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43回国会参議院1963/03/14

逓信委員会 第14号

発言数
192
登壇者
13
会派数
3
開催日
1963/03/14

会議録

伊藤顕道日本社会党

○委員長(伊藤顕道君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  初めに、委員の異動について御報告いたします。  三月十二日、白木義一郎君が委員を辞任せられまして、その補欠に浅井亨君が選任せられました。   —————————————

伊藤顕道日本社会党

○委員長(伊藤顕道君) 参考人の件についてお諮りします。  放送法第三十七条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件の審査等のため、今期国会開会中、日本放送協会放送業務局長吉田良直君を参考人に決定いたしておきたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伊藤顕道日本社会党

○委員長(伊藤顕道君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。   —————————————

伊藤顕道日本社会党

○委員長(伊藤顕道君) 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件を議題といたします。  前回に引き続き、質疑を行ないます。御質疑のある方は、順次御発言願います。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 三十八年度の予算案や事業計画等が提案せられましたので、この機会に、若干郵政当局とNHK当局にお尋ねをしたいと思います。  NHKの仕事がだんだん拡大されまして、それに伴って、一両年前までは財政的に非常に困難を訴えておられたのでありますが、昨年の料金制度の改定によりまして非常に財政が安定をして、将来とも、この分では当分の間は少なくとも安定した財政の基礎の上に立って仕事ができるようになりましたことは、私の非常に喜びとするところなんでありますが、NHKがそういう基礎の上に立って、現在の仕事はもちろんのこと、将来に対しましても、いろいろ新しい企画をきれるのは当然であるし、そういう計画をまた現にお持ちであると思うのでありますが、そこで、私は一方、放送事業全体に対しまして一といいますよりも、電波、放送両方の法律につきまして、今郵政省ではいろいろ新しい角度からこの時代に即応するような制度、法制を確立しようとする調査をしておられるとともよく知っておるのでありますが、その調査会等で取り上げられまするいろいろの立法論は別といたしまして、少なくとも、現在のこの放送法のもとでは、やはりNHKでは、そういう新しい法制ができるまでは現行の放送法によって規律せられ、放送法のもとで仕事をしなければならぬということは、言うまでもないところでございます。したがって、少しおさらいのようなことになりますけれども、私はこの機会に、NHKのこの仕事の内容と申しますか、範囲と申しますか、そういう事柄について、準拠法である放送法をもとにしてお聞きをしてみたいと思うのであります。  そこで、郵政当局、政務次官でなくてもけっこうです、電波監理局長でけっこうですが、放送法の七条には放送協会の目的が書いてあります。それから九条には協会の業務が書いてございます。その九条の第一項に書いてありまする標準放送、超短波放送、テレビジョン放送等を行なうとか、必要な調査研究を行ならということは、これはNHKのいわゆる必要業務というものであって、これはどうしても行なわなければならぬ業務であると思います。それから第二項に書いてあります、たとえば劇団、音楽団等を維持し、養成し、助成するとか、その他十項目にわたって掲げてありますのは、これは必要業務ではないが、こういう業務は行なっても差しつかえないという種類のものであろうと思います。ということは、言いかえますと、この第二項に書いてあるようなこの範囲に入れば、放送協会はその仕事は行なうことができるし、あるものは郵政大臣の認可を受けて初めて行なうことができるというようなものでありまして、したがって、これは制限規定であるというふうに考えざるを得ないのでありますが、電波監理局長は、その点はそういうふうに考えてよろしいかどうかをお答えをいただきたいと思います。

西崎太郎郵政省電波監理局長

○政府委員(西崎太郎君) 先生と同じ見解でございます。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 これは、立案の当初からそうであったのでありますから、当局も今のそういう見解を持っておられるのは当然だと思うのでありますが、そこで伺いたいと思いますことは、先般NHKでは、放送を利用いたしまして通信学園というものを作られた。これは、趣旨においてはもちろん賛成であります。こういうふうに放送が活用ざれるということは、勤労青少年のためにも非常によいことであると思うのであります。この通信学園の建設にあたって、聞くところによりますと、日本放送協会からはいろいろの設備その他を出資しておられる。しかも、来年度の予算案にもありますと思いますが、毎年相当額の助成をしていかれるということになっておるのでありますが、この出資のいろいろの条件といいますか、これに対する法律的な見解といいますか、その問題と、毎年の助成といいますか、それは毎年々々郵政大臣の認可でも受けておやりになるのか、どういうことになっておりますか、電波監理局長からお答えをいただきたいと思います。

西崎太郎郵政省電波監理局長

○政府委員(西崎太郎君) この四月から開校しようとしておりますNHK学園の通信制高校の問題でございますが、これは、NHKが教育番組を充実していく上におきましても非常に必要なことじゃないかということで、この出資と申しますか、出えん行為につきましては、今先生御指摘になりました第九条の第二項の第十号、「放送及びその受信の進歩発達に関し特に必要と認められる業務で郵政大臣の認可を受けたものを行うこと。」、この条文によりまして先般この出えん行為を許可いたしたわけでございます。  それからもう一つ、毎年の助成でございますが、これにつきましては、いろいろの意見もあるのですが、われわれとしましては、先ほど申し上げましたように、この通信制高校というものが、NHKの教育番組の編集に必要な資料をとる上に非常に重要な役割をなしておるという意味におきまして、第九条の第二項の「放送番組編集上必要な劇団、音楽団等を維持し、養成し、又は助成すること。」、この条文によって助成がNHKはできるんだと、そういうふうに解釈いたしております。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 ちょっと私の考えと違ったのですが、あとでまた詳しくお尋ねします。  結局、今のお話だと、学校法人を作られたときに、それに財産を出資するようなことについては、二項の十号によって認可したということですね。あとの助成のほうは二項の一号でやったということですね。まあ、あとのほうはいろいろ問題があると思いますが、それは別といたしまして、前のほうの——私はこれは制限規定ではないかという問題に関連してお尋ねをいたしますと、これは結局、やろうと思えば十号以外には該当する条文がないということが言えると思います。  しかし、私はここで、特に郵政当局に対しても、NHKに対しても、申し上げたいと思うのは、冒頭に申し上げましたように、非常に財政がゆっくりしてきた、だから、本来まあこういうことなら当然やらせてもらいたいし、やってしかるべきだと思うことでも、放送法制定当時には考えられていなかった、したがって、今の放送法からいうと非常に無理だ、無理だけれども、何とかしてここまでやりたいから、拡張解釈をして、これもやってもいいんじゃないか、これもやってもいいんじゃないか、というふうにおやりになることは、現行法制の建前からいって、私は非常に危険があると思う。当事者の、時の郵政大臣、時のNHKの会長のお考えによって、そういう解釈の仕方が非常に変わってくるということでは、これは、放送法を制定された趣旨から申しますと非常に危険である、私はそう思う。制限規定であれば拡張解釈をすべきじゃないというのが私の見解であります。  ことに、この第十号を読んでみると、あなた方も御研究になったでしょうが、私はここに書いてありますような「放送及びその受信の進歩発達に関し特に必要と認められる業務」——この「放送及びその受信の進歩発達」ということは、この放送法には、放送というものの定義が書いてあります。これは、もっと現実的な、たとえば音声を出す、受信というのはこれを受けることだということをいっておるのでありまして、開き直ってもしも言うとすれば、放送及びその受信の進歩発達に関し特に必要であるかどうかということになりますと、学校法人を作ることがどんな必要があるのかということにならざるを得ないと思うのです。  私は、放送というものを、あるいはテレビというものをもとにされて、非常に教育に恵まれない青少年を何かの方法で教育上便宜を与えていくという方向に対しては、これは賛成なんです。非常にけっこうだと思うのです。しかし、それを、NHKが教育機関を持って、みずからの責任において教育をしなければならぬということは、放送法のどこから出てくるのだろうかということについて、私は多大の疑いを持っているのです。だれかが、文部省なら文部省がおやりになり、これに対して放送協会が全面的な協力をしていくということならば、私は双手をあげて賛成をします。そうでなくて、今申し上げたように、法律解釈からいっても制限規定であるにかかわらず、非常に拡張解釈をしなければ出てこない。しかも、これは単に放送するということではないのです。教育をするということなんですね。教育機関を自分で持っていくということなんです。その教育機関を自分で持つということが放送に関係がある。関係があるからといって、ここにいわゆる「放送及びその受信の進歩発達に関し特に必要と認められる業務」だと——教育というものがですよ。というふうに考えられるのは、私と意見が違うなら違うでいいのですが、郵政当局は非常に飛躍していやしないかという疑いがあるのですよ。その点についてはどうですか。あとで大臣に伺ってもいいですが。

保岡武久自由民主党郵政政務次官

○政府委員(保岡武久君) この放送法の解釈が、二項が制限規定であるという前提に基づいて、できるだけこの中の各条文について拡張的な解釈をすべきではない、それに基づいて措置すべきではないという御意見はごもっともな御意見だと考えておりますが、ただ、放送という問題の中には、番組編成等も放送の問題に入る、番組編成のためにどうしても必要な機関であるというような建前から、教育は何も放送協会で専心やるべきものではないのでございますが、そういうふうな放送上重要な要素の一つを拡充強化するという意味合いにおきまして、郵政省としては認可した次第でございます。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 この問題は、あとで大臣が来られましたら、もう一度便宜申し上げます。  私の申し上げている趣旨は、今政務次官のお答えになったようなことではないのです。先ほどから申し上げておりますように、必要なことはたくさんあろうと思います。また、放送法制定当時から比べますと、実情がだいぶ変わってきておりますから、NHKもこういうこともしたい、あるいはまた、郵政当局もこういうことをさせたいということがたくさん出てきていると思うのです。しかし私は、こういう公共的な機関であり、法律に基づく特殊な法人でありますから、やはり法律のワク内で思う存分やっていただくことはけっこうでありますが、法律のワクからはみ出て、時の大臣、あるいは当局者の考え方によって、それが拡大されたり縮小されたり、いろいろに解釈が変わって、あとで取り返しがつかないようなことになることがいけないという意味で、今の放送協会が一体何をしなければならないか、一体何をなし得るか、どの範囲においてなし得るかということは、法律にきまっておる問題だから、その問題について注意を喚起しておるのであります。  もっと具体的に申し上げておきますと、そういう意味で、ラジオやテレビを利用して、一般の勤労青少年だけじゃありません、一般社会の方々が、国民の方方が、それを利用して非常にためになっておるということであるとすれば、勤労青少年だけじゃなしに、たとえば農家の子弟を対象にしても、これはたくさん聞いておると思う。今の農業の関係の放送とか、あるいは第二放送でときどきやるような農業関係の講座というものをたくさん聞いておる農家の子弟があると思うのです。中小企業にしても同様です。そういった人は、やはり同じような手段によって社会教育を受けているのです。そういったものに対して、NHKが今後私のほうでひとついわゆる商工関係の高等専門学校でもやりたいから許してくれと言われたら許さざるを得ないでしょう。また、御婦人について言っても、料理の時間とか、婦人の時間とか、今でもたくさんあります。それならば、そういった人たちを対象にして、いわゆる学校法人として花嫁学校でもやりたいのだというと、やはり同じようにやらざるを得ないじゃないですか。ちっとも変わらないのです。だから、これがラジオ、テレビというものを手段として使われるからNHKに関係があると言えるのですけれども、しかし、それを使って初めてやれるようなものであれば、NHKがすべてその教育というものを二項の十号によってみずからやることを郵政大臣が許していくということは、あまりに行き過ぎじゃないかということを言っている。

保岡武久自由民主党郵政政務次官

○政府委員(保岡武久君) お説はごもっともと思います。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 これはあとで大臣に対して、さらに将来のために、私は意見を述べたいと思っております。これは留保しておきます。   〔委員長退席、理事光村甚助君着席〕  それから私は、NHKが、九条の二項に書いてありまするが、いろいろの事業、業務というものに取り組んでおられることは、これはけっこうなことであり、ぜひこれを推進していただきたいと思っておるのでありまするけれども、今西崎局長が答弁せられましたように、学園に対する援助、助成というようなものが、二項の一号「放送番組編集上必要な劇団、音楽団等を維持し、養成し、又は助成する」ということの、この項でもってやられたのだと思いますけれども、これも考え方をよほど拡張していかないと出てこない。この「等」というのは、これは例示でございますから、劇団とか音楽団とい今ふうなものと、学校法人というものとが、これは例示としてあげられておるのだとは、普通のわれわれの法律常識では考えられない。しかし、必要があったからやむを得ずここでやられたのだと思います。こういったことに対しては、私はここで争おうとは思わない。思わないのですが、これも、先ほどの十号と同じように、現行法律というものを尊重するなら、郵政当局みずからが、もっと現行法律というものを真剣に守っていくという気持を持ってもらわなければ困ると思う。  そこで、参考までに、これは問題にするつもりではありませんけれども、一体、同じような考え方で——私は最近のことを存じませんけれども、いろいろの事業とか、事業でなくても他の団体が行なっておる事柄に対して、現在NHKが行なっておりまする援助とか助成とか協力とかいうものについて、ただアドバイスをするとか、人事の交流をして人的な援助をするとかいう問題はよろしゅうございますが、少なくとも経済的な意味において援助をしたり助成をしたりしている団体はどういう団体であるか、毎年どのくらいの程度において助成をしておるか、そういった一覧表でもあれば、この次の機会でよろしゅうございますから、提出していただきたいと思います。よろしゅうございますか。

阿部眞之助日本放送協会会長

○参考人(阿部眞之助君) あとで一覧表は提出いたします。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 これは、次の機会にいただいた上で意見があれば申し上げます。  それではその次の問題でございますが、私たち逓信委員会では、長い間放送政策について審議をして参りました。この放送法のできます当時から、日本のラジオ、テレビを通じまして、健全な姿で発達してくれればいいということを願っておる一人でございますが、最近、先ほど申し上げましたように、日本の放送界というものが、特にNHKを中心として、非常な発展をいたしまして、ラジオにおいてもテレビにおいても、非常に急速な発展をいたしたことは非常にけっこうなことでありますが、民放のことはおきまして、NHKについて申しますと、だんだん比重がラジオからテレビのほうに移ってきておることは、これは事実だろうと思います。ラジオの第一、第二の放送、それからテレビの標準放送、教育放送の二つの放送、今まで四つの系統の放送が行なわれておるわけであります。  一方また、最近やかましいFM放送につきましても、NHKは、これを全国的に、何か、今のラジオと同じように、全国的なネットを作ってFM放送を全国的にやりたいというようなお考えを持っておられるということを伺っておりますが、ここで、この三つのラジオとテレビと、今度のFMを通じまして、基本的な方針についてお伺いしたいんですが、そのFMというものに対しまして、伝えられるところによると、NHKのあるどの部局か知りませんが、NHKの中でもまとまった意見とは思いませんが、FMというものはだんだん今の中波の標準放送にかわって、FMを主体にしてやりたいんだというような考えを持っておられるということを巷間聞くのでありまして、あるいは今の中波と並んで、FMというものをまた別に一つの独立形態でもってやりたいというような考えを持っておられるということも聞きます。もしかりに、ラジオ、テレビ、FM、この三つを並べて、同じように全国のネットを通じて流していきたいというようなお考えを持っておられるとすれば、この三つについてこれはそれぞれ特色があるわけです。特色があるわけですから、これらに対してどんな内容の番組をそれぞれに盛らしていくか、私はそれぞれに使命を持たせなければならぬと思うんですけれども、それについての基本方針でも会長はお考えになっていらっしゃるのかどうか、それはまだ郵政省から許可を受けておられないんですから、FMというのは早いとおっしゃるかもしれませんが、あなたの構想だけでもけっこうです、お答えをいただきたいと思います。

阿部眞之助日本放送協会会長

○参考人(阿部眞之助君) お答え申し上げます。  FMというなには、私は技術的なことはよくわかりませんが、非常に混信が少ないということでございます。音の質のいいということで非常に特徴を持っておる波なんで、現在の中波をもってすれば百パーセント混信を防ぐということは困難なことなんですが、もしこれをFMとおきかえると、混信を防ぐということは比較的たやすくなっていく利点がある。それから音の質がいいということは、また音楽とか、そういう現在の中波をもってするよりも、よりよき放送を盛ることができるという利点がある。それからいま一面、ローカル放送の充実ということが非常に各地方から強い要請があるので、そのローカル放送を充実させるためにも、今の中波の広い波だと、お互いに競合して混信が起こりやすい。これをFMにおきかえると、ローカル放送を充実することができるという利点があるわけです。したがいまして、このFMが将来非常に一般化した場合においては、漸次中波の一部をFMにおきかえる。しかしながら、NHKといたしますれば、中波には中波の利点があるわけでありまするから、中波を放棄するということではないのでありまして、つまり、ローカル放送、難聴地域というものを解消する、そういうためにFMを利用する。同時にまた、中波の、広い範囲に波が及ぶ中波というものは大前提において全国に普及させるということで、FMを中心にするとか中波を中心にするとかいうことでなしに、いわば両方の特徴を適当に利用して、そして放送の完璧を期したいということが、NHKとして現在考えているところなんであります。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 ここで、今お答えになったので、いろいろな問題が出てくるのですが、大事な二、三の問題を取り上げてもう一度お尋ねしてみますと、やっぱり、私の想像しておったように、どうも中波も捨てないし、FMもやるんだというようなお考えが、ただいまのところは基礎になっているように思うのです。  で、私は、公共放送の唯一の機関でございますから、周波数なんかも、NHKに対して公共の福祉のために優先的に割り当てられるべき筋合いとは思います。一般的には、しかし、NHK自身もやはり、そうでなくても足りない波なんですから、この波を乱費してもらっちゃ困る。あれもやる、これもやる、と言われるが、それならば、先ほど冒頭で申しましたように、ラジオの標準放送の第一なら第一、第二の放送の内容とFMの内容とは全然別個のものにするかどうか。同じようなことを、第一でもいっているし、第二でもいっているし、FMでもいっているというのじゃ、これは国民が困っちまうのです。国民は、もしそれに切りかわるのがいいとかりに仮定しますと、FMの受信機を一台持っていれば、それで足りるということにしてもらわぬと困る。中波のほうは中波のほう、FMはFMで、そういったのを備えていかないと、また、スイッチを切りかえないと公共放送を完全に聞けないというような形で放送なんかされちゃ困ると思うのです。  そういう点から見ますと、将来のことでありますけれども、郵政当局が、このFM問題についてNHKがどういうふうな体制でこのFM放送と取り組んでいかせるべきかということをお考えになる場合に、郵政当局がそういった点を十分に考慮してもらわなきゃならぬという感じが非常に強くしておるわけなんです。  ことに、ヨーロッパなんかで——私は特別にそのために調べに行ったわけじゃありませんが、いろいろ文献等によって承知しているところによりますと、ヨーロッパ等でFMの放送が多く行なわれているという事実は、これは、日本とは国情が違うので、非常に近いところに国境を接している。こんなところで、中波がお互いに強いパワーで放送をやられますと、たちまち混信をせざるを得ないというような地理的な環境から、むしろFMのほうがお互いにいいのだということで、FMの放送が非常に発達をしてきているということを聞いているのです。アメリカ等で行なわれているFM放送というのは、やはり中波が主であって、FMのほうが伸びておりますけれども、阿部さん、さっき言われたように、もしかりに、中波の放送の、何といいますか、補助的な意味で、非常に難聴地域がある、それに対してFMでカバーする、あるいは非常に混信が多い地域がある、これに対してはFMでカバーしていくというような問題であれば、これは私はどうしてもやってもらわなければならぬことだと思うのですけれども、今阿部さんの言われたように、やはりFMも中波と並んで、全国的にそれをやっていくのだということになりますと、これは私は、放送政策の上から見て、非常に気をつけなければならぬ問題であるし、慎重に結論を出してもらわなければ困るという気がするわけなんです。たとえば私は、最小限度、テレビジョンでVHFとUHFの波の問題がありますが、それと同じような意味では、FMというものはなるべく早くおやりになったほうがいいとは思いますけれども、その点について、阿部さん、もう一ぺん尋ねますがね、何か今おっしゃったようなことを基本的な方針として、もうNHKはきめておられるわけですか。

阿部眞之助日本放送協会会長

○参考人(阿部眞之助君) NHKといたしましては、ただいま私が申し上げたことを実際には考えております。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 郵政当局にこれは御注意を申し上げておきます。この点については、行政処分でありますから、具体的に私がNHKに対して、どうしろ、こうしろということは申しません。申しませんが、日本の放送政策全般の問題として考えましたときに、中波と並んで、FMの放送を全面的に全国ネットでNHKに対しておやりになるということについては、よほどこれは考えてもらわないと困るという気がしてならないのです。さっき申し上げましたように、テレビジョンにおけるVHF帯と同じような形で、特に混信を防止するとか、あるいは難聴地域を解消するとかいう意味で、FMを多く活用されることはけっこうであります。標準放送、超短波放送、それからテレビジョンというふうに、幾つものネットを持たせるということについては、さもなくても少ない波なんですから、波の乱費をしないようにお考えを願いたいということを、この際私の考えを申し上げて、御注意までに申し上げるにとどめておきます。  それから、そういう問題に触れたものですから、少し話は飛びますけれども、この事業計画の中に書いてある問題についてお尋ねをしておきたいのでありますが、それは、十七ページに書いてありますが、東京超大電力放送局の建設を行なうほか、大電力局周辺の各地域において県別放送をするために放送局五局を建設する、ということが書いてございます。この大電力局の問題でございますが、これは私は、もう数回にわたってこの委員会でNHK当局に御注意申し上げたし、また意見も申し上げておいたのですが、ここにも書いてありますように、難聴地域を解消するため及び外国電波との混信を防ぐために、というのが大電力放送局にする理由だと思います。東京で大電力局にまずしようという点から申しまして、この東京の受け持っておるエリアで、大電力にしないとどうしても聞けないというような世帯数が県別にどのくらいございますか。また、東京中央放送局の管下におきまして、大電力にしないとどうしても標準放送が聞けない、外国の電波が入ってきてどうしても聞けないのだというような地域がどのくらい、どのくらいの世帯数に対しておやりになるのか、それをお伺いしたいと思うのです。

田辺義敏日本放送協会専務理事

○参考人(田辺義敏君) お答え申し上げます。  東京の大電力放送の目的は、必ずしも東京の管轄区域を対象としたものではございません。むしろ、それ以外の全国の夜間の難聴地域救済のためのものでございまして、東京周辺の地区には、大電力によって難聴地区を解消する地区はほとんどないと思いますが、東京管轄と申しますと、たとえば新潟県とか長野県とか、つまり東京周辺でない関東地区以外の地区には、そういうところが相当あろうかと思います。世帯数につきましては、正確な数字をただいま持っておりませんので、後刻御報告申し上げたいと思います。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 田辺君のような専門家からのお答えですから、教えてもらう意味で、もう一ぺん質問します。  ラジオについては、いろいろ経費はかかったでありましょうが、今日まで中継局その他を増備、整備されまして、今日カバレージも九九%幾らというふうになっておると称しておるのです。残っておる地域あるいは残っておる世帯というものは、わずかであろうと思うのです。だから、ここでNHKが、公共放送機関として、どうしても大電力に、さらに大きな、たとえば三百キロなら三百キロにしていかなければならぬという必要性はどこにあるかということを考えますと、おそらくこれは、外国からの混信の電波をはね飛ばすような程度のものを作っていかないと、ある地区によっては非常に困っておる、それを救済しなければならぬということが主たる理由になってくると思うのですが、そうじゃないのですか。

田辺義敏日本放送協会専務理事

○参考人(田辺義敏君) ただいま申し上げましたように、東京におきます三百キロワットの大電力局が、相当広範囲にわたりまして夜間の全国的な難聴地域を救済する第一歩のものであります。ただいま御指摘の、カバレージが一〇〇%に近い数字を示しておりますが、これは昼間の状態でございまして、夜間になりますと、御承知のように、これが外国との混信あるいは各種雑音の増大等によりまして、七五%程度に下がっておると思います。したがいまして、夜間の全国的な難聴地区は相当まだたくさんございます。これは、もちろん個々の各地方にございます放送局の増力とか、あるいは中継放送局の置局等によりましても救うことができますが、どうしてもその穴が出て参りまして、そういうところを全国的に広く救済するために、夜間のその効果を期待いたしまして、超大電力の放送を企画したわけでございます。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 それでは、田辺さんにお願いしておきますが、この次までに、ここに「東京」と書いてありますから、東京を例にとって下さい。東京を三百キロワットの大電力放送局にすることによって、県別にしてどこの県の難聴地域のどのくらいの世帯を救済しようとするのか、それを数字にして示していただきたい。どういう地域ということを示して下さい。

田辺義敏日本放送協会専務理事

○参考人(田辺義敏君) わかりました。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 今までのNHKの行き方からいきますと、この難聴地域の解消ということにつきましては、これは中央局も、東京、大阪等漸次増力せられたでありましょうけれども、このほかに、各地に中継所を作ったり、小さなステーションを作って、それによってこまかく拾って、とにかくあまねく全国に電波を普及さしていくという方法をとられておったと思うのですが、そのいい悪いはまたこの次の機会に申し上げますけれども、ただ私は、こういう大電力にされるという主たる理由、主たる必要性というものは何かというと、やはり外国との混信を防止することに一番の問題点があるのだと、私はそう思っておるのです。これは間違っておったらそれまでです。あなたと意見が違えばそれまでですが、私はそう思っておる。  そういうふうな前提からいきますと、これは非常に影響が大きいので、単に放送事業だけじゃなしに、国内の治安とか、いろんな問題にまでこれが関係をするものでありますから、特にわれわれとしては重大視しなければならぬのでありますが、そういう点から見ると、私は、東京よりも、たとえば九州とか、日本海方面とか、北海道とか、そういうところのほうが緊要性が多いのじゃないかと思う。東京を大電力にするならば、その経費で、なぜ九州とか日本海にもっと増力をして、外国との混信を防止する措置をとらないのか。それをほうっておいて  それは田辺君の言われたように、新潟県が入るかもしれません。それなら九州はどうされますか。北海道はどうされますか。これは今、混信電波で弱っておりましょう。漸次にやっていかれるとおっしゃるでしょうが、私は日本の放送界全体の状況を見、日本の今置かれておる国情というものから見まして、そういう外国からの混信電波をどうして防止するかということになってくると、やはり私はおのずから緊急度があると思うのです。どうしてそういった方向にお進みにならないのか。大電力にするというと、すぐ東京といい、大阪といわれるのが今までの例なんですね。NHKはいつでもそうなんです。私のような考え方は間違っておるのでしょうか。NHKのその点についてのお考えを伺いたいと思います。  郵政当局もあわせてこの問題について、あなた方指導をし監督をしておられる機関なんだから、これについて郵政省からもお答え願います。

田辺義敏日本放送協会専務理事

○参考人(田辺義敏君) お答え申し上げます。  ただいま申し上げましたように、東京に超大電力局を設けます理由は、主として東京地区の、あるいは東京周辺の受信状態を改善するのではございません、その目的は。相当遠距離にわたりまして、夜間の電波を利用いたしまして、全国各地の受信状態を改善するのが目的でございます。このことにつきましては、昨年も若干私御説明申し上げたと思いますが、東京で出します超大電力放送は、東京周辺ではなくて、むしろ中国地方、あるいは北海道地方、東北地方、あるいは近畿地方の一部、あるいは東海地方、そういうふうな、比較的国内の遠方の地区を対象としたサービスを期待しております。したがいまして、これを九州に置きますと、この大部分の効果は外国並びに海上に行ってしまうわけでございます。内地のほうにつきましては、片方向だけになります。北海道につきましても同様でございます。したがいまして、日本の地理から考えまして、東京とか大阪というところで出しますことが、一応国内だけを考えますと、非常に効果が高いということで、順位を、東京、大阪等をあげているのでございまして、将来の計画といたしましては、札幌なり福岡にもそういうふうなものを設けまして、この半分くらいはむだになると思いますが、もちろん、そのために救われるところも相当ございますので、それで同時に全国的に夜間受信状態の改善をはかっていきたい、かように考えております。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 いろいろ教えていただいたようですが、私は、今おっしゃったようなことは効果がないとは言いませんけれども、たとえば九州の西海岸とか、中国の日本海の海岸とか、あれに、それに隣接した地域の混信、外国からの混信を防止するのには、やはり私は、九州とか中国、あの辺に相当の——あなたは海上に向かってと言われたが、それはそうかもしれない、大部分は。しかし、それを防止するのには、一番経済的にいけるのは、九州とか中国に相当の強い電力の放送局を置くのがいいのじゃないかと思うのですよ。そうじゃないですか。やはりそれは、大阪なら大阪に置けば九州の混信も防止できる、東京に置けば、札幌のほう、北海道の西海岸のほうも防止できるのだ、そういうことを考えてやっているのだということなんですね。それは間違いないですか。

田辺義敏日本放送協会専務理事

○参考人(田辺義敏君) 私どもは、そういうふうに計算しております。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 その点は、試験をしてもらったわけでもないし、私も非常に知識が乏しいですから、それならば、一応これは記録にとどめておきまして、さらにいろいろのデータを調べてみまして、質問をするかもしれません。郵政省はこの点についてどうお考えですか。

西崎太郎郵政省電波監理局長

○政府委員(西崎太郎君) まあ、外国混信対策としては、大電力放送で対処していく、あるいは先ほどのFM放送の普及によって対処する方法、いろいろ方法があるわけでありますが、少なくとも最小限度中波でもって何とか夜間における混信対策というものを早急に確立する必要があるわけでありますが、これには、先ほどNHKからも話がありましたように、東京だけ大電力にすることによっては根本的に解決しないわけでありまして、やはり全国的に数カ所大電力局を置かなければ、全部を救済するというわけにいかないわけでありまして、そういう意味におきまして、まず東京を手始めにやっていこうというのが今度の考え方でありますので、東京で万事終わり、こういう考え方ではないわけでありまして、早急に他の大電力局も着工していく、こういうことが望ましいのではないか、こういうふうに考えております。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 電監局長にお尋ねしておるのはそういうことではなくて、それは、全国どこも大電力になり、NHKの言われるように、さらにFMまでやって、どこかでどこかの電波がとれるということになると、これは理想的であるにきまっているんです。そういうふうに、まあ周波数を、波をむだ使いしちゃいかぬと思うのです。やはりみんなが、国民全体のために使おうと思って、またいろいろ経済的な価値がある電波なんですから、必要最小限度でやらなければならぬと思うのです。そういう意味で申し上げておるんですが、そういう問題について言えば、まあ、私さっきから申し上げておるのは、とにかく大電力といえばすぐ東京だ、大阪だとおっしゃるが、大電力にする必要性というものが、端的に言うと、これは難聴地域の解消ということに役立つかもしれませんが、それにはまた方法があるんじゃないか。そうすると、外国からの混信電波を防止するんだということを主に考えますと、そういう見地から考えますと、まず東京ということがおかしいんじゃないか。なぜ、まず日本海、なぜ九州ということをおっしゃらないかということを申し上げておるんですが、あなたはそれについてどう思いますかということを言っておるんです。

西崎太郎郵政省電波監理局長

○政府委員(西崎太郎君) 今、先生のおっしゃったように、外国に一番接近しておる九州であるとか、日本海沿岸というところが外国混信がひどいということは、われわれも承知いたしておるわけでありまして、これについては、いろいろその対策を講じていかなければならないと思います。先ほどNHKからもお話がありましたように、東京の大電力化というのは、東京周辺の受信状態も改善できますとともに、日本海沿岸というところにも、夜間になりますと相当な強度で到達しますので、そういった方面の外国混信は、全部といわなくても、相当程度救済できるのではないか、こういうふうに考えております。  それからまた、この大電力のチャンネルといいますか、周波数を国際的に獲得するという場合には、いろいろの制約がありまして、非常にこれは困難なことでありますが、結局、今クリア・チャンネルで、百キロであるとか、あるいは五十キロであるとか、相当の大電力のチャンネル、これを増力していくということは、比較的国際的にも容易なんですが、新しく大電力のチャンネルを獲得するということは、なかなか容易なことではないので、結果的に今言ったように、東京とか、あるいは大阪とか、九州とか、あるいは北海道、そういったところにある既存の大電力のチャンネルをさらに増力していく、こういうことにならざるを得なくなって参っておるわけなんであります。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 この問題は、私も、田辺君がきょう答弁せられたことは、実は多少意外な点がありまして、なお研究が私は足りないと思いますから、もう少し私自身も調べてみた上で、また機会をあらためてお伺いいたします。  私は、少なくともある程度の経費と、それから一つの、かりに一つの大電力の波があったとして、これをどこにどう使うかということになれば、まずまっ先に九州や日本海岸に持っていくだろう、私ならそうするだろう、そう思っていたものですから、NHKの今の当務者とは、だいぶ私はその意見には開きがある。この点は、次の機会、あるいは別の機会にまた御意見を伺うことにいたします。  ただ、これに関連してもう一つ伺っておきたいのは、このお出しになっておる承認を求めるの件という、十八ページにありますが、「大電力局周辺等の各地域において県別放送を実施するため、放送局五局を建設する。」と書いてありますが、大電力局放送というのと県別放送というものは、どんな因果関係を持っておるのか、関係があるのかないのか、どういうふうにしようとしているのか、ということをお伺いしたいのです。NHKのほうから……。

田辺義敏日本放送協会専務理事

○参考人(田辺義敏君) お答え申し上げます。  現在、東京周辺、名古屋周辺、大阪周辺につきましては、一応われわれは、現在百キロ放送、五十キロ放送をやっておりますが、それで一応カバーできるということで、それぞれの周辺の各県には電波を発射する放送局はございません。ところが、一方、NHKといたしましては、全国あまねく、かつローカル放送をやるという責任がございます。それにつきまして、多数の県を一つの電波でカバーするということは、番組編成上きわめて困難です。ほとんど不可能です。それで、われわれといたしましては、それらの大電力局周辺の他府県におきましてもローカル放送をいたしまして、地元の聴取者の要望に十分こたえ得るように放送局をふやす、そういう趣旨でございます。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 今のお答えだと、各県別にローカル放送をやるために放送局をこしらえるということはわかりますが、大電力局にするからということとは、大電力、たとえば東京の中央局が大電力になったからというのとでは、何にも関係がないということに考えてよろしゅうございますか。大電力になったから、どうしてもローカル放送は各府県別にやらなければならないのだということにはならない、これは別の問題だというふうに考えてよろしいですか。

田辺義敏日本放送協会専務理事

○参考人(田辺義敏君) お答え申し上げます。  大電力の電波で十分カバーできておるから、その地域には放送電波が必要ないということにおきまして関係があるかと思うのです。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 現在の放送が大電力かどうか、何と呼ばれるか知りませんが、現在五十キロ、百五十キロのものが三百キロになるだけの話です。ですから、大電力になっても、急に各府県別にローカル放送局を置かなければならないということにはならないのじゃないかということをお尋ねしておるわけです。

田辺義敏日本放送協会専務理事

○参考人(田辺義敏君) 御指摘の、われわれが先ほどちょっと触れました三百キロワットの超大電力放送とは関係ないと思います。現在におきまして起こっておる問題でございます。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 まあ、そういう趣旨だと私も思ったのですが、ここに書いてあるのは、「大電力局周辺等の各地域において」云々と、こう書いてありますから、いかにも大電力放送と府県別の放送というものが因果関係があるかのような書き方をしておるものだから、私は申し上げたので、それならば、府県別の放送というものについてはローカルの放送というように考えて、ローカル放送を充実するためなんだというふうに考えて、もう一度お尋ねしたいと思うのです。  田辺さんは、さっき、全国あまねくNHKは放送をしなければならない、電波を伝えなければならないのだ、同時に、ローカル放送も全国的にやらなければならない義務があるのだ、責務があるのだというようにお答えになりましたが、ローカル放送のほうはどこに書いてあるのですか。私はこういうふうに考えておるのです。それはやらないよりか、やったほうがいいかもしれません。しかし、NHKが、全国的な、ただ一本で全国をまとめておるような大きな公共機関としての放送事業をやっておられるのですから、おのずからそれには限度があると私は思うのです。  放送法の条文を正面から見てみますと、さっきもFMとか何とか、いろいろな問題がありましたが、これには、標準放送と超短波放送、テレビジョン放送と、三つ並べまして、こういう国内放送を行なうことが業務である、なおそれに必要な調査研究を行なうことがNHKのどうしてもやらなければならぬ仕事だ、ということを九条の第一項には書いてある。第二項以下には、それに対するいろいろのこまかい規定がありますけれども、第四項には、「協会は、標準放送と超短波放送とのいずれか及びテレビジョン放送がそれぞれあまねく全国において受信できるように措置をしなければならない。」ということが書いてあるのです。これは、やっちゃいけないというのじゃない、標準放送と超短波放送をやってはならないということではないのです、ないのですが、しかし、最小限度、標準放送と超短波放送とのどちらかによって全国にあまねく受信ができるように放送していかなければならぬということを義務づけておるわけです。そういうことだと思います。  ローカル放送についてのことは、あなた方経営の担当者として非常に重要視しておられるということはわからぬことはありません。しかし、何をおいてもこれはやらなければならない仕事なんだというふうにお考えになっておるとすれば、これは、放送法のどこからそういうふうな解釈を割り出しておられるのか、参考に伺っておきたいと思います。

前田義徳日本放送協会専務理事

○参考人(前田義徳君) これは、放送法の第四十四条の第一項二号にはっきり規定されております。協会は「全国向けの放送番組のほか、地方向けの放送番組を有するようにすること。」したがって、これは、私どもにとりましては、義務であると同時に、責任であると考えております。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 第四十四条の規定は、番組の内容を言っておるのですね。ですから、全国向けに聞かせるような、そういう放送もあるし、地方向けの放送番組も中に入れていけということだと私は考えておるのです。というのは、ここに「国内放送の放送番組の編集」とある。どういうふうにして番組を編集するかということは、地方向けの放送番組も中に含めてやれということでありまして、先ほどお話しのように、全国向けの放送で全体のネットワークを持ち、さらにそれに加うるに、各府県別に地方ローカルの放送局を持つのだというようなものは、第四十四条からは出てこない。放送協会の目的と事業はどこまでも七条と九条にある。

前田義徳日本放送協会専務理事

○参考人(前田義徳君) この放送法の形式的もしくは表面的な解釈の限度では、先生のおっしゃることと同じだと思います。しかしながら、NHKが全国あまねく聞こえるようにすると同時に、これは単なる無線通信ではございませんで、事業の本質が放送であり、しかもNHKの場合は、全国民の公共の福祉のためにこの事業を行なわなければならないという建前から申しましても、過去三十七年間にわたって、地方局の設置ということが、電波の伝播と同時に、その内容の点でもわれわれの努力が要請されておると私どもは考えておるわけでございます。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 私は必ずしもそう見てないのです。沿革的におっしゃいましたが、地方の放送局にはいろいろなものがあります。東京近辺でも、まあ地方局は少ないですが、私どものほうの近畿方面でも、地方局は少ないながらにやはり若干のものがあるわけです。で、このごろは、そういう局も、まあ私どもがやかましく言ったせいもあるかもわかりませんが、ローカル放送の内容についてはだいぶ改善をしてこられましたが、私の近所のある府県の地方局のごときは、大阪の電波はそのまままっすぐに聞こえるんです。十分に聞こえるところです。しかも、そこで地方局を持っておるんですね。で、地方局は何をやっているかというと、一日のうちで三時間ほどのローカル放送をやるわけです。そのほかは、大部分大阪の中央局の放送をさらに別の電波で流しておったんです。そういう時代が長い間続いたんです。今日では、このローカル放送の時間というものはだんだんふえてきていると思います。それは、だんだんにあなた方も努力されたんでしょう。私は、一日に二時間や三時間のローカル放送の時間ならば、そういうむだなことをするよりも、中央局の時間で、第一放送、第二放送があるんだから、その中でまかなえるじゃないか、現に東京の近所でもまかなっているはずだということで、もっと倹約をしたらどうかということを何度もここで言ったことがあるんです。しかし、まあ相当の大きな府県でもあるから、地方的な番組の編成もある程度必要だろうと思って見ておったんですが、私、最近の状況は知りません。しかし、数年前までは、私の調べたところによると、このローカル放送の番組というものは今月のようじゃなかったんです。一日にわすか三時間ぐらいでしょう、独自の番組というものはね。あとは、大阪の中央局の番組をそのまま流しておった。結局、そこの市の人は、スイッチをひねって、ローカルのほうに入れても、大阪の中央局の番組と同じものが聞こえておったというような状態が相当長く続いたんです。  で、私は、ローカル放送というものは、一体地方民にとって、これは非常に興味もあり、関心もある放送であると思います。その点は否定しません。その点は否定はしませんけれども、およそ、府県別に一局ずつ置いていかなければできないんだというような方針をNHKがとられて、さらにまた、そのほかにFM放送も同じように全国的にやっていく。FM放送というのは、おそらくこれは府県よりももっと小さな単位になるかもしれません。そうすると、そこまでくると、この第一、第二の放送と、さっきまあ大臣に尋ねようと思って残しておいたんですが、FM放送とどういうふうな責任をもって番組を分担するんだという問題も出てくるわけです。  ですから私は、そこで、ローカル放送について、今ある局を活用されて相当今ローカルの時間がふえておると思いますから、そういったものを活用されておやりになることについて、特にそれをやめてくれという反対はしてないんです。そういう意味で反対はしてない。しかし、各府県別にローカル局を一つずつ置いていかないと地方民の要望に沿えないんだというようなことをお考えになっているとすれば、私は、これは非常にNHKとしては考え過ぎじゃないかと思うんです。電波には県境が何もないのです。ですから、たとえば関東方面でも、県庁の所在地々々々にみんな置いていかないと地方民の要望に沿い得ないのだというようなことで、それでなくても足りない中波の波を、NHKが優先的に独占していこうというような形で要求されることは、私は放送政策全般から見て、それは非常に考うべきことだということを申し上げているわけです。電波局長いかがですか。郵政省は、そういう方針についてどういうふうなお考えをお持ちですか。

西崎太郎郵政省電波監理局長

○政府委員(西崎太郎君) 確かに、今先生おっしゃいましたように、NHKとしましては、特殊な使命もあるわけでございますから、将来も見通した放送網の設定の考え方というものを確立しておく必要があるのじゃないか、そういった場合に、今ここで問題になっておりますいわゆる広域放送圏内における県別放送局の設置の問題、これにつきましても、やはりそういった将来の姿というものを見通してきめる必要があるのじゃないか、こういう点につきましては同感でございます。ただ、先ほどもNHKのほうから話がありましたように、そういった広域放送圏内の各県におきましては、いわゆるローカル番組の時間というものが、当然ほかの県から比べて少なくなっている。一般の府県におきましては、先ほど先生もおっしゃいましたように、おそらく一日三時間半程度のローカル番組が組まれているというふうに承知いたしております。しかし、広域放送圏内にあるがために、その広域放送圏内の各府県は、それよりもはるかに少ないローカル番組しか組めない、こういう状況になっているわけです。したがいまして、こういう、まあ格差といいますか、こういうものは、やはり公平の原則からいって、何とかして解消する必要があるのじゃないか、こういうことでNHKの考えられましたのが、今度の県別放送局を置きたいという考え方だと思うのですけれども、まあそうかといいまして、その新しく計画されております県別の放送局で一日放送されるということになりますと、今度は、広域放送圏でありますがために、三重の放送を享受するということになりまして、今度はまた、それ以外の府県との間に均衡を失してくるというような問題もありますし、それからもう一つ、やはりこういった局を新しく設けるためには、さなきだに乏しい中波のチャンネルをどこからか探し出してこなければならないというようなこともありますので、今われわれのほうとしましては、そういう将来もまあ見通しましていろいろ検討中である、こういうわけでございます。

前田義徳日本放送協会専務理事

○参考人(前田義徳君) 私どもも、その根本的な考え方には異論を持っているわけではございません。ただ、政令による開設準備によりますと、少なくとも三時間半以上のローカル放送をしなければならないことになっておりまして、事実上、いわゆる超大電力でなくて、すでにある大電力周辺局には、放送ができる電波を発射し得る局がないわけでございまして、その総数が全国で約二十ほどございます。しかし、電波の事情を考えまして、私どもといたしましては、これの全部にそういうものを置きたいという考え方は、はっきり申し上げて持っておりません。しかし、電波の繰り合わせができる場所においては、できるだけ地元聴取者の要望にこたえるために、少なくともそれを限度とする放送はいたしたい。ただいま東京では、東京が管轄しているかなり多数の県のローカル放送を持っておりますが、かりに、一県三時間内外の放送を行なうとすれば、全国放送は全く不可能になります。そういう意味で、こういう環境にある地域のローカル放送を考えますと、努力はいたしておりますけれども、放送時間数はきわめて短いという実情にございます。その上、放送法とは関係のない法律でございますが、災害に関する法律とか、公職選挙法とかによりますと、これはやはり選挙区を中心とする放送、あるいは災害地点を中心とする放送をNHKは義務づけられております。そういう面をできるだけ調整して、実行可能な局はそうさしていただきたいという、私どもの希望を、御審議いただいている予算の中に盛っているわけでございます。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 だいぶ考え方が接近したようですから、私の考えも入れて、この問題について、もう一つ掘り下げて申し上げておきます。  私も、ローカル放送を、さっきあなたが四十何条を引っ張り出されましたが、よく知っております。ローカル放送が要らないとは言ってない。しちゃいけないとも言ってない。すべきだろうと思うのです。当然だろうと思いますが、これは、しかし、周波数の問題とからみ合って、私はおのずから限度があると思っております。で、公共放送だからといって、第一放送、第二放送全部を、それを各府県に行き渡らせる、第一放送のほうは、これはいろいろな方法で——さっき大電力とかいっておりましたけれども、いろいろな方法で今日まで大体全国民に行き渡っていると思うのです。これからの問題としては、むしろ第二放送だと私は思いますが、しかし、それに加えて、番組の内容についても、各府県別に放送局を作っていくというような考え方が、民間放送というものが出てきてから、NHKの内部にあるんですね。あなた方は、今ここでそれを肯定はしないかもしれませんが、民間放送でこういうことをやっているのだから、負けないために、各府県でやはり放送局を持ってやりたいという希望があるのです。われわれはそれは聞いてきました。今もそれが続いているかどうかよく存じませんが、とにかくそういうことがもとになっていると見えまして、ここに県別放送を実施すると、こう書いてありますから、まだ私は古い考え方を捨て切れないんだなという感じがしたのです。それで申し上げたのです。  で、一日に三時間以上というのなら、一ぺんこの次までに資料を出して下さい。各府県で、中央局以外の局が独自のローカル放送というものを何時間ずつやっているか。最近の統計でよろしゅうございますから、それをこの次までに資料として整えてお出し下さい。私は、それは三時間半になっているか、五時間になっているか知りませんが、あとは、大体において、やはり中央局からの放送をそのまま流しているのが多いでしょう。ということは、これは中央局の放送が聞けない地域ではないのです。聞けない地域は若干あるかもしれませんが、大部分は、東京、名古屋、大阪というような中央局の放送が、これは非常に受信機もよくなっているのですから、そのまま聞けるのです。聞けるのだけれども、ローカルの周波数に合わせるために、そこでも同じことをやっているんです。これは必要ないのじゃないか。  もしそれならば、さっきちょっと申し上げましたが、周波数も非常にないのですね。何もかも、これも周波数を新しくよこせ、これもよこせといっても、むしろ周波数の貧困から、無理をしてかりに割り当てたとすれば、これまたどこかで混信を起こすわけです。そういう種をまいているわけです、NHK自身が。そういうことよりも、なぜもっと、民放なんかの行き方にあまり顧慮しないで、NHKはNHKとして独自で進まれればいいんですから、一日に、たとえばこの近所であれば、Aという県では四時間くらいあったらいい、Bという県も四時間あったらいい、Cという県も四時間あったらいいというんなら、この数府県にまたがって、ローカル放送を主としてやるような局を一つこしらえたらどうですか。それで足りるんじゃないですか。県別に、何とか県の放送局がここにある、何とか県もここにある、というふうに、民放と並んで看板を並べて、NHKが各府県に放送局を置かれる必要はちっともないじゃないか。ローカルということを考えましてもですよ。端的に言うと、私はそういう考えを持って——中波の波がないということは、もう既定の事実なんです。その中で、あれもよこせ、これもよこせ、といわれてもできない。むしろ、これを無理をして出した結果は、混乱させるばかりです。NHKは、公共機関として全国に第一第二のネットワークを持っておるんだから、それをもっと活用することを考えて、今のようにローカル放送については限度があるのだから、これをもっと常識的に、大局的に考えて善処をされたらどうですかということを私は申し上げておるんです。これについて、会長いかがですか。お考えを。

阿部眞之助日本放送協会会長

○参考人(阿部眞之助君) 電波に県の境がないということは仰せのとおりだと思いますが、しかし、日本の実情においては、県単位のニュースというものの要望はきわめて強いんですね。それで、NHKというものは、地域社会と密着することなしにはこの運営はうまくいかない。ちょうど、新聞が、どの新聞も、中央新聞といいながらも非常に費用と手間をかけて地方版を持っておる、同じような意味で、NHKは経営上地方版を持つ、ということは、これは私は必要欠くべからざるものと思っているんです。ただいま、各府県に関連して、三県もしくは四県のローカル放送ばかりの波を一つ出せばいいじゃないか——なるほど、ローカル放送だけをお考えになれば、そのとおりになるのですが、第二の波というものは、NHKは特殊の一つの使命を持っておる波なのでありまして、第二の波というものは、教育、教養の波なんでありまして、これは、将来ますますNHKとしてはこの方面に力を入れなければならぬ。これをローカル放送のために専門的に用うるということは、事実上私は不可能なことであると思います。そういうふうな意味で、現在やっているということは、一つを考えればいろいろなことが考えられるのですけれども、全般的に言ますと、なかなかそう割り切って実行できない。御趣旨は、なるほど私はごもっともだと考えておりまするが、なかなかその全般的な経営の立場から考えてみますと、そう簡単に割り切ることは非常にむずかしいということを御了承を願いたいと思います。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 ちょっと阿部さん、誤解しておられますが、第二の波をつぶせとか何とか言っておるんではないのです。第一第二の波は出ておるんです、現在。しかし、そのほかに、第一第二の今の番組に乗らないようなローカル放送を各府県でほしいということを言っておるんでしょう。それをできるだけ、あなたおっしゃったように、まあ県の公示事項であるとか、県内の重要事項であるとかというものを、ローカル放送として流すということが——地域社会と非常に密接な関係を持っておるNHKとしては非常に大事なことだと言っておられるけれども、もっともだと思うのです。そのとおりだと思うのです。第二の波を別につぶせとは言ってない。あなたお聞きになるときに、両方一ぺんにお聞きにならないでしょう。どっちかお聞きになる。第一毛聞き、第二も聞き、ローカル放送も聞くなんというようなことはできないのですね。ある人が聞くときには、どれかを聞かれるのでしょう。それは選択にまかせるわけですよ。第二を聞きたい人は聞かせたらいいのですよ。第二は聞こえるのですから。第一も聞こえるのですから。中央局でみなやっているわけです。その聞こえるところでも、なおかつ府県別に放送局を置かしてほしい、そこに別の波がほしいとおっしゃるから、私はここで問題にしているのです。しかしそれは、ローカル放送を聞きたいという人が、そこにスイッチを入れれば聞けるということにしておけばいいのです。その時間は一日に何時間かというと、三時間半以上、四時間か五時間か知りませんけれども、そういった程度でしょう。場所によって違うかもしれませんけれども。そういうものですから、あとの時間は、中央局から流れてくるものをお聞きになっているわけです。第一放送もあるし、第二放送もある。それを、第一をひねっても、ローカルのほうの周波数のところに合わして毛、同じ放送をやっているということなんです。そういうことは必要がありますかということなんです。  これはだから、第一を聞きたければ第一のところで中央放送局から流してくるものを聞かせればいい。さもなくても波がないのだから、ローカルのほうをぜひしてほしいというのなら、私は最少限度なけなしの波でもどっからか探してきて与えるようにするということは、根本的には反対ないのですけれども、しかし各府県別、各府県別にとおっしゃるから問題がある。もっと大所高所から考えて、なぜNHKは自制をして、郵政当局が考えると同じような立場から考えられないのか、民放と同じようになぜ府県別ということを固執しなければならないのか、ということを私はお尋ねしているのであります。ちょっとその点誤解があると思います。

阿部眞之助日本放送協会会長

○参考人(阿部眞之助君) 御質問の趣旨が、私どうも十分のみ込めないのでございますが、ただいまの御意見だと、ローカル放送が必要なら、三県ないし四県を一緒にして波を出せばいいじゃないかという御趣旨だと思うのですが、そうなると、第一の波と第二の波を使わなければ、そういう放送はできないわけなんです。その場合に、三県ないし四県のローカル放送を用うるということになれば、一つの県について三時間ないし四時間といえば、四県ならば十六時間というものをそれに使わなければならないわけでありまして、それは実際上二つの波のどれを用うるかということになりますと、ローカル放送のために十六時間も波を出すということは不可能なことなんであります。どういうふうな方法か、私どもは技術士ちょっとむずかしいことだと考えます。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 詳しく御説明をすればいいのですが、NHKの理事の方々も、阿部さんと同じように私の質問をお考えになっておりますか。もし私の言っていることをおわかりになっている方があれば、あとで阿部さんに説明してあげていただきたいと思います。もしおかわりにならなければ、もう一。へん御説明いたしますが、理事の方、いかがでしょうか。

田辺義敏日本放送協会専務理事

○参考人(田辺義敏君) 十分わかりかねる点もあるわけでございますが、一部推察して私の意見を若干申し上げさせていただきたいと思います。  今新谷先生がおっしゃいましたのは、たとえば四県共通のための一つの波を捻出して、その四県で、第一放送と第二放送の波のほかにもう一波出して、その波が四県なら四県なりのローカル向けの番組を出したらどうかという御趣旨かと推察いたしますが、これは相当問題がございます。と申しますのは、広域圏を、何県かをカバーしますためには、相当の大電力を必要といたします。これは波の割当上きわめて困難かと思います。それからもう一つは、これは番組の点の問題で、私は常識的に申し上げるのでございますが、適当な番組は適当な時間にあるべきかと思います。それをただずっと羅列しただけでは、放送の効果はないと思います。その点にも問題があります。それからもう一つ、われわれが県別放送を要望しておりますのは、周波数のことをたいへんおっしゃいますが、実は私どものNHKが持っております波で、郵政省が現在立てておられます割当の基準の中で、十分この周波数がとれるという確信のもとにわれわれは主張しているのでありまして、別にわれわれはそのほかの波をどうしようとか、混信を増すとか、そういうような不自由さまでしのんでやろうとしているのではございません。この点を申し上げておきます。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 あなたが初めに言われたようなことを私は考えておるのです。それが、大電力と言われますけれども、これは経営の問題だと思うのです。そんな大きなものでなくても、私は大体関東のエリアとか、あるいは近畿のエリアとか、名古屋方面とか、そういう限られたところですから、それは工夫ができると、私はそういうふうな前提に立って言っておるのです。あなたが今最後に言われたような、NHKに割り当てられた範囲における云々というお話ですが、私はおそらくそれはきわめて微電力の、いわゆる小電力の小さな局を置いて、そしてほかのほうにも影響のないように、NHK自体の中でアジャストしていこうというようなお考えだと思うのです。もしそうだとすれば、ローカル放送、ローカル放送と言っておやりになっても、その府県のおそらくすみずみまで届かないような、そういったものになりはしないかと私は思っておるのです。やはりこれはそこまで、私のほうの奈良なら奈良でも、平坦部はすぐ届きますが、山間部のほうになると、これはなかなか微電力施設では届かない。やっぱり相当の施設もしなければならないし、相当のパワーも要るわけです。そういう府県が相当多いだろうと私は思うのです。でありますから、あなたのおっしゃったようなことが、それがほかに迷惑を及ぼさずに簡単にできることであって、それ以外に方法がないというならおやりになるのもけっこうでしょう。  私は、周波数の今の日本の現状からいきますと、そういうふうななまぬるい状態ではないと私は思っているものですから、先ほど申し上げたように、あなた方のローカル放送についての要望も、ある程度——これはある程度で、十分にはいかないでしょう。ある程度ということは、全体がそうなんです。しかも、これはNHKが法律によって要求されている事項というものは、それは十分満たしているのですから、よくいえばきりがありませんがね、ある程度満たしておればそれでいい。それには、NHK自体の問題も考えなければならないし、民放の問題も考えなければならない。全体の放送の性格から見て、そういうことはNHKとしては思い切って考えてみたらどうかというようなことを私は申し上げたので、これは、そんな意見はとれないとおっしゃれば、それでもけっこうです。しかし、私もいろいろ調べてみて、自分の意見が正しいと思えばまた申し上げるかもしれません。  この大電力放送について、及びそれに関連する問題は、きょうはこの程度にいたしまして、先ほどお願いをした、ローカル放送の、どのくらいやっておるかというような資料をいただいた上で、次の機会にもう一ぺん質問をさせていただきます。  それからなお、ほかにも二、三お聞きしたいことがあるのですが、私の質問、時間が長くなりますから、須藤さん、あとでおやりになるようですから、きょうはこのくらいにさせていただいて、大臣も見えませんし、この次の機会にはぜひ大臣においで願って、さっきの放送法に関する問題、解釈適用の問題ですね、それから今の大電力放送というような問題、そういった問題と、なおほかに二、三ありますから、そういう問題について、この次の機会に質問したいと思います。

田辺義敏日本放送協会専務理事

○参考人(田辺義敏君) 一言申し上げさしていただきます。ただいまの資料提出は、さよう取りはからいます。  それから先ほど先生が最後におっしゃった微電力というお言葉をお使いになったのですけれども、微電力という意味のこの定義はいろいろな定義がございますので、電力の実際の大きさに対する先生のお考えと、私どもの考えと、若干違っておるかもしれませんが、常識的に私どもの考えております微電力とは考えておりません。ほかの地方で大体やっております程度の電力のものを考えておりまして、それは可能であろうとさよう考えております。それだけ申し上げておきます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 二月二十一日の当委員会におきまして、私は、出演料や作曲料のことにつきまして質問いたしました。そのときに、作曲料は幾ら払っておるかという点につきまして、前田参考人はこういうふうに答えております。「作曲料は、普通の場合、建前として、ラジオであるかテレビであるかにかかわりはございませんが、大体最低二万円から最高二十二万円まで、これは五分間を中心としてお払い申し上げております。」、こう答えて、なおそのあとのほうで、「この場合は、その使用目的によりますけれども、基礎的には、先ほど申し上げました五分間を標準として最高二十二万円を支払わしていただいておりますので、そのシンフォニーが三十分である場合は、おそらくその六倍になると思います。」、こういうふうに答えていらっしゃいますが、この答えには間違いがありませんか、もう一度はっきり伺っておきたいと思います。

前田義徳日本放送協会専務理事

○参考人(前田義徳君) 大体先生がおっしゃったとおりの答え方をいたしまして、ただし、これにつきましては、私自身のほうも正確な資料を当時持っておりませんので、先生にも御調査をお願いすると同時に、私のほうも調査をしてみる、こういうお答えを申し上げたかと思います。当時、今御指摘の点につきましては、純音楽の作曲料の最近の支払いの実情を申し上げまして、最低が五分間で約二万円前後、最高が五分間で約二十二万円前後で、おそらく三十分になればその六倍ぐらいと考えておるというお答えは申し上げました。しかし、この答えについては、先ほど申し上げましたように、さらに調査してお答え申し上げようということを言っておいたと記憶いたしております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 今日それを訂正する必要はないですか。あくまでもこれが正しいというふうにあなたはお考えになっていらっしゃるのですか。

前田義徳日本放送協会専務理事

○参考人(前田義徳君) 私は、繰り返すようでございますが、最近支払っているのは、ということで申し上げまして、さらに私は担当責任者に調査を依頼いたしまして、その調査の資料については、おそらく先生のほうにも御連絡申し上げたかと思いますが、その調査の資料ができておりますので、それ以上の詳細にわたっては、これから専門責任者を参考人としてお許しをいただけましたらばお答えを申し上げたいと思っております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 この質問をいたしました数日後に、放送局から春日理事と志賀主計部長の二人が私のところにみえまして、そしてこの間の答弁を訂正したいということで書類を持ってこられました。それによりますると、純音楽、あなたは五分間で最低が二万円で最高が二十二万円というお答えでしたが、この書類によりますと、最低が九千円で最高が二万二千円というふうになっております。十分の一になっております。あなたの答えがあまりにずさんきわまるものだと思いますので、私は今そういうふうにお尋ねしたのでございますが、ここに書類がありますから、私はこれを照らし合わせてお聞きしたいと思いますが、この訂正の文を国会の記録としてとどめておきたいと思いますから、一応あなたからこれを発表していただきたい。あなたが間違って答えたんだから、あなたが訂正するのは当然だと思うから、前田専務理事からその訂正をしてもらいたい。——前田専務理事に頼んでおるんです。自分が間違ったら自分で訂正するのは当然でしょう。

前田義徳日本放送協会専務理事

○参考人(前田義徳君) それは訂正するにやぶさかでございません。私は、どういう説明の仕方を申し上げたかは、実は内部の問題で恐縮でございますが、報告を聞いておりませんでした。私はただ、こういう御質問があったから、その詳細について調査して、その資料を先生に差し上げるようにという指示をいたしたわけでございますが、ただいまの御質問の、訂正という言葉を私どもが使ったといたしますれば、私もそのとおりに訂正いたしたいと思います。ただ、私お許しをいただいて、ちょっと敷衍させていただきたいと思いますが、私はその基準あるいは今までのすべての支払いの事実を、実はあの当時申し上げたのではなくて、最近の支払った事実の金高を申し上げたわけでありまして、その建前について私がはなはだ至らなかった説明をしたかと考えますので、この点については訂正申し上げたいと思います。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 私の手元に、責任ある春日理事から五枚にわたる書類が出て参りました。そしてこれを了承してくれということなんです。しかし、これは単に書類として私受け取るだけで足りませんで、あなたが前答弁なすったんだから、これをあなたは当然認めるべき性質のものですよ。部下に命じて、そしてその結果をあなた目を通していないというのは、これは実に無責任だと思うんです。あなたが答弁したことに対して訂正している文書をあなたが見ていないということがありますか。だから、この文書を、あなたの口からここではっきりと読み上げて、この速記録に載せてもらいたいんです。本人に私は言っているんです。本人が間違ったならば、それを訂正するのは本人が訂正すべきじゃないですか。見ていないというのはけしからぬですよ。今日までそれを見ていないなんというのは横着千万ですよ。

前田義徳日本放送協会専務理事

○参考人(前田義徳君) 私は、この書類は、内部の不統一を申し上げてはなはだ恥ずかしいのでありますが、きのう見ました。これは基準を説明して、基準の採用の事実は、基準そのものとは異なる場合もあり得るかと思います。ただ、放送協会内の作曲委嘱料につきまして、各種類の作曲のケース、それから作曲家などを考えまして、それに一応の基準ができておるわけでございます。その基準の御説明が、先生のお手元に差し上げてある書類でございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 私が最初に二十一日に質問したのも、基準を質問したんです。特例を質問したんじゃないんです。その基準の説明を要求したのに対して、あなたが、特例を述べた点があるかと思います、今度出て参りましたのはこれは基準だ、というならば、その基準をあなたがここで答弁したらいいじゃないですか。何もむずかしいことじゃないじゃないですか。ここに書類があるんだから、初めから終わりまで読んだらいいじゃないですか。そうして速記録にとどめたらいいじゃないですか。それがなぜできないんですか。そういうところであなたの責任を私は回避してもらいたくないんです。やっぱり責任者が責任とるべきです。なぜあなた読まないんですか。

前田義徳日本放送協会専務理事

○参考人(前田義徳君) 私どもが受けている報告では、間違いであったということを先生に申し上げたとは報告を聞いておりません。ただ、基準の内容を詳細に申し上げてきたということを言っておりますし、私自身御質問をいただいたあのときには、私自身も調査をして後ほど調査の資料を差し上げますということをお答えしているわけでございまして、その点については、私自身といたしましては、お約束の件は果たしておる、このように考えております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 そういうように内容の違った書類が出てきたのだから、あなたが調査した結果こういう書類ができたのでしょう。そうしたら、調査した結果、基準はこうでございますと、ここで答弁したらいいじゃないですか。なぜ答弁を拒否するのですか。

前田義徳日本放送協会専務理事

○参考人(前田義徳君) 答弁は拒否しておりません。これを読めとおっしゃるならばここで読み上げます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 はい、それでいいんですよ。

前田義徳日本放送協会専務理事

○参考人(前田義徳君)    作曲料、編曲料、劇伴奏音楽作曲料について   作曲料、編曲料および劇伴奏音卒作曲料については、下記金額の範囲内において五ランクに区分し、五令を基準として、五分をこえるごとに五割相当額を加算する場合と、作曲等を委嘱する都度、料金を決定する特別の場合とがあります。  ア 作曲料(演奏時間五分以内の料金)    純音楽および大編成経音楽の作曲     二二、五〇〇円から九、〇〇〇円の範囲内    上記以外の曲の作曲(歌謡曲、ニュースのバック音楽等)     一五、〇〇〇円から六、〇〇〇円の範囲内  イ 編曲料(演奏時間五分以内の料金)    純音楽および大編成怪音楽の編曲     一〇、〇〇〇円から三、二〇〇円の範囲内    上記以外の曲の編曲(歌謡曲、ニュースのパーク音楽等)     七、〇〇〇円から二、〇〇〇円の範囲内  ウ 劇伴奏音楽の作曲料(劇の放送時間一五分までの料金)     一〇、〇〇〇円〜四、〇〇〇円の範囲内    劇伴奏音楽の作曲料については一五分を基準として一五分をこえる一五分ごとに五割相当額を加算する。   音楽著作権の使用料について  音楽作品の著作権使用料は通常の場合、次のとおり支払っていますが、これは社団法人日本音楽著作権協会が文部大臣の認可を得て定めた「著作物使用料規程」にしたがい、NHKと同協会が約定を結んでいる料金であります。一 ラジオで使用した場合  ア 純音楽(五分未満の場合)    一曲一回の使用につき    全国中継放送 二、二五〇円    その他の場合 一、〇二〇円〜三〇〇円    (編曲のみの使用は、全国中継放送五六〇円、その他の場合 二六〇円〜八〇円)  イ 軽音楽(五分未満の場合)   一曲一回の使用につき    全国中継放送 一、五〇〇円    その他の場合 六八〇円〜二〇〇円    (編曲のみの使用は、全国中継放送三八〇円、その他の場合 一七〇〜五〇円 )  ウ 五分以上の場合は次のとおり支払つています。   〇五分以上一〇分未満の場合は上記料金の二倍の料金   〇一〇分以上二〇分までの場合は上記料金の四倍の料金   〇二〇分以上三〇分までの場合は上記料金の六倍の料金   〇三〇分をこえる場合は三〇分をこえる一〇分ごとに上記料金の二倍の料金を三〇分までの料金に加算する。  二 テレビで使用した場合    ラジオで使用した場合の二割増料金を支払っています。    なお、音楽著作権協会の管理外の作品使用料は、上記料金に準じて定めています。    NHKの昭和三六年度音楽作品   委嘱料決算額八〇、〇〇〇千円   (編曲料、劇伴奏音楽作曲料を含む。)  以上です。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 これは、後日訂正するところは毛頭ありませんですね。確実ですね。

吉田良直日本放送協会放送業務局長

○参考人(吉田良直君) お答えいたします。  これは規程として、基準としてきめてありますもので、確定であります。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 これはあくまでも基準であって、これは基準としてそのあとの認定はあなたのほうでやるというのですか。

吉田良直日本放送協会放送業務局長

○参考人(吉田良直君) この基準を基本にいたしまして、それぞれの五ランクに、先ほど申し上げましたように五ランクに分けておきましたが、そのランクに沿うて、従って決定をいたすのでございます。  なお、私から一言つけ加えさしていただきますが、前田参考人が申しましたのは、あくまでも純音楽の場合の現状の実態でございまして、その現状支払っております実績は、これは従来まで二万円が最低で、二十万円から三十万円の線が最高になっております。これが本年度現在までに支払われた純音楽に対するものであります。なぜ純音楽がこんなになったかといいますと、大体ランクの上級の方に御委嘱願うものですから、そういう結果になっておると承知いたしております。現在支払っている実情でございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 私の友人が三十分ほど純音楽を作って、それに支払われた金額がわずか六万円程度だということを私は伺って知っておるのです。名前を申し上げては失礼かと思いますから、名前は申しませんが、そういうことを私は聞いておるのです。そうしますると、こういう金額は何を基準としてそういった金額になるのですか、そういうことは絶対ないと言えるのですか。

吉田良直日本放送協会放送業務局長

○参考人(吉田良直君) 純音楽ということでありますけれども、私のほうは、純音楽と軽音楽の区別は申し上げるまでもなく御承知だと思いますけれども、日本音楽著作権協会の著作物使用料規程によりまして、純音楽と軽音楽というものを区別しておりまして、軽音楽につきましては、ダンス曲とかあるいは行進曲、そういう軽い音楽、それ以外のものを純音楽ということで区別しておりまして、その方の場合は、純音楽と申しましても、どういう音楽の内容であったかおわかりますと、大体お答えが出るかと思います。ただ純音楽ということでは、どのランクを当てはめたかよくわかりません。いずれにしても、その方の場合も、この五ランクのうちのどれかに当てはめてお願いしてあると思います。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 それじゃ、あなたが純音楽だというのは、何を純音楽だというのですか、言ってごらんなさい。純音楽と軽音楽くらいの区別は僕はわかっていますよ。

吉田良直日本放送協会放送業務局長

○参考人(吉田良直君) 私どものほうで、純音楽軽音楽の定義といたしまして、先ほどちょっと申し上げましたように、日本音楽著作権協会の著作物使用料規程に準じてやっております。その中の軽音楽に属するものというのは、楽器の種類によるほか、ダンス曲、通俗的な描写曲、接続曲、行進曲その他の通俗曲、和洋合奏曲、歌謡曲、流行歌、国民歌、軍歌、童謡、唱歌、ジャズ、レビュー音楽その他に類するもの及びミュージカル・オペレッタ、コミカル・オペラ、バレーの一部または抜粋曲、こういうものを軽音楽の部類に、中に入れております。それ以外の音楽及びオペラの一部の抜粋というものを純音楽というように分類してこの基準を当てはめております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 カンタータなんかも純音楽に入るのでしょう、それでしたら。

吉田良直日本放送協会放送業務局長

○参考人(吉田良直君) カンタータは純音楽に……。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 純音楽だろう。その純音楽の作曲者が、三十分くらいのものを作って、わずか六万円くらいしか金をもらっていないという例があるが、それは何を基準としてそういうそろばんをはじいたのか。

吉田良直日本放送協会放送業務局長

○参考人(吉田良直君) お答えいたします。  これは、お手元に差し上げております基準のどのランクかを適用していると思います。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 それじゃ、その作曲家に最低の基準を適用したということになるのですか。

吉田良直日本放送協会放送業務局長

○参考人(吉田良直君) 最低かどうか、今、ちょっと実際に例を見ませんので、わかりかねます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 最初の答弁では、前田さんは、最低が二万円、五分で、最高が二十二万円、三十分の作曲、シンフォニーを作ったら百二十万円以上になるということを答えられた。ところが、今度基準を出してきた。その基準によりますると、最低が九千円です、五分。最高が二万二千円。二万二千円というと、三十分のシンフォニーを作って十四、五万円にならないのです。十五万円にならないのです。そういうことになっておる。そうすると、こういう基準はあっても、常に作曲家に払うその基準は、最低の基準をあなたたちはとっている、こういうふうに考えなくちゃならない。最高でも安いですよ。シンフォニー一曲作って十五万円くらいじゃ、とてもこれは作曲家はやっていけやしませんよ。大体、失礼ですが、放送局の理事諸君は、一カ月幾ら給料もらっているのですか。前田さん、幾らもらっていらっしゃいますか。

前田義徳日本放送協会専務理事

○参考人(前田義徳君) いろいろ引かれているものですから、主計部長に説明させていただきます。

志賀正信日本放送協会主計部長

○参考人(志賀正信君) それじゃ、私から御説明申し上げます。  専務理事の場合は、月額二十一万円でございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 毎月、シンフォニー二曲作る分です。今、主計部長がお答えになったように、理事諸君は二十万円以上取っていらっしゃる。日本の一流の作曲家が一カ月間骨身をそいで、そうして心血を注いで作ったものがわずか十二、三万。前田さん、この作曲料は高いと思っているのですか、安いと思っているのですか。自分の労力と比較して答えて下さい。前田さん、答えたらいいでしょう。あなた、どう思っているのですか。

前田義徳日本放送協会専務理事

○参考人(前田義徳君) その分類の中で、特に不利に取り扱ったとすれば、これはいろいろ検討すべき問題があると思いますが、具体的に、どういう場合にお願いした作曲か、私も実はつまびらかにしておりませんので、はなはだ失礼ですが、何とも申し上げられないと申し上げるほかにございません。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 あなたに一方的に調査を私はしいただけじゃなしに、私自身も調査しました。私の言うのが間違っているといけないと思いまして、私は、なお作曲家組合のほうで調査しました。ところが、作曲家組合の言うのには、歌謡曲Aクラスで一曲作曲料としては一万円程度、最低は三千円くらいだ、こういう答えです。それから劇伴奏はどんなものだと言ったら、十五分くらいで最高が一万円、最低は二千五百円から三千円くらいだ、今日でもなお直っていない、軽音楽はどうだ、軽音楽の場合も大体そういう程度だ、純音楽はどうだと言ったら、大体五万円から六万円程度である——一曲ですよ。大体五万円から六万円程度だ、こういう答えがありました。そうすると、あなたが訂正されたこれよりもなお安いということがはっきりする。あなたがこの前答えられた金額では十分の一ぐらいしか払われていらっしゃらない。この訂正された金額から見ても、なおまだ安い。こういうことが私はわかるわけです。  今あなたの給料と作曲料とを比較してどういうふうにお考えになりますかというような、そういういやな御質問を私はしたわけなんですが、私は、どの面から見ましても、今日日本の作曲家のおかれている待遇は、決していいものではないと思います。もっともっとたくさんの作曲料、編曲料を支払うべき性質のものではないか。この点は、阿部会長もいらっしゃいますから、よく考えていただきたい。値上げをするというようななまやさしい問題ではないと思います。日本の作曲料、編曲料などについては、考え直しをして、根本的に訂正をしてもらわなければ話にならぬと思うのです。  なお、演奏料の問題ですが、ここに、あなたのほうのお答えでは、演奏料は、ラジオ、テレビを問わず、一万円から六万円、こういうふうな答えが出ているわけです。私は、ある友人の一流の器楽演奏家に尋ねてみますと、どうなんだと言ったら、放送局では、三十分間演奏して三千五百円しか払わなかった。ちゃんと有名な筋の通った演奏家です。三十分演奏して三千五百円しか払わない。この人が民放へいったら一万円もらった。民放の三分の一しか払ってない。私は一万円でも安いと思います。三十分間芸術家が演奏する場合のエネルギーの消耗からいったら、とても一万円や二万円ではそろばんがとれない。合わないです。しかるに、NHKにおいては三千五百円しか払ってない。こう私は最近聞いた。だから、この演奏料の、きようあなたが読み上げられたこれの基準によっても、日本の一流の演奏家がどんな扱いを受けているかということがわかるわけです。基準々々というけれども、日本の一流の演奏家に対して最低の扱いをしていると言わなければならぬと思うのです。この点どういうふうにお考えになりますか。

吉田良直日本放送協会放送業務局長

○参考人(吉田良直君) お答えいたします。  先ほどまでのは作曲の委嘱料でございますが、先生のは、演奏料というのは出演料であろうかと思いますけれども。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 今の話は出演料、さっきの話は作曲料です。

吉田良直日本放送協会放送業務局長

○参考人(吉田良直君) 出演料についてお答えしますと、私どものほうで、やはりこれにつきましても基準をきめていきまして、クラシックとか軽音楽、ジャズ、そういうもの、あるいは演芸もの、講談、漫才、バレー、日本舞踊、こういうものを、三十分を基準といたしまして、ラジオは最高二万円から最低一千五百円、テレビの場合は三万円から二千円まで、この範囲内で十三ランクないし十四ランクでございましたか、それに分けて定めております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 こういう基準を作ったら、だれが見てもはっきり基準でちゃんとやっているということがわかるように正確にやってもらいたいということなんです。基準は作っても、その基準に合わす場合に、最低のほうに全部持っていってしわ寄せして、筋の通った演奏家でも最低の扱いを受けているということなんです。そういう面がありはしないか。

吉田良直日本放送協会放送業務局長

○参考人(吉田良直君) 私どもは、基準はあくまで毛厳守いたしまして、相手のランクによって、必ずしも全部が最低ということは押しつけておりません。必ずそのランクに従ってABCとつけてありますので、最高もありますし、場合によっては、最低の人もあるかと思いますけれども、全部が最低ということにはしていないと思います。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 それでは、私がこの間の話を作曲家協会に話したときに、そこに来ておった作曲家たちはびっくりしているのです。一流の作曲家も、あなたたちの扱いは最低の作曲家扱いにしているのですね。演奏家でもそのとおり。私の今言ったのは、私の友人から聞いた話です。NHKで三十分演奏して三千五百円しかもらわなかったと言っておりましたよ。名前は、私ははばかるから言いたくない。作曲家も三十分間のカンタータを作って六万円しかくれなかった。君の話と違うではないかと私に言いました。そういうふうに、私たちが一流だと思っている演奏家や作曲家が、あなたたちから最低の扱いを受けているかと思うと、私は腹が立ってしようがない。がまんならないのです。だから、あなたたちはこういうふうな基準を設けながら、それほど、出演料や演奏料は秘密にしておくということをたてにとって、そういうむごい扱いを芸術家にしているかということです。4つと芸術家を尊重すべきですよ。尊敬すべきですよ、芸術家を。あなたたちは自分たちだけ給料をよけい取ることを考えて、演奏料を払う場合にそんな失礼なことをしてはいかぬじゃないか。もっとちゃんとした演奏料、作曲料を支払うべきですよ。その点私は、この機会によく考えてもらいたい。決して失礼にわたらぬように、払うべき正当な金額を払うように私はしてもらいたいと思う。阿部さん、この点、どういうふうにお考えになりますか。今払われている金額は妥当だと、これでけっこうだというふうにお考えになっていらっしゃるのですか。どういうふうにあなたお考えになりますか。

阿部眞之助日本放送協会会長

○参考人(阿部眞之助君) 私は、ただいまの御質問を聞いておりまして、もらっている人が非常に一流の人で、最低の扱いを受けたという事実があるならば、これははなはだ当を得ていないと思うのであります。しかしながら、お互いに名前が出てこないので、はたしてそれが適当だったか不適当だったかということは、私は申し上げることはできませんですが、なおよく実情を調べてみまして、そういう不適当な点があるならば、急速にこれを改むるようにいたしたい、かように思います。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 だから、私は名前を出してもらいたいと言っているのですよ、放送局に。ところが、放送局は名前は絶対に出さないという。そこにやはりそういう疑惑が生まれる原因があるのです。だから私は名前を出せというのだ。私が名前を言わないのは、こういうことです。芸術家が、出演者がそういうことを言うと、放送局からシャット・アウトを食らうというのです。放送局はそういういじわるをするというのです。そういう不平を言うような芸術家は使わない。ほし上げてしまうというのです。だから、芸術家は、心の中にたくさん不満を持っている。聞いてみると、音楽家だけじゃないですよ、演劇の面でも、漫才屋さんのような面でも、あらゆる面の芸術家が、出演料が安いといってみんな文句を言っている、しかし、文句を言うと出してもらえないから、自分らは文句を言えない、こう言っている。だから私は、名前は知らしてもらいたい、公表をしないが、私にだけでもいいから知せてもらいたい、というのです。ところが、それを公表しない。公表しないから、あなたが幾ら口で言っても、そういう不平があればその不平のほうが私は正しいと理解しなければならない。一流の作曲家でも、三十分のものを二カ月かかって作曲して五、六万円しか払ってもらえないという事実があれば、その作曲家が私に訴える以上、私はそれを信用する以外にないじゃないですか、あなたたちがそうじゃないと言っても。そういう不合理が今日の放送料の中にはあるわけです。  それは、私は宝塚歌劇団におりましたから、よくそういうことは知っておりますが、劇場でも役者の給料というものは絶対発表しないんです。そうして宝塚の女の子供たちは、自分の会社から優遇されておると思っておるんです。ところが、そうじゃないんです。実際は低い給料で使われてるんです。しかし役者は、それを、自分の給料を外に発表することを恥じてみな発表しないんです。そうして、会社の者におだてられて、いい気で安い給料で働かされておる。それと同じことが放送局のほうでされておると疑わざるを得ないわけなんです、今日においては。だから私は、もっと明らかに、明瞭にするなり、そうして今読み上げられた基準なんというものは、全く低い基準です。ああいう基準は決して満足すべき基準じゃありません。それは、あなたたちの給料と比べたらよくわかると思うんですよ。それはそうですよ、前田さん、笑いごとじゃないですよ。  ずっと、作曲家がシンフォニー一曲作る努力というものは並み大ていのものじゃないんですよ、これは。それに対して、安い十万円足らずの金で十分だなんと思っておったら大間違いですよ、それは。もっともっとたくさんの金を払ってあげなくちゃいけない。年に二曲か、せいぜい三曲も作れるものじゃないんですよ。だから、一年間二曲くらい作れば、一年間生活のできるくらいの料金を払うべき性質のものですよ。それはみんなそう思っていますよ、日本の芸術家は。そういうふうにしなかったなら、いい作曲も生まれないですよ。安い給料で、毎日とにかくあくせくと疲労して作ったものに、ろくなものは出てこないですよ。だから放送局は、ほんとうに文化的な立場に立って日本の文化を発展させようと思うならば、考え方を改めてもらわない限り、日本の文化は発展しない。だから、そういうことを私はこの際あなたたちによく考えてもらいたい、そういうふうに考えます。  それから小さい話ですが、三百五十七億円の事業支出があるということが出ておりますが、との三百五十七億円の事業支出の内容というものをもっと小さく私は伺っておきたい。いただいた書類をずっと調べたのですが、この三百五十七億の事業支出の明細がないわけです。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○参考人(小野吉郎君) ただいま御質問の三百五十七億と申しますのは、三十六年度決算の資料の中に出ておる金額と承知いたしております。  この中には、純粋の日常運営の事業費に該当いたしますものと減価償却等による資本勘定関係にいわば属するものと二つが入っております。それから後段の減価償却あるいは資本関係の支出と見られますものが、総計をいたしまして六十七億ばかりございます。それを差し引きました約三百億が、ちょうど日常の給与関係とか、あるいは国内の放送関係に使います経費でございますとか、国際放送に使っております経費、業務管理に要する経費、調査研究等に使っております経費でございます。  その内訳を今のような種類に分けまして申し上げますと、給与関係すなわち人件費に九十二億使っております。国内放送関係の番組の経費といたしましては、番組の製作に必要な直接経費が約七十六億円でございます。番組の送出に伴って必要な技術の施設運用等に必要な経費が十八億でございます。その他通信施設、番組の選出に関連をいたします通信施設等に要する経費が二十四億五千万円でございます。以上総計いたしました百十八億が国内放送の関係の経費として出ております。  国際放送関係の経費といたしましては、政府からいただきます交付金をも加えまして、三億七千九百万円でございます。  業務関係の経費といたしましては、これは放送等の関係を除きました業務費でございますが、三十八億でございまして、このうち、受信の普及及び放送の普及及び受信の改善に関する経費が十億九千万円でございます。この中には、難視聴等の、特にテレビの最近の難視地域の解消のために、当分まだ置局その他の見通しのつかない地域につきまして、地方で各世帯共同せられまして塔等を立てられる場合があります。こういう関係に助成をいたしておりますものが入っております。それが約六億ございます。そういうようなものを含めまして、放送並びに受信の改善に要する経費が十億九千万円でございます。契約並びに収納関係の経費、これは契約の獲得並びに獲得いたしました契約に対する、所定の料金を収納いたしますために必要な経費でございます。二十七億円ございます。この両者を合計いたしました業務費が三十八億でございます。  管理費といたしましては、総体で四十億九千万円余りございますが、この中には、一般管理に要する経費八億五千万円、舎屋の維持等に要する経費、これが六億八千万円ございます。さらに職員の厚生保健等の関係の必要経費は十一億ございまして、これには社会保険に対する負担分等が入っております。以上合計で、管理費が約四十億九千万円。  調査研究関係には六億七千万円使っております。このうちで、番組のいろいろな、将来の編成の改善に役立つと同時に、過去において出しております番組がどのように聞かれておるか、またそれに対する反響などを将来の番組の編成に資しますために、放送に対する国民の全生活の時間態様がどのような関連を持っておるか、こういうような調査等をいたします経費が一億六千六百万円ございます。技術関係の調査に充てております経費が五億ございます。  以上概略でございますが、三百五十七億円の内訳はそのようなことになっております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 その中で二十三億の、何ですか、出演料といいますか、出演料が十八億、著作権使用料が八千六百万円、作品委嘱料が三億余という数がこの前出たのですが、それも含まれておるわけなんですが、その出演料の十八億のうち、外人の出演者に払う金はこの中に入っているのですか。どうですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○参考人(小野吉郎君) お説のと一おり、この中に入っております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 十八億の出演料のうちで、外国人に払う金はどれくらい入っておりますか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○参考人(小野吉郎君) 五千七百万円ございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 五千七百万円だけですか。間違いありませんね。

吉田良直日本放送協会放送業務局長

○参考人(吉田良直君) お答え申し上げます。  この五千七百万円の中には、一般に呼んだものと、イタリー・オペラも入っておりますので、五千七百万円は間違いございません。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 著作権料の中には、外国に払う著作権料も入っておるのですか。

吉田良直日本放送協会放送業務局長

○参考人(吉田良直君) 著作権料は別でございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 そうすると、外国に対してはどれくらい著作権料を払っているのですか。

吉田良直日本放送協会放送業務局長

○参考人(吉田良直君) 二千三百万円でございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 それじゃもう一つ尋ねますが、五十一億の剰余金の使途はどういうふうになっておるのですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○参考人(小野吉郎君) ちょっとお答えをいたします前に、お断わりを申し上げなければならないのですが、五十一億は、決算上の損益計算書におきまして、剰余金の表現をもって計上してございます。しかし、この剰余金なる表現につきましては、多少解説すべきことがございます。現在剰余金と申しますと、大体純益と申しますか、利益、そのように観念されるのが通常でございますが、協会の予算の決算上の書類に載っております剰余金は、そのようなものもありますし、大部分はそうでないようなものが含まれております。と申しますのは、収入と支出の差が、こういうものが剰余金というような表現になっておるわけでございます。しかも、損益計算書に計上してございます五十一億につきましては、資本関係と見られます、いわゆる建設工事等の関係のものは含まれておりません。その関係で、受信料収入で、左のほうの欄と右のほうの欄の合計の差額が五十一億でございますが、この差額の中には、受信料の収入から直接剰余金に残るのでなく、建設工事等の財源に充てておるものがございます。これは貸借対照表で申しますと、その工事を実行いたしますと、収入の現金化されたような形のものが、固定資産のような形になりまして、資産として計上してあります。しかも資産と負債の差額もそれに見合う金額に相なって参るわけでありますが、ただいま申し上げましたような、建設関係に充当いたしましたものが五十一億のうち約二十億でございます。その中には、放送債券の発行につれまして、法定の、所定の率による積立金をいたさなければならないのでございます。そういうものが十二億七千万円、そういうようなものを合計をいたしますと約四十億、これは資本関係のもので、資産に変わっておりますか、あるいは将来の外部負債の償還のために積み立ててある金でございます。法律の命ずるところに従いまして、所定の元利減債用の基金として保有をいたしております。  それらのものを相殺いたしてみますと、差引純残といいますか、予算残は十一億でございます。この関係の使途につきましては、三十六年度中には使用をいたしませんで、三十七年度への繰越剰余金として残してございます。この関係は、三十七年度予算執行の歳出の原資に充てまして、建設関係の経費、あるいは事業の運営の関係の経費、それぞれ予算総則の規定に準拠いたしまして使用をいたしておるわけであります。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 話を聞いておると、この五十一億がいろいろ建設面にたくさん金を使っておるということを聞くのですが、これは普通の生産会社が労働者を安い給料で働かして、もうけた金で設備投資につぎ込むのと同じじゃないですか、結局そういう関係と同じ関係だと思う。だから、これは利益があるなら、設備投資みたいなものばかりにそういう金をつぎ込むのではなしに、この剰余金は放送料金の、聴取料の値下げとか、それから演奏会の利潤の元である演奏家の演奏料を上げるとか、それから芸能人のための大きな施設、厚生施設を作るとか、また芸能会館を建てて、芸能人の努力に報いるとか、そういうことにこの金を少し使ったらどうですか。すべて設備投資のようなものばかりに金をかけてしまって、放送局はどんどんりっぱになる、全国にたくさんできる。先ほども新谷さん言いましたがね。各府県にそういうローカルな放送局を建てるというようなことばかりに金を使わないで、もっとそういう方面に金を使ったらどうですか。阿部さん、この芸能会館を建てるとか、日本の芸能人のための厚生施設を作るというようなお考えはございませんですか。

阿部眞之助日本放送協会会長

○参考人(阿部眞之助君) 目下のところは持っておりませんが、将来そういう考えを持つようになるかもしれません。そのときはまたあらためて御審議を願う機会があろうかと思いますが、目下のところは持っておりません。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 そういうふうにすべきだというふうにはお考えになりませんか。放送局がもうけた金を、そのような設備投資のようなものばかりに使ってしまわないで、それも十分に芸術家に出演料なり、作曲料を払っての上のことならともかく、そういう人たちは安い値でたたいて苦しめておいて、そうして放送局だけがふとっていくというのはおかしいじゃないですか、そういうことを考えていくべきじゃないかと思いますが、阿部さんどうお考えになりますか。

阿部眞之助日本放送協会会長

○参考人(阿部眞之助君) 現在、放送局におきましては、直接に必要なそういう施設のための経費が非常にたくさんかかっている現在の時期でありまして、そういう各種の方面に、直接関係のない方面にまでそういう資金を投入するまでに至っておりません。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 残念ながら阿部さんにもそういう考えは毛頭ない、こういうことになりますが、これは芸術家たちは非常な不満を持つだろうと思うんです。芸術家たちが実際心の中で要求をしておるということを私はお伝えをして、そうして、できる限り早い機会にそういうことの実現されるように、皆さんもひとつ努力をしていただきたいと思うんです。  ちょっと質問が、一つ聞きのがした点がありますのでお尋ねしますが、私、先ほどの出演料や作曲料は、大体音楽の面を聞いたのですが、演劇、バレーそれから日本音楽、漫才、浪曲、講談、落語、こういうものに対しましても、一つの何ですか、基準というものを作っていらっしゃるのですか。あったらその基準を示していただきたいんですが……。

吉田良直日本放送協会放送業務局長

○参考人(吉田良直君) これはちょっと先ほどもお答えの中で触れておりましたけれども、基準がございます。クラシック、軽音楽、ジャズ、講談、漫才、バレー、日本舞踊、これは三十分を基準といたしまして、ラジオの場合は最高二万円から最低千五百円まで、テレビの場合は、三十分を基準にいたしまして、最高三万円から最低二千円までの範囲内で十三ないし十四のランクに分けてこれを基準といたしております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 今聞いてみますと、三十分出演して二千円ぐらいしかもらえぬ場合が最低はあるわけなんですね。

吉田良直日本放送協会放送業務局長

○参考人(吉田良直君) 基準ではそうなっておりますが、実際問題では、そういう場合はきわめて単純な、簡単なプレイ、たとえば通行人とか、そういう場合も当てはまるかと思いますが、最低は二千円、千五百円ということになっております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 それからもう一つ伺いたいのですが、皆さんが苦労をして作られるプログラムの質の問題です。この出演の。パーセントでいいですから、示していただきたいのですが、あらゆる場合に基準がありますが、ABCに分けますれば、Aクラスの芸術家の出演の回数というもの、それからBクラスの回数、Cクラスの回数、というものをパーセンテージで表わしますと、どういうふうになっておりますか。

吉田良直日本放送協会放送業務局長

○参考人(吉田良直君) ちょっとこれは番組が数多く、パーセンテージをとるのはむずかしいかと思いますが、私現在持っておりませんので承知いたしておりません。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 私、日本のプログラム編成の参考にしたいと思いますので、あらゆるジャンルを通して、Aクラスの人がプログラム編成上何%を占めるか、それからBクラスの人が何%を占めるか、Cクラスの人が何%を占めるか、という点を資料として出していただきたいと思います。  委員長、きょうは私の質問はこの程度にとどめます。

光村甚助日本社会党

○理事(光村甚助君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

光村甚助日本社会党

○理事(光村甚助君) 速記を始めて。

吉田良直日本放送協会放送業務局長

○参考人(吉田良直君) 今のちょっとお伺いしますが、パーセンテージは、金額でございますか、人の数でございますか、出演の。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 出演回数ですね。プログラムの編成上占める時間的な面なんです。Aクラスの人がどのくらいの放送時間のうちでどのくらいの。パーセントを占めるか、そういうことです。日本のプログラムは、大体 クラスの人によって大量に占められているのか、それとも低い面において日本のプログラムが編成されておるのか、そういう点です。おそらくNHKとしては最高のプログラムを作るように御苦労していらっしゃるだろうとは思うのです。だから、したがって、Aクラスの人で大部分が占められておるだろうと私は考えるのですが、またそうなければならぬことだと思うのですが、そこを私は知りたいためにあえて伺っておる。

吉田良直日本放送協会放送業務局長

○参考人(吉田良直君) よくわかりましたので、早速……。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 予算書の中に、給与費として百十九億九千四百九十六万三千円計上されておりますが、NHKでは、職員の給与について御説明を伺いますと、社会水準を保ち得るように措置する、こういうふうに御説明されておりますけれども、一体、類似の新聞とか民間放送、そういうところの職員と比べて、NHKの給与は私は下のほうにあると思うのですね。したがって、各民間放送局なり、新聞関係の給与ベース等の資料はお持ちでございますか。もしありましたら、参考のためにちょっと知らしてもらいたい。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○参考人(小野吉郎君) 一応の資料は持っておりますが、これは各社ともなかなか公式には表面に出しておりません。われわれも、いろいろ公表された比べ得る面とのそれは、はっきりいたしておるわけでございますが、今の、新聞社関係でございますとか、民間の放送事業体のごときに至りましては、何らこれを公表をいたしておりません。内面的にいろいろな模様は承知をいたしておりますが、これが現在その社の給与ベースなんだと、こう国会の席で正式にお答え申し上げることは、これは遠慮さしていただきたいと思います。私どもが、ただいま内々ではございますが、大体新聞社の主要なところ、あるいは放送事業体の主要なところについて、われわれだけの持っております資料で申しますと、今日の段階では、必ずしも下のほうの段階ではございません。大まかであるかもしれませんが、大体中位から中のちょっと上くらいに位しておる、このように考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これは政務次官、各新聞報道関係の現在の給与水準というものがどうなっておるかということは、政府として調べられないですかね。

保岡武久自由民主党郵政政務次官

○政府委員(保岡武久君) 新聞関係はちょっと正確のものが調べられるかどうか、こちらではっきりお答えすることはできないと思いますが、調べる努力はいたしてみます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これは、全然、どこの会社でどういう給与を支給しておるかということについて、把握できないことはないと思うのですね。ですから、もしNHKのほうが、いろいろこれは対外的のこともありますので、委員会に資料を出すことははばかるということであれば、何をもってわれわれがNHKの給与というものを比較しようとするのか、ものさしがないわけですね。内部的に中ないし中以上だといわれるのですけれども、そうであれば、やはりそういう結論を出すには、それだけの十分の資料を持っておって、協会はいわれておると思うのですけれども、資料としてでも出せないですかね。

保岡武久自由民主党郵政政務次官

○政府委員(保岡武久君) 労働省あたりと連絡をとりまして、できるだけの資料を集めてみます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 協会のほうは、これは無理なら、出せと私言いませんけれども、やはり一応あなたのほうで把握しているものがあると思うのですね。それによって中ないし、中以上とというふうに御判断なさっているんですから、私はやはりそうだと思うのですよ。私どもが大体把握している資料によってもそう思うのですね。そこで、特にことしは業務全般にわたる合理化を推進する、こういうことが一つございます。それから施設のオートメ化、こういうことによって要員もかなり押えているように思います。全体的に五百八十名の増員を予定しているようでありますが、かなり仕事の幅がふえてきていますから、こういう合理化あるいはオートメ化ということが順調に進めばいいのですけれども、その進捗状況がどうなのかよくわかりません。したがって、場合によっては、相当に要員を押えておるから、オーバーがかかってくるのじゃないかと私は思うのですがね。そういうわけで、百十九億という給与費というものが、全体のNHKの収入の中に占める率は、大体一六%くらいかと思うのです。七百四十二億の収入ですから、収入に対しては大体一六%くらいしか組んでいないので、こういう面からいっても、私は給与費というものを余分に計上していると思いませんよ。ですから、そこらはひとつ十分考えて給与費というものを私たちも審議しなければならぬと思うのですが、そこがまあ協会には日放労という組合があると思うのですが、日放労からはどういう要求が出ているのですか、賃金については幾ら上げてくれという。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○参考人(小野吉郎君) 先ほど私のお答え申し上げましたことにつきまして、いささか食い違いがあるようでございます。私は、私どもが今持っております資料で申しますと、主要新聞社並びに民間放送事業体等の比較におきましては、今日の三十八年度に計上いたしております従業員の給与の関係は、中あるいは中よりもやや上と、こういうふうに考えております。  組合との関係につきましては、在来、新年度の予算を編成いたします場合には、その予算編成時までに経済要求その他の関係を一切妥結へ持っていって、組合と紛争の起きない状況における両者意思の合いました金額を予算に計上するということを理想として運営して参ってきたわけでございまして、在来必ずしもそのようにはいかないで、多少の問題をあとへ残すようなのが通例でございましたが、三十八年度の予算に関します限り、ベース・アップの関係につきましては、すでにこの予算を編成いたします前にその理想の姿のとおりに妥結をいたしております。これは、ベースに関しては、三十七年度におけるベースの七%アップということでこの中に編成済みでございまして、この関係につきましては完全なる妥結を見ておる次第でございます。その他賞与関係につきましては、三十七年度予算においては四・八%——四・八カ月の予算を計上しておったわけでございますが、三十八年度〇・二カ月の原資を増加いたしまして、この予算の中には五カ月分の所要原資が編成済みでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうすると、ことし定期昇給を含めて三千八百円でございますか −組合の要求は定期昇給を含めて四千六百円の要求に対して、協会側からは定期昇給を含めて三千八百円、これで妥結したのでございますか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○参考人(小野吉郎君) 組合の要求は四千六百円でございます。これは、ただいまお説のとおり、定昇を含め、ベース・アップ分を含めたものにおきまして、金額については一人当たり四千六百円、これが組合の要求でございましたが、妥結をいたしました定昇のほかに七%のベース・アップ、この線で申しますと、金額といたしまして三千八百円になっております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 要求は定期昇給を除いて一律四千六百円、協会側は定期昇給を含めて三千八百円、こういうことじゃないですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○参考人(小野吉郎君) そのとおりでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これは幸いにして、予算編成の前に、予算を決定する前に、労使間で妥結した。これは私はよかったと思います。ただ額がどうもやはり食い違いがありますので、この点は不満でありますけれども、一応予算編成の建前からしても、従来にないいい点だと思います。それで、今労働組合との間に、予算が通るということになる前提か前提でないか知らないとしても、それでは上がった三千八百円というものをどういうふうに配分するかということに対して今交渉を続けているようでございますが、皆さんは今、昨年と同じような配分のところまでは妥協してきたようですけれども、もう少し組合の意見を聞くという態度はないのですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○参考人(小野吉郎君) 原資としては妥結を見ておりますが、この原資を各職員にどのように配分をするかという配分上の問題につきましては、ただいま団体交渉を継続中でございますから、漸次いろいろ話し合った上でしかるべき結論に達するであろう、こう考えておりますが、協会といたしましては、必ずしも協会の当初の考え方を一歩も曲げないというものではございません。在来の例から見ましても、組合の立場を十分に受け入れるつもりでございますが、これも一定の限界があることでございますし、ただいませっかく交渉で両者ともお互いに努力を重ねつつある次第でございますので、しばらく時日をおかしいただきたいと思います。  それと、また補足させてもらって、非常に恐縮でございますが、予算全体の中における比率が非常に人件費が低い——お説のとおりでございます。ただ、ここに出ております予算の七百数十億の金の中には、業務関係の経費と建設関係、いわゆる資本関係の経費との間の重複がございます。ネットの予算の額といたしましては、受信料のほかに、外部資金の導入をいたす額が——純予算と見られます受信料の額は、数字をまるくして申しますと、およそ五百八十億でございますが、これに外部資金が八十一億加わりますので、六百六十億、このくらいのところが純計予算でございまして、これに対する割合を見れば、もう少し比率が上がろうかと思います。ただこの場合に、今の八十一億は外部の借金でございますので、通常人件比率を私どもが考えます場合には、業務収入、事業収入でございます受信料収入に対比して考えているわけでございますが、これで申しますと、三十八年度の百十九億何がしの金は、大体二四%くらいの比率になろうかと考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 あなたのような説明をすれば二四%になる。僕のような説明をすれば一六%になる。僕はそういうふうに考えるから言ったので、あなたのほうは、そういう解釈で、できるだけ。パーセントを上げたいと思って、あれもそうでない、これもそうでないと言って、この収入からはずしているわけで、それはあなたの考え方で、僕の考え方は違う。  それで、ことしは、国家公務員の場合を見ても、あるいは公労協の今闘争は妥結していませんけれども、初任給の引き上げについては、公労協が六百円、それから当初人事院勧告の線に基づく初任級についても千円を千五百円に上げておりますね。これは高校、中卒の場合でございますけれども、だからこういう点は、今日人を集めようとしても優秀な人が集まらない、したがって給与の面をどうしても多少考えなければ人が集まらないという現象があると思います。ですから、あなたのほうでは初任給について全然ことしは動かさないという御方針でございましょうか。これは総体的な百十九億という給与費というものがワクがありますから、私はその中でやることについては反対です。ですから、初任給を上げるとすれば、そのワク外から考えなければならぬのですけれども、やはりそういう点を考えて、初任給の引き上げということは私はやるべきだと思うのです。それから多少中だるみの是正という点もありますから、そういう点も考えてやって、要は職員諸君がそこにおいて全力を尽くしてやれるようなやはり態勢を作ることが何といっても経営の一番大事な点だと思いますから、何とかそういう点も考えられないものかという点、初任給の問題や中だるみの問題は今私の申したような線に沿ってやる気持はあるのでございましょうか、ないのでございましょうか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○参考人(小野吉郎君) ただいま団体交渉中の問題でございますので、明確にここでお答え申し上げるのもいかがかと思いますが、せっかくの御質問でございますので、ざっくばらんに申しますと、初任給をどう設定するかという問題は、特に優秀な人材を、人を集めて、質のいい企業運営をやらなければならぬ、そう思っておりますだけに、できるだけ初任給を有利にするということが必要であろうと思います。そこに給与の格差等がありますと、なかなか人材は集まらないのでありまして、同じ放送事業体にしても、NHKよりは他のほうをとる。また、放送自体ではございませんが、同じマスコミで、NHKよりか新聞社のほうがよければ新聞社のほうをとるということで、給与ベース全体の関係については、漸次改善をいたしておりまして、まだこれで理想的だというところではないかもわかりませんが、初任給の面につきましては、NHKはそのような情勢に対処いたしまして相当な配慮をいたしております。そのような面で、高校卒、大学卒につきましても、他の企業体と比較いたしましてこの面では格段の配慮をいたしております。むしろ、この面のみを見て、いかにも給与がいいのではないかというような、非常にやはり誤解されやすい気持も持っております。私どもとしましては、これは給与の総額をいかに割り振るかという問題でありまして、できるだけ初任給において、魅力のある初任給をもって優秀な人材を吸収したいということで、この面を比べてみれば、決して他に遜色のないと申しますか、非常にいいのではないかということで、初任給を設定しております。このような情勢でございますので、まだ団交で話し合う問題でございますが、私どものぜひ三十八年度についてはこうありたいと思っております今の態度は、三十八年度に関する限り、現在の初任給は据え置きをいたしたい、このようなつもりで思っておるわけであります。中だるみの不合理につきましては、もしあるとすれば、これは至急に是正する問題であろうと思います。団交との関係において、そのような不合理を是正するにやぶさかでないのであります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 私も、団体交渉に差しさわるようなことは言いたくありませんし、またここで団体交渉をするつもりはないのですから、希望意見として聞いておいていただきたいと思いますが、あなたはそうがんこに……、初任給についても、NHKというものがそういう初任給であるということは、それはみんな知っているでしょう。世間ではとかく批判をする人があるようですけれども、私はやはり、協会の将来に向かって、優秀な人材を集め、公共放送としての使命を十分に発揮するためには、何といっても、これは人的要素を確保する意味において私はけっこうなことだと思います。だから、それよりもなお、こういう状況になっているのだから、もう一歩工夫をこらすということを私は考えていいと思います。もちろん、公共放送なるがゆえにまた逆にいろいろな目で見られる場合もあるでしょうけれども、人事管理の面からいえば、私はあえて他の批判をそう気にすることはないと思うのです。ですから、この初任級の問題を含めて、特に労働組合のほうは配分問題については一律四千六百円という要求を出しておりますので、この配分はおそらく難航すると思う。だから、私は、昨年程度のバランスは最低限必要であるし、なおそこに労働者、労働組合側の言う意見も十分に聞いてやって、そうして少しでも労働組合の意見のほうに近寄るようにこれはひとつ御配慮いただきたいということをこの機会にお願いしたいと思うのです。  それから、これは今直ちにということは無理でございますけれども、私は毎年このNHKの予算を審議しておって非常に矛盾を感じておるのは、一般の国家予算と同じように、予算総則なるものがついておる。で、その各項の流用については経営委員会の議を経るということはいいと思いますけれども、特に給与については他の項目との彼此流用を禁じておるということ、これは私は非常に大事なことであって、NHKの公共企業体経営というのはやや理想に近いものだと思います。ですから、一方においては団体交渉というものがある、一方においては給与総則において縛られてしまっておる。今日の公労協のように、どうにも労使間の自主的な解決ができないような格好になっておることは、実際には、団体交渉権を与えても、それを否認しておるような格好になっておるのですから、私はそうは言っても、むちゃくちゃにやれということじゃないのですから、この第四条ただし書きについては多少修正を加えて、この第六条の予備金の支出についても、この給与的なものを私はある程度弾力的に経営委員会の議を経て使い得るような、給与についてもそういう方法がとれるようなことを考えておく必要があると思うのですけれども、これは途中で経営委員会の承認を得れば予備費から出すということはできませんですか。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○参考人(小野吉郎君) 予備費の建前としまして、現在までのところ給与にこれを使っておりませんし、将来もこれを給与に使うことにつきましては非常に問題があろうかと思います。ただ、七条、八条の規定がございますので、こういった面を非常に活用いたしまして、在来もあとう限りの給与改善の要望に沿うような措置はとって参っておりますが、将来といえども、そのような条文を根拠にいたしまして、できるだけの配慮をいたして参りたいというように考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 この七条は、これはやはり特別の給与ですから、手当を少し上げるとか、何かそういうことでしょう。だから、基本的な給与を上げるということは、もう結局この給与費というものが承認されればどうにも動かせない、そういうことなんですよ。だから、私は、経済情勢やその他の変動がある場合だって予想されるのですから、何も組んだから使えというわけじゃないのですよ。そういう中で、多少弾力的に、団体交渉によって労使間がどうしてもこうしなくちゃならぬと決定したら、自動的にそれが執行できるような、そういうことを考えたらどうか。しかも、それも、あまり経営委員会というものを抜きにして執行部だけでやるというのも、これは問題があると思いますから、そこには経営委員会が存続するのですから、経営委員会にお諮りして、そこでこの程度は一般的情勢からやむを得ないというようなときには、次年度の予算に組まなくても、この中で道を開くということも、労使間の交渉を円満に解決する一つの方法だと思うのですよ。これは研究課題になるかもしれませんが、私はNHKの予算というものはそのくらいの弾力性を持たしてしかるべきだといつも思っておりますから、今後もひとつこのような方法については大いに検討して、そのような方向に努力していただきたいと思うのです。

小野吉郎日本放送協会専務理事

○参考人(小野吉郎君) 御趣旨を尊重して善処して参りたいと思います。協会といたしましては、何しろ補正予算を組むようなことがございません。そういう関係で、予算編成までに十分その点に対する認識を持ちました上で、給与関係の予算計上については最大限の努力をいたすことはもちろんでございます。そのようなことは在来もいたしておるわけでございますが、一たん予算が組まれましたあとにおいても、御趣旨の面は十分に可能な限りにおいて努力をいたして参りたいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 給与の点は、重ねてひとつ、今後団体交渉で円満に解決をされるように強くお願いしておきます。  それから、NHKの放送番組の中で、外国テレビ映画の占める。パーセンテージというのはどのくらいになるのでこざいましょうか。——電波監理局長、民放とNHKと大体わかっておりますか。外国映画はテレビに放送している全体のプログラムの中でどのくらいの。パーセンテージがあるかおわかりですか。

西崎太郎郵政省電波監理局長

○政府委員(西崎太郎君) ここに民放のはございますけれども、あとで資料として提出させていただきたいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 パーセンテージは出てないのですか。

西崎太郎郵政省電波監理局長

○政府委員(西崎太郎君) ここにあります資料では、在京の民放でございますが、四つのテレビ局のこの一月における比率でございますが、東京放送が一二・一%、それから日本テレビが一五・六%、日本教育テレビが一二・八%、フジテレビが二〇・九%、四社平均が一五・三八%。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 NHKはわかりましたか。

吉田良直日本放送協会放送業務局長

○参考人(吉田良直君) 外国映画の本数は七百本程度でございますけれども、それが全体に占める。パーセンテージは手持ちがございませんので、後刻お答えしたいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 七百本というのは、これはいつ入れたのですか。

吉田良直日本放送協会放送業務局長

○参考人(吉田良直君) 三十七年度の年間の放送本数でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 今協会がお持ちになっておる本数は何本ですか。三十七年度にこれは放送した本数ですが、今おたくのほうで外国テレビ映画を持っている本数は何本になるのですか。

吉田良直日本放送協会放送業務局長

○参考人(吉田良直君) 現在三十八年度の予定として百本用意してございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 吉田さん、そういうふうに答えてもらったのではわからないのです。質問に答えてもらうのには、三十七年度中に七百本の本数でテレビで放送したというわけでしょう。だから、あなたの協会で持っておる外国映画のネガですね、要するにフィルムというものは幾つありますかということを聞いているのです。あなたのほうの保管している。

吉田良直日本放送協会放送業務局長

○参考人(吉田良直君) 外国映画の種類でございますか、放送の番組の種類でございますか。手持ちの数は、大体劇映画を百本持っております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それでいいのです。百本持っておって、その百本を七百本分やったということは、そうすると七回やったということになるわけですね。

吉田良直日本放送協会放送業務局長

○参考人(吉田良直君) 御承知のように、テレビにはいろいろの種類の番組が出ておりまして、その番組を継続してやりましたものが七百本ございまして、現在放送しておりますものを除いて、手持ちとして随時、野球の番組を組んで雨が降ったとき——日曜日とか、やるという用意をしておるものが劇映画百本、こういうことでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 わかりました。そこで政務次官、郵政省は、これはNHKに対してはどういうふうにしたか知りませんけれども、民放連に対して、番組編成上特に外国テレビ映画については留意をしてほしい、こういう要請を出したというふうに聞いておりますけれども、そういう要請は民放連だけに出したのでございますか。NHKのほうにも出したのでございますか。

保岡武久自由民主党郵政政務次官

○政府委員(保岡武久君) 番組自主規制の建前から、要請をするということはいたしておりませんが、何かの懇談会みたいなときにそういう話をしたことはあるようであります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これは局長でけっこうですけれども、何かのときにというのは、どういうふうなときにやったのですか。

西崎太郎郵政省電波監理局長

○政府委員(西崎太郎君) 定期的に民放連の理事の方々と懇談するような機会があったわけでございます。そういうときに雑談的に意見の交換をした、こういう意味でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうすると、雑談的に言ったということは、これは西崎個人の考え方であるのか。あなたは少なくとも政府の一当事者ですから、電波監理局長というからには、役職があるわけですから、集まった人はどう受け取ったとしても、西崎電波監理局長がそういう意見を述べたということになると、やはり向こうでは、要請したのだというふうにとるのじゃないですか、常識的に。雑談しっぱなしで何の権威もないものだというふうにこれは理解していいのですか。

保岡武久自由民主党郵政政務次官

○政府委員(保岡武久君) 電波監理局長として出席いたしておりますから、大体そういう批判が世の中にあるのだ、ある程度是正すべきではないかというような影響を与えたことは間違いないと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それは政務次官、そうだと思う、常識的に言うと。それはまた、そういうふうに考えたから言ったのだろうし、また聞いたほうはそれをそう思ってくれなければ、これは何にもならない。ただそこいらの無責任な、酒飲んでしゃべるものとは違うと思うのです。ですから、そういうことは、自主番組編成の立場から、なかなか問題があるのだろうが、いい意味における要請的な指導——というと、ちょっと問題があるかもしれませんけれども、両者がお互いに意見を出し合って、どうしたらそれではうまくいくかというようなことをお考えになることは、私は悪いことじゃないと思うのですよ。ですから、特に貿易の自由化等が激しくなって、ますますこれは外国からのフィルムは入ってくると思うのです。そういう場合に、国内において作成している、そういう方々もあるわけです。ですから、できるだけ日本の国内において撮影したものを使うとか、あるいはもう少し進歩したものを作るとか、NHKがやっているような海外取材なんてことも、これは金は相当かかるようですけれども、思い切ってみずからの手でもって現地をカメラにおさめて、国民にこれをなまのまま知らせてやる。日本国民は、アメリカに行かなくて毛、東南アジアに行かなくても、大体こういうものかというくらいのことは直接つかめるわけです。ラジオのボイスではよくわかりませんですから、そういう点、カメラの、テレビの特性があると思うので、そういう意味において、できるだけ自主番組というか、国内のものを育成して活用するということが私は一つの筋だと思うのです。現にカナダでは、アメリカ製の番組というものが非常にはんらんをしてしまって、国内の番組育成を妨げている現実が出てきている。そのパーセンテージを見ると、外国番組は四五%以上にいってしまったのですね。そういうふうになってしまったので、実はカナダ政府では法律まで作って、外国番組は四五%以下でなければならぬというところまで規制している国もあるのですよね。わが国において、今こんなことをやったら、たいへんなことになりますから、これはまあこれからの経済がどう動いていくか、場合によったらそういうこともあり得るかもしれませんけれども、法制の建前から今はそういうことはとれない。とれないからこそ、そういういろいろな機会をとらえて局長はやっているのでしょう。私は、そういうことは意見として、やっぱり話をしていただいて、民放連にも聞いてもらって、できるだけその方向に持っていっていただくということはいいと思います。だから、そういう意味で、日本の国産のテレビ映画の育成というようなことも一方でやっぱり考えるような指導を私はやるべきだと思うのです。ですから、監理局長はひとつ、こういう考え方を私はいいと思いますとか  行き過ぎると、これはまたたいへんなことになりますけれども、その辺のことは良識がお互いあるのですからやっていただくことにして、それらの問題においてもぜひもっと御配慮いただいて、少なくとも、法律を作ってやるというようなことは考えていないと思いますが、ある程度の御協力をいただくという意味において要請をしていただくということはいいと思います。

吉田良直日本放送協会放送業務局長

○参考人(吉田良直君) 先ほど私鈴木先生にお答えいたしました七百本という中身を、誤解いただくとあれかと思いますので申し上げますと、一週間に例をとって申し上げますと、教育テレビで「弁護士プレストン」、それから第一の土曜日の「看護婦物語」、そういう種類を五種類教育放送等を通じてやっておりまして、その一年間の合計と、それから臨時にやります劇映画1・穴埋めの劇映画と申しますか、そういうものを合わせて総トータルで年間七百本という意味でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それから、ラジオ、テレビとも、教育放送番組にかなり真剣にNHKは考えていただいているのですが、これは私もけっこうだと思います。さっき新谷委員からも御質問があったようにちょっと私も伺ったのですが、この前御質問いたしましたNHKの通信制の学園、高等学校の教材として使われるテキストですね。これはでき上がっていると思うのですけれども、きょう持ってきていただけましたか。この前たしかお願いしておいたと思いますがね。まだできていなければ、やむを得ないのですけれども。

吉田良直日本放送協会放送業務局長

○参考人(吉田良直君) テキストは、今印刷中でございますので、まだできていません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それではひとつ、どんな骨子でやろうとするのか、説明していただけませんか。

前田義徳日本放送協会専務理事

○参考人(前田義徳君) 教科書につきましては、文部省がきめております普通課程の教科書が使われるわけでございます。これに対しまして、放送による教育が主眼でございますので、それの学習書的補助テキストを出したいと、こう考えておるわけでございまして、この補助テキストとしての学習書は、全国通信高校連盟に作っていただくという建前をとっております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 全国通信高校連盟ですか、それはどういうものでしょうか。

前田義徳日本放送協会専務理事

○参考人(前田義徳君) 全国通信教育研究会という名前でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 全国通信教育研究会でその印刷をして、あなたのほうで発注して、そこで作ってもらうという意味ですか、それとも全部テキストはそこで作ってただでくれるのですか。

前田義徳日本放送協会専務理事

○参考人(前田義徳君) この学習書の編集は、全国高等学校通信教育研究会の編さんによるものでございます。この印刷につきましては、株式会社日本放送出版協会で印刷してもらうという手配をいたしております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 編さんをその研究会にお願いをし、放送出版協会でやることはわかりましたが、それに要する経費ですね、それは協会は、学校のほうに交付する金や、あるいは授業料を徴収しますが、そういうものから支弁するようになるのですか。

前田義徳日本放送協会専務理事

○参考人(前田義徳君) 学校の経営につきましては、学校法人NHK学園から補助する分と、それから生徒の入学金並びに授業料をもって運営することになっておりまして、ただいま申し上げました普通課程の教科書並びに学習書は、それぞれ生徒が自費で買うという建前になっております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 編集とその出版はわかりましたが、それで私がお聞きしたのは、一体どういうふうな内容かということを伺ったのですけれど、その大綱は非常に複雑でしょうから……。いつごろテキストができるのですか。四月十日から授業を始めるでしょう。

吉田良直日本放送協会放送業務局長

○参考人(吉田良直君) 開校までには間に合わせようと努力しておりますので、今月中にはできると思います。四月からの開校に間に合います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうすると、この委員会の審議には間に合わないわけですが、これは専門的に担当している方は教育局長ですか。

前田義徳日本放送協会専務理事

○参考人(前田義徳君) 放送の面においては、教育局長であります。それから学校経営の面においては、ただいま申し上げたNHK学園が作った学校そのものでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 会長はこの学校との関係はどうなっているのですか。

前田義徳日本放送協会専務理事

○参考人(前田義徳君) 会長は学校法人NHK学園の理事長を兼ねておりすす。理事の一名でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうすると、NHKとしてこの学校との関係は不離一体になっておるわけですから、会長が理事長ということで入られて、実質的な仕事はそこでやられるから、特に協会としてこの学校を担当するような理事というものは、理事の中でこの学校を担当するような、そういう職務分類というのはしていないのですか。

前田義徳日本放送協会専務理事

○参考人(前田義徳君) 建前といたしまして、NHKは学校法人の設立に所定の手続を経て出えんいたしましたが、学校の経営はこの学校法人NHK学園が直接するわけでございまして、したがって、この問題についての担当理事というものはおりません。ただ、NHK学園は、法律上の規定に従いまして、理事並びに監事がおりまして、その理事の中に会長及び三人の理事が入っており、監事の一人に一人の理事が入っているわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 長浜教育局長は、そうしますと、直接、間接に、NHK通信学園の教育放送の内容、要するに教育放送をどうしたらいいのかとか、そういうふうなことにタッチできるのでございますか。

前田義徳日本放送協会専務理事

○参考人(前田義徳君) これは実際上はNHKの放送を通じて広域通信高校教育をするわけでございますから、その番組の作成にあたって、この学園側と、あるいは学園の運営のために設けられるいろいろな専門委員会などと密接な関係を保ちながら放送を行なうわけでございますから、その限りにおいて、教育局長は、NHKの教育局長ではありますけれども、同時に、ただいま申し上げた限りにおいて、これと関連を持つということともに、教育局長は学校法人NHK学園のもう一人のただいまのところは監事になっております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 ちょっと前田さん、わからないのは、全国学校通信教育研究会というところでその教材について研究してもらって、そこで編さんしてもらうのだと、そしてそれを出版協会で作るのですけれども、いよいよ具体的にこの教育放送の番組をどの時間にどうするとかというようなことをきめなければならぬわけですね。ですから、そういう段階に、今あなたのおっしゃったような、協会の教育局長であり、学園の監事である——これは今長浜さんやっているのですが、長浜さんがそれにタッチしていくということになるのだが、前段のこの編さんの場合ですね、これは第三者である研究会に頼んであるわけですから、そこで自主的に作っていただいたものを、具体的に番組にどうやっていくかということに、言うなれば、授業時間をきめるような、そういうものにタッチできるのであって、この研究会のほうに自主的にまかせたとすれば、タッチという機会はないわけですね。そこはタッチできるのですか。また、やって、実際のテキストを、今出版まぎわになっておりますけれども、編さんしたのでございますか。第三者に全部まかせたものか、長浜さんが入って、協会の意見というものを入れてテキストを作ったものか、その点はどうです。

前田義徳日本放送協会専務理事

○参考人(前田義徳君) 私の説明が不十分であったかと思いますが、教科書は文部省が認定した普通の教科書を使うわけでございまして、私が申し上げました学習書は、この教科書の解説書でございます。この解説書の主たる作成は、先ほど申し上げましたように、全国高等通信教育研究会の編さんに委嘱してございますが、しかしこれは同時に、十分に番組スケジュールとの関連においてNHKと連絡をとりながら編さんしていただいているというのが実情でありまして、その限りにおいては連絡の責任者は長浜教育局長ということになります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 きょうは長浜さんは見えていないのですね。

前田義徳日本放送協会専務理事

○参考人(前田義徳君) 参っておりません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これは次回の委員会に、私の質問のときに、ぜひ教育局長に私はおいでいただきたいと思うのです。教育局長がお述べになっておる御意見の中で、ぜひ私は伺っておきたい点がありますから、次回には——きょうは来ておられぬのですから、大体どうしてやるかということだけは私わかりましたから、具体的にこれからの方針について、これはまあいずれそのときには阿部会長にもあわせてお尋ねしたいと思いますけれども、次のひとつ委員会に御出席をお願いしておきたいと思います。それでは、大体時間がきょうは中途半端でございますから、またもう一つやると時間が延びますので、大体ここで私きょうは終わっておきます。

光村甚助日本社会党

○理事(光村甚助君) 本件についての質疑は、本日はこの程度にとどめておきます。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十八分散会

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