農林水産委員会 第37号
- 発言数
- 57 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1963/06/21
会議録
○委員長(櫻井志郎君) ただいまから委員会を開きます。 委員の異動について御報告いたします。本日付をもって委員井川伊平君、岡村文四郎君が辞任され、その補欠として松野孝一君、北口龍徳君が委員に選任されました。 —————————————
○委員長(櫻井志郎君) これより農業災害補償法の一部を改正する法律案を議題とし、昨日に引き続き質疑を行なうことにいたします。 質疑のあおりの方は、御発言願います。
○渡辺勘吉君 大臣も御出席でありますからお伺いいたしますが、昨日のこの委員会で申し上げたことでありますが、今回政府で提案されました農業災害補償法の一部を改正する法律案は、その審議の過程を通じて明白になった問題点の一つとして、私はこの事業運営の中心となっているところの従来の機構というもの、これが何らの抜本的な措置がとられていない。ここに今回の一部改正法律案の基本的な内在的矛盾を指摘せざるを得ないのであります。このことは繰り返し取り上げるまでもないことでございますけれども、現在の仕組みは、御承知のように、末端の農家と単位共済組合との間では強制的な助け合い制度によってつながっている仕組みでありますけれども、このこと自体は、抽象的に考えられる在来の農村社会を支配しておった人のつながりという問題、そういうものが新しい合併された広区域を区域とする共済組合の場合において、はたしてそうした隣保共助の精神が共済制度のささえとなり得るかどうか。そのことが、従来の制度の農家からすれば、非常に不平不満を買っている仕組みの基本でもあり、そういう点を考え合わせますならば、この辺にまず大きな改革のメスを当てて、さらに現行の系統組織とでも申しますのは、県段階においては保険方式で単位共済組合とのつながりを持つ、さらに政府とは再保険あるいはその他の経費の投入による社会保障的な性格を持つ。この仕組みが、世界のどの共済制度を見ても、類例のない日本独得の仕組みに積み重ねられているわけであります。そのためにこの制度を運営する高度の数理技術を駆使してやっていくために支払わなければならない事務費が、相当巨額のものになっていることも、このことがあるからであって、せっかく政府も農林予算の中の相当部分をさいてこの制度のために、あるいは掛金に対し、あるいは事務費に対して助成をしながら、末端では大きなこれは不平不満を除去するには至っていない。その今の仕組みというものをそのままにして、何らこのことには手を加えずに、この数年来国民が大きな期待と関心を寄せておった抜本的改正のこの内容としては、あまりにも期待はずれと言わなければならぬと思うのであります。経過的には制度協議会の答申の中にも、抜本的とはあるいは言いかねるかもしれませんが、かなり現状からは前進した機構に対する答申も出ておったのでありますが、これがまたむざんにも現状維持的なものに置きかえられて、何ら今回の取り上げにはなっていない。こうしたような相当の学識経験者を動員し、政府みずからも参画し、各政党の代表者も網羅して、一年有余の歳月と、そのすぐれた委員の動員のもとにまとめられた結論が、完全に無視されたまま今度の手直し法案に終わったということは、依然として従来内在しておった矛盾を解決する方向に向かっていない一つの具体的な現われであると言わなければなりません。このことについて、この法案を審議する最終段階において、主管大臣である農林大臣は、いかようにこのことについてお考えになっておられるのか、その点を、納得のいく、上っつらの答弁ではなしに、深く関心を持っている国民が納得する内容に触れた御答弁を、まずお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(重政誠之君) 農林省にさきに設置せられました審議会の御答申は、今回の改正案におきましても、その大部分はこれを尊重して改正案に取り入れていることは御承知のとおりであります。ただただ、今お述べになりました機構の点、その他一、二の点について若干違っておる点がある程度にすぎないのでありまして、大部分は取り入れられておるわけであります。しこうして、この機構の問題が答申どおりに今回改正案に盛られなかった理由は、さきに衆議院におきまして修正の意見が可決をせられましたのであります。そこで、私どもはその衆議院の院議の尊重を一面においてはいたし、一面におきましてはこの農家共済、農家単位の共済というのを、現行の一筆単位の共済制度を存続するということに相なりましたので、そうなりますというと、この中央に事業団というようなものを作る理由と申しますか、差し迫った必要もないのではないかということから、この審議会の御答申にありましたこの事業団を作るということをやめたわけでございます。 一筆単位がいいか、あるいは農家単位がいいかということにつきましては、さきにこの委員会でも御質問がありまして、私御答弁申し上げましたように、これは一得一失であろうと私は思うのであります。今後農業構造改善が進みまして、地盤の整備、区画整理というようなものが一般的に進んで参りますれば、私はこれは農家単位の共済制度でなければならぬ、こう私は考えておるのでありますが、現在の段階におきましては、どうも一得一失である。農家単位にいたしますというと、災害があった場合にその共済金を受け取る、そういう機会がはなはだ少なくなるという農家の不満もあることでございまして、どうもこれはどちらがいいということを、今この時点におきましては、にわかに断定ができない。一得一失である。しかし将来におきましては、これはただいま申し上げますように地盤整備等が全面的に進んで参るということになりますというと、農家単位の共済がよろしい、こういう結論になるであろうと思うのであります。そういうような事情からいたしまして、今回はその機構の点につきまして手を触れなかったわけでございます。御了承を賜りたいと考えるのであります。
○渡辺勘吉君 大臣は、私の機構の現状維持の点に対して、農家単位建を一筆単位建にするほうがより適切であるという理由から改革の必要がないということを申されましたが、これは機構そのものをこういう問題にまた方向を転ずる答弁であって、これは断じて納得し得ない問題であります。たとえば、一筆建なり、あるいは農単建なりについては、昨日も局長にその根拠を明らかにして質問をいたしましたが、それについては、そのものに対する明快なる理論的な御回答をいただけませんでした。で、私は機構についてまずお伺いをいたしますので、時間があればさらに従来の、戦前の農業保険法時代の属地主義的な地主の小作料確保を中心とした一筆建制にとどまることなく、この際すみやかに農家単位に切りかえることが、あらゆる点において農家の従来の経済の実態と農業経営の計画性を確立する上からいっても、当然であることを触れておるのでありますが、この機構について再質問する前に、今大臣は、生産基盤の整備も確立されない現在云々ということがございました。そのことに若干触れて御質問申し上げますならば、今政府がとっておる基盤整備そのものもきわめて遅々とした取り組み方であると言わざるを得ない。たとえば農業構造改善で全国三千百カ町村を今後おおむね十カ年を目途としてそれぞれ指定をするというスケジュールでその実施段階に入っておるのでありますけれども、その従来の指定の内容を見ますと、その指定された町村の全体の基盤自体から申しますならば、一割ないし多くて二割五分程度の地域が飛び飛びに基盤整備として、これが構造改善の対象になっておる実態であります。しかも、それが今後十カ年かかって全体の基盤整備の一割ないし二割の進捗状況であるといたしましたならば、この農業構造改善自体の政府の新しい施策と称するこれ自体が、完全にわが耕地の基盤整備ないしは政府の意図するところとは違いますけれども、基盤の開発という問題、そういうものを含めてあなの基盤整備も進捗する、その度合いによらなければ農単制度を取り上げられないというただいまの御発言は、その意図するところはきわめて重大であると言わなければなりません。そういうことがかりにも是認されるならば、農家単位建はほとんど百年後の、現在の政府の施策がそのまま実施をされると仮定いたしますならば、少なくとも百年後の歳月を経なければ、完全なる農単建制度というものが確立しないということにもなるわけであります。あなたは、それではもっとこれをすみやかに全体の生産基盤の農地の開発並びに整備というものをもっと積極的にこれを押し進めるという意図がおありであればなおけっこうでありますが、あったならばその構想を伺いたい。そのいかなる時点において農単建に切りかえるということであるか、そのことを関連してまずお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(重政誠之君) 御承知のとおりに、地盤整備というのは今農林省がやっておりますが、これはいわゆる狭義の構造改善事業においてのみやっておるのではないのでありまして、従前からこの区画整理と称して随所にこれを行なって参っております。要するに、災害から見ますというと、耕地が一ところに固まれば、災害を受けた場合には大きくその災害が出てくる。耕地が分散しておれば、災害を受けてもそれは災害の程度は量は少ないが、しかし頻度が多いというのは、これはもう当然のことであります。そこで、私が地盤整備がもう少し進んだならば、当然農単でやらなければならぬということになるでありましょうと、こう申し上げたのは、そういうことから申し上げたのでありまして、農業の近代化を進めて参っておるわけでありまして、この区画整理の事業というものは、一そうわれわれはこれを拡充して参らなければならぬと考えておる次第であります。現在は一筆建でやっておるのでありまして、この一筆建と農単建での方式でやるかということは、これは先ほど申しましたとおり、現在の区画整理が行なわれておる今の時点におきましては、これは一得一失であろうと思われる。農家はむしろ農単でやることについては、必ずしも賛成でないということも聞いておりますので、まあ現状のところは、衆議院において御修正になりましたこの一筆建ということでやっていきたい、こういうふうに考えておるわけであります。
○渡辺勘吉君 どうも与えられた時間の制約の中でわき道にあまり時間を使いたくないのでありますが、区画整理云々も取り上げられましたが、それでは農業構造改善というものは、一般に国民が期待するように、農林省のたとえば今言ったようなこの基盤整備全体を総あげで取っ組んでおるものであればまだしもでありますが、その中に既存のものを一部この看板の中にすり変えて、そうして特に水田等においては再区画整理等も取り上げておる。そういうことがその指定された地区の一割ないし二割五分程度にしか及んでいない。それも三千百カ町村をやるのには十年かかる。残された七、八割の地域は、第二次、第三次でもやらなければ、これはその町村の生産基盤の整備というものの権衡が保たれない。そういうこと自体についてももっと、大臣がおっしゃるように、この農業構造改善がそういう生産基盤整備の総体の取り組みで取り上げられておればまだしもでありますが、それが非常にちぐはぐな形で行なわれており、その小さな部分の構造改善の生産基盤整備の現実の問題を照らし合わしても、百年河清を待つようなスロー・テンポで実施をしておる。そういうことが一体どういう時点で総合的な生産基盤整備の上に確立されるのか。その点をもっとわかるように、目標時点というものを明らかにしていただきたい。
○国務大臣(重政誠之君) 今直ちにその時点ということを実は申し上げかねるわけでありますが、先ほど申し上げましたように、地盤整備というのは、狭義の構造改善のあの事業だけでやっておるのではございません。これは一般の土地改良事業の一環として構造改善事業でもやっておるが、その他の構造改善という看板はかけないで、基盤整備は現に年々行なっておるわけであります。で、これは農業の近代化を推進する上におきまして、機械化農業を行なう上におきましては、どうしてもこれはやらなければならぬ問題であるわけであります。でありますから、私どもといたしましては、これは基本的な問題といたしまして、大いに力を入れて推進をいたしていくと、こういう方針をとっておるわけでありますから、これらの地盤整備が相当に進行をいたして参りますれば、この農単方式もこれは実行しなければならぬことになってくる、実行したほうがいいということになってくる、こういうことを申し上げておるわけであります。しからばそれはいつか、何年後かと言われても、これはどうもにわかに今私が直ちに五年後あるいは十年後であるということはちょっと申し上げかねるのでありますが、そういう次第でありますから、私はそういう農単の方式の採用の時代がくることは、必ずしもそう渡辺さんの言われるように百年後とか、五十年後とかいうことにはならないと思うのであります。
○渡辺勘吉君 どうもナマズ答弁で、さっぱりそのつぼをはずされるのですけれども、一筆建制ということに、この機構改革をする必要がないということに籍口するところに私は問題があるので、この一筆建制なりあるいは農家単位建制というもののあるべき姿ということは、きのうの午前にここで述べておりますから、きょうはそれには重複を避けて触れませんけれども、問題はこの機構そのものが、そういう農単を一筆建にまた戻したから機構を変える必要がないという理由は、これはないのであって、私は前段で申しましたように、今やっておる農災制度が、なぜこれだけの国費を投じ、農家の負担を支払いながら農民からきらわれておるかというその基本は、この運営の内容もさることながら、どうしても今のこういう複雑な仕組みの中で複雑な事務処理をしなければならないという必要経費が、当然に、要求されるこの仕組みの中に存在しているということを指摘するわけであります。したがって、これが一筆建であり、農単建であるということとは、また別個に今のこういう不合理な、先進国の事例等を見ても、こんな制度をとっている国は他にない。これは政府が発表された諸外国の例を私も拝見をしておるのでありますが、で、それらの諸外国の事情は別といたしましても、今この上部構造では政府の特別会計がある、あるいは農業共済基金がある、協会がある、そして中間には保険を担当する連合会がある、こういうものをなぜ一つのものに機構を簡素化することをおやりにならなかったのか。制度協議会の答申が必ずしも万全でないことは、私は他の災害に対する持ち方として、たとえば国家補償方式というものも一つのタイプとして申し上げたのであります。また数少ない学説の中でも、災害常習地はこういう制度の対象からはずすべきである。また災害から見れば安定地帯は、任意加入を建前として実施をすべきであり、その他の地帯においてはこの共済制度をささえていくという考え方もあるわけでありますが、そういう場合においてもその仕組みというものは、公営一本化で、一段階でこれを措置するという学説もあるわけであります。ですから、どうしても莫大なこういう事務費がかかるような仕組みをもっと合理化をして、政府のせっかくの、農家のせっかくの、それぞれの負担というものが、あくまでも災害に対して、その支出したものが、大部分が支払われるような仕組みにこれを置きかえなければならない。そういう点から申しますと、今の仕組みはどうしても簡素化しなければならないという、これは絶対的課題であるはずであります。あなたは、制度協議会の答申の大半をその法案の中に入れたけれども、一、二はずれたものがあると言うが、一、二はずれたそのことが、実は非常に抜本的な改正を阻害しておることであって、取り上げ方が本末転倒ではないかと思うのです。そこで、この取り上げ方をなぜしなかったかということは、決して一筆建を前提としてその理由の大半をなすということではなしに、この三十六年だけの数字を見ても、事務費に対して国庫は三十七億円を支払っておる。農家は四十億円を支払っておる。総額で七十七億円も支払わざるを得ない。ちょうど掛金で農家が支払っておる金額が、七十七億でありますが、逆から申しますと、掛金全額が事務費に食われておる、こういう実態であります。この事務費はむだに使っておるのじゃなくて、今のこういう複雑多岐にわたる仕組みの上には、当然払われなければならない事務費である。そうなってくると、これはどうしてももっと機構を簡素にして、抜本的な方向に一歩前進する措置を講じなければならぬ、こう思うのですが、そういう点について、機構そのものに限ってなぜ現状でいいのか。また、制度協議会は、この点を勘案して、政府の特別会計、基金と協会というものを一本にし、そうして県の連合会はこれを解消して、この事業団の支所に置きかえる、そういうかなり前進した考え方を持っておるわけであります。大臣は衆議院の附帯決議を尊重したということでありますけれども、参議院は参議院の良識をもって、この点をもっとすっきりしたものにすべきであると考えて、決してそのことにとらわれる御遠慮は要らぬと思います。この機構についてなぜ一指も染めないのか。それでいいと思うのか。それじゃうまくないというなら、一体どういう今後の機構に対する政府の改革の御意思がおありなのか。その点をお伺いいたしたいのです。
○国務大臣(重政誠之君) 機構をいじります場合には、これはもう申すまでもないことでありますが、やはりこの機構をいじらなければならぬというその理由がなければ、うかつには実はいじれないと、私は常々考えておるわけです。そして、あの協議会の答申で、事業団を設けて、そういう機構で単純化してやろうという、その重要な理由の一つは、例の一筆建をやめて、農単でやろう、これがその理由になっておると私は承知しておるのであります。御承知のとおりに農単の方式でやるならば、一つの農家の経営を一町歩しておりますれば、そのうちの一筆について被害があっても、一町歩全部の損害評価その他をみなやらなければならぬ。これはよほど一筆建の場合よりも、その事務がかさむのであります。したがって経費も多くなる、それはとうてい今までの機構ではやるわけには参らぬ。であるから強力なる一つの事業団というものを作って、そこでこれをやらなければ、これはとうてい今の仕組みじゃやれないというところから、この事業団という機構を作ろうということが出てきたのであろうと私は承知をいたしておるわけであります。ところが、先刻来もお話が出ておりますこの農単方式をやめて、一筆建方式でいくということになれば、これは現状の機構でやったほうが安上がりであるということが、私はいえると思うのであります。 それからまた、御指摘のありました特別会計と、それから共済基金等、これは別々にあるじゃないか、さらには協会がまた別にある、これは複雑であるから、みな一緒にしたらどうかという御指摘でございますが、私はまず、協会のごときものは、自然発生的にできたものでありまして、これらは何ら保険事業そのもの、共済事業そのものには大なる関係を持っていないのでありますから、この問題は、私は今回の機構問題の中へ入れるわけには参らぬ、そういたしますと、今の特別会計、共済基金等を一緒にしたらどうかということになるわけでありますが、共済基金というのは、政府が一定の資金を出して共済基金というものが設立せられておるわけでありますが、これは金が足りなくなれば、農林中金とかその他のほうからも、金融を受ける道があるのであります。でありますから、これは必ずしも再保険事業をやっております特別会計、特別会計は再保険事業をやっておる、このものと共済基金との合体をせしめなければならないという理由に私はどうも乏しいと考えておりますので、特別会計は、再保険をやる、基金制度は、これによって府県団体その他に対して、足らざる場合の融資をする、こういう機関でありますから、これはこれで生かしておいていいのではないか、私はこう考えて、それらを一緒にするということの措置をとらなかったわけであります。
○渡辺勘吉君 どうも重点をはずれた御答弁ですから、もう一つ具体的に伺うのは、そういう上部構造だけではなしに、制度協議会の答申は、あなたも十分御承知のように県連段階をこれを解消するというところが大きなねらいである。そうして事業団の支所にして、直接末端とのつながりでこの運営をやっていくというところに、この制度を改善する大きなねらいがあったわけです。繰り返しあなたは、一筆建云々を言いますけれども、一筆建の場合は、その農家にとって、全体が豊作であり、あるいは平年作であっても、その一筆について災害があれば、その一筆について補償がもらえる、共済金がもらえる、超過保険的な受け取り方にもなるわけであります。補償を何ら必要としない、そういう場合でも、一筆建の場合には、超過保険の受け入れがなされる、災害があっても、全体のその災害に対しては、きわめて共済の受け取り方が低いという、そういう矛盾が一筆建にはあるわけであります。農単を主張するゆえんのものは、少なくとも戦前の農業保険法的な思想から脱却して、属人的な方向に切りかえて、農家経営の恒久的な安定成長、発展をはかるという見地から農単建に切りかえていくということが、これは理論的にも実際的にもこの共済制度を存続していく上においては、きわめて合理的な取り上げ方であると言わなければならぬと思うのです。ところが、現在は、農家自体は、きのうの局長の答弁にもありましたように、アンケートによれば五〇何%かが一筆建を希望しておると言いますけれども、この事態は農家の共済制度に対する自己撞着であると考えるわけであります。そこで政府の行政指導としては、そうしたような従来のこの制度に対して、補助金をほしいというような、そういう思想から脱却させて、あくまでもこういう保険方式というものにこれを切りかえていくためにも、農家経済の安定という方向からも、農単というものを取り上げていきたいということで、これはこの委員会の質疑を通じても、各党各派を超越したこれは総体的な意見であります。何らかの形でこれは現われるでありましょう。そういう委員会の方向というものを軽視してまでこれを主張されるという、そういう政府の施策であっては私は断じてならないと思う。このことをとやかく申し上げているうちに、どうしても二時には退場しなければならぬという時分が参りましたから、これはまたやむを得ない米審の再開のさなかでもありますから、まずこの第一点の機構というものに何ら触れなかったということは、繰り返しますけれども、今の複雑な仕組みによってどうしても過大に負担しなければならないこの事務費というものを、もっと抜本的に機構を改革することによって合理化をしなければならないという理由、そういうことからこれを取り上げなかったことに深く遺憾の意を表します。御答弁に対しては納得がいきかねます。 それから、大臣には五点お伺いをいたすつもりでありましたが、時間がありませんので要約してお伺いをいたしますが、今度の法律の改正によりまして問題になりますのは、末端の単位共済組合におきましては、非常に大きな責任と事務量の従来からの経過から見ますと転嫁が出てくるわけであります。こういう末端の、法改正によりまして過重な責任を付加され、またその処理する事務量の転嫁、あるいはその確保する資金の適正なる管理運営というような、さまざまな問題から考えましても、私はこの際、それを担当する職員の待避は、それぞれの県の公務員、市町村の吏員と同じように、待遇を完全にそれに一致するような措置をとり、またこれに対しては全額国庫でこれを負担するという措置を、三十九年度予算に確実にこれを計上するという大臣の責任ある御措置を伺いませんと、またこのこと自体で末端における不測の、転嫁された責任の重さ、事務量の適正なる処理の仕方等々において問題が予見されるわけであります。それを防衛するためには、有能なる職員には、安んじてその負荷された重大なる責務を完遂するだけの待遇を与えて、安定してこの仕事に従事させなければならぬと思うのですが、三十九年度から、それらの公務員並みのベースアップを、それぞれの段階で実現させ、それに対する全額国庫でこれを負担するという措置が、三十九年度予算で大臣の責任ある措置をとっていただけるかどうか、この点をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(重政誠之君) 職員の待遇改善の必要なることは、すでにしばしば当委員会においても御質疑がありまして、御答弁を申し上げておるところでありまして、三十六年以来、七年、八年と年々その待遇の改善をいたして参っておるのであります。今後におきましても、できる限り私は誠意をもって待遇改善のために努力をいたす所存でおる次第であります。ただ、ただいま申されますように、三十九年度においてその悉皆の待遇改善を終わるように予算に計上することを、ここで約束しろと言われるわけでありますが、これは少し御無理な御注文であろうと思うのでありまして、私一人で予算の編成ができるわけでもございません。政府全体としてこれは決定をするものでございますから、私はここでそういうお約束をかりにしてみたところで、これはどうもなるわけではございません。そういうわけでありますから、そのお約束はできませんことを非常に遺憾といたしますけれども、私は誠意を持ってできるだけその待遇の改善向上に努力をいたすことをお誓い申す次第であります。
○渡辺勘吉君 この法律が出ました二十二年の十一月に、衆議院の委員会で次のような決議が上げられております。政府は農業共済団体の所要経費の全額を負担すること、こういう決議が十六年も前に決議されておる。しかるにその後の経過を見ますと、遅々としてこの決議が精力的に取り上げられておらない。最近やっと少しずつというような程度では、私は単に形式的にそういうことを言うのではなくて、今度の法改正によって末端共済組合の、非常に大きな責任が転嫁され、事務量が膨大になるという事態において、今配置されておる共済組合の職員の員数にも問題があります。質にも問題がありましょうが、それには何よりも二十二年にすでに決議をしたこの農業共済団体の所要経費の全額を負担するという決議が、少なくともこの法改正の機会に、政府によって三十九年度からそれが全額実現されるという方向を、大臣がここでそれを全部引き受けましたということを私はお尋ねをするのではなしに、もっと具体的に申しますならば、それらの原案を省議として決定し、あくまでも農林大臣は国務大臣として閣議においてその実現を期することを、その決意のほどを伺いたいのであります。
○国務大臣(重政誠之君) 先ほど来申し上げますとおりに、私は誠意をもって待遇改善のために努力をいたし、その実現を期することをお誓いいたす次第であります。
○渡辺勘吉君 時間がないようでありますから、もう一点だけをお伺いをいたします。それは今度の改正法律案の附則の第十条であります。この附則の第十条には「農作物共済に係る共済掛金率の変更に伴う補助金の交付」「第十条 国庫は、当分の間、予算の範囲内で……補助金を交付することができる。」とありますが、これもしばしば衆議院並びに当院においても質疑が繰り返えされたところでありますが、当分の間というのは、この法律が生きておる限りは、いかなる時点においても当分の間と解釈していいと思いますが、その点を念を押して伺うのが第一点。したがって、この法律の附則第十条がある限りは、いかなる時点においても当分の間というものが生きるものである、こう理解していいか。それからしたがって、補助金を交付するということは、当分の間この法律がこのまま続く限りは、この利率の変更に伴う補助金の交付を安心して農家は期待していい、こういうふうに第十条を理解していいかどうか。最終的にこの点の見解をお伺いいたしておきます。
○国務大臣(重政誠之君) 当分の間というのは、別に期限を限っておるわけではありませんから、法律で当分の間といっておる以上は、別に期限を限っておるものではありませんから、補助金を交付するということに相なると思います。
○渡辺勘吉君 それでは局長にお伺いいたしますが、ただいま大臣に尋ねましたこの附則第十条の具体的な内容でございますが、いや、十条の前の職員の待遇の問題でありますが、結局農家の負担を軽減することは、いろいろの措置がございましょう。抜本的には機構のより合理的な改革もその大きな柱であることは、ただいま大臣に質問したところでありますが、まず組合で支払いますところの事務費、人件費、そういうものに対して従来政府が補助をして参ったのでありますが、これを全額政府が負担するということに相なりますと、従来の補助金の総額に対して、どの程度のさらに補助額をよけい計上しなければならないかということがお尋ねの第一点。 第二点は、前段の問題でございますが、提出されました資料を見ますと、私の要求した資料とは違った資料でありますから、的確には判断できませんけれども、同一年齢、同一経歴の共済組合の職員と、同区域の市町村吏員のそれとを比較いたしますと、大体二千円程度の待遇の開きがあるわけであります。これを同じような措置にした場合のその負担増額、そういうものを合わせて具体的な数字でお伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(松岡亮君) 第一点の事務費の全額をかりに国が負担するといたしました場合、これは三十七年度のベースで計算いたしますと、大体事務費の総額が連合会と組合合わせまして百五億円ばかりでございます。それに対して国庫が負担しておりますのは四十一億七千万円でございますから、六十二、三億円の国庫負担の増額になる、こういうことになります。 それから、第二点の地方公務員のベースに合わした場合、これは今二千円ぐらいの差があると仰せられましたけれども、まあ資料でも配付しておりますように、県によって、また町村によってそれぞれ違っておりますから、まああれでありますが、予算の単価の面で、地方公務員に対する補助金単価と、現在の組合職員に対する補助の単価、これの差額をさらに全額負担にするという場合には、十一億五千万円ほど増額を要するということになります。
○渡辺勘吉君 私は抜本的な改正を伴わないこの改正案には、はなはだ遺憾でありますけれども、現実にこれらの制度を維持し、さらに合理的なものに発展していくためには、どうしてもこうした問題を少なくとも解決をしていかなければならないと思いますので、伺うのでありますが、大臣は、先ほどのような程度の言明をいたしております。したがって、これを裏づけるために、今発表されましたようなケースに対して、かって二十二年の十一月に決議がなされている、それを尊重する意味からいっても、今度の法律改正をスムースに運営していくためにも、これらの担当者の待遇の措置というものが非常に大きなささえになると思いますので、局長としては、これらの従来両院を通じての審議にかんがみて、これをあくまでも原案として最後までこれが実現に当たるような御配慮があるとは思いますけれども、その点を局長にお尋ねをいたしたいと思う。
○政府委員(松岡亮君) 私も渡辺委員と同様に、職員の待遇改善は非常に重要な事項であると考えておりますし、特に改正法施行後において、改正法を円滑に実施する上からいいまして、重点を置いて考えなければならぬということと考えておりますが、今、しからばどのくらいの予算要求をするかということは、これは非常に重要な予算でございますから、予算編成期にぼつぼつ入りまするので、しさいに検討した上で定めて参りたいと考えております。
○渡辺勘吉君 政務次官はまだ見えないのですか。
○委員長(櫻井志郎君) 今来るように言っております。
○渡辺勘吉君 それでは政務次官が来てからきのうのことをお伺いいたしたいと思いますが、共済目的の、選択的拡大と農業基本法でいうものについて、いかなる年次を目途に政府は共済目的にこれらを取り入れるかということを伺っておりますので、政務次官にとくとそれを内部で検討して誠意ある御答弁をお願いいたしておりますので、これは政務次官が参りましたならお伺いをいたすことにいたします。 それから特にこれは衆議院の委員会で繰り返し取り上げられた問題でありますから、私は結論だけをここでお伺いをいたします。それは解散権の問題と関連してのこの共済事業の一部廃止の問題であります。どうしてもこの共済事業の廃止、あるいはこれをさらに実施するという取り扱いについては、その共済目的ごとに、現に共済関係が成立しておるところの組合員の三分の二以上の同意がある場合には、この共済事業を廃止することができるというふうな原案を修正して、その措置の適正を期したいと思うのでありますが、また半面、その共済目的に対して、共済事業を廃止しておる場合において、その共済目的である農作物を、一定規模以上耕作している農業者の三分の二以上の同意によって、その共済目的について、新たに共済事業を実施するという道も開いて、この原案を、より農民の意思を十分尊重する取り扱いに修正をすべきであると思うのでありますが、この点に対するお考えはどうでありますか。
○政府委員(松岡亮君) 今、御指摘になりました点は、私どももずいぶん考えたところでございまするが、しかしながら、一部の事業廃止を認める際に、お尋ねは、特別議決さえあれば、認可を受けなくても廃止できるという御趣旨だろうと思います。そういたしますると、どうしても逆選択の傾向が出て参る。現在、社会保険制度でも、すべて強制加入制度になっておりますが、強制することに対しまして、の方向をとってはおりまするけれども、やはり、こういう一部事業廃止というようなものを、特別議決さえやれば、いつでも廃止できるという態勢に置きますと、やはり逆選択の傾向が出て参りまして、事業そのものの存立があやうくなる、こういうことが考えられますのと、第二点といたしましては、やはり、この難業は、相当継続的に運営されませんと、長期の均衡をはかって事業を運営するものでございまするから、あまり、始めたり、またやめたりということを繰り返すような態勢になるということは、やはり事業の体制上、望ましくない、こういうことからいたしまして、認可制を残すことにいたしたのでございます。
○渡辺勘吉君 これは、どうも考え方の相違が非常にあるようでありますが、私は、何としても、そうしたような一つの態度というものが、この改正にあたっては大事であると思います。 それから局長に伺うことで、従来、取り上げられた問題の中で、かなり、趣旨において、十分、質問の趣旨が明確でなかった点を、その質問の内容としてお伺いをいたしたいのは、税制改正についてであります。今度の改正は、もちろん農家の経済的利益をはかることに重点を置いておることはもとよりでありますが、任意共済についてみましては、今度の改正によって、契約を全共連へ、これは再共済する、あるいは単位農協へ契約を移管するということになる。このことによって、契約者たる農民に、実質的な不利益を招くことがないように措置をするということは、これは当然、法律の改正によって出てくる問題点であります。ところが、自然災害等の異常危険が発生した場合の、しからば準備金であるところの異常危険準備金については、今の税法上では、一般の損害保険と同じ取り扱いがなされておるために、農協連等では、全額を補償するだけの準備がなされていないのが実態であります。そこで再共済をするという場合にあたっては、異常災害が発生した場合においては、異常危険に対する準備金の度合いの違いによって、農災法による団体は、責任負担額の全部を支払っている。全共連では削減払いをやっているために、契約者たる農民は著しい不利益をこうむっております。移管された契約単位段階においても同様であります。で、自然災害による建物の損害率のフレというものは、これは係数で見ると非常に大きいのであります。今の税法によりますと、船舶保険の場合に、損害率のフレが大きいことを理由として、累積限度は、収入保険料の百分の百六十を認めております。短期に比べて百分の六十だけ、余分に積み立てることを法律は認めている。また大蔵省では、今度のOECDの加盟の問題に関連して、損保二十社の体質を強化するために、国際競争の激化、保険対象の巨大化に対応して、損保会社が異常損害に備えて積み立てているところの、異常危険準備金は、十年間に積み上げ分が取りくずされないときには、税の対象に戻す洗いがえ制度が運用され、積み上げ率も一定限度に現在は規定されているけれども、今回はこれを緩和して、積み立て額をふやして、異常な危険にも対処できる基盤を作り、そうしてこの損保二十社の体質の強化に備えるということを大蔵省が発表をしております。したがって、自然災害による事故を補てんする建物の共済にあっては、異常危険準備金の損金算入額の限度を設くべきではないということは、これは自明の理であります。このことについて、過般の委員の質問に対して、ただいまから大蔵省と折衝するというようなこともございましたが、もはや損保に対するこういう態度も明らかである現在におきましては、この異常危険準備金の損金算入の限度を撤廃するということを、明らかにこの移管を実施する来年の四月一日から、十分対処できるような措置を、責任をもってとるということを、この際明らかにしてほしいのでありますが、その点について、いかがですか。
○政府委員(松岡亮君) 農林省といたしましては、ただいま御指摘のありました全共連に再保された場合における異常危険準備金の限度の拡大あるいは廃止ということについては、今後十分大蔵省と折衝をやりたい、こう考えております。今OECD加盟後の損保業界に対する措置について、大蔵省から、新聞等に出されたもののお話がございましたが、それらの点も十分考慮いたしまして、折衝いたしたいと思っております。
○渡辺勘吉君 繰り返すようでありますが、このことの万全なる措置をとっていただけませんと、結局不利益をこうむるのが、その契約者たる農民に、この契約が実施されることによって予測せざる損失を付加されるわけでありますから、ぜひとも、これは政府の責任をもって、三十九年度から、この自然災害による事故を補てんする異常危険準備金の損金算入の限度を設けないで、これを積み立てさせるということを、政府の責任で、ひとつ善処をしていただきたい。重ねてこれを強く要請しておきます。 それから同じような趣旨でございますが、農林漁業団体の共済事業におきますところの共済証書に対する印紙税を、中小企業協同組合法におけると同様に、これまた非課税にする措置をとってもらいませんと、これまた従来の措置と違った取り扱いの団体の意向によって、不当な損失を契約者がまたその団体がこうなることになりますので、これについても政府の印紙税法の改正に対する措置というものを、この事業が開始する以前に明確に法律にこれを規定してほしいと思うのですが、この点はいかがですか。
○政府委員(松岡亮君) 多少私の所管事務を越える問題がございますが、その趣旨につきましては、農林省といたしましても、まあ大蔵省には従来の方針といいますか、考え方があるようでございますけれども、中小企業における共済事業の先例もございますので、そういう方向で実現するように努力いたしたいと考えております。
○渡辺勘吉君 確かに所管は多少さらに農政局ですかにもつながることでしょうが、その種はあなたのところがまああるわけですから、最後まで果実を収穫する責任を貫いてひとつ御善処を要望し、またその実現を期待しておきます。これらの問題の最後は、農協という系統の農協連が、農災組合やその系統の農災連合会から任意共済の移管を受けて、それにかかわる財産を継承した場合に、課税関係が生じないようにする必要がまた出てくるわけでありますが、これについてその措置も十分おとりになって実施ができるような措置を取り計らってもらわなければ、問題がまた残るわけでありますが、この点の御所見はいかがですか。
○政府委員(松岡亮君) これは御趣旨は私どももよくわかっておるのでございます。十分検討いたしたいと考えておりますが、ただその引き継ぎの方式を今後打ち合わせて行なうことになっておるわけであります。現存共済団体のほうでやっておる仕事を完全にやめて、新しい年度から新規に農協のほうで行なわれるというような形式になりました場合は、そういう問題が出てこないわけでございます。そういうことも今後のそういった両団体の引き継ぎ方式の話し合いにも関係いたしますので、それらを見た上で善処いたしたいと考えております。
○渡辺勘吉君 ではまだ政務次官が見えないようでありますから、共済目的の拡充の対象の一つである菜種についてお伺いをいたしたいと思います。きのうも若干触れましたように、菜種は年々作付反別が減少傾向をたどっております。三十七年は前年に比べてその作付面積が二万町歩以上も減少して、十七万町歩に減少を来たしております。三十二年の二十六万町歩に比べると、約十万町歩に近い大作付の減少を来たしております。これについて統計調査部の昨年の発表した報告によりますと、まず第一は作付時の苗不足が第一の理由として上げられる、第二の理由としては、菜種の価格が安過ぎるからであるということを、作付減少の理由に取り上げております。今度異常な長雨によりまして、裏作の王座を占める菜種も御多聞に漏れず非常な想像を絶する被害をこうむっております。私たち現地調査班の見ただけでも、九州全地域にわたってこの菜種の収穫、その被害率は九〇%をこえる想像以上の被害でございます。そこで、私はきょうはこの共済目的に菜種を選択的拡大と称する果実を中心として入れることについて政務次官から伺う前に、この菜種の値段が安過ぎるということについて、この天災法には直接の関連はございませんが、あらためて別な機会に伺うといたしましても、きょうお伺いいたしたいのは、この月の末に政府は菜種の基準価格を告示しなければならないという法律の規定がございますので、その前に意見を申し上げ、政府の見解をただす必要から、十分か二十分の間ひとつ総務部長にお尋ねいたしたいのであります。昨年私は、この菜種の基準価格を中心として四回にわたってこの委員会で政府のその告示した価格の矛盾を追及いたしました。それに対しては、何ら納得を得る答弁はついに得られなかったのであります。それは昭和三十七年産の菜種の基準価格は、依然としてこの従来の法律が設定されたときと同じように三千百八十円というもので基準価格が据え置かれている現状でございます。この基準価格を算定する政府の算式は、三十一年−三十三年の貿易自由化以前の年次を基礎年次として、その後の農業パリティ指数を乗じた価格をもって告示をするならばまだしもであったのであります。しかし、この法律はすでに御承知のように菜種の生産費等生産事情を考慮するとありますので、昨年この政府がみずから調査をされた菜種の生産費自体から見ますならば、三十六年の菜種の生産費は、三千七百八十一円というものが統計の上で示されている。したがって少なくとも三千七百八十一円以上というものを生産者は当然期待しておったのであったのであります。しかるに不法にもそうした法律の規定するところを無視して、従来と同じように三千百八十円にこれを据え置いて告示した、法律でうたっているように、その指定する団体に相談することもなかった、告示をする直前に形式的に譜面で諮問をし、答弁を求めている、ときすでに政府では告示価格の腹がきまっておった。そういう経過がありますので、六月末に告示をするにあたって前もってきょうは、お伺いをいたしたいのであります。ことしはただいま申し上げましたように、菜種の生産は想像以上の減収であります、したがってこの際は、この法律に規定する計算によって算出した価格をもって告示をされることは当然だと思うのでありますが、まずその全体的な告示に際してのかまえ方をお伺いいたしたいと思います。
○説明員(筒井敬一君) 御存じのように、大豆なたね交付金暫定措置法によりまして基準価格をきめるわけでございますが、御承知のように、基準価格は、政令で定める一定期間の、今お話しのように、三十一年から三十三年の菜種生産者の販売価格に農業パリティ指数を乗じた金額、それと生産事情その他経済事情を参酌してきめる、こういうように規定されております。したがいまして本年もこの政令の趣旨にのっとりまして、またお話しのように生産者団体の意見を聞くことにもなっておりますので、そういう意見も今までもいろいろ聞いて参ったわけでございますが、今後も聞いて参って最終的にきめる、こういうつもりでございます。
○渡辺勘吉君 今までに、ことしの告示をするにあたって、生産者団体の意見は聞いておられますか、どうですか。
○説明員(筒井敬一君) 今まで、これは何といいますか、意見を聞くから来てもらいたい、こういう形ではございませんけれども、互いにいろいろと連絡する機会もございますので、その間におきまして全販連等からは意見を聞いております。
○渡辺勘吉君 ただいまの御答弁は、事務当局同士の話であり、なお事務当局としてはこの基準価格の諮問という形で受け取っておるのではないという前提で御相談をしておったはずであります。したがって、正式に早く政府のその相談する態度を決定して、相談をするという、法律に定められた事項を十分尊重していただきたいのであります。従来も生産者団体の意向を聞くという法律に従って聞いておるとおっしゃいましたけれども、昨年明らかにしたところによりますと全然聞いていないで、七月一日に遡及した日付でそれを相談する形をとっておる。こういうふうに法律を死文化したのでは、いかにこの国会で法律の審議にその内容をただしても、もぬけのからになったのでは、これは全く法律が無視された結果になるわけでありますので、今米審の麦価がきょうまであるわけでありますから、これから少なくとも明日あたりから正式にひとつそれらの意見を聞いていただきたい。私はその諮問の経過をふまえて、総務部長にはっきりとお尋ねをいたしたいのは、昨年のようないろいろの指示価格を引き下げるためにと思われるような意図的な要素を幾つも使ったケースを採用しても、ことしはかなり大幅の引き上げが指数の上では出てくる。そこでことしはそういうあまり筋にも何にもならない、国会で質問してもまともに答弁もできないような、そういうごまかしの算定方式はおやめになって、ただ一筋に政府できめたとおりに基準年に対するその後のパリティの上昇率をまず第一に告示価格の第一の要素にする。第二は、生産費と生産事情を考慮するといいますから、その生産費を十分にひとつしんしゃくをする。この二つを取り上げただけで、三十八年五月の農業パリティ指数は、まだ私はつかんでおりませんので、この三十八年の五月パリティを使って、三十一年六月から三十四年五月までの農業パリティ指数でこれを割って、基準年価格にこれを乗じますならば、おそらくこの菜種三等では六十キログラムあたり包装こみでは三千八百円近いものが試算されると考えるのでありますが、これと生産費の三千七百余円というものとを勘案して、そういう当然法律の適正なる運用によって算出されるであろう価格を、生産者は期待しておるということを申し上げて、その点についての総務部長のこれに対する考え方というものをお伺いをいたしておきたいと思います。
○説明員(筒井敬一君) 今お話のように、三十一年と三十三年の間の価格にパリティ指数をかけますと、先生お話のように、三千七百数十円というようになろうかと思います。でございますけれども、あるいはまた生産質も先生のおっしゃるような形の数字が統計調査部から出されております。しかし、この交付金法の趣旨というものをいろいろと検討いたしていかなければならないのじゃないかと思うわけでございまして、申すまでもなく大豆の自由化に伴いまして、その以前の状態とその後の状態が農家において非常な衝撃を与えることを避けたいという趣旨でこの暫定措置法が出たわけでございますが、同時にまた国際競争力と申しますか、外国の大豆に対抗いたしますことができるように、その方向に農家の御努力を期待するという趣旨であろうかと存じます。そういうことでございますので、まだ政府といたしましては、どういう形で決定するかということはきめておりませんけれども、法律の趣旨を尊重して検討して参りたいと、かように考えております。
○渡辺勘吉君 菜種でこれ以上もう時間をとることを避けますので、最後に一つだけ申し上げますと、政府みずからが設置しておる統計調査部の広報にもありますように、菜種の減産というものの理由の大きな柱は、菜種の値段が低過ぎるというところにある、政府みずからが客観的な統計の上に立ってそういうことを発表しておる。年々この作付が低下しておる、その低下した作付がしからば裏作に転換されておるかということになると、これは地域によっていろいろ相違はございます。あるいは可能な地帯においては二条大麦の栽培に切りかえておるところもございましょうが、しかしこの減反したかなりの部分が作付放棄をしておるということが、統計の上に出ておるのであります。私はそういう農業が荒廃するような政策は、その理由の一つに価格のあまりの低さにあるということを指摘せざるを得ない、政府みずからがそれを公表しておる。したがって、今度のこの告示には全国的に見ても非常に作況指数が低下をしておる実態にかんがみまして、その作付に対する生産意欲を振起するためにも、不当な価格をどうこうするのではございません、法律で規定するものに準拠してこれを計上し、あくまでも筋の通った価格でこれを告示してほしいということで、これを強く要請しておきます。きょうは米審等の都合で食糧庁長官も向こうにおられますので、このことを、この委員会で強く発言があったことをふまえて、次の機会にまたもっと具体的に計数を通じて納得のいく御答弁を期待して、この菜種についての質問は終わります。 それからさかのぼって農災法についてでありますが、いろいろまだ御質問を申し上げたい問題はございますが、大なり小なりあるいはその深さの度合いは別として、共通に触れられた点もありますので、私もこの農災法についての質問は打ち切りたいと思います。 最後に政府にお尋ねをいたしたいのは、昨日伺いました農業が新しい情勢の中にすでに大きく踏み出しておる現状でありますので、そういう農業の近代化、新しい方向に進みつつある情勢に対処して、また政府が制定した農業基本法のその趣旨にも体して共済制度というものを拡充していかなければならない。すでにして今度の改正にはそれが盛り込まれなければならないはずでありまして、かつて四、五年前でありますか、福田さんが農林大臣をしたときに、果樹共済については、早急にその検討を経て制度として取り上げるようにしたいということが四、五年前の国会でも答弁になっておる。それから四、五年を経過し、選択的拡大と称されるこれらの果樹共済あるいは家畜共済あるいは今取り上げた菜種なりその他の主要畑作農業、こういうものの共済制度を拡充を内容としない法律改正は、その抜本改正でない大きな問題点であるわけできわめて遺憾でありますが、しかし、今それを申し上げたところで何ともならない。もうすでにそれは法律の対象になっていない、経過を聞くと、まだ研究が微々たる研究の経過をとげておる状態であります。こういうことでは、この共済制度に対する全体の政府の積極的な気がまえが乏しいというふうに受け取らざるを得ない。きのうも前向きか、うしろ向きかということがございましたが、私は、真剣にこの共済制度を拡充していくためには、これらの問題点をすみやかに調査研究の段階から実施の段階に移してこないと、農家はその作物に取っ組む意欲が減退しつつある現状でありますので、昨日は一体こういう新しい情勢に即応して共済制度を拡充するというそのめどは、一体どこに置いてお考えになっておるのかということを明確にお答えを願いたいという御質問を申し上げたのでありますが、きょうは最終質問としてその点についてのお答えを伺いたいと思います。
○政府委員(大谷贇雄君) 渡辺委員から御質疑の、ただいまの果樹共済の問題につきましては、本年度から主要果実の生産地域につきまして、三年間の予定で試験調査を行なうことといたしておりますが、この調査の完了後におきまして、要すれば所要の立法措置を講じたいと、かように思っておりますが、できるだけ早くいたしたい、かように存じておる次第でございます。 なおまた、この畑作物の共済につきましても、過去数年間にわたりまして、主として北海道において調査を行なっておるのでございますが、現在のところでは、作付及び収量の変動が著しいために、制度の適用対象とすることが非常に困難のようでございますが、今後、技術的可否につきまして、さらに調査検討を進めて参りたい、かように存じておる次第でございます。
○委員長(櫻井志郎君) 他に御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(櫻井志郎君) 御異議ないものと認めます。よって質疑は終了いたしました。 —————————————
○委員長(櫻井志郎君) 委員の異動について御報告いたします。 ただいま堀本宜実君が辞任され、その補欠として坪山徳弥君が委員に選任されました。 —————————————
○委員長(櫻井志郎君) これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。なお、修正意見のある方は、討論中にお述べを願います。
○渡辺勘吉君 私は日本社会党を代表して、政府提案の農業災害補償法の一部を改正する法律案に対する反対の討論をなさんとするものであります。 この反対の理由は、当委員会において各般の事項について問題点を指摘して政府にその見解をただしたのでありますが、遺憾ながらその意見については、十分納得する理由を見出すことに困難を感じたのであります。特にこの農業災害補償法の改正に対しては、数年の懸案であり、その大きな目標というものは、幾多の内部矛盾を包含しておる既存のこの制度に対する抜本的改正にあったはずであります。しかるに、その提案された法案を見まするに、何ら抜本的な施策に一貫性がなく、部分的には確かに一歩、二歩前進しておる項目もありますけれども、総体を通じて、いかにこれをひいき目に見ても、抜本的改正の大筋につながる改正とは言いがたいのであります。特に本日農林大臣にただしました機構の簡素化、これも観念的な問題点ではなしに、その包蔵する内部矛盾が現行機構の仕組みの上にもあることを指摘したのでありますが、それも何ら改正の中には取り上げられておらない。また、あるべき方向としては、従来の一筆建から農単建にこれを切りかえるべきものが、従来の戦前の思想を温存したまま一筆建を踏襲するというがごときに至っては、遺憾ながら抜本的改正とは認めがたいのであります。 さらにこれを百歩譲って、今提案されている諸項目に限ってこれを見ましても、以上述べますように、その改正の内容はきわめて遺憾な点に満ちておるわけであります。まず機構についてでありますが、その機構を運営するための組合等の事務費はこれは全額国庫負担としなければ、その安定した運営は行ないがたき事態でありますのに、これも善処が約束されるのみで、確たる見通しがつきかねる。また、この仕事を運営するために内部態勢を確立するために、末端の農業共済組合には、参事及び会計の制度を設けるということも、これは明文化をすべきであると思うのであります。なお、従来たどってきた方向としては、市町村公営化が大きなテンポでこれが移動されつつあります。政府の発表した資料によりましても、本年五月一日には、全国ですでに六百をこす町村がこれを公営する段階に入っております。政府は、この措置に対して消極的な態度を表明されましたが、政府のその態度の消極的であるといかんとを問わず、今後の方向は、好むと好まざるとにかかわらず、かなりのテンポをもってこの公営化が促進することは、これは火を見るよりも明らかであります。こういう事態に対処する政府の態度は、きわめて微温的であると言わざるを得ない。 第二点は、共済事業の一部廃止と再開でございます。これも先ほどの質問で申し上げたことでありますが、共済事業の一部廃止については、その共済目的の種類ごとにそれぞれ共済関係の成立している組合員等の三分の二以上の同意がある場合にできるようにすべきであり、また、この廃止した事業の再開は、その地域内の加入資格者の三分の二以上の同意がある場合に限ってできるようにすることが適正であると考えるのであります。これはまた、現在いまだ撤回されない、解散に対する次官通達、こういう非常に前近代的な措置に対しても、これは当然これらの内容に原案が修正さるべきものであると思いますが、これが原案としてあくまでも変更の意思がなかったのであります。 第三点は、無事戻しのための準備金の積み立てについてであります。組合等は、剰余金を生じたときは、責任準備金及び不足金の填補のための準備金の積み立てのほか、無事戻しのための準備金の積み立てをすることとするという明確なる規定をすべきであります。 第四点は、共済責任と保険責任についてでありますが、第一点は、組合等と組合員等との間に農作物共済についての共済関係が成立したときは、農作物共済にかかわる共済責任のうち通常災害被害率に対応する部分を組合等に留保し、異常災害被害率に対応する部分は政府の保険に付されたものとするという規定が必要でございましょう。第二点は、組合等は留保した共済責任のうち百分の三十の範囲内で農業共済組合連合会と組合等とが協議して定める割合のものを同連合会の保険に付することができることとするという規定が必要であります。 第五点は、共済掛金率の変更に伴う補助金についてであります。農作物共済にかかわる共済掛金率の変更に伴う補助金の交付については、附則第十条に規定されますように、政府は「当分の間」という表現を使っておりますが、先ほどの大臣の答弁によっても一応その「当分」は法律の存続する時点はいつでも当分である。したがってこれは永久的な解釈であるという質問に対するやや肯定的な回答ではございますが、そういう解釈がいかようにもできるように、また大臣が最後に答弁する前の経過的な答弁における政府委員の答弁にうかがいましても、きわめてこれは限られた運用をなされる危険性が、その経過の質問においても明らかでありますので、こうしたような「当分の間」という限定をつけることなく、これを削除して義務的なものとする必要があると考えられるのであります。 最後に農業共済基金法の改正でございます。組合等が農作物共済にかかわる共済金の支払いに不足を生じた場合の措置として、農業共済組合基金の組合等に対する融資及び債務保証の道を開く必要があるわけであります。 以上をお手元に差し上げました農業災害補償法の一部を改正する法律案に対する修正案として、以下これを朗読いたすことにして、朗読を省略して、速記録にこれを記載してもらいます。この修正案をもって、この反対討論をわが日本社会党の態度として反対の討論を終わります。
○委員長(櫻井志郎君) ただいまの修正案は、予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三により、内閣に対し意見を述べる機会を与えねばなりません。よってただいまの修正案に対し内閣から意見を聴取いたします。
○政府委員(大谷贇雄君) 修正の各事項は、農業災害補償制度の根幹に触れる事項でありまするし、また予算の大幅な増額を必要といたしまする事項でもあり、または必ずしも法律の規定を必要としない事項でありまして、いずれも慎重に検討を要しまするので、にわかに修正には賛成しがたいのでございます。
○森八三一君 私はただいま議題になっておりまする農業災害補償法の一部を改正する法律案に対しまして、政府提案殿議院送付の案に対しまして賛成の意見を述べ、ただいま討論中にありました渡辺委員提案の修正案に反対の意見を表明する次第であります。 非常に劣悪な、肥料を初めとして、たくさんの資材、労働力、あるいは資本、装備の点におきましてもきわめて困難な情勢の中に立って、食糧を初めとして農産物の生産維持増大のために営々として努力を払って参りました農民諸君の功績は、高く評価されなきやならぬと思います。そういうような血の出るような努力がありましたからこそ戦後わずかに十数年、きわめて短かい歳月にして今日の経済の成長をみた、わが国の興隆をなし得たものと思うのでありまして、まさに根底は農民諸君の努力の集積であると思います。ことに避けようとしても避けることのできない不可避的な天災にさらされながらやって参りましたそのことは、私ども心から感激と感謝をもって迎えなきゃならぬと思うのであります。これがために農業災害補償制度が果たして参りました功績は、また非常に大きなものがあったと思うのであります。かく考えて参りますと、農業災害補償法は直接する農民諸君の立場から見ますれば、非常に喜ぶべき、歓迎されなければならぬはずのものでございまするにかかわらず、本制度に対して非常に多くの農民諸君から忌避されておるというような事実を見ますることは、非常に遺憾千万なことであります。全国各地に解散の決議が行なわれておりまする事実は、諸般の情勢を雄弁に物語っておるものと思われるのであります。そういうような実態にかんがみまして、さきに衆議院におきましても、本院におきましても、農業生産の実態、さらに直接する農民諸君の希望等を十分いれまして、抜本的な改正を行なうべしというような決議をいたしまして、政府に善処を求めて参ったところであります。政府当局におきましては、それらの両院の意思を体されまして各般の調査、研究をなされまして、その間には制度改正に関する協議会の設置等も行なわれまして格別の努力を払われまして、ようやく取りまとめて提案されましたものが今回の改正案であると思います。そういうようないきさつ等から考えますれば、必ずしも私どもの考えました抜本的なということに十分値しておるものとは認めがたい点が多々あるのでありますが、残されておる問題につきまして委員会の質疑を通じましていろいろただしたところによりますると、必ずしも怠っておったということではなくて、まだ調査の段階、研究の過程にあるというようなことも明らかになっておるように存じまする次第でありまして、おそらく近い機会にそれらの問題を含めてさらに整理、改善が行なわれることを期待し得る情勢に私は看得し得たのであります。 今回の改正は、まさに現行法から考えますれば一歩前進ということでもございますので、本年の長雨等の問題等を考えますると、一刻も早くそれが十全のものではないといたしましても、前進をせしむべきであるという感じに立ちますので、私は賛意を表する次第であります。が、しかしいまだ十全でないということと、同時にまた、この改正案を実施いたしまする段階におきましても、さらに政府が十分注意をいたしまして善処をされねばならぬ案件が存在をいたします。特に、この法律の施行の段階をめぐりまして非常に残念なことではありまするが、同じ農家を対象といたしましていろいろ団体間に摩擦、紛争の起きておる事実がございます。そういうような忌まわしい問題は早急に解決すべきことであり、政府も誠意をもって指導に当たってもらわなければならぬことである。その点につきましては、委員会の質疑を通じまして、大臣からも抽象的ではありまするが、方向としては明確にお答えもあったことであり、さらにまた、年々歳々この事業の運営を通しまして、きわめて遺憾千万ではありまするが、不当不正な事件等も存在をいたしております。これらの問題は、今日を期して絶滅すべきは当然のことでございますので、それらの問題は早急に本法律の実施を控えまして、政府の対処されなければならない重要問題でもあろうと思います。 でありますので、私は賛意を表しまするにつきまして、以下申し上げまする附帯決議を提案をいたしたいと存じます。まず、附帯決議案を朗読いたします。 以上でございますが、この各項につきましては、すでに質疑を通じましてそれぞれ明らかになったことでございますので、ここではさらにその理由を詳細に申し上げますることは省略をいたします。 以上をもちまして私の討論を終わります。
○仲原善一君 私は自由民主党を代表して、ただいま議題となっております農業災害補償法の一部を改正する法律案について、内閣提出の原案に賛成し、日本社会党提出の修正案に反対するものであります。 以下その理由を簡単に御説明申し上げます。 現行農業災害補償制度は、創設以来すでに十数年を経過し、その間農業災害対策として重要な役割を果たし、農業経営の安定のために貢献して参りましたことは、御承知のとおりでございます。現に今次の長雨等による農作物の被害に対しましても、農業共済金の早期仮払いが強く要請されていますが、この一事をもっていたしましても、この制度に寄せられる期待がいかに大きいかをうかがい知ることができると思うのであります。 しかしながら、近時農業事情の推移と農業災害の態様の変化に伴って、現行制度が実態に適合しない面が現われて参りまして、各方面からその改正が要望されるに至りました。このことももっとものことでありまして、政府におきましては、これら要望にこたえるため、さきに農林省内に学識経験者をもって制度改正のための協議会を設けるなど、鋭意その改正について検討を加え、すでに三十八回通常国会において改正法案を提出したのでありますが成立に至らず、その後も引き続き改正の努力が払われてきておるのでありますが、いまだ実現するに至らないまま今日に及んでおりました。 この際、多年にわたる制度改正の要望にこたえるため、これまでの改正案に関する国会における審査の経緯や最近の実情を勘案し、慎重な検討の結果、第四十回国会における衆議院修正後の案を基礎といたしまして、重ねて今国会に改正法律案を提出するに至ったのであります。 この改正法律案のおもな内容は、問題の多い農作物共済を中心として農業共済組合等の農作物共済の共済責任の拡充、農作物及び蚕繭共済について画一的強制方式の緩和、農作物共済の損害補てん内容の充実、農作物共済の共済掛金率の設定と共済掛金の国庫負担方式の合理化、今回の改正により自己負担が増加した組合等に対し、その増加分に対する補助金の交付、水稲の病虫害の共済事故からの除外とその掛金の割引、この割引によって不要となった国庫負担額のうち割引された農家負担の減額分に見合う病虫害防除事業費の補助、その他任意共済について共済組合連合会はその手持ち責任を全国共済農業協同組合連合会の共済に付することができる道を開き、かねて懸案であった建物共済について共済団体と農協系統両団体間の事業分野の調整を促すこととした等であります。これらの改正によって、従来問題とされておりました農家の負担に比べて、いわゆる掛捨てが多いこと、共済掛金率が被害の実態に即応していないこと、防除態勢の整備された病虫害を共済事故とすることは適当でないこと、共済金の支払い額が損害に比べて少ないこと、無事戻し制度の実効が上がっていないこと等々に対する農家の不満は、おおむね解消されるものと考えます。この改正は、したがって当を得て前進したものと認め、また全国農家の要望にこたえたものとして政府の原案に賛成するものであります。 以上述べました理由によって、現段階におきましては、政府の原案が適当であると認められますので、これを改変しようとする日本社会党の修正案には、遺憾ながら賛成しがたいものであります。 なおこの法律案が成立の上は、政府において改正後の制度の実施に万全を期し、かつ今後も制度の改正について政府の不断の努力を促すため、先刻話し合いの結果によって森委員が代表して提案されました附帯決議案についても賛成するものであります。 以上をもって私の討論を終わります。
○北條雋八君 私は公明会を代表いたしまして、政府提出の農業災害補償法の一部を改正する法律案に対し、賛成の討論をするものでございます。 農業災害補償法は、昭和二十二年に制定せられまして、その後たびたび改正が行なわれておりますけれども、いつも当座しのぎの現状維持的な消極的な改正にとどまっておりまして、農民が安心と満足できる改正が行なわれずに今日に至っておるのであります。御承知のとおり、今や日本農業は国民経済の成長と科学技術の進歩によりまして本補償法が制定せられました当時の水稲中心の農業より、近代化農業に移行しつつあるのであります。特に一昨年農業基本法が制定せられまして、農業構造の改善あるいは選択的拡大が叫ばれておりまするこの際に、抜本的の改正のできなかったことは、まことに遺憾でありますけれども、農家の多年の期待しております希望の一部でもなるべくすみやかにこれを実現させたいという意味から、先ほど森委員より提案がありました附帯決議をすみやかに政府において実現をされるという希望を強く申し述べまして、本案に賛成するものでございます。
○天田勝正君 民社党は森委員提出にかかる附帯決議を付することを条件にして原案に賛成をいたします。すでに各位からそれぞれ意見が述べられましたから、ごく簡単にその理由を申し述べたいと存じます。 かつて衆議院におきましてもこの制度の抜本的改正の要望決議案がなされ、またただいまの森委員提出にかかる附帯決議の第一項におきましても、可及的すみやかに抜本的改正を行なうという旨がうたわれております。その抜本的改正の方向は、何といいましても農業が自然条件に支配される仕事でありまするために、この自然的災害につきましては、国家補償という形を作らなければ、この問題の解決はないであろうと信ずるのであります。しかし、本委員会における質疑を通じましてもまだ行政府におきまして十分これに移行する資料も整わず、準備もまた不足をいたしておると判断をせざるを得ません。そうでありまするならば、次善策を選ぶほかはないのでありまして、そこですでに衆議院におきましても四十国会において各党一致の案が作られ、それが一度可決されたことがあり、それに基づいて今回の政府案が作られたのでありまするから、一応現段階におきまする改正としてはまあまあというところであろうと存じます。そこで今回の、特に私の質疑を通じて政府側におかれましても、農業基本法の示す選択的拡大の対象たる成長農産物については、一向今日まで政府側においてこれを共済対象にする奨励をなされておりませんでありましたけれども、地方農政局等の発足に伴いまして、新しくきめのこまかい農政を行なうという見地からして、そうした成長農産物の補償の問題についても新しく検討するというお約束がなされました。そういうことからいたしまして、今森委員提出のこの決議が実行に移されるならば百歩進めたものであると考えられますので、一応この附帯決議を付することによって原案に賛成するがしかるべきだと考えまして、以上申し述べた次第であります。
○委員長(櫻井志郎君) 他に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(櫻井志郎君) 御異議ないと認めます。 これより農業災害補償法の一部を改正する法律案について採決に入ります。 まず、討論中にありました渡辺君提出の修正案を問題に供します。 渡辺君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(櫻井志郎君) 少数でございます。よって渡辺君提出の修正案は否決されました。 次に、原案全部を問題に供します。原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(櫻井志郎君) 多数でございます。よって本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、討論中に述べられました森君提出の附帯決議案を議題といたします。森君提出の附帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(櫻井志郎君) 全会一致でございます。よって森君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたします。
○政府委員(大谷贇雄君) ただいま御可決になりました附帯決議に対しましては、質疑の際にお答えを申し上げましたとおり、十分にその趣旨を尊重いたしまして、御趣旨に沿うように努力をいたす所存でございます。
○委員長(櫻井志郎君) なお、諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございいませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(櫻井志郎君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたしました。 本日はこれをもって散会いたします。 午後三時二十一分散会 ————・————