本会議 第13号
- 発言数
- 47 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1963/03/13
会議録
○議長(重宗雄三君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。 ─────・─────
○議長(重宗雄三君) これより本日の会議を開きます。 日程第一、緊急質問の件。 鈴木強君から、公労協の賃金問題に関する緊急質問が提出されております。鈴木君の緊急質問を行なうことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。発言を許します。鈴木強君。 〔鈴木強君登壇、拍手〕
○鈴木強君 私は日本社会党を代表して、公労協の賃金紛争が難航し、きわめて重大問題化しておりますので、このことについて、池田総理と労働大臣に緊急質問を行なわんとするものであります。 まず、総理大臣にお尋ねしたいことは、一方では、今年は賃金引き上げは定期昇給程度と、抑制策をとっておりますが、一方では、どんどんと消費者物価が値上がりして、大衆の生活は圧迫を受けています。この矛盾点についてどうお考えであられますか。このことについてお尋ねいたします。あなたが総理大臣になられたのは、たしか昭和三十五年七月十九日であったと思います。それからすでに二年半余をけみしているのでありますが、この間、あなたは天下の経済通としてみずから任じ、所得倍増計画なるものを国民の前に示し、鉦と太鼓で池田ブームの醸成に努められたのであります。しかし、この政策は国民に幻想を抱かせるものにすぎないということは、わが党の、つとに指摘しておったところであります。はたせるかな、今日、われわれの心配しておりましたことが、現実の姿となって現われて参っているのであります。すなわち、なるほど、一部の資本家階級にとっては、年間三億五千万円もの所得を得られるようになったのでありますから、笑いがとまらず、池田様々と両手を合わせて拝んでいる人々もあるでありましょう。だが、一億人口の九九%を占める働く農民、中小零細商工業者、労働者等は、高度経済成長政策と所得倍増計画の谷間に追い落とされ、勤労階級は生産性の向上に見合う賃金の引き上げがなされず、勤労大衆の暮らしは、重い税金と物価の著しい上昇によって、二年半前、池田さんが天下を取った当時よりも苦しくなっているというのが実情であります。こう申し上げても、池田総理は、そんなことはないとおっしゃるでしょう。あなたは数字的根拠を示さない限り、納得しないお方ですから、私は、以下具体的なデータをもって総理の見解をただすことにいたします。 今月の初め、総理府統計局が発表した、本年一月の全都市消費者物価指数は、昭和三十五年を一〇〇とした場合一一七・五で、前年同月に比べ六%の上昇となっております。また昭和三十七年一月から十二月までの平均指数は一一二・五で、前年の平均指数一〇五・三に比べ七・二上がって、上昇率では六%となっています。昭和三十七年度、すなわち昨年四月より本年三月末までの平均は、もちろん二月、三月は一月の横ばいとして見ているのですが、前年度平均に比べ六・六%の上昇をしております。昭和三十七年度の政府の経済見通しでは、消費者物価の上昇は、当初二・八%と見込んでいたのでありますから、大きく狂ったと言わなければならず、しかも本年一月、あわてて改定した経済見通しでも、消費者物価の上昇は五・九%しか想定していないのでありますから、これもまた、はずれることは確実となりました。政府の経済見通しは、当たるも八卦、当たらぬも八卦の易みたいなもので、全く信用を置けぬものとなってしまっているのであります。たまりかねてか、総理の諮問機関である経済審議会の総合部会は、近く委員会を開き、所得倍増計画について、計画と実績との食い違いを再検討しなければならない羽目に追い込まれているのであります。このように、ここ一、二年間における消費者物価の高騰が激しく、生鮮食料品、公共料金、サービス料金、地価などの上昇はひどいものですが、最近、大根一本五十円、キャベツ一個百円、卵一個十七円と、べらぼうな値上がりをしております。このほか、値上げはしなくとも、とうふや油あげやコンニャクのように、形がだんだん小さくなったり、ちくわの穴が大きくなったりして、家庭の主婦を困らせています。政府は、昨年三月、物価安定総合対策を打ち出して、消費者物価上昇の抑制に乗り出したのでありますが、皮肉にも、総合対策を実施した昭和三十七年の消費者物価の上昇率は、前年よりも高いものになってしまったのでございます。また政府は、昭和三十六年三月の閣議で、公共料金の値上げ抑制策を決定したのですが、その後、国鉄運賃、電力料金、水道料、都電の運賃など、公共料金の引き上げを相次いで行ない、昨年三月の物価安定総合対策をきめたあとも、消費者米価、私鉄運賃、電話料金、東北電力料金等の公共料金の引き上げを矢つぎばやに行なって、国民の憤激を買っております。また、このほかにも、今、授業料やビール代、タクシー代、バス代等の値上げが待ちかまえています。減税は、昭和三十七年度も所得税について行なわれましたが、年収五十万円の標準家庭で減税率は一人当たり月わずかに三十五円にしかなっておりません。このように物価がぐんぐん値上がりして国民生活を圧迫し、暮らしは苦しさを増しております。政府が物価値上げを抑制して、その安定化がはかられた上で賃金引き上げの抑制をするというのなら、理屈はよくわかるのでありますが、そうなっていないのに賃金引き上げのみ押えることは、矛盾を犯していることにならないでしょうか。総理のお考えをお聞きしたいのであります。 同時に、今日までの消費者物価の値上がりの原因は何か、また、今後諸物価の値上げをどのようにして抑制しようとしているのか、あわせて総理のお考えをお聞きしたいのであります。 次に、今次紛争の具体的問題点についてお伺いいたします。 国鉄、全逓、全電通等、公労協八十万の組合員は、約六千円の賃金引き上げの要求をきめ、昨年十一月以降、それぞれの当局との間で要求解決のため団体交渉を進めてきたのでありますが、当局側の「検討中であるから待ってほしい」との態度によって、何らの進展もなく、また、要求の内容についても討議が深められないまま、いたずらに日時を経過しておったのであります。二月十二日に至り、まず郵政省より全逓に対し、「賃金引き上げの要求には応じられない」との回答がなされ、引き続き全く同様の回答が各組合に示されたのであります。したがって、この回答の提示を機会に、いよいよ本格的交渉に入る段階になりましたので、公労協の代表は二月十四日、黒金官房長官と大橋労働大臣に会見、「ゼロ回答は全く不満であり、問題の解決にはならないから再考すべきである」と迫ったのでありますが、黒金さんは、「これは現段階では最終案だ、問題の点は自主交渉でやってもらいたい、先に行ったらいいことがあるかもしれぬ」と答えられたようであります。しかし、このように答えながら、その裏では、すでに調停申請の準備をそれぞれの当局に命じていた様子がうかがえたのであります。案の定、各組合が一斉に団交を開いてゼロ回答をめぐる交渉に入ったところ、当局側は急遽態度を豹変して一方的に政治的に団交を打ち切り、調停申請の挙に出ようとしたのであります。組合側は、かくのごとき当局の態度は正常な労使慣行を破るものであり、悪例を残すことになるので、さらに団交を重ね、事態の円満解決をはかるよう、条理を尽くして強く主張し、もしどうしても当局が第三者機関に紛争の解決を持ち込もうというのならば、百歩譲って、争議の早期妥結のためにも仲裁を申請すべきであると、強く意見を述べたのでありますが、いずれも各当局はこれを一方的に拒否して調停申請の手続をとったのであります。 そこで総理と労働大臣にお伺いいたします。このように、切実な賃金引き上げ要求に対する回答の提示を故意に三カ月近くも引き延ばしておいて、あげくのはてに、ゼロ回答をし、組合の強い反対を全く無視して、団交を一方的に打ち切り、調停申請を行なったことは、労働運動を否認せんとする悪らつにしてかつ不誠意きわまる態度だといわなければなりません。三公社五現業の当局が一斉に、しかも全く同じような態度をとったのは、その手口からして、明らかに、賃金引き上げ抑制のためにとった政府の政治的指導命令によるものと断定せざるを得ないのであります。総理はなぜこのような無謀のことをやらしたのでございますか。また、黒金官房長官は、公労協の交渉で、ゼロ回答は最終案だと答えたのですが、とのような回答をするからには、明らかに政府と各当局との間に十分協議打ち合わせをなされて、その上で賃金引き上げはしないという態度をきめたことの重要な私は裏づけになると思うのであります。なぜ今回の公労協の要求に対して、ゼロ回答などという、ばかげたことをきめたのでありますか。その理由をお伺いいたしたいのであります。 さらに労働大臣にお伺いいたします。 三公社五現業の当局が一斉に調停申請を行なったことは、政府の方針によるものであることは、今も述べたとおりでありますが、この申請を行なって紛争を長期に持ち込まんとしたことの裏には、賃金引き上げを抑制することのほかに、一つには、公労協の紛争を長引かして、春闘全体の分裂をはかること、二つには、四月の地方統一選挙の際に、労働組合が総力を結集できないようにすること、三つには、昭和三十八年度予算が今参議院で審議されておりますので、国会通過を前に妥結することはまずい、このような三つの政治的意図をもって当局側を指導したものと思いますが、いかがでございますか、お答えを願いたいと思うのであります。 次に、今次紛争解決のため、どのように対処するのか、総理と労相にお伺いします。 調停委員会は今月七日より審議を開始したのでありますが、公労協各組合は、政府当局の政治的意図に反対し、調停による紛争の最終的解決は困難であるという判断から、事情聴取に応ぜず、加うるに労働者側委員の出席も得られず、当局側は無理やりに調停に持ち込んでみたものの、実際には開店休業の状態となって、賃金紛争解決の役には立たないことになっております。一方、公労協は、明後十五日第二次の統一行動に入るべく着々と準備を進めている模様でありまして、このまま事態の解決を放置するならば、鉄道がとまり、郵便や電報、電話等がとまって、重大な社会問題となるであろうことは必至だと思います。したがいまして、政府と三公社五現業の当局は、ここ一日二日の間に、あらゆる手段を尽くして、紛争解決の道を見出さなければならないと思います。組合側が早期妥結のための一方法として、仲裁への持ち込みを主張したこと等も思い起こしていただき、また、労働大臣にも問題解決のための大切なかぎが預けられていること等も考慮していただき、総理みずから先頭に立って本気で問題解決のために乗り出していただくならば、そしてまた、関係各大臣がこれを強力に支援するならば、必ずや円満解決が期せられるものと、私は固く信ずるものであります。総理と労相より、この際、御決意のほどを承っておきたいのであります。 最後に、私は政府と三公社五現業の当局に強く要求します。今日のごとく公労協の賃金紛争を最悪の事態に追い込んだのは、何といっても、当局の不誠意きわまる団交拒否と政治的調停申請に起因するものであると思うのであります。したがって、政府と関係当局はその責任を痛感して、組合に対する不当きわまる弾圧やおどしは直ちにこれを撤回し、今降り続いているとの白雪が消えぬ間に、誠心誠意、早期紛争解決のために最善を尽くされるように切望いたしまして、質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣池田勇人君登壇、拍手〕
○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。 最近の消費者物価の上昇によりまして、生活が非常に苦しくなったという御質問でございますが、私はそうは見ておりません。今、数字をあげて御質問になりましたから、数字でお答えいたしましょう。私が内閣を組織いたしました昭和三十五年を一〇〇といたしますと、賃金は一二三、二割三分上がっております、名目賃金は。しこうして、消費者物価は一一二、一割二分でございます。したがって、実質賃金は九・六、一割近く実質賃金も上がっておる。そしてまた実質消費水準も、三十五年に比べて三十六年は五・五上がっております。そして昭和三十七年は六・一%上がっておる。との数字をごらんいただければおわかりと思います。もちろん、ことしの一月は、特別の事情で、ちょっと上がりました。これは非常な野菜の暴騰によってでありまして、一月だけで全部おっしゃることは、これは筋が違うと思います。したがいまして、今後どうやっていくかということでございますが、私は常に申し上げておりますごとく、われわれの生活水準がよくなって、先進国の型になる場合におきましては、ある程度の消費者物価の値上がりはやむを得ないのであります。消費者物価が上がりますことは、国民の全体の所得がふえ、需要が増加して、供給が伴わない。しかもまた、各階級の所得をふやすために、サービス料その他がふえて参ります。これはやむを得ない。だから、われわれは、需給の関係をよくする、すなわち、生産体制の強化と流通の合理化をはかって対処しようとして、昨年からやっておるのであります。要は、国民所得が消費者物価の値上がり以上に上がることをわれわれは期待しておるのであります。 なお、三公社五現業につきましては、ただいま公労委に調停がかかっておるので、われわれは、現行法の規定に基づいて、公正な第三者の機関に解決をゆだねておるのであります。 以下関係大臣より答弁いたします。(拍手) 〔国務大臣大橋武夫君登壇、拍手〕
○国務大臣(大橋武夫君) 三公社五現業関係の労使間の協約によりますると、調停の請求は労使双方とも一方的に申し出ることができることになっておりますが、今回の賃上げ交渉におきましては、使用者たる理事者側は、自主的判断に立ちまして、この権利を行使いたしましたので、現に、公労委は調停手続を開始いたしております。その自主的判断の動機が何であるかは別といたしまして、公共企業体の理事者であるということを理由といたしまして、使用者に与えられた権利行使を否定するわけには参らないと存ずるのでございます。しかし、組合側は、一部は調停委員会に出席して仲裁への早期移行を要請され、一部は調停委員会の出席を拒んでおり、このために関係調停委員会は流会をいたしております。これに対しまして、公労委は、法律に基づく調停委員会が発足した以上は一組合側はすべからく出席されて、自主団交が不十分であるとされるならば、その旨を、また仲裁手続移行を主張されるならば、そのことを説明されたい、それが仲裁手続への移行をすみやかならしめるゆえんであるという考え方を持っておられるようでございます。公共企業体の労使関係につきましては、政府は、自主的団体交渉で解決されることが望ましいと考え、また、それができないときは、そのための機関として特に設けられておりまする公労委において、調停または仲裁をわずらわすのが、あくまでも原則でなくてはならないと思っております。また、調停中の事件を仲裁に付することにつきましても、原則的には当事者の合意または公労委の決定によるべきであって、労働大臣の職権発動はみだりに行なうべきことではないと考えておるのでございます。ことに、仲裁になりました場合におきまして、仲裁に当たる機関は公労委であることを思いますると、この事件の自後の取り扱いが順調に行われることを期待する点から考えましても、その事件の調停についての公労委の考え方なり立場なりというものは、労働大臣といたしましてはできるだけこれを尊重することが至当ではないかと考えるのでございます。現在まで、一部の組合は調停委員会に出席しておられませんが、公労委は、なお組合代表の出席をあきらめず、極力説得中であると聞いております。公労委としては、紛争の解決が本来の使命でありますから、その立場に立ってあらゆる努力を尽くされておるのであり、また種々の事情から見て紛争の解決のためには仲裁移行が必要であると認めまするならば、みずからその旨の決議を行なうこともできるのでございます。したがって、労働大臣といたしましては、先に述べました原則的立場に立って、公労委の適切なる判断に待ちたいと存ずるのでございます。 次に、公労委の予定いたしておりまする十五日の統一行動を回避いたしまするために、仲裁に付することを考慮してはどらかということが、考えられる一つの点だと存ずるのでございます。しかしながら、公共企業体においては、業務を阻害する争議行為は禁止されております。組合側が、その主張の貫徹のために、この禁を犯して違法なストライキを計画ざれるということは、民主政治のもとにおける正しい組合のあり方と申すことはできません。いわんや、この種の不法な行為の発生に脅かされて、そのために守るべき軌道をはずすようなことがあったといたしましたならば、それは、はたして自由にして民主的な組合の成長を期待する正しい労働行政の姿といえるでございましょうか。私は、十五日を前にいたしまして、切に組合関係の方々の自粛を期待いたすものでございます。(拍手)
○議長(重宗雄三君) 鈴木強君。 〔鈴木強君登壇、拍手〕
○鈴木強君 私は、非常に重大な事態に立っておりますこの公労協の紛争を妥結に導くために心から念願をする一人でありますし、また政府も当然そうあるべきと思いまして、実は私は今質問したのでありますが、総理大臣の御答弁でも、労働大臣の御答弁でも、きわめて抽象的な、的をはずれた答弁だと言わなければならぬと思います。 そこで、物価の引き上げ等に対するパーセンテージのとり方につきましては、総理はどこからお持ちになりましたかよくわかりませんが、内閣総理府統計局のデータそのものも、はたして一般的に適切であるかどうかということは問題になりますけれども、しかし、それを私は引用して、あなたに迫ったのであります。それはとにかくとして、今後この異常な物価の値上げに対してどういう抑制策をとるかということ、それから、特に今回各公労協に対する回答を見ますると、一銭も上げないというゼロ回答でございます。したがって、こういう物価上昇の中で、一銭も上げないというこの回答をしたことに対する政府の指導があっただろう、なければないで、あなたはこの当局が示したゼロ回答というものを正しいと思うならば、その根拠を示してもらいたい、こう言っているのであります。 もう一つ、労働大臣にお尋ねいたしましたのは、なるほど労働協約によって、労使の一方あるいは双方の申請によって調停はできますが、しかし、あくまでもこの協約の精神は、団体交渉を十分煮詰めて、その上でどうしても解決ができないと、こういう場合に、当事者の一方あるいは双方から調停申請ができるというのが、私は協約の精神だと思うのでございます。このことにつきましては、兼子公労委会長も、昨年仲裁を出す場合に、どらも最近は労使間の団体交渉が不十分のままに持ち込まれてくる傾向がある、だからもっと煮詰めた団体交渉をして第三者に調停をゆだねるべきではないか、こういう意見も含めて発表されていると思うのであります。今回の争議の状況を見ておりますと、一方的に二月十二日に回答が示されて、何も団体交渉をしないで、一方的に調停申請をするというような、そういう態度をとったことは、あなたが言うような労働協約の精神に私は反するものだと思うのです。あなたのほうでは、要するに、問題をそらさないで、一体どうしたらこの十五日の事態を回避できるか、こういう立場に立って私はもっと真剣に考えてもらいたい、こういうことをお尋ねしておるのでありますから、その点を明確にひとつお答えいただきたいと思います。 〔国務大臣池田勇人君登壇、拍手〕
○国務大臣(池田勇人君) お答えいたします。 過去三、四年間、わが国民経済の発展と国民生活の向上は、わが国民の大多数がひとしく認めるところであるのみならず、世界の人がこれを認めておるのであります。私の数字には誤りはございません。全体をよくお考え願えばおわかりできると思います。 なお、三公社五現業の賃金の問題につきましては、自由主義経済のもとにおきまする原則、すなわち労使の協議によってきめるべきものであります。政府は何らこれに干渉を加えた覚えはございません。したがいまして、合法的に公労委に今調停を頼んで、これによって解決できるものと期待いたしております。(拍手) 〔国務大臣大橋武夫君登壇、拍手〕
○国務大臣(大橋武夫君) 本問題は、申すまでもなく、現在公労委の手中にあります。そうして、この問題につきましては、おそらくは、最終的にはその解決も公労委の手によらなければならぬと想像されるのであります。しかも、その公労委は、現在の調停手続を通じまして、調停委に出席されるよう極力組合に対して説得中でございまするので、私はこの段階におきましては、公労委のこの考え方、この立場というものを尊重いたして参ることが、労働行政の原則的なあり方であると申し上げる次第なのでございます。 十五日の時期を前にしてゆうちょうではないかというようなことに、御意見によると、なると思うのでございまするが、先ほど来申し上げましたるごとく、十五日の事態というものは、これは違法なストライキの予告が行なわれているということに基づくものでございまして、これに対しましては、切に正しい民主的な組合のあり方というものをお考えいただき、また日本の労使関係の今後のあり方というものをお考えいただきまして、組合関係者の方々の御自重を切望する以外には、政府としては考えておりません。 ————・————
○議長(重宗雄三君) 日程第二、義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律案(趣旨説明)、 本案について、国会法第五十六条の二の規定により、提出者からその趣旨説明を求めます。荒木文部大臣。 〔国務大臣荒木萬壽夫君登壇、拍 手〕
○国務大臣(荒木萬壽夫君) このたび政府から提出いたしました義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律案の提案理由及びその概要について御説明申し上げます。 さきに第四十回国会において義務教育諸学校の教科用図書の無償に関する法律が制定され、義務教育諸学校の教科用図書はこれを無償とするとの方針が確立されるとともに、その具体的措置は、文部省に置かれる無償制度調査会に諮って別に法律をもって定めることとされたのであります。 政府はことに、調査会の答申の趣旨を十分尊重して、義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律案を用意いたしたのであります。この法律案は、無償措置の実施に必要な基本的事項を規定するとともに、この措置の円滑な実施に資するため、教科書の採択及び発行の制度に所要の整備を加えたものでありまして、義務教育の充実に資するところ大なるものがあると信じます。 次に、この法律案の要点とするところを申し上げます。 まず、この法律案は、国、公、私立の義務教育諸学校の全児童・生徒に、全教科の教科書を給与しようとするものであります。 その具体的な実施方法は、国が発行者の供給する教科書を購入して、これを市町村等義務教育諸学校の設置者に無償で給付し、設置者は、それぞれの学校の校長を通じて児童・生徒に給与することといたしております。 これは、国と設置者が相互に協力して無省措置が円滑に実施されることをはかったものであります。 次に、教科書の採択について申し上げますと、現在、市町村立の小・中学校の教科書の採択は、所管の教育委員会が行なうこととなっておりますが、実施にあたっては、郡・市の地域の教育委員会が共同して同一の教科書を採択することが広く行なわれております。このような採択の方法は、地域内の教師の共同研究の上にも、また児童・生徒の同一地域内における転校の際にも便利である等、教育上の利点があることによるものであります。 この広地域の共同採択は、無償措置の実施にあたって供給の円滑と教科書価格の低廉をはかる上にも資するところ大なるものがありますので、本法律案は、都道府県の教育委員会に、管内の義務教育諸学校において使用する教科書を、あらかじめ数種選定させるとともに、市町村の教育委員会が共同して同一教科書を採択するための採択地区を郡市の地域について設定させることといたしました。 市町村の教育委員会は、都道府県の教育委員会が選定した教科書のうちから、採択地区ごとに協議して、同一のものを採択することとし、国立及び私立の学校等においては、都道府県の教育委員会が選定した教科書のうちから、学校ごとに採択することとなっております。 次に、本法律案は、この義務教育諸学校の教科書の発行者について指定制度をとることといたしました。 現在、義務教育諸学校の教科書を発行するものは、四十六あります。 元来教科書は、他の一般の出版物と異なり、学校教育法によって使用を義務づけられた、はなはだ重要なものでありますから、これを発行する者は、きわめて公益的性格の強いものであるといわざるを得ません。 特に無償措置を実施するにあたっては、すぐれた教科書を合理的な価格で迅速・確実に給与することが必要であり、このため、発行者が堅実であることが望まれるのであります。この見地から、今後は、義務教育諸学校の教科書の発行者について、適格なものを文部大臣が指定し、指定を受けた者のみが、発行供給を担当し得ることといたしました。なお、所定の要件を欠くに至ったものは指定を取り消すこととなっております。 昭和三十八年度において、小学校第一学年の児童が使用する教科書を無償とすることになっておりますが、これは、さきに制定された法律により別途定める政令によることとなっておりますので、この法律案は、昭和三十九年度の小学校第一学年から第三学年までの児童にかかる無償措置から実施することといたしております。 以上がこの法律案の提案の理由及びその概要であります。(拍手)
○議長(重宗雄三君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。豊瀬禎一君。 〔豊瀬禎一君登壇、拍手〕
○豊瀬禎一君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま説明されました義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律案に対し、総理、大蔵、文部それぞれの大臣に質問をいたします。 総理は、先般の施政方針において、福祉国家の建設を目ざしての人づくり、国づくり論を述べられました。しかしながら、その所論はきわめて抽象的であり、具体性に乏しきお題目並べに終始していると断ぜざるを得ません。これは要するに、その目標とする福祉国家とはいかなるものであるか、かつまた、それに至るための教育施策が他の諸施策と相待ってどのように推し進められなければならないかという構想を、全然持ち合わさないところの、兎糞的発想にほかならないからでありましょう。しかしながら、世界の趨勢は、いわゆる技術革新の時代であり、第二次産業革命下におけるよい意味での経済競争、生産競争、国民生活の向上の争いの時代であります。これに対応するために、教育が質的にも量的にもその充実発展を期待されること、今日より大なる時代はありません。これがために、現実補てん主義や環境即応主義を脱却して、十年、二十年の長期見通しと達見に立った現状変革の長期教育プランが、諸外国においても着々と推進されていることは、まことに注目すべき事態といえましょう。翻って、わが国の文教政策を見るに、明治学制施行以来、国民の不断の努力により、量的には先進国と自称し得るに至ったものでありますが、質的にはむしろ大きな矛盾障害に逢着しており、制度、教育内容、教育行政のあり方全般にわたって、抜本的再検討の段階に到達いたしておるのであります。今こそ、国民の一人一人が、憲法第十三条に定める「生命、自由及び幸福追求」の基本権を具現する方途としての、教育の機会を均等に与えられることによって、その個人のすべてが、その持って生まれた永遠の生命力を伸ばし、最高のエネルギーを発揮し、勤労を楽しみ、安定した賃金と社会保障のもとに、健康で文化的な生活を亨受し得る福祉国家の建設に向かって、大きくその歩を踏み出すべきときであると確信するものであります。そして、このことにより、個人の尊厳が、企業や国家目的、経済体制に対して、その優位を占め、個人の幸福の増進の結果が、同時に公共の福祉を増進していくという、人間尊重の立場に立った教育体制が確立されねばなりません。 私は、この際、総合的長期的プランを樹立するため、あらゆる分野の専門家、実践家、文化人、労働界、経済界等の各代表を網羅した国民教育会議的なものを設置し、これによって教育の長期プランを設定していく必要性を痛感するのですが、総理の所信を伺いたいのです。 次にただしたいのは、義務教育の無償と教育の機会均等についてであります。第四十回国会本会議におきまして、私の質問に対しまして、総理は、現状では不十分であるので、より大きく歩を進めていきたいとの意思を表明されました。しかるに、三十八年度の予算案を見てみますと、憲法第二十六条の義務教育の無償の原則は一片のほごのごとくじゅうりんされ、依然としてPTAの負担は増大し、すし詰め教室は解消されず、貧富の差により教育の機会均等は失われ、特に産炭地等においては児童の不就学が激増いたしておる現状であります。この際、政府は、教科用図書を分割配布する等の愚策を捨てて、一気に全学年にわたって実施するとともに、義務教育全般に対する国の補助施策を断行し、父兄負担の解消をはかることにより初等教育の充実をはかるべきと思うが、総理並びに大蔵大臣の所見を承ります。 さらに、他面においては、後期中等教育の現状を見るに、入学試験地獄が展開され、これが義務教育の不正常化をもたらすとともに、中学浪人の放出、青少年不良化の原因ともなり、青少年がその心身をむしばまれていることは、まことに憂慮すべき社会問題であります。西欧諸国におきましては、すでに満十八才までの青少年に対して、何らかの教育を組織的に行なう制度により、働きながら青少年がレジャーを楽しみ、それぞれの能力を身につけた、心身ともに健康な市民として育成することに努めております。わが国の教育の緊急課題の一つは、義務教育の充実とともに、この後期中等教育の拡充にありというべきであります。この二つが相待って進められてこそ、進みゆく時代の進運にこたえるための国民教育の完成が初めて達成し得るのであります。総理は、かつて私の質問に答えて、「国民が一人でも多く高校へ入学することは、国民教育のレベル・アッップとして喜ばしいことである」との見解を表明されました。この際、政府の高校急造対策によって締め出されておる十数万の中学浪人に進学の機会を与えるため、急造対策の手直しを行ない、さらに一歩を進めて、教科用図書の無償配布を高校まで拡大することによって、貧困が教育の機会を剥奪することのないよう措置すべきと思うが、総理並びに大蔵大臣の見解を承ります。 次に、文部大臣にお尋ねいたしたいのは、教育作用という立場から、教育と教科用図書との位置づけの問題であります。教育の本質は、申すまでもなく、子供の本来持っている能力を発見し、これを引き出し、適性を診断し、それぞれの望むところに従って価値を判断し、これを作りなしていくところにあり、あるいはまた、その基礎能力を陶冶するところにありというべきでありましょう。したがって、教師といえども固定の真理を教え込む立場ではなくして、学童と真理との媒介者にすぎないのであります。ましてや、人間の価値観は固有の基本権であり、教科書や指導要領等が強制すべきものではなく、いわんや文部省、教育委員会等の行政権の介入はかたく禁じられているのであります。したがって、教科書は、他の視聴覚教材、実験、観察等の教具等と相待って、生徒児童の持てる能力を引き出すための一手段にすぎないのであります。この立場から、指導要領や教科用図書の国家基準性の強化の方向は、民主教育の背骨を動かし、教育の国家統制への一里塚となると思うが、大臣の所信を承ります。 むしろその選択や、その解釈のワクが自由であること、さらには生きた生徒と教師の人間交流の場が大きいだけに、優秀な教師の確保のための待遇改善、現職教育による質の向上、自主的研究体制の確立、さらには施設設備の充実といった教育諸条件の整備こそが、より緊要な課題と思うが、大臣の所信を承ります。 第三に、本案においては、広地域採択制を採用しているが、このことは、とりもなおさず実質的な国定化であると推断できるのであります。すなわち、都道府県の選定審議会は、種目ごとに数種の選定を余儀なくされ、県内各採択区では、そのうちの一種しか採択できない仕組みになっております。このことは、文部大臣の業者指定権と相待って、必然的にその種類はごく少数に限定されるという結果をもたらし、現在の五十社に近い出版会社は、数年を出でずして淘汰され、大企業の数社のみが残る結果となるとの予見を否定し得るいかなる保証も見出し得ません。大臣のこれに対する見通しを承りたい。 特にこの事態は、単に現存の教科書会社の倒産という企業の問題だけではなく、まず第一に広地域選定方式をとれば、より数多くの種類を選定することによって、都市と農村山間等の地域性に即応する教科書が自由に採択できるようにしなければなりません。しかしながら、本方式の結果は、少数限定という形をもたらし、教科書は逆に教育効果の障害物となりかねないのであります。 第二に、現在ですら教科書の執筆者は、文部省検定官の、話し合いさえ認めぬ一方的な独断と偏見に迎合しなければ、検定に合格しないという、秘密検定制度によって、その良心を傷つけられ、学問の自由な表現を阻害されております。このことは、学問、思想の国家統制への道であり、実質的教科書の国定化と断ぜざるを得ません。この検定のやり方は、個人に対する価値の選択権を奪い、行政権による価値観の強制という、憲法、教育基本法の精神に反していることを強く指摘いたしたいのであります。 さらに、広地域選定制度による教科書会社の少数化ということと同時に、現在のごとき非民主的、独断的検定制度の存在は、最も悪質な教育内容に対する国家基準制の押しつけであり、自由採択の面をかぶった国定化であると思うが、大臣の所信を承ります。 第四に、都道府県に置かれる教科用図書選定審議会についてであります。本案によりますと、わずか二十名以内の委員で組織すると定められておりますが、この少数で全教科目にわたって妥当な選定をなし得ると考える者ありとするならば、これは全く教育と教科書の本質を知らない無知もうまいの徒輩と断ずべきでありましょう。教科書は、でき得る限り多くの中から、それぞれの教科の教師が多年にわたる実践と研究の体験に基づいて、地域性を加味しながら十分検討し、討論を行ない、公明正大な方式によって採択さるべきものであります。少数の委員による採択は、独断の弊をもたらし、教育の質的偏向と低下をすら来たすものであると思うが、大臣の所見を承ります。 また、この審議会が教育委員会の諮問機関であるということも、きわめて重大な問題であります。現在の制度の中で、委員会がはたして諮問機関の意見をどれだけ尊重するかという問題と同時に、先ほど指摘いたしましたように、これらの審議会が教育委員会とどれだけ教科書の実体について意思が疎通し得るかというととも、きわめて疑わしいのであります。私は、教育の本質と教科書本来の意義に対して、大臣の再考をうながすとともに、審議会については、特にそれぞれの教科の教師によって構成する機関を設けることによって、教科書の採択に対して万全の態勢を講ずべきと思うが、大臣の所信を承ります。 以上をもちまして私の質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣池田勇人君登壇、拍手〕
○国務大臣(池田勇人君) 御質問の第一点は、教育全般にわたる新たなる調査機関を設けてはどうかということでございまするが、私は、今の既存の機関を活用することによってその目的は達し得ると考えます。 第二に、教育の振興につきましては、お話のとおり今後も十分努力いたしますが、高校における教科書の無償ということまでは、私は、いく考えはございません。(拍手) 〔国務大臣田中角榮君登壇、拍手〕
○国務大臣(田中角榮君) お答えいたします。 私に対する質問は三点であります。 その一点は、義務教育拡充に対する財政措置の問題であります。なお父兄負担の軽減もはからなければならないということはお説のとおりでございまして、政府も鋭意、義務教育の内容拡充に対して予算的措置を行なっているわけでございます。御承知のとおり、給食ミルク施設の近代化、不燃化、鉄筋化等、あらゆる予算面において、義務教育の内容充実に対しては特段の配慮を考えており、父兄負担の軽減をはかることをもって本旨といたしております。 第二の問題は、教科書無償についてでございますが、三十七年度は御承知のとおり七億円の計上でありますが、三十八年度予算においては二十七億四百万円の計上を行ない、三十九年度の四月からは、一年から三年までの無償を、全額国庫負担で実施をすることにいたしております。これが負担区分につきまして、国と地方公共団体でどういうふうな持ち分にするかというような問題は、まだペンディングでございまして、御承知の教科書無償に関する調査会の答申に基づきまして、さしあたり全額国庫負担を行なっているわけでありまして、将来の問題については、分担の問題は十分検討して結論を得たいと考えておるわけでございます。いずれにしましても、教科書の無償の完全実施は、一日も早くこれを実施したいという考えでございます。 第三点は、総理がお答えになりましたが、高校まで無償を拡大してはどうかというものでございますが、まず義務教育を一日も早く無償を実施して、しかる後に考えるべき問題でありまして、現在の段階においては、総理のお話のとおりの域を出ないということでございます。(拍手) 〔国務大臣荒木萬壽夫君登壇、拍 手〕
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。 第一は、国定の基準による教科書の検定が、教科書の統制化となり、ひいては画一的な教育につながるおそれがあると思うがどうか、こういう御趣旨の御質問であったと思います。御案内のごとく、文部大臣は、学校教育法第二十条によりまして、教科に関することを定めねばならない権限と責任があります。第二十一条におきまして教科書の検定の責任が負わされておるのであります。ともに学校教育法の趣旨に基づきまして、学習指導要領という内容のものを定めて検定も行なわれるという、制度上の問題でございまして、そのことそれ自体が、おっしゃるように、行政権の介入だからけしからぬという概念とは、全然別個の、そうすることが民主教育のために必要だから、現行法が定めておることを実施するにとどまるものと、解するのであります。 第二番目の御質問は、教育の行政の責任は、もろもろの条件整備をすること、現職教育を通じて教師の質を向上すること等にとどまるべきであって、教科内容それ自体に文部行政が介入すべからずという角度からのまた御質問でもございましたが、ただいま申し上げたとおりのお答えが、第二の御質問にも同じように申し上げ得ることと思います。 第三番目の御質問は、広域採択によって教科書の画一化が行なわれる。ひいては、それが国定化につながるのではないかと、こういう御趣旨のお尋ねであったと思いますが、先ほど提案理由を御説明申し上げました中に、ただいまの第三番目の御質問にはお答えしておることと存じますので、それに譲らしていただきたいと思います。 また、これに関連して、大企業だけが生き残り、中小企業が圧迫される、そういうことに持っていくのではないかというふうな意味のお話もございましたが、今度の法案に基づく教科書発行会社の指定は、既存の教科書会社の既得権を尊重いたしまして、全部指定することにいたしますので、当然にこのことによって直接御指摘のようなことは起こらないものと考えておるのであります。 第四番目に、広域採択に関連して、都道府県の教科書選定審議会についてのお尋ねでございます。諮問機関であることが適切でないというお説でございますが、御案内のごとく、現在市町村の教育委員会が教科書の採択をいたしておりますが、その権限が与えられておりますが、諮問機関のごときはございません。提案理由にも申し上げましたがごとく、郡市単位の広域採択が、多年の実績に基づいて、きわめて平穏に大部分の都道府県で実施されておることは、豊瀬さんも御承知のところでございまして、この実情に立脚して、そして、県の立場から選定審議会の意見を聞いて、そして数種類にしぼって本来の市町村の採択権を行使してもらうという、いわば二段がまえの慎重さを加えたようなものでございまして、より民主的な、よりよき教科書の選定につながる制度だと心得ておるのであります。もとより、現在といえども、市町村の教育委員会が現場の先生方の意見も十分に聞きながら採択をしておりますことは、御承知のとおりでありまして、現段階において、諮問機関たる選定審議会を置きましても、なおかつ、その下部機構と申しましょうか、選定の意見をきめるまでには、現場教師の意見も当然に反映される措置をとられることは、従来同様もしくはそれ以上でありたいことを期待しておる次第でございます。(拍手)
○議長(重宗雄三君) 文部大臣から答弁の補足がございます。荒木文部大臣。 〔国務大臣荒木萬壽夫君登壇〕
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 先ほど総理大臣にお尋ねになりました中で、中学浪人に関連して、高校急増対策の問題も含んでのお尋ねがございましたが、総理からのお答えで一応尽きておるとは思いますが、補足さしていただきたいと思います。 いわゆる中学浪人というものが六万ないし七万見当出るであろうと推定されておるわけでございますが、その中には、あらためて自分の志望校にもう一回受けたいという部類の人々、及び定時制高校もしくは通信教育を目ざして職場に入ろうとしておる人、あるいは高等学校の教科課程の履修に適性を不幸にして欠くような人、そういうふうに種類別に見れば分類されようかと思いますが、一般論としましては、総理からすでにお答え申し上げましたとおり、豊瀬さんも御指摘になりましたとおり、なるべく多くの適性を備えた人たちが高校に入れるようにする条件整備に、政府としても全努力を傾くべきことは、当然のことだと存じます。今後に向かいましても、今までの前向き姿勢で、一応九六%見当の入学率は確保できるものと推定をしておりますが、三十八年度において、総理御答弁のごとく、修正をした内容で、予算措置ないしは財源措置を講じておることも、御承知いただいておることと思いますが、さらに、結果に基づきまして、改善すべきことがありとせば、当然その改善措置を講ずることも考えねばならない、かように考えておるような次第であります。(拍手) —————————————
○議長(重宗雄三君) 柏原ヤス君。 〔柏原ヤス君登壇、拍手〕
○柏原ヤス君 私は、公明会を代表いたしまして、ただいま提案理由の説明がございました義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律案につきまして、質問をいたします。 第一は、義務教育無償という問題についてであります。総理は、無償とは、教育に要する費用、すなわち授業料を無償とするという見解をお示しになっておられますが、憲法二十六条に示された無償とは、はたしてこれだけの意味でしょうか。現在、義務教育に要する父兄負担は著しく高い金額となっております。特に、最近の物価の値上がりによって、PTA会費を初め、給食費、教材費の値上がりは著しく、ほとんどの学校が父兄の寄付を期待せざるを得ない現状であります。こうした現状の中で、PTA会費を全廃せよ、完全給食の無償を実施せよという声が、父兄の間からほうはいとして起こっております。また、私どもは、義務教育に関する父兄負担は当然全廃すべきであると思います。総理大臣は、これに対して、どのような見解を持っておられるのか、お伺いいたします。 第二にお尋ねしたいことは、義務教育における教科書代についてであります。来年度予算編成にあたり、文部省の要求は当初七十億円で、これは総予算のわずか〇・二五%にすぎなかったのであります。しかるに、計上された予算は半額にも及ばない二十七億円に削られ、ようやく小学校三年生までの無償配布が認められただけであります。このように大幅に教科書代が削減された理由を明らかにしていただきたいと思います。父兄の声は、少なくとも中学三年までの無償、予算にして百四十億円程度のものは、何はさておいても実現してほしいというのが偽らざる希望であります。私どもは、すでに十余年にわたって義務教育の教科書を無償にせよと叫び続けて参りました。私は、この実施はおそきに失したばかりでなく、その金額もきわめて少額で、文教政策を重視する池田内閣としてはあまりに消極的だと言わざるを得ません。さらに昭和三十八年度予算措置に示された各省の見解、すなわち大蔵大臣の主張する、半額は地方負担、しかも私学は除くという、この考え方の論拠と、文部大臣の考え方と、さらにそれを了とした総理大臣、三者の所見をお伺いいたしたいと思うのでございます。 第三に、教科書無償配布の将来の見通しについて質問いたします。昭和四十年度以降の教科書無償問題をどのように計画なさっているかということであります。確かに一年先のことまではわかりました。しかし毎年々々このような問題で紛争することは、まことに恥ずべきことだと思います。政府は、教科書無償に対して、四十年以降はどんな施策をお持ちになっておられるか、財源的見地から大蔵大臣に、また行政的見地から文部大臣に、具体的に責任ある御答弁をお願いいたします。 第四に、教科書の採択地域の問題についてでありますが、結論から申し上げますと、本法案に規定する郡市単位は不十分かつ不合理であり、これを都道府県単位までに拡大すべきではないかと思うのであります。なぜならば、本規定の立法趣旨は、第一に転校の際の不便を一掃し、かつ教育の機会均等をはかることにあると思います。特に都会地においての移動は激しく、また移動半径も著しく広範にわたっている現状にかんがみて、郡市単位では不十分だと言わざるを得ません。この立法趣旨からも、また父兄負担の軽減という見地からも、当然もう一歩範囲を拡大すべきだと思いますが、これに対する文部大臣の御所見を伺います。しかし、私は教科書の国定化を主張するものではないということを、一口つけ加えさせていただきます。 また、教科書は現在一年ごとに採択する制度になっておりますが、その期間を延長し、少なくとも三年間は同一教科書が使えるようにすべきではないかと思います。こうすることが教科書無償の精神にも沿い、全国の父兄の望みでもあります。この点について、あわせてお伺いいたしたいと思います。 第五に、教科書発行会社の問題でありますが、広地域採択制度の影響を受けて、教科書の定価が下がり、また競争に破れた結果、倒産する教科書会社が続出することは必然であります。現在八十六の教科書会社があり、そのうち発行部数が十万部以下の中小会社が二五%あるという現況では、その影響も深刻と言わねばなりません。政府は、これらの出版会社に対する影響とその対策について、どのように考えておられますか、お伺いいたします。 第六に、この法案の施行が浸透するに従って、現在もそうでありますが、副読本、雑誌等、教科書以外の書籍類が売り込まれ、逆に父兄負担が増加するおそれが十分にあるということであります。私は、政令あるいは条例を定めて、許可制、認可制等の処置によって防止しなければ、何ら父兄負担の軽減にはならないと思いますが、文部大臣はこの起こり得る弊害に対してどうお考えか、お答えを願いたいと思います。 最後に、政府は、福祉国家の建設、人づくり、文教政策の重視などと、はなやかに政策を打ち出しておりますが、実際は一つとして実現されたものはありません。高校進学の子を持つ母はその成り行きに不安を感じ、生徒は焦燥の念にかられ、苦しい家庭での教育費の出費は深刻であります。年々ふえる一方の青少年の不良化、学校犯罪の激増、一体これらの山積した諸問題の解決策をどのように考えていらっしゃるのか、日教組とけんかをしながら、いかに文部大臣が道徳教育を推進してみても、マイナスであることは、犯罪白書の示すとおりであります。あまつさえ、教科書無償問題、大学管理問題など、重大な文教問題を政争の具とすることは、とうてい国民の納得いたしかねるところであります。こうした国民の声を、どのように理解し解決するつもりでいらっしゃいますか。今後の方針と決意を総理大臣並びに文部大臣にお伺いいたしまして、私の質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣池田勇人君登壇、拍手〕
○国務大臣(池田勇人君) お答えいたします。 憲法に申します義務教育無償というのは、普通教育を受けさすこと自体を有償としない。したがって、先ほどまでは、この国公立学校の授業料を取らないということに一応解釈しておったのであります。しかし私は、この憲法の理想を、より広く実現するために、昭和三十七年度から教科書の無償配布を行なうことにいたしたのでございます。しこうして、私は、やはり教育のあれから申しまして、給食費用をふやすとか何とか、この憲法の理想を実現することに努めていきたいと思っておるのであります。 次に、教科書の問題でございますが、そういう意味におきまして、私は、今三十八年度で一年、二年、三年までいきまして、あと三十九年度で二学年、四十年度で小学校の全部と中学の一年、四十一年で中学二、三年、おそくとも四十一年度までには義務教育の教科書を全部出したいという考えでおるのであります。なお、予算を削減したとおっしゃいますが、私は、国民に公約いたしました、文教の刷新による人つくり、そうして社会保障、あるいはまた、社会資本の増加、この三本の柱を今度の予算でも実現いたしまして、従来以上に教育費を計上した考えでおります。また、今後もこの問題につきましては努力いたすことを、ここにあらためてお約束いたしたいと思います。(拍手) 〔国務大臣荒木萬壽夫君登壇、拍手〕
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。総理に対するお尋ねに関連をいたしまして、私も一言申し添えますが、柏原さんの御指摘は、初め七十億円要求しておったのに、半分以下になったのはおかしいじゃないかというお話でございますが、むろん格好はそうなっております。これは八月三十一日までに概算要求をせねばならない建前でございますが、法律に基づく調査会の答申がその当時まだ出ておりません。概算要求に柱を立てておきませんと、バスに乗りおくれますから、そのために小学校全部を一挙にやるためには約七十億円を必要とすると推定されますから、その金額を掲げまして概算要求をいたしました。その後調査会の答申が出まして、年次計画を定めて数年内にという御趣旨の答申がございましたから、大蔵省と相談の上に二十七億円ということで落ちついたわけでございますので、その間の事情を申し上げて御了承をいただきたいと思います。 第二番目は、四十年度以降の教科書無償給与実施計画はどうするのだということでございますが、今総理からきわめて明快にお答えいただきましたので、それで御了承をいただきたいと思います。 第三番目は、教科書の採択について都道府県まで一挙に広域採択を法定したらどうだという意味のお尋ねであったと存じますけれども、先ほどもお答え申し上げましたとおり、私どもとしましては、十数年の実情に即して、郡市単位がほとんど全国的に採択区域となっております。ただ一、二の県におきましては県一本であるところもございます。あくまでもそういう実情に即した線でいくことが望ましい姿であると存じまして、郡市単位とし、ただ例外的には県単位であってもよろしいという考え方で、当面はやっていきたいと思っておりますので、さよう御了承いただきたいと思います。 第四番目には、同じ教科書を採決する期間を三年くらいにしたらどうだというお尋ねであったと存じます。無償制度調査会の答申もお説と同じような趣旨で、三年に一ぺんくらいの教科書の展示会を通じて採択をすることにしたらどうだということでもございますので、御指摘のような三年に一ぺんというくらいにいたしたいものと存じております。 第五番目には、教科書の定価を引き下げ、広域採択ということになれば、中小企業の発行会社は相当痛手をこうむるのじゃないかという意味のお尋ねであったと存じます。これは先ほど豊瀬さんにお答え申し上げたとおりの趣旨で御理解をいただくことと思いますが、繰り返し申し上げますれば、指定に際しましては、現行の教科書会社八十幾つとおっしゃいましたが、義務教育の教科書を発行します会社は四十六でございます。それだけのものを既得権を尊重する建前から全部指定したいと存じておりますので、御懸念の意味は解消できるかと存じております。 第六番目に、副読本等が使用されておる、あるいは学用品等につきましても、父兄負担が非常に多い。だから、たとえば副読本のごときは、許可認可の制度をとって、父兄負担の軽減に資するという考えはないかという御趣旨であったと思います。ただいまのところ、許可認可制にするという考えは持っておりません。しかし、御指摘のような意味合いはわれわれも当然考慮の中にはあるのでございますが、許可認可というやり方でいくべきものかどうか、教育内容それ自体といたしましても、教科書と副読本とが緊密に脈絡がないものもあるやに聞いておりますので、そういう内容面からして、現状のままでいいかどうか検討すべき課題であろうかとは存じておりますことを申し上げます。 なお、最後に、一般的に、たとえば道徳教育その他に力を入れると言っているが、青少年の犯罪、非行事件等を考え合わせて、どんなふうに考えるのかという御趣旨のお尋ねであったかと思いますが、私は、青少年の非行事件ないしは犯罪につきまして、御同様懸念するものでございますが、これを絶滅せんとなれば、第一には、家庭教育の面において、親がもっと自信をもって最愛の子供のために、しつけをしていただきたい。そのための社会教育の立場からする文部省の協力も、今まで十分であったとはむろん申し上げかねますので、特にそういうことにも心がけて参りたいと存じます。その家庭教育と、がんぜない子供であるから義務教育制度があると思いますが、小、中学校の教育課程を通じまして、家庭教育と一体をなして、子供のいわば、しつけ、あるいは徳性の涵養、道徳教育の徹底、そういうことが理想的に行なわれるとしますならば、義務教育を終わり、もしくは高等学校を出まして、社会人となった青少年に、犯罪者や非行青少年は一人も出さないで済む。そのことを目標にあらゆる努力をせねばならないかと存じます。 以上、お答えを申し上げます。(拍手) 〔国務大臣田中角榮君登壇、拍手〕
○国務大臣(田中角榮君) 教科書無償の問題につきましては、先ほど総理大臣からお答えを申し上げましたし、それから三十八年度予算に一年生から三年生までしか盛らなかった諸般の事情についても、ただいま文部大臣からお答えをいたしたとおりでございます。できるだけ早い機会に教科書の無償を行ないたいという熱意を持っております。 それから小学校、中学校の学童が学校で使用する他の学用品その他も無償にしてはどらかというような問題が残っておると思いますが、これは父兄が負担をすることが原則だというふうに考えております。でありますが、貧困家庭等の問題については、政府は諸般の施策を行ならべきでありまして、御承知の就学奨励法に基づきまして、市町村がこれらの貧困家庭の子弟等に対しては、学用品等を支給するような必要な援助を行ない、年々これが拡大をはかっておるわけでございます。昭和三十八年度は、これらの学童対象を、全体の割合八%から一〇%に引き上げておりますし、また、単価の改善は、学童一人当たり年間小学校で千三百十二円のものを、千四百十二円に引き上げております。中学校におきましては、二千二百六十七円でありましたものを、今年度から三千四百九十四円に引き上げておりまして、三十七年度予算に比べまして五億七千二百万円という大幅な増額をはかっておるわけでございます。なお、低所得者の学童に対しましては、今後もできるだけ配慮を続けていきたいと思います。 副読本については、その性質にかんがみまして、無償の対象になるかということでございますが、これは私は、補助の対象にすることは、現在の段階においては適当ではないというふうに考えております。 学用品以外の準要保護対策経費につきましては、御承知のとおり、修学旅行費、それから通学費、寄宿舎居住費、給食費の補助等を含めますと、三十七年度二十六億九千万円でありましたものを、十一億七千八百万円ふやして、三十八億六千八百万円というふうに大幅に拡充をいたしておるわけでございます。どれだけでいいと考えておるわけでないのでございまして、お説のように、これからも義務教育の内容拡充のために、政府は格段の施策を行なって参るつもりでございます。(拍手)
○議長(重宗雄三君) これにて質疑の通告者の発言は全部終了いたしました。質疑は終了したものと認めます。 ————・————
○議長(重宗雄三君) 日程第三、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とオーストリア共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件、 日程第四、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国政府との間の条約の締結について承認を求めるの件、 日程第五、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とニュー・ジーランドとの間の条約の締結について承認を求めるの件、 (いずれも衆議院送付) 以上三件を一括して議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。外務委員会理事井上清一君。 〔井上清一君登壇、拍手〕
○井上清一君 ただいま議題となりました三件につきまして、外務委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。 三条約は、いずれも所得税及び法人税に関する二重課税の回避と脱税の防止を目的とするものでありまして、わが国が従来各国と締結しているものとほぼ同様の内容のものでありますが、特にOECD諸国が採用しているひな形をも参考としたものであります。 これらの条約は、いずれも大体同じ内容のものでありまして、二重課税回避及び脱税防止に関する一般規定のほか、配当、利子、特許使用料についての軽減税率の適用、教授、留学生、短期旅行者、航空機等に対する相手国租税の免除及び船舶に対する相手国租税の免除または軽減等を規定しております。 委員会におきましては、わが国の対外経済、技術交流の実情、特にわが国と工業先進国または低開発国との間の特許使用料受け払い状況、在日外国商社の活動状況等につき、熱心な質疑が行なわれましたが、詳細は会議録により御承知願いたいと存じます。 委員会は三月十二日採決の結果、三件とも多数をもって承認すべきものと決定いたしました。 以上御報告申し上げます。(拍手)
○議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。 三件全部を問題に供します。三件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって三件は承認することに決しました。 ————・————
○議長(重宗雄三君) 日程第六、プラント類輸出促進臨時措置法の一部を改正する法律案、 日程第七、中小企業信用保険公庫法の一部を改正する法律案、 (いずれも内閣提出、衆議院送付) 以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。商工委員長赤間文三君。 〔赤間文三君登壇、拍手〕
○赤間文三君 ただいま議題となりました二法案について、商工委員会における審査の経過並びに結果について御報告いたします。 まず、プラント類輸出促進臨時措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。 現在のプラント類輸出促進臨時措置法は、プラント類を輸出する者が、いわゆるコンサルティングの欠陥によって損失をこうむった場合、その損失の一部を政府が補償しようとする契約を締結できることといたしました。これによりまして、プラント類の輸出を促進しようとするものでございますが、今回これを改正いたしまして、第一に、契約できる範囲をまず拡大し、今まで違約金の支払い義務を含むものに限られていたのを、新たに、機械または装置の取りかえ等の保証条項を含む輸出契約についても補償契約ができることとし、第二に、法律の有効期間を昭和四十二年三月三十一日までと、さらに四年間延長しようとすることが、その内容となっておるのでございます。 委員会におきましては、現行法が施行をせられましてから今日までに、補償契約がわずか一件にすぎなかったその理由はどうか、及び今後の増加の見通し、機械及びプラント類の延べ払い対策、填補率の引き上げと補償料率の引き下げ等の問題について、熱心なる質疑応答が行なわれましたが、詳細は会議録によって御承知を願います。 かくて質疑を終局し、討論もなく、採決の結果、本法案は全会一致をもって可決すべきものと決定をいたしました。 ————————————— 次に、中小企業信用保険公庫法の一部を改正する法律案について申し上げます。 本法案は、中小企業信用保険公庫に対する政府出資を昭和三十八年度において三十億円増加しようとするものでございまして、これは従来の融資基金百十三億円に加えて、信用保証協会に対する貸付に充てられ、これにより信用補完事業は大きく拡大されるというのでございます。 委員会におきましては、保証協会に対する監督指導、協会役員の構成と協会運営の態度、保証料と貸付利子の関係等、各般にわたりまして熱心な質疑応答が行なわれたのでございまするが、詳細は会議録によって御承知を願います。 質疑を終わり、討論はなく、採決の結果、本法案も全会一致をもって可決すべきものであると決定をいたした次第でございます。 以上御報告を申し上げます。(拍手)
○議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。 両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって両案は可決せられました。 ————・————
○議長(重宗雄三君) 日程第八、北海道東北開発公庫法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員長佐野廣君。 〔佐野廣君登壇、拍手〕
○佐野廣君 ただいま議題となりました北海道東北開発公庫法の一部を改正する法律案につきまして、その内容、委員会における審査の経過及び結果について御報告いたします。 北海道及び東北地方における産業開発の進展に伴い、公庫に対する出資及び融資の要請は年々増大しておりますが、同公庫の貸出原資の大半を占めております債券の発行高が、昭和三十七年度末においてその限度額に達する見込みでありますので、この際、公庫の資本の充実をはかるとともに、債券発行限度額を引き上げるため、産業投資特別会計から十億円を出資し、公庫の資本金を三十五億円にしようとするものであります。 委員会におきましては、公庫の運営及び業務の状況、公庫の出資及び融資によるこれらの地方の開発の進捗状況、第二次北海道総合開発計画の構想、北海道及び東北地方への資金の配分等につきまして、熱心なる質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。 かくて質疑を終わり、討論採決の結果、全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。 以上御報告申し上げます。(拍手)
○議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。 ————・————
○議長(重宗雄三君) 日程第九、医療金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。まず、委員長の報告を求めます。社会労働委員長加瀬完君。 〔加瀬完君登壇、拍手〕
○加瀬完君 ただいま議題となりました医療金融公庫法の一部を改正する法律案について、社会労働委員会における審議の経過並びに結果を報告いたします。 本法律案は、医療金融公庫の業務の伸展に対応いたしまして、その資金量を増加するとともに、貸付条件を改善するため、一般会計からさらに二十六億円を出資し、現在五十五億円である公庫の資本金を八十一億円に改めんとするものであります。 委員会においては、厚生大臣及び政府委員に対し熱心な質疑が行なわれ、特に貸付条件の改善については、病院、診療所における老朽化の改築、違反建築の改善等に対する貸付利率八分を六分五厘に改め、医療器械についても、診療機能の向上に資するものであれば、現行の利率九分を八分に引き下げ、また、公庫の貸付原資として百十億円を予定しているが、年度内契約においては百二十億円まで貸付契約ができる等が明らかにされました。 質疑を終わり、討論採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。 以上報告いたします。(拍手)
○議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(重宗雄三君) 総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって可決せられました。 ————・————
○議長(重宗雄三君) 日程第十、道路運送車両法の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。運輸委員長金丸冨夫君。 〔金丸冨夫君登壇、拍手〕
○金丸冨夫君 ただいま議題となりました道路運送車両法の一部を改正する法律案について、運輸委員会における審議の経過及び結果について御報告いたします。 現行法は、自動車に関する基本法として、自動車の登録、検査及び整備並びに整備事業等について規定しているのでありますが、御承知のように、最近における自動車台数の増加はまことに著しいものがあり、昭和三十七年十二月末の数字によりますと、本法の対象となる自動車台数だけでも五百二十万台に達しているのでございます。しかも、その性能、種類も変化し、速度も高速化している状況でありますので、これに対応して、一面、車両の保安確保の見地から、また他面、登録検査制度の合理化及び簡素化をはかるために、今回の改正法案が提案されたのであります。 本改正法案の主要な点について申し上げますと、第一点は、自動車の使用者に対し定期点検及び整備の義務を課したことであります。 第二点は、軽自動車を臨時検査の対象とし、また、三輪以上の軽自動車の分解整備事業を認証制の対象に加えたことであります。 第三点は、現在軽自動車に含まれている農耕作業用軽自動車及び特殊作業用軽自動車を、新たに小型特殊自動車として一種別を設け、陸運局長への使用の届出を要しないこととしたことであります。 以上が主要な改正点でありますが、さらに、整備管理者の選任義務の加重、自動車登録番号標交付代行者に対する監督の強化等の措置がとられることになります。 委員会の審議におきましては、自動車台数の激増に対応する検査登録関係要員の確保及び施設の整備についての対策、車両保安の確保と関連しての都市交通対策、その他当面の自動車行政全般について熱心な質疑が行なわれましたが、詳細は会議録により御承知を願いたいと存じます。 かくて質疑を終了し、討論に入りましたところ、別に発言もなく、採決の結果、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 以上御報告を申し上げます。(拍手)
○議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。 次会の議事日程は、決定次第、公報をもって御通知いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十分散会