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43回国会参議院1963/03/05

文教委員会 第7号

発言数
66
登壇者
5
会派数
2
開催日
1963/03/05

会議録

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) ただいまより文教委員会を開会いたします。  本日の委員長理事打合会について報告いたします。  本日の委員会は、まず、へき地教育振興法の一部を改正する法律案(参第一〇号)について、発議者より提案理由の説明を聴取することにし、その後、前回に引き続き、人つくりと当面の文教政策に関し質疑を行なうことにきまりました。以上御報告いたします。  まず、へき地教育振興法の一部を改正する法律案(参第一〇号)を議題といたします。  まず、発議者から提案理由の説明を求めます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 ただいま議題となりましたへき地教育振興法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由と内容の概略を御説明申し上げます。  へき地教育振興法は、教育の機会均等の趣旨に基づき、かつ、僻地における教育の特殊事情にかんがみ、国及び地方公共団体が僻地における教育を振興するために実価しなければならない諸施策を明かにし、もって僻地における教育水準の向上をはかることを目的とし、去る昭和二十九年の第十九回国会において制定されたものであります。その後、第二十八回国会において、僻地の実情に即した同法の一部改正が行なわれ、僻地教育の改善充実に一そうの拍車がかけられましたが、いまだその実態は、諸調査によっても都市に比し著しく低位であり、こうした状態に甘んじなければならない現状であります。  このような結果は、僻地における児童、生徒の栄養、健康状態が不十分であり、通学条件に恵まれず、しかも施設、設備が整わず、単級、複式学級など条件の悪い教育環境のためであると申せましょう。しかしながら、僻地教育においては、教育の根幹ともいうべき教員が、経済的、文化的諸条件に志まれないために、有能な人材を確保することが困難であるということも、僻地教育の振興のために大きな障害となっております。以上の理由により、今回、僻地学校に勤務する教員及び職員の僻地手当の支給割合の引き上げ、調整額の支給措置を講ずるとともに、国の補助率の割合を引き上げる措置を講じて、僻地における教育の振興をはかるために、ここに改正案を提案いたしました次第であります。  次に、改正案の内容の主要点について申し上げます。  まず第一点は、市町村の任務たる「へき地学校の児童及び生徒の通学を容易にするため必要な措置を講ずること。」に、新たに「寄宿舎の設置」の字句を特に掲げてこれを強調したことであります。現在、通学を容易にするための対策としての寄宿舎については、二分の一の国庫補助がありますけれども、その予算はきわめて限られており、ごく一部にその設置をみるにすぎない現状でありますので、冬季間における山間地、離島、積雪寒冷地帯、急傾斜地帯等の自然的悪条件のもとでは、児童生徒は著しく通学に困難を感じており、学校の作法室、集会室または公民館等の公共施設や保護者以外の住宅に寄宿を余儀なくされております。これでは安定した授業ができないのであります。それゆえに、ここに寄宿舎設置についての市町村の任務を明らかにし、寄宿舎が完備されますことによって、僻地分校の解消、小規模学校の統合等も促進され、教育水準の向上に符与することの効果を期待するもので、設置の計画としては、僻地の四、五級地の最も条件の劣悪なところから年次計画をもって設置すべきものと考えております。第二点は、僻地に勤務する教員及び職員に対して、僻地手当の支給割合を最低二%から最高五%引き上げるとともに、新たに一、二級地に千円、三、四級地及び五級地については二千円の定額制の調整額をそれぞれ支給することによって、教員及び職員の待遇改善を行ない、人事異動を円滑にし、有能な教職員を配置したいと考えております。第三点として、市町村が行なう事務に要する経費のうち、国の補助率を現行の二分の一から三分の二に引き上げております。僻地の市町村はその財政力が貧弱であり、僻地教育振興のための諸施策を積極的に促進する意欲に乏しく、したがって、国の二分の一の補助をもってしては実効を上げていない現状でありますので、補助率を引き上げて僻地における教育の充実向上をはかりたいと考えております。なお、本法の施行期日は昭和三十八年四月一日といたしてあります。  以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概略でございます。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 以上で提案理由の説明聴取は終了いたしました。速記をとめて。   〔速記中止〕

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 速記をつけて。     —————————————

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 次に、人つくり等当面の文教政策について調査を進めます。  御質疑のおありの方は御発言を願います。

米田勲日本社会党

○米田勲君 私は前回の委員会で小林委員の質問に関連をして質問をしたいということを委員長のほうに申し入れましたが、そのときのいろいろな都合できょうまで延び延びになっておりましたが、今から、あのときに直ちに行なわれた関連質問であれば端的にお聞きしてもよいかとも思いましたが、だいぶ時日を経過しておるので、お互いに認識を一致させるために少し詳しく関連質問をしたいと思います。  そこで、まず第一に文部大臣にお尋ねをいたしますが、最近、学校教育においても、社会教育においても、道徳の問題が論議されておるし、道徳教育の問題も真剣にいろいろ議論が戦わされておるわけです。文部大臣の考えておる内容は、われわれには十分納得できないけれども、とにかく言葉としては道徳教育の大切であることを各所で主張しているわけです。私はこの道徳教育という問題を考える際に、いろいろな要素が考えられるけれども、その中で重要な一つの問題として考えなければならぬのは、自分の言動に当たっては他人の人格を尊重しなければならないという考え方がきわめて大切な要素になると思うわけです。この点について文部大臣に一応見解をお伺いしたい、私のこういう考え方について。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 御指摘の点は、仰せまでもなく私も同感でございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 他人の人格が自分の得手勝手な言論や行動によって著しく傷つけられるということは、これはきわめて重大なことでありまして、文部大臣も今率直に、他人の人格を尊重するという考え方については同感であるという意味を述べられましたが、それでは次に角度をかえてあなたにお伺いします。私の経験でもそうですが、あなたも同じではないかと思うのですけれども、大勢の人を集めてその人たちにお話をする、講演をする、そういう場合に、あなたは自分の話すことを通じて聴衆者にあることを理解させようと意図しないかどうか。聴衆者を前にしていろいろお話をなさるときには、その聴衆者に自分が話そうとするところの大事な点を理解させようとあらかじめ意図するのではないか、こういうふうに私も経験から考えるのですが、その点はどうですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 常にそうであります。

米田勲日本社会党

○米田勲君 その点はわかりました。その場合ですね、そのお話をする内容が、より自分の考えている方向といいますか、自分が意図している方向に望ましい影響を与えようとして講演なり演説なりをするというのが常でありますが、あなたもそうですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) もちろんそうでございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 二つのことを聞きましたので、それでは次に、あなたは、小林委員が前回の委員会でも指摘しているとおり、帯広市における公民館の経営をしている人たちを集めた会合で、記念講演のお話をなさったそのときに、日教組の専従者は給与の二重取りをしているという、給与の二重取りという言葉を使われたかどうか、それをお聞きします。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) そういう言葉を使ったと思います。

米田勲日本社会党

○米田勲君 これは私らのほうでは、録音を同志の諸君がとってくれたので、一言一句間違いなく開き取っておるわけですが、あなたは明らかに給与の二重取りという言葉を使っておるわけです。そこで、あなたにこのことについてお伺いしますが、給与の二重取りということは——この講演会を離れてお聞きしたい。講演会であなたが話したとか話さないということを離れて、給与の二重取りということは、われわれの日常生活の中で、常識的にどういうことを言い表わしているとあなたは解釈しておりますか、それをお聞きします。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) ちょっと適切に言い表わせませんが、両方から給与をもらっておる、そういう意味と解せられると思います。

米田勲日本社会党

○米田勲君 給与の二重取りということは、どうだれが解釈をこじつけようが、私はそれは、不法行為であるということを、常識的にだれもが考えると思いますが、どうですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 何と申したらいいでしょうか。まあ普通はあり得ないことだと思います。許されておるならば、たとえばいろいろと兼務しているときに、兼務先からもらうこともあり行ますから、常にそれがけしからぬという場合のみではないと思います。

米田勲日本社会党

○米田勲君 その点で解釈が私と非常に違うのですが、兼務をしている先から給与をもらって、またこちらのほうの本職のほうで給与をもらうというようなわれわれの生活実態の中で、給与の二重取りという言葉を使うでしょうか。私はどうも今、文部大臣が答えたような場合には、給与の二重取りという言葉は使わないのじゃないか、日本では。どうですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) そういわれれば、そうだと思います。

米田勲日本社会党

○米田勲君 私は給与の二重取りという言葉は、これは私だけの解釈でなくて、どなたにお聞きしても、給与二重取りという場合には、必ず詐欺か横領がつきまとっておる。詐欺か横領がつきまとっていなければ、われわれの常識ある社会では給与の二重取りというレッテルを張ることはないと、こう思いますが、どうですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 通常そう解釈され得ると思います。

米田勲日本社会党

○米田勲君 この帯広の記念講演で、あなたが日教組の専従者に対して給与の二重取りという表現を用いて訴えられたその影響は、当時その会合に出席した小林委員が聴衆者から帰りがけにじきじき聞いたのであるが、県から給与をもらい、組合からももらって日教組の専従者というものは組合活動をしておる、けしからぬことをしているやつらなんだということを相当数の者が話しながら帰ったというが、文部大臣はそういう聴衆者のあとからのお話は聞いておりませんか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 聞いておりません。

米田勲日本社会党

○米田勲君 おりますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 開いておりません。

米田勲日本社会党

○米田勲君 実際われわれがこの文部大臣の給与の二重取りということを問題にしているのは、このことが聴衆者に非常にショックを与えているというところにあるわけです。今聞いてみると、給与の二重取りという言葉は、まさしく私が理解しているとおり、詐欺か横領がつきまとっていなければ、その行為に対して給与の二重取りというレッテルは張らないという文部大臣は明らかな理解をしておる。しかるにこの言葉を使っておる。聴衆者はそのことにおいてある一つの概念を植えつけられた、こういう状態を私は問題にして、さらに次のことをお聞きします。  現在、日本教職員組合に対しても、あるいはその他の公務員組合、公労協の組合に対しても、国家公務員、地方公務員、公労協の関係の職員組合に専従制度が国内法で規定されて、それが権利として与えられておるということを文部大臣は知っているかどうか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 知っております。

米田勲日本社会党

○米田勲君 そうしますと、日教組の専従者というのは、日本の国内法で明確に専従制度が法律的にきめられておって、その法律に基づいて行動がとられておるものである。こういう解釈をして間違いがないと思いますが、いかがですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) そのとおりでございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 その場合、これは現行法に規定されているが、日教組の専従者が専従期間中に受けている給与の取得の仕方に不法行為があると認められるかどうか、その点はどうですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 不法行為はないと思います。

米田勲日本社会党

○米田勲君 そうすると、日教組の専従者は給与の取得に不法行為がないと理解しながら、なぜ日教組の専従者は給与の二重取り——ここのところはあなたはこういうふうに反論するかもしれない。在籍専従者という、そういうものは形の変わった給与の二重取りみたいなものだから——こういう多少表現のぼやけているところはあるとしても、この言葉から受ける聴衆の印象は、給与のもらい方に不法行為があるという印象を受けたとあなたは理解しないか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 不法行為をやっておるという印象を受けるはずはないと思います。

米田勲日本社会党

○米田勲君 給与の二重取りという言葉を使いながら、聴衆者が給与の取得の仕方に不法行為があると思わないという理由を、それでは説明していただきたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) もともとこの話は、日教組がILOに提訴したことを解明する一節であります。その提訴の一つに、在籍専従者の現行制度を、政府は法律を改正して、ILO八十七号条約批准と同時に改正してなくしようとしている。そのことが、いわば既得権の侵害だから、日本政府に専従制度を廃止することを取りやめるように勧告方を訴えたのがその一つであると思います。ところで、なぜしからば、数年来、政府は在籍専従者の制度を法律を改正して廃止しようとするか、それは先日も申し上げたことでありますが、民主的組合だとするならば、国や公共団体と別個に法人格を持った組合が本来の姿をとらんとするならば、その専従者は組合の雇い人であるはずだから、あらゆる給与が一元的に組合から出されるのが当然のことだと思います。ところが戦後のいろいろな沿革もむろんあってのことでありますけれども、日本の現行制度のもとでは在籍専従者制度が法律上認められておる、そのことは、民主的組合の本来の姿を念頭に置いて考えるならば妥当ではないという考え方に立って、法律を改正して、三年間の猶予期間を設けて、四年目からは在籍専従者という制度をなくしよう、こういう案を国会にも提案して最近に至っておることは御案内のとおりであります。なぜ、しからば在籍専従者制度をなくしようとするかは、今も申し上げたとおり、それ自身が二元的に給与が出される格好になっておることも、今申し上げたとおり、純粋の民主的組合ということを念頭において考えれば適当でないという理由をもって法律を改正しようというわけであります。したがって、まあいわば月給は組合の支払いでありますが、専従者として勤務している期間の経過に従って俸給は上がる。勘定上上がる。やめた場合の最終的な俸給を基礎に退職金が組合からでなしに出される。年金、恩給またしかりということは二元的なものであって、望ましい、すっきりした組合の専従者の制度ではない。そういうことを解明する意味で、いわば形の変わった給与の二重取りみたいなものだから、民主的組合の立場から考えるならば恥ずかしいことであるはずだ、だからすっきりしたものにしたいというのが政府案だと、そのことを解明する意味合いにおいて私はおしゃべりをいたしたのであります。

米田勲日本社会党

○米田勲君 あなたが閣僚の一人として現在の法律を改正しようと考える、その考え方については、国会が認めるかどうかは別にして、それは自由です。しかし、少なくも法律が国会で審議されて改定されないうちは現行法が絶対だとはあなたは思いませんか。現行法が絶対の立場を持っていると、そういうふうに考えませんか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) それはもちろんでございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 そういうのであったら、あなたが今説明の中に、給与が二元的に出されておる、こういう説明をしているが、給与は二元的に出されておらない。専従期間中に給与が国から出たり、県から出たりすることはない。手当もそのとおり。しかもあなたは恩給、年金等のことに触れるかもしれないが、この専従期間中には年金は、ほかの専従者でない者と同じように納付金は正確に納められている。そういう制度、法令のもとに従って納められている。そういう状態に現行法がなっているのに、給与の二重取りだという言葉でこの形を説明することは、現行法の立場を苦しく誤解させることにならぬか、あなたはどう思いますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 現行法が絶対であることはそのとおりと申し上げました。ところで、この話は日教組のILO提訴の事柄について申しておるのでありまして、政府は数年来、今申し上げたとおりの考え方に立って法律を改正して専従者制度をなくしようとしておる。そのことをとらえて、日教組は、けしからぬから法律改正して在籍専従制度をやめないように日本政府に勧告方を要請したわけであります。そこで、なぜ政府としては、しからば在籍専従制度をやめるという考えに立ったかを解明するその手段として、今申したようなことをその理由として申し述べたのでありまして、そのことはそれ自体、現行法を無視するとか、そんなことでは全然ないので、二重取りという言葉それ自体の御批判はあるいはあり得ようかとも思いますが、適否の問題はありましょうけれども、話の全貌を聞いて下さった方々が、現にそういう法律違反のことを行なっているんだと聞かれるはずがない。政府案をあくまでも改正しなくてはならない理由の一つとして、純粋の民主的な組合になってほしいという願いを説明しておるに過ぎないわけでございますから、おっしゃるような誤解というものは当然に私は起こり得ない。前後の話の順序を全部お聞き下さったならばわかるはずだと、こう思います。

米田勲日本社会党

○米田勲君 とぼけたことを言うもんでないよ、大臣。だから私は最初に聞いたんだ。あなたが講演をする場合には、あなたの考えは那辺にあろうとも、あなたの言葉を通じて聴取者は一つの理解をする、一つの概念においてもそれを認めている、またその影響なり、自分の考えていることをより強く訴えようとしている意図をもって話をしているということも認めている。その場合に、専従制度のよしあしを論議することは、それはいいでしょう。日教組がILOに専従制度というのは残すべきだと主張するのも、その立場から言って、私はそういう立場があり得る。専従制度をなくするべきだという、あなたのようなものの考え方も、そういう立場はあり得る。日教組が提訴したのは、専従制度をなくするのは既得椎を侵害することになるから、それはやめるようにしてもらいたいと言って提訴したことは誤りだと言うのは、あなただけの立場であって、それはあながち間違いではないのです。そういう一つの主張がある。そのことのいきさつを話する際に、給与の二重取りという、われわれの社会生活においては明らかに不法行為が伴わなければ使わないこと、詐欺や横領を伴っていなければ使わない給与の二重取りという言葉を使って、この専従者問題を聴衆に訴えたということは、これは明らかにあなたがそのことを意図した、意図しないは別として、決定的に他人の人格を傷つけておるということにみずから気がついておらぬのかどうか。給与の二重取りということをあなたは先ほど言っている。不法行為を意味しているんだ、詐欺や横領の状態が伴っておるときにその言葉は使われるんだとみずからも認めておるその言葉を使って、たとえ専従者問題のよしあしを説明するにしても、そういう不法行為を伴っているということをだれしも感ずるような言葉を使って聴衆に訴えるということは、その対象者である日教組の専従者は著しく人格が傷つけられたと考えることは当然ではないか、こう思うのだが、あなたは今日冷静になって考えてみて、私の言うようなことはわからないかどうか、答弁して下さい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 二重取りという言葉を米田さんが言われるほどの緻密な、あらかじめ計画した気持で使ったわけじゃないわけであります。これは私の主観でしかありませんけれども、私が言わんとする問題の焦点は、日教組が提訴したけれども、政府側が数年来、国会にも提案して考えておった、在籍専従者の制度はやめたほうが国際的感賞からも妥当だという、その考え方が一致しているんだということを言わんと欲したわけであります。仰せのとおり、日教組が提訴することは御自由であります。そういう考えがあることも御自由であり、そのこと自体をどうと言うんじゃない。政府が法律案を作りましたこと、そのことが国際的な良識のレベルにあるんだということを言わんがためのものでございまして、あくまでも現行法でそうなっておるが、それが妥当でないから法律を改正しようとして、その理由を述べたに過ぎないのであります。だから二重取りという言葉だけを取り出して、これはどうだとおっしゃれば、必ずしも適切であったと思いませんけれども、さっき申し上げた話の全貌を聞いて下されば、そういう誤解はあるはずがないと私は考えます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 文部大臣はきわめて非常識な人間だという理解をだんだん深くするだけですよ。組合の専従者問題に対してよしあしを論議することは自由なんだ、論議してはいけないということではない。私はその点は触れてないんです。あなたがそこで専従者問題というのは、私は賛成できないということを述べることはいいでしょう、それは。しかし、あなたは部屋の中でそれをつぶやいておったのではない、たくさんの大衆を前にして話をしている。その際に事実に反した、相手方がきわめて著しく誤解を生ずるような言葉を使うということは避けなければならない。もしそんな意図を持っているのであれば、ただは私はおかない。だから何度も言うように、組合の専従者問題のよしあしを論議したからけしからぬとは私は言っておらない。その問題を説明する際に、日教組の専従者が原からも組合からも給与を二重取りしているという、そういう不法行為を犯しているという印象を明らかに植えつけられるような言葉を使ったということが問題だと言っている。それをあなたは必ずしも適切でないというような、まだ反省をしない態度をとっている。それを言われた日教組の専従者の側に立てば人格を傷つけられた。不法行為をしていないのに、給与の二重取りという、詐欺や横領を伴うような不法行為をしたかのように大衆に文部大臣が訴えるということは、明らかにこれは相手の名誉を毀損し、人格を傷つけていることになりませんか。適切だとか適切でないとかという言葉以上に、私は相手の人格を傷つけていると断定しているのだが、あなたはどうですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 人格を傷つける意図は元来私にはないのであります。それから先ほど来から何度も申し上げるように、話の内容は、ただ言葉だけでわかるのではなしに、前後の論理体系、内容、それから理解される事柄でありますから、ことさら人格を傷つけるということを言ったんだと理解されることは私としては心外でございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 それはわかりました。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) さっきも御説明のとおり、退職金にしろ、恩給にしろ、合法的に出ていることは大前提として認めた上に立って、そのことそれ自体の立法論の立場における政府側の改正意見の趣旨弁明をしているわけだから、聞いて下すった方は、私がことさら相手の人格を傷つける意図を持って言ったとは理解していなさらないだろうと考えます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 平然とそういうことを言うが、だから私はこの委員会に、あなたが帯広の公民館で演説した全講演のテープ・レコーダーをかけて、ここにすわっている人がみな一致した理解に立とうではないかという提案をしている、国会でこういうことが行なわれた例はないけれども。あなたが今言っている言葉は、黙ってすわっている人が聞けば、あなたが言っていることが理があるように聞こえるかもしれないが、講演全体を聞いてもらったら、この講演全体を、テープから速記に直して私は全部を読んで知っている。そうしてこの問題を取り上げている。あなたは日教組の専従者が給与の二重取りをしていないということは認めるでしょう。どうですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 二重取りをしておる、現にしておるなど言った覚えはないのであります。二元的に、本来組合で全部まかなわれるべきものが、毎月の給与は組合から、退職金、年金、恩給は国公費からということを念頭において、現在の専従制度そのものが法律できまっておるわけですから、時間があればもっと詳しく注釈を必要としたかもしれませんけれども、そのことが適当でないから法律を改正して在籍専従者制度をなくしようという趣旨を解明したつもりでおります。

米田勲日本社会党

○米田勲君 文部大臣、自分が意図した意図しないということは別にして、自分が話を他人にした限り、その話の内容について責任をとるというのが、これが社会通念の上で大事なことですよ、自分のやったこと、自分の話したこと、他人に話したことや他人にしたことについては、自分の意図があったなかったということを問わず、全責任をとるというかまえがない限り社会生活は破壊される。あなたは先ほどから、そういう意図はないということを言っているが、明らかに給与の二重取りということは言っているんです。意図するしないは問題ではない。その言葉によって聴衆がどういう理解と影響を与えられたかということが問題なんです。こういうことを言われて、その言われた相手が何ら傷つけられないとあなたは今でも思えるのか。私は意図していないんだから、表現の仕方がまずかったからなどということで世の中が一体渡れるのか。自分の言ったことに全責任もとれないような文部大臣が、道徳教育などということを叫ぶこと自体がおかしいではないか。先ほどから言った言葉のうち、自分の意図はないなんて無責任なことを言うんではない。言ったことは言ったこと。言った内容について私は責任をとる、責任を持って言ったんだと断言をしなさい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私の言ったりしたりしたことは自分で全責任をとらねばならぬ、これは常に心がけておるつもりでおります。

米田勲日本社会党

○米田勲君 給与の二重取りをしている、日教組の専従者が給与の二重取りをしているということは事実に反しているでしょう、どうですか。何度も聞くようだが、それをはっきりしなさい。ほかのことは言わなくていい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 現在、法律で認めておりますから、そのことそれ自身が悪いことでないことは当然であります。

米田勲日本社会党

○米田勲君 わかった。そのことはこの講演では一言もあなたは触れていない。現在こういう制度になっておって、こういう法律によって日教組の専従者の諸君がこういう給与や年金のもらい方をしているということは現行法で正しいのだということは、一言もあなたは触れていない、強調しているのは給与の二重取りというところを強調している。そうしてそのすぐあとに、こういう恥ずかしい政治はやめなければならない、これは聴衆にどういう印象を与えますか。あなたは常識があるならわかるはずですよ。給与の二軍取りという横領か詐欺を伴うような不法行為を行なっていると断定をした直後に、こんな恥ずかしい政治はやめなければならないと言っている。意図するしないによらず、二重取りという不法行為をやっている、こういう恥ずかしいことはやめるべきだとあなたが言ったというふうに聴衆が聞くことは間違いかね、聞き取り方が。あなたは計画的に、私に言わせると計画的に、そういう印象を与えようとしているのではないか。決してこのくだりの説明の中で、日教組の給与の取得の仕方は合法的なんだ、現行法ではこうなんだと言った説明は一言もしていない。そのことは単に時間がなかったから言わなかったのではない、一つの印象を聴衆に植えつけようという意図が文部大臣にあるから、こういう表現の仕方をとったとわれわれは断定している。給与の二重取りというのは間違いでしょう、取り消しなさい、あなた。この講演のこのここは間違いだ、こう言ったことは間違いだったということをここで言いなさい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) ILO八十七号条約批准と同時に国内法を改正して、在籍専従制度というものをやめようとしておる。その日本政府のやり方は正しいという結社の自由委員会の結論を御披露しておるわけであります。したがって、現行法上、在籍専従制度が認められているということは私は言ったつもりですが、かりに言わなくたって結社の自由委員会の結論の御披露においてきわめて明らかであると思います。そういうふうに私は理解していただいているものと確信いたします。ただ、仰せのとおり、二重取りという言葉それ自体、それがぴたりと当てはまるのじゃないということは思います。私は先刻も触れましたように、本来、民主的な組合ならば専従者は全部まるがかえであるのが当然だ、そういう前提に立って、政府案は改正案として出ておるわけであります。ところが現状は、むろん制度上認められておるわけですけれども、退職金や年金、恩給は組合持ちじゃない。いわば組合と国公費、使用者側の二元的な支払いになっておる。このことは二重取りなどとずばりそのもので言うには適当でなかったと思います。しかし、先刻も申し上げましたように、前後の関係からいってそういう意味合いだということを、私は聞き手に理解していただいたかと心得ているのであります。二元的に言うべかりしを二重取りと言ったとでも申しましょうか、少なくとも私は米田さんが言われるほどの計画性を持って、何か傷つけてやろうとか何とかいう意図を持っていなかったことは、私の主観ではありますけれども、大げさに申せば天地神明に誓ってそういう気持でありました。

米田勲日本社会党

○米田勲君 文部大臣はそういう天地神明に誓うなどという大げさなことを言うけれども、あなたは日教組という組合に対して異常なくらい悪意を持っておるのですよ。これはもう異常だと言える。あなたが全国各県で、事日教組の問題に関してものを言うときは、性格が異常でないかと思われる言葉を使っている。これはわれわれの資料で全部整理されている。この会合もその一環である、この演説も。そして私は先ほどから言っておるが、断じてこの言葉だけは取り消してもらわなければならぬ。そういうことは間違いだった、事実に反しているということを言ってもらわなければ私は了解できない。そういうことを言っても理解しないのであれば、あなたに聞くが、もしあなたに横領や詐欺をしたことがあるだろう、荒木萬壽夫というのはそういう悪いことをしたことがあるだろうということを私がどこにでも行って話をして、あなたは傷つけられたとは思わないか、平気かい。相当の地位の者が大衆に対して、相当影響力を与える者がどこにでも行って、荒木萬壽夫という男はかつて造船疑獄の際に検察庁の取り調べを受けた、あれは指揮権発動で起訴にこそならなかったが明らかに横領したり収賄をしたりしている男なんだ、あれはどろぼうなんだ、こう言ってあなたはだれかれに容赦なく言われたら、あなたは人格を傷つけられたと思いませんか。そのことが事実であるなしによらずですよ、そのことが事実であるなしによらず、そういうことを不特定多数の前で影響力のある人がしゃべりまくるということは、あなたは今加害者だから大したことを感じておらぬが、僕が今言ったように、あなたに関することを言って歩いてちっとも苦になりませんか。人の人格を傷つけているああいう不当な言い方をしているのはけしからんとあなたは思いませんか。その立場で被害者の側の気持を理解することはできないのかね、あなたは。自分が間違ったことを言っているのであれば、ここの言葉は間違いだということを率直になぜ認められないのか。相手の人格を傷つけるような言葉であるなら、私は間違いだったとなぜ率直に言わないか、そんなことに強情をはって押し通して何が得になるのか、そんな文部大臣ではお話にならぬとわれわれは常に考えている。自分の言ったことが間違いだということを百も承知していながら、なおかつ今になって、これだけわれわれが、そうではないんじゃないか、間違いではないか、事実に反しているのだから、これは間違いだと言いなさいと言っても、なおかつあなたは言わない。どういう性格なのか、少し答弁をしてみて下さい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 真実でないことを幾ら言われましても、相手を軽べつするだけで、自分では何とも思いません。形の変わった給与の二重取りみたいなものだからということを、そのことは、私自身の主観はさっき申し上げました。ただ二元的に給与が出ておるということを指摘せんと考えまして、この説明をしたつもりでおりますが、あらためて二重取りという言葉だけを取り出しておっしゃられれば適切ではなかったと思います。

吉江勝保自由民主党

○吉江勝保君 だいぶこの問題で質疑もされ、また大臣も、ありましたことを率直に認めて気持をおっしゃっておるのでありますから、聞いておりまして、給与の二重取りということが非常に問題になっておりまして、たとえば今お話がありましたように、詐欺あるいはそういうような呼ばわりをしたときにどうだというような、立場を変えたお話もありましたが、聞いておりまして、文部大臣のお話しになったのは、給与の二重取りという抽象的な言葉というよりもその事実のほうを言われたんじゃないか。たとえば、専従職員になって、給料は組合のほうでもらっておる。その間はフル・タイム専従しておるので、公務員としては勤務をしておらない。それが五年、十年あるいは十五年、二十年、こういうように長い間職場を離れて、そして退職金を今度もらう、職場に公務員として働らいていなかったものが、同じく職場で働いておった者と同じように、その年限勤務しておったというので退職金を今度は受ける。これが組合から退職金を受けるというなら、あるいはそれはわかるかもわからぬが、それが公共団体、公務員の使用者である公共団体のほうからその退職金が出る、つまり公務員としてフル・タイム働らいていないのが、そちらのほうから退職金が出ていく。なるほど給料は毎月組合のほうから払われておる。長い年数専従しておって、やめるときには、公務員が今度やめるとき、こういうときに退職金が自治体のほうから今度は出てくる、こういうような事実をお話しになっておるのでありまして、これが給与の二重取りという言葉に該当するかどうかという問題だろうと思うのであります。まあそれは退職金ばかりでなしに、あるいは年金とか恩給とかいうことも具体的にあげておられるようでありまして、だから私聞いておりまして、日教組の専従の人たちを誹謗しようと思って、給与の二重取りをやっておるやつだ、これは給与の二重取りをやっておるのだ、こういうようなところを主張して言われるのでなしに、制度が、こういうように両方から二元的に出されておるのは、形を変えた給与の二重取りのようなものだというような言葉で言われたように今聞いたのであります。そうであれば、大臣が意図を持って言うたのじゃなく、事実をこういうふうに究明しておったのだ、しかも、それがILOの問題に関して説明をしていかれたのだ、こういうように受け取ったのでありますが、そうであれば、大体、私聞いておりまして、なるほど、大臣も形を変えた給与の二重取りのようなものだからというような話ぶりをされた。その給与の二重取りということが適切でなかったというように大臣も認めておられるようであります。でありますから、私は、真意がおわかりになれば、こういうことは言わなかった、おれはそういうことを言わなかったというような論争は少しもなくて、おっしゃったことははっきり自分も言っておる、しかも、その言っておるのはこういう意味で言っておるのだということをおっしゃっておりますから、その点はひとつお聞きになった各位も了承をしていただきまして、二重取りという言葉が不適当であったというように大臣も釈明をされておりますので、私はこの問題につきましては、この程度で打ち切っていただいたらどうかと思います。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 関連して。吉江さんにお尋ねしますが、ただいまのは議事進行に関する御発言ですか、私どもの質問の内容に対する御批判ですか、それが一点。それから、あなたが今、大臣の真意をここで表明なさいましたが、私どもは米田委員も指摘したように、あなた方のお手元に数行の大臣の発言なるものがあるはずです。私どもはその提出を求められました。しかし、そうした片言隻句の数行をとらえて、これが大臣の発言であるという言い方については、私どもの本旨を誤まられる危険があるから、全般を通じてテープ・レコーダーを聞いていただきたいと申し上げたのはそこです。なるほど、その一事をとらえれば、大臣がちょうちょうと詭弁を弄しております真意なるものがほかにあるやに聞こえます。しかし、私どもはそう理解していません。その反論はまた後ほどいたしますが、あなたの御質問の趣旨が、質問を打ち切ってもらいたいという御趣旨なのか、それとも私どもの質問内容に対する御批判なのか、その点を明らかにしていただきたい。

吉江勝保自由民主党

○吉江勝保君 議事進行に関しての発言であったことをあとからつけ足しますが、最初申しましたように、相当時間、質疑者も質問をされ、大臣も真意を話されまして、発言のその言葉については少しも両名ともに食い違いなく、今言われましたような受け取り方、あるいは言われた方の気持というものもここで明白になったようでありますので、議事進行として、その質疑についてはこの程度で打ち切っていただいたらどうかと存じます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 議事進行ということですから、あなたの御発言の内応については触れませんけれども、先ほど私が言いましたように、帯廣の講演の一つをとりましても、全体を通じておる基調は、私が就任以来やってきておるのが、言葉はそのとおりといいませんよ。日教組の批判であります、日教組は間違っておる、おろかなものであるという立場をとって、その日教組の批判、誹謗、おろかな間違っておるものの一つの例としてこれがあります、こういう言い方なんですよ。私が文部大臣として、池田内閣の閣僚として、ILO批准に伴って国内法をかように改正したいと念願しておりますという施策の発表ではない。御本人の口を通して明らかに、私の就任以来の仕事はこれである、そうして英語で、おろかな、間違っておるものであると指摘しております。それを紹介します、二重取りというこの表現も、日教組が間違いであり、おろかなものであるとILOが言ってきておるという紹介なんですよ。私はあなたの内容が、あなた方が帯廣発言の全基調を通じて、荒木萬壽夫なる文部大臣が、ILO条約批准に対する政府の方針、それに伴う国内法の改正の演説であれば、まだ問題の取り上げ方は違います。しかし、明らかに言っておるじゃないですか、冒頭から。日教組はこれこれ間違っておる、ばかじゃなかろうかとも思います。その例をまずあげましょう。そして英語で、間違ったおろかな者であると言ってきております。その第一はこれ、第二はこれ、第三はこれと言っております。これが日教組批判じゃない、誹謗じゃないと甘えますか。真意はどこかにありました、国内法改正が言いたいことですと、こんなばかげた議論が国会の中で通用するんですか。私どもは、小林委員も、すべて社会党委員が終始言っているのは、国内法改正に対する、あるいはILO条約批准に対する見解の論争を今ここでやろうとは思っていない、在籍専従の否定の可否について論じようと思っていない、日教組批判が、日教組を征伐することが私の最大の課題の一つである、そのエクザンプルとしてこれである、しかもそれをILOがこう言ってきておる、こういう指摘の仕方が全体を貫いておるのですよ。あなたがおっしゃるように、私どもとしては、そのことがILO批准に伴う国内法改正の意思の訴えであったと理解することがどうしてできましょうか。したがって、あなたが議事進行でおっしゃったように、二重取りみたいなものと言った言葉を認めた、不適切であったということを認めたと取りなしておりますけれども、今の議事進行に対して応ずるわけにはいきません。

米田勲日本社会党

○米田勲君 吉江さんからいろいろお話がありましたが、私はあなたの与党の理事としてかばおうという気持はわかりますよ、文部大臣をかばおうという気持はわかる、これは当然でしょう。しかし、あなたも良識のある人でしょう、私はそう思ってあなたに話をしているんですが、あなたも良識があったら、これはいかに与党であろうと、だれであろうとを問わず、相手に対して著しく人格を傷つけるようなことを公衆の面前でしゃべったという事実が明らかになったら、それは間違いでしたから取り消しますと言うのが、これが普通人の考え方でないでしょうか。私の意図は別にあったんだ、時間があったらそれが説明できたんだというようなことを言ったり、不適切だという言葉——不適切だという言葉は、間違いであったとか何とかという言葉と意味が違うんです。大臣はいまだに、給与の二重取りと断じつけたそのことが相手を傷つけているとは思っていないんです、言葉の上では。腹の中は別です。言葉の上では、少なくもまずい言葉を使って、不当な言い方をしたな、相手を傷つけるような言葉になってしまったなという言葉をいまだに一言も言っていないんです、明らかに。吉江さん、あなたの良識ある頭をもって、この話を聞いたら、これは間違いだ、取り消すと言わせるのがあなたの理事としての勤めじゃないですか、僕はそれが大臣をかばうことだと思う。それを何かに言いくるめて、これは大臣がここで取り消しても、大衆に訴えたその声はみんなの頭にしみ込んでいて、効果は百パーセントに発揮している、日教組の専従者を誹謗する言葉は、効果は百パーセントに発揮している、しかしわれわれは、そういう誤った言葉を一国の大臣が国民大衆の前でしゃべった事実を見のがすわけにはいかぬのです。誤りは誤りとして取り消させるべきだ、それが人の世の中の当然ではないですか。そういう意味で、私はこのことにばかり執着をしているようにあなた方には聞こえるかもしれませんが、そういうことをなおざりにしていって、どうして一国の教育を論ずることができるのですか。私はこういうことを、一つ一つをわれわれみずからもはっきり責任をとるところはとっていくところに、初めて教育の問題を良心的に論ぜられるのではないですか。それを一国の文相ともあろう者が、全く事実無根なことを取り上げて、国民大衆に誤った見解や影響を与えるようなことを言ったことを今日なお反省をしておらない、まずいことをしたと思っていない、そこを私は問題にするのです。この男が一国の文部大臣でなければ、これほど私は言わない、吉江さんどうですか、その点はあなたも良識があったら、この問題をうやむやにしていくことを提案してもわれわれはのめない、そんなことに了承できないという立場がわかりませんか。

吉江勝保自由民主党

○吉江勝保君 先ほど私が話したので両者の立場を私は十分に考えて判断をしたつもりなんであります。大臣が給与の二重取りという言葉を相当表面に出して、人を中傷するというのですか、傷つけるような演説をされたのであるかどうかということを非常に関心を持って聞いたのでありますが、事実は、具体的な例をあげて二元的に給与が出ておる、これは形を変えた給与の二重取りのようなものだと言われたようであります。それであれば、事実は決して否定されておるのではない、ただお話がありましたように、現行法ではそういう制度になっておるので、これが違法だとも言いませんし、それが罪になるというわけではないと思います。しかし先ほど話しましたように、公務員が全部の時間を公務にささげる、それが援助を受けて、そして専従職員になっておる、その間は公務につかなかったにもかかわらず、それがやめるときに、給与等という概念の中に入る退職金を受けておるという事実を大臣がさされたようであります。それだけで終わっておればよかったんです。それが最後に、形を変えた給与の二重取りのようなものだというようにおっしゃったんです。そこをつかまえて、給与の二重取りとはけしからんと、こういうように究明されておるように聞いたのであります。大臣がもし給与の二重取りということだけを言うて、それを繰り返しておられるなら、人を傷つける意思があったように私もとったのでありますが、事実は、聞いておりますと、私が繰り返して言うておるように、最後に今言ったような言葉を言われたから、それであれば、大臣もその言葉があるいは適切でなかったかもわからぬというように、あるいはもっとはっきりと、そうでなかったとおっしゃったかもしれません。そういうふうに大臣もおっしゃり、また日教組の人たちを傷つける意味で言うた意思はないんだ、こういうことをはっきりおっしゃっておりますので、この問題についての究明は大体終わったのではないか、こういうように受け取りましたから、この質疑はこの程度で打ち切っていただいたらどうかと思います。

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 速記とめて。   〔午後四時十九分速記中止〕   〔午後四時五十三分速記開始〕

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 速記を起こして。  それでは暫時休憩いたします。    午後四時五十四分休憩      —————・—————    午後五時四十五分開会

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。  この際、文部大臣より発言を求められております。これを許します。文部大臣。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 二重取り云々という言葉は、法律的に、道徳的に許されないことをしているというように解するのが良識的な言葉の使い方でありますから、私が帯廣で言った二重取り云々という言葉は間違いであって、大臣としてまことに遺憾でありました。今後、用語にはとくと注意いたします。

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 本日はこれにて散会いたします。    午後五時四十六分散会      —————・—————

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