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43回国会参議院1963/03/29

文教委員会 第15号

発言数
107
登壇者
7
会派数
3
開催日
1963/03/29

会議録

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) ただいまより文教委員会を開会いたします。  本日の委員長理事打合会について報告いたします。  本日は、まず、学校教育法の一部を改正する法律案及び公立の小学校及び中学校の特殊学級における教育の振興に関する法律案について発議者より提案理由の説明を聴取した後、国立学校設置法の一部を改正する法律案の審議を行なうことに決しました。  以上御報告いたします。

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) それでは、まず、学校教育法の一部を改正する法律案及び公立の小学校及び中学校の特殊学級における教育の振興に関する法律案を一括して議題といたします。  まず、発議者より提案理由の説明を聴取いたします。米田君

米田勲日本社会党

○米田勲君 ただいま議題になりました二法案につきまして、提案者を代表してその提案理由及び内容の概略を御説明申し上げます。  まず、学校教育法の一部を改正する法律案から申し上げます。  去る昭和三十一年、第二十四回国会におきまして、参議院文教委員会の提案にかかる公立養護学校整備特別措置法が制定されまして以来、地方公共団体による養護学校の設置が漸次進展し、同法制定の当時わずかに六校に過ぎなかった養護学校が、三十七年五月現在では六十四校を数えるに至りました。しかしながら、その収容人員はいまだ八千二百八十二人の少数にとどまり、これを学齢にある特殊児童生徒のうち養護学校に就学すべき該当者の推計二十五万余人に比べますれば、まことに微々たるものと申さねばなりません。さらにまた、昨年五月一日現在の学齢児童生徒のうち、精神薄弱者、肢体不自由者、病弱者、身体虚弱者の推計は、実に百万人といわれておりますが、これらのうちすでに養護学校に就学している者及び就学猶予者、就学免除者等を除きましても、一般の義務教育諸学校に就学している学齢特殊児童生徒の数は、優に八十五万人をこえるものと推定されるのであります。このように、本来当然に養護学校または特殊学級において特別の教育を受けるべき多数の児童生徒が、その体力や知能に適応しない教育を施されておりますことにより、彼らはその生涯を通じて、拭い去ることのできない甚大な不幸を蒙る結果となり、他面、一般正常児に対する教育効率の上に及ぼす影響もまた僅少でないことが容易に察知されるのであります。近年、特殊学級設置の必要性について社会の関心が次第に高まり、保護者においてもその理解と認識を深めつつありますことは、まことに喜こぶべき傾向でありまして、中学校の特殊学級におきましては、個々の生徒の能力に適合した職業指導を行なうことにより、社会人としての彼らの将来に光明を点じ、着々教育成果をあげておりますことも、特に注目すべき事実でございます。しかるに、学校教育法第七十五条には、「特殊学級を置くことができる。」となっておりますために、公立の小学校及び中学校における特殊学級の設置は、なお遅々として進まず、昭和三十七年度におけるその学級数は、小学校においては三千百六十五学級、人員にして三万四千二十三人、中業校においては千三百五十三学級、人員にして一万五千六百八十一人でありまして、それぞれの総学校数に対する比率は、小学校一四%、中学校一一・九%に過ぎません。そもそも憲法は、すべての国民が、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有することを宣言し、教育基本法もまた教育の機会均等の理念を高く掲げております。顧みまするに、昭和二十二年に学校教育法が制定され、翌二十三年度からは、盲学校、聾学校についてもその就学義務と設置義務とが学年進行をもって施行され、昭和三十一年度をもって完成いたしたのでありますが、ひとり養護学校のみが、施設、設備、教職員等の諸条件と関連して取り残されることとなり、いまだにその義務制の実現を見ることができないのは、まことに遺憾にたえないところであります。この際、早急に養護学校及び特殊学級の施設設備と教職員とを整備拡大し、精神薄弱児、肢体不自由児、身体虚弱児等に対し、その心身に適合した教育を施すための年次計画を樹立して、特殊教育の充実をはかり、これが義務制を完制させますことが、国家社会に課せられた重大な責務でありますことを痛感いたすものであります。  以上の理由により、この法案は、学校教育法に所要の改正を加えようとするものであります。まず第一に、養護学校における就学義務及び都道府県の養護学校の設置義務に関する規定を、昭和四十三年四月一日から施行するものとし、就学義務に関する規定は、昭和五十一年度までに学年進行の形において実施するものといたしました。第二に、都道府県は、昭和四十三年三月三十一日までは、その区域内の学齢児童生徒の数に応じ、政令の定めるところにより、一以上の養護学校を設置しなければならないことを規定いたしました。第三に、特殊学級の定義を明らかにするとともに、市町村は、昭和四十八年四月一日以後、その設置する小学校及び中学校に精神薄弱の児童生徒のための特殊学級を、また必要がある場合には、精神薄弱以外の心身に故障のある児童生徒のための特殊学級を置かなければならないことを規定いたしました。第四に、市町村は、昭和四十八年三月三十一日までは、その区域内の学齢児童生徒の数に応じ、政令の定めるところにより、小学校及び中学校のそれぞれ一以上に、精神薄弱の児童生徒のための特殊学級を置かなければならないことを規定いたしました。なお、この法律は、公布の日から施行するものとし、第二及び第四の規定は、昭和三十九年四月一日から適用するものといたしました。  以上が、この法律案の提案の理由並びに内容の骨子でございます。  次に、公立の小学校及び中学校の特殊学級における教育の振興に関する法律案につきまして御説明いたします。  さきに、学校教育法の一部を改正する法律案の提案理由として数々申し述べましたとおり、精神薄弱、肢体不自由、身体虚弱その他心身に故障のある児童生徒に対する教育の特殊性にかんがみ、国及び地方公共団体が小学校及び中学校の特殊学級における教育を振興し、これらの児童または生徒に対する教育の水準の向上をはかることが重要な課題であることを痛感いたしますゆえに、ここにあわせて本法律案を提出いたす次第でございます。  法案は、第一に、国はその任務として、公立の小学校及び中学校における特殊学級教育の振興をはかるように努めるとともに、地方公共団体に対し、特殊学級教育の振興に関する総合計画の樹立、教育内容及び方法の改善、施設設備の整備充実、特殊学級教育に従事する教員の現職教育または養成の計画の樹立とその実施等の諸施策を奨励しなければならないことを規定いたしております。第二に、地方公共団体は、特殊学級教育の特殊性に基づき、公立の小学校及び中学校において特殊学級教育に従事する教員の定員及び待遇について、特別の措置を講ずべきことを規定いたしました。第三に、国は、特殊学級を置く小学校または中学校の設置者である地方公共団体に対し、特殊学級教育に必要な施設及び設備で政令で定めるものに要する経費の二分の一を補助することを定めました。なお、この法律は、昭和三十九年四月一日から施行することといたしてあります。  以上がこの法律案の内容の概略でございますが、申すまでもなく、この法律案は、さきに御説明いたしました学校教育法の一部を改正する法律案と表裏一体をなし、密接不離の関係に立つものでございます。  何とぞ、以上の二法案を合わせて、十分御審議の上、すみやかに御賛同下さいますようお願いいたします。

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 以上で、両案についての提案理由の説明聴取は終わりました。

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 次に、国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  前回に引き続き質疑を行ないます。質疑のおありの方は御発言を願います。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 昨日、米田委員から法案の内容並びに全体的な関連につきまして、詳細にただしましたので、大体二点について再度問題を明確にいたしたいと思っております。第一は、配付された資料によりますと、二十二県、二十九カ所の設置要望がなされておりますが、三十九年度において五県のみ本法の中に入っておりますが、落とされた各県の処置について、三十九年度にどのような配慮をしようと考えておるか、局長の所感を承りたいと思います。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 本年度の国立高専の設置希望の府県でございまして、しかも三十八年度開設に載らなかったものがございます。三十八年度は御承知のように十七校を要求いたしまして、そのうち三十八年度創設として十二校、さらに三十九年度創設として五校分が認められたわけでございますが、文部省といたしましては、先般来お答え申しておりますように、三十九年度はこの五校だけに限って創設をするという考えではございませんので、予算の許す範囲内において、さらにつけ加えて設置をしたいというふうに考えております。そういうような場合に、現在の時点では、落ちております府県の場合におきましても、今後一年間の間に十分整備をされまして、準備をされまして、さらに三十九年度開設の御要望がございますれば、そういうものについては十分三十九年度予算編成の際に考慮をいたしたいと思っております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 大体の方針はわかりましたが、三十九年度創設の校数は、七年度、八年度の校数と大体同程度のものを作りたい、こういう考えでしょうか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 明年度の要求校数をどの程度にするかということについては、ただいまこの場所で申し上げることは差し控えたいと思いますが、ただいま御指摘のございましたように、三十七年度も三十八年度も十二校開設ということが認められておりますし、実際の要求はそれぞれ十七校でございましたので、でき得れば、この程度の要求は三十九年度においてもいたしたいと思っております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 大臣の米田委員に対する答弁でも明らかなように、大体、三、四年の間にできれば各県一校程度は設置したいという方針ですから、大体大まかに、年次計画というかたくななものでなくて、意図としては、十二、三校から四、五校程度は逐年作っていきたい、こういう考えであると判断して、大臣、よろしいですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 大体そういう気持でおります。同時に、いつかもお答え申し上げましたように、高等専門学校は、今、工業の課程だけを置くことになっておりますが、その他の課程につきましても、具体的にどこに置くかということもあわせて検討をしてみたいと存じておりますので、それらもあわせて、できるだけ、これならば現年度及び明年度とほぼ似たような程度のものは置きたいものだと考えております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 局長にお尋ねしますが、資料によりますと、北海道二校、宮崎、福岡二校、滋賀、岩手、これだけが三十八年度設置希望のものから落ちたもの、すなわち五県八カ所ですか、間違いないでしょうか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 北海道の二カ所と、それから岩手県、それから滋賀県、それから福岡県、熊本県、宮崎県、とにかく現在の時点までに御要望のあったものと申しますか、三十八年度において御要望のあったもので、しかも落ちておりますのはそれらの県でございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 熊本と福岡の場合には、いわゆる大牟田、荒尾地区という両県にまたがったものができたから、すでに一枚できたのだから、熊本と福岡については今年度は採用しない、こういう考え方が主たる理由になって、福岡並びに熊本のほうは落ちたのでしょうか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 大牟田、荒尾地区につきましては、これは御承知だと思いますが、実は一昨年来非常に強い御要望がございましたが、いろいろ地域配分の関係、それから準備の関係等で、三十七年度設置はしなかったのでございます。この大牟田、荒尾地区は両県にまたがっておりまして、まあこの場合には、これを熊本県あるいは福岡県のものというふうに、一県に片寄せて考えるのは適当でないだろう、これはその地域の特殊なもの、特殊地域に関するものというふうに私どもは考えて、ここに設置することにいたしたつもりでございます。したがって ここにできましたからといって、熊本県あるいは福岡県に将来高専を作らないというふうには考えておりません。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 一応考え方はわかりましたが、たとえば佐賀県であったかと思いますが、三十七年度には強く希望したけれども、三十八年度は設置要望を文部省に出さなかったという県もあると思いますが、熊本、北海道、宮崎、福岡、滋賀、岩手等、三十八年度並びに三十九年度から落とされて設置を強く要望している県が、次年度に対しても同様の態度をとった場合には、それに五校プラス十校といいますか、これを設置するだけの個所が予算として獲得できた際には、優先的に希望するこれらの県に対して、高専が設置されると考えてよろしいですか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 高専の設置につきましては、御承知のように地域的な配分と、それからいろいろの準備状況、ことに土地に関する準備状況等を主点としまして、さらに産業関係の条件とか、あるいは教員の準備の状況というようなことを考えて設置の場所をきめるわけでございますが、こうした点が全く同じレベルにきておりますような場合には、すでに前年あるいは前々年等から御要望のあるものについて、特に文部省としては慎重に考慮をすることにしております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 ただいまの局長の見解について大臣の所見を承りたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 具体的にどこへ置くかにつきましては、毎度申し上げておりますように、ことさらの政治的な配慮を一切排除して、事務的に、客観的にとらえて決定するという態度で今日まで参っております。三十九年度にプラス・アルファとして、何をどこへということも、同様の積み重ね方式で、実態に即して参りたいと思っております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 原則的には了解できますが、来年度多数の県が希望した際に、同一条件であれば、今回漏れた、先ほど私が読み上げた諸県に対しては、条件さえ整えば三十九年度分には十分配慮していく、このように理解してよろしいですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 条件が同じであるならば、早く名乗りを上げたところに好意を寄せるのは人情だろうと思います。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 最後に、このことに関してもう一点だけ。私だけでなくして、福岡県出身の議員の中には、与野党を問わず、産炭地である田川、飯塚地帯、いわゆる筑豊地帯については、学芸大学分校が統合された場合には高等教育機関が皆無である。したがって、産炭地振興という角度からも、あの地域にしかるべき大学ないしは高専を設置したいという、また設置すべきでないか。北九州とか、あるいは久留米とか、大牟田とか、福岡とか、特定の地域に学校が集結するよりも、適当な配分をしたほうがよろしいという、まとまった意見ではないのですが、大体それに似かよった見解を持っている人が多いのですが、これらの産炭地に対して高専を作っていくということについて検討を加えられたことがありますか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) ここにございますように、小倉市からは従来一応の御要望が出ております。しかし具体的に私どもに、それほど計画的なものを、実はまだお持ちになって拝見さしていただいてはおりません。ただいま御指摘のいわゆる北九州地区という広い地域のものにつきましても、今まで私は承っておりませんので、現在のところ、これについてはまだ検討をいたしておりません。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 条件が従前の諸地域と同等であれば、産炭地域であるという点は、何といいますか、よりいい条件として、ある意味では優先的にといってもいいですが、高専を設置しようという考えは持っておられますか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 申すまでもなく、北九州は非常にわが国では重大な工業地帯の一つでございまして、これらの地域にありますところのいろいろな工業関係の産業について、不足する中堅技術者を養成するという意味から申せば、工業高専の御要望が出ることも考えられると思います。そのような場合にはひとつ慎重に配慮をしたいと思っております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 法案に直接関係する問題は私はこれで質問を終わりますが、次に、文部省並びに法制局に質問したいと思います。以前もこのことは本委員会で審議したことですが、現在まだ三十八年度に創設される高専については国会で審議中ですが、それに先がけて、言いかえますると、まだ海のものとも山のものともつかないうちに生徒募集を行ない試験を行なうということは、建前論からすると、国会の、ある意味では審議権に対する軽視であるし、法的に言っても違法というか、かなり法の歪曲を免れないと思うのですが、大臣の所見を承りたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 概念論から申し上げますれば、法律に基づいてあらかじめ準備行為としての入学試験等を行なうことを許していただければ、概念論として私は必ずしも非難さるべき筋合いじゃなかろう、こういうふうに思うのでございます。もし国会の審議がノーとなった場合にどうだという結果論だけから見ますれば、妥当でない面がむろん出てくることは否定できないと思いますけれども、国会の審議が円満に進行するということを前提として、たとえば受験する生徒ないしはその保護者も、すべてそれを承知の前で入学試験に応ずるということでありますから、形式論として、また生徒及び保護者の立場からする国民的な感触から申し上げましても、必ずしも非難さるべきことじゃなかろうと、こういうふうに思っております。

今枝常男法制局長

○法制局長(今枝常男君) お答えいたします。法律の成立によりまして初めて正規に設置されまする学校につきまして、募集あるいは試験の行為をあらかじめいたしませんで、法律が成立いたしましてから初めてこれをするということをいたしますれば、これは法的に何ら問題ない、これはもちろんでございます。ただ実際問題として、法律が成立した場合の仮定のもとに、事実上の準備行為としてこれらの行為をいたしますことが、直ちに法に抵触することになるかどうかということになりますと、これは直ちに抵触するということは困難ではないか、こう思う次第でございます。ただ実際問題といたしまして、これはどこまでも国会の審議が順調に運びまして法律が成立いたしましたということを仮定して、それを前提とするのでありますからして、これらの行為をいたします場合に、そういった条件のもとでの仮定のものであるということについての十分な配慮がなされなければならない、こう思っておる次第でございます。なお、それとともに、国会の審議権との関係におきましては、これは申すまでもなく、法律は国会が全然独自の立場で審議いたすべきものでございますので、募集あるいは試験等の行為が行なわれていますということは何ら国会の審議に影響を及ぼすべきものではない。したがって、また国会はこれらのことに考慮なく、独自の立場で審議が運ばれるべきものであるということについては、そうあるべきものだ、こういうように考える次第でございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 そのとおりだと思うのですが、だからこそ、本年度、逆に青いますと、三十九年度の創設を法律に規定するということは、五校については次年度の入試については全く合法になるわけですね。したがって、望ましいことは、立法上としては、募集ということを正式にやる以上は、前年度創設を法律で決定し、その法律に基づいて成規に募集をしていく、これが望ましい姿であると思いますが、再度、法制局長の見解を承りたい。

今枝常男法制局長

○法制局長(今枝常男君) ただいまのお尋ねの問題は、これはむしろ法的な問題といいますよりも、どの限度で前もっての準備行為がされることが適当か、あるいはまた予定する法律にどの程度の余裕をおいて準備されるのが実際上のやり方として適当するかという問題でございますので、法制局の立場としてこれを直ちに是非を申し上げることは困難ではなかろうか、このように思うのでございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 再度お尋ねしますが、法律成立以前に募集が行なわれる、そしてこの種の学校であるということを募集要項にも書いて実施された。ところが実際はそうならなかった。そのために他の学校を受験せずしてその学校のみ受験しておった場合に、生徒は被害を受けるわけですが、その際の被害というのは当然国が責任を持つべきであると思いますが、法制局長、どう思いますか。

今枝常男法制局長

○法制局長(今枝常男君) ただいまのお話の例の場合、募集要項にそういう趣旨のものであるということがはっきりいたしております場合、これは少し冷やかな言い方ではございますが、そういう場合にその事情を承知の上で応募したということでございますので、たいへん冷やかに申し上げますけれども、この場合直ちに——と申しますのは、応募したのでございますからして、本人はそういう危険をみずから負担しておるということになりますので、冷やかに申しまして、直ちにこれが補償の問題になるというふうに考えることは、ちょっとむつかしいんじゃないか、こういうように思います。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 ちょっと質問の要旨が聞きとりにくかったと思うのですが、そういう意味じゃないんです。一昨年でしたか、久留米工業短大に付属高校を併設するという法律案が本委員会に提案されました。その法律通過の前に、久留米工業短大の付属高校の募集要項を見ますと、文部省も高専に切りかえる予定である、したがって、付属高校であるけれども、工業専門学校となるんだと、こういう要項を文書にして配布しました。今日まで高等専門学校にならないために、私もたびたび父兄から陳情を聞きましたが、文部大臣を初め文部省も、このことは耳に痛いほど聞いておられるはずです。これは冷やかにとか、あたたかくとかいうことではなくして、募集要項にそういうふうに記載されると、工業短大の付属高校であっても、将来、将来というか、この法律が通過すれば、高専法が通過すれば高専になるんですよと文書に書いて募集をした、それが今日までならないとすれば、そのことも、本人が危険を覚悟で飛び込んだんだから、ひかれて死ぬのはやむを得ませんと、そういうことになりますか。

今枝常男法制局長

○法制局長(今枝常男君) 今のお話でございますと、これは先ほど申しましたことは直ちに当てはまらないかと存じます。ただ、国家の補償の問題は、現在行なわれております法律によって、ある要件が定められておりまして、その要件に合うかどうかによって補償されるべきものかどうかということがきまって参るわけでございますが、その場合、国家賠償法の関係でございますが、国家賠償法の要件にはちょっと当たっていないのではないかというように考えておるのでございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 国家賠償法を適用して損害補償をしなさい、こういう趣旨で質問しているのじゃないのです。補償をするしないの問題よりも、学校選定の際に工業専門学校になるのだ、こういう募集要綱を手にして応募して入ってみた。ところが三年目になっても高専にならぬ、どうしてくれるのだ、こういう事態が現実に起こっておるということは、やはり法律通過以前に募集が行なわれるということで、四月一日から発足さしたいという趣旨については、文部省の考えておることは私は十分了としますし、私自身も賛成です。しかし、だからといって、あなたが御答弁のように国会の意思はそのことに左右されず審議さるべきですし、ノーと出た場合には、単に国会で審議中だから、あるいは学校ができそこなうかもしれませんけれども、受けてみたい、これは私自身の気持だから、どうなってもかまいませんよと、こう言い切ってしまうのは教育問題として若干の問題があると思います。だから、やはり好ましい形は、今回の三十九年度の措置は、一部分とったという意味においては私どもは好ましくない形ではないと思うのですけれども、正規に学校が法的に成立しておるその中で、国会の審議いかんにかかわらず、きちんと嫡出子として成立した学校として募集をしていくことが望ましくはないか。したがって、たびたび本委員会で質問しているように、単に五校分ということでなくして、三十九年度分十二校作る予定であれば、大蔵省と話し合いの上で十二校という正式決定をして、その正式に創設された学校で正規の募集を行なえるんじゃないかと思います。こういうふうに考えておりますが、大臣の御所見はどうですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 御指摘のとおり、法律も予算も正式に成立をいたしました直後から募集に着手する、そうして開校に持っていくというのが望ましいことであることは御指摘のとおりであります。その意味から申し上げますと、先刻もお答えしましたとおりに、理論的には法制局当局からも話がありましたようなことで、不合理というか、法律の趣旨そのものが間違っておるというふうなことにはならぬといたしましても、受験する生徒の立場に立ちました場合、もし国会の審議がイエスと出ないでノーと出たと仮定しまするならば、法律的には、概念的にはかれこれ言われ得ないといたしましても、教育的に、もしくは政治的に政府の責任課題として残ると思います。その責任をどうして果たすかは具体的に申し上げられませんけれども、恐縮千万な事態があり得るという不合理性はある。したがって、御指摘のように、全部正式に成立した後にスタートするということが最も望ましいことと存ずるのであります。でございますが、一面において国立高等専門学校制度そのものの成立をみましたならば、制度を国会でお認め願ったならば、なるべくすみやかに発足をして教育の場を広げるという努力もなさねばならない課題であると存じます。その間のかね合いをお認め願って、事前の準備をしても、政令で諸準備を整えてやってもよろしいという制度論としての国会のお許しを得ておりますので、昨年もやったような次第でございます。今度はその望ましい姿と比較的望ましからざる前年同様の姿とが同時に存在しておりまして、先日来その点をめぐりまして御指摘を受けたのでありますが、実質的な課題としては、国民の立場からは一応御納得をいただいておるであろうというところに期待をし、かつまた政令によって準備してよろしいということになっておりますが、極力、受験者の不利益になりませんようにという心づかいは十分にしておるつもりであります。たとえば受験の時期にいたしましても、他の公私立の高等学校の受験の時期に先んじて受験時期を定める、そうしてまた次に来たるべき公私立の高等学校等を受験することに支障なからしめるという配慮だけはいたしておるわけでございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 再度、大臣にお尋ねいたしますが、今あなたの答弁の中にあったように、三十九年度分すなわち次年度に創設する学校を法律に盛り込んでいくという点については、いき方としては私たちは基本的には賛成です。ただ、ある分だけ出して、新しく追加するものについては次年度というこのいき方がおかしいという批判をしておるわけです。次年度新たに三十九年度分をまた法律を出されると思いますが、その際には四十年度分も展望して出すように努力する意思がありますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 御質問があまりはっきりつかめない部分がありますが、三十九年度に開校予定として五カ所をこの法案で御決定いただきたいと思っておるわけですが、先日来プラス・アルファと申しますのは、先刻の御質問にお答えしたとおりの考え方でこの問題に対処したいと思います。そこで結果的にどう出るかは別問題といたしまして、九年度に開校予定の五校、そのほかに何校かが予算折衝で結論に到達したとしまして、そのプラス・アルファの部分は今御審議願っておる三十八年度開校分と同じ姿で五つの今度開校を予定されましたものと一緒になって開校の時期を迎える。したがって、一つは法律に正確に根拠をおいて発足し、プラス・アルファは応急的な準備措置をいたしまして発足する、二種類になるわけでございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 だから、三十八年度の国会に提案されるであろう高専設置の法律案には、本法案に規定されておる三十九年度の五つの分は載らないけれども、新設する分は当然載りますね、その法律案の中に。ちょうど今年度三十九年度分として出したと同じような形で四十年度分も展望して合法化された高専法として準備していく。つまり翌年度までそのつど展望していくという努力をされますかと聞いておる。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) その点が少し申し上げにくいのでございますが、先日の米田さんのお尋ねに類似の御質問がございましてお答えしたように思いますが、当然に今御審議願っておるのと同じ形で四十年度開校分が法律の御審議課題として出てくるということを今具体的にお約束するようなことは困難だと思います。これは理屈抜きの予算折衝の現実問題に根拠をおくことでございまして、理論的に究明されれば、今度がそうであるならば、来年度同じように法律案の審議をするときには同じようであるべきだと、形を整える意味においてはそう害われましょうけれども、実際問題といたしますと、予算折衝の財務当局との話し合いがきまりましたその予算に基礎を置いて法律案を立案するということになりますので、もし、話は逆行する話ではございますけれども、三十九年度開校分何校ということだけが新たに予算折衝で結論づけられました場合には、四十年度がこれこれだ、今度と同じような形になって出てこない可能性が多分にございますので、当然にお約束を申し上げるようには申し上げかねますので、御了承を得たいと思います。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 気持はよくわかるのですが、指摘しましたような弊害が起こらないように、できるだけ今年度の中途半端な次年度展望の措置を、全体展望するような努力をお願いしたいと思います。  そこで、先ほど質疑した久留米工業短大の問題で、最後に今後の処置を明らかにただしておいて質問を終わりたいと思う。私、当該学校の学長並びに事務局長その他から提出された資料ですし、その人々の言葉ですし、私としてはそれを信用しているのですが、まさか国立大学の学長、事務局長等が、にせもののパンフレットを作って、高専になる予定でございますという募集の仕方をしましたということを国会議員に言うはずはないと思う。私はそれがどこに責任があったか、どういう責任をとりなさいという問題ではなくて、少なくとも生徒父兄は、付属高校の発足の際に、同時に高専法がかかってるから、高専法が成立すれば高専になるのですよという募集要項なり募集の際の説明を聞いて入学したという事実については、私は重大な問題だと思う。このことについて、そうした事態についての情勢は御存じですか、局長でよろしいです。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 学長なり、あるいは事務の者から正確に、これこれの文書によってそういうPRをしたというように正確な把握をいたしてはおりませんけれども、大体今御指摘のような意味の言葉は私も聞いたことがございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 事務局長は、その資料を目の前にして、付属高校ができるのに、法律は高専法と全く別の法律なのに、付属高校が高専になりますという、そんな不見識なことをどうして募集要項に書きましたかという私の問い詰めに対して、それは全く御指摘のとおりですが、実は文部省の事前了解を得ました、こう言っておる。その際のあなた方の意図がどこにあったかは、今は過去のことですから問いません。ただ、あなた方もお聞きでしょうし、私自身も聞いておるのは、国立学校が募集要項と違った方向でいっておるということ、直接言いますと、高専に切りかえられるのだといって募集しておきながら、三カ年間も据え置きされておるということに対する父兄の不満、生徒の不満が非常に強いものがあります。私は父兄の皆さんには、単に行政府の責任としてでなくして、国立学校でありますから、やはり政治の問題としても責任の一端は負うべきでしょうという見解は披瀝してきたのですが、当初、もし高専に切りかえたいという意図を持っておられたとすれば、あの際、委員会において高専並びに付属同校はそのまま存置していきますという大臣の答弁が誤りであったわけです。私はその転回の問題を掘り起こそうと思いませんけれども、本委員会における大臣の答弁のいかんにかかわらず、今、局長が認められたように、生徒自身は高専に切りかえられるとして入学しておるとすれば、政治の課題としても、また教育の問題としても早急に解決すべき問題ではなかろうかと思うのです。このことに対して局長並びに大臣の御見解をお聞きしたいと思います。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 御指摘のございましたように、久留米の工業短大につきましては、付属高校を作りますときから、お話にございましたように、将来五年制の高等教育機関ができれば、それに切りかえて発足したいという気持がございました。しかし、いろいろな事情から今日までこれができておりません。現在の時点におきましても、学校の当局者並びに地元あるいは学生の父兄等にはその気持がございます。私は将来の問題として、これはやはり学校当局者並びにその関係者のお気持を十分汲み入れて検討していくべき問題だと思っております。その際に、いわゆる一年生からスタートして学年進行していくべきものと本来は考えますけれども、現在いる学生が、特にやはり高専の学生として教育を受け、高専の卒業生になりたいという希望が非常に強い場合には、何らかの特別の措置がもし考えられるならば、本来これは正道ではないと思いますけれども、たとえば特別の学力の考査をして編入というようなことも考えることがもしできるならば、そういうような措置もとりたいと思っております。しかし現在の時点ではその辺のところまではまだ検討いたしておりません。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 先ほど来、久留米の短期大学につきましては、一昨年の審議以来のことを念頭に渇いての含みのある御質問であります。申し上げないでもいいことかもしれませんが、制度論、概念論としましては、お答え申し上げましたことに筋は通っておると考えております。御案内のごとく、専科大学という構想がいろいろの都合によりまして思いとどまらざるを得ない、それにかわった制度とでも申し上げましょうか、国立の高等専門学校という制度で発足することを許されました。たまたまそのときが同時でございまして、制度論上はそれとこれとの相違があることは当然のことでございましたが、今もお話が出ましたように、生徒及びその父兄及び学校当局、これは短大から五年制の高等教育機関に移りかわりたいという希望が当時からもあり、今でも熱烈なものがあることは私自身も承知しております。したがって、募集要項等の問題は一応別といたしましても、文部省としては、その父兄と生徒及び学校当局のその熱意にこたえるあらゆる努力をしなければならない、かように考えております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 この問題に移ります際に、冒頭から問題を掘り起こして責任を追及しようとする意図ではない。現に生徒自体が被害を受けているといいますか、苦しんでいる問題の解決という観点から質問しますと言っておいたのですが、あなたのような答弁をなさると、私はまだこれで終わられません。同一国会に高等学校を付設するという法案と高専法を出しておいて。どちらも事前に入学試験を行なって、そうして新たに作る付属高校の生徒に対して、文部省自身も高専にかえるのだ、こういうことを了解して募集した、このことは非常に大きな問題でしょう。そしてこの問題になったいきさつは御存じのように詳しく述べませんが、私どもがいろいろ質疑をして、結局、文部当局が工業短大の付属高校と高専とは別個のものです。どちらも存置していく方針ですと、あなた方が答えたのです。その答弁をあなた方がしたために、久留米工業短大の付属高校は高専に移行できなくなったのは、当時の委員会に出席しておった皆さんも、議事録でも、明らかなところです。だから募集要項のいきさつは別にして、今生徒が高専に切りかえてもらいたいという希望を持っていることについて善処したいというのは若干とうかいした言い方ですね。別に作るということで発足しておっても、その後に父兄と生徒、学校が高専に切りかえてもらいたい、これも採用してよろしいと私は思います。その意味においては大臣の見解を肯定します。しかし問題の発足は、移行しますという方針で募集しておきながら、国会の委員会の席上では移行しません、それぞれ併置していきます。存置していきますというあなた方の答弁が支障となって移行されないでおる。言いかえると、法律通過前に入学試験という準備行為をあなたの要請で委任されていることによってやった方針と異った結論が国会で出た、その犠牲を子供が受けている。このことに対して謙虚に文部大臣というか、文部省は、法制局長が言うような補償有無の問題じゃなくて、そうした法的な問題ではなくて、教育論として生徒に対して十分の責任を感じ、このことに対してすみやかにどうするのかという方針を出すべきじゃないですか。再度、大臣の見解を承っておきます。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 募集要項を別としましてもと申し上げたのは、それがあるからなおさらでありますけれども、かりにそれを別にいたしましても、生徒、父兄、学校当局にその熱望がある限りはそれに応ずる措置を講ずることが当然だと、いわんや募集要項あるにおいてをやのつもりで申し上げたのでございまして、ほかの意味で申し上げたわけじゃございません。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 責任は感じておられますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 感じておりますから、先刻申し上げました大蔵省、政府内部でも大蔵省が相手があることでございますし、国会の御審議もお願いしなきゃなりませんので、最後的な、結論的なことはむろん言う立場にはございません。ベストを尽くしてその熱望にこたえねばならない、あらゆる努力をすべきである、こう申し上げたゆえんでございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 大体了解しました。そこで、三十八年度の分についても、工業短大当局並びに当該市が非常に高専に移行するといいますか、法律的には言葉が若干問題があると思いますが、変えてもらいたいという強い要望を持っておったことは御承知のとおりです。来年度のうちにも、条件さえ整えば福岡という地域も荒尾、大牟田地域にできた問題とは別個に考えるということで、ある程度の展望はできたのですが、もし久留米工業短大に高専を付設していくとすれば、工業短大の付属高校は従来のあなた方の本委員会における答弁どおり、ずっと存置していかれる方針ですか、それとも、当初、募集要項等でその意図で入ってきた生徒であるから、付属高校の生徒が高専のたとえば四年生、五年生の課程にそのまま編入できるような措置、四年生、五年生という学年の指定は若干無理があると思いますが、現在、付属高校に在学している子供が、高専に一年生から新たに試験を受けて入るという形じゃなくて、同一と見なされる学年に偏入していくということも検討すべき課題であろうと私は思うのですが、どう考えておられますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) その点につきましては、先ほど政府委員から申しましたとおり、移行する措置を考えねばならない。すなわち三年生から四年生に進級するのと、実質上同じようになるような考慮を払うべきものと心得ております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 よくわかりました。最後に一点だけ。その際に、高専が設置された際に、工業短大はどう処置されるおつもりですか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 工業短大にすでに入っております者は、当然これは工業短大で卒業することになると思います。現在、付属高校に入っております者で、必ずしも自分は高専のほうへ移行することを希望しないという者がもしありますれば、そういう者が卒業するまで、当然、工業短大は残るわけでございます。それ以後にこの工業短大をどうするか、高専が完成したときに工業短大を廃止するかどうかということについては、その時点で検討をいたしたいと思っております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 大臣に念を押しておきたいのですが、付属高専は高専が設置されたならば、編入等の措置によって新たに入る者の募集停止が行なわれて自然解消をしていく、付属高校な存置して、三年か、四年かの後になくなってしまうわけですから、実にくだらぬ法律を作ったものだと思うのですが、憎まれ口は別にして、付属高校はなくなるものと考えてよろしいか。ただし高専ができても、久留米にある工業短大は、現段階においては高専と別個に存置していく方針であるのか、それとも工業短大は商専の設備、施設等が整ってきちんとなった際には工業短大は廃止するという考えですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) その点はちょっと今はっきり申し上げかねる意味もございますが、気持としましては、今、政府委員が申し上げましたような措置をとって、その時点において考えるべき課題ではございますが、工業高校を付置しました短大は少なくとも久留米には廃止する。そして高等専門学校に完全に切りかえるという措置が望ましいと、ただいまのところは思っております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 方針は明らかにわかりました。局長にお尋ねしますが、工業短大に高専を併設しているところはほかにもあったと思いますが。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 宇部の高専、それから長岡の高専でございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 宇部、長岡はいずれも三十七年度の創設であったと思いますので、間もなく高専の三年生と四年、五年の課程と短大とが同じ程度になる時期がきますね。したがって、将来の問題でなくて、大体来年度あたりには工業短大の一年生と、高専の、来年は四年になりますか、三年になりますか、終わりですか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 三十八年度で二年が終わります。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 そうすると、その時期には、工業短大のうちで高専が併設されておるところで付属高校がない、その二つの宇部、長岡等についても、高専が一年から五年まできちんとでき上がると、工業短大は廃止される方針ですか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 宇部、長岡につきましては、従来からそういう態度でだんだん移行するということを学校当局者は考えておられます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 そうすると、文部省の工業筒校、工業高専、工業短大等に対する考え方としては、高専が全国的に整備されていくと、工業短大は廃止していく方針である、こういうふうに考えてよろしいと思いますし、また従来、高専ができれば工業短大は作らないのだ、このように理解していいのですか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 御承知のように、ただいま申しましたもの以外にも、たとえば宇都宮とか、あるいは北見というところに工業の短期大学がございますが、これは現在のところ、これを高専に切りかえるというような措置を考えておりません。なお、将来この高専制度ができた後、将来さらに国立の工業短期大学を作るかというお尋ねでございますが、これは私ども、やはり工業技術者を作る建前から申しますと、やはり工業短期大学よりは高専のほうがベターであろうと考えておりますので、これは将来国立の工業短期大学を作るというふうなことは考えておりません。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 そのことが、以前に世論をにぎわした短期大学縮小論と、根底においてつながっていますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) つながっておりません。現に宇都宮の工業短大は、一部に工業高等専門学校に移行したらばという意向もあったようですが、学校当局及び生徒、父兄の大部分は、短大のままがよろしいという意向だと承知いたしております。しかしながら、さっき政府委員から申し上げましたように、学修年限が五年だとすれば、一貫した教育をやったほうが、少なくとも工業に関してはベターじゃなかろうか。最終的な結論まではまだ申し上げかねる時期かとも思いますけれども、そういうふうな感触でおることは事実でございます。さりとて、今、例に申し上げましたように、宇都宮の工業短大のごとく、学校当局も、生徒も、あるいはその父兄も、現在のままが希望だといわれるところもございます。その意向は少なくとも過渡的であるのか、あるいは永久であるのかは別としましても、考慮されねばならぬ課題だと思います。その他の工業以外の部門について、今後、高等専門学校という制度も考えたいとむろん思っていることは、お答えいたしましたところでありますが、しかしながら、特に女子についての短期大学制度というものは、それ自体高専に移行するのせぬのという問題以前の、落ちついた一つの学校制度として厳然としてあると思います。社会的な価値判断から申しましても、在学生あるいは学校当局から見ましても厳然たるものがあると思います。そういうことで、短期大学制度というものを一般的に廃止して、高等専門学校制度に切りかえるという意図は全然ございません。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 局長にお尋ねしますが、四年制の工業単科大学を増設していくという考え方はありますか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) これはやはり産業界の状況その他必要性を考えて、技術者の養成をどうするかということに関連するわけでございますが、四年制のものについて、三十八年度では御承知のように埼玉大学に工学部を作っていただきたいということをお願いいたしております。で、現在のところ、これ以外のものについて、四年制の単部あるいは工業大学を作るということは現在のところ考えておりません。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 高専のよりよい充実から考えても、また、今あなたが答弁された趣旨に立っても、たとえば久留米の場合を、短期大学から工業大学に移行し、高専と同時に併置していけば、一方においては、よりよい科学技術の研究なり養成ができるでしょうし、一方においては、ある意味では実用的な速成的な高専のほうにもよい影響を与えていく、こういう点が考えられるのですが、宇部、長岡等についても、むしろ短期大学を将来廃止するということでなくて、工業大学に格上げして充実していくということが、科学技術者の養成という点からも、科学技術の進展という点から考えてもいいと思うのですが、そういう構想はないのですか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 従来そういうお話も承っておりませんし、私どもとしても、その辺までは、四年制の工業大学に昇格させるという点までは考えておりません。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 最後に、大臣にお尋ねいたしますが、久留米の場合は、早急の間に先ほどの御答弁どおり善処していただくことが期待できるかどうか。それと同時に、北海道等についても、米田委員の質問に答えられたように、現在二カ所、もう一カ所程度は作っていく必要があるのではないかと考えられておるのですが、福岡の場合でも、久留米の場合は特殊な事情にあると思いますので、早急にこの問題を解決していただきたいと同時に、福岡県における高専配置の問題は久留米とは別個に考慮してもらいたいと思っておりますが、お考えはどうでしょうか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) これは、全国的な視野に立っての検討も必要でございますし、具体的に福岡県それ自体の地元の準備状況その他等も考え合わせる必要がございますので、具体性はもちろん考えられますけれども、検討さるべき問題だとは心得ております。

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 この位置選定の問題について、米田委員が昨日質問されたし、なお本日も、先刻、同様の問題が質問されましたが、私は納得のいかない点があるから質問するのです。こうした位置の選定をされるのについて、昨日お話では、地域の進捗状況も考慮した、一方には土地の整備がどういう状態になっておるか、これも考慮をした、で、大臣の言われるのには、決して他の意見を入れないで、政府としての案を作って、これは政府としてきめたのだ、こういうふうに言っておられるわけですね。それで、それ以外に何か基準を求めて位置選定をされたのかどうか、これだけでは納得のできない基準ではないかと私は思うのです。しかも専門学校を設置するという上においては、もっと広範なものを入れて選定をするというのが、私は文教政策の大きな問題じゃないかと思うのです。局長からひとつ。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 従来から申し上げておりますように、高専の設置場所の選定につきましては、その御希望のあります場所につきまして、いろいろその組織あるいはその地域の産業上の立地的な条件、それから高専をスタートします際の、教員が十分獲得できるかどうかというような配慮等も考えまして、そのほかに、さらにただいま御指摘のございましたような全国的な立場での地域的な配分あるいは土地その他の準備状況、こういうものを全体的に考えまして場所をきめているわけでございます。

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 この基準としては、結果的に言いますと、教員の一体雇用ができるのかどうか、こういう条件だと思いますね。産業発展の度合いによる、この必要性からくる問題と、それから土地の準備が完備できているかどうか、進捗状況はどうなっているか、大体そういうことで、きのうとは多少ニュアンスが違ったので、産業の状況と教員のいわゆる犀川状態がいけるかどうか、二つこうあったと思う。きのうはどうしてそれを言わなかったのか。きのうあれだけ質問をしつこくされたのに基準という問題は答弁がなかったわけですが、私は基準が聞きたい。何を基準としてやったかを聞きたいのだが、今二つ、教員の雇用問題が出てきた。さらに一方には、産業の発展度合いを見て必要に応じてやったのだ、これが二つ加わった。それじゃ、きのうはどうしてそれを言わなかったのですか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) これは従来から申し上げておったところでございまして、ただ昨日の米田先生のお尋ねは、主として三十九年度に五校分が回っているが、この五校分はどういう理由で回ったかという私はお尋ねと拝聴をいたしました。これにつきましては、地域的な配分の関係と、それから土地その他の準備状況の条件等が十分でないということで、この工校だけは三十九年度開設に回しましたというように申し上げたつもりであります。従来から高専の設置場所の選定の基準といたしましては、先ほどお答え申し上げましたように、産業立地上の条件、それから教員確保の方策といったものむ考えてやっているわけでございます。

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 そうなると、鳥取と島根——米子と松江の問題、汽車でわずかの時間なんです。これは。これは先ほどあなたの御答弁の中では、先ほど質問があったように、大牟田と荒尾地区ですか、こういう考え方の中で設置する必要もある、こういうふうに考えたとおっしゃるのですが、逆に私の聞きたいことは、宮崎だとか、岩手だとかという、こういうこれから産業開発をやらなければいかぬ、これを取り残すよりも、鳥取と高根をいずれかを一つにして、あと残るのをどうして三十九年に入れなかったのですか、それをひとつお聞きしたい。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 宮崎県の都城に高専を作ってもらいたいという御要望が……ましたのは、実は私どもが概算を編成いたしましただいぶあとでございまして、実は十二月以降のことでございます。非常に御要望がおくれてきておりますので、三十九年度開設にももちろんこれは取り上げておりません。それから岩手につきましては、これは概算編成のときにすでに出ておりましたが、東北地区の各県の中では一番やはりスタートがおくれております。その関係で若手は三十九年度以降に検討すべきものであるというふうに考えたわけでございます。

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 大体昨年と今年と来年のこの規模を見ると、あと十二県ないわけですね。けれども、私はこの十二県の中で八県あるいは九県はおのおのその地域には産業の専門学校があると思うのです。染色専門学校とか、市立でもありますし、あるいは私立でもありますし、いろいろな学校があると思うのですが、いよいよないというところをどうして考慮に入れなかったかという点を聞きたいのです。全然ないというところは今言ったような岩手、宮崎というところはないのです。どうしてそれを、せめて三十九年の該当にも入れなかったというその理由が聞きたい。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 三十九年度にこれを全然取り上げませんでしたのは、先ほど申しましたように、宮崎はそのときにまだ御要望が全然出ておりませんでした。予算が決定するころになりまして、三十九年度以降でいいからひとつ検討してくれという程度に実はお持ちになったわけでございます。岩手はこれは一関でございますが、御承知のように、盛岡には工学部がございます。全然県内にはないわけではございません。ただその点を考慮して落としたというのではございませんで、先ほど申しましたように、地域配分の関係で、東北地方の各県に一時に全部作るということが困難でございますので、岩手は三十九年度以降に検討するということにいたしたわけでございます。

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 それでは、もう一つ聞きますが、この名前を変更されておるのですが、私は地理に明るくないから聞くんだが、有明というのは、これは熊本に該当するのですか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 福岡県の大牟田と熊本県の荒尾市の境界線に近いところでございます。

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 これは市ですか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 両方とも市でございます。

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 ところが、あんたのその、要望ということと準備ということを言っておられますが、宮崎は十二月にきた、こういっておられるわけですね。ところが希望報告に載ってないじゃないですか、有明は。これはどういうわけですか。もう一つ意見を加えて申し上げたいのですが、少なくとも政府に請願するとかいう場合は、市で決議をするとか、市会で、県会で決議してちゃんと準備をして、これはくるはずなんです。そうですね。それはわかるでしょう。ところが、有明市というのは載ってないじゃないですか。それをどうして有明に持っていって、おくれたからといって宮崎をやめ、あるいは岩手をやめて、何に一体ウエートを置いておるのかわからない。その点はどうしてですか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 有明市という市は実はございません。大牟田市、それから隣りに熊本県の荒尾市があるわけでございます。その両市が一緒になって特殊の地域としてここに作ってもらいたい……。

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 ここでいいということにしたわけですね。それでは大臣にお聞きしたいのですが、少なくとも私はこの要望がおそいとか早いとかいう観点でなくて、やはり教員の充足ができないほど産業がおくれておるということですね。学校もおくれておる。こういう見方をしたほうが正しいと思うのですね。さらにまた、この都市の希望がなかったから、こういうことにあまりウエートを置かないで、日本全体のやはり学校教育をどうするか、産業にどれだけ寄与させるか、こういうことが第一番に私は問題になるべきだと、こう考えるんです。そういう点を重点に置かないで、あまりにも今度の位置選定というものはでたらめだと私は言わざるを得ないと思う。大臣、この点どうですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) でたらめというおしかりはちょっと当たらないように思いますが。と申しますのは、毎度申し上げておりますように、四十六都道府県に原則として一つずつくらいは配置すべきであろう。そのことは当面します科学技術者不足にこたえることももちろんでございますけれども、一つには、都道府県単位に申し上げれば、国全体としてもそうでございますが、今後の日本の産業のあり方というものは所得倍増とか何とかいうことを離れまして、それ以前の基本的な課題として、貿易自由化あるいは世界の交通機関の発達に基づく地域的な時間短縮というふうなことにからみまして、農業立国だけでいけないことは明らかであり、工業に移行するということが日本の生きる道であろう。農業基本法もそういうことも根底にあっての構想かと思うのでございますが、そういたしますと、好む好まざるにかかわらず、農業の規模が拡大される、合理化されるということは、いわゆる農村の次三男対策というものも、一つの職場を考える場合には、一般的な課題としてここに登場せざるを得ない。都道府県でいうならば、その都道府県が農業県でありましょうとも、農業、工業並存県にならざるを得ない。そうします場合に、農業県だから農業に中心を置いた学校は従来あるけれども、工業の学校は必ずしも整備されていない。御指摘のとおりのことがあると思うわけであります。そこで、原則的には各都道府県に工業高等専門学校というものを配置することが、以上申し上げましたような今後のそれぞれの都道府県の動向に応ずる対策になるであろう。したがって、一県一校ずつぐらいは、こういう基本的な考えに立つわけでございます。そうしますと、できれば四十六都道府県一挙に置きたいものではございますが、現実としてはそれを許しませんので、その緩急軽重を何をもって、端的に申せば、どこに先に作るかということを考えます場合に、あまり自慢になりませんが、土地の提供を根本的には地元にお願いするという建前できておりますことからいたしまして、そのことも念頭に置きながらのその県としての要望、熱意というものが、立ち上がりがおそい早いがあるわけでございます。そういうおそい早いということを現実にとらえまして配置します実際上の根拠にもいたしておるところに、不合理といえば不合理がございましょうが、いずれかは全国的に配置されべき学校制度でございますので、まあその辺はごかんべん願って、どこに先にするかを今申し上げたような地元の御要望、熱意というものを一応考えて配置しますために、御指摘のように、たとえば宮崎、たとえば岩手というものが他県よりは二、三年おくれるということに結果的になったことだと御理解いただきたいと思います。それも、おっしゃるような純粋な教育政策、あるいは日本の産業政策と密着した教育政策の見地からならば、緩急軽重は、地元の熱意とか何とかいうことでなしに、客観的な順序を追うていくべきじゃないかという御指摘はごもっともだと思います。思いますが、先ほど来申し上げますようなことで、ある程度便宜的であったという点は、これは御指摘あるいはおしかりを受けてもやむを得ない要素はあるかと思います。まあ一、二年、二、三年ぐらいの違いだからごかんべん願いたいというのが正直な気持であります。

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 大臣の話を聞いておると、わかり過ぎるほどわかってしまって何も言えなくなるのだけれどもね。わかっておってやらぬところに問題があると思うのだが、大体私は、大臣にこれは聞きたいのですが、鳥取と島根のこれが悪いというわけじゃないのです。これを選定されるなら、どうして岩手と宮崎も入れなかったか。たとえこれは一年おくれても、一方には大橋労働大臣もおるもんだから、その意見が強かったかもしれませんぜ。そんなことは私も政治だからないとはいえませんけれども、しかし学校の設置というようなものは、これは土地の事情がかなりあるにしても、むしろ文部大臣としては、私は当局に対して、土地の誘致くらい諸君がやれ、後世の産業の発展に悪いのだ、このほうが所得倍増計画より、産業の発展がどういうようになるかわからぬかというくらいの私は指導があってしかるべきじゃないか。学校だけは将来十年の計、二十年の計を立てる教育をするところですから、そういうところが欠けておるところに問題があろうかと思う。そこで、アルファの問題があるということをきのうから言っておられるのだが、アルファに宮崎と岩手を入れる意思は大臣ありませんか、どうですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 具体的におっしゃるとちょっとお答えしにくくなりますが。

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 感想でもいいですよ、あなたの考え。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 先刻来申し上げておりますように、四十六都道府県に相なるべくは一挙に置きたいというぐらいの気持からスタートしておりますので、プラス・アルファは残り全部と、気持としてはそう思うわけでございます。

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 まあ置きたいという気持でしたら積極的に運動を展開させることにしましょう。これは岩手と何はかわいそうですよ。私が見て。この問題これで終わります。  もう一つあります。私はこれは局長に聞きたいのですが、政府は、この私立の技術学校ですね。早くいえば洋裁学校とか、あるいは理髪学校とか、いろいろな学校がございますね。これは政府は認可制度だけになっておると思いますが、そうですが。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 私立の、まあ職能教育あるいは技術教育を行ないます各種学校は、府県知事の認可ということになっております。

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 府県知事の認可ということになると、この学校に対しての認可した以後のこれに対するいわゆる指導権というものは何らないのかどうか、この点をお聞きしたい。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) この各種学校につきましては、従来は各府県それぞれまあ基準を作って認可するというようなことでございましたが、それにはいろいろ批判もございましたので、先年、文部省で一応のこの各種学校の設置基準というようなものを作成いたしまして、この設置基準に従って各府県で取り扱ってもらいたいということにいたしております。なお、設置いたしました後の運営、教育の実施等につきましても、それぞれ各府県で実情を把握して指導されておるものと思っております。

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 その各都道府県における指導基準と申しますか、そういうものもあらかじめ掌握が政府としてできておるのか、それとも都道府県が思い思いでやっておるのか、その点をお伺いします。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 先ほど申しましたように、設置基準は文部省が一応きめまして、各府県にこれでやってもらいたいということをいっているわけでございます。したがって、現在では各都道府県大体その基準に従って設置の認可をしておるわけでございます。

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 この各種学校のいわゆる労働条件と申しますか、全く劣悪な状態があり、しかも徒弟制度というものが依然として残っておるのですが、そういうことを文部省として何か掌握したことがありますか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) ただいま御指摘のような事柄については、文部省としては現在調査あるいは把握はいたしておらないと思います。

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 大臣に御質問したいのですが、御意見承りたいのですが、私はこの問題は非常に大きな問題だと思うのです。私が知っておる範囲内では、大体その学校を出てそこの学校の教師になりますと、徒弟制度、あるいは名家の、早くいえば美名に隠れて長時間並びに低賃金で酷使しておる事実があるわけですが、学校と名がつく限り、少なくともこれはもう少し都道府県に指導権があるならば、その指導権を中央で掌握して、そうしてできるだけ社会の水準に持っていくような方法を文部省としては考えるべきではないか。学校という名がつく限り、いわゆるこういう徒弟制度的な、つまり悪条件の中でやっておるのが問題じゃないかと私は思うのですが、大臣のひとつ所見を承りたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 実際問題として一々の各種学校等を文部省で具体的に把握していないことは、今お答え申し上げましたとおりでございます。都道府県の教育委員会の指導いかんによることでもむろんございますけれども、お話のようなことがありますことは、むろん遺憾な事柄でございます。さりとてなかなか容易なことではないと思いますけれども、都道府県の教育委員会を通じまして文部省も概括的な実情把握の努力も今後いたしたいと思いますし、また教育委員会を通じまして督励いたしまして、御指摘のようなことをできるだけすみやかに解消できるような方途を会合の機会等を通じまして徹底させたいものだと思います。

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 それじゃ、わかりました。まだありますけれども、大臣もお忙しいようですから、これで終わります。

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 他に御質疑はございませんか。——他に御発言もございませんようですから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。国立学校設置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに御賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 全会一致でございます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時四十二分散会      —————・—————

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