農林水産委員会 第14号
- 発言数
- 100 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1963/03/01
会議録
○委員長(櫻井志郎君) ただいまから委員会を開会いたします。 この際お諮りいたします。仲原善一君から理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(櫻井志郎君) 御異議ないと認めます。つきましては、この際、委員長はその補欠として理事に堀本宜実君を指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(櫻井志郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(櫻井志郎君) これより農業改良助長法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行なうことにいたします。 質疑のある方は、御発言を願います。
○天田勝正君 今理事会の結果を委員長は申されましたが、昨日来の約束の農林大臣が見えておりませんから、私他の委員会との関係がありますので、質問さしていただきますけれども、もし大臣が見えられれば、しかるべくお話があれば、私の質問は中断いたします。お含み置きを願いたいと思います。 先般来、いろいろな質疑が続けられまして、これを要約いたしますと、どうも給与体系として普及職というカテゴリーがございませんで、そのためむしろ今度の法律改正による待遇改善がありましても、なおいささか待遇が低きに失しはせぬか、こういうところであったと思います。私もやはりその観点で質問するのでありますが、この賃金管理研究所に委託して調査された他の類似の職種との相違点がございますが、そのうちまあ冒頭に行政職と違うのは公権力の行使や、物的財政的の助成の裏づけが伴わない、こういうことを言われております。これは私は非常に民主政治のもとにおいては、大切なことだと実は解釈するのであります。それというのが、過日私は本会議でも言いましたが、どうも日本には公僕という言葉があるけれども、ほんとうの公僕はいない、こう思っているのです。ところが、この公権力の行使ができないこういう職種というものは、まあユアー・サーバントというほどの公僕であるかどうかしれませんけれども、とにかく農民相手に農民を主権者として扱う、こういう日本の行政機構の中では数少ない職種じゃないかと思う。待遇そのものの議論は多くあるのでありますけれども、どうもその職責というものは案外忘れられがちではなかろうかと私は思います。こういうふうに見て参りますと、まあわれわれがどこの役所へ行っても、庶民として行った場合には、主権者などと扱われたためしはまあ一回もないのですけれども、この普及職というのは農民というものを相手にいたしまして、教育的方法をもってその仕事を進めなければならぬ。そういうことからいたしますれば、ここにもずっと書いてありますとおりに、一般の行政職よりも骨が折れる、こういうことが書いてある。さらに研究職のように一方づかないから、これもそれと比較しても骨が折れる。教育職のように一定のレベルのものを一つの集団として教えるのと違って、ばらばらのものを相手にするのだから、これもまた骨が折れる。翻訳すればこういう趣旨のことがここに書いてある。しかも初めのほうに「農民を対象にした教育的方法による」云々、こう書いて、その次にまた「特に対象が農民であるため、行政職のように」云々、こう書いてある。ほかの場所にも、そういう文句が出てくる。これまた私流に翻訳しますと、どうも農民だから農林省のお役人のように頭がよくない。まあサルというのは言い過ぎですが、進化の過程のような人で、それがばらばら来ているから、それを手を引っぱっていくのは骨が折れる、こういうことを指し示しているわけなんです。それが全体として給料の格差が他日私は関連質問でも申し上げましたけれども、この調査の四十七ページを見まして、その前ページまたは前々ページを見ますと、そのグラフによってもいかに低いかがわかる。もう少しさらにその次のページを見れば、これはお話しにならないことになる、こういうことになっております。 前提が長くなりますから、この程度でやめますが、そうだとすれば、どうしても私は近い将来に本俸で上げる、こういう形をとらなければならぬというのが一点であります。この調査でも一六%上げろと書いてある。それはこの中には、本俸で上げろとか、手当で上げろとか書いてありません。しかし事柄の性質上本俸で上げろ、本俸で上げなければ、どうしても期末手当であっても、一年のうちでもそういうふうな違いが出てきて、最終的にそれは御指摘申し上げたとおり年金に全部影響してくる。年間におけるあるいは月当たりの総額は、他の職種と比べてまあまあというバランスがとれたとしても、本俸が上がったのと手当で上がったのとでは、とほうもない違い。したがって、本俸で近くこの機会でなくても近い将来に改定するおつもりがあるかどうか、これをまず伺います。 時間がありませんから、第二点をさらに伺いますが、この調査で指摘されている一つは、この普及職はえらい自己犠牲、経済的にたとえばスクーターを持つ、あるいはオートバイ、こういうようなものをどちらかといえば日常に使って畠やたんぼに行かなければならないという趣旨のことが書いてある。しかるところ、その業務に必要な足というものは、大かた自分持ちである。もちろんときには役所持ちもあります。でありますが、しかし多くの人が自己の犠牲によってそういうものを持って、これによって職務を全うしている、こういうことを書いている。そうだとすれば実費弁償が足らない。まず実費弁償が足らない。でありますから、今度一六%というこの調査であるけれども、一二%、こういうことに法律は提出されている。一二%くらいのものは実費弁償という形で支給したらいかがかと私は思うのです。実費弁償という形で支給すれば、手当や本俸と違いまして、御承知のごとくに、税対象になりません。もともと足らないものを、そうして指摘されただけ上げてないんだから、その範囲内で上げるならば、実費弁償として支給する道を考えられたらどうであるか。これならば私は政府あるいは与党の面子ということを考えても、同じ予算のうちでやるのですから何とでもあんばいができそうだと、こう思いますが、いかがでしょうか。まずこの二点を伺います。
○政府委員(齋藤誠君) 第一の御質問の要点は、手当という方法によらずして本俸そのものの引き上げをやるべきではないかという御質問のように考えるわけでございますが、われわれも一番初めにおきましては、普及職というふうな職制というものが成り立つものであろうかどうだろうかと、またもし成り立つとすれば、それに応ずるような俸給表というものを作成することができるものであろうかどうだろうか、こういうようなことにつきましてもいろいろ研究してみたわけでございますが、なかなか実態の把握についても、また業務の内容につきましても、研究職とか、あるいは教育職とかいったようなことについてと同様な職務内容が明確になかなかしにくい。そういうこともありまして賃管に委託いたしまして勤務の実態なり、業務の内容なり、資格の要件なりを調査してもらったわけでございますが、まあ、賃管の報告にもありますように、研究職に非常に近いし、また教育職に似たところもあるというようなことで、普及職というふうなものとしてはっきりさせるというところには、まだいろいろ問題があるのじゃないかということで、まあ、普及職自身としての職制の確立自身も、今申し上げたようなことで十分確定し得ない。そこで、そういうことでありますれば、職制を新しく設けることもできなければ、したがって俸給表の改定ということも困難である。しかし実質上手当ということによって、これは本俸に対する何%という計算方法でありますから、ある意味においては実質的にその目的は達せられるのじゃないかということで手当にいたしたわけでございます。したがって、今後普及員の制度なり、あるいは普及員自身の資質なり、あるいは業務内容等につきまして、そのような方法が考えられるということになりますれば別でございますが、現在のところは、普及員手当ということで対処して参りたい、こう考えておるわけでございます。 それから第二の手当なんかを出さないで、むしろ実費弁償でいったらいいではないか、こういうことでございますが、これは実費的なものと、それから今回設けました手当と性格が違うわけでございまして、普及員の職務の実態あるいは業務の内容等から見まして、研究職あるいは教育職といった俸給との格差も考え、職務の複雑あるいは困難性といいますか、そういう職務の態様に対応して手当というものを出したわけでございます。先年のお話しになりました実費はどうかということでございますが、これは一応手当のほかに日常活動するための旅費であるとか、あるいは普及職における運営費とか、そういった経費については、別に国が助成をいたしておる、こういうことでございます。
○天田勝正君 前段のお答えは、昨日、渡辺委員ほか数名の委員から聞かれまして、これをまた私の答えにした。こういうことなんですよ。私はそれを他の委員の質問も全部聞いております。そこで、聞いた上で別の道がなかろうかという観点で質問しておるのでありまして、二問いたしましたが、その第一問のほうは二つの中身が含まれておるのですよ。一つは、私はきのう来、普及職というものを研究して見たけれども、なかなかできないのだ、こういうことをおっしゃっておるのですけれども、それは私は、今法律提出したらば、政府の面子等もあって急にできないけれども、これは論議上できることであるし、そうして、だから将来近くその実行に踏み切っていただけるものだと、こういう前提にまず立ちます。もう一つの前提は、ここでも指摘しておるように、一六%アップすべしということが書かれておるのでありますから、そこで、今回は別として、これまた近き将来に本俸として引き上げできるものだと、こういう前提に立っておる。その第一の前提である普及職というものが特別の職種として、これが公務員の給与体系の中に取り入れられてしかるべきという論拠は、何も私が独断しておるのじゃないのです。ここに番いてあるというのです。ただ、文章がそういう表現をしていないというだけです。それはなぜかというと、行政職ともこれこれ違う、これこれこうなんだということがずっと書いてあるでしょう。それで研究職ともこれこれ違う、似通ったところもある。そうして、それよりもむしろ困難だ。研究職のところでいえば、この困難を打開しなければならぬと、こう書いてある。それ以上に困難です。研究ということになれば、その職場が同じような知識のある人が集まっておって、そうして一方づいたことをやっていくのでありますから、研究もしながら同時にこっちもやらなければならぬということはない。これは調査もしなければならぬ、研究も農家に委託してやらなければならない。それを実地に即して同時にやらなければならないのだから容易でないと、こう書いてある。さらに教育職の場合はさっきも指摘したとおりでありまして、それよりもなかなか困難が伴っておる、こういうことをいっておる。これだけ違って、しかも重要な職種で、別の普及職という一体体系ができないはずはない、体系にしろと書いてないだけなんです。そういうものがあり得るということを、その相違点でちゃんと差し示しておると思うのですよ。私はその前提に立っておるのです。それで、それならば研究した結果できないというけれども、私はこれがたとえば国家公務員、これは地方公務員であることは承知して質問しておるのですよ。地方公務員であるけれども、国家公務員の場合は、当然に人事院でそのことが検討されなければならないけれども、農林省では検討したと、きのう来お答えになっておりますけれども、そうした国家の人事機構を取り扱う役所において検討をされましたか、されませんか、これが一つあでります。 それから他の類似の職種と比べて一五・六%低い、こういうこと、これを切り上げて従来の慣例で一六%だと言われておる。言われておる以上は、これはせめても困難性のほうはすべて除いても、困難性があればほかのよりよけい高くなくちゃならないけれども、そこの部分は除いても肩を並べるというところくらいまでは、これはやらないほうがむしろ不条理なんである。この機会にはすぐ改定はできないけれども、改定できないというのは、あなたの産業指導員やそういうものとの比較になると思うのです。いいほうの比較でなくて悪いほうの比較でね。今度はしかしそっちも当然改定すべしということになるのですけれども、そっちのほうはまだ法律が出てないのですから、法律の出てないものを、この農業改良普及員ですから、せめて困難性のところは別にして、むずかしさということは別にしましても、肩を並べるということについては、異議のあるほうが私は不思議だと思うのです。そういう観点で質問しております。そういう前提に立った場合、いかがですか、今の二つは。
○政府委員(齋藤誠君) 前の第一点の普及員については、とにかく報告でも一般行政職、研究職なり、あるいは教育職なりと明らかに違うということははっきりしておるではないか、したがってそういう職種というものは考えられるのじゃないか、こういう御質問だと思いますが、われわれも常識的には初めそういうふうに考えて、実はこの調査を依頼したわけでございます。しかし、ここには載っておりませんけれども、賃管でも相違は明らかでありますけれども、同時に固有の職種まで固めるということには、まだ結論は出し程ない。つまり普及職というのは、逆にこういうものであるというものをはっきりさせるということには、まだ尚早である。こういうことでございまして、そこで、特殊な職種というものについては、今回はあきらめたわけでございます。将来の方向として研究すべき問題であると思いますけれども、これだけを普及職といたしますと、関連する他の同じような職員が、農林省ばかりでなしに、ほかの省にもいろいろあるだろうと思いますので、おそらく普及職というものについての定義は、これはやはり俸給表に関係するものでございますから、この貿管の報告としては特に規定していないわけでございます。 それから第二の、一六%というものが明らかにあるのであるから、したがってそれは本俸をそのまま上げたらいいではないかと、こういう御質問だと思いますが、本俸を上げるということは、言いかえれは別の俸給表を作るということになるわけであります。別の俸給表を作るということは、言いかえれば普及員については別の俸給表をここで設けるということになる。それが先ほど来申し上げたようにできない。そこで同じ二八%上げる方法として、本俸で上げるか、俸給表を作って本俸で上げるか、それからそれにひとしい、ほとんど性格は同じものでありますが、特に職種の特殊性ということに着目して調整額でやるか、あるいは手当でやるか、みんな方法論としての差がありますけれども、いずれも基本的には私は同じものである、こう考えておるわけでございます。そこで、先般の先生の御質問に調整額を今回はとれなかった。したがって、大体同性質の手当ということで、ほかの例にならって引き上げるということにいたしました、こう答弁申し上げたわけでございますが、今回は手当ということでやったわけでございますが、実質は私は同じだ、こう考えております。
○天田勝正君 それは私どもの考えと実質が同じでないのですよ。だから私の質問の、まず一番初めに答えていませんけれども、今局長は、ほかの役所関係でも同様なものもあろう。であるからなかなか広範にわたるであろうし、困難だ。そういうことが今でも予想されるならばされるだけ、なおさら各役所と人事院と共同作業するなり研究してしかるべきだ。ところが、それを研究したということは何らおっしゃっておらないけれども、人事院を中心とするか従とするかは別として、あすこが少なくとも、国家公務員ならば、それの処遇についての役所なんですから、そこへ持ち込んで、いずれが従になるかは問わず、研究したことがあるか、こう聞いているのです。ですから今度はその点を答えてもらいたい。 それから、別の給与体系を作らなければ、どうもこのアンバランスというものは直せないのだ、だからそれは同じことだ、こういうお話なんです。万全は確かに給与体系、普及職というものを作ることがしかるべきでありましょう。しかし、今現在でも普通一般職よりも悪いということはここに明らかに出ているのですから、私はそれじゃ、そこは一般職と同様な扱いができないものか。それは私どもの身近なところでも、行政一と行政二のところでは、十二、三年違えば大体五千円くらいの違いができてきちゃう。しかしそのことをしかるべくあんばいしていますよ、どこでも。行政二にしないで、行行政一に、責任度や多しと、こうすれば、根本的な法律改正をしなくても、扱い上においてそういうことが他でなし得るのですから、それがなし得ないものかどうか。ただこれは私も承知して聞いているのですよ。あなた方がじかにつかんでいる部下ではない、地方公務員という少しく離れたところにいる。だからその扱い上、自分の役所内にいる者と別途に、地方にいる管理者という者は最高は知事ですが、そういう別の立場に置かれている。だから農林省の指導だけでもなかなか困難だということは承知しているのですけれども、いろんなことで指導をするのですから、そういう指導によって、とりあえずのところを救うという道がどうもありそうな私は気がしている。いかがでしょう。
○政府委員(齋藤誠君) 第一の、研究しているかどうかという御賛同でございますが、今人事院でやっておりますのは、国家公務員についての俸給についてはやっておりますが、地方公務員につきましての給与は、自治省が大体国の給与に準じて取り扱うというような指導をされているようでございます。そこで、普及職というようなものについて、人事院と研究してみたかどうかということでございますが、まあ一般行政職のほかにあります教育職、あるいは研究職、こういった俸給全体に関係するものでございますから、農林省だけで特別に普及職ということを全般の中に押し進めて、どう研究するかということはいたしかねるわけでございまして、人事院としては、地方職員でございますと、今申し上げましたように、中央において何かそういう制度がある。そうしてそれに準じて地方が扱うという建前でありますので、中央においてはこのような普及職に該当するものはないわけであります。そこで、おそらく人事院としてもいきなり中央における国家公務員としての普及職というようなものについては、まだ研究していないのではなかろうかと思います。 第二点の、相当地方庁においては、事実上の運用によってある程度の待避改善措置がとられておるのではないか、こういう御質問、またそのような方法によって改善の道はないのかというような趣旨の御意見であったかと思いますが、一般行政職として現在地方普及員が取り扱われているわけでありますので、そうしますと、普及員の中でも相当の経験を経た者がある。その際、本庁の職員等との比較とか、あるいは他の職員との振り合いとかいったようなことで、ある程度の運用によって改善されておられるところもあるやに開いておりますけれども、これはあくまでも運用でございまして、なおまた地方庁の職員として地方庁でこれはお考えになることでございますので、農林省として制度上こういうふうにすべきであると言うわけには参らない。そこで、そういうことを考えまして、一つの制度として農業改良普及手当というものを支給して、今お話しになりましたようなことの要望に十分こたえて参りたい、こういうふうに考えております。
○天田勝正君 どうも、だんだん局長を長くやっていると、政治的答弁が上手になっちゃって、それもやがて参議院議員に立候補するというようなことになってくるのでしょうが、どうも実際困るのだな。事実上はたいてい中央で研究して、それで自治省を通ずるのだけれども、右へならえで何事もそういう指導を実際普通しているのですよ。それはそれぞれの仕事の性質上、自治省を通ずるものもあれば他の役所を通ずるものもあるけれども、実際には中央で一つの研究をして、これはかくあるべしという結果をみんな地方へ持ち込んでいるのだ。それは中央のやり方は少しひどいじゃないかといっても、みんなそれをやっている。どの議員だってそれは知っているのですよ。だから、私はそれは今すぐさまできないであろうということも予測しながら質問しているのでありますから、農林省で今こういうわれわれの意見、過日来も他の委員諸君の意見を聞いて、ここにそういう声があるのだから、僕は将来としては積極的にあなたのほうから人事院に持ち込んで、共同作業でもよろしいし、いずれが従、いずれが主でもよろしいけれども、研究してしかるべきだ、こういうことを言っている。その一番初めに答えがなかったから、今まで研究したかどうか、こう聞いておるのですが、今まで研究しないならば、将来はそう研究しましょう、こうここまで言ってしまうと答えをこっちが誘導するようで困るから、まあとにかくそういう質問であります。これも後ほどお答え願います。 その次は、先へ進みますが、待遇改善にもいろいろあるけれども、そのうち給与というだけに限定した場合に、私は三つあると思うのですよ。本法改定というものと手当というものと実費弁償、こういうことになる。そして本俸改定が当人に一番望ましいことは言うまでもない。本俸改定をされれば、その増加したものは、当然税の対象になります。手当としたところでどういう名目の手当であろうと、これも税の対象になる。この増加した所得がいずれも税の対象になるならば、税の対象にはなるけれども、本俸で上がった場合には、本俸が基準で、すべての期末手当であろうと、勤勉手当であろうと、出張旅費に至るまで変わってくるのでありますから、当然それは本俸のほうがいいにきまっているし、最終的には年金にも響いてくる、こういうことになる。毎月受け取る額においては手当で支給されたって同じだとはいっても、それは期末になってきたり、年金になってきた場合には、決して同じではない。これは明らかに本俸のほうがよろしい、こうなるので、しからば今度は手当と実費弁償という比較をすれば、実費弁償でやってくれればなるほど最終的な年金等にまではよく響いていきませんけれども、そのかわりには税の対象にならない。私はさっきから言っているように、一一%、一二%とおきめになったのですから、当然それが予算にも組まれて、その予算を動かすのではたいへんだが、予算の範囲内で名目を変えれば本質的な待遇改善になる、こういうふうに思った。で、その根拠があるかどうかというと、これもまた出された資料にあるのですけれども、ここにも書いてあるとおり、たとえば行政職と比較した場合の「他の行政職では勤務上の用品はすべて官給されるに比し」、こう書いてある。「改良普及員の活動施設はきわめて悪く、自転車、オートバイ等も自弁で勤務しているものも少くない。」、こういうことがある、全部ではありませんけれども。そこで今度ずっとしまいのほうの調べを見ますると、「図書購入費及び研究費自弁」というのがずっとございます。その上、「時間外、夜勤手当及び出張旅費の不足」、こういう実費弁償をやってもまだ足らないというのがこの調べにあるのですけれども、だからそっちはやらないで手当だと今度は課税対象になるというところが、このロジックとしてどうもおかしくはないか。ですから、同じ体系を変える変えないというのはこれはさておいても、現に実費弁償で非常によいことがあるのだから、それに回せば、まだ一一%か一二%で足らないけれども、実質的には課税の対象にならないということで幾分かよくなりはせんか、こういうことを考えている。これも私思いつきでなく調査されたところを、ずっと一々時間がありませんから読みませんけれども、そういうことを見て申し上げておるのです。この点はいかがでしょう。
○政府委員(齋藤誠君) なかなか示唆に富んだ御意見でございます。要するに、先生の御意見は実費を全部払ってやれば、特に手当というふうな方法をとらないでも、そのほうが普及員には実質的にいいのではないか、こういうような御意見かと存じますが、建前としては、むしろ普及員の普及活動に必要な経費は経費として助成し、その上にその職務の特性から見まして、待遇上の改善措置を講じて参りたい、こうすべきである、こういうことになるのではなかろうかと思うのでございまして、全部が実費によってまかなえるならば、すっかりもう待遇改善措置は要らないのかということとは、われわれのこの当初の普及員手当を設けました理由は異なるわけでございますので、したがって、現状におきまして普及員の活動に十分な実費がまかなわれていない、したがって普及員自身もある程度負担している分が相当あるということについては御指摘のとおりでございますが、まあ、職務の性格によって特別の手当をやるほかに、できるだけ普及員の活動に必要な経費については、その経費として別に助成の道を今後もとって参りたい、こう考えておるわけであります。
○天田勝正君 ただいまの答弁では、私は手当をやめてしまって実費弁償に切りかえてしまえばいいじゃないかという論旨のごとく受け取っての答弁でありますが、私はそんなむちゃくちゃなことを言っているのではないので、ここに書いてあるように、実費弁償が十分してないのですよ。だから一二%、同じ出すなら一二%のうちの実費弁償に回す分と、残りを手当としても、これは税金そのものは累進なんですから、それでいい。同じ予算の範囲内で手直しできる、こういうことを言っておるのです。ですから、これは停止論を言っているのではないのですから誤解なきように願います。それで私はこの議論をするのは、もと大蔵にいた時分に、一体農業改良普及所というものを作っても、村々、町々を歩いて、これは一般の役人とは、およそその歩くだけでも趣が異なる。だからそれに機動力を付与しなければだめだということで、この法律ができたときに私議論した記憶があるのです。それでそれをだんだんにしますということで、それからまあ推移を見てだんだんスクーターを幾台か買ったり、こういうことをやっているのです。それでだんだんふえました。しかし、私らが見ていると、普通出てくる場合大体自分の自転車なんです。それは多数の人が乗り回すというよりも、まあ手なれておって乗りいいという感情も多少あると思います。これはあると思いますが、およそ一般に出てくる場合に役所の自転車で出てくるなんというのは、私自身が見ない。そういう事実もありますから、これは特殊な待遇をしなければならぬということを、当時から議論をしておりました。ところが、この調査によると、ずいぶんいろいろなことがあるのですね、ほかの職種と比べれば。たとえば家へ帰って、大部分はその講習なんかの場合の印刷をしなければならぬとか、あるいは事務と指導の両面持ちで、時間がとても不定であってかなわぬとか、そういういろいろな部面がここにずっと調査で出ておるのですよ。そうだとすれば、これもまた実費弁償というのにはそれはそのほうで改善すべきであるということをおっしゃるけれども、べきであると言ったって、またさっきの論法でいくというと、それはべきであるけれども私のほうでやるのじゃございません、地方庁でやります、こういうことにきっとなってくると思うのです。それならば、そのべきであるほうの実費弁償をそれこそ行政指導によって、それは十分実費弁償をすべし、こういう指導をなさいますか、どうです。
○政府委員(齋藤誠君) 普及員が巡回指導するに必要なオートバイ、あるいはスクーターであるとかといったようなものについて十分官給されていない、したがって自己負担になっているということは、御指摘のとおりでございまして、われわれといたしましては、必要なオートバイなり、スクーターなり、巡回指導の施設につきましては、今後とも年々増加をいたしてきてはおりますけれども、拡充をしていく考えでおるわけでございます。ただ、なかなか燃料代であるとか、それ以外の実費まで含めて現状においては助成に至っていないことも事実でございますが、これには、巡回指導として普及貝として活動するに必要なものについては、今も申し上げましたように、できるだけ早急にこれが行き渡るようにという努力を重ねておるわけでございますが、さればといって、普及員の実費の分につきましては、あるいは町村が普及員に技術指導についての要望を特にしてもらうというようなことなりもありまして、町村がそういう意味におきまして負担している部分もございます。それからなかなかこれはわかりにくい分もございますけれども、普及員がオートバイで普及所に通うといったような場合に、自分の自家用のオートバイを持っているという者もございまして、これらについてはどこまで官給すべきであるかといったような問題もあるわけでございます。今のところは、巡回指導施設に対する助成と、それから活動に要する旅費の助成ということで必要な予算を計上いたしておりますが、方向といたしましては、できるだけこれを拡充していく方向に努力して参りたい、こう考えております。
○天田勝正君 今のお答えは、農林省がじかにやるのでなくても、地方庁に行政指導をもって十分実費弁償を行なうべし、こういう指導をなさるというふうに私は受け取ります。そこで、お聞きしますがね。「他の同数の行政職勤務の外勤手当に比し、著しく不利な日額旅費におさえられている。」、これもけしからぬ話なんで、押さえられているというのを見過ごしておくわけにはいかぬ。そうすると、これはこういう調査が出たんですから、文書はいただきましたけれども、その後農林省で実態をお調べになったと思います。それはどのくらい著しく不利に押えられているんですか。
○説明員(原政司君) ただいまの御指摘の日額旅費の件でございますが、農林省といたしましては、補助の精算の基礎といたしまして、日額旅費は普及所長につきましては百四十五円、その他の普及員については百三十五円の十五日分というような額を計上いたしております。なお、御参考までに、足で回ります農林省の食糧事務所等を例にとりますと、たしか支所の方が百五十五円で、出張所は百十円になっているかと存じます。さようなことから見まして、必ずしも積算予算の関係から申し上げますと、普及員が現場で足をもって活動しておられる他の職種との間に著しくひどい不均衡があろうとは、ただいまのところ考えておりませんが、ただ先生御指摘のようた詳細な調査は持ち合わせておりません。
○天田勝正君 それは調査が出ているのに、あなたのほうでそれを受けて調査しないというのはけしからぬ話ですよ。これは直ちに調査しなければだめですよ。今同じ農林省内の食糧事務所のことを伺いましたけれども、私がこういう質問をするのは、人の待遇ということは、やはりきめこまかく考えなければいけないということが一つ、それからもう一つ、日本の最も悪いくせなんですが、一言で言うと、法科万能ということがいわれてきた。何か技術を加味したものは、下等の人間のように扱っている、これは事実なんです。それは昔を見てごらんなさい。同じ役人登用の、一番名門という東大を出たって、法科を出れば、たちまちに事務官なり、書記官になり、ちょっと年限がたつと、内務書記官で、県庁から給料をもらう者はない。別格上等の人間だ、こういうんです。ところが、それよりも子供のときから頭のいいので、工科を出てごらんなさい。今われわれの年数の人で、すてっぺんからこの県庁なり、何なりから給料をもらった人はまだ一人もいない。今の郵政大臣をしておる小津久太郎君というのは、あれは工事費から給料が支払われておる。今の神戸市長の原口博士はこれは工事費です。大学出で工事費から支給されるのであって、人件費という人間扱いじゃない。この伝統があるのです。私はこまかしいことを聞いておるけれども、その伝統がけしからんと言っておるのですよ。そこから出発して今の質問にこの際は移っているわけですけれども、第一、あなたがそういうのを調べないということだって、どだいそういう思想があるのです。たちまちこれは調べて下さい。それじゃ聞きますが、同類の行政職の外勤手当に比し、こういうのですよ。だから食糧事務所じゃなくて、同類の行政職の外勤手当はどうなっておりますか。
○説明員(原政司君) 先ほど私の説明が不十分でございまして、賃管の御報告のとおり、三十六年度の状態におきましてはかなり、何と申しますか、日額旅費が少なうございましたので、私らのほうといたしましても、三十七年度におきましては、三十六年度に対しまして約六割の単価のアップをいたしたのでございまして、その結果が先ほど申し上げましたような日額旅費の状況と相なっておるのでございます。御指摘のような他の職種との比較につきましては、ただいま持ち合わせがございませんので、御了承願いたいと思います。
○委員長(櫻井志郎君) 速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(櫻井志郎君) 速記をつけて。
○北村暢君 私は昨日から質問をいたしまして、大体問題点ははっきりしてきているのでございますが、まず、今度の普及員の普及手当以外の給与の予算の問題について、まず第一点として大臣にただしたいのですが、昨日の質問でも明らかになりましたように、現在の普及関係の予算の積算の単価が七等の四号を基準にして予算単価を組んでおる。ところが実態は、これは蚕糸関係、林野関係、水産関係、農地関係の開拓指導員、農業改良普及員を含めて、その予算単価では実態に合わないということは、きのうのいろいろの資料からはっきりしたわけであります。したがって、その実態にそぐわない予算を組んでおるのでありますから、しかも二分の一、もしくは三分の二の補助をするということ、法律または規程においてそういうふうになっておる。したがって、地方自治体では地方公務員法に基づいて、給与法に基づいて支給しておるのでありますから、これは実績主義であって、予算にかかわらずこれは支給しなければならない。こういうことになりまするので、そこで予算が、三分の二、もしくは二分の一ということでいっているものがそれだけいってないということになれば、結局自治体においてそれを負担しなければならない、こういう結果になるわけであります。したがって、この予算単価の実態にそぐわないものについては、ぜひひとつ実態に沿うように予算を組んでいただきたい。来年度からそういうふうに改められるということを、ひとつはっきり御答弁をいただきたいと思うのであります。 それはなぜそういうことを言うかというと、実績主義でありますから実際は低くない、理論的には補助職員は一般の地方公務員より給与は低くないはずなんです、実績主義でありますから。しかしながら、ここの調査にも出ておりますように学歴換算であるとか、あるいはあらゆる点から低くなるように予算の関係からして来ていないものだから、押えられているという事実、これは局長の答弁としては、そうではなしに、そういうことは押えられていない、一般の職員と差別なしに支給されていると言っておりますが、実際にこの調査に基づいても予算が来ていないために低くなっている。そういう点からいたしましても私は実態に沿った三分の二なら三分の二、二分の一なら二分の一とはっきり実態に沿った予算編成をしてもらいたい、これを一つ。きのうの関係ではどこのものを見ましても低いのであります。したがって、この点について大臣は来年度の予算編成において、自治体に迷惑をかけないように実態に沿った補助職員の給与単価を予算に組んでいただけるかどうか、この点についてまず第一点お伺いいたします。
○国務大臣(重政誠之君) 普及員の待遇の改善については、実はやらなければならぬと考えまして、本年の三十八年度も十分ではございませんが、ある程度の待遇改善の予算を計上いたしたのであります。これと同時に普及員の資質の向上をはからないといけないというので、その方面についても若干の措置をいたしたわけでありますが、ただいまお話しの実際に支給されております俸給と予算の単価というものが違う。これはなるほど違うわけでありますが、この俸給の予算単価も、これはもちろん考えなければならないわけであります。本年もこの単価の引き上げでやるか、あるいは手当でやるかと考えたわけでございますが、一応手当のほうで支給をするということにしたわけであります。一度にこれがいけばいいのでありますが、なかなかそうも参らないという関係もありまして、漸次これは改善していくという建前でやったわけであります。将来におきましては、ただいまお話しの予算単価というものを事実に合うようにこれを引き上げて予算を計上していきたい、こういうふうに考えております。 ただ、ここでつけ加えて申し上げたいと思いますことは、御承知のとおりに、県によりまして実際に支給されております俸給というのが違っておりまして、これはいろいろ県の事情もあることでございますので、その実績を直ちに予算単価にするというわけには参らないかと思うのでありますが、これは一応の全国的な標準を設けまして、合理的にひとつやっていきたい、こういうふうに考えておるのであります。御趣旨の点はよくわかりますので、私といたしましても将来できるだけ努力をいたして、御趣旨に沿うように努力をいたしたいと、こういうふうに考えます。
○渡辺勘吉君 ちょっと関連。今の点は、御趣旨に沿うようにしたいということですが、今の北村委員が質問したように、三十九年度予算にそれを現実に合うような、法律の三分の二というものに忠実なようなものを、三十九年度にはぜひ具体的に措置をしてもらいたいということに対する御答弁としては、非常に抽象的でありますが、その点をもっと明確に御答弁を願いたいとともに、具体的なこのなぜ予算単価と実際給料とが年々歳々この幅が開いてきて、現実には専門員の例をとると、実支給と予算の単価とを比べますというと、四六%、二分の一になっていない。なぜかと申しますと、これはベース・アップは見ているけれども、定期昇給は全然見ていない。それが毎年そういう形を繰り返しますから、したがって、その実際の単価との差がますます広がってきている。こういう矛盾をやはりはっきりと内容的に取り上げて解決をしないと、これは具体的な解決にはなりませんので、この点まで含めて、はっきり内容があるんですから、そういう矛盾を三十九年度の予算から大臣としては責任をもって予算の上に組んで、法律の指定するところに忠実に予算単価を組むという言明をひとついただきたい。
○国務大臣(重政誠之君) 私といたしましては、できるだけの努力をいたしますが、これは御承知のとおりに、予算の編成が農林大臣だけでできないことは御承知のとおりであります。誠意をもってできるだけやりたいと、こういうふうに申し上げるよりほかしようがないと思うのですが、御了承を賜わりたいと思います。
○北村暢君 誠意はあれですが、まあ大臣、農林省のことはよくわかっているのだから、誠意をもってやるということは、来年度からやるということに私どもはひとつ理解したいと思うのです。それで、今大臣の答弁で、初めのほうはちょっとおかしかったですけれども、との予算単価と実際の単価の差があるから今度手当をつけたんだと、こうおっしゃるんですが、そうではないのでありまして、今度の手当は、研究職とか、あるいは教育職とか、こういうものの非常に類似な仕事をやっておりながら、そっちのほうは高いし、普及員のほうは低いからそれに見合うような手当をつけたいと、こういうのであって、予算単価の問題と今度の普及手当の問題は全然別個なんです。あとの答弁のほうがいいのであります。したがってあとのほうの答弁でひとつ措置をしてもらいたい。 そこで、今渡辺君からもありましたように、一般の公務員なり地方公務員の給与の予算の立て方について、これは四%から五%の定期昇給分というものを予算の積算根拠に見ているんですよ。ところが、この補助職員にはそれを見ていない。したがって黙っておくと、どんどん下がっていっちゃうということは、渡辺君の指摘したとおりなんです。そのほか、きのうも特殊勤務手当というものが公務員に支給されておる。これは法律的にもあるものです。そこでまた地方の今度の普及員の実態調査の中にも実際は出てきている。そういうものを今まで予算に見ておらない。そういう点で非常に給与の面について、今までの予算編成過程において、もう初めっから忘れられているものがたくさんあるのです。したがって、これはもう実際にやはり困るのですから、実態に合うようにひとつ十何年忘れられておるのですから、忘れっぱなしになっているのが、今ようやっと問題になってきて、給与の問題も問題になってきている。そういう段階でありますから、ぜひひとつその点十分考慮されて、三十九年度からこれは一つ善処するということで努力していただきたい。 それから次に申し上げたいのは、実は今度の手番が、これは給与法上荷も該当しない、何というのですか、農林大臣の非常な英断によってどこにもついていない手当を一つつけたわけなんです。これは大臣の功績として、私は大いにこれは礼讃したい。なるほど、やはり大臣は相当政治家だから政治力があって、人事院にいっても断わられるような手当をつけたわけなんです。非常にその政治力を私は評価いたしますが、残念ながらこれは一〇〇%というわけにはいかないわけです。農林大臣の所管のほかの普及関係の職員が、蚕糸関係、それから林業関係の普及員、それから水産関係の普及員、それから開拓営農指導員、こういういわゆる普及活動をやっている職員がほかに相当多数おるのであります。これはまあ大体これだけ見ましても全体で約一万名近いものが、七、八千名になりますか、それぐらいの職員がおるわけでございます。したがって、私はこの農業改良普及員にのみこの手当がついて、ほかの職員につかないということについては、職務の内容その他について格段にかけ離れているならいざしらず、非常に類似しているというものがたくさんあるわけでございます。したがって、これに対しても私はぜひつけていただけないか、特に開拓営農指導員については、七百二十六名おるわけですけれども、そのきのうの答弁ですと六割、けさ担当課長に聞いたところによると大体七五%ぐらいまで改良普及員の免許を持っておるわけなんです。改良普及員の免許を持っている。そうして開拓営農指導員であるわけです。そうしてこれは事務所等においても机を並べてまん前におる。改良普及員と開拓営農指導員は同じ部屋で机に向っておるというのがたくさんある。そうして開拓営農指導員も農業改良普及員の免許を持っておるそういう人なんです。しかも、これは開拓営農指導員のほうは、農業改良普及員よりも技術的にいけば、相当高度の技術を持っておる。また経験も非常に持っておるのですよ。今度の農業構造改善事業を実施する場合に、農業改良普及員は稲なら稲の指導者、あるいは酪農なら酪農の指導者という専門化されている技術者が非常に多いわけです。したがって、農業構造改善事業というような計画を立てる場合に、総合的にできる計画を立てるというような人は、むしろ開拓営農指導員のほうが能力を持っておる。したがって、地方自治体では今農業改善事業を実施する際に、農業改良普及員と開拓営農指導員と人事の交流をやって、開拓営農指導員を農業改良普及員にして、そうして構造改善事業の計画をやろうとしている都道府県があるわけなんです。それで今片一方に手当がついて、片一方に手当がつかないという問題でしょう。しかも人事の交流をやろうと思ってもできない段階になって非常に困った事態なんで、片一方に手当をつけるならば、ぜひこの農業開拓営農指導員にもつけてもらいたい、こういう話が農林省の農地局の開拓関係のほうに、もうすでに県から陳情が来ておるのです。そういう実態の中で、私も実際にこの開拓営農指導員の方々から実際の仕事をやっていてどういうふうに違うか、どういうふうになっておるのかという実態を聞きましたら、何も変わらないのです。そういう変わらないものに、片一方において手当がつき、片一方につかないということで、今農業構造改善事業を推進する段階にきて、人事の交流をやろうとしてそれができない、そういう困った事態が起こってきた。それならいっそつけないでおいて人事の交流をやってからやってくれというくらいまで、切実な問題として今出てきたんですよ。こういう問題に対して、私はやはり農業改良普及員だけこの手当をつけて、そしてほかはつけないということについては、どうしてもこれは納得がいかない。しかも、農業改良普及員はこれは法律で制定しておる。農業開拓営農指導員は次官通達でやっておる。したがって、これは大臣がやろうとすればできる筋合いのものである。大臣が置いた職員ですから、法律でなしに。この農業改良普及員と違って、これは法律で今こうやって支給しなければできない。しかしながら、この開拓営農指導員は大臣の次官通達でできているのですから、その給与等についてもこれは何かの方法で大臣の処置でもって私はできるのじゃないかと思うのです。この法律を改正するだけの政治力を持っておる大臣なんだから。大臣中身が置いた職員なんですよ。その手当をつけるくらいは、これはやりようによっては私はできるのじゃないかと思うのです。しかも、今言ったような実態であります。したがって、これはぜひほかの普及員にも実施できるようにしていただきたい。これは今直ちにといっても、法律が通る段階でどうにもしようがないのかもしれないけれども、なお事務的な問題については十分検討してもらうとして、少なくとも三十九年度の予算編成期には、他の指導員に対しても普及手当をつける、これだけは農林大臣として言明をいただいてしかるべきでないか、このように考えるわけです。ひとつ親切な御答弁をお願い申し上げます。
○国務大臣(重政誠之君) 今御指摘の点は、勤務状況その他を十分に調査をいたしまして、そして御趣旨に沿うように努力をいたします。三十九年度予算には調査をいたしましたその結果によりまして努力をいたします。
○矢山有作君 ちょっとお尋ねいたしますが、今の御答弁は、北村さんがお聞きになったのは二つあったと思うのです。どっちに対する答弁ですか、それをまず伺ってみたいのです。一つの問いは超過勤務、特殊勤務手当等に対して三十九年度からやってもらいたい、これに対してどうこうという問題と、それからもう一つの問いは、他の同種の職務内容を持ったたとえば開拓営農指導員に対するこの手当をここで出るわけだから、これは三十九年度から出してもらいたい。こう二つに分かれておったわけです。質問は二つあったわけです。どっちの答弁かということを聞いて、その次聞きますから……。
○国務大臣(重政誠之君) 後者の分についてお答えをしたわけなんです。前者の分は、これはこれだけに限ったことではなしに、全般的の補助職員についてのお話でありますから、これはちょっとそう簡単ではないと思うのです。私がここでどうのこうの言ってみましても、実行上の問題ですから、でありますから、まず後者の問題について、普及員について今回手当を出すようにいたしました。その分は、やはりこの開拓普及員なり、あるいは林業その他沿岸漁業というようなものについての手当は、ひとつ調査をいたしまして、三十九年度からはできるだけ予算を計上するように私といたしましては努力をいたします。
○北村暢君 今、大臣から趣旨に沿うように善処いたしたいという答弁でしたから、私はこれ以上言うことないのですけれども、ただ問題は、そう簡単でないと私は見ておるのです。ということは、この普及手当の制度というものは、先ほど申しましたように、これは給与法にも何にもない制度なんですよ。で、どちらかといえば給与担当大臣とか、それから人事院に聞けば断わられる筋合いの手当なんです。それだから自治省としても、大蔵省としても、農業改良普及員以外には絶対にこれはもう拡大することはまかりならぬと、波及することをおそれているわけです。そういう性質のものなんです。わかったですか。ですから、そういう重大なことを大臣は今法律として出しておるのだから、これはへっぴり腰では、大蔵省に一ぺんでやられてしまうですよ。ですから、ことしだって実はほかの部局でも出したのだけれども、大蔵省から抑えられているのです。これはそういう性格のものなんですから、ひとつこのことは趣旨はよくわかりましたから、善処いたしますなんて軽く答弁されて、それで簡単に実現するとは私は考えない。そういうものでありますから、ひとつ農林大臣は、農林省内における部局の公平の立場からいっても、これは先ほど言ったように、確かに勤務条件全然同じだとは私は申し上げません。その実態を調査してもらうのはけっこうです。しかしながら、私は調査の結果、当然やはりほかの普及員にも支給さるべきだ、そういう結果が出るだろうということを想像しておるのです。そしてその実現は、はなはだしく困難であるということを一つ申し上げて、公平の原則からいって、大臣はひとつほかの普及員に対してもこれが確実に実施できるように、特に開拓営農の指導員については今言ったような次第で、今直ちに困るのです。人事異動をやろうとしているのですが、それができないのです。非常に困っておる問題なんです。早急にひとつ開拓営農指導員については、特にこれは、内部でできるのであったならば、三十九年度を待たずに人事の交流ができるような措置を、ひと農地局と農政局と十分連絡をとって事務的にそごのないように、私は皆さんの推進しようとしている構造改善事業には、いろいろ意見はありますけれども、その問題に直接今関係している問題だから、推進する上において、非常に情熱をもってやろうとしているとか、そういうことで計画を立てる。本人が今困っているのですから、それではたいへんですからぜひひとつ善処していただきたい。これは三十九年度を待たずしてひとつやっていただきたいと思うのです。以上のことをひとつ念を押しておきますので、再度御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(重政誠之君) 何もかもみんなよく御承知の上で、まことに理解ある御鞭撻をいただいたわけであります。十分調査いたしまして、私もできるだけひとつ努力をいたします。ことに開拓の職員等につきましては、調査の結果を持ちなして支障のないように私は善処をいたすつもりでおります。なお、三十九年度を待たずして何らかできる方法が見出すことができますれば、ひとつそれもよく省内で検討いたしておきます。
○矢山有作君 それでは、あまり時間がないようですから簡単に要点だけあげてお尋ねしたいのです。 先ほど北村さんの質問に対する前の質問ですね、それを中心にお尋ねしたいと思うのです。 この間からの質疑を通じまして、この普及員の勤務の実態その他を調査した貸金管理研究所の調査報告というのは、これは政府当局も認めておられると思うのです。その中で現在わずかに是正されたのが、その中の一つなんです。それは今大臣がお答えになった普及手当の支給なんです。これは本来なら研究職に近似しておるという立場で、その給与の適正をはかろうというのであれば、本来ならばわれわれとしては調整額支給という形をとるべきだと思う。ところが、それが現在の状況としてはできないので普及手当にしたのだ、こういうことで普及手当の割合を八%、一一%、こうやられたわけです。ところが、まだまだ抜けているものがたくさんあるのですよ。しかし、これはもう調査が完了してしまっているのですから……。その抜けてあるものをあげると、まず第一は何かといったら、改良普及の関係の職員について前歴を換算した前歴換算が不十分だ。したがって一般的に言うと、二、三号低いととろへ給与が押えられておる。こういう報告が出ているわけですね。それからもう一つは、超過勤務がこれは実際の超過勤務の実態から見て、ほんのわずかしか超過勤務手当というものが支給されておらないという、この問題もはっきり出てれるわけてす。それから特殊勤務手当が、これも非常にまちまちで、支給されていないところもあるし、支給されておるところもある、こういう実態が出ておるわけです。そういう点について、これは是正すベきだという方針まで打ち出されて、答申の中に出ているわけです。そうすれば実態を調査して善処するというのであれば、実態調査は出てきてしまっているのだから、これはわれわれとしてはここですぐやれないとすれば、三十九年度からやるのだという方向というものをはっきり打ち出してほしいと思うのです。それをまずお聞きします。
○国務大臣(重政誠之君) これは先ほど申しましたとおりに、都道府県の補助職員は普及員だけではないわけであります。いろいろ設置してございますが、その補助職員につきましては、俸給の基本的なものについて補助をするという建前になっておりまして、今も超過勤務手当とか、あるいは特殊勤務手当というようなものについては補助しないということにもうすべてなっておるわけであります。これは都道府県にまかしておる。こういう建前になっておりますから、この普及職員に限って今のお話しのような超過勤務手当とか、あるいは特殊勤務手当を補助するということは、これはちょっとなかなかむずかしいことだと思うのであります。大体全体の補助職員の建前を変えれば別でありますが、これはちょっと三十九年度からというお約束は、私にはいたしかねるわけであります。
○矢山有作君 今おっしゃったように、補助しない建前になっておるとおっしゃるのですが、それは地方公務員だからと、こういうことなんでしょう、おそらく、ところが、それじゃ今の法律に基づいていて、それが設置されておる、しかも地方公務員に対する給与は、これは超過勤務手当、特殊勤務手当も支給されることになっておる。それを現在の勤務の実態から見て、非常に給与待遇が悪いということがわかっておって、それを今まで補助していないから補助しないのだということでは、これは済まされぬと思う。特に普及員の活動の重要性というものは、この間からわれわれも当局側からも十分聞かされておるし、われわれも今後の日本の農業の方向から見て、その活動の重要性というものは十分認識しておるわけです。そうすれば従来やっていなかったからやらないのだということじゃなしに、そういうことを認めておるのだから、それをやっていなかったということが間違いなんだ。それを是正していくという方向に向いていかなければこれはうそなんであります。
○国務大臣(重政誠之君) そういうようなのは、都道府県にまかしておるわけであります。したがって、しいて言えば、地方交付税を交付するときには、そういうものも考えて交付するとかいうようなことで、県によってそこのところはまちまちになっておりますが、これは全体に影響する問題でありますから、ちょっとここで私が幾らねじを巻かれてみても、それをいたしますということは言いかねます。
○矢山有作君 だから出しますと言いかねる、ここではお答えできぬかもしれぬが、そういうことであるならば、私が今言ったようなことを認めるならば、そういう是正するという方向を大臣は持つべきだというのですよ。それでしかも、地方自治団体の職員だから地方にまかしておるのだという形をとるならば、現在の姿においてすら、ここに資料が出ておるように、各県の財政力その他によって非常に普及員に対する待遇がものすごい差があるわけです、倍近い差がある。そのものをそのままにしておいて、地方にまかしたのだから、そういった手当の問題についても今後考えられんのだということになれば、これは地方の財政力による待遇の差が拡大していくだけなんです。そういうことで、はたして普及活動の完璧が期せられるのか。特に待遇の悪い県というものは、最も普及員の活動を要する後進県、いわゆる農業を中心に考えていかなければならぬ県が多いわけです。そこの普及員ほど活動が強化されてくる。それに対して待遇が伴わないという結末がくるから、そういうことじゃなしに、それを少しでも是正しようと思えば、政府としては、私が今申し上げたような考え方から、今までやっていなかったからやらないのだということじゃ困る、やるという姿勢でやってもらわぬと、この手当を出してこれで普及員に対する待避改善になったのだと、これで済ましてもらってはいけませんぞということなんです。
○国務大臣(重政誠之君) 今回の手当を予算に計上いたしましたので、何も済まそうとは思っておらないわけであります。先ほど北村さんのおっしゃるとおりに、努力をいたしますと、こう言ってやれそうなものはひとつやりましょう、非常にむずかしいようなものまで一緒こたにそこでねじ巻かれて約束しろと言われても、これはものには順序がある、だんだんにいかなければ、私一人で皆財布を持っておるわけじゃないから、(「それはがんばるのだよ」と呼ぶ者あり)がんばるものはたくさんあるのですから、それだからだんだんに、よく事情は御了承を願っておることと思うのでありますから、まあこれ以上幾らねじ巻かれても、承知しましたとは言えませんから。
○渡辺勘吉君 ちょっと……。
○委員長(櫻井志郎君) 渡辺君に申し上げますが、あと一分しかございませんから……。
○渡辺勘吉君 はなはだ時間がなくて遺憾ですけれども、私は大臣にこの法案に関連して、強く具体的に要請して御回答をいただきたいのは、北村君が取り上げた第二の問題であります。これは農業改良普及員だけが、手当の対象として法律が提案されておるのでありますけれども、具体的な例としては、開拓営農指導員の例を北村委員からあげましたが、これは一例であって、現業関係の改良指導員においても、また蚕業普及員においても、水産のまた改良普及員においても、地方の実態から見れば、これらの普及員は農業改良普及員にまさるとも劣らない資質を持って、日夜その職務に励んでおる実態であります。しかも、調査をしてからこれをやるという言葉に、私は非常に危惧を感じるのは、新たに調査費を計上して、たとえば来年度の予算に、三十八年度の予算にはないから、そうしてその調査の実態によってあらためてやるなどといえば、これは実施は少なくとも四十年以降になるような内答の調査をしてということでは、これは承服ができない。少なくとも政府が三十六年に百十万の調査委託費を出して、なぜ農業改良普及員の実態だけを調査しているか。大臣は同じ職種の同じ性格の職員を掌握している立場で、そういう点ははっきりと今度の賃金管理研究所の中でも同じ位置づけというものがはっきりしておる。ただその間で取り上げられなかったというのは、何といいますか、農林省の中の一つの優劣の順序があるのかどうか。役所の中の縄張りがあまりに露骨に出ておる。地方から見れば、改良普及員であろうが、林業普及員であろうが、同じ農業構造改善をやる場合にも、いわゆる国有林の処理の問題、あるいは公有林、民有林とのかね合いでも現地における問題がある。そういうときに、それらの職員に優劣があって勤労意欲を削減し、また県によっては、それらの補助率の低さの上に兼業化が進行しておる、専任者がだんだん減ってくるような、そういう状態の中で、こういう事態をふまえていけば、これは私は三十八年からということは申し上げませんが、少なくとも三十九年からは、これを具体的にやはり補助対象に取り上げて、地方において不当な波乱が起こらないような措置を、農林大臣の責任で善処するということをここで確約をいただけませんければ、この法案に対する私たちの協力する態勢が出てこないという追いつめられた立場で質問しているのですから、たった三十秒でいいですから、その点の大臣の責任ある御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(重政誠之君) この問題は、先ほど北村委員からもお話がありましたとおり、非常に何もかもわかって理解ある御鞭撻を受けておるわけであります。先ほども私が申しましたとおりに、ほんとうにこれは誠意を持ってやります、努力しますということを言っておる。これからこの調査をして、そうして四十年からでなければできそうにないというお話でありますが、そういうことは考えておりません。三十八年度において、何とか、調査費はありませんが、予算に計上しておりませんけれども、それぞれの農林省の機関を動員をいたしまして、できるだけの調査をいたしまして、三十九年度予算にはこれを問題にしよう、そしてできるだけ大蔵省とも折衝をして御趣旨に沿うことができるように努力いたします、こういうことを申し上げておるのであります。御了承を賜わりたいと思います。
○委員長(櫻井志郎君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(櫻井志郎君) 速記を始めて。
○天田勝正君 先ほど指摘いたしましたことは、私としてはきわめて重要に考えております。それはどうも、これは等申という形ではございませんけれども、農林省におかれて賃金管理研究所に委託をされて、委託されて出てきた答えというものがここへ提示されておる。その中のものがさっぱり農林省の中でこなされておらない。こういうことになると、どうも従来日本の役所の悪い癖である技術職あるいは技術的な職務の者に対する冷淡、こういうものが現われてきておる、私はそういう見方を実はするわけであります。 これとは別個でありますけれども、過日私は委員長を通じて資料の要求をいたしました。それは農林省関係の各委員会の処遇はいかが相なっておるか、その比較表を出してもらいたいと言うて要求したのでありますけれども、いまだ提出されておりません。これもけしからぬ話なんです。この際なぜさようなことを言うかといえば、たとえば政府に各種の委員会がありますが、行政委員会もあるし、調査委員会も審議委員会もある。しかし名前は別だけれども、まあ大蔵官僚が大かた横すべりする、あるいはその出身者が多い日銀政策委員というのは非常勤です。常勤なら私は今ここで比較しません。ところが非常勤の日銀政策委員は三百六十万で、それで手当が八十何方ですか、ということなんです。およそ責任の度合いといえば、日本では総理大臣が一番責任の度合いが高いはずなんだけれども、はるかにこれよりこえておるんですね。ところがこれと比較して農林省のほうの漁港審議会委員なんていうのは、きわめて技術的で、そうして議運においても、私は議運の理事も兼ねておりますけれども、議運においても漁港審議会委員が出席が悪くてまことに不勉強だという議論は一ぺんもあったことはない。ところが、そのほうは日額千六百円でしょう。おそくなって帰れぬとき、木賃宿か、釜ケ崎かなんかああいうところなら泊まれるかもしれぬけれども、まともなところへは泊まれないような差がある。これは実に唐突な例のようだけれども、ここに技術者、そういう高いほうの審議会委員でさえもこういうえらい冷遇されておる。だから、私は毎日農民に接して、寒いこのごろであっても、ほっぺたがち切れるような中に自転車あるいはオートバイを飛ばして指導に歩かなければならない農業改善普及員のごときは、うちの中で暖冷房の中にいるよりも、それだけでも待遇をよくしてしかるべきだ、基本的な考えをそういうふうに持っておるわけです。ところが一向、さっき指摘しましたように、どうも調査は十分でない、実質的に不遇であると指摘されておるけれども、その不遇の状態はさっぱり知らない。まことに遺憾であります。さっそく調査して下さい。これは注文しておきます。 そこで次に、実際の金銭的な処遇でないけれども、その次に指摘されております研究職との相違点、これは次のごとく書いてある。「試験、研究機関のように、分化した単一の形態では進め難い。また方法的にも直営によることは少く、多くは農家に委託して実施するので、経済的負担が農家にかかることから、その進行の困難さは試験場や研究室で専従できる研究職と趣を異にする。改良普及員は普及事業を遂行するためには、この困難を打開しなければならない。」こう言っておるんですが、その困難を打開するのはどうしたらよろしいかということです。どうですか。 〔委員長退席、理事堀木立案古着席〕
○説明員(原政司君) ただいま御指摘がございました試験場の試験研究と普及員が、あるいは普及職員が行なっております調査研究と申しますか、そういうものとの間に、いろいろ異なっておりますし、また非常にむずかしい点があるということでございますが、御説のとおりでございます。その点につきましては、試験場でいろいろ御研究をいただきました諸成果を農家の圃場で組み立てまして、そして農家にいろいろやっていただいて確信を持っていただき、また現地で普及性のあるものに組み立てて参るというのが重要でございますので、農林省といたしましては、都道府県の試験場に対しまして総合助成という形で、さような試験を農家の庭先で行ないます際に必要な経費を助成をいたしております。
○天田勝正君 それは、助成するというのは過去のことでしょう。だから過去やっても、なおこの困難を解消しなければならないと言っているんですよ。ですから、これは処遇と関連もあるといえばあるし、処遇とは別であるという見方もできますが、けれども、この困難を打開しなければならないというのは、何とかしなけりゃならぬ、こういうことなんですよ。ですから、それは今の論法で、何とかしなけりゃならぬほうは地方庁でやるんだ、こういうこともありましょう。しかし、それは何とかしなきゃならぬというんですから、農林省としてもそれを受けて、どうすればいいかという答えを出さなけりゃならぬと思う。過去、こうしていますというんじゃないんだ。過去こういう助成があっても、なおこういう困難があるというんですからね。いかがですか。それもまあ研究不十分なら研究不十分とはっきり言いなさいよ。
○説明員(原政司君) 先ほど御説明申し上げましたように、農家に御負担をかけますことは当然避けるべきでごさいますし、また、普及員のほうといたしましても、先ほど申し上げました現場の調査、あるいはそこでいろいろ指導いたしますに必要な経費といいますか、それは先ほど申し上げましたように、三十七年度におきましては、約六割の充実をさしていただいておりますし、 〔理事堀本宜実君退席、委員長着席〕 農家に対しましては、先ほど申し上げましたように、御負担がかからないようにも経費の助成を都道府県に対してやっております。
○天田勝正君 同じく法案を通過せしむるにしても、やはり私は、ここで大ぜいの見方で議論されるということは、案外皆さんが研究されているのに気づかない点もある、それが指摘されるんですから、それは私どもけしからんと言うけれども、さればといって、やはり気づかない点も人としてあれば、それを指摘されたら、やはり、研究してみる、検討してみると、こういう謙虚な態度で臨むべきだと思いますよ。今の答えは全然答えになりませんよ。これと含めて聞きますけれども、今のように、打開しなければならないという言葉じゃ書いてありませんが、その上の行政職との相違点の一番最後のほう、「各人の責任分野は広くかつ、きわめて重い」と書いてある。それは重いのはなぜかというと、こういうのはなかなか言い回しがうまくできていて、「行政職のように一貫した職階的指導指揮系統により担当分野が明確に分担されることなく」と、こういうんだ。これを天田式に翻訳しますと、こういうことなんですよ、皆さん方役所におられる、私なら私が行くと、これはこれこれですかという質問をすると、いやそれは今係がいませんよと、こういうわけなんだ。各分担で分かれ分かれ、そしてそしらぬ顔をしておられる。そういうのも一つある。さもなけりゃ、いや、それは責任者がおりませんから私は答弁の限りでございませんと、こういうようになる。この手の連続で、しまいには三年もかかっちまっているということができるわけなんですが、ところが改良普及員は、そうはどっこいいきませんということが書いてあるのですよ、翻訳するとね。そうはできない。あと、ほかの人が言ってくれないから、おれはだまっているのだというわけにはいかない。個人々々が農家に行って指導するのだから、そこでその方々一人々々が独立して自由裁量によって業務が遂行される、こういうのですから、自分の考えで、自分の経験で、自分が研究したところで答えなきゃならない、こういうわけなんです。 そこで、「各人の責任分野は広くかつ、きわめて重い」、こう指摘されれば、広いものを狭めるか、重いのを幾らか軽くする方法があるか、こういうことになってきますが、この検討はなされましたか。
○政府委員(齋藤誠君) 今の天田先生の御質問に答える前に、付言させていただきたいと思いますが、実は、まさにその普及員というものの職務の内容が、ここにありますように、指揮命令の系統によって担当分野だけをやればよろしいというものじゃなくて、一人一役で、すべてのことを、自分で直接農民に接触しながら判断して指導していかなければならない。こういう特殊の職務ではないだろうか。それが今の一般行政職の俸給表で取り扱われるということについては、給与上の措置といたしまして、そこに何らかの欠陥があるのではなかろうか。普及活動の遂行に対して十分報いるような体制になっていないのではなかろうか。こういうことから、実はわれわれの、賃管に調査を委託して、実態を明らかにしてもらいたい、こういう趣旨で実は始めたものであるわけでございます。 そこで、賃管の報告で、確かに行政職とは、このような点において違う、責任の度合いにおいても、はるかに重い。あるいはやる範囲におきましても広いといったことが、客観的な報告として明らかになったわけでございます。 そこで、そのような報告を受けまして、しかるがゆえに、普及員については、職務上でもいろいろの特殊性もあり、責任の度合い、あるいは職務の複雑さであるとか、事務遂行上の困難な点があるとかという点を実は勘案いたしまして、そういう場合においては特別の調整額という方法がある。そこで、まあ調整額という方法を考えました結果、その調整額については、先般申し上げましたように、だんだん整理する方向であるということで、普及員手当というものを出したわけでございます。したがって、普及員手当を出すという根拠を、実はここで明らかに職務の内容としていたしたわけでございますから、負担が重いから、それについてどうするか、あるいは先ほどお話がありましたように、困難を打開しなければならない、それに対してどうするかとかということではなくして、そういう職務の実態であるのだということを、ここで明らかにして、それに対して改良普及員手当を出す、こういうことにいたしたわけでございます。
○天田勝正君 それは私どもの受け取り方と違うのですよ。だから、この指摘の部分は、処遇改善と関連はあるけれども、必ずしもそれではないと私は言っておるので、それは処遇改善しようと、ここの、責任が広くかつ重い、これをどうするか。このどうするかの方法の一つは、昨日来、北村委員等から質疑がなされました補助職員、こういうものが要るということに私は当然発展するだろうと思うのです。だから、広くかつ重いのですから、かりに過重勤務であれば、幾らこの金銭上の処遇改善をしてみたところで、長きにわたって、広くかつ重いものを押しつけていくわけにはいかない。これはやはり健康上の問題にもなってきます。ですから、その分をやらなきゃいかん、こういうことを私は指摘しているのだと思うのです。 そうだとすれば、やはり補助職員が、昨日来指摘されましたけれども、ここにも書いてあるとおり補助職員というのは、補佐職員というのは、大部分は協力会というものがあって、そこから人入れ稼業みたいにお手伝い願っておるのであって、こういうところの配慮が足らない。これは農林省ばかりではなく、地方庁でも配慮が足らない。これがやはり必要ないということになれば、私はこうなると、次のごとくなると思う。なるほど、大臣が先ほど答弁されたように、補助というものは、基本給にだけ出します、一般的にみんなそうでございます、こういう等分であるけれども、それじゃ補助もしない、今御審議される、手当を法律できめるというのは、一体何たることか、こうなるんですね。撞着します。けれども、それを中央でこれこれ必要なりと認めて、それが法律になり、あるいは法律にはならないまでも、行政しの処置となって現われれば、そのものにずばりと補助金というものがなくても、地方に行けばそれが基準財政需要額のうちに含まれる、基準財政需要額のほうがふえてくるのだ、だから、自然に地方税の配分等、こういうものに考慮されるから、ですから、直接の補助金という形でなくても、やはり地方に、あるいはその職種の人に裨益するところは確かにあるのですから、だから私は、そういう面でも、これを農林当局にみてもらわなければならない、こう思います。いかがですか。
○政府委員(齋藤誠君) お話の点は、われわれもそのように考えておるわけでございますが、はなはだ恐縮で、繰り返して申し上げるようになりますが、一番初めの「普及職員の待遇等に関する報告」という、一ページのところに、普及職員の職務というものは著しい特殊性が存存しておる、その特殊性は何であるかといえば、別表一をごらんなさいということで、今お話になりました二十ページのところに、その相違点、特殊性が書いてあるわけでごございます。そこで、このような負担の重さであるとか、あるいは責任の度合いが重いとかというようなことに対応する措置といたしまして、先ほど来申し上げましたように、一つには待遇改善の措置も必要である、さらにまた、十分それをこなしていくような能力を付与するということが必要であろうということで、研修制度については三十八年度以来、非常な拡充をいたすということにいたしておるわけでございます。さらにまた、普及員に今後当たるべき職員の資質の向上ということが必要であるということもあわせ考えまして今後の任用資格にあたりましては、任用の基準を引き上げるというような措置も考えまして、任用資格の研き上げ、研修の強化、普及員手当、われわれはこれを一貫して、この普及職の特殊な性格に対応して今後強化いたして参りたい、こう考えておるわけでございます。 なお、それ以外に、普及負の活動について必要な経費につきまして、ここにありますような、いろいろな特殊性がございますから、それを円滑にやらしめるような配慮につきましては、御指摘のとおり今後とも努力を重ねていきたい、こう思っております。
○天田勝正君 だんだんやっているうちに、どうも、局長はこの本をよく読んでないんじゃないかというような気がしてくるんだけれども、これはあれですよ、確かに今のお答えを聞いておりましても、なんでしょう、そういう責任が広くて重くて、こういうことなんですから、そこを何とかしなければならないというのを、当人だけの待遇改善であるとか、あるいはまた研修をして、その人個人の能力を高めればと、そういうことだけに私どもは考えていないんですよ。 それはなぜかというと、これも私の独断じゃないんです。初めの報告の説明の中にそれがあるんですよ。説明の部分の7をごらん下さい。そうしますと、「普及活動に伴う整理事務」、この部分までは確かに個人の能力を高めることによって可能であろうと思います。ところが、その次に、その「整理事務のほか、県の農林行政各課に対する諸報告事務等に忙殺されている」、こう書いてあるんですよ。だから、つまり自分の仕事の範囲内における、これはだから、言うならば処遇改善してみたり、研修して能力をぐっと高めることによって、それはやり得るでしょう。しかしまあ人の仕事といってもいいようなことに多く報告を求められるから、そのほうにとられちゃって、もうやり切れぬというようなことなんですね、言葉を変えて言えば。それであるんですから、私はあっさりと、これは当然地方庁——そのまとまりは自治省ですけれども、そういうところと、僕は農林関係だけでなしに、まあ、この場合農林でしょうけれども、地方へ移譲してある仕事全般について、農林当局としては一ぺん合同研究のようなものを、それこそそれを管理している皆さん方のほうの研修をやる必要があると思う。いかがですか。
○政府委員(齋藤誠君) 普及員の活動の内容といたしまして、県の農林行政各課に対する諸報告の事務に忙殺されているというふうに書いてありますが、お手元に、改良普及員の普及事業の現況という資料の三十二ページに、活動状況の割合が書いてございまして、これによりますと、三十六年度の県からの報告でございますが、記録報告等の事務に従事している活動の割合でございますが、一五%、それから生活改善でありますと二〇%、こういうような割合になっているわけでございまして、この程度のものは、あるいは当然事務的な仕事に従事することになろうかと思いますが、まあ、だんだん御意見のありますように、事務のふえるということについての対策も考えなければならないと思いますけれども、同時にまた、改良普及員がやはり本来の業務に精進する、専念する、つまり農民に直接接触して農業の技術指導に当たるというのが、本来の任務でありますので、とかく普及組織でありますので、これを便宜、行政のいろいろな報告、調査の手足にするというようなことについては、われわれとしても、できるだけそういう負担がないように指導していかなければいかぬ、こう考えているわけでございます。まあ、しかし現実には一五%なりあるいは二〇%なりあるわけでございますから、そういうような面についての事務負担の軽減、あるいはそれに必要な経費の助成といったようなことについては、なお十分配慮して参りたい、こう思っております。
○天田勝正君 そういうまあ答弁を受ければ、私は、どうもやむを得ないと、こうなるんです。局長ね、もう答えは、それでよろしゅうございます。よろしゅうございますが、指摘しておきますが、実際、中央におる人とは感じ方がまるで違うほど、事務というのが、ほんとうに役所仕事というのは多いのですよ。これもほかの例ですけれども、私埼玉ですが、埼玉で構造改善の町村か二カ所指定されている。片方が遠慮して、片方が今遠慮しようかすまいか、そのしようかすまいかのほうが私の生まれた村です。町村合併してあるから恵まれている町で、旧村の男沼という町ですが、その遠慮をする最大の理由は何かというと、とにかくわれわれが見る国の予算書より出す書類が多くなってしまうのです。とてもこれではやり切れぬと、こういうことなんです。ですから、あなた方のように脳の構造が果てもなくいい人が、みんな各町村にいればいいのだけれどももなかなかそうはいきませんので、これはよほど事務量の軽減ということを考えてあげないと、改良普及職だから、全然事務をとらない、そんなわけにいかないと思う。いかないから、いくならいくように——戦後になって学校でも、事務職員を雇えるようになった、それも補助の対象だと、これと同じようにやはり配慮してやれば、私は事務量があっても、それをこなしながら普及の仕事に専念できる、こういうことになると思います。これは答えを聞きましたからもう答弁を求めません。そういうふうにぜひしてもらいたいと思います。
○委員長(櫻井志郎君) ちょっと速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(櫻井志郎君) 速記起こして。
○天田勝正君 そこで、これも指摘し、かつ答えが得られれば、なおさらけっこうですが、あまりこういう農村の末端のことに当たりましては、もうむずかしい文章や答弁でなく、私は簡単に翻訳していったほうがいいと思うのですが、研究職の相違点だって、こういうことをいっておるのですよ。「現地における課題の発見乃至、現地対策に必要なテーマを対象とするが、」云々と、こうなっている。このことは例をとれば、研究職ならば、あるいは苗木をふやす、そのさし木の方法は土だんごにさせばどうなるとか、そういう基本的なことはやれると、さて普及員のほうは、それだけでは足りない。この土地、この土はさし木に都合がいいか、こういうことを実地に即して教えなければならぬ、こういうことをいっておるのですよ、天田式翻訳をすれば。だから、そういうことは現実にあるのです、それは試験場やなんかで教わってきたって、うちへきてみると、わが家のほうの土じゃさっぱりつかない。ところが安行というところが、あれだけの植木の産地になったのは、あそこの主ならば、竹と松のほか全部つくのです。 そういうことは大学の研究室でやったってもしょうがない。これは改良普及員がやるよりほかない。ですから私は基礎的研究がいいかげんでよろしいということを言っているのでなくて、これを実態に即しながら普及するという人は、それに劣らざるやはり責任もあるし、直ちにそれが、朝鮮あめのくじみたいに、ためしためしじゃだめで農村にやらせて、その農村を経済的に高めていく、これが損したら、うらまれるのはその人ですね、試験場じゃうらまれることはまずない。そういうことですから、私はこういう特殊な職務については、初めから今直ちに、今度の法案によって根本的に直せということを申し上げておるのではない。そういう分を含めて、全体として今度の改正の場合は、検討したものをひとつ提出していただきたい。こう要望するのですが、いかがですか。
○政府委員(齋藤誠君) まことに貴重な御意見でございまして、確かに現地における普及員の苦労というものは、たいへんなものだろうと存じすす。今後十分配慮いたしまして研究いたしたいと思います。
○矢山有作君 それでは委員長が時間を急いでおられるので、なるべく早く質問を打ち切ろうと、こういうことで、われわれも最善の協力をいたしまして、簡単にやりたいと思います。 一つお聞きしたいのは、私どもが聞く話では、最近農業改良普及員とか、あるいは生活改善普及員というのが、やめる人がかなり多いという話を聞いておるが、説明資料をもらって、どこにそのことが出ておるかと思ったが、ない、その実態はどうですか。
○政府委員(齋藤誠君) 年々の最近における更新率は、大体三、四%ということでございます。なお、一般的に他のほうに転じていくというふうな、待遇上の関係からいくというふうなことも、よく耳にいたしております。
○矢山有作君 今、退職の状況を聞いたんですが、待遇上の問題でかなりの退職者が出ておるということのようですが、もう一つは、これはいただいた十三ページあたりの資料にあるのですが、最近改良普及員を志望していくという人の数もだんだん滅っておるようですが、これは実態は、やはりこういう減少傾向にあるというふうに考えたらいいのですか。
○説明員(原政司君) 改良普及員につきまして受験者の状況を申し上げますと、十一ページのところに新規採用者というのがございますが、それと対比して、改良普及員について御説明申し上げます。 三十四年度におきましては、受験者総数、つまり改良普及員の資格試験を受けられました数は、千九百八十名でございまして、三十五年度は千七百五十七名、三十六年度は千四百二十七名ということになっておりまして、受験者は若干減っておりますけれども、新規採用の数に比べますというと、かなり志願者のほうが上回っているというのが実情でございます。
○矢山有作君 そうすると、退職者はかなり出るし、それから改良普及員になろうとする希望者は、だんだん減ってくるし、しかし合格者を見ると、これはあまり減っておるようじゃないようです。試験のことですから、そこは最低限度の数は確保するように、いろいろやるでしょうから、それはそれとして、この間からの説明を聞いたり、また説明書を読んでみると、特に強調されておるのは、農業構造の高度化に従って、その普及活動をやっていく、そのためには、資質の向上をはからなければならない、したがって、研修を強化しなければならない、こういうことが言われて、説明資料を見ると、かなり研修計画というのが詳細に出ているのですが、そうなってくると、一方では研修が非常に強化されてくる。一方では改良普及員というものが、なり手はあまり多くないし、やめてくる者はできるし、現状の人数で見て、はたして徹底した、そういうような研修をやるかたわら、普及事業の万全が期せられるのかということが一つ問題になると思います。 特に資料で見て、改良普及員がどの程度おるのかということを見てみると、これは非常に少ない数ですね。おそらく新市町村あたりで考えたら、二、三名程度じゃないか、このくらいに推察されるような資料です。一人頭五百五十四戸ぐらい農業改良普及員で担当するというのですから、非常に改良普及員の数も少ないということになるし、それからまた、さらに今後選択的拡大ということを非常にやかましくいって、果樹だとか、畜産だとかいっておりますが、そういう方面の普及指導のできるメンバーがどうなのか、人員がどうなのかということを考えてみると、これは一つの普及所あたりに考えたら、そういう特技を身につけた者が一人ずつ配当できぬくらいの数ですね、現状が。こういうように普及員の数が非常に少ない状態の中で、しかも研修を強化する。はたして、普及活動に万全々期することができるのかどうか。実際の普及活動のほうがおろそかになって研修が行なわれていく、そういう姿が出てくると、これは農民にとっては困ったことになるが、この辺はどうなんです。
○説明員(原政司君) ただいまお話がございました、改良普及員の活動の時間的な配分につきましては、お手元に御配付申し上げました資料の三十二ページにございまして、研修の割合といたしましては、農業が九%、それから生活が一一%ということになっております。大体一〇%前後が現存研修の時間として費されている状況でございます。 なお、お話のございました選択的拡大の線に沿いまして、適切な指導をしていく陣容の点でございますが、三十ページをお開きいただきますると、「特技研修の実績と今後の計画」という表がございますが、その表の作物とございますのは、あるいは耕種と申し上げたほうがよろしいかと思います。農機具その他を含んでおりまして、作物というと、ちょっと言葉が不適当でございますが、畜産、園芸、経営、作物というふうに大きく分類をいたしまして、三十六年度までに三千九十一名の方が特技研修を終了されておりますし、また、下の欄でごらんいただきますと、三十七年度には千三百五十六名が特技研修を受けておられるわけでございます。御承知のように普及事務所の数は千五百八十六でございますので、一事務所二、三名——三名ぐらいの方が、現に特技研修を終えられて御活動願っておるという状況でございます。 なお、御指摘のございました研修の強化に伴いまして、いろいろとそこに問題が出はしないかという御指摘でございますが、確かにその点は、私らといたしましても、残った方々に過重に負担がかからないようにということにつきまして、各県と御相談申し上げまして、特に普及活動を能率的に運営いたしますには、どのようにしたらよかろうかということで、法律改正の点につきましても、専門技術員の職能に、新しくさような普及活動を最も能率的にやっていくには、どうしたらいいかというような、専門技術員を特に設置さしていただきまして、ただいま御指摘のような点に、十分努力して参りたいという考えでございます。
○矢山有作君 私が言いたかったのは、そういうふうに研修が強化される中で、現在のような貧弱な普及員の陣容で、幾ら普及活動の能率化のために専門技術員を置いて、それを担当させるような研究をやるといっても、絶対数が、現在のような不足な状態で、しかも一方研修を強化していけば、これはおっしゃるとおりに普及活動をおろそかにしないで済むということには、私どもは常識でならぬと思うのですね。 そこのところを、今後普及活動の強化をはかっていく、しかも研修を強めていくというためには、やはり普及員の数自体の問題について考えなければならぬのじゃないかと思うのですが、これに対して、将来普及活動の実態からして、これを増員していく、そういったような考え方というようなものは全然ないのですか。
○政府委員(齋藤誠君) ただいま申し上げましたのは、普及部長申し上げましたように、研修に伴って普及活動がおろそかにならないようにということは、十分配意したいと思います。 そこで、普及員全体の人員について、どういうふうに考えておるか、多いとか少ないとかいう御質問でございますが、農業改良普及員につきましては、現在総数一万八百六十二名おるわけでございます。資料の三ページですが、三十七年が一万九百三十七名、三十八年が一万八百六十二名ということになっておるわけです。農業改良普及員につきましては、大体この程度の人員で事足りるのではなかろうかというように考えておりまして、一普及員の担当戸数が、先ほどお述べになりましたように約五百戸くらいになるわけでございますが、普及員の数といたしましては、大体現在の数で事足りる。ただ、生活改善普及員のほうにつきましては、農業改良普及員が一人約五百戸に対しまして、現在では、今回百七十名増員いたしましても、なお三千戸くらいになりますので、これにつきましては、今後増員していく必要があろう、こう考えております。
○矢山有作君 こういう数で、はたしてこれでいいのか悪いのかというような問題は、これは水掛け論であって、あなた方のほうで、これで十分だと言えば、それはまた、あなた方はそれで十分だという資料を持って十分だと言うのだから、これは幾らやったって水掛け論になると思うのです。 しかし、私どもとしては、私の考えるのは、現存の状態ですら、旧町村単位でいったら一町村当たり普及員がせいぜい一人というのですね。実際に農民の声を聞いてみるというと、普及活動というものが、なかなか徹底してないというのが現実なんです。しかも農業構造の高度化につれて、果樹だ、畜産だというようなときに、そういった面の普及員が非常に少ないということも、この間出した資料に見られるとおりなんです。 そうだとしたら、やはり構造改善を進めていこうという立場に立たれるならば、私はやはり現実の農民の声というものを尊重して、それにこたえていくような対策を積極的に立てられるというのが、あるべき姿じゃないかと思いますが。
○政府委員(齋藤誠君) お話の点、あるいは農村の現実から、もう少し普及員を増員する必要がある、こういう事態もあろうかと思いますが、他方、また最近における農村の要望としましては、一般の普及員と同様の営農指導員が、農協なりあるいは市町村なりにおる。むしろ農業改良普及員については、一日も早くもっと専門化し、資質の高い者にむしろしてもらったほうがいいという要望もあるわけでございます。 そこでわれわれとしては今後の技術指導の要請にこたえまして、できるだけ早い機会に現在の普及員のレベル・アップをまず考えるということに重点をおきたい。そうすることによって、末端のほかの営農指導員なんかと和協力して普及活動が強力に展開できる、こういうふうにもっていくというふうに考えたいと思います。そうしますと、現在は人数については不足するというところもあるかと思いますが、むしろ全体としては、大体この程度でいいのではないか。少なくとも、すみやかにレベル・アップをするというところに重点がおかるべきではないか、こう考えております。
○矢山有作君 そうすると、今のところで御答弁に出てきた話で、将来、農協の持っている営農指導員その他の、普及活動に果たす役割というのは非常に重大視されてくるわけですね。 そうなってくると、私どもがまず知りたいのは、現在の農協の営農指導員がどの程度あって、また、実際に営農指導活動がどういうふうになされておるのかということを実はある程度ちょっと知りたいのですが、その点ちょっと説明していただけますか。
○政府委員(齋藤誠君) 今ちょっと誤解があるような答弁をいたしたかと思いますが、もう町村は、農協の営農指導員で事足るのだというふうに申し上げたのではないのであります。むしろそういう営農指導員のあるところは、現在においても普及活動がいっそうタイアップしてやるという上においても非常に効果をあげている。今後においても、そういうことが非常に望ましいのじゃないかということを申し上げたわけであります。 他方農協のほうの営農指導員が何人おるかということでございますが、これも実態は必ずしもよくわかりませんが、われわれの調査したところによりますと、農協に配置されている農業技術指導の技術者ですね、これが一万一千五百人ということになっておりまして、そのうち技術指導のみに従事する者がその四割、約四千五百名、それから技術指導を主として行なっている者が五割、五千七百名、合計して一万一千五百名のうち九割ぐらいが営農に主として、あるいはもっぱら従事しておる。他の一割につきましては、それ以外の業務を主として行ない、あるいは技術指導は全然行なっていない。しかし農業技術職員ではある、こういう資料がございます。
○矢山有作君 そうするとですね、しかし、やはり普及活動強化という点から見て、現任の普及負をあまりふやしていかないということなら、やはりこれらとのタイアップというのは、非常に重要性を持ってくることは認めますね。そうなると、現在の農協の営農指導員の資質はどうなのかということが、一つ問題になるのですね。もし、その資質が十分でないとすれば、農協の営農、指導員の資質を高めるという問題も、一つ重要な問題になってくる。 もう一つは、私ども直接農協の仕事に関係してないので、具体的な例をあげて申し上げることはできませんが、われわれが聞いておるところでは、案外普及活動の実際の面において、普及員と営農指導員の仲が、実際連絡協調できて効果的な普及活動が行なわれておるというふうには、そういう例は、案外そうざらにないわけです。どちらかというと農協の営農指導活動と普及員の活動とが、どうもうまく調整できていかない、こういう弊害がままあるということを聞いているわけなんですがね。そういった問題を解消する努力が今後なされてこなければならないと思いますが、そういったことの実態なり、もし、そういうことであるならば、それをどういうふうに解消してゆくのか、そういうことについてのお考えがあればお聞きしたいんです。
○政府委員(齋藤誠君) 農協の職員と、それから改良普及員とのタイアップが十分行なわれていないのではないかという点でございますが、まあそういうこともあるかもわかりませんが、私どもは、むしろ非常にうまくいっているのではないか。と申しますのは、今ちょっと資料が見つかりませんから後ほど申し上げてもいいんですが、普及員の農協に駐在している職員というのは、たしか四、五千名ということになっておるわけです。したがって普及所から各市町村に行きます場合に、農協の建物に一時駐在所を設けてやっておる例が非常に多いのではないかというように感じておるわけでございます。 今後におきましては、今回改良助長法の改正の中に、第二号の専門技術員を置きまして、この専門技術員については、特に農業団体、市町村あるいは教育機関、これらと密接な連絡のもとに普及活動が効率的に行なわれるような、そういう指導を行なうという専門技術員を設けることにしたわけでございまして、今後とも、そういう努力をしてゆきたい、こう思っております。
○矢山有作君 今の議論も、また水かけ論になるわけですな、あなたのほうは、説例しておられる立場としては、営農指導員と普及員とが、有機的な連絡をとって十分な普及活動が行なわれておる、こういうふうにおっしゃるだろうし、われわれがまま見てきておる例では、そういうものばかりもないわけです。そうするとやはりそういった実態がどうなっておるのかということを、私どもは、やはりあなた方に十分知っていただく必要があると思うんです。ただ概括的にいうて、うまくいってるだろうということでは、こういう普及員の数が非常に少ない状態の中で、しかも高度の活動を要請される普及活動というものが円満にゆくとは思わぬです。だからその実態というものはやはり的確につかんでいただく、と同時にそういう欠陥がある場合に、それを是正する努力をやっていただかなければいかぬと思うんです。 それと同時に、農協の営農指導員の資質の問題ですが、これは私は農協の営農指導員の私ともの知っておる中には非常に優秀な人もあります、しかしながら考えてみて、農協の営農指導員の給与の実態というものは、非常に悪いということは御存じでしょう。そういう非常に給与の実態の悪いという中では、普及員以上に、常識として、一般論としていうならば、なかなか資質のいい人を求めてゆくということがむつかしくなる場合も考えられるわけですね。そうすると、現在、そういう状態の中にある営農指導員の資質を、いかにして高めてゆくかということも重大な問題だと思うんです。これは国の関係のものでないから、農協の職員だから、それは知らぬというのでは、これはやはり普及活動の強化にはならぬと思うんです。その点どうお考えになりますか。
○政府委員(齋藤誠君) 先ほどの資料が見つかりましたので、 先にそれをお答えさせていただきます。ちょっと資料が古く昭和三十二年度でございますが、農協に駐在している他同体の農業技術員の調査でございまして、四千六百四十四名が農協に駐在しておる、こういう数字が出ております。それから農協の中で技術職員を置いてない組合が四割、四千三百二十二組合、こういうことに相なっております。あとは一人かあるいは二人、こういうふうな調査結果でございます。 今の農協の技術職員について、国がもっと援助すべきではないか、これにつきましては、先ほど答弁したとおりでございます。十分、今後われわれも配慮して参りたいと思います。ただ、農協の技術職員を置きますには、また、それぞれの組合の業務の一環として組合の販売活動あるいは購買活動と結びつけて、いろいろ技術指導されている面もあろうと思いますので、どういうふうな技術講習をやるか。これは一律的な行き方ではなかなかむずかしい面もあろうと思います。特に組合で、各県の農業の奨励事業の一環として普及活動をやっているというような実態でもございますので、今にわかに、農協の営農指導員について、国としてどう援助すべきかということについては考えておりませんが、しかし、いろいろの講習会を県に設けております。そういう際におきましては、農協の営農指導員なんかもできるだけそれに参加するようにしたいというようなことは考えていったらいいのじゃないかと思います。
○矢山有作君 じゃ、今農協の営農指導員を置いておる実態というのを、ちょっと説明していただいたのですが、これは資料も古いでしょうが、しかし全然置いてないのが四〇%ということですね。そうすると、その後かなり増加したといっても、まだかなりの数の営農指導員すら置けない農協があるだろうと思うのです。ところがそういう農協は、どんな農協かというと、やはりこれは弱体農協ということになるわけですね。そうするとそういう弱体農協があるそういう地域こそ、やはり普及活動等が非常に要請される地域であると思うのです。 そうすれば、これは農業団体の問題になってきますが、そういう農協に対しても、今この数の少ない普及員の普及活動を有機的な関連のもとに強化していこうということになると、そういうところに、やはり積極的に営農指導員を置くようにしなければならぬだろうし、また、ただ講習会等だけによって、その資質が高められるということだけもいえないし、これはいろいろな要素がからんでくると思うのですね。それに対して、やはり農協の職員だからということだけで、私は積極的な農林省にしての指導の方針というようなものが出てこないのかどうか、そういう点が、ちょっとわからないのです。
○政府委員(齋藤誠君) 多少、ちょっと先ほど言った言葉が不十分であったかと思いますが、普及員の配置、あるいは普及員の活動の組織、これはたびたび申し上げておりますように、われわれといたしましては、中地区制をとる。さらに普及員の中においては、担当の地域をきめて普及に当たる、こういう考え方をとっておるわけでございまして、そこでその町村において、農協の営農指導員等があれば、これにできるだけ密接な連絡をもってやるようにしていきたい、こういうことを申し上げたのであります。したがって組合が、営農指導員がおるから配置の状況をかえるとか、あるいは、いないから配置の状況をかえるとか、こういうことでは必ずしもないわけでございます。大体、今の普及員で全町村をカバーするだけの一応の組織を持っておる、こうわれわれは思っておるわけでございます。 そこで、第二の御質問の、農協の職員について、意味がちょっとくみ取れなかったのですが、大事なやはり指導をやっておるわけであるから、国もそれに対して、営農指導員の人件費助成でもしろ、こういう御意見でしょうか。ちょっとよくわからなかったのですが……。
○矢山有作君 まあ、端的にいえばね。
○政府委員(齋藤誠君) もしそういう意味でございますれば、農林省としましては、一応普及指導体制ということで考えておりますので、民主的な組合で自主的に設置されている営農指導員に対して人件費を助成するという考えは、今のところ持っておりません。
○矢山有作君 時間の関係で、もうそろそろやめたいと思うんですが、今御質問申し上げたことを総括して私の希望は、御説明を聞いたところでは、十分な普及員があるとこうおっしゃるのですが、私どもは、今後の農業の方向に沿った高度な普及活動をやるために、現在の普及員の状況を見ると、これは私は必ずしも十分だとはいえないと、これは抽象的な論議になりますが感じますし、さらに今後、研修が強化されていくうちでは、おそらく普及活動にますます支障を生ずるという事態も起こるだろうと思うのです。そういう意味では、普及員の充実ということを私としては、今後農林省に検討していただきたいということ、さらに農協の営農指導の問題が出たのですが、その実態というものを、もう少し的確につかんでいただいて、そうして、それとの有機的な連携のもとに普及活動が徹底できるような、そういう指導、そういったものを積極的に考えていただきたい、こういうふうなことを要望して、私の質問を終わりたいと思います。それに対してちょっと。
○政府委員(齋藤誠君) 十分御意見を尊重して考えて参りたいと思います。
○渡辺勘吉君 農政局長にお伺いいたしますが、この普及員の現況というものは、一応農業改良普及員については現状でよろしいと、こういう矢山委員の質問に対する答弁でありますけれども、期待する側からいえば、かなりこれは不十分であるということは現実であります。それはさておいて、それはそういう事態だということを、ひとつ局長は実態をもっと勉強してつかんでもらいたい。決して十分ではない。それは期待する立場からいうているんですよ。それをひとつ踏まえて問題と思いますのは、非常にその期待する機能が、不十分な員数の中において、いわゆる主事制を昨年から逐次設置をしてきておる。これは限られた現在の改良普及員のうちから減員して、普及員という現地における第一線の活動の分野からワクをとって主事制を設置する。三十八年度は、農業改良については百七十五人ですか、それから生活関係では十五人、十五県についてその主事制をさらに強化していくということですが、一体こういう方向というものが、さなきだに員数に対して不足を告げておる今の制度の十全なる運用を意図する方向からは、この主事制というものは、新たにプラスアルファとして起こしても、その性格上にも問題があるが、その質問に入る前に、そういう限られた非常に不十分な陣容の中から、第一線の活動するそういうものをさいて主事制を設置するという意図は、一体どこにあるかをまず伺いたい。
○政府委員(齋藤誠君) たびたび申し上げておりますが、現在、改良普及員に何が一番農民から要望されておるだろうか。これは一つには、やはり技術の高度化に伴いまし、それに十分耐えるような指導をしてもらいたいということ、同時に、その普及員の普及内容といいますか、あるいは普及活動の効率化といいますか、さらにつけ加えていえば、普及活動に基づく成果が上がる方法を確実にとるということが、一番現在普及員に対して私は期待されているものであろうと思っておるわけでございます。 そこで日本の普及員約一満二千名おるわけでございますが、普及員の数においては、おそらくこれは世界に冠たる数字であろうと私は思っております。問題は、いかにこの効率を上げていくかということが、普及制度について重要な今後の課題であろうと思います。そこで、現代の普及員の中から、さらにこれを効率化するような人が必要である。ところが、これらの人は、何としてもそとから入った人では十分その任には耐えられないだろう。十分、普及員についての経験を持って、そして普及の効率化をはかっていくことが必要だろうと、そういう意味で普及員の中から、この定員を振りかえるということにいたしたわけでございます。
○渡辺勘吉君 私は、今のような抽象的な答弁を聞いたって納得できないんです。一体、今の農業改良普及員の置かれている位置づけというものは、かなり複雑な管理職が上にあるわけです。県には改良普及課があり、またその事務所には所長がおる。そういう中に、さらに改良普及員の中から管理職的なものをということは、これはやはり改良普及員の監督を意図するものであり、また、現業の員数をさいて、そういう管理的な新しいポストを次々と制度化していくということは、またこれは、第一線の普及員の労働強化にはね返る。世界に冠たるというのは、一体どういう機能をもって冠たるものであるか、その具体的な納得のいくひとつ説明をもっと実は聞きたいが、時間がないからあとで……それで、その点は一体どういうことなんですか、その冠たるという言葉をひとつ……。
○政府委員(齋藤誠君) 言葉がますければ訂正さしていただきたいと思いますが、日本にいろいろの普及事業に関連いたしまして外国から普及事業の専門家が参りまして、日本の各町村に担当できる程度の人数がそれぞれそろっておるということについては、つまり組織の整備の面については、これは確かに非常にすぐれた組織であるということをたびたび聞いておるわけでございまして、その点を申し上げました。
○渡辺勘吉君 そういう自信のないことを、抽象的に大みえを切ることはやめてもらいたい。非常に内君がやはり問題だから、ここでいろいろ問題を詰めているわけですよ。もっと謙虚に、やはり実態の上でひとつ御答弁を願いたいと思う。 で、その主事制を普遍化していくというねらいを、それは県がそれぞれの機能においてやっておる、そういうやはり役割を、国が示すものを県が果たしておるというならば、これは、あらためて現業員の中から主事を設置するということをやめて、そうしてこれは自治体独自にまかして、信頼をして地方にやらせる。地方のそういう担当部課の管理体制、研修の積極的な取り上げ方というものに、これは国としては指導的に問題を出せばいい。繰り返すようですけれども、こういう中から非常に——今矢山委員も指摘したような、期待する立場から言えば、非常に不十分な中から、こういう主事制を設置するということは、今の御答弁では、これは納得いたしかねます。 それから、どうも委員長に協力しておるんだけれども、さらにせいということで、きょうで質問が打ち切りでありますから、たくさん伺いたいけれども、それいう制約のもので、二、三さらにお伺いをいたしますと、この今度の法律改正の中に、政令の条項があるわけですね。第十四条の五第一項、これについては、昨日その政令規定見込事項の御配付をいただきましたが、この見込みの資料の内容を、もう少し具体的に説明をまず伺いたいわけです。たとえば「常勤の職員」云々ということ。それから「農林大臣の定めるところ」の内容。まあ素朴に言って、先ほど言った農業改良普及員、この資料の三ページにあるもの、この全体を含むのか含まないのか。一体、この政令の内容は、どこら辺まで、その対象とするのかを、この見込み事項の内容として、ひとつ納得のできる説明をまず求めます。
○説明員(原政司君) それでは、ただいま御質問の点について御説明を申し上げます。「農林大臣の定めるところ」というのがございまして、その「月のうち一定期間次の各号の一に該当しないこととする」云々とございますが、産業教育手当等の先例等を参考にいたしまして、一月のうち十六日以上引き続き欠勤をしている、もちろんここに書いてございますように、公務傷害でございますとか、あるいは本務でございます管内の指導等は別でございますが、引き続き十六日以上一カ月のうち欠勤をしているというような場合は、その月は、農業改良普及手当の支給の該当者にはならないということで、ただいま研究をいたしております。なお専門技術員それから改良普及員が常勤の職員であるということ、これは、たとえばほかの行政各課を主といたしまして普及事業のほうを兼ねているという方があれば、それは該当しない。また看板は普及員でございまして、実はほかのほうに、全く地方事務所の仕事を専念してやっているというようなことでも困りますし、そういった点が「もっぱら従事する」ということの内容として考えておりますが、ごく具体的なしさいな点につきましては、ただいまも都道府県等の御意見を徴しまして、検討いたしている段階でございます。
○渡辺勘吉君 そうしますと、私ちょっと聞き漏らしたから、あるいは重複してまたお伺いすることになるかもしれませんが、一カ月のうちで十六日以上欠勤した場合は、この手当の支給対象にはしないということですね。
○説明員(原政司君) 引き続き十六日以上ということで、検討をいたしております。
○渡辺勘吉君 まあ一カ月のうちで、ずっと続いて十六日以上休んだ者はその月の分は出さない、こういうことですね。
○説明員(原政司君) お説のとおりでございます。
○渡辺勘吉君 それ自体も、かなり問題があるんじゃないですかね。一カ月のうちに、まあもちろん飛び飛びに休む意味じゃないにしても、半月以上休めば、もう手当が出ない、こういう激務に従事している者が、そういう場合にはもうカットするというような政令の考え方は、かなり問題があると思うんですがね、これは意見ですから。それから看板は普及員だが、実際はよその仕事をしているというケースは、これはあるのですか。
○説明員(原政司君) さような事態がございましたら、支給の対象にいたさないということで考えております。
○渡辺勘吉君 どうもそういう非常に世界に冠たる中で、ちょっと涙の出るような考え方で、もう少し信頼して、ひとつ政令運営もあたってもらいたいと思うのですが、これは担当者が聞いたら、ほんとうに涙の出る部長のお話だと思うのですよ。それからこの普及員の中で、普及員ではあるが、事務を担当しておるゆえをもって、この政令の交付対象から除くというようなケースはございませんですか。念のため。
○説明員(原政司君) 専門技術員並びに普及員の職務につきましては、法律でも御指定をいただいておりますので、さような事務に伴いましたいわゆる事務をやっておりますれば、必然それは本務と私たちは考えております。
○渡辺勘吉君 それでは、この点はまずこの程度で、一応次に進みますが、この事務の取り扱いについては、きのうは局長は何かさっぱり、事務担当補助者がいる普及所もあるし、いない場所もあるような、非常に実態を全然知らない答弁をしておるのですけれども、私は念のため、そのことがほんとうかどうかということで、限られた時間でありましたが、できるだけその実態を先ほどまで聴取をいたしたのです。そういうケースはないのですね。どこでも事務職員がおって、きのう北村委員が質問したように、事務をやったり、留守瀞その他連絡一切の仕事を各普及所でやっているわけですね。そういうやはり事態の中で、今度の予算では、月二十五日に対して日額三百円の補助をして、八か月で打ち切るということをやっておるわけですが、あとの四カ月は、その人たちはどうなっているかということの上に、そういう予算を立てておるか、その点を局長から伺いたいのです。
○政府委員(齋藤誠君) 事務職員につきましては、人夫賃ということで計上いたしておりますが、年間雇用しておるような場合におきましては、おそらく県がこれに継ぎ足して経費を計上いたしておるということになっておるのだと承知しております。
○渡辺勘吉君 そこで問題は二つあるのですよ、実態は。人夫賃であろうが何であろうが、それで、もう先ほどの天田委員の話のように、人扱いにしないだけ、まだましだと思うのですよ、人件費の中の人夫賃ですから。そういう中で、わずか月に直しますと、これが七千五百円。ところが実態は、外勤を主体とする普及員の活動を絶対完全ならしめるためには、やはり事務的に掌握する責任者がなければならない。それが人夫賃で、政府から軽くあしらわれて月七千五百円のしかも八カ月を限って出すのです。そのあとの不足は県が出すだろうということ、そのこと自体が、やはり基本的な問題の一環として地方財政を圧迫しておる。地方財政もこれをなかなか負担しかねるので、いわゆるPTAなるものが、これをバック・アップしておる。これは全音協ですね、PTA——全国農業改良普及職員協議会、これが毎年三億以上の支出をして、これらの政府の不十分、不徹底な事務職員に対する補完的な役割を果たしておるのが実情ですよ。いいですか、局長。だから、そういうような事態で、あとの四カ月まるまると、それから八カ月の間の倍額以上の、これは今ごろ一万五千円や二万円で来る人がないのだから、七千五百円しか人夫賃として出さないから、あとまるまるが、ほとんどそういう外郭団体でこれをささえている。そういうことだから、やはりこの運用というものが、適正になかなかいきかねる大きなネックになっている。だから、いつまでもこういうような、二階から目薬のような措置では、これはむしろ半殺しになって、非常にこの制度自体の総合的な機能を発揮する役割を期待することができない。これはやはりことしの三十八年度の予算に何とか操作をして、もっとそれらの、本来他のやはり運営に投下すべき金を、こういうものに負担させるようなことじゃなしに、政府自体のやっぱりもっと責任で、これを本来の事務職員に、完全にその仕事をやらせるような、そういう措置が三十八年度にできないですか、人夫賃の処理は。どうです。
○政府委員(齋藤誠君) 三十八年度に、運用上人夫賃を一年間雇用するようなことに運用できないのか、こういう御質問でございますが、その前に、今お話がありましたように、実情といたしましては相当事務職員を置いて、それが協力会という形で応援を受けているような格好になっていることも承知いたしておるわけでございます。実は三十八年度予算の作成にあたりまして、その取り扱いをどういうふうにすべきかということにつきましても、いろいろ内部で検討いたしたわけでございますが、昨日、北村先生に私の見解を述べましたように、やはり普及所というものが、だんだん役所化していって、事務職員一人置き、さらに女の子も置くといったような形になることが、はたして普及所のあり方としていいであろうか、どうであろうか。やはり普及員のたまり場であって、そこで会議をし、あるいは普及計画の相談をして、そしておのおのの普及員が直接農業の指導に当たるということであって、あくまでも役所を中間に作るというような考え方ではまずいのではなかろうかという考え方をとっておるわけでございます。したがって、必要な事務費について人夫賃の増額というようなことは、考えといたしましても年間雇用の常勤職員を置く、そのために必要な経費を計上するという建前につきましては、現在のところ、われわれまだそういうところまでいくべきではないのではなかろうか。こういう段階でございます。
○渡辺勘吉君 まあ、ひとつ検討してもらいたいと思うのです。そうすれば三十八年度には、やりくりなんという非常に粗雑なことを申し上げましたが、これはやっぱり適正な運営から言って、好ましい期待する方向でもないから、十分ひとつ検討していただきたい。 と申しますのは、きのうもあんたは、この普及事務所の機能をたまり場と称している。言葉じりをつかまえるようですけれども、私たちは、こういう中地区に設ける普及所というものは、やっぱり山村地帯に存在する改良普及事務所の場合は、林業指導、あるいは養蚕の指導というものも、そこにやはり総合的に設置して、そして近くのやはり農山漁民が、農業センターとしてそこに親しみを持つような場として、私は総合的に農林省として、そういう機能を拡大する方向にやはり考えていただきたい。これは私は、地方のささやかな体験からこれを申し上げるのです。したがって、きのう以来しつっこく他の同志の、普及職員に対する待遇問題に私がとらわれているのも、そういう大局的なやはり立場に立って、せめて農林省全体でも、ひとりよがりの弊に陥らずに、もっと声なき方面の正しいあり方も、あなたが先導して問題を解決する役割をやはり果たすべきじゃないか。調査は勝手に自分でやれ、自分らはとにかくやる、あなたのほうは、私の質問についてはわかりませんというような、そういうつれないことじゃなしに、やはりやってもらいたいというのも、たまり場というような、そんな理解の仕方じゃなしに、数少ないやはりそれぞれの業種の指導員を、そういう場所に総合的にこれを設置して、総合的にやはり地域の実態に応じた指導に当たらなければ、受ける農家としては非常に困る場合が幾多の事例においてあるわけですから、そういう場合に、事務を担当する者が八カ月、日額三百円というようなことでは、官僚化するとか、そういう言葉のあやではなしに、私は期待する方向としては、そういうことを前提とするがゆえに、問題をここで出しておるわけですから、ひとつ省内でも、十分検討されまして、もし私の期待する方向が、将来これらの普及員の総合的な機能を地域の実態に即して発揮する正しい方向であるというならば、三十九年度には、もっとこれらを政府としても予算の上に大きく位置づけて、この予算を実施するような方向で組んでいただきたいということであります。 いろいろまだ、自治省を中心として農林省との関連する問題も十二、三件ございますけれども、これはとても、やり出しては時間が二時間くらいかかりますので、非常に残念ですが、きょうの審議に積極的に協力するにはとても、あまり長過ぎるから、ここら辺で割愛をするということで、もうやめておきます。
○委員長(櫻井志郎君) 本法律案に関する質疑は、これにて終了することに決したいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(櫻井志郎君) 御異議ないものと認めます。 よって本法律案に関する質疑は終局することに決定いたしました。 本日は、これをもって散会いたします。 午後四時三十二分散会