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43回国会参議院1963/06/06

内閣委員会 第22号

発言数
216
登壇者
14
会派数
3
開催日
1963/06/06

会議録

村山道雄自由民主党

○委員長(村山道雄君) これより内閣委員会を開会いたします。  総理府設置法等の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き、これより質疑を行ないます。政府側よりただいま徳安総務長官が出席いたしております。質疑のある方は、順次御発言を願います。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 それじゃ最初に、この宇宙開発審議会のことについてちょっと……。  それじゃまだ政府委員の方が見えられぬらしいので、一応宇宙開発審議会はあとに回しまして、先日、この前の委員会で、総理府総務長官と内閣官房長官認証官の問題で、民社の田畑君といろいろ質疑があったのですが、僕はちょっと変わった見解を持っているのですがね。この内閣官房長官とか、総理府総務長官の方々を今さら認証官ということは、なるほど形式的には重みをつけるようだが、逆に僕らも大臣と同じ考え方で扱っているのです。もしそういう考え方でなければ、きょうも総理府のこの設置法をあげる場合には、大臣の出席を求めるなら、総理大臣に来てもらわなければならぬ。今までそういうことをやっておったのだが、岸総理のときにいろいろ問題がありまして、やがては総理府総務長官も大臣にすべきである、またその格式があるのだということから、総理府総務長官を大臣扱い、実は本委員会では認めてきているのですね。だから認証官ということは、そう徳安さんはそんなこと考えておられぬと思うのですけれどもね、そんな必要ないと思うんですがね、あなた、そういうことを要求されたというわけじゃないでしょうね、その点ちょっと。

徳安實藏自由民主党総理府総務長官

○政府委員(徳安實藏君) まさに御好意のあるお話で感謝いたしますが、私自身のことでありますから、そういうことを要求したわけでもございませんし、皆さんの御好意に甘えて、それではそういうことにしようじゃないかという閣議の決定に基づいて出しておるわけでありまして、私自身は、そういう考えでしておるわけじゃございません。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 で、今、実質的にはほとんど変わらないと思うんです。若干月給が上がるかもわかりませんけれども、それもそう問題にならないと思うんですね。旧七帝大の認証官の問題とは私は全く違った意味でこれを見ておるんです。だから、われわれもこの設置法については賛成の態度をとっておるんです。したがって、そういう意味で、今さら認証官というような形でやることは、むしろ私は重みを下げるんじゃないかという気持をしておるんです。願わくば、いろいろ問題がありましょうけれども、かつて問題になったように、早く国務大臣という形に検討されたほうがいいと思うんです。これはあなたに質問するのはどうもおかしい。池田総理に言わなければならぬと思いますが、機会がないんですが、政府ではそういう考え方はないんですか。

徳安實藏自由民主党総理府総務長官

○政府委員(徳安實藏君) ちょいちょいそういうお話も承っておるわけでありますが、現在十七名ございまして、国務大臣が担当せねばならぬ仕事が二十一ございます。ですから、一人で二役をしなくちゃならぬような場合もありますので、できることなら、そういうような矛盾を解消するためにも、今のお話のような点も私どもとしては、望ましいように思うのですけれども、そう国務大臣の数をふやすということは、やはりたいへん困難な情勢だということでもございますので、歴代内閣が御遠慮申しておるという形にあるんではなかろうかと思います。同時に、まあ私どももそうした柄でもありませんから、そう大それたことは考えておりませんが、今回、こうした問題が出ましたのをきっかけに、まあ格上げしてやろうというようなおぼしめしでこういうようなものができ、また、私どももこれまでの仕事の関係から考えまして、私どもはどうありましょうとも、次にすわられる方につきましても、やはりそうした制度があるわけでございますから、そうしていただければ非常にしあわせではないかと、こう考えまして同意をしたような次第でございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 これは御本人であるから非常に話がしにくいんですが、まあそういう自分のことでないという、政府自体の問題として受け取っていただきたいと思うのですが、おそらく将来とも官房長官、総理府総務長官というのはやはり国会議員をあてられるということが慣例のようになっていくと思うのです。しかも、その仕事の内容というものはきわめて政治性の強い職務でありますから、一般の公務員とはやっぱり歴然とした区別があると私は見ておるのです。一般の公務員が総理府総務長官なり官房長官をやって、おそらく私はあの政治性の、むずかしい仕事を負担させるということはできないと思うのですね。ちょっと時期を忘れましたが、総理府総務長官の問題についても、相当本委員会で私は質問した覚えがあるのですが、なるほど大臣の数をふやすということは相当問題がありますが、決して憲法を変えなくちゃならぬというわけじゃないし、必要があれば私はそうされたほうがいいと思うのです。認証官というような形でやられると、一般に国民は、内閣官房長官なり総理府総務長官というのは閣議にも実際出席しておる。閣議の構成メンバーではないけれども、閣議に出席しておるし、すでに政府の一員だという認識でおるのです。今さら認証官というと、何かこれは一般の公務員であったのかというような、今までの考え方がかえって軽くなってきたような印象を与えるのではないかと思うのです。この点について、これ以上言いませんが、いずれまた機会があれば、総理大臣に私はこの点を言ってみたいと思うのですが、そういう意味から、この法律案全般について、私は反対という意向は表しませんが、今さら官房長官なり総理府総務長官を認証官ということについては、私は賛成の意を表しがたい。だから、その点ひとつ十分総理にも伝えていただきたいと思う。

徳安實藏自由民主党総理府総務長官

○政府委員(徳安實藏君) 承知しました。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 それでは、宇宙開発審議会の方は……。

村山道雄自由民主党

○委員長(村山道雄君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

村山道雄自由民主党

○委員長(村山道雄君) 速記をつけて。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 宇宙開発審議会が昭和三十五年に設置されましたのですが、その当時も、本委員会で若干論議をされたと私は記憶しておりますが、その後、この宇宙開発については相当いろいろと進んでおるように聞いておるのですけれども、この宇宙開発審議会における今までの審議の状況、また、その審議において、決定というか、答申と申しますか、そういうことをされた結果、政府がこれを取り上げて実際に宇宙開発についてなされた仕事の重要なものについて、ひとつ御説明を願いたい。

芥川輝孝科学技術庁研究調整局長

○政府委員(芥川輝孝君) 宇宙開発審議会が設置されましたのは昭和三十五年の春でございまして、それで第一号諮問は、三十五年の六月十日に総理大臣からされておりまして、宇宙開発推進の基本方策、そういう諮問でございます。それに対しまして答申は、三十七年の五月十一日に出されております。その間、約二年かかっているわけでございます。それから第二号諮問は、第一号諮問と同日の三十五年六月十日になされております。これは昭和三十六年度における宇宙科学技術推進方策という諮問でございまして、それに対する答申は、同じ年、つまり三十五年の十月三日に出されております。  それでこの諮問の題名でおわかりになるように、第二号諮問のほうは、大体昭和三十六年度とりあえずという程度でございますから、こちらのほうはちょっと省かせていただきまして、第一号諮問のほうは、基本方策いかんということでございますので、その内容といたしましては相当膨大なものでございますので、きわめて簡単に申し上げさせていただきますと、第一点は、世界の宇宙開発の状況にかんがみて、日本が宇宙開発に乗り出すべきであるかどうかという点を一つの大きな問題として、そうして結論は、科学開発並びに実用開発について相当決心を持つ、と申しますのは、五カ年計画をまず考えて、そうしてそれに続く長期計画というものも考えて進めるべきである、というふうな答申でございますが、ただ若干、それだけに幅の広い、網羅的でございまして、なおまた、周囲の情勢も、どこに中心を置くかというあたりについては明確にできなかったような状況でございまして、若干幅が広過ぎたというような点がございます。そこで、その後も御承知の世界におきまする宇宙開発の現状にかんがみまして、大体方向性その他も相当はっきりしたのではないかというあたりで、そこで第三号諮問といたしまして、ことしの一月三十日に、宇宙開発における重点開発目標とこれを達成するための具体方策いかん、という諮問が出されまして、それをただいま審議中でございます。  それから第一号諮問の答申によって何をしたかという点でございますが、先ほど御説明申し上げましたように、宇宙の開発を相当本腰を入れてやるべきであるというようなことから科学技術庁の設置法を改正いたしまして、科学技術庁におきまして宇宙の利用推進をはかる、そういうふうに改正いたしまして、これは四月一日からそのとおり実施しているわけでございます。それからこれは法律によりませんが、昨年の九月に各省合同の連絡調整会を設けまして、そうして宇宙開発が各省に非常にまたがっておりますので、そこで統一をして、絶えず連絡をとる必要がございましたので、これを設けましてその推進に当たっている、そういうふうな体制を固めたわけでございます。さらにただいま総理府の中の宇宙開発審議会につきまして、諮問に応じて答申するということでなく、この宇宙の開発のテンポが非常に早いものでございますので、したがって、宇宙開発審議会の積極的な活動というような点も期待いたしまして、答申によらないでもみずから開発審議会の委員長が審議会を招集いたしまして、そして総理大臣に対しまして意見を述べることができるように、法律を、総理府設置法を変えていただきたいというふうなことをお願いしておるわけでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 聞きおくれましたが、この審議会の構成メンバーはどういう方なんですか。もちろん科学者が多いと思いますが、どういう方々ですか。

芥川輝孝科学技術庁研究調整局長

○政府委員(芥川輝孝君) この委員会につきましては、御承知のとおり、委員の任期が二年でございますので、現在の委員会の構成を申し上げます。名前を一々あげますのを省かしていただきまして、関係行政機関の次官、それが七名でございます。それから学識経験者といたしまして、ユーザーの立場、つまり使用者の立場という方面、それからこれを研究しております大学、私学の方面、さらにこれも科学の問題だけでなく、御承知のとおり、宇宙問題につきましては法規問題も相当ございますので、法律の権威と思われる方々、それから民間の製造会社のうちの代表的なものの社長、その他を十四名選びまして、合計二十一名でただいまやっております。なお定員は三十名でございますが、一応二十一名で線を引きまして、今後つけ加えるべき方が出てきましたら、そのときに補充するという方針で選んでおります。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 それでは参考までにあとからでもいいですから、メンバーをひとつ出していただきたいと思いますが、これは調査室でもけっこうですから、ひとつ出していただきたい。  そこでこれは非常にしろうとめいた質問ですが、現在宇宙開発で、世界的に見まして日本はどの程度に、充実度といってもいろいろ見方もありましょうが、宇宙開発に相当前進しておる、先頭を行っておるのはアメリカあるいはソビエトということは常識的に言われておりますが、世界的に見て、どういう程度に宇宙開発について各国が関心を持ってやっておるかということを、概略でけっこうですから、常識的に知っておきたいと思いますから、ちょっとお知らせ願いたいと思います。

芥川輝孝科学技術庁研究調整局長

○政府委員(芥川輝孝君) 一例で申し上げます。各国の予算を申し上げますと、アメリカにおきまして、一九六三会計年度、つまりただいま実施いたしているものでございますが、一兆九千七百七十億円でございます。これは円に換算しております。それからソ連、これはちょっと新しいデータがなく、古いので恐縮でございますが、一九六一年度におきまして六千八百四十億円、フランスが六三年度におきまして約百億円、ドイツが約百億円でございます。それに対しまして、日本のほうを簡単に御参考に申し上げますと、三十八年度におきまして、これは大学の分も含めまして十億七千三百万円、そういうふうな状況になっております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 宇宙開発は将来非常に問題になるというか、各国とも力を入れなければならぬ事情になってくると思うのですが、日本の場合、全くけたはずれで問題にならないのですが、将来政府としては、この宇宙開発について、いわゆる積極的にやるということは抽象的に言えると思うのですが、宇宙開発審議会の答申が、まだ基本的なものしか出ておらない、具体的にどうこうというものは出ておらないのですが、今度は、総理大臣に対してもそのつど意見を述べるということを、積極的に前向きにやるために出されておりますが、将来、今の政府としては宇宙開発についてはどの程度積極的に考えておられるかという、この点どうですか。きわめて抽象的な質問ですが。

芥川輝孝科学技術庁研究調整局長

○政府委員(芥川輝孝君) 宇宙開発審議会におきまして、先ほど申し上げましたとおり、まだ最終的な答申がないわけでございますが、数次にわたりまして審議を重ねておりますので、その中で大体の傾向をかいつまんで御説明させていただきたいと思います。  先ほど申し上げましたように、宇宙開発が意外に早く実用の面に入って参りまして、そこで人工衛星を利用いたしました通信、測地、それから観測、そこらの技術をまず開発しよう。これは外国の衛星をもっぱら利用することでございます。もう一つ、ロケットによりまして気象観測をやる点につきましては、国連でもロケットによる気象観測網の整備というふうな方向で意見がまとまりまして、各国に勧告の形で出ておるような状況もございますので、そこでこの気象観測に使いまするロケットの開発を促進いたしたいというふうなことでございます。さらに、御承知のとおり、宇宙技術というのは非常に各方面にわたりまして工業の水準を向上させるのに役立つという点に着目いたしまして、長期計画を定めまして、いわゆる高空——高いところに飛んで参りまする大型のロケットもしくは今飛んでおります人工衛星自体も、相当開発研究を進めていくべきではないかというふうに考えまして、大体そんな方向で議論が進んでおるわけでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 ロケットによる気象観測、これはまあ新聞で散見しただけですが、鹿児島県で——あれは東大ですか、の研究所ですか、やっておるようですが、何か成功したというようなきわめて最近の報道ですが、そういう点についての資料の入手はされておりませんか。

芥川輝孝科学技術庁研究調整局長

○政府委員(芥川輝孝君) 鹿児島でやっておりますのは東大の研究所でございます。これは科学技術庁では、何といいますか、ちょっとわからないのでございます。ただ、ただいまおっしゃいましたような気象ロケットではなくて、東大でやっておりますのは宇宙観測ロケットでございます。したがいまして、長距離に飛ぶロケットの研究、こういうわけでございます。実際の高度を申し上げますと、たとえば三百五十キロメートルというふうなものでございます。なお、この宇宙観測と申しますのは約二十キロメートルあたりから百五十キロメートルあたりの比較的低いところで、ロケットとしては経済的な安いものをたくさん打ち上げてネット網による観測というような使い方をするわけでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 日本は、何ですか、ロケットによる気象観測というのはそこまでまだいかないのですか。

芥川輝孝科学技術庁研究調整局長

○政府委員(芥川輝孝君) まだそこまでいっておりません。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 それでは、大体宇宙開発審議会についてはその程度でけっこうでございます。  次に、総務長官おいでになりましたからひとつお伺いいたしますが、実は原子力潜水艦寄港に関係して学術会議が声明を出したということで、政府との間に若干の見解の対立があるようなことを見ましたのですが、新聞の報ずることでありますから、間違いは私ないと思うのですが、当の責任者の総理府総務長官見えておられるのですが、学術会議がああいう声明を出した、それに対して政府は学術会議としてああいう政治的に相当ウエートのある声明を出すことは学術会議の、職務と申しますか、権限というか、そういうものを若干逸脱しているんじゃないかということで政府の態度を表明されたんですが、そのいきさつはどういうことなんですか、ちょっと御説明願えませんか。

徳安實藏自由民主党総理府総務長官

○政府委員(徳安實藏君) この問題につきましてたいへん皆さんに御心配かけたり、御迷惑かけまして申しわけがないと思いますが、私のこれは役所同士の間柄でございますから、外にああいうものが出なければならぬというようないきさつになりましたことは、まことに私ども遺憾に思うわけでございます。で、この学術会議の問題につきましては、過去におけるいろんな行き方等につきまして、学者間にいろんな意見等の一致せざるものもございますし、また、政府にもいろいろ研究の結果が結論づけられたものもございまして、なるべくこれは内論のことでありますから、政府の行政機関の一つでありますから、何とか話し合いをして、そうして将来に悪例や禍根を残さないようにしていきたいということで、常にそうした問題につきましては事務当局にも話をし、また、会長さんとも私は話をしておったわけでございます。と申しますことは、決してこの勧告、やられる内容、そのものについて私は総理府の立場からあれこれ言うのではございません。ただ今御承知のように、できております学術会議法なるものの精神が政府の行政機関の一つだということ、ただ問題はその性格にかんがみまして独立性を認めておるということでございますので、政府がむやみやたらにそれに制肘を加えましたり、あるいはまた、政府の御用機関になれというようなことは、これはもちろんできるわけではございません。良心によって学者の諸君が学術その他を自由に御研究なさることはけっこうでございますが、これはあくまでも学者としての自由でございまして、学術会議というのはその性格が、これがまあ多少まだ疑義がございましたので私ども研究もしておりますが、政府の行政機関だというところに一つの盲点と申しますか、議論の余地があるわけでございまして、そこでこれは政府だけの見解ではございませんが、かつて会員の性格というものはどういうものかということに対しまして、内閣から人事院総裁あてに照会をいたしたことがございます。昭和二十四年の三月十九日に照会をいたしまして返事が来ておるわけでございますが、その返事によりましての人事院の解釈にいたしましても、会議の行なう職務及び権限は国の業務であるということをはっきりうたって参っておるわけであります。こうした点と自由の立場というところにつきまして多少食い違いができたり考え違いができておるわけでございまして、会議に関する経費はすべて国庫負担でございます。また、職員も全部国の職員でございます。で、そういうような機関でありますために、研究されますことは非常に自由でございますから、決して拘束もいたしませんが、政府の行政機関は少なくも善意な立場において政府に協力すべき気持の上において、そういうことが正しいのではないかという意見が学者間にも相当強うございます。それからこの会議法によりまして、学術会議は政府から諮問を受けることになっておりますが、この諮問にもやはりずっと筋が書いてございます、御承知のとおりに。それからまた、内閣に意見を述べることができることになっております。これもこれこれこれこれとずっと筋が書いてございまして、ただむやみやたらに無制限だという形ではないのであります。ただ役所は役所、行政機関の一つでございますから、そこにやはり何かよるべき一つの基準がございまして、したがって、すべてが無制限でない。法律の上から見ましても無制限ではない。それから、独立して左の職務を行なうと書いてございますが、その独立した職務ということが国の業務だという工合に人事院でも解釈して回答を与えておるという立場から考えまして、この際こうした問題をけんか腰でなしに話し合って、そうしてこれはだれが将来これを管轄されることにいたしましても、そういう点において不明朗なことがございましたり、行き違いがあったりしたらいけませんから、なるべく両方で話し合いをしていきたいということで、私は参りまして以来話し合いをしておったわけであります。ところが御承知のように、内閣のほうに勧告が出ました。この勧告はこれはもうその内容につきまして、あるいはそういうことの勧告が可能であるかどうかというようなことは別問題にいたしまして、ああいう権威ある学会でございますから、こうした問題に政府に勧告されることは、これはある程度までそれはあまり内容をとがめだてせずにお聞きすることはいいと思いますが、これは御承知のように、三月の十一日に勧告書が決定いたしまして、十二日に政府のほうに送付になりました。で、報告によりますというと、十九日に科学技術庁の主催でこの勧告に関する各省の連絡会議を開いてございますが、そこで技術庁のほうから説明を聴取いたしております。二十九日にはさらに連絡会議を開きまして、そうしてその審議を継続いたしておりまするし、また、四月の八日には、この勧告に基づくことは外務大臣と科学技術庁の長官と両方で処理をしようということに話がきまりまして、学術会議のほうには書面をもってそうしたことも通知してあるわけでございます。で、私どもは、こうした勧告を受けまして、私のほうでこれを研究いたしましたり、諮問いたしましたりすることはないのでございますので、科学技術庁がその窓口になっておりますから、私のほうで始終口出しをするわけに参りませんが、こうした経過は聞いておるわけであります。ところが、すでに勧告をされました旬日を出でずして、日本学術会議のほうでは、原子力の特別委員会あるいは原子核特別委員会等でこれは総会にかけて反対声明みたいなものをするという申し合わせができておるのであります。で、政府のほうでいろいろ研究の結果、こんなになりましたとか、あんなになりましたとかいう連絡がついてからけしからぬということでなさるならばこれまたどうかと思いますが、一方に、勧告して、勧告によって科学技術庁でどんどん進行しておるその前に、もう総会で決議をするというようなことを委員会で取り上げられまして決定をされる、そうして四月の十三日には両委員会から本会議に提案するということをはっきりとこの学術会議のほうに申し入れられたというようなことがあったのでありますが、私は事柄の内容はこれは政治性の問題でありますし、高度な立場において考えることで、総理府の関係することではない。こうしたいきさつがあるので、学術会議のほうでもよく各機関とも連絡をとっていただいて事情を事務当局に説明をしていただいて、あやまちがないように、両方で行き違いがないようにと御注意申し上げておったのでありますが、とうとう四月二十六日に決議になったのであります。そこで、今申し上げましたような問題が問題になるわけでありますが、この決議をいろいろ聞いてみますというと、まあやむにやまれず結局あそこにいってしまったというようなことでもあるようでありますし、最後の瞬間において百二十名足らずの方で、満場一致という説もございましたが、調べてみますと、満場一致ではございませんで、圧倒的多数ということだったのでありますが、そういうことで決議になっておるのであります。その決議の内容につきましては、相手は学者のことですからあまり言いませんが、とにかく国家の行政機関だ、しかもやることは法律によって国務だというような、こういう工合にはっきり断定づけられております限りは、何とか個々に話し合いをして、そういう点が将来禍根を残さぬようにしておくことが必要じゃなかろうかということで、先般会長においでを願い、副会長にもおいでを願い、いろいろ話しをいたしました。私は決して法律の枝葉末節にとらわれて頭をきめてこうするのだという考え方は持っておりません。私もむしろ野人でございますから、自由な立場において相当幅広い考え方を持っておるわけでありますが、こういう点につきましても、ある程度まではやっぱり一つのワクと申しますか、法にも示された点もあるわけでありますから、そこを互いに守りながら言うべきことは言っていただき、話し合いすることはしていただくということが正しいのじゃなかろうかと、そういう行き違いがないように今後はしたいものだということで、正副会長にお話をいたしましたが、向こうのほうでも、自分の会の中にもそういう意見が相当あるし、やはり今後の運営等につきましても多少改めなくちゃならない面が相当あると思うから、ひとつ私どもも検討してみましょうということでございました。私どものほうも、政府の考えていることは万能こうやくでいいとは決して考えておりません。政府のほうも考え、あなたのほうも研究されて、これはどうもやはり思い違いであった、今後の運営はこうすべきであるということを思いつかれたら、ひとつ今からでも、お互いに話をしようじゃないかということで、私どもも研究いたしますから、あなたのほうも研究して下さい、ひとつ研究課題に今後しようじゃないかという話をいたしまして、向こうでも今研究していただいているのであります。私も今各方面の御意見を聞いておりますが、その問題は学術会議の名誉のためにも、あまりあそこの運営なり内部について世間にこれ以上出ることは好ましいことではない、やはり日本の最高の権威のある機関でございますから、お互いにりっぱに守り上げるということが必要じゃないかと思います。先般も、先方のほうで運営審議会をお開きになったようでございます。その経過も事務的に聞きましたが、御研究になっているそうでありますし、私どものほうもこの運営等につきまして学者の意見も徴しまして、そうして国民の納得のいく、また学術会議もそうだと、お互いが話し合いのつくような研究のもとに最後の結論を出したいということでいるわけでありまして、適当なときにまたお口にかかって、これは内輪の機関でございますので——内輪というと語弊でありますが、政府の全部めんどうを見ている行政機関でございますから、話し合いをして円満に解決つけたいと考えているのであります。たいへん各方面にいろいろな波紋を生み、また、御心配をかけて申しわけないと思いますが、できますならば、しばらくこの問題をお預けいただきまして、そうして両者で十分話し合って、そうして納得いくように解決いたしたいという念願でございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 学術会議の声明問題、決議問題については大体わかりましたが、これも単なる学術会議の問題だけでなくて、審議会なり調査会なり、その他そういう類似した行政組織法第八条によるそういうものがたくさんあると思いますが、ただあれを政府が問題に取り上げた動機について私はちょっと疑いを持っているのです。私も地方制度調査会のメンバーに委嘱されておりますが、日にちはちょっと記憶ございませんが、政府が今度国会に河川法の改正を出すということについては、この国会に出すことは遠慮してもらいたいという決議をしたことも覚えているのであります。こういう審議会とかあるいは学術会議、調査会というものは、いろいろ人事院に聞かれて、内部の機関である、なるほど国家行政組織法から見ると、一応内部の機関のように見えておりますが、やはり一般の政府の行政機関とは違う組織であると見ているのであります。もし一般の行政組織の中にあるのと同じであるならば、ああいうものを作る必要はない、そこに一つの問題があると思う。それを政府が取り上げたという一つの動機は、今問題になっている原子力潜水艦の問題、それからある程度政府は学術会議に、平たく言えば圧力をかけるというふうに——誤解かもしれませんが、そういう見方をする立場もあると思う。したがいまして、ほかのそういう審議会なり調査会なりでそういう決議をしているところも相当あると思います。そうでなければそういうものはこれを設置する必要はないと思うのであります。政府の気にいることばかりを審査するのだったらそういうものは必要ない、やはりそういうことは政府のやり方がいかなければいけないという立場で意見を具申し、あるいはそういう決議をするというところに、私は、そういう会議の必要性があるということを考えておる。その点、今、長官がいろいろ御説明されたことは、一応、それで私はわかりますが、その根本が、今、そういうものをやられると、政府の政治的な立場に相当不利なものがあるという、そういう動機から、私は、学術会議に対して、一言文句を言われたのじゃないかという気持がするのですが、その点、どうですか。

徳安實藏自由民主党総理府総務長官

○政府委員(徳安實藏君) 今の山本委員のお話、結果から見まして、また、あの当時の事態から見まして、そういう疑いを持たれることも、私はやむを得ぬと思います。これは、まことに私も残念だと思いますが、そういう疑いもあるかと思います。しかし、先ほど私が申し上げましたように、私が就任しますすでに前から、そういう問題は蔵しておったようでございまして、かつての、前の会長とお話し合いをし、また、新しい会長ができましたときにも、こういう問題につきましては話し合いをしまして、原子力が全然問題にならないときから、一つ、こういうことが問題になって、両方が研究しているようだから、なるべくひとつ、ここで食い違いがないようにいたしましょうやということで話をして、そのとおりでございますという話し合いをしておったわけであります。たまたま、これが全然ひっかかりになっちゃって、あれが大きく出ましたので、今のようなことに疑いを受けることはやむを得ぬと思いますけれども、根は、ずっと前から、これは話し合いせねばならぬということで、昨年来からの話であったということは事実でございますから、御了承いただきたいと思います。  それから法律上の国家の機関だという問題につきましても、先ほど申し上げましたように、これは、最も高度な独立性を持っておる機関でありまして、普通の、政府の手足になって働く機関ではございません。これは万人認めるところであり、学者も一致しておるところであります。でありますから、その機関が独自の立場において研究をなさりましたり、そして意見をきめて、政府のほうに勧告をされると、あるいは政府の諮問に応ぜられると、あるいは政府のほうを呼び出して、こういう点についてはどうだという説明をお聞きになるとか、あるいは資料を出せとかいうことは、はっきりと法律に書いてございますし、当然なことでございますから、これはどんどんやっていただいていいと思うのでございます。ただ、政府から離れて、国民に直接に勧告や何かをしておられるのでしょうが、未解決のままのものを国民に直接に、学会が、政府と一応独立はしておるようなものの、政府の行政機関であり、内閣総理大臣の所轄であるということだけは、法律上明らかなのでありますから、日々の行動に、その法律の範囲でやられることにつきましては、干渉いたしませんし、どんなに御研究されてもけっこうなんですけれども、学術会議の名前において国民に、じかにアッピールされるような行き方は、ちょっとそこに疑義があるのじゃないかということで、年来から問題があるわけでございます。そういう点につきまして、やはり学者にも意見が分かれておるように思います。じゃ、何人の学者の意見をとってどうということはないのでございますが、しかし、これは、やはり良識のある学者諸君の集まりでありますから、それらの諸君に、十分研究を願い、私どもも十分研究をいたしまして、そして両方で納得いく線で話をまとめて、今後の運営にあやまちないようにしたいという考え方で、今、両方とも、そういう話し合いをしておるわけでございます。ただし、独立性の強いこともお話のとおりでございますし、それからそういう機関が、自分の信ずるところによって、どんどん研究をされ、また、政府に対して意見等を述べられることは、決してこれは悪いことじゃございません。これは当然の責務でございます。ただ、そういう手続を離れて、すぐにアッピールを出されるという行き方は、性格から考えてどうかというところから、学者の意見もあり、私どものほうとしても、一応こういう食い違いをこの際話し合って、改めていったほうがいい。もし政府のほうの考え違いなら改めます。また、向こうのほうの考え違いであったということなら、向こうのほうにも考えていただこうという考え方であります。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 この問題については、いろいろとまた意見もあるのですが、時間の関係でやめておきますが、ただ一つ、私はこの学術会議という、当面取り上げている問題だけでなく、このような調査会とかあるいは審議会、こういうものを設置する一つの根本的な考え方というものを、十分把握しておかなければ、われわれこの審議会や調査会なんかの設置法がかかるときに、いろいろ問題にするのですけれども、ただ政府のやろうとすることを、一般の学識経験者の統一された意見であるごとく、そこに隠れみのを求めるために作って、諮問した事項を、大体政府の思うような答申を出すような機構に持っていくのじゃないかという疑いを、われわれすでに持っているのです。これは学術会議の問題でなく、一般を見ましても、したがって、私はもうこういうようなものは、無用論まで考えるくらいの委員会もあるのです。しかも、答申したものは、全部それを受け取らぬで、政府の勝手なものを受け取る。これはやはり一応責任ある内閣制でありますから、やむを得ないと思いますが、どうもそういうふうに帰納する向きがございますので、私はこういうものを作る理由というものは、政府だけでは自信のない——自信と言うと語弊がありますけれども、広く国民の識者に意見を求めて、そうして施策を行なうための一つの機関だと思いますね。その場合には、やはり政府としては、耳の痛いこともあると思う。これは自民党内閣であろうと、あるいは社会党内閣になっても、そういうことは許すべきである。そうでなければ、政治は誤っていくと思うのです。ことに学術会議というところは、権威ある学者の集まりでございますから、いわゆるその意見たるや、相当指導性のある意見も、私は出てくると思うのですね。そういうものが、直接国民に声明を出したからといって、直ちにそれを問題にするのじゃなくて、やはりそういうものは自由に、当局が拘束せずに出して、それがどう影響するかということは、結局国民が判断すると思います。政府が作ったものであるから、政府は監督権があるというのじゃなくして、学術会議は行き過ぎである、そういう声明をすることはどうもおかしいという世論のほうに、やはり批判を求めるべきであると思う。それを政府が、たまたま時局的な問題を取り上げたということで、ああいうものに一言文句を言うことは、私はこういう制度の全般に対して、われわれが若干疑問の点を持ってくる原因になっている。したがって、徳安長官は、るるいろいろ説明されましたので、私は了解するというわけではありませんが、今日これでやめます。十分、政府は、今後、こういう機関に対処する態度というものを、慎重にひとつ考えていただきたいと思います。これで私は終わります。

徳安實藏自由民主党総理府総務長官

○政府委員(徳安實藏君) ただいまの審議会でありますとか、その他のいろいろな機関ができておりますことにつきまして、責任を転嫁するような形においての、みのかさではないかというお説もございました。どうもしばしばそういう問題が閣議でも最近出まして、整理をすべきではないかという議論もございますし、私ども自身も、これは謙虚な気分で、国民の声を聞くということならばけっこうでございますから、政府でも思い違いもありましょうし、また、各人々々主管大臣も、考え違いも思い違いもあると思います。そういう意味合いにおいて、一般国民の声をすなおに聞くということは、私は非常に歓迎すべきだと思いますけれども、今お話のように、それを一つの、何か自分の身を守る防衛的な手段に使うような行き方というものは、これは断じて好ましいことじゃありませんので、したがって、行政的な面につきましては、政府がやる限りは政府の責任においてやるべきで、他にそういう責任を転嫁するような考え方を持つべきじゃないということを、私個人は考えている。したがって、閣議でもそういう問題は出ておりますし、これを適当な機会に整理をしたらという意見も、与野党を通じても、御意見も出ているようでありますが、何しろ、大体法律で、審議会等が、今のはやりのようになりまして、何か法律が一つ出ますと、必ずしっぽに審議会がついて、そうしてこれが一年に一ぺんぐらいしか開かれないものがある。これは法律を改正しないとだめなものでありますから、結局私どものほうの総理府に関係しております審議会だけでも四十六ぐらいございます。ですから少し食傷ぎみでもございまするししますが、そういう関係の御意見を十分参酌しなければなりませんが、やはりお話のように、ある程度、ある時期にはこれも考え直して、そして行政は政府の責任でやるのだという強い信念でいくべきだと思う。しかし、国民——民間の声なき声を聞くという方法につきましては、別に私は審議会でなくてもほかに幾らでもあるのじゃないかと、謙虚な気持で民間の声を聞くという方法は審議会でなくてもあるのじゃないかというようなことも考えまして、その点も私どものほうは今研究をいたしておりますが、お説ごもっともでございますので、その点につきましては謙虚な気持で今後研究さしていただきたいと思います。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 大体、一応私はそれで終わっておるのですが、一つ、これは予算委員会でも徳安長官ともだいぶいろいろやったのですが、農地被買収者問題調査会から派生した、政府の今後の措置について調査室を設けて現に実地に今調査をされておるのですが、これについて——きょう法制局の方見えておらないのですね、おられますか——ちょっと聞いておきたいのですが、予算委員会ではなかなか時間の関係ではっきりした答弁を受けられなかったのですが、政府は憲法第二十九条による補償ということにはならないので、報償という言葉でこの旧地主に対して何らかの措置をしようという考え方が一応明らかにされておるのですが、報償というのは憲法上あるいはその他の法律上から見て、どういうものに該当するのかですね。その点法律的なひとつ解釈を伺いたい。

高辻正巳内閣法制次長

○政府委員(高辻正巳君) お答え申し上げます。ただいま御質疑の中にもございましたように、農地買収の問題につきましては、憲法二十九条の補償という問題は生じない。これは最高裁判所の判例等から見ましても、まあそれはほとんど疑いのないところだと思います。それにつきまして報償ということをする問題につきましては、報償ということの性格が何であるかということが当然問題になるわけでございますが、一般に報償と申します場合には、法律上、その基本は憲法でございますが、適法行為によって損失を招いたものに対して、当然の補償といたしまして金銭を支払うというような、そういう関係ではなくて、むしろ法律上の問題と申しますよりも、一般的社会的な考慮から、これを法律上の義務としてではなしに、社会的な必要性といいますか、要請と申しますか、そういうような社会的な考慮のもとに一定の金銭を支払うというような、一般的に申しますとそういうことだと申していいと思います。もっとも報償制度というものを法律に規定をいたしますと、その報償をするということが法律上の問題になることは当然でございますが、その報償をするという基本的な法律関係があって、その法律関係に基づいて一定の金銭を支払うというような関係が基本には別にないという場合に、主として報償という言葉を使っております。むろん報償という言葉が法律上の用語として、定義として、かくかくのものであるということを、法律の規定等を引用して御説明するわけには参りませんが、一般的に申しまして、そういうふうに心得ておるわけでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 そこが問題なんですがね、憲法第二十五条以下にはいわゆる生存権の国の義務としてずっと掲げておるんですが、私はこのケースはそれにも該当しないと思う。もしそれに該当するならば私はこれの取り扱いは別の角度からやらなければならぬと見ておるんですが、どうも私は法律的に見て、それがはっきりと定義づけられるものが見出されないんです。私はこれは将来一つの禍根と申しますか、善根と申しますか、これは別といたしまして、問題を相当残すと思うんですね。しかもその報償の対象はいわゆる旧自作農創設特別措置法とか措置法の施行その他によってあの当時土地を買収——買収というか、国が買い上げた特定の人に限定しておるんですね、国と特定人との権利義務はそこで発生しておると私は見ておるんです。それ以外を出ない。そういうものに、今言われた法律上の損害補償ではなし、もちろん損害賠償でもない、これは政府は違法な行為だと見ておらないんですから、最高裁もそう判定しておらないんですから、これは適法でやった措置ですからね、だからといって損害賠償でもない、そうかといって憲法二十九条による補償でもない。それでは何に該当するのか。私はこれをひとつ明らかにしておかなければ——旧地主の方々については個人的には気の毒な人もあります、私は決してそれを全面的に否定するものではない、しかし、そういうものをはっきりしておかないと、これは悪用された場合にどうなるかという問題ですね、国ははたして何のためにこんな義務を負ったのだということになってくると、私は大きな問題になってくると思うんです。そういう意味で私はきわめて大きな疑問を持っておるんですが、今法制局の答弁を聞いても私の納得する答弁ではないんです。私の聞きたいのは、私は過去においてもこういうことはないと見ておるんです、もしあれば、ひとつ前の憲法時代でもけっこうですが、そういう報償というようなことで措置をされたものがあるかどうか。

高辻正巳内閣法制次長

○政府委員(高辻正巳君) ただいま申し上げましたとおりに、報償という言葉は法律上の用語として確定的に存在するものでないことは、今申し上げたとおりでございますが、しかし、今申し上げましたように、報償という言葉につきまして、一般的に法律上の義務というものと別に、社会的あるいは政策的考慮のもとに一定の金銭を支給するというようなものを広く報償ということができると思いますが、そういうものといたしましてはいろいろございますが、たとえば引揚者給付金のたぐいでもやはりそういう意味の報償には入ると思います。すぐ例を出せというお話であれば、若干調べまして申し上げればいろいろございますが、ただすぐに出て参りますのは、たとえば今申し上げましたようなことも報償という部類には入ると申し上げられると思います。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 それは問題を混淆さしていると思います。引揚者にしても、もう一つ問題になっておる在外資産の問題にいたしましても、これは私のこの今やっておるやつとはおのずから本質的に違う問題であると私は見ておるんです。そういう類と同じように考えられておるところに私は大きい間違いがあると思う。そういうことであれば、前の旧自作農創設特別措置法によってやられた範囲に限定するというところにも一つ問題があるんです。それ以外にその当時の犠牲にあったいわゆる関係の方々、私は相当あると思うんですね、そういうものを一括して終戦処理といいますか、そういう問題として取り上げるならば別な方法でやらなくちゃならぬ。これは土地の何でしょう、買い上げの広さあるいはそういうものを基礎において報償しようというんでしょう、そういうところに基礎を置いておるところに私は問題があると思う。あなたが言われた政策的にやっておるという問題は引揚者援護あるいはその他ありますけれども、これは終戦の処理として一括してこういう損害があったから、こうやるという意味でやっておるのじゃない。終戦によって、引き揚げによっていろいろ困っておるという、それが一つの大きい目標なんです。こちらの場合はそうじゃないのです。今調査されておる対象というものは、買収された土地がどうなっておるか、土地の面積がどうであるか、そういう基礎によって報償しようと、こういうのです。そこに問題がある。この問題を追及していれば何時間続けても、おそらく予算委員会においても三時間やっても尽きなかったのですから私は言いませんけれども、また、新たにそこまで納得のいくように答弁をいただこうとは思っておりませんが、この問題はまだ調査の段階ですから、どうなるか私もまだわかりません。私の言うのは、予算委員会でも言葉足らず、舌足らずで言い切っておりませんけれども、やるべきものはやらなくちゃいけないということです、これは政治の本筋ですから。この行政措置によってこれは政策としてやったということになりますから、それによって非常に損害を受けたということになれば——損害といいますか、といえば別の意味が出ますけれども、そういう救わなくちゃならないというものがあればやることについては私はやぶさかではない。ただ一応正当の価格で買い上げたというものを対象に、それに応じたものを補償的な標準によって報償という名前によって再び国が金を出すということに問題点があるということを、十分ひとつ政府でも考えてもらいたいと思うのです。私は反対の立場でどうこうということではなく、今後のこういう問題の取り扱いについては慎重にやらなければ、こういうところから私は国政が乱れてくると思う。それ以外にあの戦争によって犠牲にあった人はいろいろあるのですから、そういうものを十分実態を考えてやらなくちゃいけないと思う。これについてはすでに農地被買収者問題調査会の結論も出た。その結論は長官から予算委員会でるる説明をされましたが、あの答申を見ましても明らかになっておるのですから、そういうものを全然無視をして、新たに政府が独自の立場でまた調査室をこさえて、そういう方向に進めていくということについてはきわめて問題がありますので、この点だけひとつ総務長官にこの機会に特に慎重に扱うことを要望しておきたいと思いますが、この点どうですか。

徳安實藏自由民主党総理府総務長官

○政府委員(徳安實藏君) 御質疑がありました報償等の字義の関係、法律上の関係等につきましては私が御答弁するよりか、法制局でしていただくほうがいいと思っておるわけでありますが、私どもの今の調査は、一応そうした問題は今後残された問題でありまして、総理が何とかせにゃなるまいという気持から御発言になっておるわけでありまして、これはいずれ党のほうとも、また、政府でも意見が一致しましたら、次の機会に御審議を願う法案として提出される場合があり得ると思います。ただいま私どもの段階におきましては、あの二十一年から六年に起こりました革命的な農地の異動をつぶさに後世まで残り得るような実態を調査しておこうという考え方も伴いまして、また、着手しようとしておるわけでありまして、それを基本にしてそういった問題を取り上げられて、次に政府のほうで何らかの処置をするという基本的な調査の資料にもなるとは思いますけれども、そうした二段がまえで、ただいまは調査に着手しているわけであります。いずれ、しからば報償はどうするか、報償はどういう問題であるかという問題につきましては、次の機会に御審議願うときに、政府のほうでもちゃんと態度をきめてお願いすると思いますが、十二分にそういう点につきましては、慎重な態度でもって臨むことだけは申し上げていいと思います。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 くどいようですが、もう一言だけ要望しておきたいと思いますが、法律案が出てからであれば、これはもう国会で真正面な一つのまた問題になってくると私は危惧するのです。だから法律として出される前に十分その点検討をしてもらいたい。おそらく政府にも相当これについては十分な専門家もおられますから、そごはないと思いますけれども、きわめて政治性の高いこういう措置を、ただ単に一部というと非常に語弊がありますけれども、単に政治勢力に押されたままでやられるということは、非常に立法府としても混乱する憂いもなきにしもあらずと思うのでございますので、その点ひとつ慎重に、できればそういうものが単に与党部内の問題でなくして、広く国民の意見を聞くという、こういう問題こそ私はそういう方向に政府としては意見を聞くような機関というものを持って善処せられるのがいいのじゃないか、私はこう思いますので、一言それだけ最後に私は言っておきます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 おくれて参りまして、時間が少し、また重複する点もあるいはあるかと思うのですが、この認証官の前に一つお伺いいたしたいのは、五月三十日に、新聞の報道によりますと、政務次官会議で、国家公務員の採用問題、採用の制度、それから任用、昇格の制度、こういうものを検討するのだ、こういう報道が載っているのですが、これは、新聞の報道は非常に短いので内容がよくわかりませんですが、確かに問題のある点はありますけれども、どういう点が問題になってこういうものを検討するというようなことになったのかどうか。それをひとつお尋ねをいたします。

徳安實藏自由民主党総理府総務長官

○政府委員(徳安實藏君) そういうことを政務次官会議で議題にして、話し合いをしたということは通知は受けておりますが、内容は私自身が出ておりませんためによくわかりませんから、室長が会議に出ておったそうでございますから、そちらのほうから御答弁いたさせます。

松永勇内閣総理大臣官房審議室長

○政府委員(松永勇君) 政務次官会議は、審議室のほうでいろいろ庶務をやっておりますので、その際に、政務次官会議でそういう話が出まして、いろいろ検討すべき問題があるのじゃなかろうかという話は出ましたが、なお、実際の運用にあたってそれでいいのかどうかというようなことは、人事院が所掌しておりますので、人事院の説明を聞こうじゃないかということになっております。  問題となりましたのは、現在の公務員試験が甲と乙というのに分かれているが、その甲と乙というふうに分ける必要があるのか、ないのかというような点が中心になりまして、その実情を人事院に聞く、こういう程度のものでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 新聞が非常に短いのですが、ちょっぴり載せているのですけれども、その中に載っておりますのは、今お話のありました上級職の公務員試験が甲乙に分かれている。そうして初任給並びに調整手当、そういうものが違うのですが、それが年ふるに従って拡大してきているということが一つ。もう一つ載っておりますのは、公務員は現行制度だと公務員として入るときの試験があるわけですが、上級職なりあるいは中級職あるいは初級職と試験があるわけですが、その試験が公務員の一生を左右するというのはおかしい、不合理だ、そういう二つが上がっておるのですがね。今のお話ですと、前者のほうがちょっぴり出たようですが、非常にちっちゃな記事ですが、その二つが載っておるのですよ。今の説明なさった方、いかがですか。

松永勇内閣総理大臣官房審議室長

○政府委員(松永勇君) 政務次官会議としてはそれを決定したということではございませんで、先ほどの甲、乙をつける必要があるかどうか、その甲、乙をつけた施設の状況はどういうことであるかということを人事院から聞こうということと、それからまあ雑談的には、今先ほど申し述べられましたように、その甲、乙ということによって将来それが左右するというようなことがあってはいかぬのじゃないかというような御意見も雑談としては出ておりましたが、政務次官会議としてどうこう決定したというほど確たるものではございません。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 これは六等級の甲、乙に分けたりするこういう基準の作り方は、これは人事院が所管をしておるのですが、こういう問題について政府に意見があるというのは——意見があるのはけっこうであります、なければならぬと思うのですが、特に政務次官会議でこういう問題が取り上げられて論議になるということはきわめてけっこうな話だという私は気がするわけです。ただ、何か今お話を伺いますと、しごくあいまいな形の論議になったようなお話のようでありますが、ややもしますと、この政務次官会議というようなものは、そういうような取り扱いを受ける。今御説明のあったような、その内容はともかくとしまして、私の受けた印象はややもすると政務次官会議というのはそういうような雑談的なものの取り扱いを受ける。これは私は政務次官会議の一番欠点だと思う。だからこういうようなせっかくいい題目ですから、こういうのは、やはり政務次官会議というようなものは取り上げて御論議になってけっこうじゃないかと思う。だからもっとこういうものは雑談的にならないように——新聞発表になっているわけですよ。そしてこれは公務員に非常な影響を与えている。これはけっこうな話ですから。これはまた公務員制度の一番の欠陥なんです。それを政務次官が取り上げているというのですから、大部分の公務員はこれは双手をあげているのですよ。期待をするという気持ですよ。ところが、話を聞くと、何のことはない、雑談だという話ですね。新聞にそうは載ってない。そんないいかげんな話では、政務次官いよいよなめられますよ、こういうことをやっていたのじゃ。それをひとつ申し上げておきます。  次に認証官の問題について伺いますが、私まずお伺いしたいのは、天皇が認証する俗称認証官、この認証官という俗称認証官ですが、これは今回官房長官と総理府総務長官を認証官にする、これはどういう効果があるのか、それをまずお尋ねをしたいと思います。

高辻正巳内閣法制次長

○政府委員(高辻正巳君) 御指摘のとおりに、憲法の七条の五号に、法律の定める官吏の任免を認証するというのがございますわけでして、認証というものの性格は一体何であるかということから申し上げなければならぬと思いますが、御存じのとおりに、認証と申しますのは、一定の行為が正当な手続によってなされましたことを公に証明し、確認する行為であるというふうに言ってよろしいかと思うのでございます。そういうところから申しまして、この場合は任命でございますが、任命について認証をするということは、結局法律的にと申しますか、その事柄の本質から申せば実はそれだけのことでございますが、しかし、その認証制度とあります趣旨から申しますと、やはりその認証をすることによって当該官職なり、その官職につく人の職責なりの重要性を高く評価をするというようなことになるわけでございまして、そういうものが認証の制度の趣旨として生まれてくることに相なるわけであると存じます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 今お話の効果としてといいますか、効果という言葉が適当であるかどうか知りませんが、その職種、職務を高く評価する——高く評価するというのはどういう意味ですか。給与に関係があるのですか。それとも単なる——何か高く評価するといっても、これは言葉の上で言ったとしても、それはどういう形になるわけですか。

高辻正巳内閣法制次長

○政府委員(高辻正巳君) 認証官につきましては、そういう御質疑がありますようなことがしばしば議論になるわけでございますが、私ただいま申し上げましたとおりに、結局天皇の国事行為の一つとして認証ということがあげられておるという認証ということ自身は、今申し上げたように、その行為を荘重づける、あるいは権威づけるということに尽きるわけでございますが、しかし反射的には、その当該官職がそういう認証官であることによってその官職の重要性なりあるいはその職責の重要性なりが一般に評価されるということになるわけでございますが、それは同時にまた、その官職の重要性なり職責の重要性なりということの認識に立ってのことでございますから、その場合には当然の結果といいますか、相関関係と申し上げたほうがいいと思いますが、その給与もまた相当高いものである者がそういう対象になるということになると思います。しかし、給与が高いということは認証されるからそうだというよりも、認証される者の対象がそういう者であるから給与もまた相当痛い者についてなされるということになるわけでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 それがどうもはっきりしないのですが、今までは認証官ではなかった、それを今回官房長官と総理府総務長官を認証官にする、それは今までの公務員としての職務なり職責なり、そういうものを高く評価をすると、こういうわけですね。そうすると、従来と職務なりあるいは職責なりというものは変わるのかどうか。

高辻正巳内閣法制次長

○政府委員(高辻正巳君) ただいまの御説明でおわかりかと思いますが、認証と申しますのは今言ったようなことでございまして、認証そのことによって給与が上がるとか、あるいはその職務内容が変更するとかいうようなものでないことは全く明らかなことでございます。憲法が国事行為といたしまして認証制度を設けましたことによりまして、新憲法施行と同時に、あるいはそれに接着する時期におきまして今まで認証官というものが幾つかできておったわけでございますが、認証官を一体いかなる範囲においてするかということの絶対的な基準というものは、これは憲法上かくかくかようのごときものであるということを規定しているわけでございませんので、やはりそれは憲法上の官職あるいはそれに準ずるもの、そういうようなものについて認証官という制度を設けるということになるわけでございます。ところで振り返ってみますと、ただいままでの認証官といいますのは、昭和二十二年なり二十三年にできましてから、実はいろいろ官職につきましてその任命を認証にすべきではないかというような議論が出ておったこともございます。ございますが、今申し上げましたような関係から申しまして、いかなる官職を絶対的に認証官とすべきかということは、憲法の規定から見ましても、「法律の定めるその他の官吏」——国務大臣だけは認証官と憲法に規定してございますが、「法律の定めるその他の官吏」と相なっておりますので、実は二十二、三年以降はそういう論議もたまには出ましたが、主としては均衡の問題が問題になりますので、実は今まではいじっておらなかったわけでございます。今回七大学の学長を認証官にするというようなことが出て参りまして、ほかの官職におきましてもいろいろ問題になるわけでございますが、ただいま総理府設置法の改正案で御審議をわずらわしておりますように、総理府の総務長官ないし官房長官というものは、少なくとも今までもしばしば話題になっておりました関係もございますので、この際二長官を認証官にしようというようなことに相なったわけでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 どうも私のお伺いする点が少しまずいのかもしれませんですが、私は今お話しになりましたように、認証官によってその職務なりあるいは行政執行上の責任なり、そういうものに対して高い評価を与えるのだというお話ですから、それは今までと変わらぬのだ。高く評価されるということですから、しかもそれは天皇がそういう認証をされるということですから、そうすればこれはどうも直ちに給与との関係が出てくるのだという推定をするわけですよ。七大学の学長は、御承知のとおり、認証官になって、その職責も何か高く評価されるという結果、給与が上がるわけですね。ところが、今度の場合はどうなんですか。こっちのほうは。

徳安實藏自由民主党総理府総務長官

○政府委員(徳安實藏君) 自分のことでありますので、どうも申し上げにくいわけでございますが、ざっくばらんに申し上げれば、先ほど御答弁したのですが、格上げしてやろうというお気持だろうということで御説明しておるわけでありまして、前々から格上げすべきでないか、認証官にしてやるべきでないかというお話があったらしいのですけれども、ほかのいろいろな関係もございまして今日まで延びておったということでございますが、最近そうした問題も起き、さらに内部関係を全部調べてみますというと、認証官の問題についても相当手入れしなければならぬ問題もあるというようにも考えられまして、かりに外交官にいたしましても、ほとんど八十に近い者がいる。衆議院のほうでもそうした問題につきましては何か研究したらどうだという社会党からの強い御意見も出まして、ただいまそれも研究をし、また、これを合理化して御納得のいくようにするためには給料の面等もございまするし、あらゆる面についてございますから、今官房長官が主宰いたしまして閣議の話し合いで調査的な連絡会議を持ちまして、まだそれほど進行はしていないと思いますが、この問題を取り上げておるわけでございます。  給与の点でございますが、私どもは、従来十六万円いただいておりまして、それも役所からもらっていなくて、国会から十四万円もらいまして、その差引二万円ばかりを役所のほうから別にもらうということでございます。十六万円でございますが、今度は十八万円になりましたから、差引一文もその差はない。これは役所からもらうのがほんとうか、議院からもらうのがほんとうですか、これも私一ぺんよく研究してみたいと思いますけれども、とにかくなったときから国会に領収書を出して、国会議員としていただいているのが給料になっておるわけであります。この際これも考えるべきではないかという意見も閣内でございましたけれども、今申し上げましたように、他の関係もございますので、こうした、ただ特別に二人をどうするという問題でなしに、もっと広範囲にわたりまして給与体系というものを考える必要がある。その際に譲っても差しつかえないじゃないか。二人はいずれにいたしましても、今国会議員としていただいておるので、もう今の額をオーバーしているわけでありますから、十六万円以上もらっておるわけでございますから、それはそのままにしばらくおいて、そうして他の均衡その他とバランスを合わせて適当な機会に御審議を願うということにしたらどうかということで、一応この二つだけの二人の問題は給料の点からは切り離して、ただいま御審議願っておるわけでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 いや、私は、ただその点疑問に思うんですけれども、官房長官とそれから総理府の総務長官は認証官で、その職責を高く評価してもらったけれども、給与はそのためにそう上がるということでもない。これは特別職、国会議員が上がったからそれぞれ上がっているだけだろうと思うんです。ですから二長官の場合は切り離されている。しかし、国立七大学の学長は認証官ということで、でといっていいと思うんですけれども、大幅に引き上げる、ここに何か一貫しないものがあるんですね。同じように高く評価しているが、一方は給与とは全く関係がない、一方は給与と密着している。どういうんですか。これは総務長官でなくていい。

高辻正巳内閣法制次長

○政府委員(高辻正巳君) 法制上の問題として、こう冷やかに申し上げますと、実はさっき申し上げたことに尽きるわけでございまして、ある官職、ある官吏の任命について認証するということは、直ちに給与を上げなければならぬという法制上の関係があるわけでないことは、これは確かでございます。しかし、おっしゃいますように、その官職に就任、つまり官吏を任命することについて認証するということにした以上は、つまり官職を今さらながらといっていいのかもしれませんが、高く評価することになった。しからば、その際給与を上げるべきではないかというようなお説が牽連して出て参りますお気持はよくわかるわけでございますが、しかし、必然的にそうなるものだというふうには、法制上は考えられないと思います。しかし、仰せのとおりのこともございますから、それはただいま総務長官が仰せになりましたようにこさらに今後の、今お話がありましたような調査会を現に作っておりまして、そこで認証官一般についての再検討をする、同時にまた、それに関連する御指摘の給与の問題もおのずからそこまでいくと思いますが、そういう点もそこで検討するということになっているわけでございます。したがって、その成果をごらんいただいて、また御批判をいただきたいと思うわけでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 いや、立法の趣旨はそういうことだというお話ですが、その点は少し解せないんですが、その職責なり、そういうものを評価し直して高く評価する、これは給与と完全に密着しているわけです。その職務と、それによって給与を上げている。ですから、一方は認証したけれども、給与は上がらぬ、関連がない。一方の国立七大学の学長は給与と関係がある、これは当然ですよ。それは職務をそういうふうに高く評価するんですから、これは当然給与が上がるのはあたりまえだ。それが密着していないというのはおかしい、考え方が。

高辻正巳内閣法制次長

○政府委員(高辻正巳君) もう少し申し上げますと、たとえば同じ認証官でございましても、認証という点につきましては、実はいずれの官吏についても同じことでございます。しかし、その認証官にはおのずから給与の差異があることは、御承知のとおりでございます。特に大公使のごときになりますと、非常に段階がございまして、その給与の高くないほうの大公使になりますと、これは普通のわれわれ役人の給与の中でもさほど高いものでもないということからおわかりいただけると思いますが、認証制度ということから、もう必然的に同じような給与に相当する額が当然に出てくるのだということにはやはりならないわけでございます。しかし、先ほども申し上げましたように、この際、両長官につきまして認証制度を設けましたにつきましては、さらに他の認証官になっております官職とのかね合いも考えまして、給与の問題は研究の余地がないとは申し上げません。そういうわけで、今の調査会等でなお研究を、検討をしてよろしいと思いますが、しかし、認証ということから当然にその給与の額が一定の額でなければならぬということにはならないことは、ひとしく認証ということになっております官職についておる者の給与の額はやはりいろいろまちまちである。特に、大公使の例なんかをごらんになりますとおわかりになりますように、非常に異なっております。そういうことからいいまして、先ほども申し上げましたように、認証ということから給与というものが一定の額になるとかならぬとかというような、直接の関係はないということを申し上げた趣旨でございます。多少補足して御説明申し上げます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 私は、そういうことを伺っているのじゃない。認証官の中に大公使もありますし、その給与の差があるということは知っております。それから閣僚の中にも、これは同じ認証官でありますけれども格差がある。これも承知している。そういうことを伺っているのじゃない。私の伺っているのは、七大学の学長、その学長を今回認証する。それは、その職責を高く評価するのだということでしょう。従来と違って高く評価するというのだから、それで給与も上げるのはあたりまえになってくる。それじゃあ官房長官と総理府総務長官はどうか。職責を評価し直すというのなら、これは給与を考えなければおかしいじゃないか。同じ職種について言っている。あれやこれやと問題を広げているのじゃない。だから一方は給与と切り離している、一方は給与と結びつけている。それはどういうことかと、こう伺っている。

高辻正巳内閣法制次長

○政府委員(高辻正巳君) ざっくばらんに申し上げますが、二長官につきましては、この際ほかの給与体系の特別職の、ひとしく特別職の給与の問題といたしましても、ほかの関連もありますので、この際はひとつがまんをしていただいて、次のそういう全体的な考慮の際に、ひとつ給与の、御趣旨のような、何といいますか、その、前向きと申しますか、そういう方向でひとつ検討さしていただく。それまでは両長官につきましては、この際は御遠慮願ったというようなことを申し上げるのが、一番御質疑のお気持に対してお答えするには適当かと思います。それはそういうふうにお取りいただいていいと思います。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 最初は何ですよ、給与とは関係ないというお話だった。法制局は一体給与のことについては頭にないのかと私は思った。だんだんお尋ねすると、今度は給与と関係がある。これから検討して上げるのだ、そういう話ではこれはどうも私どもとして納得できない。

高辻正巳内閣法制次長

○政府委員(高辻正巳君) 実は私、法制局だものでございますから、全く法制上の見地から、冷やかに申し上げますと、ということを、わざわざ申し上げたつもりでございます。法制上の問題として認証するということが当然に給与を上げるということにはならない。これは今でもそう思っております。しかし、認証官にしたということのあれからいいますと、給与もまた法制上の問題として当然にというようなことと別に、やはり認証官にした以上、御指摘のとおりに、官職の重要性を、まあ、いわば再認識したのだろう、再認識した以上は給与の問題についても考慮するのがあたりまえではないかというようなお気持の問題としてはよくわかるわけでございます。しかし、その給与を一体いかにしたらいいか、この際やるべきかどうかというような問題は、実は私どもの領分の問題でございませんので、どうも私が申し上げるのはやや権限逸脱みたいな格好でございますけれども、審査をしました関係から申しますと、今申し上げたようなことに尽きるわけでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 それじゃ、くどくなりますけれども、職務、職権なりあるいは責任なり、そういうものをいわば重要性があるということで評価し直したということになりますと、これは公務員として考えた場合、常識として、法律論の常識として給与を考えなければならぬ。常識ですよ。法制局のほうにおいて片一方を忘れておられる。常識ですよ。これは法制局として当然それは常識でなければならぬはずです。私の気持だとかいうことじゃないのです。これは常識ですよ。法律上の常識です。職務と権限によって給与が出ているのですから、ですから、職務を新しく評価し直したというならば、当然これは給与を考えなければならない。それは私の気持とかなんとかいうことじゃなくて常識です。法律の常識です。それを法制局は関係がないように言われているのはきわめて一方的な解釈だと私は思う。事実、七大学の学長というのは上がる。一方は関係がある、一方は無関係だ、何かあなたのお気持としてはというような話になったのでは、どうも私は解せない。

高辻正巳内閣法制次長

○政府委員(高辻正巳君) お気持としてと申し上げたのははなはだまずかったと思います。もしお気にさわればそれを取り消してもけっこうだと思います。私の気持と申し上げてもいいと思うのでありますが、要するに、この給与の問題をどうするかというのは、実は給与の問題についても、それぞれの役所の分担がございまして、そこがそもそも考えるわけでございますので、私のほうから出過ぎた答弁をするのは控えるべきだと思いますが、そういうふうなお考えというものが確かにあり得るわけでございます。しかし、繰り返して恐縮でございますが、任命を認証するということにつきましては、任命を認証するのは憲法の制度、そういうような任命を認証される官吏を認証官と言っているわけでございますが、任命を認証するということにつきましては、実は先ほどから申し上げておりますような、いろいろなたぐいのものがございまして、それもいろいろな給与の差がございます。そういう意味で、当然に給与もまたそれを上げなければその法律は違法といいますか、そういうたぐいのものだというふうにごらんいただいておられるのかもしれませんが、そういうものではない。しかし、今まで認証というものがなかったものをこの際したということに関連して、今お尋ねのようなことが出て参りますことも、これはまあある程度自然かと思いますが、そういう点につきましては、ほかの官職との関係もございまして、それはせっかくできております調査会におきまして、今後十分に検討いたしまして、将来に善処いたしたいという気持で、気持というといけませんが、そういうことで、そういう含みでございますので、その結果に待って、いずれはまたそういう面における御審査を仰ぐような時期もあるかと思いますが、当面のところは、二長官につきましては御遠慮を願う、というと、私のほうが願うわけでございませんが、とにかくそういう建前で進んで参ったわけでございます。この点御了承いただきたいと思います。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 どうも私は政府がこういう法案を出したにしてはきわめて粗漏だと思うのですよ。給与の問題については、これは特別職の問題については当然政府が考えなければならぬことなんです。人事院との関係もありますけれども、これは政府の考えるべき問題、それをあいまいもことした中にお出しになる。しかもこれから検討なさるかなさらないかよくわからぬけれども、調査会みたいなものがあるということをたよりにしてものを言っておられる。これはやはり七大学の学長と同じように認証官という問題にした以上は、そこのところは政府は責任をもって法案を出してもらわないことにはこれは審議できないと私は思う。あとに取り残したような問題が出てくるような印象をこの認証官の問題で与えられることでは審議できない。責任をもって出してもらいたいと私は思います。  委員長よろしくひとつ頼みますよ。そんないいかげんな話では審議できない。給与の問題は政府の責任です。特別職をそんなあいまいな話で提案されたんじゃ審議できないですよ。

徳安實藏自由民主党総理府総務長官

○政府委員(徳安實藏君) たいへん御好意のあるお話で、私ども拝聴しているわけですが、これはごもっともだと思うのですが、それでもし、私どもはあまり詳しくは知らなかったのですけれども、昨年の臨時国会のあとを受けまして、国会議員の給与を上げるということが、政府も了解済みで上がるようになっておったそうでありまして、本来大体その程度までは私どもも上げなきゃならぬじゃないかという気持で政府もおったようでございます。まあ認証官にすれば十八万円ぐらいにあれしなくちゃならぬのではないかというお考えのようでありまして、そういう気持もあったようでありますけれども、もう議員のほうで十八万になってしまったものですから、そこで十八万円にして出せばよかったのだろうと思いますけれども、今申し上げましたように、ほかのほうにもいろいろな関連がございまして、認証官だけしますというと、ほかのほうにも相当影響するところがございますために、これらの調整等も必要だと、そこで実質におきましては、むしろ国会議員としての立場のほうが、結果的に見ますというと給与がいいわけなんでありますから、そのほうをちょうだいするわけですから、一応そこでちょっともらっておいて、そのうちに今申し上げたようなほかのほうの調整等もよく考えながら給与体系をこわさないようにして案をこしらえて御審議を願おう、こういう考え方でこういうことになったように私ども考えておりますので、いずれは御審議願うことになると思いますが、ただこれと並行して御審議を願えなかったことはまことに遺憾と思いますけれども、どうぞひとつ御了承いただきたいと思います。

村山道雄自由民主党

○委員長(村山道雄君) ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止〕

村山道雄自由民主党

○委員長(村山道雄君) 速記を始めて下さい。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 今度総理府設置法と内閣法を改正して認証するということになるわけですが、この法律案ですが、その場合に総理府設置法の十九条ですか、を改正されて認証するということですが、また、ここにILO八十七号条約との関連において国家公務員法の改正法律案が出ている。この国家公務員法の改正法律案では総理府総務長官は国務大臣になることになっている。そうすると、同じ国会で認証官にするという法律案と、ところが一方では国務大臣にするという法律案が出ているが、めんどうなことをしないで、どっちか一方にしたらどうですか、国務大臣にしてしまったら認証官になるのですから。一方は国務大臣にするという法案を出して、一方は認証官にするという法案を出している……。

高辻正巳内閣法制次長

○政府委員(高辻正巳君) そういう関係の御指摘のような問題は実は今までもございますが、やはり今度のこの総理府設置法の改正につきましては、やはり統一的な結果が得られるように、ILOの関係のほうの総理府設置法の改正規定のほうに当該規定は削るようになっております。その国務大臣をもって充てられるということになりますと、御指摘のとおりの問題が生じますので、その辺はうまく参りますように、あちらのほうの法律案で始末をしてございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 それはいつ、その法案を出されておりますか。その始末をした法律案は。

高辻正巳内閣法制次長

○政府委員(高辻正巳君) それはILO八十七号条約関係法律を提出する際にそういう処置をいたしまして提出をしてございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 それはちょっと見せてもらいたい。この法案が、認証官の法案が出たよりも前に出たでしょう、あとですか。

高辻正巳内閣法制次長

○政府委員(高辻正巳君) 総理府の総務長官を国務大臣にするという、国務大臣をもって充てるというほうは、実はILO条約の関係のほうの法律でそういうことになっておりますが、それは例の総理府に人事局ができたりいたします関係でそういうことになっているわけでございますが、その国務大臣をもって充てるということを規定しましたその規定のほうで、今の国務大臣をもって充てることができるという場合の認証の制度というものは、そちらのほうで整理をいたすことにしておりまして、今の御指摘のような問題は、そこで結末がつくように実は処置してあるわけでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 僕もそうだと思う。そうでなければおかしな話だけれども。少し欲ばった話でね。認証官は出した、一方で国務大臣にするという法律案を同じ国会に出しておる。どっちか通ったらそっちでいこうという話はどうもちょいと筋が通らぬ。なかなかちょっとずるい話ですな。これはどうかと思うのですね、これは。それじゃその問題もおきまして……だいぶこれは借金、しょわせましたよ。  次に、行政府の認証官の基準を聞きたいのですよ、行政府。司法部は別にしまして。基準。

高辻正巳内閣法制次長

○政府委員(高辻正巳君) 認証官とする基準というのが御指摘のような問題になりますのは、これはしごくごもっともだと思います。今までの認証官を作りました際には、先ほども触れましたように、昭和二十二年五月三日新憲法の施行の際にとりあえず認証官を設けまして、それから次の、翌年の二十三年に最後の認証官が、現行制度で申しますと最後の認証官が設けられております。その後にいろんな官職もできましたし彼此の関連で問題になりましたものも生じて参りまして、実は今のところ二十二、三年以後は作っておりませんために、この絶対の基準というのがまた同時に立てにくいものでありますので、実はその基準として特に明確に申し上げる線というものはなかなかむずかしいのでございますが、私どもの考えの中にありますのは、まず第一に問題になりますのは、憲法上の国務大臣とか、国務大臣はまあ認証官になることが憲法上規定してございますが、それから憲法が、天皇が任命するものとされておりますもの、つまり内閣総理大臣と最高裁判所長官、これは別でございますが、そのほかの憲法上の官職というようなものにつきましては、まず認証制度を考えるのにふさわしくないかということがまず一つございます。それからもう一つは、そのように憲法上の官職でございませんでも、憲法上の官職と相匹敵するような、あるいはそれに準ずるような官職につきましてはやはり認証制度を設けてもいいんではないかというような感じを持っております。これも実はきわめて大ざっぱな御説明で申しわけないのでございますが、やはり先ほど来お話が出ております調査会等におきましてそういうような問題もあわせて十分にみっちりと研究をいたしたいと考えております。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 いや、僕は調査会調査会とおっしゃるから、その調査会で論議をしてからお出しなさいと、七大学の学長の問題にしろ、総理府総務長官なり官房長官の問題にしろ、そこでよく検討なさって、その上でお出しなさったらどうかというのが私の意見ですよ。

高辻正巳内閣法制次長

○政府委員(高辻正巳君) ごもっともなことでございますが、やはり総務長官ないしは官房長官というものにつきましては、今申し上げましたような線から申しまして、これはもう問題なしに認証制度を適用すべきであろうということは疑いを入れておらぬわけでございます。ただそのほかに御承知のとおり、いろいろな官職がございまして、それをどこまで拾い上げていったらいいかというようなことにつきましては、やはり検討の余地があるであろというようなことで、今申し上げたようなことを考えておるわけでございます。しかし、七大学の学長なり総務長官なり、あるいは内閣官房長官につきましては、これはもう論議の余地はあるまいというようなことで、私どもはそれをこの際認証制度をそこに適用するということにいたしたわけでございまして、このただいま当面の問題につきましては、これを認証制度とするにふさわしいという自信を持っておるわけでございます。そういう意味でこの点につきましては将来の検討に待つとかいうようなことと離れて、全くこれについては問題がないというふうに考えておるわけでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 いや、今お話しになりましたね、基準らしきものを三、四点お述べになりましたが、だからその基準からいうなら、総理府総務長官あるいは官房長官というのは認証官ではなかったわけですよ。ところが、今回こういうふうに拡大をするというのなら、それはそういう調査会でやりなさい、給与の問題もあるし。問題ないというならこんな今ごろやる必要はないわけです。そうじゃなくて、拡大ですよ。

高辻正巳内閣法制次長

○政府委員(高辻正巳君) 先ほど申し上げました基準でございますが、一般的、総括的に申し上げたわけでございますが、それには憲法上の官職及び憲法上の機関としてのそれに準ずるような官職ということを申し上げましたが、現に認証官としては高裁長官あるいは検事総長あるいは次長検事、さらには検事長というようなものまでも認証官ということになっております。そういう点から考えましても、ただいま御審査を仰いでおります総務長官なり官房長官につきましては、もうそこに認証官とするということについては、これは疑いの余地がない、この際やって一向差しつかえないもんであろうというようなことで、この二つの長官につきましては、この際認証制度を設けるということについて案を作ったわけでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 この内閣法の十三条の三項ですね、それに官房長官の職務が書いてありますね、それから総理府設置法の十九条の三項に総理府総務長官の職務が書いてありますね。それから行政組織法の十七条三項に政務次官の職務が書いてありますね、それから同じく十七条の二の二項に事務次官の職務が書いてあります。この四つを見比べてみますと、これはここで総理府総務長官を取り上げますと、総理府総務長官という職務は行政組織法でいう政務次官と事務次官とを合わせたような職務になっておりますね、行政法のどの法文を見てもそのように書いてありますよ。ですから政務次官と事務次官と合わさったような職務だと書いてある。ですからそういう意味でこれは認証官にならなかったんじゃないですか。補佐役ですよ、主任の大臣の補佐役です。直接の責任者じゃないです。総理府総務長官でいいますと、総理府の主任大臣である内閣総理大臣の補佐役。ですからこの内閣法においても、総理府設置法においてもその職務というのははっきり明記してあるように、事務次官と政務次官と合わせたようなことになっていますよ。そういう補佐役までしなければならないのですか。

高辻正巳内閣法制次長

○政府委員(高辻正巳君) 仰せのとおりに、総務長官の性格は今御指摘のような面があることは確かでございます。しかし同時に、総務長官にせよ、官房長官にせよ、行政各部の総合調整というような、他の役所には見られない特段の職責をになっておるものでございますし、その職務と責任の重要性にかんがみまして、現行制度のもとでも国務大臣をもって充てることができるというふうになっております。まあそういう意味で今お話のありますような政務次官ないしは事務次官というようなものとはだいぶその趣が違っている点もございまして、御指摘のような補佐役というふうに、概括的に言えばそういうことでございますが、やはりその職務の内容たるや歴然と重要性はまたさらにまさるものでもございますし、国務大臣をもって充てるというような組織上のことにもなっておりますので、この両長官につきましては認証制度を設けるにふさわしいのではないかというような考え方でございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 この内閣官房長官と総理府総務長官との規定の仕方には少し差がありますね。今ここで総理府総務長官を取り上げて言いますと、そのような規定の仕方はないですよ。ただ、今おっしゃるように、総理府総務長官、内閣官房長官は国務大臣をもってこれに充てることができるというふうになっていますね。しかし、国務大臣をもってこれに充てることができるということは、明確に認証官に該当する職務だというほど重要な意味があるのかどうか。実際、運営上もこれは国務大臣を充てていない。例外的に国務大臣を充てることがあるというだけの話であって、国務大臣を充てていない。運営上も原則は充てないというのがあたりまえの話じゃないですか。運用上もそうなっている。

高辻正巳内閣法制次長

○政府委員(高辻正巳君) 運用上の問題としましては今お話のとおりでございますが、しかし、制度の問題といたしましては、「充てることができる。」というわけで、それが充てることができないことになっております官職と比べますと、やはりそこには申し上げるまでもございませんけれども、相当な制度上の区別がございます。制度上の区別といたしまして、そういう区別がありますものにつきましては、やはり官職の中身、職務の内容というようなものとかね合いを持つわけでございますが、そういう職務の内容をになっている官職に就任をする官吏につきましては、その任命について認証するというふうにしてふさわしいのじゃないかというのが私どもの考え方であるわけでございますが、しかし、絶対にそれを認証官にしなければならぬかどうかというようなことになりますと、実は今までも認証官にしておらなかったわけでございますから、絶対にというような言葉をにわかに使うわけにはいかぬと思いますけれども、やはりこの際認証制度というものを考えて、ほかのほうで認証制度というものが設けられることになりますと、やはりこの二長官あたりはもう文句なしに認証制度を適用するにふさわしいものだろうというふうにまあ考えるのが自然じゃなかろうかというふうに思うわけでございます。

村山道雄自由民主党

○委員長(村山道雄君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

村山道雄自由民主党

○委員長(村山道雄君) 速記をつけて。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 時間がありませんので、これはどうも僕はうんと文句をつけたいのですが、時間もありませんし、これから文句をつけるからといってこれ自体については反対じゃないわけですけれども、ただ、七大学の学長の関連があるものですから、腹の虫がおさまらぬわけですよ。ですが、今立法府の問題お話しになったのですが、これはどうも私はこういう形でいきますと、最高裁の事務総長なんかもどうも出てきそうな気がします。それから法制局長官の問題もあるいはこれは給与の関係で同じような給与をしなければいきますまいということが出てきそうな気がします。場合によりますと、これは会計検査院の事務総長も出はしませんか。下手をすると政務次官も出そうな気がします。政務次官は国務大臣の補佐役でこれは代行することができるという規定もありますね。代行することができるのだからここまで広げようというような話になりませんか、政務次官も。これは乱戦状態ですよ。これは認証官の奪い合いですね、という気がするわけですね。これは人事院としては総裁初め人事官が三人認証官ですよ、その女房役である事務総長。立法府のこれは女房役である参議院の事務総長、衆議院の事務総長、これはやはりせねばいきますまい。立法府と行政府と司法府と比べた場合に、行政府だけが女房役は認証官にした。司法部は一体どうする。司法府の最高裁の事務総長を認証官にしないわけにはいきますまい、つり合い上。先ほどつり合いが非常に重要だとおっしゃったが、つり合いがそういうことになるでしょう。これじゃわけがわからないのです。わけがわからないと言っては語弊があるかもしれませんが、そういう点についてこれは法制局にお尋ねする筋合いでもないと思うし、また、総理府総務長官にお尋ねする筋でもないような気がするのですけれどもね。えらいごろごろ収拾つかないような形になってしまうのじゃないか。その場合に先ほど答弁がありましたように、内閣官房長官、総理府総務長官は国務大臣を充てることができる。これを非常に重要視されているわけですから、国務大臣を充てることができる、そこに限界をおいておられるのかどうか。その答弁がはっきりしないと、またこれは審議進みませんよ。それは立法府の女房役だって、司法府の女房役だって、つり合い上考えなければならぬ。これは会計検査院もそうだ。会計検査院は事務総長をどうするか。それはひとつだれか来て答弁してもらいたい。それは調査会にまかせきりだというのじゃ審議しにくいですよ。

徳安實藏自由民主党総理府総務長官

○政府委員(徳安實藏君) 被告人みたいな私ですから、どうも御答弁するのに適当でないかもしれませんが、現在では、先ほど御説明がございましたように、大臣をもってこれに任ずることができる職種であるという見地から問題がないではないかと、御了解願えるではなかろうかということで、この二人にしぼって提出してあるわけでございまして、今後、今の御趣旨のような点は十分参酌しながら内閣でも今後の方針をきめると思います。御趣旨は十分速記にも出ておることでありますし、私どもお聞かせ願ったわけでありますから、政府全体にお伝えしまして、そうしてあやめのない処置をとりたいと、かように考えますが、しかし、先に拘束するようなことを私の今の立場で申し上げることはいかがかと思いますので、その点は御了解いただきたいと思いますが、十分御趣旨はわかりますから、そういう点につきましてはよく伝えまして、善処するようにいたしたいと思います。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 そういうわけにはいかないです。これは認証官ですよ。天皇の認証するという問題について、総理府総務長官がそういう答弁をしたからといって、さようでござるかというわけにはいかない。だから、先ほども答弁がありましたように、均衡という問題を非常に重要視されているのです、均衡論を。均衡論から言うならば、当然これは立法府の女房役も、司法府の女房役も、これは均衡上出てくる。そうしたら会計検査院も出てくるでしょう。人事院は今さらというお感じがあるかもしれませんが、これは法律上はっきりしておる、人事院の事務総長だって。だからそういうような、何か変なんだな、認証官というのは非常に私はあいまいな感じがしてならないのですね。これで認証官というのはうんとけちがついて、その職務を評価するどころじゃないですよ、これは。そうするとやはりはっきりした見解で出していただかないと、何か末広がりに広がるのじゃないかというような印象を強く与えるような法案の出し方というのは、これはさしあたって出してしまったと。それは、認証官という性質からいって、そういうあいまいなことじゃいけない、きちっとした厳格な基準がなければいけないですよ。ところが、今の出し方では、さっきの論議の中からすれば、これからどういったって厳格な基準というものはありそうにない。そういう考えで認証官というものを御論議になる、あるいはそれをお考えになることは、私は不見識だと思うのですよ。

徳安實藏自由民主党総理府総務長官

○政府委員(徳安實藏君) お話しごもっともだと思います。そこで、私どもは、今申し上げましたように、今後の心がまえとして十分御趣旨を承りましたが、決してみだりにこの制度を乱用しでどんどんあとからあとからというような考え方は持っておりませんし、これは内閣だけでどうにもなるものではございませんで、これはどうしたって国会で御審議願わなければならぬことでございますから、常識はずれのようなことや、将来禍根を残すようなことにつきましては、今後の法案等につきまして十分細心の注意を払いまして、乱れた処置をするようなことはもちろんこれは考えておりませんし、あってはならぬと考えますから、その点はひとつぜひ御了解いただきたいと思います。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 それじゃ終わりました。

村山道雄自由民主党

○委員長(村山道雄君) 他に御質疑はありませんか——他に御発言がなければ、本案の質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います——別に御発言がなければ、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。  本案全部を問題に供します。本案に賛成の方は、挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

村山道雄自由民主党

○委員長(村山道雄君) 総員挙手と認めます。よって本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により、議長に提出する報告書の作成等につきましては、先例により委員長に御一任を願います。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

村山道雄自由民主党

○委員長(村山道雄君) 速記をつけて。  午後二時まで休憩いたします。    午後零時五十六分休憩    ————・————    午後二時十分開会

村山道雄自由民主党

○委員長(村山道雄君) これより内閣委員会を再開いたします。  行政管理庁設置法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き、これより質疑を行ないます。政府側よりただいま山口行政管理局長、山口行政監察局長が出席いたしております。質疑のある方は、順次御発言を願います。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 この本法律案に関係して、行政管理庁の行政不服審査法の関係でちょっと質問しておきたいと思います。  この行政不服審査法がこの前の国会で成立をしたのですが、それに関連しまして、これは具体的な問題でぜひ公式な場所でただしておきたいと思うのですが、きょうは厚生省の援護局長見えておられますか。長官もお見えになったですか。実はもうすでに御存じだと思いますが、戦争中に広島で原爆で戦死といいますか、内地で現役中に兵隊がなくなった。その遺族についての審査の結果が非常に問題がありますので、具体的な二つの問題を私きょう取り上げるのですが、他にもこういう問題があると思います。幸い行政不服審査法がいろいろと問題になって、民主的な行政不服審査法ができたのですが、この問題は、すでにこの法律ができる前に審査されたものでございますから、これに該当しないということできまっておるのですが、これについてすでに行政管理庁にもこの問題を出しておるのですが、第一審と申しますか、不服審査をしても、それも実はこれが却下された、通らなかったために、実はもうこれ以上の審査の機会がないということで問題になっておるのですが、これを取り扱われた際の審査会における実情でございますが、現在までの扶助料の問題については、審査会のメンバーはどういう状態で審査されたか、この点をひとつお聞きしたいと思う。  問題の件は、遺族の名前は小林巴さん、橿村としさん、この二人の問題ですが、この点がどうも私、本人から聞きますると、納得のできない点が相当あるのですが、私から一々事情を説明していると時間がかかりますから申しませんが、御存じだと思うから言いませんが、簡単に申し上げますと、おのおの両人の夫が広島であの八月六日ですか、原爆を受けまして、病院に収容されたのですが、その原爆症が比較的軽くて直ちに退院された。その後、十年あるいは十五年間おのおの他に働いておったということで、ところが、その間を過ぎた後に、他の病気で、他の病気といいますか、診断書は原爆症による死亡ということでなくて、他の病名で実はなくなったということから、審査会はこれは原爆症によるものでないという判定でこれが却下されたということですが、どうも私、その間の経緯を本人から聞きますと、どうも厚生省の審査のやり方が私のふに落ちない。いわば不親切なやり方じゃないかと思いますので、その点の経過をちょっと御報告をお願いしたい。

山本浅太郎厚生省援護局長

○政府委員(山本浅太郎君) 最初に一般的な状況をお話ししたほうがいいと思いますので申し上げますが、私ども遺族援護法の業務に携わっております者といたしましては、なるべく御遺族の身になって親切にやらなければならないということを一番強く毎日心を新たにしてやっておるつもりでございます。なお、こういう問題につきましては、国会の諸先生方からも随時具体的なケースをあげられましてお尋ねがあるところでございまして、先般総務長官と厚生大臣の計らいによりまして、異例のことでございますが、総務副長官名と厚生事務次官の名前で都道府県知事に、本省においてもそういう配慮をするけれども、地方の都道府県においてもそのような気持でやってほしいという通達を出し、その後、こういう仕事は恩給局のほうと私どものほうと、ともに関係がございますので、両者の間にともにそうした善意に満ちた扱いをするという基本的な態度を確認し、自今毎月一回または二回両局の事務打合会を開きまして、両者の審査の扱い等についてそごのないような、また、残された問題の処理について遺憾の点がないかどうかというような点について緊密に打ち合わせをいたしておるところでございます。そういう次第でございますので、非常に多くの案件の中には、御遺族の身になってみると、なかなか納得せられないというケースが実は若干あるわけでございます。しかしながら、どうしても法律に定められておりまするところの条件を満たし得ないものにつきましては、遺憾ながら棄却せざるを得ないものもごく若干はあるわけでございます。そうしたものにつきまして、ただいま御指摘のように、私のほうでいいますると、厚生大臣が原処分をいたしたものにつきまして、援護審査会に不服の申し立てができるという制度になっているわけでございます。ただいまお尋ねがございました援護審査会は、昭和二十七年から発足いたしまして、今日まで御熱心な御審議をいただいておるわけでございますが、その構成を話せということでございましたから申し上げますと、委員長は、非現業共済組合連合会理事長の今井一男さんでございます。そうして委員は、内閣法制局の第二部長、人事院の給与局長、それから総理府の恩給局長、それから私と、それから社会保険診療報酬支払基金の理事長、それから国立第二病院の院長、それから国立大蔵病院の院長、それから元の陸海軍省の医務局長をやられておったお二方、こういう方々で構成されているわけでございます。この委員会は、私も非常に政府の委員会たくさん経験がございますけれども、ほんとうに終日一つ々々の案件につきまして詳細なデータを一人々々ごらんになり、また、当日の会議だけでなく、一週間くらい前に議案の一つ一つを御審査になって、そういう上で御出席になって御意見を出されるわけでございますが、一つの案件に、非常にむずかしいものについては一時間も二時間もかかるというような御熱心な医学的その他法律的な御審議をして最終的におきめいただいているものでございます。非常に私はたくさんの委員会を知っておりますけれども、こういう御熱心にやっている委員会は非常に少ないのではないかと思うくらいでございます。  次に、ただいま御指摘の二つの案件でございますが、お話がございましたので調べて参りましたが、まず第一の、橿村さんにかかわる案件でございますが、これは広島で昭和二十年の八月に被爆いたしまして後、やがて召集解除になりまして、その後自宅でいろいろ民間療法をやっておられまして、三十三年大阪でなくなられたのでございます。その間十三年でございまして、死亡診断書によりますと、膿胸——胸にうみがたまるという病気でなくなられたということが診断書で非常にはっきりいたしているわけでございます。そういうことで、原爆にあわれたということと、こうした死亡診断書に出ております胸にうみがたまるという、膿胸という、こういうことの間に、法律で定められておりまするところの相当因果関係があるかどうかというようなことが争点になるわけでございまするが、先ほど来申しましたような医者の一致した見解として、そうした因果関係はたどれないということで援護審査会で棄却になっている案件でございます。  それからもう一つの、小林義雄さんにかかわる案件は、やはり二十年の八月に広島で原爆にかかられたのでございますが、その後、農業会等にお勤めになっておって、二十一年に国立国府台病院に入院された。このときの死亡診断書は発しんチフスでございます。この発しんチフスというのは、当時そういうものがはやったという一般的な話でそうされたものではなくして、私のほうが、非常に古い、現在は柏であったと思いますが、他の国立病院に保管されておりました当時の本人のカルテを探し出しまして、当時の死亡診断に携わりました人であり、今日、国府台の病院長をやっておられる方にもう一度このカルテを見ていただきまして、このカルテから見て、発しんチフスと死亡診断したことは絶対に間違いのないことであるという医者の証言で、証言といいますか、御意見でございます。したがいまして、発しんチフスでなくなったということは、原爆によってなくなられたということとこれまた因果関係がないということで棄却されているわけでございます。全般としましては、先ほど来申しましたように、でき得る限りあたたかく見るという配慮をいたしているのでございますが、こういうケースにつきましては、本人の御遺族についてはいろいろ感情的な問題があるようでございますけれども、やはりあたたかくといっても、そうした因果関係がたどれないものにつきましてはどうしても棄却せざるを得ないということで、今日におきましてもいろいろ調べましたけれども、これ以外に考えようがないということでございます。  よろしく御了承をいただきたいと存じます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 その経過は、まあ大体今まであなたのほうからも聞いているのですが、ただまあ問題は、そういう審査会、今いろいろ権威者が集まって審査会が開かれているのですが、やはりそういう場合に裁判ではないからそう言えないのですが、本人の遺族といいますか、関係者を呼んで意見を聞くという方法はないのですか。

山本浅太郎厚生省援護局長

○政府委員(山本浅太郎君) これは私ども、実際の運用の当事者といたしまして非常に痛感することでございますが、やはり御遺族としては非常に感情的な高ぶりがあられる方がございます。そういう方につきましては、私ども役所においでになっていただきまして、一人のために二時間も三時間もかかっていろいろ話をいたします。大部分の人は、これほどまでに調べてくれているのかという、御納得をされて帰られる方もございますが、一部の人については一種の狂信的な考え方をお捨てにならないというふうな人も現実にあるわけでございます。ところで、一方私どもといたしましては、こうした遺族援護に対する案件を迅速に処理するということはまた非常に大きな役割でございます。非常にたくさんな案件でございまするので、日夜努力いたしておりますが、そういう当事者を一人々々呼んで、その意見を聞くということになれば、おそらく審査会としては、一日に一、二件しかできないというような現実の問題がございまして、制度としてそういうふうにするということはなかなか実際問題としてはできないのじゃないか。しかし、いろいろ都道府県等を介しまして、われわれの可能な限りの調査をし、また、そうした人の立場になって見る見方も努めてするというような運用でやらしていただくよりほかないのじゃないかと思います。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 僕は、最初から呼んでどうこうでなくして、もう救済の方法がない、不服審査の請求自体却下するということになれば、最終的な決定になるんですね。そういう際には、ある程度、直接呼ばなくても、都道府県に関係者がおれば、一応せっかく出されたものを、こういう理由でいけないんだということで一方的にその決定をされるのでなくして、そういう方々というものが、かりにそれが受け入れられなくてもある程度納得をするのじゃないかと思います。決定したあとからどうと言ったときは、感情は高ぶるかもしれません、いけるものだと思って本人は出すんですからね。原爆を受けたということは証明されておる、それが死んだ場合の病名とどういう因果関係があるかということは、書面審査で医者も一方的とは言いませんけれども、医学的な立場から判断されるのですが、やはり本人が長い間、原爆を受けて、十年なりあるいは数年一緒に暮らした遺族としては、私は相当言い分があると思う。したがって、私はこういうものが実際扶助料なりまた恩給なり、そういう給付をされるということも一つの目的であるけれども、そういう戦争によって犠牲になった、しかも原爆を受けた苦しみを持っておる人に対する措置としては、そういう納得をさすといいますか、十分政府の意向というものを知らすためには、大体そういう方法が私は必要であると思う。

山本浅太郎厚生省援護局長

○政府委員(山本浅太郎君) ただいま先生の御指摘になりました一面は現在行なわれておるわけでございます。といいますのは、不服申し立てをいたしました場合には、その原審決がなぜ棄却になったかということはわかっておるわけでございます。そういう方に、今度は不服を申し立てられるわけでございますから、御遺族の言い分は余さず書いてもらうということにいたしまして、事実申し立て書というのをお出しいただくようにいたしまして、これは御遺族の方なりあるいは本人のお知り合いの方あるいは当時の上官、僚友、そういう人々、あらゆるものを出しております。特に御本人の申し立て書というものは非常に詳細なものを出していただいておりまして、先ほど来、医者のほうの医学的な所見をのみ申しましたけれども、そうした申し立て書につきましても十分意のあるところをくんだ審査はいたしておるわけで、決して医学的という、私、言葉は足りませんでしたが、そういう面だけではございませんので、補足いたします。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 まあ、あなたは直接やられたか知りませんが、私は二人の人にも会ったんですが、そういうところまでいっておらないようです。とにかく医者の診断書については、あとから、この再審の結果が出てからいろいろ話をして、こうしたらいいじゃないか、ああしたらいいじゃないかということで、こういう書類が出ればあるいはまたこの審査をくつがえすというわけにはいかないけれども、まだ方法があるのじゃないかという非常に好意的な話も受けておるわけで、前にこの最終判決と申しますか、審査の決定が出る前であればまだ方法があったのですが、その後、前にかかった二人の、橿村さんの場合は、鳥取の赤十字の病院に行って、その後いろいろ運動といいますか、お世話願ってやっておるのです、最初のときは。そういうことも知らずに、ただ簡単に医者の診断書をつけて、あの関係がどうこうということはしろうとだからわかりませんが、原爆を受けたという事実によって、遺族というものは、家族というものは、どうせこれはやってもらえるのだという安心感がある。そういうことだから、今言われたように、十分皆さん方の親切な考え方というものは通じておらないと思う。今のところ、ほかの場合は別として、この二人は私も初めて聞きまして、じゅんじゅんと話をしましたが、とにかくそういうことであればいろいろまたやる方法もあると思う。相当いろいろと新しい診断書といいますか、入院したときの状態を書いてもらって出してきつつあるのですが、ところが、きょうお尋ねしたいのは、かりにそういうものをつけても何らの方法がないので、民事裁判に訴えようということです。そういうことになると、民事裁判になると、おそらくなかなか時間的に相当かかるし、相当また費用も要りますのでできないので、少なくとも行政不服審査法という民主的なこういう行政措置に対して不服を申し立てる方法があるのだから、何らかそこに措置がないものかどうかということがきょうの私の意見なんです。

山本浅太郎厚生省援護局長

○政府委員(山本浅太郎君) ただいまの、法制的には不服の申し立てをいたしますと、援護審査会の意見を聞いて厚生大臣が定めるところが最終でございます。しかしながら、審査会におきましても神様ではございません。また、事実を根本的に考え直すような新しい資料が出た場合に、一たんきめた決定であるからといってそれを変えないということは、行政上もちろん適当でございません。したがいまして、この審査会による厚生大臣の裁決がありました後におきましても、事実の認定、これに重大な影響を与えるようなものがかりに出たといたしますれば、それは援護審査会にもう一度お諮りして、厚生大臣が再裁決をするということは当然行政の運用上あってしかるべきことでございます。そういうことはございます。したがいまして、今回の場合につきましても、いろいろ御意見がございましたので、資料等も再検討いたしたのでございますが、遺憾ながら原裁決を取り消さなければならないような、そういう資料はない、こういうことでございます。個々の事案の将来につきましては、また十分考えなければいかぬと思いますが、今回の二件につきましては、努力いたしましたが、遺憾ながらそういう状況でございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 そういう事実をくつがえすというと、相当な決定的な証明資料ということになりますね。僕はここで長官も出ておられるから話をしたいのですが、政府だけではないと思いますが、八月十五日に戦没者に対する全国民の慰霊祭というものを開こうということになっておるのですが、それはなくなった人は幾ら国から補助を受けたところで、それはその悲しみは一生去らないと思いますが、せっかくそういう一つの扶助料を出すという国の恩恵というかどうか知りませんが、そういう援護措置があるのに、そういう証明をするという手続がもうすでにできないような——できないという断定はいたしませんが、やっておるようでございますが、もし、そういうものをもらわなくてはならないということなら、これは準備をして今まで療養していけると思うのですが、たまたま今までの関係を知らない医者に、死んだからといって診断書を書いてもらったということになれば、十分前の事情を知らない医者だから、それが原爆にかかったかどうかわからないから、簡単に診断書を書いておると思う。その診断書で実は判断されているのではないかと思うのですが、先ほど聞くと、専門的な医者にかかっておるという。審査会の委員の中に医者も入っておるということですが、これは旧陸軍の医務局長というのは、これは一人だけですか、メンバーに入っているのは。

山本浅太郎厚生省援護局長

○政府委員(山本浅太郎君) 二人です。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 二人というのは、それは……。

山本浅太郎厚生省援護局長

○政府委員(山本浅太郎君) 当時の陸海軍の医務局長でございます。今はもちろん民間人でございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 実は原爆症というものについて、私は医者にも聞いているのですが、医学上からはっきりした学説といいますか、そういうものはまだ出ておらないということを聞いておる。だから私は、原爆によって傷病を起こしたというものは、かりに直接の関係あるかどうか知らないけれども、その原爆症によって健康なりあるいは生命に私は影響のあるということは一応第一義的に考えられるべきだと思うのですが、政府としてはどう考えられますか。

山本浅太郎厚生省援護局長

○政府委員(山本浅太郎君) おっしゃられますように、原爆のことについて近代医学が解明しているとは、私もしろうとでございますが、厚生省も考えておりません。しかしながら、ただいま申しましたように、発しんチフスでなくなった、これは非常に明白な事象でございます。しかも国立の病院でございますし、院長はその当時からおられた人でございますし、その当時のカルテは現に完全に保存されておる。そういう資料に基づいて死因が発しんチフスであるということでありますと、原爆の身体的影響はいろいろあろうとも、その死因についていろいろ争うということは、こうしたケースの処置としてはどうしても無理だ、こう考えざるを得ないわけでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 そこで、これは将来に待つ以外にないのですが、私は原爆症になった人も、広島の市役所におった人も二、三知っておりますし、これは徐々に白血球が低下していって非常にからだが弱ってきているという事実はあるのですが、直接の因果関係がないあるにかかわらず、こういう原爆を受けて、しかも兵隊という服務中に受けた人が、直接の死因は発しんチフスだろうが何だろうが、私は病気に対して何らか因果関係があるという前提は政府として持てないものか。

山本浅太郎厚生省援護局長

○政府委員(山本浅太郎君) お気持はよくわかるのでございますが、援護法ができました後、そうした勤務と関連があるというような疾病につきまして、退職後結核は一年、精神病については三年間になくなった人については勤務に関連ありということで、これは議員立法でございますが、できました。それによって普通の公務扶助料の十分の六の年金が支給される。今回これが二年、六年というふうに改正されて、現在恩給法の改正として御審議を願っているところでございます。そういうことでこれはもちろん旧兵舎に、衛舎内に勤務することを余儀なくされておったいわゆる下士官、兵だけについての——将校に及びません、こういう特殊な環境におりました者につきましては年金を給付するという道が開かれておりますが、軍隊勤務中に何らかの影響を受けたということになりますと、日本の国民の現在三十なんぼ以上の人はほとんど軍隊の経験がある。そこにいろいろ大小の身体的影響があるということになりますと、これはまた医学的な区分整理ということがたいへんな問題になりますので、どうしても公務によってなくなったとか、あるいはただいま申しました勤務に関連してなくなった、こういう法律上は一線をどうしても引かざるを得ないのではないか、しかし、遠く因果関係もかすかなものもあるのではないかというようなものにつきましては、これは戦地にもいろいろございまして、こういうものは将来援護法の問題として、今の援護法以外にさらに援護の対象を広げることとして、別な法律を作るかといったような、遺族援護の全般の問題として検討すべき問題は御指摘のようにあろうかと存じます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 そういうばく然たることを言っているのではないんですよ。僕は、原爆症というものは日本人が初めて受けた問題であって、しかも、それがはっきりと原爆症を全治さすということも発見されておらない、いわゆる不明なものなんですね。したがって、その原爆によってそういう負傷をしたことは事実なんです。そのときの負傷ははっきりしておるんですね。それをはっきり、これが二年でも、三年でも、一年でもいいんですね、なおり得るというその医学的根拠が出ているならば私はそれは言わない。しかし、原爆症というものはまだ今後どうなるかということはわからない。しかも、今のところはおそらく救いがたき原爆症だということで世界各国がいろいろとこれは研究しているのです。なおり得るというような、たとえば結核とか、そういうものであれば、これならばこの原爆の問題についてはそう国をあげて問題にする必要ないんですよ、ほかのようなものであれば。核兵器が非常に問題になっているというのは、そういう全人類に及ぼす大きい影響があるから、この原爆については問題が世界各国の問題になっているのですね。今そういうものを、兵役に在職している間に受けた事実がはっきりしているのに、それはほかの病気のように一年か二年の間は因果関係あるけれども、そのほかはわからない。それはわかるのですよ、そんなことは。しかも、原爆を受けたという、しかも、それが兵役に従事しておったときに受けたというその原因が、直接、診断されたときの死因が、腸チフスであったから全然関係がないという考え方について、私は問題があると思うわけですよ。これはこれだけ話して、いずれまた別に話をしたいと思いますが、そういう本人は死んでいるのだから、そういう権威がある医者であれば私は信じます。その権威ある医者に本人が行って、本人は本人で医者にいろいろ話をしているのであるから、納得させる方法をとれないのですか。陸海軍の相当な地位にあるお医者さんですから、これは全然因果関係はないのだ、原爆症は全然関係ないのだというだけの確信ある証明なりすれば、それは本人も納得すると思う。納得せざるを得ない。しかし、本人は長い間原爆を受けてあちらの病院、こちらの私の医者と転々としてかかってきて、そうして原爆で苦しんでいるのだということで、家族が一緒にいて最後に死んだ病気が腸チフスあるいは膿胸ということになって、原爆というものがすべて消されてしまうことについて、本人は納得できないという、そういう点で私はきょうはこれ以上言いませんが、そういう権威ある医者であれば、この審査会に参加した医者が、これは原爆症は全然関係ないのだ、なおっているならなおっているでよろしいが、ないのだということをはっきりしてやれば、こういう問題は、今後こういう問題が起こっても私は納得すると思うのですが、私らの常識的な考え方では、一度原爆症を受けるならば、これは生涯なおらないものである、致命的なものであるという判断でいるのだが、そうでないという立証できるなら、できれば私は関係ないというふうに……。

山本浅太郎厚生省援護局長

○政府委員(山本浅太郎君) 先ほど来述べましたような諸先生方の一致した意見として、今日の医学の通念として遺憾ながらそのように解し得ないということでございますので、行政庁としては、その御意見を尊重して決定をせざるを得ないということでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 そこで私は、この行政不服審査の問題、これは新しくできたのですが、この法律をたてに言うのではないですが、今までの扱い方については問題があると思うのですね。この審査会のメンバーといっても、私は、こういうものの判定者はお二人の医務官、やっていたお医者さんにすべて私は責任があると思う。そんな今井一男さんという人は大体お医者でもなし、二人の医者の意見が決定的に出ていると思う。行政官のほうは法律の建前でそう決定されただけであって、死因の決定が原爆症とは関係しておるかどうか、そうでないかどうかということは、二人の医者の意見だけしかないと思うが、その二人の医者が本人をはっきりと納得させる、原爆症と全然関係がないのだということを納得さすような方法、この二人だけじゃないが、そういう求めをしたら、してくれますか。

山本浅太郎厚生省援護局長

○政府委員(山本浅太郎君) 説明がまずかったかもしれませんが、医者は五人でございます。元の陸海軍の医務局長であった人のほかに、日本の一級の医者であると思いますが、国立第二病院長、国立大蔵病院長その他の方でございます。そういう審査会でございますので、一人々々の関係者が一人々々のそういうところへ行くというのは、やはり審査会という会議体で議論せられて審決された問題でございますので、一人々々がそういうところに押しかけていくというのは適当でないかと思います。なお、この本人は私のほうにも参られまして、私のほうとしても相当時間を費して、審査会のそうした御決定になった理由についてお話を申し上げておるのでございますけれども、非常に狂信的な、感情の高ぶったお気持をなかなかお静めになりませんで、実は何度もお話ししておるのでありますが、気分的に、感情的に納得いただいておらないというように存じております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 僕も実は会いましたが、そんなに、あなたのところへ行ってどう言ったか知らぬが、そんな感情的の話はされておらなかったと思うんですが、その点が私、ちょっと合わないんです。それで、それは法律の建前でやられるのですから、私は、無理にお願いするなら、個人的に行ってお話しするが、これは行政庁の一つの一般的な問題に通ずるから、私は言っておるのですが、こういう事件というものは、いけなければいけないということを本人も納得をするような行政不服審査でなければ、どれほど法文が民主的に手続的によくできておっても、そういう人はどうも政府のやることについては不満であるという、こういう声が残ってしまえば、何もならぬと思う。したがって私は、問題は、本人が、そういう医学的な点を十分証明をして、なおかつ、そういう決定による関係がそんな簡単に退ける、原爆症は一応こうなっているのだ、そういうことが話ができるかどうか、私は、医者もできないと思う。本人が死んでしまっておるから、事後の審査でやっておることであるから、私は、その点に本人が不満だと思うんです。そこに私は問題があると思う。私は、五人の医者がかかっておるけれども、本人を診断をしたこともないのですから、ただ要するに、書面審理の中で、医学上見たところで、原爆症と死因の診断書の結果は関連がないのだということの、私は、書類審査の判断だと思う。ところが、本人からしてみると、長い間十年も一緒におるのです。原爆症でどうして苦しんでおるかということを知っておる。御承知のように、原爆症というものは働くこともできるのですよ。それは徐々に白血球なんかが少なくなるということで、からだがだんだんだるくなり、そうして、やがては死期を早めるというのが原爆症だと聞いておる。そういうものがないのだという、はっきりしたものがあれば、私はもうそれで納得できるのですが、医学的にはそういうものがないのですね、今のところ。それを、原爆を受けたという事実のあることをあまりにも軽く見ておられるのじゃないかと思う。ただ、この原爆症、原爆を受けたということがあるけれども、それの出した診断書は、原爆症の関係が直接あるかどうかということを書類審査で葬り去っておると思うのですが、この点は将来の問題として、どう本人を納得さすかという問題なんです。そういう方法はないのですか。ただ、もう審査会の決定だから仕方がないのだ、新しい書面を持ってくるまで仕方がないのだということで、もう突き放してしまうのかどうか。本件に限らず、一般的にそういう問題を処理するのか、その方針をひとつ聞いておきたい。

山本浅太郎厚生省援護局長

○政府委員(山本浅太郎君) 御本人に、努めて御納得をいただくような、懇切なお話をすることは必要でございますが、さらに現在の審査会法のほかに、あるいはこの中でもよろしゅうございましょうが、特に制度として法律改正をしてどうこうするというようなことは、これは恩給の審査会の問題もございますが、私どもとしては、特段今のところは考えておりません。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 いや、法律の改正、そんなことを言っていない。法律改正はまた別な話ですが、私の言うのは、何べんも言いますけれども、医者はいろいろ議論の結果結論を出したわけなんですが、十年前にこういう原爆を受けている。それが遺族がこういう陳述をしておるが、この陳述については信じられるかどうか。どういう医者にかかって、どういう経過をたどったかという、そういう一つの、生きておる間の経過を十分話をして、その上でこの診断書とそれから原爆症という関係の判断をするような考え方、これができないものかと、こういうことを私は言っておるのです。

山本浅太郎厚生省援護局長

○政府委員(山本浅太郎君) それはいろいろ非常に完備する場合と不備な場合とあると思いますが、でき得る限り、本人の症状、経過ということは各案件ごとに詳細に書いてあるわけでございます。そういう点で、医学的な見地から見まするというと、そうした症状の経過というものを頭に描きつつ、最終の死因というものを把握するわけでございまして、その辺は医者としては可能な限りの努力をいたしまして、医学的結論を得ておることと私は信じております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 僕はそういうことは聞いておらないのですがね。あとからこういう医者の証明があったら、また話があるのじゃないかということを言われておるぐらいですから、本人のそういうことがこの再審の結論が出る前にそういうことを本人に言うておらないのじゃないですか、それは。言っておりますか。言っておったのだったら、私はまた別ですが、おそらく簡単な考え方で出しておるやつを判断したのじゃないですか。

山本浅太郎厚生省援護局長

○政府委員(山本浅太郎君) 原審の場合、いわゆる審査会にかける、採決の場合には一応こういうものが要りますということは、都道府県を通じまして、こうした年金請求の場合にはこういうのが要りますよということは十分お話ししてありまして、一般的に必要な書類を可能な限り整えておるわけです。しかしながら、そういたしましてもわれわれが判断いたします場合に、こういうところのきめ手になるようなものはございませんかといってお願いをする場合がございます。それから、特に再審である不服審査の場合につきましては、事前にこういうふうなのがあったほうがいいということの気のつくことは申し上げることもございます。それから審査会を開きまして、お医者さん方の御注文によってこういう方面のこういうものはとれないかという御注意がありまして、必要な場合にはそれから資料を集める場合もございます。先生の御指摘のような点は、私具体的には、いつどこでどういうふうな証明書をどうしたという時間的経過は本日持ってきておりませんからわかりませんが、そういう親切は怠らないようにいたしておるつもりでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 大体私は納得したのじゃなしに、厚生省の本件についての取り扱いについて大体わかって参りましたが、この問題についてはそう問題になるかどうかということもそのときの事情で判断されなかったと思いますが、比較的簡単に出されております。それが実は再審になるまでであれば、本人ももう少し考え、納得したと思うのですが、出てからいろいろ動き出したのですね。こういうものも要るといわれておりますということで動き出しておるのです。だから今言われましたが、これは追及しませんが、再審で、もうこれで最終の決定だという前にあなたのところへ行ってああいう程度の話をしてもらえば本人は納得した。ところが、知らない間にもう方法もないというところに押し込まれたもので、相当憤慨しておるようであります。ここに一つ私は制度として問題があると思うのですね。だからその点だけ考え直してもらったらいいと思うのです。本件についても、したがって、最後の再審の決定が出るまでに厚生省なり、関係の方々が言われるほど、こういうものがあればいけるのじゃないかということを指示してもらえば、これは私いくケースでもあると私は思っておる、別の意味において。しかし、これは、私はむしろ官庁側に感情的になってもらったら困ると思うのです。一応最終決定が出ておるのだから今さら審査会の面子があるからどうこうということにこだわってもらうと、この問題は、私は別の問題に発展すると思うのですよ。率直な態度でやはり本人の意向を聞いて、そうして私はこういうものの間違いがあるかどうか判断をしてやらなければ、私はこの医者にも会ってもいいですが、本人は原爆を受けて、そうして死ぬまでの間何にも本人を見ておらない医者ばっかり五人、そうして出てきた最終の診断書なりあるいはその間におけるデータを独自に集められたか知りませんが、その判断で私はやっておると思うのですね。そこに私は、本人の相当の不満があるので、この点につきましては、いよいよいけなければこれはもうどうなるか。民事裁判に訴えるかどうか別として、私はせっかく行政不服審査法というものがあとからできたのでございますが、行政管理庁あたりでもこういう問題について、この機会に何らかの方法を考えてもらわなくちゃならぬと思うのですが、時たまたま八月十五日の戦没者慰霊祭を大きく取り上げようという際ですから、この人達の悲しみというよりも国に対する恨みというものはよけい大きくなると思うのです。これが決定しなければなんでしょう、戦没者にならぬでしょう。それから金をもらうということよりも、そのとき兵役に従事をして現実に広島で原爆を受けたという事実で、そのまま数年あるいは十年の後に死んだというこの遺族からしてみれば、私はたまらぬと思うのですね。私は感情論から、今言っておりますが、そういうことじゃない。感情論じゃない。事実、今の原爆症について全治するという結論も出ておらない。最も近代——近代といいますか、今の問題である原爆を受けた人に対する措置としては、私は厚生省を責めるわけじゃないですが、相当政府としては考えてもらうべきものがあると思うのですが、これ、私は二つの件だけだったらいいのですが、これは私が行ったのじゃない。偶然私をたずねてきて相談を受けた人ですが、ほかにも私は相談を受けた人がおる。こういう点から見て、今の法律上どうにもならぬということだけからじゃなくして、こういう問題について、今の制度として、審査会の制度として何か本人に納得さす方法が見出せるようにひとつ善処を願いたいと思います。この点どうですか。

山本浅太郎厚生省援護局長

○政府委員(山本浅太郎君) 非常に全国多数の関係者でございますから、一々お呼び出しもできませんが、参られれば、事情は先生御指摘のようにもちろん私どもも形式や感情にこだわっておるわけではございません。われわれの話し得る限りのことはお話し申し上げたいと存じます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 この場合、なんですか。最終の決定をする場合に、本人に何とか来てもらいたいとか、その事情を聞きたいというような措置をとられたのですか。

山本浅太郎厚生省援護局長

○政府委員(山本浅太郎君) 先ほど申しましたように、審査会といたしましては、全国のそうした関係者に直接に会うということは現在までいたしていないというふうに承知いたしております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 大体なんですか。月に最終判決をする、もうこれ以上どうにもならぬという再審の決定をする件数は何件くらいあるのですか。

山本浅太郎厚生省援護局長

○政府委員(山本浅太郎君) ちょっと数字は持って参りませんでしたが、原処分を取り消しましていわば申立人の申し立てを認めますのが、月によって違いますが、そう多くはないと思います。二〇%くらいはあると思います。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 件数は。

山本浅太郎厚生省援護局長

○政府委員(山本浅太郎君) 件数はちょっと持っておりませんが……。それでその場合、いろいろ事前に御相談がございます。これは県でございますが、それでいろいろ県で事情をお話しいたしまして、まあこういう制度がございますが、あなたの場合はこういう理由で断わられておりますから、そういう点について新たな資料が得られないということではなかなかむずかしいのじゃありませんかというふうに、いろいろ指導をしておるところもございますので、現実の審査の結果、裁決のうち棄却したものと容認したものとがどれだけあるという一般的な統計は、そう大きな意味はないと思いますが、とにかく十分今日として得られる資料の限りを尽くして、専門家の専門的意見を十分出し合って、合議してきめる、こういうしかけになっておるわけでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 僕の言うのは、再申請して不服の申し立てをして、それが受け入れられる場合はいいですよ、本人の意向が通るのだから。それがだめだというときに、月に百件も二百件もあれば、それはなかなか来てもらうということはできないけれども、わずかな件数であれば、そういう手続がとれるのじゃないかという、僕はそれを言っているのです。

山本浅太郎厚生省援護局長

○政府委員(山本浅太郎君) 昨年一年の例では二千四百八十八件処理いたしております。決して少ない数ではございません。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 それで、それは全部再審の決定を拒否した件数ですか。

山本浅太郎厚生省援護局長

○政府委員(山本浅太郎君) 棄却したものと容認したものを含めてでございます。非常に、何といいまするか、医学的な判断を要するようなものは、そういう専門家がおられますからやっておりますが、特に身分関係、たとえば軍属の身分を持っておった、あるいはいないという事実関係の簡単なのもございますが、こういうのは小委員会というのを設けてやっておりますが、それで扱ったものも含めまして、全部でございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 僕の言っておるのは、最後の、いわゆる不服の申請をして、これでもう最後だという人については、僕はもう少し本人の意向を聞いてやるような機会を作るべきであるというのが今の私の主張の第一点なんです。第一点というか、それが重点なんですね。そういう方法がとられないからこういう問題が私は起こってくるのじゃないかと思うのですね。だから何でしょう、これはもう不在判決であって、本人が、再審をするくらいであるから、私は相当希望もし、自信も持って出されていると思うのですが、どういう審査にせよ、最終決定をするときに、本人の意向も全然聞かずに一片の通知だけでやるということに私はこの制度に問題があると思う。新しい行政不服審査法においても問題があるのですが、新しい場合にはこういう場合どうなるのですか、行政管理庁の……。

山口酉行政管理庁行政監察局長

○政府委員(山口酉君) 行政不服審査法の制定の趣旨が、国民の権利利益を最大限に伸長するという意味でありますので、したがって、その侵害されました利益の救済にあたりましては、運用の面におきまして十分そういう点を考慮されることが、当然、法の精神として期待されているわけでございます。問題は、不服が申し立てられまして、それを受け付け、あるいはそれを審査し、あるいは裁決する場合の運用の面に多分にあるだろうと思います。当然そういう趣旨で運営されるものと考えております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 私は、それが当然だと思うのです。これは一般の裁判ではないけれども、本人にとっては裁判以上の利害関係が多いやつですね。それをまあ相当権威のある審査会のメンバーで決定したといえども、やはり申請をした人に最終判決のときには、これは裁判といいますか、そういう審査の会といいますか、そういうものの常識ですよ、これは。常識って、それがなければそんなものは幾らあってもだめですよ。こんな制度があっても形式に終わってしまいますよ。最後にこれではどうにもならぬ、本人の主張というものは全部永久にこれは抹殺されるのだ——もちろん民事裁判もありますけれども、そんなものは相当金がなければできませんし、相当よく知った人でないとできないのです、そこまで。その際に、本人の意向を全然反映せずに審査会の権威者であるかどうか知りませんが、一方的に決定して、それで本人は泣き寝入りせよという制度であれば、私は、もうこの審査法を作ったときには、私は、非常に一歩前進したものだと思ってやったのですが、たまたまこの法律ができるのがおそいから、もうすでに過去のものだからこれは仕方ないという、一口に言えば、そういうことになると思いますけれども、納得は、私できないですね。審査会の決定されたものが正しいかどうかということは、私は第二の問題にしているのです。そういう措置をなぜとられないかという、件数が多いからできないのだ、しかし、本人にしてみたら自分一人の問題ですから、政府から見たら年二千件あるからとてもそんなことはできないと言われますけれども、やろうとする親切味があればそれはもう各出先の機関もあるし、各府県庁もある、市役所もあり、町村の役場もあるのだから、最終判決がこれはだめだというときには、厚生大臣の決定を取るのを二月か三月でも延ばして、もういよいよ審査会ではこれはだめになっておるということの事情を通知してやって、徹底的に本人の意見を述べるという機会ぐらいは、今の制度でもできないことはないと思うのですが、それはできませんか。

山本浅太郎厚生省援護局長

○政府委員(山本浅太郎君) 先ほど申しましたように、本人としては相当詳しい、具体的なあれを持っておりませんけれども、申立書というものを出しておるのです。非常に詳しいものが出ております。それから先ほど言いましたように、当時の戦友でありますとか、関係者のやつは、洗いざらい出ているわけです。それにおそらくは私は尽きていると思うのです、要するところは。しかしまた、先生の御指摘のように、最後に本人の利益のための最後の弁明の機会を与えるということは、非常にいい考えでございますが、やはりそういうことでございますと、現在ございます社会保険審査会のように、常任の委員長、委員をずらっと置く。こういうことでないと、現在のようなものではとうていできませんし、また、現在もそうした権威はございますけれども、なかなか余裕が作りにくい先生方に、そうした本人を呼び出して一つ一つの案件の説明をし、事情を聞きということは、実際の運営上は非常に困難である。このように考えているわけでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 僕はその点が、官僚という言葉は使いませんが、官庁事務に僕はなれてしまっていると思うのですよ。私は、何も本人を呼べとかなんとかじゃなくして、そういう機会を与えよというのですよ。本人に対して住所がわかっているのだから、こういうことで、もうすでに審査会でこれはだめだ、拒否の決定がされる。それについてはもし言い分があればこういうことについてどうかというような通知書を出してやれば、私はこういう問題は起こらないと思う。これなんかはあなたが言われるように、そんな具体的に再審のときの何と言いますか、上申書と言いますか、不服審査書の理由書にそんなに書いたというような人じゃないのですよ、実際問題で。そんなことはわからぬ人です。それほどりっぱなものを書いておる人だったらそんなことをあとから言うてこないです。書いてないから言うてくる。こういう事実もあるのですよ、こういう事実もあるのですよということを言っておる。それがすべて載っておればこんなことはあとから問題にならないのです。そういう点、私は、今までの制度に欠陥があったと思うのです。そういう欠陥があるので、こういう問題については救済の方法がもう一回ないかということを私は探しておるのですが、それがないといえば、民事裁判で争う以外にないと思うのですが、それではせっかく行政不服審査法ができて非常にわれわれも心強く思っておったのですが、そういう問題は全部御破算である。もうそういうものは泣き寝入りだということに、結論はそうなるのです。それだけ聞いておけばきょうはもうそれでいいです。

山口酉行政管理庁行政監察局長

○政府委員(山口酉君) ただいま先生がるるお述べになりました点につきましては、その一部は行政苦情相談といたしまして取り扱いをいたしましたが、これは審査が済みました事後でございましたので、非常にむずかしい問題でございましたが、やはりお述べになりましたような、事前にもう少しそういう関係者に事情を十分周知させておけば、あるいは病気が進行しております間においてもいろいろ最終の審判に役立つようなデータもそろえることができたであろうというようなことも考えられますし、また、事後におきましてもいろいろそういう審査の内容について、どういうものが重要かということを、すべての、関係の医者であるとか、その他の人たちが十分知っておれば、まだいろいろ手立てがあったろうというような気もいたすのでございます。そこで本案につきましては、山本先生も非常に御尽力になられました関係で、非常にその後の調査もいたしましたけれども、遺憾ながら十分な資料が得られなかった。現在までは得られていないというような状況でございます。なお、これは今後の問題としてあるいはできるかもしれません。それはまた、その際には、さらに行政庁としては別の決定をすることもあり得ると思います。  今後の問題といたしましては、ともかくこのような問題が出て参って、現制度としては一応やむを得ない結果になっておるといたしましても、何となくおさまりが悪いというようなことを私どもも感ずるわけでございます。これは行政の運営を今後いろいろ工夫をすることによって、あるいはもう少し手を尽くして事情を周知徹底させるというようなことをやっていけば、今後の問題としては相当防げるのではないかという感じがいたしますので、この問題を契機といたしまして、さらに厚生省ともよくお打ち合わせをいたしまして、今後の取り扱い方について十分万全を期するようにいたしたいと思います。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 私も、実はこういう何か具体的な問題で話をすると、こういう席上でどうかと思って、約一年間待っておったのですが、いろいろの事情を判断して、私は私なりにやはり行政庁の今の援護審査会、これは援護審査会だけではないです。今までいろいろの問題を私やったので、この点を取り出して、今後の行政不服審査法の運用上においてもこれは相当考えてもらいたいという意味においてきょう発言したのです。この具体的な事案については、今後おそらく該当当人の世話をする人が一生懸命やると思うのですが、そういう全国と申しますか、知り合いなり医者をたずねて回っているという努力をするというところにも、私は本人、家族その他関係する人々は、この問題について、これは当然該当するものだと、援護関係に該当するものだという相当強い自信を持っていると私は思うのです。それがただ一片の行政審査と申しますか、そういうところで、形式的とは私言いません、一つの制度として通ってしまったので、厚生省としても手のつけられないような事態になっているのですが、この点は、私はむしろ厚生省なりあるいは政府のほうで、感情ということでなくして、まじめにひとつこの点を前向きに取り扱っていただきたいと思うのです。私も実は医者でもないからわからないのですけれども、どうも今度の決定については、私は、事原爆症という関係の上から納得できないものがありますので、自後ひとつ政府のほうで十分この点についての御配慮をお願いしたいと思います。これはひとつ要望として言っておきますから、長官も聞いておられますから、その点ひとつよろしくお願いしたいと思います。  それで、行政管理庁長官来ておられますから、この問題は一応この程度にして、厚生省の局長さん、えらい御苦労さんでした。ひとつ法律案についてちょっとだけ、大臣あまり時間がないと思いますので、ちょっとお尋ねしておきたいと思います。  今度の行政管理庁設置法の一部改正法律案の趣旨は、われわれは大いに賛成です。衆議院で若干の修正をされたのですが、この点について、衆議院で、国会で修正されたということについて、政府は原案を出されるときに、そういうことの必要であるかどうかという点、行政管理庁で考えられたかどうか。ちょっと変な質問でございますが、せっかく公団、公社についてのこういう規定をされる場合に、もう一歩進んで、国会で修正されたところまで行政管理庁として考えられておったのかどうか。この点ひとつ聞いておきます。

川島正次郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) 行政管理庁におきまして原案を作ります際には、今回の衆議院修正の点まで考えておったのでございますが、各省との交渉の過程において、一応政府原案のように直しまして提案したわけであります。したがいまして、私どもとしましては、衆議院の修正には賛成いたしております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 公社、公団、参考書類見ますとずいぶんあるのですが、特殊会社まで入れますと百程度あると思うのですが、現在まで公社、公団、特殊会社に対して行政監査をされた公社、公団、公庫あるいは特殊会社は何カ所ありますか。

山口酉行政管理庁行政監察局長

○政府委員(山口酉君) 公社、公団、公庫、事業団等、現在、今国会に提案いたしましたものを除きまして、三十三でございますが、そのうち二十二につきまして従来監察をいたしております。ただ、そのそれぞれの事業体につきましてすべてをやっているわけではございませんで、その事業体の運営の重要な部分と思われるものについて調査をいたしたのでございます。そこで、回数といたしましては全部で二十四回やっておりますが、一回に数カ所同じ観点から見たものもございますし、あるいはまた、国鉄でありますとか、電電公社でありますとか、膨大な機構を持っておりますところにつきましては、項目を分けて数回にわたって実施したこともございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 今の問題に関連をいたしまして、資料をひとつお願いをいたしたいのですが、行政管理庁で公団、公社、事業団、公庫、こういう八十幾つにわたっておるのですけれども、それらを監察される——今二十幾つされたと言いましたが、近年のやつを三つか四つぐらい、ひとつ見せてもらいたい、いずれ印刷物になっておると思いますから。  それからどれだけの人員がそういう方面にタッチしておられるのか、それをひとつ資料として四つか五つ見せていただきたい。それは、今回の公団、公社、こういう問題につきまして、行政管理庁がこのようなお考えを持たれたというその趣旨は非常に賛成でありますし、また、衆議院で修正をいたしましたが、これも賛成でございます。また、附帯決議もついておりますが、賛成でありますけれども、しかし、どうも効果がないようなふうに思います。趣旨はいいんですけれども、効果の点がどうかという点を非常に不安に思います。したがいまして、その一つの資料として、行政管理庁がどの程度の目を公団、公社に対しまして、監察力として持っておるか、その資料をいただきたいのです。お願いしておきます。

石原幹市郎自由民主党

○石原幹市郎君 ちょっと関連質問。公団、公社、それから特殊法人というのは特殊会社ですね、こんなのはどうなっていますか。監査の対象になっているのですか。今までやったことがあるのですか。

山口酉行政管理庁行政監察局長

○政府委員(山口酉君) 公団、公社、公庫、事業団等につきましては、強制的の調査ができるということになっております。その他の公私の団体全般にわたりまして、監察に必要なる調査の協力を求めることができるということで、任意調査でございますけれども、従来実施した例はございます。そのために、そのおりに際して拒否されたということはございません。

石原幹市郎自由民主党

○石原幹市郎君 実施した例はどこですか、今までやられたところは。

山口酉行政管理庁行政監察局長

○政府委員(山口酉君) たとえば学校給食会でありますとか、あるいは検定協会でありますとか、たくさんございますが、それぞれの行政事務について実施いたしております。その他補助金を受けておるということ、あるいは事務を委任されておるということがございますと、公社、公団、事業団等でなくても、これは強制的な調査ができるということになっております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 この今度の改正案ですね、「第二条第四号の次に次の一号を加える。」四号の二となっていますが、このうちの「法律により直接に設立される」というこれは、そうするとどういう意味があるのですか。

山口一夫行政管理庁行政管理局長

○政府委員(山口一夫君) 審査の対象となります法人を、「法律により直接に設立される法人」と、以下「特別の法律により特別の設立行為をもつて」云々という法人との二つに分けて規定してございます。これは現在の公社、公団、金庫、営団、特殊会社に至りますまでのいわゆる特殊法人を規定いたしております実定法におきまして、きめ方がここにあるように、直接法律に規定されておりますものと、間接の、特別の法律によりまして間接に規定されておりますものと、二つにきめ方が分かれておりますので、その法律のきめ方をそのまま援用して、こういう表現になったのでございます。ただいまお尋ねの、「法律により直接に設立される法人」と申しますのは、具体的には、いわゆる三公社——国鉄、電電並びに専売の三公社でございます。これら三公社は、いずれもそれを規定いたします——国鉄の場合には、日本国有鉄道法の第一条におきまして、この法律の中で国有鉄道を設立するということが宣言されております。それだけでもう国有鉄道ができるわけです。そういうきめ方をしておりますものが前段の「法律により直接に設立される法人」でございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 そうすると、後段の「又は特別の法律により特別の設立行為をもって設立すべきものとされる法人」というものがありますが、これが先ほど行政監察局長が言われました一般の特殊会社、特殊法人、それも同様に審査の対象にするということになったことなんですか。

山口一夫行政管理庁行政管理局長

○政府委員(山口一夫君) さようでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 これで一応明らかになりました。それで先もってちょっと言うておいたのですが、特殊法人については、先ほど私が尋ねようと思って、石原委員が尋ねられたのですが、この特殊会社についてここにデータが出ているのですが、東北開発株式会社なり、あるいは帝国鉱業開発株式会社、その他ずっとありますが、これらについて監査されたことがありますか。

山口酉行政管理庁行政監察局長

○政府委員(山口酉君) ただいまおあげになりましたものにつきましては、監査をいたしたことはございません。

石原幹市郎自由民主党

○石原幹市郎君 ちょっと関連して。僕は法律をよく知らないのだが、この資料を見ると、原子燃料公社というのがありますね、これは「直接に設立される法人」か「特別の設立行為をもつて」か、これはどっちのほうですか。

山口一夫行政管理庁行政管理局長

○政府委員(山口一夫君) 原子燃料公社は、後段の「特別の法律により」に入ります。他の三公社と並びまして公社という名称を付しておりますが、実態はむしろ公団に近いものであります。また、その規定の仕方も、ここのあとの、特別の法律によって、特別の設立行為をもって設立されたものの中に入っております。

石原幹市郎自由民主党

○石原幹市郎君 そうすると、公社、公団、事業団、営団、いろいろあるのですね、これは法制局に聞いたほうがいいのかもしれませんが、今のように原子燃料公社といいながら、これは公団だという。これはしろうとわかりのするように、ざっとどういうふうな分類か、何かわかっている範囲でいいのですが……。

山口一夫行政管理庁行政管理局長

○政府委員(山口一夫君) 公社、公団その他この法律に規定しております、今回審査の対象としようといたしておりますいわゆる特殊法人全体に通ずる性格といたしましては、いずれも国家的な目的、あるいは国策的な目的を持った事業を遂行するという点においては、全部に共通した面と見られます。同時に、概してその内容が企業的性格の事業であるという点におきましても、ほぼ共通点が見出せるのであります。さらに第三に、形式的になりますが、これらはいずれも国家的目的、あるいは国策的な事業を遂行するという意味におきまして、法律によって規定されておりますので、形式的におきましては、法律に根拠を持つという点において共通点を持つのでございますが、その中におきまして、公社、公団、事業団それぞれがどんなものであるかということにつきましては、これらの特殊法人が大体終戦後、特に昭和二十年代の後半以後急速にふえて参りまして、比較的設立後の歴史が浅いという関係もございます。また、公団法あるいは事業団法というような基準法に基づいて設立されたものでもございませんので、法律上公社とはいかなるものであるか、あるいは公団とはいかなるものであるかというような点につきましての定義は、今にわかに下し得ないのでございまして、先ほど申しましたように、国策的のあるいは国家的の事業を行なう企業的の法人であるという点において明らかに共通する点が見出されると思います。  ただ、しかしながら、実際上それらのものを監察いたしてみますと、幾つかの分類に分けられると思うのでありますが、そのうちの公社でございます、いわゆる三公社は、特殊法人の中で比較的国家的事業の色彩が他に比べまして濃厚であります。これは沿革的に従来の官営事業を引き継いで、これまで独占事業として、あるいは独占に準ずるような事業として国が経営していたものをそのまま引き継いだ関係もございまして、非常にその色彩が濃厚でございます。したがって、公社につきましては、国会におかれまして予算の審議もわずらわしておりますし、決算の報告もいたしておるのであります。また、公社の労働関係におきましては、公共企業体等労働関係法が適用されまして、争議行為等が禁止されておるという面からいきましても、非常に公的の色彩の強い団体であります。  それから、これに続くグループといたしまして、公団、事業団が事業を行なう団体としてあるのでございます。これらは独占的あるいは準独占的な事業というよりも、むしろ国の事業を補う、補完的な事業を行なうという点にほぼ共通性があるのであります。それから、先ほど公社の場合に申し落としましたが、公社の場合は、いずれも全額国の出資でございますが、公団、事業団になりますと、政府が全額を出資いたしますもの、政府が地方団体との共同出資によって出資をいたしますもの、それから出資に依存しないで、機能法人と申しますか、政府が保証するとか、あるいは借り入れをするというようなことによりまして財源を調達いたしまして、それによって経営されるものと大体三通りの金の出し方がございます。こういう出し方によって国が関与をしておるという事業であります。したがって、前の公社の場合に比べますと、やや国との関係が遠のく感じがいたすのであります。公団と事業団との区別はあまりないのでありますが、現実に活動しております公団並びに事業団の仕事の内容から見まして、比較的国策をそのまますぐ実施に移すという色彩が事業団には強いような感じがいたすのであります。  それから第三のグループとして公庫がございます。これは金融事業を営む点におきまして、公社、公団と仕事の内容が違います。比較的はっきりしたものでございます。公庫につきましては、各公庫とも全額政府出資であります。また、公社と同様に、その予算並びに決算に対して国会の御審議をわずらわすという点におきまして、国との結びつきがかなり濃厚でございます。この公庫は、国策的の金融事業と申しますか、主として社会的、大衆的金融を行なっておる点において共通性がございます。それから公庫に類するものに金庫がございます。金庫という名称がつきますものは公庫と異なりまして、資金は政府が出します分と、それぞれの組合の金融機関が出します分との両方によって構成されておるというものが金庫でございます。さらに特殊銀行と称しております株式会社形態によらない特殊の法人におきましては、これまた金融事業でございますが、銀行の場合は公庫と異なりまして、公庫が比較的社会的、大衆的な金融を扱うのに対しまして、銀行の場合には、ある限られた特殊の部門に対して、重要なる部門に対して金融を行なうという相違がございます。  それから第四のグループといたしまして、営団あるいは特殊会社がございます。これらは事業におきましては、やはり国策的な事業でございますが、主として資金の構成におきまして、政府の関与が公庫の場合よりも薄くございまして、政府が一部出資をする、あるいは政府が出資をしないで地方公共団体なり、あるいは民間なりが資金を集めて仕事をまかなうというようなものでございます。特殊会社の場合には政府が一度出資をする、また、民間あるいは公共団体等から出資をするというような資金構成になっております。公庫の場合に比べますと、やや国との距離が離れるような感じがいたすのであります。  そのほか、以上の四つのいずれにも属しないものに、その他といたしまして各種の基金なり振興会なり研究所なりというものがたくさんございます。これらはいずれも国家的な事業を行なうという面におきまして、あるいは政府が出資をいたす場合もございます。あるいは補助金を交付いたす場合もございます。それらを一括して一応その他の特殊法人というふうに分類をいたしております。ただ、この名称がいずれも法律上の定義に基づく名称でもないし、また、法律上の分類によるものでもございませんが、ほぼそういう数個のグループに特殊法人が分けられるのではないか。そのグループに従いまして、大体実定法におきましてそれぞれ公社なり公庫なり事業団なりという名称がついておるのが現状でございます。

石原幹市郎自由民主党

○石原幹市郎君 そうすると、今言われました公社、公団あるいは公庫、事業団と、こういう名前がついていない以外の特殊会社とか、その他のグループまで言われましたけれども、これが全部この法律、今度の審査の対象になるか。その他のグループの中にもやはり特殊の手続でも設立行為を法律に規定されておるものだけが——この法律から言えばそうですがね。その他のグループというものは大体みなそれに入っているんですか、どうですか。

山口一夫行政管理庁行政管理局長

○政府委員(山口一夫君) その他のグループと申しましたのは、特別の法律によって設けられたものの中でのその他のグループでございますから、当然全部入っております。

石原幹市郎自由民主党

○石原幹市郎君 そうすると、今度の国会に提案されておる法律の中で、やはりそういうものがだいぶ出ておりますか。

山口一夫行政管理庁行政管理局長

○政府委員(山口一夫君) 現在、公団、事業団並びに特殊会社を含めまして十一の特殊法人が御審議をわずらわしておりまして、今日までにそのうちの三つが成立をいたしております。

石原幹市郎自由民主党

○石原幹市郎君 そうすると、法律の規定を詳しく知らないんだけれども、今度の地方自治の改正か何かに地方開発事業団か、これは事業団という名前がついておりますが、これはやはりこういう審査の対象になるものになっているんですか。

山口一夫行政管理庁行政管理局長

○政府委員(山口一夫君) 地方開発事業団は、事業団という名前がついておりますが、審査の対象になる事業団とは別のものであります。と申しますのは、地方開発事業団は各市町村あるいは府県が共同いたしまして、公共事業等を行ないます場合に組織をする団体でございますので、その個々の、たとえばかりに神奈川県にできるといたしました場合に、神奈川県の事業団あるいは神奈川県のうちのある数カ町村の事業団というものについて一々法律の規定があるのではなくして、事業団というものについて類型的に事業団は大体こういうものだという意味の法律でございます。したがって、個々の事業団に対する特別の法律によって設けられたものではないと解釈いたしますので、審査の対象とする法人からは除かれるわけでございます。

石原幹市郎自由民主党

○石原幹市郎君 そうすると、それは個々の審査の場合には除かれるが、地方開発事業団というようなものを法律上考えようというような、こういう構想に対しては、審査というか、監査するのですか。地方開発事業団は別としましても、それではそういう構想の生まれている場合に、そういうことに対して行政管理庁はタッチするのでしょうか、どうでしょうか。この法律からは出てこないですね。

山口一夫行政管理庁行政管理局長

○政府委員(山口一夫君) そういう構想が各省で起こりました場合に、その構想があるいは審査の対象になるかどうかという問題がございますので、構想が出ておるときには相談を受けなければならぬと思っております。それからなお、法律におきまして、新設について審査をするという表現になっておりますが、新設ということは個々の具体的の設置とは異なりまして、設置のもう一つ前の段階、そういう組織を設置することをきめるかどうかというその段階の審査でございますので、したがって、ある程度疑問があるようなものにつきましても、一応相談を受けることになると思います。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 だいぶ私の尋ねることを尋ねてもらって……。今言われました地方開発事業団、これはこの中に入っておらないのですが、その理由はちょっと私納得できないのですがね。先ほど冒頭に尋ねましたが、直接法律によるものとかそういうことでいくと、あれも法律によっているのですね。あれは地方自治体がやるものであるから、政府はそれに干渉しないという、そういう考え方から除外されておるのか、別の意向があるのですか。

山口一夫行政管理庁行政管理局長

○政府委員(山口一夫君) 今度御審議をわずらわしております四の二の規定に該当しないという点で除外をされておるわけでございます。したがって、それ以外にもたくさんそういう組合あるいは組織があると思いますが、たとえば農業協同組合であるとか、土地区画整理組合であるとかいうようなものにつきましては、いずれも法律によってきめられておりますが、しかし、法律によっては、類型的に農業協同組合というものはこういうもので、こういう手続をやって設立するという規定があるだけでございまして、何々村の農業協同組合のための法律というものはないわけでございますから、そういう類型的な仕方によって規定しておりますものは、たとえその類型自体が法律によってきめられておりましても、ここにいう特別の法律によって設立されるものではない、かように解釈いたしております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 その農業協同組合のこともお尋ねしようと思っておったのですが、大体公社、公団、今度行政管理庁が意図されておる思想から言うと、この国の補助金なりあるいは出資なり、そういう資金を出しておるという対象については、一応この行政管理庁の監査対象だという考え方で実は今まで考えておったのですが、そういう考え方でいいですか。

山口一夫行政管理庁行政管理局長

○政府委員(山口一夫君) そういう考え方ですと、少し広過ぎると思います。広過ぎる面が出てくると言いますのは、国が補助金を出します団体は、必ずしも法律によって設けられたものばかりでなく、ここにいう特別の法律によって設けられたものばかりではなくして、一般の社団法人、財団法人あるいは場合によりましては、振興会、研究所というようなものに対しましても補助金を出しておりますので、補助金を出すものはすべて対象であるというふうには解釈できないと思います。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 しからば今度の——今度のじゃなしに、今までもあるのですが、こういう公社、公団、公庫、事業団、いわゆる特殊法人という前提の基準になるのはどういうことで考えたらいいのですか。一言でいうと、どういうことなんですか。

山口一夫行政管理庁行政管理局長

○政府委員(山口一夫君) 一言で申しますと、国家的あるいは国策的の事業を行なう法人、それを裏返して申しますと、それらの法人につきましては、いずれも国家の関与があるわけでございますので、法律に基づいて設立をされております。したがって、形式的には特別の法律によって設立をされた法人、内容的には国家的のあるいは国策的の事業を行なう特殊法人というふうに御了解いただければいいと思います。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 そうすると、その概念から、地方開発事業団というものはこれは国家目的とも言えますね、地方開発だが、地方自治体がやるかやらぬかは別として国家的な。そうすると、そういうものを概念からはずすためには、どういうことですか、先ほど言われました……。

山口一夫行政管理庁行政管理局長

○政府委員(山口一夫君) それをはずすためには、今おっしゃいました開発事業団は、特別の法律によって設立されるものではない。開発事業団というのはたくさんできます、各地に、各府県に。したがって、その各府県にできるものを全部共通して一つの類型的に、事業団というものはこういうものだということは法律できめます。さっき申しましたように、神奈川県何々地方開発事業団というもののための特別法はないわけです。したがって、ここの後段にいう「特別の法律により特別の設立行為をもって設立すべきもの」とされたものからははずれるわけであります。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 そうすると、あれも野放しで運用をそのまままかすというわけにいかない場合があると思うのですね。そういう場合には、そういう指導とか監査といいますか、それは政府機関としては自治省が担当するのだということですか。

山口一夫行政管理庁行政管理局長

○政府委員(山口一夫君) それは当然主管省が担当いたします。それぞれおそらく設置につきまして設立の認可なりあるいは設立後の指導なりについての政令並びに法律による規制が今後できてくると思います。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 この問題には私はまだ問題がありますが、これだけたくさんの公社、公団、公庫、事業団、特殊法人、その他というやつもくっついておるのですが、現在の行政管理庁の今の陣容から実際消化できますか。その点どうですか。私は法律はよろしい、法律はいいのですけれども、こうやるのだということを言っているが、事実やり得る能力があるのですか。この点ひとつ……。

山口酉行政管理庁行政監察局長

○政府委員(山口酉君) 現在あります各種の団体について行政監察といたしまして調査をするわけでございますが、これはその各種団体だけでなく、実は国の行政機関も非常に複雑膨大でございますし、監察のための調査は府県、市町村、すべて委任の事務でありますとかあるいは補助金にかかわるものにつきましてはすべて実施いたしておりまして、その権限を持っているわけでございます。そこで、現在の陣容で完全にできるかということでございまするが、しかし、こういう監察というような仕事はどこが完全か、実はよくわからないわけでございます。ともかく行政管理庁という政府における立場から見ますと、各省がそれぞれ所管の行政について監督権を持ち責任を持っているわけでございます。そのほかに、政府全体として特に重要なものにつきましては、特別の監察をする必要があるということで、行政管理庁というものが各省を通じて行なうことになるわけでございます。そういう立場でそのときどきの重点をとらえまして、現在の力の範囲内で能率的に行なっていくという努力をしていく以外にはないと思います。ですから、ただいまの御意見につきましては、実はそれで完全でございますということは申し上げにくいのでございますが、ともかくこの程度でやるべきであるということが現在の機構の全体の振り合いから見てきめられておるわけでございまして、行政管理庁としては、あらゆる工夫をこらして効果を上げるように努力をしていきたい、かように考えております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 今度の法律改正で、設立する前に、いわゆる「審査を行なう」ということは、これは改正の一番大眼目だと私は思うのですが、これは非常にいいことですが、実際「審査を行なう」というのですが、この「審査を行なう」というこの文言は、行政管理庁で審査をした結果、これは必要がないということになれば、これはできないというふうな法律の解釈にとっていいんですか。

山口一夫行政管理庁行政管理局長

○政府委員(山口一夫君) ここに申します審査は、行政管理庁の審査、すなわち政府部内の審査でございまして、政府としてこういうものを作ろうという話の出ましたときに、それを政府部内において審査をする、審査いたしましたものが法律案の形で国会に出る。行政管理庁の審査によって、出すか出さないか、あるいはどういう人格のものになるかということがきまりますのは、政府部内の段階においての問題でございます。したがって、この審査に通ったものが当然のことでございますが、最終的に通っていく場合は、国会の審議をわずらわすということになるわけでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 そうすると、こういう考え方でいいですね、今まで各省でいろいろ事業団とか公社なんかの法律を作って、雨後のタケノコのようにできておるのですが、今後はこの法律が成立すると、はっきり言えば、行政管理庁がオーケーを言わなければできないということにわれわれ解釈していいんですね。これは長官からひとつ。

川島正次郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) 今回政府から行政管理庁設置法の改正案を提案をいたしました。行政管理庁におきましては、最近、官庁機構の拡張、新設等を極度に抑圧をしておるのであります。その結果としまして、形を変えて公社、公団、公庫、事業団設立の傾向がありますので、それを押えるために改正案を出すのでありまして、むろん行政管理庁が賛成いたさなければ、新しくはできません。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 私は、それに大いに賛成ですが、今までの実態を見ていると、今の川島長官はきわめて力があるのですが、どうも私ほかの状態を見ていると、行政管理庁というのは全くこれはあってないような存在のように思えてしようがないのです。今度この法律に踏み切られて、私はこれは非常にけっこうだと思いますが、法律案を見ていると、毎日とは言いませんけれども、きのうの参議院でも、中小企業投資育成株式会社ですか、会社ができたように思っておるのですが、どうも知らないうちにできてくるのですね。そういうものについて、私は作るには作る意味があると思います、おのおのあるのですが、しかし、これをあまり多く作ることは、私は国の行政に、プラスだけでなしに、マイナスになる点が相当出てくると思う。そこでそういう私は意見を言っている時間もございませんが特殊会社というのは、先ほど説明されましたように、政府資金だけじゃないんです。民間資金が相当入っているのですが、こういうところについても設立するかどうかということを行政管理庁でいろいろ審査するという対象になるのですか。

山口一夫行政管理庁行政管理局長

○政府委員(山口一夫君) いわゆる特殊会社は、いずれも、それを作ります場合に、法律によって作りますので、その際に行政管理庁の審査の対象になると思います、作ろうとする場合には。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 それでけっこうです。  それで、現在できているやつは、先ほど尋ねますと、監査をした過去の経過はないようですが、こういうところに、法律がかりにできたからといって、すなおに、他の公社、公団あるいは行政機関に入るような形で監査はできますか。

山口酉行政管理庁行政監察局長

○政府委員(山口酉君) 監査はできます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 そういう、自信のある答弁ですが、なかなか私はむずかしいものがあるのじゃないかと思うのですが、それはそれでよろしい。それで、今後、最近にこの特殊会社を監査をするという、そういう計画はありますか。

山口酉行政管理庁行政監察局長

○政府委員(山口酉君) 具体的にただいまのところ立てておりませんが、各省の所管行政の監察に関連いたしまして、その業務の一端をになっております団体につきましては、すべて調査をすることができますので、具体的にどこを監察をするという計画を現在は持っておりませんけれども、今後そういうものを全般的に取り上げることがあるものと考えております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 私は、これは特に希望じゃなしに、強要ということをしませんが、要請しておきたいのですが、できるだけ早く、どれでもいいのですが、ひとつ監査をしてもらいたいと思うのです。かつて東北開発株式会社が相当問題を起こしたことも聞いておりますし、何も監査はそういう不正を摘発するとか、その不当な運営について特に摘発するとかいう意味でやられると思いませんが、私は一番特殊会社が問題があると思うのです。ここで私は言いませんけれども、重役の退職金の問題にいたしましても、相当欠損を生じておるのに、役員の退職金だけは相当大ふるまいをしておるということも聞いている。これは事実かどうか知りません。したがって、こういう特殊会社というものは、私は終戦後初めてできてきた会社じゃなかろうかと思うのですが、こういうものこそ私ははっきりと国民の前に、こういう国策をもって運用しておる特殊会社はこういうものであるということを……、全部じゃございません、国際電信電話株式会社あたりは非常に運用をうまくしておるように聞いております。けれども、問題は私はいろいろあると思うのですが、この点について、本年度中には監査をするという考え方はないのですか。

山口酉行政管理庁行政監察局長

○政府委員(山口酉君) まだそこまで具体的に検討いたしておりません。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 あなたの答弁はそっけないから、どうも何ぼでも言いとうなるのだが、あなたは、いわゆる長官の次の局長でおるのだから、やはり……。それなら、いつやるのかどうか。本年度中でなければ来年度でも、これは手をつけなければいかぬとか、そういう考えを聞いておるのだが、そういう計画はありませんとか……。そういうことになれば、別に法律を作って特殊会社の監察権を持ったからといって、僕らの考え方が満たせないのだから、早急にやるような考え方を起こしてもらいたいと思うのですがね。

川島正次郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) 行政監察は四半期ごとに決定をいたしております。これは行政管理庁で首脳部会議を開きまして、そのときの国内情勢を見まして必要なる監査を行なうところを十分検討しているわけであります。ただいま決定いたしておるのは第二・四半期だけであります。第三・四半期のことはまだ決定いたしておりません。したがいまして、順次そういうものを取り上げてやっていきたいと思います。

石原幹市郎自由民主党

○石原幹市郎君 それじゃ長官に一つだけ伺っておきたいのですが、衆議院のほうで附帯決議がついておりますが、最近の様子を見ておりますと、人事の問題ですが、公団とか、公庫とか、金庫とか、特殊会社、この間の人事異動みたいなものが行なわれるのですね。人事異動といえば、昔は役所の中で局長があっちからこっちへかわるとかということであったのが、こういう特殊法人の間で何だかわれわれも感づくくらいの定期的な人事異動みたいなことがあるようなんですが、これにはやはり行管長官としてこういう問題にもタッチされるのか、あるいはされてないとすれば、今後は公団、営団の新設やそれらについていろいろ意見をわれわれと同じように相当タッチされてもいいのじゃないかという気がするのですが、いかがですか。

川島正次郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) 具体的人事については、それぞれの主務大臣の所管事項でありまして、行政管理庁長官としては関与する範囲外でございますが、いずれも閣議で決定される事項、あるいは閣議に報告する事項になっております。そういう際にはもちろん閣僚として私も参画いたしております。最近に、いわゆる高級の役人が公社、公団、事業団に多く流れ出すという議論もありまして、この点につきましては、閣議でもしばしば問題にしておるのであります。ただ、実際の問題となると、民間から適任者を得ることが困難だという事実もあります。せんだっての国鉄の十河さんの後任を得るときにも、総理の方針として絶対に民間から任用しようというので努力した結果、石田礼助さんがなったわけでありますが、実はこれにも相当の困難がありまして、結局拝み倒してなってもらったのですが、実は民間の有能な人が、公社、公団、事業団に喜んで行くかといえば、それがなかなか来ないのであります。いろいろ事情を聞いてみますると、何としても収入も少ないし、しかも政府並びに国会の監督を受けて活動もしにくいというようなこともあるのでありますが、しかし、こうした国家的事業ですからして、やはり犠牲的精神をふるい起こしてもらいまして、就職してもらうことは必要でありますから、その方面に今後とも努力をいたしたいということは、閣議でも申し立てておる事項であります。そういう観点でこれからも人選をしたい、こう考えております。

石原幹市郎自由民主党

○石原幹市郎君 よくわかりました。それで、この今申し上げましたのは、公団とか公社へずっと入りますね、その間でまたこの公社から今度次の公庫へ移るとか、三つ四つくらいかわっている人事があるのですね。こういうようなのはやはりちょっと国民の目にあまるような感じがする場合もありますから、こういう点をひとつ……。

川島正次郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) 最近公庫の間で、いわゆる金融機関の間でもってたらい回しの人事があったことは事実であります。あの点につきましては、大蔵省のやり方に対して相当世間の批判もありまして、大蔵大臣も反省しているようであります。今後なるべくこうした弊害のないように私どもも努めようと思っております。

村山道雄自由民主党

○委員長(村山道雄君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

村山道雄自由民主党

○委員長(村山道雄君) 速記を始めて。

田畑金光民主社会党

○田畑金光君 長官にお尋ねしたいことは、今石原委員からの質問に対しましてお答えになったわけですが、資料によりますと、先ほど来説明のありました公社、公団、公庫事業団等の種類が八十前後の種類と、こう聞いておるわけでありますが、その中で特に私が知りたいのは、現在いろいろ総裁とか、副総裁とか、理事とか、あるいはまた事業団等によっては理事長という名前ですが、高級官僚の天下り人事です。こういう公務員の天下りによってどの程度のポストが占められておるのか、まず、この点をひとつお尋ねしたいと思います。

山口酉行政管理庁行政監察局長

○政府委員(山口酉君) 全体の機関の数、八十の機関について調査をいたしましたところについて申し上げますと、非常勤を除きまして四九・七%が大体前公務員及び元公務員で占めております。

田畑金光民主社会党

○田畑金光君 それは、そうしますと、約五〇%近く、半分近くがそうだということになりますが、先ほど質問の中にありました、公団とか、あるいは公庫、そういう政府機関相互のたらい回しの異動によって、またさらに、そのほかに元公務員というような人方を加えますと、ほとんどそれは五〇%じゃなくて、もっと多数を占めておるということが、たしか衆議院で答弁したことが速記録に載っておるのですが、今御答弁になりました四〇数%で全部なのかどうか、この点もう一度。

山口酉行政管理庁行政監察局長

○政府委員(山口酉君) 実は、そういう経歴について非常に詳細な調査というのが今までになされておりませんので、今まで調査いたしましたところでは、まあ表面的に現われておるものだけでございます。ただいま田畑先生のお話しのように、方々回ってきておる者につきましては、実はよくわからないという点がございます。そこで、大体の感じといたしまして、きわめて多くの人員を元公務員関係で占めておるであろうと認められますが、正確な数字は実はつかんでおりません。

田畑金光民主社会党

○田畑金光君 私は、こういう問題について国民世論も高級官僚の天下り的人事ということで非常に批判が盛り上がっておるときに、しかもまた、行政監察の重要な任務を持っておられる行政管理庁が、今後この種政府機関等の乱立について強く規制をしようと言われて今回の法律改正として出されたと思うのですが、当然法律改正を出される前提としては、今私が指摘したような、政府関係機関に対する天下り人事等々についても、十分考慮されて、この法律の改正というものを私は出されたものだと、こう理解しておりますけれども、にもかかわらず、大事なこういう点について調査が不十分であるということ、表面に現われただけだというお話でありますけれども、表面に現われたということがどういうことなのか、表面に現われただけということではちょっと理解しにくいのでありますが、それはどういうことなのか。

山口酉行政管理庁行政監察局長

○政府委員(山口酉君) ただいま申し上げました比率は、これは内閣官房及び国会の委員会の調査室で調査いたしましたのでありますが、実は、行政管理庁で、従来公社、公団等で監察のために調査をいたしましておりましたものにつきましては、これは運営の監察でございまして、人事の監察はいたしておりません。人事の監察は、これは行政機関につきましても人事院が監察いたしておりまして、行政管理庁は運営を中心にやっておりますので、そういう点の資料は実は集めておりません。最近いわゆる天下りという言葉で、民間の営利事業に対する行政機関の天下りというものと、それから、こういう国家的な仕事に対して公務員が出ていく問題と、両方一緒に論ぜられておりまして、そこで、公社、公団等の団体に対して公務員が出ていくものを指摘されておりまして、そういうことも当然全体の団体の運営によくない影響を及ぼすというようなことになりますと、これは反省をし改善をすべきことであると考えております。したがって、この問題が今相当大きく取り上げられている以上は、今後こういう問題も十分調査すべきと思いますが、実は公社、公団その他の団体につきましてこういうものを設けて行政全体の運営をすることが適当かどうか、政府機関みずから責任を持ってやるほうが適切であり、さらに能率的であるというものもありましょうし、また、全体の行政運営を合理的にするために、そういう見地から、新しい団体が無秩序にできていくということは何とか規制すべきである、かような考えが今回の設置法の提案になりました主たる理由でございます。しかし、ちょうど、こういう法案が提案されました時期に、人事の運営が適当でないという声が相当強く出て参りましたので、今後は、これは今度の法案自体には直接関係なくても、新しい法案でなくても、従来の規定で監察をここまでさらに深めていけばできることでございます。こういう全般の傾向にかんがみて、今後は監察で十分に調査をいたしたいと思います。今までのところを各個人の履歴を調べていくというようなことはたいへんな作業になりますので、実は従来あまりこういう方面に注意を向けていなかったわけでございます。今後は衆議院における決議もございますので、そういう点も十分に調査いたしたいと考えております。

田畑金光民主社会党

○田畑金光君 今の局長の御答弁は、確かに従来の行政監察の立場からするとそのとおりだと、こう私も理解できるわけでありますが、しかし、やはり今後、今回の法改正の趣旨をさらに徹底されるということになってきますと、私が申し上げていること等についても十分考慮におかれて行政監察を進めることを私は希望したいと、こう思うのです。ただ、先ほど大臣のお話の中にありましたように、こういう人事についてはそれぞれ所管大臣の取り扱い事項であるにいたしましても、閣議で当然相談されると思うのです。特に今回の大蔵省の局長クラスの天下り人事については、花の十二年組とか新聞が強く取り上げ、批判しておるわけで、この人事については私は閣議の中でも十分報告され、また話し合いの爼上に載せられた人事の扱いであったと思うのです。ただ、世間では、今の内閣が池田総理を初め大蔵省出身のいわゆる官僚派が内閣を牛耳っておるというその性格上、たとえば大蔵高級官僚の天下り人事等は大手を振ってまかり通っておるというのが今の政治の情勢だと、こう言っているわけです。まさに池田内閣の姿を見ればそれもそのとおりだと国民は率直に受け取るわけです。それだけまた、国民一般にとってはこういう人事については非常な憤満と批判を持っているわけです。私はそういうような背景のもとで、これらの高級人事というのは常に閣議の中で話し合いをされておるとするならば、川島長官がこういう問題について閣議の中で発言がなかったはずもないし、いろいろ川島長官の意見を反映させることは十分機会としてあり得るはずだと思うのですが、そういうことについて、川島長官としては、どのように今日まで対処してこられたのであるかどうか、今後どのようにまた取り組んでいかれようとするのであるか、承りたいと思うのです。

川島正次郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) 先ほど石原さんにお答えしたとおりでありまして、ことに今回、国会で特に附帯決議等の御趣旨もございますからして、その考えを尊重いたしまして、間違いない人事運営をいたしたい、こう考えております。

田畑金光民主社会党

○田畑金光君 先ほど長官は、民間人はなかなか来てくれない、こういうお話です。確かにそうだと思うのです。しかしまた、石田さんのような老齢にむちうって意気に感じて出てこられる方もあるわけです。問題は、やはり民間人であっても国家社会に寄与しようとする気がまえのある人は、これはまたたくさんの中の人ですから、やはりまた相当それは誠意を尽くしてそういう人材の発掘に努められるならば、私は発見できないでもないと、こう思うのです。正確には存じませんが、たとえば月給が安いから来ないようなことを言われますけれども、輸出入銀行や開発銀行の総裁クラスは三十三万五千円、副総裁は二十四万五千円、平理事は十八万五千円、公庫、公団でも総裁は二十六万五千円、理事十七万円という調子で、総理大臣の月給の二十六万円に比べても決して安くないわけですね。この程度の手厚い給与をとにかく支給しておるわけですから、それで人材が、民間の人がなかなか来てくれぬというのは、一体どこにそういう事情があるのか。私は単に月給が安いから来てくれないというのじゃないと思うのです。私は、もっと違ったところに、民間の有能な人方が来てくれない理由がありはせぬかと思うのですが、大臣はどのようにお考えでしょうか。

川島正次郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) 先ほども申し上げましたけれども、収入の少ない点も一つありますが、それのみじゃないと思います。やはり国の仕事を担当していろいろと制肘を受けますので、そのことがわずらわしいので来ないのも一つの原因じゃないかと、こう考えておるのであります。いずれにしましても、やはり国のためにひとつ犠牲になってやってもらえるという人にお願いすることが必要がありまして、そういう人を探すことにふだんも努力をいたしておりますし、これからも大いに努力いたしたいと、こういうことを先ほど来申し上げておるわけであります。

田畑金光民主社会党

○田畑金光君 そのように、大臣のお話しのように国の制肘を受けるとか、あるいは政府の命令をいさぎよしとしないという気持も確かにあると思うのですが、しかし、あまりにもこういう公社、公団、公庫なんというものは、ほとんど今までのあり方を見ますと、高級官僚の次の職場を作るために、むしろ人のためにこういうようなものができてはせぬかとわれわれが疑いたくなるほど——国家目的とか国策の推進遂行のためにこういう機関が設置されるという先ほど来のお話でありますが、それも表向きはそうであるかもしれぬが、むしろ政府の行政分野でできる面すらも政府の行政から離して、政府機関という形で、そうしてそこに高級官僚を移している、むしろそこにねらいがありはせぬかと思う。およそ今日このような機関が乱立しているわけですね。私は民間の人方が来ないという一つの理由は、要するに、そういうところに、あまりにも高級役人だけで理事のほとんど全部を占めて、その上にちょこっと総裁のポストに乗れと言ったってなかなか仕事は思うにまかさぬ。私はこういうところにもっと根本的に反省しなくちゃならぬ問題がありませぬかと、こう考えているわけです。  そこで、大塚職員局長がおいでになったようですが、国家公務員法の第百三条を見ますと、「私企業からの隔離」ということをうたっているわけです。第百三条の第二項には、「職員は、離職後二年間は、営利企業の地位で、その離職前五年間に在職していた人事院規則で定める国の機関と密接な関係にあるものにつくことを承諾し又はついてはならない。」また第三項には、「前二項の規定は、人事院規則の定めるところにより、所轄庁の長の申出により人事院の承認を得た場合には、これを適用しない。」、この百三条第二項によってこれがどのように実施されておるかということをひとつ計数的に御説明を願いたいと思うのです。

大塚基弘人事院事務総局職員局長

○政府委員(大塚基弘君) お話しのありましたように、人事院に承認申請があって人事院が承認した場合には、一種の例外規定といいますか、そういう営利企業の役員あるいは非役員の地位につくことができるというようになっております。しかし、法の精神そのものは、やはり一般的に二年間は国の機関と密接な関係にあった営利企業の地位にはつくべきではないというふうに規定していると思います。人事院としましては、この承認に関しては、できるだけ綿密な調査をいたしまして、そうしてできる限り厳正に扱われたいというふうに今まで処理して参っております。同時に、今件数の御質問がございましたのですが、最近二年間に関しましては、件数をまとめたものがございますのですが、それ以前の年度につきましては、ただいま正確な数字は持ち合わせておりません。その最近二年間と申しますと、三十六年と三十七年でございますが、この二年間の件数を申し上げますと、三十六年におきましては、申請が百六十件、そのうち承認が百五十一件、それから不承認及び返却が五件、二件ということでございます。それから三十七年に関しましては、申請が百六十四件、そのうち承認が百五十六件、不承認二件、返却八件等でございます。それ以前の三十五年度あるいは三十四年度というところは、私記憶してございませんが、大まかに申し上げて、三十五年は百二、三十件、それから三十四年度以前は大体百件近い数字ですが、三けたにならなかった数字のように記憶しております。

田畑金光民主社会党

○田畑金光君 あなたのお話を聞いておりますと、結果的には申請したものはほとんど承認している、こういうことですね。そうしてまた、申請案件自体が、高級公務員の場合でしょう。下級公務員については、これは人事院規則の十四の四を見ますと、営利企業への就職について事こまかにわたって規定しておりますが、これを見ますと、この百三条の例外規定というものは、個々に事こまかに書かれておりますが、結局この申請をするというのは高級公務員の場合に限ると、こう思うのですが、この点はどうなんですか。

大塚基弘人事院事務総局職員局長

○政府委員(大塚基弘君) お答えいたします。人事院に申請をやりますのは、今規則をごらんになって御承知のとおり、大まかに申し上げまして、三等級以上の者で役員または非役員の場合と、それから四等級、これは本省の場合ですが、四等級以下でありましても、役員に就職いたします場合には、人事院に申請されるようになっております。そこで、もう一点、先ほど申し上げました数字から御承知願えるように、ほとんどその高級公務員の承認申請に関しては承認しているではないかという御疑念をお持ちだと思いますが、その点は、少し私どものほうの扱いを申し上げてみたいと思うのですが、原則的には、これはケース・バイ・ケースで個別の審査をいたしておりますけれども、国の機関と密接な関係にある営利企業の地位ということで、一応は、やはり一般的に見てそういう企業のそういうポストにつくのが法の精神からいって望ましくないではないかという原則的な場合がそれぞれの省庁について考えられます。たとえば大蔵省の場合では、銀行局長からいきなり普通銀行の役員のポストに出る、過去五年間に銀行局長をある期間やっておりながら、あるいは最後の職が銀行局長でおりながら銀行の役員のポストに出るというような場合は、もう原則的に承認できない。それぞれ各省庁についてそういう場合がございますので、これに関しましては、あらかじめ人事院側としては、各省庁に行政指導と申しますか、そういう基準を明らかにしておりますので、そういう申請は出てこないというふうに思われます。それから手続の問題といたしまして、これは個人がどこどこのどういう会社の何々部長なり何なりというふうなことで申請をいたすわけでございますけれども、今申し上げたように、明らかに原則的にだめだという場合以外に、かなり各省庁において、人事院の審査の基準でこれが通るか通らないかと危ぶむケースもございます。この場合は、事前に——正式の申請を持って参りませんで、事前に協議の形で持ち込まれる場合がかなりございます。これは、もし正式申請をして不承認という形にいたしますと、たとえば手続として、その営利企業、会社側で株主総会において重役ということで承諾する、あるいは決定するというような手続を経てしまってから不承認というようなことは、ある意味ではその方が職員でなくなってからであっても、経歴といいますか、キャリアの点でちょっと思わしくないということにもなりますので、事前に協議を受ける場合もかなりございます。その場合、このケースは正式に申請しても人事院としては承認しがたいだろうというようなことを申して、事前協議において各省庁側がその後正式申請をしないというようなケースが年々十数件、一昨年の三十六年の場合には二十件近くあったかと思います。そういう場合がございます。したがいまして、先ほど申し上げました申請件数の中での承認、不承認ということだけでは、必ずしも人事院がほとんど申請をしたものを承認しているではないかということにはならないと思います。

田畑金光民主社会党

○田畑金光君 今例にあげられましたが、たとえば今度大蔵省をやめた局長クラスの人方が民間の銀行に入るということについては、あらかじめ承認事項として人事院の許可を求める、承認を求める、こういうことになろうかと思うのですが、たとえば今この委員会で行政管理庁が今後公団、公庫、金庫その他の新設に対して一々審査するという法律の審議をやっているわけですが、政府の、今申し上げたように、大蔵省のある局長がこういう政府関係機関にそのまま横すべりするというような天下り人事が行なわれる、こういう点については、これは百三条の第二項の営利企業の地位というようなものでないということになるわけで、したがって、この場合は人事院としては何も関与しないということになるわけですか。

大塚基弘人事院事務総局職員局長

○政府委員(大塚基弘君) お答えいたします。お話しのとおり、簡単に言ってしまえば、やはり百三条の規定の中には入ってこないであろうと思っております。あくまで営利企業、そして営利企業への就職制限をやっている精神が、やはり在職中権限を持ってその営利企業との関係があります場合に、特別な便益なり何なりを与えて、そうして公務の公正さといいますか、業務の公正さを害するようなことがないようにという趣旨と解しておりますので、公団、公社等のいわゆる外郭団体の場合には、少なくとも百三条の問題にはならないのではなかろうかということでございます。

田畑金光民主社会党

○田畑金光君 そうしますと、特に今度、あなたも御承知のように、大蔵省の局長クラスがずっとやめて、そしてあるいは公団、公庫のそれぞれの地位に、あるいは副総裁に、またある前大蔵事務次官等はしばらく副総裁にいたが、今度は開銀の総裁になるとか、こういういろいろな派手な人事が行なわれたわけですが、こういうような、いわゆる政府機関に対して高級公務員が横すべりするということについては、人事院としては何ら介入する余地が、今の国家公務員法の建前、人事院制度の建前においてはないのかどうか、これどうですか。

大塚基弘人事院事務総局職員局長

○政府委員(大塚基弘君) 簡単に申し上げまして、ございません。

田畑金光民主社会党

○田畑金光君 そうしますと、結局こういう問題については、内閣の全体の姿勢として、政治に対する姿勢として、内閣の良識に待つ以外にこれはなくなってくるわけです。こういう問題については、これは世論のきびしい批判も最近強く出ておりますので、閣議の中等においても十分私は意見の交換等がなされたと思うのですが、実は私、この点人事院の中に何か規制があり得るのか、人事院としてこういう人事のあり方について相当な規制ができるのかと、こう私は期待していたわけですが、よくこの法律を読んで見ますと、「私企業からの隔離」ということで、今問題となっておる、国民世論が批判をしておりまする高級公務員の政府機関に対する天下り人事というものは、人事院としてはこれはとても規制ができないわけですね。結局、内閣全体の問題としてこれを処理する以外にないということになってくるわけでございますが、川島長官といたしましては、このような今度法律改正を出された以上は、今申し上げておる問題点について、私はもっと積極的な心がまえで取り組んでもらわないと私は困ると、こう思うのです。困るというよりも、国民としては納得いかぬわけです。大蔵大臣は、衆議院であったかどうか知りませんが、こういう大蔵省の高級官僚の天下り人事、横すべり人事等は、これは当然のことだ、役人としては月給は安いし、またやめても子供の教育もあるし、生活もやっていけぬ、これは確かにそうだろうと思う。しかし、その点は何らかの別個の方法でこれは考えていくべきじゃないかと思うのです。そういう簡単な割り切り方で天下り人事が当然だという感覚では、私は国民世論の今日の憤激にこたえることはできないと思っておるのですが、この点、大臣どのようにお考えになりましょうか。

川島正次郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) 先ほど来御答弁しているように、人事につきましては、それぞれ主管大臣の権限でありまして、行政管理庁長官としては関与できないのでありますが、しかし、閣僚として、閣議の席上御趣旨のことはしばしば発言をいたしておるわけであります。ただ、高級官僚が政府機関の公団、公社、公庫に天下ることが、根本的に、絶対にいけないという意味でもなかろうと思う。ただ、弊害があったら、それを是正する必要がある。たとえば今田畑さんのお話しのように、新しく公社、公団、事業団を作る。その趣意が役人を天下らせるために作るのだというようなことがありましたら、これは大きな弊害でありますから、その点は絶対に是正しなければならぬと、こう考えております。なるべく民間の人を採用して、民間の知識経験というものを生かして、公社、公団、事業団の運営をするほうがいいのでありますからして、民間の人を採用したいという気持はむろんございますけれども、先ほど来申し上げておるとおり、なかなか人選が困難でありまして、自然に高級の官吏からも流れるということもあり得るのでございますけれども、なるべく弊害をなくなしまして、公社、公団、事業団の適正な運営をはかりたい、こう考えております。

田畑金光民主社会党

○田畑金光君 それから、職員局長は先ほど、まあ三十六、七年について承認した件数についての御説明がありましたが、特にその中で最近処理された事項等で、第百三条の建前から見て、もし差しつかえなければ、こういうような場合について例外措置あるいは承認を与えたというのがあれば、ひとつ一、二の例でいいが、説明してもらいたいと思うのです。

大塚基弘人事院事務総局職員局長

○政府委員(大塚基弘君) 先ほど申し上げました数字の中で、実は三十六年には五件の不承認、それから三十七年には二件の不承認がございましたと申し上げましたので、その中身を、これは一応個人のお名前を出すのはいかがかと存じますが、あるいは私が申し上げるうちにそのお名前がお察しがつくというようなことになるかと存じますが、今の不承認のケースをあげて申し上げます。それは片一方会社のほうを正確な名前でなく申し上げますが、申請のほうはいずれも役員の申請でございますが、すべて不承認になったわけでございます。それで、例を申し上げますと、ある私鉄会社に陸運局の鉄道部長から役員につきたいという申請に対して不承認にいたしております。それから機械関係、ディーゼル機械関係に、これも建設関係の建設省機関ではございませんけれども、建設関係の国の機関の、建設工作所長がつきたいという場合、それから三番目に、ある化学工業に通産省の化学肥料部の課長の方がつきたいというケース、それから、ある私鉄の鉄道会社に運輸省の自動車局長がおつきになりたいというケース、それから、ある土建会社に地方の建設局長がつきたいという場合、これらはいずれも不承認にいたしております。これが三十六年度でございます。三十七年度におきましては、鋼板関係、鉄鋼関係でございますが、これに国税局の調査査察部の次長の方がつきたいというケースでございますが、これも不承認になっております。実例といたしましては、最近の例ではこの辺のところでございます。

田畑金光民主社会党

○田畑金光君 時間もありませんので、私はさらにそれを追及するということはきょうはやめますけれども、衆議院の内閣委員会の速記を見ましても、非常に脱法的な措置がある自動車局長に対してはとられておるわけですね。役員として申請してきたやつはこれをはねつけた。しかし、今度は嘱託として申請したところそれは認められた。嘱託と役員ということはなるほど違うかもしれぬ、表向きは。しかし、実体においてそれは変わりがないことはこれは明らかだ、こう思うのです。そういういいかげんな取扱いで人事院が第百三条を運用されておるということならば、これは私は公務員制度の全般の健全な維持あるいは発展のためにも非常に悪例だと思うし、まことに遺憾なことだと、こう思うのです。私は率直な気持として感ずることは、最近の消費者物価で勤労者の生活というものは相当な脅威と圧迫を受けておるわけです。それは民間産業に働く労働者はもちろん、公務員でも、あるいは公社職員でも同様だと思うのです。こういう一般に働く勤労者の人方については、物価の騰貴から来る生活の脅威に対して、政府の施策というものがそれを償うだけの措置をやっているかどうかというと、これは決して満足のいく措置はやっていないわけです。ことにまた最近は、長期安定賃金制度というような新しい賃金政策等も政府筋から宣伝されて、あるいは呼びかけてきておりまするが、まあそういう長期安定賃金制度そのものの中にあるものの考え方、その考え方を徹底すれば、一体どういうところにしわ寄せが来るかということを見たとき、そういう背景のもとで高級役人だけがどしどしと何十万という月給をもらうような立場に天下りしていくような、こういう始末につきましては、これは国民の健全な思想という点からいっても、まことにこれは遺憾なことだと私は思うのです。そういうような点を考えてみたとき、私は人事院当局に対しては、第百三条の運用については、やはりこの法の精神に基づいて厳格な規定の運用をひとつ要望したいと思います。同時にまた、政府、内閣に対しましては、せっかくこういう法律の改正を出された機会に、世論が非常に批判しておる高級役人の人事の問題等については、もっと国民世論の批判を受けないような角度において私は公務員の人方も考えなくちゃならぬと思います。そういうことはまた別個の立場から十分考えていけるような措置を政府の中でも十分検討していただきたい、このことを強く希望として申し上げておきたいわけです。

村山道雄自由民主党

○委員長(村山道雄君) 他に御質疑はありませんか。——他に御発言がなければ、本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。  本日は、これにて散会いたします。    午後四時五十二分散会    ————・————

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