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43回国会参議院1963/06/04

逓信委員会 第23号

発言数
145
登壇者
10
会派数
2
開催日
1963/06/04

会議録

伊藤顕道日本社会党

○委員長(伊藤顕道君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  参考人の出席要求に関する件についてお諮りします。  放送関係の議案審査並びに放送に関する事項の調査のため、今期国会開会中、日本放送協会の副会長前田義徳君、専務理事赤城正武君、専務理事春日由三君、専務理事栃沢助造君の四君を当委員会の参考人に決定いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伊藤顕道日本社会党

○委員長(伊藤顕道君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。   —————————————

伊藤顕道日本社会党

○委員長(伊藤顕道君) 簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、政府より提案理由の説明を聴取いたします。小沢郵政大臣。

小沢久太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小沢久太郎君) ただいま議題になりました簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。  簡易生命保険及び郵便年金積立金は、契約者貸付を除き、その運用対象は財政投融資の範囲内に限られており、その融通条件も諸種の制約を受けているため、運用利回りは民間生命保険等と比較して相当下回っておるのであります。  このため、国民になるべく安い保険料、掛金による保険、年金を提供するという事業本来の目的を十分に果たし得ないばかりでなく、新規契約の募集推進上にも大きな制約となっております。  この法律案は、簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用範囲を拡張するとによって、運用利回りを向上し、簡易保険及び郵便年金契約者の負担を幾分でも軽減して、その福祉を増進するとともに、両事業の発展をはかるため、運用範囲に新たに電力会社の発行する社債を加えようとするものであります。このことにつきましては、さきに第三十入国会において、簡易保険及び郵便年金加入者である国民の利益を増進するため、運用範囲拡大につき必要な措置を講ずべきである旨の附帯決議をいただいているものでございます。  なお、簡易生命保険及び郵便年金積立金の電力債に対する運用にあたりましては、金融債に対する場合と同様の趣旨で、その保有限度、買い入れ条件等の規定を設けております。  以上のとおりでありますので、何とぞ十分御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願い申し上げる次第であります。

伊藤顕道日本社会党

○委員長(伊藤顕道君) 本案につきましては、本日は説明聴取のみにとどめておきます。   —————————————

伊藤顕道日本社会党

○委員長(伊藤顕道君) 日本放送協会昭和三十六年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書を議題といたします。  本件につきましては、すでに政府及び日本放送協会からそれぞれ説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 NHKの三十六年度貸借対照表等の国会提出説明資料、これは大臣からこの前説明を伺いましたが、それからあなたのこの意見書との関係で、私は大臣にひとつ最初に伺いたいことがございます。  それは、この意見書の最後に、協会の財政、資産総額が三百七十一億三千八百四十万円ある、こういうふうに書いてありますが、問題は、三十六年度の事業収入と支出とを差し引いて剰余金というものが五十一億六千四百三十五万円であって、「財政の状況はおおむね健全である。」、こういう郵政大臣の意見書を拝見しました。あなたの意見書に対する説明の中に、この「剰余金につきましては、その大部分が建設費、長期借入金返還等の資本支出に充当されております。」——こちらのほうの厚いほうの資料ですと、そのことは触れていないのですが、口頭で御説明になりました中にその旨が説明されております。これはちょっと私理解しがたいのですが、要するに、五十一億六千四百三十五万円という純利があったということですね。この厚いほうの資料を見るとずいぶん協会は利益があったじゃないか、こういうふうに受け取れますね。しかし、またその利潤というものは、大部分が建設費、長期借入金の返還に充てられている、資本支出に充当されているのだということを口頭で説明しているのですが、一体、この五十一億六千四百三十五万円というのは純利益であるのだが、しかし三十六年度に、その中から、剰余金の中から、大部分が建設費、長期借入金返済等に充てられているのかどうか、三十七年度に剰余金を繰り越して、その中からそういうものに使ったというのかどうか、これをひとつ明確にしてもらいたいのです。

小沢久太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小沢久太郎君) 今お話がございました剰余金の五十一億のあれでございますけれども、これは、単に意見書には五十一億云々と書いてございますけれども、私から申し上げましたとおり、大部分が建設費あるいは長期借入金返済等になっているものでございまして、そのこまかい数字につきましては、ひとつNHKのほうから御説明願うようにしていただきたいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これは一般にも公表されるものだと思いますから、私は非常に誤解を受ける決算のやり方だと思うのですね。おそらく、前回の委員会で問題になりました、NHK料金がもっと値下げできるのだという印象を——物価対策委員会ですか何かの諸君が言い出したのも、そこにあったと思うのですね。ですから、私の聞いているのは、こういう重要な決算に対して、なぜこんなやり方をするかということなんですよ。もし、五十一億六千四百三十五万円というものが剰余になった場合に、それを建設資金なりあるいは長期借入金の返済なり、あるいは放送債券の返還、そういうものに充てるならば充てるように、やはり決算のやり方をはっきりせぬと、何か見せかけの三十一億であって、中身はないのだというふうにもとれるし、そうでなくて、これだけですと、三十七年度に繰り越して、三十七年度の予算の中からその建設費に回したともとれるわけだ、この説明を見ると。そこのところをはっきりしてもらいたいのですが、どうしてこんなにわかりにくい決算をやるのですか。

小沢久太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小沢久太郎君) この問題につきましては、例のNHKの剰余金があるから値下げしたらどうかというような問題が起きた一つの原因にもなっているわけでございまして、このやり方につきましては、私は、やはり今鈴木先生のおっしゃったとおり、もう少しこまかくわかりやすく書いたほうがいいと思います。そこで今度は、私のほうといたしましては、NHKに対しまして、放送法施行規則の一部を改正するということにいたしまして、これを先生のおっしゃったように、こまかくわかりやすくひとつ明記する、そういうふうに変えまして、実際これだけあるのではないかということで、やはり三十七年度からやるというふうにやっております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 放送法施行規則上の技術的な面でこういう報告しかできなかったということはまことに遺憾なことであって、これは今度規則を改定——あなたの権限でできるんだからな、規則改正は。ですから、すっきりした、やはりだれが見てもわかるような決算の報告にしていただける、これはけっこうです。わかりました。それでいいんですが、非常にそういうところからいろいろな誤解があるようですから、特に大臣もあらゆる角度からそういうことをひとつ理解してもらえるように、郵政省もやってもらいたいと思うんですよ。

小沢久太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小沢久太郎君) 今鈴木先生がおっしゃったような点につきまして、五月三十日に変えるようにいたしましたから、そういう、これからの御疑念はなくなるような明快なふうにしたいと、そういうふうに思っております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうしますと、あれですか、結果的に当期の純然たる剰余金ですね、要するに、三十七年度に繰り越せる剰余金というのは幾らになるわけですか。これは協会のほうでもいいと思いますが。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○参考人(小野吉郎君) ただいまの五十一億の剰余金のうちの十六億は建設の関係の資金にすでに予算の実行過程において充当をいたした金でございます。その他二十億は放送債券の返還、あるいは放送債権の将来の元利の償還に充てるための法定の積立金であります。合わせて、そのように資本支出あるいは建設支出に充当いたしましたものが総計三十六億でございます。五十一億から今の三十六億を引きましたものが純然たる剰余金として後年度へ繰り越されるものでございます。これは三十七年度に繰り越しを受けまして、予算総則の条項に従ってこれは建設の資金に充当をいたしますか、さもなければ借入金の返還にしか充て得ませんので、そのような措置をいたして、三十七年度中に建設促進のための資金に充当をいたしておりますほか、現実に借入金の返還にも充てるというような状況でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それから次に大臣ね、一つ伺いたいのは、税制との関係ですが、テレビの受像機ですね、セットに対して物品税が課せられていますね。たしか五十二センチ以上が三〇%、以下が二〇%というふうに物品税が現に今日課せられているんですけれども、これは、一千万何ぼかのところまで発達をしてきているし、まあ公共的な文化の面におけるテレビですから、この受像機に対する物品税の減免ということは長い問いわれているんですけれども、大臣としてはどうでございましょうか、何か減免するような措置をおとりになることをお考えになっていますか。前の大臣から引き継ぎなかったですかね。ちょっと御所信を承っておきたいんですが。

小沢久太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小沢久太郎君) テレビは、まあこれまでは一種のぜいたく品みたいなものに考えておりましたけれども、もう今となりますと国民の必需品でございますし、それからだんだんと各方面にわたって参ります。そういう意味合いで、われわれといたしましては、なるべくこれを引き下げるようにひとつ大蔵省のほうへ交渉したい、そういうふうに考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 見通しはどうですか。ひとつ何とか実現するようにやってもらいたいと思いますが、来年度あたりからどうでしょうね。

小沢久太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小沢久太郎君) まあ現段階におきまして見通しをどうということは申し上げかねますけれども、ひとつ私どもといたしましては、大蔵省にぜひともそういう方向で交渉していきたいと、そういうふうに考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 ぜひひとつ実現できるように、長い懸案ですからお願いしたいと思います。  それから衆議院のほうに大臣行かれる予定があるそうで、さっき向こうから参りまして、十分か十五分ぐらいいいそうであります。そのくらいで私やりますから、もう少し、あと二つぐらいお伺いしたいのですが、今あれですか、テレビジョンの加入者というのですか、契約者は何ぼになっていますか。テレビとラジオを、ごく最近における数を教えてもらいたい。これは協会のほうがあれですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○参考人(小野吉郎君) 本年度テレビのほうの関係について申しますと、本年度当初におきまして千三百十九万でございます。四月中に十九万伸びておりますので千三百三十八万になっております。五月の集計はまだできておりません。千三百三十八万でございます。ラジオのほうは、年度当初におきましては四百五万でございます。そうして四月中には五万一千件減っております。このような状態でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 大臣、お聞き取りのとおりなんですね、契約者の数は。ずっとこうテレビとラジオがかわってきているわけです。そこで、今選挙法の改正について、きのうあたりの衆議院の総理の御答弁でも、改正しようというような意見があるようですがね。そこで、テレビジョンの活用についてですけれども、今ラジオは、要するに四百五万ですけれども、四百万を切れましたね。それはおそらくもっと減っていくでしょう。したがって、現在の公職選挙法等の法律によって、ラジオにおける政見発表ということができるようになっているのですがね、ラジオが減ってしまって、実際にはテレビのほうが千三百万となっているわけですよ。だから、私は何とかテレビを使っての政見発表の放送ということがやっぱり実現しなければ、実際にもう聞く人が四百万、五百万切ってしまうということになると、効果の面でもずいぶん国費をかけて損だと思うのですよ。これは、大臣として、協会というか、放送に対する監督をやる大臣ですからね、そういう点、先回りして法の改正をするような、そういう考え方はないでしょうか、これは。

小沢久太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小沢久太郎君) これは、ラジオのほうでは、大体まあ九九%まで普及率と申しますか、聞こえるかと思っておりますけれども、テレビのほうは大体八五%から九三%というふうなことで、難視聴地区がございます。そういうような面もありますし、それからまた予算の面もございますし、この点につきましては自治省が主管官庁でありますので、よく検討いたしまして御返事いたしたいと思います。われわれといたしましては、テレビがこれまで増したのですから、テレビでやるということも非常にけっこうだと思いますけれども、いかにせん、自治省のほうの問題でございますので、よく相談してからにいたしたいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 カバレージは九九・七%、一〇〇%近い。ラジオは確かに完璧にまでいっているのですけれども、しかし、実際に協会の報告を聞きますと、みな廃止しちゃっているでしょう。これは、ラジオを聞いている限りは料金をとっていいのだからね。とっているかもしれないけれども、実際は聞いてない。実際には三百万切っているのだからね。僕はあなたがたまたま放送関係の監督大臣であるし、閣僚でもあるのですね。ですから、閣議の中で、そういう点をお考えになって、やっぱり時代の波に沿うような有効な、効果的な放送をやらなければ、せっかくしても、ラジオを聞いている連中が少なかったのじゃむだ放送にならないですか、そういうことを考えたものですからね。

小沢久太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小沢久太郎君) ただいまNHKのほうから御説明がありました、テレビは千三百三十八万、ラジオのほうは四百五万と言いましたけれども、四百五万というのは、ラジオだけやっているのでございまして、テレビの千三百三十八万の中にはラジオが実は含まれておるわけでございまして、ラジオは大体今のところは一軒に一台は必ずある。まあトランジスタラジオもあれば、二、三台は必ずあるというわけでございまして、数としては、やはり何としましてもラジオのほうが多いし、聴取者も多いとわれわれのほうは考えるわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 ちょっと小野さん、さっきの御報告で、テレビ千三百十九万というのは、ラジオの受信者も含めたものであって、ラジオというのは、テレビを聞かない単独のものである、したがって、千三百十九万は全部ラジオも聞いているんですか。そこのところをちょっと。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○参考人(小野吉郎君) そのとおりでございまして、契約方法を変えまして、テレビの料金にはラジオの料金も入る。その前提は、テレビを持っておる方は同時にラジオを持っておるという前提になっております。ラジオの受信契約数といたしましては、テレビ契約等の千三百万人、年度当初で申しますと千三百十九万、それにプラス四百五万でございまして、これがラジオの聴取世帯である、このように考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 しかし、テレビを引いたために、ラジオを廃止して、三百三十円払うのがいやだから、実際には聞いておっても、テレビだけの三百円しか払わないというのが相当数あるでしょう。入っていると思う、最近の契約には。だから、もしあなたのほうでこの千三百十九万が全部ラジオ、テレビを聞いているんだと断定するなら、これは三百三十円全部払っているんですか、この千三百十九万というのは。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○参考人(小野吉郎君) そのとおりでございまして、三十六年度末までにおきましては、ラジオの契約とテレビの契約を別にいたしておりました。したがって、一つの世帯に対して、テレビの契約と同時にラジオの契約をしてもらうということになっておったわけでございますが、ただいま御指摘のような、テレビをつけますと、中には、テレビがあるからラジオはもう聞いておらないというようなことで、ラジオ契約は結ばない、テレビ契約だけというような、非常な奇現象を呈しまして、これは聴視の実態に即しておりませんので、その辺を合理化いたしまして、聴視の実態に即するように改正をいたしまして、契約甲、乙にし、契約甲のほうは、ラジオと同時にテレビを聴視しておられる方、これに対しては三百三十円の料金をいただく、ラジオだけの契約のものは契約乙といたしまして、月額五十円の料金といたしまして発足をいたしましたのが三十七年度当初からでございます。したがって、先ほど申し上げました千三百十九万の契約の対象者は、三百三十円をすベて納めておりまして、テレビの聴視と同時にラジオも同時に利用しておるというようなことになっております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうしますと、テレビだけ引いて三百円払っているというのは、千三百十九万のうちに、じゃ一つもないということですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○参考人(小野吉郎君) 全然ございません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうすると、三十七年度から徴収法を変えましたね。乙のほうのラジオだけのほうですね、それが四百五万で、テレビは千三百十九万、それは全部テレビとラジオをやっている、こういうことですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○参考人(小野吉郎君) そのとおりでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 じゃ、ちょっと私も認識が足りなかったので、さっきのあなたと大臣に質問したことについては、ちょっと論旨が狂ってきたんですけれども、いずれにしても、テレビ、ラジオを並列していくということはいいことだと思いますから、なおひとつ御研究いただくようにお願いしたいと思う。

小沢久太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小沢久太郎君) その点につきましても、よく私どもといたしまして研究したいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それからもう一つ。  「業務組織」というところでございますが、たしか昭和三十六年の六月だったと思いますが、協会の組織に相当大きな変革があったと思います。そして、経営の近代化と能率を向上するために、トップマネージメントという方法を確立強化し、ライン・スタッフ組織の明確化等の方針をきめてきておるんですが、一体、協会の発足当時から今日までの長い歴史の中で、電波放送業務の画期的な発達に伴って組織の変革もあったと思いますね、かなり。で、こういう組織の全面的な改革をやって、このあとに書いてありますように、「職員については、業務運営の合理化により適正な人員配置が図られ、また、新職員制度を実施し、職員の昇進、給与を公正ならしめるとともに、人事管理の総合的な運営が図られた。」、こういうふうに書いてありますが、今回、協会のほうで陣容を刷新、といいますか、人事の異動があったようですが、前回も、この委員会で光村委員から質問がありましたように、常務理事の方々も今度二名ふえられたようです。専務理事ですか。ですから、こういう組織の全面的な改革が行なわれる際に、これらの措置がどうしてとれなかったかということをちょっと私は考えるわけですがね。当然、業務量の拡充に伴って組織が変わるということはあたりまえですよ。これは私はそれが悪いというわけじゃないのですけれども、そういう時期にマッチした、上から下からの体制というものがどうしてその時期にできなかったかということを考えるわけですね。二年たった今日、あえてそれをしなきゃならぬということは手おくれじゃないかと思うのですね。この点は、郵政大臣としてはどう考えますか。

小沢久太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小沢久太郎君) この問題につきましては、協会の独自の見解といいますか、内部事情でやったことでございまして、まあわれわれといたしましては、そこまでタッチしなくていいのじゃないか、そういうふうに考えている次第でございます。

阿部真之助日本放送協会会長

○参考人(阿部真之助君) 私からお答えしたほうが適当と思うので、お答えさせていただきます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 いや、ちょっと待って下さい。いや、会長には後ほどまたお伺いしますけれども、私は、大臣のこの意見書として、実は協会の業務報告と同時にあなたの意見書がついているわけですよね、この最後のページのところに。業務組織等についてのあなたの御意見があるわけですよ。これは、いいですか、その中に、今申し上げたような、(1)、(2)に分けて、そういう新しい全面的な組織の改革を行なった、その結果、適正な人員配置がはかられ、新職員制度というものが実施されて、職員の昇進とか給与というものが公正になってきている、人事管理の面におきましても総合的な運営がなされて非常によくなっている、こういうあなたの御見解ですから、これは昭和三十六年六月の改革に対して、あなたは三十六年度の事業概要の問題に対して所見を述べられておるので、そうであるならば、今回その協会が陣容刷新等もやられて、これは私は業務量の増大に伴った陣容刷新だからいいと思うのですよ。しかし、そういう点がもっと早くやられなかったかと言うのです。もし、あなたが言うように、総合的にやられているなら、今さらやらなくてもいいじゃないかという逆のことになる。そういう点について、あなたの意見発表がありますから、私は伺っているわけです。

小沢久太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小沢久太郎君) これは三十六年度の意見書でございまして、その後いろいろ業務量もふえたわけでございまして、そういう点で、だんだんよくなってきたというふうに私は考えて、その後いろいろな拡充もございますし、整備もございますので、そういう点である程度の改革ということは必要になったのじゃないかと思う次第でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 この意見書というのはだれが書いたのですかな。

西崎太郎郵政省電波監理局長

○政府委員(西崎太郎君) 郵政大臣の意見書でございまして、三十六年度の時点に立ちまして意見を申し述べたわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それはわかりましたよ。だから、そのときに、三十六年度の六月、改革をして、非常に順調に運営しているという話なんだから、そうであれば、今回あえて——たとえば専務理事を二名ふやすということについても、これは必要があったからやったと思うのだが、そういう理由がやはりこの際明確に現われてこそ、私はなぜ協会がそういう体制をしいたかということを、むしろこういう機会を通じて国民にはっきりしてもらいたい。この前も光村委員の御発言もある。だから、何かそういうりっぱな体制があるなら、そのときやるならやるで、陣容刷新も全部やってですね、スタートしたらいいじゃないか。全面的改正をするときに、そのときどうしてやらないのですか。二年くらいして、事業がふえましたからやるとかいう、理屈にはなるかもしれぬけれども、あまり適切な卑屈ではないな。だから、やはり実際は、あなた方が、ここまで意見書の中に、組織や機構について触れておるから、それであるならば、ああいう改革をしてこの点が非常に欠けておる点が彫る、したがってこの点はこうしたらいいという意見を率直に国会にやってもらったほうが、私はいいと思う。私も、協会の公共性というものはよくおかっておるし、国会が必要以上に執行に対してとやかく言うのは僭越だと思う。できるだけ協会の役職員を信頼して、役職員に委託してやるというのが建前ですよ、運営については。そのかわり、まずいことがあれば、役員の人たちに責任をとってもらわなければなりません。当然そういうシステムになっておる。個々にこまかく書いたくないが、ただ、世上いろいろとうわさもありますから——うわさというか、憶測もあるようだから、私はあえて、そういう点については明確に郵政大臣としても所見を明らかにしたほうがよかろうと思って質問をしておる。もう少し意見書なんかでもディスカッションしてやったらいいじゃないか。形式的に文字を羅列しただけじゃ何にもならぬですよ。

小沢久太郎自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小沢久太郎君) 先ほども申し上げましたように、業務量も拡大いたして参りましたし、それからオリンピックもぼつぼつ近づくというような意味で、体制の強化ということをはかる必要がありまして変えたというふうに私は考えておる次第でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それじゃ大臣、いいですよ。  ところで、阿部会長に伺いますが、今の郵政大臣の答弁でわかりましたけれども、あなたが会長になられて、今回常務理事、——専務理事すか、春日さん、栃沢さんがなられたのですか。赤城さんも専務理事になられたですね。いずれにしても、二名の理事の追加があったと思うのですが、この必要性と申しますか、そういうことについて、会長から御所見を承りたいと思います。

阿部真之助日本放送協会会長

○参考人(阿部真之助君) ただいま御質問があった三十六年度の時限におきましては、三人の専務が御承知のように……。その前にちょっとお話ししておいたほうがいいと思うことは、今度の新しい三十六年の六月にしかれた改正では、この協会の運営というものは、運営会議でもって重要事項をすべて決定するという仕組みになっておりまして、その運営会議というものが最高の機関になって、まあ、いわば政治で言えば国会のような、そういうような最高の機能を持つ会議になっておるわけなんで、それで三十六年度の時限におきましては、専務三人、会長、副会長のこの五人の構成で運営会議が持たれて、まあ大体それでやっていけたのでございますが、二年を経過した今日に至って見ますというと、との二年間の事業量のふえ方というものが非常に多いのでございますね。予算をごらんになってもおわかりのとおり、毎年百億予算だけでも増しているというような形で、しかも、国会との交渉、それから組織の複雑、事業の複雑というようなことで、つまり、きめのこまかいところまで目が届きかねるというようなことになって参ったのでありまして、運営会議を強化するということが第一主たる目的だったわけです。それで、専務という、よその会社の専務とは違いまして、いわば常務的なこういう性格を持っているのでございますが、専務であると同時に、業務を分担するというような形になっておりまして、今日においては、三人の専務ではちょっときめのこまかな、目が行き届くということが困難になってきました。そういう事情で二人の専務を増したというようなことなんでありまして、全く必要から起こったことなんでありまして、三十六年度のその当初においては、いわば予想もしなかった新しい事態が起こってきたということなんであります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 たしか三十六年度は、NHKの定員の数が一万三千二百二十名、予算規模は大体資産総額が三百七十一億円、こういうことになっていると思うのです。それから二年たって、今日特にオリンピック関係ですね。ラジオの急激な発達、そういう点から事業量がふえていることは、これはみんなが認めていると思うんです。それで、特に今会長のお話がありましたように、会長、副会長、それに専務理事三名でおやりになっているのだが、他の会社なんかと違って、理事さんだって、これは常務ですね。実際には常勤の理事さんであるわけでしょう。非常勤の理事はないわけでして、実際には専務と理事との私は使い方がわかりませんけれども、待遇がどうなっているか、よく知りませんよ。専務と理事との使い分けというのは、一般の会社のやり方なんかから見ると、かなり権限その他については差があると思うんですね。ですから、五名の方々の、会長の言われるように、非常にやむを得ずやったということですから、分担などは大体大まかにどういうふうにきまるわけですか。五人の専務さんですね。それからあと、会長、副会長——会長、副会長のやつは大体わかりますけれども、この五名の専務さんの大体事業分担というのはどんなふうになるのですか。

阿部真之助日本放送協会会長

○参考人(阿部真之助君) 事業分担は、副会長は特に申し上げなくてもよかろうと思いますが、大体こんなふうな事業分担になっております。田辺専務が技術一般でございます。それにテレビ国際中継調査委員会。それから小野専務が主として経理関係でございまして、主計を担当しております。それから赤城専務が一般管理関係、それから経営第一部というようなことでして、春日専務が放送総局長をかねて一般放送関係、それから栃沢専務が労務関係を担当するというように分担は分かれております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 春日専務の場合は——個々のことでたいへん恐縮ですけれどもね、春日専務理事の場合は、放送総局長というものを兼務しているわけですか。他の専務理事は、それぞれ、それこそそれぞれの分担に専念するわけですけれども、放送総局長を兼務することについては、これは何か、放送関係かだらそのほうがやりいいという意味ですか。別に放送総局長というものを、総局長を作らなくとも、兼務のほうがやりいいというわけですか。

阿部真之助日本放送協会会長

○参考人(阿部真之助君) 放送一関係は、放送総局というものが非常に膨大な組織でありまして、必ずしも専務でなければならぬという理屈はないのでございますけれども、この膨大な組織を運営していくには、相当重要な人をここに当てないと振り回し切れないという形があるので、春日理事が放送総局長を兼ねる前には前田専務が兼ねていたような関係になっておりまして、必ずしも専務でなくちゃならぬという理屈はないのでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 ですから、やっぱり専務理事が放送総局長を兼務したほうが執行上よろしいということでやっているのじゃないのですか。

阿部真之助日本放送協会会長

○参考人(阿部真之助君) そうでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 あなたの話ですと、必ずしも専務理事でなくてもいいということになると、放送総局長は別個に、もし春日局長が専務理事になった場合には、放送総局長というものを別に任命して、放送の重要性ということに対して、専務理事と放送総局長の緊密な連絡のもとでおやりになったほうがいいと思うのですが、しかし兼務をするということは、兼務したほうが単独でやるのよりもいいということでやられているのだと思うのですが、会長のお話ですと、何か専務理事でなくてもいいということになるならば、それはちょっとおかしいじゃないですか。

阿部真之助日本放送協会会長

○参考人(阿部真之助君) 私の発言が非常にあいまいな点があったかもしれませんけれども、誤解を招く点があったかもしれませんが、お説のとおりでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それで、監事さんが三名おられますね。これは役員になっている。監事は、協会の業務執行に対して、あなた方とも定例的にお話をするようですし、それからまた年一回か二回か私知りませんけれども、経営委員会に対しても監事としての報告を出すようですね、業務執行に対する。そういう監事の方々のこういう御意見は当然出ておるのでしょうね。それから、経営委員会でこういう組織についてはやっぱりきめられるわけですか。その点はどうなりますか。

阿部真之助日本放送協会会長

○参考人(阿部真之助君) この組織が変更される場合には、当然それは経営委員会の承認を得ることになっております。  それから監事の件でございますけれども、監事は、放送法の規定に基づいて、まあいわば、われわれの経営がうまくいっているかいないかを監視するというような役割なんでございますけれども、実際どういうことをやっているかといいますと、そのとおりなんで、たえず協会の運営についてはいろいろ研究もし、監視も監査もしておるようなことなんで、それらの意見は、毎月一回開かれる経営委員会の席にも列席して監事の意見が述べられますし、同時に、われわれとの理解を深めて関係を密にする、そうして業務の実態をよく把握してもらいたいために、月二回以上は、会長、副会長と監事と会合していろいろ意見の交換をしているというような形をとっております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それで、監事の見た目からもやはり今のような組織の改変をしたほうがよろしいというやはりこの、答申というか、意見はあったのでございますか。

阿部真之助日本放送協会会長

○参考人(阿部真之助君) そのとおりでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 この監事の役割は、私はかなり重要だと思いますね、これは。ですから、今ここに監事が今までどういう報告をなさったかというようなことを私はここで聞くことはやめますけれども、何か、われわれが参考にするために、年一回なら一回、文書で報告するような、そういう重要な事項だけでもわれわれに知らしてもらうようなことはできませんでしょうか。

阿部真之助日本放送協会会長

○参考人(阿部真之助君) もし御要求があるならば申し上げてもよろしゅうございますが。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それでは、私どものほうで今後こういう段階で監事はどういうふうな意見を出したか知りたいようなときには、ひとつ委員会を通じて協会のほうにお願いしますから、文書等でひとつ出していただくようなことお願いしたいと思います。  私は、以上、今度の三十六年六月以降二カ年たちまして、さらにここに組織強化のためにとられた協会側の意見はよくわかりました。結局、オリンピックを控えて、協会はこれから本腰を入れて全世界の人たちの要望にこたえるような完璧な放送体制を確立するということが必要だと思うのですよ。ですから、会長以下、副会長も今後新しくおかわりになっておられますし、いろいろ困難もあると思います、いろいろな客観情勢の中でですね。しかし、ひとつ一体になってその目的に向かってその事業の中で努力していくということが一番大事だと思うのですよ。ですから、ひとつ会長も、たいへんお忙しい仕事を持たれているようですししますけれども、それらの点も、十分われわれの意見も聞いていただいてやってもらいたい。こういう希望を私はこの際申し上げておきたいと思うのです。

阿部真之助日本放送協会会長

○参考人(阿部真之助君) できるだけ御期待に沿うように努力いたしたいと思います。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 ちょっと関連。  先般の委員会で、この問題でちょっと質問したのです。会長おられぬところで悪口をちょっと言っておきましたが、あなたのくせが私に移ったのかしれませんけれども……。五人専務理事をお作りになるお気持はわかります。確かに、われわれが議員になったときからすると、NHKの機構というものは相当膨大になっておりまして、それで理事も三人だったのを十人にふやすことにわれわれは賛成をいたしました。私の審議の過程で考えてみますと、専務理事若干名だから、これは多分三人くらいだろう——ところが今度五人にふやしておられるのですね。十人の理事の中で若干名が幾らかということで、私はこの間質問してから、あっちこっちの学者に聞いてみましたら、まあ若干名だから、五人でも六人でもいいじゃないかという人もおります。しかし、大きな会社で、重役が十人おって、じゃ専務取締役を五人お作りになるかと言ったら、そんなことはできないよと言う人もおるのですよ。だから私は、私の意見が正しいということは言いません。言いませんが、少なくとも十人の理事の中で若干名の専務理事が五人だということは、私は今でも納得できませんが、しかし事業量増大で機構を強化しなければならないということはわかります。それならそれで、会長も、選挙制度審議会−あの忙しい仕事なんですね。NHKの会長というものも忙しい仕事なんです。そのほかに何か会長はまだ引き受けておられると思うのです。確かに阿部会長というのは日本で有名なお方ですから、これはあっちこっちから引っぱりだこだと思う。しかし、自分のところの仕事がほんとうに忙しくて、事業量がふえて専務理事をふやしたりしなければならないということになれば、やはり自分も兼職はおやめになって、NHKの発展のために打ち込んでいただきたいというのが私のほんとうのねらいなんです。だから、ちょっとこの間、会長のおられない間に、私はそういうことも申し上げましたが、本人のおられないところであまりそういうことを申し上げるのは失礼で、きょうに延ばしていたのです。これは、私に兼職をやめなさいと言う資格はありませんが、こうして実際上忙しくなって仕事がふえて、専務理事をふやすとおっしゃるのだから、おれは別だということにはならないと思います。やはりNHK発展のために、今後も大いに努力していただくのですから、なるべく兼職というものは控えていただきたい。私は、非常にこれは命令的で悪いかしれませんけれども、会長の良心にお待ちしたいということを一応希望として申し上げておきたいと思います。

阿部真之助日本放送協会会長

○参考人(阿部真之助君) 御忠告は謹んで承って善処するようにいたしたいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 次にお尋ねしたいのは、七月三十日から八月二十八日の間、体育連盟主催の全国高校総合体育大会というのが持たれる予定になっておりますが、先般新聞紙上で見ますと、この大会に対して協会が助成金を出すという記事がございました。この助成金を出すことについて、主催者側からも何か批判めいた意見が出ておったようだし、また、他の報道関係からも批判めいた記事が載っているのを私は拝見しましたけれども、真相がよくわからないのです。これは、たしか前に、何かテレビかラジオでおやりになったようなこともちょっと記憶しているのですけれども、一体この計画はどうなっておるのでございますか。

春日由三日本放送協会理事

○参考人(春日由三君) 鈴木先生にお答え申し上げます。  従来、今先生の御指摘になりましたように、高等学校の体育全国大会というものは、種目別に各地でばらばらに行なわれておりました。それをラジオやテレビで中継いたしますのは、私どもの考え方といたしましては、アマチュア・スポーツの振興、それからオリンピック対策といたしましても、選手層が厚くなるということのために必要だというので、かなり力を入れて種目ごとに中継をいたしております。中継をいたします場合には、その中継の放送権料と申しますか、そういったものをそのつどお支払い申し上げていたわけなんで、これが実態でございます。たまたま、一昨年来、全国高等学校体育連盟の会議におきまして、こう各地でばらばらにやっているのは非常なロスが多い、同時に、それを後援する府県もなかなかたまらないから、全部一緒にいたしまして、二十数種目一緒にいたしまして、全国三地区ぐらいで総合体育大会をやろうではないかというのが全国高校体育連盟の考え方であったわけです。それをいたしますためには、私どものほうも、そういたしますと、ばらばらでやるよりも一括してそれを放送することによって助成をするということで、より一そう効果を上げ得るという話し合いになりまして、五月の全国高校体育連盟の理事会で、そういう態度が決定いたしましたわけでございます。その決定いたします前後におきまして交渉いたしております際に、そういたしました場合には、それを運営するために、ラジオ、テレビジョンで中継する関係から、従来ばらばらに出しておりましたいわゆる放送権料でございますね、助成金をまとめてもらいたいという意見も出ております。金額的には、現在、全部の種目二十三種目、春、秋、いわゆる夏の大会も冬季大会も合わせまして二十数種目で、今の予定では、ラジオで一日一時間半、テレビジョンで二時間半くらいの中継をいたし、二千五百万円ぐらいのものを高体連に一括して差し上げることによって、全部の種目のラジオ、テレビの中継を行なう。そのことが同時に高校のアマチュア・スポーツの振興になるという考え方でお話し合いをしているわけなんで、その過程におきまして、今先生が御指摘になりましたいろいろ意見が出ております。  と申しますのは、高体連の所属している陸連でございますですね、日本の陸上競技連盟。その陸上競技連盟と高体連の話し合いが完全に、つまり熟していなかった部分が、種目によってはあるわけでございます。その点が、体連に所属している各理事者の意見に若干の食い違いがあるわけでございますが、これはすでに高体連と陸連との話し合いでわかっているという段階に今日あるわけです。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうしますと、総合体育大会は、NHKがテレビ、ラジオによって独占的に放送していくということになるわけですか。そうすると、他の民放との関係なんかはどうなるのですか。

春日由三日本放送協会理事

○参考人(春日由三君) 主としてアマチュア・スポーツでございますから、従来とも、ほかの民放は必ずしも積極的ではございませんでした。しかし、私どものほうは、民放から申し入れがあった場合にはお話し合いに応ずるという態度は、どの競技でも従来と変わりございません。事実上独占になる場合というのは非常にアマチュア・スポーツの場合多いのでございますが、独占を理由にしてそういう助成をするという考え方ではございません。しかし、今日ただいままで、各種目に応じて、それではどうかというお話し合いが来ていないこともたしかでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これは、やっぱりなかなか、プロ野球の場合でも相撲の場合でも、放送時間を三十分間早くするかおそくするかでも問題があるわけだ。だから、協会は協会としての使命を持って、放送法に基づく放送協会ですけれども、民放というものが新しく出ておるからには、やはり民放との摩擦のないように、できるだけ協会は大局的見地に立って、日本の報道の大御所だという気持に立って、そうしてまとめ役を買っていかなければならぬと思うのです。たまたまあなたのほうの助成金のお話にもあったように、要するに、アマチュア・スポーツであっても、協会が独占して放送のためにその放送権料みたいなものに名を借りてやっているとか、そういううがったような見方も出てくるかと思うのです。それはあくまでも誤解に基づくものだと思います。ですから、それだけに、もっとこういう計画をやる場合には、陸連のほうとも十分話し合いをすると同時に、関係報道関係とか、あるいはテレビ、ラジオの関係の民放にも、十分にその意識の統一をしていただくような機会を持ってやるべきだと思うのです。せっかくいろいろ一生懸命やっておっても、それが誤解に基づいて協会の悪口になるようなことになったらつまらぬことじゃないですか。新聞なんかにぽっと出ると、非常に奇異な感じがするわけです。私たちは、そういう意味において、もう少し、計画をする場合、幅広い——衆知を集めてやっておられると思うのだけれども、なおもう少しPRを上手にやってもらいたいという気持を私は強く持つのです。この点、春日さんも一流のそのほうのエキスパートなんだから、抜け目はないと思うけれども、それでもやはりこういう点の批判が出てくる。その原因というものをもう少し追及してみるわけにいかぬのですかね。

春日由三日本放送協会理事

○参考人(春日由三君) 先生のおっしゃるとおりだと思います。現に、私どもがそういうふうなことを強行しない証拠といたしまして、過去におきましても、昨年あたりでも、たとえば静岡あたりで中等水上の全国大会が行なわれました際には、私のほうも、土地の民放も、やはりそれを中継するとか、体操の場合でも、新潟とか仙台の場合も同じような例がございます。これは、むしろ放送事業者にそういう誤解があるとは思わないわけです。率直に申し上げますと、若干高体連の催しているスポーツの中で、たまたま過去の実績で一、二の新聞社の方々が共催しているようなものがありまして、その方々が、若干の誤解で、もしそうなったら、自分のほうのものを無理に取っていくんじゃないかという誤解を持たれた向きがあるのではないかと思いますが、若干話し合いの不十分な点もございますけれども、本旨といたしましては、あくまでもアマチュア・スポーツの振興であり、しかもNHKはそれに特に力を入れるということには積極的でございますが、必ずしも独占しなければならないというふうな考え方に基づいていないということだけは重ねて申し上げます。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 ちょっと関連して。  今の春日さんの御答弁を聞いていまして、郵政省に伺いたいのですが、この前の放送協会の予算の審議の際に、私は少し口やかましく御注意を申し上げたのです。やっぱりそれに関連する問題ですから、私は、放送法の建前から、今の御答弁に関連して、ひとつ、将来の問題もありますから、お尋ねをしておきたいのです。  私は、鈴木委員がお尋ねになったように、いろいろなそういう問題について、あるいは高体連だけでなしに、あるいは朝日マラソンとか毎日マラソンとかいうようなものに関連してでも、いろいろそういう同じ種類の問題というものが関係方面で起こっているといううわさを聞いておりまして、それについては、鈴木委員の御質問のような心配をやはり私も持っている一人なんです。ここでお聞きしようというのは、放送法の建前なんです。春日さんが答弁された中に、高体連はこういうわけで、これはNHKもこういう気持でいるのだということを言われたのですが、それが、どこまでも精神はアマチュアのスポーツの振興にあるのだ、こういうことです。  私は、放送法の七条、八条、九条あたりを読みましても、日本放送協会がアマチュア・スポーツの振興のために事業をやらなければならない、やってもいいんだということは出てこないと思うのです。どこまでも、法律に書いてありますように、放送番組をよくする、こういうことをしないとよくならないのだというような目的、そういう方向で考えられてこそ、初めて法律の規定に合致する。この前申し上げたように、通信教育にいたしましても、通信教育そのものを私は否定するわけじゃないし、非常にけっこうだと思うのです。放送協会が協力をされるということはけっこうだと思うのですが、放送協会が自分で教育機関を持ってやるというところに放送法の建前からいって非常に問題がある。放送協会はもっと第一義的な仕事をたくさん持っているじゃないか、これは法律に書いてあるじゃないかということをこの前も申し上げたのです。今も、アマチュアのスポーツを振興するということは、われわれも非常にけっこうだと思うし、国民全体がみんなそれに対して協力すべきだと思うのですが、しかし、放送協会がアマチュア・スポーツの振興を目ざして一つの仕事をやるのだという場合に、やはり同じような問題が起こってくると思うのです。だから、法律の解釈については、もっと厳正に考えなければならない。国民からどういうふうにして放送協会が仕事をまかされているのかということは、法律以外にないのです。ですから、法律というものは生かして運用しなければならぬということは、私もそうだと思いますが、しかし、法律の精神からあまりにも逸脱した運用の仕方をするということは、これは私は公共機関である日本放送協会としては許されないことだと思うのです。  そういう点について、それに対して協会が協力をされるということについては、これは私は賛成をしないものじゃないのです。やっていただいてけっこうだと思うのです。しかし、アマチュアのスポーツ振興ということが目的だ、そのためにやるのはあたりまえじゃないか、こういう考えだとすると、それに対してどんどん費用を出して、どんどん放送協会がそれに乗り出していくという態度は、放送法の建前から見て私は非常に疑義があると思う。郵政省どうですか。

西崎太郎郵政省電波監理局長

○政府委員(西崎太郎君) 私としましては、先生のお考えに全面的に賛成でございます。それで、今具体的な問題として、全国高校体育連盟の問題が出たわけであります。この関係も、われわれはその放送を実施するための放送権料、こういうふうに承知いたしているわけでございます。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 関連質問ですから私はこれでやめますが、もし私の法律に対する解釈の仕方、したがって放送協会のあり方というものについてもう少し考えなければならぬ点があるというようなことをあなたも考えておられるなら、監督官庁ではないけれども、あなた方は政府機関として放送協会に対して十分そういう点をアドバイスして法律の本来の方向に持っていくように努力する責任はあると思うのです。これはぜひ大臣にもお伝えを願って、私は、放送協会が本来の第一義的な仕事にもっと経費もかけ、もっと努力をするように話し合ってもらいたいということを希望しておきます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 三十八年度の予算の審議の際に、私どもは十分そこまで実は論議が尽くせませんでした、率直に言って。それから、こういう事業などは特にピックアップしてお話をいただくようなことをしたほうがよかったのじゃないでしょうかね、こういう問題は。私記憶間違いがあれば取り消しますが、これらのことについて率直に、二千五百万円予算を支払うそうなんだが、どういう費目から出すのか私知りませんけれども、そういうこまかいことは別として、こういう事業を起こす場合に、やはりやりたいのだがどうだろうかという工合に、事業計画の中でわれわれの意見も聞いてもらうような方法をとられたらなおよかったのじゃないか、こう思うのですけれど、これは過去の予算のことですから、われわれの審議のまずさもあったかと思いますけれども、やはり何というのですか、誤解を受けるようなことになることは非常にマイナスでしょうし、それから春日さんが端的におっしゃっているように、その原因もある程度つかんでおられる、あなたのほうでは。どこにそういう誤解があったかということは、そうなればもっと一歩進めて誤解を解くようなことをやるべきじゃないでしょうか、こういうことをおやりになったのですか。

春日由三日本放送協会理事

○参考人(春日由三君) 高体連、それから陸連、それから過去においてある種目を主催している報道関係との話し合いは、引き続き続けておりまして、ほぼ今日の時点ではお話し合いがついているという段階でございます。なお、今鈴木先生からお話のありました種目につきましては、年間の番組作成費の中のいわゆるスポーツの中継放送の予算の中に計上しておるわけでございます。ですから、プロ野球とか、相撲とか、そういったあらゆるスポーツを中継する際の放送権料の一部として上程しているわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 相撲なんかどのくらい払うものですか、十五日間で、国技館の場合で。

春日由三日本放送協会理事

○参考人(春日由三君) 今のところ、年間六場所でございまして、九十日でございます。約一口二時間ないし二時間半ということで、三十八年度の実行上の予算としましては、大相撲九十日全部に対して約五千万円でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 私は、こういうそれこそ営利でない放送なんかについては、これは基本的には新谷委員の言われたような問題が放送法上あると思いますけれども、それは一応おいて、むしろああいう相撲なんかを全国に放送してもらえば、相撲のほうだっていいし、みんなもいいのだから、私は五千万円も金を払ってやることはないと思うのだが、むしろ喜んで中継さしてくれないですか。あそこにテレビを置く場所を借りるぐらいものでしょう。これは逆じゃないかな。もっとそういうことはできないものですかね。

春日由三日本放送協会理事

○参考人(春日由三君) かつてNHKだけの時代におきまして、しかもラジオだけの時代におきまして、相撲を中継することによって相撲は盛んになってなおお客がふえるという説と、それから中継されると国技館に来る人が減るという、両方の説がありまして、だいぶ議論をしたことはございますが、結局中継することによって、相撲というものは、確かに放送も一翼をになって今日の興隆を見たと思うのですが、現実に、歌舞伎でも、新劇でも、スポーツでも、あらゆるそういうふうな興行的なもの、つまり興行権を有するものは、それを放送で中継するという場合には、放送権料というものは支払わなければならないというのが今日の現状でございます。もちろん、放送することとそのお金との比率を見て著しく高い番組単価になるというふうな場合には、しないということもかなり事実上はございます。しかし、ただでやるから、はやるからただでやるというふうな催しものというものは今日ではほとんどございませんのが実情でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 まあ向こうも商売ですから、がめついことを言ってくるかもわかりませんけれども、やはり、特に体育、全国高校体育連盟なんというものは、これは商売じゃないのでしょう。これはアマチュアでしょう。そうなれば、放送権料といってみたって、実際にやはり助成だな。放送権料ということにせぬと金が出せぬでしょう。おそらく、助成ということになると、やはりさっき言ったいろいろな問題が出てくるでしょうから、できないで使っているのだと思うのです。どうも理屈がそのときそのときによって違うのだ。そういう点は、もう少し私は考えてやったほうがいいのじゃないかという気がしますね。もうちょっと大胆に話をして、高校体育連盟というようなやつはテレビやラジオで中継してもらうということは非常にいいことじゃないですかね、放送することだけは、そういう趣旨では。

春日由三日本放送協会理事

○参考人(春日由三君) 先生のおっしゃる点は、もっともだと思うのでございますが、現実に今のアマチュア・スポーツのいろいろな全国大会という場合には、主催になります連盟というものはほとんどそれを実行する上の予算というものを持っておりません——アマチュアでございますから。ですから、主催地の府県のいろいろな関係から助成を受けるというのが実情なんでございます。ところが、だんだんいわゆる経費というものがかさんで参りますし、全国大会をやるというようなことになりますと、府県でもなかなか助成し切れないということで、たとえば六大学を初めとして、あらゆるアマチュア・スポーツが、ラジオ、テレビに取り上げる場合には、若干の放送権料というものを取って、それが運営費の一部分になっているということも事実なんでございます。ですから、不当にアマチュア・スポーツがプロ・スポーツのようにたくさん取るという形はとっておりませんが、運営する最低限の経費を確保する一つの方法として、ラジオ、テレビジョンの中継放送を許すということによって放送権料を取る、それが運営費の一部分になるというのも、また事実なんでございます。問題は、どれほど多額の金を出すか、どの程度が妥当かというようなことが総額の算出の根拠になるわけでございますので、たとえば過去の水上連盟の全国大会で百万円くらいの中継料を出しているわけでございます。二十数種目全部ということになりまして、それをラジオ・テレビジョンで一日三時間半ないし四時間十一日間というふうなことを計算いたしまして、一時間の番組費が幾らかかるか、それより下回っているかどうかというような判断をした上に、総額のいわゆる放送権料というものをきめているわけなんでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これは相撲の場合はわかりましたよ。九十日間六場所五千万円。この全高連のほうの総合体育大会というのは何日間やるのですか。二千五百万円、ラジオで一時間半、テレビで二時間半とか言っていましたが。

春日由三日本放送協会理事

○参考人(春日由三君) 具体的な細目について今日のところまだきまっておりませんが、考え方といたしましては、種目の数が夏二十三種目、冬季において二種目、それを十一日間、全国大会でございますが、今年度の予定では、新潟地区とそれから京阪地区と四国地区というふうに、種目によって三つに大別してございます。その三つの場所から、全種目を一日平均ラジオ、テレビ合わせまして二時間半と一時間半でございますから、約四時間で十一日間全部中継するという計画でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうすると、相撲なんかと大体一日なんぼという比率は同じになってきますね。  それからもう一つ、甲子園でやっています高校野球、夏と春ですか、全国選抜と夏季の野球大会をやっていますね。ああいうものもやはりNHKはよく中継していますね、ほかのところはあまりやらぬけれども。ああいうものも相当放送権料出しておるのですか。朝八時半ごろからやっていますね。

春日由三日本放送協会理事

○参考人(春日由三君) 放送権料を出していることは事実でございますが、ただいま手元に、その選抜とそれから甲子園だけ抜き出した資料というものを持っておりませんものでございますから、のちほど調べまして数字をお答えいたしたいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 数字はいいのですけれども、やはり払っていることは払っているわけですか。

春日由三日本放送協会理事

○参考人(春日由三君) さようでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これはまだいろいろと問題が残っていると思います。ですから、さっき言ったできるだけ放送権料なんというものは払わないで放送できるようにすれば一番いいことなんで、またそうあるべきだと思うのだ。実際問題として、これは向こうが商売人でやる場合はまた話は別かもしらぬけれども、アマチュア・スポーツの場合だったら筋が通ると思うんですね。何もわざわざそれに放送権料を出して中継さしてもらうということでなくてやれると思う。それで、助成するならするということは、また別途いろいろな点を考えて検討するならするということにしたほうがすっきりするんじゃないか。何か放送権料といいながら助成金的な性質を持ってくるような気もするし、そこらは十分検討する余地があると思うんです。  もう一つ、その問題と関連がありますから伺っておきたいんですけれども、私は次の委員会に実は文部省の視聴覚教育課からだれか来ていただいて聞きたいと思っていることがある。これは非常に重大な問題だと思いますが、五月二十七日の東京新聞のラジオ、テレビ欄にこれは掲載してあることですが、文部省が最近視聴覚の調査をラジオ、テレビについておやりになったようでして、これは非常にけっこうだと思うんですが、その結論として、今後ラジオにおいて道徳教育を強化していくということが載っているんですがね。これはどういうことか私わかりません。現在の教育放送といえば、NHKの放送か、NET——あれはほとんど名前だけ教育であって、内容は映画の放送をしているのだから、これは郵政省のほうにもあとから聞きたいと思っているんだけれども、これは教育放送の資格があるかどうか、そういう点がありますけれども、とにかく、どの放送を使ってやるか知りませんよ。知りませんが、いずれにしても、中小学校に対する、特に中学校に対する道徳教育をラジオでもってもっとやっていくのだということを言っているんですね。一体協会は、道徳教育的な、放送における教育番組を通じて、ラジオ、テレビでどういうことをやっておられるか、それから文部省がこういう調査をやったことを知っているかどうか、なおラジオによる道徳教育の実施をやり強化していくということについてお聞きになっているかどうかという、その点だけ結論的に承っておいて、なお次に文部省の関係者に来てもらって、この調査の結果と今後の方針について伺いたいと思っているんですが、とりあえず協会のほうでわかっておったら、その点を答えていただきたいと思うんです。

春日由三日本放送協会理事

○参考人(春日由三君) 文部省の視聴覚教育課でどういう調査をしているか、そのデータの結果がどうかということは、私存じておりませんが、しかし、NHKの学校放送と申しますものは、文部省の教育指導要領というものにやはり準拠してスケジュール、番組を組んでいることも事実でございます。その道徳教育につきましては、先生から前の委員会でもお話があったと思いますが、私どもは昭和三十二年以来新しい意味における道徳教育的なプログラムを学校放送の中で若干組んでおります。今日といえどもそれは続いておりまして、具体的に申し上げますと、御指摘の中学の部では、一本は「学級の話題」、一本は「わたくしたちは考える」、一本は「信夫の日記」、ほぼ中学三年の一学年に一週一本ずついわゆる道徳教育的な番組を組んでおりますが、そのねらいは、あくまでもクラス・ルームの活動を通じて、友情とか、あるいはスポーツの際におけるエチケットと申しますか、ルールを守る精神とか、そういった具体的なしつけと申しますか、考え方と申しますか、そういうものを助長するようなプログラムの組み方をいたしているわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それで、さっきお話の出たNHK高校のテキストについても、私は拝見する機会を得まして、この内容等を見ますと、まだ詳細に私は目を通しておりませんけれども、いずれにしても、今お話しのような文部省の指導要領によって内容は編成されている。要するに、文部省の、監修までいかないかもしれませんけれども、指導のもとにあのテキストができていると思うのですよ。そうなりますと、ただ単に、プログラムの中で学校向けの放送をするということから一歩出て、内容まで文部省の指導のもとにやっていくということになりますと、そこに現在の教育の中立性、あるいは教育基本法に基づく学校教育というものから、はたしてNHKの中立的な立場に立つ問題がどういうふうになっていくかということについて、多少疑義も出てくるわけですね。ですから、あの発行は、たしかNHKの放送出版協会ですか一でやっておられまして、内容はそういうふうな文部省の指導を受けているということになりますと、何かそこにちょっとまた、われわれとして納得のできない点も出てくるわけですね。ですから、そこいらの問題との関連で、さっき新谷さんの言われた、第一段の全高連の総合体育の放送等にもからんで、立法の精神から見て、多少手を広げ過ぎるのじゃないか。だから、協会としては、もっと放送ずばりのものに専念したらどうかという声が出てくるわけですよ。これは、西崎電波監理局長は、新谷委員の発表を是認されて、今後その趣旨に沿ってやられるというような御意見もありました。これは私は、協会側としても、たいへん大事なことだと思いますから、この際協会の代表的な意見もお聞きしておきたいと思うのです。われわれは、やはり協会が、放送法によって、特に放送の中立性ということを一枚看板でやっているのですから、そういう点から見て、その中立性を堅持するための、目的を達成するための放送というものをどうやるかということについて、そのやり方についてはいろいろあるでしょう。そのやり方が多少手を広げ過ぎるのじゃないかという心配もまたあるわけでして、そういう点、郵政当局の見解もあるようですから、この際、もし意見があったら聞いておきたいと思うのです。

前田義徳日本放送協会専務理事

○参考人(前田義徳君) 私どもの一般的な考え方を、この際に述べさせていただきたいと思います。  具体的に申しまして、高体連の問題、あるいは道徳教育につきまして、私どもといたしましては、第一の建前は、放送番組の編集ということに重点を置いております。で、放送番組の編集に関しましては、放送法の精神に基づきまして、私どもはNHKの国内番組基準というものを作っております。この国内番組基準は、相当詳細に書いてございますが、問題は、要するに番組の質的向上、内容の向上、それから一般的に文化の向上を目的としたものでございまして、そのうちのスポーツ部分に、いわゆるプロ的なスポーツよりもアマチュア・スポーツの精神を高揚して参りたいという基本的考え方を持っております。その基本的考え方に基づきまして、いろいろな、ことに学校生徒の体育という点からも、私どもといたしましては、放送番組の編集、スポーツ番組の編集にあたって、そのアマチュア精神を取り上げていくというところに重点を置いているわけでございまして、今回の高体連の問題につきましても、私どもがイニシアチブをとったというよりも、高体連の御希望もあって、放送の場合は、ただいま鈴木先生からもいろいろなケースについて御質問をいただきましたが、やはり放送料を差し上げて放送をするということが、一応の建前でございまして、今年度の予算審議の際にも、その放送料の総額の中でこの問題を事業計画として処理していくという建前をとったわけでございまして、それがたまたま助成金というような表現によって、内容が非常に複雑化し、また、客観的にもいろいろな誤解を生じて今日に至ったということは、私どもとしては、まことに申しわけのない措置であったと考えております。しかし、春日総局長から御説明申し上げましたように、このような環境の中で、従来、放送会社あるいは新聞社等が経済的にあるいは道義的に支持してきたものについては、これを調整して参りたいという最大な努力を払いつつあります。特に、誤解の一つのもとは、先ほど先生の御質問の中でも指摘されました、毎日新聞が主催しております高校選抜野球、それから朝日新聞が長く主催しております高校の甲子園野球でございますが、この二つは、高体連の目標の中には入っておりません。しかし一般的に私どもが想像いたしますのは、その分までも将来なくなるかという御心配があるかと私どもは想像いたしております。これにつきましては、それぞれの責任者が各社の人たちと話し合いながらその誤解をほぐして参りたい、こう考えております。ただ、この問題を処理する当初にあたって、そのような環境を十分考慮することに手ぬかりがあったということについては、私どもといたしましても、まことに遺憾だと考えておりまして、将来はそのようなことの起こらないように努力いたしたい、このように考えております。  また、道徳教育につきましては、従来の、いわゆる戦前の道徳という観念と今日の道徳という観念は、全く別のものだと私どもは考えております。したがいまして、文部省の学習指導要領の中にも、道徳という言葉はすでに使われておりません。これは、共同生活の中で生活指導の方法がどうあるかという問題でありまして、したがって、戦前、道徳という言葉の中に含まれたいわゆる理念的なものは一切取り払われております。こういう意味での生活指導というものは、やはり私どもが共同生活をしているという建前から申し上げますならば、共同の福祉のために、他人に迷惑をかけない動き方、これをお互いに、小学校、特に中学校などになりますと、社会の一つの単位として活動する場も出てくるわけでございますので、そういう意味での社会環境の中で、共同生活のメンバーとしての生活態度の問題、そういう意味での生活指導をどうするかということを、お互いが主観的に、一人々々が自分の立場を考えながら話し合うという形の番組を作っていることは事実でございまして、先ほど春日総局長から例示して申し上げました番組は、すべてこの精神に従うものでございます。文部省の諾否については、私どもは直接関係いたしておりませんし、したがって、それがどのような目的であるかは、私どもは存じ上げておりませんけれども、少なくとも学習指導要領の中のいわゆる行ないの問題については、文部省当局も、私がただいま御説明申し上げましたような考え方であると私どもは理解いたしております。  それからNHKの学校放送につきましては、学校教育という建前では、文部省の制定し国会の承認を経た教育法に従って行なうべきことは当然でございまして、その意味で学習指導要領というものが、私どもの学校放送番組編集及び政策の基本となることは当然かと考えられますが、さらにNHKといたしましては、文部省当局の方々のみならず、広く全国の小学校、中学校、高等学校の現場の先生の方々並びに教育について見識を持っておられる学者あるいは有識者の方々をすべて交えて、一つの基本的討論をしていただき、その結果に基づいて、毎年度の教育放送の基本的な方針を定めております。  以上申し上げましたことは、はなはだ不備でございますが、NHKの考え方としてのスポーツの問題及び学校放送の基本的な問題のうち、特に生活指導の問題については、私どもはかような考え方に立っておりますので、したがって、私どもは、一部のためにあるいは古い観念のために特別に奉仕しようという考え方は毛頭持っておりません。ただ、御理解をいただく段階において、私どもの不手際が、いろいろな方面にいろいろな誤解を招いていることは、はなはだ遺憾でございまして、今日以後、さらに先生方の意のあるところを反省いたしまして、万全の手続と万全の連絡をとりながら、できるだけ誤解を少なくして参るように努力いたしたいと考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 協会のお考え方もわかりました。そこで、特に学校向けの教育放送の場合には、今御指摘のように、文部省の学校教育法等に基づく基本方針を体していくということ、これはわかります。ただ、あくまでも協会の番組というものは自主編成をするのが建前ですから、文部省のほうからこういうやつをやってくれといったって、あなたのほうで見て、これはどうもまずいということがあれば、これは拒否する場合があるわけでしょう。ですから、そういう態度をはっきりしておいていただかぬと、何か文部省のやつがそのままいって、NHKの教育放送の中に入っていくような印象を受けられては困るわけです。もしそういうことになったりしたら、これはたいへんなことで、そういう点を私は心配するわけです。ですから、これはどういうような方法で文部省がおやりになるか、私は次の委員会でもう少し明確にしておきたいと思うわけです。それからそれについては・なおまた、放送法の建前上、これを見ますと、七条、八条、九条に、目的、業務等がありまして、そうして第九条の2の十のところにありますように、特に郵政大臣の認可を受けてやれる場合もあるわけです、認めた場合には。そういう点を郵政省とも十分連絡をとって、新しい企画その他については、やはりこれはちょっとどうかなと考えられる点は御相談なさってやったほうが私はいいと思うのです。そういうふうに相互の理解を深めていけば、そう問題はないと思うのです、その運営については。業務報告書を見ますと、番組審議会というのが作られておるわけですけれども、中央と地方に審議会が持たれておりまして、ここへいろいろと番組について諮問をされると思いますが、特に私感じたことは、中央番組審議会の委員、これは何人ですか、二十五人ですか。この中に、日本の国民の大体半数以上を占める女子の人たちが一人もいないのです。何か婦人関係から、婦人会か何か知りませんが、これは婦人層を一人ぐらいは入れておく必要があると思うのですが、これはどうして御婦人は一人も入っていないのですか。

前田義徳日本放送協会専務理事

○参考人(前田義徳君) 御婦人はおられます。ただ、名前の点でちょっと婦人にふさわしからざる文字になっておりますので……。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それなら一人ですか。もう少し入らぬのですか。

前田義徳日本放送協会専務理事

○参考人(前田義徳君) ただいまのところお一人でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これは会長が委嘱するわけですか、審議会委員は。

前田義徳日本放送協会専務理事

○参考人(前田義徳君) 会長が、中央番組審議会委員につきましては、経営委員会の同意を経て委嘱することになっております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 会長、これはもう二、三人入れたほうがいいですよ、女の人。これはどうですかね。

阿部真之助日本放送協会会長

○参考人(阿部真之助君) ひとつ考慮しましょう。別に意図があってこう少なくなったわけじゃないのでございますから、次の機会には十分考慮しましよう。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これはたしか任期は三年間でしたか。

前田義徳日本放送協会専務理事

○参考人(前田義徳君) 二年でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうすると、今度いつ切れますか。

前田義徳日本放送協会専務理事

○参考人(前田義徳君) 実は最近、さらに再委嘱いたしましたばかりでございまして、あとおよそ二年たつかと考えられます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 会長、考えるということですから、間違いなくひとつ二年後には考えて、私の希望は、やはり少なくとも、二十五名ですからね、婦人の代表も——あなた五千万ぐらいいるのでしょう。だから、五人や三人は少なくとも入れて、御婦人方は御婦人方としての、男性にはわからぬやはり番組に対する希望もありますよ。ですから、そういうものを聞いてやったほうがなおベターじゃないですか。ひとつぜひ考えていただきたいと思います。

阿部真之助日本放送協会会長

○参考人(阿部真之助君) この際、ちょっとついでながら申し上げておきますが、地方の番組審議会には必ず婦人を入れることにはなっておりますが……。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 たしかそうですね。地方には一人は入っている。できれば二人ぐらい入れたほうがいいと思うのです。だから、とにかくそれはそれでいいのだけれども、中央はこれはもう少し考える必要がありますね。

阿部真之助日本放送協会会長

○参考人(阿部真之助君) 十分考えていきたいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それから、会計検査院の検査を受けて三十六年度の決算報告は出されておりますが、特に今回の場合、三十六年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書の検査については、記述すべき意見はない、非常にけっこうです。私たちは、よく執行していただきましたので感謝いたしますが、ここには記述しておりませんけれども、特に口頭等によって会計検査院から注意を受け、あるいは指摘されたような事項はございませんか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○参考人(小野吉郎君) 私どもから申し上げますと、受けたほうでございますので、これはどちらから申しましても同じでございますが、ニュアンスが多少……、私どもが会計検査院の気持をそのまま代弁することはどうかと思いますが、先般の衆議院の決算委員会におきまして、そのような御質問がございました。不当事項としては何もない、全般を書面並びに実地について検査をいたした結果は妥当であると、こう認めたのだ、こういうことに対しましては、何か不当な事項ではないにしても、もう少しこうしたらいいのじゃないかといったようないわゆる注意事項がないものかどうか、こういう質問に対しまして、会計検査院としては、そういった関係に対する注意事項は、あるいは文書をもって、あるいは口頭をもってやる場合もあるけれども、文書においては何ら取り上げるべき注意事項はなかった、したがって、そういった文書による注意事項はありません。口頭における注意事項には、いろいろニュアンスの差があるようでございますが、別段にこれといったあらたまっての指摘事項はなかった。ただ、講評の際に、現在のそれは必ずしもどうこうというわけではないけれども、多少、やはりより改善する意味において、このようにしたらといったような事項はあったか、それはないのかということに対しまして、いわゆる僻怠金でございます。僻怠金と申しますのは、契約をいたしまして支払わなければならない料金が滞納になっておりますから、かなり長期にわたりました滞納につきましては、法律上これに対して倍額のいわゆる僻怠金を課することができる、このようになっておるのでございますが、現実にはそのような僻怠金を徴したような形跡がない。実情がどうなっておるのか。料金を滞納しなければならぬほどの経済事情にある面もあって、なかなかむずかしいことではあろうけれども、法律でやはりそのような特典が与えられておれば、やはりそれは活用すべきではないか。——このようなことを口頭でお勧めをいたしたことはあるというような御答弁がありました。これ以外につきましては、物品の管理の問題につきまして、あるいは消耗品、これの処理の関係等について、将来の向きに対する改善の御意見はちょうだいいたしております。現に、経理の事務取り扱いの規定をその後改正をいたしまして、御趣旨に沿うような措置を講じております。以上でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうすると、口頭による多少の注意すべきような意見もあったけれども、格段それに対して、指摘事項に対して答申——答申というか、回答をしなければならぬというような、そういうようなものでないと、そういうことで理解していいわけですね。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○参考人(小野吉郎君) そのとおりでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これから私は少しこまかいことをお聞きしますけれども、誤解があってはいけませんから、最初に多少申し上げておきますが、私は、公共企業体の性格についてよく理解しているはずですから、予算と決算の場合だけは、少し国会でもこまかいことを言わして下さい。平常におけることは、皆さんを信頼してつべこべ言いませんから、そういう意味で、多少こまかいことにわたるかもしれませんが、ひとつ答えいただきたいと思うのです。  まず、受信料、これはテレビ、ラジオとも含めてこれから受信料と言いますけれども、実際の三十六年度の当初予算から見て、実績というのは、一体予算として見積もったのと狂いがなかったかどうかということですよ、受信料。受信料というのは、いわゆる契約者ですね、これはどんなことになっておりますか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○参考人(小野吉郎君) 三十六年度はまだテレビ料金、ラジオ料金、これを別々にいたしておりました。この総額を総計いたしまして予算に計上いたしました数字は三十五億を上回っております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これはおもにテレビ増加によるものですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○参考人(小野吉郎君) そのとおりでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 三十五億といいますと、大体契約者にして何名になりますか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○参考人(小野吉郎君) テレビの関係、これが主体でございますので、この辺のほとんど全体と申し上げてもいいような状況でございますが、予算におきましては、テレビの受像管増加を二百万件と見ておりました。実際に増を見ました結果は、三百三十五万件ということになっております。この百三十五万件の、予算をオーバーした増加、これが三十五億の増収のもとでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 ラジオのほうは、大体見積もった程度の減収で済んだわけでしょうか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○参考人(小野吉郎君) ラジオについては、当初いろいろ料金体系の面における不備がございまして、ラジオ・オンリーのものについては、そのような誤算はなかったのでございますが、テレビの普及につれまして、テレビの料金とラジオの料金——その前にやりました契約自体が、テレビの契約とラジオの契約と、一つの世帯においても一木の契約ではなく、二つの契約をしなければならぬというようになっておりました関係上、テレビのほうは契約するが、ラジオのほうは受信機を処分してしまったとかいうようなことで契約解除がございました。この関係の将来向き、三十六年度中における減収はかなり見込んでおったわけでございますが、決算の関係につきましては、これをいささか上回る程度の減収を見ておりますが、さして大きな差はございません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 三十六年度、すなわち三十七年三月三十一日現在の未収金は、財産目録によりますと、七億一千六百七十六万円の受信料未収金があるのですが、実際に三十六年度の未収、受信料の欠損償却等の関連経費というのは二十五億二千六百十二万円ですか、ありますね。これとの関係で、三十六年度に落とした二十五億二千六百万というものは、三十五年度の会計で三十六年度に持ち越したもので、どうしてもこれは徴収不能というものの額でございますか。それと三十七年三月三十一日現在、すなわち三十六年度の未収金の中で、やはり三十六年度の会計から償却して、要するに協会の欠損金として、どうしても取れなくて、そうして処理をしたものがあるのですか。その関係がよくわかりませんから伺っておきたいのですが……。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○参考人(小野吉郎君) 受信料未収額は、ただいま御指摘のとおり、三十六年度決算におきまして七億一千六百万円余でございます。この未収額は、三十六年度中に生じた額ばかりではございません。二年間だけは権利を保留いたしております。その間にできるだけ回収をいたしますような努力をいたしておるわけでございます。したがって、三十五年度から持ち越しました未収額もこの中に入っております。この中で三十六年度決算におきまして、欠損引き当てとして計上いたしました額が六億四千二百万円余でございます。これはいろいろ努力を尽してみましても、これだけはとうてい回収不能であろう、こう見込みました額でございます。ただ、ここで一ぺんお断わりを申し上げなければなりませんのは、三十六年度並びに三十七年度においてもそうでございますが、当時におきましては、この未収額の中には、住所変更等によりまして、旧所在地では料金の取れないものがございます。これがかなりの額に上るわけでございます。この面につきましては、新住所地との間において対照をすれば、これは料金が入っておるか、まだ未収のままになっておるか、いろいろ明確になるわけでございますが、この点については、なかなか今日の寄留制度等の撤廃の関係等もありまして、当該の市町村役場等についてみましても、なかなか調べがつきません。御本人のほうからの住所変更でお届けいただくものはごくわずかでございます。大部分はそのようなことはなしに転居をせられております。そういうようなことで、旧住所地においてはそれはまるまる未収金に書かれておりますが、新しく住所を設けられた所では、大局から申しますと、これはできるだけ漏れなく契約をしていただくような努力をいたしておりまするので、転居先で大体は契約に入っていただき、料金を払っていただいておる、このように考えるわけでありますが、その辺のところは、多少新住所地で徴収をいたしております徴収済みの料金とこの未収金とが、通常はあり得ないと思うわけでございますが、ダブっているところも、実は事務処理上避けられないと思いまして、そのような面もありますので、将来におきましては、これは恒久問題で、何とかそのような不合理を生じないように措置をいたしたいと考えております。そういう面で非常に未収の額も大きくなりますし、また、欠損の関係に充てるものも非常に多くなります。その中の非常に大きな部分を占めております、ただいま申し上げました住所変更等によりますものは、過去の実績を見ましても、ほとんど回収はできておらない。回収ができておらないということは、転居先等も明確に調べられない。そのまま調査不能となって欠損になっておるわけでございますが、これは新住所地でおおかたはすでに措置済みになっておるような状態であります。このように承知いたしております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 私が今伺いたかったのは、一体どうしてこういう未収金が重なっていくのか、その原因と、それから協会は今それを克服をして回収しつつある方法を承りたかったのですが。住所が変わってしまってわからないというようなこともあると思いますけれども、しかし、それはそうたくさんでなしに、まあ大体良識的に考えても、住民登録というやつをやっていくのですから、これは区役所に行ったら閲覧できるのでしょう、手続をすれば。だから、そういうふうにして新住所を追及していったらかなり明確になってくるのじゃないかと思うのです。ですから、住所変更のために、この大部分の欠損償却の処置をしなければならぬというようなものではないと思うのです、私は。ですから、一体こういう未収の原因というのはどこにあるのかということを承りたかったのですが。  そこで、今協会の場合は、集金は専門の集金人さんを雇ってやっているところと、そうでなくて郵便局というような、その他の機関に頼んで委託集金しているところがございますね。今、集金専門で協会に雇っている方は何名ぐらいおりますか。そして集金屋さんが集めてくる料金というものは、全体の収入の何%に当たりますか。委託のほうもついでに教えて下さい、郵便局等に委託している集金。その残りがそうだと思いますがね。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○参考人(小野吉郎君) 協会で職員として使用いたしまして集金に従事させております人数は、およそ千二百名ばかりございます。その他集金の体系としての機関別に郵政省に一括委託しておるものがございます。また、そのほかに、個人に対しまして協会が委託しておるものがあるわけでございますが、それらの種別によります徴収額がどのくらいになっておるかと申しますと、職員によりますものが、大体のパーセントで申しますと、受信者総体の数の三四%ぐらいは職員によって集金をいたしております。委託によってと申しましても、これは郵政省に委託をいたしまして集金をお願いをいたしておる、これが全体の一二・七%見当のものになっております。協会が委託をいたしておりますものが、この残余数になるわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 できるなら協会が直接集金されるのが一番いいのですけれども、しかし、これもなかなか経費その他もありましてむずかしかろうと思いますから、郵政省に一括委託をされ、あるいは個人に委託される方法をとっていると思うのですけれども、そういう集金技術の面から未収金というものの関連で私は承りたかったのですけれども、さっきの住所変更はわかりましたけれども、そのほかに、集金の組織運営の面からの欠点というのはないのですか、未収金を生み出す原因にはなっていないのですか。個人委託の場合なんか、特に私は、欲と二人連れじゃできないでしょう、こういうふうなことは。幾ら手数料をやられているか知りませんけれども、おそらく片手間に集めるようなことになっているのですから、つい二回行くところが一回になってしまうとか、そういうふうになってしまって、真剣に料金徴収を協会の立場になってやってくれるかどうか。それはたいへん失礼なことを聞くようになるので申しわけないのですけれども、あとからお伺いをする報酬等の問題と関連をして、そういうところに何か欠陥はないのだろうか、それに対して協会は何か検討した結果、結論があったら教えてもらいたい、こう思うのですがね。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○参考人(小野吉郎君) この集金体制の万全につきましては、かねがね非常に意を用いているところでございますが、これも集金の個々の人の能力から申しますと、非常にそこに能率の差はあるのでございますが、全般的にはいろいろ努力はいたして百パーセントの努力をいたしておると思います。収入の面から申しましても、決して少ない額ではないわけでございまして、協会が個人に委託をしております手数料は、月額三万五千円くらいの金額となっております。したがって、これによってほんの片手間といったようなそれではないのであります。かなりいなかのほうで三万五千円くらいの月収があれば、これは相当専念していい仕事ではないかと思っております。そのような関係でありますので、未収金の関係はもちろん、一般の集金の関係については、全力をあげてやっておると思いますが、何がゆえに未収金が出るかというような実態から申しますと、これは集金人の面の体制上の不備が全然ないとは申しませんが、大部分はやはり支払うほうの側の御事情によるものでありまして、その方面の事情によって未収金が、これは努力をいたしましても出て参るというようなこともございますし、かたがた、これはほかのほうの例を申し上げて非常に恐縮でございますが、経営委員にも電力会社のほうに長く関係をしておられる方もございます。そういった方面の方の意見を聞きますと、ある程度の規模に達すると、企業体というものは不思議なものなんで、今の未収金のようなものの発生の全体に対する比率等の関係からいっても、電力事業とよく似ておる。あのように支払わなければ電力の供給をとめるような強硬措置までやりましても、やはりそのような未収額は大体常にあるものらしゅうございます。あとは、それの回収いかんでございますが、この関係につきましては、いろいろ努力をいたしておりますが、未収金総額に対して、これを回収不能と見て欠損に計上いたしますものが、いささか額が多いようには見受けられますが、これは、幾ら努力をいたしましても回収の見込みの立たないものでございますので、いろいろこの関係につきましては、料金全般を通じての公正を期しまする上からいって、それと負担の均衡を保ちます上からいって、一段の努力はいたしたいとは思いますが、現状は、ただいま資料でごらんのとおりのような実情になっておるわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 小野さん、私はちょっとあなたの御答弁、御意見はどうかと思いますね。要するに私は、あらゆるベストを尽くして回収のために努力するということでいいのじゃないでしょうか。もうどんな努力をしてもこの程度の欠損というのはやむを得ないのだというようなふうに受け取れるあなたの考え方というのは、私はどうかと思いますね、率直に言って。それは未収金などはあると思います。しかし、その回収について、やはり真剣に考えなければ私はいかぬと思うのです。例は違いますけれども、たとえば昭和二十四年から三十五年までの間に、政府職員が不正に横着して横領した額が十五億あるのですね。その十五億のうち八億だけが回収されている。未回収が七億あるので、私、決算委員会で問題にしているのですよ。そのように何か回収というものに対して、マンネリズムになってしまっておる。だからこういう努力をして、そうして未回収をなくするように、たとえば郵政省の簡易保険のほうの契約満期になっても取らない金とか、あるいは郵便貯金の十円、二十円、引き出しに入れて忘れてしまったその金が何十億になるでしょう。そういうものに対して、どういうことをしておるかということを聞いてみると、何もやっていない。窓口に記載するくらいで、こういう金が余っているからということを言ったら出てくるんじゃないかと僕は言ったのでありますが、協会のほうでも、ときにはスポットを使ってもいいから、未収金がこの程度まであって、ぜひ納めてもらいたいと宣伝してもいいんじゃないですか。あなたのほうでは比較的、PRの雑誌も出しておるから、僕らもいただいておりますが、ああいうところに一こま掲げていただいてもいいんです。未収が協会に年間このくらいある、めしを食って金を払わぬのは不合理だということを言って、まじめに納めてもらいたい、国民の義務として、契約に基づく料金を納めてもらって、協会はもっといい番組を作りたいということで、あなた方がPRをしておるなら、今の話は聞くけれども、そうでないものだから、あえて僕はこういう問題を提起しているのですよ。もっと回収に対するあらゆるPRの努力もやって、その上で取れないのは不可抗力だというのですね。しかし、努力をしないとは言いませんよ。しておられるけれども、もっと工夫したら方法があると思うから、あえて論議を起こしているのですから、ぜひ未収金を少しでも少なくするために、われわれもまた機会あるごとに聴取者、聴視者の方々に話もしましよう。ですから、あなたのほうももう少し具体的にPRの方法なども、回収のための努力もしてもらいたい、こう私は願っているのです。そういう意味ですから、ひとつすなおに受け取ってもらいたいと思うのです。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○参考人(小野吉郎君) まさに御指摘のとおりでございまして、この回収にどこまでも努力を傾けなければなりませんことは申すまでもございません。いろいろ在来の関係が万全とは申せませんので、いろいろ検討を加えた上で、十分回収に役立ち得るような措置を講じて参りたいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それからですね、現金が大体三十億九千四百七十八万円あるようですが、これはほとんど銀行預託ですか、そこらをひとつ伺いたいのですがね。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○参考人(小野吉郎君) 大体は債務の履行時に参っておりますものでございますので、大体は銀行の預金の形になっておりまして、いつでもおろせるような形になっております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 協会は、大体年間を通じて月平均どの程度の現金が保管できるのですか、その入ったり出たりします金が。いつでも使い得る態勢に置かれている現金というのは一カ月どれくらいあるのですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○参考人(小野吉郎君) 大体ならして考えまして、一カ月三十億円前後の出し入れがあるわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これは利息で逆算すれば大体わかるのじゃないですか、年間の利息が何ぼである、そうすると常時銀行にあった額というものはわかりますね。利息に対する逆算をしていって、それを十二で割ったら、三十億ということになるのですか。だから、三十億というのは月の平均でしょうけれども、何か金が要っても、すぐ右から左に銀行に飛んでいけば間に合う、こういうふうに理解していいですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○参考人(小野吉郎君) 建設関係等によって出て参りますものが非常に大きいのであります。したがって、そういうものの支払いが集中いたします月におきましては、今のようなものでは足らないわけでございます。これには非常に巨額の借入金あるいは放送債券等の発行をいたしておりますので、そういう月は非常に例外といたしまして、そのようなものを除いた通常の業務運営の関係についてみますと、月三十億ぐらいの支出が大体のならしたところになるというような意味合いでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 三十六年のときには、ラジオ、テレビとも、前払い制度、割引制度というものはとっておりませんでしたかね、小野さん。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○参考人(小野吉郎君) 三十六年度から、たしかとったと思っております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それはわかりますか、どの程度そういう件数があったか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○参考人(小野吉郎君) 比率で申し上げますと、テレビの関係につきましては、テレビ、ラジオを通じまして、割引の期間は、六カ月払いと十二カ月前納の二本立てになっておりますが、テレビの場合は、六カ月前納の場合が、全契約の中の五・七%であります。十二カ月前納にかかりますものが〇・五%であります。ラジオにつきましては、六カ月前納が五・五%でありまして、十二カ月、一年分の前納にかかります件数が〇・九%、このようになっております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 案外少ないものですね、やってみますと。これはほんとうは得なんだから、これを少し周知させてみたらどうかという希望意見を述べておきます。  それから、三十六年度中にカラーテレビにずばり使った金というものはわかりますかね。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○参考人(小野吉郎君) 三十六年度について申しますと、出しました経費を大分けにいたしますと、技術、研究に使いましたものと放送関係に使いましたものとの二本立てに分かれております。三十六年度では、研究関係に九千四百万円余でございます。放送関係には一億四千六百万円余でございまして、両者を合わせまして二億四千百万円余に上っております。三十七年度では、この技術関係、研究関係と、放送関係を合計いたしまして、三億三千五百万円充てておりますので、三十六、三十七両年度を合計いたしますと、カラーテレビの関係に投入いたしました経費は五億七千六百万円ということに相なっております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 今カラーテレビは何人見ているようにつかんでおりますか、協会で。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○参考人(小野吉郎君) 的確には何ぼという件数も出て参りません。これは別個の契約対象になっておりませんので、なかなかこまかいところまで明確には把握できないのでございますが、およそメーカーのほうの生産台数、これの出荷台数等の関係から推定いたしまして、およそ一万から一万二千台ぐらいに上っているのではないか、このように考えます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これは西崎さん、監理局のほうでは明確な調査はできておりませんかね。

西崎太郎郵政省電波監理局長

○政府委員(西崎太郎君) 実はわれわれのほうも的確な数字は把握しておりませんが、大体小野専務が言われた数字だと承知しております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これはカラーテレビの今後の普及発展のためにも、私は明確な一つの資料としてほしいと思うのです。ぜひ機会を見てひとつ御調査いただきたいと思います。方法がむずかしかろうかと思いますけれども、お願いしておきたいと思います。

伊藤顕道日本社会党

○委員長(伊藤顕道君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

伊藤顕道日本社会党

○委員長(伊藤顕道君) 速記を起こして下さい。  本件についての質疑は、本日はこの程度にとどめます。  これにて散会します。    午後一時十七分散会    ————・————

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