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43回国会参議院1963/02/22

農林水産委員会 第11号

発言数
115
登壇者
13
会派数
3
開催日
1963/02/22

会議録

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) ただいまから委員会を開きます。  狩猟法の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより本法律案について参考人の方々に御意見をお述べ願うわけでございますが、その前に参考人の方々に一言ごあいさつ申し上げます。  当委員会におきましては、ただいま本法律案の審議を進めておりますが、特に参考人の方々に御出席をわずらわし、御意見を拝聴することになった次第でございます。参考人の方々におかれては、御多忙中のところ御出席をいただき、ありがとう存じます。委員会の運営の都合上、御一人おおよそ二十分程度で御意見をお述べ願えれば幸いと存じます。  なお、本日は警察庁から保安課長が出席しておりますので、その点御報告いたします。  では、山階参考人からお願いいたします。

山階芳麿日本鳥類保護連盟理事長

○参考人(山階芳麿君) 日本鳥類保護連盟理事長山階芳麿でございます。このたびの鳥獣保護及び狩猟に関する法律につきまして、私の考えております点につきまして申し上げたいと思います。時間も短いことでありますから、最初に私の考えております結論を先に申し上げまして、次いで、あとから個々の問題について申し上げたいと思います。  山階は、今回の法律案につきまして、全体としましてたいへんよくできておると思います。これに賛成と申しますか、よい法案であると考えております。ただし、私は鳥獣審議会の一員としまして、このことに関する審議にあずかりまして、答申が審議会から出されたわけであります。その中の個々の問題につきましては、今回の法律に盛られておる部分と盛られていない部分とございます。ただ、その場合におきましても、急を要するもの、あるいはしからざるもの、いろいろあるわけでありまして、今回の提出されました案につきまして逐次申し上げてみたいと思います。  まず、過去のこの種の法律、すなわち狩猟法におきましては、もっぱら鳥類は捕獲の対象として見られておったわけであります。ところが、文明の進みますに従いまして、鳥類というものは次第に減少して参る。そして、ことに農業、林業、そういったようなものが進んで参りますに従って、あらゆる力をそういう方面に傾倒する必要があり、その際、有益な鳥獣を、その力をかりていくということも非常に重要になって参りますし、また一面、文明によって、次第に精神的に荒廃しがちな人間の気分をやわらげ、そして生活の環境をよくしていく、そういう意味におきましても、野生鳥獣というものの価値というものが非常に高まってきておるわけであります。そういう意味におきまして、諸外国におきましても、野生の鳥獣というものを国民の共有のものとして、そしてこれを大切に保存していくということが文明国の一般の趨勢であります。こういうところにおきまして、わが国におきましても、この法律をそういう保護というものを建前とした法律に改められるということは、まことに時宜に適したことであると思います。そして、このことを法律の第一条において明らかに述べられておるということは、まことに時宜に適したものであると考える次第であります。  さらにまた、この保護をしていくにつきまして、保護の計画を作って、そして、その計画を実行していくという、こういう考え方も非常に大切なことでありまして、これが取り入れられておるということは、まことに時宜を得たことであると思うわけであります。この計画の中に、いろいろな項目がありますが、わが国におきまして現在最も欠けております点はどういう点かと申しますというと、一般国民の鳥獣の重要性ということについての認識がまだきわめて低いという点であります。それで、これを啓蒙して、国民すべてがこういうものを大切にしていくという気風を作ることが必要なのであります。ただ単に、法律の条文を整備するということだけでなしに、それが実際に運営されていくのには国民の協力が大切でありますが、その意味におきまして、鳥獣の保護事業に関する啓蒙を計画の中に加える、こういうことはまことに有意義なことであると思います。また、この鳥獣の生息の状況がはっきりしておりまして、そして初めて正しい施策がそこに打ち出されるわけであります。この点、過去においては、わが国ではきわめて不完全な状態でありました。こういうことがこの法律の条文に盛られるということは、まことに時宜に適したことであると考える次第であります。後に組織の問題に関連してもう一度この点について申し上げたいと思いますが、諸外国におきましては、この点はきわめて進歩した方法をとっておるわけであります。  それから、その野生鳥獣というものは、本来非常に文明国においては大切なものであって、そうしてこれを保存していかなければならぬという、そういう基礎的な観念に立ちますならば、この狩猟というものを、過去、現在におきまして、どこでもすることができる、ただ特定な個所でのみは禁止せられるというような行き方は、どちらかといいますと、古い考え方ではないかと思います。将来はやはり、鳥の種類が一般には禁止されておりまして、そうして現在許されるものが表として掲げられておる。それと同じように、狩猟もまた許される部分を許して、それ以外のところでは狩猟しないというような建前に将来はなるべきであると思います。ただ、しかし、現在は過渡的な時期でありますから、それと調和するために保護区とかいうようなものをできるだけたくさん置く、さらにまた禁猟区というものが新たに定められ、そういうことによってなるべく捕獲する場所を少なくして、そうしてそれを保護していくということをはかっていくということは、現在の段階においては適当であろうと思います。  それから、猟具の問題であります。審議会の答申におきましては、空気銃を猟具から除くことが望ましいというふうに答申されておるわけであります。これは審議会においてもるる論議されたところでありまして、空気銃というものは猟具としてはきわめて不適当なものであります。非常に違反をしやすいものであります。それで、実際の正当なる狩猟というものに使われる余地は非常に少ない。諸外国におきましても、たとえば英米のごときはこれを狩猟に使っておらない、主として射的のために使っておるというふうに聞いております。将来、日本におきましても、そういう線に指導していくべきものであると考えております。  それから、これは近年新聞その他においても御承知のように、いろいろな違反事故あるいは危険な災害というものが銃猟において発生いたしております。これは現在の狩猟家の相当な部分に、そういうものに対する知識の欠けておる人々が含まれておるということに基づくのでありまして、これをなくなすことは、狩猟を適正化する重要な道であると思うのであります。そこで、答申の際には、やはり試験を課して、試験に合格した者が狩猟の許可を得るということの形になってほしいというふうにやっております。これもまた、将来はそういう方向に進まるべきであると存じます。今回の法律におきましては、講習会を開催して、そうしてその課程を終了した者に証明書が与えられる、そうして許可が出るということになっております。これは決して完全な方法だとは思われませんけれども、この行政的な段階におきまして、この適正であるかどうかということについて、十分に御配慮あって、この条文が有効な働きをするように希望をいたす次第であります。  それから、今回の法律におきましては、今までいわれておりました禁猟区というようなものを全部保護区に入れられ、その一部分を特別保護区とするということになっております。これは法の面におきましてはまことにけっこうなことでありますが、ただしかし、これが真に効果あるためには、そこに組織と費用というものが付随しなければならないわけであります。この点につきましても、終わりに組織の問題について希望を述べておきます。そのときにそれに触れたいと思っております。  それから、狩猟に関して今回休猟区というものが設けられておりますが、これは新しい試みでありますが、過去におきましてもこういう制度を設けることは狩猟鳥類を保存する上に非常に重要であるということをわれわれは主張しておったところでありまして、今回それが採用されたということはまことに喜ばしいことであります。  やはり組織の問題に付随しますけれども、都道府県に専任の職員を置くべきであるという答申になっておりますのに対して、今回の法律では、非常勤の鳥獣保護員を置くということになっております。これもやはり一つの進歩ではありますけれども、将来は専任のそういう吏員が都道府県に置かれるということが絶対に必要なことであると考えております。  それから、罰則であります、違反に対する。これは戦後一応改めたわけではありますけれども、決してこの罰則は重いわけではなく、むしろ軽きに失するものではないかと考える次第であります。たとえば保護区などの施設というようなものをこわしたりなんかしたりするような場合、ここでは第二十三条で一万円以下の罰金ということになっておりますけれども、たとえばアメリカのごときは、そういう場合、ごく軽微なものでも五百ドル、ちょうど十八万円ぐらいの罰金が課されておるわけです。何も罰金の額が多いのがよいというわけではありませんけれども、やはりその犯した罪が重いものであるということを印象づけるためには、適当なる罰金の額が課されるということは必要なことであると思われます。  今回の法案に対する一般の意見としましてはそのようなものでありますが、そのほかに、先ほども触れておきましたような、答申案にありまして、今回の法案に取り入れられていないものが一、二あるわけであります。たとえば、土地の買い取り制度。ある種類の鳥獣を保護するためには、保護区を設ける。そこに施設をし、いろいろな制限を加えることは当然必要になってくるわけでありまして、そこに補償の制度もあるわけではありますけれども、きわめて重要な場合におきましては、その制限が所有者の権利に対して非常な圧力となる場合もあり得るわけであります。アメリカのほうでは、こういうような保護区におきましては、原則として土地を買い上げるということになっておるわけであります。そうすればそこにそういう問題がからみませんから、徹底した保護ができるというわけであります。日本で今直ちにそういう制度が困難であるとしましても、将来はやはりそういう制度があるということは、保護を徹底させるについて非常に重要であると考える次第であります。  それから、先ほどもたびたび触れておきましたが、組織の問題があります。今回の法律案におきまして、保護の面についていろいろな進歩した条文が加えられておりますが、それを実際に有効ならしめるためには、一面においては国民そのものの理解ということが重要でありますと同時に、その実現をはかるところの組織というものが非常に重要なんであります。ところが、現在の段階におきましては、遺憾ながらその組織が非常に薄弱なのであります。たとえば、保護に関する事務を管理するところの課というようなものが現在日本にはないのであります。アメリカ等におきましては、こういう行政を主管する局がありますし、その中に幾つかの課がありまして、そして保護区を管理する課、あるいはまた調査のための課と、いろいろな課がありまして、実際の働きを非常に活発に行なっているわけであります。真の目的を達成するためには、やはりそういうことについて実行のできる最小限度の組織が必要であると思うわけであります。将来そういうものが実際に組織として作られるということが非常に望ましいわけであります。  ただいま申し述べましたごとく、今回の改正が、過去にずっと行なわれておりました狩猟法に比較しまして、一段と進歩したものであり、これが適当に運営されますならば、文化国において必要なる鳥獣保護というものも過去に見ない効果を上げることができると思うわけであります。ただ、しかし、それには今申し述べましたように、いろいろ組織その他付随した問題がありますので、今後そのような問題を逐次解決していただきまして、そしてこの法の目的が達成されることを望んでやまない次第であります。  これをもって終わります。

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) ありがとうございました。  植月参考人にお願いします。

植月浅雄大日本猟友会副会長

○参考人(植月浅雄君) 私は大日本猟友会の副会長をいたしております植月浅雄であります。本日、狩猟法の一部改正の法律案に対する参考人としてお呼び出しを願った。そこで、大日本正友会としての立場はどうか、それから長年狩猟をやって参りました私植月個人としての意見といいまするか、若干述べさしていただきたいと思います。  この今回の改正案は、私は少なくとも現在の狩猟法よりも数歩を前進したものであると、かように存じまして、総体的に申しまして賛成をいたす次第であります。  日本の狩猟というものは、私が述べるまでもなく御存じのことと思いまするが、きわめて年々野生鳥獣が減少し、その減少の度合いというものはとてもきびしいものなんです。そこで、その原因はいろいろありましよう。山階参考人も言われましたように、周囲の環境というふうなこともありましようが、私の見解では、非常に農薬——農薬と申しまするけれども、毒物及び劇物取締法施行令の十六条で許してあるフラトールとかホリドールというふうなものの被害というものは、これは間接的でありまして、そう私は多いものではないと存じます。しかし、そうでなく、農薬ということに名をかりて、直接に毒薬を用いて野生鳥獣を殺すという方法が、これはまだ非常に顕著に明らかになってあるとは申せませんけれども、これがあるのです。そこで、農薬といいましても、前者を一としまするなら、二の方法によって野生鳥獣を減少さすということは、これはひどいのです。たとえていいまするならば、ハトというふうな種類の鳥ですけれども、これなどは毒薬を用いてとる日になれば容易にとれる、やられるのです。でありまするから、そういうふうなものに対して毒薬を用いて捕獲するとしたならば、おそらくは私はこの種類の鳥は本土から全滅すると言ってあえて過言でないというまでに考えております。  そういう次第でありまして、大日本猟友会におきましては、確かに三十四年と記憶いたしまするが、どうしても現在の状態でいったならばこの狩猟というふうな面はとうていだめであるということから、議員立法というのでお願いをして、この狩猟法の改正ということを思い立ったのでありまするが、不幸にいたしまして、参議院に参りましたときに非常な国会が混乱いたしまして、ついに参議院での農林水産委員会を中途にして会期が終了したというふうなことで、これは廃案になったのです。それ以来、われわれのほうではどうしてもこの改正をして将来をはからなければならぬということで存じておりましたやさき、本改正案が出されましたので、われわれは非常にこの点において政府の御努力に対し敬意を表する次第なんです。  まず、今度の狩猟法が、われわれの主張しておりまする日本の狩猟家によって経営するという一種の営業的の方向までいかんければいかぬということを始終申している。すなわち、ゲームは自分が育てて、そうして自分がとるんだというところへ持っていかなければ、どうしても自然繁殖とかというふうなことに相待っておったのでは、とうてい貧困になるばかりだということを唱えて参ったのでありまするが、今回の改正案は、中央に中央鳥獣審議会というものを置き、地方では鳥獣に対する計画を立てて、そうして野生鳥獣の保護増殖、並びに狩猟に関するきめをするのであるというふうなことは、まさに今申しましたわれわれの目的に合致する点であります。  それから、一つの経営体としていくには、やはり従来は——ここでちょっとお断わりいたしておきまするが、この委員会におきましてこれを申すことが、適当かいなかは、私はちょっと断定的に今申せないのでありまするが、この改正と相待って、そうして狩猟者に対する税金が一部は狩猟者税となり、一部は目的税——入場税というのをこれを目的税として、そうして野生鳥獣、すなわちこの改正法案の円満なる施行をまかなうためにそれを使わせるということは、これは全くわれわれといたしましては多年このことは主張して参ったことでありまして、その目的の一部を達成され、そうしてそのことによって日本の野生鳥獣というものが保護され繁殖するというふうなことに相なるのでありまするから、このひとつの試みというものは私は真にありがたいことであると、かように存じております。これは大日本猟友会といたしましても、私一個の狩猟家といたしましても、さように深く存じている次第なんであります。  それから、今度の改正案は、いわゆる行為地主義、こういうふうに申しましようか、要するに現実に狩猟をする都道府県において免許を受けて、そうして狩猟をする。すなわち、住所がかりに東京にありましても、東京で狩猟しなけば、その行為地において狩猟免許を受けてやる。すなわち、行為地主義とこれを申しましようか、そういうふうに相なりましたことは、今申しました一つの鳥獣の保護増殖、それから計画というふうなことは、都道府県単位においてするということにふさわしいきめである、かように思いまして、これは賛成すべきことであると。ただそう申しますると、住所地主義によらないということになれば、この住所地というものの税金の問題、それから——われわれは大日本猟友会というのは、住所地主義によっているのです。住所地においてそれぞれ猟友会というものを組織して、その総合体が大日本猟友会ということに相なっているのです。その面からいいますると、行為地主義によると、そこに何らか、少しく都会地のほうがさびしくなる。また、都会の者が他へ出て数県の免許を受けるというふうになりまするので、多少犠牲が多くなり、その点が全国一般の猟人のひとしくということに相ならない。都会のものの犠牲が少しく大きくなって、そうして行為地、すなわちその狩猟が実際できる都道府県のほうが負担が軽いというふうなことに相なりますので、不均衡がここに一つあります。しかし、この問題は、大日本猟友会といたしましては、こういう不均衡のないようにというので、しばしば上申をいたしましたが、結局こういうふうなことでなければ法制上並びに——まあ税金の法制上からまずい。これよりほかに要は仕方がないという案でありまするから、私らのほうでも、これはまあ大なる目的を達するために小なる犠牲と考えて、これはいくべきじゃないかということに相なっておる次第であります。  それから、この今度の法案によりますれば、現行法では狩猟者に対する講習という問題が、これは露骨に申しますならば、五時間講習するということに相なっておるのでありまするが、それは行ってさえおればいいんです。それで、別に聞いたか聞かぬかということをあとで確かめる方法がないのですから、それでよろしかったのでありまするが、一歩を進めて、今度の法案では講習を領得したというまでの確認の方法をとられるということは、これは狩猟者の品位向上のために私は非常に歓迎すべきことである、かように存じます。山階参考人からも陳述されましたが、審議会では狩猟者に対して試験を課せというふうな答申に相なっておるのです。けれども、試験というのも、言葉をかえて講習というので、何だかそこに少しくやわらかみがありはせぬかというふうに思いまするけれども、講習を領得するという道が設けられておる以上、これは私は試験にまさるものである、こういうふうに考えて、これは歓迎しておる次第であります。  それから、休猟区という問題が、今度案が盛られておりまするが、これはまことに私はよい制度である、こう思っておるのです。それは野生鳥獣を人工養殖によって、それで野性を殺さずに育てて、そうして山野に放畜するというふうなことは、これはちょっと考えられることです。しかし、その方法は、どうしても人工によると野性というものは発生しないのです。でありますから、せっかく放鳥しても所期の効果は上がらないというのが現状であります。そこで、やはり自然繁殖ということが必要となってくる。自然繁殖にまさるものなしということが言えるのです。でありますから、この狩猟をする場所を少しく制限して、そうしてその場所で自然繁殖をはかるという制度にされるということは、私は全く時宜に適した改正の案である、かように存ずる次第であります。  それから、空気銃による狩猟の問題でありまするが、このことにつきましては、山階参考人は、審議会において将来これを廃止すべきものだというふうな答申になっておる、こういう陳述でありました。まさにそのとおりでありまするが、私はこの審議会のメンバーであって、その審議会の決議に拘束されるということはもとよりでありまするが、私個人といたしましては、少なくとも、早くわかりやすく申しまするならば、おとなが銃猟ができるのだ、銃砲を持って狩猟ができるのだ。であるならば、青年が空気銃による狩猟をしたがるというのは、これは人情であります。それと同時に、そうたいして野生を減らすというまでのものではないと私は考える。そうして今日の世相といたしまして、青年をいかなるほうに導くかというふうな点からいいまするならば、私はむしろこれは与えてやらして、そういくべきじやないかというふうに個人的に考えるのです。これはちょっと山階さんの御意見と違いますけれども、率直に申し上げると、私はそういうふうに考えるのです。  以上を申し上げまして、あとは御質問がありましたならば、それにお答えを申し上げるということにお願いしたいと思います。

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) ありがとうございました。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) 速諸を始めて。  参考人の方々及び警察庁当局に対し、質疑のある方は御発言願います。

大森創造日本社会党

○大森創造君 山階参考人と、それから植月参考人にお伺いいたしますが、ひとつ空気銃の問題です。大体二人の御意見はほぼ共通していて、今までの案に比べて、今度は前進をしているところが見えるということでは、一致しておるようでございます。空気銃の問題について意見が違うようでございますが、これは私の私見でございますが、私は植月さんの意見に、その限りにおいては同調したいのでございます。というのは、空気銃は、きのう私がお伺いした。鳥をかわいがって増殖する、それで野生の鳥獣をふやして適正な狩猟をするということが今度の法案のねらいでございますから。ところが、私の勘では、私の心配は、鳥をかわいがって増殖するということは大賛成だ、しかしそれを裏返すというと、空気銃みたいなものをいじめることになるようなのは私は残念だと思うのです。私は山階参考人と意見を同じくする部面は多いのでございますが、その点のちょっと心配がある。空知銃の違反のことはどのぐらいだということをきのうも私は当局にお伺いしました。思ったよりは少ないのですね。新聞などにぼつぼつと出るほどでございますが、思ったよりは少ない。あらゆるレクリエーションというものは、これは犠牲を伴うと思うのです。山登りしかり、あるいは自動車に乗って走ることしかり。だけれども、空気銃というのは、たまがこれだけです。これはまっ直ぐに飛んでいくのですから、よろめきはしないのです。なかなか当たらものです。これは大体スズメだとか、そういうものです。私の問題にしたいのは、アメリカあたりでは、何というか、狩猟銃にしないというお話でございますが、一方アメリカでは、きのうお伺いしてみると、十六から火薬銃を持てるのですね。それで、日本のほうは、前は十四才から所持できる、今度のやつは十八才から所持できて二十になるというと撃てると、こういうことでございますが、私の感じからするというと、十八で所持できて何をやるかというと、狩猟ができないのだから、そうすると射撃をするということになる。射撃場はあるかというと、全国で三十カ所しかないそうです、そうすると、私は、もう東京のせがれの大学生がスモッグで苦しめられてノイローゼになるほど勉勉して、いなかに帰って、それてぴかぴかした空気銃——これは先ほど植月参考人が言われましたように、これはおとなが猟ができるのだから、その猟を始めたらやめられぬというのですね。快的な、空気がよくて健全娯楽で、山登りもしたい、雷り族になってひとつオートバイもふっ飛ばしたいという青年は、これはよけい空気銃などをやってみたいというのは、これは人情だろうと思うのです、先ほどのお話のとおり。そのときに所持はできても、持つことはできても、さて二十にならないと実際にスズメ一匹撃てない、撃ったらいかぬのだということになると、私は問題だと思う。私は教育をしたらいいと思うのですよ。空気銃の操作だとか、こういうものは撃っていけないんだとか、これはこうだということを指導をして、その面の道を開けてやると。あけてやると。何もかも押えつけるということはいけないと私は思う。そういうふうに私は考えるのだが、植月さんは大体私に意見と同感だと思いますが、この審議会の意見がこうだとおっしゃいますが、そういう私の意見に対していかがお考えでございますか、山階さんに伺います。

山階芳麿日本鳥類保護連盟理事長

○参考人(山階芳麿君) ただいまの御質問に対してお答えを申し上げます。ただいまいろいろと御意見がありましたけれども、逐次申し上げますが、その害が比較的少ない、危険が統計が少ないということでありました。それはおそらく当局からの御説明は、それが告発されて、そうして刑事上の問題になった場合をあげておられるのであると思います。しかしながら、一たび地方あるいは郊外、あるいは都内でもよろしい、そういうところでもってこの空気銃による法律の違反がどのぐらい行なわれているかということをごらんになりましたならば、決して少ないとお考えになることはないと思うのです。たとえば小鳥を、スズメぐらいをとるという言葉がありましたけれども、このスズメを撃っている大部分は人家の付近で撃っておるわけです。ところが、この人家付近あるいは市街地、そういうところで狩猟をするということは、これは禁じられておること、法律の違反である。よほど離れたところに参りましてスズメを撃つならばよろしいのですが、われわれが知っておりますところでは、大部分の者は庭あるいは市街地、道路、そういうところでもってそういうことをしております。これは違反の行為であります。  それから、先ほど植月参考人もお話しになりましたと思いますが、割合にそういうものが鳥を減らすことは少ないという御意見でありましたが、あれはそういう点から見ますと、非常に害があるのです。ということは、小鳥が、たとえば市街地なので保護をされまして、非常に落ちついてきて、そうしてたとえばウグイスとかシジュウカラとか、そういうのが人間をあまりおそれないで近寄ってくる。そうすると、それが空気銃の犠牲になるわけでありまして、これは少しく鳥の保護ということについて試みられた方がしばしば経験されるわけです。せっかく居ついて、あるいは巣箱に入って繁殖をする、非常に楽しみにしておるというと、それが空気銃に撃たれる。空気銃は決して、いわゆる豪快な狩猟の対象であるところのキジとかカモとか、そういったものの、真のスポーツの対象となるような獲物に対して効果のあるものじゃないのです。全くわれわれの友達であるようなものに対して、きわめて威力が大きいのです。そういう意味におきまして、われわれは空気銃というものが鳥の保護というものについて非常な害になっているというふうに思われるわけです。  それから、子供に遊びを与えよというお考え、これは先ほど植月参考人のお話だったと思います。これは総括的に子供に遊びを与えるということ、このことそのものはわれわれも決して反対でありません。ただ、どういう遊びを与えるかというところが問題であると思うのです。すでに日常新聞その他ニュースでもって御承知のように、現在の若い世代は、きわめて殺我なことが起こっております。それは現在のその世相の反映でもありますが、非常に殺伐な事件が多いのであります。そういう子供に対して少しでも平和な、そうしてやさしい気持を与えるように導くことこそおとなの人の努力すべき目標ではないかと思うのです。ただ遊びを与える目的でなぜ空気銃を子供に与えなくちゃならないかということについて、私は絶対に賛成はできないものであります。教育ということも、これは事実重要であります。重要であるからこそ、そういうことを申すのでありまして、実際に同じことでありましても、欧米——ヨーロッパなんかの子供でありますというと、決して無益な殺生といいますか、そういうことをやっておりません。たとえば公園に参りましても、彼らはほとんどみなポケットなりあるいはハンドバッグなり、そういうところにビスケットとかパンとか、そういうものを持っていくんです。ですから、それをすぐ小鳥に与えるのです。したがって、どなたでも欧米へおいでになりました方は御承知だと思いますが公園へ参りましても、町の中でも、小鳥は非常に市民になついておるのです。そういうような教養を受けておる国民と、現在の先ほど申しましたような教育の、何といいますか、欠陥でしょうか、世相の欠陥でしょうか、きわめて殺伐な傾向にあるところの日本の子供と、全然無差別で考えるというところは、われわれとしてはどうしても納得ができない。現在のような日本の事情におきましては、こういう問題は努めて児童から避けまして、そうして、将来の第二の国民をもっとあたたかい国民に仕上げるように御協力をいただきたい、そのように考える次第でございます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 これは私は率直に申し上げますが、鳥獣審議会の委員というのは、あなた方や、文部省の役人や、あるいは厚生省の役人や、そういう人が出ておられる。そこで、そう山階さんがおっしゃいますが、私はこう思うのです。どうもこの空気銃というのは、今五、六十万丁あるのですね、世間に。それで、そのうちこの所持を登録しているので三十万丁以上あるのです。それで狩猟用として免許を受けておるのが、林野庁に登録しているのが二万五千丁しかないのです。これはそういう状態ですから、二万五千丁が狩猟用ということなんだから、あとは全部射撃練習するということが、表面的に考えると、そういうことになるのですね。たとえば五十万丁として、そのうち二万五千丁が狩猟用として許可を受けているということになると、これは四十万丁以上というものが狩猟をしないで全部射撃練習なんですね。私はここに問題があると思うのです。これはついつい撃ったら、とたんにこれは違反なんですから、スズメ一匹撃ったって、これは違反なんですから、違反になっちゃうと思うのですよ、自然に。そこで、人家の密集しているところや市街地というところでは撃っていけないというので、今の法律に抵触する。これは私は、こういうことを知っている青年が何人いるかと思うのですよ。私はむしろ積極的にそういうことをやってはいけないという指導をすべきだと。スズメをつかまえたりすることは絶対にいけないというが、世間に五十万丁あるのです。それで射撃の場所は少ないのですから、これは持てば撃つということになる。狩猟の本能というのは大昔からありますから。で、僕はそういうところに一つ盲点があると思うのです。  それから、さらに申し上げますというと、空気銃でもってあれするのはどうも危険であるし、殺伐な気風が青年の間にあるとおっしゃいますけれども、私は空気銃を使っている青年が殺伐とばかりは思えない。新宿や銀座あたりで昼間からわあわあやっている者のほうが、むしろ殺伐だと思う。マージャンなどやっているほうが殺伐だと思う。堀江青年が太平洋横断しましたが、アンジシャスの精神というものは五十過ぎた人にはわからない面があると思う。ところが、きのうも私は言ったのですが、鳥獣、審議会の委員という人を見ますというと、どうも——一番大衆的で安いのは四千円からあるのですから、高いので二万円だから、手軽にできる。一発二十銭ですよ、弾は。そこで、絶対的に鳥獣を減らすような原動力には私はなっていないと思うのですよ、空気銃というものは。今欠けておるのは、私は空気銃に対する教育の面じゃないかと思います。ちょうど学校にオートバイを与えたり自動車を与えたりして教育するということならば、あなた方は市街地では撃ってはいけませんよと、そういう積極的なあれをすべきだと思う。  それで、うちの子供は、これはとてもあぶないことはやらせない、山登りもさせない、それから空気銃も持たせない、私はそういう方針で最初やろうと思った、自分の子供を。ところが、多くの人から笑われました。子供に毎日私は、学校へ行くときに一つの横断するところがあるので、交通事故を注意しろと、こればかり毎日、三百六十五日言いました。これでは子供は麻痛してしまう。自分の子供についても、世の中というのは、交通に対する危険だとかそういうものを本能的に覚えさせたほうがよろしいということです。どうせ世の中に出たら最後、あらゆる危険がありますから、私は子供のうちから空気銃ぐらいのものはなれさせて、そして教育を徹底さして、空気銃は殺伐だなんていうことを言ったのでは、とてもこれからの二十、三十になってから大きな活動ができないような気がするのです。  そこで、鳥獣審議会の人は、私はどうも、年輩の人でも功成り名遂げているから、ちょうど荒木さんがそうであるように、若い時代のことをお忘れになっておるんじゃないか。くどいようですが、私この間新宿のある喫茶店に行ったところが、十八ぐらいのやつがいちゃいちゃといかがわしいことをやっておる。帰りに私は私の女房に言ったのです。あんなことをしていて嘆かわしいと言ったら、あなたも頭がかたくなになりました、あなたは今から二十何年ぐらい前に、中学生のときああいうところへ行ったことあるでしょうと。それから、四十がらみの、女房も子供もある人が——これは私のことを言ったのですが、ああいうところで、多少金を使っていてもいやらしいと思ったでしょうと、そう女房に言われましたが、私はどうもガン、狩猟をやることは認めるが、いかにも肺病の青年だとか、金はないのに金持のようなふうをした人がレジャーを楽しむように、ばんばん撃って楽しんでいるならば、おれも、なけなしの金を出して、月給をさいて、そして安い鉄砲を一つ買って、そしてやろうというような、圧倒的にこれは大衆性があるものと思うのです。そういうものに対する御理解の面は、私は失礼ながら鳥獣審議会の人にはないであろう。  で、一般的に、小鳥を愛しましょうという宣伝が全般的にずっと行なわれておる。私は、先般申し上げたとおり、鳥をかわいがること、増殖をすること、さっき植月さんがおっしゃいましたように、営業的に自分で育てて自分でとる、この思想は賛成だけれども、空気銃というものに対して、何といいますか、思いやりというものは必然的になくなっておる。私は喫茶店に行って、今の若い者は困ったものであると、これはひとつ道徳教育をやらなければならないというふうに考える。その若い者は、空気銃というものに対して不当な誤解を持っているんじゃないか。結論的に申し上げますと、アメリカは十六才から狩猟ができる、火薬銃でばんばん撃っている。片方は、空気銃のほうは、ただ登録させるという事情であるから、山登りは危険だといって禁止するわけにいかない。今の世の中には、交通事故でも何でも危険だから、積極的な態度で、そうしてもう少し思いやりのある教育をしてやらねばならないじゃないか。しかし、私は考えますに、山階さんと私の意見はここで違うようですが、ここで結論を求めません。で、答弁の必要もありません。私は私の意見を申し上げます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 ちょっと大森君の意見と違うような格好になるのですが、参  と議論するつもりもないわけですから、もう少しお気持を念のために確かめたいと思うのです。  一つの問題は、基本的な問題としてお二人の方にお聞きするわけですが、現行法ではどこでも狩猟ができる、できない所はこことここだと、こうなっておるわけです。この原則と例外を逆にすべきじゃないか。幸い答申ではその点に踏み切っておられる。これは鳥類保護関係の方も、ハンターの側の方も、その点を理解されて、踏み切っておられるわけです。私はその非常に大事な点が法案の中に表われてこなかったという点が、この法案の致命的な欠陥じゃないか。現行法に比較しての前進は私は認めるわけです。しかし、一番大事な点が何かこう抜かされたような実は感じを持っておるわけでして、もちろん一挙にそういうふうにやったんでは、相当摩擦もあるかもしれないというふうなことも多少は想像もできます。しかし、もしそういうことであれば、原則は原則できちっと法制化して、そうしてその施行について二年なり三年なり待つと。その間に今度はこういうようになるのだからということで、あらゆる施設関係なり人的な関係なりそういうものを整備していかなければならないのじゃないか。そうすればできるわけです。ともかく鳥獣が非常に減っておることは事実でありますし、この点がなぜ法律化されなかったのか、はなはだ私はこの点残念に思っておるわけです。  空気銃のほうは、これはむしろ答申でも多少条件がついたような答申になっておるわけです。しかし、猟は特定の所でやるべきだと、私はこれは当然だと思う。そうあっちこっち空気銃をばんばん撃たれたら、あぶなくてしようがない。そういうふうに思っておるわけでして、答申の線を私は非常に高く評価していただけに、現行法に比較しての前進ではあるけれども、はなはだ実は不満を感じているわけです。私が申し上げるような経過的な規定を入れれば、そんなに摩擦なくそういう原則と例外を逆にしたような制度に移り得ると、こう思っておるわけです。そこら辺についての、それはひとつ無理だとか、もう少し鳥獣の問題についての国民の啓蒙ですか、さっきありましたようなそういうものがずっと進んで、理解がずっと広まった段階でそういうふうに踏み切ったほうがいいのだとかいうふうな御意見もあろうかと思うのですが、その辺のところを、私は基本的な問題として、もう少しお考えを聞いておきたい。山階さんはおそらく積極的な御賛成でしょうが、山階さんの御意見も聞きたいが、同時に、植月さんのとるほうの立場からも御意見もお聞きしたいと思います。

山階芳麿日本鳥類保護連盟理事長

○参考人(山階芳麿君) ただいまの、全国禁猟して、その中の許された部分においてのみ猟を許すという考え方は、理論としましてはまさにそうあるべきであると思います。それが現在の段階で許されるかどうかということは、これはむしろ法理上の問題であると思いまして、私、法律の面において詳しくありませんので、その点でお答えすることはできないわけであります。しかし、将来においてそういうふうになることを望んでおることは変わりはございません。

植月浅雄大日本猟友会副会長

○参考人(植月浅雄君) 一部の禁猟区という問題ですね、これは私は先ほど申しましたように、少なくとも前進した問題だと、こういうことを申し上げたのでありまするが、とにかく先ほども言いましたように、人工繁殖というふうなことでは、これは目的を達しないのです。でありまするから、野生は野生の方法において繁殖させるというので、狩猟をなせない場所をこしらえて、そしてそこで繁殖させるということが、少なくとも野生鳥獣を増殖するという面に非常に役立つ、こう考える次第であります。  そうして、これについては先ほどは申しませんでしたが、結局この法律の運用ということに相なりますれば、どういう地域を禁猟区にするかというふうなことにつきましては、これは私は非常に考慮を要する問題があると思います。それは少なくとも鳥獣の繁殖に適した場所であって、しかも一つの範囲というものはあまり広いものではいけない。現在の行政区画からいいまして、数ヵ町村を一つの区域とするというふうな面で、点々と区切ってやっていくというふうな運用が私は望ましいと思います。そうでないと、その中に大きく区切って、たとえば十里四方のところを禁猟区にするというふうな問題が起きましたときは、その中におる狩猟家というふうなものは、少なくとも五里ないし十里の道を出なければ狩はができないというふうなことになりまして、その禁猟区以外の場所の狩猟家と比較いたしまして非常に不均衡であるというふうなことから、この地域の選定に対しましては少なくとも都道府県においての計画はしかるべきふさわしいものでなければならないということは考えております。  その他、今少しく抜けておりはしないかという御質問でありまするが、現在の段階としましては、望んでおるところはまだたくさんありまするけれども、われわれはこういうふうに一つ前進していく法案ができたということにはまず賛成しますと、こう申し上げる次第であります。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 植月さんにもう一ぺんちょっとお伺いいたしますが、この最終的な形としては、全国を禁猟区にして、そうして適当な場所を猟区にして、そこへ行って猟をやる、こういう形というものはあなたも最終的には賛成なんでしょう。今すぐそうするかせぬかは別として、最終の目標としては。

植月浅雄大日本猟友会副会長

○参考人(植月浅雄君) それは、私は、全国を禁猟区にするということにつきましては、少なくともこれは反対です。なぜ反対するかといえば、とにかく狩猟免許という問題があるのですから、免許して全国を禁猟区にするということは、私は観念的に相いれぬことだと思うのです。その意味合いにおいてそれは不賛成でありまするが、結局においては、猟区と禁猟区にするという区分ですね、今何といいますか、観念的には私は初めからそれはちょっと賛成しがたいのです、全国を禁猟区にするということについては。そうしてその一部分のみを狩猟をする場所にするというふうなのでは、これはちょっと建前がずっと違って参りますから、大部分は狩猟ができる場所にする、そうしてある一部分を禁猟区にして自然繁殖をはかるというふうなことはちょっと……。まあ行政に当たる人の考えでどうも非常に狩猟家が地域的に制限を受くるというふうな関係から、私は少なくとも法律の建前としては、撃てるのだ、撃てるがこの部分は撃てないのだというふうに持っていくのが、法の処前として私は当を得ておると、こういうふうに考える次第でございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 私、せんだってこの委員会で政府側からお聞きしたところによりますと、審議会の答申は、いろいろ議論はあったが全会一致となっておる、こういうふうに私聞きまして、これははなはだ日本のハンターのほうも良識と御理解があるという実は感じを持ちまして、ぜひ直接その点のお話なり確認をしたいと思いまして、ゼひお越し願いたいというような希望も申し上げたわけなんです。ただいまのお答えからいたしますと、何か答申の線には自分は不賛成だというふうな感じを受けたわけなんですが、その点はどういう関係になるでしょうか。

植月浅雄大日本猟友会副会長

○参考人(植月浅雄君) 結局、今申しましたように全部撃てないことにして、全国を禁猟区にして、そうしてほんの一部分のみだというふうなこともできるわけです、全国禁猟区にすれば。それでありまするから、原則的に全国を今度の法律では保護区となっておりまするが、保護区以外の場所では撃てるのですね。しかし、その中のある部分を鳥獣の保護繁殖に当てるということです。結論は同様になるやの感はありまするけれども、つまり一部分をするのだ。全部禁猟区となれば、撃てる場所をこしらえなかったら、全部禁猟区ですから。ですから、言葉の違いだと言われればそうですけれども、私は観念的にそうはいかない。審議会でも、これは非常に議論になった問題なんですよ。それで、私は、どうしても全国を禁猟区にするという説には絶対賛成できないというので、私は反対したわけなんです。それで、一部分の禁猟区という現在のような改正案であれば、その運用のよろしきを得ればいいんだから、それなら賛成すると、こういうのが実際の審議会におけるあり方だったと思うのです。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 まあ大体それで、お はわかったような気がいたしますが、まあその猟区を作って、猟区だけで狩猟をするということになればですよ、それはハンターの皆さんが困らぬように、相当程度のこの場所は選定されるものと思うのです。だから、決して、一方で狩猟の免許をしながら、狩猟免許制度があるのに矛盾するといったようなことにも私はならないと思いますし、まあこの改正案のような格好でいきましても、今あなたがおっしゃったように保護区などをうんと広くとっていけば、あるいは私が申し上げたようなことに近い形になるかもしれない。まあいずれにいたしましても、現在のままでは鳥獣の数が少なくなっていけないという点は一お認めになっての議論のようでありますから、まあこれ以上お尋ねはいたしませんが、ひとつ私からも、ハンターの立場においてでもできるだけ答申の線をひとつ今後とも努力してもらいたいとお願いしておきます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 ちょっと植月さんにお尋ねしたいのですが、今のハンターですね、ハンターの構成というのは、大体どういう状況ですか。スポーツを中心としてやるという形ですか、それと生活上猟をやるという形の方との割合といいますか、比率といいますか、そういう点はどうなっておりますか。

植月浅雄大日本猟友会副会長

○参考人(植月浅雄君) 現在の狩猟家は約二十五万と踏んでおります。そうしてそのうちの三万ですね、三万くらいの人は、これを自分の生活の資にするために狩猟をするという、いわゆる職業ですね、そういうものがありますし、それからそれ以外の人は、これは自分の生活には関係ないが、スポーツとしてですね、心身鍛錬のためというような面でやっておる、こういうことになります。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 傾向としては、狩猟をやる人はだんだん、生活を中心にやる人よりもスポーツ化の傾向が激しいというふうにわれわれは見ておるし、聞いておるのですが、その点はどうですか。

植月浅雄大日本猟友会副会長

○参考人(植月浅雄君) ちょっと、もう一ぺんお願いしたいのですが……。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 猟をやる人の傾向としては、生活を基礎にしてやるというよりも、スポーツとしてやる人のほうがどんどんふえていき、生活のためにやるという人はむしろ減少しているのだ、こういう傾向があるのじゃないかと思うのですが、その点はどうですか。

植月浅雄大日本猟友会副会長

○参考人(植月浅雄君) スポーツとしてやるのはどんどんふえますし、それから生活としてやる者も、これは生活と申しましたが、これをもう一言つけ加えたいのです。すなわち、獲物をとって、獲物を換価して、そうして生活をするというやり方と、それから都会の狩猟、遠くの人が狩猟に来るのを、これを案内するというふうなことで日当をかせぐという、この二色があるのです。でありますから、スポーツとしてのハンターがふえれば、やはりそういう需要の面というものがありますから、それに比例して私はいくべきものだと、かように思いますから、だんだん減るということよりも、正比例して多くなる、職業とする人が多くなると考えるのが適当であろう、こういうふうに存じます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 そうすると、獲物を換価して、それを生活のもとにするという人は減ってくる。しかし、スポーツ化するにつれて、それに付随して案内人だとか、そういった形の人がふえてくる、こういうことですね。そうなると、狩猟がだんだんスポーツ化していっているという傾向は、非常に強いわけですね。

植月浅雄大日本猟友会副会長

○参考人(植月浅雄君) それはもう強いです。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 そうなってくると、私はやはり今後のあり方としては、答申の線が尊重されて、そうして先ほど亀田委員のほうからのお話のように、スポーツなんですから、スポーツ化の傾向が強いのですから、そうすると、一定の場所を猟場に指定して、そこで猟をやっていくということが今後のあるべき姿だと、こう思うのですが、その点で植月さんの考え方と私はちょっと違うのですが、どうですか。

植月浅雄大日本猟友会副会長

○参考人(植月浅雄君) 一定の場所を猟区として、そうしていくということは、私の考えというより、見たところでは、日本で狩猟をする場所を人工的に作って、そうしてその場所だけでハンターをまかなうということは、これは私はまあ少なくとも現在のような段階においては不可能だと、こう思うのです。それは多くの国費を使って、そうして猟場というものを作れば別です。しかし、遺憾ながら今まではそうでない行き方なんですから、それで猟区というものを作って、個人なり法人ですね、それが採算のとれることにならなければ、やる者はないと思うのです。で、そこで今法案に出ておるような方法よりほかには道がなかろう。十分にハンターをまかなえる場所ができれば別ですけれども、それは私は日本のようなところでは、とうていこれは望んでいないことだと、こう考えますので、そう申し上げた次第であります。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 その猟区の指定が日本のようなところでむずかしいとおっしゃったわけですが、その猟区の指定がむずかしいというのは、どういうことなんですか、具体的にひとつお教えいただきたいと思うのです。

植月浅雄大日本猟友会副会長

○参考人(植月浅雄君) 猟区の経営は、要するにゲームを育てなければなりません。ゲームを育てるということが、今現在の日本の狩猟鳥獣の人工養殖ですね、こういうものが、これはまだ遺憾ながら成功していないのです。それですから、やはり自然繁殖に待って、そうしていく以外に道がないのです。でありますから、ここを猟場にするといっても、そのままじゃゲームはふえるものじゃないのです。それで、入場料を取って入れるといったって、それはできないということになるのです。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 しかし、今後の行き方が、鳥獣が非常に減ってきたので、自然の環境を保持するためにも、生活環境をよくするためにも、鳥獣の保護をやって、それをふやさなければならぬという方向にいくわけですから、そうなれば、その獲物を、経営として猟区を持って、それが成り立つか成り立たないかという問題は別として、やはり保護という立場からいったら、ここでは猟としてもよろしい、しかし、あとどこでもかしこでも今までのように猟をするということはいけない、こういう行き方は今後のあるべき姿じゃないかと私どもは思うのですが、それに対してあなたと議論をしても仕方がないが、そういうふうにわれわれは考える。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 もう一点ちょっと確かめておきたいのですが、空気銃の問題が非常にやかましい問題になっているわけですね。私の考えとしては、これはやはり相当、ことに小鳥には有害だと思うのです。中西先生のお話など聞いても、真相はどうもそういうことのようです。それから、いろいろな、人に対して被害も現に起きているわけですし、いろいろ問題があまして、答申では空気銃は免許を与えない、しかし経過措置は考える、こういうことになっていたわけですが、こいつが結局、法案化されなかった原因は、この空気銃を作っている方々からの要請と、こういうことがもうほんとうの真相じゃないかと思うのですが、そんなことは言えぬものですから、いや、それがそれほど小鳥をとっているとかおらぬとか、これは一々見ているわけじゃありませんから、いろいろな理屈が出ているわけですが、ほんとうの原因は、そういう製造に関係のある業者なり家族の方々の生活をどうするのかという問題であったろうと私は思うのです。私は、審議会でもおそらくそうじゃなかったかと思うわけですが、そういう立場からも相当議論があって法案化されない、そういうことならそういうことで、問題をはっきりしてほしいのですね。私たちやはり鳥獣保護という立場からは、空気銃はやめるべきなんだ、あくまでも鳥獣あるいは、狩猟の関係からいっても、あれはたいして狩猟できるものじゃないのですから、あなたの立場からしても、どっちからしたって、のけたほうがいいのだ、理論的にはあくまでもそうならそうとしておいてもらわぬと。そうして業者の生活だって、もちろん一人といえどもあしたからもう困っていい、そんなことは政治として言えるものじゃない。で、そういう関係があるならあるで、一体しからばどうするのかということになってきませんと、ほんとうの原因というものを隠しておいて、何かこう空気銃というものを相変わらず従来と同じような扱いをしていくということになりますと、私はやはり弊害が残ると思うのです。それだから、真相を、ほんとうのところはやはりそこならそこということをはっきりしてほしい。どうなんですか、お二人からこれはざっくばらんに。

植月浅雄大日本猟友会副会長

○参考人(植月浅雄君) つまり審議会では、将来空気銃によって狩猟することは好ましくない、しかし今これを直ちに廃止するということになれば諸種の弊害があるからして、当分は困る、こういうことになっているわけであります。その原因は——原因というか、そこに至りました論議はここにあるのです。業者の人が食えぬから、それでこれを当分履いておくのだというような、そんなことは毛頭ないのです。それはつまり、空気銃を持っている人がたくさんおる、それを一時にやめさしたのでは、密猟をするだろう、撃たせぬものですから、密猟もあろうというようなことから、この空気銃を持っている人の方向を射撃に向ける、射撃競技ですね、競技の的撃ちですよ、的撃ちに向けていくべきだ。的撃ちにするのに、今総理府令でなかなかむずかしいことになっているのです。トンネルを掘ってそこの中でやれ、それから普通のところでも上をおおいをしてやるのでなければ許さぬ、こういうことなんです。そういう設備というものが一つもまだない。まだないのに、お前、射撃をやれ、射撃をやれと言ってみたところで、やる場所がない。であるから、そういう空気銃を愛好する人を向ける方向が確立したならば、これは狩猟をするということからやめたらいいじゃないか、こういうことでああいう結論になったと私は考えておるし、また、そういうことを長時間にわたりまして論じたものなんであります。それでありまして、そのほかには、あの決議がなった理由もほかにはたいした理由はない。その理由だけです。

山階芳麿日本鳥類保護連盟理事長

○参考人(山階芳麿君) 私は、先ほど申し述べましたように、空気銃はきわめて猟具として不適当なものであると考えております。それで、将来は猟具からはずさるべきであると考えております。  それから、現在の問題はいろいろ——いろいろと申しますと、しかられるかもしれませんが、先ほどお話しのようないろいろなことが唱えられてこうなっておるのだと思いますけれども、ただ、ちょっと考えていただきたいのは、現在、民間に非常にたくさんな空気銃があるというのは、これは戦争後のある、何といいますか、行政上の一つの、現在から考えますと欠陥のような、結果として、そういう事実が起こったわけなんです。で、しかしながら、持っておるものは何でも使わなければならないというふうに考えるのは、私はちょっと賛成しかねるわけで、持っておっても、現在不適当なものは、持っておっても使用しない。日本刀でもやはりさようだと思いますが、そういうふうに考えられるのじゃないかと思っております。要するに、私としましては、空気銃が猟具として適当でないということについては、最初から現在においても変わっておりません。

大河原一次日本社会党

○大河原一次君 一つだけお聞きしたいのですが、これはまだ当局のほうにも聞いておりませんが、現在まで全国で七百カ所ですか、禁猟区が現在指定されておる。禁猟区が全国で七百カ所あると聞いておりますが、これは今後いわゆる保護区制度の中に統合されるという、そういう法案の趣旨だと思うのです。この場合、これはもちろん、ハンターの側に立つ植月さんの立場と山階さんの立場と違うと思いますが、絶対量といいますか、相当猟区の鳥獣が減少しておる今日ですから、政府はあとでどういうように御答弁されるかわかりませんが、今日七百カ所に及ぶ禁猟区がそのまま保護区として統合されるかどうか、こういうことなんですが、その場合、植月さんの立場からは、七百カ所そのまま保護区として指定される、こういう方向に対して、あなたのお気持と、あわせて山階さんのお立場から意見を聞かしてもらいたいと思いますが。

山階芳麿日本鳥類保護連盟理事長

○参考人(山階芳麿君) ただいまの御質問の最後の点、もう一度……。

大河原一次日本社会党

○大河原一次君 現在の禁猟区が、七百カ所全国にある。今後、禁猟区が保護区制度の中に統合されるわけです。ですから、この場合、七百カ所がそのまま保護区として、現在の禁猟区は保護区として。私としては、鳥獣の保護という面からいうと、七百カ所の禁猟区をもっと保護区としてふやすべきだと思うのですが、その場合、あなた方、立場の異なった方々は、そういうふうにふやされたほうがいいのか、植月さんの場合は、もちろんふやさないほうがいいのじゃないかと思いますが、そういう点でお二人の御意見を聞かしてもらいたいのですが。

山階芳麿日本鳥類保護連盟理事長

○参考人(山階芳麿君) それはふやされたほうがいいと思います。

植月浅雄大日本猟友会副会長

○参考人(植月浅雄君) ちょっと私は、今御質問されましたのですけれども、ちょっとよく……。

大河原一次日本社会党

○大河原一次君 現在の禁猟区として七百カ所でしょう。七百カ所禁猟区として指定されておりますね。今後この禁猟区というものが保護区という制度の中に統合されるわけです。ですから、七百カ所の禁猟区をそのまま保護区として、あるいはそれ以上指定されるか、それ減らすか、それはわかりませんが、この場合、あなたの立場としては、七百カ所の禁猟区をそのまま保護区として指定されたほうがいいのか、もっと減らしてもらったほうがいいのか、その点をひとつ聞かしてもらいたい、参考として。

植月浅雄大日本猟友会副会長

○参考人(植月浅雄君) 禁猟区——今度は保護区というのが法案によれば二種類になるというのです。一種類は、大体従来の禁猟区というのの名称を変更するにすぎないのだ。それで、もう一つの特別保護区というのが、えさをやったり、その他竹木の伐採を制限したり、巣を作ってやったり、そういうふうな特別の施設をやる保護区と、こう二つになるのですね。でありまするから、禁猟区というのを保護区にされるということは、それはわれわれとしては、ハンターといたしましては、それは何ら異議はありません。そしてやはり鳥獣の保護繁殖という目的は達せられると、かように存じます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 私は、この改正案の内容について、二、三カ所心配なところがあるので、これについてお伺いいたします。  で、一つは、この鳥獣の保護増殖をはかるということ、これが一つの目的ですね、今度のやつは。同時に、裏を返して、適正な狩猟ということだと思うのです。私はいろいろな点で心配するので、これが両立するものかどうか。たとえば目的税を作って、府県ごとに金を取っても、どうも私は、一般的に鳥をかわいがりましょうという面がぐっとおおってくると、これはもう非常に私もいいことだろうと思うのだが、植月さんが先ほどからおっしゃっているように、適正な狩猟ということも、これは一つの権利なんだから、やらにゃいかぬという面を忘れてはいかぬと思う。これはきのうも林野庁長官がそのことは答弁をされましたが、そういう点から二、三心配があるのです。  その一つは、この集めた目的税というものを、現段階では特定の天然記念物の鳥を保護するようなことに、ツルとかトキとか、アホウドリとかウミネコとか、そういう特定記念物みたようなものを増殖するという面にハンターから取り上げた税金が使われちゃうのじゃないかという心配が一つ。  それからもう一つは、一般的に行なわれているのが、大体日本では鳥が少なくなったと、こういいます。で、亀田さんのお話を聞いておりますが、私は、狩猟によって鳥が少なくなることは認めますが、鳥を少なくしているのは、空気銃よりも、私は火薬銃じゃないかと思うのです。そこで、その手続がめんどうになる。それで、これはいかにもスポーツで、よけいなことをやっているような感じも持ちますけれども、今は非常に忙しい人が多くて、息抜きにぽんと一発ぶっ放してくるのだ、それで気が済むのだという人も多いので、そういう人がその手続をとるのに、もう非常に煩瑣になりはせぬか。ハンターは、多い人は五つとか十とか府県にまたがっているという話を聞いていますから、こいつは、二千五百円が二万円になるという勘定もある。そういうことの心配。それから、この法律の内容ですね。その第七条の第何項か知らぬが、「都道府県知事狩猟免許ヲ為スニ当リテハ当該都道府県の区域内二於ケル鳥獣ノ棲息状況其ノ他ソ事情ヲ勘案スルト」云々とありますが、どうもこの法案全体を見まするというと、ずいぶん農林大臣や知事の段階で制限規定があるにかかわらず、「鳥獣ノ棲息状況其ノ他ノ事情」ということは蛇足じゃないか。拡大解釈のおそれがあるというふうに私は考える。それから、「狩猟ヲ為スニ必要ナル適性ノ有無」ということについて、「適性ノ有無」ということが私は若干疑問を感じます。  それから、さらに九州の有明海なんかでは四県にまたがるそうです、カモを撃つのに。海岸でぽんと撃ったらば、東京のこっちのほうでやったら、千葉にまたがるし、あるいは神奈川にまたがるということがさっそく出て参ります。そういう点で、運用の面で何とかできやぬかという考えを持っています。  それから、空気銃の問題については議論をするつもりもございませんが、いかにもこれは困った現象で、なげかわしい現象だというふうに山階さんおとりのようですが、私は、むしろ空気銃でないほうのそういう関係の声のほうが強く出ている。空気銃を使っているのは十八、九ですよ。鳥獣審議会の委員の中に十八、九の人がおりますか。いないでしょう。それはここにお集まりの皆さんだって、僕もおいっ子にせがまれたことがある、空気銃買ってくれと。これは自然の欲求ですよ、子供の。それから、(「質問をやれ」と呼ぶ者あり)ちょっと待って下さい。これは重大だから、質問に関連することだから。終戦後こういうなげかわしい現象が出てきた。山登りだって何だって、雷オートバイだって。昔はこたつの中でいちゃついていたりなんかした。そんなことだけれども、近代的なスポーツというものの方向に、大人がゴルフをやるというのと同じように、子供の社会は自然発生的に——終戦後ですよ。終戦前はいい娯楽ばかりじゃなかったですよ、これは。そこのところは私はそういうふうに考えますので、自然発生的な青年の欲求があるのだ。むしろ私は教育しろというのです。教育こそ大京だ。まあ二、三山階さんにお伺いいたしましたから……。

山階芳麿日本鳥類保護連盟理事長

○参考人(山階芳麿君) ただいまの御質問のうちの、鳥類の保護増殖と、それから適正な狩猟がうらはらの——うらはらといいますか、のものであるというお話でありますが、これは私は必ずしもそうとは考えておりません。保護増殖というのは、狩猟のための保護増殖ばかりではないのでありまして、むしろそうでなく、産業上有益な鳥類、あるいはまた情操的な面における有益な鳥類、そういうものも非常に多く含まれているわけであります。したがって、この保護増殖というものは、むしろ優先する、全体をおおうところのものでありまして、そうして、そういう環境のもとで狩猟がどういうふうであってよいかという問題が適正な狩猟であるというふうに考えてあります。  それから、目的税が天然記念物の保存なんかにも使われやせぬかというお話でありましたが、私が外国の例を聞いておりますので、たとえばアメリカのようなものですというと、目的税と申しますか何と申しますか、名前は存じませんが、まあ狩猟から徴収した税によって狩猟の鳥類をふやすということだけに使っておるところは聞いておりません。先般アメリカに参りましたときに、ニュージャーシー州でそういう方面の方に会いましたが、そこでは、大体徴収した税の、まあ半分よりは少し余分を狩猟のための鳥獣の増殖に使っており、その残りはほとんど全部有益な鳥類その他の保護に使っておるというふうに聞いております。その点一言申し上げておきます。  それから、空気銃と火薬銃の問題でありますけれども、事実これは本貫的に違うのでありまして、狩猟鳥を減少させる大きな動きは、事実火薬銃にあります。けれども、空気銃が非常な害をするのは、有益な小鳥に対してであります。そこで全然対象が違うわけであります。有益な小鳥をひどく減少させるという意味で、われわれは空気銃というものの廃止を望んでおるわけであります。私からお答えするのはそのくらいのことだと思います。

植月浅雄大日本猟友会副会長

○参考人(植月浅雄君) この目的税をもって、要は狩猟家から出した金でもって、その金を有益鳥獣の面のみというよりも、その面に多く使われやせぬかというような問題、これは大体目的税となる税金の額というものは、一都道府県八百万円だと私は踏んでおります。そこで、これを適正に、まあ狩猟のためにも使ってもらい、そうして有益鳥獣の保護増殖並びに狩猟鳥獣の保護増殖ということにもむろん使ってもらわなければならない。われわれが出す税金でありまするから、その一方的な使用ということについては、これは賛成できないのです。で、適正に都道府県でこれを使用されるように、これはこの機会においても私はお願いしておく、こう申し上げます。  それから、手続の問題が今度煩瑣になるというふうな問題があります。確かにそれは煩瑣になることは間違いないのです。けれども、われわれ猟友会といたしましては、この煩項の手続は、民間の一つの機関としてこの煩瑣になる手続を処理して、そうして一般の狩猟家に迷惑をかけないようにひとつ態勢を整えていこうというふうなことに今相なっておりますので、各狩猟家の手続というものは、そう大して煩項にならぬじゃないかというふうに考えております。これは先ほどもちょっと触れましたが、つまり狩猟免許を住所地主義にして、そうして各狩猟地に行く場合は、簡易に税金を払って行くというふうな組織が望ましい。これはもう望んでやまないのです。けれども、今日の日本の法制上の建前として、それがどうしてもむずかしいということに聞いております。それなればこの程度のことはこれはやむを得まい、こういうふうに考えておる次第です。  それから七条の二項です。七条の二項の「適性」の問題ですが、これはちょっと法文の文章がもっと端的にいかれたらどうかと、こう思うのです。それで少し前段と後段とが結びつきが悪いように考える。すなわち前段では、「鳥獣ノ棲息状況其ノ他ノ事情ヲ勘案スル」と、こうあるのです。それから、その次のほうには、狩猟の「適性ノ有無ヲ審査シテ」と、こういうふうになっておりまして、どうも文章のつながりが私うまくないと、こう思うのです。でありまするから、林野庁でいわれるように、狩猟者が、たとえば片手がないとかいうふうな者とか、片眼を失しておるとかいうふうな者というふうなものに対する一つの審査であるとするならば、そのようにもう少し端的に規定されたらいいじゃないかと、かように存じます。

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) 参考人におかれましては、御多忙中、長時間にわたって御出席をいただき、ありがとうございました。  以上をもって参考人からの意見聴取を終わります。引き続いて本法案に関する質疑を続けます。御質疑のおありの方は御発言を願います。

梶原茂嘉自由民主党

○梶原茂嘉君 ごく簡単に二、三点お伺いしたいと思います。  第一は、今もいろいろ話題になりました猟区の問題であります。現在日本全体の狩猟の分量といますか、の中で、猟区における狩猟の占めておるウエートといいますか、これは大体どういう程度でしょうか。大体でけっこうであります。あとでひとつお答え願います。  今度は、猟区について委託経営といいますか、そういう道が開かれて、そうして受託者は必要な経費を徴収し得るということになったのでありますが、先般いただきました資料によりますると、大体猟区の財政状況は黒字の数字になっておるように思います。あれは間違いないでしょうか。猟区の収支の状況、経営の状況、経理の状況の資料を見ますると黒字になっておる。まあ赤字、黒字いろいろありましょうけれども、はたして総合して黒字であるのかどうかということ。それから、そのうちで国営猟区の最近の収支の状況がどうなっておるかということです。

吉村清英林野庁長官

○政府委員(吉村清英君) この資料にあげております猟区の経営状況でございますが、必ずしも全体が一応に黒字だとはいえないかと思うのでございますが、その点まだ十分に突きとめておりませんので、後ほど調査をいたしまして御報告をさしていただきます。  それから、さきの猟区と、それからその他の場所における捕獲数の割合でございますが、これちょっと今調べましたが、しっかりした申し上げられるような資料がございませんので、後ほどこれも御報告させていただきたいのですが、非常に少なくて、一%程度じゃないだろうかというようなことでございます。

梶原茂嘉自由民主党

○梶原茂嘉君 鳥獣審議会のほうの答申の中に、猟区の経営を従来の国営、公営以外に、私営といいますか、それを認めてはどうか、認めるべきではないかという意見が出ておるようであります。これはおそらくはあの答申の中にあります、亀田委員もしばしば指摘された日本における狩猟のあり方を大きく変える、そうして狩猟は特定の場所、特定の猟区でやるという考え方と関連するものかと思われるのであります。将来国営、公営以外に、私的な団体的——まあ団体になりましょうが、そういうものをして猟区の経営及び猟区設置自体を認めるということについての見解をひとつ伺いたいと思います。

吉村清英林野庁長官

○政府委員(吉村清英君) ただいまの私設の猟区の問題でございますが、諸外国におきましてこういうものは非常に発達をいたしておりまして、審議会の答申の中にもこういう問題が出ておるわけでございます。しかしながら、  この問題を解決をいたしますためには、法律的に狩猟権という問題を十分にきわめませんと、非常にむずかしい問題であるという議論がございます。そういう点が一点と、それから、先ほど来参考人が意見を陳述をされておられる中でも触れておられましたが、人工増殖の技術がまだ十分に発達をしていないと申しますか、十分な水準に達していないというような、そういうようなことからも、今直ちに私設の猟区を認めるということは早いのではないかというような考え方を持っておるわけでございます。したがいまして、今回は猟区は基本的な性格を変えることなしに、管理事務の委託方式を採用するということにいたしたわけでございます。

梶原茂嘉自由民主党

○梶原茂嘉君 前段の鳥類の人工増殖に関する技術が十分じゃない、しかし、現在国営及び公営においては猟区というものは設定されて、そこでどういう技術か知りませんけれども、相当長い間やって参っておると承知をしておるのであります。民間のほうがだめで、公営方面は技術は進んでおる、簡単にこういう問題を割り切るわけにもいくまいが、そういう公営以外のものを認めれば、またそこに一つの技術の進歩というものも出てくるんじゃなかろうか、こういう気もするのでありまして、将来だんだん鳥獣が少なくなって参りまして、今の趨勢でいえば、今度の改正をもってしても、たとえば狩猟税ですね、これは目的税にはならない。せっかく各県に分けて免許制度をああいうふうにしても、自治省がどういう約束をされたか知らぬが、なかなか目的税にならぬ。何かほかに使われてしまう危険性は多分にある。かたがた、現状からいけば鳥獣は減る一方である。そうすれば、やはり何か猟区制度というようなものをひとつ大きく変えてかかるということが、狩猟制度を認める以上、必要じゃなかろうか。先ほど来議論がありましたが、一般的に禁止して、特定の猟区でやらすかどうかという問題は非常に大きな問題だと思います。直ちに現在の状況でそういう踏み切りをすることは、これは行政上危険でありましょうけれども、今の状況で将来を考えると、大体やはりそういう方向にいくのではなかろうかと、私もそういう感じを持つのであります。それは別として、やはり猟区の制度をひとつ整備拡充していくということが大鵬じゃないか。なお、それについて、今お話のありました狩猟権、これは私もよくわかりませんが、しかし、現在の狩猟法での免許ですね、免許を受けた者と、それから山林の所有権との関係ですね。所有権者は、自分の所有権のある林野に関係のない者の立ち入りを拒むことは、これは当然できるであろうと思う。そうだとすれば、自分の所有地の中で狩猟することを拒むことは当然できるのではなかろうかと、こう私は思うのです。非常にその点は、私、勉強したわけでないが、拒むことができるであろうと思う。そうだとすればその所有権者が免許を受けた者の立ち入りを認めて、そうして狩猟をやることはよろしいという承諾を与えることもできるであろう。承諾を与えるについて、若干の料金を取るということもできるであろう。別にそれは料金を設定する場合には許可を受けるとか、いろいろな行政上の手続は別として、本質的には現在の狩猟法でもそれはできるのではなかろうか。狩猟権というものがあって、これが所有権以上のものであって、所有権は制限されてしまうので、その免許を受けた者はその狩猟権というものがあって、物権的な性格があって、所有権まで制限するのだというほどの権利とはちょっと私は思えないのであります。お話であれば、何か非常にむずかしいようでありますが、将来やはり公営、国営の面を拡充整備することも必要でしょうし、なかなかそれじゃ力が限定されるので、やはり実際上どの程度に伸びるかは別として、公営以外のものを認めていくというようなことが必要じゃないか、こういう感じがするのでありますが、もう一度御意見を伺わせて下さい。

吉村清英林野庁長官

○政府委員(吉村清英君) 私どもも、さような先生のお考えのような考えも持っておりまして、したがいまして、この委託事務の範囲というものをかなり広げますとともに、この委託事務に要する経費を徴収することができると、こういうようにいたしたわけでございます。で、この狩猟権に関する問題、私も十分によくわからないと申し上げるとまことに恐縮でございますが、これは検討をいたしておるところでございますが、この狩猟に関連いたしましては、さくのないところは立ち入りを拒むことはできないようになっておるわけでございます。そういうことからやはり狩猟権というような問題も十分に突き詰めて参りませんと、なかなかこれは一度に解決はできないように考えておる次第でございます。

梶原茂嘉自由民主党

○梶原茂嘉君 議論をするつもりは毛頭ありません。それほどの知識はないのですが、さくの中では狩猟できないのですという建前をとっているわけですが、そういうことは、さく外であればどういう土地でも入り込んでいく権利があるのだということじゃあるまいと、かように私は考えるのです。私自身も検討いたします。  それから、国営の猟区につきましても、委託管理ですか、そうして第三者といいますか、それに経費を徴収をせしめるということに条文上なるわけですか。また、実際上そういう考えがあるでしょうか。

吉村清英林野庁長官

○政府委員(吉村清英君) 今度改正になりまして、そういうようにあげてございます。

梶原茂嘉自由民主党

○梶原茂嘉君 改正条文ではそうなっているのですが、国営猟区は国有財産だと思うのですね。それを委託をさして、その者に経費を徴収せしめるということになるのであろうか、解釈上。ということと、それから、実際国営の猟区を他に委託管理せしめるお考えであるのかという点であります。

吉村清英林野庁長官

○政府委員(吉村清英君) ちょっと私、言葉が足りなかったかもしれませんが、管理事務の一部を委託する、こういうようにいたしておりますが、国営の猟区はただいま栃木県と福岡県の二カ所だけでございまして、これを民間に管理事務の一部を委託するという考えは、ただいま私ども持っておりません。

梶原茂嘉自由民主党

○梶原茂嘉君 次に保護区の問題をお伺いしたいと思います。今度新しく鳥獣保護区ができて、それが二つに分かれる。特別保護区というものがその中に設定できる、禁猟区がそれに吸収されるということでありますが、特別保護区というものを設けた趣旨は、これは鳥獣保護の立場から意味があるのかないのか。鳥獣保護の立場じゃなくて、山林経営といいますか、そういう観点からそういうふうにされたのかどうか。鳥獣保護のために意味ありとすれば、一体どこに意味があるのかという点をひとつ御説明を願いたいと思うんです。

吉村清英林野庁長官

○政府委員(吉村清英君) 鳥獣保護区を設けることにいたしましたことは、やはり野生の鳥獣の保護をするということが目的でございまして、むしろ山林の経営には制限ができてくる、こういうことになるわけでございます。したがいまして、目的は鳥獣の保護ということにあると申し上げられると思います。

梶原茂嘉自由民主党

○梶原茂嘉君 それじゃ私の疑問は、なぜ特別保護区というものを設けたかということです。特別保護区というのは一体どういう意味なのか。現在御承知のように、私間違っているかもわかりませんけれども、現行法における鳥獣保護区というものは、今度新しく認める特別保護区ですか、その機能を持っているんですね。すでに持っている。それを分けて特別保護区を作る。そうするとすれば、いわゆる特別保護区以外の保護区というものの機能といいますか、これは幾らか薄くなるわけですね。どういうわけでそういう必要があるのか、従来どおりでいいじゃないか。従来は両方の機能を持っている、何も分ける必要がないじゃないか、ちょっとそういう感じがするんですが、どうでしょうか。

吉村清英林野庁長官

○政府委員(吉村清英君) 今回の改正では新たに休猟区というようなものも設けたわけでございます。この休猟区は、従来の禁猟区の短期なものというように考えてもさしつかえないのじゃないかと思うんです。で、この休猟区は、大体可猟地域の五分の一程度をローテートして、三年ごとぐらに禁猟にして参るというのが趣旨でございます。従来の禁猟区は大体十年以下になっておりますが、これがまあ引き続き更新をされて、かなり半永久的なものになっているものが多いわけでございます。したがいまして、休猟区というものを設けますと、禁猟区との差異というようなものも出てくるわけでございますが、そのために禁猟区を保護区にいたして、禁猟区は従来は猟を禁止するだけの地域であったわけですが、今回保護区にすることによりまして、ここにありますように、受忍義務を負わせる、それから特別保護地区に、従来の保護区と同様の制限が行なわれる、こういうように整理をいたしたわけでございます。

梶原茂嘉自由民主党

○梶原茂嘉君 一応区別としてはわかるのですけれども、禁猟区を保護区に入れて、ある受忍義務を与える、場合によれば特別保護区にもそれをし得る。従来禁猟区であったものも、特別保護区のほうに入れるということもこれは可能であろう。そうだとすれば、何も二つの仕切りを設けておく意味合いというものは、どうも私にはわからない。まあそれはそれでいいですがね。何かそれについて、積極的に特別保護区を設けることによって、その保護によって鳥類がふえるんだということに私は何もならないのじゃないかというのが私の言わんとしたところであります。  それから、今の保護区、それから禁猟区の中で、私有地がどれほどの割合を占めているものであろうか、大体のことでけっこうです。

吉村清英林野庁長官

○政府委員(吉村清英君) 大体三〇%ぐらいでございます。

梶原茂嘉自由民主党

○梶原茂嘉君 それから、次は免許のことをちょっとお伺いしたいのでありますが、従来は、ともかく狩猟の知識があれば、これはだれでも申請があれば免許ができたし、免許するという建前にあったと思うのです。ところが、今度の改正で、適性だという要件が一つ加わってくる。これはまあ先日もいろいろ議論があったわけであります。適性であるかどうかの判断、これは一体だれが判断をするか。その判断いかんによって免許するかしないかがきまるとすれば、やはり客観的に法律上あるいは法令上はっきりしておかないと、免許という制度の建前からいかがであろうか、こういう気が私はいたします。  それから、もう一つ、これは先ほども議論があったのでありますが、鳥獣の繁殖状況を考慮しろ、そうなりますと、どうもおれの県じゃこのところ非常に少なくなったから、一年ひとつ免許をやめようという判断を知事がしたとすれば、それはそれでもよろしい。相当希望者があったけれども、どうもこれは多過ぎるから、ことしは、十人にひとつ限定しょう、ちょうど猟区において入って来る人を制限するように。免許がそういう裁量によってしんしゃくされることになるのかどうか。一体そうだとすれば、免許制度を法律上何かそこをはっきりしておかないと、一方に免許制度があって、免許を与えられる者と与えられない者がある、それはその鳥獣繁殖の状況で左右されるのだということもいかがなものであろうかという気がするのでありますが、その点をひとつお伺いしたいと思います。

吉村清英林野庁長官

○政府委員(吉村清英君) まず、免許の問題でございますが、従来、現行法におきましては、講習を受けますと免許が得られるようになっております。で、今回は講習に課程を設けまして、テストをいたしまして、それの修了者につきまして修了証明書を出しまして、これを入猟県の知事が呈示を受けて免許を与える、こういうことになります次第でございます。  次に、この適性の判定の基準でございます。それと、また繁殖の状況を見てというような条項の問題でございますが、その点につきましては、さような極端な事態の起きないように、私どもあらかじめ通達その他において十分指導をいたしたいと存じておりますが、私どもただいま考えております範囲におきましては、現状のような状態では制限をされるというようなことはないという考え方を持っております。

梶原茂嘉自由民主党

○梶原茂嘉君 現状で制限することはない。しかし、状況が変われば制限をする。一応講習を受けるか、講習を終了するということは免許の条件じゃないんですね。実際上の条件ですけれども、法律上の条件じゃないんですね。しかし、まあ講習を受けた、しかし、鳥が少ないから制限するのだ、こういう制度になるとすれば、やはりそういう制度の免許といいますか、そういうことにしないと、たとえば試験をして何人今度はそのうち合格者をきめるのだというようなことをしていかないと、ちょっと免許という性質上いかがであろうかという感じがするのでありまして、ひとつ御検討おきを願いたいと思います。  それから、最後に、免許の取り消しの問題であります。現行制度は、刑罰に触れて罰金以上の刑に処せられますと、免許は当然その効力を失って失格をするわけですね。今度の改正法案においても、その点はそのとおり。ところが、その罰金以上の刑以外に、狩猟関係の法令に違反した場合、あるいは府県の規則に違反したような場合に免許の取り消しの制度がある。これは当然だと思う。従来は免許というものは一本であって、あるところで取り消しをすれば、それで全部の免許はなくなったわけであります。今度は一人の人にたくさんの免許がある。そうすると、ある違反について、ある県は取り消した、他の県は、いやそんな必要はないというので、それは存続するというような事態が当然あり得ると思う。それはそれでいいのかというのが一つ。  それから、今度の改正案では、「免許ノ全部又ハ一部」の取り消しとある。免許の一部取り消しというのは一体どういう内容であろうかという疑問です。それをひとつ。

吉村清英林野庁長官

○政府委員(吉村清英君) 御指摘のように、今回の改正におきましては、その免許を多数の県で受けられるようになっておりますので、一つの県で違反が起きますと、その県で知事が免許を取り消すということになるわけでございます。したがいまして、一応この居住地で講習の終了証明書を出しますときに、それぞれ各府県のあて名がわかるわけですが、そういう台帳を作っておきまして、違反のあった県から証明書を出した居住地の県へ通知を直ちにすると同時に、林野庁へも通知をもらうというようにいたしておきまして、他の違反のなかった県にも通知をいたしまして処置をしてもらうようにする、こういう若干手続がめんどうになりますが、そういうことにいたすように考えております。  それから、免許の一部を取り消すということでございますが、これは、たとえば狩猟免許の中に甲、乙、丙とございます。銃猟で違反をしたという場合には銃猟の免許を取り消すというような意味でございますが、指導といたしましては、これはやはり精神的にも、全般的の取り消しをするというように指導いたしたいと考えております。

梶原茂嘉自由民主党

○梶原茂嘉君 今の甲、乙、丙の免許があるのですね。そのとき甲を取り消したら、免許の一部取り消しじゃなくて、その甲という免許の取り消しなんじゃないかと思う。少し理屈っぽいですけれども、そういう気がする。免許というものは一つなんだ、その免許の一部を取り消すと、現行法は「免許ヲ取消ス」とあるのですね。今度は改正して、「一部」というのを入れた。どういうわけでこの「一部」というのが入ったのであろうか、今のお答えであるということ、それは免許の一部取り消しじゃなくて、免許の全体の取り消しじゃないかと思うのですが、重ねて……。

吉村清英林野庁長官

○政府委員(吉村清英君) 私、足りませんでしたが、その者の免許を取り消す、こういうことになっておりますので、たとえば甲、乙、丙と一緒に持っておりますと、その一部の乙を取り消すという一部になると思います。

梶原茂嘉自由民主党

○梶原茂嘉君 現行はそうじゃないわけですね。

手束羔一林野庁指導部造林保護課長

○説明員(手束羔一君) これは古い法律でございまして、その狩猟免許というふうに表現してございますが、この法律の用例では、その者の狩猟免許ということになっております。これは六条をごらんになっていただきますと、「白痴者又ハ瘋癩者ハ狩猟免許ヲ受クルコトヲ得ス」と書いてございまして、「狩猟免許ヲ受ケタル者白痴者又ハ瘋癩者ト為リタルトキハ都道府県知事ハ其ノ免許ヲ取消スベシ」と、これはその者と読むことになっております。

梶原茂嘉自由民主党

○梶原茂嘉君 その者とは書いてないですね。

手束羔一林野庁指導部造林保護課長

○説明員(手束羔一君) ここでは、その者とは書いてございませんが、この法律全体に通ずる用語の使用方法がそのようになっておる、これは法制局の解釈でございます。

梶原茂嘉自由民主党

○梶原茂嘉君 白痴、瘋癩の場合に取り消すという場合と、今の八条ですか、八条の「全部又ハ一部」という場合とは、私は違うと思いますけれども、ここで議論するつもりはありません。  最後に、雌ですね、巣ですね、これを取ることを禁止しておる国が英国あたりはあるようですけれども、あれは取り締まりの対象にしておく必要は全然日本ではないのでしょうか。

吉村清英林野庁長官

○政府委員(吉村清英君) 巣は取り締まりの対象にはなっておりません。

梶原茂嘉自由民主党

○梶原茂嘉君 なっていないということは私も知っているのですけれども、あの巣も取り締まりの対象にして、この巣を取っちゃいかぬ、卵はいかぬわけですね。その必要はないのであろうか。よく巣を取ることがあるようなんですけれども、どういうものであろうか。他の国にはそういう立法例があるけれどもとこういうことを申し上げたわけです。

吉村清英林野庁長官

○政府委員(吉村清英君) お答えいたしますが、非常にむつかしい問題でございますが、実質的には私にもよくわかりませんが、卵、それからひなを取っていけないことになっておるわけでございまして、まあ当然卵、ひなのいる巣はいけない。すでに巣立ってしまった巣は取っても差しつかえないような気がするんですが、その点どうも勉強が足りませんで、また帰ってくるものですかどうか、それは……。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 私、他の委員会の関係があって、きょうで質疑を、私に関する限り、終わりたいと思いますので、委員長並びに各位にひとつ御了承を願いたいと思います。たいへんおそくなって恐縮であります。  先般、私が質問しましたのは、この法律で明文として書かれてもおらなければ、資料としても出されていないことについて質問いたしました。ところが、これはなかなか大きな問題でありまして、政府側の答弁も、実は窮されたようでございます。このことはもう言及しないつもりでおりましたけれども、実は、先ほどの参考人の意見等を聞きましてますます心配になって参りました。私が指摘したのを繰り返して恐縮でありますが、一言でいいますと、この法律の一条の中に「利害関係人」云々という言葉もございますけれども、それが通常ハンターの立場であるとか、あるいは特別の鳥獣保護者であるとか、そういう立場もしくは猟具の生産者、販売者、こういう立場の者のことがどうもこの法律に書かれておる。ところが、そういうカテゴリーに入らない第三者のことは全然配慮されていない。そういうカテゴリーの者は何かというと、畑を荒らされたり、作物の中に立ち入られたりする農民であります。この農民が、さっきから答弁聞いておりましても、確かにさくだの欄だの囲障のある所へ入ってはいけない、こういうことが書かれております。しかし、農家のさくなんというのは、鉄筋コンクリートで監獄のようにできているのではないし、ブロック建築でやっているのもほとんどない。大かたは生けがきで、さもなければ、それに少し荒なわを加えている程度で、大体三月もたてば腐りそうなものでできている。だから、現実にはどんどん入ってくる。そういう者は訴えれば取り締まれると、こう答弁されますけれども、日本の一体そういう土地というものは、各農家に八町五畝か六畝なんですよ。八町五畝か六畝は、われわれ関東のまん中に住まっている者でありましても、土地条件がいい平地ですから、そういういい所でも、日本の現状は、七か所にも八か所にも分かれているというのが現状だ。ことに鳥獣の猟をするような山寄りというように所になりますれば、これは段々畑、段々たんぼといったような工合で、一町歩あれば、ことによると二十カ所も分かれている、これが実情でしょう。その実情の農民というものが入りまじっているところだ。だから、事実は、一々お断りをして許可を受けたのでは烏なんか一つもとれないし、獣なんか一つもとれないですよ。とれないのにとるというのは、結局だれもハンターが許可を受けた人はいないということなんです。そういう第三者で、被害だけは受けるということについては、参考人も何にも言っておられないのですね。そこで心配なんです。だから私は、他日も言うたようにに、われわれの少年のころ、鉄砲撃ちにはかまうな、こわくてしょうがない。勝手に入ってくるのだし、どこであっても勝手にとるのだし、畑だってたんぼだって自由勝手に入ってくる。これは私もここでは言いにくいことです。言いにくいことですが、これに関連しまして、まるで警察の統計にも何にも出てこない事柄がある。それは婦女暴行例。これはいなかでありますから、恥になるから、ますますもって言わない。片方は鉄砲持っているのだから、別に脅迫した覚えはない、だれも写真とった人はないのですから、証拠としては一つも残りません。しかし、私が指摘したように、こっちは免許をもらってとるのに、おまえら何言うかということで鉄砲を向けられれば、先方は脅迫と受け取るのにきまっているのであって、その際に、どうしても鉄砲撃ちにかまうなということが出てくる。長い話は、過日の質問で尽きておりますから、やめますが、それをきょうの参考人等も何一つ言わないし、そういうことについて警察側も何も配慮してない。こうなると、この部分だけはどうしても私はつけ加えてもらう必要があると思いますけれども、いかがでしょう。これはもう一つの大きな人道問題で、政府の方針でもあろうと思います。でありますから、人づくりについて政府が言っている今日、そういうことは少しでも避けて、「利害関係人」といったって、これは害の関係人、はかりであって、被害を受けるばかりの関係人でありますが、そういう人の立場を、法律改正のたびに、少しでも取り入れていくということでなければ、とても人づくりなどということは言えないということになってくると思いますが、ひとつこれにつきましては、政務次官及び長官から答弁をいただきたいと思う。

吉村清英林野庁長官

○政府委員(吉村清英君) 御指摘の点につきましては、まず、やはり御指摘のように、人づくりが大切だと思うのでございます。人の宅地の中での狩猟等の問題でございますが、この点につきましては、昨日御説明を申し上げましたとおりで、あれに尽きるのでございますが、やはりその問題を十分に解決をいたしますためには、先ほどちょっと触れましたが、その土地の所有者の狩猟権というような問題にも立ち入りまして検討を進めて参らなければならないのじゃないかというようにも考えられるわけでございます。したがいまして、現在のところでは、かような方法によって処理をいたしていく以外にはないというふうに考えておる次第でございます。で、さらに人に危害を与えるというような点につきましては、これはまあ狩猟の範囲をこえまして、銃砲所持等の関係から、警察のほうでやっていくというようになるかと思うのでございます。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 このことを言うと、ほかの質問ができなくなりますから、そこで、私は、少しく今の前提に立ちまして、条文上のことをお聞きして、最後にまとめてお伺いすることにいたします。  第一条の末項であります。まず、「公聴会ヲ開キ利害関係人ノ意見ヲ聞キ、且」云々と、こうなっている。この「利害関係人」というのは、この立法の態様からいたしますと、私が言う全くこの条文や資料の中に出てこない。荒らされるなら荒らされるのばかし、あるいは営巣だの立木だの切ってはいけないとか、そういう制限ばかりを受ける農民の立場はないのでありますからこの際の「利害関係人」というものはそういうものを除いているのか。これはむしろ私は、「利」のほうの関係人なんかよりも、「害」のほうの関係人を集めて諮問をするほうがしかるべきだと思う。そこで、またつづめて言えば、今私が指摘したように、害だけ受ける、あるいは制限だけ受ける農民のほうはこれに一体入れるのか入れないのか。もし入れる場合は、圧倒的な数にしなければいかぬと思いますけれども、このお考えはどうですか。

吉村清英林野庁長官

○政府委員(吉村清英君) 当然この「利害関係人」の中には先生の御指摘のような人たちは入ります。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 次に、第五条以下、つまり免許の制限条項が、ずっと次の条、次の条等にわたって書かれております。これによりますと、さっき梶原委員も指摘されたと思いますが、「罰金以上ノ刑二処セラレタル者」云々と、こういうのがあって、その次に第六条になりますと、白痴、瘋癩者は狩猟免許を受けることができない、こういうような条項もあります。しかるに、普通の場合、危険を伴うようなものについては、他の刑を受けた者についても制限をするということが私は普通であろうと思う。ところで、まあ新憲法でありますから、それは変わったというお答えもあるかもしれぬ。しかし、無関係でないのは、さっき言うように、全然統計に現われないところの婦女暴行等が現にあるのです。もうこれは関係者がひた隠しに隠すから現われないだけで、警察で取り締まり云々ということで、さっき別のことで答弁がありましたが、警察には知られない。そういうのがあるのだから、少なくとも、たとえば破廉恥罪を犯した、こういう者には免許をやらない、あるいは殺人をやった、こういう者には免許をやらない、あるいは放火をやった、こういう者には免許をやらない。全部の刑事犯罪を犯した者にやらないというのではないけれども、列挙主義で、少なくとも、殺人もしくは殺人未遂であるとか、過失傷害の場合は別としましても、そういうところや、あるいは暴行、傷害、こういうようなことを犯した者にはやらないというのが当然じゃないかと思うが、どうです。物騒ですよ、人殺しなんかした前科のある者にどんどんやるというのは。

吉村清英林野庁長官

○政府委員(吉村清英君) その点は狩猟の免許でなしに、銃砲等所持の許可でやっていただくのがいいのではないかというように考えております。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 それはおかしいのだ。それだから、その銃砲刀剣類等所持取締法、そういう法律はありますけれども、やはり、ものは全きを期さなければならないのですから、それならば、それをここで、これこれの者には与えないと書いてどこにじゃまになるかというと、じゃまにならない。じゃまにならないものならば、やはり書くべきだ、私はそういう主張をします。では、それを書かなくても完全に取り締まれますか、どうです。そっちでやるべきだというあなたの希望はわかるけれども、完全に取り締まれるか取り締まれないか、いかがですか。

楢崎健次郎警察庁保安局保安課長

○説明員(楢崎健次郎君) ただいまの問題につきましては、御承知の銃砲刀剣類等所持取締法の第五条の六号でありますが、「他人の生命若しくは財産又は公共の安全を害するおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者」には所持の許可をしてはならないということになっておりまして、御指摘のような場合には、そういう罪を犯すおそれがあるという場合には所持ができないということになっておりまして、そういう者が万一これを手にするという場合には取り締まりの対象になるというふうに考えます。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 それは、最近の戸籍では、なかなか前科も書かない、抄本などをとった場合には書かないというようなことになっておって、それで、あの法律にもあり、この法律にもあると幾つも書けば、網の目から漏るということもだんだん少なくなるけれども、一つあるから、もうこれで完璧でありますから、こっちの別の法律では書きませんということでは、それは法律を職業にしているような人方は何でも知っている。私は、そうでない者が対象なんだから、そこを考えた場合には、いささかの重複は、どうも法文体裁上は少しく妙であっても、書いてじゃまにならない、あるいはさしつかえないという場合には書くべきである、私はこういう主張なんですよ。だから、私が今質問するのは、そういうことを言っていてもしょうがないから、では、あなたが今言ったようなことで完璧でありますか。完璧でなかったから、だから現に暴行だ脅迫だというのが起きているのですよ。さっき言った前提をずっと追ってきて私は質問しているのですから、そのことも心得てひとつ答弁願いたい。大丈夫ですか。私が心配した、また、過去にあったというようなことが将来起きませんね。

楢崎健次郎警察庁保安局保安課長

○説明員(楢崎健次郎君) 警察としましては、銃砲刀剣の所持違反に対しては、現在これが完全に守られるように厳重に取り締まっておりまして、御指摘のような場合が絶対にないということは、完全は保しがたいと思いますが、そういうことのないように、これからも十分に注意して、その効果をあげていきたい、こう思う次第でございます。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 あれだけ取り締まっておりながらも、これだけの人の洪水の東京でさえもしばしば違反事件が起こるので、人里離れたところで起きませんなんということは、あなたにだって言えっこないのです。だから私は、補完するならば、あれにも書き、これにも書くということが必要である、これは主張でありますから、この程度にとめます。  次に、十一条四号「農林大臣ノ指定スル公園其ノ他之二類スル場所」というのはどういう所か。五号の「社寺境内」というのは、よく常識的に神社仏閣、こういうことを言うのでありますが、常識論でなく、法律用語としてここに用いた場合の社寺とは、どこの範囲までさしておりますか、以上二点。

吉村清英林野庁長官

○政府委員(吉村清英君) 「農林大臣ノ指定スル公園其ノ他之二類スル場所」でございますが、それは自然公園、緑地、園地、そういうような所でございます。  それから、社寺の境内でございますが、社寺の境内は、慣習、地勢、四囲の状況等によりまして、事実上その境内と認むべき地域をいうということになっております。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 そうすると、その自然公園というのは、東京ならば目黒に一カ所あります、そういう自然園と名前をつけたものが。しかし、今あなたの答弁の自然公園とは、自然をそのまま保存していると、こういう解釈になれば、国立公園、国定公園あるいは同じく国で指定しなくても、県立の公園、自然を守るという、こういうものが全部入っていますか。

吉村清英林野庁長官

○政府委員(吉村清英君) 言葉が足りませんで失礼いたしました。自然公園法の第十八条の一項の「特別保護地区」及び都市計画法の第十一条の二の規定によります「公園、緑地」、こういう所でございます。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 社寺に対する答弁はきわめてあいまいであります。私はなぜこの質問をしたかといいますと、通常われわれが用語として使っております神社仏閣、こういうことになりますと、同じく宗教法人の中で、要するにこの法律によって保護されるものとされないものができやせぬかということであります。これは法律の平等の原則に反することになります。たとえばキリスト教でありましても、それは全部社寺の中に入るのか、いわゆるチャーチのさくの中も入るのかどうか、あるいはそのほかに佼成会なんというのがあって、私は無宗教ですけれども、道場がある、そういうものが中に入るのかどうか、あるいは他の新興宗教といわれるところもあり、何か本部とか本山とか、あるいは道場とか、そういうものを持っている。それは入るのですか入らぬのですか、いかがですか。

吉村清英林野庁長官

○政府委員(吉村清英君) 欄さくのような囲いのある所は当然入ります。それから、その他キリスト教その他の宗教の社寺に当たるものは入ります。これは大正七年の判例に出ておりまして、先ほど申し上げたような所を社寺の境内ということになっておるのでございます。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 それは欄とか、さくとか、囲障とかということは別のものでも出ております。それは普通の場合、民家であれ何であれ、みんな包含されるわけです。通常の言葉で言えば屋敷内という言葉です。ところが、道場や何かの場合は、あなたの指摘する囲障も何もないのがあるが、これは一体どうしますか。そこの持ち地所あるいは管理地であっても、囲障などはない。その場合、法律用語として社寺というと、われわれが普通使っている神社、仏閣と、こうなるんです。それじゃ神社、仏閣のほかはこれに入らない、こうなるというと、法律の保護を受ける場合の平等の原則に反することではないか。だから、教会であろうと、あるいは道場であろうと新興宗教の本部であろうと、何であれ、すべて包含されるのだ、こうなら平等の原則だけは貫けますが、いかがですか。

吉村清英林野庁長官

○政府委員(吉村清英君) 道場というものがどの程度のものか、十分にわかりかねるわけでございますが、少なくとも、宗教上で社寺というものの範疇に入るようなものはこの中に含まれるというふうに考えております。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 どうもあいまいですね。これもまた仕方がないから、要望しておきます。私個人は無心教ですから、別にどの宗派の立場を白ろうという気持はない。問題は、平等の原則ということを大前提にして質問をいたしておるわけでありまして、むしろその場合、神社本庁などでは、他の宗教と同列に扱ってもらっては困る。これは日本の神道は宗教にあらずという主張をする文書も議員各位の手元にも幾たびか届いておる。だから、これは別個に国家において特別な措置を講ずべきであるというのに、こういうことなんです。そうすると、これは法人であるけれども、学校の法人のようなものとも違う。営利事業にはむろんほど遠い。そこに租税の面や、何かいろいろ宗教に対しては保護されている。片方は宗教にあらず、しかし、保護だけはもう少しよけいにしろ、こういう主張もある、宗教でないところに。そうすると、ここでいっておるものはすべて社寺という通念もあるから、そういうところで使用しちゃいかぬ、こういう法がある。ところが、他の宗教で宗教法人として届け出てあっても、なかなか今までの答弁を聞いていてもあいまいです。これでは困るのでありまして、政府におかれては、一体彼らみずからが宗教にあらずといっているものをどうするか。これはこの法律だけではない。あらゆる法律に関係してきますから、その見解はひとつ統一されることを私は要望しておきます。  それから、とりあえずは法律の平等性からいたしまして、それぞれの宗教で道場と名乗ろうと、不道場と名乗ろうと、それはそれぞれのあれで勝手です。その自由が詐されなければ宗教の自由なんてない。どういう文字を用いなければけしからんなんて言ったのでは、宗教の自由というものはありません。宗教の自由ということが憲法の大前提である限りは、どういう文字を用いようと、この場合、法律上、「社寺境内」の中へ入れるべきであるというのが私の考え方であります。でありますから、取り締まる、あるいは保護する場合には、名称がいかがであろうと、同様に扱われたいとこの際希望いたします。  それから、時間がなくなりましたから、冒頭の問題に移りますが、この法律によりますと、さっき参考人は、何か特別保護区はえさをくれたりなんかしておるのだ、保護区は従来の禁猟区の横すべりである、こういうお話をされておりましたが、少しお述べになったことと違うようであります。この点は狩猟法の中では、「生育及蕃殖二必要ナル営巣、給水、給餌」、こういうものをやる。ですから、この点は違う。その点を長官は指摘されなかったようでありますが、それに加えて特別保護区というと、今度は水面の埋め立てとか干拓とか立木竹の伐採、工作物の設置、これはいけない。だから、そういう場合には農林大臣または都道府県知事の許可を受けなければならない、こうなっておる。これはさっき言う私人でありましても、この範囲内に入ればそういう制限を受ける。これは一面からいいますと、憲法の私有財産権の制限であります。否定とはいいませんけれども、制限であります。だから、一体法律は、権利と義務というものは大体ついて離れない筋合いのものでなければならぬが、そこへこういう義務を一方で法律上課せられておる。農民のほうは今度はどこで守られるかというと、まあ訴える。訴えなくても守られなければならぬ。片方に法の制限があるならば、どこから考えても不利じゃありませんか。

吉村清英林野庁長官

○政府委員(吉村清英君) 特別保護地区の場合には、制限によりまして通常生じます損害については、補償をいたすことになっております。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 どうも私どもの考えることと、政府の法律をしょっちゅういじっておる方の考え方がほど遠くて困る。私どもは法律を審議する場合に、血のかよった法律ということをしょっちゅう申します。それはどういうことかといえば、地方の狩猟に適する所の農民は、今だって、ずいぶん進んだとはいいながら、農村にとどまっておるような人は、理屈は下手であります。そういう前提でものを考える場合には、何か少し自分の畑に入られたからこれを訴える、損害賠償を要求するそういう者は農民の中では事好みであるとか、騒動元であるとかいわれる人であって、普通の良民というものは、めったに警察へ当然のことを言いにいくのであっても、どうも足が重いというのが良民、その良民がとにかく日本の数にして圧倒的に多いがゆえに、あれやこれや不備だらけの法律の中でも、とにかく平穏無事にいっておるのですよ。一々何かちょっと半があれば理屈を言って、ことによれば国家賠償まで持ち出すというような人ばかりいた日には、世の平穏無事は期せられません。それがあるから、私は、そういう訴えがなくてもやり得るという法の片方に条文を置き、そうして、また今のような制限をする条文を置く、これが今日民主主義下における法律を作る基本的な考え方でなければならぬと思いますが、いかがですか。これ以上議論しません。やめます。

吉村清英林野庁長官

○政府委員(吉村清英君) まことにごもっともなお話でございまして、そういう点につきまして、私どもがさらに農民の方々、言いかえますと、良民の方々に十分こういった趣旨を徹底をする努力が足りないということになるかもしれませんが、これはひとつ今後も十分に努力いたしまして、こういう趣旨を認識していただいて、御協力を願うというようにいたしたいと存じます。

井川伊平自由民主党

○井川伊平君 ただいまのに関連いたしておることで、簡単に一、二点お伺いいたしますが、十七条の、「欄柵其ノ他ノ囲障又ハ作物アル土地」においては、占有者の承諾がなければ捕獲をしてはならぬと規定されておりますが、「欄柵其ノ他ノ囲障又ハ作物ノアル土地」について、どういう根拠でこういう規定を設けたのか。占有者の占有権の保護ということが基本になっておるように思うが、そうであるかどうか、簡単にお答えをちょうだいすればいいです。

吉村清英林野庁長官

○政府委員(吉村清英君) これは大体住宅、それから牧場その他のことを予想しておるわけでございますが、そういう所へ黙って入って狩猟をするということは非常に困るということ。それから作物のある土地で踏み荒されることは困るというような意味でございます。

井川伊平自由民主党

○井川伊平君 困るとは占有者が困るという意味ですね。

吉村清英林野庁長官

○政府委員(吉村清英君) はい。

井川伊平自由民主党

○井川伊平君 その点了承しました。そうだとすれば、占有者が困るという意思をあらかじめ表示したと認められるならば、「欄柵其ノ他ノ囲障」といったように制限する必要はないのではないか、これ以外にも方法があるのではないか。たとえば道路沿いの土地を持っておる。向こうは川が流れておる、こちらに奥行きの道路がある。道路のところに一メートルほどの標識を置いて、この道路沿い向こうの川までこの奥約千メートル、これは自分の占有しておる土地だから、あるいはその土地はいかなる土地でもいい、だから猟はお断わりする、こういうような標識は、それは「欄」にも入らず、「柵」にも入らず、「囲障」にも入らないと思うけれども、入ってもらっては困るという占有者の意思ははっきり標示されるであろう。そういう場合は、そういう標識があっても、この三つに制限されるならば、その標識は何らの効力がないということになるが、なぜ「等」とか何とかいう文字を入れて占有者の意思を尊重するという趣旨のことをこれに規定しないのか。その根拠をお聞きしたい。

吉村清英林野庁長官

○政府委員(吉村清英君) 占有者の意思を尊重して「承諾ヲ得ルニ非サレハ」というふうにしてあるわけでございますが、ちょっと御質問の趣旨が……。

井川伊平自由民主党

○井川伊平君 たとえば、今言ったように、道路沿いの土地を持っている人がある。道路の向こう側に川がある。川のこちら側は奥行きの、直角なら直角でもよろしうございますが、道路がある。その道路の角のところに、これより東、川まで奥千メートルという標識がありまして、これは占有者、住所、何の何兵衛の占有であるから、この中の猟をお断わりするという表示があるとすれば、「欄」がなくても、「柵」がなくても、「囲障」がなくても入られぬということは当然じゃないか。もしそうだとするならば、これは「欄」とか、「柵」とか、その他の「囲障」に制限しないで、「等」というふうな文字を入れて占有者の意思を尊重するような方法を講じたらどうか、こう言って聞いているのです。

吉村清英林野庁長官

○政府委員(吉村清英君) そういうことになりますと、大きな土地の所有者でありますとか、そういう人たちの乱用も心配である。それから……。

井川伊平自由民主党

○井川伊平君 乱用じゃない。

吉村清英林野庁長官

○政府委員(吉村清英君) いや、そういう心配もあるということでございます。それから、その他非常に多数の人がそういうことになりますと、狩猟する場所も非常に狭められるという心配も出てくるわけでございます。そういうような関係から「等」という文字を入れてないということであります。

井川伊平自由民主党

○井川伊平君 そういたしますと、これは狩猟の許可を得た者は、所有権や占有権をこえた力を持っておって、所有者、占有者の意思に反してもできるということですね。

吉村清英林野庁長官

○政府委員(吉村清英君) この制限をしてあります以外ではできるということになるわけであります。

井川伊平自由民主党

○井川伊平君 そうすると、この範囲では鉄砲撃ってもらっては困る、私の土地ですから、どうぞ出て下さいといって拒む権利もないわけですか。

吉村清英林野庁長官

○政府委員(吉村清英君) その点でございますが、裏を返しますとそういうことになるかと考えております。

梶原茂嘉自由民主党

○梶原茂嘉君 何かそれは判例か何かにありますか。

吉村清英林野庁長官

○政府委員(吉村清英君) 判例にはございませんと思いますが、確かめてみます。

梶原茂嘉自由民主党

○梶原茂嘉君 私は、先ほどの質問でも、それは所有権者は拒み得ると思う。かりに長官、この「柵」という字を普通の家の周囲とか言っておられるけれども、山持ちがずっと自分の山にさくをめぐらした。そうすると、それは該当するわけでありますか。

吉村清英林野庁長官

○政府委員(吉村清英君) 該当いたします。

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) 本日はこの程度とし、これをもって散会いたします。    午後五時七分散会

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