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43回国会参議院1963/05/29

本会議 第22号

発言数
55
登壇者
18
会派数
2
開催日
1963/05/29

会議録

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。    ————・————

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) これより本日の会議を開きます。  この際、お諮りいたします。鹿島守之助君から会期中、千葉信君から十四日間、佐野芳雄君から八日間、いずれも病気のため請暇の申し出がございました。いずれも許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。よって、いずれも許可することに決しました。    ————・————

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 日程第一、国会法第三十九条但書の規定による議決に関する件(肥料審議会委員)を議題といたします。  内閣から、衆議院議員足鹿覺君、首藤新八君、白浜仁吉君、本院議員北村暢君、河野謙三君を肥料審議会委員に任命することについて、本院の議決を求めて参りました。  これらの諸君が同委員につくことができると議決することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。    ————・————

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 日程第二、国会法第三十九条但書の規定による議決に関する件(米価審議会委員)を議題といたします。  内閣から、衆議院議員淡谷悠藏、大野市郎君、倉成正君、湯山勇君、本院議員白井勇君、堀本宜実君を米価審議会委員に任命することについて、本院の議決を求めて参りました。  これらの諸君が同委員につくことができると議決することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。    ————・————

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 日程第三、緊急質問の件、  秋山長造君から、「今次地方選挙における選挙違反に関する緊急質問」、丸茂重貞君から、「群馬、埼玉両県における突風、ひょう害対策に関する緊急質問」、大和与一君から、「群馬、埼玉等北関東における突風、降ひょうによる災害に関する緊急質問」がそれぞれ提出されております。これらの緊急質問を行なうことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。順次発言を許します。秋山長造君。   〔秋山長造君登壇・拍手〕

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 私は日本社会党を代表して、今次地方選挙における選挙違反問題につき、池田総理大臣外関係両大臣にごく端的にお尋ねをいたしたいと存じます。  第一に、今回の地方選挙における検挙件数はすでに二万三千三百件、検挙人員四万四千八百人に達して、戦後の最高記録を作りつつあるのでありますが、中でも買収供応等の悪質違反は、遺憾ながら、圧倒的に自民党を中心とする保守系が占めているのであります。政府が公明選挙をやかましく覆われれば言われるほど、与党の足元からすぐそれが突きくずされて、選挙にますます金がかかるようになり、選挙がいよいよきたなくなるという、この、皮肉にして、しかも厳粛なる事実に対して、池田総理は、いかなる反省をされ、いかなる対策を考えておられるのかお伺いしたい。  第二は、総理大臣を筆頭に各国務大臣が、選挙の応援のために地方へ行かれまして、つい口が軽くなるのか、やれ与党候補を当選させたら造幣局を作ってやるとか、鉄道をつけてやるとか、あるいは交付税をふやしてやる、補助金をやる、起債をやる等々といったような、明らかに利益誘導に類する発言をおくめんもなくおやりになっているのでありますが、いかに政党内閣の今日とはいいながら、いやしくも一国の行政の最高責任者が、地方に出て、かかる不見識かつ無責任な発言をなさることは、今後厳に慎まれたらどうかと思うのでありますが、総理の御見解をお伺いいたしたい。  第三は、この機会に特にお尋ねしておきたいと思うのでありますが、世論の批判のきびしい、いわゆる首長多選の問題、特に知事三選四選の是非についての問題であります。地方選挙の前に、篠田自治大臣は、衆議院の地方行政委員会におきまして、知事の三選、四選は好ましくない、できれば立法措置で規制をさるべきであるというような御発言をなさったことがありますし、また、池田総理大臣も、場所により、相手によりまして、多少のニュアンスの違いはありますけれども、やはりこれに対して、一つの批判を発表されてきておるのであります。統一選挙が終わりましたこの際こそ、政府の確たる統一見解を明らかにいたしまして、世論に一つの方向を差し示すべき最適の時期が今日だと確信するのでありますが、この点についての総理大臣並びに自治大臣の率直明確なる御見解をお伺いいたしたいのであります。  次に、問題のにせ証紙事件であります。東京都知事選挙の、あの言語を絶した乱脈ぶりには、私ども、ただただあきれ、かつ驚くほかはありません。今回の東京都知事選挙は、自民党推薦の東龍太郎派の証紙偽造、葉書買い取り流用事件を初めといたしまして、あの組織的暴力的な演説妨害、さらに、国籍も戸籍もない幽霊候補、また、右翼団体の介入等々、「目的のためには手段を選ばぬ」というあの大野副総裁の覚書が仮借なく実行に移されまして、選挙史上空前の暗黒選挙、無法選挙を現出いたしたのであります。ただにこれは自由民主党一個の問題ではございません。実に正義の危機であります。民主主義の危機、いな、日本の将来に深い暗い影を投げかける、まきに倫理的危機とすら感じきせるのであります。(拍手)この際、自由民主党総裁の池田総理大臣は、いたずらにほおかぶりをしたり、四の五の強弁したりするような態度でなしに、国民の前にすなおに、こうべを垂れて、その責任を明らかにし、率直に陳謝さるべきではないかと思うのでありますが、総理大臣の率直な御答弁をいただきたいと思うのであります。  福岡県及び東京都において、自民党知事候補のポスターに、それぞれ数万枚にのぼるにせ証紙が使われ、しかも、その張本人が、ほかならぬあなたの率いられる自由民主党のおひざ元にあったということは、今日までの当局の捜査によって、きわめて明々白々たる事実ではございませんか。しかも、われわれの最も不可解に思いますのは、東京都選挙管理委員会が、社会党側の連絡によって、四月十五日の午後には、すでにその事実を確認しておりながら、態度をいたずらにあいまいにいたしまして、ついに選挙が終わってしまうまでこれを放置したことであります。さらにまた、警視庁や検察庁におきましても、社会党の証拠をあげての奮発にもかかわらず——ここに証拠があるのであります。この証拠をあげての告発にもかかわりませず、これまた書を左右にして、選挙の終わるまで何ら具体的措置をとらなかったことであります。言うまでもなく、現行犯の検挙というものは、そのタイミングが重要であります。特に選挙のような期限の限られた問題の場合には、機を逸せず、即刻検挙しなければ、意味がないのであります。やり得になってしまうのであります。結局、一刻千金ともいうべき選挙のこの最終段階におきまして、選管も警察も検察も、この三者が期せずして呼吸を合わせて政治的配慮を加えられたのではないかとさえ、われわれは疑わざるを得ないのであります。(拍手)この点は、本問題のきわめて重大なポイントと思うのでありまして、両大臣からその間の経緯を明快に説明していただきたいと存ずるのであります。  また、福岡では、すでに四月の八日から警察当局の捜査が始まっていたことがはっきりしておりますし、また、池田総理大臣も、選挙期間の最後の二日間は東京におられまして、みずから東候補の応援をされたのでありますから、本事件についても当然承知しておられたはずであります。公明選挙運動を常に声高く叫んでこられた池田総理大臣としては、なぜ、即刻に現地におもむき、現物について真偽のほどを確認するだけの努力をされなかったかということを申し上げたいのであります。ここにそのにせ証紙を張ったポスターがあるのでありますが、このにせ証紙は、本物とにせ物とではTとSの隠し文字の位置が逆になっているのでありますから、虫めがねでもって見れば、われわれしろうとでもすぐ見分けがついたはずであります。池田総理大臣はみずから現物について調べてみられるだけのお心がけがあったならば、直ちに、にせ証紙の確認はできたはずだと思うのであります。  さて、事件捜査のその後の経過を見ますと、証紙偽造の関係者は次々に逮捕されて、毎日の新聞をにぎわしているのでありますが、私ども不審にたえないのは、なるほど、証紙の偽造もこれは非常な犯罪であるが、同時に、選挙においては、その偽造された証紙を現実にこのポスターに張って、公衆の目に触れる所に張ったという責任が重大なのであります。しかも、このポスターの掲示責任者には、「東京都千代田区平河町二の七大野伴睦」とはっきり明記されているのでありますから、当然に、証紙そのものの調査とともに、この偽造された証紙を掲示したところの責任者に対して取り調べをしなければ、片手落ちだと思うのであります。にもかかわらず、今日までそういう話を絶えて聞かないととろを見ますと、やはり、巷間伝えられるごとく、この問題の捜査に対して、ある種の政治的圧力が加わったものではないかと疑わざるを得ないのであります。(拍手)この証紙偽造という、にせ札などとは比べものにならないような大がかりな法律的、政治的な重大犯罪に対しては、警察及び検察当局は、断固たる糾明のメスをふるって、すみやかに国民の前に事件の全貌を明らかにする義務があると思うが、両大臣の率直な御決意を伺いたいのであります。  さらにまた、中垣法務大臣にお伺いしておきますが、この証紙の偽造は、貨幣の偽造に比べてあまりにも刑が軽過ぎると思うのでありますが、その点についての御見解と、法律改正に対する御意思がありやなきや、お伺いしておきたいのであります。  次は、これまた、東派の手で他の数人の候補から莫大な数に上る選挙用はがきが買い取られ、阪本候補の誹謗と東候補への投票誘導のための怪文書の形で、無差別に東京都内にばらまかれた事件であります。さらにまた、すべての立会演説会場の内外において、終始阪本候補に対しまして、右翼団体その他の組織的、集団的、暴力的なる妨害戦術が行なわれたにもかかわらず、選挙管理委員会も、警察も、拱手傍観、何ら効果的措置をとらなかったことは、何ゆえでありましょうか。制度に欠陥があるならば、制度を改めていただきたい。運用に欠陥があるならば、運用を根本的に改善をしていただきたい。篠田自治大臣兼国家公安委員長の御見解をお伺いしたいと思うのであります。  また、十三名もの大量候補が立ったのも、今回の都知事選挙の著しい特色でありますが、その中には、中途で公民権停止の事実が暴露して立候補を取り消されたような、不まじめきわまる候補もありました。なかんずく、締め切りまぎわに立候補した橋本勝なる人物は、国籍もなく、もちろん戸籍もない、全くの幽霊候補でありながら、最後までぬけぬけと、選挙公報、ラジオ、新聞、立会演説会等で政見発表なるものを行ない、大手を振ってまかり通ったのであります。かくのごとく、今回の都知事選挙は、まさに奇々怪々、百鬼夜行の幽霊選挙であったと断ぜざるを得ないのであります。選挙管理事務のずさんさ、ルーズさもさることながら、篠田自治大臣はいかなる指導監督をなさったのか。そもそも現行の選管制度そのものに根本的な欠陥があるのではないか。大臣の率直な御所見をお伺いしたいと思います。  また、公職選挙法の規定によりますと、異議の申し立て期間は選挙終了後十四日以内ということになっております。社会党の東京都連の曾我書記長名をもちまして、四月の二十七日にすでに選挙無効の異議の申し立てが出されておるのであります。にもかかわらず、今日まで東京都選管はただの一回も会合を開いて真剣にこの問題を検討しておらないのであります。選挙法によりますと、この選挙管理委員会の決定には期限がついておらないのであります。ほうっておこうと思えば何年でもほうっておけるということになって、しりが抜けておるのでありますが、こういう問題については、選挙管理委員会においてもすみやかに決定を出すべく期限をつけるように、法律改正をいたす必要があるのではないか、自治大臣の御見解をあわせてお伺いいたしたい。  最後にもう一度池田総理大臣にはっきりお尋ねをしておきます。一体、このように東京都知事選挙を汚し、醜を内外にさらしたこれらの怪事件の一つ一つが、かつて例のないものであり、しかもその陰には、ことごとくあなたの率いる自由民主党本部職員松崎長作なる人物が介在して、扇のかなめの役割を果たしているのでありますが、そもそも全国組織委員会事務主任とは、自由民主党本部においていかなる地位と責任とを占めるポストであるか、御説明をいただきたい。彼の手から各方面に莫大なる資金が流されているのでありますが、まさかこれが彼のポケット・マネーとは思いません。一体全体その金はどこから出たのであるか。実は松崎なる人物は単なる窓口責任者にすぎず、ほんとうの黒幕はもっともっと上のほうに、あぐらをかいて、ほくそえんでいるのではないかと言いたいのであります。あるいは、それとも自民党本部には、こうした謀略を専門的に担当するような秘密機関でもあるのでありましょうか。国民の疑惑を解くためにも、また自民党の名誉回復のためにも、この際、党の最高責任者としてもう一度はっきりと御答弁がいただきたいのであります。  また、ポスター、はがき、立会演説、選挙公報の四つは、現行の公職選挙法が保証するところの選挙運動の大きな柱でありますが、今回の都知事選挙では、どれ一つその公正が保証されず、東派の手によって、あるいは自民党の手によって、陰謀と金力と暴力とによって、ことごとく踏みにじられているのであります。しかも、東候補から届け出られた選挙費用は、法定選挙費用七百万円に対して、わずかに五百二十六万三千九百五十四円にすぎないのであります。国民をなめるのもいいかげんにしてもらいたいと言いたいのであります。しかも、現に東知事は、これら不正事件に対する野党の追及をおそれて、選挙が済んで四十日になるのに、いまだに都議会を開くことができないような状態ではありませんか。この際、池田総理大臣は、自民党総裁として、いさぎよく東知事を引き下げて、選挙をやり直すお考えはないかを、お伺いしたいのであります。  今や事件は次第に自民党上層部にまで波及しようといたしているのでありますが、篠田、中垣両大臣は、何ものをもおそれず、何ものにも屈することなく、これらの不正事件の背後関係、資金関係にまで、徹底的なメスを入れて、すみやかに政界の明朗化をはかり、もって国民の疑惑と不安を一掃されるよう、重ねて強く要望し、その決意のほどをお伺いして、私の質問を終わります。(拍手)   〔国務大臣池田勇人君登壇、拍手〕

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  公明選挙は民主政治の基本をなすのでございまして、私はこのために、従来とは異なりまして、特に予備費まで支出いたしまして、公明選挙の適正化あるいは実効化を念願したのであります。しかるところ、お話のように違反事件が続出したことは、まことに遺憾でございます。今後におきましては、政党も、国民も、言論機関も、一致して公明選挙に邁進すべきだと思いまするが、ことに候補者並びに関係者の今後の自粛を要求いたしたいと考えております。  なお、御質問の第二の、利益誘導の問題でございまするが、私が福岡におきまして政府の一般施策を新聞記者その他に申し上げたことは、民主主義の建前からいって当然なことでございます。総理といたしまして、総裁といたしまして、施政の方針を申し述べることは、私は利益誘導にあらずと確信いたしております。  次に、御質問の第三点の首長多選の問題でございます。御承知のとおり、いろいろ議論がございます。一利一害あるととも承知いたしておりまするが、せっかく今、いろいろの議論がございますので、今後政府といたしましても慎重にこの問題について検討いたしたいと思います。  なお、東京における立会演説会においていろいろ遺憾の点があることを選挙中に私も聞きまして、したがいまして、そういうことのないように注意はいたしたのでございますが、現に立会演説会に私は出てその様子を見る機会を得なかったことを遺憾に思います。  なお、にせ証紙事件につきましては、御承知のとおり、昨年の選挙法改正によりまして、証紙問題が選挙法上規定せられたのであります。私は、この問題につきまして、いろいろ違反があったと聞いておりまするが、ただいま何分にも司直の手によって厳正公平に調査中でございます。私は、この問題は、調査後におきまして適当な措置をとりたいと、かように考えております。  なお、松崎それがしは自由民主党の一職員でございます。いかなることをいたしましたかは、やはり司直の手によって調査を待って、私は処置いたしたいと考えております。  なお最後に、東知事に対しまして辞職勧告をやったらどうかということでございまするが、選挙によって選ばれた知事に辞職勧告をするということは、地方自治に重大なる干渉を加えることでありまして、私は地方自治の本質に反することと思います。  なお選挙について、有効か無効かということにつきましては、政府として関知するところでありません。これは選挙管理委員会あるいは裁判所において、裁決、判決すべき問題であることを、重ねて申し上げます。(拍手)   〔国務大臣篠田弘作君登壇、拍手〕

篠田弘作自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(篠田弘作君) まず、知事その他の首長の三選、四選についての御質問でございますが、私が衆議院の地方行政委員会におきまして、三選、四選は好ましくないと言ったという御発言でありますが、これは、いささか違っております。衆議院の地方行政委員会におきまして、阪上安太郎委員から、都知事の三選、四選以上は好ましくないと思うがどうか、こういう御質問がございました。そこで私が申し上げましたのは、三選くらいまでは常識的にまあ妥当であろうと思うが、四選、五選ということになれば、おっしゃるとおり何らかのそこにマイナスが起こってくると思う。しかし、プラス、マイナスというものは、その人によって違うのであって、この欠点というものは、いわゆる、ものさしで、はかることのできないマイナスであるから、それは選挙民が判断をして決定すべきものである。今、自治省として、それに対する何らかの制限の法律でも作る意思があるかというお話がありましたから、そういう意思はございません。とういうふうに申し上げたのであります。申すまでもなく、そのとき申し上げましたのは、野球でも完投投手というのがあるから、その人がほんとうの技術あるいは力量、人格を持っておるなら、完投させてもいいと思う、こういうふうに申し上げたのであって、この問題は、その後ますます大きな問題となっておりますので、各党のあるいは選挙対策委員会等におきましても研究中でありますし、また審議会等においてもこれは研究中でございますから、そのうちに何らかの結論が出るものと考える次第であります。(「訂正しろ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)訂正する必要はありません。それは衆議院の地方行政委員会における答弁であって、国会の速記録にはっきり載っておるのでありますから、訂正しても仕方がないことであります。

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 静粛に願います。

篠田弘作自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(篠田弘作君)(続) 次に、にせ証紙の問題でございますが、にせ証紙を、四月の十四日に判明しておるにもかかわらず、選挙終了後まで、手を打たなかったのは、どういうわけかというお話でございます。これは、にせ証紙という訴えがありましても、科学的に、あるいはそれを技術的に、専門家の手によって調べたのでなければ、にせ証紙と判断するわけにはいきません。先ほど、池田総理が行って見たら、すぐわかるだろうとおっしゃいますが、しろうとの池田総理が行って見たくらいで、すぐそれがにせ証紙であるかないかというような、そういう判断は下すべきものではありません。選挙というものは、そんな簡単な、しろうとの判断によって左右さるべきものではないのであります。そこで、四月十五日午後六時ごろに、選挙人から偽造証紙があるという申し入れがありましたので、直ちに職員を派遣をいたしまして、現物を借り受け、警視庁鑑識課並びに凸版印刷に調査を依頼したのであります。ところが、警視庁は、投票日の前日の十六日夜の十一時ごろに至りまして、偽造の疑いがあるということを発表いたしました。凸版印刷からは、投票日の十七日の昼ごろになりまして、偽造のように認められるが、なお研究したいという報告があったのであります。そういうわけでありまして、物理的に選挙の終了にまで持ち越されたわけであります。そのにせポスターの中に、責任者大野伴睦という名前があったから、大野副総裁を呼んで調べろというお話でありましたが、必要があれば、もちろん、警察当局、検察庁は調べます。しかしながら、—————今直ちにそれを召喚するかしないかということは、これは、われわれ関与すべきことではありません。(発言する者多し)

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 静粛に願います。

篠田弘作自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(篠田弘作君)(続) これは警察の当局が当然やることであります。  都知事選挙の演説会等におきまして、ヤジその他が非常に激しかったということを言われております。市町村の選挙管理委員会の委員またはその指定した者は、立会演説会の秩序を乱す者に対して、これを制止し、または退場を命ずる等の措置をとることができることになっておりますが、演説の選挙人に対する反響、拍手等を制止すべきものではありません。現場にある選挙管理委員会の委員等の適時適切なる判断に期待するよりほかはないのでありまして、なお演説会の秩序維持につきましては、一そうの検討をいたしたいと考えております。  都知事選挙に泡沫候補がたくさん出て、中には橋本勝のごとき正体不明の人物が公然と公報に政見を掲げ、演説会をまかり通ったのはけしからんというふうに言われておりますが、いわゆる泡沫候補については、昨年五月の公選法の改正によりまして、供託金額の引き上げ、重複立候補の全面的禁止、及び犯罪等により被選挙権のない者に対する立候補の禁止等の措置が講ぜられたのでありますが、この程度の措置では、実際に泡沫候補の抑制はむずかしいし、行き過ぎた規制をとることは立候補の自由を制限することになるわけであります。今後慎重に検討いたしたいと考えるのであります。  なお橋本勝の場合は、立候補者が戸籍上死亡した事件でございますので、都の選挙管理委員会が、選挙の時日までに被選挙権のあることが公証されない限り、当人に対する投票は無効であるとした措置は、妥当であると考えております。  都知事選につきまして、これまで公になった実情から選挙無効の申し立てが都選管に提出されておるが、都選管は何らの動きをしていないのはどういうわけか、こういうお尋ねでありますが、都知事選挙の効力につきましては、異議の申し立ては、現在、都の選管においてなされておるのであります。しかしながら、選挙の無効は、都選管といたしまして、選挙の手続等に重大なる過失があった場合は別でございますが、個々の選挙違反について当選無効というようなことは、現在、例のないことでありまして、先ほど総理が申されましたように、裁判所または都選管等において決定されるべき問題であると思うのであります。法律の改正は現在のところ考えておりません。  以上であります。(拍手)   〔国務大臣中垣國男君登壇、拍手〕

中垣國男自由民主党法務大臣

○国務大臣(中垣國男君) お答えいたします。  にせ証紙の告発を受けてから、検察庁が選挙運動期間満了まで捜査に着手しなかった理由はどうかというお尋ねでありますが、私が報告を受けているところでは、お尋ねのこの問題が起きまして、四月十五日にさっそく担当検事の指名をいたしまして、書面の告発と同時に、その証紙が偽造であるかどうかという問題を確かめるという捜査に着手しておるのであります。  第二番目の、自民党の事務員がこのような大規模な事件を惹起した背後には黒幕がいるのではないか、検察庁はその圧力に屈せず、徹底的に事件を究明されたいということでありますが、今回の統一地方選挙の重要性にかんがみまして、その公明化が強く要請されていたにもかかわらず、御質問のような違反が生じたことば、まことに遺憾に存ずるところであります。すでに御指摘のように、自民党本部職員は、もう本件に関しまして起訴されておるのでありまして、このような悪質事犯につきましては、選挙公明化の基礎を築くという意味から見ましても、私は重大だと考えまして、検察庁を督励いたしまして、厳正公平な立場からすみやかな捜査を遂げ、事案の真相を明かにする所存であります。こういうことについて、他の選挙違反同様に、当然のこととしてその厳重な捜査を進めておるのでありまして、御心配のように、他から圧力があるとか、さようなことは、たとえば法務大臣が捜査の制限をするとかいうようなことは断じてございません。(「指揮権発動はしないでしょうね、確認しておいて下さい」と呼ぶ者あり)指揮権発動はいたしません。  次に、偽造証紙の量刑が軽いのではないかという——にせ札等と比べて少し軽いのではないかというお尋ねであったと思いますが、通貨は、御承知のとおり、これは国家の強制力によって通用している経済の基本的なものであって、偽造証紙と比べますと、直接に国民生活に与える影響、それから、そういうものから来るところの社会の混乱ということを考慮に入れますと、やはり建前といたしまして、にせ札の量刑が重いということは、刑法の建前からそういう考え方に立っております。でありますから、今すぐ偽造証紙の量刑を引き上げるという考えは持っておりませんけれども、重要な問題でありますから、十分検討をいたしてみたいと思います。(拍手)   〔米田勲君発言の許可を求む〕

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 米田勲君。

米田勲日本社会党

○米田勲君 ただいまわが党の秋山議員の質問に対して、篠田自治大臣から答弁がありました。その答弁のうち、にせ証紙を張って選挙ポスターを掲示した大野伴睦氏を取り調べる必要があるのではないかという質問があったのに対して、—————というような意味の答弁をしましたが、これは自治大臣の答弁としては不穏当であります。なぜかといいますと、それは自治大臣は、まだこの問題が検察当局の手によって調査されている最中でありますから、右も左も是も非もはっきりしない立場にあるはずであります。したがって、それを打ち消すような答弁をするということは、答弁の限界を逸脱しているものと私らは判断するわけです。したがって、とのことは速記録を調査しなければよくわかりませんので、議長において、速記録を調査の上、不穏当、不適当な個所があった場合と判断した場合には、善処されたいことを、動議として提出いたします。

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 米田君の発言は承りました。議長といたしましては、速記録を調査の上しかるべく善処いたします。         —————

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 丸茂重貞君。   〔丸茂重貞君登壇、拍手〕

丸茂重貞自由民主党

○丸茂重貞君 私は、自由民主党を代表いたしまして、このほど群馬、埼玉、栃木三県下を襲いました突風を伴う、ひょう害並びに群馬県下における霜害に関しまして、政府の対策をたださんとするものであります。  まず、ひょう害でありますが、去る五月二十二日午後四時半ごろより約四十分間にわたりまして、瞬間最大風速三十メートル以上の突風とともに、鶏卵大、ないし、こぶし大の降ひょうが発生いたしまして、一部では旋風さえ巻き起こり、一瞬にして筆舌をこえる甚大な被害を与え去ったのであります。このため、麦、蔬菜、桑などの農作物はもちろん、ビニール・ハウス、畜舎、鶏舎などの農業用施設までも、かつて見ないほどの大被害をこうむるに至ったことは、すでに御承知のとおりであります。なお、一般住宅におきまする全半壊家屋、小中学校もまじえ、相当な数に上っておるのであります。最も痛ましいことは、多数の死者、重軽傷者を出すに至ったことであります。  二十五日に実際に現地を視察いたしました私は、倒壊家屋を前にぼう然自失している農民と、予想以上の惨たんたる被害を受けました農作物を、まのあたり見て、まことに胸のつぶれる思いに打たれたのであります。  すなわち、群馬県下におきましては、死者四名、重軽傷者百二十二名、倒壊家屋に至りましては四百二戸、その他、畜舎、鶏舎多数を含むという実情であります。農業関係被害総額は約十億円と推計されております。死者の四名は、いずれも新田郡尾島町におきまする突風による家屋倒壊の犠牲者でありまするが、同町は被害最もはなはだしく、すでに災害救助法が発動されているのであります。  一方、埼玉県におきましてもやはり四名の死者を出し、重軽傷者五十名、全半壊家屋二百五十戸が算定されておるのであります。同県下におきまする農業関係の被害総額は実に約十七億円に達しているのであります。  これら深刻な被害をこうむりました各地に対しまする救済あるいは復旧処置は、県単独ではとうてい十分の効果を期待し得ぬのが実情でございまして、政府の格段の配慮が望まれるゆえんであります。  そこで私は、次に、政府の緊急にとらるべき対策につき、具体的にその方針を承りたいと思うのであります。  まず第一点といたしましては、政府は、「天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法」を適用される御意思はないかということであります。もしそれが非常に困難であるとするならば、これにかわり得る何らかの措置をお考えであるかどうかということであります。  第二点といたしましては、自作農維持創設資金、農業近代化資金及び農業改良資金等の融資のワクを拡大するとともに、早期融資の措置を講ずべきであると思うのでありますが、この点、政府の準備の有無を伺いたいのであります。さらに、右の各資金につきましては、その償還期間の延期措置をあわせ講ぜられたいと思うのでありますが、政府の御見解を承りたいと思います。  第三点といたしましては、農業共済保険金の早期支払い、あるいは罹災農業者に対しますところの農業所得税の減免措置等を講じていただきたいというのが、関係者の一致した切なる願いでありまするが、この点、政府はいかにお考えになっておられるか、その御意見を詳細にお聞きいたしたいのであります。  第四点といたしましては、住宅被災者に対しますところの住宅金融公庫の優先融資も非常に緊要と存じますが、その用意の有無をお尋ねいたしたいと思います。  以上は、いわば暫定措置についてでありまするが、より根本対策といたしましては、特別交付税によるところの災害対策費の完全補てんや、あるいは長期財政補てん債の特設等の措置に対しまする関係者の期待は、ただいま、はなはだ大きなものがあるのでありまするが、政府は、これらの点につきましていかなる見解を持っておられるか、その意のあるところを十分承りたいと思うのであります。  次に、霜害につきお尋ねいたしたいと思います。  去る五月二十五日深夜より二十六日早朝にかけまして、群馬県の山間地帯に降霜がありました。桑園には相当の被害が発生いたしております。被害面積は、ほぼ五百ヘクタールに及んでおります。特に吾妻郡嬬恋村など四カ村では、四ヘクタール以上が五〇%以上の被害率を見せております。なお、利根郡水上町など六市町村におきましては、四十七ヘクタールが四〇%ないし五〇%の被害を受けているのでありまして、健に金額に換算いたしますると、ほぼ一億四千二百万円に上っておるのであります。群馬県当局といたしましては、被害が町村合併前の一カ村の総作付面積の三〇%を上回った場合におきましては、県条例を適用いたしまして、肥料その他の補助を行なう方針との由でございますが、政府としても、この九年来といわれておりまする大霜害に対しまして、何らかの措置をおとりになる御用意がおありであるかどうか、その御見解もあわせて承りたいと思います。なお、栃木県におきますところの被害総額は、約六億円に達しておるのであります。  以上、政府のとらるべき措置いかんという問題とともに、より重大なことは、その措置は、決して時期を失してはならないということであります。政府は、そのまとめられました構想を、すみやかに行政の末端まで浸透せしめられまして、敏速篤実に所期の目的を達成されんことを心から要望いたしまして私の質問を終わりたいと思います。(拍手)   〔国務大臣田中角榮君登壇、拍手〕

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) お答えいたします。  今般の北関東の災害につきましては、過去のこの種災害の対策を参考にいたしまして、万遺憾なきを期して参りたいと考えておるわけでございます。  五月二十五日現在の県の報告によりますと、農産物の被害は約三十億円に上っておるようでございます。それから住宅の全壊、半壊、その他たいへんな被害がございます。現在までの報告では、全壊が百五戸、半壊が二百六十五戸、計三百七十戸、これは群馬、埼玉両県の集計でございます。この問題につきましては、全壊したものの復旧については、住宅金融公庫からの個人融資の特別貸付を行ないたいというふうに考えております。また緊急に修繕を要するもの等もございまするので、本年度から新設をしました住宅修繕融資の貸付等によって措置いたしたい、このように考えておるのでございます。天災融資法の問題、農産物の被害、自作農創設の問題、その他につきましては、関係各省と、現在、意見を調整中でございますので、可及的すみやかに結論を得て万遺憾なき処置をとりたいと考えます。(拍手)   〔国務大臣重政誠之君登壇、拍手〕

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) 先般の埼玉、群馬、栃木における降ひょうによる大被害等に対しましては、まことに御同情にたえません。  御質問になりました天災融資法の適用につきましては、できるだけ御要望に沿うように措置をいたす考えであります。御承知のとおり、これには一応の条件があるわけでありますが、しかし、こういうような局部的に非常に大災害を及ぼしたというようなものにつきましては、従来の例もあることでありまするから、できるだけ適用については措置をいたしたい、こう考えております。  それから自作農資金の融資につきましても、これは前例のあることでございまするから、大蔵当局とも十分相談をいたし、万遺憾なきを期したいと思うのであります。  第三の御質問の農業災害共済資金の問題でありますが、これは共済金の仮払いもいたし、さらに、政府に再保険いたしておるものにつきましては、概算払いというような措置も講じて参りたい、こういうふうに考えております。  それから、霜害につきましては、さしあたりの問題といたしましては、肥料をよけいにやりますとか、あるいはその他の技術的の指導をまず第一にいたしたい。そうして統計調査部の被害の調査を待ちまして適切な措置を談じたい、こう考えておるわけであります。(拍手)   〔国務大臣河野一郎君登壇、拍手〕

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) 住宅の問題についてお答えいたします。  実は、公営住宅につきましては、御要望、お話がございませんので、この点はまだ、するに至っておりませんが、個人住宅につきましては、御承知のとおり、金融公庫の特別貸付によって御相談を申し上げる。ただし、緊急に修繕を要するものにつきましては、今年度から住宅改修融資というものを新たにつけましたので、これによって修繕のほうの融資を申し上げるということにして、せっかく県当局と相談して進めておる次第であります。(拍手)   〔国務大臣篠田弘作君登壇、拍手〕

篠田弘作自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(篠田弘作君) 去る五月二十二日に、群馬、埼玉両県において発生しました突風並びに降ひょうの災害につきまして、衷心より御同情申し上げる次第でございます。人家並びに農作物の被害に伴いまして、地方団体が行なう災害諸対策及び災害復旧等につきまして、地方団体の財政需要の増高につきましては、国庫補助金のほか、状況に応じまして特別交付税を増配分いたしたいと考えております。一なお、当面の問題といたしまして、普通交付税を六月の三日概算交付の予定でございますが、群馬県に対しましては二十六億七千五百万円、埼玉県につきまして二十四億一千八百万円を六月三日に概算交付することにいたしております。(拍手)         —————

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 大和与一君。   〔大和与一君登壇、拍手〕

大和与一日本社会党

○大和与一君 私は、日本社会党を代表いたしまして、去る五月二十二日関東地方に発生いたしました突風及び降ひょう、豪雨による被害につきまして、政府の所信をただし、すみやかに万全の対策を確立するため、政府の善処を促したいのであります。  五月二十二日は、東京で三十度七分という本年最高の気温であったのでありますが、   〔議長退席、副議長着席〕 梅雨前線が夕方になって南下し、冷たい空気を関東平野に送り込んだため、夕刻から夜半にかけて、北部、西部の山沿いを中心に雷鳴がとどろき、一部の地方に突風、降ひょう、豪雨が襲来して、激甚な被害を与えたのであります。特に、群馬県南東部と埼玉県北部地方、栃木県西南部地方におきましては、午後四時三十分ごろから三、四十分にわたりまして、瞬間最大風速五十メートルに達する突風と、鶏卵大ないし、こぶし大のひょうが襲ったのでありまして、このため尊い人命を初め、家屋、農作物等に甚大な被害を与え、国鉄においても、落雷によって高崎線が一時不通となり、一時間から四時間に及ぶ列車ダイヤの乱れがあったのであります。  警察庁の報告によりますと、この突風及び隆ひょうの被害は、群馬、埼玉、栃木の三県におきまして、人的被害で現在までに判明したものは、死者八、重傷者十三、軽傷者二百二十七、計二百四十八名、家屋関係では、住宅が全壊七十八戸半壊五百十戸、一部破損五千五百六十戸、非住宅が全部で千二百五十五戸に達し、鉄道不通個所は五カ所発生したのであります。また、農作物の被害は総計約三十億円に及んでいるということであります。これらの被害額は、いずれも現地のなまの報告だということでありますが、風水雷等と異なり、この種の被害が比較的限られた地域に免じますだけに、被災地における被害の深刻さがしのばれるのであります。  新聞の伝えるところによりますと、埼玉、群馬、栃木、三県下の被災地は、一夜明けた二十三日、こわれた家々や田畑が、低くたれこめた雨雲の下に無残な姿をさらしていた。人々はぼう然として、荒れ果てたわが家の前にたたずむばかり。被害の最も大きかった埼玉県深谷市や群馬県尾島町では、早朝から各自治会長を動員、実態調査を進めるとともに、緊急町市議会を開くなど、懸命な救援活動に立ち上がったが、人々は、「ガラスが足りない、」「稲の苗がほしい」と、悲痛な声で救いを求めていた」と報告されるほど、激甚な被害を受けたのであります。ちょっと群馬県の写真をお見せしますと、ビニール・ハウスは全くこわれてしまい、桑の葉はほとんど一枚もない、家はこわれた、こういうふうに、たいへん写真でもその惨状がなまなましく現わされておるのであります。  かような激甚な被害に対し、地元の関係市町村並びに県当局におきましては、直ちに被害調査に着手する一方、必要な対策を実施に移しつつあるのであります。たとえば、群馬県におきましては、いち早く五月二十四日に緊急臨時県議会を開き、災害救助に関して各般の措置を全会一致で決定いたしたのであります。埼玉県におきましても、来たる六月一日から県議会を開くことに相なっておるのであります。栃木県におきましても、全力をあげて当面の救済策に当たっておるのであります。  しかしながら、今回の災害は、この種のものとしてはその範囲が広く、しかも、被災地の被害かきわめて深刻でありまして、関係地方公共団体の貧弱な財政力をもってしては実施しがたい多くの重要な問題が存在するのでありますから、国の強力な援助指導がぜひとも必要なのであります。私は、かような見地から、以下数項目にわたって政府の御所見を伺いたいのであります。  まず第一に、瞬間的に地域的に全滅の災害を受けた場合に、政府は、常にすべてを救済するのではなくて、三分の一であるとか、百分の五であるとか、初めから値切って、かけ値をして、法律、政令をお作りになっておられると思われるふしがありますが、これは、実情に即して、全額補償という親心をお考えになれないのか、関係各大臣にお尋ねをいたす次第であります。  次に、農業関係につきまして農林大臣に伺います。  今回の災害により、農作物が壊滅的な打撃を受けたことは申すまでもありませんが、これにより、収穫期を前にした麦、都市近郊という立地条件によって栽培されていたトマト、イチゴ、キャベツ、キュウリ等の蔬菜、田植え期を控えた苗代、春蚕の上簇期を前にした桑等が、いずれも一瞬にして甚大な被害を受け、さらに最近急速に普及しておりますビニール・ハウス、鶏舎の農業用施設の被害も大きいのであります。そこで政府におかれましては、すみやかに被害の実情を調査され、一日も早く天災融資法による災害融資の措置を実行されたいのであります。また、この天災融資法の発動による措置を補完するために、これに並行して自作農維持資金による災害融資を実施するとともに、農業近代化資金、農林漁業金融公庫資金についても、実情に応じ活用できるよう迅速な処理を必要と考えるのであります。被災地におきましては、被害のあまりの大きさに、物心両面にわたって大きな打撃を受けているのでありますから、一刻を争う問題として、これらに対する政府の方針を明らかにされたいのであります。また麦、桑等につきましては、農業災害補償制度による農業共済金の早期支払いをすみやかに実施して、関係農家の再建活動に資していただきたいのであります。  次に養蚕関係でありますが、御承知のように、桑は、果樹等と同様、この種の被害を受けますと、病虫害を防除し、樹勢を回復するため、肥料、農薬等をなるべく早く施さねばなりません。したがいまして、昭和三十三年ころまでは樹勢回復用肥料や病虫害防除薬剤等に対し、予備費などから補助金が支出されていたのでありますが、最近におきましてはこの種の問題は、ほとんど金融による方針がとられているのであります。しかし今回の災害は、一戸々々の被災農家にとりましてはまことに大きい被害なのであります。この際、かつてのように補助の道を開くよう強く要求したいのであります。この点は、桑の輸送費や夏秋蚕用蚕種購入費等についても同様であります。  また、被災後の営農については、濃密かつ適切な指導がきわめて重要であります。政府は、その指導監督に万全を期するとともに、地方公共団体に対し、指導費の助成をはかるべきであると存ずるのであります。  以上、災害融資、共済金早期支払い、補助及び指導について、農林大臣から政府の方針を具体的に伺いたいのであります。  次に、厚生大臣にお伺いいたします。今回の災害がきわめて激甚であったことは、るる申し上げたとおりであります。保護世帯の更正あるいは保健衛生等について万全の措置を講ぜられたいのであります。この際、災害救助法について申し上げたいのであります。現行制度によりますと、たとえば人口五千人以下の市町村については、住家が滅失した世帯が三十世帯以上の災害であれば、この制度を発動できるという仕組みになっておりまして、その基準は住家を滅失した世帯数だけであります。ところが、災害の態様は千差万別でありまして、今回のように全壊に比べ、半壊、一部破損が著しく多い上、救助法を適用すべき状況にある場合には、この非弾力的な基準のため、救助法の発動が制約されるのであります。また、救助法第二十三条による救助の程度についてもはなはだ不十分であって、たとえば応急仮設住宅の問題にいたしましても、法律では特別基準の協議をすればよいとありますけれども、とにかく今までの各地の実情を伺いますと、役所的ルーズさも手伝って、結論の出るのがおそいために、いつも間に合わぬのであります。したがいまして、救助法の適用基準及び救助の程度についてすみやかにこれを改善し、今回の災害に適用すべきだと考えるのであります。また、低所得者のための世帯更生資金につきましては、今回の災害にかんがみ、住宅の新設及び補修資金並びに生業資金のワクの拡大をはかるべきであります。これらの点について、厚生大臣から政府の御所見を伺いたいのであります。  次に、通産大臣にお伺いします。  今回の突風及びひょう害は、従来この種の災害が、ほとんど農作物被害に集中していたのに比べまして、被災地における地元商工業者に与えた損害の大きかったことが、一つの特色であろうと存ずるのであります。ところが、中小商工業者に対する災害金融につきましては、農業における天災融資法のような充実した制度がないのであります。この点は、たとえば昨年の北九州における梅雨前線による豪雨の被害に際しましても、関係の県当局から強い要望があったのであります。中小企業基本法案が、大きな問題となっております今日、体系的な、低利の災害金融制度がないのは、政府怠慢といっても過去ではないと存ずるのであります。群馬県当局におきましては、今回の災害に対し、商工業者に対する災害復旧特別融として、県費四千万円を地元金融機関に預託し、総額二億円の融資を実施する措置をとったのであります。政府におかれても、この問題の制度化に真剣に取り組むとともに、今回の被災商工業者対策に遺憾なきを期していただきたいのであります。この問題について、通産大臣の御所見を伺いたいのであります。  次に、自治大臣にお伺いします。  災害の復旧にあたりましては、関係地方公共団体といたしましては、国の補助の有無にかかわらず、できるだけ実情に即して、諸般の具体的措置を進めなければならないことはもちろんであります。したがいまして、その財政を援助するため、特別交付税あるいは必要に応じ起債のワクを確保する等の手段に遺憾があってはならないのであります。群馬県議会でも、県の施策を国が助成するよう意見書を決定しておるのでありますが、災害に伴う地方財政の財源対策については、万全を期すべきであります。これについて、自治大臣の明快な、しかもまじめな御方針を伺いたいのであります。  次に、大蔵大臣にお伺いします。  ただいま各大臣に質問いたしました事項は、いずれも、これに相応した予算的あるいは資金的裏づけを要する問題であります。この裏づけなくしては、まさしく「仏作って魂入れず」のたとえ同然であります。従来の政府の行き方を見ますと、災害対策につきましては、ややもすると、財政的にまことに渋い線が出される傾向があると存ずるのでありまして、たとえば長期預金利子の大幅な優遇措置のごとき、資本家のための施策が、いとも簡単に実現するのを見るにつけ、まことに遺憾にたえないのであります。田中大蔵大臣は人情大臣として有名でありますが、この際、以上申し上げました措置に対し、十分な財政的裏づけを行ない、被災者が希望を持って再建に向かえるよう心がけていただきたいのであります。  以上、重要な問題について質問をいたしましたが、最後に、被災者に心から御同情、お見舞、激励申し上げますとともに、政府は大勇猛心を起こして、即断即決、全努力を傾けて、全国民の期待を裏切らないようにお願いしたいのであります。  以上、これを要するに、災害時における被災者の完全な救済措置は、その当時の糊塗的援護にとどまってはならないのであります。池田総理は、経済の成長を謳歌し、大国意識に胸を張っておられるようでありますが、実力のある大国とは、第一に国民生活の格差が非常に少ないことであります、第二に、社会保障制度が完全に近く実施されていることであります。このいずれも、わが国の池田内閣においては、国民化活の実態とはほど遠いものがあります。一日も早く政治を国民の翹望にこたえる立場に立って、正しい軌道に乗せてこそ、初めて災害時においてだけでなく、恒久的安定救済策が成り立つものであると確信いたすものであります。  以上をもって、私の緊急質問を終わります。(拍手)   〔国務大臣重政誠之君登壇、拍手〕

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) お答えを申し上げます。  農業災害につきましては、目下統計調査部を督励いたしまして調査をいたしているのであります。その結果に従いまして、ただいま御質問になりました災害救済融資につきましては善処をいたしたいと考えているのであります。天災融資法の発動あるいは自作農資金、その他の資金の融資というような問題につきましては、先ほど丸茂議員にお答えをしたと同様であります。統計調査部の調査を待ちまして、できるだけ、前例もあることでありますから、天災融資法の適用につきましては措置をいたす考えであります。  農業共済金の支払いにつきましては、先ほども丸茂さんにお答えをいたしましたとおり、仮払い等の緊急の措置を講じて参りたい、こう考えております。  なお、桑の被害につきまして、肥料及び農薬等に補助金を出したらどうかという御質問でありますが、これは御質問の中で御指摘もありましたとおり、近来は融資の方法によって、補助金はやらない制度になっておりますので、今回もそういうふうにやって参りたい、こう考えておる次第でございます。(拍手)   〔国務大臣西村英一君登壇、拍手〕

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) 今回の群馬県を中心にいたしました災害によりまして罹災されました方々には、まことに御同情にたえない次第でございまするが、中でも最もひどい新田郡尾島町につきましては、災害救助法を適用いたしまして、すでに同法によるすべての救助対策をとっておる次第でございます。  次のお尋ねといたしまして、災害を徹底的に救助すべきじゃないかという御意見でございまして、ごもっともでございます。現在の災害救助法の適用基準は一応ありまするが、これは、どうしてもやはり災害と申しましても、実はピンからキリまでございまして、現在の行き方は、小規模の災害については、やはり地方公共団体がまあやるべきだ、それ以上のある一定の規模を持ちました災害については、どうしてもこれは、国が罹災者のめんどうを見、また、社会保障の保全をはかる意味において、国が救助の手を差し伸べなければならぬというようなことになっておるわけでございます。まあその一定の基準をどこに置くかということにいろいろ問題があろうかと思われまするが、十分今後は検討はいたしまするが、ただいまは、現在のような基準で一応妥当ではないかと考えておる次第でございます。  それから災害救助法によりまする救助の実施、この問題につきましても、救助の程度とかあるいは方法というようなものにつきましては、過去の経験をもとにいたしまして一定の基準は作っております。しかし、災害によりましては、その基準以上のことをしなければならぬ場合もありますので、一応厚生大臣に協議をして、やるということになっておりまするから、厚生省に御連絡をとっていたださましたら、これは災害のことでございまするから、もうでき得る限り罹災者の方々のことを考えてやらなければならぬのでございます。現に、やはり住宅等の問題につきましても、一定の基準でやることにはなっておりまするけれども、これは、そのつど申し出によりまして、罹災者の方々の利便をはかっておる次第でございます。したがいまして、今回もどうぞひとつそういうことで、罹災者の方々が困ればひとつ直ちに申し込んでいただきたいと、かように思うし、また、私のほうでも十分注意をいたしたいと思うのでございます。それから実は保護世帯あるいは低所得の方々につきまして、それでなくても生活が苦しいのに、災害を受けてなおさらお困りであろうと思われます。更生資金のワクも本年は前年に比較いたしまして相当多額に計上されておるのでございまするから、どうか罹災者の方々が自立できるように、生活保護に落ちないように、もし万一この災害によって生活がお困りになるというようなことになりますれば、また生活保護法で救済をする道もあるのでございまして、いずれにいたしましても、政府といたしましては、罹災者の方々に万全な手を尽くしたい、かように考えておる次第でございます。(拍手)   〔国務大臣福田一君登壇、拍手〕

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) お答えをいたします。  被災を受けられました中小企業のお方の復旧の資金につきましては、必要に応じまして政府関係金融機関からこれを融資申し上げるように指導をいたしておる次第でございますが、今度の災害につきましては、ただいまわれわれのととろでとっておるところでは、商店街等で窓ガラスがこわれた、商品の一部が損壊した、また、一部の企業がそのために一時営業停止だと、こういうような実情であると聞いておるのでございますが、しかし、一般的に申しまして、災害の度合いによって、はたして現在の法制で十分救済ができるかどうかという問題は、今後大いに研究をさしていただきたいと考えておる次第でございます。(拍手)   〔国務大臣篠田弘作君登壇、拍手〕

篠田弘作自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(篠田弘作君) 群馬、埼玉両県に発生をいたしました突風及び降ひょうによる人家及び農作物等の被害に伴って地方団体が行なう災害諸対策及び災害復旧等につきまして、地方団体の財政需要の増高につきましては、国庫補助金のほか、起債の対象となるものにつきましては起債を許可し、その他につきましては、被害の状況に応じまして特別交付税の増額配分を考慮して参りたいと思っております。また、とりあえずの応急の措置といたしまして、先ほど申し上げましたように、普通地方交付税の概算交付を六月三日いたすことにいたしまして、群馬県には二十六億七千五百万円、埼玉県には二十四億一千八百万円を概算交付することにいたしております。(拍手)   〔国務大臣田中角榮君登壇、拍手〕

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 各省所管別に各大臣がお答えになりました事項に対しましては、財政当局といたしましても、十分連絡をとりながら遺憾なきを期して参るつもりでございます。  それから、大蔵省は災害の問題に対していつでも渋いと言われましたが、大蔵省も政府の一員でありまして、政府の内部で十分調整をしながら最終的案をきめるのでございまして、大蔵省が渋いというのは、財政当局として当然要求せらるる限度の渋さでございますので、御認識賜わりたいと存じます。(拍手)    ————・————

重政庸徳自由民主党副議長

○副議長(重政庸徳君) 日程第四、地代家賃統制令の一部を改正する法律案(趣旨説明)、  本案について、国会法第五十六条の二の規定により、発議者からその趣旨説明を求めます。衆議院議員木村守江君   〔衆議院議員木村守江君登壇、拍手〕

木村守江自由民主党

○衆議院議員(木村守江君) 私は、地代家賃統制令の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由並びにその概要について御説明申し上げます。  この法律案は、すべての地代家賃が統制令を撤廃されておるのにかかわらず、昭和二十五年七月十日以前に建てられた三十坪以下のものだけに、いまだに統制が行なわれている現状でありますので、かかる状態を放置することは社会経済の実情に即さないのでありまして、地代家質統制令を昭和三十八年十二月三十一日限りで撤廃することを内容とするものであります。御承知のとおり、この地代家賃統制令の撤廃につきましては、第三十四回国会及び第三十八回国会において、政府提出法案として、さらにまた、昨年の第四十回国会には議員提案として提出されましたが、いずれも審議未了となったものであります。しかしながら、その実情を勘案するとき、これをこのまま放置することは許さるべきではないと信じますので、今回再び議員提出法案として提案した次第であります。  申し上げるまでもなく、地代家賃統制令は当初、国家総動員法に基づく勅令として昭和十四年に公布施行され、戦争遂行のための物価安定策の一環として実施されてきたものでありますが、終戦後におきましても、異常な住宅難による地代家賃の急騰を防止するために継続されてきたものであります。  本来、地代家賃の統制は当初におきましては、一般物価の統制と関連してあらゆる地代及び家賃が統制されておりましたが、昭和二十五年七月の改正で統制対象は著しくく縮小されて参ったのであります。すなわち、一時使用の土地建物及び昭和二十五年七月十一日以降新築の建物とその敷地、並びに、住宅以外の建物とその敷地が統制対象から除外されたのであります。したがって現在では、昭和二十五年七月十日以前に建築された延べ三十坪以下の住宅とその敷地についてのみ統制が行なわれているのであります。すなわち、昭和二十五年七月に、同月以降に新築される建物とその敷地が統制対象から除外されましてからすでに十年余になりますが、この間、年月の経過とともに新築戸数が増加して参り、また家屋の滅失、あるいは借家が持ち家になる等のこともありまして、現在におきましては、全体の借地、借家のうち統制対象となっておりますものは非常に減少して参り、したがって、当初の目的でありました民生の安定のためという意義ははなはだ薄らいで参り、この統制令の存在理由も稀薄となって参ったのであります。  しかして、これらの統制対象となる地代、家賃は、六大都市におきましては平均統制地代は坪当たりわずかに十三円、統制家賃は坪当たり約九十円という非常に低く押えられており、したがってこれを積極的に守る者はきわめて少なく、法があっても実効を期し得ない実情であります。特に退職者が退職金によって、わずかな土地を得て、それで生活のかてを得ている人、未亡人でわずかな遺産の土地家屋で生計を立てている人等に対しては、経済的に非常に困却をいたしておりまして、修繕もできずに貴重な財産を荒廃にまかせている実情であります。かような点から考えまして、この統制令を撤廃すべきものと考えるのであります。  これに対しまして、一方においては、統制額を改訂せよという議論が出ておりますが、先ほど申し上げましたように、現在においては統制令そのものの本来の意義がきわめて薄弱になっており、これを撤廃しても、地代家賃に著しい影響を与えることは考えられないのでありまして、このような実態に合わない統制令は、むしろこれを撤廃することが至当であると考えるのであります。  以上がこの法律案の概要であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願い申し上げまして、私の提案理由の説明を終わります。(拍手)

重政庸徳自由民主党副議長

○副議長(重政庸徳君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。瀬谷英行君。   〔瀬谷英行君登壇、拍手〕

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま趣旨説明のありました地代家賃統制令の撤廃に関する法律案に対し、政府並びに提案者に若干の質問を行ないます。  提案の御趣旨を要約いたしますと、この法律案は、すでに政府提案で二回、議員提案で一回、都合三回も提出をされたのにもかかわらず、いずれも審議未了となっている、この辺で日の目を見せてほしい、統制令の対象も今ではすっかり縮小限定をされたわずかなものである、また、統制の対象となる地代家賃の現状は今日の物価に比較して著しく低過ぎる、したがって積極的に守る者は少ない、だから撤廃しても地代家賃に著しい影響は与えないということになろうかと思います。言いかえれば、今日の物価が上がり過ぎている、地代家賃統制令とのつり合いがますますとれないものになったということであります。なるほど、今日まで物価は、あるいは徐々に、あるいは急速度に上がり続けて、下がったためしがございません。ここで問題にしなければならないのは、置き去りにされた地代家賃よりも、上がるばかりでとどまることを知らない物価の動向であります。最近の世論調査の結果によりましても、国民の最大の関心は物価の安定にあると伝えられております。なかんずく、衣食住のうちでも、住居費、土地、家屋の値七がりは顕著なものがあります。住居費は生活費の中で節約の余地がなく、待ったなしであります。値上がりムードの先頭に立たれては一番困るわけであります。  本法律案と物価安定政策の関連で第一にお尋ねしたいのは、物価の問題であります。政府も物価抑制に本腰となり、国内経済体制の整備、国際収支の長期安定策確立に力を入れるとのことでありますが、物価抑制策の前途は多難と伝えられております。一体これ以上の物価抑制が可能かどうか。それとも野放しのまま見送るほかないのか。今後の経済の見通しと今年度の経済成長率等について、大蔵大臣の見解を明らかにしていただき、物価の行方はどうなるのか、お示しをいただきたいと思います。  第二に、経済の高度成長と国民所得の関係であります。池田総理は、本院におきましても日本経済の高度成長をたたえ、ヨーロッパ諸国に比較して遜色のないことを強調したことがあります。何と言われようとも、われわれ日本国民の大多数は、ヨーロッパ諸国民の日常生活を直接見聞したことがなく、したがって、比較対照の具体的方法を知りません。確かに表面的には都会にビルが建ち並び、豪華なホテルやキャバレー、ナイトクラブ等が陸続として妍を競っております。予算では足を出しましたが、来年は東海道新幹線を「夢の超特急」が走ろうとしております。しかし、日本の経済をささえている多くの勤労大衆にとっては、住宅問題が戦後今日に至るまで、依然としてきわめて憂慮すべき深刻な問題であることを、おそらくどなたも否定することはできまいと思います。都営住宅団地の用地買収をめぐる汚職で都議会議員が逮捕されたという事件も、結局は住宅問題が国民にとって未解決の問題となっており、利権の介入を招いたからにほかなりません。  東京都の調べによれば、都の住宅不足数三十五万戸、世論調査によれば四十五万世帯が住宅の困窮を訴えており、全国的には二百万世帯が住宅難に悩んでいるとのことであります。公団、公社等の公共住宅入居希望者の競争率は三十倍以上が常識であり、交通の便のよい地域では、競争率が千数百倍という気の遠くなるような数字が示されております。公営・公団住宅に、はいれない人々は、やむを得ず私設の木造アパートや間借り生活等で雨露をしのぐよりほかに方法がないのであります。しかも、木造アパートの大部分が危険で、狭くかつ不便であり、それにもかかわらず多額の権利金を必要とし、部屋代も高いという割の悪さであります。このような建築物あるいは老朽家屋等は、先ほど緊急質問がありました埼玉、群馬、栃木等をめぐりました突風があれば、立ちどころにつぶれてしまうような性質のものであります。危険を覚悟し、不便を承知で、高い住居費を払わざるを得ない人々が、いまだにたくさんいるということは、政府の住宅政策が今日まで全くおざなりで、特に所得の低い階層に対する思いやりに欠けていたことを物語っております。  特に、公営住宅に入居を希望する住宅困窮者の八割までが、月収三万円以下の低所得者層であります。自己資金によって土地家屋を購入することは、今日の天井知らずの相場からするならば、とうてい不可能であります。ヨーロッパ諸国と肩を並べ得る経済の高度成長を裏づけるには、中産階級、低所得者層の所得を実質的に引き上げ、公営・公団住宅、あるいは自己資金による住宅保持の措置のいずれを問わず、住宅難あるいは交通地獄を解消して、国民に衣食住の不安なからしむることこそ先決であります。低所得者の住宅対策については、あくまで政府もしくは自治体において責任を持ち得るのか、あるいは自力建設を可能ならしめるように低所得者の所得引き上げを経済政策の面で約束し得るのか、どっちともできないから、かんべんしてくれというのか、お答えをいただきたいと思います。  第三に、税制面から若干の質問をいたします。  河野建設大臣は今日までの国会答弁で、住宅問題はある程度国民各自がみずからの責任で解決をしてほしいという意味の答弁をして参りました。私も、それが国民のだれにもできるならば、それにこしたことはない、まことにけっこうだと思います。しかし、犬小屋や鳥小屋と違いまして、人間の住む家屋の建築費は、今日決して安くありません。特に昨今は、建築費以上に宅地を求めることが困難になって参りました。坪当たり二万あるいは三万、四万で土地を求め、坪当たり六万、七万の建築費で家を建てるということには、相当以上の資力を必要といたします。百万以下の単位では全然問題にならないのでありまして、普通の勤め人あるいは公務員等には残念ながら手が出ないのが実情ではないかと思います。そこで、勤続三十年あるいは四十年の勤労者が、血と汗の結晶である退職金で土地を求め、家を新築しようとする例が少なくありません。ところが、第一、退職金そのものが遠慮なく税金にむしり取られ、土地と家屋の費用で退職金の大部分を使い果たす結果になってしまうのであります。このように建築費が高く、民間自力建設も意欲のみで資力が思うにまかせないという、うらみがあります。さらに、戦後、土地家屋は課税対象として高い税金が課せられるに至りました。地租、家屋税のたび重なる急上昇であります。地租、家屋税は、地方税の中でも大きな位置を占め、固定資産税ともども、税源として重い役割を引き受けるに至っております。もしも地代家賃統制令の撤廃が零細な家主の保護にありとするならば、税制の面で保護を加え、統制家賃の適正化によって補償措置をとうに行なってしかるべきであったと思いますが、今日まで放任してきたのはいかなる理由によるものか。また、今日宅地の暴騰により土地がまさに投機の対象になってしまった感がありますが、はたしてこれでよいのか。宅地制度審議会は、地価抑制に、二つの新税、空閑地税と増価税の創設を検討していると伝えられておりますが、この種の方策に対する建設大臣の見解をお示しいただきたいと思います。  戦後しばらくは、どこの国も、多かれ少なかれ住宅問題で悩まされたであろうと思います。しかし、すでに戦後十八年であります。いまだに住宅政策の貧困不徹底が表看板になっているようでは、経済の高度成長などとは言えたものではないと思います。西ドイツでは、住宅問題の解決の見通しのつくまでは家賃の統制を撤廃せず、住宅需給の見通しが立つようになってから段階的に実施をしていくということであります。オランダにおいても、今日、地代家賃統制令は厳として存在をしているということであります。わが国におきましても、住宅政策が徹底をすれば、早晩、統制令は無用となるかもしれません。しかし、今日のところ、住宅問題は少しも解決し得る状態にありません。土地価格のごときは、上昇する物価の中のトップ・グループにあると言っても過言ではないのであります。だとするならば、地代家賃の暴騰を許さないためのブレーキはなお必要ではないかと思うのが常識であります。統制と対象となる地代家賃を積極的に守るものは少なく、法があっても実効を期し得ないというのが、提案者側の言い分であります。だから統制を撤廃しても地代家賃の暴騰はあり得ないと言っておられますけれども、それならば、撤廃しなくても変わらない、だれも困らないということにもなるのであります。ブレーキは、きき目がなくなったからといって、全然取りはずしてしまっていいものかどうか。全然取りはずしてしまったならば、坂道をどんな勢いで走り出すかわからないのであります。借地借家人の保護をするブレーキは、きき目がなければ、新しく取りかえるのが妥当ではないかと思います。それとも、暴騰はしないが相当上がる、こういう含みがあるのかどうか。地主家主の立場からじゃまな法律はどけてしまえというように聞こえるのでありますけれども、借地借家人の立場にすれば、どういう保証と約束があるのか、一番不安の多いところでありますから、ぜひこの点を明らかにしていただくように、提案者の御答弁を承りたいと存じます。  地代家賃統制令はその必要がなくなったから撤廃をするとおっしゃるなら、住宅政策の完全な裏づけを国民に納得させることが先決であります。過去数回にわたり提案をされましたが、今回は、政府提案ではなくて、議員の提案であります。察するところ、政府にはまだ国民を納得させるだけの住宅政策の裏づけについて自信がないのではないかと思われますが、いかがでありましょうか。住宅問題は、五年後、十年後の青写真を見せてもらってもどうにもなりません。明年のオリンピックには、世界じゅうの人々に、日本の国民生活、政治経済の実態をも披瀝をする形になります。そのときは、表側だけではなくて、裏側からも遠慮なくのぞかれる結果になると思います。その際、相も変わらず深刻な住宅難、交通麻痺、通勤地獄、水不足などという問題が露呈をされるようでは、ヨーロッパ並みの高度経済成長論もたちまちメッキがはげてしまいます。政府の住宅対策は、率直に言って今日まで立ちおくれの連続であります。価格は需要供給のバランスがくずれれば上がるようになっております。今日、土地の値上がりがはなはだしい。目に余るから宅地債券を発行するといっても、手の届かない庶民大衆がどのくらいいるか、真剣にお考えをいただきたいと思います。東海道新幹線にしても、高速自動車道建設にしても、土地の値上がりのためにどのくらいよけいな予算を食っているかわかりません。今日の住宅問題は、ただ土地を見つけて家を建てさえすればよいというものでもございません。都市計画から根本的に練り直していかなければ、交通麻痺、通勤難をあわせて解決をすることは不可能であろうと思います。焼け石に水のような住宅建設で当面を糊塗したり、地主、家主の立場だけを考えて地代家賃統制令の撤廃をはかるなどということは、住宅政策の根本を忘れた小手先細工と言わざるを得ないのであります。国民のごく一部の恵まれた階層にしか手の層かない施策のみに終わることなく、住宅問題に一番悩んでいる中産階級、低所得者の立場に立って、真剣に住宅政策に取り組む誠意のほどをお示しをいただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)   〔国務大臣田中角榮君登壇、拍手〕

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) お答えいたします。私に対する御質問は、経済成長と物価の問題でございますが、御承知のとおり、健全経済成長をはかりながら物価の安定をはかっていくというのが政府の方針でございます。物価につきましては、御承知のとおり、昭和三十八年度の予算編成の前提として考えましたものは、二・八%の値上がりであろうというふうに考えておりますが、現在の四−五月の状況を見ますと、確かに幾らか政府の見通しよりも上がっておるものもございますが、これから各般の対策等を行ないまして、年間を通じましては二・八%平均くらいに押えたいということで、今慎重に、かつ勇気を持って諸対策を行なっておるわけでございます。それから経済成長につきましては、名目八・一%、実質六・一%という見通しでおりましたが、現在のところ多少、六・一先よりも実質経済成長率が高いのではないかというような事態も見受けられますが、健全な経済成長を続けて参りますために、現在諸施策を行なっておるわけでございまして、政府は当初見通しました六・一%の成長率は確保できるというような大勢でございます。  それから住宅政策につきましては、いろいろ御質問がございましたが、私を御指名になっての答弁要求がございませんので、建設大臣その他からお答えがあると思いますが、御承知のとおり、財政上も住宅十カ年計画を立てまして、十カ年一千万戸という目標を立てて財政支出を行なっておるわけでございますので、できるだけ国民の期待に沿いたい、このように考えております。(拍手)   〔国務大臣河野一郎君登壇、拍手〕

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) お答えをいたします。宅地並びに住宅の問題についていろいろお話ございましたが、私といたしましては、現在の宅地並びに住宅の現状に決して満足いたしておるものでもございませんし、最善を尽くしてこれらの対策を立てて参りたいと思っておりまするが、なかなか御承知のように思うにまかせず、今日の現状にありますことは、今後一段と努力をいたさなければならぬと考えておる次第でございます。これが内容について申し上げますれば、  まず宅地につきましては、どうしても需要供給の関係から、御承知のとおり相当の高騰をいたしておりますことは、まことに遺憾でございます。これが対策として、御承知のとおり新住宅市街地開発法案を提案いたしてありますが、これらによりまして、相当に大規模な、また新たに先買権でありますとか、収用法でありますとかというようなものもかね定めまして、相当に大規模な宅地の造成をいたして参りたいと考えますると同時に、何といたしましても、全国的に宅地が非常に不足しておるかと申しますれば、これはしいて申せば、局地的に私は非常な不足があると思うのであります。これが開発をいたしますには、どうしても道路、交通の整備をいたすことがまず必要であるというふうに考えまして、大都市もしくはこれらの所要の地方につきまして、特に道路等の整備をし、もしくは交通機関の整備をして参るようにいたしまして、宅地の供給を大幅にふやしていくということを心がけねばならぬとい今わけで、せっかく努力をいたしておるわけでございます。  住宅につきましては、ただいまもお話のありましたとおり、一応私といたしましては、三万円程度までの低額所得者の方には、どうしても国もしくは地方団体等においてお世話を申し上げる義務があるというふうに考えます。で、これらの人にまず優先順位を置いて、これらの人の住宅問題の解決には、絶対に政府において御協力申し上げるということにいたすと同時に、従来とかくこれら以上の所得のあります人でも、申し込みさえすればいい、当たれば入れるというような考えでおられますことについては、多少お控えをいただかなければならないのではなかろうかというような意味合いにおいて、多少所得の多い方には宅地をお世話を申し上げる。どこまでも宅地、上へ建てるものは自己でやっていただくように一応お願いをするということにいたして参ることによって、従来よりもさらに低額所得の方々の住宅問題の解決ができる。一方におきまして、農村その他、地方の方々の住宅につきましては、本年度から多少修繕費もしくは改良費等をお貸し申し上げることの道を設置いたしました。これによって地方の住宅の解決を多少はかって参りたい、こう考えております。  ドイツその他欧米の例を引いていろいろお話でございますが、確かにこれはお話のとおりと考えます。しかし、何を申しましても、国民所得の点から参りましても、わが国の国情から参りましても、にわかにこれらと同一に議論をしていただくことは、多少どうかと思いますけれども、われわれといたしましては、これらの国々の例を勉強いたしまして、そうしてこの問題の解決に当たらなければならないと思います。  さらに、新税を設けて宅地の問題について考えたらどうかというようなお話でございましたが、これは御承知のとおり、調査会等におきまして検討を今願っているところであります。結論が出ますれば善処いたしたいと考えておる次第でございます。  〔衆議院議員木村守江君登壇、拍手〕

木村守江自由民主党

○衆議院議員(木村守江君) 瀬谷議員の御質問に対してお答えいたします。  瀬谷議員がいろいろ申されましたように、わが国の住宅難は諸外国にも増して非常な熾烈なものがあることは仰せのとおりであります。しかしながら、この住宅難の解消をいかにすればよろしいかというような問題を考えて参りますと、ややもすれば、わが国におきましては、この住宅難の解消を政府資金によって、政府施策によってのみ解消しようというような考え方が多いようでありまするが、私はこれは大きな間違いでありまして、どうしても民間の資金をもってこれをまかなって参らなければならないと考えます。そういうような点から考えて参りますと、どうしてもこのいわゆる民間の住宅の建設を意欲的にし、民間の貸家の建設を意欲的にせしめることが一番大きな問題だろうと考えておりまするが、かような統制令が現在なお存続しておりますることは、この民間の住宅建築に非常な支障を来たし、意欲を阻害するもはなはだしいと考えまして、撤廃するのが適当であると考える次第であります。御承知のように、これは一例を申し上げますと、地代統制額は戦前の大体五十倍になっております。それから家賃の統制額は戦前の七十二倍にすぎませんが、卸売物価は戦前の三百四十八倍になっておるという状態でありまして、こういうような状態をよく御検討願いたいと考える次第であります。  なお、諸外国の例を申されましたけれども、諸外国におきましては、日本のようなこの限られた統制令が今なお存在しておるところは、私の知っておる範囲においては、ないと考えます。御承知のように、統制令がある国におきましても、その資本に対する適正なる利潤の保障を行なって初めてその統制令が行なわれておるのが現在の状態であることを、よく御認識を願いたいと考えるのであります。  なお、この統制令撤廃をしなくてもいいんじゃないかというようなお話でありましたが、御承知のように、統制令のその意義は、全部のものに統制をして初めてその効果があるのでありまして、地代、家賃におきましても、地代、家賃全部に統制令が行なわれておるのであるならば、これはその効果を現わすことができるのでありますが、御承知のように、その法律は、昭和二十五年の七月十一日以後に建てられましたものについては、統制令が適用しておりません。わずかに昭和二十五年七月十日以前に建ちました延べ三十坪以下のものだけに統制令が適用されておりまして、かようなことでありましてはこの統制令の意義がないものと考えまして、この統制令を撤廃するのが適当であると考えるのであります。  また、統制令の撤廃によりまして、あなたの御意見であると、これは非常に家賃が暴騰するのじゃないかというようなお考えでありまするが、現在の家賃が坪わずかに九十円、これは地方におきましてはもっと安い五十円くらいのところがありまして、そういう状態では、家がこわれても修繕することができないという状態、この修繕は自分で金を出してやっておるというような状態になっております。なお、御承知のように、これは借家借地法等がありまして、借家人にはこれは借家の権利がありまして、この権利によりましてこれはむやみに家賃あるいは借地料を上げることはできないことは、あなたが御承知のとおりだろうと考えますので、御心配のようなことはわれわれは要らないと考えますので、どうぞ御了承願いたいと考えます。(拍手)

重政庸徳自由民主党副議長

○副議長(重政庸徳君) これにて質疑の通告者の発言は終了いたしました。質疑は終了したものと認めます。    ————・————

重政庸徳自由民主党副議長

○副議長(重政庸徳君) 日程第五、ばい煙の排出の規制等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。商工委員会理事岸田幸雄君。   —————————————   〔岸田辛雄君登壇、拍手〕

岸田幸雄自由民主党

○岸田幸雄君 ただいま議題となりました「ばい煙の排出の規制等に関する法律案」につきまして、商工委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。  御承知のように、最近、大気——空気のよごれが目立っておりまするが、そのおもなる原因の一つである煤煙につきましては、昨年、ばい煙の排出の規制等に関する法律が制定せられたのであります。この法律で規制の対象としておる煤煙発出施設は、ボイラーを例にとりますると、伝熱面積が三十平方メートル以上の大きな施設に限られておるのであります。ところが、地方公共団体では、現在でも条例によりまして、各種煤煙発生施設を規制しておるのでありまして、この法律が本格的に実施されることとなった際、条例による規制と法律による規制とが、あるいは抵触するのではないかというおそれもあるわけでございます。  そこで、このたびの改正法案では、法律と条例との関係を明確にするため、法律の規制対象外となっておりまする小規模の煤煙発生施設について、条例で規制しても何ら差しつかえないということを明文化したのであります。  商工委員会におきましては、厚生大臣、通商産業大臣の出席を求め、昨年成立したばい煙を規制する法律が、指定地域や排出基準の未決定のため全面的に動いていない理由、また法律と条例との関係を明文化する必要性、さらには、煤煙処理施設の技術開発の実情芝資金援助の内容等につきまして、質疑を行ないますとともに、各種産業公害、特に自動車の排気ガスや汚水処理について、関係各省が協力一致してその対策を強力に推進すべきであることが強調せられますなど、活発なる論議が展開せられたのでありますが、その詳細は会議録によりごらんを願いたいと存ずるのであります。  かくて質疑を終了し、討論に入りましたるところ、別に発言もなく、直ちに採決いたしました結果、本法律案は全会一致をもって政府原案どおり可決すべきものと決定した次第であります。  以上、報告を終わります。(拍手)

重政庸徳自由民主党副議長

○副議長(重政庸徳君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

重政庸徳自由民主党副議長

○副議長(重政庸徳君) 総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって可決せられました。    ————・————

重政庸徳自由民主党副議長

○副議長(重政庸徳君) 日程第六、商業登記法案、  日程第七、商業登記法の施行に伴う関係法令の整理等に関する法律案、  (いずれも内閣提出)  以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

重政庸徳自由民主党副議長

○副議長(重政庸徳君) 御異議ないものと認めます。まず、委員長の報告を求めます。法務委員長鳥畠徳次郎君。   〔鳥畠徳次郎君登壇、拍手〕

鳥畠徳次郎自由民主党

○鳥畠徳次郎君 ただいま議題となりました商業登記法案及び商業登記法の施行に伴う関係法令の整理等に関する法律案につきまして、法務委員会における審議の経過及び結果につき、一括御報告申し上げます。  まず、商業登記法案は、商業登記に関する規定を非訟事件手続法から分離し、独立の法律として商業登記制度を規定するもので、現行規定を改めることとした主要点を申しますと、  第一に、登記手続の通則規定及び各種の商業登記の登記事項、その変更の手続、申請書の添付書面等に関する規定を整備するとともに、登記申請の却下及び登記の抹消については、その事由を個別的に列挙して手続を明確にしたこと、  第二に、会社が本店を移転しようとする場合における商号の仮登記の制度を設けて、本店移転の登記の円滑化をはかることとしたこと、  第三に、会社の登記の申請人及び会社の支店所在地における登記の申請等に関して、登記手続を簡素化したこと、  第四に、会社の本店移転の登記、合併の登記及び組織変更の登記の申請手続を合理化して、申請人の利便をはかることとしたこと等であります。  また、商業登記法の施行に伴う関係法令の整理等に関する法律案は、商業登記法の施行に伴い関係法令の整理等を行なうとともに、所要の経過措置を定めようとするものであります。  さて、委員会におきましては、去る三月十九日より審議に入り、商業登記制度の目的と本法案との関係、登記官の審議権の内容、商業登記事務処理の現況及び改善の方策、商業登記に要する費用並びに商業登記手続に関する個別的問題点等、諸般の事項にわたって質疑、検討が行なわれたのでありますが、これが詳細は、会議録に譲ることを御了承願いたいと存じます。  かくして、五月二十三日、両法案に対する質疑を終了し、討論に移り、日本社会党を代表し稲葉委員より、本案に賛成の旨、また日本共産党を代表し岩間委員より、本案に反対の旨討論があり、次いで採決の結果、賛成多数をもって両法案とも原案どおり可決すべきものと決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)

重政庸徳自由民主党副議長

○副議長(重政庸徳君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

重政庸徳自由民主党副議長

○副議長(重政庸徳君) 総員起立と認めます。よって両案は全会一致をもって可決せらました。    ————・————

重政庸徳自由民主党副議長

○副議長(重政庸徳君) 日程第八より第十一までの請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

重政庸徳自由民主党副議長

○副議長(重政庸徳君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。法務委員長鳥畠徳次郎君。         ————— 〔審査報告書は都合により第二十五号末尾に掲載〕         —————   〔鳥畠徳次郎君登壇、拍手〕

鳥畠徳次郎自由民主党

○鳥畠徳次郎君 ただいま議題となりました請願四件につき、法務委員会における審査の経過及び結果を御報告いたします。  請願第七九六号は、宇都宮地方法務局坂西出張所存置に関するもの、請願第二三二八号は、長野地方法務局牟礼出張所存続に関するもの、請願第二六六五号は、水戸地方法務局出島出張所存置に関するもの、請願第二六八二号は、福岡法務局小倉支局西谷出張所存置に関するものであります。  当委員会においては、付託請願中右四件の請願は、法務局出張所統合整理の時期関係から、取り急ぎ審査いたしましたところ、それぞれ願意おおむね妥当なるものと認め、全会一致をもって院議に付し、内閣に送付するを要するものと決しました。  以上、報告いたします。(拍手)

重政庸徳自由民主党副議長

○副議長(重政庸徳君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  これらの請願は、委員長報告のとおり採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

重政庸徳自由民主党副議長

○副議長(重政庸徳君) 総員起立と認めます。よってこれらの請願は全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決しました。  次会の議事日程は、決定次第、公報をもって御通知いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十六分散会    ————・————

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