内閣委員会 第23号
- 発言数
- 66 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/06/11
会議録
○委員長(村山道雄君) これより内閣委員会を開会いたします。 行所管理庁設置法の一部を改正する法律案を議題とします。 前回に引き続き、これより質疑を行ないます。 政府側よりただいま川島行政管理庁長官、山口行政管理局長、山口行政監察局長が出席いたしております。 質疑のある方は、順次御発言を願います。
○鶴園哲夫君 配付いただきました資料によりますと、公団、公社、公庫、事業団、その他百近くに及ぶようでございますが、これは、いずれそれぞれの目的なり、あるいは理由がありまして、設置されたというふうに考えるわけでありますけれども、近年非常に急ピッチにふえておるような印象を受けるわけであります。で、よく行政官庁の中で、行政と事業を分離するというような合言葉が流行いたしまして、各省競って公団、公社、こういうものを作っておるというような印象を与えておるわけであります。いただきました資料によりましても、三十年ころから六年くらいの間に四十幾つできている。毎年七つぐらいの平均で設立されている。本年も八つ作られるのでありますが、昨年もその前の年も八つと、各省の中で公団、事業団、こういうものを作るという風潮が非常に強くなっているわけでありますが、これはどういうわけでこのようにやみくもにふえるのか、その点をまず行政管理庁としての見解を承っておきたいと思います。
○政府委員(山口酉君) 行政の目的を遂行するために、各種の組織を作っておるわけでございますが、日本では、特に戦後、公社、公団、事業団というような通常の行政機関のほかに、企業的な形態を持った機関を相当作っております。これはわが国だけの例ではございませんで、最近のように行政の内容が複雑になって参りますと、従来比較的行政というものは、権力作用的なものが多かったのでございますが、最近では、だんだんとその内容が非権力的な、経済活動的なものがふえて参りまして、そういうものにつきましては能率的な効果を上げるということになりますと、必ずしも従来の行政機関がいろいろなきびしい規制のもとに活動するよりは、相当弾力的な活動のできるような組織体にしたほうが目的を達成しやすいということで、世界各国とも同様な傾向にございます。これはもとよりそういう行政の効果をほんとうに上げるという立場から見ますと、そのとおりであると思います。最近特に目立ってふえてくるということの中には、あるには一つの風潮として、こういう組織を作ることについて一つの風潮ができておるというような感じもいたすわけでございます。従来行政管理庁では、行政機関の増設につきましてはきびしく、審査をしておるわけでございますが、しかし、いわゆる政府関係機関、公社、公団等につきましては、従来審査をいたしておりませんために、ややその点が安易になっておったのではないかという感じがいたすのでございます。そこで、政府の行政目的達成という広い立場から見ますれば、行政機関も、いわゆる政府関係の諸団体も、同様のことでございますので、その行政目的を達成するために、そういういろいろの形態の組織体を編成するということは、全体を通じて監察すべきものである、全体を通じて考えて審査すべきものである。かような観点に立って、今回の提案をいたした次第でございます。
○鶴園哲夫君 行政が非権力的なものと権力的なものとに分けられて、非権力的なものについては、これを経済的なベースに乗せて能率を高めるというような立場から、公団、公社、こういうものが続々作られるというわけでありますが、いずれにしましても、権力的な面にしましても、あるいは非権力的な面についても、能率的という点については同じだと思います。ただ能率的なために、ある意味で企業的な面も生かしていく、そういう意味で公団、公社を作られておるわけで。しかし、実際はしからば当初想定したように、当初考えられたような、公団、公社の運営になっておるかという点につきますと、非常に大きな疑問があるのじゃないかと思うのです。当初は、理事長とかあるいは理事とかそういうものについてはできるだけ民間の方に入ってもらってという考え方が非常に大きかったと思うのであります。そういうものは非常に今日影が薄くなっております。そして局長をやめたあるいは次官をやめたという人たちが、続々こういうところに横すべりしておる。あるいは天下りというような形になっておる。しかもこういうところに勤める人たちはほとんど大部分が職員の場合は公務員が行っておる。どこに能率を高めるための、企業的な力を発揮させるためのそういうものが生かされておるかという点について非常に大きな問題があるのじゃないかと思います。今日、先ほど局長もおっしゃったように、公団、公社あるいは事業団その他こういうものを作るのが官庁の風潮になっている。それで公務員としてみますというと、これはやめた者が行く行き先作りぐらいにまで言われておる。おっしゃるように、行政管理庁としては、局を作るということについては、厳重にいろいろな点において取り締まっておられる、それが公団なり事業団なり、そういう形でどんどん横っちょに作られてしまう。これは外局が一つふえる、二つふえる、年に八つも七つもふえるということと同じような現象になっておるわけですね。新しく事業団を作りますと、外局を作った手柄と同じような手柄を本人の局長はいただく、行く先を作ってくれられたというので感謝もされるというような話が行政官庁の中で振り回されたんでは処理なしです、という私どもは考えを持っておる。前々からこの問題については非常に関心を持っておったわけでありますが、今回行政管理庁のほうで、こういう問題について審査権を持つという行政管理庁設置法の一部を改正されることについては、その趣旨には賛成であります。しかしながら、こういうふうにやみくもにふえていくということについて、どういう理由でやみくもにふえていくのかという点について、もう少し行政管理庁のお考えを聞きたいわけなんです。競争みたいに作るのですよ。本来行政管理庁でやっていいようなものまでどんどこ作るのです。ことしなんかも八つであります。去年も八つ、その前の年も八つと、こんなやみくもにふえるということについて、今日まで政府全体として統一ある措置をしなかったという点については問題があると思いますけれども、しかし、いずれにしましても、これは形としてこのように雨後のタケノコみたいに競争的にぬけぬけとこういうものが続々作られるという点について、もう少し行政理管庁の見方を伺いたいと思います。
○国務大臣(川島正次郎君) 公社公団のあり方、運営の方法並びに最近に公社、公団、事業団がふえるその事情等につきましても、鶴園さんの御意見私ども全く同様に考えるのです。それでこそ今度こういう法案を出したわけでありまして、従来は行政管理庁に関係なしに、審査なしにこれができておったのですが、今後は行政管理庁に統一しまして十分内容を審査して、絶対必要というものだけを許す、こういうことなんでありまして、言うなれば今までのやり方が少しルーズであったからしてこれを締めよう、こういうつもりでおります。したがいまして、これからは私どもは審査した結果、新設が適当でないと思うものは、これは拒否することにいたします。
○鶴園哲夫君 これは私一般の今の行政官庁の中におきます風潮のようなものとして申し上げて御意見を承りたかったのであります。これは局長をやめる、あるいは次官をやめる、今大体各省庁の場合におきましては、五十才が次官なり局長がやめられる年配になる。実際問題といたしましてはこれからという年配であります。ですから大体その年令でやめられる、そうしますと退職金というのはおそらく二十五、六年、二十七、八年の年限でありますから、二百万円かちょっとくらいの金だと思います。退職金は二百万かちょっとくらいの金である。そうして退職年金、恩給といわれるもの、これが二万円ちょっとくらいになるのじゃないかと思います。若年停止でございますから二万円ぐらいの数字みたいになるんじゃないかと思います。そういたしますと、退職金の問題にいたしましても、あるいは恩給の問題にいたしましても、これはどうもそれだけでは食えない。そういうところから会社、営利会社等に天下る、あるいは公団、公社を作ってそこに行くというようなことにならざるを得ないんじゃないかという私は気持を持っておるわけであります。ただこういう外郭団体的な公団、公社を持っていない行政管理庁あるいは会計検査院あるいは人事院、こういうところは例外的な現象といたしまして、それ以外のところでは大体こういうような風潮になっておるのではないか。課長になりましてしばらくたつというと、課長の連中というのは、公団に行くということしか考えていない、会社に行くということを考える。今われわれは給与が低くて苦しい、しかし、あと五年くらいで公団あるいは会社等に行くならば、われわれの月給は一挙に二倍から三倍になるんだ、こういう期待感を持っておる。ですからそういう関係で申しますと、これは非常に妙な風潮なり空気になっているんじゃないかと思います。御承知のとおり、公団、公社等に行きますというと、これも給与が一挙に二倍から三倍になる、御承知のとおりであります。そうして逐次公団、公社の中にも年功序列ができまして、だんだん公団でない事業団の大きなところに移っていく、そのためにやめる、やめますというと退職金がべらぼうにでっかい。公務員でおりますときは、これは御承知のとおり、年を単位にして退職金をはじきます。公団の場合は月を単位にしてはじく、ですから二十八年勤めておっても二百万ちょっと、しかしながら、公団の理事長を二年勤めると、これは二十年分、二十八年分の退職金というのが優に出る、大体四、五年勤めますというと、一千万という退職金が出る。月給は二、三倍になるわ、退職金は、月をもって勘定されるでは、これは高級官僚のパラダイス、それは一般に行政官庁の中ではそういうふうに見ておる、天国だとこう言っておる。それで一体、能率が上がるあるいは非権力的な面について能率を高めるこういうようなお話でありますけれども、そうではない。そうでない面が今日非常に露骨に出ておるんじゃないかと私ども思うんです。どうも役人天国というんですか、高級官僚の天国というんですか、目に余るものがあると私ども思います。そうして九九%の公務員というのはこのパラダイスなんかに行きっこない。それが同じ公務員としての処遇を受けておる。先ほど申し上げましたけれども、そういう事業団なり、公団等にやめた高級官僚というのは一挙に二倍、三倍の月給で行く、退職金は月で計算してもらう、しかしながら、そこに働いている職員はこれは公務員から行っておる、また、公務員が帰ってくる。その給料は二割くらいしか高くない。公務員と比べて二割くらいしか高くない。こういうふうな公団なりあるいは事業団なりのあり方というものは、これは公務員制度を非常にはなはだしく混乱さしている、こういうふうに私は前から思っております。こういう点について、行政監察を通じ、あるいは行政管理庁としてどういうお感じを持っておられるのか、この機会に承っておきたいと思います。
○政府委員(山口酉君) 公団、公社等が設立されまして、その運営の状況を従来監察局で調査いたしておりますが、その実情から見ますと、これは必ずしも当初の設立目的を十分に果たしておるとはいえない面がございます。ただしかし、こういう団体のすべてが悪いかといいますと必ずしもそうでございませんで、やはり国の機関として国の行政組織として実施する場合にはできなかったような非常に顕著な業績を上げておるところがたくさんあるわけでございます。ただそれが十分であるかといいますと、それは十分であるとは申し上げかねるのでございまして、その原因がすべてそれでは人事にあるのかといいますと必ずしもそうとは言い切れない面もございます。現在、相当国の行政機関から切り離しまして自由な運営をするということを建前にしながら、実際は相当こまかい干渉がございまして、その機能が十分発揮できないような面もございます。人事の面につきまして特に監察をいたしたことはございませんけれども、大体、企業的センスを取入れて能率を上げていくということに一番必要なのはやはり全体を経営する方針であるということが考えられますので、従来監督官庁におきまして、大体、総裁、理事長というような全体の経営者といたしましては、民間のそういう方面のベテランを採用することに非常に苦心をいたしております。相手のあることでございますから、必ずしもすべてがその目的は達しておりませんけれども、総裁、理事長というようなところの人事につきましては相当そういう考慮を払われております。その下の役職員の幹部といたしましては、これは仕事のベテランを連れてくる必要がございますので、ほんとうに仕事のできる人ということで選考をしておるわけでございますが、その結果といたしまして、大体そういう従来同種の事務に練達の経験者を連れてくるというようなことから、各省の経験者が入ってくるというものが多いと思います。そういうことからくる弊害もいろいろ論議されておるわけでございますが、一面においてはやはりそういう専門家であるということの利点もあるのではないかと思います。ただ先ほど鶴園先生が申されましたように、給与その他の関係で一般の行政機関と非常に較差がある、あるいはまた、役員と職員との間の取り扱いに不均衡があるというようなことが論ぜられておるわけでございます。そういう面につきましても、やはり今後次第に改善を加えていくべきものがあると存じますが、従来の監察等によって見ました実情から見ますと、これはむしろ、本来相当独立的な経営をすべき地位を与えておきながら、事実上各省がそれに強力な指導といいますか、干渉といいますか、規制を加えていくということのために、十分の機能が発揮できないというような点が特に注目される点でございます。で、今後そういう面のほかにあるいは人事運営の点とというような点についても十分注意をして調査いたしたいと思いますが、今までのところでは主としてそういう面の欠陥ということが一般にいわれておりますけれども、その半面に、また、全体としては利益といいますか、効果を上げている面もあると思いますので、全体的に監察しないと結論はなかなか申し上げにくいと思います。そういうことで今後の審査をいたして、新設を認めあるいは従来の制度を改善していくという審査の段階におきましては、やはり組織の運営とあわせて構成と申しますか、あるいはトップの管理機構というようなものにつきましても十分な注意をして、過大な管理機構というようなもの、上部構造を過大にするというようなことがないように注意して審査すべきものであると考えております。
○鶴園哲夫君 私は、こういう公団、公社、百に近いこういう公団、公社というものが続々作られてきた。それは企業的な経済ベースの能率化をはかるためだとおっしゃいますけれども、公務員として二十年なり二十五年、三十年近く働いてきた者が、その大部分は企業的な能力はない。私はそう思う。本来ないものを無理して、民間の人を連れてくるのならともかく、そうじゃなくてほとんどは三十年近く公務員として勤めた、しかもきわめて権力的な行政をやった者が何で能率的な経済ベースに乗ったような企業運営というようなものができるか、そこに私は本来問題があると思うのですね。ですから、官庁の中でよくいわれるように、これをどんどん、どんどん作っちまう、局を作る、あるいは外局を作るわけにいかない、だから外へ作っちまって、そういうやめる高級公務員の行き場所を作っているとしか思えない面が非常に強いわけですよ。それを強調すると、少し変に強調し過ぎる点もあると思います。あると思いますけれども、今の風潮はそういうような状況になっておるのじゃないかと私は思うのですね。何ゆえに公務員というのは局長なり次官というものが五十になったらやめなければならぬのか。せっかく二十年なり二十五年訓練して、今やほんとうに働き盛りになった五十才前後の局長なり公務員のトップ・クラスの連中がそこでなぜやめなければならないのか。もっと白髪の局長を作りあるいは白髪の次官を作ったっていいじゃないかと私は思うのです。 たとえば、三ヵ月ほど前でしたか、新聞に出ておりましたが、人事院は、何か、中で申し合せをして、定年制みたいなものを作ったようですね。これは、人事院は、ちょっと、公団、公社というところに行くところがないですから、ですから、何か、局長は五十八才までだ、一般職員は六十才、こういうような申し合わせ的な定年制を作ったということが、この間、毎日新聞か読売新聞かに出ておりましたですね。で、御承知のように、七、八年前には、局長、次官というのは満四十四才でやめたですね。それが逐次延びてきて、満五十才前後になっています。もっと延ばしたらどうか。そしてもっと給与をよくしたらいいじゃないか。これから働き盛りのときに……しかも企業的な能力はないです、三十年も勤めたら。そういう者を、企業運営をやるのだということで、膨大な公団、公社、事業団というものを続々作って、そこへ投げ出すのじゃなくて、そういうようなことを考えたらどうかと私は思う。日本だけじゃないでしょうか、五十才前後で高級公務員がやめるというのは、その意味で、私は、もう一ぺん監察局長に伺いたいのは、昨年の八月か九月に、綱紀粛正というような内容をもちまして、行政管理庁が調査したことがある。その中に、公団、公社、こういうものが、公務制度に対してどのような、あるいは公務員の綱紀に対して、どのような影響を及ぼしておるかという点も調査なすったと私は記憶しておる。現実問題として、公務員の制度なり、あるいは公務員の給与制度なり、そういうものに対して、こういうものが、どういう影響を及ぼしているかという点について、重ねて、そのときの調査を思い出していただいて御答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(山口酉君) 綱紀粛正問題が内閣で取り上げられまして、それに即応して、従来、不正事案を起こしましたような内容につきまして、実態調査をいたしたのであります。たしか一昨年の暮れであったと思います。その結果は、大体、役所に入まして、割合いに早い時期の者が非常に大きなパーセントを占めております。特に、こういう公社、公団というようなものができたことの影響というものは感じておりません。そのときの調査におきましては、特別に、そういう公社、公団の関係が、どういうふうな影響を及ぼしたかというような観点の調査をいたしておりませんので、結論的に、影響があるなしということを申し上げるわけには参りませんが、いずれにいたしましても、どういう影響があったかということは、実は、今のところ、十分つかんでおりません。
○鶴園哲夫君 私は、公団、公社というのが一つ、二つ、三つあったときはよかったと思いますが、今日のように、たとえば大蔵省をとってみても、あるいは農林省をとってみても、農林省の周囲に二十近いところの公団、事業団というものが続々作られてくるということによる公務員に対する影響というのは、非常に大きなものがある。 そういう面の監察もひとつやっていただかないと、どうもどこでこういうものを取り扱うのかというと、これは行政管理庁あたりではっきりしていただかないと、いけない問題じゃないかと思うのですね。あるいは人事院もそういう点の関心がなければいけないかと思いますが、やはり今回こういうような審査権等をお待ちになるということになりますれば、そういう問題も、ひとつ、やはり検討もお考えになっていただかなければ困るのじゃないかと思うのですね。非常に大きな影響ですよ。第一高級公務員というのは、公務員の給与を上げることについては全く関心ないですね。困っていることは知っている、自分らも、と言う。しかしですね、さて、ある程度の力が出るような課長あたりになると、もう自分は公団に行くということしか考えていない。そこに行けば二倍になるのだ、三倍にもなるのだと言っている。退職金は月で計算してもらう、公務員のパラダイスだと、こう言う。こういうところが、根本的に公務員制度というものを、むちゃくちゃにしているのじゃないかと私は思うのですがね。どうもこういう点を、政府としてお考えになるところがやはりないというと、これは全く公務員というものは、妙なところに追い込まれますね。 それから行政管理庁が、昨年の十二月に出されました、二十二の公団、公社、事業団等について、主務官庁はどういう監督行政を行なっているかということについて、監察を行なわれて監督しておられますね。これを見てみますと、これじゃどうにもならぬという気がしますね。一体公団、公社は、続々として作るのだが、あとはどうしているのかという印象を受けますですね。先ほど局長からお話を聞きますと、何かそうでもない面がある、いい面もあるように盛んにお話しですが、確かにそれはあるかと思います。しかし、出ている二十二の公団、公社に対する行政管理庁の監察、主務官庁がどういう監督を行なっているかという点については、私はこれは見た限りにおいては、むちゃくちゃだと言いたいほどですね。まあ、行政管理庁ですから、非常に丁寧なやわらかい言葉を使っておられますが、長年、こういう文章を見ることになれたものから言いますと、これはもうむちゃくちゃだ、何を一体行政管理庁はやっているのか。こういう私どもの知っていることの少ない事業団についてもこのとおりだ。だから何をやっているかという気がしてしようがないのです。 次にもう一つ伺いたいのですが、これに関連して、衆議院で附帯決議がついていますね。「関係官庁に在職した高級公務員がこれらの役員に就く傾向が著しく、かくては国民の疑惑を招く虞なしとしない。」という、それで政府は「指導督督に万遺憾なきを期するよう」という附帯決議がついています。もっともな話だと思うのですが、私はこの公団、公社、それから事業団、こういうところへ行った高級公務員は、やめておりまあけれども、公務員と似たような服務義務を課してある。ところが、その連中は、それと密接な関係にある営利会社に続々舞いおりているじゃないですか。公務員が営利会社に天下ることに、国家公務員法百三条によって禁止してある。これは公務の公正と服務の厳正さを保つためにそういう措置がしてある。しかし、これはざる法であり、ざる運営をやっておりまあけれどもね、今日。しかし、法の建前はそうではない。しかし、公団、公社、こういうところの役職員にいたしましても、公務の厳正を保つために、これは公共の利益を守るために、当然そうあるべきだと思うのですが、これから舞いおりる場合は全く野放し、これは一体どういうふうになさる、しなければならないとお思いになっておられるのか、今後これはどうするつもりなのか。公団の周囲にはいっぱい営利会社がある。その営利会社にどんどん舞いおりていく、それは野放しです。パラダイスと言われる側面がそこにも一つある。これはどういうふうに行政管理庁として見ておられるのか。何かこれについてしかるべき手を打つ必要があるとお考えなのか、その点をひとつお尋ねをいたします。
○政府委員(山口酉君) 御意見のとおり、公団等からその関係の営利企業に入りますことについては、何ら規定上禁止されたものはございません。要は自粛自戒と申しますか、そういう問題であると思います。退職した後において、就職の自由と職業選択の自由ということが認められておりますので、これを禁止するにはやはり法律的措置が必要であろうと思います。ただ、行政機関がその関係いたしました営利企業にいわゆる天下りをいたしますことにつきましては、その在職中の公正を乱るというおそれがありますために、そういうことを禁止されているわけでございまして、公団等につきしてまも、やはり公共的な仕事をいたしておりますので、それが同様に公団等の業務の公正な運営を乱る、その弊害が大きいということになれば、やはり一つの禁止の対象になり得るものではないかと思います。そういう法律を作りましても——作ることは可能であるのかは存じませんが、ただ現在までまだそういうものから——鶴園先生はお詳しいようでございますが、私どもまだ現実にたくさん天下るといいますか、公団等から関係のほうに出ているという実情を十分承知いたしておりませんが、将来そういうふうな実情が顕著であって、そうしてそれが非常に業務の運営に弊害があるということになれば、やはり一つの検討問題であると考えます。
○鶴園哲夫君 これは本来、政府が行なうべき事業を公団、公社あるいは事業団という形でこれを経済ベース、企業ベースに乗せるために置いてある。そこに働いている人たちについては、公務員に準ずるような服務と義務を課してある。公務の延長といっても差しつかえないような義務を課してある。それがその公務の公正さと公平さ、それを保つためには、そこから続々と関連ある営利会社に天下る、それが野放しになっている、こういうことでは、これはやめた五十才から五十五、六、五十七、八という人の問題でありますから、局長なりそういうところに直接の目には届かないかもしれない。しかし、これは非常な不満がある。ですから、行政管理庁としてぜひすみやかな機会にそういう問題についての監察もひとつしていただきたい。何しろ百近いというわけですから、でっかい数字ですよ。そこから関係営利会社に天下るというようなことは相当大きな問題がある。ですから、すみやかな機会に行政管理庁として、それが公益企業にどういう影響を及ぼしているのか、その点についての監察調査もぜひひとつお願いをしたいと思うのです。それをひとつ川島長官に伺っておきたいと思うんです。
○国務大臣(川島正次郎君) ただいまの御意見まことにごもっともでして、実は私、そこまで気づかずにおったのであります。実態を調査いたしまして、弊害がありますれば、これを禁止する立法措置をとるようにいたしたいと、かように考えます。
○鶴園哲夫君 行政管理庁が審査権を今回お持ちになるというわけでありますが、これはやはり大きな目的といたしましては、先ほど川島長官もお話しになりましたように、乱立といいますか、あるいは非常に最近たくさんできておるそういう問題について、何らかの抑制措置といいますかあるいは抑制できるものは抑制したいというようなお考えのもとに、そういう目的もあってこういう審査権をお持ちになるのだろうと思うのです。私はこういうふうに毎年八つとか九つとかいう形でできてくる、しかもこういう風潮になっておるこの公団なりあるいは公庫、事業団という点について、審査権を持って、これをある意味では抑制をしていくという目的のためには、その抑制をするといいますか、あるいは審査する基準がなければならないと思うのです。ところが、法律ではその基準を示されていない。先般の新聞の報道によりますと、この基準がないということになると、これは結局不徹底なものではないかという話。あいまいなものになるのではないか。川島さんが長官をなさっておられる間、それはある意味があるかもしれないが、それがなくなるとどうなるか。これは意味がないじゃないか。それと似たようた趣旨の報道があったのであります。私も基準がないと、そういう印象を受けるわけなんですけれども、それはどうなさるおつもりなのか。何となく審査権を持っておる。ところが基準がない、というお話では、何を一体審査されるのか、その点を伺いたいと思います。
○政府委員(山口一夫君) 審査にあたりましては、当然審査の目安となるべき基準が方針的にも、またその方針に基づきまして、事務的にもきまることになるのであります。ただ、国の行政機関の新設と並びまして、公団その他の特殊法人の新設ということは、相当国の政治全体の中に占めるウェートの大きな問題でございます。したがって、新設にあたっての審査の基本的な基準につきましては、当然閣議の段階において国の政策として抑制方針を出すなりあるいはその抑制方針のもとにおいて次の年度、将来においてはきしあたりどういう方面の仕事に重点を置くべきかという基本線が出て参ると思います。したがって、その基本線に基づきまして事務当局におきまして、その基本の方針に即したワクの中で大体浮かんできたものにつきまして、事務的な審査に入るわけであります。したがって、その次の段階になりますと、結局行政組織、広い意味の国の行政組織全体を管理する国の行政機関並びに特殊法人を含めました全体の組織が適正であるかどうかという点に、事務的判断の基礎を置きまして、まず問題になります特殊法人の仕事が、非常に公益性の強い、国家的色彩の強い事業であるかどうか、その事業の性質上、これを特殊法人以外の営利会社、その他の私法人等に行なわせることが不適当であると認められるようなものにつきましては、当然これは特殊法人として組織化すべきものであるということの一つの目安が、公共性の点においてつくと思います。それから次に、事業の内容から見まして、非常に業務の能率的な運営をはかるために、国の組織で行なわれておりますような各種の制約——法律上の制約、あるいは予算上の制約、その他の制約をある程度はずしまして、弾力的に運用させるほうが適当であると認められます事業、大体において、この事業は企業的の色彩の強い事業でございます、そういう事業であるかどうかという点を、一応、問題となりました特殊法人につきましては審査をいたすということになると思います。それからさらには、当然のことでございますが、行政組織全体の適正な管理という見地から見まして、既設の特殊法人その他と競合のないものである、あるいはまた、その組織があまりに仕事が細分化され過ぎていて、そのために存続の価値がないというようなもの、組織全体から見て不適当であるというふうに認められますものにつきましては、当然これを認めないというような判断の基準が一応抽象的には立ち得るかと思うのであります。しかし、いずれにいたしましても、問題自体が重要な問題でございますので、十分に行管といたしましては、長官の御方針に沿いましてその方針のもとにおいて審査を行なって参りたい、かように考えております。
○鶴園哲夫君 私は、今お話しになりましたようなことで、かりに審査権を持つということになった場合に、実際良心的に考えてみて、どの程度の審査権という力があるのかという点について私は非常に疑問だと思うのですね。で、今お話しになりましたように、公団なり、あるいは公社なり、あるいは事業団というものの内容、仕事の内容といいますか、あるいは大きく分けて、予算の面、人事の面、運営の面と、こうなると思うのですが、この運営の面について一部審査権をお持ちになるわけです。それが一体どの程度の力を持つのか。私は、過去の行政管理庁の審査権について、長年の過去の審査権を見てみて、これはおそらく、今回の審査権というのはあまり効果を持たないというふうに思うわけです。というのは、過去、行政整理、あるいは定員外職員を定員内に入れるというような場合を見てみた場合、あるいは機構を新しく作る、局を作る、あるいは外局を新しく作る、こういう審査権ですね、これを見た場合に、最近は、御承知のように、局を作りましても金はあまり要らない。人員がふえるにいたしましても、せいぜい一けたか二けたです。予算の面ではそう大きな問題はない。予算とは関係ないと言ってもいいくらいに、今、新しい局を作る、あるいは部を作るというような場合にはそういう状態ですね。そういう場合におきましては、行政管理庁はある程度の力を持っている、審査権を持っている。しかしながら、これが予算と大きく関係してくる、大きな行政整理をやる、あるいは大きな定員外職員を定員内に繰り入れる、あるいは予算を伴うような、大きく伴うような外局を作る、あるいは局を作るというような場合には、これは行政管理庁の審査権というものは、全く、あるようでないと言ってもいいくらいです。今回の公団、公社というこの審査権というものは、予算を伴う、人事を伴う。その点については行政管理庁というのはノー・タッチと言ってもいい。しかも、その面が大きい。過去の私今申し上げたような行政管理庁の審査権というものから見て、今回の審査権というものは、実際は有名無実ではないか、あってなきがごときものではないかという私は印象を持つわけです、過去の経緯から考えて。その点についてどういうふうに考えておられるか、お尋ねをいたしたいと思います。
○国務大臣(川島正次郎君) 過去のことは私はあまり知りませんが、少なくとも私が行政管理庁長官になりまして以来、官庁の機構の拡大、定員の増などにつきましては、この関係役所は行政管理庁と大蔵省でありますが、行政管理庁で認めたものに大蔵省が予算をつける一次的に行政管理庁でまず審査をいたしまして、行政管理庁で認めれば大蔵省は無条件に予算をつける、行政管理庁が認めなければ予算はつけない、こういう方針で三十七年度予算も三十八年度予算も編成をいたしております。今度この法案を提案しましたのは、三十七年度と八年度の予算編成の際の実績にかんがみまして、私どもに関係なしに公社、公団、公庫等がふえますので、これは全く私の考えで発案をしたのでありますが、今後は一般官庁の機構拡張と同じように行政管理庁でもってこれを審査するという意味は、なるべく新設を防ごうということでございます。根本には新設は避けよう、こういうことなんでありまして、その基準はいろいろ局長から申し上げましたが、根本の方針としては、そういう考えで今後審査に当たるつもりでおります。
○鶴園哲夫君 私は、過去七、八年なり十年の行政官管庁の運営、この中の審査権についての経緯から申し上げまして、予算を伴わない場合、そう大きな予算を伴わない場合には審査権というのはその効力を発揮している、しかし、大きな予算が伴うという場合は、これは行政管理庁の力じゃなくて、大蔵省の力、審査権というのはその場合には、ある意味では空に帰してしまうというおそれすら私はあったと思うのであります。今回の公団、公社というのは、これは出てくるのは予算の面から出てくる、人事の面から出てくる、その人事は、これは大蔵省なり各省です。予算は、大蔵省と各省突っ込んでくるという場合には、これは過去の経緯からいって、そういう場合には行政管理庁というのは審査権がなかったといってもいいぐらいになっている、今回もそういうことになりやしませんか、それは、川島さんが長官のときは、長官でおいでのときはいいという感じもします。私はそういう印象を持っている、審査権があるけれども、これはどうも有名無実なものになりやしないかというように私は感じるのです過去の経緯からいって。監察局長、どういうふうに御判断をなさいますか、これは局長、長いわけで御承知だろうと思います。
○政府委員(山口酉君) 予算と機構の審査は非常に関連がございます。しかし、行政管理庁で実施いたします審査は、これは行政管理庁の立場で、まあ機構については、組織管理については専門家であるという立場で審査するわけでございます。そういう面で専門的な観点から、かつ全般を機構面からながめて実施いたしますと、大蔵省でやりますのはたくさんな事務量の中の一部でございますので、やはり行政管理庁で実施するほうが適切な審査ができるということにはなると思います。従来割合、予算について最終的に方針が決定いたしますので、その際に各省が大蔵省と行政管理庁との間を往復いたしまして、そしていずれかで有利に事を運ぼうというような気持が動きますために、やや割合予算といたしましては、そう多くないような機構などにつきましては、大蔵省のほうで認めてもらうことのほうが割合たやすかったと言うと弊害があるかもしれませが、認められやすい傾向にあったわけでございます。 まあ、そういうことで、大蔵省のほうで先に機構を承認してもらって、その結果を行政管理庁に持ってきて審査をするというようなことになった例が相当過去にはございます。しかし最近は、行政管理庁のほうで先に審査をして、その結果を大蔵省のほうに知らせる。大蔵省はそれに基づいて予算をつけるということにいたしております、ただその場合に、幾らか——実情を十分鶴園先生は御承知のことでございますから別に隠し立ては申し上げませんが、最後にはやはり大蔵省は財政を持っておりますので、財政の見地からの意見はいろいろ出ます。その間に事務当局で折衝をするという段階はございますけれども、これは政府機関の内部の連絡調整の問題でございまして、役所の権限といたしましては行政管理庁が審査権がございますし、そしてそちらのほうが専門家でございますので、その発言力がものをいうということにならなければならないわけでございます。 そういうことで実施いたしておりまして、まあ従来の経緯を見ますと、私も三年審査を管理局長としてやりましたけれども、毎年同様の状況ではございませんで、従来の経緯もありまして、実際の事務の取り扱いとしましては、最近においてようやく行政管理庁のほうで実質的に審査をするようになったと、こういうことが偽らざるところでございます。
○鶴園哲夫君 私は、繰り返して申し上げておきますけれども、今局長お話しになりまして、行政管理庁の持っておられる審査権というものは、過去の経緯から言うと、局長が今お話しになったのは、あまり予算を伴わない局部の新設あるいは定員増、それも一けた二けたというのでありますからして、予算はあまり伴わない。そういう場合においては、専門家である行政管理庁の審査権というものが存在し得る。しかし、予算を大きく伴うようなものになると、財政的な見地というのが大きく出てきて、行政管理庁の、審査権というものは何かないようなごとき、消えてなくなるような感じすら持つ。今回のこの公社、公団等の問題については、これは何といいましても予算が大きくついている。財政的な見地が大きい、人事面が大きい。圧倒的に、人事面が大きい。そういう場合についての審査権というのは、これはよっぽどはっきりしないことには、どうもまた過去の経緯からいっておかしなものになりゃしないか。川島長官が長官のときはよろしゅうございましょう。そんな私は印象を持つわけです。その点をひとつ重ねて申し上げておきたいと思います。 なお、こういうようなことをやられるわけでありますけれども、今度衆議院で修正が行なわれまして、新設と、目的の変更以外に重要なる制度の改正——業務の範囲の変更だとか、役員の増減、資本金の変動あるいは行政の監督方針の変更、こういうようなものも加わってきますですね。その場合に行政管理庁として、これはおそらく管理局でおやりになると思うのですが、何かつけたりみたいな形でおやりになると、これはいよいよもってどうにもならないという私は印象を持っているわけです。拝見いたしますと、このために特に人員が三人、四人ふえるというわけでもないようですし、今の人員の中で何かやりくりなさっておやりになるようでありますけれども、そういうもので一体できるのかどうか。これだけの仕事をなさろうと思えば相当調査もしなければならない、その運営の問題につきましても常々承知をしていかなければならない。そういうような組織に考えていらっしゃらないように私は思うのです。特にこの場合において問題になるのは、管理局でやるだけではなくて、監察局でこの公団、公社等について監察権を持っておられるから、その監察局と管理局とがある意味で総合された形でこれらの問題を取り扱わなければ、力ないものと私は思うのです。そういう面についてお考えあるのかどうか。何も人がふえるわけでもないし、何もないわけで、何か兼務みたいなことでおやりになるわけじゃないですか。そんなもので一体こういうものができるというふうなお考えなのかどうか、その点をひとつお尋ねしたい。私は少なくともこれは室ぐらいを設けるか何かしなければ、これはできっこないと思いますね。いかがでございますか。
○政府委員(山口一夫君) 法律成立後における事務につきましては、きわめて重要な仕事がございます。これに必要な資料の収集その他につきましては直ちに着手をいたしまして、審査に差しつかえないように態勢をとりたいと思っております。 さらにお話のように、機構の審査それ自体は、常時の監察の結果と表裏一体をなして判断をしながらやらなければいけない問題でございます。この点につきましては、監察局、管理局十分連絡をいたしまして、両者で総合した力をもって審査を行ないたいと思います。 人の点につきましては、とりあえず公団、公庫等の特殊法人に関する事務を総括するために、管理官一人を専任にそのためにあてがう予定でございます。それから一般の審査につきましては、現在七人の管理官が各省を分担して各省の行政機構の審査をいたしております。公団、公庫等につきましても、それぞれ各省ごとの系列がございますので、各省担任の管理官が自分の担任する省の系列に入る特殊法人につきましては審査をするという建前で二本立で審査の態勢を整えて参りたいと考えております。
○鶴園哲夫君 私は、まあ確かに今お話のように、管理官一人を置いて、そしてそれぞれの管理官がまた系列的におられるわけですから、そういうものと調整をとりながらやっていかれるというお考えはわかりますけれどもね。しかし、何せ監査の基準が法理的に明示されていないし、それも非常にあいまいな感じが私はいたしますし、さらにまた、先ほど来申し上げているように、審査権そのものもきわめて私は弱い、本来きわめて弱いものです、というふうに思いますし、そこへ持ってきて人間は一人しかいないというようなことでは、これは私はどうにもならぬのではないのかという感じがするわけです。ですから室程度を設けられて、それは管理官一人おられてもいいが、室程度設けて運営なさったらどうなんですかね。これは重要であるがゆえに私は特に主張いたしたいわけです。室のごときものを設けて措置されるほうがいいのではないかというふうに思います。先般この法案の審議のとき申しあげました行政苦情処理の問題、これは相談室というのを設けられた。人員はふえないようでありますが、相談室設けられましたけれども、何か室みたいなものを設けておやりになるぐらいの組織的なかまえがないというと、はなはだ私どもとしては心もとないという感じを持っているのですがね。いかがでございますか。
○政府委員(山口一夫君) 公団その他特殊法人の関係を総括するための管理官を一人と申しましたが、その管理官の責任におきまして総括をいたすのでありまして、その管理官のもとには当然副管理官、主査、その他の事務官等が配置されますので、ある程度の固まりはできるわけでございます。 それからこのために特に室を設けてやったらどうかという御意見でございますが、現在行政管理局自体の構成が少数精鋭主義で全体の人数も非常に少ない関係もございます。そのために特に室を設けるということによりまして、全体の運営に若干支障を来たすものもございます。さらにまた、積極的には公団公社、公庫等は各省にまたがって設置されますので、それら全体をある程度双方に見合いながら方針をきめていくという必要も国の行政機関の場合と同様にございますので、ただいまのところ、一人の責任者とそれぞれ各省担任する管理官との協力によりましてやっていくほうが適当ではないか、かように考えております。ただ仕事自体につきましては、ただいまお尋ねの点十分考慮いたしまして、全力をあげて御期待に沿うようにいたしたいと考えております。
○鶴園哲夫君 これは私はできるだけすみやかな機会にそうような御検討いただくように川島長官に要望申し上げておきたいと思うんですけれども、いかがでございましょうか。
○国務大臣(川島正次郎君) 公団、公社、公庫等の審査、人員はただいま申し上げたとおり、局内で連絡調整する一人の管理官がおりますが、あとは各省別のそれぞれ管理官を置きまして、そのもとで審査しまして、それを連絡調整するために一人の管理官を置くというのが今申し上げた内容でございまして、これでやりまして大体いいんじゃないか。従来の官庁機構と同じようなやり方でやっていいんじゃないかと思いますが、なおそれで不十分でありますれば、適当に考えます。
○鶴園哲夫君 最後に私は少しばかり先般来、先ほどからの公団、公社、事業団について申し上げましたですが、そこで少しばかりうがった言い方になりあるいは失礼かと思いますけれども、何か少し言ってみたくなるわけです。行政管理庁もお役所でございますので言ってみたくなるわけでありますが、それは一つは公団、公社、事業団百近くございますけれども、行政管理庁には一つもない。会計検査院なし、人事院ありません。それから国会にもありません。それは単に事業団、公社あるいは公庫がないだけではなくて、それとも関連ある営利会社もございません。会計検査院も営利会社ございません。ですから、人事院が今度出しておりますところの国家公務員法百三条の第二項に基づくところの高級公務員の営利会社への天下り、これらの申請の表が参っておりますが、これを見ましても会計検査院には全然そういうものはありません。営利会社へ舞いおりるというようなことはない。国家にもありません、行政管理庁にもありませんし、人事院にもありません。行政管理庁にないということ。ところが、行政管理庁から四、五名の監査役が事業団におりている、あるいは公庫におりている、おりておられるようであります。そこへ持ってきて、この公団公社の監査機構の強化に関する勧告が出しまして、監査機構を強化しなければならない、監査役を重要視しなければならないという、二十二の公団の監査結果が出ていますね。れそから三番目に、今度審査権、これは目的は抑制するというものも一つ大きな目的として審査権、この三つを考えて見た場合に、どうも行政管理庁も公団、公社への横すべりをひとつこの際一枚加わろうというような感じがあるのではないかという感じがするわけです。私は行政管理庁で専門的にこういうことをやられた方々が、確かに一般行政管庁から見ましてりっぱであります。行政管理庁の公務員としては、その方々が専門的な知識を持って、公団、公社に入って、そして監査役を務めるということについては賛成でありますが、どうも一枚加わるのじゃないかというような印象を受けるわけです、先ほどの三つの理由の中から。その点を、どうも一枚加わったのじゃないかという、それでは抑制しょうというというような、一つの大きな目標という監査権、審査権というものが、どうもまたあいまいになるのではないかという感じを持つわけです。ですからそれはひとつその程度に申し上げて、行政管理庁で専門的にこういうことをやられた方々が、公団なり公社等に行って、あるいは監査をやられる監査役におりられるこというこには、私としては異議はありません。何かそういう風潮の中に、一枚加わるのではないかという気持が消えないものでありますから、その点を一つ、これはつけ足りとして申し上げておきたいと思います。 この衆議院でつきました附帯決議でありますが、どうも遺憾なきを期するというのでありますけれども、これはやはり公務員制度というものを根本的に考えなければ、なかなかむずかしい問題でもあろうと思いますし、ぜひともしかし、まあ私どもも期待をしたいという気持ですしね。——以上をもって私の質問を終わります。
○委員長(村山道雄君) 他に御質疑はありませんか。——他に御発言がなければ、本案の質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
○下村定君 ただいま審議中の本法律案は、最近乱立の傾向にあります。公社、公団、事業団、公庫等、いわゆる特殊法人の新設等に関しまして、行政管理庁において、行政の統一と、公正妥当を確保する見地から、あらかじめ十分に審査、検討しようとするものでありまして、時宜に適した処置と存じ、この見地から私は自由民主党を代表して賛成の意を表するものであります。しかしながら、いわゆる特殊法人につきましては、その新設等に慎重を期する必要のあることはもちろんでありますが、同時に、その役員の人事につきまして、公正にしてかつ適材適所主義に徹することが、その業務を適正にし、能率的な運営のためにきわめて肝要なことは申し上げるまでもないと存じます。しかるに、これら法人の役員の大半は関係官公庁の公務員出身者によてっ占められているのが実情でありまして、いわゆる天下りの人事をして最近特に国民の疑惑を招き、その批判も高まっております。したがって、この人事については、政府において特に慎重かつ公正を期するよう、次の附帯決議を付することにいたしたいと存じます。 なお、この附帯決議は、自民、社会、民社の三派共同提案にかかるものでありますが、この際、便宜上私からこの案文を朗読いたします。 行政管理庁設置法の一部を改正す る法律案に対する附帯決議(案) 近時、公社、公団、公庫、事業団等 の役員の地位に、関係官庁の高級公 務員が天降り的に就任する傾向が著 しく、国民の批判も高まっている。 政府は、これら特殊法人の役員の人 事については、慎重かつ公正を期 し、その業務の適正にして能率的な 遂行に遺憾なきよう努められたい。 右決議する。 以上でございます。
○委員長(村山道雄君) 他に御発言がなければ、討論は終局したものと認めて、これより採決に入ります。本案全部を問題に供します。本案に賛成の方は挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(村山道雄君) 総員挙手と認めます。よって本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に討論中に述べられました附帯決議案について採決いたします。本附帯決議案に賛成の方は挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(村山道雄君) 総員挙手と認めます。よって下村君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。なお、本院規則第七十二条により議長に提出する報告書の作成等につきましては、慣例により委員長に御一任を願います。 本決議に対し、川島行政管理庁長官から発言を求められましたので、この際これを許します。
○国務大臣(川島正次郎君) ただいまの附帯決議の趣意は、適当の機会に閣議等で私から申しまして、これを実行できるように、ひとつ努力いたしたいと思います。
○委員長(村山道雄君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(村山道雄君) 速記をつけて。 午後一時半まで休憩いたします。 午後零時三分休憩 ————・———— 午後一時五十四分開会
○委員長(村山道雄君) これより内閣委員会を再開いたします。 国家公務員法の一部を改正する法律案を議題といたします。本案については、すでに提案理由の説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。ただいま政府側より佐藤人事院総裁、大塚職員局長が出席いたしております。質疑のある方は、順次御発言を願います。
○鶴園哲夫君 この法案は御承知のように、衆議院の内閣委員長の提出になっておりまして、したがいまして、内容については、提案者に若干伺わなければならない点があるわけでありますが、きょうは百三条の若干の点につきまして人事院にお伺いをいたしたい。 まず百三条の第二項によりまして、簡単に申し上げまして、営利会社に天下ってはならないということになっておりますが、ただ、その次の項の第三項で、人事院が承認を与えた場合は、天下ってもよろしい、その場合は天下りと言わないのだろうと思いますが、就任してよろしいということになっております。さらにこれは一四——四という人事院規則ができておりまして、さらにまた一四——四の一項という細則ができております。これらの点について若干のお尋ねをいたしたいと思います。それは従来から役所の中では非常に問題になっている点であります。最近注目を集めたような点が出ておるわけでありますけれども、従来から公
○政府委員(大塚基弘君) お答えいたします。百三条の二項では、営利企業と国の機関との関係ということで、密接な関係とは何かというふうに私ども考えております。したがいまして、言いかえれば、利害関係——密接なと申しますからかなり厚い利害関係を持つというような場合と考えております。そこで、御指摘のとおり一四——四の一系列の規則の中では、この密接な関係というものを明らかにしてはおりませんのですが、規則一四——八のほうに——この一四——八と申しますのは 「職員が官職以外の職務又は業務に従事する場合」のことなんですがこの運用についての通達を出しておりまして、この中で「特別な利害関係」ということを一応通達で規定しております。そこを御紹介申し上げますと「『特別な利害関係』とは、補助金、外貨資金等の割当、交付等を行う場合、会社の設立、物件の使用、権利の設定等について許可、認可、免許等を行う場合、生産方式、規格、経理等に対する検査、監査等を行う場合、各種の統制を行う場合、国税の査定、徴収を行う場合等の監督関係もしくは権限行使の関係または工事契約、物品購入契約等の契約関係をいう。」まあ百三条のほうにおきましても、大体私どもがこうしたものを密接な関係というふうに解しております。
○鶴園哲夫君 これは国家公務員法のあちこちの関係のところを読んでみましても、密接な関係という点がなかなかはっきりしていない言い方をしているわけですね。今人事院の説明では一四——八のところを説明になったのですが、これはそういう意味では、行政法学者関係に少しばかり趣旨を宣伝をしておく必要がありますね、あいまいだと指摘しております。はっきりしない。今の人事院の説明だとはっきりしておらぬですね。これは各行政法学者が不安なようですね。 次に人事院が百三条の三項によって、人事院規則が定めるところで個別に承認を与えるわけですが、人事院からいただきました三十六年、三十七年の営利企業就職承認に関する審査状況という表を見ますと、三十六年は百六十件申請があって大体一〇〇%、オール・パスという、もっとも不承認五件ございますが返却は二件、まあしかしこの程度ですとオール・パスというものに該当します。昭和三十七年が百六十四件、この場合は不承認が二件、返却が八件とありますが、それにしても、申請したものは大体パスをするというふうに言っても過言ではなかろうと思います。ですが、これ以外に申請を出すまでの間にいろいろ各行政官庁と人事院と話があるのではなかろうかというふうに推定をし、推察をするわけですが、そういうものも相当あるわけでございますか。そういうものは少ないものであって、大体ここに出たものが第二項、第三項による審査状況ということになるわけですか。
○政府委員(大塚基弘君) お答えいたします。 お配りした資料の数字から見ますと、確かに三十六年におきましては、申請百六十件に対して承認百五十一件、三十七年は百六十四件に対して百五十六件ということでして、承認件数の比率をとりますと非常に高い。ごもっともな御質疑なんでして、しかしこれには、私どものこの申請に関します手続を申し上げますと、もう少しこの数字の意味が御理解願えるかと思いますので、その点を簡単に申し上げてみます。 まず私どもとしましては、この規則一四——四によりまして一般的に当てはまるというふうな一般的な基準というものは立てかねるのでして、個別審査をいたしておりますが、しかしなお、省庁と、それから営利企業との間でだれが見ましても非常に密接な関係がある、したがいまして、そういう場合には理由のいかんを問わず、五年間のうち何年かそういうポストに在職しているという場合にはこれは承認できないという場合がございます。たとえば自動車局長をやっておられて、それが自動車局長のままバス会社の役員の地位に移るというようなことは不承認ということはもうあらかじめきめております。したがいまして、こういう形でもってまず原則的に、何と申しますか、カテゴリーとしてだめなんだという場合が幾通りに各省庁についてございますので、これがつきましては、各省庁とも指導いたしておりまして、そういう申請はあらかじめ出ないということに大体なっております。 その次には、個別ケースとして密接な関係があって承認できるかできないかというところが、申請をなさる省庁側においてはっきりしないような場合で、事前に協議にお持ち込みになるところがかなりございます。その事前協議でもってわれわれといたしましては、正規に申請してもむずかしいだろう、承認はできないだろうというケースは、一応それを事務当局として明らかにしております。このような場合は正式な申請がなされないわけでございます。件数で申し上げますと、今正確な件数は覚えておりませんが、三十六年、三十七年及びそれ以前におきましても、大体十件と二十件の間、多いときは十七、八件、そういう件数がございます。これは扱いの上から申しましてよけいなことでございますけれども、一度営利企業のほうでもって、総会でもって役員に新しく選任するんだということをきめてしまってから、人事院の不承認になったということは、やめてからにしてもある意味では経歴にちょっときずがつくという格好になりますので、そういうことは避けたほうがよろしいのではないかということで、そういう指導をしておるわけでございます。したがいまして、そういう事前のふるいが二段階にかかったものとして、ここに提出いたしました数字が出てきておる次第でございます。 それから、数字そのものも多い少ないということも、別の観点から私ども申す点もございますが、その辺は略しておきます。
○鶴園哲夫君 今例としてあげられたような、当然密接な関係があるということで申請を見合わせる、その職につかないという点もあるというお話ですが、一応それは除きまして、申請の下交渉、あるいは事前協議というようなものは、これ以外に大体十数件、一覧表の下のほうに書いてありますが、そういう事前協議の段階で不承認とされたもの、申請を出して承認され、実質上不承認になったもの、そういうものを含めて十数件というような説明だろうと思いますが、それにいたしましても、パス率は非常に高い、はなはだ高いという印象を受けるわけです。申請しないでつく分が相当あるわけでしょう、関係ないだろうということで申請しないでつくものが相当あるのではないか。
○政府委員(大塚基弘君) これは国の機関と密接な関係があるということで、申請を出して承認、不承認ということをさせておりますので、お考えいただくまでもなく、たとえば官庁の守衛をやっておった者が、民間会社の守衛に移るというふうな意味では、営利企業へのそういう形で全く密接な関係が何らないという意味で職場を移動するという形のものは、これはかなりあるものと私ども思っておりますが、いまだその辺のデータを調査いたしましたことはございません。
○鶴園哲夫君 この今の問題については、御承知のように、国家公務員法の百九条の十三号によりまして、こういう営利会社に就職を、営利会社のほうへ行った者は一年以下の懲役とか三万円以下の罰金に処するということになっておるわけであります。実際承認しないで営利会社に天下りいたしておるということを調査されたりあるいは調べたりされたことがあるのかどうか。
○政府委員(大塚基弘君) ただいま申し上げましたように、調査はいたしておりません。しかし、大体においてその問題になっておられるのは、多くの場合、高級官僚の人事院に承認を得なければないないのは、行政職(一)の俸給表の三等級以下及び四等級以下でも役員に就任する場合というふうにして、人事院の承認を要することにいたしておるわけでありますが、この辺の方々の就職後の動向ということになりますと、やはり世間でもある程度わかっておることないしは同僚その他後輩等にも知れわたっておることでして、その辺の方々が全く国家公務員法に反したような形で就職されるというようなケースは、まず私どもはないと思っております。で、先ほど申し上げたように、その辺のところの調査をいたしてはおりません。 それからもう一点、先ほど、この前の御質問にお答えするときに、最後に、略した形で申し上げないと申したのですが、実はこの百六十何件というような数字のうちには約半数はいわゆる密接な関係というものは、私どもの申請の中ではない場合、たとえば権限関係が実際には全然ない。それから管区機関以下の機関、二次機関以下の機関でありまして、管轄が全然違っておられるような場合は、これはもうわれわれといたしましては、一応審査をいたしておりまして、そうして承認、不承認というふうな処置をいたしております。したがいまして、むしろほんとうにわれわれとして審査を要するような密接な関係よりも、ほぼ倍近い幅でもってわれわれ審査を行なっておりますので、その点から考えても御指摘のような調査を必要であるというふうには、われわれは今までは考えておりませんでした。具体例があがった場合には当然考えなければならないと思います。
○鶴園哲夫君 この密接な関係があるというそれをはずして天下りをして、この法律では二年後には自由になるわけでありますから、二年後にその目的のところに行くという話も間々聞くわけです。そういうのも実際上私はあるというふうに思うのです。そこら辺のことはやはり人事院としてこれはなかなか調査もしなければならないし、たいへんだろうと思うのですが、ただこれには先ほど申し上げておりまするように、国家公務員法で厳重な罰則がついておる。罰条がついて、一年以下の懲役と三万円以下の罰金という罰条がついております。国家公務員法にこういうようなものが三十幾つ罰条がありまして、たいへんなんでありますけれども、しかし、これは第百三条の第二項の例をとってみましても、これは懲役一年、三万円以下の罰金という、そういう非常にきつい締め方をしておるわけでありますね。その場合に、何か調査をするだけの経費がない、人がないということにもなりましょうし、ということで、少し私はこの点について運営がまずいようにも思うのですが、これだけの罰則がついている割には。さらにまた、当然申請しなければならぬようなものが、申請しないで行ってしまう。その場合の調査も、今の人事院の陣容等では、なかなかできがたいであろうと思うのでありますけれども、そういうものも私ども、近い例も承知をいたしておりますが、そういうふうなものも、なかなか調査をするそういうあれがないと思う。それは少ない例でありましょう。非常に少ない例でありましょうけれども、そういうものがやはりあるというふうに私どもは考えているわけです。 それは一応おきまして、次にこれは罰金を課することになり、一年以下の懲役に処することになっているのですが、そういう例が現行法律が施行されて、今、十五年になるのですが、昭和二十三年の末以来約十五年の間に何件くらいあったものか。
○政府委員(大塚基弘君) 百三条関係では全然ございません。ただ、念のために申し上げますが、御承知のとおり、規則の規定にございまして、二年間にわたりましては、少なくとも非役員の地位から役員にかわる、あるいは役員の地位でも仕事の性質の違う地位にかわるというような場合は、再度人事院に申請して承認を得なければならない建前になっておりますので、非常に少ないケースですが、なお二年間にそういうことがあった事例もございますので、われわれとしては、この三等級以上に関しましては、いわゆる法の精神を無視したようなことが実際に起こっているというようなことは寡聞にして耳にしていないということでございます。
○鶴園哲夫君 罰条はあるけれども、今まで一回もその罰条は行なわれたことがない、まことにけっこうな話であります。 次に、今、答弁の中にありましたように、承認を受けて就職をしても、二年以内の場合においては、先ほどのお話のように、人事院に再申請をしなければならぬというのですが、そういうような例が今までにどの程度あるものか、この十五年の間に、大体の感じでいいんです。
○政府委員(大塚基弘君) 実は手元には十数年間のはございませんので、昨年だけを当たって見ましたのでは昨年中三件でございます。
○鶴園哲夫君 昨年三件、そうすると、一年間に百五、六十件天下る、二年間というと三百人くらいの人がおりるわけですが、その中で三件なんというと、これはまことにお恥かしい話ですね。 さらに今、先ほどの答弁の中に、こういうように三等以上については人事院で直接承認をしておられる、それで四等以下につきましては、人事院としては各省庁にこれを委任している、さらに各省庁は、今度は上級の職員に委任をしているというのが、この人事院の規則の一四四の六項に出ております。それで人事院が各省庁に委任している四等以下の問題について報告をする義務はないようですね。ですからどういうふうになっているのか、人事院としてもなかなか判断のしにくい点もあろうと思うのですが、ただ次の第七項に人事院は委任しておる——所轄庁の長に委任しておりますですね、それが与えた承認でこの規則に違反した場合、そのときは人事院がこれを取り消すことができる、こういうことになっております。取り消されたような件数がどの程度あるものか。
○政府委員(大塚基弘君) 最後の件数の御質問でございますが、実は今までに取り消された件数はございません。しかし、その前のお話がございましたので、その辺の取り扱いを簡単に御説明申し上げておきます。四等級以下でももちろん役員の地位に就職する場合には、人事院で審査を行なって承認を与えなければならないということになっております。これは規則に規定してございますので、御承知のとおりだろうと思います。それであと報告をするようにというふうなものは、規則等に出てこないじゃないかとおっしゃいますが、この点は、その取り消し権でございますので、在来毎年報告させるようにいたしております。実は昨年からはこの報告を年二回、六カ月ごとに切りかえまして、二回報告をとる、これは一昨年あたりから人事院の扱っております三等級以上及び四等級以下の役員就任の場合も非常に件数がふえて参りましたので、この際やはりその辺をもう少し人事院としては十分監督できるようにという意味で、報告の回数を二回にいたしました。その内容について、一応われわれとしては書面審査を行なっておりますし、それから特に件数の多い省庁、たとえば国税、運輸、大蔵本省、通産、建設というようなところに関しましては、昨年度からは係官がおもむいて、十分指導を行なっていくということにしておりまして、今申し上げた省庁に関しましては、三十七年から係官を派遣して指導しております。
○鶴園哲夫君 これはいろいろ今お伺いをいたしたのですけれども、どうもこの法律の百三条の第二項は、これは営利企業の役員の地位、これは評議員まで含めてですね、役員それから顧問もしくは評議員、そういうものについてはならないと、こう規定してある。そうしてそれについたものは、一年以下の懲役、三万円以下の罰金と、罰条まで課してある。 しかしながら、実際はどうも次の第三項の人事院の承認を与えた場合いいということでぞろぞろ承認を与えた。若干の例外はあるけれども、これは例外にすぎない。それから罰条にひっかかった者もないようなお話ですが、何せ十五年間ないというお話、はなはだおめでたい話なんです。それからあと人事院規則によりまするところの一四−四の第八項に出ております二年以内に移った場合、二年以内の場合は承認を得なければならないことになって、再申請しなければならぬというのですが、これはどうもあいまいな形に置いておるのじゃないかと思いますし、また、一番数字も多いのでしょうけれども、省庁に委任されておる場合なんかを見ましても、人事院が権限を持っておる取り消した例は一件もないということになりますと、どうもきわめて法律はざる法である。 しかも運営もはなはだしくざる運営をしておる。みんな漏らしておる、みんなと言わなくても何かそういう印象を強く受けるわけですね。ですから何か有名無実のような気持がするのですね。私そういうふうな感じを持つということについて、人事院のほうの御感想をお聞きしたい。ざる法であって、ざる運営をやっておるこれじゃみんな逃げちゃうというような感じを受けるわけです。
○政府委員(佐藤達夫君) 鶴園委員のお言葉によりますと、まことに哀れなことになりまして、私どもいても立ってもいられないような感じに追い込まれるわけであります。それで、結局いかにもざる運営をやっておるのじゃないか、これは結局のところ、最初の入口の問題が私は大きなポイントになると思います。かつて私どもも高等試験委員の制度がありましたころに、いわゆる特別任用の選考ということをやっておりましたけれども、大体正式の選考書類として持ってくるものは必ずパスするという形になるのですが、しかし、先ほどの局長の話にもありましたが、大体そういうものについては、初めから見込みのないものは各省のほうから持ち出さない、多少あやふやと思われるものは正式な書類が消されることを待つまでもなく、事前に事務的の相談に来るというのが行政一般の私は実態であると思うわけであります。そういう意味において、初めからもう各省間で差し控えておるものがどのぐらいあるかということは数字に出せませんから、何とも申しわけありませんけれども、そういうものである。しこうして出て参りましたものは、私どもとしては、やはり公正に誠意を持って審査をして、そうしてこれはいずれ世間にも知れることでございますから、見えすいたことをやれようはずがないわけであります。誠実にやって参っております。それから今のように、全然もぐりで脱法的な行為というものがどのぐらいあるか、これは調査をいたしておりませんというのが常識であります。常識でございますけれども、常にわれわれとしては、やはり注意は注いで常に関心を持ってやめた人々の行く先を注視はしておるということは申し上げておきたいと思います。そういう意味での努力については至らぬところがあるかもしれませんけれども、主観的には努力をいたしておるつもりであるというふうに申し上げさしていただきたいと存じます。
○鶴園哲夫君 総裁、私は百三条があるということを承知しておりますが、しかし、そういう内容に立ち入って公務員全体ほとんどの者が知っていないと思うのです。私もこの一覧表をいただきまして、はあこの程度しかないものかと実はびっくりしたわけです。詳細に見てみたらなるほど四項以下は当局にまかしておる、各省庁にまかされておるのだが、各省庁にいたしましても、自分で自分のことをやるのですから、これは相当のものだ。だからそれをお取り消しになった例がありはしないか——これは人事院規則によると取り消すことができるということになっております。取り消しは幸いにないようであります、この十五年の間に。そうなるとどうもざる運営なんだという感じがするわけです。ですから実際上一般に受ける印象としては、こういう法案が出てくるのは意外な感じを持っておるのじゃないでしょうかね。どうも私の感じでは、今お伺いをした範囲ではざる運営になっておる。何せ懲役を課しているのですからね、罰金を課しているのですから、それがそういう運用では、これをもし公務員全体がこういうことを承知したら、これはちよいとばかり、総裁、洋視をしておる、関心を抱いておるということでは片づかないと思うのですよ。ということは国公法によりまして、先ほど申し上げましたように、三十幾つの罰条がございますが、罰金並びに懲役を課しておられる、その中のある特殊なものについてはきつく出てくる、こういうものについては何か間が抜けているような印象を与えるということは、はなはだしく当を得てない話なんです。ただ、就職の自由とかなんとかいう問題になりますと、これがそれ以外の人権の問題についても全部当てはまるわけですから、これは私は理屈にならないというように思います。ただ私もう一つ伺いたいのは、人事院規則の四−四の四項に「その者の任用又は離職について特殊な事情が存在し」というのがありますね。この特殊な事情というのはどういうことでありますか。
○政府委員(大塚基弘君) あまり多いケースではないと思いますが、一般の行政整理あるいは定員の改廃等の点は、この項よりも前のほうに規定がございますので、ここで特殊の事情と申しますのは、あまり多い例ではないかもしれませんが、民間の営利企業から経済官庁に一定の年限を約束して就任していたと、その約束の期限がきたというような場合には、当然もとの営利企業に戻るというのが当然だろうというようなこと、それからまあ、前の行政整理のような場合も除きましても、本人の意思でなく、客観的に離職が迫られているような場合、たとえば最近の高級人事におきまして、ある場合にはトップ・レベルの者の何人かが勧奨退職といいますか、ともかく退職せざるを得ない、勧奨退職のような形、あるいは任命権者からそうゆうことが勧奨されるような場合がございますわけですが、そうゆう事情をさしております。それ以外にも全く別に職員自体で特殊な事情というものは一、二考えられないこともないと思いますが、大体においてそうゆう場合、特に勧奨退職の場合というのをわれわれとしては考慮の基準の一つとして考えております。
○鶴園哲夫君 これは今任用は別にしまして、離職について特殊な事情という、特殊の事情というと、今お話のように、勧奨みたいなものですね。しかし今、今日高級公務員、これは部長なり局長なり次官なりというところは、これはやめるときは全部勧奨でしょう。病気でやめる人はない、やめるのもありましょうけれども、そうゆうのはない、大体病気をしておっても、どこかしばらく審査官とか参事官とかいうようなことで置いておきますが、実際やめるときは勧奨ですよ。大臣に呼ばれて、どうだ君、この辺でひとつやめてくれないか、こういうことになるわけですね。そうしますと、それはこれにひっかかるわけですね。みなひひっかかちゃう高級公務員は。そうすると、それは認定をする就職してもいいという条件の一つに入るわけですか。
○政府委員(大塚基弘君) ここで条件は二つしかございません。お読みのとおり、特殊の事情が存しそれからまた、法精神に反しないということなんでして、われわれは両方の点を基準として考えておりますが御指摘のとおり、一応勧奨退職というものはこの特殊な事情に入るというふうに見ておるのです。これは私から申すのも何ですが、もともとこの法の精神そのものはやはり在職中に営利企業と特殊な関係を結んでおいて、勧奨退職というな格好ではなく、自分から何年かたてばその営利企業の地位につくのだくいうような工作、公務の公正を害するような工作をやるのをチェックするという精神で一応法は立法されていると思いますので、現実に高級公務員が離職する場合は、勧奨退職が大部分であるということになりましても、その辺は法の解釈からいってはそれほど不自然ではないのではなかろうか。 それから、お話の反論をいたすようでございますけれども、やはり高級公務員の場合でも、私どもの場合その勧奨退職でないものでも申請は当然ございますので、勧奨でない申請というものも、数は多くございませんけれども、出てきておることは確でございます。念のために申し添えます。
○鶴園哲夫君 ここでもどうもざる的に考えられますですね、ざるみたいな印象を受けますね。どうも全体として見てどうも運営はざる法みたいな運営の印象を受けるわけですがね。そこでもう一つ人事院規則一四四ですね、これは非常に重要なわけなんですけれど、この内容を見てみますと、あちこちに、二十五年から実施することか、あるいは二十九年から実施するとかあるいは三十一年から実施するとかいうようなカッコ書きしているのがございますね。これはその前までは、こういう条項については放置してあったという意味ですが、改正をしたという意味ですか。
○政府委員(大塚基弘君) どうも不勉強で恐縮ですが、今一々このカッコ書き入っているのを私記憶しておらないのですが。大体においてそのつど改正されてきたということだろうと思います。一部中には前例によった、それまでは前例によったということではないかと思います。
○鶴園哲夫君 人事院規則というのは御承知のように、場合によると、法律にかわるくらいの重要性を持った規則が多いわけですね。それで、この場合もやはり罰条を課している、懲役を課しているというこの運営するものでありますから、ですから本来はやはり法律でやるべきだと思います。けれども人事院は広く準立法的なものを持っておりまして、したがって、こういう重要なものは人事院規則で出るわけですけれども、その場合に、私の拝見いたしました印象では、これはどうもそれまではほうってあったのじゃないか。そうして二十九年ごろからあるいは三十一年ごろからあちこちありますが、というのもあるのではないかという、今局長のおっしゃったようなものもあるだろうけれども、それ以外に野ばなしにしてあったところもあったのじゃないかという私は気がするわけです。それで、本来この条項については高級公務員の非常な反撃があったわけです。今日のごとく、何か私どもが見てざる法であって、しかもざる運営になっているというような印象を与えざるを得ないというのは、そういう意味の攻撃がやはりあったからこういうことになったのじゃないかというような印象も受けるわけです。その点はいかがでございますか。
○政府委員(佐藤達夫君) 経過的なお話になりましたので、ついでに申し上げておきたいと思いますが、この国家公務員法が大改正で昭和二十四年に改まります際に、この条文が非常に厳格になったことは御承知のとおりですが、そのときにわれわれたまたま立案の衝に当たっておりまして、この種の規制というものは一体憲法上どうなるだろうと、実は公務員たる身分を失った後、すなわち、平民になった人の就職をここで制限しようというのですから、実は公務員法の分野の問題ではないので、一般の営利企業への就職の制限の問題として、これは出てくるであろう、しかも、大きな罰則までついておる。何のために公務員法の分野にこれが取り上げられてくることになるのかという点に一応疑問をもちまして、憲法上の職業選択の自由との関連をどう説明するか。公務員である者が兼職をするという場合には、もちろん職業選択の自由も何もございませんから、これを規制するのはいいのですが、平平民になった者の職業選択の自由を規制する。罰則まで書いて規制する。よほどはっきりした説明がつかないと憲法の自由の制限になりはしないかという角度から、一つの問題を出しまして、そしてたまたまただいま職員局長が申しましたように、在職中に盛んに自分の天下り先を開拓して、便宜を供与して、いざというときに自分が離職してそこに天下りする。これは結局公務員在職中に非常な不正なことをやらせる大きな原因になる。これは公務員の秩序の問題として由々しきことである。それを取り締まるということから憲法上十分説明できるということで参りました。したがって、先ほどの規則にあります任用の際に特殊の事情、たとえば営利会社から役員になってくれということを頼まれて、それをやめてもとの古巣に戻る場合はいいじゃないか、離職の際、心ならずも定員の縮減でやめさせられる。勧奨をして退職さす。自分で開拓して自分でやめるというのとは違うというところが、この規則の節々にそういう点が出ておるというわけでございます。その辺の調和をいろいろ考えてこの規則ができてみるということになりますと、ざる法という御批判も確かに一つあるわけでございますけれども、公務員のこの分野の問題としては、あるいはある程度のざる法的な外見を呈してもこれはやむを得ないのじゃないか。何も弁護するわけじゃございませんけれども、当時そういう考え方をしておった、それが今の規則の表にところどころ出てきているというような見方が私はできるのじゃないかという気がいたしますので、これは過去の思い出話を申し上げたわけで、今日これはどうということを決して申し上げてみるわけじゃございませんけれども、そういう考え方も一時はあったということを申し上げておきます。
○鶴園哲夫君 総裁、そういうお話はまことにけっこうな話なんですが、先ほど申し上げましたように、国家公務員法には三十幾つの罰条があるのです。政治活動の問題にいたしても、いろいろな面について罰条を課しておる。今お話しになったのと、百三条といずれもほぼ類似のような反論ができる条項なんですよ。ところが、今私申し上げましたように、百三条についてはどうもざる法的な感じがする。ざる運営的な感じがする。これは不均衡だ、それ以外のものと比べまして不均衡だという印象を抱くわけです。総裁、今おっしゃいましたように、経過を、昔話をお話しになりましたが、そういうことはすべて適用するわけでして、政治活動の面について、それ以外の問題についても、その当時はこれについてもそういう論議があった。ですが、この点についてどうも私どもとしては、不均衡のような印象を強く受ける。それはいいことにいたします。 次に、これは、これと直接関係はないのですけれども、午前中に行政管理庁設置法を審議いたしました際に、そのときに公団、公社、事業団、公庫、こういう百近いものについて今回行政管理庁がそれについて審査権を持つということになったわけです。それはあまりに高級公務員が退職をして何か自分の行くところを作るために、そういうようなものを作るという印象を与えるくらい、一年に七つか、八つくらいふえている。ことしも八つできました。そういう意味で非常に問題があるという点から種々論議したのです。そのときに、どうも局長なり、あるいは次官なりをやられた方々が続々そういうところに行かれる。今の人事院の、営利会社もそうですけれども、それ以外に公団、公社とかに続々天下る。横すべりする。ひどいのになると、大蔵省というのは、大蔵省をやめたという辞令が出るとその隣には、どこの公団に行ったという辞令がある。もう省内人事と同じようなものです。その場合、私非常に疑問に思いますのは、大体各省の課長連中で少し古くなりますと、もう営利会社や、あるいは公団に行くことを盛んに孝えている。今われわれ月給は低いけれども、あと五年くらいしてそこに行けば月給は一ぺんに二倍から三倍になるのだ。確かにそうです、二倍から三倍になる。そして退職金も公務員にいる間は。御承知のように、年単位で退職金をはじきますけれども、公団の理事とか監事になりますと、退職金は月単位ですから、二十五年勤めて二百万円もらったとしますと、公団に行くと一年勤めれば二百万円くらいもらう、月単位ですからけたが違う。そしてそれもだんだん公団の中にも年功序列ができまして、お前ここに三年くらいおったから、その次にちょっと上の公団に行け、もうちょっと上の事業団に行けということでやめるんですね、上の公団に行くために五百万か六百万の退職金をもらう。仕事はどうも隠居仕事みたいになっちゃう。この間、機械開発公団なんというのは、あの小さな公団で、百八十人くらいおる公団で一億六千万円くらい赤字が出ちゃった、その理事長がやめた、五年勤めてやめたのですが、一千万円の退職金をもらった。そして今度はもっとでかい愛知用水公団の総裁になっちゃったのですね。また、これは五年おったら今度二千万円くらいの退職金をもらう。これは公務員は、実際公務員でおるときには非常に低い賃金で苦労しておるのですが、ここに行くことがぜん天国になっちゃうですね。みな、高級公務員のパラダイスと言っておりますよ。で、九九%の大多数、圧倒的大多数の公務員というのは、それこそ一生涯かかって、ぐずぐず、ぐずぐず生活をするわけです。恩給をもらってみても、これは昔と違いましてどうにもならない、退職金もちょっぴりなんですよ今の退職金では。ところが、今の高級公務員については、高級公務員でも、人事院、会計検査院、国会とか、そういうところはございませんけれども、それ以外のところは大体、持っておるんですよ。百くらいあるのですから、みんな持っていますよ、そういうところはパラダイスになっちゃうんです。だからあまり人事院で給与を締め上げるものだから、そういうパラダイスを作るのじゃないですか。そういう印象すら抱きますよ、実際そう思っているんじゃないですか。大多数の公務員は生涯ぐずぐずしなければならない、窮屈三味の生活を送る。この連中だけはパラダイスですよ。たいへんなことですよ、これは私は、公務員制度として考えなければならぬのじゃないかと思うのですがね。というのは、大体五十になるとやめるのですね、八年くらい前までは。私も役所におりましてよく承知しておりますが、八年くらい前は四十四だったですよ、次官は。今は少し延びまして五十になった。非常に喜ばしいと思いますが、もっと年令を上げまして、せっかくこれからという活動時期ですから、もっと年令を上げて月給もぐっと上げて、公務員として生涯過ごしたいという者は、公務員として生涯過ごせるような待遇とそういう道を開いていかなければ、これから公団、公立が続続出てくるのじゃないか。これは公務員制度というのを非常に乱しておるように私は思うのですね。さらに今度は百近くあります公団からまた天下るのですね。利益に密接な関係のある百三条のような営利会社にどんどん天下る。公団、公社の理事長とか、理事とか、監事とか、監査役とか、あるいは部長という連中は、そういう営利会社に続々天下りするのです。電電通にしますと、その周囲にめぐっている営利会社は一ぱいある。そこに天下るわけです。何だか高級公務員については生涯うまくいくようになっていますね。パラダイスですよ、大体四十五才をこしたら、そんな印象を強く公務員に与えるということはよくない。だから公務員制度というものを、あるいは公務員給与というものを考える必要があるんではないか。これは日本だけじゃないでしょうか、五十ぐらいでみんなやめるというのは。これからというときにみんなやめてしまう。だから、どうも妙なことをしたもんだと思っているのです。これは本来の建前というものは、しらがの局長がおり、しらがの次官がおるということが公務員だと思う。これは終身公務員なんですからね。ところが、実際は終身じゃないんですよ。そういうことについてのお考えはないものでしょうかね。これは人事院総裁に見解をひとつ聞いておきたいですね。
○政府委員(佐藤達夫君) お話し、全く同感のところと、それほどでもないというものと二通りございますから、一応申し上げます。公団の職員の給写が非常に高い、同じ総裁にしても、われわれふぜいとは比べものにならないほどの給与の差があるというような点は確かにございます。ただこの点は、やはり制度として——これはもう釈迦に説法で、たいへん恐縮でございますけれども、やはり公団制度というものがあります以上は、私企業と、官営企業との中間というところから、広くエキスパートを吸収するというところからおそらくきたのであろうと思います。給与そのものをつかまえて、じゃあ公務員の給与のほうも公団に負けないようにひとつ大いにやるべきだというようなことになりますと、やはりそこのところは、ここでにわかにやりますとはっきり申し上げるだけの自信並びに勇気はございませんが。しかし、もう一つの根本のお話しになって参りますと——若くして公務員がやめる、これが今のお話のいわゆるざる法と称せられるもの、運営のざる、法律のざるというような御批判のあります点の、大きな背景になっておると思うのです。これはたまたま人事院の所管ではございませんけれども、今のお話の公団、公社に、いわゆる悪い言葉でいえば、天下る、役人が天下るというような点もそういう一つの大きな背景からそれはきているものであると思います。さらに言わせていただきますならば、人事院が幾らしゃっちょこ立ちしても、その辺まではとても手が及ばないというような言い方もできるのです。 もう一つ、われわれの立場として考えなければならぬのは、やはりもう一つの今御指摘の根本問題——しらが頭になるまでキャリアの終身の職員として永住する、その地位に長くとどまって公務に奉仕することができる、そういう体制というものをどういうふうにしたら保障、確保することができるか、これを一番の根本問題として、また、これはわれわれ自身の問題として正面から考えなければならぬことだと存じておるのであります。私もその点につきましては、何か制度上の問題——私どもは主として制度上の問題を考えるわけでございまして、制度上の問題としてその方法があるかどうかということもこれは考えて、おるのでありますが、これはいろいろな条件、あらゆる条件がからみ合っておることでございまして、今にわかに、なかなか抜本寒源的な名案というものはございませんが、これは確かに一つの大きな課題として、なお今後追求していくべきことだろうと、私自身感じております。
○鶴園哲夫君 総裁、先ほど申し上げましたように、七、八年前までは四十四才であったのですよ、次官をやめる年令にしてもね。それが今日五十をこしておりますから、もうちょっとふやせばいいんですよ。ですから、同期の者が二人ぐらい次官になれば、逐次延びますよ。六十ぐらいに延びればいいのですよ。そのかわり、給与もうんと上げなければいけない。それはやはり五十五に相当し、六十に相当する、そういうものとしての給与を出さなければいけない。それからこれは少しよけいなことになりますけれども、総裁、公団の監事とかあるいは役員ですね、そういうものが非常に月給が高いわけですよ。退職金はべらぼうにいい。ところが、その下に働いている職員というものは、ほとんど全部公務員が行くわけです。また、帰ってくる場合も多い。帰ってきます。公務員が行くんですが、これは給与はそんなに高くないですよ。一割五分か二割ぐらいしか公務員より高くない。その相当数の者は、大部分の者はまた帰ってくる。だから、そういう運営で、この公団の役員というものと、そこに働いている職員というものは何か非常な離れた存在になっているわけですね。そうして、それはいずれも公務でありますから、一種の公務ですからして、それなりの職務——公正さとそれから公務を遂行する義務を負わされている。ところが、これから天下る場合は、これはまた野放しという状況なんですね。幾らでも天下る。どこも押えるところがない。それはまた行政管理庁は、弊害があるならこれは立法せにゃいかぬ、こう言っておりましたがね。何だか私は、公務員の給与の問題にしても、あるいは制度の問題にしても、問題があり過ぎる、公務員はかわいそうだと思いますね。まあ、今のところあまりはみ出しても困りますから、私は以上御質問申しまして私の質問は終わりたいと思いますが、その前にもう一つだけ、この人事院からいただきました一覧表を見ますと、一番申請の多いのは、いわゆる営利会社に天下りの申請を出しているのは大蔵省が一番多いのですね。その次が運輸省、それから通産省、こういう順序になりますね。全くないところがあるわけですね。これは人事院とか、それから行政管理庁とか——行政管理庁も最近あるようですね。監査役に、行政監察というのをやるものですから、監査に向いているというので監査役が出ているようです、四、五人。ですが、人事院とか、会計検査院とか、国会、こういうところはないわけですね。そういうところの高級公務員というものは、これはどうも同情に値しますね。全部がそういう状況になっている中で、ごく一部のものがそういうものがないところがありますね。はなはだ私は同情にたえないのですね。これもどうも一この間行政管理庁へ行きまして、そういう話をしましたら、ないほうが公務員としてはいい仕事ができるのだとおうしゃる。そのとおりです。ところが、それがみんなあるわけですからね。どうもこれは一体公務とはどうなっておるのかという疑問を持つのだけれども、給与というものはそういうものを勘案してできないものですか。だってパラダイスを控えているのです、大きく門をあけて。そこへ当然のごとく進出する者と、実際行けない行とあるわけですよ、それは考えられませんか。
○政府委員(佐藤達夫君) どうもエキスパートであらせられる鶴園委員からの御質問でありますから、どうも答えにくいのでありますが、これはもう大体お察しのとおりとお答えするほかはないのじゃないですかと思います。
○鶴園哲夫君 はなはだこれは不均衡ですね。私の質問は終わります。
○委員長(村山道雄君) ちょっと速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(村山道雄君) 速記をつけて下さい。 他に御質疑はありませんか。——他に御発言がなければ、本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時四分散会