法務委員会 第11号
- 発言数
- 5 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1963/04/23
会議録
○委員長(鳥畠徳次郎君) それでは、ただいまから法務委員会を開会いたします。 本日は、まず、理事の補欠互選を行ないます。 去る三月二十八日、理事後藤義隆君及び松野孝一君が委員を一時辞任されましたため、理事に欠員を生じておりますので、その補欠互選を行ないたいと存じます。 互選の方法は、慣例によりまして、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鳥畠徳次郎君) 御異議ないと認めます。それでは、私より、後藤義隆君及び松野孝一君をそれぞれ理事に指名いたします。 —————————————
○委員長(鳥畠徳次郎君) 次に、刑事事件における第三者所有物の没収手続に関する応急措置法案を議題といたします。 まず、政府から提案理由の説明を聴取いたします。野本法務政務次官。
○政府委員(野本品吉君) 刑事事件における第三者所有物の没収手続に関する応急措置法案について、その趣旨を御説明いたします。 刑法や各種の取り締まり法令の罰則の中には、再犯を防止する等の刑事政策的な見地から、犯人である被告人以外の第三者の所有する物についても、それが犯罪の用に供された場合等には、被告人に対する附加刑としてこれを没収する規定が設けられております。これがいわゆる第三者没収の制度でありますが、この第三者没収の手続に関しましては、かねてから論議の存するところでありました。昨年十一月二十八日、最高裁判所大法廷は、関税法違反事件に関して、第三者が被告人に対する附加刑の効果として所有物を没収される場合には、その第三者についても、告知、弁解、防御の機会を与えることが必要であり、これなくして第三者の所有物を没収することは適正な法律手続によらないで財産権を侵害する制裁を科するにほかならない、したがって、かような手続に関する規定が設けられていない現行法制のもとで第三者の所有物を没収することは、憲法第三十一条に違反し、ひいては同第二十九条違反の結果となる旨の判決を言い渡しました。この違憲判決によって、手続規定が整備されない限り、麻薬、密輸貨物、密造酒等のような本来没収されるべき物件についても、それが第三者の所有物であるときは没収できないというはなはだ不合理な事態が生ずることとなり、早急にこれに対処する立法措置が必要とされるに至ったのであります。 ところで、現行の没収制度につきましては、右の判決に示された手続規定の不備にとどまらず、諸外国における近時の立法例や改正刑法準備草案に見られるような、没収を附加刑としない立場からも再検討を要するのでありまして、そのためには、手続法のみならず、実体法についても根本的な改正を加える必要があると考えられるのであります。それにはかなりの日時を要する見込みでありますので、今回の法案は、とりあえず右の違憲判決によって生じた障害を除去するための必要最小限度の応急措置を講ずるため、第三者保護のための手続規定を設けるにとどめたものであります。したがって、この法案は、将来刑法改正作業等によって没収制度が抜本的に整備されました暁には当然廃止されるべきものであります。 この法案におきましては、まず第一に、刑事事件において被告人に対する附加刑として第三者の所有物を没収する場合には、事前にその第三者に対し被告事件に参加する機会を与え、参加が許された第三者には、没収に関し、意見陳述、立証、上訴等につき原則として被告人と同一の訴訟上の権利を賦与し、このような手続がとられない限りは、没収の裁判をすることができないものと定めて、事前参加の方法による第三者保護の手続を規定いたしました。次に第二として、万一、法律上没収することのできない物について没収の裁判が確定した場合には、自己の責めに帰することのできない理由によりその裁判の言い渡し前に権利を主張することができなかった第三者に対し、事後救済の方法として、一定の要件及び手続のもとに、確定裁判の没収部分の取り消しを請求する権利を認めることにいたしました。かように、両者相まつて、今回の違憲判決の要請する趣旨に適合するよう措置を講じたものであります。 以上が、刑事事件における第三者所有物の没収手続に関する応急措置法案の趣旨であります。 なにとぞ、慎重御審議のうえ、すみやかに御可決下さいますようお願い申し上げます。
○委員長(鳥畠徳次郎君) 以上で説明は終わました。 本案に対する質疑は、後日に譲りたいと存じます。 本日は、これにて散会いたします。 午前十時二十四分散会 —————・—————