地方行政委員会 第16号
- 発言数
- 125 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1963/03/28
会議録
○委員長(石谷憲男君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。 初めに、地方税法の一部を改正する法律案、地方交付税法等の一部を改正する法律案、昭和三十八年度地方財政計画に関する件を一括して議題といたします。 前回に引き続き質疑を行ないます。御質疑の方は順次御発言を願います。
○秋山長造君 奥野さんにお尋ねしますが、去年の財政計画で地方の税外負担を解消していくということで、交付税を百億円ですか、組んでいましたね。その百億円組んでやってみた結果はどういうことになったかわかりますか。
○政府委員(奧野誠亮君) 税外負担の解消ということで地方財政計画に一定金額を計上し、そうして地方交付税でその関係の財源賦与をいたしましたが、今お話しになりました三十七年度につきましてはまだ実績はわかっていないわけでございますけれども、こういう措置をとりました結果が、だんだんとこういう考え方が浸透してきているのじゃないだろうか、こう思っているわけでございます。たまたま、三十六年度の税外負担の実績を調査いたしました結果は、三十五年度よりわずかではございますが、税外負担が減ってきているのでございます。財政規模としてはふえているにかかわらず、税外負担としては実額が減っているわけでございますので、やはり相当効果を上げてきているのじゃないだろうか、こういうふうに私たちは考えているわけでございます。具体の数字で申し上げますと、三十五年度が三百五十三億でありましたのが、三十六年度は三百五億になっております。
○秋山長造君 去年の財政需要計画が出たときにも私だいぶしつこく御質問したのですが、今おっしゃったのは三十六年度です。なるほど五十億ばかり前年度より税外負担が減っていることは数字に出ているのであります。ところが、三十六年度はかりにおっしゃるとおりだったとしましても、高校急増対策などの問題が出てきたのは三十七年度からですね、大きく具体化してきたのは。去年の三十七年度で高校新設その他についての費用を大きく一般住民へ転嫁するというような実例がたくさん出てきたんじゃないか。だから、この自治省の数字に現われるような税外負担の漸減方針というものは、三十七年度では相当狂うんじゃないかということを質問したと思うのです。そのときに奥野局長の御答弁は、三十七年度の実態というものはなかなか捕捉しがたい、まあできるだけ早く実態をつかんだ上でまた今後の対策を考えたいというような御答弁があったのですが、三十七年度のことはもう相当はっきりした数字がつかめておるんじゃないかとも思うのですが、いかがですか。
○政府委員(奧野誠亮君) おっしゃっているような問題が、私たちもあろうと思います。ただ、高校急増対策としては、三十七年度からというよりも、私たち自身は、三十六年度から始まっておると、こう思うのでございます。三十六年度から自治省といたしましては地方債計画にとりあえず高等学校の起債を特別ワクとして設けるようにいたしたわけでございます。国庫補助金の増額とかいうような形で五カ年計画を作り出しましたのは三十七年度からでございますが、実際地方団体としては三十六年度から始まってきているのではないかと思います。したがって、また、税外負担の面におきましても、三十五年度が高等学校の分が九十一億でありましたのが、三十六年度は九十二億と、むしろわずかではありますがふえております。今のようなことから税外負担がふえては困りますので、国として全体計画を作りまして財源措置をする。そのほかに、土地の購入費のようなものについては、府県が購入する限り全額地方債をつけましょうというような態度で、三十六年度は二十数億、三十七年度は四十八億円の地方債を認めておるわけでございます。これも税外負担を少なくする一助にはなっておるんじゃないか、こう思っているわけでございます。ただ、地方債をつけましても、元利償還額を地元に持たせるような裏約束をしている団体がかなりあるようでございます。それを心配いたしまして、府県が元利償還額を負担するものでなければ地方債をつけない、そういう約束をしてもらいたいということで、私どもでは、率直に申し上げまして、一筆は取っているわけであります。一筆は取ってあるわけでありますが、どうも裏約束はしているようでございます。同時に、これだけではいけませんので、地方財政法を改正いたしまして、府県立の高等学校の経費については地元に転嫁してはならないということにいたしたいと考えまして、近くその関係法律を国会に提案をするという予定にいたしておるわけであります。
○秋山長造君 局長のおっしゃる裏約束というのは、まあ規則でいえば裏約束ですが、裏約束がほんとうに中央へくると裏約束になっているけれども、地方へいくと裏約束のほうが表約束で、自治省のほうで真正面からおっしゃっていることがむしろ地方ではそれは一つの含みぐらいなことで、現実にはやはり高校急増対策にしても、それからまた去年も、この委員会でも、文教委員会でもやかましかったのですが、国立工業高等専門学校ですか、あれの費用なんかも、荒木文部大臣もここへ来られて、ことしのことはやむを得ぬが、来年からは改めるといってだいぶ大みえを切られたのだけれども、実際にはことしあたりだって十二校ですか、第二次の設置がきまったわけだけれども、その経費なんかというものは、もう県が相当負担し、さらにまた相当部分を市町村に全部頭割りに負担をさせるというような形であるから、さらにそのはけが一般住民に行くというような形で、ちっとも改まっていないのじゃないですか。その裏道のほうが依然としてまかり通って、あなたのほうで地方財政法を改正されるとか、あるいは交付税に税外負担の解消に引き充てるため百億が組まれたというようなことは、全く実際にはきいてはいないのじゃないですか。
○政府委員(奧野誠亮君) 理想的な財政運営の姿を頭に置いてわれわれ考えます場合に、秋山さんがおっしゃったように、まだまだ問題が多いというように言わざるを得ないと思います。ただ、過去の財政運営から現在の姿を見て参りますと、この数年非常な前進の仕方をしていると思います。やはり財政全体がよくなってきておるものですから、漸次姿勢を正してきていると思います。現在の姿におきましてやはり姿勢を正すというところに一番力を置くべきではないであろうか。正しい姿になって初めて的確な財政運営の批判ができると思うのであります。だんだん財政がよくなって参りますと、税につきましても、雑税の整理をしたり、ほんとうにあるべき負担を考えながら税制を考えていくことができる。同じように、あるべき姿を考えながら財政運営をしていくべきだと思うのでありまして、その理想の姿からいいますと、十分ではございませんが、との数年前と今と比べてみますと、非常によくなっておるんじゃないか。国の負担におきましても、自衛隊を持ってくれば自衛隊の土地は地元で寄付する、学校を作る場合には土地だけではない建築費まで地元が持て、というような姿がだんだんとよくなってきている。私は決してこれで満足ではありませんが、もっともっと努力しなければならないと思っておりますが、やはりよくなる過程にあると、こう考えておるわけでございます。
○秋山長造君 いずれにしても、あなた方が努力をされた結果がおくればせながら多少ずつは効果を現わしているという事実は、それはあるだろうと思う。それは私も多といたします。多といたしますが、ただ、たとえば現在の地方財政法でも、これを厳格に忠実に守るつもりなら、あの国立工業高等専門学校なんかの地元負担の問題なんというものは、相当あり方が違っているはずです。にもかかわらず、それが事実上惰性的に行なわれておる。ですから、今度地財法を改正されてはっきり高校の建設費についてうんと具体的に入れられるわけですか。そのくらい入れても、これはよほど徹底してやらないと、今までは大っぴらにやっておったのを、多少うしろめたさを感じながらやる程度で、やはり裏約束のようなことが実際にはまかり通るおそれが大いにあるんじゃないか。それは地方が別にけしからぬとばかりは言えないので、地方財政の実態も苦しいからやむを得ずそうなるけれども、私は、交付税を組むにしてももう少し徹底した額を組んでいくとか、それから高校急増対策にしても、国立工業高等専門学校の設置にしても、少し何か効果的な対策を政府として政府の責任においてやっていかれるということをやらなければ、なかなか悪循環で、少しずつはそれはおくれおくれにも改善されていくとはいうものの、法律を変えたからといってすぐそれでもう問題が片づくということにはならぬじゃないかという気がするのですが、その努力は大いにいたさなければなりませんが、たとえば税外負担の数字にしても、三十五年度の三百五十三億円、三十六年度の三百五億円という数字というものは、この数字そのものを疑うわけではないのですけれども、これはただ府県を通じて報告を出さしてそれを集計するというようなことでなしに、相当のつっ込んだ調査をやった上での数字なんですか、どうですか。こういうものは、真正面の議論になると多少のうしろめたさがあるから、だから表向きの筋で報告を出したりすると、これは氷山の一角しか出て来ぬのじゃないかというようなおそれもあるのじゃないですか。去年たしか、局長から、直接自治省が自治省自身の手で適当なものを抜き出して、それで自治省が直接行って調査するというような徹底したこともやられるというような、そういう答弁があったような記憶があるのですが、そういうことをおっしゃったんじゃなかったのですか。
○政府委員(奧野誠亮君) 今申し上げました数字の調査は、各府県の担当者を集めまして調査要領を説明する、そうしてそれに基づいて調査をしてもらった結果を検収するという格好でまとめた数字でございます。自治省みずからが現地におもむいてということはいたしておりません。しかし、今申し上げましたような方法を講ずることによりましてかなり正確な調査ができているのじゃないかと、こう思います。ただ、御指摘のように、市町村からそれに基づいて報告してもらっただけの数字には違いございません。 ただ、税外負担がだんだん減ってきているということについて秋山さんが御疑問を持っておられるようでございますけれども、私たちから見て参りますと、相当急速度に税外負担の解消が進んできておる、こう思っておるのでございます。各府県におきまして予算編成をいたします場合におきましても、相当多くの府県において前年度よりもさらにこれを少なくするという努力をしているようでございまして、たとえば、東北では山形県が、高校急増対策については地元に一切負担をかけないという方針をとり出したわけでございます。また、ほかの県におきましても、府県道の改修について地元に一部負担さしておったその率を下げるとか、あるいは全廃するとか、逐次そういうように税外負担のもとをやめていくというような施策をとって参ってきておるようでございます。
○秋山長造君 そうしますと、財政局長のおっしゃることを私そのままそのとおりだと言いたいけれども、どうも私はそこに疑問をまだ持っているのですよ。それは、篠田大臣なんかだってしょっちゅう地元へ帰られれば、これはおそらく理屈でなしに、身にしみておられる点が多々あると思う。で、そういう事態がなかなか改まらないということについては、根本から言えば地方財政が苦しいことがもう根本ですわね。自治省のほうでは、地方財政はますます好調だ、よくなっておるというようなどうも見解を持っておられるようですが、地方財政計画についていただいた資料の四ページ、歳入歳出の構成比という表がございますが——私大臣にも聞きたいと思ったのですけれども、ちょっと時間の関係があるから、鈴木さん、大臣に先に聞いて下さい。ちょっと私の質問をやめて鈴木さんに……。 —————————————
○委員長(石谷憲男君) 委員の異動につい報告いたします。 三月二十八日付、安井謙君、上林忠次君が辞任、後藤義隆君、松野孝一君が選任、以上でございます。 —————————————
○鈴木壽君 では、お許しをいただいて、ちょっと大臣にお聞きします。 実は、先だって秋山委員から、今回の地方選挙にあたって、たとえば中央と直結する政治でなければならぬとかというようなことで、いわば利益誘導めいたことでいろいろ選挙運動をやっている、こういう話が出まして、それについてどうかというお尋ねがあったので、大臣からその点はっきりお答えがあったのでございますが、それと関連するようなことで実はそれ以上に何かここで持ち出すことがばからしいような問題でありますけれども、最近こういう事例があるので、それを一つ申し上げて、特に担当大臣としての所見をはっきりここでお述べ願えればありがたいと思うのですが、今私ども審査をいたしております交付税に関係することなんであります。ある市の普通交付税の額は、まあ額は私は例として申し上げますが、四億円である。そこの市は自民党の市長である。ある市の交付税の額は六千万円で、これは社会党の市長である。自民党の市長の市は四億円もの交付税の配分をもらっているのだが、社会党の市長のところは六千万円しかもらえない。非常な大きな違いが出てきている。しかも、これは市民一人当たりに割ればこれくらいの額になるのだということを印刷物にしてばらまいているところがある、今市長選挙を控えて。きょう私ここに持ってきませんが、あまりばからしいことで、まともにここではたして事実かどうかというようなことを、そういうことがあり得るかどうかというようなことを取り上げるには恥ずかしいような話なんでありますけれども、そういうことが行なわれている。これは、交付税の建前がちょっとでもわかる人からすれば、今言ったようにばからしいことなんでありますけれども、しかし、一般の市民なんかは、そういうものかというようなことになってくるわけなんですね。これはひとつ自治大臣として、交付税の交付が、首長が自民党であるから、あるいは無所属であるから、あるいは社会党であるから、そういうことによって区別をする交付ができるものかどうか。いま一つは、選挙関係を担当しておられる大臣としてこういうことがやられて一体どうなるのか。こういう二点についてひとつはっきりお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(篠田弘作君) ただいま鈴木さんの御質問でございますが、これは、あなたも御承知のとおり、自民党の市長であるから、社会党の市長であるからというようなことによってそういう区別のあるべきはずがございません。もし交付税に差があるとするならば、それはその市の基準財政需要額の相違によるものと思われます。そういう違った条件のもとにある市を二つ並べて交付税の額だけをとって選挙に利用し、あるいはまた人を惑わすという行き方は、もし本人が本気でやっているとすれば交付税に対する無知か、あるいはまた、それを承知の上でやっているとすれば、選挙としては非常な悪質な運動と言わざるを得ない。選挙法に触れるか触れないかということは研究してみなければわかりませんけれども、少なくとも、とにかくやっておるとすれば、相当悪質な選挙運動である、こう断ずるにやぶさかではありません。しかし、そういう事実が、どこでほんとうにどういうふうにあったかということは、私存じません。あなたのおっしゃるとおりの事実があるとすれば、それは今言ったようなことでございます。
○鈴木壽君 時間がないようでございますから、簡単にこの問題は一応切り上げたいと思いますが、これは今大臣から御答弁がありましたように、交付税の交付というものは、基準財政需要額あるいは基準財政収入額というようなものからはっきりしたいわば法令に定められた算出の仕方をして出てくるのでありますから、市長がどの党派であるかというようなことでは違いが出てくるはずのものでないだろう、こういうことだと思いますが、そのとおりだと思います。 それからいま一つの、そういう文章をばらまいておるのは、これは今秋田市にあるのです。これはひとつお調べになっていただけませんか。これは、名前が自民党の秋田市支部という名前で出た紙ですね。そういう数字をあげてやっておるのであります。今言ったようにまことにばからしいことで、こういう委員会にこういう問題を取り上げることすら私恥ずかしい気もいたしますけれども、しかし、こういうことが平気で行なわれておる。こういうようなことは、私ほうっておけない問題だと思うのです。これが選挙法に触れ、あるいはどういう罪になるかわかりませんが、ひとつお調べになって、場合によっては、こういう問題に対して、政府としてあるいは自治省としての見解をはっきり何かの形で表明してもらいたいと、こういうふうにすら思っておるのでありますが、この点、ひとつ最後に。
○国務大臣(篠田弘作君) 調べまして、そういう事実があれば、これは注意をしたいと思います。しかしまた、選挙ですから、そういうばかげたことをちょうどいい材料にして社会党が攻撃されることも一つの手じゃないですか。
○秋山長造君 財政局長、引き続いてお尋ねいたしますが、自治省としては、地方財政の健全な姿というものは、歳入構成なんかどういうふうな構成になった状態が健全だと、望ましいというふうにお考えになっておりますか。と申しますのは、去年安井自治大臣のころだったと思うのですが、去年は、歳入構成の中で地方税が三十六年度四〇%だったのが四一%になった、一%上がったということを非常に強調されたわけですよ。それだけ自主財源が充実してきたんだと。ところが、今年は、また四〇%に戻っているのですね。そういう事実と、それからもう一つは、一昨日林さんの交付税の税率というのはどの程度が適当と考えておるかという質問に対して、奥野さんは、交付税の税率というようなものは、なるべく小さいほうがいいんだ、そのほうが地方財政の健全性に近いのだというような御答弁をなさっていたと思うのです。そこで、交付税を見ますと、三十六年度が二〇%、三十七年度が二〇%、今年は今度は二一%と、こうなっておりますね。そういう前の安井自治大臣の当時の御答弁と、一昨日のあなたの御答弁とつき合わせてみますと、この表を見ると、必ずしも財政計画の説明にあったように改善の一途をたどっておるということが言えぬのではなかろうかというふうな疑問が出てくる。そこで今のようなお尋ねをしたわけです。
○政府委員(奧野誠亮君) 地方財政の構造がよくなるよくならないというのは、私たちは、歳出の面におきましては、できるだけ投資的経費に財源を使えるような姿を期待しておるわけであります。歳入の面におきましては、地方団体が自分の考えで仕事ができるという意味で、一般財源の比率が高まってくるということを期待いたしておるわけであります。同時に、地方財政全体がよくなればそれでいいわけのものではなくて、個々の地方団体の姿がやはりよくなれるような方向に持っていかなければならないと、こう考えているわけであります。 御指摘のように、三十八年度は、前年度に比べまして地方税うウエートは若干下がって、地方交付税のウエートが若干高くなり、一般財源全体としては同じ姿だということになっているわけでございます。地方税のウエートが若干下がった原因は、法人事業税とか法人税割、この伸びが鈍化した、ここに原因があるようであります。こういう税収入は、比較的先進の地方団体に収入が多いわけでありまして、どちらかといいますと、不交付団体のほうに多く帰属しておるものでございます。そして、地方税のウエートが低くなって、地方交付税のウエートが若干高くなった。しかし、中を洗ってみれば、今申し上げましたような姿でございますので、全体として地方財政の姿が三十七年度よりも三十八年度のほうが悪くなっているというふうにきめてかかる必要はないのじゃないか、大体同じような姿で推移していると、こう判断していいのではなかろうかと、かように私たちは考えているわけであります。
○秋山長造君 それからもう一つ、地方の自主財源として、使用料、手数料、あるいは雑収入というようなものがあると思うのです。その使用料、手数料、雑収入なんか、これは込みで申し上げるわけですけれども、三十六年度は八%あったのが、三十七年度は七%になり、さらに今度は六%に下がってきましたね。そういうこともやっぱり地方税や交付税とあわせて考えなければならぬのですね。そういう面からすると、なるほど地方税と交付税とだけなら別に悪くはなっていません。格別によくもなっていない。まあ現状維持という数字にはなっていますが、雑収入を加えますと、やっぱり自主財源の構成比というものは落ちているという数字になっている。この点については、この表は、府県も市町村も、また、富裕団体も貧弱団体も、全部込みで出ている数字ですから、だから、これだけをもって一がいにどうこうということは言えぬということはよくわかるのですが、しかし、毎年度の構成比をずっと経過的に比べてみますと、どうも地方税というものもこの辺がもう限度じゃないか、もうこの辺で頭を打ってしまって、それ以上どうもどうにもならぬという状態にきているのではないか。そこで、その穴埋めとして交付税の税率をいじったり、その他いろいろなことを窮余の策として考えて、そしてつじつまを何とか一年々々合わせていくというような状態で何とかこの壁を破る抜本的な制度の改正なり何なりというものを考えざるを得ぬ事態にきているんではなかろうかというような感じがするのですが、その点、税務局長はどういうふうにお考えになっていますか。地方税というものが一つの壁に突き当たっているという感じがどうも私はしてならぬ。一進一退というところですからね、ここ数年の自主財源の構成比が。
○政府委員(柴田護君) 昭和三十八年度の地方税につきまして、三十七年度から三十八年度にあまり変わらぬのじゃないか、こういうお話でございますが、この原因につきましては、先ほど財政局長からお答え申し上げましたとおりで、法人関係の伸びが非常に悪かったということが主因でございます。地方税自身といたしましては、実際問題といたしましてさらに増徴の余地があるかないかという問題でございますが、国民の租税負担全体が、国、地方を通じて限界にきておる。むしろ軽減合理化という形において検討されなければならないような状態にきているといわれております。われわれも全体についてはさように考えますけれども、国と地方との間の税源の再配分という問題になってきますと、全然余地がないとはわれわれは考えておりません。まだいろいろ余地があるのではなかろうか。したがって、税制調査会におきましてもそういう方向で検討を今続けておりますし、具体的にまた事務の再配分等を通じて税源の再配分という問題も今地方制度調査会等において検討されておるわけでございます。もっとも税源の偏在という事実はあるわけでございますが、税源の再配分ということだけでもって地方税源の充実ということをはかっていくわけには参らぬかもしれません。どうしても税源のないところにつきましては、税源の発掘と申しますか、開発を進めまして、新たな税源を養っていくという努力が並行していかなきゃならぬだろうと思います。しかし、税源の再配分そのものがもう壁にきてしまって一切やりようがないという段階かどうかといいまするならば、私はまだ余地があるというふうに考えております。
○秋山長造君 その税源の再配分ということ以外にないと思うんです、私も。それはもう住民負担をふやすことによって税収をふやしていくというやり方は、これは困るし、また、実際問題としてこれ以上の負担をかけるということは不可能なんです。だから、どうしても国税との税源の再配分ということになると、その税源の再配分ということは、これはもう十年来言われていることですけれども、なかなかこれはすぱっといかんのですが、自治省は何らかの見通しというものを、ことしはいかんけれども、来年はある程度これが改善されるんだとか、三年後には大体どの程度まで行けるんだというような見通しを持っておられますか。
○政府委員(柴田護君) 税源の再配分という問題になって参りますと、当然に国と地方との全体の財源のやりくりという問題になってくるわけでございまして、前提としては事務の再配分と申しますか、事務をどう合理的に配分するか、あるいは補助金についてどう考えるか、負担区分をどうするかといった問題もあるわけでございますので、それらを合わしてやっていかなきゃならぬと考えるわけでございます。現在、補助金等につきましては合理化審議会というのがあるし、事務再配分につきましては地方制度調査会でやっておりますし、当然それらと関連して税制調査会等におきましても税源の再配分という問題はこれは問題にしておるわけでございます。私どもは、そのような各種の審議会の審議の方向等も合わせまして、税源の再配分、税源の配分についての合理化と申しますか、そういう方向で今後とも努力していきたい、このように考えております。ただ、何年をめどにしてやるかということになりますと、今ここで確答は申し上げかねますけれども、機会あるごとにやりたい、こういうふうに考えております。
○秋山長造君 どうも、自治省としても確たる見通しがまだ立ちかねているのが実情だろうと思う。これは自治省だけが幾らあせっても、相手のあることですから、なかなかむずかしい事情があると思うのですけれども、何かそういう将来の一つの相当具体的な見通しというものがないと、今のままで行きましたら、結局、住民税、それからもう電気ガス税ももちろんだめ。その他いろんな税目をずっと税目別に検討して見て、どれ一つとして頭の伸びる税種というものはないわけです。そこで、結局、苦しさに余って、たとえば固定資産の再評価をやりますね、そういう機会にそういうところで何とか少し評価がえを大きくやってそれで急場をしのごうとかいうようなことに、便宜的に苦しまぎれに持っていかざるを得ないということになるおそれが私は来年度あたり出るのではないかと思うのですがね。たとえば、今から問題になっていますが、農地なんかの再評価をどうするかという、そういうところに自治省としてもこれはもう苦しまぎれに活路を求めるというようなことが起こり得るのではないかという気がするのですが、そういう点をどういうように考えておられるのかということ。それから、いろいろ税率を検討してみて、去年も検討してみたわけですけれども、交付税にしてみても、これは財政局長のような考え方からすれば、そうむやみに幾らでも税率を上げていくということもなかなかむずかしい。また、上げれば上げたで、その反面にまた問題が出てくるというようなことになると、結局たばこ消費税あたりを思い切って上げる以外に、当面をあまり付随的な問題を起こさずに切り抜ける方法はないのではないかということにいつも結論がなってくるのですが、その二つの点についてどう考えておられるのか。
○政府委員(柴田護君) 前の固定資産の再評価の問題でございますが、これは、御承知のように、税収入の増加を求めるという立場から起こった問題ではございません。資産間あるいは市町村間の評価のアンバランスを直すという見地から数年前から問題になり、調査会の答申等を得て作業に当たっているわけでございます。この問題につきまして、再評価を通じてどうこうといったような御心配になるような状態になることは避けたい、また、そうすべきでないというふうにわれわれは考えております。地方税収入の多きを望むならば、むしろ他の方法で考えるべきじゃないかという考え方をもって作業に当たって参っております。 たばこ消費税の問題でございますが、たばこ消費税の税率の余地というものは全体的に見て私はまだ余地はあると考えます。しかし、たばこ消費税自身が地方税の独立税源としていいかどうかということになりますと、これは普遍性、安定性に富んでおりますけれども、伸張性に乏しいという欠点がございますので、これを直ちに税源再配分の第一目標というようにあげることはいかがかというように考えております。しかし、もちろん問題にならないのじゃございませんで、住民税の負担の合理化とか、あるいは電気ガス税というような問題のこういった諸税の合理化問題に関連して、当然出てくる問題だと考えておりますけれども、たばこ消費税が唯一だとは考えておりません。
○秋山長造君 議論をしておりますると、結局どうもしりが詰まってきまして、もがいてみるだけのようなことになるのですがね。 もう一つ、はっきり見解をただしておきたいのは、八方ふさがりで地方の税収入というものがなかなか急激な伸びは望めないということになると、あの一千億円近い特別措置による減免ですね、地方税の。ああいうものが、それは一つ一つ議論しておれば結局は現状維持というようなことに陥ってしまうのですけれども、これだけ税の議論のたびにほかの人からイの一番に問題にされておる。国税についてもそうですが、地方税についても、聞きおればもっともらしい事情はあるけれども、やはり大づかみにいって、これだけ常に問題に取り上げられておるものをそのままにしておくということは、どういう事態になってもそのままにしておくということは、どうも私は納得できぬのですがね。ああいうものは、思い切っていきなり全廃というようなことはそれは暴論になるけれども、たとえば、年次計画で、まず三分の一ばかり整理する、それからさらにその次に三分の一整理するというようなことで整理できぬのですか。そういうことによってでも何百億ずつかの財源というものを地方に与えていくよりしようがないのですから、ほかに一ぺんに何千億というような収入の道があるわけじゃないし、その点はどう考えておられますか。税務当局としての率直なる見解を承りたい。
○政府委員(柴田護君) 地方税の非課税規定については、御指摘のようにたくさんあるわけでございまして、総額について千億をこえるというような現状でございます。税だけの立場から申し上げますと、非課税規定がなるたけ少ないのがいいのでございまして、できるだけ整理をいたしたい。しかし、まあ経済政策その他社会政策、諸般の政策的要請から、地方団体の利害を越えて国家的見地から容認されるものについては、そのときどきの政策の必要性に応じて認めざるを得ないと思うのでございます。ただ、現在の地方税にあります各般の規定につきましては、まことに適当な非課税規定ができておるというような実は現状だと思います。われわれといたしましては、お話のとおり整理をいたしたい。整理をいたしたいのでございますが、それについて、どのような考え方に立ってどのような整理の仕方をしていくかということにつきまして、現在いろいろ検討をいたしておるわけでございます。もちろん整理の方向で考えざるを得ないと思うのでございますが、何か一つの原理、原則があってそれに従って計画を立ててお話のように整理をしていく、こういう方向に持っていくべきじゃなかろうか。その原理、原則というものも、明確なものが現在ないわけであります。われわれといたしましても、いろいろ検討はいたしておりますけれども、オーソライズされたものがない。これは年来問題になっておりますものでありますし、また、今までも何回も税制調査会等におきまして論議があったわけでございますけれども、そういう形において結論を得ていきたい。今度の税制調査会では、そういう方向で結論を出してもらいたい。つまり、どのような考え方に立って地方税の非課税規定というものを整理すべきか、どういう方向で非課税規定を認めていくべきか、負担の公平という要求と政策的経済的要請というものの調和をどこに求めるか、こういう形から一つの原則といいますか、考え方というものを明らかにしていただいて、それにのっとって具体的に整理計画を立てていきたい、このように考えております。
○秋山長造君 政務次官にお尋ねしますが、自治省としては、ぜひとも今税務局長のおっしゃったような線を早急にやはり具体化するように心がけてもらいたいと思うのですが、まあそれについても税制調査会の話が出ておるわけですが、去年安井自治大臣のときに、安井さん自身が何回もおっしゃったのですが、どうも税制調査会というものが、まあメンバーその他の事情があって、どうも国税中心主義になってしまって、それで国税をいろいろいじくったそのしりぬぐいというか矛盾を地方のほうへ持ってきて、そして何とか当面を糊塗する程度にしか地方税というものを扱っていないのですね。いつもつけ足しのような格好で議論をされ、答申なんかも、そういう形で、地方税も触れぬわけにいかぬから、ちょっちょっと触れて、申しわけだけに触れておくというような形で扱っている。で、それでは困る、自治省としては非常にそれに対しては不満を持っているのだ、だから、新しい税制調査会の構成についてはよほど考え直さなきゃいかぬ、再検討しなきゃいかぬというような話があったのです。今度の税制調査会の顔ぶれなりあるいは運営方針というものが、一体、一年前に自治大臣がおっしゃったように改まっているのかどうかですね。それからまた、もう少し地方税というものの位置づけ、それから改善されるのかどうか。それから税源配分ということは、いつも抽象的にはうたわれても、実際の税制調査会の答申を見ると、税源配分というものは全くおざなりで済まされているのですね。そういう点の見通しについて御答弁を願います。
○政府委員(藤田義光君) 私は途中から参りましたが、出席後の秋山委員の御発言を聞いておりまして、非常に私共感する点が多いのです。実は、現在の国税、地方税を通ずる法律体制が、どうしてもやっぱり占領中のシャウプ勧告体制の残滓を残しておりまして、まあいろいろ矛盾もあるし、また、最近、統一選挙を前にしまして三割自治というような問題が叫ばれるにつきましても、地方自治体の財源の現状からしますると、税制と財政の根本的な再検討、これはどうしてもだれかやらざるを得ないというような気がいたしております。大臣とも話しておりますが、統一選挙でも終わりましたならば、一回この問題で省議を重ねてひとつ英知を集めて何か将来の構想だけでも至急打ち立てたいというようなことを考えております。ただ、税制調査会の昨年新しく任命されました顔ぶれを見ましても、これは率直に申し上げて、直ちに従来の国税偏重のムードが変わるということを期待することは非常に困難の情勢でありますので、各委員に対するわれわれのPRも相当ひとつ強硬に行ないたいということを考えておりますとともに、先般発足いたしました第九回の地方制度調査会をうんとひとつ活用いたしまして、個々の事務再配分の論議の際におきましても、税制調査会に対して相当の影響があるようなりっぱな御審議を願いたいというととも並行的に考えております。委任事務と固有事務その他の問題に関連してきますと、どうしても税財政の問題が表裏一体になって参りますので、その点も慎重にひとつやって参りたいと思います。ただ、減免に関する特別措置法を至急検討しようというような御発言に対しましても、経済基盤がすでに確立し、減免の必要性が少し弱くなっているという産業も順次出てきておるようでございます。これは秋山委員のお示しのとおり、ひとつ再検討の方向に持って参りたいと考えております。今の国税、地方税を通ずる税制のほかに新税の創設はほとんど不可能でありまするが、この体制内における税源の再配分ということに対しましては、自治省といたしましてもひとつ相当に強硬に主張して参りたい。財政局長から御答弁があったようでありますが、今日の交付税の二八・九%というものに対しましても私はやや不平を持っておる一人でございます現実にはなかなかこのパーセントを増額することは困難でありますが、しかし、不平を持っておるという姿で今後この問題を処理して参りたいと考えております。税制調査会の顔ぶれが前大臣の御発言に沿わない点もございますが、その点は現実に自治省の努力によってひとつ地方税の現実をよく正確に認識していただくような努力をして参りたい、こういうふうに考えております。
○秋山長造君 それから、ちょっと問題が別なことになるのですが、今度の財政計画の中で地方債について地域開発事業債というものが出てきましたね。これはまあそういう名前が出て来たのは今度が初めてなんでしょうけれども、それに当たるものは従来も相当あったと思います。これは三十八年度は四百二十九億ですね。前年度は二百八十七億だと思いますが、そうしますと、その差額が百四十二億増ということになってくる。財政計画を立てられる大きな柱として、やはり地域開発、格差の是正ということに相当重きを置かれる。したがって、国家投資もそっちのほうへある程度重きを置かれることになっているのでしょうが、この百四十二億増したということは、新産業都市の指定、こういうものと関連するものなのかどうかということについて伺いたいと思います。
○政府委員(奧野誠亮君) 新産都市を直接頭に置いてこういう態度をとったわけではございませんので、新産都市のような考え方が生れ出るもとがあるわけでございまして、やはり地方々々において総合的な開発事業をやっていかなければならない。魅力のある都市を建設しながら東京や大阪へ過度に集中するのを防ぐ対策をやる。そのほうが日本の発展のためにやはり結果的にはいいのではないかという考え方もあるわけでございまして、そのことを可能ならしめるように地方債の運用の面からも努力して参りたいということがこのような組み方をいたした基礎でございます。
○秋山長造君 新聞なんかを読んでみますと、たとえば新産業都市の第一の指定が大体十カ所前後。そこで、ふえた百四十二億というものを十で割ると十四億。それから大体新産業都市の指定を受けると一カ所十四、五億の起債が認められるのだというような説明をしているのがありますが、今の財政局長の御答弁によりますと、そんなことは全然ない、あくまでケース・バイ・ケースということのようですが、その点どうなんでしょうね。やはり国の公共事業費なんかの配分の仕方とも関連しまして、これは地方財政にとっては相当大きな問題だと思うのです。また、相当皮算用をしている節もあるし、また、今度の選挙なんかでもこういうものが一つの大きい材料になっているところもあるだろうと思うのですが、その点どうですか。
○政府委員(奧野誠亮君) 新産都市が十カ所だから一カ所当たり幾らというような考え方は、この地方債計画を立てるにあたっては全然考えておりませんでした。むしろ組織面においては事業団構想をとろう、資金面においては開発事業債構想をとろう、こういうことで自治省としては進んで参ってきておるのであります。今まで開発事業は進んでいなかったけれども、新産都市に指定され、積極的に開発事業をやっていくというような態勢が生まれて参りましたときには、さらにそれに対しまして追加起債を計画で考えていかなければならない問題だろう、こう思っております。
○秋山長造君 そうしますと、新産業都市の指定がいつ行なわれるか、いずれにしても五月以降でしょうけれども、それが指定が行なわれ、そうしてそれぞれの建設計画というものがある程度はっきりしてきた場合には、この地域開発事業債のワク内でケース・バイ・ケースで配慮していく、こういうように考えておいたらよろしいですか。
○政府委員(奧野誠亮君) 今論議されている地域は、かなり従来からも開発事業を進めてきているところが多いように思います。そういうものは、この金額を求めます場合にも一応予定をいたしておるわけでございます。また、何にもしていなかったところがかりに指定を受けた、これから計画を立てる、実施に移すというようなことになって参りますと、はたして三十八年度でそれほど多くの資金を使うところまで進むかどうか疑問だと思うのであります。でありますから、今すぐ開発事業債のワクを広げなければならない事態というものは予想されないわけでございますけれども、しかしながら、開発事業債のワクがこれだけだから、せっかく進む開発事業というものをこのワクで押えてしまうという考え方も毛頭持っていないわけでございます。
○秋山長造君 そうしますと、やはりばく然ともしていないんで、ある程度積み上げているんですね、この数字は。そうすると、今問題になっている十カ所がどことどこかということは、これは今言える段階じゃないだろうけれども、そのうち相当個所というものは大体自治省のほうでも見通しをつけて、そうしてそれについての地方債計画というものを立てておられるというように受け取れるわけですが、いつか朝日新聞でしたか、具体的な数字まで、自治省方面からの情報か何か知らぬけれども、出ていましたがね、場所と金額と。あれはどうですか。私はきょう持ってきたんだけれども、今ちょっと見つからぬので。どうも質問がぼやけるんですけれども。
○政府委員(奧野誠亮君) 正直に申し上げまして、一応積み上げたものございます。基礎は持っておるわけでございます。しかしながら、運用にあたりましては、それにとらわれないで、そのときの状態においてそれを弾力的に運用したい、こう考えております。したがいまして、その基礎を外に出すことは厳に戒めておるような事情でございますので、もし出ておるとしますならば、どこかから漏れたんだろうと思いますけれども、全然そういう作業をしていないわけではございませんので、率直に申し上げましていたしております。いたしておりますが、これはあくまでも総額の見込みを立てるための一つのデータでございますので、そのとおり配分するものでもございません。なおまた、開発事業を進めていくにあたりまして、土地を購入する。その場合に、交付公債を相手方に渡すことによって相手の持っておる所有権をこちらにちょうだいする。その場合には、これも地方債でありますけれども、その外でどんどん許可をしていきたい、こう考えておりますので、交付公債を渡して土地買収をする、そういう場合にはこのワク以上にどんどん積極的にやってもらおう、こういう考え方を持っておるわけでございます。そういうことも地方団体には申しておるわけでございます。
○秋山長造君 どうも私実物を持たずに質問するわけだから、ちょっと抽象的になりますけれども、藤田次官はしきりにうなずいておられるから、あなたは見たことがあると思うのだが、大体ああいうものだろうというふうに考えていいんですか、どうなんですか。
○政府委員(藤田義光君) 実はあの新聞が出ました二週間か二十日前に毎日新聞に建設省の案として相当大きく出まして、それから自治省の案として、新産業都市そのものとしては出しておりませんでしたが、地域開発事業債の対象として出しておりましたが、あの建設省、自治省の案と称するものが相当食い違っております。両省から出した案でダブっているところが過半数ありました。おそらく指定は、今白紙の状態でありますから、これから検討に入ると思いますが、ヒヤリングをまだ続けておりますが、終わりましたあと、選挙後に確定するようでありますから、見通しはわかりませんが、各省からダブって重点地区として考えているようなところは有力ではないかと思いますが、ただ、自治省案として出しましたのは、地域開発事業債というものの積算の基礎を出す場合に作った資料の一部ではないかと思います。私もその資料を見たことがございますが、その資料の中には、その他の地区というところにも相当の金額が予定されておりまして、何も十カ所を新産業都市として予定して積算の基礎にしておらないことだけは確実でございます。したがって、あの報道から新産業都市はこういう地区だろうと想像されることは非常に危険である、これもはっきり申し上げて差しつかえないと思います。
○秋山長造君 いや、あの朝日新聞の記事があのまま指定されるだろうとは私も思っていない。思っていないけれども、今の財政局長のお話によると、大体、積算の基礎として一つの総ワクをはじき出す一つの手だてとして、全然抽象的というわけにいかんから、ああいうものを一つの手だてとしてこれだけのものをワクを作ったのだという程度に解釈してもいいんだろうと思います。そうすると当たらずといえども遠からずということにはなるのでしょうね。
○政府委員(藤田義光君) 当らずといえども、だいぶ遠いような気がいたしますが、実はあの十カ所、私も大体地名を記憶いたしておりますが、あの十カ所の次に、新聞にもその他の地区とあって開発事業債を当てる地区の金額が出ておりましたが、これが相当大きい金額であります。あの地区を書いておった十カ所の総計の金額は非常に小さいんです。ですから、その他の地区に非常に重要な意味があるものを、そこを軽視して、新聞が十地区だけを報道している。その他の地区をもう少し掘り下げれば、有力な地区が相当その他の地区に入っておったように記憶をいたしております。
○秋山長造君 今政務次官のおっしゃったその他の地区に相当ウエートがあるという考え方は、私もそれは同感です。今たまたま新産業都市ということだけが正面に出て、あたかも政府のいう地域開発とか格差是正とかいうようなことは具体的にはあの十カ所程度予定されている新産業都市の建設だけだ、あとのもっと小規模なもっと実際にはおくれているところの開発なんかというものはあと回しだ、第二段だというような印象を与えておりましたね。私、それではいかんのではないか。特に自治省なんかの場合は、企画庁なんかの場合と同じ役所でも、若干違いますからね。地方自治体の、大きければ大きいなりに、小さければ小さいなりに、特に小さいところがおくれておるのだけれども、そういうところのいわゆる後進地域の開発といいますか、行政水準の向上といいますか、そういうところにむしろきめのこまかい手当をしていくというのがおそらく自治省の本来の姿じゃないか。また、私らもそういう面をもっと努力してもらいたいと思うのですが、こういう四百三十億にもなる地域開発事業債の使い方ということについては、これはよほど掘り下げて、きめのこまかい配慮をしていってもらいたいと思うのですね。ただ十カ所の新産業都市というものだけを上げてしまって、ほんとうの意味の後進地域の開発というようなものがおろそかになってしまったのでは、これは東京、大阪等その他の都市との格差の是正には若干なるかもしれんけれども、それぞれの地方での格差の是正にはならんばかりでなく、ますます格差を激しくするようなことになるから、そういう点の配慮を、この地方債に限らず、いろいろな面での配慮を特に心がけていただきたい。これはわかりきったことですけれども、重ねて申し上げておきます。その点、財政局長もおそらくそういう方針でやってきておられると思うのですが。
○政府委員(藤田義光君) 全く同感でございまして、昨年の九月指定を受けました全国七十一カ所の低開発地域、あるいはごく最近の機会に御審議願う地域開発事業団等の計画等に対しましても、十分ひとつ考慮したいと考えております。
○鈴木壽君 今度の地方交付税法の改正で三十八年度の基準財政需要額の増加あるいは収入額の増加見込み、こういう資料をいただいておりますが、今度の改正ですね、基準の需要額は総額で千八百六億の増加を見込んでおるようであります。また、基準財政収入額の増加額は八百二十七億、これは交付団体、不交付団体、そういう全部の計でありますけれども、相当な基準財政需要額の伸びを示すことになるわけなんでありますが、これが各地方団体の三十八年度における実際の仕事を進めていく上の金の使い方とどういう関係になるか。これはこれからの問題でありますが、ただ私心配なのは、従来のこういう基準財政需要額と各地方団体における仕事を進めていく上に、これにつぎ込む一般財源との関係から、まだまだ基準財政需要額の見方というものは低きに過ぎるのではないかということを思うわけなんであります。この点、財政局長のほうへ少し抽象的なことで申し上げましたけれども、今までの各地方団体のそういう状況からして三十八年度では一般財源のつけ足しという点、地方団体で非常に今まで苦しんでおる、そういうものがずっと改善されるというふうにお考えになっておられますかどうか、その点ひとつお伺いしてみたいと思うのであります。
○政府委員(奧野誠亮君) 地方財政計画で全体の規模がどう伸びておるかということをおわかりいただいたわけでございますけれども、この数年かなり大きな率で全体の規模が伸びて参っておりますので、行政水準がある程度向上してきている、こう思うわけであります。ただしばしば言われましたように、先進地域の伸びの割合に比して後進地域の伸びの割合が低いじゃないか、これもわれわれ先生方から指摘されているとおりだと考えております。そういうこともございまして、交付税の配分にあたりましては、いわゆる格差是正という意味で、後進地の市町村の財源を傾斜的に引き上げる、こういう方向をとって参っておるわけでございます。こういう方向をとってきているということは、そういう特別な改正を加えなければ、伸びてはきているものの、全体としての潤いが十分でないということでございます。言いかえればやはりこれでよいかと言われれば、なおまだまだ地方財政は今後改善していかなければならない、こうお答えしなければならないと思います。ただそうかと言いまして、国民負担のこともございますので、今のような伸び率で順次改善されながら、そのワクの中でさらに後進地の財源を傾斜的に充実するという方向をとらなければならない、こう思っているわけでございます。しかしながら今のような方向だけじゃなしに、将来につきましては、いつか申し上げたかもしれませんが、基準税率も七割計算じゃなしに、三十九年度以降は七割五分計算を考えてみようかということで検討を始めているわけでございます。したがいまして地方財政が今のような姿で今後も伸びていくような努力をしていかなければなりませんし、同時に財源の均衡化につきましては、従来の方式だけでなしに、もう少し突っ込んだ改正を工夫していかなければならないだろう、こう思っているわけでございます。
○鈴木壽君 私のお聞きしたいことは、ちょっと最初の言い方がまずかったかもしれませんが、ある一つの仕事をする、基準財政需要額を出す一つの、たとえば教育費なら教育費あるいは土木費なら土木費、こういうふうなものを見ていった場合、基準財政需要額ではこの程度の額を見ているのだが、実際はその額では足りない。したがってこれに仕事をしていくためには一般財源の相当額をこれに充てていかなくちゃならぬ。そういう問題があるのでありますから、その基準財政需要額というものをもっと高めておかなければならないのじゃないか。今度三十八年度で税率が高くなりますが、これでもって三十八年度では従来言われたように、あまりに基準財政需要額が実情に合わないとか低過ぎるとかいうような問題について、ある程度の改善、あるいはそういうふうなことについて一つの見通しを持っていられるのじゃないかと思いましたから、その点をお聞きしたがったわけなんです。もう一ぺんできたら……。
○政府委員(奧野誠亮君) おっしゃるように単位費用を見ます場合に、標準団体の標準施設を想定するわけでございますけれども、なお、もう少し充実したいけれども金がないというような問題がないわけではございません。今回もまた小学校や中学校の備品、消耗品のたぐいにつきまして相当な改善を行なっているわけでございます。通信費にいたしましても、設備費にいたしましても、若干改善を行なっているわけでございますけれども、なおこれで私たちが十分だとは思っておりません。またたとえば清掃関係の問題にいたしましても、下水道の施設を講じていかなければならない。それをすでに一定のものはでき上がっておって、その減価償却を基準財政需要額に算入するのだという方式をとっているわけでございます。しかしながら、でき上がっていないわけでございまして、どれから作っていくわけであります。作っていくものを全部借金でやっていくと、たちまち行き詰まってしまいますから、したがって一般財源で財源を付与していかなければなりませんので、減価償却方式でなしに、建設費を基準財政需要額に織り込むという建前にしなければいかぬと思いますけれども、そこまではまだ至っておりません。そういう面におきまして御指摘のような問題はいろいろあるわけでございますが、今後年を追いながらそれらの改善をしていかなければならない、こう考えております。
○鈴木壽君 実は今のような問題で多少各団体のそれを調べてみましたのですが、これは三十六年度決算で見たのでありますが、府県の段階でも、これは各府県とも基準財政需要額と、それからその仕事をやるために一般財源を充当しなければならぬというこれをちょっと見ますと、相当額のいわば差があるわけなんであります。数県のそれがないのでありますけれども——たとえば東京とかその他数県の数字が出ておりませんけれども、都道府県段階で今言ったようなものを除いて、なおかつ四百八十億円程度の差が出ているのであります。東京都だけでいいますと、五百三十七億円、こういう形でございます。たとえば北海道で基準財政需要額が二百八十三億円と計算されておるのに一般財源の三百二十億円をそれに充当して仕事をしている。差引三十七億円のいわば持ち出しをしている。こういうような数字、これはまあ今言ったのは一つ、二つの例でありますけれども、そういうふうになっているのであります。これはしさいに検討してみますと、全部が何といいますか、との数字どおりの差額の負担、その数字どおりの負担をしなければならないものであったのかどうか、これはいろいろ問題があると思います。しかし、こういうどの県をとってみましても相当大きな額を示しているというところから、やはり何といってもこれは基準財政需要額の見方そのものが私は低きに失しているのではないか、こういうふうに言わなければならぬと思うのであります。私、この前に交付税の繰り越し使用の特例措置のときにも言ったのですが、これはひとついろいろ困難な問題はありますけれども、この機会に基準財政需要額というものを、もっとほんとうに仕事がやれる、少なくとも最低の一つの線の仕事はやれるんだというような、そういう額に見てやらないことには、地方自治団体にとっては非常に困難な問題が出てきていると思うんです。たとえば先ほど秋山さんが取り上げられました税外負担の問題なんかも、やはりこういうところに一つの問題が原因として私は指摘できるんじゃないだろうかと思うのであります。つぎ足す金がないために勢い府県は市町村に、あるいは住民にというような形で税外負担という、こういう問題が出てくるし、それがいわゆる自治省がねらっておるところの財政秩序を乱すということにもなってきておるんだと思いますが、いかがでしょう。これはいろいろなむずかしい問題は今言ったようにありますけれども、少なくとも三十八年度のはもうできておりますけれども、三十九年度では、先ほど財政局長から話がありました基準財政収入額の見方等も含めまして、これはほんとうに勇をふるってひとつ方向をはっきり打ち出さなければならぬときにきているんじゃないかと思うんですが、いかがでございましょうか。
○政府委員(奧野誠亮君) 地方行政水準が非常に低いと言われておるわけでもございますので、積極的に基準財政需要額を増額して、それを解決するという努力を払うことは当然のことだと思います。そういう方向で今後も努力は続けていきたいと思っております。
○鈴木壽君 まあ今の財政需要額の算定は、私正直に言って、交付税のワクとそれから基準財政収入額のそれからして、そのワク内でやっているという、そういうことを申し上げてもいいと思うんですね、正直言って。まあ必ずしもそのワク内でぴしっと合うようにということではないんです。ときには多少頭が出たり何かしますから、あるいはまた不足であったり何かしますから、いろいろまあ一概にはワク内と、こう言えないかもしらぬけれども、ともかくそういうことを頭に置きながら、まあこの程度ことしはやっていきましょう、ことしはたとえば去年より交付税がこれくらいふえたし、財政収入額をこれくらいに見るんだから、このぐらいでというような一つの腰だめ的なそういうことでやっておられると思うんですが、もうこれは改めていくべきじゃないでしょうかね、どうです。
○政府委員(奧野誠亮君) 国の予算を編成いたしますころに地方財政の見通しも立て、交付税の増減で地方の財源でできることについての大よその見当もつけて参るわけでございます。その際には翌年度の地方財政はどんな姿になるだろうか、たとえば人件費がどれぐらいふえるだろうか、単独事業についてはどれぐらい財源を使わせなければならないだろうかというようなことも頭に置いて、地方税については減税できるとか、できないとか、増税しなければならないとか、国の予算から地方財政の負担増を招くようなものはどの程度にとどめなければならないとかいうようなものは議論をするわけでございます。そういうことを頭に置いて国の予算編成なり地方税制の改正なりがもくろまれていくわけでございます。そこできまりました場合には、その財源を目途に、地方交付税法の改正をするわけでございまして、鈴木さんの言葉を用いて申しますならば、ワク内で単位をきめると、こういうことになると思います。それは結果としてそうなることでございまして、前提として国の予算編成なり地方の税制改正なりをします場合には、それを単位費用をどう持っていかなければならないか、 〔委員長退席、理事西郷吉之助君着席〕 そういうことを頭に置いてそれをきめるわけでございます。したがいましてそういうものがきまりました結果においては、もとよりその財源とにらめっこしまして、基準財政需要額の算定を行なうということにならざるを得ないのじゃないか、こう思っているわけでありまして、ただ国の予算編成に対して自治省はどういう態度をとるのか、あるいは地方税制の改革について自治省はどういう態度をとるかという場合には、あくまでも単位費用をどう直さなければならない、基準財政需要額をどうもっていかなければならない、これを一応頭に置いて努力をしていかなければならないのは当然のことだと思います。今後もそういう意味では努力をして参りたい。
○鈴木壽君 私も、少し極端なことを言ったようでありますが、事情が全然わからないわけではないつもりでありますけれども、たとえば繰り越し費用が百億である。百億であるから、これを使って単位費用を上げて、したがって基準財政需要額が伸びるのだから、そしてそれが後年度までいくのだ、こういうふうに考えられますと、少し強いのじゃないだろうか、こう受けとっておるわけなんです。ある金をどう使うかという、今言ったようなワク内でこういう計算も出てくると、それで全然ワクを無視してやれというようなことも、あるいは暴論かもしれませんけれども——しかしこれは、やっぱりあるべき水準というものを設定し、その水準を保持でき、さらに前進させるような、そういう考え方に立って、基準財政需要額なり、単位費用の問題というものを、もう一回ここで見直す必要が私はあるというふうに特に強く考えるのであります。さっき局長のお話の中にありました、たとえば郵政施設等の費用の見方でも、あるいは道路、橋梁等の場合であっても、大体償却が中心になっていることはお話のとおりであります。しかし、それだけでは何ともできないのでありまして、やはりこれから一つの水準というものを考え、その水準を保持し、さらにはそれを前進させるという、むしろ建設的な方向へもっていかなければならないときへ来ていると思う。だから、そういう面でこれから考えて、ぜひひとつ強く進めてもらいたい、こういう私の考え方であり、またその気持を皆さんのほうでどういうふうに受けとられるか。また自治体でどういう態度をとっていかれるか、こういうことなんであります。もちろんそういった場合に、今の交付税の率とかいろいろな問題が出てきますね。ですからそういう意味ではなかなか困難な問題もあると思うのでありますけれども、まずひとつ私は、そういう作業というものをここにしておかなければならない、そういう段階にもうすでに来ているのだということを言いたいのであります。さっき私は府県のことを申し上げましたが、都市についても若干資料を見ますと——三十六年度の決算でのそれを見ますと、いずれの都市でもやっぱりみんな基準財政需要額を一般の財源の需要額がはるかにオーバーしている、こういうことが見られるわけなんであります。ですから、この点はひとつくどいようでありますけれども、重ねて強く申し上げておきたいと思います。きょうは実は時間がございませんので、その団体なりあるいは数字にわたることを避けなければなりませんので、少し一般的な、抽象的なものの言い方をいたしましたが、ぜひひとつ少なくとも三十九年度では、そういうことが実現できるように私はしていただきたいというふうに思います。そこでこれと関連をして、さっき局長がお話しになりました三十九年度から基準財政収入額の問題について、たとえば現在の市町村が七割と見ているのを七割五分にしたいというふうに考えておる、まあ一つ検討しておくというようなお話がございましたが、これを私は一つの検討の材料としてけっこうだろうと思います。かりに七割のものを七割五分と見ることによって、相当額のこれは財政需要額の伸びが計算上できてきますから、これによっていろいろあなた方の考えておられるようなことを、地方団体にしてやりたいということが期待できますから、それはひとつまた十分検討してやっていただきたいと思います。ただこの際、基準財政需要額のいわば標準率みたいなものについて、この際あわせて検討をいただかなければならぬのではないかと、こう思うのでありますが、それは府県で今八割、市町村で七割、一律に全部こういうふうに見ておって、したがって自由財源は府県の団体では二割、市町村では三割の自由財源がある、こういうことになるわけなんでありますが、パーセンテージの問題は今後七〇を七五にするというようなことは一応ともかくとして、一定率で基準財政需要額を算定し、したがって自由財源というものがそこに一つ保証せられると、こういうことについて、現状からしますと非常にアンバランスな状況が私出ておると思うのであります。この点について何か御検討なさっておりませんか。私の申し上げることが、あるいはよくわからないでしょうか。
○政府委員(奧野誠亮君) 基準財政収入額を算定いたします場合には、御承知のように基本的にたとえば入湯税とかいった意味の目的税は除外しておるわけでございます。普通税を原則として基準財政収入額を算定するという態度をとっておりますが、あくまでも客観的に算定をしていくことが妥当だと思いますので、七割とか八割とかいうのは全国一律が望ましいんじゃないか、こう思います。ただ税目の中で算定から除外したほうが望ましい、したがってまた、基準財政需要額についても特別な、そういうような配慮が必要でないというものがありますれば、それは除外したほうがいいと思います。ただ率としましてはやはり一定のほうがいいんじゃないかと思います。その場合に基準財政需要額の算定が、それに対応して客観的また合理的にできているかどうかということも、あわせて検討しなければならないことは当然のことであります。
○鈴木壽君 私の申し上げることはこういうことなんであります。一定率で基準財政需要額及び基準財政収入額というものを見る、したがって半面に自由財源というものが一定率で残るわけですね。 〔理事西郷吉之助君退席、委員長着席〕 その自由財源が、非常に各地方団体にとってはでこぼこがありすぎるのですね。北海道では、これは三十六年度の決算から拾ったのでありますが、二十九億円の自由財源がある、青森では四億五千万円、岩手ではと、こういうふうにずっと見て参りますと、これは見のがすことのできない一つの問題が私はあると思うのであります。単に額が違うと、これは北海道なり都道府県のことを私は申し上げましたが、市町村の場合を拾ってみましても非常に差があるのです。基準財政需要額から見ますと、同じような、同程度の規模の団体で自由財源が非常に違うのであります。何もきちっとものさしではかったように基準財政需要額が、これぐらいの団体であるからこの程度の自由財源があればいいと、他の団体でも同じように、そういうふうにあればいいと、こういうことを私は申し上げるつもりはないけれども、あまりにも差があり過ぎる、特に富裕団体といわれるようなところ、あるいはいろいろあなた方は財政力の段階を設けておるようでありますが、こういうものを頭に置いて見た場合に、貧弱団体といいますか、財政力の小さい団体がやはり依然として自由財源というものをわずかしか持っておらない、こういうことが調べてみた結果出てくるのであります。これをこのまま放っておいていいかどうかということが実は問題なのであります。いつまでたっても財政力の小さい、いわば貧弱団体あるいは未開発というような団体は自由財源はわずかしか持っておらないで、それで済むのかどうかという問題であります。その点いかがですか。
○政府委員(奧野誠亮君) 鈴木さんの言を別に否定するわけではございませんけれども、自治団体でございますので、団体によって財政力にある程度の差があってしかるべきだと思うのであります。しかしその場合には、基準財政需要額として財源保証される程度が相当の程度に達しなければならない、そういう努力を払っていかなければならないんじゃないか、こう考えております。したがいまして、また基準財政需要額の引き上げ、それに並行して均衡化ということも並行的に考えているわけでございまして、基準財政収入額を七割計算から七割五分計算にする、八割計算にするということは、そういう意味でございまして、八割にした場合には、二割だけが計算の外に置かれる財源があるわけでございますので、基準財政需要額が相当に引き上げられてもなお二割の幅を認める、これが自治財政を考えた場合に、大き過ぎるか、大き過ぎないか、それはやはり具体の問題について検討していかなければならないと思います。私たち現在の段階においてこの幅をさらに縮めていくということはよほど慎重でなければならない、あくまでも自治運営ということを頭において考えていきます場合に、基準財政収入額の場合には、計算において八割まで算入してしまうということについては、これをさらに引き上げるということは、相当問題ではなかろうか、こう思うのであります。同時に基準財政需要額の算定において弾力的に経費は相当額算入される、こういうことにも努力を怠ってはならないと思います。ところが現実には、御指摘のありますように、相当な格差がございます。相当な格差を本来自治財政に属する地方交付税制度の配分において、特に均衡化を前進させてしまうことがはたしていいかどうか、これは疑問だと私は思うのであります。したかいまして、また政府としては先年後進地域において開発のための公共事業を行なう場合には、別途国庫の負担率を引き上げるという制度を設けたのでございます。その他いろいろなことを存えているのでありまして、そういう制度において解決をはかっていくべきだと、自治財政の幅を一挙に縮めてしまうというようなやり方は慎重でなければならないと、こういうふうな考え方を私は持っているわけでございます。
○鈴木壽君 私は、自由財源の幅を率としても、差としても狭めていく、こういうことではないんであります。そういうことを言っているんじゃなくて、ただしかし今のような形で何%であっても、これはいろいろ検討された結果七割のものが七割五分になる、したがって三割のものは二割五分になった、あるいは二割の府県の団体のそれか一割五分になったと、私はそれをどうのこうの言うんじゃなくて、いわゆる自由財源としてのそれがあまりに各団体の財政力なり規模なりそういうものから見て、財政規模等から見てアンバランスがある、こういうことなんであります。私は、さっきも言ったように時間がそうないようでございますから、いずれあとの機会に数字的なことをやってお尋ねをしたいと思っておりますが、今のような自由財源のあり方でなしに、端的に言えば、私は基準財政需要額の一定率を、ある率を自由財源として与える、何かそういうふうな考え方に立ってやるべきじゃないかと、こういう考え方なんであります。たとえば都道府県の段階で自由財源が、三十六年度で三億以下の団体が山梨県と徳島県、三億円をこえて四億円の団体が奈良、鳥取、島根、秋田、香川、高知、佐賀、宮崎、四億円をこえ五億円の団体が青森、岩手、山形、福井、大分、鹿児島、まあこういうように取ってみたんですけれども、これとさっき申し上げました、あなた方がこういう団体に対してAクラス、Bクラス、Cクラス、こういうふうに大体見ていますね、これでやってみますと、ほとんどEクラスのところが今言ったような、きわめて少ない自由財源を持っている団体であります。それから、もう一つ私こういうものを調べてみました。自由財源を基準財政需要額で割って、それを百倍した率、これで見ていったんです。そうしますと今述べたような団体というものはきわめて少ない率しか出てこないんであります。これは三%から、今言ったような団体は大体五%の中に入る、たとえばそのほかに六%以上、あるいは七%以上ずっとこう見て参りますと、財政力からいってBクラスというような、あるいはAクラスというものが一〇%程度の、あるいは一五%程度のものがこう並んできています。私はやっぱりこういうさっき申し上げたような結論を出す根拠は、これは団体によってそれぞれ態様が違うでありましょうし、自主的に財源を持っていろいろな仕事をしていくのが一つの建前なんだと、こうはいってもやっぱりその間にあまり大きな格差があることはおかしいんじゃないかと、しかもその格差というものは法律なり、きまったそういうものによって財政的につけられるということは、私はおかしいことじゃないかと、もしそうだとするならば、私は自由財源というものは、税収入の面からだけでなしに、その団体の財政的な規模なりあるいは仕事の面から算定をした基準財政需要額というものの、ある割合というものを与えてやることが、いわゆる格差解消というようなことにも役立つし、あまり不均衡なことにならないんじゃないか、こういうふうに思うんであります。ある団体は——いわゆる自由財源のある団体はさっき言ったように財政力の強い団体、これは当然そうでしょうが、格差がますます大きくなってきますね。ですから、どうぞその点ひとつ各団体ごとにあたってみて、お考えになってみたらどうです。
○政府委員(奧野誠亮君) 現在基準財政需要額を算定いたします場合に、御承知のように人口の少ない団体におきましては、かなり段階補正で、一つの団体を構成する以上は、相当人口割にして考えた場合には、大きな財政需要があるのだというようなことで算定をいたしておるわけでございます。その結果、一般財源を人口で割りました人口一人当たりの額を見て参りますと、今お述べになりました鳥取県が最大であります。たしか東京や大阪よりも大きかったのではないかと思います点がございますので、今鈴木委員のおっしゃいますような見方をすることも、とにかく一つの方法でございましょうし、今私が申し上げました人口一人当たりの一般財源がどうなっているかということで見て参りますことも一つの方法だろうと思うのでございます。いずれの方法も、将来ともわれわれは検討を怠ることがあってはならないと思います。基本的にはおっしゃいますような基準財政需要額にもっと地方団体の弾力ある地方財源を効果的に算入することが可能な地方財政にしなければならないと思います。また近代的な行政を行なって参ります場合に、今のような人口百万足らずの県のままでいくことも問題であろうと思うのでありまして、いろいろな面からわれわれも検討を続けていきたいと、こう思います。
○鈴木壽君 早くやるようにということでありますからこれでやめますが、Aという町とBという町、これは基準財政需要額はほとんど同じであります。それから実地にわかっている町ですが、人口においても、それからその他の町の大きさからいってもほとんど違わないような町で、一つの団体は自由財源が千五百四十二万円、一つの団体は八百五十一万円、一方のほうはそれこそ金があるのでほくほくしているということなんですね。こういう団体があるわけです。それから同じようなCの町とDの町、一つのCのほうは七百九十九万円の自由財源を持っているが、Dの町には四百三十一万円しか自由財源を持たない、こういうようなことなんですね。そのほかにこれは超過課税なんかしているところもありますから、一律にこの数字だけでは言われませんけれども、非常に各団体についてやはりこの問題はアンバランスの状況を示しているものですから、これを私はやはりほうっておけない問題だと思うのです。これは一人当たりの——あなたのおっしゃるように、一人当たりという面からやると、鳥取あたりは非常に多い、どこと比べても多い。こういう数字が出てくるかもしれませんが、一人当たりのそれは、私はそれだけで見ていって、必ずしも鳥取はいいということにはならないと思う。ですから、私はいずれあとの機会にもう少し数字的に検討して、皆さん方のお考えもお聞きしたいと思いますが、その自由財源の今の建前であるところの標準税収入の二割、三割という問題を、こういう形においていいのか、あるいは先ほど私が一つの考え方として、基準財政需要額の一定率というようなことでやると、非常に、今数字はあげませんが、ある程度そろってくるのであります。同じような団体はそろってくるのであります。ですから、そういうふうな考え方をひとつぜひ検討していただきたいと、こういうことで、きょうはしり切れトンボのような格好でございますけれども、これ以上やっていては御迷惑と存じますので、きょうはやめておきます。
○委員長(石谷憲男君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(石谷憲男君) 速記を起こして。 両法律案について、他に御質疑はございませんか。——他に御発言もないようでございますので、両法律案についての質疑は終了したものと認め、これより両案を一括して討論を行ないます。 御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
○林虎雄君 ただいま議題となっております地方税法の一部を改正する法律案並びに地方交付税法等の一部を改正する法律案につき、私は日本社会党を代表し、簡単に反対の意見を申し述べたいと存じます。 地方税法及び地方交付税法の改正点につきましては、すでに今日まで各委員の質問で明らかなように、若干の減税と単位費用の引き上げ等でありまして、申しわけ程度にすぎないのであります。特に地方住民の強い要望のありました住民税や国民健康保険税等が軽視されておりますことは、遺憾にたえないところでございます。政府は今後さらに住民負担の軽減のために住民税、電気ガス税及び国民健康保険税等の軽減のために努めるべきであると考えます。この法律案に見られるように、若干の減税ではあってもしないよりはよいとはいえ、私はこの法律案の中にひそむ政府の地方住民に対する、また地方住民に直接責任を持つ地方団体の健全なる発達を促するような積極的意欲が乏しいその基本的態度に不満を禁じ得ないのであります。すなわち、最近特に顕著になって参りました中央集権強化の傾向は、ようやく地方自治本来の精神と機能を喪失せしめつつありますことは、地方自治にとってまことに重大であります。たとえば臨時行政調査会の地方庁設置の胎動や河川法改正への動きの中に見られる地方自治の侵害的傾向は、この具体的な現われであり、さらに最近の地方選挙の中で強調されている、いわゆる中央に直結する地方政治というような政府要路者の無責任なる言動もまた地方自治の軽視の精神をいみじくも表現しているものといえましょう。このような態度はすでに地方住民の自由なる意思に基づく地方自治への介入であり、地方自治の精神のじゅうりんであり、戦後ようやく定着せんとしつつあります地方自治本来の姿を一挙にして崩壊せしめんとするものでございまして、ひいては民主政治そのものの否定にさえ通ずるものであるといえましょう。私は、憲法の条章と地方自治法の本旨に基づく地方自治の健全なる発達を期するためには、地方自治の責任者たる自治大臣、自治省の責務はきわめて大なるものがあると思います。私は、今こそ過度な中央集権化を改め、抜本的かつ画期的な地方税財政の改正、行政事務の再配分、地方財政の健全化のため交付税率の引き上げ等による行政水準の向上を期し、もって民主政治の基盤である地方自治をつちかうべきときであると思います。ただ当面を糊塗せんとするような末節的な地方税法や地方交付税法の改正に反対するゆえんも、またここにあるのでございます。 まことに簡単でございますが、以上申し上げまして本二法案に反対の意思を表明いたします。
○鈴木一弘君 私は、公明会を代表して、二法案に反対の討論をしたいと思います。 現在まで政府は、減税ということを言われて参りまして一兆円の減税を行なったというふうに言われておりますけれども、所得の伸びに対してのそれを上回る実質減税というのは、現在までに一回きりでございます。そのような上に立って、住民税の負担の大であるという声は実に今大きいわけでありますけれども、それの住民税の軽減が盛られていなかった。またその交付税算定の基礎となる単位費用の計算についても、さらに大幅な全面的な改訂というものが必要である、これが非常に少な過ぎるという感じもいたします。 最後に申し上げたいことは、すでに交付税、あるいは住民税、そのほか全般を通して、国税、地方税を通して税制体系全般というものを再検討すべき時が来ている。そうしなければ新しい地方団体に対する税の負担の問題、あるいは交付税の問題等の解決はとうていできない、このように考えられます。 以上の理由をもって二法案に反対したいと思う次第でございます。
○委員長(石谷憲男君) 他に御意見もないようでございますから、両案についての討論は終局したものと認め、これより採決を行ないます。 まず、地方税法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。 本案を、原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(石谷憲男君) 多数であります。 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案全部を問題に供します。 本案を、原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(石谷憲男君) 多数であります。 よって両案は、いずれも多数をもって可決すべきものと決定いたしました。 なお、両案の審査報告書につきましては委員長に御一任願います。 —————————————
○委員長(石谷憲男君) 次に、オリンピック東京大会の準備等のために必要な特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 前回説明を聴取いたしておりますので、これより質疑を行ないます。 この際、参考人の出席要求についてお諮りいたします。 本法律案審査のため、オリンピック東京大会組織委員会事務総長興謝野秀君、同じく次長村井順君、同じく総務部長大野隆蔵君、東京都オリンピック準備局企画部長森岡一夫君に参考人として出席を求めることにいたしたいと存じますが、さよう取り計らうことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石谷憲男君) 御異議ないと認めます。
○委員長(石谷憲男君) それではこれより質疑を行ないます。御質疑の方は順次御発言を願います。
○小林武治君 組織委員会の職員の数がどのくらいになっているか、それからして国家公務員から出向する者と地方公務員から出向する者がどのくらいの数になるか。それからして組織委員会からまた元の職に戻る時期はいつごろになるか。まずそういうことをお尋ねします。
○参考人(村井順君) お答えいたします。 現在組織委員会の職員は総勢百七十五名でございます。定員は二百名でございます。それから現在国なり地方公務員からの出向者は、国から十名、地方公務員から八名でございます。その他これは余談でございますが、銀行その他から十五名で、約三十三名が出向しております。それから今後の見通しといたしまして、都から八十名、警視庁から十五名、その他地方公務員から十名で、約百名を地方公務員から出向してもらいたい、さように考えております。これらの方々はいつまで働いているかという御質問でございますが、大体大会が終りました年の一カ月か二カ月くらい後に九〇%くらいの職員は一応もとへ戻る、最後に一〇%くらいの方々が清算その他に残りまして、しかもそれが次第に減って参りまして、昭和四十年には全部なくなるという考えでございます。
○小林武治君 そうすると、地方公務員でこの法律の適用を受けるものの数はどのくらいの見込みですか。
○参考人(村井順君) 大体約百名と考えております。
○小林武治君 これが、この法律ではまた地方公務員に帰った場合に適用する。たとえば帰らない者はどうなるのですか。
○参考人(村井順君) 大体帰らない者は原則としてないと思います。それから帰らないような場合が生じました場合には、そのときの年限でもって出すということになっております。
○小林武治君 そのときの年限といっても、要するに通算されるかされぬかという問題をお聞きしているわけです、帰らない場合に。
○参考人(村井順君) 通算されないで、組織委員会の年限だけでいくことになります。
○小林武治君 たとえば今もう年金の年限に達しておって、そうしてあなたのほうへ出向して、その方がもう公務員に帰らない、こういうふうな場合もあり得ると思いますが、そういうときは通算しないのですか。
○説明員(清水成之君) ただいまの小林先生のお尋ねでございますが、年金年限に達しておりまして、退職して組織委員会にいった場合のお話でございますが、年金年限に達しておりますので、一応そこで裁定はございますが、復帰希望をいたしますと、その時点から年金の支給がその間差しとめになるわけでございます。お尋ねの点は、帰らない場合のお話かと思いますが、その場合は通算にならずに、裁定しましたものが地方公務員共済組合の年金として支給をされる、こういうことに相なります。なお向こうにいっておりました組織委員会の期間といたしましては、厚生年金の期間の対象になっていく、こういう次第でございます。
○小林武治君 組織委員会に勤めている間の掛金の関係はどうなるのですか。
○説明員(清水成之君) 組織委員会へ復帰希望職員としていきました場合におきましては、それぞれ退職前に所属しておりました各地方公務員共済組合の長期給付の掛金率で払っていただく。そうしてその掛金並びに組織委員会で持つ負担金がそれぞれの地方公務員共済組合へ納入される、こういうことに相なります。
○小林武治君 今のようなことは、どっかに規定してありますか、あなたの言うようなことを。
○説明員(清水成之君) 地方公務員共済組合法の長期給付に関する施行法の百二十八条で地方公務員と公団、公庫間の復帰希望職員のことが書いてございまして、そこにただいま申し上げたようなことがあるのでございますが、今回の改正案におきまして、組織委員会の職員は百二十八条で申します公団職員と見なされますので、地方公務員共済組合法の本法そのものに規定がございます、その規定がかぶってくる次第でございます。
○小林武治君 そうすると、今の負担金というのは、団体の負担金と個人の掛金とありますが、それは団体のほうは組織委員会で責任を持つ、個人の掛金はだれがどういうふうにして払うのですか。
○説明員(清水成之君) 団体の、本来ならば地方公共団体が持つ分は組織委員会が負担をする、それから本人の分は、本人が組織委員会で給料をもらうわけでございますが、その場合に組織委員会の給料とそれから地方公務員時代の給料と多少これは違おうかと思いますが、仮定給料というものを一応作りまして、その仮定給料からそれぞれの共済組合へ、地方公務員で申しますならば千分の四十四を給与支給機関でございます組織委員会が源泉徴収をいたす、こういうことに相なる次第でございます。
○小林武治君 公務員から出向した者の給与はどうなります。給与にだいぶ差があるのかないのか、その点はどうですか。
○説明員(清水成之君) 私ども組織委員会から伺っておりますところでは、多少上がるやに聞いておりますが、細部につきましては組織委員会からひとつ御答弁願いたいと思います。
○参考人(村井順君) 大体各方面からお入りになりますものですから、そのバランスをはかる意味におきましていろいろと基準を作っております。大体地方公務員から入られる方々は三号俸ぐらい上げる予定になっております。
○小林武治君 そうすると掛金もそれに比例して出す、こういうことになっておりますか。
○参考人(村井順君) ただいまの点でございますが、先ほど先生のお尋ねにお答えしましたとおり、一応仮定給料というものを作ります。仮定給料を作ります場合には、たとえば公立学校共済組合の場合でございますと、公務員時代のその人と大体同等の均衡を考慮しまして、公務員と同じ仮定給料を作るわけでございます。それが掛金の基礎になる、こういうふうになっております。
○小林武治君 その仮定給料というものは、もとの共済組合と協議して作るのですか。組織委員会のほうで勝手に作るのですか。
○説明員(松浦功君) 仮定給料はそれぞれの組合の運営規則で定めるようになっておりますから、考え方といたしましては、もとの給料を基準に考えていく。したがって組織委員会に行かれまして一年間経過をしたならば、仮定給料も一応上がっていく、公務員並みに。そういう考え方で仮定給料をきめるように指導をいたしております。
○鈴木壽君 この一部改正法律案要綱の一番最初のほうですが、「地方公務員が、任命権者の要請に応じ」と、こうあるのでありますが、これは任命権者がどういうふうな要請をするのでありますか。
○説明員(松浦功君) これは共済組合法の中で国家公務員共済組合法の場合も同じでございます。また地方公務員共済組合法の場合も考え方は同じでございますが、官庁の必要に応じまして、公庫、公団あるいは今度の場合でございましたらオリンピック組織委員会でございますが、そこへ特殊の能力を持った特定の方を派遣をして、それによってその事業をよりよく遂行することが必要だというふうに任命権者が考えました場合に、その職員にそこへ行ってくれということを要請するわけでございます。それをここでは「任命権者の要請に応じ」というふうに書いているわけでございます。
○鈴木壽君 組織委員会のほうから、たとえば東京都なら東京都に対して——さっきこれから何か八十名くらい出してもらう予定だ、こういうような話がありましたが、八十名について人数だけ、八十名をひとつこれこれ、これこれの仕事に必要だから出してもらいたい、こういうような要請をするわけなんですか、組織委員会のほうで。組織委員会のほうで人を採る場合にどうするのですか。
○参考人(村井順君) 私のほうから、大体総務系統はどの程度とか、技術系統はどうとか、あるいはその他広報だとか、経理とか、いろいろございまして、そういう意味におきまして、前もって大体どういうような能力を持った方々がほしいということを御相談いたしましてお願いいたしております。
○鈴木壽君 個人的に、たとえば私が東京都の職員であるとした場合に、組織委員会のほうでお前どうだ、こういうふうな形は全然ありませんか。
○参考人(村井順君) 現在そういうような方針はひとつも考えておりません。全部、たとえばこのたび四十二名お願いする、その内容はこういうような人をお願いしたいということを希望いたしますと、その四十二名を頭に入れられまして、東京都においていろいろと選考されます。希望者をとりまして、その中から選考されまして、そしてこちらのほうに推薦してくる、こういう形になります。
○鈴木壽君 国家公務員で今組織委員会に入っておられる方が、先ほど十名あると、こういうふうなお話だったと思いますが、これもやはりそういう格好で組織委員会のほうに入ってもらっておるのですか。
○参考人(村井順君) たとえば大蔵省のほうから四、五名入っております。例を申し上げますと、たとえば経理に必要な人がほしいと申しますと、今まで一人々々の例が多かったのでありますが、それではこういう人を出す、全部向こうからの推薦でございまして、一人々々ではございますが、ではお願いしましょうということで、方針としてこちらのほうから申し上げて、向こうから具体的な人を出しておる。その人について御相談いただいております。
○鈴木壽君 重ねてお伺いしますが、個人を最初から見当をつけて、お前どうかというような、いわゆる勧誘といいますか、そういうことはしない、こういうことでございますね。
○参考人(村井順君) これは特殊な技能の場合にあり得ます。と申しますのは、たとえば施設関係なら施設関係のどういうようなポストの、どういう人がほしいといって申し上げましたような場合には、特に東京都なら東京都のこういう方をお願いしたいということがあり得ると思いますが、今回の四十二人の中には一応入っておりません。
○鈴木壽君 国家公務員やあるいは地方公務員だけでなしに、いわゆる民間人ですね、こういう公務員でない人たちですね、こういう人たちで何か構成していくというようなお考え方はどうなんですか。
○参考人(村井順君) 先ほどちょっと御説明したと思いますが、すでに銀行方面から十五名ほど来ていただいております。今後も銀行方面から相当お願いすることになっておりまして、この四月にも、できたら十名程度の方々をお願いしたい。そのやり方も十大銀行と申しますか、よく記憶しておりませんが、一流銀行の人事担当の方に来ていただきまして、われわれの要望を申し上げます。それに基づいて各銀行から一名なり、二名の推薦をお願いしております。今後もそういうような方面から大いに人材をもらいたいと考えております。
○鈴木壽君 組織委員会にどなたが入るか、どういう経歴の人が、あるいはどういう職にある人が入るか、これは問題として取り上げるべきじゃないと思います。ただ有能な人が入ってオリンピックがりっぱに運営されて、終わることのできるように、こういうことを考えていかなければならぬと思いますが、何か公務員関係が多いのじゃないだろうか、こういうふうな感じがするのです。
○参考人(與謝野秀君) 先ほど次長からも御説明いたしましたように、組織委員会の仕事が非常に時間的に限られて、あと一年半で解消する組織でございます。したがいまして民間その他の方に来ていただきたい場合も、帰ってからの保障という点でかなり困難がある場合がある。また東京都が開催の都市でもある、またオリンピックが済みました後にまた復職の可能性が多いというようなことから、比率は地方公務員及び国家公務員が多くなってくるのであります。現在働いている人たちの中にも新聞社、銀行、その他いろいろなところから入っていただいているわけであります。今後採用する人たちの比率も比較的公務員が多い、こういうことになっておるわけであります。
○鈴木壽君 民間から入っておられる方、あるいはこれから採用なさろうという予定もあるようでありますが、そういう方々の将来の身分といいますか、オリンピックが終わったあとに、たとえば銀行から来られた方は銀行へ戻られる。あるいは新聞社から来られた方もあるそうでありますが、そういう方は新聞社に戻られる。こういうような一つの何といいますか、了解なり、協定なりが、本人を初め、銀行なら銀行、新聞社なら新聞社との間におありでございましょうか。
○参考人(與謝野秀君) 二種類あるとお考えいただきたいと思うのであります。銀行から来ていただいている方で、オリンピックが済みました後に銀行へ復帰できる人と、あるいはすでに銀行を定年その他の関係でやめてこちらへ来られた、そういう方々はオリンピックが済みました後に復職というものはすぐに予定はついておらないわけでございまして、われわれとしてはその点で全部の人のまた帰っていく先というものを協定等できめておるわけではない。また民間のほうから試験で採用した職員もたくさんあります。ただこれらの人々の就職先というものはできるだけあっせんしていかなくてはならないというのが、今日からわれわれの方針となっておるのであります。
○鈴木壽君 今お答えになった中にありましたように、定年になって今度組織委員会のほうに入る、こういう方のことは一応別にして、戻りたいという希望のものもあるのじゃないかと思いますが、そういうことについて話し合いがついておられるのかどうか、こういうことなんであります。
○参考人(村井順君) 先ほども総長からお話がありましたように、各方面から人間をいただく場合に二種類ございまして、われわれは指定職員と申しておりまして必ずもとへ戻る方と、戻らぬ方があります。戻らぬ方の中にもいろいろあるわけでございまして、自分がこの機会にやめたいと思っておる——若い方でもそういう希望の方があります。オリンピックが済んでから別のほうに自分としては考えておるから、はっきりと線を切ってもらいたいという希望の方も若干ございます。あるいは定年でもって帰れない方もございます。そういうようなほかに、おそらく御質問はまだ若い人がおるのではないか。これはわれわれといたしましては指定職員以外に考えておりまして、実は最初からあと一年半なら一年半、一年なら一年でやめる組織である。そういうところでもよろしいかということを実は念を入れておるわけでございます。で、本人たちは、これはとにかくオリンピックの仕事に自分は取っ組んでみたいからぜひ入れてもらいたいと、短期間であることがわかっていても希望している方があるわけでございます。もちろんわれわれはそういう方々に対しましても、本人の希望においてできるだけ将来の就職は考えるように努力したいと、さように思っております。そういう方々は、先ほどのいわゆる指定職員のように帰るところがはっきりときまっているわけではございません。先ほどからわれわれが御説明した指定職員、いわゆる地方公務員あるいは銀行から来られている指定職員の方々は、お入りになるとき必ずその銀行なり、その公共団体の責任者と将来の引き取りについてまで十分御相談していただいております。
○西田信一君 この組織委員会の仕事が終わって、そうしてもとの地方公共団体に帰る場合に、帰ることにきまった場合、「本人の申出により」云々とありますね、この通算することについては本人の申し出となっているのは、特別な意味があるのでしょうか。
○説明員(清水成之君) そこで本人に選択性を取らしたわけでございますが、一ぺん公務員を退職しまして組織委員会へ行って、そうして帰るということを希望するかどうかということも含んでおるわけでございます。先生が今おっしゃいました「本人の申出に上り」というのは、帰ってくる場合に選択を、帰ってくる時点で選択するのではなしに、行く際に、帰ってきた場合には前の期間に、あとの組織委員会の期間も通算をしてもらいたいということを選択をする、こういうつもりでございます。もし選択しなかったものにつきましては、もう公務員をやめて行きっぱなしと、こういうことに相なる次第であります。
○西田信一君 そうすると、これはちょっとこの書き方は、「引き続き地方公務員に復帰する場合、本人の申出により」と、こう書いてある。その希望の申し出は復帰の場合にと、これは読めるのですが、そうではないのでしょうか。
○政府委員(田中啓一君) これは、実は公団に行き来するのがまずすでに法律になっておりまして、これはそれにならうというので、同じような例文をとったわけであります。公団に行き来する場合の立法の作り方、あれはまずかったかもしれぬと私は思っておるのですけれども、そういうことでひとつ御容赦を願いたいと思います。
○後藤義隆君 公務員の身分関係ですね、必ず退職をするんですか。退職をしなくて、何か身分関係はそのまま存続させるのですか。
○説明員(清水成之君) ただいまの先生のお尋ねでございますが、一ぺん退職するのでございます。
○後藤義隆君 必ず……。
○説明員(清水成之君) はい、国家公務員につきましても、本法ですでに同様の措置が講じられております。
○鈴木一弘君 「任命権者又はその委任を受けた者の要請に応じ」となっていますが、要請に応じないで行く者が今までにある、あるいはこれからはあるという考え方があるのですか。
○参考人(村井順君) 要請に応じないでという意味ははっきりいたしませんが、正式にいわゆる地方公共団体なり銀行なり——銀行は別ですが、そういうようなところへこういう人間をほしいという要請をしていないという御質問なのか、そこがちょっとはっきりいたしません。あるいは先ほどの御質問などのように、全然そういうような正式な、こういう指定職員のような取扱いをせないで、個人的に帰ってくるような場合を御質問になっているのじゃないかと思いますが、そういう場合には、先ほど申し上げましたように、これは指定職員としての取扱いをしない場合が多いと思います。
○西田信一君 さっきの点はわかりましたが、一年か一年半勤めますね。希望しない場合、組織委員会としては短期給付一年半に対して相当の何かことを考えておられるのですか。そこで選択という問題が起きてくると思うのだけれども、その返どうなんですか。
○参考人(村井順君) 復職を希望しないという者は、希望しないだけの理由がある場合だと思います。おそらく東京都なり地方公共団体が採らぬというようなことはこれは絶対にないわけでございます、筋として。そうなりますと、本人次第で、たとえば自分は家業を継ぎたいと思うからこの機会にやめたいとか、そういうような場合が考えられると思います。あるいはもっといいポストがあるとか、これは本人の希望でございますので、そういうことも場合によってあると思います。
○西田信一君 組織委員会で働いた期間に対して、組織委員会としては相当の優遇を、やめるときにされるのですか。もとのほうへ戻らない場合には相当の優遇をされるお考えですか。
○説明員(松浦功君) ただいまのお尋ねでございますが、具体的な例はおそらくこういう場合に起こるかと思います。東京都の職員をやめました場合に、すでに年金権が発生いたしまして、相当額の年金がもらえる状況にある。ところが、選択をいたしますとオリンピック組織委員会に在職している期間は年金は停止になる。しかし、組織委員会で月給をもらうほかに、どうしても年金をもらったほうがいい、もう組織委員会に勤務している期間は年金の期間に将来入れてもらわなくてもいいから、支払いの停止を受けないで、現実に年金をもらっていきたいのだ、こういう場合が非常に多いわけであります。これは本人の損得計算によって、本人の選択にまかしたらいいじゃないか、これが大きな事例であろうかと思います。
○西田信一君 私の質問をのみ込んでおられないのですが、組織委員会としてはその働いている期間に対して、退職の場合、相当何か考えておられるのか、こう言うのです。
○説明員(清水成之君) 今の先生のお尋ねでございますが、先ほど組織委員会からもお話がございましたように、組織委員会の勤務期間中につきましては給与が大体三号俸程度高い。それからまた、私ども聞き及んでおります点では、先生方のほうからお話も今出たようでございますが、退職手当の点で、公務員よりはその期間を有利にしていこうという組織委員会のお考えのように聞いております。
○委員長(石谷憲男君) 他に御質疑はございませんか。——他に御発言もないようでございますので、本案についての質疑は終了したものと認め、これより討論を行ないます。 御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますので、討論は終局したものと認め、これより採決を行ないます。 オリンピック東京大会の準備等のために必要な特別措置に関する法律の一部を改正する法律案全部を問題に供します。 本案を、原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(石谷憲男君) 全会一致であります。よって本案は、全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。 なお、本案の審査報告書につきましては委員長に御一任願います。 次会は、四月十八日以降に開会することとし、決定次第お知らせいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十九分散会