逓信委員会 第27号
- 発言数
- 68 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/06/18
会議録
○委員長(光村甚助君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。 議事に入るに先立ちまして、一言ごあいさつ申し上げたいと存じます。 このたび、はからずも、不肖私、皆様の御推挙によりまして、逓信委員長の職を拝命することになりました。もとより私は全く微力でございまして、はたしてこの重責を果たし得るかどらか心配いたしておる次第であります。幸い、委員先輩各位は、当委員会所管事項について御経験も深いベテランのお方がそろっておられますので、御理解ある御指導をお願いいたします。誠心誠意、公平にして厳正な運営をはかりたいと決意を新たにいたしておる次第であります。つきましては、何分の御指導と御鞭撻とを賜わりますよう、切にお願いいたしまして、簡単でございますが、ごあいさつといたします。(拍手) —————————————
○委員長(光村甚助君) これより議事に入ります。 まず、委員の異動について御報告申し上げます。 六月十二日、鈴木強君が委員を辞任され、その補欠に藤原道子君が選任せられました。また、同十四日、伊藤顕道君及び藤原道子君が委員を辞任せられまして、その補欠に久保等君及び永岡光治君が選任せられました。 —————————————
○委員長(光村甚助君) この際、理事補欠互選の件を議題といたします。 当委員会の理事一名が欠員となりましたので、その補欠互選を行ないます。互選の方法は、慣例により、その指名を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(光村甚助君) 御異議ないと認めます。それでは、私より、理事に野上元君を指名いたします。
○委員長(光村甚助君) 簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き、質疑を行ないます。 質疑のある方は、順次御発言を願います。
○横川正市君 前数回の委員会で、それぞれ同僚委員や与党の委員の方々から質問がなされておったと思いますので、なるだけ重複を避けながら、重点としては、零細な保険料をかげながら、その保険的な目的を苦労しながら遂行しております一般職員の立場というものを十分保護する、こういう事業経営が必要だと考えますので、その点から質問をいたしたいと思うのであります。 まず最初に郵政大臣に、この国営事業であって、独占的な性格を持たない簡易保険事業というものを経営していく場合に、一番大切なことは、私は、それが運営されるべき特徴といいますか、あるいは他に例を見ないいろいろな内容を持っておることが必要なのだと思うのですけれども、大臣としては、簡易保険の、現在の民保と簡保との市場競争の中での経営について、どういうお考えを持っておるか、お聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(小沢久太郎君) 簡易保険は、国が国民の経済生活の安定と福祉の増進を目的といたしまして、小口であり、無診査であり、月掛集金をやるところの特質を持った任意保険を、安い保険料で提供するために作られたものであります。したがいまして、その特色の第一は、全国に一万五千の郵便局がございますけれども、その郵便局で国民のだれもが簡便に利用できる、生命保険の利益を受けることができるのであります。第二といたしましては、制度上いろいろな加入者保護の規定が設けられております。たとえば、二年以上たちました場合には、倍額の支払いをするとか、いろいろの制度が設けられております。第三には、加入者の健康の保持増進のために、いろいろな福祉施設を全国各地に設けまして、それをさらに拡充強化するということであります。 以上が、国営といたしまして簡易保険の持つおもな特徴であります。
○横川正市君 今、大臣が言われたような特徴というのは、逐次民間保険の小額保険に取り入れられて、簡易保険の独占的な性格を持たない宿命的なものとして競争裏にあるわけです。そういう競争裏にある中で、私は実はこの特徴をもう少し明確にしたらどうか、こう思っているわけなんです。 第一は、たとえば、特徴の最も顕著なものとして、公共投資の項目が一項、この間も説明をされておりますし、さらに福祉施設の完備の問題、今後の増強の問題がそれぞれあげられておるわけであります。しかし、公共投資の持っているものは、保険加入者に対する間接的な影響力はあるかもわかりませんけれども、直接的な影響力というものは実は持たないわけであります。ですから、いわば生命保険の生命とする、いわゆる生命保険独自が有能なる経営者によって回転をして、そうして加入者に対する利益をあげるという点では、公共投資は、実は非常にたびの裏からかくようなもので、直接的な利益には、まあならない。 それから、もう一つ、福祉施設の完備と言いましても、これは全体の一%程度のもので、福祉年金事業団等の運営と相待ちながら、それぞれの加入者に対するサービスをいたしておりますけれども、これとても、私は現状ではきわめて微々たるものだと思うのでありますが、そこで、もし簡易保険の特徴というものを強く打ち出すとするならば、私は、この福祉施設等の完備については、もう少し努力をしていいのではないかと、こう思っているわけです。 そういう観点から、逐次質問をしていきたいと思うのでありますけれども、まず第一に、この資料の十三ページにあげられております表でありますけれども、これは保険局長のほうからちょっと説明をしていただきたいと思うのであります。十三ページの簡易保険とそれから資金運用部、民保の運用利回りの推移についてでございますけれども、この内容について、この表の、いわばそれぞれ、簡保、資金運用部、民保等の内容をどういうふうにお考えになっているか、含めてひとつ説明していただきたい。
○政府委員(田中鎭雄君) 十三ページの表でございますが、これは、簡保、資金運用部、民保の資産の運用利回りの比較表でございまして、昭和二十八年度から三十六年度までを一応掲げたものであります。 ここで特に私どものほうとして御注目を願いたいという点は、簡保は逐年運用利回りは向上をしてはおりますが、その伸び方はきわめて軽微でございまして、三十六年度の決算におきましては、民保と比較いたしますと、二分六厘四毛低い。資金運用部と比較しても一厘七毛低くなっております。ただ、民保のほうは、逐年運用利回りが増加しているとは言いがたいのでありまして、むしろ低くなりつつあるという傾向はうかがえるわけであります。資金運用部のほうといたしましては大体横ばいでございますが、三十五年度、三十六年度は、その前年度に比較いたしますると、若干低下しておる。これがこの表から見た姿でございまして、私ども年来主張しておりまする簡保の利回り向上という点の立論の根拠の一つの資料になろうかと考えております。
○横川正市君 私は、民保と簡保の特徴というのは、これは実は戦前と戦後とは変わってこなければならないものじゃないだろうか。しかし、それは民保と同等の利回りを必要とするところまでいかなくても、少なくとも資金運用部の利回りは上回っておってしかるべきなんじゃないか。こういう実は考え方をいたしているわけであります。なぜ、簡保の運用利回り、資金運用部の運用利回り、それから民保の運用利回りが、こういうふうに差があって経営されなければならないか。それが簡易保険の宿命なのかどうか。改善をする必要を、この利回りの面では私は強く打ち出していいのではないかと、こういうふうに思っているわけであります。 そこで、さきの資金運用審議会の答申の中に、「簡保会計の余裕金を政府の財政投融資計画と分離して運用することは制度的には認めない」、こういうふうに言われておるのでありますけれども、保険局としては、「制度的には認めない」というのは、単に資金の統一運用といいますか、財政投融資計画の統一運用という面で、いわばワクをはめられている。そのワクをはめられたものをやむを得ないものとして認めている。こういうふうに保険局側からは見られる。政府側からは、これは簡保の事業運営については、国家的な目的を持っている毛のなんだから、制度的にも財政投融資計画に貢献をすべき任務を持っている、こういうふうにワクをはめられている。その点を、事業経営者側である郵政省の簡易保険局としては、「制度的に」というふうにワクをはめられたことに対してどういう考え方を持っているか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(田中鎭雄君) 現在、簡保の積立金は、財投協力という建前で、契約者貸付を除いた残りは、一括財投計画の中に織り込まれておるわけであります。一方、余裕金は全額資金運用部に預け入れなければならない、こういうことになっておりまして、そのように実施しておるわけでございます。資金運用審議会が先般意見を出されまして、それには、余裕金の問題につきましては、現在の段階では、それについてどうしよう、こうしようというような論議をする段階ではない、現状を変える必要はない、というような趣旨のものと見られるわけでございまして、私どものほうといたしましては、まず積立金が財投に協力すること、これはやはり国営事業の建前から、財投に協力するということは、これはやむを得ないことであるというふうに考えておるわけでありまして、ただ、その協力の仕方、さらには財投に組み入れた中においてわれわれの主張を貫くということは十分やらなければならない問題である。一方、余裕金の問題につきましては、これは、現在はほかの特別会計の余裕金というものも数あるわけでありまして、そういった問題のほうに当然波及するというようなことも一応考えられるわけでありますが、将来余裕金をわれわれの手で自主的に運用したいという希望は持っておるわけでありまして、機会をとらえてその問題を提起し、関係方面との折衝もやっておるのが現状でございます。
○横川正市君 私は、制度的に認めないということの中には、一体この被保険者、いわゆる簡保に契約をしている被保険者の零細資金というものをどういうふうに見ておったかというところに、非常に重要な問題があるのじゃないかと思うのです。ことにこの低利な運用であります。しかも国家的目的を持った運用というものに参画をさせる、そういう目的を持った金として集められる、こういう実は経営のやり方というのは変えなければいけないのじゃないか。できればもっと効率運用をして、その運用から上がってくる利潤については、これは加入者に対して還元配当するというような意味を持って初めて、私は簡易保険の特徴というものが生きてくるのじゃないかというように思うのです。 そういう面からすると、今のワクをはめられている問題を、どこかで断ち破っていくとすれば、一体被保険者の利益というのは、今の経営のやり方で守られるのかどうか。もっとも、簡易保険の経営それ自体は逐次改善をされて、その内容はよくなってきておるかもわからないけれども、それは、いわば現状維持を出ない状態でよくなってきておるのであって、もっと被保険者の立場、被保険者の利益というものを守るという方向に向けたときに、これは非常に重要な資金的な隘路というものにぶつかるのじゃないか。その資金的な隘路というのはどこに問題があるかというと、集められた金のいわゆる運用そのものに問題が出てくる。その運用に、郵政省の簡易保険経営者の立場とすれば、もっと強い態度で被保険者の利益を守るという、そういう経営の態度というものが必要なんじゃないだろうか、こう私は思うのでありますけれども、これはおそらく現状を説明されたとおりのことなんで、今さしあたって、そういう考え方を打ち出せることは困難かと思いますけれども、これは事業局の考え方よりか、政府、郵政大臣の考え方ということに私はなろうと思うので、郵政大臣として、今の簡易保険の経営をして見て、現状、一体被保険者の利益というものが守られているというようにお考えになっているのか。もし守られてないとすれば、それの解決は今後どうしたらいいか、この点、お考えになっている点がありましたら、お聞かせいただきたい。
○国務大臣(小沢久太郎君) 郵政省といたしましては、被保険者の利益を守ることに十分な配慮をしているわけでございます。しかしながら、なおまた、これを守るという意味におきまして、今度のような改正をお願いしたというようなことでございますが、今後とも、ますますそういう方面に努力していきたい、そういうふうに考えております。
○横川正市君 少し、これはやはり積極的な態度をとってもらわないと解決できないように、非常にがんじがらめになっているのですね。今、大臣の言われているように、少しでも被保険者の立場を守りたいと思うから、今度はこの電力債等への運用の拡大をはかったのだ、こういうふうに言われておりますけれども、私どもは、やはり保険経営の、しかも簡易保険という生命保険の持っておりまする性格からするならば、もう少し郵政省自体に、自主運営をする、そういう建前というものを——これは単に大蔵省との権限争いではなくて、財政投融資に協力をする金を集めている郵政省の企業から、簡易生命保険を経営して加入者に対してサービスをする郵政省の簡易保険へと性格的な転換をする、こういうことが必要なんじゃないか。もちろん、財政投融資に当然の形で金が使われることを私どもはとやかく言いませんけれども、民保とまでいかなくても、資金運用部資金の利回りほどにもいかないという格好で、はたして被保険者の立場というものはそれでもって守られるかどうか、この点は、その点だけ見ただけでも、私どもとしては不満な点があるわけなんです。その点、大臣から、一体今までのような国家目的と言えば、非常に何か右寄りにいった言い方ですけれども、実はそうじゃなくて、もっと自主運営をするという建前で、もっと利回りのいい、利率のいい、そういう点で資金運用を拡大をすると、こういう考え方をお持ちになっているかどうか。まずその点でお聞きをしたいと思うのですし、そういう考え方で今後どういう具体的なものに取り組もうとされているのか、その点、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(小沢久太郎君) 簡保の被保険者を守るということは、われわれの常に念頭を離れないところでございます。しかし、これがまた財投の原資となるということも、これはまた争われない問題でございまして、実は、戦前にはいろいろと簡保の金を投資しておりました。私どもの考えといたしまして、そこまでまあ、いくかいかないか存じませんけれども、なるべくそういうような形に一歩々々していきたい、そういうふうに考えているわけでございまして、その第一着手として実は電力債を今後買うようにしたい、そういうふうな考えでございまして、被保険者の保護を十分にしたい、こういう意思のもとにやったわけでございまして、今後とも、そういう意味におきましてやっていきたい、そういうふうに考えている次第でございます。
○横川正市君 余裕金の資金運用部への預託というこの制度については、郵政省としてはどういうふうにお考えになっておりますか。
○政府委員(田中鎭雄君) 余裕金についての私どもの主張では、保険の経営上、積立金と全く性格は同じものである、いずれも将来の保険金なり、還付金の支払いに充当すべきものでありまして、ただ、たまたま一会計年度、会計年度で区切って、余裕金とか積立金とか言っているに過ぎない、これが私どもの考え方でございます。現在余裕金は一括資金運用部に預け入れなければならないということになっておるわけでありまして、これは他の特別会計もすべてそういう扱いになっておる。いわゆる国庫金統一の原則ということによりまして、そういう制度がとられておるわけであります。戦前には、わずかではありまするが、郵便年金、これは余裕金も逓信省で自主的に運用した例がございますが、簡保は、戦前においても、制度発足以来、当時の預金部に預託をするという制度をとっておったのでありまして、そういったいろいろの観点から、余裕金は資金運用部に預け入れるということになったわけでありまして、将来、これが簡保の余裕金が分離されまして、直接運用できるということになれば、これは非常に事業の面にもプラスになることは疑いないのでありますが、現在の各般の情勢は、なかなかそう簡単にはそういう方向に向かないというのが現実でございます。
○横川正市君 現実に向かないから、どう直すかという姿勢の問題なんですよ、私の聞いているのは。結局、その国の財政投融資計画と分離して運用する制度は認めないという、この資金運用審議会の答申を私どもは見たとき、零細な被保険者の立場というのをどう見たのか、非常に不思議なんです、実際上は。集まった金をどうするかということだけを審議会は考えたのであって、その金がどういう性格なものかという性格は、ほとんどこれは論議されておらないのじゃないだろうか。だから、ささいなことであっても、手数が省け、そして自主運営へ一歩踏み出されるならば、そのことから上がってくる利益については、これは被保険者の利益として還元される、こういうふうに考えていいのじゃないか。そういう建前から見れば、簡保会計の余裕金の取り扱いに対して、制度的に認めないといった審議会の意見というのは、私どもとしては非常に不満なんですよ、実際には。だから、こういう立場に立っても、郵政省としては、これは被保険者と密接なつながりを持つわけですから、その密接なつながりを持つ郵政省としては、こういう余裕金を資金運用部に一回預託をするというクッションが設けられた。しかもそれを見てみますと、きわめて低利な期間別利回りをとっているようであります。こういう低利な利回りでは了解しがたいというのが郵政省の立場ではないかと、こう思うのでありますけれども、これは郵政大臣、どうでしょうか。あなたの立場に立って、閣議で大蔵大臣にこのことを——一体、これはあなた、審議会の立場からすればこういう答申は出ているけれども、零細な金をかけている被保険者のほうの立場からいったらば、これはどうなんだということで、余裕金の自主運営を郵政省に持ってくるという、こういう考え方に立つか立たないか、ここでお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(小沢久太郎君) この審議会におきましていろいろきめましたけれども、これは審議会の立場としてきめたわけ合いでありまして、余裕金の問題といたしましても、現在の段階ではというようなことを言っておるわけであります。われわれのほうといたしましては、戦前は相当の自主運営をいたしておりました。それがいろいろな歴史的の過程におきまして現在のようになったわけでございますが、これは、現在の階段としては、あるいはなかなかむずかしい問題であるかもわかりませんけれども、われわれといたしましては、やはりなるべく一歩でも自主運営の方向に持っていきたいという努力をして一つ一つ続けていきたいと、そういうふうに考える次第であります。
○横川正市君 次の十五ページの表を見ますと、戦前の中に、九分以上の利回りをする株式等に対する計画、資産構成の中で計画があったわけですが、これが戦後はゼロになり、それから七分五厘以下ですか、これの地方債証券、政保債、金融債等の運用するパーセントも、戦前は三四%、戦後は一三・三%と、こういうふうになり、今度六分五厘以下の低利運営においては、戦前は四一%、戦後は六六・五%となり、さらに六分以下は、戦前は一四%、戦後は二〇・二%とふえておるわけであります。戦前と戦後の経営の中で非常に特徴的な違いというのは、こういう運用面にできているのじゃないかと思うのですが、これは、このまま郵政省として黙っていれないと思うのですが、戦前にはどういう特徴があって、こういう結果になり、戦後はどういうことからこういうふうになったのか、これはひとつ局長から説明していただきたい。
○政府委員(田中鎭雄君) 戦前と戦後の経済情勢というものは、これは端的に比較はできないと思いまするが、簡保の積立金、いわゆる資金の運用の姿というものは、戦前は非常に自主的な運用をしておったということが一言にして一声えると思います。戦後、特に終戦直前から国家資金の一元化ということで、もう自主的運用どころでなく、分離運用すらできないということで、一括預金部に資金が統合されたわけでありまして、それが長年の論議の末に、ようやく二十八年に分離運用の姿になったということが現在のこの運用の姿にいまだに尾を引いておるということが言えると思うのであります。いわゆる運用再開ということが一応なされたのでありますが、やはり戦前の姿にまで一挙にそれを回復するということは、なかなか当時の情勢が許さなかった。ともかく分離運用という点に重点が置かれたので、現在は、戦前の姿に比較すると、私どもの立場から言えば非常にマイナスの面が多いわけであります。それで、今後、戦前そのままの姿に戻すことがはたしていいかどうか、これは問題があると思いまするが、ともかく、少しでも運用利回りを向上させる方向にあらゆる面から検討、努力するということは、私ども常日ごろ考えており、また、そのつもりでおるところであります。
○横川正市君 これは、大臣、郵政省へ入ってみて、こういう仕事があるのにびっくりしたと思うくらいなことではあろうと思うのですけれども、簡易保険の資金というものの性格は、私はこれは、やはり経営する郵政省のサービスによって被保険者の保険的な利益を守っていくというのが第一義的なもので、第二義的に、その金をどうやったらふやされるかという中に、これは財政投融資の問題やその他の運用というものが出てくるのであって、政府のやり方というのは、逆なんですね。資金を全部自分のほうにとっておいて、運用その他の問題については制限を加える、被保険者の立場はそのワクの中で守っていこうとする、逆な経営の形というものが出ているわけです。戦前、あれほどきつい戦費調達の役割を果たした簡易保険であっても、運用の面では、こういうふうな自主運営というものがあって、戦後、きわめてこの民主的な時代になってから、こういう統制みたいなワクがはまっておって運用ができない、ひいては被保険者の立場が守れない、こういうことは放任できないじゃないですか。これはまあ、経営をやっている保険局の問題よりか、政治問題ですから、大臣に答弁をいただきたいと思うのです。
○国務大臣(小沢久太郎君) これにはいろいろの歴史的過程がございまして、戦前は、先ほども申し上げましたように、株式に投資したということが、だんだんそういうふうになくなって参ったわけでございますが、われわれといたしましては、今横川先生のおっしゃったように、被保険者の保護をする、その利益を守るということが、やはり何といっても第一じゃないかと思うのです。もちろん、財投の面として、公共投資に入れるということも、これも国営の仕事として一つの使命でございますけれども、やはり被保険者の利益を守るということが第一義じゃないか、そういう意味におきまして、今度も電力債にいったわけでございます。今後も、そういう意味におきまして、一歩々々被保険者の保護のためにやっていきたい、そういうふうに思っておる次第でございまして、御意見は全く横川先生のおっしゃるとおりと思う次第でございます。
○横川正市君 そういう意味では、今の資金運用部への預託の問題とか、それから高利運用の選択的な自主運営ですか、この点については、ぜひひとつ今後とも努力をしていただいて、政府部内で自主運営の方向にとりまとめていただくように、この際ですから強く要望いたしておきたいと思うのであります。 そこで、第二の問題ですけれども、実は私はこういう考え方を持っているわけです。簡保の低利、または、きわめて民保と比べてみて、不利だという、そういう簡易保険を維持している企業の主たるものは、一体何かという点を考えてみる必要があると思うのです。これはまあ、結局、一万五千の窓口があって、その窓口のもとで保険に従事をされております外勤者の苦労というものは、並み大ていのものではありません。これはあとでまた触れたいと思うのでありますけれども、もう少し企業の面で、簡易保険というものの持っております特徴といいますか、これは、民保は経営合理化その他で利潤が上げられればいいわけですが、そういう点は無視されても被保険者に奉仕をしなければいけないという簡保の使命というものが、私はあるのじゃないかと思うのです。 そういう点から、戦前の簡易保険の診療所のずっと設置されております状況というものを見ますと、相当これは完備をし、あるいは広範な被保険者の利用をされておったものと推察をいたします。その後、厚生省との問題が起こって、いまだその保険関係の診療設備といいますか、それは旧には復しておらないわけですね。同時にまた、診療設備は、今度は福祉年金公団ですか、公団にされて、大半を移管をいたしまして経営をいたしておりますから、その点では、私はこれはもう少し改善増強する必要があるのじゃないか、全体の資金の中でわずか一%程度しかこれに振り向けられないというような、そういうものであってはいかぬのではないかと思っておるわけであります。そういう意味合いから、アイデアとしては、こういう方法がとれないものかと、こう思うのであります。 それは、一つは、先に隘路から申し上げますと、たとえば郵政省設置法十六条の改正の問題とか、厚生省、それから医師会とのいろいろな競合の問題、それから現在共済でやっております職員並びに家族の診療の問題、そういった問題の解決には幾つか隘路はありますけれども、こういう方法をとって、そうして、簡易保険の診療設備というものが保険業務の中の特徴的なものになるということは、これは私は非常に大きな被保険者に対するサービスであり、貢献だと思うのでありますが、その第一は、たとえば逓信病院のような経営をされるものとは申しませんけれども、あれの十分の一ぐらいのものであっても、たとえば健康管理と、それから内科あるいは歯科等の備えられた小規模な病院設備というようなものを、たとえば一県一単位程度にこれを持つようにしたらどうか。こういうふうに私は思うのであります。 それには、もちろんこの共済被保険者の職員及び家族の診療の問題と同時に、保険に加入するものの診療の問題とでは、パーセンテージその他からいくと、相当これは大きな問題になると思う。なぜならば、保険加入者は四千万もあって、職員家族を入れても、これはおそらく四十万か四十五万でしょう。そういうものが、共済から資金を出して、あるいは簡易保険の剰余金から金を出して、そういう施設をやりながら、町の医者の分野になるべく入っていかないように注意して、被保険者の立場というものを守っていく、こういうような設備を、さしあたって一県一カ所ならば、現在十あるわけですから、あと三十七カ所施設をする、年次計画的にこれをやっていくというような、そういう保険関係でいわゆる医療機関の増強強化をやったらどうか、こう私は思うのでありますけれども、この点で、現在保険関係では、たとえば民間の保険でありますと、何百万の契約をすると、その道でも有数な医者が常時健康診断をして、そうして、その人間の健康を守っていく、いわば長生きしてもらうことに期待をかけて、医療機関を動員いたしておりますけれども、簡易保険は、そういう意味ではまだ私は整備をされておらないのじゃないか、こう思うので、具体的には、共済資金と、それから簡易保険の、いわゆる医療費に回される資金、現在の福祉年金公団というようなものを拡大発展をさして、そういう医療制度というものを強化する考え方があるかどうか、この点をひとつお聞きをいたしたいと思う。
○政府委員(田中鎭雄君) 加入者の福祉施設という点につきまして、これは簡保の一つの大きな特色と一声えると思います。それで、それでは福祉施設に対してどういう考え方でおるかという点が根本的な問題になるわけでありますが、この福祉施設というものは、これは契約上保険者がそういう義務を負っておるわけではございませんで、非常に極端な表現で申しますれば、一種の剰余金の分配に該当するということが言えると思うのであります。それで、福祉施設を設置する場合の効果というものを絶えず私どもは考えなければならないのでありまして、たとえば、それによって福祉施設の中の医療施設、それに上りまして死亡率が減少するというようなことになれば、これは端的に、事業経営の面にプラスになる。あるいはまた、今、事業団で、医療施設のほかに、いわゆる老人ホーム、加入者ホームといって、おりますが、それとか、さらには保養センターといったような施設、これは、もちろん加入者の健康上の改善ということのほかに、事業の募集維持、そういう面に大きな効果をもたらしておるというような点で、そういう両面から考えまして、施設の設置、拡充をはかるというのが基本的の考え方でございます。そのためにそれではどのくらいの経費を要するか。これは、従来の実績を勘案いたしまして、大体その年度内の収入保険料の一%ということをめどにして予算を組むわけでございます。 ただいま先生からお話のありましたように、いわゆる共済資金と一緒になって医療施設を拡充していくという点でございますが、現在の医療施設の現状を見てみますると、これは、いろいろ内部的の原因もあるかと思いまするが、比較的利用度が低い。むしろ、加入者の声といたしましては、老人ホームだとか、あるいは保養センターだとか、そういった面の要望が非常に多いのでありまして、また医療施設の中でも、無医村を中心とした巡回診療、こういう点がやはり要望も多いし、また事業の面にプラスになるというような観点から、この簡保の事業団の医療施設をさらに数をふやすとかいうようなことは、現状ではたしてどうかというような気持を持っておるわけであります。
○横川正市君 今の考え方というのは、なるほど当面としてはきわめて常識的な考え方だと思いますが、私は少しとっぴな提案であるかもわかりませんけれども、昔は、それぞれ簡易保険の加入者診療所ですか、そういうような設備が大体大きな町には一カ所ぐらいずつ設けられて、そこを加入者が利用しておる。そこへ行けば、大体ある種のものは無料で、薬だけが、何か原価投与ですか、という格好で、たしかいろいろされておったのじゃないかと思う。しかし、それはその後、これは厚生省との統合問題で厚生省に全部統合され、復活しないまま郵政省に保険業務が移管をされた。そういうことから、私は医務機関というものは、保険加入者のいわゆるサービス、いわゆる剰余金の一部還元という方式でとられてきておった過去の実績というものが、現在そこまで旧に復しておらない状態だと、こう思うのです。 それからもう一つは、剰余金の問題で、もっと被保険者保護の施策というものがとられてしかるべきじゃないか。いわゆる、もうからない事業経営をしておいて、そして金がありませんというのでなくて、もうかるようになぜ制度と内容を変えないのか。そのもうかった金をこういうふうに剰余金として被保険者に還元をする、こういう方法をとったらどうか。もちろん、これは現実すぐできるものじゃないけれども、ぜひひとつ簡易保険の特徴としてこういったものを作ることを真剣にひとつ考えてみてはどうか。たまたま便法的に、今の逓信病院がずっと作られております。一県に二カ所あるのは、今度は九州、鹿児島に逓信病院ができ、ここだけですね。一郵政局二カ所の逓信病院というのは。大体、郵政があれば郵政の逓信病院、あるいは電通があれば電通の逓信病院と、それぞれ分けられて、一郵政局一カ所、こういうふうになっておるのでありますが、その他、診療所設備が、共済関係では何カ所か、各県にずっと置かれておるわけです。そういう診療所設備を持っておる共済の現有の力に、保険の剰余金から被保険者に還元をされるであろうと思われる金の大幅な見込みをした場合、小病院程度の経営というものは可能になるのではないだろうか、こう私は考えた。たとえば、山形県の山形市にある逓信診療所をベッド二十の小規模な病院にするとしても、それほど多くの金はかからないわけであります。その点は、保険の剰余金のいわゆる被保険者に対する還元、こういう格好で、もちろんこれは制度も規則も法律も改正しなければなりませんから、ただアイデアだけでありますけれども、そういう、郵政省自体で簡易保険を経営するという立場に立って、医務機関の強化というものをやれないものかどうか、私はそういうふうに考える。 このままでいきましても、おそらく共済の経営する逓信病院だって、今のままじゃ、やはり実際には職員と家族の健康管理はできませんから、ことにまた、逓信病院のある地域とない地域の職員と家族の診療費の負担率というものも、これは不公平になってくるわけでありますが、そういった解決の一つの手段としても、二県に一つとか、あるいはまあ、できれば一県に一つとかいう小規模病院の経営は可能だと、やらなければいけない、こういうふうにだんだんなってくるのじゃないか。それとあわせて、簡易保険加入者の立場というものも考えて、そういう施設というものを増強する、こういう考え方は成り立つか成り立たないかですね。これからは、皆さんに簡易保険を一生懸命に運営してもらって、もうけてもらって……。もうけないようにしているのは、これは何も郵政省が悪いわけじゃなくて、郵政省はもうけたいと思っておるわけですから、しかも被保険者の保護のために、その被保険者の保護という意味で金をもうけても決して悪いことじゃ私はないと思う。そのもうかった金を被保険者に還元する。その還元の仕方が医務機関の強化だ、こういうふうに考えて、その方針に、これは絶対できないものなのか、いや、やればできるものなのか、検討する考え方はあるかどうかという点が問題なんです。
○政府委員(田中鎭雄君) 剰余金が発生した場合、もちろん事業経営上そういう方向に努力するのが当然でございますが、その発生した剰余金は加入者に還元する、いわゆる剰余金の分配ということがまず第一であると思います。で、今回の御審議願っておるこの運用範囲の拡大も、やはりそういった面に大きな力になる。で、剰余金の分配額を増加することによって、加入者の実質的の負担を軽減するという点にねらいがあるわけであります。 ただいまお話のありました医療施設を完備充実して、その面から加入者の福祉をはかるということも、まあこれは同じ加入者の利益をはかるという点で、それも一つの方法であろうかと思います。特に、見方によっては、福祉施設というものは一種の現物配当ということも言えると思うのでありまして、福祉施設の拡充の面には、事業経営の許す範囲内で努力しなければならないと思っておるところでございます。で、現在の医療施設、特に簡易保険診療所の現状は、なかなかその発生の歴史的な原因その他がありまして、どうも十分とは言いがたいのであります。そういう内部的の事情があるために利用者少ない。たとえば、健康保険といったようなものも扱っておらないのでありまして、現在これを扱うように関係者と折衝しておるというような現状でございまして、そういった面に改善すべき点は多々あると思っております。ただいまお話しのように、いわゆる共済関係の医療施設と合体してこれの拡充をはかっていくという点には、まあ法の改正の問題もあるかと思いまするし、また、そういう病院が完備すればするほど加入者の希望が多くなる、診療の希望が多くなる、加入者に対しましては低廉な料出金で診療する、その負担は簡保会計が負担するというような建前から、事業経営の面から、はたしてどの程度に持つかどうかというような点も問題になろうかと思いまするので、これは非常に大きな問題でありまして、今ここで簡単に、やるとかやれぬとかという御返答もいたしかねるのでありまして、将来、この点につきましては、鋭意ひとつ検討させていただきたい、かように存ずる次第でございます。
○横川正市君 私は、簡保の特徴がこの前、野上委員の質問のときに答えられたように、簡保の無診査、月掛け、集金制度というようなものは、これはもう民保にも質的に全く同じものができておるわけですから、もう特徴ということが言えなくなってきておる。ただ、無診査、月掛け、集金が現在の簡保の基礎を作ったということはできると思うのでありますけれども、これからの発展ということになれば、これは特徴としてはあげられない。 それから、七つほど、倍額支払いの問題から福祉施設まで、それぞれ説明をされておりましたけれども、これとても、民保と肩を並べて有利な一つの立場を簡保がとるということは、少し無理だと思う。同時にまた、公共投資そのものは、先ほど言った関係で、被保険者の立場が第二義的に守られておるのであって、実際には被保険者の立場はとられておらない。こういうふうに考えてくると、これは、募集事務という立場に立ちますと、保険業務に携わっておる第一線というものは、これはたいへんな苦労なんです。もう並み大ていでない苦労をして保険の募集事務に携わっているわけです。やはり保険の特徴というものを何か経営者の側で考えてやらないと、その苦労というものはだんだん倍加していくようになる。ことに民保は十分新しいアイデアを織り込んでやっておりますからね。これはただ採算さえとれればいいわけです。そういう点と、簡保のいわゆる乏しいものではあっても、これを分かって還元をして、保険的な意義というものをお互いに享受しようとする、そういう仕組みというものは、やはり思い切った一つの施設というものの増強以外にないのじゃないか、私はこう思うのです。それができるのがやっぱり国営事業の特徴だと思うのです、民保にはおそらくこれはできないですから こう思うのであります。ですから、今、検討されるという立場に立っては、ぜひこれはひとつ検討していただきたいと思いますし、実現もするようにしていただきたいと思います。 そこで、人事局長が来ておりますから、あわせてちょっとお聞きしたいと思うのですが、今の逓信病院の経営というものは、これはまずもって、施設の増強の問題から、どういうふうに年次計画を立てられておりますか、共済資金の運用の面から。
○政府委員(増森孝君) ただいまのところ、先生先ほど申されましたように、大体病院につきましては、一郵政局一つということが原側になっております。それらにつきましては、いろいろ私どものほうでも予算獲得等をいたしまして整備したいと思っておるのでありますが、何にいたしましても、終戦後建ちました病院が非常に多いというようなことで、今のところ、新設というのは、三十八年度で、鹿児島に逓信病院を作ろうということが初めて出て参りまして、そのほかにつきましては、目下のところ、増築もしくは改築といったようなことに意を注ごう、こういうように考えております。
○横川正市君 鹿児島逓信病院の新設というのは、従来の一逓信局一逓信病院という考え方はこれは修正して、やはり必要と、それから資金の許す限りは、一カ所でも二カ所でもというふうに考えていいですか、増強は。
○政府委員(増森孝君) 鹿児島につきましては、私どもといたしましては、一郵政局一つというように考えておるのでありますが、ただし、金沢につきましては、今のところ、私のほうの病院はございません。それから、大阪管内におきましては、北と、神戸と、それから京都と三つございます。 それから鹿児島についてはどういう考え方なのかというお尋ねのようでございますが、鹿児島につきましては、実は私どものほうの病院は、九州の福岡に片寄っております。したがいまして、奄美大島を含みまして九州の南端——南部方面でございますが、その辺が非常に不便であるというような従業員の声も前々からございまして、建てたわけでございます。
○横川正市君 これは、金沢郵政局管内は富山に新設を計画されて、土地の問題が解決すれば建つわけですが……。ですから、今の人事局長の答弁は、これは必要とそれから資金も問題でしょうが、ことに共済の運営資金でありますから。そういう面で許されれば、一郵政局一カ所というふうにこだわらないというようにとっていいですか、現実は。
○政府委員(増森孝君) 先ほどはたいへん失礼いたしましたが、横川先生のおっしゃいましたように、金沢につきましては、富山の病院が今年度できる予定になっております。 それから、余裕があれば今後作るのかどうかという点でございますけれども、これは、御存じのように、医療法が出まして、厚生省あるいは医師会、そういったようなところと非常にむずかしい問題をはらんでくるようでございまして、必ずしも、われわれが作りたいと思いましても、非常に困難な問題が横たわっているということを申し添えたいと思います。
○横川正市君 これは、そういう関係法律があることは承知をいたしておりますし、ことに医師会あたりとのいろいろなトラブルは当然起こってくるであろうと思うのでありますけれども、現行の形の中では、たとえば職員家族と健康保険の取り扱い、これが公的医療機関のいわば現状と、それから拡大をした場合の問題でないかと思うのです。私は、その点では、健康保険を取り扱うというような拡大よりかは、郵政の場合には、簡易保険加入者の診療に何らかの便宜的な方法を与えてやるということのほうがいいんじゃないかと思うのです。それはどの程度にするかは、簡易保険の剰余金の出し工合ということにもなるわけでありますけれども、そういった点で、これは人事局のほうにも関係のあることでありますので、ぜひ検討をしていただきたいと思います。 あわせて、実は鹿児島に逓信病院ができたんで、きわめて明るい希望を私は持っているわけなんです。仙台に逓信病院があるけれども、福島、山形、秋田、青森の日本海岸には逓信病院の施設がない。新潟と富山に逓信病院ができたけれども、その間隔、それから職員家族の診療その他から言えば、日本海岸側のほうにも一カ所、たとえば秋田あたりに逓信病院を作る必要があるんじゃないか、こういうふうに思われるわけでありますけれども、これは計画として検討する余地は今ありますか、ないですか、どうですか。
○政府委員(増森孝君) ただいまのところ、私どもの段階といたしましては、病院、診療所を拡大しようということで進んでおります。それから御存じだと思いますが、病院を建てることにつきましては非常に困難が予想されますので、できるならば、私どもとしましては、既設の診療所、そういったものを拡充してみてはどうかというようなことを考えております。
○横川正市君 その点も一つの解決の方法だ、病院と言ったから必ずしも現在厚生省が病院と称する場合のベッド数とか、それから幾つの科を備えなきゃいけないという条件、こういったものが必要だというふうになりますと、なかなか建てられないのでありますけれども、私も実は、各県に一ヵ所ぐらい建つならば、今の診療所に二十ぐらいなベッドをつけたもので、大体医者を二人ないし三人ぐらい置けるもので計画をしてみたらどうかというふうに思っていますが、そういう小規模なものから実際検討をしてみてもらえないだろうか、こう思っているわけなんです。その場合に、たとえば簡易保険の被保険者だけは、健康診断だけは無料でそこで行なえますよと、このぐらいなものがちょっぴりつけられたんじゃないかと思うのですよ。その健康診断をやるだけの費用その他については、これは簡易保険局が見なきゃいかぬということになるわけですが、そう考えてくると、先ほどお話しの非常に困難なように見受けられるものであっても、現在十何カ所か診療所があるわけですし、それから療養所も病院もある。そういうところで、加入者に健康診断だけはひとつサービスをいたしましょうというぐらいなところまで拡大をすれば、私はこれは、郵政省の保険の経営をされる最も根本である第一線とすれば、非常に助かることなんであって、健康診断さえやれない、こういうことでは、どうもやはり何の理由をつけて簡易保険の特徴というやつをやろうか、それは非常にむずかしいわけですね。この点はひとつ、人事局と保険局とで、どうすればそれぐらいな格好になれるのか、私は、これは厚生省や医師会があまりとやかく言える問題じゃないんじゃないかと思っているわけでありますので、そういう点でぜひ話をしていただきたいと思うわけです。どうでしょう。
○政府委員(田中鎭雄君) お話の線に沿いまして、人事局とよく相談いたしたいと思います。
○横川正市君 もう一つ特徴的なのは、たとえば、今やっている老人ホームと匹敵するように、たとえば保険加入者で最も大きい死亡率の病気は何か、今はガンとか何とかということになるのじゃないかと思う。ガンは、今度厚生省があちらこちらにガン研を特別に作るようでありますけれども、そういうものに、郵政省としてもある程度資金的な援助をしてやって、研究を強化するということも一方でございますし、独自で持てればなおいいわけです。たとえば、精神病とか、あるいは肢体不自由者あるいは精薄児、そういったものに対する簡易保険局独自のものを何カ所か作ってやる。これも、私は郵便年金保険の一つの特徴として大切なことじゃないかと思うのでありますけれども、現状、何か計画があれば、それをお聞かせいただきたいと思います。さらにまた、私の提案に対してどう考えるか、それもひとつお答えいただきたいと思います。
○政府委員(田中鎭雄君) 御承知のように、死因別に見てみますと、脳出血とかガンが非常に多いわけでありまして、現在の計画としては、成人病センターというものを、東京と大阪の二カ所程度作りたいという計画を持っております。
○横川正市君 成人病とあわせて、今の精薄児とか肢体不自由者、こういったものはどうでしょうか。それについては計画はないのですか。
○政府委員(田中鎭雄君) その点につきましては、現在計画は持っておりません。保険事業になじむ施設かどうかという点も、将来検討させていただきたいと思います。
○横川正市君 大体私の聞きたいと思っておったことは、以上でありますけれども、最後に職員関係の問題で、人事局と保険局とにお聞きしたいと思うのでありますけれども、実は、保険の実際上の募集業務に当たる人の要員構成といいますか、これには検討の余地があるのじゃないかと思うのでありますけれども、今まで保険の業務に従事する、ことに外野の方々でありますけれども、これについては、どういう気の配り方をして、人的構成を現在見ておられるか、その点からお聞きいたしたいと思います。
○政府委員(田中鎭雄君) 現在保険関係の定員は、大体四万五千でありまして、そのうちの二万五千が外勤、いわゆる集金、募集に従事している人たちであります。私ども事業の建前から、外勤がふえれば、当然それだけ仕事は伸びる。これはもう民保その他の現状に照らしても明らかなことでありまして、外勤面の充実という点に一番重点を置いておるところであります。
○横川正市君 これは、実際に人事局でも十分注意してもらわなきゃならぬのは、本省とか郵政局とか、支局ですね、それから普通局、特定局、いわゆる規模別にいろいろな施設とか、あるいはその他のものが違うというような格好のものがあるわけですが、その中で特徴的なのは、支局と郵便局との違いというのは、これは非常に大きなものがあるのじゃないかと思います。この支局と郵便局というものの位置というか、これは任用とか俸給では変わらないと思うのです。ただ経営面が支局の場合の位置というか、郵便局という外勤の位置というか、これが少し違うだけでだいぶ内容が違ってくるんじゃないかと思うのですが、私は、ことに郵便局というようなところは、現在支局が持っているような規模にまでいろいろな福利厚生施設その他を上げてやる必要があると思うのでありますけれども、それらについてお考えになったことがありますか。これは人事局長答弁して下さい。
○政府委員(増森孝君) 支局になりますと非常に人数が多くなりまして、福利厚生施設といったようなものが割と恵まれるのでございますけれども、郵便局等になりますと、大きな局から非常に小さな特定局まで入るというようなわけで、支局に比べますと、郵便局段階では非常に福利厚生施設といったようなものが落ちるかと思いますが、ちょっとれわわれとしましても、そういう点については十分配慮しなければいけないものがあると思います。
○横川正市君 これは、人頭割りで経費を計算するということの不合理はぜひひとつ検討していただきたいと思うのであります。 そこで、今の保険関係の従事員の四万五千人中二万五千人が外野である、この比率は変わらないですか、将来ともに。すなわち、二万の内野、二万五千の外野、こういう比率ですね、簡単に言えば。
○政府委員(田中鎭雄君) 将来は、外勤の比率が現在よりも多い、こういう姿に持っていきたいと考えております。
○横川正市君 これはいろいろ関連問題がありますけれども、この外勤者の採用の場合に、今はこれは公務員ですから四級職、あるいは部内の配転ということで人員を確保するわけでありますけれども、四級職で採用するとか部内の配転でもって確保するという以外に、保険という特殊なものからくるいわゆる適性者といいますか、そういうような採用を行なうという考え方はないですか。
○政府委員(田中鎭雄君) 保険事業の建前から申し上げれば、ただいま先生のおっしゃるような方法が現在よりもすぐれておるというふうに考えられますが、省全体の人の採用というような方針もありますし、保険だけ独自のやり方をやるということもどうかというふうに考えております。
○横川正市君 これは、積極的にどうこうと私も意見はありませんけれども、人間的に、私の友人で非常に気の毒な人が一人います。それはやっぱり外野をやっておって、募集に精神的なあれでもってノイローゼになってしまって、そうして、たしか二十何年勤めたのを放棄して、今も家族をかかえてほとんど、それこそニコヨンというようなそういう生活をしながらようやく生活を維持しているという人がいる。しかも有能な郵便局員で、二十何年も勤めた……。これは、保険の募集業務に携わった者でなければ理解ができない精神的な苦労というものがあるわけですから、この点はぜひ解決するようにみてあげていただきたいと思う。 そこで、関係して周知奨励費の年次別の計画をずっと見ますと、三十六年が三億七千七百万、三十八年が五億六百万というふうに非常にふえておるようでありますけれども、実際の各郵政局別の経費あるいは各郵便局別の経費というのはだんだん窮屈になってきているのではないか、こういうふうに思うのでありますけれども、奨励費については、どういう意味合いを持たせて下部にこれを使うように指導されているか、それをお聞きしたいと思う。
○政府委員(田中鎭雄君) 予算は大体募集目標に比例してふえておるのでございまして、特に募集手当、これはもう当然義務的なものですが、そのほかのいわゆる奨励費も、募集目標が増加しているに従いまして増加しておるのが現状でございます。奨励費の使い方につきましては、これは現実には郵政局が各郵便局の実情を見て適宜流すという建前になっておりまして、まあこれはまことにわかり切った答弁でございますが、外野が少しでも働きいいようにこの経費を使うというのが重点でございます。
○横川正市君 この奨励費は、民保のそれぞれの分野で使われているものと比較してみたことがありますか。民保ではどれほど奨励費を使うか……。
○政府委員(田中鎭雄君) 民保のほうがどういうふうに金を使っておるかということはなかなかわからないので、はっきり比較したことはございません。
○横川正市君 これは額その他も違うわけですから、実際には外野の人たちが奨励費という格好でもらったものよりか、いわば自腹を切って努力をするという面があるようです。だからそういった点は、年次別にはふえておりますけれども、もう少し外野関係の人たちの募集しやすい、その働きに応じてということでありますけれども、事実上、もう少し援助してやれる格好というものを検討してみて下さい。 それから関係してですが、外務員の被服を改正する考え方はないですか。貯金も保険も郵便も、全部同じ服装、これが郵便局の象徴だという格好でいいか。それとも、郵便には郵便に適した服装、それから貯金保険には貯金保険に適した服装というものを考えていいのじゃないですか。これは保険局としてはどういうふうに考えておりますか。
○政府委員(田中鎭雄君) やはり事業の特質を生かした、それにマッチした被服ということが一番よいと思っております。ただ、現在はこういったものは資材部で一括購入という建前をとっておりますので、保険だけ独自のものを着用するというわけには参らぬかと思います。
○横川正市君 これは、あとで逓信関係の事業関係の審査のときに、服装関係を質問をいたすことにしたいと思うのでありますけれども、この前の野上委員の質問のときにも、郵政省のやっている保険だからという信用があるので、と言うておったから、信用というのは、ああいう服装のシンボルで私はマッチするものじゃないのじゃないかと思うのですね。やはりもう少し、出先の者は出先の者らしい服装というものを考えてやる必要があるのじゃないか。それから、郵便の場合には、郵便の最も働きやすい服装というものを考えてやる必要があるのじゃないかと思うので、この点はひとつ、保険局の立場に立っても、課題として、服装の問題については検討してみていただきたいと思います。 以上で、私の質問を終わりますが、今度の保険関係の問題ですが、返す返すも私どもとして遺憾に思うのは、何といっても、やはり被保険者の立場というものが十分にこれでは守ることができないんじゃないか、同時にまた、自主運営という問題については、まだほど遠い状態ではないか、両々これは解決をしなければ果たすことのできない関係でありますので、ぜひひとつこの問題の解決に努力をしていただくようにしていただきたい、このことを強く要望して質問を終わります。
○委員長(光村甚助君) 他に御発言ございませんか。——なければ、ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(光村甚助君) 速記をつけて。 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(光村甚助君) 御異議ないと認めます。よって、本案に対する質疑は終局いたしました。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
○野上元君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案について賛成の討論を行ないたいと思います。 今さら申し上げるまでもなく、簡易生命保険は、その法に明示されているとおりでありまして、すなわち、国民に簡易に利用できる生命保険を確実な経営によりなるべく安い保険料で提供し、もって国民の経済生活の安定をはかり、その福祉を増進することを目的とするものであります。すなわち、簡保並びに郵便年金は、国民が零細な金を積み立てることによって不測の事態に備えるとともに、老後における生活安定の一助にする等、いわゆる社会保障の補完的役割を果たすのがその本来の目的であったのであります。しかし、創始以来長年にわたる期間の中におきましては、しばしばこの性格がゆがめられて参ったのであります。すなわち、戦時中におきましては、もっぱら戦費調達の手段とし、また、戦後においては、経済再建の名のもとに、これまたもっぱら政府の財政投融資の財源として集められ、加入者の利益は二の次とされて参ったことは、はなはだ遺憾でございます。近年に至りようやく簡保及び郵便年金の本質的運営に立ち返り、積立金の分離運用を実現するに至ったのでありますが、しかしながら、これとても自主運用にはほど遠いのでありまして、すなわち、完全なものとは言えないのであります。そのことは幾多の資料が数字をもって示すとおりであります。しかも、近時簡保の独占的性格は変貌いたしまして、民間保険との競合がはなはだしい現状を考慮いたしまするならば、その感を特に深くするのであります。したがって、私は、次のごとき附帯決議を付し、かつ、その中に盛られた精神が早急にかつ着実に実現されることを特に希望いたしまして賛成の意を表する次第であります。 次に、附帯決議案を朗読いたしますので、満場の御賛成を賜わりたいと存ずる次第でございます。 簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 今回の簡易生命保険及び郵便年金積立金運用法の改正は、両事業運営の体質改善に一歩をふみだしたものであるがいまだ充分とは言い難い。 よつて政府は、さらに加入者の負担の軽減をはかるため、運用範囲の拡張、余裕金運用の改善等必要な措置を検討し、これが推進に努むべきである。 右決議する。 以上でございます。
○鈴木恭一君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となっております簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案に賛成し、あわせて、ただいま野上君の提案にかかる附帯決議案にも賛意を表するものであります。 現在、簡易保険及び郵便年金の積立金は、政府の財政投融資に全面的に協力しておるため、その運用利回りは、民間保険に比して相当下回っており、その正味保険料は割高になっております。言うまでもなく、簡保及び郵便年金の積立金は、その加入者から信託されたいわば共同財産であって、政府はこれを有効に有利に運用し、契約者の負担、すなわち、保険料をできるだけ安くする義務を有するものと言わねばなりません。したがって、政府は、この性格からその運用にあたっては、財政投融資の点のみにこだわらず、財投による低利回りをカバーして、事業経営の健全化をはかる施策が必要であるのであります。 今回、電力債を積立金の運用範囲に加えたことは、ある意味において一つの進歩であります。しかし、政府はこれに満足することなく、一そう運用範囲の拡大につき検討し、たとえば有価証券の投資割合の増加とか、また、資金運用部への預託を義務づけられている余裕金の預託制度を改正するとか、いろいろありましょうが、こういう点に努力をせられるよう強く要望いたしまして、本案の賛成討論といたします。
○委員長(光村甚助君) 他に御発言もなければ、討論は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(光村甚助君) 御異議ないと認めます。 これより採決に入ります。 簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(光村甚助君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって、原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(光村甚助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。 次に、討論中に述べられました野上元君提出の附帯決議案を議題といたします。 野上元君提出の附帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(光村甚助君) 全会一致でございます。よって、野上元君提出の附帯決議案は、全会一致をもって、本委員会の決議とすることに決定いたしました。 この際、郵政大臣より発言を求められておりますのでこれを許します。
○国務大臣(小沢久太郎君) ただいま簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、本委員会において慎重御審議の結果、全会一致で御可決をいただきまして、まことにありがたく御礼を申し上げます。 今後この法律の施行にあたりましては、御審議の際における御意見を十分体しまして、なお、附帯決議の御趣旨に沿うよう、適切なるところの運用を期する所存でございます。ありがとうございました。
○委員長(光村甚助君) 本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十三分散会 ————・————