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43回国会参議院1963/03/20

本会議 第14号

発言数
74
登壇者
20
会派数
4
開催日
1963/03/20

会議録

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。   —————————————

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) これより本日の会議を開きます。  この際、お諮りいたします。村上義一君から、病気のため、十二日間請暇の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。よって、許可することに決しました。      —————・—————

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 日程第一、公正取引委員会委員長の任命に関する件を議題といたします。  内閣から、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第二十九条第二項の規定により、渡邊喜久造君を公正取引委員会委員長に任命することについて、本院の同意を求めて参りました。  本件に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって、本件は同意することに決しました。      —————・—————

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 日程第二、失業保険法の一部を改正する法律案(趣旨説明)、  本案について、国会法第五十六条の二の規定により、提出者からその趣旨説明を求めます。大橋労働大臣。   〔国務大臣大橋武夫君登壇、拍手〕

大橋武夫自由民主党労働大臣

○国務大臣(大橋武夫君) 失業保険法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。  失業保険法は、昭和二十二年第一回国会において制定されて以来、数次の改正によりその内容を整備充実し、今日に至るまでわが国における雇用失業対策の重要な柱の一つとして、よくその機能を発揮してきたところであります。近年、わが国の雇用失業情勢は、経済の高度成長に伴い全般的に著しい改善を示しておりますが、なお、石炭鉱業、金属鉱業等の一部の産業からは、相当数の離職者が発生しつつあり、また、中高年令の失業者等はその再就職が依然として困難な事情にあります。したがって、これらの者を含めた失業者の生活の安定をはかり、その再就職を促進するための諸施策は、さらに一段と強化されなければならない現状にあります。また、昨年八月、社会保障制度審議会から社会保障制度の総合調整に関する基本方策について内閣総理大臣あてに行なわれました答申及び勧告には、社会保障制度を一そう充実強化すべきことが要望されているところであります。さらに、失業保険財政の問題につきましては、さきの第三十四回国会において可決されました失業保険法及び職業安定法の一部を改正する法律の附則において、国庫負担の割合、保険料率等について昭和三十四年度から昭和三十六年度までの収支の実績に照らして検討の上、昭和三十八年三月三十一日までに所要の改正を行なうべきこととされております。  このような事情にかんがみ、政府といたしましては、ここに、給付の改善及び失業保険受給者に対する就職促進に関する措置の充実をはかることを主とした失業保険法の一部を改正する法律案を提出いたした次第であります。  次に、その内容について概略御説明申し上げます。  第一に、一般失業保険の給付の改善についてであります。  まず、失業保険金の最高日額を最近における賃金の上昇傾向等を考慮の上、現行の七百円から八百六十円に引き上げることとし、また、最低日額につきましても、告示の改正により現行の百二十円を百八十円に引き上げることとするほか、新たに、扶養親族を有する受給資格者について、配偶者及び子の数に応じて扶養加算を行う制度を設けることとし、給付内容を改善することといたしました。次に、同一事業主に継続して雇用された期間の長短に応じて給付日数を定める現行制度につきましては、今回これを改めることといたしました。すなわち、失業保険に関する事務処理体制を大幅に機械化する方針のもとに、これが整備を持って、昭和四十年度からは、異なる事業主に雇用された場合にも被保険者として雇用された期間を一定の方法により合算し、その期間の長短に応じて給付日数を定めることとし、制度の合理化をはかることといたしました。次に、現在受給資格者が公共職業安定所の指示した公共職業訓練を受ける場合に行っている給付日数の延長措置を、法令の規定に基づく訓練、講習についても行なうこととするとともに、新たに、転職訓練期間中は技能習得手当及び寄宿手当を支給することとし、受給資格者が進んで転職訓練を受け得る条件を整え、その再就職促進に資することといたした次第であります。さらに、失業中に疾病にかかり、又は負傷した受給資格者に対しては、新たに、失業保険金相当額の傷病給付金を、所定給付日数を限度として支給することとし、これら失業者の労働能力の回復保全に資することといたしました。  第二に、一般失業保険の保険料率の改訂方法についてであります。  現行制度におきましては、短期間の給付予想額によって、緊急に保険料率を引き上げ得ることとしておりますが、最近における失業保険財政の状況に照らし、また、失業保険制度においては、好況期に生ずる剰余をもって不況期に増大する給付を保険料率を引き上げずにまかなうよう、その財政を運用することが適切であるとの観点に立ちまして、今回これを改めることといたしました。すなわち、積立金の適正規模を定め、この規模を積立金が上回り、または下回るに至ったときには、一定の範囲内で、保険料率を弾力的に上下させる措置をとり得ることといたしております。  第三に、日雇失業保険についてであります。  まず、国庫負担率につきましては、昭和三十五年度以降三分の一の国庫負担を行なっても、なお相当額の赤字が生じている収支の状況にかんがみ、現行の原則四分の一の国庫負担率を原則三分の一に引き上げることといたしました。次に、現行の継続三日、通算五日の待期制度は、月の前半には失業しても保険給付が行なわれない場合が多い等の問題点がありますので、これを改め、各週最初の不就労日については失業保険金を支給しないこととし、制度の改善をはかったところであります。また、公共事業等に就労する日雇労働者の場合に見られるように、予算年度の切りかえ期、積雪期等年間一定の時期に三ヵ月ないし四ヵ月にわたって、就労機会が少なくなる者に対して、その期間失業保険金の支給を受けることができるようにするため、新たに、日雇失業保険の給付の特例制度を設けることといたしました。  第四に、失業者多発地域で給付延長措置の適用を受けている受給資格者が、労働力需要地域へ移転して求職活動を行なう場合にも、給付延長措置の適用を受けられることとしたこと、就職促進措置の拡充に伴い給付制限事由を整備したこと等、所要の整備をいたしております。  以上のほか、本改正案の附則におきまして、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律の一部を改正し、激甚災害による事業の休廃止に伴い被保険者が休業した場合、その休業を失業とみなして失業保険金を支給する措置を決定できることとするとともに、その他関係法律の条文につき所要の整備をいたしております。  以上が、失業保険法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。柳岡秋夫君。   〔柳岡秋夫君登壇、拍手〕

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 私は、ただいま政府から提案説明のありました失業保険法の一部を改正する法律案について、日本社会党を代表して、総理並びに関係大臣に質問をいたしたいと思うのであります。  改正案の具体的問題に入る前に、まずもってお伺いしたいことは、今日、政治的・社会的重要課題である失業と雇用に関する政府の基本政策についてであります。なぜならば、わが国における本来の失業対策としての唯一の失業保険制度は、雇用政策の補完的措置として、短期間待機労働者の生活を保障するにとどまるものであります。失業問題の根本的解決は、完全雇用政策の確立以外にないと思うからであります。今日わが国の雇用問題は政府の総合的かつ計画的雇用政策の欠如によって、ますます深刻化しつつあります。  政府は、「わが国の雇用、失業情勢は、経済の高度成長に伴い、全般的に著しい改善を示している」と言っておりますが、最近における総理府の統計にも明らかなごとく、労働就職率は低下し、雇用の増勢も鈍化の傾向をたどっているのであります。さらに失業の現状を見ると、この二、三年の技術革新等の影響によって、若年労働力に対する需要が増大している一方、中高年令者は企業から排出されて、失業者として滞留化の傾向にあるのであります。  また、産業構造の変化に伴って、大量の失業者が発生しているにもかかわらず、政府の地域総合開発計画は、一貫性に欠けるばかりでなく、雇用の計画的配置も無視し、したがって、地域的雇用のアンバランスをもたらし、多数の労働者が、失業または不完全就業の状態に追い込まれているのであります。こうした雇用、失業の深刻な情勢は、さらに今後数年間の若年労働力人口の増大と相待って、きわめて重大な時点を迎えざるを得ないことは明白であります。雇用政策及び失業対策は、今や根本的な改革を迫られていると思うのであります。  しかしながら、政府は、憲法第二十五条に規定する国民の文化的な最低生活の保障を与えないばかりか、憲法第二十七条による、すべての国民の労働の権利すらも確保できないのであります。この際、政府は、従来の経済政策の後塵を拝し、しりぬぐい的雇用政策を根本的に改め、完全雇用を基調とする経済政策の総合的、計画的な確立及び運営をはかるべきと思うのでありますが、この点に関する総理の所信を承りたいと存じます。  次に、今日、わが国の経済構造及び雇用構造の近代化の隘路は、いわゆる特有の二重格差から現象する不完全就業者の問題でもあります。雇用審議会の答申に基づく不完全就業者、つまり、最低生活費以下の雇用労働者は、約五百九十九万人も存在することが、労働省の統計によっても明らかであります。そうして、これらの労働者が、低賃金と長時間労働、不安定な身分のもとに置かれることによって、今日のわが国経済の高度成長がはかられてきたことは、周知の事実であります。したがいまして、わが国の二重構造の解消が、何よりも、これらの低所得者の雇用の正常化と、一律最低賃金制の確立にあるといわれるゆえんも、まさにここにあるのであります。  われわれは、近代的雇用とは、第一に、適正な賃金が保障され、世帯主が働けば、その賃金によって家族の生計が維持されること、第二に、この必要な賃金を得る労働時間は、健康にして文化的な生活の維持できる余裕時間を持つところの労働時間であること、具体的に言うならば、週四十時間労働、休日二日制であります。第三は、労働条件、社会保障が整備されていることでなければならないと思うのであります。二重格差の核心である不完全就業を解消し、近代的雇用の確立をいかにして推進せんとするのか。総理の所信をお伺いしたいと存じます。  さらに、貧困は、老齢、疾病、失業等に原因することは明らかであります。この失業という事態は、個人の責任ではなくして、ほとんどが国の経済政策に起因するものであります。しかるに、政府の雇用、失業対策は、この基本的な認識に欠けるため、失業者に対して、社会保障的な立場からの生活保障の政策が、何ら示されていないのであります。この際、政府は、西ドイツ等に見られる失業扶助手当制度を設け、公的扶助として失業者の生活を保障する考えはないか。また、特に中高年令層の失業者の滞留化を打開し、さらに当面緊急を要する生活の安定をはかるために、この失業扶助手当制度の実現まで、二ヵ年分に達する積立金があるのでありますから、とりあえず失業保険給付期間の延長及び給付金額増の特例措置をはかるべきだと思うのでありますが、総理並びに厚生、労働両大臣の見解をお伺いいたします。  次に、改正案の主要な問題について所管大臣にお尋ねいたします。  その第一は、失業保険の強制適用範囲を労働者規模五人未満の零細企業に拡大する措置をなぜとろうとしないのか、ということであります。この拡大適用措置をとるべきことは、第三十四回国会において本院社会労働委員会の附帯決議において、また、雇用審議会の答申においても、強く要望されているところであります。さらに、本改正案諮問に対する社会保障制度審議会の答申においても、適用拡大を強調されていることは御承知のとおりであります。昭和三十五年の労働省の調査によれば、五人未満の事業所は約七十四万、その労働者数は百五十八万人の多きに上っておりますが、そのうち、失業保険加入事業所は、最近においても約八万、労働者数は十五万人にすぎないのであります。つまり、任意包括適用、特定賃金月額の決定、失業保険事務組合制度の採用などの現行制度をもってしては、ようやく一割を加入せしめ得たというだけにとどまるのであります。これら零細事業所の労働者こそ、二重構造の底辺にあって、劣悪なる労働条件と、不安定な身分のまま、常に失業と貧困の不安にかられているのであります。したがいまして、もし零細事業所における失業発生率が高く、保険経済に赤字をもたらすことを懸念しているとするならば、それこそ失業保険制度の本旨を忘れた営利保険的考え方と言わざるを得ないのであります。赤字が生ずるならば、国庫負担を増大し、これら労働者の雇用の安定をはかり、ひいては零細企業の経営の安定に資することは、保険者としての政府の当然の責務であると思うのであります。また、これに関連して健康保険法を改正し、同様、強制適用拡大をはかるべきと考えるのでありますが、適用拡大を見送った理由と、いつやろうとするのか、労働、厚生両大臣の明確な御答弁をいただきたいと存じます。  第二点は、失業保険全日額について最低保障額を設定する考えはないかということであります。今回の改正案によれば、最低額は百八十円となっておりますが、これでは月収わずかに五千四百円、標準家族数としての扶養加算千五百円を加えたといたしましても、六千九百円にすぎないのであります。今この額を労働行政の他の諸給付と比較をするならば、たとえば三十八年度の失対賃金は一万七十六円であり、就職指導手当は九千百五十円、職業訓練手当は一万二千五百五十円でありまして、不当に低い額であることは明らかであります。さらに、労働科学研究所の調査によれば、人間一人やっと生きていくためのいわゆる最低生存費は七千円といわれ、最低生活費は一万二千円となっております。最低生活どころか、生存さえも許されない額であるのであります。失業保険法第一条には、「この法律の目的は、失業した場合に、失業保険を支給して、その生活の安定をはかることにある」と明示をいたしております。労働基準法第一条が、「賃金は、労働者の生活を安定せしむるものでなければならない」ことを宣言しているのと同様の意味において、失業保険も、また失業時の生活を安定せしめるものでなければならないことを本法は定めているのであります。しかも、失業保険法にありましては、国が保険者たる立場に立って具体的な保険金額を定めているのでありますから、その金額を決定する自由が国にあると同時に、その保険金によって失業者の生活を安定せしめる義務もまた国にある、と言わなければならないのであります。保険の観念を脱却して、一歩でも保障の領域に踏み入るために、最低保障額を設定して、法第一条を空文化から救うことこそ、今まさに政府がなすべき急務ではないかと思うのであります。政府にその意志ありやいなや。労働大臣にお伺いいたします。  第三にお伺いしたいことは、失業保険事業の事務執行費の負担についての見解であります。改正法案第二十八条第四項は、国庫は、「毎年度予算の範囲内において、失業保険事業の事務の執行に要する経費を負担する。」と定めております。これは事務の執行に要する経費は一般会計で負担をするということでありますが、三十八年度の失業保険特別会計の歳出予算によれば、人件費等の業務取り扱い費が約三十八億円、職業安定所等の新設費が約六億円でありますが、これらの経費に充てるための一般会計からの特別会計への繰り入れは幾らかといいますと、わずかに四千万円にすぎないのであります。これは特別会計の内部において生ずる雑収入その他の財源収入を事務執行費に充てているために、当然行なわれるべき一般会計の負担が九牛の一毛にとどまっていることを如実に物語っているのであります。これらの税源収入は、本来、当然、保険給付に充当されてしかるべき性質のものでありますが、これを事務費に充てているということは、法の不当な運用と言わざるを得ないのであります。さらに三十八年度の保険給付に要する経費は約七百八十億円となっており、一方、保険料収入は約七百六十億円であります。このことは、給付額と収入額がほぼ見合っているということでありまして、保険給付に対するものとして繰り入れられる国庫負担の分は、ほとんど保険給付には使われていないということであります。したがって、事務執行費を法の規定どおり国庫で負担すれば、給付内容は相当な改善が可能となるはずであります。このような事態を生ぜしめているところの法の運用が、はたして正しいと言えましょうか。法の適正な運用を常に説いておられる総理の見解をお伺いするとともに、一刻も早く正常な運用を期すべきと思いますが、大蔵、労働両大臣の見解をあわせてお尋ねいたします。  第四点は、傷病期間中における保険給付についてであります。今回の改正案は、若干の前進をみておりますが、療養費が考慮されていないことは、依然として問題を残しております。失業保険金の相当部分が、国民健康保険税及び医療費の本人負担分に支出され、生活費が窮迫をしている失業者世帯が少なくないのでありまして、この際、国民健康保険税を免除するか、医療費の本人負担分の軽減措置をとるべきと思うのでありますが、厚生大臣にお伺いをいたします。  最後に、私は、現在国民が抱いているところの失業への不安を解消し、政府への不信感を払拭するためにも、糊塗的施策ではなくして、抜本的な雇用、失業政策を樹立されんことを強く要求をいたしまして、私の質問を終わるものであります。(拍手)   〔国務大臣池田勇人君登壇、拍手〕

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 御質問の完全雇用の問題は、われわれが念願いたしまする福祉国家建設の基礎要件でございます。したがいまして、私は、完全雇用の実現を期するために、経済の拡大と成長を計画いたしました。そうして、生産性の向上に伴う労働者の賃金の上昇、生活水準の向上、そして二重構造の解消に努力しておるのであります。国民の御努力によりまして、だんだん労働問題もよくなりつつあることは、御同慶にたえないところであります。ただ、問題は、従来の年功序列制度が最近の経済の近代化に沿わない点がございます。したがいまして、施政演説でも申しておりますごとく、わが国年来の年功序列制度をいかに改善すべきかということが、今後の大きい問題として今検討を加えておるのであります。  次に、失業扶助とか失業手当、こういう問題につきましては、炭鉱離職者のような特殊のものにつきましては考えておりますが、一般的に失業扶助、失業手当は、私はただいまのところ必要ない、失業保険でまかない得ると考えておるのであります。  その他の点につきましては関係大臣よりお答えいたさせます。(拍手)   〔国務大臣大橋武夫君登壇、拍手〕

大橋武夫自由民主党労働大臣

○国務大臣(大橋武夫君) 五人未満の事業所に雇用されるすべての労働者に対して、失業保険の適用をすべしという御議論につきましては、昨年八月になされました社会保障制度審議会の答申及び勧告におきましても、つとにその必要性が強調されておるところでありますが、現段階におきまして一挙にこれを強制適用といたしますことは、同答申にもありますように、これらの事業所の数が著しく多く、かつ労働者の移動が激しいこと、社会保険についての労使の関心が十分に熟していないこと等の理由からして、相当の困難がございまするので、当面は主として失業保険事務組合制度を活用し、これをさらに強力に推進することによりまして、実質的な適用の拡大をはかりまするとともに、将来強制適用を行い得るよう、すみやかにその基盤を醸成するように努めたいと思うのであります。  次に、失業保険金の最低保障額についての点でございまするが、昨年八月、社会保障制度審議会が行なった社会保障制度の総合調整に関する基本方策についての答申及び社会保障制度の推進に関する勧告においても、生活保護基準と同程度以上の最低保障額を設ける必要があるといたしておるのであります。政府といたしましては、この趣旨を尊重し、現在提出中の改正法施行の際、失業保険金の最低日額を現行の百二十円から百八十円に引き上げることとしておるのであります。なお、この改定は、生活保護基準の改定方法に準じ、賃金の実情に即して、告示の改正により行なうことが、制度の円滑な運営上、最も適当であると考えておるのでございます。  次に、失業中の疾病に関する問題でございますが、これにつきましては、従来、失業保険法の改正におきましてもこの点に着眼し、次々と施策を行ないつつあるのでございますが、今後の問題としてなお努力を続けて参りたいと思っております。  それから失業保険事業の事務費の国庫負担の問題でございますが、現行失業保険法及び失業保険特別会計法におきましては、事務費はすべて一般会計において負担しなければならぬという規定はございません。事務費の一部を国庫が負担している現状におきましては、法律上の問題といたしましては、特に問題はないと思うのであります。また一般会計、失業保険特別会計の現状から見て、運用上においても特に支障ありとは考えておらない次第でございます。(拍手)   〔国務大臣西村英一君登壇、拍手〕

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) 失業者に対する生活保障の問題につきましては、総理からもお答え申し上げましたが、まずやはり第一義的には失業保険等の保険制度によってやるのが適当ではあるまいかと思われまするが、それによっても最低生活ができないというものに対しましては、公的扶助といたしまして、生活保護法等の制度もあるのでございます。  第二には、健康保険法を改正して、この強制適用の範囲を拡大したらどうか、また五人未満の事業所に対しましても、もう少し拡大すべきだというお話でございましたが、今、労働大臣からもお話しいたしましたが、健康保険法におきまして、この強制適用以外の業種につきましても、この企業がやはりよくなり、あるいは雇用関係も明確になり、健保の適用に対しまして条件がそろってくれば、なるべくこれを拡大をいたしたいと、かように考えているのでございます。従事員五人未満の事業所におきましても、現在強制適用とはいたしておりませんが、これは非常に従事員の移動もはなはだしいし、また不安定でございまするが、行政処置といたしまして、ただいまも五人未満の事業所につきまして、相当の数、健康保険を適用いたしているのでございます。さらに三十八年度におきましては、被保険者にいたしまして、家族を含めまして約四十万人くらいこれは適用いたしたいと思って、準備をいたしております。参考のために申し上げますと、五人未満の事業所で、昭和三十六年十月一日現在の健康保険適用の従事員は、約四万六千事業所、従事員にいたしまして十三万五千人くらいな方が、この適用を受けている次第でございまするが、今後もこれをなるべく拡大をしていきたいと、かように思っております。  それから失業中の疾病でございまするが、これは今回も健康保険の改正をいたしまして、任意継続の制度を、従来は六ヵ月でございましたのを、一年に延長するように、ただいま国会で御審議を願っているのでございます。しかし、失業者に対しましては、まことに医療問題で非常に気の毒な点がありますので、今後は十分失業中の医療につきましては研究をいたして参りたい、かように思っている次第でございます。(拍手)   〔国務大臣田中角榮君登壇、拍手〕

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 私に対する質問は二つでありまして、その一つは、失業保険事業の事務執行費の国庫負担について、全額負担をしていないことは、法の適正な運用とは言えないではないかということでございますが、本件については、労働大臣からお答えをいたしました。つけ加えて申し上げますと、国庫は、毎年度予算の範囲内において、失業保険事業の事務の執行に要する経費を負担するということでございまして、現在では、一般会計からと、失業保険特別会計の収入の二者でまかなっているのでございまして、できるだけ一般会計の負担が大いに越したことはないのでありますが、特別会計の財源が比較的余裕がある場合にには、事務費に対する国庫負担率は少ないわけでありまするが、積立金の減少等によりまして、特別会計の財源が不足をするというような場合、当然国庫負担を増額すべきものという基本的な態度をとっているわけでございます。  第二点は、事務費を全額国庫負担にして、給付内容の改善をはかるべきであるということでございますが、給付内容の改善につきましては、先ほどから関係大臣から申し述べておりますとおり、政府は鋭意努力をいたして参っているわけでございます。事務費の一般会計負担の拡大につきましても、財政の許す範囲内において善処して参りたいと考えるわけであります。(拍手)

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) これにて質疑の通告者の発言者終了いたしましたものと認めます。      —————・—————

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 日程第三、公職選挙法等の一部を改正する法律案(趣旨説明)、  本案について、国会法第五十六条の二の規定により発議者からその趣旨説明を求めます。辻武寿君。   〔辻武寿君登壇、拍手〕

辻武寿公明会

○辻武寿君 ただいま議題となりました公職選挙法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由と大要を御説明申し上げます。  申すまでもなく、わが国民主政治の発展に呼応して、今日ほど参政権の中に占める選挙の比重が重い時代はありません。すなわち、新しい時代と鋭い政治感覚に目ざめた国民大衆の真摯な欲求として、選挙制度全般にわたっての再検討が叫ばれているのが現状なのであります。そして昨年、議員定数、選挙区制の問題に先だち、第一次選挙制度審議会の答申を得て、その一部改正をみたのでありますが、依然として言論や文書による自由な選挙活動については未解決の問題が山積いたしております。この国民大衆に許された選挙運動の問題につきましては、現行法では今なお多くの制約が設けられている上、条文は難解をきわめ、その結果として自由にして明朗な選挙活動を抑制するのみならず、国民に数々の疑惑と恐怖さえ与えているのが偽らざる実情であります。私どもが第二次選挙制度審議会の答申を待たずして、この改正法案を提出いたしましたのは、この際、これらの悪弊を取り除くのみならず、大衆に自由にして積極的な選挙活動を奨励し、明るく清らかな真の公明選挙を行なわしめることが急務であると考えるためであります。私どもはこのような選挙制度実現の趨勢にかんがみ、この改正法案を提出した次第であります。  その第一は戸別訪問禁止の撤廃であります。  現行戸別訪問の規定は、言論活動の自由を著しく圧迫し、選挙民は選挙に対して恐怖感を抱く者さえあります。民主政治の選挙は公明でなければなりません。戸別訪問が直ちに買収と結び付くという考えは早計であります。このことは、英米等の例を見ても明らかであり、戸別訪問の禁止により選挙の腐敗が浄化されるとはいえないのであります。したがって、戸別訪問禁止の条項は削除することにいたしました。  第二は、連呼行為の一部復活についてであります。  衆参両議員、都道府県知事及び指定都市の長の選挙区域は広範囲の上、候補者の数も一応限られる点から、弊害が伴わないものとして、これが行なえるように改めるのが至当と考えられますので、そのように改めました。  第三は、文書、図画の頒布制限の緩和であります。  つまり言論の自由の建前から選挙運動のために使用する自筆の信書は、これを認めようとするものであります。文書、図画、看板等についても移動することが自由に行なえるようにいたしたのであります。  第四は、個人演説会場の回数制限の撤廃についてであります。  すなわち、衆参両議員及び都道府県知事、指定都市の長の候補者の演説も回数に制限なく行なえるようにいたしました。  最後に選挙に関する寄付行為及び政治資金の制限についてであります。  選挙の公正を期し、かつ選挙は個人の自由であるという理由から、政党及び政治団体を除いたほかは、寄付行為は一切、個人にとどめることといたしました。  以上が本法律案の大要であります。何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決賜らんことをお願い申し上げます。(拍手)

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) ただいまの趣旨に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。小林武治君。   〔小林武治君登壇、拍手〕

小林武治自由民主党

○小林武治君 私は、ただいま議題となりました選挙法の一部改正案につき、主要な点につきお伺いするとともに、この際、選挙制度上の若干の問題につきまして、提案者並びに政府当局の所見を承りたいと存じます。  お話のように、選挙は民主政治の基盤であり、これを公正にし、明朗にし、ひいて政治を粛正するということは、国民のひとしく要望するところでありまして、この要望にできるだけ沿わんとせられる提案者の意図はこれを了とするものであります。  以下、質問は、まず御提案の選挙法改正についてでありますが、第一点は、選挙運動に関する戸別訪問、署名運動等を自由にする、こういうことでありますが、戸別訪問による選挙運動の禁止は、選挙の公明と適正を確保する上から好ましくないとしまして、大正十四年のいわゆる普通選挙法の施行以来、違法行為の典型的なものとされておるのであります。本来、戸別訪問それ自体は、行為の性質から見て、決して違法性を有するものではないのでありまするが、選挙人の居宅その他、一般公衆の目の届かない場所で、個々に選挙人と直接投票の依頼を行うことは、往々にして、買収、利害誘導、意志強制等、選挙の自由公正を阻害する温床となりがちであるのでありまして、したがって、日本の現状でこれを無制限とすることは、選挙人にとっても非常に迷惑であるばかりでなく、いわゆる人海戦術を助長し、いよいよ金のかかる選挙となることも懸念せられるのでありまするが、これらの弊を除去する適当なる方策がおありか。すなわち、もしこれを許すとしても、候補者本人に限定する等、いろいろの方法等もあろうと思われるのでありますが、お考えを承りたいのであります。  第二点は、選挙運動のためにする文書図画の頒布についての規制のワクを広げて、自筆の信書等も認めんとすることであります。運動のための文書図画の制限は、選挙運動の費用の軽減及び選挙の公正保持のため設けられたものと思うのでありまするが、このワクを取り払ってしまって、第三者が無制限に自筆の信書を発したり、または回覧板、プラカード等を持ち歩くというようなことにしましては、かえって選挙運動を混乱せしめ、また、経費を増大せしめる等、その弊害が多いものと思うのでありまするが、所見を伺います。  第三点は、連呼の問題でありまするが、これは先年、世論の批判を受けまして禁止されたものでありまするが、私としては、参議院議員選挙の特質としまして、お話のように、地域が広く、かつ候補者も少数のため、これを復活いたしましても、さして世間に喧騒によるご迷惑をかけるものとは思われないでありまして、一昨年、本院において可決されました特例法におきましても、これが復活を認めたいきさつもあります。これに賛成であるのでありますが、ただ衆議院の選挙につきましては、参議院選挙と趣を異にするものがありまするので、連呼の復活は、参議院とか知事選挙だけに限定されてはどうかと思うのでありますが、この点いかがでございましょうか。  なお、第四点としまして、特にお伺いしたいのは、テレビ放送を選挙運動として取り入れることであります。従来テレビ放送は、その普及が十分でないとか、あるいは経費が膨大にかかる、こういうようなことからちゅうちょされておったのでありまするが、もはやその時期が来たものと思われるのでありまして、これを選挙の公営の中に取り入れるということにつきまして、政府当局や提案者の御所見を伺いたいのであります。  第五に、本案に規定されていないのでありますが、後援会の活動についてであります。選挙運動につきましては、運動期間の定めがあるのでありますが、昨今は、これは全く運動期間の定めにおかまいなく、市会議員等に至るまで、堂々と事務所を開設いたしまして、いわゆる百日選挙を行っておるありさまで、その経費も膨大に上ろうし、弊害は目に余るものがあるように存ずるのであります。したがいまして、これを何らか規制することが急務と思われるのでありますが、自治大臣あるいは御提案者の御意見はいかがであろうか、お伺いします。  次に、本改正案に関連いたしまして、選挙制度上のことにつきまして二、三お伺いをいたします。  まず第一は、選挙制度審議会との関係でございまするが、ただいまもお話がありましたが、選挙制度の改正につきましては、目下選挙制度審議会におきまして検討中でありまするが、その答申を待たないで重要な改正をはかるということは、審議会との関係上もいかがと思われるのでありまするが、この点、提案者並びに政府当局の御意見を承りたいと存じます。  次に、参議院の全国区制の問題でありまするが、これにつきましては、世上いろいろの批判があり、当初これを設けた趣旨は、その後の選挙の実施に従いまして、漸次失なわれつつあります。何らかの改善を行うべしとの論が行なわれておるのであります。私どもも種々これには検討を加えておるのでありまするが、これをあるいはブロック制にしたらどうかと、こういうふうな説もあるのでありまするが、これは参議院議員選挙の本質的の問題であるのでありまして、提案者はこの点いかがにお考えか、お伺いしたいのでございます。  なお、第三としまして、公職選挙法のあり方の問題であります。現行選挙法は、参議院と衆議院と地方選挙を一括して一つの法律におさめられているのでありまするが、元来、地方議員と国会議員とは本質的に異なるものでありまするし、また衆議院選挙と参議院選挙ともいろいろ異なる点がありまして、これを一括規定しておるということは、そうでなくてもきわめて複雑な選挙法を、一そう複雑難解なものしておるのでありまするから、むしろこれを三つの選挙法に分割して平易簡明にすることがよいのではないかとの議論があるのでありますが、この点、提案者また政府当局の御意見を承りたいのであります。  もう一つ、最後に参議院の政党化の問題でありまするが、参議院はもともと第二院としての機能を持つべきだと、こういうことが言われておるのでありますが、最近のような形の政党化は、自然、衆議院の延長になり、その自主性、独立性も失なわれはせぬか、こういうふうな心配もされておるのでありますが、これもあるいは現行選挙制度そのものから生ずる当然の結果とは思われるのでありまするが、この点につきまして提案者はいかがお考えか、こういうことを伺いたいのでございます。  以上をもって私の質問を終わります。(拍手)   〔辻武寿君登壇、拍手〕

辻武寿公明会

○辻武寿君 小林先生の御質問にお答えいたします。  まず第一は、戸別訪問を無制限に認めることの可否でございますが、公職選挙法の精神は、自由にして公正明朗な選挙が行なわれることであると思います。しかるに、現行の選挙法は、きわめて言論の自由を束縛しております。選挙はうっかり口がきけない。何か言ったら違反じゃないか。一銭も使わないで真心込めて候補者のために頼んだそのことが、戸別訪問だ、こうなって、乳飲み子を抱えた奥さん、そういう婦人までも、十日も二週間も拘置所に入れられて取り調べを受ける、こういうようなことが非常にたくさんあるのであります。戸別訪問をやるといういことは、候補者の人格や政策が直接選挙民と結びつくために、国民の政治意識が非常に向上するという利点があると私は思うのです。欧米諸国の例を見ましても、アメリカ、英国、ドイツ、こういうように文化国家といわれる国々は、戸別訪問は禁止しておりません。日本も、これらの先進国に見習うべきであると思うのであります。選挙で厳重に取り締まるべきは、買収であり、供応であります。戸別訪問のごときは、これを全面的に解除して、明るく伸び伸びと、国民のお祭りとしてこれを行うべきじゃないかと思うのであります。楽しい選挙をやらせることが私は大事であり、国民の権利を伸び伸びと使用させることがほんとうの民主主義であると思うのであります。戸別訪問をやれば、確かに先生が言われましたように多少の弊害は出てくる、こういうことも私は承知しておりますが、この現在行なわれる弊害よりも、戸別訪問を禁止するために起こる大弊害のほうがもっと大事であります。これを削除するほうが価値的に見て大事ではないかと思って申し上げたわけであります。何度も選挙を繰り返すうちには、必ず国民の政治意識も向上して、欧米以上のレベルになって、戸別訪問なんかほっておいても、買収なんか行なわれない、そういう時代に必ずなり得ると私は確信するものであります。  第二番目は、文書、図画、信書の発送、プラカード等が無制限になることは、繁雑で、国民が迷惑しやしないか、こういう質問でありますが、先ほども申し上げましたように、選挙においては、言論や表現の自由というものは、これはできるだけゆるやかにすることが、憲法の精神に沿うものであると思います。自分で書いた手紙も出してならないというようなことは、かえって私はおかしいと思うのであります。プラカード等も自由にして、先ほども申し上げましたように、お祭り気分の楽しい選挙をやらせる。これは少々弊害があっても、あまり非常識なことをすれば、かえって国民の反感を買って、マイナスになってくるようになる、そういうことを確信して、自由にしたほうがよろしい、こう申し上げたわけであります。  第三は、連呼の規制であります。参議院と知事選だけを許して、衆議院や市長選はそのまま連呼を禁止したほうがよいのではないかという御意見のようでありましたが、衆議院でも、全県一区のところもございます——奈良県や福井県、山梨などのように、そういう広範囲における衆議院の選挙、また市長の選挙においても、大阪のような衆議院以上の広い地域で行なわれる市長選挙もありますので、これは広地域で、限られた少ない候補者でございますから、連呼が許されてしかるべきかと私は思います。  第四番目は、テレビ放送を選挙公営の中に取り入れることの可否でございますが、小林先生の御質問の趣旨には、私は全面的に賛成でございます。ただ、テレビの電波技術の面におきまして、ほかの地域とダブったりいたします。そういう難点があるように聞き及んでおりましたので、今回は見送った次第でございます。  第五には、後援会が行なう過度の活動をどう思うかというような御質問でございましたが、これはもちろん厳重に取り締まるべきであります。純粋な意味において後援会を作り、この人はほんとうに国民の代表として押し出してあげようという純粋な運動であれば、これはもちろん差しつかえないわけでありますが、百円会費で、千円、二千円のごちそうをしたり、温泉に連れて行ったりするような、そういう買収供応とつながるような悪弊も多分にございますので、私は、これら後援会等の過度の活動に対しては、規制を設けて、徹底的に取り締まるべきだと思います。  六番目は、本改正案と選挙制度審議会の答申との関係でございますが、御承知のように、三十六年の十二月第一次答申が行なわれました。これに基づいて、昨年の参議院選挙直前に選挙法の一部改正が実施されたわけであります。しかしながら、この改正では、答申に必ずしも全面的に沿ったものではなかったので、国民から骨抜き法案というようなきびしい声もありました。目下第二次答申案が検討されておりますが、私どもは、地方選挙を控えて、緊急を要する数点について、本日一部改正案を提案いたしました。本法案は、選挙制度審議会の精神にも全面的に沿っているものと私は確信する次第であります。  七番目は、全国区制についての御質問でございますが、衆議院や、参議院地方区選出議員の限られた狭い地域から選出されるのに対して、広く全国的に知識人や職能代表が選ばれることは必要だと思います。ブロック制についても、貴重な御意見として検討する必要が十分にあると思います。現在の全国区については、いろいろな異論もございますが、私は現行のままでよいと思うのであります。  第八番目は、選挙法を三つの選挙法に分割したらどうか、衆議院と参議院、地方選挙の三つに分割して作ったらどうかという御意見でありますが、私もこの案には全面的に賛成でございまして、ぜひ将来は検討しなければならない問題だと思います。  最後に、政党化の問題でございますが、現在のように、衆議院の影響を参議院が受けて、さながら衆議院の延長のような参議院であるならば、政党化は排除すべきであると思います。ただし、参議院の自主性の上に立ってこの運営が行なわれるならば、必ずしも政党化を排除すべきでなくて、政党もよろしいのであると私は思うのであります。  以上、御質問にお答えいたしました。(拍手)   〔国民大臣篠田弘作君登壇、拍手〕

篠田弘作自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(篠田弘作君) お答えします。  第一番は、連呼の問題であります。この連呼の問題は、従来しばしば議論になったところであり、また、ある時代にはこれを許され、また、あるときにはこれを禁止されておるという、そういう経過をたどってきておるのであります。しかしながら、現在の法規においては禁止されておるのであります。今、選挙制度審議会において、全面的な選挙制度の問題について検討中でございます。この問題も加えまして、その審議を待って善処をしたい、こういうふうに考えております。  次は、テレビの使用でございます。今日のようなテレビが普及しておる時代に、国民的な行事である選挙にテレビを使用しないということは、いかにも時代おくれのような感じがいたします。できるならばこれを使用したいというふうに私たちも考えておりますが、先ほど辻議員からも言われましたように、衆議院のごとく、東京なら東京一区とか、あるいはまた茨城県一区だけで、立候補しておるというような場合に、関東全部にその映像が映るとか、あるいはまた非常に経費がかさむとか、いろいろ研究すべき問題があるわけであります。これは、技術的な面、財政的な面において、なかなかむずかしい問題があろうかと思いますが、これも選挙制度審議会に研究していただきまして、その答申を待ちたい、こう考えております。  次に、後援会の問題でありますが、後援会の問題については、選挙民がある特定の政治家を尊敬し、あるいはまた、その政策識見等を支持し、これを推薦するということは、決して民主主義の本義にもとるものではないと考えます。しかしながら、後援会の後援活動の名に隠れまして、あるいは事前運動をやったり、あるいは脱法行為をやったりするということは、公明選挙の建前からも、また選挙法の建前からも、これは許すことのできないことであろうと思います。そこで、昨年度におきまして、この後援会の活動にも、世論の批判を浴びまして、選挙制度審議会の答申に基づき、若干の改正を加えたわけであります。今後も、そういう必要があれば、選挙制度審議会に諮問をいたしまして改正を加えるにやぶさかではございませんが、結論といたしまして、結局、後援会そのものを運営する人の良識、あるいはまた順法精神というものに基因するのではないか、こういうふうに考えております。いずれ選挙制度審議会の答申に待ちたい、こう思います。  第四には、現在、選挙制度審議会がいろいろな選挙制度の根本問題について審議をしているときに、政府が新しくそれとは別の提案をする考えがあるかどうか、まあこういう問題であります。これは、今、私たちのほうといたしましては、選挙制度審議会の答申を待ってその改正に着手し、あるいはまた新しい改正案を提出するということが適当であると考えております。  衆、参、地方、三つの選挙法を作ったらどうかという第五番目の御質問に対しましては、私は、選挙法というものの建前から、地方の選挙には許されるが、衆議院、参議院の選挙には許されない、あるいは参議院の選挙には許されるけれども衆議院の選挙には許されない、そういう、選挙々々によって、一般国民の権利が、その選挙々々のたびごとに違った法律によって規制されるということは、いたずらに繁雑であるばかりでなく、かえって選挙民も迷うことであろう、こういうように私は考える次第であります。したがいまして、現在の選挙法をもっていたしましても、その運用よろしきを得るならば、選挙の内容というものはそれほど違うわけではございません。ただ、今言われましたような連呼とか、そういう問題については、多少違うところがあるかもしれませんが、公明選挙をやる、悪質違反をやめさせるという、根本的な選挙法の精神そのものには違いはありませんし、また、取り締まりの立場においても、啓蒙の立場においても、違いはないと思いますので、今のところ、私は三つの法律を持つという、そういう考え方は持っておりません。(拍手)

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) これにて質疑の通告者の発言は終了いたしました。質疑は終了したものと認めます。      —————・—————

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 日程第四、国際労働機関憲章の改正に関する文書の締結について承認を求めるの件、  日程第五、関税及び貿易に関する一般協定の譲許表の訂正及び修正に関する締約国団の確認書の締結について承認を求めるの件、  (いずれも衆議院送付)  日程第六、日本国とフィリピン共和国との間の小包郵便約定の締結について承認を求めるの件、  以上三件を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。外務委員長岡崎真一君。 〔岡崎真一君登壇、拍手〕

岡崎真一自由民主党

○岡崎真一君 ただいま議題となりました三件につきまして、外務委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。  まず、国際労働機関憲章の改正文書は、昨年六月、国際労働機関第四十六回総会で採択されたものでありまして、理事の増員等を規定したものであります。  現行の理事会の構成員が四十名となりましたのは昭和二十九年でありますが、その後、加盟国の数は急激に増加したため、総数を四十八名に増員し、その構成を、政府代表理事二十四名、使用者側及び労働者側代表理事各十二名とするため憲章の改正が行なわれたのであります。   —————————————  次に、ガット譲許表の確認書について申し上げます。  昭和三十六年六月、わが国は関税定率法の付表をブラッセル関税品目分類表に準拠して全面的に改正をいたしましたが、右改正前に締結されたわが国のガット譲許は、すべて旧分類表に従ったものであります。これを新分類方式に準拠訂正することが関税事務の運用上必要となったので、関係諸国と交渉を行なった上、本年一月、右訂正のために必要な手続を終えたものであります。  本確認書の発効により、わが国のほか十カ国の新譲許表の適用をみることとなりますが、今回の訂正により、わが国のガット譲許は、名目上、従来の三百六十五品目から六百七十二品目に組みかえられるのであります。   —————————————  最後に、フィリピンとの小包郵便約定について申し上げます。  フィリピン共和国は、万国郵便連合の小包郵便物約定に加わっていないため、両国間の小包郵便物は、現在暫定的に台湾仲介により交換しておりますが、この約定の締結により直接交換の道が開かれることとなるのであります。  委員会は慎重審議の後、三月十九日、採決の結果、三件とも全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手)

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  三件全部を問題に供します。三件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 総員起立と認めます。よって三件は、全会一致をもって承認することに決しました。    ————・————

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 日程第七、自治省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長村山道雄君。   〔村山道雄君登壇、拍手〕

村山道雄自由民主党

○村山道雄君 ただいま議題となりました自治省設置法の一部を改正する法律案について、内閣委員会における審査の経過並びに結果を報告いたします。  本法律案は、自治省の職員の定員を改正し、第一に地方公務員制度の運営、第二に固定資産評価制度の改正に伴う新評価基準の作成実施に関する事務処理、第三に消防防災事務の円滑な遂行等に必要な職員といたしまして、本省に十三人、消防庁に四人、計十七人を増加しようとするものであります。  本委員会におきましては、固定資産の新評価基準作成の進行状況、全国知事会等地方自治関係諸団体の職員の共済制度に対する自治省の見解、地方公務員共済組合の運用、消防団の現状等について、質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。  質疑を終わり、別に討論もなく、採決の結果、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上報告申し上げます。(拍手)

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。    ————・————

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 日程第八、消防法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)、  日程第九、消防組織法及び消防団員等公務災害補償責任共済基金法の一部を改正する法律案(内閣提出)、  以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員長石谷憲男君。  〔石谷憲男君登壇、拍手〕

石谷憲男自由民主党

○石谷憲男君 ただいま議題となりました消防法の一部を改正する法律案、消防組織法及び消防団員等公務災害補償責任共済基金法の一部を改正する法律案につきまして、地方行政委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  まず、消防法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案の要旨は、  (一)検定に合格した消防用機械器具等以外は、販売し、またはその目的で陳列してはならないものとする等、いわゆる強制検定制度を確立し、新たに政府の全額出資にかかる日本消防検定協会を設けて、自治大臣の行なう型式承認に必要な試験及び個別検定の業務を行なわせるものとしたこと。  (二)現在消防機関が任意に行なっている救急業務を法律上の制度とし、消防本部を置かなければならない市町村のうち、一定規模以上の市町村に救急業務を義務づけるものとしたこと。  (三)特定の場合には都道府県知事が火災原因を調査することができるものとするほか、映画の上映に関する規制を合理化したこと等をおもな内容とするものであります。  委員会におきましては、篠田自治大臣より提案理由の説明を聞いた後、政府当局との間に終始熱心なる論議を重ね、慎重審査を行ないましたが、その詳細は会議録によってごらんを願いたいと存じます。  かくて、三月十四日質疑を終局して討論に入りましたところ、別に発言もなく、採決の結果、本法案は原案どおり全会一致をもって可決すべきものと決定した次第であります。   —————————————  次に、消防組織法及び消防団員等公務災害補償責任共済基金法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本法案の要旨は、  第一に、消防組織法の関係につきましては、(一)防災の重要性にかんがみ、災害の防除を消防の任務として明確に規定したこと。(二)災害対策基本法に基づく地方公共団体の消防事務について、国、地方を通ずる連絡に関する事項を加え、なお、消防庁の所掌事務に関する規定を整備したこと。(三)消防本部及び消防署並びに消防団の設置、組織、職員に関する規定を整備するほか、市町村の消防を充実強化するため、一定規模の市町村には消防本部及び消防署の設置を義務づけるものとしたこと。(四)都道府県の消防事務につき、消防職員の人事交流のあっせんに関する事項を加え、その他所要の規定の整備をはかったものであります。  第二に、消防団員等公務災害補償責任共済基金法の関係につきましては、災害対策基本法の規定に基づき、市町村長等が災害に対する応急措置を実施するため、市町村の住民等をその業務に従事させた場合における死亡その他の事故に対し、同基金法による共済の取り扱いをすることとし、その他規定の整備をはかることとしたものであります。  委員会におきましては、篠田自治大臣より提案理由の説明を聞いた後、慎重審査を行ないましたが、その詳細は会議録によってごらんを願いたいと存じます。  かくて、三月十四日質疑を終局して討論に入りましたところ、別に発言もなく、採決の結果、本法案は原案どおり全会一致をもって可決すべきものと決定した次第であります。  以上御報告申し上げます。(拍手)

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって両案は可決せられました。    ————・————

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 日程第十、計量法施行法の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。商工委員長赤間文三君。   〔赤間文三君登壇、拍手〕

赤間文三自由民主党

○赤間文三君 ただいま議題となりました計星法施行法の一部を改正する法律案につきまして、商工委員会における審査の経過並びに結果について御報告いたします。  わが国の計量単位は、計量法によりまして、昭和三十四年からメートル法に統一せられ、例外として、諸般の情勢から直ちにメートル法に切りかえることが因雑なものについては、計量法並びに同施行法で例外を認めておるのでございまするが、ヤードポンド法について、計量法施行法に基づく政令により、一定の範囲を限りまして、昭和三十八年十二月三十一日までを限度として認められているものがあります。  本法案は、このヤードポンド法につき、政令で定められているもののうち、対外関係の特に強い分野について、昭和三十九年以降も当分の間はなお使用できるようにせんとするものであります。  委員会におきましては、延長の期限を付さないで「当分の間」とした理由、メートル法への完全移行の見通し及び過渡期における取引上の障害除去の問題、メートル法とそれ以外の単位の錯綜の整備の必要性、消費者の立場から見た正量取引の重要性等について、熱心なる質疑応答が行なわれたのでありまするが、詳細は会議録に譲りたいと存じます。  かくて質疑を終わり、討論はなく、採決の結果、本法案は全会一致をもって可決すべきものと決定した次第であります。  以上御報告いたします。(拍手)

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって可決せられました。    ————・————

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 日程第十一、屋外広告物法の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。建設委員長木村禧八郎君。   〔木村禧八郎君登壇、拍手〕

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 ただいま議題となりました屋外広告物法の一部を改正する法律案について、建設委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本改正案は、いわゆるビラ・ポスター等で、屋外広告物法に基づく条例に違反したものを、行政代執行の手続によらないで、都道府県知事みずからまたはその命じた者もしくは委任した者が、直ちに除却を行なうことにより、国土の美観風致を維持するととしております。ただし、この処分は、一般の行政処分と異なり、処分に対する不服の審査等の手続をとることが困難であることにかんがみ、違反の事実が明らかなものに限って適用することとし、国民の権利の保護に遺憾のないよう規定いたしております。  当委員会におきましては、きわめて熱心な質疑が行なわれましたが、審議の詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  かくて質疑を終了、討論に入り、日本社会党を代表して田中委員より、過去における本法の運用は、各都道府県の条例に差異がある等の実情にかんがみ、特に国民に周知徹底するよう、行政指導において十分留意すること等の発言があり、また民主社会党を代表して田上委員からも同趣旨の発言がありました。  かくて討論を終了、採決の結果、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手)

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。    ————・————

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 日程第十二、森林組合合併助成法案、  日程第十三、林業信用基金法案、  (いずれも内閣提出)  以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長櫻井志郎君。   〔櫻井志郎君登壇、拍手〕

櫻井志郎自由民主党

○櫻井志郎君 ただいま議題となりました林業関係二法案について、委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。  まず、森林組合合併助成法案は、森林組合の育成に資するため、その合併を促進することを目的とし、合併の対象を施設組合に置き、関係組合は、合併後適正な事業経営を行ならことができるよう合併及び事業経営計画を立て、所定の手続によって、その当否について都道府県知事の認定を求め、適当と認められた組合の合併後における事業経営の適正を期し、国及び都道府県が助成指導を行なうこととしようとするものであります。   —————————————  次に、林業信用基金法案は、林業経営の改善に必要な資金の融通を円滑にするため、これらの資金を林業者等が農林中央金庫等から借り入れる場合、その債務を保証する機関として林業信用基金を設け、その組織、資本金及び政府の出資、業務及び運営、財務及び会計、監督並びに税法上の特例等について規定したものであります。  委員会におきましては、これら両法案を一括して審査したのでありますが、質疑における問題点を要約しますと、林政の基本方針と基本的法制、国有林行政、林業従業者の動向とその労務対策、森林組合及び組合員等の現況とそのあり方、組合合併の意義と効果、既往の合併及び再建整備等の成果、合併の方針、基準及び助成措置、林業資金の需要、政府機関の現況と林業信用基金新設の意義及び効果、保証の対象となる債務及び融資機関、基金の設立、規模、組織、経理及び運営等でありました。  質疑を終わり、両法案を一括して討論に入り、別に発言もなく、続いて採決の結果、いずれも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、合併助成法案に対しては、林業政策の根本方針の確立とこれが立法措置及び合併後における組合の規模の基準及び合併の財政的援助について、また、信用基金法案に対しては、木材の生産流通の整備改善と金融措置について、それぞれ政府の善処を求める趣旨の附帯決議を、これまた全会一致をもって委員会の決議とすることに決定し、これに対し、政府側から善処したい旨発言がありました。  右御報告いたします。(拍手)

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって両案は可決せられました。    ————・————

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 日程第十四、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とオーストリア共和国との間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案、  日程第十五、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国政府との間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案、  日程第十六、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とニュー・ジーランドとの間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案、  日程第十七、産業投資特別会計法の一部を改正する法律案、  (いずれも内閣提出、衆議院送付)  以上四案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員長佐野廣君。   〔佐野廣君登壇、拍手〕

佐野廣自由民主党

○佐野廣君 ただいま議題となりました四法律案につきまして、その内容、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  まず、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とオーストリア共和国との間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国政府との間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案及び所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とニュー・ジーランドとの間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案につきまして申し上げます。  わが国とオーストリア共和国、グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国及びニュー・ジーランドの三国との間に、所得に対する租税に関して、二重課税の回避及び脱税を防止するためのそれぞれの条約が、今国会、本院ですでに承認せられております。三法律案は、この条約に規定されている事項のうち、特に法律の規定を要するものについて、所要の立法措置をそれぞれ講じようとするものであります。  以下、三案の概略について申し上げますと、  第一は、非居住者または外国法人が取得する配当、利子、工業所有権の使用料等の所得に対しては、原則として二〇%の税率で源泉徴収所得税が課されることとなっておりますが、この税率を、連合王国及びニュー・ジーランドの個人、法人が受け取る配当については、それぞれ一五%、また利子及び工業所有権の使用料等については、連合王国及びオーストリアの場合は一〇%とすること等としております。  第二は、非居住者または外国法人がわが国に支店等を有して事業を行なっている場合については、通常、その支店等に帰属する他の所得と総合課税することとなっておりますが、条約の規定を受けて、支店を通じて行なわない部分は、配当所得等に見合う所得税、法人税の税率がさきの軽減税率よりも高くならないよう所要の軽減措置を設けることとしております。  委員会の審議におきましては、このような租税条約の特例法を各国別に設けず、一本の法律にしたらどうか。日本人、日本法人の海外進出に伴う租税条約による恩恵及び所得、法人税法上の外国税額控除の適用状況はどうか。オーストリア、イギリス、ニュー・ジーランドとの経済交流状況はどうか等について質疑がありましたが、詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  質疑を終了し、三案一括して討論、採決の結果、いずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。   —————————————  次に、産業投資特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。  産業投資特別会計の投資財源を確保する措置といたしましては、さきに議決されました昭和三十七年度補正予算第二号において、一般会計から産業投資特別会計の資金への繰り入れとして三百五十億円が計上され、また、現在審査中の昭和三十八年度予算において、一般会計から産業投資特別会計の歳入への繰り入れ四百九十七億円が計上されております。  本案は、これらの予算措置が講じられていること、のみならず、今後とも投資需要が盛んになるのに伴い、その財源を一般会計からの繰り入れによって確保する必要が予想されますので、一般会計からする産業投資特別会計の資金及び歳入への繰り入れについて、そのつど必要な立法措置を講じて参りました従来の繰り入れの仕方をやめ、予算の定めるところにより所要の繰り入れができるよう、規定を改正整備しようとするものであります。  委員会におきましては、政府当局並びに参考人に対し、今回の改正を必要とした積極的な理由は何か。産業投資特別会計設置以来の一般会計からの資産への繰入額及び資本の異動経過はどうなっているか。明年度にいわゆる産投外債を発行することとした理由は何か。今後の投資財源は外債の発行収入に依存する度合いを高めていくのではないか等の諸点のほか、日本開発銀行、日本輸出入銀行、農林漁業金融公庫、新設予定の海外移住事業団及び日本鉄道建設公団に対する投資の理由、これら機関の融資の実情なり事業の内容等にわたりましても、熱心な質疑応答がかわされましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  かくて、質疑を終了し、討論、採決の結果、多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告いたします。(拍手)

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決いたします。  まず、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とオーストリア共和国との間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国政府との間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とニュー・ジーランドとの間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案全部を問題に供します。三案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって三案は可決せられました。    ————・————

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 次に、産業投資特別会計法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。    ————・————

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 日程第十八、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)、  日程第十九、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)、  以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。法務委員長鳥畠徳次郎君。   〔鳥畠徳次郎君登壇、拍手〕

鳥畠徳次郎自由民主党

○鳥畠徳次郎君 ただいま議題となりました裁判所職員定員法の一部を改正する法律案並びに下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案につき、法務委員会における審議の経過及び結果を御報告申し上げます。  まず、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本法律案の趣旨は、第一に、第一審の充実強化方策の一環として、このたび特に裁判官の負担が過重となっている地方裁判所における審理の適正迅速化をはかること、並びに、最近激増している交通事件の処理の円滑化をはかるため、判事、判事補、簡易裁判所判事を、それぞれ十名増員すること。第二に、右の裁判官の増員その他に関連して、裁判官以外の職員を二百十二名増員することであります。  委員会においては、二月二十一日、提案理由説明を聴取した後、三月十九日、質疑討論を終了し、採決いたしましたところ、多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。   —————————————  次に、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。  本法律案の趣旨は、第一に、山梨県日下部簡易裁判所の名称を山梨簡易裁判所に、富山県石動簡易裁判所の名称を小矢部簡易裁判所に、それぞれ変更すること。第二に、土地の状況、交通の利便等にかんがみ、六簡易裁判所の管轄区域を変更すること等であります。  委員会においては、三月十四日、提案理由の説明を聴取した後、三月十九日、質疑討論を終了し、採決いたしましたところ、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告を申し上げます。(拍手)

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  まず、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました、    ————・————

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 次に、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案全部を問題に供します。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 総員起立と認めます。よって本案は、全会一致をもって可決せられました。    ————・————

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 日程第二十、母子福祉資金の貸付等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。社会労働委員長加瀬完君。   〔加瀬完君登壇、拍手〕

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 ただいま議題となりました母子福祉資金の貸付等に関する法律の一部を改正する法律案について、社会労働委員会における審議の経過並びに結果を報告いたします。  本法律案は、母子家庭に対する福祉資金の貸付条件を改善し、新たに転居のためにも貸し付けを行ない、もって母子家庭の福祉を増進せんとするものであります。すなわち、その要旨は、第一に、新たに転宅資金を設け、母子寮等から自立して転出する際に必要な敷金などに充てるため、一万二千円を限度として貸し付けを行なうこと。第二に、貸し付け限度額を引き上げて、個人の事業開始資金の現行十万円を二十万円に、高校生の修学資金の現行千円を千五百円に、それぞれ増額すること。第三に、修業資金を借り受ける者に対し、厚生大臣の定める場合には、無利子とし、また前に借り受けた修学資金の償還を修業の済むまで猶予し得ること等であります。  委員会におきましては、藤原、山高、藤田各委員より、貸付金の貸付条件を改善しないか、入学準備金、医療貸付金等を母子福祉資金として貸し付けないか、事務費を国庫負担とすべきではないか、その他、母子世帯の住宅対策及び雇用状況、母子相談員の処遇等について、熱心な質疑が行なわれ、特に母子福祉の総合対策については、各委員より強い要望がありましたが、その詳細は会議録によって御承知を願いたいと存じます。  かくて質疑を終了し、討論採決の結果、本法律案は、原案のとおり全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。  以上報告いたします。(拍手)

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって可決せられました。    ————・————

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 日程第二十一港域法の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。運輸委員長金丸冨夫君。   〔金丸冨夫君登壇、拍手〕

金丸冨夫自由民主党

○金丸冨夫君 ただいま議題となりました港域法の一部を改正する法律案について、運輸委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  港域法は港の区域を定めた法律でありますが、その区域はこの法律の別表に規定されております。改正法案は、港湾事情の変化に伴い、天売港ほか五港の港域を変更し、江名港の港域を港の機能に適応するよう二港に分割し、かつ町村合併等により日立港ほか二港の港名を改めるため、この別表を改正しようとするものであります。  委員会の審議におきましては、港域決定の法律上の効果、港域の決定を政令に委任することの適否、その他港域に関連する諸般の問題につきまして、各委員から質疑が行なわれたのでありますが、詳細は会議録により御承知願いたいと存じます。  かくて質疑を終了し、討論に入りましたところ、別に発言もなく、採決の結果、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告を申し上げます。(拍手)

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって可決せられました。    ————・————

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 日程第二十二、オリンピック東京大会の準備等に必要な資金に充てるための寄附金付き製造たばこの販売に関する法律案(内閣提出)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。オリンピック準備促進特別委員長加賀山之雄君。   〔加賀山之雄君登壇、拍手〕

加賀山之雄第二院クラブ

○加賀山之雄君 オリンピック東京大会の準備等に必要な資金に充てるための寄附金付き製造たばこの販売に関する法律案について、オリンピック準備促進特別委員会における審議の経過とその結果を御報告いたします。  本法律案は、来たる昭和三十九年に開催されるオリンピック東京大会の準備及び運営並びに選手の競技技術の向上に必要な資金に充てるため、日本専売公社が寄附金付き製造たばこを販売することができることについて定めております。すなわち、寄附金付きたばこの名称は「オリンピアス」とすること、その最高価格は十本当たり五十円、寄附金の額は十本当たり十円とすること、とのたばこを購入した者は、その購入のときに、定められた寄附金を東京オリンピック資金財団に寄附したものとすることとし、なお、寄附金の送付手続等についても規定いたしております。  委員会の審議におきましては、各委員から、オリンピックの準備に関する各般の問題、資金財団の募金計画の全貌、オリンピックに対する政府並びに民間の協力の実情、特に日本専売公社の本法実施に応ずるオリンピックヘの協力態勢等について、政府、日本専売公社、東京オリンピック組織委員会並びに東京オリンピック資金財団等に対し、きわめて熱心な質疑がなされました。その詳細につきましては、会議録によって御承知願いたいと存じます。  質疑を終了し、討論を省略、直ちに採決の結果、本法律案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  右御報告申し上げます。(拍手)

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

重宗雄三自由民主党議長

○議長(重宗雄三君) 総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって可決せられました。  次会の議事日程は、決定次第、公報をもって御通知いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時十三分散会

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