内閣委員会 第20号
- 発言数
- 187 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1963/05/30
会議録
○委員長(村山道雄君) これより内閣委員会を開会いたします。 初めに、委員の異動について報告いたします。 昨二十九日田畑金光君が委員を辞任され、その補欠として永末英一君が委員に選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(村山道雄君) 国の防衛に関する調査を議題といたします。 ただいま政府側より志賀防衛庁長官、海原防衛局長、伊藤装備局長、麻生参事官、小幡教育局長が出席いたしております。 質疑の通告がありますので、これを許します。
○永末英一君 防衛庁長官にお伺いしたいのでありますが、三月九日の予算委員会の席上でバッジの問題について防衛庁長官に質問いたしまして、お答えをいただきました。そのときに、また明確でなかったいろいろな問題がございました。新聞紙上の伝えるところによりますと、バッジの機種決定につきましては、非常に近いうちに最終的な決定を見るようでございますけれども、この際、これらの問題の進め方について防衛庁の考え方を明らかにしておいていただきたいと思います。 第一は、三月九日の予算委員会では、丸田空将補が昨年訪米いたしまして、これらの問題について調査をいたしてきたのでございますが、三月九日現在では、まだ長官の手元には報告書が届いていない、こういうことでございました。もうすでに相当の時日が経過いたしておりますので、おそらくこの調査団の報告はお手元に届いていると思いますが、いかがですか。
○国務大臣(志賀健次郎君) 丸田空将補のレポートは一応できておることと思うのでありますが、このレポートを中心に空幕と内局との間にいろいろ意見の交換を遂げて参っておるのでございまして、現在丸田レポートをも含めて、空幕を中心にさらに随時内局とも連絡調整の会議を開いておる最中でありまして、丸田レポートを私は公式には見ておりません。ただ断片的には丸田空将補からも意見は徴しておりますから、大体の様子は承知いたしておるのでありますが、公式のレポートとしてこれは手に取っておらないのでございます。
○永末英一君 非常にどうも妙なことを伺うのでありますが、調査団が調査をしてきたその結果を報告をする、防衛庁では丸田調査団はどこへどういう任務を持ち、だれに一体報告せよということを命じて調査にやられたのか、行ったけれども、帰ってきてからも半年以上もたってまだその公式の報告を受け取らぬというような調査団の派遣の仕方ということで長官いいのでしょうか。
○国務大臣(志賀健次郎君) 私が派遣いたしたのでありますが、これは丸田空将補の派遣によって最終的な結論を得ようというものではないのでありまして、状況を調査にやったのでございます。ところが、当時、三社のうち器材が十分に整っておる会社もあれば、まだ設計の図面に載っておる会社もございまして、十分な完璧なる調査が行なわれておらなかったのでございまして、丸田空将補が帰りまして後にも、書面で三社にそれぞれ照会などを発しておるような関係もございまして、それらが全部そろって初めて丸田調査団のレポートになるものと私は考えて、いまだに公式にはそのレポートを手にしておらないのでございます。
○永末英一君 長官の御説明によりますと、状況を調査するためにやったと、こういうことだと思うのです。調査団がある決定をしてそれを報告せよということをお命じになったわけではないのですね。
○国務大臣(志賀健次郎君) 当時は、派遣した当時の段階において調査をしてこいという命令で調査団が参ったのでございます。ところが、ただいま申し上げたような状況でありまして、十分な、完璧に近い調査ができ得ずして帰っておるのでございます。
○永末英一君 そういたしますと、今の御説明でございますが、はなはだどうも了解しかねる。調査をして、現状を見てこい、現状はこうであるということは、これは報告をされなくちゃならない。伺いますと、その調査の報告をめぐって内局と空幕とがいろいろ相談をしておる。そういうものは一体どういう性格なのか。つまりある決定をしなくちゃならぬからあなたのほうの部内でいろいろ相談をされることはあり得ると思うんですが、調査すればその現状はどうかという報告は相談しなくたってできるんじゃないですか。長官はそのようにはお考えになりませんか。
○国務大臣(志賀健次郎君) そこで丸田空将補の調査に基づきまして、防衛庁としての必要な性能を決定いたしまして、これを四月の上旬にアメリカのメーカーでありまする三社にそれぞれ性能を示しまして、見積もりを求めておるのでございまするから、決して丸田調査団の調査した結果がこれはゼロになっておるというのじゃないのでありまして、丸田調査団のあの当時の次元においての調査を基礎に、空幕と内局で相談をいたしまして、そうしてわがほうで必要な要求性能を作り上げて、見積もりを求めておるのでございまするから、現に私は公式に丸田空将補のレポートを手にしなくとも、十分に丸田空将補の調査の経過なりあるいは結果が今日現実にできておるものと私は信じておるのであります。
○永末英一君 はなはだ妙なことを承るのでありますが、調査の成果をいれて、そうして四月に防衛庁として要求性能を決定して、アメリカの会社に見積もりをやらせたと、こういうお話なんですね。一体この調査団は報告書なるものを提出しないでもいいんですか、それなら。そこのところいかがですか。
○国務大臣(志賀健次郎君) これは事務次官の手元までは提出いたしておるのでございまして、私は本人からも随時聞いておるし、事務次官からも報告を受けておりまするから、私が公式に手にしなくても事実上その報告を受けておるものと御了承願ってしかるべしと私は考えておるのであります。
○永末英一君 はなはだぼんやりした話でございますが、私がこれを伺っておるのは、バッジの機種決定について防衛庁内ではどういう機関の決定を見て、積み上げて、最終的にあなたが御決定になるか、その手続がぴしゃっと作られておるんですか。それをちょっと伺いたい。
○国務大臣(志賀健次郎君) これは、御案内のとおり、運用する者は空幕でございまするから、空幕の技術的な、専門的な知識がまず第一でございます。したがって、空幕を中心に、三社からそれぞれ提出せられました設計なり、あるいは見積もりの内容を分析、慎重に検討いたして、その上で内局と協議を遂げて、しかる後に最終的に私が決定する段取りになっておるのであります。
○永末英一君 ただいま長官のお話のとおりに、防衛庁内部の作業は進んでいるといたしますと、きょう今現在どこが進んでいるのですか、お答えを願いたい。
○国務大臣(志賀健次郎君) これは非常に複雑な、永末先生は私以上に専門的知識をお持ちでございまするから釈迦に説法になりますが、非常にこれは複雑な組織でございまして、今日どこまでこれが話し合いで進んで、おるとか、ここまで両方の意見が調整されたというのではないのでございまして、やはり総合的にこれを分析検討して参らぬというと結論が出ないのでございまして、この点ひとつ御了承を賜わりたいと思うのであります。
○永末英一君 最終的決定に至るまでには、それはあるいは複雑ないろいろな問題が起こると思うのです。しかし、今あなたおっしゃったように、まず空幕できめて、空幕はある案を作る、それが内局とまた相談されるでしょう、そうしてまとまったところであなたが最終的な決定を下される、これが筋道だと思うのです。そこで私の伺っておるのは、別に複雑なことを伺っておるのでなくて、最初の段階である空幕というものは意思決定をされたかどうか、これをちょっと伺いたい。
○国務大臣(志賀健次郎君) まだ決定はいたしておりません。かなり突っ込んだ検討はいたしておるようでございまするが、最終的に決定は見ておらないのであります。また私は、内局との間の進め方を現実的にこれを円滑にする意味においても空幕がしかじかのように決定したからこれをのんでくれというようなふうに持ってくるのでは、内局との調整はする必要ないのでございます。やはり余韻を残して最終的な結論を出すまでの間に並行的に話し合いを進めながら、しからば空幕の大体気持はどうかということが内局との話し合いの過程において表明せられるものと私は期待いたしておるのであります。
○永末英一君 新聞の伝えるところでございますから、事実はどういうことになっておるか、新聞の伝えるところ以外には私知るところはございませんが、五月の二十四日に空幕長が空幕の意思はこれだということで正式に方針を出されたと聞いておりますが、そんなことはございましたか。
○国務大臣(志賀健次郎君) それは私も承知いたしておるところではございません。なるほど二十三日でございましたか、二十四日でございましたか、空幕長が官房長に会いまして、現段階における空幕としての意見の調整はこういうふうな状況になっておるということの報告を受けたということは、官房長から私に話があって承知いたしておりますが、すでに空幕がもうこれで最終的な決定がこのように済んだという報告等は承知いたしておらないのであります。
○永末英一君 今の長官のおっしゃったとおりに、ひとつ確認をしておきたいと思うのです。それでは、アメリカのそれぞれの会社に防衛庁が一定の要求性能をきめて、そうして見積もりをとらしたとおっしゃいましたが、どういう基準でこの問題の決定をされようとするか、つまりどういう性能なり、あるいはまた、その他いろいろな条件があると思いますが、その点ひとつ明らかにしていただきたい。
○国務大臣(志賀健次郎君) 要求いたしました性能の内容を、こういう席上で申し上げることはどうかと思うのでありますが、先ほどもちょっと触れたのでございますが、何といたしましても選定基準の一つは、運用するものが必要と認める性能というものが絶対条件になると私は考えるのであります。同時にまた、調達の価格もこれは無視できないのであります。特に第二次防の中におきましては、バッジに関する予算の規模というものもすでに策定を見ておるのでございまして、調達価格を無視してこれは選定するわけには参りません。ざらにまた、要求性能と関連することでございまするが、やはり信頼性の問題、さらにまた、整備の問題、それから教育訓練の問題、それから今後これを整備した場合における維持費の見通しなり、こうしたものが総合的に一つの基準として検討せられるべきものと私は考えておるし、また、そういう基準に基づいて要求性能を決定して三者にこれを内示をいたしておるのでございます。
○永末英一君 防衛庁で大体こういう性能のものをほしいということで、伝えられるところによりますと、三つの会社がこれに対して見積書を出しておる。また、その価格が同じ要求に合わして見積もったにかかわらず、非常に価格差があるということは、われわれ国民側からすると、同じ性能を満たすものならそんなに価格差はないものではないかと思うにかかわらず、非常な価格差がある。一番安いものと高いものでは約二倍の差がある。二倍にはなってないようでございますけれども、一体、そういうことがわれわれから考えますと非常にふに落ちない。あまり差がない、一割か二割程度の価格差でくるならいいのでありますけれども、そんなに大きな価格差が一体見積もりで出てくるという理由がわからない。そういう点は長官はどういうようにお考えですか。
○国務大臣(志賀健次郎君) 防衛局長から。
○政府委員(海原治君) ただいま先生の御指摘になりました点が、実は先ほど大臣からお答えいたしましたように、最終的に空幕としましても関心を持ち、慎重に検討しているところでございます。なぜ同一の目的を持った組織というものが、会社によっては相当な価格の開きが出るかということになりますと、御存じのように、日本全部をカバーするシステムでございますので、それぞれの構成部分につきましては少しずつの違いがございましても、これを積み上げていくと大きなものになることはやむを得ない点もあるように思いますが、私どもといたしましては、同じサイトの数、これをどう運営すればわが方の要求した性能を満たし得るかということにつきまして、それぞれに最善の案を出してきておられますので、それぞれの案につきましてのプラス、マイナスという点を最終的に技術的に煮詰めておる、こういうことでございます。一例をかりに申しますと、四月十日のニューヨーク・タイムズに出ておりますが、ヨーロッパにおきましてもNATO諸国が同じようなナッジ組織を作っております。これも当初の見通しと、現在時点においては約三倍にその経費がはね上がっておる。この分担をどうするかということが関係各国で問題になっておるという記事が出ておりますが、何分にも最新の技術を用いまして、しかも将来にわたって建設していくものでございますから、そういう点の検討を慎重にやっておる。それが最終的な段階になっておりまして、私どもの最善を尽くした結論を近く得たいと、こういうことで鋭意努力している次第でございます。
○永末英一君 今ちょうどNATOの例を申されたのでありますが、私どもよくわからぬのでありますが、たとえば、NATOの場合には、これは四月十人目、フランクフルター・アルゲマイネ・ツァィトゥンクの報道でありますから、内容はその程度のところしか私も知りませんが、ただ今おっしゃったような組織について問題となっている点は、三億ドルから九億ドルまではね上がった。これでは高過ぎるからNATOの司令部としては購入はやめた、こういう意見が出ておるという工合に伝えられておるわけです。ところが、三億ドルから九億ドルと申しますと、一千億円から三千億円である。今わが国の場合じゃ、バッジ・システムで問題となっておるのは、百数十億から二百億程度のものが問題になっておる。一体、そんなに性能が変わるわけがないと思うのでありますけれども、なぜNATO方面ではそう多額のものが考えられ、また、わが国の防衛を考える場合には、その程度で間に合うか、その辺のところがちょっとわからない。その点ちょっと明らかにしていただきたい。
○政府委員(海原治君) NATO諸国におきまして、今御指摘のように、当初三億ドル程度でできるだろう、それが三倍になった、九億ドルにはね上がった。そのことに関連しましては、各国の経費分担が実は問題になっているわけです。アメリカといたしましては、当初三億ドルで予定しましたものの三分の一は負担しよう、残りの三分の二は関係各国で負担しろということで計画が進められたわけでありますが、現在において三倍にはね上がった。しかもその三分の一をアメリカがざらに持つかどらかということがきまらぬわけであります。そうなりますと、関係各国が受け持つ負担部分というものが非常に巨大になりますので、その辺をどうするかということが問題になっておるということがニュヨーク・タイムズにも出ておりますし、私どもの各国に派遣しております防衛駐在官からも同様な報告を受けております。 では、なぜそのように日本の場合と比べて価格が違うかということでございますが、私どもも当初第二次計画策定当時、丸田調査団が第一回に行きました報告の案の当時におきましては、まだ日本全部にどのようなシステムを配置するかということにつきまして、実は技術的に詳細な知識はございませんでした。実例を申し上げますと、たとえば、北海道の端にレーダー・サイトがございます。このレーダー・サイトを完全に自動化いたしましても、それから得るところのプラスというものが、必ずしもレーダー・サイトをマニュアル、いわゆる現在のような人間が連絡するわけでございますから、かような手動のままで置いた場合と、必ずしもそれに投下する経費に見合うようなプラスがないということも実際にわかって参りました。したがいまして、いろいろと技術面の検討をいわゆるOR的にやるとしますと、当初予定しておりましたような完全と申しますか、完全に自動化をしたサイトを全部持つ必要はない。ある程度のととろは若干整理しまして、必要なところだけを完全に自動化するが、その他のところは手動のままで残しても差しつかえないというようなことになって参りましたので、逐次それの推定経費が減って参りました。これが現実の姿であります。 NATOにおきましては、関係各国の各サイトその他を完全に自動化する、そのためにはそういう金がかかる。わがほろの現在検討しておりますところでは、若干手動の部分を残しまして自動化の部分とかみ合わせてやることによって、現在の日本の置かれました地形的な制約のもとでは、投下されますところの経費に対しての最大の効用が得られるだろう、こういうことで経費は少なくて済むということになっておる次第でございます。
○永末英一君 今問題になっておりますのは、コンピューターを中心とするいわば一番の中枢組織をどう作るかということだと思うのですが、要するに、NATO式でやろうと日本式でやろうと、ただコンピューターだけで問題は解決するものではない。それを全部機械的にどこまで手動部分を加えるかによって、手動部分を多くすればそれだけ費用が少なくて済む、このように御説明を伺ったわけです。だとしますと、今問題になっておりますのは、そういう中枢システムの購入だけのようでございますが、これを購入した暁には、日本のレーダー、今あるレーダーそのものについても手を加えなくちゃならぬのではないかというような意見がございました。そのためにまた相当な金額がかかる。そういうこともワン・セットにして国民の前に明らかにしていただかないと、バッジを一つきめてしまうそれだけではないので、あとあとまた出てくるということでは、全体として一体こういうもののためにわれわれがどれだけの金を支払わなくちゃならないかということが国民にとって非常に不安だと思うのです。もし今おっしゃった点に従って、この今購入しようとしているものを買い込んだ暁において、どの程度のあとあとの施設をしなくちゃならぬとお考えか、明らかにしていただきたい。
○政府委員(海原治君) 私どもの現在持っております計画では、このバッジ組織の完成と並行いたしまして、現在各レーダー・サイトにございますところのいろいろなレーダーを新しいものに取りかえていく、そういう計画は同時にございます。したがいまして、並行的にこれは年次計画で実施をいたす次第でございますが、バッジが完成いたしました四十一年度末以降における問題といたしましては、いわゆる低空から入ってくるものに対してどういうふうな効果的な措置が必要であるかというような点、これにつきましては各国とも問題がございますので、たとえば、レーダー・ピケット船を出すとか、あるいは常時哨戒のための飛行機による警戒を行なうとかいうような補助手段を講ずる次第でございます。ざらにはレーダー・サイト自体のレーダーの問題といたしましては、いわゆる三次元レーダー、スリー・ディメンション・レーダーの開発設置の問題、こういうものがございますけれども、これは一応私どもといたしましては、一応四十二年以降の問題と考えておりまして、このための所要経費等につきましては、現在的確な推定の数字を持ち合わせておりません。
○永末英一君 新聞の報ずるところによりますと、三次元レーダーだけでも一基八億ないし十億円かかるだろうという推定があるわけですね。われわれは今防衛庁側の感覚からいえば一次計画あり、二次計画あり、それから次が三次計画である、だから今これだけしか金がかかりませんという言い方をするが、国民の財布は一つですから、やはりバッジが全性能を発揮するためにレーダーを変えなくちゃならぬ、こういうことであれば、やはり全体としての計画を示してもらってから、今何をやっているかということでないと、納得がいかないと思うのです。したがって、二次計画ではこうだ、第三次計画ではこうだというようなものの言い方で、長官こういうことでいいのでしょうかね。考え方です。そこのところを長官の考えを伺っておきたい。
○国務大臣(志賀健次郎君) まあ現在防衛庁で考えておりまするのは、大事な骨格の整備を考えておるのでございまして、それに肉づけをするととは逐次考えて参るつもりでございます。したがって、現在のところははっきりまだ考えておりませんが、いずれは四十二年以降になりますれば、第三次計画になりましょうが、将来の問題として私ども考えておるのでございまして、現段階におきましては骨格の整備に全力を傾倒するということで御了承賜わりたいと思います。
○永末英一君 バッジ購入の決定にあたっては、私の希望したいところは、やはり全体の計画を出してやっていただきたい。そうでなければ小きざみにあることを決定されたのでは、知らないうちに雪だるま式にふくれ上がっておって総合的な効果も判定できない、国民としては非常にこの点は因ると思うのです。したがって、今長官の心の中にはまだきまっていないという御答弁でございましたけれども、バッジの機種決定ということは、それだけの問題ではないと思います。したがって、そういう点について、防衛庁が全体的な見通しをひとつ立てていただきたい。というのは、四十二年度から考えると書っておりますけれども、このごろの兵器の進歩は非常に早いわけです。特にスピードの点において非常に速いものができておる、だから四十二年度以降にそういうものを整備していくこと自体が、今これが必要だと思っていること自体が、すでに不必要になるかもしれない。したがって、その暁においては、今大騒ぎしてやっておりますバッジそのものも、やはりまた古びた機械になるかもしれない。こういう不安をやはり国民が持っておるわけであります。これを国民にやはり示して、その中でものをきめていただきたいと思うのです。 ところで、もう一つ伺っておきたいのは、このバッジの購入、アメリカの会社から購入するということはどこの機関できめられましたか。
○国務大臣(志賀健次郎君) これは防衛庁だけで決定いたします。
○永末英一君 私の聞いておるところは、今までにバッジ・システムといわれるものをアメリカの三社から見積もりをとらされたのでありますが、これはアメリカから買うのだということを、どこから買うかは別です。機種決定は今やっておられる、しかし、要するに、アメリカの会社から買うのだということは決定されましたか。
○国務大臣(志賀健次郎君) これはアメリカの三社が日本の三つのメーカーとそれぞれ政策上の関連がございまして、三社のうち二社がすでに提携の新しい会社を作っております。したがって、機種が決定いたしますれば、そらした合弁の会社なり、あるいは他の一社はアメリカの会社と製作協力関係にあるものでございまして、日本の会社を主契約の対象にすることになっておるのであります。
○永末英一君 その場合にアメリカ政府から援助がくると聞いておりますが、その援助の内容はどういうことになっておりますか。
○政府委員(海原治君) 米国側からの援助でございますが、これは日本政府といたしまして、どういう種類のものをどの程度の価格でもって建設するかということの意思決定が行なわれましてから初めて正式な交渉に入るわけでございます。ただし、実際の問題といたしましては、二次計画というものを一応アメリカ側に説明してございます。現在そういうことにつきましての検討が進んでおりまして、この各社の見積もり程度によりますところにつきましても在日米顧問団の力をかりておりますから、現実に私どもがやっております作業の内容というものは、一応アメリカ側としては事実上承知しております。それに従いまして一定の援助というものを向こうとしては考えているというふうに想像されます。ただしこれがはたして一定の額で、たとえば日本の円にいたしまして、四十億円前後のものということになるか、あるいは本体器材の二五%とか三〇%とか、こういう割合でくるか、この辺のところは今後の交渉の問題でございまして、現在私どもといたしましては、一定額になるか、あるいは特定の割合になるかということにつきましての先方側の考え方につきましては、全然情報を持ち合わせておりません。
○永末英一君 新聞の報ずるところによりますと、計画としては、日本側とアメリカ側とは一応ワンセットにして考えているのだから、その翻訳ですから、その金は日本側としてはわかっているだろうと思う。こういう報道が伝えられております。今局長の言われたところによりますと、総額か比率か、そういうことすらまだわかっていない、こういうことですか、いかがですか。もう一度。
○政府委員(海原治君) 今先生の御引用になりました報道は、おそらくウイングという新聞に、当該関係の記者がワシントンでカーペンターという大佐との会談の記事だと思いますけれども、私もその記事は読みました。しかし、現実に私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、それが額でくるか、率でくるかということにつきましては、何らインフォーメーションをもらっておりません。これは先ほど申し上げましたように、やはり日米両国間のいわゆる外交交渉と申しますか、折衝の問題でございまして、おそらく向こう側といたしましては、最終段階にならなければその点は明らかにしない。従来の私どもの経験から申しましても、そのように判断をいたしております。
○永末英一君 先ほど長官は、日米合弁みたいな会社ができるのだから、合弁という言葉は悪いかもしれませんが、したがって、主契約は日本の会社とすると、何か国産でできるような雰囲気を、言葉のニュアンスからでもとれるのでありますけれども、これは内容はアメリカで作るもので、たまたまトンネルみたいな会社の形が日本の会社になっている。こういうことだと思うのですが、一体われわれの日本人の技術では全然及びもつかないものであるか、その点はどういう考えでございますか。
○政府委員(伊藤三郎君) 日本の電子工業に関する技術も非常に進歩して参っておりますが、こういうバッジのような非常に複雑なしかも新しいシステムでございますので、日本側の会社だけで所要の時期に完成できるということは非常に疑問であろうというふうに考えております。防衛庁が契約をする相手方といたしましては、日本側の会社を予定しておりますが、そういう会社がアメリカのそれぞれの会社と技術提携をいたしまして、向こうの技術指導を受け、いろいろノー・ハウを教わっているというわけでございますが、でありますが、中身は全然通り抜けということではございませんで、本体部分の六、七〇%は実際に日本で作る、日本の国内で製造するということになろうと思います。ただそういう必要な知識はいろいろ教えてもらわなければならない。単にアメリカから必要な部品は全部輸入して、日本側の名前で納入するというようなことにはならないと考えております。
○永末英一君 アメリカにおいてもまだ現物ができているわけではないのであるから、これから作るというならば、日本側でもちろんございませんから、作らなくちゃできない、こういうことですが、たとえば防衛庁内部でこういう種類のものを御研究になったことはございませんか。あなたのほうには技研という専門の部局があるわけですが、今までの話を聞いておりますと、何か新しいものはアメリカにある。それを買い込む。そして日本のところで、組み立てたりなんかすることを、日本の私企業の会社でそれをやる。こういうことばかり承るのでありますが、防衛庁の内部にある機関では、こういうものの研究を進めておられるのですか。いかがですか。
○政府委員(伊藤三郎君) 防衛庁の各幕僚、あるいは防衛庁の空幕、あるいは技術研究本部でバッジについてももちろん研究はいたしておりますが、製造に関するような研究までは進んでおりません。で、アメリカでも新しく作るという点でございますが、このバッジのそれぞれの構成部分につきましては、相当程度できております。三社それぞれ差はありますけれども、相当年月をかけて研究をし、構成部分についてはできておるという状況でございます。ただ、日本の今度の要求性能にぴったり合うものはまだできていないという状況でございます。日本の場合、民間会社で電子関係いろいろ研究をしております。関連する部品等も国産化すでにできておるものもあるのでございますけれども、全体としてのシステム、それぞれの本装備等については、まだやっていない。したがいまして、アメリカから必要な知識を習って作るということになるわけでございます。で、技本等でもいろいろ書類上の勉強をしておりますけれども、自分でこれを設計して試作してみるというところまではまだ至っておりません。
○永末英一君 先ほど、バッジの機種がきまったあとで、レーダーその他について、たとえば第三次元レーダー等々のやはり装備の変革ということを、まあ今の御計画では次の四十二年度以降からでも考えたい、こういうお話でございましたが、そういう場合には、日本の工業力で全部まかなえますか。お見通しを伺いたい。
○政府委員(伊藤三郎君) 現在、レーダー関係につきまして技術研究本部で中心になりましていろいろ研究をしております。また、日本独自の改善を加えたようなのもございます。先ほどお話しのありました三次元レーダーにつきましても研究をいたしておりますが、これを試作する段階につきましては、日本側の会社と契約をいたしまして試作をするということでございます。それに対しまして、防衛庁として研究をした成果もその中へ織り込んでいくことになりますが、試作をするのは日本側の会社でございます。 三次元レーダーにつきましては、今、日本の民間で研究しておるのが三社ございますが、私どもの見通しでは、三次元レーダーについては国産で十分やっていける、ただしその場合にも、三社が全部ではございませんが、やはり技術提携先でありますアメリカ側の会社からの技術援助が必要になる場合があるというふうに考えておりますが、レーダーにつきましては、バッジに比べましてはるかに国産化はりっぱにできるというふうな見通しを持っております。
○永末英一君 防衛庁長官、それでこの問題はいつごろまでに最終結論を出されるおつもりですか。
○国務大臣(志賀健次郎君) 機種の選定の作業は、先ほども申し上げましたが、現在予定どおり進行いたしておりますので、しばしば国会で申し上げておるとおり、六月中には最終決定を見たいと考えておる次第でございます。
○永末英一君 予定どおり進行中というお話でございますがね。なかなかその予定の中にいろいろな波が立ったりしておるように思うのですが、で、国民の側からいたしますと、もちろん全部がガラス張りでやらなくちゃならぬとも思いませんけれども、やはり筋を通してどの程度固まってきておるかという固まりの度合いも国民に知らして、そうして国民とともに防衛体制を作ると、こういう方針でやっていただかなければ、国民の知らぬところで動いておるごたごたしたありさまは、かえって国民に無用なものを買うのではないか。また、その買うことによってもっと違ったどす黒い雰囲気を国民に与える、こういうことであってはならぬと思うのです。したがって、防衛庁長官が本委員会で六月中には決定すると、こういうお話でございますが、七月にはまた内閣の改造の話もございますし、防衛庁長官の責任においてですね、やはり明確に筋を立てこの問題の決着をつけていただきたいと思います。 この機会にもう一つ伺っておきたいのでありますが、過般来F104Jの事故が新聞紙上に伝えられております。現在まで104Jの事故はどのくらいあったか、ひとつ初めから現在に至るまで御報告を願います。
○国務大臣(志賀健次郎君) 私ちょっと先に。 先般本委員会におきましてF104の事故発生につきまして御報告を申し上げたのでございますが、その後も事故がございまして、まことに恐縮をいたしておるような次第でございます。事故の原因を的確にこれを把握することが大事でありますが、同時に事故防止の対策を励行することが必要でございまして、これは平素からやっておるところでございますが、何といたしましてもパイロットの素質の向上が第一であるように思うのであります。先般二回にわたりましてF104の事故が発生しましたが、まあこれなどはありていに申し上げるというと、どうも未熟である、こうした素質を改善向上させることがこれは先決でございまして、また、事故の原因になりましたのは、教範を励行いたしておらなかったのにも起因をいたしておるのでございまして、素質の向上、また教範と申しましょうか、規則の励行、それから機材の点検を完璧にこれを行なうと、そういう点に重点を置きまして事故防止に当たっておるのでございますが、昨年の同期まで――本年の一月からただいままでの事故は九件でございまして、昨年の同期は十一件でございます。数の上では少ないのでございまするけれども、大事なF104という事故を四回も引き起こしましてまことに恐縮に存じておるのでございまして、この機会に重ねて遺憾の意を表明する次第でございます。 詳細は教育局長から説明申し上げます。
○政府委員(小幡久男君) 104の事故が続きましてまことに申しわけなく存じております。104の事故は部隊配置以来合計四件起こっております。そのうちで大事故となりましたのは四月十日にパイロットが死にましたのが大事故でございまして、あとの三件は五月十五日に二件、それから五月二十七日に一件、これはいずれも滑走路で地上着陸途上におきまして滑走路外にはみ出まして、幸い軽微な事故に終わっておりますが、いずれにいたしましても四件の事故が起こっておるとい5わけでございます。 最初の大事故の原因を検討いたしますと、第一原因が機材の故障が第一原因であります。それから第二といたしましては、副因といたしましては、操縦士に若干の手落ちがあったという判断をしております。 その内容を申し上げますと、四月十日の大事故は、スロットルが一万メートルの上空で全開のまま停止いたしまして、パイロットはそれによりまして緊急着陸の連絡をタワーにいたしまして、緊急着陸をする途中で最後に地上に激突しまして殉職したのでありますが、スロットルの全開でとまったという原因につきまして、その後空幕の副長を長とする事故調査委員会、さらにはそのノック・ダウンを担当しております三菱の技術陣営相ともに協力いたしまして原因を徹底的に探究いたしましたところ、現在のところでは、大体推定原因は三つになっております。 第一は、スロットル、と申しますのは、それをかげんすることによりまして燃料をエンジンに送る量をかげんする装置でありますが、この装置が、実を申しますと、ワイヤーで滑車を伝わってそのかげんをする装置になっておりますが、この装置の滑車の部分に故障がありまして、ワイヤーがかみ込まれなかったという推定が一つ。それから第二は、この滑車の部分の最後の、エンジンと連結する部分におきまして、エンジンの側についております配油ポンプの配油ホース、これと、そのスロットルから発しておりますワイヤーの一番終末の部分とがからみ合って動かなくなったという推定原因が第二であります。第三は、整備とかあるいはノック・ダウンの途中におきまして、何か布ぎれといいますか、異物が滑車の部分にかみ込んだのではないか、これも理論的には考え得られるところでありまして、その三つが大体の推定原因になっております。そのうちで、いろいろ推定原因の中で強弱を付して現在なお検討しておりますが、今のところではその三つをほぼ確たる原因と見なして、対策はそれぞれとっております。 それからその次に、若干操縦士に手落ちがあったのではないかと思われます点につきましては、この飛行機が緊急着陸をいたします際に、旋回をしながらゆるやかにエンジンをとめて入ってくるというふうな手順になっておりますが、ある地点を通過するときに、その地点では少なくとも六千フィートから八千フィートの高度を維持しなければならないという規定になっております。その前にエンジンをとめた模様でありますが、そのときに、その高さが四千フィートしかなかった。どうしてそういうふうになったかということをいろいろ調べますと、実はスロットルが一〇〇%で、全開しておりますので、少しでも速度をゆるめようとしまして、パイロットは、エア・ブレーキを出しておったわけであります。エア・ブレーキと申しますのは、主翼のすぐ後に、小さいひれのように出ておるブレーキであります。そのブレーキを出しておったのでありますが、これはエンジンをとめる前にそのブレーキを元へしまわないといけない規則になっております。でないと、エンジンがとまりますれば速力は落ちますので、そのエァ・ブレーキが出ておりますと、一秒間二十五メートルという104の沈下率にさらにそのブレーキの抵抗が加わりまして急激に落下する。こういうおそれがありますので、そのエァ・ブレーキはエンジンをとめる前に元へ返せ、エンジンがとまりますれば電気系統がとまりますのですから、それを元へ納め込む操作ができないということが書いてあります。そこのところを、エア・ブレーキを出したままエンジンをとめたため、その六千フィートの高度を通過するときにすでに四千フィートの低高度になっておりました。したがって、急に曲がって滑走路へ入っていった。曲がるときの角度も、通常なら四十度前後の傾斜が妥当であるといっておりますものが、六十度の急傾斜で入ってきまして、そこでクラッシュしたわけであります。このように、第一原因は機材の系統の故障でありますが、あわせて、若干の手落があったのではないかという点が指摘されております。 それからその後に起こりました滑走路上の三件につきましては、そのうちの二件は明らかに操縦上の間違いであるという判定を持っております。その二件と申しますのは、着陸直後、御承知のように、104は、先に車輪が一つ、それからあとに車輪が二つございます。そのあとの二つの車輪から先に着陸いたしまして、しばらくして前の車輪を接地をいたしまして、安定をはかって直線で入っていくというのが着陸方法でありますが、104は非常に高速で、機体もF86に比べまして相当シャープにできておりますので、教範によりますと、あとの二つが接地したすぐ次にもう間髪を入れず前の車輪を地につけよ、そうしないと横風がひどい場合には非常に機体の位置が風にゆれる、その意味は、御承知のように、非常に尾翼のほうにあります方向舵が104は大きいものでございますかう、その方向舵に風が当たりまして、尾翼がふれまして、飛行機の位置が安定性を欠く、したがって、できるだけ早く前の車輪を接地して、できるだけ地上との摩擦を多くして風の抵抗を増すというふうになっております。それを二件とも――一件は約二千二百フィート前輪をつけずに滑走しておりますし、また、あとの一件は約三千フィート前輪をつけずに滑走いたしております。その間、時間は約二十数秒であります。やはりこれは数秒中に前輪を接地すべきものであったかと思われます。 なお、次に、御承知のように、104は着地いたしまして、非常に方向が不安定になるといけませんので、前輪と方向舵とを同時に連動し得るような操作をせねばいけないということが教範に書いてありますが、その操作をこの二件では完全にやっておりません。したがいまして、当日十八ノットから、ときには二十二ノットの横風がありました際、教範では二十ノット以上はリミットであると書いてありますような強風の日でありまして、そういう操作に欠陥があったために、遺憾ながら滑走路外へ百数十メートル踏み出して若干の故障をしたというのが二機あります。 最後の一機につきましては、これはノーズと申しまして、飛行機の前部が――前のほうが非常な振動をいたしまして、この原因は油圧系統に若干空気がたまりまして、相当量以上空気がたまったがために油圧の力が前輪を固定さすだけの十分な力を発揮できなかったということに基づくのと、そのために前席と後席に乗っておりました両方の間をつなぐ通話の能力が阻害されまして、あのような結果になったものであります。この点につきましては、その油圧系統の空気を点検整備の際ひんぱんに抜き取るように点検方法を改善をいたしまして、いずれも対策は講じております。 このように四件事故がございましたが、いずれも原因は、大事故につきます以外は明確になっておりますので、それぞれそれにふさわしい対策を講じておる状況であります。
○永末英一君 F86型の最初のジェット機を自衛隊が使われた当初と、今104が使われつつあるときの状況と、事故の比較はどうですか。こっちのほうが多いですか、同じようですか、少ないですか。
○政府委員(小幡久男君) 直ちに機数をもって今お答えできないのが残念でありますが、F86Fを使った当初もやはり手のうちに入るまでは相当事故が連続をした記憶がございます。一例を申しますと、浜松で教育を開始いたしまして、間もなく部隊が千歳へ移駐したわけでございます。千歳へ移駐する途中あるいは千歳へ移駐してからも相当連続の事故がございました。創業期には十分手に入っていないというふうな関係からかと思いますが、初期には相当な事故があったと思います。ただ104につきましては、御承知のように、86F、86Dまで十分訓練を積んでおります。ジェット飛行時間千時間あるいは少なくとも五百時間という、ジェット機につきましては相当のベテランでございますので、十分戒心自重されて乗りますならば、初めてプロペラ機から86Fを導入した時期よりは、私は事故が少なくていけるのではないかというふうに考えております。
○永末英一君 F86型の場合には、ジェット機操縦の経験のない人が初めて乗った。今度は今おっしゃったように、すでにジェット機そのものとしては経験を十分に積んだ操縦士諸君がやっておる、その角度で事故をごらんになった場合に、操縦士のふなれな点もあるでしょうし、しかし、新しい機種を人間が使うわけでございますから、操縦士に落度がある場合もあるかもしれませんけれども、特にそれは、機械は人間が使うのでございますから、機械の側に多くの問題もあるのではないかと思われます。したがって、そういうことを考えますと、あなたのほうの計画では、大体一年に七機ぐらいはなくなるだろう、四十一年百八十実働機数をそろえようとしても、そのころには百三十機ぐらいになっているだろうと、統計的には考えておられるようでありますけれども、今のような、二十一機ですでに四件も出ておる、こういう現われ方が、今の考えておられる損耗率というものについて改変をしなくちゃならぬとお考えになりますか、いかがですか。
○政府委員(小幡久男君) 御意見にありましたように、理論的な数字といたしましては、一万時間に六件という事故率を推定して、二次防その他は組んでおります。しかしながら、その六件と申しますのは大事故でございまして、全然飛行機がクラッシュいたしまして、もとへ返らないというふうな件数が六件でございます。ただいまのような四件のうちでそれに該当いたしますのは、一件でございます。今後努力いたしまして、少なくともその理論的な数字には近寄らぬように、最低にとどめるように努力したいと思っております。
○永末英一君 この機会にちょっと伺っておきたいのですが、これはまあ飛行機を操縦するだけでもいろいろ問題がございます。しかし、飛行機は兵器を積んで戦闘するのが目的でございます。当初、F104を採用するかどうかという場合に、これが全天候機であるかどうか、もちろんこれはそこに積む射撃管制装置との関係もございまして、大体全天候使用可能である、こういうことで機種決定がなされたと思いますが、全天候、あらゆる場合にもこれが動きますか、いかがですか。
○政府委員(小幡久男君) その点は天候いかんにかかわらず、もちろん先ほど申しましたように、強風何メートル以上は着陸が困難であるということはございますが、上空ではそういうことは関係なく動くようになっております。
○永末英一君 この104に積むために、射撃管制装置としてナサールを積むと、それによって対地攻撃等も十分にできる、こういう打ち出し方が当初やられたのでありますが、聞くところによると、このナサールは、どうもあらゆる条件に適合して使えないところがあるというので、考えておられるという話ですが、ナサールの現状について伺いたい。
○政府委員(伊藤三郎君) ナサールにつきましては、三十六年の六月から三十七年の五月、米国で飛行審査をやりまして、その際にナサールについても要求性能を満足しておるということを確認しております。したがいまして、現在104に搭載されておりますナサールは、性能上は問題ないと思います。 なお、対地攻撃でございますが、104は空対空の任務を主としておりますが、対地の攻撃にも協力をするという性能を持っております。その点についても特別の問題はないと承知いたしております。
○永末英一君 このナサールの搭載についても、やはりバッジの導入につきましても、ことにまた104Jにつきましても、アメリカ側で軍事機密になっておる点がある、そういうことで、もしバッジを入れることによって、たとえばその機密を保持しなくちゃならぬように、つまりアメリカで作られているものを買い込むものだから、保持しなくちゃならぬように法律でも作れということを、防衛庁長官はアメリカ側から言われておるという報道がございますが、そんなことはございますか。
○国務大臣(志賀健次郎君) 私は、就任以来そういう話は聞いたことがございません。
○永末英一君 先ほど、統計的にいえば、作った飛行機はまるまる四十一年度に隣るわけではない、こういうお見込みを防衛庁で立てておられる。ところで、F104に関する生産のピークはもう来ていると思う。そこで経済界あたりからは、このF104を継続生産しろ、そうしなければ、ピークを過ぎてしまうと損をする、こういうことで防衛庁側に押しかけておるということを聞いておりますが、その間に関する防衛庁側の考え方はいかがですか。
○国務大臣(志賀健次郎君) 仰せの話は、防衛生産関係者から私のところに陳情もございます。これはきわめて重要な問題でございまして、目下慎重に検討を加えつつあるところでございます。
○永末英一君 もちろん慎重に検討していただかなければならぬと思いますが、F104がほんとうに使えるかどうかというのは、各国でも同じようなものを使っておりますし、これから、よその国のことはいざ知らず、われわれ日本人で使いこなし、日本の天候風土でこれを使いこなさなければならぬ、そういう使いこなし得るのだということがはっきりして初めて、防衛上の問題としては、継続生産等が決定せらるべきものだと私は思います。経済界側の、会社側の都合によってこれが決定されてはならぬと思いますが、その考え方について、防衛庁長官は、どう考えますか。
○国務大臣(志賀健次郎君) これは、陳情があったから陳情に沿うという意味のものではないのでございまして、やはり日本防衛という見地から、防衛庁が責任をもってこれをどうするかということをきめる問題でありまして、そのために、目下慎重に考えておるところでございます。
○永末英一君 質問は、以上をもって終わります。
○山本伊三郎君 われわれは、実は防衛庁設置法がかかれば、今永末委員が言われましたが、徹底的にひとつ究明したいと思うのですが、過去ロッキードが機種選定されたときの経過から見ると、先ほどから防衛庁当局が答弁されているのは、実はわれわれもう歯がゆいのです。その当時、機種選定についていろいろ参両された源田さんなども、委員会の委員としておられますけれども、グラマンが一応決定して、それをロッキードに変えられた当時から、相当この委員会でも、もめてもめてもめ抜いてこれが出された。当時赤城長官のときだと思いますが、したがって、志賀さんについてはあえてこれを追及する必要はないと思いますが、先ほどからちょっとスロットルの故障とかいろいろ言われますけれども、わが国にロッキードが適切かどうかということについては、その当時は、これは開発すれば全天候に向くのだということで、相当強い自信をもってやられた。ところが、今日これがパイロットが非常に未熟であったということも先ほど言われておりますけれども、そういうことは早くからわかっておったのです。そういう点について、私は相当謙虚な気持で、防衛庁はこのF104の問題については考えてもらいたいと思う。私は、防衛庁設置法のときに、わが党としても相当かまえておりますけれども、あまり、先ほどからの答弁を聞いておりますと、何かパイロットに責任のあるやに言う答弁が多いので、この点について、私は特に志賀長官の所見だけひとつ聞いておきたい。
○国務大臣(志賀健次郎君) 104の継続生産の問題に関連をしてのお尋ねでございますが、先ほどからお等えをいたしておるとおり、これは防衛庁の責任において、あらゆる角度から慎重に、従来の104の実績その他をも徴して慎重に検討をしなければならぬし、また・今日も検討しつつある次第でございまして、どうか防衛庁の真意を御了承を願いたいと思います。
○山本伊三郎君 事故についての先ほどからの答弁が、われわれとしては、104の機種自体に問題があるということを重点に検討しておるのですが、パイロットが非常に未熟であるということが非常に主張されておるのですが、その点についてはどうですか。
○国務大臣(志賀健次郎君) これは事故の原因はパイロットの未熟なりあるいは教範を励行しないという点だけではないのでありまして、これは私は、就任以来の事故をずっと見ておりますというと、 むしろこれは104だけではないのでございます、F86もそうでありますが、どうも整備の不十分、あるいはまた、機材の欠陥というものも相当に目立っておるのでありまして、まあパイロットの責任あるいは整備の不十分、さらにまた、機材の欠陥というものもありますので、これらを総合的に検討しておるのでありまして、何も機材がりっぱで完璧で、パイロットだけに責任があるというふうには考えておらないのでありまして、その点は御了承賜わりたいと思います。
○委員長(村山道雄君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(村山道雄君) 速記をつけて。それでは他に御質疑はありませんか。――他に御発言がなければ、本件の調査は、本日はこの程度にとどめます。 午前中の会議はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時三十二分休憩 ――――・―――― 午後一時二十六分開会
○委員長(村山道雄君) これより内閣委員会を再開いたします。 大蔵省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 前回に引き続き、これより質疑を行ないます。政府側よりただいま、谷村官房長、佐々木関税局長、岡崎経済企画庁調整局参事官、増子公務員制度調査室長が出席いたしております。質疑のある方は、順次御発言を願います。
○鶴園哲夫君 これは数字的にはこまかい問題ですけれども、輸入、輸出の状況につきまして、税関の職員を百二十二名増員をはかるという改正ですけれども、これに関連いたしまして、今輸入、輸出の状況について伺いたいわけたんですが、との貿易額の増加の状況、それと関税額ですね、関税額の最近の状況、それから輸出申告件数ですね、それから輸入の申告件数、それから輸出の貨物の検査の件数、それから輸入の貨物の検査の増加の状況、そういう数字的なことをちょっと先に伺いたいわけなんです。
○政府委員(佐々木庸一君) 最近の輸出入貿易額の数字から申し上げます。 昭和三十五年の輸出貿易額は一兆四千五百九十六億円でございます。三十七年になりますると、これが一兆七千七百億円というふうになっております。三十五年を基準にいたしますというと、輸出の増加額は三十五年を一〇〇にいたしますと、三十七年は一二一になるわけでございます。二割一分の増加ということになろうかと思います。 輸入貿易額について申しますと、三十五年が一兆六千百六十八億円でございまして、三十七年は二兆二百九十二億円でございます。三十五年を同じく一〇〇にいたしまして比較いたしますといろと、三十七年は一二六になるわけでございます。 関税の収入実績額を会計年度によって比較いたしますというと、三十五年は千四百四十八億円でございます。三十七年は千四百七十四億円でございます。この関係を先と同じ指数にいたしますと、一〇二になるわけでございます。 次に、輸出申告件数、輸入申告件数を申し上げます。輸出申告件数は、三十五年百五十三万九千件あまりでございます。三十七年はこれが百七十二万二千件余になっておる次第でございます。指数に直しまして、前と同じようにいたしますというと、一一二ということになるわけでございます。同じく輸入申告件数について見ますと、六十万七千件余というのが三十五年の数字でございます。三十七年は七十一万二千件余になっておりまして、指数に直しまして一一七でございます。なお、納税告知の件数を比較いたしますというと、三十五年二十八万四千件余でございまして、三十七年三十万九千件余になっておりまして、指数の関係では三十七年が一〇九になるわけでございます。 さらに、外国貿易船舶の出入港隻数を申し上げますと、この関係の指数は、三十五年に対しまして三十七年は一一五でございます。航空機の関係では一一七ということになっておるわけでございます。 あと検査率についてお話があったのでございますが、手元に何件検査したかという数字はちょっと持ち合わせておりませんですが、輸出につきましては、先ほど申し上げました申告件数の約二割を行なっておるものと考えております。輸入につきましては、申告件数の約八割を実施しているものと考えております。
○鶴園哲夫君 もう三つほど伺いたいのですが、犯則検挙数ですね。それから、密輸入の検挙数、それから、保税地域の増加状況。
○政府委員(佐々木庸一君) 昭和三十五年におきます検挙件数は三千四百二十六件ということになっております、密輸犯及び秩序犯を合わせて。三十七年におきましては、これが三千二百二十件ということになっております。価格で申し上げますというと、三十五年は八億三千五百万円、三十七年は三億四千七百万円ということになっておる次第でございます。
○鶴園哲夫君 保税地域は。
○政府委員(佐々木庸一君) 保税地域の許可件数で申し上げますというと、三十五年は、指定保税地域、保税上屋、保税倉庫、保税工場の合計で千九百八十八件でございます。三十七年は、これが二千三百四十九件となっておる次第でございます。
○鶴園哲夫君 私の手元には、二十七年から三十四年までの数字がありまして、今お話の貿易額、あるいは関税額、それから輸出申告件数、輸入申告件数、今伺いましたそれぞれについて、二十七年からの数字が出ておりますが、そこで昨年二百名、四百名だったですかね、設置法のときにたしか増員の改正があったのですが、その定員の増加の状況を伺いたいのですけれどもね。
○政府委員(佐々木庸一君) 三十五年四月一日現在におきます定員は、六千四十六名ということになっております。三十七年同じく四月一日は、七千四十六でございます。三十五年を基準といたしまして、一一七という指数になるのじゃないかと思っている次第でございます。
○鶴園哲夫君 今お話によりますと、三十五年から三十七年にかけての輸入、輸出の状況、あるいは税関に関するいろいろな事務量というものの増加に対しまして、三十五年を基準にすると、三十七年の一七%増というのは、大体見合ったような印象を受けるわけですが、しかし、その前の、三十五年前の状況を取り上げてずっと検討いたしますと、いろいろな事務量の増加に比べまして、定員の状況というのが不足しているのではないかというふうに思うのですが、これは三十五年に行政管理庁の行政監察が、税関業務運営監察というのを行ないまして、それが三十六年に発表になっているのですが、ですから、三十五年までというのは、非常に定員がはなはだしく不足したのではないかということになるわけですね。その指摘もそうだと思うのです。ところが、三十五年を基準にしますと、ほぼ見合ったような形になっておる。その前が見合った形になっていないのじゃないかと思うのですが、昨年四百名ふやし、ことし百二十名程度増加するわけですけれども、その前のどうも三十五年前のやつがたしか問題として残っているのではないかという印象を受けるわけですが、どうでしょう。
○政府委員(佐々木庸一君) 私どもお説のとおりに思っておるのですが、ラフな数字だけ申し上げますと、昭和二十六年の数字と三十七年の数字を比べますというと、外国貿易船の出入港隻数は四・四倍になっておると見ておるわけでございます。輸出申告件数では三・六倍、輸入申告件数では二・九倍という数字になろうかと見ておるわけでございます。定員におきましては一・四倍ということになっておると計算しておるわけでございます。しかしながら、まあいろいろな指数的な数字の増加分だけもっと定員の増加をはかるということ、要望を申し上げるということもまだ必ずしも合理的でもあるまいかと考えておりますが、定員の増加率というものが事務の増加率に必ずしも追いついてはいないという感触はわれわれも持っておるわけでございます。しかしながら、定員の増加ばかりによってこれを解決するのではなくて、事務の合理化、簡素化その他もまた今までも努めて参りましたし、今後も急速に進めまして、事務員増加に十分な定員増加というふうにならないにしろ、事務の処理については円滑化を期しておる次第でございます。
○鶴園哲夫君 実際働いておられる人たちに聞いてみますと、今の定員は七千四十六名になっておるわけですが、実際働いておる人たちに聞くと、三千名程度要るというような話ですね。それでまあその根拠はどういうことだというと、根拠はどうということもないが、実際働いておる状況からいえば、働いてきた者からいうと三千名程度要るのじゃないかという話をしますよ。私は、今お話の二十七、八年ごろからの数字が手元にありまして、そういうものの見当からいいますと、三十五年ころまで非常にきつかったのじゃないか。三十六年あたり、三十七年あたりから四百名程度の人員がふえる、あるいは二百名程度ふえるということでふえておりますが、どうもそこらの三十五年あたりまでが相当定員がはなはだしく不足しておったのじゃないかという印象を非常に強く受けるわけですね。ですから今日でも聞くと、三千名程度だという話が出る。それはいろいろな数字からいいますとうなづげる。数字はともかくとして、相当大きな人員が要るのではないかという気がするわけですね。さっきお話の、輸入なり輸出の申告件数なりあるいは検査件数なり、船舶の出入港隻数なり、そういうものからいいますと、やはり実際働いておる人からいえば、何かそういう感じを持つのもこれはやむを得ないことじゃないかというふうに思いますけれども、もう少し中に入りまして伺いますと、この密輸の取り締まりですね。これの件数が三千二百二十件というふうに密輸を含めまして出ておりますが、ちょうど三倍近くになっておりますね、十年前と比べると、三倍もなりませんですが。これはこの密輸の取り締まりの中核をなしておるのは審査課職員というやつですか。
○政府委員(佐々木庸一君) 審理課でございます。
○鶴園哲夫君 審理課職員ですね、これは非常に不備だというふうに書いてありますがね、どうですか。人員が足りない……。
○政府委員(佐々木庸一君) 従来も若干ずつ増員には努めて参ったと見ておりますが、今後も御指摘の審理課につきましては増員を要するものと考えておる次第でございます。
○鶴園哲夫君 それから税関の輸出入の許可事務ですね。これの流れが、輸入部門の鑑査段階で非常におくれておる、僕らが想像した以上におくれておるように思うんですね。たとえば税関から本省へ禀請して、それに対する回答を出すのに五十日近くかかる、あるいは通産省に検査を依頼する、依頼するだけでもどうも一件当たり平均して五十日もかかるというような状況ですね。こういうところは、人員が足りないという点に一番大きな問題があるのか、あるいはそのほかに何か理由があるのか。
○政府委員(佐々木庸一君) 鑑査部職員が足りないという問題は確かにあるわけでございます。ただ、しかしながら、この鑑査部職員は理科系統と申しますか、技術系統の職員なものでございますから、定員を増加いたしましても応募者がなかなか得られないといろ状況で、各税関ともその充実に苦労しておるところでございます。しかしながら、事務の進め力につきましても、なお人が足りないとはいえ、工夫をし得るものと考えておりますので、無税品の検査というようなものにつきましては、これを簡略化することを進めて参りました。しかしながら、現状においては、なお先生御指摘のとおりに、われわれが改めなければならぬととろはかなり多いかと思います。 最後に御指摘になりました、五十日くらいもかかるという問題のやつは、輸入割当をしました品目と、現実に入ってきます品目とが違う場合の問題でございます。通産省に、これを輸入を認めてもよろしいかという検討依頼を行なうといろ制度が作られておるのでございますが、現物と許可証が違うという問題がありますために、これは日数を要することがはなはだ多いのでございます。場合によっては、もっと迅速にやり得る場合もあるかと思いますけれども、事柄の性質上かなり引っかかるのもやむを得ないと考えておる次第でございます。しかしながら、いずれにしろ通すか通さないか、早急にはっきりさすべきものだとは考えておる次第であります。
○鶴園哲夫君 それから指定保税地域ですね、これの施設の管理を地方公共団体がやっておる。そうしてその貨物の取り締まりは税関がやっておるという実情に今日もあるわけですか。
○政府委員(佐々木庸一君) お話のとおりでございます。
○鶴園哲夫君 それで、保税地域にある上屋に貨物を搬入する場合に、搬入届けを二つ出す。一つは施設を管理しておる地方公共団体に出す。それから貨物については税関に出す。そういうやはり取り扱いをやっておられるわけですか。
○政府委員(佐々木庸一君) 御指摘のとおりにやっております。ただし、様式は統一をすることをいたします。
○鶴園哲夫君 それからこれも輸入貨物の市場価格調査、これはきわめて不備だということを指摘してありますね。それで、これは機構的に非常に不備であるということになるんじゃないかと思いますが、したがって、その適正な関税を課するのに価格をきめなければならない、価格をきめる場合に、直接海外市場の価格できめるのはもうちょっぴりしかない。わずか一%だと、ほとんど九割程度は輸入者の仕入書価格できまってしまう、こういうような指摘がしてある一わけですが、これは関税をかける場合に非常に重要な問題ですけれども、その価格が業者の仕入計算書だけでほとんどの場合きまってしまう。税関として海外の調査なりあるいは正確な調査をしようと思ってもその設備がない、機構がないという実情のようですね。これはいかがですか。
○政府委員(佐々木庸一君) 関税定率法によります関税標準価格は輸入価格をとるわけでございます。その輸入価格は仕入書によってとるということになっておりますので、先生御指摘のように、大部分のものはそのような価格を適用することになっておるかと思います。問題は御指摘のように、外国の実際の市場価格とこれらの価格とが合っておるかという問題を調べなくてもよいかという点にあるかと思うのでございますが、外国の例といたしましては、当該品物を輸入する先の国に調査し得る人員を派しておるような例もあると見ておる次第でございます。わが国の場合におきましては、今のところ、そこまでいっておりません。必要な場合には在外公館に調査をしてもらうということを約束している程度でございます。将来の人員の充実、調査の充実につきましては、なおおっしゃるように研究しなければならぬものと考えている次第でございます。
○鶴園哲夫君 今の仕入書価格でやるというお話ですが、この仕入書価格について疑義があった場合、それを確かめる資料なり調査なり、それができないという点を私は申し上げたかったわけですが、それはそういう機構がないということになるのか、これは仕入書価格は仕入書価格でいいけれども、それに疑義があった場合に、それを確かめるものがない、こういう問題なんですけれどもね。
○政府委員(佐々木庸一君) 定率法四条に先生御指摘のような場合を規定しているのでございますが、その場合には、最近の実績、最近の輸入貨物についての価格その他を勘案しろということになっている次第でございます。実際問題といたしましては、ある税関についてそういう疑いがあるといろ事故が起きました場合においては、全国税関の同一の品物について価格をとるというようなことをいたしましたり、さっきお話し申し上げましたような市場調査ということをやりましたりしてきめている次第でございます。
○鶴園哲夫君 法律なりあるいは省令なりという立場からいえば、仕入書の価格によって関税を考えるということありましょうけれども、しかし、もっと本質的に考えて価格という問題についてもう少し突っ込んで考える必要があるのではないかというふうに思いますが、業者の仕入書の価格で関税をかける、疑義があってもそれをはっきり確かめる資料が十分そろってない、こういうやはり機構的に不備な点があるのではないか、あるいはまた、そういうふうに持っていくような考え方を税関として考えなければならぬかというふうに思いますが、そういう点についての考え方どうですか。
○政府委員(佐々木庸一君) 主要商品についてはこういうことではないかと思いますが、国際相場が国際市場において明らかなものもかなりあるように思います。それらのものにつきましては、その価格とどれくらい離れているかという点でかなり問題が解決され、あやしいものははっきりしておくようにする、そうでありませんものにつきましても、いろいろな国際価格をないしは、生産地の価格を知る資料の入手に努めている次第でございます。また、特定のものは、変な価格を出しましても、それは同種の品物のほかの港、ほかの時期に通関したものと比較することによってかなり明らかになるように考えます。しかしながら、先生御指摘のように、非常にわかりにくいものもあることは確かでございます。そのようなものにつきましては、この生産地の価格状況をもう少し把握しやすいような、強力に把握し得るような態勢を作って強化をはかっていくということもまた私ども今後の宿題であろうかと考えている次第でございます。
○鶴園哲夫君 これは行政管理庁が指摘をしているわけですけれども、この税関の統計事務が非常に渋滞しているということですね、これは税関として今旬表とか月表とか出しておられるわけですか、その月表とか旬表というのは非常におくれている、という指摘がありますね。
○政府委員(佐々木庸一君) 税関統計と一般にいわれているものといたしましては、本省関係のものが五種類あると考えておりますが、税関の旬表、月表、年表、貿易概況、概要いろいろなものがございますが、旬表について申しますというと、これは品目が少ないせいもございますけれども、翌旬の五日までには出しているのでございます。特におくれているとは――この分については特におくれているとは考えておりません。月表になりますというと、部数がかなりふえて参りますので、翌月の中旬と申しますか、十日ごろ出すようにしておるわけでございます。年表は暦年一年分をまとめたものでございますが、これは先生御承知であると思いますけれども、非常に分厚いものでございまして、複雑なものでございますから、翌年の年末までの分を、翌年の、輸出については五月、輸入については四月くらいまでかかっている次第でございます。あまり早いとは申せないのでございますが、昨年の分をことし出しておりますのは、三月の中旬ごろに輸入分を、四月末に輸出分を出している。これは印刷の関係その他で御指摘のように早くはないと申さなければならないと思うのでありますが、統計の資料の処理が非常に膨大なものでございますから、本年度は電子計算機を入れましてその作業を早めたいとは考えている次第でございます。これが十分に稼働いたしますならば、おそいといわれております年表のほうは、うまくいけば翌年の三月末くらいに出せるようになるんじゃないかと思う次第でございます。そういたしますというと、先進国にそうおくれをとらないことになるのではないかと考えております。月表のほうもだいぶおくれて翌々月の中旬ごろということになっておりますが、一カ月ぐらい電子計算機を使うことによってちぢめ得るのではないかと考える次第でございます。
○鶴園哲夫君 この行政管理庁が指摘をしておりますのは、統計事務がどうも渋滞をしておる、遅延をしておる。それでその例として、旬表が三ケ月もおくれておるところがあるというような指摘をしておる。それから月表の発行は旬表よりもさらにおくれておる。旬表というのは、これは十日ごとに出るわけですから、それが三カ月もおくれてしまうというのでは効果なし。月表だってそうでしょう。さらにおくれるというのですから、三カ月や四カ月はおくれているという実情だったと思うのです、この指摘のときには。それが今お話によりますと、だいぶ改善をされ、さらに一そう改善をする、こういうようなお話ですから。 次に、これは今度中央分析所を設けられるわけですね。これは横須賀に置かれるわけですが、六名ということですけれども、来年またふえるわけですか。六名でおやりになるのでしょうか。
○政府委員(佐々木庸一君) 分析所につきまして今回お願いいたしております定員六名と申しますのは、分析所設置のための企画、立案と申しますか、準備委員ともいうべき人数を本年度まずお願いをした次第でございます。最終的には約五十名というふうに考えておる次第でございます。
○鶴園哲夫君 それから横須賀に置かれるのはどういう理由ですか。こういうものはできれば関税局、局の中に置くというならわかりますが、横須賀に置くというのはどういう……。
○政府委員(佐々木庸一君) 御指摘のとおり、理想的には本省庁舎のうちに置くべきだと考えます。御承知のとおりの建物の利用状況でございまして、このような特殊の機関を十分に活動できますような機械等を入れますについての必要とされる広いスペースをとるというようなことができないものでございますから、思い切って土地の十分とれる場所を探したということでございます。
○鶴園哲夫君 どうも地方の税関との連絡もありましょうし、中央のほうとの連絡もありましょうし、ですからやはりできれば、そういうことでしょうけれども、まあ横須賀というのはいろいろな意味で不便じゃないかという気がするのですけれども――横浜ならまだいいんですが、横須賀にまで持っていくというのは。
○政府委員(佐々木庸一君) 御指摘のような考え方をいれまして、なるべく近い所を探しましたが、東京も探し、横浜も探し、だんだん土地がなかったようでございまして、横須賀の国有財産を使うということに落ちついた次第でございます。
○鶴園哲夫君 質疑を終わります。
○石原幹市郎君 一つだけ、中央分析所は国立の工業試験所と関連を持たしてそういうところに付置するとか、そういう考え方は出なかったのですか。
○政府委員(佐々木庸一君) ねらっておりますところが非常に違うものでございますから、向こう側が非常に十分な陣容を持たないということになりますると、御指摘のように動けるかもしれませんが、こちらの特別の注文に合うような仕事をここでやってくれるという今の体制ではございませんので、そうしてまた、従来からも税関は税関での分析施設、人員を持っておりますので、提案してお願いしておりますような考え方になったわけでございます。
○石原幹市郎君 きつき鶴園委員が言われたように、僕も横須賀に置くということはちょっとどうかと、ただ土地がないから横須賀だというような考え方はどうでしょうか、ちょっと私も疑問に思ったのですがね。そういう離れた所でやっても支障がないのですね、事務的にどうこうとかいうような、そういうことはないのだな。
○政府委員(佐々木庸一君) そういうことはないようにいたすつもりでございます。研究施設でございますから、都市の中にいろいろ機関が集中するという問題に関連しましてこれを市外に分散さすという考えもございますし、いろいろ考えました結果、かようになった次第でございます。
○石原幹市郎君 せめて横浜なら僕らも納得できるけれども、横須賀ということは若干疑問に思いますけれども……。終わります。
○山本伊三郎君 それじゃ昨日の続きを若干ひとつ大臣が来るまで質問を続けたいと思うのですけれども、金融機関資金審議会の活動状況のデータをいただいたわけですが、きわめて抜粋的で、要領だけ書いてあるのですけれども、これはなんですか、今後はこの審議会は一応期限なしに設置されるのですか、この前は年限があったのですが、今度はどうなりますか。
○政府委員(高橋俊英君) 今回の法律が改正されます場合には、期限がなく、恒久的な機関として設置されます。
○山本伊三郎君 必要性はよくわかるのですが、無期限でこういう審議会を置くという必要性があるからなされるのですが、どうですか、今後の運営なんかを考えますと、私は一応考えるのは、委員がもう定着してしまうのじゃないかと思うのですがね。無期限に、もう職業的になってしまい、新味のある審議というものができなくなるのじゃないかと思うのですが、委員については適当に、本人がやめてしまえば別として補充することになると思いますが、そうすると、委員の任期もないのですね。
○政府委員(高橋俊英君) 委員の任期はないわけですけれども、実際には今までもいろいろな事情によりまして、当初の委員が交代しているという事実はございます。ある程度入れかわっております。それからいわゆる学識経験者等につきましても、今後本人の事情により、また、こちらの事情によりまして、お話し合いの上で交代をしていただくという場合も当然に出て参るものと考えます。
○山本伊三郎君 これも一つの政府機関であって、一応どの審議会――全部私は調べておりませんが、任期のないそういう委員というものはあまり数がないと思うのですが、また運用上話し合ってやめてもらうと言うけれども、一つの政府機関となって、しかもこういう審議会、純然たる公務員ではないという資格の人を無期限で置いておくということについては私は、事、大蔵省の設置されるものについて、私ちょっとその点は疑問を持つのですね。どうですか、この点の考え方。
○政府委員(高橋俊英君) ただいままでは臨時の審議会でございまして、臨時の機関でございます。これからこういう恒久的なものとなりまして、委員に法律の上では制度的な意味での任期がないということについては、今後さらに検討いたしまして、必要とあればやはり期限を設けるということも考えなければならないことになるかもしれません。ただいまのところ、そういうことでなしに発足いたしたい。実際の運営に当たりましては、さほど、任期のないゆえに非常に弊害を生ずるということはないのではないかという感じがいたします。
○山本伊三郎君 それはもちろん、弊害があるということを私今指摘しておるのじゃないのですがね。まあこれも審議会の設置期間というものがあれば自然それでかわるということはわかるのですね、再びそのためにまた任命するとしても。ところが、今度の場合には、無期限に永久にあるというのに委員はそのままついていくということについて、何かの、かわるというような規定といいますか、一ぺん委嘱したら、なんですか、総理大臣がこれを委嘱すると思うのですが、これは大蔵大臣ですか。大蔵大臣が委嘱した場合ですね、この解任権はどうなる。あまりこまかいことを言いますけれども。
○政府委員(谷村裕君) ただいままでのところは、これの必要な規定は政令で定めるという場合に、別に任期の問題もなかったわけでございますが、こういうふうにして法律案が直り、恒久的な機関ということになりますと、その組織なりなんなりは政令で現行のものを修正してどういうふうにするかということが問題になるわけでございます。任免権者は、と申しますか、委員を委嘱いたしますのは大蔵大臣でございますが、そのときに期間を設けるほうがいいかどうか。その点については今担当の銀行局長からも申し上げたところでございますが、なお御意見を承りまして、今後検討いたしたいと思います。
○山本伊三郎君 それでは大体いいのですが、こういう方々、相当なメンバーですからね、やはり設置法においてある程度の任期というものを規定しておかぬと、政令でやる、また本人に二年ぐらいでひとつお願いするというようなことでは私はまずいのではないかと思うのですね。逆に、お尋ねしますが、そういう任期をおいたら、こういうりっぱな人、と表現しておきますが、そういう人はなり手がない、そういう意味において任期を作らなかったのか、その点をひとつ。
○政府委員(高橋俊英君) そのような理由ではないと思います。
○山本伊三郎君 どういう理由ですか。忘れたのですか、任期をおくということを。
○政府委員(谷村裕君) 大蔵省に所属しておりますいろいろな附属機関としての審議会というものがございます。これはいろいろな、俗にたんざくと申しまして、たくさん、何審議会はどういうことをやる、こう書いてあるわけでございますが、そういう附属機関の組織、所掌事務、委員その他の職員については、通例は、他に、法律に別段の定めがある場合を除くほかは政令で定めるというふうにいたしまして、審議会令というところで大体きめているのが例でございます。そこで今回もこの金融機関資金審議会の法律――大蔵省設置法が直りまして、恒久的に設置されるということになりますと、やはり別に法律できめなくても、今までの例によって政令でそれをきめて差しつかえないと思うんでございますが、ただそれじゃ任期を設けるほうがいいか、あるいは設けないで実行上の運用でやっていくのがよろしいかと申しますと、これはいろいろな考え方があると思いますが、通例はやはり任期を設ける例も多いと思います。なお、その点についてはこれの実行にあたりまして担当部局とも相談いたしましてきめたいと思います。
○山本伊三郎君 それじゃ任期については今のところ白紙だ、こういう考え方ですが、私の考えではある程度やはり任期というものをおいてあげるほうが本人の責任感も変わってくると思うんでございまして、だらだらと極端に言えば一生これをやっていくという人もありませんが、やはりこういうメンバーですから、大体二年ぐらいお願いするなら二年ぐらいお願いする、二年もしくは三年でもよろしい、一応そういうものを目安として考えておかなければ、金融機関資金審議会という私はこの審議活動の内容を見まして、相当重要なことを審議されておるやに見ておるわけです。私の希望としては、ある程度の任期――私は何年がいいかということは申し上げませんが、政令でできるなら政令でやるという方向でやっていただいたらけっこうだと思うんですが、この点あとで大臣にもちょっとお伺いしますが、私はそういう気持を持つんですが、この点どうですか、もう一回。
○政府委員(高橋俊英君) 今のところでは、大体二年ぐらいの任期に定めたほうがいいんじゃないだろうかという考えでおります。
○山本伊三郎君 じゃ、それでけっこうです。 そこでちょっと聞きますが、深くせんさくしようという意味じゃございませんが、この期間、三十六年十一月から三十八年一月十八日、まあいろいろおもだったもの書いてありますが、特に電力関係の資金で、不足資金について相当真剣に討議されておるようでございますが、これは大蔵当局にお聞きするんですが、現在電力関係会社に財政資金の手当、総額どれくらいしておるんですか。
○政府委員(高橋俊英君) ただいまの御質問の趣旨は、最近においてということですか、それとも今までの……。
○山本伊三郎君 今までの総額。
○政府委員(高橋俊英君) 電力会社に融通した……。
○山本伊三郎君 帳じりでいいです。
○政府委員(高橋俊英君) ちょっとお待ち下さい。――ただいまちょっと資料を持ち合わせございませんので、あとで調べてお答えいたします。主として開発銀行の融資の分でございますから、その残高がわかればいいと思います。
○山本伊三郎君 ここの項に、これは三十七年十月二十三日の小委員会、それから引き続いて二十四日の審議会で一応答申をしておるようですが、「五十億円程度の財政資金による措置をとるほか、三月に追加した財政資金百三十億円について継続の手当をする。」、これは何ですか、この審議会の答申と申しますか、それはそのままやっておられるんですか、やられたんですか、どうですか。
○政府委員(高橋俊英君) そのとおり実行しております。
○山本伊三郎君 私はこの間、東海村の原子力発電会社ですか、に参りましたんですが、ああいう原子力発電会社に対しても開発を通じて資金も相当出ておるやに聞いておるのですが、こういうものもこの中に含まれておるのですか、電力不足資金ということは。
○政府委員(高橋俊英君) それは全然含まれておりません。主としてこれは民間の九電力に対する融資でございます。
○山本伊三郎君 原子力発電については、あれはやはり財政投融資から相当出ておるように聞いておるのですが、それはそういうことを聞いておられませんか、大蔵省のほうは。
○政府委員(高橋俊英君) 私の記憶するところでは投融資はされていないと思います。
○山本伊三郎君 電力問題は、これはエネルギーの問題ですから非常にわれわれも関心があるのですが、九配電についてはいろいろ問題も聞いておるのですが、財政資金を投下してやるのですが、今後やはり引き続いて相当資金を政府が援助するといいますか、投資をしなければならぬ状態であるかどうか、その点ひとつ参考までに聞かして下さい。
○政府委員(高橋俊英君) 電力資金につきましては、これはまだ来年度以降の電力の新しい投資の必要性というものについて確たるものはございませんが、一応係員ぐらいの程度で調査した段階におきましては、本年度あたりまではまだかなりの必要がふえておるわけですが、来年度以降におきましては、今までの新しく着工をしてきました四百万キロ以上の新規着工分の完成が続いてくる。そのために、電力の需給関係はかなり改善されまして、新規着工の施設はむしろこれまでのベースよりはだいぶ落ちる。落ちているんじゃないかというふうな見通しでございまして、そうなりますると、電力会社が自己資金以外の他人資本にたよる割合としては減る。絶対額においてもせいぜい横ばい程度ではなかろうか。あるいは場合によってはこの二、三年の間ならば若干減少することもあり得る。しかし、これは通産省がそういうことを権威を持っていっているわけじゃございませんで、大蔵省の側の見込みも入っております。ただ、あまりふえないであろうというふうに私どもは考えております。
○山本伊三郎君 通産省の方が見えておるのですが、電力会社の会社経営状態、いろいろ、まあ特に私は関西ですから関西電力なんかを見ておるのですが、政府資金で手当をするというような緊迫した経営状態ではないと見ておるのです。民間資金で相当やれる。私はもう一人立ちできるまで回復しておると思うのですが、これは予算委員会でも若干触れたことがありますが、この点、大蔵省としては、今、銀行局長としては、ある程度落ちてくるだろうという話ですが、日本の基本産業ですから政府も相当力を入れなくちゃならぬですが、あの経営状態から見ると、私はそれほど政府においてほかのをさいてまで資金の手当をする必要はもうないのじゃないかと思うのですが、大蔵当局としてはどういう見解でおられますか。
○政府委員(高橋俊英君) 今例におあげになりました関西電力は、御承知のように、九電力の中でも一番成績のいい、内容のいい会社の例でございまして、したがいまして、調達の力も一番よろしいわけです。そういうことで今は開発銀行から二百数十億程度の資金を毎年融資しておりますが、その場合におきましても、そういった非常に調達力の高いところには若干落とす。配分額の上では落とすということをやっております。以前に比べまして電力会社への開銀の融資額は相当落ちてきておるわけです。二百数十億という金は、全体の所要資金に比べますとごく一部にすぎません。これからの見込みでございますが、今までのは量的に補完するという、二、三年前までの状態で申しますれば、量的補完もあったわけであります。これからは油を使えばいいところを無理に石炭対策のために石炭のほうの火力を使わせるとかいう必要もございますし、それから最近、今やっておりますけれども、重電機の延べ払いのための資金をそれに対抗するために、直接延べ払いの方式ではございませんけれども、これを使うほうに金を貸すというそういうふうな質的な意味での補完というふうな要請がまた残りますからして、やはり現在の金額そのままとは言えませんまでも、大体それに近い額は確保しておく必要があるのじゃないかというふうな感じもいたします。
○山本伊三郎君 僕は関西電力の例を出したんですが、四国あたり非常に悪いように聞いておるんです。しかし、私はまあそういう監査権はございませんから、会社の内容なんか聞いておらないのですが、関西電力を除いても、いわゆる配当額を見ましても大体一割しかやっておらない状態だと思うのです。しかも重役に対する手当でも私は他の産業から見ても決して落ちておらないと思うのですね。私まだ十分検討していませんが、鉄鋼あるいはその他の基本産業から見ると、政府は少し電力関係には甘いのじゃないかという私は見方をしておるんです。銀行局長はいつもそれを悩んでおられるのですが、そういうことはございませんか。
○政府委員(高橋俊英君) 最近におきましては、あまり停電というふうな現象もございませんので、電力の重要性についてあまりぴんとこなくなったようでございますけれども、私ども今までの段階では、まだ電力というものはやはり基幹産業として第一にあげられるものではないかと思います。これからの問題につきましても、やはり全体の経済成長を考えますときに、エネルギーとしての電力産業というものはそのときどきによりまして資金総額にそれほどふえない時期とかというものがございますが、また、その先数年を考えますとまた増加して参ります。やはりそういうものは資金的には優先的に確保されてしかるべきものではないか。ただ現在の状態で申しますと、社債などによる調達、これは政府もだいぶてこ入れを実はやっておるわけでありまして、非常に銀行側に消化をお願いしておるという実情もございますが、毎年相当量増発をはかってきております。そういう点について民間資金を多く調達するように、財政資金の負担でなくて、民間の金で大きな金を調達するように計画しておるわけであります。
○山本伊三郎君 大蔵大臣お見えになったんですが、来て早々今やっておるのを答弁してもらっても実はちょっと無理だと思いますが、同じ基幹産業でも電力となれば、これは産業自体の電力もあるし、家庭の電力もあるから非常にむずかしい問題でありますが、私は繰り返してもう一ぺん言うんですが、大蔵大臣の所見を聞きたいのですが、もう今日、今の九電力の、まあ悪いところもありますし、いいところもありますけれども、総体を通じてもう財政資金の手当をする段階ではない。民間資金で調達し得る道もあるし、そういう努力をもっみずからやるべきだという私は見解に立っておるんですが、銀行局長からいろいろとお話を伺ったんですが、大蔵大臣はその点についてどういうお考えですか。
○国務大臣(田中角榮君) 電力が財政資金を使わないで、民間資金の調達だけでやれるようになることは好ましいことでありますし、そうなればいいことでありますが、しかし、電力が国の基幹産業であり、もっとはっきり申し上げますと、電力自体が日本の産業に及ぼす影響というものは非常に大きいのであります。エネルギー・コストというものが産業自体の消長に非常に大きく作用をいたすわけでございますし、特に製品コストの面にも大きな影響力を持つものでございます。国際的に八条国移行とか、関税の引き下げとか、貿易、為替の自由化というような現状の中で、国際競争力をつけていかなければならないというような面から考えますと、電力自体が外国に比べてまだ相当高いというような面もありますし、また産業政策の面からだけではなく、一般の生活の中でも、電力の料金というものはできるだけ低い水準を保つべきものでありますので、今の段階で財政資金のワクから電力をはずすということは、はなはだ及ぼす影響が大きいというふうに考えておるわけであります。
○山本伊三郎君 大蔵大臣、まあ直ちにはずせとか、そういう私は今意見を言っておらないのですが、やはりそういう方向に――まあ大臣言われましたが、行くことは好ましいと言われますが、やはり会社の経営状態その他をある資料で見ましても、鉄鋼あるいは石炭なんかから見ると、非常に私は経営状態は悪くない。これは一般的に見ておるのです。あまりに政府が手当をするということで、会社自体がそれに依頼心が強くなるのじゃないかということが心配ですね。やはりそういう方向に政府としても仕向けていくように、まあ俗な言葉で言うと、甘やかさないような方向をとるべきじゃないかということを、私は先ほどから意見を言っておったのですが。
○国務大臣(田中角榮君) 電力は独占企業でありますし、特に産業経済上及ぼす影響が非常に大きいのでございますし、民生の安定の上においてもたいへんな影響力を持つものでありますので、政府が財政資金を出してくれるとかということでもって、甘い考えで経営が許されるものでないということは、もう当然でございます。でありますから、合理化は思い切った方向で進めなければならないわけでありますし、電力料金の値上げにつきましても、政府は非常に強い態度でこれが内容を十分検討して、万やむを得ざるもの以外これが引き上げを認めておらない状態でございます。でありますから、かつて製鉄所が揺籃時代は国の資金や力でもって作られたものが、だんだんと民営企業として移りながら合理的な経営が行なわれて今日に至っておるように、電力もその例外ではないのでございます。しかし、先ほど申し上げましたように、非常に影響力が大きいものでございますし、また電力そのものが安い日本の特別な状態であった水力発電源もだんだんと開発をせられて、これからはだんだん高い電力が作られるような状態でございますし、また、高いものよりも、安い重油をたいて火力が主になればいいのじゃないかと一律に言えない面もあります。石炭対策その他において当然石炭をたかなければならないというような面もありますし、電力の持つ公益企業としての、また公共企業的な非常に色彩の濃いものでありますので、経営がこう甘やかされるなどということはもちろん許さるべきではありませんが、この間の事情を十分検討しながら合理化を進めていきたい、このように考えます。
○山本伊三郎君 この問題はこの程度でひとつ。 それから、これは大蔵大臣の所管でないから、通産省の通商局次長見えておりますが、実は機会がないので、こういう席上で尋ねておきたいと思うのですが、貿易自由化の問題で、予算の審議の中でいろいろと通産大臣に尋ねたのですが、残りの二百五十四品目については、逐次日本のその産業の実態を見て貿易自由化に踏み切る、こういうことであったのですが、いろいろ新聞ではあれやこれやと載せられますが、すでに三十八年度に入っているのですが、一体貿易自由化について政府としてはどういう考え方で今計画をしているのか。これを一つお聞きしておきたい。
○説明員(宮本惇君) この三月のときにも申し上げたのでございますが、この四月に二十五品目自由化いたしまして、現在のところ二百二十九残っております。さらに、わずかでございますが、六月一日からフェルト製帽子とアコーディオンというようなものを自由化いたしますと二百二十七でございます。これをどういうふうに自由化をして参るかということでございますが、御承知のように、先般――この二月でございますが、IMFの八条国移行勧告が出た直後に、ガットにおきまして青木代表から、日本はすでにもはや十二条は援用しない、十一条国に移るのだという通告をいたしておるわけでございます。したがいまして、ガットの規約上からいけば、いわゆるウエーバーでもとらない限りはもう自由化しなければならないという義務を負っているわけでございます。実は五月ころに理事会がございまして、日本はすでにそういう状態に入った以上、五月ころの理事会で一体これからどうするのだということを聞かれるかと思っておりましたが、御存じのような関税の一括引き下げがありまして、この五月の理事会では問題には出ておりません。しかしながら、この秋の十月から十一月にかけます理事会、総会では、当然日本の十一条国移行問題が議題に上がるのではないかということでございます。そこで、まあウエーバーというものは今各国ともとっておりませんが、しかしながら、残存輸入制限方式というようなことでやはり減らしていかなければならないわけでございます。そこで、これからどういうふうにするかということは、今までは大体四月と十月に区切ってやっておったわけですが、御承知のように、二国間交渉の成果いかんによっては、こちらも逐次落とすものもございますが、やはりことしの十月あるは来年の四月にかけまして、これは大蔵省の御所管でございますが、IMFの八条国移行にある程度のテンポを合わせてやっていかなければならないというのが外からの要請でございます。しかしながら、内部的に申し上げますと、なかなか残りましたものは、非常にむずかしいものがだんだん残っているということでございまして、そういう意味で、たとえば非鉄金属など、今度の国会に、通産省といたしまして金属鉱業等安定法でございますか、そういうことをやりながら、しかも、相手の出方を見ながらやっていく。はなはだ抽象的でございますが、今目下十月にやるべきものということで、この間の閣議で通産大臣から、一月繰り上げるというようなお話もございましたが、いずれにいたしましても、そのころを目当てにこれから今作業を続けている段階で、まだどれをいつやるというようなことは申し上げる段階ではございません。
○山本伊三郎君 まあずばり聞きますけれども、砂糖が今一番値上がりで問題になっているのですが、砂糖の自由化について、これは農林省関係だと思いますが、新聞紙上では、もう四月やるとか五月やるとか言って、いろいろ問題を起こしたのですが、砂糖の自由化ということは踏み切りますか。その点どうですか。
○国務大臣(田中角榮君) 政府は、砂糖の自由化をできるだけすみやかに行なうように基本方針を決定いたしております。その前提といたしまして、国内甘味資源対策その他の問題がございますので、現在国会に法律の一部を提案して御審議願っておるわけでございます。なお大蔵省所管の問題につきましては、関税定率法や関税暫定措置法というようなものを検討いたしておりますし、近く暫定措置法の改正案を提案いたしまして御審議をお願いするという方向でございます。
○山本伊三郎君 今、大臣から率直に言われましたのですが、砂糖の関税率を引き下げるという法律案ですか、原糖、現在四十一円五十銭を引き下げるということですか。
○国務大臣(田中角榮君) 上と下に幅を持たせまして、必要な場合には上げ得る限度を五十円にするということでございますが、こまかいところは事務当局から答えますが、上げ得るときの幅もきめておりますが、現在の段階では、国際価格が非常に高いということでありますので、当然引き下げるということで、現在、キロ当たり十円くらい下げたい、こういうような考えで審議会に諮ろうというような考えでございます。
○山本伊三郎君 そうすると、基本方針は、いつも国会で本会議なりあるいは予算委員会で言われるのですが、甘味資源安定法ですか、あれができたというのも貿易自由化に踏み切る前提であるということも聞いております。しかし、実際問題で関税は引き下げる、そして自由化をやるということになると、あの法律が通ってそして対策をとっても、日本の現在の製糖産業から見ると私は常識的に判断するのですが、そう私はいかないと思うのですが、政府としてはそれでも踏み切ってやるということですか。
○国務大臣(田中角榮君) 基本方針は先ほど申し上げたとおりでございますが、現在、国際糖価が非常に上がっております。御承知のとおり、政府が基準として考えておりますものは三セントから三セント五くらいに考えておったのですが、六セントなり九セントなり、一番高いときは十二セントという国際価格があったようでございますが、きのうあたりからまた少し下がって九セント、十セントという国際糖価のようでございます。この見通しは、どの程度になれば下がるかということは、なかなかむずかしい問題でありますが、国際糖価が上がっておる現在、自由化ができないということではない。国際糖価の問題とは別に、砂糖の自由化でもって日本で一番問題になりますのは、国内甘味資源対策であります。でありますから、国際糖価が非常に下がったときに、テンサイ糖や甘蔗糖というものはそれよりも高い値段であるということで無制限にやられては困るということで、その場合はある一定の額をきめておきまして、国内糖の保護のためにこれを政府が買い入れる、食管で買い入れる、こういうことが一番の問題でありますが、現在のところでは、どうも国際糖価が急に三セント台まで下がるということは考えられませんので、自由化をやるとすれば悪い時期ではないと、こう思います。今までは、無制限に買い入れる、また国内的な対策が、立法上、行政上あらゆる措置が完全に行なわれて初めて自由化に踏み切るのだということでありましたが、今度国際糖価が高いので、そうでなくとも国内糖の高騰や沖繩糖を大いに利用したい、またしなければならないという現状にありますので、自由化に踏み切るには時としてはいい時だと、このように考えております。
○山本伊三郎君 大蔵大臣は所管以外でもなかなか該博な知識を持っておられますので、大臣からお聞きしてもいいのですが、実は今度の国際糖価の暴騰と申しますか、あれについては、キューバの不作とか何とか言っておりますが、実際通産省あたりではどんな把握をしておりますか。
○説明員(宮本惇君) 糖価は、先ほど大臣の御指摘がございましたが、三セント幾らから最近は十セント幾らかに上がっておる。この原因は確かにキューバの問題がございますが、世界的にことしは不作であるということと、もう一つは、結局、需要の伸びに供給が追いついていけないというようなことで、もちろん増産を始めている国もあるようでございますが、これは今の場には間に合わないというようなことで、私専門家じゃございませんが、この相場はちょっとそう簡単には下がらないのじゃないかというふうに考えております。
○山本伊三郎君 質問が発展して、あまりこれは私も差し控えますが、今大臣が、国際糖価が上がっているときには自由化しやすい――これは価格面からいえばそういうことになりますが、しかし、こういうものはいつまでも高い相場が維持されるものじゃないのですから、どうしてもやはりまず国内甘味産業、これは振興しなければならんということは政府も考えておられるのですが、実際問題、政府のあれで見ますと、四十五年ですか、五〇%までというあれがあったのですが、そういう計画は政府としては通して持っておられるのですか。
○国務大臣(田中角榮君) 専門的なまたこまかい数字につきましては、これは所管でございませんから、所管大臣からお答えすることになると思いますが、政府できめております基本的な考え方は、国際糖価が上がっているからというのは常識的なことを申し上げたわけでありまして、無制限に自由化しようということではないので、関税割当制度を続けていきまして、自由に、入れたいものは、ある一定の額以上の高い関税を払って入れるということで調整を行なっていくわけでございます。 海外の糖価が上がったということに対しては、通産省側からもお答えがございましたが、いろいろな問題が今言われております。皆さんも御存じだろうと思いますが、キューバ問題、それからヨーロッパにおけるテンサイ糖が非常に季節的に不作であった。それから六セント半くらいでソ連が三百万トン買い入れてしまった。ソ連自体は、テンサイ糖その他で甘味資源は相当豊作のようでありますが、これが説をなす人は二千万トンとも言い、またそうでなくて、五百万トン、八百万トン抱いているだろうというのが、これが砂糖市場に出るだろうと思っておったのが出なかったというような問題も議論されておりますし、先ほど通産省から申し述べたように、全世界的傾向として、年間相当量の消費が伸びているというような問題もございます。私は、それよりも一番大きな問題として、日本自体が砂糖の自由化に対して考えなければならん問題の一つとして議論されているのは、これは戦前はサトウキビや原糖の問題に対して、先進工業国が非常に力を入れておったわけでございますが、その後、それらの地域が独立したり、また民族運動が非常に盛んであったりということで、砂糖作りというものが相当減っているということで、消費が伸び供給が減っているというような問題が相当あるのじゃないかと思います。でありますから、日本がこれから自由化して安い砂糖を安定的に入れるためには、国際各地に日本の業者そのものがみずから栽培を行ない、原糖の確保をはかるという問題も大きな問題になるのではないかと思います。国内的にはテンサイ糖の食管における買い入れの制度、沖繩糖の政府買い入れにつきましても、先般政府できめまして、これを国会に法律案を提案して御審議を願うというような、万般の措置を講じているわけでありますから、方向としましては非常にむずかしい問題ではありますが、砂糖の自由化も一歩々々前進の状態にあることを申し上げておきます。
○山本伊三郎君 いろいろ聞きたいこともあるのですが、ますます枝のほうに発展しますから、貿易自由化については、一応これで大体参考になりましたので、終わります。 次にもう一つ、経済企画庁の方おられますね。ちょっと聞いておきたいのですが、長官に聞きたいのですが、長官忙しいので来られないのですが、あの予算審議の中で、三十八年度の消費者物価の上昇率は二・八%ということではじき出されているので、私はそんなことではないと言っておったのですが、そういう努力をするのだということで別かれているのですが、その後一月、二月、三月、四月の、三月ですか、ちょっと生鮮食料が横ばいになったのですが、また上がっているような状態です。そういう状態ですが、はたして三十八年度経済企画庁がはじき出した二・八%で、三十八年度ないし三十八年それでおさまるかどうかということについて非常に私心配しておるのですが、この点企画庁としてどう考えておられますか。
○説明員(岡崎三郎君) 経済企画庁といたしましては、実は物価のみに限らず、経済の見通しにつきまして、全般的な項目について常に検討しておるわけでございます。この間大蔵省から出されました数字につきましても、なおまた私どものほうでいろいろ数字を当たっておりますが、ただいまのところ、やはり全般の傾向といたしましては、一月、二月、三月に、私どもが予想しておりましたよりも多少回復のきざしが見えて上回ってきておるという印象を受けておるわけでございます。物価はそのうちの一つの項目でございますが、物価と申しますと、特に消費者物価はいろいろな経済現象のいわば集約的な現象と申しますか、最後の結果と申しましてもよろしかろうと思うのでございます。そういう意味では一番に予測の困難なものであると思うのでございます。で、昭和三十八年度の見通しにつきまして、一体二・八%という数字については自信があるのか、それからそれについては今後の見通しはどうなのか、こういう御質問かと思うのでございますが、これにつきましては、私どもの現在の段階といたしましては、ただいま申し上げましたように、物価以外のいろいろな要因、これが変化するということでありますと、またこの物価見通しも変わってこなければならぬと思いますけれども、ただいまの段階におきましては、物価対策をさらに推進するということで、私どもとしましては、ほかの要因につきましては、さしあたりさっき申し上げましたように、一-三月期におきましては多少上向きになっておりますけれども、またその足を引っぱるような、依然として従来と変わらないような要因も片方にございますので、したがって、全般の見通しが非常に困難な現状におきましては、あの二・八%という見通しの線を一応目標といたしまして、極力物価全般を抑制ぎみにしようということだけしか申し上げられない、こう存ずる次第でございます。
○山本伊三郎君 これは年度じゃなしに、三十七年と三十八年を対比して、前年同月比較で、消費者物価の上昇は昨年よりも私は下がったとは思わない。昨年は六・七%でしかなかったのですね。今のままでいくと、非常に、まあ目標としてやれると思いますが、私は、経済企画庁の、あなたはどれだけの責任のある人か知りませんが、現実に数字から見て、昨年よりはるかに傾向が低いということになれば二・八尾ということも言えますけれども、昨年と前年同月で比較してみても、私は昨年を下回るような傾向はないと、私自身の何と言いますか、データで見ておるのですが、それとも依然として二・八%でいけるのだという、そういう考え方でおられるのですか。それを私一応聞いておきたい。
○説明員(岡崎三郎君) 確かにただいま先生の御質問のとおり、昨年の末から、三十七年の末から、また物価、特に消費者物価というものは上昇して参ってきておりまして、その上昇傾向は今まで続いておるわけでございます。で、私どもといたしましては、実はこの二・八%をはじき出しましたのは、例の個人消費支出との関連ではじいたものでございます。いわゆる支出がどの程度伸びるか、また雇用がどの程度伸びるかというような観点から、その相関ではじいておるわけでございます。それでただいま先生のお話の、確かに一月以降なおまた上がってきておるわけでございますけれども、ただそのおもな内容を見ますると、ことしは生鮮食料品、これが一月からずっと上がってきておるということでございます。したがって、去る四月四日でございますか、農林省にお願いしまして生鮮食料品の価格対策というものを打ち出してもらいました。それで経済閣僚懇談会で決定していただきまして、ただいま実行に移っているわけでございます。その後の状況を聞きますと、割合に出回りが増加してくるというようなこともございまして、生鮮食料品につきましては、少なくとも四月、五月ともやはり落ちつくのじゃなかろうか、今後も、またこの端境期七月を過ぎればさらに落ちつくのじゃなかろうかという見通しを立てているわけでございます。なお、また四月などにつきましては、特にいわゆる授業料、これが上がったということが一番目立っているわけでございますが、これはまた一度四月に上がればあとは横ばいということになろうかと思いますので、私どもはこのほかにいろいろ調味料とか、食肉、サービス料金などにつきましては、なお値上がり気配にあるものにつきましては、御承知と思いますが、各省の連絡対策協議会というものを設けまして、極力督促して押える、あるいはむしろかえって引き下げるという方向で推進しているわけでございます。
○山本伊三郎君 それは経済企画庁が、あなたが責任者じゃないからやむを得ぬと思いますが、こういう問題にこだわらずに、やはり経済企画庁は日本の経済全般の企画を扱っているところですから、各省に先頭切って実情というものをもっと把握しなければならぬと思います。豚肉につきましても、今砂糖の問題を言いましたが、これは一時的かどうかは知りませんが、砂糖の問題につきましても、豚肉につきましても、相当私は下がるという傾向が見られないと思うのです。いろいろ対策は講じられますけれども、対策というものはあとから講ずるものであって、自然の傾向というものはそういう傾向をたどっていることは、数字が明らかに示していると思うのです。したがって、そういうものの実態を十分に把握して、新聞ですっぱ抜かれるのじゃなくして、経済企画庁自身がこういう先の見通しを、二・八%を固執する必要はないと思うのです。国会でどういう答弁しようとそんなものは国民生活の実態から見ると問題じゃないのだから、やはり政府としては、こういうふうに消費者物価は上がっている、しかしこれはこういう対策を講ずるのだということをまず先頭切って出さなくちゃいけないと私は思うのです。対策々々で押える、押えると言っても、私はおそらく来年の予算審議のときに相まみえてもいいと思う。長官は今の長官とかわるか知りませんが、経済企画庁に対して、あれだけはっきり言ったけれども、やはり実態を見て改めるものは改めるということをやらなければ、私は日本の経済に対して相当大きい支障を来たすと思う。あなたにこれ言うたって仕方がないのですが、この点は私は十分経済企画庁として考えてもらいたいと思う。これはしいてここで言う必要はございませんけれども、たとえば経済成長率につきましても六・一先経済成長率と言っても、それは昨年の暮れ、十二月だと思いますが、あるいは十一月かもしれませんが、大体そのときの傾向をもって予算の一つの資料の見通しとして六・二%を出ざれた。私は何もここに大蔵省を出すわけじゃないのですが、現在私はあらゆる経済指標から見ても、六・一%では、来年、三十九年度の予算編成においても減税をすると言っても、相当私は問題がある経済成長率だと見ている。私と言うより、社会党は見ているのです。もっと経済成長率は上がらなくちゃいけないというのが初めからの主張でありますが、それも、やはり今のところはまだこれでいけるのだということで、何か政治的にこだわっておられるような気もするのですが、大臣ではないので、そこまで言ってくれとは言いませんが、この点もやはり検討する必要がないかと思いますが、この点どうですか。
○説明員(岡崎三郎君) ただいまの御質問というよりか、いろいろの御訓示、確かに承りましてありがたく拝聴いたしまして、私ども今後とも努力するつもりでおりますが、ただ、私どもが最近特にこの消費者物価というものに目をつけまして取り上げて努力している点は、今までに例がないように私ども実は思っているのであります。なお、また見通しの全般につきましては、先ほど申し上げましたように、昨年十二月末に立てましたいわゆる経済見込みですが、これはただいま三カ月あるいは四カ月ぐらいたった段階におきましては、かなりまあ古くなっていることはお話しのとおりでございます。現在の段階をどのように判断して今後一カ年の経済の見通しを立てるかということになりますと、これは実はさっき申し上げましたように、この一月、二月、三月、あるいはまたこの四月、この段階におきましていろいろな経済の指標につきまして見ますと、いい指標もあれば、またそれほどでないのもあるということで、もう少したってみないと数字的になかなか固めることができない。しかもその大勢は、回復のきざしがやや早目になっておるという感じはございますけれども、じゃはたしてこの傾向で伸びていくのかどうかということになりますると、ちょっとそこまで断定するまでのまだデータの持ち合わせがないということでございますので、もう少し時期を見ましてからその点は結論をいたしたい、こういうふうに庁内一同で考えておる次第であります。なお、今後とも検討したいと思います。
○山本伊三郎君 いろいろのお話で聞きたいことがありますが、また機会があれば長官にも聞きたい。きょうは経済企画庁関係はその程度にしておきます。 時間も、お約束の時間がだいぶ過ぎてきましたが、最後に給与の問題でひとつ人事院と大蔵省の給与課長と、それから公務員制度調査室長に関連してお聞きしたいと思いますが、人事院では今民間の給与の調査をしてデータを集めつつ作業をされておるということを聞いておるのですが、それは一応おきまして、政府のほうにお聞きしておきたいですが、相当消費者物価も現実には上がっておることは事実なんですが、政府としては当然三十八年度の公務員の給与については考えなくちゃならぬと私は思うのです。その第一の理由としては、これは別の意味で出されておるとは思いますが、旧七帝大の学長については単独立法でああいう措置を、認証官は別として、二万円の要するに給与引き上げをされておる、これは別の問題であります。その他いろいろの要素から見ると、私は相当問題があると思う。四月はまだ出ておらないようですが、三月現在の労働省の出しておる毎勤統計を見ましても、一〇%民間の給与が対前年度同月比較で出ておるようです。これは瀧本さんよく御存じだと思います。三月は実は非常に低い。ピークは四月、五月が民間の給与のピークになるのですかう、二月は八%程度だそうでございますが、四月、五月になるとやはり一四、五%に民間の給与が持っていかれるんじゃないかと私は見ておるのですが、こういう傾向から見て、政府も給与の引き上げについては腹をきめてもらわなくちゃいかぬと思いますが、それを第一点にお聞きしたいと思う。私の言ったことについて間違いがあるかどうかをひとつ。これは人事院からでも、給与課長からでも、公務員室長、どちらからでもいいです。
○政府委員(平井廸郎君) 私からちょっと数字のことを。ただいま御指摘の毎月勤労統計における給与の上昇率でございますが、きまって支給する給与の対前年同月比で見ますと、今年の三月におきまして、全産業は一〇五五でございます。前年の同期は一〇九・〇でございまして、昨年に比べると、上昇率はやや対前年同月比では低下していると思います。確かに昨年の三月と本年の三月と比べますると、上昇しておることは事実であります。四月以降の傾向については、これはまた春闘の結果その他についてはまだ明らかでありませんので明確でございませんが、過去の傾向から見れば、なお若干の上昇はあろうということは言えるであろうと思います。
○山本伊三郎君 公務員室長、政府として、総理府として、消費者物価の比較をやっておりますね。こういうことから政府はどういう考えを持っておりますか。
○政府委員(増子正宏君) 私からこの際、政府の方針というふうにまだ申し上げるものはございませんですが、ただ、従来のこの問題の取り扱い方からいいますと、民間の給与の上昇状況というものももちろん公務員の給与改訂の一要因ではございますけれども、それをどのように把握するか、また、その他いろいろな要素とどのようにかみ合わせていくかというようなことにつきましては、これは私から申し上げるまでもなく、人事院が専門にその調査をいたしておりますので、その結果を見ました上で、政府としての方針をきめるということになっているわけでございます。
○山本伊三郎君 政府にもう一つ聞いておきたいのですが、もちろん人事院はおそらく今の情勢では勧告せざるを得ないということはわかるのですが、これはあとで人事院総裁にお聞きするのですが、政府は今度のいろいろ政治的な要請があって、教育関係職員については別に手当をしなければならない、給与の問題においてせなければならぬというような考え方があるやに聞いておるのですが、政府としては、そういうことは今のところ考えない、あるいは人事院が勧告した場合に、そういう要素を別に政府として入れる考えがあるのかどうか、その点大蔵大臣お答え願いたいのですが、そういう考えはあるかどうか、政府の態度。
○国務大臣(田中角榮君) それは予算編成の過程において、過去二カ年ばかり総理大臣が、特に教育者、それから技術やいろいろの高い程度の勉強を要請をせられておるというような特殊な状態にある方々に対しては給与水準が低くないか、こういう者に対しては、年率幾らずつスライドして上げるということよりも、新しい角度において、より優遇できるような施策を考えよ、こういうことを言われたことに対する御発言だと思います。そういう考え方は大切な考え方でありまして、人つくり、国づくりの中で一番大きな問題だと考えておりますので、先ほども御発言がございましたように、認証官制度をとりましたり、特に学長の給与の引き上げというようなことを実施をいたしたのでございまして、これは物価とか民間給与の関係とか、そういうものにスライドして是正をするというような考え方よりも、より高い次元に立って、教育機構の中で、より将来に大きな影響力を持つ方々に対して、特別な配慮を何らかの形でしようということであります。
○山本伊三郎君 人事院にお伺いしますが、将来これは問題にしていくつもりですが、人事院としては、今大蔵大臣からそういうお話があるのですが、一面的にはそれは肯定できるところもないということもない。戦前との比較をすると、いろいろ問題はあると思う。しかし、それは単にそういう教育関係者の問題だけでなく、一般公務員の給与の水準そのものを考えても、なおかつ問題は相当あると思う。そういう場合に、人事院としては相当各職種別の均衡の問題があると思いますが、人事院としては、そういう問題について、今度の勧告、皆さんが調査しているそういうものを離れて、人事院はどう見ておられますか。
○政府委員(佐藤達夫君) 非常に根本的なお尋ねという了解のもとに申し上げたいと思いますが、私ども人事院の給与についての勧告の態度は、もう御承知のとおりに、民間の給与との格差を考え、あるいは標準生計費を考えるというようなことで、きわめて静か、静的な角度から検討を続けているのです。たとえば、ただいまの人つくりの政策のために学長の給与をうんと上げるというようなことは、実はこれは私は政策の問題に入る。低賃金政策を人事院勧告で大いに推進しようとか、高賃金政策を推進しようとか、人つくり政策を推進しようとかいうようなことは、実はわれわれの考慮の立場としては一応限界の外だということで、ただいまちょうど山本先生御指摘のとおりに、公務員全体を見ての均衡、それとさらに民間給与と見比べての問題というような角度から、じみちに検討をやっている、そういうことが根本の考え方であると申し上げてよろしいと思います。
○山本伊三郎君 まあ、そういう若干抽象的な問題ですが、私の考えを簡単に申しますが、先ほど大蔵大臣がああいうことを言われましたが、単に学校教育関係だけでなくて、一般の公務員も、戦前から見るならば非常に問題のある面が相当あると思う。したがって、私の言うのは、まず公務員のそういう不均衡と申しますか、低いと言いますか、そういうものをまず早く是正をして引き上げておかなければ、政治的にやるのだからこれは別だという受け取り方は、決して公務員はしないと思う。そうすると、それが非常に大きい問題に発展するので、きょうは予備的に質問して核心には触れません。触れないが、そういう点をひとつ十分考えてもらわなければ、問題はそれがために大きく発展する憂いがあります。この点を私はきょうは言いたいのです。大蔵大臣、ちょっとその点私の意思が通じているかどうか。
○国務大臣(田中角榮君) 先ほど申し述べましたように、また佐藤さんからも御答弁ございましたが、人づくり、国づくりというような面から考えますものと、それから公務員給与を是正するという一般的な問題とは、別に政府も考えております。一般的な問題は、民間のあれとの均衡等によりまして人事院から勧告せられるものに対して慎重に検討しながら、財政の許す範囲でこれを十分尊重するという建前は、過去、現在もまた将来も変わっておらないわけであります。学長の認証官とかの問題につきましては、考え方として、教えることに専念をしなければならないということに対して給与が低い、また新刊のいろいろな資料を買うことができないというようなことで、実際学校におって教えるよりも、本を買わなければいかぬ、著述をしなければいかぬというような、いろいろな面がありますので、安んじて教育の任についてもらうにはどうすればいいかというような問題につきましては、より高い次元に立って、先ほど申し上げましたように、政策の一つとして検討を進めておるわけでございまして、これらの問題に対しても、結論を得次第、漸進的に進めて参りたいという考えでございます。公務員の給与全体がとにかく戦前と比べて低いというお考えに対しては、私自身も、これは全く私見でございますが、大蔵大臣としての発言としてより私見でございますが、大蔵省の職員の給与を見ておりましても、確かに三十年働いてだんだんと減俸になっておるのじゃないかとさえ思われるような事態がございます。でありますから、この間などは、二十五年、二十六年も勤められた諸君が勇退をしたわけでありますが、退職金などを計算してみても、まさにそう思います。思いますが、これはもう戦後の日本の国力が非常に低下をしたということと、何分にも人がふえて数が非常に多くなるというような面もございまして、できるだけよくしてやらなければならないという基本的な考えは、これはもう私たちもあなた方と同じ気持でおりますが、国の財政の面もございますので、漸進的に向上をはかっておるのが現状でございます。
○山本伊三郎君 もう一つだけ、人事院総裁に要望を兼ねてひとつ御意見を聞いておきたい。いずれこの問題は専門的に今後やっていきますが、きょうは大蔵大臣お見えになるというので、聞いてもらったらいいと思って私はきょうは特に選んだのですが、公務員の給与、生活実態ということを人事院自体は調査をされたかどうかまだはっきりしませんが、いろいろ私も全国を回りまして、相当、陳情というよりも、窮状を訴える人が出てきております。一々ここで例をあげることはできませんが、相当私は苦しい中でがまんをしている向きがあると思う。そういう際ですから、人事院は形式的なことでなくして、十分実情を見てこの勧告をしてもらいたい。おそらく、何といいますか、民間の給与の上昇というのはこうだから、また消費者物価、生計費がこうだから、しかも、そのとるデータもこれはいつも鶴園君から追及している問題でありますが、われわれとしては納得のできないような資料が相当ありますので、ほんとうの実情を人事院が十分考えて勧告をするように、われわれとしては配慮を願いたいと思いますが、この点どうですか。
○政府委員(佐藤達夫君) ごもっともに存じます。先ほど私が静的――静か、動的でなくして静的という言葉を使いましたけれども、実はその意味は、現在の給与体系なりあるいは秩序というものを固定的に考えて、これはこのままもう動かないというかたい考え方で申し上げたわけではございません。今お話しのように、公務員諸君の窮状も、できるだけ私は機会を作って、私自身この訴えを承るように心がけておるわけであります。そういう点をも広く勘案しながら、できるだけりっぱな給与体系を作り上げたい、そうして大蔵省にこれを全面的に実施していただけるようにひとつお願いしたい、こういう心組みでおります。 ―――――――――――――
○委員長(村山道雄君) この際、委員の異動について報告いたします。本日塩見俊二君が委員を辞任され、武藤常介君が委員に選任されました。 ―――――――――――――
○鶴園哲夫君 今の山木委員の質問に関連いたしまして、大蔵大臣と人事院総裁に伺いたいんですが、今の大蔵大臣の発言を伺っていますと、私見というふうにお話がありましたのはこれは別にいたしまして、その前の発言の中に、七大学の学長だけではなくて、人づくりという点から、大学関係の先生やそういう人たちがアルバイトしないでいいように、原稿書かないでいいように、七大学の学長と並んで、その他の国立大学の学長あるいは教授その他についても引き上げたい、こういうような御発言にとれたわけです。これはけっこうなことだと思いますが、そういう発言にとれましたので、そうなのかどうなのか、それを一つ。 もう一つ、これは総裁に伺いたいんですが、ただいま総裁は、そういう人づくりとかそういうものは、これは人事院の検討の外にあるというお話ですね。ですが、これは官房長官がことしの一月の二十二日に、これは官房長官が人事院総裁にこういう文書を出すのはおかしいと思うんですが、いずれにいたしましても、形は、官房長官が人事院総裁に対して、七大学の学長についてこういうふうにしたいということで意見を聞いておりますですね。それに対しまして、人事院総裁が官房長官に対して回答をしておりますね。その回答の中に、やはり七大学の学長を引き上げるということになれば、その他の国立大学学長その他の職員についても特に検討をしなければならないということを言ってあるわけですね。そうしますと、これは国立大学の学長その他の職員については、先ほどから総裁の言っておられる、静かな――静的なと言いますか、そういうものとは別ワクに考えておられる一わけですか。それを総裁にお聞きしたい。
○国務大臣(田中角榮君) 先ほども申し上げましたように、一般公務員のベース是正の問題に対しては、人事院の勧告に基づいて財政的な措置を行なうのが過去も現在もそのとおりでありますので、この問題については、先ほど申し上げましたように、人事院勧告を尊重するという建前で進んでおりますという態度を明らかにいたしております。 それから、大学の学長とか、また大学院担当の教官とか、そういう特殊な立場にございまして、より積極的に教育の任についていただかなければならない。それがためには政府はただ人事院の勧告を待って、一律に、民間の給与が上がったからそれにスライドするのだというような考え方よりも、プラス・アルファと申し上げますか、より高い次元に立ちまして、政策的な意味でも、これらの方々に対して、今よりもよりよい待遇や環境を作るという方向は、人づくり、国づくりという基本的な立場に立って総理がたびたび言われておることでございます。できれば、大学教官すべてに対してできるだけのことをしてあげられればいいのでありますが、御承知のとおり、予算の問題もございますので、逐次これを引き上げていくような考え方で認証官制度、給与の引き上げ、また大学担当教官の特殊勤務手当を調整額に改めるというようなことを、逐次漸進的に行なっておるということを申し上げたわけでございます。
○政府委員(佐藤達夫君) 私に対するお尋ねについては、これはごく率直に申し上げましたほうがよろしいと思います。たとえば、大学の総長について今のプラス・アルファ的な飛躍的な給与を設定するというようなことについては、われわれとしては勧告をなぜしなかったかというおしかりを受けるべき立場ではない、裏からいいますとそういう立場だと思います。先ほどの、静かというのはそういう意味で申し上げたのです。ただ、これが成立いたしますと、給与の全体系から見ますと、ちょっとこれ飛び離れた格好に、はしご段が途中抜けたような格好、これを全体系の上から見た場合にどうなるのか。そのつなぎが何かが必要じゃなかろうかというのがわれわれの責任であり、われわれの考慮すべき範囲に入って参ります。そこで、今御指摘の官房長官に対する答えの中でも、他の大学長等との給与の関係で調整について慎重な考慮が必要であろうと申し上げているのは、そのことを述べたつもりでございます。
○鶴園哲夫君 七大学の学長を認証官にする。しかし、それは特別職じゃなくて一般職、認証官にしたということで給与を上げるという理屈も一つあると思います。しかし、今大蔵大臣の話を聞いていますと、少なくとも、教育職の(e)については学長初めとしましてその他の、あるいはその(e)以外かもしれませんよ、教育職の(二)にも該当するかもしれない、(三)も該当するかもしれない。そういうものは人事院の官民比較、そういう政治的と言いますか、従来の人事院のやり方から解放するのだ、こういう意見です。大蔵大臣の考え方は、プラス・アルファという言葉を使われたのですけれども、解放する。人事院のお考えもそのとおりじゃないですか。一般職です。それについて、これが十六万から十八万に上がるということになれば、特殊な配慮が要るということをお話しになった。特殊な配慮があるということは、これは穴があいたから特殊な配慮が要る。それは従来の人事院の言う官民比較、あるいは非常に政治的な従来の方式から、学長、七大学以外の学長その他教授、その他の職員は解放する、こういうことになります。私はその点は了解つかないですね。そういうことをおっしゃるなら、これは行政官についても同じような配慮を、お考えをお持ちにならないとおかしい。問題を限って大蔵大臣そういうことをお話しになるなら、それは行政職俸給表の一等級なり二等級についても、特に考えなきゃならないはずです。当然政府は考えなきゃならないはずです。それと関連して、人事院は今度はそれを引き上げるならば、それ以外のものも特殊な配慮を払います、こういう理屈を言わなきゃならぬはずです、総裁は。そうじゃありませんか。
○国務大臣(田中角榮君) ちょっと違う観点に立って御発言になっておられるようでありますが、この問題がここで爼上に上りましたのは、山本委員が今までの問題に対して御発言がございましたから、それに対して政府の基本的なものの考え方を申し上げたわけでございます。これは人事院の建前も、私が申し上げるまでもなく、民間給与との格差があっては困るのであって、当然、民間給与が上がったならば、それの実情を十分検討して、政府に対して政府を拘束するというような立場で、より公平な立場でもって、公務員の給与はかくあるべきだという制度になっているわけでございまして、近代的な制度としては合理的なものだとわれわれも考えております。でありますから、われわれもできる限り努力をして、財源措置等をいたしまして、今まで人事院勧告を尊重するという基本的な態度でいるわけでございます。今度法律案を出しまして、大学の学長の認証官制度を作ったり、それに伴って特別な給与の引き上げ等を行ないましたのは一体どういうことか。これは私は人事院の権限と何ら競合するものではない。こういう問題は、人事院から勧告を受けるというような問題よりも、別に政治的な立場で、政策的な立場で、これらの問題は人事院勧告のあるなしにかかわらず、政府は政策として考えていくべき問題だというふうに政府は考えているわけでございます。しかも、その具体化につきましては、法律をもって国会の意思決定を願っているのでございますから、こういうことは人事院が勧告をしたものを政府がぶった切ってしまって、でこぼこを今よりも悪くする場合には問題はございますが、少なくとも、今までよりもより合理的に、理想的なものに近づけていこうということに対しては、現在の人事院の制度、公務員の給与制度と相反するものではないと考えます。それは特別公務員制度があったり、また、裁判官に特別な給与制度がございましたり、国会の職員その他が一般公務員とは違う制度でもって給与表がきめられておりましたり、そういうことは一向差しつかえない問題だろうと思います。ただ、予算が許せば、世界各国の先進国の例にも徴して、できるだけレベルを上げていくというようなことには政府は努力をすべきだと思っているのでございまして、総理が言っていることは私は正しいことである、こう思って、文部大臣の要請もいれているわけであります。これはもう一つ例を申し上げますと、大学の先生もそうでありますし、特別会計の病院等もございますが、先生の給与など、確かに安いです。民間の先生、いわゆる民間病院の人と、政府関係機関の病院の先生はおそろしく差がある。こういう問題でほんとうにわれわれの医学の発達というようなことを願えるのだろうかというような問題に対しては、予算の問題もございますし、他との振り合い等もございますが、真剣に前向きに検討すべきである、こういう考えを持っているわけでございます。
○鶴園哲夫君 今あまり時間をとりたくないわけですけれどもね。あと時間もせいておりますし、しかし、あまり大蔵大臣、政治的に発言なさると困るのですね。給与の問題はきわめて精巧にできているわけですよ、人事院は。精巧にできている中で、突然政治的なお答えをすると、精巧に攻撃したくなるわけですよ、精密に。ですから、これは大臣の発言については私ども賛成です。しかし、それは大いに賛成ですがね、ただ学校の先生だけは解放するとか、そういう言い方はおかしい。(「別の機会、別々」と呼ぶ者あり)別々と言いますから、この問題はやめますけれどもね、総裁はちょっとあれです――少し合致しちゃいかぬですよ、人事院の勧告の問題については、これは勧告権の中にあるのですよ、七大学の学長も。何だかはっきりしない。いいかげんに考えているのですよ。だめですよ。 きょうは、これでやめます。
○委員長(村山道雄君) 他に御質疑はありませんか。――他に御発言がなければ、本案の質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。 御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御発言がなければ、討論は終局したものと認め、これより採択に入ります。 本案全部を問題に供します。本案に賛成の方は挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(村山道雄君) 総員挙手と認めます。よって本案は、全会一致をもって、原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本院規則第七十二条により議長に提出する報告書の作成等につきましては、先例により、委員長に御一任を願います。 本日は、これにて散会いたします。 午後三時三十分散会 ――――・――――