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43回国会参議院1963/06/06

農林水産委員会 第31号

発言数
135
登壇者
13
会派数
3
開催日
1963/06/06

会議録

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) ただいまから委員会を開きます。  まずお諮りいたします。青田源太郎君から理事を辞任いたしたい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) 御異議ないと認めます。つきましては、この際、委員長はその補欠として理事に堀本宜実君を指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。   —————————————

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) 農業災害補償法の一部を改正する法律案を議題といたします。質疑のある方は御発言願います。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 私はまず最初に、政府から提出せられた資料について質問をし、それからその後に市町村営の任意共済事業、それから病虫害防除対策、全共連の再々共済と税、こういうふうな点について質問を続けていきたいと思うのであります。  まず、政府から本法律案の提案の理由を説明しておられますが、その説明によって見まするというと、「制度改正は農民の多年の要望でもあり、また、制度運営の現状を早急に改善する必要もあります」こう述べておられるのであります。そこでお伺いしたいのは、今回の改正によって農業者が不慮の事故によって受けることのある損失を補償して、農業経営の安定をはかり、農業生産力の発展に資することができ、また農民の多年の要望にこたえることができるという確信を持ってこの法律案を提出されたかどうか、お伺いしたいのであります。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) 今回御審議をお願いいたしております法律案は、農家の多年の要望にできるだけこたえるという趣旨で立案したものでございます。もちろん、私どももそれで完璧であるということを申し上げかねるのでございますが、少なくとも農家が今日まで抱いておりますこの制度に対しましては、相当のこたえになるのではないか、かように確信いたしているのであります。  まず第一点といたしましては、特に低被害地におきます不満でございます。これは低被害地におきましてはかけ捨てになる傾向があるということが、農家の相当な不満になっておったのでございますが、それに対しましては、従来の掛金の負担の方式を根本的に変えます、あるいは無事戻しを拡充いたしますとか、そういった方法によりまして解決をいたしたい、かように考えておるのでございます。  第二といたしましては、画一的な強制加入方式でございます。これは従来制度に対する不満が相当ございましたので、それに対しまして強制加入を行なってきたということが、農家に対して相当な不満の種になっておった、かように考えるのでございますが、その点につきましても、従来の画一的な強制加入方式は、ある程度緩和するということで、改正をはかっておるのでございます。  それから第三といたしましては、災害が起きたときに十分に損害を補てんされないという不満がございました。これは現在共済金額の選択制をとっておりますので、低い共済金額を選択されますると、いずれにしましても災害が起きた場合の支払われる共済金額が少なくなるわけでございますが、それにしましても、選択制を行なっているにしましても、高い共済金額を選択し得るようにする必要があるということで、従来は、米でいいますと、米価の七割までの選択ができたのでございますが、今度の改正で九割まで選択ができるということにいたしまして、損害補てんの充実をはかっておるのでございます。まあそれらいろいろございますが、さらに病虫害につきましては、すでに防除技術が発達いたしまして、三割以上の被害が起きないということが一般になって参りましたので、病虫害を事故からはずす、その他いろいろな点につきまして、従来の制度の問題となっておりました点を相当に解決いたしておる、かように考えております。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 次には、政府提出の資料の農業災害補償制度改正案対比、これはこの前の委員会で説明を聞いたのでありますが、それによってみまするというと、現行制度と農業災害補償制度協議会の案と、第三十八国会に提出せられたところの案と、今回の提出案といろいろと比較検討して、その説明を承ったのでありますが、そのうちの農業災害補償制度協議会案によれば、農業共済再保険特別会計を中心に農業共済の基金をこれに加えて農業共済保険事業団というものを作って、この事業団には連合会も吸収し、また全国の農業共済協会もその機構の中に入れる、こういうふうな抜本的の改正案であったのであります。また、第三十八国会に政府が提出されたところの案も特別会計が廃止せられて、農業保険事業団を作って、そしてそれによって仕事をやろうというようなことであったのでありますから、大体においては前者とほとんど同様であるのであります。今回の政府の改正案によってみますると、ほとんど現行制度と大差がないというても差しつかえないのであります。この共済制度を運営するのについては、何といってでも土台であるところの実施機構をどうするかということになってくるのでありますが、政府はさきに申し上げたように、制度運営の現状から考えて、速急に改修する必要があるということを認めながら、実施機構を抜本的に改正せられなかったところの理由はどこにあるか。私は制度運営の実況から考えますというと、さらに抜本的な改正が必要と思うのでありますが、そういうふうな抜本的改正はやられる意思があるのであるか、ないのであるか。今回は当座の臨機応変の処置としてこのくらいのことをやって、近き将来において抜本的改正をやる意思があるかどうか、それをお伺いしたいのであります。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) 今回の改正法案は、当座の間に合わせということは、私ども考えていないのでざごいます。と申しますのは、協議会案にしましても、三十八国会に提出されました政府原案にいたしましても、末端の組合の責任を拡充して、できるだけ農家に密着させるということが大きな眼目であったのでざごいます。そのために、機構の上におきましても、協議会案におきましては、事業団方式をとって連合会までそこへ吸収するという方式を考えられたわけでざごいますが、それはそれなりに一つの体系のでき上がった考え方であると存じますが、その眼目になっております末端に責任を移譲して拡充するという点におきましては、今回の改正法律案も継承いたしておるのでざごいます。問題は、農家単位の補償方式をとるかどうかという点において、基本的に協議会案及び政府原案と異なっておるのでございますが、それにつきましては、実際的に農家単位につきましては、実施の面で非常な問題、困難があるということもございまして、今回の改正法律案におきましてはとらなかったのでございますが、むしろ実際的な角度からそうしたということは言えるかと存ずるのであります。  ところで、今御質問の、今後基本的な改正を行なう意図があるかということにつきましては、私どもといたしましては、今回の改正が農作物を中心にしたものでございまして、蚕繭なり、あるいは家畜の共済、さらに新しく作るかどうかということで現在大いに検討調査をいたしておりまする果樹共済等につきまして、やはり何らかの結論を得る必要がございます。蚕繭、家畜等につきましては、再検討を要する点も少なくないのでございます。それらを合わせましたやはり根本的な再検討の機会が近いうちにあるものと私どもは考えておるのでございます。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 今の問題のうちの果樹共済、多頭羽飼育というようなことになれば、これらの問題についてもさらに検討を加えなくては、成長部門の育成強化に支障があると考えられるのでありますから、これらの点については、さらに十分の検討をしていただくようにお願いをしておきます。  次は、政府提出の資料で質問して、さっき申し上げた順序に進みたいと思うのでありますが、まず農作物共済の面積の引受率、これを見まするというと、時間の関係上簡単にやりますが、水稲は二十八年を最高で九四%、これが年々減少して、三十六年には八六%になる、あるいは蚕繭共済の箱数の引き受けは、春蚕は三十一年が最高九〇、三十六年が八六%、それから農作物共済の戸数引受率も、蚕繭引受率も、家畜の共済加入率も年々減少しつつある状況であるのであります。この表から見て考えれば、政府は農業経営の安定をはかって、農業生産力の発展に資するために多額の金を支出して農業共済事業の育成強化に努めておられるのにもかかわらず、右申し上げましたように、あらゆる必須共済事業の引受率が減少しつつあるという原因がどこにあるか、疑わしいのであります。その原因をお尋ねいたします。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) 御指摘のような傾向が確かにあるわけでございますが、これにつきましては、先ほど来御指摘のありました、基本的に制度に対する不満があるということも影響があったと、かようには考えておるのでございますが、数字に即して申し上げますると、水稲につきましては面積の引受率でございますが、これはまあこういう比率はちょっと問題でございまするが、三十年に統計上の面積の修正がございまして、これが若干の影響を与えておるのでございますが、それにしましても三十年以降やや低下の傾向がまだ続いておるのでございますが、これについては三十二年の改正によりまして、きわめて小規模の農家を任意加入制にいたしたことがございます。そういったことが、これはわずかな低下でございますが、影響があるかと思うのであります。それから蚕繭につきましては、御承知のごとく最近は非常に零細なと申しますか、兼業的な蚕業家がだんだん減って参っておる、そういった関係もございますし、また三十二年の改正によりまして、非常にこれも小規模な養蚕家の任意加入制もしかれておりまして、それからの影響も現われておると思うのでございます。面積の面から申しますと、戸数の上から申しますと、やはり水稲にしましてもその他にいたしても、零細な兼業農家等の任意加入制もございまするが、だんだん引き受けなくなってきておる。非常に兼業農家の中でも第二種兼業農家がふえていくというようなことも原因いたしておる。かように考えておるわけでございます。ただ家畜の加入でございますが、家畜のほうは乳牛につきましては、頭数が絶対的に増加いたしているわけです、比率としては低下いたしておりまするけれども。これは結局多頭飼養が増加しているが、加入としては必ずしも多頭飼養の全部を加入しない、そういうような傾向が顕著に現われているのでございまして、これは今後の家畜共済の改正をいたします際に、多頭飼養農家の加入をいかにして促進するかという点で、相当に実態を見きわめた検討を要する点ではないかと、かように考えております。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 次は、共済掛金と事業費について国庫と出次負担との状況であるのであります。この表を見てみまするというと、農作物では国庫が八百四十七億、農家が六百八億、蚕繭では六十三億と五十四億、家畜では六十八億と二百七億、全体で国庫が九百七十八億、農家が八百七十億と、事務費は国庫が二百八十八億、農家が四百十一億、総計で国庫が千二百六十六億、農家が千二百八十二億、こういうふうな数字を示されているのであります。今、申し上げた数字から考えて見まするというと、家畜については国庫は六十八億負担しているのに、農家が二百七億負担している。これはなぜこういうふうに家畜については国庫の負担よりも農家の負担が大きいのであるか、まずこれをお尋ねしたいと思うのであります。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) これは家畜の共済と、農作物の共済とは態様が異なる点が基本的にはあるわけでございます。家畜につきましては、死廃を事故とする共済と、病傷を事故とする共済とあるわけでございますが、現在は死廃を事故とする共済に対してのみ国庫が二分の一を負担しているのでございます。病傷については掛金の国庫負担がございませんので、だいぶ前から国会におかれましても、病傷についての国庫負担を行なうように、しばしば御決議などがあったわけでございまして、農林省としましても毎年予算要求の際におきまして、この点について大蔵省と折衝を続けてきておりまして、いまだ実現を見ないのははなはだ残念でございますが、これは家畜共済の基本的改正ともからみ合わせまして、今後解決をはかって参りたい、そういうようにも考えているのでございます。一方、多頭飼養によりましてその関係の加入促進も必要でございまするので、別途補助金を計上いたしまして、別な形の負担をいたしまして、加入推進をはかるということをいたしているわけでございますが、それらの点につきましては、なお検討をしなければならぬと、かように考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 ちょっとさっきの問題で関連質問したいのですが、先の質問で、水稲の引き受けの率が低下しているという問題で、今の局長の説明によるというと、零細なものが明き受けするのをやめたから減ってきたのだと、こういうような説明であったのですが、これは確かに蚕繭共済についてはそういうことが言い得るような資料になっているようですね。配付された資料による十六ページと十七ページの表見ますというと、面積、それから箱の引き受けの率が出ておりまして、夏秋蚕については、蚕繭共済については確かに三十六年の引受率が八〇%、それの戸数は蚕繭共済においては九六%に九七%、こういうふうに戸数が引き受けの関係は合っているようなんですけれども、どうも水稲の場合は零細なものがやめたので減ってきているのだというのは、この資料からいくというと、私はちょっと説明が矛盾しているのじゃないかと思うのです。というのは、水稲関係では二十六年の引受率が八六%に落ちている。ところが戸数別に見ますというと、必ずしもこれが落ちていないのですね。九五%、こういうことで、したがってこの状況からいくというと、零細なものがやめたからこの率が落ちてきたのではなくして、相当大きなものがこれはやめているのじゃないか、この統計からいえばそういうふうに判断されるわけです。したがって今の局長の答弁でいいのか、どうなのかちょっと疑問に思いますので、この点の説明をひとつお願いしたい。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) まことにごもっともな御質疑でございます。私の説明が少し不十分でございました。まず戸数の引受率、水稲についてごらんいただきますと、三十二年と三十三年の間に段差がございます。これは三十二年の改正できわめて小さな農家は強制加入をやめまして任意加入をやったということが、ここで影響があるのではないか、こういうふうに私ども考えておるわけであります。それから面積との関連におきましては、確かにその後戸数の率はほぼ横ばい、こう申し上げられるわけでありますから、むしろ戸数よりも面積において、一農家でも完全引受を必ずしもやってない場合が出ておる、こういう理解ができるわけでありますが、これについては確かに、被害が発生しない、災害がしばらくなかった地帯がございまして、そういった場面では、さっきも申し上げましたような無事故のための不満がかなりありまして、全部を引き受けない、こういう事例がかなり出ておるのじゃないか、こういうように考えます。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 今畜産の問題でお話があったのでありますが、今回の改正では、従来の法律では乳牛加入奨励金となっておったのを家畜加入推進奨励金、こうなったのでありますから、従来の奨励金は乳牛だけだった。今後はすべての家畜の推進の奨励金をやる、こういうふうなことと考えられるのでありますが、この家畜加入推進奨励金というものは、すべての家畜にやられるのであるかどうか。また、従来の法律を読んでみまするというと、補助金の交付とこう書いてあるのが、今度は交付金の交付とこういうふうに改められておられるが、補助金の交付と交付金の交付とはどれだけ違うのか。また、当分の間奨励金を出す。これは従来の法律でも当分の間だった。それで当分の間ということで従来もやっているし、今度の改正の場合においても当分の間だ。一体、当分の間というのは、どのくらいの期間が当分の間か。もう当分の間がだいぶ長くなっておるんだがという気がするのであります。当分の間とはどういうふうなものであるか、いつまでやられるのであるか。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) 第一点は、対象になっておりますすべての大家畜を対象にしまして交付金を交付する、こういうことでございます。  第二点は、補助金というものを、名前を交付金と変えた理由でございますが、これは特に、実質的な理由はないのでございます。法制局で法文の整理をやっている際に、交付金のほうが適当ではないかということで変えたという経緯でございます。  それから第三点の、当分の間というのは、これは別に期間として限定した定義はないのでございますが、その家畜の奨励金の経緯といたしましては、奨励金を交付するのは一料率期間を前提にして当分の間といった経緯がございます。というのは、料率の改訂を行なった際に、農家の負担がふえるようなことが目立ちましたために、その負担の緩和をはかるという意味で、次の料率の改訂の時期まで当分の間奨励金を交付する。こういう形をとったために、実質において一料率期間という、これは別にきまったものではございませんが、そういうことをめどにして当分の間といった経緯がございます。今回は、それらの補助金を全部変えましたので、あらためて当分の間、こういうことに解釈いたすのでございます。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 そこで、当分の間にということは、ある方面からいえば永続的だ、こう解釈を従来の例からすればいたしておきます。  次に、事務費を調べてみまするというと、農家の負担が国費よりも多い。これは事務費は原則としては国庫が負担するというものであると私は信じておるのでありますが、事務費が、国庫の負担金が少ないという理由はどういうふうなところにあるか、これをお伺いしたいと思うのであります。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) 事務費の国庫負担でございますが、これは従来の合計額で申しますると、お配りいたしました資料でごらんをいただきますように、合計額としましては、農家の四百十一億六千七百万円に対しまして、国庫が二百八十八億八百万円負担、国庫のほうがだいぶ少なくなっておるのでございますが、これは最近数年におきまして、相当この関係は改善しておりまして、ごらんのように、たとえば三十六年になりますと、国庫と農家の負担はあまり差がなくなって参っております。さらに三十七年におきましては、逆転いたしまして、国庫が四十一億七千万円に対しまして、農家の負担が四十億円、国庫負担のほうが大きくなって参っておるのであります。三十八年におきましては、さらに、予算額でございますが、これが一そう国庫負担が大きくなりまして、農家負担は横ばい、こういう形になって参っております。国庫負担の増額と事務費の充実ということにつきましては、この数年特に力を入れまして改善をはかって参っておる次第でございます。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 次は、共済掛金と共済金の支払い状況を資料で拝見しますというと、農作物では、共済掛金が千四百五十五億円、支払金は千四百九十二億円、蚕繭では百十七億円と百四十五億円、家畜では二百七十六億円と二百五十五億円、総計では千八百四十九億円と千八百九十四億円、こういうふうになっておるのであります。そこで、共済金の支払いは共済掛金よりも四十四億九千三百万円多いのであります。支払金が多い。しかし農家は共済掛金のほかに事務費として、さっき申し上げた四百十一億六千七百万円を負担しておる。すなわち農家は事務費として、四百十一億六千七百万円負担しておるのでありますから、前に申し上げました四十四億九千三百万円を差し引いてでもなお三百六十六億七千四百万円負担している。また共済掛金の千八百四十九億五千四百万円の中には、農家の負担しているところのものが八百七十億六千八百万円あるのであります。政府の提案理由には次のように説明しておられます。右のような不合理を是正するため今回の改正案では、農作物共済の共済掛金率の設定と共済掛金の国庫負担の方式の合理化をして、農家負担の合理化をはかりました。なお、この改正により農家負担が増加した組合員等に対しては、当分の間、その増加の割合を基礎として一定額の補助金を交付する、このことは支払おうというようなことに説明しておられるのでありますが、こういうふうに増加したところのものに対して、その一定の補助金を出されるということはまことに喜ばしいことと存じます。改正案によって見まするというと、組合等別基準掛金率の算定、こういうふうなまた資料を出していただいているのでありますが、これは水稲も陸稲も麦も、ともに私の調べたところによれば、多数の県は、現在の農家負担率よりも試算表によるところの農家の負担率が多いのであります。これらの府県では農家の負担が非常に大きく増すというようなことで非常に心配しておるのであります。そこで、提案理由あるいは今申し上げたいろいろの説明から考えて、私は次のようなことをお伺いしたいと思うのであります。  ここにも「当分の間」と、こう書いておるのでありますが、この当分の間というのは、一体どのくらいの期間を考えておられるのであるか。それから一定の額の補助金を出すと言っておられるのであるが、一定の額の補助金とはどのくらいであって、その予算額はどうなっているのであるか。また、補助金算定の基準は補足説明によって見まするというと、一定の方式によって算出するこう書いておられるのでありますが、その一定の基準によって算定されるその基準というものはどういうふうなものであるか。今定めたのもがあったらばお伺いしたいと思うのであります。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) まず第一の「当分の間」でございますが、これはいつまでという年限を今のところきめておりません。今後の料率の推移等を見きわめまして適当な時期まで、こういう考え方でいく所存でございます。  第二の一定の額でございますが、その前に第三点の算定の方式はどういう方式かということにつきまして、大体今回の改正で一部の組合等におきまして料率が上がるところが出て参るのでございますが、その上がる率に比例してという考え方でございます。それが算定方式、したがいまして一定の額と申しまするのは、現行の農家の掛金負担額と改正後における農家の掛金負担額との差額、その差額の額に比例して交付する、こういうことでございます。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 今の説明あったのでありますが、改正案による組合等別基準共済掛金率の計算、これによって見まするというと、大部分の府県が掛金率が多くなりやしないかという心配をしておるのです。それで、そういうような心配がないように、今お話しの増加のところは、それだけのものは補助金として出して、そして農家には今度の改正によって、掛金率の改正によって迷惑をかけないという今の言明によって私は了承いたします。  次は、組織及び職員の数を資料によって拝見してみまするというと、農業共済組合連合会の組織数は四十六、職員数は二千五百八十六人、補助予算人員が二千三百二十八人でありますから二百五十八人が補助職員以外の人間であります。それから農業共済組合等では組織の数が四千百六三、職員が二万五十九人、補助職員が二万二十九人でありますから、三十人が多い。全体からすれば補助職員以外の者が二百八十八人おる。こういうふうになって、ほとんど全部の者は補助職員である、こういうふうなことになっておるのであります。今この中で私は次のことをお尋ねしたいと思うのであります。それは農災で農業協同組合に事務を委託しているところの数がどのくらいあるか。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) ちょっと手元の資料で事務を農協に委託している事例というのはわかりませんが、おそらく現在のところはないと考えております。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 大体において、今までで資料の点は大かたお伺いしたいのでありますから、次には市町村経営の任意共済事業についてお伺いしたいと思うのであります。市町村経営の共済事業は、私の知っている範囲内においては、昭和三十二年の五月から始められたのであります。本年の五月一日現在では六百八に達しておる。将来ますます増加の傾向がある。今各県の状況のおもなるものを申し上げてみまするというと、市町村経営の一番多いところの県は長野県六十三、愛知県が四十四、岡山県が三十六、兵庫と広島が三十三。市町村経営のないのは埼玉、千葉、大阪、香川の四府県であるのであります。そこでお伺いしたいのは、市町村経営の共済事業が増加していくところの理由はどこにあるか、これが一つ。政府は市町村経営の共済事業に対してはいかなる指導方針を持っているか、まずこの二つの点についてお伺いしたいのであります。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) 町村公営が増加している事由と申しますか、原因はどこにあるかということでございますが、これは町村への移譲を認めている法制上の理由にもございますように、今日までのところ共済組合には弱体の組合がかなりございます。その原因はいろいろございますが、経営の規模が少さいと申しますか、該当する農家数が非常に少ないために事業量が過小であるというようなものが一つでございます。また、そのほかに組合員の中に不満が非常に多くて、事業の運営がうまくいかない。これは制度そのものに対する不満である場合もございます。また組合の運営に対する不満もあったわけでございます。その結果として事業の運営が円滑にいかなかったというような事例が根本にあったのでありますが、いずれにいたしましても事業量が過小である、そのために組合の運営がうまくいかないというようなことで、町村に移譲がふえてきた、こういうことが原因としては多いと考えられるのであります。それから町村移譲に対する方針でございますが、これは従来といたしましては、町村への移譲はそういった基本的実態から、共済組合の運営が好ましからざる状態であるというようなことからやむを得ないものとして円滑移譲を指導して参ったのでございますが、今回の改正によりまして、制度の運営に対する不満というものが相当緩和されまして、また、従来そういった状態にある組合に対しましても、今回の改正の趣旨を十分徹底させまして、組合の運営を、正常化することによって実際、現在そういう状態にある組合に対しましては、できるだけ正常な活動を再開するように指導して参りたい。で、それでもやむを得ない場合に町村への移譲が行なわれることにつきましては、今回の改正におきましても、町村の吏員が連合会の役員となり得るというような改正も含めております。町村移譲が円滑に参りますように措置いたしておるのでございます。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 農業共済組合から市町村に共済事業を引き継ぐ場合においては、これは私の法律の研究が足らない結果であるかわかりませんが、家畜共済と任意共済は共済関係は消滅する、こういうふうに法第八十五条の四の第二項に書いてあるのであります。こういうふうな立法の趣旨から考えてみましてでも、市町村というものは、任意共済を行なうべきものではないと私は考えるのであります。このことはまた政府の通達でも明らかになっておるのであります。  今、政府の通達を検討してみまするというと、昭和三十二年の農経局第三千六十七号で、「市町村が共済事業を行うことについて」、これによって見まするというと「法第百三十二条の二の規定により共済事業を行う市町村の農作物共済等資格者又は家畜共済資格者の建物共済は、連合会が行うこととなるが、この連合会の行う建物共済事業に関し、市町村の吏員にこの共済事業の事務を全面的に委嘱することは、そのような取扱いをすることによって建物共済が市町村の事業と誤解されるおそれがあるので、建物共済を市町村に行なわせなかった立法の趣旨から望ましくない。市町村の吏員が本来の業務以外の事業或は事務に従事する場合は、地方公務員法第三八条の規定により任命権者の許可を受けなければならないが、この規定は、その者が市町村の吏員としてではなく、一個人の資格において他の事業或は事務に従事することを規定しておるものであって、連合会の共済事業を円滑に行うためにはそれ以外の者を委嘱することによっても目的を達成し得るものと考える。」こう書いてあるのであります。こういうふうなことから考えてみましてでも、農林省の方針から考えてみましてでも、市町村では任意共済はやるべきものじゃない、これが原則、やるのは例外だ、こう考えられるのであります。こういうふうな原則を一方のほうに立てておられるのにもかかわらず、農業共済事業を行なう組合では、任意共済事業は市町村には推進協議会というものを設けて、そうして連合会の建物共済推進部落長というようなものを設けて、そして農業共済組合連合会の元請をさせて継続させるというようなことになっているのであります。すなわち、私はこういうふうな規定を設けたということは、これは現在まで農業共済が行なったところのものを市町村に移譲する場合において、それを急激にやめたらば農家に重大な支障を与えるから、その引き継ぎの場合における暫定的措置として、過渡的措置としてこれは設けたものであると信ずる。しこうして、その推進協議会の委員の内容を調べてみまするというと、推進協議会のあるいは役員、あるいは委員というようなものには、市町村長であるとか、あるいは助役であるとか、あるいは収入役であるとか、あるいは議員であるとかいうようなものが多数であって、ほとんどこういうふうなもので占められている、こういうふうな状況なんです。であるから推進協議会でやっているのであるが、また部落長をして事務をとらせておるのであるが、こういうふうなことをよく検討してみまするというと、また一方のほうにおいては、推進協議会の経理の状況から考えてみましてでも、あらゆる方面から考えてみまして、私はこれは地方自治法にもいろいろ問題があるじゃないか、また地方公務員法から考えてもいろいろと問題があるじゃないか、また財政法からいってでも、いろいろと問題点があげられるじゃないか、こういうふうに考えられるのであります。さきにも申し上げたように、農家の既得権を侵害しないために臨機応急の措置として取り扱ったところのものを、これを永久的に取り扱わせるということは、これはおもしろくない、またやるということは、今申し上げたように、いろいろの法律にも支障があるような疑いの点も多いのでありますから、こういうふうな問題点はすみやかに廃止すべきものである、その引き継ぎの完了をして、暫定措置が完了したならば、そういうようなものはやめさせるように指導すべきである、私はこう考えるのであります。また、これは古いのでありますが、農災法と農協法ができた当時のことから考えてみましてでも、今さらアメリカの総司令部の例を申し上げる必要はないかもわかりませんが、ただこの点に触れているから申し上げてみまするというと、公的性格を持ったところの共済事業と、任意共済事業とは区別すべきものであるという、こういうふうな総司令部からも意見が出て、そして農業災害補償法では農作物共済と蚕繭共済と家畜共済の必須共済にきめて、任意共済は農業協同組合でやるようにという立法がされておるのであります。しかしその後、いろいろの経過を経て、そうして農災法が改正になって任意共済を災害補償法にも認める、そしてこれは私らもその審議に当たって、当時は万やむを得ないとして認めてきたのであります。そういうふうな経路を経ておるのでありますが、今申し上げたように、市町村に移譲する場合というような場合には、これはさっきも申し上げたように、農家の既得権を保護するために暫定的に認められたのでありますから、その暫定措置が済んだならば、それと同時に、任意共済は市町村には漸次その事業をやめていただくように指導すべきである、またそれが立法の精神である、こう考えるのであります。この点につきましてお伺いしたいと思うのであります。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) ただいまいろんな根拠及び事例をあげられまして、町村に必須事業が移譲されました以後における任意共済事業の運営について、町村がタッチしておるあり方についていろいろな疑問なり、またそれをむしろやめさせるべきではないかという御指摘があったわけでございます。これは御指摘のように、市町村は任意共済事業をやるべき筋合いのものでもございません。また現行法のもとにおいてやれる建前にもなっていないわけでございます。あくまでもこのような民営の保険と同様のものを、市町村が公共団体として行なうということは、基本的に誤りである、かように考えるのでございます。したがいまして、必須事業につきまして、町村に移譲されましてからは、町村は法制上絶対に任意共済事業に触れることはできないわけでございます。で通達で示しておりますように、町村の吏員が、また全面的に連合会から任意共済事業、特に建物共済に関する事務を委嘱されるということも妥当なことではないと考えるのでございます。ただ、地方公務員法によりまして、上司の承認を受けて一部その仕事について協力するということは、地方公務員法に基づいて許されることではございますけれども、それが町村が積極的にこの仕事に介入するという形で行なわれることは好ましくないということであります。そういうことからいたしまして、もしもただいま御指摘のような事例がありましたならば、すみやかに是正させる考えでございますが、推進部落長協議会というものは、これは部落長が集まりまして作っている協議会であると、私どもは考えているわけでございますが、もしも、それが公共団体としての町村に設置されておるような形のものでありますならば、これは妥当なものではないのではないか、かように考えるのでございます。したがいまして、そういったような関係におきまして、町村が任意共済事業にタッチするということがもしありましたならば、すみやかに是正させたいと考える次第でございます。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 私の言うのは、協議会というようなものを作ってやるようにあなたのほうは指導している。指導しているが、その協議会のメンバーなるものをいろいろ調べてみると、町村長であるとか助役であるとか、収入役であるとか、議員であるとかいうような者がやっておる。あたかも市町村がやっているかのような考え方を一般区域内の農民に与えている。そういうふうなことがあってはできないという通牒をやっておきながら、事実はそれをやっておる。これは、あなた方のところは監査をやっておられるのであるから、すでに御承知のはずなのです。御承知のはずであるにもかかわらず、これに是正するところの指導を、今あるならばやるということであったのでありますが、今までは全くやっていないと言っても差しつかえないのであります。あなた方のほうでは、行政庁は組合等または農業共済連合会の業務または会計状況については、一ヵ年に常例として検査をしなければできない、こういうふうな規定があっておるのでありますから、その規定によって毎年一回は検査しておられるはずなのであります。その検査の結果、今私が申し上げたような事例が検査で見出だすことができなかったということであれば、なければ幸いであるけれども、私の知っている範囲では事実あるのです。あるものをそのままにしていらっしゃるということであれば、これは怠慢なのです。また監督規定は、監査の方法は、あなた方のほうでは三十七年の六月と三十八年の七月と三十二年の五月に監督に関する規定を強化しておられる。これはこういうふうなものを撲滅するために強化しておられるのでありますが、あるいは現在の規定でそれを撲滅することができないということであったらば、監督規定も改正していかなければできないということになるのでありますが、今お話しのとおりにそういうふうなことがあれば、それはやめさせるという今お話であったが、そういうふうに了承してよろしゅうございますね。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) お尋ねのとおりでございますが、検査は、ちょっと申し上げておく必要がありますのは、農林省は連合会の検査を実施いたしまして、組合あるいは町村の検査は知事に委任しておるのでございます。その末端の町村の検査の結果につきましては、そういう報告が参っておりませんが、これはおそらく推進部落長協議会というものが町村の機関でないという形になっておるために検査ができないので、そういう報告がないとも解されないことはないわけでありますが、いずれにいたしましても、その点はなお注意を喚起いたしまして、よく調査するようにさせたいと思っております。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 そういう検査ができないような形に置くということが大体間違いなんです。それはさっきも申し上げたように、臨機応変の処置として農民の既得権を保護するために部落長協議会を作ってそしてやらせているのでありますから、それは連合会の元請に関係がある。しこうして、その元請に関係があるところのものがどんなことをやっているのかわからないというようなことだったらば、ますます奇々怪々なんです。この点はさらにひとつ検討して、まだ審議の期間もあるのでありますから、十分に検討をしていただくことをお願いしておきます。  次に、今申し上げたような区域内において、区域内の農民の意思によって、すみやかにそういうふうな任意共済事業は農協に移管すべきものであると総意が決定したならば、それについて政府は進んでそういうふうなことにやるように指導すべきであると思うのでありますが、この点いかがです。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) 町村に委譲された区域内の農家の総意が、建物共済事業は農協に移管すべきものということの総意が明らかになりましたならば、これは御承知の今回両系統団体等において交換されました覚え書におきまして、その際は両系統団体が話し合ってきめる、合意の上できめるということになっておりますが、農家の総意がそういうものであるということが明らかになりましたならば、これは両団体とも、それについて農家の総意を尊重することについての合意は、十分に成り立ち得るのではないかと私どもは考えますが、おそらくそうであろうと思うのでございます。   —————————————

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) この際、委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。  農作物の被害状況調査のため委員派遣を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) 御異議ないと認めます。なお、要求書の作成、派遣委員の人選、時日等につきましては、すべて委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) 御異議ないと認めます。さよう決定いたしました。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 先回の委員会で、今委員派遣の問題について決議されたその案件が提案されまして、温水委員からも発言があり、私も関連して発言いたしまして、全国的な大被害があり、これは当然月が変われば地方から陳情だ何だと押しかけてくる。そういうことを待って、当然やらなければならぬことを、あとから追っかけて行くようなことはいかぬ。だからやるべきことは早くやっていただきたい。そうしてこの委員会にもどういう措置をいたしますという報告もされたいという希望を申し上げ、次官からはよくわかりましたのでさような扱いをいたしますということでしたけれども、もうすぐその報告があるかと待機をしているのですが、ここで委員派遣をきめて見に行ったときに、私どもといたしましてはだれが行くか知りませんけれども、委員会を代表して行くのですから、地方の諸君が聞いたときにこうやっております、こういうこともやっておりますという答えができずに、ただぶらっと見に行くということでは、だらしがないと思うのです。その後の経過はどうなっておりますか、御報告が願えればありがたいと思います。

大谷贇雄自由民主党農林政務次官

○政府委員(大谷贇雄君) きょう午後にでも御報告をいたしたいと思いますが、御了承を願いたいと思います。

北村暢日本社会党

○北村暢君 ただいまの森委員の質疑に対して、災害の実情の報告ですが、これは午後やるということのようですが、それに対して、私は、やはり資料を出してその報告をしていただきたいと思います。それは、ちょっと古いのですけれども、もう災害特別委員会でもちろんやっておるのでしょうけれども豪雪の問題から今次の長雨まで災害が重なっておるわけですから、それごとの被害の実情と、それに対する政府のとった対策、これをひとつ資料でわかるようにしていただきたいと思います。それから法案審議に関連をいたしまして資料要求をいたしたいと思いますが、あとでいいです。

大谷贇雄自由民主党農林政務次官

○政府委員(大谷贇雄君) とりあえず資料の問題でございますが、資料整え次第、提出をして御報告申し上げることにいたします。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 そうしますと、それはきょうの午後ですか、いつですか。その資料の整え次第の説明は、次官はさっききょうの午後と言いましたが。

大谷贇雄自由民主党農林政務次官

○政府委員(大谷贇雄君) 先ほど森委員に申し上げましたのは、先般お話がございました災害の状況を概括的に、きょう午後にでも御報告申し上げますということを言ったのですが、今、さらに資料を出せと、こういうお話しでございますが、資料がすぐに、対策委員会にでも出していると思いますので、至急事務当局のほうへ申しまして、整え次第、きょう午後に聞に合うか、ちょっと私不明でありますので、調査いたしまして御報告を申し上げたいと、かように存じます。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 災害対策にはまだ出していない。資料を出せと僕は要求した。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 そうすると、きょうは口頭だけで説明をする、資料整備の上の説明はあらためてと、こういうことですか。

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) 速記をつけて。  ここでしばらく休憩し、午後一時再開いたします。    午後零時六分休憩    ————・————    午後一時十三分開会

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) ただいまから委員会を再開いたします。  農業災害補償法の一部を改正する法律案を議題とし、休憩前に引き続き質疑を行なうことにいたします。  質疑のおありの方は御発言願います。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 午前の質問に引き続いてでありますが、さっきの市町村で行なう任意共済、これをやるためには、さっきからいろいろとお話申し上げたように、推進協議会がやっている。その推進協議会がやってるが、推進協議会はさっきお尋ねしたところが、監督しようにも監督のしょりがない、任意団体であるから。そういうふうなものが元請をし、そしてこれに保険金を渡さなければならない。また今度の法律の改正で、全共連が再々共済をやらなければいけない。こういうふうなことになってくるというと、この推進協議会が元請して証券を発行するということが厳正に行なわれるということでなくては、あとで非常に問題が大きくなってくるのであります。  そこで、その点については、さらにあとで触れることにいたしますが、農業共済組合及びその連合会の財務の状況を拝見してみまするというと、政府から示された材料によれば、昭和三十六年度の農済連の一般任意共済、これは建物更新共済を除いてありますが、これを検査した結果によって見ますれば、二十件で一億九千七百万円の欠損金が生じておる。さらに損益の状況を見てみまするというと、全国で保険料収入が九億二千六百四十余万円に対して、未収保険料が四億三千百五十余万円、実に四六・六%の未収入になっておる。こういうふうなことは、ある程度の未報告があるにいたしましても、常識では考えられないような点であるのであります。そしてこれは、さっきも申し上げました契約成立の際に疑いの点があるのじゃないか。別な言葉で言ったら、厳正に契約と同時に金の支払いができていないのじゃないか、こういうふうなことが想像されるのであります。  また、ただいま示された政府の資料によって見ましてでも、三十六年度の会計検査院の報告によって見まするというと、建物共済掛金の経理について適正じゃないという指摘を受けておられるところの府県が数県あるのであります。また、こういうふうに会計検査院からも指摘される不当経理の問題が何年たっても跡を断たない。そして会計検査院の検査の結果は、農林関係のものが多いということ、これは農林関係としてはまことに不名誉なことであるが、その大部分のものが、こういうふうな点にあるとしたならばこういうふうな点から考えてみても、今申し上げた推進協議会のようなものを作って、そしてそれで契約をされて、それが上ってきて農済連の経費に関係してくる。こういうふうなことであるのじゃないかと思って憂慮にたえないのであります。  でありますから、そこでお尋ねしたいのは未収入金が四六・六%という大きい数字になっているのは、最初の元請の契約をする場合において、はたして確実に現金の授受が行なわれているのであるかどうかという点が一つ。その次は、会計検査院から不当経理が指摘されるのが、ある県においては全くない県もあるが、これが絶滅に至っていない、あるいは減少するところの気配が非常に少ないという原因がどこにあるか、お尋ねしたいと思うのであります。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) 第一点の、保険料の未収が多いが、これでは契約成立の際に現金の授受が行なわれていないのではないかという御不審の点でございますが、連合会段階におきまして、年度末に未収に計上されている額が相当あるのは御指摘のとおりでございます。これは末端の組合においては、契約が成立して現金が納められておりまするが、大体において契約が二、三月ごろに行なわれるのが多いようでございます。その結果として、組合から連合会への保険料の納め方がおくれて未収になっている、こういう状態と理解しておるわけでございます。しかし、これは必ずしも好ましくないことでございますので、今後はこういうことを是正するように指導して参りたいと思います。先ほど御指摘のありました推進協議会につきましても、これは決して監督ができないわけじゃございませんで、御指摘のような事例がありまするならば、すみやかに是正いたしたいということは繰り返し申し上げたとおりであります。  それから第二点の、会計検査院から共済事業全般について不当経理あるいは事業の運営が不当であるという指摘が多いことは、まことに遺憾でございまして、最近におきましても、それが絶えないということは、はなはだ申しわけないと考えるのでございますが、これは一つには、制度が非常に難解でありまして、運営がむずかしいというような面もあるかと思いますが、それにいたしましても、まことに残念であります。基本的な原因としましては、やはり制度が農家から理解を受けないで不満を持たれ、そのために掛金の徴収が進まない、そういったことがあると考えられまするので、制度の改正をはかりまして、農家の不満を緩和し、また運営自体も、今後さらに厳正にいたして参りたいと考えておる次第でございます。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 今の答弁で、未着の分があるからだというようなことであるのでありますが、しからば契約をして受け入れたところの金は、何日以内に本部に送金しなくちゃいけない、こういうふうな内規がなくちゃいけないと思っているのです。一ヵ月も二ヵ月も手元に保管しておくということであれば、これは経理上許すべき問題ではないのであります。でありますから、そういうふうなことで未着のものがあるとしたならば、その経理に関する処理は、どういうふうな方針でやっておられるか、お伺いしたいと思うのであります。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) これは早急に連合会に納めるように定めてあるわけでございますが、しかし現在の状態は、必ずしも良好とは考えられませんので、これを改めるように指導して参りたい、かように申し上げた次第でございます。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 そこで契約は、末端で契約したならば、その契約が成立したのであるから、その契約に対しては共済金は支払わなくちゃいけないが、それは連合会に、今回の法律の改正によって再々共済に、全共連に上ってくる、そういうふうな場合に、異常責任準備積立金の積み立てにも関係が生じてくるが、どれだけ未収のものがあってでも、その未収には関係がなく、積立金は積み立てができるというようなことになっているのであるか、これは明らかでないからお尋ねをする次第であるのであります。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) 異常責任準備金の積み立ては、契約成立後におきまして、保険料が入って、直ちにそれによって積み立てるのではなくて、剰余金が出た場合に、異常責任準備金をその一部から積み立てる、こういう方式をとっているのでございます。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 今の説明は、そのとおりなのです。しかし保険金を計算する場合においてでも、下から上がっていって、それが連合会の帳簿に上る、それによって損益計算が出てくるから、そういうようなことから考えてくるというと、今のようなことになれば、剰余金、その他の算出にも疑問の点が起こりやしないかと考えられるわけでありますが、そういう点はいかがですか。

岡安誠農林省農林経済局農業保険課長

○説明員(岡安誠君) 御質問の要点は、未収に上がっている場合に現金がない、剰余金の算出または積み立ての場合、問題があるのではなかろうかという御意見かと思います。未収の場合は、当然それに見合いまして、未経過の支払い保険金、そういう引き合い勘定がございます。問題はやはり未収ですから、必ずしも良好な資産ではないわけですから、その見合いである未経過分も、良好な資産でないという状態は、はなはだ遺憾でございますが、剰余金の算出並びに剰余金の処理といたしましての積み立てのほうは、大体問題はないのではなかろうか、むしろ問題は、未収金に見合う未経過分のほうに問題が起こってくると、私どもは考えております。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 この点は、このくらいのところにいたしまして、次は、県の共済連合会の事業の過不足金について資料から伺いますというと、これは数字は省略いたしますが、農作物共済、蚕繭共済、家畜共済、任意共済、こういうふうなものについて、県別にはプラスの県もあれば、マイナスの県もある、こういうふうな実情であるのであります。それで都道府県別に勘定科目別に不足金を生じた理由の大体の数字は、どういうふうになるのであるか、またこれに対するところの対策は、どういうふうに考えておられるのであるか。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) 勘定科目別と申しますと、まず農作物勘定についての赤字の原因でございますが、これはおおむね昭和二十年代に多く出たわけでございます。これは特に二十八年、二十九年と大災害が続いたり、それ以前も非常に災害が多くて、保険収支を長期均衡の建前でやっておりまするので、災害が続くと赤字が多くなる、こういう関係で大きな赤字が出た、こういうふうに申し上げざるを得ないのであります。もちろん運営の点についても、若干不備な点があったこともあると思いまするが、大きな主たる原因は、やはり災害が続いて——豊作続きのときには剰余金が出るが、災害が続くと赤字が多くなる、こういう関係になっておるわけであります。蚕繭につきましても、県別に若干違うわけでございますが、これはそういったものの規模の小さい形で出ておる、こう申しあげたらいいかと思います。  それから任意勘定でございますが、任意勘定で大きな原因となりましたのは、伊勢湾台風でございます。御承知のごとく共済団体のほうの建物共済事業では、風水害を事故に入れておりますので、伊勢湾台風で三重県、愛知県、岐阜県におきまして大きな被害が出ました。そのために三県だけでも数億に上る赤字を出しました。当時国会で問題になりました共済基金からの融資で赤字をまかなったわけでございますが、それが現在残っております。しかし、償還は比較的順調に進んでおるのであります。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 前にも私申し上げたように、昨年の四月一日現在の調査によってみまするというと、共済関係の職員の数が二千五百八十六人である。そうして補助の定員が二千三百二十八人である。だから補助の定員以外は二百五十八人である。それでほとんど全部のものが補助職員である。しかもこの団体については免税である。全部のものが補助の職員であり、免税である、こういうふうなことからいたしまして、常識的に考えて任意共済に不足金が生ずるはずはないのであります。もし不足金が生ずるというようなことであったらば、それは現在の制度が悪い結果であると私は断定しなければいけないのであります。だから職員給はほとんど全部出す、税金はかけていない、そうしてそれが任意共済の仕事をやっている、赤字が出るというようなことであれば、それは現在の任意共済制度が悪い結果だ、こう断定せざるを得ないのであります。さっきお話のように、伊勢湾台風その他の特別の場合でありますが、そういうふうな場合には、それに応ずるだけの、農業共済のほうは積立金に対して無制限であるから、無制限の積み立てをさせたらばいいのであって、されていない結果、こういうふうなことが起こる、こういうふうなことだったらば、風水害を共済の対象にする場合は、その善後策を講じてからでなくてはやらすべきではない、こう考えられるのであります。この点いかがですか。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) 最初にちょっと申し上げておく必要がありますのは、任意共済事業に対しましては補助金を交付していないのであります、それだけ申し上げておきますが、風水害を事故に含めた建物共済というものが、通常非常に狭い範囲内においては、かなり運営上問題があるというのは御指摘のとおりでありまして、伊勢湾台風によりまして東海地方の諸県で大きな赤字を出しました際には、その後料率を引き上げる等の措置をとりまして、今後に備えるようにいたしたわけであります。さらに、これは全国のプールをして危険を分散することも対策になると思うのでございます。その関係で、この全国農協団体の再保険、こういう方式は、まだ今後専門家同士の話し合いできめられるわけでございます。その際に、どういう形の全国プール方式をとるということも十分検討してもらう必要があると考えておるわけでございます。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 任意共済の職員に補助金を出しているとは考えられません。しかし現実の事実はどうかということなんです。職員数が、先に申し上げたように補助職員でないところの者は二百五十八人でございます。補助金をもらっているところの職員が兼務でこれをやっている。であるから、兼務でやっているということになれば、補助金をやっていないと言ったって、事実は補助金をもらった者が仕事をしているということなんである。であるから、人件費は少なくて差しつかえない、ほとんど要らないということなんです。人件費はほとんど要らない、税金は一つも払っていない、しかもそれが赤字を出すということは制度が悪い結果だ、こういうふうに断定せざるを得ないのでありますが、補助金を出していないということは、表向きには出していないけれども、補助金をもらっているところの者が、その事務に従事しているということであれば、補助金を出していると同一な結果になってくる。別な言葉で言ったら、金はその方面には要らない、税金も要らない、それでありながら、なおかつ赤字を出すということは、制度が悪いじゃないか、こういうふうなことである。いかがでしょう。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) 補助金を交付する際に、連合会の定員を二千三百二十八人と押えておるわけでございますが、これは実際にいる人数が二千五百人以上でございますが、その差額は任意共済事業に従事する職員とみなして、実人員に対して補助はいたしていないわけでございます。それを連合会の事務費、人件費等を見まする際には、これは任意共済事業による収入をそれに引き当てられるものとして計算の上で補助する、こういう仕組みにいたしておるわけでございます。  しかしながら風水害につきましては、とにかく伊勢湾の経験がございますので、先ほども申し上げましたように、料率の引き上げあるいは全国プールの措置をとりまして運営を改善して参りたい、こういうふうにいたしておるのでございます。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 任意共済についてはこのぐらいのところで、ひとまず質問をとどめておきます。  次は、病虫害防除の問題であります。これも提案の理由の説明によって見まするというと、「第五は、水稲の病虫害の共済事故からの除外と共済掛金の割引であります。」こういうふうなことで、最近における病害虫による被害の低位安定化の傾向に即応し、病害虫防除事業の推進に資するため、水稲について病虫害の防止のため必要な施設が整備され、その防止が適正に行なわれる見込みがあるものとして指定を受けた組合等においては、病虫害を共済事故としないで、これに対応する部分の額だけ共済掛金を割り引くことができることとするとともに、この割引によって不要となった国庫負担のうち、割り引きされた農家の負担の減額分に相当する額を限度として病害虫防除事業に対し補助する、こういうふうに述べておられるのであります。  また、補足説明によってみますというと、共済事故から除外しないこととなる特定の病虫害は政令で定めることといたしておりますが、稲白葉枯れ病、稲黄化萎縮病等の、現在の防除技術では防除不可能と考えられておりますので、これを除外する、こういうふうなことを書いておられるのであります。  そこで、私がお尋ねしたいのは、水稲の病虫害の防除のみここで取り上げておって、陸稲であるとか、麦である.とか、蚕繭であるとかいうようなものを、取り上げられていない理由はどこにあるか、これは不可能であるからやられないのであるか、将来こういうような方面まで拡大される気持であるかどうか、まず、この点からお尋ねしたいと思うのであります。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) 麦、陸稲等の病虫害でございますが、これは水稲につきまして今回はずし得るようにしたのは、やはり水稲の病虫害の防除技術が非常に進歩しまして三割以上の被害が出る場合がほとんどなくなってきた、こういうことから適用しないということができるようにいたしたわけでございますが、陸稲、麦については、まだそこまでいってない、これは経営の実態から申しますれば、御承知のように畑作として分散的に作付されている場合、したがって防除意欲も比較的低い、これらのものは、気象災害との関係が多いというようなことから、なかなか防除が徹底しない、また分散的に作付されておりますために、動力噴霧機等が使いにくいというようなことがございまして、まだ病害虫防除が十分に進んでいないということから、はずさなかったわけでございますが、このような状態が改善されまして、麦、陸稲等につきましても、三割以上の被害がほぼ出ないというような状態になって参りますれば、これはやはりはずすようにいたしたい、こう考えておるわけであります。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 そうすると今補足説明で説明しておられる稲の白葉枯れ病、それから稲の黄化萎縮病、こういうようなものに対する私、知識がないのでありますが、これは現在、どのくらいの被害があって、どこにその被害が行なわれているか、どの府県に、そしてこの試験は、一体どこでやっておられるのであって、試験の現在の状況はどんな工合に進んでおるのであるか。

石倉秀次農林省農政局植物防疫課長

○説明員(石倉秀次君) 稲の白葉枯れ病のことから申し上げます。稲の白葉枯れ病は、細菌による病気でございまして、おもに風害のあとに出て参ります。全国では、発生面積が最近三十万ヘクタール程度に及ぶときがございます。この発生の広さは、その年の主として八月、九月の台風の頻度と関係がございます。この被害量は約三万トンから五万トン程度というふうに了解しております。  それから、稲の黄化萎縮病は、これはカビによる病気でございまして、このカビが稲に害生します際、胞子が水の中を泳いでいかなければならないという性質がございます。おもに水害のあと、特に浸冠水いたしました水田に発生するものでございます。面積としましては、例年でございますと四千ないし九千ヘクタール前後、被害量は一千トンから千トン程度のものでございます。  この稲の白葉枯れ病の試験につきまして、国立の試験場といたしましては、農林省の農業技術研究所並びに九州、北陸両農業試験場病理の研究室におきまして、発生予察及び防除方法について研究をいたしております。この白葉枯れ病の防除につきましては、現在の階段では、室内で有効な農薬が幾つか見つかっております。主として抗生物質の一種でございますが、現状といたしましては、まだ圃場におきまして十分な効果があがっておりません点、もう一つは、この白葉枯れ病自身は防除ができるのでありますが、一種の薬害と申しましょう、稲の成育が多少劣るような点もございます。現状におきましては、まだ実用化できる農薬がございません。  それから、稲の黄化萎縮病は、最近では、早期栽培地帯におきまして発生がやや多いのでございます。これは先ほど申しましたカビの胞子がやや低温を好む種類でありますため、早期栽培となりますと、水田水の温度が低い時期に田植えをされました際に発生が多いようでございます。現在、この黄化萎縮病の発生が比較的毎年見られます滋賀県に指定試験を設置いたしまして、この病気の生態、それから防除方法を研究いたしております。この黄化萎縮病につきましては、抗生生物のストレプトマイシンというのがございます。これがある程度治療効果があるということが知られておりますけれども、十分なものではございません。現状では黄化萎縮病の発生を予防するという意味で、浸冠水を極力避けるというほかには、これといった対策がないという状況でございます。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 それでその次に、今度は病虫害の今の防除の関係で、ある一定の基準に達したならば、それを除外するというようなことになっているようでありますが、その指定基準と、それからそれによって生じた場合の補助金の見込みと、それから補助金交付の方法、これはどういうふうなことになっておるか、お伺いしたいと思うのであります。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) まず最初に、指摘の基準でございますが、これは第一点といたしましては、防除事業の実施の主体が市町村、それから共済組合、農協等でありまして、市町村に設けられております市町村防除協議会の定めたものである、それから第二点としましては、この防除の実施計画あるいは実施方法が、その地域における防除基準に合致しているということ、それが第二の要件であります。それから第三点としましては、防除機具等の防除手段が整備されておる、発生予察の情報に甚づいて適切な防除が行なわれるだけの用意があるというところを対象に指定して参りたい、こういうように考えておるのであります。  それから補助金の大体の見込みでございますが、これは一組合平均にしまして三十万円程度になるかと考えられます。  それから第三点の交付方法でございますが、これは法律の建前からしまして、一度共済組合に交付いたしますが、それから先に、防除主体に交付する、それは委託という形になるわけでございますが、そういう形で交付いたしたいというふうに考えておるのでございます。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 今までので大体防除の関係はわかったのでありますが、ただ、特に問題が起こるのは、今度の法律改正によって組合員たる資格が、ある程度緩和される、別な言葉で言ったらば、農民でありながら組合員でないところの者が生ずる、組合員でない者が生じたならば、そこで防除計画というものと、組合員外の者との関係が生じてくるのであります。それで私の理想を言えば、家畜等の病気ができた場合においては、すべて強制防除の方法が講じられておる。しかるに農作物に対しては、強制防除というものをある程度やるとしたならば、組合員の申し合わせによるよりほか方法がない、組合員の申し合わせによるよりほかに方法がないとするならば、組合員外の者がだんだんと多くなってくるというと、せっかく政府がいろいろといい例をとって方針を立てておられるのでありますが、かえってそれが防除体制を破壊するもとになるのじゃないかという心配をしている。現在の農災法の九十五条では、損害防止の処置の指示とか、九十九条の一項では、共済金支払いの免責事由とか、いろいろと規定をしておられるのでありますが、これはすべて組合が組合員に対してのみなんです。組合員外に対しては力がないのです。しかし、私の考えでは、だんだんと専業農家が少なくなって、兼業農家が多くなってくるとするならば、組合員外の者が多くなってくる、組合員外の者が多くなってくるというと、組合外に対するある一定の制限を与えて防除の方法を講じなかったらば、いかに組合員のみ防除対策を講じてもその効果が上がらない、こういう結果になると思うのであります。  政府においてはこの点について組合員外に対する防除をどういうふうに考えられておるか、また組合員の資格がなくて、だんだん組合員外の者が多くなってくる、またそれは任意加入の方法がありますけれども、加入しないという者があったらば、私はこういうふうなことによって病気がかえって蔓延するというような心配がなきにしもあらずと考えるのです。それならば、そういうふうなところの対策を、どう考えておられるか、これをお伺いしたいと思うのであります。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) ごもっともな御心配かと存ずるのでございます。しかしこれは、現在までほとんどが強制加入の際におきましても、そういう事例があったわけでございます。まま、零細農家というより兼業農家等につきまして、自分の田畑の防除もやらない、荒らし作りにしている事例が最近多くなって参っておりますが、これは組合員であると組合員でないとのいかんにかかわらず、もう意欲がなくなってきておる、そういう農家は、従来強制加入でありましても、引き受けをやらないというようなことになってきておりますので、そういうことから、そういう農家に対して防除義務を負わしていくということよりも、やはり市町村における防除協議会等を中心とする共同防除の活動を活発にさせる、それに対して、そういう田畑を持っていながら荒らし作りにしているという農家の道義的な協力をさせるということが、現在の植物の病虫害の実態からいたしまして、人間や家畜の伝染病の場合の防除技術なり、病理的な発見方法というような段階から見ましても、やはり道義的な協力をさしていく、共同防除体制を強化するという方向で施策を進めることが肝要ではないかと考えるわけでございますが、そのためには、今回実施されます病虫害防除のための補助金等も、そういった共同防除体制の強化のために使われるようにいたしたい、そのほうが共済契約の関係からする半強制よりもむしろ有効ではないか、かように考える次第でございます。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 政府の意のあるところはわかりました。  次は、農薬問題でありますが、この農作物の災害の対象、対象というか原因が、法律の第八十四条では、風水害、干害、冷害、雪害その他の気象上の原因ですね、地震及び噴火を含む、による災害と、病虫害及び鳥獣害、こうなっておるのであります。ただ私がここで心配しているのは、新農薬の使用を政府は法律によって規制する、今回の農薬取締法の一部を改正する法律案によって、それが現われてきたのであります。しかも政府は今回新たに使用させようとする農薬は、完全に試験済みのものでなくして、まだ、薬害はないだろうという想像のもとに登録を許している、登録している。そういうふうな農薬であるら、農民はこの農薬を使用するのについて非常に心配している、この農薬を使ったらば薬害があるんじゃなかろうかという心配をしている、薬害があるかというて心配をしているところのものを心配させないようにするについては、やはりこれは、政府の登録を受けた農薬を使用して薬害があったならば、それは農業共済の災害として、これを認めてやるんだと、安心してこれを使えと、こういうふうに積極的にすべきものではないかと考える、であるから新農薬を政府が奨励して使用させ、それが農家の利益になるというようなことで、かつまた、その農薬は薬害がないという、政府に自信があったならば、万一そういうようなことがあったらば、政府において農業災害補償法で責任を持つから安心して政府の指導するような農薬を使えと、こういうふうなことを積極的に指導すべきであると思うが、いかがですか。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) 確かに一つのお考えであるかと思うのでございます。ただ考え方としましては、まず薬害が発生しないように万全の対策をとることが第一でございますが、それにつきましては全国にある官公立の試験場で、新農薬につきましては厳密な試験をやって、薬効あるいは薬害等の試験を行なって、その成績をさらに農薬検査所で製品について審査をして発売を許しておる。登録して発売を許しておるわけでありますから、適正な使用方法である限り、薬害が発生することはまず考えられないのでございます。万一発生したような場合には、それが適正な使用方法によっても発生したというような場合には、まず、そういうようなものの発売を禁止し、場合によっては、これは民事上の損害賠償の問題も起こり得るものである。かように考えるのでございます。  これを、それなら保険事故とするかということになりますと、使用法を誤まった場合の薬害というものを保険事故にするということが、まずちょっと疑義があるのでございます。それから、この薬害自体の保険事故としての適格であるかどうかということについては、確率がまだ………むしろきわめてまれな事例であって、保険設計に乗るような確率を示さない、こういうことがあるわけでございます。いずれにしましても農業災害補償法の事故として扱うということには相当な疑義がありますし、別な、むしろ農薬取締法あるいはその他の制度の上での問題ではないか、こういうように考えるわけであります。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 この問題については、いろいろ問題があろうと思うのでありますから、今度の当面している、今使用しようとしている、あるいは使用しなくてはできないというような場面に追い込まれている佐賀、福岡、長崎、熊本、滋賀県、こういうふうな県では、この問題は非常に重大問題なのです。でありますから、各方面と連絡をとって、農家が喜んで新農薬を使用し、そして、その使用によって収穫をまし、万一不時の災害をこうむった場合においては、政府において善処していただくということを、希望を述べておきます。  量後に、私は、全共連の再々共済と税金の問題を取り上げてみたいと思うのであります。この税金の問題は、長い問題でありますから、申し上げればいろいろとあるのでありますが、まず私は政府の提案理由から、これも引用していきますると、「連合会はその行なう任意共済についての、手持責任の一部を全国共済農業協同組合連合会の共済に付することができる旨の規定を新設したのでありますが、これにより建物共済についての農業共済、農協系統両団体間の事業分野の調整が促進され、両団体の建物共済の健全な発展が図り得るものと考えるのであります」と述べておられるのであります。私も政府の愚見と同様に考えるのであります。そして農民の福利が増進して理想の農村が建設せられるように念願してやまないのであります。私はこの際、全共連への再々共済及び農協への契約委譲等に関連する問題について検討を進めてみたいと思うのであります。  今回の改正は、生産者たる農民の経営基盤を確立して農民の経済的の利益を擁護することであるのであります。すなわち任意共済については、今回の改正に伴うて全共連に再々共済し、あるいは農協に契約の移行をすることとなるのであります。その間において農民に実質的な損害を与えないようにするというような措置がとられなくちゃできないのであります。基本的にはどういうふうになるかというと、農業共済組合は非課税の団体であります。農業協同組合は課税の団体であるのであります。そこで今回の改正に伴うて契約者たるところの農民は、現在の取り扱いよりも不利益な状態に陥らないようにせなくては、法律の改正の趣旨に沿わないのであります。すなわち経営者団体の問題でなくして、農民本意に考えていかなくちゃできないのであります。この点から考えてみれば、いろいろと税金の問題があるのでありますが、おもなる問題は、印紙税の問題と法人税の問題であるのであります。まず印紙税から取り上げてみますというと、共済証書等の印紙税については、農業共済団体のものは非課税である、農協系統のものには課税されているのである。そこで今までの農業共済団体で行なっていたところのものを農協系統の団体に移すことになりますというと、従来の無税のものが新たに課税されることとなってくるのであります。このようなことは、はなはだ妥当を欠くものと思われるのであります。かつまた、本来これらの両者は、全く同一の性格の事業であり、根本的には農協系統のものについても、当然無税とすべきものであるのであります。現に農協団体と同じように、中小企業等協同組合の行なっているところの共済証書に対しては非課税であるのであります。したがってさしあたっては、前に述べましたように、農業共済団体が今後も行なう農作物共済を全国共済農協連の再々共済に移行する場合及び農業共済団体から農協系統団体に移管すべき任意共済についても印紙税が新たに課せられることになります。しかも金額は相当大きい金額であるのであります。また根本的には農林水産関係の協同組合が行なうところの共済事業の本質から考えまして、これらの共済証書には印紙税は課さないのが当然であって、全免すべきものであると私は信ずるのであります。  次に法人税について考えてみまするというと、自然災害による事故を填補する建物共済の異常危険準備金の積み立てに対しては新たに法人税が課せられるようになってくるのであります。御承知のとおり、自然災害による損害率というものは、さっきも伊勢湾台風の例を述べられるようにその損害のふれが非常に大きいのであります。非常にそのふれが大きいのであるのにもかかわらず、農協が行なっておるところの現在の建物共済の場合においては、積立金の率が非常に少ないのであります。別な言葉でいったならば、不十分なのであります。これは政府も御承知のとおりなのであります。その結果はどうなっておるかというと、農災法によって任意共済を支払う場合においては、全額支払っておられるが、農協連の場合においては削減払いをする、すなわち全体の損害を負担することができないという、双方においては不均衡の状態にあるのであります。であるから、この不均衡がないためには、異常危険準備金のうちで自然災害を対象とするところの普通の積み立ての率は、いかなる風水害であっても支払うだけの余裕があるだけの積み立てをさせなくちゃできないのであります。これは今回の法律改正によって、当然そういうふうにしなくちゃいけないのです。今までは全額の損害を農災では責任を持っておった。全共連に再々共済をやったところが、削減払いでなくちゃできないという、こういうふうなことはあり得ないのであります。また、そういうふうなことをさすべきじゃないのであります。であるから、この際においては、たとえば船舶共済のようなものは百分の百六十、また農協の場合を実際調査してみるというと実際は百分の百八十一・四、それが農協の場合に認められているのは百分の百、こういうふうになっておるのでありますから、農民の利益を擁護し、これらの団体の経済経営の改善をはかり、発達をはかるためには、どうしたってでも、この積立金のワクを拡大して、そうしてこれに対する法人税をかけないというように指導せなくちゃできないのであります。すなわち農災と同等の取り扱いをやらなくちゃできないのであります。また農協関係のものが農済系統から引き継いだところのものに対しては、いかなる場合があってでも財産と損失を引き受けたときには、その財産及び損失については、その財産は農協連、農協の利益には算入しない。それから損失があった場合においては、その損失は損失として受け入れて、これは次年度の場合においても損失を継承することができる、すなわちあとで利益が出ても、その損失からカバーして利益を少なくすると、こういうふうな態度でなくちゃいけないと思うのであります。  こういうふうに考えてきて見まするというと、私はその他の事業税であるとか、というような税金もあるのでありますが、この際においては、以上の印紙税と法人税については非常に問題があるのでありますから、農林漁業者の代表である、またそれを指導監督しているところの農林省としては、その農林省が中心になって各方面に交渉をして、この問題の解決のためには強力に推進していかなくちゃいけない。これが農林省の当の責任であり、また農業基本法に規定するところの法律の精神にも合致するものであると私は信ずるのであります。これらの点について農林省の見解と、決意のほどをお伺いしたいと思うのであります。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) 最初に印紙税の問題でございますが、これは従来の政府としての考え方は、国が再保険する、または何らかの形で援助をしている場合において、印紙税の免税を認めるというような原則に基づいて運営されて参ったわけでございます。そういう原則がありまするので、その実現の問題について若干の問題が伴うことは考えられるわけでございますが、中小企業協同組合の共済事業につきましては、現に印紙税は免税になっているという御指摘の例もございますので、農林省といたしましては、御指摘のような方法で今後大蔵省と話し合いをやりたいと考える次第でございます。  それから第二の法人税——再々共済が行なわれた場合の法人税の非課税の問題、異常危険準備積立金に対する法人税の非課税の限度の問題でございますが、これは先般農協系統団体と、共済系統団体との間で、この問題が協議される覚書も調印されたのでございますが、この再保の方式につきましては、両団体がそれぞれ専門家を出して、どういう方式で再保をするか、一方において農協系統団体は、その再保を受けた結果として不当に責任を負い、そのために運営が困難になるというようなことのない方式を確立することを望んでおりますし、共済団体としては従来の短期建物共済についての全国プールの機能が十分に発揮されるように望んでおります。それらは技術的に専門家の十分な検討を経た上で、保険方式がきめられるのが一番望ましいことであると、農林省としても考えているわけであります。したがいまして、どういう方式がとられ、歩合再保険方式を取るにいたしましても、どういう歩合で再保険が行なわれるということにもよることでございまして、直ちに異常危険準備積立金の非課税が、現行の制度で不十分になるかという点については問題がございますが、その必要が生ずる場合におきましては、農林省としましても大蔵省とその点につきましては解決するように折衝をいたしたいと、かように考えておるわけでございます。  それから第三に御指摘になりました農協系統団体が、今回共済事業団体が従来行なっておりました任意共済事業関係の事業を引き継ぐ際に、承継する資産、赤字の資産も黒字の資産もございますが、これに対する課税の問題でございますが、これは覚書によりまして、事業の引き継ぎ等について、今後十分話し合いをすることになっております。どういう形の引き継ぎを行なうかということは、これは保険の契約でございますので、一応すべて解約した上でやるか、新年度から新たに一方は事業をやめ、一方は事業を開始するという形で承継するか、その辺のことは具体的に今後話し合いできまるわけでございますが、それらの結果も見まして、もしも措置する必要がある場合、これは場合によっては立法上の措置が必要になるかと思いますが、必要によっては、そういう措置も考えて参りたい、かように考える次第でございます。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 今の印紙税は、大体それでよかろうと思っておるが、法人税のことについて、もう少し決意を新たにせなければいけぬな。とにかく同じく自然災害を対象としているところのものでありながら、農災法でやれば全額責任を持つことができる。しかし農共法でやればそれができない。できないというのはなぜかというと、政府の指導方針によってできないことになっている。これは法律問題じゃないのです。行政処分によってできる問題なんです。行政処分によってできるところの問題を今回農災法を根本的に改めるという際に、法律によらずして、行政措置でできるところのものも打ち合わせしなくちゃできないというようなこことでは、なまぬるいと思っておる。もちろん実行する場合においては打ち合わせしなくちゃできないけれども、農林省の決意としては、そういうふうな不合理の点は必ず是正する、そうしてそれに向かって、私などは最善の努力をする、こういうようなくらいの決意は示されてもらいたいと思うのであります。  次に、今度全共連に再々共済をやる場合においては、建物の共済というものは引き受けたところのものを全部再々共済にするということじゃなくちゃできない。なぜかといったらば、危険が多いところのものは、再々共済にするが、危険が少ないものは再々共済にせない、こういうふうなことになったらば、全共連の赤字は、危険度合いは、ますます大になってくる。でありますから、こういうふうな場合においては、これは政府の指導でできるのであるから、そういうふうなものは全額再々共済にするよりに指導するという決意があるかどうかお伺いしたいのであります。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) お尋ねの点は、全部の契約を——たとえば風水害のつかない火災の契約も、風水害のついた火災の契約も、契約の全部を再共済に付すべしというお尋ねかと思うのでありますが、その点については、農林省も同感でございます。そういうふうに指導して参りたいと思います。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 一応これでやめておいて、あとでまた質問いたします。

堀本宜実自由民主党

○堀本宜実君 先ほど藤野委員からお尋ねのありました病虫害は共済の事項から除外し掛金を割引きすることができるということについての御質問があったようでございますが、私はこの委員会で五年前に病虫害防除ははずすことはできないかという質問をいたしましたら、その当時の当局者は、病虫害と災害の度合い、あるいは災害関係は不可分のものであって、これを切り離すことができない、したがって共済事項から病虫害を除外することは不可能であるという答弁を受けたのであります。それが現実の問題として、たとえばいもち病が発生しておるところへ風が来た、それがために起こった災害かどうかということであって、そのよって来たる原因が病虫害であった場合でも、それは病虫害後に起こった、重ねて起こった災害によって、その災害がなお増加した場合は、どういう処置でこれを見ていかれる所存か、そこのところを伺っておきたいと思います。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) 確かに御指摘の問題があるのでございます。ずっと前に堀本委員から御質問があり、それに農林省がお答えしたことは、現在は昔に比べればよほど技術的にそれができるようになってきたと申し上げられると思うのであります。しかしそれにしましても、冷害にいもちはつきものでございますけれども、その減収が冷害からどれだけ起きて、いもちからどれだけ起きたということを判定することには、なお若干の困難があることは御指摘のとおりでございますが、これはしかしながら農林省としましては、病虫害による減収の推定尺度というようなものを作りまして、完璧な評価はなかなかむずかしいとは思いますが、おおむね納得していただけるような基準でやって参りたい、損害評価全般について、そういうことは言えますけれども、特に病虫害の事故による減収、それ以外の事故による減収の区分というものにつきましては、そういった措置によりまして解決して参りたい、かように考える次第でございます。

堀本宜実自由民主党

○堀本宜実君 そこで、私は衆議院の段階においても、また当委員会においても、主として農作物を中心とした御質疑が行なわれるであろうし、また今回改正をされました改正案についても、農作物を中心として改正がされておるようでございますので、この際、家畜共済等について若干の質疑をいたしたいと、かように存じます。そこで、畜産の実態に合うような共済制度を至急設ける必要があるという問題でございます。従来は副業的な畜産と言われておりますものでございましたが、わが国のただいまの畜産は副業の畜産ではございません。いわゆる畜産農業と称して、むしろ企業的畜産であると申し上げて差しつかえないと私は思う。で、それぞれの加入が、家畜個体について、それぞれ一個一個について加入をしておるのが現状でございますが、農林省当局もお認めになっておるように、今度の改正は、災害の発生の状態に変化がきたとお述べになっておられまするし、また被害の地域の差が拡大をしておる、また、農業経営の実態の面に合わないから改正をするのだ、こういうふうに述べておられる、そういうことであるならば、畜産の実態が集団飼育であり、多頭羽飼育に変わってきた、今日個体、おのおのの一頭一頭が加入をしておった副業的な畜産の時代に創設された家畜共済というものと、現在のような畜産形態を持つ状態のときに保険を実施しようとすることでは、むしろ農作物共済と同様に家畜共済も改正をすべきものであったと私は思うが、それを改正しなかった理由は、何ゆえ改正をしなかったのか、それについて御意見を伺いたいと思います。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) 御指摘のように、最近における家畜の飼養が、副業的な畜産から漸次専業的といいますか、企業的な畜産の形をとりつつあることは、私ども十分家畜共済の運営について考えに入れておるところでございます。しかしながら御承知のような経緯によりまして、農作物共済の改正につきましては、種々の経過を経まして、教育をやり研究会をやり、いろいろな経過を経まして、改正案ができながらなかなか実現しなかったということで、農作物共済の改正をまず実現することに全力を集中いたしましたのと、多頭飼養の実態というものが、ここ一、二年において特に顕著になってきておるということもございまして、私どもとしましては、家畜共済を、ただいま御指摘になりましたような事態に即応して早急に改正を検討すべき段階にきておると考えておるのでございます。この今回の改正が施行されましたならば、直ちにその検討に入りたい、種々の多頭飼育者の加入問題等も、その際に十分検討して新しい事態に即応する体制を整えたい、かように考えております。

堀本宜実自由民主党

○堀本宜実君 私は、今回これらの改正をみられなかったことは、まことに遺憾に思うと申し述べたのですが、農林省は、多頭羽飼育経営に応じて、この改正が行なわれた直後、明年度にでも多頭羽飼育に合うような家畜共済の方向に改正をしていきたいという御決意があるようでございますので、私はたいへんこの点については心強く感じます。  そこで、必ずこれをひとつ実行していただきまするように、ここでだけの答弁で終わらないようにどうぞひとつ念を入れて申し上げておきたいと存じます。それがために、若干の私見を申し述べたいと存じまするが、この場合に、加入制度の問題でございます。加入制度を行ないまするときに、今までは個体加入でありましたが、これからは集団加入、複数加入にすべきである、こういうふうに考えます。例を引いて申し上げますと、これまことにわが田に冷水を入れるようで、はなはだ恐縮なんですが、一頭、二頭が代表加入をいたしておりまして、病気したときには、それがいつでも病気の代表者になるという例がないではないのでございまするので、そういうことを改正をいたしまするためには、こぞって入り得るような、みんなが入ることにおいて逓減料率によって加入を促進するという制度が加えられなければ、これは私は多頭飼育、多頭加入といってもそれはおぼつかないと思うのでございます。したがいまして、まだこれから検討するのでございますから、それがよろしいぞと申し上げましても、直ちにそれがよろしいとお考えになるかどうかはわかりませんが、私の私見といたしましては、逓減方法を講じながら、複数でこぞって加入をするという方式にされるようにお願いをまず申し上げる。これが第一点。  第二は死亡、つまり死廃病傷——これは四つの保険が一緒になっております。つまり死ぬることと、廃用になることと、病気をしたことと、傷ついたこと、これが死廃病傷という、まことに短い言葉で表現がされておるようでございますが、これが全部一度でなければ加入ができないということにも、若干の私は矛盾があると思う。経済動物でありまするので、死ぬるということが一番悪いのでございますが、廃用になることもまた必ずしも望ましいことではございません。廃用、死亡の前には、病気となり、傷ついたこと、それが原因になって死亡になり、廃用になるのでございますが、それが一度に全部加入をしなければならぬというふうに私は聞いておりますが間違いございますまいか。間違いありませんね。それならば、私は一くるめで加入をせよというところに、少し農家の経済の上から考えて問題がある。少なくとも自由選択というものをなぜ許さないのかと、死亡と廃用たけを加入いたします。あるいは病気とけが、いわゆる傷をしたとき、けがをしたとき、そういうときだけに、私はこの料率で加入をいたしますという、区分があってもよさそうなものだ。一律に入らなければ入らしてやらないというようなこと自体が、私は何となしにお役所式のように考えられる。将来これを分離して、自由選択、あまりに分離しますと、これは困ると思います。これは経営上困ると思います。組合経営の上から考えて私は困ると思いまするので、どの程度に分けまするかは、これは専門家の意見を求めておやりになるがよろしいと思う。一度こしらえたものがいつまでも変わらないで、そのままおって、そうして、ひっくるめて死廃病傷ということであることは、はなはだ遺憾に思いますので、自由選択を許すべきであると思いますが、その点について、どうお考えになりますか。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) いずれもごもっともな点で、確かに今後の改正におきまして検討をすべき問題であると考えておる次第でございます。  最初の集団加入といいますか、多頭飼育者が自分の数頭持っている家畜を加入する場合に、逓減料率を適用せよということは、これは確かに十分検討をしなければならぬ問題であると従来から考えておるのでございます。今までの多頭飼育の実態と加入の実態を検討いたしますると、どうしても多頭飼育者が加入が悪い、これは多頭加入者はむしろ技術が、りっぱな技術を持っていて、あまり危険がないのにもかかわらず、同じ料率の適用を受けるというようなことからくる不満もあるやに聞いておるのでございます。そういった点からいいまして、逓減料率がいいか、ほかの方法がいいか、これは検討する必要があるかと思いますが、十分検討さしていただきたいと思います。  第二の死廃病傷の全部を一ぺんに加入しないで、そこに選択の余地を残してはどうかという御提案でございますがこれも確かに農家の加入する側に立って考えました場合に、十分考慮をしなければならぬ問題ではないかと考えるのでございます。御指摘のような組合経営の問題もございまするが、それらは、あわせて基本的な検討をやります際に、十分検討さしていただきたいと思います。

堀本宜実自由民主党

○堀本宜実君 これも御一緒に御答弁を願ったほうがよかったと思いますが、つい落ちまして申しわけございませんが、掛金の分納制度というようなものはいかがなものであろうかと思うのであります。これはごく簡単なことで理由も何もございません。農家が、最近の乳牛なんというものは相当掛金率が高いものですから、それで加入を渋る向きがございまして、乳牛のただいまの加入率は、たしか四九%程度ではなかろうかと思う。有資格頭数の半分しか加入していないなんということは、私はまことにざんきにたえぬと思う。そこで全部のものが加入をそろってできるようにいたしまするためには、分納制度も必要であろうかと思いますが、分納制度はできるようになっておりますか。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) 実は本年度から、年二回ないし三回に分けて分納することができるようになっております。

堀本宜実自由民主党

○堀本宜実君 次に、家畜診療業務を適正に行ない、かつ合理化をする必要があると私は思うのでございますが、そこで診療所の診療業務についての仕事の内容を分析をいたした表を拝見いたしますると、診療所においては診療業務を七五%行なっておるようでございます。そうしますと、もうほとんどその業務に従事する七五%というものは診療に忙殺をされておる、こういうふうに考えるのでございます。少なくとも私は組合の健全なる発達、あるいは農業共済が農家経済にとって最も好ましいあり方といたしましては、なるべくその損失事故を少なくするということでなければならぬ。それがためには予防、損耗防止という仕事がなければならないはずだと私は思う。それが考えられておらないということは、まことに私は遺憾だ。というのは、一診療所に一・四くらいの技術者しかいないから、つまり技術者がたいへん少なくなったということなんです。そこからきているのじゃないかと私は思う。その点どうお考えになりますか。診療所だから診療しておればいいのだとおっしゃるのか、あるいは今言う診療所自体、そういうものがやはり予防的処置、あるいは未然に防ぎ得る処置、衛生管理というようなものの指導をするということがやはり仕事のうちにあるのではないか、こういうふうに考えるのでございますが、それに対しまするお考えはどういうふうにお考えになりますか。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) これもごもっともなことでございまして、事故が起きる前に予防措置をとって事故を少なくすることは、実は組合自体の運営からも望ましいことでございますが、御指摘のように、診療業務に忙殺される、人手が足りないというような事情もだんだん出て参っておるのでございます。それは診療所の職員が、最近減る傾向が出て参っております。どうもよそのより有利な方面に就職していくという傾向が出ておりまするので、一方におきまして待遇改善にも配慮いたしておるわけでございますが、さらに診療所の施設も充実し、予防のための指導のほうにも十分時間をさき得るようにすることは確かに適切な処置かと思いますが、これらは基本的な制度の検討の際にも必要でございますが、それを待つまでもなく、今後十分配慮して参りたいと思います。

堀本宜実自由民主党

○堀本宜実君 今申し上げましたように、家畜衛生という、衛生に重点を置いた診療を行なうということが、共済組合でも必要であるというふうに御認識をしておられるようでございます。そこで人が減ってきて、おらないから工合が悪いのだというお話なんだが、これはいろいろ理屈はありますが、理屈とこうやくはどこにでもつくのですから、どういう話にでもなるわけですが、私はこの全国の給料表を見ますと、北海道における一年間の組合の人件費を見ますると、診療所にありまして、北海道では五十八万七千円余を支給しておるようでございます。ところが内地では二十八万八千円ほどでございまして、半分にならないのですね、半分にならない。半分にならないで二十八万円程度で一年間をまかなおうというところに、私は無理がきておるんじゃなかろうかと思う。これは組合が出したらいいんじゃないかといっても、なかなか組合が、農家からは出せないので、これは政府としても、もう少し何とか今の衛生の方面といいますか、予防衛生といいますか、そういう方面に相当の時間ができるように充実指導体制をとるべきであるということを是認を今されたのですから、ひとつこの給与の改定も、当然行なわないといけないのですね。これは夏がきて一枚ずつ着物をぬいでいきます。秋から冬に入っていくにしたがって一枚ずつシャツをふやしていくこれは自然の道ですよ。何月何日から一枚羽織を着なければいけないという規則がないのだけれども、やはりそれが一つの自然の道なんです。給与をやれば、それは人は集まるのですよ。給料を出さないでいて、そういうことが人が足らないからできないというようなことでは、私はどうも指導体制は充実したとは申し上げられぬと思うのであります。その点は、お考えはどうでございますか。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) まことにごもっともでございます。同じ組合の中でも、獣医師の待遇については、一般職員よりもむしろよいわけでございますが、しかし、それでも、さっき申し上げたような傾向もございますので、従来とも待遇改善にはいろいろ苦心して参りましたが、今後とも十分配慮したいと考える次第でございます。

堀本宜実自由民主党

○堀本宜実君 そこで、私はもう一つ申し上げて……、これはどこにでもこういう例があるのですが、組合と連合会との俸給表を見ますと、連合会が高いのですよ。これは連合会というものは、いわゆる連合されたもので、末端の組合よりは上位におるといいますか、何かそういうような社会的通念の上から高いのですが、共済等は末端で働くという仕事なんですよ。机の上で仕事をするという機会は比較的少なくて、病虫害の予察にいたしましても、あるいは疾病治療にいたしましても、組合の経営、連合会の経営ということになりますと、やはり組合の末端におりまする者が、直接畜生なり耕作農民と密接な関係を結びつつ、しかも連合会におる職員よりも余分に肉体的な働きをしておるというのが私は通例だと思う、ところが連合会のほうは、これもあまり高いとは申し上げられませんが、少し組合よりはよろしいようです。とにかくやはり末端で働く者を優遇するというお考えを、これは答弁は要りませんよ。答弁するほどのことはない、これはもう当たりまえのことなんですから答弁は要りませんが、これがほんとうだとお考えになったら、ほんとうに指導をされるように私は強く要望いたしておきたい、こういうふうに思います。  もう一つございますので申し上げておきたいと思いますが、家畜共済診療所の配置は、従来馬が相当地方におりました当時に考えられたのじゃないかと思われるような配置になっておるようです。この配置は将来——診療所のない県があるのです。一つもない県があるかと思えば、診療所をむやみに作っている県がある。これはどうしてそういうふうになったのですかとお伺いすることがやぼですから、これは申し上げません。定見がないということなんでしょうから申し上げませんが、とにかく何かそこに、ふぞろいなものが散見されます。何もない県があるんですよ、御承知でしょうね——。ところが、経済局というものは畜産をやっていないのですよ。畜産局というのが農林省にある。そうして、畜産の指導行政、衛生、治療、そういうことはおおむね畜産局がやっている。ところが、経済局に畜産があるのは、この家畜共済の畜産だけなんです。これだけなんです。だから、ひとり烏みたいなもので、いわゆる行政の立場からいうても、孤独な感じがないでもないと私は思う。これはむしろ畜産局に持って、相互の力でやはり畜産の団体、その他の中に包含されて経営をされることが、受ける農民としては私は便利だと思う。そうですよ。これは一足す一という足し算でなしに掛け算になるのですよ。他にいろいろな、たとえば家畜保健所があります。あるいはまた畜産組合があります。いろいろな畜産の団体があるんです。ところが、経済局にはこれだけしかないから、指導方面に対するお考えが少ないのです。非常に希薄です。私らからみますと、家畜共済というものの中におるのだということだけで指導してやろうということ、その考え方がきわめて薄い。したがって、診療所の配置というものが適正でない、こういうことが私はいい得ると思う。できれば、家畜共済のあるようなところに家畜診療所があると、機具を貸してくれ、顕微鏡を貸してくれ、ちょっと助けてお前も見てくれないか、教えてくれないかというのに、きわめて便利なんです。それが独自の立場でやっているから、そういうことを求めようとする意思があっても求められないという現実が地方にはある。それは行政として何か思い足らざるものがあると私は申し上げて差しつかえないと思うのですが、こういうものは少なくとも横の連絡をとって大いに調和をし、充実をはかっていくということが今後必要である。それがためには家畜診療所の配置あるいは診療所内における今後の取り扱い等についても、十分に心してこれを再観察をするということが必要であろう、こういうふうに考えます。これは答弁要りません。わかり切っておることですから——大がい御答弁をいただいても、そのとおりですと答えられるので、私は答弁を求めません。  次に私は、これはお答えをいただきたいと思いますが、家畜診療について、つまり点数表でやっておるのですね。その点数表をいつおきめになったか。去年でありますか、昨年度の予算で一二・五%の診療費の改定があったやに記憶があるのでございますが、その後また、今年若干の点数改正をいたしました。そこで、その改正をされたいきさつ、経過といいますか、現在、どういうふうになっておいでになりますか伺いたいと思います。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) 診療点数の改正は、三十七年度と本年度と二回にわたって実施いたしております。昨年度と本年度の改定を合わせまして、約一七%を引き上げております。そういう状況になっておる次第でございます。

堀本宜実自由民主党

○堀本宜実君 三十七年度予算編成のときに、農林省は二〇%あまりの改定を大蔵省に要求したはずだと私は記憶を持っておる。それがならなくて一二・五%、その次に何がしか足して一七%の改定になった。これらの改定をいたしまする場合——今、厚生省でも医療団体、歯科医師あるいは薬剤師等で問題が起こって、数年前からずいぶん紛糾をいたしておる。これは開業獣医師も八十数%これに関係して、指定獣医ないしは嘱託獣医をいたしております。そういうものがあるにもかかわりませず、民主的にこういうものをきめようとするときに何らの相談もしない、あるいは公開の意見を聞こうとしないように思うのですが、どういうことでしょうか。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) 確かに社会保険の上におきまするような協議会というような制度はございませんで、役所が形式上一方的にきめる形になっておりまするが、非公式にはできるだけ御相談いたしまして、役所だけでは十分な識見がございませんので、よく伺ってきめるようにいたしておるのでございます。

堀本宜実自由民主党

○堀本宜実君 それは局長さんだけがお考えになっておることでございまして、現実には、決してそうではございません。私はここで暴露をしようとは思いませんが、絶対に意見を聞きません。こういうふうになりましたから御意見をというのだが、御意見を言うても、一つも取り上げはしません。また、そのときにはすでにきまっておる。これはこういうふうでなしに、いわゆる共済組合の人たち、あるいは共済組合の実態を運営をしている会計の人たちなり、あるいは実際に診療に従事している者、そういう者を呼び、あるいは開業獣医師に手伝わしておるのですから、そういう者の意見を聞き、そうしてしかる後におきめになるのが当然なのであって、一定の点数を役所だけできめて、そして技術まで同一規格の中に押しこめようとする手段は、実に非文明的であり、非民主的であるといわなければならない。これくらい近代社会におよそ、不明朗なとは申しませんよ、行きとどかない政治はないですよ。これは私に関係があるから申し上げるのではないが、ほんとうにこれくらいひどいものはないと思う。これは将来検討の用意があるかどうか、ここでひとつ承っておきます。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) ごもっともなことでございます。今後の運営につきましては、ただいまの御指摘の趣旨をよく体しまして、十分配慮させていただきたいと思います。

堀本宜実自由民主党

○堀本宜実君 次に、もう一点だけ伺いたいと思いますが、乳牛の加入度合いが減ってきているのですよね。ずっと減ってきておる。これはどういう理由で減ってきたのでしょうか。ひとつ当局はどういうふうに観察をされておりますか、伺っておきたいと思います。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) これはいろいろ原因が考えられると思うのでございますが、実際には乳牛の増加が非常に急激で、新たな飼育農家も増加しておりますが、多頭飼育農家も増加するということで、直ちに加入するということにならないために、乳牛の増加と加入率の増加とがなかなかマッチしない。こういうことになるかと思います。  それから先ほど来、御指摘のありました多頭飼育者が現在の制度で、必ずしも進んで加入しないという傾向が見受けられる。そういったいろいろな原因があるかと思います。

堀本宜実自由民主党

○堀本宜実君 私はお述べになりましたような原因があると思いますが、主としてやはり一番ネックになりまするのは、加入料金と言いますかが高いということだと思うのですが、そこで死廃部分には二分の一の国庫補助がある。ところが病傷部分には国庫補助がございません。そして多頭羽共同加入奨励金というような名前で今年度二億数千万円、たしか予算がついたかと思いまして、この点農林省に感謝をするのですが、二分の一国庫補助——二分の一に限りませんが、つまり傷病部分にも、国庫によって助成をしてやる道を今後開くべきである。これがなければ、少なくともこの大部分の加入というものは望みがたいのではなかろうかというふうに考えますが、それについての、これは大蔵省が——農林省にはその意思があるわけで、大蔵省にない。が、しかし、それは努力の問題でもあり、しますが、何かそれについて御意見がございますれば承っておきたいと思います。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) 病傷部分の二分の一国庫負担につきましては、多年要望があり、また国会においても附帯決議等におきまして、しばしば決議されたことでありまして、農林省としても、実は毎年の予算要求の際には大蔵省とその実現のために折衝を続けて参ったわけであります。いまだ実現ができないという状況でございますが、本年度はそういうことも考えまして、二億二千万円の補助金を別途計上するという措置をとった次第でございますが、しかしこれはいずれにしましても、多頭飼育等の今後の実態にもあわせて考える必要がございまするので、家畜共済制度を基本的に再検討する際に、あわせてもう一度検討する。そういうふうに考えております。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 農災法の改正の問題は、非常に長い間両院におきましても、抜本的な改正をなすべしというような決意をいたしまして、政府の善処を求めてきた。極端な表現をいたしますれば、相当政治的にも扱われてきておるというような状態に置かれておるという問題であり、関係する農民にとりましては、きわめて大きな経済関係ももとよりあることでありますので、この際悔いを残しませんように十分な質疑を尽くして全きを期したいと存じます。  そこで、いろいろお伺いをいたしたいことがありますが、もう時間がすでに三時ということでもございますので、きょうは総論的な問題だけをお尋ねいたしたいと思いますが、そのお尋ねに入りまする前に、先回の委員会でお願いをいたしました資料が提出をされました。その資料を拝見いたしますると、私の要請いたしました趣旨に十分こたえていただけない部分が相当にあるのです。これは時間的にその余裕がないので間に合わなかったということでございましょうか。あるいはそういう資料は農林省としては手持ちがないということでございましょうか。それとも公の資料として出すことはいかがかというようなお感じの上で整理をされておるのか、その辺は一体どうなんでしょうか。前段申し上げまするように、しっかりと勉強をいたしまして、あとで間違いをしでかさんようにいたしたいというようなことから考えて見ますると、資料が整いませんというと、十分な質疑もできませんし、いたずらに時間を要することになる危険もありますので、最初にそのことをひとつお伺いをいたします。  具体的には任意共済関係の仕事に従事をしておる都道府県別の組合職員数、その人件費が幾ばくであるか。そうしてその財源は、どこに求められておるかということに対するお答えが資料としては出ておりません。これはどういうことなんでしょうか。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) 組合段階における任意共済事業に従事しておる人員と、それの人件費というものは計算上の区分でございまして、実際に何人が任意共済に従事しているということは、組合段階のものはわからないのでございます。連合会につきましては、午前中にも申し上げましたが、予算の面におきまして実際人員が二千五百以上でございますが、予算定員としましては、二千三百余、その差額が任意共済に従事する人間、こう考えておるわけであります。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 私が申し上げておりますのは、非常に貴重な国費を使って事務、人件費というものを助成をしておる。私は全額国庫負担にすべきであるという主張に立っておるのでありますが、今日そこまではいっておりません。がしかし、少なくともそういうような国費をもって援助をいたしておりまする部分というものは、必須共済事業のために補助されておるのであって、しからざる部面に対する助成にあてがうべきものではないと思うのです。この考えが間違っておりますれば間違っておるということを解明していただきたい。私が申し上げまするような建前に立っておるものといたしますれば、当然区分して経理をされなければ補助金を出す側としてはおかしなものと思うのですね。いかなる補助事業でも、その補助が、どういうように使われているかということは当然これは明確にしておかなければならぬはずなんです。それが明確になっていないということはおかしいじゃないですか。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) 御指摘のように、任意共済事業に対しましては、国費の補助を行なうべきものではないと考えております。したがいまして、連合会の段階におきまして任意共済の勘定は区分いたしております。そして必須事業に従事する者とみなされる人員に対して補助を行なっている、こういうことにいたしておるのであります。  それから組合のほうにつきましては、連合会の段階におきましても、全体の人員の一割程度が任意共済に従事しておるわけでありますが、それが事業量を表わすかと思いまするが、組合の段階におきましても必須事業に従事する職員が一組合平均五人くらいかと思います。そのうちの〇・何人かが任意共済の事務をパート・タイムでやるということになっております。これはしかし事業としましては、区分いたしてやっておるわけでございます。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 お話のように一人の人が、補助職員として半分の仕事をやっておる、あとの半分の部分は補助事業でない事業に従事しておるということは実際問題としてはあると思うのです。ですから、そういうことに従って経理は明確に区分処理されていかなければならぬはずなんですがね。そうでなければ、補助金を出した側として検査もできなければ監督もできないということになると思うのです。ですから、そういう区分は今日始まった事業ではなくて、すでに相当長年月やっておることですから御指導になっておると思うのです。結果としては、当然区分された報告があってしかるべきなんです。それがわからぬということが私にはわからぬ。それは投げやりにいいかげんにやらしておるということなんですか。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) 連合会のほうも組合も、経理の区分をいたしております。連合会の定員につきましては、先ほど申し上げましたように、任意共済に従事するものには関係ないということにいたしておりますが、組合では平均五人の職員のうちの〇・何人かということになりますので、そこの区分はちょっといたしかねます。経理のほうは区分いたしております。そういうことになっております。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 そういたしますと、単位農済の場合には平均して五人程度、そのうち〇・何人程度まで従事をしておるということだから、人数では明確にできないといたしましても、その経理は区分されておる。同じ人の俸給を三万円なら三万円のうち二万円は補助職員のほうの関係から支弁をし、一万円は任意の関係から支弁をしておるというような経理区分が当然なされておるといたしますれば、その経理区分に従っておる資料をお出し願いたいというのが私の要求なんです。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) 業務勘定という形で区分をいたしております。人件費等についての区分は組合について行なっていないのでございます。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 あとで質問をするときの資料ですから、これ以上は、その点は申し上げません。  その次に、やはり資料で、市町村に共済事業が移された場合における任意共済事業が、午前中にも藤野委員から御質問がありましたように、実際は行なわれておる、その行なわれておる形態が、どういう形態で行なわれておるのかということを資料としてお出しをいただきたい、それに対しましては役所のほうから通達をせられた。通達とかいろいろなものが出てきておるのです。私はその通達に従って、あるいは指導方針に従って実際に動いておる姿というものは、直接に検査をなさらなくても、都道府県知事をして検査をせしめて、その結果が農林省にはまとまってきておらなきゃおかしいと思う。まとまってきておるとすれば、農林省としては、その実態を把握されておると考えますので、その実態について、どういう形態のものが幾つくらいあるか、どういうものが幾つあるかということをお知らせいただきたいということでありましたが、その資料が出ておりません。これはそういうことを把握しておらぬということであるのか、その辺どうなんですか。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) その資料は、報告をとっておりません。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 それでは資料の点はその程度にいたしまして、申し上げましたように総論的な問題だけ、きょうは申し上げてみたいと思いますが、午前中の藤野委員の質問に対しまして、今回の改正は完璧なものとは考えませんという局長のお言葉がございました。私は人間のやることですから、いつでも、だれが見ても、これが完全無欠であるということができようはずがないと思います。しかし本件につきましては、すでに数年にわたって論議され、協議会というような特別なものを設置して御研究を願ったことでございますので、主観的にはこの時点において、これが最善のものであるという確信が出ていて、初めて改正案というものが出るはずであろうと思うのです。あやふやなものをお出しになるはずがない思う。完璧なものとは思わないというお話でございましたが………。そこでひっかかるような質問なんですけれども、役所としてはかくかくに考えたけれども、諸般の情勢上、こういう点は入れるわけにはいかなかったというようなことから、完璧なものでなくなってしまったということでもあろうかとも思われるのであります。  そこで、完璧なものとは思いませんということでありますれば、どういう点が完璧でないのか、どういう点にまだ直さなければならん点があるとお考えになっているのか、その辺はどうなんですか。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) これはなかなかむずかしい御質問であると思うのでありますが、まあ理想的なことを言いますならば、もっとやはり強制の度合いは、将来は緩和されなければならんのではないか、そういう感じがいたすものでございます。また、料率の決定等につきましても、今度は従来の方式に比べれば、これこそ抜本的に改めまして、従来は県一円で共済掛金率を定めて、それを十八の危険階級に分けて組合に割り当てている、こういう状態であったわけでございますが、今度は逆に末端の組合から基準共済掛金率を組合ごとにきめていくという方式をとったわけでございます。これは非常な前進であると思われますけれども、その区分まで行きましたことは前進には違いございませんが、できれば、もう少し小さな区分までいく方式が考えられなければならない、そういった点も、将来研究すべき問題ではないか、そういった、二、三の例でございますが、あげれば、まだ検討の余地のある点はあるかと思います。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 お話のように、非常にむずかしい質問をぶっつけておるのですけれども、率直に局長として何らのかかり合いも考えずに、ほんとうに神様のような姿に立ってお考えになった場合に、こうしてみたいというお気持がきっとあるだろうと思うのです。これを逆に申しますると、私はこの農業災害補償制度は戦後の立法としては画期的な、ほんとうにこれはもう、ありがたい法律だと思うのです。と申しまするのは、釈迦に説法なんですけれども、いかに農家の諸君が勤勉努力をいたしましても、災害のために、天災のために非常なに災厄をこうむる、このことは不可避的なんですね。そのために再生産ができないという点を補完していくことなんですから、これは農家には非常にありがたい法律だと思うのです。  ところが、そういうような非常に生産農家にとっては、ありがたいと私ども思われまする法律が、年々歳々いやがられておるという事実を見るのですね。そういうことから抜本的に改正をなすべしという主張が結論されたと思うのです。ですから役所としては、どういう点に農民諸君の不満が存存するかということをきわめていただきますれば、完璧なものになろうと思うのですね。逆に言うと、そういうことだと思うのです。完璧なものにいたしまするためには、受けて立つ関係の農民諸君が、この非常にありがたい法律に対していやがっておるということは、どこに起因をするかという点を確かめていけば完璧なものに仕組んでいくことは可能であろう、こう私は思うのです。  逆に聞きますると、改正法をお出しになるについては、どういう点に農家の諸君が不満を覚えておるかということの調査はあったと思うのですね。それはどういう点だと認定なさいますか。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) それは、現在の制度に対する不満が幾つかあると思うのであります。まず第一は、低被害地において無事故が長く続いて掛け捨てになる、その場合に、低被害地は掛金を負担し、さらに賦課金を負担するということの不満がある、これは一面において、損害保険という方式をとります限りある程度は避けられないことではございますけれども、それがどうも偏在する。低被害地は低被害地で、いつもそういう形、高被害地は比較的共済金をよく受け取る、こういう形で偏在するということが、これは根本的な一つの不満であると考えておるのでございます。  これに対しては、今回の改正案は相当な答えになると私どもは思っておるわけですが、というのは、今まで県一円に定めておりました掛金率を組合ごとに定めるということにすれば、それだけその地方の実態に合うように料率がきまってくる、したがって、低被害地は低い料率として負担が軽くなり、高被害地は比較的高い負担になる。しかし国庫負担率でその調整はいたしますけれども、高い負担率のところは、比較的高い料率となる、こういう形になって、合理化されて参ると思うのでありますが、それから直接、制度の改正に関連いたしませんが、無事戻しを拡充できる、組合ごとに料率をきめ、組合に通常部分の負担をできるだけ大きく持ってもらうということによって、剰余金が出る余地が大きくなる。したがって、無事戻しの財源積み立てがよけいに出てくるということによって、低被害地においては無事戻しを受けて、認められたその額がふえるということによって、今度の改正は、そういう点で、低被害地に対する不満が相当緩和できる、こういうように考えておるのであります。  それから第二の不満としましては、災害が起きた場合に、十分な金が払われないという点の不満でございます。平生掛金をかけているにもかかわらず、いざとなると、十分の金がこないという不満が、確かにこれも相当な根強い不満としてあると思います。これは一面においては、運営上の問題が確かにあると思います。それは改善を要する点でございますが、制度といたしましても、やはり今回の改正は、それに対して相当な改善になると、私どもは考えておるわけでございます。  というのは、従来は、共済金額の選択が行なわれます場合に、最高の金額を選択いたしましても、米ならば米の値段の七割が最高限度であったわけでございますが、今度は九割まで選択ができるということで、実際に災害が起きた場合に、そこまで補てんされるということで、相当な改正になると考えるのでございます。  それから第三点としては、強制加入という点の不満でございます。これは現任の保険方式をとる限り、日本の実態におきましては、強制ということをやめることはできないと思います。社会保険におきましても、これは完全な強制加入でございますが、実態として完全に任意加入にするということは、保険制度として成り立たないということになりまして、できないと思いますが、しかし、いろいろな制度の不満があるにもかかわらず、加入を強制するということに若干の無理があるということから、今回は任意加入の範囲を相当に広げるということも、農家の不満の緩和に役立つと考えるわけであります。同様の趣旨で一部の事業を廃止することもできるようにいたすわけであります。これも同様に不満を緩和するに役立つものと考える次第であります。そのほかまだ若干ございますが、主要な点の二、三をあげましても、相当な改正であると申し上げたいと思うのであります。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 ただいまの点、農家の忌避しておる主たる理由というものを三つおあげになりましたが、これは相互に関連のあることであります。これを集約して申しますと、掛金をするのはいやだ、災害のあったときには再生産が確保されるような補償はしていただきたい、というようなことだと思うのです。非常に虫のいいようなことでありますが、そこに農家の希望があると思います。  そこで、その希望を達することは、現在の国家の負担と農民の負担とを考えて可能であるか、不可能であるかという問題を御研究になったことがございますかどうか。農家の諸君は、掛金をするのは非常にいやだということでしょう。無事戻しがどうだとか、掛金が問題なんです。それから、災害のあったときには、もらう金額が中途半端だ、これでは再生産をやっていくのに不十分であるというところに不満がある。ですから、再生産が可能な十分な補償ができるということ、掛金について免除するということが可能であれば、農家の諸君は忌避しないと思うのです。そうでしょう。だとすれば、そういう希望に沿うことを、実現するという立場に立っての御研究があったかどうか、そのためには、国費が非常にふえたり何かして支障があるから、また、こういうふうな戻ってくるということもあり得てよろしいと思います。そういう基本的な線に沿っての御研究があったかなかったか。あったとすれば、それはどういう結論になったかをお聞かせいただきたい。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) お尋ねの御趣旨は、いわゆる天災と国庫補償というような形をとることの可否ということにあるかと思うのでありますが、その前に、農家は何が何でも掛金を負担するのがいやだということの問題でございますけれども、これは日本のような小農経営においては、なかなか保険という形で表に現われないのが保険の理論のようでございます。したがいまして、そういった意味で、保険利用がないという意味で、掛金を出してまでやる必要がないということは、抽象的なこととしては言えるかと思うのでありますけれども、しかしながら、制度が公平に掛金の負担と支払われる共済金とが、公平に払った分に相応して共済金というものが受け取られるということが制度としてあるので、それが確立されて、またその運営が的確にいきますならば、実際問題としては農家としては、そう不満を感じないのではないか、こういうように考えられるのであります。現に低被害地において不満があるというのは、自分のほうは払う一方だということの不満のほうが強い。中にはもちろん、掛金はびた一文出したくないという人もあると思いますが、実際には掛金をかけても国の負担する掛金のほうが大きいわけでありますから、もらう機会のほうが大きいのであります。したがって、これが公平に被害の低いところは低いなりに共済金はもらう機会がある、料率も低いということになってきますならば、その点における農家の掛金負担に対する考え方というものはまた違ったものがあるのではないか、こういうように考えるわけであります。それからそれとは別に、現在相当な国費を掛金の負担の面においては約百億、また事務費の負担の面においては数十億の金を国が出しておる。それをむしろ災害が起きたときに補助金の形で国家補償といいますか、そういう形で出したほうが、端的に農家はもらう一方だから喜ぶではないかという考え方も確かにあると思います。しかしながら、そういう補助金の形をとった場合においては、あらかじめ緊急事態に対処すべき補助金としてこれを予定するという形は、なかなか現在の方法としてはとりにくいのではないか。それから予備費とか、そういう形でそのつど要求し、支出するという形になると、これは現在のように機械的に国庫が負担して、災害が起きて足りなければ、直ちに補正予算が組まれて補てんされるという方式に比べて、非常に災害が起きた場合においてその安定性が少ないのではないかということが考えられるのであります。それと、一面におきまして、小農経営とはいいながら、まあ理屈をいえば、農業というものには、災害がある程度はつきものである、災害に備えることが必要なのは経営の要素になっておるわけであります。もちろん、天災のすべてを農家が負担するなんということはとうてい考えられませんが、相当部分は国なり地方公共団体なりが負担すべきものではございましょうが、ある程度の災害というものは農家の経営自体の中に織り込ませて対応させるべきものがあると思います。そういうものが備荒貯蓄という形でありますが、要するに保険の掛金的な負担として出されるということもあってよいのでないか、こういうように考えるわけです。いろいろ検討はもちろんいたしたのでありますが、やはり現在のような保険方式と国家の補償とを組み合わせた方式によいところがあるのではないか、こう考えておるわけであります。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 現行の制度をそのまま踏襲していくという前提に立って考えていけば、お話しのような結論になると思うのです。しかし、いただきました資料によって見ますると、比較的最近の数字をとっておりますが、かりに最近三ヵ年間の数字をまとめてみまして、その平均をとりますると、国家の負担が年平均百二十四億一千五百万円、農家の諸君が掛金、事務費負担で出しておるのが百十六万四千九百万円、そしてその三ヵ年間の保険金として給付せられた総額が百三十億三千五百万円ですね、数字に多少の違いはありますけれども、ひよっとこうながめますると、この制度運営のために国庫が支出をいたしておる金だけが被災農家に給付せられておるのであって、農家の負担金はこの制度運営のために大体消耗されておるという姿になると思うのです。多少の数字は違いますよ、違いますが、今申し上げたように、最近三ヵ年間をとると、そういう平均数字が出てくるのです。だからこの数字をながめてみますると、農家の諸君が保険理念に徹しますれば、お話しのようなことになりまするけれども、通常の観念としては、できることなれば掛金なしで被災があったときには再生産が進んでいけるような手当をしていただきたいという希望を、これは偽らざる姿として持っていると思うのです。そのことにこたえてやれるじゃないかという感じが出てくるのです。そう申しますると、今度は災害の査定の問題等についてどうするんだということをおっしゃるかもしれませんけれども、この資料で拝見いたしますると、結局は、最後の査定は農林省がやっているのです。農林省が一定基準によって査定しておるのですから、その査定基準というものは、農林統計調査部のほうの統計から出てきておりますものが骨子をなしておると思うのです。それだけに追い詰めてしまうと、農林統計の諸君は困りますので、それだけであると申しませんけれども、事実はそこにきていると思うのです。だとすれば、結論としては、いろんなことをやっておって、農林統計調査の数字がものを言っているのです。ものを言っているなら、それでやったらいいのではないかと、こういう感覚に立たざるを得ないと思うのですが、ただ農林統計調査のほうでは、一筆別にやっとらぬ、ただ全県まとめての被害という程度のことしかわからない、もう少し細分したものがわからなければいかぬというようなことをおっしゃるかもしれないけれども、しかしこれはやろうと思えば、市町村では役所の関係で米の検査員もおれは、農業改良普及員もおるのですから、そういう人を動員すれば、事務費なんてものはそんなにかけずにやれるという結論が出てくるはずなんです。そういうことの御研究が一体あったのかないのか。ただ現行制度を守っていこうというだけの立場に立てば、お話しのとおりになると思うのです。しかしどこへ行って聞いてみましても、この制度はいやだという声はびまんしておるのです。その声というものは、申し上げますように、再生産が完全に進んでいけるような手当はしてもらわぬと、日本のような不可避的な災害に見舞われるという宿命的な農民においてはやりきれないです。これはひとつ国のほうでめんどうを見てもらいたい、しかし掛金のほうだけは免除してくれという、非常に無理な要求、勝手な要求のように見えますけれども、これは農民の偽らざる要求だと思うのです。この要求にこたえ得ないかというと、数字的に見るとこたえ得るのではないか。残る問題は、同僚として働いておる二万数千名の諸君、この諸君の身分を不安定にしてはいけませんので、これは別個に十分考えてやるという道は考えなければなりませんよ。そういう対策というものをお考えになったことがないのか、あるのか、どうなのか。あってもそれはできないという結論に達したか、どういう理由でそうなったか、その辺をしっかり聞いてみたいと思うのです。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) 御指摘のように、問題は過去においても検討したことはあるのでございます。今の統計調査部の、ここに統計調査部長も見えておりますが、統計調査部の被害統計を、少なくとも町村段階まで誤差の少ない程度に作ると、また損害評価もその程度までやるということにいたしますと、膨大な人と費用がかかるということの検討は済んでおるのでございます。今の連合会、組合の機構に比べて、はたして費用が節約できるかどうかということは、必ずしも断定的には言えないことである。それからかりに統計のほうで、損害評価を農家の段階までやれるといたしましても、現在のような保険方式をとっておりますならば、農家は基準収量をまず自分できめなければならない、これは上の統計と関係もございますけれども、基準収量というものを意識して、それとの差が被害となるということによって、農家自身がかりに、道徳的な問題として好ましくないことですが、被害が起きたときには、人間の心理としてどうも過大に見積もりたがる傾向がございますが、過大に見積もると、自分の掛金にもはね返るという方式になるわけでありますから、損害評価というものが、農作物については非常にむずかしいことではございますけれども、そこにやはりブレーキといいますか、チェックする要因が働くというようなよい点が保険としてはある。それから実際に農家が負担した額ともらった額との過去三年の御指摘がございましたけれども、三ヵ年をとりますと何でございますが、これは長期に見ますと、やはり受け取った額がずっと多くなっております。長期の均衡という保険収支の建前でございますから。最近のように災害が少なくなって豊作続きのときには、必ずしもそこが的確に出ないわけでありますけれども、長期にとりますれば、やはり受け取った額がずっと多いということになっておるのでございます。しかも受け取った額で農家が負担した掛金もともに返されておるわけであります。国の分とあわせて農家に改めて帰属しておるわけでございますから、その辺はちょっと問題が違うのではないかというように考えているわけでございます。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 長期にとっても同じではないですか。この制度が始まってからの合計で見ましても、政府の負担が千二百六十六億九千四百万円。農家の掛金が多いのですよ、千二百八十二億三千五百万円。ただ給付のほうで合計いたしますと、千八百九十四億四千万円で、お話しのようにトータルではふえております。ふえておりますが、その給付金の分配について、やはり問題が私は残っておると思うのです。そういうことに対する不満もあるということですから、法律の命題とする補償制度ということに踏み切ってしまうという考えをすることができないかどうかという問題なのです、端的に言いますと。そのことのほうがすっきりとして、会計検査院からしかられたりなんかせんでも済んでしまう。現にやっているやり方は損害評価委員の諸君が評価をして、それを町村できちんとまとめて府県の連合会に申請する。府県の連合会は別の角度で審査をしてそれを査定をする。それを農林省に出す。農林省は別の尺度に従って査定をして、それを流していく。もし最末端に行ったときに、私の被害はそういうものではなかったはずだということになった場合には、これは再審査をする道があるわけですが、しかし再審査をするといったって、事実上原状はこれはなくなっているのですから、再審査のしようはないのです。ただ形式上再審査の道があるというだけで、違いを修正する道はないのですから、結局泣き寝入りになってしまうというところに不満があると思うのです。ですから、そういうような不満万般を解消していくためには、むしろすっきりしてしまうほうが、問題の解明になる。これは全国を歩いて農民諸君に会って話をすると、みんなそれに賛成です。これに対して不満を言う人は一人もいない。ぜひそうしてほしい。その結果、国費の負担には限界があるということで、困難であるとすれば、それは国費の許す範囲であってもやむを得ないというところまで、農民諸君は納得していると思うのですよ。私は今の制度でいきますと、掛金というものが存在いたしておりますために、ともいたしますと、やはり人災を作ってでも何年かに一ぺんぐらいは掛金相当額ぐらいは戻してやるという計算をせんというとつぶれてしまうというところに問題があると思うのですよ。これは非常に極端なことを申し上げて済みませんけれども、実際はそういう事例があると思うのです。そういうようなことから会計検査院の指摘を受けて、しょっちゅう農林省は不正事件の横綱のようなことを言われておってはつまらぬ。そういうことをすっきりしてしまう。そういうことにもう少し真剣に取り組んでいただきたいと思うのですがね。これはかなり大きな政治問題になりますから、そう簡単に手をつけられる問題ではないと思うのです。そういう場合に特に心配になりますのは、これは末端に働いております二万名の職員をどうするか、これは真剣に考えていかなければならない大きな問題ですが、その問題が解明できれば私は踏み切るべきであるという考えを持つのですが、そういうことは不可能なのでしょうか。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) 先ほど来いろいろな問題点を申し上げたわけでございますが、今お話しのありました点についても、かなり問題があると思うのであります。結局損得の評価ということは非常にむずかしいことでございますが、これは保険方式をとり組合方式をとる場合に、ややそこにむずかしさが緩知される。緩知されるということは適当でないかもしれませんが、組合という形で自主的な運営をして損害評価でお互いの評価をきめていくという場合には、そこに納得しやすい要件がある。それを上から損害を割り当てていくという場合に、かりに末端の個別の農家の損害を統計事務所の職員がきめていけると、こういたしましても、もしそれが可能ならば、保険の運営は現在よりははるかによくなっておる、かように考えられるわけでありますが、補助金だけの面で一方的に損害を評価していく場合には、基準収量のきめ方の問題であるとか、いろいろ個別的には非常に困難な問題、しかもそれを統計事務所の職員にやらせるということは、これは機構としても、そういった行政事務、現実の利害に直接触れるようなことに統計調査の職員を使うということは基本的に問題があると私どもは考えるのでございます。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 基準収量とか、そういうものは、これは今まで十五ヵ年間の経験で出ているのではないですか。ここであらためてやる必要はないので、大体基本的なものはきまっておる。ただ今後の推移をそれにプラス・マイナスしていけばよろしいのであって、基準的なものは出ている。現に査定していらっしゃるのは、農林省が最終査定をするのでしょう。一定の基準によって、県の連合会で出てきた数字をうのみにするのでなくて、農林省の一定のものさしで査定をしてしまうというので、現に押しつけているのでしょう。ただ、県の連合会の連中を呼んで話をして納得させたという形はおとりになっているでしょう。けれども、実体的には押しつけているということなんですから、結論は一緒じゃないですか。県の連合会は町村に押しつけているのですから、形をいかにも整えておるというだけで、実態は一つのものさしできちんと割り切っちゃっている。そう形式的なことをおっしゃらないで、実態がそうだとすれば、実態に合うようにしたらどうか、こういうことなんですよ。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) 基準収量は毎年変わるわけであります。過去数年の平年収量ということで毎年毎年変わってくるわけであります。もちろん、それは農林省の統計との調整はいたしまするけれども、それなりにやはり個別化していくわけであります。それと損害が起きた場合に、ただ一方的に補助金をもらうということになりますと、これは何といいますか、極端な言い方でございますが、無責任なやり方になりやすい。今の保険制度の運営といえども、その点は必ずしも避けられないのでございますが、自分の料率にもはね返るということがないわけです。それに、補助金を配分いたします場合に損害評価をするということは、これは非常に困難であるということを、われわれは想像するのでございます。今の保険の運営にも一層困難が加わるのではないか、こういうことも考えられるのでございます。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 その点はその程度にいたしまして、次に総論的な問題でお伺いいたしたいことは、第三十八国会に政府はこれが最善なものとして御提案になりました。それを今回は改正をせられたものをまた最善のものとしてお出しになっている。その間に時間の経過がありますから、その経過の過程においてお考え直しになったという結果ではあろうとは思いますけれども、三十八国会にお出しになったときにもこれが最善と考えますということを申した。今回も最善である、こう言っておられますが、この改正になった理由です。三十八国会にお出しになったものと今回お出しになったものとの相違点について、かく変えることがよりベターであるという結論に達したいきさつを御説明願いたい。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) 三十八国会に提案いたしました政府原案と今回の改正法律案とが違っておりまする主要な点は、農業保険事業団の方式をやるということと、農家単位の方式をやめたということとでございます。もちろん国会において当時修正されました経緯というものは、政府といたしましても尊重すべき筋合いでございますから、そういう経緯も十分考慮に入れたわけでございますが、実体的に申しまして、内容的に考えまして、まず事業団の方式でございますけれども、三十八国会に提案されました政府原案の事業団の方式というのは協議会案で考えられました事業団とは違っております。で、協議会案では国の特別会計と各県の連合会をあわせ、さらに共済基金を含めました一本の全国的な事業団を作るという形があったわけであります。ところが、三十八国会に提案いたしました事業団は特別会計だけを事業団に改組するという方式であったわけであります。しかし、それはそれなりに当時監督と実際の業務の運営とを分離する意味があったと思うのでございますが、しかしそれはそれほどの改正の意義がその後報告を検討しておりますると、感ぜられない。しかも農家単位をやめますと、一そう感ぜられないということが、われわれとしては考えたところでございます。それから農家単位の方式を今度の場合はやめたというのも、これは衆議院の修正を尊重したこともございまするけれども、農家単位は実際の運営がなかなかむずかしいということを、その後の検討の結果痛感しておるのでございます。で、これは当時農家単位を強く主張された方々もそういう御意見に変わられた方もおるようでございます。一つの問題としましては、農家単位に変えますると、農家は災害の起きたときは確かに割合に多くもらえるけれども、もらう機会が減るということが一つございます。それから農家単位をやるには、増減収の相殺をやらなければならぬわけでありますが、そうすると、決定した方式をとれば、全筆を調査しなければならぬ。この前の政府原案は、それの中途半端というと語弊がありますけれども、政府原案で考えたのは、基準収量との相殺方式であります。しかしそれにいたしましても、現在のものよりはよほどかけなければならぬ、そのための人とまた費用というものは相当なものになるということで、実際の運営がはたしてよく的確に行なわれるかというところに疑義もあったわけでございます。こういうこともございますので、今回の改正案がベストと申すわけではございませんが、実際的であるということで、私どもはこれがさしあたりの改正としてはこの改正法律案が十分ではないか、こういうふうに考えております。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 そうしますと、三十八国会に出した案を変えた理由としては、衆議院で審議未了になった法律の場合に、修正が行なわれて可決された。その衆議院の院議を尊重したということが一点と、それから農単を一筆建にしたということによる事務的な問題を考えると、今回の改正法のようにすることがよろしいという感覚に立ったということと、理解してよろしいのですか。  その次にお伺いするのは、午前中の藤野委員の質問の際に、しばしば両団体の話し合いということが局長の答弁に出てきているのですよ。私も仄聞はいたしております。あとで、だんだん質問を進めて参りまする段階で、その両団体の覚え書について一応のことをはっきりと頭に入れておりませんと、質問がちぐはぐになると思いますので、ここでそのことを申し上げてみたいと思うのです。私の仄聞しているところでは、原則的に任意共済事業は農業協同組合に一元化する。ただし建物の短期共済については農災のほうでやる。それから政府の補助とか、補償とか、まあ言葉が適当でないかもしれませんけれども、今の必須事業のごとく政府が何らかの関与を具体的に行なう任意共済については、これまた農災のほうでやるということが大体基本的なことであると承っております。もちろんその基本に対して、原則に対して話し合いの上でその原則を変えるという例外は認めているということのように伺っておりますが、それで間違いないのかどうか。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) その覚え書の当事者は、両団体の最高レベルの方でございまして、私がその解釈を申し上げるのは、あるいは妥当でないかと思うのでありますけれども、われわれの承知いたしておりまするのは、大体今、お話のあったとおりでございます。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 もちろん、その判こを押したのは農林省ではないので、これはわかります。わかりますが、農林省が、その覚え書を作成するについては御指導といいますか、アドバイスといいますか、関与をせられているということを聞いている。ですからはっきりしておきませんと、あとで具体的な各論に入って質問する場合に、かえって手間どりますので、お聞きしたのですが、今私の申し上げたことで間違いないという御回答でございますので、その点はそれで了承いたします。  それでは午前中に政務次官とお約束いたしました災害の差し迫った問題の御報告をいただくそうですから、私のはとうてい三時間やっても、四時間やっても尽きませんから、きょうはこの辺で打ち切りまして、時の問題に移っていただきたいと思います。

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) ここで農作物等の被害状況について、農林当局から発言を求められておりますので、これを許します。

福山芳次農林大臣官房調査官

○説明員(福山芳次君) 御案内のように、本年は四月の下旬から西日本を中心にいたしまして非常な悪天候が続いておりまして、この状況は現在まで引き続いているような工合でございます。そのために西日本を中心といたしまして、農作物に非常に大きな損害を生じております。ただいま農林省といたしましては、統計調査部が出先を動員されまして、被害の調査集計に当たっておられますが、そのことにつきましては、あとから統計調査部長のほうでお話があると思いますが、さしあたり最近の県からの報告を中心にいたしまして被害の概況をながめて見ますと、現在農林省で集計いたしましたところによりますと、一番大きなものは麦類でございまして、大体二百五十二億、それからその次は蔬菜類の五十二億、それから菜種の二十七億、そのほかに果樹が二十七億という数字が出ておりますが、果樹についてはちょっと私のほうでも心もとないところがあるかと思っております。それでトータルの数字は三百九十一億という非常に大きな数字になっております。  県別に激甚なところを並べてみますと、熊本県の四十二億、それから愛媛県の三十七億、それから佐賀県の三十五億、それから福岡県の三十四億、それから岡山県の三十二億というふうな報告が参っております。もちろん、農林省の統一した基準に基づく調査でございませんので、積算の基礎に各県それぞれの特殊の事情があると思われますから、かなりこの数字は将来動くものであると考えられますし、また悪天候は現在も継続しておりますので、場合によりましては、比較的被害が軽微であると思われる近畿、東海以東の地域にも、あるいはある程度波及するかもしれないという懸念があるようでございます。県報告の数字の概況は以上でございます。  それから、五月の二十二日の関東三県に降雹及び突風によりまして、これは局部的ではございますけれども、激しい災害が起こりました。この数字はこれはもちろん県報告でございまして、まだ農林省といたしまして、数字を取りまとめておりませんが、県報告の数字で大体三十二億、その内訳は埼玉十六億、群馬九億、それから栃木が六億というふうな内訳になっております。その内訳といたしましては、やはり麦類が十一億という数字で一番大きな数字になっております。そのほかには桑の四億、それから大麻の二億、果樹の三億というふうな、ほかにいろいろございますが、大体以上のような概況でございます。この三県の被害は、埼玉県の北部から群馬県の利根川に向かって突出した部分、それから宇都宮市にかけまして、帯状の地域に短時間の間に降雹、埼玉、群馬におきましては、かなり大きな降雹があったようでございますが、その状況は栃木に入りまして降霜雹はなくて雨に変わったという少々の異動はございますけれども、局地的に非常に激甚な被害があった。いずれにいたしましても、農林省といたしまして、出先き機関を動員いたしまして、正確な数字の把握に努めておるような状況でございます。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 政務次官もいらっしゃいますので、お願いを申し上げたいと思いますが、ただいまの報告によりますると、長雨による被害の、県集計で約四百、三百九十一億、それから降雹の被害が三十二億ということで、近年まれに見る農作物の大被害であると思います。そこで、農林省として具体的な数字を把握されませんというと、数字をつけても対策というものは出てこないと思いまするけれども、私しばしば申し上げますように、ほんとうに農民諸君が安心をして今後の生業にいそしんでいくような気力を与えてやるということが大切であると思う。そこで、とりあえず天災融資法によります被害激甚地の指定をして、この法律を発動いたしますというくらいの抽象的な言明はなさってもしかるべきではないかという点が一つ。  それから農業災害補償法に基づきます給付を繰り上げて、早急に仮り払いの方法いろいろの方法があろうと思います。過去にも例のあることでございますので、これを速急にいたしますということを、ひとつこの際政府として確約をなすったらどうか、ぜひともしていただきたい。  第三点としまして、御報告がありましたように、麦の被害が一番大きいのでございます。そこで、先回の委員会にも申し上げましたように、食糧管理法に基づきまして、この被害麦を買い上げるということについては、いろいろ問題があろうかと思いまするけれども、幸いに畜産の奨励をやっておるさ中でもございますし、外国からえさ用の麦を輸入をしておるという現状にもあるわけでもございますので、食糧として不適格な麦でございましても、えさとしては十分間に合うというものもあろうかと思います。そこで、検査で不合格になりましたその種の麦は、えさ用として至急に買い上げをして、これを安い価格で払い下げをするというような措置をとりましょうということも、これ予算を伴うことでございますので、今すぐというわけにいかぬかもしれませんけれども、早急にこれくらいのことはやっていただきたい。今豚肉が非常に上がった、私は上がったとは思いませんけれども、ということで三千トンの緊急輸入をやる。聞きますると、四百二十円くらいのものを入れて三百八十円見当で売り出そうということだそうであります。そういうところで損をして、安売りをして、かれこれやりますよりは、豚を生産しておる農家に安い飼料を与えることによって養豚家の気力をそがぬように、そうして養豚家の経済も助けてやりながら、供給量をふやして正常な安定価格に導き出すということも、やはり農林省としては当然な措置だと思いますので、下手なところに金を使はんで、農民諸君を救済されながら安定した豚肉価格を導き出すということをやっていただきたい。特に私は豚肉価格につきましては、私欠席いたしましたので、その詳細は承知いたしておりませんけれども、一昨年豚肉が下がって畜産物価格安定法を作って、そこで不満足な支持価格をきめてやってきた、それが一つのてこ入れになってずっと進んできたのです。今豚の子供を生産して今度養豚に精励しておるそのさ中に冷やしちゃって、その豚肉が多量に出回ってくるようになると供給の過剰とかいろいろまた重なって、また一昨年の春みたいな思わざる結果が出ると思う。あまり近視眼的にその場その場を見て下手な手を打つと、元も子もなくしてしまうという結果になると思う。でございますから、恒久的な対策として、安いえさを供給して安心してやっていけるように、私はこの際、等外麦をえさ用として処置をするというくらいの思い切った施策をぜひともやっていただきたいと、こう思うのですが、いかがでしょうか。

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) 速記を起てして。

久我通武農林省農林経済局統計調査部長

○説明員(久我通武君) それでは四月、五月の長雨によります農作物の被害概況を申し上げたいと存じます。  御承知のように、麦の作況の調査は、五月一日に一応いたすことになっておりますが、本年は非常に異常な天候でございますので、その結果にあまり信頼性を持てません。かようなことから、その後再度にわたって調査を進めて参りましたが、六月一日現在で、目下最後の長雨の被害調査をするということで、さらに調査を進めておる最中でございます。  大体の気象の概況は、私から申し上げるまでもございませんが、本年はまことに異常な天候でございます。大体五月一ヵ月をとりまして、降水量その他を調べておりますが、気象台の発表によりますと、大体五月中に二十五日から六日降り続いておりますところがあるわけでございます。特に西のほうでございます。平年は大体十二日間ぐらいでございます。最近最も多かったのは、大正十三年の十八日間というのが最大でございましたから、本年はまことに異常な降雨でございます。したがって日照時数も非常に少なくて、極端なところでは、大体一日に平均二、三時間しか日が照らない、こういうような状態でございます。しかも、降水量は例年の一・五倍から二倍でございますから、さほど一日に降りました量は多いわけではございませんが、それでも全体としては相当になっております。それから気温は、最高気温は、平年より五月中はやや低いのでございますが、最低気温が例年に比べますと、非常に高い、そこで気温の差があまりございませんで、しかも平均気温は平年よりも高い、大体十八度ぐらいになっておるかと考えます。したがって、最も病虫害の発生しやすい気象の状態になります。しかも春の冷害、あるいは雪害等の被害がございまして、今年はきわめて麦その他の作物が成育が悪いというところに、このような状態が続きましたものでございますから、ただいまのところ冬作物といたしましては、未曽有の被害が予想される状態でございます。麦につきましては、西ほうほどひどいわけではございますが、東海、近畿等におきましても、西のほうはもとよりのことでございますが、非常に赤カビが発生をいたしました。統計事務所の職員が赤カビにかかっていない田畑を発見できないぐらいにひどい状態に蔓延しております。しかも稲の穂首イモチに相当するように、穂首のところから赤カビがついております。従来にない特異の被害の状態を起こしております。したがいまして、目下のところは先ほどお話のございました関東の一部の雹害がございましたが、それを除きますと、関東は今日のところでは、目下のところではまだそう心配する作柄ではございませんが、西のほうが極端であるということから申しますと、裸麦については、全国的にあるいはこれは西が多うございますから、半作を下るかもしれない。大麦あるいは小麦等では六、七割になるかもしれないというような状態でございます。なお、麦のほかに先ほどお話しのございました野菜は非常に水がたまりまして、根腐れがあちらこちらに出ております。菜種は菌核病が非常に出ておりますが、これまた降雨のためになかなか防除できないというような状況でございます。果樹につきましては、特に冷害で、あるいは雪害でいたみました果樹が、さらにこの雨害を受けまして特に樹勢が思わしくないというようなことのために、相当の著しい減収が見込まれております。水稲につきましては、早場地帯におきましては保温苗代が、これが増加しておりますので、しかも稲の成育が順調でございますから、田植えは前年並みあるいはややそれより早く進行しておりますし、活着状態もよく、成育も悪くございません、いいほうでございます。ただ、目下これから田植えをするという田につきましては、それにもっていくべき稲苗は多少これは軟弱でございます。また苗代に葉イモチが出てきております。そのような問題がございますものと、麦の取り入れがおくれるために、多少西のほうでは田植えがおくれてくるのではないかという心配があるわけでございます。大体これらの被害につきましては今月の中旬に一応まとめるはずでございます。ただ関東は先ほど申し上げましたような状態でございますが、ここあと一週間も雨が降り続きますと、これは西のほうと同じような状態が出てくるおそれがあるということで、目下非常に心配をいたしておるような状況でございます。簡単に申し上げました。

大谷贇雄自由民主党農林政務次官

○政府委員(大谷贇雄君) 先ほど森委員から三点の問題につきまして御質問がございましたが、第一の天災融資法を発動をすることを言明したらどうだと、こういう仰せでございましたが、この点につきましては、統計調査部の調査が十七日ぐらいにはまとまりまするので、まとまり次第、天災融資法の発動の準備が整うことになるので、非常な被害が大きくあると存ぜられまするから、したがって、天災融資法の発動はほぼ確定的だと存じております。  それから、共済金の仮払いをいたすことの問題でございますが、これは農業共済の団体を督励をいたしまして、すみやかに損害の業務を完了して仮払いを行なうように、すでに指示をいたしつつある現状でございます。  それから、麦の等外下を飼料として買い上げたらどうかという御意向でございますが、これは御承知のような食管法の建前からなかなか困難でございますが、系統農協に対しまして飼料用としての販売をあっせんを行なうよう指導もいたしまするとともに、食糧事務所、都道府県に対しまして、その仕分け及びあっせんについての協力をするように通達をいたす方針でございます。以上お答えを申し上げました。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 いずれ明日詳細な資料によって説明があったら、なお申し上げられると思うのですが、とりあえず天災融資法とか、そういう融資によっては、この激甚なる被害は何ら救済にならないのですよ。今審議しておる農災法にも関連するのですけれども、これだけの多額な事務費を使い、農家の負担にしては、あまりわずかな支払金という実態に、現実に直面してこれを当てはめてみますと、九牛の一毛にもすぎないというような施策であると言わなければならない。そこでこういう異常な災害に直面して、政府は既存の天災融資法とか、そういうようなものの前に、抜本的に、こういう被害に対しては政府で補償するという、そういう措置を考えていただけないかどうか。政府自民党が無理に多数によって国会を通過した農業基本法でさえ、農業の自然的、経済的、社会的特異性を脱却するために云々というておる。まさにこれが自然的な特異性の具体的な事実であります。こういうものを基本法がうたって、その実体的な施策としてこういう農家の切実なる問題を、天災融資法、その他の、既存の法律のワクの中でこれは解決できない問題だ。非常にこれは基本的な態度をもって政府は臨まなければならぬと思うのでありますが、その点の政務次官のお考えをまずお伺いをいたしたい。一歩譲って、今の法律の中でやるとしても、天災融資法、そのことについては今の御答弁がありましたけれども、たとえばこれらの災害地においては、ごく低利な長期の資金が必要である。ところが、過般の法律の改正に関連して自作農維持創設資金が分断されて、そうして自作農維持資金が残っておる。これの融資のワクの制限と、現実に融資の配分の規制によって、思うとおり被害農家がその農業経営を維持しようという意欲があっても、制度金融の中でもそれが十分に生かされないうらみが、過去においてもかなりあった。今度おそらくそういう矛盾が非常にシャープにこれは出てくると思うのですが、今の制度の中でも、そうしたような自作農維持資金について従来のワクを乗り越えて、実態に即してワクを拡大して、長期低利の資金をもって、とりあえずこうやく張りをするという施策に、政府はどれだけの配慮をいたしておるかを第二点としてまずお伺いをいたしたい。  それから麦について、等外下の買い上げの問題については、きわめて渋い御答弁がありましたが、これはきわめて遺憾な答弁であって、納得はできません。われわれは当然これは等外下も政府は買うという態度を明確に表示しなければならないと思うとともに、買い上げた麦の価格についても、今月の米価審議会が開かれるでありましょうが、減収加算をこれは食管法に基づいて買い上げ価格に、これは計算を当然しなければならぬと思うのですが、この減収加算の措置をおとりになる意思があるかどうか。この三点をお伺いいたします。

桧垣徳太郎農林大臣官房長

○政府委員(桧垣徳太郎君) 御質問で、私に答えるようにという御筋のものは、一つは自作農資金のワクを拡大し、かつ利子の引き下げをはかれということが一つのようでございますが……。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 いや、利子の引き下げじゃなくて、ワクだけふやせばいいと言っている。

桧垣徳太郎農林大臣官房長

○政府委員(桧垣徳太郎君) 自作農資金のワクの問題につきましては、現在成立いたしておりまする予算の、これは公庫の資金ワクでございますが、一般維持資金を含めて、御承知のように七十億円になっておるのでございます。そのうち三十六億円は一般維持資金として配分を終わっておりまして、先般の豪雪害のために十五億円の自創資金の災害用のワクを配分をいたしましたが、そのうち二億は前年度の自創資金のワクの残を緊急に充てました関係上、約十三億円余りを配分を終わっておるわけでございます。したがいまして、約二十一億円弱というワクが残っておりまして、このワクによって、天災法発動後の天災資金の補充資金としての自作農の資金の所要額に対処できるかどうかは、今後の災害の被害額の確認と関連をして参るわけでございます。現在の段階で、それで十分であるとか、あるいは不足であるとかいうことは申し上げかねるのでございますが、万一、従来からの算定方式に基づきまする災害用の自作農資金のワクが不足であるという場合には、かねてそういう場合に備えまして、公庫の資金に予備金のワクがとってございますので、その予備金のワクから、予備金使用という形で、財政当局とも協議の上実行して参りたい、対処して参りたいというふうに思っております。ということで、まず私どもの、これは従来の災害に対処した場合の政府の対策というものを基準に、勘で申し上げますと、当面、現在の公庫資金のワクで今回の災害には対処できるのではないだろうかというふうに考えております。  それからあと二問御質問があるようでございまして、今回の災害については、既存の現行の諸制度のほかに、抜本的な災害対策として特別立法等のことを考える必要はないかという御質問でございますが、被害の実態を把握いたしました上で、現行制度の適切な運用で対処するということを考えておりますが、なおそれ以上の措置を必要とするかどうかは、被害の実態把握の上、さらに高度の行政政治の判断の上から、その指示を仰ぎたいというふうに考えております。  それから、明らかに今回の災害で全国的に麦類の減収が顕著なわけでございますが、そのために食管法の政令に基づく減収加算をすべきではないかという御質問があったそうでございますが、これにつきましては、食糧庁長官がお答えすることが正しい、また正確であろうかと思いますが、現在までのところ、今回のごとき災害、または現在の麦類の流通の実情という観点に立ちまして、減収加算をすることが適当であるかどうかということについては、いろいろ問題が多いように承知をいたしております。この点については、農林省内部、食糧庁におきましても、慎重に検討いたしておるようでございますので、機会を見て、また最終的に農林省の態度について、担当の長官から御説明をいたす機会があるかと存じます。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 官房長としてと答弁は伺いましたが、それはあす農林大臣の出席を求めて、十分この問題を検討した上で大臣から誠意ある答弁を聞きたいと思います。

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) 本日はこの程度とし、これをもって散会いたします。    午後四時三十三分散会    ————・————

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