農林水産委員会 第35号
- 発言数
- 64 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1963/06/18
会議録
○委員長(櫻井志郎君) ただいまから委員会を開きます。 委員の異動について御報告いたします。 六月十三日付をもって委員北村暢君が辞任され、その補欠として瀬谷英行君が委員に選任されました。 六月十四日付をもって委員瀬谷英行君が辞任され、その補欠として小宮市太郎君が委員に選任されました。 —————————————
○委員長(櫻井志郎君) これより農業災害補償法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き、質疑を行なうことにいたします。 質疑のおありの方は、御発言願います。
○牛田寛君 これまで各委員の質疑でかなり問題が出尽くしたと思いますが、残されておりますまだ明瞭になっていない点が二、三あると思いますので、その点について伺いたいと思います。 まず初めに、このたびの改正によりまして、今まで県連の責任範囲から市町村段階の組合の責任範囲に大幅に移されたということが、一つの改正案の主要な点であると思いますが、これまでの県連の事業の内容を見てみますると、かなり赤字の県連が多いわけであります。この赤字の原因については、すでに当委員会でも問題になっておりますが、市町村段階の農協に責任分担が大幅に移されましたその結果、ちょうど県連の赤字の原因がそのまま市町村段階の組合に分散される結果になることが起こるのではないか、そういうことも考えられるのであります。そういう立場で、もう一度ひとつこの県連の赤字の原因についてお伺いしたいと思うのであります。
○政府委員(松岡亮君) 大体におきまして、県の連合会に現在ございます赤字は、多くは二十年代に災害が非常に多くございましたので、その当時に不足金が出たわけでございます。申すまでもなく保険収支は、長期の均衡という建前になっておりますので、続いて災害が起きました際には、どうしても不足金が出る。それに対しては現在共済基金から融資を行なっておるわけでございます。その後の情勢は、三十年以降におきましては災害が減って参りまして、昨年からことしにかけては赤字の県が数として減って参っております。そういうことでございますが、また災害が起きると、そこで一時不足金が出るということで、現在まだ相当数が赤字の状態でございます。
○牛田寛君 二十年代にその災害が多発したために、現在の赤字の原因が作られた、そういうお話でございますが、県連の責任は結局通常標準被害率、これで押えられておるわけでございますから、二十年代の異常災害でもそれほどの赤字の原因にならないのではないかと一応考えられるのでありますが、その点はいかがでございますか。
○政府委員(松岡亮君) 通常標準被害率は、通常に限りませんが、異常も含めまして、標準被害率は、過去二十年の被害率を見て、それに安全割増しを加えて出しております。これは二十年間における被害率を平均したものでございますが、ある年次に大災害が起こる、あるいは二、三年続いて相当な災害が起きるということになりますと、二十年間の被害率よりは、一時に急激な大きな災害が、被害が出るわけでございます。その間においては、保険収支上はアンバランスを生ずる、こういう状態になるわけでございます。
○牛田寛君 それはそうなんでしょうが、結局通常災害、標準被害率ですね、それ以上のものは政府の再保険になるわけですね。ですから二十年代に起こった災害が非常に大きな災害だった、その大きな災害によって政府の再保険があるから、県連の段階においては、それほど被害はないじゃないかというふうに一応考えられるのですが、その点についての説明はいかがですか。
○政府委員(松岡亮君) これは再保険をやっておりましても、掛金率が標準被害率から出ております。収入となった掛金に対しまして支払われる共済掛金が一時に多く出る。それは二十年間で収支が合うようになっておるわけでございます。再保険をやりましても、その関係は同じでございます。ただ、危険分散が広く行なわれる、こういうことがあるわけでございます。
○牛田寛君 それで結局今のお話では、掛金の基準が二十年間の標準被害率それよりも若干下に置いておるわけですね。そうですね。そうしますと、災害が集中した場合に、その差だけが赤字として残る、こういうことになる。それが原因となると考えてよろしいわけですか。
○政府委員(松岡亮君) 連合会の収支からいえばそうでございます。なお、今標準被害率より下にきめてあるということをおっしゃいましたが、これは安定割増しを加えておりますから、その被害率よりはやや高目に掛金率がきまっておるのでございます。それで、その安全割増率をもこえて収入に対して支出が非常にふえる場合がある。過去何カ年間か無事故であったり、あるいは災害が少ないときには、それだけ収入が非常に蓄積されまするけれども、それがまだできないときに災害が頻発いたしますと、その分は一時的に赤字を生ずる、こういうことになるわけであります。で、それは国が再保険いたしましても、国の特別会計で全国のプールはいたしますが、県の連合会の収支から見ますと、どうしてもその関係は赤字を生ずる、こういうことになります。
○牛田寛君 そうしますと、県の段階でそういう赤字が出ておる。今いただいております資料の中で、三十六年度末の農業共済組合連合会の事業過不足金表、農作物勘定でいきまして、三十六年度末に赤字の県がだいぶあるわけですが、ただいまお話がありました昭和二十年代に大災害があったことが赤字の原因であるということですが、この表でいきまして、どの県がそういう被害を受けているのですか。
○政府委員(松岡亮君) 大体におきまして西のほうは、マイナスの印がついておるのは、大体三十年以前に赤字になっておるものでございます。北のほう、青森それから東京も出ておりますが、これは額としては少ない額で、特にほかのものと一緒に並べるようなほどのものではございません。大体西のほうに多く出ておりますのは、三十年以前に赤字が出た、こういう連合会が大多数でございます。
○牛田寛君 だいぶ以前から赤字が続いておる。そうしますと、これまでの運営は、結局農災基金からの融資でもって運営されておるんじゃないかと思うのですが、その結果が結局この表で見まして、総事業勘定のこれは大体が支払い不足であるとなっていますが、福岡、宮崎あたりが多い。結局支払い不足に追われて、なかなか赤字が解消できない。そうしますと、今度は改正によりまして、市町村の組合に共済責任が、責任分担が大幅に移された場合に、今度は組合にやはりそういうふうな赤字の組合が現われてくる。その場合に、その赤字の解消なり運営なりを、組合としては今後どういうふうに解決するか、組合の場合には今度基金の融資というような手がない。そうすると、結局その赤字による負担が、共済金の削減というような形になって、結局農家の負担にしわ寄せが起こってくる、そういうふうに当然考えられてくるわけでありますが、それはどういうふうにお考えになっておりますか。
○政府委員(松岡亮君) 今回の改正によりまして、通常部分につきましての組合の責任が拡充されるわけでありますが、異常部分につきましては、これは金額が連合会、国へ再保険せられる、こういうことになるのでございます。で、従来は通常、異常、超異常を通じまして、九割を連合会に上げておったわけであります。一割だけが組合に残っておった、こういうことでございます。今度は通常につきましては責任の二割から五割の範囲内で連合会に付保をいたしますが、その部分だけ責任が拡充される、こういうことになるわけであります。これは従来九割上げておりましたけれども、しかし一割については責任を負う、その一割は異常、超異常まで含めた一割でございます。従来の一割は。したがいまして、いわば異常、超異常も含めて、申しますと、青天井の責任を持っている、一割だけは。ですから非常な大災害になりましても一割だけは責任を負う、こういうことになっておったが、今度は通常部分だけの責任を持ってもらう、それを拡充されるということになりますので、ある意味におきましては、従来よりは責任の性格が変わって参りますと同時に、青天井ということがなくなって参るわけであります。その結果として大災害が起きても、その責任というものは、連合会に付保した部分を除く部分の責任を負う、その部分については逆に従来よりは積立金剰余が出る可能性が多くなるわけでございますから、積立金をやる可能性がふえるわけであります。したがいまして、この両面から言って、従来よりはむしろ組合に赤字が、赤字といいますか、不足金が出る可能性は減ってくる、大いに減るのではないか、こう考えておるのでございますが、まれな例として、一時不足金があって、災害が出た場合払えないという事態が起きましたときには、現在削減規定がありまして、それが働き得るわけでございますけれども、そういう事態はあまり予想されない、こう考えておるのでございます。
○牛田寛君 そこで私ども懸念を持つわけですね、ただいまのお話は、一つの県単位の平均理論です。今度は市町村段階で組合に全部分散します。そうすると、市町村によっていろいろ災害の事情が変わってくると思います。したがって大災害がどかっとくるところもあれば、今度は場所によっては、それほど大きくない、四割とか五割くらいの災害がごくひんぱんに起こる、そういうような地域になりますと、ちょうど標準被害率、それと、それから組合のいわゆる標準掛金率ですね、その差、もちろんそれに安全率が加わっておりましょうけれども、その差にギャップがあるのですね、そのギャップのところが影響しまして、そこでなしくずしに赤字がたまってくるということが十分考えられるわけであります。そうしますと、先ほどお話があったように、県連では赤字が出ても、これは帳面づらで基金のほうから融通してきて回転しておりますから、今お話しのように、約十年近くもの間、あるいは十年以上もの間、赤字のままで今までやってきておられる。ところが、市町村の単位でもって責任分担を移されますと、今度は県連の段階のようなわけにはいかない、今お話があったように、結局はどうしますかというと、削減というような方法があって、それで削減をして、その点を処理していくということになりますと、結局赤字の処理が、今までは基金のほうでもって何とか穴埋めされておったのが、今度は農民のほうにしわ寄せがあるということに、結局今のお話ではなってくるのでございますから、その場合に今度は削減をさせないで、それに対して今度は補てんをしていくというような方法がとられないと、また農民から不平が出てくる場合が当然考えられる。今度の改正においてそこまで農民の利益を守るためにお考えになっておられるかどうか。お考えになっておられないならば、将来そういう問題が出た場合にどういうふうに対処していくか、その点を伺いたいと思います。
○政府委員(松岡亮君) 私どもも御指摘のような事態が絶無であるとは考えていないわけでございます。したがって、やはりその前に連合会への付保の割合は二割から五割ということで主務大臣が定めることにいたしておりまするが、これはその組合の過去の被害率から見まして、被害が割合に頻発するところは五割をやってもらう、そういう可能性の少ないところは、二割くらいやってもらうというように定めて参りたい、こういうふうにいたしておりますので、その面からもだいぶ緩和できると考えておるのであります。それと通常、相互保険の場合におきましては、削減の規定があるのが普通でございます。相互保険の建前からして、末端は共済ということで一種の相互保険になっております。やはり削減という制度は生かしたほうがよろしいと考えておるのでございますけれども、しかし御指摘の点は、確かに問題があるわけでございます。いずれがいいかということは、今後の推移もよく見きわめましてやりたいと考えておりますけれども、検討すべき問題であると考えております。
○牛田寛君 この点については、今後十分農民の負担を大きくしないように慎重な処置をとっていただきたいと思います。 次に、お伺いいたしたいのは、事務費に充当されます賦課金の問題であります。ある組合の区域の掛金及び賦課金の実例を拝見いたしますると、農家の掛金が、実例でありますが、共済掛金が百四十円、それに対して賦課金が八十五円、合計二百二十五円、二百二十五円の中で八十五円を賦課金、事務費としてとられてしまう、共済掛金が百四十円、掛金に対して六割が賦課金、そういうふうに賦課金が非常に額が多い。これは農民にやはり共済金の負担の大きいという感じを持たせる原因ではないか。いただいた資料をずっと拝見しますと、国庫負担の事務費ですね、この割合いが農家負担の事務費に対して非常に少ないのではないかという感じを受けるのですけれども、農災法の十四条では事務費の国庫負担が規定されているわけでありまするが、国庫負担の割合、これをどの程度に持っていかれることが理想であるか、その点についてどのような方針を今までおとりになっていたかをまず伺っておきたいと思います。
○政府委員(松岡亮君) これは何割を負担するとか、何分の幾つを負担するということを、従来きめないでおるということでございますが、できるだけ国庫負担を充実しまして、農家負担をふやさないように努めておるのでございます。お配りいたしました資料でもごらんいただけるわけでございますが、三十年を一〇〇といたしまして、事務費の総額が三十七年度が一五〇、五割ふえております。これに対しまして賦課金のほうは一〇三%、三%六だけふえているのでございます。逆に国庫負担のほうは一七〇、七割増額をいたしております。特にこの二、三年の増額は著しいものがあるわけでございまして、従来国庫負担と農家負担との関係は、農家負担のほうが多かったのでありますが、最近では逆転いたしまして、国庫負担のほうが多くなっております。農家の負担する実際の金額も、平均いたしましてやや下がりぎみ、大体横ばいとなっておるのでございます。国庫負担は、年々かなり顕著に増額されているわけでございます。
○牛田寛君 できるだけ事務費の国庫負担を行なうということでありますが、できるだけというようなあいまいな表現では、これは法律にもありますように、予算の範囲内でとありますから、できるだけではどれだけ予算をとるかということについてのはっきりした基本が出てこない。ただいま申し上げましたように、現実に農家の負担分が大きいわけであります。今国庫負担が七割、農家負担が三割とおっしゃいますが、三十六年度の専務費の資料を拝見しますと、国庫負担が三十七億六千万円、農家負担が四十億、大体四九対五一、国庫負担が四九%、農家負担が五一%、こういう数字になっております。これを今度共済掛金のほうを比べてみますと、それが私は問題だと思うが、農家負担のほうは、共済掛金の総額に対して事務費は五二・五%。それに対して国庫負担のほうの共済掛金に対する事務費の国庫負担分が三九%これを今度は少しさかのぼってみますると、昭和二十七年を見てみますと、農家の負担分事務費が掛金に対して掛金の三八%、国庫負担分は掛金の三四%大体三割から四割、変わりがない。ところがだんだんこれが最近になりますと、国庫負担分の掛金に対して事務費のほうは国庫負担分は少なくなる。それに対して、農家の負担の掛金に対して、農家負担の賦課命はだんだん率が上がってきている。そういう傾向が出ております。国庫負担分の事務費の総額が少ないものだから伸び率は大きい。また災害等の多発のためにあるいはこの国庫負担分の掛金が多くなるということで、伸び率はよくなっているかもしれませんが、いわゆる掛金に対する事務費の割合というものは、農家負担分についてはだんだん増大してきているというふうに私ども見ております。それは結局農家の不平の原因なんです。だからこの割合を減らしていく、掛金に対する事務費の割合を減らしていく、これを大体どの程度の割合まで減らせるように、この国庫負担分を総額をきめなきゃならぬという基準において予算措置もとられておるということがなければ、ただできるだけ国庫負担をいたします、あるいはできるだけその予算をふやしますということでは、農家の不平を、不満を解決することはできないのではないかというふうに考える。まずこれに対する御答弁を伺いたい。
○政府委員(松岡亮君) 今、掛金負担と賦課金負担との割合でのお話でございますが、一つには実は被害率が漸次低下の傾向にございますので、料率がやや低下しつつあるわけでございます。特に水稲なんかではそれが目立っておるのであります。したがって掛金と賦課金の関係は、率としては農家負担が大きくなるような傾向が出ております。実額ではむしろふえていないのでございます。それから国の負担はいま三十六年をひかれたわけでございますが、三十六年においては、まだ農家負担のほうはやや多かったのでございますけれども、三十七年はこれが逆転いたしまして、国庫負担のほうが五一%で四十一億七千万円、それから農家負担が四九%で四十億円、こうなっておるのであります。三十八年度はさらにその関係は変わってきておりまして、国庫負担は四十九億くらい、約五十億になっておりますが、おそらく農家負担はふえないと考えているのでございます。そういたしますと、この関係はますます国庫負担が大きくなってきている、こう申し上げてよろしいと考えます。で、それならばどういう考え方で国庫負担をするかということでございますが、これは政令で人件費その他特定の事務費を負担するということを、法律に基づいて定めておるわけでございまして、それについて国が負担していく、それをできるだけ充実するということでやっておるわけでありまして、まあわれわれといたしましては、これは最も大きなものは人件費でございますから、人件費については、今ベース・アップはもちろんでございますが、公務員と同じベース・アップの率を適用し、そのほかにできるだけ差を縮めるように具体的にどの費目を新しく負担するというように一つ一つ解決をはかっているわけであります。
○牛田寛君 この問題は、基本的には農業共済制度の根本問題につながるのですが、事務費のようなものは、ことに補償という面から考えますと、これは全額国庫負担すべき性質のものではないか。ところがそのような基本的な方針というものがはっきりしておらないために、ただ漫然と次第に負担分をふやしていく、次第に改善されているというような形になっております。国庫負担分がふえてくるのは、当然のことでありますが、現実においてはやはり農家負担分について掛金の半分なり、あるいは半分以上、あるいは四割、その程度のかなり割合としては高い割合の事務費が賦課される、これは国庫負担分が多くなったとは言われますけれども、なおかつ農家負担分の割合が大きいということは、これはやはり考えなければならない問題だと思います。今後この基本的な立場から、事務費は全額国庫負担にするというような方向を検討なさる御用意があるかどうか、この点についてお伺いいたします。
○政府委員(松岡亮君) 先般来申し上げておりますように連合会、組合には、固有の自主的な財源がございます。それはもちろん事務費に充てられる性質のものでございます。それとこの連合会、組合の組織は行政組織とは違いまして、やはり団体の自主的運営という形で営まれておるわけであります。それから給与ベース等についても、自主的に決定するということで運営されて参っております。そういうことも考え合わせますと、全額国庫負担するということは、必ずしも私どもはとり得ないのでございます。逆に農家負担を増加しない、できるだけ農家負担を軽減するという方向で、国庫負担し得る性格の費用についてはできるだけしていく、こういうように考えておるわけでございます。
○牛田寛君 いろいろこまかい問題はあるわけでありますが、結局この農業共済制度は、出発はいろいろと伺っておりますが、結局農家の個人々々を助けるという精神から出たものである、こう説明されておりますが、それが結局は国家の補償という問題が入ってくるわけで、今のような形をとったと思うのです。現在の段階では、むしろ国家補償という意味が非常に強いのではないか。特に農業というものの国家経済の立場から考えましても、当然国家補償ということが基本的には考えられなければならない、これは言うまでもことであります。この点についていわゆる農業の近代化ということも叫ばれておりますし、当然しなければならない現在の段階においては、今までのような、あるいは共済制度が発足した当時のような単なる助け合いというような考え方でなしに、むしろ国庫の補償という面を考えなければならない。それからもう一つは、保険というような、二つの割り切った考え方が基本的に検討されなければならないと、こう考えられるわけであります。農業全体の問題が今基本的に再検討され、また新しい一つの経済のあり方が基本となって農政の問題が新しく出発しております現在においても、やはりこの農業共済制度を基本的に検討されなければならないのではないか、こういうふうに考えるわけです。そういう立場から今度の改正案がかなり根本的な改正であるといわれておりますけれども、そうは私ども思えない。今後共済制度を今私が申し上げましたような観点から根本的に検討し直す、そういうお考えをお持ちだろうか、これをお伺いいたします。
○政府委員(松岡亮君) 現在におきましては、いわゆる保険方式で、ただその保険方式をとります際にも、掛金については三分の二近くを国庫が負担して国の負担が大きい。それから事務費につきましても、最近ではすでに国の負担のほうが農家負担よりも大きくなるということで、この制度に対する国の関与は非常に大きなわけでございます。国が負担しておる部分というものは非常に大きいのでございますが、しかし方式としては保険方式をとっておるのでございますが、これは保険方式をとって、農家もやはり備荒貯蓄と申しますか、ある程度は農業の災害というものは、農業の経営の条件として織り込まなきゃならぬ部分がございますが、大きな天災等については別としまして、そういうものに備えるという意味での農家の負担もしてもらって、国は大きな負担をするが、農家も一部負担してもらう。それと損害評価等につきましても、単に補助金の形で配賦するよりは保険で料率をきめると同時に、損害評価のあり方もほんとうに反映されるという方式をとったほうが合理的に、同じ国が負担する金であっても、より合理的に解決、配分されるのではないか。それから補助金のような形になりますと、これを制度として作りましても、そのつど災害が起きた場合に予備費から支出するとか、補正予算を組んで支出するというような形に、現在の財政法等の建前からいいますとなってくる可能性が十分ございます。この方式で参りますと、自動的に、機械的に災害が起きた場合に対策がとれるわけでございます。国の支出も自動的にきまる。こういう農家の側から見た予算も、非常に大きいということ等を考え合わせまして、農林省といたしましては、国庫補償という形をとる考えは、現段階においてはないのでございますが、従来しばしば論議もされ、協議会等においても十分御審議をいただいておりますことでもあり、今後もこの制度の運営なり、あるいは制度の仕組みそのものを考える際には、常にその問題もあわせ考えなければならぬ問題であるということは、十分考えている次第であります。
○牛田寛君 最後にもう一点だけお伺いいたしますが、せんだっての今回の長雨の災害に関連しましての、現在の農作物共済の対象、それ以外の対象も農作物共済の対象に含めてもらいたいという声があちこちで起こっております。今までもたびたび問題になっております雑穀でありますとか、あるいは果樹でありますとか、野菜なんかも含めてもらいたいという声がありますが、これはいろいろ問題があると思いますけれども、これらの共済の対象になる範囲ですね。これを将来広げていくべき問題が多々あるのではないかと思いますが、それについてお伺いしたいと思います。特に雑穀でありますとか、あるいは果樹、菜種、そういうものを共済の対象に加えようとするお考えがあるかないか。これは現在加えるか、加えないかという問題はともかくといたしまして、加えるという方向に検討をお進めになる、そういうお考えをお持ちであるか。私どもはやはり農家の災害を国が補償するという、そういう立場から、できるだけ範囲を広げる方向に努力すべきではないかと思うわけであります。その点についてはいかがですか。
○政府委員(松岡亮君) 御指摘のとおりでございますが、さしあたり問題となりまするのは、果樹共済でございます。これは選択的拡大のいわゆる成長部門、こういっているのでございますけれども、畜産のほうが対象になって、果樹のほうがまだなっていないということで、数年来果樹被害の実態の調査をやりまして、さらにその成果に基づきまして、本年度からは四つの共済方式を考案いたしまして、それを実地に試験してみる、こういう段階まできているのでございます。これで保険として成り立ち、また技術的ないろんな問題が解決できる見通しが立てば、これはできるだけ早い機会に制度として取り上げたい、こう考えているわけでありますが、蔬菜などは今の現状ではなかなか収量変動、作付変動がはなはだしくて、保険の対象にはなりがたいと私どもは考えております。ほかの畑作物でございますが、これは今北海道において、主として畑作物について調査を進めております。数年やっておりまするが、今までの段階では、まだ収量変動がはなはだしく、なかなか保険の対象にはなりがたいというふうなところが見えておりますが、まだ結論を得るに至っておりません。
○牛田寛君 これで終わります。
○委員長(櫻井志郎君) ちょっと速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(櫻井志郎君) 速記つけて。 ここでしばらく休憩し、午後一時再開いたします。 午前十一時五十四分休憩 ————・———— 午後二時十八分開会
○委員長(櫻井志郎君) ただいまから委員会を再開いたします。 午前に引き続き、農業災害補償法の一部を改正する法律案を議題とし、ここで先般、北村委員の御要求によって農林省から提出されました資料について、農林当局から説明を聞くことにいたします。
○政府委員(松岡亮君) それでは、資料について概略御説明申し上げます。 提出しました資料は、部数にいたしまして六部ございます。本日お配りいたしましたのは、第四十三回通常国会農業災害補償法一部改正法律案関係資料(その2)を補足する資料でございます。 最初に衆議院に提出いたしました第四十二回通常国会農業災害補償法一部改正法律案の関係資料につきまして、説明を申し上げます。 これは、参議院要求という標題がついておりません。で、その1から始めますが、三十八年五月という字が入ったものであります。その1というのは、特に「その1」と書いてありませんが、まず一般的事項となっております。一ページから申し上げます。最初は、アメリカその他主要国における共済保険制度の実施状況でございますが、これは概要を申し上げますと、特定の作物の保険としては、ひょう害保険を除いては、ほとんど行なわれていない。それで総合保険といたしましては、ここに名前をあげてありますような、アメリカ、メキシコ、ブラジル、セイロン、コスタリカその他で行なわれておりますが、いずれも国の財政的な背景があって行なわれておる、こういう説明をしておるわけでございます。 二ページ以下は、アメリカとソ連とカナダの作物総合保険のやり方を事項別に表にいたしたものでございます。カナダはちょっとやり方が違って州営でございますが、ソ連は国営、アメリカは公社営、それぞれ対象となる作物、加入の方式、保険の金額等、事項別に若干の差異がございます。それを表にいたしたものでございます。 その次に五ページに移りまして、農業共済団体等の職員の待遇の実情でございますが、まず市町村段階で申し上げますと、この表にございますように、三十六年の実績で申し上げますと、農業共済組合十八万八千円、年額ですが、農業協同組合が十九万五千円、こういう額になっておりますが、その後共済組合につきましては、かなり国庫負担を増加して改善をしておるのでございます。 それから都道府県段階につきましては、ここの実績の欄を見ていただきますと、共済組合連合会が年額三十五万四千円、信連が三十八万九千円、経済連が三十六万四千円、共済農業協同組合連合会が三十五万九千円、この表の下は実績でございますが、上の共済団体のほうは予算でございます。 それから次のページは、農業共済団体役職員の専兼状況及び事務所の概況でございます。これは資料がやや古いのでございますが、三十五年三月末の状態でございます。これをごらんいただきましてもおわかりいただけますが、組合数が当時四千二百二十四でございましたが、そのうち専任の組合長がおりますのは千八百七十四、つまり四四・四%、あとは兼務でございます。農協長の兼務が多くて、そのほか町村長もございますが、かなり兼務しております。こういう状況でございます。 次のページは農業共済組合事務所の概況でございますが、これは三十四年の四月一日現在の調査資料でございます。当時の組合数が四千二百四十七でございますが、そのうち独立した事務所を持っているのは千二十一、約四分の一でございます。あとは役場、農協等の事務所に一緒にしているのが非常に多い、こういう状況でございます。 その次のページに移りまして、審議の基礎及び関連事項、この第一、第二、第三の分け方は、特に足鹿委員の御指定による、そのための資料として調製されておりますので、その点御了承をいただきたいと思います。これは麦の年次別の作付面積を県別に出したものでございますが、当時の足鹿委員の御要求の趣旨は、麦作の減退傾向と共済制度の関係を見たいという御趣旨のようでございます。大体におきまして、小麦を除きまして、減退傾向はかなり目立ってある。一番最初は三麦計で出ておりますが、特に一番下をごらん願いまして、円安が相当目立って減ってきております。こういうことがいえるかと思います。そのあとは、小麦、大麦、裸麦とそれぞれ数字がございますが、小麦を除きまして顕著な減退傾向がある。それは田麦において著しい、こう申し上げていいかと思います。 その次は十二ページでございますが、畜産における多頭羽飼育化の進展と現行家畜共済制度の問題について、これは説明的な資料でございますが、大体におきまして、経営規模が大きくなるに従って、家畜共済に加入する率が低下する傾向がございます。加入困難の理由として、そこに三つばかり大体現状を分析した理由がございますが、一つは、多頭飼育者の場合に、その金頭について家畜共済に加入することは、一時に多額の共済掛金を負担しなければならない。第二としましては、多頭飼育者は、日常頻発する軽微な損害については、これを経営の内部に吸収することが容易である。したがって、その死亡、廃用、疾病、傷害のすべてを総合的に共済しようとする現行制度に対しては、少数飼育者ほど必要性を感じていない。第三に、多頭飼育者は、一般に管理技術等がすぐれている、設備もすぐれている、被害の発生態様も異なるので、少数飼育者と同じ負担では不満が発生しやすい、こういうことが考えられる、こういうことでございます。 以下、加入状況を数字的に資料として出してございますが、十三ページの資料は、これは一部の事例的な調書でございまして、これでもって全体を推すことは困難でございますけれども、大体やはり上層の多頭飼育者にいくほど加入率が低くなる、こういうことがいえるかと思います。 その次に十四ページ、別表一でございますが、これは多頭飼育化の傾向を見たものでございますが、乳牛の場合は最近において目立って平均頭数がふえてきております。ところが役肉牛、馬、綿羊、山羊等は横ばい、豚がこれまた顕著に平均飼育頭数がふえ、鶏もふえていく傾向にある。こういうことでございます。 それからその次は、飼養頭数規模別飼養農家数でございます。これは一九六〇年の農業センサスに基づく資料でございます。一頭飼養、二頭飼養、それぞれの階層別に、その占める割合を示したものでございます。これで見ますと、乳用牛の場合は、一、二頭飼養が非常に多いということでございます。 その次は、肉豚共済事業の現状、これは任意共済事業として行なわれるものでございますが、これを行なっている県は、下のほうに出ておりますように、鹿児島以下七県でございます。実際には、あまり、これは行なわれておりませんので、その次のページにございますように、加入頭数が、合計しまして、四万五千九百二十八頭でございますが、そのうちの四万頭は鹿児島県で加入しておるものでございます。共済金が、どうも少なくなっておる、こういう状況でございます。 その次に、十八ページ、果樹共済についてでございますが、これは、もう、しばしばこの委員会で、その経緯を御説明いたしましたので、簡単に申し上げますが、過去数年間、被害の実態調査を行なって参りましたが、その結果を検討いたしまして、さらに応用試験研究費などを使いまして、保険制度の基礎的な問題を検討する、そういう対策もとって参ったわけでありますが、昨年の秋に、果樹共済制度化準備検討会というのを作りまして、今まで調査研究いたしましたものを整理いたしまして、本年から、四つの方式によりまする試験、調査を始めたのでございます。二十二ページに、「果樹共済試験調査実施要領要旨」というのがございますが、これが、本年から始めます実施試験の様式でございます。それぞれ、柑橘、リンゴ、ナシ、ブドウ等につきまして、ここにあげておりますように、県において調査区を設けまして、実施試験をやっておる、こういう段階に入っておるわけでございます。その調査方式は、二十三ページからA、B、C、Dと、四つの方式がございます。A方式は、団体単位で品質と収量とを共済の対象にする、こういう方式、それからB方式は、団体単位でなくて、農家単位で品質と収量をやる。しかも、これは、長期の方式でやると、こういう方式でございます。それからC方式は、農家単位で、品質は除いて、収量だけの保険、これは長期の保険にする、こういう方式でございます。D方式は農家単位であって、収量制、長期でない方式、この四つを考案しまして、実際に試験をやってみる、こういう段階にいっておるわけでございます。 その次は二十七ページでございますが、果樹についての価格差補てん等の事業を実施しつつある県の状況とその実績、これは農林省でわかっておりますのは、島根県と鹿児島県の二つの例でございます。やっていることは、島根県におきましては、ブドウ、ナシ、カキ、夏ミカン、それから鹿児島県においては、ミカンとポンカンについてやっているわけでございますが、内容としましては、販売価格が一定の価格を下回ったとき、それから輸送事故による損害があったとき、出荷調整により運賃の加算等があったとき等に、一定の交付金を交付する。査定委員会のようなものも設けまして、そういう事業をやっているようでございます。 次は二十八ページですが、共済事業実施市町村の最近の現状でございます。まず、条例制定の基準、これはどういう市町村が公営する場合に、どういう基準で行なうかということでありますが、できるだけ農家の意図を反映するようにという趣旨で、経済局長通達を出している、こういうことを書いているわけであります。 その次に、市町村の数でありますけれども、実施している市町村の数は、本年の五月一日現在で六百八、それに対する移譲の申し出組合数が七百五十ですが、六百八より多いのは、一市町村で二組合が市町村に仕事を譲るということがあるために、数は移譲する組合のほうが多くなっています。それから関係の県が四十二となっておりますが、その次のページに、都道府県別に、今の市町村公営をやっている市町村の数が、表として出されております。 その次の三十ページは、これを県別、年次別に表にいたしました。一番下の欄をごらんいただきますれば、おわかりになりますが、毎年ふえてきております。現在全体の共済事業を行なっている組合、市町村の数が四千二十七ありますが、そのうち六百八は市町村が行なっている状況でございます。 三十一ページは、共済事業の市町村移譲をするには、法律で事由が定められているわけでありますが、政令で定める事由というふうになっているわけでありますけれども、その事由別に、この移譲が何件あったかというものを調査したものでございます。告示第一〇六六号というのは、共済事業の規模が小さい場合、その次に政令第二条の二第一号、これは事業運営の不適正な組合で、市町村が共済事業を行なえば適正な運営が見込まれる場合、政令第二条の二第二号は、農業共済組合が共済事業を行なう場合より、市町村が共済事業を行なったほうが、事業運営の効率化が十分見込まれる場合、こういうことでございまして、この政令第二条の二第二号の事由による申し出が一番多い、こういうことでございます。 その次の三十二ページは、市町村がどれだけ共済事業あるいは共済団体に対して町村費を支出しているかということでございますが、まず、全国で三千七百八十二組合、これは町村がやっている場合を除いてです。三十五年度は二億八千八百万円、一組合平均で七万三千円、三十六年度では二億九千五百万円で、一組合平均七万八千円市町村費を補助している、こういう状況でございます。 それから、今度は、市町村が公営している場合に、市町村の一般会計からその公営している特別会計に、どれだけ繰り入れているかという額でございますが、三十六年度の場合、三百五十一市町村について、六千八百万円繰り入れている。一市町村平均で十九万六千円繰り入れが行なわれている。こういう数字でございます。それから、市町村移譲前と、移譲後の市町村費補助、または一般会計から共済事業特別会計への繰り入れ状況、移譲前と移譲後を比較いたしまして、ここにございますように、移譲前は補動額が八組合で、百六十八万四千円でございます。一市町村二十一万円であったものが、移譲後においては、二百三十四万三千円、一市町村平均二十九万二千円になっております。こういうことでございます。 三十三ページは共済事業を行なう市町村の職員の給与水準と市町村移譲前と移譲後の職員の給与比較でございます。市町村職員の一人出たり平均給与水準と組合の平均給与水準を比較しますと、県により、これは差がございます。組合のほうが多い場合もあり、市町村のほうが多い場合もありますが、おおむね市町村のほうが多い、同じ県内でも、いろいろ差があるわけでありますが、これは平均してみますると、一番下のように、組合より市町村のほうが幾分多い、こういうことになっております。 その次に、市町村移譲前と移譲後の職員給与の比較でございますが、これは十二組合の事例ですが、一年間、ここには差があるわけで、その間にベース・アップがございますが、移譲前の一万八千三百二十九円に対して移譲後は二万円、やや上がっている、こういうことでございます。 その次の三十五ページの資料は、御要求の趣旨は、この共済金額の選択を認めていると、そこに逆選択が行なわれているのではないか。全体の県の情勢で、そういう傾向が現われているのではないかという御趣旨だったわけでありますけれども、実はそう出ていないという資料になったわけであります。たとえば大阪などは、案外高い金額を選択している北海道が高い金額を選択しているのは、これはわかるわけでありますけれども、そのほかでも、低被害地と考えられるところが、必ずしも低い額を選択していない、こういうことでございます。 次に三十六ページは、改正法律の施行後におきまして、共済金額の選択に対して、どういう方針でもって臨むかということを文章で書いて出せ、こういう御要求があったわけでありますが、補てん率を引き上げるために、従来、百分の七十であれましたものを百分の九十に上げますので、そこの点で共済金額の選択の幅が大きくなる、充実されるということがまず第一点であります。その結果としまして、従来の補てん率が実損の場合、最高四九%でありましたものが、六三%まで補てんされる。こういうことになるわけです。それから今度は農家の選択でありますが、現行の制度では、組合等が定款で組合ごとに、または危険階級別の地域、これはおおむね旧市町村の単位でございますが、それごとに一律に定めることになっておったのであります。今度はそれは改正後におきましては、組合が実情に応じ、その定款で定めれば、組合等が一本で一律に定めることもできる。それから地域基準共済掛金率を定めて、地域ごとにそれぞれ一つの共済金額を選択することができる。それから第三には、組合が定めた二以上の単位当たり共済金額のうちで、組合員等が個人選択ができるようにする。こういう三つの方式をとりたい。できるだけ組合の自主的な選択を個人別に認めるようにいたしたい。こういうことをここで書いておるわけであります。 その次は、最近の基準反収の推移でございますが、御要求の趣旨は、従来基準反収が低きに失して、実収高より低かったということをしばしば問題にされたわけでありますけれども、最近はそういうことが非常に少なくなって、その幅が小さい。もちろん実収と一致するはずがないわけでありますけれども、その幅が非常に少なくなってきておるということを県別に示してあるのでございます。それを集約したものが四〇ページにグラフで示されておりますが、ごらんのように反当実収量、これは点線で書いてありますが、統計調査部で出しておりまする反当実収量と、実線で引いております基準反収との傾向は一致して、しかも幅が少なくなっておる。こういうことでございます。 その次、四十一ページは最近の年次別被害率の推移及び基準共済掛金率の細分化方針——年次別被害率の、ここの表をごらんいただけばいいわけでありますが、水稲が全般的に低下して参っております。ところが陸稲の場合は、必ずしもそうではない。麦の場合も低下の傾向が顕著ですので、こういうことでございます。 その次のページから、これを県別に年次別に表にいたしております。 四十五ページに参りまして、基準共済掛金率の細分化方針でございますが、これは組合の区域内で今回は基準共済掛金率を従来のような県一本で簡単に——簡単というと語弊がございますが、画一的にきめておったのを組合ごとにきめる。村別にきめるという方式にかえまして、個別化し合理化しようとしておるのでありますけれども、さらに組合の区域内でも、地域ごとにその過去における被害の程度が著しく違う場合は、都道府県知事の認可を受けて過去の平均被害率を基礎として基準共済掛金率を地域ごとに細分できる、こういうことにいたしたいというわけであります。 それから四十六ページ以降は、損害評価関係の資料でございますが、現在共済団体が損害評価を行なう場合に、どういう組織でやっておるかということを説明したものでございます。まず損害評価会というものがありますが、組合は損害評価で損害を認定する場合には、損害評価会の意見を聞かなければならぬということになっております。大体その構成は評価委員が一組合当たり一五・三人ということになっておるのであります。これはまあ学識経験者も加え、精農家等も入れて組織されておる、こういう状況でございます。 その次のページにいきますと、今度は、今のは損害評価会とその委員でございますが、損害評価員というのがございます。これは損害評価会とは直接機構上の関係はないのでありますが、部落段階で悉皆調査をして、組合段階でさらに抜き取り調査をするということにしておりますので、部落段階における悉皆調査は、組合だけでなかなかできませんので、この損害評価員、こういうものを置きまして損害評価の適正を期するようにいたしておるのであります。これは一組合当たり平均しまして五四・五人おる、こういうことでございます。 四十九ぺ−ジに損害評価会委員数と損害評価員の数が県別に示されております。 五十ページに移りまして、今度は末端で損害評価が行なわれたものが、連合会でどのくらいで査定というか、どのくらいのところでおさまり、またそれが農林省にいって、どういう工合になっているかということを県数で分けて数で示したものであります。三十六年に比べますと、三十七年では、連合会と農林省の関係で言いますと、連合会が持ってきた損害評価を一〇〇%認めたものが二十七、非常に率が高くなっておる。幾らかずつ改善されておる。半分以上の県は一〇〇%認められておる、こういうことでございます。 それから、その下が改正後の反当平均予想共済掛金であります。これはここで、一応いろいろな前提を置きまして計算したわけでありますが、基準反収を三百八十七キロとして、現在の平均単位当たり共済金額二十七円を乗じますと、反当の平均共済金額が七千三百十四円、それを個々の農家に分けて、こういう負担になる。これは大体現在の負担率をベースにしたものでございますが、そういう一応の推定の数字でございます。 その次は、農業共済組合連合会の事業過不足金で、これは午前中も少し説明を申し上げましたが、今、連合会に約四十六億円の赤字と三十六億円の黒字がございます。黒字の県が二十一県で、赤字の県が二十五県でございます。それを示したものであります。 その次は、任意共済事業について示したものであります。このうち山梨、愛知それから三重等の県が赤字になっておりますが、これは例の伊勢湾台風による影響でございます。 その次に五十三ページ、事務費賦課金と農家負担の推移でありますが、これは国庫負担が年々ふえておる状況が出ておるわけですが、御要求は、その関係を示せということであったわけであります。計の欄をごらんいただきまして、事務費は三十年を一〇〇としまして三十七年が一五〇、五割増であります。それに対して収入のほうは国庫負担が一七〇と、七割増、農家の負担となる賦課金は一〇三・六で三・六%だけふえておる。むしろ三十二、三、四年ごろに比べますと減ってきておるわけであります。大体そういう状況でございます。 その次のページは農業共済団体等の年次別事務賦課総額及び一農家当たり賦課金額の推移、これをごらんいただきますと、今の農家負担の状況が実数で出てくるわけでありますが、一農家当たり三十四年八百八十円、三十三年八百八十四円でありましたが、三十七年には八百三十七円に低下しております。その次が、共済保険の目的別の単位当たりの全国平均の事務費の賦課単価で、反当たり幾ら、これを組合と連合会で平均しますと幾ら、こういう数字を示しております。 その次が、第三、改正法に直接関連する事項でございます。その一は、農業共済組合連合会への付保割合の定め方、これはたびたび御説明申し上げましたように、通常責任に属する部分の二割から五割の範囲内で組合が連合会に付保するということに、主務大臣がそれぞれの組合ごとに定めます。その(2)は、付保割合を主務大臣が定める場合には、組合ごとに被害の発生態様等を見て定めるのである、こういうことを言っておるわけであります。 その次、五十六ページに無事戻し及び損害防止事業の拡充のための具体的措置、これも文章で出すように御要求があったわけでございますが、要するに、従来は三年無事故であった場合に、一年分の半分の掛金に相当するものを無事戻しとして返し得るということになっておったわけでありますけれども、実際には、無事戻しの財源となる積立金が必ずしも十分でなくて、そのとおりできない場合が多かったようであります。今回は、まず通常責任の拡充をしますので、その積立金の財源を作る可能性が大きくなる。それを財源にしまして、三年間無事故の場合には一年分の掛金を返し得る、返す機会も多くしたい、こういう趣旨のことを書いておるのでございます。 その次は五十七ページにいきまして、最近における農業共済組合等の解散及び事業休止の状況ですが、これもたびたび御説明いたしておりますが、解決した組合が四十八、未解決の組合が十四ございます。解決した組合の中で二件だけは解散の認可をいたしたのでございます。そのほかに事業休止をしている組合がございます。そのうちで解決したものが百十二、まだ解決していないものが十一ある、こういうことでございます。 それからその次が、共済掛金の病虫害割引割合の定め方と指定の基準でございますが、大体、こまかいことは申し上げませんが、今までの掛金の三分の一−三割くらいが掛金としては免除される。それで病虫害に指定される村は植物防疫法による防除基準がはっきりできておって、防除協議会が設置をされておって、しかも防除の主体がはっきりしておる、そういうようなところを指定しまして、この免除された掛金に相当する額を国が補助していこう、病虫害防除事業のため補助しよう、それは大体一組合平均三十万円くらいになります。こういうことをここに書いておるわけでございます。 それから六十ページは、共済事業の事業一部廃止の基準と政令で定める事由、この今回共済事業のうち一部、たとえば麦なら麦、陸稲なら陸稲というものを、一部事業を廃止することができるようにいたすわけですが、その廃止できる場合をどう定めるかということであります。まず、主務大臣の定める基準に達しない場合というのがございます。これは当然加入の基準、これも説明は申し上げましたが、一反から三反の範囲内で件ごとにきめるわけですけれども、たとえば三反ときまっておる場合には、そこにおる組合員の数と三反を掛けたもの。百件あるならば三百反以下の場合には事業廃止ができる、こうするわけであります。それからその基準に該当しない場合以外に廃止ができる場合としまして、(3)の政令で定める相当の事由というのがございます。この(ア)と(イ)に掲げられた事由を両方とも満たしている場合には解散ができる、こういうことでございます。 その次に六十一ページ、任意共済についての全国共済農業協同組合連合会への再共済割合その他再共済に伴う問題点でございますが、これは再共済をすることができるということが今回の改正法律案に出ているわけでありますが、その方式といいますか、その再共済の割合と、それに伴う問題点という御要求でございますが、これは両団体の専門家が協議して定めることに了解ができておりますので、それを待ってきめたいと考えておるのでありますが、その際、問題になります事項として、両団体の覚書が交換された際にあげられているものが、ここに出ております五項目あります。たとえば共済の割合もそうでありますけれども、個々の物件について行なうかどうか、それから掛金率について、どうするか、それから最高限度額、短期の建物共済の最高限度額を上げるかどうかという問題、それから経理を区分して異常な危険が発生したことによって全共連のほうに不測の事態が起きた場合に共済金を削減するというような問題、そういった問題が問題としてある、こういうことです。 それからその次は農業災害補償法の一部を改正する法律案政省令規定事項でございますが、これはすでに別の資料として出してあるのを具体的に書いたものでございます。内容は、重要な部分は、今までの説明でほとんど尽きております。ですから、ここは省略さしていただきたいと思います。ただ資料のその二に関連することで、附則の第十条に関連する政令でございますが、今回の改正で農家の負担が従来よりも大きくなるような場合に補助金を交付する、交付金を交付するという規定がございますが、そのやり方は、その差額に比例して交付したい、こういう趣旨のことが書いてあります。そこで今の資料の説明を終わりますが、次に「その2」の説明に入りたいと思います。 「その2」の資料は、ここへ全部数字が出ておるわけです。今お話しました今回の改正で、農家負担がふえる、料率が変化するということに伴って農家負担がふえるような場合が出てくるわけでありますが、その関係を全国の組合の十分の一を抽出して試算したものでございます。これはサンプルでございますので、組合の名前は具体的に出さないで数字で、サンプルの番号として出したわけでありますが、御要求によりまして、別にきょうサンプルの名前だけ提出してございます。また参議院のほうの御要求は、具体的に金額で示せという御要求でございますけれども、これはその村ごとに基準収量なり共済金額がきまりませんと、ちょっと具体的な金額の算定ができませんので、これはお許しをいただきたいと思います。料率の差は、これでおわかりいただけると思います。どうしてこういうことが起きるかといいますと、三つの理由がございます。一つは過去の被害率に変化を生じたということでありますが、第二に、これは制度改正の最も大きなことでございますけれども、県単位に標準掛金率をきめておりましたのを、これからは村単位にきめる。それでその村の実態に合わせるようにするということでございます。従来は、県一円で基準共済掛金率をきめまして、それを十八の危険階級に分けていただいて配分しておる。したがって非常に画一的なことになっておったわけです。そのために同じ被害率の村でも県が違うと料率が違い、負担が違うというおかしなことがあったわけであります。同様に、第三の問題として、国庫負担の方式も変えたわけであります。従来は国庫負担は県ごとにきめておったわけでありまして、それを今度は、村ごとに超過累進方式で国庫負担率をきめる、こういう方式にいたしたわけであります。従来の国庫負担方式では、同じような村でも、農家負担が多かったり少なかったりする、こういうことがあるわけであります、県が違えば。それを今度は、同じ県の村については同じ農家負担にするというように、できるだけ近づけたわけであります。その結果として、制度が変わりましたために、農家負担額に影響が出てくるということでございます。これで「その2」の資料は終わります。 それから「その3」は、まず畑作物共済研究調査の経緯であります。これはここ数年、特に北海道に委託しまして調査をいたしておるのであります。畑作共済について保険の対象とし、これを制度化する可能性があるかどうかということを調査するために、被害の状況とか収量とか、そういうものを調査して参ったわけでありますが、まだ、ほとんど結論の材料になるものが出ていないのでございます。どちらかといえば、なかなか共済制度に乗せることがむずかしい、収量変動が激しすぎてむずかしいというような状況でございます。 その次が四ページでありますが、これは同じようなことでありますが畑作物の共済の調査としましてやっておることでありますが、小麦、大麦等の麦類、バレイショ、豆類、テンサイ、除虫菊、亜麻、ハッカ、菜種等について、三十六年度から三十八年度までの三カ年間調査をするということで、ここにあります調査事項を現地について調査しておるのでございます。 六ページに今後の方針としまして、この本年度までの調査の結果を整理検討しまして共済制度の設計と運用上の問題点を明らかにし、学識経験者による検討会を開いて、できるだけすみやかに結論を得るようにしたい、こう考えておるのでございます。これで衆議院提出関係の資料の説明を終わります。 参議院の御要求の関係の資料の最初のほうは、すでに森委員の御要求の際に、御説明申し上げておりますので省略しまして、「その2」の説明に入ります。 まず第一が、天災融資法の実行状況のところでございます。これは年度ごとに区分けして小計を出しております。一番上が三十年でございますが、その政令でございます。天災融資法によって制定された政令の略称をあげまして、それごとに融資の実行額を示したものでございます。この政令は、さらにその中に幾つかの災害が一本になって指定政令が出ておりますので、実際には適用された災害の数はもっとずっと多い、こういうことでございます。しかし、融資の実行額は、これは表で示されたとおりでございます。 それから三ページに移りまして、そのための利子補給額、国と県が利子補給しておるわけでありまして、六分五厘の資金につきましては、国と県が一分五厘ずつ、それから五分五厘の資金につきましては二分ずつ、それから三分五厘の資金については国が三分九厘、それから県が二分一厘負担しております。そのうち国と都道府県の利子補給額を年度別に示したものであります。 その次のページが自作農維持創設資金決定実績で、特に災害のワクを——災害の決定実績を示したものであります。カッコの中が維持資金のうちで、災害に対して特別配分をやった額でございます。維持資金の相当部分は、災害に回っておるという状況がわかります。必ずしも御要求に全部は沿えませんですが、この資料は——できる限りの資料を作っております。 その次の五ページは職員数別農業共済組合等の数の調べで、従事している職員の数によって、その組合の数を示したものであります。これでごらんいただきますと、二人以下というのは多いわけですが、六人から十人というところも非常に多い。大体におきまして、特にどうというはっきりした傾向がないのでありますが、小さいところは非常にまた小さくて、比較的大きいところは、また相当ある、こう申し上げていいかと思います。 その次は、農業共済組合職員と共済事業を行なう市町村職員の一人当り平均給与、これを先ほど御説明いたしましたが、御要求のうち、できましたものとして平均年令を特に加えました。これが衆議院提出資料と違う点であります。七ページは、衆議院提出資料と同じであります。たしか御要求は職種別、性別とかございましたが、そういう資料はございません。 八ページが農業共済団体等の役員報酬及び職員給与の状況でございますが、最高、最低、平均という御要求に沿うて作ったものであります。で、これは単位組合でございますが、役員報酬は、常勤の場合が最高が年額三十三万九千円、最低が五万六千七百円、平均十六万一千円、非常勤が最高が年額二万七千円、最低が一千円、平均が五千六百六十円、職員のほうは年額最高が七十九万円、最低が八万六千円、平均が十八万八千円、こうなっております。その次に連合会の段階で申し上げますと、常勤役員の最高が年額百二十二万一千円、最低が十五万円、全国平均が五十四万七千円、非常勤が最高が九万七千円、最低が一万円、全国平均三万三千円。職員給与は、男子職員が最高、最低——八十五万九千円と十三万五千円、女子職員が四十万八千円と九万三千円、こうなっております。それから、農業共済基金の役員報酬と職員給与、これが役員のほうは最高二百二十九万、月額で十九万円、最低が百五十二万一千円、月額十二万六千円、平均百九十万五千円、月額十五万八千円、職員給与は最高が九十五万三千円、最低が十九万六千円、平均五十万一千円、月額はそれぞれ七万九千円、一万六千円、四万一千円となっております。 それから十一ページは、先ほど衆議院のほうで御説明した資料と同じものでございます。それから十二ページ、これも先ほど衆議院のところで御説明申し上げたものでございます。 その次、十二ページ以下は、共済の目的別に事務費の賦課単価を調べたのであります。県別に出したわけであります。賦課の仕方は、引受面積割りと共済金額割り、引受収量割り、こう分かれておりますが、これを県別に示したものがここにあるものであります。十五ページになりまして、この事務費賦課金の賦課単価を統一単価に換算いたしたものが、この十五ページの表でございます。各県ごとに最高、最低、平均と。で、水稲、陸稲、麦、蚕繭、大家畜の別に出しておりますが、一番下に平均だけ出ております。水稲が反当たり七十円、陸稲が六十二円、麦が四十六円、蚕繭が掃き立ての箱当たり五十九円、大家畜が一頭平均百七十九円、こうなっております。それから中家畜が五十八円、最後に組合員割り、つまり一人当たりは三十一円と、こういうことになっております。 それで十七ページ以降は、農作物共済の組合等別基準反収の農区別都道府県別組合等数の分布、これは御要求の趣旨にぴったりは一致していないかと思いますが、どうも御趣旨がよくわかりませんでしたので、できる限りのことをやってみたわけでございます。基準反収の階層別に、農区別にその基準反収の階層に属する組合の数を示したものであります。これからなかなか一定の傾向を読み取ることはできないように思われます。陸稲、小麦、それぞれ作物別にいたしてございます。 二十二ページへいきまして、都道府県別の病害虫の共同防除実施団体数調べというのがございます。これも御要求は農災組合別、市町村別病虫害防除の実態というのでございますが、どうもその御趣旨がよくわかりません。で、できるだけのものを出したわけですが、実施団体の状況で見ますと、まず市町村または旧市町村を区域とする団体では、一番多いのが農協です。これが六割近くを占めている。その次が、その他というものになっておりますが、市町村が具体的にその次に位している。そのほかの部落またはそれ以下を区域とする団体がございます。これが圧倒的に多いわけですが、全体の比率で申しますと、これが九割近く占めている、こういうことでございます。 二十三ページは、果樹共済、農機具共済、家畜輸送共済の概要ですが、果樹共済のほうは、先ほど申し上げた資料のほうがむしろ詳しく出ておりますから省略いたします。それから二十八ページに、農機具共済がございます。農機具共済は、任意共済として共済団体が現に行なっているものでありますが、これも短期と長期に分けております。損害共済が短期、更新共済が長期でございます。ちょうど建物の短期、長期と同じような違いの共済制度が両方行なわれております。この事業の実績は二十九ページにございますように、加入台数が三万台、そのうち損害共済のほうが多くて二万二千台、共済金額は全部で十三億四千九百万円、掛金の収入が六千八百万円、実施している県は、短期のほうが二十七県、長期のほうが二十六県でございます。その実施状況が県別に、その次のページと、さらにその次のページにも出ております。三十二ページが家畜輸送共済でございますが、これは輸送中に生じた死亡、廃用を事故とする共済でございます。目的としては牛、馬、山羊、綿羊、豚で任意共済として行なわれております。ところが、これは全く事業が微々たるもので、加入頭数が三十六年度で二十九頭、総共済金額が百六十九万円、こういった程度のものでございます。その次のページに県別の状況を示しております。 それから三十四ページ以下、最近の基準反収と反当実収量の推移、これは、先ほど衆議院の資料で申し上げたものと同じ資料でございます。四十ページの水稲も同じ資料でございます。 ところが、そのあと四十一ページから、新たに陸稲の傾向を示したものがございます。陸稲のほうは平均実収量は非常に年によって振れが大きいので、基準反収の上下に分散いたしております。大体、しかし基準反収はその間を縫って、あまりつかず離れずというところでいっているように思われます。 その次が麦でございますが、麦もこれは割合に振れがあるわけでありますけれども、一番上が大麦、その次が小麦、それから裸麦、こういうことになっております。傾向といたしましては、基準反収がその年々の振れを貫いて、一定の傾向で上がりつつある、こういうことになります。 それからその次の四十三ページは、先ほど申し上げましたが、被害率、衆議院のほうへも出しております被害率の推移でございます。で、水稲が下がる傾向があるが、陸稲その他は必ずしもそうはいかない。それを県別に示したものが、その次のページ以下でございます。 以上で説明を終わります。
○渡辺勘吉君 提出されました資料の一応の説明を受けましたが、資料を要求した際、内容をもっと詳しく申し上げて、その目的に沿った資料をお願いすべきだったのでありますが、その点は、多少要求の内容がその際に十分でなかったうらみもあって、傾向値等を見る場合においても、かなりとられた資料によっては見がたい要素に整理されたものもありますけれども、しかし全体としては、かなりこの法案を審議するに際しての貴重な資料を迅速に提出されました事務当局の御労苦を感謝いたします。ただ一点、なおお願いを申し上げたいのは、この資料「その2」でありますが、計算の前提とその方法、料率の変化した三つの理由等は、ただいまの説明と、この記載された印刷物によって、明らかに理解をいたしたのでありますが、私のお願いをいたしましたのは、この十分の一の抽出した組合のそれぞれの共済掛金農家負担のそれぞれの想定される現行と試算との相違の金額を算出していただきたいのであります。かんべんしてほしいという局長の説明でありますが、この点をバック・データとして出していただきませんと、その農家の負担増になる問題についての具体的な質疑の進行も抽象に終わるきらいがありますので、この点を重ねて追加資料として御提出方をお願いをいたします。その他の食い違った点は、傾向値等を見るためにお願いしたものもありますし、給与の比較表等についても、全国的な傾向値としてではなく、抜き取って具体的な例示で、その村の共済組合の職員の同じ経験を持った職員と市町村吏員と比較し得る具体的なサンプルを要求いたしたかったのでありますが、しかしこれも一応出されたもので傾向としては読みとれると思いますので、そういう意図したものと、多少違った点の資料の要求は差しとめますので、今の一点だけを局長ひとつ、ぜひ追加資料として御提出を願いたいのですが。
○政府委員(松岡亮君) 今御要求のありましたものについては、私どものほうでも、何とかしてと考えたわけでございますが、現在の組合で選択しております共済金額というものを、全国の四千の組合について、組合ごとにはわかっていないのでございます。それと、今後どういう金額を選択するかということも、資料として持っていないために、どうしても算定できない、こういうことでお許しをいただきたい、こう先ほど申し上げたのでございます。
○渡辺勘吉君 では、この点は後の質疑の際に、もっと具体的に質疑を通じて明らかにします。
○委員長(櫻井志郎君) 農業災害補償法の一部を改正する法律案について引き続き質疑を行なうことにいたします。 質疑のおありの方は御発言願います。
○森八三一君 ただいま審議の過程に上ております農業災害補償法の改正案につきましては、去る六日の日から本院のこの委員会で相当事務的にわたる問題にまで触れまして審議をして参ったのでありますが、その過程を通しまして、さらに責任者であります大臣から、はっきりした方針をお示しをいただいておきたいと存じます事項が数点ございますので、その点を端的にお伺いいたしたいと思います。 第一の問題は、今度の改正案は、非常に長い間、この制度の運営の上から、農民諸君がいろいろの不満を訴えてきておりまして、そのために非常に残念なことではありますが、地域によりましては、解散の決議というような問題にまで発展をし、まことに遺憾に考えておったのであります。そういうような地方における実態にかんがみまして、両院におきましても、何とか農民諸君の期待にこたえるように、この制度を改善すべきであるということで、抜本的な改正をなすべしというような決議が行なわれまして、政府に善処を求めて参ったわけであります。当局におきましても、その間、いろいろと実態調査をされましたり、御研究をいただきまして今回の改正案ということになったのでありまして、そういうようないきさつから考えて参りますると、抜本的な改正をなすべしと求めて参りましたことにこたえたものであるというようにも受け取れますわけでありますが、そういう点についてだんだんお尋ねをして参りますると、今度の改正案は必ずしも抜本的改正というようなことになっておるのではないというようなお答えもあったのであります。そこでお伺いいたしたいことは、何といたしましても、可及的すみやかに農家単位補償制度、あるいは果樹だとか、蔬菜類をこの対象に入れるか入れぬかという問題、あるいはこの制度運営上における機構の簡素化の問題、さらにはまた、基本的に保険制度か補償制度かというような問題につきましても、これを国家財政との関係もあることでございまするけれども、さらに十分掘り下げて検討されまして、でき得る限り、国家の負担を軽減しつつ農民諸君が満足するような制度へと発展せしめていかなきゃならぬことと思うのであります。それにつきまして今後どういうような取り運びをなさいますのか。抜本的改正ということにこたえるような研究を進めてこたえようという態度を、当然これはとっていただけると思いまするが、大臣のお気持はいかがでございましょうか。今度のやつがもう抜本的改正だから、これで当分事足れりということなのか、引き続いてそういうような指摘いたしました諸般の点について御研究がいただけまして、その成案が得られますれば、さらに前進をした法律にし変えていこうというお気持を持っていただけるかどうか、この点をまず最初に基本的な問題としてお尋ねをいたします。
○国務大臣(重政誠之君) ただいま御指摘になりました点は、いずれも重要な諸点であります。さらに研究を続けまして成案を得ますれば、また制度の改正というようなことに進んで参りたい、こういうふうに考えております。果樹あるいは蚕繭をこの共済の対象にそういうものをすべきであるという議は、相当に強いのでありまして、これらの点につきましても今日でも研究いたしておりますが、さらに急いで調査、研究を続けて成案を得たいと考えておる次第であります。なお、農家単位の共済にしたらどうかという御意見、これもごもっともなことでありますが、現在の時点におきましては、今回の改正案で従来からの一筆単位共済制度というのが適当ではないか、こう考えておる。さらに構造改善その他が進みまして、農家単位の共済にいたしましても、災害の救済を受ける、共済金をもらう頻度が少なくならぬというような状態になりますれば、そういうことに移行して参らなければならぬ、こういうふうに考えておる問題であります。 さらに補償か保険かという問題、これはきわめて重大な問題でございますが、現在のところは、しばしば当委員会においてもお答えをいたしましたように、自主的な共済制度でいくのが適当である、こういうふうに考えておるわけであります。これもひとつさらに検討を重ねたいと考えております。
○森八三一君 ただいま私が例示をいたしました数点につきまして、それぞれお気持をお聞かせ願ったのでありますが、要しまするのに、結論としては、ほんとうに農家諸君が納得をし、喜んで全員この制度に参加をしてくるというようにすることがねらいのはずでありますので、そういう前向きの姿勢で十分御研究願いまして、できるだけ早く成案を得て、その運びをしていただきたい。大臣のお答えもそういう趣旨であったと私はそのお気持を十分理解をいたします。どうぞひとつお言葉どおりにやっていただけますることを、重ねて希望をいたしておきます。 その次にお伺いいたしたいと存じますることは、この制度は各委員からもしばしば指摘されましたように、戦後における農業関係の立法といたしましては、特筆すべき画期的なものであったと存じます。農業生産進展のために、この制度がはたして参りました功績は、相当高く評価されてよろしいと存じますが、しかし何といたしましても、地理的な条件からいたしまして、不可避的な天災のもとで農業経営をやっていかなければならぬという宿命の立場にございまする農業を考えて参りますると、将来に向かって、ただいまも希望いたしましたような諸般の点を、拡充して発展をせしめていかなけれならぬと思います。そういうようなことでありまして、この重要な、見ようによっては公的使命を持っていると申し上げても過言ではないと思われまするようなこの制度の運営に、日夜懸命の努力と精進をされておりまする職員諸君の待遇の実態を、提出をいただきました資料なり、あるいは質疑応答を通じまして究明をして参りますると、いかにも劣悪である。気の毒であるという感じをひしひし抱くのであります。もちろんお話しのように、この制度は自主的な、相互的なものであるということが、現行法においては建前になっている。それを公的な性格を多分に持っているということから、政府のほうが補助、援助をしていくという建前ではございまするけれども、しばしば申し上げまするように、相当強い公的な性格を持っている本制度の運営ということを考えますると、この事業のために、日夜精励をしている諸君の待遇というものは、少なくとも市町村の公務員なり、あるいは都道府県の地方公務員なりというものと比べまして、遜色のない程度の待遇というものはしてあげるということは、これはもうあたりまえのことだろうと思うのです。ところが一方、自主的なこういう機構のもとでございますので、経済的に非常に困難をしている農家の諸君から、多額の賦課金を取るということは、これまた忍びがたい点もございますので、そういうような、あれこれ勘案いたしますると、政府の補助する基準単価を引き上げていくということが、当然考慮されなければならぬと思うのです。私の端的な希望を申し上げますれば、実員実額の全部を、国家が負担をしてやるという制度に発展をしていくことであろうとは思いますけれども、何とかひとつ、この職員諸君の待遇というものを、ほかのものと比べて劣悪であるというような批判は受けないように、もちろん、職員諸君も精励をしているわけです。一生懸命やっていただくということは、当然でありますけれども、何と申しましても待遇が不満足でございます。今日のような経済条件のもとにおいては、情熱を傾けてやるということに、一生懸命やるという気持は持っておりましても、実際問題としてはそう参りかねるということも、これは私はないとは言えないだろうと思うのであります。そこで今後、基準補助単価というものを引き上げるというような方法によりまして、理想の段階に近づいていくということをぜひともおやりをいただきたい。働く職員諸君の身分の安定、経済的待遇というものを、遺憾なきを期していただきたい、こういうことを考えるのでありますが、そういうように今までも努力をなすったとは思いまするけれども、さらに格段の努力をいただきたいという希望をいたしまするが、いかがでございましょう。
○国務大臣(重政誠之君) 職員の待遇改善につきましては、全く私も森委員と同様の考えを持っておるわけであります。農林省におきましても、昭和三十六年以来待遇改善に手をつけまして、今日に至っておるわけでありますが、将来におきましては、さらに速度を早めて、均衡のある待遇にひとついたしたい、こういうふうに考えております。
○森八三一君 ただいまの問題も、この場限りのことでなくて、ぜひとも情熱を傾けてその実現をはかられまするように、急速にひとつ、昭和三十九年度の予算の編成も迫っておることでございますので、そういう機会を通しまして、前進をするように、強くこれは要望をいたします。 第三点にお伺いいたしたいことは、どんな問題でございましても、不合理だとか、不適正だとか、不正常という姿があってならぬことは、これはもう申すまでもございません。でございまするから、法律にいたしましても、制度にいたしましても、合理化、改善、適正化というようなことが、その時点時点において順次はかられておるということであろうと思うのであります。 そこで、今度のこの法律の改正案の審議を通しまして、だんだんお尋ねをして参りました結果、連合会の組織、機構の上からいって、共済事業が市町村営で行なわれておる地域に農災連が直接任意共済事業を行ないまするということは、正常ではないということが明らかになったのであります。そこで、さような現実が存在しておる場合に、どういうようになさいまするか、いかなる指導措置をとられまするかと、こういろお尋ねをいたしましたところ、両団体間に交換せられた覚書がございますので、その覚書を考慮して指導の万全を期するという旨の御答弁をいただきました。よくそのお気持を考えて参りますれば、わからぬわけでもございませんが、この表現を、すなおに日本文として解釈をして参りますると、将来にまだまだ疑義が相当残るようにも思われますので、この問題について、この際明確にしておきたいと思います。ただいま申し上げましたことの趣旨は、関係団体に納得せしめて、正常な運営がはかられまするよう、指導の万全を期するということであろうと思うのです。正常化する、不正常があってはならぬということは、これはもう通念であり、常識であり、あたりまえのことでございますので、正常でないということが明らかになった以上は、正常化するということのために、遺憾なき措置をしていただくという取り運びがなければならぬと存じまするわけでありますが、これは聞く必要もたいあたりまえのことでございますが、そういうように理解をしてよろしいかどうか。すなわち、局長の御答弁でございますので、両団体間に交換せられた覚書を考慮して、指導の万全を期するという御答弁をいただきました。その趣旨は、関係団体に納得せしめ、正常な運営がはかられまするよう指導の万全を期します、こういう趣旨であろうと理解をいたしますが、さよう理解してよろしいかどうかということでございます。
○国務大臣(重政誠之君) そのとおりであります。両団体の間の話し合いもあることでありますから、私といたしましては、十分、両団体の理解も得て、そして運営の万全を期して参りたい、こういうふうに考えておる次第であります。
○森八三一君 この運営の万全、関係団体の理解という言葉でございまするが、これは、今度の制度改正に、大臣も非常に御苦労を願った、これは焦点の問題だと私は思うのです。 そこで、あとで問題を起こしませんように、私が今、文書をここに持っております。その文書をここに朗読いたしまして、さよう理解してよろしゅうございますかという問いに対しまして、そのとおりでございますという前提、包括的にお答えをいただきまして、そのあとで、また少しこう言葉がついたのですけれども、私が、その趣旨は、関係団体に納得せしめ、正常な運営がされまするよう指導の万全を期するという趣旨のもとに理解してよろしいか、そのとおりでございます、そういうように理解をいたしますので、もしこの理解に誤りありということでございますれば、速記録にも残ることでございまするから、御訂正をいただきたいし、私の理解どおりでよろしゅうございますれば、この問題はお答えは要りません。 その次にお尋ねいたしたいことは、この農災事業が、しばしば申し上げまするように、公的な性格を持っておるということにかんがみまして、組合や連合会は、いずれも税法上非課税の取り扱いを受けております。これは当然なことであろうと思うのです。ところが今回の改正に伴いまして、任意共済事業が農協で行なわれることになりますると同時に、県農災連から全共連に再保険されるという道が開かれます。その場合、印紙税の問題だとか、法人税の問題が巻き起こってくるのであります。去る六日、藤野委員の質問に対しまして、局長の御答弁は、非常に重要なことであり、機関によって事業の間に課税上の差別があるというのはおかしなことであると思われるので、至急に大蔵当局と打ち合わせをして最善を期する、その趣旨は、農災法どおりこのことについては、非課税の扱いがなされまするように、政府部内の話を取りまとめたいというような趣旨のお答えがございました。事、税に関する問題でございますので、所管外である農林大臣に、ここできっぱり、そういたしますという確約をいただきますることは、これは無理であろうと思うのです。がしかし、申し上げまするように、また、大臣も十分御理解を願っておりまするように、今度の改正の結果、一部の任意共済事業につきまして移管が行なわれる、あるいは再保険の制度が登場してくるという結果、そこに今までの税法上の扱いと異なった課税という問題が起きまするというと、これは農民諸君にとりましては、経済的な負担にもなるということでありまするし、当然この種のものにつきましては、非課税の措置がとられてしかるべきであろうと存じます。でありまするから、直ちに大蔵当局と打ち合わせをして最善を期するという趣旨は、本改正法は昭和三十九年度から実施をされるということになっておるわけでございますので、本年度中には大蔵当局と打ち合わせを完了して、法律改正等の手続を要しますもの等につきましては、この制度が実施をされる段階までに最善を尽くしていただくということであろうと思います。これは相手のあることでございまするけれども、趣旨はそういうことで最善を尽くすということと理解をいたしますが、さような御努力をいただきまして、実施時には、遺憾なき措置がとられるということに運んでいただけるものと理解をいたしたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○国務大臣(重政誠之君) 前段の問題も、後段の問題も、御理解になっておるとおりに私も存じております。
○森八三一君 その次に、多少事務的なことにわたりまするかも存じませんが、二、三の点をお伺いをいたしたいと思います。 この審査を通しまして、これも同僚委員各位からしばしば指摘されたことであり、大臣も非常に遺憾と思っていらっしゃることであります。と申し上げまするのは、この非常に大切な、しかも、日本の農業生産に非常な貢献を果たして参りました農民から見れば、非常にありがたいということと申し上げても過言ではない。この法律の運営が、結果的には、年々歳々、会計検査院の検査、あるいは行政管理庁の監査等によりまして、非違事項が指摘をされておる。まことに遺憾千万であります。今後、こういうようなことの絶滅を期さなければならぬと思うのです。私ども、ときどき新聞を見まして、またことしも、非違事項は農林省が横綱なんという、あんな記事を見ると、ひやっとしちゃう、残念である。こういうことがないように、十分、最善を尽くしてもらわなければならぬ。こんなことで推移すれば、制度は崩壊してしまうということを私はおそれるのであります。これはなければならぬことなんでございまするから、このことについては、ほんとうに性根を入れて、しっかりやってもらわなければならぬと、こう思います。これは、あるいは監督上の経費等も増すというような、財政的にも関連する問題かもしれませんけれども、わずかなことをちびっておって、こういうような、世間に批判をされるようなことが繰り返されちゃ困っちまいますので、このことについては、ほんとうに真剣にぶつかっていただいて、新法が実施される段階においては、いやしくも、非違事項というものが絶滅される、跡を断つというような決意を持って進んでいただきたいと思います。あたりまえなことです。いかがですか。
○国務大臣(重政誠之君) 全く同感でありまして、ぜひ、そういうふうにいたしたい、こう考えております。御趣旨のとおりに、そういうことが将来起こりませんように、最善の努力をいたす考えでございます。
○森八三一君 その次に、これも事務的な問題かもしれませんが、共済事業には、必須事業と任意事業という二つの事業があるわけでありますが、必須事業のほうは、これは、一定の経営規模にございまする生産者は、義務的に加入しなければならぬということでもございまするわけでありますので、この二つの事業の経理につきましては、明確に区分し、人件費を初め、科目別に、所要経費と、あるいは会員から徴収いたしまする賦課金などの収入、こういうものを記帳整備し、損益の実態というものを、いつでも明らかにしておくということが、この制度を守っていく上から、きわめて大切なことだろうと思うのです。が、今まで私どもの承っておりまするところでは、これは、職員の待遇が悪いということ、いろいろあるでしょうけれども、そういうことのために、経理が十分明確になされておらないということを、差し引きつける筋合いのものでは、断じてございません。これはやるべきことは、あくまでもやらなければならぬことでございますので、この経理の区分を明確にし、その事業別の損益を明らかにするということは、当然であろうと思いますが、しかし、言い過ぎかもしれませんけれども、今までは、こういう点には手が回りかねており、指導なり監督上に、多少欠けるものがあったと私は思う。こういうことの万全を期していただくということは、当然でございますが、お運びをいただけますかどうか、これも制度の将来に関連する問題でございますので、この際、明確にしておいていただきたいと思います。
○国務大臣(重政誠之君) 当然のことと考えますので、そういうふうに指導をいたして参りたいと考えます。
○森八三一君 次に、任意共済事業については、物件ごとに契約が成立する書面上の処理がなされなければならぬと思うのであります。これは一般の保険事業については、当然そういうような事務的な書類上の手続が取り運ばれております。でありますから、個人の農家の諸君から単位の農災組合、農災組合から連合会へ、そうして今回の制度改正によりまして、連合会から全共連へ再保険をされるというような場合、そのいずれの場合にも、個々の契約書が、きちんと物件ごとに整備せられ、おのおの責任の明確化がはかられなければならぬはずだろうと思います。今までの経過を伺ってみますると、必ずしもそういうような書類上の事務的な整備が、完全になされておらないということがなかったわけでもないというふうにもうかがわれます。これまた当然なことでございますが、保険というものの本質、性格上、個々の物件がどうなって、どういうふうの契約でどうかということは、これは明確にするのが当りまえなんですから、今後そういうような御指導がいただけるかと思いますが、いかがでございましょうか。
○政府委員(松岡亮君) 現状においては、御指摘のようになっているはずでございますが、なお、十分調査の上、万全を期したいと思います。
○森八三一君 次に、全共連に農災連から再保険の道が開かれます。その場合、すでに明らかになりましたが、農家と単位組合との間に成立いたしております保険契約は、現行法のもとにおきましても、全量を農災連に差し出している。そこで今度はその農災連に来たものは、全共連のほうへ再保険をさせるという新しい道が開かれるわけであります。その場合にも、当然これはリスクの全量が、再保険の対象になるということでなければならぬと思います。局長の御答弁では、そういうふうに指導をし、万全を期するということでございましたので、その点については、十分了解をいたしておりますが、その場合における共済方式は、全共連の中に農林省も参加せられましてできておりまする算定委員会において決定いたしましたものを、農林省も承認をすると申しますか、認可をすると申しますか、行政的な手続を経まして、率等が決定をする。その決定に基づきまして、比例再保険と申しまするか、歩合再保険と申しまするか、そういう方式がとられるものであろうと思います。これにつきましては、局長との間の質疑応答を通しまして、明確にはなっておりまするが、これは両団体間における利害に関連することでもございますので、ここで大臣の御所見をはっきり承っておきたいのです。重ねて申し上げますと、個人と単位農災組合との間に成立している契約の全部が、連合会に付保される。連合会に付保されているものが、全共連の再保険の場合には全額付保される。その間に一部比較的損害のないものは自己保有して、損害の大きそうなものだけは持っていくという選択の自由は認めない。全額を付保するが、その責任の区分につきましては、比例方式と申しまするか、歩合方式と申しますか、そういう方式、しかもその方式を決定づける手段といたしましては、全共連の中に存在している算定委員会の決定したものをもって、その実施をはかるということであると、局長の答弁で一応明確にはなっておりますが、利害の関係することは明確にしておきませんと、あとでまたああでもない、こうでもないということが起きる点がないともいえませんので、この点もひとつ、明確にしておきたいと思います。
○国務大臣(重政誠之君) これは逆選択を防ぐという趣旨においても、局長が答弁いたしましたとおりであります。そういうふうに指導いたしたい、こう考えます。
○森八三一君 今の点は、すでに済んだことではありまするが、念のために伺いましたら、私がここで申し上げたとおりである、そういうふうに指導の万全を期するということでございますので了承いたしました。 最後に、災害の査定がややともすると形式的に流れておる。ここにまた農民諸君の非常な不満があると思うのです。今度の長雨の場合にいたしましても、ただ単に重量がどれだけある、だから被害はその程度である。具体的に申しますと、一〇〇の生産があるべかりし予定に対して重量は三〇%あるというと、被害は七〇%だ、ところがその三〇%残っているやつは、これは売ろうにも買手がない、使おうにも使えない、ただ目方だけはあるというような査定が行なわれておる。それからもう一つの場合は、ほんとうに精密に調査をいたしますれば、一つ一つ箸で一粒ずつ拾い出すようなことをやれば、一割なり一割五分の収量というものがあるべきはずだ、しかし、今の農村の実態から考えまして、そんなことをやっていたのでは、経済的には成立しないというので全部燃してしまう。収穫皆無、全損というようなことになっている例は全国至るところにあるのです。そういうことにしてただ機械的に一つ一つをつまみ出せば、そいつが一反歩で一割なり一割五分の収量があるべきだなんというので、被害は八割なり八割五分という査定をされておるところに問題があると思うのです。前段の雨量はある、赤カビ病で牛にも食わせられないものだが重量はある。そうすると被害は四〇%、五〇%査定をしてしまう。これでは、農民としては農災法何のためにあるのだということになる。現に私どももそういう事例を今度の災害についても聞いておりますし、かねてそういうことをしばしば聞いておるのであります。そこで農災の行なう損害の評価につきましては、非常にむずかしいことではございまするけれども、経済価値というものを基本にして損害評価をしてあげるという親切さがあって私はしかるべきと思う。しかし、それがこのものは百円に売れるか、八十円に売れるか、七十円に売れるかということになりますと、合格したものでございますれば、これは政府の示した基準価格がございますのではっきりいたしますけれども、不合格のものになりますと、相対の取引になりますから、その認定ということは非常にむずかしいと思うのです。しかし、今申し上げましたように、理論的に幾らあるべきはずである、あるいは目方が幾らあるから、それだけの収量があったはずであるという形式的評価であってはならぬ。もう少し実態に即する評価というものをやらなければならぬ、こう思うのです。むずかしいことではございまするが、そういう点まで親切に取り計らいをしてやるということが、私は農災制度の本質でもあろうと思うし、農林当局の責務でもあろうと思うし、日本の食糧問題から考えてみますと、米や麦については、そういうような配慮があってしかるべきであると考える。そういうようなお取り計らいがいただけますかどうか、その点を最後に承っておきます。
○国務大臣(重政誠之君) 御指摘のとおりに、損害評価にあたりましては、経済上の価値の問題も当然に考慮してやらなければならぬと思うのであります。今回の長雨の災害の場合につきましても、食糧になるものは、これを問題はないわけでありますが、いわゆる等外下のものにつきましては、飼料になるものは飼料に販売のあっせんをするつもりでありまして、食糧にも飼料にもならぬものは、これを収穫のなかったもの、ただいま御指摘のいわゆる経済的の価値のないものということで、これは減収とみなして共済金の交付をする、こういう取り扱いをいたすように方針をきめておる次第であります。
○温水三郎君 関連。ただいま森委員の発言がございましたが、この長雨の災害を調査いたしまして、非常にそういう点が私は見受けられるのであります。端的に言うと、農林省が災害を値切るような傾向がある点が見受けられるのであります。それで随所において、この農災は何も役に立たない、要らない、こういうような声を聞くのですが、その原因は、どうも農林省が災害を値切るような傾向があるということが大きな原因の一つであるように思うのであります。鹿児島、宮崎両県において、収量で損害を計算してみても何にもならぬじゃないか、役に立たぬものが、値打ちのないものが幾らとれてもだめじゃないか、だから県市町村においても、こういう農民の被害金額というものを、所得に対する被害というものを重点として数字を出すべきであると言うと、農林省の出先機関が承知しない。で、出先機関にそう言うというと、経済局長の別命がなければそういう調査はできないというようなことを言う、こう言っております。これは虚実かどうかわかりませんけれども、そういうことを言っております。しかし一方において、熊本県のごときは、作報の報告のほうが重い、正確であるという声も聞いておるので、これは一体どういうことであるかと考えますが、そういう点に対する行政命令といいますか、そういう措置を、ことに遠隔の地、後進的な地域においては、災害を値切るような風潮が強いように見受けられますので、こういう点について大臣として善処方をお願いしたいのでございますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(重政誠之君) ただいま今回の長雨についての取り扱いの方針を申し上げたのでありますが、私どもの考えております方針に従って、そのとおりにいかないものがあるようなお話でございますが、これはさらにその方針の趣旨を徹底さすようにいたします。
○森八三一君 私、数点をお尋ねいたしましたが、いずれも大臣の誠意のあるお答えをいただきまして理解をいたしましたが、どうぞひとつ、多年にわたる懸案がここで解決するのですから、運営上における、団体間の事業運行上における法規的な性格から見た正常化の問題を初めとして、職員諸君の待遇の改善問題、税法上の問題、今お答えいただきましたことについて、これは掛値なしに誠意をもってそのとおりに取り運びをしていただきたいということを、重ねて強く希望申し上げておきます。
○藤野繁雄君 私は、政府委員である松岡局長の答弁は、政府の責任で答弁されたものとして、今まで松岡君と私と質疑応答をやったのであります。しかるに、松岡局長は懇切丁寧にあらゆる方面から説明をしていただいたのでありますが、なお不安の点が一、二あったのであります。しかるに、ただいま森君の質問に対して農林大臣は明快なる答弁をしていただいたということは、まことに感謝にたえません。しかし、要は、今お話しのあったことを実行することなんです。この実行がなかったらば、答弁というものは役に立たないのでありますから、私は、ただいま農林大臣が答弁されたことを、必ず実現するという決意をもってやっていただきたいという希望を申し上げますが、大臣の決意いかんを伺います。
○国務大臣(重政誠之君) ただ、私はここで答弁のための答弁をしておるわけじゃないのであります。いやしくも、国会において私は答弁いたしたのでありますから、全力をあげてその実現をいたしますように努力をいたすことを言明いたします。 —————————————
○委員長(櫻井志郎君) ここで派遣委員の報告を議題といたします。 先般、長雨による農作物の被害状況調査のため、当委員会から委員三名が九州地区に派遣されましたが、その調査の概要について報告を聴取いたしたいと存じます。
○温水三郎君 災害報告を私が読みますが、なお足りないところは渡辺委員から補足説明があることになっております。 六月日十から十四日まで、福岡、熊本、鹿児島県の長雨による農作物の被害状況を調査いたしましたので、その概要を報告いたします。 派遣委員は渡辺委員、北条委員、私温水委員の三名であります。なお、私温水委員は十四日に宮崎県を調査いたしました。また長崎、佐賀、大分県の農林水産関係部長が十二日早朝、熊本市において各県の被害に対する陳情をいたしましたのでこれを受けました。これらを含め御報告いたします。 まず、この災害の原因となりました気象状況から申しますと、北九州におけるものでありますが、四月二十日より三十日までの間、日照は三日で、その他の日は降雨であります。五月に入りますと、過去三十カ年平均日照量は、福岡県で二百十二時間、佐賀県で二百五時間、熊本県で百九十七時間でありますが、本年はこれに比べますと、福岡県で約四分の一の五十六時間、佐賀県で約三分の一の六十九時間、熊本県で約二分の一の九十七時間であり、過去における最小日照量、昭和三十一年五月におけるものでありますが、福岡県では本年の二・五倍の百四十三時間、佐賀県では約二倍の百三十四時間、熊本県は約一・二倍の百二十二時間であります。 次に五月中の雨量を見ますと、過去における最大降水量は、福岡県は筑後平野吉井町の昭和八年の三百ミリ、佐賀県では佐賀市で昭和二十八年に三百七十四ミリ、熊本県では熊本市で昭和二十九年に三百六十二ミリを記録しておりますが、本年は吉井町で過去五十七年平均百四十五ミリの約四倍の五百六ミリ、佐賀市では過去六十九年の平均の百五十八ミリの約三・二倍の五百十五ミリ、熊本市では過去六十七年平均の百七十三ミリの二・五倍の四百九十四ミリの降水量であります。湿度も平年を上回り、一時的に晴天を見る日は、高温、多湿でありまして、昼間、夜間の温度差も少なく、異常天候でありました。また、去る一月には西南暖地においてかつてない豪雪に見舞われておるのでありまして、その際の後遺症的被害も重ねられているのであります。 次に被害の量と金額についてでありますが、去る六月七日の本委員会に農林省より資料が提出され、私どももまた各視察地においてその概数を聞いておりますが、被害は日々増大しております。 ちょっと読み落としましたが、一番最初に、われわれは県、市町村等の報告、陳情を受け、さらに各所において農家から陳情を受け、かつ随時、随所の農家または田畑に立ち入り、直接被害状況を視察いたしましたことを、この際報告しておきます。 福岡、熊本県では県下の麦類は収穫皆無、その他、菜種はほとんど皆無、野菜、温室ものに至るまで根腐れ等の大被害であることを初め、ナシ、ミカン等の果樹は二カ年間にわたり、イグサ、茶タバコ、植木また乳牛の乳、鶏の産卵率の低下、養蜂等農産物全部が壊滅的損害であることの報告を受け、かつ現地において確認いたしました。南九州においては、まず鹿児島県において被害率三麦合計約五〇%、菜種約七〇%の数字を示されまして、やや良好の感を受けましたのにもかかわらず、その後の調査によってほとんど北九州と同様、全滅の様相を確認いたしたのであります。 この北と南との報告の差の原因は、若干の気象条件、土地条件の相違はありますが、これはあまり問題でなく、むしろ、政治に対し、農民、県、市町村の感覚の差であると感じます。鹿児島県指宿市における農家の場合、麦の収穫は約四〇%あったというので、その収穫された現物を視察いたしますと、ことごとく等外下以下のものばかりで、あかさびが限度以上に混入され、鶏のえさにさえならないものであるにかかわらず、農家はこれを政府買い入れの対象になるものと錯覚いたしておる事実があります。 宮崎県小林市の場合、市長自身の作柄について見ると、同じく四〇%程度の収量といいながら、その収穫したものの商品価値はゼロなりとみずから判断いたしており、かような状況であり、みずからもまたさよう判断しながら、しかも市の被害率は三麦はほとんど六〇%程度と相なっておるのであります。念のため、最もよい条件のところを視察しても、同様の結果を見たのであります。以上のことを考えますと、南九州においては、食管買い入れの考え方に立って、数量をもって被害率を算定し、品質についてはあまり考えない習慣がついているものと考えます。 最後に、政府出先機関が、この地帯においてはやはり同様の考えを持ち、県、市町村がこれに追随して、農家もまたこれが指導に影響されているのは、米麦供出督励時代の風潮が残っているものと判断いたしました。しかも、南九州において、被害の甚大なるにかかわらず、麦、菜種以外の作物の被害にはほとんど触れていないのは、その証左であると感じました。したがいまして、ここに数字的な報告を省略し、今後、実態に即した被害数が出ましたときに、農林省から本委員会に資料を提出し、御説明されんことを希望いたします。 九州各県の陳情、要望事項につきましては、各委員におかれましては、陳情をお受けになっておられ、御承知のことと存じますので、ここでは列挙するにとどめます。 一、既存法律による陳情。 1 被害農家の資金対策について。 イ、今次災害を天災融資法の特例の適用並びに特別被害地域として指定すること。 ロ、激甚災害法の適用をなすこと。 ハ、被害農家の経営安定をはかるため、自作農維持資金の融資ワクを拡大すること。 ニ、一月の豪雪害並びに今回の雨害等連続災害のため、特に被害甚大な農家にかかわる各種農林資金の償還延期について特別の配慮をすること。 ホ、特に、特殊な立地条件にある開拓農家に対して、資金の貸付並びに既貸付金について、特段の措置を講ずること。 ヘ、天災融資資金の手続を簡易にすること。 2 麦種子対策について。 イ、被害農家の麦種子の自給はきわめて困難であるので、麦種子の確保について万全の措置をとること。 ロ、麦種子の購入費、輸送費、その他の経費につき、助成措置を講ずること。 3 共済保険金の支払いについて。 イ、被害の実態に応じ、適正な評価と保険金の早期概算払いを実施すること。 ロ、農業共済組合の再評価に対し、所要経費について助成措置をとること。 4 昭和三十八年産麦の政府買い上げ及び払い下げ措置について。 イ、本年産麦は著しく品質が低下し、相当量の等外麦が出るので、等外麦下及び規格外についても全量政府買い上げを実施すること。 ロ、被害農家は自家飯用にも事欠く状態にあるので、政府手持ち麦を特別価格で農家に払い下げること。 ハ、麦類並びに飼料用作物の被害により、飼料が不足し、価格も高騰するおそれがあるので、飼料麦並びに政府取扱いふすまについても特別価格で農家に払い下げること。 5 菜種の基準価格について。 菜種の商品化されるものの品質が著しく低下するので基準価格を引き上げること。 6 農業課税の減免について。 国税並びに地方税の減免措置を講ずること。 7 三十八年産米予約概算払いについて、三十八年産米府政予約申し込み開始を早急に実施し、予約概算金の早期支払いの特別措置を講ずること。 8 救農土木事業について、被害農家を救済するため、救農土木事業を早急に実施すること。 9 被害調査、指導等の経費助成について、今回の災害に対し全域にわたり、麦、園芸、工芸作物等被害調査、応急指導並びに病害虫防除、肥培管理等の指導経費が多額に上っているので、これに対し特別助成措置を講ずること。 10 特別交付金の増額交付をすること。 11 P・C・P除草剤の使用規制に伴う新除草剤の使用に対して助成を行なうこと。 12 農協が甚大な打撃を受けるので再び不振農協に転落するおそれがあるので、これが救済の措置を講ずること。 二、特別立法措置について、 イ、農繁期を迎え、営農、生活資金に困窮している被災農家に対し、天災融資法及び自作農維持資金以外の長期無利息資金の融資を早急に講ずること。 ロ、救農土木事業として、土地基盤整備事業等を全額国庫負担で実施せられたい。 三、法律改正について、 イ、天災融資法の金利引き下げ、償還期限の延長をすること。 ロ、農業倉庫の倉庫料について基礎料金を設定すること。 以上、陳情を受けたものを個条書きに列挙いたしただけであります。 次に、各地の視察について申し上げます。 まず福岡県では、六月十一日筑紫野町において水田作の麦を見ましたが、これは赤さび病に侵され、焼く以外に方法がないと申しておりました。バレイショは親指の先ぐらいのものが四、五個ついており、水田作のタマネギもまたベト病でほとんど全滅に近く、鶏卵大のものが大半を占めておりました。また、この町の農家の農業共済に入っておらないとのことであります。 八女市におきましても、麦類の収穫はゼロであり、後作のため刈り取る以外は放置されております。減収率は菜種八五%、豆類九〇%、特に蔬菜類中、水に概して強いナスにいたしましても七〇%を示し、イグサ三一%、ミカン三〇%、ブドウ七〇%、ナシ八〇%、桃八五%、カキ七〇%、茶三五%、養蜂七〇%等のほか、牛乳の出が二%少なくなり、鶏の産卵率も一〇%低下しております。当市では、水田の中のビニール、ハウスのトマト、キュウリを見ましたが、例外なく病菌に侵され、結実しているものが少ないのであります。八女市当局では年間農家総所得十億円のうち、今回の災害で四割減が見込まれると申しております。また、当市におきまして、柳川市の代表より、昨年十月の漁業被害に対する円滑なる措置について感謝されましたことをお伝えいたします。 筑後市におきまして、ナシ、ブドウ園を見ましたところ、ナシは赤ぼし菌に侵され、またナシ、ブドウとも例年ですと、つるの生長がとまる時期なのに、本年はぼうぼうと伸び、この影響は明年の結実に及ぶと言われました。このナシ園は収穫ゼロであり、ブドウはバラふさで三%とまるとよいほうであります。 熊本県に入りまして、放置された麦が至るところに散見され、玉名市において菊池川の川床の麦畑を見ましたが、これまた福岡県と同様に赤さび菌に侵されておりまして、刈り取る手間と焼く手間を考えますと一〇〇%以上の被害であると言えます。 泗水町におきましては、減収率は大麦九五%、小麦九七%、裸麦九六%で、脱穀調整中の麦が若干あるも等外下以下と目され、商品価値がないものと思われます。カンショは三〇%、落花生三〇%、タバコ三〇%、菜種九〇%、蔬菜九〇%、大豆三〇%、アズキ三〇%、スイカ九〇%、桑園二〇%、乳牛二五%、鶏二〇%とあり、農業総所得約四億円中一億二千余万円の被害であり、さらに増大の見込みであります。当町には、農業機械化実験集落があり、ここの指導的役割をいたしております農家の納屋で麦を見ましたが、自分のうちではどうやら鶏にやれるが、商品にはなりませんよと言っております。この集落は耕地整理もほぼ終わり、大型トラクターによる耕作が成功の段階にあり、兄弟共同で二十五馬力トラクターを購入した者もあり、明るい見通しにあるが、この災害が資力のない者に水をさす結果にならないことを望みます。 菊池市に参りまして水田麦を見ましたが、これまでと同じであります。この菊池市一帯は、いわゆる肥後米の産地の中心であります。この地方の稲荷の生育状況は、細くひよわでありまして、このまま推移しますと、分けつも悪く、今後の気象状態がたいへん心配されておりました。 山鹿市におきましても、五月中の雨は平年年間降水量の四分の一に相当し、農作物の被害は前述同様甚大であり、特に農家の青年代表より、麦作以外のものへの作付転換の指導を要望され、また越盆と次期作付に対する資金の援助措置について、婦人代表より陳情がありました。 次に、県下のタバコ作でありますが、熊本専売公社では、当初収穫予想二百四十キログラムで一八%減の収穫と見ております。また県では水稲の田植えを五日くらい早めるよう指導しております。天草ではいもちが発生し、目下鋭意防除に努力中ではあるが、約二千町歩は植えかえざるを得ないとしております。今期の一月の豪雪とこの長雨は、これまで経験したことがなく、薬剤散布の効果があることはわかるが、農家の資本投下をどの程度にすればよいかわからないと言っており、また露地作物の苗も相当やられておるようであります。 十三日、鹿児島県下は台風三号の影響で大雨がありました。指宿市におきましては前述のとおりでありますが、知覧市に参りまして、食糧事務所の人から加世田農林事務所管内におきましては三麦合計数量被害が五八・二%であり、収穫量の五分の一が四等であり、残りは等外であろうと推定されると言われ、また菜種については被害率七〇%で、残り三〇%中商品になるものは約五分の一と推定されるということでありますので、私どもは菜種の被害は約九四%と推定して参りました。日本茶については本年の最高品が昨年の中級品に匹敵するようです。 また、災害のため農地の値段が下がっておるが、固定資産再評価に対する農地課税の増加が心配されると、大浦町農業委員会より陳情がありました。 鹿児島県と福岡県の麦作を比べますと、鹿児島は水田作二三%、畑作七七%、福岡は水田作九四%、畑作六%でありますが、赤さび病の発生は同じようであります。しかし日照量は鹿児島が若干多く、一、二月の降雪による後遺症的な被害が、南と北では差があると思われます。桜島は観光として鹿児島県に欠かせぬものでありますが、この降灰による桑の被害は、噴火口を扇の要として東方に広がり、被災金額千五百万円、被害率五一%であります。鳥の被害といたしましては、西桜島村が大きく、雨で降灰が亜硫酸ガスとなり、果樹やカボチャの葉を枯らしております。わせ温州ミカンの被害が大きく、局部的には農家年間収入の五〇%以上の被害のあるところもあり、桑の被害同様長期低利資金融資を望んでおるほか、果樹共済制度の早期実現を望んでおりました。 ここで奄美大島地域における本年四月以降の早害による農作物被害について、六月八日付で陳情がありましたので概要を御報告申し上げます。 水稲栽培総面積三千八百六十ヘクタール、うち植付不能面積七百九十ヘクタール、枯死面積六十九ヘクタール、用水不足面積千三百十一ヘクタールで、本年生産見込み量一万四千トンに対し、減収率約三七%、カンショは栽培総面積中植付完了面積は百二ヘクタール、サトウキビは生産見込み量四十四万六千トン中減収量二万六千トンが見込まれておりまして、天災融資法に基づく天災の指定と自作農創設資金の貸付と、これが償還期間、据置期間の延長等について善処方を要望したものであります。 十四日宮崎県に参りまして、都城市において水田作の麦と菜種を、都城市より小林市に至る間に、これまた水田作の麦を農家に立ち寄って見ましたが、指宿市の農家同様のことがいわれます。菜種については、食糧事務所の人が買ってくれる先がないので困っているということであります。 小林市より宮崎市に至る途上で、二カ所畑作畑を耕作中の農民に作柄を聞き、見せてもらいました。これも収量はあれど赤さび病が入り、全然価値はありません。宮崎市に至り、県北部の状況が南部よりよいという報告に接しましたが、十五日に至り他のところも品質不良のため、金額的には全く話にならないことが判明いたしましたので、県当局と農業団体に再調査の必要があることを忠告いたしました。また、宮崎市より空港に至る間のわせ水稲にいもち病が若干出ているらしく、防除剤の散布されているところが散見されました。 以上が視察した状況でありますが、このたびの災害は、大部分が裏作ではありますが、永年作、表作等に対する災害がまた予測されるので、激甚災害の適用の要件が出てくる可能性があると思われます。天災融資法の適用には該当するが、前記した中にもありますよう、大半が年間農業総所得の四〇%から五〇%の被害が見込まれます。農家の今期の収入はほとんどゼロであります。資力のない者は、生活資金もなく、今後の再生産もまた確保できないと判断いたしました。 次に、人と家畜の食糧の欠乏であります。また、視察中六分五厘の融資は、期限は短く、金利が高く、農家は借金を重ね、金利を生産するのみと自嘲の声が聞かれました。したがってわれわれはこの災害に関しては、特別立法の必要性を痛感いたします。 二に、異常災害に対する措置として、農家に対する今後の技術指導の徹底がぜひ必要であると思います。 三に、被害各県におきましては、財政の許す範囲内ですでに末端三分五厘融資を行なったり、他県に麦種子の手配をしている県もあるので、この件については国の交付金の増額措置が必要となります。 四、農業共済の実態は、食糧供出時代の影響を受け、国において被害査定をできるだけ少なく見積もる風潮が感ぜられ、そのため同事業に対する農家の信頼を失う結果になっているものと判断いたします。 五、天災融資法の金利は早急に引き下げる必要を痛感いたしました。 六、農業倉庫の基本料金の設定はその倉庫維持のため絶対必要なることを痛感いたしました。 以上、参議院九州地方災害視察報告を終わります。
○委員長(櫻井志郎君) 詳細な調査並びに報告御苦労さまでした。本日は……
○安田敏雄君 今の詳細な報告を御苦労していただいて報告されたのですよ。ところが、委員会派遣でございますから、今の報告を一体委員会ではどういうふうに了承していくのか。了承したとするならば、それに対する最終的な態度を明らかにしなければならぬと思います。そうしてその態度の中から、いろいろの施策を、たとえば特別立法を立てるとか、天災融資法のかげんをするとか、そういう具体的な問題に責任を持たなければならぬと思います。ただ派遣委員の人たちが報告した、それは了承したというだけでは、災害対策にならぬと思いますね。そういうような点についての問題を今後どういうふうにしていきますか。
○委員長(櫻井志郎君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(櫻井志郎君) 速記をつけて。 本日はこれをもって散会いたします。 午後四時五十九分散会 ————・————