農林水産委員会 第21号
- 発言数
- 183 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/03/19
会議録
○委員長(櫻井志郎君) ただいまから委員会を開会いたします。 農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案及び農業近代化資金助成法の一部を改正する法律案を一括議題といたします。 質疑のある方は、順次御発言願います。
○渡辺勘吉君 まず、二つの法案が出ておりますが、質疑を整理する上で、最初は農業近代化資金助成法の一部を改正する法律案を中心として政府の見解を質疑を通じてただしていきたいと思います。 この提案理由の説明の中に、法律改正の眼目ともいえる組合金融以外に他の金融機関を指定するのが眼目でありますが、その理由としては、近年ますます旺盛になっている農家の資金需要を充足させるために、地方銀行等の保有しておる農家資金を農業に還元するということが理由の一つになっているようです。こういう必要があるのかないのか。あるとすれば、具体的にはどの程度の農村還流を期待して法案を出されているか、計数によって具体的に御説明を願います。
○政府委員(松岡亮君) 近年農業の資金需要が非常に活発化して参りましたことは、よく御承知のとおりでございますが、これに対しましては政府といたしましては農業近代化資金を設けまして、その需要にこたえておるのでございます。そのほかにも農林公庫資金等も拡充いたしまして、農林公庫の場合は三十七年度が七百十億円の融資額でございますが、来年度は八百七十億、全体の投融資の伸びよりもさらに上回る増額をいたしておりますようなわけでございます。近代化資金につきましては、三十八年度のワクを予定するにあたりまして、一応都道府県の希望額を聞いてみたのでございます。これは、集計いたしますと約五百六十億でございます。これは無査定でございます。そのらち新たに設置いたします農林漁業経営構造改善資金の中で構造改善地区に融資いたしますのは、従来近代化資金で構造改善地区に対する融資、単独事業分、補助事業分も融資いたしておりましたが、その分を新しい資金でまかないますので、その辺も勘案いたしまして五百二十億と、こういたしたのでございます。そのうち農協以外の新しく改正後づけ加えられるものはどのくらいが見込まれるかということでございますが、これの推定は実のところ非常に困難な問題でございます。私どもといたしましては、農家のその他の金融機関に対する預け入れの状況、あるいは農業に対するその他の金融機関の貸し出しの状況等から見まして、これは正確に数字で表わすことは困難でございますが、大体少なくとも農協系統が五百億以上は要ると考えますと、その他の金融機関は二十億以下ではないか、そういう見当をいたしております。
○渡辺勘吉君 今の御答弁によりますと、査定をしないなまの地方庁からの希望額が近代化資金としては五百六十億、そのらち構造改善等公庫資金に振りかえるもの等を勘案して五百二十億、こう見たというわけですね。その五百二十億の私の質問に対しては、農協は五百億をこえるだろうと、逆に言えば、銀行は二十億を下回るだろうと、こういうことですが、もっとはっきりしたその数字というものがないのですか、なければないでお答えを願いたいし、それから二十億以下というものの推定の根拠はどこにあるかを、合わせてお伺いしたい。
○政府委員(松岡亮君) 私どもとしましては、いろいろなさっきも申し上げました試算をいたしたのでございます。というのは、たとえば農家資金動態調査におきまして、その他の金融機関から借り入れしている割合、あるいは預け入れしている割合等の試算をいたしたのでございますが、それによりますと、まあその他の金融機関の占める比重というものは非常に小さいわけです。それを全体の資金需要の面でそのまま計数として明確に出すのは、非常に危険でございます。これはやはりいわば相当大ざっぱな推定とならざるを得ないのでございます。そういうところから、従来の米の代金の支払い金融機関として農協と系統外とございますが、それらの割合から見ましても非常に少ないものであるという見当で、今申し上げましたように、非常に大ざっぱでございますが、農協系統が五百億をこえ、その他の金融機関は二十億以下、こう申し上げておるわけであります。
○渡辺勘吉君 これは意見になるわけですけれども、大ざっぱにそういう推定をされる根拠に、実は非常に問題があるわけでありまして、組合金融全体で五百二十億というワクを消化できないということが、まず基本的な問題点なわけです。具体的な例を申し上げましょう。私ここ三日ばかり郷里岩手の二郡をくまなく回ってきたのです。岩手県の東磐井郡では、今度、三十七年度の近代化資金に対しての要請は、下からの積み重ねで、三千八百六十四万、それに対して農林省から県に割り当てたワクの、県に対するワクが一千万円しかない。大ざっぱに言って四分の一しかワクがないために、みずからの希望する四分の三は、融資の対象からはずれざるを得ない、そういう問題があるわけです。その三千八百六十四万が農協自体で自まかないができない数字ではないわけです、一郡だけの例をとって申し上げます。そういうときに全体で五百二十億、そのうち五百億を多少上回る程度が組合金融で原資をまかなうという見方は、現実から言えば銀行を介入するためのこれは一つの手段であって、私から言わせれば、この提案の理由になっている意図とは非常に違って、地元ではみずからの収集した資金を、この制度にのせて融資をしたいという希望がある繰り返しますけれども、一郡の例で言えばワクの四倍程度の希望があるわけですね。原資がないということで、そういうふうに銀行融資を二十億も考えるのか、あるいは原資はあるが、銀行からも出させるために二十億以内の融資総ワクを予定するのか、どっちですか。
○政府委員(松岡亮君) この間の御審議においても、資料に基づいて御説明申し上げましたが、全体としてはまだ原資が足りないという状況ではないと思うのでございます。資料に基づいてなお余裕があるというように申し上げておったわけでございますが、ただそのときにも申し上げましたように、地域的にはかなり格差が出てきておる。それでその近代化資金の貸し出しが進むにつれまして、その格差がかなり目立ってきたということも申し上げたつもりでございますが、そういった方面から一般的にはまだ原資に不足はないが、地域的には、場合によって起こり得るということは申し上げざるを得ないかと思います。しかし今回の改正の理由としましては、そういう点も無視はできないと思いまするが、原資が足りないからということを重視して申し上げておるのではないのでございます。
○渡辺勘吉君 原資が不足する理由からでないとすれば、どういう理由ですか。
○政府委員(松岡亮君) 一般的に申し上げまして、そういうことはまだ申し上げられない。しかし地域的には格差が出て、現に自己資金が足りないというような農協も出て参っております。そういうことは無視できないと思います。
○渡辺勘吉君 私は局長の考え方に、根本的に異議を持つのであります。地域的なアンバランス、地域的な格差と言いましたが、地域によって組合金融自体では自まかないできる地域と、非常に借り入れに依存しなければならない地域、そういう内容のお答えだと思いますが、そういうことですね。だとすれば、私は組合金融自体は、そういう地域的な資金のアンバランスを総合的に調整するのが、系統金融の大きな役割であると思う。したがって、資金量の不足なところには、系統金融でそれを補完的に融資等の措置を講じて、組合員の希望による資金を供給するというのは、あなたに申し上げるまでもなく、これは組合金融系統の当然の責務である。しかるに、あなたはそういう末端の資金のアンバランスというものを理由として、そこに銀行融資というものを制度として認めるということは、これは組合金融本来の性格、機能というものを無視するか、軽視するかという前提に立つこれは根拠であって、本質的にはこれは理解しにくい点でありますが、その点はどうですか。
○政府委員(松岡亮君) 今御指摘のありました組合金融は、本来組織の中で相互に原資の過不足を調整する、それによって全国的にできるだけならして資金の過不足がないようにするというのが機能であるという点は、全く同感でございますが、本日提出いたしました資料の三枚目にございますが、農協資金の地域差の状況でございます。これをごらんいただきますと、これは私のほうで分析いたしたものでございますが、全国の県をABCと分けまして、Aは都市的な府県、Bは中間的な府県、Cは農村的な府県、そういうふうに分けまして、それの貯金、貸出金、一組合当たりの平均でございますが、それから貯貸率等を出してみたのでございますが、その貯貸率をごらんいただきますと、C地域におきましては八八%と非常に高くなっております。これはうっかりするとオーバー・ローンの状態になるというような傾向を示してきておる。そういった点もございまして、組織全体として調整すると申しましても、オーバー・ローンの状態にはなかなかできないわけでございます。それらの問題もあわせて考えていく。その原資の地域差の問題というものは軽視できないというように考えるのであります。
○渡辺勘吉君 こういう貯貸率そのものからみれば、ややオーバー・ローンの段階に間もなく行きつくであろうということは明らかに読み取れるわけでありますが、問題はこういう表面で取り上げた貯貸率ということではなしに、私の言うのは、転貸をするというケースがこれはオーバー・ローンとは切り離して考えるべき要素ですね。これに必要な資金源がみずからない場合は、系統からこれを融資に仰いで貸付をする。それが当然長官も局長もお認めを願っておる近代化資金としては正常なルートなんですね。だから、そういう借り入れと貸付が、制度金融によって貸借バランス化しているというものは、これは総体の貯貸率でオーバー・ローンというふうな見方は、これは当たらないと思う、そうですね。それを是認されるならば、この貯貸率というものは、さらにそういう点を分析すれば、オーバー・ローンというものはかなり将来のこれは問題であって、ここで銀行等を介入するという理由には、少なくとも当分の段階ではあり得ないと思う。その点はどうですか。
○政府委員(松岡亮君) 私も全体として顕著な傾向として、そういった問題がすぐには出て参らないと考えるものでございます。 それから貯貸率につきまして、これは一組合の平均の貯貸率でございますが、一組合当たりの貯貸率がこういう状態であるというのは、転貸によって融資を行なら場合においても、組合の経営面から申しまして、必ずしも無視できない問題ではないかということも考えられるのでございます。それから転貸をするにしましても、このABCで分けました地域差の状態は、信連の段階にもかなり現われてきておるのでございます。しからば、農林中金が全国中枢の機関といたしまして、その総合的な調整の役割り、地域調整の役割りをやる。これは農林中金の存在理由の大きな一つでございますが、しかし、それにもそう無限の調整能力があるということはなかなかいえない。特にコストにつきまして、転貸して参りますと、漸次コストは高くなってくる。それがまた組合経営に響いてくるというような問題もございますので、まあ先ほどから申し上げたような原資の過不足の問題というのは、かなり重視しておかなければならないのではないか、かように考えております。
○渡辺勘吉君 話は系統金融のピークの中金の話になりましたから、この近代化資金に限って御質問申し上げます。 いまだ農林中金は近代化資金に関する限り、信連の転貸に、実際、実績として出てきておりませんね。これが、問題が内在している点の一つだと思う。したがって、これも遠い将来はいざ知らず、農林中金に集まっておる余裕金そのものから見れば、私は資金源としてことで組合金融自体がみずからの努力を払って、その機能を十全に発揮する努力をやる以前の段階で、現行法に原資の不安の点から制度金融に介入することは、非常に将来に問題を残す点からいっても賛成しがたいわけであります。もっと具体的に申し上げます。この近代化資金を系統金融で融資をする場合に、基準金利というものを農林省がお示しになりましたね。これをもう一回ここでその基準金利を設定した内容について御説明を願いたいと思います。
○政府委員(松岡亮君) 近代化資金を貸し出す原資のコストといたしまして、平均九分五厘を見ております。これは調査が非常にむずかしゅうございますが、農協の調査に基づく平均九分七厘五、六毛でありますが、それをベースにいたしましてそうきめておるのでございます。
○渡辺勘吉君 系統金融としてお伺いいたしておるのです。単協段階の九分五厘はまずわかりましたが、系統として各段階別にどういう基準金利を、政府としては行政指導上からお示しになったかお伺いしたい。
○政府委員(松岡亮君) 信連におきましては一応八分五厘、こう見ております。
○渡辺勘吉君 信連の近代化資金の融資については基準金利として八分五厘、村の農協段階では九分五厘というものを基準金利としてお示しになり、それに対して国の利子補給、県の補給等で末端金利六分五厘ですね、そこまではわかっておるのですよ。私のわからないで御質問申し上げるのは、中金が県信連に融資する近代化資金の基準金利を、どう行政的に御指導されましたかということであります。
○説明員(立川基君) 近代化資金では、御存じのように融資機関として信連、それから単協、それから農林中央金庫を指定しておりますが系統金融という建前の方向で、一応融資機関そのものといたしまして信連がお貸しする場合には、先ほど申し上げましたような八分五厘にしております。それから原資の供給という意味で、信連なり単協、信連が単協へ、あるいは農中が信連へ貸す場合には、別に制度的には幾らというふうにきめてございません。それで、農林中金そのものが、信連がいろいろな事情で直貸しできません場合に、みずから直貸しをいたします場合には、一応単協段階に対して貸し出す場合には、信連と同じように八分五厘というふうに考えております。
○渡辺勘吉君 私はこの質問が、局長みずからが答弁ができないところに問題があると思う。農林中金が単協に直貸しをする場合に八分五厘ということを指導しておるとおっしゃるのですが、私はそんな考えられないようなケースを聞いておるのじゃなくて、通常ですね、組合金融が近代化資金を融資する場合には、信連が単協に融資する基準金利を八分五厘と設定をし、単協が組合員に融資する金利を九分五厘と基準金利を強く規制しながら、中金が信連自体の必要から近代化資金を転貸を受ける場合の基準金利をお示しにならないというのは、資金源の問題に関連してこれは重大な問題であります。局長その点いかがでございますか。
○政府委員(松岡亮君) 大体、現在におきましては信連と単協から近代化資金をほとんど貸し出してもらうという体制で指導しておるわけでございますが、農林中金が全国段階に貸し出す場合の共同利用施設でございますが、これは近代化資金の場合も七分五厘でございますが、それは七分五厘でやってもらうというわけであります。
○渡辺勘吉君 それでは信連が、ほとんど単協で自まかないができない場合には八分五厘で融資をしておるということですが、現実に九州及び東北地帯では、みずからの造成した資金で融資がなかなか容易ではないという段階にきております。これは御承知ですね。そういう実態から、中金に対して近代化資金の転貸を申し込んでおる、その場合に今局長が言うたように、いいですか局長、あなたが言うたように全販連等、この近代化資金に相当する共同施設等に七分五厘で出しておるから、中金が、信連が必要な場合に、近代化資金を信連に転貸する場合は七分五厘で融資をするのだ、こういう御答弁に理解してよろしいのですか。
○政府委員(松岡亮君) 東北や南九州の方面の信連が、原資が足りなくなるという傾向がだんだん現われております。それに対しまして、農林中金は所属団体に貸し付ける、従来の所属団体貸付の形で原資を供給しておるのでございます。それは、近代化資金の軟貸という形ではなくて、不足に対して所属団体への貸付ということでやっておるわけでございます。
○渡辺勘吉君 もちろん、それを百億信連が融資をしたから百億を中金から仰ぐというケースもあるでしょうが、あなたのおっしゃるようにですね、みずから融資をして不足な場合は、中金から近代化資金の転貸を受ける場合はあるわけですね。そういうときの金利は、一体基準金利として七分五厘というふうに局長の答弁を理解していいですかと伺っておる。
○政府委員(松岡亮君) 先ほど七分五厘と申しましたのは、全国団体へ貸し付ける場合でございます。たとえば全購連の共同利用施設等に貸し付ける場合でございまして、南九州の信連等が代近化資金を貸し付けるにあたって、それの原資が足りないというような場合に、たとえば、ある信連が三十億円の近代化資金を貸し付けたいがそれに対して十億足りないという場合に、農林中金が十億を応援する場合には、通常の所属団体貸付でございまして、さっき申し上げたのとは違うケースに現在はなっております。それについては通常の所属団体貸付の金利で貸し付けております。
○渡辺勘吉君 そうしますと、これは近代化資金ですから、中長期にわたる転貸の取引が出るわけです。そのときに通常金利ということになれば、さっき課長が言うたように、八分五厘と理解していいですか。
○政府委員(松岡亮君) さようでございます。
○渡辺勘吉君 そこに問題があるのです。農林中金が全国団体で使う資金に、設備資金等に対しては七分五厘で出している、私はこれは非常に中金の英断で、どれだけのサービスをして融資されることに満腔の敬意を表している者でありますが、それはさておいて、この系統全体でこの近代化資金を十全にそしゃくして、その期待にこたえるというためには、中金から信連に転貸するその基準金利が、今御答弁になったような八分五厘では、これは筋が何もなっていないわけであります。これが問題なんです、現在。で、もちろん私は局長の先ほどの御答弁を利用する意思は毛頭ありませんので、七分五厘などということを、私は考えているのではないのですけれども、少なくとも系統三段階をあげてこの近代化資金を十分そしゃくしていくためには、中金が信連に融資する基準金利、近代化資金の基準金利は、常識的に言っても計数的に言っても、八分でこれを明確に打ち出すことでなければ、信連段階もこれらの期待にこたえることができないという実情にあるわけです。そうして信連が五厘の扱い上の事務経費を取り、単協が一分の事務経費を取ることによって、それぞれの段階が系統金融内部で、近代化資金の取り扱いに合理的な措置が果たせるわけであります。しかるにこの近代化資金が発足いたしましてから、信連なり単協の基準金利はお示しになりましたけれども、問題をしぼって、中金と信連との近代化資金の取り扱いについての、適正な基準金利というものの御指導が、なされたのかなされないのか。なされたとすれば、それが明確に期待するような方向ではなしに、信連が単協に融資する八分五厘で、中金が信連に融資をするという基準金利とは、これはとうてい中金と信連の段階で系統金融の資金の枯渇化が現出しつつある。いろいろな理由もございましょうが、私は重ねて申し上げますけれども、この基準金利というものは、系統三段階を通じて適正な金利を、行政当局としては強く指導して、それを実現化するのでなければ、全く九州なり東北においては、三段階の中で、信連、単協の中で近代化資金の資金源について忠実に実施しているところほど、頭打ちの方向に近づいてきている。これを打開するのが今まで近代化資金として積極的に融資の姿勢を示さなかった中金が、ここで原資の門戸を、現実的にも理論的にも開放することこそが、近代化資金を組合金融で十全に機能を発揮するゆえんであると思うので、この私の希望する、中金が信連に近代化資金を融資する金利は、御答弁のように今後も八分五厘として、信連が単協に融資する金利と同じようなことが、最も妥当な基準金利だとお考えになるのか、その点をまずお伺いいたします。
○政府委員(松岡亮君) ただいま御指摘になりました点は、確かに検討を要する問題であると、こういうように考えるのであります。で、現在までのところは、まあ三十四、五年ごろ系統全体としての蓄積が非常にふえて、南九州、東北等においてもほぼ自まかないできる状態にあったのであります。その後近代化資金の貸付が進みまして、ちょっとまた逆転の状態になるということで、今までのところは季節的な不足資金を信連が農林中金から借りれば、つまり六月ごろの一番農業資金の不足する時分に、信連が農林中金からその時期の融資を受ければ、その不足をまかなっていくということに関して全体の調整ができておったのでございますが、また通常の所属団体貸付の金利でいけた、あるいはそれで問題はなかったと、こういうことでございますが、だんだん現在のような傾向が明らかになって参りますれば、近代化資金の原資として、そのときの金利を検討を要するというふうな点については、確かに今後の問題であろうと存じます。
○渡辺勘吉君 そのことについて、時間があればもう少し詳しく伺いたいと思いますが、大事な問題について次にまず入って、なお時間があれば、今の組合金融自体のこれは反省する問題も、かなり近代化資金の中にもありますから、触れることにいたします。 この前の委員会でも、たしか森委員その他の委員からもお話があったのでありますが、この提案の理由の第二点としては、農協系統融資機関から資金を借りがたい農業者等に云々ということが、これは非常に問題なわけであります。このことについては、非常にばくとしたデータしかお示しがなくして、非常に理解しにくいことであったのでありますが、その借りがたいということについては、具体的な資料の提出を要求し、ただいま資料が出たようでありますから、まず、この農家が農協から資金を借りがたいと、今度の、組合金融だけを法律にうたっておる単独法を、あえて商業銀行等を入れようとする理由の一つとして、第一の資金源の点は、私はこれは理由にはならない、少なくとも遠い将来は別として、系統金融全体の機能が十全に発揮されるならば、まだまだ当分の間は、資金源云々という提案の第一の理由は認めがたいと思います。 第二の理由について、資金を借りがたい農業者、これが一体どういう実態によって、そういう商業銀行等を導入する根拠になったのか、これを具体的に、納得のできるような説明を、この際お伺いをいたしたいと思います。幸い資料が出たようでありますから、資料を中心として御説明を願いたい。
○政府委員(松岡亮君) それでは、資料に基づいて申し上げますが、お配りしてございます農業近代化資金助成法関係資料、これのうち、最初に一といたしまして、農業近代化資金融資取り扱い農協数というのが出ております。これは三十六年度の状態でございますが、総合農協の数、つまり、信用事業を行なっている農協の数が一万一千二百ございますが、そのうち近代化資金を取り扱いました農協の数は七千百五十六でございます。これは全体の六四%、つまり三六%は近代化資金を扱わなかったという結果でございます。この数字は、県からの報告に基づいた数字でございます。 なお、三十七年度の様子は、今後報告があることになりまするが、最近、きわめて最近でございますが、若干の県についてちょっと聞いてみたところでは、やはりこういう農協の数が、減ってはおりまするけれども、あるという模様でございます。 それからその次に、二といたしまして、総合農協に加入している農家の数でございます。これが全体の農家の総数に対して何パーセントを占めているか、これも御要求の資料でございますが、農林省の農協一斉調査による総合農協の正組合員の数は、約五百四十万戸でございます。これに対して、ちょっと時期がずれておりまするが、農林省の統計調査部が調べました全国の総農家戸数の推計値は、約五百九十万戸でございます。結局総合農協に加入してない農家は、推定でございますが、九%、まあ一割近いものが農協に加入してないと、こういうことになるのでございます。 次に、次の紙に移りまして、今申し上げました農協が近代化資金を取り扱っていない場合、どういう理由で扱っていないかという理由を調査したものでございますが、これはもちろん数千の農協について全部を調べることはできませんので、抽出いたしまして、十五県について抽出調査をやりました。そのうち、近代化資金を扱わなかった農協のうちから二百六十六組合を対象に、昨年九月、調査されたものでございます。 その扱わなかった理由といたしまして、まず農協の業務停止の状態、それから貸出事務体制の不備というのが三十六農協で、全体の九・六%でございます。この貸出事務体制の不備というのは、どうも事務能力が足りないということもあるようでございます。 それから農協の自己資金不足を理由にやらなかったものが五十五で、一四・七%、それから信連からの転貸資金の借り入れが困難であるという理由で四十二農協、一一・二%、この中では、信連が貸さないというのが九・九%、単協の理事が借りることに反対したというのが一・三%でございます。 そのほかに借り入れの希望者がなかったというのでございますが、これが全体で百五十九ございますが、PRが足りなくて、知らなかった、それから農家のほうが積極的に借りる意欲がなかった。立地条件の不備、交通の不便とかそういうことでございましょうが、そういうものもございます。 それから、これは希望者のほうから見まして、事業計画が不備であるとか、信用が足りないとかいうのが幾分ございます。 それから、その他の理由でございますが、これが一五・五%でございますが、これには、手続が煩瑣だとか、金利の関係で、つまり借りて貸すのはペイしないとか、今後やる、というようなものがあるわけです。 大体以上のようなことでございます。
○渡辺勘吉君 今御説明になった資料だけについて見ますと、三十六年に近代化資金を取り扱った第一表であります。これは、この前の委員会でも御説明がありましたように、初年度の扱いとして、非常に趣旨も徹底しなかったし、取り扱い期間も非常に切迫しておったという事態の中で、これが三十六年度扱われた実態でありますから、非常にこれはレア・ケースだと思うのです。六四%というのは、系統融資機関から資金を借りがたいという理由の説明の資料にはなりませんね。
○政府委員(松岡亮君) 今お話がございましたように、初年度でございますために、まだ徹底しなかったとか、そういうもので取り扱わなかったというのがあると思います。それで三十七年度は確かにこれよりは増加しておると思うのでございます。その結果は今後県の報告が出て参りますので、わかるのでございますが、最近簡単な事情をちょっと聞いてみました状況では、ごく最近でございますが、たとえば青森県におきましては、総合農協の数が二百四十九ございますが、そのうちに貸付不能の組合が五十から六十ある。それから貸付不能の組合のうち二十二組合は解散命令を公示中、こういうような状況でございまして、これは県によってかなりアンバランスもございますし、一がいには申し上げられませんが、今でもそういう状態は若干見受けられる、こう申し上げてよろしいと思います。
○渡辺勘吉君 全国の中で青森の例だけを取り上げて近代化資金の、農業者に貸しがたいという説明にされることは、きわめて不適当だ。私も一月に青森県のあなたが指摘されるような、貸し出しのできなかったような実態の農協を見てきました。荒川の農業協同組合、ここへ行って、最近の座談会で私は二部落を指導してきました。こういう農協では今度の金融登録、今度の近代化資金を契機に積極的に農協の機能を発揮しようと再建意欲に燃えているわけです。そういう場合に、これは結果のほうから言いますが、銀行融資という制度を認めて、銀行が荒川農協の地帯に近代化資金を融資するというくさびを打ち込むことは、せっかくの農協を中心として再建しようとする出鼻をくじくことになる。そういう意味においても現実に今貸し出しの機能が発揮できない農協を、それが借りがたいということで、しかもそれはレア・ケースですよ、全国的に。そういうことを理由として銀行に近代化資金を扱わせるということは、組合員の営農を指導金融によって誤りなきを期させようという点からいって、単に商業銀行が商業ベースで融資をするという、その性格のむき出しのままに農家に直結するということは、悔いをこれは千歳に残すものだと思う。だから今あげたのは、しかも全国でもごくまれな、あなたは青森だけを例にあげておる。その他の県はどうなんですか。
○政府委員(松岡亮君) これは一斉の調査でございますので、さきのような資料とわけが違いますので、少し大ざっぱでございますが、なお若干の例を申し上げますと、岩手におきましては、二百三十五組合のうち、今度も取り扱わないのが五十から六十ぐらいございます。それから秋田におきましては、二百四十五組合のうち事業停止のものが十八組合、それから茨城におきましては、三百五十二のうち八十七が取り扱ってない、八十七のうち開店休業状態が三十五ある。それから関東の、たとえば千葉でございますが、三百のうち二十から三十が取り扱ってない。このうち五つが解散の状態にある。それから少し飛びまして、京都の例でございますが、京都では二百二十のうち取り扱っていないのは二十から三十でございます。広島は四百八のうち三十くらいの組合が休眠組合、こういうような、これは全国一斉に調査したわけでもありませんが、最近各県から聞いた状態でございます。事業停止の組合は、これは今まで再建整備措置あるいは整備特別措置等によって、その再建に政府が大いに力を入れて参ったのでありますが、なおどうしても五カ年計画でやっても再建できないという状態の組合もまだ残っているわけでございますが、まあ、もちろんこれは再建してもらいたいわけでございますが、組合によってはなかなか容易ならざるものもございます。そういうことも考え合わせる必要があるのではないかと考えるのでございます。
○渡辺勘吉君 今の取り扱わないというのは、先ほどもいいましたように、三十六年は非常に取り扱いの時期が切迫しておって、早くやれる組合というか、希望の強い組合をワクの中で消化をしたというケースで、取り扱わない組合がたくさん出たのですね。だからそういうことで資金を借りがたいということをきめつけるケースには、これはならぬと思う。何といっても、しかもその三十六年は十分趣旨も徹底しないし、扱いにもなれないということで扱わないので、これは資金を借りがたいということにはならない。そこで第二表の取り扱わない理由調べが、まあ問題だと思うのですね。これはまず第一に伺うことは、調査組合が二百六十六であって、計が三百七十四というのはどういうことですか。
○政府委員(松岡亮君) これは理由に重複があるわけでございます。二百六十六組合で、二つ以上の理由をあげている組合があるわけでございます。
○渡辺勘吉君 もちろんそういうことだろうと思うのですけれども、どうも何だか取り扱わない理由がたくさん重複して出されていることは、この調べ自体にも角度がどうもおかしいような感じを受けるのですが、借り入れ希望者がないということ、これが全体の約半分を占めている。それから希望者の計画の不備または信用不足ということ、これが六・四%も占めている。不明なその他が一五%も占めている。七、八割がこれは借りがたいということは大体系統金融機関から借りがたい理由の中では、銀行等を介入するという理由にはならないわけです。このまん中から下のほうですね。希望がない者に貸すというようなことは、また十分必要がある場合はPRをしなければならぬでしょう。それがすでに全体のもう四割二分を占めておりますね。それから受信能力がない者に貸付をすることは、これはもう断じて避けなければならない、これが六・四%もある。理由不明のものが一五・五%もある。七割以上が、これは繰り返しますが、系統融資機関から資金を借りがたいというその系統機関の責めに期すべきことではない。残るものは農協の業務停止及び貸し出しの機能が、単協では十全に整備されてないというケース、そういうものこそは、これは定款等を最近改めて、信連が直貸しの道を講じているのですから、そういう直貸しをしても系統金融としてその責めに任じて、近代化資金の融資をやるということを信連に十分行政当局としても指導しなければならない責任があると思うのです。また信連としても、そういう組合には、支払金融機関の指定等の登録の場合にも、貯金の払い戻しについては信連がその責任を負うという裏書きをして、貯金証書を発行しておる信連もあるわけです。で、そういう点をやはり十分に系統全体で機能を発揮することによってこれは解決ができる。農協の自己資金不足に至っては、これはもう話にはならぬ。これは信連のほうからも、積極的にその農協の資金不足をカバーするだけの、これは補完的な機能を発揮すれば足りることであります。信連からの近代化資金借り入れ困難というのは、これだけではわかりませんが、これはやはりその組合の財務計画、財務の内容、健全化の方向というものをやはり解決しながら信連が転貸をすべきもので、いずれもこれだけの単に時点においてはそういう理由としてあげられておるけれども、組合金融全体の努力と、制度金融でありますから、行政上の適切なる指導と相待って、すべて解決ができる問題であって、現実には、この現われた姿は、あるいは資金を借りがたいという現実でありましょうけれども、私はだからもうどうにもならないのである、であるからこれは銀行融資にゆだねるのだという、早々の結論を出すべきではない。この間に十分にそれらの指導の責任を果たして、なおかつ将来もこういう理由として動かしがたいものとして、この部面については指導金融の役割りは一応見切りをつけて、この部面についての銀行の介入を認めざるを得ぬというふうに引導を渡すには、これはあまりに早計だと思う。これだけの理由では、系統融資機関から資金を借りがたいという積極的な理由には、これは受け取りがたいわけです。その点は局長どうお考えですか。
○政府委員(松岡亮君) 私も農協から借りがたいというのは、もちろん一般的な状態であるとは申し上げがたいと思うのであります。むしろ例外であるということでございますが、今のこのいろいろな理由の中で、若干これは県からの報告でございますが、少し明らかでない点もございますが、たとえば、希望者の事業計画の不備または信用不足というような点については、これは両面あると思うのであります。確かにそうであるという場合と、指導をすれば直せるというような場合、また信用不足という場合も、これは債務保証制度等を作ったのでございますから、それによって貸し出しを促進してもらわなければならぬということもあるのでございますが、いずれにしましても、こういう例は少ないことは御指摘のとおりでありまして、私もこれは一般的にそうだというようなことは申し上げられないと考えるのであります。 もう一つ考えなければなりませんのは、この事業、特に事業停止の組合の状態でございますけれども、これはどうも地域的にかなりアン・バランスがある。県によって見まして、非常に多いところと少ないところがあります。たとえば、青森県におきましては一割以上でございますが、少ないところはゼロというところもございます。そういうふうに、地域的にもアンバランスがあるということもあわせて考えまして、とにかくまあ例外的な状態であるにしても、農家としては近代化資金を借りたいというのに借りられないという状態においてはいけないということではないかと、かように考えるのでございます。
○渡辺勘吉君 どうも私は今の局長の御答弁を伺った限りでは、ここに法律を改正してまで組合金融系統の扱いを、銀行、地方銀行あるいは信用金庫ですか、入れるという理由にはなりがたいというふうに考えます。結局、今までの資料なりあるいは御説明を伺いましても、資金源としては枯渇をしておるというのじゃなくて、まだ近代化資金として農林中金の余裕金が出ていない、こういう目的を明確にした転貸はまだ意見も出ていない。二千数百億に上る余裕金の中でこれが門戸が閉されておる。そういうものがかなり積極的に系統を通じて基準金利というものがリーズナブルにこれが打ち出されれば、繰り返しますが、中金が全国段階には七分五厘で出しておるのですから、出せないはずはない。私は八分の金利で信連の転貸にこたえる、信連は八分五厘で単協の要請にこたえる、単協は九分五厘で系統三段階の末端の適正金利を実施していく、こういうことが繰り返しますけれども、系統三段階を通じて合理的な適正金利、基準金利というものを上の段階まで決定して行政庁が指導しなかった問題が残されておる。もうこれ以上は申しませんが、局長はその点については確かに首肯されましたので、農林省の善処を期待いたしますけれども、そういうことになれば、これは自然の水が高いところから低いところに流れるように、九州地区なりあるいは東北地区で現在現われているような、プロパーでまかない切れなくなる段階では、最後の中央系統機関である中金からこれは転貸を仰ぐことによって、資金の源泉の枯渇というのは当分、少なくとも四、五年の展望においては不便がないわけであります。したがって、この提案の第一の理由は、私はそういう適切な措置をとることによって解決できると思います。第二点におきましても、これは系統金融みずからの反省と、また制度金融の担当である行政庁が両々相待って十分発揮し得なかった指導金融の機能を十分発揮することによって、大部分の要素が解決ができる。そういう場合に、残されたレア・ケース中のレア・ケースを理由として、今までせっかく発足して幾年もたたない今日、ここに銀行金融というような道を入れることには、今までの御説明に関する限りは納得しがたいわけであります。しかも、これは単にそういうことだけで申し上げるだけではなしに、過般出されました「三十七年度農業の動向に関する年次報告」の中にもはっきりとうたっておることは、制度金融の結びにこううたっておるのでありますが、「貸付金の種類・条件はしだいに細分・複雑化の傾向がみられ、また系統金融機関との融資分野の調整等農林公庫資金制度自体の問題も少なくない。しかし、農業近代化に必要な『長期・低利』の資金を『集中的』に投資するには系統金融機関の貸出態勢の整備、系統内部での資金需給の調整が必要であることはもちろんであるが、これを補完する財政資金の機能についても再検討する段階にきたと思われる。」おそらくこれは推測をいたしまするに、賢明な経済局長の筆になったものではないかと推察をいたすのでありますが、こういうように、かねて農林金融の交通整理がしきりに唱えられておる矢先に、さらにこの交通整理を複雑にし、農林金融本来の機能を混迷に陥れ、補完的な役割を果たしております制度金融が、その補完的な機能以外の混迷の一つの役割を持つということについては、これは一体グリーンレポートに報告された御趣旨と、あまりに取り上げたこの問題が矛盾があると思うのでありますが、このグリーンレポートに取り上げられた交通整理の課題と。今度の今回の交通整理と、さらに複雑にしなければならないという理由を一体どう理解したらいいのか、その点の御説明をお願いしたいと思います。
○政府委員(松岡亮君) ただいまの読み上げられましたグリーンレポートの文章につきましては、それはそのとおりだと思うのでございます。確かに新しく今回作りました農林漁業金融公庫の経営構造改善資金等を加えることによりまして、ますますその制度金融の金利体系、あるいは貸付条件というようなものが複雑化したことは、これは否定できないのでございます。で、私どもといたしましては、どうしても今後これらをもっと簡素なものにして、もっと農家にわかりやすい、全体の運営ももっと活発な機能的な動きができるように再検討する必要があるということは考えておるのでございますが、ただ一方におきまして、できるだけ低利の、しかも長期の資金をできるだけ豊富に農村に貸し出すようにしたいというのが、また一方の意欲でございます。そのために複雑化の組織が免れないのでございますが、今回は、とにかく最も今切実に希望されております低利、長期の資金を拡大するということに重点を置いて、今回提案を申し上げておる次第でございます。近代化資金とその他の制度のまあ分野と申しましょうか、これらについてもさらに検討を加えて、今後できるだけ明確にして参る、かように考えておる次第でございます。
○渡辺勘吉君 今の御答弁によりますと、せっかく長期、低利の制度が出たのだから、それを豊富に供給されるようにということがただいまの御答弁に繰り返しあったのであります。その点については前半申し上げましたように、豊富にこれを融資するという源泉については、少なくとも長期にわたる展望は別にして、少なくとも当分の間は系統のその三団体を通じては、十分その源泉を供給し得るということは繰り返し私が申したとおりであります。そのことをいささかも私は否定するものではないわけでありますから、その資金源が豊富に供与されるということが確実であることは繰り返し申し上げるのでありますが、農林中金自体が、系統外融資云々ということで大きく騒がれておりますけれども、それにはそれなりの理由があるわけでありますが、それはさておいて、それらの資金がこの転貸等でスムースに系統内部に再投下されるということが、現実には切断されておる。それはもう少し具体的に申しますと、貯払い等に困った場合に、一時これを借り入れするという信連の借り入れの方法もございましょう。あるいは長期にわたって転貸融資を仰ぐという場合もございましょうが、その資金繰りの場合の、貯払いに近代化資金を自まかないをしておった信連が中金に仰ぐ場合に、これを阻害するのは、あなたも御承知のように信連と中金の間で契約されておる契約金利以外の奨励金制度、これが貯貸をした場合に奨励金がカットされる、そういうことがまたこれらの信連の資金繰りを困難にしておるのであります。これは具体的にそれ以上私はどうこう申し上げません。これは系統内部の自主的な問題でありますから、それ以上は触れませんが、少なくとも制度的に近代化資金を、中金から金利八分で信連に流すというものが出てくれば、一千億以上のこれは転貸は可能になるであろうと思います。そういう点ではいささかの心配もありません。今の御説明を伺っても、この改正法案を出す理由は、なかなかどうも納得できないわけでございます。方向としては、この農林漁業金融全体をもっと交通整理をしなければならない。また機関の整理ばかりではなしに、融資の内容等もこれは整理をしていかなければならない。これはいずれ別の法律の、公庫法の改正の際に具体的にお伺いをいたすつもりでありますが、三分五厘あり、四分あり、四分五厘あり、五分あり、六分五厘あり、七分五厘ありということは、それぞれの資金についての理由はございましょうけれども、末端ではこれは非常に混迷しておるわけであります。また融資の条件等も、それぞれの資金によって違う。ここら辺も整理をしてあたるべきではないかと思うのですが、それは後ほどにいたしまして、私はこの近代化資金に関連して、局長に特にお伺いいたしたいのは、何といたしましても、この系統金融が、近代化資金そのもののこれは融資機関でありますから伺うのでありますが、今のこの系統金融の三段階制と言われておるけれども、私から言えばこれは三段階制ではなくて六段階制と言わざるを得ない。中金本所があって、各県に中金の支所がある、信連の県には本所があって、その主要地方に信連の支所がある、統合された大規模の農協は、同じような大規模農協に本所があって、それぞれ合併参加した農協に支所を設けておる。六段階制が現実の姿であります。これらに対して、行政的にどう指導をされるのか、この点をまずお伺いをいたしたい。
○政府委員(松岡亮君) 現在の系統三段階をどう考えるかということは、これはまことに重大な問題でありまして、私どもも軽々にお答えできない事柄ではございますが、私どもが非常に今日仕事に当って感じております点を率直に申し上げますと、確かに問題の点であるかと思います。今お話しのありましたように、三段階実は六段階という点も、確かに形式的にはそうでございます。ただ、たとえば農林中金の支所は、林業や漁業の貸し出し等の関係もございますので、それなりの理由もあるし、長い経緯を経てできてきた機構でございますから、これを現在すぐどうこうということはなかなかむずかしいことであろうと思いますけれども、できるだけコストを引き下げ、農家に低利で金を貸す、機構全体を合理化して経費を節約していくというような趣旨から、今後できるだけ簡素化するように考えていかなければならないのではないか。またその際、農協がだんだん大組織の農協になって参ります、まだ緒についたばかりでございますから、その将来について明確な判断を下すことはむずかしいと思いまするが、だんだんその傾向が強くなって参りまするならば、現在の機構というものについておのずから将来の方向も出てくるのじゃないか、そういうような感じがいたしておるのでございます。
○渡辺勘吉君 そのうち特に私のもっと具体的にお聞きいたしたいのは、中金の各都道府県に設置している支所と信連との重複といいますか、に生ずる系統内部の合理化、合理化に伴うコスト・ダウンということが組合金融の中ではどれだけの問題として取り上げられているかは別として、非常に現実の問題だと思うのです。かつて農協大会で農林中金の合理化、民主化というものが取り上げられて、私もその委員として中金の支所と信連の問題について一年ばかり参画をしたことがあるのでありますが、当時はまだ漁信連というものがなかった時代であります。魚のほうの信連が県になかった時代、それでも農信連に業務を委託するという措置を中金が講じてもらえば、自己預金もできるし、貸し出しの取り扱いもできるということが、中金の出先をこれをなくするということが三段階のこれは問題点であったわけでありますが、その後、漁業のほうの金融系統も県段階を通じて確立をされているわけでありますから、私が現実に信連なりあるいは中金の支所なりというものの業務内容を見ておりますと、非常に重複をしておる現実でありますので、こういう点について、一体、三段階以前の問題ですね、三段階以前のこの問題について交通整理で、だいぶ専門的に農林省内部で討議をされておられるでありましょうから、この点を一体どういうふうにお考えになっているかをお伺いいたしたい。
○政府委員(松岡亮君) 漁信連を通じて農林公庫資金を貸し付けるということは、近く実現いたしたいと考えておるものでございますが、そうなって参りますと、確かに、現在農林中金の支所が扱っております農林公庫の貸し出しの相当部分は漁信連に移るわけでございます。そういったことから漸次農林中金の支所についても事務の調整が必要になるのではないかと、かように考えておりまするが、農林省といたしましても、これらの問題、まあ組織とか機構とかいうことに特に限ったわけではございませんが、系統の金融につきまして検討を続けておる、まだしかしながら何らの結論も出しておりませんので、その内容について申し上げることは、特に何か具体的な御質問でもあれば、差しつかえない範囲内で申し上げますけれども、今どうこうという結論を出しておりませんので差し控えたいと思います。
○渡辺勘吉君 私もこの問題をこれ以上深く掘り下げて伺うことは差し控えますけれども、何せやっぱりその組織の中におる立場でもこれを解明していくことも容易じゃないだろうと思います。それについては、やっぱり国会等でその問題点を明らかにすることによって系統内部の合理化に資するような問題の提起というものが大事ではないかということで、その問題点だけを提起するにきょうはとどめておきます。 なお、近代化資金についてお伺いいたしたい点は、共同利用施設について、従来どおり七分五厘で、その他の場合に六分五厘ということですね、これはやはり全部六分五厘にするなり、むしろ共同化施設に対しては個人融資というものよりも金利も引き下げていくことが望ましいと思うのですが、というのは、これは公庫資金の場合にも当てはまる問題でございますけれども、今後の日本の零細な農業経営をどう取り上げていくかという方向づけを考えますと、何としても農業基本法にもうたっておるように、協業化の助長、あれを単なるかけ言葉に終わらせずに、ほんとうに協業化を助長していくという立場に立てば、共同利用が容易なるような条件を政策として付与していくことが必要ではないか。もちろん衆議院におけるあなたの説明を伺いましても、農協の自己資金等を使うのだから、これは七分五厘据え置きでいいだろうと答弁しておりますから、そういう答弁じゃなく、少なくとも政府としても日本の零細農業経営に対して共同化を、私は協業という言葉はどうもあまり好きじゃないのです、共同化を推進していくためにはあらゆる施策でそれらを裏づけするような方向を、今の許された条件の中で取り上げていくべきであろうと思う。そういう場合に共同化に対する融資の金利が、一般の融資の金利より一分も高いということは、農業基本法にいう協業化の助長に対しても、どうもあまり忠実な金利の設定ではない、むしろこれは一般の六分五厘よりも一分も下げて五分五厘にするとか、五分にするとかして、共同化を促進するような融資条件を設定していくべきだと思うのですが、この点についてはいかがお考えいただけますか。
○政府委員(松岡亮君) ただいまのお尋ねにつきましては、まあ農政の基本理論に触れる、自立経営でやるか協業経営でやるか、あるいは合わせていくものであるか、協業経営は自立経営に対して補完的なものあるいは過渡的なものであるか、というような基本的な見解の問題が関連しておるわけでございますが、それらの点につきましては議論にもなりますし、この問題の考え方について直ちに触れなくてもよいと思いますので、むしろ技術的な制度といたしまして、現在共同利用施設、協業、個人施設とこういうふうに金融の面で扱われていることを前提にいたしまして申し上げますが、その前に、金利を個人と協業と共同利用施設で差等をつけるか、あるいは同じものにするかということは、これは実際の問題としてもなかなかむずかしい問題であると思います。経営理論から言いましても、逆に金融のほうの考え方から言いましても、どうやってこれを考えるかということは、率直に言いまして、非常にむずかしい問題であると思いまするが、現在制度金融の上で共同利用施設として扱われておるものは、近代化資金におきましても、農林公庫資金にいたしましても、七分五厘で、これは農協が作ります大きな共同利用施設について適用されておるのでございます。それで個人施設につきましては、近代化資金におきまして六分五厘でございますが、協業はこれは共同利用施設までにいかない、つまり農協程度にならない部落団体、あるいは数人の共同の場合に協業と称して六分五厘を適用しておるわけでありますが、どうしてもやはり農協の作りますような大きな共同利用施設というのは、農協は相当自己資金を持っておりますし、個人や協業の場合よりも、ややそこに経常上あるいはコストの面で若干差等があってもいいんではないかというような考え方に基づきまして、協業は個人と同じ六分五厘にいたしましたが、共同施設は七分五厘、こういうように分けておるのでございます。
○委員長(櫻井志郎君) ここでしばらく休憩し、午後一時半再開いたします。 午前十一時五十二分休憩 —————・————— 午後一時四十七分開会
○委員長(櫻井志郎君) ただいまから委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案及び農業近代化資金助成法の一部を改正する法律案を一括議題といたします。 質疑のある方は順次御発言願います。
○渡辺勘吉君 次にお伺いいたしますのは、この近代化資金は農業構造改善事業の一連の制度金融で担当するわけですが、そういう場合に、法案で考えられるように銀行融資というものが介在した場合に、組合金融が営農の指導的な立場に立って金融をするというかまえ方に対して、銀行が融資をその間にやっていくという場合には、非常に末端で受け入れられる側から、食い違った受け取り方が予想されるわけです。このことは、構造改善事業全体の推進の上からも問題点が提起されると思うのですが、そういうことに対しては、どういうふうにお考えですか。
○政府委員(松岡亮君) 今の御質問は、農業構造改善事業に関する融資の問題であると存じますが、これは今回新しく設置を予定しております農林漁業経営構造改善資金の中で、農業構造改善事業推進資金として、そのうち融資が単独事業につきましては三分五厘をもって融資するように今回提案をしておるのでございます。その部分は、従来農業近代化資金で行なっていたのでございますが、来年度からは特に農林公庫のほうの新制度に入れまして、近代化資金にかわりまして、そちらで融資するということになりますので、もちろん銀行関係は、それにタッチいたしません。
○渡辺勘吉君 もしも、この法律が実施されるとなると、その金融機関は知事に認定がまかされると思いますが、あるいはそうでなくて、大臣が金融機関を一々指定されるのか。その点をお伺いしたい。
○政府委員(松岡亮君) これはいずれの方式をとるか、若干検討の余地があるのでございますが、知事が申請いたしまして農林大臣が承認する形をとるか、あるいは知事が農林省に協議するという形式でいくか、農林省が知事の意見を聞いて定める形式をとるか、あるいは全然知事にまかせきるかという、いろいろな場合を検討いたしておりますが、大体、いずれにいたしましても、地方の実情を十分考えてやらなければなりませんので、知事の意見は、いずれにしても聞かなければならない。と同時に、その場合に全体として、この制度の運営につきまして、どうするかということを、一般的な基本方針もございますので、やはり少なくとも農林省に協議してもらったほうがよろしいんじゃないか、かように考えています。
○渡辺勘吉君 その場合考えられるのは、信用金庫、信用組合全体が対象になると考えているんですか、それとも、かなりそれは限定されたものと考えているんですか。
○政府委員(松岡亮君) 信用組合は、全然考えておりませんが、信用金庫につきましては、きわめて限定された範囲で、知事がこれを望むというものについて、十分実情を聞いた上で、限定された範囲内できめて参りたいと考えています。
○渡辺勘吉君 この法律が施行されるにあたって、先ほど局長は、融資なりがたいという理由の説明をるる述べられたのですが、それは非常に私としては、なりがたいということを既成事実とする、固定的にこれを観念づけることに基本的に異論を持つものですが、百歩譲って、融資なりがたいと、どうしても現時点では融資なりがたいという場合に、それは受信力の点からいって、融資なりがたいという場合は、これは組合金融といえども、銀行といえども、やはり融資なりがたい点は同じだと思うんですね。ただ、どうしても組合金融全体にわたっても、受信力のある農家であって、なおかつ万一農協が融資ができないという場合、それはまあ現時点では、まれな例としてあり得るでしょう。そういう場合には、そういう場合に限って銀行融資を認めるのか、あるいは融資なりがたいということを理由として、銀行を近代化資金融資の制度の中に位置づけて、位置づけた限りは、当然融資たり得る相関関係にある。組合金融と組合員である農家との結びつきでも、一たん融資という制度を銀行に認めるならば、それは自由に融資対象にしていくと、こういう拡大的な考えを持っておるのか。その前者と後者について、その考え方をひとつお聞かせ願いたい。
○政府委員(松岡亮君) ただいまの御質問の点につきましては、先日の当委員会におきまして、藤野先生、青田先生、温水先生あるいは森先生から、しばしば強い御意見があった点に直接関係しておる問題であると思います。先般各委員から強い、しかもいろいろと実態を示された御意見もございましたので、農林省としては、今の御質問にも関連いたしまして、よく検討いたし、早急に結論を出したい。もちろんこの法案の審議の終わるまでには、当然結論を、もう一度よく考えて出さしていただきたい、かように考えております。
○渡辺勘吉君 それでは私は二十六日に、もう一度この点をお尋ねをいたしますので、それまでに十分ひとつ、質問の意のあるところを勘案されまして、納得のいく御回答を期待して、この問題はきょうは……。来週の火曜日に、あらためてお伺いをすることにします。 それからまた、問題としては、先ほど御提出をいただきました資料によりましても出ておるのでありますが、調査対象農家の中で、農協に加入している農家‐総農家、との割合を先般の資料で拝見いたしますと、加入率は比較する時点で違うようでありますけれども、総合、農協に加入しているところの農家数は、三十七年三月末現在で五百四十万二千戸、三カ月前の三十六年十二月一日現在での統計調査部の調査による農家戸数推計値は、五百八十九万八千戸、これから見ると、農家の農協に対する加入率は九一%、こういうことになっています。調査の時点は多少違いますから、このパーセンテージも多少の変動があるでしょう。万一‐万一というのは語弊があると思うのですが、私の主張する点からいえば、百歩譲った場合、これらの法律が通った場合に、こういう農協に未加入の農家、こういうものに限って銀行融資の道を開く、こういうことであれば、これは一応、それなりに理屈も立つようにも思うのですが、そういう場合に限定して銀行に近代化資金を取り扱わせるというふうに解釈できるのかどうか、この点をひとつ局長の御見解を伺います。
○政府委員(松岡亮君) これも先ほどのお尋ねに関連ある問題でございますので、基本的な考え方については、あらためて申し上げますが、農協に加入してない農家というものは、今回の改正で考えられる最も典型的な場合である、こう私どもは考えております。まあそのほかに、加入しておっても、事業停止組合で、なかなか再建しがたいというような場合、それから加入していても、ほとんど農協を利用していないという、まあ一種の変わった立場にある例もあるようでございます。これは御承知だと思いますが、きわめて少ない例でございますけれども、そういったような例が、まあ考えられると私どもは考えております。
○渡辺勘吉君 次にお伺いしますが、これは実は、青田さんが質問したことと重複しますけれども、私たちの立場から、これはお伺いいたしますから、問題点は同じでも聞き方が違う意味で、ひとつ委員長も認めてもらいたいと思います。 この近代化資金を銀行でも取り扱うということになれば、農業信用基金協会のこれは、やはり保証が銀行の貸し出しに対しても、対象として協会が保証することになるのかどうか、この点はどうです。
○政府委員(松岡亮君) 現行の制度でも、その他の金融機関が、信用基金法のほうでは保証の対象になることになっております。問題は農協に加入していない組合員は、その場合どうするかということでございますが、これは加入していない人は、みずから会員として加入して出資をしてもらう、こういうことに考えております。
○渡辺勘吉君 どうも今の御答弁は、私にはよくわかりかねるのでありますが、銀行は、この協会の会長の資格はありませんね。そうすると、この信用基金協会法の第三章第十四条、会員の資格をうたったもの、この会長というのは「協会の区域内に住所を有する農業者等、及び協会の区域の全部又は一部をその区域とする地方公共団体とする。」ということで、当然銀行は、この会員ではないわけですね。今度は現実論から申しますと、会員ではない銀行に、この協会のみずから貸し出した行為に対する保証をさせるということは、この法律の改正をして、今度の近代化の法律を改正すると同時に、この農業信用基金協会法まで改正して、そうしてこの取り扱い金融機関たる性格を異にする銀行でありますが、なにしろ本来の法律に、そういう雑文章を入れるのですから、理論的にも非常にすっきりしませんが、それに即応して協会法の会員の中にも銀行というものを入れるということをやった上で保証させないと、いろいろ不都合が出てくると思うんですが、そういう点についてのお考えはないですか、どうですか。
○政府委員(松岡亮君) 信用基金協会の業務は法律にもありますように、「会員たる農業者等が次に掲げる資金を借り入れることにより融資機関に対して負担する債務の保証」となっておりまして、その一つに農業近代化資金があるわけでございますが、したがいまして、農業者が会員であれば、この協会は、その農業者に対しまして近代化資金の債務保証をやる能力を持っておるのでございます。ところで、会員たる資格は、その地区内の農業者等でございまして、これは協同組合も含まれるわけでございますが、一般の農業者は、協同組合の組合員たる資格において出資をいたしておりまするので、協同組合の組合員たる場合は、別に出資をしなくても保証を受けることができるのでございます。 ところが、組合員になってない人は、そういうことはできませんので、みずから出資をして協会の会員になる。こういうふうにするのが、やはり当を待ておるのではないか。それで一方、その融資機関のほうは、特にそういうことについて規定をする必要はない。と申しますのは、受益者であるのが農業者、ときには農業者等の中に含まれる協同組合である場合もございますけれども、要するに借りる人であるということからいたしまして、銀行等をこの場合加えることはないのではないか、かように存じます。
○渡辺勘吉君 そうすれば、今の局長の例示したように、農業者であって、農業協同組合の組合員でない場合の農業者が、銀行から近代化資金の融資を受ける場合は、その農業者がみずから協会の会員になることによって銀行の保証を受ける、こういうことに理解していいんですか。
○政府委員(松岡亮君) さようでございますが、もしも、それを欲しない場合は、銀行が要求するならば、自分で担保を提供していく、こういうことになっております。
○渡辺勘吉君 自分で担保を提供するか、あるいはその他の信用供与によってやるかすることであって、その場合は、協会法の保証の対象にはならない、こういうふうに理解していいんですか。
○政府委員(松岡亮君) みずから担保を出してやる場合は対象になりません。
○渡辺勘吉君 そうしますと、あくまでも現行の農業信用基金協会法の改正がないということは、農業協同組合員以外の農業者に対しては、その場合に限って協会の直接会員にならせて銀行が保証することであって、その農業者も会長にならない場合は、当然保証の対象にはならないということであるから、したがって元に戻って、この近代化資金の取り扱いも、農業者であって農業協同組合の組合員でない場合を想定して、運用しの融資の取り扱いになるのだ、こういうふうに理解していいんですか。先ほどの御答弁に関連するわけです。
○政府委員(松岡亮君) ちょっと今の最後の点がわかりかねるのですが。
○渡辺勘吉君 この信用基金協会法は現行のままでいいという建前を貫いて、今後の近代化の取り扱いを銀行にも拡大するという場合は、今の例示されたように、農業協同組合員でない農家の場合は、直接協会の会員にならせて、そうして銀行の融資の保証をさせる場合はあるが、それすらも加入をしないという場合は、銀行は、この保証協会の保証のおせわにはならないで、別な物的担保その他を供与させて融資することだと、こういうことだから、そういうさらに類推解釈をすれば、この上程されている法律の改正の運用のねらいは、農業協同組合に加入していない農業者に、商業銀行から融資をさせるのだという、運用上の中心があるのだと類推解釈して差しつかえないのではないかということです。
○政府委員(松岡亮君) 今のお尋ねの最後の点でございますが、中心という表現でございますけれども、結果的には、やはり組合員でない人が、今回の改正で銀行等から借りる場合が一番例として多いという意味におきまして、中心という言葉が適切かどうかはわかりませんが、そういう場合が多いのではないか、大きな部分を占めるのではないか、かように考えるのでございます。
○渡辺勘吉君 今のことは、ちょっと私もよく伺い漏らしてはなはだ失礼ですが、あるいは重複するかもしれませんが、それはこういう場合はないと考えていいのですか。それは、農業協同組合の組合員である農家が銀行から借りるという場合には、これは私としてはあり得ないケースだと思うが、一応保証の問題で伺うのですが、そういう場合に銀行はすでに、保証を要求して保証してもらうことは当然できるわけですね、会長が間接加入しておるわけですから。農業協同組合が会員になっている、そういう農業協同組合の組合員である農家が銀行から近代化資金を借りる場合は、銀行は、その協会には何らの関連なしに会員たる農業者の便宜をはかるために保証協会の保証を要求し、保証を受けて融資をすることができるわけですね。その点どうなんですか。
○政府委員(松岡亮君) それはできるわけでございます。
○渡辺勘吉君 そういう場合は、この保証の場合でも非常に問題になるわけですが、それは明らかに農業者の立場に立って村の協同組合、県の信連、きょうお配りをいただいたように会員になっているわけです。そういう会員が構成して機能を発揮しておる保証協会が、直接のつながりは会員の構成として出ておりますけれども、全然異質の金融機関が融資しても保証するということによって、現実は出資者団体に対して、その分だけ不当な重圧がかかることになるわけです、現実問題として。信連なり単協なりに対して出資をしておるそれらの組合金融系統機関に対して、異質の銀行に対する融資の保証をするということが、会員であるそれらの団体に対する過当な出資負担という形を通じて、はなはだしい不均衡をもたらす結果になるばかりではなくて、系統のこれらの協会に対する、さらに今後の出資の意欲とか、そういうものを減殺するということをお考えになられての上ですかどうですか、その点をお伺いしたい。
○政府委員(松岡亮君) まず信用基金協会は、発生的には、非常に農協と密接な関係を持って、農協組織の外郭にあるものとしてできてきたことは申すまでもないのでございます。制度として、発足しました基金協会は、県等の出資もございまして、これは相当部分を占めているわけでございますが、組織として、農協は相当な部分を占めておりますが、従来の形とはやや違うのではないか、かように考えるのでございますが、一方におきまして農協系統から出資されている出資は、これは当然本来の組合員の出資から、さらに組織を通じて出資される、結局農業者の出資するものでございますから、その意味で、農業者としては、みずから直接出資していなくても、一種の出資者の立場にある。そういうことで、協同組合員たる農業者は、直接出資していなくても保証は受けられる、こういう建前になっていると考えるのでございます。 そこで、また話が戻りますが、組合員でない人は、保証を受けたいとすれば、みずから出資しなければならない、こういうふうに考えているわけでございます。やはりその点は、農業者自身が直接出資していなくても、結局農業者の出資がある。いわゆる受益者として農業者が出資している。かように考えて、組合員でない場合と均衡をとろう、こういう考え方でございます。
○渡辺勘吉君 これ以上、この問題の論議をやる気はございませんが、私は少なくとも、三県の近隣の中に置かれてある協会の責任者に会って、この問題について十分問題点をつめたのであります。その結果、異口同音にこの三県の協会の責任者は、はなはだこれは均衡を失する。われわれ系統組合金融にその保証の負担を負わせる。筋は局長が説明することのとおりでございましょうけれども、現実に、この近代化資金そのものは、組合金融自体でこれは立っている法律なんです。それをさらに信用を供与するための協会法が出ている。それに今突如として、何年もたたないうちに、こういう新しい異質の商業銀行が介入するということによって、組合金融本来の総合的な指導金融の機能が混乱させられるばかりでなく、そういう保証自体についても、その構成員である組合金融にとっては出資の不均衡を招く。こういう大きな異論を持っていることだけは、これは局長もよく理解していただかんと、構成員が農業者である云々という、そういう法律論だけでは済まされないという事態におかれているから、その点からいっても、万々一、これらの法律が通過して、そうして実施される場合には、そういう問題が惹起しないような細心の配慮というものをやってもうわんと、非常な問題が胚胎しているということだけは銘記していただきたいと思うのであります。 それから、衆議院とまた、この前の本委員会で、局長が説明されたことに、非常に気になることがある。それは、このことについては、関係団体はいささかも影響がない、ごうも影響がないということを、この委員会の冒頭で局長は答弁されております。私は、それをいつどこで、どういう団体の代表者が、どう言うたかなんていうことをここでお聞きする気持はございません。が、私は、少なくとも現地の組合金融の第一線の担当者に、かなりの単協の組合責任者に、この二、三日会ったんです。会った結果、この近代化資金がやっと発足をして間もない今日、銀行等を入れてもらうことはたいへんこれは困ることになる、異口同音に村の組合長さんたちは言うておるわけです。すでに他方では、銀行は新聞にでかでかと広告を出して、いずれ近く近代化資金の取り扱いをいたします、余った金は銀行にお預け下さい。支払い金融機関の指定等をめぐって、いよいよ組合金融と商業銀行、集荷指定団体をめぐっての攻防たけなわな段階に入ってきておる。なぜ銀行が、まだきまりもしないのに新聞に堂々と出しているか、私は非常にいぶかしむのであります。国会の審議もまだ十分終えてないうちに、すでにもう、これは近く取り扱いになりますという広告を出すような、そういう姿勢というものは、これは非常に問題だと思う。この扱いというものは小さい問題のようでありますけれども、私は組合金融中心に、農家の今後あるべき営農指導なり生活改善の指導なり、金融面において指導的な役割を果たす立場から言えば、具体的な事例の中に一、二遺憾な事例があったにしても、午前中御説明があったように、御説明の範囲では、提出された資料の範囲では納得できないような事情であります。そういう中で、交通整理を目途に、今後の農林漁業金融の合理的な機構なり機能なりを考えなきゃならないと思います。いかに必要があろうとも、その必要の理由も薄弱な段階で、こういう法律を出すことは、たいへんどうも審議の過程では納得ができないし、遺憾であるわけであります。いずれこの点については、後ほど農林大臣の御出席を願いまして、なお基本的にお伺いをいたしたいと思います。 最後に、これについて一つだけお伺いをいたしたいのは、単協における貸し出しに対する資金コスト、銀行の資金コストからいって、コストそのものも、比較して農協のほうが高いだろうと思います。貸出金利におきましても、政府が発表された単協の貸出金利は一割二厘八毛、日歩にして二銭八厘二毛というものを衆議院で答弁されておる。銀行の場合は、年利九分六厘、日歩にして二銭六厘二毛というデータを発表されておる。これを前提として考えますと、かなりのそこに貸出金利の開きもあり、いわゆる資金コストにも相違があるときに、末端の融資を六分五厘になるように利子補給をやるということは、これは、同一利子補給をするという場合は、非常に不均衡、不公平になってくるわけですが、その点は一体、どういうふうにお考えですか。
○政府委員(松岡亮君) 単協の貸出金利、これは非常に幅があるのでございます、組合によって。大体三十六年度におきまして、農林省の調査いたしたもので一割ちょっとこえるというような状況でございますが、これに対しまして銀行、相互銀行、信用金庫等の貸出金利でございますが、銀行の場合は、これは資金動態調査で調べたものでございますが九分六厘、相互銀行がやはり一割をちょっとこえて一割四分、信用金庫が一割五厘、こういう状況でございます。 で、基準金利は九分五厘と抑えまして、その基準に基づきまして利子補給をいたすわけでございますが、これは農協の場合、非常に個々の組合によって幅がありますので、やはりどこか平均的なところを抑えましてやる、まあそういうことでございます。
○渡辺勘吉君 そこで平均利率は、私は伺っておりますが、銀行の貸出金利が動態調査で九分六厘ということで、農協自体が平均して一割二厘八毛という事態で、政府が管掌されますところの基準金利で九分六厘を資金コストとして、そうして三分の補給を得て六分五厘で犠牲的に努力をしておる、そういうものと、すでに何らかの、そういう犠牲を要せずして基準金利で出せるものとは、金融機関の相違に対して、同じ利子補給をするということは非常に不均衡ではないかというんです。
○政府委員(松岡亮君) 先ほど単協の金利について申し上げた調査は、三十五年の場合は九分一厘大毛出ております。三十六年度は一割二厘八毛ということでございまして、ここに変動がありますのは貸し出しの内容、調査対象等で若干変動があるのではないか、そういうことが考えられるのでございます。そういうことも考え合わせまして九分五厘くらいで大体よろしいのではないか、こう考えるのでございます。
○安田敏雄君 今度の一部改正法律案は、これを制定するときに、あわせて農業信用基金協会法案を制定したわけですね。その基金法を見ますと、第二条で、金融機関の第二項の五に「銀行その他の金融機関で政令で定めるもの」と、これは当初にうたってあるんですよね。ところが、実は私の記憶では、この農業近代化資金助成法案をこの前審議するとき、われわれも手ぬかりだったんだが、会期末になっちゃって、実は論議が、そう行なわれなかったというふうに記憶しておるわけです。したがって、助成法案のほうには、この金融機関の銀行その他政令で定めるものということは、そのとき記載してなかった。その見合いで、これを運営してきた見合いで、こちらの協会法にあるから、今度はこっちのほうになければ、これは法案の構成からいっても不均衡だし、その取り扱い上も、このほうがいいだろう、こういうような安易な考え方をやって、こういう今度の改正をしたようにも考えられるのですが、そのように理解してもいいんですか。もちろんそればかりじゃないんだが……。
○政府委員(松岡亮君) むしろ、そういう法律上の不均衡というようなことは、あまり問題にしなかったのであります。これはこの前の審議の際にも申し上げましたが、農業近代化助成法案を立案しますときにも、当然私どもとしては、一応は検討したのでございます。融資機関として出すか出さぬかということは、結局当時結論を得なかったわけであります。信用基金協会法のほうだけは、農家が借りるにあたって、いろいろな方面から出資をして相当組織を変えてやりますので、これに入っても利用しない、という意味で、こちらは……。
○安田敏雄君 そうしますと、法案の構成上の問題ではなくて、その当時から考えられておったというならば、当然今度は、これに入れるというには資金量の問題であるとか、あるいは各県以下の出資団体の出資額が、よけいに強化になるとか、あるいは国が助成する額がふえるとか、こういうような、その一つの見通しをつけて、この金融機関を入れたわけですね。そういうことでいいですか。でなかったら、従前のような形でいくとするならば、せっかく近代化資金助成法を作って、そうしてその保証機関を設けて、この農業の近代化に資そうと、こういうわけで、せっかく育成強化中なんですよね。そうすると、経過年度があまり少な過ぎて、どうもそこに計画的なものが、こういう今までの運営上の中に欠陥があったんだと、したがって、銀行その他の金融機関を入れたほうがいいんだという、その結論と同時に、私が前段申しましたような、出資額の増加にも、そのほうが資するとか、あるいは広範な金融をやらせるのもよろしいとか、こういうような何かそこに、はっきりしたものが、過去の欠陥から銀行を入れるなら、新しい欠陥を埋め合わせるものがなくてはならぬと。かりに欠陥があったとしても、まだ、もう一、二年は育成強化してみようじゃないかと、こういう面が考えられるわけですよ。そういう点はどういうようにお考えになりますか。
○政府委員(松岡亮君) 信用基金協会法のほうで、当時政令で定める金融機関を加えておりますのは、近代化資金助成法だけを保証の対象にしていないのでございます。農業者の他の事業資金、生活資金等も保証するということになっておりますので、近代化資金助成法だけでしたならば、そのときは構成上、一方で入って、一方で落ちるという形で、妙な形になるわけでありますので、その他のものがございます。
○安田敏雄君 しかし現実の取り扱いは、近代化資金の保証しているのは基金協会が多いでしょう。その他の生活上の問題はどうですか、その比率は、もらったのがありましたね、資料で、その額の比率は。
○説明員(立川基君) 今お話のありました各県の状況でございますが、総合計で申しますと、それぞれの十分の一ぐらいを出資しておりますが、近代化資金になりますものが、三十七年三月末で二十七億四千七百万円になっております。一般資金になりますものが十六億八千八百万円になっております。
○安田敏雄君 そうすると、大部分は、運用上ですよ、近代化資金に、ほとんど使われてるおといっても過言ではないわけです。二十七億と十六億でしょう。そうでしょう。
○説明員(立川基君) ただいま申し上げましたのは、近代化資金のほうが二十七億四千七百万円、それから一般資金のほうが十六億八千八百万円でございまして、比率を申し上げますと、近代化資金のほうが六一・九%、一般資金のほうが三一・八%であります。今申し上げましたのは、それぞれの近代化資金及び一般資金に要します出資額でございまして、これは三十七年三月末でございますけれども、それの保証金額を申し上げますと、近代化資金分が百十四億三千二百万円になっております。
○安田敏雄君 しかし、これはやはり近代化資金の助成法案に対応するところの、いわば姉妹的な関係にある法案なんですよね、基金法は。そうでしょう。だから、そのときに一諸に出したわけでしょう。しかし、貸し倒れがあるといけないから、信用保証協会を作って裏づけをして貸し倒れにならぬようにとか、こういうように保証したものでしょう。そうすれば、その保証によって、農業者が信用を得て金融機関から借りられるようにしたわけです。だからこのことは、いやでもおうでも農業の近代化に即応する裏づけ法案なんですよね、金融に対する。 ですから、私はそういう意味合いにおいて、当初金融機関その他を入れるならば、片方のほうに入っておらぬで、片方のほうには入っておるということになると、その当時は、それでいいとしても、その後、この助成法案を運用してきた結果、銀行その他の金融機関が必要だという考え方が、はっきりとまだよくわからないのですよ、入れた理由が。だから、資金的にそのほらが非常にふえるとか、あるいはまた、それが誘いになって、出資団体のほうで出資がふえるとか、非常にそのほうが利用が高度化される、こういうことが、どうもはっきり理解されないわけなんですがね。そこで、もしあなた方のほうで経過年度の中で、これを研究して、結局入れたほうがいいという結論になったとするならば、一体、銀行協会とか、あるいはこの間の青田委員の質問では、地方の主要銀行にもやらせるのだと、こういうことでございましたが、そういう代行機関との話し合いを行なってきたわけですか。
○政府委員(松岡亮君) 地方銀行協会などと話し合いというようなことはいたしておりませんが、前から要望書の提出があったり、いろいろ要望は出ております。
○安田敏雄君 たとえば農業者に近代化資金を貸す場合においては、おそらく銀行あたりは、実際の運用というものは、利息と同じくらいの歩積みをされますし、これは営業ですから。それから強制的に定期積立金もするわけです。あるいはこれを借りるような人たちは、借りがたいのと違いまして、比較的農村でも上層農家が多いのですよ。そうしますと、勢いそこに六分五厘で、預貯金があるから、自分のほうでは六分五厘で貸してやっても、その見返りとして、必ず預貯金を吸収しようと、こういうところに、これは農協の心配も出てくるわけですよ。ですから、そういうような一つの問題を取り上げても、銀行で預貯金は強制的にしないとか、歩積みはきせないとか、こういうような問題を話し合わなければ当然ならぬと思うのですよ。いかがですか、その辺は。
○政府委員(松岡亮君) ただいまの御指摘の点はごもっともなんでございますが、これは話し合い等の問題ではなくて、農林省としては、そういうことをやっては困る。あくまでも六分五厘で貸し付けるならば、実質六分五厘で貸し付けることを条件にして利子補給をする、こういう態度で臨んでおります。
○安田敏雄君 それで、この間の何か新聞にもあったようですが、銀行ですね、銀行で、地方銀行は信用組合を含めて二百億円以上の預貯金のあるものは、今度は日本銀行に準備預金をしなければならぬということができたわけなんです。したがって、その銀行で扱うというのですが、その銀行の対象は、地方にもたくさん銀行があるのですが、これはどういうような性格の銀行を対象にするわけですか。たとえば、そういう預貯金高が多い銀行であるとか、たとえば二百億円以上あるとか、あるいは県の預託を受けて、県にお金がありますから、その県の預託を受けておるその銀行であるとか、こういうことになるわけですがね。そういうようなところは、どういうような銀行になるのですか。
○政府委員(松岡亮君) それはやはり、地方の銀行として農業と密接な関連を持っておるということが一つであると思います。それから、店舗が農業者の不便なような配置にないというようなことも必要な条件であろうと思います。で、二百億以上で、日銀に準備預金をしなければならぬとか、そういうことは、選定の基準にはいたしたくないと考えております。
○安田敏雄君 まだ私、政令もらってないのですが、「銀行その他の金融機関で政令で定めるもの」、「その他の金融機関」というのは、信用金庫、信用組合を含めるのですか。
○政府委員(松岡亮君) 信用組合は、大体市街地にございますから、それは政令で指定しない予定でございます。
○安田敏雄君 信用金庫は。
○政府委員(松岡亮君) 信用金庫に入れる予定であります。
○安田敏雄君 指定する。私がよく見受けるところでは、たとえば銀行にしても、信用金庫にしても、信用組合にしても、政府の、たとえば国民金融公庫だとか、中小企業金融公庫だとか、あるいはまた商工中央金庫の金を預託されておりますよ。取り扱いを委任されている。ところが地方の銀行や、そういうその他の信用金庫では、これらの金を貸し与える際にも、ちゃんと歩積みだとか定期預金をさせているのですよ、何割かの。ですから、あなたのほうで、それをさせないと言ったって、これは銀行ですから、特に農業者と深い関係にある銀行だということになれば、それは歌の文句じゃないですけれども、あの手この手で、預金を吸収していくことになる。ですから、そこいら辺のところを十分配慮しないと、これは系統金融機関のほうに必ず影響が出てくるということを私どもは心配するわけです。その点は全然心配ないとおっしゃるのですか。
○政府委員(松岡亮君) それは心配じゃなくて、それは大いに、そういうことのないように配慮する必要があると考えております。歩積み、両建て等を要求する場合があれば、その銀行は、今後取扱い金融機関としてはずしていくような措置も考えなければいけないと思います。
○安田敏雄君 そういう銀行をはずしていくと言ったって、地方には、そうたくさんの銀行はないですよ、地方銀行は。大きな銀行の支店は地方にありますけれども、なかなか地方銀行はそうないですよ、たくさん銀行が。そこで、大蔵省が主務大臣の命令でもって、歩積みやその他の定期預金はさせちゃいけないと、こういう通達を地方銀行に発送して出しているでしょう。出しておっても、それが依然として行なわれておる現状です。それをあなた、農林省の一経済局長が、そんなことをさせませんと言ったって、それは一ぺんこれは法案を設定した以上は、そんなことは言うだけでもって通りはしない、実際問題は。だから、私はそういうようなことについて、ちゃんと地方銀行を指定するなら指定するで、それについて事前の話し合いもし、それについて覚書もちゃんと交換するし、少なくとも、これだけの法案を出すなら、あなたのほうで調べて、たとえば山梨県においてはどこの銀行とか、長野県においてはどうだとか、それくらいのことはちゃんと協会と、代表する協会機関と、ちゃんと折衝してあって、そうして、こういうような法案が出てくる準備を怠らないで、そういうような配慮をしておかないと、これはとんでもないことになる。ですから、そういうことをしないからこそ、先ほどこちらの渡辺委員がおっしゃったように、新聞広告まで出してもう誇大宣伝しておる。こういう悪影響がもう出てきておるわけだ。いわば農民の預貯金を近代化資金を扱うのだという名目に籍口して、そうして自分の信用というものを増大して預貯金をふやしていこう、こういう営業政策をとることは必然なんです。ですから、十分準備をしないから、そういう行動が出てきておるということをひとつ認識願いたいと思うわけですが、この点は私は農林省だって、こういう法案を作るためには、そういう代行機関を、銀行の代行機関あるいは信用金庫の代行機関、こういうものと十分な折衝がなければならない、こういうように考えるわけです。そういう点は全然していないでしよう。
○政府委員(松岡亮君) ただいまの御心配の点は、まことにごもっともな点でございますが、法律案も成立しない前に、具体的にどことどこの銀行にやらせるというような話し合いは、これは行政としては、なかなかいたしかねるのでございます。 それで、歩積み、両建てを要求するというようなことは、さっききもお話がありましたような、大蔵省から通達しても、なかなか実効が上がっていないというような話は聞いておりまするが、私のほうとしては、これは補助をいたすわけでありますから、補助の条件としては、そこは厳しく条件を付する考えでございます。あくまでもそういうことをなくして、実質六分五厘の金利で貸さなければ利子補給はしない、こういう条件を示すわけでございます。
○安田敏雄君 この間も、ほかの委員から質問がありましたね、たしか青田委員でしたか。銀行は基金協会へ出資していないですね。で、同じ金融機関でも農協、この法文にうたってある農業関係の金融機関は出資しているわけですがね。そこで、まあ農業者が近代化資金を借りるときに、この片一方の出資をしていないものへも、同額の利子補給をする。六分五厘ですから。きめられているのがどこに対しても六分五厘ですから、したがって、出資しているものでも出資していないものでも同額を、比率は違うかもわかりませんが、金利が違うのですから。そういうものを出してやろうという助成ということが、ちょっと矛盾を感じないですか。
○政府委員(松岡亮君) 信用基金協会の保証の利益と、それから近代化資金による利子補給の利益は、農家に帰するものと考えるのであります。つまり原資九分五厘のコストのものでありますれば、三分の利子補給をして六分五厘にする。六分五厘で借りるのは農家でございます。そういうことからいたしますと、受益するのは農家で、金融機関が受益するのではないわけであります。そう考えまして、さっきから申し上げましたように、協同組合に入っていないような人で利子補給を受け、あるいは債務保証を受けたいという人は、みずから出資してもらわなければならない、こう申し上げたわけです。
○安田敏雄君 いや、私の言うのは、そうじゃなくて、銀行や信用金庫は、これは出資していないんですよ。農協関係は、この基金協会に出資しているわけです。ところが、そういう出資していないものと、出資している金融機関が二つあるわけです。その場合、片方のほうに、同じような条件で利子補給をするということに矛盾を感じないか、こういうことです。
○政府委員(松岡亮君) それは利子補給の利益は農家が受けるわけですから、金融機関が信用基金協会に出資しているか否かということで、金融機関が出資をしていないのに、利子補給を受けるのはおかしいということは、ちょっと私は納得ができないのです。
○安田敏雄君 だってなんでしょう。協会は融資を受けた者に対して、その金額に対しての保証をしなければならないのでしょう。そうすると銀行は、そういうことの任務がないわけですよ、任務がない。ですから、私はどうも、そこのところが割り切れないわけですけれどもね。
○政府委員(松岡亮君) 今の点は、債務保証に関連した、さっき渡辺委員から御指摘のあった問題じゃないかと思います。利子補給するしないの問題でなくて、債務保証をやってもらうのに、銀行などは出資していない。それで農協は出資している。それはバランスがとれないのじゃないかという問題ではないかと思います。 その問題は、農協の出資しているものは、組合員が組織として出資しておる。したがって組合員でない者が保証を受けようという場合は、組合員でない人は、自分で出資して保証を受ける、こういう論理になるのではないかと思います。
○安田敏雄君 どうも私は、しろうと考えですが、出資をしたり、債務保証をしたりする組織の仲間入りをしている金融機関である農協、これに対して、そういう重大な役割をしているわけですね。出資までしたり、債務保証までしたりして、それの助成をする場合に、利子補給をする場合に、何の債務保証もしないし、出資もしないという金融機関を同列に扱うというところに、どうも少しく了解に苦しむ点があるわけですがね。
○政府委員(松岡亮君) 債務保証をするのは、基金協会でございます。農協が債務保証をやるわけではないのであります。
○安田敏雄君 加入者でしょう。
○政府委員(松岡亮君) しかし農協は、会員として出資しておるわけでございます。農協が会員である場合は、その構成員が債務保証を受ける利益がある、こういうことになっております。したがって会員でない、また組合員でない農業者は、自分で出資して債務保証を受ける、そういう問題であって、そこは利子補給とかという問題とは、ちょっと別の問題じゃないかと思います。
○安田敏雄君 そうしますと、実際運用上、たとえばある銀行から、農業者が近代化資金を借りた、しかもそれは年賦償還とかいろいろありますが、年賦償還ですが、なかなかそれは履行できない、どうも貸し倒れになる心配がある、あるいはその人が亡くなったとか、後継者とか、いろいろ問題がそこへ出てきますが、そういうような場合に、銀行がどうもその損失を、貸し倒れになりそうだというときの何が、銀行は債務保証はしないから責任がなくて、銀行自体は、今度は保証協会に向かって、この債務を保証してくれということを言えるでしょう。ですから銀行は、そういう立場にもあるし、片一方から自分は債務保証の責任に任じないのでもあるし、出資をしないでおって、片一方のほうから利子補給を受けるということになると、非常に農協の場合よりもいいわけなんですね、優遇されているというように考えられるわけですがね。
○政府委員(松岡亮君) それはやはり代位弁済を受ける利益と、それから利益というよりは、当然債務保証の結果として、その権利があるわけであります。それは農協の場合も、信連なり農協は出資者としてではなくて、金融機関として、その利益を受けるわけでございます。そこは同じではないかと思います。
○安田敏雄君 銀行へ、こういうように利子補給をしてきますと、農村金融のウエートというものが銀行へ傾いていきますよ、だんだん。銀行の金利は、ほかのところより安いでしょう。大体において一番安いわけなんだ。農協よりか安いわけでしょう。それをあなた、利子補給があるから、銀行はこれは貸し倒れになったって、信用基金協会でそれも保証してくれるという面があるのですから、きわめて楽な立場にあるわけですよ。農業関係の金融機関よりか楽な立場にあるわけですよ。結局、かりに最悪の場合を考えて信用基金協会が負債を背負ったときは、その構成員、農協は砂かぶりを受けなければならぬ、構成員が……、そうでしょう。構成員である以上、そういう責任があるわけですよ。ところが銀行は、そういうことが全然ないわけですよ。それに対して同列の利子補給をするというところに、私は少しくその取り扱いの面において、了解に苦しむ点があると、こういうことです。
○政府委員(松岡亮君) どうも農協系統が、基金協会に一面において会員として、あるいは出資者として参加しております立場、それから、そうでなくて金融機関として債務保証を受ける立場と、両方あわせて持っておるわけであります。ところが銀行の場合は、金融機関というものと債務保証を受ける……、金融機関と会員たる資格とが分かれております。こういうことになっておるわけであります。 ですから、何かそこにアンバランスがあるように考えられるわけでありますけれども、それではなくて、農協も、貸し倒れのとき代位弁済を受けられるのは、金融機関として反射的利益を受けるわけであります。農協が出資者であるのは、最後の受益者である農家自身あるいは農協である場合もございますけれども、それが出資の反映として、債務保証の利益を受ける、こういうことになるのだと思います。
○安田敏雄君 銀行でも慈善事業じゃありませんから、営利事業ですから、ですから、こんな引き合わないことはやらないでしょう。銀行が引き受けるなら引き合うでしょう。引き合う以上、銀行は希望しているわけですよ。その引き合うというのは、この法では、そう銀行としては、近代化資金ではあまりもうからぬ、もうからないけれども、しかし農家の預貯金を銀行へひとつ農協のほうから転化さして吸収しようという見通しを持っておるから引き受けるわけですよ。ですから当然銀行だって、そういう見通しに立てば、その利益はある程度受けるわけですから、特にこれからの農業というものが、昔の米麦一辺倒の農業じゃない。今の中小企業のように、実際のことを言いますと非常に現金の取り扱い面が多くなるのです、近代化になればなるほど、農業というものは。したがって、そういう銀行へ、一つの取引の口座を設けさせる、これは引き受けますよ。そこで、そういういろいろな近代化の中に、農家の現金取り扱いが多くなりますというと、勢い銀行の窓口を利用するようになる、利益が出るんだから。当然、こういう銀行その他の金融機関を、この中へ金融機関として挿入するならば、これにだって、多少の出資を要請したっていいじゃないか。そういう話し合いをしたことはないですか。
○政府委員(松岡亮君) どうも、先ほど来の御質問、私の説明が悪いのかもしれませんが、どうも会員の資格と金融機関たるの地位と一緒になっている場合と、別々の場合と、こんがらがってきますので、説明しにくいのでございますが、預金を吸収する利益というようなものは、これは農協の場合でも銀行の場合でも、同じではないかという感じがするのであります。
○青田源太郎君 ちょっと関連して。今、僕らもちょっと疑点があるのは、今度指定されたら農協も金融機関と同じように債務保証の恩典を受けられる。債務保証を受けた場合には、もしも債権者が債権不能の場合には、代位弁済をしてもらう、こういうことになっておるのやね。その場合に、その指定を受けている一方の金融機関は出資をしておる。片一方の今指定を受けんとする銀行は出資をしていない。この出資にも、出資というて、多少金利でもつけるとか、配当でもあるというなら、それは僕はそれでええと思う。ところが、この出資というのは、形は出資であって、事実は出捐金であって、寄付金なんだ。同じ債務保証で代位弁済してもらうものが、一方は金を寄付しよるし、一方は何も寄付もしよらへん。同じ恩恵に浴するのはおかしいじゃないか、こういうことをわれわれただしている。 いま一方は、分子が違うので、銀行は会員じゃないから、それはむろん基金協会に対する議決権がない。一方の農協は保証協会の会員だから議決権がある。この差は、僕はあると思うのですな。しかし議決権があったところで、この議決をする権利があっても、利益や運用益というものはあげて基金に繰り入れるということになっている。あくまでも議決権があるというだけであって、別にそれをどうする、こうする、指導権も何もない組織になっているから、こういう点は、ひとつよく考えてもうおうということにしとかぬと、なんぼやっても、並行線になるんやないか、こういうことを僕は思う。それはどんなお考えでしょう。
○政府委員(松岡亮君) 御注意のように、さらによく検討いたしますが、最初の出資は出捐に近いというのも御指摘のとおりだと思います。思いますが、やはり出捐で、捨てるような金だという性格のものでも、やはり受益するのが、農協の組合員でも、それからそれ以外の人でも、やはり出捐するのは同じである。捨てるような性格になる、こういうことは同じではないかと思います。しかししばしばの御注意でございますので……。
○青田源太郎君 これは受益する者は、農民でなくて金融機関ですわ。金融機関の債権確保するために、もしも債務者がよう払わぬなら、代位弁済してもらうということであって、債務者にかわって保証協会が代位弁済するのだから、受益する者は金融機関や。農民は六分五厘で利子補給して、これは日本全国同じ恩典にあずかるので、金融機関が受益になるのや。代位弁済してもらうという安心があるから、それだから、銀行も農業協同組合も同じ受益機関、一方は出捐も出資もしておらぬ、一方は出資をしておる。ただ議決権が、銀行は会員じゃないからない、農協は会員だからあるという、この違いはあるけれども、物質的には受益するのは金融機関である。そういう点を僕は大いに考えてもらいたいと思うのです。
○安田敏雄君 実際問題として、今地方の銀行であるとか、信用金庫というのは、出資が幾ら以上とか、あるいはまた、預貯金高幾ら以上とか、ベースを引きまして、それ以上になる者は、一週間くらい関東から関西旅行へ連れていきますよ。農協たる金融機関は、農業関係の金融機関は、そう出資額とか、預貯金とか、取引高によって、これを差別待遇するわけにいかないのです。加入員全体を、旅行に連れて行くときには連れて行かなければならぬ、農協の政策から言いまして。ところが金融機関は、そういうベースを引いて連れていくことができる。そうしますと銀行に道を開きますと、必ず銀行は富農層から預貯金を集める。また、現金取引高も多くなる、農業近代化によって、現金化が多くなるのですから。農協に残るのはベース以下の表に出ている借りがたい農業者だけが農協に依存することになって、富農層は銀行取引……。というのは、旅行だとか、歌舞伎見物だとか、そういうようなところに、みんな優遇策があるわけですよ、実際問題の運営は。 そこで私は、銀行と信用金庫とへ道を開く危険性を、そういうところからも感じてくるわけです。だから、今まで申し上げたわけで、このことは、運用上特に注意しないと、重大な私は問題に発展するのではないかと、このように考えておるわけです。この点は、特に意見として申し上げておきますがね。実際行なわれているんですから、そういうことが。どうです、局長の実際の問題に対応した意見というものま……。
○政府委員(松岡亮君) 農村においても、預金獲得競争が銀行、それから郵便局その他熾烈なものがあるということは私もよく承知しているのでございます。銀行などの取引があるのは、どちらかといえば富農層にその傾向がある、現在でもある。でございますが、もちろん運用上、その結果として農協に、不当な侵害をするというようなことは避けるように厳に運営して参りたいと思います。私は農協は今までの状況からいたしましても、農協の組織の力によって、今まででも、大部分の農家を自分の陣営に置いておる。そういう状態は、今後とも続くとは思っておりますけれども、しかし、今御注意の点は、確かに今後運世上は厳重に注意して参りたいと思います。
○安田敏雄君 農協は農民全体に、その平等なサービスをしなければならぬ立場、それから銀行は、その取引相手にだけサービスすればいい、こういう立場があるので、そうすると、サービスせられますと僕村の人は純朴ですから、そうなると、たとえばある人が銀行で優遇を受けますと、あなたも農協なんて、いつつぶれるかわからぬから、銀行のほうがいいんだと勧誘して銀行へ片寄っていくことが事実ですから、そういう点は、特に運用上注意しなければいかぬと思います。それでこの提案理由の説明に二百七十三億円が貸し出されているとありますがね。これは何日くらいになるかお調べになったことがあるのですか。
○説明員(立川基君) 二万三百六十一件になっております。
○安田敏雄君 農業の類別はわかるですか。
○説明員(立川基君) 件数別でございますか。
○安田敏雄君 それは答弁がなくても、あとで調べてわかれば、多い順に資料で説明して下さい。 農業構造改善に関係するものが多い、むろんそうでしょうね、去年から始めたんですから。パイロット地区も一般指定地区も、それをたよりにやっているわけでしょう、三千五百万と四千五百万のやつはね。ですから、農業構造改善事業に関係するものが一番多くて、そしてその業種は、今選択的拡大の対象となっているものが総量で一番多くなっていやしないか。
○政府委員(松岡亮君) 今のお話のうち、いわゆる農業構造改善事業の融資分については、本年度から近代化資金で貸すというのが始まったわけですが、どうも幸か不幸か、地域の指定がおくれましたので、現実に貸し出された例は、ほとんどないということでございます。近代化資金を三十六年度で貸した実績の中で、果樹部門とか畜産部門がどうなっているかということは、先般資料で提出したとおりでございます。
○安田敏雄君 これはあとでわかったら資料として出していただきたいと思います。 それからその次、昭和三十七年度におきましても、その利子補給承認額は融資額五百億円のほぼ満額に達する見込みでありますというのですが、これは、どのくらいになっているのですか。
○政府委員(松岡亮君) まだ年度が終わっておりませんので年度全体の報告はいただけないわけですが、大体、すでに一度年度当初に、各県別に割り振った額について、 〔委員長退席、理事青田源太郎君着席〕 県ごとに過不足の調整をやりましたところ、五百億はほとんど全額消化されている、こういう見込みでございます。
○安田敏雄君 三十七年度の政府の助成金は五十三億ですか、利子補給が五十三億、そうですね、農業近代化資金の助成が。
○政府委員(松岡亮君) 私からお答えいたします。 前年度、つまり三十七年度の予算額は五億円でございます。
○安田敏雄君 五億円ですか——五億円だったら全然問題にならぬですよ。
○政府委員(松岡亮君) 五億円でございます。
○安田敏雄君 五億円政府が出した——助成ですよ。
○政府委員(松岡亮君) 利子補給の予算額が五億円でございます。
○安田敏雄君 利子補給は五億円ですか。そうすると、利子補給が五億円に対して、各県の総額は、どのくらいになるのですか。
○政府委員(松岡亮君) 各県の総額といいますと……。
○安田敏雄君 各県でも利子補給をしているわけでしょう。国ばかりじゃないでしょう。県負担分もあるんでしょう。
○政府委員(松岡亮君) 大体、同額を各県がやるわけでございます、二分の一補助をするわけでございますから。そのほかに、県が単独でやっているものがありますが、今ちょっと手元に数字がございません。
○安田敏雄君 そうしますと、利子補給は、昨年末、三十七年度末で、大体五百億円の融資額ですね。そうなると五百億円に対して九分五厘、農協ならば一割なりの利子がつくのですよね。それを十億円の金で大体まかなってきたということですね、利子補給は。それで結局六分五厘、十億円出したから六分五厘で借りられるということになるわけでしょう。県も国も出したからね。
○政府委員(松岡亮君) そうでございます。これは年々累積されてくるわけです、融資額が累積になってきますから、最初のほうは割合に少なかったわけでございます。
○安田敏雄君 計算していないのですが、今五百億円の融資額について、それはもう満ぱいになっている。それで十億円で結局まかなえたということに逆算してなるのですか、県と国で。
○政府委員(松岡亮君) 大体、この予算でまかなえると思いますが、これはなお精算いたしませんと、あとから補助することになっておりますから、たとえば年度の初めに、よけいに貸し出されるか、終わりのほうによけいに貸し出されるかによっても違って参りますので、まだ、これは正確な見込みが立ちません。
○安田敏雄君 そこで、きょういただいた資料ですがね、「農業信用基金協会の近代化資金に対する三十六年度末出資額内訳および三十六年度近代化資金の保証額」、これで各県を見ますと、県の出資は非常に多いところと少ないところがありますがね、長崎県あたりは、きわめて少ないのですが、これは一体、どういう関係になっているのですか。
○説明員(立川基君) 注の2に書いてございますけれども、三十六年度に対します長崎県の負担分といたしまして、年度末の三月三十一日までに現実に現金を繰り入れることができませんで、三十七年度の四月になりまして、出納整理期間中に繰り越しましたものですから、三十七年三月末現在で締めました数字が、以上のとおりでございます。(注)の2に書いてございます。
○安田敏雄君 この協会についての県の今、この程度の出資金では、大体その基金協会が農林省で描いたような機能を発揮でき得るような、構想に見合っている、これは、出資額ですか。
○政府委員(松岡亮君) 三十六年度は初年度でありまして、年度途中から始まった関係で、これだけでどうこう言うのもむずかしいのでありますが、それから前から財団法人や社団法人の形で、県にいろいろな債務保証協会とか、そういうものがありまして、それの出資も引き継いでおります。県の改良資金特別会計から引き継いだものがありますので、この表をざっと見たところでは、まだ、これで十分とか足りないとかいうことをちょっと言うのは困難ではないかと思います。
○安田敏雄君 それから、市町村で出資しているところをみますと、農業構造改善事業の。パイロット地区ないし一般指定地区に指定されていたところが、まあ出資しているようですが、その他のところは、資金制度が新しいために、あまり出資しておらないんです。ですから、農業構造改善事業をやっておる地域はこの近代化資金を貸すかと思っていたんですね、それで、今まで出資している向きがあるわけですよ。ところが今度、農林漁業金融公庫法の一部改正法案で、構造改善事業が農林漁業金融公庫のほうで扱うことが多くなるわけでしょう。そうすると、こちらのほうの近代化資金は、農業構造改善事業には関係ないですよ。ところが、今までそれのPRがどうなっておったか知らぬけれども、パイロット地区では、みなこちらのほうに出資しているところが多い。これはどういうふうな関係で、そうなったんですか。
○政府委員(松岡亮君) 私のほうとしましては、構造改善地域に、特に市町村の出資を要請したり勧奨したということはございませんけれども、構造改善に対する熱意から、そういうことが出たのかと思います。これは研究さしていただきます。
○安田敏雄君 当初農業構造改善事業を推進するという農林省のあれは、この構造改善卒業の大幅な補助金は国で出して、残りの半分は、これは近代化資金で出すということで、そしてそれを六分五厘にするんだ、しかしそれは、そういうことであってはいけないということで——六分五厘では高過ぎるから、しかも期間も十五年では短過ぎるから、これを三十年にしろという論議がずっと起きておったんですよ。ところが今度は、この近代化資金では全然取り扱わなくなっちゃったんだな、構造改善事業に関係するものは。ですから、私は安いものなら、金融機関は、どっちのほうでもかまわぬけれども、農林漁業金融公庫の金でも、安ければけっこうだけれども、当初は、構造改善事業を推進する近代化資金は貸し出そう、こういう政府はPRをしたわけですよ。そうして各県でも、そのつもりになっておりますよ。だから指定地区へ行きますと、どこでも近代化資金に対する金利が高いとか期間が短いとかいう、そういう要望が出てきたわけです。ところが今度、本年度になってから、その方針ががらっと変わっちゃったわけですね。ですから、近代化資金というものは、農業構造改善に伴ってあわせて出てきた法案が、ここら辺でもって、すっかり何というんですか、方向転換したような格好になってしまった、意味がなくなってきたんですよ。 ですから私は、そういう意味がなくなった、こういう金融の法律をここへ残しておいて、銀行のワクを広げますというと、勢い農家金融が銀行のほうへ吸収されていくという問題が出てくるわけです。農業者には魅力がない、六分五厘というもので借りても十五年だ、魅力がない。借りる者には、もっと安いものが出てきておる。三分五厘も出てくるし、四分五厘も五分五厘も出てくる。しかも期限は二十五年なんというものが出てきておるんですよ。ですから、これもこのままで間もなく、自分の加入している農協によけい出資しなさいということにブレーキかけられるのですよ。したがって、基金協会の内容というものは、貧弱でもって、単に利子補給だけを国がしていくという性格のものに成り下がっていく。そういうことを感じるわけですが、これについてのお考えどうですか。
○政府委員(松岡亮君) 確かに、来年度から近代化資金で貸す予定でありましたものを農林公庫資金に切りかえる部分が出るわけでございます。それは当初から、そうできれば一番よろしかったと思うのでありますけれども、やはり、より低利で六分五厘から三分五厘に引き下げる、しかも長期にしたほうがよろしい、特に系統の資金は、やっぱり運用の期間に、公庫資金のような、財政資金のような自由さがございませんから、ある程度、これの運用期間というものは制限されますので、長期性を要求するという問題では、財政資金のほうがいいわけでございます。そういうことで切りかえることにいたしたわけですが、計画として近代化資金から借りて、設備を作るとか事業を行なら予定でありました方々に対しては、三十八年度から実行されますよりよい条件の資金を貸す、幸か不幸か、さっきも申し上げましたとおり、まだ近代化資金の貸付は、構造改善地域に対して、ほとんど行なわれておりません。新しい制度で貸し付けて参りたいと考えております。
○安田敏雄君 当初政府のほうでは、近代化資金と農業構造改善事業を並列さして推進していく方向だった、これは事実なんですよ。ところが、今度農林漁業金融公庫法の一部改正法案が出てきて、その提案理由の説明を読んでみますと、この近代化資金制度設立の意味がなくなっちゃった。こんなものには市町村、でも県でも、積極的に利子補給するなんということはないですよ。だんだんなくなってきますよ。今まで構造改善事業の附帯的な金融機関でありました、構造改善事業を裏づけるこれは金融制度である。こういう考え方から、出資も勧誘し、県も積極的に推進しようという気がまえを見せた。ところが、このほうは依然として六分五厘で十五年、そして問題は構造改善事業とは全然別個のものになってしまった。そうして農村のほうの生活改善の方向における金融的なものを、まきか政府が一年や二年でこれは廃止することができない、意味がなくなったからといって。そこでもって、今度困るから、金融機関でも入れて、そうして、そのほうへ預貯金でも集めて、そのうち魅力なくなればやめてしまおうじゃないか、こういうどうも、においがしてならないんですね。近代化のほうで、農林漁業は全部できないでしょう、山林まで含めて。全部を公庫のほうへ優遇的な扱いをしてきて、これが、近代化と銘打った新しい制度ですよ、それが依然六分五厘の十五年、どこで一体、この金を使うんです、構造改善事業として使わないで。そんなもの借り手なくなりますよ。だから、こんなものは廃止するなら、ぽんと廃止してしまって、農林漁業金融公庫をもっと強化して、農林漁業金融公庫のほうで取り扱えない理由はないですからね、国民の生活改善の項一つ入れれば、それで済むわけです、近代化のために。それで農林漁業金融公庫法の提案理由を読むと、農業経営の高度化とか、近代化ということが、どこでもうたってある。この近代化資金のほうは、どうも、それを読むというと、金融公庫の改正案のほうを読むと、こっちのほうは非近代化資金になってしまっておる。意味がなくなったのですよ。 これは一体、こういう形で、少しも近代化のために前進するというような方向に、基金協会の運営も、助成のほうもいかないで、ただ、そこに一つの金融機関というものを挿入してきた。そういうことは、一つも進歩には通じておらぬ。これはもっと金利を下げる。たとえば六分五厘のものを五分五厘にするとか、五分にするとか、そして十五年のものを二十年にするとか、こういうこととか、あるいはその利子が高くてもいいから、よけいに助成をしていくというのなら意味がわかります。ところが、そうじゃない。こんなもの一部改正したって意味がないのです。そこら辺の考え方をひとつお示し願いたいと思います。
○政府委員(松岡亮君) だいぶ問題が広い範囲にわたっておるのでございますが、最初に申し上げたいのは、構造改善事業に貸し付ける資金は、今度の新制度のうちで、農業構造改善推進資金として計上されておる三十六億円でございます。そのうちで融資単独事業に関するものが三分五厘でございます。それ以外の地域には貸し出されない。これは毎年三百とか、四百とか指定されるわけでありますが、構造改善計画にのった事業、あるいは施設に対して貸していくわけでございまして、これは三カ年の事業が終われば、それで終わる、こういう資金でございます。 なぜそういうことにいたしましたかというと、構造改善事業は、これは私から申し上げるまでもなく非常な難事業でございます。重要であると同時に、これを推進するには、よほどの精力を傾注しなければならないということから、金利も思い切って引き下げた。償還条件も緩和したわけでございます。貸付限度も広げたわけでございます。構造改善事業に関して出されておる要望も、そういうことでございますので、それにこたえて三十六億というものを設けたわけでございます。五百二十億円の近代化資金は、構造改善事業の三十六億円に相当する部分は譲りましたけれども、その他の事業及び一般地域においては、依然として旺盛な需要があるわけであります。それと今度の近代化資金助成法の新しい金融機関の追加という問題は、ちょっと別な問題じゃないかと考えます。
○安田敏雄君 私は今までの、農業基本法が制定せられて、それから農業構造改善事業として政府が一本の柱として推進してきた。そういう中で、改善事業を推進する裏づけは農業近代化資金だというように去年まで論議されてきたわけです。この法案を制定するときも、これは農業基本法制定以来の画期的な金融制度だ、こういうことできているわけです。 ところが、今年はこういう形で、農林漁業金融公庫法の一部改正案で、今度は突然に、構造改善事業はそっちのほうでやるのだ、こういうことになってきたわけです。農林漁業金融公庫の二百二十億かふやしてやってきたのですね、そうでしょう。ですから、構造改善事業をするのだという前ぶれで、これをやってきたのだけれども、構造改善事業は、資金壁は非常に多いわけです。十年でやるのに資金量がたくさん要ります。とても近代化助成法案では、こういうふうなものは、どうにもこうにもならなくなっていっちゃう、利子補給していったら。だから今度は、そういうことで近代化資金のやつを六分五厘をもっと下げろという要望は、農村どこからでも出てきたのです。みんな出てきた。各県行ってごらんなさい。農業構造改善するときには、半分国が、パイロットは三千五百万円補助金やります。こんな大きな補助金は、今まで農林行政の中ではしない。今度は画期的で、非常に行政効果のあることだと、こう言っておる。その半分は、三千五百万円は農民の借金になるのです。交付金に匹敵するような行政効果があろうとも、農民の借金だ。農民の借金は、この近代化資金でやるのだ、こう県が言っておりました。ところが今度は、これじゃ取り扱わなくなっちゃった、構造改善事業は。そこら辺のところが、今度は大きく転換をしております。 〔理事青田源太郎君退席、委員長 着席〕 正直に言って、とてもこの近代化資金じゃ、もう保証の、こういう貧弱な基金協会じゃ構造改善事業はできない。そういうことはよくわかります。そういうふうに今年は金融制度の、構造改善事業に対するあり方を、大幅に急速に転換してきたわけです。ですから、まさかそういうふうなものでもって、この近代化資金を農業基本法制定以来初めて出てきた画期的なものであるという近代化資金を廃止するわけにもいかぬので、直ちにとめるわけにもいかぬから、これはこのまま存置しておけ、それには金融機関でも入れておこう、こういうようなことで提案をしたのじゃないか。こういうふうに推察もできるわけです。ここら辺のところはどうですか。
○政府委員(松岡亮君) 私たちとしては、今、御指摘になったような気持は全然ございません。もっと具体的に申し上げますと、新しい制度として、予定しております農林漁業経営構造改善資金の中には、まず漁業関係がございます。林業関係がございます。農業近代化資金とは関係のないものであります。土地取得資金、これが非常に大きなものであります。それから、当初から農林公庫で貸しております果樹振興特別措置法による果樹振興資金、これも条件をずっとよくしておりますが、それが含まれております。あと近代化資金で従来もやれたというのは、農業構造改善推進資金、さっき申し上げた三十六億円であります。それと畜産経営拡大資金でありますが、いずれも、政策的に強力に進めたいということから財政資金に移したわけでありまして、ことに農業構造改善事業は、これは特に計画性をもってやる必要がありますので、政府資金に移したわけであります。
○安田敏雄君 そうしますと、今度の構造改善事業に、たとえば例をあげますけれども、パイロット地区三千五百万円、一般指定地区で四千九百万円補助をやります。ところがパイロット地区の場合をひとつあげてみまして三千五百万円、これは補助で出します、政府が。残りの三千五百万円は事業を推進するときに、これは何でいかれるのですか。近代化資金で三千五百万円借りるのですか。それとも農林漁業金融公庫のほうで借りるのですか。
○政府委員(松岡亮君) 農林漁業金融公庫のほうの農業改善推進資金でございます。
○安田敏雄君 それで借りるのでしょう。そうすると、近代化資金のほうは対象にならないわけです。 ところが、今まで政府では、農業構造改善事業を推進するのは、三十七年度末まで、この予算が提案されるまでは、近代化資金でやれといってきた。近代化資金では六分五厘、十五年というものでは、構造改善事業はとてもできない。こういうことで世論のうんと反響があったはずですよ。ところが、農業基本法制定以来、構造改善事業を推進するには、この近代化資金が画期的なものだといって、政府が宣伝したわけです。そうして各県では、そのとおりに思っておった。だけども構造改善事業の近代化資金が、全然対象にならないというのだったら、近代化資金というのは、もっと違う名目のほうがいいですよ。そういう何で、これは宣伝したわけでしょう、この法律は。ところが資金量が多かったり、あるいはそのために助成が多過ぎて、どうにもこうにもならなくなった。協会の金は、そんなに集まらぬ。経過して、二年もたちますけれども、市町村の出資額を見ても知れたものです。だから、そういう意味においては、私はこの近代化資金なんというものは、農業構造改善事業からすっかりはずれてしまって、全く無意味なものと化した、こういわざるを得ないわけです。まあ、このくらいにしておきましょう。
○渡辺勘吉君 それでは、引き続いて公庫法一部改正について質問します。この公庫法の改正は、当然農業構造改善事業に伴う制度金融の法律の改正なわけですから、まずもって、その前提たる構造改善事業の進捗状況といいますか、そういう点からお伺いをいたしたいのです。かねて資料要求をして、御提出を願っております三十七年度の実施地域、パイロット地域の一覧、それからパイロット地域、一般地域の指定を解除した地区、その理由、これを資料要求をしておったのですが、まず、これらの資料を中心に、経過をお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(斎藤誠君) 私から構造改善事業の進捗状況につきまして御説明いたしたいと思います。お手元に構造改善事業実施地区、パイロット地区一覧と、パイロット地区を解除した地区に関する一覧表がお配りしてございますが、本年度の計画の承認につきましては、初年度のことでもございますので、慎重を期して、必ずしも事業を本年度じゅうに実施するために計画承認を急ぐという建前にはしないで参ったわけでございますが、大体二月一ぱいで、全地区の一応の承認を終わったわけでございまして、その結果、パイロット地区については七十六地区、一般地区については百七十四地区を最終的にきめた次第でございます。パイロット地区につきましては、当初九十一という地区を一応予算に計上いたしたわけでございますが、その後におきまして、パイロット地区といたしまして十五地区が解除申請をするということになったわけでございまして、その結果、七十六地区に相なったわけでございます。九十一地区の予算であったわけでありますが、具体的に農林省へ予備協議のありましたものは七十六地区と十五地区が協議に入ったわけでございます。 そこでその十五地区の解除の主要な理由といたしましては、御承知のように、当委員会にも御報告いたしたと思いますが、パイロット地区につきましては、やはり地域の拠点としての性格を持たして参りたいということで、計画についても、ある程度の高度な計画を立てるということにいたしておったわけでございます。そこで、事業実施にあたりましては、当然地区内の農民の同意を必要とするということを条件といたしておりました。そういうような観点から、なかなか地域内における実施条件が整わない、つまり農民の同意をなかなか得られないというようなことで、実施条件が必ずしも整っていない。あるいは今申し上げましたようなパイロット地区としての計画としては、十分その村としてはこなし得ないというような、実施条件が整っていないという関係で、農業計画の実施が困難であるというのが十一地区あったわけでございます。そういう理由をつけまして、町村のほうからは解除の申請があったわけでございます。それ以外に、特殊な理由といたしまして、ここにありますように、臨海工業等の建設計画、あるいは新産業都市建設計画の該当地区として、今後の農業経営のあり方に、さらに時間をかけて検討することが必要であるというような理由で解除の申請をしてきたもの、あるいは災害によって事業の実施が困難である、特に資金の見通し等について困難であるというような理由で解除の申請をしてきたものが一地区、それから国営干拓工事との関係で、地区内の土地基盤整備事業が十分計画と同時に進行する見込みが立たないというようなことになった関係でおくれた地区が一地区。それから、これは特殊な理由になりますが、地区内を通過する予定の阪和国道の計画路線の決定がおくれて、都市近郊である関係上、農家全員の同意が得られなくなったというような理由で一地区、合計して十五地区が解除の申請を私どものほうで出して参ったのでございます。 そこで、これらの解除の申請になりました地区につきましては、これは一般地区として、希望があれば一般地区に切りかえてもよろしい、自動的に一般の計画地域として指定を受けることが可能である、こういう道を開いているわけでございまして、この中の半数以上は、そういう一般計画地域として指定を受けることにしたい、こういう扱いをいたしているようになっているわけでございます。 それから一般地域のうちでは、これは予算では当初二百地域を予定いたしておったわけでございますが、具体的に予備協議に上って参りましたのは、先ほど申し上げました計画の承認をいたしました百七十四地区と、それから一たんは協議いたして参ったのでありますが、その後において、本年度は事業を見送るということになったのが十六地区あるわけでございます。この十六地区につきましても、大体今申し上げたようなパイロット地区の解除の申請をいたした町村の理由と大同小異でありまして、土地区画整理事業については、農家の同意を要するということにいたしておりますので、関係農家の同意が得られないとか、あるいは実施地区の選定、計画の内容の調整が十分整わないというような、つまり実施態勢が整っていないために、事業実施が困難になったといったような地域が十三地区と、それから先ほど申し上げました、その村の特殊な事情によって、災害によって事業の実施が困難になるとか、あるいは市長の改選によって計画の再検討をしなければならなくなったといったような関係で、十三地区が、最後の協議の段階のときには、これは見送りたい、こういうことになって、最終的に百七十四地区、こういうことに相なったわけでございます。 そこで現段階におきましては、これらの計画地区については、すでに承認をいたしておるわけでございますので、目下各町村とも、着々事業の実施の着手に入っておるという状況でございます。本年度、一般地区については、三カ年にわたって事業を実施することにいたしておりますが、そのうち三割を実施するということにいたしております。パイロット地区については、これまた、三カ年にわたって事業を実施することにいたしておりますが、五割を一応本年度においてやるということになっておりますが、現在まで、この事業につきましては、予算上繰り越し明許になっておりますので、事業予算としては、当然翌年度に繰り越して使用することを認めておりますが、大体七割程度が、本年度、事業に落手することができるだろう、こういう見通しに相なっております。簡単でございますが、経過を御報告いたします。
○渡辺勘吉君 そのうちで、特にお伺いいたしたいのは、指定を解除したパイロット並びに一般地区の中で、その理由が、今の説明でも、大きく二つあげられておるんですが、一つの解除した理由は、一部農家の同意が得られなかった、もう一つは、実施態勢が整っていなかった、こういうことをあげておるのでありますが、特にこの前段の、農家の同意が得られなかったということは、かなりこの仕事を、これから精力的に推進していく上において内容として取り上げなきゃならない要素を持っておる。その農家の同意が得られなかった、おもな理由を列挙すれば、どういう内訳になりますか。
○政府委員(斎藤誠君) 実は解除申請の理由として、今申し上げたようなことを理由として、私のほうに書類としてもらっておるわけでございますが、したがって、計画自身が上がってこないものでございますので、その詳細は実は調べておらないわけでございます。ただ、一般的に考えられますことは、この事業におきまして、圃場の整備というようなことが、やはり相当土地基盤整備事業の中に大きなウエートを占めておりますので、このような圃場の整備、特に一圃場の区画を拡大するというようなことにつきましては、なかなか村でも、いろいろの経営規模の階層があり、あるいは兼業農家があり、というようなことで、関係面積に——計画地域に関係する農家においても、必ずしも利害関係が一致しないというようなこと。あるいはこの事業に伴いまして、当然地元負担があるわけでございますが、すでに相当その負担をいたしている上に、事業を実施するというようなことから、負担関係で必ずしも話がまとまらないというようなことが主要な内容になっておるのであります。
○渡辺勘吉君 それから、続いてお伺いしますのは、まあこの構造改善事業そのものには、あまり時間をとるべきじゃないと思います。問題点のうち、特にしぼってお伺いいたすのですが、指定をしました、たとえばこのパイロットなり、あるいは一般地区ですね、この中でも、私が現地の実態でつかんだことでありますが、だんだんその内容が、詳細が判明するに従って、農家では、どうもこれは指定を受けたけれども返上したいという動きが、私の触れただけでも、具体的にあるわけですね。で、私はこれを農林大臣にただしたのです、この委員会で。そういう地域住民の全体が、この計画を理解し、その理解の上に立って、自分らのものとして計画を承認して、それでこれが進んでいくものだという前提が基準の中にあるわけですから、それが不幸にして、なかなか十分その内容が、最初は、農家末端までわかりかねている。だんだんわかるほどに、こういう条件では、私たちとしてはいただきかねるということがあとで出てきた場合はどうするかということに対して、大臣は、それは取り消しをしましょう、こういうことをおっしゃっておる。 一、二の例を申し上げますと、委員会でも触れたのですが、岩手県の江刺市でも、私が現地に参りました際に、行く前に、部落の人たちが集まって区画再整理ですね、この区画再整理については、今のような生産基盤整備の条件では、これはとても負担しかねるということで、宝録という部落がありますが、四十七戸全部そろって、再区画についての基盤整備は返上するという申し入れをしてきたわけです。同行の市役所の吏員もおりました。あるいはこの表に出ておる保原の場合、これは農道を五・五メートル幅に拡大する、支線農道を四メートルに拡大するという、生産基盤がこの養蚕と果樹の主作物構造改善事業の前提としてある。その反対は、やはり五・五メートルともなれば、農道とはいえ、これは公道である、そういう公道に対する整備を農家の負担でやるということは、これは筋が通らん、こういう点は全額を政府その他で負担してやるならばともかく、農家の負担でやることは、とうてい筋も通らんし、負担能力もない、経済的効果も十分納得するほどの説明もない、こういうことでありますが、そういう点は、大臣がこの委員会で答弁したとおりに、その指定された地域でも、そういう地域の農民が反対であるという意思表示があれば、これは取り消すことは、そういう措置をとらざるを得ないわけですね。どうですか、その点。
○政府委員(斎藤誠君) 今お話になりましたようなことが、計画段階におきまして、一応村の指導者が立てて、そして事業の実施の段階になって反対があるから、事業は実施できなくなる。したがって、まあ結果においては指定の取り消し、ということとは違うと思いますが、事実上、指定の取り消しと同じような効果しかできなくなってくるということを実はおそれまして、この事業につきましては、当初から村に協議会を設け、関係の農業団体あるいは農民代表も加えて、十分趣旨の徹底をはかっていただく。さらにまた、計画の地区について計画が立てられました場合におきまして、特に土地基盤整備事業については、土地改良法に基づいて事業を実施するというのが大部分でございますので、まず、それの三分の二の同意を必ず条件としてつけてもらう、その上で計画についての審査をいたしておりますので、現在の各町村、事業計画を承認した町村におきましては、三分の二の同意はもちろんついておりますし、さらにまた、その後の経過を見ますれば、ぜひともこの事業は、村民あげてやるのだと、こういう非常に熱意があるように私は承知いたしておりますので、今御質問になりましたような事態というものについては、計画の段階でまずチェックされる、承認の段階にまずチェックされるということでありますので、私のほうは、そのような事態はなかろうと、こう考えておるわけでございます。
○渡辺勘吉君 あった場合は、それをやはり大臣の答弁したように取り消すのですねとお伺いしておる。
○政府委員(斎藤誠君) 三分の二の同意を得て土地改良法上の認可を得ておるわけでございますので、その三分の二の同意が、実は間違っておったというようなことであれば、これは別でございますけれども、大体において、もうみんな土地基盤整備事業については三分の二の同意書をつけているわけでございますので、それが反対でひっくり返るというようなことは、ちょっと考えられないのではないかと思いますが。
○渡辺勘吉君 三分の二の同意を得るときの理解の仕方と、さらにそれがもっと現実に自分らの財布の勘定の中から、しみじみと内容がわかる段階と、これは時期のずれがある。したがって、私は計画当初の同意というものが、その後のやはり、さらに内容の徹底によって理解なりがたいという変化の過程があるわけですよ。そしてその結果、どうしてもこういう農家の負担に相当部分がしわ寄せされるものは引き受けられない、この人たちは、当然借りるときも連帯保証もしないでしょう。それも三分の二の事前の意思表示を盾にとって、三分の一の反対を押し切ってもやるということなんですか。
○政府委員(斎藤誠君) これはまあ、仮定のお話でございますので、ちょっと的確な答弁はいたしかねるかと存じますが、この事業を実施します場合の土地基盤整備事業につきましては、通常の団体営と同じように実施設計を立て、さらにそれにつきましては、地方農地事務局も参画いたしまして、県の耕地課あるいは地方農地事務局の技術的な審査を得たものにつきまして、三分の二の同意を得て事業を実施する、あるいはそれの計画を申請する、こういうことになっておるわけでございまして、したがって、事業計画自身としては十分農民には承知されておるだろうと、こう思うわけでございまして、従来、土地改良法で三分の二の同意を得て、とれがひっくり返ったという例はないそうでございますので、今回の場合におきましては、そのようなことはなかろうと、特にまた、一般の団体営におきまして、そのような状態がありますが、これまた補助率が平均しまして四割ぐらいでありまするものを、今回の場合におきましては国が五割、さらに二割の県費によるかさ上げをいたしておるわけでございますから、そのとおり、かりに補助率が適用されるといたしますと、七割ということになりまして、ものによっては、従来の補助率の倍の補助率にもなっておるというようなことでございますので、農家のほうから、一たん計画設計の段階において同意を得られたものが、その後の負担の関係において事業実施ができなくなるというようなことは、万々なかろうと、また、そういうことに一番私のほうも留意いたしまして、計画の審査に当たりましては、十分配慮いたしたつもりでございます。
○渡辺勘吉君 私の質問に答えて下さい。いろいろな経過はあっても、現実に反対するものがあるわけです。それを全員のやはり理解と協力で、これは計画からスタートしなければならないという建前を尊重するならば、三分の一の反対はあってもいいというような、そういうかぶせる考え方でなしに、やはりその中で、かなり経済的な効率というようなものにも疑義を抱く、またこれ以上の借金をしてまでやることはとうていかなわぬというので、これを返上するという意思表示があったら、大臣は、そういう場合には返上はやはり認めますと、こう言っておるのを、あなたは違って、それでもそれはやるのだということになれば、これはあらためて統一した見解を伺わなければならない。
○政府委員(斎藤誠君) 実は、この解除いたしましたパイロット地区の取り扱いにつきましては、農林大臣とも十分御相談をいたしまして、本年度パイロット地区は九十一地区ということになっております。これをぜひともやらせるという方針で措置するということではなしに、むしろ実施条件の整って、ほんとうに、その村でやろうというものを選ぶべきではないか、したがって、あるいは大臣のお考えの中には、解除、つまりここでいいます十五地区の解除にあたっての措置については、そういう方法をとるべきであるということで審査を進めておるわけでございます。その点は、私のほうも計画地域につきましては九十一地区全部やるということではなくて、十分今申し上げたような熱意があり、実施条件の整えるものだけを取り上げるということにして、それ以外のものについては、指定の解除の道を認めたほうがむしろいいんじゃないか、こういうことで各府県に、そのような旨を通知をいたしたわけでございます。したがって大臣のお考えには、今申し上げたように計画の承認にあたって、必ずしも九十一地区にこだわる必要はなかろう、こういう意味でお話になったんではなかろうかと推測するわけでございます。 今申し上げましたように、承認された場合におきまして、今、渡辺委員のお話になりましたように、三分の二の同意をとっている、大体、私どものほらは三分の二でありますけれども、全員の同意を得たと同じように実施について確実であるかどうかということを、審査にあたって十分留意いたしたのでございますが、理屈上、かりに三分の一のものが反対しているというようなことになりますれば、農村の今までの例から見ましても、三分の一が事実上反対しているのに対して、強行して土地基盤整備事業を行なうということは、事実問題としては、なかなか不可能であるわけでございますから、そういう際におきましては、事業は三分の一の人の同意が得られるまで事実上行なえないだろう、こう思うわけでございます。
○渡辺勘吉君 この点は、これ以上時間をかけて伺うこともどうかと思いますので、次の問題を伺いますが、この事業実施の今後の予定を伺いたい、閣議了解事項ではおおむね十年といっている、このおおむね十年というのは、三千百ヵ町村を指定して三カ年で事業を完成させる、その三カ年の完成するまでを含めて十年と解釈しているのですか、それとも指定が十年で、最終の十年目が完了する三年を加算して十三年と解釈しているのですか、どっちですか。
○政府委員(斎藤誠君) 計画地域の指定は、農林省としては、七カ年で全部終わりたいということで本年度、三十八年度に四百地域の指定をいたしたのも七カ年計画に基づく指定の町村数でございます。事業実施が、しからば何年で終わるかということでございますが、われわれといたしましては、十年目に事業が、ほぼ完了するようにしたいという考えでございますが、ただこれは予算を伴うことでございますので、大蔵当局とは、必ずしも十年以内というふうに完全な了解はついておりません。しかし農林省としては、十年を目安に事業を終わりたい、こういう考えでおります。
○安田敏雄君 この構造改善事業の推進にあたってね、パイロット地区と一般指定地区が、当初九十一と二百ですか予定したわけですが、この指定をめぐってね、現地には、いろいろの物議がかもされました。で、ほとんどその指定は、さっき問題になりました近代化資金の制度の中では、みんな返上だったんですね、返上。ほとんどこれは返上だった。政府もたしか苦境に立ったことは事実なんです。各県でもね、金利が高いとか、十五年じゃ困る、こんなことはやっていけない、これは村でも、そういう考え方を持っておった。 ところが、最初は、ある県に行って私ども歩きましたが、交付税交付金と匹敵するような大きな補助金がくるから、まことにこれは効果的だと、こういうわけだ。行政効果大きいというわけだ。しかし反面ね、これは農業者がみんな大半は借金しておるものだ、そんなことは考えない、各県段階にいきまして、考えない。しかし、実際、十五年で六分五厘なんというもので、はたしてやっていけるかどうかということについて、みんなそれは迷った。で、まあほとんど去年の十月ごろまでは返上機運がみんな多かったのです。ところが、農業基本法の制定後の、これは重要な柱ですから、これがつぶれちゃ困ると思って、政府筋で農林省の係官総動員して、十月以降全国へ飛んだんですな、これは事実ですよ。それで、その中で、みんな、それじゃ困るからというので、いや金利は安くしましょう、こういう事業についても、それじゃ金利を長く認めましょう、これについてもやりましょうとかね、たくさんの条件を出して、どうにかこうにかなだめて、ことしの十二月に、暮れにようやく、指定地区は大体まとまってきたわけだ。それで、その公約上、おそれたからね、今度は、突然今までの看板は振り捨てて、近代化資金は廃止にして、それで農林漁業金融公庫のほうの取り扱いをしていく、これを窓口を広げたり、あるいは資金量を増大したり、金利を安くする。急速に転換したわけですよね。これは事実です。そういう金融のいわば制度の緩和というものを出して初めてこれが軌道に乗ってきた、率直に言えば。 ですから、これは、まあそれは一つの前進といえば大きな前進でしょうけれども、しかし当初の方針を変更したということについては、これは政府に責任があるわけですよ。各県はそう思っている。近代化資金でやるだろうと。ところが、近代化資金には、これはもうとても、事業量に対する融資の保証もできないし、基金の積み立ても、そんなものじゃできないし、思うようにならぬし、びっくりしたわけですよね。ところが、政府が目算も違ったわけだ。構造改善事業を推進するための金融制度の目算が違って、で、ここへきて、あらためてそういう地方のやつを何とかまとめなきゃならぬということに大幅に転換したことは事実ですよ。そのとおりでもいいですか、そういうように解釈して。事実そうでしょう。
○政府委員(斎藤誠君) だんだんお話がございましたけれども、必ずしもそういうふうなようには、私のほうは理解いたしておらないわけでございまして、構造改善事業の補助事業としての予定いたしております九千万円につきましては、これは従来どおりの事業内容で行なうわけでございます。お話になりました融資の分につきましては、九千万円のほかに二千万円の、平均二千万円の融資事業というものを考えておりまして、そのうち、さらに小分けにいたしますれば、近代化資金に依存しておるものを千八百万円というふうに押えたわけでございます。したがって、まあ一億一千万円の事業の中の千八百万円を近代化資金に依存するという計画であったわけでございます。今回の事業をいたします場合に、補助率の面におきましても、あるいは融資の面におきましても、従来のこの種の事業に比べれば、補助率は高く、金利も私は安かったと思うのでございますけれども、何しろこの事業の一戸当たりの負担額といいますか、一戸当たりの事業費というものは、従来に比べれば絶対額として非常に大きいと、そこにまあ農民としての負担感からくる重さというものもあったことは事実でございます。また、事業をやります場合におきまして、多分にこの事業につきましては、まあ総合的な構造改善事業だということで、その間、若干従来の補助事業の内容と質を異にするものもあるというような面からくる負担に対する負担感が重いと、こういうこともあったかと思うわけでございます。 さらにまた事業を実施する場合におきまして、当然相当量の資金が必要である。その資金が、たまたま農協からなかなか得られないというような資金の疎通を欠くような面もあって、これに対する要望もあったことも事実でございます。この事業を進めます場合におきまして、一つには負担感からくる補助率の増大、それから資金の疎通、それから金利の引き下げという要望があったことも事実でございまして、この事業が、そのために一切全部返上になるという機運になったということは必ずしも考えておらないわけでございます。
○安田敏雄君 これはこの辺で、また何しますがね、議事進行の阻害になってもいかぬからやめておきますが、まだあるでしょう、返上の機運があったのは、金融の問題だけでなくて、問題は、その農産物価格の問題ですよね。たとえば養蚕地帯においては、繭価が一貫目二千円を割っては、お金を借りても何にもならぬと、だから返上だというような空気があったところもあるわけですよ。あるいはまた、今の乳価が、このように低落するときには、これはどうにもならぬだろうという問題があった。そういう農産物価格に対する不満がたいへんあったわけです。 で、こういうようなものについてはやっぱり一応その処置を指定するまでの経緯として、どういうようなPRをしてきたのですか。そういう農産物に対する、あんた方の指定に至るまでの苦慮、確かに農産物価格について似た声があったわけですから、生産費と所得の補償を忠実に政府がこれを支えてくれるならば、という、こういうその声があったはずですよ。全然その声を無視されているわけじゃないと思います。そのときのあなた方の、まあまあそれは必ずというような、PRか何かあったろうと思いますが、それについて、ひとつ聞きたいと思います。
○政府委員(斎藤誠君) まあパイロット地区については、初めから九十一をともかくも予定いたしておったわけでございますから、その地区につきましての事業の計画をおくらしたいというふうな返上ということは、あるいはあったかと思いますけれども、まあ一般地区につきましては御承知のように、まあ全国三千百町村をおおむね七カ年で次々に指定していこうと、で、もうすでに現在までに、計画地域として指定したものが六百あるわけでございます。来年さらに四百ふえまして一千地域ある。その一千地域の中から、来年度三百の実施地域を選ぶというわけでございますから、まあ計画地域としては、もう全町村に逐次計画地域として指定されることになりまして、その中から、事業をいかに実行していくかという計画を立てて参る、したがって、事業を実施した段階後において、初めて返上という考え方が起こるわけでございますから、現段階におきましては、まだ計画地域の段階でございますので、返上ということは、私はどうも、そのままとしては理解いたしかねるわけでございます。 ただ、しからば指定地域の中から、事業を実施したいという計画地域数が、当初の二百よりも減ったではないかという点につきましては、いろいろ先ほど申し上げましたような理由があるわけでございますが、今御指摘になりましたように、この事業を推進するにあたりまして、一方において主産地形成というような話をいたしておりますので、当然それに伴っての価格安定措置を講じてもういたい、こういう要望があることは事実でございまして、当然この事業を推進するにあたりましては、構造改善対策といたしまして、価格対策あるいはそれ以外の対策も含めて、いわばこの事業を推進するための条件を整えていくような施策が必要であることは御指摘のとおりであります。
○渡辺勘吉君 今の価格問題もずいぶん問題があるわけですが、というのは、おそらくきょうの衆議院の同じ農林水産委員会では、畜産物の価格について、生産者所得償補方式を政府が採用できないということに対する問題点が並行して審議されているはずであります。そういうことが、はっきりと政府によって確約されなければ、こういう主産地形成と称するか、施策の問題に取っ組むという、構造改善事業の中心になる価格の政府の補償制度が、やっぱりはっきりしないと問題が推進しないという大きなネックがあるわけです。 それで、前に戻りますが、今の答弁は、農林省としては、大蔵省はともかく、こういう御答弁でありますが、一般の農家は、農林省がそうだが、大蔵省はどうかというようなことでは理解ができない。まあ大きく言えば、池田内閣はどうするのかということなんですから、それで、もっと心配なことを私はお聞きするのですが、農林省としては、三十八年度は四百地区を指定する予定であった。ところが、予算で百削除されておる。大蔵当局では、こういうことで私は七カ年で実施をして、十年目に全部を完了するということはかなり困難じゃないかという心配をしているわけです。で、なぜこういう公庫資金の際に、こういうことをお尋ねするかと言えば、これはきょうは、もう時間がありませんから、この程度で私はやめますが、こういう、やはり事業の年度別の進捗の予定に対応ずる財政投融資計画なり、公庫の資本の造成なり、そういうものに対応して、年次計画の中で、これは組まれてしかるべきものじゃないかということを金融の際に伺う前提として、事業の今後の実施の年次的な見通しを伺うわけなんです。で、このスタートは、何年から七年ということに理解すればいいのですか。
○政府委員(斎藤誠君) 三十七年度からでございます。
○渡辺勘吉君 そうすれば四十三年度までに三千百ヵ町村指定するということになりますね。三十七年度を初年度とすれば四十三年度が七年目ですから。そうすると、ことしは不幸にして、大蔵省に査定されて、四百の予定が三百になったということですが、来年からは五百以上が少なくとも事業実施として進捗する。そうして農林省としてはじゃなくて、閣僚として責任があるでしょうから、大蔵大臣、総理も出ているでしょうから、全体として七年で、この指定が全部完了しませんと、一般の希望というものは、こういう経済情勢の激変の中で、ことしと七年後とでは、大きなこれは経済的な変化の相違というものが出て、そこにも指定の時期的な格差というものが出てくるわけですから、もっと短縮することを強く要望するのだけれども、現実には、そういうことは容易じゃないから、せめて閣議で了解した十年というは、完全に事業が完了することが十年であって、あくまでもこれを農林当局としては、今後強く大蔵当局なり総理なりを説得してやっていただきたいということなんです。そうしませんと、これから公庫法改正に対する、公庫に対する政府出資の見通しなり、そういうものがはっきり出てこないじゃないかということで、これを特に、農政局長に承った次第であります。
○政府委員(斎藤誠君) ただいまお話になりました点は、全く私も同感でございまして、そういう年次計画を立って、それに基づいて、ぜひとも実現したいというふうに考えておりますが、何しろこの事業は、まだなかなか軌道に乗り得ないという面もありまして、むしろ当初におきましては、地区数は、計画数は予定どおり、これは予算も予定どおりになっておるわけです。ただ実施手続は、当初の要求が四百が三百になりましたけれども、むしろわれわれといたしましては、まだ二年目ぐらいにおきましては三百ぐらいがよかろう、こういう判断で、むしろ三百にいたしたわけでございまして、当初の段階におきましては、着実にこの事業が進められる、そして急速度に末広がりに、これが全国的に広がっていく。これが一番健全な事業の進め方ではなかろうかというふうに考えているわけでございます。 したがいまして、今お話になりましたような点につきましては、先生の御叱正も受けまして御協力を得まして、ぜひとも十年ぐらいには完了したい、このように思っております。
○渡辺勘吉君 たいへんどうも、私が激励をいただいたようでありがたいのですが、末広がりということは、五年なり七年後に、多くの町村が指定されるということは、繰り返すようですが、非常に経済情勢の激変の昨今は、これだけは、末広がりの逆でやっていただきたい。もう問題の点もおわかりでしょうから、そういう問題にしておる農家の、そういう点を政策の上に、早急に打ち立てていただいて、たとえば今、安田委員も言われたように、価格も、少なくとも再生産を確保するという共通の広場に対しては、農家が生産意欲をかき立てるような価格体系でなければならない、確立するとか、あるいは農家の手を離れてから消費者の台所に行くまでの流通の前近代的なものを合理化するとか、そういうものを早急に構造改善事業の前提として施策に織り込んでもらえば、私はもっと先細りに、さしあたりの年度に重点的に町村をこなしていくということでなければ困ると思うのです。 心配の第二点は、今度の予算にも現われましたように、補助基準を初年度三割、二年度四割、三年度三割と、お宅で出している基準要項には出しておりながら、これもまた、予算査定の際に、二年度の四割を三割に減らされている。非常にこれも理由があってのことでございましょうけれども、そういう要望を、そのまま信頼しておった一般国民から見れば、何か後退しているような感はいなめないわけです。そこで、その理由等は伺いませんが、ますますこれを早急にやっていくために、同じ町村でも、三カ年でやることを二年に縮めるというようなことまではできないにしても、その大かたは、初年度、二年度には、大部分をやってしまう。残りの部分一割かそこら辺は、三年度に残してもやむを得ない。そういう前向きに積極的に信念を持って、この事業の推進に当たっていただきたい。そういう前提がなければ、公庫法の改正等も、したがって、どうもどこか抜け穴があるような内容に見受けられるので、まず大元のあなたのところで、もっとその点を、しっかりと推進するあらゆる施策をひとつ整備して、早急にこれを完了するようにやっていただきたい。そうでなくても、三千百ヵ町村と言いますけれども、その中で生産基盤整備は、その町村の二割かそこら辺にすぎない。あとの八割は生産基盤整備の対象からはずれているわけですが、再びまた、これらのアンバランスの問題が当然出てきているわけです。ぜひこれは、早急に基本的な問題をあわせ解決して、御推進を願いたいというふうにお願いします。
○委員長(櫻井志郎君) 本日は、この程度とし、これをもって散会いたします。 午後四時三十一分散会 —————・—————