文教委員会 第6号
- 発言数
- 46 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1963/02/28
会議録
○委員長(北畠教真君) ただいまより文教委員会を開会いたします。 なお、理事会の結果を報告いたします。今日は、まず第一に、高等学校の建物の建築等に要する経費についての国の補助に関する臨時措置法案の提案理由の説明を聴取し、人つくりの問題、それから豪雪による文教関係の被害についての質疑に移りたいと思います。なお、午後四時ごろまでを目途として審議をいたします。 それでは高等学校の建物の建築等に要する経費についての国の補助に関する臨時措置法案を議題といたします。 まず、発議者より提案理由の説明を聴取いたします。米田君。
○米田勲君 ただいま議題となりました高等学校の建物の建築等に要する経費についての国の補助に関する臨時措置法案について、提案の理由との内容概略を御説明申し上げます。 今日高等学校生徒急増期の第一年目を迎えんとして各所にいろいろと問題が起こり、該当の子弟や親たちが非常に心配したり、悩んだりしていることは御承知のとおりであります。この高校急増対策につきましては、政府も昭和三十七年度の予算並びに地方財政計画等において第一年目の措置をいたしました。しかし、その内容は、産業教育振興法に基づく工業高校の施設、設備に対する国庫補助を除いては、すべて交付税と起債でまかなうという方式がとられ、その上、計画数字そのものが実情を無視したきわめてずさんなものであったことは、私どもがさきの第四十国会で本案と同名の法律案を提出した際、提案理由並びに質疑応答の段階で指摘したところであります。このことは、その後、今年の一月末に至って、政府みずからがその基本計画を改訂せざるを得なくなったことによっても明らかであると申せましょう。すなわち昨年一月末に閣議決定されました高校急増対策に関する計画は、就学率、建物の構造比率、建築単価等についてあまりに現状を無視した低いものであり、これでは高校急増問題を乗り切れないとする地方の強い要求によって、計画は改訂され、総事業費において約二五%のワクの拡大が行なわれたのであります。しかしながら、この改訂計画を見ましても、その内容になお非常な不合理があると申さなければならないのであります。 その等一は、就学率についてであります。改訂計画は、急増の第一年目に当たる昭和三十八年度就学率を当初計画の六〇%から六一・八%に引き上げておりますが、この程度では不十分であります。そもそもこの就学率推定の基準は、昭和三十五年度の五九・九%におかれていますが、それはそれとして、その後の三年間の就学率の伸びを当初では〇・一%、今回の改訂でもやっと一・八%しか認めていないところに問題があると思うのであります。今回の改訂計画によっても、今後三年間の伸びを年に二%づつとしているにもかかわらず、これまでの三年間の伸びをほとんど見ていないというのはまことにうなずけないのであります。事実、昭和三十七年度の就学率実績は六四・八%だったとのことでありますから、昭和三十八年度は当然六七%あるいは六八%という数字でなければならないはずであります。ここに大きな間違いのもとがあるわけであります。第二は、建物の構造比率並びに建築単価の問題であります。構造比率の方は、今回の改訂でどうにか実情に合わされたものの、建築単価の方は実際とはいまだほど遠いものがあります。第三の問題は、政府計画が、まず学級定員一割増を当然のこととして期待していること、次に、学校の新設よりも学級の増加のほうでより多くの生徒を収容したいとしていること、また、私立高等学校に過大な負担を負わせ過ぎていること等、現実とは相当かけ離れた要素が数多く含まれていることが指摘できるのであります。 以上掲げました諸点から申しますならば、この政府計画は、多少の改訂が行なわれたものの、なお根本的に無理があるもので、これひとえに財政的見地からのみ処理されたものというべく、このままでは、入学試験地獄、中学浪人の多数現出、青少年の不良化等に対処し得ないのみでなく、教育の機会均等、教育水準の向上、ひいては国家社会の発展と国民の幸福を期待することはできないのであります。現在の法律、制度のもとでは、高等学校は義務制ではない、だから能力あるものが選抜されるのが当然で、希望者の全員を収容するのは間違いだとか、高校設置の責任は地方団体にあるので、国の責任ではないというような、ややもすれば、現状を前向きに解決する努力を抜きにした言いのがれとも受け取れる言葉が政府関係者からも聞かれるのでありますが、希望者をできる限り数多く高校に収容すること、特に、戦後処理ともいうべきこの高校急増問題については、国が乗り出して臨時に国庫補助の措置をとることは当然であると考えるのであります。これを今にして怠たるならば、国家百年の計を誤るものというべきであります。 以上の立場に立って、私どもは、高校急増第二年目を迎えるこの際、政府の策定した計画を根本的に改め、新たに、公私の高等学校の新設、増設に対して、臨時的に国庫補助制度を創設することによって、緊急に問題解決に当たることを適切と考え、ここに本法律案を提出した次第であります。 本法律案のおもな内容といたしましては、昭和三十八年度及び昭和三十九年度に行なわれる公立高等学校の建物の新築及び増築の費用の二分の一並びに校地買収費の三分の一を国が臨時に補助すること、また私立高等学校についても政令で準用することができる旨規定いたしております。したがいまして、私立高等学校に対しても、公立同様、国が補助措置を講ずることを強く期待するものであります。 なお、予算につきましては、昭和三十八年度約五百五十五億円、昭和三十九年度約三百八十七億円を要する見込みでありますが、本予算の積算においては、昭和三十八年度の就学率を六八%と推定し、その後年々二%ずつ率を引き上げていること、学級定員一割増を考えていないこと、新築と増築の割合を六対四としていること、建築単価を地方の実情に合わせて政府計画の約一割増としていること、また私立高等学校についても公立と同様の扱いのもとで、計算した結果、約二百億円がこの中に見込まれていることを申し添えたいと存じます。 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。
○委員長(北畠教真君) 以上で提案理由の説明聴取は終了いたしました。 速記をやめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(北畠教真君) 速記を起こして下さい。
○委員長(北畠教真君) 次に、前回に引き続き、当面の文教政策につき調査を進めます。 御質疑の方は御発言願います。
○小林武君 先日に引き続いて、文部大臣にお尋ねしたいわけですが、文部大臣の講演の中で、日教組の在籍専従は、給与の二重取りをやっておると、こういう趣旨の話があった。給与の二重取りということになると、これは刑法上の問題にもなると思うが、どうですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ILOの結社の自由委員会の結論によりますれば、在籍専従制度というものは、ILO八十七号条約批准と同時に、日本政府が、法律を改正して廃止しようとする、そのことが妥当であるという結論であると私は承知します。それが正しいという前提に立って考えます場合、在籍専従者の現在の制度は、むろん、法律制度に基づいて実施されておることですから、ILO関係の考え方に立ちますならば、本来は、望ましい姿じゃない、組合のことばかりやって、本来の教師の職分を果たさないという、その実態からいえば、組合がまかなうべきことがあって、国なり公共団体がまかなうという建前は、それはILOの常識からいっても適切じゃない。そういう意味で考えれば、いわば、組合と国または公共団体両方からの給与を受けておる、こういう格好になるはずだということを指摘したつもりであります。現実にそうであるから、刑事問題にしなければならぬとか何とかいう問題じゃもちろんありません。本来の望ましい姿であることを前提に考えれば、二重取りみたいな要素もあるだろう。退職金あるいは年金にいたしましても、教師としての本職をやっていないことを、時勢的に、今としては便宜認められてはおる。そのことは、前提に当然あることでありまして、ILOのものの考え方を基本にした場合には、そういう意味もあると考えられるから、法律を改正して、専従制度をやめたほうが適切だと、こういうことを私は解明したつもりであります。
○小林武君 あなたは日本の文部大臣じゃないですか。あなたは日本の文部大臣であって、専従制度というものは、あなた自身も言われるように、国家公務員並びに地方公務員の場合は、政府並びに地方団体で、これは認められておることでしょう。二重取りということは、そういう意味じゃないでしょうか。法律によって認められ、労使の間で認められておる、それをあなたは二重取りと言うのですか。二重取りということはたいへんなことですよ。少なくとも、日本の教師が、合法的な立場で専従制度が認められておるのに、それを二重取りとはどういうことです。当然、二重取りなんかをするということになったら、刑事問題にもなることでしょう。そういうきめつけ方を、あなた、無責任になぜやるのですか、いかなる根拠によるのですか、二重取りだと、あなたはおっしゃるのですか。おっしゃるのですかといったって、あなたはおっしゃったけれども、全国公民館会議という会議で、あなたが招集したそういう公民館の会議に出て、記念講演で、そういうことを言われた。どうですか、あなたは、そのことは正しいと思っていますか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私はILOの考え方が常識的だと思います。元来専従者が組合のことばかりやって、本来の教師としての職分をやらないという実態があります場合、昔なら、御用組合的な意味において存在したと思います。今、経過的に、日本ではそれが、御承知のとおり制度として認められているから、現実の二重取りでけしからぬ、これは刑法上問題にすべきじゃないかということなどではむろんありません。ILOの結社の自由委員会の結論を紹介するに関連をして、なぜILOが、しからば日本政府が、条約批准と同時に、国内法を改正して、専従制度をやめようとしている意図を持っていることが妥当であると言ったか、その意味を解明する考え方に立って、いわば実質的に二重取りという格好になる、それが望ましくないから、ILOは政府の見解を正しいとしているということを紹介したわけであります。ほんとうに、おっしゃるようなことがそうだとするならば、むろん、だれかが告発すべき問題ですが、そんなことではございません。実態的にいえば、経過的にやむを得ずそうなっておろうけれども、御用組合の姿であることには間違いない、そのことをILOが指摘して、法律改正して、専従制度というものはやめる措置をとらんとする日本政府の態度は正しいという見解を表明したことを解明したわけであります。
○小林武君 ILOの問題については、また質問する機会もあると思いますが、それではひとつあなたにお尋ねいたしますが、在籍専従というものは外国には例がないのですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 外国の例は具体的には存じません。
○小林武君 存じないというのは、そうすると、あなた、知らないで言ってるんですか。日本だけのそれは特例だと、ばかの一つ覚えみたいに、そういうことをあなたおっしゃるけれども、日本のそれは特例だと思っていらっしゃるのですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 外国の例は調べればわかると思いますが、私としては知らないということを申しているのであります。外国の例はどうでありましょうとも、本来のこの民主的な組合のあり方というものは 組合という別個の法人格を持った団体としては、その仕事だけをやる人は組合みずからの使用人であって かりに、たとえて言いましても、会社に籍を置きながら、会社から給与を受けつつ組合の仕事ばかりして、組合からも給与を受けるという姿は、これは御用組合の姿だと思います。これは常識の範囲のことだと思うのですが、そういう常識は世界的にもあったのだと、ILOの結社の自由委員会の良識も、われわれの常識と同じであったのだということを知れば十分だと思います。外国のどの国で、どうこう、あるかないかということは、私自身調べたことはありませんが、調べればわかると思います。外国がどうでありましょうとも、ILOがそう判断をしたということそれ自体が、国際的にも一種の客観情勢を持った判断であろうと、こう想像いたします。
○小林武君 かつてあなたは、ILOが共産党員の巣屈みたいなところで、信用ならないとか何とか言って、物議をかもしたことが、あなたあるでしょうし。急にILOの信者になられた。一体、いつからそういう転向をなされたのですが。ILOを信用なさらないと、こう言ったので、それで大問題になったことがあるでしょう。ILOの部内でも非常にそれを問題にした時期があった。あなたはあわてて取り消されたけれどもね。一体この労働慣行というものは、それぞれ国によっていろいろ相違は多少ある。専従問題、あなた、知らないとおっしゃるがね、イタリアとか、フランスとかいうのは専従制度というものを認める。フランスの場合は日本以上に、専従というものに対しては、有利な、労働者の側にとっては有利な態度をとっている。しかし、ないところがある。それは、その国の労働者と経営者、公務員であるならば、政府と公務員との間に約束ができてやっているわけでしょう。あなたはそういう事実を無視してだね、そうして日本の何か特例のような、直ちにそれが、在籍専従というようなものがあれば御用組合である、在籍専従を持っているところはみな御用組合であるというような、そういう浅薄なね、幼稚なね、労働運動の何たるかを知らないような議論を持ってきてですよ——そのことについては後日議論することがあると思うけれども、そういう議論の末、日教組の専従者が、俸給の、給与の二重取りをやっているという断定はどこからきたのですか。給与の二重取りということはどういうことです。そういうあなたは一方的なものの言い方をしながら、日教組の誹謗を続けている。まるっきり根本的に違った労働観を持ってやっている。それで文部大臣ですか。給与の二重取りとは何ですか。国務大臣(荒木萬壽夫君) さっきも申しましたように、私は、ILOの結社の自由委員会の正式文書に基づく日本政府に対する決定の通知の解明をいたしました。日本の政府としては、すでに御案内のとおり、数年前からILO八十七号条約を批准するとならば、在籍専従者の制度はやめたほうが適切だ。なぜやむべきかといえば、常識的に考えてこれはいわば御用組合の姿だと。そういうことはほんとうの意味の民主的な組合ということを念頭に置きました場合には、適切じゃない。経過的に、今あなたも言われたように、日本なるがゆえに日本独自の経過的な実情に即して今日まで在籍専従者制度があることは、これは周知のことであります。しかし、それは、条約批准と同時になくしたほうがより民主的な労使関係の姿がきっちりとするのだ、組合としてもりっぱになるのだということを妥当なりとして法律の改正案を提案しておりますが、いろいろな事情で成立に至らないで今日に至っておりますが、そのことを日教組みずからが取り上げて提訴しましたことに対するILO結社の自由委員会の慎重審議の結論が、日本政府のさような考え方は妥当であるという結論を下したということを解明し、聴衆に御承知願う意味においてお話をしたのであります。御用組合の姿ということは、本来組合という法人格を持ったものみずからが、自主的に完全に律することが望ましい姿であると私は理解します。ところが、日本は日本なりの今申し上げるような経過を経て、現実の沿革上の必要性があればこそ現行制度では認められておるということは、あえて注釈を要しないで自明のことであります。しかし、それをもっと民主的な、よりよい姿にする意味においては、今申し上げるような考え方に立って、政府としてはそういう考え方であったわけであります。それに対するILOの考え方を披露するのであって、私みずからが独断的にどうということじゃむろんございません。
○小林武君 あなたがだね、ILOの考えと言うのはちょっとこれはまゆつばものであるけれども、まあかりに百歩譲って、あなたがそういう考えを持つなり、ILOがそういう考えを持っていると考えるなれば、これは別なんです。あなたが、そういうことを——私の考えとしては在籍専従というのはけっこうな制度ではございませんと言うなら、私はあなたをたいして責めない。現在まで日本において在籍専従というものが認められてきておる。これは日本だけではなくして、フランスにもあればイタリーにもあるという問題なんだ。フランスの労働組合がそれだから御用組合だなんというのは、これは全く噴飯ものだ。イタリーの労働組合がそれだから全部御用組合なんだというのは、これも滑稽な話だ。あなたの知識の浅薄さなんということは別として、あなたがだね、あなたが在籍専従というものは適当じゃないというような意見を吐くことについてわれわれはかれこれ言うわけじゃない。そのことの説明よりかも、一体、日教組の専従者が給与の二重取りをやっているということがあなたの問題なんだ。なぜあなたがそういう断定をしたかということです。二重取りということは容易でないということはあなたわかっているでしょう。給与の二重取りをやったということはどういうことですか。かりにも一体、教育に携わっておる者がですよ、教師の資格を持っている者がですよ。それに対してお前たちは給与の二重取りをやっているというようなことを言われて、一体言われた者はどうなるのですか。そういう団体は一体どういうあれを受けるのですか、聴衆から。何が必要なんですか、そういうことで。私はそれを言っているのですよ。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今も申し上げましたように、私が個人的に考えるということでなしに、政府として、そういう考え方に立ってILO八十七号条約批准と同時に国内法を改正して在籍専従者制度を取りやめようということにする、(「二重取りとは何だ」と呼ぶ者あり)そういう理由の根拠の一つには、今も申し上げたとおり、(「質問に明瞭に答えなさい」と呼ぶ者あり)在籍専従者というのはむろん諸外国にもあるでしょう。日本にも現にあるのでありますが、そのことそれ自体が、いわば御用組合の姿の残滓が残っておる姿だと、これは私は間違いないことだと思います。また、そういう見地にも立って在籍専従制度を取りやめることがより民主的な姿になるという考えも考慮に入れて国内法の改正を考え、その法案を出しましたことは政府の態度であります。だから、しからばその御用組合の姿とは何だ。教師の場合、教師としての教育活動の責務というものは現実に果たせない。だから専従者でもある。にもかかわらず教師という身分が持ち続けられる。持ち続けられた年限は教師としての在職年数に考えられて、退職金なりあるいは年金、恩給というものが支給される。現行法で認めておりますから、日本の国内で今それが違法であると申し上げるのではむろんない。しかし、そのことは、いわば御用組合の姿が残っておるといえないことはない。(「それが二重取りといえるか」と呼ぶ者あり)だから、ほんとうの民主的な姿を念頭において見た場合には、組合がまかなうべき部分が国公費でまかなわれておるということに理解される。そのことは、いわば望ましいことじゃないのだ。(「それが現行法の建前だ」と呼ぶ者あり)いわば二重に給与が出されておる。(「二重取りとはそれはどういうわけだ」と呼ぶ者あり)そのことは、あくまでも申しますが、現行法では認められておることは周知のことであります。(「いやいや二重取りのことを聞いておるのだ」と呼ぶ者あり)二重取りのごとき形を……(「ごときと二重取りとは違うぞ、詭弁を弄するな」と呼ぶ者あり)愚弄しているのじゃ毛頭ありません。(「詭弁を弄するなと言うておるのだ」と呼ぶ者あり)
○委員長(北畠教真君) 御静粛に願います。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) いや、現行法で認められておることは注釈を要せずして明らかであります。(「委員長、答弁になってない」と呼ぶ者あり)けれども、より民主的な姿にするという考え方に立てば、国内法を改正したほうがよりりっぱになる。それは政府みずからが何回も法案として提案していることで、御案内のところでございます。それをILOの結社の自由委員会が審査した結論が、日本政府の言うことのほうが妥当だと、ということを御披露しておるわけであります。
○高山恒雄君 関連して、僕は途中から来て行く先はわかりませんが、二重取りだという問題の中ですが、これはどうですか。大臣に聞くのですが、二重取りだということよりも、管理者をなぜそこで責めないのです。労使できまって、初めて当時はそういうふうになっておると私は思う。当時の管理者がふまじめだからそういうことをやったのだ、こういう御説明が入っておれば二重取りもこれはいけると思います。一方的に二重取りという提言をされたところに私は問題があろうと思います。どうしてそれに触れなかったかという点を大臣にお聞きしたいと思います。これは非常に大事な問題です。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 管理者を責めるべきじゃないかというお話は、お気持はわからぬわけじゃございませんが、そのことを問題にして話しているわけじゃないのであります。現行制度上専従者というものは法律上認められておる。そのことに一点の疑いもございません。問題は、その在籍専従制度を政府側が廃止しようとする法案を出しましたことをとらえて提訴した。それは既得権の侵害だから専従制度をやめるような措置を講じないように日本政府に勧告方を要請する角度からの訴えを起こしましたでしょう。それに対するILO結社の自由委員会の見解を御披露に及んでおるところであります。そうすると、ILOの結社の自由委員会の見解は、元来、在籍専従制度というものは、日本政府の言うように、八十七号条約批准を機会に法律を改正して専従制度というものを廃止しようとしておる日本政府の態度そのことはILOの立場から見ても妥当であるという結論を下しまして日本政府に勧告して参りました。通告して参りました。その経過を私は御説明を申しておる中での話であります。二重取りという言葉がどぎつ過ぎるかどうかという御批判はございましょう。しかし、ほんとうの民主的な組合ならば、専従者は組合の使用人であって、ピンからキリまで組合からまかなわれるのが本来の姿だと私は思います。そういう見地に立って政府は、専従制度というものは、いわば責任の分担をきちんとしたほうがすっきりするはずだという建前から、国内法を改正して八十七号条約批准と同時に廃止しようとする態度で進んでいることは高山さんも御承知のところであります。その態度がILOで認められたのだということを私は御披露しておるわけであります。そこで二重取りという言葉そのものをやかましく言われれば、表現が度が過ぎたとか何とかいう御批判がありましょうけれども、実質的に言えば、民主的な組合の姿を前提に考えるならば、専従者の在職期間そのものが昇給の基準となり、さらにそれによって昇給させられたであろうところの給与、それを基本に計算されて退職金が算出され、年金、恩給の根拠となるということ、そのことは、今の八十七号条約批准と同時に、国内法を改正して専従制度を廃止するというそのことの妥当性を裏づける。すなわち繰り返して申し上げますが、民主的な組合であることを欲する立場からするならば望ましいことじゃない。昇給その他は組合みずからがやるべきであって、国公費に根拠を持たせるようなやり方は、これは廃止するほうがより妥当だということの一つの理由の事例として私が申し上げることはひとつも不当じゃないと思います。そういう根拠に立って国内法の改正を提案しております。
○高山恒雄君 大臣のお話はそれは私は大臣からその話を聞かなくたって、その経過くらいは十分私だって知っております。ただ、今二重取りということが問題になっておるわけですから、その二重取りということに対して、二重取りをしておるという発言をされる前に、そういう国内事情であるという事実の認識に立っていただけば、私は二重取りという言葉は出なかったのじゃないか、この点を私は大臣に聞きたい。四年も五年もそういう過渡期にあるという現状から把握していただくならば、理想論を言われるならば、二重取りじゃない。二重取りをもし大臣が言われるとするならば、これは二重取りじゃない。その状態がこういう状態である、こういう状態の中でそういうものを整理しなければいかぬという見解ならば、私はこの問題はそう問題にならないと思う。その点が大きな大臣の誤りじゃないか、こういう点を私はお聞きしたいのですよ。それでもなおILOの結論が正しいのだという点は、私はおっしゃられるまでもなく、その点十分理解しております。ただ二重取りの問題、今問題になっております二重取りといわれることは、これは民間でもある問題であります。何も官公労にきまったわけじゃありません。その二重取りという問題に触れる前に、国内の労使関係でそういう状態があり、あるいは日教組の場合は、政府あるいはその管理者との間にある場合があるでしょう。それを二重取りだけに固執しておるところに問題があると思う。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 別に固執しておるわけじゃございません。話の起こりが、そもそも現行法で在籍専従制度というものが認められて現にあるわけであります。ところが、さっきも申し上げましたように、数年来、ILO八十七号条約批准に関連しまして国内法の改正問題がいろいろありますことは御案内のとおりでありまして、その中に在籍専従制度は廃止するという建前の法律改正案が国会にも提案され、今日でもそういう考え方で政府はおるわけであります。そのことについて訴えがなされたわけであります。政府はそういう考えでおるようだけれども、そのことはいわば既得権の侵害になるから、日教組として不服だから、ILOの立場において、日本政府がそういう法律を改正して専従制度をやめるような措置を講じないように勧告方を要請したのが訴えの内容であるわけであります。それに対する結社の自由委員会の結論は、申し上げるまでもなくおわかりであろうと思いますけれども、さっきも申し上げましたが、結論は、日本政府の専従制度を廃止しようとする態度がILOの立場から見ても妥当であるという結論を出して参りました。そこで、しからばなぜ政府は現行法で認められておる専従制度を廃止せんとするかということは、それはまあすっきりした民主的な組合の姿だとするならば、そういうふうにしようとするならば、今の専従制度のあり方というものは望ましくないからこそ廃止する改正案を用意しておる。なぜ廃止する用意をしておるかといえば、いわば御用組合の姿だと目される今の制度は、給与的に見ましても、今も申し上げたように、期間が経過すれば専従者以外の人と同じように昇給していくという建前になっておる。そうして昇給したであろうところの給与を基本に、専従期間が終わりましたときには退職金ももらい、年金、恩給ももらうという制度になっておる。そのことは今も違法ではむろんございませんけれども、望ましい姿じゃないから、法律を改正しようという態度を政府が従来何年間もその方針を堅持しておりますことに関しての話ですから、そういう考えでおることに対する訴えは、むしろILOの立場から見ても、本来の民主的組合のあり方としては日本政府の考え方のほうが妥当であるということになりました。したがって、政府側で今まで廃止しようとする根拠として考えておりました理由の、今申し上げたようなことも妥当である、そういう考え方がまともな考え方であるという結論に到達したということを御披露に及ぶ過程の話であります。そのことそれ自体を固執するというようなことは本来むろんございません。
○高山恒雄君 それじゃ二重取りじゃないですよ。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今、二重取りしておるという意味ではいまだかつて申し上げたことはない。御用組合の姿を解明すれば、そういう疑惑も起こるであろうということが念頭にございますから、そういう表現で注釈を加えたにとどまるわけでございます。
○豊瀬禎一君 先ほど私どもが若干の大臣に対して不規則発言をいたしまして、委員長これに注意されたわけですが、今、委員長が正常な立場で大臣の答弁を聞いておられると十分おわかりのように、私どもが今問題にしておるのは、ILOの勧告内容や、御用組合か独立組合かという組合の性格論争ではない。大臣が公開の席上で演説した、日教組の幹部が給与を二重取りしておるという重大な発言、公務員たるものが給与を二重取りをしておるということがどういう性格を持つかは、何人もこれを了解するところです。これに対して荒木大臣は何らの答弁を行なわず、繰り返し繰り返しILO条約の勧告の内容の披露を行なっておるじゃないですか。委員長は、不規則発言を注意されるならば、大臣の不まじめ、かつ不適切な答弁に対しても、前回同様注意をしていただきたいと思います。 それからついでに大臣に言っておきますが、フランスの官吏法を読んだことがありますか。また、小林委員が指摘したように、フランスの官吏法による恩典を受けておるフランスの教員組合が御用組合だとあなたは何で判断しましたか、イタリアにおいてもしかり。すなわち本人が希望すれば、もとの職に戻り完全に給与が保障される。派遣教員として年数も通算されておる。現行法律が保障しておる問題を文部大臣が公開の席上で二重取りと誹謗しておりながら、なぜその見解に対してまじめに答弁をしようとしないのですか、卑怯卑劣じゃないですか。あなたの見解の内容については、お互いの相違するところでしょう。意見の一致を見る必要はないでしょう。給与を二重取りした、国費ないし県費を二軍取りしたというその事実をあなたに指摘しなさいと言っているのですよ。あなたの答弁はこのことに少しも触れていないじゃないですか。日本の労働組合、民間合わせて数千ありますが、小さいものも含めますと数十万ありますが、専従をしておっても退職金に通算する組合のほうがはるかに多い。日本教職員組合が結成以来今日まで、在職専従制度をとって文部省の御用組合になったという批判を受けたことが一度でもありますか。雑駁な、卑俗な労働組合に対する見識しか持たないあなたが、何を責任を持って御用組合的だと言い切れますか。あなたが今国費を使って育てようとしておる第二組合こそが御用組合的でしょう。これから論争になるから触れませんが、委員長に対して、再度、大臣が質問に対してまともな答弁をしないときには注意をしていただきたいと思います。もちろん私ども不規則発言は行なわないように努力したいと思います。 最後に大臣に聞きますが、今、小林委員が指摘した給与の二重取りというのはそういうものではない。あなたもかつて疑獄に関連したことがあるから御承知のことでしょうが、二重取りというのは、同じ条件のものを二とおりもらうということですよ。それは明らかに公務員法では横領でしょう。これを公開の席上で、日本は慣行としてこういう制度になっておるというならば別問題、二重取りとは何ですか。二重取りの内容について明確に答えて下さい。
○委員長(北畠教真君) 委員長から申し上げますが、今二重取りが問題になっておりますから、その点の十分応答をするようにして下さい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 現在の専従制度がございますから、御用組合だと言っておるのじゃございません。(「言っているじゃないか」と呼ぶ者あり)高山さんのお話にも出ましたように、民間でも、たとえば組合の事務所を会社から提供しておる、あるいは専従制度の民間にあることも私も伝え聞いております。今御指摘もございましたそういう状況は、まあ理想的なといいますか、典型的な組合のあり方からいえば望ましい姿じゃない。経営者側のおかげをこうむっておる意味において、民主的組合の理想経営じゃないということは、これは常識だと思います。しかし、民間であれ、日教組であれ、現行法で専従制度が認められておることをだれも否定するわけにいかぬ。これはまあ合法的に存在するわけですから、そのことに私もいまだかつて疑義をはさんだことはない。それは当然のことであります。ただ日本政府が、先ほど申し上げましたように、数年来、その在籍専従者という制度は、いわば御用組合の姿の遺物であるといえないことはない、ほんとうのすっきりした姿でないことは、これはだれしも認めざるを得ない課題だと思いますが、そういうことも念頭に置いて八十七号条約批准を機会に、法律を改正してすっきりした姿に立て直したいという考えに立って国内法の改正案を国会に提示しも今日もそういう態度でおることは申し上げるまでもなく御承知のところであります。その政府が変えよう、改正しようとすること、そのことをとらえて日教組がILOに訴えたわけであります。その訴えに対して、結社の自由委員会が、日本政府のそういう考え方に立っての改正の意見というものはILOの立場から見ても妥当である、そういうことを言ってきた。そのことを申しておるのであります。そこで、二重取りという言葉の適否は御批判があろうかと思いますけれども、私の言います意味は、理想的な民主的な組合ということを念頭に置いた場合、そういうふうにしようとする政府は立場ですから、そういうことを念頭に置いた場合に、在籍専従者が専従者でない教師と同じように期間が経過すれば昇給し、昇給の根拠となり、そして在職期間中それを基礎に、最終到達俸給を基礎にして計算される退職金や年金、恩給をもらうということは、今申し上げる一種の御用組合的な要素がそこにあるわけだから、そういうことをなくするほうがより民主的になるという態度でございますから、そういう根拠になることそれ自体が組合側でやるべきことを国または公共団体側でやっておるということだと、それが望ましくないから改正しようとするのだという説明にそのことを申すことは、私は一つも不当でないし、無用に日教組に対して誹謗しておるという観点じゃないし、事柄じゃないと私は思います。
○豊瀬禎一君 委員長、私は先ほど注意し、委員長も注意されたが、前段の話は全く今度で六回目、ILO勧告の内容の披瀝じゃないですか、私はそのことについては論及しない。二重取りというのは、同じ条件の中で給与を二回もらうということですよ。たとえ組合が、今、日教組にはそいう規定はないけれども、在籍専従の長い者に対しては組合の規正によって恩給退職金を支給しようとも、それは給与の二重取りとは言わない。国費ないしは県費から出るものと、組合自体が金を出す場合とは別個の問題である。しかし現在はそういう制度もない。そうして退職をして、専従者にその期間なっても、やはり職員団体に働いておる場合には、フランスの場合でも、帰ればその期間はきちんと恩給退職金に通算される。これは労働組合に対する国の当然の責任として保障されておる。あなたの雑駁な考え方による御用組合というのは大体二、三十年前の話です。しかし、そのことじゃなくて、私があなたに聞いておるのは、二重取りの事実を指摘しろと言っているのです。日教組の執行委員全員なら全員、それが何県の何月分の給与を二重取りしたとはっきり言いなさい。それだけを聞いているのですよ。前回の発言を取り消して二重取りだけの答弁をしなさい。まず最初に、私は前回の答弁に対して取り消しを要求します。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 問題そのものがILOに対する提訴の事柄の解明の範囲内のことでございますから、その前提条件を全然抜きにして、それだけを問題にされるというならばそのことを説明することはないと考えますから、およそILOの結社の自由委員会の結論を中心に申し上げないと全貌がわかりませんから、申し上げておることであって、取り消すべき範囲じゃなしに、当然有機的な関連を持った課題としてお聞き取りをいただきたいと思ってお答えしておるのであります。今も申し上げましたように、専従者としての期間が専従でない立場の教師と同じように昇給の基礎となる。さらに最終段階においては、それを基礎に計算された一時金なり、年金、恩給がもらえる制度、それ自体は法律で認められておりますから、違法なんといえたもんじゃないことは言わずして明らかでありますが、そこで問題は、そういうことが望ましくないからこそと判断するからこそ政府としては国内法の改正案を添えてILO八十七号条約の批准に対処しようとしておることを申し上げておるのであります。その理由の一つに、今申し上げた在籍専従制度のもとではそんなふうになる。そのことは理想的な姿から見れば望ましい姿じゃない。だから改正しようとしているんだ、そういうことを申し上げるのは、私は根拠としては当然触れなければならないことを言ったに過ぎないのであります。現に二重取りしているとか、してない問題でないことは、ILO提訴の問題、すなわち将来法律を改正せんとする課題に関連してのことですから、これは理論的に言ったってもう当然のことであって、取り消すとか取り消さないとか、現にそういう事例があるなら出せとかおっしゃっても、そういうことを対象として問題にしているのではないのであります。現在は適法であり、現に行なわれていることはだれしも日本人は疑わない。(「適法の二重取りとは何だ」と呼ぶ者あり)という疑いがあるから、御用組合の姿であることは、法人格を持った組合と使用者側と、全然責任をせつ然と分解することこそが適当だという判断に立つのだと私は思います。そういう判断のもとに将来に向かって法律を改正せんとする立場を御説明しておるにすぎないのであります。
○小林武君 文部大臣、あなたは僕の前でこの演説やったのですよ。北海道の帯広で僕の前でこの演説やった。あなたが妙なことをおっしゃるかと思ったから、当委員会で、当日録音されたものも皆さんに聞いていただきたいと、こういう申し出をしたのはそこなんです。あなたが少なくとも当日労働問題について何かILOのことをお話しになったんならこれは別問題です。そうじゃないでしょう、あなた。あなたは私の前で何と言った、日教組のばかやろうということをとにかく演題にして新潟でもやったし、あちこちでやってきた。また、ばかやろうの理由をこれから話しするというのがあなたの講演の目的だったでしょう。日教組を批判しなきゃならない、徹底的に批判するのが文部大臣の責任だと、ドン・キホーテだとも言った。あなたはこの間の質問でも認めたように日本の全国の子供をはなたれ小僧扱いにした、そういう中で、あなたはこの演説をやっている。二軍取りと言っているのですよ。そうでしょう。これを認めませんか、どうですか、認めるか、認めないか、あなた言いなさい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 日教組を批判することが、特にその倫理綱領の誤りを指摘して反省を求めることが、私の職責の一端だ、こう考えまして、おしゃべりもいたしました。その意味において日教組のILO提訴のことに触れました。ILO提訴に対する結社の自由委員会の結論を御披露することによって、日教組という団体の、集団としての今までのやり方が間違っておったということを、結社の自由委員会それ自体が国際的視野に立って判定を下したのであります。そのことを御披露することによって、国際的に見ても日教組の集団としての心がまえの間違いのゆえに現われてきている具体的な行動そのものも批判されているということを御披露することは、日教組の倫理綱領の誤りを指摘する材料として適切だと思いましたから、それに触れました。したがって、今お尋ねの点も、繰り返し申し上げますように、結社の自由委員会の結論その前提は、立法論として政府が現行法をこういう理由で改正しようとしているのだということの解明のために言及した事柄であることは、今申し上げたことでも御理解いただけるものと思います。
○小林武君 そんな理解が一体できると思いますか。あなたは日教組を徹底的に誹謗し、日本の子供を誹謗した。青少年まで誹謗したのです。そしてそれがこの講演の目標であるということをあなたみずからおっしゃった。その中であなたのILOの労働運動に対する見解を述べるというのであれば、これは二重取りなんか出てこない問題だ。専従制度について自分は賛成か、反対かというような意向の表明は勝手だというのだ、先ほどもいっているとおり。しかし、専従制度というようなものが、直ちに御用組合に結びつくなんということは、一体あなたは物を知らな過ぎるのだ。その講演の中で、恥ずかしいことだと言っているのだ。専従制度があることが何が恥ずかしいことだ。あなたフランスのあれを見なさい。フランスでは派遣勤務と言っているのだ、専従を。その派遣勤務というものの場合には、本来その職場の外に置かれながらも、旧の職場において昇進及び退職の権利を引き続き享有している官吏というような、こういう定義をはっきりさして、それで専従制度を認めているところもある。そのことにあなたが賛成とか反対とかいうことを、われわれはかれこれいっているのじゃない。そういう国際的ないろいろな例もある。労組の数からいったら専従者を認めているなんというのは多い。社会主義、資本主義の制度をひっくるめてやっても、専従者というのは多数であるということは間違いない。そういう慣例もある。しかし、われわれは非常に謙虚になって、そういうものはありながらも、いろいろな立場で議論するということはけっこうだと、こういっている。ところがあなたは、そういう慣例があることは知っておりながら、専従制度を誹謗して、最後は何と言っているか。日教組は給与の二重取りをやっていると言っているじゃないですか。あなたはその給与の二重取りということは、どういうことか知っているのでしょう。給与を二重に取っているのですよ。だから私は初めにあなたに質問したでしょう。給与の二重取りをやったらこれは刑法上の罪になりませんかと、あなたは聴衆に対して、日教組の中にいるたくさんの専従者に、刑事上の罪を犯している、こういう断定を下して聴衆に話した.それでも一体あなたはあれが当然のことだと思うの。文部大臣として卑劣だとは思いませんか。責任ある者の立場のそれは言動ですか。取り消しなさい。あなたあっさりかぶとを脱ぎなさいよ。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私は卑劣だとは思いません。専従制度についての賛否の意見があることは、これは当然であります。現に政府案としてかつて提案しましたときも野党の諸君は反対であった。私どもは政府の側に立って、数年前に国会に提案しました。
○小林武君 そんなことを聞いているのじゃない。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 関連がございますから、これを申し上げませんと真意がわかりませんから言わしていただきます。政府案を提案して以来ずっと一貫して、政府としては専従制度廃止しかるべし、という態度でおります。それに対する批判はまた別でございます、お説のとおり。政府側に立ちまして、政府案が妥当なりとする立場をとつておる私としては、その政府の専従制度廃止の態度に対して不満を持つから、将来のことではありますけれども、不満を持つと思われるから日教組が提訴したでしょう。その提訴したことを受けて、結社の自由委員会が、二年越しの慎重審議の結論として、すでに御案内のような結論を出したということを解明する場での話でございます。私は常に前提として、現行法では専従制度が認められておるけれども、ILO八十七号条約批准と同時に、政府としては従来、これを廃止する態度で法律案の改正案を添えて国会に出したが、いろいろな都合で何回となくお流れになった。そのことを目して、対象として、日教組が訴えたこと、それに対する国際的な視野に立った結社の自由委員会の結論を御披露すること以外の何ものでもないわけですから、二重取りとか何とか、現にあるとかないとかということとは関係のないことであります。私が二重り取というような言葉を使いましたのは、先刻も申し上げましたように、本来、純粋の民主的な組合であるならば、専従者は、自分の雇い人ですから、もうピンからキリまで、何でも組合の法人格の立場においてまかなわれるべきもの、これは国際的な常識であることをILOも認めておる。また日本でも一般の常識だと思います。むろん経過的に、フランスその他のこともお調べになったようなお話でございますが、それはそれなりに、その国の沿革がございましょう。日本も沿革があればこそ現行法じゃ認められておる。しかし、それは将来にわたっては、改正をしたほうがより民主的になる。より民主的な労使間の望ましい態度と思って、政府は提案しておるわけですから、それがなぜそうだということを私は解明する責任があるから、結社の自由委員会の結論を引き合いに出しながら、その解明をしたのであります。だから、日数がたてば昇給をする、それを基礎に年金、恩給、一時退職金が国公費で出るということは、責任をはっきりする意味において望ましい姿ではないと判断した。だから政府は、それをすっきりするために法律を改正する、そういう態度を政府はとりながら今日まできた。そのことに関連する訴えは、国際的にも、日本の政府の考え方のほうが妥当であるという結論になったということを話したのであります。
○小林武君 あなたがそういう考え方を持つということは自由なんです、さっきから言っているように。あなたが反対だと言っていることは、あなたの常識はちょっとおかしい。これはなぜかといったら、一体、専従制度というものは、資本主義、社会主義の国をひっくるめていったら専従制度というものは多いのです。これはしかし、あなたの常識というのは変な常識だから、これは人の常識までかれこれ批判することはないから、それは認めておいて、それがなぜ日教組の専従が、一体、給与の二重取りだとあなた言わなければならぬのです。二重取りだとあなたが言う限りにおいては、日教組の中において二重取りが行なわれているということになるのでしょう。日教組の場合は、給与というのは、日教組の専従者はみな組合からもらっている。ただ退職年金の問題と、それから昇給をするということが、ちゃんと手続上は行なわれてきている。金はもらっておらない。復職した場合にはそれが有効による、こういうことでしょう。何も専従者が県教育委員会から金をもらっているとか何とかいうことじゃないのですよ。恩給基金もちゃんと納めているんです。そういう一つの制度になっている。それをあなたは二重取りと、こう言ったのだから、二重取りが一体どういうふうに行なわれているのか、その事実があるのかということ、これがなかったら、文部大臣ともあろうものが、大衆を前にして、しかも社会教育を行なう公民館の連中を前にして、日教組の専従者というものは二重取りをやっているのだということをあなた断言したのだから、その事実をはっきりしなさい、ここで。取り消す気持がないというのなら、あやまる気持がないというのなら、言いなさい、それをここで。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) その点はさっきからるる申し上げておりますが、かりに二重取り、三重取りであろうとも、現行法で認められている限りにおいては、そんなことは問題にするに足らぬと思います。現行法はまさに認めておると、私は常に前提としてそう言っております。専従制度というものが現行法上認められておる。しかしそれは妥当ではないと判断するから——私一個の判断じゃない、政府として専従制度をやめるということが妥当なりとの判断のもとに、法律案まで添えて国会に提案をしておることを申しておるのであります。それがなぜであったか、かくかくのことも考慮に入れて、そうして将来は改正し、廃止すべきものなりと判断しておるのだ。それについて訴えが起こりましたことをめぐって、結社の自由委員会の結論が出たことを御披露することであります。言いかえれば、私の日教組を批判する目的から申せば、国際的な視野に立って、それが本来の民主的な組合のあり方だと、一種の御用組合の姿が残っておると国際的にも判断されたから、日本政府の、制度を廃止しようとする改正を妥当と国際的視野から認められたのだということを申しますことは、日教組が訴えたことそれ自身が理由なしということであります。そういうことを解明するために、私は引用したのであります。
○小林武君 二重取りしたという事実は、それじゃないということなのか。ないのに、あなたは言ったというのか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) あるはずがありません。法律で認められておることですから。
○小林武君 それじゃここで何で言ったんですか。二重取りをしたと。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) それを立法論とする政府の態度が……。
○小林武君 そんなばかな立法論があるか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) いや、まさしく立法論でございますよ。数年来、八十七号条約批准に関係し、国民は、国会でよく御承知のところであります。これは在籍専従制度を廃止するという建前をとつておるのでありまして、これはもう国民承知のこと、そのことについて、将来において廃止のようという考え方そのものが適当ではないと判断した立場から日教組が訴えたこと、その訴えに対する結論が出たこと、そのことの話でありまして、現にどうしておる、こうしておるということを言っているのじゃない。
○米田勲君 関連質問。
○委員長(北畠教真君) ちょっと待って下さい。 速記とめて。 〔午前十一時三十八分速記中止〕 〔午前十一時五十五分速記開始〕
○委員長(北畠教真君) 速記をつけて下さい。 午前の質疑は、この程度にして、午後一時から再開いたします。 午前十一時五十六分休憩 〔休憩後開会に至らなかった〕 —————————————