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43回国会参議院1963/02/08

農林水産委員会 第5号

発言数
244
登壇者
19
会派数
5
開催日
1963/02/08

会議録

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  まず、農林水産基本政策に関する件を議題とし、農林大臣に対し質疑を行ないます。  なお、御質疑の方は委員長におきまして順次指名いたすことといたします。渡辺君。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 まず、この新年度の農林予算に非常に重要な位置ずけをしておる農業構造改善事業について大臣にお尋ねいたしますが、この事業は何年で三千百カ町村を実施されるのか、その点いかがですか。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) これは計画といたしましては、十カ年計画になっておると思います。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 計画として十年というのは、完成までを含んで十年ですか、その点お答え願いたい。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) これはまだ政府部内で何もそうきめておるというわけではありません。私の考えでは、構造改善事業の進行の度合いといいますか、こういうものは、私の考えでは、初めはなかなか十分なる全面的の理解を得て、熱心にこれを推進するということは、やはり時間的に初めは速度はおそいだろうと思うのです。それからだんだんこれが理解をするにつれて私は速度が早まっていくだろう。そうなれば今の十年計画というのも、これは必要に応じて改定をせられていかなければならぬ、こういうふうに私は考えておるのですが、今一応これを踏み出したときの計画は十カ年計画、こういうことになっております。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 その十年というのは、閣議で了解を得ておる内容によると、昭和三十六年度から十カ年、こううたっておりますが、この十カ年という中には、さらに具体的には実施町村は三カ年の継続事業という内容になっておるので、お伺いするのは十年間に指定をされて、さらに三カ年の年度別の事業がそれに積み重ねられていけば、十三年という理解になるのか、あるいは三十六年度から十カ年という指定でありますから、三十六年度を起点として四十二年度までに三千百カ町村を指定して、そうして完成を十年とするのか、その閣議で了解をしたときの考え方を伺いたい。きょうは大臣に特に忙しいところを伺っているのですから、大臣から閣議で了解したその心がまえを伺うわけです。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) 私が閣議におったわけじゃないですから……。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 引き継いでいるでしょう。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) むろん引き継いではおりますが、これはやはりその当時それをやっておった官房長のほうが詳しいと思いますが、私が聞いてお答えしてもいいですが、事務的なことですからはっきりひとつどうだという事実をお聞き取り願ったほうがいいのじゃないかと思います。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 事務的だとおっしゃいますけれども、これは十年で全部完成するというふうに受け取っているわけですね、一般は。それが事務的であるということで、十三年という理解ということであれば、これは非常に事務的の範疇を離れたことであると思うのです。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) これははっきりそこのところはきまっておらぬそうです。おおむね十年ということになっているということであります。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 非常にスタートからその点ははっきりしないことを遺憾と思います。私が繰り返して言うように、このことは七年以内に三千百カ町村を指定するのだ、その指定最終年度の昭和四十二年度に事業実施地域もその後三年で完成をする。それでもなおこういう非常に経済情勢の変転の激しい昨今におきまして、七午後に指定を受けるということには非常に問題がある。むしろこれは指定を短縮して早期にこれをやらなければ、二十六年の情勢と四十二年とは、これはおそらく大きな外的な変貌がある。そこで私が繰り返して伺いますのは、少なくとも七年には指定をして、閣議で申し合わせたように十年では三千百カ町村はとにかく完了するということだと思って、七年でも非常にその指定は長きに失するという不満を、ある程度七年ということでがまんをして受け取っておるわけです。そういう点で、これは事務的な問題ではない。それで、非常に伏線を、はった説明を大臣されましたが、三十八年度の予算を組むにあたって、大臣は三十八年度の実施地域を何カ町村原案として持たれましたか。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) 実行上の予算としては三百カ町村を計上しております。調査区域として指定をするのは、四百カ町村前年指定をして、そうして三十八年度から実施に移るものが三百カ町村、こういうことになっております。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 当初の農林省の案としては、四百カ町村を予定しておったはずであります。これは農林省の資料の中にはっきりあるわけです。それが百方町村減らされたということは、これは少なくとも今の予算の中に盛られた三百カ町村に原案が百カ町村減らされたということは、それはやはりかなりこの実施計画というものが閣議了解をさらに延長される懸念が多分にある。一体閣議了解というのは、各閣僚が責任を持って了解したことであるとすれば、大蔵当局等の考え方をはねのけても、むしろ閣議了解で十カ年を申し合わせたことを、さらにこれを短縮しなければ、経済の変動に対応した適切な施策ではますますなくなるわけであります。その点は大臣は、当初の計画に対して百方町村減らされたということは、一体どこに了解から改悪された理由があったのですか。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) これは渡辺さんとおそらく私は同意見だろうと思うんです。計画が十年でという計画になっておろうと、十三年、十二年になっておろうと、私はできるだけすみやかに全国でやらなきゃならぬということを私は固く決意をしておるわけなんです。そこで問題は、冒頭に申し上げましたように、なかなかこういうものは、初めからしまいまで同じような、四百カ町村なら四百カ町村というものが、これが年々そういうことには私は実行上はならないと思っております。現実にまたそうなんです。そこで、初めはどうしても少ない。これはこの内容が十分に周知徹底をせられて、認識を深め、どうしてもやらなきやならぬという心持に全国の農民諸君、漁民諸君がなっていくということには、やっぱりある程度の年限がかかる。その間はどうしてもこの実行につきましては、予年どおり年々四百というわけにいかぬと思うのです。私は年とともにこの数はふえていくだろう。したがって私はその際にはふやしていく。そうしてできるだけ縮めていこう、こういう私の考えであります。そこで実は四百カ町村というものを三百に減すことについては、今ございましたような御意見が当然あるであろうと、実は私は予想しておって、いろいろどうしようかと思って考えたのでありますが、いろいろ相談の結果、大体今までのあれから推して考えると、三百カ町村でこれは十分だ、三十八年度はこれぐらいのところでしょう、こういうことでありますから、私はこの四百カ町村というのを三百カ町村にいたしまして、その金は、ほかの方面へ農林予算で振り向ける、こういう処置をとったわけであります。決してだんだんにこれを減していくのだ、年限を長くかかるようにするのだというような考え方は、全然私は毛頭持っておりませんから、この点ひとつ御理解を賜わりまして、この上とも構造改善事業については御協力を賜わることを切望いたします。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 今の御答弁の端にもうかがえますように、かなりこれは実施には困難な事態があるから、これは四百というものが三百に減らされたものだと、その内容こそが非常に大事な問題であると思います。そこへ入る前に、約束事として、この助成に対しては、初年度が三割、二年度が四割、三年度が三割という要綱に掲げているものが、今度の予算には、第二年度四割を期待しておったものが三割に減らされている。一体これはどういう理由ですか。

林田悠紀夫農林大臣官房長

○政府委員(林田悠紀夫君) やはり事業の進捗度をいろいろ勘案いたしまして、当初、初年度が三割、次年度が四割、その次が三割というふうに考えていたこともあるのでございまするが、その後、そういうことをいろいろ勘案いたしまして、今回の予算におきましては、初年度が、三側といたしまして、次年度を三割、それから三年目は、その後において考えるということにいたした次第でございます。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 どうもはなはだ誠実を欠くと思うのです。少なくともこれは三年までかかるものが、もっと繰り上げて実施されれば、むしろ四割を五側に引き上げるというくらいな、一つの重点的なかまえ方が必要であるのに、これまた実施の対象を減らすとともに補助率も年度の割合を翌年度にさらにずらして、さしあたりここでお茶を潤すというようなこういう変更は、あなた方の都合では勝手に直すけれども、いやしくもこの構造改善事業をやろうとした場合には、地方の実態に即してやろうという熱意を、形式的ないろいろな基準の中でこれを規制して、そういうことには苛責なく官僚的にこれを締めつけておきながら、みずから最も大事な農民の期待するそういう補助率を、次年度にさらにこれを延ばすというような姿勢は、これはあなた方のその問題に対するかまえ方の誠意を、これは疑わざるを得ない。  それで、この問題はこの程度にしますけれども、大臣ね、もう一つだけ今の年度について伺いますが、大臣の心がまえとしては、なかなかやりにくいから、ことしは四百を予定したが三百に減らした。そういう困難な事情はこれからいろいろ御質問いたしますが、そういう困難を克服して、いずれ十年には完全にそれぞれの指定町村が三カ年の事業を実施して、十年には三千百カ町村は完全に実施する。こういう十年と理解していいのでありますか、どうでありますか。この点ひとつ大臣の大局的な十年という理解の御答弁をいただきたい。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) これは私の考えでは、十年ではありません。もっと早く、国際的な環境並びに国内の環境等から考えまして、今置かれておる日本農業の地位を考えてみますというと、もっと早くできるものならこれは全国に及ぼしてやりたい、こう私は考えておるのでありまして、どんなことがありましても、十年後には全部完了をしなければならぬということは当然のことであると思うのでありまして、私はできるだけ早くこれはやりたい、こう考えております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 先ほど官房長から、ことしは二年度を三とした、四を三。三年目はそのときになって考える、こういう趣旨にお答えになったと思います。そうすると三年目は三・三・四になる。ことしは三にしてしまったからじゃあ三年目は五を四にするか、こういうふうに私たちは善意に解釈しておったのだが、どうもお答え方からしまするというと、三年目は三くらいにして少しまた残る。悪くいけば予算上の都合だというようなことをいって二くらいにして三、三、二くらいに延ばしてしまうというような多少実は懸念を感じたわけなんです。農林大臣は大いに短縮してでもやりたいのだというような意気込みは示されておるわけですが、官房長官の先ほどのお答えですね、これははなはだ私重大だとその点で思いますので、はっきりひとつ三年目は四というふうに言い切れるのかどうか、ここをひとつはっきりしてほしいのです。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) これは予算上の問題で四のものを三にしたのではございません。構造改善事業に関することは、これは御承知のとおりに、私が大蔵大臣とじかに折衝をしても、これは私は必要な予算は計上するつもりでおった、またそうやったわけであります。ただ問題は、実際上の事情がそういうふうになるかならぬかということがこれが実は問題なんです。そうでなければ金が後年度に残っていくだけで、それがやはり農林予算の全体の中に余ったのを入れるということになりますから、そこで大体まだ手をつけて二年目というときでありますから、ただ予算上金額を多く取ってもしようがないというつもりで、まじめな考え方でそうやったわけであります。したがって、ただいま御懸念の点は、もう三年にもなりますと相当私は事業も進んでいくと考えておりますから、これは四割分の事業を三年にやり切るということもできるのではないかと考えておりますから、これはもう御懸念のなうように、三年目は三年間で仕上げる、こういうのでありますから、三年目は余った四割を計上していく、こういうふうにいたしたいと考えます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そういたしますと、原則的にはとにかく三年目には四を出すのだ、実際に事業がそこまでいっておらなければこれは出してもしようがないということがあるでしょうが、原則的には出すのだ。まあ今構造改善事業始めたばかりですから、今後いろいろ前例ができて、二年目でもどんどん進むやつがありますね。おそらくあると思います。条件等がいいところは。そういう場合には今回の措置が前例になって三になるという意味ではないわけですね。そういう場合にはもちろん四だし、非常に初年度からどんどんやって二年度にはもう相当いっているといったような場合にはこれは五でもいいわけですね。そういうふうな心がまえでおるのかどうか、この点ももう少し聞かしてほしいと思います。

林田悠紀夫農林大臣官房長

○政府委員(林田悠紀夫君) ちょっと予算上の問題でございますから私から答弁さしていただきますると、三十七年度に着工いたしました分につきましては三・三・四、おおむねそういうことでいこうということできまったわけでございます。それで三十八年度の着工、すなわち今年から三百を新たに実施するということになったわけでございまするが、それにつきましては、初年度三ということにいたしておりまして、次年度についてはまだきめていないわけでございます。事業の進捗によりましては、そういうこともあるというように考えております。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) 方針としましては、ただいま亀田さんのお考えのとおりに私はやりたいと思っております。事業の進捗に応じてできるだけやりくりをして、少なくとも三年には完了をするように、しかも現実の事業にマッチしたような政府が手当ができるようなことにできるだけやりたい、こう考えております。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 この構造改善事業は、今伺えば、かなり要綱の中で、みずからきわめて重大な要点まで弾力的に、政府の都合でこれは変更される御意思があるようであります。あればあるほど、この構造改善事業は地方の実態に即した取り上げ方をいたしませんと、画一的なやはりワクの中でこれを指定するところに非常に無理があると思います。したがって、今後の運営は、できるだけあまりこまかいことを言わぬで、やはり地域の自主性を尊重して、やはりねらいは同じなんですから、そういうことはひとつよく大臣のほうで内部をあまり画一的にやらぬように、みずから弾力的にあなた自信もやっているんですから、やはり地域の実情を尊重して、それが生きた計画であれば、それをやはり取り上げるというひとつ弾力的な措置を強く大臣に要請をいたしておきます。それから実は要綱にもありますように、まず計画を立てる場合でも前提としては市町村がそれぞれ関係市町村民の総意を前提として計画を立てさせなければならぬということが基本になるわけですね。ところが、私たち社会党が、各指定を受けている地域におじゃまをいたしますと、われわれが行くということで初めて部落民に説明会を、私たちが行く日程がわかったその前日あるいは前々日に部落に相談をしている。そこに集った町会議員も、あなた方に町当局が提出した資料をわれわれはまだ相談を受けていないという、具体的に申しますと、パイロット第二号に指定された福島県の保原であります。そういうようなことで、いろいろ指定というトータルの中にパイロットの第二号の保原が出ているはずでありますが、そういう総意をくまないで、下請け的にこれを町当局が押しつけて、そうしてその総意がどうであるかということで、その保原の具体的な例をついでに申し上げますと、ここでは出産基盤の整備は、農道が中心でありまして、幹線農道の幅員を五・五メートル、支線を四メートルに拡張するというのが四十三本のうちの八本の改良になっておりますが、これに対しては、とうていこれだけの悪条件では受けかねるという反対の期成同盟ができているわけであります。そういう場合に、その指定をしたその方向が地域住民の総意に基づいたものではないという事実が判明した場合に、農林省はこれにどう対処されるつもりでありますか。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) 非常に具体的な問題でありますから、主管局長から御答弁をさしたほうが適切であると思いますが、今こっちに向かっておるようでありますから、それをしばらくひとつ答弁はあとで来ましてから申し上げるようにさしていただきたいと思います。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 私はその具体的な例をあげましたのは、他にも争ういう例が幾らもあると思う。私が歩いた限りにおいては幾らもあります。例をあげろといえば、幾らでもあります。私の地元の岩手の江刺市自体でも、この基盤整備で再区画整理をする地域の宝録という部落では、四十七戸全部落あげて、私たちが行くその前の午前九時から十二時まで部落民が集って、反対の決議をして、私たちの調査団に対して、こういう非常な無理をするような再区画整理はわれわれは絶対に引き受けることができない。それを市当局がひとつ指定を急ぐということは、各地の具体的な例が山積しておるわけでありますから、そういう具体的例の上に立って大臣はそういう指定をしたあとに、返上その他の農民の総意じゃないということが具体化した場合に、大臣はこれをどう処理されるかを大臣からお伺いをしたい。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) これはあくまでもその町村民、部落民と申しますか、そういう諸君が十分に認識をせられてこの構造改善事業に熱意を持ってやるということで、それをわれわれが協力をして、金の面あるいは技術の面においてやるというのが本旨でございますから、はたしてそういうことであって、実際上どうもそれは現段階においてやれないというような場合におきましては、それは当然その地元の御意見を尊重するつもりでおります。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 それで一体この事業を計画し、指導し、実際担当するのでありますが、事業の責任主体はどこにあるんですか。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) この事業の責任は、これは私は構造改善事業をやらんとする農民諸君が全部が私は責任はあると思うのでありますが、これを推進していきますためにこの計画を立てるというのは、町村が計画を立てる。実行するのはその地方々々の実情に応じて、あるいは農協がやる場合もあるし、あるいは町村がやる場合もある。こういうことであろうと思うのであります。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 それは非常に重大な御発言でありまして、形式的には事実をやる者が責任をかぶることは当然でありますが、一体そうすれば農林省も、市町村も、計画を作らされて、そうしてあとは事業主体にまかせるまでで、あとはどうでもいいということですか。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) いやそういうふうにおとりになると困るのでありますが、計画を作ればどうでもいいというものではない。その計画が妥当な計画であって、真にその地方のためになり、その地方の方々はぜひそれをやりたいという熱意がある場合において、われわれはこれを協力をして仕上げていくと、こういう建前にたっておるわけであります。だからあとは知らぬというわけじゃないのです。そんなことはできるわけのものじゃないのですよ。あとはどういうふうに執行になっておるか、適正にいっておるかということは、おのずから考えなければならぬ、計画さえ立てばあとはどうなっても政府は命を出していく、そういうわけにはいかないでしょう、これは。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 もっと詳しく伺えば、農林省は一体これにはどの程度責任が法律的にあるのですか。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) 法律的に農林省はは、これに対して適切なる、その計画であって、そうして地元においてもぜひこれをやりたい、こういう場合に、農林省は御承知のとおりに助成金も出す、あるいは低利長期の金も出す、こういうことでこれに対してできるだけの協力をわれわれはしていくと、こういう立場にあるわけであります。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 で特にこれは県知事が指定するのですね。大臣が指定するのじゃないのですね。その点はどうですか。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) そういうわけであります。その何といいますか、指定は知事がやると、こういうことなんです。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 そうしますと、これは一片の次官通達で県知事に責任を負わせるということは、地方自治法第一条の立場からいって非常に疑義があると思うのですが、その点はどうですか。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) これは私はそういうふうに一片の通達で知事にそれを農林省が押し付けておるわけではございません。知事は知事自身として自分の管内におけるこの農業の近代化をはかるということは、当然私は知事としてはやらなければならぬことであると思うのでありまして、したがって知事がそれを指定してやるということは、何ら知事の職責を逸脱したものでは私にないと考えます。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 もっと具体的に伺いますが、今この農業構造改善に対して、各地域の農家の素朴な感情というものは、特にこの構造改善事業の中の生産基盤の整備、こういうものを政局で全額負担してやるべきものである、こういう考え方が、一般的にあるわけであります。したがって、私はこの五割補助というような生産業盤に対する国のかまえ方というものは、きわめて不十分であり、不徹底であると思います。それに対して大臣は、基準財政需要額に普通交付税を、もって二割をその県庁に加算をさせると御答弁をされると思うのでありますが、そういう場合に普通交付税を、基準財政需要額をもらっても、必ずしもこれはこの構造改善を、生産基盤に使う義務づけはないわけですね。何に使ってもいいはずです。それを縛る御意思があるのですか、どうですか。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) これは法律的には今お述べになりましたとおりに、知事を拘束するということはできないわけであります。しかしこれは良識ある知事さんなら、そういってこれは構造改善事業の補助率のかさ上げのために、配分の基準にそれを置いて配ったのだから、しかるべくやれと、こういうことをいえば、私はやらない知事はおそらくないと思います。現在そういうものがなくてもやっているのが、十県前後もあるような次第である。でありますから、私は何らこれは懸念を実はいたしておりません。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 この二割かさ上げということで十分であるとお考えですか。これは、私今申しましたように、少なくともこういう考えられておる生産基盤の整備というものは、これこそが十割、全額国庫で負担してやらせるべきものだと思うのですが、それがかなえられなければ返しということで、各地でそういう返上運動が起こっておる実態であります。そういう意味で私はまあ法律的な問題はさておきまして、政府がわずか五割、二割をさらに普通交付税で地方にかさ上げをさせる、これで構造改善を生産基盤は済むのだということは非常に甘い。農家はこれ以上借金奴隷になることはごめんであるという素朴な考えで、こういうものに対しては、われわれ以上にこの問題を深く考えて、いろいろ相談をして返上の方法が全国各地に逐次出てきておる。でありますから、この点は御回答はいただきませんが、ぜひともこれは全額政府の責任と負担でやるという方向で、ひとつ今後の予算なり、その他の措置で善処を願いたいと思います。  それから、時間がありませんから、構造改善の主要な点二、三を伺っておきますが、大型機械を使うということであります。これも私は福島県の県庁へ参りました際に、県庁の責任者が十四の問題を提起いたしております。その中に一つの問題として大型機械、この経済効用の指標がないために指導できなくて困っておる。こういう県の良識ある者が意見をわれわれに述べておるわけであります。これは刷り物になって私たちに提出されたものであります。また農林省の農事試験場の過般の直播栽培の水稲大型機械なり、畑作の大型機械なりについても、まあここで具体的に申し上げる時間はありませんが、大型機械の経済効果というものについては、マイナス的な結論を出しておる。そういうまだ完全に大型機械を十分駆使して経済効果を十分上げて返済できる、そういうものがない段階でこれを推し進めるということは、これは非常に問題だと思うのでありますが、そういう点について大臣はどうお考えになっているか。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) これは私もそういう具体的な機械に関する問題でありますから、私から御答弁を申し上げるより、事務局長が来ておりますから事務局長から御答弁申し上げさせます。

坂村吉正農林水産技術会議事務局長

○政府委員(坂村吉正君) 御質問でございますが、機械化の問題は、いろいろまだ研究面でも完全に完成されているような段階ではございませんが、今までずいぶん蓄積もございまするし、そういうものをどこか組み合わせまして現地に合うように指導していく、こういうことでやっております。おっしゃるとおり完全に何から何まで完成しているという段階ではございません。農業のほうの動きが非常に早いものですから、そこまで試験研究が十分いってないと思いますが、しかし大よそのところはめどをつけて、機械化の指導には心配ないということになっております。  それから誤解があるといけませんけれども、大型機械はマイナスの効果が出るというようなことを試験場がもしかりに言っておる者があるとすれば、私は存じませんけれども、これはいろいろ条件の問題であろうと思いますから、そういう点を抜きにいたしまして、大型機械を入れた場合に条件がそろわなければ、あるいはマイナスになることもこざいましょうし、プラスになることも多いでありましょうから、そういう点は条件と一緒に考えませんと、非常に誤解を起こすといけませんと思いますので、その点念のために申し上げておきます。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 ためにする意見を申し上げておるのじゃなくて、あなたの直轄の試験場で水田の完全直播による大型機械化の一般作業については、この機械のオペレータの労力以外の所用労力は非常に消力されておることは確かに出ておりますが、そのオペレーターの労賃を入れないで、生産費調査でのいわゆる農具費は、従来の二千円から逆に五千円になっておる。こういうデータが出ておるわけであります。したがって、こういう大型機械を使って構造改善に立ち向かうという場合に、その償還計画が立っていない。その具体的な市町村の構造改善に償還計画のないようなものに単独融資、あるいは融資補助事業というものを画一的に押しつけるところに大きな問題があることを指摘したわけです。時間がおりませんから次に進みますが、問題は、この三千百カ町村の指定といいますけれども、具体的にこれらの指定の中へ実態を見ますと、たとえば再区画整理を例にとって申し上げますと、その地域の同じ条件の十分の一にしか当たっていないあとの再区画整理を要する十分の九をどうするのか。三千百カ町村をおしなべて大臣の勇気と決意をもって、十年で完成するところをさらに短縮すると仰せられましたが、それはそれで了といたしますが、その三千百カ町村の一カ町村の中で同じような再区画整理を必要とする地帯があるにかかわらず、予算規模その他に制約されて、わずか全体の一割、二割の地域しか指定になっていない、そういうアンバランスを一体ふまえて構造改善事業をどう理解されるのか、その点伺いたい。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) 渡辺さんのお述べのとおりでありまして、それは私は続いてさらにやらなければならぬと、こう考えております。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 そうしますと、今の例で言えば、まあ一割ないし二割が第一次に指定された、あとは十年後に第一次なんとか計画事業ですか、第三次といって三十年か五十年くらいやるつもりなんですか。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) これは先ほども申し上げましたとおりに、やはり地元の熱意によってどうしても早くやらなければならぬというようなことがあれに、これは先にいけばそういう事態が起こってくるのではないかと、実は思っておるのでございます。そういうものに対しましては、当初も申しましたとおり、この十年というのを十年かからずにやりたい。さらにただいまお話しのようなことも一緒にいたしまして、いわゆる計画の変更というようなことば当然近く出てくるものと私は考えております。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 どうもよくわかりませんが、なお現実において問題と思うのは、その町村の指定がばらばらに行なわれておるということであります。少なくとも、農林省がいうところの生産地形成、さらにこれは私は高度の立地的な、立体的ないわゆる機能を加味した、たとえば営農団地、これは農協系統で使っておる言葉でありますが、営農団地というものをふまえてその経済効果を生産から加工まで一貫して総合的な機能にするという経済サークルを考えた場合には、行政区域である一町村をこま切れにこれを取り上げるということではなくて、それらの立地条件を同じにする、農林省のいう主産地形成をともにするより、経済的な地域に対してこれを指定していくということが、今後の長期の村つくり、地方の農業構造の改善には不可欠なこれは問題点だと思うのでありますが、今は地方から出てきた、あちらこちらを飛び飛びに指定をして、場当たりにやっておる、こういう総合的な観点に立ってこれらの地域指定をお考えになるかどうかということをお伺いいたしたい。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) これはもう渡辺さんのおっしゃるとおりであります。私どももそういう、お述べになりました御趣旨を十分に参酌をいたしまして指定をやっておるわけであります。ただ地元からくるから何でもよろしいというので、断片的にやっておるのではございません。元来いえば、理想的に言えば、先に農業経済会というようなものを作って、そうしてそれらのものが同時にやっていくということが理想的なことでありますが、これはしかし、地元の熱意がなければなかなかそういうわけに参りませんので、一応お述べになりましたような御趣旨は十分に参酌をいたしまして、できるだけその付近のものを同時に指定をしていくように努めておる次第であります。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 この構造改善でもう一つだけ伺いますが、生産基盤の問題の中で、既存耕地については今伺ったのでありますけれども、新たに農耕適地があるのに、それがやはり開放されなければ、いわゆる基本的な生産基盤が確立しないということが、これは申し上げるまでもなく各地にあるわけであります。おそらく大臣は、それは地方の計画の中に、国有林なら軒下から国有林に取り囲まれて農耕適地がある場合には、それは計画の中でとおっしゃるかもわかりませんが、私は、この構造改善を打ち出す前提として、やはり全体の農産物の国内需給度ということを目途にして、そういう全国にあるところの国土の高度利用という観点に立って、客観的にそういう土地の実態調査をし、土地の利用区分をし、その区分に基づく計画を策定し、そうして、そういう国の大方針の中に地域地域における具体的な問題を解決するような指導的な農政を打ち出してこそ、農業構造改善事業はりっぱなものだと思うのでありますが、そういうかまえ方でなしに、地方にだけ責任を転嫁して、上がってきたものの中から逐次やっていこう、そういう姿勢ではなしに、政府みずからが総合的な国土の高度利用という観点に立っての農耕適地の開放というものを、その土地の利用区分等を認定してやっていただかなければ、これはなかなかいただきかねるという実態でありますが、その点について大臣の今後における一つの抱負を伺っておきたいと思います。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) おそらくその対象は、国有林を対象にして渡辺先生からお話があったのだろうと思います。私もその点は考えておるわけです。七割以上も山である日本におきましては、この山の利用というものがきわめて必要なことであるということは、もう申すまでもない。したがって、今回の構造改善の推進をいたします上において、国有林があるいは酪農を経営する牧草地として最も適当であるというような場合には、私はこの国有林を開放しようという、こういう考えを持っているのであります。全体といたしましては、そういう方面に開放を予定してもよいという土地が相当にあるわけでありますが、しかし、これはやはり具体的にならないと、ただ数字の上で十五万町歩とか、二十万ヘクタールとかいってみたところで、これはしょうがないことでありますので、やはり具体的にその地方の実態とこれが結びつかないと、これは意味をなさないことになりますので、それらの点をどういうふうにしてやるかということを、今私も研究をいたしておるところであります。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 次に入りますが、さらに関連して伺いたいのは、どこへいってもやはり出てくる間色は、主産地形成として主作物を選ぶ場合には、その選んだ作物の農産物の価格がきわめて不安定だということであります。そういう価値の不安定、流通の不合理ということをたな上げにして主産地形成をやり、構造改善をやれといっても、これは無理なことで、前提条件としてやはり生産者が安んじて積極的に意欲的にその作物に取り組むというためには、いろいろな議論がございましょうか、何といっても価格で政府が納得するような支持政策をこれは確立していただかなければならない。そういう中で一番今問題になっているのは乳価であります。現に指定を受けた地帯で、今度の値下げ通告に対して、農林省はいかなるその行政的な態度をとるかという質問を発しておる指定地域もあります。また、もうそういうものには希望をなくして、みずから牛を売り払っているという事例もある。そこで、特に限られた時間でありますから、乳価にしぼってお伺いをいたしますが、過般乳製品を畜産振興事業団によって買い上げをさせる措置を政府がおとりになったのでありますが、その買い入れ額を二十億にした、その計数的な根拠をまずお伺いしたい。

村田豊三農林省畜産局長

○政府委員(村田豊三君) 畜産振興事業団が指定乳製品を買うことができるということは、畜産物の価格安定等に関する法律の規定するところでございまするが、建前といたしまして、法律の規定にもございますけれども、申し込みに応じて政府が買い入れることができるという建前になっているのであります。したがいまして、昨年の暮れに二十億の買い入れを決定いたしますにあたりましても、これは大よそどの程度の申し込みが予定されるかという予定を立てる必要がございますので、関係の業界の意向も聞きまして、私ども予測いたしました数字がおおむね一千億、こういう数字に相なっております。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 業界の希望を取りまとめて二十億で買い上げをするという御答弁でありますが、非常にこれに大事な国費を使って買い上げをするのは残念な態度だと思う。いやしくもこの買い上げを発動するのは、それなりの客観的なやはり根拠がなければむだ金を使ったということになります。たとえばメーカーは過剰在庫に悩むから値下げをするというあるいはそうでないかもしれないが、私はそう聞いている。それならば、正常在庫は常識的一カ月半分を正常在庫といっているのでありますが、その正常在庫を上回る過剰在庫がメーカー別に一体どれだけあるのかという希望をとるのじゃなくて、行政庁がそれだけの措置をやる前に、政府が責任をもって過剰在庫という実態を確認して買い上げをなすべきものだと思うんですが、順序が逆じゃないですか。

村田豊三農林省畜産局長

○政府委員(村田豊三君) お言葉でございまするけれども、事業団が乳製品を買い上げまする条件といたしましては、法律に規定しておりまする当該事業者の申し込みによりまして、その生産しました指定乳製品を安定買い価格で買い上げることができるという建前になっておりまして、これは極端な例かもしれませんけれども、在庫の有無にかかわらず、在庫が幾らたくさんおりましても、指定乳製品の価格が安定買い価格を割っておりません場合には、事業団の買い入れ発動ということはあり得ないわけでございます。また、逆に在庫がきわめて少なくても、指定乳製品の価格が安定買い価格を割っておるという事態が起こりまするならば、法律の解釈といたしましては、事業団買い入れということを発動することができる旭前になっておりまして、したがって建前といたしましては、過剰の多い少ないという問題ではなくて、当時の指定乳製品の価格が全国的に見て安定買い価格を割っておったかどうか、あるいは著しく割るおそれがあったかないかという行政判断によるものと存じております。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 過般の衆議院における農林水産委員会で参考人の意見を伺いますと、大野乳製品協会長は、百億円の過剰在庫がある、そういうことを言うておる。また蓮池業団理事長は、二十億で過剰在庫は吸収できる、こう言うておる。また、中島乳製品卸売組合理事長は、乳製品の中間在庫は去年の秋からゼロであった、事業団に買い上げてもらうのもよいけれども、交換品がない。これは買い上げ乳製品は六カ月ごとこれを取りかえなきゃならぬ、そういう場合にはとうてい交換には応じられないということを参考意見で述べておる、そういう非常にちぐはぐな実態、実態といいますか問題の中で、十億を放出して買い上げをやるというには、やるだけのやはり経済効用を十分ふまえてやらなければならないというふうに思うのでありますが、買い上げはいつから始まっていつ終わるんですか。

村田豊三農林省畜産局長

○政府委員(村田豊三君) 買い上げの方針を決定いたしましたのは、御承知のように昨年の募れでございまして、年が明けまして一月に入りまして買い入れの具体的な事務にただいま入っております。先日も参考人の供述にございまたように、すでに十七億近い申し込みが受け付けられつつございまして、しかも買い入れの実務といたしましては、それぞれの乳業者の申し込みに応じて事業団が買うわけでございまするが、その申し込みは手続的にはそれぞれの指定乳製品の種類ごとに、倉庫ごとに特定をいたしましてその申し込みを受け付けるという段取りにいたしておりまして、ただいまさような段取りで逐次申し込みが行なわれつつある次第でございます。もとより、ただいまのところ代金の決済までは了しておりませんと申しまするのは、買い入れ実務の完了をいたしまするのには、事業団が買い入れ者としての検収を終わらなければなりません。この関係の事務はまだ若干時間がかかることと思いまするけれども、しかしこれも遠からず完了することと存じております。なお、御指摘のございました……

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 局長、貴重な時間だから簡単にやって下さい。

村田豊三農林省畜産局長

○政府委員(村田豊三君) いつごろ事務を完了するかという問題でございまするが、私どもはこれはできるだけ早く、買い入れが集中的に短期間に完了することを念願といたしておりまするので、この点さらに事業団の買い入れ態勢との関係もございまするので、農林省といたしましては、事業団をさらに督励をいたしまして、買い入れの完了を急ぐようにいたしたいと存じております。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 それでは伺いますが、この買い入れ措置によってどれだけの市況の回復を期待しておられますか。

村田豊三農林省畜産局長

○政府委員(村田豊三君) 非常にむずかしい御質問でございまするし、また非常にこの問題は重要な問題と私どもも心得ております。昨年の暮れに買い入れの発表をいたしましてから、もちろん市況は安定いたして参っておりまするが、まだちょっと、御承知のように年が明けました一月は、乳製品の荷動きの最も少ない時期でございまして、市況がまだそれほどにはさえておりませんけれども、私どもが調査いたしました、これは一月の上旬までの調査でございますけれども、すでに若干市況の上向きが、具体的な数字として現われております。市況回復がどの程度になりまするか、今後の乳製品の需給になり、消費の動向にもかかっておるということでありまするので、いましばらく最終的な判断をつけますのには時間がかかると思います。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 大臣にお伺いしますが、三十八年度の牛乳の需給の予察はいつごろ出していただけますか。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) 今作業中でございますから、できるだけ早くひとつ……。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 はい。それでは過去にさかのぼって恐縮ですが、昨年の一月に出された牛乳の需給の予察についてであります。これに対しては年間の見通しが約十九万八千石生産が不足をするという予察を出して、そうして乳業者もこれに同調して、そして脱粉三千トンなり、バター四百トンの輸入をされておるが、このことが滞貨となって市況を圧迫する一つの大きな要因をなしている。また一方、牛乳の増産奨励ということにもなっておるのでありますが、こういう誤った予察ということに、今度の滞貨に口実をとるところのメーカーの値下げの口実があるとすれば、まさにこれは政府も乳業者も、ともにこれは大きな責任を持ってこれを償ってもらわなければならない。これはいろいろな言い逃れ等じゃなしに、これは前の委員会でも、畜産局長はその予察の見通しの誤りを陳謝されておりますから、それはそれでいいとして、その誤った措置に対して、今度は二十億も金を使って製品を買い上げるということに応じて、今度の乳価の引き下げということを、行政的に強く働きかけをして、その十一月から値下げをしたことを阻止するような強力な行政指導が、業界に対してなされなければならんと思うのですが、その点はどの程度行政的に取り上げられたかをまずお伺いをいたしたいと思います。

村田豊三農林省畜産局長

○政府委員(村田豊三君) 昨年の春、三十七年度の牛乳の需給を立てまする際に、若干の見込み違いのございましたことは、今日に至りましてすでに結果的に現われているところでございまして、若干予察を誤りましたことにつきましては、これは率直にわれわれも認めざるを得ないところであります。また、そのときの予察に基づきまして現在の安定基準価格等ができているわけでございます。これはまあ見方によっていろいろなまた功罪があるわけでございまするが、功のほうはしばらくおきまして、罪のほうについて率直に申し上げますると、そのために確かに乳製品、これは脱脂粉乳とバターでございまするけれどもその輸入をいたしたのでございます。その輸入したものがどの程度の市況の圧迫材料になるかというと、この点は計数的にはなかなかむずかしい問題でございまするけれども、われわれといたしましては、輸入いたしましたものが市況の圧迫材料にならないように、事業団にこれは大部分のものを凍結をいたしております。例外的には、御承知のように、バターにつきましては、バターの一部分を、これはそう市況が弱くなっておりません事情もございまするし、またその他の事情も勘案いたしまして、一部を放出いたしておるような事情でございまするが、今後も、先ほど御指摘のございましたように、今後の市況等のことも勘案いたしまして、これらの処分につきましては十分慎重な配慮を加えて参りたい、かように考えております。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 ただいまの局長の答弁はきわめて遺憾であります。きのう、衆議院の農林水産委員会において、乳価安定対策に関する件を決議して政府に申し入れておる。この決議の第一項は、「乳製品の畜産振興事業団による買入れをすみやかに完了し、乳価値下げを中止する等事態の正常化を図るよう指導すること。なお右の方針に協力しない乳業者に対しては農林漁業金融公庫からの融資を停止する等行政上の措置をも検討すること。」ということが、昨日の衆議院の農林水産委員会全会一致で決議をしておる。その決議に対して今ののらくら答弁は、これはきのうの決議を受けたあなたとしては、きわめて決議を無視した答弁であって、私は、値下げを中止するということが、今度の乳製品の買い上げに対するこれは当然の行政的な責任のあり方でなければならない。そういうことを衆議院でも決議をして申し入れをしておるのに、そのことは触れないで、今後はしかるべくというような答弁では、一体、衆議院の決議もさることながら、こういう全体が取り上げて中止をすべきである、そういうように指導すべきであるという衆議院の農林水産委員会の決議を、これは無視とは言いませんが、きわめて軽視した態度であって、断じてこれは納得ができません。もっと具体的に大臣がこの決議を受けて、きのうは大臣都合が悪くて政務次官が出席しておられて善処すると言っておる。私は、その善処をもっと具体的に大臣からじかに伺わなければ、この問題に対してはもっとこれは突っ込んで問題を提起していかなければならないと思います。このきのうの決議に対する大臣の具体的な、善処すると次官が仰せられたことに対するより明確な具体的な御回答を願いたい。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) これは御承知のとおりに、この二十億の乳製品の買い上げの決定をいたしますにつきましては、乳製品の製造業者に対して、自 後奨励金の減額はしないようにということを言ったわけでありまして、これは乳業者と製造業者と当局とが約束をいたしております。さらに、すでに奨励金を減額いたしました部分につきましては、できるだけすみやかにこれは復元をすると、こういうことを強く申し入れをいたしておるわけであります。ここに御決議になっておりますが、そういう基本方針でやっておりますので、さらにできるだけすみやかに復元をするように私といたしましても努力をいたします。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 私の時間もありませんので次に入りますが、最近国際通貨基金の八条国移行が連日のように報道されておりますし、また担当大臣がこれを受けて立つという構想も発表されておりますが、乳製品の貿易の自由化はしない、こういうふうに大臣は断言していただけますか。あるいはそうではないのでありますか。その点をまずお伺いしたい。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) 私はさきにもお述べをいたしましたとおり、すでにアメリカとの先年暮れに行なわれました閣僚会議におきましても、またカナダとの本年一月の閣僚会議におきましても、これは自由化はできないということを強く私は主張をいたしておきました。今後におきましても、現在の時点におきましては、この自由化はできない、こういう方針で私は進むつもりでおります。ただ、私は、ここでつけ加えて申し上げておきますことに、だからといって永久にこの日本の酪農製品というものが鎖国農業の産物ということは許されない。現在粉乳のごときは、ほとんど外国のものを輸入いたしますれば、日本の三分の一くらいの値段である、あるいはないしそれ以上の安い値段である。バターにいたしましても、日本の値段の半分である、こういうような状態は、ただ自由化を今しないからといって、その上に、それをいいことにしてコスト・ダウンを行なう、合理化を行なう努力をしたいということであっては、私は日本の農業の将来のために非常にこれは困ると、そう思うのであります。そこで私もひとつ、先ほども渡辺先生のお述べになりました国有林というものをできるだけこの方面に利用をいたしまして、そうして、少なくとも飼料は七割以上は牧草によって酪農業を経営する、こういう方向へぜひすみやかに持っていきたい、こう私は考えておるわけであります。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 問題のうちの、その早地震業といいますか、そういうものに対するお考えは今伺いましたが、それにしても、これにはいろいろの法律が相錯綜して、それを大きく取り上げるには困難ではあろうと思いますが、少なくとも、選択的拡大として農業基本法を打ち出して三年にもなり、そうして今言うたような言葉が、言葉だけで、具体的な来年の施策の中にそれをもっと裏づけるようなものでもあればよくわかりますけれども、単なる言葉だけで、これからそういう方向にいくというにしては、基本法が自民党多数で通過をさせた経過の責任もあって、もっとこれは抜本的なかまえで、三十八年度の農業施策の中には、そういう大きな問題を基本的に取り上げるような法律なり、あるいは財政的な裏づけが大幅に組まれるならばよくわかりますが、今のこういう貧弱な予算の内容では、口頭禅にしかとどまらない。それからえさの問題でありますが、このことも政府は明年度からふすまの売渡価格の引き上げを内定しておると仄聞しております。こうした施策を反映して、乳価が一方的に値下げの傾向に置かれておる一方、乳牛のえさの価格は値上がり傾向にある。飼科価格は、乳価などこの畜産物の価格と無関係にきめられるという施策に、私たちは大きな問題を感じるわけであります。今のこの飼料の輸入依存度は毎年々々ふえてきておる。流通飼料の六割を輸入によってまかなわなれけばならない状況でありますが、政府はこのまま輸入依存度をさらに放任しておかれるのであるかどうか。えさについても問題を伺いたいわけであります。今の飼料の自給の法律は、百六十万トン程度の時代に作られた法律であって、今後もこんな古色蒼然たる現実に即しない法律の中でえさの対策が無為無策に放置されるということでは、これは断じて納得ができないわけでありますが、そういうえさの対策について、政府はいかなる施策をもって、ただいま大臣の言われたコスト・ダウンについての構想をお持ちであるか、その点をお伺いいたしたい。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) これは、方針といたしましては、申すまでもなく自給飼料をできるだけ日本で作る、そうしてできるだけ販売飼料によらずして牧草によって飼育をしていくということが大方針であります。これに向かって私はあらゆる努力をいたす決意をいたしておるのであります。そうしてただいまふすまのことについて言及せられたのでありますが、私はいろいろ事務当局に検討をしてもらったのでありますが、ふすまは日本の畜産界において要求せられるほど世界的にないということなのです。そこで窮余の一策として、御承知のとおりに、今畜産当月で今日までやって参りましたのは、小麦をえさ用小麦というので輸入をして、そうしてふすまを増産をする。私はしろうとでありますけれども、このふすまというのは、ざっくばらんに申せば、ほんとうのふすまじゃないと思います。中に澱粉がまざっておるのだろうと思うのであります。そういうようなことまでしてふすまをなぜ供給しなければならないのか。ふすまでなければ乳牛のえさではないのかということを、私は非常に疑っておるのであります。ないものを安くしろというのは無理なお話なんでありますが、それよりか酪農を経営しておられる農家諸君がふすまによらずして、あるいは大麦であるとか、その他ほかの飼料でこの酪農を経営するような方向になぜ進まないのか、その方向にどうしても進まなれけば、私はこの問題は解決しないと思っております。ないものを安くすれば、これは市販においてはよけい高くなるにきてまっておると私は思うのであります。私はこれがもう根本的の問題だと思って、非常にこの点を苦慮もいたし、また検討もいたしておるのが現状であります。お言葉にありましたとおりに、年々この輸入飼料が増大をしていくということは、実に私はりつ然たるものがあると思うのであります。でありますから、何といたしましてもこれは自給飼料を作ること、そうして牧草をうんと作る、これが緒川方針としては大きな方針として進まなければならない、こう考えております。

大森創造日本社会党

○大森創造君 ちょっと関連。先ほどから大臣のお話を聞いておりますというと、非常に私として同感の点があるわけです。前に戻りますが、構造改善の問題についてあっちこっち歩いてみますと、具体的に県の指定を受けてそれから町村が自主的に計画を立てる、それに農林省がいろいろ指導をされるという、そういう中において私が考えるのは、具体的に国有林野の開放ということが問題になって参ります。それは大臣の御答弁によるというと、予算上の措置もあるが、町村について実態的に把握をしたそのもとにおいて予算的な措置を順次立てていくということは、農林省としては当然だとは思うけれども、これは非常に具体的な要求が強いと思うのです。ところが、県や農林省のほうは、概括的に、一般的にそういう指導を進めるということの中には、それがどうもぼんやりとして参りますので、大臣の言明もありますから、個々の町村の部落の構造改革の事業については、ここの地区はどうしても国有林野の開放が必要であるという地域について、もっと事務当局のほうが具体的に町村の実態、部落の実態に即応して、その方針をがっちりひとつ今年度からやっていただくように要望いたしますが、それについて一言ひとつ答えをいただきたい。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) 御意見のとおりに、事務的には調査を進めたいと考えております。現在でも構造改革の事業の申請があります中には、相当に国有林の開放について申請がございます。私はできるだけこれはやりたい。そうして、ことに酪農経営を計画の中に入れてあるところで国有林が必要であるというようなところは、私はできるだけやりたい、こういうふうに考えております。

大森創造日本社会党

○大森創造君 お話のとおりでけっこうなんですが、事実は県や農林省のほうが、そういう国有林野の開放ということは、新たな施策でございますから、そういうものを除外して、そうしてその他の条件でもってその計画を立てていくという、町村のほうは、もう少し恒久的に総合的に考えた場合には、どうしても林野の開放ということが必要なんであって、事務的におくれてしまって、三年のち四年のちでは困りますから、今の大臣の言明を即刻に事務のほうに言われて、早急に徹底するよりにお願いしたいと思います。  それからもう一つ、今大臣の言明で七割くらいは将来牧草でやっていきたい、これは私も同感ですが、ことしの方針の中に全然書いてないので、これはからのお話に終わらせることなく、具体性のあるようなことしっかりやっていただきたいと思うのですが。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) もちろん御意見のとおりであります。これは私はただ言葉だけで、実は言っているつもりはないのであります。直ちにこの方針は実行に移すつもりで、それぞれその方面には申し伝えてあるわけでありますが、ただ御了解を得て置かなければならぬのは、ただいまお話しのありました、私もそうも考えるのでありますが、非常にちゅうちょをいたしますのは、国有林はこういう場合には開放するというようなことをそれぞれのほうにやりますと、これは便乗が非常に多くなりはしないかということを私は考える。国有林といえどもこれは国の財産でありますから、私といたしましてはこれは十分に考えなければならぬ、しかし国がこれだけのものを持っておって、そうして今どうしても農業近代化のために日本農村がここで飛躍をしなければならぬというときに、幸い持っておる財産でありますから、これは勇敢に私はその方面に提供をしていかなければならぬ、こう私は決意をいたしておるのでありますが、ただ便乗、ただ国有林を払い下げをしてもらえば事足れりというような思想が、もし万一びまんするというようなことになりますと、これはなかなかたいへんなことでありますので、そこらの言い方、進め方というようなことは、よほど微妙な問題がありますので、私もいろいろに今考えているところであります。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 時間がありませんから、私の最後に申し上げたいのは、市費拡大の方向でも問題があります。たとえば牛乳の学校給食にしても、文部省は文部省で脱粉を輸入に仰いでこれを、配給するという計画がある。農林省には国内の牛乳を学校給食、集団栄養に回すという酪振法の二十四条の規定もある。一体政府はそういうばらばらな施策ではたして総合的な牛乳の需要の増大ということをはかっておるのか。非常にこれは問題があるところでございます。大臣はひとつその点も十分ふまえて、国内の酪農家の生産した牛乳を、学校給食その他集団にこれを消費拡大に回すというために、これは政府の基本的な統一した政策の中で強く実施をしていただきたいと思います。  時間がありませんから最後に御要請を申し上げますが、現在の原料乳の政府の告示価格は工場渡しで五十二円であります。集乳経費六円、全国平均をもって見ますと、農家の手取りが四十六円、これが安定基準価格の告示であります。これは読んで字のとおり、安く定めた価格である。これは酪農家が安んじてその酪農に励むことを阻害しておる大きなこれは原因であります。農林省自体、畜産局が三十一年の牛乳の生産調査をやっておられる。これを日雇労賃に労賃を換算しても七十一円三十一銭という生産費を出しておられる。そういう農林省がなぜ農民の立場に立って集乳場渡し四十六円というようなべらぼうな価格を告示されておるのか。三月に開催される畜産物価格安定審議会には、農民の所得と生産費を十分補償する価格を諮問し、これを告示に現わすことを強く要請して、私の質問を終わります。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 私は最初に豪雪対策をお伺いいたしたいと思います。今次の全国にわたる異常な豪雪は、多数の人命を損傷し、国民生活及び経済に深刻かつ著しい影響を及ぼしたのはまことに遺憾であります。私はなくなられました多数の方のみたまを慰め、御冥福をお祈り申し上げる次第であります。  私は、去る五日に参議院本会議において豪雪対策確立に関する決議が満場一致で可決せられたのでありますが、これはまことに機宜を得た決議であると思って、喜びにたえない次第であります。また私どもは右決議に即応する具体的の諸策を樹立せなければできないと思うのであります。  そこでお伺いいたしたいのに、農林漁業に関する緊急対策を農林大臣はどう考えておられるか、こういうふうなことをお尋ねしたいと思うのであります。具体的に申し上げますならば、果樹の問題あるいは沿岸漁業の問題、真珠等の養殖事業の問題、その他農林漁業の損害は非常に大きいのでありますが、これらに対して天災融資法の発動はどうされる考えであるか、自作農維持創設資金の割当はどうされる考えであるか、農林漁業金融公庫の災害金融はどういうふうに考えておられるか。時間がないから一括して質問します。農地、農業用施設、林道その他の復旧についてはどういうふうな措置を講じていかれようと思っておられるのか。また今後起こる問題はなだれでありますが、なだれ対策をどう考えておられるか。また今回の雪害のために工事が非常におくれている、工事がおくれるために年度内に事業ができない、そのうちでも予備費を支出したところのものは繰り越しができないというようなことになっているのでありますが、この予備費支出の事業に対して繰り越しの措置はどう考えておられるか、こういうふうな点をお尋ねしたいと思うのであります。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) 豪雪の被害は、北陸及び新潟その他の被害が一番多いようでありますが、それだけではなく相当他府県に雪害が及んでおるのであります。私どもは緊急の措置といたしましては、まず北陸三県及び新潟その他の被害激甚地を対象にいたしまして、食料の配給でありますとか、あるいは家畜のえさ、ふすまを富山及び新潟の食糧事務所から放出をせしめる、あるいはまたブルドーザーでありますとか、農林省が補助して設置をいたしましたそういうものも除雪のために使わす、まあいろいろ考えの及びますことはすでに実行をどんどんやっておるわけであります。ただいまお述べになりました果樹の被害、雪によって折れたとか、あるいはミカンの実が落下したというようなことも、相当広い範囲でこれがあるようであります。これらはいずれも現在のところどれだけの被害が今現実に起こったかということは、はっきり調査ができませんので、これらは被害調査を待ちまして、当然できるだけのことはいたすつもりでおります。それから天災融資法の問題でありますが、これはもちろん天災融資法は発動をしなければならぬことになるだろうと考えております。それからもしありますれば、農業共済の金等を支払わなければならぬものがありますれば、これはもう、そのしっかりしたあれができないでも、途中で前払いをある程度のものをするとか、さらに自作農の融資の問題、国民金融公地、農林漁業金融公庫からの融資の問題、そういうこともこれは十分考えまして、ひとつその被害の程度に応じまして、できるだけの処置をとるつもりでおります。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 まだだいぶ足らぬですよ、答弁が。なだれの対策であるとか……。

任田新治農林省農地局長

○政府委員(任田新治君) 農地、農業川の施設あるいは林道の施設というようなものに対しましては、現在の状況では雪の中の状況でございまして、なかなか把握することが困難でございます。ただいまのところではこのほうのうち農地、農業用施設につきましては、関係県を集計いたしまして、昨日までに大体五億二千万円程度の被害になっております。とにかく雪中のことでありまして、しかも今後これが融雪をいたしますと、どのようなことになっていくか、なかなか把握が困難だと思います。直ちに復旧ということはむずかしいわけではございますが、現在のところ極力現地の調査を急ぎまして、その申請に基づきまして査定をやっていこうというふうに思っておるわけであります。また今後の、雪がとけて融雪作用を起こすということに対して予防的な措置が相当考えられるわけでありまして、一昨日各県に対して農地局から通牒を出しておるわけでありますが、とにかくため池の水のある程度の放出であるとか、川水池の管理を良好にする、また耕地、特に堤防についておりますところの耕地関係の施設、排水施設の開閉を十分にいたしまして、融雪に備えるというようなほうの技術的な、また細部にわたった指導を指令いたしまして、各県並びに市町村の十分な管理をお願いするように要請をいたしておるわけであります。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 予備費の繰り越しは。

林田悠紀夫農林大臣官房長

○政府委員(林田悠紀夫君) 予備費の支出でございますが、これにつきましては、まだ被害の実態が明らかでないわけであります。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 いやそうじゃないんだ。僕の質問は、現在予備支出で工事中なんだ、工事中だけれども、雪のために工事ができない。その予備費は繰り越しができないというのが原則だが、繰り越しをしなくては工事が完了しないんだから、その対策はどうするか……。

任田新治農林省農地局長

○政府委員(任田新治君) 三十七年度に支出いたしました予備費につきましては、このような雪害の大きな規模のものが参りましたが、当然三十七年度内に予算の処理が、実行ができないというふうに予想されますので、関係の省とも協議いたしまして特別の延期の措置を考えたいと思います。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 次は、農林漁業の二の青少年問題であります。大臣はこういうふうにこの間所信表明しておられます。「近時、農林漁家の人口が相当な勢いで流出しておりますが、その中で次代をになうべき優秀なにない手が離村しつつあることは、きわめて重視しなければならない問題であると思います。このような事態に対処するには、農山漁民の所得を増大し、その生活を豊かにすることが根本でありますが、同時に青少年に対し実地に近代的経営を担当するに必要な教育研修を行ない、新しい農林漁業の経営について魅力と自信と希望を持つようにすることが必要であると存じます。」こう言っておられるのであります。まことに同感であります。  そこで、私はお尋ねしたいと思うのでありますが、全国各地の優良な成績を上げているものを見てみまするというと、そこには青年が大臣がおっしゃるように、魅力と自信と希望を持って仕事をいたしている者が必ず成功しているのであります。しかしながら、その一方のほうにおいては、これには適切なる指導者が必要であります。そこで、時間がないから、これも一括してお尋ねするのでありますが、そこで大臣は次のような点についてどう考えておられるのか。それは魅力と自信と希望を持つ青年を養成するのには、具体的にどう考えておられるのか。次には、試験場の試験の成績を青少年に直ちに活用させるようにするについては、どう考えておられるか。試験場と各技術員と青少年との結びつきをどうしておられるか。また一方のほうにおいては、技術員が適当なる指導をやらなければできないのでありますが、この技術員に魅力と自信と希望を持たせるような施策はどうされるのであるか。また技術員は必ず学校を出て、学校で養成せられるのでありますが、現在の農林漁業関係の学校の教育方針が時代に適応しているかどうか。この学校教育を根本的に改めなくては、さっきから話しているところの魅力と自信と希望を持つ青年を養成することができないと考えている。であるから、こういうふうな点について一括して質問をしますからお答えをお願いしたいと思います。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) 文部省関係の、農業関係の学校の教育内容を時代に合うように改善充実をしていくということは、当然なことでありまして、これは私どものほうから文部省の方へ要望をいたしまして、文部省でもそのつもりで今検討をしてもらっておるわけであります。しかし、これもさることながら、ただ学校で習うということよりか、私の考えではやはり農業の近代経営を実地に青少年諸君が修習するということが一番肝心なことであろうと思う。それには、御承知のように、現在各府県に設置せられております経営伝習農場というようなものをさらに充実する必要が私はあると思うのであります。こういうものによりまして、農業の機械化についての実地の経験を持ち、さらにはその機械化についての知識を十分に持たしめる、あるいは果樹園の経営あるいは畜産の経営というようなものについて、実地に必要な知識を十分に持たせ、そうして日本の農業経営というものが近代化をしていけば、まだまだ日本の農業の先は明るいのであるということを、私は体得せしめることが一瞬必要であろうと思うのであります。この意味におきまして、私はこの伝習農場というようなものを非常に重視をいたしておるのであります。そのはか、あるいはこの農村青年の研修会の施設を整備するとか、あるいは短期の技術研修、講習等、青少年の自主的な研究活動を促すとかいうような方法を講じて、ただいまお述べになりましたような青少年に明るい希望を持たしめる、こういうことが必要であろうと思うのであります。ごらんをいただいておると思うのでありますが、これらの施設を強化拡充をするために、三十年度におきましては二億四千万円程度の予算を計上いたしておるような次第であります。  なお技術員との関係でありますが、これは昨日全国の農業試験場の場長を集めて私は懇談をいたしたのでありますが、試験場の活動を一段と強化をいたす必要があると思うのであります。構造改善事業を中心にいたしまして、試験場の技術を技術員に修得せしめ、さらに青少年を初めとして地元の農家諸君にこの技術を知らしめ、実地にこの技術が農業経営に役立つような方向へ持っていかなければならぬ。そのためには技術員を試験場に置いてもあるいは講習をする、あるいは身分関係を試験の一員にするというようなことも考慮すべきことであるというので、いろいろ懇談をいたしておるようなわけであります。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 今回農林省の設置法も改めて地方農政局ができた。できたということになれば、この専門技術員であるとか何であるとかいうようなものを県庁内に置くことが必要であるか、試験場内に置くことが必要であるか。私に言わしめたならば、私の考えを申し上げましたならば、そういうふうなものは試験場に常時おって、常に試験の結果を専門的に伝え、また地力からの要求は直ちにこれを取り上げていくというようなことになれば、今後の一日少年の指導というものは試験場の中に専門技術員は置いて、その他の技術員もできるだけ試験場内に置いて、常に試験とこれを指導するものとタイアップして進んでいかなくちゃいけないと思っているのでありますが、地方農政局ができた機会に、そういうふうなことを断行せられる意思がありやどうか。

斎藤誠農林省農政局長

○政府委員(斎藤誠君) ただいま御質問のありました点は、正大な今後の問題であると存じまして、実は改良普及制度を一年間検討いたしました一つの問題といたしまして、累次にわたりまして県庁の関係者あるいは学識経験者も交えていろいろ議論して参ったわけであります。結論だけ要約して申し上げますと、原則的な方向としてはそうあるべきである。ただしこれについては試験場そのものが地方における技術センター的な役割を果たし得るような態勢に切りかえていくということと、他方におきましては、現在専門技術員自身もまた試験場の試験に参画できるような資質を備えるような措置をとることか必要である、こういうことが大体の結論でございまして、原則的な考え方としては、ただいま先生のお話しになりましたように、試験場自身に専門技術員が配置され、そこ得た試験研究の成果を改良普及員を通じて流していく方法が望ましい。ただ現実の処理の方法としては具体的な人の問題、それから試験場における現在のあり方の問題、そういうことと相並行して進めて参ったらどうであろう、こういう意見でございますので、私どものほうも今回提案予定を考えております改良助長法の中におきましても、そういうことを一つ配慮しながら進めていきたい、こういうふうに考えております。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 さっきの私の質問に対する技術員に対して、魅力と自信と希望を与えるところの方策はどうされるのか。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) 技術員に対してですか。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 ええ。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) これは先ほども申しましたとおりに、ただいままた御意見のありますように、試験場との連絡を緊密にし、あるいは身分を試験場のものといたしまして、そうして近代的な農業経営というものは先は明るいのである、こういうことを十分に実地に修得せしめ、また自信を持たせていくということが一番の近道であろう。こういうふうに考えております。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 まだこの問題については意見がありますけれども、次は果樹問題であります。果樹問題については大臣はこう言っておられる。「果樹については、その生産の安定的発展をはかるため、計画的かつ集団的な果樹園経営を育成するための措置を強化する、」こう言っておられるのであります。そこで、成長農業として非常な勢いをもって果樹は進みつつあるのであります。具体的の数字をお伺いしたいのでありますけれども、時間がないから簡単に申し上げます。最近五カ年間の状況を見てみますというと、果樹の作付反別は非常に多くなりつつある。数年後には現在の二倍、三倍、四倍になろうとしているのであります。しかるに、輸出の状況を見てみまするとどうであるかというと、輸出は原料ミカンが高いために減少しつつあるというような傾きがあるのであります。需要は多いし、輸出はできないという現在の状況であるとしたならば、私は将来における柑橘に対する暗雲がそこに起こってきはしないかという杞憂を持っているのであります。そこで私のお尋ねしたいのは、輸出に対する原料ミカンの確保の方法はどうされる考えであるか。もしこの原料ミカンを確保して諸外国が必要とする、需要するところの数量を現在輸出を続けていかなかったらば、日本のミカンの輸出は将来だんだんだんと減少せないとも限らない。そのためにはもう考えてついたときには及ばないというような状況になってくるのであります。でありますから、この際においては内需が非常に多いためにこういうふうになっているのでありますから、柑橘の将来を考え、そうして外貨獲得の将来を考えてみるというと、何といってでも輸出ミカンの原料確保ということが第一の問題であります。原料確保のことについてどういうふうに考えておられるか。私はこれは将来においては、構造改善の一役をになっておるのであるから、契約栽培というようなものによって、外需を優先的にしてできるだけ輸出の量を増していくという根本方針を立てていかなくちゃできない。そのためには政府も生産業者もある程度の犠牲を払っていかなくちゃできない。そうじゃなくては、将来における明るい成長産業である果樹の将来に暗雲を来たすというようなことを考えるのでありますが、この点について大臣のお考えを承りたいと思うのであります。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) まことにごもっとものことであります。が、内地の値段が高過ぎるわけであります。で、私はミカン等につきましても、果樹園経営者自身が、値段を高くして、そうしてその所得をふやすということを望むよりか、値段は安くても消費量は非常に多くなって、それでその所得を増加していく、こういう方向に私は向かうことが理想的の問題であると思のであります。そういうふうになりますと、今御懸念になっており、輸出もどんどん増進をすると思うのでありますが、いかんせん現在のところでは、受給の関係からミカンは輸出原料にならないほど内地の値段が高い。そこでいろいろ御心配になるわけでありますが、私どももそれを心配いたしまして、三十八年度の予算におきましては、カン詰の業者に対する金融の保証をする制度を作ろう。そのために政府は一億五千万出す。そうして民間も、これに対応して一億五千万出す。三億の輸出保証資金をもって、そうしてカン詰業者は犠牲をしのんでも市場を確保して続けていこう、こういう状況になっているわけであります。これは、いつまでもこういり状態が続くわけのものではない。だからカン詰業者は、将来においてはこれは赤字でなくて、黒字で輸出できることでおるから、そこでカン詰業者としては、現在のところは赤字であってもこれをしのんで、そうして外国の市場を確保していこう。こういうことに農林省におきましても、業者におきましても、大体話をつけまして、三十八年度予算に一億五千万円を計上したような次第であります。

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) ここでしばらく休憩して、午後一時から再開いたします。    午後零時十四分休憩    ————・————    午後一時八分開会

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) 委員会を再開いたします。  農林大臣に対する質疑を続けます。牛田君。

牛田寛公明会

○牛田寛君 今国会における農林大臣の施政方針の中には、海外移住の問題については触れられておりません。代々の内閣においては一貫して、海外移住の問題は国家百年の大計である、国策であるという見解は今まで変わらなかった。また三十八年度に講じようとする施策については、農林省の報告については、農業移住の精進という項目が載っております。特に大臣がこの点に触れられなかったのは、海外移住の問題はやはり外務省が中心で推進されるという御意向の上から触れられなかったのではないかと精進をするわけでございまするが、農林大臣のお立場として、特にまたこれから講じようとする施策の上に、農業移住の精進ということが載っておりますので、この点について若干お伺いしたいと思います。  終戦後、海外移住は主として農業移住が中心で進められてきたわけでありますが、最近の段階ではむしろ農業移住の時代ではないと、むしろ技術移住の時代であるというようなことが非常に大きく叫ばれてきたような傾向になっております。一つの海外移住政策が大きな曲がりかどにきていると考えられます。この点について大臣の御所見を承りたい。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) 技術移住が必要であるということは、近年そういう傾向が出てきたようでありますが、しかし、まだまだ何といっても、日本人が移住をして一冊ありがたがられるのは、やっぱり農業の移住だと私はそう思っておるわけであります。やはり移住する相手国によってこれはおのおの通うだろうと思うのでありますが、非常に相当遊んだ国においては、技術の移住ということが非常に向こうで望まれるだろうし、そうでないところではやっぱり農業の移住が歓迎されるというふうになる。これはどうも一律には申されないのではないかと私は考えております。

牛田寛公明会

○牛田寛君 今の大臣のお考えは私も同感でございますが、それだけに移住政策は非常に複雑多岐にわたる問題であると思います。したがって、移住事業団法が今度の国会には提案されることになると伺っておりますが、やはり移住政策というものが一本化された形でいかなければ、今大臣のおっしゃったような、一つの複雑な相手国の状況に対応して移住を推進していくことが困難ではないかと考えておるわけでありますが、その点についてはいかがでありましょうか。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) 私の考えを申しますと、移住政策というのは、言葉は適当でないかもしれませんが、移住外交と申しますか、外交に属する部面が相当に多い。それならば外交だけでやれるかといえば、なかなかそりでたい。これは、私のほうの関係いたしております漁業条約等でも五つも六つもございますが、その実体はやはり農林省の水産庁というのが実体になっている。しかし、これは条約でありますから、一つの重要な外交でありますから、外務大臣で外交面は取り扱う。しかし、実体は農林省。そういうようなものでありまして、いわゆる移住外交という面が非常に大きいと思うのでありますが、かといってそれが外務大臣ばかりでやれるかというと、それはそうでない。これはやっぱり農林省に関係いたしますものは農林省がやり、その他各省に関係しておるものが私はあると思う。私の聞き及んでおりますところでは、やはり各国ともその関係各省が相寄ってこの移住政策を推進をいたしております。こういうふうに聞いておるわけであります。日本におきましても同様でありまして、農林省設置法に掲げられておる農林大臣の権限というものは、やはりこれは遂行いたさなけりゃならぬ。が、移住というのは、外交の部面が非常に大きいのでありますから、その部面につきましては外務省が主としてこれを実行していく、こういうことにいたしたいと、こう考えております。

牛田寛公明会

○牛田寛君 私が今お尋ねしましたのは、今おっしゃったように、言うまでもなく移住の問題は、もちろん農林省にも関係してきましょうし、外務省にももちろん関係してきましょうし、通産省にも関係してくる。あるいは、場合によっては建設省にも関係してくるというふうに非常に複雑多岐である。その複雑多岐な問題を取り扱う場合、それぞれの省の権限を主張しておったのでは、これはまとまらない。現地ではこれまでにもそういう声が非常に多いわけであります。現地において、そういうふうな一つのまとまらない点について苦労があるという声がたくさん出ておる。ですからこれを今後推進していく上に、やはり各省の機能をまとめて海外移住という目的のために一本にしぼるという体制が理想として必要ではないか。そういう点に対して大臣はどういうお考えであるか、お伺いしたいのであります。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) これはごもっともなことでありまして、海外の出口は一本にしぼるべきであろうと思います。しかし、その内容はそれぞれの専門があるのでありますから、それぞれの専門によってこれはやっていく、これを総合調整をしてやっていくところが外務省なら外務省が一本にしぼってやっていく、こういう形がいいだろうと思います。

牛田寛公明会

○牛田寛君 今年度の講じよりとする施策の中に、農業移住の推進のために今年度においては環境整備をやっていくと、そういうことが述べられてございますが、環境整備をどのようにおやりになるか、具体的にお伺いいたします。

斎藤誠農林省農政局長

○政府委員(斎藤誠君) 環境整備の考え方は、むしろ現地における考え方でございまして、現地における一般的な営農なり、あるいは定着の指導、あるいはできた農産物の販売、あるいはその市場の拡充といったようなことについて、現地におきましては、なお今後力をいたすべき問題がある。ただし、この分野につきましては、実は先生御承知のとおり、今の所管では行政をなぎさの内外に分けておりまして、農林省の行政はなぎさの中でやっておる。したがいまして、講ずべき施策につきましては、これは各省の施策をここに掲げておりますので、外務省のほうでその分野を担当しておられるわけでございます。詳細はむしろ外務省のほうで、どのように環境整備を具体的に進めていくかということになろうかと思います。

牛田寛公明会

○牛田寛君 この点は外務省に聞けとおっしやるので、外務省に聞くよりほかないと思いますが、ただいま大臣からのお話もありましたように、農業移住ということが実際行なわれておるわけです。現地にはすでに農家が移住されておる。しかも、これから自立していかなければならない。まだ一本立ちにならない、将来自立の見通しの立たない人が非常に数多くいるわけであります。したがって、それらの人たちの将来を保証するためにも外務省が所管であるから、またなぎさの内外の権限が分かれておる、なぎさの外のほうは外務省に聞けというのでは、これは総合的な一本化の体制とは言えないのではないかと私は思います。今度の場合、移住事業団として一本に統一されましたが、まだこれは一本化への一つの過程であると私は理解しております。ただいま大臣もおっしゃいましたように、各省の機能ですね、権限ではなくて働き。これが海外移住というものについて、なぎさの内も外も海外移住を推進するという二つの目的というものに対して一本にしぼらなきゃならない。そうしなければ、必ずどっかで手落ちが出て参ります。そういう意味、一つの移住の機構というものについての整備はこれからの問題と思いますが、農林省自体の考え方というのははっきりしておいていただかないと、また問題が起こる可能性がある。ですから、ただそういうなぎさの外は外務省に聞いてくれというようなお話では、現在外地へ行っている農家の人たちの将来というものが、私は非常に心配になる、このように思うわけです。もう少しやはり農政というものを担当なさり、また海外に移住している農家の人たちの将来に対する責任を持つ立場の農林省の当局としては、もう少し現地の実情に対して責任を持った一つのお考えを願いたいと思うのですが、その点いかがでしょう。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) まことにごもっともな御意見です私自身も同様の考えを実は持っておるわけなんです。持っておるわけでありますが、なかなかその調整といいますか、実際問題とするというと、どうもなぎさの外は全部外務省でやろう、こういうような考え方があるわけです。私はもう権限などということはどっちへころげても、要するに日本の移住改築というものがうまくいけばこれが一番いい。こういうような観点から、いろいろ私も考えておるのでありますが、これはまあ一になぎさの外で移住政策をやられるほうで、その農業経営、運営についての専門家の意見を十分に聞いて、それを実地に移していくという心がまえでいかなければ、現在の状況ではうまくいかぬのではないか、こういうふうに考えておるわけであります。私どもといたしましては、この営農その他の専門的知識を、なぎさの外だからそれは相談に応じないという態度では絶対にないのでありますから、その点はひとつ御了承願っておきたい。

牛田寛公明会

○牛田寛君 今私が重ねて伺いましたのは、農林省のこれから講じようとする施策の中に、本年度は環境整備に対して重点を置いて行なう、こういうことが述べられておる、それに対して環境整備とはどういうふうにおやりになるのかと伺ってみたところが、それはなぎさの外だから外務省に聞けと言われるのでは、これは一体どういうことになるのか、それでは一体何のために三十八年度に講じようとする施策の中に、わざわざそういう一項目を入れられたのか、こういうことになるわけです。はたして大臣の御趣旨はそのとおりだと思います。そのとおりにやっていただきたいと思いますが、大臣の御趣意が当局には通っておらない、こういうことになるのではないかと思うのです。ひとつもう一度はっきり御答弁いただきたい。

斎藤誠農林省農政局長

○政府委員(斎藤誠君) 農業移住の促進という項目の中に、三十八年度講じようとする施策ということで書いてございますが、この農業移住の促進という分野つきましては、これは基本法で政府が今後講ずべき施策ということで、農林省のやる施策もあれば、外務省が講ずべき施策も含めて実はその中には省いてあるわけです。したがいまして御指摘になりました点は中南米諸国における多くの開拓移住地が未入植のまま残されている現状にかんがみ、三十八年度においては、既設移住地の造成および環境整備に重点を置く方針である。という考え方を外務省の海外における移住の考え方としてこうやっていきたいという方針を持っておるわけですというのが、ここに書いてあるわけでございまして、その内容につきましては、私がさっき申し上げたように、すでに入植地における農地を新しく造成するというのでなく、既設の移住地についての整備に重点をおいてやっていきたい、こういうのが外務省の方針にあるわけであります。内容としては、今申し上げたようなことでございます。そこで今大臣からお話がありましたように、その線に沿って、たとえば失業技術者が必要である、あるいは営農指導員が必要であるというような際におきまして、農林省から技術者を協力する意味で派遣するというようなことは従来もとっておったわけでございます。また現地におけるこれらの実際の指導に当たっておる現実の機関といたしましては、御承知のように海外協会連合会が現地に支部を設けまして指導に当たるということになっておるわけでございますが、その海外協会の職員の中には農林省関係の人なり、あるいは農業移住に関係の人を農林省も協力して送り出すというような措置、あるいはまた農林省の役人が外務省の役人になりまして、そうしてサンパウロであるとか、そういったところに指導員の身分でもっぱら農業技術者を担当しておるというようなことで協力をしておるわけであります。ただ具体的な政策内容そのものについては、外地におけることは外務省のほうでいろいろ方針を立ててやっておられるということを申し上げたわけであります。

牛田寛公明会

○牛田寛君 予算の中に現地調査費というのが二百万ほどついておったのです。これで大体年に何人かの方が現地を調査なさっていると私は承知しているのですが、この点はいかがでしょう。

斎藤誠農林省農政局長

○政府委員(斎藤誠君) これはよく現地におきまして移住担当の連絡官会議といったようなものがあるのでございますので、それに出席するとか、あるいは移住地におきましてどのような入植、営農状況になっているかといったようなことにつきまして、農林省の職員が現地を調査に行く費用を計上しておるのであります。

牛田寛公明会

○牛田寛君 そうすると、やはり農林省から現地に移住者の状況を視察される、そういうことがあるわけですね。その視察した状況に基づいて農林省としてはこういう考えてあるとか、あるいはこういう方向にいくというお考えも、当然予算を組んで現地を調査なさるのであればお持ちになるベきであると思う。そういう農林省としての現地に対する意見というものは聞かしていただけないでしょうか。

斎藤誠農林省農政局長

○政府委員(斎藤誠君) 先ほど大臣から御答弁のありましたように、一応農林省の担当すべき所掌事項というものにつきましては、設置法にありますように、農業名の募集と選考と訓練、それから現地の移住地調査ということに相なっておりまして、したがって現在のところはほとんど移住する者が農業省であり、そこで国内における農業移住希望者の募集なり選考なりを行なっているわけでございますので、当然それらに対しまして現地の現況がどのような状況になっているかということが指導上必要になって参る、そういう意味で現地の調査費というものを二百万円、わずかな金額でございますが、計上しておるわけであります。移住全体のことにつきましては、これは関係省がそれぞれの意見を外務省とも協議したり、あるいは内閣に移住審議会がございますので、そこで全体的なことにつきましては討議される、その際に関係省がその機会にいろいろの資料なり、意見なりを述べる、こういう仕組みになっているわけであります。

牛田寛公明会

○牛田寛君 そうしますと、農林省としての立場で、現地の開拓の行き方であるとか、あるいは環境設備の状況が不十分であるとか、あるいはこういうふうな形にすべきだとか、やはりいろいろ御意見は出てくると思う。それを外務省の移住政策に反映させる一つの場所、そういうものはどこに置いておいでになるか。今お話しありました移住審議会だけか、あるいは外務省、農林省あるいはその他の関係各省が集って検討する機会をお持ちになるのか、その点を……。

斎藤誠農林省農政局長

○政府委員(斎藤誠君) 現状におきましては、外務省がその連連絡調整に当たるというふうになっておりますので、まあ関係省が外務省にそういう意見を表明し、また定期的に関係担当の連絡会議というのがございまして、この連絡会議にいろいろのそういう問題を持ち寄って相談、協議をする、こういう仕組みになっております。

牛田寛公明会

○牛田寛君 私は今非常に機構的な問題について根掘り葉堀り伺いましたのは、ともすると外務省の所管であるから、なぎさの外となぎさの内で、農林省は専門的立場から意見があっても、非協力な消極的な形に出ていくということを私どもは懸念するわけであります。また責任体制が非常に不明確になる。そういうわけで、現段階としてはやはりそういう協調体制がなければ、幾らでも問題が出てくるのだ。この点については本日は時間がございませんからこれ以上は御質問申し上げませんけれども、いろいろ実情としてはあるわけであります。で、このたび新しく移住事業団ができますが、この協調体制がなければ、事業団ができても、これはかえって場合によっては改悪になるおそれがある。移住対策のその点について十分遺憾のないように運営をしていただきたい、こういう趣旨で申し上げたわけであります。その点について大臣から伺っておきたいと思います。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) 全くもう御意見のとおりであります。ぜひこれは日本の移住政策を成功せしめなければならないわけでありますなぎさの外と内で、外は農林大臣の権限がないから協力しないというようなそういう考えは毛頭ないわけでありまして、これは全体として成功せしめるように努力をいたすつもりでおります。

牛田寛公明会

○牛田寛君 移住はこのぐらいにいたしておきます。  次に、甘味資源の問題について二、三お尋ねいたします。砂糖の自由化が当然これは実行されることになると思うのでありますが、このたびの大臣の方針の御説明の中にも、いわゆる国内甘味資源対策ということについて述べられてございます。まあ国内甘味資源といえば、ビートとかあるいは沖繩、南西諸島のカンショでありますが、北海道におけるビートも、これは周知の事実で、全く採算ベースに乗っておらない。自由化した場合にそれらのいわゆる国内甘味資源、一つ代表的な例をとれば、北海道のビートにいたしましても、政策としてあげられましたような対策だけで、自由化された輸入の砂糖と同じようなレベルに達するまでそれらが採算ベースに乗る見込みがあるのかどうか、その見通しを伺っておきたいと思います。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) これは私がかねてから将来の貿易自由化の趨勢に対応して、第一は政府の製品の買い上げ、第二はタリフ・クォータ・システムの採用、関税割当制度の樹立、第三は必要に応じて消費税を関税に振りかえる、まあ大きく分けましてこの三本立てで参りますというと、北海道のビートも、あるいは西南諸島のカンショ、さらにはこのカンショを、サツマイモを原料といたしますブドウ糖も、国内甘味資源の自立は可能である、こういうふうに私は確信をいたしております。

牛田寛公明会

○牛田寛君 今の大庭のお話しですと、タリフ・クォータ・システム、あるいは消費税を関税に振りかえるという方向は、結局単なる保護政策です。現状を見てみますと、大体百姓がビートを作らない。ですから、まあ四カ月間の操業未どころでない、二カ月間の操業ぐらいで赤字になるというわけで、根本的な対策にはなっていないと思うのです。ですから、私が申し上げるのは、そのような政策で、はたしてビート生産というものが輸入砂糖に見合うだけの能率のいい、いわばイタリアのビートのような形になり得るかどうか、そのお見通しを伺いたい、こういうつもりで伺ったのでありますが、今の大臣のお答えでは、私の質問の答えにはなっておらないのであります。この問題についてはこれは短い時間では解決ができませんので、また後日に譲りたいと思いますが、甘味資源の対策については、ただそのような砂糖の値段をいろいろな方法で押えて、それでビートの保証政策であるというようなことでは、根本的に解決できないと思います。もっと基本的な面からはっきりした甘味政策を打ち立ててもらわなければならない、こんなふうに考えます。最後にその点をもう一度伺って、私の質問を終わります。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) 基本的な面とおっしゃる牛川さんのお考えがどこにあるか、私はわかりませんが、私は基本的な面から政策を作っておるのです。今のお話しのビートの値段が安いからビートを作らないと言われますが、これは値段が比較的によくないのです、これは。でありますから、一定のところに糖価を維持して、そうして土壌の改良も一面において大いにやり、生産の増殖の政策を一方において立てて、そうして原料を豊富に工場に供給をするような手段を講じて、そうしてある一定の糖価が定定するような方法を講ずれば、私は北海道のビートというものは相当に私は独立化ができるのみならず、今度は企業の面からいけば、あれだけのところにたくさんの会社があるということは好ましくないのであります。できるだけ企業の整備もやらなければならぬ、そういった合理化の面の政策も進める、こういうことによりまして私はりっぱにやっていける、こういう確信を持っておるわけです。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 時間がありませんので、質問いたしたいことはたくさんありますが、最初に三十八年度の農林予算を見まして一つの特色と申しますか、私非常に喜びますることは、流通改善の問題に相当の熱を上げていらっしゃる、この点と思うのです。このことは今までもしばしば論議はされましたけれども、事が非常にむずかしいことですから、ともすると投げやり、なおざりという経過をたどってきたと思うのです。重政大臣がこのことに相当ひとつやろうということで、予算の面にも具体的に出ておるということは、私は非常に喜ぶのです。しかしこれを取り上げて参りますると実際問題としては農林行政だけでは解決のできぬ面がたくさんあると思うのです。そういう点について一体どうしていくかという問題、この国会にも中小企業基本法が出るという話もあります。これも法律ではそんなばかなことを考えておらぬとおっしゃるでしょうけれども、実際は中小企業の諸君、ことに流通過程を担当している諸君の権益を保持するということが私は流れておるねらいであろうと思うのです。そういたしますると、価格の協定をするとか何とかいうことによって生産者の面には、必ずしも喜ぶべき結果は生まれてこないような方向にいっちまうのじゃないかという心配を持っている。そこで流通問題について一体大臣どういうふうに取り組んでいかれようとするのか、その基本的態度、特に農林行政の中でやり得るものといたしますれば、市場の合理化ということがまず指向されると思うのです。市場法も法律として現存しておることではありますが、現行の市場法ではまだ十分に政府も考え、われわれも企図している目的を達成するわけには参りかねる、きわめて不完全なものであるということですから、先般の中央市場法改正の際にも、この重要な問題に取り組んで参りますためには、せめて農林行政の中でやり得る問題として中央市場法の抜本的改正を早急にやりなさいということを申し上げ、政府もその趣旨で善処いたしましょうという約束もございましたし、ただ中央市場を整備するだけでは、全的な流通機構の問題を改悪するというわけには参りませんので、地方に存在している地方市場と申しますか、場外市場と申しますか、こういうものの整備も考えなければならぬ、そのことにも早急にひとつ成案を得て善処をしてほしいという希望を申し上げ、これはたしか附帯決議になったと思うのですが、政府もよくわかったからやろう、こういうような御回答があったと思うのです。このこと等を含めましてしばしば大臣もお話がありますように、農林生産物は消費者にも奉仕をしなければならぬことではございますけれども、といって、再生産の確保ができない、農林生産者が生活もできないというところへ追い込まれたのでは、これはもとがなくなってしまうわけですから、双方を見合わせてやっていく段階でこの流通機構の整備という問題は非常に重要な問題、それが非常にむずかしいということなんですが、一体この問題をどういうようにこなしていこうとされるか。特に三十八年度の予算を見て特色がここに出たように私うれしく思うのですが、大臣のお気持をまず包括的にお伺いしたいのです。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) 御意見のとおりに流通機構の改善ということが、生産者にとりましても、消費者にとりましても、非常に必要なことになる、農業経営が漸次市場経営、市場を目的としての経営に急速に移行しつつある現段階におきましては、市場というものが非常に重要性を加えてきたと私は思うのであります。申すまでもなく、市場の機能と申しますか、というものは、何としても価格が公正に成立をするような方法をとるということが、これがその重要な目的の一つである。さらに第二は貨物を短時間にこれを分散をする。これが第二の私は市場の重要な機能であると考えておるのであります。そういう意味からいたしまして考えますというと、何といたしましても、これは東京及び大阪のこの二つの市場がほんとうの中央卸売市場であろう。大体現在の傾向を見ておりますというと、その他の市場は大体東京の建値を中心とし、あるいは大阪の建値を中心にして値段が形成されておるように私は存ずるのであります。そういう意味におきまして、まず第一に、この中央卸売市場というものの市場の機能を、十分に発揮し得るような方向にもっていくということが焦眉の急である、こう考えまして、まず施設の点、場所が狭いものを拡張する、あるいはできるだけ荷物の運搬その他についてこれを機械化してやる。進んではせりの問題につきましても、これが公正なせりが行なわれるような方向にこれを改善をまずすべきである、こういうふうに考えまして、それらについての若干の予算も計上いたしておるような次第であります。その他の地方市場につきましても、もちろん重要なこれは市場でございますから、同様な考え方でそれぞれ市場の施設改善について予算を計上をいたしておる次第であります。さらに出荷を調整をする必要がある。そうしてなるべく市場の価格というものが需給によって決定をせられますけれどもこれを需給をなるべく調整をいたしまして生産者の手取りの値段という、そのときどきの市場の価格というものがあまり変動しないようにやる。これが出産者の利益でもあり、同時にこれは消費者の利益でもある、こういうふうに考えまして、産地における冷蔵庫の設置あるいは消費地における冷蔵庫の設置の予算も計上いたしました。あるいは畜産物につきましては、従来の枝肉あるいは生体の取引を改善するために、産地においても食肉の処理場を設置する。あるいは消費地におきましても小売の共同施設を認めて、あるいは肉の処理場を消費地に作る。あるいは牛乳についても産地にもクーラーステーションを設ける、あるいは消費地においても共同保管の冷蔵庫を設けてその施設を拡充する。こういったような面で一応焦眉の急と考えます点を予算化をいたした次第であります。もちろんこれはまだその緒についただけでありまして、今後十分にそれらの施設を充実して参っていかなれけばならぬ、こういうふうに考えております。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 今の話のございましたことは、もちろん大切なことではありますが、市場だけを一つとらえて考えてみましても、市場の性格というものをもう少しはっきりさせるといいますか、現在のような公共的な仕事をやっておるにもかかわらず、実態は営利的な立場に立っておるという姿、これを改めていきませんと、出荷調節と申しましても、産地のほうで出荷調節をやるといったって、全国に分散しておる不特定多数の人々の生産物をほんとうに調節をすることは、実際問題として私は非常にむずかしい問題だと思う。市場へ到着したところで調節するということであれば、これは私は比較的目的を達し得ると思う。それをやればそのものの損失になってしまうという姿では、これはやったってなかなか計算上はしにくいことになる。その辺に市場経営者の性格というものを明確にしていくというようなことも一つの手段と思うのです。そういたしますと、これはどうしても根本的な法律の改正という問題につながってくると思うのです。そんな問題お考えになっているのかどうか。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) これは御指摘のとおりきわめて重要な問題であると同時に、困難な問題であろうと科は思う。きわめて市場は公共性を持っておることは御指摘のとおりでありますが、しからばこれは営利会社あるいは個人商店というようなもので運営をせしめないで、何か公共的機関で運営をせしめたらどうかというようなことを考えてみましても、これがまたなかなか私はむずかしい問題だと思うのであります。現在のごとく短時間にたくさんの荷物を放出する、分散する、あるいは朝星をいただいて荷さばきをやるというようなことは、なかなか私はこれが普通の官庁その他のような勤務の状態で、こういうことは私はなかなかできないことであろうと思うのであります。そういうようなことを考えますというと、なかなか重要なことでありますが、現実に即してやはり一歩々々これは改善をしていくよりほかにしようがない、こういうふうに私は考えておるのでありまて、今一挙にこの市場の経営を公共的なものによって経営をせしめるがいいかどうかということについては、相当私もこれは検討をいたさなければならぬと考えております。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 私も必ずしもその法律的な、公法人的なものにすることがいいとは思いません。また、それでは役人の商売になってしまうからマイナスの面がありますので、それを考えるのじゃありませんが、現在の姿の上に法的に公共性格というものを強く付与していくようなことを考えると、いわば官庁と自由な企業との中間的なものを何かひとつ考えていくということが、非常に大切な当面の問題ではあるまいか、その辺を早急に解決しないと問題の解決にはならぬのじゃないかという感じを持っておる。これは非常にむずかしいことでありますので、今ここで直ちに御回答をいただきたいとは思いませんけれども、流通機構の問題に相当情熱をこめてやっていこうとなさる姿であるとすれば、その問題に手を染めていただきたいということを希望を申し上げておきます。  その問題に関連して、先般も本会議でお伺いをしたのですが、価格対策の問題ですね。これはあのときにもお話がありましたように、今もまたお話がありましたように、生産者だけを見てきめるわけにもいきませんし、消費者だけを見てきめるわけにはいかぬこともよくわかります。できることならば、先刻の渡辺君の質問にもお答えがあったように、できるだけ生産者としてはコスト・ダウンして、消費者に奉仕できるように持っていく。国際競争力に耐えるように持っていくことが好ましいことと思う。しかしその目的を達成するために懸命の努力を払っておる過程に、再生産が維持できないというようなことに追い込められたのでは、問題の解決にならない、その調節をどうするかという問題なんです。今までの各種の法律なり規定に基づきまして、政府のおやりになってきた過去を振り返ってみますると、おおむねきめようとするものの過去における実勢価格というものを基準として、まあその辺保障してやればよろしいのじゃないかといったようなやり方、これでは低所得時代の姿が再現されるにすぎないということになってしまう。外国との関係における競合物資の輸入価格をにらんできめる、これでは非常に立ちおくれている日本の農業としては立ち上がっていくわけにいかない。第二次、第三次の消費者といいますか、加工業者といいますか、そういう諸君の採算を基礎にしてきめていく。これでは再生産は確保されないというようなことになってしまうと思うんですね。非常にむずかしいことではございまするけれども、構造改善なり主産地形成の問題が実を結びつつコスト・ダウンできるようになります間は、やはりそのことを伸ばしていくために所得を補償してやる、再生産に情熱を燃やしていける程度の価格保障というものを与えてやらなければ、いかに鳴りもの入りで主産地形成なんかと言いましても、これは手も足も出ないと思うんですね。現に乳にいたしましても、酪農振興法を作ってやってきた、ところが購入飼料が大部分であるということのために、あるいはその飼育管理についての合理化が十分できておらぬため等もありましょう、非常にコストが高くついておる。だから酪農が引き合わぬという結果に事実なっているんですね。そいつをほうりっぱなしにしておけば牛を売ってしまう、こうなる。それじゃ酪農振興の目標は達しないということになるわけですから、その辺、価格政策というものが実を結びまするまでの間は、政府がめんどうみてやる、所得を補償してやるということでなければいかぬのじゃないかと思うんですが、むずかしいことに相違ございません。ございませんけれども、その辺を農林大臣としては一体どうなさるのか。ただ将来こうすればこうなるのだというその結論を見て、そのときを今採用していくということでは、これは生産は成り立たないということですね。今そこまでいっておらぬものですから、その辺どうなさるというお考えなのか。価格政策です。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) これはただいま森さんのおっしゃるとおり非常にむずかしい問題であります。御承知のとおりに、酪農の問題、乳の問題にいたしましても、経営の技術、経営の方法によって、つまり言いかえれば、牧草をよけい与えて購入飼料を少なくして生産費の非常に安いところ、そういうふうな経営技術、経営方法によって生産費の安いところ、そうでなしに逆にして生産費の高いところ、こういろいろの段階があるわけであります。それをだから一がいに私は今きめられております支持価格の一升五十二円というものが安いとは私は思わない。ところがまた、ある非常に生産費の高いところへいけば、これは安過ぎるということは私はあろうと思います。これは農産物については、すべてそういう問題が私は起こって参るのではないかと思うのであります。そこで、価格政策を実行するにあたりまして、最高の生産費をとって、その再生産ができるようにするということをやれば、これはもう実にひどいことになると思う。同時に最低の生産費でいけば、これは多くのものは償わないということに私はなると思う。そこでいろいろ苦心の結果、現在のような農業パリティの方法でいくとか何とかいうことで、大体今の支持価格制というものがきめられて私は参ったのだろうと思うんです。あれをきめられるにも、十分私はその検討もせられ、議論も尽くされて、ああいうことに一応落ちついておるのではないかと思うのであります。そこでこれをつき詰めて参りますというと、もっとよく実情を把握して、どこのところをとって一体酪農は将来伸ばしていくべきであるか、こういうことを私はきめてかからなければならぬと思うのであります。そうして、どうも非常に生産費の高いところは、そういうところは工夫をしておる、工夫をしていかなければ酪農なんかほかのほうに転換をする。こういう方法を、極端に言えば考えなければならぬと私は思うのでありまして、私も森先生と御同様に、いろいろこの問題につきましては実は頭を悩ましておるのでありますが、現在のところ、これでいこうという確信のつく結論を私は得ておらないわけであります。さらに私は十分に皆さん方の御協力を得て検討をして参りたいと、こう考えております。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 お話しのとおりに、ピンからキリまである姿ですから、どこで押えていくかということは非常にむずかしいと思います。思いますが、行政の面で考えるといたしますれば、まあ一応調査をした結果の平均を考えていくあたりよりこれは常識論としてはないと思うのです。そういう場合に、具体的に例をとりますと、農林省の調査によりましても、かりに、豚肉の枝をとっても、昨年の今ごろですか、もっとおそうございましたか、御発表になった数字では三百四円という数字が出ておるのですね、平均がです。そのときに二百五十円という支持価格、これは支持価格ですからぎりぎりいっぱいをきめてないものだと言えばそれまでですけれども、これでは農家諸君としては納得ができないということになるのですね。ですから、むずかしい問題には相違ございませんから、これを今ごうすればいいという対案をはっきり申し上げるような自信はございません。抽象的にはよく申します生産費を補い、所得を他産業並みに補償する措置をとるべきであるということは言えますけれども、さて一、二具体的にということになりますと、なかなかむずかしいので申し上げませんけれども、ただ今までのやり方を見ておりますと、どうも再生産確保ということにはほど遠い姿でものがきめられてきておるということにしか私どもは受け取りがたいのであります、このことは十分今後の施策の上に現わしていただきたい。次から次へと法律、規定によっておきめを願うときがめぐってくるのですから、そのときどきによく実態を把握しながら再生産ができるように考えていただきたい。そのために最終価格が上がっていくということでは、これはまただめですから、消費が減ってしまうのですから、そこで消費を拡大していきますためには、消費者にも利便を与える。そのためには、どうしてもおおむねの農産物は生産者の手を離れて消費者の手にいったときには、三倍ないし二倍半というようなとてつもない、常識では割り切れぬ価格で消費者には与えられておるのですね。これを改善することが焦眉の急務だ。そこでこそ流通機構の改善が取り上げられておるのですから、その双方並行して考えなければならぬと思うのです。幸いに流通問題に取り組んでいらっしゃいますので、そのことを実を結ばせながら再生産確保の一点だけは見失わないようにやっていただきたいことを申し上げておきたいと思います。  二時になんか衆議院の本会議ということですから、いろいろお尋ねいたしたいのですけれども、それで大臣が御出席になれぬために向こうの会議が停頓してはいけませんから、きょうはこの辺で打ち切っておきます。

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) ここでしばらく休憩にいたします。    午後三時五分休憩    ————・————    午後三時三十一分開会

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) 委員会を再開いたします。  農林大臣に対する質疑を続けます。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 私、まず委員長にお願いいたしておきますが、今回の時間の割り振りがまことに異例でございまして、本院としては、あらゆる場合に、議員側の発言だけで時間の割り振りをするのでありますが、今回は政府に協力する意味で、往復時間がきめられております。他の委員の発言を見ましても、私の割当時間であります二十五分というのはきわめて短い時間でございますから、そこで私も簡潔にいたしますが、もし他の委員の質問と同一でありましたならば、委員長から御注意を促していただくなり、あるいは答弁者におかれてその旨を答えていただいてけっこうであります。ただし、それには答弁者のほうでも簡潔にひとつやっていただきませんと、あまり質問以外のようなことまで持ち出されていきましたり、どうもさっきからええ、ええ、ああ、ああということで、ああいうふうに長く延ばしたりなんかされますと、その時間も私の二十五分に食い込む。こういうことでは被害甚大でありますので、御注意を賜わりたいと思います。  まず第一にお尋ねいたしますのは、この農林関係の予算の大臣説明、私はやがて来週の水曜日の本会議におきまして年次報告に対する質問を本会議で申し上げますので、そのほうへはなるべく触れないように、きょうはいたしたいと思います。  そこで過日冒頭にお述べになりました三十八年度予算についてでありますが、これには昨年と比べてこれこれ予算がふえておる。それから補正後においてもこれだけふえておるということを申された後に、昨年度において伊勢湾高潮対策あるいは農山漁村建設総合対策、あるいは大豆・菜種交付金、こういうようなものが今度は少なくてもよろしい。つまり減額してもいいから実質的には三百二十三億円の増加額になっておる、こういうことを言われたのであります。算術的にはまさにそうであると私も存じます。  ところが、私どもが実際の効果のある予算額というのは、そういう見方を実はいたしませんで、三十八年度予算でありますから、当然に昨年度上がるべかりし公務員の給与、こういうものも織り込んであるのでありましょうから、一体それを差し引いたならばどういう数字になるのか、まずこれをお尋ねいたします。

林田悠紀夫農林大臣官房長

○政府委員(林田悠紀夫君) 昨年度の公務員の給与のベースアップを差し引いた金額につきましては、すぐ取り調べまして御報告申し上げます。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 それは後刻でよろしゅうございますが、ただし私が質問しましたのは、昨年手当なんかで上がった分でなくて、当然に五月一日から人事院勧告がありますけれども、それをそのとおりでないにしても、政府がやろうとなさっております十月一日、これからでもそれをずっと三十八年度も、何といいますか、続いてそういう額になるのでありますか。それを想定してお答え願いたい。去年の手当なんかの上がった分でお答えになるとちょっと困りますから、念のために申し上げておきます。  次に、これは内閣の御決定でありましょうが、おそらく来年度におきましては今年度よりも五%なり六%なり、私の記憶では五・二%物価が上がる、こういうことをお見込みになっていると思う。これは内閣が予算を出すときにおきめになる事柄ありますから、そうするとそれを見込みますと、実質的には三百二十三億円の増加額といううちから、またこの分は引かれなければならないと思いますが、その数字はいかがになっておりますか。

林田悠紀夫農林大臣官房長

○政府委員(林田悠紀夫君) 来年度におきまする物価の値上がりを算定いたしまして、それを基礎にして差し引いて比べました数字はまだ作っておりませんので、これもすぐお作りしまして御報告申し上げます。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 それは官房長勘違いしているんじゃないの。おそらく内閣ではそういうことも予算編成方針の中で当然考えてなされるはずでございます。ですから、これは私は内閣でおきめになったことだと信じながら実は質問しているのです。勘違いでなくて、まだできていないのなら、これはまことに粗雑と言わなければならない。しかし時間を食っちゃいますから、これはあとで他の議員諸君が質問されるまでにお答えがなければ、当然他の議員さんが質問してくれると思いますので先に進みます。  次に、大きくいって人づくりのことでありますが、これは先ほど他の委員も質問されておりますが、私は別の観点に立ってこれを質問したいと思います。それは農業従事者の再教育の問題、自信を与えるとか、そういう農業従事者自体の問題もありましょうが、人づくりをするには、これは農林省自体の農民に接する態度ということがひとつ問題だと思います。なぜそういうことを唐突に申し上げるかというと、主権在民といいましても、これは私の記憶にある限りでは、われわれが役所に行った場合に主権恥として扱われたことは一ぺんもありません。名刺を出せば話は別でありますが、名刺を出したときには向こうも公僕、こちらも公僕である。公僕ということがわかれば主権者として扱う。名刺を出さないでこちらが公僕ということがわからないと、主権者として扱ってくれない。これは私も経験あるが、特に一般農民はその感を深くいたしていると思います。ところが、これに対するに親切に農民に接するということであれば、何にも予算は要らないんです。しかしそれによって何ほど精神的なはげみになるかわかりません。人づくりというのは、私はやはり池田総理が言っておるのは、かなり精神的な面を重視されているから言っているんだと私は信ずるんです。そうだといたしまするならば、特に農林省のような、たとえば科学技術庁のようなごく知識程度が高い人が参られる役所とは違って、言い方は至って失礼でありますけれども、まあ平均教育程度も低い、そういう人が腰をかがめながら来る役所においては、なおさらこれに対する態度というものを、もうこれは目のさめるほど変えていただきませんと、ほんとうに親しまれる、農林省のいうことを頼っておって間違いない、よしこれならばひとつ多少理屈、つじつまが合わない点があっても、自分らも努力しようという気は起こってこないと思うんです。まあ説明が長くなって恐縮でありますが、この根本的な問題について大臣は一体どう考えておられるのか。現在がそれについて足らないならば、将来どうした方途を考えておられるか、こういう点についてひとつ伺っておきたいと思います。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) 御意見まことにごもっともであります。私といたしましても、できるだけ親切に国民に接するようにということは、出先に対しましても、私が会合等に臨席をいたしますときは、必ずそれを訓示をいたしておるのであります。まあ足らない点は十分にひとつ戒めまして、できるだけ親切に接するようにいたしたいと考えます。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 これはですね、大臣、まこと大切なことでありまして、当然御答弁なさるには、大いに努力しますというお答えがあると私も期待しますけれども、実際はなかなかなおらないというのが、日本の役所の通弊なんですよ。こういう行政上親切に扱うというのは、われわれの卑近な例でいえば、議員のところへちょっと入ると、入ってきながら下足をなおしてあげると、こういう行為が一つも自分の犠牲でもなければ、しかし他へは非常にいい感じを与える。自分がやっていれば自然にだれかしりませんけれども、ほかの人もやる。これは私の経験であります。こういうので、案外こういうことは、どうも日本では、大臣だの、何か局長だの、そういう人はそんなみみっちいことを考えないほうがいいんだと、考えないほうが上等なんだと、どうもこういう気風が私はあると思うんです。そうであってはいけない。さっきも失礼な農民侮辱のような言葉を用いましたけれども、農民のようにそう教官程度も高くないという者に対しては、向こうにこうしろと言うよりも、役所側から、大臣から始めて、特にしょっちゅう今後接するでありましょう地方農政局ですか、こういうようなところは、こちらが何と思おうとも、向こうは非常にもう何だか高いしきいをやっとまたいで来るという感じを持って来るのであります。こういう感じを払拭しない限りは、とても私は幾ら何といったって予算上はまだまだ先進国並みに近寄ったという日本の経済でありましょうとも、しかし先進国と同様ではない。この苦しい予算をやりくりしながら農民と一体となってやっていくためには、ほんとうに役所側も、農民も、もうその気分において一体なんだと、こういうムードを作っていくほか仕方がない。これはどうも私の注文のほうにあれしましたけれども、それならば私に言わせれば農林省の方針といいますか、個条書きでも通達でも出されるとか、実際はそういう通達でなしに、こういうことはやられるのが望ましいことでありますけれども、それを順守するためには、私は何かそういう大臣通牒なり、また少なくとも本省関係で、大臣の足元でありますから、こういうところで気風としてひとつ農林省家風といいますか、そういうものを作る、こういうことを一つやってもらいたいと思いますが、どうですか。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) まことにごもっともな御意見でありまして、私もできるだけ親切に国民に接するようにしろということは言っておるのでありますが、これを何かただいまお話しのありましたようなことで、制度的に扱うとか何とかいうようなことになりますというと、あるいは午前中とか、何時から何時までは面接の時間というふうにきめませんと、のべつまくなしに来られたのでは、また非常に事務が渋滞するということになると思うのであります。そこらの点がどうもまだ日本では、何時から何時までの間というふうなことをやれば、とかくこれがまた親切ではないようなことにとられるというようなことで、まあ現在のところは、さらに申し上げますれば、陳情の取り扱いの一つの部署を設けるというようなことになりますと、これまたそこへ行くよりは面接に行ったほうが早いと、担当部局へ行ったほうが早いということになって、どうもそういうことが現在の段階では私はまだはっきり割り切ってやるという元気にならないわけであります。そこでまあ自然、常時一つ接するのは親切に接する、こういうことをやってもらいたいということを言っておるわけでありまして、なおよく御趣旨の点はまことにごもっともでありますから、よく検討をいたしまして善処をいたしたいと考えます。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 このことは非常に大切だと思いますが、何せ時間がありませんから、これはよく一つ農林省内で考えていただきたい。注文しておきまして先へ進みます。  私がいつも委員会のたびごとに、実は農産物の流通の問題を必ず持ち出します。きょうもそのことでありますが、今度食肉センターであるとか、処理保管施設を設置するために助成するとか、あるいは都会の小売商にまで経営の合理化をはかるとか、こう御説明されておるわけでありますが、実際はこれはどういうことをするのか、私どもにはその説明だけでは、内容はわかりません。そこでまあ牛乳の問題はあとといたしまして、この間説明の、第四の一と書いてある前段のうち、前段のところたけ、どういうことをなさるのか、それを一つ局長でもいいですから……。

村田豊三農林省畜産局長

○政府委員(村田豊三君) 家畜や畜産物の流通改善の対策のうち、まず食肉のほうでございますが、食肉につきましては、食肉センターにつきまして、それの設置補助を考えておるわけでございます。全国十五カ所考えておりまするが、これは内容といたしましては牛の屠殺解体、冷却冷蔵、処理加工、あるいは取引などの施設につきましての設置補助、五分の一の補助でございまするけれども、そういうものにつきましての補助をやって参るわけでございます。目的といたしますところは、産地からとことこと消費地まで生体で運ぶロスを極力省きまして産地から枝肉なりあるいは部分肉の姿で消費地に直接持って参るということ、そのほかにさらに農村で地場消費を促進させるということも、あわせてこの食肉センターで設置を考えておるのであります。それが第一点でございます。  ついでに食肉のほうから申し上げますけれども、食肉の小売業者の経営合理化と小売価格の適正をはかるために、これは主として大都市における食肉の処理、保管施設につきまして、個所数は四カ所でございまするけれども、建物なり処理場なり、あるいは冷凍施設等の設置についての補助をいたしまして、これは主として小売業者たちの灯抜きをいたしますための手数を省いて流通の合理化をはかって参るというねらいでございます。  それからその次は牛乳関係でございまするが、牛乳につきましては、産地におきまする流通合理化といたしましては、これもかねてからやっている措置でございまするけれども、クーラーステーションを設置をいたす、あるいは検査施設を各地に設けまして生乳の共販施設を設けるという、共販推進をはかっていく、このための助成を従来に引き続きましてやって参る、これが第二点でございます。  新たに来年度から予定いたしておりまするものといたしましては、牛乳の小売業者が経営の合理化をはかるために、特に最近の小売業者の入手不足等を緩和するという意味から、小売業者が共同で牛乳の処理、保管、運送、こういうことが共同でできますための施設、主として建物と冷凍施設あるいは運搬、自動車でございまするが、それらに対する設置の補助をいたしまして、これはまだ個所数も比較的少なく、モデル的にとりあえず来年度から実施する予定にいたしておりますけれども、そういう施設に対する補助をいたしまして流用の合理化をはかって参ろう、かようなことを考えておるわけでございます。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 私が聞かぬ牛乳の分までお答えいただきましたが、きょうは時間がないので従来聞いて農林大臣が約束された点にすぐ入っていきますが、それはすでに河野農林大臣の当時からこの委員会で約束されたこと、これは私は何としても、日本の流通形鯨は資本主義だから一面能率的だと、こういうのだけれども、てんで非能率な点がある。それは資本主義になっていない以前の取引法、たとえば家畜であれば、そでの中で取引してみたり、まるきり資本主義でも何でないことをやられている。それでそこに資本主義以前のまやかし取引といいますか、そういうようなことが横行している。ことに蔬菜の点などは価格の変動が強いのですけれども、商品の追跡を農林省でして下さる、こういう約来だった。商品の追跡をしてみますると、生産者から出てそれが中央卸売市場にきてそれがだんだん末端機関までいくその場合の農民の取り分というのは、農村景気といわれるような場合でもいかにパーセントが低いかあきれるのです。これは私の今までの調べでは大体二二%から三五、六%が精一ぱい、こういうのでありまして、そうすると、こういう質問をすると、とかく農林当局は業者のほうの味方をするようなわけで、いやそれは目切れがしますとか何とか言う。目切れじゃないのです。今、包装が発達しましてちゃんと一束なら一束なんです。だから目切れも何もないのですよ。実際の取引はカブならば、白菜ならば一束、こういうのでありまして、目切れのために商人が損するというのは全然ないにもかかわらずそういう答弁なされると困ってしまう。ですから農産物、特に商品の追跡、これを一体やるということだが、ずっと継続されているのですか、されていないのですか、それ一つ。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) これは前農林大臣の際にそういう調査をずっとやられましたこと、私も承知しております。今お述べになりましたような、つまり流通部面における経費と申しますか、それが非常に生産者の手取りに比べれば経費が多過ぎるというような御趣旨でありますが、これは私が今回流通改善に手をつけましたのも、そういうようなことをできるだけ改善をして参る、こういう意味をもってやっておるわけであります。これは市場々々によって、いろいろ違いますが、そうして扱い方も遣いますが、これは重要なことでありますから、ぜひひとつ正常なことに持っていきたい、こう考えて検討をいたしております。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 時間ですから、私の質問は終りたいと思います。

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) 先ほどの調査漏れをひとつ補足答弁願います。

林田悠紀夫農林大臣官房長

○政府委員(林田悠紀夫君) 先ほどの人件費の件でございますが、補正後の予算におきまして百三十七億でありまして、三十八年度予算は百五十四億、十六億五千八百万円の開きがございます。それから物価の値上がり分をどういうふうに算定したかということでございますが、これは三十八年度の経済動向におきましては、卸売物価横ばいというように考えております。それで個々の場合に応じまして、たとえば造林費のごときにおきまして、単価を実情に沿って上げておるというようなことをいたしております。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 委員長、さっき私、委員長にお願いしてあるのだが、その今の答えですがね、時間きょう守っていただいていいのですけれども、だけれどもそれ引いたらどうなるかということなんで、その十六億というのは三十七年の補正の時だけのじゃないですか。まだ補正通っていないのですから人件費に対する前の手当だけじゃありませんよ。私さっき念押しているのだ、自分の時間で……。三十八年度になったときにはどうなりますか、こう聞いている。それは値上がり分も三十八年度ではちゃんと組み入れなければならない、法律出ているからどうなっているのですか。十六億じゃないんじゃないですか。

林田悠紀夫農林大臣官房長

○政府委員(林田悠紀夫君) 昨年の十月一日以降におきまして、人件費のベース・アップをするということで、補正の第一次でそれだけの補正をしたわけでございます。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 これは六カ月でしょう。

林田悠紀夫農林大臣官房長

○政府委員(林田悠紀夫君) そうでございます。それでその開きが大体十六億ということになるわけであります。三十八年度におきましては年間を通じて……

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 三十八年度にそれを引き延ばして……いや時間を取っちゃ悪いのですが、どうも僕の言っていることを誤解しちゃしようがないというので念押しているので、だから三十八年度の年間になるのだから、年間にベースアップをした場合には、政府が言う三百二十三億がどうだとおっしゃるけれども、その分は実質増じゃなくて引かれるんじゃないか。ですからそれはもし答えがなければあとでもよろしゅうございますと言ってお聞きしている。そうすると物価のほうは一般民間の物価は上がるけれども、予算上の使う物価というものは全然変動がない、こういう解釈ですか。おかしいと思うけれども、解釈ならば解釈……。

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) 後日答弁させます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 簡単に二、三点大臣にお聞きします。  昭和三十九年度から固定資産の評価基準が改められるということで、自治省を中心に作業が進められておるわけですが、農民が非常に心配している点は、そのことによって農地に対する固定資産税、あるいは財産税等が非常に高くなってくるのではないか、こういう点を気にしておるわけです。農林大臣の主管事項ではありませんが、しかし固定資産の中身といいますと、非常に大きな部分が農民に関係があるわけでして、おそらく農林大臣としても関心を持ってやっておられると思います。その辺の問題につきまして、どういうふうな考え方で農林大臣の立場で対処されておるかお伺いをしたいわけです。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) これは御承知のとおりに、従前の固定資産の評価は、収益価格を基礎にしてやっておったわけです。今回のは売買価格を基準にして、それにある一定の率を掛けて出す。こういうことに調査会の答申はなっておるのであります。したがって自治省におきましては、この答申に従ってやりたいという意向のようであります。でありますが、ただいま御指摘になりますとおり、これはまことに重大なことでございますので、売買価格というものが、必ずしも収益価格と一致しておりませんので、これは具体的の売買価格の事例を調査をいたしまして、いかなる率にすべきかということは、今後検討して決定をする。こういうことに進むだろうと思うのでありますが、私といたしましては、やはり従前の収益価格主義でいくことと、今回の主義でいくこととの間にあまり開きのないように、できるだけ農家としての負担が多くならないような方向へぜひ持っていきたい。こういうふうに考えております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 しかし、これは主管庁である自治省が、従来の収益還元方式を改めて、そうして売買事例価格、こういうことで相当具体的な作業を進めておるわけですね。だからよほどこれは農林省として、きちっとした態度をもって対処してもらいませんと、従来のような方式でやれるかどうか、はなはだ私は疑問を持っておるわけです。いや、そんなことはもう大丈夫だというなら、これは質問もする必要もないわけですが、自治省の作業というものは相当進んでおる。お聞きいたしますと、財産税等の関係があるから法務省なり、あるいは国税庁なり、こういったようなところはこの作業に相半参両しておるようです。しかし、案外農林省のほうが参考に意見は聞かれるかもしれませんが、それほど強くタッチしておらぬのではないかというふうな点を実は感ずるわけです。そこら辺の内部における取り組み方がどうなっておるのか、こまかいことはきょうはもう時間がないから省略いたしますが、お聞きしたいと思います。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) これは御承知のとおりに、現在のような収益主義で税率を、評価額をきめることが公平であるかどうかということは、この農地の内部においても私は問題があるのではないかと思っておる。ほんとうに農耕をやっておるところと、これが収益価格主義でいく、そうして今すぐにも宅地になるようなところは収益主義で固定資産税というものが、資産税の対象の価格がきめられるということは私は必ずしもそれは公平じゃないのじゃないか。でありますから、問題は農地関係なら農地関係の全体においての税額総額をふやさないと考える、そしてその内部における割り振りというものはこれはやはりある程度売買の価格というものを加味することが公平の原則に沿うのじゃないかと私は思うのでありますが、それらそういうことも加味せられてそういう答申が私は出たのじゃないかと思うのであります。さらに事務的な折衝は農政局長がいたしておりますから、必要がありますればさらに農政局長からお答えいたします。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 農政局長にはあらためてお聞きします、時間がみんな食い込んでおりますから。で、どうも今のお話し承っても、あまりこの問題をどこまで突っ込んでおられるか、多少不安に感ずるわけなんです。売買時価に改めていく、宅地、家屋、それから償却資産、工場などの。大きな項目はこの三つでしょう、その場合に時価に換算いたしまして、たいして変わらないのは、これは償却資産です。ところが都会の近辺の宅地、それから都会に近いところの農地、都会から相当離れておるところでも相当統計上から見ても高くなっていますね。したがって結果としてこれは税率は下げる方針でしょう、当然評価を上げるわけですから。そうして調査会の答申も固定資産税全体としての取り方は今までどおりというふうにいきたいと、こうなっておる。だからその際に内輪における評価の上がり方が、大資本が運営しておる償却資産のほうはたいして変わらない。農民なんかの農地の評価がずっと上がるおそれがあるわけです。売買時価ということになってくると。しかし工場などを所有しておる人はこれは現実にそれに見合ったやはり収益を上げておる。しかし、農地の場合はそんなにべらぼうに最近の地価が上がっておるほどいわゆる収益というものが上がっておるわけじゃない、多少の伸びはあっても。それからその収益のないところから評価がえだけで税が高まってくるわけですから、当然これは相続税にも影響してくる基準になるわけです。だから全体として上げないようにというふうに答申にはなっておるが、しかし農地から取る固定資産税全体を上げないというふうに、明確になっておらないわけなんです。そうすると、自然と農地のほうに相当のものがかぶせられてくるのじゃないかという点を心配しているわけです。これは現に、現在の自治省の調べでも、固定資産の現在の評価ですと、反当三万五千幾ら、三万七千ぐらいですね。それが約二十万こえておりますからね、自治省の調べ自体からしても。もちろんその二十万そのままを、自治省は課税対象にするとは考えておらない。そこから限界収益などを引いたり、特殊な事情を差し引いていくような方針のようですが、それにしても、やはり相当な値上がりになるわけなんです。だから、大臣が先ほどおっしゃったように、ともかく評価がえはあっても、結果として、決してその負担が、今までより重くなるようなことにはさせないと、こうはっきりおっしゃってもらえば、そういう結果に持っていく行き方は、これはもう大臣におまかせします。どうでもいい。評価を低くしてもいいし、あるいは税率の面で特別なものを作るというような例外的なことをやってもらってもいい。何でもいいのですから、そこを大臣言明できますか。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) これはしかし、先ほども申しましたとおり、農地といっても、今もお話がありました、すぐ都会の宅地になるようなところも、やはり農地として扱っている。そういうところと、純粋な米を作っておる農地というようなものとがあるわけでありまして、これが収益価格ということで、現在は一律に固定資産税がかけられておる、こういうことは、私は不合理であると思うのです。でありますから、農業関係なら農業関係、その相互間における公平を期するということは、私は必要なことではないかと思います。これはそういう意味におきまして、調査会の答申にもありますとおりに、総額は大体変えないで、相互間の公平を期する、こういう意味で今度の評価がえが行なわれるものと私は信じておるわけでありますから、そういう意味におきまして、できるだけ農家全体としての負担は多くならないように、これは考えなければならぬ、努力しなければならぬと思っております。けれども、農家の一人々々の問題につきますと、ただいま申し上げたようなことで、若干の負担は、あるいは変わる、あるいは減ずるところもあれば、ふえるところもあるということになるのではないかと思うのであります。なお詳しくは、農政局長からひとつ答弁をさせていただきます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 局長はいい。こまかいことは、また次にしますから。  固定資産税全体がふえないようにするという考え方を大臣お持ちなら、ぜひその点が、これは一番肝心です。農地の固定資産税、それをひとつ突っぱってもらいたい。ただいま大臣のお答えを聞いておりますと、多少ならさなけりゃいかぬのじゃないか、こういうことになると、下がるところと上がるところができるという意味にもなるわけですね。その下がるところは非常に喜ぶでしょうが、ところが上がるところになりますと、これは実際に都市の近辺でそれが売買されて、金が入ったという場合には、これは当然そのこと自体を対象にして、相当高額な課税がくるわけなんです。しかしそういうふうになるまでは、幾ら価額があったって、これは名目だけなわけです。収益は何も交わらぬわけなんです。だからそれをただ売るとすればこれだけだろうというようなことで、その収益が特に変わらないのに増徴するということは、これは私ば筋が通らぬのじゃないかというふうに思うのです。どうでしょうか。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) これはお言葉を返すわけでもないのですが、これは私非常に研究が足りませんから、よく検討をいたします。いたしますが、ただいまの亀川さんのお話を聞いておりまして私が感じたことは、実際私も米を作った経験があるのですが、今、家が建っているのです。これは畑としてやりよくした畑じゃない、売れと言ってもなかなか売らないのだ、だんだん値上がりするのを待って、とうとう、結局五、六年も先になって、その土地を売る。それが、やはり農地だというので、ほんとうの農業経営をやっておられる方と同じように、収益価格でその固定資産税を払うというのは、いかにも不合理ではあるのですね。これは、そういうケースもあるわけであります。なるほど、払うまでは、土地が幾ら、坪が何万円しているといっても、それは、売って金を取ってみなければわからぬじゃないかとおっしゃれば、そのとおりだ、しかしそういう機会はたくさんある。そんなところで、そもそも陸稲を作るということがおかしいのです。だから私のように、農業経営をしておるのじゃない、賃料は高くても、ゆくゆくはその土地を買いたいという下心があれば、そこへ少々高い賃料を払ったって、やはりそこで陸稲を作ったりキャベツを作ったりしますが、それはそろばんにも何にも合うものじゃないです。だから、そういうケースもありますから、これは一がいにどうもなかなか言えないというふうに私は感じますがね。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そういうふうなことを言うのは、これは通産大臣なりどこかほかの省がおっしゃるのならいいけれどもね、農業をやっておる者に対して、それは農民扱いせぬということです。早くやめとけ、首切りというほどまでは私は申し上げませんけれども、そういう印象を与えますね。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) そういうことは、都市の近郊といいますか、都市の中で米を作ったり野菜を作ったりしておられる場合には、私はあると思うのです。現に君の付近でもこれはあるわけでありまして、そういうものが、やはりこれは、農業経営を専業にしておられるほうの固定資産税は安くしても、そういうところは高くてしかるべきものじゃないかという常識論が、私は出てくると思うのです。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 大臣は、非常に極端な例をおっしゃるわけです。それは、非農家が、たまたま一反歩ほど菜園を作っているといったような場合には、これはなるほどそういう考え方が出てくるかもしれない。これは宅地の続きだというような解釈も、場合によっては、していいところもあるでしょう。だけれども、そうじゃなしに、大都市の近辺で二、三反でも野菜等を作って、専業的にやっているところもあるわけなんです。しかし、地価そのものは、非常にやはり高いわけなんです。だから、そういうところは、基本的には、やはりいわゆる先買時価というようなものを考えるのじゃなしに、収益というものをやはり考えて、中身はその立場で、いわゆる売買時価というふうに考えてもらわないといかぬ。売買時価ということに形式は統一しようとしてはおりますがね。だからこの形式を今変えるということは、これはなかなか農林大臣の力をもってしてもできないことです。計算の仕方はやはりそうであるべきであると思うのです。というのは、最初にも申し上げましたように、いわゆる宅地なり、いわゆる償却資産、工場などの、そういったようなものはやはり利益を上げるわけなんです。固定資産税というのは単なるこれはやはり財産税じゃないわけで、やはり収益税的なものもやはり加味されたこれは税金なんです。単なる財産税じゃないわけなんです。だから、その収益の違いというものをやはりきちっとこれは農林当局のほうから明確にさせて、そうしてその時価というものの計算をやってもらわないと、結果においてははなはだ不公平なことになる。それで利益を上げておる償却資産なんかを持っておる工場のほうが、今度は非常に結果としてはこれは減税になりますよ、税率が下がるわけですから、そこだけをとって考えたら。税率は下げるのだと、こう言っておりますね、しかも償却資産の評価というものはたいして変わらない、こういう見通しです。だから、少なくともその諸君については減税になるのですよ、見通しとしては。ところが、そうなると全体の固定資産税は大体同じだけ取るのだといったら、結局どうもこっちにかかってきそうですね、そっちで減税になった分だけは。だから、これはよほど三十九年度になってからあわてたってこれはおそいわけでして、しっかりこれは研究して、この問題の作業にはもっと取っ組んでもらいたいのですね。あまり取っ組みがしっかりしておらぬように自治省から私どもは聞いておるわけなんです。これは要望しておきます。そういうふうにやってもらえますか。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) 承知いたしました。十分にこれは大切なことでありますから検討をいたします。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 それから第二は、総務長官、例のこの一億八千九百万の今度の調査費ですね。この問題について、これは衆議院の予算委員会等で大まかな点についての質問が出、政府のお答えもあったから、私は重複するところは聞かないつもりです。問題は、政府がこの費用を使って調査をやるというわけですが、その方法ですね。どういう機関を使ってその調査をやるのか。これはまず総務長官から先お答え願いたい。農林省としては何かそれに関係が出てくることになるのか、ならないのか。たとえば農業委員会等を末端の実態調査等には使うということになるのか、ならないのか、そこらへんのところをまず総務長官から聞きたい。

徳安實藏自由民主党総理府総務長官

○政府委員(徳安實藏君) ただいま亀田先生からお話がありましたが、この調査につきましての調査の内容が必ずしも一つでございませんので、実態につきましても何種かあると思います。全部が全部市町村の農業委員会に御依頼するというわけには参らぬものもございますので、こうした点につきましては、まだはっきりした成案は得てはおりませんけれども、大体大よそ一億八千九百万円ばかり取ってございますので、一町村あたり五万円平均程度で実態調査をしてみたいという心がまえでこの予算を組んでおるわけであります。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 衆議院のほうでお答えになったはずですが、これは大蔵大臣でしたか、調査の中身は、基礎調査、世論調査、実態調査、こういうふうに分けて御説明があったようです。この中で、末端における実態調査ですね、これに一番金がかかるような御説明であったように、これはまあ新聞等で見るわけですから正確ではないかもしれませんが、この点は大体そういうことですか。

徳安實藏自由民主党総理府総務長官

○政府委員(徳安實藏君) まだはっきりと調整がついておるわけではございませんが、私どもの現在の気持といたしましては、この農地を買収されました二十年から二十五、六年の間の期間におけるとうとい変革の資料があるわけであります。ところがこの資料がすべて保存期間も定まっておりませんし、またその保管する場所もきまっておりませんし、もうすでに大半ないというところもございますし、あの大きな大改革、百七十幾万戸の地主から四百七十万というたくさんの方に移動しました農地の変革当時の実態というものが、全然今では記録の上に残っていないわけでありまして、ただわずかに政府のほうで、農林省にただいま保存されておりまする代価支払い一覧表、これも全部調べればあるいは少しぐらいは紛失しておるんではなかろうかというようなお話もございます。あるいはまた勧業銀行に保存しておりました支払い一覧表もすでにもう十年過ぎたので、大体もう廃棄したというような話もございまするし、あるいは県にあります買収令書の控え等というようなものも、これもおそらくはだいぶなくなっておるんではなかろうかというような状態でございます。農業委員会に買収計画書、売り渡し計画書ができておったそうでありますが、これも農林省のほうでできるだけ保存してくれという話をされたら、保管料を出せというようなこともありまして、どうもこれは十年間ぐらいは置いてくれないかというような訓令であるか通牒であるかどうかわかりませんが、当時の農林大臣からのお話で厳正に保管しておるところもあればそのままになっておるところもある。あるいは廃棄されたものもあるかもしれませんが、市町村合併等におきましてなくなっておるものもあるかもしれぬ。私どもはこの事柄がどういうことに将来利用されるかはこれは別といたしまして、あの大きな大変革があって譲渡せられ、あるいは政府が自作農創設のためにやりました前後の実態というものは、こうした書類がなくなることにおいて何にもわからぬことになる。で、登記所に行って一戸々々調べてくるということになればわかるかもしれませんが、現在大筋だけをつかんでおりましても、各市町村のほうは全然わからぬことになってしまう。それでこういう大きな、ああいう歴史的な変革でございますから、本来から申しますならば今日を待たずしてこうしたものを保存するように一つの整備をやるべきではなかったかと思うのでございます。たまたま今回、先ほどお話がございました衆議院で御説明になりましたように、総理から何らかの処置をというようなお話もございまして、とにかくその実態を、飛散してなくなってしまって何にもわからぬというようなことのないように、ひとつこの際整備したいという考え方がまず第一に手伝っておるわけであります。そのほか政府のほうの方針によりまして、その態度を決定するために、その後の世論の動向等も調査する必要があると思いますので、これらもやらなければならぬと思います。まあ何と何とだけをといって、ここに記録的に述べる段階にいっておりませんが、そうしたようなことを考えながらこの予算を請求をして組み上げておるわけであります。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そんなばく然とした予算は組んでいいんですかね、財政法上どうなんですか。ともかく説明が予算編成の過程からいろいろ少しずつ変わるわけですね。場合によっては説明する人によっても変わる。予算書を出されてもまるっきりわからないわけです、私たち。一億八千九百万載っておるだけで。

徳安實藏自由民主党総理府総務長官

○政府委員(徳安實藏君) 私のほうでは別に意見を変えたわけでもございませんし、御説明を求められれば、私どもはそういう説明をこれまでしてきておるわけでございますが、ただその間に今申し上げましたように、その処置をするために、あるいは世論の動向も、その後のものについては調査する必要があるのではなかろうかという御意見も出、あるいはまた経済的関係も、一応は調査することがさらに必要ではないかという御意見もございます。そうした点につきましては、今後予算が通りますまでには十二分に配慮いたしまして、そうして調査にかかりたい、かように考えておるわけであります。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 これは地主補償なり、また報償という言葉に最近はなっておるわけですが、そういう本質的な問題は、もう触れないことにして、この農業委員会というものをこの調査のためにお使いになるのですか、ならぬのですか。

徳安實藏自由民主党総理府総務長官

○政府委員(徳安實藏君) できることならば、私どもの考えでは、これは一つの国家的な大きな変革でもあり、また大きな歴史的な過程でもございますから、そういう書類を農業委員会でただお持ちになって、そのままほったらかしになっていても、何の役にも立たぬものでありますから、できることなら御協力いただきまして、そういう計画に基づいて、当時の実態を調査をさしていただきたい、していただきたい、こういうふうに思うのです。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そういうことは、そういうお願いは——これは法律も何も作らぬで、そうしてお願いして、農業委員会というものは、そんなものと性格が違う。農地法上の使命も明確にされておるし、明確にあるし、あるいは最近は農業改善事業といったようなことで、いろいろ仕事もある。そんなものは忙がしくてあかん、こう断わられればやらないんですか、どうなりますか、これは。

徳安實藏自由民主党総理府総務長官

○政府委員(徳安實藏君) まあ一部、そういう私も、やらないよといわれるような方も、ほのかに聞いておりますが、ただ、今申し上げたような考え方で、できることなら御協力いただきたいということで、まあできるだけお話をしてみようと思っております。ただ、法律で提供しなければならぬとか、協力しなくちゃならぬというような文字を使わなくても、よくお話をして、そうして現在、残った書類でありますから、その書類をお出し願い、保管していただいておったらぜひ出していただいて、そうしてそれを今度は整備をすれば、大よその実態が、当時のものがわかるわけでありますから、そんなにえらい——全然ないところから調査するわけでございませんので、そういうようなものをひとつ御援助願いたい。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 これは農業委員会も末端にいけば、いろいろ委員の顔ぶれ等によって、性格が相当色彩が違うわけであります。で、やはりはっきりといいますか、ある委員会へ行けば、おれたちは農地解放のための様関だったんだ、それから、またその後においては、農業委員会法第一条にちゃんとこう明記されておるように、積極的な前向きの農業関係の仕事に取り組む機関なんだ、いやしくも、多少でもそれに水をかけるような後向きの仕事はおれたちと違うと、必ずこういうことを言う委員会が出てくるに違いない。それは出て来たら仕方ないですね。

徳安實藏自由民主党総理府総務長官

○政府委員(徳安實藏君) 必ずしもこの農業委員会にある書類ばかりではございませんで、やはり上から末端まで同じような書類も、ずっとある程度まで共通したものもございますから、県にも、先ほど申し上げましたような買収令書や控目録等も全部そろっておるようでありますので、どうしても協力してやらないという、こちらのほうから幾らお願いしてもだめだとおっしゃるところには、違った形で調査をやらなければいかぬと思います。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そこで農林大臣にお聞きするわけですが、どうも総理府のほうは、内心は何とか協力してほしいというような腹のようですが、大体この種の問題については、これはもう農林省のほうは、ずっとこれは伝統的にまあ消極的なんです。こんな予算など出れば、普通は何でもかんでも取りたがるわけなんだが、こんな予算などはごめんだということで、むしろ敬遠しているほうなんです。実際は。だから、したがって農林大臣としては、総務長官のほうから、そういうお願いがありましても、この農業委員会に対するやはりあなたのほうが監督官庁のような立場にあるわけですが、農業委員会に対して、何とか聞いてやってくれといったような趣旨のことはおっしゃらないほうが私はいいと思うわけなんですが、そこら辺どういうふうな心境でおられるかお聞きしておきたいと思います。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) これはまあ、いろいろ私は私なりにこの問題については考えがあるのです、あるわけでありますが、この調査をするということは、私はしごくけっこうなことだと、これだけかれこれ世間の問題になっておるのでありますから、実態が明らかにならずに、いろいろなことをきめていくということは、私自身はいかがなものかと思いますので、この調査をするということは私はけっこうなことだと思うのです。農地だからといって、あのときには、実際農地とは考えられぬような、宅地の中へ稲を作っておっても、そこは農地だといって取られたようなことも私は聞いておりますし、いろいろたくさんの中でありますから、いろいろなケースが私はあると思うのです。そういうものをみんな調べ上げるのはいい、こう思っております。  そこで、これを農業委員会に、この調査を頼むか頼まぬか、その際には農林大臣どうするかという御質問でありますが、これは今、そういうことを私は耳にしたわけでありまして、全然知らぬということもないのですが、これはよく、そういうようなことを正式に総理府のほうから申し入れられるというようなことがありますれば、これはよくひとつ、農業会議所なり農業委員会のほうとよく相談をいたしまして、態度をきめたい、こう考えております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 まあ初めて耳にしたようなことをおっしゃるのだが、そんなことはないわけで、私たちの聞くところでは、農業委員会のほうは、はなはだこういうものを押しつけられたら困る。これは現実に、そういう末端の農業委員会長から僕ら意見を聞いたこともある。こういう問題で中ががたがたするようなことは困る。これは必ず古い問題にさかのぼっていくわけですからね。今大臣は、何か宅地の中に稲を作っておったというようなことをおっしゃったが、そんなことまで調べ出すのだったら、これはたいへんな問題になりますよ。現にそういうのがあれば、それはその当時、法規に基いて異議の申し立てなり、訴願なり、行政訴訟で訂正していくべき問題なんで、何か大臣が、そういうものをほじくり出すことに賛成なさるような印象を与えるのは、はなはだ私は心外なわけですが、ともかくもっと農村における爆薬委員会等は積極的な面の仕事があるわけですね。そういうところへ、こういうともかく紛争を巻き起こすような問題を持ち込むということは、幸い先ほど総務長官も、はなはだ御理解がありまして、無理には頼まぬ、こういう趣旨にも取れるわけでして、ひとつ農林大臣のほうから、あまり勇み立たぬように、これはひとつやっぱりやってほしいと思うのです。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) 御注意の点はしかと承ります。

徳安實藏自由民主党総理府総務長官

○政府委員(徳安實藏君) ちょっと今亀田先生から、無理には頼まぬというような意味だとおっしゃいますけれども、私はほんとうは、無理にでも頼みたいと思うのです、頼みたいと思うのですが、しかし、何としてもかんとしても応ぜられなかったときにはどうするかといえば、その点はやむを得ませんということはいいますけれども、なるべくならば、今日の段階ではなるたけひとつ、それがためにどうこうするというのじゃないのですから、これは歴史的なものだから、ひとつ協力して、そうしたものを整備して保存しておこうじゃないかという考え方でございますから、何とかしようということと、この調査とは、まあ関連が、こうつないではきますけれども、調査番数そのものには、何もえらい、完全ないいものさえこしらえばいいわけでして、それをどのような世の中が、将来あるいは現在利用しましょうかは、それは別問題でして、さらにできるならば、その当時の実態というものを十分把握し得るようなものをこの資料が残っているうちにこしらえておきたいというのが、この実態調査の趣旨であります。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 あまり総務長官、そこに力を入れますと、また自民党さんに帰ってしかられますよ、そんなつもりでこの予算計上したのではないというので問題になっているわけですから。あなたのおっしゃるようなことがきちっと守られていくなら、これは一つのほんとうの意味の資料だから、それはまた多少考え方が、そういう非常に農地改革に熱心だった農業委員でありましても、かわるでしょうけれども、しかし、そういうふうには見ておらぬわけです。そこに問題があるわけでして、そういうような点は、ひとつまた、いずれかの機会にします。ただこの問題について、農林省との関係があるもんですから、その点だけをひとつ、きょうは大臣の考えも聞きたいし、われわれも注文をしておきたいと思って取り上げたわけです。御苦労さんです。  それから、食管に関する調査会の法案ですね。これはいろいろ新聞等に伝え聞くわけですが、大臣の、現在における構想ですね、どういうふうな構想をしておられるか。法案をお出しになるでしょうが、いつごろになるのか。そこら辺のところをちょっと質問しておきたい。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) 食管制度の調査会、これを私が作りたいというふうに——作ったが適当であろうと考えましたのは、御承知のとおり農林省では正式のものではございませんが、松村懇談会というものがあって、これでずいぶん長らく、非常にまじめに検討をせられたわけなんです。そうして、昨年の暮れに御答申をいただいたのですが、それが結論が三つに分かれておる。そこで私は参議院のこの委員会でも、臨時国会に申し上げたような記憶がございますが、その答申をいただきまして私は考えますと、こう言ったのですが、三つに意見が分かれておりまして、どうもこれ、この際に私がその答申をいただいて、どうするかということをきめるのには、あまりに事が重大である、こう私は考えた。  そこで正式なひとつ、審議会なり調査会でも作って、そうして御審議をわずらわしたほうが適当なんじゃないか、まあ大体、調査会の審議の期間は二カ年ぐらいの予定で、ひとつ落ちついて十分に実態も検討していただき、またいろいろ調査も願うということで、どうするかということの答申をいただく、それから農林大臣としては、この処置をどうするかということをきめたほうが適当である、こう考えて一応予算に計上をいたしましたので、成案を得ましたら御審議をわずらわしたい、こういうふうに考えております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 大体、法案提出のめどなどは、どういうことですか。  それともう一つは、まあ自民党さんだけで調査会を作りましても、意見が三つぐらいになるのでして、これはなかなか委員の作り方というものは、きわめて影響が大きいと思います。だから法案提出の時期と、その委員の作り方ですね、これはきちっと条文に必ずしも書く必要はないことでしょうが、その中身ですね、どのような構成メンバーというものを予定されておられるのか、実質的なところを大まかにひとつ確かめておきたい。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) まだ、その委員の顔ぶれをどうするかというようなことまではきめておりません。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 いや、その顔ぶれじゃなしに、どういうふうな筋の人で委員会を作ろうかとか、そういうことは大よそ考えておられると思う。そこを聞きたいのです。たとえば国会議員の問題もあるし……。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) これがなかなか、いろいろに考えられるわけであります。それらの点も、はっきりこういう筋でいこうというふうに、まだきめておるわけではございませんが、私の感触を申しますと、どうも最近の審議大会とか、調査会というものが、みんな利益代表のような委員の選定になっておる傾きが非常にあると思う。そこで、これもいい場合もあるでありましょうが、なかなか立場々々を重く主張をせられる関係もあるのではないかと思うのでありますが、どうも結論がすっぱりと出ないという傾きが最近の調査会、審議会には、私はあるように感じておるのであります。でありますから、こういう重大な問題でありますから、自分の立場を主として考えられるということになると、なかなかこれはむずかしい問題になる。だから何とかして、これは真に国のために、あるいは国民のために、こういう制度がいいのだ、あるいは現状のままでいいのだと、あるいは現状の手直しをするには、この程度の手直しがいいのだというような御意見を拝聴いたしたい、そういうふうな調査会にこれは持っていきたいものだというふうな私は感触を持っておるのですがね、いかがなものですかね、これは。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そういたしますと、まあ端的にいいますと、農協の代表の人とか、そういうあるいは農民組合の代表の人とか、そういうものは、もう排除していく、あるいは米屋の流通関係の代表とか、そういうものは排除していく、そういうふうに理解していいわけですか。まあ大臣のおっしゃるのも、一つの私は見識だと思いますけれども、一応、そういう理解でいいわけですか。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) これは、排除するという考えでは必ずしもないのでありますが、その濃度の関係もあろうと思いますし、それから、そういうようなぜひ御意見は十分に聞かなければならぬ、今おあげになりましたような方面に属する方々について、十分、その意見を御開陳願って、聞かなければならぬ。その必要は当然あるわけでありますから、あるいは、そういうものは、これを専門委員という形でといいますか、あるいは臨時委員というような形でといいますか、何か、そういうことは考えていかなきゃならぬ、こういうように思っております。決して排除するという考え方ではないわけであります。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 今月中には、法案は出るのですか。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) そういうふうにいたしたいと実は思っておるのですが、なかなか、これは御承知のとおり、相当重大な問題でございますから、十分に、これは検討をいたしてきめたいと、こう考えております。

大森創造日本社会党

○大森創造君 今の問題、重大な問題だから、検討するというお答えでございますが、その検討する段階で、私も、ひとつ意見を一言申し上げます。  どうも、憲法調査会だの、あるいはもろもろの委員会というもの、その性格が、われわれわきのほうから見るというと、どうも、政府当局は、事務を円滑に進めるという立場から、農林大臣は、公正な立場で委員会を構成すると言うけれども、われわれの側から見るというと、そうでもない場合があるし、国民の立場から見ると、そうでもない場合がある。えてして、農林省の委員会ではございませんが、その他の委員会については、各省庁がスムーズに事務を進めたいという意図が先立って、そして公正を欠く、一方的な委員の人選になる場合がございますので、これはひとつ、委員の構成の仕方なんかについて、あらためてこちらから御要望を申し上げますが、食管の懇談会を作るというと、もう、だいぶ時間がたったのだから、ここらで結論を出したいといって、そして一つのワクにはめていくような、そういう人選の仕方はけしからぬ。各界から、たとえば農協から出すとか、あるいはそのことに直接関係する生産者を出すとかいうこと、それは、農林省の大臣や、あるいは局長のほうから見るというと、必ずしも好ましくないことであるかもしれないが、しかし全国的の立場からするというと、そういう構成が妥当なんだから、ひとつ、よくよくお考えを願いたい。人数は何ぼぐらいにするおつもりですか。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) これは、人数はあまり少なくてもいかぬだろうと思っておりますけれども、二、三十人ぐらいでいいのじゃないかと思うのでおります。それから今のお話で、御意見はもちろんお聞きいたしますが、どうも今までのこれは、公平に考えまして、皆さん方も、そうお感じになっているだろうと思うのですが、たとえば国会議員の方で、ほんとうに良識があり、お手伝い願わなければならぬと思うようなことがしばしばあるけれども、しかしそういうことになれば、各党にやはりだれか出して下さいというようなことで、党の都合で委員が出てこられるというようなことになると、これはどうかと思う。それからまた党の都合で、最後にきめるときにきめないで意見を留保しておられるというのじゃ、これまた困るし、また農業団体でも、少しでも都合が悪いと——大して都合も悪くないのだが、少しでも悪いということになると、さっと欠席をされるというようなことでは、これは、まあ何年かかったって私はできぬと思うのです。

大森創造日本社会党

○大森創造君 大体、大臣の言わんとするところはわかりましたけれども、良識のある国会議員というけれども、良識のある総理大臣以下大臣……、さっきの一億八千九百万円という問題ね、どうも私は頭が悪いからよくわからないのだけれども、これは、やはり良識のある政治的な所産だろうと思うのだけれども、こういうことを突っ込んでくる勢力があるのだから、大臣も何かあなたがごらんになって、知事を出してみたり、それから一方的な利益代表であるという、そういう目でみることも色めがねなんだから、これはひとつお考え願いたいと思う。  それから時間があと二、三分あるから、ついでにお伺いしてみますが、農林大臣は御存じだと思うのだけれども、衆議院の予算委員会で、大蔵大臣やなんかから、また亀田さんの言われた一億八千九百万円を、あらためて私もお伺いしたいと思う。二、三分時間があるから、ちょっとだけあなたにお伺いしたいと思う。  一体そのことは、報償をするというのだが、総理大臣は補償じゃない、報償だというのですね、非常にいい言葉を考えたもので……。そうすると私は地主なんだ、まあ最高裁で決定になっているのだし、これはとっくにあきらめているのです。私は綱島さんと違ってとっくにあきらめている。そうして新聞で問答を拝見すると、報償は金持にはやらないと、こういうことが書いてある。そういうことを私、拝見しまして、報償という言葉は、一体どういうことなのかというと、補償と違う、報償というと、戦争中の言葉で報償ということは、そのことについての報償ですからね。そのことについての、農地解放をしたという事実についての報償ということになれば、相当程度解放した私のところなんかは報償があってしかるべきだと思う、どういうことなんですか、報償ということは。生活程度がある程度上のものにはやらないというお考えですか、農林大臣は。報償も補償もないと私は思いますけれどもね。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) これはどうも、実は私の所管ではないのです。

大森創造日本社会党

○大森創造君 だれの所管です。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) これは総務長官のところでやっているのであって、私のほうは、御承知のとおりに、もう土地改革をやって話は済んでいるのですから。そこで、私が御答弁申し上げることはどうかと思うのですが、せっかくのことでありますから、私は私なりの考えを持っているのです。ということは報償……補償は絶対にあり得ない、そういうことは。そうしてまず原則としては、ずっと前からいろいろな経過をとってきているのであります。私は初めからこの問題は、旧地主と政府の関係だと、済んだものをかれこれ言うことは絶対間違いだというので、私は言っておったのです。そのとおりたってきている。今これは、もう旧地主と政府——土地を買ったのでありますから、そこの関係だけにまあ、なっている。そうして補償はすべきではない、これは。それで報償ということになった。  私の理解は、報償ということは、政府は義務ではない。まあ俗に、簡単にいえば、これはあれだけ大きな変革、国の重大な政策に協力をしてもらったんだから、これに対して政府が何らか報いると、それは金でなければならぬことも私はないと思う、あの字からいけば、そのような気がする、私なりの解釈では。(「感謝状やれ」と呼ぶ者あり)それもありましょうし、いろいろ考えられると思うのでありますが、しかし今のように、私は一応済んだものを、いろいろのケースがあの場合にはある。そのいろいろのケースがある場合に、どうも、社会的に考えてみても、これはお気の毒であったというようなケースも私は出てくると思う。そういうものを全部調べ上げて、そうして今の報償を政府としてはどうするかということを考える、私自身は、そういうふうに思っております。

大森創造日本社会党

○大森創造君 報償という言葉は、だれが考えたのですか。

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) もう時間が過ぎました。北條君。

北條雋八公明会

○北條雋八君 私は皆さんから、いろいろ伺いたいことを伺いましたから、ごく簡単に伺いたいと思いますが、農業基本法の目的で、農業の所得と他産業の所得の格差をなくすということが、年次報告で見ますと、むしろ差が開いてきておる。この格差というものど完全になくすということができるのかどうかということを伺いたい。もしできるとすれば、一体いつごろになったら格差がなくなるのか、その点を伺いたいと思います。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) これは工業の内部においても、航空をやっておるもの、鉄鋼葉、化学工業、繊維工業と、工業の内部においても、その所得が同じであるとは私は考えない。さらに第三次産業と第二次産業を比べてみりゃまたそうであり、それから大企業とその他の企業とを比べてみても、その格差が全然ないとは私は言えない。農業の内部についてまた考えてみても、あるいは酪農業、あるいは米麦作でおるとか、あるいは果樹園の造成、畜産というように比べてみても、その中においても、私は平等な所得というものは考えられない。  でありますから、私は率直に申しまして、農業と第三次、第二次の産業というものが、その所得が同じようになるとは私はどうも考えられないんです。農業は農業としての特性があり、工業は工業としての特性がある。工業は、これは経済の動向、影響を直接に敏感に受けるのでありますから、ある場合においてはこれは破産をする場合もある。農業のほうはそうでないのでありますから、農業に破産ということは起こり得ない。そういうふうに、おのおの違う。そして工業は工業で、御承知のとおりに、スモッグがあるような所でも働かにゃならぬが、農業は空気清浄な所で働く。そういうふうな条件、社会的の条件、経済的の条件がおのおの違うのでありますから、それが所得だけは、必ず一緒になるというふうには私は考えられないと思うのであります。  ただしかし——それは非常にストリクトに私が申し上げたことでありますが、ただしかし、その格差をできるだけ縮めていくということは、これはわれわれの務めであり、これは農業基本法のいっておるところでありますから、できるだけわれわれは全力をあげて、この格差を縮めることを、政府としても政治の目標としてやらなければならぬし、そしてまた、やっておるわけであります。

北條雋八公明会

○北條雋八君 わかりました。その点はわかりましたが、しかし格差をなくすなくすということを、言葉にも使われているんです。また文章にもそれがあるんです。それは私は、絶対できないことだと思う。それから、産業が違いますし、今おっしゃったとおりまた、環境が違いますし、だから格差を縮めるということならわかるわけですが、その格差が一向縮まらないんですね。年次報告で見れば、ますます開いてくる。非常に私は心配なわけなんです。それがために、構造改善をやることによって縮めようということでありましょうけれども、構造改善ができるのも、ずっと先だし、ごく一部分のこれは構造改善でありますから、これはもう、なかなか縮めるというところまでいかないのじゃないか。他産業はどんどん伸びていきますから、一体いつごろになったら縮まるようになるのかというふうに思って伺ったわけですから、それはそれでよろしゅうございます、時間がございませんから。  次に伺いたいのは、この水田地帯の経営規模の大きい北陸あるいは東北では、政府の米の買い上げが非常に多いので、米価の値上げの所得の効果が非常に大きいわけであります。しかし、その他の農区では、その恩典が非常に少ない、米以外の養畜等の収入の割合が非常に大きいというふうに報告されておりますが、全くそのとおりであると思うのです。  このように米は統制されて、米価は絶対に現在のところ下がらない、しかし、先ほどお話がありましたような生乳のようなもの、それから卵みたいなもの、そういうようなものは、価格が需給の事情によって、いつも不安定であります。それで自然に、そういう地方と非常に地域の格差がやはり出てくる、それで地方的に非常にへんぱな農政が行なわれるということになりますので、この不公平を少しでも少なくするためにも、せめて牛乳とか、卵とか、そういう零細農家の収入に影響の大きい大衆的農産物だけでも、もっと思い切った価格支持政策といいますか、価格政策を講ずる必要がおると思うのです。で、イギリスでもその点については卵、牛乳は非常に力を入れているそうであります。まあ米みたいなわけにはいかないでしょうけれども、もう支持価格制をとって、そうして抜本的な安定政策をとられるお考えがあるかないか、それを伺いたいと思います。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) 御承知のとおりに、卵でありますとかあるいは鶏でありますとか牛乳のようなものにつきましても、畜産振興事業団というものを先年設立しまして、昨年は豚につきまして、豚肉について、その価格の安定をはかって成功いたしたような次第であります。で、そういうような卵などにつきましても、この事業団を運営をいたしまして政府が掲示を、審議会の議を経て掲示をいたしたい。その値段は維持する、その値段は最低のつまり値段として、これが維持せられるように政府は買い上げその他の措置をとる、こういう方針で現在やっているわけであります。

北條雋八公明会

○北條雋八君 現在の制度でありますけれども、もう午前中渡辺さんからもお話がありましたように、牛乳一つ取り上げても、非常に農民としては困っているわけでありますから、もっと抜本的な価格政策をひとつお立てになっていただきたいという意味で伺ったわけなんです。  なお、この選択的拡大の先駆をなすともいう酪農振興のための飼料でございますが、この価格も、やはり安定させないと農民は非常に困るのであります。今まで農民の支出でこういう消費物質で一番最高であったのは肥料でありますけれども、今度の報告を見ましても、昨年からは飼料、えさ代が一番高くなっているわけでありますこの飼料の価格の安定についても、この際やはり政府としてはぜひお考えを願いたいと思うのですが、その点は大臣としてお考えになっておることがおりますかどうか。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) これはよほど重大な問題でございまして、午前中にも森委員からいろいろお話がございましたとおりであります、実はこの畜産の生産が上がれば上がるほど、えさの輸入が増大をいたしております。これは根本的に考えなければいかぬ、こう考えておるわけでありまして、午前中にも申し上げましたとおりに、飼料政策の根本は何といっても自給飼料をうんと作ること、それから牧草を少なくとも酪農においては七割以上をえさとして使う、そういうような形態の酪農業をやる、こういう方向に私は進まなければいかぬ。それと同時に、えさの使い方が、午前中にも申しましたとおり、ないものをたとえばふすまについては、ふすまは輸入しようと思ってもなかなかある限界があって手に入らないのです。国内で生産するふすまというものも限度がある。それだから、幾らその需要が大きくなっても、供給のほうに限度があるのでありますから、現在では、これはまあ率直な話でまことにおそれ入りますが、どうかといえば、私のようなしろうとから見れば、ふすまに澱粉をまぜてそれをふすまなりというので配給しておると言われても仕方がないような状態である。しかもそのふすまを、ないものを普通のあれより安くこれを出せ出せというので出しておるというのが、今日までの私に現状であると思う。その前にふすまにかわるべきえさを考えて、これを農家に奨励をしなければいかぬ。たとえば大麦のごとき、あるいはマイロのごとき、こういうふすまにかわるべき安いえさがある。そういうものの消費を勧奨をして農家にいかなければいかぬではないかと私は考えておるのであります。

北條雋八公明会

○北條雋八君 農産物の輸入についても、輸入のうちで一番多いのは飼料と聞いておりますが、ですから、そういう点から考えても自給飼料を作るということはこれは一番大半ですが、さしあたりそれ以外の飼料でも、何とか価格を農民のために安定させて安くするということを考えていただきたいというふうに思います。  それから、時間がございませんからもう一点だけ伺いますが、農協の三十六年末の余裕金が五千五百億ありまして、その八五%が信連に預けられている。その四千億という余裕金の中で、その半分が系統外に流出している。また中金でも二千三百八十億の余裕金が農業外に貸し出されているというふうにありますけれども、これは農業の金融の一つの矛盾じゃないかというように思います。これをもっと、近代化資金あるいはその他の農業の改善に活用するということはできないものかどうかという点であります。本年の三十八年の近代化資金、これはやはり五百二十億というものはございますけれども、もっともっとこういうものを政府が利子を補給して、ワクを大きくして、そうして農業構造改善の促進に向けられたらというふうに考えます。その点いかがでございますか。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) この農業協同組合の金融というものは、ただいま御指摘のありましたように、なるべくこれは農業方面の投資にこれを還元したいということは、当然私どもも考えておるわけでありますが、御承知のとおりに、農業の特性と他の企業との性質が非常に異なっております。農業につきましては、格別に金利が安くて、そうして長期の資金でなければ、私はなかなかむずかしいというふうに考えておるものであります。したがって、この金をすぐに金利だけの補給でこれを使えるかどうかということも、私は非常な問題だと思うのでありまして、しかし、ただいま御指摘のとおりに、できるだけこういう金は農村に還元すべきであるということは、私も全く同感であります。そこで本年は、三十八年度は、五百二十億の近代化資金というものを考えておるわけでありまして、この農業金融につきまして一番むずかしい問題が金利の問題であります。でありますから、これは何とかひとつ考えなければならぬというので、私もそれは気にはいたしております。非常に気にいたしておるものでありますが、現在のところ、まだこれをどうやったらいいというような意見も全くございません。ございませんが、これは遠からずこの農業金融について、ただいまお述べになりましたように、その大部分が農業以外の方面にこれが使われている、こういう姿は、できるだけこれは是正する方向へ何らかの方法で向かわなければならぬ、こういうふうに考えております。

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) ちょっと、あと一分程度ですが……。

北條雋八公明会

○北條雋八君 近代化のほうに回されたのも、農業構造改善のほうで三十六年が三百億、それから昨年五百億、ことしはただ二十億しかふえてない。それでまあこのたび公庫の資金ができまして、それで利率も非常に安い、利子三分五厘という融通ができるようになりましたのは非常にいいのですけれども、三分五厘という利率で借りられるのは、三十六億が構造改善、それから漁業の構造改善が十億、わずか四十六億だけの金が三分三厘でありまして、まだまだ農民とすれば、資金の融通に非常に負担が大きいわけです。構造改善卒業においても、このたびこの補助が五割、それから都道府県がさらに二割を加えて七割になりましたけれども、しかしこれでもたいがいの農家は、一部分を除いては非常に借金に追われておることは、先ほど森委員からお話があったとおりでありますから、どうぞこの点をさらに考えられて、そうして金融面でも、あるいはまた補助面でも、少なくとも農家の負担が二割程度になるように、今後お考えを願いたいというわけでありますけれども、さらに政府としてこの際いろいろ事情をお調べになって、金融あるいは補助についてさらに農民に助成をしようというお考えはあるかどうか。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) 三分五厘の利子をさらに下げるということは今考えておりません。あるいは助成率を土地基盤整備については府県の二割を加算しますと七割の助成率であります。こういうことはいまだかつてないことでありまして、それをさらに助成率を上げなければならぬということは私は今考えておりません。これはまあ一文も負担せずにやってくれればそれが一番いいのでありますけれども、しかしこれだけの政府の助成なり金融の援助を得て、それでなお立てた計画がうまくいかなくて償還ができないというようなことは、私は計画自体に非常に無理があると思うのでありまして、これは十分われわれもそういう点を考えて計画の審査をいたしていきたい、こう考えます。

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) 北條君簡潔に問題をお願いします。

北條雋八公明会

○北條雋八君 それは先ほども渡辺委員から話がありましたけれども、基盤整備みたいなものは、むしろ全額国家の補助でやっても私はいいと思うのです。でありますから、この構造改善事業は、昨年まで国庫負担が五割でありましたのですが、さらに今度の構造改善促進に非常に力を入れられておる三十八年度は、さらに国庫の補助を六割ぐらいにされるのがあたりまえじゃないか、こういうふうに思うのです。そうすれば六割に二割で、あと農民の負担が二割になるわけですから、そういうのが合理的じゃないかというふうに考えて伺ったわけです。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) 私は先般渡辺さんからもお話がありましたが、ただいまもまたお話が出ましたから申し上げますが、私は基盤整備を国が全部背負ってやるべきであるなどということは考えてないです。農業も企業である。農業経営も企業であれば、その企業の採算をとれるようなことは政府はやらなきゃならぬ。ところが基盤整備は全部政府の金でやるべきものなりというような思想には私はなっておらないのです。でありますから、もう一割補助率をふやせと、なるほどふやせば楽になるでありましょうが、それもそうでありますが、それより早くほかのところも同様にこれを基盤整備をやってもらうようなことに持っていくと、こういうほうが、私は目下の農林七の政策としてはこれは妥当なのではないかと、こういうふうに考えておるのです。

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) もう時間が経過いたしておりますので、ごく簡潔に。

北條雋八公明会

○北條雋八君 それですから、私は、全額国庫補助というようなそれにこしたことはないのでありまして、耕地空理なり経営規模の拡大ということは、この日本の農業の一つの核心に対してやることでありますから、これは当然国で大部分の助成をしていいんじゃないかと思うのです。全額国庫負担は遠慮して、それでせいぜい一割を昨年より増してそうして二割の負担というところがいいんじゃないかというふうに考えて伺ったわけです。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) 耕地整理をやり土地改良をやりますと、それだけ収益は上がるのであります、御承知のとおり。でありますから、その収益の上がるのに比べて投下資本が多過ぎるから政府はこれに助成をし、低金利、長期の融資をしていこうというのでありまして、政府に全額、全部やってもらってそうしてその収益だけは農家が取るのだという思想では、これはなかなかやれないと私は思うのです。  そこで今のお話の七割をもう一割ふやせと、こうおっしゃるならば、収益はとうていその三割の負担に耐えたいのだ、こういうことであれば、これはまた考えなければならないと思うのでありますが、大体七割の補助でそうして金融をつける、こういうことでいけば、いまだかつてそういうことはないのでありますから、私は大体いくんじゃないか、だから希望もたくさん出てくるんじゃないかと思うのですが。

北村暢日本社会党

○北村暢君 何か大臣に都合があるようですから、時間はなるべく正確にやりますので……。  それではまず私は流通について簡単にお伺いいたします。三十六年の法改正後における中央卸売市場審議会、これは一体何回くらい開かれたのでしょうか。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) 昨年審議会を設置されましてからまだ一回のみ開いたのでありますが、おくれましたけれども、二回目を近く十八日に開く予定でございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 中央卸売市場の開設及び整備に関する計画を立てることになっておりますが、またそれについて勧告をすることもできるようになっておりますが、計画はできておるかどうか、また勧告をした例があるかどうか。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) あとのほうから申し上げますが、まだ勧告を出した例はございません。整備計画のほうでございますが、今も申し上げましたように、ちょっと審議会の開催がおくれまして、今年度の分につきましては、十八日の審議会で報告いたしますが、同時に来年度の整備計画につきまして、基本的な考え方について御相談いたしたいと考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 今の答弁だと、来年度というのは、三十八年産のやつをこれからやる、それから三十七年度のはこれから報告して承認を受ける、こういうことですか

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) はい。

北村暢日本社会党

○北村暢君 次にお伺いいたしたいのは、中央卸売市場の卸売業者と類似市場の卸売業者との間における合併及び営業の譲渡いうものを受けることができるように独禁法の適用除外を法改正でやっているわけですが、その例があったかないか。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) 先般の法改正で、ただいまのお話しのような適用除外の規定が入ったのでございますが、まだそれが適用になった例はございませんが、最近名古屋及び姫路等におきまして業界の統合の動きがございますその中には、類似市場も一緒に整備してこの規定の適用を受ける場合が出て参ると思います。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) ただいまの北村委員の御指摘の点は、非常に重大なことでありまして、私の就任当初以来、卸売業者の合同、合理化ということを呼びかけておるわけであります。これは御承知のとおり非常に従来からのいきがかりもあり、いろいろ複雑なことがございまして、なかなかまだ了承を得るに至っておりません。至っておりませんが、漸次そういう機運は醸成されつつある、こういうふうに私は考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 次にお伺いをしたいのは、この前の臨時国会でも質問をいたしましたが、河野構想による国営市場の実現については、あのときの答弁では、大阪の東部市場、それから東京は地理的な問題があってなかなか困難だが、開設すればやってできないことはないのだ、こういうような趣旨の答弁があったのでありますが、国営市場の問題については、どのような経過になっておるか、簡単にひとつ……。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) これは将来を考えますと、いろいろそういうことも考えられるわけでありますが、たちまちの問題として東京のたとえば築地の市場にかわるべき市場をどうするかということは、なかなかできないのですそこでまあいろいろ五百万人くらいの人口を予定してできたものが、一千万人をこえる人口だというのでありますから、なかなか今明日は困るということ。そこで暫定緊急の処置といたしまして、あそこの敷地を広げることにしております。それをまずやりまして、それから将来のことを考えて、そうしてさらにこの広い市場をどこにやるか、これはむろん農林省だけでできることではございません。道路の問題その他いろいろ関係の問題がございますので、そういうようなものはひとつ十分に検討をして進めたい、こう考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 東部市場は国営市場になりますか、大阪の東部市場。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) 大阪のですか。これは国営市場にはなっておりません。また国営市場にこれをすぐしようというつもりも今はないです。

北村暢日本社会党

○北村暢君 そうしますと、この前の答弁では、東部市場は近代設備をして国労市場にする、もういつでもなれるのだ、こういう簡単なような話で、東京のほうは敷地がないからとてもそれは無理だろう、今のお話でも敷地さえ適当な所があれば、築地のほかに作りたいという希望はある。したがって、大阪の東部市場は国営市場として見本を作ると、こういう意思はないのですね。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) そういう考えは持っておりません。これは政府があれにうんと助成をして、そうして設備も近代的の設備にしていきたい、こういう方向で進んでおります。

北村暢日本社会党

○北村暢君 それは論議はいたしません。問題がありますけれども、論議はしません。それで東部市場の問題についてお伺いいたしますが、これは単でいきますか、複でいくのですか。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) 大阪の東部市場につきましては、大体この秋に業務を始める見込みでございます。それにつきまして、中の取引の機構につきまして、実は農林省といたしましては単一の卸売人でいってもらうように指示いたしております。しかしながら、まだ大阪市当局におきまして、その具体的な統合案ができていないのであります。今後十分協議しまして、そういう方向で指導して参りたいと考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 魚のほうは一本にまとまる話がついているのですね。青果のほうがうまくいかないわけです。魚は現実にないところにできるのですから、これは簡単なんですね。だから青果のほうは類似市場というものが現実にあるわけです。それをですね、本場から卸売人が入ってきて、本場にいる卸売人が入ってきて一本になる、また、類似市場の卸売業者も含めて一本になる、いろいろな案が考えられているようですけれども、とにかく一本でいきたい、こういう指導方針であるということはわかるわけでありますけれども、これは従来農林省がそういう方針をとっておりましたけれども、札幌、仙台の例から見ましても、結局は単数ではなくて複数で認可をするというような結果になっておるのですれ、これも私は非常にむずかしい問題だと思うのです。大阪の場合も、したがってもう建物を完成する段階になって、もう二カ月か三カ月で開場できる段階になって、それで、いまだ卸売人が一本でいくのか、どういうふうな形になるのかということ、一本でいくという指導はしておるけれども、入る者がきまらないという状態ですね。これについては、仙台の例によっても、建物ができて一年も二年も建て放しで遊んでいた例があったわけです。大阪の場合、おそらくそういうことはできないでしょうけれども、その自信のほどがあるのかないのか、大阪の市にまかしておいて、三月なり、あるいは四月になりに間に会って開設ができる自信があるのかないのか。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) 今お話しの点は、鮮魚のほうは一本になる方向で参ると思いますが、青果のほうは御承知のように、近辺に類似市場がございます。実は農林省としましては、類似市場も含めまして一本になるように勧奨はいたしております。ただし、これに御指摘のように非常にむずかしい問題でもありますので、大阪の市当局もいろいろ苦心はしておるようでございますが、何しろ開場が秋ごろになる見込みでございますから、大体四月過ぎぐらいに大阪の市のほうから私のほうに相談があるかと思います。これは何も大阪市当局にまかせきりにしておるのではございません。

北村暢日本社会党

○北村暢君 それでは私は要望だけしておきますがね、やはり本場からだけの卸売人になりますと、これはどうしても臨時市場というものはそのまま残ってしまうのですよ。したがって、せっかく中央卸売市場を作ったのですから、もうどこの例からみても、従来の場合はその臨時市場を収容して、それを一本にまとめて卸売人になることが普通なんですね。したがって、本場から来るのはだめだということを言うのじゃありませんけれども、とにかく一本でいきますというのだったら、臨時市場を含めて一本になるということをひとつぜひやっていただく。そうでなければ将来に禍根を残しますが、せっかくの市場行政がくずれるというふうに思いますので、ひとつその点を考慮していただきたいと思います。そういうことの方針でいかれるかどうか、これをひとつお伺いしたいと思います。

松岡亮農林省農林経済局長

○政府委員(松岡亮君) 農林省といたしましても、そういう考えで進めて参りたいと考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 次に、先ほど大臣の触れられました東京の冷蔵庫の問題をお伺いいたしますが、せっかく今度の予算でも一億八千万円で水産関係で冷蔵庫を消費地にも作るという案ができているようでございます。それでこの冷蔵庫の性格でありますが、これはどういう性格をもってお作りになるのか。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) これはただいま御指摘になりました一万五千坪でありましたか、一万三千トンでありましたか、その冷蔵庫は何と申しますか、出荷の調整と申しますか、非常に荷の多いときに産地から消費地に持ってきて、冷蔵庫に入れてそしてこれを出荷の少ないときに放出していく。こういう機能を果たそう。こういうのが主たる目的であると考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 そうすれば価格調整をやるための冷蔵庫である。こういうふうに理解してようございましょうか。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) 大体、ひいてはそういうことにもなると思いますね。荷が少ないとき出すのでありますから、少ないときは値段が高くなるがそれを値段を安くしていく。こういうふうなことに、数量調節によって価格の調整ができる。こういうことがねらいなんです。

北村暢日本社会党

○北村暢君 今の中央卸売市場の値の建て方というものは完全にこれは自由価格であるわけですね。その場合に価格調整をやる機関として今大臣のおっしゃるように考えるのであったならば、私はこの冷蔵庫の性格というものは非常に違ってくるのじゃないかと思う。で、共同出荷その他の産地におけるある程度の操作ということは、もちろんこれは青果においても魚においてもあり得る。ところがそうではなしに、消費地における冷蔵庫でありますから、これは卸売市場法によりますというと、施設の中に売り場、冷蔵庫、倉庫というのはこれは中央卸売市場に附帯した施設として建設することは可能である、法律的に言って。それを価格調整の冷蔵庫として別な、この付帯しない冷蔵庫を今消費地に作ろうとするのでありますから、そういうことになりますね。

橘武夫水産庁参事官

○説明員(橘武夫君) ただいま御質問のように、中央卸売市場自身の附帯施設として冷蔵庫を建設することももちろん可能なわけでございます。そういうただ現在の卸売市場の東京都が開設しております、あるいは大阪市というような、そういうような地方公共団体が開設しておる市場としての運営の性格なり、そういう運営の仕方の問題なり、それから切実の卸売市場の現在の土地なり施設の現状におきまして、その施設の前に冷蔵庫を建設することが必ずしもそれだけの余裕がないというふうな事情もございまして、むしろそういうものと並びまして、むしろそれと並行して相補う形におきましてそういう卸売市場の近い場所に卸売市場と相待って十分利用できるような形での冷蔵庫が建設されることが望ましいというふうに考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 時間がございませんからこの論議はちょっと尽きそうもないのですけれども、簡単に質問をしておきますが、当初はこれは価格調整機関になるのだろうということで、水産物の価格安定事業団という公的性格を持ったものでやろう、こういうふうに考えられておった時期もある。ところが今できるものはそうじゃない。一億八千万の補助金を出してやりますが、できるものは株式会社でもって純然たる営業機関である。したがってまあ聞くところによるというと、これは魚だけ入れるのじゃなくて、アイスクリームも入れるかもしれない、魚だけではとても冷蔵庫は保たないのだ、こういう意見もあります。そうすると補助の対象とする考え方というものが、より変わってくるのです。したがって、私はこれは単なる冷蔵庫を営業とする冷蔵庫と、こういうもうけ主義の冷蔵庫では、これは私は性格が非常に変わってくるので、補助の対象という問題についても問題が出てくると思う。そういうもうけ主義でやる冷蔵庫であったならば、補助金なんか出す必要ない、こう思うのです。しかもこのできる冷蔵庫の株式会社の株主のメンバーというものが、大体において生産者が主体になっておる、卸売人も入るということであるけれども、ほんとうは生産者だ、生産者が市場のそばに大きな冷蔵庫を持って価格調整をやったら、これは独占価格ができちまうのですよ。しかも、水産会社の大メーカーがその株主になって会社ができる、これは私は決して、生産者の保護には確かになるかもしれぬけれども、消費者の保護のための冷蔵庫にはならない、こういうふうに思います。それから大阪の場合の冷蔵庫には、仲買人が参加することになっているが、東京の場合には絶対これを許さない、仲買人が入れば若干消費者的性格が出てくる、それはある程度消費者も考えたということになるだろうと思うが、生産者だけというならば、これは生産者の価格調整をやるということだけであって、大メーカーがしかもそれの価格を支配する結果になるのじゃないか、そういう心配がありますけれども、これについては私は論議が大いにあるのですけれども、時間が来たようですから、これでやめますけれども、慎重にひとつ対処していただきたい。これは後の委員会でも私はやりたいと思います。

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) まだどうしてやるということはきめておりません。御意見も十分傾聴いたしましたから、慎重にやって参ります。

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) 以上をもって重政農林大臣に対する農林水産基本政策に関する質問は終了いたしました。  本日はこれをもって散会いたします。   午後五時四十八分散会    ————・————

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