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43回国会参議院1963/03/26

文教委員会 第12号

発言数
269
登壇者
9
会派数
2
開催日
1963/03/26

会議録

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) ただいまから文教委員会を開会いたします。  本日の委員長理事打合会について御報告いたします。  本日の委員会については、まず、日本学校給食会法の一部を改正する法律案の提案理由の説明を聴取した後、国立学校設置法の一部を改正する法律案の審査を進め、その後、日本育英会法の一部を改正する法律業の質疑を行なう。なお、散会後、理事会において、その後の審査日程の協議を行なうことに決しました。  以上御報告いたします。     —————————————

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 日本学校給食会法の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府より提案理由の説明を聴取いたします。荒木文部大臣。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今回、政府から提出いたしました日本学校給食会法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  学校給食は、昭和二十一年に開始されて以来、その普及に目ざましいものがあり、児童生徒の体位の向上はもとより、その教育上にも数々の成果をあげ、身心ともに健全な国民の育成に寄与しているのであります。学校給食のこの意義にかんがみ、政府としては、かねてその普及奨励に努めてきたのでありますが、三十八年度においては、さらに一歩を進め、すべての義務教育諸学校においてミルク給食のすみやかな実施をはかりたいと考え、低廉な価額でミルク給食が実施できるよう必要な予算上の措置を講じたのであります。この施策を実施いたしますため、ここに日本学校給食会法の一部を改正する法律案を提案いたした次第であります。  すなわち、従来から同法により学校給食用脱脂粉乳を一括して取り扱っております日本学校給食会に対し、新たに国が脱脂粉乳の供給に要する経費を補助することができることとするとともに、日本学校給食会が義務教育諸学校に脱脂粉乳を供給する場合には、この補助に相応する全額を控除して価格を算定するものといたしたのであります。なお、この補助を受けた脱脂粉乳については、その用途外の使用を禁止することといたしました。  以上が、この法律案を提出いたしました理由及びその内容の概要であります。何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成下さるようお願い申し上げます。

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 以上で本法案についての提案理由の説明の聴取は終わりました。     —————————————

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) それでは、これより国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑を行ないます。御質疑のおありの方は御発言願います。

米田勲日本社会党

○米田勲君 国立学校設置法の一部改正法案について、今から質問をいたしますが、最初に、この法案の内容を審議する前に、昨年十二校の国立高専校の設置をいたした次第ですが、その後の学校の建設の進捗状況はどうなっておるのか、その概要を話して下さい。

西田亀久夫文部省大学学術局庶務課長

○説明員(西田亀久夫君) 昨年の十二校につきましては、それぞれの予定地に国立文教施設整備費によりまして校舎及び宿舎の建設を推進して参りまして、いずれの予定校につきましても、三十八年度の四月から新校舎及び新宿舎をおおむね利用できる見通しで工事が現在進んでおります。

米田勲日本社会党

○米田勲君 この十二校の国立高専校の設置の問題で、地元に寄付問題で紛争が起こっていることを聞いているのですが、何カ所にどういう問題が起こっているか、具体的に説明して下さい。

西田亀久夫文部省大学学術局庶務課長

○説明員(西田亀久夫君) 高専校の設置につきましては、御承知のとおり、地元におきまして校舎建設予定地を現物で提供するというお申し出がございまして、現在までそれらの土地そのものがまだ国に寄付される際の手続は済んでおりませんけれども、校舎等の建設は、いずれも支障なく進んでおります。それらの土地の所有者と、それらの寄付者との間におきましてどのような問題があるかということにつきましては、私どものほうには直接には耳に入ってきておりません。

米田勲日本社会党

○米田勲君 それはおかしい。これは校舎の建築の問題よりも土地の問題で紛争が起こっている。それを詳細わからぬというのはどういうわけですか、土地の寄付の問題で紛争が起こっていないというのですか、文部大臣わかりませんか。土地の寄付問題について紛争が起こっている。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今、説明員が申し上げましたとおり、文部省自体として具体的に土地の所有者との間にどういうことが起こっているかは正確に承知いたしておりません。

米田勲日本社会党

○米田勲君 この法案を審議した際にも、私から土地の問題について文部大臣にも強く意見を述べてあったはずです。案の定、十二校の国立高専校の設置の建築の問題はとにかくとして、土地を寄付するしないの問題で現に紛争が起こっている。その起こっている問題を文部省は知らないで、またこの法案を出してくるという態度が大体不見識じゃないですか。どんなところにどういう土地の寄付問題で紛争が起こっているかということを知らないでおいて、またこの新しいものを提案してきている。同じような態度で、無責任でないですか。文部大臣無責任だと思いませんか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 無責任だとは思いません。現地の協力会その他の名儀でもって土地を手に入れて、国に寄付するという意思表示をしてもらったことに信頼して進んでいるのでございまして、無責任という問題ではなかろうと思っております。

米田勲日本社会党

○米田勲君 私は、紛争が起こっていないのであれば、それは無責任なんていうことは言いませんよ。当然見積るべき土地の買収費を予算の上で見積らないで、すべて寄付によってやろうという法案だったでしょう。だから僕は指摘した。案の定、この寄付問題で円滑にはいっていない。そういう問題を具体的に、現地の解決の方法だとか、見通しだとか、そういうものをきちっと把握した上でこの法案を提案してくるなら話はわかるのですよ。土地問題で紛争が起こってその解決のめどもつかないのに、その詳細は知らないと言う。それを無責任だと言わないで何を無責任だと言うのですか。国立高専校は国で建てるのでしょう。その国で建てようという土地問題で紛争が起こっておる。それを文部大臣は知らない、無責任だとは思わない、おかしいじゃないですか。国の責任で建てる学校なんですよ。どこの学校でどういう土地の問題で紛争が起こって、それはこういう見通しで、いつごろこういう解決をつけますということを答弁するならまだわかるけれども、何が起こっているのかわからない。紛争が起こっていないなら紛争が起こっていないとはっきり言えば、私から具体的に言います。どうですか、その点は。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) もともと国立学校である工業高等専門学校を設置するにつきまして、予算上も土地の取得代金に相当すべきものを盛ってないということ、それ自体の御批判は別途あり得ると思いますけれども、そういう地元でもって寄付してもらう前提のもとに国としても地元との契約、約束に従ってスタート・ラインを引いて出発をして今日に来ております。で、その地元の協力団体の責任においてせっかく、そういう問題がありましょうとも、折衝し、解決に努力しておる状態であろうかと思うわけでございまして、直接国の立場でその関係に立ち入ってかれこれ処置をするという段階ではないという意味において、直接存じないと申し上げておることであります。これは国が無責任であるという問題とは違うと心得えております。

米田勲日本社会党

○米田勲君 地元の協力団体にまかせてあるという言い方ですがね。初めの話のとおり円滑に事が進んでおれば問題はないのですよ。円滑にいっていないところがあるじゃないですか、だから私は問題にしている。この法案を審議した際にも、なぜ土地の買収費を予算に見積らないのだと指摘してあったとおりなんだ。その事情を知らないでおいて責任をとっているというのはおかしいじゃないですか、地元にまかしてあるというのは。円滑にいっているなら話は別だというのですよ。円滑にいってないじゃないですか。

西田亀久夫文部省大学学術局庶務課長

○説明員(西田亀久夫君) 校地の予定地がきまりまして、それぞれの建設につきましては、各地方の工事事務所が地元の教育委員会なり協力会なりと緊密に連絡をとりまして現在まで仕事を進めているわけでございます。もしおっしゃいますような意味で国がその問題の解決に直接何らかの方法を講じなければならぬような問題があれば、当然その緊密な連絡を通じてお話があると思うのでありますが、現在までそういうお話を当事者から聞いておりません。したがって、あるいは何らかの問題があるとしましても、同盟会その他がそれらの関係者との間にその地元の責任において処理できるというように御判断になっているのではないかと想像いたすわけでありまして、文部省として何らかの考慮を要するような問題は直接提起されておりませんので、存じないと申し上げておるわけであります。

米田勲日本社会党

○米田勲君 あなたの言っていることを聞いていると、土地問題で何も紛争が起こっていないということに聞こえるのだよ。土地問題で紛争が起こっていませんとはっきり言えばいい。言えないでしょう。それをそうずうずうしいことを言ってはだめですよ。

西田亀久夫文部省大学学術局庶務課長

○説明員(西田亀久夫君) 校地問題につきましてそれらを、もとの所有権者との間にお話をつけるのは、地元の期成同盟会が責任をもってやっていらっしゃるわけですから、それらの方々が私どものほうへ、実はこういう事情で非常に困っておるというお話がなければ、直接そのような事情を知る機会がないわけでございますので、現在までのところわかっていないと申し上げておるのであります。

米田勲日本社会党

○米田勲君 何度、大臣とあなたが答弁してみても、どういう現地に土地の問題で紛争が起こって、この学校の建設が初めの計画どおりいっていないということをきちっと調査をして把握しておるべきですよ。何にもわからないんでしょう、まかせっぱなしでしょう、地元に。まあこれ以上知らないのに何だかんだと言ってもしようがないんだが、文部大臣、国立学校を建てるのになぜ土地の買収費を予算に見積もろうとしないんですか。私はそこに問題があると思う。日本の国立学校の昔からの弊風でないんですか。国が学校を建てようというときに、建築費だけ、設備費だけ見て、土地は全然予算に計上しないというところに問題があるんじゃないですか。これは当然国が建てるんだから、人の寄付をあてにしないで国が買収費を見積るべきですよ。それをやらないところに問題が起こる可能性が出てくる。今度のこの法律案も、やはり予算を調べてみると土地の買収費は全然見積っていない。こういうことで国立学校を建てていくという方針は改めてもらわなくちゃならぬ。その点はいかがですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 昨年も十二校設置について衆参両院で御指摘になった点でございます。むろん建前論からいきましてほめたことでないことはわかります。ただ去年も申し上げましたように、これは明治以来の慣行である、新憲法のもと、切りかえられておるんだから、明治以来の慣行ということを申し上げるのはどうかと思いますけれども、現実問題としては、今まで国立の学校を設置します場合に、土地の代金を予算に盛ってやったという例は絶無であるように承知しております。そういうことで戦後も参っておりまして、むろん御指摘のような観点から今後に向かって検討して、きちんとすべき課題であることはむろん承知しますけれども、少なくとも国立工業専門学校に関します限りは、地元の熱意、協力、それに依存するということは、実質的にいえば悪いことではなかろう、こう判断いたしましてスタートしておるわけでございます。御指摘のような紛争などがありますれば、今まではお答えしておるとおりでありますけれども、その解決について必要とあれば、文部省の立場で現地に協力することも当然あってしかるべきものとは思いますけれども、今日までのところはその必要がないという状況で推移しておると心得ております。

米田勲日本社会党

○米田勲君 国立学校を建てるのに土地の買収費を予算に見積らない、それは明治以来の慣行です。それを私は弊風だと言っておる。この前のこの同種の法案を出してきたときに、どういうところに設置をするんですかと言ったときに、四つの条件をあげた。その中の一つは地元の協力だ、土地の寄付だ、こういうことを言っていて、私らは指摘したわけです。国が学校を都道府県に計画的に建てていくという場合に、地元の寄付を得られなければそこには建てられない、教育上から、あるいは国の政策上から当然建てたいと思う個所も地元の寄付がなければそこに建てられない、別な個所にする、こういうことになっている。これはしかし文部大臣、どうですか、そういう弊風を改める気はありませんか。国立学校を建てるときには建物や設備費だけでなく、土地の買収費も当然見積るように改めなければならぬのだ、近い将来にそういうふうにしたいという気持はないんですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 適当の時期に御指摘のような観点に立って、考え直すべきチャンスはつかむべき問題だと思っております。

米田勲日本社会党

○米田勲君 これはそういうあいまいな答弁では納得ができませんけれども、土地の買収費が見積られていないことから、すでに十二校の高専校の設置の問題についても地元との間に紛争が起こっていて、いまだに解決を見ていないところがある。またまた今度は、この法案によって学校を建てようという問題、土地問題で紛争が起きる可能性がある、こういう問題が起こるという点からも、もう一つは、国立学校を建てるのだから、当然必要な土地の買収費は予算に見積るというふうにあらためて確立すべきですよ。あなたの答弁では誠意がないようですが、ぜひこのことについては、今後近い将来に国立学校を設置する場合には、土地の買収費も必ず見積るのだというふうな結論を出してもらいたい。  それでは次に質問に移りますが、十二校の国立高専校を建てたんですが、設置したのですが、この学校の教員の充実の状況はどういうふうになっておりますか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 昨年設置いたしました十七校につきましては、一応定員と、それからことしの三月に入ってからの現員の状況を申しますと、十二校合わせまして教官の定数、これは教授から助手まででございますが、定数が百四十七に対して現員は百三十九、それから事務職員は百四十四に対して現員が百四十四、フルに入っておりまして、合計いたしまして二百九十一人の定員に対して二百八十三人、まあ九〇%以上充実されておる状況でございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 局長にお聞きしますが、その定員についてはいつごろ充足できる見通しですか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 学校当局はそれぞれの、御承知のように各高専について世話大学というものがございまして、それと連絡をとりながら教員の充実をやっておるわけでございます。まあ本年度一ぱいにはおそらく教員関係の百四十七に対して満配になるのではなかろうかと思っております。実際現在すでに、昨年スタートしました高専関係で新たな教員の資格認定の申請をして参ったものがございます。三月末までにはおそらく大体充実できるものと考えます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 その教授、助教授は兼任の人がいませんか、大学の今あげた数字に。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) これは専任の職員だけでございます。それ以外に非常勤の講師等はあると思いますが、ただいま申し上げましたのは、専任の先生でございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 今の数字は専任ばかりの数字ですか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 専任だけの数字でございます。高専のほうの専任者のほうの定員と現員を申し上げたわけでございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 そういう状況から考えて、今後この法案が成立をみた暁には、このように高専校をどんどん増加していっても、理工系の教員に不足を来たすことがないという見通しがはっきり立ちますか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 高専につきましては、まあ大学と高専自体とが非常に密接な連絡をとって、昨年の状況を申しますと充実して参っておるのでございまして、おそらく三十八年度にスタートいたします十二校についても、この教員の充実を冠ども十分できるものと思っております。

米田勲日本社会党

○米田勲君 それは局長、責任を持てますね、必ず充足できると。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 十分努力をして定員だけは必ず充実するようにいたしたいと思っております。

米田勲日本社会党

○米田勲君 その確保した教官の中に、実業界や会社からこの学校に転出をしてきたものがどれくらいの割合を占めておりますか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 精細な資料は持っておりませんが、大体一割五分ないし二割程度が実業界からこの教官になっているものと思われます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 その一割ないし二割というのは当てずっぽうの数字でないですか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 米田先生御承知のように、高専の先生につきましては資格の審査というものがございます。この審査を受けなければ高専の先生になれないわけでございまして、その審査の状況から推定いたしまして大体一五%ないし二〇%というふうに申し上げたわけでございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 この実業界から転出してきた教官についての待遇はどうなっておりますか、待遇の状況は。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) これは一般の教官と同じでございまして、特に、たとえば実業界で従来高給を取っておりましても、特にその点がいわゆる経歴として加味されるということではございません。一般の教育界からこの高専の教官になられる場合と同じ俸給表でございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 私の聞きたいことは、実業界から低い給与の高専校に転出してくるという傾向がある、これが二〇%くらいある、こう言っておるが、質の悪い教官が転出をしてきておるという傾向はないですか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 実業界からこの高専の教官になられます方の大部分は、要するに、実業界でまあ研究的な研究所とか、あるいは試験所とか、そういった方面で働いておられた方というのが多いように思われます。一般の従来の教育界からこの高専の先年になられる方と比較して質が落ちるというようなことは、今までの資格審査においては全然ございません。

米田勲日本社会党

○米田勲君 私は今産業界が相当理工系の人物を求めておる時期に、こうやってどんどん高専校を建てていくと、そうすると、そこにやはり人材を求めるのに困難がある。しかも実業界のほうの給料は高いのに、低いほうへ転出してくるという場合に、当然、具体的にだれそれと言っておるのではないのですよ、傾向として質の悪いのが高専校に流れ込んでくるという場合が考えられるので、今後この高専校に、その方面から問題が起こるという可能性がないかということを心配をしておる。その点の配慮は十分しておるわけですね。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 先ほどお答え申しましたように、現在までの資格審査の実績から申しますと、御指摘のような事実は私はないと思います。ただ将来の傾向としてどうかということでございますが、もちろんこれからの産業界の人材で、高専の教官として十分活用し得る範囲内で産業界の人にまあ高専の教官になってもらうという建前でございますので、産業界の方でまあ質の悪いと申しますか、あまり優秀でないために産業界から締め出されるような方が高専のほうに入ってくるということについては、厳重に私、警戒して、そういうことの絶対に起こらないようにいたしたいと思います。

米田勲日本社会党

○米田勲君 文部大臣にお尋ねしますが、昨年の三月十五日のこの委員会で、関西研究用の原子炉の設備費を予算に計上しながら、設置法の改正案をなぜ同時に提案をしてこないのか、当然これは設置法の改正案も並行して設備費の予算案と同時に提出をして審査を求めるということが当然であると考えられるのに、なぜこの設置法の改正案を出さなかったかという、そういうことの質問に対して、文部大臣は記憶があると思うが、こういうことをあなたは言っている。「その点は、私はほかのことはたいてい賛成申し上げますけれども、今のお説はちょっと賛成いたしかねると思います。」、こういう憎まれ口をきいている。こういうことを言っているのです。「原子力の原子炉を作りまして、共同研究を始めるというときに設置法が意味があるのであって、それを年次計画で物的な設備を整備しつつあるときに設置法の対象にはならない、また、しないというのがまあ一般的な扱い方で、今回は予算的に妥当かどうかを御審議願って、いよいよその研究所としての機能を発揮するときに設置法の審議をお願いするというように仕分けをしている」、こういう答弁があった。そのときは予算の数字だけ出して審議をしてもらうということでは事が済まないのではないか。その構造だとか、あるいは運営、人事等にわたり設置法の問題と同時に改正案を出して審議をするのでなければいけないのではないかというふうに私は主張したのに対して、文部大臣は、その取り扱いは私の申し上げるようになっておるのだ、それが慣行なんだというふうに突っ張ったことを記憶していますか、あなたは。その記憶をしておるのであれば、今回、高専校を、三十九年度分にかかるものまで含めて投資法の一部改正案を提案してきている。これは去年問題を論議したときと全く逆の形だと私は思う。去年はああいう言い方をして、われわれの指摘したことに反発をして、これが慣行だと言いながら、今度はその慣行を破って前とは逆の形で出てきている。これは一体どういうことですか、文部大臣。そのときそのときで都合のいいことを答弁してもらっては困る。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今御指摘のことをはっきり覚えておりませんけれども、そういう考え方で従来きておりますことは確かでございますから、御指摘のとおりだと思います。それで今度の三十九年度設置のことについては、幾分御指摘のようなきらいがなきにしもあらずと思いますが、ただ、いささか違うと思いますことは、地元の熱意にこたえ、協力をお願いをして実施しなければ完全に参りません。また先ほど来御指摘がありますように、現実に開校当初から教員組織をそろえてスタートするのが望ましいことであることも当然でございまして、その意味でははっきり予算措置も講ぜられ、初めて国の意思が決定してもらえまするならば、その線に沿って、不動の態勢でございますから、さっき政府委員からも申し上げましたように、協力してもらう、大学でもその心がまえで人選も早くからしてもらったほうが便利であろうとも思います。土地の入手、整備等につきましても、なるべく早くその心がまえをしてもらうことがトラブルを少なくするゆえんでもございましょうし、そういうことで生徒を募集して開校という時期が、待ったなしの時期がきちっと予定されることでもございますから、幾らかでも早くその準備をするという意味において御説明申し上ぐべき事柄かと思います。共同研究所の問題は、物的設備がまず整いまして、原子炉がいよいよ火入れができるという体制の見通しがつきましたときに設置法で御審議願うことが適切だということは、やはりそれ自体として間違ってもいない事柄だと思います。それとこれとの差異を申し上げれば一応以上のことだと存じます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 原子炉の予算だけ出して審議してもらうというときに、これは設置法の改正案も同時に出すべきじゃないかというふうに指摘したのだが、あなたはそういうときにえらそうに憎まれ口を聞いている。たいていのことは賛成申し上げますけれども、今のお説はちょっと賛成しかねますというような言い方をしたり、それが慣行なんだと突っ張っている。慣行なのなら、なぜ今度も慣行に従わないのか。まず予算だけ出して設置法の改正案はあと回し、そういう去年、人がせっかく指摘をして、当然そうすべきでないかと言ったら、その考え方が正しいのだと肯定しておくならば、ことしはこういうふうに出してきたって、文句ないのだ。人のまじめな質問に対してやゆしたようなことを言って、いいかげんに答弁して、今度は逆の出し方をしている。だから私はおかしいではないかと言っている。それとこれとは違うということではないでしょう。どっちだって設置法の改正が必要なんでしょう。予算案を出したときに同時にそれに必要な設置法の改正案を出して、こういうことでやりたいのだ。この予算を見てくれ、それは審査を求める政府の建前として当然でしょう。それを指摘されておるのに、設置法の改正はいよいよ動き出すときでいいのだ、予算だけ審議してくれ、そういうことを言っておきながら、今度は別の言い方をして逆の言い力をするから指摘する。これはそれとこれとは話は違うということで事は済みますか、文部大臣。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 幾らかギャップはございますけれども、先ほどお答え申し上げたとおりに心得るのでございます。原子炉の建設もどうやら緒につきまして、準備、研究も三十八年度から本格的に始まるということになりましたので、正式の研究所としての法的根拠を与えるという考え方で今度御審議をお願いしておるわけでございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 あんまり憎まれ口をきかないように答弁をしてもらわぬと要らないことを言わなければならぬ。  次の質問に移ります。この今度の国立高専校の新設の案が出ておるのですが、この十七校を設置するという案は、前年度の設置個所との関係は一体どういうふうな考慮を払っておるのか。前年度に設置をしたそれぞれの十二校とどういう関係を考えながらこの十七校を決定したのか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 一般的には高専の設置の場所につきましては、従来から産業的ないろいろな条件、それから教官確保の条件、それから地域的な配分の関係というようなことを勘案いたしまして、もちろん地元で設置してもらいたいという要望のありますところについて設置の条件を検討して場所をきめておるわけでございます。三十七年度に発足いたしましたものと三十八年度に新たに設置されるものとの場所の関係でございますが、一般的な原則はただいま申し上げたようなことでございますけれども、そのほかにやはり前年度から非常に熱望のあったところの場所につきまして、三十七年度においては数の上から制約されまして、ある地方に多数認められなかった、一カ所あるいはゼロのようなこともございますが、一カ所しか認められないようなものについては、多少その辺も勘案いたしまして、三十八年度に数も他の地域に比べて多少一ないし二くらい多く見てやろうということも考えたわけでございます。たとえば例で申しますと、昨年は東北地方におきましては、福島だけが認められて、他の場所は認められませんでしたので、三十八年度におきましては、宮城の名取、あるいは山形県の鶴岡、青森県の八戸というようなところについて、三十八年度設置を考えたというようなことでございまして、前年度三十七年度に数の少なかったものについては多少の考慮をしておるわけでございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 去年十二校の設置案を審議したときに、来年度以降の新設計画はどうなっておるかという質問をした。文部大臣はそのとき、まだ具体的には申し上げかねるが、気持としては都道府県に一カ所見当を五年くらいで設置したいと考えている、こういう答弁があった、この答弁は今でも変わりないですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 変わりはありません。

米田勲日本社会党

○米田勲君 そうすると、大体都道府県に一カ所はという計画を五年の間に完成しようという考えですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) その基本の考え方には変わりはございません。ただ幾らか変わり得るという部分を、まだ私の私見を入れませんけれども、申し上げますれば、工業高等専門学校という専門学校だけを都道府県に一カ所程度ということが最後までいくべきかいなかという点でございますが、最終的な結論ではございませんので、お許しをいただきますけれども、考え方としては、農業の構造改革が叫ばれております。高等学校につきましては、予算的にも三十八年度に近代化、合理化に即応すべき教科内容等も念願に置きながらの補助金等の構想を持って御審議題っておるわけでございますが、高等専門学校の工業高等専門学校に匹敵すべき農業における専門学校という構想もあっていいんではなかろうか、また具体的に農林系統の方面からの御要望もございますが、そのこともこれから検討いたしまして、もしそれが法律を御審議願って決定していただけるならば、工業高等専門学校と農業高等専門学校をあわせ考えて、各県に一つくらいはという構想に移行することもあり得るかと思います。しかし原則的な建前としましては、昨年申し上げた気持に移動はございませんが、それにプラスした意味で、農業についても検討を開始すべきではなかろうか、かように思っておることを申し添えさしていただきます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 今の農業の高専という問題は新たな問題ですが、今度さらに提案をしてきているこの国立高専の設置は、五カ年計画の第二年目だと判断していいですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) さようでございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 そうすると、残余の未設置の県は幾つになりましたか、あと残っておるところ、局長どうですか、数がよくわからぬ。数えていけばわかるのですが、この未設置のところについては、今の大臣の御答弁であれば、あと三カ年間の計画の中では当然設置されるものと判断をして差しつかえないですね。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 先ほど申し上げたとおりございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 この法案の中にですね、十七校設置というのは、秋田、富山、米子、松江、呉の五校は予算その他の都合により三十九年度開設というふうに説明されておる、この予算その他の都合という、その他の都合というのは何ですか、何をさしておるのですか。予算以外の問題について。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 大体設備の整備、あるいは教官の整備等を、いずれも三十九年度中に行なうという建前で、三十九年度に発足するということにしておるわけでございまして、端的に申せば、三十八年度にすべての予算が計上されれば、ただいま申しましたような設備とか、教官その他のすべての経費が計上されれば、三十八年度発足が絶対に不可能であったとは考えられませんけれども、いろいろのワクその他の関係で三十八年度の十二校以外の五校については、三十九年度に開設をするということにきまったわけでございます。したがって、開設の準備は、五校については三十九年度に行なう、そういうことにいたしておるわけであります。

米田勲日本社会党

○米田勲君 予算その他の都合というのは、やはりその他の都合というのは予算が取れなかったから、五校は三十九年度回しだと、こういうことなんでしょう。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 予算が、もし三十八年度の予算に盛り込まれていれば、これは発足は不可能ではなかったと思います。

米田勲日本社会党

○米田勲君 文部大臣、この法案の提案の仕方は少しおかしいではないですか。三十八年度に新設をする学校について提案をしてくるなら、予算とのにらみ合いではっきりするが、三十九年度、まだ予算も何も見積っていないのに、先走って五校だけ提案の中に入れてきたのですが、これは法案の提出の仕方としては解せない、何か政治的配慮でもあるのですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 特別に政治的配慮はございません。今、政府委員が申し上げましたようなことでございますが、そのほかに、端的に申し上げますれば、土地の入手、造成等が他の十二に比べれば比較的おくれておるということでございます。これとても、今、政府委員が申し上げましたように、予算が十分にとれますならば、無理をすればスタートできるということでもございましょう。そう言えないことはないと思います。ただ、本来の姿を申し上げますれば、三十六年度、七年度に発足いたしましたやつもそうですけれども、たとえば高等学校の例の急増対策にいたしましても、できることなら前向きで完了したいというので、三十六、七両年度で、三十八年にピークを迎える準備を整えようということでやったわけですが、国立高専につきましても、できれば土地の入手、校舎の建築、教員体制もあらかじめ準備しながら、開校と同時に完全な姿でスタートするということが望ましいわけです。正直なところ、三十七年度開校の分につきましても、そういうことができませんでした。で、三十八年度開校の分につきましても、三十七年度に準備が行なわるべかりしものでございましたが、どっちが望ましいかといえば、一年前に予算的な整備がなされまして、開校のときには混乱なしに生徒を迎える、開校ができるということが望ましいわけでございまして、したがって、特別に政治的配慮などということは毛頭ございませんで、予算折衝の結論といたしまして、十七校分が全部耳をそろえて取れなかったというのが、そもそものきっかけであり、しかし願くば前向き姿勢もとりたいのだという考えもございますので、先刻お答え申し上げたようなことで、一緒に御審議を願って、五校分につきましては、せめて前向き準備を整えたいものだ、こういうふうに思うわけであります。

米田勲日本社会党

○米田勲君 文部大臣、来年度はそうすると、三十九年度のことですが、三十九年度はこの五校だけを設置の計画ですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) そうはしたくないと思っております。

米田勲日本社会党

○米田勲君 そうはしたくないという意味は、どういうことですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 米田さん御指摘の第三年目を迎える意味においては、この今御審議願っておる五校のほかにプラス・アルファを考えたいということでございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 大臣は、自分の答弁の中に矛盾があるということを感じていませんか。これはね、大体、法案の提出の仕方としてはどうしてもこれは解せない。そんな、次の年、三十九年度の予算も何にも上がっておらないものを提案してきている。これはカットすべきですよ。それは当然でしょう。来年五校だけでない、またプラス・アルファ、来年も十何校かもしれない。そのうちの五校だけはことしきめておく、それは政治的な配慮ではないんだ、あらかじめ三十九年度のをきめておけば、学校の設備だとか、人員の確保だとか、土地の問題が解決つきやすいから、五校だけあわせて提案する、こういう意味ならプラス・アルファを同時になぜ提案しないのですか、おかしいじゃないですか。五校だけは三十九年度分もあわせてやっておく、プラス・アルファは来年でしょう。矛盾していませんか、これは。当然この法案の形式としては、三十八年度に設置する十二校ですか、その十二校を提案してくるべきだ。それは予算とまたタイアップして当然なんだ。それを五校をくっつけた、ところが——来年度、三十九年度は五校だけなんですと、こういうならまだ話はわかるですよ。五校プラス・アルファということになると、いよいよもってこの五校は何のためにくっつけられたかわからない。これは削るべきじゃないですか。どうですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私のお答えに矛盾があるじゃないかという御指摘ですが、そういう意味も少しはございましょう。と申しますのは、五校が三十九年度開校に回りましたのは、その出発点は予算折衝からきております。そのことを御説明申し上げれば、そのあとの、あとからくっつけた意味において申し上げれば前向き姿勢ともなりますから、教員組織の整備、あるいは土地の造成、校舎の建築等も二カ年にわたって整備するということのほうが望ましいことでございますから、そのことをくっつけて申し上げました。一般的なお答えにそれをくっつけた意味においてのある程度の矛盾は私も感じながら申し上げております。ただまあ、ちょっと申し添えますけれども、この土地を地元の協力に求めるという建前に御批判はありましょうとも、そういうことでいきます限りにおいては、地元の熱意にこたえて、全国都道府県に一カ所くらいはという方向づけを一年でも早くたどり着きたいという立場に立たざるを得ないわけでございます。正直のところ。そういうことからいたしまして、予算の折衝が結論が出ましたならば、なるべく早くたどり着きたいという事務的な配慮、そのことが十二校と五校との間に形式的な相違は出てきてはおりますけれども、事務的な配慮がそこに五校として現われたということは申し上げざるを得ない率直な姿でございますが、そのこと自体にいわゆる政治的な配慮などというものはございません。地元の熱苦心にこたえ、そして前向き準備を整えることも、あわせその効果を期待したいと、こういうことであります。

米田勲日本社会党

○米田勲君 こういう設置法を、三十九年度分にかかわる問題まで設置法の改正案を出しておいて、これは来年度の予算、三十九年度予算を拘束することになるのですか、われわれを。設置法だけ先走って改正しておいて、通るか通らぬかはまた別だと。そうすると、来年度この五校については予算を出すわけですね。三十九年度予算案の中に。そういうやり方というものは、これは正しいやり方でないじゃないですか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 三十九年度開設の五校につきましては、御承知と思いますが、施設費が三十八年度の予算に計上されております。一校当たり約九千万、全体で約四億五千万の経費が計上されておりまして、したがって、建物についてはすでにまあ予算に計上されておるわけでございます。で、三十九年度の予算を執行する上からも、その設立について国が責任を持って準備する必要があろうと、そういうふうに考えてこの法案の御審議をいただいておるわけでございまして、もちろん施設費以外の設備費なり、あるいは教官のいろいろな人件費等については、三十九年度にお願いをするわけでございますが、ただいま申しましたように、施設費の関係あるいは諸準備の関係から、ぜひ三十九年度発足のものについてもこの法案で明記さしていただくというふうにしたいと思っておるわけでございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 これは四分五裂ですね、いよいよもって話を聞くと。五校分については全く経費は計上されていないのでなくて、建物もない、何もないのに設備費だけ見積ったり、四分五裂の法案でないですか、これは。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 私が申しましたのは建物の建築費でございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 それは見積ってある。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) はあ、建物の建築費約四億五千万だけ三十八年度の予算に計上しているわけです。

米田勲日本社会党

○米田勲君 この十七校の設置の問題について、去年設置の方針について質問した際に、その第三の条件に、既存の大学の協力や助言が得られるということが一つの条件であった。これは優秀な教員を確保するという立場からこの十七校の設置個所を決定をして今出してきているのですか、既存の大学の協力や助言を求めて見通しがはっきり立ったというので提案してきているのですか、どうですか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 予算の要求をいたします昨年の夏以来、これらの十七校につきましては、それぞれ地元の大学あるいは工学部のない大学につきましては、その地元に近い工学部を有する大学をいわゆる世話校といたしまして、その大学にただいまお話のございましたような教員の確保あるいは学校開設のための諸準備のお世話をお願いをいたしまして、それぞれみんな快く承諾をしていただいて、いろいろの開設の準備をしていただいておるわけでございます。三十九年度開設の五校につきましても、この世話校と申しますか、準備校については、三十八年度開設のものと同様にお世話をいただいておるわけでございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 それは地元にまかしてあるとか、協力会にまかしてあるとかというのでなく、あなたのほうで直接その地元の大学のほうの協力や助言を得られるというはっきりした話し合いがついているのですか、どうですか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 文部省のほうからそれぞれ地元の大学にお願いをいたしまして、大学の承諾を得ておるわけでございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 この十七校については、地元に協力を求めるというのは土地の問題だけですか。   〔委員長退席、理事二木謙吾君着席〕

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 土地の御準備を地元にお願いしておりますが、それ以外のものについては、たとえば三十八年度開設のものにつきましては、仮校舎、それから仮寄宿舎、これはまあ本建築ができるまでのものでございますが、そういうものの御準備をお願いしております。

米田勲日本社会党

○米田勲君 仮校舎や仮宙宿舎まで地元に帯付さしているのですか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 準備をお願いすると申しますのは、一年間だけ、その本建築ができるまでの御提供を願っておるわけでございまして、建築ができれば、それらの仮の施設はすべてまた地元に地元のものとして御使用願う。ですから一年間だけ高専側が使用させていただくということでございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 その仮寄宿舎、仮校舎というのは、十七校の設置個所全部にそういうやり方をしていますか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 三十八年度開設の十二校についてそういった方式をとっておりますので、三十九年度開設の五校につきましては、先ほど申しましたように、この一年の間に校舎と寄宿舎を建築いたしまして、三十九年度開設のものにつきましてはそういうことはいたしておりません。ただ、土地の御準備をお願いしているだけでございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 局長は平気でそういうことを答弁しているがね。われわれは土地の買収費を見積らないことさえ問題にしている。国が学校建てるというのに、その上に仮校舎だ仮寄宿舎だというものを地元に負担をかける、そういう行き力は正しいと思っているのですか、局長はどうですか。大臣は頑迷だからだめだけれども、あなたもそう思っているのか、そういうことが正しいのですか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 新たな学校の発足のためには、その校舎の建築なり、あるいは寄宿舎の建築ができるまで地元でいろいろお世話を願うということは、私特におかしなこととは思っておりません。

米田勲日本社会党

○米田勲君 そういう協力をすることか当然だと、そういう感覚ですか。文部大臣、こういう土地の買収費も国で見積りできないという考えを変えない。あなたのところに学校を建ててやるから仮校舎と仮寄宿舎を建てろ、土地も提供しろ、そういう行き方が国立の学校を建てる本来的なあり方ですか。私はそういうのは間違いだと思うのです。それは地元に、建てたものが捨てられるわけではないでしょうけれども、地元にそういう負担をかけながら国立校を建てていくというやり方は、方針としてはどっか是正されなきゃならぬところがあるんじゃないですか、どうですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 国立である限りは、もう何でもすべて国費でまかなうようにしたいものとは思いますか、それは先刻申し上げた適当な機会を得て切りかえるという問題として考えねばならぬと思いますが、そこで今御指摘の仮校舎、仮寄宿舎等は、特別に建物を新たに建ててどう、だということでなしに、多くは既存の建物をちょっと借りるというやり方でやっておると承知しております。

米田勲日本社会党

○米田勲君 局長、大臣の言ったように既設の建物を借りるというやり方ですか、この十二校は全部。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 三十八年度開設のものにつきましては、すべてが既設のものの借用ということになっております。そのほとんど多くが小学校あるいは中学校の老朽建物で、校舎がいわゆる老朽改築で新たな校舎ができて移転する。移転する場合にあいた校舎を、本来ならばこの三十八年度に取りこわすべきものであるけれども、この一年間だけ使うというのがそのほとんどでございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 今の問題も、これは今時間がないからだけれども、徹底的にこれは論議してみる必要のあることだと思いますから、次の質問に移ります。  この十七校設置の案が今出ておるが、これは去年設置をした十二校と合わせて、科学技術教育振興の一環として中堅技術者の養成をねらって、そういう面を強化するために設置をするんだということだと思いますが、現在における日本の中級技術者の必要概数はどのくらいだと見ていますか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 御承知のように所得倍増計画ができましたときに、この四十五年までの十年間において、高等教育機関、すなわち大学あるいは短大、要するに高等教育機関卒業の技術者の不足は、大体十七万程度であるというふうにいわれております。

米田勲日本社会党

○米田勲君 五カ年計画の第二年目に十二校建てて、あと漸次残りの三カ年の間に建てていく、そういうところで養成される中堅の技術者という者は、五年後になると、国が必要とする中堅技術者を大体その計画を完成することによって満たすことができるという見通しですか。   〔理事二木謙吾君退席、委員長着席〕

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) この十七万と申しましたのは、大学を含めた数字でございまして、その十七万の技術者不足に対応して、三十六年から技術者養成計画を立てまして、その養成を計画に従って大学及び短大、高専の学科の定員の増を実施してやって参っているわけでございます。その計画で参りましても、実はこの十七万全部を充足するということはきわめて困難でございます。と申しますのは、三十六年からスタートいたしましても、その最初の卒業生が出て参りますのは四年後でございますので、この四年間の技術者不足を全部カバーするということはなかなか困難なことでございます。しかし、一応この技術者養成計画に従って、私どもの立てました第一期分二万人の養成計画につきましては、すでに一年間期間を短縮して、三十八年度で達成される、こういうような状況でございますので、今後はさらにこの第二期計画を立てまして、それに従って逐次技術者の養成をしていきたい。高専の持っている使命から考えまして、中堅技術者の養成の点から申しますと、各府県一校の高専ができまして、さらに現在は各高専とも二学科ないし三学科でございますが、場合によってはこの学科の数を増強いたしまして、五学科並進にするというような方策を講じますれば、大体中堅技術者については充足できるのではなかろうかと思います。と同時に、御承知のように私立の高専も逐次できて参っておりますので、そういう国立だけでなしに、国公私の高専を総計して参れば、中堅技術者については一応養成ができるものと考えております。

米田勲日本社会党

○米田勲君 北海道には去年函館、旭川、二カ所に高専が設置されたわけです。御承知のように今度の三十八年度以降の開発計画は、こういう北海道のように東北の大県と新潟県を合わせたような広い地域を考えにおいて開発の計画などを見ました際に、先ほど五カ年計画の中で、都道府県一カ所というような計画があるのですが、北海道にはこの五カ年計画の中には、もう二カ所以上作るという考えはないわけですか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 北海道はまあ今後の産業開発の上から、きわめて重要な地域でございますし、また具体的に開発計画もございますので、第一年度の三十七年度におきまして、特に函館、旭川、二カ所を設置場所にきめてスタートしたわけでございます。今後の、三十九年度の五校以外の学校につきましては、現在具体的なプランを立ててはおりませんけれども、御承知のように北海道は北見にも工業短期大学がございます。中堅技術者の養成機関としては三校あるわけでございますが、それ以外にも北海道の道内で、高専をぜひ設置してもらいたいという強い御希望を持っておられるところもございますので、この高専三校、短大一校にかかわらず、将来は、具体的にそれぞれの地元の御要望等も考えて、十分検討したいと思っております。

米田勲日本社会党

○米田勲君 国立高専校の設置が、こうやって毎年増加していく経過については一応わかりましたが、既存の理工系の国立大学の問題を合わせて私はお聞きしておきたいわけです。この二、三年、私も大学をだいぶ見て歩いた。ところが、日本の国立大学は惨たんたるものだと言ってもいい。耐用年数をはるかにこえたような古びた校舎、しかも日進月歩の世の中に、まるで古くさいような機械設備、施設、そういう状態だとか、あるいは待遇とも関係があるのだが、教官の充実の状況、こういう問題をあげると、非常に今の国立大学には問題がある。特に私、感じているのは設備、施設と校舎の改築問題です。こうやって一方に国立高専校をどんどん設置をしていくことはわかるけれども、一体、現在の国立大学の校舎の建築だとか設備だとか、そういうものをどの程度改善をし、充実していく計画を持っておるのかということを聞きたいくらいなんです。そのほうは今のままで放置をして、こういう中堅技術者を養成するのだといって国立高専をどんどん作っていくということでは、何か文教政策全体としてみた場合には片ちんばだと、今の大学はこれでいいのかということを、どこへ行っても感ずるわけですね。この点はどうですか、どういうふうに考えていますか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 国立大学の施設あるいは設備が最近の学問の進歩等に必ずしもマッチしていないという御意見は、私もそのとおりだと思っております。御承知のように、国立大学は相当数が戦争のために焼失いたしまして、また戦後、相当木造等の建物につきましては荒廃し老朽化して、いわば危険建物になっているものもございます。こういうものにつきまして、御承知のように三十六年度から五カ年計画を実は樹立いたしまして、この線に従って本年まで年々国立文教施設の整備をして参ったわけでございますが、最近はやや予算の額も増加して参りましたけれども、私ども文部省の事務当局が考えているほど実は整備のテンポが進んでおりませんので、さらに三十九年度以降に新たに施設整備の長期計画を立てまして、急速にこの施設の改善をはかって参りたいと思っております。ただしかし、高等専門学校が片方にできたから、そのために、四年制の大学の施設整備がおくれるというようなことは現実にはございませんし、またそういうふうにさせてはならぬと思っております。高専は高専であり、四年制の大学のほうはそれとは別個に施設を急速に整備をしなければならぬと思います。老朽設備の更新ということには、従来からも、これもやはり年次計画を立てて逐次整備をいたしております。まだ不十分でございますが、さらにこの整備計画の線に沿ってできるだけ新しい設備に更新する。また最近の学問のテンポに従った新規の設備を入れるということについて努力して参りたいと思います。

米田勲日本社会党

○米田勲君 今のことで、休憩に入ろうという豊瀬理事の話がありましたが、これについて資料を要求します。それは国立大学全体にわたって、現在の校舎の耐用年数との関係はどうなっているか。それから木造、鉄筋、モルタル、そういう種類も別にして、それから改築の計画があれば、それぞれどういう見通しで改築の計画が立っているか、それから現在の国立大学、特に私はこの高専校にからんでいるので、理工科系の国立大学の設備費として、文教政策上どうしても必要である、早急に更新をして、設備を充実しなければならぬというその計画がどういうふうに立てられているのか、その所要経費は各校ごとにどのくらいになるかというような資料を、ひとつ整備して提出してもらいたいと思います。  文部大臣にお聞きしますが、今問題になっているのは、高専校とは別に、国立大学の問題、特に高専校と関連のある理工科系の国立大学施設、設備は惨たんたるものだということを、大臣も見て歩いてわかっているのかどうか。それと校舎も明治時代の校舎を使っている学校が相当ある、こういうことについては、もっと抜本的な対策を講じなければ、たくさんある国立大学をどうやって更新していくのだ、校舎の改築問題一つだって大問題じゃないか。それをじんぜん計画なしに過ごしていけば、これはある段階がきたら、とてもしまつ悪いものになってしまうと思うのですが、この点についての文部大臣の配慮はどういうふうになっておりますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 大学の一部しか見せてもらっておりませんので、全部はむろん知るよしもございませんが、御指摘のような研究設備が陳腐である、建物が木造で老朽建物であって危険でもあるし、火災等の心配もあるということは、就任以来、常に聞かされていることでございまして、先刻、政府委員から申し上げましたように、今までの五カ年計画で不満足ながら経過いたしましたが、さらに新たな構想のもとに、もっとピッチの上がった整備をすべきである、かように心得ております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 小林さんにちょっと午後の準備のために、質問をかねて要望しておきたいのですが、先ほどあなたが答えた所得倍増計画の四十五年までに達成の十七万ですね。高等教育機関と言ったのですが、高専も高等教育機関の中に含めているのですか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) この所得倍増計画がスタートしましたときには高専制度がございませんでしたけれども、要するに学校の段階別を考えまして、高等学校卒でなしに、高等学校以上の年令と申しますか、学年卒業のものを、たとえば短大等につきましては、先ほどの科学技術者の中に入れておりますので、高専も当然この一審不足しますところの十七万人養成計画の際には、短大卒と同様に扱っていくべきものであると考えております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 所得倍増計画を当初の計画どおり進めておられるかどうかということは別の問題ですが、一応それを前提として、四十五年までに十七万は、今あなたが言った意味の内容を含めて大体において達成し得るという見込みですか、大まかな答弁でけっこうです。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) これはそれを目標に、国、公、私立大学、短大、高専等を通じて努力して参りたいと思っております。ただ、先ほど米田先生のお答えに申しましたように、十七万全部やるということは、先ほど申しました四年間のズレがございますので、なかなか困難だと思いますが、極力整備をいたしまして、できるだけ十七万の不足を少なくしたいということでございます。当初約八万程度の予定でありましたものが現在では十万程度に引き上げられております。さらに今度具体的な整備計画に従って国公、私立の数を増すことによりまして、十七万との差を縮めて参りたいと思っております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 わかりました。午後までに、計画があれば四十五年度までの国立大学の中でどういう措置を講じて、四年制大学を終了する者を何方養成しようとしておるか、短大関係ではどれだけ養成しようとしておるか、高専関係ではどうしておるか、それが四十五年度までの十七万の人的配当といいますか、これはできれば理系、理工それぞれありますが、その内容まで検討しておればそれも付して、それからそれに要する年次別の必要経費の概算、四十五年までのですね。それが一つ。それから三十七年度に、文部省に三十八年度高専設置を希望した県がほかにあったはずです。意味はわかりますね。その県名、それと当該県を削除した理由、落とした県、それから同時に三十九年度分の五校と関係して、次年度プラス・アルファをしたいという大臣の考え方ですが、当然、大臣の米田委員に対する答弁から考えると、三十九年度分をつけてきた趣旨からすると、プラス・アルファの構想がなければうそだと思うのです。それをどの県に設置しようとしておるか、それも同時にあわせて出してもらいたいと思います。以上です。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 豊瀬委員の最初のほうの、四十五年度までのどういう大学にどういう措置を講じて理工系の学生をふやそうとするか、経費概算というようなことになりますと、具体的な、私どもこまかい検討は、ちょっときわめて短時日の間にはむずかしいと思います。できるだけの資料を集めて作りたいと思いますが、一応これはきわめてラフな推定しかできないのであります。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 大体において十七万を充足できるという答弁をしている以上、四十五年度までにどういう形で、たとえば東京大学の理学部からは何人程度卒業させる、養成していく、久留米工業短期大学では将来これだけの施設充実をはかって、現在一年間に百五十人卒業しておるものを三百人にふやしていく。高専では全国に総数を何校にし、現在の定員をふやして年間にこれだけ卒業させていく、五年後には何万人できる、四十五年度までにはこれだけできる、概算の推定がない限りは、十七万が四十五年度までに、四カ年のズレはあるけれども、ほぼ充足していくべく努力をしておる、あるいは見通しがあるという答弁できないでしょう。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 先ほど申しましたように、科学技術者の養成計画につきましては、第一期の二万人養成計画について、三十六年度から九年度までの四年間に二万人の養成をしようということでスタートをいたしました。これにつきましては、御承知のとおり私立の大学、短大の非常な協力を得た関係もございまして、四年間の計画が三年間で実施ができたわけでございますが、第二期の計画については、本年度において十分慎重に検討をしたいというふうに私ども思っておるのでございまして、したがって、全体の実施の見込み数等についてはいろいろ検討ができますけれども、個々の大学、短大、高専等について、どういう科目のものを幾らふやすというようなことについては、まだ十分な検討をいたしておりません。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 それがなければ米田委員の質問した老朽校舎の更新の計画も、何というか、きわめて非科学的なものになりはしないですか。たとえば九州大学の工学部が耐用年数が八十年になっている、この中で理工系の技術者を四十五年度までに少なくとも三万は出したいと考えている。その角度に立って単に八十年たっているということでなくて、そのことが一つの基礎資料になって、老朽の九州大学の理工学部をどう改築しようか、このくらいの計画が文部省になければ、国立大学の老朽の更新ということも、科学技術者の養成ということも、少なくとも日経連やその他の団体では一つの方式と見通しを出しているのですから、文部省としては、それがないことには、第一期の見通しで何万やっていく、その次は五、六万第二期でやっていく、そんな何といいますか、小学一年生の算数みたいなことではできないと思うのですね。まあいろいろ内容があるでしょうが、できれば午後の米田委員の質問が終わるころまでに用意していただきたいと思います。できなければ次回でもよろしいです。以上です。

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) ただいまの米田、豊瀬両委員の要求資料については、すみやかに提出願います。  午前の質疑はこの程度にして、午後一時十五分より再会することにし、これにて休憩いたします。    午後零時十七分休憩      —————・—————    午後一時四十三分開会

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) ただいまより委員会を再開いたします。  午前に引き続き国立学校設置法の一部を改正する法律案について質疑を続行いたします。  御質疑のおありの方は御発言願います。

米田勲日本社会党

○米田勲君 京都大学において原子炉実験所ができるのであるが、現在における準備の状況、予算措置等について少しく説明してほしいと思います。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 京都大学の原子炉実験所につきましては、御承知のように数年前にできました政府の原子力開発の長期計画というものがございます。その一環といたしまして、関西地方にも大学の共同利用の研究用原子炉を作りたい。それによって原子力科学なりあるいは産業関係にも十分応用できる研究者を作る、また研究自体を促進するという計画でございまして、この計画に従いまして、いろいろ敷地の選定をいたしましたけれども、いろいろな事情から、当初予定いたしましたところが円滑に決定を見ませんで、二転、三転をいたしましたけれども、最後に、三十五年になりまして、現在の敷地でございます大阪府の熊取町というところに敷地を決定されたわけでございます。  で、この原子炉につきましては、いろいろな安全性の問題がございます。したがって、この原子炉設置につきましては、原子力委員会のいろいろなアドバイスを受けまして、大学と十分連絡をとりながら計画を立てたわけでございまして、この予算につきましては、大体三十五年度から営繕施設の関係を始めておりまして、三十五年度に約九千万円、それから三十六年度に二億九千万円、三十七年度に六億六千万円、合わせて約十億五千三百万の予算をこの三カ年にわたって計上していただきまして、準備をいたして参りました。三十八年度から全国の共同利用の研究施設として、原子炉実験所として運営を始めたいという考えでございます。それで原子炉自体はただいま発注をいたしておりまして、三十八年の秋には大体完成した形でわが国に置くということができるということになっております。  これを運営いたします組織としては、六つの運営部を考えておりますが、三十八年度には、そのうち三つだけの運営部について組織をいたしたいと思っております。原子炉の運営部と、それから放射線管理の運営部、それから廃棄物処理の運営部というような三つの組織を発足したいということでございまして、これに必要な定員といたしまして、さしあたり七十五人ということで参りたいと思っております。それから三十八年度の予算につきましては、施設費として約六億、それから運営その他人件費といたしまして、約五億六千万、こういうものを三十八年度の予算に計上さしていただいているわけでございます。  以上、大体大まかなことを申し上げました。

米田勲日本社会党

○米田勲君 この原子炉実験所の具体的な実験の目的は何かと言えば、それは原子力開発だということになるかと思いますが、この目的をもっと具体的に言うと、どういうことを目ざしているのですか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) この法案にございますように、包括的に申しますと、原子炉の実験、原子炉の運転をする、そうしてこれによって原子炉の実験と、それから実験に伴ういろいろな研究ということでございます。たとえば新しい形の原子炉というものの開発のための基礎的な研究もやりたい。それからいろいろな物質、ことに金属等に対しまして放射線を照射することによって物質の性質を変えるというような物質構造の研究、それからそれ以外にも、たとえば御承知のアイソトープの研究、それから放射線による生物学的な影響の研究、そういうような、いろいろ各方面の実験及びこれに関連する研究をしたいというのが、この原子炉実験所の研究の計画でございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 この人員七十五人をこの実験所に配置するというお話ですが、大体、これは完成した場合の総人員は七十五人ということなのですか。もっとふえていくわけですか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 先ほど申しましたように、三十八年度は組織運営の——組織といたしましても三部門でスタートするということでございまして、将来、計画に伴いまして六部門を完全に構成するということになりますと、大体二百人程度の人間が要る予定にいたしております。

米田勲日本社会党

○米田勲君 そうすると、三十九年度以降は、年間の実験費と人件費を含めると、平常の形でいくと、年々どのくらいここにつぎ込むことになるのですか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 一応施設費は、三十八年度で大体のものを終わることになろうと思いますが、それを差し引きして約八億くらいの金が要ることになろうと思います。

米田勲日本社会党

○米田勲君 次に、群馬大学の内分泌研究所、それから京都大学の数理解析研究所の二つの研究所について内容を説明して下さい。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 最初に群馬大学の内分泌研究所でございますが、これはすでに、この群馬大学では内分泌の研究に関しまして、いち早く戦後研究施設を作りまして、従来、限られた範囲でございますけれども、たとえば形態学的な内分泌とか、生理学的な内分泌、それから比較内分泌というような部門、それから物理方面、薬学方面の研究をいたして参りました。で、すでに研究施設といたしまして——研究所じゃございませんけれども、研究施設といたしまして、五つの部門を持って研究を進めて参っております。三十九年度以降、さらにこの三十八年度は新たな部門をつけておりませんけれども、今回の改正で研究所に認めまして、三十九年度以降に、さらに部門増を行なって組織を整備したい。大体八部門程度の研究所にしたいという目標を持っております。  研究の内容と申しますと、これは非常に専門的でございまして、私の程度の知識ではなかなか申し上げにくいわけでございますけれども、要するに、たとえば甲状腺のような内分泌腺というものがございまして、これが作り出すところのホルモンのいろいろな作用、それからホルモンの物質としての性質、それからホルモンの生理的な作用、それから内分泌腺の構造、そういったような面の基礎的な研究と、それからさらに、それらのものの応用のいろいろな問題、そういうものを、この研究所では研究をして参りたいということにいたしております。  それからその次の数理解析の研究所でございますが、これは実は数年前から、日本学術会議でいろいろ共同利用の研究所として作るべきものについて建議をいたして参っておりますが、その中の一つといたしまして、数理解析の研究というのが非常に大事だということで、昭和三十三年に学術会議から数理科学研究所の設立ということについて、政府に要望が出されております。その後、文部省としては、いろいろこれの具体化の研究をいたしまして、実は三十七年度の予算の要求の際にも、数字を取りまとめをいたしたわけでございますが、三十七年度にはできませんで、三十八年度に初めて創設するということにいたしたわけでございます。これを京都大学に付置することにいたしましたのにつきましては、これは全国の研究者、数理方面の研究者のいろいろな検討の結果、京都大学が最も適当であろうという御意見でございまして、私どももその説に賛成いたしまして、京都大学に付置するということにいたしたわけでございます。で、数理解析と申しますのは、これは私よりも米田先生御承知かと思いますが、純粋の数学でなしに、特に理学、工学に応用される数学だそうでございまして、既成の数学の基礎として、そういった応用の分野を包括した解析数理の研究をしたい、したがって純粋数学も基礎にはあるわけでありますが、関連した科学技術の基礎になります応用数学まで含む総合的な研究をしたいということのようでございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 これらの研究所に研究費というものが支給になるのでしょう。その研究費と、現在の大学院の大学等に出しておる研究費との関係は、どのようになっておりますか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 御承知のように、これらの研究所におきましても、職員は、職員と申しますと教授、助教授、以下それぞれ大学の教官と同じ身分のものでございまして、それらについては、大学院大学と同じ教官研究費がついて参ります。それから初度の整備といたしまして、設備費等も初度設備費が当然つくわけでございます。なお、これはこれからの発足後の研究テーマによるわけでありますが、それに必要な経費につきましては、科学研究費等からも研究に交付金がつく予定でございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 これらの研究所と大学院との関係が、どういうふうに今後なって連携をとられて運営されていくのか、それから学生の受け入れ条件は、今後どういうふうになるのか、その点を……。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 御承知のように大学院、ことに国立大学院におきましては、一講座あたり修士課程で二人、博士課程で一人という一応の定数をもって、従来学生と申しますか、研究者の養成をやって参りました。昨年来やはり高度の研究者をさらに量多く養成しなければならぬという一般の学界の要望にこたえまして、これらの数字を引き上げますと同時に、従来研究所には学生を配置しておりませんでしたものを、一部門あたり一人の学生を研究所でも引き受けてもらうということで研究者の養成の応援をしてもらっておるわけでございます。で、やはりこうなりますと、大学院を持つ大学の教育と、こういった研究所自体の研究とは非常な密接な関連を持って参ります。いわば高度の研究者養成については、研究所においても非常に関連を持っておるということでございます。この点につきましては、これは理科系だけでございます。人文社会系ではまだやっておりませんが、そうして三十七年度からスタートしたものでございますが、さらにいろいろ研究所自体あるいは大学方面の御意見を聞きまして、この養成者数、その他必要な経費その他についても、今後検討して参りたいと思っております。

米田勲日本社会党

○米田勲君 次は、国立大学の大学院新設の問題ですが、これまで大学院を置かない大学に、新たに大学院を置くように方針の変わった理由は何ですか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 従来、国立の新制大学には大学院を置いておりませんでしたが、それらの中でも、戦前から相当教員組織においても充実をしておりますし、また研究活動のほうも、かなり活発に行なっておったものがありまして、私立大学等の大学院設置の状況から、新制大学ではあるけれども、ぜひ大学院を置いてもらいたいという要望が、各国立大学からいろいろと参っておりまして、たまたま中央教育審議会で、大学制度の改善に対していろいろと御研究なさいました結果といたしまして、新制大学でも条件の整ったものについては高度の技術者養成等の見地から、修士課程の大学院の設置を認めていいのではないかという御答申もございましたので、文部省としては三十八年度からいろいろ条件を勘案いたしまして、適当と思われる大学に修士課程の大学院を設置することを実施いたしたわけでございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 これは従来とも、いろいろな批判があったんだが、文部省は、大学院は旧制の大学にのみ設けるという方針でずっときたわけですね。今度新たに新制の大学院を設置するよう方針が変わったんだが、この考え方は、今後拡大されていくのかどうか。この大学院を今度置くことにした四つの大学についても、そのほかに各大学から大学院を置いてくれという要望は相当あるはずです。その要望がもっと広くあるはずのところを、条件の整ったところで適当なところと判断したのが、この四つでしょう。今後は要望を入れて、条件さえ整っていけば、大学院を置くというふうに積極的に方針をとるのかどうか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 三十八年度では差しあたりこの四つの大学と、それから広島、金沢には従来別の学部でございまけれども、大学院がございましたが、新制の学部について修士過程を置くことにしたわけでございますが、先ほど申しましたように、この教員組織なり、教官の研究活動なりあるいは地域的な配置等も考慮いたしまして、そういった条件が整ったものについては、今後も修士課程の大学院を新設するように方針を立てていきたいと思っております。もちろん国立の全部の大学の、全部の学部に漏れなくというようなことは全く考えておりません。条件の整った、充実した学部を基礎とするものについては、大学院を作っていっていいのではないかというふうに考えております。

米田勲日本社会党

○米田勲君 各大学の条件を整えるとか充実をするとかということは、これはみな文部省側の出方一つにかかっているわけですね。条件を整備していくというのは、結局国の立場で整備するということでしょう。学校を充実するということも、人材を集め研究をするにしても、すべて予算にかかってくるわけです。だから、文部省の考えが相当積極的に新制大学にも大学院を置くために、今後積極的に条件を整備するために予算を見積っていくについて、そういう積極性があるのかどうか、今要望があるから、ある程度一応やる、将来はどういうふうになるかわかなぬ、そういうことではなくして、積極的なかまえをして、整備のため、今後の予算措置を継続的にやっていく、こういうことでなければならぬと思いますが。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 国立大学全般を通じまして、もちろん教育条件の整備なり、施設なりあるいは設備の充実ということは当然やっていかなければなりませんけれども、それらのほかに、たとえば教官の組織なり教官の研究活動というようなものも、大学院の創設に非常に必要とされております。研究活動の充実の度合い等も、これは非常に大きな条件になるわけでございます。そういった各般の条件が整っているものにつきましては、今後も大学院の設置を積極的に進めて参りたいと思っております。

米田勲日本社会党

○米田勲君 そのことには、年次計画でも立っておりますか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 実は予算要求の際には、ここにございます以外にも、幾つかの大学をあげて折衝いたしたわけでございますが、本年度はこの程度にとどまったわけでございます。したがって三十九年度にも、さらに幾つかの大学に私は設置していいものと思っておりますが、年次計画を立って逐次設置していくという段階にまでは検討は進んでおりません。

米田勲日本社会党

○米田勲君 この大学院には修士課程だけ置いて、博士謙称は置かないという理由は何ですか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) やはり高度の学問研究をするということから申しますと、これらの大学のただいま申しました教員の組織や研究活動等が、現在の段階ではまだ不十分であろうということでございまして、将来永久に、修士課程にだけとどまり、博士課程は絶対置かないということではございませんが、現在の段階では、二年の修士課程だけで手一ぱいであろうという判断でございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 現在の研究の状況が、博士課程を置くにはふさわしくないという判断ですか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 大体、お尋ねの御趣旨のとおりでございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 その点があいまいなのですが、将来とも、修士課程でずっと押し通していくということではなくして、やはり研究が進み条件が整備されたなら、積極的に博士課程まで置いていくという方針であるわけですね。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 大学院としての充実が完全にできますれば、そういうものにも、将来博士課程を置いてもいいのではないかと思っております。したがって三十八年度に新設しますこれらの大学について、将来絶対に博士課程は置かないというふうには考えておりません。

米田勲日本社会党

○米田勲君 何かあなたの話を聞いていると、審査員みたいな感じがするのだな。あなたのほうで積極的に充実をしていって、計画的に、そういう条件を整備して、将来博士課程を置くということを、あなた自体がその責任を負わなきゃならぬのに、何か話を聞いていると、審査員みたいで、相手が何をやっているか、それがうまく自分のほうの審査の目にかなう時期がくれば考えよう、こういうことでは、何かあなた自身の責任と別途のところに問題があるように感ずるのですが、どうですか、聞いていて、計画がないのはおかしいという感じがするのです。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 高度の学問、研究をやるという観点からしますと、現在のこれらの大学では、要するに博士課程まで置くほど充実はしていないということでございますが、今後何年かの間に、教員の組織なりも充実しまして、それから研究活動も大学院としてふさわしい研究活動、ができれば、そういうものについても、博士課程を置いていくことは一向差しつかえはない、いいことだと思っております。

米田勲日本社会党

○米田勲君 人材がいないということですか、結局は。どうも、その辺がわからぬがね。人材がおらぬのだというふうに聞こえるが、そうなんですか。何か条件を整備するように、文部省、国のほうで計画的に措置していけば研究も高まるだろうし、人材も集めることができるしするから、条件は整っていくはずだ。あなたのほうで、そういうふうな計画かあるなら、この年次には大体条件をこの程度にして研究を高めさせる、そして博士課程を置くということが計画的になされなければならぬのだが、あなたの話を聞いていると、置くようになるのかならないのかわからない、研究しておこうじゃないかという、そういう第三者的な感じがするのですがね。極端な話をすると、ここへ置いても何か無計画、いき当たりばったりなんでないかという疑問が起こってくる。こういう計画だ、こういう充実の仕方を進めるのだ、この年次ごろになったらどうするとか、そういうものがあってしかるべきじゃないですか。こういうことをやる場合には、今までの方針を変えたらどうですか。やっぱり同じ答弁ですか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 大学院の博士課程は、学問、研究の観点から申しますと、最高度の教育機関であり、研究機関でございますので、これの教員組織等については、相当厳重な基準があるわけでございまして、現在これらの大学では、その段階まではいっていない。しかし将来、この修士課程をスタートといたしまして、教員の組織もきわめて質の高いものになっていく、それから研究活動等も活発になるということでありますれば、そういうものにも認められると思います。  なお、この法案にございますように、たとえば学芸大学とかあるいはお茶ノ水大学というようなところは、主として教官の養成というような目的がございますので、これらについては、特にそういった観点から修士課程の設置ということで、当分の間私どもはいいのではないかと思っております。

米田勲日本社会党

○米田勲君 この問題について、中教審から答申があったでしょう。その答申をわれわれの側から言わせると、最高唯一のものだというふうに考えて採用している。そうして、こういうふうにしたということが考えられるの、だが、学術会議だとか国立大学協会だとかいう方面にも広く意見を徴してみるというようなことはなっかたのですか、その点はどうですか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 従来、国立大学のすべてではございますけれども、個々のものからは、それぞれ自分の大学の何学部に修士課程を置いてもらいたいという御要望がございました。しかし、国立大学協会全体として、これについての意見を出すというようなことはいたしておりませんが、また、学術会議も大学院の充実あるいは拡張ということは言っておりますけれども、新制大学に大学院を特に設置してくれというようなことについての御要望はございませんでした。たまたま、先ほど申しましたように、中教審で制度の改善について御審議がありました結果、これについての御意見が出ておりますので、これを取り上げたわけでございますけれども、これだけが唯一最高のものというふうに考えたわけではございませんで、御承知のように、高度の技術者の養成ということが要望されております現在の事態、それから国立大学側の御希望、これを取り上げて、三十八年度から修士課程を置きたいということにいたしたわけでございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 何か学部だとか大学院だとか、研究所新設にあたって、いろいろ意見があるのだが、これを選定したり決定したりするのは、どこでやるのか。それは最高のところはわかりますよ、そういう手続は中教審だけが一つの足場になっている。何か批評によっては、文部省官僚と大蔵省官僚が相談してきめるのだ、まことに独善的なやり方だ、こういう批判があるのですが、どうですか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 先ほど数理解析研究所につきましてちょっと申し上げましたが、今、こういった研究所の新設等につきまして、学術会議からの御希望の線、これをできるだけ、取り上げることにいたしております。また、部門の新設等についても、こういったものを非常に重要な資料として、これらに基づいて予算の要求をいたしておるわけでございます。それ以外の大学院の、たとえば、ここにございますようなことにつきましては、特にそういったお申し出もございませんし、従来から、それぞれの大学からの予算の要望、予算の要求に従って、その予算の要望の中から慎重に研究をいたしまして、取り上げられるものを取り上げていくということにしておるわけでございまして、必ずしも私ども独善的に、たとえば、それほど必要性のないものを取り上げるというようなことはしておらないつもりでございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 この際、ただしておきたいと思うのですが、新設が予定されておるという文部大臣の学術顧問の問題です。これは文部大臣にお聞きしたいのですが、これは一体法的な根拠を持ったものなのかどうか、学術顧問は。それをお聞きしておきたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 法的根拠とおっしゃると、どう申し上げていいかわかりませんが、文部省限りの省令で定めますか、それ以外で定めますか、その組織、機能は文部省限りで定めるということになろうと思います。法律によって置かれる学術顧問という建前では今のところ考えていないわけであります。

米田勲日本社会党

○米田勲君 この学術顧問の任務は、どういうことなんですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 元来、今も御質問が出ておりましたように、特に大学の予算、学部各科講座の新設等の課題を取り上げてみましても、この学問的な価値判断に立って緩急軽重を定めるという能力は、文部省には当然にはないわけでございます。学術会議あるいは中教審あるいは個々の大学の権威者の意見を聞き、またことによっては大学協会等の意見も聞くこともありましょうが、そういう便宜的なものしかないと申し上ぐべきでしょうか。便宜的と申しますのは適当でないかもしれませんが、本来、そういう具体的な選定をする機能を持っていないところに、便宜意見を聞いて判断をするということで、やっているかと私は理解しております。  そのことで、はたして十分であろうか、そういう権威者の意見を聞くことは当然といたしましても、限りある予算の限度内で、予算だけをとって申せば、大蔵省との予算折衝できまるであろうところの一定限度ワクを最終的に定めるとする場合、どれを取捨するかという問題に直面するわけですけれども、それは今までのやり方は、当該大学で、大学からの熱意、——何んべんもやってきてやかましく言われるとか、あるいは一緒になって大蔵省と折衝するときに、もりもりやるというがごとき、事実問題として、主として、最終結論に到達するということかと思います。その点に関連して、もっと、この学問的な権威を持って、文部大臣にかわって判断してもらう直接的な機能が足りないように思われるのであります。  そういうところを、主として顧問を置くことになりましたらば、その顧問には、今申し上げましたようなことを特に期待したい、そういう気持でおります。

米田勲日本社会党

○米田勲君 中教審と、この学術顧問との関係は、どう今後一体処置していくつもりですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 中教審は、これは一言で申せば、一般的な教育——文教行政につきましての最高の諮問機関ということであろうかと思いますが、学術顧問は、それよりももっと具体的なことについての価値判断についてアドバイスをしてもらうという機能を期待しておるとでも申し上ぐべきでありましょうか。

米田勲日本社会党

○米田勲君 中教審に対してだって、具体的に諮問をすれば、具体的な答申が行なわれるのではないですか。期待できないのですか、具体的な答申は、中教審には。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 中教審は、先刻お答え申したように、教育政策、文教上の重要課題について一般的な御検討を願う、そういうのが建前かと思います。一々の、どの大学に、どういう学科を置くべきかどうか、当該大学から要望があるけれども、それは妥当かどうかというような具体的な個々の問題について審議をわずらわすというのは、本来の建前ではないのではなかろうかと思います。

米田勲日本社会党

○米田勲君 何か、先ほどから聞くと、その学術顧問というのは、法律で定めるのではなくて、省令でやっていこうという考えのようですが、何か屋上屋を重ねて繁雑になるだけではないですか。むしろ、こういうものは、置かないほうがいいのではないか。中教審をもっと活用すれば。そういうわけにはいかないのですか。それか、もっと積極的に考えるなら、はっきり法的に根拠を持たせて、そうして権限だとか任務だとか、いろいろな点にわたって、きちっと設定する。そして、力ある活動をしてもらうというならわかるのだけれども、何か省令でやっておいて、間に合わせの手続だという感じがするのですが、どうですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 法律に直接根拠を置いて制度づけする考え方もあろうかと思います。しかし、まあ、当面学術顧問の一人々々の能力、専門的な能力で、文教行政に協力してもらうということに主眼点を置きまして、これを設置するにつきましては、どういう権限、責任を持たせるかということは、差し寄り、文部省令で定めるということでスタートしたいと思っているわけであります。

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 速記をとめて。   〔午後二時二十七分速記中止〕   〔午後二時五十五分速記開始〕

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 速記を起こして。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 前委員会で出した問題ですが、また、その後の新聞の報ずるところによりますると、政府が地方財政法ですか、法律改正の手続を踏んで、高等学校の設置について、父兄負担の禁止を立法化しようとする意図があるように承っているのですが、現段階にその意図があるとすれば、その進捗状況を御説明願いたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) そういう意図を持って法律案の提案準備を閣議できめました。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 法律の提案準備が進んでいるということであれば、前回私がただした際に、大臣が文部省の強い意思として答えられた、すなわち父兄負担を禁止するとすれば、しかるべき方法をもって地方自治体に対するその穴埋めというか、その裏づけを行なっていくということも当然含まっているものと考えてよろしいですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 仰せのとおりでありまして、自治省、文部省、文部省相談をいたしまして、たとえば構造比率、単価等につきましても、今後十分措置を講ずるという了解のもとに法案を提案するということにいたした次第であります。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 そのことは、現在まで文部省がとってきた高校急増対策に何らかの変更を必要としますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 新しい法律が実施されました後に対しまして効果を生ずる話し合いでございますので、それから必然的にはむろん出て参りませんですけれども、たととえば六一・八%の進学率というのが、現実問題として、その都道府県の財政状態との関連において具体的に現われてきました場合、地方財政を健全化する意味合いにおいての課題として修正等のことが行なわれるということはあり得ると思います。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 午前中の米田君の質問にもありましたが、また前回、私もただしたところですが、地方自治体が設置義務を持っている、あるいは負担義務を持っている学校に対して、父兄等の負担を禁止するという制度は、当然国立学校に対しても、地方期成会とか、あるいは地元負担とか、そういったことが慣習として、そのまま受け入れらるべきじゃなくて、国が当然持つべき方向に論議されたと思いますが、文部省としての意向はどうですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 自発的に寄付等が行なわれますことは、これは禁止すべき筋合いのものじゃございませんので、そのことにはむろん触れておりません。強制的に割当をしたり何かというようなやり方で、地元負担になるというふうなことは、さっき申し上げたように、国の立場で交付税あるいは起債の対象となり、仕事量等も十分に考えて、その施策が欠陥があるがゆえに、いわば強制的な負担をかけることになるということは、極力国の立場で相談をして防いでいく、そういう意味でございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 率直なところ、数多くの高専設置の県があって、その県は、いずれも大臣答弁のように、土地は持ちます。これこれは地元で負担しますからぜひという、あなたに言わせると、善意の熱望があったと、これは形の上でいえると思う。しかしそのことは、土地を持たないという、土地を提供しないという前提では、高専の誘致ができないという判断が当然根拠になっておると思いますが、大臣認められますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) それは設置の前提条件として、そういう建前をとっております以上は、そうであると申すべきでございましょう。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 先ほども米田委員に対する答弁の中で、適当な時期にチャンスをつかんで、土地買収費等も、いわゆる国立学校についてはできる限り国の負担としたいという意味でしたが、適当な時期にチャンスをつかんでというのは、あなたの構想としては、どういう内容を持っておりますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) ちょっと具体的には申し上げかねます。と申しますのは、ひとり学校に限らず、たとえば裁判所を置くとかあるいは拘置所を置くとか、その他各省に関係します。国が設置する官庁その他の問題に関連をいたしておりますわけで、政府全体が姿勢を正すべき課題でもありますから、私がここで即座に、いつどうするということは申し上げかねる課題と思います。  しかしながら、地方に負担かけないという趣旨の法律案をあらためて出す覚悟をする以上は、全面的に学校に限らず、すべての政府施設について、十分な考慮が払われる、現実にも迷惑をかけないような裏打ちができるというのが、そのチャンスだと思っております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 そうすると、私午前中の答弁を若干とり違えたような気がするのですが、なるほど国立の諸施設は、かなり多く土地等については、地元の提供ということが行なわれております。そういう全体の国立諸機関との関連性において、国立学校ないしは具体的な問題としての高専等の全額負担的な考え方が進められる、こういう意図のように承るのですが、さようですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 適当なチャンスと申し上げましたのは、まあ、そういうことにならざるを得ないと思うわけでございます。御指摘の、地方に特に負担かけないというのは、高等学校設置に関しましての具体的な立法措置を講じようというわけでございますから、これは時期は最も早いことは当然でございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 この際、大臣の見解をはっきり聞きたいと思っておりますのは、他の、国の諸機関の費用を、あるいは土地等を地元が負担することとは別個に、特に国立学校については、文部省としてできるだけ早い時期に全額国で持つ。今一番大きい問題になっておりますのは土地の問題ですが、土地等の費用を国が持つべきであるという方向で閣議あるいはその他の機関の中で、大臣として努力される意思があるのかどうかということを聞いておるわけです。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 国立の工業高等専門学校に関します限りは、従来の慣例で参りたい、ただし、それはあくまでも善意の自発的な地元の協力に待ちたいという考えでおります。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 高専以外の国立学校の設置については。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) それは別問題に考えております。別問題と申しますことは、さっき申しましたように、他の国の施設と一緒に解決さるべき地元自治体ないしは住民にとりましては、国立の学校のみならず国の施設すべてについて共通的に考えて迷惑かけないという建前であるべき問題と思いますので、これはやはり総合的に政府全体の問題として、具体的にそれを処理できるときにしか取り上げにくい問題だ。しかしそのことは、なるべくすみやかにやることを希望することは当然と思っております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 高専については、従来どおり地元負担で処理していきたいとおっしゃるのは、どういう理由なんですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) それは国立高専に関します限りは、善意の地元の従来の慣例に従いまして協力が今まで行なわれ、今後も期待できるであろうという前提に立って申し上げております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 それは遁辞じゃないですか。あなた方が先ほども答弁のように、大体土地というものは、慣行として地元が提供する、そこに学校を建ててやる。争いが起こったら、条件のいいところが大体誘致できる。こういう慣習の中で、ぜひとも自分のところに高専がほしいと考える県は、こぞって地元負担をやろうとしている、そういう何というか、慣習による悪弊を、ただ単に地元の善意の熱望ということで処理するには、若干地方に対して甘え過ぎる考え方じゃないですか。高専については国が先に土地の買収費等についても予算を組めば、いやそれはけしからんことですと、私どもがせっかくただで提供しようと思っているのですからやめて下さいという反対運動は、現状においても起こらないと考えるのが当然だと思う。国の姿勢が、文部省の姿勢が地元負担の慣行を踏襲していこうという前提があればこそ、地方では当然のことのごとく考えて、それが文部省に伝わった際には、地元の善意の熱意という用語のもとにカムフラージュされている。あなたが努力されて高専発足のときから土地買収費も予算に組んでいたら、どこの県も喜んで、それは受け入れると思いますが、そう判断できませんか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 本来、国立高専につきましても土地の入手造成についても、国費で全部まかなうということのほうが形が整い、建前としてすっきりすることは当然なことでありまして、地元の善意の協力とは申しながら、完全に割り切った意味合いにおいて、いいことだとはむろん考えませんけれども、現実に、いわば今までの慣習になずんで国立高専に関します限りは、そのやり方で、地元の協力に期待したい、こういうことであります。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 二カ年間それでやってきたから、今さら方針は変えないで従来どおりいこう。こういう考え方だと理解してよろしいですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) まあ率直に、露骨に申し上げればそういうことであります。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 それは露骨じゃなくて、正直に申し上げるという用語が適当ですよ。  そこで次に進みますが、文部省から出された資料を見ましても、まず小林局長に資料についてお尋ねしておきたいのですが、三十八年三月十九日付の県別財政力指数の配列表というのがありますね。三十八年度設置予定国立高等専門学校所在の県別財政力指数の配列表、これについて、ごく簡単に説明をして下さい。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 先般の委員会で御要望のございました、その御要望に従って、自治庁に連絡をいたしまして、その注に書いてございますように、自治庁の財政局で使っております都道府県の財政の指数表を、三十八年度設置予定場所についての所在府県にについて、ABCDEFというような形で、こちらに資料として摘記したわけでございます。で、最も財政的な能力の高いものがAでございまして、BCDEFということになっております。そこにございますように、愛知県がAでございまして、なお福岡県がB、それから岐阜県がC、それから宮城県、岡山県がD、それから青森、山形、徳島、大分、鹿児島、これらはFということになっております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 前回の質問で、いわゆる県当局が土地を提供したことはないと答えられたようですが、大体において、期成会と地元の諸団体等によって構成された有志による土地提供がほとんど全部である、このように考えてよろしいですか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 地方自治体自体が、直接土地の提供をしておるという所はございません。いわゆる期成会から国に寄付するという形のものが多いわけでございますが、それ以外にも、たとえば、純然たるその地域の産業界の提供するものもございます。また、国有地を初めから使っておるものもございます。また、そうでなしに、県有地等を国有地と等価交換して、それを国に提供するという形のものもございます。先ほど冒頭に申しましたように、地方自治体自体が国に寄付するという形のものはございません。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 同じく局長にお尋ねしますが、次のページの表、敷地の評価額並びに協力大学名というのがありますね。これは坪単価は、どういう方法で調査されましたか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 実際には、一々その提供される土地の評価というものをいたしておりませんので、これらのいわゆる候補地の実地調査をしました際に、その周辺の地価が大体どの程度であるかということを聞いておりますので、その周辺の地価から、一応坪当たり単価を推定したのでございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 この坪単価というのは、全く個人の土地であったものと、県あるいは地方自治体、その他、あるいは団体、法人等、そういったものが所有していたものと、この表だけでよろしいですが、どういう分類になっていますか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 県有地等と、国有地と等価交換するような場合には、一応これははっきりしているわけでございますが、それ以外の、たとえば期成会が民有地を買収するというような場合には、所有者によって、またはその地形によって、いろいろ単価が違う場合が出てくるわけでございますが、一応全体の平均値をその周辺の地価から出しておるのでございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 その地価平均というのは、国有地または県有地等の売買価格で推計してないのですか。鹿児島、大分、有明、その他にいたしましても、安いところは八百円−四百円もありますね。津山のあの土地で坪四百円の土地というのは−津山だけではございません、全体に高いところで二千五百円でしよう。この推計が全く個人の持っておる土地を、現在の土地価格の実態で計算をせず、別の国有地その他の安く算定されておるもので推計してないですか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) これは要するに、国有地の評価価格というようなことからの推定ではございませんので、その周辺の土地の売買価格等を聞いて、それを坪当たり単価として推定したものでございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 それでは、たとえば有明ですね、大牟田と荒尾の、どういう方法であの土地が個人売買価格で二千五百円という数字を把握されました。説明員でもよろしい。

犬丸直文部省大学学術局教育課長

○説明員(犬丸直君) これは視察の際に——ここにも注記してございますが、視察の際に、その辺の付近の価格は幾らであるかということを聞きまして、その状況に応じて推定したわけでございます。したがいまして、正確には、具体的に買う場合に幾らになるかということではございませんので、そういう付近の地価について聞きましたところによって推定した価格でございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 有明の二千五百円というのは、だれから聞いてきました。あまりに数字が少な過ぎるから聞いているのです。——いいです。私が言わんとしておるのは、別に土地価格の調査の態様ではなくて、一応先ほどから質問していますように、これに出ておる土地価格が、私の知っておる地域に関しても、はなはだしく過小に見積ってある。したがって、地元負担の金額を推定する場合にも不適当だと思うのです。で、県財政がFのところがかなり多いということは、例外としてはあり得ても、実態——大体においては、その地域における地元負担にも、かなり大きな支障を来たしておると見るべきであると思うのです。  こういう形で競争させて、土地を提供しないところには、国立高専は建ててやらない、こういう考え方は、早急に改むべき問題であると考えております。先ほども大臣の、国立高専は、従来どおり慣習によって地元負担でいきたいと言っていますけれども、ぜひとも一日も早くこれは再検討して、国が持つように努力していただきたいと思うんです。  次に、同じ二表目並びに三表目になると思いますが、協力大学と高専の関係ですが、専任教授、助教授が基準どおり配置されておるところが多いんですか、それとも兼任という形で配置されておるのも、かなりありますか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 午前の委員会で数字を申し上げたわけでございますが、教官につきましては、三十七年度発足いたしました高専の教官の定員が百四十七、そのうち充員されております現員が百三十九ということでございまして、これはすべて高等専門学校専任の教官でございます。もちろん、これ以外に、たとえば非常勤で来る講師等もございますでしょうが、この百四十七対百三十九というのは、それぞれの学校専任の教官でございまして、兼任ではございません。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 国立大学のその意味における協力度合いはよろしいということですね。  では、次の表ですね、工業系高等教育機関の有無、これも前回要求しておいた資料ですが、たとえば豊田と津山を比べてみますと非常に差がありますね。三十七年、特に三十八年の選定にあたっては、同一地域等に、この種の高等教育機関があるということが優先的な条件となったか、ないということが、そうなったのか、それとも、それは全く関係ないのか、いずれでしょうか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 一般的に申しますと、この設置場所の選定の基準といたしましては、その府県の、あるいはその地域の産業の状態、それから全国的な地域配置の考慮等もございますが、教員確保の点からは、その設置場所で、優秀な教官が確保できるかどうかということを一つの条件といたしております。ただ、その場合に、それではその府県に、いわゆる工業系の高等教育機関がないから、これは高専を作るべきであるというような基準は立てておりません。たとえば、その地域が将来いわゆる工業的に発展する可能性がある地域というような、将来の展望等も加味いたしまして設置の場所をきめるということをやっておりまして、その地域あるいはその府県にないということがきわめて不利な条件になるというわけではございません。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 ちょっと、どれできめられたか明確に把握しにくかったんですが、むしろ今の答弁では、同種あるいは関係ある高等教育機関のあるということが、協力という面から考えて、若干の有利な条件になったというふうに受け取れたんですが、そういうお答えですか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 教員確保の見地から申しますと、その地元あるいは地元府県の中に、そういった工業系の高等教育機関があるほうが教員確保の点からは、まあ有利だというふうに考えます。ただし、たとえば、その場所が、現在そういう機関がなくても、将来のことをいいろろ考えて工業的に発展する可能性があるというような場合には、そういう場所を選ぶ場合もあるわけでございまして、一般的に申しますれば、教員確保の点からは、ある場合のほうが有利でございますけれども、それだけが絶対の条件というふうには考えておりません。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 まだはっきりわかりませんがね。端的にお尋ねして、運動の質歴が——誘致運動ですね、高専を設置する基準を、全然左右しなかったと明快に答弁できますか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 先ほど申しましたように、産業的な考慮、あるいは教員確保の考慮、あるいは地域的な配置の考慮、こういったことのほかに、まあだんだんお尋ねのございました地元の協力態勢、こういうこともございますけれども、陳情その他いわゆる運動の状況で、これを判断するということはいたしておりません。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 地元の熱意というのは、具体的に何で評価されましたか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 具体的には、やはり従来からございました点は、土地の確保、それからたとえば府県なり、市町村の協力の態勢と申しますか、そういうようなことを一つの目安にいたしております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 本日配付された設置希望状況の一覧表とこれを対比しますと、若干の点が落ちているんですが、それらの県は、前回の答弁では基本条件である土地提供等の地元の熱意はたいした差がなかったように答えられたと記憶しているんですが、土地提供等を中心とする地元の熱意が不足したということが主たる条件でふるい落とされましたか。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) まあ府県が、地元の市と一緒になりまして、具体的に場所をきめてこられた場合は、それほどの径庭があったと思いませんが、ここにピック・アップされたものの中にも、具体的に場所をきめていないというところもございまして、そういった面では、やや確実性の薄いものもあったわけでございまして、そういうものについては、三十八年度では取り上げておりません。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 現在並びに将来の産業の何というか、力というか、そういうものが一つの基準となったようですが、現在の産業状況を考慮した、あるいは判断した、評価したというのは、具体的にどういうことですか。たとえば津山なら津山の場合は、これこれの産業で、これこれの技術者が必要だろうと考えたとか、そういう判断の根拠を聞いているわけです。産業等を考慮したという。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 大体、まあ産業立地上の条件といたしましては、その地域がどういう工業的な立地条件であるか。現状、たとえばどういった方面の工業があるか。あるいは将来、そういうところが、さらにどういう方面の工業に発展するかというようなことを、いろいろな資料から判定をしたわけでございます。中にはその地域そのものが、特に産業上の地域開発という点からはおくれておるもの、あるいは将来それほど望めないものもございます。しかし、その周辺に、そういったものがあって、この高専を設置することによって、その周辺の地域にこういった工業技術者を送り出すことができるという見込みのものについては、そういうものを取り上げたわけでございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 抽象的で理解に苦しみます。たとえば豊田と津山の例を引いてみますと、津山は、おいでになったことがあるかと思いますが、私もたびたび津山には参っておるんです。先ほどの会議録にとどめた際に、若干の論議をかわした点と少し関連してきますが、たとえば豊田については一、二、三、四、五、六程度の高等教育機関がありますね、六校程度の。津山には岡山大学というのが岡山市にあって、津山周辺には協力学校と称するものはない。その際に、津山市の産業立地条件の判断ですね、たとえば昭和三十九年には、国が責任を持って工場誘致を行なう、そのためには高専卒の技術者が何人要るんだ、豊田の場合には、現在これこれの学部で、数は千四、五百になるんでしょう、ちょっと今見てる程度ですが、四百七十、六百五十と、その千四、五百程度の養成機関がある、その中で、産業立地条件はこれこれである、しかし、これではどれだけ不足しておる、だから、豊田に必要だと、こういう根拠がありますかと聞いてる。その産業立地条件の判断としては、いかなる内容を検討したか。それぞれにあるはずですね。それぞれの十二校、あるいは次年度の五校についても、一応設置の四条件についての評価がある。その中で、私は特に産業立地条件、産業力というものについて、ただしたいと考えておるんです。だから、いろいろ検討しましたじゃなくて、現在こういう状況である、将来は民間企業もできるだろうという憶測でなくして、国の工業地帯造成計画の中では、どういう年次に、どういう種類の工業を誘致していくんだか、それぞれの判断があるはずです。それがなければ、あなたがおっしゃったように、いわゆる文部省に対する運動、国会議員を含めた政治家の取引によってきめられていないという根拠が薄れてくると思うんです。  だから、たとえば津山と豊田の二つの例でけっこうですから、産業立地条件の現状把握の内容と将来の見通しを説明して下さい。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) この津山と豊田の場合でございますが、豊田は、御承知のように、中部の大工業地域の一都市でございまして、非常に大きな産業関係、豊田産業関係の工場、事業場があるわけでございます。もちろん豊田だけではございませんで、名古屋を中心とする大工業地域があるわけでございまして、産業立地的な条件から申しますと、きわめて高度なものがあると思います。ただ、それについて、ただいまお尋ねのございましたような、たとえば豊田なら豊田、あるいは中部の工業地帯で何年次に、どういう種類のどれだけの中堅技術者が要るんだというような判定は、私どももいたしておりません。ただ、そこにございますような工場、事業場の種類、規模等をみまして、それでまあ段階を分けるというようなことをしているわけでございます。  津山につきましては、この豊田とは違いまして、確かに津山市自体には、それほどの、いわゆる工業的な産業というものはございませんけれども、これは御承知のように、倉敷、岡山、あの辺を中心とする水島の工業地帯というのが、現在計画的に造成されておるわけでありまして、大コンビナート地帯になるわけでございます。こういうことを考えまして、それのバック・グラウンドと申しますか、後背地として教育的な環境である津山を、もちろん地元の岡山県でも推薦されましたし、私どもも、ごもっともであると思って、これを設置場所として選んだわけでございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 そういう答弁ができないことはないんですが、実際問題として、そうじゃないんじゃないですか。たとえば、津山から水島まで飛行機で通勤すれば別として、汽車で行くとすれば、どのくらいかかると思っておりますか。なるほど教育環境としては、御承知のように津山というのは城下町であるし非常にいいところです。学校設置の条件には適しておる。しかし、そこで養成された人たちは、もちろん全県的に集まってきておるんですが、これは生徒構成をごらんになってもわかるように、若干北のほうに密度が多いはずです。その人々は通勤が不可能ですね。勢い、下宿という形になる。そうすると、必ずしも津山の高専を卒業した者が、あなたが答弁されたような形で、岡山は若干いいと思います。倉敷、水島等の工業地帯に人的資源として吸収されるとは言えないと思います。だから、それは設置をきめたあとで、若干の条件としてあなた方が配属したことで、協力学校があるとか、虚業立地条件とか、一応四つでしたか、大田の答えられた設置基準的な題目はあるけれども、選定の実態は、北海道も示すとおり、その他も示すとおり、激しい奪い合いが行なわれた結果、そうした政争に勝利したところが、かなり多く高専を拉致していった、これが偽わらざる実態ではないですか。そうではないとおっしゃるなら、四つの条件について、三十八年度設置のものについて、一つ一つ問いただし、落とされた県について、どういう判断をされたかを聞いていくために、この資料を私は前回要求しておる。そのことが、言葉は速記について悪いですが、あなた方が選定の際に、汚職につながるとか、そういった考え方でこれを言っているのではない。少なくとも政府の計画として技術者養成の早急の措置として高専を新発足さした以上は、所得倍増計画あるいは人的能力政策、マン・パワー・ポリシーに基づいて配置計画があるべきであって、その配置計画の科学性に基づいて、どこの県に設置していくかということは、ガラス張りでなければならないし、そのことが優先してきめていかれるとすれば、四十五年までの展望の中で、各都道府県に一校程度配置したいという大臣構想からすると、三十九年度五校をちょんとつまんでつけてやるという、うろんな政策でなく、当然何年度は何県という、法案に出さなくても予告が行なわれるべきである。その予告に基づいて当該地域は万全の準備態勢を完了する、これがあれば、地元の不必要な政治家あるいはそれぞれ経済界を通じての多い所では数百万に上る運動費等も不要になってくると思う。だから、口では四条件の基準に基づいて作りましたと言っているが、全体を比較していくと、その判断は、答弁は破綻を来たすと思っているのですが、大臣どうですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 地元の市町村、県あるいは地元の国会議員あるいは地方議員等が非常な関心を示されたことは、全部についてほぼ同じでございます。そういう意味での一種の争奪戦的な動きがあったかどうかと言われれば、全部についてあった、こう申し上げるのが、正しい返事だと思います。さりとて、そのことの強弱によってきめたのではございませんことは、先刻来政府委員が申し上げたとおでりあります。ただ当該県で何々市に置きたいという、県内での置き場所についての争奪戦も、かつては、昨年あたりは非常に激烈でございました。  これは具体的に申し上げてもいいわけですが、青森県について、そうでございました。学校を置くということが県民感情について、あと味の悪いことを残すようなことは差し控えるべきだということで、一年見送りにいたしたのであります。そういう私どもの気がまえからいけば、政治的な争奪戦が激し過ぎる所はむしろ避けたということを申し上げ得ようかと思います。  それよりも、やはり何度も申し上げましたように、ブロック的な配置及び地元の土地提供の熱意の度合い、その具体性、あるいは教員組織整備につきましての協力、大学のこれまた具体的な協力体制いかん、及び立地条件的な考慮が総合されて判断の基本になった、そこで決定したのだということを申し上げたことはまさしく真相そのものでありまして、ことさらに、政治的な動きによって左右されたことはございません。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 学校設置を競争して運動するということは、その趣旨はあながち悪いことではないと思います。問題は、当初から指摘しているように、新しく産業地帯を造成していく、あるいはどの種類の工業を助成をしていくというか、発展させていく。その中で十七万の配列はどうであるか、九州全体をとってみると、今度は大分、鹿児島、熊本、福岡一つで有明ということになったのですが、産業地域の造成による経済発展あるいは所得倍増計画、十七万の配置というのが、先ほどの資料でもわかりますように、全くアンバランスにというよりもバランスどころではない、極端に言えば、無関係に、過去の学校における学部、学科等の収容へ員から推計をして十七万というのが出てきた。高専を設置し四十五年までに何万ですか、ふやすと、そのことがどの種の産業、どのブロックの、どの県の、現在Fという県財政力をDまで高めていくためには、どういう人的能力の養成が必要か、このことの策定があっておれば、今回の三十八年並びに三十九年の選定されたものと別個のものが出てくると思うのです。ですから現在まで、それをなさっていないようですから、もう少し検討してきてもらって、次回に質問を延ばしますが、現段階においても、将来にわたっても、そうした策定を行なわないで、ただ、全国概数としての、十万足らないから五万ふやそう。それは国立に、この程度公立に、この程度依存しよう。私立にこの程度協力願おう、こういった程度の計画で進まれる予定ですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) もともと工業高等専門学校という新たな学校制度を創設しましたのは、所得倍増に具体的に適合させるために案画されたものでないことはよく御承知のとおりでございます。繰り返して申し上げるまでもなく、御承知のことですが、四年制大学のほかに専科大学というものの構想があってしかるべきじゃないかということから話はスタートしておると思いますが、それがいろいろな事情から実現不可能になりまして、それで高等専門学校という構想のもとに、いわば教育の機会均等化を推進する課題として、新たな学校制度を創設するということにあったことは御承知のとおりであります。このことは同時に所得倍増計画なんかという具体性を持った政治目標とはかかわりなく、日本の農業、あるいは農林漁業といってもいいかしれませんが、それを中心として、国民経済のあり方が、世界的な進運の過程からいきまして変化を来たさざるを得ないということで、各都道府県に、少なくとも一つは、この種のものがあってしかるべしということで、一挙にできませんので、順を追って、できれば五カ年以内に実現をはかりたいものだということでスタートしておるわけであります。  したがってどこに置くかの選定は、その緩急、軽重の選定は、もし一年で実施できるような予算が成立し得ましたならば問題ないわけであります。しかし、現実は、そうでないので、どういうふうな考え方で取捨していくかという、そのものさしとして、四つの考え方に立って、それを総合判断して緩急をきめていきたいということで、今日に参っておることは御案内のところであり、先刻来、お答え申し上げておるところであります。したがいまして、御質問のように、当該県の具体的な産業に、どれだけの専門家が電気、機械、その他具体的にどれだけいるからと、それに応じるために、工業筒等専門学校を設置し始めまして、具体的には所得倍増にも現実に、それが数の上では役立っておるということが、参考資料として差し上げた数字として出ておるにすぎない。本来は御質問のようなことに応ずべく、ことに地域的にまで具体性をもって応ずるためのものではないということを申し添えさせていただきたいと思います。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 知らぬは文部大臣ばかりとなり——という言葉はないでしょうが、たとえば、アメリカにおける国防教育、この間、本会議で私が指摘しましたように、産業と軍事体制、両ブロックの中へ、教育がどのような方向で進められておるか、学校制度がどうあるべきかということが検討されておるのは御承知のとおりです。ソ連においても、新しい五カ年教育計画の中で、技術者の養成を、何年度にはどの程度の科学水準にもっていくためには、どういう養成が必要かということも検討している。これは単に共産主義国家あるいは資本主義国家を問わず、少なくとも、小さくいえば国の科学技術、大きくいえば現在の世界の進運に立ちおくれない学力の造成という点からすれば、いずれの国にも考えられる問題です。そうしてあなたが教育は別であると、どう強弁しようとも、実際に予算を見ても、また政府が出しておる諸パンフレット、白書等を見ても、人的資源の開発が国の盛衰に直接かかわってくる問題である。したがって、教育投資はどうあるべきかという角度から、いい、悪いという問題を抜きにして、少なくとも教育が国の進運に決定的というか、重大な影響を与える力を持っておるということを理解しておる人は、ひとしくそれを考えておることです。ただ、その方向づけについて、それぞれのイデオロギーの相違があるということだけ。あなたの言うがごとくならば、たとえば、函館において土木がある。宇部においては電気、機械がある。土地が狭かったから土木は作りませんでした。北海道は未開発ですから土木を作りました……。どういう答弁になるかしりませんが。収容人員をきめてみたり、学科名をきめてみたり、その際には、当然のこととして、少なくとも県における理工系という科学技術者養成の高等教育機関の配列を検討しながら、その地域における産業の現状、将来を展望して土木が必要である、電気が必要である、あるいは機械科を置くべきだ。機械科が八十人になっているところもあれば、四十人になっているところもある。そういうことは、当然学校の規模を考える際にも、学校の設置の際にも判断をされなければ、あなたの日ごろ好んで使われる言葉を使うと、会議録に載るからやめますが、おかしいじゃないですか。だから、当然設置の場合でも、高専の規模を判断される際にも、そのことと無関係に、ただ、高専という新しい学校制度ができました。だから、所得倍増とは無関係に、あるいはマン・パワー・ポリシーとは無関係に、教育を主にして考えていますと、こういう答弁は、現在の世界の教育に対する主潮を知るものにとっては、詭弁というか、ナンセンスというか、ちょっと了解に苦しみますね。そうあなたも考えられませんか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今お話のような意味合いにおいては、むろん、そうあらねばならない必然性を持っていると思います。ただ、国立工業高等専門学校というのは、新しい制度をなぜ設けたかということは、あくまでもその適性能力に応じて展開されていくであろうところの新たなる学校制度を提供することが、教育の機会均等の方向に寄与するであろうということに立脚して考えられた課題と存じます。そうして、それはそれといたしまして、どういう学科目を置くか、あるいは入学定員を何人にするかということは、御指摘のとおり、学校教育は学問教養を高めるという目的と同時に、知識、技能を身につけることによって学生、生徒が社会人として食っていけるという能力を与える目的も持っておるわけでございますから、ことに、こういう工業高等専門学校のごときは、四年制の大学と違って、そういう職業人を養成する、職業教育を与えるということも主たる目的に掲げているわけでございますから、学科目の選定その他につきましても、学校を卒業して、社会人としてルンペンにならないように考慮するということも、これは当然の考慮内容であるという意味においてはお説のとおりだと思います。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 教育の目的が、平和的な国家社会の形成者として真理と正義を愛する人間を作るのだ、そして持って生まれたものを百パーセントに伸ばしていく均等の条件をつけねばならない、これはだれしも異論のないことです。しかし、その角度に立って、あなたのような高専設置論を展開をすれば、なぜ、高専制度のよしあしは抜きにしますと、なぜ、工業高専だけを作るか、美術の高専をなぜ作らないのか、音楽の高専をなぜ作らないのか、哲学の高専をなぜ作らないか、中学卒業者の持って生まれた生命というものが、まさか二万人だけは工業高専に適合している、あとはこうだという心理測定をなさったわけじゃないでしょう。だから、永遠の生命を持つ青少年の未来発展という教育の目標から論じていけば、各種の学校が、求めに応じて就学できるようにしておかなければならない、しかし、それは一つの国家的、社会的な制約があるでしょうが、少なくともその制約の中で、工業高専という新制度を発足させるにあたっては、無記名投票で希望者をつのったわけじゃないのだから工業高専の設置目的というのは、あなたが大上段に振りかぶったところの教育目的論ではなくして、人的能力開発論以外にないでしょうが……。前段を取ると、あなたの答弁は破綻を来たすでしょう、工業高専のみに限定したというのは。したがって教育の目的に沿いながら、少なくとも特に工業高専に関しては、人的能力開発、それが労働力としてどの程度必要か、それがどこに投入されていくべきかという産業ブロックの設計と要請に基づいていないということが再度答弁できますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) それは、本来大学についても高等学校につきましても、一面の国家的な要請であり、考慮さるべき一つの要素であると思います。国立工業高専を、高等専門学校を工業の学科に限りましたのは、便宜工業の学科から始めざるを得ない必要性に基づいたのであります。その必要性は、特定の経済人から頼まれたとか何とかよく言われるようなことでなしに、先刻もちょっと触れましたが、今まで日本は、農業を基本として最近まで育って来たと思うのですけれども、世界の大勢におくれまいとするならば、農業それ自体も従来のままではいけないと同時に、もっと能率的に近代化していかざるを得ないことから、おのずから俗に言いますところの農村の二、三男対策等も、当然の政治課題として考えられなきやならぬ。同時に日本が生きていくためには、農本主義という従来の観念では食っていけない。原料を輸入し、加工しというがごときことから、頭脳を練磨いたしまして、そこから出る創造力にも依存しながら、主として工業の面を伸展さしていくところに農村の二、三男対策もあろうし、民族全体として、将来に向かって生きていく方向づけが衆目の見るところ一致したところだと思うのであります。その要請にも応ずるということは、とりもなおさず個性の展開、人間形成という教育目的ももちろんながら、技能を身につけるという、その主目的も果たしつつ、先刻も申しましたように、学業を終えまして、社会人として堂々と生きていける保証を与えることも考慮外に置くべからざることであることは当然だと思うのであります。  そこで、お説のとおり、学校制度として創設しました以上は、工業に限るべきでないことは当然だと思います。農業高専、あるいは外国語の高専、商業の高専、もろもろの高等専門学校があってしかるべきものとむろん思いますけれども、出発の際におきましては、そういう形では、事実問題として出発が困難であった。そこで便宜工業科だけを置く国立工業高専専門学校としてスタートしたわけであります。国立高専の根拠法である高等専門学校の設置基準は、工業科を置くとございままして、その他の学科目を置くことをむろん禁止していない。続々と追加されてしかるべき形としてスタートをいたしております。それが現在は工業の学科だけでありますことは、今申し上げたとおり、現実の必要性と現実の条件が他の学科を置きますことを困難にします事情もありまして、全面的な分野を包括しながらスタートいたした次第であります。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 便宜工業だけを発足させました現実の状況の中で、ほかの高専を設置することについては支障があります——その便宜作りました、支障がありますということが、私が指摘しておる、いわゆる発足は所得倍増計画、現在においてはマン・パワー・ポリシー、これから四十五年までを展望した際に、教養科目の少ない技術詰め込みの高専出の速成が何年までにこの程度要るのだ、こういう日本産業の必要性が主たる底流になっておると、あなたは肯定することがきないのですか。御存じのように、かつて自民党の皆さんは、文化系は社会主義革命の温床だから、つぶすか減らすかして、理工系をふやせという迷論を吐かれたことがありますし、また経団連か、関経連であったか、日経連であったか、私も、どうもかなり前、数年前になるから覚えておりませんけれども、前回予算委員会でも指摘いたしましたように、日本の産業をもっと力をつけていくためには、逐次産業体制を強化することがきわめて重要だ、したがって昭和四十二、三年ころまでには戦艦何隻、小銃何万丁、戦車幾ら、潜水艦どれだけ、そのためには重工業がこれだけ作られねばならない。したがって人間の養成はこれだけ要るのだ。計画発表したことは御存じないはずはないでしょう。私は、それに左右されているとか、左右されていることの非を今追及しているのじゃないのですよ。あなたが特定の経済人に動かされたことはないとおっしゃっているが、特定というよりも、世界の産業ブロックは、将来設計を立てて、そのために必要な人材開発に立った教育投資計画を着々と設計していることは、これはいくらあなたが、そんなことは知りませんと言ったところで、日本においても当然の方向としてある。そのことを受けているか、受けていないかは別問題として、その要請の中で便宜、あるいは支障があったか知りませんけれども、工業高専が先に発足された。これは端的に申し上げるならば、いわゆる芸術者を育てることは日本の進運に緊急の課題であるという判断じゃなくして、技術者の速成が必要だという判断でしょう。その判断の根拠を、あなたが教育論を大上段にかざした人間未来像の開発ではなくて、産業ブロックの直接的な要請と、あなたがそれを受けられたか受けられないかは別問題として、無関係だという言い方が成り立ちますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 動機としては無関係だと申し上げるのであります。工業の学科目だけを置くに至りましたことは、むしろ私は国会の御意向に沿っているというふうに考えているのであります。先刻も触れましたように専科大学制度の創設の案が国会に提案されましたけれども、いろいろな都合で不成立に終わりました、その理由を現実的にとらえました場合、高等専門学校は、制度としては、お説のとおりあらゆる学科目があってしかるべき制度としてスタートしておりますが、当面スタートする具体性を持った実施案として考えました場合には、工業の学科だけからスタートするということに相なりましたことが、以上申し上げる理由に基づくわけでございます。工業の学科がまず発足し、そして相当多数の国立高専が設置される。量的に考えました場合に、むろん先刻申し上げましたように、卒業した青年が国立高専に学んだことによって、身につけた知識、技能が社会人として活用されるということに関連を持ちますことは、これは当然のことでありまして、そのこともまた、教育の目的の一つであると、こう考えるのであります。将来に向かっては、工業部の学科以外に、当然検討を加えて実施する努力をすべき課題だと思っております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 ほかの学科の創設は当然と言っておられるけれども、全体の高等教育あるいは後期中等教育の展望と学校制度の一ポイントとしての高専の中で、技能者の養成をどの程度にやるかなんということは、全然文部省には念頭にない。ただ原則論として、高専は工業に法律上は限定されないということだけでしょう。あなたが言うがごとく、教育均等論という原則論から、本人の選択の自由がフルに生かされるための高専、設置、こういう角度になっている。先ほど並びに前回の委員会の質疑応答で答弁なさっておる産業の立地条件とか、あるいはその他のことは出てこないわけです。特車とささやかにごまかしておったのが、予算上も明確に戦車となっておる。そして先ほど私が指摘したように、またアイゼンハワーでさえも、明確に、去るに臨んで議会で演説をしたように、産業ブロックと軍事体制の両方が、人間の本来の基本権を具体的な社会構造の中で侵害をしていって、新たな民主主義の一大脅威となりつつある。アメリカのような自由主義国家でさえも、産業ブロックと軍事体制はアメリカの民主主義の最大の脅威だと言っているのですよ。そうしてあなたが望むと望まないとにかかわらず、日本の産業ブロックの人々は、あすの生産体制に備えて、人材開発をどう行ない、教育投資のどこに重点を入れ、どう配置をしていこうかという計画を着々と立案している。その意向が高専の配置の際にも私は入っておると指摘したいのです。  あなた方の、あるいは小林局長の答弁を聞いておっても、もっともらしく四つの条件をあげておるけれども、個々をとった際には、その原則論としては支離滅裂になる。ある場合には大臣の認められたように、奪い合いに勝った者が勝っておることもあるし、奪い合いがひどくて、どこかにきめかねて、どちらも政治家の顔を立てなければならないときには、けんか両成敗で作りませんと、こういう措置が行なわれてはおるけれども、基本的には人間の自由な発展という立場から、十六、七、八と、いわゆる青少年期に入った人々の、何といいますか精神的なかてというか、それを与えていくためには、いかなる種類の学校制度が必要かという角度は、あなたが国会の本会議で提案をなさったときも少しも入っていない。やはり基本には、民族愛とか祖国愛とか、そうした散見する用語と、その後の設置理由の中には、産業布陣と人的能力開発、その要請にこたえて高専を作って、しかもその意向に基づいて高専配置が行なわれておる、こう見ざるを得ない。もしあなたが言うがごとく、教育の機会均等の一つの処置として行なわれるということであれば、もっと明確に各県に、どこに優先して配置していくかということは、何度も指摘しますように、ガラス張りできちんと出されるはずです。  次に質問を簡単ですから進めていきます。たとえば先ほど指摘したように、宇部の場合は、機械を八十人に、明石の場合は機械は四十人の収容人員にした。このこと一つとり上げても、あなたは、それは土地が狭かったから四十人にしたのです。こういう答弁をなさるつもりですか。宇部の八十というのは、その地場産業ないし将来の産業ベルトの展望から考えて、機械関係の技術者は、少なくともこれくらい要る、関連高等教育機関、中等教育機関の中の初級、中級の技術者は、これだけ増勢されていっておる、こういう資料から、当然学科の設置、収容人員の決定が行なわれたのではないですか。これは大臣でも局長でもどちらでもいいですが、具体的に問題をとって尋ねていきましょう。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 学科の決定につきましては、先ほど大臣からも御答弁申し上げましたように、その設置場所の、あるいはその周辺の産業の現在の状況、あるいは将来どういうふうに変化するだろうかというようなことを考慮いたしまして、設置する学科の配列をきめております。ただこの点につきましては、地元の大学、あるいは府県等と学科については御相談をしてきめておりますけれども、基本的な考え方といたしましては、どの高専にも機械と電気は配置する、それ以外には工業化学あるいは土木工学、建築学科というものを、どういうふうに配置するかという点で考慮を要するわけでございます。それらについては、たとえば先ほど申しましたように、その地域の産業の現状、将来の展望というものを考えてやるわけでございます。  宇部の高専につきましては、これは創設のときの経緯がございまして、すでに短大として発足しておりましたものに併設いたしまして工業高専を設置いたしたわけでございまして、短大のときの学科の配列をそのまま高専に踏襲した形でございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 先ほどからいろいろただしておりますいわゆる今もあなたが答えられた地元産業の将来展望、これに対して少なくとも三十八年度の十二校と三十九年度の五校については、地元の要望がこうである、あなた方が判断された産業立地条件の展望はこうである、全部答えられるように準備をしておいて下さい。  質問を終わります。

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 本法律案に対する本日の質疑は、この程度にとどめます。     —————————————

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 次に、日本育英会法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本法律案については、すでに提案理由の説明は聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  御質疑のおありの方は御発言願います。

二木謙吾自由民主党

○二木謙吾君 日本育英会法の一部を改正する法律案、これの提案理由に、日本育英会法は戦時中の昭和十九年に制定せられ、戦後の学制改革、経済事情等の変動により幾たびか改正されたが、なお根本的に改正を要する点が多々あると書いてありますが、この育英会は、私は人材の養成、確保、あるいは教育の機会均等、こういう点からも非常に私は適切な施設であると思うが、この日本育英会の現状についてひとつ説明を願いたい。貸与の資金はどれぐらいであるとか、たとえば貸与を受けておる者の範囲、あるいはまた、今まで貸与を受けた人数はどれぐらいあるかとか、その金額はどうであるか、こういうことについて、日本育英会の現状について御説明願いたい。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 御承知のように育英会というのが教育の機会均等の原則から出発しまして、今日まで幾多の功績を上げて参っておるわけでございます。今日まで、それぞれ大学に至るまで育英資金の貸与が行なわれておるわけです。大体大学関係、高等学校等につきましては、それぞれ一定の金額が固定され、貸与できるパーセンテージも定められておりまして、今日までその恩典に浴した者は数十万の多きに達していると類推されるわけです。ただ現行の育英制度が特別の条件のものを除いては、学校を卒業して就職をする際には、これを返金するという制度でありますために、現在まで育英会の努力もありましたけれども、未返還の金額が累次増加いたしまして、数十億の多きに達しておるわけです。したがって育英会発足の精神から考えますと、私どもとしては、当然将来に向かって返還の負担を負わせる制度ではなくして、当時貸与されたものが学校を出ると、すべてのものにわたって不返還という条件が整備されなければ、育英会の真の精神は生かされないものと考えておるわけです。しかしながら一気にそのことに持っていくことは困難な点もありますので、いわゆる逐次条件の改善をはかることによって、返還しないでよろしい該当者のワクを広げていくことによって、この精神の一端を補っていくとともに、最終的には現状のような返還制度を抜本的に改めて貸与と申しますか、給付と申しますか、給付という言葉が適当だと思いますが、本人に返還をさせないでよろしいような制度に切りかえていきたいと考えておるわけです。  もう一つの点は、現行の貸付金そのものが三千円、あるいは二千円程度逐次これを増額されておりますけれども、現在の国公立諸学校はもとよりのこと、ことに私立学校の場合を考えてみますと、入学資金はもとよりのこと、授業料等、あるいはその他のPTA諸会費、校友会費等加算いたしますと、現行の育英資金の貸付の金額は、現状の国公立はもちろん、私立学校の運営の実態から考えて、時代に合わない制度である。したがって資金を本人に支給してしまうという制度と同時に、その金額をかなり大幅に引き上げていかないことには、私立学校等に入学を希望しておる人々は、この制度によっては、若干の恩典は受けておると思いますけれども、その金額の過少のために、入学そのものを断念しておるという実情もかなり多いのではないか、このように考えまして、ワクの拡大と不返還、この二つの問題が早急に実現されることを望んでおるわけですが、今改正はそこまで広げないで、他のすでに適用されておる者とバランスをはなはだ失しておる者についてのみ、その均衡をとろうとする方針に限定をいたしまして、主として政令の改正を期待しながら、貸付と不返還の二つを一部該当者に限定して提案をしたわけです。

二木謙吾自由民主党

○二木謙吾君 育英資金の不返還ということは、これは理想であって、将来経済が進み、社会が進歩していけば、そういう時代に到達するかもしれませんが、現在の状況においては、私は学資の貸与を受けた者が確実にこれを返還するという、その義務を果たすことによって資金もだんだんふえて参る。そうすれば後進子弟に、たくさんの人数に金を貸すことができる。かように考えておるのでありますが、現在、この間も衆議院でも問題になったのでありますが、返還しなければならない者で返還をしない者がたいへんに数が多い。こういうことで、衆議院でも問題になっておったのですが、現在、貸与を受けて返還すべき者で、返還しない者がどのくらいあって、その金額はどのくらいありますか。もし何なら文部省でもけっこうです。あなたがわかっておれば、あなたで。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 前々通常国会ではなかったかと記憶しておりますけれども、育英会の関係者の報告によりますと、公務員を含めまして、人数の点については今つぶさに記憶いたしておりませんが、金額にしては、たしか二十億前後の金ではなかったかと考えております。したがって、私どもとしても現行制度の中では、返還の義務を持つ者がこの責務を果たしていくという点については当然のこととして推し進めていきたい。また、そうあるべきである。このように考えておるのですが、究極の姿としては、育英制度の建前からして当然給付さるべきものである、このように考えております。該当人数については明確に記憶いたしておりません。

二木謙吾自由民主党

○二木謙吾君 現在貸与を受けている者、公立それから私立の学生でどのくらい、どういうふうになるか、それからまた教員の養成機関、貸与を受けておる現在の人員ですね。たとえば国立の大学におる、あるいは県立その他公立の生徒である者、あるいは私学に籍を置いている者等の数です。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 その数字については育英会のほうから入手いたしておりませんので、文部省のほうでわかっておったら……。

笠木三郎文部省大学学術局学生課長

○説明員(笠木三郎君) 三十六年度におきましても、育英会の奨学生数から申しますと、総数といたしましては、国立学校の場合は総数で四万八千強でございます。これは大学で、義務教育教員養成学部を除いた者です。義務教育教員養成学部の者が約二万五千でありますので、総数といたしましては約七万三千名程度国立がおるわけです。それから公立のほうは、同じく大学でございますが、約八千名、それから私立の大学の場合は約四万三千名でございます。合わせまして、大学で申しますと約十二万四千名が三十六年度現在の奨学生数でございます。

二木謙吾自由民主党

○二木謙吾君 最近における返還の状況はどういうふうになっておりますか。

笠木三郎文部省大学学術局学生課長

○説明員(笠木三郎君) ただいま三十六年度末現在におきまして要返還者は五十七万人でございます。これが返すべき金といたしましては、同じく三十六年度末現在で約七十四億円になっておるわけでございます。そこで、このうち一年以上の延滞をしております者が大体その四割強でございます。その延滞額は約三十三億でございまして、結局残りの分が返っておるわけでございますが、その返っております分の、全体の要返還額に対しましての割合は約五五%でございます。

二木謙吾自由民主党

○二木謙吾君 返すべきものをそのまま返さないということは、これは私は不合理だと思う。あるいは学校を出ても収入がなくてよう返せない、こういう人は免除をしてやらなければならないが、相当な生活をし、相当な暮らしをしておる者は、これは返還をすべきものである。そうして後進の者の貸与の資金にすべきである。かように考えておるのでありますが、提案者においてはどう考えておられるか、支部省においてはどう考えておられるか。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 お説のとおりに、現行制度の中では、返還すべきものは当然定められた期間の中に返還をしていくべきものである。また、育英会自体としても、当然そのことに対して、いま一そうの努力をすることによって返還金の回収を進めるべきであると考えているわけです。

笠木三郎文部省大学学術局学生課長

○説明員(笠木三郎君) 私どもといたしましては、現在の制度の建前上、この返還されます金がすぐに後進のための財源になるわけでございますので、そういった点あわせまして、この返還促進につきましては、今後とも努力したいという考え方でございます。

二木謙吾自由民主党

○二木謙吾君 現在貸与をしてもらって返還をしなくてもいい、免除をされている者にはどういうものがありますか。これは教育に携わっている者だけですか、どういう者が貸与金の免除を受けているか。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 御指摘のように、教育の業に携わっている者は免除されておりますが、同時に、特殊な事情によって返還能力を喪失している者等について、たしか免除規定があったと記憶いたしております。

二木謙吾自由民主党

○二木謙吾君 免除規定というのはどういう規定がございますか。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 日本育英会法施行令の中の十八条に、大体三項目にわたって、それぞれ、たとえば学資の貸与を受けたる者にして大学に二年以上在学し云々、あるいは修業中、あるいは退学後一年以内に義務教育職員の職につき、二年以上継続してその職にある者はこれこれというふうに、それぞれ条件を定めて施行令の中で定めておるようでございます。

二木謙吾自由民主党

○二木謙吾君 今、免除の対象となっておる先生の数はどのくらいありますか。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 その数については把握いたしておりません。

二木謙吾自由民主党

○二木謙吾君 文部省のほうでわかりますか。

笠木三郎文部省大学学術局学生課長

○説明員(笠木三郎君) 免除の中には特定の職務に卒業後つきました場合には、その勤務年数に応じまして免除されるものがあるわけでございますが、今のお尋ねはそれに該当すると考えますので、それについて申しますと、該当人員といたしましては全体で約一万一千人でございます。これは三十六年度の年度中の該当者でございます。その金額は約四億四千万程度でございます。

二木謙吾自由民主党

○二木謙吾君 近年、幼児教育の重要性が次第に認識をされて、また幼稚園教育の効果もだんだん高く評価されつつあるのであります。私も、三つ子の根性六十までと、こういうことわざもありますが、この幼児の教育は非常に重要であると思うのでありますが、幼稚園教育の現状についてひとつ承りたいと思います。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 御指摘のように、近来におきましては、特に幼児教育というものは重要視されて参っておるわけです。いろいろの適応性の馴致という立場からいたしましても、また立法の精神からいたしましても、よりよい条件の中で生活を送っていくということは、将来を決する重要な問題であろうかと思います。したがって、私どもとしては現行の学校教育制度の全般を検討いたしまして、早急には困難かと思いますけれども、義務教育の年令を一年程度切り下げるという措置も当然検討すべき時期に到来しておる、このように判断しておるわけですが、現在のように母親が就職をする傾向が増大しておる世情の中では、特に幼児教育あるいは現行制度の中では幼稚園の教育、こういったものを、学校教育の一翼を担うといいますか、そういう立場、態度でこれを見ていく必要があるのではないか。義務教育でないから幼児教育は国が関知しない、あるいは地方公共団体が問題にする以前の課題である、こういうふうな考え方は極力排除さるべきであって、私どもとしては、幼児教育あるいは幼稚園教育の重要性から、当然、国あるいは地方公共団体が、これらの施設に対してはもちろん、教育内容あるいはこれに勤務する教育職員の諸条件整備にいま一そうの努力をしていく過程を通じて義務教育の年令切り下げ等が配慮さるべきではないか、このような見解を持っておるわけです。

二木謙吾自由民主党

○二木謙吾君 これは文部省でもよろしゅうございますが、幼稚園に就学をしておる率とか、あるいは幼稚園の数かと、幼稚園の教員数、幼稚園の教員の待遇ということについて承りたいと思います。

笠木三郎文部省大学学術局学生課長

○説明員(笠木三郎君) 幼稚園の数は昭和三十七年五月現在で約七千四百校に上るのでございます。同じく同時期におきましての幼稚園の教員数は、総数約三万四千七百名でございます。それから、この教員の給与の状況でございますが、これはやや古い資料でございますが、三十四年度現在におきましての資料によりますと、平均いたしまして月額約一万三百円という数字が出ておるわけでございます。それから幼稚園へのいわゆる就学の数字でございますが、この幼児数につきましては、ちょっと私今手元に資料がございませんので、今お答えしかねるわけでございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 大体総数については異存はありませんけれども、特に幼稚園勤務の教職員の給与の問題につきましては、国立あるいは公立等につきましては、ただいまの数字としては大体において至当と思いますけれども、私立幼稚園の場合は、低いところは二千円から、高いところでも一万円に達するというのはきわめて僅少であると私どもは把握いたしております。

二木謙吾自由民主党

○二木謙吾君 幼稚園の教職員が義務教育諸学校の教員と比較してよほど給与が悪いというような話は聞いておりますが、まあ今、豊瀬さんからもお話があったのですが、それは比較してどのようになりますかね。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 本年、国会にかけられましたベース・アップの根拠となりました教職員の全国平均給与は、アップ前はたしか二万九千円前後であったと思います。しかし幼稚園は、先ほど指摘しました国公立のごく一部を除きましては、私立幼稚園が圧倒的に多いわけですが、平均給与という立場をとりますと、大体五千円前後ではないかと、このように、判断しております。

二木謙吾自由民主党

○二木謙吾君 今お話のあったように、幼稚園の先生の待遇は悪い、これがために長続きせぬ、こういうようなことを私も聞いておるのですが、勤務年数の平均は大体どれくらいでございますか。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 私立幼稚園の場合は全国的な統計を私ども持ちませんけれども、本委員会で懇談会を設置いたしまして、全国の代表者の方に集まっていただいた際のお話では、大体五、六年前後ではないかという報告がありましたので、その程度ではないかと考えております。

笠木三郎文部省大学学術局学生課長

○説明員(笠木三郎君) 退職者に基づきまして在職年数を調べました数があるのですが、三十三年度における退職者につきまして、その在職年数を調べてみますと、二年未満が約三九%、それから二年以上五年米満、か約三七%、残りが五年以上の在職年数を持つ退職者ということになっております。そこで五年未満で退職いたしますものが大体全体の四分の三、退職者数の四分の三という状況でございます。

二木謙吾自由民主党

○二木謙吾君 この理由の説明の中に、大学において日本育英会から学費の貸与を受け、幼稚園における教育の職についた者は貸与金の返還免除の対象となっていないために、その返還も困難であり、退職を希望する者があとを絶たない、こういうふうに書いてありますが、これの状況を具体的にひとつ説明してもらいたいと思うのですか。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 今若干、私の在職年数と数字が少し違っておったようですが、文部省の言っているのが正確じゃないかと思いますが、この数値でも現われておりますように、四分の三程度が一、二年間で退職していっているという状況でございまして、具体的に申しますと、個々の事例になると思いますが、個々の事例については、本人の家庭的な事情がある場合も特例としてありますけれども、一般的に勤務年数が少ないという現象の主たる理由は、やはり給与が低いということ、それから同時に、その低い給与の中から育英会の資金の貸与を受けた者が返還の義務を食わされておる、こういった事情があると判断いたしておるわけです。

二木謙吾自由民主党

○二木謙吾君 育英会の資金の貸与を受けて返還をしている教員は、幼稚園に何人、その返還の金融は毎月どれくらいに上っておるのですか。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 この資料も、幼稚園という状況にありますために、私どもとしては、全国の幼稚園からきちんとした資料を入手することはできませんが、現在手元にあります資料では、受給者総数は大体二百二十名から三十名程度で、三十三都道府県にまたがっているようです。しかし、判断としてはもう少し多いのではなかろうかという気がいたしておるわけです。返済金額は大体最高一万二千円から最低二百五十円、これは年限によって違ってきておると思いますが、この返金が年間総額どのくらいになるかは抑えておりません。

二木謙吾自由民主党

○二木謙吾君 貸与金の返還免除は、特定の分野に優秀な人材を養成する趣旨において設けられたものでありますが、幼稚園の教員に対し、この制度を適用した場合、期待される実際の効果について提案者はどうお脅えになりますか。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 先ほども申し上げましたように、幼稚園教育の最も大きな障害の一つは、教職員の給与が低いということにあろうと思います。その低い給与の中から、今申し上げましたような金額を年間それぞれ返済をしていっておるわけですが、そのために、たとえば幼稚園でなく、小学校等に勤務いたしますと、返還免除の適用を受ける、こういった実情にありますために、優秀な能力を持つ人々が給与の低いということと、返還の義務を負わされておるということと、この両面相待って、他のほうに転出をしているという状況がかなり妨げるのではないか、そのことによって幼稚園に優秀な教員の確保ができる、このように考えておるわけです。

二木謙吾自由民主党

○二木謙吾君 人材確保の手段として免除制度の適用が考えられているということは、まことに時宜に適した方法でありますが、たまたま学費の貸与を受けた者が確実に返還の義務を果たすことによって、これら後進の育成の資金に当てることができるのでありますが、これが幼稚園の先生にこれを適用した場合に、貸与制度の基本を乱すというようなおそれはないでしょうか。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 先ほどもお答えいたしましたように、大体二百数十名が該当し、月額三千円の貸与を受けたとしますと、年間約十四、五万ですか、これを短年その中で、一応これは確実な資料に基いておるわけじゃないのですが、二百二十五名支給を受けた者の中から、幼稚園に従事しておる者の数が何パーセントかあるといたしますと、全体の返還金額としては数十万円程度の微細なものになると思います。私どもとしては、私どもの研究の衝あるいは教育関係の事業に従事しておる人々が免除の恩典を受けておる。幼稚園教育を現状の教育体系の中から基礎教育という判断に立ってとらえていきますと、これらの人々が免除を受けるということによって、他の人々に対して返還の義務を持っておる人々が、幼稚園教員に対して免除の恩典ができたから、自分たちも能力はありながらこれを返還しまいというような悪意の態度に出るといったようなことは考えられないと思っているわけです。

二木謙吾自由民主党

○二木謙吾君 ちょうど五時になりましたので、私の質問はこれで打ち切ります。

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 本法案に対する本日の審議はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時散会      —————・—————

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