逓信委員会 第19号
- 発言数
- 304 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1963/03/28
会議録
○委員長(伊藤顕道君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。 電信電話債券に係る需給調整資金の設置に関する臨時措置法案を議題といたします。 前回に引き続き、質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
○鈴木強君 私、前回この法案に対して一通り質問を申し上げましたが、なお理解しがたい点もございますので、きょうは特に大蔵省からもおいでいただいております。 最初に、少しそういう観点から、理財局長さんが来られませんので、国庫課長さんが見えておりますので、ちょっとお尋ねしたいのですが、御承知のとおり、電電公社が発足をしてすでに十一年、この間、この公社法に基づいて、電電公社が電信電話の拡充のために努力されていることは御承知のとおりです。かねてから、私たちは、公社法全体について、国鉄公社あるいは専売公社等の過去経営をして参りました経験に徴し、なおかつ、電電十年の経営に徴しまして、是正すべき点が公社法上あるのじゃないか、こういう点を研究を続けてきているのですけれども、特にきょうお尋ねしたいのは、電電公社が使う現金についてでありますが、御承知のとおり、第六十七条によりまして、すべてこれは国庫に預託をする、こういうことになっております。また一面、六十五条によって、国庫余裕金の一時使用ということが予算総則とともに認められておる。確かに反対給付的に六十七条と六十五条というものは考えられますので、この法律制定当時の思想としては、私はわかるのでございますけれども、その後、電電の経営の健全化という点からしましても、この現金取り扱いの六十七条については何らかの改善をはかる必要があろう、こう私たちは思うのでございますけれども、まず、この点について稲村さんにお尋ねしたいと思うのです。
○説明員(稲村光一君) ただいま先生お尋ねの電電公社の余裕金の預託制度のことでございますが、これは、ただいまも御指摘がございましたとおり、公社——これは、電電公社のみならず、国鉄も同様でございますが、発足当時からの問題点ではあったわけでございます。われわれのほうといたしましても、常に検討を加えておったわけでございますが、私たちの考えといたしましては、国鉄と電電、これは、予算的な面、それからその他におきまして、大体同じような性格のものではないか。それで、公社と申しますのは、公団とか、そういうものと違いまして、予算の関係の決算の関係、それから料金の法定とか、ことに電電公社につきましは、その加入者に対しまして債券の引き受けの法律上の義務づけがなされていること、その他、公社ではございますが、非常に国に近い性格のものではないか——これは、公社発足当時から現在まで、実は私たちのほうとしましては、同じというか、そういう基本的な性格は変わっていないというふうに考えておるわけでございます。御指摘のとおり、公社といたしましては、企業体としての性格を非常に強く考えると申しますか、そういう観点からいたしまして、余裕金の運用について、国庫預託というのじゃなく、別の方式を考えてはどうかという議論は常にあったわけでございますが、われわれのほうといたしましては、基本的な公社の性格、つまり、公社、公団、いわば政府関係機関の中で最も国に近い性格を持っているということからいしたまして、やはり余裕金は、国庫の一部として、全体として考えるべきではないかということを考えておるわけでございます。 国鉄に関しましては、一昨年でございましたか、国鉄法の改正をいたしまして、若干国債及び資金運用部への預託という線で、やや運用の幅を広げた改正をいたしたわけでございます。これは、そういう関係で、一応企業性というか、そういう方式を考えつつ、しかもその基本的な性格から考えまして、余裕金が国庫以外に出るということのないようにすべきであるという、その両方のあれを考えまして、結局資金運用部への預託、それから国債の保有、これは主として短期証券でございます。そういう格好の法律改正をいたしたわけでございます。私どものほうとしましても、同じような性格を持っております電電公社につきましても、まあ現在の制度を広げますとすれば、国鉄並みのことは十分考慮してもいいのじゃないかという考えは持っておりますが、それ以上に広げるということに関しましては、私どものほうといたしましては、適当ではないのではないかというふうに考えます。
○鈴木強君 稲村さんが、理財局の課長として、省の一つの考え方の上に立って行政を執行されるわけですから、私は、今の段階においてあなたが御答弁できるのは、そのくらいだと思いますけれども、やはり長い歴史があることはあなたも御存じでございまして、昭和三十四年の国会ころから、当時の佐藤榮作さんが大臣でございましたが、これについて、私はかなり、公共企業体とは一体何かという、そういう基本論に立って、予算委員会でも御質問したのですが、再検討の要ありということから、その後具体的な検討をしていただきまして、私たちも微力でしたけれども、皆さんのほうの理財局ともかなり折衝いたしました。その結果が、今あなたのお述べになったような国債の取得、資金運用部への預託、こういう点が多少修正をされて参った。これも私は一つの進歩だと思うのです。 日本の公共企業体、要するに、公社経営というものは、確かに戦後の労務対策というものを主にしたマッカーサー司令部からのいわばオーダーによって国鉄ができ、専売ができた経過は、これは明らかなんですから、だから、その後相当な年限がたって公社がスタートしておりますから、国鉄法や専売公社法から見ると、かなり電電公社法のほうは、国有であるが、企業経営は公社にまかしていくという、そういう思想が、国鉄経営より以上にすっきりしたものになりました。たとえば、決算上の純利益を翌年に繰り越しができる。当時国鉄は、国に納めなければならぬ、そのかわり、赤字があれば国が見てやる、こういうシステムをとっておったのですが、そこが、やはり公社法のほうは、その点、何年かたって進歩を見たあとに制定されたと思うのです。ですから私は、あなたも御存じのとおり、昭和二十九年、三十一年と矢つぎばやに政府が諮問をして答申しております公共企業体審議会等の答申を見ましても、むしろ公社予算というのは国会の承認をなくしてもよろしい、そのかわり管理委員会というものを作って、そこでコントロールしてやったほうがほんとうに企業の特徴を生かし、公共企業体にして思う存分仕事させ、できるだけ国の制約を排除していく、そういうところに立って、あの答申があると思うのです。ところが、こういう答申に対して——私はことしも予算委員会でやりました。ところが、検討中という相変わらずの郵政大臣以下三公社を監督する大臣の答弁で、総裁は総裁でまた監督があるものですから、意見があっても言えないという、そういうようなことで、実は放置されておる。六年も七年も大事な答申がたなざらしをされておるということは、私は非常に遺憾だと思います。だから、これは政治として大きく取り上げなければならない問題です。 私は、今稲村さんと、この論議をしようと思いませんし、また、そういう点に対する御意見を聞こうとはいたしませんけれども、問題は、近く、長官がさらに十分な結論を得てやるということを言っておりますが、はたしてどこまで詳細な検討を加えられるか、これはちょっと私も疑問な点もございますけれども、それにしても、予算制度について、もっと企業予算らしいものにしてはどうかとか、あるいは経営の自主性をもっと公社に与えたらどうか、こういう実は勧告が出るように聞いているのですね。すでに、もう二週間ぐらい前のNHKのニュースでは発表されておりました。川島行政管理庁長官に私会ってただしたところが、確かに近く出るのだが、検討している、こういうことでぼやかしておりますが、いずれにしても出てくると思います。それだけ、だんだん年限がたつに従って、公共企業体、公社経営というものに対して、国民がかなり関心を持ち、是正すべき方向に向かいつつあることは、私はけっこうだと思います。 ですから、そういう総体的な思想の中で、私はこの国庫預託の原則、現金の取り扱い、こういうことについても、その情勢にマッチするように今いきつつあると思います。しかし、私から見ると、かなりまだ不十分であって、現在大蔵省が態度をきめられているようなことについて、私はうんと不満があるのです。もっと私は、現在の公社の歳入、歳出等に見ましても、何といっても、電話一つつけるにも三十六万円、七万円の金がかかるわけですから、御承知のとおり、皆さんのほうにもだいぶ財投で協力をお願いしているのですけれども、いずれにしても金がかかる。したがって、今ここで、二百億なり百何十億の国庫預託をする金が、これがもしもう少し高利に利用ができるならば、その分によって何がしかの加入電話がふえていくのではないか、こういうことを思うわけですね。ですから、公社に対してもあまり制約を加えないほうがいいんじゃないか、こういうふうな気持を持っておるわけです。この点はひとつぜひ一般的な行政として心にとめておいていただきたい、私はそう思うわけです。 そこで、今度の電電公社の法律案を拝見しまして、私が一番疑問に思うのは、なぜ一体こういう需給調整資金を作って電信電話債券の価格の安定ということをはからなければならないのかということなんです。私は、率直に言って、現在の電電公社の健全経営からして、しかも発展する産業ですから、今後電信電話債券がたいへんな暴落をして、そのために混乱を起こすなんということは、まあ想像しなくてもいいんじゃないか。現に、アメリカにいっても、七十二億の外債を売ってみても、電電公社の経営はよく知っておりますよ。だからこそ、たとえ七十二億でも、そう文句を言わずに引き受けてくれますね。それだけ企業の健全性というのはあると思う。また、幸い電電債は株式市場に上場されて、そういう面からも、信用確保ということもできてきている。しかし私は、何か金を積み立てて、そうして需給調整資金を作って安定するのだというのだが、そういう必要はどこから一体現在生まれてきたのかという疑問を持つのですよ、私は率直に言って。 現実に今具体的に出ておる現象というのは、あとから申し上げますが、そういうものに対して適切に売っていくという目的を持つならばいざ知らず、質問していきますと、まあ大体最初の思想は、暴落したときに発動しようという考え方だ。しかも、それでもまずいというので、七〇%とか八〇%とか、何か基準を、大蔵、郵政、電電公社、三者できめたそうですから、そういうふうな考え方でいうならば、相場の暴落に備えてやるのだという、そういう意味の私は法案だと思うのですね。そうなると、どうも私の立場は、そんな必要はないというふうに思うのです。一体国鉄に国債取得が認められ、電電の場合はそれがペンディングになっているのですけれども、昭和三十四年の例の郵政大臣承認の減債基金四十億というものも、三十五、三十六年はそのまま据え置いておきましたけれども、三十七年になったら、二十億も建設財源に繰り入れているのですよ。そういう事実もある。一体、減債基金制度というものを作って、それが今度はこれに肩がわりしたような格好になっちゃって、二十二億の金はどこから持ってきたのか。まあ、減債基金というものは名前だけであって、そのことがくずれてどこかに行っちゃっている。一体、二年か三年たったら、一回きめたことが宙に浮いてしまって、またこういうものが出てくる。終始一貫した思想というものが何もないじゃないですか。 だから私は、そういう点を大蔵省はどういう思想で考えられて、この法案を制定するときに相談に乗ったのかということがわからないのです、率直に言って。そういう点を、私は、きょうは熊田主計官も来ておりますから、できる範囲において知りたいのです。どういう理由で、減債基金と資金との関係、さらにもっと言うならば、現金の取り扱いに対し今私が一番先に問題に出した、たとえば市中銀行の預託問題からからんで、からんでからんで二転三転して、ここに来ているような気がしてならないのです。その点をひとつ説明を聞かしてもらいたい。
○説明員(稲村光一君) ただいまの御質問のうちで、この法律案と申しますか、この制度をあれいたしましたもとになる考え方と申しますか、それにつきまして、私から答弁申し上げます。 今回の需給調整資金というものを設けました趣旨は、おそらくすでに郵政省及び電電公社のほうからも御説明があったかとも思いますが、私のほうといたしましても同様な考え方でございまして、大体御指摘のとおり、電電公社は世界的にも非常に信用の厚い公社でございまして、外債も十分に出るというあれでございます。ただ、この電話の加入者債券につきましては、これはいわゆる純粋のそれが暴落をするというようなことは、これは決して公社に対する信用がないとか、そうことであれではございませんで、私たちのあれといたしましては、これが法律上第一次取得者に引き受けを義務づけられておるものであるという点で、純粋な、いわゆるほんとうの意味の債券というのとは若干性格の違うものではないかというふうに考えております。したがいまして、市場におきましても、若干普通の債券よりも売りに出される率が多い。ことに、金融情勢等が変化いたしまして、金融引き締めというときになりますと、非常に多く売られるという現象が生じまして、価格が暴落をいたします。これは、現に一昨年の秋でごさいましたか、ちょうど、当時国際収支が悪くなりましたために金融引き締め政策をとりましたときに、そういう現象が生じました。 これは、金融情勢の上から下がりましたので、ある意味では自然ではあったわけでございますが、一方から考えますと、電話加入者にとりまして、法律上引き受けを義務づけられております債券が、そういう情勢のために非常に下がりまして、加入者の負担が著しく増加するという事態が生じますことは、これは一般的に考えても適当でございませんので、そういうときに、その第一次取得者を救うというために、その資金を発動いたしまして、第一次取得者から買い上げ、少しでもこの負担を軽減するということが適当ではないかということで、この資金を設けたわけでございます。したがいまして、従来との差は、この資金が回転資金であるという点でございまして、これはすでに御説明があったかと思いますが、したがいまして、回転できますので、この点で、従来の買い入れ予備費という予算で一時的に買い入れ償却をいたしておりましたのに比べますと、回転できるという点で非常に効率的に運用できるのではないか。こういう趣旨でございます。
○鈴木強君 国鉄の地元引き受け債というやつは、かなり強制的にやっているようですね。たとえば、中央線を今度複線化してくれ、こういう要求を、山梨なり、長野で強力にやっておるわけです。ところが、山梨県は何千万一円、長野県は何千万円引き受けてくれなければだめだ、こういう国鉄からの話がありまして、今県会なんかして、やはりそういう事情であればやむを得ないだろうということで、議会の決議を得ようとしているわけです。ですから、これは法律に基づいて電電債を買ってもらっておりますね。それとやや同じような性格のものじゃないかと思うのです。そういう地元引受債などについてはどういうお考え方ですか。
○説明員(稲村光一君) ただいま御指摘の地元引受債、その他いわゆる縁故募集のあれのことかと存じますが、そういうものにつきましては、これは何と申しますか、一般の大衆を対象とした加入者のとはやはり性格が違うのではないか。やはり特定の関係のありますものについて引き受けをお願いするという意味のケースが国鉄の場合でございます。ところが、電電債券の場合は、これとは全く性格を異にしまして、一般の方々が、零細な個人の方々が電話を架設するのにつきまして、すべて法律上義務づけられて引き受けをするというものでございますので、この点はやはり性格が違うのではないかというふうに考えております。
○鈴木強君 稲村さん、これはどうですか。あなたの立論からいったら全く逆じゃないですか。電話債券の場合は、とにかく個人が電話を引きたいという了承の上に立って、これは今四百五十万かう五百万くらいの電話がありますから、その五百万の人たちが、契約に基づいて申し込みをして、その際に引き受けるものだ。ところが、地元引受債といっても、山梨全体として七千万円、長野県全体として九千万円という割当になりますと、これは少なくとも、山梨県八十万なら八十万県民全体の税金の中からその金を払っておるのだ。そうすれば、不特定多数というか、全県民の負担においてそれは引き受けなければならない。むしろ一般の意思に基づいてやったのと、あなたの言うのと逆であって、この引受債が暴落するということが出てきたときには、何かやはり救済の手を差し伸べてやらないと片手落ちじゃないか。こういう気がして伺ったのです。それが法律的にどういう効果になるのか、その点も私ちょっとわかりませんから聞きますけれども、一応そういうふうに私は感ずるのです。
○説明員(稲村光一君) ただいま先生御指摘のような点もあるかと思いますが、やはり全般として考えますと、今の御指摘のような縁故債につきましては、法律論云々というわけではございませんが、実際が法律上の義務ではございませんし、実際問題といたしましては、これを引き受けた方々がこれを売りに出すというようなことも実はあまりございませんのでございます。ただ、今の電話債券につきましては、御承知のとおり、第一次加入者がすぐに売るというような状況が多くございまして、そのために相場が、経済情勢が悪いと非常に上がりまして、それで一般の大衆の方々が非常に不安と申しますか迷惑をするという状況が、すでに現実に、一昨年から昨年の今ごろまででございますが、ございました。そういう事態が再び生じては困る。そういう事態が出たときに、少しでも救済の措置をとっていくのがいいのじゃないか、というのが今回の趣旨でございます。
○鈴木強君 それでもう一つ、今の御説明でちょっとわからないのですけれども、企業の健全性によって債券というものが上がり下がりするということについては、これは私は、一つのファクターとしては考えられる。それがすべてだと私は言っておるわけじゃない。もちもん、株式市場における景気の動向によって、企業の健全性にかかわりなく上がり下がりすることは事実です。 そこで、稲村さんに伺いたい。お話のように安くなって、端的にいうならば、暴落したときに、第一次取得者に対して買い上げ救済してやるのだということだけでなく、その需給調整資金を発動してやることによって、電電僧の相場の安定ということをはかることがむしろ大事なポイントじゃないか、こう思うのです。そういう意味からいうと、その点どうですか、一つずつ伺っていきますが。
○説明員(稲村光一君) ただいまの御指摘の点は、電電公社がこの調整資金をもって直接市場に買いに出て、相場をつり上げるというオペレーションをしたほうがいいのじゃないかという御意見かと思われます。私のほうといたしましては、この制度の趣旨が、先ほどから申し上げておりますとおり、第一次取得者、いわば相場を操縦するというのではなくて——実は、相場を操縦するというようなことになりますと、これは膨大な資金が要るわけでございます。そういう意味で、かえって実効が上がらないのではないか。むしろ、直接必要なのは、先ほど申し上げましたとおり、第一次取得者の負担を不当に重くなるのを少しでも軽くしたいということでございますので、そういう意味で、第一次取得者から買い上げまして、間接に売りが少なくなるということで、相場にも間接にいい影響を受ける。相場と申しますのは、市場における相場でございますが、そういうふうな方向でむしろやったほうがいいのではないかというふうに考えまして、こういうふうにやったわけでございます。
○鈴木強君 いただきました資料の「法律制定の必要性」というところに、「電話設備費負担臨時措置法」——これは昭和二十六年に作ったのですが、「等の規定による引受けに係る電信電話債券は、電話に対するし烈な需要に対処するための建設財源として、電話の加入申込者等に協力を求めているものであることにかんがみ、その需給の調整及び価格の安定に資するため、当分の間、」公社に「需給調整資金を設け、これを一定の基準により当該債券の売買に運用できるよう、」にする、こういうふうに書いてありますので、お説の二つの点がやはり半々のウエートを持っておる、必然的にそれは関連性を持ってそういうことになっておるわけですから、ねらいは、やはり第一次取得者の債券を持ってやればいいのだという、あなたのほうでは強い思想を持っておるようですけれども、むしろそうでなくて、電電債券というものが市場において健全性を保ち、価格の安定を保持することがねらいなんだ、そのことによって、手放す人もなくなるわけですから、私はむしろ、この調整資金というものは、そういう方向にねらいをもってやるべきじゃないか、こういう意見を私は持っておるのです。ですから、必ずしも付随的に出てきたのじゃなくて、ねらいは二つの目的、調整と安定ということにある、こう思っておるのですけれども。
○説明員(稲村光一君) ただいまの御指摘のとおり、法律といたしましては、今申し上げましたとおり、需給の調整をはかり、価格の安定に資するということでございます。まあ、どちらが因となり果となる関係になるかというとあれでございますが、いずれにいたしましても、これは、先ほど申し上げましたとおり、市場から買うというのを主として考えますと、とても資金的に非常に膨大な資金がないと実効が上がり得ない。それからもう一つ、市場からと申しますことは、ある意味で第二次以降の取得者を保護するという結果になるかと思われますが、第二次取得者から以降のものは、これは投資対象として買っておるわけでございます。こういう方々は、実はある程度投資対象として採算を見ながら買っておるわけでございます。リスクについても十分に考慮した上で買っておるわけでございます。ところが、第一次取得者というのは、法律上義務づけられておるものでございますので、そういうものが、特に特別な金融情勢、その他で打撃を受けてはいけないという趣旨でございます。
○鈴木強君 ややわかりましたがね。 そこで、私は次の点についてお尋ねしたいのでございますが、第四条の郵政大臣が大蔵大臣と協議をしてきめて認可を与えるその基準でございますが、この点について、ちょっとお尋ねいたします。 最初私は、たしかこの法律案が国会に出る出ないの論議があった直後、日本経済新聞を拝見しましたところが、それによりますと、ちょっと私ここに書いてあるわけですけれども、郵政大臣が大蔵大臣と協議をして定めようとするその基準というものは、第一次取得者に限ることにして、債券の相場が暴落をしたときに買い上げるというふうに、そういう内容だということが、新聞の予想記事ですけれども、出ておりました。ですから、国会へ提案されるときに私はこの点をぜひただしたいと思っておりましたが、衆議院の質疑の段階で、当初何か、多少もやもやしておったようです、質疑の過程で。そこで、統一解釈というものを作って国会へ報告したものが、一定価格以下に下落した場合に第一次取得者を対象として買い入れる、それから例外として、必要があれば、これは三者の協議によって買い入れる場合もある、こういうふうに統一解釈をなさったようなんです。 ですから私は、新聞記事は信用したいし、おそらくその当時、何かの機会にそういうお話もあったと思うのですが、やはり思想は、どう聞いてみても、もう下落をしたときにやろうということは、一定価格以下に下落したということを入れたのだが、最初新聞に出ておったような暴落ということと下落ということと、言葉が変わっただけで、目ざす思想というものは同じよう一に私は考えて、ちょっと最初に私が申し上げたように、この法律案に対して、何のために出してきたのかちょっと理解に苦しむような結果になったわけですけれども、そこのところは、最初のこの法案を作るときに、一体どういうふうな話がなされたのか。それから三者の統一見解というものを国会に出すときに、大蔵省としては、第一次取得者に限り、しかもその一定価格以下に下落したという、その一定価格についてどういうような解釈をとられたのか、これをちょっとぜひ伺っておきたいと思います。
○説明員(稲村光一君) 一定価格ということはどういう水準をいうのかという御質問かと思われますが、これは、先ほども申し上げましたとおり、本来の趣旨が、第一次加入者の負担が著しく重くなってはいかぬということでございます。したがって、これはおそらく、郵政省あるいは電電公社のほうからも御説明があったかと思われますが、確かに前の負担法のときにもやはり加入者の債券がございました。それから拡充法になりまして、債券の額も多くなったわけでございますが、そのときの負担額といたしまして、拡充法になりましても前との実質的負担があまり変わらないというような点を考えまして、その程度は、従前からのものであるからやむを得ないのではないか、それを、そういう水準を著しく下回るというような事態が生じましたときに買いに出るというのがいいのではないかというふうに考えております。
○鈴木強君 今の御説明を一応肯定するとして、かりに。過去約三千億以上の電信電話債券を売りさばいておるのですが、一体この基準以下に下がった例はありますか。
○説明員(稲村光一君) 基準と申しますのは、今申し上げましたとおり、弾力的な考え方でおりますが、たとえば、最近は御承知のとおり、非常に相場が昨年の夏くらいからよくなっておりますのでございますが、具体的に、われわれのほうで、こういう事態が生じたらこの調整資金の発動をすべきではないかと思われる事態と申しますのは、大体金融引き締めが強くなって、そういう金融情勢から相場が下がるという事態でございまして、大体一昨年の秋から昨年三月ごろまでの状態というようなのがそれに当たるかと思われます。
○鈴木強君 もうちょっと端的に伺いたいのですけれども、たとえば割引債の場合、今百円のを五十円でやっていますね。それから利付債券の場合、百円のを百円ですね。したがって、利付債のほうだったら七十円前後というか、七十何円とか、それから割引債だったら三十円とか、そういう大体見当を持っておられるのですか。さっきの旧法との関係ですね。
○説明員(稲村光一君) 具体的に幾らというあれを特に持っておるわけではございませんが、先ほど申し上げました、前の負担法のときとの実質的負担がほぼ均衡するという点は、地域によってもいろいろ差があるようでございますが、大体割引債につきましては、額面の六〇%から八〇%くらいの間ではなかろうかというふうに考えます。
○鈴木強君 これは、電電公社のほうでわかっておったら知らしてもらいたいんですけれども、昨年、今稲村さんの言われた秋ごろの、非常に金融引き締めによって債券が市場において値段が下がってきた。その当時の金額と、その当時第一次取得者として予想される保有高ですね、全体として幾らくらいありましたですかね。
○説明員(井田勝造君) 第一次取得者の債券をどの程度保有されておったかという点は、これはしかとした資料はございませんので、推定いたすよりしょうがないわけでございます。私どもとしては、大体半分以上は第一次取得者の手にあるだろう、そういうふうに考えております。
○鈴木強君 そうしますと、稲村さん、私たちいただいた資料を見ましても、大体昭和三十七年の十二月末現在における、拡充法に基づいて義務的に引き受けた債券の金額というものは、利付債、割引債を含めまして、まあ三千億ちょっとありますね。そこで、今の公社の御答弁だと、大体その半分程度が第一次取得者だと思う、こういうことですね。そうしますと、かりにそうした事態が起こってきて、今皆さんのほうで資金として約二十二億の金を想定しておるそうですけれども、一体こういう事態が全国的に起きたときに、この二十二億で、今あなたが言われたような第一次取得者を守っていくというその精神が生きるでしょうかね。千五百億に対して二十二億の金でどうしてやろうとしているんですか。これは一つの仮定ですけれどもね。もし法律案が上がったとしたらですよ。
○説明員(井田勝造君) 今私から申し上げました答弁で、半分程度というふうに先生が言われましたけれども、私はその趣旨で申し上げたわけではございませんので、たとえば昨年度の九月にとりましたアンケートにおきますと、売却率は二〇%という数字が出ております。それから、また確かに売られたものという証拠になる数字としましては、併合あるいは登録されているもの、これが発行額の一七%に上る。一七%は売られているということは、これはもうはっきり言えるわけなんですが、その辺がどの程度のことかは、はっきりわからない。はっきり言えることは、半分以上は第一次取得者にあるということは大体確信できる、そういう意味合いで申し上げたわけなんです。
○説明員(稲村光一君) 今の問題は、二十二億でそういう事態が起こったときに十分かどうかということかと思いますが、私のほうとしましては、大体今後の状況を見まして、大体当面二十二億あれば、そういう事態に対処できるのではないかというふうに考えております。
○鈴木強君 いや、それは設問ですから、だから、たまたまあなたが、昨年の秋ですか、当時の状態がきたら対象になるかもしれないという答弁だったですから、しからばその当時、第一次取得者として持っておった債券の額は幾らだったか、この法の精神は、第一次取得者は義務的に引き受けてもらっている債券ですから、そういう相場の下落ですか、があったときには救済してやるとあなたは言われたでしょう。そうであれば、三千億というもののうち大体半分ぐらいは第一次取得者として推定できる、そうすると、みんながこの法律の精神で買ってくれといって申し出があったとき、いや金は二十二億しかありません、あとは待って下さいということで、それはあと引き受けた人たちが納得できるでしょうか。
○説明員(稲村光一君) 先ほど申し上げましたのは、そういう、これは一応この資金の発動すべき適当と思われる時期ではないかということで申し上げたわけでございます。具体的に言えば、この資金を発動いたします価格というものをどの程度に押えるかということは、今後の情勢によりまして変わってくるわけでございます。たとえば、先ほど申し上げました、割引債で申し上げますと、八〇%から六〇%までの間ぐらいのところでどこに置くかということによって実は非常に変わって参ります。たとえば、六〇%の線におきますと、一昨年の秋から昨年の今ごろまでの間で、そこまで実は下がっていた例というものはきわめてわずかでございます。ちょうど一昨年の九月の終わりごろに、第二市場に移るときのごたごたと申しますか、正規上場が若干ずれましたために三十円を切ったということはありますが、それ以外は三十円を上回っておりまして、したがいまして、たとえば三十円にするのか、三十二円にするのか、三十五円にするのか、あるいは四十円にするのか、そういうところで非常に具体的には違って参ります。したがいまして、そういう点は、今後の具体的な発動につきましては、電電公社、郵政省のほうとも特に協議をいたしまして、そして適切に運用が行なわれますようにしていきたいというふうに思っております。
○鈴木強君 ですから、これは非常に問題を私は起こすと思うんですよ。一定の基準ということが、今言ったように非常に幅があるわけですから、この法律ができて、電話債券を引き受けていただいても、今後第二次、第三次と一兆七千八百億資金を使って、公社がこの五年間で五百万電話をふやそう、さらにそのあと五年で昭和四十七年までやろうという計画を持っているんですから、相当に引受債というものは大きくなってくると思うんです。ですから、そういうふうなことが想定されますから、できるだけ、この法律を作って、最悪の場合には大丈夫ですよ、御心配なくどうぞということでやるでしょう。なっていくと思いますよ。その際に、一定の基準とは何ですかと聞かれたときに、いや七〇%、八〇%、と言ったって、なかなか理解できません、そのときの相場の関係もありますから。 それは大いにPRして理解してもらうとしても、今のようにかなり幅があるのですから、いよいよ金融引き締めによって発動すべきか、すべきでないかということになってきたときには、一体価格はどのくらいという調べをしていただいて、本来ならば七十三円のときに発動しようとした精神が、もしやったらたいへんだということになって、七十五円でもまだ発動しない、七十七円になったときに発動するとか——いや逆かな、逆にだんだん少なくなってくるから、逆ですけれども、七十八円、五円でしょうと思ったけれども、七十二円、ちょっとそれは無理です、七十円、もう少し、ということになって、問題が起きるのじゃないかと思うのです。もしそういう約束をして、第一次取得者の分が全部買い上げてもらえないときには、たいへんな責任を負わされることになると思う。すぐ、ちょっと待って下さい、一カ月で、二十五円で買ったものを、またどこかへ回して現金にしてもらう、資金の回転を四回くらいやるというなら、ある程度やれるとしても、一千億、二千億というものをそう二十億や三十億の積立資金で回転するということは不可能だと思います。そういうときに、争いはかなり激しくなると私は想定しますから、ですから、もちろんそういう暴落の場合に救済するということも一つの精神でしょう。そうならば、もっと的確な推測を立てて、この精神が十分に全加入者に適用されるような配慮をしつつ、積立資金も年度のうちに調整していかないと、たいへんな結果を私は招来するということを言っているのです。 そこらの、これは純理論的にものをしゃべっておりますから、実態論から いうと合わない点があるかもしれませんが、そういう危険な要素がその中にあるので、何も好んで今の段階で——十何年の間に一度そういう状態があったかなあ——しかし、それもいろいろやっていけば発動しなかったでしょう。それがあったならばたいへんですよ、またできませんよ。だから、そういうようなことは、今後私はもっと膨大な、第一次取得者に負担してもらう債券というものがふえてくるわけですから、よっぽど慎重な配慮をしてもらわなければならないといけないと思うのです。ここらは、ちょっと私は説明できないと思うのですよ、あなたのほうは。率直に言って、純理論的に言ったら。千億でも積み立てておくならいいでしょうが、今、外国から、外債を募集して電電公社として金を持ってこなければ電話がつかないという現状の中で、そんな金の積み立てができますか。二十億だって持っていけない。その金を使えば電話がつきますか。こんな火事場どろぼうみたいな、つけ焼刃みたいなものであれば、私はないほうがよい、率直に言って。なぜ、こんな法律が出てきたのか、不思議に思えば不思議になるほどわからなくなってくる。私は、当初この法案が出るときに、よく知らなかったときに聞いた場合には、加入者を保護すればいいと思ったが、かえって、それがみんなを保護するということにならなくて、一部の人たちだけを守っていくような格好になってしまって、たいへんな法律を作ってしまったというような気持になっておるのです。 大臣はどこへ行ったのですか。
○委員長(伊藤顕道君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(伊藤顕道君) 速記をつけて。
○鈴木強君 私は、そういう趣旨で、この法律はたいへん迷惑なものだと思う。大臣に撤回してもらいたいと思う。大臣来たら……。こんなばかばかしい法律を出すのはおかしい。われわれは、国会として、少なくとも責任をもってこの法律を出した場合に、国民に対して申しわけないですよ。責任持てませんよ。大臣いないから、早く呼んできて下さい。 もう少し私あるのですが、それから第一次取得者というものも、公社の方が言ったように、なかなかむずかしいと思う。この債券を持っている人が、はたして第一次取得者であるかないかということは、きのうも質疑をしたのですが、公社の人が、窓口で、あなたの持っていらっしゃるのは間違いないと証明なさって、その証明を全国の窓口でやることになったら、電電公社の定員を相当にふやさなければ、これはできません。たいへんなことです。これは、それじゃ米穀通帳を持っていくというのだけれども、かりに窓口からもらってきても、その証明書が第三者の手に渡って、私が取得者でありますといって持っていったときに、一体それは本人か本人でないかということをどこで証明するかということになると、これはまた問題がある。例の、電話加入権を質にして金融をやっていますね。今法律は十年延びましたけれども、あの審議のときも、中小企業庁や東京都の経済局組織課の方々が来て、私はよく伺ったのですけれども、実際市中にあるこの法律を悪用しようとする業者がとんでもないことをやっている。全然本人が知らない間に質権を設定して、その間に自分の加入権がほかへ行っちゃっている。気がついたときには他人さんのものになっている、こういう事例があるわけで、これと私は同じような結果になると思うのです。米穀通帳を持っていったって、そんな米穀通帳は、第三者にやれば、これはどうしても第一次取得者でないという認定はつきかねるのです。第一、第一次であるか第二次であるか、その認定自体がこの法律ではとてもできないです。そういう明快な、私を納得させるだけの回答がないのです、できない。そういう点もあるのですよ、実際いって。 それから、今度は、第七条によって事務を委託することになっておりますが、これもまた問題じゃないかと思いますね。一体、だれが電電公社と連絡をとって、だれが責任を持って仕事をやるのか。まさか市場から証券業者にストレートで頼むということはなかなかむずかしいでしょう。しかも、資金のワクを示すといっているけれども、一体どうして資金のワクを示していくのか。事務の一部を証券業務を営む者に委託するというのですけれども、その点も、電電公社と業者間の関係ですね。一々電電公社が全国の幾つかの認可された業者と連絡するといっても、これはたいへんなことです。これは組織があるから、できないことはないと思いますけれども、それにはやり相当な時間と人が要る。ロスになる。だから、やはり電電公社の本社と何かの対象物を考えて、そことの間で連絡をすれば、すべて、委託した、認可した業者との間に、系統的に、これは一分一秒を争うことですから、パッと意思が伝達されて適時適切な措置がとられるような組織を考えてやっておかぬと、今の第七条では、ちょっと私はそういう点が非常に不明確ですね。そこらがどうも基本的にこの法案に対して疑義があるのです。これも、認可については第四条三項が適用されますから、大蔵大臣と協議をしてやることになるわけですから、いずれあなたのほうにこれは回っていくでしょう。一体、そういうことについてもどういうふうにお考えですかね。
○説明員(稲村光一君) 先ほど前に御指摘になりました前段の問題でございますが、これにつきましては、私どものほうは、電話加入者債券が昨年非常に暴落したというのは、一つの情勢のほかにいろいろなあれがあったかと思われますが、今後におきましては、全体として公社債の流通市場も将来次第に整備されていくのではないか。同時に、金利も全般として低くなっていくという、いわゆる金融の正常化と申しますか、そういう方向にだんだんと進んでいきつつあるわけでございまして、いわばそういうような点等も考えますと、昨年度のような事態というものは今後どの程度生じますか、ことに、それが電話債券の相場についてどの程度生ずるかというのは、今後いろいろなほかの要素もございますので問題かと思われます。それからもう一つ、電話債券の相場が下がるというのが防止されますのは、むろんこの資金だけでは、これは何にもならないわけでございまして、いわば、これは全体の一つの手段と申しますか、に過ぎないわけでございまして、たとえばいろいろな、要するに投資物件として非常にいいのだ、長く持っていれば有利なんだというようなPRと申しますか、そういう啓蒙が進めば、その点、非常にそのほうがむしろ実態上の効果はあるのではないかと思われますが、この調整資金も、そういうことはしつつ、全般の一つとしまして、いわば最後にこれが控えているというような全体の体制の一つとして考えていただけば、そういう意味で効果があるのではないかというふうに考えております。
○鈴木強君 それから、大臣見えましたけれども、もう一つ稲村さん、第六条で、資金の繰りかえ使用ということがあるのですけれども、これはやはりこの法案の思想が、一定価格がどうだとかこうだとかいってみたところで、結局かなり長期にこの金は手がつけられない、積み立てできる金だという思想がここに入っておりますよ。だから、支払い上公社が現金に不足を生じたときに、この資金から最悪の場合に発動しようとする、資金から一町—— 一時ということは書いてないのだが、「場合において、資金に属する現金に余裕があるときは、当該現金を繰替使用することができる。」、こうなっておりますね。これは私は、もしもかりにきょう、資金を支払い上困難だからといって公社が使ったとしますね。あしたそういう事態が起こったときに、一体直ちにこれはノーマルな格好で発動できるかどうかということなんですね。そういう、これに手をつけるなんということは、これはとんでもない話だと私は思う。そういうかりに積み立てるという思想に立ってもですね。それが一つ。 もう一つは、あなたが言われるように、はたして二十二億でできるかどうか、これはわかりません。あるいは三十億か、五十億、七十億の資金を準備しなければならない事態も出てくるかもしれませんね。その場合に、もしもこういうふうな金を、逆に公社のこの運用積立資金のほかに金があって、この資金を、緊急の場合必要があるときはその金を繰りかえ使用することができる——逆にですね。そういう措置ぐらいとっておけば、ある程度非常事態に備えられる措置については、私は多少考えられるけれども、それは全然しない。一方的に、積み立てた金は使ってもよろしい——さあ、いざ火事が出た。きのうも僕は言ったのですが、同じ消防署でも、行政管轄が違えば、道一つ隔てておったら消防車は出て行かない。一体なぜかといえば、こっちが焼けたとき困るからですよ。この資金はやっぱり手をつけない。つけないでおいて、いつでも使えるようにしておくのがあたりまえだ。それは、今言ったように、逆な方法ですね。あなた方がさっきから言っているような思想なら、逆にそういう条項をどこかに残しておいて、それは、かりに大蔵大臣の承認とか、郵政大臣の承認とかがあってもいいと思うのですよ。私は、最後の場合にはそのくらいのことがあってもいいから、そういう繰りかえ使用というものが逆の場合にできるようなことをなぜやらなかったかということです。言っておられる思想と、この法律の矛盾が、審議している間に出てきた、これはどうですか。
○説明員(稲村光一君) ただいまの御指摘の繰りかえ使用でございますが、これは、応予算で計上いたしますが、現金の面では、何も、区別をつけて、別に絶対現金として持っていなければいかぬというのはおかしいので、現金という点では、単に支払い上の現金に不足があるときは、それに繰りかえ使用をするという意味でございます。逆の場合と申しますのは、いわば資金をふやすという、資金の増額ということになるかと思われます。その点は、もはや単なる現金の問題ではございませんで、資金自体の規模をふやすということになるかと思われますが、これについては、別途予算措置をとることでやるというのが適当ではないかというふうに考えます。
○鈴木強君 そこで、もうすぐ矛盾を感じてくるのです。予算措置をして、第二条にあるように、はっきりと予算で定めるところによって必要な金額を資金に繰り入れるのだから、特別会計ではないけれども、予算で二十二億だけは需給調整資金として積み立ててよろしいと出ているでしょう。あれは、国会で承認されれば、予算で定めるところの金額です。したがって、その金額は自動的に資金としてこの資金に繰り入れられているわけですね。そうでしょう。あなたの言うように、そういう場合は、資金をふやすというても、一体国会の議決もなしに、この資金を三十億も七十億もやれるということは、どこにも書いてないですよ。そういう場合に、やはり法律によって、緊急の事態に備えて、そういう事態が起きたときに、やはり大臣が協議してやる場合にはある程度やれるとか、そういう安全弁を作っておかなければ、なるほど予算で定めるとあるけれども、そんなものは臨時国会でも開いてやらなければ間に合わないんですから、そういう緊急の事態に処する場合の一つの手続というものが私は不十分だと思うのですね。そういう意味において、この第六条というものは、もう少し考えて条文を整備しておく必要があるのじゃないかと、こう思うのですよ。矛盾を感じないですかね。
○説明員(稲村光一君) ただいまの御指摘の点でございますが、先ほども申し上げましたとおり、六条と申しますのは、これは現金の繰りかえ使用ということでございまして、これは資金の規模自体をふやすとか、減らすとか、いう問題ではないわけでございます。今御指摘の、緊急の事態のときに云々ということは、まさにその資金が、今の規模では小さ過ぎる、大きくしなければならぬ、こういう事態かと思われます。一応、われわれのほうといたしましては、大体来年度につきましては二十二億という資金の規模で十分であろうということで算定をいたしておるわけでございます。したがって、そういうことで予算の御審議をいただき、予算上計上いたしておるわけでございます。したがいまして、もしも特別な事態が起こって、二十二億では足らないというような事態が起こりましたならば、これはまたあらためて予算の補正なり何なりの措置をとって、国会の御審議をいただくということになろうと思われます。
○鈴木強君 手続的には稲村さんの言うことはわかりますけれども、しかし、それでは、あれですか、あすならあす事態が起きた——きょう起きたとしますね。ところが、法律によって、第一取得者に対して買い上げますと約束してあるわけですね。ところが、千五百億のものを買えない。したがって、二十二億では買えない、そういう事態が起きたときに、次の補正予算を組むまで待てますか、資金をふやすのを。だから、私は、そういうときには、もちろん予算総則上の何か弾力を考えるか、あるいは法律的にはっきりして、両省の大臣が承認して次の国会の議決を得るとか、何かそういうふうな予算総則上か何かに作っておいたらいいんじゃないか。予算総則というのは、何か弾力があるのですよ。そういう発動を使って公社に郵政大臣と相談してやれるような道を開くとか、そういうこともしてない、予算総則上。だから、そういう点は、ミスですよ、率直に言うと。せめて、そのくらいのことはやったらどうか。
○説明員(熊田淳一郎君) 稲村課長の答弁を補足して申し上げます。 本質的に言いまして、この需給調整資金、これは、今度の法律によって、特に公社に債券の売買をやる権能を与えることになるわけでございますが、公社本来の通常の業務と、債券の売買というものとは異っておるわけでございまして、そういうような意味合いからしまして、資金も公社の収入支出予算外に分離をいたしまして、そうして予算から一定の限度をきめて繰り入れる、こういうふうにしておるわけでございます。そういう趣旨からいたしまして、公社に大きな弾力性を持たせまして、この資金をふやすということはいかがかというふうに私どもは考えております。 それからまた、もしも二十二億でどうしても足りないというような事態が生じたらどうするかということでございますが、これは、極力資金の回転をはかるなり、あるいは需給調整資金を発動すべき基準価格といいますか、この判断を適切にするなり、こういうことによって運用すべきであるというふうに考えております。
○鈴木強君 熊田さんの説明でも、私は一つも納得できないのですよ。同じことですよ、それは、新しいことは一つもないのでね。だから、やはり、資金を設けて調整しようというこの法律制定の精神というものは、どうも一応理屈はあるように見えるのだけれども、実際内容を見ていくと、先ほどから私が指摘しておるような幾つかの問題について行政執行上どうにもならぬ事態が出てくる。そんな法律をもしわれわれが通すことになると、たいへんですよ。私は責任をもって、この法律に対して反対であっても通すという、そういうふうな気持になれないのです。たいへんに国民が迷惑するという決意をますます強くしておる。 そこで大臣に、きのうも、あなたはおられた時間もあるし、おられない時間もあったのですが、きのうから私はいろいろ関係者に質疑をし、きょうも大蔵省から来ていただいて御意見を伺ったのですけれども、まず第一番に疑問になりますのは、第一次取得者に限って一定価格以下に下落した場合にこの法律を発動するということです。その一定基準というのは、昨日から伺っておりますが、相当に幅があります。今も熊田さんの言われたように、もし金がなければ基準をコントロールして考えようということじゃないかと、私が想定しておったことをむしろ立証する発言があった。だから、金の都合によっては、七十五円まで下がったら買おうと思っていても、金がなかったら、七十円になっても発動しないでおくということになりますよ。そんなべらぼうなあれはないので、一定基準という、一定価格というものが確かにむずかしいことは私たちわかりますけれども、もう少しほんとうに加入者を保護するということであるならば、全体の加入者に対して、資金の回転率はこれこれこういうふうにしてやりますと、しかし資金を回転するといったって、今私が言ったように、二十二億の金で、かりに五十億なければならぬときに、きょうは待って下さい、あさってどこかに行って公社で二十二億出した金を回してくることはできるかもしれないけれども、現実にはあさってになったら間に合わない。株式市場における相場の問題ですから、そう二日も三日も、一部資金を回転するから待って下さいということが言えますか。そんなばかなことが。どう心得ているか、私はわからない。 そういうわけで、もう少し、法律を出すなら出すように−加入者は、最悪の場合には買ってくれるのだということを考えながらやってみたところが、いよいよ金融引き締めがきた、財界がいろいろな影響を受けてきた、そうして電電債が下落してきた、一体、買ってもらいたいと思ったって、まだ買う一定基準価格じゃありませんといって逃げられれば、何ぼでも逃げられる。かりに発動しても、二十二億全部買えるとは思えない。ですから、かえって私は、この法律によってたいへん迷惑を受ける人が出てくると思う。大臣も御承知のとおり、第三次の五カ年計画でもって、年間七百億の引受債をお願いしなければならぬでしょう。そういうものを、一体、第一取得者といったって今言ったように、だれが第一取得者かそんなものはかいもくわかりませんよ。そういうことが、この法律の中の一番大きな問題になってくる。 それから第七条の事務の委託にしてみたって、御承知のとおり、要員措置は全然できていない。一体、現業の局や、通信部や通信局や、本社の段階において、それぞれ幾つあるか知らぬが、あなたが認可しようとする業者と、委託する事務の一部をどういうふうにしてやっていくのか、これについても、われわれに納得する答弁はない。今の第六条の資金の繰りかえについても、これは納得することができない。 だから私は、もしここでこういうふうにやるという考え方が、この法律の精神の中に生かされてくれば、私は妥協してもいいのですよ。というのは、あなたのほうでは、実際に暴落をする、この思想ですよ。これは、最初に新聞に出た記事と同じだ。暴落をするというのを、一定の相場に下落したときと、こう書いただけであって、要するに、暴落をしたときに発動をしようという思想に変わりはない。ですから、私はきのうも言ったように、私の郷里の甲府に、三千の加入電話が引けることになった。そうすると、電電債券を引き受けなければならぬ。窓口に行って納めて債券をもらってくる。そうすると、業者が来ておって、二十人も三十人も来て、再三、債券を売って下さい、私買いますよ——買う人はそういって買いあさってたいへん迷惑をしている事実がある。私の友だちが、鎌倉の今市会議員をしているが、その友だちから聞くと、乱闘騒ぎまでそれに一よって出した。一体これは、大量開通を、五年間に五百万やるんだから、全国的にそういう集団開通をやる場合には、そういう業者が必ず参りますよ。そうして、九十円のものを八十九円、八十八円、八十五円だと。みんな困っている。中小や零細な人たちが売る気・になっちゃう。へたな業者のところへ行ってお願いしますと言うと、手数料を取られたり、また電話の質権をやろうとすると恥ずかしいというようなことで、結局、持っている債券を手っ取り早く買ってくれるところに売るという二とが現に出てきておる。そういう現実を知っているのかどうか。むしろ、この資金を、そういうふうな悪徳業者を押えてやるというようなところにもし発動されるものであるとするならば、どんなに助かるだろうと私は思うんですね。 だから、何も下落したときにやるということでなしに、平常においても、その債券の市場における価格の調整と安定をはかるためにやろうという、この立法の精神からするならば、当然、そういう、具体的にもう動きつつある現実に即する政策としてこの法律はやれるんだということが、確認できるなら、私は百歩譲ってもいいと思う。ただ、あとは運用の面を十分考えていただくとして。それもだめだと言うなら、私は大臣、この法案は撤回して下さいよ。そのほうが国民のためにいい。私は全加入者にかわって、そのことを強く要求します。
○国務大臣(小沢久太郎君) この問題は、たびたび申し上げますように、第一次取得者が義務的に買わされた債券、そういうものが値が下がったときにこれを救済しようというわけでございまして、基準は、たとえば昨日も申し上げましたように、七〇%あるいは八〇%ということを申し上げたと思いますが、その幅は幾らかはありますけれども、その金につきましては、これまで御説明申しましたように、回転等によりまして、そういうふうにやっていきたい、そういうふうに思う次第でございます。 それからいろいろの事務の委託の問題とが何とかということにつきましては、これは今準備中でございまして、可及的早く法案の御可決を待ちまして、早くひとつやりたい、そういうふうに思っております。 それから悪徳業者の関係の問題でございますけれども、これは第一次取得者のいわゆる値下がりといいますか、義務的に買わされた債券の値下がりを救済するという意味が主でございまして、悪徳業者の問題は別個にわれわれは取り扱っていきたい、そういうふうに考えておる次第でございます。
○鈴木強君 悪徳業者の問題を別個に取り扱っていくといったって、日本の電話は、できて七十年、一体私は、この前の質権のときも申し上げましたけれども、電話買いますという広告が鉄道馬車の中に飾られて、それ以来、そういう業者が絶えましたか。法律を・もってこれを規制することができましたか。あなた、その長い歴史の中でできなかったことなんです。一体、それ をどういうふうにやって、われわれが大丈夫だというだけの別途行政措置がとれるならいいけれども、とれやしませんよ。それはから念仏ですよ。
○国務大臣(小沢久太郎君) 悪徳業者の取り締まりの問題につきましては、これはなかなかむずかしい問題でございますけれども、われわれのほうといたしましては、一応登録制にするとか、いろいろな制度を作りまして、そういうものの取り締まりの法律を作りたいと思って、ただいま鋭意研究中でございます。なかなかむずかしいという事実は、これはございます。ございますけれどもが、何とかして作らなければならぬというふうにして、ただいま研究中でございます。
○鈴木強君 その点については、僕も妥協する意味において聞きますが、その法律は必ず出しますか、この国会に。そうしてこの法律は四月一日から施行いたしますけれども、まあ会期が多少延長になっても、この国会で通すという上に立って絶対出しますか。それは保証できますか。
○国務大臣(小沢久太郎君) ただいま申し上げましたそういう取り締まりの法律を作るというので、今原案を作成中でございまして、その提出の時期につきまして、ここでどうと申し上げるまでにまだいっておりません。
○鈴木強君 それなら、あなた、この法律を通すときに、こんなあいまいなことで、どう考えてみたって、法律的にもむずかしいし、実際にその法律ができても、なかなかむずかしい。だから、そういう状況が、電電の大量開通の際に必ず出てくる。それを防ぐ自信はないでしょうというんですよ。それがあなた責任を持って防げるというなら、これはそのことに対しては解消します。防げないでしょう、実際問題として。そういう保証がここで与えられますか。この法律を出すといったって、簡単にまとまるものですか。
○国務大臣(小沢久太郎君) でございますから、その取り締まりの法律につきましては、われわれのほうで作るという方針のもとに今検討中でございます。 それからこの法律でございますけれども、この法律は、先ほど申し上げましたように、二十二億という金でございますけれども、これは計数的には一応成り立つようになっておりますけれども、いろいろの御指摘の問題等がございます。やり方に十分気をつけまして、運営に気をつけましてやっていけば、私は役立つものと心得ておる次第でございます。
○鈴木強君 では、もう一つ伺っておきますけれども、事務の委託ということですけれども、大臣は、着々準備しているということをきのうから言っているんです。で、この第四条の認可の基準については、ある程度三者を意思統一されて、この法案のとにかく審議過程においてわかりました、論議があっても、わかりましたけれども、しかし、この郵政大臣の認可を受けて第四条第一項に規定する債券の売買の事務と、その売買にかかる債券の保管、その他の売買に付帯する事務の一部を証券業というものを営む者に委託するという、その認可を一体どういうふうにするのかということが、この法案の審議の中でわからないんですよ、率直に言って。着々とやっておるという、ただそれだけなんです。まあ、法律は四月一日から効力を発生するわけですから。しかし、それであるならば、この第四条だって同じことですよ。少なくとも、法案審議の過程において、われわれ幾つかの心配がある。たった一つでもこれを解消したいんだ、私は。そういう意味においてお尋ねするんですよ。だから、まだ着々としてやっているんだといって、国会の答弁に対してそれで済むと思っているんですかね。それだったらあなた、きょう、定例日でない日までとって上げなければならぬということについても、僕はおかしいと思うんですよ。もっとそういう準備があるならば準備を済まして、どうせ五月ごろになって落ち着いて審議ができるころになってやったらどうですか。その基準を示さないで、着々準備しておりますと、逃げようたって無理ですよ。せめてこのぐらいのことは意思統一して下さいよ。これはどうでしょう。今は即答はできぬと思うんですがね。休憩してもいいですよ。ひとつ意思統一して答えてくれませんか。それぐらいのことは明らかにして下さい、大体の構想を。でなければ、やはり定員問題から一これはもし公社がやるとなったら、たいへんなことです一から、その要員措置から何から、組織機構というものから、全部私は明確にしなければいかぬと思う。一体どういうふうな格好で証券業者に委託して、この法律の精神をうまく生かしていこうとしておるのか。この点はどうなんですか。
○説明員(井田勝造君) この点は、昨日も申し上げたところでございますが、大体全国的に販売網を持ちますところの大証券会社を初めといたしまして、地域的にも信用のある、電電債券により積極的に協力をしてくれる中小証券、そういうものを選定いたしまして、そうしてその間にチェーン組織を作っていくということを検討していかなければいけないと思っております。ただいま、店舗がどういうふうに配置されておるのか、大体それを今資料を集めて検討しておる段階でございます。
○鈴木強君 大よそのことは、私もきのう伺ったんですけれども、もう少し具体的に、それなら、全国にある健全な証券業者の協力を得ると、この協力するところはいいでしょう。しかし、その全国の証券業者を一体コントロールする何らかの中央に組織を作らなければいけないでしょうね。電電公社が一々、幾つかのところと連絡をとるなんていうことになったら、たいへんなことですから、そういう意味において、トップになる何らかの組織は考えておられるのですか。
○説明員(井田勝造君) そういうものがあれば非常に便利だと思います。しかし、既存の業者の中から一つの、あるいは結局一つにしぼるということになりますと、どの業者がいいのかということ、非常にこれはむずかしい問題と思いますし、また新設するということになりますと、これもまたなかなかむずかしい問題でございます。大体一つにしぼるということができれば、公社としては非常に便利ではあるのでございますが、相当——何百というわけでもございません。大体多くて数十くらいのことになるわけでございますから、これは公社が最初に資金の割当をいたしまして、額の割当をいたしまして、そうして依頼をしていくということで、そう何といいますか、むずかしいというほどのものではないというふうに考えております。
○鈴木強君 公社のほうもいやに楽観しているのだけれども、あなたが、一体そういう事態が起きたときに、急速にてきぱき仕事をするということになったら、そんなのんびりしていることでできますか。数時間の間に片づけなければならない仕事でしょう。それは、そういう事態がめったに起きちゃかなわないけれども、私もないほうを期待しますよ。しかし、最悪の事態に対して、できるだけの平常における訓練と準備というものは当然必要でしょう。消防署だって、そうした、いつ火事が起きるか知らぬけれども、朝起きて訓練をする、放水までやって、どっかに火事が生じないかということで、いつも準備しておるでしょう。それと同じことですよ、それは。いざ発動するときに、不なれで、時間がそのために費やされて、うまくいかなかったということになったら、一体どうするか。そんな安易なものでは私はないと思う。だから、公社のほうの大体のそのアウトラインだけはわかりましたよ。これは一体、大臣と大蔵省と相談をしてやることなんだけれども、今公社が、あなたのほうに認可をしてもらいたいという大体のアウトラインはわかりましたけれども、そういう点についてはどうですか、大臣。大体いいと思うのですが、もう少し何かしたほうがいいと思いますか。
○国務大臣(小沢久太郎君) まだ公社から実は出て参りませんが、今いろいろここでディスカッションされたような点は、私はそれでいいと思うのでございます。詳細にわたりましては、まだ出ておりませんので、出ましたら万全を期してやっていくということで考えております。
○鈴木強君 これは稲村さんどうでしょうか。とっさのことで、そこにあなたが責任を持って答えられるかどうか。ちょっと私、官僚組織についてはわかっておりますから。ですけれども、一応私は、何かその公社と証券会社とが連絡を十分にやれるような、中央に一つの、それは既存の会社にするか、新しく作るか別として、そういう全体をコントロールのできるような組織が何か必要だと思うのです。こういう点については、あなた同感に感じますか。
○説明員(稲村光一君) 証券業務を営む者に対する事務の委託の問題でございますが、具体的な問題といたしましては、公社の案が確定いたし、それから郵政省のほうのあれから御協議を受けましたときに十分に検討いたしたいと思っておりますが、ただいま御指摘の点につきましては、中央に一つの組織を作るべきかいなかという御質問に対しましては、必ずしもそういう意味の組織がどういうものかということにもよりますが、つまり、まあ大体有力で、非常に全国的に販売網もあるし、店舗網も十分そろっているという証券会社でございまして、それが数社あるような場合でございますれば、まあその中で、お互いにいつも連絡がいいわけでございますから、必ずしも一つの別の法人を作るということは必要ないかと思いますが、その間の連絡をよくするという意味で、何か懇談会みたいなものを作るとか、あるいは幹事をきめていくというような、実際上の問題について、そういうようなことで考えればいいじゃないか、これは全く個人的なあれでございますが、私直接証券のほうを担当いたしておりませんので、はっきりしたことを申し上げられないのは遺憾でございますが、個人的には、何かそういう感じがいたします。
○鈴木強君 大臣、今御答弁をいただきましたけれども、それはそうでしょう。電電公社から正式にこうしていただきたいという具体的な持ったものが出なければならぬ。それによってあなたが認可を大蔵大臣と協議してやるわけですからね、わかりますけれども、ただ私は、法律というのは、よく、別に定める規程とか、政令によってとか、あるいはだれと相談してとか、こういうようなのがずいぶん多いんですよ。法律審議の過程でややそういうものが明確になって、一体こういうことについて政令に委譲するということはどういうものかという、内容のあらましというものをわれわれは大体了承しているわけです。そういう意味において、基準の問題については明確になったわけなんだが、一体証券業務とどういうふうに委託していくかということについては、大体電電公社の構想はわかったのだけれども、政府の統一解釈としての指導というものは出てこない。だから、そういう点は、事務的に言っても、大体こういう審議というものは、慣行もあることですから、大体あなたのほうでは、国会問答集を最近作らぬからかもしれぬけれども、あらかじめ準備して、そうして大体こういう構想でいきますというくらいのことは、すなおに、こちらから質問する前に説明があってしかるべきだと思うのですよ。たいへん大事なことですよ、そういう委任事項というのは。ですから、特に電電公社が膨大な拡充計画を持っているだけに、稲村さんもおっしゃっているようですが、確かにこの仕事は公社本来の仕事ではない。それだけに、その中の付帯業務としてやるにしても、これは相当の問題があることですから、勢い、関係業者諸君の協力を得てやらざるを得ないと思うんですよ。そういう場合に、一体どういうふうにこの組織を作っていったら、公社本来の拡充計画というものが支障なく遂行され、なおかつ、協力をいただく皆さんの債券というものが、市場において安定するような方法がとれるかということを、これは十分考えてやらぬといけないと思うのですよ。 そういう意味において、きわめてこれは私は大事なことですから、こだわっているのですが、要するに、もう少し公社があまりこのことに手数をわずらわさないで、こういうふうにしてもらいたい、一定基準というものは相談の結果こうだといったら、すぐそれが向こうの相手にいって、これがすぐさっと全国に伝わって、全国どこでも同じような措置がとられるというような方法を講じておかぬといけないのじゃないか。このことについては、私は否定できぬと思うんですよ。
○国務大臣(小沢久太郎君) この法律の趣旨は私はいいとしましても、その運営の面につきまして、ただいま鈴木先生のおっしゃった点が大事なことだと思います。運営の面がうまくいかなければ、趣旨がよくても画餅に帰してしまうというようなことで、運営をよくするということが重大な問題であります。そういう、今鈴木先生が言われました、何か別個のものを作るとか、あるいはどうするというようないろいろのお話がございました。そういう点を十分に私のほうは考えまして、運用に支障のないようにしていきたいと思っております。
○鈴木強君 それから、まあ並行線ですからね。今のところはぜひやってもらいたいと思う。 それから、これを委託する場合に、取扱費といいますか、何かやはり、ただで頼むというわけにもいかぬでしょうね。その点はどうなんでございますか、証券業者に対する。
○説明員(井田勝造君) 証券業者は、売買をやりますときに、相手から手数料をとるわけでございまして、それで十分証券会社は報われるわけでございまして、特別に公社から報酬を出す必要はないのじゃないかと、こういうふうに考えております。
○鈴木強君 それは一番けっこうなことなんだが、相手のあることですから、しかくそういくかどうか。それは、折衝して、大丈夫ということに受け取ってよろしゅうございますか。
○説明員(井田勝造君) 大丈夫だと存じます。
○鈴木強君 それから、最後に一つ伺いたいのは、これは臨時措置法になっておるのですが、幾多、最近臨時措置法というのが出て参りまして、五年から始まって、五年間延長し、さらに十年間で、臨時立法が臨時立法でないようなことになっている。しかし、それでも一応期間を限定していこうとしておるのですね。この点はわかるのでございますけれども、この法律は臨時立法になっているのだけれども、一体いつまでやるのか。附則にもそんなことは書いてないし、これは一体何年続くのか。時限立法じゃないのですか。
○政府委員(岩元巖君) この法律の運用によって対象といたしております債券といいますこれは、負担法によるもの、あるいは拡充法によるもの、その他それに準ずるものでございますが、これらの法律は、すべて暫定法でございますので、この法律も一応暫定的なもので、将来もちろん、金融情勢その他の事由によりまして、この資金の必要性がなくなったときには、当然この法律は廃止すべきものと考えております。
○鈴木強君 それはもうわかっていることですよ。わかっていることだけれども、立法のスタイルで言うわけじゃないのですけれども、やはり「当分の間」と提案理由の中には書いてあるだけであって、それぞれの時限立法と違ったように受け取れるわけですね。だから、それを書かなかったのはなぜかということです。もしそういうことだったら、質権なんかだって、需要供給のバランスがとれるまでと書いておけばよい。何も「昭和四十八年三月三十一日」なんて書かなくたっていいじゃないか。
○政府委員(岩元巖君) これは、まあ拡充法がいつまで続くかという問題もございます。今の予定では、拡充法が四十七年度末まで必要であろうというふうに見通されるわけでございますが、その拡充法によって引き受けられました債券は、五十七年度末までは一応存続するわけでありますから、まあ最大限そのころまでは、必要があればこの法律は存続すべきものかしれませんが、その間におきましても、金融情勢その他の事由によりまして、この資金による債券売買の必要がなくなれば、当然それまでの間におきましても廃止すべきものと考えております。
○鈴木強君 まあ、わかりましたけれども、ちょっとほかの立法と比べて、それはそうですよ。十年間は法律が施行になっても、据え置き期間があるのですから、だから五十七年、今から二十年先になりますね。「当分の間」が二十年だというふうに言えばいい。そうすればわかるのです。「当分の間」といったのが二十年間、そういう、ふうに理解しておきますよ。 まあもう少しありますけれども、この法律の内容を見ると、どうも僕は聞けば聞くほどわからなくなっちゃう。これ以上聞いたらどうかしちゃうので、これくらいにしておきます。これくらいにしてやめますけれども、大蔵省の方、どうもお忙しいところありがとうございました。
○委員長(伊藤顕道君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(伊藤顕道君) 速記をつけて。 他に御発言がなければ、本案に対する質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(伊藤顕道君) 御異議ないと認めます。よって、本法案に対する質疑は終局いたしました。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
○鈴木強君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました電信電話債券に係る需給調整資金の設置に関する臨時措置法案に対し、反対の立場を明らかにして討論をいたすものであります。 反対の理由の第一は、本法制定の基本的な考え方についてでございます。 御説明によりますと、この法律案は、電信電話設備の拡充のための暫定措置に関する法律並びに電話設備費負担臨時措置法に準拠して加入者が引き受ける電信電話債券について、その需給の調整と価格の安定を期するために制定する、こういうことでございますが、私は、率直に、今日電電公社の健全経営の実情、並びに電信電話債券の国内外を問わず信用の強いことにつきましては、天下周知のとおりでありまして、当面政府がお考えになるような、電信電話債券の暴落によって加入者に迷惑をかけるというようなことは、私は想定ができないのであります。そういう義務に基づいて加入者の皆さんを保護するという、私は、その精神を否認するのじゃなくて、むしろ、そういう精神であるならば、私が質疑の中で申し上げましたように、何も、相場が下落したときにこの法律を発動するということではなくして、現実に、今日われわれの前に展開されております、具体的な大量開通等の場合において見られる一部業者の行為等によって不利益をこうむる加入者諸君に、一日も早く手を差し伸べるべきではないか。大臣は、この点について、業者を何らか取り締まる法律案を今国会に出そうとしておりますが、これはなかなか、しかく簡単には参りません。電話七十年の歴史を見ても、そのことは私は立証できると思いますので、もちろん、われわれは、そういう法律案が今度の国会に必ず提案をされ、可決成立せしめて、今問題になっておる当面の問題を除去できれば、その面に対する一つの憂慮はぬぐい去られるのでありますけれども、しかし、おそらくこれも不可能に近いことだと私は思います。したがって、むしろ、そういう意味において、下落をする、暴落をするというときに備えることじゃなくて、下落をする、暴落をすることのないような電信電話債券のふだんにおける安定政策というものを考えていくことが焦眉の急務であって、このねらっておるところの立法精神は、私の認めることができないところでありまして、そういう基本的な立法精神に対して、われわれ社会党と、提案をされております政府の間に、大きなへだたりのあることを発見したわけでありまして、ここに私は反対理由の第一を申し上げるわけでありますが、なお、希望意見として強く述べておくならば、われわれがこの審議を通じて主張いたしましたような、平常における市場における安定政策というものを十分考えて、この法律の運営をなされるように希望するものであります。 それから反対理由の第二は、第一の理由とも関連をいたしますが、法律第四条によって、郵政大臣が大蔵大臣と協議をして資金運用の基準を定めることになっておりますが、この基準については、第一次取得者に限定し、しかも一定価格以下に下落した場合にこの法を適用する、ただし、例外として、必要があれば、郵政、大蔵、電々公社の三者の協議によって買い上げることもできる、こういう御回答をいただいたのでありますが、この一定価格というものは、質問をすればするほど幅のあるものであり、しかも、二十二億というわずかな資金源からいたしまして、場合によったら、このあいまいもことしておる一定基準価格というものを、いかようにでも移動せしめてコントロールができるというような、きわめて危険の伴うものだと私は思います。たとえば、資金がないために、七十五円で発動しようとしておったのだ、が、それは七十円になるまで待たなければならない、こういうことが具体的に政府委員の答弁の中からも出てきております。まことにこれは遺憾な問題だと思います。 もしこの立法精神を加入者が理解をし、最悪の場合に政府があたたかい手を差し伸べてくれるだろうと期待して電々公社の拡充計画に債券を引き受けて協力する人たちが、かりに今後市場において相場が下落をし、買ってもらえるだろうと期待しておった人が、二十二億や何かの資金によって一部は引き受けてもらったけれども、大部分は引き受けられなかったということになりますと、一体その責任はだれがとるのか、そしてその加入者諸君に相当な混乱を起こして、収拾できない事態が起きることは明らかであります。したがって、私は、この基準の設定等についても、きわめて問題があるし、また第一次取得者をどうして認定するかということにつきましても、なかなか質疑の中でこれを明確に認定する方法がないことを知るわけでありまして、非常に第四条の中には理解に苦しむ点がたくさんございます。 しかも私は、この資金の問題については、昭和三十四年、減債基金として郵政大臣が承認をし、決算上四十億円の資金の積み立てを認めたにもかかわらず、三十七年、電電公社の建設資金のほうにそのうち二十億円繰り入れる措置をしておる。今日その残りの二十億円と、これに対する利息二億円を合わせて二十二億円をこの資金源としようとしておる。こういう見え透いた措置をやっておる。一体減債基金制度はどこへいっておるか。一方では、基金制度を認めておる郵政大臣が、その減債基金制度はどこかにいってしまって、何かしらぬ、その肩がわりをしたような格好で二十二億を調整資金として出してきたことは、私の了解に苦しむところであります。一体、この減債基金がどうなっておるのか、明確なお答えがなかったままに質疑を終わっております。この点は、私はきわめて不明朗な点があると思います。 なお、資金の繰りかえにつきましても、一方的に、公社は、支払上、現金に不足をしたときにこの資金を使ってもよろしいと、こういうような第六条の定めがございますが、なるほど、この法律の精神が、私たちの考えたとは全く違う精神でありますから、二十二億円積み立てておる、したがって、その金は必要によって公社が使ってよろしいと、こういう精神だと思いますが、質疑の中でも明らかになりましたように、私は、少なくとも、たとえ少額であっても、積み立てた以上は、その金に手をつけられないで、どういう事態が起きても適切な措置が間髪を入れずにとれるような立場に資金の運用をおくべきだと思います。 なおまた、こういう法律を作るからには、予算総則上の点も勘案をして、逆に、この資金の不足を生じた場合において、郵政大臣と大蔵大臣とが協議をし、ある一定の限度に限っては予算総則上この資金に繰り入れができる、こういう逆な措置もお取りになったら、幾らか資金運用に対しても妙味があったと思いますが、その点については、法律上の、ミスであると思いますけれども、一つも触れておらない、まことに片手落ちの資金運用の操作の繰りかえ措置だと思います。 第三の反対理由は、第七条の事務の委託でございます。 この点につきましては、電電公社は、第三次、第四次と、これから約一千万個の加入電話をふやす拡売計画をわれわれの前に示しておりますが、そういう膨大な仕事をかかえておる公社が、この法律施行によって、事務が公社の上におおいかぶさってくるということになりますと、要員措置を完璧にしない限りは、本来の事務に支障があると思います。質疑の中には、要員措置については何ら考えておらない。そうなれば、勢いこの付帯的にやる事務については、証券業者にこれを当然委託することになると思います。しかし、そのことについても、この法律案審議の中で、郵政大臣の認可を受けて定めるというこの規定の内容が、一体どのようなものであるか、電電公社からも、今日に至っても、まだわれわれに明快な答弁ができるような結論が出ていないことは、まことに私は遺憾だといわなければなりません。着々と準備は進めておるというようなことで、この法律に対して、われわれが必要とする要求に対して、答弁ができないということは、まことに遺憾なことだと私は思います。したがって、要員措置が万全であり、その上に立ってこの法律の精神を遂行しようとする考え方がここにも見られませんので、私は反対せざるを得ないのであります。 おそらく、いつの日か、われわれのこの反対の理由に対して、政府当局が、なるほどそうであったかという、私は反省をするときがくると思いますが、そのことがおそきに失したということがないように、ひとつ万全の対策も立てていただくよう、私は期待をして、反対の討論を終わりたいと思います。
○委員長(伊藤顕道君) 他に御発言もなければ、討論は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(伊藤顕道君) 御異議ないと認めます。 これより採決に入ります。電信電話債券に係る需給調整資金の設置に関する臨時措置法案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(伊藤顕道君) 多数でございます。よって本案は、多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(伊藤顕道君) 御異議ないと認めます。よってさような決定いたしました。 この際、小沢郵政大臣及び大橋日本電信電話公社総裁より、それぞれ発言を求められておりますので、これを許します。
○国務大臣(小沢久太郎君) ただいま電信電話債券に係る需給調整資金の設置に関する臨時措置法案につきまして、本委員会におきまして慎重御審議の上御可決をいただきまして、ありがたくお礼を申し上げる次第でございます。 今後、この法律の施行にあたりましては、御審議中の御趣旨を体しまして、適正を期してゆく所存でございます。ありがとうございました。
○説明員(大橋八郎君) 電信電話債券に係る需給調整資金の設置に関する臨時措置法案は、本日、慎重審議の末、御可決いただきましたことは、ありがたくお礼を申し上げます。 なお、審議の途上いろいろ教えていただきました御意見につきましては、今後の運営上、十分これを参考といたしまして、遺憾なきを期したいと考えております。ありがとうございました。
○委員長(伊藤顕道君) 暫時休憩いたします。 午後は、一時三十分再開します。 午後零時三十分休憩 ————————————— 午後二時開会
○委員長(伊藤顕道君) これより再開いたします。 電波法の一部を改正する法律案を議題といたします。 前回に引き続き、本案に対する質疑を行ないます。 質疑のある方は順次御発言願います。
○須藤五郎君 私は、予算委員会の関係で、この前の当委員会に出席しておりませんでしたので、同僚委員がどういう質問をなすったか、聞いておりませんので、あるいは重複するような質問があるかもわかりませんがそれはお許しを願いたいと思います。 この電波法の一部を改正する法律案は、私の知るところでも、確かに数年前から委員会に出されて、そうして数回審議未了に終わっておった法案のように私は考えております。ところが、今回また、性こりもなくこの法案を出して参りましたが、なぜこのような大幅な改正を、そのような無理をしてまでやらなければならないか、どこに理由があるのか、郵政大臣に一応お伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(小沢久太郎君) この電波法の改正を再びお願いするに至りましたことは、海運界の国際競争力の強化ということと、それから通信士の需給難というようなことを基本といたしまして、その解決策として本改正案を出したということでございます。
○須藤五郎君 私は、国会が二度も三度もこの法案の審議を未了にしたということは、これは、国会の意思表示だと思うんですよ。こういうものを必要としないという、反対だという意思表示がなされたものだと思うんですよ。それにもかかわらず、三回も四回もこういう同じ法案を出してくるということは、国会の意思に反した行動であって、そういう行動はとるべきでないと、そういうふうに考える。それにもかかわらず、こういう法案が出てきたということは、国会の意思を無視して、ある業界の利益に奉仕しようという政府の考え方ではないか、こういうふうに思うんですが、どうですか。
○国務大臣(小沢久太郎君) ある業界の利益のために奉仕しようというような考えは全然ございません。先ほど申し上げましたように、海運界の国際競争力を強化するという問題がございます。そして、これまでは、海上安全だとか通信の疎通の問題だとか、いろいろ問題がごさいましたけれども、技術的にも解決いたしましたし、ことに、経過規定を作れば十分だという見通しがつきましたので、再びお願いしたということでございます。
○須藤五郎君 国際競争力というのは、それはおそらく無線技師が三人乗っておったのを一名にしようというのだから、三名おればそれだけ金がかかるから一名に始末をしょう、こういうことだろうと思うんです。こういう点からいったら、たいした金額でもないし、国際競争力という点からいえば、むしろ、現在の状態を続けて、外−国の船がどうであろうと、日本の船は——こんなに安全な船だ、安全にやっているのだ、ということを示したほうが、むしろ国際競争力という点からいったらプラスになるんじゃないですか。どうですか。ただそれを、そろばんをはじいただけなんですか。
○国務大臣(小沢久太郎君) いろいろ一航海の安全上の問題もございましたし、今須藤先生言われました問題もございましたけれども、それは技術的に解決できたわけでございまして、そう いう技術的の改良に加えまして、いわゆる通信も国際水準に引き上げようと いうようなわけ合いでございます。
○須藤五郎君 今大臣がおっしゃった中に、大幅改正の理由の中に、無線通−信士が不足だというような言葉があったと思うのですが、今どのくらい不足しておるのですか。
○説明員(鎌瀬正巳君) 船員局長が運輸委員会に出席いたしておりますので、かわりましてお答え申し上げます。 全体としてどのくらい不足しておるかという御質問でございますけれども、正確に全体の不足数というものは掌握しておりません。
○須藤五郎君 おかしい。それはおかしいじゃないか。じゃ、不足数を把握していないで、大臣はなぜ不足しているということを答弁できるのですか。おかしいじゃないか。
○説明員(鎌瀬正巳君) 船舶職員法によりまして免許いたしております甲種船舶通信士、乙種船舶通信士並びに丙種船舶通信士の免許数を申し上げますと、三十一年ごろから逐年減っておりまして、たとえば甲種船舶通信士につきましては、三十二年に、年間に二百一名免許いたしておりましたのが、三十三年には百八十五、三十四年には百三十八、三十五年には百四十、三十六年には百二十八とかように逐年免許数が減ってきております。これは、免許数が減っておりますのと、それから現在海運界、水産界で船舶通信士の職務を行なっております通信士の方々が、陸上の弱電産業界のほうにかわっていかれるために、この減耗の率が、通常の場合よりもだんだんふえてきております。たとえば、三十四年には約六%でございましたのが、三十六年には一〇%をこえるような状況になって参りました。かような状況のために、逐年不足いたしまして、大型船につきましてはさほどではございませんけれども、内航船、漁船、そういった方面では、船舶通信士の獲得に難渋しております。私どものほうといたしましては、無線通信士としての電波法上の資格を持っておれば、船舶職員法による資格がかりにない力でも、軽減の措置によってそれの配乗を承認いたしておりますけれども、そういう方々の承認の件数もふえて参っております。そのような傾向が−若干緩和されてはおりますけれども、今後の見通しといたしましては、このような傾向が引き続き起こると思われますので、今後需給の逼迫は決して改善されないのではないかというふうな見通しを持っておるわけでございます。
○須藤五郎君 私の質問に対する答えになっているようで、実はなっていないわけなんです。何人今不足して−・…。要するに、不足しているということを大臣が言ったから、何人不足しているのかということを聞いたのは、現在正規の定員どおり船に乗っていないということでしょう、どうなんでしょうか。大臣からそのくらいのことは答えられて……。不足していると言っているのですから。
○国務大臣(小沢久太郎君) 私の申し上げましたのは、需給難ということを申し上げた次第でございます。
○須藤五郎君 それじゃ、今日定員法をきちんと、日本の船には全部法律の定めるところによって不足なく乗っているのですが、どうですか。
○国務大臣(小沢久太郎君) 政府委員からひとつ御説明いたさせます。
○政府委員(西崎太郎君) 御承知のように、現在船舶には法定定員というものがきまっておりますので、それを満たさなくては出港できないわけでございます。したがいまして、先ほどもお話がありましたように、非常に今新しい通信士を獲得するということに苦労しているわけでありまして、八方手を尽くしてかき集めている、それでやっと出港させている、こういうような状況でございまして、したがって、本来の予備定員というものがございますが、そういうものも大きく下回っているような状況であります。
○須藤五郎君 無線電信上の技術の問題を先に大臣がおっしゃったが、技術は向上してきた、これは、何か無線通信上どういう技術的変革があったか、ちょっと聞いておきたいと思います。
○政府委員(西崎太郎君) いろいろございますが、おもなものを申し上げますと、まず、先生御承知の、オート・アラームの性能というものが、昔から見ると改善されたということ、あるいは船舶無線機、これの性能が改善されまして、故障も少なくなりましたし、あるいはまた、あまり手数がかからなくなってきた、あるいはまた、一つの通信の自動化と申しますか、新聞放送の受信にファクシミリを利用する、あるいは気象図の受信にファクシミリで受信できる、そういうふうに、手数が従来から見ると相当軽減されるようになってきた、こういったことであります。
○須藤五郎君 先ほどちょっと説明がありましたが、私聞き漏らしたので、もう一ぺん御質問申し上げます。全国で無線通信士の数は何人あるのです一か。一級通信士というのですか、二級というのですか、一等というのですか、そういう等級割りで何名あるか、ちょっと知りたい。
○説明員(鎌瀬正巳君) 昭和三十七年十二月一日現在の商船関係の定員を申し上げますと、甲種船舶通信士、職員法で申します甲種船舶通信士、これが法定定員といたしましては千二名、それから乙種船舶通信士の法定定員は千八百七十九名でございます。
○須藤五郎君 これは、今船に乗っている人も、船からおりている補助員も含めてですか。
○説明員(鎌瀬正巳君) これは、船舶に乗り組むべき法定の定員数でございますから、これのほかに、予備員というものがほかに必要でございます。
○須藤五郎君 そうすると、この定員数で、実数と同じですね。実際これだけの人があるわけですね。
○説明員(鎌瀬正巳君) 今申しました甲種の千二名、乙種の千八百七十九名というのは、これだけの人数は必ず乗っているわけでございます。
○須藤五郎君 今度電波法の一部改正法律案がもしかりに成立するとするならば、成立した暁には、どれだけの人が整理されることになるのですか。
○説明員(鎌瀬正巳君) 法律改正が施行になりましても、整理とか失業ということはございません。法律改正によりまして、法定の定員数は減りますが、現在予備員の保有が非常に少なくなっておりまして、理想的には、二五%の予備員を——これは甲板もエンジンもさようでございますが、二五%の予備員を必要とするわけでございますが、現在、外航関係のおもな会社の保有率は、はるかにこれを下回りまして、約二%から一五%というような実情でございます。
○須藤五郎君 ちょっと私わかりませんが、それでは、この法案が通過した後の法定数というのですか、それは、甲乙に分けてどういうことになるのですか。
○説明員(鎌瀬正巳君) 商船関係の法定定員は、法律が改正されますと、甲種船舶通信士につきましては全然減りませんが、新造船がございますので、むしろ法定定員はふえていく。しかし、乙種船舶通信士につましては、特例の期間に、初年度で約九百七十名ばかり法定定員が減ります。
○須藤五郎君 九百何十名か減るのでしょう。そうすると、それだけ首切られるのじゃないか。あなた首切りはないと言ったが、首を切られるのじゃないか。乙種が現在千八百七十九名で、そのうちの九百何名は減るというのでしょう。
○説明員(鎌瀬正巳君) 乙種船舶通信士は約九百七十名ばかり法定定員としては減るわけでございますが、先ほど申し上げましたように、予備員の保有率が非常に落ちておりますので、これを二五%まで上げる必要があるという計画がございますので、最低限一〇%——一〇%と申しますと、有給休暇をまかなう最低限でございますので、一二五%までの保有を必要とするわけでございます。減りました九百七十名ばかりを全部整理するというような事態は起こり得ません。
○須藤五郎君 どうもあなたの御説明、よく納得いかないのですが、もう一ぺん整理いたします。 現在、甲種が千二名、乙種が千八百七十九名、合計で、二千八百八十一名ですね、甲乙で。これで、現在は一つの船に三人ずつ乗せてまかなっているわけですね。これだけの数で全員がまかなわれるのですね。そうすると、今度、この法案が成立すると、甲は減らないということはわかりました。そうすると、一人ずつになるから、甲は減らない、甲だけ乗るということになると思うのですね。そうすると、乙の千八百七十九名というものはどこへいくとかいうことなんです。あなたはいろいろ補助員が不足なんで、どれだけになるというのですが、九百七十名はどうしても減るというと、その九百七十名減ったあとのやはり九百名ほどですね、その九百名ほどは一体どこへ吸収されるのですか。
○説明員(鎌瀬正巳君) 九百七十名のうちの大部分は予備員として必要な数字でございますけれども、それ以外に、九百七十名のうち、甲種のほうへ、甲種船舶通信士になっていかれる−上級の資格を取得していただいて、甲種船舶通信士の資格を持って勤務をしていただく……。
○須藤五郎君 それは、そろばんが合わないですよ。現在の甲種千二名は、これはもうこれから引き続いてずっと船に乗っているというわけね。乙種の千八百七十九名というのは、一応職籍がなくなるわけです。船に乗れぬことになるわけですね。そうして、そのうち九百七十名はやめると、あとの残りの九百七十名引いたのだから、九百九名ですね。この九百九名の行き場所はどうかというと、それは甲種へいってもらうのだと言ったり、補助員になると言ったり、どうもそろばんが合わないですよ。結局、乙種の千八百七十九名の行き場所をちゃんと分類して答えて下さい。何名はどこへいく、補助員になるのは何名、何名は甲種へいきます、何名どうなりますと、それをちゃんと内訳して答えて下さい。
○説明員(鎌瀬正巳君) 正確に申し上げますと、法律改正になりまして、九百七十六名が法定員数としては減ることになりますが、この九百七十六名のうち、予備員に二百二十六名、それから年間の減耗が約一〇%ございますので、九十七名、これは他に転職されたり退職されたりする減耗の数でございます。それから、新造船に必要とする人数が、予備員を含めまして乙種は六十七名必要とされます。それから外航の新造船に五十名必要でございます。
○須藤五郎君 どうも……。この船は、甲種はどうしても一人乗らなきゃならないのと違うのですか、どうなんです。
○説明員(鎌瀬正巳君) さようでございます。
○須藤五郎君 それでは一人乗るのなら、甲種以外の人は要らなくなるわけです。甲種と乙種と二人乗せるのですか、一人ですか、どちらなんですか、今度法案を改正されたら、乙種一人乗せるわけにはいかないでしょう、どうしても。甲種を乗せなければならないということは、今答えたでしょう。これはあなたはどうなんですか。乙種の行き場所がわからないから私は質問している。もっとわかるように答えて下さい。子供をだましたようなことを、もたもた言わないで、僕の質問したように、甲種が現在千二名、乙種が千八百七十九名ありますと、こう言っておる。それが、今度法改正があったら、どうなんだと言ったら、甲種千二名はそのまま船に乗っております、こう言っておる。そうすると、この乙種の千八百七十九名の行き場所はどこに行くのかということを質問している。船に乗ることはできないでしょう、この人たちは。その行き場所を人数割に示して下さいと言っておる。失業者を出すのは、出せというと、僕らから攻撃を食うと思って、失業者が出ることをおそれて、こまごまとした数でごまかさずに、失業者がこれだけ出ますなら出る、首切りがこれだけあるならあると、遠慮せずに答えて下さい。
○説明員(鎌瀬正巳君) 大型船につきましては、甲種船舶通信士が一人乗りますし、内航船につきましては、乙種船舶通信士が通信士になるわけでございます。しかし、特例期間には、新造船と在来船と二名でございますので、当然乙種船舶通信士の資格がなくなる わけでございます。
○須藤五郎君 千八百七十九名の行き先を僕は聞いているのです。だから、千八百七十九名のうち、何名は甲種の免状をもらって船に乗ります、何名は甲種通信士として船に乗ります、何名は補助員になりますと、その残った何名は結局失職することになりますと、そういうように答えたらいいじゃないですか。それでないと、僕らのほうにはわからないのです。
○説明員(鎌瀬正巳君) 法律改正が施行になりますと、先ほど申し上げました千八百七十九名のうち、九百七十六名が法定外定員になりますが、残りの九百三名というものは、引続き船舶に乗るわけでございます。法定外になります九百七十六名のうち、交代員として、予備員として待機するものが、乙種につきましては、二百二十六名でございます。それから新造船に乗り組みますのは、六十七名でございます。それから甲種船舶通信士として新規に必要な数は百七十六名でございますので、合計いたしまして、そのうちの−九百七十六名のうち三百五十六名が予備員または法定乗組員定員になるわけでございます。
○須藤五郎君 そういうあなたの説明を聞いておっても、僕の頭が悪いのかもしれないが、どうも僕の知りたい点がぴんと出てこないわけですね。 それでは、千八百七十九名の乙種のうち、九百三名は残ります、船に乗りますと言ったですね。それは責任持って一人船に乗るのでしょう。それなら船はいつできるのですか。千二名の甲種通信員が乗るというと、船は千二はいあるわけですよ。甲種の通信員の乗る船は千二はいあるはずです。そこに今度乙種の通信員が乗るのが九百三人だというと、その乙種の乗る船が九百三ばいなければ通信員はさばけぬわけですよ。そんなに船はあるのですかな。甲種の乗る船が千二はいもあるのですか。
○説明員(中沢宣道君) ただいま甲種が乗る船が千二隻でございます。それから甲乙あわせて乗る船もあるわけですし、それから乙だけですむ船もございます。これが、定員の改正で申しますと、現行は、甲と乙と乗せている船がある。そのうち甲は、ただいまは千二、それから乙が千八百七十九ございます、法定定員としてはですね。それから、特例期間に入りますと、甲は千二です。これは変わりません。それから乙だけで乗れる船が三百十六ある。これは法律が完全に施行された場合ですね、乙が乗る船が三百十六。それから特例期間中、甲乙二人を乗るように措置されたもの、これが合わせまして九百三です。
○須藤五郎君 私、こんなにしつつこく聞くわけは、この法案の成立後首切りが出るだろうという心配も一つですけれどもね。先ほど大臣が不足していると言った言葉が私の頭にまだ残っているわけなんです。そうすると、現在甲種の船に乗る人が千二名として、千二はい船があるというわけですね。千二。そうすると、乙種の乗っている人が今三百十六名、乙種の千八百七十九名から。要するに、全員合わせると三人乗る船が相当あるのです。甲種の乗っている船はおそらく三人乗るのじゃないかと私は思うのですよ。現在法律じゃ、三人じゃないのですか。甲種通信員の乗っているような船だったら、三人乗るのが常識なんでしょう。
○政府委員(西崎太郎君) ちょっと補足して答えさしていただきますが、御承知のように、現在船の種別としまして、第一種局と、第二種局甲と第二種局乙と、この三つの種別があるわけでございます。で、第一種局は、甲が通信長で、あと二人は乙種でかまわないわけです。それから第二種局甲というのは、法定定員二人でございます。これは、甲種が通信長、それから乙種がそれに、二人のうちの一人になることができるわけです。それから第二種局の乙というのは、一人ですから一人でありますし、それからこれはまあ内航船の関係が現在としては多いわけです。したがって、これは乙種の人が通信長になれる。こういうわけでございますので、今運輸省から説明したような結果が出るわけでございます。
○須藤五郎君 そうすると、甲種の乗っている船でも、二人のところと三人のところとあるということなんですね。そうすると、その甲種の乗っている船は、今度は千二名というものは動かぬ。乙種の千八百七十九名の中で、二人乗るところと三人乗るところがまかなわれている。こういうふうに理解していいわけなんですね。そうすると、千八百七十九名から、先ほどの答えで、三百十六名は今度乙種の船に乗るのだというと、それを引いた千五百六十三名が、今三人のところと二人のところに分けて乗せられている。こう−いうふうに理解していいわけですね。
○説明員(中沢宣道君) さようでございます。
○国務大臣(小沢久太郎君) 先ほど来、通信士の不足ということを須藤さんおっしゃいましたけれども、私のほうは需給難ということを申し上げたので、その点をひとつ誤解のないようにお願いします。
○須藤五郎君 それでは重ねて聞きますが、三人乗っている船は何ばいあるのですか。
○説明員(中沢宣道君) ただいま六百六隻でございます。第一種局は六百六隻でございます。
○須藤五郎君 二人乗っている船の数は何ばいですか。
○説明員(中沢宣道君) 第二種局は四百五隻。
○須藤五郎君 どうやら数が合ってきたらしいが。 それでは次ぎ質問します。青函連絡線の国鉄の船ですね。青函連絡船に乗っている無線通信士は何人おるのですか。
○説明員(鎌瀬正巳君) 国鉄の連絡船には三名乗っております。
○須藤五郎君 宇高連絡船もそのとおりですか。
○説明員(鎌瀬正巳君) あの航路は、時間が短いので一名でございます。
○須藤五郎君 これは少し古い話になるので、皆さんもお答えがあるいは困難かとも思いますが、かつて函館で洞爺丸事件が起こった。あの当時の無線通信の状態がどうであったか。また、高松の沖で小学校の子供たちが百六十人転覆のために死んだ。あの船の名前は私は忘れましたが、紫雲丸というのですか、事件があった。あのときの通信状況はどうであったか。ちょっと説明していただきたい。
○説明員(鎌瀬正巳君) あのときの状況につきましては、ただいま覚えておりませんけれども、後ほど調べまして御連絡申し上げます。
○須藤五郎君 まあ、旧聞に属することですから、古い話ですから、今ここで答えてもらいたいと思うけれども、困難かもわかりません。だから、まあそれはそれといたしまして、それじゃ、ついこの間神戸の沖で沈んだときわ丸沈没当時の状況を。
○説明員(山崎城君) ただいまの私のところに資料がございませんので的確なことは申し上げられませんが、りっちもんど丸につきましては、もちろん法定の通信士が乗っておったわけでございます。ときわ丸につきましても同様であると存じます。
○須藤五郎君 ときわ丸には、当時無線通信士は乗っておったのですか、どうですか。
○説明員(山崎城君) ただいまときわ丸につきまして、無線通信士が乗っておったように申し上げましたが、あやまりでございまして、ときわ丸には無線通信士は乗船しておりませんでした。
○須藤五郎君 私は、洞爺丸を初め、沈没した船のその当時の通信状況を実は知りたいと思ったわけなんですが、それを知ることができません。それと同時に、ときわ丸には、沈没した当時、無線通信士が乗っていなかったということなんですね。そうして、何でああいう惨事が起こったかというと、やはりそこに無線通信士が乗っていなかったというところにも一つの原因があると思うのですよ。ときわ丸に衝突したのは大きな船でちょっと霧などかかったら、無線通信士が乗っていないと、衝突しても、それがすぐ陸上に報告もできないし、いろいろな不利な点が出てきて、そうしてああいう惨事を一大きくする原因であると思うのです。陸と海上の電話では、陸と船とはできるけれども、船と船との間の通信は、やはり無線通信士が乗っていないとできない状況が生まれてくる。それがああいうことになるのではない、だろうか。 それから遭難したときに、すぐ電波を出して救助を求めようと思っても、通信士が乗っていなければ、それができない。だから、結局ああいうことになってしまうのではないだろうか。付近を航行している船にSOSを出そうと思っても、通信士がいなければそれができない。だから、ときわ丸のような船に——あれは客船ですよ。客船だから、当然乗せておかなければならないはずのものなんです。それなのに乗っていないというところに、いろいろ問題が起こってくる。こういうふうに私は考えるのですが、どうですか。
○政府委員(西崎太郎君) 私が答えるのが適当かどうかわかりませんが、今の御質問でございますが、ときわ丸というのは確かに旅客船ではありますが、これは航行区域がいわゆる沿岸航路といいますか、という関係で、これは実は船舶安全法のほうで無線局の設置を強制されておるいわゆる義務船舶ではないわけでございます。そういうわけで、現行法においては無線局を開設してなくてもどうこうといって強制するわけにはいかないと、こういう事情でございます。
○須藤五郎君 その無線法自体に不備があるということを私は言うわけですよ。やっぱり人命を預かる船ならば、たとえば近海を走る船といえども、まさかのときの、非常時のためには、無線通信士を乗せておくのが当然だと思う のですよ。もう少し陸から離れた遠いようなところでああいう事件が起こったら、無線通信士さえ乗っていれば、SOSを出せば、付近を通っている船はすぐ救助に来れるというのです。ところが、それが乗っていなければ、たとえ近海を走る船といえども、いつも陸のそばばかり通るわけじゃないですから、やはりああいう惨事が起こる原因になると思うのですよ。だから、ああいう船でも、やはり私は無線法を改正して乗せるということが必要ではないかと、こういうことを私は思うのですが、乗せるのと乗せないのと、どっちがいいのです。
○政府委員(西崎太郎君) あとで運輸省のほうで補足していただきたいと思いますが、特定の船舶に無線局を、いわゆる義務船舶局として強制するかどうかということは、現在の法体系では、電波法で規定しておるのではなくして、運輸省所管の船舶安全法という法律がございまして、これによって規定されている、こういうわけでして、まあ先生の御趣旨自体は、私としてももちろん異論はないわけでございます。
○須藤五郎君 運輸省の考えを聞きたいのですがね。私は、宇高連絡船にたびたび乗るわけです。やはりそこで一人ということでは心もとない。一人とういことは、どういう事故が起こるかわからないということなんです。人間も生き身ですから、やっぱりただ一人ということは心細い。やはり宇高連絡船でも、あれだけの、一船に千人かの人を乗せて走る船ですから、ですから、少なくとも二人ぐらい乗せておく必要があるのではないか。人命尊重の立場から私はそう思うのですが、ときわ丸の場合でも、宇高船の場合でも、どっちがいいのですか、運輸省はどういうふうに考えますか。乗ったほうがいいのですか、乗らないほうがいいのですか、一人でもいいのですか、二人乗せたほうがいいのですか。どちらなんですか。
○政府委員(辻章男君) お答え申し上げます。 何と申しますか、事故等の場合におきまする通信の万全を期します意味から申しますれば、できるだけ多数の職員が乗っていることが望ましいということになるかと思うのであります。御承知のように、現在の定期航路に従事しておりまする業者につきましては、非常に零細なものもございますし、現在の船舶安全法の体系におきましては、沿岸航路のものにつきましては、無線の施設を強制していない規定に相なっておりまして、先ほど問題になりましたときわ丸のような船につきましては、無線通信施設がないわけでありまして、これは、今後人命尊重の見地から、私どもも、特に旅客船につきまして、どういうふうな無線通信施設を持たすべきかという点については、検討して参りたいと考えております。 なお、補足的に申し上げますが、いわゆる沿岸航路に従事いたしておりまして、船舶安全法上、無線通信設備が強制されないものにつきましても、私どもかねがねできるだけこれを持つようにということを行政指導いたしておりまして、百トン以上の鋼船につきましては、大体七割程度のものは、現存無線電話なり、あるいは電信を持っているような状況に相なっております。船舶安全法等の問題につきましては、今後検討して参りたい、かように考えます。
○須藤五郎君 無線通信の通信内容はどういうものなんですか。
○政府委員(西崎太郎君) 大体二つに大別されると思いますが、一つは業務用通信、それからもう一つは個人の通信、この二つの種類に分かれております。
○須藤五郎君 もう一つ、気象用の通信があるのじゃないですか。
○政府委員(西崎太郎君) 今私が申し上げましたのは、公衆通信の関係を申し上げたので、そのほかに、先生がおっしゃいましたように、いわゆる安全目的の通信が公衆通信のほかに当然あるわけでございます。
○須藤五郎君 衆議院の逓信委員会では、参考人を呼んでいろいろ意見を伺ったそうです。当委員会でも、できるならば参考人を呼んで意見を伺えばいいと私は考えているのですが、そのときの船会社の側の代表であったか何かの方が、名前は詳しく私は調べておりませんが、その意見では、通信士一人になれば仕事が忙しくなるから、いわゆる公衆通信というのですか、私信ですか、それは遠慮してもらうようになる、遠慮してもらいたいという意味のことをおっしゃったというのですが、そういうことになるのですか、どうですか。
○政府委員(西崎太郎君) 私が了解しておりますところでは、もしどうしても通信の疎通上問題が起こった場合には、いわゆる業務用の通信、これを船主側が自主規制をする、こういうふう に申された。先ほど先生がおっしゃいました点はあとで訂正された、こういうふうに承知しております。
○須藤五郎君 それは訂正しなければ、私はたいへんなことだと思うのですよ。憲法違反の答弁だと思うのです。憲法で通信の自由は認められているのですから、船員が家族に通信するのまで遠慮してもらうとか、それを規制するというようなことは、これはできないはずなんです。 今度一人になるというと、現在三人でやっている大きな三人乗りの船ですね、それは八時間勤務で三、八、二十四時間、二十四時間勤務になるわけですね、三人で。ところが、今度は、一人になるとどういう勤務になるのですか。
○政府委員(西崎太郎君) 第二種乙の場合は、法定定員は十人になるわけでございますが、その場合の勤務は、現在の第二種乙と同じ勤務でありまして、八時間の間はその通信士が執務をする、あとの残りの十六時間、これは、他船からの遭難通信というものをワッチするためにオート・アラームというものを使う、こういうことになると思います。
○須藤五郎君 そうすると、八時間、とにかく朝の八時からもしも仕事をすれば、夕方の四時まで、ずっと八時間勤務して、夕方の四時からあくる朝の八時まではオート・アラームがやると、こういう勤務になるのですか。
○政府委員(西崎太郎君) 多少これ専門的になって恐縮でございますが、実は、国際条約によりまして、通信の時間割というものができております。それは、世界の海域を六つに分けます。AからFまで分けまして、その各海域別に時間表というものができております。これは、実は飛び飛びになっているわけでありまして、たとえば日本の近くにおきましては、GMTと申しますか、グリニッチ時間で申しますと零時から二時、それから四時から六時、あるいは八時から十時と、こういったような飛び飛びな時間割ができておるわけでございます。その国際的な時間割によって執務をする、こういうことになるわけでございます。
○須藤五郎君 私の聞くところによりますと、二時間働いて機械のそばについて、それからあと二時間はそこから離れる。そうすると、またあと二時間たつと、そこへ来て二時間やる。二時間やって二時間休み、二時間やって二時間休むという、いわゆる裏時間というやつですね。そういうのを毎日やる。それで八時間、こういうことを聞いているのですが、そういうやり方ですか。
○政府委員(西崎太郎君) 先ほど申し上げました各海域別の時間割によって飛び飛びの勤務になります。それで合わせて執務時間は八時間、こういうことになるわけであります。
○須藤五郎君 それは人聞きは非常にいいようですが、それならば、朝の八時から十時まで働いて十時から十二時まで休んで、十二時から二時までやって二時から四時まで休む。結局、勤務を完全に離れるのは十四時間後ということになって、十四時間勤務ということに私はなると思うのですよ。こんなに、二時間働いて、一服二時間たばこを吸って、また二時間働くということになると、ほんとうの休養にはならないので、八時間というのは名のみで、実質は十四時間労働ということになると思うのですが、どうですか。それは働いた経験のある者でなければわからないよ。
○政府委員(西崎太郎君) この、船の乗組員といいますか、特に通信士の執務は特殊的なものであると思いますが、とにかく、各国の船舶はその基準−によりまして現在一人でやっておるわけであります。
○須藤五郎君 これは非常なオーバーワークです。ほんとうに心を休めて休養する時間というのはわずかなんです。二時間やって二時間休憩して、その間にまたいろいろな問題がある。無線の呼び出しとか何とかいうのですぐ出てくれればいいけれども、聞くところによると、長いところは八時間も十時間もかかるところがあるそうじゃないですか。外洋へ行って、局を呼び出したり何かするのに待ち時間というやつがあるということを聞くのですがね、どうですか。
○政府委員(西崎太郎君) 場合によっては、相当待ち時間の長い場合もある一と思いますが、今先生がおっしゃったようなケースは実際私承知いたしておりません。今、電電公社から運用局長一が見えておりますので、もし実情についてもっと御説明を求められるならばそちらから一つ。
○須藤五郎君 通信士の人たちからの訴えでは、要するに、一人になれば、二時間やって二時間休むというようなことで、結局十四時間拘束だ、非常な疲労が伴うと同時に、その中には待ち時間というようなものが考慮されてない、あるときには長いこと待たなければならぬ、相手の局が出るまでに長く時間がかかるようなことがある、だから、それは休息の時間になっておっても決して休息になっておらない、そういうことが訴えられてきているので、今、その実際の問題で、もう少し詳しくそういう点を御説明願いたいと思います。電電公社のほうからひとつ説明して下さい。
○説明員(山下武君) ただいま須藤先生おっしゃいましたように、船のほうから私どもの海岸局を呼び出します場合に、輻湊しておったり、その他の事情で呼び出しに相当の時間がかかるであろうということは、私ども推測できますが、電電公社側といたしましては、海岸局で仕事をやっておりますので、船の中でどの程度そういうことに時間がかかっておるかという船内の事情はよくわからないわけでございます。ただ、私のほうで調査いたしました、船舶局から海岸局のほうへ到達いたします所要の時分、すなわち、船舶内で受け付けた時分から海岸局で受信いたしました時分を調査いたしましたところ、中波のほうでは、受け付けて約十分、短波では十七分、これは全体の平均でございまして、全体の通信の中−で、受け付けてから海岸局で受信いたしましたまでの時間で、一時間以内の−ものは中波では一〇〇%、それから短波では九六・九%というケースになっております。しかし、これは先ほど申しましたように、船の中で受け付けた時分と私どものほうで受信した時分を見ただけでございまして、それまでの間に、船の中で私のほうの海岸局を呼び出したり、いろいろなことをするためにいろいろと時間がかかったり、お手数をかけているであろうということは、私どもも十分推測しているわけであります。
○須藤五郎君 今、お答えのあったとおりで、実際に長く時間がかかるときが往々たびたびあるということを訴えてきておる。だから、そういうときに、一人勤務ではとても疲労するこうになるのだ、こういうことなんです。それじゃ、次に質問を進めますが、一体皆さんは台風時に一人の通信士で安全性が保たれるというふうにお考えになっておるのかどうですか。責任持てるのですか。大臣どうでしょう。台風時に、船に一人しか乗せんことにしてしまって、責任が持てるのですか。どうですか。
○国務大臣(小沢久太郎君) 外国ではみなそういうふうにしてやっておりますから、私は安全に航行できると、そういうふうに考えております。
○須藤五郎君 それは、はなはだ私は無責任な答弁だと思うのです。台風でたいへんなときに、一人の通信士にまかしておいて、それで安全だ、間違いないのだ、そういう答弁は、私は少し無責任じゃないかと思うのですが、やはり一人より二人のほうがいいにきまっているじゃないですか。二人のほうが完全に安全が保たれるじゃないですか。過労のために一人の通信士が倒れてしまったら、どうするのですか。そういう割り切ったような答弁はできないはずじゃないかと思うのですが、どうですか、大臣。
○国務大臣(小沢久太郎君) まあ、人間が多ければ多いほど、それにこしたことはございませんけれども、やはりいろいろ人員の関係もございますし、それから、みな外国でもそういうふうにやっておりまして、それが国際水準でございまして、私は、そういうことでこれまで安全に航行されておるのでございますから、十分だと信ずる次第でございます。
○須藤五郎君 業者の代弁ならそれもいいと思うのです。しかし、一国の政治家である大臣が、業者の代弁のような答弁は、私ははなはだ不満足です。私らしろうとが考えても、台風のときに、一人の通信士にすべてまかしておいて、それで安全と思うというような、そんな無責任な答弁はおかしいと思いますよ。第一、オート・アラーム・というようなもの、これはまだ完全無欠のようなものじゃないのですよ。欠点がたくさんあるものですよ。そういうものを当てにして、そうして、一人で安全でございますというような、そういうしらを切るのは、これはおかしいと思うのです。一人より二人のほうがいいにきまっている。われわれとしては、やはり二人置いたほうがいいという意見になるのじゃないですか。そろばんだけで人の命ははじけませんよ。
○国務大臣(小沢久太郎君) われわれは、結局業者の代弁者としてそういうことを言っているのではございません。
○須藤五郎君 気象庁に、現在観測用の飛行機は何機あるのですか。
○説明員(安井正巳君) ただいま気象庁自体としては観測用飛行機は持っておりません。
○須藤五郎君 観測の飛行機は一機も川ない。気象庁に定点観測船は何隻あり、そうして、その船齢とトン数はどのくらいのものですか。
○説明員(安井正巳君) 定点観測は、ただいまのところは、海上保安庁のほうで船のほうはやっていただいておりますから、そちらのほうから御答弁をいただきたいと思います。
○説明員(山崎城君) 現在、海上保安庁の巡視船で定点観測に従事している船は二隻ございます。一隻は、昨年新造になりました「のじま」という約一千トンの巡視船でございます。もう一隻は「おじか」という船でございます。これは、すでに本年度と来年度のニヵ年間にわたり代替建造の予算が認められまして、今月の約一週間前に進水をいたしまして、六月の中旬には完成するという予定になっておりますので、本年度における、六月以降における定点観測には、この二つの新鋭の巡視船をもって定点観測を実施する予定でございます。
○須藤五郎君 今の話を聞きますと、観測用飛行機はなくて、アメリカの飛行機におんぶしているのだと……。
○説明員(安井正巳君) いろいろの航空機をもってする観測は、ただいまのところは、主として米国及び自衛隊のほうで訓練飛行をやっておられます際は、そのコースにしたがって必要なものは自衛隊のほうにやってもらっております。一〇須藤五郎君 定点観測船はないので、やはりこれは自衛隊のほうですか。
○説明員(山崎城君) 定点観測船は海上保安庁の巡視船でございます。
○須藤五郎君 海上保安庁の観測船でまかなわれておる。しかしその数は非常に少のうございますね。これで完全に気象庁としては任務が果たせるというふうにお考えになっていらっしゃるのですか。
○説明員(安井正巳君) 実際に日本で定点観測をやっているのは、ただいま海上保安庁にお願いしておるだけでありますが、気象の情報は、それ以外にもいろいろ船舶からも観測してやはり通告がございます。また、国際協力にしたがいまして、それ以外の国からの気象機関からも相互に情報の交換をやっておりますので、今まで支障なくやっておることを申し上げておきます。
○須藤五郎君 私は、この間気象庁の研究所に視察に行ってきましたよ。そこで話を聞くと、非常に不十分だと、今の設備から何から非常に不十分で、十分のことはできないという意味のことを言っていらしたと思うのですが、あなたは国会に来て、現在の状況で十分に任務を果たせるのだ、こういうふうにはっきりお答えできるのですか。
○説明員(安井正巳君) お答え申し上げます。われわれがやっておりますのは、日常の業務としての気象の観測及びその結果を皆さん方にお知らせする業務でありまして、気象研究所のほうは、どちらかと申しますと、研究をやっているわけでありまして、私が先ほど、現在支障なくやっておると申し上げましたのは、日常の業務のほうでございます。
○須藤五郎君 だって、伊勢湾台風のとき、あなたたち、ああいう被害が起こるということを予測できなかったじゃないですか。それで十分やっておられると言えるのですか。
○説明員(安井正巳君) いろいろの施設がだんだん整備し、また技術もだんだん進歩しておりまして、伊勢湾のときには、あの程度でもって気象庁としては一生懸命やったと考えておるわけであります。
○須藤五郎君 一生懸命やった結果があれなんでしょうが……。だから、不十分だということじゃないですか。一生懸命にやったから、完全にできて、ああいうことが予測できなくちゃ、うそじゃないですか。その予測もできなくて、一生懸命やった結果、ああいう災害か起こったのだから!それは、あなたたちももちろん一生懸命でやっていますよ。一生懸命でやっているけれども、完全じゃないということは言えるのじゃないですか。あれで完全だと言えますか。
○説明員(安井正巳君) 先生のおっしゃいましたように、結果を見ますと完全でないかもわからないと思いますが、何分われわれの担当いたしております面は、地球の自然現象でありまして、まだ学問的にもなかなか未知の分野が非常に多いものであります。したがいまして、われわれは、日常やはりその方面の研究開発に努めますと同時に、研究開発の結果得られたものを日常の業務に応用しまして、その時点においては、できるだけのことをやっておるわけであります。今後さらに研究開発を進めまして、ますます結果がよくなりますように、成績を上げるようには努力はいたしておるわけでございます。
○須藤五郎君 だから、現在が十分でない、まだまだ十分にやらなきやならぬことがあるし、やるべき面もあると、こういうことなんでしょう。今でもう十分で、これで百パーセントもう任務が遂行できているのだと、こういうことじゃないんでしょう。
○説明員(安井正巳君) 十分であると私が御答弁したのがまずいのかもわかりませんので、その意味は、とにかく日常特別の異変のないような場合には、一応現在でもってやっておるわけでありまして、異変のありました場合には、またそれ相当の、そのときに、態勢をしきますけれども、いずれにしましても、そういう気象異変のありましたときは、現在の知識でもってしては、なかなかまだ解明できない点がたくさんあるわけであります。したがいまして、われわれとしましては、この席で御答弁申し上げられ得るのは、結局、そのときの能力でもってベストを尽くして国民の皆さまになるべく御迷惑をかけないように努力する、としか申し上げられないのでございます。
○須藤五郎君 それじゃもっと端的に聞きましょう。気象庁に今一台の飛行機もない。米軍にたよっているのが主たる面ですよ。それでなしに、気象庁が独自で観測用の飛行機を持つほうが−現在よりいいのでしょう。持たぬほうがいいのですか。持たないでいいですか。
○説明員(安井正巳君) 気象観測に航空機を持つかどうかという問題は、気象庁の部内でもいろいろ前々から一つの問題として取り上げて検討いたしておるわけでありまして、ただいまのところは、先ほど申し上げましたように、ほかの機関にお願いしておるわけですが、自主的にこれをやることの可否、及び、やるとすればどういうふうの方法でやるかというようなことは、ただいま部内で検討中です。
○須藤五郎君 持つ必要がないならば、何で今アメリカ軍の協力なんか求めるのか。アメリカ軍の協力を求めるのは、必要があるから求めるのでしょう。必要があるならば、なぜ気象庁として独自に飛行機を持つほうがいいと言えないのですか。そんな答弁おかしいじゃないですか。
○説明員(安井正巳君) 私たちの必要とするのは、飛行機観測の結果でありまして、気象庁自身が飛行機を持ってやるか、あるいは他のほうに−飛行機の運用と技術のすぐれておるほうにお願いしてやってもらって、その結果をいただくと考えるのも一つの考え方でございまして、目的を達するためにいろいろな考え方が、その間の手段がございますので、われわれは、そういう方面について今検討いたしておるのであります。
○須藤五郎君 何で自主的なものの考え方ができないのだ。アメリカ軍におんぶしてもらっているのがいいというのかね。もっと、日本にも優秀な飛行機を持って、優秀な技術者を乗せて、自主的にやったほうがいいにきまっているじゃないですか。何で現在のほうがいいと言うのですか。
○説明員(安井正巳君) 現在の米軍機及び外部の方に依存しておるのがいいと申し上げておるのではないので、現在は外部の方にお願いしておる。しかし、自主的にどうやるかということは、先ほどもお答え申し上げましたように、気象庁の部内で目下どうするかということを検討中でございます。
○須藤五郎君 飛行機の力を借りる必要がない、それで結論がつくならば、アメリカ軍の協力は求めないほうがいいという結論になるのですか、どうなんですか。
○説明員(安井正巳君) 現在のところは、アメリカ軍から参りますいろいろ観測の結果を活用していろいろの業務をやっているのでありまして、われわれとしましては、現在のように外部の方にお願いできなくなったような事態もくるかもわからない、そういうことも考えて、そういう暁にはどうしたらいいか。しかも、やめたらすぐあとを引き継いでできるものではありませんので、やはり前ごろに検討して、漸進的にしていかなければならない、そういう意味において、ただいま部内で検封中であります。
○須藤五郎君 日本の官吏というものは、何でそういうふうに自主性がなくなってしまったんでしょうかね。現在アメリカの飛行機の援助を受けてやっておる仕事を、自主的に気象庁で飛行機を作って、自主的にやろうという方向がなぜ立たないんです。飛行機の援助が要らないなら、やはり断わったらいいんで、飛行機の援助が要るんでしょう。要るんなら、なぜ気象庁で飛行機を持って自主的にやろうという気魄が出てこないんです。どうなんですか、そこは。
○説明員(安井正巳君) 飛行機を自分で持って観測をいたします場合には、まず、飛行機の性能の問題、操縦士の問題、いろいろ、われわれとしては、これから検討しなければならない問題が非常に多々あるわけでありまして、これには非常に長年月を要するわけです。したがいまして、先ほどから申し上げておりますように、今からそういう方面の検討を始めておるわけでございます。
○須藤五郎君 元来、気象の報告というものは、二十四時間を通じて報告することが必要じゃないんですか。二十四時間を通じて調べることが必要じゃないんですか。
○説明員(安井正巳君) 御質問の趣旨は観測の結果でございますか。
○須藤五郎君 そうです。
○説明員(安井正巳君) この点について一応の目安になりますものは、やはり気象は国際協力的な色彩が非常に強いのでありまして、そういう意味において、世界気象機構というものがございまして、そこできめておるのは、大体一日に四回、これをもって基本とするということになっておるわけであります。
○須藤五郎君 時間が切迫してきましたので、急いで質問を進めたいと思いますので、もうしばらくお願いいたしたいと思います。 従来、一日四回報告を受けておるんでしょう。
○説明員(安井正巳君) 現在のところは、それよりも数多く受けておることもあります。四回と申し上げましたのは、それは基本的なものであるということで申し上げております。
○須藤五郎君 一日四回受けても、なお台風の進路というものが明らかにつかめないというのが今日の状態だと思うんです。そのために、ああいう伊勢湾台風のような被害が起こる。通信士が一人になった場合、その船から一日四回通信士が送ってくる気象報告、これは一日何回受けることになるんですか。
○説明員(安井正巳君) 今のところでは、われわれは、基本的な四回は受けたいといろいろ苦慮いたしておるわけでありまして、この法律が全面的に実施されますと、一応たしか午前三時、その報告が入らなくなるわけであります。そんな関係で、その対策としましては、別途特定の船舶とお互いよく話をし合いまして、契約のようなものでも作りまして、そちらのほうから観測の結果をいただきたい。
○須藤五郎君 だから、気象庁としては、従来よりも報告を受ける回数が少なくなるということは、実際は困るわけなんでしょう。
○説明員(安井正巳君) 報告の回数が現在程度維持できれば、われわれとして現在やっておる程度のことは維持できるわけでありまして、現在の程度のことを落とさないようにいろいろ対策を考えておるわけであります。
○須藤五郎君 お聞きのとおり、通信士が一人になると、気象観測の上にこういうふうな大きなマイナスの面が出てくるということは、電波局のほうでもよく考えておかなければいかぬことだと思う。大臣も、その点は大いに頭に入れておいてもらいたい。この災害の多い日本に、通信士を減らすことの結果、どんな災害が起こってくるかもわからぬということは頭においてもらわなければならぬ。 それからオート・アラームの話がさっき出ましたが、オート・アラームの性能はどんなものなんですか。聞くところによりますと、一日一回試験を毎日するそうですね。ところが、一日一回試験をするときに、鳴らぬときがあるそうです、鳴らぬときが。そうかと思うと、空電や混信のときには、誤作動というんですか、雷か何か鳴ったりすると、このオート・アラームが鳴り出す、こういうふうに、決してまだ完全なところに達していない。大臣は、オート・アラームがあるから心配ないと言うけれども、オート・アラームというのは、いまだそんな不完全なものらしいんですよ。諸外国でも、このオート・アラームに対しては信用をしていない、こういうことを聞くのですが、どうですか。通信士をオート・アラームに置きかえるといいますが、通信士ほどオート・アラームが信用きるのですか、どうですか。人間と機械とどっちを信用なさるのですか。責任をもって答えて下さい。
○政府委員(西崎太郎君) 今、先生がおっしゃいましたように、オート・アラームといえども、これは完全無欠なものであると申す段階にまでは参っておりません。しかし、日本の国産の製品、これは今までの努力もありまして、大体において、国際水準まではきている、こういうことは申し上げられると思います。 それからいろいろこの故障の問題でありますが、まあ、オート・アラーム、これは、今先生がおっしゃいましたように、空電がひどいというような場合には誤作動ということが絶無であるということは申し上げられないわけであります。通常の気象状態においては十分信頼できる。こういうふうに、先般われわれも実際に船舶に装備しまして、実地試験をやった結果、そういうことが確認できたわけです。それで、外国におけるオート・アラームの評価の問題でありますが、この点につきましても、実は先般、英米その他の世界の海運国に照会いたしまして、そういった点につきましても聞いたわけであります。その結果は、それらの先進諸国においても、オート・アラームの効果というものは十分認めている、こういう返事が参っております。
○須藤五郎君 時間がありませんので、もっと議論したいが、後日に譲りましょう。 衆議院で、海運再建整備法案及び船舶利子補給法案が委員会を通ったということを聞くわけなんですが、この電波法改正案ですね。これは、海運再建整備法案及び船舶利子補給法案と関係ある法案であって、いわゆる集中合併法案に関連のある法案である。そして、結果的に見れば、結局首切り整備法案だと私たちは考えているわけなんですが、この法案が成立しなかったら、政府は船舶利子補給をしない、こういうふうなおどしをかけているのではないでしょうか。どうでしょうか、大臣。——これは大臣からお答えになったらいいんじゃないですか。
○政府委員(辻章男君) 現在、海運のいわゆる再建整備法、それから利子補給の強化の法案、二法案が衆議院へ提案されているわけでございますが、この二つの法律案と、それから現在御審議願っております電波法とは一応の関係はないわけでございます。しかし、私ども、海運当局といたしまして、実質的には関連を大いに持つものというふうに考えております。と申しますのは、今回、多額の国費をつぎ込みまして、現在非常に海運が不況で困窮いたしておりますので、これを強化いたしまして、国民経済上要求される海運の使命を果たしていきたい。そのためには、政府といたしましても、できるだけ企業者に合理化を要求いたしておりますし、また集約というふうな非常に大きな犠性も要求しているわけでございます。いわゆる無線通信士の問題につきましても、国際水準並みまでの定員でもってやっていくような、企業の合理化をぜひやってもらいたい。そのためには、現在法律で、無線通信士の定員が外航船の大部分につきましては三名というふうなものも、この際これを改正していただきまして、世界水準並みの基準でやっていただきたい。かように考えておる次第でございます。
○鈴木強君 私は、この今回提案された電波法の一部改正法案について、少し系統的に政府の意見を求めたいわけですが、きょうは・ちょっと時間が非常に中途半端になっておりますので、この法律が今日に至るまでの長い歴史的な経過というのは私たちもよく知っておるわけでありまして、最近における日本の海運業界の現状からして、この経営の健全化ということを特に船主協会のほうでお考えになって、池田総理との会談という途中における経過もございます。そういう中から、どうも、この海上における人命の安全、航行の確保、こういった点、あるいは無線通信士の今日の実態、そういうものを明確に把握した上に立って合理化を進めようということでなくして、明ら−かに船主協会のお家の御都合から、こういう電波法の改正が出てきたことは明らかなんです。当時、電波監理局にしても、あるいは気象庁関係の諸君にしても、あるいは国鉄関係の船舶職員法関係の諸君にしても、い、ずれも、当初はこの法律改正については強く反対をされておった。途中において、議員立法等も出て参りまして、最近に至って、ようやく政府提案になって参ったんですが、そういう幾多の経過を経てきておりますから、われわれも、もうすでに何回かこの法律改正については質疑もし、意見も述べておりますけれども、ここに衆議院を通過し、参議院に送付されてきた法案でありますので、非常に時間的に見て私は十分な質疑ができないように思いまして、この点はまことに遺憾に思います。したがって明日、私はさらにこの系統的な質疑をすることにいたし、きょうは、特に青函連絡の特殊的な問題に対して、ひとつ国鉄当局から私は意見を聞きたいと思うのです。 先ほど、須藤委員も、この青函連絡船の問題についてはお聞きしておったようでございますが、特にこの青函連絡船のような特殊な実情にあるものも、一般的な電波法の改正によって一律に規制されていくということは、相当不合理があると思うのですけれども、・の点について私は具体的な質問をする前に、これは船舶局ですか、その当局から、ひとつ考え方を聞きたいんでございますが−…。これは、船員局長がおらぬと、ちょっと質疑ができないですね。
○委員長(伊藤顕道君) ちょっと速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(伊藤顕道君) 速記を起こして。
○鈴木強君 青函連絡用船舶局は、今度の船舶法の改正によって、第一種局から第二種乙に変わっているのですが、この点は間違いないですね。もちろん、経過規定がありますから、一応経過期間中は二種の甲になる、こういうことに間違いないですか。
○政府委員(西崎太郎君) さようでございます。
○鈴木強君 そうすると、改正によって八時間執務になりますね。
○政府委員(西崎太郎君) 経過期間経過後はそういうことになります。
○鈴木強君 今、青函に就航している国鉄の船舶は総数十四隻で、運航数が一日二十一往復、常時七隻から十隻の連絡船で六十二海里の距離を四時間半で運航していると思うのですが、この海域は、津軽海峡で一般の商船も相当に年々輻湊しております。その上に、小型の漁船航行も非常に多くなっている。ことに、盛漁期になりますと、灯火で海上がまさに市街地のような現象を呈しているというように私たちは聞いております。特に、北海道と本州を結ぶ大動脈でありますから、汽車から船、船から汽車と、この接続については、きわめてきちょうめんにお客さんから要求をされる、こういうふうな実一情の中で、しかも旅客人員等を調べてみますと、年間旅客人員は約三百万人、これは昭和三十六年度の調べでございます。輸送車両は約四十五万両と。しかも、その気象状況を見ますと、四月——六月、これは濃霧期、八月——十月は台風期、十一月——三月までは冬季荒天期、大体年間約三分の一というものは気象警報が発令されている、こういう、非常に気象的にも面一条件のところにあると思います。一体、こういう条件の中にある青函連絡船の船舶に対しまして、旅客や貨物の安全輸送をはかるために、法律によって、四年後、経過規定が過ぎますと一種乙になって、八時間の執務しかできない。一体、これでは、こういう特殊事情を全く無視した船舶法の改正だと私は思うのです。これは、運輸当局もそうだが、電波監理局長も、こういう特殊性について考えたことがあるのか、考えたことがあるとすれば、なぜこういう特殊性について考慮しなかったのか、その事由を聞きたいのです。これは両方から聞きたいと思います。特に、最初に運輸省の方からお聞きしたいのですがね。
○政府委員(辻章男君) お説のように濃霧のとき、また台風シーズン等は日本海近海に多いのでございますが、八時間労働と申しましても、航行の時間は数時間で済むところでございますし、私ども、特にそういう意味合いから申しまして、青函連絡だけについて船舶安全の見地から通信士に特例を設ける必要はないというふうに考えておるわけでございます。
○政府委員(西崎太郎君) 先ほども須藤委員のお尋ねにお答えいたしましたけれども、青函連絡船は、いわゆる強制船舶の範囲に入っていないわけでございます。ここにいろいろ問題があると思いまして、ここいらの点につきましては、運輸省のほうでも、先ほどの御答弁で目下研究中であるというふうに伺っておるわけでありますが、電波法のほうでは、現行におきましては、非強制船舶においても無線局を開設した以上は、現在のところ三千トン以上の旅客船は第一種局だと、こういうことになっておるわけで、その必然的な結果として、三人の法定定員というものが船舶職員法のほうから要求されている、こういうことになるわけでありまして、それが今回全般的な配慮から改正案のようになったわけでありまして、確かに、先生おっしゃったような点は、十分特例的に何か考えなければならぬと思いますが、そういう点は、先生も御承知のように、この定員というのは最小限を規定しておるわけでありまして、それ以上乗船させることは一向差しつかえないわけでありますし、また非常にわれわれとしては望ましいことだと、こういうふうに考えております。
○鈴木強君 電監の局長の御答弁はよくわかりました。しかし海運局長の御答弁は、国鉄事業を監督する運輸省における局長としては、海運局長としては、私はちょっと受け取りがたいですな。実際にあなたは、青函の実情を把握されていないものが言うような答弁だと思うのです。現実に三名の一種局——あとからまた私お尋ねしますけれども、特に国際電気通信条約との関係で、公衆通信については、これは付属無線通信規則の九一条にもありますように、特に「各政府は、公衆通信業務において、その国籍の船舶局及び航空機局が有効な業務を行なうためにじゅうぶんな職員を有するように必要な処置を執らなければならない」とこういうような国際的な取りきめもあるわけです。これが三名に減って、気象状況の悪い、しかもそういう海難の多い地域におけるものが八時間の勤務で大丈夫だから例外を考えなかった、そういう答弁は、あまりにも国鉄事業というか、青函の実情を把握しないと私は思う。
○政府委員(辻章男君) 私の言葉が足りなかった点があったかと思いますが、今私が申し上げましたのは、最低の基準を定めておるという点から申し上げたわけでございまして、現実の問題といたしましては、非常に旅客が多うございまして、一般の旅客からの公衆通信の量も非常に多いように承っております。国鉄の船舶局長も見えておりますが、私ども伺っておるのでは、今回の電波法の改正にかかわらず、青函連絡船につきましては、従来どおり玉名の無線通信士を配置したい、国鉄当局はそういうふうに考えておられるやに承っております。
○鈴木強君 いや、それは当然ですよ。だから、あなたが最初私の質問に対して、あまりにも国鉄の実情を知ってない。そこで、今そばに座っている人から聞いたのかどうかしりませんけれども、少なくとも、そういう事実を知っておれば、もう少し御答弁の仕方があったと思うのです。あなたは、一体公衆通信を一般旅客及び船員の電報で三十六年度中に何通話扱ったか知っていますか。
○政府委員(辻章男君) 存じません。
○鈴木強君 そうでしょう。だから、ああいう答弁になるかと思うのです、私は。先ほど須藤委員も言っておりましたけれども、洞爺丸の事件等からしましても、あの海域における運航について、国鉄当局が非常に最近は神経をとがらせて、安全第一という立場に立って、欠航とかあるいは出航ということをきめておられる。私はまことにけっこうだと思うのですよ。そういうことによって、直接不便を受ける公衆の諸君も、一時は困るじゃないかという気持があっても、慎重には慎重を期しておやりになっておる国鉄の方針に協力するようになると思う。最近は非常に電報なんかも多うございますよ。三十六年度中に、あそこだけで扱った電報が約一万九千五百二十八通、三十七年度は、推定ですが、これも約二割ふえておる。この公衆電気通信電報というものを扱うことは、これはもう国際法上一つの義務でやらなければならぬことでありまして、そういうわけですから、私は船舶局長さんから明確に答弁してもらいたいのですが、やはり管理局長も言っているように、最低を規定する電波法の改正でありますから、それ以上、実情によって、現状を維持するということも、経過規定の期間だけでなしに、やり得ると思うのです。そういう点は、現状の玉名でいくと、こういう方針については変わりないわけですね。
○説明員(青木秀夫君) 私ども青函航路につきましては、現在の法できめておられる以上の資格を有しまして、さらに人員にしましても玉名という法律より上回った定員でやっておるわけでございますけれども、現在のところ、これは変えなければならないというようには考えておりません。ただ、将来、船舶の近代化ということが非常に進むと思いますけれども、その場合におきましては、十分検討して、どうすべきかということをきめたいと考えております。
○鈴木強君 非常によくわかりました。もう私は、それであれば、自後の質問はする必要がないのですが、特に、今も申し上げましたように、公衆通信二万通のほかに、専用通信の連絡電報が年間約五十一万六千三百二十七通、約五十二万通、そのほかに、遭難、緊急、安全、気象、こういう通信が約二万二千九百六十八通ございます。ですから相当な取り扱い数になっております。もし八時間勤務に移行するようなとこがありますならば、これはたいへんな問題になると思います。やがて青函海底トンネルが計画されておりますので、そういう時期も私はそう遠いことではないと思うわけです。ですから、特に北海道と本土を結ぶ唯一の幹線であるし、そういう意味において、特に洞爺丸等のああいった痛ましい犠牲を出した事件も、まだわれわれの頭から消えておらぬのでありますから、ひとつ万全にも万全を期して現体制を私は堅持して、人命その他万全の措置をとるようにこの際お願いをしておきたいと思います。 大臣、この電波法の改正をなさるときに、前大臣からも引き継ぎがあった一と私は思いますけれども、もうここ十年近い間の問題になっておった法案で一ありますが、先ほどちょっと私触れましたように、どうもこの法案を出す場一合に、少しく船主協会の立場を擁護し過ぎるようなきらいがあるわけであります。もう少し船舶職員全体の問題等についても配意しておく必要があったんじゃないか、こう思うのです。特に日本の場合は、全世界の海難事故のうち、三分の一が日本の船舶が起こしている。これは、日本の国情からして、四面海をめぐらしております、とにかく海国日本といわれたようなこういう特殊な地理的条件にありますので、どうしても船舶に依存する点が多いか川ら、したがって事件も多いと思うが、そういう点、あるいはすぐ気象の問題が出て参りますけれども、定点観測と同時に、大事な各地域における気象の情報を入れる。その仕事が午前三時の分ができなくなってしまう。こういうふうなことは、気象面から見ても問題がある。それがひいては人命安全に関係してくる。 それから公衆通信の払いについても今短波を持っている船は、全世界のどこにいても、日本の海岸局に向けてストレートで通信が送れる、こういう便益があるものですから、そういったもろもろの点を勘案してみて、一面海運経営の全般的立場に立って考えなければならない点も私たちよくわかりますけれども、同時に、そこに働く労働者、そういう人たちの立場も十分考えてやるということが必要になってくると思う。ところが、そういう点に対して、非常に関係の組合員の諸君も反対しておるように、配慮が欠けておる点があると私は思う。こういう点、大臣はどういうふうに判断されて、この法案を出すことに割り切っておられるのか、それを承りたいと思うのですが。
○国務大臣(小沢久太郎君) これは、先ほど来須藤委員の御質問にお答えをいたしましたように、海運の国際競争力を強化するということが第一の目的でございまして、それからこれまで技術的にいろいろ問題がございましたけれども、日本の技術もますます進歩して参りまして、それから最初は、海上の安全の問題、航海の安全の問題、それから通信の疎通の問題等々の問題がございましたけれども、その問題も解決する見込みがつきました。ことに経過措置も作ってありますので、そういう点安全だというので踏み切ったわけでございまして、いろいろの問題を勘案いたしまして、最後的に結論としてお願いするという没取りになった次第でございます。
○鈴木強君 一つは、オート・アラームがどういう成果をおさめて働いてくれるかということが一つ、人を減らす最大の理由はそこにあったわけですから、それが一つと、それからもう一つは、一体四年間の経過措置をとっておるが、その間において、現在従事している無線通信士の諸君がどういうふうな立場になっておるか、それには、予備員というものを含めてどういうふうになっておるか、ということが一それは何か、資料をいただいてみますと、無線通信士を養成している学校の養成人員はあまり変わってないようですが、年度別に見ましてね。しかし、無線通信士に就職を希望する人たちが多少は減ってるように思うんですね。そういう点は、一体何に原因しているのか。せっかく無線通信士になろうとして勉学にいそしみ、技術を身につけても、むしろ将来に向かって非常な不安を持って、ほかに職を変えていくという傾向があるんじゃないでしょうか。それは、何といっても、今この電波法というものが改正されて、将来は人が−減らされていくというふうな不安もやはりあると思うんですね。ですから、それであればあるだけの、こういう学校に対する施策、また、それを志す人たちに対する施策というものをやっぱり打ち出して、そうしてやりませんと、せっかくここに入って、いよいよ卒業して免許を取ってみても、どうもまずいということで、他に行かなきゃならぬと、そういう立場になる人たちがあります。実は、私も少し船に乗りました。そして、実際には、私も免許を持っているんですから、同じ立場に立ってわかるわけです。で、今度船からおりて、じゃどうするか……。今、インド洋の欧州航路に乗っているのが、今度帰ってくるんだけど、ひとつ国に帰ったら就職頼むという手紙が、親元からも来ている。本人からも、遠くロンドンから来ている。そういうふうな実態があるということは、やはり、現実に海運業務に協力した諸君が相当不安を持って仕事をやられている。それに対して、この電波法はこういう目的で将来こうなると、しかし、今働いている諸君の立場はこうなんだという、やはりあたたかい指導政策というものを私は出していくことが大事だと思うんですね。そういう点について、一体どのような考え方を持っておられるのか。
○政府委員(西崎太郎君) まず、オート・アラームの問題でございますが、この問題につきましては、今までも再々いろいろ御論議あったわけでございますが、われわれのほうとしましては、日本の製品も国際水準の線までは来たということを確認いたしましたので、踏み切ったというわけでございます。もちろん、このオート・アラームも、先ほど来申し上げましたように、完全無欠のものでもありませんし、さらに今後、これはまあ日本だけじゃなくて、各国ともに協力しまして、さらにこれをよりよきものにして一いくという努力は、私としても痛感しておるわけであります。今後、日本の電波界の名誉にかけましても、その点に最大限の力を入れて参りたい、こういうふうに考えております。 それから、これはまあわれわれのほうの直接の担当ではないかと思いますが、今回もしこの法案が成立した暁におきまして、船舶通信士の方々にとりましてはお気の毒なことが起こらないことをわれわれとしては期待いたしておるわけであります。特に、多少余談でありますが、電波監理局長というのは、そういった、ある意味ではオペレーターの保護者といったようなふうな期待を持っておられる方もあるようなんで、そういった意味におきまして、私としましても、まことに私情において忍びない面もあるのでございますが、やはりこれは一つの世界的な方向でございますので、そういう意味から申しまして、今後これらのオペレーターの方々の処遇の問題につきましては、今先生がおっしゃいましたように、この方針は曲げられないにいたしましても、あたたかい気持を持って今後の処遇というものにつきまして最大限の協力をいたして参りたい。こういう気持でございます。
○鈴木強君 オート・アラームは、英国製、米国製!英国はマルコニー、米国はマッケー、それから日本の日本無線、これらのほうの製品があるようですが、この報告を見ると、日本製品も外国製品と比べて劣っておらないというふうな自信を持っておられるのですが、今現在オート・アラームを設置している船舶の状況は、ちょっと資料が……相当数まだあると思うんですね。現在今オート・アラームをつけている——こう聞きましょうか、日本の電波法上規制を受ける船舶の数ですね。そのうち、今度の改正によって適用される船の数と、それからオート・アラームを設置している船ですね。それはどんな比率になっていますか。
○政府委員(西崎太郎君) あとで資料として正確なものを提出さしていただいたほうがいいのじゃ、ないかと思いますが、今ここにあります資料によりまして一応御答弁申し上げますと、現在の装備状況でございますが、第一種の船舶、これが三十四台、それから二種甲、これが百七十一台、それから二極乙が五台、合わせまして二百十台、これが現況でございます。それでちょっとこれに補足いたしますと、一種は三人・二十四時間勤務になっておりますから、本来ならばオート・アラームは装備しなくてもいいわけでございます。そういう意味におきまして、二種の甲と二種の乙、これがオート・アラームをまあ強制されている、こういうことになるわけでございます。 それから各種別の今後における変化という点を申し上げますと、お手元に資料があると思いますが、第一種局が現在が六百六局、これが経過期間中は九局。それから経過期間が過ぎた暁がやはり九局。もちろんこの間に新設局ができるわけでございますが、それは除いてあります。それから第二種局の甲が現在が四百五局、これが経過期間中は六百七局、それが経過期間過ぎますと十二局ということになります。それから二種局乙が、現在が三百五十五局、これが経過期間は七百五十局、それから経過期間終了後は千三百四十五局、こういうことになるわけでありまして、結局、今申し上げたうちの第二種局の甲とそれから第二種局の乙、まあこれが大体においてオート・アラームを備え付けなければならない局数、こういうことになるわけであります。
○鈴木強君 そうしますと、オート・アラームをつけなければならない船のうち、現在つけているのが、二種局甲が百七十一、乙が五。そうすると、四年間の経過期間が済んだ場合、千三百四十五というふうに二種局乙がなってくるのですけれども、このうち全部オート・アラームをつけることになると思うのですけれども、そういうことについては、どうなんですか。それから、今の日本のオート・アラームの生産能力からいって、経過規定中にそういう装置が全部できるということは確信を持っておられるかどうか、この点はどうか、お伺いしたい。
○政府委員(西崎太郎君) 御承知のように、第二種乙の中には、いわゆる内航船があるわけでございます。内航船は国際条約の適用を受けませんので、この分はオート・アラームをつけなくてもいいわけであります。したがいまして、先ほど申し上げました千三百四十五局のうち約千局、これが国際航海に従事するもの、こういうふうに見ておりまして、したがいまして、第二種局乙では、千ばいの船がオート・アラームを装備しなければならぬ、こういうふうに見ておるわけです。 それから、生産能力の点でございますが、オート・アラームの生産能力でございますが、この点は、御承知のように、現在四社が型式検定の許可を受けておりまして、四社の能力をもってすれば、十分可能であると思います。
○鈴木強君 四社というのはどことどこですか。
○政府委員(西崎太郎君) 順序不同でございますが、日本無線、安立電気、東芝、共立電波、この四社でございます。
○鈴木強君 昨年の十一月から十二月にかけて、外国製並びに日本製のオートアラームの実験をペルシャ湾で行なわれているんですけれども、この調査結果を拝見しますと、調査の目的、調査の方法等、ここに書かれておりますが、問題は調査結果でございますが、この調査結果は、1と7に分かれておりますけれども、あまりにも抽象的過ぎて、ちょっとわかりにくいのですけれども、ペルシャ湾というのは、十一月、十二月というのは、気象的にはどうなんですか、悪い時期なんですか、いい時期なんですか。
○政府委員(西崎太郎君) 御承知のように、東南アジアから。ペルシャ湾にかけまして、空電が比較的強いというふうにいわれておるわけであります。その空電の状態が、今御指摘の十一月、十二月ごろはどうかということでございますが、大体平均の状態である、こういうふうに承知いたしております。
○鈴木強君 これは、どういうふうな調査をなさったかわかりませんけれども、ここに「供試機器」というのがありまして、外国製、日本製三台の機械を使ったと思うのですが、実際に、一日のうち、どういう時間帯を利用されたのか。それから不動作、誤動作というものは全然なかったというのだけれども、その時間帯との関係、あるいは実際に調査をした時間、そういうような関係もあると思いますけれども、一体どの程度の調査時間を費やされたのでしょうか。
○政府委員(西崎太郎君) その三台の機械を空中線へつなぎまして、その三台を二十四時間作動の状態にいたして、そうして測定いたしたわけでございます。
○鈴木強君 何日間やられましたか。
○政府委員(西崎太郎君) 一週間でございます。
○鈴木強君 一週間の、その気象状況や、あるいは空電状態がどういう状態であったかよくわかりませんけれども、それだけの調査で、たまたま誤動作、不動作がなかったとおっしゃいますけれども、私は実際の調査としては不十分だと思う。一週間ぐらいのことですと、われわれが現実にやってみて、たとえば空電の激しいとき、このオート・アラームが鳴り出してみたり、こういうことがあるのです、現実に。ですから、そこいらの保証が、はたしてその調査だけで十分であるかどうかということは、やっぱり問題になって残ると思うのです。ですから、ここで論議をしても、結局一週間の調査によって大丈夫だというのと、それはまだちょっとあぶないというのと、並行線になると思うのですけれども、必ずしもまだ絶対安全であるし、絶対確実だということの保証は、私はこれは何人も言えないと思うのです。ですから、そういう状況が一つこの法律改正によってある中でオート・アラームが仕事をするということを頭の中に置かぬといかぬと思うのです。まあそれは、それしか調査してないのですから、質問ですから、これはやむを得ません。 もう一つ、職員の問題ですが、私どもも、何も時代の趨勢に伴って合理化されることに対して、私は反対しようというものではないのです。問題は、その時代の要請に伴って合理化されることによって、一面犠牲を受ける労働者の立場というものを十分考えてやることだと思う。あなたは、さっきも温情あふるる答弁をしておったのですけれども、そういう気持をみんなが持つことですよ。そうしてかりに、船舶の通信士から陸上の船舶関係のお仕事に一これは事務的な仕事に移るかどうかということはあるでしょうけれども、そういう点は、海員組合のほうも、海員組合としての組織もあるわけですから、そこに船舶通信士の諸君もいるわけでして、そういう諸君とよく話し合いをして、最悪の場合に、これこれこういうふうになって、残る人たちはこうなるのだという、やっぱり雇用安定ということを十分考慮してやることが絶対必要だと思うのです。ところが、その点について十分であるということを、私まだ残念ながら否定せざるを得ない。これは、大臣、運輸省のほうに関係が出てくるのですけれども、ぜひ両省間でもお話をいたして、そう−してそれによってそれらの方々に対する施策というものは万全の対策を講じてやってほしいと思うのです。もしそれができないなら、私は、幾らオートメーションだからといって、職員がどうなってもかまわない、やるのだという、そういう考え方は、私は間違いだと思うのです。それができないならば、当分、問題があっても、現状を維持していくということを考えざるを得ない。ですから、そういう配慮を十分やることを私は期待したいのですけれども、その点いかがですか。
○国務大臣(小沢久太郎君) この新しい法律改正によりまして、いろいろ要員関係が生ずるわけでございますが、そういう点につきましては、われわれといたしましては、十分な配慮をしていきたい、そういうふうに考えております。
○鈴木強君 気象庁の方にもう一つ伺いたいですが、船舶による気象観測報告というのは、さっきもお話のありましたように、毎日定時にやっておるわけでありまして、それとの関係で、午前三時の定時報告が、この法律改正によってできなくなるということは、これは事実であります。その措置について別途考えるというお話は、前も聞いております。その別途考えるというのは、ある船舶との特別な契約を結んでおやりになることだと思うんですけれども、はたして、北緯何度、東経何度というその地点に、同じ時間に航行する船が、そううまくあるかどうかということも、ちょっと問題になると思うのですけれども、また、そのことはとにかくとしても、実際に三時に依頼すれば、それだけの業務は付帯業務としてふえてくるわけですから、やっぱり通信士がいなければ、これもできないということですね。そうすると、休んで一いる通信士を起こして仕事をしなければならないという事態になってくる。その具体的な対策については、四年間の経過規定があるから、今すぐ、三十八年度の予算に予算を組んで、どうこうということは、私は言いたくないんですけれども、しかし、もう早めにそういう点については御検討いただいておると思うんですけれども、今現在、そのようなお話に乗って協力してくれるような船はあるのでございますか。
○説明員(安井正巳君) ただいま先生のお話にありましたように、すぐ差し迫った問題ではまだ経過規定があるから、ないわけでありますが、個々の船舶、船会社との話し合いは、まだしたことはございませんが、船主協会のほうでは、そういう場合には協力を惜しまないという意味のことは承っております。
○鈴木強君 まあ、船主協会のほうも、こういう改正によって、日本の気象観測上大事な資料の収集が、ある部分とれないということになりますれば、これはやはり直接的な責任は感じてしかるべきだと思うんですね。本来気象庁のやることをおれらやってやっているんだ、こう開き直られれば、それもまたやむを得ないですけれども、それだけの日本における気象観測が、さっきからお話があるように、定点観測もうまくできないし、飛行機一台も買えないというような、まことに貧弱な気象観測の実情というのはあるわけです。その中で、気象庁の諸君がたいへん苦労されていることも、私たち非常によく知っているんですね。できるだけ完全な資料をとることが、やはり完全な予報を出すことになるわけですから、そういう意味において、私は船主協会がそう言われるというのは当然でごさいましょうし、また、それに対して、しからばそのくらいのことはただでやろうというのか、少しは金をよこせというのか、そこらは船主協会の中での話になるけれども、実際にその仕事をするのは通信士になるわけですね。ですから、そういう諸君の協力を得ることも大事じゃないでしょうか。まだ今日、海員組合のほうの船員諸君は反対していますからね——していると思うんです、私よく知らぬですけれども。そういうようなところまでは、具体的な話はもちろんできないと思うんですけれども、非常にこれは私どもは重要な問題だと考えておりますので、ひとつ今後は、三時の定時報告は、このことによって支障のないように万全の配慮をしていただくように……。あなたは次長さんですか、長官はいつきまるんですか。
○説明員(安井正巳君) 長官は二十六日付で更迭されまして、関係方面のあいさつ回りとか、そういうことをやっております。かわりに私が参りました。
○鈴木強君 畠山さんがおなりになったんだと思うんですけれども、あいさつ回りでこっちへ来れぬのですから、ひとつよろしく言っておいて下さい。ぜひ鈴木が強く言っておったというように、あなたから責任もって伝えておいて下さい。 それから、先ほど電電公社の運用局長から、電電公社の海岸局と船舶局との間の通信のお話が答弁されましたけれども、大体一時間かかるというのは、これはもう最高の時間でございますか。
○説明員(山下武君) ただいま私が須藤先生の御質問にお答えしましたのは、船舶局から海岸局に来た場合のことでございまして、したがいまして、こちらから船舶のほうに送る電報はもっとおくれております。
○鈴木強君 船舶から海岸局に送られる電報は、最高一時間ということだと思いますけれども、当然公衆電報になるんですから、受信をした時間というのはわかりますね。その受信をした時間から数えてのことでしょうね。
○説明員(山下武君) さようでございまして、船舶局で受け付けました受付時分と、海岸局で受信しました受信時分との差を申し上げたわけでございます。
○鈴木強君 もう一つ、逆の方向はどんなになっていますか。
○説明員(山下武君) それは、ただいま申し上げましたように、海岸局のほうから船舶のほうへ送信しましたものにつきましては、もっと時間がかかっております。同時期に日本の全海岸局から船舶に送りました通信を三日間調査いたしました結果は、中波帯で平均五十八分、短波で百三十分ほどかかっております。その中身といたしましては、一時間以内のものが中波で五八%、短波が一九%、二時間以内が中波で二四%、短波で三四%、それから二時間以上が中波で一八%、短波が四七%、となっておりまして、こういうふうに、ある程度時間がかかっておりますが、船舶を呼び出しますのには、二時間に一回ずつの一括呼び出しをいたしまして、向こうの応答を待って、漸次通信をいたしておりますような実情でございますので、自然こちらから向こうへ送り終わるまでには、向こうからよりもよけい時間がかかるわけです。
○鈴木強君 これは例の、さっき電監局長が言ったGMTの使用時間というものがきめられているから、こういうことになると思うんです。それで、さっきの国際電気通信条約の無線規則第九百十二が私は問題になってくると思うんですよ。「公衆通信業務において、その国籍の船舶局及び航空機局が有効な業務を行なうためにじゅうぶんな職員を有するように必要な処置を執らなければならない。」——まあこういう規則があるんですが、二時間以上もかかるのが中波帯で一八%、短波帯で四七%という約半数に近いものが二時間以上ですか、そういうふうな時間かかっているわけですね。これは、さっき言った通信時間との関係もあると思うんですけれども、これは少しかかり過ぎますよ。これは、結局、呼んでも相手方が何かの都合で信号をキャッチしないとか、現在の電波法に基づいて配置されておる要員でもこれだけのおくれが出てきておるんですね。これは決して、電電公社のほうがサボっておってやらなかったとか、そんなことでは私はないと思うんです。特に短波で全世界に散らばっておる船にやるわけですから、そういうことが出てくると思うんです。これをもし改正法のような形にやった場合は、なるほどオート・アラームによってされているけれども、何か緊急信号が出た場合SOSの信号を発したような場合には、キャッチをして呼んでくれるかもしれぬけれども、通信のほうについては、これはやってくれないわけです。そうすると、その間は、船のほうでは、幾ら呼んでも聞こえないということになって、ますます公衆電報の疎通はおそくなってくる危険性が出てくる。この点、条約の精神から見て、たいへんな問題になってくると思いますけれども、この辺はどういうふうに把握されておりますか。大体今二時間ないし三時間という、ちょっとびっくりするくらいのおくれになっておると思うのですけれども、こういうものを努力して短かくすることは当然でございましょうけれども、しかし、努力しても、不可抗力的に、物理的にできない場合がもっと多くなるということを想定しておかなければならぬと思います。そういう場合に一つ問題になるのじゃないですか。こういうのは、どういう工合になさろうと思っておられるのですか。やむを得ないと思っておるのですか。
○政府委員(西崎太郎君) 安全通信につきましては、今先生もおっしゃったように、別の方法があるわけでごいますが、公衆通信につきましては、確かに先生の御指摘のようなきらいが増大してくるということは、ある程度は避けられない。もっとも、これは決して好ましい状態ではないので、できるだけ遅延時間を短縮するという方向に向かって、海岸局の設備の増強であるとか、あるいは裏時間制の活用といったことにつきまして、いろいろ検討して参らなければならないと思いますが、少なくとも、今われわれ考えておりますのは、翌日には持ち越さない、どんな最悪の場合でも翌日には持ち越さない、こういうことはぜひ守っていきたい、こういうふうに考えております。
○鈴木強君 電報が翌日に持ち越すということじゃ、これは電報の価値がなくなってしまうのです。そんなゆうちょうなことを考えていたのじゃ困るけれども、翌日ったって、きょうの夜中の十一町のやつが翌日に持ち越す場合もあるのだから、その場合は話は別だ。翌日とは大体二十四時間だと思うけれども、二十四時間電報がおくれるということじゃ、これはたいへんなことですよ。公衆電気通信というものに対する海上における差別待遇といいますか、そういうことで、これは世間の批判を受けます。そういう点は、確かに問題として起こってくると思います。ですから、そこらをどういうふうにするか、これは山下さん、ひとつ妙案はないですか。もしかりに、こういうふうに全世界にばらまかれている船舶が——いつでもあなたのほうではずいぶん苦労して、僕らが行ってみても、呼んでいるのです。ところが、応答がない。また呼んでいる、応答がない、ということでおくれてくるのですけれども、あの仕事だけでもたいへんな仕事です、海岸局に行ってみる。それがもっとひどくなります。二十四時間ということをいっておるから、それに合わせるのは気が楽でしょうけれども、そうも電電公社としてはいっておれないので、何かこういう改正に対応して、公社としての対策はお持ちでしょうか。今のところ考えてないのでしょうか。
○説明員(山下武君) ただいま先生のおっしゃいますように、船側と海岸局との連絡設定までの間の、いろいろな、時間がかかったり、手数がかかっておるということは、現在でも相当ございますし、今後といえども、そのことは避けられないかと存じまするが、今回の改正によりまして、大多数の電報が、八時間の執務時間になりますと、その執務する時間というものは、あらかじめ海岸局でもわかるわけでございます。したがいまして、どの地域にどういう船が行っておるということがわかりますと、二時間おきの一括呼び出しの場合も、その時間帯において船側も応答してくれるであろうし、海岸局から呼び出すのも大体予定がついて、ある意味では、今までのように二十四時間、いつかは海岸局から呼んでくれるであろうからというよりも、船側の受け入れ態勢というものは、時間的にある程度はっきりしたものになるのじゃないだろうかと私どもは思っております。 それから海岸局側における設備。このように二十四時間が、十時間から八時間以上に短縮されますと、自然電報の送受が時間帯に集中いたしますので、現在の海岸局の設備、要員等から見まして、いろいろ支障が起こりやしないかという問題が起こって参りまするが、そのことにつきましては、電電公社といたしましては、本改正に伴って、疎通上必要とする海岸局の設備の増強、あるいは要員措置、そういうことは全部いたしまして、支障ないようにいたすつもりであります。
○鈴木強君 一括呼び出しをするときには、周波数は同一海面においては同じ周波数を使ってやるのでしょうね。そうしますと、今度は、あなたの言われるように、確かに船から積極的にその時間を目がけてやってくるということになりますと、限られた電波の中での混信状態というのが今までよりも激しくなると思います。そういう点を一体どういうふうに克服していくかという、これは技術的な問題にもなるでしょうけれども、そういう、今までは二分で送れたものを、やはり三分も四分もかかって、元も子もない。その時間が切れちゃって、また二時間待つといことになりかねない。そういう点を、やればやるほど何かにしわ寄せがくるのです。なかなか簡単には、私はそういう構想で……。それじゃ、きれいなシグナルで通信ができるかといったら、そういう面における困難が、通信士にはまたひとしおのものがあると思うのです。ですから、今のところ妙案なし、できるだけ早くやろう、こういうふうになるのじゃないですかな。
○説明員(山下武君) ただいま鈴木先生のおしゃいましたような問題も、確かにあると存じますが、現在の設備でも、経過期間中の疎通には、さほどの支障はないという疎通の状況でございまして、この経過期間中に、さらに一そう設備の整備、あるいは増強をはかっていきたいと思います。 それからただいまおっしゃいました技術的な点、そういうものの改善等につきましても、経過期間中に十分整備いたす予定であります。
○鈴木強君 これは、今は、短波通信で直接日本とやれますから、非常に便利なんですけれども、この資料を見ても、外国の海岸局を経由して発着しているものがかなりございますね。ですから、おそらく、これらは経営の立場に立つ人たちも考えて、そろばんをはじいて、それでもなおかつ人を減らしたほうが採算が合うということでやったと思いますけれども、今後外国の海岸局を利用する割合というものは、だんだん多くなると思います。向こうだって、もう二時間しかないのですから、その時間、寝る時間になると、あとから夜中に起きてやりたくないので、近くの海岸局を呼び出して、外国電波として発信すると思います。そうなりますと、外国通信が、そのために国内通信の数を圧縮していくという現象が出てくると思います、推定ですけれども。これは、ぜにの、採算ということになると思いますけれども、これは山下さんに聞いてもしようがないと思うのだけれども、一つの変わった現象が出てくると思います。いろいろな点をカバーするために。これは、今後四年間あるから、ひとつ電電公社のほうでも十分研究して下さるそうですから、電波監理局のほうも、そういうような点もひとつ十分考慮してやってもらいたいと思うのです。 それからもう一つ伺いたいのですけれども、海難事件というのは、一番最近までの、三十七年度中の海難事件はどのくらいございましたでしょうか、船舶による。
○説明員(山崎城君) 昭和三十七年の、これは暦年でございますが、台風等異常気象によるものを含めまして、二千八百六十隻が、救助を要する海難の隻数でございます。
○鈴木強君 このうち、無線通信を持っておった船は、何隻くらいでしょうか。
○説明員(山崎城君) 無線設備を有しておったものが、八百五隻でございまして、無線設備の全然ないものが二千五十五隻でございます。
○鈴木強君 この海難事件は、海上保安庁の巡視船というのですか、警備船というのですか、そういう船が、直接、周囲の海難している船舶の現場を確認してやったというような例とか、あるいは直接、船舶から、電電公社の海岸局を通じて、ある船があなたのほうへ言ってくる場合もあるのでしょう。とにかく、いずれにしても、SOSを傍受して、それによって救助に出動したということは、どのくらいございますか、海上保安庁では。
○説明員(山崎城君) 昭和三十七年の統計によりますと、海上保安庁の通信所、全国に二十三カ所の海岸局があるわけでございして、また行動中の巡視船は、常にこの遭難通信その他の重要通信の無休聴守を行なっておるわけでありますが、これらの重要通信の約九四%は、海上保安庁の通信所がまず最初に受けて、応答しておる。残りの約六%は、主として漁業無線局に直接連絡したということになっております。
○鈴木強君 で、遭難が発生をして——これは大体でけっこうでけれども、あなたのほうに通報が入ってくるのは、一番短いのは何分くらいか、一番長いのはどのくらいか、わかっておりますか。
○説明員(山崎城君) 今、手元に資料がございませんので、的確にお答えできませんが、大部分は、すぐ当庁の通信所が受けておるものでございます。
○鈴木強君 海難事件としては二千八一百六十回、船にして二千八百六十隻の船が、海難にあっておるわけですけれども、救助が敏速に、そうなると、できると思うのですね。ほとんど間髪を入れずにキャッチしておるということになりますと。ところが、そのお宅の海岸局で、二十三ヶ所の海岸局で九四%遭難信号を受けて、通報を受けて、処置されていると思うのですが、それから今度は、あなたのほうの何々丸とか、そういう巡視船とか、あるいは付近を航行している船にいろいろ手配をするわけですね。そして、実際にこの二千八百六十隻のうち、沈没を免れ、海難にはあったけれども無事であった、よかったというようなのは、このうちどのくらいあるのですか。
○説明員(山崎城君) 海上保安庁が現実にこれを救助いたしました隻数が、全隻数の三九%でございまして、隻数で申しますと、一千百十九隻ということになっておりまして、最近の毎年の状況を見ましても、大体四〇%前後というのが、私どものいわゆる巡視船艇−の協力、直接あるいは間接に救助を完了いたしたもののパーセンテージでございます。
○鈴木強君 そのうち無事であったというものはないわけですか。そうすると、みんな沈没したか、もう使いものにならぬということなんですか。非常に敏速な措置によって、この通報がよかったために海難を免れた、無事に救出したというような事件は、相当ありますか。
○説明員(山崎城君) 不幸にして全損海難という結果に相なった隻数は、三十七年におきまして五百八十七隻あるわけでございまして、したがいまして、その他のものは、海上保安庁の手を借りずに、自力で入港したということになるわけでございます。
○鈴木強君 お聞きのとおり、日本にはたいへん海難事件が多いわけでありまして、世界の海難事件のうち三分の一までは日本の船舶が占めておるという非常に残念な結果が、今あると思うのですが、今回、この無線通信士を減らしてオート・アラームに切りかえるということでありますが、はたしてこのオート・アラームが完全無欠に動いてくれればいいのですけれども、さっきも実際の調査一週間の結果によれば、応誤動作はなかった、こういうお話でございますけれども、あるいは人間より以上に正確である機械も、また、時によっては誤差を生ずることもあると思う。ですから、そういうことについて、ほんとうにこのオート・アラームに全部をまかしていいかどうかということについて、われわれはまだ不安を持っておるわけです。要は、遭難の事実を早くキャッチして、海上保安庁が適切な措置がとれるような行動に出られることも、この情報にあるわけですから、そういう意味において、海国日本といわれ、海運日本といわれたわが国が、今日まで築き上げた、全世界に類を見ないような!これは船主協会も言っているように、確かに一種局、二種局等を通じて、電波法あるいは船舶職員法等によって、各国より以上に特殊事情に見合う要員配置がしてあった。それにもかかわらず、この二千八百六十という不幸な海難事故が起きている。にもかかわらず、このオート・アラームに期待をしてやったということによって、私はこの二千八百六十よりも海難事件が減っていくということについては自信が持てない。海上保安庁も、海の上で、時には荒波と戦いながら人間を守り、海上航行の安全を確保していただいているのですけれども、皆さんのほうでは、このオート・アラームについてどういうような分析をされているか、私はお聞きしたいのですけれども、現在の、間違いのない無線通信士によって速報される場合と、時間的にもやはりこれは多少おくれる、オート・アラームが鳴って初めて、問題が起きたそうして五〇OKCを聞く、そういうようなことですから、起きてきて着物を着かえていく時間だけでも、これはおそくなることは明らかなんです。でありますから、そういう点からいってやはり海難の問題については、かなり私は困難性が加わってくると思うわけなんです。海上保安庁としては、この問題について、船舶の通信士の減少が、現在の海難の減少、この事件数から見ても減っていく、オート・アラームで大丈夫だ、こういう自信は持てますか。
○説明員(山崎城君) 先ほど申し上げましたように、遭難通信その他の重要通信のほとんど大部分は、直接私のほうの通信所がキャッチをしておる、こういう状況でございますので、オート・アラームの問題に関係なく、今後においても十分、私どもの救助活動を実行できると、こういうふうに考えております。
○鈴木強君 オート・アラームにかかわらずというあなたの御見解はどういうことでございますか。今、お話を聞くと、直接海上保安庁が救助をされたのが千百十九隻、そのうち約三九%が直接あなたのほうの救助に出向いた回数だというように伺ったのですけれども、オート・アラームはこの海難問題と密接な関係があると思うのです。あなたがオート・アラームと全然関係ないということはどういうことですか。
○説明員(山崎城君) 私が申し上げましたのは、昭和三十七年の統計におきまして、遭難通信の件数が八十四件あるわけでございます。それから、緊急通信が二百六十九件でございまして、それの九四%が海上保安庁の通信所が最初に応答しておる、こういうことを申し上げた。それから、約四〇%前後の救助率と申しますのは、それらのSOSその他の通信を受けまして、通信所に同時に設置してあります保安部署から巡視船艇を派遣いたしまして、直接あるいは間接に救助したものが二千八百六十隻の四〇%前後である、昭和三十七年三十九%であるということを申し上、げたのであります。
○鈴木強君 こういうことですか。どっかに事件が起きますね。そうすると、その船からSOSが出る。そうすると、隣りにおった船のオート・アラームを鳴らす、と同時に、あなたのほうでは的確につかんでする、だから、こっちの船は眠っておってもよろしい、おれのほうは大丈夫だ、耳をすませて聞いておるから、という意味ですか。言葉の言い方は悪いですけれども、適切な、私もわからぬけれども、結局そういうことに全然関係なしに、とにかくあなたのほうは九四%近いものを直接つかんでいるのだから大丈夫だ、こういうことですね。
○説明員(山崎城君) そういうことでございます。
○鈴木強君 皆さんのほうの海上保安庁で出動されるのは、おもに内海、日本海、瀬戸内海あるいは太平洋沿岸どのくらいの海里か知りませんけれども、たとえば洋上において遭難したというような場合はどうでございますか。そういう場合の適切な処置をとった例がありましたら教えていただきたい。
○説明員(山崎城君) 私が申し上げましたのは、現在の通信所が持っております施設の点から申しまして、到達距離と申しますか、大体千マイルが限度でございまして、それ以上の通信を受信するということは、ほぼあり得ないということになるわけでございます。おおむね日本周辺の海域の遭難通信その他につきましては、当庁が、先ほど申しましたような関係で、ほとんど大部分処理できる、こういうことを申し上げたのであります。
○鈴木強君 千マイルというと、大体どの辺になりますかね。
○説明員(山崎城君) おむね南方洋上に例をとりますと、小笠原ぐらいと思います。
○鈴木強君 太平洋のこっち、東のほうへ寄ったら、ミッドウエーぐらいいくのですか。
○説明員(山崎城君) 小笠原程度でございますので、ミッドウェーのほうまではとうてい手が届かぬということに相なるわけであります。
○鈴木強君 そういうところで、たとえばハワイと、ミッドウエーの中間あたりで遭難したような場合ですね、日本の海上保安庁の海岸局には到達しない。そうなりますと、これは、電電公社の海岸局は銚子にもありますけれども、そこでは、やはりオール・タイムでSOSを傍受しておると思うのですね、ずっと。そうすると、そういうところに入ってきて、そこから保安庁のほうに連絡があり、保安庁として出動されるかしないか、それは距離によって御判断なさると思いますが、できたい場合には、そこらの近辺の船に連絡するとか、そういう場合の措置はどういうふうになっておりますか。
○説明員(山崎城君) もちろん、おっしゃるとおり、一千マイル、五百マイル以上の海難の件数が、昭和三十七年におきまして六十三隻もあるということでございますので、そういう事件に対しましては、当庁としては、できる限り巡視船を派遣するというような措置を講じておるわけであります。巡視船の航海能力にも一定の限度がございますので、必ずしもすべてそれを救助できるというわけには参りませんので、そういう場合には、たとえば漁船の場合ですね、その周辺におります漁船その他が救助におもむくというのが従来の例でございます。
○鈴木強君 そこで私は問題が起きてくると思うのですね。たとえば、ミッドウェーの百マイル東に船がおって、それが遭難した、という場合に、その船からさらに千マイルくらい西のほうに、日本に寄ったほうにある船舶がおった、航行しておった、ところが、そのミッドウエーの百マイル東におった船の遭難信号によって、今度は逆に千マイルこっちにおった船が緊急信号でかけつけた、この船はすぐ海上保安庁のほうに連絡するわけですね、そういう事例があるわけです、リレーしてくるという場合が。時間的に多少おくれるかもしれませんがね。そういうことを考えてくると、やはりオート・アラームというものが、あなたの言うように全然関係ないのだということにならぬですよ。やはりオート・アラームによってリレーされる、それがまたずっと知らしてくるということになりますからね。だから、なるほど千マイル以内の場合は九四%あなたのところで受けているそうだから、わずか六%のことですからね、いいとしても、そういう場合がありますね。だから、これは無関係じゃないでしょう。オート・アラームがうまく働かないということがあると、たいへんな問題が出てくる。
○説明員(山崎城君) その点は、確かにおっしゃるようなことがあり得るわけでありますが、私の先ほど来申し上げておりますことは、私どもの巡視船艇をもって現実に救町可能の範囲のことについて、そういうふうに申し上げたわけでございます。
○鈴木強君 私もそういう意味だったらわかりますがね、こういうこともある。で、念のためにお尋ねしたいのです。私も国際海上法というのはよくわからぬ、不勉強なので伺いたいのですが、一体、日本の海上保安庁というのは、日本の船が全世界のいずれの七つの海の上で遭難した場合でも、まさかそこまで救助に行くということは、今あなたがおっしゃったように、航海上の船の性能があるでしょうし、これはあれですか、どういうふうに国際的には取りきめがあるのですか。もっと言うならば、サンフランシスコの近くで遭難したような場合は、まさか日本の船が行くわけにもいかないでしょうが、その辺はどうなっておりますか。
○説明員(山崎城君) 海難救助につきましての現実の国際的な取りきめがすでにでき上がっておるという話は、まだ聞いておりません。
○鈴木強君 いや、その国際的な取りきめがあるかないかではなく、現実にそういう事件があった場合、どういうふうに処置しておるかということなんです。
○説明員(山崎城君) 結局、それは巡視船の航海能力というようなことに関係してくるわけでございして、私のほうの主として海難救助に従事しております船は、一番大きい宗谷というのは別といたしまして、おおむね千トンあるいは七百トン、四百五十トンというような程度の船でございますので、そう遠くまで行けないというのが実情でございます。
○鈴木強君 そうしますと、そういう場合には、やはりもよりの外国の海岸局等との連絡もできるだけとって、その方面からの救助も船自体としてやるでしょうし、もし日本のほうへ船から船のリレーによって通報のあった場合には、そういう形をとって迅速にやる、こういうことになるわけですね。
○説明員(山崎城君) ただいま先生のおっしゃるとおりでございます。
○赤松常子君 ちょっと関連して。 もう質疑はあったかと存じますけれども、オート・アラームになっておる外国船の場合は−大体そのように伺っておりますが、その場合の海難の救助率と、そうでなく、今の日本の現状における場合の海難の救助率というものがわかっておるのでございましょうか。オート・アラームの場合、海難が非常に早く発見されて救助されたという比較を伺いたいのでございますが。
○説明員(山崎城君) 先ほど来、昭和三十七年におきまして、海難の救助を要するという船舶の隻数は二千八百六十隻であるということを申し上げたわけでありますが、その個々の場合につきましてのオート・アラームとの関係につきましては、私ども実は調査いたしておらないわけでございます。
○赤松常子君 私も、これは聞いたことでございますけれども、先進海運国の沿岸地方には、非常に通信網のネットが緻密に張りめぐらされておるから、その点オート・アラームでも比較的キャッチしやすいということらしいのですね。日本の場合と比較して、いかがでしょうか。日本の場合は、オート・アラームになっても、その通信網が不備なのか、完備しているのか、その点、その発信が早くキャッチされるのかどうか、先進国のそういう状態と日本の状態と比較して、どういうふうに長短がございますか。ざっとでよろしゅうございますが。
○政府委員(若狭得治君) オート・アラームによる聴守につきましての、外国と日本との相違という御質問かと存じますけれども、日本船は、御承知のように、ほとんどの船舶が現在耳で聴守いたしておるわけでございます。したがいまして、現在船にオート・アラームをつけたものは約二百余りございますけれども、それはほとんど試験的につけておるという状態でございまして、実際警急信号をそれによって受信しておるというような例は非常に少ないわけでございます。そういう点が外国と違っているのではないか。外国のほうは、現在通信士は一名でございますけれども、一日のうちの十六時間というのはオート・アラームによって信号を聴守するというような体制になっております。そういう点が日本と外国との相違ではないかと思います。
○赤松常子君 それじゃまだ日本は未熟未発達時代なんですか、そう解釈してよろしいのですか。機械そのものの性能には変わりないのですか。
○政府委員(西崎太郎君) オート・アラームの国産品の性能の問題でございますが、われわれのほうで最近外国の製品と比較した結果は、大体国際水準まで来ておる、こういうふうに判断いたしております。
○赤松常子君 たいへん私安心いたしましたけれども、せっかく発信しても、それをキャッチする陸上における設備の不備、不足、これが十分でなければなりませんですね。その点はどうなっているのでしょうか。
○政府委員(西崎太郎君) 先生もよく御承知だと思いますが、オート・アラームというのは一つの目ざまし時計みたいなものでして、遭難通信がきた場合に、そのベルが鳴る、こういう仕掛けのものでありますので、結局、さっきお話の保安庁の手の及ばないような、たとえば公海上においてそういった遭難が起こった場合に、そういうものを備えつけておれば、いわゆる相互援助、船舶相互間の相互援助ということができるわけでありまして、そういう意味において、公海における遭難の防止という点において非常に役立つ。 それから先ほど日本のそういった海岸通信網が外国と比べてどうかというお話がありましたけれども、詳細は承知いたしておりませんけれども、御承知のように、日本では海上保安庁あるいは電電公社であるとか、あるいは漁業用の海岸局であるとか、海岸局だけでおそらく世界で一番、量からいいますと、多いのじゃないか、こういうふうに思っております。もちろん、日本は、先ほど来お話がありましたように、海運国あるいは水産王国といわれている結果とも存じますけれども、そういう意味で、この無線の面における、その通信網の無線の面におけるそういった海上通信網の整備という点につきましては、非常に進んでいる、こういうふうに考えております。
○鈴木強君 若狭船員局長おいでになりましたので、ひとつ確認をする意味においてお聞きしたいのでありますが、あなたは運輸委員会に出ておられたものですから、その留守に、海運局長、国鉄船舶局長のほうから意見を承りましたので、私も了承して質問をやめたのですけれども、一つぜひ確認しておきたいと思いますが、それは、国鉄の青函連絡のことでございますけれども、これが、この電波法改正によって将来四年間の経過措置を過ぎますと、二種の甲局になってくるわけですね。そうしますと、一日の勤務時間八時間ということになります。しかし、私今時間がありませんから、青函の具体的なことについてはやりません。気象状況あるいは公衆通信、お宅の業務通信、それから気象通信ですね。そういったふうな総取扱数やそれらの問題、それからまた気象状況、そういったものについては省略しますけれども、いずれにしても一律に、この法律が通りますと適用されて参ると思います。そういう場合、一名の定員になるのですけれども、しかし、一名ではとても不可能である。したがって、この法律は最低限を定めてあるので、むしろ現状の線を確保して、特に大事な青函の航行安全を期したい、こういうことに意見を承ったのですけれども、それについては船員局長としても御異議ございませんでしょうね。
○政府委員(若狭得治君) おそらく、御説明があったと思いますけれども、現実的には業務通信の量が非常に多いわけでございますので、そういうことはお考えになっておらないと考えますけれども、また、船舶航行の安全の面からいたしましても、多数の人命を輸送するわけでございますので、われわれとしては、できる二とならば、実は法律の中にそういう問題を織り込むということも考えられないことはないわけでございますけれども、むしろ、国有鉄道という公共機関でございますので、そういう点は、われわれの趣旨をくんで、今後の運用にあたっていただけるものと期待いたしておるわけであります。
○鈴木強君 よくわかりました。私も実は、あなたと同じように、やはり法律改正をやっておく必要があったのだろうと思うんですよ。特別の措置としてですね。ただ行政指導上やるということになりますと、その当時の責任者が変わったとか、やれ何だとかということによって、とかく精神がひん曲げられてきますから、私は、そういう実は態度を持っているのです、今でも。しかし、時間的にも、もう衆議院を通過した現実でありますから、私もその点はぜひひとつ委員会の審議を通じて明確にしておいていただいて、今後その線に沿って、青函の安全を期するためにやっていただきたい、こういう強い希望を持っておりますので、幸い若狭船員局長からも同様な答弁をいただきましたので、私は了解をしておきますけれども、なおひとつ指導の面で、国鉄とそごのないようにしていただきたい、こういうことを強くお願いして、きょうはこれでやめます。
○委員長(伊藤顕道君) 本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめておきます。 本日は、これにて散会いたします。 午後五時十二分散会