内閣委員会 第12号
- 発言数
- 134 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/03/22
会議録
○委員長(村山道雄君) これより内閣委員会を開会いたします。 初めに、委員の異動について御報告いたします。本日小西英雄君が辞任され、その補欠として江藤智君が委員に選任されました。
○委員長(村山道雄君) 経済企画庁設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。前回に引き続き、質疑に入ります。政府側よりただいま宮澤経済企画庁長官、舘林経済企画政務次官、吉岡官房長、山本調整局長、大來総合開発局長、吉植経済研究所長が出席しております。質疑のある方は、順次御発言を願います。
○山本伊三郎君 この前の本委員会で資料をちょっと要求しておったのですが、できておりますか。
○政府委員(吉岡英一君) 一応作成いたしまして、用意いたしておりますが、あとで説明を申し上げたほうがよかろうかと思いますが……。それでは経済研究所長から御説明をいたさせます。 実は資料の点でございますが、山本先生の御指示を得まして、もう少し作り方なり何なりを御指示を得てから正式に作りたいと思っておるものですから、部数その他不行き届きの点、たいへん恐縮に存じます。
○説明員(吉植悟君) 御質問がありました件は、国民所得推計の基礎資料はどんなものか、また、その推計の方法はどんなものかということであると承っておりますが、今それについて簡単に御説明申し上げたいと存じます。 お手元に配りました資料は、その趣旨で一応私どもが作ったものでございますが、先ほど官房長が申し上げましたとおり、もう少しいろいろ御意見を承った上で、できるだけ御趣旨に沿うようなものを作りたいと存じますので、いろいろ教えていただきたいと思います。 ごく簡単に御説明申し上げますと、第一ページに書いてございますように、国民所得と私どもが言って取扱い、また国際機関でも、国連でも取扱っております国民所得の推計方法、国民所得そのものの概念は、要するに、その国民の年々の労働の成果を、そのときの平均年次の価格でもってはかるということでございます。したがって、年々の国民所得というもののはかり方に三つございまして、一つは、たとえば政府が幾ら使った、個人が幾ら使ったというような形でもってはかるはかり方と、それから今度は逆に、一体どういう産業でどういう物をどれだけ作ったかという物のほうからはかるはかり方、これは物的方法と申しております。最後には、分配所得と申しまして、要するに、われわれのポケットにそれがどういうふうに分配されてきたかということをはかる三つの方法がございまして、この三つの方面からはかった上で、最も妥当な線を、数字をそこにはじき出すというようになっておりますが、現在わが国でやっております方法は、人的方法と言われる分配所得を中心にしてやることと、それから、一番先に申し上げました支出の方面からはかっていくやり方と、この二つの方法を中心にいたしまして、それに人的の問題を足してやるということになっておりますが、物的の方法でもって生産物をはじいていくということになっておりますが、だんだんわが国の物的統計、これが整備されて参りましたので、これを今度から強く取り入れまして、そして生産指数と国民所得の関係等もより緊密にしていきたいと、こういうふうな形でやっておるわけでございます。したがいまして、そのおのおののはかり方に従って、統計も、すなわち資料も違ってくるということになっておるわけでありまして、そのことは二ページ以下のところに比較的詳しく書いてございます。一々御説明申し上げるということも何でございますが、ごく簡単に申し上げますというと、分配国民所得におきましては、要するに勤労所得、これはまあ労働力調査とかそれから毎勤とか、こういうデータを中心にいたしまして作ります。それから個人業種所得は、農林省の農家経済調査、それから総理府統計局でやっております個人企業経済調査、それから大蔵省の諸統計その他を参考にいたしまして作るわけでございます。それから法人所得統計は、これは国税庁の資料と、それから同じ大蔵省のやっております大蔵省の法人企業調査、これを中心にしてはじいておるわけでございます。それから個人財産、財産所得のほうは、これは自治省その他の固定資産税の概要調書、あるいは建設省の土地家屋調査、こういったものを中心にしてはじいておくわけであります。それから利子所得のほうになりますというと、四ページに書いてありますように、金融機関の損益計算書、これを中心にしてはじいております。観光事業剰余は、これはもちろん大蔵省の資料を中心にしてはじいております。これが大体今御質問にあずかっております分配所得の面における基礎統計でございます。それから支出の面におきましては、これは皆さんもよく御承知のとおり、個人消費支出は、これは農林省の統計とそれから総理府統計局の家計調査、これを中心にしてはじいておりますし、それから今度は資本形成の面におきましては、民間の総資本形成は、先ほど申し上げました大蔵省の統計を中心にしてはじいております。それから、個人企業の分につきましては、これも先ほど申し上げました個人企業経済調査、これを中心にしてはじいておりまして、個人住宅につきましては、五ページに上がっておりましたように、建設省の建築物動態統計調査、こういうものを使っております。財政支出につきましては、これはもちろんここで申し上げるまでもなく、財政関係の資料を使っておりますし、海外輸出と海外からの所得それから輸入等につきましては、もっぱら大蔵省の国際収支資料、これを中心にして、むしろ数字はそのままとっておるということでございますが、先ほども申し上げましたように、要するに、いろいろな違った統計をとっておりますので、その間にいろいろな若干の食い違いもございます。そこでこの若干の食い違いを、経済全体の上から最も妥当な線に判定するということが、やはり経済企画庁としまして非常に重要な事項になっております。簡単でございますけれども、この辺で。
○山本伊三郎君 三十六年度の国民総所得は十七兆四千億ですか、ちょっと数字ありましたら、三十五年、三十六年——三十七年はまだ終わっておりませんが、大体見通しがあれば、この三年間の年度間のやつわかりませんか。
○説明員(吉植悟君) 三十六年度は十七兆七千億、十七兆でございます。十七兆七千、国民総生産が。で、実は国民総生産と申しますのは、まあ重ねて言いますというと、要するに、減価償却を含めた売り上げ高でございます。それが十七兆七千億でございまして……
○山本伊三郎君 国民総所得はどうなるのですか。
○説明員(吉植悟君) 国民総所得は、三十六年が十四兆一千一百七十七億でございます。
○山本伊三郎君 三十五年は。
○説明員(吉植悟君) 三十五年の国民所得は十四兆一千一百……
○山本伊三郎君 三十五年ですよ。
○説明員(吉植悟君) 三十五年は十四兆……
○山本伊三郎君 三十六年が十四兆一千一百幾らでしょう。ちょっと違うのじゃないですか。——わからなけりゃこれは統計数字見ますから……。
○説明員(吉植悟君) 今申し上げました、三十六年の十四兆と申し上げましたのは、これは国民所得でございます。
○山本伊三郎君 三十六年は。
○説明員(吉植悟君) 三十六年でございます。
○山本伊三郎君 三十五年は。
○説明員(吉植悟君) 同じ国民所得の三十五年は、十一兆九千三十七億でございます。失礼いたしました。
○山本伊三郎君 わかりました。三十七年はまだ推計出てないですか。
○説明員(吉植悟君) 三十七年はまだでございます。これはおそらく年度の確定推計は十月ごろになると思います。毎年そうなっております。
○山本伊三郎君 大体三十五年、三十六年に荒ける経済成長、それから三十六年から三十七年という引き締め政策なんかから考えると、三十五年から三十六年に移るときのこの三兆というような開式は、少し縮まってくるような目通しで判断したら間違いですか。この点、長官どうでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは三十六年は三十五年に比しまして国民総生産で二割くらい伸びておりますから、当然もうこの差は縮まってくるというふうに考えております。
○山本伊三郎君 わかりました。 もう一つですね、このような質問をしたら、そのあくる日の新聞に経企長官の大きい写真が載って、生鮮食料に対する、特に野菜なんかの流通機構について根本的に考えるという計画を内閣できめられておるようでございますが、この構想なりそういうものは、まだ出ておりませんですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま主として農林省と私どもの得所の間で研究をいたしておるところでございますが、基本的にはやはり一つは貯蔵に耐え得るものについての貯蔵施設の拡充、もう一つは、貯蔵に堪え得ないものについての需給の安定化、これはある意味で一定量の生産及びその価格について何らかの方法で生産者にある程度の安心を与えることができないかというような種類の問題でございます。そういうことでございます。第三には、そういう生産物が移動をいたします場合の運搬でございますが、それについての冷凍貨車とかなんとかというものでございますけれども、そういうものについてさらに改善の方法がないか、そういうような幾つかの問題について現在共同研究をいたしておるところでございまして、最終的なことをまだ申し上げることができないのでございます。
○山本伊三郎君 これは、経企庁にお尋ねするのは的はずれか知りませんが、農林省関係だと思いますが、東京——大都会付近の野菜なんか作っておる農家なんかも、いろいろ聞いてみますんですが、野菜の価格が上がったからといって必ずしも農家はそれほどの所得が伸びておらない。まあ本人が言うんですから、これは信憑性があるかどうか知りませんが、やはりそこに、流通機構の中に問題があるんじゃないかという、われわれも一応考えを起こしておるんです。政府もそういう考え方でおられるらしいんですが、その点、農家の所得が、特に野菜を作っておる、蔬菜を作っておる農家の収入の、所得の傾向というものは、経企庁ではそういうものを持っておりませんか。これはまあちょっと農林省関係かと思いますが。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは、目下農家の経済調査を農林省でやっておりますので、これが一番よくわかる資料であろうと思いますが、ちょっと私どもの役所で申し上げることができません。
○山本伊三郎君 それじゃ、まあ大体経済企画庁の国民経済計算審議会設置と十五人の定員増ということはわかりました。ただ最後に、欧州に駐在官を一人置くというのは、これはどういう——ちょっと説明載っておりますが、その必要性はどこにあるんですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) これは昨年総理大臣がヨーロッパ諸国を訪問いたしまして、その際EECの現在の動き並びにOECDの将来の加入の問題などについて現地の様子を見てきたわけでございますが、その上に、なおまたヨーロッパの幾つかの国に対して、わが国に対する輸入制限の差別待遇の撤廃ということについても各国に要請をしてきたわけでございますが、こういう各国、OECD当局、EEC当局とわが国との経済関係というものが、これから従来より以上に非常に密接になると考えましたし、また別途の観点から、これらの各国の中の経済計画については相当学ばなければならない点もあるという観察もいたして参りましたので、できるならば、私どもの役所からもそういうほうの専門家を出しまして、現地の情報を取るなり、あるいは研究をするなり、こういうことをいたしたいという希望から出たものでございます。
○山本伊三郎君 趣旨としては私はけっこうだと思う。したがって、駐在官というのは主としてそういう経済事情の調査を担当すると思うんですが、どれぐらいの——まあ失礼ですが——方が送られるのか、それともう一つは、これは外務省の定員に振りかえるということですが、単に調査をするということだけで置かれるのですか、その点はどうなんですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 大体中堅の四等級くらいと申しますか、実務のできそうな人間を置きたいと思っております。外務省の定員に振りかえるという意味は、おそらく外交官の身分を取得するという意味でございまして、そういう活動をいたします上に、そのことが便利であると考えたわけでございまして、外務省本来の外交の事務それから生じますところの庶務などに携わるという意味ではございません。
○山本伊三郎君 まだいろいろありますが、時間もだいぶ過ぎておるようでございますので、以上で私の質問は終わります。
○委員長(村山道雄君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(村山道雄君) 速記をつけて。 他に御質疑はありませんか。——他に御発言がなければ、本案の質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。 御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言がなければ、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。 本案全部を問題に供します。本案に賛成の方は挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(村山道雄君) 総員挙手と認めます。よって本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本院規則第七十二条により議長に提出する報告書の作成等につきましては、慣例により、委員長に御一任を願います。 —————————————
○委員長(村山道雄君) 科学技術庁設置法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き、これより質疑を行ないます。 政府側より、ただいま近藤科学技術庁長官、森崎官房長、芥川研究調整局長、島村原子力局長が出席しております。 質疑のある方は、順次御発言を願います。
○鶴園哲夫君 科学技術庁につきまして、この間簡単にお伺いをいたしたのでありますが、原子力研究所の給与の問題竜非常に問題になっておりますし、それから、かつ勤務状況も勤務条件という段階を通り越した状況だと思いますし、それから、原子力潜水艦の寄港の問題もあるわけですが、そこで、この安全の問題につきまして、一つだけ伺っておこうと思っているわけです。 それは、今度水戸に、茨城県を管轄区域とする水戸原子力事務所を置く。そうして六名の人員を配置して、そしてこれは原子力施設の検査、監督を強化して、周辺地域の放射線監視を厳重に行なう、こういうわけですね。これはどうも、一昨年も、この委員会で問題にいたしたわけですが、今やあそこの米軍演習場の、演習場といいますか、試爆場のまん中になってしまうわけですね。こういうものがあって安全をはかるというような話では、どうも納得がいかないわけですが、あれはその後も引き続いて返還問題が起きていると思うのですが、また科学技術庁長官もそれに努力しておられると思いますけれども、どういうような見通しを持っておられるのか、それを伺いたいと思います。
○国務大臣(近藤鶴代君) ただいまお尋ねのございました水戸試爆場のいろいろの問題点につきましては、今日まで政府といたしましても、なるべく早い機会に返還が望ましいという気持を持っておるわけでございます。大体今やっております米軍の試爆の規模だとか、あるいはそのやり方等におきましては、危険性がないということを考えてあの水戸の原子力研究所を設置いたしたわけでございます。その後だんだん施設も多くなって参りまして、その上、誤爆事件などもあるというようなことで、住民の方々の不安も強いようでございますので、相なるべくはこの試爆場をどこかへ変更してもらいたいということは、強く外務省を通して要望いたしておるわけでございます。たまたま誤爆事件などがございましたときは、一そうその感を深ういたしますので、直ちに米側のほうに地元住民の意思を十分伝え、私どもといたしましても、早期に返還をという二とをそのつど交渉いたしておりますけれども、率直に申しまして、今具体的にどうだということを確認をいたすわけには参っておらないわけでございます。
○鶴園哲夫君 ともかく試爆場の原子力関係がまん中になるということになりつつあると思うのですね。その場合に、どうもそこで米軍の原爆等の試爆の演習が行なわれている。何だかこう日本国民少しばかり低級に考えられ過ぎているのじゃないかという気がしてしようがないのですね。ですから、すみやかに、やはり演習場は取り払うというこれを前提にしなければ、幾ら今お話しのような、安全がどうだとか、あるいは放射線の監視を厳重にするとかいうようなお話があっても、通用しにくいと思いますですけれども、ですから、これは前から問題になっているし、また茨城県も問題にいたしておりますし、見通しがないというようなお話では、どうも納得しにくいわけなんですけれどもね。ですから、どういう折衝が行なわれているんでしょう。
○国務大臣(近藤鶴代君) 科学技術庁といたしましては、直接米側に交渉するという立場は持っておりませんので、やはり外務省を通じてやらなければいけないと思うのでございますが、すでに鶴園委員もお聞き及びかと思いますが、米側におきましても、日本が提示いたしました五つの候補地についてはそれぞれ検討もいたしているようでございますので、努力を重ねていくのが解決の道であろうと、そう思っておるわけでございます。
○鶴園哲夫君 この問題につきまして、もっと大臣、真剣になって解決をしてもらいたいと思っておりますが、それをひとつ強、要望いたしておきたいと思います。 次に、同じく原子力研究所の問題で、先般爆発事故を起こしましたですね。それで、これを私ども見まして、非常な万全を期しておられる、あるいは原子力研究所としてもそういう事故がないように非常な努力をいたしておられると思うのですが、やはり事故が起こるんだということを雄弁に物語るものだと思うのですが、先般関係者に聞いてみますというと、実験が終わって、そして別々の容器にしまうべまものを、あやまってということになりますか、同じ容器に入れるということで作用が始まって、みんな帰ってから二十分後に爆発した。人命は被害はないし、放射線の被害もきわめて少ない。そうして数千万円の物的被害があるのだ。もし その実験室ではなくて、隣の実験室でこの爆発が起こった場合には、原子力研究所にあるすべてのウラニウム、あるいはアイソトープが散らばっただろう、こういうような言い方ですね。その問題についてどういうように考えておられるのか、伺いたいと思うのです。
○国務大臣(近藤鶴代君) お話しのとおりに、原子力研究所におきましての事故は、たといどんなに些少のものであり、災害が少なかったといたしましても、一般の人たちに与える不安感と申しましょうか、そういうものが非常に強いというので、私どもたいへん恐縮をいたしたわけでございます。しかし、まだはっきりした結論は出ておりませんけれども、今日まで把握いたしました原因は、やはり人の不注意であって、原子力研究所において知らないうちに、またこのような、あるいはこれに似たような事態が発生するというようなものでなかっわけでございます。したがって、注意をして取り扱うならば、このようなことは二度と起こらないで済むことであるということが、私どもにとりましてはやや助かったというような気持がいたすわけでございます。したがいまして、この原因につきましては十分究明をいたしまして、それぞれの責任をとるということを考えて参りたいと思うわけでございますが、いずれにいたしましても、だれもが不安を感じやすい原子力研究所のこの事故に対しましては、平時において十分防災の心がまえもあり、その処置、あるいは施設等も考えておりますけれども、なお、そこに働いている人たちが入念に事を処理していかなければならないという点において、私どもといたしましても十分責任を感じて参りたいと思っております。
○鶴園哲夫君 で、この実験は、日本においては原子力研究者としてはほんとうの最高級の人たちがやっているのですね。その人たちの不注意によってこういう事故が起こるということになりますと、これはやはり事故は起こるというふうに推定せざるを得ない。何といっても、日本における最高級のこれは人たちですよ。その人たちの不注意によって——今長官のおっしゃるように、不注意によって事故が起こったということになりますれば、これはどうもやはり神ならぬ身では起こるというふうに見なければならぬ。それがたまたま部屋が一つ違っておったためにということになるわけですが、部屋が隣の部屋であったとすればたいへんな事態に陥るというのは、今原子力研究所の人たちも言っていることですね。どうもそのような事態を今後もやはり考えなければならないと思うのですが、何か不注意とかなんとかいうのではなくて、やはり起こるものというふうに考えざるを得ないのではないかと思いますですがね。
○国務大臣(近藤鶴代君) 私もこの事故を弁護する気持は毛頭ございませんけれども、非常に危険である放射線というような問題が起こるというような、どう申しましょうか、原子力研究所といたしましての心臓部の事故というものは、それは仰せのように神ならぬ身ではございますから、そういうことがないということは絶対に保証するわけには参りませんけれども、この原子力を取り扱います上においての心臓部に対しての注意と申しますものは、およそもう想像もできないくらいの周到な用意、考えのもとに行なわれておるわけでございます。たまたま事故の起こりましたところは、どちらかと申しますと、気がゆるんでも差しつかえない——と言ってはちょっと語弊があるのでございますけれども、気がゆるんで操作をするようなところであったので、ついこういうことが起きたのではないか。もちろん、原子力研究所のどこのすみで仕事をいたしましても、決してそんなことがあってはならないはずではございますけれども、その辺のところはやっぱり気に幾らかのゆるみができたために起きたのではないかと、そう考えますので、このことがあったから直ちに原子力研究所の心臓部にも事故が起こり得るということは、私は考えなくてもいいのじゃないか、そんなような状態で仕事はしておらないということを思っておるわけでございます。
○鶴園哲夫君 しかし、同じ原子力研究所で研究しておられる人たちの意見ですと、私はそういうふうに聞かないのです。やはり危険だということを言っております。やはり事故は起こるものだというふうに考えなければいけないというふうに、私どもは聞いておるのです。同じ建物の中で——今の問題先ほども申し上げたのですけれども、同じ建物の中で部屋が違っておればたいへんなことだったということも言っております。決して安全であるなどということは言っていない。さらに、どういうわけで不注意なことが起こったのかという点も伺いたいし、いろいろするわけですけれども、私としましては、やはりこれは、原子力研究所の人たちが言っているように、事故というものは考えざるを得ない。
○政府委員(島村武久君) 鶴園委員の御指摘のように、どのような安全な措置を講じておきましても、いわゆる神ならぬ身のというようなことを考えますと、今後におきますところの事故の絶無というようなことを保証するということも、なかなか困難かと考えるわけでございますけれども、本件のような場合について考えますと、これは明らかに、やはり先ほど長官からお答え申しましたように、うっかりしておったというようなこと、しかも、それがそれほどの大きな危険性を持つものでないというような考え方から、うっかりしておったというような面が考えられるわけでございます。鶴園委員も先ほどおっしゃいましたように、分けてドラムカンに入れるべきものを一緒に入れたのではないかということが、現在のところ、事故の原因として考えられておる。つまり、弱酸性の水溶液を入れておきましたものに硝酸をさらにそこに入れたということでございまして、これが、何と申しますか、時間の経過とともに希釈熱を持って、そしてドラムカンが爆発したということが考えられるわけでございます。ただ、鶴園委員が御指摘のように、こういうような事故はもうしょっちゅう起きるものだと考えてやるということは、私どもとしてはとり得ない点でございまして、今後なお職員の訓練を強化いたしますとか、あるいは、このような危険物、毒物等の取り扱いにつきまして一そうの注意を持ってやる。たとえば、そういうような入れものに明確な表示をつけるというような、いろいろな注意をいたしますことによりまして、こういうような事故を防いでいくことができるというふうに考えておるわけでございます。むしろ、原子力研究所の事故でありますがために、非常に一般の関心等も強かったわけでございますが、実は研究者間におきましては、これは放射性を持ったものの事故でないというようなところから、間々大きく考えないで済まそうとしたような経過もございますので、私のほうといたしましては、先ほど長官からお答え申し上げましたように、放射性を持った事故でないからといってこれを軽く済ますというようなことがないように、むしろ非常な災いではございましたけれども、この災いを将来の経験といたしまして、このようなことがないようにいろいろと考えて参りたい、かように考えております。
○鶴園哲夫君 この実験は、ウランからプルトニウムを取り出すという実験だそうですが、このプルトニウムというのは原爆に使う。危険がない、危険がないというお話ですが、そうではない。私どもの伺っておるところでは、これはプルトニウムというのは、外国では爆発性のものだ、危険だと、こう言っておりますよ。ですから、危険がない、危険がないというお話ではないのではないかと私は思います。だから、たいへんな爆発もするわけです。この間の御説明の中にも、東海村を中心として、東海村の中に日本の圧倒的な原子力関係の研究所あるいは公社あるいは民間の会社、そういうものが集中しておるわけですが、もしこういうような事故がまた起こるということが考えられますと、これはこの一帯は一ぺんにくつがえる危険がある。このことはまた、水戸はもちろん東京にまで及ぶということも想定される。イギリスにおいても、過去にたいへんな爆発事故が起こっておりますし、一体、六百億や一千億というものをつぎ込んだ東海村の原子力センターというものは、一ぺんにくつがえるということになりゃしませんか。どういうわけであそこへ集中するのですか。
○政府委員(島村武久君) いろいろな角度からのお尋ねでございますが、私ども本危険がないということを申し上げておるわけじゃ決してございません。このような事故は起こるものとして考えていくべきじゃないかというお説に対しまして、今度の場合は、原因を考えてみますと、十分今後の注意によって防止できるような性質のものだと考えますので、日々の訓練その他を徹底いたしまして、このような事故が起こらないように心がけて参りたいということを申し上げたわけでございます。決して、あそこでやっております作業の中に危険なものがないというような意味で申し上げておるわけではございません。おっしゃるように、そのような事故が起こらないように気をつけてはおりますけれども、やはり人知の及ばぬところ、どのようなことになるかわからないというような問題もあることでございますがゆえに、安全原子炉の建設あるいはそのほかの作業にいたしましても、厳重な法的な規制も設けましたり、あるいは万一の場合の補償の問題が議せられたりしておるゆえんもそこにあるわけでございます。ただ、私が申しましたのは、今度の場合が放射性を持ったものでなかったものでございますから、いわば学理的に申しますと、有機物と硝酸とが接触したための化学反応であるというような意味で、研究者そのものが、平素も十分放射能というものに対して注意をして扱っておるわけでございますけれども、今度の場合が放射性に関係のない、一般の化学研究には間々起こりがちだというような考えでおりますと、今おっしゃいましたように、あそこは放射能の関係の建物、部屋等もあることでございますから、やはりそういうような、一般的な放射能に関係のない化学的な爆発だと言って軽く済ます、そういうことではなくて、そういうようなことについても十分注意をしてやっていってもらいたい。また、そのためにいろいろな注意しなければならないこともある、こういうふうに考えておるわけでございます。 なお、原子力施設を集中いたしますということにつきましては、どれもおのずからな限度はあろうかと思いますけれども、現在のところでは、研究者の側からの要望もございますし、また、現段階では、集中することによりますところの危険というようなものは考えるほどのことでないという科学的な見地から、国が原子力研究所につきまして設けますところの施設は、今日まで、できるだけあの東海村の原子力研究所に集中するというような方針でやって参りました。これは便宜的に申しますならば、研究所の都合ということでございます。また、安全の上から申しますと、放射能の害と申しますものは、火災その他の場合と違いまして、延焼するとかなんとかいうようなことがそれほどないものでございますから、現在の段階では、ああいう程度の集中の仕方というものは、これは格別集中することによって危険であるとふうには考えられていないというふうに御理解いただきたいと思います。
○鶴園哲夫君 私の伺っておりますのは、世界に類のないほど集中しておる、もし一カ所にそういう事件が起こった場合には全部だめになってしまうじゃないか、一カ所もし放射能の爆発が起こったら、それが全部だめになってしまうじゃないか。だから、そういう意味で世界に類のないこういう原子力関係が集中しておる。もちろん一つの施設と一つの施設の間が数十キロ離れるとかいう事態には毛頭ないわけです。全く施設と施設が密接して存在しておるという場合に、もし一カ所問題が起こればあとはすべてがだめになるのじゃないか。
○政府委員(島村武久君) 日本では、確かに東海村の原子力研究所に相当、むしろ意識的にあそこに持っていっておりますけれども、私どもといたしましては、あの程度のものが世界に類のないほどよけい集まっておるとはちっとも考えておりません。たとえばアメリカにいたしましても、アルゴンヌにいたしましてもブルックヘヴンにいたしましてもまたイギリスのハーウェルの研究所その他にいたしましても、もっともっとあれ以上にたくさんの大きな施設が集中して存在いたしております。したがいまして、日本の場合だけがあそこに集中さしておるということであるとは思っておりませんけれども、それにいたしましてもおのずから限度というものもございますので、今後大きな施設としては、むろんあそこに物理的な土地の余裕その他もだんだんなくなってきておりますし、これ以上大きな施設をあそこに集中せしめるというような考えも持っておりません。現在の段階では、まだお説のように世界に類のないというほどには集まっているわけではない、さように考えております。
○鶴園哲夫君 どうも研究している人たちは、そういうような考えを持っているようですね。アメリカもたまたま集中したところがあるけれども、それでも数十キロ離れて集中させている。日本のようにこんなに集中しているところはないという、まあそういう話ですね。私も行って見ないからよくわからないけれども、一ぺん行って見て、ひとつその上でじっくりとお伺いすることにいたします。
○政府委員(島村武久君) 外国も広うございますから、一般的に申しまして、割に間隔を置いているところもあると思いますけれども、また、土地が相当広いにもかかわらず、中の配置の度合いにおきまして、原研よりももっとくっつけて原子炉々幾つも並べているところもございますから、そういう意味での不安ということは、問題にするほどじゃなかろうと考えております。
○鶴園哲夫君 以上で終わります。
○石原幹市郎君 前回、防災科学技術センターのことでちょっとお伺いしたのですが、将来三年間ぐらいでこの施設を整備していきたいというような答弁があったわけですけれども、大臣から、大体この防災科学技術センターをどういう構想でこれからやろうとするお考えかということと、それからもう一つ、センターは東京都に置くおけでありますが、雪害であるとか、いろいろのこういう災害については、ことに雪害などは現地でいろいろだ施設をして検討してもらわなければ、ただいろいろの報告、データを抽象的にまとめる、そういうふうなことではいかないと私は思うのです。現に、かつては山形県に雪害研究所というものがあって、それがその後廃止よれていますけれども、党の雪害特別委員会等でも、雪害の総合研究所を作りたいというこれは非常な熱望で、決議までしておったと思うのでありますが、防災センターができるということで一応見送る形になった。そこらの関係をひとつ、構想を承らしてもらいたい。
○国務大臣(近藤鶴代君) 最初にお尋ねになりました防災科学技術センターの三年計画に対する構想と申しましょうか、御存じのとおり、台風とか高潮、豪雪、地震、地すべり、山くずれ、そういうような災害で日本が毎年毎年非常な被害を受けて参りましたので、これらに対する問題と、それから最近非常に大都市で起こっておりますスモッグというような、そういう自然的な災害を対象といたしまして、防災科学技術に関する総合的、中軸的な機関として施設をし、人員の充実をはかってその効果を上げていきたいということのために、今回これな提案いたしたようなわけでございます。 三カ年間の、昭和三十八年度から四十年度の間の第一次の三カ年計画といたしまして、目下検討中でございますので、結論には至っておりませんけれども、大体施設及び設備整備費といたしまして約二十億円、それから河川水系用シミュレーターとか、水平ボーリングの装置のため、それは装置のためでございまして、運営費といたしましては、特別研究費を除いて約七億円ほどを考えております。組織といたしましては、総務部と調査部と、それから二つの研究部と十の研究室で約百七十名ぐらいというような構想でございます。もちろん十分な効果を上げていくという点におきましては、第一次の三カ年計画の後に、あらためて次年度の計画というようなことにも取り組んでいかなければならないかと思っているわけでございますが、とりあえずのところは、今申しましたような構想で進めたいと思っております。 それから、このセンターの地方の機関をというお話でございますが、大体地方にはそれぞれの各役所の研究所とか、いろいろな施設がございますので、あらためて防災科学技術センターが支所を設けるというようなことは、ただいまのところは考えておりませんで、それらのものを十分利用いたしまして効果を上げていって事が足りるのではないかと、目下のところはそういう考え方でございますが、これもやはりやってみまして、やはり中央の支所か支部というものが地方にあったほうが何かと都合がいいということになりましたならば作ることも考えてもいいんではないかと、そう思っております。
○石原幹市郎君 今の第二点の終わりの問題なんですがね、ただ支所とか支局とかというような意味でなしに、雪の研究あるいは豪雪の研究、地方にも機関があるということをこの前聞いたら、農業土木試験場であるとか、林野の試験場であるとか、そういうことだったんですが、これはやっぱり雪の研究、ことに今回のような豪雪等に対して雪害研究所というようなものをこれは考えてもらいたいというのが私の——私というか、これは今度の雪地帯の、豪雪地帯の総合した僕は結論だと思うのですが、そういうような希望が非常にあるわけです。できればそういうものを設けてもらいたい。 それから、ちょうど大臣からお話が出ましたけれども、この前もスモッグのことなんかを聞いてみたのです。ところが、その日の夕刊を見たら、あなたが閣議で何か研究協議会みたいなものを作って、各省と力を合わせてやるというようなお話が出ておりましたが、ここではもうスモッグなんかについてもあまりはっきりしたお話もなく、そういうものもやってみるつもりだというお答えでありましたが、今の科学技術センターというような構想からいえば、スモッグのようなものは、当面の問題として最もこれこそいい問題じゃないかと思うので、こういう問題に力強く取り組んでもらいたいと思うことと、それから重ねて雪であるとか、あるいは僕は地すべりとか、こういうものなんかについても、やはりもっと支所とか出張所というような意味でなしに、そういうものの独立した研究機関というか、研究所のようなものを持って、そういうもののデータをいろいろ総合して科学技術センターで集めてやる、こういう構想にしてもらいたいということですがね。それだけ希望を申し上げておきます。
○国務大臣(近藤鶴代君) 今回の防災科学技術センターが発足いたしますにあたりましては、従来からの雪害対策に対する議員の先生方の非常に御熱心なお気持が十分反映しているということも十分承知いたしておりますし、それから、毎年々々相当の豪雪のために被害を受けておられる方、被害を受けておられます地方に対しても、何らかの処置をしなければならないというのて、もっと一生懸命に取り組まなければならないということは、このセンターを作りますときにもよく話したわけでございます。ただ、先ほどもお話しになりましたように、各役所の出先というようなものを対象にしないで、というお話でございますけれども、私の非常に少ない経験でございますけれども、出先の機関にいたしましても、また研究所にいたしましても、もっと有機的に関係を持っていきましたら機能が発揮できるのではないか、まだその余地が十分に残っているような感じがいたしますので、その点で、当分の間は別にそういう支所などということを考えないで、各研究所の機能を十分発揮し、よく連絡することによって効果を上げていくならばという考え方でございます。 それから、スモッグの件につきましては、たまたまもうここ二、三年ぐらい問題になっておりますので、科学技術庁といたしまして、その原因及び実態というものに対しての研究と調査も一段落いたしましたので、それを閣議に報告いたしたわけでございます。しかし、ただいまのところは、まあスモッグの大先輩国であるイギリスにいたしましても、アメリカにいたしましても、適切な処置までは生まれておらないそうでございますので、日本のように経験年数が浅い関係もございますが、それならばこのような対策がいいということを、研究段階としては一応のものを持っておりますけれども、具体的にそれを実施をするという場合に、はたしてこれでいいかどうかというような状態でございますので、それを閣議に報告をいたしますと同時に、やはりその対策に向かって前進をしていかなければならないということを話し合ったということでございます。
○小柳牧衞君 関連して。ただいま石原委員からお話しあったようでございますけれども、たとえば雪の研究、今度の総合的、社会的に災害を調査研究する、これはどうしてもやってもらわなければならない問題です。従来この雪についての研究は、相当分析的な、ものによっては世界的に誇り得る調査研究もやっておるようです。ただ、欠けておるのは、社会的、総合的の部分なんです。でありまするから、今後も分析的に個別的にいろいろの研究は一生懸命やっていただかなければならぬと思うのですけれども、半面、またこの総合的、社会的に、降る雪、積る雪というようなことについて研究してみなければならぬ。これはどうしても現地について研究しなければできないことなんで、遠くサンプルを持って試験管で研究するというようなものじゃないのです。どうしても現地ということを対象としなければ、社会的、総合的のことはやっていけないと思うのです。またもう一つ、民間において偶然に発明、発見したというようなことも、十分研究してもらわなければならぬ、調査の対象としてもらわなければならぬと思うのですが、その偶然に発明、発見したようなものは、大体現地において起こることなんです。たとえば雪についても、従来の地下水を便宜利用して融雪に使う、あるいは屋根の雪を消すというようなことをやっておるのです。これを民間のほとんど経験に基づいた人がやっておる。こういうようなものも、さらに科学的に研究したら、ずいぶんその効果を発揮し観ると思うのです。そういうようなことを考えまするというと、この社会的、総合的のことは、現地についてやるということが非常に必要であるということを痛感するわけなんです。したがって、これらの調査はどうしても一そう注意していただきたい。分析的にやっていただくと非常にけっこうですが、同時に、この社会的、総合的ということになると、現地の社会生活ということを十分取り入れなければできないことだと思うから、希望を申し上げるわけであります。
○山本伊三郎君 だいぶ近藤長官も疲れておられるようですが、もうちょっと二、三お尋ねしておきたいと思います。僕のやつはきわめて具体的ですが、今の科学技術庁というのは、相当高度な技術知識の要るところですが、科学知識の要るところですが、今、科学技術庁でそういう技術家の方、何人くらいおられますか。
○国務大臣(近藤鶴代君) 詳しい具体的な数字をはっきり覚えておりませんので、官房長からお答えいたします。
○政府委員(森崎久壽君) お尋ねの点でございますが、御承知のとおり、科学技術庁は、現在本庁、研究所を入れまして千五百七十一名でございます。その研究所は、今回できます国立防災科学センターを除きまして、航空技術研究所、金属材料技術研究所、放射線医学総合研究所とございまして、まあ研究所全体で考えますと、この中には事務系統の者もおりますが、大体これは研究員と考えまして、これが約千百二十四名程度の人間でございまして、残りの四百四十七名が本庁の関係の人間でございます。本庁関係のほうの中で、どういう分担を申し上げていいかわかりませんが、計画局、こういうものがありまして、全体の計画を立っております。計画局、これが五十名おりまして、局長は理学博士の杉本正雄氏でございます。 それから研究調整局というのがございます。この研究調整局は、ただいま国立防災科学技術センターを所管することになっておるのでありまして、今いろいろの研究調整を行なっております。総合調整を行なうというもの、これが三十九名、これは技官の芥川輝孝氏が局長でございます。あと振興局、原子力局、資源局とございますが、そういう編成でやっておりますが、技術者の数そのものの正確な数字は持っておりませんので、すぐに調べましてお知らせいたします。
○山本伊三郎君 昨年から本年にかけて、北極の寒波が非常に移動しまして、ことしなんか非常に大雪が降るだろうと言われていたのですが、そういうものも今研究の対象にされておるのですか。
○政府委員(芥川輝孝君) ただいまのところでは、そういうもの、北極の影響による寒波の増大でございますか、それは対象にしておりません。
○山本伊三郎君 最近の新聞では、また日本沿海の海温が非常に下がっておる、魚類について影響があるというふうに聞いておるのですが、そういうようなのは科学技術庁ではノー・タッチということですか。
○政府委員(芥川輝孝君) ちょっと科学技術庁設置法を簡単に申し上げますとおわかりいただけると思いますが、科学技術庁といたしましてそういう問題を推進いたします場合には、総合調整ということが主眼になっております。したがいまして、ただいま御指摘のような問題は、おそらく気象庁あるいは海上保安庁、そちらのほうが初めに取り上げまして、それから、それの総合推進の役割を私どもはやっておる、そういう段階になっております。そこで、ただいままでのところでは、所管官庁のほうから、寒波なり海温の上昇なりの問題については、まだ連絡を受けておりません。
○山本伊三郎君 最後に、原子力による発電の、電力供給のコマーシャル・ルート、コストに乗るという、それは一体いつごろですか。現在キロワットについてどのくらいですか。
○政府委員(島村武久君) 一昨年の二月に、原子力委員会が長期計画で見通しを立てました際には、十年後には十分に匹敵し得るというなにでございました。しかしながら、最近新しい考え方も出てきておりまして、つまり、非常に大容量のものにいたしますと、かなり安くいくという——これは当然のことでありますが、その大容量にする度合いが、またちょっと従来考えておりましたものよりも大きくなりまして、日本ですぐそういうことをやるというようなことではございませんけれども、たとえば最近のなにで申し上げますと、ニューヨークに、しかもニューヨークの町のすぐ近く、ニューヨーク市内に、百万キロの計画をコンソリデーテッド・エジソン社が原子力委員会に申請しているというようなものがあるようでございます。したがいまして、割に近くと申しますか、原子力委員会が一昨年二月に想定いたしましたものが、早く実現するというような可能性が生じてきたというような見方が強まってきているわけでございます。今日現在で、それをやり直しましていつになるというような作業は、やっておりません。
○委員長(村山道雄君) 他に御質疑はございませんか。——他に御発言がなければ、本案の質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。 御意見のある方は、賛否を明らかにして、お述べを願います。——別に御発言もなければ、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。 本案全部を問題に供します。本案に賛成の方は挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(村山道雄君) 総員挙手と認めます。よって本案は、全会一致をもって、原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本院規則第七十二条により議長に提出する報告書の作成等につきましては、前例により、委員長に御一任を願います。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(村山道雄君) 速記をつけて。 午前の会議はこの程度にとどめ、暫時休憩いたします。 午後零時十六分休憩 —————・————— 午後二時六分開会 〔理事石原幹市郎君委員長席に着 く〕
○理事(石原幹市郎君) これより内閣委員会を再開いたします。委員長所用のため、委託により私が委員長の職務を行ないます。 通商産業省設置法及び中小企業庁設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑を行ないます。政府側より、ただいま上林通商産業政務次官、渡邊官房長、今井特許庁長官、樋詰中小企業庁長官が出席されております。質疑のある方は、順次御発言願います。
○山本伊三郎君 まずひとつ前提で聞いておきますが、今度の中小企業庁設置法の改正は、今、国会へ提案されておる中小企業基本法との関連はどうなんですか。
○政府委員(樋詰誠明君) 中小企業基本法につきましては、これはただいま御審議いただいておるところでございますが、本日ここで御審議願っております十一名の増員、次長新設というものは、われわれが毎日取り組んでおります仕事をいろいろ進めていく上に非常に手不足というようなことでございますので、非常な不便さを除いていただくための最小限のものということでお願いしたわけでございまして、別途中小企業基本法が制定されましたならば、それに応じまして、本格的な検討ということをしていただきたいと思います。
○山本伊三郎君 若干、ここに次長制の新設その他ありますが、やはり中小企業基本法、一応そういうものを見通して今度の中小企業庁設置法の改正というものが考えられたことは事実でございますね。
○政府委員(樋詰誠明君) 全然無関係だとはもちろん言えないと思いますが、本格的な御検討は、基本法自体の中にも組織の整備強化ということがうたってあるわけでございまして、そこを御審議いただきました上で、いろいろ人員の増強なりあるいは機構の本格的な改編ということをいたしたいと考えております。
○山本伊三郎君 中小企業庁のような外局に——外局といいますか、これに対して次長を置いているような他の省はありますか、僕も調べておらないのだが。
○政府委員(樋詰誠明君) 農林省の外局でございます水産庁が次長制をしいております。
○山本伊三郎君 中小企業庁の重要性は、わが党はこれを省にしろと言って案々出しているくらいですから、私はそういうふうに陣容を整えるということについては異議はないのですが、中小企業庁自体の今の活動の実態が、何か通産省の一環として、中小企業そのものより、日本の全産業というものの中にひとつやっておられるようなわれわれ感じをするのですが、中小企業庁独自でいろいろ法律案が出ておることを知っておりますが、どういうところに中小企業庁というものは重点を置いてやっておられるか。その点質問がきわめて広い意味の質問ですが、その点答弁できたらしていただきたい。
○政府委員(樋詰誠明君) 中小企業の一番の問題は、これは申し上げるまでもございませんが、大企業に比べて生産性が低いということだと存じます。この生産性を高めて、そして大企業との較差を少なくする、いわゆる日本経済の宿弊といおれております二軍構造を解消するということが中小企業政策の眼目であろうかと、こう存じておりますが、そのためには、まずわれわれ特に物的生産力と申しておりますが、物的生産力たとえば工業で言えば物を作るときの設備を近代化する、あるいは技術を向上させる、そうして結局いい品物を安く作るという体制を作るというのが一つ。もう一つは価値の実現性と申しますか、中小企業は規模が小さい、また、非常に数が多くて過当競争をやっているためにせっかく同じ価値のものを作りましても大企業なら百で売れるが、中小企業はお互いに足を引っぱることによって八十にしか売れないということでいろいろな面で損をしている。そういう価値の実現性の上においてもお互いが過当競争をやらないために、また、大企業から不当に圧迫を受けないようにという物的生産性と価値実現性、この二つが実現されることを究極の目標といたしまして、それぞれ具体的な施策に努力しているところでございます。
○山本伊三郎君 それじゃ具体的に聞きますが、中小企業の概念ですが、中小企業の基本法を作るときに、通産大臣からも大体そういう話も出ておるのですが、中小企業庁としては中小企業というものを資本金と、それから従業員の数によってきめられておるのですが、それの資本金の限度と、それから従業員数と、それが中小企業庁としてはその範囲のものに限ってやるというようなはっきりしたそういう方針があるのかどうか、その点について。
○政府委員(樋詰誠明君) 現在の中小企業の範囲は、先生御承知のように、原則として従業員は三百人以下あるいは資本金が一千万円以下ということでございます。しかし、商業、サービス業につきましては、これは従業員三十人以下のものが中小企業となっておるわけであります。これに対しまして、私ども御審議願っております基本法におきましては、その一千万円という資本規模が制定されました七、八年前に比べますと、その後非常に設備投資等もふえておりまして、三百人の従業員を使っておるところは大体資本金が平均して五千万円くらいになっておるわけでありますので、資本金規模を五千万円まで上げていただきたいということで法律には、基本法には出しておるわけであります。 なお、関連法規も、いずれもその考えに沿って制定したわけでございますが、衆議院の商工委員会で関連法規の御審議をいただいております際に、与野党の間に、定義についてはこれは少しく論議を深めて、掘り下げた論議をすべきじゃないかということで、これは中小企業基本法の本格的審議の際までしばらく預かるようにしようということから、この定義はさしあたり伏せておこうということでございますので、今のところ、われわれとしては五千万程度が一番見合っておるのじゃないかと思っておりますけれども、これは本国会であらためてごゆっくり御審議を願いたいと思っております。
○山本伊三郎君 現在、商店街なんかたくさん各方面にできておるのですが、そういうのはどこに法律の根拠があるのか。中小企業庁で扱っておるのですか。
○政府委員(樋詰誠明君) そのとおりでございます。
○山本伊三郎君 非常に最近商店街の活動が活発になってきておるのですが、これに対して中小企業庁として、通産省としては何か一つの法律があるが、その目的に従ってやられるのですが、今問題になっているようなところはどういう点が問題になっておりますか。問題になっておるというのは、そういう方面から中小企業庁にいろいろと要請があると思うのですが、運動があると思うのですが、そういう問題になっておるのはどういうものがありますか。
○政府委員(樋詰誠明君) 中小企業の問題は、これは申し上げるまでもなく一番……。
○山本伊三郎君 商店です。
○政府委員(樋詰誠明君) 商店街ですか。 商店街につきましては、昨年五月商店街振興組合法というのを御制憲いただいたわけでございまして、これによりまして現在までに一応二十二の組合ができているわけでございます。われわれといたしましては、この商店街振興組合によるか、あるいはさらに、さらにと申しますか、あるいは既存の法体系でございます事業協同組合によって中小の商業者の方が共同倉庫なりあるいは共同運搬機関なりというようなものを持つことによってできるだけむだな経費を省くようにするとか、あるいはさらに、必要によりましては中小企業団体法によります商店街組合というものもあるわけでございますが、それによって必要な業界の、お互いにこういうことはしないでおこうといったような調整をするとかいったようなことで、それぞれの組合の目的に応じまして今の三つの法律を適当にと申しますか、最も合目的的に使いまして、商店あるいは商店街全体の発展をはかっていきたいと考えております。
○山本伊三郎君 通産省でも中小企業庁でもそうですが、製造業に対しては今まで相当いろいろと力を入れておられることは予算面にも現われてくるのですが、今申しましたような商店街とか、そういうところに対する、流通機構のものに対してはあまり通産、中小企業庁においても取り上げが鈍いと申しますか、おそいと申しますか、そういう点があったと思うのですが、この点どうですか。
○政府委員(樋詰誠明君) 率直に申し上げまして、工業に比べまして商業というものに対する施策というものが特に見るべきものがなかったじゃないかという御指摘については、これは比較論といたしましてはおっしゃるとおりだと存じます。ただ三十八年度におきましては、たとえば商店同士の寄り合いが協業いたしまして、力を合わせて適正規模になるために寄り合い百貨店を作るとか、あるいは共同でスーパー・マーケットを作るとかといったような場合には、中小企業高度化資金融通特別会計というものから協業化のために無利子の金を貸し出すという道を開いております。それからまた、卸の段階につきましても、工業と同じような卸商の団地というものを、三十八年度からこれに対して必要な助成をすることにいたしまして、おそまきではございますが、基本法の制定の年にあって今まで足らなかったと思われるような面が少しでも改善されるようにせっかく努力していきたいと考えております。
○山本伊三郎君 この流通機構の問題の一環ですが、今大メーカーが直売方式をとろうという傾向が強く出てきているように思うのですが、まだ今、一般商店街といいますか、商売人を圧迫する程度まではいっていないと思いますが、なかなか内輪に入ると非常に強い統制力を持っておるように聞いておるのですが、こういう点は中小企業庁として将来の見通しそれに対する是非の考え方ですね、非常にむずかしい問題ですが、どう考えておられますか。
○政府委員(樋詰誠明君) 流通問題、これは確かに現在中小企業の当面しているむしろ本質に一番むずかしい問題ではないかと、こう存じております。また、新しい大量生産、大量販売、あるいは非常なマスコミというものに乗って生活様式も変わって参りました。消費水準も非常に上がってきたということで、一部に流通革命というようなことが盛んに言われております。卸、小売両段階を通じまして、これは相当中小商業者というものが曲がり角に来ておることは、これはもう御指摘のとおりだと存じます。 そこで、その中でも一番問題なのは、非常に零細な方々、むしろ生業的ななりわいと申しますか——をやっております町の小売店の方々などでございます。そういう方々はスーパー・マーケットからの脅威あるいはデパートの進出というようなことでいろいろやられておるわけですが、さらにお互い同士の過当競争ということもあるわけでございまして、そこでわれわれといたしましては、中小企業の方お互いに協力しなさいと申し上げても、非常にこれはむずかしいかと存じますが、しかし、今のままの数をそっくりそのまま維持して、そして規模を上げようといいましてもこれは需要が一般に何倍も何十倍にもならぬ限り無理でございますので、先ほど申しましたような気の合った同士が協業する、あるいは共同出資で会社を作る、あるいはその会社を作らぬでも協同組合でやる、いろいろやり方はあると存じますが、小は小なりに力を合わせてある程度の適正規模というものを持つようにやるべきではないかということで、先ほど申しましたような新しい助成の手段を講じたわけでございます。
○山本伊三郎君 流通問題については、これは非常に問題が特にわが国においてはあるということはまあ一般に言われておるのですが、百貨店がますます消費者に対する大市場として君臨してきておりますし、そうかと言ってこの中小商店がなくていいかというとそうでもないと思うのです。私は、今の自由主義経済ですから、通産省からそんな強い統制力を発揮できませんが、ある程度行政指導ということでやってやらないと全部共倒れしてしまうのではないかと思うのですが、そういう点で、商店街の人も私らにもいろいろと陳情をされておるのですが、今の政府は全然われわれのことは考えておらないということを言っておられるのですが、そういう点について、今後積極的に中小企業庁、特に陣頭に立って何らかやるような意欲があるのかどうか。
○政府委員(樋詰誠明君) 先ほども申し上げたかと存じますが、非常に大量生産、大量販売、マスコミというようなこと、ここへ持って参りまして交通の発達というようなことで、昔はほんとうに近くで買っておったというものもある程度簡単に乗りものに乗って行けば遠くで買えるといったように非常に需給状況が変わってきておるわけでございます。そこで、こういう事態に対処するためにはある一つの商店街だけを対象にしたのではもっと離れた一里先の商店街に取られるというようなこともこれはあるわけでございます。そういうことから、われわれといたしましては、この三十八年度からでございますが、商業の広域診断、ただ目先の自分のすぐ近間だけでなく、ある程度お客さんの買いもの範囲というものをひっくるめた幾つかの商店街、あるいは商店というものを全部ひっくるめまして、大体そこにおいては今後店はどうあるべきか、現在どういうふうな格好になりつつあるかという調査を、まず三十八年度からいたしたい、こう存じておりまして、そういう広域商業診断等を中心に、今後中小商業対策のあるべき姿といったようなものを把握して、適切な措置を講じていきたいと思っております。
○山本伊三郎君 もう一つだけ。これはきわめて常識的な質問ですが、大体消費者の意欲といいますか、購買する、ショッピングの意欲と申しますか、百貨店に非常に足がしげく行くというのは、品物がいいとか悪いとかいうこともあるかもしれませんが、品物に対する信用ということを一応考えておるんじゃないかと思うんですね。若干高いということは一応われわれ経験上から見るんですが、向こうで買っておけば一応間違いがない。こういうところに相当消費者の、購買する人の意欲といいますか、考え方というものがあると思うのですが、そういう点、一般の商店にも、何かよく信頼できるような方向に行政庁として指導するような名案はないですか。
○政府委員(樋詰誠明君) これは商売でございますから、今おっしゃったような信用ということは、これは一番大事で、場合によっては少しぐらい高くてもあのうちなら大丈夫だということでございますが、そのためにはやはり企業そのものの基礎が相当しっかりしておるということが何といっても一番大切じゃないか。そのために先ほど申し上げましたような中小企業同士が力を合わせて、ある程度大きくなるということによって、またその買いものをする買いものの場そのものも非常に気持よく、こういうところなら大丈夫だろうという信頼感があるような、ある程度商業にも私は設備の近代化ということは必要でございますが、そういうことをあわせ講ずるという手段、これが一つのやり方。それからもう一つは、いわゆる大企業に隷属して搾取されるという関係、これは極力排撃しなければなりませんが、しかし、いわゆるチェーン・ストアといったような格好で、大企業と提携しながら一定のマージンを確保しつつ、しかもあそこに行けば必ず銘柄の通った品物を売っているんだからということで、お客さんを確保しているといったような例もございまして、これはいろいろ行き方はあるんじゃないか。われわれといたしましては、系列化というようなことも一がいには否定できないんじゃないか。ただ系列に伴う不当搾取といいますか、先ほど申し上げました価値実現性を低めるような格好での系列化ということはいけないけれども、それを高めるという方向でいくならそれも一つのやり方ではないか、そういうふうに考えます。
○山本伊三郎君 中小関係はこれで終わりたいと思うのですが、大体今は自由主義経済だから、商売したいと言うたら、したらいかぬと言うわけにいかないのですが、少し商店が、特に都会もそうですが、商店が多いんじゃないかと思うんですが、そういうことを言うと、またあなた責任とられるかもわかりませんが、どういう考えでおられますか、今の日本の現状から見ると。
○政府委員(樋詰誠明君) この多いか少ないかという点、これは非常な問題がございまして、今までもよく小売商の登録制をしいたらどうだというような意見もいろいろあったわけでございますが、しかし、たとえば退職金をもらって、ある程度、あとは老夫婦の小づかいだけでもとればいいからというようなことで店を開こうというような方々、この方々にいかぬというのもこれはどうかと、こう思われますので、現実問題として、やはり一番手っ取り早くだれでも得られる生業の道をふさぐということにも参りませんで、いろいろこれは痛しかゆしという両等もあるのでございますが、大きな態勢といたしましては、われわれ先ほど申し上げましたような、だんだん中小企業者も生業的な面から脱却いたしまして、数人寄り集まって経営組織を近代化するという格好に逐次向かうべきじゃなかろうか、そういうふうな認識を持っております。
○山本伊三郎君 中小企業のほうはこれで終わりまして、次に石炭の関係の方、おられませんか。
○理事(石原幹市郎君) 出席しておる政府委員を追加いたします。八谷鉱山保安局長が出席されております。 速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○理事(石原幹市郎君) 速記つけて。 政府側よりただいま中野石炭局長が見えました。
○山本伊三郎君 上石炭関係の問題は特別委員会でも相当論議されたと思いますから、一、二だけ、ちょっと設置法に関連してお尋ねいたしておきたいのですが、これはもちろん大臣に尋ねることですが、石炭産業の今後の見通しから言って、単に斜陽産業というのでなくて、どうも政府は石炭産業に対する考え方が、われわれから見ると非常に軽く見ておるのじゃないかという感じをするんですよ。それが今問題になっておるのですが、一体、将来石炭産業に対して通産省としてどういう方向に持っていくか。五千五百万トンの確保とか、そういう消極的な考え方でなくして、この産業をどういう工合に、育成といいますか、やっていこうかという、そういうものについてどう考えておられますか。
○政府委員(中野正一君) 今御指摘がありましたように、現在日本の石炭産業の置かれておる情勢というものは非常にシビアでございまして、特に、世界的な団体エネルギーから流体エネルギーへと、世界的なエネルギー革命の中で非常なあらしの中にあるわけでありますが、しかしながら、過去の日本の石炭産業が、日本の経済、産業の発展に寄与した、基礎産業、重要産業としての果たした役割というものから考えてみましても、また、現在石炭産業の置かれておる、また、果たしておりまするそういう役割というものから言いましても、やはりエネルギーの安定的な供給源の重要な一環をなしておるわけでございます。この点については、石炭調査団が昨年の四月から十月まで調査をされた際も非常に強調された点でございます。しかしながら、一つには、現在のこのエネルギー革命の一つの原則、いわゆる消費者の自由選択の原則を、言葉をかえて言いますれば、いわゆる経済性というものが相当シビアに貫いておることもまた現実の問題でございまして、そういう関係から流体エネルギー、特に油に相当取ってかわられつつあるということも事実でありまして、そういう事態に直面をいたしまして、どうしても石炭産業がこのエネルギー革命の中でその与えられた役割を果たしていくというためには、どうしてもコストというものを相当引き下げなければならぬというむずかしい情勢に来ておるわけであります。その意味で、政府としては昭和三十四年以来いわゆる出炭五千五百万トンベースというものを目標にいたしました、炭価千二百円引き下げベースという非常にシビアな状態を、これは業界並びに労働者に対してもそうでございますが、これを要望いたしまして、その線に沿って着々とスクラップ・アンド・ビルドというものをやってきたわけであります。そういう意味合いからいきましても、また同時に、これに働いておる炭鉱労務者の数も相当多いわけでございまして、そういう意味合いから言うと、いわゆる雇用の安定という意味合いからいたしましても、非常に石炭産業の安定というものは重要じゃないかと考えております。したがって、このエネルギー供給源としての安全性、あるいは国際収支から見ても外貨を節約し得るという点、それから雇用の安定と、こういう点等にらみ合わせて、単に経済性的な合理性を貫くというだけでは、このわが国の重要なエネルギー産業を安定させ、また、これを育成していくということはできないと、こういう観点に立ちまして、内閣においても、石炭調査団に今後の石炭対策のあるべき方向というものの答申を求められたのであろうと思います。その線に沿って答申が出ましたので、昨年の十一月二十九日に石炭政策大綱というものをきめまして、これに従って今いろいろな施策をし、また、予算も要求し、また、関係の法案も提出しておるわけであります。ただ、先ほども申し上げましたように、一般産業というか、一般の消費者に対しては、やはり経済性というものが非常に大きく作用するし、また、油と比較した場合に、技術的に経済的にやはりどうしてもこれは太刀打ちは基本的にはむずかしいという基本観念に立たざるを得ないのでありまして、そういう点からいわゆる経済性とその他の要素、すなわち安全保障、国際収支、雇用の安定というような点を総合的ににらみ合わせまして、調査団は五千五百万トンの需要確保、あるいはこれが合理的な生産の確保という、また、そこに働いておる者の近代的な雇用の安定というようなことをやるためには、どうしてもこれだけくらいの、五千五百万トンの需要は確保すべきである。また、この数量の確保は、わが国のエネルギーの総合バランスの上から言っても、また、エネルギーの安全保障という点から言っても最小限度必要じゃないかという結論を出されましたので、この点に向かって政策をやっていこう、ただ、先般来の国会の論議におきまして、五千五百万トン以上、たとえば六千万トンの需要確保ということは非常にむずかしいが、なおそういう問題についてはいろいろな観点から努力をするという総理の御答弁もございますので、そういう点は調査団の答申とは幾分違っておるということは言えると思いますが、これはまあ政治的な判断でそういう方向が打ち出されたと思いますので、そのことも十分頭に入れて通産省としては政策をやっていくつもりでおります。
○山本伊三郎君 現在石炭の燃料として利用されておるおもだった大口、いわゆる電力発電に対して、あるいは運輸、そういう点は、概算でよろしいが、どういうところに行っておるのですか。
○政府委員(中野正一君) 今の点について申し上げますが、これは先般三十七年度の石炭合理化実施計画を審議会に出しました際に提出した資料でございますが、三十七年度で申し上げまして、電力は約千九百五十万トン、それからガスが三百七十万トン程度、大体公益事業で二千三百万トンくらい消費いたしております。それから運輸部門というのは、これは御承知の国鉄が主でございますが、逐年電化あるいはディーゼル化等によって減っておりますが、これが約三百二、三十万トン程度、それから繊維産業、繊維工業、これも主としてこれはボイラーでございまして、これも重油ボイラー規制法というのがございますが、逐次転換が行なわれておりまして約二百万トン、それから硫安が九十六万トン程度でありますが、これも先にいけばもう全部セロになる原料でございまして、これは油にかわっております。九十六万トン程度でございます。それから練・豆炭その他の製品が大体三百三十万トン程度、それからセメントが、これもまあ比較的大口需要でございますが、これも油に石炭が負けて最近どんどん減っていっております。これが確保にはいろいろ通産省として政策を立てておりますが、現在約三百万トン程度、それから鉄鍋が、これは原料炭でございますが、六百六十万トン、鉄鋼用の原料であります。それからその他が八百七十万トン、ざっと申し上げますと、製造工業で二千五百万トン、それから運輸部門で三百万トン、公益事業で二千三百万トン、あと残りが、その他が約五百九十万トン程度、これは合計しますと五千七百万トン程度になるわけであります。しかし、これはいわゆる低品位炭と申しますか、雑炭まで入れて、電力なんかは雑炭も一緒にたいておりますので、この五千七百万トンから雑炭を引いた数字がいわゆる精炭の数字になります。精炭の需要で申しますと、今年度はいわゆる五千五百万トンといっておるものに対する数字は、非常に景気調整の関係等もございまして需要がことしは減りまして、五千三百万トンしか確保できない、こういう実績になっております。
○山本伊三郎君 この石炭産業のいわゆる需要とそれから供給の関係の一応説明があったのですが、別の角度から見ると、石炭産業というものはきわめて見通しが暗いように、われわれ思うのです。それは雇用の面から見ましても、石炭鉱業、いわゆる炭鉱に入るというような若い人は、ほとんど希望者がないという状態なわけです。したがって、需要供給の面だけから見ても問題がありますが、そういう労働対策から見ても、ほんとうに将来、炭鉱の中のような暗い見通しがされるのですね。鉱山保安監督署ができるようでございますが、日本のようなああいう状態の職場であれば、将来需要供給の面だけでなくて、そういう労務対策から見ても、問題があると思うのですが、通産省では、そういう点はどう見ておられますか。
○政府委員(中野正一君) 今、先生の御指摘の点は、われわれも非常に心配をしておるわけでございまして、特に今度の政策で、一般産業というもの、一般消費者に経済性のないものを幾ら押しつけようとしても無理があって長続きしないということで、一つには一般炭については電力用炭、これは四十五年度三千万トンを引き取るように要請しております。そうしますと、四十五年度に五千五百万トンといたしまして、そのうちの約千五百万トン程度は原料炭でございます。これは鉄鋼等の生産なり需要が伸びますから、できるだけ国内に生産する弱粘結炭を引き取らせ、また、ガス等にもできるだけ引き取ってもらうということをやりますれば、これは相当需要の確保ができる。また、原料炭については通産省でも、たとえば北海道の南大夕張とか、あるいは西九州等について新坑の開発を国費でもってボーリングをやっております。そういうことで有望な炭田を発見して新しい方式で掘れば、これは大体現在の能率が今二十五、六トンでございますが、これが六十トン以上にゆっくりいくという見通しも立てておりまして、また、そういう見通しがあるものでなければ、新坑開発をしてもだめなので、そういう意味で、原料炭については相当まだ将来性があると思います。ところが、一般炭については、油との競争がございまして、これは全くむずかしい。したがって、一般炭は約四千万トンの七割五分程度、八割近いものを電力に引き取ってもらおうということで、今度の政策は、電力業界に長期取引を要請をいたしまして、これは電力業界もこの政府の要請に応じて大体やってくれる。結局石炭等も使うが油もふえていくのですから、そのコンバインで適正な電力料の原価の引き下げができるのじゃないか。もちろんこれに対しては、政府としても、たとえば原油関税の戻しであるとか、あるいは石炭火力ができますと、作るという場合コストが高くつきますから、建設資金を財政投融資で援助するとか、いろいろそういうことをやらなければならぬと思いますが、そういうことで長期取引ということを中心に、今度の石炭政策もできておるわけですが、そうなってきますと、御承知のように、はたしてそのころになって必要な技術者なり労務者が確保できるかどうか。それがまたないというと、そういうものをあてにして政府はそうかと言ってどんどん発電所を作ったが、それでは今度は供給のほうがあぶないということになったのじゃ申しわけがございませんので、そういう点については、業界ともいろいろ相談いたしておりますが、やはり何と言っても今のような、石炭産業が非常に不安な、先の暗い情勢にいつまでも置かれておるというのでは、だんだん若い者から山を去っていく。現在でもすでに平均年令が労務者で三十七、八才になっておると思いますが、だんだんこれは高年令化いたします。これにはやはり会社自身が必要な技術者の養成その他も考えてもらわなければなりませんが、政府全体としても考えていかなければいかぬのじゃないか。しかし、その前提としては、やはり石炭産業を一日も早く安定をさす、いわゆるスクラップ・アンド・ビルドというものを順調に計画的にこれをやりまして、そうして片方では需要の確保ということをやりまして、そこに働く者の雇用の形が、これは調査団も言っておりますが、いわゆる近代的な形の雇用ということになっていく。いわゆる一部の中小炭鉱にありますような非常に苛酷な労働条件でもって、低賃金で、労働基準法も全然無視したようなやり方で何とか企業をやっていくというような形のものは、最近はだんだんなくなってきておりますが、そういう不合理な面もなくしていって、労働条件、雇用の形を近代的なものにしていくという形にしていかなければならぬのじゃないか。それにしても、これはヨーロッパあたりでもいつもいわれているのですが、ヨーロッパあたりは大体完全雇用のところが多いのですが、坑内に働く労務者は、ちょっとやはり労働需給が逼迫すると、まっ先に坑内労働から処分するという状態でありますので、そういう点については、今後通産省としてもいろいろ考えていかなければならぬと思っております。
○山本伊三郎君 ますます自由貿易になる傾向ですから、油と炭との間にはそれは競争のできないという経済事情はわかるのですが、日本の国策として、エネルギーというものの重要性はこれはもう諸産業に大きい影響がある原動力ですから、したがって、単に油と炭との経済的な条件だけでなくして、日本の国のエネルギーとして、石炭はある程度やはりどういう工合になっても確保しなければならぬ産業だと私は思うのです。ここで今の政府にこういうことを言うのは無理ですが、国家管理ということもこういう産業にはある程度考えてもいい産業でないかと思うのですが、これは局長には無理な質問かもわからぬですが、大臣に一ぺん聞きたいと思っても予算委員会の時間がないのでいつも用が足りないのですが、その点政府の一員でなくして、専門的にやっている局長としてはどうですか、責任を問いませんから。
○政府委員(中野正一君) 今の非常にむずかしい御質問でございますが、ひとつ調査団の段階で非常にいろいろ議論になったことを御参考に申し上げますというと、たとえば赤字であるが、これを何とか雇用安定のために、数年間でもいいからこれを何か政府の補助金なり補償というような形で持っていったらどうか、そうして結局全体のスクラップ・アンド・ビルドをやるということはどうしても必要であるが、そのテンポをスロー・ダウンしたらどうかという議論もあったのでございますが、これは調査団の段階の議論では、そういう形の要するに雇用の安定というものは真の雇用の安定ではないのじゃないか。やはり石炭産業、石炭企業の安定があってこそ、初めて雇用の安定があるという立場をとられまして、雇用の安定のために何かやるというのであれば、それは政府から補助金を出すとかそういう形にならざるを得ない。かりにこれを国家管理ということでそういうものを国家管理にすれば、そういう形でスロー・ダウンができるじゃないかというようなことは少しおかしいじゃないかという議論があったわけです。というのは、やはりヨーロッパにおきましても、国家管理をしておるところは、形は英国でもフランスでもいろいろ違いますが、ここでも非常な重大なエネルギーに対する合理化が迫られておりまし三火力合理化が、政府が国営でやっている、国家管理でやっているからうまくいくということも、過去の例々見ますというと、うまくいっていないような面もございます。それで結局調査団の段階では、われわれもそう思っているのですが、やはり石炭企業は自由企業、しかし、自由企業といっても、相当政府の保護を受けた形、言ってみれば国家管理一歩手前にする形の私企業というか、自由企業ということでもう一度やらしてみたらどうか。それで今度の新しい政策で、調査団の気持から言えばこれだけのことを政府がやってやってまだ企業が——それに働く人も含めてでございますが、石炭産業が立ち直らないということでこれはやはり総合エネルギーの観点から何か対策をやらなければいかぬということになるなら、これは国家管理なり国営なりということに行くのだろう。しかし、今直ちにそういう形を現下の情勢でとってみても、結局やはりそれはうまくいかなくて、高いコストのものができ上がって、その負担は結局国民の税金でそれをカバーせざるを得ないというような形になりはせぬかということをおそれられまして、調査団としては、一応やはり私企業ぎりぎりの線までの国なり政府の援助をやる。しかし、あくまで責任は企業、そこに働く労務者というものの責任でひとつこの難局を切り抜けていってもらいたい、こういうような調査団の結論でございます。
○山本伊三郎君 もうこれはすっぱくなるまで論議された問題ですが、われわれは、あの産業に従事する炭鉱の労働者の実態、過去の歴史から見て、斜陽産業だということでもう直ちに影響する、生活まで影響することなんですね。それを一企業の合理化にゆだねていろいろ措置をとられておるようですが、これはわれわれとしては全く不満であるのだ。そういう、しかもこの産業は、今のところは油が自由に入ってくるのだからエネルギーには不足をしないというけれども、もし何かの世界情勢が変わった場合には、やはりこれに依存しなければわが国はいけない。油なんかほとんど八割以上は輸入されておると聞いておるのですが、そういう産業だから保護するとかそういう考え方でなくて、もう少し国が積極的にこれに対してタッチしても私はいいと思うのです。きわめて常識的な質問ですがね。いろいろそれは問題あるでしょう。ありますが、あまりにも政府の措置が、経済、自由主義経済だという建前をとっておられるといいますけれども、何か私は石炭産業については国が非常に冷淡じゃないか、こういう感じがするのです。特別委員会で相当論議されましたが、たまたま局長が見えられましたから参考までに聞いたのですが、日本の今の置かれておる石炭産業が五千五百万トンな確保する、われわれは六千万トン以上だと言っておるのですが、それも私は一つの数字上の問題で論争されておる問題じゃないかと思うのです。基本的にはもっと別なところにあると思う。そういう点をわれわれ心配するのは、先ほど言われましたように、原料炭のほうに相当伸びがあるといわれておるが、今のようなままでいくと、五千五百万トンはおろか、だんだんと下げられていくのじゃないかという心配も実はあるのですね。今政治的に非常に問題になっておるからいろいろと政府も配慮しておるようですが、将来もう私企業にそのまままかせきりであれば、結局利潤ということが中心ですから、ますます私は衰微していくのじゃないか。そうしたあとで、もし再び、このエネルギー革命とは言わぬですが、変動が起こった場合、どう措置するか、こういう基本的な産業については、基幹産業については、もっと国が積極的に考えるべき問題であると思うのですが、これは局長にお尋ねしてもどうかと思いますが、この点ひとつ政務次官もおられますから、大臣に、設置法のときにもそういう意見が出たということだけ伝えていただきたいと思う。
○理事(石原幹市郎君) 政府側より宮木通商局次長が出席されました。
○山本伊三郎君 これは実は予算委員会で大臣に聞こうと思って、時間切れで実は終わったんですが、火曜日に大臣来るようですが、そのとき私おりませんからひとつ聞いておきたい。あのとき私は相当追及したのですが、自由化の残りの一二%、二百五十四品目のうち、最近に自由化する品目は何かということを聞いたんですが、まだ決定しておらない、こういうことで口を緘して言われなかったのですが、二、三日前の新聞では、約二十品目程度四月前後から自由化するということを聞いたんですが、まあ非鉄金属並びに農産物の一部もこの点、もうすでに具体化したものが通産省であるのかどうか、これをちょっと聞きたい。
○説明員(宮本惇君) 御指摘のように、この四月にある程度の自由化をいたすわけでございます。で、まあこれは、この自由化品目が最終的にきまりますのが、三月の二十八日に閣僚審議会が開かれますが、そのときに外貨予算と一緒にきまるわけでございまして、それまでは確定的なことは申し上げられないわけでございますが、しかしながら、先般新聞にも出ましたように、大体二十品目前後の品目が自由化されるのではないかと考えております。で、前後と申しますのは、御承知のように、たとえばバナナ、あるいはその他今度関税定率法の御審議によりまして、四月一日から関税が上がるということを前提に自由化をするというものもかなりございますので、四月一日にそれが法律のほう、あるいはガットの承認のほうが得られないとするならばその成立の日までおくれるわけでございます。そういう意味で前後と申し上げたわけでございます。 で、具体的な品目につきましては、今回の通産省関係の自由化の物資のおもなものは、御指摘のように、銅地金とかあるいは水銀とかあるいは電力ケーブルとか、そういういわば非鉄金属で、これは昨年の十月に自由化すべきところをガットの関税交渉の関係でおくれまして、それで、そういうものがガット税率としてお互いに話し合いがついて、で、国会の御承認を得るというようなものが大部分でございます。 なお、農林物資につきましても目下農林省と折衝中でございまして、農林物資につきましてはまだはっきりしたことは申し上げられませんが、たとえばバナナとかレギュラー・コーヒー、つまりいったコーヒーとか、その他多少あるのじゃないかと思います。で、したがいまして、トータルといたしましては二十品目前後であろうということでございます。
○山本伊三郎君 大臣より局長のほうが割合正直に答弁された。——この今言われました非鉄金属の銅、水銀、アンモニアとか、そういう日本の産業の実態から見て、この自由化した場合にはおそらくもう対抗できないというのが新聞経済欄における論評ですが、関税で相当これを保護するという考え方でおられるのですか。
○説明員(宮本惇君) 何にも措置を講じませんで自由化いたしますと、相当な打撃を受けることは御指摘のとおりでございます。ただ、実は昨年来銅その他は御承知のように、ガットの譲許品目でございますためにこれを上げた上で自由化するという前提になっておったわけでございます。ただ各国との話し合いがおくれましたためにおくれたわけでありまして、これは当然関税を上げることによって十分対抗ができるという前提で、これは関係方面も御了承の上実施するわけでございます。
○山本伊三郎君 そうすると、ガット協定で一応そういう見通しが、話し合いができたということでこれを自由化に踏み切ったということですね。
○説明員(宮本惇君) そのとおりでございます。
○山本伊三郎君 その場合に関税はどれほど上げられるかどうか。まあまだそこまで聞いていないのですが、日本の今の非鉄金属——銅についてはどうか知りませんが、その他の非鉄金属についてはきわめて産業自体が、基盤が脆弱だと私は思っているんですが、若干の関税引き上げで対抗できるという、そういう見通しはもうはっきりあるのですね。
○説明員(宮本惇君) 御指摘のように、日本の非鉄金属鉱業というものが非常に弱い立場にあるというのは御指摘のとおりでございます。したがいまして、何もしないでこれを自由化いたしますと非常に問題が起きるということで、御承知のように、昨年の十月にはモリブデン、マンガン、これをやりますについては、緊急関税制度を十分発動する準備があるということで、もし外国製品がフラッドするならば、これを発動して、国内には迷惑をかけない。前提といたしては、国内産の鉱物は自由化の間に引き取りの契約をして、これだけは必ず引き取るというようないろいろ配慮した上でやったわけでございます。しかしながら、非鉄金属問題につきましては、御承知のように、通産省としましても例の探鉱事業団、そういう新しい施策を講ずることによってやる。ただし、どうしてもむずかしいものにつきましては、たとえば硫黄のごときものについてはこれは相当にむずかしいと思いますので、こういったものについては、できるだけがんばって延ばしていく。しかし、永久に自由化できないというわけにはいきませんので、その間は着々と施策を講じながらやっていくべきだと思っております。
○山本伊三郎君 私は、今まで尋ねたのは、これから尋ねようという前提なんですが、石炭産業において見られたごとく、この非鉄金属の鉱業についても、いずれのときか関税だけの何といいますか、保護政策で私は自由化を乗り越すことはできないと思うんですね。したがって、当然合理化ももうすでに来ていると思いますが、それを早く見越して、ここに働く人々がほんとうにまあ好んでというわけじゃないが、生活を保障されるような形に早く政策を持っていかなくちゃいけないと思うんですが、そういうものはもうとられているんですか。
○説明員(宮本惇君) 通商局の立場から申しますと、一応進める。それでそういう対策につきましては、むしろ官房長なり、鉱山局長の責任でおやりになると思いますので、私からとやかくお答えすることでないと思います。
○政府委員(渡邊彌榮司君) ただいま山木先生の御指摘の点でございますが、非鉄金属鉱業が第二の石炭のような苦境に入っていかないためにいろいろな方策が必要になって参ると思いますが、ただいま関税上の配慮をいろいろしているということを宮本次長から説明いたしましたが、金属鉱業が国際競争の波に対抗いたしまして生き延びていきますためには、どうしてもまず第一に、探鉱——鉱石の発見ということについて相当思い切った対策を講じて参ることが必要になるわけでありまして、御承知のように、銅だけを例にとって考えましても、銅の鉱石の中の銅の含有量の比率が若干高まるだけで採算点というのは非常に変わって参るわけでございます。従来探鉱事業——鉱石を探す事業——探鉱関係の仕事について国家からの力の入れ方というものが率直に申しまして十分でなかったのでございまして、今度探鉱関係の仕事を推進する事業団の御審議をお願い申し上げているわけでございます。なお、金属鉱業の安定のための策というものも、早く成案を得まして、会期中に御提案申し上げて、御審議、御採決をお願いしたいと考えているわけでございまして、私ども金属鉱業が対策が手おくれになったために、石炭のような非常にむずかしい状態を作って各方面に御心配をかけるというようなことのないようにせっかく努力したいというふうに考えております。
○山本伊三郎君 いつも問題が起こるのですが、世界経済、国際経済というものはますます自由化していくだろうということは、われわれが好むと好まないとにかかわらずそうなっていくだろうと思います。その場合に、やはり国内産業をどうこれを転換し、どう保護していくか。それはもちろん産業そのものが自由化してコストの安いやつが使用できるということは、これはもう世界の人類の幸福ですから、これはまあわれわれとしては、これがどういう国柄であろうとそれは好むところだと思うんですが、ただそれに従事している、働いている人が、失業したり、生活が困ってくるということは、私は政治の問題になると思うんですね。その対策はもちろん労働省もやっていると思いますが、聞くところによると、なかなか手の打ち方がいつも後手々々と相なっているようですから、この点はまあここで追及してもこれ以上どうかと思いますから、ぜひひとつその点も、万遺漏なくということにいかぬにしてもへ石炭のようなああいう轍を踏まないように考えていただきたいと思うんです。 それから参考までに聞いておきますが、非鉄金属、特におもな銅、水銀、それからアンチモン、タングステンというような、重要な必要な産物が、在来国内産とそれから輸入とどういう割合になっていますか。最も近い年度一つでけっこうです。
○政府委員(渡邊彌榮司君) 銅、水銀、タングステン等の輸入、生産、供給関係、ただいま手元に数字持ち合わせておりませんので、至急資料を提出するようにしたいと思います。
○山本伊三郎君 それは僕おらぬでも、次の火曜日でもけっこうですから、手元までひとつ出して下さい。 それじゃもう一点だけ聞いておきたいと思いますが、通産省で貿易自由化の品目を扱っておられますが、通産省関係としてはどれくらいのまだ数があるんですか。
○説明員(宮本惇君) との前、大臣からもお答えがあったと思うのでございますが、今御承知のように、二百五十四品目残っております。そのうちの通産省関係物資が百四十九でございます。それから農林関係物資が八十二。それから大蔵関係、これは御承知のように、酒とか、専売、これが八。厚生省関係、これは麻薬とかそういうようなもの、その他たとえばエフェドリンその他薬品でございます。これが八つございます。それから科学技術庁の関係が、これは核燃料物質、核原料物質、これが四つございます。それから運輸省が三つ、これがいわゆる水中翼船とかそういうようなものでございます。合計して二百五十四でございます。
○山本伊三郎君 自動車の問題はいろいろ取りざたされているんですが、自動車、特に乗用自動車が問題になると思うのですが、この点ひとつちょっと……。
○説明員(宮本惇君) 御承知のように、自動車というものの自由化ということは、これはいつの日かは当然行なわなければならないわけでございますが、これと関連いたしまして国内態勢をどうするかというような問題がございます。通産省の中に産業構造調査会というものがございますが、その中で、自動車委員会ですか、そういうところで検討されました結果は、三十九年度じゅうという、はっきりいたしませんけれども、大体、三十九年の四月から四十年の三月までの間に自由化に踏み切ろうというような答申が出ております。おそらく業界のほうもそういう方針でやられると思いますが、ただ、通商の立場からいいますと、自動車というようなものは非常にいい、何と申しますか、バーゲニング・パワーでございます。やはりそういう意味で、自由化するからにはわれわれはこの力を最大限に活用いたしまして、相手国に自由化をさせようというようなつもりでおるわけでございます。
○山本伊三郎君 参考に聞きますが、国産の自動車、これは東南アジアとかそういう方面にたくさん行っておるようですが、アメリカには日本の自動車は相当進出しておりますか。
○説明員(宮本惇君) ちょっと数字はあれでございますが、日本の国産の自動車がアメリカにも出ていることは事実でございます。ちょっと数字は今……。
○山本伊三郎君 今後問題になるのは、自動車が相当問題になってくるのじゃないかと思うのですがね。これは企業の責任者の面じゃないのです、そこに働いておる人たちの心配しておる点も相当あるのですが、三十九年から四十年までの間に、そういう答申が出ておるようでございますが、自動車については欧州に対してはある程度対抗力があるらしいのですね、間違っておるかどうか……。アメリカにはどうも対抗できない。これは業者はそう言っておりますが、この点通産省はどう見ておりますか。
○政府委員(渡邊彌榮司君) 自動車の問題は、御指摘のように、トラックは比較的競争力がある。乗用車は、大型の乗用車と、それからヨーロッパが中心になろうと思いますが、中型の乗用車と比較しまして、日本の乗用車の現在及び将来はどうなっておるかというような点になると思うのですが、日本が輸出していく面を考えますと、先生御指摘のように、アメリカに乗用車がだんだん進出をしていっておるわけで、これは非常に喜ばしいとも思いますが、何しろ向こうの道路事情で、非常なハイ・スピードで走る今のアメリカの大型の乗用車と向こうで同じベースで競争することは、今比較的困難があるわけです。セカンド・カーといいますか、一つの家庭で何台も車を持つ。そのうちの一つとして、割合小回りに使う意味では十分競争力がある、十分といいますか、ある程度の競争力があって、今後の努力次第によっては伸びていく余地があると思います。それから輸出で、東南アジアその他で、ヨーロッパからも出てくる、アメリカからも進出していって、そして日本の自動車が、乗用車がどの程度の競争力を発揮し得るかという点につきましては、今後、まだ十分進出はしておりませんけれども、これからの努力によってはある程度伸びるだろう、むしろこれはいろいろ専門的にむずかしい点でございますが、日本の道路事情等からしますと、ヨーロッパの自動車が今後輸入台数が非常にふえてきますと、むしろ強い競争力を持つかもしれない。非常に大きい自動車は、まあ日本の道路事情からいいますと、ある程度制約されたものでありますので、むしろ今後はヨーロッパに対抗し得る中型、小型の乗用車を、価格を引き下げる、品質を向上するということをやっていくべきである。自由化の時期等につきましても先ほど通商局の次長から説明しましたように、一応の答申は出ておりますが、今後の近代化その他の、国内の業界の競争力を強化していく態勢とにらみまして、十分検討していきたいというふうに考えておるわけでございます。
○山本伊三郎君 この東南アジアの共同市場と申しますか、そこで自動車が競争する場合ですね、今のところではやはり値段で若干競争しているように聞くのですが、もう今後はそれでいかないと思うのですね。やっぱり質でいかなくちゃいけないと思うのです。この場合に、どうですか、日本の現在の自動車——先ほど道路の事情で非常に有利だというふうに聞いておりますが、欧州の西独あたりの自動車は、きわめて冷却器がいいということで、坂路を上るときとか、そういうときには日本の自動車よりは非常にいいということを現地の人からちょっと聞いたことがありますが、そういうことで参考までですが、そういう低開発地域における、東南アジアと申しますか、そういうところで競争しておる自動車の売れ行き、品種、そういうものを何か経験上知っておられたら聞かせてもらいたいと思います。
○政府委員(渡邊彌榮司君) 日本の乗用車と競争関係にありますヨーロッパの自動車は、性能的にもまだまだ日本がこれから研究して改善していきませんと、率直に申し上げましてまだある程度の差があると思います。その一つは、やはり相当の坂を上っていく、あるいは相当のスピードで、ヨーロッパで、御承知のように、非常に整備された道路をある程度長時間走っていきますと、日本の今の国内の道路事情ではそういうような、ただいま御指摘のようなふうに、設計を今後研究すべき点がたくさんあるものですから、オーバー・ヒートするとかというような、いろいろな問題が起こってくるわけであります。フォルクスワーゲンなりルノーなりフィアットなり、ヨーロッパのタウナスとか、たくさん同じような自動車がございますが、日本のトヨタ、ニッサン等の自動車を比べまして、ただいま御指摘のような点につきましては、今後相当努力をしなければいけない。ただこれは日本の道路がだんだんよくなって、だんだん早いスピードで走ることが国内でも必要になって参っておりますので、今後努力次第によっては解決がされ得る問題だというふうに考えております。
○理事(石原幹市郎君) ほかに御発言がなければ、本件の審議は、本日はこの程度にとどめたいと思います。本日はこれにて散会いたします。 午後三時二十九分散会