予算委員会第一分科会 第2号
- 発言数
- 418 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/03/26
会議録
○主査(千葉信君) ただいまから予算委員会第一分科会を開会いたします。 まず、委員の変更について御報告いたします。本日、稲葉誠一君が辞任され、その補欠として阿部竹松君が選任されました。 ―――――――――――――
○主査(千葉信君) 本日午前は、昭和三十八年度総予算中国会所管を議題といたします。 これより、順次説明を聴取いたしたいと存じます。最初に、藤野衆議院庶務部長にお願いいたします。
○衆議院参事(藤野重信君) 昭和三十八年度衆議院関係歳出予算について御説明申し上げます。 昭和三十八年度国会所管衆議院関係の歳出予算要求額は五十二億五千百五十七万八千円でありまして、これを前年度予算額四十二億七千九百二十八万円に比較いたしますと、九億七千二百二十九万八千円の増加となっております。 次に、この要求額のおもな事項について御説明申し上げます。 まず第一に、国会の運営に必要な経費といたしまして四十三億七百九十四万三千円を計上しております。これは、議員に関する経費及び事務局、法制局の所掌事務を処理するため必要な経費でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、八億六千百四十三万二千円の増加となっております。 第二は、衆議院営繕工事に必要な経費といたしまして九億三千六百六十三万五千円を計上いたしております。これは、議員会館新営及びこれに関連する施設費並びに議員宿舎改築等に必要な経費であります。 最後に、予備金に必要な経費といたしまして、前年度と同額の七百万円を計上いたしております。 以上、簡単でございますが、概略の御説明申し上げました。
○主査(千葉信君) 次に、宮坂参議院事務次長にお願いいたします。
○参事(宮坂完孝君) 事務総長に所用がございますので、私からかわって御説明申し上げます。 昭和三十八年度国会所管参議院関係の歳出予算要求額は二十九億二千七百十九万八千円でありまして、これを前年度予算額二十三億二千二百七十七万二千円に比較いたしますると、六億四百四十二万六千円の増加となっております。 次に、この要求額を事項別について御説明申し上げます。 まず第一に、国会の運営に必要な経費といたしまして二十五億八千三百六十七万六千円を計上しております。 これは、議員関係の諸経費及び事務局、法制局の所掌事務を処理するため必要な経費であります。前年度予算に比較いたしますると、四億七百六十六万円の増加と相なっております。 第二に、参議院営繕工事に必要な経費として三億三千八百五十二万二千円を計上しております。これは参議院の議員会館新営のための第二年度の経費及び庁舎等の改修等に必要な経費でございます。なお、議員会館の新営につきましては、別に、十七億六千七百八十七万七千円の国庫債務負担行為を要求いたしております。 第三に、国会予備金に必要な経費上いたしまして、前年度と同額の五百万円を計上いたしております。 以上、簡単でありますが、概略の御説明を申し上げました。
○主査(千葉信君) 次に、隈井弾劾裁判所事務局長にお願いいたします。
○裁判官弾劾裁判所参事(隈井亨君) 昭和一千八年度国会所管裁判官弾劾裁判所関係歳出予算の御説明を申し上げます。 昭和三十八年度裁判官弾劾裁判所の歳出予算要求額は、一千二百二十三万九千円でありまして、これを前年度予算額一千百三十五万三千円に比較いたしますと、八十八万六千円の増加となっております。 これは、人件費等の給与改定に基づく自然増加によるものでございますが、この要求額を事項別に御説明申し上げますと、 まず、裁判官弾劾裁判所の運営に必要な経費といたしまして、一千百六十六万七千円を計上いたしております。 これは、当所の運営に必要な裁判長の職務雑費、裁判員の調査旅費並びに事務局の人件費、事務費等でございます。 次に、裁判に必要な経費といたしまして、五十七万二千円を計上いたしております。 これは、裁判官弾劾法に基づく裁判官の弾劾裁判に必要な旅費、庁費等でございます。 以上、簡単ながら概略の説明を終ります。よろしく御審査のほどお願いいたします。
○主査(千葉信君) 次に、福島訴追委員会事務局長にお願いいたします。
○裁判官訴追委員会参事(福島尚武君) 裁判官訴追委員会の予算につきまして御説明申し上げます。 裁判官訴追委員会における昭和三十八年度歳出予定経費要求額は、千八十八万七千円でありまして、これを前年度予算額九百七十一万七千円に比較いたしますと、百十七万円の増加となっております。 この経費は、裁判官訴追委員会における委員長の職務雑費及び事務局職員の給与に関する経費並びに訴追事案の審査に要する旅費その他の事務費でありまして、前年度に比し増加となっておりますもののうちおもなるものは、職員俸給等の増加によるものであります。何とぞよろしく御審議いただきたいと存じます。
○主査(千葉信君) 最後に、鈴木図書館長にお願いいたします。
○国立国会図書館長(鈴木隆夫君) 昭和三十八年度国会所管国立国会図書館の予定経費要求について御説明を申し上げます。 予定経費要求の総額は八億五千五百七十七万二千円でありまして、これを前年度予算と比較いたしますと、三千八百三十七万一千円の増加となっております。 次に、要求の内容を御説明申し上げます。 第一は、国立国会図書館の管理運営に必要な経費でありますが、要求額は八億五千七十七万二千円となっております。この経費のおもなものは、人件費、図書等の資料購入費及び図書館業務を運営いたしますための各種の事務費等であります。人件費は五億九千五百七十四万三千円でありまして、そのうちには新規要員十五名の増員分が含まれております。次は図書等の資料購入費でありますが、総額は一億五千百六十五万円となっております。また、業務運営のための事務費等は一億四千三百三十七万九千円となっております。これによりまして、昭和三十八年度の重点項目であります。国政審議に対する奉仕体制の強化及び科学技術関係資料の整備充実をはかることができるものと存じます。 第二は、国立国会図書館の営繕工事に必要な経費でありますが、要求額は五百万円となっておりまして、これは用水の濾過装置を設置するための経費となっております。 以上、まことに簡単な説明でございますが、よろしく御審査のほどお願い申し上げます。
○主査(千葉信君) 以上をもちまして国会関係の説明は終了いたしました。 それでは、質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○阿部竹松君 私の質問に直接関係ございませんけれども、これからお尋ねする諸点についての参考になるわけで若干お尋ねしておきたいわけですが、図書館長の鈴木さんにお尋ねするわけですが、「第一回図書館研究集会記録」という、こういう小冊子が発行されて、これは図書館長さん、あなたのほうの館で正式に発行したのではございませんから、直接あなたのほうも関係ないわけですが、この第一回の研究集会記録の中にこういう文章があるわけです。ここに来られて記念講演された方の発言ですがね。いろいろまあ講演なされておるわけですが、「住民登録法の例-議員が無知で犯す罪-」と、こういう題で、こういう文章ですから、ちょっと朗読してみますと、「で、議員のことを、「バカでもチョンでも」何万という投票をもらって来た議員さんだからというのです。大体バカかチョンらしいね、それがどうゆうわけだか何方という投票をもらって来るんだ、それを笑ってるわけにはいかないんです。バカかチョンかを有益に働かせるのは、国会図書館の力なんですよ。大体知らないんですからね。」知らないというのは議員をさして言ってるんです。「知ればびっくりするんです。その例ですが、今住民登録法という法律があります」ということで、この会合に招かれた講師は、議員をばかだとかちょんだとかということで、あなたのところの館の職員に記念講演をなさっておる。これは相当出ておる。私別に、これは図書館長さんが主催してやられたのでございませんから、あなたのとったことがどうとかこうとかという意味でなしに、私は、図書館と国会というものと密接不可分の関係があるし、図書館の法の目的の第二条にもその点を明確にしておるわけです。ところが、あなたの館でこういうことをやっておるということについて私は了解できない。したがって、あなたをどうするこうするという意味でなくして、あなたの館の館員がこういうことの会合を持っているんですから、私はきわめて遺憾に思う。この点は遺憾にお考えになりますか。それとも、私の知ったことでありませんという御答弁なのか。どちらでもけっこうですから、御答弁いただきたい。
○国立国会図書館長(鈴木隆夫君) 今私がお尋ねにあずかりましたことにつきましては、全く存じないことでありますけれども、そういう会合でそういうことを講演する人を講師に頼んでいるということについては、はなはだ遺憾だと思います。私は元来、就任いたしまして以来、館員に向かいましては、常に国会とは密接な、しかも、議員さんというものは、昔でいえば一国一城のあるじと同じで、皆さんが、われわれ個々に対しても常にわれわれの及ぶところでない、やはりいろいろな点にすぐれておられるということを申し上げているわけでありまして、館員もしたがって全部がそういうつもりでなしに、やはり一部の者がそういう者を頼んだのじゃないかと思っております。今後は十分また監督いたすつもりであります。
○阿部竹松君 その次にですね。このプリント、参考はこのことにとどめますが、この会合で、これは職場の声としていろいろ発言なすっているわけですが、昼間、人が不足のために、夜やっているという、これは閲覧のほうでなかろうかと思うんですが、いかにきついかということを数字で示すと、一人四貫目の本を持って十八キロ歩く。人員要求してきたが、館側は夜間開館のみに力を入れて、これにかこつけて、日常業務でできないことをやらされている。疲れて休む人も出てくるということで、これは反対したいのでしょうが、上から圧力をかけるものですから反対できないのか、こういうことを発言なすっているんですが、一人で四貫目の本を持って十八キロも歩くという発言をなすっているんですが、これを否定しますか。それとも肯定しますか。
○国立国会図書館長(鈴木隆夫君) 今のお尋ねは、夜間についてのことでございますか。
○阿部竹松君 はい。
○国立国会図書館長(鈴木隆夫君) 夜間についてのことでございますれば、そういうふうなことはないのじゃないかと私は考えております。夜間のは、御承知のように、慎重に考えまして実施いたしたのでありまして、大体私聞いておりますところによりますと、夜間開館したためには、一週一回三時間の超勤で済むように聞いております。ですから、そうオーバーワークになるとは考えていないわけでございます。それで、一人でまあ十何貫目とか、たまたまそういう、持とうと思って持ったのかどうか知りませんが、みんながそういうような仕事を、重労働しているとは考えておりません。
○阿部竹松君 鈴木さん、私はこのお尋ねをすることは、あとで給与と関係してお尋ねしたいと思いますので、これが事実かどうかということを責任ある館長さんにお尋ねしているんですから。しかし、館長さんといえども全部御承知おきないはずですから、副館長さんでもどなたでもけっこうですから、あろうということでなしに、わかれば、私はけっこうなんですから、お示しを願いたい。
○国立国会図書館副館長(岡部史郎君) ただいま阿部先生からお尋ねの出納の事務に関してでございますが、出納事務につきましては、特に新館に移りましてからは、一番新しい機械装置をやっております。赤坂時代におきましては、何ら出納についての機械化の設備がございませんものですから、あの階段を地下の倉庫から二階の閲覧室まで手でかかえて運ぶという、非常に原始的なやり方をやっておりました。ところが、この新館に移りましてからは、上下の出納は全部垂直エスカレーターによってやっておりますから、出納に関する肉体的な労働というものは非常に軽減されております。それからまた、出納員の量の問題でございますが、出納に直接当たりますのが三十九人おりまして、それがローテーションを組んでやっておりますので、しかも、大体一日の出納の量は、昼間におきまして一千冊前後でございます。したがいまして、一日一人が一時間の出納量は約三十冊という見当になっております。しかも、その大部分は――八割から七割は、出納口に近い第五層の階においてやっておりますので、今お示しのような重労働のような形になるということは、ただいまのところは考えておりません。
○阿部竹松君 その点については、あとで給与の問題等についても若干お尋ねいたしますから、そのときに重ねてお尋ねいたしますが、その次に、立法考査局の局長さんにお尋ねするわけですが、国会法五十六条と五十七条の中に、それぞれ衆参両院の議員が発議する場合の議員の定数を、予算を伴う場合は、衆議院の場合には五十名、参議院の場合は二十名とか、あるいは伴わない場合の人員数を明記しておるのですが、予算を伴うという法案はどういう法案であるかということをお尋ねするわけですがね。
○国立国会図書館参事(山越道三君) 私の考えでは、その法案が歳出経費を伴うという内容を持った法律を予算を伴う法律といっているのではないかと思います。これは国会法のことでございますから、ほんとうの正式な解釈は、これは国会の事務局のほうがよく御存じかと思います。私の常識では、歳出経費を伴う予算――歳入経費のことは、これは税法その他の関係もございますが、主としてこれは歳出経費を伴う法律案、こういうことではないかと私は解釈いたしております。
○阿部竹松君 はっきり私理解しにくいのですが、どういうことですか。予算を伴う法案というものは、その法案を出すことによって国の予算を使用する、額は別として、その法律が議決されることによって。そういう法案は、予算を伴う法案ということになるわけですね。
○国立国会図書館参事(山越道三君) さように解釈しております。
○阿部竹松君 そうすると、宮坂さんにお尋ねいたしますが、参議院で、農業基本法の場合と中小企業基本法の場合は、予算を伴う法案、例をあげると、民社党さんが出した法案なんです。それが二十名のこの規定に合致するだけの議員がおらない。しかし、その法案が予算を伴う法案であるにもかかわらず、それが五十六条、五十七条によって僕は提案できなかろうと思うのですがね、今のお話でいくと。そうすると、きめたのは議運の理事会あるいは議院運営委員会ですから、これは当然理事会の決定、委員会の決定によってなされたことですが、補佐役としてあなたは最高責任者なんですが、あなたの見解を聞いて――与野党の理事あるいは委員がきめたと思うのですが、そのときの解釈はどうだったのですか。
○参事(宮坂完孝君) 本件につきましては、私の記憶では、農業基本法のときに問題になったと思いますが、このときは、議運の理事会で相当時間をかけて御論議になってきまったのです。そのときの考え方といたしましては、本法のおい立ちですね。私のほうで言いますれば、賛成者十名が二十名になりました、賛成者を加重しました経過、それは要するに、わが憲法上、行政府に予算提出権がある、この予算提出権に対して、こちらが制約を加えていく場合には、単に普通の法案では十人で発案できるのでございますが、慎重な度を加えようという立法の経過がございまして、十名が二十名、倍になったわけでございます。農業基本法の場合におきましては、政府が一つの法案を出しております。これに対しまして、その要する経費というものがございます。政府案に対する政府の所要経費というものがございます。それの範囲内で議員が立法する場合には、私たちといたしましては、この立法のおい立ちの経過から考えまして、予算を伴う法案でない、こう解釈いたしましたのでございます。それがもし農業基本法の場合におきまして、政府案を提出している所要経費以上をオーバーするものでありますれば、これは政府の予算提出権に影響があるものでございますから、これは明らかに予算を伴う法案である、こう解釈いたして二十名に増加したわけでございまして、そのときの議運のお取りきめは、あとから出た農業基本法は、政府の所要予算の範囲内であるということでございますので、予算を伴う法案でないというふうに解釈して、十名で処置いたしました。それから、最近におきます中小企業基本法案につきましても、決定的な結論はなかったのでございまするが、前例に従って一応そうやる、しかし、これは問題であるから、将来の研究問題として残そう、こういう御決定だったのであります。
○阿部竹松君 前例に従ってやりましたということですが、農業基本法をやったときは、その前例がない。今回の中小企業基本法をやったときには確かに前例があったけれども、農業基本法をやったときは前例がない。ここで私、宮坂さんと論争しようとは思いませんけれども、たまたま立法考査局の局長さんもおいでになっているから明確にしておいていただきたいと思うんですが、政府が出した法案に予算がついているから、したがって、こちらのほうは予算を伴う法案にならないなどというのは詭弁である。それから、オーバーしなければいいんだということですが、この五十七条に、修正するという場合もだめだと、こう明記しておる。多く修正する場合もありましょう、少ない場合も修正だ、手直ししたら。あなたのほうの解釈は、多い場合だけが修正ですか。款項目と分かれてずっと手直ししたら修正になりゃしませんか。そうすると、あなたのお説でいくと、政府が二兆八千億なら二兆八千億、三兆なら三兆の予算を出したということになると、政府の予算があるから、あととにかくこれに従って十名で発議することになっていますから、十名で発議ができるという解釈になるんです。これは、立法考査局長さんにもお尋ねしたいところですが、国会で判定してくれではなくて、あなたのほうの考査局としてどうお考えであるか。国会で判定してくれというなら、私どもは、あなたのほうに今後諮問できないということになる、僕たちのほうが正確になって。しかし、あなたのほうは法的に専門家であるわけですから、詳しいと思って――これは別に理事会で、委員会で自民党も社会党もお互いに賛成してやっておることですから、これは何ら国会の運営には差しつかえないわけですが、将来のために、これが正しいんだとするならば、三兆億の予算でも、それから四兆億の予算にしても、予算を政府が提出しておるからということで、十名あればあらゆるとにかく法案を出せる、こういうことに通ずるわけです。考査局長さんと宮坂さんの御答弁をいただきたい。
○国立国会図書館参事(山越道三君) お答えいたします。 もう少しゆっくり研究さしていただきたいと思います。私、国会法自身には専門家じゃございませんので、ただ一般的な法律常識から申し上げたわけです。国会法のその規定は、特別に何も条件ついておりませんから、文字どおり見ますと、やはり歳出予算を伴うような法案はその範囲に入るという意味に、すなおには解釈すべきものだと思います。しかし、現実の問題といたしまして、どの法案が直接に経費を伴うかどうかということは、その場合々々でやはり判定すべき余地は残っていると思うのでございます。これは議院の運営に関することでございますから、それぞれの機関がこれを判定される、判定されましたならば、それが権威あるものとして解釈上も扱わなければならぬものじゃないか、かように考えておるわけでございます。先ほど参議院の次長から、今の法律の条文の立法の沿革からいって、新たに政府の予測しなかった経費を法律案そのものによって課するといった場合に、これが重視せらるべき規定である。こういう沿革もあっただろうと思います。そういう場合、やはりこの法の文字にかかわらず、その精神として条文を解釈いたしますときに、一つの重要な参考資料として考えるということは、これは適当じゃないかと私は存ずる次第でございます。
○参事(宮坂完孝君) 先ほどの件でありますが、修正の場合は、これは、その款項の増額を伴うものについては、二十名を本院では要する。それから、今局長の説明のとおりのことをむし返すわけではございませんが、私どもといたしましては、政府案と択一的な法案の場合には、そういう取扱いの慣例といいますか、方針で議運を補佐いたしております。
○阿部竹松君 さいぜん官坂さんも、ただいま考査局長さんも、法の精神とおっしゃったんですが、この法を作るとき――この法は、これは改正になっている。しかし私は、憲法を作った方、この法を作った人、それぞれ立案者にお尋ねしてみた。そうしてその立法の精神をお尋ねすればお尋ねするほど、あなた方の答弁と違う。初めは二人か三人の議員が、おみやげ法案といって法律を出す。これがいかぬというところで、片や十名、片や二十名というようにラインを引いたんで、法の精神からすれば、ますます私の話よりまだきびしくなるわけです。ですから、法の精神云々ということになると、とても木に竹をつぐようなお話になるんで、全然私は理解がいかぬですがね。予算を伴う法案というものは、参議院においては二十名、衆議院においては五十名といって、五十六条と修正の場合は五十七条の両方に明記しておる。予算を伴うということになれば、防衛庁が防衛省になって看板かけるだけでも予算を伴うわけですから。しかし、それも予算を伴う法案ということは常識的に言わぬでしょうね、予算がたとえかかったとしても。しかし、農業基本法あるいは中小企業基本法等は、これは膨大な金額がかかるので、予算を伴うわけです。そうすると、これは予算を伴う法案ですから、当然これは二十名というのが明確にならなければならぬということになるような気がするんですが、そういう答えは全然ない。どうですか局長さん。
○国立国会図書館参事(山越道三君) 大体私は、先ほどお答えしましたとおり、あの法律の条文自体からいえば、すなおには、予算を伴うものはすべてということに解釈されて仕方がないと思うのです。しかし、政府が提出した法案のようなものは、予算を伴いましても、政府はその予算を準備いたしておる。追加予算なりあるいは本予算で準備いたしておる。それ以上に予算が要るという場合は、大体政府が予測しなかった議員提出法案などのときにその問題が起こるんじゃないか、かように思うのでございます。ところが、その予算はやはり歳出予算でございますから、予算全体の財政事情をにらんでやらなければならないことだろうと思いますが、政府はそういうふうになさるチャンスを持っておられますけれども、個々の立場でお出しになるような場合には、議員さんがお出しになるような場合には、必ずしもそこまでは考えを及ぼしていないという事情が実際問題としてあるんじゃないか。そういうようなときには、やはり審議を徹底いたさなければならない、こういう趣旨ではなかろうか、そういうふうにも考えられるわけであります。先ほど申し上げましたとおりに、この問題については、私特別に調査をいたしておりませんので、過去の経緯あるいは立法の精神というものを確かなものに基づいて申し上げるわけにいきませんが、おそらくそういうことも立法の精神の一つであったのではないかということは常識上想像されるわけであります。それは、宮坂さんがただいまそういうふうにお答えになりましたが、宮坂さんがそのほうの古い事情を知っておられる専門家でありますから、そういうふうな精神もあったとすれば、ただいま慣行として扱っておられる行き方も一つの行き方である。しかし、それがいいかどうかということは、結局議院がおきめになることでありまして、その機関としては、やはり議院運営委員会で御相談の上おきめになれば、その解釈はやはり権威あるものとしなければならない。こう考えるということをお答え申し上げたのでございまして、私、今でも重ねてそういうふうに考えておることをお答えさせていただきたいと思います。
○阿部竹松君 なるほど、わが国でたった一つの国会というところは立法機関ですから、それはあなたの答弁でいいかもしれませんけれども、しかし、立法の精神、作った人の精神云々ということで御答弁なさるから、私は、これを作られた方何名かの方にお尋ねしてみて、そういうことではないというようなお話も承りましたし、あるいはまた、ある人によってはこういうことも考えてお作りになったでしょうという局長さんの御答弁ですが、そういうことが起こりましたかね、これはとても夢想もしなかったですよ、こういうことで、お作りになった人は、あなたと全く逆の立場で、善悪だとか良否のお答えでなしに、こういうことは全然起きることは夢想だにしておりません、こういう御答弁がありましたが、ただ、それは国会で議運なりあるいはまたその他で検討するのはけっこうですが、あなたは法を担当しておられるから、担当しておられる方としてどういうふうに解釈なさるかということをお尋ねしたまでで、それは国会でやることだということになれば、もうお尋ねいたしませんが、ですから、国会でやることであると、こういうことですか。あなたは別に御見解はないんですか。
○国立国会図書館参事(山越道三君) なおよく研究はさせていただきますが、ただいま私の考えておりますことは、今まで申し上げました以外には考えておりません。御了承願います。
○阿部竹松君 それでは、その問題はそのくらいにして、次に、これから図書館あるいは衆参両院の職員の方の処遇等について若干お尋ねしたいわけですが、お尋ねする前に、宮坂さんにお願いしたいのは、大蔵省と予算折衝して、その予算に細まれる過程において、定員数とか、それから各給料表の号俸別の資料がありますね、大蔵省と交渉して。それと現在の実際の人員の表を、今すぐといってもだめでしょうから、私の質問中に出していただきたいと思うわけですが、もしあれば、今でもけっこうですが……。
○参事(宮坂完孝君) 今、早急に作成させます。
○阿部竹松君 次に、衆議院からわざわざおいでになっておるわけですから、衆議院からおいでになっておる方にお尋ねして、先にお引き取り願うということで、他院のことですから、あまり多くお尋ねするのも失礼ですから、簡単にお尋ねするわけですが、なお、衆議院でも野原さんその他がお尋ねしたようですからあれですが、今度衆議院で新館ができますね。今第一、その次に第二、参議院というふうにできるわけですが、あの会館の管理はどういうことになるんでしょうか。
○衆議院参事(藤野重信君) 新しい会館の管理方式につきましては、建物の構造その他の関係におきまして、現在のものとだいぶ違いますので、いろいろの面で現在研究検討中でございます。ただ、予算面に表われたところといたしましては、いわゆる警備の問題に関連いたしまして、私どものほうで現在、警戒のほうはまあどちらかというと片手間式な警戒のような、と申すと、言葉としてはちょっと語弊がございますが、要するに正規の警戒専門の職員というものがおらないわけでございます。来年度の予算におきましてはこれを、警備の面については議院警察の衛視が担当するという方向に進めております。その他の面についてどういうふうに持っていくかということは目下検討中でございます。
○阿部竹松君 衛視さんが管理するというのですか。
○衆議院参事(藤野重信君) 警備でございますね。
○阿部竹松君 私のお尋ねしているのは管理です。会館の建物、それからいろいろなガス設備から電気設備など、建物の管理があるでございましょう。そういう管理はだれがやるのか、あなたのほうの庶務とか管理部等があるんでしょう。そこがおやりになるかどうかということです。将来あなたのほうで第二会館ができ、参議院会館もできることですから、やはりその前例になろうかと思うわけで、したがって私どものほうにも関係あるものですから、明確にお尋ねしておきたいわけです。
○衆議院参事(藤野重信君) 実は、会館のできます予定の時期が十一月でございますので、目下私どものほうでは予算はそういう関係でついておりますが、しさいな検討をまだ十分にする余裕がございませんので、来年度に入りましたらさっそくその検討をいたしまして最終的な管理方式というものをきめていきたい、かように考えて、現在は準備段階でございます。
○阿部竹松君 そうすると、会館ができ上がるまででなければその結論は出ない……。
○衆議院参事(藤野重信君) でき上がるまでとは申しませんですが、でき上がるまでにまだ相当の余裕がございますので、その間において――ちょうどだだいま議事関係その他でいろいろと相談する余裕がないものでございますから、まあ来月にでも入りますればかなり手がすくという見通しでございますので、その時期に検討いたしまして最終的に――これは重大な問題なんでございますので考えていきたいと、かように考えております。
○阿部竹松君 それは庶務部長さん、当然国会の庶務小委員会等で結論が出ると、こういうことになるわけですか、それとも総長さんを中心とした皆さん方職員の中で結論が出るわけですか、どういうことになりましょう。
○衆議院参事(藤野重信君) もちろん事務段階では総長なり幹部の会合においてきめるわけでございますが、同時に議員さん方の日常と非常に関係のあることでございますから、やはり庶務小には報告いたしまして、その了承を得るのは当然のことと思います。
○阿部竹松君 次にお尋ねするのは、衆参両院の職員の方ですね。これはあとで宮坂さんにもお尋ねしたいわけですが、給与のあらゆる面の違った面はないわけですか。衆参両院全く軌を一にしておるわけですか、もし違った面があればお示し願いたいと思うわけですが。
○衆議院参事(藤野重信君) 給与の面につきましては、御承知と思いますが、すべて法規の適用の結果出てくる、そういう表面の問題として衆参両院に大いに違うというようなことは本来的にあり得ないと、こう考えておりますが、しかし、実際には運用がそれぞれ違う面でやられておりますから、そこにおのずから多少の違いが出てくるということもありますので、そのためにいろいろとまあ職員の間では差があるという面で問題が起きていることもあるのでございますが、全般的に申しまして私どもとして、そういう衆参両院を比較して差があるということは今のところ認めておりません。
○参事(宮坂完孝君) ただいま衆議院の部長が述べられたことと同様でございます。ただ、衆議院と比較いたしましても、いろいろな点でその運用についてやり方が違うということはございますが、しかし同じ議事堂の下にいる者でございますから、両方の差のないように常に人事課において留意して、不公平なことのないようにしょっちゅう努力はいたしております。
○阿部竹松君 そうしますと、人事課長さんの打合会とか、あるいは庶務部長さんの週に一ぺんの会合とか――週に一ぺんでひんぱんであれば月に二へんとかいうように、十分連絡をとって待遇問題について話し合いがなされているわけですか。そういうことはありませんか。
○参事(宮坂完孝君) 私の知っている限りにおきましては、定期的な打ち合わせはございませんですけれども、人事課長同士がもうほとんど事あるごとに緊密な連絡をとり、庶務部長においてもいろいろな問題については緊密な連絡をとって処理しておりまして、特に超過勤務その他特段の手当てをやるときには、両方が一致した方策をとる考えでございます。
○阿部竹松君 次にお尋ねしたいのは、昭和三十二年ですか、給与の体系が改まって、行政職(一)、(二)、それから速記、それから衛視さんですね、四つに分かれたわけですが、あの点について、これは衆議院の職員の方も、参議院にお勤めになる方も、これはどうもうまくない。何とかもとのようにしてくれんかという強い、私どもにまでお話があるくらいですから、皆さんのほうにはきわめて強い要望があろうかと――これは両院を通じてあろうかと私考えているわけですが、そういう点の要求があるものかないものか。あったとすれば、皆さんのほうでどういう御答弁をなさっているか。これはお二人にお尋ねするわけですが、その御要望に対する措置をどう講じられるか、その点をお尋ねします。
○衆議院参事(藤野重信君) お答え申し上げます。ただいまのお話でございますが、御承知のとおり、三十二年ごろ改正がございまして、給与表が分かれたということはそのとおりでございます。それにつきまして、分かれているのはまずい、一本にしなくちゃいけないという点につきましては、若干ニュアンスが違っているようでございます。と申しますのは、たとえば記録部の速記職給料表というようなものは、般行政職よりもはるかに有利な制度ででき上がっております。それから議院警察給料表にしても、これは建前からいって、たとえばあるところはよく、あるところは行政職(一)に比較すると悪いという面もある。まあ、いいところもあるというような、それぞれニュアンスの持ち味が違いますので、私のほうに出てくる意見としても、こういうものから一緒にしてくれという意見はあまり聞いておりません。ただ行政職(二)と申しますか、自動車の運転手とか、用員さん方が適用されている給料表につきましては、これは表面から見しまてもかなり差があるということから、相当そういう改正というか、あるいは是正してくれという声が聞かれております。これらの面につきましては、まあその給料表の性格から申しましてわれわれ一存ではとうていできないことでございます。また影響するところも、一般政府職員の例にならってやっているところでございますので、かなりその範囲が広いということで、慎重にならざるを得ないわけでありますが、これもできる限り運用の面で不利のないように持っていこうという話し合いのもとに、いろいろの面で考えてきておるわけでございます。
○参事(宮坂完孝君) ただいま衆議院の部長の答弁されたとおりでございますが、あのときもむろんいろいろな方面からいろいろな要望がございましたが、根本的にこの国会職員というものは独立なものでありまするが、行政職の職員とほぼ同じ規程によって処理されておる、政府職員に準じてやっておるというのが原則でございまして、特にここで規程だけは、参議院、衆議院、国会の規程で作られたといたしましても、予算等におきましては大蔵省の査定を受けるわけでございまするから、ここだけで独断な制度を作っても、それがはたして運用されるかどうかということには危惧の念を持つわけであります。われわれといたしましては、あのときに行(一)、行(二)、公安職――それに匹敵するここでの議警職というものは、やはり政府のとおりにやっていこう。それからまた、速記については、これは他にあまり例がないものでございますから、速記職につきましては、われわれの独自の見解で大蔵省の了解を得て、速記職はなるべく有利に規定しよう。こういう四つの制度をわれわれはつけたわけでございまして、その問いろいろな要望がありましたが、今日実施されておるような制度に展開して実施しておるわけでございます。
○阿部竹松君 宮坂さん、大蔵省の査定はこれはどこも受けるわけですから、これはやむを得ないのですが、しかしまさか大蔵省の査定を受けると言って、漫然として黙って否定を受けるわけじゃなくて、それぞれ自分の言うことは、国会の衆参両院の立場からこうしなければならぬということは、強く主張なさるんでしょうから、その点は大蔵省の査定は必ずしも今のお答弁と合致しないと思うんです。今宮坂さんのお答弁の中に、大蔵省と当時折衝してこのほうか有利だ――私の聞き違いであれば別ですが、この四つの段階に分けるのが有利だということでやりましたと、こういう話ですが、それに該当する職員の方は、これはもう全部の人が、これはどうも昔のほうがよかったよ、こういう話なんですから、富坂次長さんの見解と一般職員の見解は違うのじゃないですか。あなたの見解を全部の職員の見解と解釈してもよろしゅうございますか。
○参事(宮坂完孝君) ちょっと誤解があるようでございますが、私どもといたしましては、あの当時いろいろな御希望がございましたが、根本的には行政職の例にならうのだ、しかしここの特殊事情があって、その中で、たとえば超過勤務とか、いろいろな特殊事情の場合は別途大蔵省の査定を受け、国会職員としての要求をして特殊勤務に応じた査定をしてもらおう、しかし根本的な、国家公務員を分類していく制度を作ったわけですから、これに反して、うちだけがこれでいこうというようなことは、多少また違って、よくないのじゃないか。しかし根本的の点については、大きなワクについてはやはり行政職というものの方針に従っていったほうがいいんじゃないか、こういう考え方が強かったように記憶いたしております。
○阿部竹松君 そこで参議院公報の四十八号の(二)というのに、行政職(一)、(二)及び速記職、あるいは議院警察職の給料表の資料がありますが、これを読むと必ずどっかで頭打ちがきますね、四段階に分けて狭いワクの中になおワクを設けているものですから。衆議院では、号は言いませんけれども、吹きだまりということで表現されておる号給があるそうですが、これを直す上においても、この大きなのが四つに区切られて頭打ちがなされるということは、どうも合点がいかないことでして、特に一例をあげると、自動車課――これは衆議院のほうも、参議院のほうも同じかもしれませんが、自動車課の配車係は行政職の(一)だそうですね。それから一生懸命運転するほうが行政職の(二)と、こういうことなんだそうで、同じ自動車課におっても、事務職員と運転手、あるいは用員さんも違うかもしれませんけれども、そういうことで区分されるに至っては、無理なこじつけのような気もいたしますが、これは衆参両院同じですか。そういう例がありますか。
○衆議院参事(藤野重信君) 自動車の問題でございますが、運転手はいわゆるこの例の技術で、技能によってまあ適用表は行(二)ということになっております。労務職でございます。一種の。ところが配車係はいわゆる事務職員でございまして、これはたとえば厚生課の職員でも、議案課の職員でも、あるいは自動車課でも、とにかくそういう事務についている者は、共通して行政職(一)ということでございまして、その点、運転そのものをやっている運転手とは適用する表が違うわけでございます。その点は私どもといたしましてはやむを得ないというふうに考えております。
○参事(宮坂完孝君) 行(一)と行(二)につきましては、ただいま衆議院からの説明のとおりでございますが、私のほうといたしましても、事務に転換して行(一)に入っている二、三の例はあるのでございまするが、この行(二)につきましては、人事院規則に相対する、給料表の適用範囲に関する両院議長の協議決定の件がございまして、明らかに「自動車運転手」と第二条の三号に書いてあるわけでございます。第六号に「電話交換手」と、こう厳密な規定があるわけでございますので、これに反して自動車運転手のまま、あるいは交換手のまま行(一)にいくということはございません。
○阿部竹松君 私のお尋ねしていることは、まあ行政職(一)、(二)の不合理を頭に描いてお尋ねしているのですが、同じ運転手であっても、配車をやっている人と議員を乗せて運転する人と、(一)と(二)とに分けられておる。これはこういうこと自体――やはり同じ能力、同じ職場なんです。しかしそれを分けてある。そういう点がもう大体不合理だという一つの例を申し上げているわけです。あなたのあれだと、昭和三十二年の四月ですか、きまったこの両院議長協議、これは両方の議運が相談して最後に議長がぽんと判を押した、そのことを言っているのでしょうが、そんなことは私もちゃんといただいているからわかっているのです。しかしそれじゃいかぬ。あなたは全然不合理だと思わぬのですか。今の衆議院の庶務部長さんは、野原さんの質問にですかな、まあこれはどうも矛盾だと思いますが云々ということで、矛盾だということを、ずばりと言っておりませんけれども、若干余韻のあるようなお答弁をなさっているのですね。私、速記録を見せていただいたのですが、宮坂さん、その点はどうなんですか。
○参事(宮坂完孝君) 私は行政(一)と行政(二)が全部公平に少しも違わないとは申し上げません。しかし、この行政(一)、(二)を作った経過、あるいはまた行政(一)、(二)にした過去の過程におきまして、たとえば一例を引きますと、タイピストは数年前に行(一)に編入されております。しかしこれはタイピストが行(一)に入って、電話交換手並びに自動車運転手が行(二)にとまっておるべきものであるかということにつきましては、私としても説明いたしかねます。しかしその経過において、われわれは法律の実施の担当者といたしまして、そういうふうにきめられればそれを実施いたしていくよりいたし方ございませんが、この運用において、行(一)に入った者、それから行(二)にとどまっておる者の格差が非常に生じては工合が悪いということは考慮いたしまして、再三議運の理事会でも御審議をいただきまして、行(一)にいった者と行(二)に厳然と残っておる者と、その間、差のないように人事課の運用におきましてこれはやっていくという御決定をいただきました。人事課といたしましては、今度新法におきましては初任給が三号上がっております。それらを勘案し、定期昇給、特別昇給の取りはからいをもちまして、行(二)に残っている自動車運転手あるいは保守、そういった労務者につきましては配慮いたしておるわけであります。
○阿部竹松君 ただいまの答弁ですが、この表を見ると、行(一)であること、あるいは行(二)であること、あるいき速記であることによって、将来膨大な、給料その他についても影響してくるわけです。ただその職業の名前だけが行(一)であり、職業の名前だけが行の(二)でないわけです。ですから、あなたは、そういうことで、けっこうだとおっしゃるけれども、個人々々にとってみたら大問題です。単なる職場の名称であればこれはけっこうなんですが、将来長く国会に職を奉じて国に寄与しようという多くの職員が、自分の行く先々がてんでんばらばら違うわけです。いかに努力しても、とにかくもう十キロならキロで終わるという人と、二十キロという人、あるいは、三十キロという人に分けられてある。そういうのは細いルートに分けられておるので、ひいては高いルートまで行ける人もある場合においては影響をこうむる場合もある。これをもろて漫然としておられるようですが、そういう点の考慮の余地は全然ないわけですか。これ以外の方法で国会職員に気持よく働いていただく方法はないですか。
○参事(宮坂完孝君) 国会職員の問題につきましても、これは一つの職階制という段階を経ておるわけでございまして、われわれといたしましては、なるべく頭打ちのないように、運用におきましては十分考慮いたしておるわけであります。たとえば議院警察職におきましても、上にいきました者は行(一)に入れまして、課長になればむろん行(一)に入るわけでありますが、課長にならなくても、頭打ち、またそれに準じたようなところに参りますれば、これは行(一)のほうに編入して処置いたしておるわけでございます。給与法自体におきまして、こういうような現段階におきましてはそれ以上の操作はできませんが、われわれといたしましては、十分そういう配慮はいたして、頭打ちのないように努力いたしております。
○阿部竹松君 昭和二十二年ですか、四年ですか、これも衆議院で少し問題になったようですが、速記の監督ですね――監督、副監督、主任とあるようですか――その人は課長であるというお約束をなさっておるようですが、そういうことを今取り扱っておるのですか。
○参事(佐藤忠雄君) 御答弁申し上げます。 今おっしゃったことは、速記の課長及び監督の三名の者を課長と同格とするという扱いになっておりました。
○阿部竹松君 扱いとするという意味は、たとえば給与体系、待遇その他一切あれですか、同列、同級と解釈してもよろしいですか。
○参事(佐藤忠雄君) 同格とみなす、こういう扱いになっておりました。
○阿部竹松君 そのみなすという意味は、一切がっさい、有形無形ですね、一緒に取り扱っておるのですか。ただ何々課長という名前がつかぬだけですかと、こういうことをお尋ねしておるのです。
○参事(佐藤忠雄君) 当時は課長は十二級でありましたが、速記については、速記の課長及び一課に三名程度課長と同格とみなされる者は、個別的に協議の上十二級とすることができる、こういう規定になっておりました。したがって、課長と同じ格にすることができる、こういうことでございます。
○阿部竹松君 個別的にというのは、その該当者と、担当部長である佐藤さんであるか、渡辺さんであるか、宮坂さんであるかわかりませんが、その方と、該当者とその担当部課長と相談してやられるという意味ですね。そうすると、その御本人は、私はいやですという人はないから、必ずありがとうございますということになるわけで、そういう待遇で今までやっているわけですね。できるということで、道を開いているだけで、やらないということじゃないでしょうね。
○参事(佐藤忠雄君) これはもちろん現在はこの規定は実施になっておりませんのでありますが、その当時、規定として課長同格とみなす者を三名程度置くことができる、こういう扱いでおったわけでございます。
○阿部竹松君 そうすると、当時そういう規定を作って一つも実施しなかったわけですか。
○参事(佐藤忠雄君) 十二級にしておったわけでございます。課長以外の者を。そういうわけです。
○阿部竹松君 現在もずっと……。
○参事(佐藤忠雄君) 現在はこれはもう実施されておりませんから、これはもとの給与体系のときのでございますから、現在は全然これは実施されておりません。新しい職階制に基づく新しい給与表ができたわけでありますから……。
○阿部竹松君 三十二年にこの四つの、行政(一)、(二)、それから衛視さん、速記さん、この四つに分かれたとき、これがなくなったというのですか。
○参事(佐藤忠雄君) そうでございます。
○阿部竹松君 そうしますと、それまでに何名くらいそれに該当した方がありますか。最初の三名の方だけですか。
○参事(佐藤忠雄君) 大体各課三名十二級にしていただいておったわけであります。
○阿部竹松君 それでは資料をいただきましたから、資料の説明を簡単にひとつお伺いしたいのですが。
○参事(佐藤吉弘君) ただいま差し上げました資料につきまして御説明いたします。 三十八年度の新規の人員要求をいたしましたのは百十九名でございますが、そのほかに賃金支弁の開会要員を五カ月定員化することを要求いたしましたのが二十八名ございます。この定員化の分につきましては、これは別の問題といたしまして、新規要求の内容について簡単に申し上げます。 上のほうから申し上げますと、事務総長秘書、これは各官庁の事務総長に秘書官がついておりますので、その分を秘書を一名要求したわけでございます。それから秘書室は、これは議長公邸の人員の不足を補うものでございます。委員部の十七名は、特別委員会が五委員会設置されましたので、それに伴う人員を要求したものでございます。それから記録部の川名は速記者の不足を補うために要求したものでございます。警務部の三十名は、自動車を一方で三十台要求しておりましたので、これに伴う運転手を三十名、それから自動車の修理工の不足を補う者が二名、別に衛視が、臨時衛視が三十名ありますので、これを年間定員化するための三十名、合わせて六十二名となっておるわけでございます。それから庶務部の各課の人員及び管理部、渉外部、いずれもそれぞれ不足の人員を補うための要求でございます。なお、法制局につきましては、これは一課を増設するために四名の要求をいたしたわけでございます。 以上合わせまして百十九名でございますが、その中に運転手の三十名と臨時衛視の定員化の三十名がございますので、それを差し引きますと、五十九名の純増という要求をいたしたわけでございます。
○阿部竹松君 これ、要求というのはまだ予算が決定しませんので、要求とおっしゃっておるんですが、これは大蔵省と話し合いがついておるという数字ですか。
○参事(佐藤吉弘君) これは財政法の規定に基づきまして各省庁として概算要求をいたした数字でございます。
○阿部竹松君 さいぜん官坂さんにお願いしたのは、これと、現在実際おる人員の数字もお示し願いたいということでお願いしておったのですがねでは重ねてお尋ねしますが、衛視さんの定員増というのはないんですね。警務部の三十名で。三十名の自動車運転手並びに二名の修理工、こういうことですね。
○参事(佐藤吉弘君) 右のほうの欄をごらん願いますと、議院警察職給料表三名というのがございます。これは現在臨時衛視として入っております三十名のものを、臨時衛視をなくしまして年間定員化するという要求でございます。それをそれぞれ二等級へ二名、三等級へ六名、四等級へ二十二名、計三十名定員化してもらいたい、こういう要求を出したわけでございます。
○阿部竹松君 昨年の当第一分科会で藤田進さんの質問に佐藤部長さんがお答えになっていろいろ質疑応答があったわけですが、その中で、今の臨時雇いの問題が出まして、そうしてただいま全部臨時雇いはなくなりませんけれども、休会中になくなるという旨の御答弁をなさっておるわけですが、この点はどうですか。
○参事(宮坂完孝君) 昨年私も同席いたしまして藤田委員に御答弁を申し上げましたが、その結果に基づきまして、一般職員につきましては幸いに御指摘のような臨時職員は全部解消いたしたわけでございます。それで衛視の点につきましては、管理部長が当時の情勢から御答弁申し上げましたが、これは議院警察の制度がございまして、衆議院とも緊密な御連絡をとらなければ実施できないものでございまして、衆議院はことしの予算要求につきましても御要求になっておるようでございますが、会館等の増員の問題とからみまして衛視の臨時職員を常任の職員に転換する要求はそのまま見送られたような格好に相なっていますが、われわれは今後とも衆議院と緊密な連絡をとりましてこれが解消に努力いたしたいと存じております。
○阿部竹松君 宮坂さんの今の答弁は、去年の原稿を読んでいるのと全く同じお答えなんですがね。そうすると、去年の三十七名、予算的には四月一日からだということでその三十七名全部定員は満配したわけですか。
○主査(千葉信君) もう少し声を大きくして下さい。
○参事(宮坂完孝君) 臨時衛視以外の一般の臨時定員につきましては、大蔵省の御配慮を得て全部解消いたしました。
○阿部竹松君 そうすると、現在衛視は、どのくらい臨時でここでお仕事をなさっておるわけですか。
○参事(宮坂完孝君) 十五名でございます。
○阿部竹松君 これも衆議院のほうの速記録を続ましていただいたんですが、衆議院のほうは比較的早く衛視が本採用になる。しかし、参議院のほうはきわめてスローである。そういうことはどういうところにその原因があるんでしょうか。
○参事(宮坂完孝君) 警務部長に……。
○参事(渡辺猛君) お答えいたします。相当前まではかなり臨時期間が長かったというものもございましたけれども、三十四年に十人増員になっております。それから三十五年に十五人増員になっております。そういったような関係もありまして、古くからここへ来てもらっておる臨時衛視はすべて本採用になりまして、現在来ておる十五人のうちでは一番古い者が二年八カ月というのが一番古いのでございまして、その者も欠員が若干できましたもの、ですから、近いうちにそれを解消する。そうしますと、大体一年以内という見込みでありまして、それほど今のところば長い者はいないというような現状であります。
○阿部竹松君 私のお尋ねしておるのは、参議院のほうが本採用していただくまでの期間が、今、二年何カ月と承ったけれども、衆議院のほうは一年未満です。ところが、参議院のほうは今、渡辺部長から御答弁いただいたような年数なんです。どういうわけでそう差があるのでしょうか。衆議院のほうはおやめになる人がたくさんあるから、結局おやめになったあとへ臨時でおられた方が今度本採用になるものか。どうもおかしい。同じあれで片一方は一年以内。そうすると、こちらのほうは少なくとも二年だ。前には八年もおられた方がある。ですからその点どうも理解がいかないわけですね。二カ月も三カ月も差があってもなんですが、一年も二年も差があるということについては、どうも理解ができないわけですが……。
○参事(渡辺猛君) 過去に増員になりましたときに、衆議院も同様に増員になったわけでありますが、この増員の比率が各衆参両院議員の数に比例して認められるといったような状況もありまして、衆議院のほうが若干私のほうよりも増員の数が多いわけであります。その上、若干衆議院ば欠員もあったのじゃないかと思いますが、そういったような関係もありまして、あるいは衆議院のほうより若干おくれておるという面もあるかと思いますけれども、それほど衆議院と差があるというふうには私は聞いておらないのであります。
○阿部竹松君 聞いておらなくても、私のいただいている資料なり会議録が誤りであれば別問題ですが、そういうことが堂々と論議されておるんですから、ないといっても、これはどうも私、合点がいかぬのですが、その点はそれでけっこうですが、あとでお調べいただきたいと思うわけです。 次に、衛視とか、その他の行政(二)の職につかれて、よその官庁でお勤めになっておった、たとえば労働省に三年おったとか、あるいは農林省に五年おった、そういうのは全部通算なさっておるわけですか。
○参事(渡辺猛君) 衛視につきましては、同一の仕事に携わっていた者についてイコール・ワーク・イコール・ペイというような考え方もございまして、民間歴は見ないという建前になっておるわけでございます。ただし、臨時の期間につきましては、これは十分とは申しませんけれども、二年おれば二号、三年以上いてもこれは変わらないのでございますけれども、二年までは本採用になる際に二号ふえる、こういうふうなやり方になっております。
○阿部竹松君 そういう方法は、もうずっと――たとえば昨年本採用にしてもらった。あるいは一昨年本採用にしてもらったとか、同じ方法でそれを加算してきておるわけですか。その年々によってやる方法が違うということを聞いておるのですが、そういうことはありませんか。
○参事(渡辺猛君) そういうことはございません。
○阿部竹松君 次にお尋ねしますが、まだ資料来ませんが、定員云々に関係してですからこの際お尋ねしておきますが、定員はもう全部満配ですか。大蔵省で認めておる定員、これは警務部ばかりではございません、記録その他一般四階級に分かれて定員はもう満員であるかどうかということです。
○参事(二見次夫君) お答えいたします。結論的に申しますと、満配ではございません。これはまあ人事管理の上から申しまして、定員の全部を満配するということはいたさないわけでございまして、若干の比率を保って常に欠員というものを見る、大蔵省からもこれは言われております。それからそのほかになお現在欠員がございます。しかし、それは四月一日にすでに予定している者も相当ございますし、それから今国会の終了までにはやはり逐次埋めていかなければならないものもございます。
○阿部竹松君 どうもそのあたり理解できないのですが、今でさえ人が足りないといって大蔵省に要求しておるのに欠員を出しておるというのですね。課長さん、何名くらい、大体パーセンテージでもけっこうですが、千二百幾らおられるのですから何名くらい欠員を出しておかれるのですか。
○参事(二見次夫君) 大体一%程度は欠員を見ているというのが通例になっております。政府の通達でもできるだけ一%程度は欠員を賢くようにということを、一%以下には食い込まないようにという通達が出ておるようでございますが、国方はやはりそれに歩調をそろえてそういうつもりでやっております。
○阿部竹松君 私のお尋ねしておるのは、大体ここの当院、参議院でどれだけ欠員が出ておるかということと、政府の、どこでいうのですか、一%欠員を見る云々は……。政府のどこですか。総理府ですか、行政管理庁ですか。
○参事(二見次夫君) 行政管理庁からだったかと思います。
○阿部竹松君 もう一つ。ここではどれだけ欠員ですかというのです。
○参事(二見次夫君) 数といたしましては、今資料を手元に持っておりませんので正確に記憶いたしませんが、そういうものも含めましてざっと二十名くらいであります。
○阿部竹松君 佐藤さん、あなたにちょっとお尋ねしますが、今の問題、行政管理庁が一%内外のつまり定員減をこちらにあれですか、指示しておるのですか。
○参事(佐藤吉弘君) これは私のお答えすべきことかどうかわかりませんが、人事管理の問題といたしまして、そういう通達があるか、どうかは私存じませんけれども、一%程度の欠員が出ることばやむを得ないのではないか。なぜかと申しますと、人間というものはやめますとそれをすぐには埋める候補者がないあるいは試験をしなければならない、その期間どうしてもずれるわけでございます。これを全部埋めておく状態を想定いたしましても、まあいろんな事故や病気やで退職する者もございますので、これをしょっちゅう満配にしておくということはやろうと思ってもなかなかできない。千何百人の中で十何名程度の欠員があるということきこれは人事管理上やむを得ないことかと考えております。
○阿部竹松君 きのう立法考査局の課長さんが気の毒にもおなくなりになったそうですが、そういうようなことで、おなくなりになったりおやめになったりする人があるのですから、きょうなくなられたりあるいは退職されて、そのあとへすぐ次の日に雇うということは、それは仕事の関係もあり環境のあれもあるし、やっぱり試験もあるのですからそういうことば言っておるわけではないのですが、行政管理庁がそういうので、今課長さんに聞くと一%云々で指示があるということですから、行政管理庁がそういうことを指示するかどうか、私はその辺はわかりませんけれども、不思議にたえない。ですからあなたは担当であるかどうかわからぬけれども、それを前に部長をやっておってきわめてあなたは研究しておられる、あなたの答弁が一番正確だと思うのです。どうもおかしいですなその点は、川島さんでも呼んできて聞いてみなければ。
○参事(佐藤吉弘君) 最近の通達は私は存じませんので、正確にお答えすることはできませんので、人事課長のお答えのほうが正しいのだと存じます。
○参事(二見次夫君) 先ほど国会に対して政府から通達があったと申上げましたならば、これは訂正申し上げます。内閣から一般行政庁へいろいろな通達が出される場合には、国会に対しても参考のためにというお知らせが来るわけでございます。その意味でそういうことを申し上げました。
○阿部竹松君 ところで、どれだけ定員が欠けておるか資料がこないからわかりませんかね。警務部長でもけっこうですが、あなたのほうで、定員が欠けているのはないですか、満配ですか。
○参事(渡辺猛君) 私のほうば幸い現業の仕事を担当しておる部面が多いものですから、一人でも欠けるということになると非常に困るのですから、その点は人事課の配慮によりましてたとえばエレベーター、昇降機それから各政党の控室の女子職員であるとか用員さんであるとか、これはかなり充足してもらいました。ただいまのところ、それらの職員についてはございませんけれども、ただし臨時衛視、これは定員が三十名入れられることになっておりますけれども、昨今の人手不足と申しますか、なかなか新聞広告をいたしましても人が集まりません。これはようやく今のところ十五名しか充足しておりません。そういう意味で臨時衛視だけがまあ今のところ定員一ばいに入っていない、その他のところは大体充足されておる、そういうふうになっております。
○阿部竹松君 宮坂さん、これは絶対大蔵省が認めないわけですか、いつまでたっても衛視さん初め臨時というのがなくならない、こういうのはどうも穏当を欠く。あなた方毎回予算折衝時期になると努力をなさるでしょうけれども、こんな膨大な臨時がおるということはきわめて遺憾なことであって、さいぜん質問の中で申し上げておりましたとおり、衆議院のほうではきわめて早い。参議院の場合ば今渡辺部長から御答弁になったように、多数の臨時がおるということですね。何でも衆議院に右にならえという意味でなしに、根本的に臨時衛視というのはいかぬ、これを早く是正する方法はありませんか。
○参事(宮坂完孝君) 臨時の件につきましては、これも旧憲法時代からのしきたりでずっとやってまいりましたが、幸い一般の職員については委員部を中心にして九〇%臨時職員は解消したわけでございまして、私たちは臨時職員のいろいろな給与とか待遇とかいうようないろいろな取り扱いにつきましても苦慮いたした経験からようやく解放されたわけでございます。そのような次第もございまして、繁閑の差があるとは申せ、開会中、閉会中、ここはきわだってある、こう存じられる方があるかと思いますが、行政庁だって夏期はひまなんでございます。それらの点を考慮いたしまして、閉会中ひまがございましたら、それを訓練のほうに回すとか、いろいろな措置をとりまして、臨時職員の全面的な解消をしたいというのが私たちの希望でございます。これは大蔵省に陳情いたしまして、早急に解消するように努力いたしたいと思います。
○阿部竹松君 しかし、昨年の言質をとるわけじゃございませんけれども、佐藤弘吉さんが去年の会議録を読んでみますと、来年度よりはということで明確におっしゃっておるのですが、ですから、一つの見通しのもとに御答弁なさったのだ、私はこう信じますが、それがまた今日、今、渡辺さんからお伺いするように、やはり相当数のものがおるということになると、決して昨年こう言ったからことしはけしからんという意味ではなしに、何とかこれからでも大蔵省と折衝することができるかできぬかは別として、昨年お考えにあったような方法を講ずることができないものかということをお尋ねしてみたいのです。
○参事(佐藤吉弘君) 昨年臨時衛視についてお答えいたしましたのは、昭和三十七年度予算の折衝の過程におきまして、臨時衛視を定員化するということにつきまして、相当程度大蔵省の了解を得まして、そこにはおそらくいいところまでいったというふうに申し上げているかと存じておりますが、相当希望があったわけでございます。三十八年度予算につきましても、この臨時職員で残っておりますのはもう衛視だけでございますから、この定員化につきまして、相当強く折衝いたしたのでございますけれども、実は先ほど次長からも御答弁いたしましたように、衆議院におきまして会館の警備のための衛視の増員三十名という問題が起こりまして、本院におきましては、議員会館の建設が昭和四十年になる予定でございますので、その増員問題とからみまして、臨時衛視の定員化ということが実現しなかったわけでございます。これはまた来年になりましておしかりをこうむるかもしれませんが、来年度は、来年度と申しますか、昭和三十九年度につきましては、ぜひ実現をしたい、かように考えておるわけでございます。
○阿部竹松君 本年は予算もあと少しで通ることですから、そうすると明年度ということで御答弁なさっているわけですが、臨時国会おそらくあることでしょうから、ひとつ努力していただかなければならぬと思うのですが、それにあわせて用員室に、この辺掃除したりいろいろの雑役をなさっていらっしゃる方がありますね。あの人たちの待遇は問題があるようでございますが、あの辺は人が足らぬとか、何とかならないものかなというお話も承るのですが、その点はございませんか。
○参事(渡辺猛君) 用員は行(二)の適用を受けておるわけであります。給料につきましては先般行(二)の給与表が行(一)に比べて比較的不遇になっておるというような面もございましたし、人事課において特段の措置をしてもらったというような関係もございまして、現在ではさほど悪くなってないと思います。なおその上に、従来用員も臨時制度というのがございました。開会中になると繁忙になりますので、臨時を採用して埋めておったということもございましたけれども、これは昨年すべて常勤化してもらいました。そういうことで臨時の職員を常勤化されたわけで、非常に喜んでおります。一生懸命でやっておる、かように考えております。
○阿部竹松君 賃金がえらい安いようですが、昨年とどのくらい変わりましたか。現在どのくらいもらっておるのですか。
○参事(渡辺猛君) あとで調べまして、現給を表でお届けいたします。
○阿部竹松君 衛視の初任給並びに格づけについて、これは毎年まちまちだというお話を承っておるわけですが、この点はいかがですか。
○参事(渡辺猛君) 衛視の初任給は現在四の一ということで、これは決してまちまちになっておりません。しかし、衛視の場合は通常すぐ直ちに本採用になるということはございませんで、臨時の期間が現在そこに入ってくるわけであります。したがって、臨時の期間二年間を経まして、現在四の一が初任給でございますが、それに二号プラスして本採用になったときには四の三になる、こういうことで統一してやっております。
○阿部竹松君 しかし、採用したときには相当ばらばらじゃないですか。採用したときに一緒に入ってくる初任給の人は変わりないかもしれませんけれども、その年月において、三十八年度と三十七年度と全く違う。これは極端な例ですが、三十六年度と三十七年度と採用する場合の初任給の額が相当違うということはございませんか。今お尋ねしているのは、一緒に、たとえば三十八年四月一日に入った、こういう意味じゃございません。
○参事(渡辺猛君) 臨時の期間によって若干そこに、先ほど私二年おれば二号見る、それ以上のものにつきましては、たとえばこれは昇給期間の短縮を行なっておるわけであります。そういったような関係もございまして、若干そこには差が出てくるかと思いますけれども、たとえば三年以上の場合には昇給期間を三カ月、二号見た上でさらに昇給期間を三カ月短縮する。四年以上の者については六カ月短縮する、こういうことでやっておりますので、若干そこの差が出てくるかと思います。
○阿部竹松君 今私のお尋ねしておるのは、三年おったら二号だ、六年おったらまたそれの倍、こういう計算であればお尋ねしないわけです。同じような年月、臨時なら臨時で採用されて、お勤めされて、そうして同じようなベース、やはり半分しか勤めていなければ半分に換算されてもやむを得ない。これは差とはいえないでしょう。しかし、同じような計算方法じゃ違うじゃありませんか。あなた絶対ないと言えばそれでいいのです。私の聞いておるのは、あなたの御答弁とは違ったように聞いておるのでお尋ねしているのです。
○参事(渡辺猛君) 二年間で打ち切るわけでございますから、それ以上おった者については非常に不利になる。この点はかねがねわれわれもその点さらに改善してもらいたいということを要望しておるわけであります。いろいろな関係もございまして今日まで実現しておりませんが、さらに努力いたしたい、こう思います。
○阿部竹松君 さらに努力していただくということはいいでしょうが、あなた特別昇給とか、ベース・アップのときにこれを悪用しては困ります。ベース・アップされるときとか、あるいは特別昇給のワクを利用すれば、ほかに該当する人がもらえなくなったりする、こういうことになりますから、その点はお約束できますか。
○参事(渡辺猛君) 特別昇給の性質上これは勤務成績の良好な者という者を特別昇給させるということになっておる建前上ここでそのことをお約束できませんけれども、運用によってはそういったことも考えていいのではないかと思います。
○阿部竹松君 次にお尋ねしたいのは、ILOの問題ですが、今、宮坂さんと、衆議院のほうは庶務部長さんにお尋ねするのはどうかと思いますが、両方の総長さんにお尋ねしたいと思ったのですが、おいでになりませんから、御答弁できればしていただきたいと思いますが、御承知のとおり、ILOが五月に批准されるか六月に批准されるかわかりませんけれども、批准された場合、当然国会の職員の方もこれはやはりその範疇に入るかと思いますが、その場合に衛視さんはどういうことになりますか。
○衆議院参事(藤野重信君) ただいまの問題ですが、ILOの関係で一般原則的に申し上げれば、警察職というものは組合から除外するというような問題も当然出てくると思います。また、私どもも、その条項の結果及ぼしてくる影響について、あるいは除外例等がどの程度になるものかというような面につきましても、その最終的段階まで達しておりませんので、関係法案等の今後の成り行き等にも関連いたしますが、現在の段階では、これをどうするというところまで申し上げる段階ではございません。寄り寄り研究しております。この問題については慎重に扱っていきたい、こう考えております。
○参事(宮坂完孝君) 衆議院同様に、慎重に目下調査研究中と申し上げるほかないと思います。御質問のときにお述べになったように、非常にデリケートな問題でございます。しかし、私たちは過去十七年、職員組合より陳情を受けておるわけでありまして、その間に、本院の警察権を担当しておる衛視諸君、警務部の職員がまじって私のところに来ておるわけであります。それによって、私たちは団体協約を結ぶこともできないような程度の段階の交渉でございまして、私たちはそれについて何らとやかくあったというような過去の経験は持ち合わしていないわけです。一般職員同様の折衝を続けてきておるわけでございます。それらの事情も考慮いたしまして、今度の問題が出たからには慎重に審議しよう、こう考えております。ただいまのこの点にりきましては、御質疑の趣旨を事務総長に申し上げまして、議運の御決定を得るときの参考にいたしたいと思います。
○阿部竹松君 官坂さん、過去の交渉も、現在も、団体交渉云々とおっしゃいましたが、今度、御承知のとおりILO条約を日本が批准することによって違ってくるのです。これは国家公務員も。したがって、今まで国家公務員に準じてあらゆるものを処理してきたものも違ってくるわけです。今や、御承知のとおり、与党の総理である池田さんも、これは批准しなければならない、社会党は早く批准してくれということですから、国内法改正について問題があるわけですが、しかし、国内法改正の問題が解決すると、これは当然批准されるわけですね、別にだれも反対しておらぬのだから。ただ、国内法改正問題をめぐって若干の話し合う余地がまだあるようですが、とにかくそれが批准されれば、あなたの今の御答弁になったようなことは全部なくなってしまう。そうするとどうなるかということは、もう少し検討の余地も何もない、既定の事実ですから。職員の給与を上げるかということを僕が聞いたら、総長に相談してみなければならぬとか、あるいは議運に諮りますとか、議長に諮りますという御答弁があっても、僕は追及できませんけれども、この点は明確ですよ。これは衆議院の庶務部長さんもどうですかね。
○衆議院参事(藤野重信君) お答え申し上げます。この問題につきましては、まあ条項の規定の結果として、どうしてもとらなければならぬ場面ということがあり得るわけでございます。それにつきましても、まだ検討を十分尽したという段階ではございませんので、ある程度の余裕を持って慎重に考えていきたい、こういうふうに考えております。
○阿部竹松君 宮坂さん、どうですか。
○参事(宮坂完孝君) 職員団体の中に警察権を行使する警務部員が入るかどうかという問題は、非常にむずかしい問題でございますので、今ここで私がとやかく申し上げることはできませんが、ただ、私の私見ではかえって御迷惑になりますから、十分各方面と御連絡申し上げるという答弁で、ごかんべん願います。
○阿部竹松君 衛視さんは警察職ということになって、給与もそういう範疇になっておりますが、あれは警察ですか、どうですか。これは庶務部長さんと次長さんにお尋ねしたいのですが、衛視は警察官なりやいなや。私の考えでは、衛視さんはピストルを持っておりませんし、警察だとは思いませんが、警察であるかないか、俗にいう公安官、この職分の解釈はどうですか。
○衆議院参事(藤野重信君) お答え申し上げます。私は、やはり議院警察察職も、このいわゆる通常の警察を排除している区域において、つまり院内における警察権を議長のもとにおいて執行する責任がある職でございますので、これはやはり警察職と考えられるかと思いますが、そういう面に関しましても、基本的にどうこうという問題はございませんでしょうが、今のILOの問題につきまして考えられるところは、またおのずから関係法案等の関係に照らして合わしてみませんと、そういう点で今即答申し上げて参るわけにはいかない問題が多々あろうかと思います。どうぞ御了承願いたいと思います。
○参事(宮坂完孝君) 参議院も同様でございまして、院内警察をつかさどる院内の警察権であるということは間違いございません。これは一般治安と直接関係があるかどうか、あるいは監獄の職員、あるいは鉄道公安官、ああいう種類のものとはたして同じものであるかどうか、私は即断はいたしかねると思います。
○阿部竹松君 衛視さんと、鉄道の――東海道線、東北線でもけっこうですが、専用列車に乗る、特定列車に乗る専務車掌、あの人は警察権の三分の一ぐらいは持っておりますね、あの人と衛視さんと比較した場合に、衛視さんのほうは身体検査もでき、ポケットに手を入れたり現行犯を拘束することができるなどという職務規程あるわけですが……。
○衆議院参事(藤野重信君) お答え申し上げます。議院警察職の方面を担当する衛視が、そういう執行上の権限を持つかということにつきましては、恐縮でございますけれども、私がちょっと答弁しても事実に反すると工合が悪いものでございますから、警務部長からひとつ答弁させます。
○衆議院参事(山野雄吉君) お答え申し上げます。 先生の仰せになられる点は、一般警察的なものではないのではなかろうかという御趣旨のように考えられます。この点に関しましては、仰せのとおりでありまして、かつまた、議長警察権の問題につきましては、学問的には、警察ではないのではないかという説もございます。しかし、私ども、学問的にはそうでなくても、やはり議長警察権というのは警察作用の一つである、もちろん一般の警察権とは違うということにつきましては明白でございますが、やはり警察の作用であるという説のほうが多数でございます。そういたしまして、ただいまほかの例との比較について御質問がございましたが、専務車掌等の持っております一般警察権の問題につきましては、常識的には存じておりますが、詳しく存じませんので、その点について十分御答弁申し上げられませんが、私ども考えております議長警察権は、一般警察権と違う意味のある点は、これは学者も言っておりますが、私が考えております点が主でありますが、議長警察権というのは、多分に議長の管理作用、管理権の作用を同時に合わせ行なっているのが本質ではなかろうかと存じます。
○参事(渡辺猛君) 私も衆議院の警務部長の考えと同様な意見を持っております。ただし、一般の警察官は、たとえば警察官職務執行法であるとか、そういう一つの職務執行法に基づくいろいろな権限を持っておりますが、本院の衛視については、さようなものは全然ないわけであります。それから鉄道公安官等は、あるいは捜査権といいますか、拘束権というか、そういうものがあるわけでありますが、留置権はない。そういうようなことで、鉄道公安官あたりよりはるかに、かなり違うものであると、こういうふうに考えております。
○阿部竹松君 次にお尋ねするのは、速記上の主任試験す。衆議院のほうは、佐藤さん御承知おきであるかどうかわかりませんけれども、三年、参議院の場合には四年で受験資格を得るということになっておるのですね。これ、どうして資格を得る年数が違うのですか。
○参事(佐藤忠雄君) 当時も規定は同じでありましたが、今御説明になったような状態が、昭和二十三年ごろから約十年くらい続きましたわけでありますが、その後、両院の議長協定によって、主任速記士の試験受験期間は双方とも四年ということに統一いたしまして、現在では同一の期間によって試験を受けさせる、こういうことになっております。
○阿部竹松君 そうすると、今までは一年差がありましたが、現在では衆参両院とも三年で受験資格を得ておる。こういうことですね。
○参事(佐藤忠雄君) そうでございます。主任速記士の受験資格は、速記士補一年、速記十三年、合計四年ということで主任速記士試験を受験することができるわけであります。
○阿部竹松君 ところが、衆議院のほうは合わせて三年と、こういうのです。違いますか。
○参事(佐藤忠雄君) それは、私が先ほど申しましたように、以前そういう時代があったわけであります。大体衆議院が三年ないし三年半、参議院が四年九カ月という期間で主任速記士にしておった時代があったと、こういう過去の事実であります。
○阿部竹松君 次に、図書館長の鈴木さんに若干お尋ねいたしますが、参議院と人事交流をやりまして、参議院から五名か六名あなたのところに派遣され、あなたのほうから参議院に何名か来ておりますね。それから衆議院のほうとも人事交流をなさっていますか。
○国立国会図書館長(鈴木隆夫君) 今お説のように、昨年七月でございますか、参議院との間に人事交流の協定を行ないまして、人事交流をいたしております。しかし衆議院とは、いたしておりません。
○阿部竹松君 衆議院は、交流がないですか。
○衆議院参事(藤野重信君) 館長の答弁のとおりでございます。
○阿部竹松君 そうしますと、これは若干内輪の話になって恐縮ですが、鈴木さん、こちらから派遣されるその参議院職員と、あなたのほうに今まで、在来おられた職員とのその給与の差がある。違うらしいのです。ということは、本給ではもちろんありませんけれども、あなたのほうは、たとえば超勤しても、なかなか超勤というのが国会図書館は少ないものですから、つかない。ところが参議院のほうは、こちらのほうから出向という形になっているから、参議院職員と国会図書館員と兼任だということで割増し-時間外の超勤がつくらしい。そうすると、同じ職場で働いておっても金額に差がついてくる。しかし、私は宮坂さんにもあわせて聞きたいのですが、参議院職員で、両方兼任になってこの国会図書館で仕事をなさって、戻ってきてまたあなたのところで働くのだったら超勤をもらっても当然だと思うけれども、しかし、聞くところによると、国会図書館にお勤めになってまっすぐにお帰りになるらしい。そうすると、国会図書館の職員は若干おもしろくないのは当然なんだが、そういう事実があるかないか。
○参事(宮坂完孝君) 先般私のほうの調査室の人事刷新という必要に迫られまして、その一つの有力な解決策といたしまして、人事交流をいたさなければならぬという議運の御決定に基づきまして、図書館の御協力を得まして実施いたしておるわけです。一応二年の期間を置きまして、最初に実施いたしたわけでございます。いろいろな点につきましては、こまかいところに差異がございまして、利益、不利益はございましょうが、大局的な目的に向かって協力してもらいたいということの趣旨を総長から任命のときにも申し伝えまして、職員も完全なる了解のもとに出て行っている、またこっちへいただいておるわけでありまして、それらの点につきましては、十分本人の理解を得ておるわけでございますが、国会の両議長の管轄に入っておる国会図書館でございまして、予算その他人事のやりくりにつきまして、私どものほうともあるいは細部に至っては均衡のとれないところもございまして、本人に不利な状況をかもしておるところもございましょうが、私たちといたしましては、それらの点については図書館にお願いいたしまして、図書館に、できることならば私たちと同じようなお取扱いを願いたいということをお願い申し上げました。図書館は図書館なりの御事情がございまして、できない面もございます。やっていただいたところもございます。できない部面もございます。できない部面につきましては、私たちのこの人中交流を初めに断行したときの第一の原則といたしまして、本人は得こそすれ損はいたさないということが原則でございまして、そういうふうな取扱いをいたそうということを申し合わせをいたしておるわけでございまして、私たちは、この二年間の図書館において研修を終わって帰ってきたときに、そうした細部にわたる不利益というものは是正して私たちはやるということで方針をきめております。私たちといたしましては、そういうことで不公平のないように努力しております。そうでありますから、人事交流によって出て行く職員が、帰ってきて残留していた職員よりも不利な条件でおるというようなことのないように二年後にはいたす所存であります。そしてその二年間において不利な条件を受けたものをむろん補償的にカバーしていきたいと、こう考えております。それで、ただいま非常に細部にわたって阿部先生のお気づきの点がございましたが、この点につきましては、私たちは委員部を兼務しているのが一人、それから調査室の文部を兼務している職員が一名、計二名がおります。これについては、私たちの側では超勤を支払っておりますが、それはれっきとした、ちゃんとした仕事をいたしております。
○阿部竹松君 宮坂次長の決意のほどはわかるけれども、こちらから行った人と同じ待遇してくれと言っても、まあ超勤手当の額にしても、小さく言えばまかない雑費手当にしても、国会図書館はずっと――三分の一なり、多いところで二分の一ですよ。そうすると、国会から派遣された職員のおる職場だけそれと平等に取り扱うということは、これは不可能でしょう。去年は館長さんが留守で、おそく今度新館長さんができて、実力ナンバー・ワンの鈴木さんが今度館長になられたから、これは衆参両院に匹敵する以上の予算というものを取られるでしょうから、これは来年ころになると大丈夫でしょうけれども、ことしの予算を見ると、まだまだ少ない。あなたのほうの言い分は、常任調査室長を作りますとか、将来の管理職にするのだとか、そして勉強させるのだという、その派遣するときのりっぱな名目は、これは多とすべきであるが、行った職員が、これは人間というのはあさましいもので、私どももそうですが、よそから来られた同じ仕事をやっている人が超勤をせぬで超勤をもらう、国会職員がそうであるのに、同じ職場におった国会図書館の館員が、それでなくても低い給料でやっているところに。これでは何ぼりっぱな紳士でも、長い月日のうちにはいじけますよ、あんたのような高邁なキリストのような気持であれば別ですがね。そういうようなものは、かえってこれは仏作って魂入れずになりますよ。ですから、これはやめたほうがよろしい。もう国会図書館へ行って道場荒しをやるようなものだと私は思うのですがね。そうでなければ、あんたも実際行って派遣して、兼任ということになってから、こっちへ戻ってきて仕事なさるならいいけれども、そういうことはないでしょう。あったら事例をあげてお示しを願いたいわけですが、そういうことはないわけでしょう。そして厳然として超勤がこう差がついておるということになれば、私は国会図書館よりも参議院事務局にひいきをしたいのだが、あまりむちゃくちゃなことだったら、ひいきできないでしょう。ここらを明確にしていただきたいのだ。それから、もうやめたほうがいいと思うのですが、これはどうですか。
○参事(宮坂完孝君) 特段の御配慮をお願いしたいと思いますが、私たちといたしましては、非常にこの人事交流については、まだそのほかにずいぶんいろいろ難関がございまして、この大目的に向かっていろいろな施策をやったわけでございます。その一つとしてそういう細部にわたって配慮を人事課長がやったわけでございまして、大きな目的のためにしばらくこの制度の成り行きをごらん願いたいと思っております。そういう兼務というような便法以外にも、まだ何かあるんじゃないかというようなこともしょっちゅう検討いたしましたが、初めの年度はそれでカバーしていこうというようなふうに考えましたが、実際的にも委員部等の連絡事務はやっておる、それから調査室の連絡事務等をやらしておるというふうに私は人事課長を通して指示しておりまして、決して公平を欠くようなことはないと思います。
○阿部竹松君 そのくらいのお気持でしたら、国会図書館の職員になさったらどうですか。そのかわり、国会図書館の人員をオーバーして困るというのであれば、今後鈴木さんという話し相手ができたのですから、人事交流を前提として、昔の独立守備隊を派遣したようなことでなしに、一切交流すればいいじゃないですか、あなたの理想から言えば。大学校へ勉強にやったようなことを言って、貧乏人の子供と金持ちの子供と一つの寄宿舎に入っておって、片っ方はひもじい思いをさせて理想ばかり美しくたって、これはだめですよ。もう一ぺんやるという計画があるでしょうか、これはどうですか。まさか今度はやらぬでしょうね。恥の上塗りはやめたほうがいい。
○参事(宮坂完孝君) 人事交流につきましては非常に難関がございましたのですが、非常に図書館の御配慮を得て第一回は断行したわけでありますけれども、いろいろなそういう細部にわたる点につきましては、種々改善を施しまして、二年を契機といたしまして、また将来続けていきたいと、こう考えておるわけでございます。そういう点について御注意は十分慎重に審議いたしまして、図書館の特段の御配慮のもとにこの制度がうまくいくようにいたしたいと思います。
○阿部竹松君 超勤のことを一つ宮坂さん取り上げても、格段の差異があるのですから、もし参議院から派遣されている職員が正しいとするならば、国会図書館の職員は相当犠牲を払っていることになる。しかし、国会図書館の職員があたりまえの超勤をもらってあたりまえの仕事をしているということになれば、あなたのほうでは、出向という美名に、あるいは兼任という美名に隠れて背任行為をやっている。そうでしょう。基本給を上げてやるというなら話はわかるけれども、超勤とかなんとかでやっているのですから、そういうことになるのですよ。私はそう思いますがね。あなたの見解はどうですか。それはあなたは正しいと思っているのですか。そういうことであれば、基本給をぐっと上げて派遣したほうがいいのです。ほかの手当とか、参議院と国会図書館の職員がつり合わぬということでなしに、基本給を上げて行くと、おそらく国会図書館の人も、基本給の高いのは、これは心の中ではおもしろくなくても、それはあれですが、同じ仕事をしておって、同じようにもらうべき部面で差がつくのですから、これは文句がある。
○参事(宮坂完孝君) いろいろな、今阿部先生の御指示になったような考え方も、その審議のときには方法は考えましたが、一応この制度で出発したわけでございますが、これが図書館の非常な御迷惑になるなりするような場合には、また事態を慎重に考慮いたしたいと思います。
○阿部竹松君 この点は全く了解できないわけですが、これはおそらく議運等へこれは諮っておきめになったことなんですか。
○参事(宮坂完孝君) 細部にわたっての処理は、事務総長限りでございます。
○阿部竹松君 事務総長独断でやったのですか。
○参事(宮坂完孝君) 事務総長の決定によって……。
○阿部竹松君 事務総長の何ですか。
○参事(宮坂完孝君) 事務総長の方針によって決定されました。議運には諮りません。
○阿部竹松君 議長の裁可もいただいておらぬわけですね。
○参事(宮坂完孝君) この点については、事務総長の専決だと思います。
○阿部竹松君 その点はわかりました。次に、図書館長の鈴木さんにお尋ねいたしますが、どの給与といってもみなあれですから、どこと言いませんけれども、相当給与ベースが低いようですね、図書館長は。たとえば超勤しても一時間で百円に満たないのが四〇%もある。こういうような資料があるのですが、こういう点は、私の持っている資料うそでしょうかね。
○国立国会図書館長(鈴木隆夫君) 私よりも詳しい副館長から答弁いたさせます。
○国立国会図書館副館長(岡部史郎君) 図書館の職員につきましては、給与に関する限りは、衆参両院事務局と変わりございません。また超過勤務手当の単価がどうかというお尋ねでございますれば、これは超過勤務は、御承知のとおり、給与時間一時間につきまして計算いたしますから、職員の給与の構成によりましてそれぞれ単価が違うわけで、高級の職員が多いところは平均単価が高くなり、若い職員が多いところは単価が低くなる。それで図書館の超過勤務の一時間当たりの平均は、大体全部で見ますと、百七、八十円になると思います。この若い職員、七等級、八等級以下の職員につきましては、お説のとおり単価が百円下るものが相当ございます。
○阿部竹松君 そうすると、岡部さん、四〇%おるということは、下級職員がきわめて多く時間外を勤めなければならぬ、こういう解釈になりますね。
○国立国会図書館副館長(岡部史郎君) 超勤一時間当たりの単価が百円以下の者が四〇%も占めることは私は考えておりません。もっともはるかに低い率だと思っております。
○阿部竹松君 これは考えるとか、考えないでなしに、数字の問題ですから、あなたの持っておられる数字は偽りであって、正式な数字はかくかくであるという御答弁でなければ、思っておりませんぐらいの答弁では、これはどうにもなりません。何パーセントでどうだ、こういうような御回答でなければ。
○国立国会図書館副館長(岡部史郎君) これは、超過勤務の単価というものは、人的に作為できるものではございませんし、統計的に明らかなことでございますので、今の職員構成によって当然に出てくることでございますので、その数字は今私は持ち合わせておりませんが、今申し上げますと、六等級以下の職員が総職員八百名のうち三百六十名を占めております。しかし六等級の単価で百円を下るということは考えられませんので、大体七等級、八等級で私は百円下るものと計算しております。そういたしますと、七等級、八等級の職員は百名ちょっとくらいのものと承知しておりますが、これも何でしたらあとから正確な数字を申し上げます。
○阿部竹松君 夜間閲覧についてお尋ねいたしますが、その利用度と、将来もずっとやっていかれるかどうか。
○国立国会図書館副館長(岡部史郎君) 夜間開館につきましては、これは図書館の経営としても大問題でございますので、慎重に考えましたが、上野が従来月曜日から土曜日の九時までやっておりまして、したがって、上野を新館に統合いたしました場合に、サービスの低下をすることは避けなければなりませんので、その点からも夜間開館をやらなきゃならないと考えております。また、世界の一流の国際的な図書館、アメリカの議会図書館、あるいはソ連のレーニン図書館初め、おもなる図書館も夜間開館やっております。また国内のおもな図書館も三分の二以上は夜間開館やっております。さらに第三といたしまして、昼間に図書館を利用できない国民大衆のために、これはどうしてもこの図書館でなければ利用できない人のためにも夜間開館やらなければならない。この三つの理由から言いましても、夜間開館は恒久的にやらなければならぬと考えております。ただ、夜間開館に伴いまして、職員の勤務の過重、あるいは過労というような点につきましては、十分慎重に考えていかなければならぬと考えておりますが、現在のところ、したがいまして、今の夜間開館は、月曜日から金曜日まで八時まで。すなわち、上野の時代に比しまして、一時間短縮してやっております。また日曜の開館も、従来やっておりましたのを、この職員の勤務の過労を防ぐために中止しているというようなことでございますが、いろいろ配属をいたしました結果、そういうような規模において、今夜間開館を実施しております。しかも、夜間開館も、今のところ全面的な開館でなしに、比較的夜間をどうしても利用しなければならない少数の利用者のために、約六十席を限度としまして夜間開館を実施しているような状態でございます。
○阿部竹松君 利用度はどういう工合ですかね。
○国立国会図書館副館長(岡部史郎君) 夜間開館の利用は、大体六十席は満員になる程度でございません。月平均にいたしまして四、五十人のところでございます。
○阿部竹松君 次に、これは館長にお尋ねしますがね。図書館長がまだ衆議院の事務総長をやっておった当時、国会図書館長で春秋事件や何か、これは金森さんがおられたころ、いろいろ問題が起きまして、論議いたしました。そのときに、いろいろ個人名をあげると問題になりますから避けますが、問題がいろいろ論議された結果、東大の加藤先生初め、図書館をいろいろ利用される諸先生方、あるいは陰ながら応援していただく諸先生方を何回もお呼びして、いろいろ承った。しかしそのとき、これは極端な言辞になって恐縮ですが、日本の国会図書館は大体半身不随だ、これは全体の人事交流をやって、新しい視野に立って出発しなければ終生だめです。これも相当強いまあ参考意見だったのですが、いろいろ私ども聞きました。あなた今度就任されてまだ日も浅いわけですが、人事の交流はどういうことになっておりますか。ただあなたが館長につかれただけで、依然そのままなんですか。
○国立国会図書館長(鈴木隆夫君) 今お話がありましたように、なるべくこの図書館は世界でも有数の図書館になりますように、そしてまた設立の目的を達しますように、常に日々新たに新しいサービスを研さんに提供しようということで、鋭意私が就任いたしまして以来、革新すべきものは革新し、いいものはどんどん取り入れていく、悪いものは廃止していくということで、目下その業務改善調査会を設けまして、みなの考え方も聞きながら、逐次そういう方向へ進んでおります。
○阿部竹松君 具体的にどういうことをやりつつあるとか、などとかいうことはお示しいただけませんか。
○国立国会図書館長(鈴木隆夫君) 今度また、先ほど――山口でございますか、御承認いただきましたように、内部機構を改組いたします。それに従って、来月からそれに伴う人事異動を行なう予定でございます。
○阿部竹松君 次に、宮坂さんにお尋ねいたしますが、さいぜんの人半交流と相待って、この参議院の事務当局に、特にここに法制局長にもおいで願ったわけですがね、農林省とか通商産業省とか、各省から、これも兼任という形で派遣されるかどうかわかりませんけれども、たくさん入ってきておりますが、大体何名くらい入ってきておりますか。
○参事(宮坂完孝君) 急の御質問でございまするが、この参議院事務局が発足いたしました当時は、私の記憶に誤りなければ、貴族院の二百人ほどが、三年間ぐらいに実は千二百人ぐらいになったわけでございます。そういう情勢のもとにおきましては、各省から人材をいただくように非常に考慮いたしまして、私も当時人事課長をやっておりまして、それらの過程におきまして、各省は、俗な言葉で申しますと、もらいっ切りというような出し方はいたしませんで、たとえば二年なら二年という約束で借りてきて、それを二年でお返しするというようなことで初めのころはまかなってきたわけでございますが、これはもう十何年前のことでございまして、現在はさような者は事務局に関する限りはおりません。
○法制局長(今枝常男君) ただいまちょっと的確に申し上げられませんが、大体の数を申しますと、各省から参っております者は八、九人になるようでございます。これは、現場の――現場とは不適当な言葉ですが、現実の行政にタッチしているその経験をこの場で生かしてもらいたいという意味で、各省から事情の許す範囲でもらっております。そして、もらいます際には、一応大体の期限を予想いたしますが、しかし、参った人によりましては、特にこちらでの仕事に適するような場合、また、御本人もそのままこちらの仕事にいたいというような場合には、必ずしもその期限にこだわらないという建前で、一応期限をつけて交流してもらっておる、こういう形になっております。
○阿部竹松君 端的な質問になって恐縮ですが、こちらへ来ていただくことがあなたのほうで協力していただくことになるか、それとも、来ていただくことがあなたのほうが各省に対し協力になるか。ということは、入ってきて法律のほの字もわからぬ、僕らと同じようなのが入ってきて、三年ぐらいおってようやく使いものになるころ、省へ戻るわけですね。僕の知っている限りでも、そういうのが二、三人おる。まあそれで冗談に、君はもうさっさと戻ったらよかろうということを、これはちょっと口が悪いわけですが、いろいろと話をしているんですが、こういう人たちが入ることは、決してあなたの局の将来のためによくないんじゃないですかね。
○法制局長(今枝常男君) 各省から人をもらいます際のこちらの考え方は、今のお尋ねに対しましては、むしろ参議院の法制局側に奉仕してもらおうと、こういう意図でもらっております。それで、各省にお願いする場合も、それに適するような人を選んで派遣してもらいたいと、こういうことを申してお願いしますし、各省でもそういう趣旨で人選をして下さるのではあります。ただ、実際問題といたしまして、現実にこちらへ来てもらいました際に、法制局の仕事がやや特殊性を持っておりますために、参りましたばかりのころには、必ずしも長くこちらで仕事をしております者のように活発に動けないという場合がある期間は存在する場合が人によってございますと思います。ただ、これは仕事の特殊性ですので、しばらくその経験を経てもらいたいと、こういう意味である期間いてもらいます。 それから、お話のように、それでもう実際上は相当期間たってようやく法制局の仕事にもなれまして、われわれのほうのつまり役に立つというような時期に帰る時期がくるということが起こることは、まことに御指摘のとおりでございます。これは、そうかと申しまして、なかなかその先も奉仕をしてもらうということ、か現実の人の動きの問題としてはむずかしいことが起こりますために、今御指摘のような不便が起こっておるということがあるということは、これば非常に残念なことと思っております。それで、仕事の特殊性からいいまして、私どものほうといたしましては、なるべく長く仕事をしてもらえるような人をということを一面において常に心がけておるような次第ではございます。
○阿部竹松君 次に、衆議院の同僚から聞いたんですが、これは参議院のほうにもあるというのですが、どうかわかりませんけれども、衆参両院の法制局で、昭和二十四、五年ごろからいろいろな原稿を書いて、第一法規出版株式会社ですか、そこから数千万原稿料をいただいておる、こういうことなんで、それは、うちへ帰られてアルバイトで書かれたものかどうか、そういう点の解釈はどうなんですか。これは衆議院とこちらと両方で話し合ってなすっておるのですか。
○法制局長(今枝常男君) 両院で話し合って始めたものでございます。それは、話がございましたのは、二十四、五年というお話ですから、多分そうでございましょう。そこはただいま記憶がございませんが、終戦後、法規集というものが出版がうまく参りませんために、われわれが最小限に事務をやるのに必要な法規の現状を見ることができないような状態でありまして、非常に不便をしていたわけでございます。したがいまして、われわれのほうといたしましては、公務のための必要資料としてどうしてもそういうものの整備が必要であるということは緊急の必要に迫られていた状態でございます。そういう場合に、たまたま、今お話のありました第一法規のほうから局内のある者に対して話が出まして、それで、私もその話は側面から初めは聞いておりました。そうして、今申しましたような事情で、非常に必要に迫られていたときで、ございましたので、それは、たいへんけっこうなことじゃなかろうかということで事実上それが始まりまして、そして衆参両院話し合いの上で事を始めたわけでございます。それで、そういう趣旨からいたしまして、これは一面においてわれわれの執務資料として最小限必要なものであるという意味では、これはどうも役所として必要なことだと、こう考えたわけでございます。しかし、同時に、たくさんの職員が各自これを備えておりませんと、実際執務上の用に立ちかねますので、そういう意味から参りますと、たくさん複製されてこなければならない、こういうことになります。たまたま第一法規から話がありましたのがちょうどそういう要請にも合いますので、ともかく始めようと、こういうことで始めたわけでございまして、始めました最初に、当時の両院の議長の御了承も得て始めたわけでございます。 それから、数千万円の原稿料がどういうふうになっておりますか、それほどの額にはなっていないのじゃないかと思います。これは私数字は的確に覚えておりませんが、一面におきまして出版のほうの資料、何といいますか、第一法規から出版いたすための資料にもなりますという意味からいたしまして、原稿料――原稿料と申しますか、いわば原稿料の性質を打ったものとしてある範囲の額のものがその仕事をする各自の者へ支払われた、こういう事態はあるわけでございます。
○阿部竹松君 私も他院の受け売りですから、はっきりここで断定してお尋ねするわけにいきませんけれども、とにかく六千万か七千万の金額です。昭和二十四年から、それがただいまの会社によって原稿料ということで支払われた、こういうことなんです。それで、最前申し上げましたとおり、お帰りになってから原稿をお書きになるというようなことであれば、何ら問題もなかろうと思うわけですが、衆参両院で話し合って堂々とやったということになると、これは問題になると思うが、そういう御心配はないですね。
○法制局長(今枝常男君) これは、執務時間中にやるということは、当然の建前としてはいたしておりません。 それから、今の数千万円ということは、私はどうものみ込めませんですが、そんな多額のものを初めからのあれを重ねましても、そんなになるものとは思われませんですが、これは額のことで的確に今申し上げかねますが、大ざっぱな感覚といたしまして、そんな多額のものではないと私は感心しておりますが。
○阿部竹松君 六千万円か七千万、こういうことで私聞きました。しかし、あなたのお話を聞いて安心したわけですが、あとで衆議院で問題になって、そのときに、いやいやということでないようにひとつお願いします。それにあわせて宮坂さんにお尋ねいたしますが、私どものほうの参議院の常任委員会の調査室長さん方の中で、ある私大の講師をアルバイトでなさっておられる人があるそうですが、私は悪いと言うわけではありませんけれども、常任調査室あたりの出勤あるいは欠勤あるいは退庁時間というものを聞くと、どうもあいまいもことなってきますので、そういうことはございませんか。常任調査室はあなたのところの掌握下ではないのですか。
○参事(宮坂完孝君) 人事権につきましては事務総長の管轄でございますが、職務につきましては常任委員長の指揮命令によって動いている職員でございます。それでございまして、今人事課に届け出ている限りにおいては、許可を受けて大学教授その他の職を兼務している者はございません。勤務時間中に出向している者はございません。
○阿部竹松君 なければけっこうですが、そういうことを耳にするわけです。ですから、事実無根であれば問題ないわけです。しかし、そういうのが実際あるというふうに承っているのですが。
○参事(宮坂完孝君) 人事課長ともよく取り調べまして、後刻御報告申し上げます。もしもそういう点で許可のない者でやっている者があれば、それ相当の処置をいたしたいと思います。
○阿部竹松君 常任調査室の室長さんは、衆議院のほうはわかりませんけれども、参議院のほうは、相当の年齢の方ばかりですね。昨年の議運で勧奨解雇というのですか、勧奨退職というのですか、そういうものに年齢を引かれたようですが、相当の年齢の方ばかりで、特に池田さんという人、名前をあげて恐縮ですが、池田さんという決算委員会の常任調査室長、あの人は会計検査院から来られた人ですね。会計検査院から来られて、それで決算委員会の調査室長をやっておる。調べるところが全部自分の友だち、先輩、同僚、後輩のところばかりです。こういうところは配置がえというわけにいかぬのですか。
○参事(宮坂完孝君) 年齢につきましては、先年議運の理事会で御決定願いまして、六十五才で線を引いたわけでございます。それから、室長になりまして十二年間勤務いたせば、また交代願うというようなことになっております。それらによって今だんだんと若返りを実施いたしているわけでございます。 今お話の決算の調査室長につきましては、これは決算委員会が山田委員長のときでございましたか、当時しろうとの専門員で、いろいろな的確な調査もできないので、とかくの批評があったわけでございまして、当時の決算委員長がわざわざ会計検査院へ出向かれまして、事務総長と相談の上に、検査院はえ抜きの専門員を連れてきたわけであります。それだからと申しましても、今阿部先生のおっしゃるように、逆の弊害がないとは私は断旨いたしません。しかし、これは実際のその人の勤務のやり方によってはいかようにもなるのではないかと私どもは考えておりますが、お示しの御懸念等はまた事務総長にも報告いたしまして、今お考えになっているようなことが事実でありますれば、十分措置を講じなければならないと思いますし、国会の独立の調査機関に弊害が起こるようなことはまことに重大な問題でございますので、慎重にやらなければならないと思います。
○阿部竹松君 常任調査室長は、同じ国会職員であっても、採用する場合には、当該委員長、理事の推薦を必要とするという、皆さん方と違って一項目多い条項がありますね。これはどうも穏当を欠くと思うわけですが、この点はどうお考えですか。衆議院の庶務部長さん、衆議院側にもやはり室長は常任委員会の委員長、理事の推薦云々という一項目が入っておりますか。
○参事(宮坂完孝君) 阿部先生のお話のとおり、常任委員長の推薦に基づいて、事務総長が議運の承認を得て、議長の同意を得てこれを任命することになっております。
○衆議院参事(藤野重信君) この規定に関しましては、参議院と全然同一でございます。
○阿部竹松君 そうすると、やめるときは、常任委員長のやはり承認を得るということになりますか。承認ということはないでしょう。了解を得た上でなどということはありますか。
○参事(宮坂完孝君) やめる場合にも、当然任命の経緯にかんがみまして、当該委員長の御申す出を受けております。
○阿部竹松君 人事課長、そうなっておりますか。やめるときに当該委員会並びに委員長の承認を得ておりますか。
○参事(二見次夫君) 委員長の申し出により任免するとありますので、任と免と両方についてであります。
○阿部竹松君 そうしますと、今いる調査室長さん方は、六十以上の方はおりませんね。十四名の常任委員会の専門員で。
○参事(宮坂完孝君) 満六十をこしている者は、私の記憶では、三、四名かと思います。三名と思います。
○阿部竹松君 これは専門員が専門委員会という強力なグループを作って行動しているやに承っております。比較的年とった人ばかりもう常任調査室におって、なかなか機能がうまく活発に動かぬということなんですが、こういう点は全然ございませんか。
○参事(宮坂完孝君) ただいまのお話でございますが、あそこは一つの、私どもの事務局とちょっと違った勤務状況でございますから、あそこ自体が共通した問題が非常に多うございますので、人事の問題とか、会計から予算をもらう問題とか、いろいろな問題につきましては、あそこの調査室長会議というものが招集されまして、あそこでしょっちゅう御審議を願っているようであります。その結論に基づいて事務総長にいろいろな要求が来ている実情でございます。個々の問題は、軽微なものは個々でできますが、共通したものにつきましては、一括してその担当の部長なり事務総長に要求が来ております。
○阿部竹松君 時間が一時を過ぎましたので、最後に二、三お尋ねして打ち切りますが、自動車の運転手ですね。これは、埼玉県とか、あるいは千葉県とか、遠い所から通っているのがたくさんおりますね。そうすると、国会議員なり国会職員の方々を送って、車をここまで持ってきて、また一時間も一時間半も帰らなければならない運転手がだいぶいるようです。したがって、そういう運転手の宿舎を、国会周辺といってもこの辺にございませんので、最も近い所に準備してやる、こういうことができないかどうかということ。 それからもう一つは、きわめて住宅が少ないわけですから、なかなか全部に宿舎を与えるというわけにもいかぬでしょうし、配分になった宿舎を割り当てるといっても、数少ないことでしょうから、なかなか困難だと思うわけですが、下級職員に対して何らかの方法を講じてあげるというわけにいかぬかどうか。 その次に、女子独身者ですね。これが、何か聞くところによると、男子独身者と一緒に入っておるというようなことを承ったのですが、これが事実でなければいいわけですが、もし男子、女子の独身者が一つの寮におれば、問題も多くなかろうかと思うのですが、もしできることならば、別個の生活をさせてあげることができないかどうかということ。 その次に、高速道路ができることによって、この辺にあったお粗末なものであっても衆参両院の職員の厚生施設、たった一つあったテニス・コートがなくなるというのが現状なんで、こういうコンクリートの厚い壁の中で仕事をなさっておられるので、外に出て少しぐらい運動をしてもらわなければ困るわけです。そういう設備が道路のでき上がることによってなくなるというのですから、これは、衆議院、参議院、国会図書館を含めて、御相談を願って、大きくおきめいただきたいと思うわけです。 こういう点をお尋ねして、これは特に何とかこれを講じてほしいという意見も入るわけですが、その点をお尋ねして、委員長、私の質問を打ち切ります。
○参事(佐藤吉弘君) まず第一の宿舎の点でございますが、御承知のように、国家公務員宿舎法が制定されまして以来、省庁別の宿舎というものは設けることができなくなったわけでございます。すべて合同宿舎として各省共通の宿舎をこさえましてそれを割り当てるという方法になったわけでございます。従来から持っております宿舎につきましては、この周辺にございますが、これも等級別がございまして、なかなか運転手に割り当てるということが困難でございます。一般的に申しまして、宿舎の配分につきましては、できるだけ下級者のほうから入れるという方針のもとに、合同宿舎の申し込み及び割当に際しましても、上級者の宿舎が割り当てられました際には、これを下級者の宿舎と取りかえてもらうというような措置も講じまして、そういう配慮をいたしておりますが、ただいま申し上げましたような事情によりまして、運転手を特に周辺の宿舎に入れるということが思うように参りません。 ただ、機会がありますごとにできるだけそういう家を、つまり、機会がありますと申し上げますのは、具体的に申しますと、たとえばある宿舎が道路にかかってその代替の建物が建てられるというような場合には、できるだけ小さい家を、小さいと申しますか、下級職員用の宿舎といたしまして、なるべく数多くそこへ運転手を入れるという配慮はいたしておるわけでございます。 それから第二点の女子の問題でございますが、深夜国会がおそくなりまして、女子の職員が帰宅できないということに対処いたしまして、従来、そこの三宅坂の下に速記者養成所の寄宿舎がございまして、そこに六畳の間が四室でしたかございまして、そこを女子職員の帰宅できない者の宿泊施設として用意しておったわけでございますが、実際の利用は全くなかったわけでございます。それで、これが取り払いになりまして、それにも対処いたしまして、現在、自動車課の上に一室そのための部屋を確保しております。なお、松濤町に旧副議長公邸が分室として残っておりますので、女子職員が大ぜい帰宅できないというような場合には、バスでそこへ送る等の措置を講じまして宿泊をさせるという用意をいたしておるわけでございます。 それから、女子が独身の者が男子の独身と寮に一緒にいるというお話でございますが、現に女子が男子の寮の中に一室住んでおる者がございます。ただ、これは、今会館のところに修誠寮と申しまして女子だけの寮がございまして、そこに二室空室がございますので、そちらへ移らないかということを申しておるのでございますが、これはなかなか好みの問題もございまして、まあ空室がある限り、男子と一緒に置かないようにしたいと、かように考えておるわけでございます。 それから第三の運動場の点でございますが、これはテニス・コートはまあなくなるわけでございますが、現に一つございます。なお、この国会の周辺が次第に整備されまして、公園計画が進行いたしました際には、テニス・コートは周辺に設けたい、こう考えております。なお、運動場、プール等につきましては、これは公務員全般の運動場施設の問題でもございますけれども、周辺に土地を広く求めるということが今後ますます不可能になって参りますので、郊外にできれば運動場の敷地を求めたいと考えておりますが、まあ現に持っております土地との交換等によりましてそれを実施したい、こう考えておるわけでございます。
○主査(千葉信君) 以上をもちまして、国会所管に関する質疑は終了したものと認めます。 これにて暫時休憩し、午後二時二十分に再開いたします。 午後一時十六分休憩 ―――――・――――― 午後二時三十一分開会
○主査(千葉信君) これより予算委員会第一分科会を再開いたします。午後は、内閣及び総理府所管を便宜一括議題とし、説明を聴収することといたしたいと存じます。徳安総務長官。
○政府委員(徳安實藏君) 昭和三十八年度における内閣及び総理府所管の歳出予算案について、その概要を御説明いたします。 まず、内閣所管の昭和三十八年度歳出予算要求額は、十五億八千百三万五千円でありまして、これを前年度歳出予算額十三億四千六百四十六万四千円に比較いたしますと二億三千四百五十七万一千円の増額となっております。 内閣所管の歳出予算に計上いたしましたものは内閣官房、内閣法制局、人事院、憲法調査会、国防会議及び臨時司法制度調査会の事務の執行に必要な経費であります。 次に、総理府所管の昭和三十八年度歳出予算要求額は、四千八百九十六億四千六百二十九万六千円でありまして、これを前年度歳出予算額四千三百六十六億五千四百五十三万九千円に比較いたしますと、五百二十九億九千百七十五万七千円の増額となっております。 総理府所管歳出予算計上額は、総理本府のほかに公正取引委員会、国家公安委員会、土地調整委員会、首都圏整備委員会の四つの委員会と、宮内庁、行政管理庁、北海道開発庁、防衛庁、経済企画庁及び科学技術庁の六庁の外局に関するものでありますが、このうち防衛庁、経済企画庁及び科学技術庁に関する予算計上額二千六百五十二億六千六百九万三千円につきましては、他の分科会において御審議を願っておりますので、これらの部局以外のおもなる経費を以下予定経費要求得の順を追って事項別に申し述べますと、文官等に対する恩給支給に必要な経費百七十七億三百四十四万五千円、旧軍人遺族等に対する恩給支給に必要な経費一千七十二億-千三百三十五万四千円、沖繩援助等に必要な経費十九億八千八百十四万九千円、警察行政に必要な経費二百四億三千六百八十六万八千円、北海道の開発事業に必要な経費六百七十九億四千三百八十二万八千円等であります。 次に、その概要を順を追って申し述べますと、文官等に対する恩給支給に必要な経費は恩給法等に基づいて退職した文官等に対して年金及び恩給を支給し、また、国会議員互助年金法に基づいて退職した国会議員に対して互助年金を支給するための経費でありまして、昭和三十八年度におきましては新たに恩給是正措置に要する経費を計上しておりますが、失権等に伴う減少がありまして、前年度に比較して七億八千五百八十四万九千円の増額となっております。 旧軍人遺族等に対する恩給支給に必要な経費は恩給法等に基づいて旧軍人及び遺族に対して恩給を支給するための経費でありまして、昭和三十八年度におきましては、新たに恩給是正措置に要する経費を計上しておりますが、失権等に伴う減少がありまして、前年度に比較して二十九億九千八百八万一千円の増額となっております。 沖繩援助等に必要な経費は沖繩における農林漁業資金、土地改良、治山治水事業、護津、漁港施設及び道路整備事業等の産業開発関係及び社会福祉、医療、文教、技術関係の援助並びに南方同胞援護会に対する補助のための経費であり、医療、文教等の援助経費については、その執行にあたって必要に応じ関係各省の所管に移しかえて使用されるものでありまして、前年度に比較して九億一千百四十五万四千円の増額となっております。 警察行政に必要な経費は、警察庁及びその附属機関並びに地方機関の経費及び都道府県警察費補助のための経費でありまして、前年度に比較して三十五億八千三百二十一万六千円の増額となっております。 北海道の開発事業に必要な経費は北海道における住宅、土地改良、農用地開発、泥炭地開発、造林、林道及び漁港等の事業のための経費と、治水事業、国有林野事業、道路整備事業、港湾整備事業等の経費に充てるための財源の各特別会計への繰入金等であり、事業費についてはその執行にあたって関係各省の所管に移しかえて使用されるものでありまして、前年度に比較して百十四億二千七百六十八万一千円の増額となっております。 なお、他に総理本府におきまして光学式読取装置借り入れのため五千二万四千円、北海道開発庁におきまして国内空港通信施設整備のため三千百十一万円の国庫債務負担行為を計上いたしております。 以上をもちまして昭和三十八年度内閣及び総理府所管の歳出予算計上額の説明を終わります。
○主査(千葉信君) それではただいまの説明に対し、質疑のおありの方は順次御発言をお願いいたします。
○岡田宗司君 総務長官、もうすぐ退席されますか。
○政府委員(徳安實藏君) ええ。
○岡田宗司君 それでは、ちょっと先に総務長官にお伺いしたいのは、沖繩の問題ですが、今度はこれはだいぶ予算がふえることになりますね。九億一千百四十五万四千円ふえることになっておりますが、昨年沖繩の援助等に必要な経費として計上されたものがそのまま使われないでたいぶ残っておる、こういうことなんですが、ことしはまたこれだけ計上されても、向こうとの、つまりアメリカ側との話し合いがつかないために、また残ることが予想されるのじゃないですか。そのために今度の予算にはそれを見越して繰り越し明許ですか、これをくっつけたというようなことも考えられるのですが、一体去年の予算の執行がどういうふうになっておるか。そして、またなぜそういうふうに去年の予算が全部消化できなかったか、その原因についてお伺いしたいのです。
○政府委員(徳安實藏君) ごもっともなお尋ねでございまして、内容の詳細につきましては事務当局から御説明申し上げたいと存じますが、かように多くの金が前年度から繰り越しにならざるを得ない状態になりましたことは、三十六年度までは日本のほうの援助が、あるいはお医者さんをやりますとか、教員をやりますとか、物を買って与えますとかというような援助でございまして、現金で向こうの予算に入れて向こうで施行させるような金はほとんどなかったのでございます。昭和三十七年度において初めて七億幾らという金が向こうの予算に計上されまして、そこで向こうの手で施行されることになりました。全くこれは新しいやり方でございますために、日本の政府から申しますれば、やはり日本の政府が国内の各府県に補助を与えるような形において、会計検査もでき、また指導もでき、その責任を政府が持てるような趣旨で、向こうに金を渡したいという考えで、その手続等につきまして長い間折衝しておったわけでございます。昨年の六月の四日に、日本のほうで予算に基づきまして、アメリカと琉球政府と日本政府の三者了解のもとの覚書を交換することになりまして、その覚書を提示したのでございますが、なかなかアメリカ側の了解を得ることが困難でございまして、向こうの言われるとおりにすれば、何も難はないのでございますけれども、少なくとも日本で金を出します以上は、最後まで責任の持てる処置をとりたいということで、行ったり来たり、覚書の条文決定に手間どりまして、昨年の十一月に私が参りまして、向こうの高等弁務官にも話をして、これでは困るから早くひとつ態度をきめてほしいという催促をいたしましたが、結局、ようやく向こうのほうで覚書が、まあこれでよかろうといって了解に達しましたのが十二月の七日でございます。さような状態で、その間に不用意に金を与えまして、覚書のない先に金を送りまして、将来政府が責任を持てないようなことがあっては大へんだということで、多少政府のほうでも、そういう覚書が完成いたしますまでは金を出すことを渋ったわけでございます。で、覚書ができましてからは、今度はそれでは事務的に業務上の手続に入ったのでありますが、これにもまた、やはりアメリカ側の考え方と日本の考え方には多少の食い違いもあり、考え方もございまして、まあアメリカ政府によりますというと、もう補助してくれたんだから、くれたらこっちのほうである程度自由にしていいんではないか、その先までもあまりめんどうなことを言うのはどうかというような意見のようでございました。しかし日本では、その与えます金を何に使うかということのちゃんと了解でやるわけでございますから、その金が適切に使われたかどうか、またそれが不正はなかったかどうか、できたものは完全であるかどうかというようなことまでも、できることなら日本のほうで監査もし、会計検査もしたいというようなことで、それに必要なる文書、手続等もなるべくその線に沿って処理をしたいということで、これがずいぶんもめまして、ようやく二月ごろになりましてからできたという形で、自来、書類が整いまして、ただいま三十七年度のをどんどん向こうのほうにその書類によって送っているような状態でございます。この覚書は、私どもずいぶんアメリカ側にも交渉したのでございますが、第一年度で、どっちも間違いがあってはいかぬから、特にここでうんと念を入れておけば、一年ごとに更新になることにはなっておりますけれども、しかしよほどの事情の生じない限り前年度のものを踏襲していこうという話がすでについておりますので、昭和三十八年度からは心配はないのですから、念には念を入れて、両方ともいざこざがないようにしようという考え方であるから、がまんしてくれというアメリカ側の話でございました。そういうようなことで、三十七年度の金をやるのがおくれたわけでございます。で、三十七年度明許手続をとりまして、三十八年度にもとりましたことは、御承知のように、日本のほうは四月の一日が会計年度の始まりでございます。向こうはアメリカと同様に七月の一日になっておりまして、三カ月間ずれるわけでございまして、したがって、向こうで完全に一年間に消化しようといたしましても、四月から六月の末に至るまでの期間というものは、日本の会計年度と違った年度に使うことに相なるわけでございますので、そうした関係もございましたし、過去のいきさつもそういうような関係でございましたので、中途において明許手続をするよりか、とにかく三カ月というものは全然会計年度が違うわけでございますから、早く消化されることには努力いたしますが、初めからひとつ御了解を得たほうがよかろうということで明許手続をしておるわけでございまして、おそらく三十八年度にはそう繰り越しになるものはないように仕事が進むのではなかろうか、かように考えております。たいへんこれは見にくい予算の決裁になりまして申しわけないと思いますが、まあ大事の上にも大事を踏んだということが、こういう結果になっているわけでございまして、、どうぞ御了承いただきたいと思います。
○岡田宗司君 まあ今のお話で、アメリカ側との折衝に手間をとった、こういうことですけれども、沖繩に対して日本側から援助をしておる。それで、アメリカ側がこれを受け入れるということは、これはもうすでに両国間の首脳部において話がついている。で、こまかい手続の問題で非常におくれたと思うのですが、そういうことはまたこれからも起こり得る可能性が私はあるのじゃないか。たとえば現地の、キャラウェイ司令官なんかの態度というものは、自治の拡大の問題に対しましても非常にきびしいものがあるし、それからまた、根本的にはもっと沖繩に対する考え方がわれわれとまるで違うし、それから、アメリカのたとえば大統領やあるいは国務省あたりとも違うというふうに、われわれにとられるような状況なんで、そういうところから今後もなかなか日本側からの援助を向こうで積極的に受け入れていくということについて、何か今後もむずかしい問題が起こるのじゃないかと予想されるのですが、あなたはその点について今後そういうことはないと、こういうふうにお考えですか。あるいは、なお今後も相当ないわゆるトラブル、ことに新しい問題が、たとえば援助にもっと、今まで提供しているよりももう少し新しいものを援助しようというようなときにそういう問題が起こりはせん かと思うが、どうでしょうか。
○政府委員(徳安實藏君) 大体三十七年度の予算を決定しますときにも、その内容、総額等を日本のほうで決定いたします場合に、アメリカ側には了解が済んでおったわけであります。今度の三十八年度の予算につきましても、国会に提出する前に、アメリカ政府にも示し、琉球政府にも示しまして、日本の経済援助というものに対しまする総額なり、その内容等も、向こうは大体了承しているわけでございますが、先ほどもお話し申し上げましたように、まあ民族が違うのでありますから、多少考えも違うとは思いますが、大筋につきましては、向こうの大統領の声明、日本の池田総理の共同声明等の線に間違いのないことは私どもも信じておりますけれども、ただ、こまかい点になりますと、先ほど申し上げましたように、日本のほうでかつて与えたものは、まあもらったものじゃないか、だから、どういうことに使ってもいいじゃないかというような考え方が一部にはあり、日本では、ある目的で上げたのですから、目的以外のことに使われることは困る、そういうときには取り上げますよというようなことも日本で言いたい。ところが向こうでは、もうもらったのだから、そんなやかましく言いなさんなというような問題もございます。あるいはまたそのほか、せんじ詰めて参りますというと、その手続等でも、日本ではこういう手続の上にしておいたほうが会計検査をするのに便宜だと思って書類等をこしらえるのですけれども、向こうは、今申し上げましたように、こちらのほうが使うのにそうやかましく言わんでもいいじゃないですかと、アメリカ側はきわめて簡単な考え方をしておるというようなことから、三十七年度の覚書は非常に長い間時間がかかりましたけれども、そういう点につきましてはもうすでに意見も一致いたしまして、文書も交換し、調印も済み、さらにその他の事務手続につきましても大体全部話がつきまして、もうすでに三十七年度の金はどんどんいっておるわけでありますから、今後におきましては、今お話のように、全然向こうの欲せざるもの、好まざるものを日本のほうがしいるようなことになりましたら、あるいはどうかと思いますけれども、今の現段階におきましてはそういう憂いはなかろう。さらに、急いでおりますが、日本とアメリカ側で東京に委員会を作り、現地にも特別委員会を作るという話し合いができておりまして、これは遠からず発足すると思います。で、これは発足しますればこうした問題も始終機会に触れて爼上に乗せて話し合いができると思いますから、なるべくごたごたしないように、円満に予算が施行できますように努力するつもりでございまするし、またそうせねばならぬと考えておりますが、しかし、何しろ向うに施政権のあるところでございますから、私どもがきょういってきょう返事がもらえるわけではございませんので、その間に多少の時日等が必要であり、あるいは努力を内地以上にしなくちゃならぬ問題もあろうかと思いますが、幸いにして予算が通りましたら、極力そういう憂いのないように努力いたしたいと、かように考えておるわけであります。
○岡田宗司君 もう一つお伺いしたいのは、現在あなたがお触れになりました二つの委員会ですね。これは当然もっと早くできていなければならねわけなんですか、まだできておらぬし、またその会合等も開かれるのはいつだかわからぬような状況ですが、これが設けるということはきまっていながら今日に至るまで設けられなかったのはやはりいろいろ事情があろうと思うんですが、特に日本側のほうは急いで設けたいというつもりであることは明瞭なんですが、一体何が原因で今日までこれが設けられることが延びてきたのか。それはアメリカ側のほうからどういう理由でこれの構成になかなか踏み切らなかったのか、そこのところを少し具体的に説明して下さい。
○政府委員(徳安實藏君) その点につきましては、実は私も不審に思っておる点もあるんですけれども、すべてこれは外交交渉で外務省を通じてやっております。総理府としましては、ただぜひ頼みますという話をしただけでございまして、努力をしておるから、まあ待てということで待っておるわけでございまが、その間の消息はやはり外務当局でなければ責任がある答弁はできないと思うんです。
○岡田宗司君 まあ、それはそのとおりで、私も沖繩の問題の根本的な問題はそちらに、外務大臣なり何なりにお聞きしようと思っていますが、まあ、あなたのほうも沖繩のことは所管事項なんですからね。いずれ相談もし、それからその事情の説明も受けておられることと思って聞いたのですが、まあそれは、私のほうの責任じゃないんだ、こう言われればそれまでですけれども、しかし、その今日まで延びておる根本の問題としては、アメリカ側の国務省なり何なりの考え方と、そして現地ですね。沖繩現地の、つまりアメリカ軍司令官だの何かの考え方との相違、それがやはり今日までこれの設置が延びておる根本原因じゃないのですか。
○政府委員(徳安實藏君) 私どももじかに折衝したわけではございませんので、詳しい責任のあることは、申し上げられませんが、アメリカ側とは、三十八年度の予算についてはすでに昨年の末、話し合いが済んでおり、事務的にも今申し上げたようなことでだんだん進んで、調印も済み、手続の書類も了解ずみというような状態になっておりますので、今後は、翌年度からの予算援助方針等について真剣に話をしたいというような考え方から、その時期に至るまでは、そう急がなくてもよいという少しゆうちょうなお考えがあったのじゃなかろうかというようにも思うのであります。しかし、これは思うだけでございまして、向こうでそうだからという返事をいただいておるわけじゃありませんが、外務省のほうに私どもしばしば大臣にお話をして、なるべく早くしてほしいということをいっておるのでありますし、大臣のほうでも、私どもも催促しておりますから、そのうちできると思いますからということで延々日が延びておるわけでございます。しかし、最近の風のたよりでは、最近できそうな様子でございますから、もう少しお待ち願えますれば出発できるのじゃないかと思います。
○岡田宗司君 とにかく私どもどうも沖繩の現地のアメリカ当局のほうが、何か日本から援助が積極的に行なわれるとか、あるいはまたそれによって漸次日本側の沖繩に対する影響が強くなってくる。あるいはそのことによってアメリカ軍の自由に、アメリカ軍自身が沖繩においてやっておる仕事が何か日本から制肘されるのじゃないか、そういうような考えを持って、なかなかうんといわないのじゃないかと思うのですが、それはどうですか。
○政府委員(徳安實藏君) そういう誤解のないように努めておるつもりでございますけれども、何しろ御承知のように、日本本土とは接近しておりまするし、内地のほうからもちょいちょい政治家もおいでになり、あらゆる階級の諸君もおいでになりまして、あるいは演説会も開かれ、あるいは街頭の演説等もありまして、そこでまだ政府で意図していないようなことも時々お話になったりなんかすることが新聞に出ますと、そうすると向こうのほうの耳に筒抜けに入るというようなことになりまして、そこらに割り切れぬ気持が起こる問題もあるのではなかろうかと察する場合もございます。私どもはやっぱり政府の方針等がきまりません間は、心に思っておることも、こうもしてあげようとか、ああもしてあげようとかいうようなことは差し控えておるわけでございますが、それがそうでない場合には、政府の関係以外の方は、今度は日本政府はこうしてやるとか、こうするのだとか、あすにでも実現できるようなことを不用意におっしゃるような場合もあるようでございまして、そういうことが非常に真剣に受け取って、一体日本はほんとうにそう思っておるのかということが疑心暗鬼を生む原因になる。何しろ近いもんですから、そういう機会がしばしばあるのでございまして、私どもは十分慎しんでおるのでございますが、そういうことが避けられない場合がございまして、そういうところに多少の誤解があるのじゃないかと思います。しかし自治権の問題等につきましても、私どもが高等弁務官と話をいたしますれば、必要以上のものをかかえておろうという考えはありません。順次相談によって、沖繩の幸福のためには、大統領の方針によって委譲いたしますというようなことも話され、別にえらく疑われておるようでもないようでありますけれども、どうもやはり土俵以外のところの相撲のほうが、かえって悪い影響を及ぼすような場合があるのではないかというようなことも考えられますが、しかしこれは、そういう誤解を除くことは政府の責任でありますから、できるだけそういうことのないように、疑心暗鬼を生まないように、日本のほうでこうした気持で援助するとに対して、向こうが謙虚な気持で受け入れるように、私どもの責任において努力いたしたいものと考えておりますが、 〔主査退席、副主査着席〕 微力で、多々そういう点についてはみずから省みて恥じるようなこともございますけれども、しかし努力は、今後その方針で続けていきたいと思っております
○岡田宗司君 ただいまのお話を聞いていると、どうもアメリカが、現地の軍当局等の態度が、日本に対してきびしいものがあるということ、何かどうも日本人がよけいなことを言ったり、よけいな行動をするために、向こうが疑心暗鬼を生じてそうやっているのだ、どうも日本側のほうが悪いような御答弁だったけれども、私これはちょっとどうかと思うのですよ。アメリカ側において、やはり沖繩の今後の問題について、たとえば自治権を拡大する問題について、日本の援助の問題等について、大統領なりあるいは国務省なりと軍当局との間に食い違いがあるのじゃないか、それが根本じゃないかと思うのですが、軍とすれば、なんといったって、あそこを軍事基地として押えていって、そうして自由に使おうということ、そのためには日本側の影響か強まることは好まないということは、どうもいろいろなことで言われているところから、私はそういうふうに考えられるのですが、それらが原因で、日本人が何か言って、向こうが疑心暗鬼を生じたために言う、そういうことじゃないんじゃないですか、どうも私はその点であなたが言われたように、こっち側がいろいろ言うから、どうも向こうがそういう態度に出るのだというふうには思わないのですがね。
○政府委員(徳安實藏君) これはただ一例を私は申し上げただけでございまして、全部が全部そうだというわけではございません。向こうのほうは向こうなりに、施政権は私どもが持っているのだ、そう相談なしによけいなことをどんどん脅えられては困るというような気持で、多少部内にはあるかもしれません。しかし、協力し合って話し合っていこうという話し合いになっておるわけでありますから、何をするのにも一応琉球政府、民政府にも話し合いをしておるわけでありますけれども、まるで全然話を通さぬもの等が、日本政府ではこういうことをしたのだ、ああいうことをしたのだということがちょいちょい出て、反対党に現われたりしまして、私ども全然予期しなかったような問題も、そんなことをいわれたかというようなこともありまして、そういうことをほんとうに日本政府でやるのかというようなことを考えて、さなきだに多少不安でもお持ちになっておるような方は、そういうことがありますというと、そこに自然と疑心暗鬼を生むというようなこともあるのではなかろうかというようなことを想像するだけでございまして、そういうことのないように私どもは努めるという考え方でございます。
○岡田宗司君 沖繩と内地とのこの渡航の問題ですね。向こうからこっちに来るのもいろいろむずかしいあれがありますが、こっちから向こうへ入るにしてもたいへんむずかしいのですが、沖繩と内地との渡航の問題ですね、これについてさらに今後前進する見込みはございますか。
○政府委員(徳安實藏君) ちょいちょい願書を出しているのだけれども、もう飛行機に乗る日が迫っているのに返事がない、どうしたのだろうかという御照会を受けて、私も先般照会するということがちょいちょいございます。先般向こうに参りましたときに、高等弁務官に話をしたのですが、お話のごとくであるならば、もう少しこうした問題はなめらかにいきませんかという話をいたしました。ところが、まあ向こうは、それは日本のほうが悪い、わしのほうは悪くありませということを言っておるわけです。私も事務をとっておるわけではありませんから、そこで向こうのほうに、あなたは自分のほうがいいのに日本のほうが悪いと思っているかもしれませんが、私は日本のほうがよくてアメリカが悪いと思っているから、上だけそういうふうに思っていては仕方がないから、ほんとうに仕事をする人を分析して、あなたのほうで悪い点があったら改める、私のほうでも不必要な点があったり、事務の渋滞する点があったら改めますからという約束をして、去年の十二月に帰って参りました。自来事務当局を督励いたしまして目の届くようにし、おくれるものはおくれるものがいつでも証明のつくような処置をとっておるわけでありますが、だいぶなめらかにいっておると思いますけれども、何しろ向こうのほうに全部書類が参りまして、向こうからこっちに書類が届かなければどうにもならぬというような状態でございますので、そうした問題は、自治権拡大というような問題ともからみ合わせまして、今後はできるだけすみやかにそうした問題が今後とも起らないように片づけたいと、そういう工合に前向きに審査を進めたいと考えまして、おりに触れて向こうとは折衝しておるわけでございます。
○岡田宗司君 たとえば日本の事業が向こうへ進出する、いわゆる資本の進出ですね。これなんかについても、アメリカ側とすれば困る。近ごろはアメリカの資本がどんどんと沖繩へ進出できるような措置が講ぜられるということで、沖繩の何ですね、沖繩の人たちの事業自身がそのためにかなり恐慌を来たしておることも伝えられておるの一ですがね。こういうような問題がやはり私どもとしてみれば、どうも引地のアメリカ当局のやり方というものが日本をこうだんだんなるだけ入れないようにするのだというふうにもとられるのですが、この問題について、何かこれは交渉その他は外務省がやることでしょうけれども、この問題について何か総理府のほうとしてはお調べがあって、そしてこれはこうしたらいいんだというようなことをお考えになっておりますか。
○政府委員(徳安實藏君) 御承知のとおり、今の砂糖の関係等がございまして、これは日本としましては、あの企業を潰滅させたのではあそこの民生安定もあり得ないものでございますから、そうしたことを十分警戒しまして、日本で処置をとってやらねばならない、向こうでもぜひ頼むということも言っておりますししますから、事業面では一番砂糖、パイナップル等が大きな、事業としてはあの土地では重要な問題でございますが、それにアメリカの資本が今入ってきておるというふうには私どもは考えておりませんけれども、しかし、あるいは向こうのほうの施政権のあるところでありますから、どういう格好でどういうものが入ってきておりますか、私どもの今詳細な報告は来ておりませんけれども、しかし、あそこの事業の育成等につきましては、アメリカ側も非常に謙虚な気分でおるように私どもも考えておるのです。この問題では、沖繩の諸君によってこの沖繩が立っていけるように指導したいのだということを始終言っておりまして、ほかのほうから資本をうんと求めてきて、あそこを支配するような大きい、大それた考え方は、これまでは絶対あり得ないよりに考えておりますけれども、いずれ、お話の次第もありますから、一応最近の情勢につきましても、重ねて沖繩の事情等もこちらのほうに報告を求めるようにいたしたいと思います。
○岡田宗司君 これは、日本の砂糖の自由化も必至です。それからバナナなんかもいよいよ自由化される、それから果物なんかも自由化されてきますと、これは沖繩の産業に与える打撃は大きいと思うのです。これらについての日本側として具体的な沖繩のパイナップル栽培並びに砂糖、これに対する行政措置それはすでに立っておりますか。 〔副主査退席、主査着席〕
○政府委員(徳安實藏君) 貿易自由化に伴いまして、もちろん砂糖が最近の話題になっておるわけでございますが、これは農林省で近く法案を出されることになっておりまして、これは内地と同様に沖繩も扱いたいという気持で、いろいろと検討していただきましたけれども、内地には農林大臣の指導監督権が及びますけれども、沖繩には現在の制度ではちょっといかない問題がありますから、同じ法律のもとで縛って援助するということは困難でございますので、一応内地のものを通しまして、そして内地のほうを保護するという法案が出るのでありますが、先般閣議でお話が出ましたときに、私のほうから発言をいたしまして、沖繩の糖業につきましては、内地に準じて、もし向こうの外国の砂糖が非常に値下がりするときがございましたならば、内地同様に政府によって沖繩糖を買い上げるというふうな法的措置を同時に考えてほしいという発言をいたしまして、農林大臣からそれはそのとおりに考えて処置をするつもりだということの話がございまして、了解事項になっておりますから、日本のほうの法律案と同様な形では立場上困るので、一本の法律では縛れませんけれども、別の法律で援助するというような工合に話を進めておるわけでございます。
○岡田宗司君 これは今日本の甘味資源の保護の法律が出るときに、同時に提案されますか。
○政府委員(徳安實藏君) 現在のところでは、何か外国のほうが高くて目先保護しなければならぬことはないような状態だそうでございます。しかし、それはそういうことが長く続くかわかりませんので、先般の閣議では、今国会でそういう処置をとってほしいということを要望しておきましたので、農林省のほうでもそのつもりだと言っておりますので、同時にはどうかと思いますが、続いてその処置をとっていただけるものと考えております。
○岡田宗司君 パイナップルについてはどういうふうに処置をされますか。
○政府委員(徳安實藏君) 砂糖を一生懸命にやっておりますので、パイナップルの問題につきましては、まだ私あまり知識を持っておりませんので、また適当な機会にお答えするようにいたしたいと思います。
○政府委員(大竹民陟君) ただいまのパイナップルは、先年すでにこれは自由化されておりまして、その際に、これは関税で保護しているというように考えております。ちょっと私正確な関税の率を記憶いたしておりませんが、たぶん三年五五%、それから四年目から五%程度落とすということになっておったと思いますけれども、沖繩を保護いたしますためには、関税を引き上げてやっていく、その間に向こうとしましても、だんだん合理化していくというような考えでやっております。合理化のための資金なども必要になりまするので、そういう意味を含めまして、沖繩にあります農林中金というふうなものに若干政府の援助資金の中から資金をさいてやる、必ずしもそれで十分というわけにいきませんけれども、パイナップルの合理化のためにも使って参りたいというふうに言いまして、向こうに渡しておるというような措置が講ぜられておるわけでございます。
○岡田宗司君 パイナップルの問題ですが、自由化されてきますと、とにかくハワイのが入ってくる可能性が濃いのです。そうしますと、それは関税の何がありましても、なかなか容易じゃないと思うのです。それで、沖繩のほうでせっかく今大きな輸出の相手になってきた、これが拡張をすることもできるということになってきますと、沖繩の経済に対する打撃も大きいと思うのです。やはり急速に、沖繩のパイナップル産業が栽培から製造に至るまで、もっと合理的なものにされなければならない。それについての政府側の援助、これは十分でないのじゃないかと思うのです。今度の予算には、そういうことは、どれくらい計上されておりますか。
○政府委員(大竹民陟君) 技術的な改善でございますが、琉球政府が中心になりまして、新しい苗、品種を導入いたしましたり、あるいは製造工程をいろいろ改良いたしましたりするような、第二次産業の合理化五ケ年計画と申しますか、そういうものを立てております。日本の政府にも、パイナップルの技術的な専門家というのは実はそうたくさんないわけでございます。しかし、昔台湾時代にやったという経験者が若干おりますので、そういう人を探しまして、できるだけの技術的な援助、合理化計画を立てるにつきましてのできるだけの技術援助というものはやっております。実際には資金面が相当問題じゃないかというふうに思いますが、先ほど申しました三十七年度には一億三千万円でございますか、それから三十八年度では三億円でございますか、必ずしもこれはパイナップルだけという意味じゃございません。その改良資金の一部に充てるという意味で、資金の融通というふうなことをやっておるわけであります。
○岡田宗司君 三十七年度の予算はいろいろな関係で消化しきれなかった、これが三十八年度に繰り越される額はどれくらいになるのですか。
○政府委員(大竹民陟君) 向こうに渡しますものが予算の総額は大体十億四千万円、そのうち向こうに渡して経理いたしますものが七億一千万円か二千万円の間と記憶しております。先ほど長官御説明になりましたような理由で延び延びになっておりました、最近そのうちの一億三千万円、今申しました農林中金の援助でございますが、これをまず渡しております。追ってそのほかの事業計画も十三項目ほどございますが、そのうち七、八項目の援助申請と申しますか、そういうふうな手続が出てきておりますので、これはごく近い機会に向こうに渡せるというふうに考えております。この三月三十一日までにはたして片づくかどうか、これはやはり私どもの考え方といたしましては、琉球政府がいろいろ事業を具体的にきめまして、金が実際必要とするという時期に渡そう、たとえば契約をいたしまして、船なら船を作るという契約ができまして、船会社に払う時期に金を渡そうというふうな考えでおります。若干まだ日がかかるかと思いますが、大体今後は順調にいくものだというふうに予想いたしております。
○岡田宗司君 そうしますと、三月三十一日現在でまだ、だいぶ残るということですな。
○政府委員(大竹民陟君) そうでございます。
○岡田宗司君 それは、五億円くらい残るのですか。
○政府委員(大竹民陟君) そうでございます。
○岡田宗司君 そうなってきますと、三十七年度の計画もまだろくにできていない、実際に三十七年度に使うべき金に対する計画もできていない、それが琉球政府のほうにしてみれば、三十八年度になってしまう、こういうことになりますとね。押せ押せになって、三十八年度の日本側で組んだ予算の消化ということも、さらに一そうおくれてくるんじゃないかというように考えられるんですが、どうですか。
○政府委員(大竹民陟君) ごもっともな御心配でございまして、私どもも実はその点で、不測の事態と申しますか、予期以上に三十七年度の実行に手間がかかりましたので、そういう点一番心配いたしているわけでございます。琉球政府とも打ち合わせまして、そういう事態がないように、今極力、向こう側も力を注いでもらうように、事務的な話を進めているわけでございます。琉球政府の予算の全体からみますと、日本から出しております金というのは、必ずしも比率から申しますと、そう大きな割合は占めておらないわけでございまして、二年分が重なったということになるわけでございますが、現在六三年度の予算をやっておりますが、六二年、六三年の比較で、予算そのものといたしましては、二割内外のものという程度になっております。多分私どもの期待にこたえて実施してもらえるものというふうに予測はいたしている次第でございます。
○岡田宗司君 アメリカのキャラウエイ中将ですかね。あれが、琉球政府はどうも仕事の能率がちっともあがらない、それでアメリカから出す予算さえ消化できない、こういうようなことを言っておりますね。琉球政府に対してきつい批判をしている。これはアメリカ自身のもとにあって、直接監督のもとにある政府だから、そういう点については、もっとやらせることもできたんでしょうけれども、しかし、いろいろな原因があるにいたしましても、琉球政府がやはり現実に非常に行政能力が高いとは、どうも言えないんですね。ことにいろいろこちらから援助をやる場合に、向こうも計画を立てなければなりませんが、その計画を立て、それを施行する能力が欠けている点があるんじゃないかと、私どもは見ているんです。これに対して、日本側は、どういう援助、たとえば、人を派遣してその計画の作成あるいはまたこれを実施されるときの指導ですね、そういうものについて、どういうふうな方法をとっておるか、これもまたアメリカ側のほうが許可しなければなかなかできないことだと思うのですが、そういうことに対するアメリカ側の態度ですね、これはどういうふうになっておりますか。
○政府委員(大竹民陟君) 先ほどお話にございましたように、琉球政府の行政能力と申しますか、そういうものについていろいろ御批判が出ておることを私どもも耳にいたしております。ああいう土地におりますものでございますから、あるいはそういう批判も今後の反省の材料になるかと思うのでございますが、しかし、今回の日本政府の援助が消化できなかった、昭和三十七年度の援助が消化できなかったということは、私どもといたしましては、必ずしも琉球政府の行政能力とそのまま結びついた問題ではないと、総務長官も先ほど御説明申しましたように、いよいよ琉球政府が手をつけて使っていくというそこまでのアメリカ側との話し合いが実は長引いたということだけでございまして、使い始めた、手をつけたけれども、事業の施行がもたついておるという、こういう格好には実はまた三十七年度の問題についてはなっておらないわけでございます。したがいまして、私ども自身としては、三十七年度の予算にからめて琉球政府の能力が低いのだと、こういう判断を下しますところまで、実はまだ考えておらぬわけでございます。しかし、そういう問題、いろいろ世上で論議をされておりますので、私どもといたしましても、十分注意はいたしていかなければならぬと思っております。そういう点があれば、どういう方法でカバーしておるかということでございますが、やはり向こうで技術者が不足であるということは事実のように思います。これは一番初めに、早くから日本政府としてやっておる仕事でございますけれども、ほとんど各省から専門の技術官を相当派遣しております。一番多いのが農林関係、それからまあ厚生関係でございますが、ものによりますと、向こうに行って指導する、それからまた設計などこちらで直接手伝ってやるというようなことを今までやって参りました。そういう技術的な援助につきまして、必要な部分につきましては、アメリカ側も喜んで受けるという格好でございます。ただ一面、沖繩自身の地元の技術能力を高めていきたいという政策も、一面においてとっておるわけでございまして、沖繩に全く技術者が不足しておって足らない、日本から持ってくるのが一番適当だというふうなものにつきましては、アメリカとしてぜひ頼みたいという格好で私どもと話をしておるというふうに考えております。
○岡田宗司君 日本からの沖繩援助ということは必要でもあるし、またどうしても今後やらなきやならぬことですが、どうも私ども見ていますと、大いに鳴りもの入りで宣伝されますけれども、実効が上がらない、いつの間にか立ち消えになってしまったというようなものもある。特に数年前に西表の開発問題、これは調査団が出たり何かしてたいへん内地でも宣伝されたのですが、あれは一体今どういうことになっておりますか。
○政府委員(大竹民陟君) これは実はアメリカ政府自身で西表ときめたわけではございませんが、移住計画資金というものを、アメリカの国会で特別な承認を得て、一般の援助の別ワクとしてそういうものを持っておるようでございます。昭和三十六年度でございましたか、日本側といたしましては、西表を開発するための農業調査というものをやってくれという依頼がございまして、二回にわたりましてやりました。アメリカ側でも多分たしかスタンフォード大学だったと思いますが、また別個に調査をやっておるわけでございます。三十六年の暮ごろにすべての調査報告が一応出たと思うのでありますが、その後におきまして、それらの開発計画を総合してどういうふうに開発を進めていくのかという点につきましての新たなアメリカ側――米琉側の計画というものは、実はその後進展しておらないように思うのであります。とりあえず政府といたしましては、西表の港湾の調査だけを手伝おうというので、若干の援助をいたしておるわけでありますけれども、その後向こうの計画が具体化してこないということで、本年度は援助を差し控えておるという格好でございます。
○岡田宗司君 沖繩の人口の増加は相当急速なんですね、そういたしますと、やはりああいう内地植民といいますか、コロニゼーションというものも必要だと思うが、今言ったように、アメリカ側が、最初はかなり鳴りもの入りでやり出したけれども、実際は龍頭蛇尾みたようになっている。こういう問題は、日本側としても調査団まで送ってかなり内地でもそれを支持するような空気が強かった、こういうことももっと積極的に日本側としてはアメリカ側なりあるいは琉球政府なりに対して働きかけてやらすようにしたらいいんじゃないかと思うのですが、どんなものですか。
○政府委員(大竹民陟君) おっしゃるとおり、あすこは人口問題の一つの解決あるいは産業開発の一つの大きな着眼点になっておるように思います。おっしゃるようなことを私どもといたしましても、若干やっておりますけれども、まだ計画がまとまっていないということでございまして、その点まだ……。
○岡田宗司君 これはやはり人口増加の問題とも関連するのですが、沖繩からの移民ですね、これの身分ですね、前々からどこへ行っても、日本人として取り扱ってくれないというので、だいぶ問題があったんですが、あの問題はすっかり解決できる方向に向かっているのですか。
○政府委員(大竹民陟君) 主として南米に行っておりますけれども、向こうに着きました後には、大体一本の領事館とそれからアメリカ側と両方で世話する。事実問題といたしましては、日本の領事館と話し合わせると申しますか、主として日本側の領事館が、やっておると思いますが、そういう形で事実問題としては解決いたしております。
○岡田宗司君 受け入れたほうは、日本人として受け入れておるか、それともどういう――これはどうも沖繩の人はアメリカの国籍を持っているわけではない、あるいは外国に対して日本の国籍を持っているわけではない、日本は日本人だと思っておるけれども、法的に無国籍みたいなことですが、こちら側は、日本側でお世話するというつもりでおっても、どこの国籍のものだということで、向こう側に開き直られると、何ともしようがないが、何とか根本的な救済方法というものはないのですか。
○政府委員(大竹民陟君) 国籍といたしましては、日本側ももちろん、沖繩の人は日本国籍と考えております。アメリカも日本国籍であると、沖繩人が日本国籍であるということは全然同じ考えであると思います。南米の日本の外交機関におきましては、日本国籍のものとしてのパスポートその他一切発行いたしております。相手国では日本の国民として扱っているというふうに伺います。
○岡田宗司君 沖繩から普通、海外に旅行する人は、これは日本側のパスポートではないでしょう。どこの人ということになっておるのですか。
○政府委員(大竹民陟君) 沖繩から直接出ます際は、やはり高等弁務官が発行いたします渡航証明書というようなものを持って出ますけれども、しかし、国籍といたしましては、日本の国籍で、旅券にかわりますものが、そういった渡航証明雷という形になっておる。旅行に限っての扱いである、国籍についてそれが、左右されるようなものではないと存じます。
○岡田宗司君 それで今度は沖繩への援助のうちで、沖繩の学生に対する援助費も増しておりますけれども、現在どれくらい来ておりますか。そうしてまた、政府の今の援助はどれくらいしておるか。来年度はどれくらいふえることになるのですか。
○政府委員(大竹民陟君) ちょっと資料を――大体でよろしゅうございますか。日本からまるがかえで金を出しまして、こっちに来てからの一切の給与をするということで、国費で全部をまかなっておるというものもございます。それから育英会、沖繩の育英会に金をやりまして、育英会から補助をしておるもの、それから金銭的な援助はいたしませんけれども、特に入学について文部省として便宜をはかってやるというふうなものもございます。正確な数字を今ちょっと思い出せませんが、年々ふやして参りまして、来年はそのいずれの部分もふやしていこうという格好になっております。文部省が執行しておりますものですから、詳しい数字をちょっと私は持っておりません。御必要ならば……。
○岡田宗司君 三十八年度はさらにふえますか。
○政府委員(大竹民陟君) ふえる見込みであります。
○岡田宗司君 そのうち、つまり理科系統といいますか、技術系統といいますか、お医者さんなんかも含めて、それから文科系統、どういう比率になっておりますか。
○政府委員(大竹民陟君) 向こうに、沖繩に琉球大学というものがございまして、大体文科系統の一応のものがあるわけでございます。特に御指摘になりました医学方面は非常に払底いたしておりますので、そういうものにつきましては、文部省も一番気をつけていただいておるわけでございます。今年、一般の医者と歯科医師等含めまして、多分五十人国費学生がおったと思います。それを来年度は多分七十人にふやしていくというような計画になっておるんじゃないかと思います。特におっしゃいましたような理科系統、そのうちでも医学方面に一番重点をおいてやっていくという格好になっております。
○岡田宗司君 農業技術者、土木関係の技術者、そういうものも必要でしょうし、それから非常に高度の工業なんかの何は必要じゃないでしょうけれども、軽工業等の技術者というものも必要なんでしょう。そういうものについて、もっと大量に養成する方式というものを積極的におとりになるつもりでございますか。
○政府委員(大竹民陟君) 文科系統よりも、できるだけおっしゃいましたような医学あるいは理科系統のものに重点をおいていきたいというような考えでございまして、二十八年から三十七年までの計でございますが、承知いたしましたのが医学で百十三人、それから工学関係で百五人、それから一般の文科系統で二十人、法律系統で二十三人、経済系統で二十四人、ほかに航海あるいは水産、いろいろな方面がございますけれども、大体文部省といたしましても、おっしゃいましたほうに重点をおいてやっておるというふうに思います。
○岡田宗司君 これは向こうから伝えられておるところなんですが、沖繩出身の人でアメリカへ留学してアメリカの大学を出た人が、沖繩で今一番いい待遇を受けておる、給料等もいい、こういうことも伝えられておる。これはどうも私必ずしもアメリカの大学を出たから、それだけ能力が高いとも思われないので、困ったことだと、これは制度の問題じゃないのですから、どうもそれをどうせよということもできないものですから、非常に困ったものだと思うのです。こういうことは何か打破しなければならぬことですけれども、これらの点についてアメリカの大学卒業者と日本の大学卒業者と、それから琉球の大学の卒業者、それらの現在の何というか、差別の状況、それから将来そういうものをなくすために、何か指導する方法があるかどうか。それはどうでしょうか。
○政府委員(大竹民陟君) アメリカの大学にアメリカの費用で行っておるというのは、大体三百人くらいおるように聞いておりまして、私実は民間の給与レベルというものを詳しく存じておりませんが、琉球政府の給与は大体日本の公務員と同じような体系をとっておりまして、やはり大学出のランキングは、日本の政府とほとんど同じような程度で、同じ程度でありますれば、アメリカの大学でも日本の大学でも別に差別していないというふうに考えておるわけであります。琉球政府の中にそういう人が幾人か入っておりますが、特にいい待遇を受けておるということは承知いたしておりません。民間につきましても、アメリカ側といたしまして、本来のたとえば外人と沖繩人との間に給与の差があるのじゃないかということは、ときどき問題になっておるようでございますけれども、アメリカ側に言わせますと、外国から来ておる者につきましては、やはり生活が二重になったりするような関係もあるので、そういう意味の若干の給与差というものは当然あり得る、しかし、基本的にはみな同じにしたい、同じにするという方針であるということは、アメリカ側としては繰り返して言っております。実は民間の給与はあまり私詳しく存じませんので、はっきりしたことを申し上げかねるわけですけれども、特に差があるという話を私ども今まで聞いておりません。
○岡田宗司君 いや、どうも、沖繩関係はこの程度にします。
○主査(千葉信君) ただいまご出席の方は古屋総理府副長官、八巻恩給局長、江守審議室長、石岡調査室長、後藤田警察庁官房長、多治見内閣総理大臣官房会計課長並びに武岡憲法調査会事務局長、政府委員は以上であります。
○岡田宗司君 それじゃ内閣調査室のことで伺いますが、この予算書を見ますと、「内閣官房」のところの「情報の収集及び調査に必要な経費」というのは、前年度の予算が四億四百四十五万五千円であったものが、三十八年度は四億五千四百七十七万五千円、こういうふうに約五千万円ふえておりますね。これは人件費がふえたのが主なんですが、それとも何か仕事の拡張によってこういうふうにふえたのですか。
○説明員(石岡実君) お答え申し上げます。仕事の拡張によってふえたものでございます。
○岡田宗司君 私どもどうも内閣調査室のやっておる仕事というものをつまびらかにしないのですけれどもね。一応その概観ですね。何も機密にわたる事項の内容を言えというのじゃないのです。概観をですね、教えていただきたいのです。
○説明員(石岡実君) 内閣調査室は、法律の規定に基づきまして、内閣の重要政策に関する情報の収集及び調整調査と各行政機関の行ないますところの情報の収集及び調査でありまして、内閣の重要政策に関するものの連絡調整を行なうことになっているわけでございます。その任務のもとで現在行なっておりますことは、内外の新聞、出版、放送等、いろいろの参考資料を収集いたしまして、その調査、分析、判断をいたしております。さらに内外の社会、経済、文化等に関します調査、研究及び分析、判断をいたします。それから関係省庁等から提供を受けましたところの資料に基づきまして行なう分析、判断並びに各省庁連絡会議等による関係機関との連絡調整の事務を行ないます。そういうふうな日常の業務を行ないまして、その結果を内閣に報告いたしまして、重要政策の立案、実施に資しておるわけでございます。
○岡田宗司君 抽象的にはそういうことでしょうが、そこでお伺いしたいのは、今調査室長以下陣容はどれくらいの人数がおりますか。
○説明員(石岡実君) 専任で六十三名であります。関係各省から併任で参っておる者がたしか三十人だったと思います。
○岡田宗司君 そうすると、まあそのくらいの人数でやって、そういう大きな仕事をやるということは、なかなかできないことですね。そこで、いろいろなところにいろいろな問題の調査といいますか、情報収集を委託をしているのですね。これは今のところどれくらいの組織とか個人に委託をされていますか、数。
○説明員(石岡実君) 現在のところおおむね十一の団体に調査委託をいたしております。
○岡田宗司君 個人にはしてないのですか。
○説明員(石岡実君) 今の調査委託費は、団体に調査を委託しているわけですけれども、さらにその団体からいろいろの個人に情報収集並びに調査を委託しておることはあります。
○岡田宗司君 それは調査室から直接個人に依頼しているということはないのですか。
○説明員(石岡実君) 調査室自体は先ほど御説明申し上げましたような人員で、情報の収集調査を調査室自体でもこれはいたすことがあります。これは高度の機密性を保持するもの、その他であります。こういう問題につきましては、調査室から個人に直接情報収集を委託することはありません。
○岡田宗司君 今、十一の団体というお話ですが、その十一の団体に対する調査を委託するときの支出ですね、これをひとつ三十七年度と三十八年度ですね、これは表にして見せていただけませんか。
○説明員(石岡実君) 三十七年度と三十八年度の各団体に対する調査委託費の一覧表でございますか。
○岡田宗司君 そうです。
○説明員(石岡実君) 表にいたしまして、後ほど提出いたします。
○岡田宗司君 先ほどここでもって約五千万円費用増、これは仕事の拡張だ、こういうお話でしたけれども、新しくどういう仕事をふやされるのですか。
○説明員(石岡実君) 大きく分けまして、一つは内外情報調査機能の強化に二千六百五十九万二千円、マスコミの論評調査等のために一千十五万五千円、その他資料収集の強化等の一千三百二十五万三千円を使用する予定になっております。
○岡田宗司君 その資料の収集のために払う金は別として、前の二つについてはなんですか、今まで委託をしていた団体に予算をふやしてやる、こういう形ですか、それとも新たに何か団体を指定して、それに新しく調査をやらせる、委託する、こういうことですか。
○説明員(石岡実君) 今まで調査を委託している団体に調査を委託する予定になっております。
○岡田宗司君 それで、今のお話を聞いていると、今までやっていたようなことから見て、新しいことはどうもないようです。それに予算がふやされているということなんですが、ふやされているのはあとで――今、一番、表を見せていただけばいいのですけれども、どの団体に一番ふやされているのですか。
○説明員(石岡実君) 現在世界情勢の変転に応じまして、それにできるだけ即応するような形で情報の収集を強化しようというわけでありますけれども、世界政経調査会に増加額が二千四百十九万二千円、東南アジア調査会に二百四十万円、国民出版協会に一千十五万五千円、その他情報収集強化のための増加であります。
○岡田宗司君 国民出版協会というのは、だれがやって、どういう仕事を持っているのですか。
○説明員(石岡実君) 現在政治情勢の中におけるマスコミの非常に重要性にかんがみまして、テレビ、ラジオ、新聞その他あらゆるマスコミの論評の調査で、横溝先生が会長になっておられます。
○岡田宗司君 そればどれくらいの人数でやっておられるのですか。
○説明員(石岡実君) 職員は二十五名でやっております。ただ今の仕事は、二十五名だけではとてもできませんので、相当従来からの経験、識見のある外部の方々にも、いろいろお願いをいたしまして、相当範囲を広くいたしておるわけであります。
○岡田宗司君 それからその前に二つ団体の名があげられましたね、これは今後相当予算がふえるわけですが、だれがやっているのか、その二つについて。
○説明員(石岡実君) 世界政経調査会の会長は、広岡謙二先生がやっております。東南アジア調査会の会長は、前外交官をしておられました横山先生がやっておられます。
○岡田宗司君 大体、そういうふうな調査会というものは、今どれだけの調査機能を持っておるのか、私ども、それはよく知りませんけれども、しかし、おおむねああいうものの調査というものは、非常に高度の調査でなくて、いろいろ聞いてみますと、方々でやっているのと重複したようなものも多いし、それから、何も依頼しないでもわかるような、たとえば外務省でやったり、あるいは政府のほかの機関でやることと同じようなことをやっている場合が多いですね、そう思いませんか。
○説明員(石岡実君) 調査委託は、それぞれ民間の専門の分野の方々にお願いいたしておるわけでございます。公務員が、ただ自分たちの知識の範囲でやるときは、非常にそういうふうな特徴が足りないかもしれませんけれども、民間のそれぞれ深い経験のある、相当勉強された方々にお願いいたしておるわけでございますから、特にそういう点から重複を避けるように、いろいろ思慮いたしておるわけでございます。
○岡田宗司君 先ほど説明がありましたが、内外の調査ということですが、それは外国のほうの調査と内地の調査と、予算でいきますとどのくらいの振り合いになっているのですか。
○説明員(石岡実君) 先ほど申しましたように、これは放送とか通信とか書物とか、その他いろいろの情報というようなわけであります。そういう点を全部総合しませんと、的確な意味における予算の割当の比率が出ませんけれども、外国の調査のほうに比重が多くかかっております。
○岡田宗司君 そこで、外国の調査ということになりますと、内地にいただけではできない、こういうことで調査官も出る、あるいは委託された団体の人も外国に行って調査する、あるいは外国におる人を通じて調査する、こういうことになるわけですが、その調査官自身が外国に駐在したり、あるいは毎年派遣される、相当たくさんそういう方があるのですか。それからまた、委託を受けた団体で、海外に駐在員を置くとか、外国に情報を収集するためにやるとか、そういうことも相当行なわれているのですか。
○説明員(石岡実君) 今のお話のありましたように、外国に駐在員を置くとか、あるいは外国にたびたび参ることが理想でありますけれども、現在の情勢ではそういうふうな形になっておりません。外国の事情は、先ほど申し上げました放送とか通信とか、あるいは書物とか、外国の事情に通じている研究家とか、そういう人たちに当たりまして調査する仕組みになっております。
○岡田宗司君 先ほどのお話ですというと、内外の情勢の調査ということで、外国のほうに重きがかかっているということですけれども、外国のうちでどこに重きを置いているのですか、たとえば、ソ連とか中国とか、そこに一番重きを置いているのですか。
○説明員(石岡実君) その点は、いろいろの情勢の変化に応じまして、一がいには申し上げかねると思いますけれども、大ざっぱに申し上げるならば、欧米並びにアジア諸国、特に最近は、日本を取り巻くアジアの情勢はいろいろ変動が多いわけでありますが、そういうところに重点を置いております。
○岡田宗司君 私ども、この調査室の仕事というものについては、これはできるときからいろいろ問題がありまして、それで、これを情報局にして、相当な高度の機密性を持ったものにして、というようなことから始まったものらしいのだが、今のところはそれほどのものになっておらないわけですが、どうもこういうような存在について、私ども何か暗いというか、少し疑わしい印象を受ける面もあるのですが、ことに、今、外の情報収集についてはともかくとして、内の情報収集について、これは内閣も必要なんでしょうけれども、しかし、それが私どもに対して、いろいろその情報を得るプロセスについて、私どもどうも少し疑惑を持つような点があるのですが、それはどういうものでしょうか。
○説明員(石岡実君) 今の御趣旨がどうも抽象的でわかりかねるのですが。
○岡田宗司君 いわゆる政治的な、たとえば反対党の行動に対して、率直にいって、その機密を得るために、いろいろな方法をとっているんじゃないかというような疑いを抱かしめるものがあるんだが、どうでしょうか。
○説明員(石岡実君) われわれは、できるだけ正確にして周到なる情報を集めて、政府の施策に貢献するために、いろいろの努力をして情報を集めますけれども、不当不正なる方法を講じないように、厳に戒めております。特に、今の政治的の問題に対するお話がありましたけれども、いわゆる政治情報というものは、私どもは取っておりません。
○岡田宗司君 その政治情報を取るのが一番の眼目じゃないのですか。取らないというけれども、それを取るのが眼目じゃないですか。
○説明員(石岡実君) 先ほど御説明申し上げましたように、諸般の情報を収集いたすわけです。そういうふうなわけで、その中に政治情報が入っていることはあり得ます。ただ、普通いうような政治情報を取るようなことはいたしておらないというような意味でございます。
○岡田宗司君 この情報の収集及び調査に必要な経費ですね、これは会計検査院の検査を受けるのですか。
○説明員(石岡実君) 会計検査院の検査は受けます。
○岡田宗司君 受けるのですか。まあ公安調査庁の費用とは違うわけですね。これは、会計検査院の検査を受けて、何か不当なる支出があったというふうに指摘されたことが、過去にございますか。
○説明員(石岡実君) 私の知る範囲内においては、そういうことはございません。
○岡田宗司君 特にいろいろ団体に金を出す、それが主なんです。そこの団体は、官房のほうからそういう金が出て、それを自由に使う。そうすると、それほど金を使わなくても集め得る、あるいは作り得る、調査を提供するということになって、かなりむだに使われる面が多いのではないかと私どもは想像するのです。どうも、こういう委託調査というものは、往々にしてそういう弊がどこにも起こっている。特に、私は内閣のそれにはあるんじゃないかと思うのですが、こういうことは国費の浪費にもなりますし、私どもとしても、これはやはりよく注意して見ていなければならない問題だと思うのです。きょうは、このくらいにしておきましょう。 次に、ちょっと恩給のことについて伺いたいのですが、別にそうむずかしい問題ではないのですが、今度の恩給支給に必要な経費というのが、昨年度より、文官も、旧軍人に対するもの等もふえておりますですね。で、新たに恩給是正措置に要する経費を計上したためにふえたと思うのですが、その新しい恩給是正措置というもののちょっと概要を伺いたいと思います。
○政府委員(八巻淳之輔君) 三十八年度予算、恩給費の予算におきまして、ふえておる要因といたしましては、昨年、百十四号という法律によりまして、恩給のベース・アップをいたしました。これは三十七年の十月実施されましたが、三十八、三十九、四十と予算に響くわけでございます。その響きが三十八年度に出て参りまして、昨年度よりも約四十億ばかりの増になっております。 それからさらに、今年度から実施するという計画のもとに、ただいま国会のほうに提案をいたしております恩給法の改正案であります。これは内容といたしましては、五つございまして、従来のベース・アップのときに六十才以上の人はベース・アップをいたしますけれども、それ以下の人は、一時遠慮する、こういうような措置を講じたわけです。それを撤廃するという措置、そのほかに場加恩給受給者の退職後出生した子女加給額の引き上げ、あるいは遺族につきましての受給範囲の拡大、そのほか、満鉄等の特殊機関の職員の期間を通算する、そういう五項目ばかりの改善措置を講じておりますので、その分の経費が若干はね返ってくるということでございます。これが恩給是正措置に関連した増、こう申し上げておるわけです。
○岡田宗司君 恩給の支出の今後の見通しですね、いつになったら、旧恩給法に基づく、いろいろな文官や軍人等に対する支出が減っていくのか、その将来の見通しをひとつ……。
○政府委員(八巻淳之輔君) ただいま申し上げましたように、恩給費というものが昨年の法律改正、あるいはことしの提案いたしておりますところの恩給法の改正、これが実現いたしますならば、だんだんとふえて参りまして、このふえ方というものは、昭和四十年度がピークになります。で、これでただいまのベースで推計して参りますと、千三百九十八億、四十年度における文官、軍人の恩給費の合計額が千三百九十八億円になりまして、それ以後は、その後の新しい是正措置がないならば、その後はだんだん落ちていくということに相なります。その落ち方のカーブというものは、四十年度の千三百九十八億の次の四十一年度におきましては約十八億くらい落ちる、四十二年度では十五億くらい、四十三年度では十五億くらい、大体恒常化いたしますならば、人員は漸次減少いたしておりますから、おそらく三十億前後の減ということでいく見通しでございます。
○岡田宗司君 この是正措置ですが、今まで何べんも言われましたが、だんだん改善されてきたのですが、今後はそう近いうちに是正措置の講ぜられるようなことはない、こういうふうに考えておるのですか。
○政府委員(八巻淳之輔君) 恩給は、その後における経済状況の変化に応じて昨年のベース・アップもいたしたわけでありますけれども、その後におきましても、一般の公務員の俸給も上しがって参りまして、それから一般の物価水準も上がって参りますので、将来の状況の変化に応じてこれを見直していくという時期がまた来るのではなかろうかと、こう思っております。でありますから、昨年の改正なり、あるいは今年の改正だけで、それでもうおしまいだというようなことはないのではなかろうかと思っております。
○岡田宗司君 そうすると、それは大体公務員の給料が毎年多少ずつベース・アップになっていく、しかし、恩給のほうは毎年というわけにもいかないのですが、大体五年後ぐらいに一ぺん改正されるもの、こう見ていいわけですか。
○政府委員(八巻淳之輔君) 今までの沿革と申しますか、額の推移をながめて参りますと、昭和三十三年に一万二千円ベースから一万五千円ベースにいたしました。そのときには、三十三年度から三十五年にまたがり、三カ年計画でこれを実現するということにいたしました。それから昨年の一般の恩給につきましては、一万五千円ベースから二万円ベースに持っていきました。この措置は昨年の三十七年度から三十九年度にかけての三カ年計画で持っていく、こういうことでやっております。したがって、将来の見通しといたしましても、同じような行き方をたどるのではなかろうかというようなことを考えておるわけです。
○岡田宗司君 まあ四年ないし五年の間隔でこの是正措置がとられるということになりますというと、今あなたの言われた漸次十数億円ずつ年に減少していくというのが、実際には是正措置によってふえていく、依然として恩給は千四百億、あるいはそれ以上の額を毎年支出する、こういうことに現実の問題としてはなっていくと、そういうように考えていいですか。
○政府委員(八巻淳之輔君) 今申し上げましたように、その後の改善措置が行なわれますことによりまして、絶対額といたしましては、確かに落ちていかないような状態になっておるわけです。しかしながら、一方におきまして、財政規模全体がふえておりますので、それに対するパーセンテージからいいますと、全体の受給人員がだんだん減っておりますので、したがいまして、その割合からいいますと、だんだん落ちていく、こういう傾向にございます。
○木内四郎君 ちょっと関連して。今恩給局長の話だと、十五、六億から二十億ぐらい四十一、二年ですか、から減る。もう少し急速に減るのじゃないですか。
○政府委員(八巻淳之輔君) 実は恩給、軍人恩給の中で一番大きなウエートを占めております。八割を占めておりますのは遺族の恩給です。これは高齢者がだんだん高齢になりますので、落ち方が相当激しいのでございます。しかしながら、一方におきましては、三十六年度に行なわれました法律百三十九号という措置によりまして、旧軍人に対する加算の復活、こういうことをやったわけです。そこで、この人たちが大体加算によって恩給を受けるという者の対象が七十五万、こういわれておるわけですが、この方々の大部分というものが四十才代でございまして、五十五才にならないと、満額の恩給が受けられないわけです。したがって、将来の先行きといたしましては、この層の恩給受給者がふえて参ります。遺族のほうは落ちますけれども、このほうの層がふえて参りますので、遺族の方々が落ちたといたしまして、大体三十億前後になります。逆にこちらの加算による恩給がふえますものですから、そこで相殺いたしまして、二十億前後ということになるのではなかろうかと、こう見ておるわけです。
○木内四郎君 今の加算のほうはふえてくるものは、一方において老齢のものがあるから、そうふえないのじゃないかと思うのだが、どうだろうか。それはあなたのほうでこまかに計算してみられたのですか。大体こまかな見積もりをとってみられたのですか。
○政府委員(八巻淳之輔君) これは、遺族の百五十万のうちで約百万が父母です。この方々の年令構成が、大体平均して六十五才くらいのところにきておるわけです。こういう方々の毎年における平均余命というものを見まして、それによってどのくらい失権するかというものを毎年ごとに計算して、そうして積み上げておりますから、大体この辺じゃなかろうかと思っております。
○主査(千葉信君) 速記とめて。 〔速記中止〕
○主査(千葉信君) 速記をつけて。
○岡田宗司君 憲法調査会の調査がだいぶ進んでいよいよ最終の結論を出す段階に来ておるわけです。去年あたりからまた内閣なり、あるいは国会に対する報告の提出ということが近いようにいわれていたのですが、なかなかそれが出てこない。この三十八年中にはその段取りになるのですか、その見通しを伺いたい。
○政府委員(武岡憲一君) お答え申し上げます。憲法調査会といたしましては、この第一条による報告書の提出につきまして、特に今のところ、いつ出すかというのは、具体的な予定は立っておらない状況であります。ただ、しいて申し上げますならば、ことしのうち、年内には何とか出せるようにということを一応のめどとして運営しておるというような状況でございます。
○岡田宗司君 大体いつごろになりますか。
○政府委員(武岡憲一君) ただいまの審議の状況から申しますると、これから先、報告書の起草という段階を含めまして、審議が非常に順調に進むというふうに仮定いたしますれば、あえて年末を待たずに、九月あるいは十月というころに出すということもあながち不可能ではなかろうと思うのであります。これは今申しますように、審議がこれから先順調に進んでおるということを前提にしてのお話でございますので、今の段階で九月に出す、あるいは十月に提出するということは、ちょっとお答えしかねるような状況でございます。
○岡田宗司君 その報告の形式ですね、これはなかなかむずかしいことで、あなたがきめるわけじゃないのだし、これは皆さんで相談してきめられるのだと思いますが、大体どういう形式になるのでしょうか。これはもちろん多数決ということで憲法調査会の結論を出すわけじゃないでしょうが、その形式は、大体今のところ、どんな見通しになっておりますか。
○政府委員(武岡憲一君) 実は、昨年九月の総会で、大体この報告書をほぼどんなふうな構成にするかということについての審議が行なわれまして、一応の大筋だけはきまっておるわけであります。それによりますと、大体大分けにいたしますと、五つの柱がございまして、まず最初に、憲法調査会の成立と構成の経緯ということを書いて、それから二が、憲法調査会の組織、それから三が、調査会の調査審議の経過とその内容、それからその次に四番目は、調査会の調査審議に現われた基本的問題及び重要事項といことになっておりますが、まあ要するに、最も重要な憲法上の問題についてどんなふうに審議され、どういう意見があったというようなことを書こうというわけであります。それから最後に、憲法改正についての各委員の見解、これを書くわけでございまして、大体からいいますと、その場合は、改正すべしという意見と改正すべからずという意見に大まかには大別されることになりましょうが、それらの意見の根拠と条件というものをできる限り明確に示すことによって、いわゆる改正論、改正反対論のいろいろな類型、考え方というものを明らかにしたものにしたい、こういう程度のことが今のところきまっておるわけでございます。
○岡田宗司君 そういたしますと、憲法調査会が設けられたころは、内閣の考え方では、憲法調査会が、今の憲法を改正することの可否についてはっきりした結論を出すというふうなことを予想しておったのですね。しかし、だんだん調査を進めていくうちに、今言ったように、各委員の賛否の意見というものを明らかにするということで、憲法調査会としては、今の憲法を改正すべし、あるいはすべからず、こういう結論は出さない、こういうことになるわけですね。
○政府委員(武岡憲一君) その点は、御指摘のとおりでございまして、調査会としての一本の意見を多数決で出すというようなことはしないという申し合わせになっております。
○岡田宗司君 そうすると、これは政府が設けましたいろいろな審議会がありますね、その答申とは非常に違うことになってしまったわけですね、そう理解していいわけですか。
○政府委員(武岡憲一君) 御承知のとおり、法律にも、調査会の任務といたしましては、日本国の憲法を再検討してそれと関連した問題を調査審議してその結果を報告するということになっておるわけでございます。その結果というのは、ずっと調査審議を行なった上でこういう意見もあった、こういう意見もあったというのも、一つの結果ということなんで、それを報告する、こういう解釈でございますので、必ずしも調査会として改正すべしとか、あるいはすべからず、こういうことを法律としては要求しておるわけじゃないというふうに理解しておるわけでございます。
○岡田宗司君 それで実は社会党等、憲法改正反対という君たちが、憲法調査会にも委員を送らなかった。したがって、自然憲法調査会の構成メンバーというものは改正論者のほうが比重が非常に大きいわけですね。それで、そういうようなことから、もしこの憲法調査会がその比重の重いほうの意見のとおりの結果が出る、意見のほうにまとまるということになりますれば、これは憲法調査会は実態に沿わない結論を出したということになろうと思うのですけれども、そういうようなことは避けられたわけで、私はたいへんその点はいいと思うのです。ただしかし、そういうことを考慮してなおかつ両方の言い分、意見を付して出したにしても、何といったって改正論者のほうが比重が重いのですから、したがって、そのためにやはり全体として改正論が強いというようなことが出てくるといたしますというと、これは、私どもも、やはり初めから片得った構成のもとで行なわれる憲法調査会だからそういうことになったんだというふうに見られがちだと思うのです。だから、その点はあなたは事務局長ですから責任もないし、また、そういうふうな方向にあなたが指導するというようなわけにもいかぬわけですけれども、やはり一般に憲法調査会は、最初から改正論者が比重が重いのだから、結局その意見は、一本に憲法調査会としての意見を出さないにしても、改正論の比重の重い意見を出したというような印象を与えないように、われわれはしてもらいたいと思うのですが、その点はどういうふうにお考えになっておりますか。
○政府委員(武岡憲一君) 報告書の作成にあたりましては、結局、最終的に各委員が述べられましたその意見を、そのまま論拠とともに公正に表示するということが、調査会の議事規則の中にもはっきりうたわれておるわけでございます。したがいまして、この報告書の中には、この調査会で述べられましたあらゆる立場の御意見というものを、それぞれその御論拠とともに文字どおり公正に並べると申しまするか、そのまま表示するという形のものになるわけでございますので、特に調査会として改正的な意見が多いとか少ないとか、そういうふうな結果のものにはならない、調査会として、先ほど申し上げましたように、一本の判断といいますか、調査会の意見を出すということは避けることになっておりますので、その点は御懸念のないような方向になりやしないかというふうに期待いたしております。
○岡田宗司君 憲法調査会は、今回の調査が終えて報告書を出しますと、その設置されたときの任務というものは終わるわけです。それによって憲法調査会はその使命が終わったものとして、これは解散といいますか、なくなってしまう、こういうものでしょうか。
○政府委員(武岡憲一君) 法第二条に調査会の任務が規定してあるわけでありますので、これに従って、報告を出しますれば、調査会としての使命は終わるわけでございます。ただあと事務的に残務処理というようなものもございますので、かりに十二月なら十二月に報告書が出ましても、そのとたんに調査会は要らぬというわけのものでもないかと思うのでございます。あと事務処理等の関係もございますので、私どもだけの考えでございますが、少なくとも来年度一ぱいくらいは、十二月に報告が出るにいたしましても、調査会自身はまだ存置されてもいいんじゃないかというふうに考えております。この廃止には、御承知のとおり法律措置が要るわけでございます。
○岡田宗司君 そういたしますと、報告書を出したあとは、残務処理のために存続するだけで、そしてそれを廃止するにはやはり法律措置が要る、こういうことになるわけですね。
○政府委員(武岡憲一君) はい。
○岡田宗司君 そうすると、その法律は、やはり内閣のほうから提出されることになりますか、それともこれは議員立法で、たとえば、これはもう任務が終わったんだから廃止すべしということをやる場合も考えられるのですけれども、そういうこともあり得るとあなたはお考えになりますか。
○政府委員(武岡憲一君) 法律的な措置がどのような形でとられるかということまでは、実は私といたしましてお答えする筋じゃないかと思いますが、法律によってきめられた使命が終わったわけでございますので、これでまあ仕事が終わったと、したがって、かりに来年度一ぱい、三十九年三月まで存置すればあとよろしいというような状態になれば、あるいは政府のほうからでも、国会のほうにその廃止についての御相談をするというようなことになろうかと思うのでございますが、これはただ私の推測でございます。
○岡田宗司君 それは政府のほうでもって、もう任務は終わったから廃止をする、そうきめたらその法律を出すというのではなくて、大体実際には、憲法調査会のほうで報告は出した、残務整理もほぼついた、だから、もう廃止してもよろしゅうございます。こういうことで政府のほうに通知というか、政府のほうにそういうふうに申し入れをして、そこで大体廃止の法律案が提出されるのだ、こういうふうに理解していいですか。
○政府委員(武岡憲一君) そのとおりだと思うわけでございます。
○岡田宗司君 警察庁にちょっと。今度警察庁の費用がだいふふえますね、この人件費以外に何というのですか、人員の拡張もあるし、それから警察としての活動の強化のための費用がふえるためだと思いますが、大体人員はどれくらいふえるのか、そうして、また、仕事の強化、これはどういう点に力点を置かれてこれはふやされるのか、その御説明を願います。
○政府委員(後藤田正晴君) まず警察庁の人員の関係でございますが、国家公務員といたしましては、十名ふえております。それは麻薬の関係で本庁及び管区に十名ふえまして、同時に、一名バンコックに駐在官を麻薬関係で置くことになっておりますので、それが外務省に移ります関係上、差し引き九名の国家公務員の増員でございます。なお、地力の都道府県の警察官の増員でございますが、これはすでに新聞等でも出ておりましたように、本年度、交通関係で五千名、三十八年度さらに五千名、合計一万名の、街頭における交通の指導取り締まり要員として一万名ふやすと、こういうことに相なっております。さらに麻薬の関係で三十八年度に都道府県の警察官を五百名ふやす、したがいまして、三十八年度は、結局五千五百名を増員をすると、こういうことに相なっております。 なお、三十八年度の予算で、私ども重点として考えまして予算にお願いをいたしておりますのは、ただいま申しました人員の増強を含めまして警察の装備なり、あるいは通信といったような総合的な意味での警察力の充実整備、こういう観点で予算の編成をお願いいたしておるのでございます。財政当局も、最近の治安情勢をお認め願いまして、そういう線で予算が組まれておるという状況でございます。
○岡田宗司君 そうすると、人員の増加は、交通関係と麻薬と、この二つですね。
○政府委員(後藤田正晴君) そのとおりでございます。
○岡田宗司君 そうすると、交通の問題はともかくとして、麻薬の問題ですがね、戦後ずいぶん麻薬がいろいろな関係で密輸入されまして、そうしてたいへんこれは害毒を流しており、犯罪の温床にもなっておりますが、今まで麻薬関係のことについては、ずいぶんもっと取り締まりを強化しろとか、罰則を強化せよということが叫ばれてきながら、ようやくこのごろになって強化されるようになってきたわけですが、まあこれでも今こういうふうにはびこったものを取り締まるということは、非常に困難じゃないかと思うのですが、これで相当な実績を上げられるというふうにお考えですか。
○政府委員(後藤田正晴君) 麻薬の犯罪につきましては、何分にも海外からこれはすべて入ってくるので、そこで、でき得べくんば水ぎわでこれを押える、これが理想の姿であろうと思います。しかし、来年度の、予算でも幸い、バンコックに駐在官が認められましたけれども、従来からそういった海外の麻薬に関する情報を集めるという点で、やはり国全体としては、私は力が抜けておったのじゃないかと、率直にこう申し上げざるを得ないのであります。そこで私どもとしても、でき得る限り海外の情報を集めて、それでもなおかつ、きわめて微量なものでございますので、船員なり、あるいは航空機を利用していろんな巧妙な手段で事実問題としては持ち込んでくると思います。そこで、私どもとしては、中へ入ってきたものにつきましては、最近の実態が、暴力団の関係の資金源にこれがなりつつあるということでございますので、暴力団取り締まりを一方では強化する、同時に、麻薬の密売組織、売人の組織及び街頭に最近目に余るほどはんらんをしております中毒患者自身を、調べまして、その線からさらに上へたぐっていくといったようなことで取り締まりを徹底して参りたい。そこで、予算なりあるいは人員なり装備なり、いずれも、従来の予算の常識から申しますれば、飛躍的に増強していただいたわけでございます。しかし、麻薬犯罪の実態から見まして、これで十分かとおっしゃられますと、私はやはりこれは引き続いて毎年強化をして参らなければ、相手方も次第に犯罪が巧妙化一して参りますので、これが根絶ということは容易ならざる仕事であろうと思っております。しかし、警察といたしましては、今回の予算措置を契機といたしまして、さらに一段の力を入れて麻薬禍の撲滅に、厚生省の関係機関等とも十分連絡をとって力を注いで参りたい。はたしてこれがなくなるかどうかということになりますと、数年前に例の覚醒剤の非常にはびこった時代がございます。これはあの当時思い切った処置をとっていただきまして、われわれも力を入れてやったのでございますが、幸いこれば非常に減って参っております。まあ麻薬と覚醒剤は本質的に違います。したがって、覚醒剤ほど容易に私はこれは撲滅できるものとは思いませんけれども、少なくとも今日のような実情は漸次影をひそめるといいますか、減少をしていくであろう、また、させねばならぬという強い決意をもってわれわれは対処するつもりでおります。
○岡田宗司君 私ども、これは取り締まりが強化される、撲滅の方向をとるということは、たいへんけっこうなことだと思うのです。これはよくあることなんですか、官庁でもなわ張り争いがあったり、競争があったりする。そこで、厚生省関係の取り締まり官と警察庁関係の取り締まり官と、先ほど緊密な連絡をとって、ということを言われておりました、これはたいへんけっこうなことだと思うのです。そうなくちゃならないと思いますが、やはりそこにもおのおのなわ張り意識、そういうものがあって競争関係、ときには相手の足を引っぱるようなことも行なわれるおそれがありゃしないか、ことに前に、おとり捜査の問題なんかがありまして、ああいうようなことがこれからもあるのじゃないかと思いますが、そういうようなことと関連して、また、両方の競争とか足の引っぱり合いというようなことで効果が減殺されるおそれがあるのじゃないか、そういう点についての心がまえはどうでしょうか。
○政府委員(後藤田正晴君) 御説のようなことがお互いの捜査機関にあってはなりません。私ども十分戒心をいたしたいと考えております。実は麻薬の犯罪につきましては、双方、私どものほうは捜査権であります。厚生省のほうも麻薬犯罪自身については、同じような権限を持っておりますが、同じ事件を双方が追うということも間々あり得ることであります。そういった関係で、両者の間に捜査の協定を結んでおります。で、犯罪を追いまして、それが麻薬の取り扱い業者に関係する事件になってきたといった場合につきましては、当該事件について、厚生省のほうにそれを引き渡す。ところが、厚生省のほうでおやりになっているうちに、その麻薬の犯罪が暴力団の関係で、あるとか、あるいは売人の関係であるとかいった、一般の刑事犯罪に関連した事件になってきたといったときには、私どものほうに当該事件をいただく、こういったことで、現在の捜査の協定によって、第一線でトラブルのないように、こういう運営をいたしております。しかし、間々捜査官がお互いの功名心で、おっしゃるようなことも絶無ではないと思います。したがって、そういう点につきましては、今までは実は警察なり、厚生省なりの麻薬犯罪の追及そのものが、麻薬の犯罪そのものの量から見まして、いわば氷山の一角ということでございますので、実際問題としては、そういった競合ということはほとんどなかったわけです。しかし、これが将来力を入れていくということになれば、どうしてもそういう問題が起こらないという保証はございません。したがいまして、私どもとしては、やはりただいま申しました捜査協定の線に沿って、そういった事態のないように十分戒心をして、麻薬犯罪撲滅の所期の目的を達成するように、遺憾のない措置を講じたいと思っております。
○岡田宗司君 そうして能率を上げていただきたいと思うんですが、今麻薬病患者といいますか、常用者ですね、これは推定どれくらいいるんでしょうか。
○政府委員(後藤田正晴君) 私どものほうで名前をはっきり押えている中毒患者が七千名でございます。しかし、住所その他わからぬといったようなものもございます。それらを入れますと、大体九千、常識的には大体麻薬中毒患者は全国で四万名くらいというのが推定の数字でございます。
○岡田宗司君 これは、先ほどのお話しですね、水ぎわでもって押える、これに越したことはない。ところが、なかなか水ぎわで押えることは、事実微量のものですから困難でしょうが、特に私は、穴のあいていると思う点は、アメリカ軍の基地ですね、これは海軍の基地、空軍の基地がありまして、そこへ入ってくる艦船は自由です。それから航空機も自由です。それから乗っている軍人や軍属は、何らこちら側の取り調べを受けないでもって自由に出入りできる、こういうルートがある。これがたいへん大きな穴があいていると思う。そこを通じて流れるやつは今までもあったに違いないし、それからまた、かなり大っぴらにほかのルートよりも楽に入ってくるわけです。これらに対する押え方というものは、今後、どういうふうに、ますますこれからそのルートが使われる可能性がなきにしもあらずなんで、それじゃ水ぎわで押えようと思っても押えきれないと思います。その点はどういうふうになっておりますか。
○政府委員(後藤田正晴君) おっしゃるようなルートが、朝鮮事変当時非常に多かったようでございます。そこで、私どもといたしましては、米軍のほうにその点を強く連絡をいたしまして、現在では米軍も非常に麻薬の取り締まりには、ほんとうに厳重な態勢をしいているようでございます。私どもとしては、したがって、米軍専用の飛行機であるとかあるいは艦船、こういった関係につきましては、米軍憲兵隊と連絡をして十分取り締まりをいたしているという実態でございます。最近は、実はそういった関係のルートよりは、やはりむしろバンコックなり香港なり、あるいはシンガポール、朝鮮といったようなほうからの密輸品が現実には多いようでございます。
○木内四郎君 ちょっと関連して。先ほどの御説明だと、この麻薬常習者ですね、お宅のほうで名前がわかっているのが大体九千人ですか、そのほかに四万人くらいというお話だったと聞いたのですが、常習者はとかく密輸にもつながるし、他の犯罪にもつながる数だと思うのですが、お宅のほうは、四万人というのは推定ですか。それとも四万人くらいならば警察の組織をもってすれば、みな名前がわかりそうなものだと思うのですが、その点はいかがですか。
○政府委員(後藤田正晴君) 何分にも現在、ヘロインそのものはこれは国内で全部禁制品でございますので、麻薬の中毒患者の実態を全部名前を洗い出すということは、これは容易ならぬ仕事でございます。私どもの今までの力でわかっている人数は、大体まあ七千ないし九千。推定の四万人と申しますのは、麻薬の濃厚地帯が大体横浜、川崎あるいは神戸、福岡あるいは東京の一部といったところでございますが、そういったところの麻薬犯罪の実態等から見まして、大体他の地域等を推計をいたしまして四万名程度がまあ間違いのないところだろうという推計の数字でございます。したがって、われわれとしては、その推計数字をこれから裏打ちをしていくという作業にかかりたい、こう思っております。
○岡田宗司君 今のお話の、いわゆるこの濃厚地帯ですね、これが今後一番強い取り締まりの対象地になるわけですが、今度麻薬関係の特別の警官がそれらの地方に配置される。そうすると、今度はそこを避けて散らばるという可能性も考えられるのですがね、それらに対する予防措置等については、どういうふうにお考えになっておりますか。
○政府委員(後藤田正晴君) まさにおっしゃるとおりになろうかと思います。そこで、私どもの五百名の増員の配置は、ただいま申しました濃厚地帯を包括しております府県を中心にいたしておりますけれども、その周辺十五都道府県に配置をいたすことにいたしております。 なお、それ以外の府県につきましても、従来から麻薬の専従警察官は全国で六百名ございます。ただ麻薬につきましては、暴力団なり売人なりとの関連犯罪が非常に多うございますので、兼務者が相当おります。兼務者を入れまして大体、千名というのが現在の力でございます。そこで、今回の増員の五百名は、ただいま申しました十五都道府県になりますが、それ以外の人間につきましても、内部の人員配置の合理化によって麻薬捜査態勢を整備をするという方針をとりまして、各府県本部長等にも指示をいたしまして、逐次現在増強しつつある状況でございます。
○岡田宗司君 新しい五百名の増員等によって強化されていくということは、たいへんけっこうです。何しろ相手がなかなか組織的にやっていることですし、取り扱われるものが非常に隠しやすいので特別な捜査が必要だと思います。この麻薬取り締まりに当たる警官の訓練といいますか、教育といいますか、そういうものはどういうふうにおやりになるんですか。
○政府委員(後藤田正晴君) 従来からもそういった特務者の教育はやっておりましたが、今回の麻薬取り締まり強化態勢に対応いたしまして、私のほうの保安局が中心になりまして警察大学校等と連絡をしまして、大学の特殊講座として、専従警察官の再教育ということをいたす計画にいたしております。
○岡田宗司君 それは昭和三十八年度の予算に盛られているわけですか。
○政府委員(後藤田正晴君) 従来から特務者の教育経費、は大学の予算に入っておりますので、重点を麻薬を取り上げるということで、勢い他の経費でまかなっていく、こういうことに大学の教育そのものはなって参ると思います。
○岡田宗司君 それは東京だけですか。とにかく東京だけで集中的に訓練していくのですか。
○政府委員(後藤田正晴君) 階級によって区別をいたすことになろうかと思いますが、東京へ全国からまず集めます。同時に、その人たちの訓練が終わりますれば、さらにその者が帰って管区でまたやる。さらに県内でまたやっていく、逐次そういう順序で全国的に広がって参る、こういうことでございます。
○岡田宗司君 麻薬については、一昨年、昨年とだんだん強化されてきておるわけですが、その検挙の数、それから、取り上げた麻薬の数量というものは、ずっとふえてきておるんですか。
○政府委員(後藤田正晴君) 都市によって若干の開きがございますが、最近二、三年は、大体検挙者は二千五百人前後でございます。押収ヘロインが大体六キロ程度になろうと思います。したがって、これはもう九牛の一毛にすぎない、こういうのが実態でございます。
○岡田宗司君 その九千名ないし四万名の患者がいるとして、大体外国から輸入される各種麻薬ですね、これはどのくらいの数量になるわけですか、推定。
○政府委員(後藤田正晴君) 私専門でございませんのではっきりしたことを申し上げかねますが、その押収麻薬の数量は、おそらく中毒患者の数日分の需要にしかすぎない、こういうことになろうと思います。
○岡田宗司君 そうすると、結局それの百倍くらいの数量が入っておる、こういうふうに見てよろしいわけですか、
○政府委員(後藤田正晴君) おっしゃるとおりでございます。
○木内四郎君 さっきお聞きになったか知りませんが、一体どんな手口で入れてくるのですか、輸入の手口ですね、最も典型的なものとして。
○政府委員(後藤田正晴君) いろいろな形があると思いますが、私現実に神奈川県の状況を視察しましたときの模様を聞きますと、船員等の場合には、たとえば腹に巻いてくる、あるいは足に巻いてくる。御婦人の場合には、われわれが検査できないところにつけてくるといったようなことで、なかなか実態はいろいろな形になっておるようでございます。
○岡田宗司君 まあ、これはたいへんむずかしいことなんですがね、まあ婦人、今のお話ですが、これもやはり婦人警官も新たに増員されるのですか。あるいはまた従来の者を再教育して使うというようなこともやっておられるのですか。
○政府委員(後藤田正晴君) まあただいま申しましたような場合の身体捜検等には、実際問題としては、婦人警察官も使わざるを得ぬと思います。しかし、麻薬犯罪の捜査そのものに婦人警察官を使う計画は全くございません。最近非常に取り締まりを強化して参りましたので、狂暴化して参って、反撃に転じて参りますので、むしろ、男の警察官といえども、非常に警戒措置を講じてからでないと飛び込めないという実態になりつつありますので、婦人を使う計画はありません。
○岡田宗司君 新しく麻薬を覚える、といいますか――者があるわけですけれども、それは、大体、どういう経路といいますか、どういうことで新しく麻薬を使うようになるのですか。
○政府委員(後藤田正晴君) いろんな例があるようでございますが、好奇心から入る者も相当でございます。それからまた、売春婦等の場合には、ひもに麻薬を強要されて、そうすれば逃げないということで、絶えずしばっておくという意味合いから麻薬を使用しているとか、いろんな形態があるようであります。
○岡田宗司君 前に覚醒剤がはやったあのころ、例の深夜喫茶というのがずいぶん伝播さしたことがある。で、これからもあの深夜喫茶というのは、そういうことの伝播するいい場所になろうかと私ども見ているのです。それで、人づくりの問題だ何だといろいろいわれておりますが、あれなんぞは、最も青少年に悪い場所だと思うのですが、これは一向取り締まれないのですが、ああいうものはやめてしまうわけにいかないのですか。
○政府委員(後藤田正晴君) まあ保安警察の対象というものは、実際いろいろな形がございまして、おっしゃるように、大都市にある現在の深夜喫茶等は、さらにもう少し取り締まりができればいいじゃないかと、私自身も思うわけですけれども、何分にも営業権の問題とからみまして、非常に実態は取り締まりがむずかしい。また水銀みたいに、上から押えると縮まって、手をゆるめるとまた集ってしまうというような形でいろいろな形態を考え出すということで、まあ結局、こういった取り締まりは、警察とそういった人との間の追いかけっこといったような実態でございます。ただ、私どもとしては、これを放置するわけには参りませんので、目に余るものがあれば、これは法に照らして取り締まりをしていこうという態度は、やはり堅持をいたしておるのでございます。
○岡田宗司君 深夜喫茶の問題ですけれども、私ども行ってみて実際驚いたんです。あれがどうして取り締まれないのかと思うのです。とにかく、何といいますか、キャバレーでも何でも、十一時半になれば看板になってしまう。ところが、あれだけは堂々とやっておる。そして実際は取り締まりが行き届いておらぬというような状況です。あれは何か禁止する方法はないんですか。
○政府委員(後藤田正晴君) 風俗営業の中に入りますれば、また私どものほうでもなかなかやりやすい面もございますが、風俗営業の範疇に入らぬということになると、これは現在は保健所でございますか、どこかの民生関係の機関と思いますが、そういったところのあれで、取り締まるという程度で、実は私どもとしても行き届きかねるという実態がございます。だから、風俗営業の範囲を広げるということであれば、いま少しがっちりした取り締まりができるのじゃなかろうか、こういうふうに思います。
○岡田宗司君 あれは保健所に届けて許可を得ればいいと思うんですが、保健所というものは、ああいうようなことをぽかぽかと平気で許可するというのは、私は非常におかしいと思うんですが、あの害悪はわかっておるし、警察でも取り締まりに手を焼いておるということがわかっていて、なぜ保健所が黙ってどんどん許可するか、そこらはどうも、何といいますか、連絡がとれていないというのか、それとも、保健所のほうではおれのほうに干渉はさせないというつもりなのか、それとも、保健所をやっている各都道府県の知事がそこまで考えてないのか、これだけ社会問題になっているのに、あれに対して手をつけられないというのは、どうも私は解しかねることなんですが、その間の事情は何かあるんですか。
○政府委員(後藤田正晴君) 私は、そういう間の事情については承知をいたしておりません。ただ、おそらく手が届かないというのが実態じゃなかろうか。同時に、私どもの警察のほうとしましては、終戦後の警察がやはり行政警察権限はできるだけやらない、やはり司法警察一本でいく、こういうことになりましたので、その間に間隙がすでにできているというのが実態じゃなかろうか、かように考えております。
○岡田宗司君 ただ犯罪の温床になることがわかり切っていて、そうして、これに手をつけられないというのは、それは今あなたのおっしゃるようなことから起こったものにしろ、私どもは非常に不思議でたまらないのです。これは警察のほうから、たとえば東京ならば、警視一庁から東京都のほうに話し込めば、保健所に対する指導もできそうなものだし、それからまた全国的に見ても、警察庁長官のほうから自治大臣のほうに話して、自治大臣のほうから各県に話せば、できないことはないと思うのですけれども、そういうことはやらないのじゃないんですか、遠慮していて。どうなんでしょう。
○政府委員(後藤田正晴君) 今おっしゃられますれば、私どもの反省すべき点もあるのじゃないかと思います。しかし、やはり犯罪の温床になっていることは、これは間違いございませんので、御趣旨の点も十分反省いたしまして、そういった線で努力いたして参りたいと思います。
○岡田宗司君 実は、深夜喫茶の問題について、私、前に文部委員をしておったときに、荒木さん、一体、人づくり人づくりと言っているけれども、深夜喫茶へ行ったことがあるかと聞いたら、まだ行ったことがない、それじゃ一ぺん一緒に見に行ってみようじゃないかと言ったことがある。とにかく、あれをあのままにしておいて、犯罪の温床をあのままにしておくという法はないと思うんですが、これは今言ったように、いろいろな障害があって警察が取り締まれないとすれば、警察としても犯罪の温床をそのままにしておいて、できたものを、その上に、その生じた犯罪を追っかけているのじゃ、これはたいへんですから、やはり犯罪の温床をなくしていくということで、もう少し打つ手を考えて、そうしてせっかく麻薬のほうで今度の取り締まりを強化するならば、それが伝播する場所になりそうな、こういうところをなくしていくということにでも骨を折って、麻薬取り締まりの実をあげてもらいたいと思うのです。 それからもう一つ、装備の強化の点でありますが、この装備の強化という は、どういうことなんですか。
○政府委員(後藤田正晴君) 警察の装備といたしまして、私どもが予算で考えておりますのは、一つは、車両の関係でございます。警察活動用の車両、つまり、白バイであるとか、あるいは交通取り締まりの四輪車であるとか、パトロールカーであるとか、輸送車であるとか、護送車であるとか、そういった各種車両の整備が一つでございます。 さらにヘリコプターの採用の問題、あるいは各種の捜査用の備品の関係、そういったもの及び船の建造費――小型の水上警察用の船でございますが、そういった船の整備の問題、こういったものを私どもとしましては、主として来年度の予算でお願いをいたしているのでございます。
○岡田宗司君 そうすると、大体機動力の増強ということですね。
○政府委員(後藤田正晴君) おっしゃるとおりでございます。
○岡田宗司君 そうすると、警察官の持つ、たとえば火力といいますか、武装といいますか、その武装の強化ということじゃないんですね。
○政府委員(後藤田正晴君) 武装と申しますと拳銃になろうかと思いますが、拳銃につきましては、増員警察官の分が、これは初度装備でございますので、これは入っておりますが、それ以外は拳銃は、弾丸の製造の関係の経費が入っております。しかし、これは従来から使用の分がきまっておりますので、毎年大体同じような金額が計上されているのでございます。
○岡田宗司君 次にお伺いしたいのは、いわゆる右翼の取り締まりのことなんですがね、浅沼暗殺事件が起こりましてから、右翼に対して、もっと取り締まれ取り締まれということは、非常に全国的に要求されている。ところが、あれから間もなく、中央公論社の嶋中社長のお宅の襲撃事件が起こり、あそこでも一人殺され、奥さんが重傷を負わされるという事件、それからまたあとになりますというと、三無事件が起きている。今度は池田首相暗殺のために上京しようと――これは途中で押えられました。この間われわれの党の岡田春夫君が衆議院で、日韓問題で質問をいたしましたが、右翼のほうから脅迫状が舞い込み、また河上委員長にも舞い込んできた。ついこの間知事選が始まりますというと、八重州口で右翼団体の者が暴行を働いているといりふうに――ずいぶん取り締まりのほうもやっておられるのでしょうけれども、この右翼のテロ行為というものはなかなか押え切れない、こういうことなんです。きのうも私は公安調査庁長官に、右翼に関する調査が行き届いていないんじゃないかと、やはり右翼の行動というものは、特に日本の場合は、団体行動よりも一人一殺主義という思想と伝統があるので、もっと調査もよくし、さらにいろいろそういう行動をもっと未然に防ぐために、力を尽くすべきではないかということを強く言っているのですが、どうもわれわれは、右翼に対して遠慮している向きがあるんじゃないか、これは戦争前、日本の右翼運動は、バックに軍がいたというようなこともありまして、確かに右翼の活動は公然と行なわれていた、そのことがやはりいまだに尾を引いておりまして、どうも右翼に対する取り締まりが何か手ぬるいという印象を与えているのですがね。その右翼の取り締まりについて、あなた方は、今後さらに強化される必要があるか、今のままでいいとお考えか、その点を。
○政府委員(後藤田正晴君) 日本のこの右翼の情勢でございますが、御承知のとおり終戦直後、いわば逼塞した状況にあったと思うのです。ただ最近右翼が非常に台頭してきつつあることも事実でございます。そこで私どもとしては、これらの情勢に対応しまして、警備警察の部門の中に右翼の係りを置いております。全国的に置いております。そうして右翼の動向につきましては、絶えず情勢等の把握に努めておりますが、おっしゃいますように、何分にも右翼の場合には、突発的なはね上がりの事件が相当多いわけでございます。したがって、これが未然防止ということは、相当むずかしいのが実態でございます。それだけに警察としては、最近は右翼の取り締まりに非常な力を入れて、動向の査察、取り締まり、これらについて努めているつもりでございますが、将来これでいいのかということになりますれば、やはりこれは右翼の実態とにらみ合わして、危険性を十分私どもは判断をして、必要であるならば、こればふやさなければならぬというように考えているのでございます。同時に、右翼につきましては、右翼の実態が一人一殺的な、いわば行動右翼というものもございますれば、いわゆる売名右翼というものもございますし、また、暴力団となっているような右翼もあるわけでございます。したがいまして、暴力団的な面につきましては、私どもとしては、これは刑事警察の面で、暴力団取り締まりということで、徹底して今追及をしていく、こういう態勢、とっているのでございます。
○岡田宗司君 一番問題になるのは、一人一殺なり何なりのいわゆる個人的テロですね、これをやるというのが一番取り締まりにくいことかもしれませんけれども、また一番取り締まらなければならぬ面だと思います。どうもこの点で、私ども非常にやっぱり危惧を感ずる面があるのですけれども、なお一そう取り締まりをやっていただきたいと思うのですが、往々にして右翼のそういう下のほうの、はね上がってみずから武器をとって人をあやめるというような者はともかくとして、それを教唆扇動するというか、これに対するどっか抜けているんじゃないかと思うのですね。 浅沼事件あるいは嶋中氏邸のあの事件等を見ましても、そういう感じがするのですが、その点についての取り締まり方針というものは、何か新機軸を出すなり、あるいはもっと厳重にするなりする方法はないのか。
○政府委員(後藤田正晴君) まあおっしゃいますように、私ども常識的におかしいと思うものでございますが、何分にもむずかしいのは、現在の刑事訴訟法の建前のもとで、証拠の何といいますか、確認とでもいいますか、そこが非常にむずかしいというのでみすみす、言葉は悪いのですが、結果としては見のがさざるを得ないといったような事態があると思います。これを防ぎますのは、私どもとしては、やはり平素からそういった特殊な団体につきましては、その実態をよく究明をしておく、そうして事件が起きたときには、そういった集積した資料によって証拠を固めていくと、これ以外方法がないんではなかろうかということで、まあ現在右翼の査察、内偵ということには力を入れて努力をいたしておるわけでございます。
○岡田宗司君 それから、この右翼のきわめてはなやかなときと沈滞したときと、これはやはり右翼に供給される資金との関係があると思うのですがね。このまあ半ば恐喝的に集めておるような場合が私は多いと思うのですが、そういうようなふうに、半ば恐喝的に資金を集めておるということに対して、あなた方のほうでこれを抑える方法というものはないんでしょうか。これは申告してくる以外にどうも押え方はないと、こういうことなんでしょうか。
○政府委員(後藤田正晴君) 右翼団体の取り締まりにしましても、暴力団の取り締まりにしましても、ほんとうにこれを追い込むというためには、資金源をつくというのが非常に取り締まりの方法としてはいいわけです。私どもも、右翼団体の資金源というものについては絶えず注意をしております。ただ、何かの事件があったときに、まあそういったことがわかってお聞きしても、そういう実態はないと、こういうお答えがほとんどでございます。まあ、こういう一例をあげるのはいいかどうかわかりませんが、たとえば銀行等で相当恐喝を受けておるといった場合に、私どものほうではその実態がわかりましても、いや、そういう実態はないと、こうおっしゃられてどうにも証拠固めができないというまあ実情で、私どもが苦慮いたしておるのでございます。
○岡田宗司君 そういう点で、やはり実態を常につかんでよくやっていってもらうことは必要だと思うのですけれども、そういう右翼を押えるのに、こわいから協力をしないと、右翼のみならず、暴力団に対してそういうなにがあるということですけれども、これは例のお礼参りだとか何だとかいうことが行なわれるために、そういうことになると思うのですが、とにかく私たち見ていまして、これはどうも裁判所のほうもどうかと思うのですけれどもね、やはり比較的簡単にあの保釈するというあれですね、あれをもう少し警察側のほうからも、実態を訴えて何とかならぬものですかね。
○政府委員(後藤田正晴君) おっしゃるような点が非常に大きなガンの一つでございますが、そこで、今回暴力団取り締まり強化の一環として私どものほうから法務省のほうにお願いをいたしまして、今国会で法律改正をお願いをいたしておるのでございます。
○主査(千葉信君) 速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○主査(千葉信君) 速記をつけて下さい。 以上をもちまして、内閣及び総理府所管に関する質疑は終了したものと認めます。 これをもって昭和三十八年度総予算中、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、総理府のうち、防衛庁、経済企画庁、科学技術庁を除く全部及び法務省並びに他の分科会所管外の事項の審査は全部終了いたしました。 なお、予算委員会における報告の内容及び審査報告書の作成につきましては、慣例により、これを主査に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(千葉信君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 これにて散会いたします。 午後五時十四分散会