この程度にいたしましてですね、最後に、労働問題についてお伺いしたいと思います。  すでにこれまた各種の委員会なり、あるいはまた分科会等でも論ぜられておりますから、重複するようなことは避けたいと思っておりますが、現在の労使間において、紛争の種になっておる賃金問題が仲裁にかかったという状態であります。しかし、いつもいつも最後のきめ手を仲裁委員会に求めるということは、まことに芸のない話だと思うのです。できれば、これは労使の団体交渉できめていくというのが私は筋だろうと思う。それが今日まで一回もなされておらないというのは、調停委員会にかけて、調停委員会が結論を出してみたところで、それがまともに尊重されていなかったという過去の実績があるということが一つと、それから現在の国鉄の当局側に、賃金問題について、みずからの責任において回答を出して、妥結するだけの能力がないから、常に仲裁裁定といったような筋道をたどるのじゃないかと思うのです。だからこれは労働問題を解決するためには、予算的に、財政的に国鉄がある程度の自主性を持たなければ、調停だとか、あるいは仲裁であるとか、手続ばかりをややこしくしても意味がないというふうに考えられるのでありますけれども、その点について、総裁は、どのようにお考えになっておられるか、お聞かせ願いたいと思います。

十河信二日本国有鉄道総裁

○説明員(十河信二君) 私は、お話のとおり、でき得る限り労使面当局間で、円満に、平和裡に話し合いをして解決をいたしたいと、こう考えて今日まで努力して参ったのでございます。最近もそういうように努力をして参りましたが、なかなか意見が合いません。それで調停委員会にお願いをしたのでありますけれども、さらにまた、調停委員会で話し合いをすることもむだだということですか、組合のほうで仲裁裁定にかけたい、同意しろという申請もあって、それに同意することにいたしたと記憶いたしております。間違っていたら、ここに当局の河村理事かおりますから訂正していただきますか、私は、さように記憶いたしております。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 私は、今懸案になっておるたくさんの問題について、事こまかに、ここで蒸し返して論議をしようとは思っておりません。時間がかかることですから、さっき論議されていることを、もう一度引き合いに出してみても、まあつまらぬと思いますので、それを申し上げようとは思いませんけれども、現在の労使の間でもって問題を解決する方法ということが、私は一番問題になると思うのであります。  今までのような、やり方でいくと、労使間で話し合いがつくというのは、組合側が、予算でもってきめられた人件費、そこから割り出された賃金、あるいは手当といったものに対して、了承をするという形でなければ、労使間の円満な解決というものはあり得ないように思う。これはもし、そうでないというならば、これはおっしゃっていただきたいと思う。労使間で話し合いがまとまるというのは、それ以外にないでしょう。労使間で話し合いがまとまるというのは、総裁は総裁の責任と立場において、組合は組合の自主的な立場において交渉を行なって、そうして話し合いがまとまるというのが一番望ましい。ところが、現在では、予算のワクでもって、人件費は大体きめられる、そのワクをはみ出るわけにはいかない。手当でも同じだ。そうすると、総裁であるとか、当局側の団体交渉の当事者を相手にして団体交渉をやってみても、まことにそらぞらしいことになる。だから最後的には組合側は、大臣、あるいは官房長官等と話をして、そうして解決のめどを何とかつけようということになってしまう。  それでは調停、仲裁制度などというものは、きめてみたところで意味をなさないのじゃないかという気がするわけであります。これは単なるごまかしに過ぎない、そういうごまかしの手続きを置いておいて、ただ漫然と、同じように団体交渉を形だけ繰り返していくということは、まことにつまらんことだと思うから、今後の労働問題としては、労使の間でもって話し合いができて、そこで妥結ができるように、今までそれができなかった隘路が那辺にあるかということを十分に検討して、労使問題解決のために、新しい道を切り開くというお気持がおありになるかどうか、その点を私は総裁にお尋ねしたいと思うのであります。

十河信二日本国有鉄道総裁

○説明員(十河信二君) 私どもは、先ほども申し上げましたように、できる限り労使両当事者の間で、話し合いによって円満に妥結したい、こう考えて努力してきたのであります。  しかしながら、予算を超過するような場合になりますと、私ども当事者だけで話し合いをきめましても、これは政府の承認を得、国へ御承認を得なければならぬ。これはそういう制度になっておると思います。それば、どうもやむを得ないのじゃないかと考えております。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 結局、そうすると、総裁の立場というものは、理事の立場、あるいは団体交渉に当たる職員局長の立場と、ちっとも変わりがないということになっちゃう。それでは私は、せっかく総裁というものがあっても、これはどうも団体交渉といっても、名目だけになってしまって、つまらんというように考えるから、今までのそういったような点を、毎年同じことを繰り返していないで、少しスタイルを変えて、その団体交渉に自主性を持たせるという気がないのかどうかということをお尋ねをしたわけです。  しかし、現行の法の中で、現行の機構の中でやっていこうということになれば、型どおりのお答えしか得られないと思うわけです。そこで型どおりの答えだけで済んでいる間はいいですよ。しかし、今日、所得倍増計画というものが、いろいろの影響を及ぼして、物価のほうがどんどん先行する。池田総理が何とお答えになろうと、物価の、消費者物価の上がり方というものは、かなりこれは上回って先走っているわけであります。だから、どうしても賃金問題についても、深刻な賃上げ要求が出てくる、それにこたえない場合には、先ほども、ちょっと予算委員会で私申しましたけれども、人材が集まらなくなってしまう。みんな給料の高い民間のほうに流れていってしまう、こういうことになると思うのです。そうすると、国鉄のように仕事の量がふえて、しかも、この仕事の内容が複雑で、まかり間違えば、三河島事件のような大きな事故を引き起こす可能性のある個所には、安い給料で来ようという人間がいなくなってしまうということは間然だろうと思う。今やそういうふうな危険な傾向が現われてきておるということなんですね。そういう傾向がなければいいですよ。しかし、初任給等も安い。それから、できればもっと労働条件のいい、よごれない仕事で給料のいいところへいっちまおうという人間がふえてくれば、国鉄の輸送をあずかる立場として見れば、私は心配をしなければならぬだろうと思う。そういう心配がないというふうに言い切れるのならいいですけれども、私はそういう心配は多分にある、こういうふうに思う。だからその辺について、やはり思い切ってこの待遇というものも、世間に劣らないような待遇を保証し、労働条件等についても、やたらと酷使をするということだけじゃなくて、人間としてまあ張り合いのある生活ができる程度の労働条件を確保していくという考え方がなければならぬと思う。その点についての親心というものが総裁におありになるかどうか、そういう親心がおありになるならば、現在のあらゆる障害というものを何とか打開をして、その四十何方という職員に希望を持たせるというような意気込みを持っておられるかどうかということをひとつお伺いしたいと思うのであります。

十河信二日本国有鉄道総裁

○説明員(十河信二君) この問題は、ひとり労働問題、人件費だけの問題でないので、三公社五現業というものが一様にそういう制度になっておりますので、公社のあり方を民間の会社と同様にもっと自主性を与うべきであるという意見もありまして、そういう点につきましてどうすればいいかということは、先ほど大臣からお話のありました公共性と企業性の問題とも深い関係にあります。そういうふうな問題は、私どもとしても今問題として、この前も予算委員会でお話をしたかと思いますが、部外の方々にも御参加を願いまして、諮問委員会で今検討してもらっておるのであります。これはひとり人件費の問題だけでなく、もっと公社に門主性を与うべきじゃないか、予算制度等においても改善をすべきじゃないかということが、今回までもたびたびいろいろな審議会でも問題になりまして、議論せられたところでありまするが、まあ現在のところは従来のままになっております。これは相当大きな問題でありますから、ここで私が今どうしたらいいということを申し上げかねると思います。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 最後に、これは定年制の問題と昇給の問題等にちょっと触れてみたいと思います。  国鉄では、たとえば駅長なんかは五十五になると、みんな一様にやめさせられるようになっております。しかし、五十五になると一斉にやめてしまうといったような実質的な停年制がはたして妥当であるかという点について、ちょっと私は疑問を持ったことがある。それはなぜかというと、ある駅長が、五十五になったから来年三月やめるのだ、こういうことになると、人によって違うかもしらぬけれども、まあ来年三月まで何とか大過なく過ごせばいいと、こういう気持になっちまって、あんまり身を入れて仕事をしない。で、まあマージャンでもやって、そうして無下に何とか年月を過ごそう、こういう根性になっちまうのがいるという話を私は聞いたんです。だれということを私は言いませんけれども、そういうようなことでは働く意欲がなくなっちまって、かえってよくないんじゃないかという気がするんです。だから、やる気のある人間、肉体的にも精神的にも仕事のできる人間、仕事に情熱を持っている人間ならば、五十五才というところで区切らずに、五十六でも五十七でも五十八でも、総裁なんか七十幾つなんですからね。外国の鉄道なんかでも六十幾つで働いておるのがおるということなんですから、そういうふうに定年を少し延ばして、仕事に張り合いを持たせるというようなことは考えられないものかどうかということなんです。それと、そういうふうに、たとえば駅長等で、やる気がなくなってしまったような人間が、仕事よりもマージャンのほうに熱を入れるようになっちまってから、そういう人間が今度は自分の部下の成績を見て、そうしてその昇給に差をつけるといったようなことになって、はたしてその部下の掌握が仕事の面でうまくできるかどうかということは疑問だと私は思うのです。これは労使関係の問題で、私はきょうは省略いたしましたけれども、国鉄の昇給制度というものは、一生懸命に仕事をした人間、夢中になって働いた人間に対してはよけいやるというふうなシステムじゃない。どんなに一生懸命やったって、これはもともとなんです。で、まかり間違えば、これはばっさり首切られてしまう。ちょっと間違って事故を起せば首を切られてしまう。あとの保証はない、こういう状態なんです。だから、この昇給制度のあり方は、今当局が考えておるのは、資格があっても全部昇給させないで、現場長のにらみをきかしておいて、中には落っことされるという率を作っておいて、そうしてにらみをきかしていこうというやり方なんです。しかし、そういうことではなくて、一生懸命やった者に対してはそれだけの報いがあるという形にする。しかし、別に過失もなくて、きちんと仕事をやった者に対しては、少なくとも人並みの昇給の保証はしていくということにしなければ、これは労務管理のあり方としては私は前向きじゃない、こういう気がするのでありますが、だから、昇給の問題とこの定年の問題ですね、これについて現行でよろしいというふうにお考えになっているのかどうか。少しは前向きでもって、この業務に対して、五十五になっても張り合いを持って仕事ができるような労務管理の方法が考えられないものかどうか、その点についてお伺いしたいと思います。

十河信二日本国有鉄道総裁

○説明員(十河信二君) 私は、自分が老人だから、定年制を延ばすという意見に賛成するわけじゃありませんが、今制度上定年制はないが、実質上、ある定年制を延ばしたらどうかということは、前々から世の中の人の寿命がだんだん延びてきているから、それをいつまでも五十五ということにきめておくことはよろしくないのじゃないかということで、特別の委員会を設けまして、部外の権威者にも御参加を願っていろいろ検討していただいたのであります。また、給与の制度につきましても、これも同様に非常にむずかしい問題でありまして、いろいろな制度に一利一害があって、なかなか容易に決定ができませんで、それで私どもとしても、自分分たちだけで、内輪だけで決定することはよろしくないから、広く権威者の御意見を伺ってきめようじゃないかということで御相談をいたしたのでありますが、定年制の問題については、定年制を延ばすということは大体皆さん御賛成のようでありますが、ところが、しからばどうしたらいいかということになりますと、これなかなか問題が多くて、どうしたらいいかわからぬということで、御答申が得られなかった。少し違うかもしれませんが、大筋はそういうことなんです。それから、国鉄の業績を上げますためには、どうしても各人の業績を見て、そうしてその責任や勤労に対する適正な報酬を与えることがいいということで、これも職長の制度がよかろうということになって、一応そういう意見になっておるのでありますが、さて、現在の状態をどう変えていくかということになりますと、これは非常にむずかしい問題で、今日いまだよう決定しないでおるのであります。九五%の話が、前々からだいぶ広い範囲で、当局の業績判断でもって昇給率をきめておったのでありますが、組合との話し合いでだんだん範囲を狭くして、今お話のようないろいろな弊害があるというふうな組合側の主張も入れて、そうして、もうこれがぎりぎりだということで九五%昇給ということにただいま落ちついておるような次第でございます。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 私が申し上げたことは、決してむちゃなことは言ってないつもりなんです、これは。五十五才になっても、一生懸命に何とか知恵をしぼって、体を使って、そして仕事をしたいと、こういう人間に対しては、五十五になったからおまえやめなさい、こう言ってほうり出すんじゃなくて、もう少し仕事をさせる、こういう道を開いたらどうかということであって、このことは私はけしからぬと言われることは少しもないと思う。  それから、昇給の問題について申し上げると、現行のように、必ずおっこちる人間をこさえろといて、その現場の長の判断でもって、資格はあっても落とされる。だから、駅長なら駅長のきげんをとっとかなきやならない。マージャンの好きな駅長だったら、マージャンのお相手をしてゴマすりをやっとかなきゃ落とされる、こういうふうなやり方ではいかぬということを組合は言っておるわけなんです。そういうおそれがあるからいかぬということを言ってるわけです。だれが一体判定をするか、判定のしずらい問題だってたくさんある、これは。たとえば車掌なんかに例をとれば、何百人と車掌がおって、これが常に東京から大阪へ行ったり青森へ行ったり、回転をしている。一人々々の車掌のそばを監督者がかついて歩くわけにいかないわけなんです。そういうように甲乙つけがたいという場合でも、無理に甲乙をつけてだれかを落とさなきゃならぬ、こういうようなシステムはいかぬということを組合は言っているわけです。私もその点は同調したいと思うのであります。いわんや、そのことが逆に、今度は組合の、たとえば第二組合を作るといったようなことに悪用されるといったことではいかぬと思うから、昇給問題等についても、組合側の意見というものも、真意を曲解しないで、私は十分に聞き入れて交渉に当たってもらいたいということを言いたかったわけなんです。定年の問題と、この昇給の問題については、どうも今までのようなやり方でいくと、どうしても働く人間が萎縮をしてしまって、積極的に全知全能を傾けて仕事に、取り組むという情熱を失うのではないかということを私はおそれるから、それで単に職制にへつらうということではなくて、自発的に一生懸命に仕事に精を出すような気持になるようなやり方をしたらどうかということを私言いたかった。なかなか定年制の問題についても、考えてみるとむずかしくて、どうやっていいかわからぬということでありましたけれども、それではどうも私も答弁としてはもの足りないわけなんです。だからこういう場合には、やはり思い切ってよかろうと思ったことをやってみるという勇気が私必要じゃないかと思う。総裁や大臣というものは、こまかいことを一々知らなくたって、そういう肝心な問題で決断をふるうのが私は責任当の立場じゃないかと思うのです。だから、作戦要務令にもこういうのは書いてあったのですけれども、遅疑するとなさざるとは指揮官の最も戒むベきところというようなことがあった。どうも総裁の答弁を聞いていると、あれこれ考えてみたけれども、遅疑をしてなさざるというところに落ちついてしまうという気がいたしますが、この点はもう少し勇気を持って、前向きの姿勢でもって労働問題を御するという考えがおありにならないかどうかという点について、いま一度お伺いしたいと思います。

十河信二日本国有鉄道総裁

○説明員(十河信二君) 私は、大いに前向きのつもりで蛮力を、ふるうてやっておるつもりなんですが、少しふるい過ぎると言われるのが世間の定評であって、恐縮しておるのであります。今お話のような定年制につきましても、一生懸命にやっておるにかかわらず、自分は消極的なほうだというような声も聞こえますが、また、私どもには、あんなに遊んでいても、あんなに成績が上がらなくても昇給するなら、おれたちもそう勉強することはないと、こういったような声もあがるのでありまして、先ほど申し上げましたように、一つの制度には一利一害があって、いろいろな利害が伴うもの、また、いろいろな判断が必要なのであります。大体その経営の責任を持たされておる長が、職長なら職長がいろいろな情勢を総合して判断して、そうしてきめるのが、私はこれは経営者の責務じゃないかと、こう考えております。今後もできるだけ前向きで、どうすれば理想的の給与制度になるかということを大いに勉強いたして、研究したいと思っております。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 最後に、総裁の答弁は、お答えは前向きだけれども、実質的には、今までの業績は必ずしも前向きになっていないという気がするのであります。そこで、私が申し上げたような趣旨については、決して横車を押したり無理なことを言ったりはございませんから、ひとつ十分におくみ取りいただきたいと思います。  最後に、この週刊新潮という雑誌に載っておったのでありますけれども、「十河国鉄総裁の後任」と、これは不愉快な話でありましょうけれども、こういう記事が載っております。私は、この人事問題について、おもしろがって言うわけではないのですけれども、この中にいろいろなことが書いてありますけれども、十河総裁という人は利権を、受けつけない人間だった、だから、その利権を受けられるような総裁でなければ後任のたまが見つからないのだというふうな印象を与える記事がここに書いてある。このことは週刊誌のおもしろずくの記事としては、こんな記事が載っておってもかまいませんけれども、事、日本の動脈を預かる国鉄の最高の責任者の問題であって、あたかも国鉄というところは五千億の収入があって、「一回おジギをすれば一億円」といったようなことが書いてある。たから、こういうような取りざたをされる場所なんでありますから、利権がまつわるというふうな印象を世間に与えることは私はよくない。その意味では、新幹線やら何やら、青函トンネルやら、金のかかることばっかりなんでありますから、その点で、はたしてこれらの人事問題等にからんで、利権の妙だ影のささないようなことが今後行なえるのかどうか。また、この人事問題等にからんで、そのような妙な週刊誌から、おもしろづくでもって書かれることのないようにするためには、大臣としても相当考えてもらわなければならぬと思う。その点について私は特に、これは総裁の人事といったようなことは影響の大きいことですから、直接その問題には触れませんけれども、国鉄の今後の問題、利権といったようなことは絶対に経営のあり方の中からうわさを起こさせたいといったような監督上の責任について運輸大臣の所信をひとつ承りたいと思います。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(綾部健太郎君) 私は相手が総裁であろうと、いやしくも公務員たる者は、厳にさようなることのないようにすることが必然であり、また現在国鉄におきましては、何万人もおりますから、たまに不謹慎なことをして、国民に迷惑をかけることがあることをはなはだ遺憾と思っております。しかし全体的に申しまして、私は実に、国鉄はよくやっておると考えております。私は就任にあたりまして、良識と勇気に訴えて、そうして自分の信ずることを早くやって、国民に迷惑をかけるな、許認可につきましても、長くおいておくから、こうしたら許してもらえぬだろうか、あるいは賄賂をせなければいかぬだろうということを考える余地を与えるから、責任は全部自分が持つから、さようなことがございませんように、勇気をもって事に処するように、これは運輸省の職員はもちろん、広く監督しておる国鉄に対しても、同様の考え方をもって監督の責めに任じておるつもりでございます、  私は、しこうして今日国鉄には、さっき申しましたように、一部に、そういうことがありましたことは、はなはだ遺憾でございますが、根本の考え方といたしましては、瀬谷委員の申されましたように、そういうことのないようにすることに努力いたしておるつもりでございますし、また今後も、さらにそう努力いたしたいと考えております。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 この週刊誌の取り上げ方は、総裁が「利権をうけつけなかったための退陣ならば」というタイトルがついておる。そうすると利権を受け付けなかったために今度は総裁は退陣する、それじゃあとから来る人は、利権を受け付けて就任をするんじゃないかという疑惑を持たれては、これはまことにまずいという気がいたします。だから、監督上の責任者として、これらのおかしなうわさを起こさせないように、これは事は、自民党内部の問題でありますから、大臣からちゃんとした言葉を、お約束を、ここで取りつけていただきたいというのが私が質問をした真意でございます。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(綾部健太郎君) もちろん私は、さような利権を取りつけるような、利権を呼ぶような人の来ることには、私の力の許す限り反対いたしまして、現総裁のようなりっぱな人を選ぶようにいたしたいと思っております。

浅井亨公明会

○浅井亨君 ちょっと観光政策について御質問申し上げたいと思うのでございますが、国内においても、また外国からも非常な観光客が参りまして、外貨獲得の上から言っても、これは非常に推進しなければならない問題だと、こういうふうに思うわけですが、そういうことに対しまして、今観光協会並びに当局において、どういうふうな方策を立てておられるのですか、また、今後どういうふうにやっていこうというおつもりがあるのですか、これをまずお伺いしたいと、こう思うのです。

梶本保邦運輸省観光局長

○政府委員(梶本保邦君) 日本観光協会というのがございますが、これは日本観光協会法に基づいてできております特殊法人でございます。この特殊法人が政府の代行機関といたしまして一手に海外活動宣伝をいたしておるわけでございまして、政府としましては、この観光協会に補助金を出し、かつまた出資をいたしておるような次第でございます。ただいま観光協会が在外に持っております事務所は十一ございます。ホノルル、サンフランシスコ、シカゴ、ダラス、ニューヨーク、トロント、シドニー、バンコック、フランクフルト、パリ、ロンドンの十一カ所でございます。来年度は香港と南米のサンパウロに事務所を設置することになっております。したがいまして合計十三になるわけでございますが、この十三という数字は、戦争前に日本が観光の海外宣伝機関として持っておりました数字と同じでございまして、ようやく戦荊の姿にまで返った、このようなことが言えると思うのでございます。来年度は四億八千八百万円というふうな補助金を出すことにいたしております。  そのほか諸外国では、もうつとに実施されておるのでございますが、来訪外客が、その国へ参りました場合に、総合的な案内をする場所、これが日本には絶無であったのでございます。こういったものをぜひとも日本としても作りたいというので、ようやく出資金一億が三十七年度の予算において認められました。昨年の十二月十七日から、有楽町で総合観光案内所として開設をいたしたわけでございまして、大体多い日で七、八十人、少ない日でも二、三十人、大体平均いたしまして三、四十人の来訪外客が、そこへ毎日相談に来ておる、そのような状況でございます。質問の内容はあらゆることに及んでおりまして、私どもが、その開設までに想像もしなかったことまで質問が行なわれておるというふうな状態でございます。来年度は京都とそれから羽田空港に分室を置きたい、かように考えております。その予算が五千万円計上されておるわけでございまして、そのうちの四千七百万円が京都の総合観光案内所、三百万円が羽田空港における分室と、かようになっておるわけでございまして、一応東京と京都と、それから東京の分室の羽田、これだけを設置いたしまして、オリンピック態勢を整えたい、かように考えておるわけでございます。

浅井亨公明会

○浅井亨君 今の御説明で、大体概略全部お話になったようでございますけれども、海外からわが国に参ります人種別を見ますと、アメリカが五七%、ヨーロッパが一三・五%、それからアジアとか豪州とか、ほかを含めて二〇%と、こういう統計がいろいろ報告されておるわけでございますけれども、ヨーロッパは非常にアメリカから比べれば少ないし、オーストラリア地区というようなことになると、その他という中に入ってしまうのですが、こういう方面に対してのPRは、どういうふうにやっておられますか。

梶本保邦運輸省観光局長

○政府委員(梶本保邦君) 来訪外客の国籍別の流れというものは、今度の戦争を境にして大きく変化いたしております。戦前、昭和十一年を例にとりますと、一番大きかったのはお隣の中国からの来訪客でございます。アメリカは非常に少なかったわけでございます。それが今度の戦争を境にいたしまして、そのパーセンテージが逆になりまして、現在アメリカは、日本へやって参ります来訪外人の約半分である。それから、お隣の中国等が非常に少なくなりまして、大体太平洋アジア地域におきましては、ただいま御指摘のとおり二割七分――二七%という数字を示しております。ヨーロッパのほうは、さらにそれよりも落ちまして約一割六分という数字でございます。われわれといたしましては、やはり観光客の送り出し市場としましては、世界においてアメリカとヨーロッパというのが、今日の国際観光業界の通説になっております。したがいまして、将来はもっともっとヨーロッパに対して、われわれの力を入れていかなければならぬ、かようにも考えております。  それからまた、この隣接する東洋を中心としまして、いわば東亜における観光圏、国際観光圏というものを確立していくと、これが今後の私どもの進むべき道であると、かように考えておるわけでございます。

浅井亨公明会

○浅井亨君 向こうからおいでになる、その率はわかりましたけれども、日本は世界に冠たる非常なきれいな国だと。いわゆる四季に分かれておりまして、非常に風光明媚、だということは、これは定評でございます。そういうことに関しまして、四季に関して、どのような程度でおいでになって、また、そういうことに対して、どのような方法を講じられているか、そういうことについてお話し願いたい。

梶本保邦運輸省観光局長

○政府委員(梶本保邦君) 来訪する外客の延べ宿泊日数という統計をとってみたのでございます。一体、どの地方に一番多く行っておるかと申しますと、日光、東京、箱根、熱海、名古屋、大阪、京都、奈良、この地域が八割五分を占めております。したがいまして、残りの一割五分というのが北海道とか四国とか九州とか北陸地方、これが現在の来訪外家のいわば宿泊しておる統計の実績でございます。  一方、わが国への来訪外客の滞在日数というものは、どうなっておるかと申しますと、これは残念ながら数年来、漸減の傾向にございます。つまり、減ってきつつあるわけでございます。私どもとすれば、一日でも、日本へ来られました来訪外客というものを日本に一日でも長くおっていただきたい。それがためには北海道でも九州でも四国でも、とにかく足を伸ばして、そして日本というものを見ていただくのだと、こういう態度がなければならないと思うのでございます。それには国際観光ルートというものを、日本のすみずみにまで開拓していくと、これが一つの問題であると、かように考えております。  それから、もう一つの問題は、やはり、シーズンとシーズン・オフとの差が非常に多い。まあ高いところと低いところとの差が、あまりにも多いのでございまして、大体四月が一番多うございまして、その次が十月、こういうことになっております。そしてまあ一月とか十二月というようなところが、大体一番少ない、このような時期になっております。したがいまして、この一番のシーズンとシーズン・オフとの間を、どのようにならしていくか。それにはどのような政策を立てればいいかということが、一つの私どもの問題になるわけでございます。先般も、急に東京のホテルのお客がふえたんでございます。なぜそんなにふえたのか、国際会議があるわけじゃなし、といって調べてみましたら、東京に雪が降っている。この雪の降った、千代田城の雪というのは、世界三大名所の一つになっておるそうでございまして、寡聞にしてあとの二つは聞き漏らしたのでございますけれども、とにかく東京に雪が降ったと、千代田城の雪というのは、今でなければ見られぬということで、はるばるフィリピンあたりから飛んできたというような話を私現実に、なまなましい事例として最近聞いたわけでございまして、こういったことが、やはり一つの私どもとすれば、日本には四季とりどりの、北は北海道から南は九州まで、暖いところから寒いところまで、ずっとまたがっておるのだと、一ぺんおいでになると、すべてが味わえるのだというような宣伝を、単なる富士山、芸者ガールというような宣伝から脱却した観光の宣伝のあり力というものを考えていかなければならぬのじゃないか、かように考えておるわけでございます。

浅井亨公明会

○浅井亨君 今のお話でわかるのでございますけれども、特に関西方面とか東京を中心にして、大体来るわけだと思いますが、こういう外客に対しまして、何を目的でおいでになるか、そういうことを調査したことはありますか。

梶本保邦運輸省観光局長

○政府委員(梶本保邦君) 実はおいでになる方に対しまして、その目的を一伺いますことは、ある意味におきまして非常に不愉快な感じを与えるもんでございますから、一応私どものほうは、入国管理庁のほうと連絡をとりまして、このビザの、つまり旅券の日数によりまして、大体このくらいの方ならば観光客、このくらいの方ならば滞在客とか商用客というふうな一応の推定をいたしたものもございます。それからまた、ときには何と申しますか、抽出方法で、特定の飛行機に乗っておいでになりました場合に、全部についてではもちろんございませんけれども、お聞きするというふうなことをいたしておるわけでございまして、観光客はやはり依然、来訪外客の中では伸び率が高うございます。つまり、日本というものが、依然として世界の観光業界の間においては、一つの魅力ある存在になっているということを私ども承知いたしておるわけでございます。

浅井亨公明会

○浅井亨君 先ほどもお話がありましたが、日光とか、こういう一つの部面部面について、そういうところが非常に多いということでございますけれども、いろいろな雑誌とか何かのところを見ますと、その統計もある程度出ておりますし、またその希望とか、また、おいでになった方々の考えられたことについてのことも記録されております。そういう点からいたしますと、やはり京都とか奈良とかというような方面が、大体観光官の最も興味深いものであるというような感じがするわけでございますが、近ごろ、そういうところが俗化してきて非常にきたない感じがしかけたといわゆる二度、三度くらい来る人は、そういうような考え方を持って帰る人があるわけなんですが、そういうことについて、どういうふうなことをお考えになっているのですか、どうですか、それをお願いしたい。

梶本保邦運輸省観光局長

○政府委員(梶本保邦君) これは国鉄のつばめに乗られた方、それから東武電車のH光行きの特急に乗られました方、こういう方々を対象にいたしまして、日本観光協会のほうで一々アンケートをとったものがあるわけでございます。日本に対する希望、観光客として何を感じたかということをとったものをまとめたものがございます。全部を申し上げますることは非常にお時間を頂載して恐縮でございますが、とにかくまず、一番多い苦情と申しますか、批判は、便所がきたない、道路が悪い、それから観光地等において、英文の標識がちっとも見当たらないじゃないか、それから駅等においても、言葉が通じなくて困る、それから汽車の切符が買えない、それから列車の中がきたない、それからホテル、レストラン、キャバレー等の料金が高いというふうなことが比較的苦情の多いパーセンテージになっておるようでございます。したがいまして、私どもとすれば、何とかしてせっかく日本へ来られたのでございますから、いい気持で日本を去っていただきたい、かように考えるわけでございまして、来年度初めて予算をいただいたのでございますが、お手元に、先ほど大臣が読まれました中にもございますが、国際観光施設についての整備の補助、地方公共団体に対する補助金といたしまして三千万円を計上いたしております。この国際観光施設と申しますと、いかにも何だか、もっともらしく聞こえるのでございますけれども、内容は有料便所に対しまして、都道府県が作られますものに補助金を出す、これか十九カ所で二千八百五十万円、一カ所百五十万円の補助金になっております。それから面五十万円は英文の案内地図板を観光地に設けるというようなことで、初めて予算が立ちましたわけでございまして、これはガイドを連れて旅行するという旅行形態から、自分一人だけで旅行するという旅行形態かだんだん多くなりつつございますので、そういった案内地図板だとか、掲示板だとか、そういったガイド・ブックというふうなものが、ますます必要になってくるのじゃないか、かように考えておるわけでございまして、そういった点から、今まで観光の盲点でございました点につきまして、私どもとすれば、及ばずながら前向きの姿勢で努力をいたしておるわけでございます。

浅井亨公明会

○浅井亨君 そういう地域が、今のお話と違いまして、俗化されていくという姿があるわけなんです。そういう陰に一部業者の利益のために、そこなわれていくというようなことはないでしょうか、どうでしょうか。

梶本保邦運輸省観光局長

○政府委員(梶本保邦君) まことに私自身もそのような、ただいまお話と同じような、実は残念ながら気持を持っておるわけでございまして、観光地といえば健全な家族旅行をしようとしましても、特にまた、自分のうちに年ごろの娘でもおりますと、そういった娘を連れて旅行する場合に、おやじのほうが顔を赤らめなければならぬというふうな観光地というものが、れいれいしく観光地などといって羽ぶりをきかしておるようじゃ日本の観光も困ったものだと私考えておるわけでございまして、やはり観光という面には、量の面と質の面で、それぞれ異なった目的というものがあっていいのじゃないか。そういった意味から、この観光地というものを、その目的に応じて全国的に通切に配置をする、これが一つの解決の方法じゃないか、かように考えております。  と申しますことは、団体旅行であれば団体旅行に向くような観光地があっていい、また家族向きならば家族向きで、そのようにこしらえられた、形成された観光地というものがあってもいいじゃないか、またスキーだとか、スケートだとか、そういうようなスポーツを目的とするような観光地、それは、そういったようなも一のも、またそれなりにあってもいいじゃないかというふうに、かように考えておるわけでありまして、そのような意味から、日本の観光地をながめますと、まことに何もかも一緒くたになったような状態でございまして、これはもう、今の組織では残念なことでございますけれども、運輸省だけでも、いかんともしかたいような面も機構の上からございますので、できるだけそういったことは、運輸省としましては機会あるごとに、そういったことのPRなり解決策について努力をいたしておるつもりでございます。

浅井亨公明会

○浅井亨君 特に、もう来年ですか、再来年ですか、オリンピックも催されることでございますし、そういう面に対しまして、こういう予算を見ますと、いかにもきっちりしているように思うのですけれども、これで外国人がほんとうにオリンピックのついでというわけですが、非常に満足した、喜んで外人を故国に送り帰すことができるような方法が、これでできるかどうかということですね。これははっきりして、ひとつお伺いしたい。

梶本保邦運輸省観光局長

○政府委員(梶本保邦君) これだけの予算で、オリンピックを控えて十分であるかというふうにお尋ねになりますと、これは私どもとしても、必ずしも十分ではないとお答え申し上げなければならないのでございますけれども、とにかく私どもとしてうれしいことは、最近特に観光というものについて、皆さんが御関心を持って下さいまして、今までは物見遊山かというふうにお考えになっておられました観光というものが、産業として観念されるようになってきた、それがおいおいと少ないながらも予算が増加して参った理由じゃないかと、かように考えまして、観光行政の当事者としましては喜んでおるわけでございます。

浅井亨公明会

○浅井亨君 それでは、受け入れ態勢としての具体的政策はちゃんとあるのですか。

梶本保邦運輸省観光局長

○政府委員(梶本保邦君) 受け入れ態勢で、特に来年度のオリンピックを中心に考えますと、やはり一番の問題は宿泊施設でございます。これはホテル、旅館、それから、それだけではとても足りませんので、東京近辺を重点的にユース・ホステルを整備する。これは公営のユース・ホステルに対しまして、運輸省のほうが補助金を出すというふうなシステムで、公営ユース・ホステルが運営されておるわけでございますけれども、これをオリンピックを目標にいたしまして東京近辺に千ベッドにする。現在四百七十ベッドございます。それをもう五百三十ベッド来年度予算でふやす、それで千ベッドにして、オリンピックのときに来訪外客に開放するというような気持でおるわけでございますけれども、いかんせん、それでもまだ、私ははっきり申し上げますと、宿泊施設は足りないと、かように考えておるわけでございまして、全く宿泊対策なのやら四苦八苦対策なのやら、わからないような状態でございまして、非常に頭の痛い問題でございます。

浅井亨公明会

○浅井亨君 今ほんとうに四苦八苦だろうと思いますが、何にしても外国人は、生活様式が違うのでございますので、この宿泊所の問題は、特に気をつけなければならないと思います。その設備が非常に悪いとも聞きますし、また今までのは、料金も高い、設備も悪い、こういうように聞いておるわけですが、こういう点は、よく御了解の上に進んでおられるんだと思うのですが、どうですか。

梶本保邦運輸省観光局長

○政府委員(梶本保邦君) 日本のホテルの料金が商いというのは、まことに残念ながら世界の通説のような、観光客での間の通り相場になっておりますことは非常に残念に思うわけでございます。もちろん原因は金利が高いということやら、あるいはまた建設費が諸外国と比べて向くつくこと、あるいはまた、土地代というものか非常に高いとか、いろいろのことがあろうかと思いますが、現実にホテルの料金の高いということは、これは否定できない事実だと私は考えております。  それで御承知のとおり、昨年第四十国会におきましてホテル料金の規制をやろうじゃないかというふうなことで、登録ホテルと登録旅館につきましては、その料金をあらかじめ運輸大臣に届け出る、そして届け出られた料金というものが不当に高い場合には、運輸大臣が変更を命ずることができる、そして従わなかった場合には登録を取り消すべしとか、あるいはまた罰金を課するとかいうふうなことができるように国際観光ホテル整備法の一部改正を行なったわけでございまして、今までは、たとえば汽車の運賃でございますと十円上げるのでも、なかなかたいへんなんでございますけれども、ホテルは、三千円のものを一晩で五千円に上げましても、遺憾ながらこれをチェックする機関が今までなかったのでございます。そういうたことを運輸大臣ができるというような道を開くことによりまして、料金の規制を行なうというふうなことをひとつ乗り出したわけでございます。  それからもう一つは、これはどうして、も日本の観光の売り物にしたいと考えておりますことは、ノーチップ制の問題でございまして、これはあえて御説明申し上げますまでもなく、みんなチップの問題で観光客というのは、ひとしく頭を悩ます問題でございますか、この問題につきまして、運輸省としましてはノーチップ制というのを打ち出して、同時にまた、昨年の十二月一日から海外におきまして、オリンピック時のホテル、旅館の予約受付を開始いたしております。その十二月一日に予約受付を開始いたしましたときにも、諸外国に対しまして、日本はノーチップ制であるということを、同時に料金とともに掲示をいたしまして、その趣旨の徹底をはかっておるわけでございまして、及ばずながら、できるだけ日本の観光の魅力というものを増していきたい、また維持していきたい、かように考えておるわけでございます。

浅井亨公明会

○浅井亨君 観光のことについては最後のことですが、ガイドの問題で、これはどうでしょうか、その数は足りているでしょうか、また、そういうことに対する育成なんかは、どういうふうにおやりになっておるか、やはりオリンピックを控えたきょうですから、はっきりこれはしておきませんとたいへんだと、こういうふうに思うのですが、この点ひとつ。

梶本保邦運輸省観光局長

○政府委員(梶本保邦君) ただいまガイド試験は国家試験でございまして、八カ国語について、ただいま行なっております。現に来年度は五月の初めに運輸省のほうで試験を行なうことになっております。試験に合格されました方は、現在までの総合計でいきますと、二千人をこえております。三千人以上の合格者がありながら、現実にガイドとして稼働しておる人は、その四分の一にも満たない五百人足らずと、このような数字でございまして、それで私ども、これを、どのようにしていけばいいのか、非常にいろいろの対策に頭を悩しつつ考えておるわけでございます。国家試験でございますから、これをどなたがお受けになろうと、それを拒むわけにはもちろん参りません。その試験を通られますと、国家があの人は語学について非常な権威者と申しますか、実力があるということを一応オーソライズしたことにたるわけでございます。そうすると、こういった国家試験に合格したという一つの資格を持って、実はガイドにならないで、民間の商社などに非常に高い給料で就職されているというふうな実情が一面ございまして、何のことはない、一生懸命運輸省のほうで予算をいただいて国家試験を行なって、そういった人を民間の商社に送り出しておるというふうな実情もないわけではございません。こういった問題で、どのようにすればいいのか、つまりガイドというものが、一つのあっせん業者ならあっせん業者というものと、一年を通じて契約をするという形態ではなくして、先ほど先生から御指摘のございましたように、お客の来るときと来ないときとの差がはなはだしいものですから、一年じゅうを通じてガイドを自分のところの会社に契約を結んでおくということをいたしませんで、必要なときだけガイドを雇い入れるというふうなことをするものですから、勢い収入というものが不定になるわけでございまして、定まらない収入じゃ、どうしてもその職場に安定をしにくいというふうなことがございまして、それがガイド問題を大きな一つの問題としておるのではないかと思うわけでございまして、そういった面から、今後はやはりメスを入れていかなければならないんじゃないか、かように考えておるわけでございます。  それからオリンピックのときは、もちろん足りません。これは何と私がここでいいかげんなことを言おうとしましても、これは足りません。私は足らぬと思っております。それで、これはこのような方法を考えたらということでいたしておるのでございますが、たとえば英語のできる方は、腕章に英国の国旗のついた腕章を巻いていただく、ドイツ語のできる方は、ドイツの国旗のついた腕章を巻いていただく、フランス語にしてもスペイン語にしても、全部そのような方法をとる、その方は、腕章をつけたまま日常生活とちっとも変わらない生活をしていただく、私は英語ができますとか、ドイツ語ができますということで、町の辻々に立っているのでなくて、会社勤めもけっこうだし、役所勤めもけっこうです。学校の先生ももちろんけっこうです。もちろん日常の仕事をしていただきまして、たまたま通りかかった外人が、ああ、あの人はフランスの国旗のついた腕章を腕にしているから、フランス語ができるのだなというので、そこへ寄ってきて、たとえば東京駅はどちら、あるいは帝国ホテルは、どっちへ行ったらよいか、銀座へ行くのにはどっちへ行ったらいいかというふうな質問をすると、それにお答えをしていただくというふうなことで、とにかくガイドを職業とするのではございませんがとにかくそういったことで、ガイドの不足というものをオリンピックのときには、少ないのを何とかして、それでやっていけないだろうかというふうなことを、ただいま検討をいたしおるわけでございまして、決して普通の常套手段では、ガイド試験に通った人をオリンピックのときに、まんべんなく相手方の満足されるように配置することは、これは私は不可能だと思いますので、今まで申し上げましたような方法で、何とかして考えていきたい、かようにまあ検討を続けておるわけであります。

浅井亨公明会

○浅井亨君 先ほどからのお話で、大体様子はわかりましたが、やはり日本の観光ということは、特に今後すべての方面から推進しなければならぬと思います。そういう面に対しまして、当局といたしまして観光基本法とか、いろいろのものを設置して、そうしてその案に従って強力に進めていくというようなお考えがありましょうか、どうでしょうか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(綾部健太郎君) 私どもは観光が日本の国策上、今日においては非常に必要であるということを痛感いたしまして、政府提案ではございませんが、そういう観光浩本法のようなものをこしらえまして、観光事業に国民の関心を呼ぶようにせられんことを私どもは望んでおりしまして、さような場合があれば、私としては、観光行政を預っている運輸大臣としては、これに満腔の賛意を表するつもりでございます。

浅井亨公明会

○浅井亨君 次いで国鉄のほうに、また戻るわけですか、先日から委員会でもお聞きいたしましたし、何べんも聞くなとおっしゃるかもしれませんけれども、どうしてもやらなければならない仕事というものは、やはりやらなければ、ほんとうに国民の足というものが思うように運ばなかったならば、まことに混乱を来たすのじゃないかといり、そういう気持が強いわけで、ずっと考えておりますが、何としても国鉄は、この表日本といいますか、この東海道線のほうに重点が置かれて、北陸、いわゆる日本海――裏日本のほうには、あまり重点的でないというような感を深くするわけでございますので、これも貨物または旅客の量からいっても、これはいたし方ないとは思いますけれども、こういうことにつきまして、真剣にひとつ国鉄のほうでもお考えのことと思いますけれども、この東海道線におきまして、先日もお聞きいたしましたとおり、あの富士の駅でございますか、この進展状態、並びにその状況について、特に現地に行って御視察を願いたいとか、また現地からの要望もあることもいろいろお聞きになっているだろうと思いますが、それについても、よくとくと話し合っていただきたい、そういうふうにお願いしておったわけでございますが、その以後の進展状態をひとつお聞かせ願いたいと、こう思うわけです。

好井宏海日本国有鉄道建設局長

○説明員(好井宏海君) 工事の問題につきましては、目下岐阜工事局におきまして富士駅改良の問題について、さらに検討を進めております。一番問題点は、この前申し上げましたように、ルート変更ということがあり得るかどうかという問題でございまして、この問題については、非常に重大な問題でもあるので、まだ何とも申し上げられない。それで三十八年度の予算におきましては富士駅改良、富士駅の構内ということにつきまして重点を置いて工事を進めたい、輸送力の増強に資するようなことを先にやりまして、平面交差本、除却という問題につきましては、多少時間がかかるのではないかというようなことを考えておるわけでございます。

浅井亨公明会

○浅井亨君 先日も申し上げましたとおり、この改良問題、また路線問題につきましては、三十四年度から五カ年計画となっております。これは子供が数えてもわかりますが、三十八年度が完成のときでございます。今、この三十八年度の予算の説明の中にも、ちょうど新幹線の問題は三十四年に着工して、そして今年中にでき上がることになっておる。こういうことになりますと、予算というものを組まれて、そしてそれを実行するにあたりまして、片やできるし片やできない、その理由はどういうことですか。

好井宏海日本国有鉄道建設局長

○説明員(好井宏海君) これは理由は非常に地元側と設計、協議がまとまらないものですから――非常に過大なる要求を出されておるということが最大の理由でございます。

浅井亨公明会

○浅井亨君 それは、そういう理由をつけてしまえば簡単でございますが、では新幹線の問題であって、全部簡単にいかなかった問題がたくさんあると思うのです。土地の買収なんかは、新幹線にしても、それによって地価のせり上がりというようなことで、また追加しているようにしてやっておるようでございます。片方はできる、片方はできない、そこの点を聞きたい。

好井宏海日本国有鉄道建設局長

○説明員(好井宏海君) われわれとしては、やはり在来の土木工事の慣習といいますか、そういうものも、できるだけ忠実に履行したいということを考えておりますのと、それと富士駅改良というものにつきましては、計画当初から、急速に建設をするというふうな方針を持っておらなかったのでございまして、一番最初は、電車庫の移転というようなことから徐々に手をつけていくということで、まず第一にルートの選定にかかって、平面交差の問題を解決しようとはかったのでございますが、これが非常に難航した。で、電車庫の移転ということにつきましては、すでに路盤ができ上がっておりましたので、駅――輸送力の増強ということを先に取り上げざるを得なくなりまして、その点若干計画変更といいますか、そういうことが非常に手間取るとか、そういうような不手際が、いろいろ重なったということか、一番おくれた原因であろうと思いまして、そういうことしか、ちょっと申し上げられないのです。われわれとしても責任は痛感いたしております。

浅井亨公明会

○浅井亨君 今お言葉の中に、急速にやる気はなかったと、じゃ五カ年計画という五カ年というのは、どこから持っておいでになったんですか。五カ年の間にやる、それが五カ年計画です。まだ急速にやる気はないが五カ年計画というのはどういうわけですか、そういうところが私にはわからない。

好井宏海日本国有鉄道建設局長

○説明員(好井宏海君) これは通常の国鉄の改良工事と申し上げますのは、全体のプランを非常に大きく包括的に選びまして、その中から必要な事項ごとに区切りをつけてやっていくのか現在までの習慣でございます。富士駅改良で一番先要求しておったのは、電車魔の移転の問題でありますが、その問題を一番先にやったということでございます。

浅井亨公明会

○浅井亨君 それではその時点においては、そういうふうにお考えであったかもしれませんが、その以後の変化によりまして、次々と予算でも補正していくという工合で進められないんですかどうですか。

好井宏海日本国有鉄道建設局長

○説明員(好井宏海君) それは次期段階におきまして、やはり輸送力の増強というものが一番先へいくべきで、ある、しかもわれわれとして相当多額の金を預かっておりますので、富士駅改良というものを早急にしなければいかぬというふうに痛感いたしておりまして、そういう意味で、富士駅の輸送力増強工事をぜひ、多少おくればせでございますが、本年度に着工いたしたいというふうに考えております。

浅井亨公明会

○浅井亨君 今年度に着工したいというんですか今、今年度と聞きましたが。

好井宏海日本国有鉄道建設局長

○説明員(好井宏海君) 三十八年度でございます、失礼いたしました。

浅井亨公明会

○浅井亨君 今、現在で、どこまで進んでおるんですか。

好井宏海日本国有鉄道建設局長

○説明員(好井宏海君) 現在までに電車庫、それから電車庫までの路盤、これで約一億円ばかり使っております。さらに、この町を離れたところをルートが通るのでございますが、これの用地買収にかかりましたところ、設計、協議が非常な難航したということでございまして、当初の方針を変更するか、どうかということにつきまして、私のほうでは設計から何から全部、当初の方針をひっくり返さなければならぬような状態に現在立ち至っておるのでございまして、これには設計の手数といいますか、そういうものが、かなり時間的にかかるので、これでは間に合わないので、それで富士駅の構内の改良を主体にしたものを先にやりたい、こういうふうに考えております。そのほうなら本屋の駅屋の撤去であるとか、あるいはホームを延ばすとか、そういう工事は、十分三十八年度において着、工ができるというふうに考えております。

浅井亨公明会

○浅井亨君 じゃ運輸大臣と国鉄総裁に、ちょっとお聞きしたいと思いますが、運輸大臣は、土地の買収、いろいろな問題がからんでおったのでおくれたけれども、今年度は目鼻もつきましたので、その方針を進めていきたい、こういうような御答弁をいただいておるわけでございます。ところが吾孫子副総裁からは、いわゆるその路線の変更を考えている、こういうふうなお話でございました。そういう点は運輸大臣と副総裁とお話になった上でのお話ですと、ちょっと合わぬのですが、こういう点は、どういうふうになっているのでしょうか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(綾部健太郎君) 富士駅の問題につきましては、浅井さんが質問されるというので、私は監督官庁といたしまして国鉄の当事者に聞いたのでございます。そうしますというと、さっき建設局長も言われたように、なかなか用地問題が解決せぬ、したがって、それは何に起因するかというならば、ルートを変更してくれ、そのいろいろな設計上、地元の要望を入れることに手数がかかる、あるいはそれが輸送の全体の根本政策と合わぬというような場合には、遺憾ながら断わらざるを得ぬ、そういうような状態の交渉に時間を要して、ようやく本年度から着手するというように聞いておりまして、この前本会議でしたかで、お答えしたような次第でございまして、その詳細は当事者である国鉄当局から説明いたさせます。

十河信二日本国有鉄道総裁

○説明員(十河信二君) 先ほど来、運輸大臣や建設局長からお答えいたしましたような事情でございます。私といたしましては、でき得る限り早く設計、協議を進めて、早く輸送力を増強して、皆さんの御迷惑を解消するように努力いたしたいと存じております。

遠藤鉄二日本国有鉄道常務理事

○説明員(遠藤鉄二君) 先ほどから建設局長が説明いたしましたように、約九億円という予定でスタートいたしました身延線の電車区移転でありますとか、線路のつけかえ、輸送力増強の交渉で、用地買収の関係で延び延びになっておりまして、たいへん申しわけないのでございますが、この身延線富士の駅から身延線のほうにお入りになる団体客が非常にふえておるわけでございます。それで、その団体客を十分に身延線内に輸送し得るような輸送力をつけますには、現計画では足りないわけでございます。もともとこの九億円というものを考えました当時には、そういう大きな団体輸送はなかったわけであります。ただいま用地買収で難航しておりまして線路の選定などは、あるいは多少変更になるかもしれませんけれども、当面の団体輸送を処理いたしますためには、このもともと計画がございました身延線の改良なり、富士駅改良とはまた別に、そういう設備を富士駅でありますとか、あるいは沼津――蒲原、あの周辺の駅に、客車の収容線など作りまして処理しなければならないという段階になっておりますので、身延線の工事は極力進捗させなければいけませんですけれども、それだけで処理するというつもりではございませんので、団体輸送のためには、また本線関係に別の増強工事をやりたいと思いまして、ただいまいろいろ打ち合わせをいたしておるところでございます。つまり直通して身延線の中にお入りになる団体客もございまするし、富士、その他の駅で乗りかえて、バスで行っていただくという場合も起きるわけであります。その両方を総合いたしまして、御迷惑のかからぬように極力努力いたすつもりでございます。

浅井亨公明会

○浅井亨君 今、バスとか、またほかの何とか、いろいろとお話がありましたが、どうか人間でございますから、荷物みたいに、あっちこち振り回さぬようにしてもらいたい。そこをこうやったらこうだろう、ここをやったらこうだろうというような、簡単な考え方じゃなくて、もっと基本的な考えを持っていただきたい。なぜならば、御存じのとおり三百三十万世帯の人といいますと、人口にして一千二百万になっております。その方々が入れかわり、立ちかわり常にあすこを通るわけなんです。こういうことに対しまして、ただ便法的な考え方じゃなくて、根本的対策を立てていただかなければだめだと思います。  そういう観点から考えまして、やはり今のこの富士駅の改良、また路線の問題でございますが、今の御説明でございますと、とうていこれは、りっぱに輸送できるものとは考えられないように、われわれしろうとでも思うわけでございます。ましてや東海道線は、特に輻湊しているわけでございますし、幸いにいたしまして、新幹線もできたことでございますし――あの方面に新幹線の駅でも設置しようというようなお考えを持っていないと、こういうような御答弁でございましたが、先日は……。だけれども、よくよく聞けば、それもほんとうだなというような気持を起こしていくのが当事者の考え方じゃないか、こういうふうに私は思うのです。そういう点を、ただ聞いておくというようなお気持じゃなくして、これはどこまでも真剣に考えていただかなければならぬ、こういうふうに思うわけなんです。だから今のお話を聞きまして、ただ振り回していくというわけじゃなくして、どこまでも基本的問題をはっきりさせて、国鉄なら今の東海道線に駅を作るとか、新幹線のほうへもまた駅を作るとか、そういうことに対して、ひとつはっきりと、やろうと思うか、思わないか、やはりそうだと、話を聞いたところがごもっともだと、またこの間も要請いたしておきましたが、ただ机上の空論であってはならない。どこまでも現地において、その状態を把握し、同じ乗客の身の上になってお考え願いたい、こういうふうに申し上げておいたわけでございますが、そのことについても、あとで実際に行って、御調査なさっているか、どうですか。一ぺん電車の中にもまれて、先ほどの質問にもあったのでございまするが、ほんとうにもみくちゃになっていかなくちゃならない、こういうようなこともあるわけでございますので、そういう点も、今後ますます伸びてゆく固定的な駅なんです、固定しているのです、これは移動がないわけなんです。ふえこそすれ、減りはしません。  そういう点に対して、これほど伸びていくものは、ほかにないと思うのです。こういうことに対しては、基本的にさっそくに立てていかなければならぬと思うのですが、今度の予算について、そういうものも加味していかれるか、また前にきめられておりますから、それを補正していくお気持があるかないか。先ほどもお聞きしましたら、今年度の予算という以上は、やはり一定の基本の上に立って立てられていく予算、すなわち積み重ねられていくものが予算となって現われてくるのではないか。さすれば、小さな富士の駅と、こうお思いになるかもしれませんけれども、それに対するやはり一定の予算というものは、はっきりしていなくちゃならないにもかかわらず、それは今のところは言えません、こういうような御返事をいただいたのですが、こういうことを考えますと、何かこう、変な気がするのですが、やはり予算となった以上は、積み重ねて、その上の予算というものが、はっきりするわけなんです。それは、予算ですから、予想でございますけれども、それは申し上げられるとすれば、いよいよ腹をきめられて追加されて、そしてどんどんとやっていかれるのだなと、こういうふうに私は受け取りたいのですよ。そういう点はどうなんですか。

遠藤鉄二日本国有鉄道常務理事

○説明員(遠藤鉄二君) 今、先生からお話がございましたように、団体客につきましては、私ども、実は非常に現在のサービスが悪いわけでございます。といいまして、そういうお客は、国鉄の営業からいたしますれば、最も大事なお客さんでございます。したがいまして、何とか御期待に沿うように、精一ぱいの努力をいたしたいと思っておりますが、先ほど申し上げました身延線改良既定計画が十分行なわれましても、団体官を全部電車ではなかなか送れない。と申しますことは、今の改良計画は四両編成を六両にするだけなんです。その程度では、一般のお客もございまして、混乗になりますし、とても全部は直通運転で入るということは不可能じゃないかと思っておりますが、そういう点も、バスの併用ということも考えあわせていただきまして、現在線の東海道線の改良を行なうことによりまして、何とかサービスを御期待に沿うようにいたすために精一ぱい努力するつもりでございまするし、部内でも、そういう相談で考え方を、方針的にはまとまっておるわけでございますが、具体的な絵図面がまだ、今現地で調査をしておる段階でございますので、ここで具体的な絵をお目にかけることができませんのは遺憾でございますが、そういう考えで、十分努力をいたしたいと、かように考えております。  それから、予算の問題でございますけれども、これはもちろん、本件は予算のワクの中に入っておるわけでございます。それが多少の増減ということは増加というようなことは、国鉄の内部の操作によりましてできることでございます。  それから、新幹線の駅は、新幹線の計画されました当初におきまして、ある基準によりまして設置する個所を運輸大臣の御認可をいただいてきめたわけでございまして、その後いろいろ情勢が変わっている点もあるかと思いまするけれども、今工事途中で駅をどうこうするというようなことを申し上げる段階ではないと考えておるわけでございまして、行く行くは、これは改良後に、いろいろまた見直した上で検討をする機会があるかと思います。

浅井亨公明会

○浅井亨君 まあ大体、当事者の答弁というものは、考えるとか善処するとかというのは、これは定まり文句でございますけれども、現実にそこに、輸送されていくわれわれとしては、これは今後の見通しもありますし、やはりある程度の、やらなければならぬとか、そういうふうに考えておりますとか、それを強力に進めますとか、何とかそういうお答えがありませんと、現在のところでは、そんなことは考えていませんというような格好では、どうも納得しませんし、御存じのとおり五カ年計画をやって、今になっても、まだできておりません。そういうようなことで非常にずさんな考え方のように私は思うのです。これは私の考えかもしれませんけれども、私は、そういうことはきらいなんです。生まれつき……。きめたことは、すぐその通りやる、でなければ、初めから言わぬと、こういうことにきめているわけなんですが、はっきりと、そういうふうにやられているならば、これはやらなければならぬと思うのです。なぜかならば、すべての問題は、長の一念によってきまるのです。やるときめたその長の一念によってやれるのである、新幹線の問題も、やるときめたからできたのです。どんな問題が起こったか、たくさん知っております。一々そういうことをあばく必要もありませんし、決して私は、そういうことについて、どうこうというのじゃないのです。それはいろいろ人間にはたくさんありますし、もうけ仕事をせなければならぬという人もあるでしょうし、いろいろの人物がそこに介在いたしまして、いろいろの問題が起こるでありましょうけれども、その万難を排して、何とかして、これを達成しようというその長の一念が、すべてを解決していくのじゃないか、こういうように思うのですが、そういう点は、よくお考えを願いたいと思うのですけれども、国鉄の総裁は、どういうふうにお考えですか。

十河信二日本国有鉄道総裁

○説明員(十河信二君) ただいまのところは、遠藤理事がお答えいたしたとおりでありますが、なおいろいろな情勢の変更等を考えまして、今後さらに検討をいたしたいと存じます。

浅井亨公明会

○浅井亨君 もちろん検討でございましょう。だから、検討をしていなかったということなんです。今から検討するということは、検討していなかったということだと思います。やはりその長たる者は、前にも申し上げましたとおり、日本国全体の、いわゆるその土地、その土地柄の構成をお考えになって、そうして、そういう施策は立てられることでありますし、またそのときによって進展していく状態も全部把握された上において、すべての仕事は運んでいくものと私は思うのです。  私が今日申し上げますのは、先ほども申し上げましたが、一千二百万人の人が、入れかわり立ちかわり行くのです。そういうような固定した駅というもの、また路線というものは少ないと思うのです。たから、一千二百万人の代表として申し上げる。その方が非常にこの問題について悩んでおられます。こういうことに対して、ひとつはっきりした線を、すぐというわけにもいきませんかしれませんけれども、ひとつ寄り寄り協議されて、そうして一日も早くこれを推進していただきたい、こういうふうに私は念願するわけです。その点をひとつ、どうか腹の中にお入れになって、やっていただきたい、かように思うのでございますが、そういうことに対して、もしこうだという御答弁があるならば承りたい、こういうふうに思います。

十河信二日本国有鉄道総裁

○説明員(十河信二君) いろいろお話を伺いまして、お話の趣旨も十分取り入れまして検討いたしたいと存じます。

浅井亨公明会

○浅井亨君 それじゃ方向を変えるかもしれませんが、この間の雪害地域の超勤手当は、どういうふうになっておりますか。

河村勝日本国有鉄道常務理事

○説明員(河村勝君) 給与の規定の定めるとおりに支払っております。

浅井亨公明会

○浅井亨君 どれくらいになっておりますか。

河村勝日本国有鉄道常務理事

○説明員(河村勝君) ここに資料を持っておりませんので、総額については調査いたしましてからお答えいたします。

浅井亨公明会

○浅井亨君 それからいろいろな事故が起こっておりますが、そういう殉職した家庭に対する補償の問題ですが、こういう面は、現在どのようになっておりますか。

河村勝日本国有鉄道常務理事

○説明員(河村勝君) 国鉄における共済組合から災害補償をいたしておりまして、一時金、これは約千日分の平均賃金に該当するものでございますが、そのほかに公務で殉職した場合には、特別に高い年金を順次支払うということになっております。

浅井亨公明会

○浅井亨君 それじゃ次に踏切番でございますが、あれは労働時間は八時間と思うのですが、これは間違いありませんね。

河村勝日本国有鉄道常務理事

○説明員(河村勝君) 国鉄の職員の勤務時間は、仕事の形態が非常に複雑でございますので、一がいに申し上げられませんが、基本的には実働八時間だと思います。

浅井亨公明会

○浅井亨君 それでは閑散な路線における踏切番と、東海道線のようなすごい量があるところの踏切番、そういうものは賃金格差はあるのですか、ないのですか。

河村勝日本国有鉄道常務理事

○説明員(河村勝君) 労働時間におきましても、閉散な線区では特殊日勤と申しまして、一日平均十時間の勤務がございますし、その中間的に該当する者は一昼夜交代勤務で九時間の者もございます。こく繁忙なところは三交代で八時間というふうになっておりまして、勤務時間にも、それぞれ相違がございます。賃金体系といたしましては、踏切警手は二つの職群に分かれておりまして、一級と二級とがございまして、繁忙なところの勤続年限の長いものにつきましては、これは一級になっておりますので、したがって、そこでもっと一職群の格差があります。

浅井亨公明会

○浅井亨君 この間、仙台のほうから汽車で帰ってきたのですが、その列車の中で、乗客がすし詰めでございました。そこで女、子供のたくさんいる中で、酔っ払い並びに何か不良のような者と、そこでけんかを始めまして、その周囲にいた人は非常な迷惑をしていたわけでございます。私も、これではたいへんだと思いまして、乗務員を車の中三つ、四つくぐって呼びに行きました。こういう者に対する保安官の何は養成していられると思うのですが、これはどうなんですか、これから行楽シーズンにも入って参ります。そういうものに対して、どんなような方策を立てていられるか。前にも、ああいう与件がありましたので、多少は、東海道線なんかでふえているように私も感じておりました。しかし、ああいうような問題がありまして、そこに公安官も何もおらなければ、ほんとうに一時間以上、ぶんなぐりっこをやっておるというようなことになりますと、これはたいへんなことだと思うのです。ああいうようなときに、どういうようにやったらいいのだ。現実に私、そこにおりますと、ほんとうにこちらまでが恐怖感に襲われていくというような、こういうことになるわけなんですが、こういうことについて、現在どんなふうに養成していられるか。伺います。

遠藤鉄二日本国有鉄道常務理事

○説明員(遠藤鉄二君) 最近世論といたしまして、小暴力を排除するというような世論にもなっておりまするし、国鉄といたしましては、公安官、その他の職員を極力督励いたしまして、そういう趣旨に努力をいたさせておりますが、御指摘のように、たまにでございまするけれども、監禁状態において暴力をふるうというような事件が起きまして、たいへん恐縮に存じますが、そういう際にでも、過去の実例を調べますと、そのお客様から公安官なり車掌なりに、そうだというお申し出があれば、公安官なり車掌も、活動状態に入り得るわけでございますけれども、過去の実例ではやはり、そういう暴力をふるわれたお客さんが恐怖感といいまするか、まあ変な例の場合には、公安官か取り調べましても、いや、仲間と話しているのたというような、これは恐怖心からおっしゃったかと思うのでございまするけれども、そういうような実例もございまして、やはりこれは、まあ危害を受けた人も勇敢に申し出ていただきますとか、また、そのまわりにいたお客さんも、そういう不当な行為がないように協力していただきますとか、やはり全般的に、そういうことになりませんと、公安官ないし車掌がいかに努力いたしましても、なかなかこれは困難な問題だと思います。しかしながら、できるだけ世論の小暴力排除ということに協力するよう、われわれは督励いたしまして監督いたしておるわけでございます。それから東海道線も都会地で、やはりそういう事件が多いのでございまして、なるべく地方の方も使い得るように、たとえば公安官の乗務を長距離にわたってやらせるとかいうような手配を講じまして、活動さしておるわけでございます。

浅井亨公明会

○浅井亨君 今のお話のとおり、乗客の協力がなければ、またむずかしい問題にもなってくるというような場面もあると思います。しかし、付近にいた人の婦人とか、子供とか、またはわれわれみたいに気のおとなしい人には非常に困るわけなんです。こういう面から考えまして、少なくとも行楽シーズンだけでも、婦人とか子供とか、そういうふうな方を、別な列車を作るとか、そういうようなお考えはないでしょうか、いわゆる専用列車ですね。

遠藤鉄二日本国有鉄道常務理事

○説明員(遠藤鉄二君) 老幼、婦女専用の電車、列車ということも考えられますけれども、やはりそれにも弊害がございますので、目下のところ、そういう方面を強化するつもりはないのでございますが、特に行楽シーズンには、十分に注意さすように努力したいと思います。

浅井亨公明会

○浅井亨君 そういうことにすると、また弊害があるとおっしゃるのですが、どういう弊害ですか。

遠藤鉄二日本国有鉄道常務理事

○説明員(遠藤鉄二君) 行楽においでになります場合には、子供だとか女だけというわけでもございませんので、それはもちろん……。

浅井亨公明会

○浅井亨君 こればかりを目的にしているわけではございませんが、全体観の上に上って申し上げております。だけれども、行楽シーズンのときには、特にお困りでしょうと、こう言っているわけです。全体観の上に、一年を通じてですね。そういう考えはないですかと、こういうわけなんです。

遠藤鉄二日本国有鉄道常務理事

○説明員(遠藤鉄二君) ただいまごく例外的に、電車で婦人の車が多少動いておりますけれども、まあ世の中一般で、ああいうサービスを強化しろというような空気でもないように思っておりまして、やはり全体として輸送力を強化し、あるいは治安の維持に努めるということでいいんではないかと、かように考えております。

浅井亨公明会

○浅井亨君 ただいままでの、いろいろの御説明がありまして、それでまあ次の機会に、時間もたちましたので、また委員会などでいろいろ御質問申し上げたいと思います。きょうは、これで終わります。

後藤義隆自由民主党

○主査(後藤義隆君) 他に御発言ございませんか。――他に御発言もなければ、運輸省所管に関する質疑は終了したものと認めます。  本日は、これで散会いたします。  次回は、明日午前十時より開会いたします。    午後六時十九分散会

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