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43回国会参議院1963/02/15

農林水産委員会 第8号

発言数
105
登壇者
5
会派数
2
開催日
1963/02/15

会議録

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  開拓者資金融通法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本件について御質疑のおありの方は、御発言を願います。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 きのう配付をしてもらいました資料ときょうの資料はまだ見るひまがありませんので、この中にもあると思うのですが、開拓者に対する融資の現況について、資料を中心にお伺いしたいのですが、資料の一つは「開拓者に対する融資状況調」というものと、もう一つは、「開拓者資金融通法による現行貸付金一覧表」、さしあたりこれだけの資料しかありませんが、これの中身を少しく詳しく伺いたいわけです。まずこれの二つの表の関連はどう理解したらいいか、具体的にもっと質問を砕いて申しますと、「開拓者に対する融資状況調」の中で、法律による貸付金の内容は、どれとどれに該当しているか、この点からまずお聞きしますよ。

任田新治農林省農地局長

○政府委員(任田新治君) この表の中で開拓者資金と書いてございますのは、これは今回上程しておりますところの改正の開拓者資金融通法の関係のものでございます。それから公庫資金並びに自作農資金というこの関係は、農林漁業金融公庫法に基づきまして融資をいたしておるわけでございます。系統金融機関の関係でございますが、営農改善資金それから災害経営資金この関係は、これは振興臨時措置法の関係のものでございます。それから開拓保証資金というのがございますが、これは開拓融資保証法の関係の資金になっております。それから中金のプロパー資金ということになっておりますが、これは中金の業務報告書の中にあるものと思います。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 私の質問は、もっと具体的に伺うのですが、開拓者資金のものは、この法律による四つの種類のどれとどれですか、2.と3.ですか、営農振興対策資金と、営農促進資金の二つが開拓資金ということですか。

任田新治農林省農地局長

○政府委員(任田新治君) 開拓者資金です。営農改善資金はこれは違いますが、開拓者資金の関係は、今度の法律の関係としましては、開拓者資金でございます。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 だから、それがこの別表にあるものの、その法律による資金が四つあるでしょう、そのうちのどれが開拓者資金ですかと伺っておるのです。

桧垣徳太郎農林省農地局管理部長

○説明員(桧垣徳太郎君) その四種全部がこの表に載っております開拓者資金です。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 ああそうですか。四種全部ですか。それで融資機関は。

桧垣徳太郎農林省農地局管理部長

○説明員(桧垣徳太郎君) 融資機関と申しますか、これは御承知のように開拓者資金融通特別会計から政府が直接貸しておるものでございますので、政府が貸しております。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 特別会計ですね。それでもう少し関連して伺いますが、個人からの借金もかなり開拓農家としてはある。その実態はどういう内容ですか。政府資金、公庫資金、組合金融系統資金以外に個人借りが開拓農家には、これは借金の総体の、高い場合は四割、低くても一割、そういう実態まで押えた融資政策が確立されなければならぬので伺うのですが、個人からの借金が一体どういうふうになっているかの実態を、政府は一体どう把握されておりますか。

桧垣徳太郎農林省農地局管理部長

○説明員(桧垣徳太郎君) 開拓者の、個人からの借入金につきましては、実は従前からその調査も非常に困難な点もございまして把握をいたしておりません。したがって、厳密な意味でどのぐらいあるかということは、むずかしいのでございますが、統計調査によりましてサンプル的に調査いたしたものでは、個人の借入金は一戸当たり平均二万五千円程度の負債があるという調査でございます。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 これもサンプルによって出た一開拓農家ですね、今の、そうですね。一開拓農家の個人借りが二万五千円ある、この条件もピンからキリまであると思いますが、平均してそれらの借り入れた条件はどういう条件にあるわけですか。

桧垣徳太郎農林省農地局管理部長

○説明員(桧垣徳太郎君) ただいまのサンプル調査におきましても、融資条件の個々の調査をいたしておりませんので、詳細は判明いたしかねます。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 これはかつて農林中央金庫からそういう実態を調査しようという申し入れをしておったはずですが、なぜ政府はそこまで突っ込んだ実態調査をなそうとされなかったのですか。

桧垣徳太郎農林省農地局管理部長

○説明員(桧垣徳太郎君) 渡辺先生のおっしゃる農林中金の申し入れというのは、どういう時期でございましたのか承知いたしませんので、ちょっとお答えがぴんとはずれになるかもしれませんが、今回の開拓営農振興審議会が答申を行ないましたあと、関係金融機関等で農家の負債の実態について調査をしようではないかという申し入れがございまして、もっともその点はわれわれとしても将来の本格的な何といいますか、調査資料を得るための前提的な調査としては、そういうことは必要であるというふうに考えておりましたので、農林省、農林中金、それから公庫、開拓者団体等でそれぞれ職員を合同派遣いたしまして、ごく最近一部の個所につきまして実態調査に出向いて参ったところでございます。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 いやしくも、この金融の条件等が変わるような内容を持つ法律の手直しをするという場合には、もっとやはり現実を十分ふまえた上で実態に即して出さなければならぬと思うが、そういう場合に、非常に困難であるが、こういう問題の把握なしに私は適切な手はなかなか打てないと思う。だから、もっとやっぱりほんとうに開拓金融というものを十分現実に生かしてやろうとするならば、もっと積極的に実態調査というものをやろう、特に把握困難な個人の債務というようなものは掌握して、しかる上で法律なりその他の措置を講ずべきものだと思います。非常にその点は不十分だと思います、政府の態度は。  次に伺いますのは、今、局長から答弁がありましたように、その開拓者に対する融資の実態というものは、あるものは政府であり、特別会計であり、あるものは農林漁業金融公庫であり、あるものは農林中央金庫であり、あるものは県の信連であり、あるものは末端の農業協同組合であり、あるものは個人の貸し付けである。こういう雑多な実態の上に立って、一体それらの融資を受けている開拓者の農家から見れば非常にどうも慨嘆にたえない点は、その先取り勝手というような現象が現われている。そういう事態はお認めになりますか、どうですか、局長。

任田新治農林省農地局長

○政府委員(任田新治君) 融資の機関がそれぞれ分かれておりますので、その点はある程度あると思いますが、いずれにいたしましても、この開拓者に対する融資は、基本的な考え方といいますか、償還期限なり、政府機関というものがあらかじめ打ち出されてあるわけでありますので、先取りというような、そういうようなことはあまりないのじゃないかと思います。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 ないじゃないかじゃなくて、現実にあるから問題として提起しているわけです。特に個人借りというものは、回収も一番早くやっておる、身近かな血縁関係には。したがって、償還能力がないという現状においては、先取り勝ちということがやはり金融の本能的な立場から当然行なわれておる。それがないと思われるというような甘い情勢判断では、私は適切な金融政策は確立しないと思う。だから総体のやはり融資の実態というものをふまえて、抜本的な開拓金融政策を確立する必要があるということを繰り返して言わざるを得ないわけです。現実にこれは早いもの勝ちです。そこでこの現状の、ばらばらに融資がなされておるというものを、やはり交通整理をしなければならぬ。これは審議会の審議の中でもかなり強く意見が出ているわけですね。それに対して、きのうもらったこの農地局の構想なるものを見ると、やはり政府資金を軸として公庫なり、あるいは組合金融なりで補完的措置を講ずるという定石的な考え方を構想に述べていますけれども、現地の実態というものは、そんな補完的な役割を持つなどということでは、非常に金融の交通整理ができていない現状の上で混乱をしておる。そこで、この開拓金融については、何としても大幅な金融機関交通整理が、これは現実の上からいってどうしても必要であると私は思うのですが、その点局長どうですか。

桧垣徳太郎農林省農地局管理部長

○説明員(桧垣徳太郎君) 局長からお答えすべき問題でございますが、若干従来の審議会等における経緯もございますので、かわって御説明を申し上げます。御指摘のように開拓者に対する融資機関の系統は、現在いろいろな形で行なわれておりまして、開拓者の側から見れば金融系統が複雑である。あるいは償還等に不便が多いというような意見があるようでございます。審議会におきましても、その点開拓者に対します金融機関の整理統合と申しますか、窓口の一本化とか、そういう、ような御意見が出たのでありますが、同時に開拓者の基本的な営農資金につきましては、これは開拓者の特殊事情によりまして、政府の現在のディスカス方式というものにも十分な意味があるというような御意見もあったのであります。ただ全体の御意見として、やはり現状のままでよろしいのだというようなわけにはいかぬのではないかというような御意向がやや強かったのではないかというふうに理解いたしております。   〔委員長退席、理事仲原善一君着席〕 そこで私どもといたしましても、これを完全に一本化するということは、これは問題があるだろうと思いますが、政策金融的なものにつきまして、何らか統合をはかるということは、これは十分傾聴に値する御意見であるというふうに政府としても答弁をいたしたのでございます。この問題につきましては、関係行政機関の、何といいますか、一種の受け入れ態勢といいますか、そういうような諸般の準備も必要でありますと同時に、政府部内におきましても、旧来の債権債務の承継の問題、法律改正の問題等を要しますので、私どもとしましては、それらの問題の解明に努めつつ、開拓者に対する資金供給のルートについて、できる限り合理的なものを打ち立てたいというふうにして、今後検討して参りたいというふうに考えておるのであります。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 できるだけ善処するとか検討するとかいうのは、あなたがた役人のこれは口頭襌で、きょうの答弁は、それでうまく通ればそれっきりになってしまう、従来の慣例から。これはまじめに聞いて下さいよ。切実な開拓者の立場から、私は勇気を持ってこれはすみやかに措置を講じなければならぬ問題をしぼって言っているのですから、それは管理部長でもいいけれども、これはやはり、局長はもう少しより責任の重大な地位にあるのだから、そういう大所高所の問題は、これは大臣なり局長なりに限って答弁してもらいたい。私も今開拓者を中心として融資されているものを簡単に一元化をせよなどという観念論を言っておるのじゃなくて、少なくとも開拓農家を対象とする融資には中、長期の融資と短期の融資と、やはりハードクレジットとソフトクレジットの区別があるわけですから、その区別はやはり絶対必要だと思います。そこで中、長期については、政府資金だけは手直しをしたので、あとの公庫なりあるいは組合金融なりは、そのままでいいというように見受けられるような取り上げ方に私は問題がある。そこで、金融機関のやはり扱いも、もう少し統一的にこれを政府で措置するという方向を具体的に打ち出してしかるべきだと思うので、その点を質問しているのですが、そういう場合には、中、長期の資金は政府の特別会計で一本にまとめるか、あるいは農林金融公庫に、政府の財政投融資を裏づけとして公庫一本にするかということは、審議会の討議の中にも具体的に出ておる意見であります。そこで私は、この際はやはり公庫に一本化するというような措置をとりませんと、やはり特別会計と公庫融資の間でも、現地では無用の交通の複雑な金融のルートによって生じておるので、この点をまず公庫によって、中、長期資金を一元融資をするという方向をすみやかに施策の中に立てて、それぞれ必要なやはり法改正なり、その他の措置をとってほしいと思うのですが、その点についての局長の態度は、一体どういうふうな方向にあるのかをお伺いしたいと思う。

任田新治農林省農地局長

○政府委員(任田新治君) 金融機関がいろいろ分かれておりますので、それを直接相手にされる開拓者の皆さんとしては、非常に繁雑であるということでありますが、このそれぞれの機関の意向というものが、また反面尊重もいたさなければならぬわけでありますが、要は開拓者の方々から見た窓口を一体どうするかということで、窓口の一本化については、これは何とか具体的な方法を立てて、実際に実施していかなければならぬと思うわけであります。ただいまの段階では、とにかく合同事務所を設置して、そのほうの機能を強化するとか、あるいはまた開拓農協の能力が非常に弱いところにつきましては、地元の機関に委任をいたしまして、そこでもって取り扱いを簡素化するとか、そのようなことを考えておるわけでありますけれども、しかしただいまの渡辺先生の御指摘のとおり、この点については、根本的に私といたしましても今後検討して、何とかいい方法を考えていきたいと思います。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 末端の場合は局長のおっしゃるとおりでけっこうだと思いますね。やはり開拓者に対応する長、短期資金を総合的にやはりまとめてやるような末端の融資の取り扱いの窓口を一本化するということは、これは現実に非常に切実な問題です。これは局長のおっしゃるとおりです。  それから前段の融資の交通整理は、公庫自体でもやはりあまり好んではおらないようですが、やはり公庫一本にすることはやむを得ないという理事の見解等もあるわけですね。   〔理事仲原善一君退席、委員長着席〕  ですから、これはやはりひとつ政府が中心になって、特別会計とか公庫融資というようなものを、あまり錯雑に末端の窓口でさらに問題が起らぬように、ひとつ早急に交通整理の措置を講じてほしいと思います。ただそういう場合には、公庫に一本化するという場合には、これは政府はやはり公庫の融資に対しては損失補償なり、あるいはその融資の資金の源泉の投資なり、それについてやはり積極的な公庫の融資機能を十分発揮できるようなバック・ポリシーが必要だと思う。また経費がそれによってかさむものの相当の補助というものを裏づけをした上で、やはり長期、中期資金は公庫融資にこれを統一する、まあ公庫自体も業務の整備も必要でしょうし、あるいはその他の特別勘定の設定も必要でしょうし、そういうやはり金融機関の交通整理が非常に大事だと思います。今その点を積極的に検討して推進したいという局長のお話ですから、ぜひそれを早急に具体化するように、さらに取り組んで交通整理をすみやかにするように善処を要請いたしておきます。で、そうなりますと、公庫で、中、長期を扱うということになりますが、必ずしもその公庫自体に一切をやるという場合でもないと思います。これはやはり中金なり、あるいは開拓連なり、これに業務委託をやらせるというケースも出てくるでありましょう。そういうことも考えて、とにかく公庫一本にしぼるという方向で整理をしていただきたいと思います。  問題は短期融資でありますが、従来の開拓保証は、たとえば短期ですから、おもにこれは組合金融で担当しておった分野ですから、これは金庫対開拓連あるいは開拓農協という場合に融資に対して保証をしておるわけですね。そういうために開拓農協がそういう保証を前提としても、融資を受けかねるというために、肝心の大事な開拓農家が融資を受けかねるという実態が、かなりひんぱんな具体的な事例として出ておる。そこで、今の開拓保証制度を改正して、その村の農協から開拓農家に融資する段階に保証もできるというふうに、保証の制度を改正する必要があると思うのですが、その点は、局長どうお考えですか。

任田新治農林省農地局長

○政府委員(任田新治君) ただいまの渡辺先生の御指摘の問題は、実は私のほうでもまだそういうことについて思い当たっていなかったわけでありますから、アイデアといたしまして十分尊重して考えていきたい問題だと思います。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 これはアイデアで申し上げるのではなくて、私も長い間組合金融を実際担当して、そういう開拓農協なり、あるいは開拓農家と金融で十年以上やってきた経験の上から申し上げているので、あらためてここでアイデアはけっこうだから考えるということでなくて、問題は開拓者に必要な時期に必要な金額が生きて流せるかどうかという問題、そういう場合に、今の保証制度は非常にネックになっているということですから、それはやはりこういう問題点もすみやかに除去して開拓者に必要な金が適時に使えるように、生かして使えるような措置をするための保証は、その段階まで下すというケースもひとつ積極的に取り上げていただきたいと思います。  それから、先ほど申しましたように、中、長期資金を公庫一本にするということになって参りますと、いろいろな資金が公庫で扱われることになるわけですけれども、災害の経営資金というもの、これが非常に問題なわけですよ。一体災害を受けている開拓地の実態というものは、一例を申し上げますと、岩手の場合は、昨年の四月から八月までの間に大旱魃を受けて開拓地がその天災の影響を非常に深刻に受けたわけです。その受けた影響の具体的なものとしては、牧草の収穫が非常に皆無になっておる。雑穀の収穫が半減しておる。大豆あるいは菜種、オカボ、そういうものが非常な早害による影響を受けておるわけです。特に開拓地が既存農家よりもその影響が深刻でる。そういう場合に、今農業災害の法律を抜本的に改正するというておりますが、これは省議でも決定し、あるいは閣議でも決定して、過般の国会にも改正案等が出されておるが、開拓者の立場から、そういう対象作物になっていないものを、農地局長としては特に抜本的改正の際には強く主張してもらわなければならぬと思うのだが、所管外の措置でしょうけれども、省議の際には当然あなたの御意見を出されるだろうと思う。開拓者としては非常にこれは対象作物から除かれたところに大きな問題があるわけですね。その点はどういうふうに、開拓行政の上から今の災害補償に対する意見を出し、それがどういうふうな経過になっておるのですか。今の質問は農地局長に伺うのはちょっとよその局にも関係の中心がある問題ですから、これはまあ大臣でも出席したときに伺うことにします。局長への質問とはいたしません。ただ、この災害に対する融資ですね。融資については、開拓営農振興臨時措置法の第五条の二にうたわれておるわけですが、この融資条件が一体どういうことになっておりますか。その点からも伺いたい。

桧垣徳太郎農林省農地局管理部長

○説明員(桧垣徳太郎君) 開拓営農振興臨時措置法に基づきます災害対策資金の融資の条件につきましては、同法に基づきます要振興開拓者ということが、人的な対象にまずなるということが第一点でございます。その開拓者が「暴風雨、高潮、こう水、低温その他の異常な天然現象」、まあ天然災害を受けた場合に農林大臣が適用地域を指定をいたすわけでございます。その指定地域内にある、ただいま申し上げました開拓者が、当該天然現象によりまして施設の被害額が、その施設の総価額の半分以上の被害を受けた場合、あるいはまたは当該災害によりまして農作物及び繭の減収被害額が平年総収入額の七割以上という場合に、営農計画達成上必要な営農資金の貸付をするというふうに現行制度ではなっておるのでございます。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 今の御答弁にありました施設の損害の五割以上、作物の被害の七割以上、こんなきびしい条件をつけて、そうでなくてもきわめてその立地条件も悪く、努力してもそれが報いられないという事態の農家、開拓農家に対する災害に対応する融資としては、非常にこれは現実離れしている。しかも融資のワクはどのくらいかといえば、大体一億ぐらいの融資、それは法律の前提に、「予算の範囲内において、」といってはっきりワク自体をしぼっておる。一年で一億のワクで作物の被害が七割以上で、施設の被害が五割以上で、そういうような条件で災害融資をしているということは、これは融資しないよりもむしろ性悪ですよ、悪質ですよ。むしろそれならば政府は災害には、全然開拓者に対しては融資的な措置は講じていないと言ってもらったほうがすっきりするような気がする、半殺しですよ、これでは。それでこれらの災害に対する融資というものも、これは中、長期資金に当然なるわけですから、これこそはやはり一本公庫で融資をするという態勢にして、やはり開拓農家の災害を最小限に災害の影響を食いとどめて再生産をさせるというための生きた資金を出すような、そういう措置をやはり講じてもらわなければ開拓農家は浮かばれないわけですね。それでその融資の条件も、これはどういう条件ですか、金利と償還期間は何年になっていますか。

桧垣徳太郎農林省農地局管理部長

○説明員(桧垣徳太郎君) 償還期間は臨時措置法の五条の二の第二項に規定しておりますように、使用期間を含めて十二年でありますが、施設に関しましては二十年以内、それから据置期間は一般に三年で、施設の場合は五年以内、利率は一般に五分五厘で特別被害者に対する場合だけ年三分六厘五毛ということになっております。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 収穫作物が被害を受けて、七割以上も被害を受けたものが十二年間で利息を払って元金を払えると思いますか。償還財源も何も、七割以上も壊滅しているのですよ。そういうものが十二年か何年に年五分五厘、そういう利息を払って元金を払えると思いますか、どうですか。

任田新治農林省農地局長

○政府委員(任田新治君) この経営の関係の資金は十二年で据え置きは三年ということになっており、施設につきましては二十年ということになっております。おおむねこれでやっていけるのじゃないかと思います。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 おおむねというから、十分やっていけないという裏にこれは理解しますが、たとえばフランスの例をちょっと見ても、こういう開拓者のやはり災害復旧等に対する融資は年利率三分で償還期限は三十年以内となっているのですね。日本の農家はフランスの農家よりも勤勉でなお生産性が高い農業に従事しているから払えるということですか。

任田新治農林省農地局長

○政府委員(任田新治君) 必ずしもフランスと日本との比較においてこれでいいという意味合いではございませんが、とにかく開拓者に対するこのような処置というものといたしましては、十二年・三年、五分五厘という経営の関係の資金、施設については二十年・五年、五分五厘、もちろんこれは一般の問題でございますが、特別な被害者に対しては三分六厘五毛ということでそれぞれの据え置きと償還期限があるわけであります。このあたりでいいんじゃないかと考えております。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 この程度でいいとなれば、今度の提案されているのも、何もそんなに条件をよくしなくてもいいんじゃないですか。災害でさえそれでいいとあなたおっしゃるのだから、施設資金に対して今の五分五厘でおつりがくるのじゃないですか、あなたの判断からすれば。災害資金でさえこんな悪条件でいいと思うなら、災害のないこれら第二類の対象農家がいろいろな施策をやっていくという場合には、五分五厘は一割でもいいじゃないですか。なぜこれを法律を改正する必要があるのですか。

任田新治農林省農地局長

○政府委員(任田新治君) この災害対策のは、従来のものがあるわけでありますが、今度の場合は二類を対象として新しく樹立をしていくという考え方で考えておるわけでありますので、この辺はこの災害については特に悪いものについては三分六厘五毛ということにいたしておりますが、その辺の均衡はあると思います。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 非常にどうも大ざっぱな判断で、たいへんなこれはやはり現状の把握というものがほとんどなっていないというふうに言わざるを得ないわけです。私はここで無理を決して政府に言おうとしているのじゃなくて、今開拓農家は非常な負債の重圧にあえいでおるのですね。これはお認めになりますか。それとも重圧なんてそんなものじゃないというふろに判断されますか。その辺はどうですか。

任田新治農林省農地局長

○政府委員(任田新治君) 過去において相当の重圧があり、しかもそれに対しまして、条件緩和の法律によりまして個々の農家それぞれ実態に応じましてある程度の緩和措置ができたわけでありますが、一方におきまして、全体といたしましての趨勢としましては、やはり耕地の面積もふえ、また資本装備もふえて参りました。また年間の総収入におきましても逐次とは申せ、とにかく増加して参ってきておるわけであります。ただ、今回の場合は上向きに進んでおるものについても、そこにおのずから十数年もたっておる事情でございますので、そこにそれぞれの落ちつきといいますか、そういうものができ上がっておりますので、この際二類、三類という区分をいたしたいというように思っておるわけであります。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 いろいろな窓口から出している中で、政府みずからが特別会計で操作をしておるものについては、確かに三十五年にも多少の条件緩和をしたわけですね。だからといってもういいということにはならぬので、またここに問題が出てくるという事態なわけですよ。それで実際開拓農家の営農の実態から見れば、何といっても既存借り入れの中の相当部分が償還ができないという実態にある。私はまあいろいろな具体的な資料も持って、その資料の上に立って質問しているのですが、時間もないのでそういう事例を一々申し上げませんが、そういう現実の上に立ってまあ問題を詰めれば、やはりここで政府は従来多少ずつ手直しをしてきた。そういう面子の上に立って今度もわずかな手直しをする程度で事が済むとは思っておられないだろうと思うのですが、たとえば審議会の考え方の中にも、やはり旧債の整理というものがまず抜本的に解決されなければ、新しく投入する資金もこれは生きて使えないという大筋の答申が出ているわけですね。それならば、なぜそういう返そうとする意欲があっても返せないという農家の実態に即した旧債整理、旧債たな上げ、あるいは場合によっては第三類に属する場合は旧債の免除というような抜本的な措置の上に立って、今度の法律改正もその一環として役立つような措置を講じないのか。ここが基本的な問題の一つであるわけです。そういう負債整理を抜本的に講ずる、もちろんこれは形式的に、お役所的に一律にやろうということではなしに、少なくとも農家の個々の営農実態の中から、それぞれの条件を現実に即して、計画の中で融資をし、たな上げをさせあるいは免除をし、そうして新たなる営農資金というものを投入していくという、そういう前提が置き去られたままに、単に今度の第二類の農家に対して融資をするものを、多少条件を緩和するなんていうことでは、これは二階から目薬であるというふうに言わざるを得ない。でこれは基本的なやはり問題の一つですから、いずれ大臣にお伺いもいたしますけれども、担当局長として旧債の整理というものを、従来の多少ずつの手直しというような面子にとらわれないで、抜本的にそれらの措置を講じなきゃならぬというお考えがあるかどうかだけをきょうは承っておきます。

任田新治農林省農地局長

○政府委員(任田新治君) これは前回の委員会においても申し上げておりますように、この全体の姿につきまして、昨年の十一月にようやくまとまったということでございまして、それによりましてとにかく第二次振興の対策といたしましての最大のといいますか、基本的な考え方としては、これは融資というものを考えまして、何とか大幅に融資をし、しかも従来の負債の整理をも含めて、今後自立経営ができる中庸の農家にまでいけるようにいたしたいということは、これは基本的な最大の考え方として私は考えておるわけでありますが、その他三類に対する離農の措置であるとかというような具体的な問題につきましては、先般もお話を申し上げましたように、六百市町村の開拓地の実態に取り組みながら、そこに新しい具体策を考えていかなきゃならないというふうに思っておるわけであります。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 こういうふうに理解していいんですか。局長の今おっしゃったことは、言葉をかえて言えば、今答申を受けてから、それらの実態の取りまとめがやっと昨年の十一月にできたので、なお個々の農家の実態の上に立って、どうしてもたな上げをしなきゃならぬようなものは、旧債整理の抜本的な措置をその際講じるつもりであると、こういうふうに局長が考えておると受け取っていいんですか。

任田新治農林省農地局長

○政府委員(任田新治君) 現在の段階におきましても、債権管理法その他によりまして、実質的な個別にどう整理をするかという処置は、一応あるわけであります。しかしながら先ほども申し上げましたように、六百市町村と取っ組んで見ていった場合に、そこに共通的なあるものがありまして、それに対してどう取り扱うということが出てくれば、これは当然債権管理法とは別途に何らかの処置を考えなきゃならないんじゃないかというふうに思っております。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 出てくればということではなくて、現実に返せない借金におおいつぶされそうな実態なんですよ、おおむね、第一類は別として。分類の仕方にも問題がありますが。だからもうきのうも安田委員が言うたように、三万人以上もこれを離農させるなんていうのは政治力が弱いから、あまり政府の役人には響かぬかもしらぬけれもど、石炭労働者が七万首切られると同じような大きなこれは社会問題に当面しているのです。そういうような事態において個々に検討して、旧債整理という措置が必要だということが出てくればなどというような、そういう段階じゃない。整理しなきゃならぬが、その整理するという勇気を持ってないだけですよ、政府は。勇気がないからあれやこれやと言葉を左右して、さしあたりのその場を切り抜けようということなんだが、現実に開拓者の立場はそんななまぬるいところじゃないのです。もう月に百円足らずの学校の費用すら、開拓農家の大部分の子供は持っていけないという事態です。そういう事態のうちで、私はその金額なり何なりをもう少し実態の上に即した大ワクを持つ必要があると思うけれども、事態というものは、この旧債を整理するという政府の決断を必要とする段階です。そういうものが前提にならないで、あれやこれやのこうやくばかりの行政措置をやろうとしても、それは生きた金じゃないということを言っております。だけれども今すぐやれといっても、すでに三十八年度の政府の予算の内容が原案として出ている中には入れかねるのですから、少なくとも三十九年度には抜本的な旧債の整理というものを、金融措置の中に太くくさびを打ち込んで、そして第二類なら第二類というものの、第三類なら第三類というものの措置というものを生かすためのそれぞれの具体的な金融なり、その他の措置というものが講ぜられないと、これは本末転倒の措置で、もうごまかしのつかなくなっている事態だということを申し上げているのです。だからそういう事態が実態把握の中で出てくればということじゃなくて、事態は、現実に旧債の整理というものは今始ったことじゃなくて、すでにもう数年来から、これは現実の問題として、先輩各位によって取り上げられている問題です。それをもう一寸刻みに場当たりの微温的な措置で糊塗してきている。今の段階はそういう糊塗策では済まされない状態にきていると思う。だから旧債整理をしなければならないものはするという態度で、やはり大きな手をできるだけすみやかな機会に政府みずからが打つという姿勢を示していかなければ、今回上程されているこれらの資金だって、これはほんとうに生きた金として使えないということなのです。初めて局長はそういうことを聞きましたか。

任田新治農林省農地局長

○政府委員(任田新治君) 先ほども触れておりますけれども、第二次の考え方といたしましては、自立経営のできる農家にするという考え方でもって融資方式をとろうとしているわけであります。この融資方式の中に旧債の整理をもなし得るかどうかを含めてこれを検討し、個別設計を打ち立てて、開拓者の納得のできるものとしていくわけでありますので、それは私どもといたしましては、あくまでも三十八年度に入りまして、その点をやって、その結果さらに転換した第三類に対する措置をどうするかということについて検討し、ただいま先生の御指摘のありました三十九年度の予算編成にあたりましては、十分その点を考慮して編成に当たりたい、かように考えております。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 いずれその基本的な点については、大臣からもっと明確に伺うことにして次に進みますが、そういういろいろな政府の今取っ組んでいる姿勢を伺いますにつけても、この第二次の振興計画というものを、何ら実態把握のない中に三十八年からスタートするというのはいかがなものかと思われるのですが、もう少しあらゆる開拓者の実態、適正な分類の中から生きた行政的な措置をとるというための準備が、私は、二年か何年かあって、その上ではっきりやっていくということが必要だと思うが、どうして第二次振興計画というものが、そういう現実を具体的に把握して、把握した中から抜本的な施策なりあるいは応急的な施策というものを相マッチさせて生かしていくということができないのですか。

任田新治農林省農地局長

○政府委員(任田新治君) 第二次の計画という中身は、昨日配布いたしました資料のとおり、ただいまの段階では構想でございます。構想を早急に固めまして具体的な計画に持っていかなければならないわけでありまして、したがって三十八年度は、講じようとする施策の中にもございますように、個々の農家の個別設計をやりまして、その再建の計画を打ち立てていくということに入るわけでありまして、考え方によれば、一つの経過措置と考えられるかもしれませんが、そのような段階でございます。しかしながら、がっちり計画をきめてから、それからスタートすればいいんじゃないかという考え方もございますけれども、一方におきましては、あともうちょっとのプッシュでもって第一類の農家になり得るという方も現実には相当の数がおられるわけでありますので、その方々に対してとりあえずその点を十分吟味しながら三十八年度においては融資をしていきたい、かように考えておるわけであります。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 と申しますのは、これは経過の、審議の中で政府から答弁があったことですが、今度の資金の需要総額は既存投資と新たな設備投資との差額で五百十九億という話ですが、そうですね。そう理解していいですか。

任田新治農林省農地局長

○政府委員(任田新治君) 先般、約五百億と答弁いたしました。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 約五百億というのは、正確には五百十九億じゃないですか。

任田新治農林省農地局長

○政府委員(任田新治君) 五百十九億になっております。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 その五百十九億かそこら辺の総ワクというものの中で、初年度としてなぜスタートを切るのだという問題を出しているのは、そのうちの三十億というのは、一体将来の展望の中でその所要資金が営農類型の中から出てくる設備として年度的な計画があるのですか。

任田新治農林省農地局長

○政府委員(任田新治君) 三十八年度におきましてさしあたり六百個の市町村におきまして個別的な設計をなしていくわけであります。これは引き続いて、三十九、四十と、三カ年間において継続してやっていく。それから、個別設計ができて、第二類としての方々が決定しました上におきまして、三十九年度から融資をしていくという考え方になっておりますので、三十八年度の三十億については、これは全体の中ではありますけれども、必ずしも本格的な対象としての考え方ではなく、二・類の中におかれましても、比較的一類に近い方々に対して、わずかと申しますか、近い方々でありますので、融資の額も特に大きく要求はされないとは思いますが、一種の経過措置のような形でございます。融資をしていきたいということでございまして、本格的な融資の計画というものは三十九年度から始まる予定になっております。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 とにかくそういう答弁を聞きますと、三十八年度は準備期間ですね。第二次振興計画とあなたはおっしゃっているけれども、内容は何も長期の展望の上に立って、初年度はかくあるべしということでもなし、また、先ほどの答弁にあったように、どうしてもたな上げをしなければならぬような旧債は、これは実態把握の上で三十九年にこれを措置するということから見ても、今の実態は、第二次計画の初年度とは、まあ受け取りかねるわけです。そこで、まあこの負債整理の資金の点は、なお大臣にももっと具体的にただしますけれども、これをやはりもっと中心の課題として検討をして、そうして現在適当ならざる負債というものについては、何らかのこれは措置を講ずる、抜本的な単独立法によってもこれはやっぱり措置していかなければならぬと思うのですね。旧債整理について単独立法の措置を講じて、やはり開拓農家の従来負わされておった重圧というものからまず解放するということが第一前提として出てこなければならぬ。  そこで、関連しますけれども、第三類の問題ですが、これに対しては、ただいままでの質疑の中で明らかになったのは、国から二十万の助成金を出す、県から十万円出す、合わせて三十万出す、それでまあ端的に言えば借金を返させて、足らざる分は従来の耕地をこれからも農業をやっていく者にこれを譲渡する代金等で整理をして他へ転出させると、こういうことですね。そういうふうに第三類対策としてはお考えになっているというふうにきのうまでの委員会の審議を通しては理解したのですが、間違っておれば修正し、そのとおりであれば、そのとおりであるということをお答え願いたいと思います。

任田新治農林省農地局長

○政府委員(任田新治君) 離農される場合に、旧債の整理の問題がございますが、これはその実態に応じまして債権管理法の適用をするものはする、履行延期の特約をするというようなことがまず先に進むべきものであると思っておるわけであります。それの整理を十分いたしまして、今後の負債の償還というものを見きわめて、地元に残られる方と土地関係の売買の問題も出てくるわけでありますが、これをやりまして、そういうものと別途に新しく、離農して別の生活を打ち立てるという考え方からの三十万円であるというふうに理解しております。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 そうすると、私がまとめた理解は違っておったわけですから、今局長が言うたように理解をすると、離農の助成金というのは転業資金に使えるということですね、使わせるように離農させるということですね、三十万は。

任田新治農林省農地局長

○政府委員(任田新治君) もちろん、この負債整理の場合にこれをお使いになってもかまわないわけでありますけれども、問題は、従来の負債の内容によりましてのいろいろの処置を、あらかじめ離農される方と現地の居残られる方との話し合いができ、また第二類としての方々との話し合いもできた上での処置でありまして、その場合この三十万円というものが今後の新しい職業を持たれる場合の資金にも活用されますが、同時に、負債のわずかなものの現金整理ということに使われてもかまわないというふうに思っております。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 非常にありがたいような御答弁でありますが、私の問題にしておるのは、やはり離農をしなきゃならぬということは、これは容易ならざる事態であって、そのケースもいろいろ答申の中にも出ておりますから、一々詳細にわたっては触れませんけれども、いずれ離農しなければならないという場合には、離農したくてもできないようなやはり焦げつきの債務があるわけですね。だからこそやはりこれらのふまえて抜本的な負債整理というものが単独立法等によって措置されなければならない。それで出てくる政府のあるいは抱き合わせの県の助成金というものは、これはあくまでも転業資金として、十分転出した場合に新たなる生業に積極的に取っ組めるような資金にこれを活用するためには、やはり従来の深い債務関係というものは、実態に即してこれを抜本的に措置してやるという措置が政府としてとられなければ、完全な離農対策にはなってこない。もちろん、職業訓練とかあるいは職業補導というような点は、今までの質疑の中に出ておりますから、そういうことの必要なことは申し上げるまでもないわけですが、そういう措置を講じるためにも、やはり旧債というものの整理ということが先行して政策の上にはっきり立たなければ、従来の例でありますと、ややもするとそれらの貴重な三十万というものは債務の償還等に充てられ、それでも足りなくて離村する場合に耕地を転売して借金の穴埋めをする、裸のままで路頭に迷うという実態があるものですから、私はこの点を繰り返して申し上げるわけです。やはり何としても、それらの負債整理資金の扱いは、いろいろな団体で厄介者のようにこれを扱う姿勢じゃなくて、一本化した公庫なら公庫というもので独立の窓口を設けて、特別勘定を設定して、これらの融資を生かして使うということが必要であると考えるわけですが、それには何としても三十九年度をふまえてそういう抜本的な施策というものを今から準備して進んでもらいたい、繰り返してこれは強く要請しておきます。局長はそういうことを三十九年から考えるということでありますから、いずれ来週大臣が出られた場合には、食い違いのないように、局長からもよく大臣にひとつその考え方をそしゃくして御答弁願うようにお願いをいたしております。  それから問題は、農家だけじゃなくて開拓農連合会、県の連合会なり等があるわけですが、やはりその負債の問題がある。その中で、今の借り入れ条件で返済が困難だという条件の債務があるわけです。そういうものは、その開拓連なりの具体的な再建方針とか、再建計画というものが出るわけですから、その計画の中で、この今の条件では返済が困難だというものについては、やはり減免の措置をとらせるということにして、政府あるいは県は、それらの負債整理というものを促進するための助成措置を講じていかなければ、これもいろいろな問題が未解決で今後も推移するということが許されない事態に置かれているわけですが、そういう措置について、これも今度の三十八年度の施策の中には出ておりませんが、三十九年度はそこまで突っ込んだ措置を講じていかなければ、開拓の系統組織の問題としても、内部的なそういう問題の整理にはならんわけです。その点は、三十九年度をふまえて、政府で具体的に、その今の条件の中で返済困難だというものについての政府のそれぞれの援助措置というものを、ぜひ来年度には取り上げてほしいと思うのですが、その点はどうお考えになっておられますか。

任田新治農林省農地局長

○政府委員(任田新治君) 開拓関係の団体の負債と申しましても、主として補助残の融資の関係の負債であるとか、そういうものが重点であろうかと思います。大体そういう点は、政府の資金によってのものが多いとは思いますけれども、これは個人の場合の実態にも即しまして、個人の場合は、もちろん先ほども申しましたように、債権管理法によってのいろいろな措置がとれるわけですが、そういう考え方に準じまして何とか措置をする必要があればやっていきたい。必要があればと申しますと、また御指摘が出るかと思いますが、とにかく個別計画に取っ組んだ上でこの点を、そこに共通の場ができてきた場合、考えていきたいと思います。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 それから今一番困っているのは、抜本的な措置が講じられて、保証制度も、先ほど申し上げたように開拓農家に農協が融資するという、そういうケースにも保証するということでかなり救済されますが、現状では、特に短期融資等は、農林中金あるいは信連、あるいは開拓連から単位開拓農協に融資をしているのです。ところがその開拓農協が、非常に農協としての受信的な態勢が不備なために融資ができないという問題が、一番これは当面の問題になって、そのために、それらの組織の構成員である開拓者は融資の措置を受けかねる。非常にこれが差しあたりの問題なわけです。そこで、開拓村々にある開拓農協の実態、これは別段資料等を要求もいたしませんが、その中で、これらの開拓農協というものに対する今後の組織的な指導方針というものが農林省の他の局の関連する、たとえば農業協同組合課というものとの統一された方向の中で、開拓農協の今後の方向というものが、いろいろなケースによって違った指導方針が打ち立てられると思うのですが、その点はいかが今お取り上げになっておられますか。

任田新治農林省農地局長

○政府委員(任田新治君) 一団地の中の今後認定されて参りますところの方々が、第一類が大勢を占めるということになって参ります場合、これは当然先々に参りまして地元の総合農協と合体していくべきものと考えているわけであります。ただ、二類であり、このような立場にある方に対しては、これは何と申しましてもまだ当面開拓の仕事の対象となる方々でありますので、このようなことは考えておるわけではありません。しかしながら、全般といたしましては、できるだけ地元の市町村農協との関連を密にしなければならないというふうに思うわけでありまして、従来はややもすると、この開拓行政というものと地方の市町村の行政というものが、必ずしも密着していなかったという点が指摘されるわけでありまして、今後は特にそういう点を排除しまして、今回も第二次の個別の設計をやり、また次期計画を立てる場合でも、市町村単位に取り扱って参りまして、市町村農協の御協力を積極的にお願いする。また、同時に、それに対して何らかの補助金も出していきたいということで、予算を組んである次第でございます。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 総合農協に対する行政的な指導というものと開拓農協のそれとが、必ずしも県段階あるいは町村段階で統一した方向の中で取り上げられていないというのが現実的にあるわけですね。だから、農林省自体でも、それぞれのやはり部局の中でそれをもっと組織の指導方向というものをやはり統一して出していかれる必要があるのではないか。それはもう画一的なことではございませんから、あらゆるケースの場合に基づいたやはり指導を流してもらいたいということにとどめて、次に進みますが、今度の法律改正の要点は、金利等まあ償還期限を、条件を緩和するということでありますが、それは第二類農家を対象として融資する資金についてですね。ところが、やっときのうもらった農地局の開拓営農振興対策の構想、これを見ますと、第一類農家、第一類農家については農業構造改善の経営資金、三分五厘資金を積極的に活用をはかることを目途とすると書いてある。第一類型の農家には三分五厘を使わして、第二類型の農家には五分でいいということにはならぬですね。これはもう常識的に私は質問するのです。第二類こそは、三分五厘以下の融資にしなければならない。第三類は、あるいは元金をこれは切って捨てなければならない、そういうきびしい現実の上で五分五厘を五分にするなんというような今度の案は、はなはだどうもこれは実態を無視しているし、思想に統一性がないし、第一類のようなものには三分五厘資金を使わせると、第二類には五分でいいと。どこから出てきますか、こういう根拠というものは。

桧垣徳太郎農林省農地局管理部長

○説明員(桧垣徳太郎君) 第一類農家につきましては、開拓資金特別会計からの政府融資ということでなく、一般の農業金融の範囲内で受信力もあるわけでございますので、融資を受けて営農の改善をはかるというふうふうに考えておるのは、昨日提出しました資料のおりの考えでございまして、その際、渡辺先生のおっしゃいましたのは、農業構造改善地区にかかわる推進資金については三分五厘ではないか、したがって、第一類農家は三分五厘の金利の金を借りるではないかということとの関連と存じますが、構造改善地区に指定されました地区については、これは一類、二類の区分なく三分五厘資金の借入が可能なわけでございます。構造改善地区指定以外のところでは、ちょっと手元に明瞭な資料を持っておりませんが、今回の振興対策資金に類するような畜産振興のための施設資金でございますとか、果樹の植栽資金でございますとか、それらはたしか六分の金利になっておるはずでございまして、そういう意味では政府提案の融資条件によります第二類農家に対する五分の金利水準は、お話しのような意味では矛盾はいたしてないかと考えておるのであります。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 いろいろ農業構造改善に対してもちぐはぐな、三分五厘あり、四分あり、四分五厘あり、六分五厘あり、何が何だがわけがわからぬような頭が悪ければますますわからぬようなああいうことで今スタートしているのですけれども、これは基本的にやはり問題があるので、そのうちの生産基盤の整備の自己負担というものについては、もっと政府自体がみずからの費用と責任でやるべきであるということをぼかして、いろいろな融資政策に重点を置いているところに問題があるわけです。それでもなおかつ三分五厘というものも新たなる問題として芽ばえが出ておるところが、この分類された第二類というものは、なおなお既存の農家よりは総体的には立地条件が不利な立場に置かされているわけですね。これはもうはっきり言えるわけですよ、何と言おうと。非常に立地条件が悪い。農業の特性であるところの、池田総理が国会で答弁したように、網安田委員のグリーン・レポートに対して答弁したように、農業は経済的にも社会的にも、あるいは自然的にも不利な制約を受けている特殊な産業だというけれども、なかなかいいことを、基本法の前文にもうたっておるから、それを言うておる。その最も端的な現われは、これは開拓農家に集中されておる。そういう場合に多少の比較で私が適切でない例をとったにしても、もっと開拓農家のそういう実態に即した金融をやるとすれば、これは先ほどのフランスの例を言うまでもなく、三分で出しておるのですね、三十年で。なぜ日本の開拓農家の第二類は五分の金利負担をして、そしてこんな二十一年程度の償還期限で返せるか、私はこれはもう返せる当てが実際立っていないと思う。その例を具体的に申し上げましょう。たとえば開拓者が一番多く取っ組んでいるのは畑ですね。畑に対する総合的な長期にわたる振興計画が政府で立っておりますか。立っていないでしょう。ことしの五月十一日に閣議決定した農産物の需要と生産の長期見通しだって、いずれも三十四年を初年度として四十六年に至る長期見通しは生産と需要とがアンバランスのままで、何らそれに積極的な施策の介入というものが出ていない。米なら、ともかくも今の食管法で価格が保証されておるから、農家は一応その投下された労働に対する適正な評価も価格の中に保証されておる。開拓農家が一番中心で取っ組んでおる畑については、何か保証されていますか。保証されているとお考えですか、その点から伺いたい。

任田新治農林省農地局長

○政府委員(任田新治君) 私ちょっと全体の関係といたしましては、所管外の感じがいたしますので、御答弁を差し控えます。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 所管外は百も承知です。しかし、農地局長としては、これは至大な関係のある問題だから伺うのですよ。農地局長は開拓農家の農産物の価格が政府によってどうサポートされ、どう無視され、どう軽視されているかということを御存じなくて営農類型の指導ができますか。大部分は、きのう示された営農類型は酪農になっています。しかし、酪農がそれでは十分生産者に生産意欲をかきたてるような価格の支持の上に組まれているかといえば組まれていない。しかも、私がここで申し上げたいのは、開拓者ほど集乳所に持っていく運搬費が大きい。集乳所から工場までの持ち込み経費が県の平均の倍以上かかっている。そういう劣悪な条件の中で酪農を営農設計の一部門にしておる。一体どこに経済性を考えて指導されているかどうかということが、また問題なわけです。今政府が指示している原料乳価は五十二円、これは工場渡しですね。ですから集乳所渡しは大体平均して四十六円です。こんなべらぼうな価格というものはわれわれはとうてい承服できない。そういう中に乳価をさらに値下げをすることをメーカーが通告しているので、今全国でいろいろ値下げに対する紛争の調停を知事に申し入れたり、あるいはその切り下げられた分を農協が立てかえたり、茨城県のごときは一カ月七百万も経済連が立てかえて払っておる。そういう条件の中でこれから営農計画を立てて、そうして酪農中心にしていくという場合に、これは開拓行政を担当しておる農地局長としては、所管じゃないから答えられないということじゃ済まされない。全然あなたには相談なしにそういうことは進むものですか、農林省の中で。

任田新治農林省農地局長

○政府委員(任田新治君) 先般発表になりました長期見通しにつきましては、これは農林省全体としての技術的な積み上げ、また全体の需給というものを考えながらの一つの長期見通しであったと思うわけであります。しかし、私どもといたしましては、これは農業基盤の整備というものを扱っておるわけでありまして、この作目をどのようにするとか、あるいはそういう面につきましては極力選択的な拡大がなされ得る農業の基盤を作ろうということに考えておりまして、われわれといたしましては、ここ数年のうちに全体として農業の基盤の整備の長期計画を打ち立てていきたいと思っておるわけであります。もちろんこの場合、農業全般としてのいろんな指標がなければ、その計画はでき上がらないわけでありますが、われわれといたしましては、極力その諸指標を明確につかまえていきまして、これをスクリーンにいたしまして長期計画を立てていきたい、かように思っておる次第であります。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 酪農だけじゃなくて、たとえば営農設計の中には、東北では大豆作も作目に入っている標準設計がありますね。大豆一つとってみても、ことしの政府の大豆、菜種交付金暫定措置法に基づく告示は三千二百円でしょう。ところがパリティで計算しても、あれは三千六百五十五円という数字が出ておる。これは北海道の十勝の小粒規格その二のものですか、そういう具体的なパリティで出るような価格を無理に三千二百円に四百五十五円も安く切り下げて告示しておる。政府の補償価格ですよ。菜種についてだって同様ですよ。これは政府の告示は去年と同じやはり三千百八十円、パリティで計算すれば三千六百五十三円、政府が調査した生産費調査の菜種は四千三百三十四円、そういうものがあるのに、政府みずからが調査した生産費調査があるのに、それを千円以上下回って三千百八十円で政府は補償したといっている。私はあまり多くの事例は持っておりませんけれども、岩手県で山の上の開拓地でいろいろな話をしますと、こんな安い値段では自分たちはもう作付はやめますと言っている開拓農家もある。そういう事態をやはりあなたは開拓行政の責任者として、これは食糧庁が所管ですけれども、積極的に省の中で開拓者の立場に立って発言もし、われわれも国会でも開拓者の立場で意見を出して、そうして納得のできるような、安心して畑作に従事できるような価格を支持する、そういうことがやはり開拓者の締めくくりとしての役所として必要じゃないかと思うのですがどうなんです。

任田新治農林省農地局長

○政府委員(任田新治君) 今後そういう点については十分連絡をとりながら、農林省全体としての方向をとっていきたいと思います。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 局長のその誠意ある答弁を信頼いたします。そういうようなことで、なかなかどうも営農設計の前提条件が非常に出てこない、そうして政治力に非常に弱い開拓者であるから、それは無視されてどうもいつも日陰の谷間に置かされている。今度は何か積極的な政策が出るかと思ってみると、なかなかどうも開拓についての積極的な政策も出ていない。依然として三十七年のマンネリズムを踏襲している。こういうことでは開拓というものはお先まっ暗で、もうどうにもしようがないという事態にこれは理解をせざるを得ない。そこで、私はこの際にやはり姿勢を改めて、国の必要な農産物を日本の国で生産に適するものは国内の自給度を上げるという建前から、あるいは酪農といっても、そのえさの七割を輸入えさに仰ぐような、そういう事態からみずからを解放するためにも、草地造成ということが非常に大事だということを答申の前文にうたっているわけですよ。そういうことは何ら私の見た限りでは、今度のグリーン・リポートにおいても、新しい今国会で審議をしている来年度の農林予算の中にも積極的な意欲というものが出ていない。いや、出ているというなら、それを伺いたいわけであります。出ていないように見受けられるのであります。従来と同じような、その行政でやったものを踏襲しているにすぎない。これじゃとても開拓というものの方向というものは、先のめどがつかぬという事態なわけです。だから、私は少なくともまず旧債だけはその農家の実態に応じてたな上げをするものはする。第三類のうちで切り捨てなければならぬものは切り捨てると、そういう勇断を政府としてやはりやることが、まずこれからの開拓既存農家、入植者の開拓対策のこれは基本であるということを繰り返し言わざるを得ないわけです。  それから第一類から第三類に分類した場合に、第二類は近傍標準農家までもっていくということを言うております。そういう現実に焦点を合わせるということじゃなしに、もっと国としての考えている施策にこれは焦点を合わせる必要があると思うのです。ということは、政府がお立てになった国民所得倍増計画、この中で自立経営可能な農家、これは同じことをいうているわけです。それを夫婦と働き盛りの長男と三人働き、これは資料の「現状の問題点」の中でも説明を伺いました。そういうもので三人働きで二・五ヘクタールで年間の粗収入百万をあげるということをもって、十年後の自立経営農家を百万戸造成するということを目途にしている。そういうものが第二類の基準になるのじゃないですかどうですか。

桧垣徳太郎農林省農地局管理部長

○説明員(桧垣徳太郎君) 農業基本法に基づく施策の一つの見通しとしまして、ただいまお話がございましたような自立経営農家の規模を想定し、それを御説明を申し上げたことがあったように記憶をいたしております。ただ、開拓地の振興、開拓者の振興問題につきましては、これは理想から申せば、目標所得あるいは生産の構造等も高いものほど好ましいということは御指摘のとおりでございますが、ことは現実的な問題でございますので、当面私どもが行政的に妥当とされる水準をどの辺であるかということを模索いたしました結果として、近傍の標準農家の所得目標を達成するという点が、ほぼ妥当ではないだろうかというふうに判断をいたしたのであります。多少テクニカルに申し上げますと、非常に高い所得目標を掲げますと、これは一類農家というものはほとんどなくなるという点、したがって一類農家の振興とじての道が開けるという利点があると同時に、現在の生産水準、所得水準の低い層はとうていそういう目標所得には達することができないということで、逆に三類農家が非常に大きな幅に落ちてしまうというような問題もございまして、政府の最低限と申しますか、現実的な所得目標として、近傍農家の標準農家の所得を一応の目標にしたということでございます。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 とにかく将来の展望に立って、これはあの計画を立てていくのですから、そういう近傍というもののやっぱりレベル・アップは出てくるわけです。そういう点をふまえていけば、やはりかなり大きなその目標の中で整備されていかなければならない。  そういうためには非常にこの設備自体についても、その次にさらに問題を胚胎しているというような計画で指導されては、非常にこれまた農家があとで迷惑をする。たとえばここで小型のハンド・トラクターを使う、やがて十カ年計画では、政府の展望では、畑地ではやはり二十から四十、大型馬力のやはり機械を中心として四十ヘクタールくらいの共同作業というものを考えておる。だから、そういう新しい方向というものをここに打ち出す振興計画であれば、私は掲げる看板に偽りがないとするならば、やはりそういう大きな国の経済政策の中に溶け込んだ問題としてこれを取り上げていくことでなければ、またぞろ四、五年たってそれが大きい営農の設計の変更を余儀なくされるということによるしわ寄せは、やはり借金をしょっておる開拓農家にだけこれはおおいかぶさる。あなた方は逐次いろいろポストも変わるだろう、変わらぬのはこれは開拓農家である。だから、少なくともそういう差しあたりの目標ということじゃなしに、やはり長期経済政策というものが政府においてせっかく立てられておるのだから、立てられた方向の中にやはりマッチするような標準的な農家の営農設計というものを立てていかないと、非常に問題がまた将来に出てくると考えられます。あまり時間もありませんから、あと二つ三つだけ伺って終わりにいたします。  何と申しましてもやはり今度の法律改正は、単なる一つの開拓融資法の一部改正として受け取るべきではなくて、やはりここで第二次計画に入るという時期と理解すればするだけ、やはり開拓の今後の政府の姿勢というものの中で、一体第二類農家の施設融資をどうするか、部分的な問題としてこれは全体の中で理解した上で審議を尽くす必要があると思うので、今後の方向というものを伺いたいのですが、この答申が一昨年の十一月に出て、そして今後の開拓の方向というものの中で、これは経過的に従来も触れたことですから、私は重複的な質問はいたしませんが、少なくとも構造改善というものをやる場合には、そのパイオニアとしての開拓農家の知識とその技術というものを非常に高く評価していかなければならないということをいうておる。それが一体どう位置づけられておるか。これは関連性がない。今後やはり国内の自給度の向上ということを考えた場合に、比較的規模の大きい未利用地の開発については強力な国家的要請が直接に発動する必要があると答申では述べておる。そしてその大規模開拓可能地については、国がみずから基礎調査をし、開発計画の概要の作成、提示等をやれといっておる。少なくとも未開発地に達する幹線道路の建設等、開拓の基幹となるべき建設工事は国がみずからやれというておる。開拓地の開発の実施にあたっては、基幹工事から営農設計まで一貫していない。それを一貫してやれといっておる。二年以上前にそういう答申が出ておるのに、それがことしの三十八年度のこれからやろうとする農林省の方向の中にどう出ておるか、その点を具体的に伺いたいと思います。

任田新治農林省農地局長

○政府委員(任田新治君) 先般配付いたしました資料によって説明いたしたいと思います。「開拓営農振興対策営農基盤整備事業進捗状況および残事業完了目標」ということになっておりますが、このように総事業といたしましては、とにかく第一次振興計画を立てましたときにその振興農家に対する地区というものが出て参りまして、それぞれの工事種別に計画が立てられておるわけであります。このような内容でもって三十七年度まで実施して参りまして、約五〇%足らずの状況になってきておるわけでありまして、これは昨日も申し上げたとおりでございます。ただこの全体の中で、開拓地改良の事業といたしまして、二千八百二十八地区ありまして、これをいかに進めるかということでありますが、これは昭和三十二年度までにすでに開拓の建設工事、これは国営であったりあるいは代行事業であったりするわけでありますが、そのほうの仕事が完了いたしておりまして、しかもこれからさらに一方伸びていきたいという開拓地の御希望によりまして出てくる開拓地改良事業でありまして、このようなものにつきまして、特にこれからの重点がなされていかなければならないと思っておるわけであります。いずれも昭和四十二年度までに完了を目標といたしておりまして、私といたしましてはこれらの開拓の基本的な事業が、全体の農業基盤整備に占める割合というものはまだまだ大きいわけでありますけれども、しかしながら、ぜひともこの目標年度までに完了いたして、この完了するにあたりましても、明年度六百市町村の個別設計をする場合、とにかくこれらの仕事が完了しておる地区について実施していこうという考え方でありまして、今後三十九年、四十年という地区につきましても同様に考えまして、確実に基本的な工事が済みましたものの中から実施していきたい、かように考えておるわけであります。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 質問した要点からは、非常に狭い問題だけを資料によって説明を受けましたが、いずれこれは基本的な問題でもありますから、来週あらためて大臣からその問題点を伺いますから、局長にはもうこれ以上お伺いしません。  最後に、お配りをいただきましたきょうの資料の最初に「開拓者資金貸付金利率別歳入額対比表」というのがあります。これを見ますと、三十億の貸付に対して五分五厘の従来の金利と、五分、四分五厘、四分、三分六厘五毛、それぞれのケースに直した場合の差額が表で出ておるのですが、三分五厘というものも出してもらいたい。これは計算すれば出るでしょう、三分五厘にいたしましても一千百万程度ですね。

任田新治農林省農地局長

○政府委員(任田新治君) 今計算をいたしておりませんが、大きい額にはならないと思います。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 この程度の利子貨担の問題を解決しないで、五分五厘などというものを五分にしたというようなばらばらなそういう金利で原案を出されておるわけですが、これはもうとんでもない話で、もう先ほどの冒頭に言いましたように、基本営農資金は三分六厘五毛だ、共同施設資金は三分六厘五毛だ、営農振興対策資金は五分だ、営農促進資金は五分だ、まあ役所ならこうりっぱにそれぞれの融資の対象内容も、これは同じに書いてあるが、こういう場合だとかああいう場合だとか言うでしょうが、そんなあまりテクニカルな取り上げ方じゃなしに、これはやはり金利も同一にし、償還条件も同一にし、なおことしは間に合わぬが、来年は抜本的な、旧債をたな上げにして、これらの資金を生かして開拓農家に希望を持って営農に従事させるという措置をぜひ今度の法律改正の中にも手直しをして、そうしてやっていただかぬと、これはどうもいただきかねるということだけを申し上げて、私の質問を終わります。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 各委員からいろいろと質問があったのでありますから、私からは繰り返さないようなことで話を進めていきたいと思うのであります。  まず最初は、開拓営農振興対策の中で、まず第一に取り上げなくちゃならないのは、開拓農協と思っているのです。しかるにきょうの示された資料によって見まするというと、開拓農協は二十戸以下のものが二千三百六十、二十二月から百戸以下のものが千四百七十四、百一戸以上のものが三百五十三一尺こうなっている。こういうふうな小さい開拓農協では仕事はできないのは、当然と思っておるのでありますが、政府は開拓農協の合併をされる意思があるのであるかどうであるか、もし合併をされるということだったら、農協の合併助成の規則をこれに適用して援助される考えであるかどうか。まずこれをお尋ねしたいと思うのであります。

任田新治農林省農地局長

○政府委員(任田新治君) 御指摘のとおり、きわめて総戸数の少ない入植地がございます。これらの方々におきましては、経済的な問題ももちろんございまするし、なかなかその形態としての運用がうまくいかない場合が多いわけであります。国といたしましては何とかこれをできるだけ統合いたしまして、地理的な条件が許し、また個々の開拓農協の経済的な条件が一致する、ないしは一致に近いというような方々を考えまして、極力統合して参っていきたいと、かように考えているわけであります。また一方におきまして、先ほども申し上げましたが、地元の開拓農協に対して事務的な問題を委託をする、そこでもって融資の窓口にもなってもらい、いろいろの便宜をはからってもらうというふうに考えておるわけであります。この内容につきましては営農課長から……。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 内容はいいから、合併助成法の助成措置は……。

任田新治農林省農地局長

○政府委員(任田新治君) 助成の内容については、担当官から……。

桧垣徳太郎農林省農地局管理部長

○説明員(桧垣徳太郎君) 局長の答弁のうち、農協合併促進の対策助成が受けられるかどうかということでございますが、御承知のように、農協の合併促進の際の助成対象としての条件として、信用事業を行なう総合農協という条件になっておりますので、したがいまして開拓農協のうち信用事業をあわせ行なっているものも若干ございますから、そういうものにつきましては助成の対象となりますが、信用事業を行ないません開拓農協につきましては、助成の資格がないということであります。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 開拓農協の今後の振興計画を立てられる場合におきましては、県及び市町村との関係が非常に大きいのであります。でありますから、振興対策を立てるためには、できるだけ新市町村の区域によるということでいかなければいけないと思っております。そうせなくては、地区別の計画を立てる場合におきましても非常に問題があろうと思うのでありますが、開拓農協を総合農協に加入させるということによって解決して、開拓農協の区域を市町村の区域にしようという意思があられるのであるかどうか。まずこれを伺いたいと思うのであります。

桧垣徳太郎農林省農地局管理部長

○説明員(桧垣徳太郎君) 開拓農協が地元の総合農協に団体加入をするということは、法制上も可能なわけでございまして、私どもとしては地元の加入をしようとする開拓農協ないしその組合員、さらに加入の親元になります総合農協の側、そこに同じく農業団体として、あるいは農民としての理解のもとに円滑にそういうことが進められるのが好ましいことである。したがって、そういうことについて地元のそういう空気に応じて推進をして参りたいというふうに考えております。  なお、開拓農協の事務を地元の総合農協に事務委託をするということにつきましては、三カ年を限って助成をいたしたい、事務費の助成をいたしたいということで予算化をいたしておりますが、そのことも、何らかただいま御質疑のありました方向について役立って参るのではなかろうかというふうに考えております。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 地区の関係で開拓農協の区域が市町村の区域を大幅に越えるような場合がある。別な言葉で言ったらば一郡区域の開拓農協あるいは数カ町村区域の開拓農協、こういうふうなことが現在もあるし、またそういうふうな方面に進もうとしている向きがあるやに聞いておるのでありますが、そういうふうな大区域の開拓農協に対する御方針を承りたいと思うのであります。

桧垣徳太郎農林省農地局管理部長

○説明員(桧垣徳太郎君) 数カ町村にまたがります開拓農協のありますことは、私どもも承知をいたしておりますが、一郡単位の開拓農協というのは、不勉強なためか寡聞にして存じませんけれもど、その開拓農協が元来の使命を達成するために、その大農協を形成することがよろしいというようなことであるならば、私どもとしましては開拓農協の統合の方向としてしかるべき方向であろうと思います。ただ御承知のように、開拓農協はかなり立地的に辺地が多いのでございまして、散在する地域が非常に広範囲な開拓農協を持つことによって活動が十分であろうかどうかという点については、具体的な事情によって是非を判断すべきであろうと思います。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 開拓農協のうちには、非出資の組合がだいぶ多い。将来においていろいろな金融問題や何やを検討しなければならない場合において、非出資組合をどう取り扱おうとしておられるお考えか、お尋ねいたしたいと思うのであります。

桧垣徳太郎農林省農地局管理部長

○説明員(桧垣徳太郎君) 開拓農協の中に、この資料でもございますように、非常に非出資組合が多いわけでございます。元来、開拓農協の発足が多分に農事実行組合的な性格を持って営農指導、生活に対する協同的な努力というようなものの使命を持って発足したものが多かったという事情が一つと、さらにそれは同じ資料にございますように、きわめて加入戸数の小さい農協が多いわけでございまして、これらの規模の小さい農協につきましては、かりに出資をいたしましても、開拓者の現況から見まして、資金的な活動を可能にするということはなかなか容易に考えられない。したがいまして、非出資組合につきましては、本来の農事実行組合的といいますか、農事指導団体、あるいはそれの協同団体としての機能に主として考えて参りたいというふうに思っておるのであります。相当の加入者を伴います組合につきましては、これは出資によりまして、みずから経済活動を営むことが合理的であるというような判断が立ちますならば、出資の奨励等もいたして参りたいというふうに考えております。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 そうしますというと、非出資組合というものは、組合員の数が少ないから出資しても対人信用を与えるだけの資金が金額的にない。しかし小さいグループといえども保証の辛いのと同じように、団結力は非常に大きいというようなことであったらば、その団結力を目当てにして資金の融通をする、団結力を土台にして資金の融通をやるということだったらば、これは連帯債務にならなくちゃいけない。であるから、そういうふうな場合においては非出資組合に対しては、借り入れをする場合においては、連帯債務をさせておられるのであるかどうか。またしておるということであれば、どのくらいの割合で融資されたところのものが連帯債務をしておるか、これをお伺いしたいと思うのであります。

桧垣徳太郎農林省農地局管理部長

○説明員(桧垣徳太郎君) 御質問にございました非出資組合である開拓農協に対する融資及びその保証の問題でございますが、多くの政策金融におきまして、開拓農協自身の行ないます共同利用施設的なものにつきましては、これは開拓農協に対する法人融資を認めておるのであります。その際開拓農協は御承知のように、物的担保に乏しい団体でもございますし、また金融のことでございますから何らかの保証をということで、開拓農協の常務役員もしくは全役員の保証をとるということが慣例になっております。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 その場合において、常務役員あるいは全役員の保証くらいではなくして、全組合員の保証をとっておるのが大多数じゃないですか。私の想像するところにおいては、それが大多数と思っております。

桧垣徳太郎農林省農地局管理部長

○説明員(桧垣徳太郎君) 加入組合員のごく少数のところでは、事実上そのようなこともあるかと思いますが、全組合員の保証をとっている事例はそれほど多いというふうには聞いておりません。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 そういうような場合において、その融資によって獲得したところの土地、建物その他の工作物というものは担保権を設定しておられるかどうか、担保権はどうなっているか。

桧垣徳太郎農林省農地局管理部長

○説明員(桧垣徳太郎君) 物的担保の徴収は、政策金融については別の機会といいますか、他の委員会等で経済局からも御説明があったことがあるのでありますが、それほど多くを徴していないのでありまして、ただいまのような法人貸付の場合に、その持つ資産に対する担保ということは非常に広範に行なわれておるというふうには考えませんが、一部担保に取っておることも他の政策金融一般の事例から想像いたしまして、担保権の設定というものも設定のある事例もあるというふうに考えます。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 それが各方面から金を借りておる開拓者資金という政府資金のほかに、もし担保権を設定しておられないということだったらば、その資金を土台にして買ったところのものが別な金融機関から差し押えされた場合においては債権を確保できないじゃないか、いかなる場合といえども融資したところのものに対しては、債権の確保ができるという措置を講じておられるかどうか、これをお伺いしたいのであります。

桧垣徳太郎農林省農地局管理部長

○説明員(桧垣徳太郎君) 貸付当初におきましては、貸付にあたりましては、債権の回収に対する可能性を判断をいたしました上で融資をいたしておることは、当然と思われるのでありまして、人的な保証につきましても、万一の場合に対する担保として徴しておるものと思います。融資にかかる施設を当然担保に取るべきではないかということは、当該担保物件の担保力を優先的に確保するという意味で、先生のおっしゃいますことは、まことに適切な御意見と思うのでありますが、施設につきましては、場合により相当の期間を要して建設するというような事情もございましょうし、必ずしも従前から融資にかかわる施設がすべて当該融資の担保になっておるというふうには断言できない事情にあると思います。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 今まで聞いたのは、私の質問資料というか、基礎材料でございます。これから本質問に入ります。  開拓営農改善の標準設計を立てなくちゃできない、そうしてそれは各地方別に立ててあるのであります。それで、この設計を立てる場合においては、個人設計が先であるか、開拓農協の設計が先であるか、あるいは市町村別に、あるいは都道府県別に大体の方針を定めて、その方針によっていくのであるか。政府が示した材料によって見まするというと、さっき渡辺委員からもお話があったとおり、設計を見てみるというと、果樹と畜産であって、水田に力を入れるというところは一、二県なんです。全部のものが果樹と園芸に力を入れるということになっている。それから局長の補足説明によって見ましてでも、特に果樹畜産を中心とする生産増強をはかる、そうして三十六年度の総収入は五百十九億円に達しておる。そうしてこれは四、五年前に比較すれば、年間一二%増加していると、こういうふうなことが書いてあるのであります。で、こういうふうなことから見れば、個人別の計画を立てる場合においても、また特産地形成を作る上においてでも、まず政府の方針に基づいて県が大体の計画を立て、その県の計画のもとに市町村の計画を立て、そのもとに開拓農協ごとに計画を立てて、そうして一定のものを一定量生産しなくてはできないじゃないかと思うのであります。そういうふうなことであったらば、個人計画が先か、そういううふうな方面の計画が先か、まずその点についてどういうふうなお考えであるか、お伺いしたいと思うのであります。

任田新治農林省農地局長

○政府委員(任田新治君) まず地区計画、これは市町村単位に行ないますところの地区計画を立てる。これは先ほど渡辺先生の御質問に対して答えましたところにもあるわけでございますが、主として基本的な施設の整備というものがその大宗をなしておるわけでありまして、市町村単位に地元の部落というものと開拓地との結びつき、あるいは開拓地同士の結びつきというものが想定されるわけであります。その仕事は現在一部といいますか、進行中のものもあれば、今後整備されていくものもあるわけであります。それが中心になりまして、それから次は開拓地ごとの標準のタイプができ上がって参ります。この開拓地のタイプができ上がって参りますが、これをその県内あるいは市町村内というふうなことではなく、国全般的にわたりまして、それぞれの地域々々についての開拓地のタイプがどういうタイプに入るかということを検討していく必要があると思います。そのように作業をいたしたいと思っておるわけであります。昨日も申し上げましたように、各県との境をはずしまして、標準の設計が出てくるわけであります。その基準をもって個別の設計に入っていくわけでありまして、個々の農家がそれでいくかどうかということになるわけでありますが、開拓地ごとにでき上がって参りますところの標準設計によりまして、これは今後の問題になるわけでありますが、個別設計にいくものと、それから先般来お話しのありましたように、個々の農家が協業いたしまして一定の方向に向かっていこうという強い御意向が出て、またそのようになって参ることが望ましい点もありますので、そういう点からいきまして、一開拓地が一つの個別の標準設計ということになる場合もあろうかと思いますが、このように順序が立てられて参るわけでございます。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 今、局長の話によれば、一開拓農協が独立して個人の計画を立てるというようなこともあり得るというようなことであったが、もしそういうふうな個別計画を立てる開拓農協があるとしたならば、その農協は販路に困って行き詰まることになりはせぬかという心配があるが、それでいいのであるかどうかお尋ねいたしたいと思うのであります。

任田新治農林省農地局長

○政府委員(任田新治君) この問題につきましては、先ほども申し上げましたように、まず市町村単位の地区計画そのものが、それで妥当かどうかということを検討する際に、ただいま御指摘の問題が出て参るわけでありまして、その段階においてまず検討されまして、それからあと、この開拓地ごとの標準設計に入っていくということになるわけであります。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 そうするというと、大体から言えば、あなた方がここに設計標準を示しておられるのによれば、今回の振興計画というものは、果樹、畜産というようなもの、あるいは園芸というか、園芸、畜産というものに限って奨励されるような感がなきにしもあらずというふうな標準設計なんです。その点はいかがです。

任田新治農林省農地局長

○政府委員(任田新治君) これは全般的に各府県の担当者が頭の中にできておるものでありまして、もちろんその際は、開拓地の方々とも相談をいたしておったと聞いておるわけでありますけれども、しかしながらそのような姿になっておるが。累計が果樹というものに相当重点が置かれておるように見えるというふうに、結果にはそのようなことになっておりますけれども、必ずしもそういうことについて積極的に農林省が指導しておるというわけではありませんで、自主的に各開拓地の皆さん方と県のこの担当の開拓指導員の方々とでもって自主的に一応こういう内容が組み立てられて参ったわけであります。もちろん、これはそのそれぞれの開拓地の所属する県の単位、あるいは市町村の事情等によりまして検討を要する点があると思いますが、全般的にどのようなことを開拓地で考えておられるかということについては、これは必ずしも不適当なものではないというふうに考えられるわけでございます。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 次には、今度の計画によれば、今私の知り得たる資料によれば、第一類に属するものが二万七千一戸第二類に属するものが五万九千一戸第三類に属するものが三万二千戸、計十一万八千戸、これは提案理由説明によれば約十五五尺補足説明によれば十四万七千戸となっているが、調査ができないところもあって、今明らかなものは十一万八千戸、こういうふうなことじゃないかと思っております。そこで、今回の計画というものは第二類の五万九千戸に対する計画なんです。五万九千戸に対する計画であるが、これはこの施策によって救い上げられるのであるから、その開拓農協が連帯債務をしておってでも、個人保証をしておってでも、これには問題が起こらないのが普通だと思っております。しかし、残る三万二千戸というものが対象にならず、これが手のつけようがないものであったならば、この三万二千戸が脱落することによって、第一類、第二類のものに重大影響を及ぼす、すなわち連帯債務が保証認可ということで。そういうふうな場合において、債権者は必ず保証人であったならば、有力な保証人から差押えを食う、こういうふうなことになってくるのであるが、そういうような場合に、第三類の債務者の債務金額に債権者が差押えをしないような対策がとられているかどうか。これはさっき担保権を設定しているかどうかという質問をしたところに関係があるのです。御答弁をお願いします。

桧垣徳太郎農林省農地局管理部長

○説明員(桧垣徳太郎君) 第二類農家が他の農家、具体的には第三類農家等で債務の償還ができないというような場合に、保証債務を追及されるというような場合が起こり得ないかという御質問かと思いますが、現在の法制上では、保証人の保証債務追及を緩和するという制度上の措置はございません。したがいまして、現在の制度上の問題としては、先生の御指摘の問題が起こり得る可能性があるわけでございます。ただ、従前も開拓者間には開拓者相互、あるいは開拓者以外の人的保証を供して融資を受けた事例がほとんどございますが、数多いわけでございますが、現実に元来の債務者の資力不足のために返済ができないということのために、保証人の債務追及を行なった例は、政府資金については従来一件もございませんし、公庫等におきましても特殊の事例のほかは、ほとんどないような状態でございます。ただ、今後の営農振興対策実施上どういうような問題が起こるであろうかということは、先ほど局長からお答えをいたしました旧債問題の一環として十分適切な措置がとり得るかどうか検討をいたしたいというふうに思っておるのであります。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 それでは、この計画において第二種のものがどれだけ振興計画で、その付近の農家と同一の水準にまで引き上げようとしてまででも、政府資金はそういうふうなことはないでしょう、その他のものはわれ先にと連帯債務あるいは保証だったら差し押えてくるのです。差し押えてきたならば、せっかくこの政策によって立ち上がろうと思うものが立ち上がることができない。立ち上がることができなかったならば、今度の政策は失敗に帰するのだから、もしも今回の施策を十分に実施して、そして立ち上がらせようと思ったらば、第三類に対するものの債務保証をやっているところのそれを何とかここで防止するような対策を講じなかったならば、今回の政策は失敗に帰すると、こう思っているのであります。さらにくどいようだけれども、この点について御答弁をお願いします。

桧垣徳太郎農林省農地局管理部長

○説明員(桧垣徳太郎君) 今後の検討に待ちまして対処する方法を定めたいと思うのでございますが、考え方としては、元来の本債務の条件に関します措置をとりますれば、これは保証債務についての条件についての措置と同様のことが考えられるわけでございます。本債務と保証債務との関係の遮断の道をとるのも一法でございますが、これは民法上の、ことに国以外の債権についてかりに法律をもってしましても、民法上の権益といいますか、権利に対する問題にかかわりますので、相当理論的にも問題が多かろうと思いますが、考え方としては、方向としては二つあると思うのであります。重点的にはそもそも開拓者にして無資力のために従来の債務を返債するということは、当該債務者の一般の生活を極端におびやかすというような観点から検討をいたすべきではないかというふうに思っております。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 次の問題は、第三類の者の離農した場合に、さっきからいろいろと離農した場合においては国から二十万円、県から十万円計三十万円くらいのものをやって再出発の準備にしたい、こういうふうなことで、また持っているところの土地を処分してというふうなことであるが、その点から言えば、第三類の人に対しては非常にいい施策であると考える。しかしながら、一方のほうにおいてその人のために債務の保証をやったところのものは、一体そういうふうな場合に債務保証に対して政府は国から補助金や何やらやる場合において、どう対策を立てられようとしておるのか。別な話でいったらば、離農するところの人がもらうところの金のうちの第一番目には他人に迷惑をかけないようにするのがほんとうじゃないか、こう考えるのであります。しかしそういうふうなことで他人に迷惑をかけないように、債務があるのを返してしまったらば、今度は営業するところの資金がないから困るということになってくる。ここについては右によければ左に悪し、左によかったらば右に悪いということで、進退きわまるようなことになるのであるが、一体そういうふうなときの根本策は、どう政府は考えておるか。

任田新治農林省農地局長

○政府委員(任田新治君) 連帯債務によりまして第三類の方々が迷惑になった場合の第一類、第二類の方々の問題になると思いますが、この政府関係の融資につきましては、これは先ほども管理部長がお話し申し上げたように、この二類、三類の方々の連帯債務を追っかけていくということは一今までの実績からいきましても、われわれとしては考えたくないというふうに思っております。ただしかし、それ以外の第三者からの借り入れの問題でございまして、個々の連帯債務ということになりますと、この取り扱いはまことにむずかしいわけでありまして、第三者に対する債務を優先して、今までのわれわれが取り扱っておりますところの三十万円の中から返すということが優先せざるを得ない場合ももちろんあると思いますが、この点は今後先ほども申し上げましたように、個人設計をやっていく段階におきまして、そこに共通の場ができて参った場合に、どのような取り扱いをすべきかということを根本的に考えてみたい、かように考えます。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 「開拓者に対する融資状況調」によって見ましても、融資の残額は四百四億もある。そのうち特別会計から融資しているのが二百四十九億だ、こういうふうな状況なんです。それから延滞元金は三十二億でそのうち政府の金は十九億だというふうなことを考えてみまするというと、融資残額は約半分、延滞のうちの十九億は追及しないということであったならば、残りが十億ある。こういうふうなものを取り立てる場合には、これは金融業者の常識から言えば、必ず今分類した第一類及び第二類の者が保証をやっているということであったならば追及してくると思うのであります。追及してくるから、その追及をそのままにしておったならば、せっかく立ち上がろうと思う個人設計もふいになってしまい、立ち上がることができなくなってくる。今御返事をお願いするわけにはいかないかもしれない、またそういうふうなことも要求いたしませんが、これらの第三類に属する者が債務の返済を完全にすることができなかった場合においては、いかなる場合といえども、第二類の方に御迷惑をかけないというふうな措置を講じなかったならば、計画は完全に遂行することができないということを考えているのであります。その点だけ意見を申し上げて私の質問を終わります。

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) 本日はこの程度とし、これをもって散会いたします。    午後三時五十五分散会

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