本会議 第11号
- 発言数
- 66 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1963/02/27
会議録
○議長(重宗雄三君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。 —————・—————
○議長(重宗雄三君) これより本日の会議を開きます。 この際、お諮りいたします。大倉精一君から二十二日間、村上義一君から十九日間、いずれも病気のため、請暇の申し出がございました。いずれも許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。よって、いずれも許可することに決しました。 —————・—————
○議長(重宗雄三君) 日程第一、土地調整委員会委員長及び岡委員会委員の任命に関する件を議題といたします。 内閣から、土地調整委員会設置法第七条第一項の規定により、黒河内透君を土地調整委員会委員長に、谷口寛君を同委員会委員に任命することについて、本院の同点を求めて参りました。 本件に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(重宗雄三君) 総員起立と認めます。よって本件は全会一致をもって同意することに決しました。 —————・—————
○議長(重宗雄三君) 日程第二、海運業の再建整備に関する臨時措置法案及び外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法及び日本開発銀行に関する外航船舶建造融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案(趣旨説明)、 両案について、国会法第五十六条の二の規定により、提出者からその趣旨説明を求めます。綾部運輸大臣。 〔国務大臣綾部健太郎君登壇、拍 手〕
○国務大臣(綾部健太郎君) 海運業の再建整備に関する臨時措置法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 海運業は、基幹産業として、わが国経済の発展にとってきわめて重要な役割をになうものでありますが、諸般の事情により多額の借入金及び償却不足を有し、その企業内容は極度に悪化しており、また、海運企業間には過当競争の傾向が見られ、現状のままでは、発展途上にある国民経済の要請に応じて外航船舶の増強をはかることは、きわめて困難な事情にあります。したがって、この際、政府としては、海運業が将来にわたり国民経済におけるその使命を遂行し得るよう、その再建整備をはかることがぜひとも必要でありますので、これが対策につきまして、昨年の海運造船合理化審議会、その他各界の意見を参酌いたしまして、この法案を提出いたした次第であります。 この法案の内容は、海運企業が一定の集約を行ない、五カ年以内に減価償却の不足を解消することが確実と認められ、かつ、市中金融機関の協力が得られるものに対し、日本開発銀行の利子を、五カ年間猶予することを骨子とするものでありまして、海運業界に対しては、徹底した合理化努力を要請するものであり、政府、金融機関、海運企業が三者一体となって、海運業の再建整備を促進することを考えているものであります。 以上が、この法案の趣旨でございます。 次に、外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法及び日本開発銀行に関する外航船軸建造融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 わが国の経済及び貿易の拡大に即応して、今後とも外航船舶の増強をはかることが必要でありますが、海運企業の現状から、船舶の建造資金の大部分は日本開発銀行及び市中金融機関からの融資によらざるを得ないのであります。しかるにこれらの借入金の利率は、国際的に見て割高でありまして、わが国海運が国際競争力に劣る大きな要因となっているのであります。 このような事情にかんがみ、この際政府といたしましては、海運造船合理化審議会その他各界の意見を参酌して、新船建造のための借入金に対する海運企業の利子負担を、日本開発銀行からの融資については年四分、市中金融機関からの融資については年六分となるように利子補給率を引き上げるとともに、利子補給期間を日本開発銀行については十年、市中金融機関については七年に延長することにいたしております。 以上がこの法律案の趣旨でございます。(拍手)
○議長(重宗雄三君) ただいまの趣旨税明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。中村順造君。 〔中村順造君登壇、拍手〕
○中村順造君 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま趣旨説明のありました海運関係二法案に関しまして、総理並びに関係大臣に質問をいたすものであります。 本案は、ただいまの趣旨説明によりますと、海運業を基幹産業と認め、極度に悪化した企業内容と企業間の過当競争を是正し、企業再建のため、条件として海運企業に一定の集約併合を行なわしめ、五カ年間日本開発銀行の利子を猶予するものであり、さらにまた、外航船舶の建造に要する借入金の利率を引き下げ、利子補給期間を延長することを内容としたものであります。 今日、わが国海運業は、戦後計画造船を中心とした船腹増強によりまして、戦前保有量をこえる七百九十五万総トンを有する世界第五位の海運国に復活するに至りました。しかし、船腹増強即海運企業の発展を意味するものではなく、問題は、むしろ敗戦後、連合国の占領政策によって、日本海運企業が五千億円に上る喪失船舶の補償を打ち切られた上に、脆弱な経営基盤に立ち、造船疑獄まで引き起こしながら無理に船腹増強を行ない、背伸びした海運政策がとられたことであります。さらに加えて、国際的な海運動向の変化、新興国、特に東南アジア諸国の自国船主義の強化、便宜置籍船及び専用船の増加、アメリカのドル防衛によるシップ・アメリカン政策の強行などにより、日本海運企業は依然として弱体のまま低迷を続けておる現状でありますが、その実体は、池田総理の言われる高度経済成長の年、昭和三十六年度において、外航船舶の運賃収支は四億五千六百万ドルという空前の支払い超過を来たし、また昭和三十六年度末の資本構成におきましては、総資本五千一百六十九億円のうち、他人資本四千八十三億円で、償却不足累計八百二十九億円、約定延滞額八百三十億円という劣悪な条件下にあるのが日本海運企業の現状であります。 こうした日本海運企業の現状を前提にいたしまして、まず池田総理にお尋ねをいたしますが、日本の海運企業が、劣悪な資本構成と高金利の条件下で、経営規模と運営の適正化をはかる意図で、利子の猶予と金融機関中心主義の企業集約を行ない、日本海運企業の再建をはかろうとしておりますが、むしろ問題は、こうした単なる国内対策より、海運を根本的にささえる貿易構造の基本的欠陥を改めなければならないのであります。特に、海運と密接な関係にある日本の貿易が、外交的に最も弱い立場にある対アメリカ貿易に依存することがきわめて高いところに、わが国海運不況の原因があるのでありまして、しかも常に輸入制限に脅かされるような一方的貿易構造を転換して、バランスのとれた貿易構造とするため、ココム制限を撤廃し、ソ連、中共等、対共産圏貿易及びアジア・アフリカ圏貿易の積極的な発展をはかるお考えがあるかどうか、御所見を承りたいと存じます。 さらにまた、昨年七月、政府機関である運輸省が出した海運白書には、「日本海運を外から妨げようとする要因は、昭和三十六年を通じて漸次その性格をはっきりと現わしてきた。その一つは、伝統的な海運企業活動の自由に対する米国政府の干渉であり、他の一つは極端な自国貨自国船主義の台頭である」、このように指摘をしておりますが、このことは、特に北米航路等におけるアメリカ船の圧迫、日本船の積み取り比率が昭和三十四年四九%、昭和三十五年五五%、昭和三十六年三九%と低下をしたことは、バイ・アメリカン、シップ・アメリカン政策から発したものでありまして、海運における平等互恵の原則や海洋自由の原則を侵害しているボナー法の改正にも関係のあることを、盟外船の跳梁とともに強く指摘をしております。しかもその対策の急を告げており、欧州におきましては十カ国の運輸担当閣僚は、昭和三十七年三月と五月の二回にわたりましてロンドンに会合して、米国政府の措置に対する欧州海運国としての対策を協議していることも報告しております。この際、政府は、末端の政府機関が指摘するまでもなく、日本海運を積極的に再建するため、対米従属的な外交を捨てて、自主独立の積極的な外交を推進すると同時に、最近、綿製品規制等に見られるような強引なアメリカの一方的政策を改める意味からも、是は是、非は非として、経済外交をあらゆる面で強化するお考えがあるかどうか。本日は外務大臣が欠席しておりますので、あえて政府の方針について総理の御所見を承りたいと存じます。 次に大蔵大臣にお尋ねいたしますが、本案の集約併合が、金融機関中心に進められ、大体六つのオペレーター中心に集約化される傾向にありますが、この場合、オペレーターと、オーナーの関係、弱小オーナーの救済等の深刻な問題をいかに処理するのか。さらにまた、金融機関中心の集約化は、他人資本に依存する海運業界の現状から、本案は、海運企業の再建というより、むしろ債権の保全と金融系列産業の拡大にまで発展をし、過当競争排除の目的による集約化は、逆に六つの熾烈な競争に発展するといった、全く目的に反した結果を招来することが考えられますが、金融系列産業との関連による海運企業集約化について、その御見解を承りたいと存じます。 続いて通産大臣にお尋ねをいたしますが、先ほど海運白書について申し上げましたように、日本海運企業発展を阻害する二つの要因の一つである自国貨自国船主義についてであります。今や諸外国は、程度に大小の差はありますが、国際収支の改善、自国の貿易保護、新興諸国のナショナリズム、特にアメリカのドル防衛等の理由から、政府みずからの自国貨自国船積みを強制する傾向は、海運業界の多年にわたる公正にして自由な民間企業活動に対し政府の強権的介入であり、その一例は、昭和三十六年十月、富士製鉄、日産自動車の輸出入銀行借款物資について、輸出入銀行は、その船積み運賃のうち、米船によって輸送するものについてのみ融資を行なう方針を出しました。その後におきましても、このほか東京電力、プリンス自動車、関西電力、第十二次綿花借款等、いずれも米国は、あらゆる手段を尽くして自国船優先を促進しようとしており、このようなことは、本来自由であるはずの国際海運活動を政治権力の介入によって阻害するものであります。また、このような現実に直面しながら、なおかつ、日本は、その上、便宜置籍船や専用船の大最出現により、自由な海運市場はますます圧迫され、わが国海運企業は根底からその地位をゆすぶられつつある現状であります。自国貨自国船主義並びに便宜置籍船及び専用船について、日本は早急にその対策を講ずる必要があると考えられますが、日本にその用意があるかどうか。通産大臣のお答えを願います。 最後に、若干の問題点について、具体的に運輸大臣にお尋ねをいたします。わが国海運企業の現状は、単なる利子のたな上げや企業の集約合併のみで解決するような、なまやさしい性質のものではありません。すでに私は、総理、大蔵、通産の各大臣にお尋ねをいたしましたように、内に貿易構造の転換、外に強力な自主独立的な経済外交を推進すると同時に、日本海運企業特有の船質の改善、適正な造船計画、さらには、海運同盟、運賃同盟の抜本的な対策の樹立、また、海運市況安定のための運航調整と、航路別、企業別の調整、あるいは計画造船の結果生じたオペレーターとオーナーとの関係における系列排除の問題、内航船と外航船との関係、港湾対策、海運労働者の雇用対策など、運輸大臣の所管にかかわる問題で早急に解決を迫られておるものは山積をしております。これらの問題は、いずれあらためて委員会において審議するといたしましても、大臣は、去る十九日、衆議院における本案質疑の際、わが党の久保三郎君ほかの質問に答えられまして、海運企業の集約化、盟外船の問題、またシップ・アメリカン、バイ・アメリカン政策に対する努力を含めて、きわめて楽観的な答弁をされ、特に、アメリカにおける海洋自由の原則侵犯の思想が緩和され、順次好転しつつあると言われました。その表現においても、「外交交渉は、すぐ、できものの皮をはぐようなわけにはいきません」と、全くわけのわからない前提はあるにいたしましても、幾分の効果をあげたとまで言明されておりますが、一体いかなる効果をこの面においてあげられましたのか、具体的にお示しを願いたいと存じます。 さらにまた、わが国海運の発展を阻害する運賃同盟に対する干渉、自国貨自国船主義の排除は、単なる形式的外交交渉では、わが国海運の権益を守ることは不可能であります。政府はこの際、よろしく防衛的対策として海上運送法を改正すべしとの意見に対し、政府もまた、このことの必要性を認めながら、経済協力機構加盟問題の経緯などから、これを見合わせた事実に対しまして、大臣は、それはやはり、「それを出すことによっていろいろな各国の反感その他がありますので」、という、これまた答弁をされておるのであります。対米海運問題一つをとりましても、シップ・アメリカンに見るボナー法、バイ・アメリカンに見るウェーバー条項などのある現在、日本海運企業再建という重大責任のある主管大臣たる運輸大臣のこの卑屈なものの考え方が、外に軟弱外交、屈辱外交となり、わが国海運企業再建はまさに百年河清を待つのたとえのとおりで、この際は、断固として厳然たる自主独立の態度を堅持し、改めるべきは改め、もって海洋自由の原則に立つわが国海運の権益を守るべきだと思いますが、この際、運輸大臣の明確な御答弁を願います。 以上、本案をめぐる基本的問題点につきまして若干の質問をいたしましたが、結論的に、本案は、わが国海運企業再建整備にはまことにほど遠く、むしろ五年後さらに起こるであろう混乱を予想し、最後に、本案の強行によりまして、海運資本家は初年度百十八億円の利子たな上げ資金を獲得し得ることになりますので、きわめて現実離れのした集約合併を促進するでありましょうが、結果的に、海運関係労働者、特に陸上勤務者に大きな犠牲をしいることは、火を見るよりも明らかであります。これに対する対策は何ら本案に明示されていないのでありまして、きわめて冷酷非情、片手落ちの法案であることを指摘いたしまして、との点を含めて、あらためて委員会等で具体的に審議をすることといたしまして、私の質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣池田勇人君登壇、拍手〕
○国務大臣(池田勇人君) お答えいたします。 日本の海運業の不振の原因はいろいろございますが、そのおもなるものは、資本構成の劣悪、経営規模の不適正、また、高金利等が、その不振の重大なる原因と思うのであります。したがいまして、今回は、これらの点につきまして抜本的な措置を講じようとしておるのであります。 また御質問に、貿易構造の点、また輸出入の日本船使用の比率等につきましてお話がございましたが、貿易構造は、米国に対しましては、大体従来よりも少し減って、二八%程度になっております。しこうして東南、西アジアに対しましては三四、五%で、よほどアメリカよりもふえて参っております。ヨーロッパにつきましても一七%、そうしてお話の共産圏との貿易も漸次拡大してきておるのでございます。私は、貿易構造につきまして、お話のような御心配はなくて、だんだん改善せられつつあることをお答え申し上げるのであります。 なお、日本船使用の比率が三十六年度に四〇%を切ったということは、三十六年度のあの過剰な輸入、特殊的な原因でございまして、今後は、少なくとも日本船を五割、行く行くは六割くらい使うように、船舶の増強をはかっていきたいと考えておるのであります。 なお、シップ・アメリカンにつきましての御質問でございまするが、これは海洋自由、平等互恵の原則に反しますので、われわれは、機会あるごとにアメリカに反省を促しております。したがいまして、アメリカの国内におきましては、シップ・アメリカンの世論が非常に強いのでありますが、だんだんわれわれの考え方に沿ってきつつあることを、ことに申し上げたいと思います。(拍手) 〔国務大臣田中角榮君登壇、拍手〕
○国務大臣(田中角榮君) お答えいたします。 私に対する御質問は、第一点は、海運業界は金融機関の系列を軸にして再編成が行なわれております結果、少数の大企業間の競争が、より激化をしないかというのが一点であり、第二は、系列外の弱小オーナーに対する助成はどうかという点でございます。 第一点に対してまず申し上げますと、御承知のとおり、政府は沈滞をいたしております日本の海運業界の拡大強化をねらっておるのでございまして、国際競争につきましても、大規模に集約をせられることによって国際競争力が培養せられることはもちろん、過当競争の弊を除去したいというねらいもあるわけでございます。現在非常に業者数が多いということによって、国内においても、また外航においても、過当競争の弊が現われておりますので、今度の集約再編成によりまして、それらの弊害を除くことも、おもな目的といたしておるのでございますから、これが再編の結果、系列化によって、より過当競争が激化をせられるということはないと判断をいたしておりますし、また、ないように十分配慮をしなければならないというふうに考えております。金融系列から一方的な再編が行なわれておるというような御指摘でございましたが、これらの問題に対しては、業界、金融機関にも、十分慎重な配慮を願っておるところでありまして、業界の自主的な話し合いを進めるということを主にしておるわけでございます。これが集約化達成の暁には、国際競争力がつくことはもちろん、秩序ある発展が期待できると考えておるわけでございます。 第二点の弱小オーナーの問題でございますが、銀行系列とは関係なしに、御承知のとおり、長期固定的な傭船関係を結ぶ等によりまして、集約グループに参加することができるわけでございまして、銀行系列外であるからといいまして、助成の対象にしないというようなことではないわけでございます。今般、政府が海運企業の再編に対して抜本的な施策を行なって参りますのも、ただいまの御質問のような点を解決するために行なうことであることを、申し添えておきたいと存じます。(拍手) 〔国務大臣福田一君登壇、拍手〕
○国務大臣(福田一君) お答えをいたします。 自国貨自国船主義の問題につきましては、総理から御答弁がございましたので、そのとおり私も考えておる次第でございます。便宜置籍船の問題につきましては、日本海運に、よくこれに抗し得るような、何か措置を考えてやらなければなりません。力をつけなければなりません。そういう意味において努力をいたしておりましたし、今後もまた努力をいたさねばならないと考えております。 なお、この際申し上げますことは、国内の業界のいわゆる専用船の問題であります。それは、一つは鉄鉱石、油、石炭等がございますが、鉄鉱石の場合におきましては、これはすべてこの海運関係の会社が、その船を持ってこれを処理するようにいたしておりますので、さしたる弊害は出ておりません。タンカーの問題につきましても、まだそれほど影響はございませんが、これは今後ふえる余地がありますので、これは十分われわれとして注意をして処置をして参りたいと思います。石炭の問題について、専用船の問題がありますが、これは従来それを取り扱ったものにやらしておるというような実情がございまして、さほど海運に影響を与えるとは考えておらないわけでございます。(拍手) 〔国務大臣綾部健太郎君登壇、 拍手〕
○国務大臣(綾部健太郎君) お答え申します。 海運界の現状は、中村議員の御指摘のとおりに私ども考えております。去る衆議院での質問に対して、私が楽観的な答弁をしたと言いますが、私は楽観も悲観もいたしません。むしろ非常に心配しておるのであります。そとで、海運自由の原則に修正を加える海上運送法の改正を行なうことは、いろいろな意味におきまして、たとえば東南アジア諸国等の自国船優先主義、それを激化する、また西欧諸国を刺激しては、わが国に対する差別待遇をますますひどくせしむるようなおそれがあるので、終局的には、わが国の海運及び国際貿易の上にマイナスの効果のほうが多いと考えますので、政府といたしましては、本法の改正については慎重なる態度をもって臨みたいと考えております。 また、この海運合理化が進むというのに、海上労務者並びに陸上労務者に対する考え方が述べられていないと申されましたが、海上労務者につきましては、この強化された海運計画のために計画造船が漸次進んでいきますからして、この労務者に対しましては、さしたる問題は起こらないと私は考えております。陸上労務者につきましては、その配置転換その他によりまして、もし余剰の人員ができるならば、海運についての基本問題の調査、その他調査機関にその優秀なる陸上労務者を転用いたしたりしまして、この労務者に対する対策については万遺憾なきを期したいと考えております。(拍手) —————————————
○議長(重宗雄三君) 加賀山之雄君。 〔加賀山之雄君登壇、拍手〕
○加賀山之雄君 私は、第二院クラブを代表いたしまして、政府からただいま趣旨説明のありました「海運業の再建整備に関する臨時措置法案」及び「外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法及び日本開発銀行に関する外航船舶建造融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案」に関しまして、総理大臣並びに関係大臣に若干の質問を行ない、その御所信をお伺いいたしたいと存じます。 海運は、わが国の経済にとって最も重要な基幹産業でありまして、その消長はわが経済の隆替に重大な影響を及ぼすものであることは申すまでもございません。四面環海、国が必要といたしまする原材料や生活必需物資の輸入も、また、わが国において生産される製品の輸出も、そのほとんどすべてが海運によらねばならぬのでございまして、他にこれにかわる手段はあり得ない今日、もし日本に海運がなかったら、あるいはそれがはなはだ微力であったなら、はたしてどういうことになるだろうか。特に、貿易の自由化、そうして、より一そう熾烈化が予想されますところの国際貿易競争を思いますときに、われわれは、この問題に思い至らざるを得ないのでございます。その日本海運、それは、かつては六百余万総トンの商船隊を擁しまして、世界第三の勢力を誇ったのでありましたが、今や船腹の量だけは戦前をしのぐところまで、ようやくこぎつけたとは言いながら、すでに長い期間にわたりましていまだかつて見ない悲境に落ち込んでいるのでございます。現在不況にあえぐ産業と申しますれば、まず石炭、それから硫安工業等があげられまして、その他二、三にとどまらないと思うのでございますが、政府におかれましては、これら産業に対しまして、引き続きそれぞれに対応する方策を立て、鋭意努力を重ねられていることは、周知のことであり、われわれ国民といたしましては、ひとしく一日も早く実効のあげられることを願っているところでございます。 ところで、わが海運事業もひとしく不況産業の名のもとに論議されて参ったものでございますが、私はこの問題も、同じような理念あるいは次元において論ずべきものではない。それ以上の重要性、あるいは絶対性をもって配慮し、対処されなければならぬ問題である、かように考えるものでございます。それは、先ほど私が述べましたわが国の置かれました地理的、経済的立場に基づくものであります。池田内閣総理大臣は、この海運というものに対して、はたしていかなる観念をお持ちであるか、基本的なお考え方を、この際、まず承りたいと存じます。 今回の法律案の提出は、その重要性にかんがみまして、腐心してこられたいわば結論ともいうべきもの、個々の企業の救済ではなくて、全体としての日本海運を取り上げて、これを再建するきめ手として用意されたものと思うのでありまして、そこには、今までの観念からいたしますと、相当思い切った点もあるのでありますが、それだけに、実施にあたり、その実効を確保するためには容易ならぬ困難も予測されるのでございまして、企業者が最善を尽くすべきはもちろん、政府はこれに対し、弾力性とあたたかい気持をもって、援助を、そうして他の産業、金融各方面、国をあげての協力を必要とするのであります。 そこで、私は、総理大臣並びに運輸大臣に対し、まず海運政策に関する御所見を伺いたい。戦後、新興国家群の誕生を初めといたしまして、欧州においてはEECの進展等、世界の産業、経済ないし貿易構造は刻々と変貌して参ってきております。世界の海運事情もこれに伴って変化を来たしつつあり、また、それぞれの国家における海運政策も、これに応じて変転していくはずでございます。その中にあって、一体わが国の海運はどこにいくのか。海運に関しては、昭和三十五年十二月閣議決定による国民所得倍増計画第二章に、十年後の外航船腹の所要量千三百三十五万総トンと想定、これに要する計画期間中の建造量は、劣悪船の解体量百二十六万総トンと見込みまして、九百七十万総トン程度と計算されております。そうして、それ以外にはどこにも別に長期的あるいは総合的な海運政策は見当たらないのであります。邦貨積み取り率から逆算したのではないかと思われるこれらの数字は、なるほど算術的には正しいかもしれませんが、はたして世界経済の動き、あるいはわが国の経済の伸び、あるいは世界の船腹量、特に主要海運国の動向など、複雑な要素を厳密に想定した上での計画であると申せましょうか。しかも、今日の実情は、この数字的計画すら年々そのとおりには行っておらないのであります。いうならば、計画造船とは名のみで、単に財政計画の一端にすぎない、肝心の運輸省の海運政策というものがどこにも見当たらない、さような気持がするわけであります。運輸大臣は、この先、日本海運をどこへ、どのように持っていかれるお考えでございますか。海運政策の一端をお聞かせ願いたいと存じます。あわせて、総理大臣からも、この点に関し、御答弁がいただければ仕合わせであります。 次に、わが国の海運事業が今日の悲境に陥りました最大の原因は、何と申しましても、戦時中の壊滅的打撃と、戦後の再建にあたって完全に国家補償から見離されたことであります。すなわち、昭和十六年末には船腹六百万総トン、それに戦争中三百万総トン以上の船舶が新造されましたが、これらの大部分は海のもくずと化し、終戦時に残ったものはわずかに百三十万総トンの貧弱船という哀れな状態でありました。急遽、商船隊再建に乗り出した海運界も、船腹拡充のための資金はもっぱら外部からの借入金に依存するほかに、すべがなく、しかも、その金利は国際水準からは遠く割高であるという悪条件が重なり、減価償却も思うにまかせず、債務は次第に累積して今日の不況に直面するに至ったのであります。これに反し、戦後世界の海運国といわれる国は、アメリカ、イギリス、イタリア、フランス、オランダ、スエーデン等を初めとして、なべて海運の戦時補償を実施して、その再建に力を注ぐほか、建造の補助、税制、財政上あらゆる優遇措置を講じ、アメリカ等においてすら運航補助までを実施しているのが現状であります。これに対しわが国の海運に対する政府の助成は、きわめて微温的であり、戦前における助成策にも及ばない。たとえば、戦前海運に対する各種助成が、一般会計歳出予算の〇・七%から一・二%を占めておった時代があり、また、日本興業銀行の船舶建造融資の利子が昭和十二年度以降は三分七厘という低利であったことなどから考えてみましても、歴然たるものがございます。大蔵大臣は、これらの事情をよく勘案されて決断を下されたと思うのでありますが、今回の措置をもって、五年後、七年後、十年後、あるいは二十年後にこの法案の所期の目的が達せられ、必ず日本海運の再建が成就し、海運の基盤が確立するという確信がおありであるかどうか。大蔵、運輸両大臣の所信を伺いたいと思います。 次に、日本海運再建の前途に横たわる他の大きな障害とその除去方策についてであります。その第一は、同僚中村議員も述べられましたが、アメリカのドル防衛措置から依然として強力に推し進められているシップ・アメリカンの問題であります。わが国の輸出入貿易の三〇%は、総理の言によれば、ただいまは二八%ということでございますが、対米関係に依存しておりますため、わが海運業にとりまして、との問題は特に重大な関係を持つことは当然であります。第二には、東南アジア諸国等における海運政策の動きであります。これらの国々は一様に自国貨自国船政策を強調して参っており、これまた無視し得ない趨勢にあります。さらには、日本−北米間の定期航路において盟外船の跳梁が最近において特に顕著となり、昭和三十五年度同盟船に対する盟外船の積高比率五%程度のものが、三十六年の下半期には急激に三〇%となり、その隻数、航海数、積み高等飛躍的な上昇を続けている現状でございます。アメリカにおけるアンチトラストの理念が牢固たるものがあることは承知いたしておりますが、かくも海運市場が乱されては、せっかくのわが国海運の再建に一大支障を生ずるのみでなく、ひいてはわが国の輸出貿易にも影響するところがあるのではないかと考え、憂慮にたえないところであります。政府はすみやかに、国内的には海上運送法の改正と立法措置をとり、あるいは国際的には、日米経済貿易懇談会の機会を利用する等、あらゆる機会に交渉をもって、適切な自衛措置を講ずるべきでありますが、運輸大臣はこの問題について先ほど消極的な御見解がございましたが、さらにこの点についてお考えを伺いたい。また、運輸大臣がこの経済貿易懇談会には御出席になったことは一度もないようでございますが、一体この問題について外務大臣等とどんな協議をしておられるか、承りたいと思います。 政府関係の物資やわが国からの賠償、経済援助物資すら思うにまかせぬとあっては、海洋自由の原則は正統理論であることは認めますが、どん底にある、今窮迫のどん底にあるわが国海運を前にして、漫然旧套を墨守することは、時勢に合致しないばかりでなく、いたずらに孤高を守るのみという感が深いのでありますが、この点について運輸大臣の御所見と対策をお示し願いたいと思うのであります。 最後に、法案には直接表われないところでありますが、本法律による措置が造船業界にはいかなる影響を及ぼすものであるかどうかという点でありますが、わが国の造船界は、戦前よりの優れた技術と経験を基として、輸出産業としてもわが国の経済に大きい貢献をして参っておることは周知の事実であります。その造船界は、英仏独等造船業界不況のあおりを受けて、今や相当受け身の立場にあり、国内的には、第十八次計画造船のおくれ、それに引き続く第十九次計画造船の見通し難、自己資金船建造の減少等、その造船能力の大半を遊休の状態に置いている実情であります、一方、世界海運の趨勢は、次第に大型化、専用船化の傾向を強くして参っており、わが国造船業界はこれに即応して参らなければならぬと思うのであります。そこで、今度の措置によって、造船界全般、及び個々の企業としてはいかなる影響を受け、これにいかに対応すべきであるか、通産大臣にお考えがあればお聞かせ願いたい。また、海運と造船との相関関係において、由来好況時には注文が輻湊し、景気調整期等においては船台が遊ぶということになり、その結果は船価が割高となることは、従来の例に見られるところでありますが、計画造船を単に財政計画なり均分計画としないで、今日のような時期にその計画をふくらまし、あるいは戦標船、老朽船等の代替建造、あるいは高船価船等のいわゆる不経済船の改装等を集中的に行なうことは、財政資金の効率的運用ともなり、関連産業等をも含めて景気調整の機能を果たすことともなると思うのでありますが、運輸、通産、大蔵各大臣の御所見を承りたいと思います。 要するに、今回画期的な法律案並びに予算案を、この問題解決のための最後的手段として用意されたことに対して、私は満腔の賛意を表するものでありますが、整備計画の策定、海運企業整備計画審議会の審査、運輸、大蔵両省の協議等による同案の確定、合併、そして合併後の実際の運営、数えきたると、きわめて短期間に実効をあげることはきわめて困難が伴うものと予想されるのでありまして、審議会の構成とその任務等もきわめて重要な意義を有するものと考えられます。もちろん、個々の企業においては必死の立場で最善の努力が傾注されるのでありましょうが、それらの努力を無にしないためにも、日本海運を真にあるべき姿にするためにも、政府、特にその衝に当たる運輸大臣は、固い信念のもとに、強い気魄をもってこの大事業に当たられることを切に望みまして、質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣池田勇人君登壇、拍手〕
○国務大臣(池田勇人君) 日本海運に対する基本的考え方につきましての御質問でございますが、日本経済が日本の海運にたよっておることは、戦前戦後を問わず、同様でございます。ことに戦前におきましては、貿易収支の赤字をこの海運収入で補てんしておったことは、周知の事実でございます。しかるところ、戦後におきましては、逆に、貿易収支を助けるというのでなくて、もう海運収入が非常に減って赤字であることは、われわれも常に心配をしておるところであります。したがいまして、今回の措置によって海運企業を適正化する、こういうねらいで御審議を願っておるのであります。今後わが国の所得倍増計画によりまして、昭和四十五年におきましては、輸出入とも百億ドルをこえる計画であるのであります。したがいまして、一応千三百万トンという計画をしておるのでございますが、この千三百万トンは数字だけでございまして、船の質あるいは型等々、改善すべき点が多々あると思います。私は、こういう点に心を配りまして、りっぱな経営規模の、強化した海運業を打ち立てたい、こういう考えであるのであります。ことに、ただいまは造船業に対しての御質問がございましたが、お話しのとおり、造船業は今、量においても、また技術におきましても、世界第一でございます。私は、この造船業が、単に大企業というだけでなしに、中小企業にも非常につながりの多い産業でございますので、今後海運会社の増強と相待って、造船業にも非常にいい影響があると思うのであります。今まで、日本の造船業が造船輸出に非常に力を入れておりました。これはどちらかといえば、日本の海運業、海運会社が弱体であるために、造船が思うにまかせなかったのであります。私は、海運会社の増強によりまして、日本船舶の造船も非常にふえてくるよう努力いたしたいと考え、造船業と海運業を、昔の日本以上のものに返したいという基本方針で進んで参りたいと思います。(拍手) 〔国務大臣綾部健太郎君登壇、 拍手〕
○国務大臣(綾部健太郎君) お答えいたします。米国に対するシップ・アメリカンの交渉が非常に消極的じゃないかという御質問でございますが、私は機会あるごとに、そのことを強く外務省を通じて要求いたしておるのでございます。たとえば、昨年の日米経済会議におきまして、また、ことしの経済会議におきましても、私は出席いたしませんが、外務大臣その他を通じて、強力に要請しております。また、昨年末だったと思いますが、ホッジス商務長官が来たときにも、私は直接そのことを申し出ておるのであります。私は外交上の効果というものは、なかなか一朝一夕ではいかぬと思いますが、漸次好転したように私は思っておるのでございます。と申しますのは、今までのように強い反対が、若干緩和せられたやに感じておりまして、なお執拗にアメリカに対しては要求する所存でございます。 それから、今回の海運の再建措置によりまして、経営の基盤が非常に強化されますので、この意味においては、国際競争力も著しく強化されることを私は期待しております。また、この集約された各グループの間では、従来より以上に盟外船に対抗するための協調体制を確立するよう、強力に指導いたして参りたいと思っております。 次に、造船業に関連してどういうことかということにつきましては、ただいま総理がお話になったとおりであります。(拍手) 〔国務大臣田中角榮君登壇、拍手〕
○国務大臣(田中角榮君) 加賀山さんにお答えいたします。海運に対する基本的な考え方につきましては、総理大臣から詳しく申し述べられておりますから、大蔵省の考え方だけを申しますと、海運が戦後非常に困ったというのは、御承知のとおり戦時の損害が一番大きなところでございます。特に、戦前戦後を問わず、海運業に対しては、私企業という考え方だけではなく、政府が大きく助成等を行なっております。どうして海運だけ私企業としての観点でなくこれらの助成措置が行なわれておるかということは、私が申し上げるまでもなく、国際収支上の理由でございます。現在、国際収支が非常によくなっておりますイタリア等においては、貿易上の収入を増大するということはもちろんでございますが、観光及び海運収入というものに非常に重点を置いておりますために、国際収支が非常に好転をしておるということも事実でございます。これらに対しては、わが国における戦後の海運業に対してはいろいろ論のあるところでございますが、何分にも財政上の問題その他で今日に至ったわけでございます。しかし、いよいよ自由化を前にして、現在、昭和三十七年度でおおむね二億二、三千万ドル貿易外収支の赤字が計上せられるわけでございますが、海運収入は、三億ドルとなり、やがて八億ドルとなり、十億ドルとなるわけでございますから、これが日本の国際収支上にどのように重点的に考えられなければならないかということは、もう私が申し上げるまでもないのでございます。そういう意味において、今度の海運の再建に対する措置は、抜本的な措置を政府としては行なったものでございます。戦前におきましては興銀の利子が三分七厘であったものが、今日の改正の措置によりましても、開銀が四分であり、市中が六分である、戦前に比べてなおまだ手厚い保護というには差があるじゃないかというようなお考えの御発言でございますが、現行制度におきましても、開銀で一・五%、市中で一・九九%の利子補給を行なっておるわけでございます。しかし、いろいろ申し上げたような理由にも基づきまして、国際競争力の強化というだけではなく、国際収支上の理由も十分勘案をしまして、これに一%程度の利子補給を加算をいたしまして、開銀の二・五%、市中で三・一二五%という利子補給を考えたわけでございます。同時に、今まで作られたものに対する利子の猶予等もあわせて考えておるわけでございまして、これによって日本の海運企業の基盤整備は画期的な状態において行なわれるというふうな考えでございます。御承知のとおり、海運、肥料、石炭に対しては、答申よりも以上に大ばんぶるまいをしたという世評もあるのでございますから、いかに政府がこれらの問題に対して抜本的な施策を立てるような熱意を持っておるかを御理解賜わりたいと存じます。 造船に対しても、先ほど申し上げたとおり、今までは輸出というものに対しては非常にウエートが置かれておりましたが、延べ払い等がだんだんと長くなってくるというような実情を考えるときに、いつ返ってくるかわからないような輸出造船というものにウェートを置くか、国内造船というものにウエートを置くかという問題に対しては、十分検討すべきでありまして、財政当局としましても国内造船の増大ということに対して意を用いておるのでございます。(拍手) —————————————
○議長(重宗雄三君) 基政七君。 〔基政七君登壇、拍手〕
○基政七君 私は、民主社会党を代表して、ただいま議題となりました海運関係二法案につきまして、御質問いたすものであります。 この案は、前国会において廃案になりましたが、政府は、今回新たな構想をもって提案して参りました。わが党は、前回の政府案に対して、その内容が国際競争に耐えていかれる保障にはならないとの見地から、これに反対をいたしました。それに比べて、今回の政府案は、若干の前進した点が認められます。しかしながら、わが国が海運企業に対して強力な助成措置を講ずる必要があるということは、わが国の海運企業に対して国際競争に耐え得る強い力を与えるということであります。国際競争に耐えるとは、最近の国際海運収支の統計が示すように、積取比率が逐年低下している現状を改善し、わが国の国際収支の改善に寄与せしめるということであります。この海運業の再建整備に関する臨時措置法案及び利子補給法の改正案には、との点についての万全の備えがないのであります。すなわち、開銀利子等の支払い猶予のきびしい前提条件とされている海運企業の革命的な整備そのものは、国内だけの過当競争を抑制し、企業基盤の若干の強化には役立つであろうことは、容易に理解されるのでありますが、しかしながら、日本の海運を今日のごとくに至らしめた原因は、総理もすでに御承知のとおり、戦時補償が打ち切られたことにあるのであります。このために、建造資金の八割を他人資本に依存せざるを得ぬこととなり、わが国全産業の中で最悪の資本構成に追い込まれて、借金と利子の支払いに全神経を集中することを余儀なくされているのが実情であります。このような実情にある海運業に対し、強力な国家的助成案を講じ、借金と利子の支払い等に神経をすり減らすことなく、積極的な諸施策、すなわち、船舶の高性能化、航路の整備、集貨の合理化を行なって、国際競争に耐え得る企業体質になるよう努力することが必要であると考えるものであります。特に、米国のごとく、バイ・アメリカン政策を強化し、自国船主義を推進している国があることは、わが国海運業の発展の上で大きな障害となっているのであります。わが国の海運が、これらの障害を排除して健全な姿になるためには、今回の利子支払い猶予を中心とした政府提案の内容では不十分であり、次のような措置を講ずることが絶対に必要であります。 第一には、速力十六ノット以下の定航貨物船、総トン数二万五千トン以下の油送船等は、すでに国際市場においてはその競争に耐えられない旧式船となっております。これをすみやかに政府買い上げによって解撤し、今後の計画造船は、これに見合う船腹の建造を審査の第一順位とし、その高性能化を進める必要があるのであります。 第二には、日本海運の中核ともいうべき北米航路において、外国盟外船の翻り込みが行なわれ、この航路の安定をはなはだしく乱しており、被害は日本船が最も大きく受けているという事実に注目しなければならないのであります。これを排除するためには、強力な外交手段を講ずる必要があり、その措置が一日おくれれば、それだけわが国海運業の受ける被害が大きくなるのでありますから、直ちにこれに対する外交交渉が必要であります。 第三には、米国は、ここ数年来、アメリカ商船法を改正して、自国の海運業に対する助成策を強化しつつあります。口に自由主義を唱え、デモクラシーをモットーとする米国政府が、シップ・アメリカン政策を推進して自国海運業の保護を強めつつあることは、現在の海運業が政府の行政指導等に依存することがいかに大きいかを示すものであり、同時に、日米友好経済提携を表看板としている米国が、わが国に対してかかる圧迫を加えていることは、まことに遺憾にたえないところであります。四面環海のわが国が海運業を失ったときにどのような事態を招くかを考えるならば、国をあげて真剣に取り上げなければならない、問題であり、さらにまた、貿易面の対米依存度の大きいわが国が外貨収支の面からいかに不利な条件に立たされているかを考えれば、シップ・アメリカン運動に対して、断固たる態度を表明し、外交交渉を開始することは、きわめて急を要するのであります。 右三点のうち、低性能船の解撤については、必ずしも解撤することが目的ではなく、他に有効な方法、たとえば、すでに賠償の義務づけられた諸国に対して、現金賠償にかえて支払うことも一つの方法と思うのであります。以上のことは、日本の外航海運に対して、本案と同時に施策すべき基本的な要点であり、これらの施策が並行してとられないならば、わが国海運業の立ち直りは期待できず、再度の資金援助が必要となり、財政的負担を大きくすることとなるであろうと考えるものであります。総理の御所見を承りたいと存じます。 次に、運輸大臣にお伺いをいたします。 第一に、この法案が成立したならば、その実施の前提条件となっている企業整備について、すでに業界ではオペレーターを中心として企業合同の準備が進められておりますが、現在の様子では金融機関の系列別に合同が進むことになりそうであります。この場合、大手の金融機関につながらない、また特定のオペレーターにもつながらないオーナーは、一体どのような形で合同するのか。何らの指針も示されていないのは、このようなオーナーは自滅せよということなのか。大臣の見解を承りたいと思います。 第二に、内航の海運対策についてであります。今や内航海運は、三十六年度より戦標船を解撤して新造する計画が遅々として進まず、低性能の旧式船のために、運航回数、積載量ともに非能率であることに加えて、極度の運賃安値のために倒産するものが相次いでおります。年々貨物輸送量が増加して、内航海運の国内輸送に果たす役割の重要性はますます大きくなりつつある現在、すみやかに内航海運対策を進めるべきだと思いますが、御所信を承りたいと存じます。 内航対策の一つである船質改善のための戦標船のスクラップ・アンド。ビルドに要する本年度予算に関して大蔵大臣にお伺いしたいと存じます。すなわち、三十八年度運輸省予算の戦標船対策のための要求額は、たしか百十四億二千万円であったものが、切って捨てるのを得意とされる大蔵省当局によって六十九低円に削減され、しかも老朽船対策、標準型油送船対策等に対しては全く顧みられていない理由は何ゆえであるか、この予算審議にあたってどのような内航船海運に対する見解から削減されたのか、その理由を大蔵大臣から承りたいと存じます。 さらに重要な点は、企業整備に伴って当然問題となる雇用問題についてであります。働く者にとっては、雇用の安定こそ、自分の属する企業の成長繁栄に協力する熱情を持つための最も大切な条件であります。「企業は人なり」といわれますが、真に海運会社の再建を念願するならば、これに従事する働く者の生活と身分を保障し、総力をあげて再建の通を邁進せしめてこそ、真の政治と言い得ると思います。今回の企業合同に関連して、当然予想される海陸従業員の不安を一掃するため、いかなる行政指導をされようとしておられるのか、運輸大臣の明快な御答弁を得たいと思います。 以上で私の質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣池田勇人君登壇、拍手〕
○国務大臣(池田勇人君) 海運業の経営の合理化、近代化のためには、常に船舶の船型並びに船賃につきまして検討を加えていかなければならぬことは、お話のとおりでございます。したがいまして、いわゆる戦標船のスクラップ・アンド・ビルド、この方針も続けて参りますし、また、わが国が必要としない、またその必要度の低い船舶につきましては、私は海外への売却も考えている次第でございます。 なお、北米航路の安定あるいはアウトサイダー、いわゆる職外船に対する対策につきまして、今後も考えなければなりませんが、それ以前においても、わが国の海運業を早急に合理化し、経営の健全化をはかる必要がありますので、今回御審議を願うことにいたしたのであります。(拍手) 〔国務大臣綾部健太郎君登壇、拍 手〕
○国務大臣(綾部健太郎君) お答え申します。企業合同整備にあたって、金融業者のベースに主としてよるのでないかというような御質問でございましたが、私は多大の債権を有する金融業者を無視するものではございませんが、整備統合は根本方針としてなるべく自主的にやりまして、そうしてその関係する範囲において金融業者に意見も聞くというのが適当でないかと考えて、さように指導して参っていると思っております。 それから弱小オーナーはどうするかということは、弱小オーナーといえども、みんな何らかの形におきましてオペレー夕ーあるいは大会社等といろいろな関係——債務保証あるいは傭船契約、荷物の配分等で関係がありますからして、弱小オーナーを窮地に陥れるようなことをせよとは考えておりません。これは御指摘のように、弾力的にこの法律を運用いたしまして、さようなことのないように努力いたします。 内航船の問題でございますが、内航船の問題は、今回のは主として外航船舶のことでございますが、これに関連いたしまして、内航問題についても十分検討いたしたいと考えております。 それから、御指摘の船舶の速力が十六ノットの定期船は、航路によってはもう、なくてはならない船舶でありまして、必ずしも陳腐化しているとは言えないが、総トン数の二万五千トン以下の油送船は、船型の大型化に伴いまして経済性を失っているので、船隊構成上不要な船舶となりつつあるのが現状であります。このような不経済船につきましては、先ほど総理が申されましたように、外国に売船するとか、その他機宜の処置を考えたいと思います。 それから労務対策につきましては、先ほど申し上げましたように、海上の労務員はこの再建整備が進みましても、さして問題は起こらない。ただ、給与、環境の改善等に努力いたして参りたいと思っております。陸上の要員につきましては、これも先ほど申し述べましたように、調査機関その他の海運振興の事務的方面に有能な士を使って、配置転換等によって万全を期したいと思っております。 それからシップ・アメリカン、盟外船の跳梁等に対する対策につきましては、さきに申しましたように、強力に外交の折衝によりまして、順次改善いたして参りますように努力いたしたい所存でございます。(拍手) 〔国務大臣田中角榮君登壇、拍手〕
○国務大臣(田中角榮君) お答えいたします。私に対する御質問は、海運基盤の強化には戦標船等不経済船を早く解撤をして、高能率船を建造するにあるのだが、この財政措置は不十分である、こういうことを重点にお尋ねされました。戦標船解撤及び代船建造につきましては、三十六年度以降、政府は重点的に配慮をいたしておるわけでございますが、三十八年度には、開発銀行におきまして、本年度、すなわち三十七年度十八億円でございましたものを三十億円に、それから特定船舶整備公団におきまして、三十七年度二十億円でありましたものを三十九億円に、本年度予算で、合計三十八億円のものを六十九億円に、約八二%増額をいたしたわけでございます。率においては非常に大きくアップをいたしておりますが、しかし、それは実際問題として不足であるということに重点を羅かれておられると思いますので、先ほども申し上げましたとおり、現在輸出船というようなものにウエートが置かれて参りましたが、その後の事情において延べ払い等も非常に長くなっておりますし、いつ返るかわからないものに対して輸出振興などというととは、国内船に対しての優遇措置を考えたほうがいいのかという問題に対しては、真剣に検討いたしております。現在政府部内の考え方では、国内船の、いわゆる国内造船を重点的にやろうという方向でございますので、この財政措置以外にも、本法を御審議を願っておる過程において、また今年度等の造船計画を通じまして、これらの問題に対しては十分配慮して参りたいという姿勢でございます。 それから、もう一つは北米航路の問題でありますが、これは綾部運輸大臣もお答えになりましたが、ちょうど運輸大臣の意向を受け、十二月、日米経済閣僚会議に出席をしましたときも、この問題を取り上げて十分議論をいたして参ったわけでございます。バイ・アメリカン、シップ・アメリカンというようなことで、実際の数字がどうなっているかということで、数字を突き合わせて見たのでありますが、御承知のとおり、特に北米太平洋岸の海運状況をしさいに見ますと、日本の海運収入は一部減っております。アメリカはその分がふえておるかというと、アメリカもふえておらないのであります。どこが一体ふえているかというと、日本、アメリカ以外の第三国の船の収入がふえておるというのであって、こういうことでは困るから、日本とアメリカとの間で十分協調をしながら、現在の航路の実績等も検討しながら、場合によっては日米間の連帯勘定等を起こすことも一つの方策であるということで、アメリカ側はこの問題に対しては積極的に検討を約しておるのでございますし、外交ルートを通じてこれらの問題の解決に努力をいたしておるわけでございます。(拍手)
○議長(重宗雄三君) これにて質疑の通告者の発言は全部終了いたしました。質疑は終了したものと認めます。 —————・—————
○議長(重宗雄三君) 日程第三、国立大学総長の任免、給与等の特例に関する法律案(趣旨説明)、 本案について、国会法第五十六条の二の規定により、提出者からその趣旨説明を求めます。荒木文部大臣。 〔国務大臣荒木萬壽夫君登壇、拍手〕
○国務大臣(荒木萬壽夫君) このたび政府から提出いたしました国立大学総長の任免、給与等の特例に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 政府といたしましては、国づくりの根幹は人つくりであるとの基本的な考え方に立って、文教の振興のために各種の施策を講じて参っておるのでありますが、なかんずく人つくりの直接のにない手である教育者の地位の向上は、特に緊要なものであると考えるものであります。このたび、政府がこの法律案を提出いたしましたのも、本質的にはこの点に由来するものであります。 しかして、国立大学は、国の高等教育機関として、また高度の研究機関として、きわめて重大な使命をになうものであり、最近における科学技術の進歩、産業経済の発展並びに国民一般における教育水準の向上などに伴い、これに対する国家的、社会的要請はますます増大して参っております。このような国立大学のうちでも、北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学及び九州大学の七国立大学は、人文、社会、自然の各科学の全分野にわたる学部を有する大規模な総合大学であり、かつ、その各学部の上には博士課程の大学院を有するものとされ、また伝統も古く、これら七国立大学の学長の職務と責任はきわめて重要であります。 よって、このたび、これら七国立大学の学長を認証官とし、その国家的社会的な地位を高からしめますとともに、その待遇の改善をはかることとしたのであります。このことは、これら七国立大学の学長の職務と責任の重要性に基づくものではありますが、ひいては大学の教育職員、さらには教育者全体の地位を高め、もって我が国教育の振興に資するものといたしたいと考えたからであります。 次に、この法律案の概要について御説明いたします。 第一は、これら七国立大学の学長を認証官とすることに伴い、官職名をそれぞれの大学総長と改めることとしたことであります。しかし、これら国立大学総長は学長として置かれるものでありますので、学校教育法その他の法令の適用については、他の国立大学の学長と全く同様な地位に立つものであります。 第二は、国立大学総長の任命権を、文部大臣から内閣に移すこととし、その任免については天皇が認証することとしたことであります。任命権者を内閣といたしましたことは、他の認証官の一般の例に従ったものでありますが、その任免を大学管理機関の申し出に基づいて行なうという教育公務員特例法の建前には何らの変更をいたしておりません。なお、国立大学総長の任免に関する内閣に対する大学管理機関の申し出については、文部大臣がこれを内閣に進達するものとしましたのは、文部大臣が大学を所轄していることによるものであります。 第三は、国立大学総長の受ける給与を俸給及び期末手当とすることとしたことであります。これは、他の認証官の例にならって、特別職の職員の給与の例による趣旨に基づくものであります。国立大学総長の俸給月額についても、他の認証官との権衡を勘案して、東京大学総長及び京都大学総長にあっては十八万円、その他の国立大学総長にあっては十六万円とすることといたしたのであります。 第四は、附則に経過措置を定めたことでありまして、これら七国立大学の学長の現職者については、この法律施行の日にそれぞれ国立大学総長に任命することについての進達があったものとみなすことなど、新制度への移行を円滑にする措置を講じております。 以上がこの法律案の趣旨であります。(拍手)
○議長(重宗雄三君) ただいまの趣旨説明に対し質疑の通告がございます。発言を許します。豊瀬禎一君。 〔豊瀬禎一君登壇、拍手〕
○豊瀬禎一君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま提案されました国立大学総長の任免、給与等の特例に関する法律案につきまして質問をする冒頭にあたって、哲人カントが言った「為政者には多少の困難を伴おうとも、私はむしろ自由を尊重したい」との言葉を想起するのであります。政治においてしかり、ましてや学問研究の場におきましては、自由の保障なくしてはその進展が期せられないことは、何人もこれを否定することはできません。新憲法がその第二十三条におきまして、学問の自由の保障を言論や思想の自由の保障とは別個に明記いたしました趣旨も、ここに存するのであります。すでに一世紀前におきまして、ドイツのブルンチュリは、その著「国法汎論」におきまして、大学の制度に論及し、「学問上の独立権を与えるには、まず学校に学校社会としての独立権を与える必要あり」との卓見を披瀝いたしております。それは、草間研究の趣旨が真理の探求にあり、真理は事実に対するたゆみなき究明と忠実性によってのみその価値を見出すものであるからであります。そのためには、大学においてそのことに携わる人々の自由と独立の完全な保障を必要とするものであります。この研究と教授の自由の擁護のためには、国家や行政権力が不干渉の態度を堅持するとともに、学者自身に、これらの行政権力を断固として排除する勇気、すなわち、学問的精神が必要であります。かつて小野塚喜平次氏が、「学者の眼中もとより大臣なく、また政府あるなし。ただ真理あるのみ。この学者の独立的態度は実に学術進歩の必要条件にして、国家の発展上また欠くべからざるもの」と論じ、近くはバートランド・ラッセル卿が、「太陽のもとにいかなるものによっても畏怖せしめられることを拒否する精神」を強調しているのは、この学問の研究の自由と大学の自治との不離一体の原則を確認しているものというべきでありましょう。しかるに文部省は、さきに行政権による大学管理体制の強化を企図し、今また、大学の学長に身分的差別をつけ、大学の位置にも格差を設けようとしているのは、まさに、学術振興を阻害し、民主化に逆行するものと断ぜざるを得ません。私は、さきに総理が大学管理法案の提出に対し、これを阻止した英断に対し敬意を表するがゆえに、首相は、学問研究の自由と大学の自治の関係をどのように考えておられるか、まずお尋ねいたしたいのであります。 第二に、大学の使命と、本法案の趣旨との関係についてであります。 提案趣旨には、国立大学に対する国家的社会的要請はますます増大していると述べております。そもそも、国立大学の嚆矢である東京大学の指導精神がナショナリズムであり、これが日本の教育思想の源流として太平洋戦争まで続いたことは、皆さん御承知のとおりであります。明治十九年、帝国大学令第一条には、「帝国大学は国家の須要に応ずる学術技薬を教授し」云々と定めておりました。この「国家の須要に応ずる」という大学の国家目的への従属は、今日、憲法、教育基本法において完全に否定され、学校教育法第五十二条には、「大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学藝を教授研究し」と定められておるのであります。すなわち、大学の使命は、基本法にいうがごとく、世界の平和と人類の福祉に貢献するための普遍的にして個性豊かな真理の追求にあるといわねばなりません。この方向に従った学問研究と教授とは、所得倍増計画のための人づくりや、特に、マン・パワー・ポリシーの性格に基づく国家的社会的要請とは、全く粗いれられないものであります。すなわち、マン・パワー政策は、戦時における国家総動員計画の原理を平時化恒久化したものであり、人間が、一国の産業と軍備の両体系の中に、適材適所主義の原則に従いながら、どんな比例において配分配置されねばならないかという、国家的一元的な策定を前提とした人的資源を意図しております。このことに対しまして、アイゼンハワーがその任期終了の演説において、「アメリカの民主主義は、今、新しい巨大な陰険な脅威にさらされている。それは軍部と産業ブロックと称すべき脅威である」と指摘いたしているのであります。文部省発行の教育白書の主張は、アイクが新たな民主主義の脅威と指摘しているその政策推進の一役をになっているアメリカの国防教育法に全く類似しているものを見出すことができるのであります。学長認証の制度は、この目的遂行を容易ならしめるための大学長に対するまず第一の箝口令とも見るべきではないでしょうか。首相は、大学本来の目的やその社会的使命と所得倍増のための人づくり、特にマン・パワー政策の推進との関係を、どのように考えておられるか、所信を承りたいのであります。 策三に、文部大臣にただしたいのは、この法案の蔵している本質的矛盾についてであります。政府は、七大学の学長を認証官にし、給与を引き上げるその理由として、これらの大学が大規模であり、大学院を有し、その伝統が古いということを理由といたしております。現在、東大におきましても、法律上の正式名称は御承知のとおり「学長」となっているにもかかわらず、「総長」という公式文書を出しているやに聞いておりますが、まことに笑止千万にたえない特権意識というべきでありましょう。しかるに、この際、七大学長のみ他の大学と差別して総長と呼称させ、しかも、給与にまで差をつけ、あまつさえ、東大、京大のみに二万円上げるという、国立大学学長を三段階に差別いたしているのであります。このことは、学校差別を法律で公然と慫慂し、従来の学閥、門閥にさらに拍車をかけることになると思うが、大臣の所信を承ります。 第二に、天皇が認証することにした点についてであります。政府は、この制度により、学長の国家的社会的地位の向上を目ざしたと言っています。しかしながら、大学の教授は、真理の究明者として、天皇に対してもこれを教授する立場にあります。これを天皇に認証させるということは、本末転倒もはなはだしいというべきでありましょう。国家的社会的地位の向上のための本来的課題は、大学の自治が保障され、学術研究のための予算や設備が完備し、全教官の待遇の改善がはかられ、特に研究の成果やその所論が尊重され、かりにも、曲学阿世の徒などといった思想や、文部大臣荒木萬壽夫君のごとく、公開の席上において学者の個人名をあげてこれを誹誇するがごときは、厳に慎むことが肝要であると思います。これに対し、荒木大臣の見解を承ります。 第三には、大学や教授の評価は、その規模とか伝統の古さによってなさるべきものではなく、その専門の学術研究に対する熱意やその造詣の深さ、あるいは人類への貢献等によるべきで、学長職必ずしも学問的水準の評価にはなり得ないのであります。時に、その行政的手腕に重点を構いて学長が選出ざれることなきにあらずであります。今回の制度により、逆に大学間の格差を生じ、大学協会自体の運営や、さらには、学内の運営についても支障を生ずる憂いなしとしないという声が、当該学長や教授の間に起こっているのは、まことに注目すべき事態であります。むしろ文部省は、この際、博士とか教授、助教授とかいった、千数百年前の大宝令の遺物のごとき職階制や上下の差をなくすことこそが、草間の自由のよりよい保障となると思うが、大臣の所見を承わります。 第四には、政府は、この措置によって、大学の教職員、さらには教育者全体の地位を高めたいといっています。教育基本法には、教員の身分の保障と給与の適正が特記されておりますが、文部大臣は、現行の給与によってこの教育基本法の特記の精神が充足されていると思っているかどうか。また、教育者の地位を高めたい、待遇の改善をはかりたいといっているが、いついかなる方法で、大学の教職員の給与、研究費の引き上げ、特に教育者全体の地位の向上をはかろうとするのか、その具体的な政策をお聞きいたしたい。 最後に、人事院総裁にただしたいのであります。人事院は、今回の七大学の給与改正によって、他の大学にも改善措置を講ずる旨、新聞報道をいたしておるようでありますが、これは事実であるかどうか。もし事実であるとすれば、この認証制度の問題は、文部省が、すでに昨年七月ごろから文教委員会において、その政策、見解を明らかに表明しておったのであります。この事実にかんがみまして、人事院が給与改定勧善にあたって、大学教職員全体に対する格段の配慮を行なわなかったのは、いかなる理由に基づくか。また、その際、他の大学の学長、教官全員に対する別途の勧告を行なわなかったのは何ゆえか。また、提案趣旨の中には、大学の教職員はもちろん、教育者全体の給与の改善、地位の向上をはかりたいと述べておるが、人事院として、この点について、いついかなる方法によって、大学の教職員の給与改善あるいは教職員全体の給与改善の措置、勧告を行なおうとしているのかどうか、この点につきまして総裁の見解をただしたいと思います。(拍手) 〔国務大臣池田勇人君登壇、拍手〕
○国務大臣(池田勇人君) お答えいたします。 学問の自由は憲法第二十三条の保障するところであり、われわれは、あくまでこれを守っていかなければなりません。また、大学の自治というものは、学問の府としての大学の機能を発揮するための一大原則であります。私は、大学の自治ということにつきまして、何らこれを阻害しようとは考えておりません。また、大学の使命は、指導的人材の養成と、学術文化の振興にあることは、申すまでもないことであります。しこうして、今回のこの教育者の待遇を改善しようとすることは、りっぱな人をつくり、りっぱな国をつくるための根本手段であります。所得倍増というものは、りっぱな国をつくり、りっぱな人をつくる手段であって、倍増自体が目的ではありません。これは、人づくり、国づくりが政治の目標であることをはっきり申し上げておきます。 次に、今回の措置は、先ほど申し上げましたごとく、人つくりの直接のにない手である教育者の地位を向上するための措置であるのであります。しこうして、その地位の向上につきましては、現実の組織、制度を尊重しており、現実の事実を尊重して、徐々に全教育者に及ぼそうとしているのであります。(拍手) 〔国務大臣荒木萬壽夫登壇、拍手〕
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。 まず第一に、七大学の学長だけを特に認証官としたのはおかしいじゃないか、差別ができておかしいじゃないかという意味のお尋ねであったかかと思います。ただいまも総理から申しましたように、政府が、国づくりの根幹は人つくりにありとの基本的な考え方に立って、文教の振興に努力をいたしておりますととは、御案内のごとくであります。人つくりの直接のにない手である教育者の地位の向上は、その意味において特に必要であると考えることは、総理からお答えのとおりでございます。この法案を提出しましたゆえんは、提案理由にも申し上げたとおり、今申し上げたところに重点があるわけであります。七大学の学長を認証官とすることは、この七大学が、先ほども申し上げましたように、人文、社会、その他、全学部に博士課程の大学院を持つ意味において、その規模においても質においても、他の大学と異なるというところに特色を見出しまして、その特色ある大学だけをまずもって認証官という取り扱いを通じまして待遇の改善に資したい。その他の大学といえども、今申し上げましたような条件が整備するにしたがって、この例にならうべき筋合いであることは、申し上げるまでもないことと考えておるのであります。したがって、本質的な矛盾ありとの御指摘でございますが、矛盾はないと考えております。 また、学者の名前をあげて私が批判しておることを御指摘でございます。学者といえども、学者として、憲法の保障する学問の自由、あるいは学園内における大学の自治に関連する行動そのことは、憲法及び慣習法のもとに、厳に守られていかねばならない。それは文部省といえども当然守らねばならないことは、申し上げるまでもございません。ただし、学者といえども、法治国日本においては、法律の趣旨にしたがって行動すべきことは当然でありますから、その意味において申し上げたのであります。 学長を総長という名称に今度しようとしておりますことそのことについても、御疑念のあるようなお話でございましたが、認証官という任用形式そのものが、今日特定の大学で申せば、何々大学の学長という、特定の学長に密着した制度として理解されておりますために、学長の中で、先ほど申し上げましたような特色に重点を置いて待遇改善せんとならば、現在、豊瀬さんも御承知のように、文部教官ということで官職名が呼ばれておりますけれども、その中で、今申し上げるような認証官の性格から申しまして、別途の表現をする手続上の必要があるわけでございます。そこで、認証官の取り扱いを受ける学長に限り、それに関連する限りにおいて、従来慣行されており、習熟しております大学総長という名前を、便宜借用に及んだという以上の意味はないのであります。このことは提案理由にも申し上げたとおりでございまして、総長と申しましても学長であることには間違いない。現行法令上、他の学長と何らの身分地位の差別はございません。待遇の金額に差があるにとどまるのでございます。 その次に、待遇改善の、いわば、突破口というような気持も含めて、七大学の学長を認証官扱いにするということだが、その他の学長はどうするのだ、あるいはまた研究費の増額等をはかるべきではないかというお尋ねであったと思います。先ほどもちょっと触れましたが、教官、教育者の待遇の改善は、直接には、人事院の問題でございますが、この認証官制度を機縁として、文部省としましても、一般教育者の待遇改善をはかるために、さらに努力をしていきたいと考えておるのであります。 教育研究費、学生経費等は、国立大学における研究教育の原動力をなすものであることは、お説のとおりだと思います。戦前水準相当額を目標にいたしまして、国立大学予算中に、最重点的な事項として、毎年度、いきさか努力を積み重ねてきておる次第であります。教官研究費について、具体的な例をちょっと申し上げますならば、三十四年度五十一億のものが、三十八年度には、約倍額の百億の内容として、御審議をお願いしつつあるところであります。学生経費につきましても、昭和三十四年度十三億見当のものが、三十八年度は二十四億見当まで前進して参りました。これで、むろん十分とはいえませんが、今後、さらに、この面につきましても努力すべきことは当然と心得ております。(拍手) 〔政府委員佐藤達夫君登壇、拍手〕
○政府委員(佐藤達夫君) お答え申し上げます。 ただいま新聞報道を引用して、人事院の能度についてお尋ねでございましたが、実は、今回の法案が提出されます前に、人事院といたしまして、政府側に対して意見を申し入れておるのであります。その意見の中で、今回の給与の引き上げが実現されました暁においては、これとの均衡上、他の学長等の職員の給与について、慎重に検討する必要があるということを申し入れておるのであります。そのことに若干の推測が加わって報道されたのではないかと存じます。今の内容の示しますとおりに、人事院といたしましては、そういう心がまえ、そういう能度でおるわけでございまして、今回の段階で、もちろん結論は出ておりませんけれども、検討は必要であると考えております。もちろん、申すまでもありませんが、そのほうの検討は、人事院の独自の立場において検討すべきであることは当然であります。
○議長(重宗雄三君) これにて質疑の通告者の発言は終了いたしました。質疑は終了したものと認めます。 —————・—————
○議長(重宗雄三君) 日程第四、緊急質問の件、 岡田宗司君から、日韓会談に関する緊急質問が提出されております。岡田君の緊急質問を行なうことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。発言を許します。岡田宗司君。 〔岡田宗司君登壇、拍手〕
○岡田宗司君 私は日本社会党を代表して、最近の混乱をきわめている韓国の政情と、日韓会談の前途について、総理並びに外相に対し、以下数点にわたって質問するものであります。 まず第一に、最近の韓国の政情の動揺と混乱の原因と見通しについて、総理の、国民を納得させることのできるような、はっきりした見解を伺いたいのであります。 総理並びに外相は、現朴政権が強力な安定政権であり、今度こそこの政権との間に、両国間に横たわる諸懸案を解決して、日韓両国の国交の正常化を達成できるという評価と確信をもって、会談を積極的に押し進めてきたのであります。 〔議長退席、副議長着席〕 政府は、韓国において、軍政から民政への移行が行なわれないうちに、朴軍事政権が、韓国国民に有無を言わせず、国交正常化の条約に調印することを期待し、そのためには、国民を納得させる理由のない無償有償合わせて五億ドルという、実に莫大な金額を、韓国に供与するという約束を、大平・金両氏の間に取り結んだのであります。 しかるに、朴軍事政権を、強力な安定した政権であり、交渉の相手方として適当であると信じ切っていたあなた方の政府にとりまして、全く晴天のへきれきのような事態が、一月二十一日に、金東河氏の突如最高会議委員の辞任をきっかけといたしまして、韓国の政治の上に起こったのであります。朴政権のナンバー・ツーの実力者、金鍾泌氏の一失脚、朴議長の大統領選挙不出馬、韓国国民の軍政に対する失望と不信、野党の動きの活発化等々、韓国の政情は激動し、たとい各政党が、形式的には朴議長の提示しました九項目に同意いたしましても、政局の安定は見込みが立たず、次から次へと予想せざる異変が起こる形勢にあります。総理は、この動揺と混乱は、民政移管のための苦悶であり、民主化への陣痛であって、やがて安定するだろうから、日本政府は今会談を中止するつもりはないと、しばしば繰り返して断言しておられるのでありますが、あなたの主観的意図はどうであろうと、また、あなたの朴政権に対する同情はどうであろうと、現在の変転きわまりない韓国の政治情勢は、会談を続けることを不可能ならしめ、あなた方が幾ら会談を進めようとしても、できないようにさせているのであります。 そもそも韓国の政情不安は、民政移管への苦悶とか、民主化への陣痛というような、なまやさしいものではないのであります。根本は、韓国の経済が全く崩壊に瀕し、朴政権の強力な政策もこれを救うことができなかったし、またこれからもできそうもないというところからきているのであります。すなわち、韓国にとって異常な豊作と記録された一九六一年でさえ、経済成長率はわずか二・八%と低く、これに年間約百万ぐらいの人口がふえていることを考慮に入れますれば、経済は停頓ないし後退しているのであります。しかも朴政権の行なった通貨改革が失敗に終わり、経済を混乱させ、昨年の凶作と物価騰貴は、国民生活を不安に陥れ、二百万をこえる失業者と絶糧農家の増大とは、韓国経済をいよいよ悪化さしているのであります。他方、韓国の国際収支は、一九六一年におきまして、受け取り勘定は商品輸出でわずかに四千百万ドル、国連軍すなわちアメリカ軍の落とす金が八千万ドル、その他を合わせましても一億四千五百万ドルにすぎず、これに反しまして支払い勘定は、公共援助輸入、自力輸入その他を合わせて三億四千五百万ドルに上り、実に二億ドルもの赤字を出しているありさまであります。昨年も、また本年になってからも、少しも情勢は改善されておらないのであります。しかも、アメリカの経済援助は、ドル防衛政策によって削減されようとしているのであります。かようにいたしまして、朴政権が勢い込んで打ち出しました経済五カ年計画は、砂上の楼閣のごとく崩れ去り、軍事政権の強権をもっていたしましても、経済混乱を収拾することはきわめて困難な状況に落ち込んでいるのであります。ここに朴政権の動揺と混乱の根源があり、八月、朴政権が退陣して民政に移行いたしましても、この事態が根本的に改善されない限り、政局の不安はいつまでも続くものと予想されるのであります。しかも、この韓国経済の不安定と混乱の原因を突き詰めて参りますならば、韓国が北鮮と互いに敵視し、過大な軍備を維持しているということに存するのであります。韓国政府が北鮮政府との間に対立の緩和をはかり、思い切った軍縮を断行しない限り、まず安定と発展とは望み得ないのであります。 私は、以上述べたように、韓国の政情に対して、きわめて悲観的な見方に立つものでございますが、総理は、韓国の政情不安定の原因は何にあるとお考えになっているか。また、韓国の政治の前途についてどう考えておられるか。この機会を通じまして国民の前にはっきりと示していただきたいのであります。次に、現在、世界並びにアジアにおきまして、東西両陣営が激しく対立している国際情勢のもとでは、日本が韓国とのみ国交を回復し、韓国に政治的、経済的援助を与えることは、アメリカの意図する東北アジア反共政治体制を固めることになり、その上に軍事提携を強めて参りますれば、実質的にはNEATOの結成にも通ずるのであります。かくて冷戦を激化することになり、アジアの国際関係を一そう不安定ならしめることになるのであります。また、これは、朝鮮民族の悲願である南北統一を一そう困難ならしめ、日本と朝鮮全体との関係の改善と正常化をむずかしくしてしまうのであります。それゆえに、社会党は、早くから日韓会談の打ち切りを政府に向かって要求してきたのであります。政府は、民政移管以前に、すなわち、五月ごろまでに、会談の妥結、条約の調印にまで持ち込もうと急いで参ったのでありますが、韓国の政情不安は、会談の継続を事実上中絶させるところに追い込んでしまったのであります。今まで、素朴に、一衣帯水の隣国と国交を正常化することはよいことだと考えていた多くの国民も、最近では、会談を続けることは無意味である、やめたらどうかと考えるようになってきているのであります。また、民社党の委員長の西尾氏のように、昨年十一月には、みずから韓国に乗り込んで、日韓会談の妥結を促進しようと意気込んでいた人でさえ、今日の韓国の政情不安の状況では、会談を中止すべきであることを総理に申し入れていることは、御承知のとおりであります。 韓国ではまだまだ政情不安が続き、朴政権は弱体化してしまったのであります。しかも、民政移管後といえども、安定政権は出現しそうにもないのであります。かかる情勢のもとにおきまして日韓会談を進めることは無意味であります。総理も、おそらく内心では、会談を継続することは無意味であり、不適当だと考えているだろうと想像されるのでありますが、この際、面子にこだわることなく、はっきり会談をやめるということを内外に明らかにされたらいかがでしょうか。総理の見解を承りたいのであります。 また、総理や外相は、在日韓国代表団との交渉を進めるということで、一、二度会議を行なったようでありますが、代表団自身も、重要な懸案について勝手に妥結をはかることはできない情勢にあることは申し上げるまでもございません。これはまさしく、てれ隠しであります。国民をばかにしたものであります。かような交渉は全くむだだと考えられるのでありますが、外相はどう考えられるか。これからも代表団との話し合いを続けていこうとされるのかどうか。この点をお伺いしたいのであります。次に、韓国は在韓日本代表部の設置を頑強に拒否して参ったのでございますが、外相は、韓国の政治情勢を把握することのできないことを代表部が置かれておらないことに帰しているのでありますが、やみの中を手探りするようなことで、どうしてうまい外交ができるでありましょうか。そもそも、韓国が日本に代表部を持ちながら、韓国に日本代表部の設置を認めないのは、李承晩が日本に対して戦勝国であるという意識をもって臨んできたのでございますが、そのときのなごりであると見られるのであります。きわめて不平等なことでございます。これをそのまま呑んで会談を進めた政府は、はなはだしい失態を演じたと言わなければならぬのでありますが、かような不平等な基礎の上に行なわれる交渉は、この理由だけでも打ち切るべきであると思うのでありますが、外相はこの点についてどうお考えでございますか。 次に、大平・金会談で、日本が韓国に対し、無償三億ドル、有償二億ドルを供与することによって、請求権問題は解決されることになったといわれているのでありますが、一体何を根拠にしてこの金額が韓国に与えられるのでありましょうか。政府はその根拠を明らかにしておらないのであります。われわれは、請求権が具体的にどんなものであるか、また、その金額はどのくらいになるかを知りたいと思いまして、外務委員会等におきまして、資料の提出を政府に要求いたしましても、政府はそれを出すことを頑強に拒んできているのであります。しかもわれわれは、請求権問題はすっかり片づいたと聞かされているのに、韓国人個人の請求権は残っておって、別途解決を要するといわれているのであります。あせって、かような、国民が納得することのできない妥結をしたことは、明らかに外相の失態でありますが、外相は、国民の疑念を晴らすために、直ちに資料を提出して真相を明らかにするつもりがあるかどうかをお尋ねしたいのであります。 最後に、去る二十六日に、金鍾泌氏が待命移動大使といたしまして突然来日したのでございます。氏はその数日前に、一切の公職から身を引き、政治から手を引いたと伝えられていたのであります。また、氏は黒い疑惑に包まれており、突然の外国行きは亡命ではないかとも、うわさされているのであります。そして氏が特命移動大使に任命されたことに対しましては、韓国のすべての野党が反対しているのみならず、氏がさきに結成準備委員長をしておりました民主共和党でさえ、遺憾であると発表しているのであります。氏は何の目的をもって来日したのかは明らかでありませんが、総理及び外相が再び氏と会談するようなことがあれば、それは日韓両国民の疑惑と不信を増すばかりであります。わが党は、総理並びに外相は、この際、金氏と会見すべきでないということを申し入れたのでございますが、外相はこの点についてどうお考えになっているか、この点をお伺いしたいのであります。 以上、私どもは日韓会談の前途につきましてお伺いするわけでございますが、この際、総理並びに外相は、この機会を通じまして、国民にはっきりと今後の見通し並びに政府の態度についての御説明を願いたいと存ずる次第でございます。 これをもって私の質問を終わりといたします。(拍手) 〔国務大臣池田勇人君登壇、拍手〕
○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。日韓国交正常化は、日本及び韓国民の大多数の願望でございます。私は、この岡国民の願望にこたえまして、しかも、韓国の早期に妥結しようという熱意、誠意を受け入れまして、交渉を開始しておるのであります。しこうして、韓国の軍事政権がすみやかに民政移管になることを、われわれはあなた方とともに望んでおったのであります。われわれの望みどおりに、早急に民政移管を計画いたしております軍事政権が、民政移管の場合におきまして、政治的に、あるいは経済的に、ことに昨年は非常な米の不作でありましたために、経済的にも困っておることは事実でございます。しかし、私は、隣国の民主主義の移管への生みの悩み、あるいは農作物の不作によりまする経済的な不況を見て、これに対して同情を与えるとも、こういう事情だから向こうの誠意を考えず交渉を打ち切るということは、日本国民としてできないことだと思います。あくまで誠意を持って両国国交の正常化をはかることが、日本政府としての務めであると私は考えておるのであります。私は、経済の不況に対しましても、できればコマーシャル・べースによって不況を克服するよう協力したいという気持を持っておるのであります。これが隣の国としての務めであり、人類の責務であると私は考えておるのであります。 しこうして、この朝鮮の政局の安定はいつかということは、これは私は早く安定することを願うものでございまするが、これは朝鮮国民のきめるべき問題であるのであります。 なお、岡田さんは、日韓会談が朝鮮の統一を害するとか、あるいは極東の軍事提携を意味しているとか、非常にわれわれがてんで考えてないことを前提として打ち切りを言っておられるようでございますが、この説には私は賛成できません。 なお、先般西尾氏との会談におきまして、西尾氏は日韓交渉を直ちに打ち切れと言っておられません。慎重にやってくれということでございますから、誤解のないように申し上げておきます。 また、したがいまして、この日韓交渉を、今向こうが生みの悩みのとき、また経済的不況で困っているとき、やりかけたものをやめるということは、私にはできません。(拍手) 〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕
○国務大臣(大平正芳君) 交渉を続けていくかどうかという御質問でございますが、ただいま総理からお答え申し上げましたとおりに、私どもは誠意を持って交渉を続けて参る所存でございます。岡田さんも御指摘になりましたように、ただいま予備折衝の段階で、先方が先方の意見として提案をされるにつきましては、ただいまのような事情では若干遅延の気味がございますけれども、私どもは、先方が熱意を持って当たってこられる限り、この交渉は鋭意続けて参る所存でございます。 それから、代表部の問題でございますが、御指摘のとおり、日本がソウルに代表部を持っていないということは、不公平でもあり、遺憾でもございますし、不便でもございます。したがいまして、再三先方にも申し入れておるわけでございまするが、先方の言い分は、すでに私から申し上げましたように、国交正常化の話し合いが続いておるから、これを設置して、もうこれで能事足れりと思われてもいかないから、正常化の話し合いの本筋を早くきめようじゃございませんかと、こういう態度であるわけでございまして、ただいまの状態を不満足に思っておることは、岡田さんと同感でございます。 それから、経済協力の問題でございますが、これは、たびたび申し上げておるように、わが国の財政能力からいたしまして、旧宗主国である日本が、分離地域に対しまして、この程度の経済協力をして、相互の繁栄の基盤を作るということを考えることは、誤っていないと考えているのであります。その根拠は何かと申しますと、これは日本の財政能力、対外支払い能力というようなものを見合って総合的に判断いたしたものでございます。 それから、これに関連いたしまして、資料の提出のお話がございましたが、私ともも、ある段階でこの資料を出しまして、この御審議を願うようにいたしたいと思っておりまするが、交渉の経過を見ながら、できるだけ早くごらん願いたいと存じております。 それから、金鍾泌氏が今日本に来られておることは事実でございますけれども、総理に対しましても、私に対しましても、会見の申し出はございません。(拍手) —————・—————
○副議長(重政庸徳君) 日程第五、航空業務に関する日本国とアラブ連合共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、 日程第六、航空業務に関する日本国政府とクウェイト政府との間の協定の締結について承認を求めるの件、 以上両件を一括して議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(重政庸徳君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。外務委員長岡崎真一君。 〔岡崎真一君登壇、拍手〕
○岡崎真一君 ただいま議題となりました二件につき、外務委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。 この二協定は、わが国の航空企業がかねて計画しておりました南回り欧州線に関連してわが政府が締結の申し入れを行ない、交渉の結果、アラブ連合とは昨年五月、クウェイトとは昨年十月、それぞれ署名を了したものであります。 協定は、いずれも、わが国と相手国との間の民間航空業務を開設運営するため、これに関連する所要の手続、条件並びに運営する路線を規定したものでありまして、さきに締結した英、米、インド等との間の航空協定と、形式、内容とも大体同一のものであります。 委員会においては、南回り欧州線の採算上の問題、日航が外国航空機と競争する場合の問題等について、きわめて熱心に質疑が行なわれましたが、詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。 委員会は、二月二十六日質疑を終え、採決の結果、二件とも全会一致をもって承認することに決定いたしました。 以上御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(重政庸徳君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。 両件全部を問題に供します。両件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(重政庸徳君) 総員起立と認めます。よって両件は、全会一致をもって承認することに決しました。 —————・—————
○副議長(重政庸徳君) 日程第七、地方公共団体の長の選挙において使用する選挙運動用ポスターの特例に関する法律案(衆議院提出)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。公職選挙法改正に関する特別委員長青柳秀夫君。 〔青柳秀夫君登壇、拍手〕
○青柳秀夫君 ただいま議題となりました法律案について、本特別委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。 本法案は、衆議院の公職選挙法改正に関する調査特別委員長提出にかかるものでありまして、その内容は、前国会で成立した地方選挙の期日を統一して行なう臨時特例法により、全国で三千二百余に上る地方選挙が行なわれる予定でありますが、四月十七日に統一して行なわれる指定都市の市長の選挙における選挙運動用ポスターは、同時に行なわれる知事選挙等、他の選挙のポスターが同じ地域に多数掲示されることにより、十分にその効果をあげ得られないうらみがありまするので、その数を、現行の四千五百枚から、知事のポスターの基本枚数一万二千枚と同数にするとともに、四月三十日に統一して行なわれるその他の市の市長の選挙運動用ポスターについても、指定都市の市長の場合と同様の事情がありまするので、その枚数を現行の二倍の二千四百枚にすることとし、また、市の合併の特例法に基づいて去る二月十日発足した北九州市の設置選挙についても、同市がいまだ指定都市の指定を受ける前に行なわれまするので、その市長選挙におけるポスターの枚数は千二百枚となり、まことに実情に適しませんので、指定都市と同数の一万二千枚にしようとするものであります。 本特別委員会におきましては、二月二十六日衆議院議員岡崎英城君より提案趣旨の説明を聞いた後、同日、質疑を終局して直ちに討論に入りましたところ、格別の発言もなく、採決の結果、本法案は原案どおり全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。 以上御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(重政庸徳君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(重政庸徳君) 総員起立と認めます。よって本案は、全会一致をもって可決せられました。 —————・—————
○副議長(重政庸徳君) 日程第八、狩猟法の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長櫻井志郎君。 〔櫻井志郎君登壇、拍手〕
○櫻井志郎君 ただいま議題となりました法律案について、委員会における審査の経過と結果を報告いたします。 この法律案は、最近、有益野生鳥獣が著しく減少する傾向に対処して、これが保護繁殖に努めるとともに、これに関連して、適正な狩猟の保続をはかろうとするものでありまして、その内容の要点は大略次のようであります。 すなわち、第一に、法律の題名を「鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律」と改め、目的規定を新設し、第二に、鳥獣保護に関する制度を整備して、新たに鳥獣保護事業計画制度を設け、これを中心として、国及び都道府県が計画的かつ積極的に野生鳥獣の保護繁殖の施策を実施することとし、第三に、狩猟の制度を改正して、狩猟免許は各都道府県知事がその管轄区域ごとに行ない、休猟区の制度を新たに設け、また、猟区の維持管理事務の委託制度を整備し、第四に、新たに都道府県に鳥獣審議会を設けるとともに、鳥獣保護員を置くこととした等であります。 委員会におきましては、野生鳥獣減少の原因とその対策、有害鳥獣の駆除、鳥獣保護区と猟区、狩猟者の現況、改正狩猟免許方法及び免許要件、空気銃による狩猟、狩猟関係の税収、狩猟の違反、狩猟に伴う第三者の被害の防止並びに権利の尊重、鳥獣審議会の構成、鳥獣保護員の性格その他が問題となり、また、参考人から意見が徴せられたのであります。 かくて質疑を終わり、討論に入り、仲原委員から、本法案に賛成し、各会派を代表して、野生鳥獣の保護事業の強化、狩猟態勢及び制度の検討並びに狩猟法の運用の適正に関し政府の善処を求める内容の附帯決議が提案され、次に、天田委員から、特に狩猟に関し第三者の権利の尊重及び危害の防止について政府の善処を求めて賛成が述べられました。 続いて採決の結果、本法律案は、全会一致をもって、附帯決議とともに原案どおり可決すべきものと決定し、右に対し、政府側から善処したい旨発言がありました。 右報告いたします。(拍手)
○副議長(重政庸徳君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(重政庸徳君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。 —————・—————
○副議長(重政庸徳君) 参事に報告させます。 〔参事朗読〕 —————・—————
○副議長(重政庸徳君) この際、日程に追加して、 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案、 特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、 防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案、 (いずれも内閣提出、衆議院送付) 以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(重政庸徳君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長村山道雄君。 〔村山道雄君登壇、拍手〕
○村山道雄君 ただいま議題となりました給与関係三法律案につきまして、内閣委員会における審議の経過並びに結果を報告いたします。 まず、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案について申し上げます。 本法律案は、衆議院において修正が加えられて本院に送付されたものでありまして、その改正の要旨は、昨年八月十日の人事院勧告に基づき、全俸給表について、初任給の引き上げ、中位等級以下の俸給の改善を中心とした増額を行なうとともに、高等専門学校の教職員に適用するため、新たに教育職俸給表(四)を設けること。期末手当を〇・二五月分、勤勉手当を〇・〇五月分増額し、その支給割合を改め、新たに三月に勤勉手当を支給できるようにすること。宿日直手当を増額すること等の措置を講ずるほか、一昨年十二月十四日の人事院勧告に基づき、現在暫定手当の非支給地に在勤する職員に対し、三年計画でその一段階分を新たに支給すること等の措置を講ずることにいたしており、これらの措置は、すべて昭和三十七年十月一日から適用することになっております。 なお、衆議院修正の要旨は、各俸給表を通じて、今回の俸給月額の引き上げ額が千五百円に満たないものを、すべて千五百円まで増額すること、及び高校教諭の上位号俸者に対する調整措置を講ずることの二点でございます。 ————————————— 次に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案並びに防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案は、いずれも一般職の国家公務員の俸給月額の改定等の措置に準じて、特別職職員並びに防衛庁職員の俸給月額の改憲等を行なおうとするものでありますが、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案につきましては、衆議院において、一般職にならい、自衛官等の俸給月額に修正が加えられております。 ————————————— 委員会におきましては、生計費と俸給表との関係、人事院の官民給与比較の当否、一部の大学学長を認証官とし、その給与を増額することによって生ずる他の官職との均衡問題、及び人事院の勧告によらずして認証官学長の給与を改定することに関する人事院並びに政府の所見、行政職俸給表(二)の改善措置と衆議院修正との関係、住宅手当の新設、扶養手当の増額の必要性等について質疑が重ねられましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。 質疑を終わり、三法律案を一括して討論に入りましたところ、日本社会党を代表して山本委員より、内容に不満な点があるが、一部修正が行なわれたことでもあり、大局的見地から賛成する旨の発言があり、民主社会党を代表して田畑委員より、人事院勧告の完全実施という立場から反対する旨の発言がありました。 次いで、三法律案を順次採決いたしましたところ、いずれも多数をもって衆議院送付の原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 以上報告申し上げます。(拍手)
○副議長(重政庸徳君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。 三案全部を問題に供します。三案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(重政庸徳君) 過半数と認めます。よって三案は可決せられました。 —————・—————
○副議長(重政庸徳君) この際、日程に追加して、 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案、 検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案、 (いずれも内閣提出、衆議院送付) 以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(重政庸徳君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。法務委員長鳥畠徳次郎君。 〔鳥畠徳次郎君登壇、拍手〕
○鳥畠徳次郎君 ただいま議題となりました裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案につき、法務委員会における審議の経過並びに結果について一括御報告を申し上げます。 本法律案の趣旨は、人事院勧告の趣旨にかんがみまして、一般政府職員の給与を改善する法律案が今国会に提出されたことに対応し、これに準じて裁判官及び検察官の給与の月額を一般政府職員と同様の増加比率で改善せんとするものであります。 法務委員会においては、二月二十一日提案理由の説明を聴取した後、二月二十七日質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して稲葉委員から、両案は、いわゆる裁判官優位の憲法上の原則が十分に貫かれていないこと、人事院勧告の適用期日が完全に守られていないことを理由として、両案に反対する旨の意見が述べられました。次に公明会を代表して和泉委員から、両案について人事院勧告が全面的に守られることを希望するものであるが、今後の研究に期待して、今回は両案に賛成する旨の意見が述べられました。 討論を終了し、一括採決いたしましたところ、原案どおり多数をもって可決すべきものと決定いたしました。 以上御報告を申し上げます。(拍手)
○副議長(重政庸徳君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。 両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(重政庸徳君) 過半数と認めます。よって両案は可決せられました。 —————・—————
○副議長(重政庸徳君) この際、日程に追加して、 国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律等の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(重政庸徳君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。議院運営委員長田中茂穂君。 〔田中茂穂君登壇、拍手〕
○田中茂穂君 ただいま議題となりました法律案につきまして、議院運営委員会における審議の経過及び結果を御報告申し上げます。 この法律案は、今般の特別職の職員の給与改定に伴い、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律並びに国会議員の秘書の給料等に関する法律に所要の改正を行なうものでございます。 その内容は、まず第一に、国会議員の期末手当について、その支給日に在職しない者でも、その日前一月以内に退職または死亡した者には期末手当を支給すること。第二に、国会議員の秘書の給与について、秘書の給料月額三万二千七百円を三万五千九百円に増額するとともに、三月十五日に新たに〇・二カ月分の勤勉手当を支給し、また期末手当または勤勉手当の支給日前一月以内に退職または死亡した者にも、それぞれ期末手当または勤勉手当を支給するなど、一般職の公務員の給与法改正と同様の改正を行なうものであります。 委員会におきましては、審査の結果、全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。 以上御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(重政庸徳君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(重政庸徳君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。 次会の議事日程は、決定次第、公報をもって御通知いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十四分散会